(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】不整脈原性病巣の位置を決定するシステム、デバイス、及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/367 20210101AFI20241018BHJP
A61B 5/287 20210101ALI20241018BHJP
【FI】
A61B5/367
A61B5/287
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516407
(86)(22)【出願日】2022-10-10
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 IB2022059700
(87)【国際公開番号】W WO2023067435
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524094974
【氏名又は名称】カパット、リッカルド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カパット、リッカルド
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127DD03
4C127GG09
4C127JJ03
4C127LL08
(57)【要約】
心臓101内又はその近くの不整脈原性病巣632の位置を決定する方法は、心臓101内にロケータ・アセンブリ100を位置付けるステップであって、ロケータ・アセンブリ100は、心臓101から電気信号を受信する複数の電極102を含む、ステップと、不整脈原性病巣632の実際の位置を決定するように、複数の電極102によって受信された電気信号から第1の信号アレイ733を生成するステップと、第2の信号アレイ733を生成するように、第1の信号アレイ733によって決定された実際の位置に基づいて、心臓101を人工的に刺激するステップと、第1の信号アレイ733を前記第2の信号アレイ735と比較することによって、不整脈原性病巣632の実際の位置を確認するステップと、を含む。いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、複数のバイポーラ電極102を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定する方法であって、
前記心臓内にロケータ・アセンブリを位置付けるステップであって、前記ロケータ・アセンブリは、前記心臓から電気信号を受信する複数の電極を含む、ステップと、
前記不整脈原性病巣の実際の位置を決定するように、前記複数の電極によって受信された前記電気信号から第1の信号アレイを生成するステップと、
第2の信号アレイを生成するように、前記第1の信号アレイによって決定された前記実際の位置に基づいて、前記心臓を人工的に刺激するステップと、
前記第1の信号アレイを前記第2の信号アレイと比較することによって、前記不整脈原性病巣の前記実際の位置を確認するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ロケータ・アセンブリは、複数のバイポーラ電極を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
グラフィカル・ユーザ・インタフェース上で前記第1の信号アレイ及び前記第2の信号アレイを表示するステップを更に含む、請求項1から2までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記グラフィカル・ユーザ・インタフェース上で前記第1の信号アレイ及び前記第2の信号アレイを互いに重畳するステップを更に含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ロケータ・アセンブリは、前記ロケータ・アセンブリの1つ又は複数の構成要素を保護するように協調して作用するように構成された内部層及び外部層を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記内部層及び前記外部層のうちの少なくとも1つは、前記ロケータ・アセンブリの血栓促進性及び炎症性の可能性を妨げるように構成された溶出薬剤を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
位置付ける前記ステップは、経皮経カテーテルで前記心臓の冠状静脈洞に前記ロケータ・アセンブリを展開することを含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
位置付ける前記ステップは、前記ロケータ・アセンブリが前記心臓と円周方向に接触するように、前記ロケータ・アセンブリを拡張するようにバルーンを膨張させることを含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定する方法であって、
前記心臓内にロケータ・アセンブリを位置付けるステップであって、前記ロケータ・アセンブリは、前記心臓から電気信号を受信する複数の電極を含む、ステップと、
前記不整脈原性病巣の実際の位置を決定するように、前記複数の電極によって受信された前記電気信号から第1の信号アレイを生成するステップと、
第2の信号アレイを生成するように、前記第1の信号アレイによって決定された前記実際の位置に基づいて、前記心臓を人工的に刺激するステップと、
グラフィカル・ユーザ・インタフェース上で前記第1の信号アレイ及び前記第2の信号アレイを重畳するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記ロケータ・アセンブリは、前記心臓に挿入されるように構成された拡張可能なステントを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ロケータ・アセンブリは、前記ロケータ・アセンブリに沿って縦方向に位置付けられた複数の電極を含む、請求項9から10までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ロケータ・アセンブリは、前記複数の電極を相互接続する複数のルーティング層を含み、前記複数のルーティング層は、各々が伸縮自在である、請求項9から11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ロケータ・アセンブリは、前記ロケータ・アセンブリと外部デバイスとの間の通信を可能にするように構成されたコミュニケータを含む、請求項9から12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ロケータ・アセンブリは、(i)電力を貯蔵し、(ii)前記ロケータ・アセンブリの1つ又は複数の構成要素に電力供給するように構成されたバッテリを含む、請求項9から13までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ロケータ・アセンブリは、インフレータブル・バルーンを使用して拡張可能になるように構成された内部直径を含む、請求項9から14までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ロケータ・アセンブリは、前記ロケータ・アセンブリの外周の周りで等しく間隔を空けられた複数の構成要素を含む、請求項9から15までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ロケータ・アセンブリは、前記ロケータ・アセンブリの1つ又は複数の構成要素を保護するように協調して作用するように構成された内部層及び外部層を含む、請求項9から16までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ロケータ・アセンブリは、(i)前記ロケータ・アセンブリが縮小した直径を有する縮小した状態と、(ii)前記ロケータ・アセンブリが拡張した直径を有する拡張した状態との間で移動可能であるように構成されている、請求項9から17までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記拡張した直径と前記縮小した直径との比率は、20:1未満であり、1:1よりも大きい、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定する方法であって、
前記心臓内にロケータ・アセンブリを位置付けるステップであって、前記ロケータ・アセンブリは、前記心臓から電気信号を受信する少なくとも12個のバイポーラ電極を含む、ステップと、
前記不整脈原性病巣の実際の位置を決定するように、前記複数のバイポーラ電極によって受信された前記電気信号から第1の信号アレイを生成するステップと、
第2の信号アレイを生成するように、前記第1の信号アレイによって決定された前記実際の位置に基づいて、前記心臓を人工的に刺激するステップと、
グラフィカル・ユーザ・インタフェース上で前記信号アレイを互いに重畳するステップと、
前記重畳された信号アレイを比較することによって、前記不整脈原性病巣の前記実際の位置を確認するステップと
を含む、方法。
【請求項21】
心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定するロケータ・アセンブリであって、縦方向軸及び外周を有し、
デバイス本体と、
前記デバイス本体に結合された複数の構成要素と
を備え、前記複数の構成要素は、前記縦方向軸及び前記外周の周りで分散されている、ロケータ・アセンブリ。
【請求項22】
前記デバイス本体は、(i)前記デバイス本体が縮小する縮小した状態と、(ii)前記デバイス本体が増加した外周を有するように前記デバイス本体が前記縮小した状態から外側に拡張する拡張した状態との間で移動可能である、請求項21に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項23】
前記デバイス本体に結合された内部層及び前記デバイス本体に結合された外部層を更に備え、前記内部層及び前記外部層は、前記複数の構成要素を保護するように協調して作用するように構成されている、請求項21から22までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項24】
前記内部層及び前記外部層のうちの少なくとも1つは、前記ロケータ・アセンブリの血栓促進性及び炎症性の可能性を妨げるように構成された溶出薬剤を含む、請求項23に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項25】
前記デバイス本体は、前記外部層から離脱可能である、請求項23から24までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項26】
前記外部層及び前記デバイス本体を互いに選択的にロックするロック・アセンブリを更に備える、請求項23から25までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項27】
前記デバイス本体は、前記心臓内に挿入され、前記心臓に係合するように構成された拡張可能なステントを含む、請求項21から26までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項28】
前記不整脈原性病巣の前記位置を決定するように、前記心臓から電気信号を受信する複数の電極を更に備え、前記複数の電極は、前記デバイス本体に結合され、前記複数の電極は、前記縦方向軸及び前記外周の周りで分散されている、請求項21から27までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項29】
前記複数の電極は、複数の双極を形成する複数の陽極及び陰極を含む、請求項28に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項30】
前記複数の電極を相互接続する複数のルーティング層を更に備え、前記複数のルーティング層は、各々が伸縮自在である、請求項28から29までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項31】
心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定するロケータ・アセンブリであって、縦方向軸及び外周を有し、
デバイス本体と、
前記デバイス本体に結合された外部層と
を備え、前記外部層は、前記デバイス本体を保護するように構成され、前記デバイス本体は、前記外部層から離脱可能である、ロケータ・アセンブリ。
【請求項32】
前記デバイス本体は、(i)前記デバイス本体が縮小した縮小した状態と、(ii)前記デバイス本体が増加した外周を有するように前記デバイス本体が前記縮小した状態から外側に拡張する拡張した状態との間で移動可能である、請求項31に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項33】
前記デバイス本体に結合された複数の構成要素を更に備え、前記複数の構成要素は、前記縦方向軸及び前記外周の周りで分散され、前記複数の構成要素は、複数の電極を含む、請求項31から32までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項34】
前記複数の電極は、複数の双極を形成する複数の陽極及び陰極を含む、請求項33に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項35】
前記複数の電極は、前記不整脈原性病巣の前記位置を決定するように前記心臓から電気信号を受信するように構成され、前記複数の電極は、前記縦方向軸及び前記外周の周りで分散されている、請求項33から34までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項36】
前記複数の電極を相互接続する複数のルーティング層を更に備え、前記複数のルーティング層は、各々が伸縮自在である、請求項33から35までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項37】
前記外部層は、前記ロケータ・アセンブリの血栓促進性及び炎症性の可能性を妨げるように構成された溶出薬剤を含む、請求項31から36までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項38】
前記外部層及び前記デバイス本体を互いに選択的にロックするロック・アセンブリを更に備える、請求項31から37までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項39】
前記デバイス本体は、前記心臓内に挿入され、前記心臓に係合するように構成された拡張可能なステントを含む、請求項31から38までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項40】
心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定するロケータ・アセンブリであって、縦方向軸及び外周を有し、
(i)デバイス本体が縮小する縮小した状態と、(ii)前記デバイス本体が増加した外周を有するように前記デバイス本体が前記縮小した状態から外側に拡張する拡張した状態との間で移動可能である前記デバイス本体と、
前記不整脈原性病巣の前記位置を決定するように、前記心臓から電気信号を受信する複数の電極であって、前記デバイス本体に結合され、前記縦方向軸及び前記外周の周りで分散されている、複数の電極と、
前記デバイス本体に選択的に結合された外部層と、
前記外部層及び前記デバイス本体を互いに選択的にロックするように構成されたロック・アセンブリと
を備える、ロケータ・アセンブリ。
【請求項41】
心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定するロケータ・アセンブリであって、
デバイス本体と、
前記不整脈原性病巣の前記位置を決定するように前記心臓から電気信号を受信する複数の電極と
を備え、前記複数の電極は、前記デバイス本体に結合されている、ロケータ・アセンブリ。
【請求項42】
前記複数の電極のうちの少なくとも2つは、前記デバイス本体の周りで縦方向に位置付けられている、請求項41に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項43】
前記複数の電極のうちの少なくとも2つは、前記デバイス本体の周りで円周方向に位置付けられている、請求項41から42までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項44】
前記複数の電極は、複数の双極を形成する複数の陽極及び陰極を含む、請求項41から43までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項45】
前記デバイス本体に対して前記複数の電極を位置付けるルーティング層を更に備え、前記ルーティング層は、伸縮自在である、請求項41から44までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項46】
前記複数の電極は、前記心臓から電気信号を受信するように構成されている、請求項41から45までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項47】
前記複数の電極は、前記デバイス本体の外周の周りで互いに均等に間隔を空けられている、請求項41から46までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項48】
前記複数の電極は、少なくとも12個の電極を含む、請求項41から47までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項49】
前記複数の電極は、前記心臓と直接接触して位置付けることが可能である、請求項41から48までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項50】
心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定するロケータ・アセンブリであって、
デバイス本体と、
前記不整脈原性病巣の前記位置を決定するように前記心臓から電気信号を受信する複数の電極と
を備え、前記複数の電極のうちの少なくとも2つは、前記デバイス本体の周りで円周方向に位置付けられ、前記複数の電極は、前記複数の電極が前記心臓と電気通信にあるように位置付けることが可能である、ロケータ・アセンブリ。
【請求項51】
前記複数の電極は、複数の双極を形成する複数の陽極及び陰極を含む、請求項50に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項52】
前記複数の電極を位置付けるルーティング層を更に備え、前記ルーティング層は、伸縮自在である、請求項50から51までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項53】
前記複数の電極のうちの少なくとも2つは、前記デバイス本体の周りで円周方向に位置付けられ、前記複数の電極のうちの少なくとも2つは、前記デバイス本体の周りで縦方向に位置付けられている、請求項50から52までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項54】
前記複数の電極は、心電図電極を含む、請求項50から53までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項55】
前記複数の電極は、前記心臓と直接接触して位置付けることが可能である、請求項50から54までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項56】
前記複数の電極は、少なくとも12個の電極を含む、請求項50から55までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項57】
前記複数の電極は、少なくとも28個の双極を形成する少なくとも16個の電極を含む、請求項50から56までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項58】
前記複数の電極は、前記デバイス本体の外周の周りで互いに等しく放射状に間隔を空けられている、請求項50から57までのいずれか一項に記載のロケータ・アセンブリ。
【請求項59】
心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定するロケータ・アセンブリであって、
外周を含むデバイス本体と、
前記不整脈原性病巣の前記位置を決定するように前記心臓から電気信号を受信する複数の電極と
を備え、前記複数の電極は、前記デバイス本体に結合され、前記複数の電極は、前記心臓から電気信号を記録するように構成され、前記複数の電極の各々は、前記外周の周りで互いに均等に間隔を空けられ、前記複数の電極は、少なくとも28個の双極を形成する少なくとも16個の電極を含む、ロケータ・アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年10月19日に出願され、「SYSTEM, DEVICE, AND METHOD FOR DETERMINING LOCATION OF ARRHYTHMOGENIC FOCI」と題する米国出願第17/505,263号、2022年1月7日に出願され、「SYSTEM, DEVICE, AND METHOD FOR DETERMINING LOCATION OF ARRHYTHMOGENIC FOCI」と題する米国出願第17/571,152号、及び2022年1月24に出願され、「SYSTEM, DEVICE, AND METHOD FOR DETERMINING LOCATION OF ARRHYTHMOGENIC FOCI」と題する米国出願第17/582,328号に対する優先権を主張する。許可される限り、米国出願第17/505,263号、17/571,152号、及び17/582,328号の内容は、参照によってその全体で本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
心房細動は、脳卒中、心不全、及びその他の心臓関連合併症のリスクを増大させる場合がある不規則な、且つ時には速い心拍数である。心房細動の間、心臓の2つの上部小室(心房)は、2つの下部小室(心室)と協調せずに、混沌的に且つ不規則に鼓動する。心房細動の兆候は、動悸、息切れ、及び脱力感を含むことが多い。心房細動は通常、生命を脅かすものではないが、処置を必要とすることがある重大な病状である。心房細動は、心房内のフォーカル・ソース(focal sources)(本明細書で「不整脈原性病巣」と称される)又は心臓内又はその周りの他の位置から生じる場合がある。
【0003】
心房細動のカテーテル切除は、現在では、心房基部に対する解剖学的アプローチを使用して行われる。以前のモデルは、ほとんどの臨床的心房細動病相が、肺静脈の内部で生じるという仮説を立てる。心房細動切除に適格な患者は、心房細動を有する典型的な患者を代表するものでない(例えば、平均での心房細動切除に適格な患者は、一般的に併存疾患が少なくて10歳若い)。結果として、肺静脈隔離は、全体的な人口の心房細動患者において心房細動を治癒する効果的な戦略である可能性が低い。
【0004】
心房基部に対する解剖学的アプローチは、心房細動の臨床的病相の間に、関連する電気生理学的情報を提供する臨床医の能力を代理する。解剖学的アプローチによる問題は、(1)肺静脈開口部/幽門において展開された孤立的な切除病変をまたいで再発が伝わること、(2)肺静脈以外のサイトからの心房細動イベントの突然の引き起こりを含む。心房細動イベントの再発は、肺静脈隔離が心房細動の再発を制御することができない人々にわたる多くの患者を含む。以前に肺静脈隔離に成功した全ての患者において、再発病相が更に存在する。
【0005】
心房細動病相を突然引き起こす過度な鼓動を発生させる肺静脈に代替するマッピング・エリアは、現在では、リアルタイムの突然引き起こる病相を監視することができないことによって排除されている。リアルタイム・マッピングに対する代理戦略などの他のアプローチは、切除手順の間のカテコールアミン誘発性心房細動によって表される。しかしながら、代理戦略は、標準化されておらず、時間を要し、効果的でない(薬物誘発性心房細動は、自発的心房細動を表さない)。別の主な問題は、心房細動を生じさせる不整脈原性病巣の正確な位置を正確に決定する能力である。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を特定する方法に向けられる。様々な実施例では、方法は、心臓内にロケータ・アセンブリを位置付けるステップであって、ロケータ・アセンブリは、心臓から電気信号を受信する複数の電極を含む、ステップと、不整脈原性病巣の実際の位置を決定するように、複数の電極によって受信された電気信号から第1の信号アレイを生成するステップと、第2の信号アレイを生成するように、第1の信号アレイによって決定された実際の位置に基づいて、心臓を人工的に刺激するステップと、第1の信号アレイを第2の信号アレイと比較することによって、不整脈原性病巣の実際の位置を確認するステップとを含む。
【0007】
いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリは、複数のバイポーラ電極を含む。
【0008】
特定の実施例では、方法は、グラフィカル・ユーザ・インタフェース上で第1の信号アレイ及び第2の信号アレイを表示するステップを更に含む。
【0009】
様々な実施例では、方法は、グラフィカル・ユーザ・インタフェース上で第1の信号アレイ及び第2の信号アレイを互いに重畳するステップを更に含む。
【0010】
いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリは、ロケータ・アセンブリの1つ又は複数の構成要素を保護するように協調して作用するように構成された内部層及び外部層を含む。
【0011】
特定の実施例では、内部層及び外部層のうちの少なくとも1つは、ロケータ・アセンブリの血栓促進性及び炎症性の可能性を妨げるように構成された溶出薬剤を含む。
【0012】
様々な実施例では、位置付けるステップは、経皮経カテーテルで心臓の冠状静脈洞にロケータ・アセンブリを展開することを含む。
【0013】
いくつかの実施例では、位置付けるステップは、ロケータ・アセンブリが心臓と円周方向に接触するように、ロケータ・アセンブリを拡張するようにバルーンを膨張させることを含む。
【0014】
本発明はまた、心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を特定する方法に向けられる。いくつかの実施例では、方法は、心臓内にロケータ・アセンブリを位置付けるステップであって、ロケータ・アセンブリは、心臓から電気信号を受信する複数の電極を含む、ステップと、不整脈原性病巣の実際の位置を決定するように、複数の電極によって受信された電気信号から第1の信号アレイを生成するステップと、第2の信号アレイを生成するように、第1の信号アレイによって決定された実際の位置に基づいて、心臓を人工的に刺激するステップと、グラフィカル・ユーザ・インタフェース上で第1の信号アレイ及び第2の信号アレイを重畳するステップとを含む。
【0015】
様々な実施例では、ロケータ・アセンブリは、心臓に挿入されるように構成された拡張可能なステントを含む。
【0016】
いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリは、ロケータ・アセンブリに沿って縦方向に位置付けられた複数の電極を含む。
【0017】
特定の実施例では、ロケータ・アセンブリは、複数の電極を相互接続する複数のルーティング層を含み、複数のルーティング層は、各々が伸縮自在である。
【0018】
様々な実施例では、ロケータ・アセンブリは、ロケータ・アセンブリと外部デバイスとの間の通信を可能にするように構成されたコミュニケータを含む。
【0019】
いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリは、ロケータ・アセンブリと外部デバイスとの間の通信を可能にするように構成されたコミュニケータを含む。
【0020】
特定の実施例では、ロケータ・アセンブリは、(i)電力を貯蔵し、(ii)ロケータ・アセンブリの1つ又は複数の構成要素に電力供給するように構成されたバッテリを含む。
【0021】
様々な実施例では、ロケータ・アセンブリは、インフレータブル・バルーンを使用して拡張可能になるように構成された内部直径を含む。
【0022】
いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリは、ロケータ・アセンブリの外周の周りで等しく間隔を空けられた複数の構成要素を含む。
【0023】
特定の実施例では、ロケータ・アセンブリは、ロケータ・アセンブリの1つ又は複数の構成要素を保護するように協調して作用するように構成された内部層及び外部層を含む。
【0024】
様々な実施例では、ロケータ・アセンブリは、(i)ロケータ・アセンブリが縮小した直径を有する縮小した状態と、(ii)ロケータ・アセンブリが拡張した直径を有する拡張した状態との間で移動可能であるように構成される。
【0025】
いくつかの実施例では、拡張した直径と縮小した直径との比率は、20:1未満であり、1:1よりも大きい。
【0026】
本発明はまた、心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を特定する方法に向けられる。特定の実施例では、方法は、心臓内にロケータ・アセンブリを位置付けるステップであって、ロケータ・アセンブリは、心臓から電気信号を受信する少なくとも12個のバイポーラ電極を含む、ステップと、不整脈原性病巣の実際の位置を決定するように、複数のバイポーラ電極によって受信された電気信号から第1の信号アレイを生成するステップと、第2の信号アレイを生成するように、第1の信号アレイによって決定された実際の位置に基づいて、心臓を人工的に刺激するステップと、グラフィカル・ユーザ・インタフェース上で信号アレイを互いに重畳するステップと、第1の信号アレイを第2の信号アレイと比較することによって、不整脈原性病巣の実際の位置を確認するステップとを含む。
【0027】
本発明はまた、心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定するロケータ・アセンブリに向けられる。ロケータ・アセンブリは、縦方向軸及び外周を有する。様々な実施例では、ロケータ・アセンブリは、デバイス本体及び複数の構成要素を含む。複数の構成要素は、デバイス本体に結合される。複数の構成要素は、縦方向軸及び外周の周りで分散される。
【0028】
特定の実施例では、デバイス本体は、(i)デバイス本体が縮小する縮小した状態と、(ii)デバイス本体が増加した外周を有するようにデバイス本体が縮小した状態から外側に拡張する拡張した状態との間で移動可能である。
【0029】
様々な実施例では、ロケータ・アセンブリは、デバイス本体に結合された内部層及びデバイス本体に結合された外部層を更に含み、内部層及び外部層は、複数の構成要素を保護するように協調して作用するように構成される。
【0030】
いくつかの実施例では、内部層及び外部層のうちの少なくとも1つは、ロケータ・アセンブリの血栓促進性及び炎症性の可能性を妨げるように構成された溶出薬剤を含む。
【0031】
特定の実施例では、デバイス本体は、外部層から離脱可能である。
【0032】
いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリは、外部層及びデバイス本体を互いに選択的にロックするロック・アセンブリを更に含む。
【0033】
様々な実施例では、デバイス本体は、心臓内に挿入され、心臓に係合するように構成された拡張可能なステントを含む。
【0034】
特定の実施例では、ロケータ・アセンブリは、不整脈原性病巣の位置を決定するように、心臓から電気信号を受信する複数の電極を更に含み、複数の電極は、デバイス本体に結合され、複数の電極は、縦方向軸及び外周の周りで分散される。
【0035】
いくつかの実施例では、複数の電極は、複数の双極を形成する複数の陽極及び陰極を含む。
【0036】
様々な実施例では、ロケータ・アセンブリは、複数の電極を相互接続する複数のルーティング層を更に含み、複数のルーティング層は、各々が伸縮自在である。
【0037】
本発明はまた、心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定するロケータ・アセンブリに向けられる。ロケータ・アセンブリは、縦方向軸及び外周を有する。様々な実施例では、ロケータ・アセンブリは、デバイス本体と、デバイス本体に結合された外部層と、を含む。外部層は、デバイス本体を保護するように構成される。デバイス本体は、外部層から離脱可能である。
【0038】
特定の実施例では、デバイス本体は、(i)デバイス本体が縮小した縮小した状態と、(ii)デバイス本体が増加した外周を有するようにデバイス本体が縮小した状態から外側に拡張する拡張した状態との間で移動可能である。
【0039】
いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリは、デバイス本体に結合された複数の構成要素を更に含み、複数の構成要素は、縦方向軸及び外周の周りで分散され、複数の構成要素は、複数の電極を含む。
【0040】
様々な実施例では、複数の電極は、複数の双極を形成する複数の陽極及び陰極を含む。
【0041】
特定の実施例では、複数の電極は、不整脈原性病巣の位置を決定するように心臓から電気信号を受信するように構成され、複数の電極は、縦方向軸及び外周の周りで分散される。
【0042】
いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリは、複数の電極を相互接続する複数のルーティング層を更に含み、複数のルーティング層は、各々が伸縮自在である。
【0043】
様々な実施例では、外部層は、ロケータ・アセンブリの血栓促進性及び炎症性の可能性を妨げるように構成された溶出薬剤を含む。
【0044】
特定の実施例では、ロケータ・アセンブリは、外部層及びデバイス本体を互いに選択的にロックするロック・アセンブリを更に含む。
【0045】
いくつかの実施例では、デバイス本体は、心臓内に挿入され、心臓に係合するように構成された拡張可能なステントを含む。
【0046】
本発明は、心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定するロケータ・アセンブリに更に向けられる。ロケータ・アセンブリは、縦方向軸及び外周を有する。様々な実施例では、ロケータ・アセンブリは、デバイス本体、複数の電極、外部層、及びロック・アセンブリを含む。デバイス本体は、(i)デバイス本体が縮小する縮小した状態と、(ii)デバイス本体が増加した外周を有するようにデバイス本体が縮小した状態から外側に拡張する拡張した状態との間で移動可能である。複数の電極は、不整脈原性病巣の位置を決定するように、心臓から電気信号を受信する。複数の電極は、デバイス本体に結合される。複数の電極は、縦方向軸及び外周の周りで分散される。外部層は、デバイス本体に選択的に結合される。ロック・アセンブリは、外部層及びデバイス本体を互いに選択的にロックするように構成される。
【0047】
本発明はまた、心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定するロケータ・アセンブリに向けられる。様々な実施例では、ロケータ・アセンブリは、デバイス本体及び複数の電極を含む。複数の電極は、不整脈原性病巣の位置を決定するように心臓から電気信号を受信する。複数の電極は、デバイス本体に結合することができる。
【0048】
特定の実施例では、複数の電極のうちの少なくとも2つは、デバイス本体の周りで縦方向に位置付けられる。
【0049】
様々な実施例では、複数の電極のうちの少なくとも2つは、デバイス本体の周りで円周方向に位置付けられる。
【0050】
いくつかの実施例では、複数の電極のうちの少なくとも2つは、デバイス本体の周りで円周方向に位置付けられる。
【0051】
特定の実施例では、複数の電極は、複数の双極を形成する複数の陽極及び陰極を含む。
【0052】
いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリは、デバイス本体に対して複数の電極を位置付けるルーティング層を更に含み、ルーティング層は、伸縮自在である。
【0053】
様々な実施例では、複数の電極は、心臓から電気信号を受信するように構成される。
【0054】
特定の実施例では、複数の電極は、デバイス本体の外周の周りで互いに均等に間隔を空けられる。
【0055】
いくつかの実施例では、複数の電極は、少なくとも12個の電極を含む。
【0056】
様々な実施例では、複数の電極は、心臓と直接接触して位置付けることが可能である。
【0057】
本発明はまた、心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定するロケータ・アセンブリに向けられる。様々な実施例では、ロケータ・アセンブリは、デバイス本体及び複数の電極を含む。複数の電極は、不整脈原性病巣の位置を決定するように心臓から電気信号を受信する。複数の電極は、デバイス本体に結合することができる。複数の電極のうちの少なくとも2つは、デバイス本体の周りで円周方向に位置付けられる。複数の電極は、複数の電極が心臓と電気通信にあるように位置付けることが可能である。
【0058】
特定の実施例では、複数の電極は、複数の双極を形成する複数の陽極及び陰極を含む。
【0059】
いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリは、複数の電極を位置付けるルーティング層を更に含み、ルーティング層は、伸縮自在である。
【0060】
様々な実施例では、複数の電極のうちの少なくとも2つは、デバイス本体の周りで円周方向に位置付けられ、複数の電極のうちの少なくとも2つは、デバイス本体の周りで縦方向に位置付けられる。
【0061】
特定の実施例では、複数の電極は、心電図電極を含む。
【0062】
いくつかの実施例では、複数の電極は、心臓と直接接触して位置付けることが可能である。
【0063】
様々な実施例では、複数の電極は、少なくとも12個の電極を含む。
【0064】
特定の実施例では、複数の電極は、少なくとも28個の双極を形成する少なくとも16個の電極を含む。
【0065】
いくつかの実施例では、複数の電極は、デバイス本体の外周の周りで互いに等しく放射状に間隔を空けられる。
【0066】
本発明はまた、心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定するロケータ・アセンブリに向けられる。様々な実施例では、ロケータ・アセンブリは、外周を含むデバイス本体と、複数の電極と、を含む。複数の電極は、デバイス本体に結合することができる。複数の電極は、不整脈原性病巣の位置を決定するように心臓から電気信号を受信するように構成することができる。複数の電極は、心臓から電気信号を記録するように構成することができる。複数の電極の各々は、外周の周りで互いに均等に間隔を空けることができる。複数の電極は、少なくとも28個の双極を形成する少なくとも16個の電極を含むことができる。
【0067】
この概要は、本発明の教示の一部の概要であり、本主題を排他的又は網羅的に扱うことを意図したものではない。更なる詳細は、詳細な説明及び添付の特許請求の範囲において見出される。他の態様は、以下の詳細な説明を読み及び理解し、その一部を形成する図面を閲覧すると、当業者には明らかになるであろうが、それぞれは限定的な意味で解釈されるべきではない。本明細書の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその法的均等物によって定義される。
【0068】
本発明の新規の特徴と共に発明自体が、その構造及びその動作の両方について、それに伴う説明と併用して添付図面から最良に理解され、添付図面では、同様の参照符号は、同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図1A】心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を特定するロケータ・アセンブリ及び外部デバイスの一実施例の簡易化された斜視図であり、ロケータ・アセンブリは、本発明の特徴を有する。
【
図1B】心臓と心臓内又はその近くの不整脈原性病巣を特定するロケータ・アセンブリの一実施例との簡易化された例示であり、ロケータ・アセンブリは、心臓の部分内に位置付けられる。
【
図2A】縮小した状態において示される、ロケータ・アセンブリの一実施例の簡易化された端面図である。
【
図2B】拡張した状態において示される、ロケータ・アセンブリの一実施例の簡易化された端面図である。
【
図3】ロケータ・アセンブリ内の電極のペアの間の双極性関係を示すロケータ・アセンブリの一実施例の簡易化された部分的に透過な透視図である。
【
図4A】ロケータ・アセンブリの一実施例の簡易化された端面図である。
【
図4B】ロケータ・アセンブリの更なる別の実施例の簡易化された端面図である。
【
図4C】
図4Bに示されたロケータ・アセンブリの実施例の部分の簡易化された端面図である。
【
図4D】
図4Bに示されたロケータ・アセンブリの実施例の更なる別の部分の簡易化された端面図である。
【
図5A】心臓の部分、ロケータ・アセンブリの一実施例、及び展開カテーテルの一実施例の簡易化された部分的に透過な図であり、ロケータ・アセンブリは、縮小した状態において示される。
【
図5B】心臓の部分、ロケータ・アセンブリの一実施例、及び展開カテーテルの一実施例の簡易化された部分的に透過な図であり、ロケータ・アセンブリは、拡張した状態において示される。
【
図6】心臓内の洞調律病巣、不整脈原性病巣、及び予測された病巣を含む、心臓の部分内に位置付けられたロケータ・アセンブリの一実施例の簡易化された例示である。
【
図7】心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を特定する方法の1つの実施例の間に生成された洞信号アレイ、第1の信号アレイ、及び第2の信号アレイを例示する簡易化された図である。
【
図8】不整脈原性病巣の位置を特定する方法の1つの実施例の間に生成された第1の信号アレイ及び第2の信号アレイを互いに重畳したものを例示する簡易化された図であり、重畳は、非整合状態において示される。
【
図9】不整脈原性病巣の位置を決定する方法の一実施例の間に生成された第1の信号アレイ及び第2の信号アレイを互いに重畳したものを例示する簡易化された図であり、重畳は、整合状態において示される。
【
図10】心臓内の不整脈原性病巣の位置を決定する方法の1つの実施例を概略するフローチャートである。
【
図11】心臓内の不整脈原性病巣の位置を決定する方法の別の実施例を概略するフローチャートである。
【
図12】心臓内の不整脈原性病巣の位置を決定する方法の更なる別の実施例を概略するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本発明の実施例は、様々な修正及び代替的な形式の影響を受けやすいと共に、その詳細は、実例及び図によって示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本明細書における範囲は、説明される特定の実施例に限定されないことが理解されよう。逆に、本明細書における精神及び範囲内に収まる修正、同等物、及び代替を網羅することが意図される。
【0071】
不整脈原性病巣の位置を決定するシステム、デバイス、及び関連する方法は、患者の日々の生活の間に臨床的心房細動の突然引き起こる病相のマッピングを有効にするように構成される。特に、ロケータ・アセンブリ100は、患者内に植え付けることができ、その結果、ロケータ・アセンブリ100は、患者の心臓101内又はその近くの臨床的心房細動の根源の位置を特定することができる。本明細書で使用されるように、「心臓」は、両心房、両心室、中隔、肺静脈、冠状静脈洞、卵円窩、上大静脈、下大静脈、筋肉スリーブ、血管壁、接続された電気的に活性な組織、及び他の全ての心臓内又はその近くの心臓支持構造を含む心臓を意味すると理解される。
【0072】
ロケータ・アセンブリ100は、患者の心臓101内又はその近くの不整脈原性病巣632(例えば、
図6に例示される)の位置を決定する、本明細書で説明されるシステム及び方法において使用することができる。本明細書で説明される、心臓101内又はその近くの不整脈原性病巣632の位置を決定するシステム、方法、デバイスは、可変であることができる。
【0073】
本発明の以下の詳細な説明は例示にすぎず、限定することを何ら意図していないことを当業者は認識するであろう。本発明の他の実施例は、本開示の利点を有するそのような当業者に対してそれら自体を容易に示唆するであろう。添付図面に例示されるように、本発明の実装態様に対して参照が詳細に行われる。
【0074】
明確にするために、本明細書で説明される実装態様のルーチンの特徴の全てが示されるわけではなく、説明されるわけでもない。もちろん、いずれかのそのような実際の実装態様の開発において、用途に関連する制約及びビジネスに関連する制約に準拠することなど、開発者の特有の目的を達成するために、多数の実装態様特有の決定が行われるはずであり、それらの特有の目的は、実装態様ごとに、及び開発者ごとに可変であることを認識されよう。その上、そのような開発努力は複雑且つ時間を要するが、それにも関わらず、本開示の利点を有する当業者に対してエンジニアリングの日常業務である。
【0075】
図1Aは、心臓101内又はその近くの不整脈原性病巣632(
図6に例示される)の位置を特定するロケータ・アセンブリ100及び外部デバイス105の一実施例の簡易化された斜視図である。本明細書で提供されるように、ロケータ・アセンブリ100は、患者の心臓101の部分に配送可能である。ロケータ・アセンブリ100は、患者の日々の生活の間に臨床的心房細動の突然引き起こる病相をマッピングすることができる。ロケータ・アセンブリ100は、患者の心臓101の部分内に固定されることになるように拡張可能であることができる。
【0076】
様々な実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、患者の心臓101から電気生理学的信号の心電図テレメトリ監視及びサンプリングを提供するように構成することができる。ロケータ・アセンブリ100にテレメトリ能力を提供することによって、ロケータ・アセンブリ100は、無症候の、稀な、又は断続的な心房細動病相を有する患者に対してより適切であることができる。
【0077】
1つの実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、サンプリング期間の全体を通じて、患者の心臓101から心電図信号を周期的にサンプリングすることができる(均等又は均等でない時間増分のいずれかで)。いくつかの実施例では、サンプリング期間は、1時間~1年であることができる。他の実施例では、サンプリング期間は、1時間未満又は1年よりも大きくあることができる。ロケータ・アセンブリ100は、より延長したサンプリング期間を提供することによって、より短いサンプリング期間の間に捕捉され得ない不整脈又は不整脈原性病巣632を捕捉することができる。
【0078】
特定の実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、患者の心臓101内に位置付けられ及び拡張される。いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、拡張可能なステントといくぶん同様に動作することができる。ロケータ・アセンブリ100は、患者内に永続的に配置することができる。代わりに、ロケータ・アセンブリ100は、様々な構成要素を交換若しくは修復するために、又は任意の他の適切な目的のために、ロケータ・アセンブリ100が貯蔵された電力を使い果たした後などで、患者から取り外すことができる。ロケータ・アセンブリ100は、縦方向軸100aを有するが、他の軸をも有し得る。ロケータ・アセンブリ100は、外周100cを有する。
【0079】
いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリ100の断面が完全な円であり、縦方向軸100aがロケータ・アセンブリ100の端を通じて完全に中心にある場合、外周100c上の全てのポジションは、縦方向軸100aから等距離である。様々な実施例では、ロケータ・アセンブリ100並びにその組み込まれた要素及びそれらの構成要素は、再充電可能であることができる。1つの実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、ロケータ・アセンブリ100が患者内に位置付けられる間に無線で再充電することができる。
【0080】
ロケータ・アセンブリ100は、その設計要件に応じて可変であることができる。ロケータ・アセンブリ100は、本明細書で特に示される及び/又は説明されるもの以外の追加の構成要素、システム、サブシステム、及び要素を含むことができることが理解されよう。加えて又は代わりに、ロケータ・アセンブリ100は、本明細書で特に示される及び/又は説明される構成要素、システム、サブシステム、及び要素のうちの1つ又は複数を省略することができる。いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリ100の様々な構成要素は、
図1Aに特に例示されるものとは異なる方式で位置付けることができる。いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、1つの非限定的、非包括的な実例として、ベア・メタル・ステントと同一又はいくぶん同様の設計を有することができる。
【0081】
ロケータ・アセンブリ100の構成要素は、それ以上ではない場合、患者の有限期間又は平均寿命の間に動作するように構成することができる。必要である場合、ロケータ・アセンブリ100の構成要素及び/又は要素の一部又は全ては、ロケータ・アセンブリ100の引き抜き及び/又は交換の間に潜在的に静止されることになる。
【0082】
図1Aに例示される実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、複数の電極102(
図1A、
図2A~2B、及び
図3~4では、1つの電極のみが識別され、他の電極は黒点として示される)、コミュニケータ104、コントローラ106、ルーティング層108、バッテリ110、及びデバイス本体112を含むことができる。本明細書で使用されるように、ロケータ・アセンブリ100の「構成要素」は、複数の電極102、コミュニケータ104、コントローラ106、ルーティング層108、及びバッテリ110を含むことができる。
【0083】
様々な実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、患者が磁気共鳴撮像スキャン又は他の撮像手順を受ける間に患者による使用のために構成することができる。言い換えると、ロケータ・アセンブリ100は、可変タイプの外部電磁気放射に対する遮蔽及び/又は抵抗を有することができる。いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、自動で活性化及び/又はパワー・オンすることができる。特定の実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、患者又は医療従事者によって手動で活性化及び/又はパワー・オンすることができる。
【0084】
図1Aに示されるように、電極102、コミュニケータ104、コントローラ106、ルーティング層108、及びバッテリ110など、ロケータ・アセンブリ100の構成要素は、外周100cの周りで互いに放射状に間隔を空けることができる。例えば、様々な非包括的な実施例では、ロケータ・アセンブリ100の構成要素は、外周100cの周りで1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、60、90、120、又は180度だけ間隔を空けることができる。他の実施例では、ロケータ・アセンブリ100の構成要素は、1度未満又は本明細書で表記されるもの以外の何らかの他の放射状の間隔だけ間隔を空けることができる。
【0085】
ロケータ・アセンブリ100の構成要素は、ロケータ・アセンブリ100の断面形状が円以外の何らかのものである場合でさえ、上記提供されたように位置付けることができる。ロケータ・アセンブリ100の断面形状は、任意の適切な形状であることができる。ロケータ・アセンブリ100の断面形状の非限定的、非包括的な実例は、円形形状、楕円形形状、卵形形状、五角形形状、六角形形状、七角形形状、八角形形状、十角形形状、又は任の適切な形状を含む。ロケータ・アセンブリ100の断面形状は、任意の数の側面及び任意のタイプの曲率を有することができる。
【0086】
いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリ100の構成要素は、外周100cの周りで互いに実質的に等距離で間隔を空けることができる。ロケータ・アセンブリ100は、外周100cの周りでロケータ・アセンブリ100の対応する構成要素を保持するように構成された複数のプラットフォーム(図示せず)を含むことができる。他の実施例では、
図1に示されるものなど、ロケータ・アセンブリ100の構成要素は、ロケータ・アセンブリ100への結合を有効にするように構成されたプラットフォームを統合することができる。
【0087】
電極102は、心臓101及び身体の近くの部分から送信された電気信号(電気生理学的信号など)を記録及び検知する。いくつかの実施例では、電極102は、心房活動及び関連する電気インパルスを記録することができる。
【0088】
電極102のタイプは、ロケータ・アセンブリ100の設計要件に応じて可変であることができる。いくつかの実施例では、電極102は、
図1Aに特に例示されるものとは異なる構成において位置付けることができる。
【0089】
電極102は、1つ又は複数の心電図電極(非限定的、包括的な実例として)を含む、任意の適切なタイプの電極を含むことができる。電極102は、ペアで位置付けられるとき、バイポーラ電極を形成することができる。電極102は、ロケータ・アセンブリ100の欠陥のある又はそうでなければ動作不能な電極102を修復又は交換するように、ロケータ・アセンブリ100から結合されること及び切り離すことができる。ロケータ・アセンブリは、任意の適切な数の電極102を含むことができる。
図1Aなどのいくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、16個の電極102を含むことができる。他の実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、又は32個の電極102を含むことができる。特定の実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、32個よりも多い電極を含むことができる。
【0090】
電極102は、或るパターンにおいて、縦方向及び/若しくは円周方向のいずれかにおいて、又はロケータ・アセンブリ100の任意の適切な部分上で外周100cの周りで分散することができる。ロケータ・アセンブリ100の外周100cの周りで、電極102は、10、20、30、45、60、72、90、120、又は180度だけ間隔を空けることができる。他の実施例では、電極102は、ロケータ・アセンブリ100の外周100cに沿って互いに、おおよそ5、15、25、35、40、50、55、65、70、75、80、85、95、100、105、110、115、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、又は任意の他の適切な間隔で位置付けることができる。
【0091】
いくつかの実施例では、電極102は、ロケータ・アセンブリ100の周りで、いくぶん円形パターン、楕円形パターン、円筒形パターン、又は任意の適切なパターンにおいて分散することができる。1つの実施例では、電極102は、縦方向軸100aに沿って互いに、及び/又はロケータ・アセンブリ100の外周100cの周りで均等に間隔を空けることができる。代替的な実施例では、電極102は、不均等、非対称、準ランダム、又はランダムに、縦方向軸100aに沿って互いに、及び/又はロケータ・アセンブリ100の外周の周りで間隔を空けることができる。
【0092】
コミュニケータ104は、ロケータ・アセンブリ110と外部デバイス105(例えば、コンピューティング・デバイス)との間の無線通信のためにロケータ・アセンブリ100によって使用される。ロケータ・アセンブリ100によって収集されたデータは、コミュニケータ104を介して外部デバイス105に無線で送信することができる。言い換えると、コミュニケータ104は、ロケータ・アセンブリ100と外部デバイス105との間の通信を可能にするように構成される。代わりに、コミュニケータ104は、ロケータ・アセンブリ100と外部デバイス105との間の有線通信を可能にすることができる。
【0093】
コミュニケータ104のタイプ及び/又はコミュニケータ104の位置付けは、ロケータ・アセンブリ100の設計要件に応じて可変であることができる。コミュニケータ104は、非限定的、非包括的な実例として、無線周波数、Bluetooth(登録商標)、低エネルギー・アンテナ、及び/又は任意の適切なアンテナなど、任意の適切な無線通信デバイスを含むことができる。コミュニケータ104はまた、有線アンテナ、ダイポール・アンテナ、モノポール・アンテナ、ループ・アンテナ、伝送ライン・アンテナなど、任意の適切な有線通信デバイスを含むことができる。いくつかの実施例では、コミュニケータ104は、
図1Aに特に例示されるものとは異なって位置付けることができる。
【0094】
外部デバイス105は、(i)ロケータ・アセンブリ100と外部デバイス105との間のデータの転送、(ii)ロケータ・アセンブリ100の処理速度を高めるための外部デバイス105のメモリの利用、及び/又は(iii)ロケータ・アセンブリ100から外部デバイス105へのデータの転送の後の外部デバイス105へのデータの記憶を有効にするように、コミュニケータ104を介して通信することができる。いくつかの実施例では、外部デバイス105は、ロケータ・アセンブリ100上で処理命令のセットを実行するように、コミュニケータ104と通信することができる。例えば、外部デバイス105は、ロケータ・アセンブリ100をパワー・オン又はパワー・オフするように、コミュニケータ104を介して通信することができる。
【0095】
外部デバイス105は、ロケータ・アセンブリ100の設計要件に応じて可変であることができる。コミュニケータ104と外部デバイス105との間の接続は、例証的であるにすぎない。接続は、ロケータ・アセンブリ100、コミュニケータ104、及び/又は外部デバイス105の間の有線接続及び/又は無線接続を示すことができる。
【0096】
コントローラ106は、ロケータ・アセンブリ100の構成要素を制御することができる。コントローラ106は、ロケータ・アセンブリ100の設計要件に応じて可変であることができる。いくつかの実施例では、コントローラ106は、
図1Aに特に例示されるものとは異なって位置付けることができる。
【0097】
コントローラ106は、(非限定的、非包括的な実例として)プロセッサ、マイクロプロセッサ、ダイオード、キャパシタ、蓄電素子、ASIC、センサ、撮像素子(例えば、CMOS、CCD撮像素子)、増幅器、A/D及びD/Aコンバータ、関連する差動増幅器、バッファ、マイクロプロセッサ、光コレクタ、電気-機械トランスデューサを含むトランスデューサ、圧電アクチュエータ、LEDを含む発光電子機器、ロジック、メモリ、クロック、及びアクティブ・マトリクス・スイッチング・トランジスタを含むトランジスタ、並びにそれらの組合せを含むことができる。電子デバイス又はデバイス内の構成要素は、本明細書で説明され、本明細書で説明されるそれらの構成要素を含む。構成要素は、本明細書で説明される電子デバイスのいずれかのうちの1つ又は複数であることができ、並びに/或いは、フォトダイオード、LED、TUFT、電極、半導体、他の光収集/検出構成要素、トランジスタ、デバイス構成要素と接触することが可能なコンタクト・パッド、薄膜デバイス、回路素子、制御素子、マイクロプロセッサ、相互接続、コンタクト・パッド、キャパシタ、レジスタ、インダクタ、メモリ素子、蓄電素子、アンテナ、論理素子、バッファ、及び/又は他の受動的若しくは能動的構成要素を含み得る。ロケータ・アセンブリ100の構成要素は、金属蒸着、ワイヤ・ボンディング、及び固体又は導電性ペーストの塗布など、本分野において既知であるような1つ又は複数のコンタクト・パッドに接続され得る。コントローラ106内のプロセッサは、複数の電極102の各々からのデータを処理及び記憶することができる。
【0098】
ルーティング層108は、ロケータ・アセンブリ100及び/又はコントローラ106の設計に従って、構成要素を適切に接続するように、ロケータ・アセンブリ100及び/又はコントローラ106の構成要素をルーティングする。ルーティング層108は、ロケータ・アセンブリ100及び/又はコントローラ106の設計要件に応じて可変であることができる。いくつかの実施例では、ルーティング層108は、
図1Aに特に例示されるものとは異なって位置付けることができる。ルーティング層108は、非導電誘電材料内で包み込まれたワイヤリング、基板、及び/又は他の回路を含むことができる。
【0099】
バッテリ110は、電力を貯蔵し、ロケータ・アセンブリ100の様々な構成要素に電力を提供する。バッテリ110は、ロケータ・アセンブリ100の設計要件に応じて可変であることができる。いくつかの実施例では、バッテリ110は、
図1Aに特に例示されるものとは異なって位置付けることができる。
【0100】
バッテリ110は、使い捨て/処分可能であることができ、又は、バッテリ110は、再充電可能であることができる。バッテリ110は、ロケータ・アセンブリ100内での使用のための任意の適切なバッテリであることができる。ロケータ・アセンブリ100内で使用することができるバッテリ110の非限定的、非包括的な実例は、アルカリ、リチウム、リチウムイオン、リン酸鉄リチウム、リチウム・シリコン、マグネシウム、水銀、酸化水銀、酸化銀、銀亜鉛、亜鉛空気、亜鉛炭素、塩化亜鉛、鉛、鉛酸ゲル、ニッケルカドミウム、オキシ水酸化ニッケル、ニッケル金属水素化物、ニッケル亜鉛、及びAbsolyte(登録商標)バッテリを含む。バッテリ110はまた、ソリッドステート・バッテリであることができる。バッテリ110は、
図1Aに示される実施例に例示される部分的円筒形形状など、ロケータ・アセンブリ100内での使用のための任意の適切なサイズ及び/又は形状であることができる。
【0101】
いくつかの実施例では、バッテリ110は、5年以上の間にロケータ・アセンブリ100に電力供給するように構成することができる。特定の実施例では、バッテリ110は、5年未満の間にロケータ・アセンブリ100に電力供給するように構成することができる。様々な実施例では、バッテリ110は、無線で再充電することができる。別の実施例では、バッテリ110は、キャパシタを含むことができる。
【0102】
デバイス本体112は、ロケータ・アセンブリ100に対する少なくとも何らかの構造を提供する。デバイス本体112は、ロケータ・アセンブリ100の様々な構成要素を確保するための基板を提供することができる。デバイス本体112は、拡張及び縮小のためのフレームワーク及び/又はラティス構造を含むことができる。いくつかの実施例では、デバイス本体112内のフレームワークが外周において拡張するとき、デバイス本体112の縦方向の長さは拡張しない。他の実施例では、デバイス本体112内のフレームワークが外周において拡張するとき、デバイス本体112の縦方向の長さは拡張する。
【0103】
特定の実施例では、デバイス本体112内のフレームワークが外周及び/又は縦方向の長さにおいて拡張するとき、電極102、コミュニケータ104、コントローラ106、ルーティング層108、及びバッテリ110も、外周及び/又は縦方向の長さにおいて拡張する。代わりに、いくつかのそのような実施例では、デバイス本体112内のフレームワークが外周及び/又は縦方向の長さにおいて縮小するとき、電極102、コミュニケータ104、コントローラ106、ルーティング層108、及びバッテリ110も、外周及び/又は縦方向の長さにおいて縮小する。電極102、コミュニケータ104、コントローラ106、ルーティング層108、及びバッテリ110を含むロケータ・アセンブリ100の様々な構成要素は、伸縮自在な材料及び/又は拡張可能な材料によって形成することができる。
【0104】
デバイス本体112は、患者の心臓101及び身体の様々な領域内でロケータ・アセンブリ100を展開し及び引き抜くために必要に応じて拡張及び縮小することができる。デバイス本体112は、ロケータ・アセンブリ100の設計要件に応じて可変であることができる。いくつかの実施例では、デバイス本体112は、
図1Aに特に例示されるものとは異なって構成することができる。デバイス本体112は、外周における拡張及び縮小のみを可能にする、本分野において既知の任意の適切な構造であることができる。縮小した状態及び拡張した状態にあるデバイス本体112の断面形状は、可変であることができる。デバイス本体112の断面形状の非限定的、非包括的な実例は、円形形状、楕円形形状、卵形形状、五角形形状、六角形形状、七角形形状、八角形形状、十角形形状、又は任意の適切な形状を含む。
【0105】
図1Bは、心臓101と心臓101内に位置付けられたロケータ・アセンブリ100の一実施例との簡易化された例示である。心臓101は、右心房101a及び左心房101bを含む。示されるように、ロケータ・アセンブリ100は、弁、静脈、副鼻腔など、心臓101の部分に適合するように伸縮自在であることができる。特に、
図1Bに示される実施例では、ロケータ・アセンブリ100は、中心臓静脈128の近くの冠状静脈洞127内に位置付けることができる。しかしながら、ロケータ・アセンブリ100は、心臓101内又はその周りの他の位置内に等しく位置付けることができることが理解されよう。
【0106】
図2Aは、縮小した状態において示される、ロケータ・アセンブリ200の一実施例の簡易化された正面図である。本明細書で使用されるように、「縮小した状態」は、ロケータ・アセンブリ200及び/又はデバイス本体212が縮小している又は拡張していないことを意味することが理解されよう。縮小した状態では、ロケータ・アセンブリ200内の電極202、コミュニケータ204、コントローラ206、ルーティング層208、及びバッテリ210を含む構造及び/又は構成要素は、少なくとも部分的に縮小することができる。例えば、
図2Aに示されるロケータ・アセンブリ200の1つの実施例では、デバイス本体212内のフレームワークが縮小している又は拡張していないとき、デバイス本体212は、縮小した状態にある。理解を容易にするために、
図2Aにおけるデバイス本体212の縮小した状態は、デバイス本体212の伸縮自在性及び/又は縮小を例証するように誇張される。
【0107】
図2Aに示される実施例では、デバイス本体212は、縮小した状態にあると示される構成要素のみである。縮小した状態にある間、ロケータ・アセンブリ200は、縮小した直径214を有する。いくつかの実施例では、本明細書で例示及び説明される縮小した直径214は、おおよそ0.01ミリメートル~20.00ミリメートルであることができる。様々な非包括的な実施例では、縮小した直径214は、おおよそ0.01ミリメートル、0.1ミリメートル、0.2ミリメートル、0.3ミリメートル、0.4ミリメートル、0.5ミリメートル、0.6ミリメートル、0.7ミリメートル、0.8ミリメートル、0.9ミリメートル、1ミリメートル、1.1ミリメートル、1.2ミリメートル、1.3ミリメートル、1.4ミリメートル、1.5ミリメートル、1.6ミリメートル、1.7ミリメートル、1.8ミリメートル、1.9ミリメートル、2ミリメートル、2.1ミリメートル、2.2ミリメートル、2.3ミリメートル、2.4ミリメートル、2.5ミリメートル、2.6ミリメートル、2.7ミリメートル、2.8ミリメートル、2.9ミリメートル、3ミリメートル、3.1ミリメートル、3.2ミリメートル、3.3ミリメートル、3.4ミリメートル、3.5ミリメートル、3.6ミリメートル、3.7ミリメートル、3.8ミリメートル、3.9ミリメートル、4ミリメートル、4.1ミリメートル、4.2ミリメートル、4.3ミリメートル、4.4ミリメートル、4.5ミリメートル、4.6ミリメートル、4.7ミリメートル、4.8ミリメートル、4.9ミリメートル、5ミリメートル、5.1ミリメートル、5.2ミリメートル、5.3ミリメートル、5.4ミリメートル、5.5ミリメートル、5.6ミリメートル、5.7ミリメートル、5.8ミリメートル、5.9ミリメートル、6ミリメートル、6.1ミリメートル、6.2ミリメートル、6.3ミリメートル、6.4ミリメートル、6.5ミリメートル、6.6ミリメートル、6.7ミリメートル、6.8ミリメートル、6.9ミリメートル、7ミリメートル、7.1ミリメートル、7.2ミリメートル、7.3ミリメートル、7.4ミリメートル、7.5ミリメートル、7.6ミリメートル、7.7ミリメートル、7.8ミリメートル、7.9ミリメートル、8ミリメートル、8.1ミリメートル、8.2ミリメートル、8.3ミリメートル、8.4ミリメートル、8.5ミリメートル、8.6ミリメートル、8.7ミリメートル、8.8ミリメートル、8.9ミリメートル、9ミリメートル、9.1ミリメートル、9.2ミリメートル、9.3ミリメートル、9.4ミリメートル、9.5ミリメートル、9.6ミリメートル、9.7ミリメートル、9.8ミリメートル、9.9ミリメートル、10ミリメートル、10.1ミリメートル、10.2ミリメートル、10.3ミリメートル、10.4ミリメートル、10.5ミリメートル、10.6ミリメートル、10.7ミリメートル、10.8ミリメートル、10.9ミリメートル、11ミリメートル、11.1ミリメートル、11.2ミリメートル、11.3ミリメートル、11.4ミリメートル、11.5ミリメートル、11.6ミリメートル、11.7ミリメートル、11.8ミリメートル、11.9ミリメートル、12ミリメートル、12.1ミリメートル、12.2ミリメートル、12.3ミリメートル、12.4ミリメートル、12.5ミリメートル、12.6ミリメートル、12.7ミリメートル、12.8ミリメートル、12.9ミリメートル、13ミリメートル、13.1ミリメートル、13.2ミリメートル、13.3ミリメートル、13.4ミリメートル、13.5ミリメートル、13.6ミリメートル、13.7ミリメートル、13.8ミリメートル、13.9ミリメートル、14ミリメートル、14.1ミリメートル、14.2ミリメートル、14.3ミリメートル、14.4ミリメートル、14.5ミリメートル、14.6ミリメートル、14.7ミリメートル、14.8ミリメートル、14.9ミリメートル、15ミリメートル、15.1ミリメートル、15.2ミリメートル、15.3ミリメートル、15.4ミリメートル、15.5ミリメートル、15.6ミリメートル、15.7ミリメートル、15.8ミリメートル、15.9ミリメートル、16ミリメートル、16.1ミリメートル、16.2ミリメートル、16.3ミリメートル、16.4ミリメートル、16.5ミリメートル、16.6ミリメートル、16.7ミリメートル、16.8ミリメートル、16.9ミリメートル、17ミリメートル、17.1ミリメートル、17.2ミリメートル、17.3ミリメートル、17.4ミリメートル、17.5ミリメートル、17.6ミリメートル、17.7ミリメートル、17.8ミリメートル、17.9ミリメートル、18ミリメートル、18.1ミリメートル、18.2ミリメートル、18.3ミリメートル、18.4ミリメートル、18.5ミリメートル、18.6ミリメートル、18.7ミリメートル、18.8ミリメートル、18.9ミリメートル、19ミリメートル、19.1ミリメートル、19.2ミリメートル、19.3ミリメートル、19.4ミリメートル、19.5ミリメートル、19.6ミリメートル、19.7ミリメートル、19.8ミリメートル、19.9ミリメートル、又は20ミリメートルであることができる。他の実施例では、縮小した直径214は、おおよそ0.01ミリメートル未満であることができ、又はおおよそ20.00ミリメートルよりも大きくあることができる。
【0108】
図2Bは、拡張した状態において示される、ロケータ・アセンブリ200の一実施例の簡易化された正面図である。本明細書で使用されるように、「拡張した状態」は、ロケータ・アセンブリ200及び/又はデバイス本体212が、縮小した状態から外側に拡張し、その結果、ロケータ・アセンブリ200及び/又はデバイス本体212が増加した外周を有することを意味すると理解される。ロケータ・アセンブリ200は、縮小した状態と拡張した状態との間で移動可能である。
【0109】
拡張した状態にある間、ロケータ・アセンブリ200は、縮小した直径214よりも大きい拡張した直径216を有する。いくつかの実施例では、本明細書で例示及び説明される拡張した直径216は、おおよそ0.01ミリメートル~20.00ミリメートルであることができる。様々な非包括的な実施例では、拡張した直径216は、おおよそ0.01ミリメートル、0.1ミリメートル、0.2ミリメートル、0.3ミリメートル、0.4ミリメートル、0.5ミリメートル、0.6ミリメートル、0.7ミリメートル、0.8ミリメートル、0.9ミリメートル、1ミリメートル、1.1ミリメートル、1.2ミリメートル、1.3ミリメートル、1.4ミリメートル、1.5ミリメートル、1.6ミリメートル、1.7ミリメートル、1.8ミリメートル、1.9ミリメートル、2ミリメートル、2.1ミリメートル、2.2ミリメートル、2.3ミリメートル、2.4ミリメートル、2.5ミリメートル、2.6ミリメートル、2.7ミリメートル、2.8ミリメートル、2.9ミリメートル、3ミリメートル、3.1ミリメートル、3.2ミリメートル、3.3ミリメートル、3.4ミリメートル、3.5ミリメートル、3.6ミリメートル、3.7ミリメートル、3.8ミリメートル、3.9ミリメートル、4ミリメートル、4.1ミリメートル、4.2ミリメートル、4.3ミリメートル、4.4ミリメートル、4.5ミリメートル、4.6ミリメートル、4.7ミリメートル、4.8ミリメートル、4.9ミリメートル、5ミリメートル、5.1ミリメートル、5.2ミリメートル、5.3ミリメートル、5.4ミリメートル、5.5ミリメートル、5.6ミリメートル、5.7ミリメートル、5.8ミリメートル、5.9ミリメートル、6ミリメートル、6.1ミリメートル、6.2ミリメートル、6.3ミリメートル、6.4ミリメートル、6.5ミリメートル、6.6ミリメートル、6.7ミリメートル、6.8ミリメートル、6.9ミリメートル、7ミリメートル、7.1ミリメートル、7.2ミリメートル、7.3ミリメートル、7.4ミリメートル、7.5ミリメートル、7.6ミリメートル、7.7ミリメートル、7.8ミリメートル、7.9ミリメートル、8ミリメートル、8.1ミリメートル、8.2ミリメートル、8.3ミリメートル、8.4ミリメートル、8.5ミリメートル、8.6ミリメートル、8.7ミリメートル、8.8ミリメートル、8.9ミリメートル、9ミリメートル、9.1ミリメートル、9.2ミリメートル、9.3ミリメートル、9.4ミリメートル、9.5ミリメートル、9.6ミリメートル、9.7ミリメートル、9.8ミリメートル、9.9ミリメートル、10ミリメートル、10.1ミリメートル、10.2ミリメートル、10.3ミリメートル、10.4ミリメートル、10.5ミリメートル、10.6ミリメートル、10.7ミリメートル、10.8ミリメートル、10.9ミリメートル、11ミリメートル、11.1ミリメートル、11.2ミリメートル、11.3ミリメートル、11.4ミリメートル、11.5ミリメートル、11.6ミリメートル、11.7ミリメートル、11.8ミリメートル、11.9ミリメートル、12ミリメートル、12.1ミリメートル、12.2ミリメートル、12.3ミリメートル、12.4ミリメートル、12.5ミリメートル、12.6ミリメートル、12.7ミリメートル、12.8ミリメートル、12.9ミリメートル、13ミリメートル、13.1ミリメートル、13.2ミリメートル、13.3ミリメートル、13.4ミリメートル、13.5ミリメートル、13.6ミリメートル、13.7ミリメートル、13.8ミリメートル、13.9ミリメートル、14ミリメートル、14.1ミリメートル、14.2ミリメートル、14.3ミリメートル、14.4ミリメートル、14.5ミリメートル、14.6ミリメートル、14.7ミリメートル、14.8ミリメートル、14.9ミリメートル、15ミリメートル、15.1ミリメートル、15.2ミリメートル、15.3ミリメートル、15.4ミリメートル、15.5ミリメートル、15.6ミリメートル、15.7ミリメートル、15.8ミリメートル、15.9ミリメートル、16ミリメートル、16.1ミリメートル、16.2ミリメートル、16.3ミリメートル、16.4ミリメートル、16.5ミリメートル、16.6ミリメートル、16.7ミリメートル、16.8ミリメートル、16.9ミリメートル、17ミリメートル、17.1ミリメートル、17.2ミリメートル、17.3ミリメートル、17.4ミリメートル、17.5ミリメートル、17.6ミリメートル、17.7ミリメートル、17.8ミリメートル、17.9ミリメートル、18ミリメートル、18.1ミリメートル、18.2ミリメートル、18.3ミリメートル、18.4ミリメートル、18.5ミリメートル、18.6ミリメートル、18.7ミリメートル、18.8ミリメートル、18.9ミリメートル、19ミリメートル、19.1ミリメートル、19.2ミリメートル、19.3ミリメートル、19.4ミリメートル、19.5ミリメートル、19.6ミリメートル、19.7ミリメートル、19.8ミリメートル、19.9ミリメートル、又は20ミリメートルであることができる。他の実施例では、拡張した直径216は、おおよそ0.01ミリメートル未満であることができ、又はおおよそ20.00ミリメートルよりも大きくあることができる。
【0110】
特定の実施例では、本明細書におけるロケータ・アセンブリ200の拡張した直径216と縮小した直径214との比率は、おおよそ1:1~20:1であることができる。いくつかのそのような非包括的な実施例では、ロケータ・アセンブリ200の拡張した直径216と縮小した直径214との比率は、おおよそ1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、2:1、2.1:1、2.2:1、2.3:1、2.4:1、2.5:1、2.6:1、2.7:1、2.8:1、2.9:1、3:1、3.1:1、3.2:1、3.3:1、3.4:1、3.5:1、3.6:1、3.7:1、3.8:1、3.9:1、4:1、4.1:1、4.2:1、4.3:1、4.4:1、4.5:1、4.6:1、4.7:1、4.8:1、4.9:1、5:1、5.1:1、5.2:1、5.3:1、5.4:1、5.5:1、5.6:1、5.7:1、5.8:1、5.9:1、6:1、6.1:1、6.2:1、6.3:1、6.4:1、6.5:1、6.6:1、6.7:1、6.8:1、6.9:1、7:1、7.1:1、7.2:1、7.3:1、7.4:1、7.5:1、7.6:1、7.7:1、7.8:1、7.9:1、8:1、8.1:1、8.2:1、8.3:1、8.4:1、8.5:1、8.6:1、8.7:1、8.8:1、8.9:1、9:1、9.1:1、9.2:1、9.3:1、9.4:1、9.5:1、9.6:1、9.7:1、9.8:1、9.9:1、10:1、10.1:1、10.2:1、10.3:1、10.4:1、10.5:1、10.6:1、10.7:1、10.8:1、10.9:1、11:1、11.1:1、11.2:1、11.3:1、11.4:1、11.5:1、11.6:1、11.7:1、11.8:1、11.9:1、12:1、12.1:1、12.2:1、12.3:1、12.4:1、12.5:1、12.6:1、12.7:1、12.8:1、12.9:1、13:1、13.1:1、13.2:1、13.3:1、13.4:1、13.5:1、13.6:1、13.7:1、13.8:1、13.9:1、14:1、14.1:1、14.2:1、14.3:1、14.4:1、14.5:1、14.6:1、14.7:1、14.8:1、14.9:1、15:1、15.1:1、15.2:1、15.3:1、15.4:1、15.5:1、15.6:1、15.7:1、15.8:1、15.9:1、16:1、16.1:1、16.2:1、16.3:1、16.4:1、16.5:1、16.6:1、16.7:1、16.8:1、16.9:1、17:1、17.1:1、17.2:1、17.3:1、17.4:1、17.5:1、17.6:1、17.7:1、17.8:1、17.9:1、18:1、18.1:1、18.2:1、18.3:1、18.4:1、18.5:1、18.6:1、18.7:1、18.8:1、18.9:1、19:1、19.1:1、19.2:1、19.3:1、19.4:1、19.5:1、19.6:1、19.7:1、19.8:1、19.9:1、20:1であることができる。代わりに、いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリ200の拡張した直径216と縮小した直径214との比率は、おおよそ20:1よりも大きくあることができ、又はおおよそ1:1未満であることができる。
【0111】
図3は、ロケータ・アセンブリ300内の電極302の間の双極性関係を例示する、ロケータ・アセンブリ300の一実施例の簡易化された部分的に透過な透視図である。
図3に例示される実施例では、ロケータ・アセンブリ300は、デバイス本体312及び複数の双極318a~bbを含むことができる。電極302は、負極性又は正極性を有するバイポーラ電極であることができる。
図3では、双極318a~bbは、負極性を有する電極302から正極性を有する電極302へとロケータ・アセンブリ300にわたって通る電流の双極を示すベクトルとして例示される。負極性を有する電極302は、本明細書で陰極と称され、正極性を有する電極302は、本明細書で陽極と称される。
【0112】
双極318a~bbは、反対の極性を有する2つの電気的構成要素(陽極及び陰極など)の間で形成される。双極318a~bbでは、電流は、反対の極性を有する電気的構成要素間でロケータ・アセンブリ300にわたって通る。電極302を、陽極と陰極との間で双極318a~bbを生み出すように電流又は電圧を印加することによって励起することができる。電流又は電圧は、ロケータ・アセンブリ300及び/又は外部デバイス105(
図1に例示された)によって電極302に印加することができる。
【0113】
双極318a~bbは、ロケータ・アセンブリ300及び/又は電極302の設計要件に応じて可変であることができる。いくつかの実施例では、
図3に例示されるものなど、複数の陽極及び陰極を含む双極318a~bbのネットワークは、ロケータ・アセンブリ300上で配列される。複数の双極318a~bb又は複数の双極ネットワークは、ロケータ・アセンブリ300の任意の適切な部分内で配列することができる。双極318a~bbは、或るパターンにおいて、縦方向及び/若しくは円周方向のいずれかにおいて、又は任意の他の適切な軸の周りで、若しくはそれに沿って、縦方向軸100a(
図1に例示された)の周りで分散することができる。
【0114】
いくつかの実施例では、双極318a~bbは、ロケータ・アセンブリ300の周りで、いくぶん円形パターン、楕円形パターン、円筒形パターン、又は任意の適切なパターンにおいて分散することができる。1つの実施例では、双極318a~bb、縦方向軸100aに沿って互いに、及び/又はロケータ・アセンブリ300の外周の周りで均等に間隔を空けることができる。代替的な実施例では、双極318a~bbは、非均等、準ランダム、又はランダムに、縦方向軸300aに沿って互いに、及び/又はロケータ・アセンブリ300の外周の周りで間隔を空けることができる。
図3に示される実施例では28個の双極318a~bbが表示されると共に、28個よりも多い双極318a~bb又は28個未満の双極318a~bbをロケータ・アセンブリ300によって利用することができることが理解されよう。
【0115】
図4Aは、ロケータ・アセンブリ400Aの一実施例の簡易化された正面図である。特に、
図4Aに例示される実施例では、ロケータ・アセンブリ400Aは、内部層420A及び外部層422Aを含む。内部層420A及び外部層422Aは、電極402A、コミュニケータ404A、コントローラ406A、ルーティング層408A、バッテリ410A、及び/又はデバイス本体412Aを含む、ロケータ・アセンブリ400Aの構成要素を実質的に包囲及び/又は保護するように協調して作用することができる。
【0116】
他の実施例では、内部層420Aは、電極402A、コミュニケータ404A、コントローラ406A、ルーティング層408A、バッテリ410A、及び/又はデバイス本体412Aを含む、ロケータ・アセンブリ400Aの構成要素を完全に包囲するように、外部層422Aに結合することができる。特定の実施例では、1つの層(例えば、内部層420A又は外部層422A)のみが、電極402A、コミュニケータ404A、コントローラ406A、ルーティング層408A、バッテリ410A、及び/又はデバイス本体412Aを含む、ロケータ・アセンブリ400Aの構成要素を完全に包囲することができる。
【0117】
内部層420A及び外部層422Aは、患者内のロケータ・アセンブリ400Aが展開されると、患者及びロケータ・アセンブリ400Aの構成要素の保護を改善するように協調することができる。内部層420Aは、内部層420Aが展開バルーン526(
図5に例示される)と接触すると、展開バルーン526の保護を改善するための実質的に均一の面を提供することができる。外部層422Aは、外部層422Aが心臓101(
図1Bに例示される)の部分の1つ又は複数の内壁と接触するときの損傷の尤度を低減させることができる。
【0118】
内部層420A及び/又は外部層422Aは、電極402A及び心臓101と電気通信にあることができる。内部層420A及び外部層422Aは、導電性材料から少なくとも部分的に形成することができる。他の実施例では、内部層420A及び/又は外部層422Aは、孔又はアパーチャにより形成することができ、孔又はアパーチャは、電極402Aが心臓101の部分の1つ又は複数の内壁と直接接触することになることを可能にするように構成される。
【0119】
内部層420A及び/又は外部層422Aは、その展開した位置において(例えば、1つの展開した位置は、
図5A~
図5Bに表される)、ロケータ・アセンブリ400Aの血栓促進性及び炎症性の可能性を妨げるように、或る期間にわたって溶出薬剤を解放することができる。他の実施例では、1つ又は複数の薬剤溶出層(
図4Aでは図示しない)は、内部層420A及び/又は外部層422Aが1つ又は複数の薬剤溶出層とデバイス本体412Aとの間で位置付けられるように、内部層420A及び/又は外部層422Aの各々に結合することができる。特定の実施例では、内部層420A及び/又は外部層422Aは、1つ又は複数の薬剤溶出層を含む、複数の層を含むことができる。様々な実施例では、ロケータ・アセンブリ400Aの他の構成要素(デバイス本体412Aなど)は、溶出薬剤及び/又は1つ若しくは複数の薬剤溶出層を含むことができる。
【0120】
加えて、
図4Aに表示される実施例では、拡張した状態にあるロケータ・アセンブリ400Aが示され、ロケータ・アセンブリ400Aは、拡張した直径416を有する。拡張した状態が
図4Aに示されると共に、内部層420A及び外部層422Aは、縮小した状態と拡張した状態との間で移動可能であることができることを認識されよう。内部層420Aは、ロケータ・アセンブリ400Aの設計要件に応じて可変であることができる。いくつかの実施例では、内部層420Aは、
図4Aに特に例示されるものとは異なって位置付けることができる。
【0121】
内部層420Aは、任意の適切な材料から形成することができる。特定の実施例では、内部層420Aは、潤滑性材料及び/又は連続的材料から少なくとも部分的に形成することができる。内部層420Aは、弾力性を有することができ、引き伸ばし可能であることができ、及び/又は伸縮自在であることができる。いくつかの実施例では、内部層420Aは、金属、プラスチック、合成物、ポリマ、被膜、生体適合材料、及び/又は生分解性材料から少なくとも部分的に形成することができる。内部層420Aを形成することができる適切な金属の非限定的、非包括的な実例は、鉄、マグネシウム、亜鉛、及びそれらの対応する合金を含む。内部層420Aを形成するために使用することができる適切なポリマの非限定的、非包括的な実例は、ポリ乳酸、チロシンポリカーボネート、サリチル酸、ポリDLラクチド、及びエベロリムスを含む。
【0122】
内部層420Aは、免疫抑制剤及び抗増殖剤など、ロケータ・アセンブリ400Aの血栓促進性及び炎症性の可能性を妨げるための薬剤を含むことができる。内部層420A内で使用可能な特定の非限定的、非包括的な薬剤は、シロリムス、パクリタキセル、及びエベロリムスを含む。しかしながら、任意の適切な、溶出可能薬剤を内部層420A内で利用することができることを認識されよう。
【0123】
外部層422Aは、ロケータ・アセンブリ400Aの設計要件に応じて可変であることができる。いくつかの実施例では、外部層422Aは、
図4Aに特に例示されるものとは異なって位置付けることができる。外部層422Aは、任意の適切な材料から形成することができる。特定の実施例では、外部層422Aは、潤滑性材料及び/又は連続的材料から少なくとも部分的に形成することができる。外部層422Aは、弾力性を有することができ、引き伸ばし可能であることができ、及び/又は伸縮自在であることができる。いくつかの実施例では、外部層422Aは、金属、プラスチック、合成物、ポリマ、被膜、生体適合材料、及び/又は生分解性材料から少なくとも部分的に形成することができる。外部層422Aを形成することができる適切な金属の非限定的、非包括的な実例は、鉄、マグネシウム、亜鉛、及びそれらの対応する合金を含む。外部層422Aを形成するために使用することができる適切なポリマの非限定的、非包括的な実例は、ポリ乳酸、チロシンポリカーボネート、サリチル酸、ポリDLラクチド、及びエベロリムスを含む。
【0124】
外部層422Aは、免疫抑制剤及び抗増殖剤など、ロケータ・アセンブリ400Aの血栓促進性及び炎症性の可能性を妨げるための薬剤を含むことができる。外部層422A内で使用可能な特定の非限定的、非包括的な薬剤は、シロリムス、パクリタキセル、及びエベロリムスを含む。しかしながら、任意の適切な、溶出可能薬剤を外部層422A内で利用することができることを認識されよう。
【0125】
図4Bは、ロケータ・アセンブリ400Bの更なる別の実施例の簡易化された端面図である。特に、
図4Bに例示される実施例では、ロケータ・アセンブリ400Bは、内部層420B及び外部層422Bを含む。内部層420B及び外部層420Bは、電極402B、コミュニケータ404B、コントローラ406B、ルーティング層408B、バッテリ410B、及び/又はデバイス本体412Bを含む、ロケータ・アセンブリ400Bの構成要素を実質的に包囲及び/又は保護するように協調して作用することができる。ロケータ・アセンブリ400B、電極402B、コミュニケータ404B、コントローラ406B、ルーティング層408B、バッテリ410B、デバイス本体412B、内部層420B、及び/又は外部層420Bは、
図4A及び本明細書で説明される他の実施例に関して説明されたロケータ・アセンブリ400A、電極402A、コミュニケータ404A、コントローラ406A、ルーティング層408A、バッテリ410A、デバイス本体412A、内部層420A及び/又は外部層420Aと実質的に同様であることができる。
【0126】
ロケータ・アセンブリ400Bは、ロックされた状態とロック解除された状態との間で移動可能である。
図4Bに例示される実施例では、ロックされた状態にあるロケータ・アセンブリ400Bが示される。いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリ400Bは、ロック解除された状態にあると共に、外部層422Bは、ロケータ・アセンブリ400Bの残りから別々に展開することができる。他の実施例では、外部層422Bは、展開位置(例えば、
図5A~
図5B、
図6に表示される位置)において展開されたままであることができると共に、ロケータ・アセンブリ400Bの残りは、展開位置から取り外される。展開位置において外部層422B内で新たなロケータ・アセンブリ400Bが展開及び係合することができる。特定の実施例では、ロケータ・アセンブリ400Bは、ロック・アセンブリ480を含むことができる。
【0127】
ロック・アセンブリ480は、ロケータ・アセンブリ400B及び/又はデバイス本体412Bの残りと外部層422Bをロックすること及び/又は分離することを促進することができる。例えば、ロック・アセンブリ480は、展開カテーテル524(
図5に例示される)の機械的操作によって、ロケータ・アセンブリ400B及び/又はデバイス本体412Bの残りから外部層422Bをロックすること及び/又は分離することを促進することを有効にする。展開カテーテル524は、ロック・アセンブリ480をロック及びロック解除することができ、その結果、ロケータ・アセンブリ400Bは、外部層422Bに対して別々に位置することが可能である。他の実施例では、患者、臨床医、及び/又は外部デバイス105(
図1に例示された)は、展開カテーテル524の機械的操作なしに、ロック・アセンブリ480をロック及びロック解除することができる。例えば、いくつかの実施例では、外部デバイス105は、ロック・アセンブリ480をロック及びロック解除するために、ロック・アセンブリ480に、ロック・コマンド及び/又はロック解除コマンドを無線で送信することができる(例えば、コミュニケータ404Bを介して)。
【0128】
ロック・アセンブリ480は、ロケータ・アセンブリ400及び/又は外部層422の設計要件に応じて可変であることができる。ロック・アセンブリ480は、本明細書で特に示され及び/又は説明されるもの以外の追加の構成要素、システム、サブシステム、及び要素を含むことができることが理解されよう。加えて又は代わりに、ロック・アセンブリ480は、本明細書で特に示され及び/又は説明される構成要素、システム、サブシステム、及び要素のうちの1つ又は複数を省略することができる。いくつかの実施例では、ロック・アセンブリ480及びロック・アセンブリ480の様々な構成要素は、
図4Bに特に例示されるものとは異なる方式で位置付けることができる。
【0129】
ロック・アセンブリ480は、第1のロック機構482及び第2のロック機構484を含むことができる。第1のロック機構482及び第2のロック機構484は、互いにロック及び/又は係合し、その結果、外部層422Bは、ロケータ・アセンブリ400B及び/又はデバイス本体412Bに確保される。第1のロック機構482は、ロケータ・アセンブリ400Bのデバイス本体412B及び/又は任意の適切な構成要素に結合することができる。第2のロック機構484は、ロケータ・アセンブリ400Bの外部層422B及び/又は任意の適切な構成要素に結合することができる。
【0130】
ロック・アセンブリ480は、
図4Bにおける2つのロック機構を含むと共に、ロック・アセンブリ480は、ロケータ・アセンブリ400B及び/又はデバイス本体412Bに外部層422Bをロック及び/又は係合することを可能にする任意の数のロック及び/又は係合構造又は要素を含むことができることを認識されよう。いくつかの実施例では、非限定的、非包括的な実例として、第1のロック機構482及び第2のロック機構484は、雄/雌フックアップ・アセンブリ、ティース/リセス・アセンブリ、タング/溝アセンブリ、ラッチ、アンカ、カップリング、インタロッキング・ショルダ、ボルト、ケーブル、クランプ、コネクタ、フック、ループ、フランジ突起、ジョイント、シーム、チャネル、ガイド、リンケージ、トラック、及び/又はトレイのうちの1つ又は複数を含むことができる。第1のロック機構482及び第2のロック機構484は、理解を容易にするために簡易化されている。
【0131】
図4Cは、
図4Bに示されたロケータ・アセンブリ400Bの実施例の部分の簡易化された端面図である。
図4Cに示されるように、電極402B、コミュニケータ404B、コントローラ406B、ルーティング層408B、バッテリ410B、デバイス本体412B、内部層420B、及び/又は第1のロック機構482を含むロケータ・アセンブリ400Bは、外部層422B及び/又は第2のロック機構484から選択的にロック解除及び/又は離脱することができる。
【0132】
図4Dは、
図4Bに示されたロケータ・アセンブリの実施例の更なる別の部分の簡易化された端面図である。
図4Dに示されるように、外部層422B及び/又は第2のロック機構484は、電極402B、コミュニケータ404B、コントローラ406B、ルーティング層408B、バッテリ410B、デバイス本体412B、内部層420B、及び/又は第1のロック機構482から選択的にロック解除及び/又は離脱することができる。
【0133】
図5Aは、ロケータ・アセンブリ500の一実施例と、展開カテーテル524、ガイドワイヤ525、及びバルーン526の実施例との簡易化された部分的に透過な図である。
図5Aに例示されるように、ロケータ・アセンブリ500は、中心臓静脈528の近くの心臓101(
図1に例示された)の冠状静脈洞527内に位置付けられる。
【0134】
展開カテーテル524は、心臓101の部分内でロケータ・アセンブリ500を展開する。展開カテーテル524は、展開カテーテル524が拡張可能なステントを展開するのと同一又は同様の方式でロケータ・アセンブリ500を展開することができる。展開カテーテル524は、冠状静脈洞527内のターゲット・サイトにロケータ・アセンブリ500を前進させることができる。いくつかの実施例(
図5A~
図5Bに示される実施例など)では、ターゲット・サイトは、冠状静脈洞527と中心臓静脈528との間の分岐の近くにあることができる。
図5A~
図5Bに例示されるターゲット・サイトは、例証的であるにすぎず、ロケータ・アセンブリ500は、患者内の任意の適切なポジション内に展開することができることを認識されよう。展開カテーテル524は、デバイスが、縮小した状態、拡張した状態、又はその間の状態(
図5Aでは、縮小した状態にあるロケータ・アセンブリ500が示される)にある間に、ロケータ・アセンブリ500を展開することができる。
【0135】
展開カテーテル524は、ロケータ・アセンブリ500の設計要件に応じて可変であることができる。展開カテーテル524は、本明細書で特に示され及び/又は説明されるもの以外の追加の構成要素、システム、サブシステム、及び要素を含むことができることが理解されよう。加えて又は代わりに、展開カテーテル524は、本明細書で特に示され及び/又は説明される構成要素、システム、サブシステム、及び要素のうちの1つ又は複数を省略することができる。特に、理解を容易にするために、
図5A~
図5Bにおける展開カテーテル524が簡易化されており、展開カテーテル524の一部の要素が省略されている。いくつかの実施例では、展開カテーテル524は、
図5A~
図5Bに特に例示されるものとは異なって位置付けることができる。
【0136】
いくつかの実施例では、展開カテーテル524は、経皮経カテーテル又は任意の適切なカテーテルであることができる。展開カテーテル524は、ガイドワイヤ525及びインフレータブル・バルーン526(本明細書で単純に「バルーン」と称されることがある)を含むことができる。展開カテーテル524は、ガイドワイヤ525にわたって移動するように構成することができる。
【0137】
ガイドワイヤ525は、展開カテーテル524の開口を通じて構成要素を前進させることができる(ロケータ・アセンブリ500及び/又はバルーン526など)。ガイドワイヤ525は、患者の身体内で展開カテーテル524と同時に前進することができる。ガイドワイヤ525は、ロケータ・アセンブリ500及び/又は展開カテーテル524の設計要件に応じて可変であることができる。いくつかの実施例では、ガイドワイヤ525は、
図5A~
図5Bに特に例示されるものとは異なって位置付けることができる。
【0138】
バルーン526は、展開カテーテル524及び/又はガイドワイヤ525に結合することができる。バルーン526は、縮小した状態と拡張した状態との間でロケータ・アセンブリ500を移動させるように膨張可能であることができる。バルーン526は、ロケータ・アセンブリ500が拡張した状態から縮小した状態に移動した後、ロケータ・アセンブリ500の内部から収縮すること、及び取り外すことができる。バルーン526はまた、ロケータ・アセンブリ500が縮小した状態と拡張した状態との間にあるとき、ロケータ・アセンブリ500の内部から収縮すること、及び取り外すことができる。
【0139】
バルーン526は、ロケータ・アセンブリ500、展開カテーテル524、及び/又はガイドワイヤ525の設計要件に応じて可変であることができる。いくつかの実施例では、バルーン526は、
図5A~
図5Bに特に例示されるものとは異なって位置付けることができる。
図5A~
図5Bに例示されるバルーン526は、理解を容易にするために簡易化されている。
【0140】
図5Bは、ロケータ・アセンブリ500の一実施例と、展開カテーテル524、ガイドワイヤ525、及びバルーン526の一実施例との簡易化された、透過な図である。
図5Bに示される実施例では、ロケータ・アセンブリ500は、心臓101(
図1に例示された)の冠状静脈洞526内に位置付けることができ、拡張した状態にあるロケータ・アセンブリ500が示される。
図5Bに示されるように、ガイドワイヤ525は、ロケータ・アセンブリ500の内部からバルーン526を引き抜くことができる。バルーン526は、展開カテーテル524の内部でそれが縮小することができるように収縮することができる。
【0141】
図6は、右心房601a及び左心房601bを含む心臓601と、心臓601内又はその近くの不整脈原性病巣632の位置を決定するロケータ・アセンブリ600の一実施例との簡易化された例示である。
図6では、ロケータ・アセンブリ600は、心臓601の部分内に位置付けられる。理解を容易にするために、
図6は、心臓601内の洞調律病巣630、不整脈原性病巣632、及び予測された病巣634の例示的な位置を表示する。
【0142】
洞調律病巣630は、患者の正常な洞調律のフォーカル・ポイント(focal point)である。特に、いくつかの実施例では、洞調律病巣630は、洞心房結節からなど、正常な洞調律の電気的活性化シーケンスの根源を表す。洞調律病巣630におけるロケータ・アセンブリ600によって記録された電気的活性化シーケンス信号アレイの1つの実例は、
図7において左列内に例示される。
【0143】
図6に例示される不整脈原性病巣632は、患者の不整脈のフォーカル・ポイントの1つの実際の位置を表す。
図6に示される不整脈原性病巣632は、例証的及び/又は代表的であるにすぎず、心臓601内及び/又はその近くのいずれかの場所に位置することができることを認識されよう。
【0144】
図6における予測された病巣634は、予測された病巣634が実際の不整脈原性病巣632と同一であるか又は異なるかどうかを決定及び/又は確認するための人工的刺激の位置を表す。予測された病巣634及び不整脈原性病巣632は、本明細書で更に詳細に説明されるように、同一の位置(本明細書で「整合状態」と称される)又は異なる位置(本明細書で「非整合状態」と称される)に位置することができる。
【0145】
人工的刺激は、非包括的な実例として、切除カテーテル、電気的刺激、及び/又はペースメーカを含む、本分野において既知の任意の適切なデバイスを使用して発生することができる。人工的刺激デバイスは、患者への人工的刺激デバイスの1つの操作及び/又は挿入の間に任意の適切な数の予測された病巣634を刺激することができる。言い換えると、人工的刺激デバイスは、間断なく、様々な予測された病巣634位置を試験することができる。
【0146】
図7は、ロケータ・アセンブリ100(例えば、
図1に例示された)によって収集された電気信号アレイ・データを表示する簡易化された図である。
図7に示されるように、双極318a~bb(
図3に例示された)によって収集された信号アレイ・データは、電気信号719a~bbとして降順の行内で例示される。例えば、
図7は、洞調律病巣630(
図6に例示された)からロケータ・アセンブリ100によって収集された洞信号アレイ731と、不整脈原性病巣632(
図6に例示された)からロケータ・アセンブリ100によって収集された第1の信号アレイ733と、予測された病巣634(
図6に例示された)からロケータ・アセンブリ100によって収集された第2の信号アレイ735とを例示する。
【0147】
図7は、外部デバイス105(
図1に例示された)のグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)上で表示されるような洞信号アレイ731、第1の信号アレイ733、及び第2の信号アレイ735を例示する。洞信号アレイ731、第1の信号アレイ733、及び/又は第2の信号アレイ735の実際の表示は、
図7に示されるものとは異なって見えることができ、
図7に例示される洞信号アレイ731、第1の信号アレイ733、及び第2の信号アレイ735は、理解を容易にするために1つのタイプの表示として提供され、いずれかの方式で限定することを意図していないことが理解されよう。任意の他の適切な視覚的及び/又は聴覚的表示が考えられ、代替的な実施例として含まれることが意図される。更に代替として、触覚応答を、洞信号アレイ731、第1の信号アレイ733、及び第2の信号アレイ735の表示に組み込むことができる。
【0148】
洞信号アレイ731は、患者の正常な洞調律の間に冠状静脈洞527(
図5に例示された)内に植え付けられたロケータ・アセンブリ100によって記録された電気的活性化シーケンスを例示する。特に、洞信号アレイ731は、降順の行内で、対応する電気信号719a~bbを生成するように双極318a~bbの各々によって記録される。例えば、双極318aは、患者の正常な洞調律の間に洞調律病巣630から電気信号719aを受信し、電気信号719aは次いで、洞信号アレイ731の第1の行内に表示される。各々の追加の双極318b~318bbは同様に、対応する電気信号319b~319bbを受信し、対応する電気信号319b~319bbは次いで、同様に、洞信号アレイ731の後続の行内に表示される。
【0149】
洞信号アレイ731は、心臓インパルス根源の2つの源の間の異なるシーケンスの比較可能な評価のために使用することができる。特に、洞信号アレイ731は、洞調律の患者の電気的活性化シーケンスを表すことができる。洞信号アレイ731は、第1の信号アレイ733及び/又は第2の信号アレイ735との比較において使用することができる。
【0150】
図7に例示される実施例では、洞信号アレイ731は、洞信号アレイ731内の垂直直線として表されるイベント開始738Aを含む。イベント開始738Aは、例えば、洞調律病巣(又は、洞心房結節)から生じる電気信号を含む電気生理学的イベントなど、実際のイベントの発現を表す。イベント開始738Aは、その後に電気信号719a~bbが発生する時間(T
0など)を表す。
【0151】
第1の信号アレイ733は、不整脈原性病巣632に位置し、患者の心房細動の臨床的病相の間に冠状静脈洞527内に植え付けられたロケータ・アセンブリ100によって記録された電気的活性化シーケンスを例示する。特に、第1の信号アレイ733は、降順の行内で、対応する電気信号719a~bbを生成するように、双極318a~bbの各々によって記録される。例えば、双極318aは、患者の心房細動の臨床的病相の間に電気的活性化シーケンスを記録し、対応する電気信号719aは、第1の信号アレイ733の第1の行内に表示される。第1の信号アレイ733は、本明細書で更に詳細に提供されるように、第2の信号アレイ735との比較において使用することができる。
【0152】
図7に例示される実施例では、第1の信号アレイ733は、第1の信号アレイ733内で垂直直線として表されるイベント開始738Bを含む。イベント開始738Bは、例えば、不整脈原性病巣632から生じる電気信号を含む電気生理学的イベントなど、実際のイベントの開始を表す。イベント開始738Bは、その後に電気信号719a~bbが発生する時間(T
0など)を表す。
【0153】
第2の信号アレイ735は、予測された病巣634において取られ、予測された病巣634の患者の人工的刺激の間に冠状静脈洞527内に植え付けられたロケータ・アセンブリ100によって記録された電気的活性化シーケンスを例示する。特に、第2の信号アレイ735は、降順の行内で、対応する電気信号719a~bbを生成するように、双極318a~bbの各々によって記録される。例えば、双極318aは、予測された病巣634における患者の人工的刺激の間に電気的活性化シーケンスを記録し、対応する電気信号719aは、第2の信号アレイ735内の第1の行上で表示される。第2の信号アレイ735は、本明細書で更に詳細に提供されるように、第1の信号アレイ733との比較において使用することができる。
【0154】
図7に例示される実施例では、第2の信号アレイ735は、第2の信号アレイ735内で垂直直線として表されるイベント開始738Cを含む。イベント開始738Cは、例えば、予測された病巣634から生じる電気信号を生成する人工的刺激など、実際のイベントの開始を表す。イベント開始738Cは、その後に電気信号719a~bbが発生する時間(T
0など)を表す。
【0155】
図8は、不整脈原性病巣632(
図6に例示された)を特定する方法の1つの実施例の間に生成された、第1の信号アレイ833及び第2の信号アレイ835を互いに重畳したものを例示する簡易化された図である。
図8では、非整合状態にある重畳が示される。
図8に表示される実施例に示されるように、電気信号819a~bbは、降順の行内で双極318a~bb(
図3に例示された)によって記録される。
【0156】
図8に例示される実施例では、第1の信号アレイ833は、第1の信号アレイ833内で垂直直線として表されるイベント開始838Bを含み、第2の信号アレイ835は、第2の信号アレイ835内で垂直直線として表されるイベント開始838Cを含む。この実施例では、イベント開始838B、838Cは位置合わせされ、よって、第1の信号アレイ833と第2の信号アレイ835との間の直接の比較を達成することができる。
図8に表示される重畳に基づいて、臨床医及び/又は患者は、不整脈原性病巣632及び予測された病巣634(
図6に例示された)が相互として同一の位置にないと決定及び/又は確認することができる。この実施例では、信号アレイ833、835は、実質的に同様又は同一でない。
【0157】
不整脈原性病巣632及び予測された病巣634が相互として同一の位置にない(例えば、非整合状態にある)と決定する際に臨床医及び/又は患者を支援するために、否定的感覚反応をロケータ・アセンブリ100(
図1に例示された)、展開カテーテル524(
図5に例示された)、及び/又は関連するシステムに組み込むことができる。例えば、いくつかの実施例では、否定的感覚反応を、信号アレイ833、835の表示に、又は展開カテーテル524のハンドル(図示せず)に組み込むことができる。否定的感覚反応は、タッチ及び/又は動きの振動又は同様の刺激であることができる。否定的感覚反応を、展開カテーテル524又は任意の適切なシステム及び/若しくはデバイスの任意の適切な部分上に含めることができる。他の実施例では、否定的音声反応は、重畳が非整合状態にあるときにトリガされるビープ又は任意の適切な音声フィードバックを含むことができる。特定の実施例では、否定的視覚的反応は、重畳が非整合状態にあるときに赤色視覚的インジケータ及び/又は任意の適切な視覚的インジケータを含むことができる。
【0158】
図9は、不整脈原性病巣632(
図6に例示された)の位置を決定する方法の一実施例の間に生成された、第1の信号アレイ933及び第2の信号アレイ935を互いに重畳したものを例示する簡易化された図であり、整合状態にある重畳が示される。
図9に表示される実施例に示されるように、電気信号919a~bbは、降順の行内で双極318a~bb(
図3に例示された)によって記録される。
【0159】
図9に例示される実施例では、第1の信号アレイ933は、第1の信号アレイ933内で垂直直線として表されるイベント開始938Bを含み、第2の信号アレイ935は、第1の信号アレイ935内で垂直直線として表されるイベント開始938Cを含む。この実施例では、イベント開始938B、938Cは位置合わせされ、よって、第1の信号アレイ933と第2の信号アレイ935との間の直接の比較を達成することができる。
図9に表示される重畳に基づいて、信号アレイ833、835が実質的に同様又は同一であることを理由に、臨床医及び/又は患者は、不整脈原性病巣632及び予測された病巣634(
図6に例示された)が相互として同一の位置にあると決定及び/又は確認することができる。
【0160】
不整脈原性病巣632及び予測された病巣634が相互として同一の位置にある(例えば、整合状態にある)と決定する際に臨床医及び/又は患者を支援するために、肯定的感覚反応をロケータ・アセンブリ100(
図1に例示された)、展開カテーテル524(
図5に例示された)、及び/又は関連するシステムに組み込むことができる。例えば、いくつかの実施例では、肯定的感覚反応を、信号アレイ833、835の表示に、又は展開カテーテル524のハンドル(図示せず)に組み込むことができる。肯定的感覚反応は、タッチ及び/又は動きの振動又は同様の刺激であることができる。肯定的感覚反応を、展開カテーテル524又は任意の適切なシステム及び/若しくはデバイスの任意の適切な部分上に含めることができる。他の実施例では、肯定的音声反応は、重畳が整合状態にあるときにトリガされるビープ又は任意の適切な音声フィードバックを含むことができる。特定の実施例では、肯定的視覚的反応は、重畳が整合状態にあるときに緑色視覚的インジケータ及び/又は任意の適切な視覚的インジケータを含むことができる。
【0161】
図10は、心臓内の不整脈原性病巣の位置を決定する方法の1つの実施例を概略するフローチャートである。本明細書における開示に係る方法は、
図10に関連して示され、説明されるステップよりも多くの又は少ないステップを含むことができることが理解されよう。方法は、
図10に例示される1つ又は複数のステップを省略することができる。方法は、
図10に示されず、説明されない追加のステップを追加することができ、更に本発明の権限内に収まる。更に、ステップの順番は、
図10に関連して示され、説明される順番から可変であることができる。
図10に例示されるステップの順番は、いずれかの方式でステップの順番に限定することを意図していない。
【0162】
図10に例示される実施例では、ステップ1040において、ロケータ・アセンブリは、心臓内に位置付けられる。ロケータ・アセンブリは、心臓から電気信号を受信する複数の電極を含むことができる。ロケータ・アセンブリは、本明細書で説明されるものを含む、本分野において既知の任意の適切な方法を使用して心臓内に位置付けることができる。いくつかの実施例では、ロケータ・アセンブリは、患者の冠状静脈洞内に位置付けることができる。しかしながら、ロケータ・アセンブリの他の設計を本明細書で説明される方法によって利用することができる。ロケータ・アセンブリは、心臓に挿入されるように構成された拡張可能なステントを含むことができる。
【0163】
ステップ1042において、第1の信号アレイは、不整脈原性病巣の実際の位置を決定するように、ロケータ・アセンブリによって記録された電気信号から生成される。ロケータ・アセンブリは、電気信号を受信するために、双極性関係内に配列された複数の電極を使用することができる。複数の電極によって記録された電気信号は、心房電気活性化信号を含むことができる。本明細書で使用されるように、不整脈原性病巣はまた、心房細動が突然引き起こることの発展と関連付けられた人体内の任意のフォーカル位置(focal location)を含むことができる。
【0164】
ステップ1044において、心臓は、第2の信号アレイを生成するように、第1の信号アレイによって決定された実際の位置に基づいて人工的に刺激される。心臓を、本分野において既知の任意の適切なデバイスによって人工的に刺激することができる。第2の信号アレイは、患者の心房細動の臨床的病相の間に予測された病巣において取られ、ロケータ・アセンブリによって記録された電気的活性化シーケンスを含むことができる。
【0165】
ステップ1046において、第2の信号アレイは、第1の信号アレイ上に重畳される。信号アレイ・データの重畳は、
図8~
図9において例示された実施例と同一及び/又は同様の方式で完了することができる。いくつかの実施例では、重畳するステップは、外部デバイス上のグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)上で表示することができる。
【0166】
ステップ1048において、重畳された信号アレイが比較される。信号アレイが合致する場合、方法はステップ1050に進む。信号アレイが合致しない場合、方法は、ステップ1040において再開する。
【0167】
ステップ1050において、不整脈原性病巣の実際の位置が確認され、心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定する方法が完了される。
【0168】
図11は、心臓内の不整脈原性病巣の位置を決定する方法の1つの実施例を概略するフローチャートである。本明細書における開示に係る方法は、
図11に関連して示され、説明されるステップよりも多くの又は少ないステップを含むことができることが理解されよう。方法は、
図11に例示される1つ又は複数のステップを省略することができる。方法は、
図11に示されず、説明されない追加のステップを追加することができ、更に本発明の権限内に収まる。更に、ステップの順番は、
図11に関連して示され、説明される順番から可変であることができる。
図11に例示されるステップの順番は、いずれかの方式でステップの順番に限定することを意図していない。
【0169】
図11に例示される実施例では、ステップ1152において、ロケータ・アセンブリは、心臓内に位置付けられる。ロケータ・アセンブリは、心臓から電気信号を受信する複数の電極を含むことができる。しかしながら、ロケータ・アセンブリの他の設計は、本明細書で説明される方法と共に使用することができる。
【0170】
ステップ1154において、第1の信号アレイは、不整脈原性病巣の実際の位置を決定するように、ロケータ・アセンブリによって受信された電気信号から生成される。
【0171】
ステップ1156において、心臓は、第2の信号アレイを生成するように、第1の信号アレイによって決定された実際の位置に基づいて人工的に刺激される。心臓を、本分野において既知の任意の適切なデバイスによって人工的に刺激することができる。
【0172】
ステップ1158において、第2の信号アレイは、第1の信号アレイ上に重畳される。信号データの重畳は、
図8~
図9に例示された実施例と同一及び/又は同様であることができる。いくつかの実施例では、重畳するステップは、外部デバイス上のグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)上で表示することができる。
【0173】
ステップ1160において、重畳された信号アレイが比較される。信号アレイが合致する場合、方法はステップ1162に進む。信号アレイが合致しない場合、方法は、ステップ1156において再開する。
【0174】
ステップ1162において、不整脈原性病巣の実際の位置が確認され、心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定する方法が完了される。
【0175】
図12は、心臓内の不整脈原性病巣の位置を決定する方法の1つの実施例を概略するフローチャートである。本明細書における開示に係る方法は、
図12に関連して示され、説明されるステップよりも多くの又は少ないステップを含むことができることが理解されよう。方法は、
図12に例示される1つ又は複数のステップを省略することができる。方法は、
図12に示されず、説明されない追加のステップを追加することができ、更に本発明の権限内に収まる。更に、ステップの順番は、
図12に関連して示され、説明される順番から可変であることができる。
図12に例示されるステップの順番は、いずれかの方式でステップの順番に限定することを意図していない。
【0176】
図12に例示される実施例では、ステップ1264において、ロケータ・アセンブリは、心臓内に位置付けられる。ロケータ・アセンブリは、心臓から電気信号を受信する複数の電極を含むことができる。しかしながら、ロケータ・アセンブリの他の設計は、本明細書で説明される方法と共に使用することができる。
【0177】
ステップ1266において、第1の信号アレイは、ロケータ・アセンブリによって受信された電気信号から生成される。
【0178】
ステップ1268において、不整脈原性病巣の実際の位置が決定される。
【0179】
ステップ1270において、心臓は、第2の信号アレイを生成するように、第1の信号アレイによって決定された実際の位置に基づいて人工的に刺激される。心臓を、本分野において既知の任意の適切なデバイスによって人工的に刺激することができる。
【0180】
ステップ1272において、第1の信号アレイ及び第2の信号アレイのうちの少なくとも1つは、プロセッサにより処理される。
【0181】
ステップ1274において、第1の信号アレイ及び第2の信号アレイは重畳される。
【0182】
ステップ1276において、重畳された信号アレイは、グラフィカル・ユーザ・インタフェース上で表示される。信号データの重畳は、
図8~
図9に例示された実施例と同一及び/又は同様であることができる。
【0183】
ステップ1278において、不整脈原性病巣の実際の位置は、重畳された信号アレイを使用して確認される。
【0184】
本技術は、不整脈原性病巣の位置を決定するシステム、デバイス、及び方法を提供する。ロケータ・アセンブリは、内部層/外部層などの保護的材料を利用することができ、薬剤溶出を実装することができる。溶出した薬剤は、その最終位置において膨張したロケータ・アセンブリによって血栓促進性及び炎症性の可能性を妨げるように、経時的に解放される。加えて、本技術は、ロケータ・アセンブリを構成する様々な要素(集積回路、ルーティング層、バッテリ、アンテナ)をホストするように、内部層と外部層との間で安全な筐体を提供する。
【0185】
本明細書で提供されるシステム、デバイス、及び方法は、配送可能ロケータ・アセンブリ、特に、心房細動のフォーカル・ポイントの位置を決定するために複数のバイポーラ電極を利用するロケータ・アセンブリの性能、信頼性、及び適切な使用による複数の潜在的な問題に対処する。本明細書で開示されるシステム、デバイス、及び方法によって解決される特定の課題は、以下を含む:
1)本明細書で開示される技術は、患者の日々の生活の間の臨床的心房細動の突然引き起こる病相のマッピングを有効にするために、配送可能ロケータ技術を改善し、
2)本明細書で開示される技術は、心房細動のフォーカル・ポイントの位置の決定の精度を高め、
3)本明細書で開示される技術は、心房細動のフォーカル・ポイントの位置を決定する時間を低減させ、
4)本明細書で開示される技術は、患者内に植え付けられる間にロケータ・アセンブリについての再充電能力を提供し、
5)本明細書で開示される技術は、ロケータ・アセンブリが配送される、及び取り外されるときの血栓形成及び壁出血のリスクを低減させる。
【0186】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容及び/又はコンテキストが明確に他に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意すべきである。また、用語「又は」は、内容及び/又はコンテキストが明確に他に指示しない限り、全体的に「及び/又は」を含むその意味で使用されることに留意すべきである。
【0187】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるフレーズ「構成される」は、特定のタスクを実行するか、又は特定の構成を採用するように構築又は構成されたシステム、装置、又は他の構造を表すことにも留意すべきである。フレーズ「構成される」は、配列される及び構成される、構築される及び配列される、構築される、製造される、及び配置されるなどの他の同様のフレーズと交換可能に使用することができる。
【0188】
本明細書で使用される見出しは、連邦法施行規則第37巻1.77に基づく提案との一貫性のため、又は組織上の手がかりを提供するために提供される。これらの見出しは、本開示から発行され得る任意の特許請求の範囲に記載された発明を限定し、又は特徴付けるものとしてみなされるべきではない。一例として、「背景技術」における技術の説明は、その技術が本開示における任意の発明の先行技術であることを認めるものではない。「発明の概要」又は「要約」も、発行された特許請求の範囲に記載されている発明を特徴付けるとして認めるものではない。
【0189】
本明細書で説明される実施例は、包括的であること、又は本明細書で提供される詳細な説明に開示される正確な形態に本発明を限定することを意図されない。むしろ、実施例は、他の当業者が原理及び実践を認識及び理解することができるように選択及び説明される。したがって、様々な特定の好ましい実施例及び技術を参照して態様が説明されてきた。しかしながら、本明細書の精神及び範囲内に留まりながら、多くの変形及び修正が行われることが理解されよう。
【0190】
不整脈原性病巣の位置を決定するシステム、デバイス、及び方法のいくつかの異なる実施例が本明細書で例示され、説明されてきたが、そのような組合せが本発明の意図を満たすと仮定して、いずれか1つの実施例の1つ又は複数の特徴は、他の実施例のうちの1つ又は複数の1つ又は複数の特徴と組み合わせることができる。
【0191】
不整脈原性病巣の位置を決定するシステム、デバイス、及び方法のいくつかの例示的な態様及び実施例が上記議論されてきたと共に、当業者は、それらの特定の修正、置換、追加、及び下位の組合せを認識するであろう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲及びこれから導入される特許請求の範囲は、その真の精神及び範囲内にある全てのそのような修正、置換、追加、及び下位の組合せを含むものと解釈されることが意図されることになり、示される本明細書における構造又は設計の詳細に対する制限は意図されない。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定する方法であって、
前記心臓内にロケータ・アセンブリを位置付けるステップであって、前記ロケータ・アセンブリは、前記心臓から電気信号を受信する複数の電極を含む、ステップと、
前記不整脈原性病巣の実際の位置を決定するように、前記複数の電極によって受信された前記電気信号から第1の信号アレイを生成するステップと、
第2の信号アレイを生成するように、前記第1の信号アレイによって決定された前記実際の位置に基づいて、前記心臓を人工的に刺激するステップと、
前記第1の信号アレイを前記第2の信号アレイと比較することによって、前記不整脈原性病巣の前記実際の位置を確認するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ロケータ・アセンブリは、複数のバイポーラ電極を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
グラフィカル・ユーザ・インタフェース上で前記第1の信号アレイ及び前記第2の信号アレイを表示するステップを更に含む、請求項1から2までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記グラフィカル・ユーザ・インタフェース上で前記第1の信号アレイ及び前記第2の信号アレイを互いに重畳するステップを更に含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ロケータ・アセンブリは、前記ロケータ・アセンブリの
、少なくとも前記複数の電極を含む、1つ又は複数の構成要素を保護するように協調して作用するように構成された内部層及び外部層を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記内部層及び前記外部層のうちの少なくとも1つは、前記ロケータ・アセンブリの血栓促進性及び炎症性の可能性を妨げるように構成された溶出薬剤を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
位置付ける前記ステップは、経皮経カテーテルで前記心臓の冠状静脈洞に前記ロケータ・アセンブリを展開することを含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
位置付ける前記ステップは、前記ロケータ・アセンブリが前記心臓と円周方向に接触するように、前記ロケータ・アセンブリを拡張するようにバルーンを膨張させることを含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定する方法であって、
前記心臓内にロケータ・アセンブリを位置付けるステップであって、前記ロケータ・アセンブリは、前記心臓から電気信号を受信する複数の電極を含む、ステップと、
前記不整脈原性病巣の実際の位置を決定するように、前記複数の電極によって受信された前記電気信号から第1の信号アレイを生成するステップと、
第2の信号アレイを生成するように、前記第1の信号アレイによって決定された前記実際の位置に基づいて、前記心臓を人工的に刺激するステップと、
グラフィカル・ユーザ・インタフェース上で前記第1の信号アレイ及び前記第2の信号アレイを重畳するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記ロケータ・アセンブリは、前記心臓に挿入されるように構成された拡張可能なステントを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ロケータ・アセンブリは、前記ロケータ・アセンブリに沿って縦方向に位置付けられた複数の電極を含む、請求項9から10までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ロケータ・アセンブリは、前記複数の電極を相互接続する複数のルーティング層を含み、前記複数のルーティング層は、各々が伸縮自在である、請求項9から11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ロケータ・アセンブリは、前記ロケータ・アセンブリと外部デバイスとの間の通信を可能にするように構成されたコミュニケータを含む、請求項9から12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ロケータ・アセンブリは、(i)電力を貯蔵し、(ii)前記ロケータ・アセンブリの1つ又は複数の構成要素に電力供給するように構成されたバッテリを含む、請求項9から13までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ロケータ・アセンブリは、インフレータブル・バルーンを使用して拡張可能になるように構成された内部直径を含む、請求項9から14までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ロケータ・アセンブリは、前記ロケータ・アセンブリの外周の周りで等しく間隔を空けられた
、少なくとも前記複数の電極を含む、複数の構成要素を含む、請求項9から15までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ロケータ・アセンブリは、前記ロケータ・アセンブリの
、少なくとも前記複数の電極を含む、1つ又は複数の構成要素を保護するように協調して作用するように構成された内部層及び外部層を含む、請求項9から16までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ロケータ・アセンブリは、(i)前記ロケータ・アセンブリが縮小した直径を有する縮小した状態と、(ii)前記ロケータ・アセンブリが拡張した直径を有する拡張した状態との間で移動可能であるように構成されている、請求項9から17までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記拡張した直径と前記縮小した直径との比率は、20:1未満であり、1:1よりも大きい、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
心臓内又はその近くの不整脈原性病巣の位置を決定する方法であって、
前記心臓内にロケータ・アセンブリを位置付けるステップであって、前記ロケータ・アセンブリは、前記心臓から電気信号を受信する少なくとも12個のバイポーラ電極を含む、ステップと、
前記不整脈原性病巣の実際の位置を決定するように、前記複数のバイポーラ電極によって受信された前記電気信号から第1の信号アレイを生成するステップと、
第2の信号アレイを生成するように、前記第1の信号アレイによって決定された前記実際の位置に基づいて、前記心臓を人工的に刺激するステップと、
グラフィカル・ユーザ・インタフェース上で前記信号アレイを互いに重畳するステップと、
前記重畳された信号アレイを比較することによって、前記不整脈原性病巣の前記実際の位置を確認するステップと
を含む、方法。
【国際調査報告】