(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-24
(54)【発明の名称】実際の変換比を目標変換比に一致させる変換器及び方法
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
H02M3/28 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525020
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 EP2022076542
(87)【国際公開番号】W WO2023072494
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】102021127745.0
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035459
【氏名又は名称】マシイネンフアブリーク・ラインハウゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】クレッチュマー・ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ルップ・シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ブラント・アクセル
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730BB27
5H730DD03
5H730DD04
5H730FD01
5H730FD11
5H730FD21
5H730FD31
5H730FD41
5H730FD51
(57)【要約】
二つの入力端子13を備えた第一の変換器ステージ7、この第一の変換器ステージ7と接続された第二の変換器ステージ9及びこの第二の変換器ステージ9と接続された、二つの出力端子15を備えた第三の変換器ステージ11を有するパワーユニット3と、このパワーユニット3と連結されたコントローラユニット5とを備えた、入力直流電圧を出力直流電圧に変換する変換器1であって、これらの第一の変換器ステージ7、第二の変換器ステージ9及び第三の変換器ステージ11は、この変換器1の動作時に入力直流電圧を二つの入力端子13に加えた場合に、出力直流電圧を二つの出力端子15に提供するように構成され、このパワーユニット3の実際の変換比が、二つの入力端子13に加わる入力直流電圧と二つの出力端子15に加わる出力直流電圧の比率又は二つの入力端子13に生じる入力電流量と二つの出力端子15に生じる出力電流量の比率によって定義され、このコントローラユニット5は、パワーユニット3に作用して、実際の変圧比を所与の目標変換比と一致させるように構成されている変換器及びそれに対応する方法が図示、記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つの入力端子(13)を備えた第一の変換器ステージ(7)、この第一の変換器ステージ(7)と接続された第二の変換器ステージ(9)及びこの第二の変換器ステージ(9)と接続された、二つの出力端子(15)を備えた第三の変換器ステージ(11)を有するパワーユニット(3)と、このパワーユニット(3)と連結されたコントローラユニット(5)とを備えた、入力直流電圧を出力直流電圧に変換する変換器(1)であって、
これらの第一の変換器ステージ(7)、第二の変換器ステージ(9)及び第三の変換器ステージ(11)は、この変換器(1)の動作時に入力直流電圧を二つの入力端子(13)に加えた場合に、出力直流電圧を二つの出力端子(15)に提供するように構成され、
このパワーユニット(3)の実際の変換比が、二つの入力端子(13)に加わる入力直流電圧と二つの出力端子(15)に加わる出力直流電圧の比率又は二つの入力端子(13)に生じる入力電流量と二つの出力端子(15)に生じる出力電流量の比率によって定義され、
このコントローラユニット(5)は、パワーユニット(3)に作用して、実際の変圧比を所与の目標変換比に一致させるように構成されている、
変換器。
【請求項2】
請求項1に記載の変換器(1)において、
前記の所与の目標変換比が時間的に一定である変換器。
【請求項3】
請求項1に記載の変換器(1)において、
前記の所与の目標変換比が時間的に可変である変換器。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の変換器(1)において、
第一の変換器ステージ(7)がインバータの電子回路を備えている変換器。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の変換器(1)において、
第二の変換器ステージ(9)が電気絶縁部を提供するように構成されている変換器。
【請求項6】
請求項5に記載の変換器(1)において、
第二の変換器ステージ(9)が変成器を備えている変換器。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載の変換器(1)において、
第二の変換器ステージ(9)が電圧変換器の電子回路を備えている変換器。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の変換器(1)において、
第三の変換器ステージ(11)が整流器の電子回路を備えている変換器。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の変換器(1)において、
前記の二つの入力端子(13)と接続された第一のエネルギー貯蔵器(17)を更に備えている変換器。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の変換器(1)において、
前記の二つの出力端子(15)と接続された第二のエネルギー貯蔵器(19)を更に備えている変換器。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の変換器(1)において、
前記のコントローラユニット(5)が第一のパイロット制御ユニット(33)を備え、この第一のパイロット制御ユニットが、検出された第一の実際値(41)を考慮して、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるために、コントローラユニット(5)から提供される制御変数(35)を調節するように構成されている変換器。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の変換器(1)において、
前記のコントローラユニット(5)が調節ユニット(43)を備え、このコントローラユニット(5)がパワーユニット(3)に作用して、検出された第二の実際値(45)を所与の第一の目標値(47)に一致させるために、この調節ユニットが所与の目標変換比を調節するように構成されている変換器。
【請求項13】
請求項12に記載の変換器(1)において、
前記のコントローラユニット(5)が第二のパイロット制御ユニット(49)を備え、この第二のパイロット制御ユニットが、検出された第三の実際値(53)を考慮して、第二の実際値(45)を所与の第一の目標値(47)に一致させるために、調節ユニット(43)から提供される制御変数(51)を調節するように構成されている変換器。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の変換器(1)において、
第一の目標値(47)が特性曲線又は特性曲線群によって定義される変換器。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の変換器(1)を使用して入力直流電圧を出力直流電圧に変換する方法であって、
パワーユニット(3)の第一の変換器ステージ(7)の二つの入力端子(13)に入力直流電圧を加える工程と、
パワーユニット(3)の第三の変換器ステージ(11)の二つの出力端子(15)に出力直流電圧を提供する工程と、
入力直流電圧と出力直流電圧を検出するか、或いは二つの入力端子(13)における入力電流量と二つの出力端子(15)における出力電流量を検出する工程と、
実際の変圧比を所与の目標変圧比に一致させるように、コントローラユニット(5)によってパワーユニット(3)に作用する工程と、
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーユニット及びこのパワーユニットと連結されたコントローラユニットを備えた、入力直流電圧を出力直流電圧に変換する変換器、並びに入力直流電圧を出力直流電圧に変換する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーユニット及びこのパワーユニットと接続されたコントローラユニットを備えた変換器は、従来技術により周知である。例えば、入力直流電圧をパワーユニットに加えることが可能であり、パワーユニットのスイッチング素子を用いて、この直流電圧を出力直流電圧に変換することができる。入力直流電圧を出力直流電圧に変換するために、スイッチング素子は、通常互いに同調してスイッチングされ、その際、各スイッチング素子は、それぞれ通電状態と電気絶縁状態を占めることができる。更に、例えば、パワーユニットを備え、そのパワーユニットのスイッチング素子を用いて出力交流電圧に変換可能な入力交流電圧を加えることができる変換器も従来技術により周知である。その場合も、入力交流電圧を出力交流電圧に変換するためのスイッチング素子は、通常互いに同調してスイッチングされ、その場合でも、各スイッチング素子は、それぞれ通電状態と電気絶縁状態を占めることができる。
【0003】
入力交流電圧を出力交流電圧に変換することができ、AC/AC変換器とも呼ぶことができる変換器は、例えば、所謂交流電力網において、異なる電圧レベル、例えば、超高電圧レベルと高電圧レベル、高電圧レベルと中電圧レベル又は中電圧レベルと低電圧レベルなどを互いに接続するか、或いは交流電圧レベルとも呼ぶことができるそのような電圧レベルを提供するために使用される。入力直流電圧を出力直流電圧に変換することができ、DC/DC変換器とも呼ぶことができる変換器は、同じく異なる電圧レベルを互いに接続するか、或いは直流電圧レベルとも呼ぶことができるそのような電圧レベルを提供するために使用される。従来技術により周知のDC/DC変換器は、通常電流源又は電圧源として動作する。
【0004】
DC/DC変換器が電流源として動作する場合、入力直流電圧が制御されて、即ち、一定に保持されて、その変換器が出力又は二次側に電流源を作り出す。DC/DC変換器が電圧源として動作する場合、出力直流電圧が制御されて、即ち、一定に保持されて、その変換器が出力又は二次側に電圧源を作り出す。変換器が電流源又は電圧源として動作する場合、負荷フロー方向に応じて、一次側、即ち、入力に提供された電力が二次側で取り出されるか、或いは二次側に提供された電力が一次側で取り出される。特に、電流源又は電圧源としての変換器に対して設計された、DC/DC変換器を制御するための制御技術モデルが従来技術により周知である。多くの場合、DC/DC変換器には電圧調節電力網が必要であり、そのことは、DC/DC変換器を使用できる柔軟性を制限している。更に、DC/DC変換器の電圧調節動作は、即ち、変換器が二次側で電圧源を提供する場合には、その変換器の複雑な制御を引き起こす可能性がある。
【0005】
一般的には、複雑な制御が殆どなく、柔軟に使用できるDC/DC変換器を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のことから、本発明の課題は、複雑な制御が殆どなく、柔軟に使用できるDC/DC変換器を提供することである。
【課題を解決するための手ステージ】
【0007】
本発明の第一の観点では、前記の課題は、請求項1の特徴を有する変換器によって解決される。この変換器は、入力直流電圧を出力直流電圧に変換するように実現されている。この変換器はパワーユニットを備えている。このパワーユニットは第一の変換器ステージを備えている。この第一の変換器ステージは二つの入力端子を備えている。このパワーユニットは、第一の変換器ステージと接続された第二の変換器ステージを備えている。更に、このパワーユニットは、第二の変換器ステージと接続された第三の変換器ステージを備えている。この第三の変換器ステージは二つの出力端子を備えている。これらの第一の変換器ステージ、第二の変換器ステージ及び第三の変換器ステージは、変換器の動作時に入力直流電圧を二つの入力端子に加えた場合に、出力直流電圧を二つの出力端子に提供するように構成されている。このパワーユニットの実際の変換比は、二つの入力端子に加わる入力直流電圧と二つの出力端子に加わる出力直流電圧の比率又は二つの入力端子に生じる入力電流量と二つの出力端子に生じる出力電流量の比率によって定義される。更に、この変換器は、パワーユニットと連結されたコントローラユニットを備えている。このコントローラユニットは、パワーユニットに作用して、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるように構成されている。
【0008】
この変換器は、入力直流電圧を出力直流電圧に変換するように実現されている。入力直流電圧と出力直流電圧の両方は、有利には、瞬時値がより長い観測期間に渡って変化しないか、或いは直流電圧最小値から直流電圧最大値にまで拡がる所与の直流電圧区間内で僅かしか変化しない直流電圧である。瞬時値が時間的に変化する場合、入力直流電圧と出力直流電圧の両方は、その極性を変化させない。
【0009】
この変換器はパワーユニットを備えている。このパワーユニットは、第一の変換器ステージ、この第一の変換器ステージと接続された第二の変換器ステージ及びこの第二の変換器ステージと接続された第三の変換器ステージを備えている。これらの第一の変換器ステージ、第二の変換器ステージ及び第三の変換器ステージは、それぞれ変換器の一つの部分を構成する。特に、これらの第一の変換器ステージ、第二の変換器ステージ及び第三の変換器ステージは、それぞれ各変換器ステージがそれに対応する入力端子に加わるそれに対応する変換器ステージ入力電圧をそれに対応する出力端子に加わるそれに対応する変換器ステージ出力電圧に変換できるように互いに接続された電子部品を備えている。特に、各変換器ステージは、それに対応する変換器ステージ入力電圧をそれに対応する変換器ステージ出力電圧に変換することができ、その結果、この変換器は、入力直流電圧を出力直流電圧に変換することとなる。特に、入力直流電圧が、第一の変換器ステージの変換器ステージ入力電圧に相当し、出力直流電圧が、第三の変換器ステージの変換器ステージ出力電圧に相当する。特に、第一の変換器ステージの変換器ステージ出力電圧、第二の変換器ステージの変換器ステージ入力電圧、第二の変換器ステージの変換器ステージ出力電圧及び第三の変換器ステージの変換器ステージ入力電圧は、それぞれ交流電圧であるとすることができる。本発明において交流電圧に言及する場合、その交流電圧の瞬時値は、有利には、より長い観測期間に渡って変化する。その交流電圧の瞬時値は、有利には、周期的に変化する。特に、その交流電圧の瞬時値は、交流電圧がその極性を反復して時間的に変化させるように、時間的に変化する。本発明による変換器は、特に、双方向に、即ち、負荷フロー方向に関係無く動作することができ、その結果、「入力直流電圧」、「出力直流電圧」、「変換器ステージ入力電圧」及び「変換器ステージ出力電圧」との用語は、限定的に理解すべきではなく、二つの入力端子から二つの出力端子にエネルギーを伝送する場合の変換器の動作状態に関して、それに対応する電圧を表す。二つの出力端子から二つの入力端子にエネルギーを伝送する場合の変換器の動作状態に関しては、それに対応する電圧の表現を置き換えなければならず、特に、例えば、入力端子及び出力端子などの端子の表現も置き換えなければならないが、この変換器の構成要素の記述を容易にするために、それを断念している。
【0010】
第一の変換器ステージは二つの入力端子を備えている。第三の変換器ステージは二つの出力端子を備えている。特に、これらの二つの入力端子と二つの出力端子は、それぞれ電気接点を提供する。これらの二つの入力端子は電圧源と接続することができ、その結果、電圧源と二つの入力端子の間の電気的な接続が提供され、そのため、入力直流電圧が二つの入力端子に加わる。これらの二つの出力端子は電気消費体と接続することができ、その結果、電気消費体と二つの出力端子の間の電気的な接続が提供され、そのため、電流が電気消費体を通って流れることができる。特に、これらの二つの入力端子を直流電力網の第一のコンポーネントと接続できるとともに、これらの二つの出力端子を直流電力網の第二のコンポーネントと接続することができ、この第一のコンポーネントは第一の直流電圧レベルに対応付けられ、この第二のコンポーネントは第二の直流電圧レベルに対応付けられる。本発明と関連して、二つの入力端子が第一の変換器ステージ以外の変換器ステージに対応付けられていることを明示的に示すことなく、二つの入力端子に言及する場合、それらの二つの入力端子とは、第一の変換器ステージの二つの入力端子を意味する。本発明と関連して、二つの出力端子が第三の変換器ステージ以外の変換器ステージに対応付けられていることを明示的に示すことなく、二つの出力端子に言及する場合、それらの二つの出力端子とは、第三の変換器ステージの二つの出力端子を意味する。
【0011】
これらの第一の変換器ステージ、第二の変換器ステージ及び第三の変換器ステージは、変換器の動作時に入力直流電圧を二つの入力端子に加えた場合に、出力直流電圧を二つの出力端子に提供するように構成されている。これらの第一の変換器ステージ、第二の変換器ステージ及び第三の変換器ステージは、それぞれ一つのスイッチング素子又は多数のスイッチング素子を備えることができる。特に、第一の変換器ステージと第三の変換器ステージの両方は、それぞれ多数のスイッチング素子、特に、それぞれ四つのスイッチング素子を備えている。これらのスイッチング素子の各スイッチング素子は、トランジスタを備えることができる。有利には、このトランジスタは、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(IGFET)、特に有利には、金属酸化膜半導体型電界効果トランジスタ(MOSFET)、更に有利には、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)である。各トランジスタは、例えば、エンハンスメント型又はデプレッション型として構成されて、nチャネル又はpチャネルを備えることができる。これらのスイッチング素子の各スイッチング素子はダイオードを備えることができる。これらのスイッチング素子の各スイッチング素子は、特に、第一の端子と第二の端子を備えている。有利には、各スイッチング素子のトランジスタは、第一の端子と第二の端子の両方と接続されている。更に、各スイッチング素子のダイオードは、有利には、第一の端子と第二の端子の両方と接続されている。特に、これらのトランジスタとダイオードは、第一の端子と第二の端子の間に互いに並列に接続されている。特に、これらのスイッチング素子の各スイッチング素子は、通電状態と電気絶縁状態を占めることができる。スイッチング素子が通電状態にある場合、電流は、それに対応するスイッチング素子を通って流れることができる。それに対応するスイッチング素子が電気絶縁状態にある場合、電流は、それに対応するスイッチング素子を通って流れることができない。それに対応するスイッチングプロセスによって、各スイッチング素子の通電状態と電気絶縁状態の間を切り換えるができる。
【0012】
有利には、第一の変換器ステージのスイッチング素子は、フルブリッジ配列を構成するように互いに接続されている。この場合、第一の変換器ステージの二つのスイッチング素子は、二つの入力端子の中の第一の入力端子と接続されている。これらの二つのスイッチング素子の中の第一のスイッチング素子は、有利には、第一の変換器ステージの第一の出力端子と接続され、これらの二つのスイッチング素子の中の第二のスイッチング素子は、有利には、第一の変換器ステージの第二の出力端子と接続されている。第一の変換器ステージの二つの別のスイッチング素子は、有利には、二つの入力端子の中の第二の入力端子と接続されている。これらの二つのスイッチング素子の中の第三のスイッチング素子は、有利には、第一の変換器ステージの第一の出力端子と接続され、これらの二つのスイッチング素子の中の第四のスイッチング素子は、有利には、第一の変換器ステージの第二の出力端子と接続されている。
【0013】
有利には、第三の変換器ステージのスイッチング素子は、フルブリッジ配列を構成するように互いに接続されている。第三の変換器ステージの二つのスイッチング素子は、有利には、第一の出力端子と接続されている。これらの二つのスイッチング素子の中の第一のスイッチング素子は、有利には、第三の変換器ステージの第一の入力端子と接続され、これらの二つのスイッチング素子の中の第二のスイッチング素子は、有利には、第三の変換器ステージの第二の入力端子と接続されている。第三の変換器ステージの二つの別のスイッチング素子は、有利には、第二の出力端子と接続されている。これらの二つのスイッチング素子の中の第三のスイッチング素子は、有利には、第三の変換器ステージの第一の入力端子と接続され、これらの二つのスイッチング素子の中の第四のスイッチング素子は、有利には、第三の変換器ステージの第二の入力端子と接続されている。
【0014】
特に、第二の変換器ステージは、一つのインダクタンス又は多数のインダクタンスを備えることができる。有利には、第二の変換器ステージは、一つの変成器を構成する二つのインダクタンスを備えている。この変成器は、中間周波変成器を構成することができる。この変成器を用いて、第二の変換器ステージは、特に、第一の変換器ステージと第三の変換器ステージの間に、電気絶縁部を提供することができる。この変成器の二つのインダクタンスは、巻線が同じ向き、或いは逆の向きとなるように配置された巻線を備えることができる。即ち、この変成器は、相状態が同じ又は逆である二つの巻線を備えることができる。第二の変換器ステージは、更に、別のインダクタンス及びそのインダクタンスと直列又は並列に接続されたキャパシタンスを備えることができ、これらは、一緒になって共振回路を構成する。この共振回路を用いて、一つ又は複数のスイッチング素子が通電状態から電気絶縁状態に移行する際の電流の瞬時値が特に小さくなることを保証でき、その結果、これらの一つ又は複数のスイッチング素子の損失電力が特に小さくなり、そのため、変換器の効率を特に高くすることができる。
【0015】
更に、このパワーユニットの実際の変換比は、二つの入力端子に加わる入力直流電圧と二つの出力端子に加わる出力直流電圧の比率又は二つの入力端子に生じる入力電流量と二つの出力端子に生じる出力電流量の比率によって定義される。この変換器は、有利には、多数の検出ユニットを備えている。これらの多数の検出ユニットは、有利には、電圧を検出するように構成された少なくとも一つの第一の検出ユニットを備えている。更に、これらの多数の検出ユニットは、有利には、電流量を検出するように構成された少なくとも一つの第二の検出ユニットを備えている。有利には、第一の検出ユニットは二つの入力端子と接続されている。更に有利には、別の第一の検出ユニットは二つの出力端子と接続されている。更に有利には、別の第一の検出ユニットは、第一の変換器ステージの二つの出力端子及び第二の変換器ステージの二つの入力端子と接続されている。有利には、別の第一の検出ユニットは、第二の変換器ステージの二つの出力端子及び第三の変換器ステージの二つの入力端子と接続されている。有利には、第二の検出ユニットは、二つの入力端子の中の一つの入力端子と接続されている。別の第二の検出ユニットは、有利には、二つの出力端子の中の一つの出力端子と接続されている。別の第二の検出ユニットは、有利には、第一の変換器ステージの出力端子の中の一つ出力端子及び第二の変換器ステージの入力端子の中の一つの入力端子と接続されている。別の第二の検出ユニットは、有利には、第二の変換器ステージの出力端子の中の一つの出力端子及び第三の変換器ステージの入力端子の中の一つの入力端子と接続されている。二つの入力端子と接続された第一の検出ユニットを用いて、これらの二つの入力端子に加わる入力直流電圧を検出することができる。二つの入力端子の中の一つと接続された第二の検出ユニットを用いて、これらの二つの入力端子に生じる入力電流量を検出することができる。本発明と関連して、入力電流量が二つの入力端子に生じるとは、特に、入力電流量が少なくとも第二の検出ユニットと接続された入力端子に生じることを意味する。二つの出力端子と接続された第一の検出ユニットを用いて、これらの二つの出力端子に加わる出力直流電圧を検出することができる。二つの出力端子の中の一つと接続された第二の検出ユニットを用いて、これらの二つの出力端子に生じる出力電流量を検出することができる。本発明と関連して、出力電流量が二つの出力端子に生じるとは、特に、出力電流量が少なくとも第二の検出ユニットと接続された出力端子に生じることを意味する。
【0016】
本発明の主要な考えは、変換比を定義することである。この変換比は、二つの入力端子に加わる入力直流電圧と二つの出力端子に加わる出力直流電圧に基づき定義することができる。それに代わって、二つの入力端子に生じる入力電流量と二つの出力端子に生じる出力電流量の比率に基づき、変換比を定義することができる。特に、二つの入力端子に加わる入力直流電圧と二つの出力端子に加わる出力直流電圧の比率又は二つの入力端子に生じる入力電流量と二つの出力端子に生じる出力電流量の比率が定義されると規定される。特に、第一の検出ユニットを用いて検出された入力直流電圧と出力直流電圧は、一つの時点でパワーユニットによって提供される実際の変換比を定義する。それに代わって、一つの時点でパワーユニットによって提供される実際の変換比は、第二の検出ユニットを用いて検出された入力電流量と出力電流量によって定義することができる。特に、実際の変換比は、入力直流電圧(被除数)と出力直流電圧(除数)の商又は出力電流量(被除数)と入力電流量(除数)の商の何れかに等しい。
【0017】
更に、この変換器は、パワーユニットと連結されたコントローラユニットを備えている。特に、このコントローラユニットは、スイッチング素子を駆動するために、そのスイッチング素子と接続されている。特に、このコントローラユニットは、スイッチング素子毎に、それに対応する制御信号を提供することができ、その結果、これらのスイッチング素子の各スイッチング素子は、それに対応する制御信号に応じて、それに対応する通電状態からそれに対応する電気絶縁状態にも、それに対応する電気絶縁状態からそれに対応する通電状態にも移行することができる。更に、このコントローラユニットは、特に、第一の検出ユニット及び第二の検出ユニットと接続されている。このコントローラユニットには、第一の検出ユニットの中のそれぞれの第一の検出ユニットから、加わる電圧の実際値に等しい、それに対応する検出信号を提供することができる。更に、このコントローラユニットには、第二の検出ユニットの中のそれぞれの第二の検出ユニットから、生じる電流量に等しい、それに対応する検出信号を提供することができる。即ち、このコントローラユニットは、これらの検出信号に基づき実際の変換比を算出することができる。
【0018】
このコントローラユニットは、パワーユニットに作用して、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるように構成されている。このコントローラユニットは、特に、スイッチング素子を駆動することによって、パワーユニットに作用することができる。特に、実際の変換比によって達成すべき変換比が目標変換比と呼ばれる。この目標変換比は、特に、決められた時間期間中、時間的に一定であるとすることができるか、或いは特に、決められた時間期間中、時間的に可変であるとすることができる。
【0019】
有利には、実際の変換比は、電圧の所定の範囲及び/又は電流量の所定の範囲に関して予め与えられた目標変換比に一致される。例えば、第一の変換器ステージに対して、コントローラユニットがパワーユニットに作用して、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させために、最小電圧と最大電圧を定義して、これらの間に入力直流電圧が存在しなければならないとすることができる。更に、例えば、第一の変換器ステージに対して、コントローラユニットがパワーユニットに作用して、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるために、最小電流量と最大電流量を定義して、これらの間に入力電流量が存在しなければならないとすることができる。更に、例えば、第三の変換器ステージに対して、コントローラユニットがパワーユニットに作用して、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるために、最小電圧と最大電圧を定義して、これらの間に出力電圧が存在しなければならないとすることができる。更に、例えば、第三の変換器ステージに対して、コントローラユニットがパワーユニットに作用して、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるために、最小電流量と最大電流量を定義して、これらの間に出力電流量が存在しなければならないとすることができる。電圧の所定の範囲及び/又は電流量の所定の範囲に関して予め与えられた目標変換比に実際の変換比を一致させることによって、この変換器が確実に動作可能であることを保証できる。
【0020】
要約すると、本発明による変換器では、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させ、それによって、従来技術から周知の通りに変換器を電流源として、或いは電圧源として動作させる必要性が防止されることを確認できる。本発明による変換器では、電圧調節電力網が不要である。更に、本発明による変換器が二次側に電圧源を提供しないので、本発明による変換器では、複雑な制御が不要である。本発明による変換器は、複雑な制御が殆ど無く、柔軟に使用可能である。この複雑な制御が殆ど無いことは、特に、実際の変換比と目標変換比を定義して、実際の変換比を目標変換比に一致させることが稀であることによって得られる。本発明による変換器の使用形態の柔軟性は、特に、この変換器を電流源としても電圧源としても動作させる必要がなく、それにより、この変換器が、その構成及び制御に関して、例えば、電力網のコンポーネントなどの変換器と直接相互作用するコンポーネントから、従来技術により周知の程度の影響を受けないことによって得られる。
【0021】
一つの実施構成では、所与の目標変換比は時間的に一定である。時間的に一定な目標変換比は、本発明による変換器が、交流電力網の変成器と同様に直流電力網において変換比が一定である形で動作可能であることを保証する。
【0022】
一つの実施構成では、所与の目標変換比が時間的に変化する。時間的に変化する目標変換比は、本発明による変換器が、交流電力網の変成器と同様に直流電力網において変換比が変化する形で動作可能であることを保証する。時間的に変化する目標変換比では、例えば、入力端子又は出力端子に加わる電圧の変化、或いは入力端子又は出力端子に生じる電流量の変化などの外部条件に対して、特に、短時間に目標変換比を調節することができる。
【0023】
一つの実施構成では、第一の変換器ステージがインバータの電子回路を備えている。既に述べた通り、本発明による変換器は、特に、双方向に動作させることができ、その結果、「インバータ」との用語は、限定的に理解すべきではなく、入力端子から出力端子へのエネルギー伝送に関してのみ、インバータの機能を果たすに過ぎない。出力端子から入力端子へのエネルギー伝送では、第一の変換器ステージの電子回路が整流器の機能を果たす。第一の変換器ステージがインバータの電子回路を備えている場合、特に簡単な構成の電子回路が提供される。
【0024】
一つの実施構成では、第二の変換器ステージが電気絶縁部を提供するように構成されている。第二の変換器ステージが電気絶縁部を提供するように構成されている場合、このことは、入力端子が第一の電力網部分と接続され、出力端子が第二の電力網部分と接続されている場合に特に有利であり、その理由は、第二の変換器ステージによって、第一の電力網部分と第二の電力網部分が互いに電気的に分離されることが保証されるからである。そのため、本発明による変換器は、交流電力網の従来の変成器の場合と同様に、電気絶縁機能を保証する。
【0025】
一つの実施構成では、第二の変換器ステージが変成器を備えている。第二の変換器ステージが変成器を備えている場合、第二の変換器ステージの特に簡単な構成の電子回路が提供される。
【0026】
一つの実施構成では、第二の変換器ステージが電圧変換器の電子回路を備えている。第二の変換器ステージが電圧変換器の電子回路を備えている場合、変成器の代替機器としての特に簡単な構成の電子回路が提供される。
【0027】
一つの実施構成では、第三の変換器ステージが整流器の電子回路を備えている。既に述べた通り、本発明による変換器は、特に、双方向に動作させることができ、その結果、「整流器」との用語は、限定的に理解するべきではなく、実際には入力端子から出力端子へのエネルギー伝送に関してのみ、整流器の機能を果たすに過ぎない。出力端子から入力端子へのエネルギー伝送では、第三の変換器ステージの電子回路がインバータの機能を果たす。第三の変換器ステージが整流器の電子回路を備えている場合、特に簡単な構成の電子回路が提供される。
【0028】
一つの実施構成では、この変換器が、二つの入力端子と接続された第一のエネルギー貯蔵器を備えている。これらの二つの入力端子に電圧源が接続されている場合、その電圧源から第一のエネルギー貯蔵器に荷電粒子を提供することができ、そのため、第一のエネルギー貯蔵器にエネルギーを一時的に貯蔵することができる。変換器が短時間に大きなエネルギーを必要とする場合、第一のエネルギー貯蔵器に貯蔵された荷電粒子が、この貯蔵器から放出され、その結果、短時間の大きなエネルギー需要に対して十分な荷電粒子を提供することができる。第一のエネルギー貯蔵器は、少なくとも一つのキャパシタンスを備えることができる。この少なくとも一つのキャパシタンスは、荷電粒子を静電的に貯蔵することができ、そのため、特に短時間に荷電粒子を放出することができる。
【0029】
一つの実施構成では、この変換器は、二つの出力端子と接続された第二のエネルギー貯蔵器を備えている。これらの二つの出力端子に電気消費体が接続されている場合、第二のエネルギー貯蔵器に変換器から荷電粒子を提供することができ、そのため、エネルギーを第二のエネルギー貯蔵器に一時的に貯蔵することができる。電気消費体が短時間に大きなエネルギーを必要とする場合、第二のエネルギー貯蔵器に貯蔵された荷電粒子をその貯蔵器から放出することができ、その結果、短時間の大きなエネルギー需要に対して十分な荷電粒子を提供することができる。この第二のエネルギー貯蔵器は、少なくとも一つのキャパシタンスを備えることができる。この少なくとも一つのキャパシタンスは、荷電粒子を静電的に貯蔵することができ、そのため、荷電粒子を特に短時間に放出することができる。
【0030】
一つの実施構成では、このコントローラユニットは第一のパイロット制御ユニットを備え、この第一のパイロット制御ユニットは、検出された第一の実際値を考慮して、コントローラユニットから提供される制御変数を調節して、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるように構成されている。このコントローラユニットから提供される制御変数は、第一の制御変数と呼ぶこともできる。この第一の制御変数は、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるために規定されている。この第一のパイロット制御ユニットは、検出された第一の実際値を考慮して、制御変数を調節するように構成されている。この検出された第一の実際値とは、例えば、二つの入力端子に加わる入力直流電圧、二つの出力端子に加わる出力直流電圧、二つの入力端子に生じる入力電流量又は二つの出力端子に生じる出力電流量であるとすることができる。この検出された第一の実際値とは、特に有利には、二つの出力端子に生じる出力電流量である。この第一のパイロット制御ユニットは、例えば、負荷状態によって定義できる負荷電流に応じて、パワーユニットが適切な動作点で動作できることを保証する。
【0031】
一つの実施構成では、このコントローラユニットがパワーユニットに作用して、検出された第二の実際値を所与の第一の目標値に一致させるために、このコントローラユニットは、所与の目標変換比を調節するように構成された調節ユニットを備えている。この調節ユニットは、所与の目標変換比を調節するように構成されている。この所与の目標変換比は、コントローラユニットがパワーユニットに作用して、検出された第二の実際値を所与の第一の目標値に一致させるように、調節ユニットによって調節される。この検出された第二の実際値とは、例えば、二つの入力端子に加わる入力直流電圧、二つの出力端子に加わる出力直流電圧、二つの入力端子に生じる入力電流量又は二つの出力端子に生じる出力電流量であるとすることができる。特に有利には、この検出された第二の実際値とは、二つの出力端子に加わる出力直流電圧である。この調節ユニットを用いて、二つの入力端子に加わる入力直流電圧、二つの出力端子に加わる出力直流電圧、二つの入力端子に生じる入力電流又は二つの出力端子に生じる出力電流を最適化することができる。
【0032】
一つの実施構成では、このコントローラユニットは第二のパイロット制御ユニットを備え、この第二のパイロット制御ユニットは、検出された第三の実際値を考慮して、調節ユニットから提供される制御変数を調節して、第二の実際値を所与の第一の目標値に一致させるように構成されている。この調節ユニットから提供される制御変数は、第二の制御変数と呼ぶこともできる。この第二の制御変数は、第二の実際値を所与の第一の目標値に一致させるために規定されている。この第二のパイロット制御ユニットは、検出された第三の実際値を考慮して、第二の制御変数を調節するように構成されている。この検出された第三の実際値とは、例えば、二つの入力端子に加わる入力直流電圧、二つの出力端子に加わる出力直流電圧、二つの入力端子に生じる入力電流量又は二つの出力端子に生じる出力電流量であるとすることができる。特に有利には、この検出された第三の実際値とは、二つの入力端子に生じる入力電流量である。この第二のパイロット制御ユニットは、パワーユニットが動作する動作点を最適化できることを保証する。
【0033】
一つの実施構成では、この第一の目標値は、特性曲線又は特性曲線群によって定義される。この第一の目標値を特性曲線又は特性曲線群により定義することによって、追加的な制御機能及び/又は保護機能を実現することができる。
【0034】
本発明の第二の観点において、冒頭で述べた課題は、請求項15の特徴を有する方法によって解決される。この方法は、本発明の第一の観点に基づく変換器を使用して、入力直流電圧を出力直流電圧に変換するように規定される。この方法は、パワーユニットの第一の変換器ステージの二つの入力端子に入力直流電圧を加える工程と、パワーユニットの第三の変換器ステージの二つの出力端子に出力直流電圧を提供する工程と、入力直流電圧と出力直流電圧を検出するか、或いは二つの入力端子における入力電流量と二つの出力端子における出力電流量を検出する工程と、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるように、コントローラユニットによってパワーユニットに作用する工程とを有する。本発明の第一の観点に基づく変換器と関連して述べた特徴、技術的効果及び/又は利点は、少なくとも同様に本発明の第二の観点に基づく方法にも適用され、その結果、ここでは、それに対応する繰り返しを省略している。
【0035】
本発明の別の特徴、利点及び適用可能性は、以下における実施例の説明及び図面から明らかになる。この場合、説明された特徴及び/又は図面に図示された特徴の全ては、これらの個々の請求項への組み入れ又は参照にも関係なく、単独で、或いは任意に組み合わせて、本発明の対象を構成する。更に、図面において、同じ符号は、同じ対象物又は類似の対象物を表す。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】パワーユニットとコントローラユニットを備えた本発明による変換器の一つの実施構成の模式図
【
図2】本発明による変換器のコントローラユニットの第一の実施構成の模式図
【
図3】本発明による変換器のコントローラユニットの第二の実施構成の模式図
【
図4】本発明による変換器のコントローラユニットの第三の実施構成の模式図
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、パワーユニット3とコントローラユニット5を備えた本発明による変換器1の一つの実施構成の模式図を図示している。
図2は、本発明による変換器1のコントローラユニット5の第一の実施構成の模式図を図示し、
図3は、本発明による変換器1のコントローラユニット5の第二の実施構成の模式図を図示し、
図4は、本発明による変換器1のコントローラユニット5の第三の実施構成の模式図を図示している。
図2、3及び4には、それぞれパワーユニット3が同じく模式的に図示されている。
【0038】
この変換器1は、パワーユニット3及びこのパワーユニット3と連結されたコントローラユニット5を備えている。このパワーユニット3は、第一の変換器ステージ7、第二の変換器ステージ9及び第三の変換器ステージ11を備えている。この第一の変換器ステージ7は、第二の変換器ステージ9と接続され、この第二の変換器ステージ9は、更に、第三の変換器ステージ11と接続されている。第一の変換器ステージ7は、二つの入力端子13を備えている。この第三の変換器ステージ11は、二つの出力端子15を備えている。この変換器1は、更に、二つの入力端子13と接続された第一のエネルギー貯蔵器17を備えている。更に、この変換器1は、二つの出力端子15と接続された第二のエネルギー貯蔵器19を備えている。
【0039】
この変換器1は、多数の検出ユニットを備えている。これらの多数の検出ユニットは、それぞれが電圧を検出するように構成された第一の検出ユニット21と、それぞれが電流量を検出するように構成された第二の検出ユニット23とを備えている。一つの第一の検出ユニット21が二つの入力端子13と接続されている。別の第一の検出ユニット21が二つの出力端子15と接続されている。別の第一の検出ユニット21は、第一の変換器ステージ7の
図1には明示的に図示されていない二つの出力端子と接続されるとともに、第二の変換器ステージ9の
図1には明示的に図示されていない二つの入力端子と接続されている。別の第一の検出ユニット21は、第二の変換器ステージ9の
図1には明示的に図示されていない二つの出力端子と接続されるとともに、第三の変換器ステージ11の
図1には明示的に図示されていない二つの入力端子と接続されている。一つの第二の検出ユニット23が二つの入力端子13の中の一つの入力端子13と接続されている。別の第二の検出ユニット23が二つの出力端子15の中の一つの出力端子15と接続されている。別の第二の検出ユニット23は、第一の変換器ステージ7の
図1には明示的に図示されていない二つの出力端子の中の一つの出力端子と接続されるとともに、第二の変換器ステージ9の
図1には明示的に図示されていない二つの入力端子の中の一つの入力端子と接続されている。別の第二の検出ユニット23は、第二の変換器ステージ9の
図1には明示的に図示されていない二つの出力端子の中の一つの出力端子と接続されるとともに、第三の変換器ステージ11の
図1には明示的に図示されていない二つの入力端子の中の一つの入力端子と接続されている。
図1に図示された変換器1は、特に、双方向に、即ち、負荷フロー方向と関係無く動作することができ、その結果、「入力端子」及び「出力端子」との用語は、限定的に理解すべきではなく、実際には
図1で左から右へのエネルギー伝送に関してのみ、「入力端子」又は「出力端子」を構成するに過ぎない。
図1での右から左へのエネルギー伝送に関しては、同様に(
図1での左から右へのエネルギー伝送に関する)各入力端子が(
図1での右から左へのエネルギー伝送に関する)出力端子を構成するとともに、(
図1での左から右へのエネルギー伝送に関する)各出力端子が(
図1での右から左へのエネルギー伝送に関する)入力端子を構成する。
【0040】
第一の変換器ステージ7は四つのスイッチング素子25を備えている。第三の変換器ステージ11は四つのスイッチング素子25を備えている。第一の変換器ステージ7と第三の変換器ステージ11の両方のスイッチング素子25の各スイッチング素子25は、トランジスタ27、有利には、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(IGFET)、特に有利には、金属酸化膜半導体型電界効果トランジスタ(MOSFET)と、ダイオード29とを備えている。特に有利には、各トランジスタ27は絶縁ゲート電極を備えたバイポーラトランジスタ(IGBT)である。絶縁ゲート電極を備えたバイポーラトランジスタは、良好な順方向動作、高い逆電圧、高い堅牢性及び低需要電力による駆動を提供する。各スイッチング素子25のトランジスタ27とダイオード29は、それぞれ対応するスイッチング素子25の第一の端子及び第二の端子と接続されており、これらのトランジスタ27とダイオード29は、第一の端子と第二の端子の間に互いに並列に接続されている。各トランジスタ27は、例えば、エンハンスメント型又はデプレッション型として構成して、nチャネル又はpチャネルを備えることができる。これらのスイッチング素子25の各スイッチング素子25は、通電状態と電気絶縁状態を占めることができる。スイッチング素子25が通電状態にある場合、電流は、それに対応するスイッチング素子25を通って流れることができる。それに対応するスイッチング素子25が電気絶縁状態にある場合、電流は、それに対応するスイッチング素子を通って流れることができない。それに対応するスイッチングプロセスによって、各スイッチング素子25の通電状態と電気絶縁状態の間を切り換えることができる。
【0041】
第一の変換器ステージ7はインバータの電子回路を備えている。既に述べた通り、
図1に図示された変換器1は、特に、双方向に動作させることができ、その結果、「インバータ」との用語は、限定的に理解すべきではなく、実際には
図1で左から右へのエネルギー伝送に関してのみ、インバータの機能を果たすに過ぎない。
図1での右から左へのエネルギー伝送に関しては、第一の変換器ステージ7の電子回路は整流器の機能を果たす。第一の変換器ステージ7のスイッチング素子25は、フルブリッジ配列を構成するように互いに接続されている。第一の変換器ステージ7の二つのスイッチング素子25は第一の入力端子13と接続されている。これらの二つのスイッチング素子25の中の第一のスイッチング素子25は、第一の変換器ステージ7の
図1には明示的に図示されていない第一の出力端子と接続され、これらの二つのスイッチング素子25の中の第二のスイッチング素子25は、第一の変換器ステージ7の
図1には明示的に図示されていない第二の出力端子と接続されている。第一の変換器ステージ7の二つの別のスイッチング素子25は第二の入力端子13と接続されている。これらの二つのスイッチング素子25の中の第三のスイッチング素子25は、第一の変換器ステージ7の第一の出力端子と接続され、これらの二つのスイッチング素子25の中の第四のスイッチング素子25は、第一の変換器ステージ7の第二の出力端子と接続されている。
【0042】
第三の変換器ステージ11は整流器の電子回路を備えている。既に述べた通り、
図1に図示された変換器1は、特に、双方向に動作させることができ、その結果、「整流器」との用語は、限定的に理解すべきではなく、実際には
図1で左から右へのエネルギー伝送に関してのみ、整流器の機能を果たすに過ぎない。
図1で右から左へのエネルギー伝送に関しては、第三の変換器ステージ11の電子回路はインバータの機能を果たす。第三の変換器ステージ11のスイッチング素子25は、フルブリッジ配列を構成するように互いに接続されている。第三の変換器ステージ11の二つのスイッチング素子25は第一の出力端子15と接続されている。これらの二つのスイッチング素子25の中の第一のスイッチング素子25は、第三の変換器ステージ11の
図1には明示的に図示されていない第一の入力端子と接続され、これらの二つのスイッチング素子25の中の第二のスイッチング素子25は、第三の変換器ステージ11の
図1には明示的に図示されていない第二の入力端子と接続されている。第三の変換器ステージ11の二つの別のスイッチング素子25は第二の出力端子15と接続されている。これらの二つのスイッチング素子25の中の第三のスイッチング素子25は、第三の変換器ステージ11の第一の入力端子と接続され、これらの二つのスイッチング素子25の中の第四のスイッチング素子25は、第三の変換器ステージ11の第二の入力端子と接続されている。
【0043】
第二の変換器ステージ9は三つのインダクタンス31を備え、その中の二つのインダクタンス31が変成器を構成している。即ち、第二の変換器ステージ9は、この実施例では中間周波変成器として構成された変成器を備えている。この変成器を用いて、第二の変換器ステージ9は、特に、第一の変換器ステージ7と第三の変換器ステージ11の間に電気絶縁部を提供することができる。この変成器の二つのインダクタンス31は、巻線が同じ方向となるように配置された巻線を備えている。即ち、この変成器は、同じ位相状態の二つの巻線を備えている。この変成器の構成要素ではないインダクタンス31以外に、それと直列にキャパシタンスを配備することができ、その際、これらのインダクタンス31とキャパシタンスは、一つの直列共振回路を構成する。この直列共振回路を用いて、一つ又は複数のスイッチング素子25が通電状態から電気絶縁状態に移行する際の電流の瞬時値が特に小さくなることを保証でき、その結果、一つ又は複数のスイッチング素子25の損失電力が特に小さくなり、そのため、変換器1の効率を特に向上させることができる。この変成器を構成する二つのインダクタンス31に代わって、第二の変換器ステージ9は電圧変換器の電子回路を備えることもできる。
【0044】
この変換器1は、入力直流電圧を出力直流電圧に変換するように構成されている。この入力直流電圧は、二つの入力端子13に加えることができる。この出力直流電圧は、二つの出力端子15に提供することができる。第一の変換器ステージ7、第二の変換器ステージ9及び第三の変換器ステージ11は、この変換器1の動作時に入力直流電圧を二つの入力端子13に加えた場合に、出力直流電圧を二つの出力端子15に提供するように構成されている。
【0045】
二つの入力端子13と接続された第一の検出ユニット21を用いて、二つの入力端子13に加わる入力直流電圧を検出することができる。二つの入力端子13の中の一つと接続された第二の検出ユニット23を用いて、二つの入力端子13に生じる入力電流量を検出することができる。本発明と関連して、入力電流量が二つの入力端子13に生じるとは、特に、入力電流量が少なくとも第二の検出ユニット23が接続された入力端子13に生じることを意味する。
【0046】
二つの出力端子15と接続された第一の検出ユニット21を用いて、これらの二つの出力端子15に加わる出力直流電圧を検出することができる。二つの出力端子15の中の一つと接続された第二の検出ユニット23を用いて、これらの二つの出力端子15に生じる出力電流量を検出することができる。本発明と関連して、出力電流量が二つの出力端子15に生じるとは、特に、出力電流量が少なくとも第二の検出ユニット23が接続された出力端子15に生じることを意味する。
【0047】
本発明の主要な考えは、変換比を定義することである。この変換比は、二つの入力端子13に加わる入力直流電圧と二つの出力端子15に加わる出力直流電圧に基づき定義することができる。それに代わって、この変換比は、二つの入力端子13に生じる入力電流と二つの出力端子15に生じる出力電流量に基づき定義することができる。特に、二つの入力端子13に加わる入力直流電圧と二つの出力端子15に加わる出力直流電圧の比率又は二つの入力端子13に生じる入力電流量と二つの出力端子15に生じる出力電流量の比率の何れかを定義すると規定される。第一の検出ユニット21を用いて検出された入力直流電圧と出力直流電圧は、一つの時点でパワーユニット3から提供される実際の変換比を定義する。それに代わって、一つの時点でパワーユニット3から提供される実際の変換比は、第二の検出ユニット21を用いて検出された入力電流量と出力電流量によって定義することができる。特に、パワーユニット3の実際の変換比は、二つの入力端子13に加わる入力直流電圧と二つの出力端子15に加わる出力直流電圧の比率又は二つの入力端子13に生じる入力電流量と二つの出力端子15に生じる出力電流量の比率によって定義される。特に、実際の変換比は、入力直流電圧(被除数)と出力直流電圧(除数)の商又は出力電流量(被除数)と入力電流量(除数)の商の何れかに等しい。
【0048】
既に述べた通り、このコントローラユニット5はパワーユニット3と連結されている。特に、このコントローラユニット5は、スイッチング素子25を駆動するためにスイッチング素子25と接続されている。特に、このコントローラユニット5は、スイッチング素子25毎にそれに対応する制御信号を提供することができ、その結果、スイッチング素子25の各スイッチング素子25は、それに対応する制御信号に応じて、それに対応する通電状態からそれに対応する電気絶縁状態にも、それに対応する電気絶縁状態からそれに対応する通電状態にも移行することができる。このコントローラユニット5は、スイッチング素子25の駆動によって、パワーユニット3に作用することができる。更に、このコントローラユニット5は、特に、第一の検出ユニット21及び第二の検出ユニット23と接続されている。このコントローラユニット5には、第一の検出ユニット21の各第一の検出ユニット21から、加えられた電圧の実際の値に等しい、それに対応する検出信号を提供することができる。更に、このコントローラユニット5には、第二の検出ユニット23の各第二の検出ユニット23から、生じた電流量の実際の値に等しい、それに対応する検出信号を提供することができる。即ち、このコントローラユニット5は、検出信号に基づき実際の変換比を算出することができる。実際の変換比によって達成すべき変換比が目標変換比と呼ばれる。この目標変換比は、特に、決められた時間期間の間、時間的に一定であるとするか、或いは、特に、決められた時間期間の間、時間的に可変であるとすることができる。このコントローラユニット5は、パワーユニット3に作用して、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるように構成されている。
【0049】
特に、電圧の所定の範囲及び/又は電流量の所定の範囲に関して与えられた目標変換比に実際の変換比を一致させると規定される。このコントローラユニット5がパワーユニット3に作用して、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるために、例えば、第一の変換器ステージ7に対して、最小電圧と最大電圧を定義して、その間に入力直流電圧が存在しなければならないとすることができる。更に、このコントローラユニット5がパワーユニット3に作用して、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるために、例えば、第一の変換器ステージ7に対して、最小電流量と最大電流量を定義して、その間に入力電流量が存在しなければならないとすることができる。更に、このコントローラユニット5がパワーユニット3に作用して、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるために、例えば、第三の変換器ステージ11に対して、最小電圧と最大電圧を定義して、その間に出力直流電圧が存在しなければならないとすることができる。更に、このコントローラユニット5がパワーユニット3に作用して、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるために、例えば、第三の変換器ステージ11に対して、最小電流量と最大電流量を定義して、その間に出力電流量が存在しなければならないとすることができる。電圧の所定の範囲及び/又は電流量の所定の範囲に関して与えられた目標変換比に実際の変換比を一致させることによって、変換器1が確実に動作可能であることを保証できる。
【0050】
既に述べた通り、
図2が、本発明による変換器1のコントローラユニット5の第一の実施構成の模式図を図示し、
図3が、本発明による変換器1のコントローラユニット5の第二の実施構成の模式図を図示し、
図4が、本発明による変換器1のコントローラユニット5の第三の実施構成の模式図を図示している。
【0051】
図2のコントローラユニット5の第一の実施構成は第一のパイロット制御ユニット33を備えている。この第一のパイロット制御ユニット33は、コントローラユニット5から提供される、第一の制御変数と呼ぶこともできる制御変数35を調節するように構成されている。この制御変数35は、
図2、3及び4において符号37により表される実際の変換比を
図2、3及び4において符号39により表される所与の目標変換比に調節するために規定されている。第一のパイロット制御ユニット33は、検出された第一の実際値41を考慮して、制御変数35を調節するように構成されている。この検出された第一の実際値41は、例えば、二つの入力端子13に加わる入力直流電圧、二つの出力端子15に加わる出力直流電圧、二つの入力端子13に生じる入力電流量又は二つの出力端子15に生じる出力電流量であるとすることができる。特に有利には、この検出された第一の実際値41は、二つの出力端子15に生じる出力電流量である。第一のパイロット制御ユニット33は、例えば、負荷状態によって定義できる負荷電流に応じて、パワーユニット3が適切な動作点で動作可能であることを保証する。
【0052】
図3のコントローラユニット5の第二の実施構成は、更に、調節ユニット43を備えている。この調節ユニット43は所与の目標変換比39を調節するように構成されている。この所与の目標変換比39は、コントローラユニット5がパワーユニット3に作用して、検出された第二の実際値45を所与の第一の目標値47に一致させるように、調節ユニット43によって調節される。即ち、コントローラユニット5がパワーユニット3に作用して、検出された第二の実際値45を所与の第一の目標値47に一致させるように、調節ユニット43が所与の目標変換比を調節するように構成されている。この検出された第二の実際値45は、例えば、二つの入力端子13に加わる入力直流電圧、二つの出力端子15に加わる出力直流電圧、二つの入力端子13に生じる入力電流量又は二つの出力端子15に生じる出力電流量であるとすることができる。特に有利には、この検出される第二の実際値45は二つの出力端子15に加わる出力直流電圧である。この調節ユニット43を用いて、二つの入力端子13に加わる入力直流電圧、二つの出力端子15に加わる出力直流電圧、二つの入力端子13に生じる入力電流量又は二つの出力端子15に生じる出力電流量を最適化することができる。
【0053】
更に、
図3のコントローラユニット5の第二の実施構成は、更に、第二のパイロット制御ユニット49を備えている。この第二のパイロット制御ユニット49は、調節ユニット43から提供される、第二の制御変数と呼ぶこともできる制御変数51を調節するように構成されている。この制御変数51は、第二の実際値45を所与の第一の目標値47に一致させるために規定されている。第二のパイロット制御ユニット49は、検出された第三の実際値53を考慮して、制御変数51を調節するように構成されている。この検出された第三の実際値53は、例えば、二つの入力端子13に加わる入力直流電圧、二つの出力端子15に加わる出力直流電圧、二つの入力端子13に生じる入力電流量又は二つの出力端子15に生じる出力電流量であるとすることができる。特に有利には、この検出された第三の実際値53は、二つの入力端子に生じる入力電流量である。第二のパイロット制御ユニット49は、パワーユニット3が動作する動作点を一層最適化可能であることを保証する。
【0054】
本発明による変換器1のコントローラユニット5の
図4に模式的に図示された第三の実施構成は、コントローラユニット5の
図3に模式的に図示された第二の実施構成とほぼ同じであり、この場合、第二の実施構成では、所与の第一の目標値47が、所与の一定値であり、第三の実施構成では、所与の第一の目標値47が、特性曲線又は特性曲線群によって定義されている。所与の第一の目標値47が所与の一定値である場合、計算量が特に少ない解決策が提供される。所与の第一の目標値47が特性曲線又は特性曲線群によって定義される場合、例えば、特に、特性曲線又は特性曲線群と、二つの入力端子13に加わる入力直流電圧、二つの出力端子15に加わる出力直流電圧、二つの入力端子13に生じる入力電流量及び/又は二つの出力端子15に生じる出力電流量との間を一致させると規定した場合に、保護機能を提供することができる。
【0055】
本発明による変換器1を用いて、入力直流電圧を出力直流電圧に変換する方法を実施することができる。本発明による変換器1の動作形態を記述する際に既に少なくとも同様に述べた通り、この方法は、パワーユニット3の第一の変換器ステージ7の二つの入力端子13に入力直流電圧を加える工程と、パワーユニット3の第三の変換器ステージ11の二つの出力端子15に出力直流電圧を提供する工程と、入力直流電圧と出力直流電圧を検出するか、或いは二つの入力端子13における入力電流量と二つの出力端子15における出力電流量を検出する工程と、実際の変換比を所与の目標変換比に一致させるように、コントローラユニット5によってパワーユニット3に作用する工程とを有することができる。
【0056】
補足として、「備えている」とは別の要素又は工程を排除するものではなく、「一つ」とは多数を排除するものではないことに留意されたい。更に、上記の実施例の中の一つを参照して述べた特徴が、上述した別の実施例の別の特徴と組み合わせても使用できることに留意されたい。請求項における符号は、本発明を限定するものと見做すべきではない。
【符号の説明】
【0057】
1 変換器
3 パワーユニット
5 コントローラユニット
7 第一の変換器ステージ
9 第二の変換器ステージ
11 第三の変換器ステージ
13 入力端子
15 出力端子
17 第一のエネルギー貯蔵器
19 第二のエネルギー貯蔵器
21 第一の検出ユニット
23 第二の検出ユニット
25 スイッチング素子
27 トランジスタ
29 ダイオード
31 インダクタンス
33 第一のパイロット制御ユニット
35 第一の制御変数
37 実際の変換比
39 目標変換比
41 検出された第一の実際値
43 調節ユニット
45 検出された第二の実際値
47 所与の第一の目標値
49 第二のパイロット制御ユニット
51 第二の制御変数
53 検出された第三の実際値
【国際調査報告】