(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】二重巻線モータの制御とOBC充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241018BHJP
B60L 53/24 20190101ALI20241018BHJP
【FI】
H02J7/00 L
H02J7/00 P
B60L53/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570071
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 CN2022120259
(87)【国際公開番号】W WO2024060073
(87)【国際公開日】2024-03-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520448452
【氏名又は名称】浙大城市学院
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】及 非凡
(72)【発明者】
【氏名】宋 清玉
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲艶▼君
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA07
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
5H125AA01
5H125AC11
5H125AC22
5H125BB02
5H125BC21
5H125BE02
5H125CD04
5H125DD02
5H125EE51
5H125FF16
(57)【要約】
【課題】本発明は、二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造を提供する。
【解決手段】特定のリレーのオンオフの状態を制御することにより、二重巻線モータの制御トポロジーと車載充電器による充電トポロジーとの間の双方向の切り替えを実現する。二重巻線モータ制御モードにおいて、トポロジー構造は、電池モジュール、二重巻線モータパワー制御モジュール1、二重巻線モータパワー制御モジュール2、二重巻線モータ巻線モジュール1、二重巻線モータ巻線モジュール2に分けられ、車載充電器充電モードにおいて、トポロジー構造は、商用電源モジュール、PFCインバータ回路モジュール、逆変換モジュール、絶縁トランスモジュール、整流モジュール、電池モジュールに分けられる。本発明は、極めて大きな程度に1セットのハードウェア機器を多重化するとともに二重巻線モータの制御及び車載充電器による充電の機能需要を満たし、機器スペースを節約して車載充電効率を向上させつつ、十分なコストメリットを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造であって、
二重巻線モータ制御モードにおいて、前記多重化トポロジー構造は、電池モジュール、第1の二重巻線モータパワー制御モジュール、第1の二重巻線モータ巻線モジュール、第2の二重巻線モータパワー制御モジュール及び第2の二重巻線モータ巻線モジュールを含み、スイッチング素子に対する制御操作により、電池モジュールが第1の二重巻線モータパワー制御モジュールと第2の二重巻線モータパワー制御モジュールとを直流駆動することは、実現され、第1の二重巻線モータパワー制御モジュールと第2の二重巻線モータパワー制御モジュールとのそれぞれが第1の二重巻線モータ巻線モジュールと第2の二重巻線モータ巻線モジュールとを同時にPWM駆動する機能は、更に実現され、
車載充電器充電モードにおいて、前記多重化トポロジー構造は、商用電源モジュール、PFCインバータ回路モジュール、逆変換モジュール、絶縁トランスモジュール、整流モジュール及び電池モジュールを含み、スイッチング素子に対する制御により、第1の二重巻線モータパワー制御モジュールのV相上下アーム、W相上下アームは、インバータ回路を構成し、PFCインバータ回路出力電圧に対する逆変換を実現し、第2の二重巻線モータパワー制御モジュールのV相上下アーム、W相上下アームは、二相アームを構成し、第2の二重巻線モータパワー制御モジュールにおける第2のコンデンサに接続されて整流回路を構成し、絶縁トランスから出力された高周波交流電力に対する整流を実現し、スイッチング素子に対する制御により、第1の二重巻線モータ巻線モジュールにおける二相巻線は、直列接続されて共同して絶縁トランスの一次側を構成し、第2の二重巻線モータ巻線モジュールにおける二相巻線は、直列接続されて共同して絶縁トランスの二次側を構成し、2グループの三相巻線の導線巻き数の配置により、絶縁トランスモジュールの昇圧機能は、実現されることを特徴とする二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造。
【請求項2】
第1のスイッチ、第2のスイッチがオンに制御されることにより、電池モジュールは、第1の二重巻線モータパワー制御モジュールと第2の二重巻線モータパワー制御モジュールとに同時に接続されて2パスの直流駆動を実現し、第4のスイッチ、第7のスイッチがオフに制御されることにより、商用電源モジュールの入力は、遮断されることを特徴とする請求項1に記載の二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造。
【請求項3】
第1の二重巻線モータパワー制御モジュールと第2の二重巻線モータパワー制御モジュールは、スイッチング素子の操作制御によって三相インバータ回路構造を構成するとともに、電池モジュールの直流駆動によって所要のPWM波を発生させることを特徴とする請求項1に記載の二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造。
【請求項4】
第2の二重巻線モータパワー制御モジュールにおける一相アームに第5のスイッチ、第9のスイッチを配置してこの2つのスイッチをオンに制御することにより、三相インバータアームの並列接続を実現することを特徴とする請求項1に記載の二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造。
【請求項5】
第1の二重巻線モータ巻線モジュールにおける一相巻線とスター接続の中点との間には、第3のスイッチが配置され、第2の二重巻線モータ巻線モジュールにおける一相アームの中点と第2の二重巻線モータ巻線モジュールにおける一相巻線との間には、第8のスイッチが配置され、この2つのスイッチのオンオフを制御することにより、二重巻線モータ制御モードにおける巻線スター接続と、車載充電器充電モードにおける巻線直列接続とは、絶縁トランスの一次側及び二次側の構造切り替えをなすことを特徴とする請求項1に記載の二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造。
【請求項6】
第1の二重巻線モータ巻線モジュールにおける一相巻線とスター接続の中点との間には、第4のスイッチが配置され、第2の二重巻線モータ巻線モジュールにおける一相アームの中点と第2の二重巻線モータ巻線モジュールにおける一相巻線との間には、第7のスイッチが配置され、この2つのスイッチをオンに制御することにより、車載充電器充電モードにおける商用電源の交流パワーの入力を実現することを特徴とする請求項1に記載の二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造。
【請求項7】
第2の二重巻線モータパワー制御モジュールの一相アームには、第6のスイッチ、第10のスイッチが配置され、この2つのスイッチのオンオフを制御することにより、第2の二重巻線モータパワー制御モジュールにおける一相アーム、第1の二重巻線モータパワー制御モジュールにおける一相アーム、及び第1のコンデンサの並列接続による三相インバータブリッジと、PFCインバータ回路ブリッジ構造との切り替えを実現することを特徴とする請求項1に記載の二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造。
【請求項8】
対応するスイッチング素子のオンオフを制御することにより、第1の二重巻線モータ巻線モジュールにおける逆変換出力のための三相アーム中の二相アームと、車載充電器充電モードにおける逆変換モジュールのブリッジ回路構造との切り替えを実現し、
対応するスイッチング素子のオンオフを制御することにより、第2の二重巻線モータ巻線モジュールにおける逆変換出力のための三相アーム中の二相アームと、車載充電器充電モードにおける整流モジュールのブリッジ回路構造との切り替えを実現することを特徴とする請求項1に記載の二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造。
【請求項9】
二重巻線モータ制御モードにおいて、
電池モジュールは、第1のスイッチ及び第2のスイッチをオンに制御することにより、第1の二重巻線モータパワー制御モジュールと第2の二重巻線モータパワー制御モジュールとの三相アームの上下2端を同時に接続して直流パワーの伝達を同時に実現し、
第2の二重巻線モータパワー制御モジュールは、第5のスイッチ及び第9のスイッチをオンに制御し、且つ第6のスイッチ及び第10のスイッチをオフに制御することにより、第2の二重巻線モータパワー制御モジュール内の三相アームの接続を実現し、それに加えて第7のスイッチをオフに制御し且つ第8のスイッチをオンに制御することにより、第2の二重巻線モータパワー制御モジュールの三相アームの中点を第2の二重巻線モータ巻線モジュールの三相巻線にそれぞれ接続し、各アームは、パワースイッチングトランジスタと還流ダイオードとを接続して形成され、各相アームのパワースイッチングトランジスタのゲートを制御することにより、PWM波の出力を実現し、第2の二重巻線モータ巻線モジュールは、三相巻線のスター接続によって形成され、
第1の二重巻線モータ巻線モジュールは、第3のスイッチをオンに制御し、且つ第4のスイッチをオフに制御することにより、第1の二重巻線モータ巻線モジュールの三相巻線のスター接続を実現することを特徴とする請求項1に記載の二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造。
【請求項10】
車載充電器充電モードにおいて、
商用電源モジュールは、第4のスイッチ及び第7のスイッチをオンに制御し、且つ第1のスイッチ及び第2のスイッチをオフに制御することにより、商用電源をPFCインバータ回路モジュールの両端に接続して交流パワーの入力を実現し、
PFCインバータ回路モジュールは、第3のスイッチ及び第8のスイッチをオフに制御することにより、第1の二重巻線モータ巻線モジュールの一相巻線と第2の二重巻線モータ巻線モジュールの一相巻線とをスター接続方式から分離させてから、第6のスイッチ及び第10のスイッチをオンに制御し、且つ第5のスイッチ及び第9のスイッチをオフに制御し、第1の二重巻線モータパワー制御モジュールにおけるU相上下アーム及び第1のコンデンサ並びに第2の二重巻線モータパワー制御モジュールにおけるU相上下アームとともに、PFCインバータ回路を構成し、各アームパワースイッチングトランジスタのゲートを制御することにより、PFC機能を実現することを特徴とする請求項1に記載の二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ制御及び車載充電装置分野に属し、特に二重巻線モータの制御と車載充電器(OBC、On Board Charger)の充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、世界各国でクリーンエネルギー及びグリーン交通の発展を継続的に推進し、ますます悪化するエネルギー危機及び環境汚染問題に対応する。自動車産業は、変革に直面し、電気自動車は、現代自動車の発展における重要な方向となり、多くの国も電気自動車の普及を積極的に促進している。変革過渡期において、如何に効率的に電気自動車を充電するかは、ユーザのマイル不安を解決する重要な問題である。
【0003】
現在、電気自動車の充電は、主に充電スタンドの充電と車載充電器との2つの形態を含み、充電スタンドの建設は、現在まだ完全ではなく、車載充電器は、ポータブル充電の利点を有し、充電スタンドの大規模な応用を実現する前の過渡状態としてもよい。
【0004】
電気自動車のスペースの制限及びコストの観点から、現在、車内に配備された車載充電器の実際の充電効率は、高くない。従来技術において、多くの科学者も車載充電器の最適化について多くの探索を行って一定の成果を取得したが、依然として大きな改善余地が存在する。
【0005】
これに鑑みて、上記事情に対し、電気自動車のスペースの制限を効果的に解決し、全体のハードウェアコストを低減し、充電効率をできるだけ向上させることができる代替案である新型の車載充電器のを得ることは、望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の不足について、二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造を提供する。本発明では、極めて大きい程度に1セットのハードウェア機器を多重化するとともに、二重巻線モータの制御及び車載充電器による充電の機能需要を満たし、機器スペースを節約しつつ十分なコストメリットを有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、以下の解決手段によって達成される。本発明は、二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造を提供する。
【0008】
二重巻線モータ制御モードにおいて、前記多重化トポロジー構造は、電池モジュール、二重巻線モータパワー制御モジュール1、二重巻線モータパワー制御モジュール2、二重巻線モータ巻線モジュール1、二重巻線モータ巻線モジュール2に分けられる。
【0009】
前記電池モジュールにおいて、電池BATの正負極は、何れも2パス引き出される。正極HV+の一方のパスは、第1のスイッチK1を介して二重巻線モータパワー制御モジュール1における第1のコンデンサC1の上端に接続され、接続点1を引き出して二重巻線モータパワー制御モジュール2の第6のスイッチK6に接続され、正極HV+の他方のパスは、直接二重巻線モータパワー制御モジュール2における第2のコンデンサC2の上端に接続される。負極HV―の一方のパスは、第2のスイッチK2を介して二重巻線モータパワー制御モジュール1における第1のコンデンサC1の下端に接続され、接続点2を引き出して二重巻線モータパワー制御モジュール2の第10のスイッチK10に接続され、負極HV―の他方のパスは、直接二重巻線モータパワー制御モジュール2における第2のコンデンサC2の下端に接続される。
【0010】
前記二重巻線モータパワー制御モジュール1において、第1のコンデンサC1の上下端は、三相インバータ回路アームの上下端に接続される。各相アームの基本ユニットは、パワースイッチングトランジスタと還流ダイオードとを接続して構成される。基本ユニットUT1は、U相上アームとし、基本ユニットUB1は、U相下アームとし、2グループのユニットは、互いに接続される。U相アームの中点は、二重巻線モータ巻線モジュール1における一相巻線La1に接続される。基本ユニットVT1は、V相上アームとし、基本ユニットVB1は、V相下アームとし、2グループのユニットは、互いに接続され、V相アームの中点は、二重巻線モータ巻線モジュール1における一相巻線Lb1に接続される。基本ユニットWT1は、W相上アームとし、基本ユニットWB1は、W相下アームとし、2グループのユニットは、互いに接続され、W相アームの中点は、二重巻線モータ巻線モジュール1における一相巻線Lc1に接続される。
【0011】
前記二重巻線モータ巻線モジュール1において、三相巻線La1、Lb1、Lc1は、スター接続の方式を用いて接続され、巻線La1とスターの中点とを接続するリンクには、双極双投スイッチ(K3、K4)が配置され、第3のスイッチK3は、巻線La1とスターの中点との接続を制御し、第4のスイッチK4は、巻線La1と接続点Nとの接続を制御し、接続点Nは、商用電源モジュールACのN端に接続される。二重巻線モータ巻線モジュール1の三相巻線La1、Lb1、Lc1の電気抵抗・インダクタンス特性は、同じである。第4のスイッチK4、第7のスイッチK7がオフに制御されることにより、商用電源モジュールの入力は、遮断される。
【0012】
前記二重巻線モータパワー制御モジュール2において、第2のコンデンサC2の上下端は、三相インバータ回路アームの上下端に接続される。各相アームの基本ユニットは、パワースイッチングトランジスタと還流ダイオードとを接続して構成される。基本ユニットUT2は、U相上アームとし、基本ユニットUB2は、U相下アームとし、2グループのユニットは、互いに接続され、U相アームの上端には、双極双投スイッチ(K5、K6)が配置され、第5のスイッチK5は、U相上アームUT2の上端と第2のコンデンサC2の上端との接続を制御し、第6のスイッチK6は、U相上アームUT2の上端と接続点1との接続を制御し、U相アームの下端には、双極双投スイッチ(K9、K10)が配置され、第9のスイッチK9は、U相下アームUB2の下端と第2のコンデンサC2の下端との接続を制御し、第10のスイッチK10は、U相下アームUB2の下端と接続点2との接続を制御し、U相アームの中点と二重巻線モータ巻線モジュール2における一相巻線La2とを接続するリンクには、双極双投スイッチ(K7、K8)が配置され、第7のスイッチK7は、U相アームの中点と接続点Lとの接続を制御し、接続点Lは、商用電源モジュールACのL端に接続され、第8のスイッチK8は、U相アームの中点と二重巻線モータ巻線モジュール2における一相巻線La2との接続を制御する。基本ユニットVT2は、V相上アームとし、基本ユニットVB2は、V相下アームとし、2グループのユニットは、互いに接続され、V相アームの中点は、二重巻線モータ巻線モジュール2における一相巻線Lb2に接続される。基本ユニットWT2は、W相上アームとし、基本ユニットWB2は、W相下アームとし、2グループのユニットは、互いに接続され、W相アームの中点は、二重巻線モータ巻線モジュール2における一相巻線Lc2に接続される。
【0013】
前記二重巻線モータ巻線モジュール2において、三相巻線La2、Lb2、Lc2は、スター接続の方式を用いて接続される。二重巻線モータ巻線モジュール2の三相巻線La2、Lb2、Lc2の電気抵抗・インダクタンス特性は、同じである。二重巻線モータ巻線モジュール1における三相巻線と二重巻線モータ巻線モジュール2における三相巻線との巻き数は、異なり、車載充電器充電モードにおける絶縁トランスモジュールの一次側と二次側との巻き数の比の切り替えを制御するために用いられ、絶縁トランスモジュールの昇圧機能を実現する。
【0014】
車載充電器充電モードにおいて、前記多重化トポロジー構造は、商用電源モジュール、PFCインバータ回路モジュール、逆変換モジュール、絶縁トランスモジュール、整流モジュール、電池モジュールに分けられる。
【0015】
前記商用電源モジュールにおいて、N端は、第4のスイッチK4を介してPFCインバータ回路モジュールにおける巻線La1に接続され、L端は、第7のスイッチK7を介してPFCインバータ回路モジュールにおける第2のアームの中点に接続される。接続点Lは、商用電源モジュールACのL端に接続され、接続点Nは、商用電源モジュールACのN端に接続される。
【0016】
前記PFCインバータ回路モジュールでは、多重化二重巻線モータ制御モードにおいて、二重巻線モータ巻線モジュール1中の巻線La1と二重巻線モータ巻線モジュール2中の巻線La2とは、第3のスイッチ、第8のスイッチをそれぞれオフに制御することにより、スター接続方式から分離させる。二重巻線モータ巻線モジュール1中の巻線La1は、抵抗・インダクタンス素子とし、二重巻線モータパワー制御モジュール1中のU相上下アームUT1及びUB1、二重巻線モータパワー制御モジュール2中のU相上下アームUT2及びUB2、並びに二重巻線モータパワー制御モジュール1中の第1のコンデンサC1を更に含み、二相(二重巻線モータパワー制御モジュール1中のU相、二重巻線モータパワー制御モジュール2中のU相)アームの上下端は、何れも第1のコンデンサC1の上下端に接続される。
【0017】
前記逆変換モジュールは、多重化二重巻線モータ制御モードにおいて、二重巻線モータパワー制御モジュール1中のV相上下アームVT1及びVB1、並びにW相上下アームWT1及びWB1を含む。
【0018】
前記絶縁トランスモジュールは、多重化二重巻線モータ制御モードにおいて、二重巻線モータ巻線モジュール1中の巻線Lb1及び巻線Lc1、並びに二重巻線モータ巻線モジュール2中の巻線Lb2及び巻線Lc2を含み、二相巻線Lb1、Lc1は、直列接続されてトランスの一次側を構成し、二相巻線Lb2、Lc2は、直列接続されてトランスの二次側を構成する。巻線の巻き数を合理的に設定することにより、絶縁トランスモジュールの昇圧需要を実現する。具体的に、二重巻線モータ巻線モジュール1における三相巻線と二重巻線モータ巻線モジュール2における三相巻線との巻き数は、異なり、車載充電器充電モードにおける絶縁トランスモジュールの一次側と二次側との巻き数の比への切り替えを制御するために用いられ、絶縁トランスモジュールの昇圧機能を実現する。
【0019】
前記整流モジュールは、多重化二重巻線モータ制御モードにおいて、二重巻線モータパワー制御モジュール2中のV相上下アームVT2及びVB2、W相上下アームWT2及びWB2、並びに二重巻線モータパワー制御モジュール2中の第2のコンデンサC2を含み、二相(二重巻線モータパワー制御モジュール2中のV相、W相)アームの上下端は、第2のコンデンサC2の上下端に接続される。
【0020】
前記電池モジュールにおいて、多重化二重巻線モータ制御モードにおける電池は、正負極が第2のコンデンサC2の上下端に接続される。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、以下の有利な作用効果を有する。
(1)本発明に記載のトポロジー構造は、極めて大きな程度に1セットのハードウェア機器を多重化し、二重巻線モータの制御及び車載充電器の充電機能を同時に実現し、全体のレイアウト空間を有効的に節約する。
(2)本発明に記載のトポロジー構造は、ハードウェアデバイスを多重化し、リレースイッチを少量添加することにより、モータ制御及び電池充電の需要を同時に実現し、全体としてコスト支出を非常に大きく抑える。
(3)本発明のトポロジー構造の充電効率は、一般的に市販されている車載充電器よりも高い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】二重巻線モータ制御モードにおけるトポロジー構造図である。
【
図2】車載充電器充電モードにおけるトポロジー構造図である。
【
図3】2つのモードの切り替えのリレー制御の操作条件の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、図面を参照しながら本発明をより詳細に記述する。
【0024】
本発明は、二重巻線モータの制御と車載充電器による充電とを同時に実現する多重化トポロジー構造を提供する。
【0025】
図1に示すように、二重巻線モータ制御モードにおいて、前記多重化トポロジー構造は、電池モジュール、二重巻線モータパワー制御モジュール1、二重巻線モータ巻線モジュール1、二重巻線モータパワー制御モジュール2、二重巻線モータ巻線モジュール2を含む。電池モジュールは、それぞれ二重巻線モータパワー制御モジュール1と二重巻線モータパワー制御モジュール2とを介して、二重巻線モータ巻線モジュール1と二重巻線モータ巻線モジュール2とを同時に駆動制御する。
【0026】
電池モジュールは、電池BATの正負極が何れもそれぞれ2パス引き出される。正極HV+の一方のパスは、第1のリレーK1を介して二重巻線モータパワー制御モジュール1中の第1のコンデンサC1の上端に接続され、接続点1を引き出して二重巻線モータパワー制御モジュール2の第6のリレーK6に接続され、正極HV+の他方のパスは、直接二重巻線モータパワー制御モジュール2中の第2のコンデンサC2の上端に接続される。負極HV―の一方のパスは、第2のリレーK2を介して二重巻線モータパワー制御モジュール1中の第1のコンデンサC1の下端に接続され、接続点2を引き出して二重巻線モータパワー制御モジュール2の第10のリレーK10に接続され、負極HV―の他方のパスは、直接二重巻線モータパワー制御モジュール2中の第2のコンデンサC2の下端に接続される。二重巻線モータ制御モードにおいて、第1のリレーK1、第2のリレーK2をオンに制御し、電池正負極は、それぞれ接続点1、接続点2に接続され、三相インバータ回路へ直流電圧を供給する。
【0027】
二重巻線モータパワー制御モジュール1は、第1のコンデンサC1と三相アームとによって構成され、各相は、上下2つのアームに分けられ、各アームは、パワースイッチングトランジスタと還流ダイオードとを接続して形成され、6つのアームは、UT1及びUB1、VT1及びVB1、WT1及びWB1にそれぞれ対応し、三相アームの中点は、それぞれ二重巻線モータ巻線モジュール1の三相巻線La1、Lb1、Lc1に対応的に接続され、各アームパワートランジスタのゲート信号を制御することにより、二重巻線モータパワー制御モジュール1は、PWM(Pulse Width Modulation、パルス幅変調)波を出力して二重巻線モータ巻線モジュール1を駆動する。
【0028】
二重巻線モータ巻線モジュール1は、三相対称巻線La1、Lb1、Lc1スターを接続して構成され、巻線La1とスターの中点とを接続するリンクには、双極双投スイッチ(K3、K4)が配置され、第3のリレーK3は、巻線La1とスターの中点との接続を制御し、第4のリレーK4は、巻線La1と接続点Nとの接続を制御する。第4のリレーK4がオフにされ、且つ第3のリレーK3がオンにされることにより、二重巻線モータ巻線モジュール1がモータ駆動モードで運転されることは、保証される。第4のリレーK4及び第7のリレーK7がオフに制御されることにより、商用電源モジュールの入力は、遮断される。二重巻線モータ巻線モジュール1の三相巻線La1、Lb1、Lc1の電気抵抗・インダクタンス特性は、同じである。
【0029】
二重巻線モータパワー制御モジュール2は、この場合に、第5のリレーK5をオンにし、第6のリレーK6をオフにし、第7のリレーK7をオフにし、第8のリレーK8をオンにし、第9のリレーK9をオンにし、第10のリレーK10をオフにする。このリレー状態において、二重巻線モータパワー制御モジュール2は、第2のコンデンサC2と三相アームとによって構成され、各相が上下2つのアームに分けられ、各アームがパワースイッチングトランジスタと還流ダイオードとを接続して構成され、6つのアームがそれぞれUT2及びUB2、VT2及びVB2、WT2及びWB2に対応する。三相アームの中点は、それぞれ二重巻線モータ巻線モジュール2の三相巻線La2、Lb2、Lc2に対応的に接続され、各アームパワートランジスタのゲート信号を制御することにより、二重巻線モータパワー制御モジュール2は、PWM波を出力して二重巻線モータ巻線モジュール2を駆動する。
【0030】
二重巻線モータ巻線モジュール2は、三相対称巻線La2、Lb2、Lc2のスター接続によって構成され、二重巻線モータ巻線モジュール2から発されたPWM駆動によって制御される。二重巻線モータ巻線モジュール2の三相巻線La2、Lb2、Lc2の電気抵抗・インダクタンス特性は、同じである。
【0031】
図2に示すように、車載充電器充電モードにおいて、前記多重化トポロジー構造は、商用電源モジュール、PFCインバータ回路モジュール、逆変換モジュール、絶縁トランスモジュール、整流モジュール、電池モジュールを含む。
【0032】
商用電源モジュールは、N端が第4のリレーK4を介してPFCインバータ回路モジュール中の巻線La1に接続され、L端が第7のリレーK7を介してPFCインバータ回路モジュール中の第2のアームの中点に接続される。車載充電器充電モードにおいて、第4のリレーK4及び第7のリレーK7をオンに制御し、第3のリレーK3及び第8のリレーK8をオフに制御し、商用電源のN端を接続点Nに接続し、商用電源のL端を接続点Lに接続し、PFCインバータ回路へのパワー伝送を実現する。
【0033】
PFCインバータ回路モジュールは、第3のリレーK3及び第8のリレーK8をオフに制御することにより、二重巻線モータ巻線モジュール1の一相巻線La1と二重巻線モータ巻線モジュール2の巻線La2とをスター接続方式から分離させる。二重巻線モータ巻線モジュール1中の巻線La1は、抵抗・インダクタンス素子とし、二重巻線モータパワー制御モジュール1中のU相上下アームUT1及びUB1、二重巻線モータパワー制御モジュール2中のU相上下アームUT2及びUB2、並びに二重巻線モータパワー制御モジュール1中の第1のコンデンサC1を更に含む。第6のリレーK6、第10のリレーK10をオンに制御し、第5のリレーK5、第9のリレーK9をオフに制御することにより、二重巻線モータパワー制御モジュール2のU相上下アームをそれぞれ接続点1及び接続点2に接続する。その際、UT1及びUB1、並びにUT2及びUB2は、共同して二相アームを構成し、二相アームの上下2端は、共同して第1のコンデンサC1に並列接続され、PFC(Power Factor Correction、力率改善)の逆変換昇圧を共同して実現する。
【0034】
逆変換モジュールは、二重巻線モータパワー制御モジュール1中のV相上下アームVT1、VB1と、W相上下アームWT1、WB1とが共同して二相アームを構成し、各パワースイッチングトランジスタのゲート信号を制御することで逆変換機能を実現し、高周波交番電圧を出力する。
【0035】
絶縁トランスモジュールは、第3のリレーK3と第8のリレーK8とがオフにされたため、二重巻線モータ巻線モジュール1中の巻線Lb1と巻線Lc1とが自動的に直列接続されてトランスの一次側を構成し、二重巻線モータ巻線モジュール2中の巻線Lb2と巻線Lc2とが自動的に直列接続されてトランスの二次側を構成し、2グループの巻線の巻き数を合理的に設定することにより、絶縁トランスの変圧機能を実現することができる。具体的に、二重巻線モータ巻線モジュール1中の三相巻線と二重巻線モータ巻線モジュール2中の三相巻線との巻き数は、異なり、車載充電器充電モードにおける絶縁トランスモジュールの一次側と二次側との巻き数の比への切り替えを制御するために用いられ、絶縁トランスモジュールの昇圧機能を実現する。
【0036】
整流モジュールは、二重巻線モータパワー制御モジュール2中のV相上下アームVT2、VB2と、W相上下アームWT2、WB2とが共同して二相アームを構成し、二相アームの上下2端がそれぞれ第2のコンデンサC2の両端に接続され、各パワースイッチングトランジスタのゲート信号を制御することで整流機能を実現し、直流充電電圧を出力して電池へ充電する。
【0037】
電池モジュールは、電池正負極が第2のコンデンサC2の上下端に接続される。その際、第1のリレーK1、第2のリレーK2をオフに制御し、電池は、構造上で整流モジュールのみに接続され、整流モジュールから出力されたパワーを受け取って充電する。
【0038】
図3に示すように、上記多重化トポロジー構造に基づいて、K1、K2、K3、K5、K8、K9をオフにし、且つK4、K6、K7、K10をオンにすると、車載充電器充電モードに切り替わり可能であり、K1、K2、K3、K5、K8、K9をオンにし、且つK4、K6、K7、K10をオフにすると、二重巻線モータ制御モードに切り替わり可能である。
【0039】
本発明の多重化トポロジー構造に関わる全てのリレースイッチは、スイッチング属性を有する如何なるデバイスに置換可能である。
【0040】
本発明は、上記実施形態に限定されない。当業者が、本発明の上記実施形態と同じ又は近似する方式を用いて、進歩性に値する労働を掛けずになした全ての他の実施例は、何れも本発明の保護範囲内に含まれる。
【国際調査報告】