(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-24
(54)【発明の名称】オイルセパレータ及び製造方法
(51)【国際特許分類】
F25B 43/02 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
F25B43/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526782
(86)(22)【出願日】2022-11-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 CN2022130246
(87)【国際公開番号】W WO2023078443
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】202122711559.3
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111311630.7
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524163775
【氏名又は名称】シンチャン カウンティ シトン エレクトリカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】XINCHANG COUNTY SITONG ELECTRICAL CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】リャン, ドンセン
(72)【発明者】
【氏名】シー, ジーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, シャオデ
(57)【要約】
オイルセパレータ及びその製造方法であって、当該オイルセパレータは、器体(2)と、入口管(1)とを含み、器体(2)は、本体部(20)を含み、本体部(20)は、その側面に設置された側孔部(27)を有し、入口管(1)の管壁の一部は側孔部(27)に溶接固定され、入口管(1)は、突入部(135)を含み、突入部(135)は、器体(2)内に位置し、突入部(135)の中心線は器体(2)の中心線と交わらず、オイルセパレータのオイル分離効果を高めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルセパレータであって、器体(2)と、入口管(1)とを含み、前記器体(2)は、本体部(20)を含み、前記本体部(20)は、その側面に設置された側孔部(27)を有し、前記入口管(1)の管壁の一部は前記側孔部(27)に溶接固定され、前記入口管(1)は、突入部(135)を含み、前記突入部(135)は、前記器体内に位置し、前記突入部の中心線(131)は前記器体の中心線(231)と交わらない、
ことを特徴とするオイルセパレータ。
【請求項2】
前記突入部(135)の外管壁、及び前記突入部(135)の軸線方向に沿った前記外管壁の延在部は、前記器体の中心線(231)と交わらず、前記突入部(135)の自由端部の端面を切欠き部(132)として定義し、前記入口管(1)と前記側孔部(27)との接続部位を接続部として定義し、前記切欠き部(132)が、距離が最も遠い2つの点を有し該2つの点がE点、F点であると定義し、前記接続部は少なくともC点、D点を有し、前記C点及びD点の結び線CDは、前記E点及びF点の結び線EFと平行である、
ことを特徴とする請求項1に記載のオイルセパレータ。
【請求項3】
前記突入部(135)の外管壁、及び前記突入部(135)の軸線方向に沿った前記外管壁の延在部は、前記器体の中心線(231)と交わらず、前記突入部(135)の自由端部は、距離が最も遠い第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部の突入長さd1は、1mm≦d1≦4mmを満たし、前記第2端部の突入長さd2は、1mm≦d2≦4mmを満たし、
或いは、前記突入部(135)の外管壁、及び前記突入部(135)の軸線方向に沿った前記外管壁の延在部は、前記器体の中心線(231)と交わらず、前記突入部(135)の自由端部の端面は、前記器体(2)の内壁面と面一である、
ことを特徴とする請求項1に記載のオイルセパレータ。
【請求項4】
オイルセパレータであって、器体(2)と、入口管(1)とを含み、前記器体(2)は、本体部(20)を含み、前記本体部(20)は、その側面に設置された側孔部(27)を有し、前記側孔部の中心線(131)は、前記器体の中心線(231)と交わらず、
前記本体部(20)は、前記本体部(20)の周壁から外へまたは内へバーリングして形成されたバーリング部(23’)を含み、前記入口管(1)の管壁の一部は前記バーリング部(23’)の内壁に係合接続され、前記入口管(1)は、出口部を含み、前記出口部の端面は、前記器体(2)の内壁面と面一であり、または、前記出口部の端面は、前記器体(2)の内壁面よりも前記器体の中心線(231)から離れている、
ことを特徴とするオイルセパレータ。
【請求項5】
前記器体(2)は、第1ネッキング部(21)と、第1係合部(22)と、第2係合部(25)と、第2ネッキング部(26)とを含み、前記第1係合部(22)及び/または前記第2係合部(25)は、ネッキング加工によって形成され、前記本体部(20)と前記第1係合部(22)との間は前記第1ネッキング部(21)であり、前記本体部(20)と前記第2係合部(25)との間は前記第2ネッキング部(26)であり、
前記オイルセパレータは、出口管(3)をさらに含み、前記出口管(3)は、フレア段(312)を含み、前記フレア段(312)は前記第2係合部(25)に係合接続される、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のオイルセパレータ。
【請求項6】
オイルセパレータの製造方法であって、
部品準備:器体素体及び入口管を提供するステップと、
部品加工:前記器体素体の側壁を加工し、側孔部(27)付きの器体(2)を形成するステップであって、前記側孔部(27)の中心線は前記器体(2)の中心線と交わらないステップと、
部品組立:前記入口管(1)を前記側孔部(27)に挿入するステップと、
溶接:前記入口管(1)と前記器体(2)とを溶接固定するステップと、を少なくとも含む、
ことを特徴とする製造方法。
【請求項7】
前記溶接ステップの前に、
部品組立ステップの処理を経た予備組立体を治工具に入れ、前記治工具の第1挟持部により前記入口管(1)を位置制限し、
前記器体(2)を、位置制限されるまで前記入口管(1)が所在する側から離反する方向に沿って回転させ、
前記治工具の第2挟持部により前記器体(2)を位置制限し、
前記入口管(1)と前記器体(2)とを、スポット溶接または冷間溶接を行って固定する、仮溶接ステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記溶接ステップの前に、
前記入口管(1)、前記器体(2)を治工具に入れ、
前記治工具の第1挟持部により前記入口管(1)を位置制限し、または、前記治工具の第2挟持部により前記器体(2)を位置制限し、
前記入口管(1)と前記器体(2)とを予備組立し、
前記器体(2)または前記入口管(1)を、両者が前記器体(2)の周方向に位置制限されるまで回転させ、
前記入口管(1)と前記器体(2)とを、スポット溶接または冷間溶接を行って固定する、仮溶接ステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
前記部品加工ステップにおいて、
側孔の加工:前記器体素体の側壁の予め設定された位置に対して側孔加工を行うステップと、
バーリング:側孔の加工処理を経た前記器体素体に対してバーリング加工を行い、前記側孔部(27)を囲むバーリング部(23)を形成するステップと、
ロール成形:バーリングステップの処理を経た前記器体素体の両端部に対してロール成形加工を行い、第1ネッキング部及び第2ネッキング部を有する器体素体を得るステップと、
整形処理:ロール成形処理後の前記器体素体の側壁に位置する前記側孔部(27)及び前記バーリング部(23)に対して整形処理を行うステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項10】
前記部品加工ステップにおいて、
第1回ロール成形:前記器体素体の一端部に対してロール成形加工を行い、第2ネッキング部(26)を有する器体素体を得るステップと、
側孔の加工:前記第2ネッキング部(26)に近接する器体素体の側壁に側孔加工を行い、前記側孔部(27)を形成するステップと、
バーリング:側孔の加工処理を経た前記器体素体に対してバーリング加工を行い、前記側孔部(27)を囲むバーリング部(23’)を形成するステップと、
第2回ロール成形:バーリングプロセス処理を経た前記器体素体の他端部に対してロール成形加工を行い、前記器体(2)を得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項11】
前記部品加工ステップにおいて、少なくとも、
ロール成形:前記器体素体の両端部はロール成形加工が行われ、第1ネッキング部及び第2ネッキング部を有する器体素体を得るステップと、
側孔加工:ロール成形を経た前記器体素体の側壁に対して側孔加工を行い、前記側孔部(27)を形成するステップと、
バーリング:側孔加工ステップの処理を経た器体素体に対してバーリング加工を行い、前記側孔部を囲むバーリング部(23’)を形成し、前記器体(2)を得るステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年11月8日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202122711559.3であり、発明名称が「オイルセパレータ」である中国特許出願、及び2021年11月8日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202111311630.7であり、発明名称が「オイルセパレータ及びその製造方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が援用されることで本出願に結合される。
本発明は、冷凍制御という技術的分野に関し、特別にオイルセパレータ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オイルセパレータは一般的に冷凍システムに適用され、圧縮機と凝縮器との間に取り付けられ、冷凍システムにおいて、冷媒に油滴が混合されている場合、当該油滴は冷凍システムの熱交換効果に影響を与え、よって、冷媒は、圧縮機から排出されて凝縮器に入る前に、通常、冷媒に混合されるオイルを低減するようにオイルセパレータを経過する必要がある。冷凍システムの熱交換効率を向上させるために、オイルセパレータの分離効果をできるだけ高める必要がある。
【0003】
これに鑑みて、オイルセパレータの分離効果を相対的に高めるように、オイルセパレータに対してさらに最適化設計を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、オイルセパレータの分離効果を相対的に高めるように、オイルセパレータ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本出願の実施例が採用する案は以下のとおりである。
【0006】
本発明はオイルセパレータを提供する。
オイルセパレータであって、器体と、入口管とを含み、前記器体は、本体部を含み、前記本体部は、その側面に設置された側孔部を有し、前記入口管の管壁の一部は前記側孔部に溶接固定され、前記入口管は、突入部を含み、前記突入部は、前記器体内に位置し、前記突入部の中心線は前記器体の中心線と交わらない。
【0007】
本発明はさらに、オイルセパレータを提供する。
オイルセパレータであって、器体と、入口管とを含み、前記器体は、本体部を含み、前記本体部は、その側面に設置された側孔部を有し、前記側孔部の中心線は、前記器体の中心線と交わらず、
前記本体部は、前記本体部の周壁から外へまたは内へバーリングして形成されたバーリング部を含み、前記入口管の管壁の一部は前記バーリング部の内壁に係合接続され、前記入口管は、出口部を含み、前記出口部の端面は、前記器体の内壁面と面一であり、または、前記出口部の端面は、前記器体の内壁面よりも前記器体の中心線から離れている。
【0008】
本発明はさらに、オイルセパレータの製造方法を提供し、
部品準備:器体素体及び入口管を提供するステップと、
部品加工:前記器体素体の側壁を加工し、側孔部付きの器体を形成するステップであって、前記側孔部の中心線は前記器体の中心線と交わらないステップと、
部品組立:前記入口管を前記側孔部に挿入するステップと、
溶接:前記入口管と前記器体とを溶接固定するステップと、を少なくとも含む。
【0009】
本出願が提供するオイルセパレータ、または上記製造方法により製造されたオイルセパレータにより、入口管から流出した混合気流がよりよく器体の内壁または出口管の管壁に流れるとともに、混合気流が器体内で回転して油滴を分離することをよりよく促進することができ、これにより、オイルセパレータの分離効果を高める。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本出願の実施例における技術案をより明らかに説明するために、以下は実施例または例示的技術の記載にとって必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記載における図面は本出願の一部の実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提で、これらの図面に応じて他の図面を取得し得る。
【
図1】本発明が提供するオイルセパレータの実施例1の斜視図である。
【
図2】本発明が提供するオイルセパレータの実施例1の斜視図及び部分断面である。
【
図3】本発明が提供するオイルセパレータの実施例1の正面図及び部分断面である。
【
図4】側孔部を中間位置に合わせた器体斜視図である。
【
図12】本発明が提供するオイルセパレータのB-B線に沿った断面構成図であり、切欠き部の実施例1である。
【
図13】本発明が提供するオイルセパレータのB-B線に沿った断面構成図であり、切欠き部の実施例2である。
【
図14】本発明が提供するオイルセパレータのB-B線に沿った断面構成図であり、切欠き部の実施例3である。
【
図16】本発明が提供するオイルセパレータの実施例2の斜視図である。
【
図17】本発明が提供するオイルセパレータの実施例3の立体断面図である。
【
図18】本発明が提供するオイルセパレータの実施例3における出口管の投影図である。
【
図19】本発明が提供するオイルセパレータの実施例4の斜視図である。
【
図22】本発明が提供するオイルセパレータの実施例5の投影断面図である。
【
図23】本発明が提供するオイルセパレータの側孔部が器体の中心線に対向する投影断面図である。
【
図25】本発明が提供する治工具の第1作動状態の前面図である。
【
図26】本発明が提供する治工具の第1作動状態の平面図である。
【
図27】本発明が提供する治工具の第1作動状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本出願が解決しようとする技術的課題、技術案、及び有益な効果をより明瞭にさせるために、以下、図及び実施例を結合して本出願をさらに詳しく説明する。ここで記載される具体的な実施例は本出願を解釈するためのものに過ぎず、本出願を限定するためのものではないことを理解すべきである。
【0012】
図1~
図10を参照して示すように、本実施形態はオイルセパレータを開示し、前記オイルセパレータは、器体2と、入口管1と、出口管3と、排油管4とを含み、器体2はステンレス器体である。
【0013】
器体2は中空の器体であり、入口管1は、側面から器体2の内部に突入し、器体2に封止接続され、器体2の第1端は排油管4に封止接続され、器体2の第2端は出口管3に封止接続され、出口管3は器体2の内部に突入する。
【0014】
前記の封止接続は、溶接、締まり嵌め、ろう付け、摩擦溶接等のプロセスを採用し、接触領域を固定連結させかつ互いに隔離する内部空間及び外部空間を発生させるという技術的効果である。例えば、入口管1は器体2の側面から器体の内部に突入し、入口管1の一部の外壁は器体2の外壁と完全に溶接され、入口管1と器体2との接続領域の外壁に漏れのギャップがない。
【0015】
特別説明:本出願における中心線は直線であってもよいし、曲線であってもよく、接続管が曲がり管である場合、中心線は接続管の形状にしたがって変化する。
【0016】
器体2は、本体部20と、第1ネッキング部21と、第1係合部22と、第2係合部25と、第2ネッキング部26と、本体部20の側面に設置された側孔部27とを含み、前記側孔部27の中心線131は器体2の中心線231と交わらず、前記側孔部27は、第1アーク部271と、第2アーク部272とを含み、前記第1アーク部271の湾曲弧度は第2アーク部272の湾曲弧度よりも大きく、前記入口管1は、前記側孔部27から前記オイルセパレータの室内に貫通し、当該入口管1の一部の管壁は前記器体の側孔部27に溶接固定され、前記入口管1は、突入部135を含み、当該突入部は前記器体の内部に位置し、前記突入部の中心線131は前記器体の中心線231と交わらない。このような設計は主に、以下の実施例を含み、即ち、第1、
図25を参照すれば、側孔部は器体の中心線に対向して設置されるが、入口管の突入部については曲がり管が採用し、当該突入部135は、器体2の内壁と出口管3の外壁との間の空間内に配置され、このように設計すると、入口管1から流出した混合気流がよりよく器体2の内壁面222に流れ、器体2の内壁のガイドにより、内壁に沿って回転して油滴を分離することができ、これにより、オイル分離効果を向上させ、このように設置すると、空間利用率を向上させることもでき、第2、接続管のオフセット案を実現でき、中間位置に近接して設置された側孔部27の案(
図4~
図5)に対して、上述のように側孔部27をオフセットする案を採用し、側孔部の内周縁の周方向長さを増加させると、前記側孔部と接続管との間の溶接面積が増加し、これにより、器体と接続管との係合溶接の強度及び溶接品質を相対的に向上させる。また、当該突入部135は、出口管3を妨害することなく、器体2の内壁と出口管3の外壁との間の空間内に直接に配置されることができ、器体の中心線に合わせて側孔部を設置する案に対して、側孔部をオフセットする案は、空間利用効率が高い。さらには、前記突入部の外管壁、及び前記突入部の軸線方向に沿った前記外管壁の延在部は、前記器体の中心線と交わらず、このように設置すると、前記突入部の混合気流が流出した後、出口管3の影響により流体抵抗が発生することがなく、混合気流が器体の内壁のガイドにより、内壁に沿って回転して油滴を分離することで、オイル分離効果を向上させることにより有利であり、さらには、突入部が混合気流に対して流体抵抗が発生することでオイル分離効果に影響を与えることを低減するために、前記突入部の自由端部が、距離が最も遠い第1端部1321及び第2端部1322を有すると定義し、前記第1端部の突入長さd1が、1mm≦d1≦4mmを満たし、前記第2端部の突入長さd2が、1mm≦d2≦4mmを満たすように設置する。d1、d2の値は等しくても異なってもよく、d1の値は、1mm、2mm、3mm、4mmであってもよく、d2の値は、1mm、2mm、3mm、4mmであってもよい。ここでいう突入深さとは、突入部の軸方向において第1端部及び第2端部から器体の内壁面までの距離を意味する。また、さらに、前記突入部の自由端部の端面が、器体の内壁面と面一であるように設置する案を採用することができ、前記突入部の自由端部の端面から前記器体の内壁面までは完全に面一になることができず、突入部の自由端部の端面が、器体の内壁面の弧度に対応する曲面とされている場合、両者の間の距離が0±1mmの範囲内にあり、いずれも面一状態と見なすことができ、突入部の自由端部の端面が斜面または他の形状である場合、d1<1mm、d2<1mmであり、面一状態と見なすことができることに注意すべきである。
【0017】
入口管1と器体2との間の係合溶接長さをさらに増加させることにより、入口管と器体との溶接強度を向上させるために、側孔部27にバーリング部構造を追加することができる。バーリング部構造が設置されない場合、前記入口管1と器体2との間の係合溶接長さは器体2の肉厚であり、バーリング部構造が設置された場合、前記入口管1と器体2との間の係合長さは、器体2の肉厚にバーリング部の高さを加えたものであり、前記バーリング部23’は、前記本体部20の周壁から外へまたは内へバーリングし形成されてもよく、前記バーリング部23’の均一な高さ≧2.5mmであり、前記バーリング部は、キャビティ230をさらに含む。このように設置すると、オイルセパレータの実際の要求に応じてバーリング部の具体的なバーリング方向、位置を設置することができ、これにより、オイルセパレータの適用範囲を向上させ、本明細書において、バーリング部23’は、器体2の内側に設置されてもよいし、器体2の外側に設置されてもよく、勿論、外側に設置されることに対して、バーリング部は器体の内側に設置されると、混合気流に対して流体抵抗がより容易に発生し、これにより、オイルセパレータの効果に影響を与える。具体的には、前記バーリング部23は側孔部27の両側を貫通し、バーリング部を設置すると、入口管1と器体2との間の係合溶接面積を相対的に向上させることができ、これにより、入口管1と側孔部27との間の溶接強度及び溶接品質をさらに向上させ、オイルセパレータの運転時の安定性を保証する。バーリング部が一定の高さに設置される場合(具体的な高さは、具体的な製品の溶接に必要な溶接長さに応じて決められる必要がある)、入口管は、器体の内部に挿入しなくてもよく、よって、入口管とバーリング部との係合長さは、溶接長さの要求を満たすことができ、前記入口管は、出口部を含み、出口部の端面、前記器体の内壁面の設置状態は、出口部の端面が前記器体の内壁面よりも前記器体の中心線に近接している状態、前記出口部の端面が前記器体の内壁面よりも前記器体の中心線から離れている状態、出口部の端面が前記器体の内壁面と面一である状態であってもよい。
図22を参照すれば、前記入口管は、出口部を含み、前記出口部の端面は、前記器体の内壁面と面一であり、前記突入部の自由端部の端面から前記器体の内壁面までは完全に面一になることができず、突入部の自由端部の端面が、器体の内壁面の弧度に対応する曲面とされている場合、両者の間の距離が0±1mmの範囲内にあり、いずれも面一状態と見なすことができ、突入部の自由端部の端面が斜面または他の形状である場合、d1<1mm、d2<1mmであり、面一状態と見なすことができることに注意すべきである。このように設置すると、入口管が混合気流に対して発生する流体抵抗を相対的に低減することができ、これにより、オイル分離効果を向上させる。
【0018】
前記第1係合部22、第2係合部25はそれぞれ、排油管4、出口管3に係合接続され、本体部20と第1係合部22との間は第1ネッキング部21であり、本体部20と第2係合部25との間は第2ネッキング部26であり、第1ネッキング部21、第2ネッキング部26は実際にそれぞれ、本体部20から第1係合部22、第2係合部25まで加工されることで形成され、または必要とされる2つの遷移段であり、本体部20から係合部へ徐々に縮小する。第1係合部22に第1段階部221が設置されており、第1段階部221は組立時に、排油管4の位置決めに利用可能であり、例えば、排油管4を組み立てる前に先に溶接リングを入れ、さらに排油管4を入れ、かつ溶接リングをそれぞれ、相応する段階部221、排油管4に当接させることができ、即ち、溶接リングは一方側が第1段階部221に当接し、他方側が排油管4の入力端に当接する。
【0019】
図2~
図3を参照すれば、前記入口管1は、接続管11と、銅製継手12とを含み、接続管11は、ステンレス管であり、銅製継手12を接続するために、器体2から離れている一端に端口成形加工が行われ、接続管11は、外側に相対的に近接する端口位置に凹部14(
図3を参照)が設置されており、凹部14は、接続管11の外側の端口部位と距離があり、凹部14は、銅製継手12との係合位置決めに用いられ、接続管11に接続される銅製継手12がその内側に位置するものである構造に適用され、また、それに接続される銅製継手12がその外側に嵌合されるものであると、外凸構造に変更することができる。
図5~
図9を参照すれば、前記接続管11の管壁の一部は前記キャビティ230を通って前記バーリング部23’に係合接続され、前記バーリング部23’に対応する係合溶接の部位に凹凸部18を設置し、両者の間を部分的に締まり嵌め、このように、前記接続管11と前記バーリング部23’とは、組立後に脱落することなく相対的な固定を実現することができ、前記凹凸部18は、線引き、旋削、押圧等のような機械加工により得られる。前記オイルセパレータは、ブロック23”をさらに含み、前記ブロック23”にキャビティ230が設置され、前記ブロック23”は、前記側孔部27の周壁に固定、または位置制限され、前記キャビティ230は、器体2の側壁を貫通し、前記接続管11は、前記キャビティ230を通って前記器体2の内部に突入し、前記接続管11の一部の管壁は、前記キャビティ230に係合接続される。前記バーリング部23’または前記ブロック23”は、第1側壁232と、第2側壁233とを含み、前記第1側壁232は前記第1アーク部271に対応して接続され、前記第2側壁233は前記第2アーク部272に対応して接続され、前記第1側壁232の高さH1≧前記第2側壁233の高さH2である。前記接続管11は、前記ブロック23”のキャビティに対応する係合溶接の部位に凹凸部18を設置し、両者の間を部分的に締まり嵌め、このように、前記接続管11と前記ブロック23”とは、組立後に脱落することなく相対的な固定を実現することができる。器体2にバーリング部またはブロックを設置し、このような構造は、入口管1と器体2との係合溶接の溶接面積を大きくすることができ、溶接箇所での器体2の変形を減少または回避することができ、同時に、両者の間の溶接強度及び溶接品質を向上させ、チップオフを防止する。
図20を参照すれば、前記入口管1が器体2の内部に突入して側孔部27に係合溶接される場合、半田7を入口管1と器体2との係合溶接箇所71に設置し、現在の技術では、半田の形状が円形であり、半田を置く場合、半田と係合溶接箇所とは密着しなくて隙間があり、溶接効果に影響を与え、ここに、円形半田を倣い半田に変え、倣い半田は、係合溶接箇所の形状に対応して一致することができ、係合溶接箇所に密着して設置することができ、このように、半田と係合溶接箇所とを効果的に貼り合わせることができ、半田の効果的な広がり、浸透を向上させることに有利である。半田の材料は、青銅半田、赤銅半田であってもよく、青銅半田に対して、赤銅半田は溶接継目の致密性及び溶接強度を向上させることに有利である。
【0020】
前記出口管3は、接続管31と、銅製継手32とを含み、接続管31はステンレス管であり、銅製継手32を接続するために、前記接続管31の一端に端口成形加工が行われ、前記接続管31は、器体2から相対的に離れている外側端口位置に凹部34が設置されており、前記凹部34は、接続管31の外側端部と距離があり、凹部34は、銅製継手32との係合位置決めに用いられ、接続管31に接続される銅製継手32がその内側に位置するものである状況に適用され、また、接続管31に接続される銅製継手32がその外側に嵌合されるものであると、外凸構造に変更することができる。接続管31と器体2の第2係合部25とが係合する位置に凹凸部35が設置されており、凹凸部35により、接続管31と第2係合部25とは、部分的に締まり嵌め可能であり、これにより、さらに他の冶具で位置制限する必要がなく、組立を便利にさせて組立後の溶接に適する。凹凸部の加工方式については、凹部加工の方式を採用し、押圧によりその外壁部に複数の条状凹部を形成することができ、例えば、柾目ホブで押圧する方式、または、押圧の冶具をそれぞれ両側から押圧する方式を採用し、押圧の冶具は凸部が付いており、押圧の時に力を受けるため、管の表面に凹部が形成され、凹部の両側が逆に、少し突起状態を呈しており、また、押圧の冶具は凹部が付いてもよく、このように、形成された凹凸部は少し異なり、さらに線引きのプロセスを採用してもよい。
図18~19を参照すれば、本実施例における前記接続管31は前記器体2の内部に突入し、かつ器体2に突入する深さが深く、接続管31は、器体2に突入する過程において、接続管31の管径の真円度が悪いため圧着が困難になったり、接続管31が予定位置に圧着される前に、その管壁の広い面積と器体2との係合箇所に摩擦が発生するこれにより、接続管31の凹凸部と第2係合部25との係合隙間が破壊されたりする可能性があり、溶接効果に影響を与える。この課題を解決するために、接続管31についてはさらに、以下のような実施形態があり、即ち、前記接続管31は、管径段311及びフレア段312、縮径段313を含み、前記フレア段312は前記第2係合部25に係合接続され、前記フレア段312の外壁部に凹凸部35’を設置し、凹凸部35’により、接続管31と第2係合部25とは、部分的に締まり嵌め可能であり、これにより、さらに他の冶具で位置制限する必要がなく、組立を便利にさせて組立後の溶接に適する。前記縮径段313は、直線部314と、縮径部315とを含み、前記直線部314は前記銅製継手32に係合接続され、前記直線部314の外壁に凹部34’が設置されており、前記凹部34は、銅製継手32との係合位置決めに用いられ、接続管31に接続される銅製継手32がその内側に位置するものである状況に適用され、また、接続管31に接続される銅製継手32がその外側に嵌合されるものであると、外凸構造に変更することができる。
【0021】
前記排油管4は、接続管41と、銅製継手42とを含み、接続管41はステンレス管であり、前記接続管41の両端に端口成形加工が行われ、一端が器体2に接続され、一端が銅製継手42に接続されるために用いられる。接続管41は、器体2から相対的に離れている外側端口位置に凹部44が設置されており、凹部44は、接続管41の外側端部と距離があり、前記凹部44は、銅製継手42との係合位置決めに用いられ、接続管41に接続される銅製継手42がその内側に位置するものである状況に適用され、また、接続管41に接続される銅製継手42がその外側に嵌合されるものであると、外凸構造に変更することができる。接続管41の他端に凹凸部45が設置されており、凹凸部45の位置は、器体2の第1係合部22の位置に対応し、凹凸部45により、接続管41と第1係合部22とは、部分的に締まり嵌め可能であり、これにより、さらに他の冶具で位置制限する必要がなく、組立を便利にさせて組立後の溶接に適用する。
【0022】
図12~
図15を参照すれば、前記入口管1は、突入部135を含み、当該突入部135は、前記器体2内に位置し、当該突入部の中心線131は前記器体の中心線231と交わらない。このような設計により、入口管1から流出した混合気流の一部分が器体の内壁面222に流れるとともに、器体2の内壁面222にガイドされて器体2に沿って回転させることができ、混合気流中の油滴が遠心力の作用により、よりよく分離して器体2の内壁面222に振られることができ、これにより、混合気流中の油滴がよりよく器体2の内壁面222に付着することができ、オイル分離効果を高め、油戻しをより安定にさせることもできる。
【0023】
詳しくは、前記入口管1は前記バーリング部23’またはブロック23”のキャビティ230を通って前記器体の内部に突入し、前記入口管1の一部の管壁は、前記キャビティ230に係合接続され、接続の方式は、締まり嵌めまたは溶接である。
【0024】
前記突入部の自由端部の端面を切欠き部132として定義し、前記切欠き部132がA点及びB点を有すると定義し、前記B点に対して、前記A点は前記器体2の内壁面222に近接する。当該切欠き部132の設置により、入口管1から流出した混合気流の方向を偏向させ、混合気流が出口管3の管壁、または器体2の内壁面222に流れることができる。
【0025】
前記突入部135の中心線131に垂直な1つの平面100を基準面100として定義し、前記切欠き部132のA位置と当該基準面との距離はL1であり、前記切欠き部132のB位置から当該基準面までの距離はL2である。好ましくは、前記切欠き部132のA位置と当該基準面との距離(L1)は、前記切欠き部132のB位置から当該基準面までの距離(L2)よりも大きい。このように設計すると、入口管1から流出した混合気流が出口管3の管壁へより多く流れ、出口管3の管壁のガイドにより、出口管3の管壁に沿って回転して油滴を分離することができ、オイル分離効果を向上させる。または、前記切欠き部132のA位置と当該基準面との距離(L1)は、前記切欠き部132のB位置と当該基準面との距離(L2)よりも小さく、このように設計すると、入口管1から流出した混合気流がよりよく器体2の内壁面222へ流れ、器体2の内壁のガイドにより、内壁に沿って回転して油滴を分離することができ、オイル分離効果を向上させ、または、前記切欠き部132のA位置と当該基準面との距離(L1)は、前記切欠き部132のB位置と当該基準面との距離(L2)に等しい。このように設置する構造により、同じく、入口管1から流出した混合気流がよりよく器体2の内壁面222に流れ、または出口管3の管壁に向けることができ、それに、混合気流が器体2内で回転して油滴を分離することをよりよく促進し、オイル分離効果を向上させ、それに、当該構造が簡単で、コストが低く、加工が便利で生産製作の効率が高く、後続に器体と組み立てる場合、取付操作が便利である。
【0026】
補足し説明すると、前記切欠き部132のA位置と前記基準面100との距離L1と、前記切欠き部132のB位置から前記基準面までの距離L2とが異なる場合、ガスオイル混合冷媒は入口管1の出口部134から噴出し、ガスオイル混合冷媒は圧力があり、切欠き部132の存在により、流体の断面は、切欠き部132から噴出する過程を経過する場合、各時刻における切欠き部132の内壁のその周方向に作用する力が変化し、切欠き部132に支持される部分が、ガスオイル混合冷媒を反対側に押し付ける。また、上記の達成しようとする技術的効果から見ると、切欠き部132のA位置とB位置との間の結び線は必ずしも直線または近似直線に限定されるものではなく、曲線を選択することも可能であり、曲線に対して、直線は加工が便利である。
【0027】
図12、20~21を参照すれば、切欠き部の第1つの実施例について、前記切欠き部は、斜面、曲面等に加工されることができ、前記入口管1と前記側孔部27との接続部位を接続部として定義し、前記切欠き部が、距離が最も遠い2つの点を有し該2つの点がE点、F点であると定義し、E点は第1端部1321に位置し、F点は第2端部1322に位置し、前記接続部は少なくともC点、D点を有し、前記C点、D点の結び線CDは、前記E点、F点の結び線EFと平行である(CDとEFとの間の角度が5°の範囲内にあることは、いずれも平行と見なすことができる)。このように設置すると、オイルセパレータの分離効果を相対的に向上させることができ、入口管と前記側孔部とを溶接する場合、入口管の管壁の一部と前記側孔部の内周壁とをよりよく貼り合わせ、溶接品質の向上に寄与することもできる。
【0028】
本実施例における排油管4は折曲部を有し、入口管1も折曲部を有し、また、勿論、直管であってもよい。本実施例内の銅製継手については、赤銅材質、銅メッキ材質、複合材質で加工する。
【0029】
以下、もう1つの実施例を紹介し、
図16に示すように、本発明が提供するオイルセパレータは主に、器体2と、入口管1と、出口管3と、排油管4とを含み、器体2はステンレス材料であり、前記入口管1、出口管3、排油管4については、赤銅材質または銅メッキ材質または複合材質で加工する。
【0030】
前記入口管1は一体成形構造の管体であり、一端に端口成形加工が行われ、システム接続管に接続されるためのものであり、他端が、器体2に接続されるためのものであり、前記入口管1は、外側に相対的に近接する端口位置に凹部16が設置されており、前記凹部16は、入口管1の外側の端口部位と距離があり、凹部16は、システム接続管との係合位置決めに用いられ、入口管1に接続されるシステム接続管がその内側に位置するものである構造に適用され、また、それに接続されるシステム接続管がその外側に嵌合されるものであると、外凸構造に変更することができる。入口管1とバーリング部またはブロックとの接続の具体的な方式は実施例1と同じであり、ここでは贅言しない。
【0031】
前記出口管3は一体成形構造の管体であり、両端に端口成形加工が行われ、一端が器体2に接続されるためのものであり、他端がシステム接続管に接続されるためのものであり、前記出口管3は、器体2から相対的に離れている外側端口位置に凹部36が設置されており、前記凹部36は、接続管31の外側端部と距離があり、凹部36は、システム接続管との係合位置決めに用いられ、出口管3に接続されるシステム接続管がその内側に位置するものである状況に適用され、また、システムの出口管3に接続されるシステム接続管がその外側に嵌合されるものであると、外凸構造に変更することができ、前記出口管3、第2係合部の具体的な方式は実施例1と同じであり、ここでは贅言しない。
【0032】
前記排油管4は一体成形構造の管体であり、両端に端口成形加工が行われ、一端が器体2に接続され、他端がシステム接続管に接続されるためのものである。前記排油管4は、器体2から相対的に離れている外側端口位置に凹部46が設置されており、前記凹部46は、接続管41の外側端部と距離があり、凹部46は、システム接続管との係合位置決めに用いられ、接続管41に接続されるシステム接続管がその内側に位置するものである状況に適用され、また、システムの接続管41に接続されるシステム接続管がその外側に嵌合されるものであると、外凸構造に変更することができる。排油管4と第1係合部との具体的な接続方式は実施例1と同じであり、ここでは贅言しない。
【0033】
実施例2の他の技術的特徴の記載については、実施例1と同じであり、ここでは贅言しない。
【0034】
本発明が提供するオイルセパレータは主に、器体2と、入口管1と、出口管3と、排油管4とを含み、器体2は、ステンレス器体であることが好ましく、前記入口管1、出口管3、排油管4は、ステンレス接続管、銅製継手を含む、実施例1における二段式であってもよく、実施例2における一体成形構造の管体であってもよく、実施例における入口管1、出口管3、排油管4は、自由に組み合わせて器体2に接続され、他の複数の実施例を形成することができ、ここでは、他の実施例を贅言しない。
【0035】
本発明が提供するオイルセパレータは、濾過ユニット6(
図2を参照)をさらに含み、前記濾過ユニットは、排油管4の入力端に取り付けられ、即ち、排油管4を器体2に取り付ける前に、濾過ユニット6を排油管4の入力端に取り付け、さらに排油管4の入力端を前記器体2の第1係合部に係合溶接することができ、それに、当該構造は濾過ユニット6を器体2に統合し、輸送の場合、濾過ユニット6が振られたり落下したりすることを回避できる。
【0036】
本発明が提供するオイルセパレータは、フローパーティショナ5(
図1を参照)をさらに含み、フローパーティショナ5は略板状構造を呈しており、本体部501と、固定部502とを含み、固定部502は、本体部501の外周側に位置し、フローパーティショナ5は、器体内の第1スクライブ溝201と第2スクライブ溝202との間に、固定部502によって固定される。フローパーティショナ5の本体部501は、直径が出口管3の直径以上のスルーホールが開口されており、スルーホールの周囲に若干の小孔(図示せず)が設置されることができ、フローパーティショナ5は、オイルセパレータを独立して連通しない2つの空間に分けるものではなく、入口管1から流出したガスオイル混合冷媒はフローパーティショナ5に遭遇する際に、バッフルが発生し、オイルセパレータで分離された油滴は、フローパーティショナ5の小孔を通ってオイルセパレータの底部に沈下することができ、よって、オイルセパレータの底部に沈下した油面に対する、器体の内部に入ったガスオイル混合冷媒の衝撃を低減し、堆積後のオイルにオイルミストが発生する状況を低減することができ、オイル分離効果を相対的に高めることができる。実際に使用する場合、オイルセパレータのオイル分離効果に応じて、フローパーティショナ5を選択的に使用するようにしてもよい。つまり、フローパーティショナを用いなくてもよい。
【0037】
図3を参照すれば、出口管3の器体2に突入する深さは、器体内に設置されたバーリング部23’またはブロックの所在する軸方向位置を超えており、混合気流が入口管1を通じて器体2に入ったあと、入口管1から流出した混合気流が出口管の管壁へより多く流れ、出口管3の管壁のガイドにより、出口管の管壁に沿って回転して油滴を分離することができ、オイル分離効果を向上させ、前記出口管3の器体内に位置する部分は、長い長さを有し、ひいては延在してフローパーティショナのスルーホールを通り、かつ深さが、器体内に設置されたフローパーティショナの所在する軸方向位置を1~5cm超えており、この場合、一部分の完全に分離することのない混合気流は、混合気流の圧力の影響を受けるため、器体2の排油管4の入口へ移動し、移動の過程中、オイルとガスが完全に分離し、出口管3の入口端301が低く設置されるため、器体下部の気体状の冷媒は、速やかに出口管3から流出することができ、これにより、オイル分離効果を高める。
【0038】
オイルセパレータの実施例2を例として製造過程を説明し、製造過程は、
部品準備:器体素体及び入口管1を提供するステップと、
部品加工:前記器体素体の側壁を加工し、側孔部27付きの器体2を形成するステップであって、前記側孔部の中心線は前記器体の中心線と交わらないステップと、
部品組立:前記入口管1を前記側孔部27に挿入するステップと、
溶接:前記入口管と前記器体とを溶接固定するステップと、を含んでもよい。
【0039】
入口管1と器体2との溶接強度をさらに向上させるために、当該側孔部27の周壁に対してバーリング整形加工を行ってバーリング部23’を形成し、またはブロック23”を提供し、当該ブロックは、前記側孔部の周壁に固定、または位置制限され、前記ブロック23”はキャビティ230を含み、前記キャビティは器体2の側壁を貫通する。
【0040】
バーリング部23’付きの器体の加工方法は、以下のような実施例を含む。
【0041】
実施例1:
側孔の加工:前記器体素体の側壁の予め設定された位置に対して側孔加工を行うステップと、
バーリング:側孔の加工処理を経たあとの前記器体素体に対してバーリング加工を行い、前記側孔部を囲むバーリング部23を形成するステップと、
ロール成形:バーリングステップの処理を経たあとの前記器体素体の両端部に対してロール成形加工を行い、第1ネッキング部及び第2ネッキング部を有する器体素体を得るステップと、
整形処理:ロール成形処理後の前記器体素体の側壁に位置する前記側孔部及びバーリング部に対して整形処理を行うステップと、である。
【0042】
実施例2:
第1回ロール成形:前記器体素体の一端部に対してロール成形加工を行い、第2ネッキング部26を有する器体素体を得るステップと、
側孔の加工:前記第2ネッキング部に近接する器体素体の側壁に側孔加工を行い、前記側孔部27を形成するステップと、
バーリング:側孔の加工処理を経た器体素体に対してバーリング加工を行い、前記側孔部を囲むバーリング部23’を形成するステップと、
第2回ロール成形:バーリングプロセス処理を経た前記器体素体の他端部に対してロール成形加工を行い、前記器体2を得るステップと、である。
【0043】
実施例3:
ロール成形:前記器体素体の両端部はロール成形加工が行われ、第1ネッキング部及び第2ネッキング部を有する器体素体を得るステップと、
側孔加工:ロール成形を経た前記器体素体の側壁に対して側孔加工を行い、前記側孔部27を形成するステップと、
バーリング:側孔加工ステップの処理を経た器体素体に対してバーリング加工を行い、前記側孔部を囲むバーリング部23’を形成し、前記器体2を得るステップと、である。
【0044】
上記3つの実施例におけるバーリング部はいずれも、前記器体の本体部側壁から内へまたは外へバーリングすることができるが、外へバーリングすることに対して、内へバーリングすることは、混合気流の流体抵抗を相対的に増加させることにより、オイルセパレータの分離効果に影響を与える。また、側孔部の加工方法は、パンチング、穴あけ、リーマ加工等であってもよい。
【0045】
入口管1、出口管3、及び排油管4の具体的な加工方法は以下の通りである。
【0046】
ステンレス管材を提供し、ステンレス管材を加工し、入口管1を形成し、器体の内部にある入口部の自由端部の端面は切欠き部であり、前記オイルセパレータの分離効果を向上させるために、前記切欠き部を加工して斜面または曲面を形成することができ、具体的には、入口管1と器体2のバーリング部またはブロックとの間の溶接強度を向上させるために、その係合位置に凹凸部を加工することもでき、前記凹凸部は、線引き、旋削、押圧等のような機械加工により得られる。
【0047】
ステンレス管材を提供し、ステンレス管材を加工し、出口管素体を形成し、または、出口管素体を提供し、出口管3と器体2とが係合する位置に、出口管3の係合部位の外周壁に対して線引きまたは圧延または旋削を行い、凹凸部を有する出口管3を形成し、出口管3と器体2との間の溶接強度を向上させるために、その係合位置に凹凸部を加工し、前記凹凸部は、線引き、旋削、押圧等のような機械加工により得られる。
【0048】
ステンレス管材を提供し、ステンレス管材を加工し、排油管素体を形成し、または、排油管素体を提供し、前記排油管素体の1つの端部に対して線引きまたは圧延または旋削を行い、凹凸部を有する排油管を形成する。
【0049】
部品組立:器体2、入口管1、排油管4、出口管3を、オイルセパレータの半製品に組み立てる。具体的なステップは以下の通りである。
【0050】
器体2、入口管1、出口管3、排油管4、器体2の第1ネッキング部21、第1係合部22、第2係合部25、第2ネッキング部26を組み立て、器体の第1係合部22と排油管4との係合部位の凹凸部により、器体の第1係合部22と排油管4とは部分的な密着嵌めを実現し、器体の第2係合部25と出口管との間の係合部位、入口管と器体のバーリング部との間の係合部位も、類似する構造である。凹凸部は、入口管、出口管、排油管と器体との係合部位に設置されてもよいし、器体の対応する部位に設置されてもよい。また、組立ステップにおいて、溶接リングは、入口管と前記器体とを組み立てた後に置かれることができ、好ましくは、倣い溶接リングであり、器体の第1係合部に先に溶接リングを置き、さらに前記排油管4を組み立て、前記溶接リングを、前記第1係合部の段階部と前記排油管との間に位置させることができ、溶接リングの材料は青銅半田または赤銅半田であり、好ましくは赤銅半田であり、赤銅半田の流動性は比較的良好であり、半田の広がり性及び効果的な浸透の向上に寄与し、溶接品質をさらに向上させるが、青銅に対して、赤銅半田のコストが高い。
【0051】
溶接:組み立てられたオイルセパレータの半製品をトンネル炉または高温オーブンで一体溶接することは、本来発生した有害な応力を除去することができる。溶接の時、トンネル炉または高温オーブン内に、不活性ガスまたは還元ガスで保護され、また、真空オーブンで溶接を実現するようにしてもよい。
【0052】
オイルセパレータの第2実施例において、前記器体2、入口管1、出口管3、排油管4は、一度に溶接保護で固定されてもよく、このように、加工ステップは相対的に少なく、器体と入口管1、出口管3、排油管4との間の溶接の時に採用する半田については、青銅半田または赤銅半田を採用することができ、器体2、入口管1、出口管3、排油管4はトンネル炉の炉溶接またはオーブンで溶接を実現し、溶接の時、トンネル炉またはオーブン内に、不活性ガスまたは還元ガスで保護され、また、真空オーブンで溶接を実現するようにしてもよい。
【0053】
バーリング部が付かないオイルセパレータについては、以下のような組立及び溶接方法を採用することができ、即ち、前記器体2、入口管1、出口管3、排油管4を組み立て、まず、入口管1、器体の側孔部を先にスポット溶接または冷間溶接を行って予め固定し、オイルセパレータの半製品を形成し、さらに前記オイルセパレータの半製品がトンネル炉の炉溶接またはオーブンで溶接を実現し、溶接の時、トンネル炉またはオーブン内に、不活性ガスまたは還元ガスで保護され、また、真空オーブンで溶接を実現するようにしてもよく、或いは、まず、組み立てられた入口管1、器体の側孔部を先にスポット溶接または冷間溶接を行って予め固定し、第1ユニットを形成し、さらに第1ユニットを前記排油管4、出口管3と組み立て、オイルセパレータの半製品を形成し、さらに前記オイルセパレータの半製品がトンネル炉の炉溶接またはオーブンで溶接を実現し、溶接の時、トンネル炉またはオーブン内に、不活性ガスまたは還元ガスで保護され、また、真空オーブンで溶接を実現するようにしてもよい。
【0054】
器体と入口管とを仮溶接する加工過程において、治工具8を用いる必要があり、
図24~
図27を参照すれば、具体的なステップは、以下の2種の実施例がある。
【0055】
実施例1:器体と吸気管とを予備組立して治工具に入れ、前記治工具の第1挟持部は前記入口管を位置制限するステップと、
前記器体を、位置制限されるまで前記入口管が所在する側から離反する方向に沿って回転するステップと、
前記治工具の第2挟持部は前記器体を位置制限するステップと、
前記入口管と前記器体とを、スポット溶接または冷間溶接を行って固定するステップと、である。
【0056】
実施例2:
前記入口管、前記器体を治工具に入れるステップと、
前記治工具の第1挟持部は前記入口管を位置制限し、または、前記治工具の第2挟持部は前記器体を位置制限するステップと、
前記入口管と前記器体とを予備組立するステップと、
前記器体または入口管を、前記器体の周方向に両者が位置制限されるまで回転するステップと、
前記入口管と前記器体とを、スポット溶接または冷間溶接を行って固定するステップと、である。
【0057】
また、オイルセパレータの第1実施例において、接続管11、接続管31、接続管41を器体と組み立てて第1回溶接固定を行い、さらに銅製接続管12、銅製接続管32、銅接42を組み立て、さらに第2回溶接固定を行うことができ、溶接方式は、トンネル炉の炉溶接またはオーブンで溶接を実現する方式であってもよく、溶接の時、トンネル炉またはオーブン内に、不活性ガスまたは還元ガスで保護され、また、真空オーブンで溶接を実現するようにしてもよく、具体的には、上記の記載を参照可能であり、ここでは復述しない。
【0058】
オイルセパレータの他の実施例についても、上記に記載の製造方法を参照可能であり、ここでは復述しない。しかし、出口管3の実施例2の加工方法については、ここで説明し、即ち、出口管は、接続管31を含み、前記接続管31は前記器体2の内部に突入する必要があり、かつ器体2に突入する深さが深く、接続管31は、器体2に突入する過程において、接続管31の管径の真円度が悪いため圧着が困難になったり、接続管31が予定位置に圧着される前に、その管壁の広い面積と器体2との係合箇所に摩擦が発生するこれにより、接続管31の凹凸部と第2係合部25との係合隙間が破壊されたりする可能性があり、溶接効果に影響を与える。この課題を解決するために、接続管31にフレア段の構造を新たに追加することができ、具体的な加工方法は以下の通りである。
【0059】
ステンレス管材を提供し、ステンレス管材を加工し、前記出口管の素体を形成し、前記出口管の素体の一端部に対してフレア、縮径加工を行って管径段311、フレア段312、縮径段313付きの出口管3を形成する。
【0060】
以上は、具体的な実施例でオイルセパレータを説明し、オイルセパレータはさらに、異なる構造であってもよく、異なるシステムに適用されると、排油管の形態、出口管、入口管の構造は、異なる可能性がある。ここでは1つずつ説明しない。本案のオイルセパレータは、現在市場の、構造が主に赤銅、炭素鋼でスプレー塗布され、本体が分段式の構造形で製作され、製品の生産過程中にいずれも酸洗い、スプレー塗布等の環境に優しくないプロセスに関連し、過程中に生産費用及び材料費用がいずれも比較的に高いものを代替することができる。勿論、本発明が提供するオイルセパレータは、他の金属材料(例えば、赤銅、炭素鋼等)に設置されることができ、具体的には、オイルセパレータの使用環境に応じて異なる材料を選択し、これにより、適用範囲を向上させる。
【0061】
本案は、ステンレス材質で本体加工、接続管加工を行い、全体としてガス保護炉における一体溶接を採用することを提出し、既存の基礎により、内部の容積を向上させ、製品の体積を減少し、全体的なコストの削減、本製品の耐用年数の延ばしを達成し、同時に、クリーンで環境に優しい生産を実現する。
【0062】
以上の実施形態は、本発明に記載される技術案を制限するものではなく、本発明を説明するためのものだけであり、本明細書は上記の実施形態を参照して本発明を既に詳しく説明したが、当業者が理解するように、当業者が依然として本発明に対して補正、結合または等同交替を行うことができ、本発明の精神および範囲を逸脱しない一切の技術案及びその改善はいずれも、本発明の請求項の範囲内に含まれるべきであることに注意すべきである。
【符号の説明】
【0063】
2・・・器体;
1・・・入口管;
3・・・出口管;
4・・・排油管;
5・・・フローパーティショナ;
6・・・濾過ユニット;
11・・・接続管;
12・・・銅製継手;
31・・・接続管;
32・・・銅製継手;
41・・・接続管;
42・・・銅製継手;
20・・・本体部;
21・・・第1ネッキング部;
22・・・第1係合部;
221・・・段階部;
27・・・側孔部;
23・・・突起アダプター部;
23’・・・バーリング部;
23”・・・ブロック;
230・・・キャビティ;
25・・・第2係合部;
26・・・第2ネッキング部;
201・・・第1スクライブ溝;
202・・・第2スクライブ溝;
501・・・本体部;
502・・・固定部;
14・・・凹部;
34・・・凹部;
44・・・凹部;
35・・・凹凸部;
45・・・凹凸部;
16・・・凹部;
36・・・凹部;
46・・・凹部;
131・・・中心線;
135・・・突入部;
132・・・切欠き部;
231・・・中心線;
134・・・出口部;
222・・・内壁面;
18・・・凹凸部;
38・・・ブリード部;
100・・・基準面;
311・・・管径段;
312・・・フレア段;
313・・・縮径段;
35’・・・凹凸部;
34’・・・凹部;
271・・・第1アーク部;
272・・・第2アーク部;
232・・・第1側壁;
233・・・第2側壁;
314・・・直線部;
315・・・縮径部;
7・・・半田;
71・・・係合溶接箇所;
301・・・入口端;
8・・・治工具;
81・・・第1挟持部;
82・・・第2挟持部;
1321・・・第1端部;
1322・・・第2端部。
【国際調査報告】