(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】無煙機能を備えたエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20241018BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20241018BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575233
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2022-12-09
(86)【国際出願番号】 KR2022015576
(87)【国際公開番号】W WO2023075237
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0145543
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、イン ス
(72)【発明者】
【氏名】クォン、チャン ミン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AD16
4B162AD20
4B162AD23
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル発生物品が収容される収容空間を形成するハウジング、前記収容空間内に収容されたエアロゾル発生物品を加熱するヒーター部、エアロゾル形成剤を含むカートリッジ、前記カートリッジを加熱するカートリッジヒーター部、及び有煙モード及び無煙モードのうち設定されたモードで動作するように前記エアロゾル発生装置を制御する制御部を含むエアロゾル発生装置に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品が収容される収容空間を形成するハウジング、
前記収容空間内に収容されたエアロゾル発生物品を加熱するヒーター部、
エアロゾル形成剤を含むカートリッジ、
前記カートリッジを加熱するカートリッジヒーター部、及び
有煙モード及び無煙モードのうち設定されたモードで動作するようにエアロゾル発生装置を制御する制御部、を含む、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記エアロゾル発生物品は、タバコロッドを含み、
前記タバコロッドは、
第1フィルタセグメント、第2フィルタセグメント、及び前記第1フィルタセグメント及び前記第2フィルタセグメントにより形成されたキャビティセグメント、を含み、
前記キャビティセグメントにはタバコ顆粒が充填される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記エアロゾル発生物品は、
前記タバコロッドの下流に位置したフィルタロッドをさらに含み、
前記フィルタロッドは、
冷却セグメント、及びマウスピースセグメント、を含む、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記設定されたモードが前記有煙モードであるという判断に応答して、前記ヒーター部及び前記カートリッジヒーター部を全て動作させるか、前記カートリッジヒーター部のみを動作させる、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記ヒーター部は、
強モード、中モード、及び弱モード、のうちの1つのモードで、前記エアロゾル発生物品に対する加熱温度を異ならせて動作する、請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記ヒーター部は、
前記強モードで200~260℃の温度が維持されるように加熱され、
前記中モードで160~200℃の温度が維持されるように加熱され、
前記弱モードで150~180℃の温度が維持されるように加熱される、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記設定されたモードが前記無煙モードであるという判断に応答して、前記ヒーター部及び前記カートリッジヒーター部のうちで前記ヒーター部のみを動作させる、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記ヒーター部は、
200~260℃の温度が維持されるように加熱される、請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記ヒーター部は、
前記キャビティセグメントのみを加熱するように配置される、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記ヒーター部は、
最初に予熱された後、設定された範囲を離脱する場合、再加熱される形式で駆動される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記エアロゾル発生装置は、前記ハウジングの外壁面に配置されるスイッチをさらに含み、
前記スイッチは、有煙モードまたは無煙モードを設定し、有煙モード選択時に強モード、中モード、及び弱モード、のうちいずれか1つのモードを設定する手段である、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無煙機能を備えたエアロゾル発生装置に関する。具体的には、有煙または無煙機能を使用者が選択可能であり、有煙モード下で、使用者がヒーター部の加熱温度を容易に選択することができるエアロゾル発生装置に関する。
【0002】
本出願は、2021年10月28日付の韓国特許出願第10-2021-0145543号を基礎とする優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示された全ての内容を本明細書の一部として含む。
【背景技術】
【0003】
近頃、伝統的な紙巻きタバコの短所を克服する代替品に関する需要が増加している。例えば、紙巻きタバコスティックを電気的に加熱することによりエアロゾルを発生させる装置(e.g.紙巻きタバコ型電子タバコ)に対する需要が増加している。それに伴い、電気加熱式エアロゾル発生装置とそれに適用される紙巻きタバコスティック(またはエアロゾル発生物品)に対する研究が活発に進められている。
【0004】
一方、喫煙時に可視的な煙が発生しないならば、使用者が場所や環境の制約なしに喫煙を楽しめるという長所がある。また、このような長所により嗅ぎタバコ(snuff)、含みタバコ(snus)、噛みタバコ(chewing tobacco)等のような無煙タバコ製品が開発されてはいるが、例示された無煙タバコ製品は、燃焼型紙巻きタバコまたは加熱型紙巻きタバコスティックのような喫煙感を提供できないという短所がある。一方、好みによっては可視的な煙を発生させて吸煙するのを好む喫煙者も存在する。
【0005】
前記可視的な煙の発生有無による選好度の差だけでなく、ニコチン移行量によって変わるタバコ味についても、喫煙者ごとに好みによって強いタバコ味または柔らかいタバコ味を好む差が存在する。
【0006】
そこで、可視的な煙の発生有無及び多様なタバコ味に伴う、喫煙者多数の選好度の差を同時に満足させることができるエアロゾル発生装置に対する研究開発が必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】日本公開特許公報第2021-045149号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、前記問題を解決するために、選択によって有煙または無煙モードの作動が可能であり、有煙モード作動時にはタバコ顆粒を加熱させるヒーター部温度の調節が可能で、喫煙者が好みに応じてニコチン及び香味成分の移行量を調節することができるエアロゾル発生装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1側面によれば、
【0010】
エアロゾル発生物品が収容される収容空間を形成するハウジング、前記収容空間内に収容されたエアロゾル発生物品を加熱するヒーター部、エアロゾル形成剤を含むカートリッジ、前記カートリッジを加熱するカートリッジヒーター部、及び有煙モード及び無煙モードのうち設定されたモードで動作するように前記エアロゾル発生装置を制御する制御部、を含む、エアロゾル発生装置を提供する。
【0011】
本発明の一具体例において、前記エアロゾル発生物品は、タバコロッドを含み、前記タバコロッドは、第1フィルタセグメント、第2フィルタセグメント、及び前記第1フィルタセグメント及び前記第2フィルタセグメントにより形成されたキャビティセグメント、を含み、前記キャビティセグメントにはタバコ顆粒が充填されることができる。
【0012】
本発明の一具体例において、前記エアロゾル発生物品は、前記タバコロッドの下流に位置したフィルタロッドをさらに含み、前記フィルタロッドは冷却セグメント、及びマウスピースセグメント、を含むことができる。
【0013】
本発明の一具体例において、前記制御部は、前記設定されたモードが前記有煙モードであるという判断に応答して、前記ヒーター部及び前記カートリッジヒーター部を全て動作させるか、前記カートリッジヒーター部のみを動作させることができる。
【0014】
本発明の一具体例において、前記ヒーター部は、強モード、中モード、及び弱モード、のうち1つのモードで、前記エアロゾル発生物品に対する加熱温度を異ならせて動作することができる。
【0015】
本発明の一具体例において、前記ヒーター部は、前記強モードで200~260℃の温度が維持されるように加熱され、前記中モードで160~200℃の温度が維持されるように加熱され、前記弱モードで150~180℃の温度が維持されるように加熱されることができる。
【0016】
本発明の一具体例において、前記制御部は、前記設定されたモードが前記無煙モードであるという判断に応答して、前記ヒーター部及び前記カートリッジヒーター部のうちで前記ヒーター部のみを動作させることができる。
【0017】
本発明の一具体例において、前記ヒーター部は、200~260℃の温度が維持されるように加熱されることができる。
【0018】
本発明の一具体例において、前記ヒーター部は、前記キャビティセグメントのみを加熱するように配置されることができる。
【0019】
本発明の一具体例において、前記ヒーター部は、最初に予熱された後、設定された範囲を離脱する場合、再加熱される形式で駆動されることができる。
【0020】
本発明の一具体例において、前記エアロゾル発生装置は、前記ハウジングの外壁面に配置されるスイッチをさらに含み、前記スイッチは、有煙モードまたは無煙モードを設定し、有煙モード選択時に強モード、中モード、及び弱モード、のうちいずれか1つのモードを設定する手段であり得る。
【発明の効果】
【0021】
本発明による無煙機能を備えたエアロゾル発生装置は、喫煙者の好みまたは喫煙場所によって有煙または無煙モードの選択が可能であり、有煙モード作動時には、タバコ顆粒の加熱温度を喫煙者が強、中、弱モードに調節することができ、各温度によってニコチン及び香味成分の移行量を異ならせて喫煙の満足感を感じることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施例においてエアロゾル発生装置が無煙モードで作動するときの概略的な例示図を示した図である。
【
図2】本発明の一実施例においてエアロゾル発生装置が有煙モードで作動するときの概略的な例示図を示した図である。
【
図3】本発明の一実施例においてエアロゾル発生物品の概略的な例示図を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0024】
本明細書及び特許請求の範囲に使用された用語や単語は、通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自身の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って本発明の技術的思想に適する意味と概念で解釈されなくてはならない。
【0025】
本発明で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なって意図しない限り、複数の表現を含む。本発明で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されなくてはならない。
【0026】
本発明で使用された用語「前側」及び「後側」は、エアロゾルの流れを基準として定義する。
【0027】
本発明で使用された用語「エアロゾル形成剤」は、可視的な煙(smoke)及び/またはエアロゾル(aerosol)の形成を容易にできる物質を意味し得る。エアロゾル形成剤の例としては、グリセリン(GLY)、プロピレングリコール(PG)、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールを挙げることができるが、これに限定されるものではない。当該技術分野において、エアロゾル形成剤は保湿剤、湿潤制等のような用語と混用されて使用され得る。
【0028】
本発明で使用された用語「エアロゾル形成基材」は、エアロゾル(aerosol)を形成できる物質を意味し得る。エアロゾルは、揮発性化合物を含み得る。エアロゾル形成基材は、固体または液状であり得る。例えば、固体のエアロゾル形成基材は、板状葉タバコ、刻みタバコ、再構成タバコ等のタバコ原料を元とする固体物質を含むことができ、液状のエアロゾル形成基材は、ニコチン、タバコ抽出物及び/または多様な香味剤を元とする液状組成物を含むことができる。しかし、本開示の範囲がこのような例示に限定されるものではない。エアロゾル形成基材は、可視的な煙及び/またはエアロゾルを安定的に形成するためにエアロゾル形成剤をさらに含むこともできる。
【0029】
本発明で使用された用語「エアロゾル発生装置」は、使用者の口を介して使用者の肺に直接的に吸入可能なエアロゾルを発生させるためにエアロゾル形成基材を用いてエアロゾルを発生させる装置を意味し得る。
【0030】
本発明で使用された用語「エアロゾル発生物品」は、エアロゾルを発生させることができる物品を意味し得る。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基材を含むことができる。エアロゾル発生物品の代表的な例としては、紙巻きタバコを挙げることができるものであるが、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。
【0031】
本発明で使用された用語「上流」(upstream)または「上流方向」は、使用者(喫煙者)の口部から遠ざかる方向を意味し、「下流」(downstream)または「下流方向」は、使用者の口部に近づく方向を意味し得る。上流及び下流という用語は、エアロゾル発生物品を構成する要素の相対的位置を説明するために用いられることができる。例えば、エアロゾル発生物品20で、タバコロッド21はフィルタロッド22の上流または上流方向に位置し、フィルタロッド22はタバコロッド21の下流または下流方向に位置する。
【0032】
本発明で使用された用語「長さ方向(longitudinal direction)」は、エアロゾル発生物品の長さ方向軸に相応する方向を意味し得る。
【0033】
以下では、添付した図面を参考にして本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし本発明は、様々に相違する形態で具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0034】
以下では図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0035】
従来のエアロゾル発生装置は、可視的な煙の発生を使用者が直接制御することが難しく、喫煙者の好みに応じて特定のタバコ味を好むことがあり得ても、一定の特定温度でのみヒーターが作動して提供できるタバコ味の種類が限定的であるという点で、喫煙者多数の好みを満足するエアロゾル生成装置を提供できない限界点があった。
【0036】
したがって、本発明者らは、前記のような問題点を解決するために、喫煙者が、個人の好み及び喫煙場所によって可視的煙の発生有無を有煙または無煙モードの作動を介して選択することができ、有煙モード下では顆粒を加熱させるヒーター部の温度を複数の段階に異ならせて、好みに応じたタバコ味の選択が可能なエアロゾル発生装置について発明するに至った。
【0037】
本発明の一実施例において、エアロゾル発生装置10は、エアロゾル発生物品20が収容される収容空間を形成するハウジング、前記収容空間内に収容されたエアロゾル発生物品20を加熱するヒーター部15、エアロゾル形成剤を含むカートリッジ14、前記カートリッジ14を加熱するカートリッジヒーター部13、及び有煙モード及び無煙モードのうち設定されたモードで動作するように前記エアロゾル発生装置10を制御する制御部12を含む。
【0038】
ただし、
図1または
図2には本開示の実施例と関連のある構成要素のみが示されている。したがって、本開示が属する技術分野の通常の技術者であれば、
図1または
図2に示された構成要素の他に、他の汎用的な構成要素がさらに含まれ得ることがわかる。例えば、エアロゾル発生装置は、使用者からの命令等の入力を受けるための入力モジュール(e.g.ボタン、タッチ可能なディスプレイ等)や、装置の状態、喫煙情報等のような情報を出力するための出力モジュール(e.g.LED、ディスプレイ、振動モータ等)をさらに含むこともできる。以下では、エアロゾル発生装置の各構成要素について説明することにする。
【0039】
本発明の一実施例において、エアロゾル発生装置10は、エアロゾル発生物品20が収容される収容空間を形成するハウジングを含む。具体的には、前記ハウジングは、エアロゾル発生装置10の外観を形成することができる。また、ハウジングは、エアロゾル発生物品20を収容するための収容空間を形成することができる。前記ハウジングは、内部の構成要素を保護できる素材で具現されることが好ましい。
【0040】
本発明の一実施例において、前記収容空間に収容される前記エアロゾル発生物品20は、タバコロッド21を含み、前記タバコロッド21は、第1フィルタセグメント211、第2フィルタセグメント213、及び前記第1フィルタセグメント及び前記第2フィルタセグメントにより形成されたキャビティセグメント212を含み、前記キャビティセグメント212にはタバコ顆粒が充填されることができる。
【0041】
図3に示されたように、本発明の一実施例において、前記タバコロッド21は、第1フィルタセグメント211、第2フィルタセグメント213、及び前記第1フィルタセグメント及び前記第2フィルタセグメントにより形成されたキャビティセグメント212を含むことができる。前記タバコロッド21は、キャビティまたはキャビティセグメント212を含むタバコロッドであって、加熱されることによりニコチンのようなタバコ成分(または喫味成分)を供給することができる。
【0042】
具体的には、前記第1フィルタセグメント211は、キャビティセグメント212の形成、エアロゾルに対する濾過及び冷却機能を行うことができ、キャビティセグメント212の下流に位置することができる。前記第2フィルタセグメント213は、キャビティセグメント212の形成及びタバコ顆粒に対する脱落防止機能を行うことができる。また前記第2フィルタセグメント213は、エアロゾル発生物品20がエアロゾル発生装置10に挿入される場合、キャビティセグメント212がエアロゾル発生装置10内の適切な位置に配置されるようにすることができ、タバコロッド21が外部に離脱することを防止、及び喫煙中にタバコロッド21から液状化したエアロゾルがエアロゾル発生装置10に流れ出ることを防止することができる。
【0043】
本発明の一実施例において、一実施例において、第1フィルタセグメント211または第2フィルタセグメント213の吸引抵抗は、約40mmH20/60mm~150mmH20/60mmであり得、好ましくは約50mmH20/60mm~80mmH20/60mmであり得る。このような数値範囲内で、適切な吸込性が保障されることができる。また、適切な吸込性によりキャビティセグメント212内での渦気流の発生確率が増加し、これにより多数のタバコ顆粒214が均一に加熱される効果が達成できる。また、フィルタセグメントが紙フィルタである場合、例示された数値範囲内で適切な霧化量が保障されるものと確認された。
【0044】
本発明の一実施例において、前記第1フィルタセグメント211及び前記第2フィルタセグメント213は、それぞれ紙物質を含むことができる。
【0045】
本発明の一実施例において、前記第1フィルタセグメント211は、紙物質を含むことができ、言い換えると紙フィルタからなることができる。前記紙物質は、円滑な気流パス確保のために長さ方向に配列されることが好ましくあり得るが、これに限定されるものではない。前記紙物質は、熱により変性がほとんど起きないので、一定温度以上で加熱時に溶けたり収縮する現象が発生するセルロースアセテート繊維よりタバコロッド部位に容易に適用されることができる。
【0046】
本発明の一実施例において、前記第1フィルタセグメント211は、耐水性または耐油性の紙物質を含むことができる。前記耐水性または耐油性の紙物質を前記第1フィルタセグメント211が含む場合、エアロゾル内に含有された煙成分(e.g.水分、エアロゾル形成剤成分)が前記第1フィルタセグメント211を通過する間に吸収されて可視的な霧化量が減少する問題(e.g.有煙モードで霧化量が減少する問題)が大きく軽減されることができる。例えば、前記第1フィルタセグメント211が一般的な紙物質を含む場合、紙物質の吸湿性により前述の煙成分が吸収されて可視的な霧化量が減少し得るが、前記耐水性または耐油性の紙物質が適用されれば、前述の煙成分の吸収がほとんど起きず、このような霧化量の減少問題が解決されることができる。
【0047】
本発明の一実施例において、前記第1フィルタセグメント211は、セルロースアセテートフィルタからなることができる。このような場合には、前記第1フィルタセグメント211の除去能が向上する効果を達成することができる。
【0048】
本発明の一実施例において、前記第2フィルタセグメント213は、紙物質を含むことができ、言い換えると紙フィルタからなることができる。前記紙物質は、円滑な気流パス確保のために長さ方向に配列されることが好ましくあり得るが、これに限定されるものではない。前記紙物質は熱に強靭な物質で、セルロースアセテート繊維の使用時に内部加熱要素と接触して溶けたり収縮する現象によりタバコ顆粒が脱落する現象が加速化する問題を、大きく緩和させることができる効果がある。
【0049】
本発明の一実施例において、前記第2フィルタセグメント213は、耐水性または耐油性の紙物質を含むことができ、前記第1フィルタセグメント211についての説明で前述したように、耐水性または耐油性の紙物質は可視的な霧化量が減少する問題を大きく軽減できる効果がある。
【0050】
本発明の一実施例において、前記キャビティセグメント212は、前記第1フィルタセグメント211及び前記第2フィルタセグメント213により形成される。前記キャビティセグメント212は、キャビティを備えたセグメントであって第1フィルタセグメント211と第2フィルタセグメント213の間に位置することができる。すなわち、キャビティセグメント212は、第1フィルタセグメント211と第2フィルタセグメント213により形成されることができる。
【0051】
前記キャビティセグメント212は、多様な方式で製造されることができる。例えば、前記キャビティセグメント212は、紙管等のようなチューブ型構造物を含む形態で製造されるか、2つのフィルタセグメントにより形成されたキャビティを適切な素材のラッパーでラッピングすることにより製造されることができるが、タバコ顆粒が充填できるならば製造方法はこれに特に限定されない。
【0052】
図3に示されたように、本発明の一実施例において、前記キャビティセグメント212にはタバコ顆粒214が充填されることができる。一般的にタバコ顆粒214は、他の類型のタバコ物質(e.g.葉タバコ刻み、板状葉等)より水分及び/またはエアロゾル形成剤の含量が顕著に少ないので、可視的な煙の発生を大きく減少させることができ、このためエアロゾル発生装置10の無煙機能が容易に具現されることができる。ただし、タバコ顆粒の直径、密度、充填率、構成物質の組成比、加熱温度等は多様にでき、これは実施例により変わり得る。
【0053】
本発明の一実施例において、前記タバコ顆粒214の大きさは、約15メッシュ(mesh)~50メッシュであり得、好ましくは約15メッシュ~45メッシュ、約20メッシュ~30メッシュであり得る。このような数値範囲内で、タバコ顆粒214の適切な硬度と製造容易性が保障され、脱落現象が最小化され、キャビティセグメント内での渦気流の発生確率が増加し得る。
【0054】
本発明の一実施例において、前記タバコ顆粒214の密度は、約0.5g/cm3~1.2g/cm3であり得、好ましくは約0.7g/cm3~0.9g/cm3であり得る。このような数値範囲内で、タバコ顆粒214の適切な硬度が保障され、キャビティセグメント212内での渦気流の発生確率が増加し得る。
【0055】
本発明の一実施例において、前記タバコ顆粒214の硬度は、約70%以上であり得、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上であり得る。このような数値範囲内で、タバコ顆粒214の製造容易性が向上し、粉々になる現象が最小化されてエアロゾル発生物品20の製造容易性も向上することができる。本発明の一実施例で、タバコ顆粒214の硬度は、国家標準試験方法であるKSM-1802(「活性炭試験方法」)に基づいて測定された数値であり得る。硬度の測定方法の詳細内容と測定値の意味については、国家標準KSM-1802を参照するものとする。
【0056】
本発明の一実施例において、前記キャビティセグメント212に対するタバコ顆粒214の充填率は、約80体積%以下であり得、好ましくは約70体積%以下であり得る。このような数値範囲内で、キャビティセグメント212内での渦気流の発生確率が増加し得る。また、タバコ顆粒214の充填率は、適切な喫味を担保するために約60体積%以上であることが好ましい。
【0057】
本発明の一実施例において、前記タバコ顆粒214は、約20重量%以下の水分を含むことができ、好ましくは約10重量%以下の水分を含むことができる。このような数値範囲内で、可視的な煙の発生が大きく減少することができ、エアロゾル発生装置10の無煙機能が容易に具現されることができる。
【0058】
本発明の一実施例において、前記タバコ顆粒214は、約10重量%以下のエアロゾル形成剤を含むことができ、好ましくは約7重量%、5重量%、3重量%、または1重量%のエアロゾル形成剤を含むことができる。または、タバコ顆粒214は、エアロゾル形成剤を含まないこともできる。このような数値範囲内で、可視的な煙の発生が大きく減少することができ、エアロゾル発生装置10の無煙機能が容易に具現されることができる。
【0059】
本発明の一実施例において、前記タバコ顆粒214の湿量基準(wet basis)ニコチン含量は、約1.0%~4.0%であり、好ましくは約1.5%~3.5%であり得る。このような数値範囲内で、適切な水準の喫味感が保障されることができる。
【0060】
本発明の一実施例において、前記タバコ顆粒214の乾量基準(dry basis)ニコチン含量は、約1.2%~4.2%であり、好ましくは約1.7%~3.7%であり得る。このような数値範囲内で、適切な水準の喫味感が保障されることができる。
【0061】
本発明の一実施例において、前記エアロゾル発生物品20は、少なくとも1つのラッパーにより包装されることができる。具体的な例として、エアロゾル発生物品20は1つのラッパーにより包装されることができる。他の例として、エアロゾル発生物品20は2以上のラッパーにより重畳的に包装されることもできる。例えば、第1ラッパーによりタバコロッド21が包装され、第2ラッパーによりフィルタロッド22が包装されることができる。そして、個別のラッパーにより包装されたタバコロッド21及びフィルタロッド22が結合され、第3ラッパーによりエアロゾル発生物品20全体が再包装されることができる。もし、タバコロッド21またはフィルタロッド22それぞれが複数のセグメントで構成されているなら、それぞれのセグメントが個別のラッパーにより包装されることができる。そして、個別のラッパーにより包装されたセグメントが結合されたエアロゾル発生物品全体が別のラッパーにより再包装されることができる。ラッパーには、外部の空気が流入するか内部気体が流出する少なくとも1つの孔(hole)が形成されることもできる。
【0062】
図3に示されたように、本発明の一実施例において、前記エアロゾル発生物品20は、前記タバコロッド21の下流に位置したフィルタロッド22をさらに含み、前記フィルタロッド22は、冷却セグメント222、及びマウスピースセグメント221を含むことができる。前記フィルタロッド22は、タバコロッド21の下流に位置してエアロゾルに対する濾過機能を行うことができる。このために、フィルタロッド22は、紙、セルロースアセテート繊維等のようなフィルタ物質を含むことができる。フィルタロッド22は、フィルタ物質をラッピング(wrapping)しているラッパーをさらに含むものでもあり得る。
【0063】
前記フィルタロッド22は、多様な形状で製作されることができる。例えば、フィルタロッド22は、円柱型(type)ロッドでもあり得、内部に中空を含むチューブ型ロッドでもあり得る。また、フィルタロッド22は、リセス型ロッドでもあり得る。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが異なる形状で製作されることもできる。また前記フィルタロッド22は、香味が発生するように製作されることもできる。例えば、前記フィルタロッド22に加香液が噴射されることもでき、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタロッド22の内部に挿入されることもできる。他の例としては、前記フィルタロッド22には香液を含有している少なくとも1つのカプセル(図示なし)が含まれることができる。
【0064】
本発明の一実施例において、前記フィルタロッド22は、複数のセグメントで構成されることができる。
【0065】
本発明の一実施例において、前記フィルタロッド22は、冷却セグメント222及びマウスピースセグメント221を含むことができる。具体的には、前記冷却セグメント222は多様な形態で製造されることができるが、例えば冷却セグメント222は、紙管、中空が形成されたセルロースアセテートフィルタ、複数の孔が空いたセルロースアセテートフィルタ、高分子物質または生分解性高分子物質が充填されたフィルタ等の形態で製造されることができるが、エアロゾルの冷却機能を行うことができるならば、これに限定されるものではない。前記マウスピースセグメント221は、例えばセルロースアセテートフィルタ(すなわち、セルロースアセテート繊維からなるフィルタ)であり得るが、これに限定されるものではない。
【0066】
図1または
図2に示されたように、本発明の一実施例において、前記エアロゾル発生装置は、前記収容空間内に収容されたエアロゾル発生物品を加熱するヒーター部15を含む。具体的には、エアロゾル発生物品20がエアロゾル発生装置10の収容空間内に収容されると、ヒーター部15は、バッテリー11から供給された電力によりエアロゾル発生物品20を加熱することができる。
【0067】
前記ヒーター部15は、多様な形態及び/または方式で構成されることができる。例えば、ヒーター部15は、電気抵抗性の加熱要素を含むように構成されることができる。また他の例としては、ヒーター部15は、電気絶縁性の基質(例えば、ポリイミド(polyimide)で形成された基質)及び電気導電性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れるに伴って発熱する加熱要素を含み得る。しかし、本開示の範囲が上述した例示に限定されるものではなく、加熱要素は、希望温度まで加熱され得るものであれば制限なしに該当することができる。ここで、希望温度は、エアロゾル発生装置に既に設定(e.g.温度プロファイルが予め保存されている場合)されていることもでき、使用者により望む温度に設定されることもできる。
【0068】
本発明の一実施例において、前記ヒーター部15は、誘導加熱方式で動作する加熱要素を含むように構成されることができる。具体的には、ヒーター部15は、エアロゾル発生物品20を誘導加熱方式で加熱するためのインダクタ(inductor、e.g.誘導コイル)とインダクタにより誘導加熱されるサセプタ(susceptor)を含み得る。前記サセプタは、エアロゾル発生物品20の内部または外部に位置することができる。
【0069】
本発明の一実施例において、前記ヒーター部15は、エアロゾル発生物品20を内部で加熱する加熱要素(以下、「内部加熱要素」と略す)、外部で加熱する加熱要素(以下、「外部加熱要素」と略す)、またはこれらの組み合わせを含むように構成されることができる。内部加熱要素は、例えば管型、針型または棒型等の形態からなり、エアロゾル発生物品の少なくとも一部を貫通するように配置されることができ、外部加熱要素は、板型、円筒形等の形態からなり、エアロゾル発生物品20の少なくとも一部は囲む形態で配置されることができる。ただし、本開示の範囲がこれに限定されるものではなく、加熱要素の形状、個数、配置形態等は多様に設計されることができる。
【0070】
本発明の一実施例において、前記ヒーター部15は、前記キャビティセグメント212のみを加熱するように配置されることができる。具体的には、フィルタセグメントが加熱される場合、例えばフィルタセグメントがセルロースアセテートフィルタであれば熱によって繊維が溶けたり収縮する問題、及び紙フィルタであれば熱による紙物質の吸湿性増加により可視的な霧化量が減少する問題が発生するという点で、これを防止するために、前記ヒーター部15は、前記キャビティセグメント212のみを加熱することが好ましい。またフィルタに含まれた接着剤の変形及び放出を減らすことができ、フィルタの物性変化を防ぐ効果がある。
【0071】
図1または
図2に示されたように、本発明の一実施例において、エアロゾル発生装置10は、エアロゾル形成剤を含むカートリッジ14、及び前記カートリッジを加熱するカートリッジヒーター部13を含む。前記エアロゾル発生装置10は、内部に前記ヒーター部15とカートリッジヒーター部13が一列または並列に配置された構造を含み得るが、エアロゾル発生装置10の内部構造がこれに特に制限されるものではない。
【0072】
図1または
図2に示されたように、本発明の一実施例において、エアロゾル発生装置10は、エアロゾル形成剤を含むカートリッジ14を含む。
【0073】
本発明の一実施例において、前記カートリッジ14は、液状貯蔵槽及び液状伝達手段を含むことができる。しかし、これに限定されるものではなく、前記カートリッジ14は、他の構成要素をさらに含むこともできる。また、前記カートリッジ14は、カートリッジヒーター部13から着脱できるように製作されることもでき、カートリッジヒーター部13と一体で製作されることもできる。
【0074】
本発明の一実施例において、前記液状貯蔵槽は、液状組成物を貯蔵することができる。例えば、液状組成物は、タバコ含有物質(またはニコチン含有物質)を含む液体であり得、非タバコ物質を含む液体でもあり得る。例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物(e.g.タバコ抽出物)、ニコチン、香料、エアロゾル形成剤、香味剤、またはビタミン混合物を含むことができる。香料は、メンソール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分等を含むことができるが、これに制限されるものではない。香味剤は、使用者に多様な香味または風味を提供できる成分を含むことができる。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、及びビタミンEのうち少なくとも1つが混合されたものであり得るが、これに制限されない。また、エアロゾル形成剤の例としては、グリセリンまたはプロピレングリコールを挙げることができるものであるが、これに限定されるものではない。
【0075】
本発明の一実施例において、液状伝達手段は、液状貯蔵槽に貯蔵された液状組成物をカートリッジヒーター部に伝達することができる。例えば、前記液状伝達手段は、綿繊維、セラミックス繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックスのようなウィック(wick)要素がなることができるが、これに限定されるものではない。
【0076】
図1または
図2に示されたように、本発明の一実施例において、エアロゾル発生装置10は前記カートリッジ14を加熱するカートリッジヒーター部13を含む。
【0077】
本発明の一実施例において、前記カートリッジヒーター部13は、カートリッジ14に貯蔵された液状のエアロゾル形成基材(e.g.液状組成物)を加熱してエアロゾルを形成させることができる。例えば、カートリッジヒーター部13は、液状伝達手段により伝達された液状組成物を加熱してエアロゾルを形成させることができる。形成されたエアロゾルは、エアロゾル発生物品20を通過して使用者に伝達されることができる。言い換えると、カートリッジヒーター部13の加熱により形成されたエアロゾルは、エアロゾル発生装置10の気流パスにそって移動することができ、気流パスは、形成されたエアロゾルがエアロゾル発生物品20を通過して使用者に伝達されることができるように構成されることができる。前記カートリッジヒーター部13の動作、加熱温度等は、制御部12により制御されることができる。
【0078】
本発明の一実施例において、前記カートリッジヒーター部13は、例えば、金属熱線、金属熱板、セラミックスヒーター部等がなることができるが、これに限定されるものではない。また、前記カートリッジヒーター部13は、例えばニクロム線のような導電性フィラメントで構成されることができ、液状伝達手段に巻かれる構造で配置されることもできる。しかし、これに限定されるものではない。なお、当該技術分野でカートリッジヒーター部13とカートリッジ14は、カトマイザー(cartomizer)、アトマイザー(atomizer)、蒸気化器(vaporizer)等のような用語で示されることもできる。
【0079】
図1または
図2に示されたように、本発明の一実施例において、エアロゾル発生装置10は、バッテリー11をさらに含むことができる。前記バッテリー11は、エアロゾル発生装置10が動作するのに用いられる電力を供給することができる。例えば、バッテリー11は、ヒーター部15がエアロゾル発生物品20を加熱できるように電力を供給することができ、制御部12が動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0080】
本発明の一実施例において、前記バッテリー11は、エアロゾル発生装置10に設置されたディスプレイ(図示なし)、センサ(図示なし)、モータ(図示なし)等の電気的構成要素が動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0081】
本発明の一実施例において、前記エアロゾル発生装置10は、無煙機能を備えたものであり得る。本発明の一実施例において、前記エアロゾル発生装置10は、有煙モードまたは無煙モードで動作することができる。例えば、無煙モードでのみ動作するか、無煙モード及び有煙モードのうち設定されたモードで動作するエアロゾル発生装置10が提供されることができる。これにより、使用者が場所や環境に制約を受けずにエアロゾル発生装置10を使用することができるようになり、使用者の便宜性が大きく向上することができる。
【0082】
図1または
図2に示されたように、本発明の一実施例において、エアロゾル発生装置10は、有煙モード及び無煙モードのうち設定されたモードで動作するように前記エアロゾル発生装置10を制御する制御部12を含む。具体的には、前記制御部12は、エアロゾル発生装置10の動作を全般的に制御することができる。例えば、前記制御部12は、ヒーター部15及びバッテリー11の動作を制御することができ、エアロゾル発生装置10に含まれた他の構成要素の動作も制御することができる。制御部12は、バッテリー11が供給する電力、ヒーター部15の加熱温度等を制御することができる。また、制御部12は、エアロゾル発生装置10の構成それぞれの状態を確認して、エアロゾル発生装置10が動作可能な状態か否かを判断することもできる。
【0083】
本発明の一実施例において、前記制御部12は、少なくとも1つの制御部(processor)により具現されることができる。前記制御部は、多数の論理ゲートのアレイで具現されることもでき、汎用的なマイクロ制御部と、そのマイクロ制御部で実行できるプログラムが保存されたメモリの組み合わせで具現されることもできる。また、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、制御部が異なる形態のハードウェアでも具現され得ることを自明に理解することができる。
【0084】
本発明の一実施例において、有煙モードは、エアロゾル発生装置10によりエアロゾルが発生し、可視的な煙も発生するモードを意味し得る。有煙モードを具現する方式は多様であり得、具体的な具現方式は実施例により変わり得る。
【0085】
本発明の一実施例において、前記制御部12は、前記設定されたモードが前記有煙モードであるという判断に応答して、前記ヒーター部15及び前記カートリッジヒーター部13を全て動作させるか、前記カートリッジヒーター部13のみを動作させることができる。
【0086】
本発明の一実施例において、前記有煙モードで前記ヒーター部15及び前記カートリッジヒーター部13が全て動作する場合、前記ヒーター部15は、強モード、中モード、及び弱モードのうち1つのモードで、前記エアロゾル発生物品20に対する加熱温度を異ならせて動作することができる。具体的には、前記ヒーター部15は、前記キャビティセグメント212を加熱してその内部に充填されたタバコ顆粒214を加熱させるが、喫煙者の好みによる選択によって弱モード、中モード、及び強モードの順で加熱温度が増加するため、各モード別のタバコ顆粒の加熱温度によって発生するニコチン及び香味成分が相違し、喫煙者に多様な喫味を提供することができる。
【0087】
本発明の一実施例において、前記ヒーター部15は、前記有煙モードの前記強モードで200~260℃、好ましくは210~240℃、より好ましくは220~230℃の温度が維持されるように加熱され、前記有煙モードの前記中モードで160~200℃、好ましくは170~200℃、より好ましくは190~200℃の温度が維持されるように加熱され、前記有煙モードの前記弱モードで150~180℃、好ましくは160~180℃、より好ましくは170~200℃の温度が維持されるように加熱されることができる。前記各モードで互いに区分されるヒーター部15の温度でタバコ顆粒が加熱されることにより、各モードでは互いに異なるタバコ味が提供されることができる。具体的には、タバコ顆粒の加熱温度が最も高い強モードでは、ニコチン移行量が大きく強い刺激が発現され、多くのニコチン移行量により強いタバコ味が提供されることができる。これと反対に、タバコ顆粒の加熱温度が最も低い弱モードでは、ニコチン移行量が少ないという点から柔らかいタバコ味が提供されることができる。
【0088】
本発明の一実施例において、前記有煙モードで前記カートリッジヒーター部13のみが動作する場合、カートリッジ14のみが加熱されても可視的な煙を含むエアロゾルが形成されることができる。具体的には、前記有煙モードで前記カートリッジヒーター部13のみが動作する場合、前記カートリッジヒーター部13の作動温度は150~250℃、好ましくは170~230℃、より好ましくは180~200℃であり得る。
【0089】
本発明の一実施例において、前記有煙モードにおいて、前記ヒーター部15は、最初に予熱された後、設定された範囲を離脱する場合、再加熱される形式で駆動されることができる。具体的には、前記強モード、中モード及び弱モードでヒーター部15の加熱温度は、最初に予熱がされて前記加熱温度範囲に到達した以後に、時間の経過に伴い温度が下がって前記各モードの加熱温度範囲を離脱することがあり得、この場合、再び各モードの加熱温度範囲に到達するために、前記制御部12は、ヒーター部15が再加熱されるようにヒーター部15を動作させることができる。
【0090】
本発明の一実施例において、無煙モードは、エアロゾル発生装置10によりエアロゾルが発生し、可視的な煙は発生しないモード(または可視的な煙の発生が最小化するモード)を意味し得る。
【0091】
本発明の一実施例において、前記制御部12は、前記設定されたモードが前記無煙モードであるという判断に応答して、前記ヒーター部15及び前記カートリッジヒーター部13のうち前記ヒーター部15のみを動作させることができる。具体的には、設定されたモードが無煙モードであるという判断に応答して、前記制御部12は、ヒーター部15のみを動作させることができる。このような場合、カートリッジ14は加熱されず、エアロゾル発生物品20のみが加熱されることにより、可視的な煙が発生することが防止されることができる。具体的には、カートリッジに貯蔵された液状は、加熱されるに伴い可視的な煙を含むエアロゾルを発生させるが、液状の加熱が防止されるため可視的な煙の発生も防止されることができる。
【0092】
本発明の一実施例において、前記無煙モードにおいて、前記ヒーター部15は、200~260℃、好ましくは210~240℃、より好ましくは220~230℃の温度が維持されるように加熱されることができる。
【0093】
本発明の一実施例において、エアロゾル発生物品20が、タバコ顆粒214が充填された物品であり得る。タバコ顆粒は、水分及び/またはエアロゾル形成剤の含量が非常に少ないので、このようなエアロゾル発生物品を用いればエアロゾル発生装置の無煙モードがより容易に具現されることができる。
【0094】
本発明の一実施例において、前記無煙モードにおいて、前記ヒーター部15は、最初に予熱された後、設定された範囲を離脱する場合、再加熱される形式で駆動されることができる。具体的には、前記無煙モードでヒーター部15の加熱温度は、最初に予熱がされて前記加熱温度範囲に到達した以後に、時間の経過に伴い温度が下がって前記無煙モードの加熱温度範囲を離脱することがあり得、この場合、再び無煙モードの加熱温度範囲に到達するために、前記制御部12は、ヒーター部15が再加熱されるようにヒーター部15を動作させることができる。
【0095】
本発明の一実施例において、前記エアロゾル発生装置10は、前記ハウジングの外壁面に配置されるスイッチをさらに含み、前記スイッチは、有煙モードまたは無煙モードを設定し、有煙モード選択時に強モード、中モード、及び弱モードのうちいずれか1つのモードを設定する手段であり得る。例えば、前記ハウジングにボタン(Button)式のスイッチが配置されることができ、それぞれ有煙モードの強、中、弱モードの3つのボタンと、無煙モードボタンが配置されて各モードを使用者が設定することができるが、前記有煙または無煙モードと強、中、弱モードを使用者が喫煙時に容易に設定できる手段であれば、これに特に制限されない。
【0096】
以下、本発明の理解を助けるために、好ましい実施例を提示するが、下記の実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものであるだけで、本発明がこれに限定されるものではない。
【0097】
製造例:エアロゾル発生物品の製造
【0098】
図3に示されたものと同一の構造を有するエアロゾル発生物品を製造した。具体的には、前記エアロゾル発生物品は、円周が約22mmで、長さが約48mmであり、約5mmの第1フィルタセグメント、約18mmのキャビティセグメント、約5mmの第2フィルタセグメント、約10mmの冷却セグメント、及び約10mmのマウスピースセグメントで構成される。大きさが約30メッシュ~約40メッシュであり、タバコ粉末約85%、澱粉約5%、水分約10%を含むタバコ顆粒を製造した後、キャビティセグメントに約75体積%になるように充填した。紙幅が約150mmで、坪量が約60mg/m
2であるクリープ紙原紙を約0.5~1.2mmでクリーピングしたクリープ紙(すなわち、クリーピング工程が行われた紙)を投入して吸引抵抗が約70mmH
2O/60mmの紙フィルタを製造し、製造された紙フィルタを切断して第1フィルタセグメント及び第2フィルタセグメントとして用いた。また、冷却セグメントとしては紙管を用い、マウスピースセグメントとしてはセルロースアセテートを用いた。
【0099】
実施例:エアロゾル発生装置でのエアロゾル移行特性の評価
【0100】
[実施例1]
【0101】
上述した製造例により製造されたエアロゾル発生物品を、本明細書に記載されたと同じく、有煙モード及び無煙モードを含み、キャビティセグメントを加熱するヒーター部と強モード、中モード、弱モードを含むエアロゾル発生装置に適用した。
【0102】
前記エアロゾル発生装置を有煙モードに設定し、前記ヒーター部を強モードに設定して、エアロゾル発生装置を駆動した。
【0103】
[実施例2]
【0104】
前記エアロゾル発生装置で前記ヒーター部を中モードに設定したことを除いては、実施例1と同一の方式でエアロゾル発生装置を駆動した。
【0105】
[実施例3]
【0106】
前記エアロゾル発生装置で前記ヒーター部を弱モードに設定したことを除いては、実施例1と同一の方式でエアロゾル発生装置を駆動した。
【0107】
[実施例4]
【0108】
前記エアロゾル発生装置を無煙モードに設定したことを除いては、実施例1と同一の方式でエアロゾル発生装置を駆動した。
【0109】
前記実施例1~4によるエアロゾル発生装置の駆動により発生したエアロゾル移行特性を下記の表1に示した。具体的には、前記エアロゾル移行特性測定は、温度が約22±2℃で、湿度が約60±5%の喫煙室で進められ、55mlを3秒吸入、27秒待機する液状電子タバコの標準測定法であるCRM81条件で試料別に5回ずつ、回別に9パフ(puff)を基準として繰り返し実施し、発生したエアロゾルを各回別に捕集して、その結果に対する平均値、標準偏差及び変動係数(CV)を計算し、下記の表1に示した。
【表1】
*TPM:Total particulate matter/PG:Propylene glycol/Gly:Glycerin
【0110】
前記表1によれば、有煙モードの実施例1~3では、無煙モードの実施例4と比べて、煙霧を発生させるプロピレングリコール及びグリセリン成分がそれぞれ少なくとも35倍及び28倍以上多量に発生し、喫煙者の好みまたは喫煙場所によって有煙または無煙モードを選択して、喫煙に対する満足感を向上させることができることを確認した。
【0111】
また、ヒーター部の加熱条件が同一の実施例1(有煙モード、強モード)と実施例4(無煙モード)を比較すると、実施例1ではニコチン成分を除いたタールが22.6mg/stick、ニコチンが0.84mg/stickが移行されて、ニコチン成分を除いたタールが10.5mg/stick、ニコチンが0.19mg/stickが移行される実施例4に比べて、エアロゾルによりタバコ顆粒成分がはるかに円滑に移行された。
【0112】
また有煙モードのうちヒーター部を介したタバコ顆粒の加熱温度を異にする実施例1~3に対して、喫煙者各個人の喫煙性向と密接な関連性を有するニコチン移行量を測定した結果、加熱温度が最も高い実施例1の「強モード」でニコチン移行量が最も多く、順に温度が低くなる実施例2の「中モード」、実施例3の「弱モード」の順で、順にニコチン移行量が少なくなることを確認した。これにより、加熱温度が高いほど多量のニコチン移行により強い刺激のタバコ味を提供するが、加熱温度が低くなるほど移行されるニコチン量が少なくなりつつ次第に柔らかいタバコ味を提供することがわかった。
【0113】
前記結果を介して、本発明のエアロゾル発生装置は、有煙モードのうち強、中、弱モードの選択によって、喫煙者の好みにあう多様なタバコ味を提供し、喫煙に対する満足感を向上させることができることを確認した。
【0114】
本発明が前記言及された好ましい実施例と関わって説明されたが、発明の要旨と範囲から逸脱することなしに多様な修正や変形をすることが可能である。したがって、添付された特許請求の範囲は、本発明の要旨に属する限りこのような修正や変形を含むものである。
【符号の説明】
【0115】
10:エアロゾル発生装置
11:バッテリー
12:制御部
13:カートリッジヒーター部
14:カートリッジ
15:ヒーター部
20:エアロゾル発生物品
21:タバコロッド
22:フィルタロッド
211:第1フィルタセグメント
212:キャビティセグメント
213:第2フィルタセグメント
214:タバコ顆粒
221:マウスピースセグメント
222:冷却セグメント
【国際調査報告】