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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】サイドリンク測位の方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 64/00 20090101AFI20241018BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20241018BHJP
   H04W 72/044 20230101ALI20241018BHJP
【FI】
H04W64/00
H04W92/18
H04W72/044
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520744
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 CN2021125731
(87)【国際公開番号】W WO2023065306
(87)【国際公開日】2023-04-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523107950
【氏名又は名称】レノボ・(ベイジン)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】シャオドン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ジェンニアン・スン
(72)【発明者】
【氏名】ハイペン・レイ
(72)【発明者】
【氏名】ジエ・フ
(72)【発明者】
【氏名】シン・グオ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE25
(57)【要約】
本出願の実施形態は、サイドリンク(SL)測位の方法および装置に関する。例示的なUEは、少なくとも1つの受信回路と、少なくとも1つの送信回路と、少なくとも1つの受信回路および少なくとも1つの送信回路に結合された、少なくとも1つのプロセッサとを含み、少なくとも1つのプロセッサが、受信UEのセットに、UEに関連付けられた測位精度レベルを示す精度レベル情報を送信することと、受信UEに、精度レベル情報に対応するSL PRSを送信することであって、受信UEが、受信UEのセットのうちの1つであるか、またはそうでない、送信することとを行うように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)であって、
少なくとも1つの受信回路と、
少なくとも1つの送信回路と、
前記少なくとも1つの受信回路および前記少なくとも1つの送信回路に結合された、少なくとも1つのプロセッサと
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つの送信回路を介して、受信UEのセットに、前記UEに関連付けられた測位精度レベルを示す精度レベル情報を送信することと、
前記少なくとも1つの送信回路を介して、受信UEに、前記精度レベル情報に対応するサイドリンク測位参照信号(PRS)を送信することであって、前記受信UEが、前記受信UEのセットのうちの1つであるか、またはそうでない、送信することと
を行うように構成される、UE。
【請求項2】
前記精度レベル情報が、サイドリンク制御情報において送信される、請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記サイドリンクPRSを送信することが、前記受信UEからの要求情報に応答したものである、請求項1に記載のUE。
【請求項4】
前記測位精度レベルが、複数の測位精度レベルのうちの1つであり、前記複数の測位精度レベルが、以下、すなわち、
サイドリンクPRS送信UEの絶対位置の計算様式、
サイドリンクPRS送信UEの絶対位置の計算エンティティ、または
サイドリンクPRS送信UEの絶対位置の前記計算様式と前記計算エンティティとの組合せ
のうちの少なくとも1つに基づいて、あらかじめ定義されるかまたは構成される、請求項1に記載のUE。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つの受信回路を介して、ネットワーク装置から、リソースプールのセットのリソースプール構成情報を受信することであって、前記リソースプールのセットのうちの各リソースプールが、1つまたは複数の測位精度レベルに対応するように構成される、受信すること
を行うように構成される、請求項1に記載のUE。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つの送信回路を介して、前記リソースプールのセットの前記測位精度レベルに少なくとも対応するリソースプールにおいて、前記サイドリンクPRSを送信すること
を行うように構成される、請求項5に記載のUE。
【請求項7】
前記サイドリンクPRSが、チャネルアクセス検出後に送信され、前記チャネルアクセス検出の競合ウィンドウサイズおよびバックオフ時間のうちの少なくとも1つが、前記測位精度レベルに関連付けられる、請求項1に記載のUE。
【請求項8】
ユーザ機器(UE)であって、
少なくとも1つの受信回路と、
少なくとも1つの送信回路と、
前記少なくとも1つの受信回路および前記少なくとも1つの送信回路に結合された、少なくとも1つのプロセッサと
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記UEによって望まれる測位精度レベルを決定することと、
前記少なくとも1つの受信回路を介して、送信UEから、前記測位精度レベルを示す精度レベル情報に対応するサイドリンク測位参照信号(PRS)を受信することと
を行うように構成される、UE。
【請求項9】
前記測位精度レベルが、複数の測位精度レベルのうちの1つであり、前記複数の測位精度レベルが、以下、すなわち、
サイドリンクPRS送信UEの絶対位置の計算様式、
サイドリンクPRS送信UEの絶対位置の計算エンティティ、または
サイドリンクPRS送信UEの絶対位置の前記計算様式と前記計算エンティティとの組合せ
のうちの少なくとも1つに基づいて、あらかじめ定義されるかまたは構成される、請求項8に記載のUE。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つの受信回路を介して、ネットワーク装置から、リソースプールのセットのリソースプール構成情報を受信することであって、前記リソースプールのセットのうちの各リソースプールが、1つまたは複数の測位精度レベルに対応するように構成される、受信すること
を行うように構成される、請求項8に記載のUE。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つの受信回路を介して、前記リソースプールのセットの前記測位精度レベルに少なくとも対応するリソースプールにおいて、前記サイドリンクPRSを受信すること
を行うように構成される、請求項10に記載のUE。
【請求項12】
前記サイドリンクPRSが、チャネルアクセス検出後に受信され、前記チャネルアクセス検出の競合ウィンドウサイズおよびバックオフ時間のうちの少なくとも1つが、前記測位精度レベルに関連付けられる、請求項8に記載のUE。
【請求項13】
ネットワーク装置であって、
少なくとも1つの受信回路と、
少なくとも1つの送信回路と、
前記少なくとも1つの受信回路および前記少なくとも1つの送信回路に結合された、少なくとも1つのプロセッサと
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサが、
測位参照信号(PRS)送信のための複数の測位精度レベルについてのレベル構成情報、および
前記PRS送信のための前記複数の測位精度レベルの優先度についての優先度構成情報
のうちの少なくとも1つを構成することと、
前記少なくとも1つの送信回路を介して、UEに、前記レベル構成情報および前記優先度構成情報のうちの少なくとも1つを示す構成情報を送信することと
を行うように構成される、ネットワーク装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つの送信回路を介して、リソースプールのセットのリソースプール構成情報をさらに送信することであって、前記リソースプールのセットのうちの各リソースプールが、前記複数の測位精度レベルのうちの1つまたは複数に対応するように構成される、送信すること
を行うように構成される、請求項13に記載のネットワーク装置。
【請求項15】
前記複数の測位精度レベルが、以下、すなわち、
サイドリンクPRS送信UEの絶対位置の計算様式、
サイドリンクPRS送信UEの絶対位置の計算エンティティ、または
サイドリンクPRS送信UEの絶対位置の前記計算様式と前記計算エンティティとの組合せ
のうちの少なくとも1つに基づいて、あらかじめ定義されるかまたは構成される、請求項13に記載のネットワーク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施形態は、ワイヤレス通信技術に関し、特に、サイドリンク(SL)測位に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信システムでは、ユーザ機器(UE)、たとえば、モバイルデバイスは、事業者のネットワーク、たとえば、セルラーまたはWi-Fiネットワークインフラストラクチャによってサポートされたデータ経路を介して、別のUEと通信し得る。事業者ネットワークによってサポートされたデータ経路は、基地局(BS)および複数のゲートウェイを含み得る。
【0003】
両方のUEが互いに比較的近い場合、無線リンクまたはSLが両方のUEの間で確立されて、BSへのリンクを通ることなしに、直接通信が提供され得る。「SL」という用語は、上記で説明されたようなセルラーインフラストラクチャ(アップリンクおよびダウンリンク)を介した通信リンクとは対照的に、デバイス、たとえば、UEの間で通信するために確立された直接無線リンクを指すことがある。「SL」という用語は、サイドリンク通信リンクを指すこともある。
【0004】
さらに、UEの位置がネットワークノードによって計算される、ネットワークベースの測位とは異なり、SL測位は、UEの位置がSL測位参照信号(PRS)送信UEからのSL PRSに基づいて計算される、新しい測位方法を提供する。SL測位は、限定はしないが、ネットワークまたは無線アクセス技術(RAT)カバレージとは無関係に動作すること、およびネットワークベースの測位または他の測位方法が利用可能でないとき、極めて有益であることを含む、様々な利点を有する。したがって、車両隊列走行、拡張されたセンサー、高度運転および遠隔運転など、SL測位のサポートを必要とする、業界からの強い要望がある。
【0005】
しかしながら、SL測位がSL測位精度を向上させるために、依然として解決されるべきいくつかの技術的問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願の実施形態の一目的は、ワイヤレス通信のための、特にSL測位のための技術的解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願のいくつかの実施形態は、UEを提供し、UEが、少なくとも1つの受信回路と、少なくとも1つの送信回路と、少なくとも1つの受信回路および少なくとも1つの送信回路に結合された、少なくとも1つのプロセッサとを含み、少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの送信回路を介して、受信UEのセットに、UEに関連付けられた測位精度レベルを示す精度レベル情報を送信することと、少なくとも1つの送信回路を介して、受信UEに、精度レベル情報に対応するSL PRSを送信することであって、受信UEが、受信UEのセットのうちの1つであるか、またはそうでない、送信することとを行うように構成される。
【0008】
本出願のいくつかの実施形態では、精度レベル情報が、SL制御情報において送信される。
【0009】
本出願のいくつかの実施形態では、精度レベル情報が、SL制御情報において送信される特定のソース識別値情報、または特定の宛先識別値情報である。
【0010】
本出願のいくつかの実施形態では、SL PRSを送信することが、受信UEからの要求情報に応答したものである。
【0011】
本出願のいくつかの実施形態では、測位精度レベルが、規格に従ってあらかじめ定義されるか、またはネットワーク装置によって構成される、複数の測位精度レベルのうちの1つである。複数の測位精度レベルが、以下、すなわち、SL PRS送信UEの絶対位置の計算様式、SL PRS送信UEの絶対位置の計算エンティティ、またはSL PRS送信UEの絶対位置の計算様式と計算エンティティとの組合せのうちの少なくとも1つに基づいて、あらかじめ定義されるかまたは構成される。複数の測位精度レベルの優先度が、規格に従ってあらかじめ定義されるか、またはネットワーク装置によって構成される。
【0012】
本出願のいくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの受信回路を介して、ネットワーク装置から、リソースプールのセットのリソースプール構成情報を受信することであって、リソースプールのセットのうちの各リソースプールが、1つまたは複数の測位精度レベルに対応するように構成される、受信することを行うように構成される。少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの送信回路を介して、リソースプールのセットの測位精度レベルに少なくとも対応するリソースプールにおいて、SL PRSを送信することを行うように構成される。
【0013】
本出願のいくつかの実施形態では、SL PRSが、チャネルアクセス検出後に送信され、チャネルアクセス検出の競合ウィンドウサイズおよびバックオフ時間のうちの少なくとも1つが、測位精度レベルに関連付けられる。
【0014】
本出願のいくつかの実施形態は、別のUEを提供し、別のUEが、少なくとも1つの受信回路と、少なくとも1つの送信回路と、少なくとも1つの受信回路および少なくとも1つの送信回路に結合された、少なくとも1つのプロセッサとを含み、少なくとも1つのプロセッサが、UEによって望まれる測位精度レベルを決定することと、少なくとも1つの受信回路を介して、送信UEから、測位精度レベルを示す精度レベル情報に対応するSL PRSを受信することとを行うように構成される。
【0015】
本出願のいくつかの実施形態では、精度レベル情報が、SL制御情報において受信される。
【0016】
本出願のいくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの受信回路を介して、ネットワーク装置から、リソースプールのセットのリソースプール構成情報を受信することであって、リソースプールのセットのうちの各リソースプールが、1つまたは複数の測位精度レベルに対応するように構成される、受信することを行うように構成される。少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの受信回路を介して、リソースプールのセットの測位精度レベルに少なくとも対応するリソースプールにおいて、SL PRSを受信することを行うように構成される。
【0017】
本出願のいくつかの実施形態では、SL PRSが、チャネルアクセス検出後に受信され、チャネルアクセス検出の競合ウィンドウサイズおよびバックオフ時間のうちの少なくとも1つが、測位精度レベルに関連付けられる。
【0018】
本出願のいくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、SL PRSを受信する前に、少なくとも1つの受信回路を介して、送信UEから精度レベル情報を受信することを行うようにさらに構成される。本出願のいくつかの他の実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、SL PRSを受信する前に、少なくとも1つの送信回路を介して、送信UEに、UEによって望まれる測位精度レベルを示す要求情報を送信することを行うようにさらに構成される。
【0019】
本出願のいくつかの実施形態は、ネットワーク装置を提供し、ネットワーク装置が、少なくとも1つの受信回路と、少なくとも1つの送信回路と、少なくとも1つの受信回路および少なくとも1つの送信回路に結合された、少なくとも1つのプロセッサとを含み、少なくとも1つのプロセッサが、PRS送信のための複数の測位精度レベルについてのレベル構成情報、およびPRS送信のための複数の測位精度レベルの優先度についての優先度構成情報のうちの少なくとも1つを構成することと、少なくとも1つの送信回路を介して、UEに、レベル構成情報および優先度構成情報のうちの少なくとも1つを示す構成情報を送信することとを行うように構成される。
【0020】
本出願のいくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの送信回路を介して、リソースプールのセットのリソースプール構成情報をさらに送信することであって、リソースプールのセットのうちの各リソースプールが、複数の測位精度レベルのうちの1つまたは複数に対応するように構成される、送信することを行うように構成される。
【0021】
本出願のいくつかの実施形態では、複数の測位精度レベルと、複数の測位精度レベルの優先度の両方が、ネットワーク装置によって構成される。本出願のいくつかの他の実施形態では、複数の測位精度レベル、または複数の測位精度レベルの優先度のいずれかが、ネットワーク装置によって構成される。
【0022】
上記に鑑みて、本出願の実施形態は、新規のSL測位解決策を提案し、それによって、SL測位の精度、特にSL絶対測位の精度が向上するようになる。
【0023】
本出願の利点および特徴が取得され得る様式について説明するために、本出願の説明は、添付の図面に示されている、その特定の実施形態を参照することによって行われる。これらの図面は、本出願の例示的な実施形態のみを示し、したがって、本出願の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】本出願のいくつかの実施形態による、例示的なカバレージ内シナリオの概略図である。
図1B】本出願のいくつかの他の実施形態による、例示的な部分的カバレージシナリオの概略図である。
図1C】本出願のいくつかのまた他の実施形態による、例示的なカバレージ外シナリオの概略図である。
図2】本出願のいくつかの実施形態による、SL測位の方法の例示的な手順を示すフローチャートである。
図3】本出願のいくつかの他の実施形態による、SL測位の方法の例示的な手順を示すフローチャートである。
図4】本出願のいくつかのまた他の実施形態による、SL測位の方法の例示的な手順を示すフローチャートである。
図5】本出願のいくつかの実施形態による、SL測位の装置のブロック図である。
図6】本出願のいくつかの他の実施形態による、SL測位の装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
添付の図面の詳細な説明は、本出願の現在好ましい実施形態の説明として意図され、本出願が実施され得る唯一の形態を表すものではない。同じまたは均等な機能は、本出願の趣旨および範囲内に包含されるものである、異なる実施形態によって達成され得ることを理解されたい。
【0026】
次に、本出願のいくつかの実施形態を詳細に参照し、その例が添付の図面に示されている。理解を容易にするために、実施形態は、第3世代プログラムグループ(3GPP(登録商標))5G、3GPPロングタームエボリューション(LTE)など、特定のネットワークアーキテクチャおよび新しいサービスシナリオの下で提供される。ネットワークアーキテクチャおよび新しいサービスシナリオの開発とともに、本出願におけるすべての実施形態は、同様の技術的問題にも適用可能であることが企図される。その上、本出願に記載されている用語は、変わることがあり、それによって、本出願の原理に影響を及ぼすべきではない。
【0027】
SL通信は、UE間の直接通信をサポートする。本出願の文脈では、SL通信は、採用されるワイヤレス通信技術に従って分類され得る。たとえば、SL通信は、新無線(NR)SL通信およびV2X SL通信などを含み得る。
【0028】
NR SL通信(たとえば、3GPP仕様TS38.311において指定されている)は、NR技術を使用するが、いかなるネットワークノードもトラバースしない、近隣のUEの間の、3GPP仕様TS23.287において定義されているような、少なくとも車両対あらゆるモノ(V2X)通信を可能にする、アクセス層(AS)機能を指すことがある。V2X SL通信(たとえば、3GPP仕様TS36.311において指定されている)は、発展型ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)地上波無線アクセス(UTRA)(E-UTRA)技術を使用するが、いかなるネットワークノードもトラバースしない、近隣のUEの間の、3GPP仕様TS23.285において定義されているようなV2X通信を可能にする、AS機能を指すことがある。ただし、指定されていない場合、「SL通信」は、NR SL通信、V2X SL通信、または他のワイヤレス通信技術を採用する任意のSL通信を指すことがある。
【0029】
SL通信の場合、少なくとも2つのUEが、V2Xおよび公共安全の適用例のための測位に関与するとき、3つのネットワークカバレージシナリオ、すなわち、カバレージ内シナリオ、部分的カバレージシナリオ、およびカバレージ外シナリオが考慮され得る。2つのUEを一例として挙げると、カバレージ内シナリオは、2つのUEの両方がネットワークの内側にある場合を指し、部分的カバレージシナリオは、一方のUEのみがネットワークカバレージの内側に残っているが、他方のUEがネットワークカバレージの外側にあることを指し、カバレージ外シナリオは、2つのUEの両方がネットワークカバレージの外側にある場合を指す。UEは、カバレージ内シナリオ、部分的カバレージシナリオ、およびカバレージ外シナリオの間で移行し得る。
【0030】
図1A図1Cは、3つのネットワークカバレージシナリオの例をそれぞれ示し、ここにおいて、図1Aは、本出願のいくつかの実施形態による、例示的なカバレージ内シナリオの概略図であり、図1Bは、本出願のいくつかの他の実施形態による、例示的な部分的カバレージシナリオの概略図であり、図1Cは、本出願のいくつかのまた他の実施形態による、例示的なカバレージ外シナリオの概略図である。
【0031】
各例示的なネットワークカバレージシナリオでは、第1のUE101aおよび第2のUE101bなどの複数のUE、ならびに基地局103があり、これらは、本出願の実施形態を簡略化された様式で示すために示されている。より多くの基地局103、および基地局103のカバレージ内またはその外側により多くのUEがあり得ることを、当業者は理解されたい。「第1の」および「第2の」という表現は、本出願の実施形態を明確に示すためにのみ使用され、本出願の要旨を限定するために使用されるべきではない。
【0032】
UEおよび基地局103は、たとえば、3G、LTE、LTEアドバンスト(LTE-A)、NR、または他の好適なプロトコルに基づいて、通信をサポートし得る。本出願のいくつかの実施形態では、BS103は、アクセスポイント、アクセス端末、ベース、ベースユニット、マクロセル、ノードB、発展型ノードB(eNB)、gNB、ng-eNB、ホームノードB、リレーノード、もしくはデバイスと呼ばれるか、または当技術分野で使用される他の用語を使用して説明されることがある。第1のUE101aまたは第2のUE101bは、車両として示されているが、UE、たとえば、第1のUE101aまたは第2のUE101bは、任意の端末デバイス、たとえば、限定はしないが、コンピューティングデバイス、ウェアラブルデバイス、モバイルデバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス、路側ユニット(RSU)などであり得る。
【0033】
基地局103は、1つまたは複数のセルを定義してよく、各セルは、カバレージエリア105を有し得る。図1Aに示されているように、カバレージ内シナリオでは、第1のUE101aと第2のUE101bの両方が、基地局103のカバレージ内である。第1のUE101aおよび第2のUE101bは、たとえば、Uuリンクを介して、基地局103とV2Xメッセージを交換し、SL、たとえば、TS23.303において定義されているようなPC5インターフェースを通して、互いの間でV2Xメッセージを交換し得る。2つのUEの間の通信中に、一方のUEは、送信機、すなわち、送信UE(以下、「Tx UE」と呼ばれる)として働くことがあり、他方のUEは、受信機、すなわち、受信UE(以下、「Rx UE」と呼ばれる)として働くことがある。Tx UE、たとえば、第1のUE101aは、Rx UE、たとえば、101bへのユニキャスト送信を開始することがあり、Rx UE101bは、Tx UE、たとえば、第1のUE101aからユニキャスト送信を受信することがある。
【0034】
図1Bに示されているように、部分的カバレージシナリオでは、一方のUE、たとえば、第1のUE101aのみが基地局103のカバレージ内であり、第2のUE101bが基地局103のカバレージの外側であり、その逆も同様である。同様に、第1のUE101aは、Uuリンクを介して、基地局103とV2Xメッセージを交換し、SL、たとえば、TS23.303において定義されているようなPC5インターフェースを通して、第2のUE101bとV2Xメッセージを交換し得る。第2のUE101bは、基地局103に関連付けられたカバレージ範囲の外側であるので、Uuリンクを介して、基地局103とメッセージを交換することはできない。2つのUEの間の通信中に、第1のUE101aは、Tx UEとして働き、ユニキャスト送信を開始することがあり、第2のUE101bは、Rx UEとして働き、Tx UEからユニキャスト送信を受信することがあり、その逆も同様である。
【0035】
図1Cに示されているように、カバレージ外シナリオでは、第1のUE101aと第2のUE101bの両方が、基地局103のカバレージの外側であり、Uuリンクを介して、基地局103とメッセージを交換することはできない。しかしながら、第1のUE101aは、SL、たとえば、TS23.303において定義されているようなPC5インターフェースを通して、第2のUE101bとV2Xメッセージを交換し得る。2つのUEの間の通信中に、第1のUE101aは、Tx UEとして働き、ユニキャスト送信を開始することがあり、第2のUE101bは、Rx UEとして働き、Tx UEからユニキャスト送信を受信することがあり、その逆も同様である。
【0036】
一般に、3GPP規格文書の合意によれば、3GPP 5G NR SLシステムなどにおいて、RAT依存の測位が、LTEおよびNRによってサポートされ、観測到着時間差(OTDOA)が、LTEおよびNRにおいてUEを測位するために使用される。OTDOAはマルチラテレーション方法であり、それにおいて、UEが複数のBSから受信された信号の到着時間(TOA)を測定する。RAT依存の測位は、セルラーネットワークカバレージエリア内のみで利用可能であり、無線ネットワーク要素とコアネットワーク要素との間の交換のために、高いレイテンシを有する傾向がある。RAT依存の測位の上記の問題を考慮して、SL測位機構がR17において提案されている。
【0037】
詳細には、SL測位機構は、現在のRAT依存の測位技法とは無関係に、またはそれと協調的に動作し得る。SL測位機構は、特に、ネットワークカバレージとは無関係に動作するべきである適用例(公共安全など)のための部分的カバレージシナリオおよびカバレージ外シナリオにおいて、測位利用可能性の特有の利益を加えることができる。さらに、SL測位機構は、ネットワークカバレージエリア内でも、SLを通して測位関係情報を共有することによって、Uuリンク測位の精度を向上させるために、潜在的な利点を有する。SL測位機構はまた、異なるネットワーク要素間のシグナリングの除去のために、より低いレイテンシのサービスに関する測位関係情報を提供することもできる。
【0038】
さらに、SL測位は、SL相対測位およびSL絶対測位(以下、「絶対測位」とも呼ばれる)として分類され、ここにおいて、絶対測位は、UEの地理的ロケーション、たとえば、緯度および経度などを表す。2つのSL測位シナリオ、すなわち、1)常時送信、たとえば、SL PRSがRSUから送信されること、および2)トリガベースの送信、たとえば、SL PRSがUEから送信されることがある。SL PRSを送信するUEは、SL PRS送信UE、またはSL PRS送信ソース、またはPRS送信UE、または送信UEと呼ばれるが、SL PRSを期待または受信するUEは、SL PRS受信UE、またはPRS受信UE、または受信UEと呼ばれる。明らかに、SL PRS送信UEの絶対位置が不正確である場合、このSL PRS送信に基づいて、対応するSL PRS受信UEの測定される絶対位置も不正確になる。したがって、SL PRS送信UEをどのように選択(または決定)するかが、SL測位にとって、特に、SL絶対測位にとって極めて重要な問題である。簡単な解決策は、SL PRS受信UEが、SL PRS送信UEのネットワークカバレージシナリオに基づいて、SL PRS送信UE(またはソース)を選択することである。しかしながら、この解決策は妥当ではない。たとえば、ネットワークのカバレージ内のUEは、ネットワークのカバレージ外に位置する別のUEよりも低い測位精度を有することがあり、測位測定のために全地球航法衛星システム(GNSS)を使用する。したがって、SL PRS送信UEまたはSL PRS送信ソースをどのように選択するかは、SL絶対測位の精度を向上させるために、重く検討されるべきである。
【0039】
少なくとも上記の技術的問題を解決するために、本出願の実施形態は、SL測位の技術的解決策、たとえば、SL測位の方法およびSL測位の装置を提案する。
【0040】
本出願のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの測位精度レベル(または「SL PRSソース精度レベル」、または「SL PRS精度レベル」、または「SL絶対測位精度レベル」などと呼ばれる)が、絶対測位のために提供される。少なくとも1つの測位精度レベルは、規格においてあらかじめ定義され得るか、またはネットワークによって構成される。測位精度レベルは、SL PRS送信UEとして使用され得る、UEの絶対位置の精度レベル(またはUEからのSL PRSの精度レベル)を示す。
【0041】
たとえば、第1の例示的な測位精度レベルは、ハイブリッドのGNSSベースおよびUuインターフェースベースの方法(または測定)によって測定された、UEの絶対位置の精度レベルである。UEの絶対位置は、ネットワーク、たとえば、本出願のいくつかの実施形態では、gNBによって構成されるかまたは示され得る。たとえば、ネットワークは、UEによって報告された情報に基づいて、UEの絶対位置を計算し、次いで、UEに対してUEの絶対位置を構成するかまたは示す。本出願のいくつかの他の実施形態では、UEの絶対位置は、たとえば、GNSS情報に基づいて、UE自体によって測定され得る。
【0042】
第2の例示的な測位精度レベルは、GNSSベースの方法(または測定)によって測定された、UEの絶対位置の精度レベルである。同様に、UEの絶対位置は、ネットワーク、たとえば、本出願のいくつかの実施形態では、gNBによって構成されるかまたは示され得る。たとえば、ネットワークは、UEによって報告された情報に基づいて、UEの絶対位置を計算し、次いで、UEに対してUEの絶対位置を構成するかまたは示す。本出願のいくつかの他の実施形態では、UEの絶対位置は、たとえば、GNSS情報に基づいて、UE自体によって測定され得る。
【0043】
第3の例示的な測位精度レベルは、Uuインターフェースベースの方法(または測定)によって測定された、UEの絶対位置の精度レベルである。たとえば、UEの絶対位置は、ダウンリンク(DL)PRSに基づいて計算される。同様に、UEの絶対位置は、ネットワーク、たとえば、本出願のいくつかの実施形態では、gNBによって構成されるかまたは示され得る。たとえば、ネットワークは、UEによって報告された情報に基づいて、UEの絶対位置を計算し、次いで、UEに対してUEの絶対位置を構成するかまたは示す。本出願のいくつかの他の実施形態では、UEの絶対位置は、たとえば、GNSS情報に基づいて、UE自体によって測定され得る。
【0044】
第4の例示的な測位精度レベルは、1つまたは複数の他のUEからのSL PRSと、1つまたは複数の他のUEの絶対位置とに基づいて測定された、UEの絶対位置の精度レベルである。この場合、UEの絶対位置は、別のUE、たとえば、SL PRS送信UEまたはSL PRS受信UEによって測定され得る。
【0045】
上記の4つの例示的な測位精度レベルの全部または一部は、あらかじめ定義されるかまたは構成され得る。さらに、より多くの他の測位精度レベルがさらに定義されてよく、4つの例示的な測位精度レベルの全部または一部とともに使用されてよい。複数の測位精度レベルがある場合、複数の測位精度レベルの優先度が、SL測位のために提供されることになる。場合によっては、別のものよりも正確であると仮定される測位精度レベルは、より高い優先度をもつ測位精度レベルになる。より高い優先度における測位精度レベルをもつUEは、より低い優先度における測位精度レベルをもつものよりも高い優先度におけるSL PRS送信UEとして選択されることになる。同様に、複数の測位精度レベルの優先度は、規格に従ってあらかじめ定義されるか、またはネットワーク装置によって構成され得る。
【0046】
本出願のいくつかの実施形態によれば、複数の測位精度レベルは、以下、すなわち、SL PRS送信UEの絶対位置の計算様式、SL PRS送信UEの絶対位置の計算エンティティ、またはSL PRS送信UEの絶対位置の計算様式と計算エンティティとの組合せのうちの少なくとも1つに基づいて、あらかじめ定義されるかまたは構成され得る。
【0047】
たとえば、SL PRS送信UEの絶対位置の計算様式に基づいて、上記の4つの例示的な測位精度レベルの優先度は、第1の測位精度レベルの優先度が第2の測位精度レベルの優先度よりも高い、第2の測位精度レベルの優先度が第3の測位精度レベルの優先度よりも高い、および第3の測位精度レベルの優先度が第4の測位精度レベルの優先度よりも高い、その逆も同様として定義され得る。
【0048】
別の例では、複数の測位精度レベルは、SL PRS送信UEの絶対位置の計算エンティティに基づいて、あらかじめ定義されるかまたは構成され得る。カバレージ内シナリオでは、SL PRS送信UEの絶対位置は、アップリンク(UL)上のサウンディング参照シグナリング、または報告されたDL PRS測定情報、または報告されたGNSS情報に基づいて、ネットワークによって計算(または測定)されるかまたは示され得る。カバレージ外シナリオでは、SL PRS送信UEの絶対位置は、他のUEから送信されたDL PRS、GNSS、またはSL PRSに基づいて、UE自体によって計算(または測定)され得る。次いで、SL PRS送信UEの絶対位置の計算エンティティ(または測定エンティティ)に基づいて、優先度ルールは、ネットワークによって計算されたSL PRS送信UEの絶対位置の測位精度レベルが、UEによって計算されたものよりも高い優先度を有すること、その逆も同様として定義され得る。
【0049】
本出願のいくつかの実施形態では、2つ以上の優先度ルールが一緒に組み合わせられ得る。さらなる優先度ルールが、測位精度レベル内で定義され得る。たとえば、第4の例示的な測位精度レベルでは、さらなる優先度ルールは、その絶対位置がGNSS情報に基づいて計算または測定されるUEからのSL PRSが、GNSS情報に基づかないものよりも高い優先度を有することとして定義され得る。本出願の例示的な実施形態では、第1のUEの絶対位置は、第2のUEからのSL PRS、または第3のUEからのSL PRSのいずれかに基づいて計算され得る。第2のUEの絶対位置は、第4のUEからのSL PRSに基づいて計算または測定されるが、第3のUEの絶対位置は、第5のUEからのSL PRSに基づいて計算または測定され、ここにおいて、第4のUEの絶対位置は、GNSS情報に基づくが、第5のUEはそうではない。次いで、さらなる優先度ルールに基づいて、第2のUEの測位精度レベルの優先度は、第3のUEのものよりも高い。すなわち、第2のUEは、第3のUEよりも高い優先度における第1のUEによって、SL PRS送信UEとして選択され得る。
【0050】
複数の測位精度レベル、および複数の測位精度レベルの優先度に基づいて、SL PRS送信UEがどのように選択されるか、およびSL測位がどのように実行されるかが、例示的な実施形態とともにさらに示される。
【0051】
図2は、本出願のいくつかの実施形態による、SL測位の方法の例示的な手順を示すフローチャートである。方法は、ネットワーク側におけるネットワーク装置、たとえば、gNB、または同様の機能をもつ別の装置によって実施され得る。
【0052】
図2に示されているように、ステップ201において、ネットワーク装置、たとえば、gNBは、PRS送信のための複数の測位精度レベルについてのレベル構成情報、およびPRS送信のための複数の測位精度レベルの優先度についての優先度構成情報のうちの少なくとも1つを構成(事前構成を含む)し得る。
【0053】
たとえば、ネットワーク装置は、PRS送信のための複数の測位精度レベルについてのレベル構成情報のみを構成してよく、たとえば、1つまたは複数の測位精度レベルについての情報は、1つまたは複数のSL PRS送信UEに対応する。別の例では、ネットワーク装置は、PRS送信のための複数の測位精度レベルの優先度についての優先度構成情報のみを構成してよく、たとえば、ネットワークによって計算されたSL PRS送信UEの絶対位置は、UEによって計算されたものよりも高い優先度を有するように構成されるか、またはUEによってGNSSに基づいて計算されたSL PRS送信UEの絶対位置は、UEによってDL PRSもしくはSL PRSに基づいて計算されたものよりも高い優先度を有するように構成される。また別の例では、ネットワーク装置は、レベル構成情報と優先度構成情報の両方を構成し得る。
【0054】
次いで、ステップ203において、ネットワーク装置は、UEまたはより多くのUEに、レベル構成情報および優先度構成情報のうちの少なくとも1つを示す構成情報を送信し得る。ネットワーク装置から構成情報を受信するUEは、SL PRS送信UEまたはSL PRS受信UEであり得る。
【0055】
たとえば、ネットワーク装置がレベル構成情報のみを構成する場合、ネットワーク装置は、たとえば、無線リソース制御(RRC)など、上位レイヤシグナリングによって、UEにレベル構成情報を示すシグナリングを送信し得る。ネットワーク装置が優先度構成情報のみを構成する場合、ネットワーク装置は、たとえば、RRCなど、上位レイヤシグナリングによって、UEに優先度構成情報を示すシグナリングを送信し得る。ネットワーク装置が、レベル構成情報と優先度構成情報の両方を構成する場合、ネットワーク装置は、たとえば、RRCなど、上位レイヤシグナリングによって、UEにレベル構成情報と優先度構成情報の両方を示すシグナリングを送信し得る。
【0056】
本出願のいくつかの実施形態では、ネットワーク側は、SL PRS送信UEであるかSL PRS受信UEであるかにかかわらず、UEのためのリソースプール構成において、複数の測位精度レベルを構成し得る。ネットワーク装置は、リソースプールのセットのリソースプール構成情報を送信することであって、リソースプールのセットのうちの各リソースプールが、複数の測位精度レベルのうちの1つまたは複数に対応するように構成される、送信することを行い得る。本明細書では、「のセット」という表現は、1つまたは複数、あるいは少なくとも1つを意味する。したがって、SL PRS送信UEは、リソースプールのセットの測位精度レベルに少なくとも対応するリソースプールにおいて、SL PRSを送信することになり、SL PRS受信UEは、リソースプールのセットの測位精度レベルに少なくとも対応するリソースプールにおいて、SL PRSを受信することになる。
【0057】
Table 1(表1)は、以下の例示的なリソースプール構成情報を示し、ここにおいて、「以上」という表現は、対応するリソースプールが、2つ以上の測位精度レベルをもつSL PRSを送信するために使用され得ることを意味する。たとえば、リソースプールインデックス2の場合、第2の測位精度レベル以上は、第1および第2の測位精度レベルを意味する。リソースプールインデックス3の場合、第3の測位精度レベル以上は、第1、第2、および第3の測位精度レベルを意味する。リソースプールインデックス4の場合、第4の測位精度レベル以上は、第1、第2、第3、および第4の測位精度レベルを意味する。リソースプールインデックス5の場合、第5の測位精度レベル以上は、第1、第2、第3、第4、および第5の測位精度レベルを意味する。
【表1】
【0058】
図3は、本出願のいくつかの実施形態による、SL測位の方法の例示的な手順を示すフローチャートである。方法は、リモート側におけるUE、たとえば、SL PRS送信UE、または同様の機能をもつ別の装置によって実施され得る。
【0059】
ステップ301に示されているように、SL PRS送信UEは、受信UEのセット、すなわち、SL PRS受信UEのセットに、UEに関連付けられた測位精度レベルを示す精度レベル情報を送信し得る。本明細書では、「のセット」という表現は、1つまたは複数、あるいは少なくとも1つを意味する。UEは、その絶対位置が様々な様式において計算または測定され得るので、複数の測位精度レベルを有し得ることは、当業者によく知られているはずである。ただし、UEからのあるSL PRSの場合、1つの測位精度レベルのみが考慮される。
【0060】
本出願のいくつかの実施形態では、SL PRS送信UEは、たとえば、SL PRS常時送信シナリオでは、受信UEのセットに精度レベル情報を常時送信し得る。SL PRS受信UEは、精度レベル情報を受信し、SL PRS送信UE選択のために使用し得る。本出願のいくつかの他の実施形態では、SL PRS送信UEは、たとえば、SL PRSトリガベース送信シナリオでは、受信UEからの要求情報に応答して、SL PRS受信UEに精度レベル情報を送信し得る。
【0061】
本出願のいくつかの実施形態によれば、精度レベル情報は、SL制御情報において明示的にまたは暗黙的に送信される。SL制御情報は、その関連するSL PRS送信を示すかまたはスケジュールするために使用される。SL PRS受信UEは、SL制御情報を受信し、SL PRS送信UEからのSL PRS送信の測位精度レベルを決定する。本出願のいくつかの実施形態では、精度レベル情報は、SL制御情報において送信される特定のソース識別値情報、または特定の宛先識別値情報である。
【0062】
ステップ303において、SL PRS送信UEは、SL PRS受信UEに、精度レベル情報に対応するSL PRSを送信し得る。SL PRS受信UEは、常時送信される精度レベル情報を受信する受信UEのセットのうちの受信UEであり得るか、またはトリガシグナリングなどを用いて精度レベル情報を要求する受信UEである。
【0063】
SL PRS送信UEが、ネットワーク装置から、リソースプールのセットのリソースプール構成情報を受信するとき、ここにおいて、リソースプールのセットのうちの各リソースプールが、1つまたは複数の測位精度レベルに対応するように構成される。次いで、SL PRSを送信するとき、SL PRS送信UEは、リソースプールのセットの測位精度レベルに少なくとも対応するリソースプールにおいて、SL PRSを送信することになる。
【0064】
さらに、無認可帯域におけるチャネルアクセスでは、SL PRS送信UE側において、リッスンビフォアトーク(LBT)が後続のSL PRS送信のために使用される場合、SL PRSは、チャネルアクセス検出後に送信され、チャネルアクセス検出の競合ウィンドウサイズおよびバックオフ時間のうちの少なくとも1つが、SL PRSの測位精度レベルに関連付けられる。たとえば、測位精度レベルの優先度が高いほど、後続のSL PRS送信のためにチャネルにアクセスすることがより容易(たとえば、競合ウィンドウの短いサイズ、または短い最大バックオフ時間)である。
【0065】
図4は、本出願のいくつかの実施形態による、SL測位の方法の例示的な手順を示すフローチャートである。方法は、リモート側におけるUE、たとえば、SL PRS受信UE、または同様の機能をもつ別の装置によって実施され得る。
【0066】
ステップ401に示されているように、SL PRS受信UEは、所望の測位精度レベル、たとえば、上記で示されたような第1の測位精度レベルを決定し得る。本出願のいくつかの実施形態では、SL PRS受信UEは、要求情報によってSL PRS受信UEによって要求されない、複数のUEからの受信された精度レベル情報に基づいて、所望の測位精度レベルをもつSL PRS送信UEを選択し得る。すなわち、SL PRS受信UEは、SL PRSを受信する前に、SL PRS送信UEから、所望の測位精度レベルを示す精度レベル情報を受信することになる。
【0067】
本出願のいくつかの実施形態では、SL PRS受信UEは、所望の測位精度レベルをもつSL PRSを要求し得る。たとえば、SL PRS受信UEは、所望の測位精度レベルを明示的にまたは暗黙的に示す、トリガリングシグナリングを送信し得る。すなわち、SL PRS受信UEは、SL PRSを受信する前に、SL PRS送信UEに、所望の測位精度レベルを示す要求情報を送信することになる。所望の測位精度レベルを明示的にまたは暗黙的に示すトリガリングシグナリングは、複数のSL PRS UEに送信され得る。要求情報を受信するSL PRS送信UEは、所望の測位精度レベルをもつSL PRSを提供することができ、SL PRS受信UEに、その測位精度レベルを示すシグナリングおよび関連するSL PRSを送信し得る。本出願のいくつかの実施形態では、SL PRS送信UEからの測位精度レベルを示すシグナリングは、SL PRS送信UEが提供することができる測位精度レベルの最も高い優先度を示し得る。
【0068】
したがって、SL PRS送信UEを決定した後、SL PRS受信UEは、ステップ403において、SL PRS送信UEから、所望の測位精度レベルに対応するSL PRSを受信する。
【0069】
本出願のいくつかの実施形態では、SL PRS受信UEは、ネットワーク側から、たとえば、gNBから、リソースプールのセットのリソースプール構成情報を受信することであって、リソースプールのセットのうちの各リソースプールが、1つまたは複数の測位精度レベルに対応するように構成される、受信することを行い得る。SL PRS受信UEは、1つまたは複数の測位精度レベルに対応するリソースプールにおいて、要求情報、たとえば、トリガリングシグナリングを送信することになる。SL PRS受信UEはまた、リソースプールのセットの測位精度レベルに少なくとも対応するリソースプールにおいて、SL PRSを受信する。
【0070】
さらに、上述のように、無認可帯域におけるチャネルアクセスでは、SL PRS送信UE側において、LBTが後続のSL PRS送信のために使用される場合、SL PRSは、チャネルアクセス検出後に送信される。チャネルアクセス検出の競合ウィンドウサイズおよびバックオフ時間のうちの少なくとも1つが、測位精度レベルに関連付けられる。したがって、SL PRSは、SL PRS受信UEによるチャネルアクセス検出後に受信される。
【0071】
図5は、本出願のいくつかの実施形態による、SL測位の装置500のブロック図を示す。
【0072】
図5に示されているように、装置500は、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体501と、少なくとも1つの受信回路502と、少なくとも1つの送信回路504と、非一時的コンピュータ可読媒体501、受信回路502、および送信回路504に結合された、少なくとも1つのプロセッサ506とを含み得る。少なくとも1つのプロセッサ506は、CPU、DSP、マイクロプロセッサなどであり得る。装置500は、上記で示された方法などを実行するように構成されたネットワーク装置、たとえば、gNB、またはUE、たとえば、SL PRS送信UEもしくはSL PRS受信UEなどであり得る。
【0073】
この図では、少なくとも1つのプロセッサ506、送信回路504、および受信回路502などの要素が単数形で説明されるが、単数形への限定が明記されていない限り、複数形が企図される。本出願のいくつかの実施形態では、受信回路502および送信回路504は、トランシーバなどの単一のデバイスに組み合わせられ得る。本出願のいくつかの実施形態では、装置500は、入力デバイス、メモリ、および/または他の構成要素をさらに含み得る。
【0074】
本出願のいくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体501は、上記で説明されたようなネットワーク装置に関する方法をプロセッサに実施させるためのコンピュータ実行可能命令を、その上に記憶していることがある。たとえば、コンピュータ実行可能命令は、実行されると、上記で図示されたようなネットワーク装置に関するステップを実行するように、プロセッサ506が受信回路502および送信回路504と対話することを引き起こす。
【0075】
本出願のいくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体501は、上記で説明されたようなSL PRS送信UEまたはSL PRS受信UEに関する方法をプロセッサに実施させるためのコンピュータ実行可能命令を、その上に記憶していることがある。たとえば、コンピュータ実行可能命令は、実行されると、上記で示されたようなSL PRS送信UEまたはSL PRS受信UEに関するステップを実行するように、プロセッサ506が受信回路502および送信回路504と対話することを引き起こす。
【0076】
図6は、本出願のいくつかの他の実施形態による、SL測位の装置のブロック図である。
【0077】
図6を参照すると、装置600、たとえば、マスタノードまたはスレーブノードは、少なくとも1つのプロセッサ602と、少なくとも1つのプロセッサ602に結合された少なくとも1つのトランシーバ604とを含み得る。トランシーバ604は、少なくとも1つの別個の受信回路606および送信回路608、または少なくとも1つの統合された受信回路606および送信回路608を含み得る。少なくとも1つのプロセッサ602は、CPU、DSP、マイクロプロセッサなどであり得る。
【0078】
本出願のいくつかの実施形態によれば、装置600がSL PRS送信UEであるとき、プロセッサは、少なくとも1つの送信回路を介して、受信UEのセットに、UEに関連付けられた測位精度レベルを示す精度レベル情報を送信することと、少なくとも1つの送信回路を介して、受信UEに、精度レベル情報に対応するSL PRSを送信することであって、受信UEが、受信UEのセットのうちの1つであるか、またはそうでない、送信することとを行うように構成される。
【0079】
本出願のいくつかの他の実施形態によれば、装置600がSL PRS受信UEであるとき、プロセッサは、UEによって望まれる測位精度レベルを決定することと、少なくとも1つの受信回路を介して、送信UEから、測位精度レベルを示す精度レベル情報に対応するSL PRSを受信することとを行うように構成され得る。
【0080】
本出願のいくつかの他の実施形態によれば、装置600がネットワーク装置であるとき、プロセッサは、PRS送信のための複数の測位精度レベル、およびPRS送信のための複数の測位精度レベルの優先度のうちの少なくとも1つを構成することと、少なくとも1つの送信回路を介して、UEに、レベル構成情報および優先度構成情報のうちの少なくとも1つを示す構成情報を送信することとを行うように構成され得る。
【0081】
本出願の実施形態による方法はまた、プログラムされたプロセッサ上で実施され得る。しかしながら、コントローラ、フローチャート、およびモジュールもまた、汎用または専用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラおよび周辺集積回路要素、集積回路、離散要素回路などのハードウェア電子または論理回路、プログラマブル論理デバイスなどにおいて実装され得る。一般に、図に示されたフローチャートを実装することが可能な有限状態機械がそれにおいて存在する任意のデバイスが、本出願のプロセッサ機能を実装するために使用され得る。たとえば、本出願の一実施形態は、プロセッサおよびメモリを含む、装置を提供する。方法を実施するためのコンピュータプログラマブル命令は、メモリに記憶され、プロセッサは、方法を実施するためのコンピュータプログラマブル命令を実行するように構成される。方法は、上述のような方法、または本出願の一実施形態による他の方法であり得る。
【0082】
代替実施形態は、好ましくは、コンピュータプログラマブル命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読記憶媒体において、本出願の実施形態による方法を実施する。命令は、好ましくはネットワークセキュリティシステムとともに組み込まれた、コンピュータ実行可能構成要素によって、好ましくは実行される。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、光記憶デバイス(CDまたはDVD)、ハードドライブ、フロッピードライブ、または任意の好適なデバイスなど、任意の好適なコンピュータ可読媒体上に記憶され得る。コンピュータ実行可能構成要素は、好ましくはプロセッサであるが、命令は、代替または追加として、任意の好適な専用ハードウェアデバイスによって実行され得る。たとえば、本出願の一実施形態は、その中に記憶されたコンピュータプログラマブル命令を有する、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータプログラマブル命令は、上述のような方法、または本出願の一実施形態による他の方法を実施するように構成される。
【0083】
さらに、本開示では、「含む(includes)」、「含む(including)」という用語、またはそれらの任意の他の変形形態は、非排他的包含をカバーするものとし、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素のみを含むのではなく、明確に列挙されないか、またはそのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有でない他の要素を含み得るようになる。「a」、「an」などが前に来る要素は、より多くの制約なしに、その要素を含むプロセス、方法、物品、または装置における追加の同等の要素の存在を排除しない。また、「別の(another)」という用語は、少なくとも第2以上として定義される。本明細書で使用される「有する(having)」などの用語は、「含む(including)」として定義される。
【符号の説明】
【0084】
101a 第1のUE
101b 第2のUE、Rx UE
103 基地局、BS
105 カバレージエリア
500 SL測位の装置、装置
501 非一時的コンピュータ可読媒体
502、606 受信回路
504、608 送信回路
506、602 プロセッサ
600 装置
604 トランシーバ
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】