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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】圧電リニアモータ及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/04 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
B06B1/04 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531031
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 CN2022132242
(87)【国際公開番号】W WO2024092885
(87)【国際公開日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】202211362978.3
(32)【優先日】2022-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】▲鐘▼文
(72)【発明者】
【氏名】周卓帆
(72)【発明者】
【氏名】徐文▲標▼
【テーマコード(参考)】
5D107
【Fターム(参考)】
5D107AA02
5D107BB08
5D107CC01
5D107DD11
5D107FF02
(57)【要約】
【課題】本発明は圧電リニアモータ及び電子機器を提供する。
【解決手段】圧電リニアモータは圧電アクチュエータと、圧電アクチュエータの第1方向における対向する両側に固定された弾性構造とを含み、第1方向は圧電アクチュエータの伸縮方向が位置する平面に垂直であり、弾性構造は少なくとも2組の弾性接続部を含み、各組の弾性接続部は圧電アクチュエータの第1方向における対向する両側にそれぞれ固定された2つの接続支え脚を含み、各接続支え脚はいずれも圧電アクチュエータの外側に向かって延在し、かつ第1方向に沿って圧電アクチュエータの同一側に位置する接続支え脚は、いずれも互いに離れる方向に向かって延在し、各接続支え脚と圧電アクチュエータが位置する平面との間に開き角を有する。各接続支え脚が互いに独立するようにすることにより、より高い柔軟性を有し、それにより弾性構造がより強い変形能力を有し、電子機器の触覚フィードバックの応答速度を向上させることができ、同時に圧電リニアモータの厚さを低減することに有利である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電リニアモータであって、
前記圧電リニアモータは、圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータの第1方向における対向する両側に固定された弾性構造とを含み、
前記第1方向は、前記圧電アクチュエータの伸縮方向が位置する平面に垂直であり、
前記圧電アクチュエータは、電圧が印加する時に伸縮しかつ前記第1方向に沿って前記弾性構造の移動を駆動するために用いられ、
前記弾性構造は、前記圧電アクチュエータのその伸縮方向に沿った端部に固定された少なくとも2組の弾性接続部を含み、
各組の前記弾性接続部は、前記圧電アクチュエータの前記第1方向における対向する両側にそれぞれ固定された2つの接続支え脚を含み、
各前記接続支え脚は、いずれも前記圧電アクチュエータの外側に向かって延在し、かつ前記第1方向に沿って圧電アクチュエータの同一側に位置する前記接続支え脚は、いずれも互いに離れる方向に向かって延在し、
各前記接続支え脚と前記圧電アクチュエータが位置する平面との間に開き角を有することを特徴とする圧電リニアモータ。
【請求項2】
前記接続支え脚と前記圧電アクチュエータが位置する平面との間の開き角は、45°よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の圧電リニアモータ。
【請求項3】
各組の前記弾性接続部は、前記圧電アクチュエータに固定された接続アセンブリをさらに含み、前記接続支え脚は、前記接続アセンブリを介して前記圧電アクチュエータに固定され、
各前記接続支え脚は、前記接続アセンブリに固定されたカンチレバー部と、前記カンチレバー部の前記接続アセンブリから離間する一端に固定された第1接続部とを含み、
前記カンチレバー部と前記圧電アクチュエータが位置する平面との間に前記開き角を有することを特徴とする請求項1に記載の圧電リニアモータ。
【請求項4】
前記接続アセンブリは、各前記接続支え脚の前記カンチレバー部と前記圧電アクチュエータをそれぞれ接続する第1固定部を少なくとも含み、前記第1固定部は、平板状を呈し、同一組の前記弾性接続部に接続された前記第1固定部は、前記圧電アクチュエータの前記第1方向における対向する両側の面に固定されていることを特徴とする請求項3に記載の圧電リニアモータ。
【請求項5】
前記カンチレバー部と前記第1固定部との間、及び前記第1接続部と前記カンチレバー部との間は、折り曲げられて遷移するように接続され、又は滑らかに遷移するように接続されていることを特徴とする請求項4に記載の圧電リニアモータ。
【請求項6】
前記カンチレバー部と前記第1固定部との間の接続部の厚さ、及び前記第1接続部と前記カンチレバー部との間の接続部の厚さは、いずれも前記カンチレバー部の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の圧電リニアモータ。
【請求項7】
同一組の前記弾性接続部に接続された前記接続支え脚の前記第1固定部は、一体に接続され、或いは、
前記接続アセンブリは、前記圧電アクチュエータの外側壁に固定された第2固定部をさらに含み、同一組の前記弾性接続部の前記接続支え脚の前記第1固定部は、前記第2固定部を介して接続されていることを特徴とする請求項4に記載の圧電リニアモータ。
【請求項8】
同一組の前記弾性接続部に接続された前記接続アセンブリは、1つの前記第1固定部から前記第1方向に沿って延在しかつ前記圧電アクチュエータの外側壁に固定された第3固定部をさらに含み、前記圧電アクチュエータの前記第1方向に沿った一方側に位置する前記接続支え脚の前記カンチレバー部は、いずれも前記第1固定部を介して前記圧電アクチュエータに固定され、他方側に位置する前記接続支え脚の前記カンチレバー部は、前記第3固定部に接続されていることを特徴とする請求項4に記載の圧電リニアモータ。
【請求項9】
前記圧電アクチュエータの前記第1方向に沿って同一側に位置する前記接続支え脚は、互いに一体に接続されていることを特徴とする請求項4に記載の圧電リニアモータ。
【請求項10】
前記接続アセンブリは、前記圧電アクチュエータの前記第1方向に沿って同一側に位置する前記第1固定部を接続する第2接続部をさらに含み、前記第2接続部は、前記第1方向に前記圧電アクチュエータと間隔を隔てて設置されていることを特徴とする請求項9に記載の圧電リニアモータ。
【請求項11】
前記圧電リニアモータは、前記圧電アクチュエータに固定されかつ前記圧電アクチュエータのその伸縮方向における対向する両側に位置する2つの押え部材をさらに含み、前記接続アセンブリは、前記押え部材と前記カンチレバー部とに接続され、2つの前記押え部材は、共同で前記圧電アクチュエータの伸縮方向に沿って前記圧電アクチュエータを押圧する付勢力を生成することができることを特徴とする請求項3に記載の圧電リニアモータ。
【請求項12】
前記弾性構造は、前記圧電アクチュエータの前記第1方向に沿って同一側に位置する前記接続支え脚を接続する補強部材をさらに含み、前記補強部材は、前記圧電アクチュエータの同一側に位置する前記接続支え脚と一体成形されるか、又は固定部材を介して前記接続支え脚に接続されていることを特徴とする請求項4に記載の圧電リニアモータ。
【請求項13】
前記補強部材は、前記圧電アクチュエータが位置する平面に平行な平板部と、前記平板部から前記第1方向に垂直な両端に沿って折り曲げて延在しかつ前記第1接続部に接続された折曲部とを含み、前記固定部材は、前記折曲部と前記第1接続部との間に設置されるか、又は前記折曲部と前記第1接続部とは、一体成形されることを特徴とする請求項12に記載の圧電リニアモータ。
【請求項14】
電子機器であって、
前記電子機器は、第1ベース体、第2ベース体、及び前記第1ベース体と前記第2ベース体とに接続された少なくとも1つの請求項1~13のいずれか一項に記載の圧電リニアモータを含み、
前記圧電リニアモータは、電圧が印加する時に前記第1ベース体及び/又は前記第2ベース体が前記第1方向に沿って移動するように駆動するために用いられることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は触覚フィードバックの技術分野に関し、特に圧電リニアモータ及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、圧電材料の逆圧電効果を利用して触覚フィードバックを実現することができ、具体的には、圧電材料に電圧を印加し、圧電材料が変形し、該変形を人の指に伝導することにより、触覚フィードバックを実現する。
【0003】
関連技術において、触覚フィードバック機能を有する電子機器は、圧電材料で製造された圧電アクチュエータと、圧電アクチュエータに固定された弾性構造とを含み、弾性構造は、圧電アクチュエータの上下両側の面に設置された2つの弾性片を含み、弾性片の両端は、それぞれ圧電アクチュエータの両端に固定され、かつ弾性片の中部と圧電アクチュエータとの間に可動空間を有し、弾性片が圧電アクチュエータの駆動で移動して触覚フィードバックを生成することができる。しかしながら、弾性片自体の構造設置が柔軟ではないため、備える弾性力が小さく、弾性構造の変形能力が低く、電子機器の触覚フィードバックの応答速度が遅くかつフィードバック強度が低く、感知されにくい。
【0004】
したがって、新たな圧電リニアモータを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、圧電リニアモータ及び電子機器を提供することであり、関連技術における電子機器の触覚フィードバックの応答速度が遅くかつ触覚フィードバック強度が低い技術課題を解決することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術案は以下のとおりである。
圧電リニアモータであって、圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータの第1方向における対向する両側に固定された弾性構造とを含み、前記第1方向は、前記圧電アクチュエータの伸縮方向が位置する平面に垂直であり、前記圧電アクチュエータは、電圧が印加する時に伸縮しかつ前記第1方向に沿って前記弾性構造の移動を駆動するために用いられ、前記弾性構造は、前記圧電アクチュエータのその伸縮方向に沿った端部に固定された少なくとも2組の弾性接続部を含み、各組の前記弾性接続部は、前記圧電アクチュエータの前記第1方向における対向する両側にそれぞれ固定された2つの接続支え脚を含み、各前記接続支え脚は、いずれも前記圧電アクチュエータの外側に向かって延在し、かつ前記第1方向に沿って圧電アクチュエータの同一側に位置する前記接続支え脚は、いずれも互いに離れる方向に向かって延在し、各前記接続支え脚と前記圧電アクチュエータが位置する平面との間に開き角を有する。
【0007】
好ましくは、前記接続支え脚と前記圧電アクチュエータが位置する平面との間の開き角は、45°よりも小さい。
【0008】
好ましくは、各組の前記弾性接続部は、前記圧電アクチュエータに固定された接続アセンブリをさらに含み、前記接続支え脚は、前記接続アセンブリを介して前記圧電アクチュエータに固定され、各前記接続支え脚は、前記接続アセンブリに固定されたカンチレバー部と、前記カンチレバー部の前記接続アセンブリから離間する一端に固定された第1接続部とを含み、前記カンチレバー部と前記圧電アクチュエータが位置する平面との間に前記開き角を有する。
【0009】
好ましくは、前記接続アセンブリは、各前記接続支え脚の前記カンチレバー部と前記圧電アクチュエータをそれぞれ接続する第1固定部を少なくとも含み、前記第1固定部は、平板状を呈し、同一組の前記弾性接続部に接続された前記第1固定部は、前記圧電アクチュエータの前記第1方向における対向する両側の面に固定されている。
【0010】
好ましくは、前記カンチレバー部と前記第1固定部との間、及び前記第1接続部と前記カンチレバー部との間は、折り曲げて遷移するように接続され、又は滑らかに遷移するように接続されている。
【0011】
好ましくは、前記カンチレバー部と前記第1固定部との間の接続部の厚さ、及び前記第1接続部と前記カンチレバー部との間の接続部の厚さは、いずれも前記カンチレバー部の厚さよりも小さい。
【0012】
好ましくは、同一組の前記弾性接続部に接続された前記接続支え脚の前記第1固定部が一体に接続され、或いは、前記接続アセンブリは、前記圧電アクチュエータの外側壁に固定された第2固定部をさらに含み、同一組の前記弾性接続部の前記接続支え脚の前記第1固定部は、前記第2固定部を介して接続されている。
【0013】
好ましくは、同一組の前記弾性接続部に接続された前記接続アセンブリは、1つの前記第1固定部から前記第1方向に沿って延在しかつ前記圧電アクチュエータの外側壁に固定された第3固定部をさらに含み、前記圧電アクチュエータの前記第1方向に沿った一方側に位置する前記接続支え脚の前記カンチレバー部は、いずれも前記第1固定部を介して前記圧電アクチュエータに固定され、他方側に位置する前記接続支え脚の前記カンチレバー部は、前記第3固定部に接続されている。
【0014】
好ましくは、前記圧電アクチュエータの前記第1方向に沿って同一側に位置する前記接続支え脚は、互いに一体に接続されている。
【0015】
好ましくは、前記接続アセンブリは、前記圧電アクチュエータの前記第1方向に沿って同一側に位置する前記第1固定部を接続する第2接続部をさらに含み、前記第2接続部は、前記第1方向に前記圧電アクチュエータと間隔を隔てて設置されている。
【0016】
好ましくは、前記圧電リニアモータは、前記圧電アクチュエータに固定されかつ前記圧電アクチュエータのその伸縮方向における対向する両側に位置する2つの押え部材をさらに含み、前記接続アセンブリは、前記押え部材と前記カンチレバー部とに接続され、2つの前記押え部材は、共同で前記圧電アクチュエータの伸縮方向に沿って前記圧電アクチュエータを押圧する付勢力を生成することができる。
【0017】
好ましくは、前記弾性構造は、前記圧電アクチュエータの前記第1方向に沿って同一側に位置する前記接続支え脚を接続する補強部材をさらに含み、前記補強部材は、前記圧電アクチュエータと同一側に位置する前記接続支え脚と一体成形されるか、又は固定部材を介して前記接続支え脚に接続されている。
【0018】
好ましくは、前記補強部材は、前記圧電アクチュエータが位置する平面に平行な平板部と、前記平板部から前記第1方向に垂直な両端に沿って折り曲げて延在しかつ前記第1接続部に接続された折曲部とを含み、前記固定部材は、前記折曲部と前記第1接続部との間に設置されるか、又は前記折曲部と前記第1接続部とは、一体成形される。
【0019】
電子機器であって、第1ベース体、第2ベース体、及び前記第1ベース体と前記第2ベース体とに接続された少なくとも1つの前記いずれか一項に記載の圧電リニアモータを含み、前記圧電リニアモータは、電圧が印加する時に前記第1ベース体及び/又は前記第2ベース体が前記第1方向に沿って移動するように駆動するために用いられる。
【発明の効果】
【0020】
圧電リニアモータは、圧電アクチュエータと、圧電アクチュエータの第1方向における対向する両側に固定された弾性構造とを含み、弾性構造は、圧電アクチュエータのその伸縮方向に沿った端部に固定された少なくとも2組の弾性接続部を含み、各組の弾性接続部は、圧電アクチュエータの第1方向における対向する両側にそれぞれ固定された2つの接続支え脚を含み、各接続支え脚は、いずれも圧電アクチュエータの外側に向かって延在し、かつ前記第1方向に沿って前記圧電アクチュエータの同一側に位置する前記接続支え脚は、いずれも互いに離れる方向に向かって延在し、各前記接続支え脚と前記圧電アクチュエータが位置する平面との間に開き角を有する。圧電アクチュエータは、電圧が印加する時に伸縮しかつ第1方向に沿って弾性構造の移動を駆動するように用いられ、それにより、圧電アクチュエータの伸縮方向での小さな長さの変化を、圧電アクチュエータの伸縮方向に垂直な弾性構造の大きな移動変位に変換し、それにより感知されやすい大きな触覚フィードバック強度を生成する。また、各接続支え脚は互いに独立し、より高い柔軟性を有し、それにより弾性構造がより強い変形能力を有し、電子機器の触覚フィードバックの応答速度を向上させることができ、かつ上記構造を設置することは、また圧電リニアモータの厚さを減少させることに有利であり、圧電リニアモータの製造難度を低下させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例の圧電リニアモータの使用時の全体構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施例の駆動構造の第1種の実現可能な形態の全体構成を示す模式図である。
図3】本発明の実施例の駆動構造の第2種の実現可能な形態の全体構成を示す模式図である。
図4】本発明の実施例の駆動構造の第3種の実現可能な形態の正面図である。
図5】本発明の実施例の駆動構造の第4種の実現可能な形態の全体構成を示す模式図である。
図6】本発明の実施例の駆動構造の第5種の実現可能な形態の正面図である。
図7】本発明の実施例の駆動構造の第6種の実現可能な形態の全体構成を示す模式図である。
図8】本発明の実施例の駆動構造の第7種の実現可能な形態の全体構成を示す模式図である。
図9】本発明の実施例の駆動構造の第8種の実現可能な形態の全体構成を示す模式図である。
図10図9に示すA-A線における断面図である。
図11】本発明の実施例の駆動構造の第9種の実現可能な形態の全体構成を示す模式図である。
図12図11に示すB-B線における断面図である。
図13】本発明の実施例の駆動構造の第10種の実現可能な形態の全体構成を示す模式図である。
図14図13に示すC-C線における断面図である。
図15】本発明の実施例の駆動構造の第11種の実現可能な形態の正面図である。
図16】本発明の実施例の2つの圧電リニアモータが積層されて使用される模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面及び実施形態を参照しながら、本発明をさらに説明する。
【0023】
図1図16に示すように、本発明の実施例は、電子機器を提供し、この電子機器は、第1ベース体10、第2ベース体20、及び第1ベース体10と第2ベース体20とに接続された少なくとも1つの圧電リニアモータ30を含み、圧電リニアモータ30は、電圧が印加する時に第1ベース体10及び/又は第2ベース体20が第1方向(第1ベース体10の面に垂直な方向)に沿って移動するように駆動するために用いられる。ここで、電子機器は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、タッチペン、車載機器などであってもよい。第1ベース体10は、質量ブロック/電池/スクリーン/ボタンなどの質量を有する部材であってもよく、第2ベース体20は、台座又は他の固定部材であってもよい。圧電リニアモータ30は、電圧が印加する時に第1ベース体10及び/又は第2ベース体20が第1方向に沿って移動するように駆動することにより、触覚フィードバックを生成するために用いられる。例えば、電子機器は、携帯電話であってもよく、第1ベース体10は、携帯電話のスクリーンであってもよく、第2ベース体20は、携帯電話のハウジングであってもよい。ユーザーが携帯電話のスクリーンにクリックする時、圧電リニアモータ30は、スクリーンが第1方向に沿って移動するように駆動して触覚フィードバックを生成し、それにより触覚フィードバックによりユーザーにそのクリック操作が成功的に実施されたことを通知する。
【0024】
以下、本発明において提供される圧電リニアモータ30のいくつかの実施形態について説明する。図2及び図3に示すように、圧電リニアモータ30は、圧電アクチュエータ301と、圧電アクチュエータ301の第1方向における対向する両側に固定された弾性構造302とを含み、第1方向は、圧電アクチュエータ301の伸縮方向が位置する平面に垂直であり、圧電アクチュエータ301は、電圧が印加する時に伸縮しかつ第1方向に沿って弾性構造302を駆動して移動させるために用いられ、弾性構造302は、圧電アクチュエータ301のその伸縮方向に沿った端部に固定された少なくとも2組の弾性接続部2を含み、各組の弾性接続部2は、圧電アクチュエータ301の第1方向における対向する両側にそれぞれ固定された2つの接続支え脚21を含み、各接続支え脚21は、いずれも圧電アクチュエータ301の外側に向かって延在し、かつ第1方向に沿って圧電アクチュエータ301の同一側に位置する接続支え脚21は、いずれも互いに離れる方向に向かって延在し、各接続支え脚21と圧電アクチュエータ301が位置する平面との間に開き角θを有する。
【0025】
上記構造は、圧電アクチュエータの伸縮方向での小さな長さの変化を、圧電アクチュエータの伸縮方向に垂直な弾性構造302の大きな移動変位に変換することで、感知されやすい大きな触覚フィードバック強度を生成し、また、圧電リニアモータの厚さを減少させることに有利である。なお、各接続支え脚21は、互いに独立し、より高い柔軟性を有し、それにより、弾性構造302は、より強い変形能力を有し、電子機器の触覚フィードバックの応答速度を向上させることができる。
【0026】
なお、圧電アクチュエータ301は、電圧が印加する時にその延在面方向に沿った伸長又は収縮が生じることにより、接続支え脚21は、圧電アクチュエータ301に対して第1方向に移動し、圧電アクチュエータ301の横方向での伸縮変位を弾性構造302の上下変位に変換することができ、それにより第2ベース体20が第1方向に移動するように駆動して触覚フィードバックを生成する。後の説明を容易にするために、圧電アクチュエータ301の伸縮方向をX1方向と定義し、第1方向をX2方向と定義し、X2方向がX1方向と垂直である。
【0027】
図2に示すように、さらに、接続支え脚21と圧電アクチュエータ301が位置する平面との間の開き角θは45°よりも小さい。具体的には、開き角θは、15°、20°、30°及び40°などであってもよい。開き角θが45度よりも小さいため、接続支え脚21は、圧電アクチュエータ301のX1方向に沿った変位を増幅することができ、それにより圧電アクチュエータ301の応答変位が小さいか、又は印加電圧が大きいという問題を改善する。ここで、接続支え脚21が増幅機能を果たす原理は、以下の式を満たす。
【0028】
【数1】
ここで、Kは、増幅倍数であり、Δx2は、接続支え脚21のX2方向に沿った変位であり、Δx1は、圧電アクチュエータ301のX1方向に沿った変位であり、すなわち、増幅倍数は、圧電アクチュエータ301と接続支え脚21との変位の比であり、接続支え脚21の長さ及び開き角θの大きさを変更して増幅倍数を調整することができる。
【0029】
図2図16に示すように、さらに、各組の弾性接続部2は、圧電アクチュエータ301に固定された接続アセンブリ22をさらに含み、接続支え脚21は、接続アセンブリ22を介して圧電アクチュエータ301に固定され、各接続支え脚21は、接続アセンブリ22に固定されたカンチレバー部212、及びカンチレバー部212が接続アセンブリ22から離間する一端に固定された第1接続部211を含み、カンチレバー部212と圧電アクチュエータ301が位置する平面との間に前述の開き角θを有する。具体的には、2組の弾性接続部2は、それぞれ圧電アクチュエータ301の伸縮方向X1での左端と右端に設置され、各組の弾性接続部2は、2つの接続支え脚21及び接続アセンブリ22で構成され、かつ同一組の弾性接続部2の2つの接続支え脚21は、それぞれ圧電アクチュエータ301の第1方向X2に沿う上下両側に設置され、それにより、4つの接続支え脚21が互いに独立して設置されることを実現することに有利である。ここで、圧電アクチュエータ301の上側に位置する第1接続部211は、第2ベース体20と固定接続されるために用いられ、圧電アクチュエータ301の下側に位置する第1接続部211は、第1ベース体10と固定接続されるために用いられ、それにより、圧電リニアモータ30を電子機器内に実装することを実現する。
【0030】
図3に示すように、第1種の実現可能な形態では、接続アセンブリ22は、各接続支え脚21のカンチレバー部212と圧電アクチュエータ301をそれぞれ接続する第1固定部221を含み、第1固定部221は、平板状を呈し、同一組の弾性接続部2に接続された第1固定部221は、圧電アクチュエータ301の第1方向における対向する両側の面に固定される。具体的には、第1固定部221と圧電アクチュエータ301とは、エポキシ接着剤により固定され、圧電アクチュエータ301の上側と下側に位置する第1接続部211、カンチレバー部212及び第1固定部221は、いずれも一体に接続されてもよく、すなわち金属シートとなり、そして、金属シートの材質は、チタン、チタン合金、ステンレス鋼等を含み、金属シートは、プレスにより一体成形することができ、それにより、弾性構造302の製造難度及びコストを低減することができる。同一組の弾性接続部2の2つの第1固定部221は、それぞれ圧電アクチュエータ301の第1方向における対向する両側の面に設けられ、それにより、同一組の弾性接続部2の2つの接続支え脚21が、圧電アクチュエータ301の上下両側に設けられ、第1ベース体10及び第2ベース体20と対応する接続支え脚21との固定を実施しやすい。
【0031】
図2及び図15に示すように、実際の需要に応じて、カンチレバー部212と第1固定部221との間、及び第1接続部211とカンチレバー部212との間は、折り曲げられて遷移するように接続され、又は滑らかに遷移するように接続されている。好ましくは、カンチレバー部212と第1固定部221との間、及び第1接続部211とカンチレバー部212との間は、折り曲げて遷移するように接続され、それにより、カンチレバー部212と圧電アクチュエータ301が位置する平面との間に開き角θを有することを保証する前提で、第1接続部211が水平に設置され、第1接続部211と第1ベース体10との接続、及び第1接続部211と第2ベース体20との接続に有利である。
【0032】
図3に示すように、第2種実現可能な形態において、カンチレバー部212と第1固定部221との間の接続部、及び第1接続部211とカンチレバー部212との間の接続部の厚さは、いずれもカンチレバー部212の厚さよりも小さい。具体的には、カンチレバー部212と第1固定部221との間の折り曲げ箇所、及び第1接続部211とカンチレバー部212との間の折り曲げ箇所において薄厚化処理を行うことができ、すなわち折り曲げ箇所において一部の材料を除去することにより、折り曲げ箇所の厚さがカンチレバー部212の厚さよりも小さくなる。理解すべきことは、第1接続部211、カンチレバー部212及び第1固定部221が接続されてなる金属シートの折り曲げ箇所は、変形可能な領域であり、折り曲げ箇所で薄厚化処理を行うことにより、金属シートの全体の剛性を低下させることができる。
【0033】
図4に示すように、第3種の実現可能な形態において、同一組の弾性接続部2に接続された接続支え脚21の第1固定部221は、一体に接続されている。具体的には、同一組の弾性接続部2の2つの第1固定部221は、スリーブとなるように接続されている。圧電アクチュエータ301が該スリーブを貫通することにより、スリーブは、圧電アクチュエータ301の厚さ方向に沿った付勢を提供することができ、圧電アクチュエータ301の信頼性を向上させる。理解すべきことは、同一組の弾性接続部2の2つの第1固定部221が一体に接続されているので、圧電アクチュエータ301の上下両側に位置する2つの接続支え脚21と接続アセンブリ22は、単一の構造に組み合わせて加工されて、それにより必要な部材の数を減少し、弾性接続部2の信頼性を向上させるとともに、組立工程を簡略化することができる。
【0034】
図5に示すように、第4種の実現可能な形態において、接続アセンブリ22は、圧電アクチュエータ301の外側壁に固定された第2固定部222をさらに含み、同一組の弾性接続部2の接続支え脚21の第1固定部221は、第2固定部222を介して接続されている。具体的には、第2固定部222は、圧電アクチュエータ301のその伸縮方向に沿った端部に設置されてもよく、同一組の弾性接続部2の接続支え脚21の第1固定部221は、第2固定部222を介して一体に接続されかつU型構造を呈し、すなわち接続アセンブリ22は一体成形されてもよく、同一組の弾性接続部2における接続アセンブリ22、圧電アクチュエータ301の上側における接続支え脚21、及び圧電アクチュエータ301の下側における接続支え脚21も一体成形されてもよく、それにより、弾性接続部2は一体成形されてもよく、加工製造のプロセスを簡略化することができる。
【0035】
図6に示すように、第5種の実現可能な形態において、同一組の弾性接続部2に接続された接続アセンブリ22は、1つの第1固定部221から第1方向に沿って延在しかつ圧電アクチュエータ301の外側壁に固定された第3固定部223をさらに含み、圧電アクチュエータ301の第1方向に沿った一方側に位置する接続支え脚21のカンチレバー部212は、いずれも第1固定部221を介して圧電アクチュエータ301に固定され、他方側に位置する接続支え脚21のカンチレバー部212は、第3固定部223に接続されている。具体的には、圧電アクチュエータ301の上側におけるカンチレバー部212は、第1固定部221と直接的に接続され、圧電アクチュエータ301の下側におけるカンチレバー部212は、第3固定部223を介して第1固定部221に接続されている。圧電アクチュエータ301の上側に位置する第1固定部221、圧電アクチュエータの下側に位置する第1固定部221、及び第3固定部223は、共同で圧電アクチュエータ301のその伸縮方向に沿った端部を囲んで締結することにより、接続アセンブリ22と圧電アクチュエータ301は、囲むように締結され、接着剤による接続手段に比べて、接続の堅牢性及び信頼性を大幅に向上させることができる。
【0036】
図7及び図8に示すように、さらに、弾性構造302は、圧電アクチュエータ301の第1方向に沿って同一側に位置する接続支え脚21を接続する補強部材4を含み、補強部材4は、圧電アクチュエータ301の同一側に位置する接続支え脚21と一体成形されるか、又は固定部材5を介して接続支え脚21に接続されている。具体的には、補強部材4は、補強シートであってもよく、補強部材4を設置することは、圧電リニアモータ30を他の構造に固定接続することに有利である。圧電アクチュエータ301の上側に位置する補強部材4の両端は、それぞれ圧電アクチュエータ301の上側に位置しかつ異なる組の弾性接続部2に属する2つの第1接続部211に固定され、圧電アクチュエータ301の下側に位置する補強部材4の両端は、それぞれ圧電アクチュエータ301の下側に位置しかつ異なる組の弾性接続部2に属する2つの第1接続部211に固定され、それにより、圧電アクチュエータ301の上側に位置する補強部材4、接続支え脚21及び接続アセンブリ22は、全体的な構造を構成し、圧電アクチュエータ301の下側に位置する補強部材4、接続支え脚21及び接続アセンブリ22は、全体的な構造を構成し、部材の数を減少させることができ、また、横方向での変位に対する規制を実現することができ、圧電アクチュエータ301に必要なプレストレスを直接的に提供することもでき、圧電アクチュエータ301の動作を適切な状態にする。
【0037】
図7に示すように、第6種の実現可能な形態において、補強部材4は、圧電アクチュエータ301が位置する平面に平行な平板部41と、平板部41から第1方向に垂直な両端に沿って折り曲げて延在しかつ第1接続部に接続された折曲部42とを含み、折曲部42は、第1接続部と一体成形される。理解すべきことは、この時に圧電アクチュエータ301の上側に位置する異なる組の2つの弾性接続部2と補強部材4は、一体に設置され、圧電アクチュエータ301の下側に位置する異なる組の2つの弾性接続部2と補強部材4は、一体に設置され、それにより、部材の数を減少させることに有利であり、かつ横方向での変位に対する規制を実現することにより有利である。
【0038】
図8に示すように、第7種の実現可能な形態において、補強部材4は、圧電アクチュエータ301が位置する平面に平行な平板部41と、平板部41から第1方向に垂直な両端に沿って折り曲げて延在しかつ第1接続部に接続された折曲部42とを含み、固定部材5は、折曲部42と第1接続部211との間に設置されている。具体的には、固定部材5は固定ブロックであってもよく、固定部材5を設置することにより、平板部41を第1接続部211の板面と貼り合わせることができ、平板部41と第1接続部211との間に振動が生じ得る空間を有することを回避する。
【0039】
図9図11及び図13に示すように、圧電アクチュエータ301の第1方向に沿って同じ側に位置する接続支え脚21は、互いに一体に接続され、それにより、圧電アクチュエータ301に固定された弾性構造302全体は、円錐台形を呈する。
【0040】
図9及び図10に示すように、第8種の実現可能な形態において、接続アセンブリ22は、圧電アクチュエータ301の第1方向に沿って同じ側に位置する第1固定部221を接続する第2接続部224をさらに含み、第2接続部224は、第1方向に沿って圧電アクチュエータ301と間隔を隔てて設置されている。具体的には、圧電アクチュエータ301は、円形であってもよく、弾性構造302は、一定の高さを有する錐体形状であってもよく、具体的には、圧電アクチュエータ301の上側と下側に位置する第1接続部211、カンチレバー部212及び第1固定部221は、いずれも接続されてテーパ面を形成することができ、かつ圧電アクチュエータ301の上側に位置する異なる組の2つの弾性接続部2の2つの第1接続部211は、接続され、2つ第1固定部221は、第2接続部224を介して接続され、圧電アクチュエータ301の下側に位置する異なる組の2つの弾性接続部2の2つの第1接続部211は、接続され、2つの第1固定部221は、第2接続部224を介して接続され、それにより、円盤状の圧電リニアモータ30が設計される。弾性接続部2は、圧電アクチュエータ301の外縁に近接する端部に固定され、それにより圧電アクチュエータ301の機械的歪みを十分に利用し、圧電アクチュエータ301は、2つの円錐の頂部位置に配置されている。理解すべきことは、円盤状の圧電リニアモータ30が、長尺状の圧電リニアモータ30(図1~8)と同様に、圧電アクチュエータ301及び弾性構造302を備える時、円盤状の圧電リニアモータ30の動作態様及び振動効果は、長尺状の圧電リニアモータ30と一致する。
【0041】
図11及び図12に示すように、第9種の実現可能な形態において、圧電アクチュエータ301は、方形であってもよく、弾性構造302は、一定の高さを有する錐体形状であってもよく、具体的には、圧電アクチュエータ301の上側と下側に位置する第1接続部211、カンチレバー部212及び第1固定部221は、いずれも接続されてテーパ面を形成することができ、かつ圧電アクチュエータ301の上側に位置する異なる組の弾性接続部2の第1接続部211が接続され、カンチレバー部212が接続され、第1固定部221が一体に接続され、全体が円錐台形を呈し、圧電アクチュエータ301の下側に位置する異なる組の弾性接続部2の第1接続部211が接続され、カンチレバー部212が接続され、第1固定部221が一体的に接続され、全体が円錐台形を呈し、それにより、円盤状の圧電リニアモータ30が設計される。弾性接続部2は、圧電アクチュエータ301の外縁に近接する端部に固定され、それにより、圧電アクチュエータ301の機械的歪みを十分に利用し、圧電アクチュエータ301は、2つの円錐の円錐頂部位置に配置されている。理解すべきことは、円盤状の圧電リニアモータ30が長尺状の圧電リニアモータ30(図1~8)と同様に圧電アクチュエータ301及び弾性構造302を備える時、円盤状の圧電リニアモータ30の動作態様及び振動効果は、長尺状の圧電リニアモータ30と一致する。
【0042】
図13及び図14に示すように、第10種の実現可能な形態において、圧電アクチュエータ301及び弾性構造302は、いずれも方形であってもよく、具体的には、圧電アクチュエータ301の上側に位置する異なる組の弾性接続部2の第1接続部211が接続され、カンチレバー部212が接続され、第1固定部221が一体に接続され、全体が円錐台形を呈し、圧電アクチュエータ301の下側に位置する異なる組の弾性接続部2の第1接続部211が接続され、カンチレバー部212が接続され、第1固定部221が一体に接続され、全体が円錐台形を呈し、それにより、方形状の圧電リニアモータ30が設計される。理解すべきことは、方形状の圧電リニアモータ30が長尺状の圧電リニアモータ30(図1~8)と同様に、圧電アクチュエータ301及び弾性構造302を備える時、円盤状の圧電リニアモータ30の動作態様及び振動効果は、長尺状の圧電リニアモータ30と一致する。
【0043】
図15に示すように、第11種の実現可能な形態において、圧電リニアモータ30は、圧電アクチュエータ301に固定されかつ圧電アクチュエータ301のその伸縮方向X1に沿った両側に位置する2つの押え部材3をさらに含み、接続アセンブリ22は、カンチレバー部212の第1固定部221に接続され、2つの押え部材3は、共同で圧電アクチュエータ301の伸縮方向に沿って圧電アクチュエータ301を押圧する付勢力を形成することができる。具体的には、押え部材3は、L字型ブロックであってもよく、圧電アクチュエータ301の左端に位置するL字型ブロックは、正立して設置され、圧電アクチュエータ301の右端に位置するL字型ブロックは、倒立して設置され、それにより、弾性構造302を圧縮することで、圧電アクチュエータ301の左右両端に位置する2つの押え部材3が、圧電アクチュエータ301における圧電層に左右圧着の付勢力を提供し、圧電層は、圧電材料で製造され、それにより、圧電材料の信頼性及び電圧動作範囲を向上させ、ここで、圧電層は、圧力に強くかつ引張に弱いという特徴を有し、同時に一定の破壊電界強度の動作電圧範囲を有する。
【0044】
なお、圧電アクチュエータ301は、複数の圧電層及び複数の内部電極が積層されて構成された焼結部材と、焼結部材の両端に固定された2つの外部電極1とを含む。圧電層は、一般的に単層又は多層のチタン酸ジルコン酸鉛セラミック(PZTセラミック)であり、異なる極性の内部電極が交互に設置されかつそれに対応する外部電極1と電気的に接続され、2つの外部電極1に電圧を印加する時、分極方向に沿った電界を生成することができ、逆圧電効果によって、圧電アクチュエータ301が変形し、X1方向に沿って伸縮する。
【0045】
一実施例において、圧電アクチュエータ301は、厚さ方向に沿って伸縮しかつ10mm以下の伸縮距離を有し、また、長さ方向に沿って伸縮しかつ100mm以下の伸縮距離を有し、圧電アクチュエータ301の厚さは、適用シーン及びPZTセラミックの層数に応じて適切に最適に選択を行うことができ、外部電極に電圧を印加する時、圧電アクチュエータ301が変形し、X1方向に沿って伸縮する(内部電極の電界方向と垂直であり、d31方向での逆圧電効果)。実際の需要に応じて、複数層のPZTセラミックの厚さ方向に沿って分極された圧電アクチュエータ301(圧電アクチュエータ301の伸縮方向が印加された電界方向と同じ次元にあり、d33方向での逆圧電効果)を採用してもよく、この時に圧電層には、圧電アクチュエータ301が故障することを回避するために付勢力を加える必要がある。
【0046】
図16に示すように、一実施例において、電子機器に複数の圧電リニアモータ30が設置されてもよく、複数の圧電リニアモータ30が積層されて使用され、それにより、圧電リニアモータの強度を増加させてより大きな触覚フィードバック強度を生成することができる。2つの圧電リニアモータ30を積層する場合、圧電アクチュエータ301の変位を最大限に増幅することができ、全体の増幅倍数は両者の増幅倍数の和であり、この時に両端の支点を接続しかつ横方向の移動を制限するための接続構造が不可欠であり、例えば、図16の2つの接続ブロック6と2つの接続ブロック6に接続された接続ロッド7は、横方向での移動を上下移動に変換する。
【0047】
以上は本発明の実施形態に過ぎず、当業者であれば本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に属するとされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図10
図11
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【国際調査報告】