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特表2024-538943係止可能なプランジャを用いた外科的インプラント送達
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】係止可能なプランジャを用いた外科的インプラント送達
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/16 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A61F2/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519028
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 IB2022060155
(87)【国際公開番号】W WO2023073521
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/263,099
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ハーレン ファン
(72)【発明者】
【氏名】インホイ ウー
(72)【発明者】
【氏名】アール.ミッチェル シェリー
(72)【発明者】
【氏名】スダルシャン シン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA25
4C097BB04
4C097CC01
4C097EE00
4C097MM09
4C097SA10
(57)【要約】
キートラック(410)を含むハウジング(130)と、ハウジング(130)を貫通するボア(215)と、ボア(215)内に少なくとも部分的に配置されたプランジャ(135)と、プランジャキー(205)とを含む、眼科手術用の装置(100)。プランジャ(135)は、レール(605)とキー溝(610)とを含み得、プランジャキー(205)は、キートラック(410)に結合されたキーガイド(705)と、キーガイド(705)に結合されたアーム(710)と、アーム(710)を貫通するレールスロット(715)とを含み得る。アーム(710)は、アーム(710)がキートラック(410)に沿って第1の位置から第2の位置に移動することを可能にするように、プランジャ(135)のキー溝(610)を通して配置され得る。アーム(710)は、第1の位置でレール(605)を阻止し、レール(605)がレールスロット(715)を通って移動できるように第2の位置でレールスロット(715)をレール(605)と位置合わせするように構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科手術用の装置であって、
キートラックを含むハウジングと、
前記ハウジングを貫通するボアと、
前記ボア内に少なくとも部分的に配置されたプランジャであって、レールとキー溝とを含む前記プランジャと、
プランジャキーであって、
前記キートラックに結合されたキーガイドと、
前記キーガイドに結合されたアームであって、前記アームが前記キートラックに沿って第1の位置から第2の位置に移動することを可能にするように、前記プランジャの前記キー溝を通して配置された前記アームと、
前記アームを貫通するレールスロットと、
を含む、前記プランジャキーと、
を含み、
前記アームは、前記第1の位置で前記レールを阻止し、前記レールが前記レールスロットを通って移動できるように前記第2の位置で前記レールスロットを前記レールと位置合わせするように構成される、
眼科手術用の装置。
【請求項2】
スナップ嵌合部を更に含み、前記スナップ嵌合部は、前記第1の位置から前記第2の位置に前記アームと共に移動可能であり、前記第2の位置で前記ハウジングに結合されて前記アームが前記第1の位置に向かって戻ることを防止するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
スナップ嵌合部を更に含み、前記スナップ嵌合部は、前記第1の位置から前記第2の位置に前記アームと共に移動可能であり、前記第1の位置で前記ハウジングに結合されて前記アームが前記キー溝から取り外されることを防止し、前記第2の位置で前記ハウジングに結合されて前記アームが前記第1の位置に向かって戻ることを防止するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記スナップ嵌合部は、カンチレバースナップ嵌合部である、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記スナップ嵌合部は湾曲している、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記スナップ嵌合部は、前記アームに結合される、請求項2~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記キー溝は、前記レールを貫通して配置される、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記プランジャは、ストッパを更に含み、
前記アームは、前記ストッパに係合して前記プランジャが前記ボアから外れることを防止するように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
インプラント送達システムのプランジャを係止するための装置であって、
前記インプラント送達システムのキートラックに沿って移動するように構成されたキーガイドと、
前記キーガイドに結合されたクロスバーであって、第1の端部と第2の端部とを有する前記クロスバーと、
前記クロスバーの前記第1の端部に結合されたアームと、
前記クロスバーの遠位側で前記アームに結合された第1のスナップ嵌合部と、
前記クロスバーの前記第2の端部に結合された第2のスナップ嵌合部と、
前記アームを貫通するレールスロットと、
を含み、
前記クロスバーは、前記アームが前記キートラックに対して第1の位置から第2の位置に移動することを可能にするように、前記キーガイドに結合され、前記第1の位置は、前記レールスロットを通る前記プランジャの移動を防止するように構成され、前記第2の位置は、前記レールスロットを通る前記プランジャの移動を可能にするように構成され、前記第1のスナップ嵌合部及び前記第2のスナップ嵌合部は、前記アームが前記第2の位置から前記第1の位置に戻ることを防止するように構成される、
装置。
【請求項10】
前記第1のスナップ嵌合部は、カンチレバースナップである、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記カンチレバースナップは、前記クロスバーの遠位側に湾曲端部を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のスナップ嵌合部は、前記クロスバーの遠位側の第1のフックと、前記クロスバーの近位側の第2のフックとを更に含み、前記第1のフック及び前記第2のフックは、前記インプラント送達システムに結合されるように構成される、請求項9又は10~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のフックは、前記第1の位置で前記インプラント送達システムに結合されるように構成された係止面を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第2のフックは、前記第2の位置で前記インプラント送達システムに結合されるように構成された係止面を含む、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記第2のフックは、
前記第1の位置で前記インプラント送達システムに接触するように構成された前方面と、
前記第2の位置で前記インプラント送達システムに結合されるように構成された係止面と
を含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記レールスロットは、前記アームを貫通するチャネルを含む、請求項9又は10~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記キーガイドは、前記クロスバーを貫通するチャネルを含む、請求項9又は10~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
眼科手術用の装置であって、
キートラックと、第1のキャッチと、第2のキャッチとを含むハウジングと、
前記ハウジングを貫通するボアと、
前記ボア内に少なくとも部分的に配置されたプランジャであって、レールとキー溝とを含む前記プランジャと、
プランジャキーであって、
前記キートラックに摺動自在に係合するように構成されたキーガイドと、
前記キーガイドに結合されたクロスバーと、
前記クロスバーに結合され、前記キー溝を通して配置された第1のカンチレバーアームと、
前記クロスバーの遠位側で前記第1のカンチレバーアームに結合された第1のスナップ嵌合部と、
前記クロスバーに結合された第2のカンチレバーアームと、
前記クロスバーに結合された第2のスナップ嵌合部と、
前記第1のカンチレバーアームを貫通するレールスロットと、
を含む、前記プランジャキーと、
を含み、
前記第1のカンチレバーアーム及び前記第2のカンチレバーアームは、前記キートラックに平行な第1の位置から第2の位置に前記クロスバーと共に移動可能であり、
前記第1の位置では、前記第1のカンチレバーアームは、前記レールスロットを通る前記レールの移動を防止するように構成され、前記第1のスナップ嵌合部は、前記第1のキャッチに係合して前記第1のカンチレバーアームが前記キー溝から外れることを防止するように構成され、前記第2のスナップ嵌合部は、前記第2のキャッチに係合して前記第1のカンチレバーアームが前記キー溝から外れることを防止するように構成され、
前記第2の位置では、前記第1のカンチレバーアームは、前記レールスロットを通る前記レールの移動を可能にするように構成され、前記第1のスナップ嵌合部は、前記第1のキャッチに係合して前記クロスバーが前記第2の位置から前記第1の位置に戻ることを防止するように構成され、前記第2のスナップ嵌合部は、前記第2のキャッチに係合して前記クロスバーが前記第2の位置から前記第1の位置に戻ることを防止するように構成される、
眼科手術用の装置。
【請求項19】
実質的に本明細書に記載されるシステム、装置、及び方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、発明者がHarlen Hoang、Yinghui Wu、Mitchell R.Sherry、及びSudarshan B.Singhである、2021年10月27日に出願された「SURGICAL IMPLANT DELIVERY WITH LOCKABLE PLUNGER」という名称の米国仮特許出願第63/263,099号明細書の優先権の利益を主張するものであり、その全体は、あたかも本明細書に十分且つ完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
添付の特許請求の範囲に記載される本発明は、概して、眼科手術に関する。より具体的には、限定されないが、特許請求される主題は、眼にインプラントを挿入するためのシステム、装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
人間の眼は、軽度の劣化から視力の完全な喪失までを引き起こし得る、多くの疾患に罹患する可能性がある。コンタクトレンズ及び眼鏡は、一部の疾患を補うことができるが、他の場合には眼科手術が必要になり得る。いくつかの例では、インプラントが有益である又は望ましい場合がある。例えば、眼内レンズは、眼内の濁った天然水晶体に取って代わり、視力を改善することができる。
【0004】
眼内レンズ及び他のインプラントの利点は既知であるが、送達システム、構成要素及びプロセスの改善は、結果を改善し、患者に利益をもたらすために継続されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
眼科手術のための新規且つ有用なシステム、装置、及び方法が添付の特許請求の範囲に記載される。特許請求される主題を当業者が作製及び使用することを可能にするために、例示的な実施形態も提供される。
【0006】
例えば、いくつかの実施形態は、キートラックを含むハウジングと、ハウジングを貫通するボアと、ボア内に少なくとも部分的に配置されたプランジャと、プランジャキーとを提供し得る。プランジャは、レールとキー溝とを含み得、プランジャキーは、キートラックに結合されたキーガイドと、キーガイドに結合されたアームと、アームを貫通するレールスロットとを含み得る。アームは、アームがキートラックに沿って第1の位置から第2の位置に移動することを可能にするように、プランジャのキー溝を通して配置され得る。アームは、第1の位置でレールを阻止し、レールがレールスロットを通って移動できるように第2の位置でレールスロットをレールと位置合わせするように構成され得る。
【0007】
より具体的な例では、スナップ嵌合部は、第1の位置から第2の位置にアームと共に移動可能であり、第2の位置でハウジングに結合されてアームが第1の位置に向かって戻ることを防止するように構成され得る。スナップ嵌合部は、追加的又は代替的に、第1の位置でハウジングに結合されてアームがキー溝から取り外されることを防止するように構成され得る。
【0008】
他の態様では、プランジャを係止するための装置は、インプラント送達システムのキートラックに沿って移動するように構成されたキーガイドと、キーガイドに結合されたクロスバーと、クロスバーの第1の端部に結合されたアームと、クロスバーの遠位側でアームに結合された第1のスナップ嵌合部と、クロスバーの第2の端部に結合された第2のスナップ嵌合部と、アームを貫通するレールスロットとを含み得る。アームがキートラックに対して第1の位置から第2の位置に移動することを可能にするように、クロスバーをキーガイドに結合することができる。第1の位置では、アームは、レールスロットを通るプランジャの移動を防止するように構成することができる。第2の位置では、アームは、レールスロットを通るプランジャの移動を可能にするように構成することができる。第1のスナップ嵌合部及び第2のスナップ嵌合部は、アームが第2の位置から第1の位置に戻ることを防止するように構成することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、眼科手術用の装置は、キートラックと、第1のキャッチと、第2のキャッチとを含むハウジングと、ハウジングを貫通するボアと、ボア内に少なくとも部分的に配置されたプランジャと、レールとキー溝とを含むプランジャと、プランジャキーとを含み得る。プランジャキーは、キートラックに摺動自在に係合するように構成されたキーガイドと、キーガイドに結合されたクロスバーと、クロスバーに結合され、キー溝を通して配置された第1のカンチレバーアームと、クロスバーの遠位側で第1のカンチレバーアームに結合された第1のスナップ嵌合部と、クロスバーに結合された第2のカンチレバーアームと、クロスバーに結合された第2のスナップ嵌合部と、第1のカンチレバーアームを貫通するレールスロットとを含み得る。第1のカンチレバーアーム及び第2のカンチレバーアームは、キートラックに平行な第1の位置から第2の位置にクロスバーと共に移動可能とすることができる。第1の位置では、第1のカンチレバーアームは、レールスロットを通るレールの移動を防止するように構成することができ、第1のスナップ嵌合部は、第1のキャッチに係合して第1のカンチレバーアームがキー溝から外れることを防止するように構成することができ、第2のスナップ嵌合部は、第2のキャッチに係合して第1のカンチレバーアームがキー溝から外れることを防止するように構成することができる。第2の位置では、第1のカンチレバーアームは、レールスロットを通るレールの移動を可能にするように構成することができ、第1のスナップ嵌合部は、第1のキャッチに係合して第1のカンチレバーアームが第2の位置から第1の位置に戻ることを防止するように構成することができ、第2のスナップ嵌合部は、第2のキャッチに係合して第2のカンチレバーアームが第2の位置から第1の位置に戻ることを防止するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態に関連して記載される特徴、要素、及び態様はまた、省略すること、組み合わせること、又は代替的な特徴に置換することができる。他の特徴、目的、利点、並びに特許請求の範囲される主題を作製及び使用する好ましい態様は、例示的な実施形態に関する添付の図面を参照して以下により詳細に記載される。
【0011】
添付図面は、いくつかの目的、利点並びに特許請求されるいくつかの実施形態を作製及び使用する好ましい態様を示す。例において、同様の参照番号は、同様の部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】眼内にインプラントを送達するための例示的な装置の補助図である。
図2図1の装置の別の補助図である。
図3図1の装置の断面図である。
図4図1の装置のいくつかの実施形態に関連し得るハウジングの正面図である。
図5図4のハウジングの側面図である。
図6図1の装置のいくつかの実施形態に関連し得るプランジャの一例の上面図である。
図7図1の装置のいくつかの実施形態に関連し得るプランジャキーの一例の側面図である。
図8図7のプランジャキーに関連し得るスナップ嵌合部の詳細図である。
図9図7のプランジャキーの上面図である。
図10A】切断線10-10に沿って切断した、図3の装置の断面図である。
図10B】切断線10-10に沿って切断した、図3の装置の断面図である。
図11図1の装置からインプラントを排出する例示的な方法を示す概略図である。
図12A】眼にインプラントを送達する図11の装置の例示的な使用を示す概略図である。
図12B】眼にインプラントを送達する図11の装置の例示的な使用を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の例示的な実施形態の説明は、添付の特許請求の範囲に記載される主題を当業者が作製及び使用することを可能にする情報を提供するが、当技術分野で既に公知の特定の詳細は省略する場合がある。従って、以下の詳細な説明は、例示的であり、限定的ではないものと解釈される。
【0014】
例示的な実施形態はまた、添付の図面に描かれた様々な要素間の空間的関係又は様々な要素の空間的な向きを参照して本明細書に記載され得る。概して、そのような関係又は向きは、インプラントを受け入れる姿勢にある患者に一致する又はそれに対する座標系を想定する。しかしながら、当業者に理解されるように、この座標系は、厳密な規定ではなく、単に記述的な便宜上のものである。
【0015】
図1は、眼内にインプラントを送達できる装置100の一例の補助図である。いくつかの実施形態では、装置100は2つ以上のモジュールを含み得、これらのモジュールは、保管、組み立て、使用及び廃棄のために、適宜、結合及び分離されるように構成することができる。図1に示されるように、装置100のいくつかの実施形態は、ノズル105と、ノズル105に結合されたインプラント区画110と、インプラント区画110に結合されたアクチュエータ115とを含み得る。
【0016】
ノズル105は、概して、切開を通しての眼への挿入用に適合された先端120を含む。先端120の大きさは、必要に応じて、外科的要件及び外科的手法に適合され得る。例えば、治癒時間を短縮又は最小化するために、小さい切開が一般に好ましい。いくつかの例では、2ミリメートル未満の切開が好ましいことがあり、いくつかの実施形態では、ノズル105の先端120は、2ミリメートル未満の幅を有し得る。
【0017】
インプラント区画110は、概して、眼内への送達前にインプラントを格納するのに適した多様な装置を表す。いくつかの実施形態では、インプラント区画110は、追加的又は代替的に、送達のためにインプラントを準備するように構成され得る。例えば、インプラント区画110のいくつかの実施形態は、アクチュエータ115のその後の動作による送達のためにインプラントを準備するように、外科医又は他のオペレータによって作動されるように構成され得る。いくつかの例では、インプラント区画110は、インプラントをノズル105内に前進させる前にインプラントの特徴を能動的に変形、伸長、拡張、又は他の手法で操作するように構成され得る。例えば、インプラント区画110は、眼内レンズの、支持部などの、1つ以上の特徴を折り畳む、押し込む、拡張する又は展開するように構成され得る。
【0018】
アクチュエータ115は、概して、インプラントをインプラント区画110からノズル105に、その後、ノズル105から切開を通して眼内に前進させるように構成される。図1のアクチュエータ115は、概して、ハウジング130と、プランジャ135とを含む。プランジャ135は、概して、医療グレードのポリマー材料などの実質的に剛性の材料から構成される。
【0019】
概して、装置100の構成要素は、直接的又は間接的に結合され得る。例えば、ノズル105は、インプラント区画110に直接結合され得、インプラント区画110を介してアクチュエータ115に間接的に結合され得る。結合は、流体的、機械的、熱的、電気的若しくは化学的結合(化学的付着など)、又はいくつかの状況では結合のいくつかの組み合わせを含み得る。例えば、インプラント区画110は、アクチュエータ115に機械的に結合され得、ノズル105に機械的及び流体的に結合され得る。いくつかの実施形態では、構成要素は、物理的近接、単一構造体に対する一体化、又は同一材料片からの形成によっても結合され得る。
【0020】
図2は、装置100の別の補助図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加の詳細を示す。例えば、図2の装置100は、ハウジング130上のキーマウント210に結合され得る、プランジャキー205を更に含む。ハウジング130は、概して、キーマウント210を通してプランジャ135を受け入れるように構成されたボア215を有する。キーマウント210のいくつかの実施形態は、図2の例に示されるように、プランジャキー205の一部分を受け入れるように構成されたキーボックス220を更に含み得る。
【0021】
図3は、図1の装置100の断面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加の詳細を示す。例えば、図3のボア215は、概して、第1の端部305から第2の端部310にハウジング130を長手方向に貫通し、プランジャ135は、ボア215内に少なくとも部分的に配置される。いくつかの例では、インプラント区画110は、ベース315と、ベース315に結合され得るキャップ320とを含む。ベース315は、いくつかの例では、アクチュエータ115から延び得る、又はアクチュエータ115に結合され得る。例えば、図3では、ベース315は、第1の端部305に近接してハウジング130に結合される。
【0022】
図4は、いくつかの実施形態に関連し得る追加の詳細を示す、図1のハウジング130の正面図である。いくつかの実施形態では、キーマウント210は、ハウジング130の第2の端部310に結合され得る。例えば、図4のキーマウント210は、概して、ハウジング130の第2の端部310に結合される、フランジ405を含む。キーマウント210は、キートラック410を追加的に含み得る。いくつかの実施形態では、キートラック410は、図4の例のように、隆起部若しくはレールを含み得る、又は隆起部若しくはレールから本質的になり得る。他の例では、キートラック410は、キーマウント210におけるチャネル若しくは溝を含み得る、又はチャネル若しくは溝から本質的になり得る。図4の例に示されるように、キーボックス220のいくつかの実施形態は、フランジ405に結合され、フランジ405から延び得る。
【0023】
図5は、いくつかの実施形態に関連し得る追加の詳細を示す、図4のハウジング130の側面図である。例えば、キーマウント210のいくつかの実施形態は、2つ以上のキートラック410を有し得る。図4の例では、キーマウント210は、第1のキートラック410と第2のキートラック410とを含み、第1のキートラック410及び第2のキートラック410は、互いに平行であり、ボア215の長手方向に略直交している。
【0024】
図6は、いくつかの実施形態に関連し得る追加の詳細を示す、プランジャ135の一例の上面図である。図6の例に示されるように、プランジャ135は、レール605、及びキー溝610などの、1つ以上の隆起部、レール、又は同様の特徴を含み得る。概して、レールの各々は、プランジャ135の一部分に沿って長さ方向に延在する。図6の例では、プランジャ135の一端部は、インプラントインターフェース615を更に含み、レール605は、インプラントインターフェース615とプランジャ135の反対側の端部との間にプランジャ135に沿って長さ方向に延在する。いくつかの例では、キー溝610は、レールのうちの1つに配置され得る。例えば、キー溝610は、レールの1つにおけるチャネル、溝、スロット、切り欠き、又は同様の特徴であり得る。図6に示されるように、キー溝610のいくつかの実施形態は、レール605を貫通して配置され得る。プランジャ135のいくつかの実施形態は、図6の例に示されるストッパ620などの、プランジャストッパを追加的に含み得る。
【0025】
図7は、いくつかの実施形態に関連し得る追加の詳細を示す、プランジャキー205の一例の側面図である。図7のプランジャキー205は、概して、キーガイド705と、アーム710と、アーム710を貫通するレールスロット715とを含む。図7の例に示されるように、アーム710は、キーガイド705に結合され得る。いくつかの例では、プランジャキー205は、クロスバー720を含み得る。図7に示されるように、アーム710は、いくつかの実施形態ではキーガイド705に間接的に結合され得る。より具体的には、いくつかの実施形態では、アーム710は、キーガイド705に結合され得る、クロスバー720の一端部に結合され得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、プランジャキー205は、1つ以上のスナップ嵌合部を追加的に含み得る。例えば、図7のプランジャキー205は、いくつかの実施形態ではクロスバー720に結合され得る、第1のスナップ嵌合部725を含む。より具体的な例では、アーム710は、クロスバー720に結合された第1の端部730を有し得、第1のスナップ嵌合部725は、クロスバー720の遠位側でアーム710の第2の端部735に結合され得る。プランジャキー205は、いくつかの実施形態では、第2のスナップ嵌合部740を追加的に含み得る。図7の例に示されるように、第2のスナップ嵌合部740は、いくつかの実施形態では、クロスバー720に結合され得る。図7の第1のスナップ嵌合部725は、クロスバー720の第1の端部745に結合され、図7の第2のスナップ嵌合部740は、クロスバー720の第2の端部750に結合される。いくつかの例では、図7の第1のスナップ嵌合部725などの、スナップ嵌合部は湾曲したものであり得る。より具体的な例では、第1のスナップ嵌合部725は、図7に示されるように、クロスバー720の遠位側に湾曲端部を有する。
【0027】
概して、スナップ嵌合部は、スタッド、ビード、突起、オーバーハンド、キャッチ、アンダーカット、又は同様の特徴、又は同様の特徴の組み合わせを含み得る、又はそれからなり得る、フックを含み、このフックは、ベースに結合され、無応力状態に戻る前に別の構成要素における連結特徴に係合するように変形させるか又は撓ませることができる。図7の例では、第1のスナップ嵌合部725は、第1のフック755と第2のフック760とを含み、第2のスナップ嵌合部740は、第3のフック765を含む。図7の第1のフック755は、第2のフック760に比べて、クロスバー720の遠位側に配置される。スナップ嵌合部はまた、様々な実施形態において、ねじれ状、環状、又はカンチレバー状であり得る。図7において、第1のスナップ嵌合部725及び第2のスナップ嵌合部740は両方とも、カンチレバーがフックをベースに結合する、カンチレバースナップ嵌合部の例である。より具体的には、図7の第1のスナップ嵌合部725は、第1のフック755及び第2のフック760をアーム710に結合するカンチレバー775を含み、このカンチレバー775は、この例では第1のスナップ嵌合部725用のベースを表す。図7のカンチレバー775は、湾曲したカンチレバーである。第2のスナップ嵌合部740は、第3のフック765をクロスバー720に結合するカンチレバー780を含み、このカンチレバー780は、この例では第2のスナップ嵌合部740用のベースを表す。
【0028】
図8は、図7の第1のスナップ嵌合部725の詳細図である。概して、スナップ嵌合部は前方面を含み得、この前方面は、連結特徴に対する第1の方向への移動に応答して変形又は撓みを生じさせるように構成することができる。後方面も同様に、連結特徴に対する第2の方向への移動に応答して変形又は撓みを生じさせるように構成することができる。第2の方向は、第1の方向と略反対である。より具体的な例では、後方面は係止面であり得、この係止面は、変形又は撓みを比較的困難にし、これにより、スナップ嵌合部が別の構成要素に連結された後の分離を妨げる又は防止するように構成することができる。図8の例では、第1のフック755は、第1の係止面805を含む。図8の第2のフック760は、前方面810と第2の係止面815とを含む。
【0029】
図9は、いくつかの実施形態に関連し得る追加の詳細を示す、図7のプランジャキー205の上面図である。例えば、図7に示されるように、キーガイド705のいくつかの実施形態は、クロスバー720を貫通するチャネルを含み得る、又はチャネルから本質的になり得る。他の例では、キーガイド705は、クロスバー720に結合された1つ以上の隆起部、レール、バー、又は同様の特徴を含み得る、又はそれから本質的になり得る。いくつかの実施形態では、プランジャキー205は、フィンガフランジ905を更に含み得、図9の例に示されるように、フィンガフランジ905をクロスバー720に結合することができる。
【0030】
図10A及び図10Bは、切断線10-10に沿って切断した、図3の装置100の断面図である。図10Aは、第1の状態にある装置100のいくつかの実施形態に関連し得る追加の詳細を示し、図10Bは、第2の状態にある装置100のいくつかの実施形態に関連し得る追加の詳細を示す。例えば、図10A及び図10Bは両方とも、キートラック410、ハウジング130を貫通するボア215、ボア215内に少なくとも部分的に配置されたプランジャ135、プランジャキー205、及びキーガイド705に結合されたアーム710の実施形態を示す。図10A及び図10Bの例では、キートラック410は、ボア215に略直交する向きに配置された1対の平行なトラックレールを含む。キーガイド705は、図10A及び図10Bの例に示されるように、キートラック410に結合され得る。図10A及び図10Bはまた、第1のキャッチ1005と第2のキャッチ1010とを有するハウジング130の実施形態を示す。
【0031】
図10Aの例では、キーガイド705は、キートラック410に摺動自在に係合するように構成され、これによって、キートラック410に対するプランジャキー205の横方向の移動が実質的に防止される一方で、プランジャキー205がボア215に向かって第1の方向に移動することが可能となり得る。図10Aのアーム710は、プランジャ135のキー溝610を通して配置され、キートラック410に対するキーガイド705の移動によって、図10Aの例に示される、第1の位置から、図10Bの例に示される、第2の位置にキー溝610を通して前記アーム710を移動させることもできる。
【0032】
第1の位置では、アーム710は、レール605を阻止するように構成される。より具体的には、アーム710は、レールスロット715がレール605からずらされるようにキー溝610を通過することができ、それにより、レール605(ひいてはプランジャ135)がボア215に対してレールスロット715を通って移動することを防止する。図10A及び図10Bの例に関連して、第1の位置は係止位置である。
【0033】
図10Bの第2の位置では、レールスロット715は、レール605がレールスロット715を通って移動でき、それにより、レール605及びプランジャ135がボア215に対して移動することを可能にするように、レール605と位置合わせされる。図10A及び図10Bの例に関連して、第2の位置は係止解除位置である。係止解除位置では、アーム710は、いくつかの実施形態では、図10Bの例に示されるように、ストッパ620を阻止するように構成され得る。係止解除位置では、アーム710は、ボア215内でのプランジャ135の双方向の移動を可能にし、その一方で、ストッパ620が一方向へのかかる移動を制限し、それにより、プランジャ135がボア215から完全に取り外されることを防止することができる。
【0034】
図10A及び図10Bの例では、第1のスナップ嵌合部725は、第1の位置から第2の位置にアーム710と共に移動可能である。いくつかの実施形態では、第1のスナップ嵌合部725は、第2の位置でハウジング130に結合されて、アーム710が第2の位置から第1の位置に向かって戻ることを防止し、それにより、レールスロット715とレール605との位置合わせを維持し、プランジャ135が係止解除された後にプランジャ135が誤って係止されるリスクを実質的に低減又は排除するように構成され得る。より具体的な実施形態では、第1のスナップ嵌合部725は、第1のキャッチ1005に係合してアーム710が戻ることを防止するように構成され得る。追加的又は代替的に、第1のスナップ嵌合部725は、第1の位置でハウジング130に結合されて、10Aの例ではボア215から離れる方向などの、第2の方向へのアーム710の移動を防止し、それにより、アーム710がキー溝610から誤って外れるリスクを実質的に低減又は排除するように構成され得る。より一般には、第1のスナップ嵌合部725は、第1の位置、第2の位置、又はその両方でハウジング130に結合されるように構成され得、これにより、プランジャキー205がハウジング130から誤って外れるリスクを実質的に低減又は排除することができる。
【0035】
追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、第2のスナップ嵌合部740は、アーム710が第2の位置から第1の位置に戻ることを防止するように構成され得る。例えば、図10Bの第2のスナップ嵌合部740は、第2のキャッチ1010に係合して第2の位置から離れる方向へのアーム710の移動を防止するように構成される。第2のスナップ嵌合部740のいくつかの実施形態はまた、第1の位置でハウジング130に結合されて、図10Aの例ではボア215から離れる方向などの、第2の方向へのアーム710の移動を防止するように構成され得る。例えば、第2のキャッチ1010は、1つ以上のアンダーカット又はストッパを含み得、第2のスナップ嵌合部740は、第1の位置で第1のストッパに係合し、第2の位置で第2のストッパに係合するように構成され得る。
【0036】
図10A及び図10Bの例におけるプランジャキー205の移動は、装置100の様々な特徴によって抑制することができる。より具体的には、様々な特徴は、キートラック410に対するアーム710及びレールスロット715の移動を抑制し得る。例えば、図10A及び図10Bのキートラック410及びキーガイド705は、アーム710及びレールスロット715がキートラック410に平行に移動することを可能にする一方で、直交移動を実質的に防止することができる。図10A及び図10Bの例などの、いくつかの実施形態では、キーボックス220は更に、キートラック410に平行な、アーム710及びレールスロット715の移動を支持し、これらの移動を抑制することができる。図10A及び図10Bの例では、キートラック410は、概して、プランジャ135に直交して、より具体的にはレール605に直交して延びる。このような抑制された動きによって、プランジャ135とプランジャキー205との信頼性の高い相互作用をもたらすことができる。
【0037】
追加的又は代替的に、第1のスナップ嵌合部725、第2のスナップ嵌合部740、又はその両方は、安定性、触覚フィードバック、及び/又は可聴フィードバックを提供することができる。例えば、第1のスナップ嵌合部725及び第2のスナップ嵌合部740のいずれか又は両方は、プランジャキー205がキーマウント210から外れることを防止又は阻止することによって、プランジャキー205の安定性を高め得る。それらのいずれか又は両方はまた、図10Aの係止位置から図10Bの係止解除位置へのプランジャキー205の移動に抵抗することによって触覚フィードバックを提供し、それにより、プランジャ135が誤って係止解除されるリスクを低減し得る。それらのいずれか又は両方は、第2の位置にカチッという音を立てて嵌るときに可聴フィードバックを追加的に提供し得る。
【0038】
図11は、装置100からインプラント1100を排出する例示的な方法を示す概略図である。最初に、システムの様々な構成要素が、必要に応じて又は適宜、組み立てられ得る。図11の例では、ノズル105とインプラント区画110とアクチュエータ115とは互いに固定されて一体構造を形成している。他の実施形態では、装置100は2つ以上のモジュールを含み得、これらのモジュールは、保管、組み立て、使用及び廃棄のために、適宜、結合及び分離されるように構成することができる。
【0039】
図11の例では、プランジャキー205は、図10Bを参照して実質的に記載したように、第2の係止解除位置に配置され、この第2の係止解除位置は、図示のように、ボア215を通してプランジャ135をインプラント区画110に向けて前進させることを可能にする。
【0040】
インプラント1100は、最初はインプラント区画110内に格納され得る。いくつかの実施形態では、インプラント区画110は、追加的又は代替的に、送達のためにインプラント1100を準備するように構成され得る。例えば、インプラント区画110のいくつかの実施形態は、インプラント1100をアクチュエータ115のその後の動作による送達のために準備するように、外科医又は他のオペレータによって作動されるように構成され得る。いくつかの例では、インプラント区画110は、インプラント1100をノズル105内に前進させる前に、インプラント1100の特徴を能動的に変形、伸長、拡張、又は他の手法で操作するように構成され得る。例えば、インプラント区画110のいくつかの実施形態は、インプラントを方向付ける又は折り畳むように構成され得る。インプラント1100のいくつかの実施形態は、送達のために方向付けられ又は折り畳まれ得る、1つ以上の支持部を含み得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、インプラントインターフェース615は、プランジャ135を前進させるにつれてインプラント区画110からノズル105を通してインプラント1100を前進させるためにインプラント1100に接触又は他の手法で係合するように構成することができる。図11の例に示されるように、インプラントインターフェース615の少なくとも一部分は、インプラント区画110及び/又はノズル105内に又はインプラント区画110及び/又はノズル105を貫通して延び得る。プランジャ135を完全に前進させると、インプラントインターフェース615は、インプラント1100をノズル105から排出することができる。
【0042】
図12A及び図12Bは、眼1200にインプラント1100を送達する図11の装置100の例示的な使用を示す概略図である。示されるように、例えば、外科医によって眼1200内に切開1205が作成され得る。いくつかの例では、切開1205は、眼1200の強膜1210を通して作成され得る。他の例では、切開は、眼1200の角膜1215に形成され得る。切開1205は、インプラント1100を水晶体嚢1220に送達するために、ノズル105の一部分の挿入を可能にするような大きさにされ得る。例えば、場合によっては、切開1205の大きさは、約3000ミクロン(3ミリメートル)未満の長さを有し得る。他の例では、切開1205は、約1000ミクロン~約1500ミクロン、約1500ミクロン~約2000ミクロン、約2000ミクロン~約2500ミクロン又は約2500ミクロン~約3000ミクロンの長さを有し得る。
【0043】
切開1205の作成後、ノズル105は、切開1205を通して眼1200の内部部分1225に挿入することができる。その後、装置100は、図11を参照して実質的に記載したように、ノズル105を通して眼1200の水晶体嚢1220内にインプラント1105を排出することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、インプラント1100は、眼の天然水晶体の形状と同様の形状を有する眼内レンズを含み得、多数の材料から作製され得る。好適な材料の例としては、シリコーン、アクリル、及びそのような好適な材料の組み合わせが挙げられ得る。いくつかの例では、インプラント1100は、流体が充填された調節型眼内レンズなどの、流体が充填された眼内レンズを含み得る。インプラント1100はまた、支持部などの、眼内で眼内レンズを位置決めするための1つ以上の特徴を含む眼内レンズを含み得る。図12A及び図12Bの例では、インプラント1100は、光学体1230と、前方支持部1235と、後方支持部1240とを有する眼内レンズを例示する。
【0045】
インプラント1100は、折り畳まれた構成で送達されることがあり、図12Bに示されるように、水晶体嚢1220内で、前方支持部1235及び後方支持部1240が光学体1230の周りで少なくとも部分的に湾曲した静止状態に戻ることができる。水晶体嚢1220は、光学体1230が、網膜(図示せず)に向けられた光を屈折させるような眼1200に対する関係性で水晶体嚢1220内にインプラント1100を保持することができる。前方支持部1235及び後方支持部1240は、水晶体嚢1220に係合して、水晶体嚢1220の中にインプラント1100を固定することができる。インプラント1100を水晶体嚢1220内に送達した後、ノズル105は切開1205を通して眼1200から除去され得、眼1200は、時間が経過するにつれて治癒され得る。
【0046】
本明細書に記載されるシステム、装置、及び方法は、顕著な利点を提供し得る。いくつかの実施形態は、眼内レンズを送達するのに特に有利である場合があり、インプラント送達のための信頼性及び一貫性の向上をもたらす。例えば、プランジャキー205は、インプラント送達前に安定した係止位置に配置し、次いで、プランジャ135がインプラントを送達することを可能にするように安定した係止解除位置まで移動させることができる。係止位置では、装置100は、インプラントの時期尚早の排出又は他の望ましくない結果を引き起こす可能性があるプランジャの偶発的な移動のリスクを実質的に低減又は排除することができる。係止解除位置では、装置100は、プランジャ135が偶発的に外れる及びインプラント送達中に係止位置に偶発的に戻るリスクを実質的に低減又は排除することができる。
【0047】
いくつかの例示的な実施形態において示してきたが、当業者であれば、本明細書に記載されるシステム、装置、及び方法は、添付の特許請求の範囲内の範囲に含まれる様々な変更形態及び修正形態が可能であることを認識されよう。更に、「又は」などの用語を用いた様々な代替形態の記載は、文脈によって明らかに要求されない限り、相互排他性を必要とせず、また不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、文脈によって明らかに要求されない限り、対象を単一の例に限定するものではない。構成要素は、販売、製造、組み立て、又は使用を目的として、様々な構成で組み合わせされ又は排除され得る。例えば、いくつかの構成では、ハウジング130、プランジャ135、及びプランジャキー205は、それぞれ製造又は販売のために、互いに分離され得る、又は様々な手法で組み合わされ得る。
【0048】
特許請求の範囲は、特に詳細に記載されていない更なる主題も包含し得る。例えば、特定の特徴、要素、又は態様は、新規性且つ進歩性を有する特徴を当業者に既に周知のものと区別するために必要でない場合には、特許請求の範囲から省略されることがある。いくつかの実施形態に関連して記載される特徴、要素、及び態様は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、省略されること、組み合わされること、又は同一の、均等な、若しくは同様の目的を果たす代替の特徴によって置換されることもある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
【国際調査報告】