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特表2024-538889複数のヒーターを備えたエアロゾル発生装置及びこれと共に使用されるエアロゾル発生物品
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  • 特表-複数のヒーターを備えたエアロゾル発生装置及びこれと共に使用されるエアロゾル発生物品 図1
  • 特表-複数のヒーターを備えたエアロゾル発生装置及びこれと共に使用されるエアロゾル発生物品 図2
  • 特表-複数のヒーターを備えたエアロゾル発生装置及びこれと共に使用されるエアロゾル発生物品 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】複数のヒーターを備えたエアロゾル発生装置及びこれと共に使用されるエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20241018BHJP
   A24F 40/57 20200101ALI20241018BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20241018BHJP
   A24D 3/04 20060101ALI20241018BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20241018BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/57
A24D1/20
A24D3/04
A24D3/17
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575235
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2022-12-09
(86)【国際出願番号】 KR2022015572
(87)【国際公開番号】W WO2023075236
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0145553
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、イン ス
(72)【発明者】
【氏名】クォン、チャン ミン
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA50
4B045AB16
4B045BA02
4B045BA08
4B045BC15
4B045BC16
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC13
4B162AC22
4B162AC34
(57)【要約】
エアロゾル発生物品が収容される収容空間を形成するハウジング、前記収容空間内に収容されたエアロゾル発生物品を加熱するヒーター部、及び前記ヒーター部の温度を調節する制御部を含むエアロゾル発生装置を提供する。前記ヒーター部は、エアロゾル発生物品のそれぞれ異なる位置を加熱するように配置された第1ヒーター部及び第2ヒーター部を含み、前記制御部は、第1ヒーター部及び第2ヒーター部の温度を個別的に調節するように制御する。本発明の一具体例によるエアロゾル発生装置は、1つのエアロゾル発生物品に対しても消費者の好みに応じて多様な成分または量のエアロゾルを発生させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品が収容される収容空間を形成するハウジング、
前記収容空間内に収容されたエアロゾル発生物品を加熱するヒーター部、及び
前記ヒーター部の温度を調節する制御部を含み、
前記ヒーター部は、エアロゾル発生物品のそれぞれ異なる位置を加熱するように配置された第1ヒーター部及び第2ヒーター部を含み、
前記制御部は、第1ヒーター部及び第2ヒーター部の温度を個別的に調節するように制御するエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記エアロゾル発生物品は、第1フィルタセグメント、第2フィルタセグメント及びキャビティセグメントを含み、
前記キャビティセグメントは、第1フィルタセグメント及び第2フィルタセグメントにより形成され、
前記キャビティセグメントにはタバコ顆粒が充填され、
前記第1フィルタセグメントはキャビティセグメントの上流に位置し、エアロゾル形成剤を含む、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記エアロゾル発生物品の第1フィルタセグメント及びキャビティセグメントは、エアロゾル発生装置の収容空間に収容され、
前記第1ヒーター部は第1フィルタセグメントを加熱するように位置し、
前記第2ヒーター部はキャビティセグメントを加熱するように位置する、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記第1ヒーター部は、有煙モードまたは無煙モードで駆動され、
前記有煙モードでは第1ヒーター部が180℃~240℃の温度範囲を維持するように加熱され、
前記無煙モードでは第1ヒーター部が加熱されない、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記第2ヒーター部は、強モード、中モード及び弱モードのうち1つのモードで駆動され、
前記強モードでは第2ヒーター部が200℃~260℃の温度範囲を維持するように加熱され、
前記中モードでは第2ヒーター部が160℃~200℃の温度範囲を維持するように加熱され、
前記弱モードでは第2ヒーター部が150℃~180℃の温度範囲を維持するように加熱される、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記第1ヒーター部が100℃未満の場合、前記第2ヒーター部は、強モードで駆動される、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記第1ヒーター部及び第2ヒーター部は、最初に予熱された後、設定された範囲を離脱する場合に再加熱される形式で駆動される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記エアロゾル発生装置は、前記ハウジングの外壁面に配置されるスイッチをさらに含み、
前記スイッチは、第1ヒーター部に対して有煙モードまたは無煙モードを設定し、第2ヒーター部に対して強モード、中モードまたは弱モードを設定する、請求項4または5に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のヒーターを備えたエアロゾル発生装置及びこれと共に使用されるエアロゾル発生物品に関する。具体的には、エアロゾル発生物品のそれぞれ異なる位置を加熱するように配置され、温度を個別的に調節することができる複数のヒーターを備えたエアロゾル発生装置及びこれと共に使用されるエアロゾル発生物品に関する。
【0002】
本出願は、2021年10月28日付の韓国特許出願第10-2021-0145553号を基礎とする優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示された全ての内容を本明細書の一部として含む。
【背景技術】
【0003】
近頃、伝統的な紙巻きタバコの短所を克服する代替品に関する需要が増加している。例えば、紙巻きタバコスティックを電気的に加熱することによりエアロゾルを発生させる装置(例えば、紙巻きタバコ型電子タバコ)に関する需要が増加している。それに伴い、電気加熱式エアロゾル発生装置とそれに適用される紙巻きタバコスティック(またはエアロゾル発生物品)に対する研究が活発に進められている。
【0004】
具体的には、電気加熱式エアロゾル発生装置とそれに適用される紙巻きタバコスティックは、紙巻きタバコスティックのタバコ物質として板状葉、葉タバコ刻みの代わりに該当成分を含む顆粒を用い、電気加熱式エアロゾル発生装置にカートリッジ形態の別途の霧化部を導入する等、消費者の好みに合わせるために多様な形態で開発されている。にもかかわらず、1つの紙巻きタバコスティックと電気加熱式エアロゾル発生装置によっては、特定の好みを有する消費者のみを満足させることができる等、多様な消費者を満足させるには限界がある。
【0005】
そこで本発明者は、1つの紙巻きタバコスティックに対しても、消費者の好みに応じて多様な成分または量のエアロゾルを発生させることができる電気加熱式エアロゾル発生装置を研究した末に本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2014-7021388号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
1つのエアロゾル発生物品に対しても、消費者の好みに応じて多様な成分または量のエアロゾルを発生させることができるエアロゾル発生装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1側面によれば、
本発明は、エアロゾル発生物品が収容される収容空間を形成するハウジング、前記収容空間内に収容されたエアロゾル発生物品を加熱するヒーター部、及び前記ヒーター部の温度を調節する制御部を含み、前記ヒーター部は、エアロゾル発生物品のそれぞれ異なる位置を加熱するように配置された第1ヒーター部及び第2ヒーター部を含み、前記制御部は、第1ヒーター部及び第2ヒーター部の温度を個別的に調節するように制御するエアロゾル発生装置を提供する。
【0009】
本発明の一具体例において、前記エアロゾル発生物品は、第1フィルタセグメント、第2フィルタセグメント及びキャビティセグメントを含み、前記キャビティセグメントは、第1フィルタセグメント及び第2フィルタセグメントにより形成され、前記キャビティセグメントにはタバコ顆粒が充填され、前記第1フィルタセグメントはキャビティセグメントの上流に位置し、エアロゾル形成剤を含む。
【0010】
本発明の一具体例において、前記エアロゾル発生物品の第1フィルタセグメント及びキャビティセグメントは、エアロゾル発生装置の収容空間に収容され、前記第1ヒーター部は第1フィルタセグメントを加熱するように位置し、前記第2ヒーター部はキャビティセグメントを加熱するように位置する。
【0011】
本発明の一具体例において、前記第1ヒーター部は、有煙モードまたは無煙モードで駆動され、前記有煙モードでは第1ヒーター部が180℃~240℃の温度範囲を維持するように加熱され、前記無煙モードでは第1ヒーター部が加熱されない。
【0012】
本発明の一具体例において、前記第2ヒーター部は、強モード、中モード及び弱モードのうち1つのモードで駆動され、前記強モードでは第2ヒーター部が200℃~260℃の温度範囲を維持するように加熱され、前記中モードでは第2ヒーター部が160℃~200℃の温度範囲を維持するように加熱され、前記弱モードでは第2ヒーター部が150℃~180℃の温度範囲を維持するように加熱される。
【0013】
本発明の一具体例において、前記第1ヒーター部が100℃未満の場合、前記第2ヒーター部は、強モードで駆動される。
【0014】
本発明の一具体例において、前記第1ヒーター部及び第2ヒーター部は、最初に予熱された後、設定された範囲を離脱する場合に再加熱される形式で駆動される。
【0015】
本発明の一具体例において、前記エアロゾル発生装置は、前記ハウジングの外壁面に配置されるスイッチをさらに含み、前記スイッチは、第1ヒーター部に対して有煙モードまたは無煙モードを設定し、第2ヒーター部に対して強モード、中モードまたは弱モードを設定する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一具体例によるエアロゾル発生装置は、エアロゾルを発生させることができる第1フィルタセグメントを加熱できる第1ヒーター部と、エアロゾルにタバコ成分を供給することができるキャビティセグメントを加熱できる第2ヒーター部を個別的に調節することにより、1つのエアロゾル発生物品に対しても、多くの量のニコチンが移行されて強いタバコ味を好む消費者だけでなく、少ない量のニコチンが移行されて柔らかいタバコ味を好む消費者にも高い満足感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一具体例によるエアロゾル発生物品が適用されたエアロゾル発生装置を概略的に示した図であり、エアロゾル発生装置が有煙モードで動作することを例示する図である。
図2】本発明の一具体例によるエアロゾル発生物品が適用されたエアロゾル発生装置を概略的に示した図であり、エアロゾル発生装置が無煙モードで動作することを例示する図である。
図3】本発明の一具体例によるエアロゾル発生物品を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、具体例を例示的な図面を介して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付けるにおいて、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されても可能な限り同一の符号を持つようにしていることに留意しなければならない。また、具体例を説明するにおいて、関連する公知構成または機能についての具体的な説明が、具体例に対する理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0019】
また、具体例の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけで、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序等が限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接連結されるか接続されることができるが、各構成要素の間にまた他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」されることもできると理解されるべきものである。
【0020】
ある1つの具体例に含まれた構成要素と、共通の機能を含む構成要素は、他の具体例で同一の名称を使用して説明することとする。反対される記載がない以上、ある1つの具体例に記載した説明は、他の実施例にも適用されることができ、重複する範囲で具体的な説明は省略することとする。
【0021】
本明細書で、用語「エアロゾル発生装置」は、使用者の口を介して使用者の肺に直接的に吸入可能なエアロゾルを発生させるためにエアロゾル発生物品を適用してエアロゾルを発生させることができる装置を意味する。前記エアロゾル発生装置の例示的な構造は、図1及び図2を参照する。
【0022】
本明細書で、用語「エアロゾル発生物品」は、タバコ(紙巻きタバコ)、シガー等のように、エアロゾルを発生させることができるものを意味する。前記エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成剤及びエアロゾル形成基材のうち1つ以上を含むことができる。前記エアロゾル発生物品は、それぞれの機能性を有した数個のセグメントを含むことができる。一般的にエアロゾル発生物品は、直接火をつけて使用する燃焼式エアロゾル発生物品だけでなく、エアロゾル発生装置と共に使用される加熱式エアロゾル発生物品等があり、本発明ではエアロゾル発生装置と共に使用される加熱式エアロゾル発生物品が好ましく適用されることができる。
【0023】
本明細書で、用語「エアロゾル形成剤」は、可視的な煙(smoke)及び/またはエアロゾル(aerosol)の形成を容易にできる物質を意味する。前記エアロゾル発生物質の例としては、グリセリン(GLY)、プロピレングリコール(PG)、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールを挙げることができるが、これに限定されるものではない。該当技術分野において、エアロゾル形成剤は、保湿剤、湿潤制等のような用語と混用されて使用され得る。
【0024】
本明細書で、用語「エアロゾル形成基材」は、エアロゾル(aerosol)を形成できる物質を意味する。前記エアロゾルは、揮発性化合物を含み得る。前記エアロゾル形成基材は、固体または液状であり得る。
【0025】
例えば、固体のエアロゾル形成基材は、板状葉タバコ、刻みタバコ、再構成タバコ等のタバコ原料を元とする固体物質を含むことができ、液状のエアロゾル形成基材は、ニコチン、タバコ抽出物及び/または多様な香味剤を元とする液状組成物を含むことができる。しかし、必ずしもこれに限定されるものではない。前記エアロゾル形成基材は、可視的な煙及び/またはエアロゾルを安定的に形成するためにエアロゾル形成剤をさらに含むこともできる。
【0026】
本明細書で、用語「上流」及び「下流」は、使用者がエアロゾル発生物品を使用して空気を吸引する方向を基準として、エアロゾル発生物品を構成するセグメントの相対的な位置を示すために使用された用語である。エアロゾル発生物品は、上流端部(すなわち、空気が入ってくる部分)及びこれに対向する下流端部(すなわち、空気が出る部分)を含む。エアロゾル発生物品の使用時、使用者はエアロゾル発生物品の下流端部をくわえることができる。下流端部は上流端部の下流に位置し、一方用語「端部」はまた「末端」と記述されることができる。
【0027】
本明細書で、用語「パフ」(puff)は、使用者の吸入(inhalation)を意味し、吸入とは使用者の口や鼻を介して使用者の口腔内、鼻腔内または肺に引き込む状況を意味する。
【0028】
本明細書で、用語「長さ方向」(longitudinal direction)は、エアロゾル発生物品の長さ方向軸に相応する方向を意味する。
【0029】
本発明は、エアロゾル発生装置に関するものであり、1つのエアロゾル発生物品を適用しても、消費者の好みに応じて多様な成分または量のエアロゾルを発生させることができるエアロゾル発生装置を提供しようとする。本明細書では、エアロゾル発生装置についての理解を助けるために、例示的なエアロゾル発生装置を概略的に示した図1及び図2を提供する。本発明の一具体例によれば、前記エアロゾル発生装置10は、ハウジング、ヒーター部13及び14、及び制御部12を含む。前記エアロゾル発生装置10は、バッテリー11をさらに含むことができ、前記構成の他にも該当技術分野の通常の技術者の立場で汎用的な構成要素をさらに含むことができる。例えば、エアロゾル発生装置10は、使用者から命令等の入力を受けるための入力モジュール(例えば、ボタン、タッチ可能なディスプレイ等)や、装置の状態、喫煙情報等のような情報を出力するための出力モジュール(例えば、LED、ディスプレイ、振動モータ等)をさらに含むこともできる。以下では、エアロゾル発生装置10の各構成要素について具体的に説明する。
【0030】
前記ハウジングは、エアロゾル発生装置10の外観を形成する。前記エアロゾル発生装置10の外観を形成するとき、エアロゾル発生物品20を収容できる収容空間を形成する。前記ハウジングは、内部の構成要素を保護できる素材で具現されることが好ましい。
【0031】
前記ヒーター部13及び14は、収容空間に収容されたエアロゾル発生物品20を加熱する。具体的には、エアロゾル発生物品20がエアロゾル発生装置10の収容空間内に収容されると、ヒーター部13は、バッテリー11から供給された電力によりエアロゾル発生物品20を加熱することができる。
【0032】
前記ヒーター部13及び14は、多様な形態及び/または方式で構成されることができる。
【0033】
前記ヒーター部13及び14は、例えば電気抵抗性の加熱要素を含むように構成されることができる。たとえば、前記ヒーター部13は、電気絶縁性の基質(例えば、ポリイミド(polyimide)で形成された基質)及び電気導電性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れるに伴って発熱する加熱要素を含むことができる。しかし、これに限定されるものではなく、加熱要素は、希望温度まで加熱され得るものであれば制限なしに該当することができる。ここで、希望温度は、エアロゾル発生装置10に既に設定(例えば、温度プロファイルが予め保存されている場合)されていることもでき、使用者により望む温度に設定されることもできる。
【0034】
前記ヒーター部13及び14は、他の例として、誘導加熱方式で動作する加熱要素を含むように構成されることができる。具体的には、前記ヒーター部13は、エアロゾル発生物品20を誘導加熱方式で加熱するためのインダクタ(inductor、例えば、誘導コイル)とインダクタにより誘導加熱されるサセプタ(susceptor)を含むことができる。前記サセプタは、エアロゾル発生物品20の内部または外部に位置することができる。
【0035】
前記ヒーター部13及び14は、他の例として、エアロゾル発生物品20を内部で加熱する加熱要素(以下、「内部加熱要素」と略す)、外部で加熱する加熱要素(以下、「外部加熱要素」と略す)またはこれらの組み合わせを含むように構成されることができる。前記内部加熱要素は、例えば、管型、針型または棒型等の形態からなり、エアロゾル発生物品20の少なくとも一部を貫通するように配置されることができる。前記外部加熱要素は、板型、円筒形等の形態からなり、エアロゾル発生物品20の少なくとも一部は囲む形態で配置されることができる。ただし、本開示の範囲がこれに限定されるものではなく、加熱要素の形状、個数、配置形態等は多様に設計されることができる。
【0036】
本発明の一具体例によれば、前記ヒーター部13及び14は、エアロゾル発生物品20のそれぞれ異なる位置を加熱するように配置された第1ヒーター部13及び第2ヒーター部14を含む。前記第1ヒーター部13及び第2ヒーター部14は分離されて位置するので、エアロゾル発生物品10とそれぞれ異なる位置で接することができる。前記第1ヒーター部13及び第2ヒーター部14は分離されて位置するならば、その形態は特に限定されない。上述したように、管型、針型または棒型等の形態の内部加熱要素、及び板型、円筒形等の形態の外部加熱要素等が可能な形態であり得、図1及び図2によるエアロゾル発生装置10では、一具体例として、円筒形の外部加熱要素が使用される。
【0037】
前記バッテリー11は、エアロゾル発生装置10が動作するのに用いられる電力を供給する。前記バッテリー11は、例えば、ヒーター部13及び14がエアロゾル発生物品20を加熱できるように電力を供給することができ、制御部12が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、前記バッテリー11は、エアロゾル発生装置10に設置されたディスプレイ(図示なし)、センサ(図示なし)、モータ(図示なし)等の電気的構成要素が動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0038】
前記制御部12は、エアロゾル発生装置10の動作を全般的に制御することができる。前記制御部12は、例えば、ヒーター部13及び14及びバッテリー11の動作を制御することができ、エアロゾル発生装置10に含まれた他の構成要素の動作も制御することができる。前記制御部12は、バッテリー11が供給する電力を制御することができ、ヒーター部13及び14の加熱温度等も制御することができる。上述したように、前記ヒーター部13が第1ヒーター部13及び第2ヒーター部14を含む場合、前記制御部12は、第1ヒーター部及び第2ヒーター部の温度を個別的に調節するように制御することができる。また、前記制御部12は、エアロゾル発生装置10の構成それぞれの状態を確認して、エアロゾル発生装置10が動作可能な状態か否かを判断することもできる。
【0039】
前記制御部12は、少なくとも1つの制御部(processor)により具現されることができる。前記制御部は、多数の論理ゲートのアレイで具現されることもでき、汎用的なマイクロ制御部と、そのマイクロ制御部で実行できるプログラムが保存されたメモリの組み合わせで具現されることもできる。また、該当技術分野で通常の技術者であれば、制御部12が異なる形態のハードウェアでも具現され得ることを自明に理解することができる。
【0040】
前記エアロゾル発生装置10に適用されるエアロゾル発生物品20は、一般的な燃焼型紙巻きタバコと類似の構造を有することができる。前記エアロゾル発生物品20は、例えば、タバコ物質(またはエアロゾル形成基材)を含む第1部分(例えば、タバコロッド)とフィルタ等を含む第2部分(例えば、フィルタロッド)に区分されることができる。前記エアロゾル発生装置10の内部には第1部分の全体が挿入され、第2部分は外部に露出することができる。または、前記エアロゾル発生装置10の内部に第1部分の一部だけが挿入されることもでき、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されることもできる。使用者は、第2部分を口でくわえた状態で喫煙を行うことができる。
【0041】
本明細書では、上述したエアロゾル発生装置に適用されるエアロゾル発生物品についての理解を助けるために、例示的なエアロゾル発生物品を概略的に示した図3を提供する。本発明の一具体例によれば、前記エアロゾル発生物品20は、第1フィルタセグメント21、第2フィルタセグメント23及びキャビティセグメント22を含む。前記キャビティセグメント22は、第1フィルタセグメント21及び第2フィルタセグメント23により形成される。前記第1フィルタセグメント21、第2フィルタセグメント23及びキャビティセグメント22は、上述した第1部分(またはタバコロッド)に含まれる構成であり、前記第1部分が加熱されることによりニコチンのようなタバコ成分(または喫味成分)を供給することができる。前記第1部分におけるタバコ成分と関連しては、キャビティセグメント22に顆粒形態のタバコ物質であるタバコ顆粒22Aが充填されることができる。本発明によるエアロゾル発生物品に含まれるタバコ物質が、タバコ顆粒に限定されるものではないが、本発明によるエアロゾル発生装置においては好ましく適用されることができる。前記第1フィルタセグメント21及び第2フィルタセグメント23は、基本的にフィルタとしての機能性を有しもするが、キャビティセグメント22にタバコ顆粒22Aが充填される場合、タバコ顆粒22Aが流出せず、保有され得る区画を指定する機能性を有しもする。第1フィルタセグメント21、第2フィルタセグメント23及びキャビティセグメント22を含む第1部分は、ラッパーでラッピングされることができる。
【0042】
前記第1フィルタセグメント21は、キャビティセグメント22を形成するフィルタセグメントであって、キャビティセグメント22の上流に位置することができる。前記第1フィルタセグメント21は、後述する第2フィルタセグメント22と基本的には類似の構成を有するが、追加的な機能性が要求される。前記第1フィルタセグメント21は、タバコ顆粒22Aに対する脱落防止機能を行うことができる。それだけでなく、前記第1フィルタセグメント21は、エアロゾル発生物品20がエアロゾル発生装置10に挿入される場合、キャビティセグメント22がエアロゾル発生装置10内の適切な位置に配置されるようにすることができる。また、前記第1フィルタセグメント21は、タバコロッドが外部に離脱することを防ぐことができ、喫煙中にタバコロッドから液状化したエアロゾルがエアロゾル発生装置10に流れ出ることを防ぐこともできる。
【0043】
本発明の一具体例によれば、前記第1フィルタセグメント21は、紙物質を含むことができる。言い換えると、前記第1フィルタセグメント21は、紙フィルタからなることができる。円滑な気流パス確保のために、紙物質は、長さ方向に配列されることが好ましくあり得る。しかし、これに限定されるものではない。本発明の一具体例による加熱式エアロゾル発生装置10に適したタバコロッドが製造されることができる。具体的には、セルロースアセテート繊維は、内部加熱要素と接触時に溶けたり収縮する現象が起きて、タバコ顆粒22Aの脱落現象を加速化し得る。しかし、熱に強靭な紙物質は、このような現象を大きく緩和させることができる。本発明の一具体例によれば、第1フィルタセグメント21は、耐水性または耐油性の紙物質を含むことができる。
【0044】
前記第2フィルタセグメント23は、キャビティセグメント22を形成するフィルタセグメントであって、キャビティセグメント22の下流に位置することができる。第1フィルタセグメント21は、キャビティ形成の機能の他にもエアロゾルに対する濾過、冷却機能等をさらに行うことができる。
【0045】
本発明の一具体例によれば、前記第2フィルタセグメント23は紙物質を含む。言い換えると、前記第2フィルタセグメント23は紙フィルタからなることができる。円滑な気流パス確保のために、紙物質は、長さ方向に配列されることが好ましくあり得る。しかし、これに限定されるものではない。本発明の一具体例による加熱式エアロゾル発生装置10に適したタバコロッドが製造されることができる。具体的には、セルロースアセテート繊維は、一定温度以上に加熱されると溶けたり収縮する現象が起きるので、ヒーター部13及び14により加熱されるタバコロッド部位への適用が難しい。一方、紙物質は熱により変性がほとんど起きないので、タバコロッド部位に容易に適用でき、これによって加熱式エアロゾル発生装置10に適したタバコロッドが製造されることができる。ただし、他の具体例では、前記第2フィルタセグメント23がセルロースアセテートフィルタからなることもできる。このような場合には、前記第2フィルタセグメント23の除去能が向上する効果が達成できる。
【0046】
本発明の一具体例によれば、前記第2フィルタセグメント23は、耐水性または耐油性の紙物質を含むことができる。このような場合、エアロゾル内に含有された煙成分(例えば、水分、エアロゾル形成剤成分)が、第2フィルタセグメント23を通過する間に吸収されて可視的な霧化量が減少する問題(例えば、有煙モードで霧化量が減少する問題)が大きく軽減されることができる。たとえば、前記第1フィルタセグメント23が一般的な紙物質を含む場合、紙物質の吸湿性により上述した煙成分が吸収されて可視的な霧化量が減少し得る。しかし、耐水性または耐油性の紙物質が適用されれば、上述した煙成分の吸収がほとんど起きず、このような霧化量の減少問題が解決されることができる。
【0047】
本発明の一具体例によれば、前記第1フィルタセグメント21または第2フィルタセグメント23の吸引抵抗は、50mmH0/60mm~150mmH0/60mmであり得、好ましくは50mmH0/60mm~130mmH0/60mm、50mmH0/60mm~120mmH0/60mm、50mmH0/60mm~110mmH0/60mm、50mmH0/60mm~100mmH0/60mm、50mmH0/60mm~90mmH0/60mm、50mmH0/60mm~100mmH0/80mm、または50mmH0/60mm~70mmH0/60mmであり得る。このような数値範囲内で、適切な吸込性が保障されることができる。また、適切な吸込性によりキャビティセグメント22内での渦気流の発生確率が増加し、これにより多数のタバコ顆粒22Aが均一に加熱される効果が達成できる。
【0048】
一方、前記第1フィルタセグメント21及び第2フィルタセグメント23に含まれる紙物質の物性は、多様であり得る。
【0049】
本発明の一具体例によれば、前記紙物質の耐油度は3M Kit Testにより測定時、4以上(すなわち、1から12までの範囲で4以上)であり得、好ましくは5、6、7または8以上であり得る。このような数値範囲内で、前記紙物質の吸湿により可視的な霧化量(すなわち、可視的な煙の発生量)が減少する問題(例えば、有煙モードで可視的な霧化量の減少)が解決されることができる。
【0050】
本発明の一具体例によれば、前記紙物質の厚さは、30μm~50μmであり得、好ましくは33μm~47μm、35μm~45μm、または37μm~42μmであり得る。
【0051】
本発明の一具体例によれば、前記紙物質の坪量は、20g/m~40g/mであり得、好ましくは23g/m~37g/m、25g/m~35g/m、27g/m~33g/mであり得る。
【0052】
本発明の一具体例によれば、前記紙物質の引張強度は、2.5kgf/15mm以上であり得、好ましくは2.8kgf/15mm、3.2kgf/15mm、または3.5kgf/15mm以上であり得る。
【0053】
本発明の一具体例によれば、前記紙物質の伸張率は、0.8%以上であり得、好ましくは1.0%、1.2%、または1.5%以上であり得る。
【0054】
本発明の一具体例によれば、前記紙物質の剛性(stiffness)は、100cm以上であり得、好ましくは120cm、150cm、または180cm以上であり得る。
【0055】
本発明の一具体例によれば、前記紙物質の灰分含量は、1.5%以下であり得、好ましくは1.2%、1.0%、または0.8%以下であり得る。
【0056】
本発明の一具体例によれば、前記紙物質の紙幅は、80mm~250mmであり得、好ましくは90mm~230mm、100mm~200mm、120mm~180mm、または120mm~150mmであり得る。このような数値範囲内で第1フィルタセグメント21及び第2フィルタセグメント23が適切な吸引抵抗を有し、適切な霧化量が保障されるものと確認された。
【0057】
本発明の一具体例によるエアロゾル発生物品20は、タバコ顆粒22Aが充填されている物品であり、エアロゾル発生装置10は、約270度以下の加熱温度でエアロゾル発生物品20を加熱するように動作することができる。このような場合、喫煙中に可視的な煙が発生しないか可視的な煙の発生が最小化することができるが、これはタバコ顆粒22Aが、刻みタバコ(例えば、葉タバコ刻み、板状葉刻み)、板状葉等のタバコ物質より水分及び/またはエアロゾル形成剤の含量が顕著に少なく、可視的な煙の発生を減少させることができるためである。また、前記タバコ顆粒22Aは、刻みタバコ、板状葉等のタバコ物質より低い加熱温度(例えば、刻みタバコの加熱温度は通常的に270度以上である)でも十分な喫味が発現することができて(すなわち、ニコチンが十分に移行されることができて)ヒーター部13の加熱温度を低くすることができ、加熱温度が低くなることにより可視的な煙の発生がさらに減少することができるためである。
【0058】
上述したように、エアロゾル発生物品20にタバコ物質としてタバコ顆粒22Aを含む場合、エアロゾルまたは可視的な煙の発生が減少し得るので、これを補うことができる構成が要求される。このような構成として、エアロゾル発生装置10にエアロゾル形成剤を含むカートリッジを追加することができるが、本発明では、このような構成をエアロゾル発生装置10ではないエアロゾル発生物品20に含ませることにする。
【0059】
本発明の一具体例によれば、前記第1フィルタセグメント21は、エアロゾル形成剤を含む。エアロゾル発生物品20内でのエアロゾルの流れを考慮するなら、発生したエアロゾルがタバコ顆粒を含むキャビティセグメント22を通過するためには、エアロゾルはキャビティセグメント22の上流で発生する必要があり、エアロゾルの発生位置としては第1フィルタセグメント21が好ましくあり得る。前記エアロゾル形成剤は、第1フィルタセグメント21を構成する紙物質に含浸された形態で適用されることができる。前記エアロゾル形成剤の例としてグリセリン(GLY)、プロピレングリコール(PG)、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0060】
前記エアロゾル形成剤とともに香料、香味剤、ビタミン混合物等のような該当技術分野で一般的に使用される添加剤が使用されることができる。前記香料は、メンソール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分等を含むことができるが、これに限定されるものではない。前記香味剤は、使用者に多様な香味または風味を提供できる成分を含むことができる。前記ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、及びビタミンEのうち少なくとも1つが混合されたものであり得るが、これに限定されない。
【0061】
前記キャビティセグメント22は、キャビティを備えたセグメントであって第1フィルタセグメント21と第2フィルタセグメント23の間に位置することができる。すなわち、前記キャビティセグメント22は、第1フィルタセグメント21と第2フィルタセグメント23により形成されることができる。
【0062】
前記キャビティセグメント22は、多様な方式で製造されることができる。前記キャビティセグメント22は、一例として、紙管等のようなチューブ型構造物を含む形態で製造されることができる。前記キャビティセグメント22は、他の例として、第1フィルタセグメント21と第2フィルタセグメント23により形成されたキャビティを適切な素材のラッパーでラッピングすることにより製造されることもできる。しかし、これに限定されるものではなく、タバコ顆粒22Aが充填できるならば、前記キャビティセグメント22は、どのような方式で製造されても構わない。本発明の一具体例によれば、前記キャビティセグメント22の長さは、8mm~12mm内で自由に選択されることができる。
【0063】
図3でのように、前記キャビティセグメント22にはタバコ顆粒22Aが充填されることができる。一般的に、前記タバコ顆粒22Aは、他の類型のタバコ物質(例えば、葉タバコ刻み、板状葉等)より水分及び/またはエアロゾル形成剤の含量が顕著に少ないので、可視的な煙の発生を大きく減少させることができ、これにより、エアロゾル及び可視的煙の発生を補うことができる別途の構成が要求され、上述した内容によれば、前記第1フィルタセグメント21もそのような構成になることができる。前記タバコ顆粒22Aの直径、密度、充填率、構成物質の組成比、加熱温度等は多様にでき、これは実施例により変わり得る。
【0064】
本発明の一具体例によれば、前記タバコ顆粒22Aの直径は、0.3mm~1.2mmであり得る。このような数値範囲内で、タバコ顆粒22Aの適切な硬度と製造容易性が保障され、キャビティセグメント22内での渦気流の発生確率が増加し得る。
【0065】
本発明の一具体例によれば、前記タバコ顆粒22Aの大きさは、15メッシュ(mesh)~50メッシュであり得、好ましくは15メッシュ~45メッシュ、20メッシュ~45メッシュ、25メッシュ~45メッシュ、または25メッシュ~40メッシュであり得る。このような数値範囲内で、タバコ顆粒22Aの適切な硬度と製造容易性が保障され、脱落現象が最小化され、キャビティセグメント22内での渦気流の発生確率が増加し得る。
【0066】
本発明の一具体例によれば、前記タバコ顆粒22Aの密度は、0.5g/cm~1.2g/cmであり得、好ましくは0.6g/cm~1.0g/cm、0.7g/cm~0.9g/cm、または0.6g/cm~0.8g/cmであり得る。このような数値範囲内で、タバコ顆粒22Aの適切な硬度が保障され、キャビティセグメント22内での渦気流の発生確率が増加し得る。
【0067】
本発明の一具体例によれば、前記タバコ顆粒22Aの硬度は、80%以上であり得、好ましくは85%、または90%以上、より好ましくは91%、93%、95%、または97%以上であり得る。このような数値範囲内で、タバコ顆粒22Aの製造容易性が向上し、粉々になる現象が最小化されてエアロゾル発生物品20の製造容易性も向上することができる。本明細書で、前記タバコ顆粒22Aの硬度は、国家標準試験方法であるKSM-1802(「活性炭試験方法」)に基づいて測定された数値であり得る。硬度の測定方法の詳細内容と測定値の意味については、国家標準KSM-1802を参照するものとする。
【0068】
本発明の一具体例によれば、前記キャビティセグメント22に対するタバコ顆粒22Aの充填率は、80体積%以下であり得、好ましくは70体積%、60体積%、または50体積%以下であり得る。このような数値範囲内で、キャビティセグメント22内での渦気流の発生確率が増加し得る。また、前記タバコ顆粒22Aの充填率は、適切な喫味を担保するために、20体積%、30体積%、または40体積%以上であることが好ましい。
【0069】
本発明の一具体例によれば、前記タバコ顆粒22Aは、20重量%以下の水分を含むことができ、好ましくは15重量%、12重量%、10重量%、7重量%、または5重量%以下の水分を含むことができる。このような数値範囲内で、可視的な煙の発生が大きく減少することができ、エアロゾル発生装置10の無煙機能が容易に具現されることができる。
【0070】
本発明の一具体例によれば、前記タバコ顆粒22Aは、10重量%以下のエアロゾル形成剤を含むことができ、好ましくは7重量%、5重量%、3重量%、または1重量%のエアロゾル形成剤を含むことができる。または、前記タバコ顆粒22Aは、エアロゾル形成剤を含まないこともできる。このような数値範囲内で、可視的な煙の発生が大きく減少することができ、エアロゾル発生装置10の無煙機能が容易に具現されることができる。
【0071】
本発明の一具体例によれば、前記タバコ顆粒22Aの湿量基準(wet basis)ニコチン含量は、約1.0%~4.0%であり、好ましくは1.5%~3.5%、1.8%~3.0%、または2.0%~2.5%であり得る。このような数値範囲内で、適切な水準の喫味感が保障されることができる。
【0072】
本発明の一具体例によれば、前記タバコ顆粒22Aの乾量基準(dry basis)ニコチン含量は、1.2%~4.2%であり、好ましくは1.7%~3.7%、2.0%~3.2%、または2.2%~2.7%であり得る。このような数値範囲内で、適切な水準の喫味感が保障されることができる。
【0073】
本発明の一具体例によれば、前記エアロゾル発生物品20は、冷却セグメント24及びマウスピースセグメント25をさらに含む。前記冷却セグメント24及びマウスピースセグメント25は、上述した第2部分(またはフィルタロッド)に含まれる構成であり、タバコロッドの下流に位置してエアロゾルに対する濾過機能を行うことができる。前記フィルタロッドは、紙、セルロースアセテート繊維等のようなフィルタ物質を含むことができる。前記フィルタロッドは、フィルタ物質をラッピングしているラッパーをさらに含むものでもあり得る。
【0074】
前記フィルタロッドは、多様な形状で製作されることができる。例えば、フィルタロッドは円柱型ロッドでもあり得、内部に中空を含むチューブ型ロッドでもあり得る。また、前記フィルタロッドは、リセス型ロッドでもあり得る。もし、前記フィルタロッドが複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが異なる形状で製作されることもできる。
【0075】
前記フィルタロッドは、香味が発生するように製作されることもできる。前記フィルタロッドに、一例として家郷額が噴射されることもでき、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタロッドの内部に挿入されることもできる。前記フィルタロッドには、他の例として、香液を含有している少なくとも1つのカプセル(図示なし)が含まれることもできる。
【0076】
前記フィルタロッドは、エアロゾルに対する冷却機能を行う冷却セグメント24と、エアロゾルに対する濾過機能を行うマウスピースセグメント25で構成されることができる。または、場合によって、前記フィルタロッドは、他の機能を行う少なくとも1つのセグメントをさらに含むこともできる。
【0077】
前記冷却セグメント24は、多様な形態で製造されることができる。前記冷却セグメント24は、例えば、紙管、中空が形成されたセルロースアセテートフィルタ、複数の孔が空いたセルロースアセテートフィルタ、高分子物質または生分解性高分子物質が充填されたフィルタ等の形態で製造されることができる。しかし、これに限定されるものではなく、エアロゾルが冷却される機能を行うことができるならば、冷却セグメント24はどんな形態で製造されても構わない。前記高分子物質または生分解性高分子物質は、ポリ乳酸(PLA)素材の織造物であり得るが、これに限定されるものではない。
【0078】
前記マウスピースセグメント25は、例えば、セルロースアセテートフィルタ(すなわち、セルロースアセテート繊維からなるフィルタ)であり得るが、これに限定されるものではない。上述したフィルタロッドについての説明は、マウスピースセグメント25にも適用されることができる。
【0079】
前記エアロゾル発生物品20は、少なくとも1つのラッパー(図示なし)により包装されることができる。前記エアロゾル発生物品20は、一例として、1つのラッパーにより包装されることができる。前記エアロゾル発生物品20は、他の例として、2以上のラッパーにより重畳的に包装されることもできる。例えば、第1ラッパーによりタバコロッドが包装され、第2ラッパーによりフィルタロッドが包装されることができる。そして、個別のラッパーにより包装されたタバコロッド及びフィルタロッドが結合され、第3ラッパーによりエアロゾル発生物品20全体が再包装されることができる。もし、タバコロッドまたはフィルタロッドそれぞれが複数のセグメントで構成されているなら、それぞれのセグメントが個別のラッパーにより包装されることができる。そして、個別のラッパーにより包装されたセグメントが結合されたエアロゾル発生物品20全体が、別のラッパーにより再包装されることができる。前記ラッパーには、外部の空気が流入するか内部の気体が流出する少なくとも1つの孔(hole)が形成されることもできる。
【0080】
図1及び図2でのように、エアロゾル発生物品20の第1フィルタセグメント21及びキャビティセグメント22は、エアロゾル発生装置10の収容空間に収容され、前記第1ヒーター部13は、第1フィルタセグメント21を加熱するように位置し、第2ヒーター部14は、キャビティセグメント23を加熱するように位置することができる。
【0081】
前記第1ヒーター部13及び第2ヒーター部14は、最初に予熱された後、設定された範囲を離脱する場合、再加熱される形式で駆動されることができる。以下で説明される加熱温度範囲は、上述した加熱方式が適用される温度プロファイルの範囲を設定したものであり、加熱されない場合、温度は徐々に下がり得るので、ヒーター部が必ずしも特定温度に維持されるように駆動されるものではない。にもかかわらず、加熱温度範囲内で温度を最大限持続させることができるように、一定の水準の熱を加えることもできる。
【0082】
前記第1フィルタセグメント21を加熱する第1ヒーター部13は、有煙モードまたは無煙モードで駆動されることができる。本発明の一具体例によれば、有煙モードでは第1ヒーター部13が180℃~240℃の温度範囲を維持するように加熱され、前記無煙モードでは第1ヒーター部13が加熱されない。具体的には、前記温度範囲は、180℃以上、190℃以上、200℃以上で調節されるか、240℃以下、230℃以下、220℃以下で調節されることができる。前記有煙モードでの温度範囲は、使用者が1つのエアロゾル発生物品20を吸煙する間、補充されたエアロゾルまたは可視的な煙を十分に認識することができながらも、喫煙が終わるまでこのようなエアロゾルまたは可視的な煙が維持され得るように設定された温度である。前記温度範囲を超過すると、喫煙が終わる前にエアロゾルまたは可視的な煙が消尽することあり得、その後はエアロゾル形成剤がない紙物質が直接的に加熱されて、喫味が低下し得る。
【0083】
前記キャビティセグメント22を加熱する第2ヒーター部14は、強モード、中モード及び弱モードのうち1つのモードで駆動されることができる。本発明の一具体例によれば、前記強モードでは第2ヒーター部が200℃~260℃の温度範囲を維持するように加熱され、前記中モードでは第2ヒーター部が160℃~200℃の温度範囲を維持するように加熱され、前記弱モードでは第2ヒーター部が150℃~180℃の温度範囲を維持するように加熱される。具体的には、前記強モードの温度範囲は、200℃以上、205℃以上、210℃以上で調節されるか、260℃以下、255℃以下、250℃以下で調節されることができる。前記中モードの温度範囲は、160℃以上、165℃以上、170℃以上で調節されるか、200℃以下、195℃以下、190℃以下で調節されることができる。前記弱モードの温度範囲は、150℃以上、155℃以上、160℃以上で調節されるか、180℃以下、175℃以下、170℃以下で調節されることができる。
【0084】
強モード、中モード及び弱モードの温度範囲は、ニコチン等のタバコ成分がある程度移行されながら過加熱により焦げた味等の問題が発生しない範囲内で使用者の好みに応じて調節可能に設定したものであり、強モード、中モード及び弱モードでは、エアロゾルでのタバコ成分の組成が確実に区分がされ、使用者は、1つのエアロゾル発生装置10及びエアロゾル発生物品20でも、多様な喫煙感を具現することができる。上述したように、前記エアロゾル発生装置10での加熱は、喫煙の間中持続的になされるものではないので、それぞれのモードで温度範囲が一部重畳しても、全体的な温度プロファイルを考慮すれば、それぞれのモードは明確に区分がされる。
【0085】
図1は、エアロゾル発生装置10が有煙モードで動作することを例示し、図2はエアロゾル発生装置10が無煙モードで動作することを例示する。第1ヒーター部を有煙モードで稼動するときには、第2ヒーター部は強モード、中モード及び弱モードが全て駆動が可能であり、第1ヒーター部を無煙モードで稼動するときには、第2ヒーター部は強モードだけが駆動が可能である。これは無煙モードではタバコ物質からタバコ成分の移行量が非常に低く、中モード及び弱モードでは使用者の喫煙感を全く感じられないことがあり得る。第1ヒーター部を有煙モードから無煙モードに転換時、有煙モードでの第1ヒーター部の加熱温度があるので、第1ヒーター部が100℃未満、80℃未満または60℃未満の温度に下がる場合に、第2ヒーター部は別のモードにある場合、強モードに転換される。
【0086】
本発明の一具体例によれば、前記エアロゾル発生装置10は、前記ハウジングの外壁面に配置されるスイッチをさらに含む。前記スイッチは、第1ヒーター部に対して有煙モードまたは無煙モードを設定し、第2ヒーター部に対して強モード、中モードまたは弱モードを設定する。前記スイッチの設定により制御部は、第1ヒーター部及び第2ヒーター部の温度を制御することができる。
【0087】
以上のとおり、具体例が、限定された具体例と図面により説明されはしたが、該当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記の記載から多様な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序で行われたり、及び/または説明されたシステム、構造、装置、回路等の構成要素が説明された方法と異なる形態で結合または組み合わされたり、他の構成要素または均等物により対置されたり置換されても、適切な結果が達成されることができる。
【符号の説明】
【0088】
10:エアロゾル発生装置
11:バッテリー
12:制御部
13:第1ヒーター部
14:第2ヒーター部
20:エアロゾル発生物品
21:第1フィルタセグメント
22:キャビティセグメント
22A:タバコ顆粒
23:第2フィルタセグメント
24:冷却セグメント
25:マウスピースセグメント
図1
図2
図3
【国際調査報告】