(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】液溜り側壁の溶接装置および溶接方法
(51)【国際特許分類】
B23K 31/00 20060101AFI20241018BHJP
B23K 11/11 20060101ALI20241018BHJP
B23K 11/36 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B23K31/00 D
B23K11/11 540
B23K11/36 320
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573571
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 CN2022119079
(87)【国際公開番号】W WO2023077974
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】202111298730.0
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523448912
【氏名又は名称】国核電站運行服務技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】STATE NUCLEAR POWER PLANT SERVICE COMPANY
【住所又は居所原語表記】Building 6, Lane 888, Tianlin Road, Xuhui District, Shanghai 200233, People’s Republic Of China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 涛
(72)【発明者】
【氏名】兪 照 輝
(72)【発明者】
【氏名】李 青 華
(72)【発明者】
【氏名】叶 ▲チェン▼
(72)【発明者】
【氏名】孫 ▲ジェン▼
(72)【発明者】
【氏名】馮 利 法
(72)【発明者】
【氏名】謝 晨 江
(72)【発明者】
【氏名】曾 道 英
(72)【発明者】
【氏名】管 正 剛
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ヤン▼ 国 華
(72)【発明者】
【氏名】関 光
(72)【発明者】
【氏名】陳 暁 飛
【テーマコード(参考)】
4E165
【Fターム(参考)】
4E165BA01
4E165BA11
4E165DA17
(57)【要約】
液溜り側壁の溶接装置および溶接方法である。液溜り側壁の溶接装置のハッチ構造(10)は、水平に配列された準備チャンバ(11)と排液チャンバ(12)を備え、準備チャンバ(11)と排液チャンバ(12)は、操作窓(20)を介して連通し、準備チャンバ(11)内には、溶接設備が設置され、排液チャンバ(12)には、側壁と密封接触するための開放口(121)が配置されている。シール板(30)は、準備チャンバ(11)と排液チャンバ(12)を隔てるまたは連通するように操作窓(20)を自動的に閉じるまたは開くことができる。位置保持構造(40)は、ハッチ構造(10)を所定の深さで液溜りに保持して開放口(121)を液溜りの側壁に密封して貼り付ける。排液構造(50)の排液口(51)は、排液チャンバ(12)の底部に設置され、ガス供給装置は、開放口(121)が液溜りの側壁に密封して貼り付けるとともにシール板(30)が操作窓(20)を閉じるときに、排液チャンバ(12)内にガスを輸送して液体を空にする。溶接設備の溶接工具は、排液チャンバ(12)の液体が空にされた後、操作窓(20)から排液チャンバ(12)内に入り、側壁の所定位置に対して溶接および/または修復する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に配列された準備チャンバ(11)と排液チャンバ(12)を備え、前記準備チャンバ(11)と前記排液チャンバ(12)は、操作窓(20)を介して連通し、前記準備チャンバ(11)内には、溶接設備が設置され、前記排液チャンバ(12)には、前記液溜り側壁と密封接触するための開放口(121)が配置されているハッチ構造(10)と、
前記準備チャンバ(11)と前記排液チャンバ(12)を隔てるように前記操作窓(20)を自動的に閉じたり、前記準備チャンバ(11)と前記排液チャンバ(12)とを連通するように前記操作窓(20)を自動的に開いたりすることができるシール板(30)と、
前記ハッチ構造(10)と接続され、前記ハッチ構造(10)を所定の深さで前記液溜りに保持し、前記開放口(121)を液溜り側壁に密封して貼り付ける位置保持構造(40)と、
前記排液チャンバ(12)の底部に設置された排液口(51)と、前記開放口(121)が前記液溜り側壁に密封して貼り付けるとともに前記シール板(30)が前記操作窓(20)を閉じるときに前記排液チャンバ(12)内にガスを輸送して前記排液チャンバ(12)の液体を空にするガス供給装置とを備える排液構造(50)と、を備え、
前記溶接設備の溶接工具は、前記排液チャンバ(12)の液体が空にされた後、前記操作窓(20)から前記排液チャンバ(12)内に入り、側壁の所定位置に対して溶接および/または修復する
ことを特徴とする液溜り側壁の溶接装置。
【請求項2】
前記位置保持構造(40)は、
前記ハッチ構造(10)の上部に接続されて前記液溜り内の前記ハッチ構造(10)の空間位置を調整する牽引アセンブリ(41)と、
前記排液チャンバ(12)の前記開放口(121)の周囲に設けられて前記側壁を吸着して前記排液チャンバ(12)の前記開放口(121)を前記液溜り側壁に密封して貼り付ける吸着部材(42)と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の液溜り側壁の溶接装置。
【請求項3】
前記位置保持構造(40)は、前記ハッチ構造(10)の外周に設置されて前記吸着部材(42)を前記液溜り側壁に貼り付ける推進アセンブリ(43)をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の液溜り側壁の溶接装置。
【請求項4】
前記位置保持構造(40)は、前記ハッチ構造(10)に接続されたクランプ部と前記液溜り外側に設置されたベースとを有するアームモジュールを備え、前記アームモジュールは、前記排液チャンバ(12)の前記開放口(121)を前記側壁に密封して貼り付けることを特徴とする請求項1に記載の液溜り側壁の溶接装置。
【請求項5】
前記排液口(51)には、前記排液チャンバ(12)の内側から外側への液体の輸送のみを許容する逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の液溜り側壁の溶接装置。
【請求項6】
前記排液チャンバ(12)に連通して前記排液チャンバ(12)内に熱風を吹き込む熱風装置をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の液溜り側壁の溶接装置。
【請求項7】
前記ハッチ構造(10)の底部、側面、または上部に配置されたカウンタウェイト(60)をさらに備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の液溜り側壁の溶接装置。
【請求項8】
前記シール板(30)は、第1シール板(31)と第2シール板(32)とを備え、前記第1シール板(31)と前記第2シール板(32)は、それぞれ前記操作窓(20)の両側縁に回転可能に接続され、前記第1シール板(31)と前記第2シール板(32)が前記操作窓(20)の中心に向かって回転して互いに接触して貼り合わせる場合に、前記操作窓(20)を閉じることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の液溜り側壁の溶接装置。
【請求項9】
前記溶接装置は、切換可能な研磨工具(1111)および固定工具(1112)が取り付けられた第1姿勢調整アセンブリ(111)と、溶接ガン(1121)が取り付けられた第2姿勢調整アセンブリ(112)とを備え、前記研磨工具(1111)、前記固定工具(1112)および前記溶接ガン(1121)は、前記排液チャンバ(12)が空にされた後、前記操作窓(20)を通じて前記排液チャンバ(12)内に入って前記側壁の所定位置に対して溶接および/または修復することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の液溜り側壁の溶接装置。
【請求項10】
前記液溜り側壁の溶接装置は、環状支持板(71)とシールストリップ(72)とを有するシール構造(70)をさらに備え、
前記環状支持板(71)は、その外輪形状が前記準備チャンバ(11)の横断面形状と同じであり、前記環状支持板(71)の外輪縁が前記準備チャンバ(11)の内壁に固定的に接続されてシールされ、前記環状支持板(71)は、前記操作窓(20)に平行であり、前記環状支持板(71)の中間開口の寸法は、全体として、前記操作窓(20)の寸法より小さく、
前記シールストリップ(72)は、前記環状支持板(71)の中間開口縁に沿って設置されて環状配置を形成し、前記シール板(30)が前記操作窓(20)を閉じるときに、前記シール板(30)において前記準備チャンバ(11)に臨む面は、前記シールストリップ(72)に押し付けられてシールを形成することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の液溜り側壁の溶接装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の液溜り側壁の溶接装置を用いた液溜り側壁の溶接方法であって、
S1:溶接装置が液溜りに入る前に、シール板(30)は、操作窓(20)を閉じる状態にあり、準備チャンバ(11)と排液チャンバ(12)を完全に隔離し、準備チャンバ(11)を密封状態にする、
S2:位置保持構造(40)は、排液チャンバ(12)の開放口(121)を液溜り側壁の溶接すべき位置に合わせた後、排液チャンバ(12)の開放口(121)を側壁に密封して貼り合わせる、
S3:排液構造(50)のガス供給装置は、ガスを排液チャンバ(12)に絶えず送り、排液チャンバ(12)の液体を排液口(51)を通じて排液チャンバ(12)の外側に徐々に排出する、
S4:排液チャンバ(12)内の液体が空にされた後、シール板(30)は、操作窓(20)を開ける、
S5:溶接設備は、操作窓(20)を通じて液溜り側壁の溶接すべき位置に対して溶接および/または修復作業を行う、
S6:溶接および/または修復作業が完了した後、溶接設備は、操作窓(20)から退出し、シール板(30)は、操作窓(20)を閉じ、装置の全体は、液溜りから退避する
というステップを備える
ことを特徴とする側壁の溶接装置を用いた液溜り側壁の溶接方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年11月04日で中国特許庁に提出した出願番号が202111298730.0で発明の名称が「液溜り側壁の溶接装置および溶接方法」である中国特許出願に基づく優先権を主張するものであり、その全体が参照により本願に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、液溜り内の溶接設備の技術分野に関し、具体的には、液溜り側壁の溶接装置および溶接方法に関わるものである。
【背景技術】
【0003】
背景技術
工業分野において、液体を貯蔵するための金属構造溜りが多く存在し、長期にわたって複雑な状況や環境で使用されているため、金属構造溜りの金属側壁に亀裂、孔食、応力腐食などの欠陥が発生しやすい。これらの欠陥は、構造の担持能力の低下、貯液漏れの発生、さらには壊滅的な破裂などの深刻な結果を引き起こす可能性がある。そのため、液溜りの剛構造の側壁に欠陥が見つかった場合、側壁の欠陥に対して溶接・メンテナンスを行う必要がある。
【0004】
通常、従来のメンテナンス方法は、溜り内のすべての液体を空にして完全に乾式の環境下で溶接補修を実施する。しかし、一部の液溜りに保存された液体は、その性質が特殊であり、直接的に空にすることができず、液体の転置も、巨大な経済コストを生み、例えば原子力発電所の使用済燃料水溜りに対して、冷却などの機能の正常な発揮を保証するために、最も良い方法は、使用済み燃料水溜りを空にすることなく側壁の溶接修復を行うことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、如何にして液溜りに液を溜めた状態で溜りの内側壁に対して溶接を行える溶接装置を設計することは、業界で研究されているホットスポットとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本願の実施例の目的は、液溜りに液を溜めた状態で、側壁に局部乾式環境を構築して溜り内側壁の溶接と修復を容易にする液溜り側壁の溶接装置を提供することにある。
【0007】
本願の実施例の第2目的は、上記液溜り側壁の溶接装置を用いた液溜り側壁の溶接方法を提供することにある。
【0008】
第1態様は、ハッチ構造と、シール板と、位置保持構造と、排液構造とを備えることを特徴とする液溜り側壁の溶接装置を提供する。ハッチ構造は、水平に配列された準備チャンバと排液チャンバとを備え、準備チャンバと排液チャンバは、操作窓を通じて連通し、準備チャンバ内には、溶接設備が設置され、排液チャンバには、液溜り側壁と密封接触するための開放口が配置されている。シール板は、準備チャンバと排液チャンバを隔てるように操作窓を自動的に閉じたり、準備チャンバと排液チャンバを連通するように操作窓を自動的に開いたりすることができる。位置保持構造は、ハッチ構造と接続されており、ハッチ構造を所定の深さで液溜りに保持して開放口を液溜り側壁に密封して貼り付ける。排液構造は、排液チャンバの底部に設置された排液口と、開放口が液溜り側壁に密封して貼り付けるとともにシール板が操作窓を閉じるときに、排液チャンバ内にガスを輸送して排液チャンバの液体を空にするガス供給装置とを備える。溶接設備の溶接工具は、排液チャンバの液体が空にされた後、操作窓から排液チャンバ内に入り、側壁の所定位置に対して溶接および/または修復する。
【0009】
1つの実施可能な形態において、位置保持構造は、ハッチ構造の上部に接続されて液溜り内のハッチ構造の空間位置を調整する牽引アセンブリと、排液チャンバの開放口の周囲に設けられて側壁を吸着して排液チャンバの開放口を液溜り側壁に密封して貼り付ける吸着部材とを備える。
【0010】
1つの実施可能な形態において、位置保持構造は、ハッチ構造の外周に配置されて吸着部材を液溜り側壁に貼り付ける推進アセンブリをさらに備える。
【0011】
1つの実施可能な形態において、位置保持構造は、ハッチ構造に接続されたクランプ部と液溜り外側に設置されたベースとを有するアームモジュールを備え、アームモジュールは、排液チャンバの開放口を側壁に貼り付ける。
【0012】
1つの実施可能な形態において、排液口には、排液チャンバの内側から外側への液体の輸送のみを許容する逆止弁が設けられている。
【0013】
1つの実施可能な形態において、排液チャンバと連通して排液チャンバ内に熱風を吹き込む熱風装置をさらに備える。
【0014】
1つの実施可能な形態において、ハッチ構造の底部、側面、または上部に配置されたカウンタウェイトをさらに備える。
【0015】
1つの実施可能な形態において、シール板は、第1シール板と第2シール板とを備え、第1シール板と第2シール板は、それぞれ操作窓の両側縁に回転可能に接続され、第1シール板と第2シール板が操作窓の中心に向かって回転して互いに接触して貼り合わせる場合に、操作窓を閉じる。
【0016】
1つの実施可能な形態において、溶接装置は、切換可能な研磨工具および固定工具が取り付けられた第1姿勢調整アセンブリと、溶接ガンが取り付けられた第2姿勢調整アセンブリとを備え、研磨工具、固定工具および溶接ガンは、排液チャンバが空にされた後、操作窓を通じて排液チャンバ内に入って側壁の所定位置に対して溶接および/または修復する。
【0017】
1つの実施可能な形態において、液溜り側壁の溶接装置は、環状支持板とシールストリップとを有するシール構造をさらに備える。環状支持板は、その外輪形状が準備チャンバの横断面形状と同じであり、環状支持板の外輪縁が準備チャンバの内壁に固定的に接続されてシールされ、環状支持板は、操作窓に平行であり、環状支持板の中間開口の寸法は、全体として操作窓の寸法より小さい。シールストリップは、環状支持板の中間開口縁に沿って設置されて環状配置を形成し、シール板が操作窓を閉じるときに、シール板において準備チャンバに臨む面は、シールストリップに押し付けられてシールを形成する。
【0018】
本願の第2態様によれば、上記の態様における液溜り側壁の溶接装置を用た液溜り側壁の溶接方法も提供し、以下のステップを備える。
【0019】
S1:溶接装置が液溜りに入る前に、シール板は、操作窓を閉じる状態にあり、準備チャンバと排液チャンバを完全に隔離し、準備チャンバを密封状態にする、
S2:位置保持構造は、排液チャンバの開放口を液溜り側壁の溶接すべき位置に合わせた後、排液チャンバの開放口を側壁に密封して貼り合わせる、
S3:排液構造のガス供給装置は、ガスを排液チャンバに絶えず送り、排液チャンバの液体を排液口を通じて排液チャンバの外側に徐々に排出する、
S4:排液チャンバ内の液体が空にされた後、シール板は、操作窓を開ける、
S5:溶接設備は、操作窓を通じて液溜り側壁の溶接すべき位置に対して溶接および/または修復作業を行う、
S6:溶接および/または修復作業が完了した後、溶接設備は、操作窓から退出し、シール板は、操作窓を閉じ、装置の全体は、液溜りから退避する。
【0020】
先行技術と比較して、本願の有益な効果は、以下の通りである。
本願の液溜り側壁の溶接装置は、作動時に液溜り内の液体を空にする必要がなく、液溜り側壁の溶接位置で局所乾式の溶接空間を構築することにより、液溜りに液を溜めた状態でも側壁の溶接または修復作業を行うことができ、液溜り正常な作動にほとんど影響を与えず、経済的コストを大幅に削減することができる。
【0021】
図面の簡単な説明
以下、本願の実施例における技術案をより明確的に説明するために、実施例において必要とされる図面について簡単に説明するが、明らかに、以下の図面は、本願のいくつかの実施例を示すものに過ぎず、範囲の限定とみなすべきではなく、当業者にとって、創造的な労働を行わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本願の実施例に係る液溜り側壁の溶接装置の全体構成の概略図である。
【
図2】
図2は、本願の実施例に係る液溜り側壁の溶接装置が側壁に貼り合わせる概略図である。
【
図3】
図3は、本願の実施例に係る液溜り側壁の溶接装置における排液チャンバの排液概略図である。
【
図4】
図4は、本願の実施例に係る液溜り側壁の溶接装置におけるシール板の開状態図である。
【
図5】
図5は、本願の実施例に係る液溜り側壁の溶接装置の研磨欠陥位置の概略図である。
【
図6】
図6は、本願の実施例に係る液溜り側壁の溶接装置による補修板スポット溶接の概略図である。
【
図7】
図7は、本願の実施例に係る液溜り側壁の溶接装置による補修板溶接の概略図である。
【
図8】
図8は、本願の実施例に係る液溜り側壁の溶接装置のシール構造がシール板に貼り合せてシールする概略図である。
【
図9】
図9は、本願の実施例に係る液溜り側壁の溶接装置のシール構造の前側斜視概略図である。
【
図10】
図10は、本願の実施例に係る液溜り側壁の溶接装置のシール構造の後側斜視概略図である。
【
図11】
図11は、本願の実施例に係る液溜り側壁の溶接装置のシール構造の断面構成概略図である。
【
図12】
図12は、本願の実施例に係る液溜り側壁の溶接方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図において:10、ハッチ構造、11、準備チャンバ、111、第1姿勢調整アセンブリ、1111、研磨工具、1112、固定工具、112、第2姿勢調整アセンブリ、1121、溶接ガン、12、排液チャンバ、121、開放口、20、操作窓、30、シール板、31、第1シール板、32、第2シール板、40、位置保持構造、41、牽引アセンブリ、42、吸着部材、43、推進アセンブリ、50、排液構造、51、排液口、52、吸気通路、60、カウンタウェイト、70、シール構造、71、環状支持板、72、シールストリップ、721、圧縮可能部、722、非圧縮可能部、73、磁気ストライプ、100、補修板、S1~S6、ステップ。
【0024】
発明を実施するための形態
本願の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例における図面に基づいて、本願の実施例における技術案を明確且つ詳細に説明するが、勿論、説明された実施例は、本願の実施例の一部に過ぎず、実施例の全体ではない。通常、ここでの図面に説明・図示された本願の実施例のアセンブリは、様々な異なる構成で配置・設計されてもよい。
【0025】
したがって、以下、図面において提供された本願の実施例の詳細な説明は、保護を必要とする本願の範囲を限定することを意図するものではなく、本願の選択された実施形態のみを示すものである。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を付かずに成し遂げるすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0026】
本願の第1態様によれば、
図1を参照すると、まず、ハッチ構造10と、シール板30と、位置保持構造40と、排液構造50とを備える液溜り側壁の溶接装置を提供している。ハッチ構造10は、水平に配列された準備チャンバ11と排液チャンバ12を備え、準備チャンバ11と排液チャンバ12は、操作窓20を介して連通し、準備チャンバ11内には、溶接設備が設置され、排液チャンバ12には、液溜りの側壁と密封接触するための開放口121が配置されている。シール板30は、準備チャンバ11と排液チャンバ12を隔てるように操作窓20を自動的に閉じたり、準備チャンバ11と排液チャンバ12とを連通するように操作窓20を自動的に開いたりすることができる。位置保持構造40は、ハッチ構造10と接続されており、ハッチ構造10を所定の深さで液溜りに保持して開放口121を液溜りの側壁に密封して貼り付ける。排液構造50は、排液チャンバ12の底部に設置された排液口51と、開放口121が液溜りの側壁に密封して貼り付けるとともにシール板30が操作窓20を閉じるときに、排液チャンバ12内にガスを輸送して排液チャンバ12の液体を空にするガス供給装置とを備える。溶接設備の溶接工具は、排液チャンバ12の液体が空にされた後、操作窓20から排液チャンバ12内に入り、側壁の所定位置に対して溶接および/または修復する。
【0027】
液溜り側壁の溶接装置が作動する場合、まず、溶接装置が液溜りに入る前に、シール板30は、操作窓20を閉じた状態にあり、準備チャンバ11と排液チャンバ12を完全に隔離し、準備チャンバ11を密閉状態にする。そして、
図2を参照すると、位置保持構造40は、操作窓20を側壁の溶接すべき位置に合わせた後、排液チャンバ12の開放口121を側壁に密封して貼り合わせる。次に、
図3を参照すると、排液構造50のガス供給装置は、排液チャンバ12にガスを絶えず送り、排液チャンバ12内の液体を排液口51を介して排液チャンバ12の外側に徐々に排出して、排液チャンバ12内の液体を空にする。液体を空にした排液チャンバ12の内腔は、局部乾式環境であり、これにより、液溜り側壁における局所乾式の溶接環境が構築され、次の溶接に便利な条件を提供している。最後に、
図4を参照すると、シール板30は、操作窓20を開き、溶接設備は、操作窓20を通じて側壁の溶接すべき位置に対して溶接または溶接修復作業を行う。このことから、液溜り側壁の溶接装置は、作動時に液溜り内の液体を空にする必要はなく、
図5~
図7を参照すると、液溜り側壁の溶接位置で局所乾式の溶接空間を構築することにより、液溜りに液を溜めた状態でも側壁の溶接または修復作業を行うことができ、液溜りの正常な作動にほとんど影響を与えない。
【0028】
なお、排液チャンバ12と準備チャンバ11との左右分離設計は、準備チャンバ11内の溶接設備の保護だけでなく、排液チャンバ12内の局所乾式環境の構築にも有利である。ハッチ構造10が液溜りに入って排液チャンバ12の液体が空にされるまで、準備チャンバ11は、密封状態であるので、内部の溶接設備に対して良い保護作用を果たす。排液チャンバ12の液体が空にされた後、準備チャンバ11内の溶接設備の溶接工具は、排液チャンバ12に入って溶接作業を行うので、準備チャンバ11内の各部品は、水と接触せず、各設備部品の水中作業の信頼性を保証した。
【0029】
1つの実施形態において、
図1を参照すると、位置保持構造40は、牽引アセンブリ41と吸着部材42とを備える。牽引アセンブリ41は、ハッチ構造10の上部に接続されて液溜り内のハッチ構造10の空間位置を調整する。吸着部材42は、排液チャンバ12の開放口121の周囲に設けられて、側壁を吸着して排液チャンバ12の開放口121を液溜りの側壁に密封して貼り付ける。牽引アセンブリ41は、ハッチ構造10を液溜りに入れて液溜りの中で一定の高さを維持するとともに、ハッチ構造10を液溜りにおいて側壁の位置まで移動させるように、ハッチ構造10を牽引することができ、その後、開放口121が側壁に貼り付けると、吸着部材42は、開放口121を側壁と密封して貼り合わせるように、側壁に密着して側壁をしっかり吸着し、排液チャンバ12の排液過程において液体が浸入して排液効果に影響を与えることを防止し、後続の排液チャンバ12の排水後の乾式環境の維持にも有利である。
【0030】
1つの実施形態において、牽引アセンブリ41は、ワイヤロープに合わせてクレーンまたは巻上機を用いて牽引を実現してもよい。
【0031】
1つの実施形態において、吸着部材42は、排液チャンバ12の外周に配置されて排液チャンバ12の開放口121の周りに均一に分布する複数の真空吸盤を備え、真空吸盤の吸着面は、開放口121の向きと同じであり、真空吸盤の作動時に、真空吸盤は、側壁を吸着して開放口121を側壁に密封して貼り付ける。水リングの真空ポンプを用いて真空吸盤に真空吸着力を提供することができる。
【0032】
1つの実実施形態において、吸着部材42は、排液チャンバ12の外周に配置されて排液チャンバ12の開放口121の周りに均一に分布する複数の電磁吸盤を備え、電磁吸盤の吸着面は、開放口121の向きと同じであり、電磁吸盤の作動時に、電磁吸盤は、側壁を吸着して開放口121を側壁に密封して貼り付ける。
【0033】
1つの実施形態において、排液チャンバ12の開放口121が側壁に貼り合わされたハッチ位置にはシール材が設置され、シール板30が操作窓20に嵌合された位置にもシールリングが設置されている。シール材は、側壁に起伏がある場合でも、開放口121を液溜りの側壁に密着させることができる。シールリングは、溶接装置の全体が水に入る時に、シール板30が操作窓20に対して密閉貼り合わせを形成することを保証し、液体が操作窓20を通って準備チャンバ11に進入して準備チャンバ11内の溶接設備などの腐食損傷が発生することがなくなるのを保証する。
【0034】
1つの実施形態において、
図1を参照すると、位置保持構造40は、ハッチ構造10の外周に配置されて吸着部材42を液溜りの側壁に貼り付ける推進アセンブリ43をさらに備える。推進アセンブリ43は、牽引アセンブリ41の不足を補うことができ、牽引アセンブリ41が開放口121をできるだけ側壁に近づけない場合、推進アセンブリ43は、開放口121を側壁にさらに押し込み、吸着部材42を側壁に貼り付ける。推進アセンブリ43は、プロペラなどの水中推進装置を用いて、ハッチ構造10の横方向移動を実現することができる。
【0035】
1つの実施形態において、位置保持構造40は、ハッチ構造10に接続されたクランプ部と液溜りの外側に設置されたベースとを有するアームモジュールを備え、アームモジュールは、排液チャンバ12の開放口121を側壁に密封して貼り付ける。位置保持構造40は、多自由度モジュール、多自由度アームなどの装置を用いて、液溜り内のハッチ構造10の位置変化を実現することができる。
【0036】
1つの実施形態において、排液口51には、排液チャンバ12の内側から外側への液体の輸送のみを許容する逆止弁が設けられている。逆止弁は、排液チャンバ12内の液体が空にされた後に逆流しないことを保証する。
【0037】
1つの実施形態において、排液チャンバ12に連通して排液チャンバ12内に熱風を吹き込む熱風装置をさらに備える。ガス供給装置が排液チャンバ12内に給気して排液チャンバ12内の液体を空にした後、排液チャンバ12の底部に残液の一部が溜まる可能性があり、熱風装置は、排液チャンバ12内に熱風を吹き込んで残液乾燥を行い、水中側壁の局所乾式環境による乾式効果をさらに高めて溶接品質を向上させることができる。ハッチ構造10は、液溜り外の空気と連通してハッチ構造10内の余分なガスを外部に排出するガス排出口を設けてもよい。
【0038】
1つの実施形態において、
図1~7を参照すると、排液構造50は、ガス供給装置と熱風装置のガスを排液チャンバ12内に導く吸気通路52をさらに備える。吸気通路52は、ガス供給装置と熱風装置とを接続するためのものである。吸気通路52は、共用化されて、ポート数を減らして漏洩リスクを低減する。排液チャンバ12の排液時、熱風装置は、作動せず、ガス供給装置は、吸気通路52を通じて排液チャンバ12内にガスを送り、排液チャンバ12内の液体が空にされた後、熱風装置は、吸気通路52を通じて排液チャンバ12内に熱風を送り、排液チャンバ12内の残留液体を乾燥する。熱風装置は、ガス供給装置から給気通路52までの管路にヒータを設置して実現してもよく、単独で熱風を発生する装置を用いてガス供給装置および吸気通路52と並列に接続してもよい。
【0039】
1つの実施形態において、吸気通路52から排液チャンバ12内にのみガスが輸送されることを保証するために、吸気通路52には、逆止弁または電動弁が設けされている。熱風装置とガス供給装置とのガス輸送の切り替えを実現するために、吸気通路52には、多方電磁弁が設けてもよい。
【0040】
1つの実施形態において、
図1を参照すると、ハッチ構造10の底部、側面、または上部に配置されたカウンタウェイト60をさらに備える。カウンタウェイト60の作用は、2つの方面を有し、その一方は、カウンタウェイト60が溶接装置の全体的な重量を増加させ、溶接装置が液溜りの浮力に抗して溜りに沈めることができる。その他方は、カウンタウェイト60がハッチ構造10に設置され、液溜り内での溶接装置のバランスを維持するのに有利である。
【0041】
1つの実施形態において、
図1~
図7を参照すると、シール板30は、第1シール板31と第2シール板32とを備え、第1シール板31と第2シール板32は、それぞれ操作窓20の両側縁に回転可能に接続され、第1シール板31と第2シール板32が操作窓20の中心に向かって回転して互いに接触して貼り合わせる場合に、操作窓20を閉じる。双方向に開閉される第1シール板31と第2シール板32は、操作窓20の開閉度を高めて、第1シール板31と第2シール板32の長さを短くすることができ、その分、排液チャンバ12の厚さを薄くして、排液チャンバ12の体積を小さくして、排液の圧力を低下させることができる。第1シール板31および第2シール板32は、油圧テンションロッドを用いて回転駆動してもよく、モータとリンクとの組合せ構造を用いてもよく、回転関節に回転駆動するモータ等の動力装置を設けてもよい。
【0042】
1つの実施形態において、
図1~7を参照すると、溶接装置は、切換可能な研磨工具1111および固定工具1112が取り付けられた第1姿勢調整アセンブリ111と、溶接ガン1121が取り付けられた第2姿勢調整アセンブリ112とを備え、研磨工具1111、固定工具1112および溶接ガン1121は、排液チャンバ12が空にされた後、操作窓20を通じて排液チャンバ12内に入って側壁の所定位置に対して溶接および/または修復を行う。第1姿勢調整アセンブリ111と第2姿勢調整アセンブリ112は、溶接に関連する工具を挟んで溶接作業を行う。仮に側壁に対して溶接のみが必要である場合、第2姿勢調整アセンブリ112は、姿勢を変えて溶接ガン1121を操作窓20を通過させて側壁の溶接位置を溶接する。仮に側壁を修復する必要がある場合、一般的に、第1姿勢調整アセンブリ111が作動し、まず、研磨工具1111を用いて欠陥箇所を研磨し、次いで、固定工具1112に切り替え、固定工具1112が補修板100を挟持して欠陥箇所に位置決めし、最後に、第2姿勢調整アセンブリ112が作動し、溶接ガン1121を用いて補修板100をスポット溶接固定し、その後、固定工具1112を撤去し、溶接ガン1121を用いて補修板100の全体に対して溶接修復する。第1姿勢調整アセンブリ111と第2姿勢調整アセンブリ112は、互いに協働して、溶接や修復などの異なる作業工程をより良好に遂行できる。
【0043】
なお、第1姿勢調整アセンブリ111および第2姿勢調整アセンブリ112は、多自由度のアーム、または多自由度のネジ棒、タイミングテープモジュール等を採用することができる。補修板100のサイズは、欠陥の種類、サイズ、深さに応じてカスタマイズする。
【0044】
1つの実施形態において、排液チャンバ12内には、排液チャンバ12内の液体が空にされたかどうかを検出するための水位検出センサを設けてもよく、当該水位検出センサが、排液チャンバ12の内側壁の周囲で開口部121に近接する位置に配置されている。
【0045】
1つの実施形態において、排液チャンバ12内には、排液チャンバ12内の湿度を検出するための湿度センサを設けてもよく、当該湿度センサが、熱風装置に起動および停止信号を提供して、排液チャンバ12内の湿度環境を制御しやすくして溶接品質を保証する。
【0046】
1つの実施形態において、内部環境の監視を容易にするために、準備チャンバ11内にカメラを設けるか、または第1姿勢調整アセンブリ111および第2姿勢調整アセンブリ112の運動端部にカメラを取り付ける。
【0047】
1つの実施形態において、コントローラとリモコンをさらに備え、リモコンは、信号を送信または受信できる携帯電話、コンピュータなどの他の設備であり、リモコンを介してコントローラと情報をやり取りし、コントローラは、情報指令に基づいて溶接装置内のシール板30の動き、ガス供給装置の作動、熱風装置の作動、調整アセンブリの作動、溶接ガン1121のスイッチなどを制御する。水中溶接の遠隔制御により、複雑環境の鉄骨構造溜り内で作業することができ、特に作業者が届かない水中環境に適している。
【0048】
1つの実施形態において、
図8~
図10に示すように、液溜り側壁の溶接装置は、環状支持板71と磁気のシールストリップ72とを有するシール構造70をさらに備える。環状支持板71は、その外輪形状が準備チャンバ11の横断面形状と同じであり、環状支持板71の外輪縁が準備チャンバ11の内壁に固定的に接続されてシールされ、環状支持板71は、操作窓20に平行であり、環状支持板71の中間開口の寸法は、全体として操作窓20の寸法より小さい。シールストリップ72は、環状支持板71の中間開口縁に沿って設置されて環状配置を形成し、シール板30が操作窓20を閉じるときに、シール板30において準備チャンバ11に臨む面は、シールストリップ72に押し付けられてシールを形成する。
【0049】
上記シール板30と環状に配置されたシールストリップ72とが貼り合わせられた後、シール板30、シールストリップ72および環状支持板71の協働により、排液チャンバ12と準備チャンバ11との完全なシール隔離が実現される。入水深さの増加に伴って、排液チャンバ12内の水圧が高まり、シール板30がシールストリップ72にさらに押し付けられ、より良いシール効果を実現する。
【0050】
1つの実施形態において、
図11に示すように、シールストリップ72の内部には、その延在方向に沿って、キャビティが設けられ、キャビティは、シール板30と貼り合わせる側に近接し、キャビティ内には、磁気ストライプ73が配置され、磁気ストライプ73は、シール板30を吸着することができるので、シールストリップ72とシール板30とにより、効果的で安定したシール貼り合わせを形成する。磁気ストライプ73は、磁性粉を添加したプラスチックやゴムで作製してもよく、鉄鉱石粉末とプラスチックや鉄鉱石粉末とゴムとの共押出後に磁気充填して作製してもよい。
【0051】
1つの実施形態において、
図11に示すシールストリップ72の横断面において、シールストリップ72は、圧縮可能部721と非圧縮可能部722を備え、非圧縮可能部722と圧縮可能部721とが、一体成形構造であり、非圧縮可能部722の底部が、環状支持板71にシール固定され、圧縮可能部721が、非圧縮可能部722の上部に位置してシール板30と貼り合わせる。圧縮可能部721は、中間キャビティをなすひだ構造であってもよく、中実であるが圧縮されやすい材質で作られていてもよい。シール板30が圧縮可能部721に押し付けられた後、シール板30の圧縮に伴って圧縮可能部721が圧縮され、非圧縮可能部722による圧縮可能部721の支持により、シール板30が、圧縮可能部721をある程度まで圧縮すると停止し、非圧縮可能部722とシール板30との押圧により、圧縮可能部721とシール板30との密着を図ることに相当する。なお、磁気ストライプ73を配置するためのキャビティは、磁気ストライプ73とシール板30との吸着を容易にするように、圧縮可能部721においてシール板30と貼り合わせ側に設けられている。
【0052】
本願の第2態様によれば、
図12を参照すると、上記の技術案における液溜り側壁の溶接装置を用いた液溜り側壁の溶接方法も提供し、以下のステップを備える。
【0053】
S1:溶接装置が液溜りに入る前に、シール板30は、操作窓20を閉じる状態にあり、準備チャンバ11と排液チャンバ12を完全に隔離し、準備チャンバ11を密封状態にする。
【0054】
ステップS1において、側壁を溶接する場合、第2姿勢調整アセンブリ112に溶接ガン1121を取り付ける必要があり、溶接修復であれば、第1姿勢調整アセンブリ111に研磨工具1111と固定工具1112を取り付け、固定工具1112に必要な補修板100または補強材を取り付ける必要がある。
【0055】
S2:位置保持構造40は、排液チャンバ12の開放口121を液溜り側壁の溶接すべき位置に合わせた後、排液チャンバ12の開放口121を側壁に密封して貼り合わせる。
【0056】
S3:排液構造50のガス供給装置は、ガスを排液チャンバ12に絶えず送り、排液チャンバ12の液体を排液口51を通じて排液チャンバ12の外側に徐々に排出する。
【0057】
S4:排液チャンバ12内の液体が空にされた後、シール板30は、操作窓20を開ける。
【0058】
S5:溶接設備は、操作窓20を通じて液溜り側壁の溶接すべき位置に対して溶接および/または修復作業を行う。
【0059】
ステップS5において、修復作業を行う場合、まず、研磨工具1111を用いて欠陥位置を研磨する(
図5に示すように)。その後、固定工具1112を用いて補修板100を位置合わせし、溶接ガン1121が、補修板100の周囲にスポット溶接を行い(
図6に示すように)、補修板100の固定を実現する。最後に、研磨工具1111と固定工具1112は、操作窓20から離れ、溶接対象領域を出て溶接装置の縁に移動し、溶接ガン1121は、補修板100に対して最後の溶接を実施する(
図7に示すように)。
【0060】
S6:溶接および/または修復作業が完了した後、溶接設備は、操作窓20から退出し、シール板30は、操作窓20を閉じ、装置の全体は、液溜りから退避する。
【0061】
ステップS6において、溶接装置が液溜りの側壁から退避する前、あるいは、溶接が完了した後、装置の全体は、溶接位置がある程度冷却してから、液溜りをゆっくりと退出する必要がある。
【0062】
上記は、本願の好適な実施例にすぎず、本願に対する制限とはならない。当業者にとって、本願に対して種々の変更および修正が可能である。本願の精神および原則の中で、行ったいかなる修正、等価置換、改善などは、本願の保護範囲に含まれるべきである。
【国際調査報告】