(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】フックを車両に保持する装置、及び関連する方法と部品
(51)【国際特許分類】
B60D 1/04 20060101AFI20241018BHJP
B66C 1/66 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B60D1/04 Z
B66C1/66 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505238
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 US2022079551
(87)【国際公開番号】W WO2023086826
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524036158
【氏名又は名称】ザックリフト インターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フリーボーン,マシュー
【テーマコード(参考)】
3F004
【Fターム(参考)】
3F004AA06
3F004AB12
3F004EA32
(57)【要約】
【解決手段】車両にフックを保持する装置であって、車両に取り付け可能なハウジングと、フックを開放可能に保持するように動作可能なホルダとを備える。ホルダは、ハウジングと結合され、フックがホルダ内に配置されたときにフックを保持し、フックがホルダに対して付勢され、閾値以上の力がホルダに加えられたときにフックを開放するように構成される。フックがホルダに対して付勢され、閾値以上の力がホルダに加えられたときにフックを開放するように構成されたホルダを用いれば、フックを所定の位置にしっかりと保持することができ、必要なときに容易に開放することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両にフックを保持するための装置であって、
車両に取り付け可能なハウジングと、
前記ハウジングと結合され、フックを開放可能に保持するように動作可能なホルダと
を備え、
前記ホルダは、
前記フックが前記ホルダ内に配置された場合に、前記フックを保持し、
前記フックが前記ホルダに付勢され、閾値を超える力が前記ホルダに加えられた場合に、前記フックを開放する、装置。
【請求項2】
前記ホルダは、開閉可能な留め具を有し、
前記フックを保持するために、前記留め具が閉じられた場合に、前記フックの一部が前記留め具によって形成された輪に挿入される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記留め具が閉じられた場合に、前記閾値の力が前記留め具を開く、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
留め具が前記フックを開放するのに必要な前記閾値は、60-80ポンドである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、第1の部分と、第2の部分と、前記第1の部分及び前記第2の部分の両方に延びる空洞とを有する角筒を有し、
前記第2の部分が前記第2の部分に対して回動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ホルダを前記ハウジングと結合し、前記ホルダを前記ハウジングに対して付勢するバネをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ハウジングは、第1の部分と、第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分の両方に延びる空洞を有する角筒と、を有し、
前記第2の部分が前記第1の部分に対して回動可能であり、
前記ホルダを前記ハウジングに結合し、前記ホルダを前記第2の部分に対して付勢し、前記ホルダが前記ハウジングの前記第1の部分に対して相対的に移動することを可能にする、バネをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ホルダは、開閉可能な留め具を有し、
前記留め具は、第1の口部と、第2の口とを有し、
各口部は、
遠位端を有し、
他方の口部に対して回動可能であり、
前記留め具が閉じている場合に、前記口部の前記遠位端が互いに接触し、前記留め具が開いている場合に、前記口部の前記遠位端が互いに接触しないように構成され、
前記フックを保持するために、前記留め具が閉じられた場合に、前記フックの一部が前記第1の口部及び第2の口部によって形成された輪に挿入される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
各口部は、他方の口部に対して相対的に回動可能であり、
各口部の前記遠位端は、前記留め具が閉じられて前記フックを保持するときに前記フックが前記口部に接触する接触面を含み、
各接触面が、前記閾値の力が前記フックによって閉じられた前記留め具に加えられるときに、前記閾値の力の一部が、他方の接触面から離れる方向に各接触面に加えられる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ハウジングは、第1の部分と、第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分の両方に延びる空洞とを有する角筒と、を有し、
各口部は、他方の口部と回動可能に結合され、前記ハウジングの前記空洞のうち前記ハウジングの前記第2の部分に位置する部分に配置された近位端を有し、
前記留め具の前記口部の前記近位端を前記ハウジングの前記第1の部分と結合し、前記近位端を前記ハウジングの前記第2の部分の前記空洞内の第1の位置へ付勢することで、前記第2の部分の前記ハウジングが、前記留め具を開くために各口部が他の口部に対して回動するのを防止するバネを備え、
前記閾値の力が前記フックによって、閉じられた前記留め具に加えられると、前記閾値の力は、前記留め具の前記近位端を前記ハウジングの前記第2の部分の前記空洞内の第2の位置に移動させ、前記ハウジングの前記第2の部分が、前記留め具を開くために各口部が他の口部に対して回転するのを妨げないようにする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
車両であって、
車体と、
前記車体に取り付けられ、ケーブルを引っ張ることが可能なウインチと、
前記ケーブルに取り付けられたフックと、
前記車体に前記フックを保持するように操作可能な装置と
を備え、
前記装置は、
車両に取り付け可能なハウジングと、
前記ハウジングと結合され、前記フックを開放可能に保持するように動作可能なホルダと
を備え、
前記ホルダは、
前記フックが前記ホルダ内に配置された場合に、前記フックを保持し、
前記フックが前記ホルダに付勢され、閾値を超える力が前記ホルダに加えられた場合に、前記フックを開放する、車両。
【請求項12】
前記車両は、レッカー車である、請求項11に記載の車両。
【請求項13】
前記車両は、2つの前記フックと、2つの前記装置を有し、
それぞれの前記装置は、それぞれ2つのうちの1つの前記フックを操作可能である、請求項11に記載の車両。
【請求項14】
フックを車両に保持する方法であって、
装置のホルダが前記フックを保持し、
前記ホルダは、前記装置の本体に結合され、前記本体は車両に取り付けられ、
前記フックを前記ホルダに付勢し、前記ホルダが前記フックを開放するような閾値の力を前記フックに加えることで、前記ホルダによる前記フックの保持を開放する、方法。
【請求項15】
前記ホルダで前記フックを保持することは、前記ホルダを位置決めするために前記ホルダを前記本体の一部に対して回動させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ホルダで前記フックを保持することは、
留め具を閉じることで輪を形成すること、
前記フックの一部を前記輪に通すこと、
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ホルダで前記フックを保持することは、
ばねが留め具の2つの口部の近位端を前記装置の前記本体の空洞内の第1の位置に付勢することを含み、
前記第1の位置において、前記装置の前記本体は、前記留め具を開くために、各口部が他の口部に対して回動するのを防ぐ、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記フックが前記ホルダに付勢することは、
前記フックを2つの口部それぞれの遠位端の接触面に対して付勢することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記ホルダが前記フックを開放するような前記閾値の力を前記フックに加えることは、
第1の口部を第2の口部に対して回動させることを含み、
前記第1の口部と前記第2の口部は、互いに回動可能に結合されている、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記ホルダが前記フックを開放するような前記閾値の力を前記フックに加えることは、
前記力の一部を2つの口部の遠位端の接触面に加えることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記ホルダが前記フックを開放するような前記閾値の力を前記フックに加えることは、
留め具の2つの口部の近位端を、前記装置の前記本体の空洞内の第2の位置に移動させることを含み、
前記第2の位置において、前記装置の前記本体は、前記留め具を開放するために、2つの口部が他方の口部に対して回転するのを妨げず、
前記留め具を開放するために、2つの口部の遠位端を互いから離すように押すことを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月9日に出願され、現在係属中の「レッカーのフックのためのホルダまたは保持する装置、関連する方法及び構成要素」と題された共同所有の米国仮特許出願63/277,520からの優先権を主張しており、本出願により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
多くのレッカートラックやレッカー車にはフックシステムがあり、故障車両をレッカートラックやレッカー車に連結できる位置に誘導するのに使用される。このようなフックシステムは、通常、ウインチと連結されたケーブルに取り付けられたフックを含んでいる。ウインチはケーブルを開放し、そして、大きな力でケーブルを巻き取り、フックとフックが連結された障害車両をトラックやレッカー車に引き寄せる。このようなフックシステムは通常、コントロールを失い、溝、道路横の柔らかい地面FR、横向き、または逆さまになった車両に使用される。フックシステムは、車両を車輪の上に転がしたり、より固い地面や道路に車両を引っぱったりするために使用される。車両を車輪に乗せ、固い地面に置いた状態で、レッカートラックやレッカー車に車両を掛け、修理や処分のために車両を牽引することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
レッカートラックやレッカー車が故障車両を助けるために走行する場合や故障車両を牽引して戻る場合、フックはケーブルから外され、ケーブルはウインチまで戻されることが多い。これにより、フックが飛び回ってレッカー車の他の部品にぶつかり、レッカートラックやレッカー車にダメージを与えることがない。レッカートラックやレッカー車の運転手がフックを使用する必要がある場合、フックをケーブルに接続する必要がある。フックとケーブルが車両を引っ張ったり、転がしたりして大きな負荷がかかったときに、連結器が故障しないように、フックと連結器を見つけ、慎重にフックをケーブルに連結する必要がある。フックの着脱の手間を省くため、レッカートラックやレッカー車には、フックが不要なときにフックを保持するためのループが車体に取り付けられているものもある。しかしながら、残念なことに、ループは、レッカートラックやレッカー車による故障車両との間で動く間にフックがループ内で移動するのを防ぐことはできない。この動きのために、フックとループは互いに摩擦し、腐食及び過度の摩耗にそれぞれの材料がさらされる。これにより、大きな負荷がかかったときに、フックが突然不具合を起こすことがある。
【0004】
したがって、ケーブルからフックを切り離すことなく、レッカートラック又はレッカー車のフックを保持し、レッカートラックおよび/またはレッカー車が故障車両との間で動く間に、フックが移動しないようにする装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様では、車両にフックを保持するための装置は、車両に取り付け可能なハウジングと、フックを開放可能に保持するように動作可能なホルダとを含む。ホルダは、ハウジングと結合され、フックがホルダ内に配置されたときにフックを保持し、フックがホルダに対して付勢され、閾値以上の力がホルダに加えられたときにフックを開放するように構成される。
【0006】
フックがホルダに押し付けられ、閾値を超える力がホルダに加えられると、フックが開放されるように構成されたホルダを用いると、フックを所定の位置にしっかりと保持することができ、必要なときに簡単に開放することができる。フックをホルダから離すのに必要な閾値の力を設定することで、閾値より小さいがフックがホルダ内で動かないようにするのに十分な力でフックをホルダに押し付けることができる。そして、フックを使うときには、ホルダがフックを離すのに十分な力でフックをホルダに押し付けるだけでよい。さらに、ホルダがフックをしっかりと保持すると、レッカートラックやレッカー車のウインチとフックを結合するケーブルの張力によって、ケーブルがウインチの周囲で「バードネスティング」、すなわちウインチのドラムの周囲でゆるく巻き上がるのを防ぐことができる。
【0007】
本発明の他の態様では、フックを車両に保持する方法は、以下を含む:1)装置のホルダでフックを保持することであって、ホルダが装置のボディと結合され、ボディが車両に取り付けられる、ことと、2)ホルダによるフックの保持を、a)フックをホルダに対して付勢することと、b)ホルダがフックを開放するための閾値の力をフックに加えることと、によって解除すること。
【0008】
本発明のさらに他の態様では、車両は、車体;車体に取り付けられ、ケーブルを引くように操作可能なウインチ;ケーブルに取り付けられたフック;及びフックを車体に保持するように操作可能な装置を含む。この装置は、本体に取り付け可能なハウジングと、フックを開放可能に保持するように操作可能なホルダとを含む。ホルダはハウジングと結合され、フックがホルダ内に配置されたときにフックを保持し、フックがホルダに対して付勢され、閾値以上の力がホルダに加えられたときにフックを開放するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による、フック保持装置の透視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態による、
図1に示す装置の透視図であり、第1の位置にある装置のホルダを示し、ホルダとハウジングとの結合を示すために装置のハウジングを透明にして示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態による、
図1に示す装置の透視図であり、第2の位置にある装置のホルダを示し、ホルダとハウジングとの結合を示すために装置のハウジングを透明にして示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による、
図1及び
図2に示す、第1の位置にある装置の一部の切断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態による、
図1及び
図3に示す、第2の位置にある装置の一部の切断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の別の実施形態による、
図1に示す装置の別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施形態による、フック12を保持する装置10の透視図である。装置10は、ハウジング14とホルダ16とを含む。ハウジング14は、レッカートラック(図示せず)やレッカー車(これも図示せず)などの車両に取り付け可能である。ホルダ16はハウジング14と結合され、フック12を開放可能に保持する。
図1に示すように、ケーブル11が閾値以下の力でフック12をホルダ16に対して付勢し、ホルダ16がフック12を強固に保持する。フック12が閾値を超える力でホルダ16に対して付勢されると、ホルダ16はフック12に対する保持を解除し、フック12が上方に移動し、装置10から離れる。
【0011】
ホルダ16がフック12を開放するように構成されている状態で、フック12がホルダ16に対して付勢され、閾値以上の力がホルダ16に加えられた場合、フック12所定の位置に強固に、必要なときに容易に解除され得る。フック12をホルダ16から離すのに必要な力の閾値を設定することにより、閾値より小さいがフック12がホルダ16内で動かないようにするのに十分な力でフック12をホルダ16に付勢することができる。そして、フック12を使用する必要があるときには、ホルダ16がフック12を開放するのに十分な力でフック12をホルダ16に付勢する。さらに、ホルダがフックをしっかりと保持するとき、レッカートラックまたはレッカー車のウインチとフックを結合するケーブルの張力は、ウインチの周りにケーブルが「バードネスティング」、すなわち、ウインチのドラムの周りにゆるく巻かれるのを防ぐ。
【0012】
ホルダ16にフック12を開放させるのに必要な力の閾値は、フック12をホルダ16に対して立てたままにしておき、フックがホルダ16に対して振れたり揺動したりしないようにするのに十分な力の量よりも大きい任意の所望の力の量でよい。例えば、本実施形態及び他の実施形態において、閾値の力量は60~80ポンドである。この力量であれば、車両が旋回するとき、坂の頂上を越えるとき、段差を越えるときなど、フックとホルダが空間内で向きを変えるとき、あるいはフック12がホルダ16の外部にある力、例えば風の抵抗を受けるときに、フック12により発生する慣性力は、フック12がホルダ16に対して動くのを防ぐ。
【0013】
ハウジング14は、任意の所望の技術を用いてレッカー車の車体に取り付けられる。例えば、本実施形態及び他の実施形態では、ハウジング14は、レッカーの車体(図示せず)に開放可能に取り付けられ、装置10をレッカーにしっかりと固定しながらも、所望に応じて装置10をレッカーから取り外して、同じレッカーまたは別のレッカーに装置を移設することを可能にする。他の実施形態では、ハウジング14を本体に溶接することにより、装置10を本体に永久的に取り付けることができる。
【0014】
なお
図1を参照すると、ホルダ16は、フック12を開放可能に保持し、フック12がホルダ17に閾値量の力を加えたときにフック12を適宜開放するように構成されてもよい。さらに、ホルダ16は、所望の技術を用いてハウジング14と結合されてもよい。例えば、この実施形態および他の実施形態において、ホルダ16は、第1の位置(閉位置)に操縦され、第2の位置(開位置)に操縦され、バネ(
図1には示されず、
図2及び3に示される)を介してハウジング14と結合され得る留め具18を含む。ホルダ16及びホルダ16とハウジング14との結合に係る実施形態は、
図2~
図6と関連して詳述する。
図1に示すように、留め具18が第1の位置(閉じた状態)にあるため、留め具18はフック12をしっかりと保持し、フック12は、留め具18に対し、留め具18が第2の位置に開く閾値よりも小さい力を留め具18に与えるように付勢される。そして、フック12が閾値を超える力を加えるように留め具18に対して付勢されると、留め具18は第2の位置(
図3および
図5に示される)まで開き、フック12が留め具18から上方へ離れて移動する。
【0015】
図2及び
図3のそれぞれは、本発明の実施形態による、ハウジング14との留め具18の結合を示すためにハウジング14が透明に示された、
図1に示す装置10の透視図である。また、
図2は、本発明の実施形態による、第1の位置の留め具18を示し、
図3は、本発明の実施形態による、第2の位置の留め具18を示す。
【0016】
留め具18及びハウジング14は、所望のように構成することができる。例えば、本実施形態及び他の実施形態において、留め具18は、第1の回転軸24に位置する第1のピン22を介して他方と回動可能に結合された2つの口部20a,20bそれぞれを含み、ハウジング14は、第1の部分26および第2の部分28を含み、各部分は角筒を有する。口部20a、20bそれぞれは、遠位端30a、30bと、近位端32a,32bを含み、ここで、口部20a、20bは、互いに結合される。ハウジング14の第1の部分26は、第2の部分28が第1の部分26に対して回動可能にするために、第2の軸36に位置する第2のピン34を介してハウジング14の第2の部分28と結合される(
図6と関連してより詳細に議論される)。より具体的には、ハウジング14の第1の部分26はブラケット38に溶接され、ハウジング14の第2の部分28はスリーブ40に溶接されている。第2の部分28が第2の軸36を中心に回動すると、スリーブ40は第2のピン34に対して相対的に回動する。第1の部分26と第2の部分28それぞれは、両方の部分26,28にまたがる単一の空洞42を形成するために組み合わされる空洞を含む。この空洞42内には、留め具18をハウジング14に結合するバネ46が配置されている。より具体的には、バネ46は留め具18のタブ48と第1の部分26のアンカー50とを結合する。タブ48は、近位端32a,32bのそれぞれがタブ48に対して回転できるように、第1の回転軸24において第1のピン22を介して近位端32a,32bそれぞれと結合される。
【0017】
留め具18の第1及び第2の位置は、留め具18が第1の位置(
図2)に位置するときに留め具18がフック12を保持し、留め具18が第2の位置(
図3)に位置するときに留め具18がフック12を開放する任意の所望の位置とすることができる。例えば、本実施形態及び他の実施形態において、留め具18が第1の位置に位置するとき、口部20a、20bの近位端32a、32bは、ハウジングの第2の部分28の内部にある空洞42の部分に位置し、遠位端30a、30bは、互いに接触してループを形成する。留め具18が第2の位置に位置するときに、口部20a、20bの近位端32a、32bは、空洞42内に残るが、第1の位置に位置する場合よりもアンカー50から離れた位置に位置し、遠位端30a、30bは、ループを開くために互いに接触しない。より具体的には、留め具18は、矢印52によって示される方向に移動して第2の位置に到達し、フック12を開放する。
【0018】
他の実施形態も可能である。例えば、第1の位置から第2の位置への留め具18の位置の変化は、矢印62の方向へのハウジング14に対する留め具18全体の移動を含まず、むしろ、留め具18が矢印52の方向に移動することなく、留め具18の1つ以上の口部が他方の口部に対して相対的に移動することを含んでもよい。他の例として、第1の位置から第2の位置への留め具18の位置の変化は、矢印52によって示される方向以外の方向への留め具18の移動を含んでもよい。
【0019】
動作中、バネ46は留め具18を第1の位置へ付勢し、留め具18を第1の位置に維持する。この位置では、バネ46は、その自然な伸張していない状態に対して距離を伸張したままであり、したがって、伸張した距離に正比例する力でタブ48を引っ張る。本実施形態及び他の実施形態では、この力は35~40ポンドである。バネが留め具18全体をハウジングの空洞42内に引き込まないようにするために、口部20a,20bが空洞42から延出する第2の部分の円筒体の縁に、口部20a,20bのそれぞれが接触する(
図4と共により詳細に論じる)。この接触はまた、遠位端30a,30bを互いに対して付勢し、従って、留め具18を閉じてループを形成する。フック12の一部がループを通して挿入された後、フック12はハウジングの第2の部分28から引き離され、口部20a,20bの遠位端30a,30bに接触する。口部20a,20bは、第2の部分の円筒体の端部によって拘束されるので、フック12が、バネ46が近位端32a,32bに加える力よりも小さい力で、矢印52で示される方向の力がフック12により与えられると、遠位端30a,30bは、互いに相対的に回転するのが妨げられる。従って、本実施形態では、力量の閾値(ここでは60~80ポンド)は、口部20a,20bが互いに離れて自由に回転する留め具18の第2の位置までスプリングを伸ばすのに必要な力量である。留め具18が第2の位置にあるとき、フック12が遠位端30a,30bとの間の開口部を通過した後、バネ46は、口部20a,20bが第2の部分の円筒状本体の縁に接触するまで、近位端32a,32bをアンカー50の方へ引き戻し、空洞42の中へ引き込む。このようにして、バネ46がその自然な伸張していない状態から同じ距離だけ伸張したときに、より大きな力またはより小さな力を発生するバネ46を使用することによって、留め具18を開くために必要な力の閾値を変更することができる。
【0020】
図4は、本発明の実施形態による、留め具18が第1の位置にある、
図1及び
図2に示す装置10の一部の切断斜視図である。
図5は、本発明の実施形態による、留め具18が第2の位置にある、
図1及び
図3に示す装置10の一部の切断斜視図である。
【0021】
口部20a,20bそれぞれの遠位端30a,30bは、所望のように構成することができる。例えば、本実施形態および他の実施形態では、各遠位端30a、30bの構成は他方と同一である。より具体的には、各々は、留め具18がフック12を保持するときにフック12が留め具18に接触する接触面60a,60bをそれぞれ含む。接触面60a,60bのそれぞれは、フック12が矢印52の方向に付勢され、遠位端30a,30bの各々に力を加えるとき、遠位端30a,30bのそれぞれにかかる力(矢印62によって表される)が、垂直成分(矢印64によって表される)および水平成分(矢印66によって表される)を有するように配向される。フック12が口部20a,20bに加える力は、両方の遠位端30a,30bにわたって加えられるので、遠位端30a,30bのそれぞれにかかる力は、フック12によって加えられる力の合計よりも小さい。力62の垂直成分64の両方の合計が、バネ46が口部20a,20bの近位端32a,32bそれぞれに加える力の量に等しいとき、口部は、第2の位置に向かって矢印52の方向に動き始める。これが起こると、バネ46が遠位端30a,30bに及ぼす力の量は、バネ46がその自然な伸張していない状態からさらに伸張されること増加する。最終的に、フック12は、力62の水平成分66が遠位端30a,30bを互いから離れるように押すことを可能にするために、口部20a,20bを空洞42(第2の位置)から十分に遠くに移動させるのに十分な力-閾値の力の量-を加える。これにより、留め具18が開き、フック12が留め具18から離れるように動くことができる。
【0022】
図6は、本発明の他の実施形態による、
図1に示す装置10を別の方向から見た図である。前述したように、装置のハウジング14の第2の部分2は、装置のハウジング14の第1の部分26と回動可能に結合されており、留め具がフック12をしっかりと保持し、後にフック12が開放されるのを容易にするために、留め具18を様々な異なる位置に配置することを可能にする。先に論じたフック12を開放する機構は、フック12が留め具18の遠位端30a,30bに、留め具18の空洞42からの移動に沿った方向に力を加えるときに、最もよく機能する。このようにして、全印加力62(
図4)の垂直成分64および水平成分66(
図4)はそれぞれ、設計通りに留め具18を付勢する。その結果、留め具18を開かせる力の大きさは、設計された閾値か、それに非常に近いものとなる。もし、フック12によって加えられる力が、留め具18の空洞42からの移動と一致しない方向に加えられると、フック12を開放するために閾値以上の力が必要になる。このような力は、留め具18を空洞42から引きちぎったり、回転させたりする。フック12が結合されるケーブル11(
図1)は、通常、留め具18の真上ではないブームの端から延びることが多いので、ハウジングの第2の部分28を動させることにより、留め具18をブームの端の方に向けるように配置することができる。さらに、ハウジングの第2の部分28を回動させることにより、留め具18を、装置10が取り付けられているレッカートラックまたはレッカー車の車体から離して配置し、留め具18へのアクセスを容易にすることができる。そして、フック12が留め具18から開放されると、バネ46(
図2-5)が第2の部分28を第1の部分26(
図2,3参照)に沿うように戻し、レッカートラック又はレッカー車のフックおよび/または他の構成要素を使用して障害車両を位置決めしている間、第2の部分28が邪魔にならないようにする。
【0023】
前述の議論は、当業者が本発明を製造し使用できるように示されたものである。実施形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書における一般的な原理は、本発明の意義及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び用途に適用することができる。したがって、本発明は、上述の実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示された原理および特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【国際調査報告】