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特表2024-538974隔離のために二酸化炭素の代替源を利用する方法及び組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】隔離のために二酸化炭素の代替源を利用する方法及び組成物
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/50 20170101AFI20241018BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20241018BHJP
   C02F 11/04 20060101ALI20241018BHJP
   C04B 40/02 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
C01B32/50
B01D53/14 210
B01D53/14 100
C02F11/04 A ZAB
C04B40/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521195
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 US2022046459
(87)【国際公開番号】W WO2023064403
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/254,633
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/320,729
(32)【優先日】2022-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519452703
【氏名又は名称】カーボンキュア テクノロジーズ インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】161 Joseph Zatzman Drive, Dartmouth, Nova Scotia B3B 1M7, Canada
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライスト ケーシー ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】フォルジュロン ディーン ポール
(72)【発明者】
【氏名】ニーヴン ロバート
(72)【発明者】
【氏名】モンクマン ジョージ ショーン
【テーマコード(参考)】
4D020
4D059
4G112
4G146
【Fターム(参考)】
4D020AA01
4D020AA02
4D020AA03
4D020AA04
4D020AA07
4D020AA08
4D020AA10
4D020BA02
4D020BA08
4D020BB01
4D020BB03
4D020BB05
4D020CA00
4D020CB00
4D020DA03
4D020DB03
4D020DB20
4D059AA01
4D059AA03
4D059AA07
4D059BA16
4G112RA02
4G146JA02
4G146JB09
4G146JC08
4G146JC28
4G146JD10
(57)【要約】
本明細書では、二酸化炭素を使用するためのシステムおよび方法を提供し、二酸化炭素は、例えば、二酸化炭素が大気から直接的または間接的に来るプロセスで生成される、1種または複数種の汚染物質を含む二酸化炭素などである。当該システムおよび方法は、二酸化炭素または1種または複数種の二酸化炭素反応生成物を1種または複数種の反応物質と結合させて1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物、例えば、二酸化炭素を永久的に隔離する生成物、を生成する1種または複数種のプロセスを実行するためのものである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素除去の方法であって、
(i)下記:
(a)第1の現場における有機材料の嫌気性消化によって生成される二酸化炭素及びメタンを含むガスに由来する二酸化炭素であって、その少なくとも一部は、二酸化炭素部分及びメタン部分を生成するために前記メタンから分離したものである、二酸化炭素を供給すること、または
(b)第2の現場における二酸化炭素の直接空気回収によって生成される組成物に由来する二酸化炭素であって、前記組成物から二酸化炭素の少なくとも一部を分離することによって得られる二酸化炭素を供給すること、
のいずれかを実施することと、
(ii)第3の現場において、前記二酸化炭素部分の少なくとも一部またはその反応生成物を化学反応に付して、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、前記二酸化炭素部分の少なくとも一部を隔離することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1及び前記第2の現場が前記第3の現場とは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の現場及び/または前記第2の現場で、必要に応じて、前記二酸化炭素を処理してそれを輸送に適するものにすることと、前記二酸化炭素を前記第3の現場に輸送することと、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1及び/または前記第2の現場が、前記第3の現場から5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150、200、250、300、400、500、700、または1000マイル以内にある、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1及び/または前記第2の現場が前記第3の現場から250マイル以内にある、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の現場と同種の1種以上のさらなる現場及び/または前記第2の現場と同種の1種以上のさらなる現場が、隔離すべき二酸化炭素を前記第3の現場に供給する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第3の現場と同種の1種以上のさらなる現場が、第1、第2、及び/またはさらなる現場からの前記二酸化炭素部分の少なくとも一部を隔離する、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記(i)(a)において、二酸化炭素部分が1種以上の汚染物質を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記二酸化炭素が、前記汚染物質の性質及び/または濃度故に食品グレードの二酸化炭素として適さないものである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1種以上の汚染物質が、有機物(例えば、糞便物質)、1種以上の硫黄化合物(例えば、HS、チオール)、アンモニア、シロキサン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記二酸化炭素が0.01~10%(w/w)の汚染物質を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記汚染物質が、少なくとも0.001、0.01、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.7、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、12、15、または20%(例えば、少なくとも0.09%)の総濃度で存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記1種以上の汚染物質の少なくとも一部が、前記1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物中に隔離される、請求項8~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記1種以上の汚染物質が、前記1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物中に永久的に隔離される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記有機材料が、埋立ごみ、廃水処理生成物(例えば、下水汚泥)、動物糞尿、食品廃棄物、農業残渣、林業及び/または林産物の残渣、エネルギー作物、都市固形廃棄物、あるいはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物が、短期隔離生成物(例えば燃料など)を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物が、永久的隔離生成物を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物が、鉱化生成物を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物が、1種以上の炭酸化コンクリート製造生成物を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記炭酸化コンクリート製造生成物が、炭酸化コンクリート、炭酸化コンクリート洗浄水、炭酸化再生コンクリート骨材、またはそれらの組み合わせを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
二酸化炭素除去を定量化することをさらに含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
大気から取り出された二酸化炭素の定量値に基づき、炭素クレジットを得ることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
捕捉現場及び利用/貯蔵現場のデジタル情報を共有する、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
化学結合の少なくとも一部が、非共有結合である、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
化学結合の少なくとも一部が、共有結合である、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
(i)少なくとも0.09%の汚染物質を含有する二酸化炭素を供給することと、
(ii)前記二酸化炭素またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、前記二酸化炭素の少なくとも一部を隔離することと、
を含む、方法。
【請求項27】
前記1種以上の汚染物質が、有機物(例えば、糞便物質)、1種以上の硫黄化合物(例えば、HS、チオール)、アンモニア、シロキサン、水蒸気、窒素、酸素、水素、一酸化炭素、ハロゲン化炭化水素、他の揮発性有機化合物及び半揮発性有機化合物、重金属、またはそれらの組み合わせの1種以上を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記1種以上の汚染物質の少なくとも一部が隔離される、請求項26または請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記1種以上の汚染物質が、有機物(例えば、糞便物質)、1種以上の硫黄化合物(例えば、HS、チオール)、アンモニア、シロキサン、またはそれらの組み合わせの1種以上を含む、請求項26~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記二酸化炭素が、エタノール製造、バイオガス製造、水素製造、直接空気回収、またはそれらの組み合わせの際に産出されるものである、請求項26~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記隔離が、前記二酸化炭素をコンクリートまたはコンクリート製品と接触させることを含む、請求項26~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
(i)大気中の二酸化炭素から直接的または間接的に誘導した二酸化炭素を含む、二酸化炭素含有ガスを供給することと、
(ii)前記二酸化炭素またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、前記二酸化炭素の少なくとも一部を隔離することと、
を含む、方法。
【請求項33】
前記二酸化炭素が1種以上の汚染物質を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記1種以上の汚染物質が、少なくとも0.001、0.01、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.7、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、12、15、または20%(例えば、少なくとも0.09%)の総濃度で存在する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記二酸化炭素がDACによって得られる二酸化炭素を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記二酸化炭素が、有機材料の嫌気性消化によって生成される二酸化炭素を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記二酸化炭素が、エタノール製造(例えば、トウモロコシなどのバイオマス作物からのエタノール製造)中に生成される二酸化炭素を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記二酸化炭素が、H製造(例えば、バイオマスからのH製造)の際に生成される二酸化炭素を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記隔離が、前記二酸化炭素をコンクリートまたはコンクリート製品と接触させることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
(i)大気から直接的または間接的に得られる二酸化炭素の供給源を含み、必要に応じて、前記二酸化炭素を輸送に適したものに処理するためのシステムを備える、二酸化炭素産出設備と、
(ii)必要に応じて前記二酸化炭素が輸送される隔離プラントであって、前記二酸化炭素または1種以上の二酸化炭素反応生成物を1種以上の反応物質と結合させて1種以上の二酸化炭素隔離生成物を生成する1種以上のプロセスを実行するための1種以上のシステムを含む隔離プラントと、
を備える、炭素除去システム。
【請求項41】
前記供給源が、生物起源の二酸化炭素の供給源である、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記二酸化炭素産出設備がバイオガスプラントを含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記バイオガスプラントが、埋立地ガス(LFG)バイオガスプラント、動物糞尿バイオガスプラント、水資源回収設備(WRRF)バイオガスプラント、食品廃棄物バイオガスプラント、農業残渣バイオガスプラント、林業及び/または林産物の残渣のバイオガスプラント、エネルギー作物バイオガスプラント、都市固形廃棄物(MSW)バイオガスプラント、再生可能電力バイオガスプラント、あるいはそれらの組み合わせを含む、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記隔離プラントが、コンクリート製造プラント、コンクリート製品加工プラント、またはそれらの組み合わせを含む、請求項40~43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項45】
大気もしくは生物起源の二酸化炭素の複数の供給源、または複数の隔離プラント、またはそれらの両方を備える、請求項40~45のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項46】
前記大気もしくは生物起源の二酸化炭素の供給源の1つまたは複数、及び前記隔離プラントの1つまたは複数が、半径5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150、200、250、300、400、500、700、または1000マイル以内に位置する、請求項40~45のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項47】
前記大気もしくは生物起源の二酸化炭素の供給源の1つまたは複数、及び前記隔離プラントの1つまたは複数が、半径250マイル以内にある、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記コンクリート製造プラントまたは前記コンクリート製品加工プラントおいて前記二酸化炭素を処理する1種以上のシステムが、前記二酸化炭素の少なくとも一部を混合中のコンクリートミックスに供給するシステム、前記二酸化炭素の少なくとも一部をウェットコンクリートミックスに供給するシステム、前記二酸化炭素の少なくとも一部をコンクリート洗浄水に供給するシステム、前記二酸化炭素の少なくとも一部を再生コンクリート骨材に供給するシステム、またはそれらの組み合わせを含み、任意で、それらの2つ以上(例えば、3つ)または4つ全てのシステムが互いに異なるシステムである、請求項44に記載のシステム。
【請求項49】
二酸化炭素を輸送可能にするための前記システムが、二酸化炭素を液化する、請求項40~47のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項50】
前記供給源において二酸化炭素を輸送可能にするための前記システムと、前記1種以上のプロセスを実行するための1種以上のシステムが、1つの独立体によって所有または管理されている、請求項40~48のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項51】
大気から取り出される純二酸化炭素を定量し、炭素クレジットを生成するための構成部分をさらに含む、請求項40~49のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項52】
コンクリート材料、二酸化炭素反応生成物、及び1種以上の汚染物質を含む組成物であって、前記1種以上の汚染物質は、大気から二酸化炭素を直接的または間接的に取り出すためのプロセスにおいて産出されたものである、組成物。
【請求項53】
二酸化炭素を隔離する方法であって、
(i)水素の製造において生成される二酸化炭素を供給することと、
(ii)前記二酸化炭素を、1種以上の反応物質を介して、二酸化炭素と結合させる、または二酸化炭素反応生成物および種以上の反応物質と結合させることで、1種以上の二酸化炭素隔離生成物を生成し、それにより前記二酸化炭素を隔離することと、
を含む、方法。
【請求項54】
二酸化炭素及び1種以上の不純物を含む組成物を隔離する方法であって、前記1種以上の不純物は、有機物(例えば、糞便物質)、1種以上の硫黄化合物(例えば、HS、チオール)、アンモニア、シロキサン、水蒸気、窒素、酸素、水素、一酸化炭素、ハロゲン化炭化水素、他の揮発性有機化合物及び半揮発性有機化合物、重金属、またはそれらの組み合わせの1種以上を含み、場合によって、有機物(例えば、糞便物質)、1種以上の硫黄化合物(例えば、HS、チオール)、アンモニア、シロキサン、またはそれらの組み合わせの1種以上を含み、前記組成物を1種以上のコンクリート製品と反応させて、前記二酸化炭素及び前記1種以上の不純物の少なくとも一部が永久的に隔離される1種以上の組成物を形成することを含む、方法。
【請求項55】
炭素除去の方法であって、
(i)二酸化炭素含有ガスから得た二酸化炭素を供給することであって、前記ガス中の二酸化炭素は、第1の現場において大気からの直接的または間接的な捕捉によって得られた二酸化炭素である、二酸化炭素を供給することと、
(ii)輸送に適するものにするために、必要に応じて、前記二酸化炭素を処理することと、
(iii)前記二酸化炭素を第2の現場に輸送することと、
(iv)第2の現場において、二酸化炭素部分の少なくとも一部またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、二酸化炭素の少なくとも一部を隔離することと、
を含む、方法。
【請求項56】
前記第2の現場が、コンクリート製造の現場を含み、前記二酸化炭素の少なくとも一部が、1種以上のコンクリート製品の炭酸化によって隔離される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記二酸化炭素部分またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、
(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、
(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、
(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び/または
(d)再生コンクリート骨材の炭酸化
のうちの少なくとも1種を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記二酸化炭素部分またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、
(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、
(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、
(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び/または
(d)再生コンクリート骨材の炭酸化
のうちの少なくとも2種を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記二酸化炭素部分またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、
(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、
(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、
(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び/または
(d)再生コンクリート骨材の炭酸化
のうちの少なくとも3種を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記二酸化炭素部分またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、
(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、
(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、
(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び/または
(d)再生コンクリート骨材の炭酸化
を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
前記炭酸化された洗浄水の少なくとも一部が、コンクリートのバッチにおいて混合水として使用される、請求項57~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記第1の現場が、前記第2の現場から5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150、200、250、300、400、500、700、または1000マイル以内(例えば、200マイル以内、好ましくは150マイル以内、より好ましくは100マイル以内)である、請求項55~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記第1の現場が、前記第2の現場から250マイル以内にある、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記第1の現場と同種の1種以上のさらなる現場が、隔離すべき二酸化炭素を前記第2の現場に供給する、請求項55~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
第2の現場と同種の1種以上のさらなる現場が、前記第1の現場から得た二酸化炭素部分の少なくとも一部を隔離する、請求項65に記載の方法。
【請求項66】
前記(i)において、二酸化炭素の部分が1種以上の汚染物質を含む、請求項55~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記汚染物質の性質及び/または濃度故に、前記二酸化炭素が食品グレードの二酸化炭素として適さないものである、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記1種以上の汚染物質が、有機物(例えば、糞便物質)、1種以上の硫黄化合物(例えば、HS、チオール)、アンモニア、シロキサン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記二酸化炭素が0.01~10%(w/w)の汚染物質を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記二酸化炭素が少なくとも0.09%(w/w)の汚染物質を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記二酸化炭素が少なくとも0.99%(w/w)の汚染物質を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記二酸化炭素が少なくとも2%(w/w)の汚染物質を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
前記1種以上の汚染物質の少なくとも一部が、前記1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物中に隔離される、請求項66~72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記1種以上の汚染物質が、前記1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物中に永久的に隔離される、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記1種以上の汚染物質が、前記1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物中に永久的に隔離される、請求項66~74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記第1の現場が、バイオガスプラント、エタノール製造プラント、直接空気回収プラント、水素製造プラント、またはそれらの組み合わせを含む、請求項55~74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
前記第1の現場がバイオガスプラントを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記バイオガスプラントが、埋立地ガス(LFG)バイオガスプラント、動物糞尿バイオガスプラント、水資源回収設備(WRRF)バイオガスプラント、食品廃棄物バイオガスプラント、農業残渣バイオガスプラント、林業及び/または林産物の残渣のバイオガスプラント、エネルギー作物バイオガスプラント、都市固形廃棄物(MSW)バイオガスプラント、再生可能電力バイオガスプラント、あるいはそれらの組み合わせを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記コンクリート製造の現場が、コンクリート製造プラント、コンクリート製品加工プラント、またはそれらの組み合わせを含む、請求項55~78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
(i)二酸化炭素及びメタンを含むガスに由来する二酸化炭素を供給することであって、前記ガスは、第1のバイオガス現場で生成され、
(ii)必要に応じて前記二酸化炭素を処理して、それを輸送に適したものにすることと、
(iii)前記二酸化炭素の少なくとも一部を第1の隔離現場に輸送することと、
(iv)前記第1の隔離現場において、二酸化炭素部分またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、二酸化炭素部分の少なくとも一部を隔離することと、
を含む、方法。
【請求項81】
第2の現場が、コンクリート製造の現場を含み、前記二酸化炭素の少なくとも一部が、1種以上のコンクリート製品の炭酸化によって隔離される、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記二酸化炭素またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、
(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、
(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、
(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び/または
(d)再生コンクリート骨材の炭酸化
のうちの少なくとも1種を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記二酸化炭素またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、
(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、
(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、
(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び/または
(d)再生コンクリート骨材の炭酸化
のうちの少なくとも2種を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
前記二酸化炭素またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、
(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、
(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、
(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び/または
(d)再生コンクリート骨材の炭酸化
のうちの少なくとも3種を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項85】
前記二酸化炭素またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、
(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、
(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、
(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び
(d)再生コンクリート骨材の炭酸化
を含む、請求項81に記載の方法。
【請求項86】
前記炭酸化された洗浄水の少なくとも一部が、コンクリートのバッチにおいて混合水として使用される、請求項82~85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
前記第1のバイオガス現場が、前記第1の隔離現場から5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150、200、250、300、400、500、700、または1000マイル以内にある、請求項80~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
前記第1のバイオガス現場が、前記第1の隔離現場から250マイル以内にある、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
下記工程をさらに含む、請求項80~88のいずれか1項に記載の方法。
(v)二酸化炭素及びメタンを含むガスに由来する二酸化炭素を供給することであって、前記ガスが、第2のバイオガス現場、さらに任意で、第3のバイオガス現場、さらに任意で、第4のバイオガス現場で生成されたものである、前記二酸化炭素を供給することと、
(vi)必要に応じて前記二酸化炭素を処理して、それを輸送に適するものにすることと、
(vii)前記二酸化炭素の少なくとも一部を前記第1の隔離現場に輸送することと、
(viii)前記第1の隔離現場において、二酸化炭素部分の少なくとも一部またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、前記二酸化炭素部分の少なくとも一部を隔離すること。
【請求項90】
前記第2のバイオガス現場と、存在する場合は第3のバイオガス現場と、存在する場合は第4のバイオガス現場とが、互いに異なる、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記二酸化炭素の少なくとも一部を第2の隔離現場、及び任意でさらに第3の隔離現場、及び任意でさらに第4の隔離現場に輸送することと、
前記第2の隔離現場、及び/または、存在する場合は前記第3の隔離現場、及び/または存在する場合は前記第4の隔離現場において、二酸化炭素の少なくとも一部またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、前記二酸化炭素部分隔離することと、
をさらに含む、請求項80~90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項92】
前記第2の隔離現場と、存在する場合は前記第3の隔離現場と、存在する場合は前記第4の隔離現場とが、コンクリート製造の現場を含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記第2の隔離現場と、存在する場合は前記第3の隔離現場と、存在する場合は前記第4の隔離現場とが、互いに異なる、請求項91または請求項92に記載の方法。
【請求項94】
二酸化炭素及びメタンを含むガスに由来する前記二酸化炭素部分が、1種以上の汚染物質を含む、請求項80~93のいずれか1項に記載の方法。
【請求項95】
前記汚染物質の性質及び/または濃度故に、前記二酸化炭素が食品グレードの二酸化炭素として適さないものである、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記1種以上の汚染物質が、有機物(例えば、糞便物質)、1種以上の硫黄化合物(例えば、HS、チオール)、アンモニア、シロキサン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項94または請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記二酸化炭素が0.01~10%(w/w)の汚染物質を含む、請求項94~96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
前記二酸化炭素が少なくとも0.09%(w/w)の汚染物質を含む、請求項94~96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
前記二酸化炭素が少なくとも0.99%(w/w)の汚染物質を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記二酸化炭素が少なくとも2%(w/w)の汚染物質を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項101】
前記1種以上の汚染物質の少なくとも一部が、前記1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物中に隔離される、請求項66~72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
前記1種以上の汚染物質が、前記1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物中に永久的に隔離される、請求項94~101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
第1のバイオガスプラント、及び/または、存在する場合は第2、第3、第4のバイオガスプラントが、埋立地ガス(LFG)バイオガスプラント、動物糞尿バイオガスプラント、水資源回収設備(WRRF)バイオガスプラント、食品廃棄物バイオガスプラント、農業残渣バイオガスプラント、林業及び/または林産物の残渣のバイオガスプラント、エネルギー作物バイオガスプラント、都市固形廃棄物(MSW)バイオガスプラント、再生可能電力バイオガスプラント、あるいはそれらの組み合わせを含む、請求項80~102のいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
第1のコンクリート製造の現場、及び/または第2、第3、第4のコンクリート製造の現場が、コンクリート製造プラント、コンクリート製品加工プラント、またはそれらの組み合わせを含む、請求項92~103のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年10月12日出願の米国仮出願第63/254,633号及び2022年3月17日出願の米国仮出願第63/320,729号の利益を主張する。これらの出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素の隔離及び除去は、ますます重要になってきている。したがって、二酸化炭素の除去及び/または隔離の新しくより効率的な方法が必要とされている。
【0003】
参照による援用
本明細書において言及する全ての刊行物、特許、及び特許出願は、参照により本明細書に組み込まれ、その結果、それぞれの刊行物、特許、特許出願の内容は具体的かつ個別的に本明細書に示されたこととなる。
【発明を実施するための形態】
【0004】
二酸化炭素は、さまざまなプロセスで生じるが、それらのプロセスにおいて、二酸化炭素は1種以上の汚染物質を含んでいる。1種以上の汚染物質は、例えば、その性質及び/または濃度故に、二酸化炭素をさまざまな用途に適さないものにしている。例えば、そのような二酸化炭素は、食品グレードではなく、あるいは他の用途にとって十分な純度でない。そのようなプロセスには、バイオガス製造、合成ガス製造、エタノール製造(例えば埋立廃棄物からの)、バイオマス、水素製造などがある。一般的に、これらのプロセスに伴って生じる二酸化炭素は、廃棄物であるか、使用にはさらなる精製が必要であると考えられる。場合によって、二酸化炭素はさらに精製されることなく使用される。場合によって、二酸化炭素はさらに精製されて使用される。これらのプロセスの多くや他のプロセスにおいて、二酸化炭素は、大気から直接または間接的に取り出されたものである。本明細書で使用される「大気から直接または間接的に取り出された二酸化炭素」という用語及びそれに類する用語は、以下のものを包含する。現在の大気から直接取り出された二酸化炭素(例えば、直接空気回収(DAC)によって取り出された二酸化炭素)。間接的に取り出された二酸化炭素(例えば、バイオマス製造のようなプロセスの最中に取り出された二酸化炭素)。そのようなプロセスでは、現在の大気からの二酸化炭素は、例えばバイオマスの炭水化物中に捉えられ、次いで後のプロセス(例えば、バイオマスからのバイオガスプロセス、エタノール製造プロセス、水素製造)において、バイオマスから新たな二酸化炭素分子として放出される。したがって、そのような二酸化炭素を隔離することによって、最終的に大気中の二酸化炭素を削減するか、他のプロセスによる大気中の二酸化炭素の増加率を少なくとも減少させることが期待される。大気から直接的または間接的に得られる二酸化炭素には、化石燃料の燃焼や、セメントを製造するための石灰石の焼成などから発生する二酸化炭素は含まれない。というのもそのような二酸化炭素は、ある大気から間接的に生じたとしても、その大気は、現在の大気ではないからである。1種以上の汚染物質を含む二酸化炭素を、二酸化炭素を隔離する(好ましくは長期隔離する)プロセスで使用すれば、現状では多くの場合使用に適さないと考えられる二酸化炭素の利用と炭素除去との両方を確実に実行する契機となる。
【0005】
さらに、これらのプロセスが実施される設備(本明細書において「二酸化炭素産出設備」などと呼ぶことがある)は、さまざまな地理的位置にあるが、多くの場合、他の設備に近接している(他の設備では、二酸化炭素産出プロセスからの二酸化炭素を二酸化炭素隔離プロセスで利用することができるようになっている)。そのような設備を本明細書では「隔離プラント」、「隔離設備」などと呼ぶことがある。一般に、隔離設備では、二酸化炭素または二酸化炭素の反応生成物を、1種以上の反応物質と化学反応させ、二酸化炭素またはその反応生成物を、ある反応生成物中に非共有結合または共有結合させる。したがって、隔離設備には、例えば、二酸化炭素の隔離、原油の二次回収などのための、二酸化炭素を地下に圧送するための設備は含まれない。さらに、このような二酸化炭素が、鉱物(例えば地下の鉱物)と反応して反応生成物を生成するとしても、当然のことながら、地下の鉱物は、設備の一部ではない。したがって、本明細書で使用される当該用語に該当する隔離設備ではない。1種以上の二酸化炭素産出設備が、1種以上の二酸化炭素隔離設備とつながっている場合、最小限の処理または処理なしで、最小限の輸送にて二酸化炭素を即座に供給することができる。ある場合、1種または複数種の隔離設備は、二酸化炭素の一部または全部を利用して、有用な及び/または商業的に価値のある製品を生産してもよい。ある場合、隔離設備は、コンクリート製造プラント及び/またはコンクリート製品処理プラントとすることができ、これらを総称して、本明細書ではコンクリート製品プラントと呼ぶことがある。一般に、この用語は、本明細書でより詳細に説明するように、1種以上のコンクリート製品を生産する設備、及び/または、1種以上のコンクリート製品を処理する設備を指す。かくして、二酸化炭素(例えば、ある濃度より高い汚染物質を含む二酸化炭素であって、現在のところ廃棄物とみなされるもの、あるいは、よくても、使用のために大掛かりな追加の精製を必要とするとみなされるもの)を原材料にすることができる。そのような原材料は、そのまま、または最小限の精製で、低コストまたは無コストで、最小限の輸送コストで、関連する二酸化炭素産出物の輸送を最小限にして使用することができる。
【0006】
下記を含む任意のシステムを構築することができる:1)1種以上の二酸化炭素産出設備(例えば、1種以上のバイオガス設備、1種以上のエタノール設備、1種以上の直接空気回収設備、及び/または1種以上の水素製造設備など)であって、分離される二酸化炭素を分離及び/または処理して、典型的には、そのまま、または最小限の精製で(すなわち、1種以上の汚染物質が二酸化炭素に残存する状態で)、輸送に適するものにするために必要な装置を備えた二酸化炭素産出設備と、2)分離かつ処理された二酸化炭素を輸送するために使用される、二酸化炭素の形態と量に適した輸送装置と、3)二酸化炭素の輸送を受け入れ、かつ二酸化炭素を、通常さらに精製することなくあるいは最小限の精製にとどめて、1種以上の材料と反応させる1種以上の炭素隔離設備であって、そのような材料が二酸化炭素を隔離し、さらに多くの場合、二酸化炭素中の汚染物質の1種以上も隔離するものである、炭素隔離設備と、を備える。規制上、二酸化炭素の「汚染物質」とみなされるものは、比較的無害なもの、有毒なもの、あるいはその中間のものであり得、比較的無害な汚染物質は、分離された二酸化炭素とともに運ぶことができ、その後の反応で隔離されなくても、隔離プロセスを実質的に妨げない限り、その放出は無害であることが理解される。ある場合、本明細書でさらに説明されるように、より有毒な汚染物質を、二酸化炭素とともに運び、化学反応、物理的捕捉、またはそれらの組み合わせによって、隔離してもよい。特定の実施形態では、1つの独立体が、1以上の二酸化炭素産出設備における装置を部分的または全体的に所有または管理し、二酸化炭素を分離し及び/またはそれを輸送可能せしめ、またある場合は、二酸化炭素を輸送可能にする装置を所有または管理する。同じ独立体は、二酸化炭素隔離設備において、二酸化炭素を隔離し、場合によっては二酸化炭素の1種以上の汚染物質を隔離するための装置を部分的または全体的に所有してもよい。特定の実施形態では、炭素隔離設備は、以下のシステムの1種以上を備える。1)二酸化炭素(及び、場合によっては、二酸化炭素中の1種以上の汚染物質)を混合されているセメントミックス(例えば、コンクリート製造設備におけるコンクリート)に供給する1種以上のシステムであり、通常、混合中のセメントミックス(例えばコンクリートミックス)は、乾燥セメントパウダーに最初に水を加えて作られる混合物である、2)二酸化炭素(及び、場合によっては、二酸化炭素中の1種以上の汚染物質)をウェットコンクリートに供給する1種以上のシステムであり、ウェットコンクリートは、例えば、コンクリート製造設備に戻されたものであるか、その他のものであり、通常、ウェットコンクリートは、湿潤状態のままで混合可能であるが、乾燥セメントパウダーに最初に水を加えた時またはその直後のコンクリートミックスではないものである、2)二酸化炭素(及び、場合によっては、二酸化炭素中の1種以上の汚染物質)を、コンクリート製造からの洗浄水(プロセス水または排水としても知られる)に供給、輸送、及び/または使用して、洗浄水を炭酸化する1種以上のシステムであり、ある場合は、さらに、炭酸化された洗浄水の少なくとも一部を、その後のコンクリートバッチにおいて混合水として使用するために供給する1種以上のシステム、3)二酸化炭素(及び、場合によっては、二酸化炭素中の1種以上の汚染物質)を、再生コンクリート骨材及び/またはコンクリート細骨材に供給する1種以上のシステム。二酸化炭素は、炭酸塩の形態、例えば炭酸カルシウムに変換され、永久的に隔離される。1種以上の汚染物質は、放出、除去、または二酸化炭素とともに、隔離される。本明細書で使用される「永久的に隔離」という用語は、製品の通常の使用または保管中に、相当量の二酸化炭素が大気中に放出されないことを指し、そこでは、数百年あるいは数千年にもわたって二酸化炭素は隔離される。二酸化炭素が、例えば、炭酸カルシウムとして固体塊(例えばコンクリートブロック)中に隔離されれば、それは、例えば、石灰石中の炭酸カルシウムに匹敵し、同様に安定であることが理解されよう。これは単なる例示に過ぎない。二酸化炭素は、製品の通常の使用または保管中に、より短い時間、例えば数日、数週間、数ヶ月、または数年のうちに放出されてもよい。そのような場合は「一時的に隔離」と呼ぶことができる。追加的または代替的に、該システムは、二酸化炭素を輸送、処理、及び/または使用に適する状態にする前に、二酸化炭素を精製する1種以上の精製システムをさらに備える。このことは、二酸化炭素を扱うための必要な装置が特定の純度の二酸化炭素を必要とする場合(例えば、二酸化炭素を扱う装置が食品及び飲料グレードの二酸化炭素を必要とする場合)、有利である。精製システムは、装置の要求にしたがう任意の適切な純度(例えば、少なくとも50、60、70、80、90、95、99、99.9、99.99、99.999、または100%の純度)で二酸化炭素を産出するように構成することができる。特定の実施形態において、システムは、第1の精製システムを備え、第1の精製システムは、二酸化炭素含有ガス源(例えばバイオガス工程からの廃ガス)のための入口と、精製された二酸化炭素含有ガス流を導くための精製ガス出口と、二酸化炭素が減った廃ガスを下流の工程及び/または大気に導くための廃ガス出口と、を備える。特定の実施形態において、二酸化炭素が減った廃ガスは、特定の1種以上の成分(例えば、メタンなどのバイオガス成分)の濃度がより高く、そのような成分は、下流の工程(例えば、バイオガス改質装置)に送るか、または第2の精製システムに送ることができるものである。特定の実施形態において、廃ガス出口からのものは、第2の精製システムに送られる。第2の精製システムは、特定の1種以上の成分(例えば、水素及びメタン)の濃度を上昇させるように構成されたものであり、そのような成分は、特定の1種以上の商業的用途のために回収することができるものである。
【0007】
二酸化炭素の供給源において二酸化炭素が直接的または間接的に大気から得られる場合、このようなシステム及びプロセスは大気からの炭素除去をもたらすことが理解されよう。いずれの場合でも、例えば、二酸化炭素の各供給源からの二酸化炭素の量と、システム及びプロセスのさまざまな態様から生成される二酸化炭素の量(例えば、輸送中に排出される二酸化炭素、さまざまなプロセスに電力を供給するためのエネルギー生成中に排出される二酸化炭素などの量)は、追跡及び/または算出することができ、そして、純炭素除去量を決定することができ、それに対して炭素クレジットを発行することができる。炭素クレジットは、任意の適切な態様で、二酸化炭素産出設備の1以上の所有者または管理者と、炭素隔離システムの1以上の所有者または管理者との間で共有することができる。
【0008】
本明細書に開示される方法及び組成物における使用に適した二酸化炭素の供給源は、任意の適切なものとすることができる。特定の実施形態において、二酸化炭素の供給源は、あるプロセスを含むかまたはあるプロセスを実施する設備を含み、そのようなプロセスは、直接的または間接的に大気から少なくとも部分的に二酸化炭素を産出するものである。前者の一例は、直接空気回収(DAC)である。後者の例には、バイオガス製造、エタノール製造(例えば、トウモロコシなどの植物原料から製造)、及びいくつかの形態の水素製造(例えば、バイオマスからの水素製造)がある。これらのプロセスで産出される二酸化炭素は、主生成物(例えば、バイオガス製造の場合はメタン、エタノール製造の場合はエタノール、水素製造の場合は水素)の副生成物とみなされることが多い。一般に、二酸化炭素は、当該プロセスの通常の過程で、放出されるか、さもなければ廃棄物となる。当該技術分野で知られているように、他の適切な二酸化炭素の供給源も使用することができる。
【0009】
特定の実施形態において、二酸化炭素の供給源は、バイオガス設備を含む。本明細書で使用される「バイオガス」という用語は、嫌気性(酸素がない)条件での有機物分解の産物を包含する。粗バイオガスは、一般に、パイプラインの仕様を満たすために不純物を除去する処理が必要である。本明細書で使用される「バイオメタン」という用語は、パイプライン品質を満たす、クリーンにされ、改質されたバイオガスを包含する。本明細書で使用される「再生可能天然ガス(RNG)」という用語は、生物起源のまたは他の再生可能な供給源に由来するパイプライン適合性の気体燃料を包含する。そのような気体燃料は、地質由来の天然ガスよりも、ライフサイクル二酸化炭素換算(CO-eq)排出量が低く、多くの場合、再生可能な供給源からの「環境属性」(EA)が付与される。そのような気体燃料は、代替燃料として、天然ガスの代わりに、熱源、発電、自動車燃料、バイオ製品原料に使用することができる。本明細書で使用される「環境属性」(EA)という用語は、指定された環境的に有益な態様で生産されたある量のガスを包含する。「EA」は、当該バイオメタンから切り離し、別の地域でガスに割り当てることができる(例えば、バイオメタンは、ウィスコンシン州で生産され、パイプラインに導入され、カリフォルニア州のLCFSプログラムのクレジットを受け取ることができる)。
【0010】
本明細書で使用される「バイオガス設備」、「バイオガスプラント」、及びそれに類する用語は、メタン及び二酸化炭素含有ガスを有機物の嫌気性消化により生成させる設備を包含する。1種または複数種の原料供給源は、任意の適切な原料、例えば、埋立ごみ、動物の糞便、水資源回収設備で生じる材料、食品廃棄物、農業残渣、林業及び林産物の残渣、農作植物廃棄物、都市固形廃棄物などとすることができる。
【0011】
バイオガス設備において、及び/または別の場所において、メタンは二酸化炭素から分離される。メタンは一般に、燃料として使用できるように(例えばガスパイプライン注入または他の用途において、例えばRNGとして使用できるように)分離及び/または処理される。メタンから分離された二酸化炭素は、多くの場合、大部分、放出されるか、または他の方法で廃棄される。というのも、そのような二酸化炭素は、多くの場合、工業用または食品用の基準を満たさないほど高濃度で存在する1種以上の汚染物質を含むからである。本明細書に記載の組成物及び方法は、バイオガス設備からの二酸化炭素を利用する。ある場合、本明細書に記載の方法は、バイオガスから二酸化炭素を分離することを含むが、ある場合、二酸化炭素は既に分離されており、それが供給される。いずれの場合においても、二酸化炭素を、そのまま使用することもできるし、必要に応じてさらに精製することもできる。二酸化炭素は、輸送に適するように必要に応じて処理することができる。ある場合、二酸化炭素を液化し、液体として輸送してもよい。ある場合、二酸化炭素は気体であってもよく、気体(例えば加圧ガス)として輸送してもよい。ある場合、二酸化炭素の一部または全部(例えば、輸送に適するように処理された二酸化炭素の一部または全部)をバイオガス設備またはその近傍に貯蔵してもよい。システムは、二酸化炭素をメタンから分離するシステム、二酸化炭素を輸送に適するように処理するシステム、1種以上の貯蔵容器、及び/または、ある場合、二酸化炭素を精製するシステム(例えば、輸送に適するようにする前に、二酸化炭素を部分的に精製するシステム)を含んでもよい。精製システムは、任意の適切な純度(例えば、少なくとも50、60、70、80、90、95、99、99.9、99.99、99.999、または100%の純度)の二酸化炭素を産出するように構成することができる。特定の実施形態において、典型的には、バイオガス設備に、二酸化炭素を輸送に適した状態にするシステムが設けられる。このシステムは、バイオガス設備を所有または管理する当事者以外の当事者が設けてもよい。一般に、二酸化炭素はバイオガス設備以外の場所に輸送されるが、二酸化炭素の一部または全部をバイオガス設備で使用することも可能である(例えば、二酸化炭素の一部または全部を、二酸化炭素を隔離する(例えば、二酸化炭素を永久的に隔離する)材料を生成させるために使用することも可能である)(これは、本明細書の他の箇所でより詳細に説明する)。輸送する場合、任意の適切な輸送法を用いることができ、例えば、トラック、パイプライン、鉄道、はしけ、及び/もしくは任意の他の適切な輸送手段または輸送手段の組み合わせを使用することができる。特定の場合、二酸化炭素の輸送に使用される装置は、二酸化炭素が適切な純度であることを必要とすることがあり、したがって、本明細書に記載の方法及びシステムは、そのような装置と共に使用するため、必要な純度の二酸化炭素(例えば食品及び飲料グレードのCO)を産出するように構成される。
【0012】
バイオガス設備は、任意の適切なバイオガス設備とすることができる。バイオガス設備の種類としては、埋立地ガス(LFG)バイオガスプラント、動物糞尿バイオガスプラント、水資源回収設備(WRRF)バイオガスプラント、食品廃棄物バイオガスプラント、農業残渣バイオガスプラント、林業及び/または林産物の残渣のバイオガスプラント、エネルギー作物バイオガスプラント、都市固形廃棄物(MSW)バイオガスプラント、再生可能電力バイオガスプラント、またはそれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態において、バイオガス設備は、LFGバイオガスプラントを含む。特定の実施形態において、バイオガス設備は、動物糞尿バイオガスプラントを備える。特定の実施形態において、複数のバイオガス設備が、本明細書に示すシステムまたは方法において使用され、例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、17、20、25、30、40、50、60、または75のバイオガス設備、及び/または3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、17、20、25、30、40、50、60、75、または100以下のバイオガス設備が使用される。
【0013】
二酸化炭素は、バイオガス設備からのものであれ、本明細書でさらに説明するような他の設備からのものであれ、通常、汚染物質を含み、多くの場合、その種類及び/または濃度のために、二酸化炭素は、一般的な商業的使用(例えば、食品グレードの二酸化炭素として)不適当なものになっている。米国FDAは現在、食品に使用する二酸化炭素の純度が少なくとも99.90%であることを要求している。特定の実施形態において、本明細書に開示される組成物及び方法において使用される二酸化炭素の純度は、99.99%未満、99.95%未満、99.92%未満、99.90%未満、98.99%未満、98.98%未満、98.97%未満、98.96%未満、98.95%未満、98.92%未満、98.90%未満、98.80%未満、98.70%未満、98.60%未満、98.5%未満、98.0%未満、97.5%未満、97.0%未満、96.5%未満、96.0%未満、95.5%未満、95.0%未満、94.5%未満、94.0%未満、93.5%未満、93.0%未満、92.5%未満、92.0%未満、91.5%未満、91.0%未満、90.5%未満、90.0%未満、89%未満、88%未満、87%未満、86%未満、85%未満、84%未満、83%未満、82%未満、81%未満、80%未満、77%未満、75%未満、72%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、または55%未満である。特定の実施形態において、二酸化炭素の純度は99.90%未満である。特定の実施形態において、二酸化炭素の純度は99%未満である。特定の実施形態において、二酸化炭素の純度は95%未満である。特定の実施形態において、二酸化炭素の純度は90%未満である。特定の実施形態において、二酸化炭素の純度は、80~99.89%、80~95%、80~90%、85~99.89%、85~95%、85~90%、90~99.89%、90~95%、または95~99.89%である。特定の実施形態において、1種以上の汚染物質が、少なくとも0.001%、0.01%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.49%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、0.99%、1.0%、1.1%、1.2%、1.5%、1.7%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、15%、または20%(例えば、%w/w)の総濃度で二酸化炭素中に存在する。例えば少なくとも0.09%、少なくとも0.99%の汚染物質または少なくとも2%の汚染物質が二酸化炭素中に存在する。
【0014】
二酸化炭素中の汚染物質の性質及びそれらの個々の濃度は、一般にその供給源によって変わってくる。例えば、バイオガス設備からの二酸化炭素では、二酸化炭素の汚染物質は、嫌気性消化に使用される有機物の種類に少なくとも部分的に依存することが多い。したがって、動物またはその他の糞便が使用される場合、糞便汚染物質が存在する可能性がある。LFGは、埋立地の内容物などによって、さまざまな汚染物質を含む場合がある。例えば、家庭廃棄物中に化粧品及びデオドラントが存在すると、バイオガス中にシロキサン類が存在することになり、冷媒が存在すると、バイオガス中にハロゲン化炭化水素が存在することになり、また、フュージティブエミッション60を制限する努力の一環として真空下での埋立地ガス収集システムを運転すると、しばしば付随的に、バイオガス中に窒素及び酸素が存在することになる。汚染物質は、水蒸気、窒素、酸素、水素、一酸化炭素、アンモニア、硫黄化合物(特に硫化水素)、ハロゲン化炭化水素、シロキサン、他の揮発性有機化合物及び半揮発性有機化合物、重金属のうちの1種以上を含むことがある。
【0015】
二酸化炭素の別の供給源は、エタノール製造、特にトウモロコシなどのバイオマスからのエタノール製造に伴う二酸化炭素である。現在、このプロセスで産出する二酸化炭素は、比較的純度が高いものの、例えば食品グレードの二酸化炭素として使用する前に、依然としてさらなる精製が必要である。本明細書に記載のシステム及び方法は、エタノール製造で産出する二酸化炭素を、例えば精製することなく、そのまま利用することができる。二酸化炭素は、輸送に適するように処理するだけでよく、気体として輸送する場合は、二酸化炭素は加圧するだけでよい。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムまたは方法は、トウモロコシエタノール製造設備などのエタノール製造設備で産出する二酸化炭素を利用する。1種または複数種のシステムを当該設備において実施して、例えば、二酸化炭素を輸送可能にしたり、二酸化炭素を貯蔵したりしてもよい。特定の実施形態において、本明細書に示すシステムまたは方法は、1種以上のエタノール製造設備、及び/またはエタノール製造設備内の1種以上のシステム(例えば、エタノール製造設備で産出する二酸化炭素を輸送可能にするシステム、及び/または二酸化炭素を貯蔵するシステム)を備える。輸送は、本明細書の他の箇所に記載されているように行うことができる。追加的または代替的に、システムは、二酸化炭素を輸送、処理、及び/または使用に適するようにする前に、二酸化炭素を精製する1種以上の精製システムをさらに備える。このことは、二酸化炭素を扱うための必要な装置が特定の純度の二酸化炭素を必要とする場合(例えば、二酸化炭素を扱う装置が食品及び飲料グレードの二酸化炭素を必要とする場合)、有利である。精製システムは、装置の要求にしたがう任意の適切な純度(例えば、少なくとも50、60、70、80、90、95、99、99.9、99.99、99.999、または100%の純度)で二酸化炭素を産出するように構成することができる。
【0016】
二酸化炭素は、必要に応じて、1種以上の現場に輸送され、その現場で、二酸化炭素の少なくとも一部が隔離される。隔離は、例えば、二酸化炭素を化学反応に付してまたは二酸化炭素の反応生成物を化学反応に付して1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することにより行われる。得られる1種または複数種の生成物は、非永久的隔離生成物、例えば、塗料、燃料などであってもよい。特定の実施形態において、1種または複数種の生成物は、永久的隔離生成物、例えば、鉱化生成物などであってもよい。二酸化炭素の永久的隔離は、二酸化炭素を熱力学的に安定な生成物に変換することを含み得る。鉱化において、二酸化炭素は、熱力学的に安定な固体に変換され得る。
【0017】
特定の場合、二酸化炭素またはその一部は、1種以上の産業において使用することができる商業的に価値のある製品であるかまたはその一部である熱力学的に安定な生成物に変換される。
【0018】
特定の実施形態において、二酸化炭素またはその一部は、コンクリート製品に関連する1種以上のプロセスまたはシステムにおいて使用される。1種以上のコンクリート製品が製造または処理される現場を、本明細書では「コンクリート製造の現場」と呼ぶことがある。
【0019】
特定の実施形態において、1以上の二酸化炭素産出所からの二酸化炭素(例えば、本明細書に記載されるような1種以上の汚染物質を含む二酸化炭素)またはその一部を使用して、混合中のコンクリートミックス(mixing concrete mix)を炭酸化する。これは通常、その最初の混合中(例えば、乾燥セメントに水を加える間、及び/または、乾燥セメントに水を加えた直後)に行われる。そのような実施形態において、二酸化炭素は、任意の適切な形態で(例えば、固体と気体の二酸化炭素の混合物(例えば、液体二酸化炭素から製造することができる)として)混合中のコンクリートミックスに供給することができる。任意の適切な添加量の二酸化炭素を使用することができ、例えば、0.001~10重量%セメント(bwc)、0.001~5%、0.001~3%、0.001~2%、0.001~1.5%、0.001~1.0%、0.001~0.8%、0.001~0.5%、0.001~0.1%、0.005~10%、0.005~5%、0.005~3%、0.005~2%、0.005~1.5%、0.005~1.0%、0.005~0.8%、0.005~0.5%、0.005~0.1%、0.01~10%、0.01~5%、0.01~3%、0.01~2%、0.01~1.5%、0.01~1.0%、0.01~0.8%、0.01~0.5%、0.01~0.1%、0.1~10%、0.1~5%、0.1~3%、0.1~2%、0.1~1.5%、0.1~1.4%、0.1~1.3%、0.1~1.2%、0.1~1.0%、0.1~0.9%、0.1~0.8%、0.1~0.7%、0.1~0.6%、0.1~0.5%、0.1~0.4%、0.1~0.3%、もしくは0.1~0.2%bwc、または任意の他の適切な範囲で使用することができる。特定の実施形態において、二酸化炭素は、0.01~3%、例えば0.01~1.5%、あるいは0.01~1%bwcの添加量で混合中のコンクリートミックスに供給される。特定の実施形態において、二酸化炭素は、0.05~3%、例えば0.05~1.5%、あるいは0.05~1%bwcの添加量で混合中のコンクリートミックスに供給される。特定の実施形態において、二酸化炭素は、0.1~3%、例えば0.1~1.5%、あるいは0.1~1%bwcの添加量で混合中のコンクリートミックスに供給される。当然のことながら、これらの添加量の場合、その量は、コンクリートに供給される二酸化炭素の量を意味し、混合中に当該ミックスに吸収される可能性のある大気中の二酸化炭素は含まない。特定の実施形態において、二酸化炭素は、セメントと水である混合物(骨材及び他の成分も使用されることがある)に供給されるか、セメント/水混合物を炭酸化した後に供給されるか、またはセメント/水混合物を部分的に炭酸化した後に供給される。混合中のコンクリートミックスを炭酸化する適切なシステムは、現場に存在する。そのようなシステムは、例えば、液体二酸化炭素を固体及び気体の二酸化炭素に変換し、固体及び気体の二酸化炭素を混合コンクリートに供給するシステム(例えば、国際公開第2020124054号に記載されているシステム)である。混合中のコンクリートミックス及び混合中のセメントミックスの炭酸化に使用するためのさらなるプロセス及び装置は、米国特許第10,927,042号明細書により詳細に記載されている。
【0020】
代替的または追加的に、1以上の二酸化炭素産出所からの二酸化炭素(例えば、本明細書に記載されるような1種以上の汚染物質を含む二酸化炭素)またはその一部を使用して、ウェットコンクリートミックスを炭酸化する。これは、その最初の混合の後に行われる。そのようなコンクリートミックスは、例えば、コンクリート製造設備での品質管理を満たさないバッチであってもよいし、作業現場で使用される量を超えて製造され、コンクリート製造設備等に戻されるコンクリート等であってもよい。このようなウェットコンクリートは、流動性を維持し、凝結及び硬化を遅らせるために、混合または撹拌を必要とし得るが、上述のような「混合中のコンクリートミックス」(この実施形態は、コンクリート成分の初期混合を指す)とみなされるものではない。そのような実施形態において、二酸化炭素は、任意の適切な形態で(例えば、固体と気体の二酸化炭素の混合物(例えば、液体二酸化炭素から製造することができる)として)コンクリートミックスに供給することができる。任意の適切な添加量の二酸化炭素を使用することができるが、その添加量は、例えば、混合コンクリートで使用できる量よりも多いことがしばしばである。これは、コンクリート(例えば、設備に戻されたもの)の施工性を維持する必要がないためである。というのも、作業現場で流し込まれたりすることがなく、あるいは、適合すべき型や容器に投入されたりしないからである。したがって、適切な添加量の範囲は、例えば、0.001~20%、0.001~10%、0.001~5%、0.001~3%、0.001~2%、0.001~1.5%、0.001~1.0%、0.001~0.8%、0.001~0.5%、0.001~0.1%、0.005~20%、0.005~10%、0.005~5%、0.005~3%、0.005~2%、0.005~1.5%、0.005~1.0%、0.005~0.8%、0.005~0.5%、0.005~0.1%、0.01~20%、0.01~10%、0.01~5%、0.01~3%、0.01~2%、0.01~1.5%、0.01~1.0%、0.01~0.8%、0.01~0.5%、0.01~0.1%、0.1~20%、0.1~10%、0.1~5%、0.1~3%、0.1~2%、0.1~1.5%、0.1~1.4%、0.1~1.3%、0.1~1.2%、0.1~1.0%、0.1~0.9%、0.1~0.8%、0.1~0.7%、0.1~0.6%、0.1~0.5%、0.1~0.4%、0.1~0.3%、もしくは0.1~0.2%bwc、または他の適切な範囲である。特定の実施形態において、二酸化炭素は、0.01~6%、例えば0.01~3%、あるいは0.01~2%、特定の場合、0.01~1%bwcの添加量で混合中のコンクリートミックスに供給される。特定の実施形態において、二酸化炭素は、0.05~6%、例えば0.05~3%、あるいは0.05~2%、特定の場合、0.05~1%bwcの添加量で混合中のコンクリートミックスに供給される。特定の実施形態において、二酸化炭素は、0.1~6%、例えば0.1~3%、あるいは0.1~2%、特定の場合、0.1~1%bwcの添加量で混合中のコンクリートミックスに供給される。当然のことながら、これらの添加量の場合、その量は、コンクリートに供給される二酸化炭素の量を意味し、混合中に当該ミックスに吸収される可能性のある大気中の二酸化炭素は含まない。典型的には、このように処理されたウェットミックスは、硬化され、例えば将来のコンクリートバッチ用の骨材を製造するために処理される。ウェットコンクリートミックスを炭酸化するための適切なシステムは存在する。現場がすでに混合中のコンクリートミックスを炭酸化するシステムを備える場合、同じまたは類似のシステムを使用してウェットコンクリートミックスを炭酸化してもよい。典型的には、異なるが類似のシステムを使用する(例えば、液体二酸化炭素を気体及び固体の二酸化炭素に変換し、気体及び固体の二酸化炭素をウェットコンクリートミックスに供給するシステムを使用する)。
【0021】
代替的または付加的に、1以上の二酸化炭素産出所からの二酸化炭素(例えば、本明細書に記載されるような1種以上の汚染物質を含む二酸化炭素)またはその一部を使用して、再生コンクリート骨材(RCA)を炭酸化する。RCAの炭酸化は周知であり、任意の適切な方法を使用することができる。特定の場合、骨材は、容器内で炭酸化される。RCAを容器に投入し、次いでその中に、気体の二酸化炭素(例えば、本明細書に記載されるような二酸化炭素であって、例えば、1種以上の汚染物質を含むもの)を導入する。導入は、一般に、容器内の空気の大部分またはすべてを追い出すのに十分な圧力以上で行われる。特定の実施形態では、RCAを容器に入れ、水(次のセクションで記載するように、炭酸化された洗浄水または浄化炭酸化された洗浄水であってもよい)で部分的または完全に覆い、二酸化炭素を水中に予め存在させるか(溶液及び/または炭酸もしくは炭酸の生成物などの反応した形態で)または水に添加するか、またはその両方を行う。そして、RCAを二酸化炭素水及び/または二酸化炭素水反応生成物によって炭酸化する。添加量は、国際公開第2020217232号に開示されたもののいずれか1つとすることができる。当然のことながら、これらの添加量の場合、その量は、RCAに供給される二酸化炭素の量を意味し、処理中にRCAによっても吸収され得る大気中の二酸化炭素は含ない。RCAの炭酸化に関するさらなる説明は、国際公開第2020217232号を参照のこと。炭酸化RCAは、任意の適切な態様(例えば、後のコンクリートバッチでの再利用、道路の充填層用など)で使用することができる。RCAを炭酸化するには、記載したような適切なシステムが存在する(例えば、空気槽、水槽、または任意の適切なシステム)。
【0022】
代替的または追加的に、1以上の二酸化炭素産出所からの二酸化炭素(例えば、本明細書に記載されるような1種以上の汚染物質を含む二酸化炭素)を使用して、コンクリート洗浄水を炭酸化する。コンクリート製造作業では、コンクリートの製造、輸送、及び使用のさまざまな局面で洗浄水が発生する。例えば、コンクリートを流し込んだ後、ドラムを洗い流したり、残ったコンクリートが固まったり硬化したりしないようにするため現場で使用される水、及び/または、ドラムを洗い流すためバッチ現場で戻される水などであり、これらは一般に未処理のまま環境に戻すことは許されない。文脈から明らかなように、「洗浄水」には、生コン車及び/または他のミキサー車(セメント及び骨材を収容する)のドラムを洗浄するために使用された水、ならびに、例えばリクレーマにおいて骨材が取り出された後の、セメント系固形物のような固形物を依然として含む水が含まれる。典型的に、そのような固体の少なくとも一部は、ある場合、後のコンクリートバッチで再利用するため、洗浄水中に保持される。二酸化炭素を使用して、洗浄水を処理する(例えば、洗浄水を水廃棄システムへの廃棄に適するものにする)ことができる。特定の実施形態では、洗浄水を炭酸化し、そして、後のバッチの混合水の少なくとも一部または場合によって全部として使用してもよい。ある場合、後のバッチの混合水として洗浄水を適切なものとするため、炭酸化以上に洗浄水をさらに処理する必要はない。特定の実施形態では、排水(洗浄水)を炭酸化した後、それを5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または95%以下の残留固形物が取り出された後続のコンクリートバッチで使用する。特定の実施形態では、残留固形物はまったく取り出されていない。炭酸化された洗浄水は、後のコンクリートバッチでの使用の前または間に、非洗浄水(例えば通常の混合水)と合わされ、バッチで使用される総量の水としてもよい。特定の実施形態では、炭酸化された洗浄水は、バッチで使用される水の総量の少なくとも5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、95、または99%を構成する。特定の実施形態では、バッチで使用される水の総量の100%が、炭酸化された洗浄水である(ただし、装置を洗い流すために使用される水を除くとともに、ある場合、コンクリート混合物を注ぐ前または注ぐ間に作業で添加される水を除く)。洗浄水に使用される二酸化炭素の添加量(単一のトラックまたは2つ以上のトラックの組み合わせのいずれか)は、固形分重量に対する量として表すことができ(そこにおいて、セメント及び他の二酸化炭素反応性材料または二酸化炭素吸収材料の割合は既知であるかまたは推定されており、及び/または炭酸化の効率は既知であるかまたは推定されている)、例えば、固形分重量に対して少なくとも1、2、5、7、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%の二酸化炭素であり、及び/または、固形分重量に対して2、5、7、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100%以下の二酸化炭素である。より高い添加量(例えば、固形分重量に対して100%を超える)を、洗浄水のセメント含有量、予想される炭酸化効率等に応じて使用してもよい。炭酸化された洗浄水を再使用すれば、廃棄のためのコスト及び装置が省かれ、それを使用するコンクリートバッチにおいてさらなる利益をもたらすことができる(例えば、ある有効なセメントをもたらし、したがって、炭酸化洗浄水なしで作られた同じ混合物と比較して、バッチ中の必要な新しいセメントが減り、及び/またはコンクリートの強度が増加する(これは、必要なセメント量のさらなる低減につながり得る))。混合中のコンクリートミックスでの炭酸化洗浄水の使用は、上述のように、混合物の炭酸化によって補うことができる。代替的にまたは追加的に、炭酸化洗浄水は、そのまま、または更なる適切な処理の後、炭酸化のために再生コンクリート骨材を浸漬する水源として(次のセクション参照)使用してもよく、及び/または、炭酸化の前、炭酸化の間、または炭酸化の後に、ウェットコンクリートミックスに添加することができる追加の水源として使用してもよい。当然のことながら、これらの添加量の場合、その量は、洗浄水に供給される二酸化炭素の量を意味し、混合中に洗浄水に吸収される可能性のある大気中の二酸化炭素は含まない。洗浄水を炭酸化(例えば気体の二酸化炭素を供給して炭酸化)するためのシステムは、現場に存在する。それは、例えば、保持タンクまたはそれに類する容器に取り付けられた再循環ループ内の洗浄水を炭酸化するシステムである。洗浄水を炭酸化するプロセス及び装置は、国際公開第2018232507号にさらに記載されている。
【0023】
特定の実施形態では、バイオガス設備及び直接空気回収(DAC)設備を含むシステム及び/または方法を提供する。バイオガス設備で生成されるメタンは、通常、供給パイプラインへの導入のための基準を満たすよう、処理して更に精製する必要がある。この粗メタンの一部は、燃焼させることができる。この粗メタンの燃焼による熱は、1)発電(例えば、蒸気駆動式発電機において)のために使用することができ、及び/または2)DAC設備で使用される二酸化炭素吸着剤の再生のための熱源として使用することができる(その場合、吸着剤は、温度スイングを利用するプロセスにおいて、それ単独で、または当技術分野で公知の他のプロセスと組み合わせて、再生される(すなわち、捕捉した二酸化炭素を放出し、さらなる二酸化炭素を捕捉するため再利用できるようになる))。メタンの燃焼によって生成された熱を発電に利用した場合でも、ある量の廃熱がやはり生じるので、それを吸着剤の再生に使用することができることが理解されよう。熱は、収着剤再生にそのまま利用するのに十分な量で生成させることができる。特定の実施形態では、熱ポンプを使用して、収着剤再生に利用するのに十分な温度上昇をもたらすことができるが、典型的には、粗メタンの燃焼による熱は、熱ポンプなしで収着剤再生を行うのに十分であり得る。一般に、DAC設備は、空気を移動させるシステム(例えば、ファン)と、空気から水を除去するシステム(例えば、除湿機または乾燥剤)と、二酸化炭素吸収システム(典型的に、二酸化炭素を可逆的に結合する吸着剤(例えばアミン吸着剤)を含む)と、を備える。これらのシステムの1種以上は、エネルギーを利用して、そのプロセスに電力を供給する(例えば、ファンは、空気を移動させる)。従って、バイオガス設備でのメタン燃焼を、DAC設備での二酸化炭素の捕捉及び放出と組み合わせることができ、ここで、メタンの燃焼(例えば、粗メタンからのメタンの燃焼)により、1つまたは両方の電気を供給してDAC設備のシステムの1種以上の要素(例えば、ファン及び/または電気エネルギーが必要な他の装置もしくはプロセス)を駆動し、及び/または、熱(例えば廃熱)を供給して二酸化炭素吸着剤(例えば、アミン吸着剤)を再生する。そして、二酸化炭素吸着剤は、さらに二酸化炭素を吸収できるようになる。メタンの燃焼からの二酸化炭素を、バイオガス設備によって既に産出されている二酸化炭素(本明細書に記載されるように処理されている)に添加してもよい。DACシステムの吸着剤から放出される二酸化炭素も、その二酸化炭素に添加してもよい。
【0024】
上記のプロセスのそれぞれ、及びプロセスを実行するための対応するシステムは、同じ現場にあってもよいし、異なる現場にあってもよい。例えば、コンクリート製造の現場は、以下の4つのシステムのうちの1つ、2つ、3つ、または4つ全てを組み込んでいてもよい。混合中のコンクリートミックスを炭酸化するシステム、コンクリート洗浄水を炭酸化するシステム(一般に、炭酸化された洗浄水の少なくとも一部が後のコンクリートバッチにおいて混合水として使用される)、ウェットコンクリートミックスを炭酸化するシステム、及び/またはRCAを炭酸化するシステム。多くの場合、混合中のコンクリートミックスを炭酸化する第1のシステム、コンクリート洗浄水を炭酸化する第2のシステム、及び/またはウェットコンクリートミックスを炭酸化する第3のシステムのうちの1つ、2つ、または3つ全てが、単一の現場にある。多くの場合、コンクリート製造の現場は、RCAを炭酸化するシステムのみを組み込んでおり、例えば、専らRCAの炭酸化を行うものであり、次いで、RCAは、例えば、使用のために他のコンクリート製造の現場、または使用のための他の現場(例えば道路床)に送ることができる。特定の実施形態において、コンクリート製造の現場は、混合中のコンクリートミックスを炭酸化するシステムを組み込んでいる。特定の実施形態において、コンクリート製造の現場は、コンクリート洗浄水を炭酸化するシステムを組み込んでいる。特定の実施形態において、コンクリート製造の現場は、ウェットコンクリートミックスを炭酸化するシステムを組み込んでいる。特定の実施形態において、コンクリート製造の現場は、RCAを炭酸化するシステムを組み込んでいる。特定の実施形態において、コンクリート製造の現場は、混合中のコンクリートミックスを炭酸化する第1のシステムと、コンクリート洗浄水を炭酸化する第2のシステムとを組み込んでいる。これらの実施形態の特定のものにおいて、当該現場は、ウェットコンクリートミックスを炭酸化する第3のシステムをさらに組み込んでいてもよい。特定の実施形態において、当該現場は、代わりに、RCAを炭酸化する第3のシステムをさらに組み込んでいてもよい。特定の実施形態において、コンクリート製造の現場は、混合中のコンクリートミックスを炭酸化する第1のシステムと、ウェットコンクリートミックスを炭酸化する第2のシステムとを組み込んでいる。特定の実施形態において、当該現場は、RCAを炭酸化する第3のシステムを更に組み込んでいてもよい。特定の実施形態において、コンクリート製造の現場は、混合中のコンクリートミックスを炭酸化する第1のシステムと、RCAを炭酸化する第2のシステムとを組み込んでいる。RCA炭酸化の現場は、別個の現場であってもよいし、コンクリート製造の現場に組み込まれていてもよい。特定の実施形態において、コンクリート製造の現場は、混合中のコンクリートミックスを炭酸化する第1のシステムと、コンクリート洗浄水を炭酸化する第2のシステムと、ウェットコンクリートミックスを炭酸化する第3のシステムと、RCAを炭酸化する第4のシステムと、を組み込んでいる。
【0025】
特定の二酸化炭素産出所からの二酸化炭素は、1つのコンクリート製造の現場のみで使用してもよいし、あるいは1つより多い現場、例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、または50のコンクリート製造の現場及び/または3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、50、または100以下のコンクリート製造の現場で使用してもよい。各コンクリート製造の現場は、単一の現場であるか複数の現場の1つであるかにかかわらず、混合コンクリートの炭酸化、ウェットコンクリートの炭酸化、コンクリート骨材の炭酸化、及び/または洗浄水の炭酸化のうちの1つ、2つ、3つ、または4つ全てにおいて、特定の二酸化炭素産出所からの二酸化炭素を使用することができる。追加的または代替的に、特定のコンクリート製造の現場は、1の二酸化炭素産出所のみからの二酸化炭素を使用してもよいし、あるいは、1より多い二酸化炭素産出所、例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、または50の二酸化炭素産出所及び/または3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、50、または100以下の二酸化炭素産出所からの二酸化炭素を使用してもよい。当然のことながら、複数の二酸化炭素産出所と複数のコンクリート製造の現場との任意の適切な組み合わせは、本明細書に記載の実施形態に包含される。したがって、特定の実施形態では、単一の二酸化炭素産出現場(例えば、単一のバイオガスプラント、単一のエタノールプラント、単一の水素製造プラント、または単一のDACプラントもしくは現場、または本明細書に記載されるようなその他の適切な二酸化炭素産出所(特定の実施形態では、二酸化炭素を現場で輸送可能にするシステムを有する))が、二酸化炭素(例えば、本明細書に記載の1種以上の汚染物質を伴う二酸化炭素)を単一のコンクリート製造の現場に送る。単一のコンクリート製造の現場は、混合コンクリートを炭酸化するシステム、ウェットコンクリートを炭酸化するシステム、RCAを炭酸化するシステム、及び/または洗浄水を炭酸化するシステムのうちの1つ、2つ、3つ、または4つ全てを組み込んでいてもよい。特定の実施形態では、複数の二酸化炭素産出現場のそれぞれが、バイオガスプラント、エタノールプラント、水素製造プラント、またはDACプラントもしくは現場、または本明細書に記載されるようなその他の適切な二酸化炭素産出所(特定の実施形態では、二酸化炭素を現場で輸送可能にするシステムを有する)であってもよく、この場合、複数の二酸化炭素産出現場が、二酸化炭素(例えば、本明細書に記載の1種以上の汚染物質を伴う二酸化炭素)を単一のコンクリート製造の現場に送る。単一のコンクリート製造の現場は、混合コンクリートを炭酸化するシステム、ウェットコンクリートを炭酸化するシステム、RCAを炭酸化するシステム、及び/または洗浄水を炭酸化するシステムのうちの1つ、2つ、3つ、または4つ全てを組み込んでいてもよい。
【0026】
二酸化炭素が1種以上の反応において使用される実施形態において、例えば、二酸化炭素が隔離される(例えば、コンクリート製造プロセスまたは設備などにおいて、永久的に隔離される)実施形態において、二酸化炭素は、そのまま使用されてもよく、すなわち、二酸化炭素とともに移動する任意の汚染物質を含んだ供給されるままの形態で(場合により、その産出設備または他の設備から隔離設備への輸送に適するように処理された後)、使用されてもよい。ある場合、二酸化炭素は、1種以上の汚染物質の少なくとも一部を除去するように処理されてもよい。しかし、一般に、汚染物質または複数の汚染物質の組み合わせが、炭酸化プロセスを顕著に妨害しない限り、あるいは、セメント/コンクリート/コンクリート製品を使用するための他のプロセスを顕著に妨害しない限り、あるいは、汚染物質または複数の汚染物質の組み合わせが、毒性ではなく、炭酸化プロセス中または炭酸化プロセス後に許容できないレベルで環境に放出される可能性がない限り、汚染物質は二酸化炭素中に留まることが望ましい。炭酸化に使用される二酸化炭素中の汚染物質が、当該炭酸化において、さらに別の形態の炭酸化において、どのようになるかは、汚染物質自体(例えば、汚染物質の化学的性質)及び/または炭酸化の方法及び材料によって変わり得る。ある場合、汚染物質は、それ自体、化学反応または他のプロセスを経て、熱力学的に安定な生成物になることがある。ある場合、汚染物質は、熱力学的に安定な生成物にならない可能性がある。そのような場合には、汚染物質を、捕捉し(例えば、コンクリート内に物理的に捕捉し)、少なくともコンクリートの寿命の間、それが放出される可能性を低くしてもよい。ある場合、汚染物質を、環境(例えば、大気)または廃水等に放出してもよい。汚染物質が、そのような放出が禁じられているものではない限り、あるいは、特定のレベルを超える放出が禁じられているものではない限り(そして放出がそのようなレベルを下回る限り)、あるいは、そのような放出が望ましくないものではない限り、放出は許容される。この場合、二酸化炭素の「汚染物質」として分類される多くの物質は、毒性ではなく、または有意に毒性ではなく、単に、例えば、意図する用途(例えば、溶接のようなある工業的用途)に対して二酸化炭素を価値の低いあるいは価値のないものにする一方、大気に放出されても、あるいは、他の態様で環境に放出されても、毒性をまったくまたは有意にもたらさないものである。したがって、当該炭酸化プロセスまたは他の炭酸化プロセス(例えば本明細書に記載のプロセス)において、二酸化炭素を使用することができ、そのような二酸化炭素は、特定の用途に適した純度ではないと考えられる二酸化炭素、例えば食品グレードではない二酸化炭素(例えば純度99.90%未満の二酸化炭素)、あるいは例えば工業グレードではない二酸化炭素(例えば、一般に純度99.5%を必要とすると考えられる溶接用二酸化炭素ではないもの)であって、炭酸化プロセス(例えば、本明細書に記載のプロセス)に対しては十分な純度を有すると考えられ、かつ、場合により環境及び/または健康に懸念があり得る汚染物質を、顕著な量(例えば、規制レベルを超える量)で、環境に放出しないと考えられるものである。
【0027】
特定の実施形態では、バイオガス設備からの二酸化炭素が使用され、及び/または、バイオガス設備自体が使用され、及び/または、1種以上のバイオガス設備において二酸化炭素を分離し及び/または二酸化炭素を輸送に適したものにするシステムが使用される。
【0028】
具体的な実施形態
第1の実施形態では、炭素除去の方法を提供し、方法は、(i)下記:(a)第1の現場における有機材料の嫌気性消化によって生成される二酸化炭素及びメタンを含むガスに由来する二酸化炭素であって、その少なくとも一部は、二酸化炭素部分及びメタン部分を生成るためにメタンから分離したものである、二酸化炭素を供給すること、または(b)第2の現場における二酸化炭素の直接空気回収によって生成される組成物に由来する二酸化炭素であって、組成物から二酸化炭素の少なくとも一部を分離することによって得られる二酸化炭素を供給すること、のいずれかを実施することと、(ii)第3の現場において、二酸化炭素部分の少なくとも一部またはその反応生成物を化学反応に付して、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、二酸化炭素部分の少なくとも一部を隔離することと、を含む。第2の実施形態では、第1及び第2の現場が第3の現場とは異なる、第1の実施形態の方法を提供する。第3の実施形態では、第1の現場及び/または第2の現場で、必要に応じて、二酸化炭素を処理してそれを輸送に適するものにすることと、二酸化炭素を第3の現場に輸送することと、をさらに含む、第2の実施形態の方法を提供する。第4の実施形態では、第1及び/または第2の現場が、第3の現場から5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150、200、250、300、400、500、700、または1000マイル以内にある、第3の実施形態の方法を提供する。第5の実施形態では、第1及び/または第2の現場が第3の現場から250マイル以内にある、第4の実施形態の方法を提供する。第6の実施形態では、有機材料の嫌気性消化によって生成される二酸化炭素及びメタンを含むガスに由来する二酸化炭素をさらに供給することであって、二酸化炭素の少なくとも一部は、第1の現場とは異なる1種以上のさらなる現場(例えば、第1の現場とは異なる少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の現場)において、二酸化炭素部分及びメタン部分を生成するためにメタンから分離したものである、二酸化炭素をさらに供給すること、及び/または、第2の現場とは異なる1種以上のさらなる現場(例えば、第2の現場とは異なる少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の現場)において、二酸化炭素の直接空気回収によって生成される組成物から、二酸化炭素の少なくとも一部を分離することにより得られる二酸化炭素を供給すること、及び/または、第3の現場とは異なる1種以上のさらなる現場(例えば第3の現場とは異なる少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の現場)において、第1の現場及び場合によって第1の現場と同種のさらなる現場、ならびに/または、第2の現場及び場合によって第2の現場と同種のさらなる現場によって供給される二酸化炭素部分の少なくとも一部またはその反応生成物を化学反応に付して、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、二酸化炭素部分の少なくとも一部を隔離することを含む、第1~5の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
第7の実施形態では、第3の現場と同種の1種以上のさらなる現場において、第1、第2、及び/またはさらなる現場からの二酸化炭素部分の少なくとも一部を隔離する、第6の実施形態の方法を提供する。第8の実施形態では、(i)(a)の二酸化炭素部分が、1種以上の汚染物質を含む、第1~7の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第9の実施形態では、汚染物質の性質及び/または濃度故に、二酸化炭素が食品グレードの二酸化炭素として適さないものである、第8の実施形態の方法を提供する。第10の実施形態では、1種以上の汚染物質が、有機物(例えば、糞便物質)、1種以上の硫黄化合物(例えば、HS、チオール)、アンモニア、シロキサン、またはそれらの組み合わせを含む、第8または第9の実施形態の方法を提供する。第11の実施形態では、二酸化炭素が0.01~10%(例えば、%w/w)の汚染物質を含む、第8~10の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第12の実施形態では、汚染物質が、少なくとも0.001、0.01、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.49、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.99、1.0、1.1、1.2、1.5、1.7、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、12、15、または20%(例えば、%w/w)の総濃度で、例えば、少なくとも0.09%の総濃度で、または場合によって、少なくとも0.49%の総濃度で、例えば、場合によって、少なくとも0.99%の総濃度で存在する、第8~10の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第13の実施形態では、1種以上の汚染物質の少なくとも一部が、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物中に隔離される、第8~12の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第14の実施形態では、1種以上の汚染物質が、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物中に永久的に隔離される、第13の実施形態の方法を提供する。第15の実施形態では、有機材料が、埋立ごみ、廃水処理生成物(例えば、下水汚泥)、動物糞尿、食品廃棄物、農業残渣、林業及び/または林産物の残渣、エネルギー作物、都市固形廃棄物、あるいはそれらの組み合わせを含む、第1~14の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第16の実施形態では、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物が、短期隔離生成物(例えば燃料など)を含む、第1~15の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第17の実施形態では、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物が、永久的隔離生成物を含む、第1~15の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第18の実施形態では、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物が、鉱化生成物を含む、第17の実施形態の方法を提供する。第19の実施形態では、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物が、1種以上の炭酸化コンクリート製造生成物を含む、第1~15の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第20の実施形態では、炭酸化コンクリート製造生成物が、炭酸化コンクリート、炭酸化コンクリート洗浄水、炭酸化された再生コンクリート骨材、またはそれらの組み合わせを含む、第19の実施形態の方法を提供する。第21の実施形態では、二酸化炭素除去を定量することをさらに含む、第1~20の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第22の実施形態では、大気から取り出される二酸化炭素の定量値に基づき炭素クレジットを得ることをさらに含む、第21の実施形態の方法を提供する。第23の実施形態では、捕捉現場及び利用/貯蔵現場のデジタル情報を共有する、第1~22の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第24の実施形態では、化学反応の少なくとも一部が、非共有結合の形成を含む、第1~23の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第25の実施形態では、化学反応の少なくとも一部が、共有結合の形成を含む、第1~23の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0029】
第26の実施形態では、(i)0.001、0.01、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.49、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.99、1.0、1.1、1.2、1.5、1.7、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、12、15、または20%(例えば、%w/w)の汚染物質、例えば、少なくとも0.09%の汚染物質、または場合によって、少なくとも0.49%の汚染物質、例えば、場合によって少なくとも0.99%の汚染物質を含有する二酸化炭素を供給することと、(ii)二酸化炭素またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、二酸化炭素の少なくとも一部を隔離することと、を含む方法を提供する。第27の実施形態では、1種以上の汚染物質が、有機物(例えば、糞便物質)、1種以上の硫黄化合物(例えば、HS、チオール)、アンモニア、シロキサン、水蒸気、窒素、酸素、水素、一酸化炭素、ハロゲン化炭化水素、他の揮発性有機化合物及び半揮発性有機化合物、重金属、またはそれらの組み合わせの1種以上を含む、第26の実施形態の方法を提供する。第28の実施形態では、1種以上の汚染物質の少なくとも一部が、隔離される(例えば、永久的に隔離される)、第26または27の実施形態の方法を提供する。第29の実施形態では、1種以上の汚染物質が、有機物(例えば、糞便物質)、1種以上の硫黄化合物(例えば、HS、チオール)、アンモニア、シロキサン、またはそれらの組み合わせの1種以上を含む、第26~28の実施形態の方法を提供する。第30の実施形態では、二酸化炭素が、エタノール製造、バイオガス製造、水素製造、直接空気回収、またはそれらの組み合わせの間に産出される、第26~29の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第31の実施形態では、隔離が、二酸化炭素をコンクリートまたはコンクリート製品と接触させることを含む、第26~30の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0030】
第32の実施形態では、(i)大気中の二酸化炭素から直接的または間接的に誘導した二酸化炭素を含む、二酸化炭素含有ガスを供給することと、(ii)二酸化炭素またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、二酸化炭素の少なくとも一部を隔離することと、を含む方法を提供する。第33の実施形態では、二酸化炭素が1種以上の汚染物質を含む、第32の実施形態の方法を提供する。第34の実施形態では、1種以上の汚染物質が、少なくとも0.001、0.01、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.49、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.99、1.0、1.1、1.2、1.5、1.7、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、12、15、または20%(例えば、%w/w)の総濃度で、例えば、少なくとも0.09%の総濃度で、または場合によって、少なくとも0.49%の総濃度で、例えば、場合によって少なくとも0.99%の総濃度で存在する、第33の実施形態の方法を提供する。第35の実施形態では、二酸化炭素がDACによって得られる二酸化炭素を含む、第32~34の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第36の実施形態では、二酸化炭素が、有機材料の嫌気性消化によって生成される二酸化炭素を含む、第32~34の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第37の実施形態では、二酸化炭素が、エタノール製造(例えば、トウモロコシなどのバイオマス作物からのエタノール製造)中に生成される二酸化炭素を含む、第32~34の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第38の実施形態では、二酸化炭素が、H製造(例えば、バイオマスからのH製造)中に生成される二酸化炭素を含む、第32~34の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第39の実施形態では、隔離することが、二酸化炭素をコンクリートまたはコンクリート製品と接触させることを含む、第32~38の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。二酸化炭素とコンクリートまたはコンクリート製品との接触に関する更なる詳細は、本明細書に記載される通りである。
【0031】
第40の実施形態では、炭素除去システムを提供する。炭素除去システムは、(i)大気から直接的または間接的に得られる二酸化炭素の供給源を含み、必要に応じて、二酸化炭素を輸送に適したものに処理するためのシステムを備える二酸化炭素産出設備と、(ii)必要に応じて二酸化炭素が輸送される隔離プラントであって、二酸化炭素または1種以上の二酸化炭素反応生成物を1種以上の反応物質と結合させて1種以上の二酸化炭素隔離生成物を生成する1種以上のプロセスを実行するための1種以上のシステムを含む隔離プラントと、を備える。第41の実施形態では、供給源が、生物起源の二酸化炭素の供給源である、第40の実施形態のシステムを提供する。第42の実施形態では、二酸化炭素産出設備がバイオガスプラントを含む、第41の実施形態のシステムを提供する。第43の実施形態では、バイオガスプラントが、埋立地ガス(LFG)バイオガスプラント、動物糞尿バイオガスプラント、水資源回収設備(WRRF)バイオガスプラント、食品廃棄物バイオガスプラント、農業残渣バイオガスプラント、林業及び/または林産物の残渣のバイオガスプラント、エネルギー作物バイオガスプラント、都市固形廃棄物(MSW)バイオガスプラント、再生可能電力バイオガスプラント、あるいはそれらの組み合わせを含む、第42の実施形態のシステムを提供する。第44の実施形態では、隔離プラントが、コンクリート製造プラント、コンクリート製品加工プラント、またはそれらの組み合わせを含む、第40~第43の実施形態のいずれか1つのシステムを提供する。第45の実施形態では、大気もしくは生物起源の二酸化炭素の複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10を超える数)の供給源、及び/または複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10を超える数)の隔離プラントを備える、第40~44の実施形態のいずれか1つのシステムを提供する。第46の実施形態では、大気もしくは生物起源の二酸化炭素の供給源の1つまたは複数、及び、隔離プラントの1つまたは複数が、すべて、半径5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150、200、250、300、400、500、700、または1000マイル以内に位置する、第40~第45の実施形態のいずれか1つのシステムを提供する。第47の実施形態では、大気もしくは生物起源の二酸化炭素の供給源の1つまたは複数、及び、隔離プラントの1つまたは複数が、半径250マイル以内にある、第46の実施形態のシステムを提供する。第48の実施形態では、必要に応じて、大気もしくは生物起源の二酸化炭素の供給源を複数備え、及び/または、コンクリート製造プラントもしくは複数のコンクリート製品加工プラントまたは複数のコンクリート製造プラント及び複数のコンクリート製品加工プラントを複数の備え、コンクリート製造プラントまたはコンクリート製品加工プラントの各々において二酸化炭素を処理する1種以上のシステムが、二酸化炭素の少なくとも一部を混合中のコンクリートミックスに供給するシステム、二酸化炭素の少なくとも一部をウェットコンクリートミックスに供給するシステム、二酸化炭素の少なくとも一部をコンクリート洗浄水に供給するシステム、二酸化炭素の少なくとも一部を再生コンクリート骨材に供給するシステム、またはそれらの組み合わせを含み、任意で、それらの2つ以上(例えば、3つ)または4つ全てのシステムが互いに異なるシステムである、第44の実施形態のシステムを提供する。第49の実施形態では、二酸化炭素を輸送可能にするシステムが、二酸化炭素を液化するものである、第40~48の実施形態のいずれか1つのシステムを提供する。第50の実施形態では、供給源において二酸化炭素を輸送可能にするための1種または複数種のシステム、及び、1種以上のプロセスを実行するための1種以上のシステムが、1つの独立体によって所有または管理されている、第40~49の実施形態のいずれか1つのシステムを提供する。第51の実施形態では、大気から取り出される純二酸化炭素を定量し、炭素クレジットを生成する構成部分をさらに含む、第40~50の実施形態のいずれか1つのシステムを提供する。
【0032】
第52の実施形態では、コンクリート材料、二酸化炭素反応生成物、及び1種以上の汚染物質を含む組成物であって、1種以上の汚染物質は、大気から二酸化炭素を直接的または間接的に取り出すためのプロセスにおいて産出されたものである、組成物を提供する。
【0033】
第53の実施形態では、二酸化炭素を隔離する方法を提供する。二酸化炭素を隔離する方法は、(i)水素の製造において生成される二酸化炭素を供給することと、(ii)二酸化炭素を、1種以上の反応物質を介して、二酸化炭素と結合させる、または二酸化炭素反応生成物および種以上の反応物質と結合させることで、1種以上の二酸化炭素隔離生成物を生成し、それにより二酸化炭素を隔離することと、を含む。
【0034】
第54の実施形態では、二酸化炭素及び1種以上の不純物を含む組成物を隔離する方法を提供する。この方法においては、1種以上の不純物は、有機物(例えば、糞便物質)、1種以上の硫黄化合物(例えば、HS、チオール)、アンモニア、シロキサン、水蒸気、窒素、酸素、水素、一酸化炭素、ハロゲン化炭化水素、他の揮発性有機化合物及び半揮発性有機化合物、重金属、またはそれらの組み合わせの1種以上を含み、場合によって、有機物(例えば、糞便物質)、1種以上の硫黄化合物(例えば、HS、チオール)、アンモニア、シロキサン、またはそれらの組み合わせの1種以上を含み、方法は、組成物を1種以上のコンクリート製品と反応させて、二酸化炭素及び1種以上の不純物の少なくとも一部が永久的に隔離されている1種以上の組成物を形成することを含む。
【0035】
第55の実施形態では、炭素除去の方法を提供する。炭素除去の方法は、(i)二酸化炭素含有ガスに由来する二酸化炭素を供給することであって、ガス中の二酸化炭素は、第1の現場において大気からの直接的または間接的な捕捉によって得られた二酸化炭素である、二酸化炭素含有ガスに由来する二酸化炭素を供給することと、(ii)輸送に適するものにするために、必要に応じて、二酸化炭素を処理することと、(iii)二酸化炭素を第2の現場に輸送することと、(iv)第2の現場において、二酸化炭素部分の少なくとも一部またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、二酸化炭素の少なくとも一部を隔離することと、を含む。第56の実施形態では、第2の現場が、コンクリート製造の現場を含み、二酸化炭素の少なくとも一部が、1種以上のコンクリート製品の炭酸化によって隔離される、第55の実施形態の方法を提供する。第57の実施形態では、二酸化炭素部分またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び/または(d)再生コンクリート骨材の炭酸化のうちの少なくとも1種を含む、第56の実施形態の方法を提供する。第58の実施形態では、二酸化炭素部分またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び/または(d)再生コンクリート骨材の炭酸化のうちの少なくとも2種を含む、第56の実施形態の方法を提供する。第59の実施形態では、二酸化炭素部分またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び/または(d)再生コンクリート骨材の炭酸化のうちの少なくとも3種を含む、第56の実施形態の方法を提供する。第60の実施形態では、二酸化炭素部分またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び/または(d)再生コンクリート骨材の炭酸化を含む、第56の実施形態の方法を提供する。第61の実施形態では、炭酸化された洗浄水の少なくとも一部が、コンクリートのバッチにおいて混合水として使用される、第57~60の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第62の実施形態では、第1の現場が、第2の現場から5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150、200、250、300、400、500、700、または1000マイル以内にある、第55~61の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第63の実施形態では、第1の現場が第2の現場から250マイル以内にある、第62の実施形態の方法を提供する。第64の実施形態では、第1の現場と同種の1種以上のさらなる現場が、隔離すべき二酸化炭素を第2の現場に供給する、第55~63の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
第66の実施形態では、第2の現場と同種の1種以上のさらなる現場が、第1の現場からの二酸化炭素部分の少なくとも一部を隔離する、第65の実施形態の方法を提供する。第66の実施形態では、(i)の二酸化炭素部分が1種以上の汚染物質を含む、第55~65の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第67の実施形態では、汚染物質の性質及び/または濃度故に、二酸化炭素が食品グレードの二酸化炭素として適さないものである、第66の実施形態の方法を提供する。第68の実施形態では、1種以上の汚染物質が、有機物(例えば、糞便物質)、1種以上の硫黄化合物(例えば、HS、チオール)、アンモニア、シロキサン、またはそれらの組み合わせを含む、第65または66の実施形態の方法を提供する。第69の実施形態では、二酸化炭素が0.01~10%(例えば、w/w)の汚染物質を含む、第68の実施形態の方法を提供する。第70の実施形態では、1種以上の汚染物質が、少なくとも0.001、0.01、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.49、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.99、1.0、1.1、1.2、1.5、1.7、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、12、15、または20%(例えば、%w/w)の総濃度で、例えば、少なくとも0.09%の総濃度で、または場合によって、少なくとも0.49%の総濃度で、例えば、場合によって少なくとも0.99%の総濃度で存在する、第65~69の実施形態のいすれかの方法を提供する。第70の実施形態では、二酸化炭素が少なくとも0.09%(例えば、w/w)の汚染物質を含む、第69の実施形態の方法を提供する。第71の実施形態では、二酸化炭素が少なくとも0.99%(例えば、w/w)の汚染物質を含む、第69の実施形態の方法を提供する。第72の実施形態では、二酸化炭素が少なくとも2%(w/w)の汚染物質を含む、第69の実施形態の方法を提供する。第73の実施形態では、1種以上の汚染物質の少なくとも一部が、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物中に隔離される、第66~72の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第74の実施形態では、1種以上の汚染物質が、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物中に永久的に隔離される、第62の実施形態の方法を提供する。第75の実施形態では、1種以上の汚染物質が、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物中に永久的に隔離される、第66~74の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第76の実施形態では、第1の現場が、バイオガスプラント、エタノール製造プラント、直接空気回収プラント、水素製造プラント、またはそれらの組み合わせを含む、第55~74の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第77の実施形態では、第1の現場がバイオガスプラントを含む、第76の実施形態の方法を提供する。第78の実施形態では、バイオガスプラントが、埋立地ガス(LFG)バイオガスプラント、動物糞尿バイオガスプラント、水資源回収設備(WRRF)バイオガスプラント、食品廃棄物バイオガスプラント、農業残渣バイオガスプラント、林業及び/または林産物の残渣のバイオガスプラント、エネルギー作物バイオガスプラント、都市固形廃棄物(MSW)バイオガスプラント、再生可能電力バイオガスプラント、あるいはそれらの組み合わせを含む、第77の実施形態のシステムを提供する。第79の実施形態では、コンクリート製造の現場が、コンクリート製造プラント、コンクリート製品加工プラント、またはそれらの組み合わせを含む、第55~78の実施形態のいずれかの方法を提供する。
【0036】
第80の実施形態では、(i)二酸化炭素及びメタンを含むガスに由来する二酸化炭素を供給することであって、ガスは、第1のバイオガス現場で生成されるものであり、(ii)必要に応じて、二酸化炭素を処理して、それを輸送に適するものにすることと、(iii)二酸化炭素の少なくとも一部を第1の隔離現場に輸送することと、(iv)第1の隔離現場において、二酸化炭素部分またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、二酸化炭素部分の少なくとも一部を隔離することと、を含む方法を提供する。第81の実施形態では、第2の現場が、コンクリート製造の現場を含み、二酸化炭素の少なくとも一部が、1種以上のコンクリート製品の炭酸化によって隔離される、第80の実施形態の方法を提供する。第82の実施形態では、二酸化炭素またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び/または(d)再生コンクリート骨材の炭酸化のうちの少なくとも1種を含む、第81の実施形態の方法を提供する。第83の実施形態では、二酸化炭素またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び/または(d)再生コンクリート骨材の炭酸化のうちの少なくとも2種を含む、第81の実施形態の方法を提供する。第84の実施形態では、二酸化炭素またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、前(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、及び/または(d)再生コンクリート骨材の炭酸化のうちの少なくとも3種を含む、第81の実施形態の方法を提供する。第85の実施形態では、二酸化炭素またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成することは、(a)混合中のコンクリートミックスの炭酸化、(b)ウェットコンクリートミックスの炭酸化、(c)炭酸化された洗浄水を得るための、コンクリート洗浄水の炭酸化、コ及び(d)再生コンクリート骨材の炭酸化を含む、第81の実施形態の方法を提供する。第86の実施形態では、炭酸化された洗浄水の少なくとも一部が、コンクリートのバッチにおいて混合水として使用される、第82~85の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第87の実施形態では、第1のバイオガス現場が、第1の隔離現場から5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150、200、250、300、400、500、700、または1000マイル以内にある、第80~86の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第88の実施形態では、第1のバイオガス現場が、第1の隔離現場から250マイル以内にある、第87の実施形態の方法を提供する。
第89の実施形態では、下記工程をさらに含む、第80~88の実施形態のいずれか1つの方法を提供する:(v)二酸化炭素及びメタンを含むガスに由来する二酸化炭素を供給することであって、ガスが、第2のバイオガス現場、さらに任意で、必要に応じてさらに、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、及び/または第10のバイオガス現場で生成されたものである、二酸化炭素を供給することと、(vi)必要に応じて二酸化炭素を処理して、それを輸送に適するものにすることと、(vii)二酸化炭素の少なくとも一部を第1の隔離現場に輸送することと、(viii)第1の隔離現場において、二酸化炭素部分の少なくとも一部またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、二酸化炭素部分の少なくとも一部を隔離すること。第90の実施形態では、第2のバイオガス現場と、必要に応じてさらに存在する場合は、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、及び/または第10のバイオガス現場とが、互いに異なる、第89の実施形態の方法を提供する。第91の実施形態では、二酸化炭素の少なくとも一部を第2の隔離現場、及び任意でさらに、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、及び/または第10の隔離現場に輸送することと、第2の隔離現場、及び/または、存在する場合は、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、及び/または第10の隔離現場において、二酸化炭素の少なくとも一部またはその反応生成物を化学反応に付すことで、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物を形成し、二酸化炭素部分隔離することと、をさらに含む、第80~90の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第92の実施形態では、第2の隔離現場、及び/または、存在する場合は、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、及び/または第10の隔離現場が、コンクリート製造の現場を含む、第91の実施形態の方法を提供する。第93の実施形態では、第2の隔離現場、及び/または、存在する場合は、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、及び/または第10の隔離現場が、互いに異なる、第91または92の実施形態の方法を提供する。第94の実施形態では、二酸化炭素及びメタンを含むガスに由来する二酸化炭素部分が、1種以上の汚染物質を含む、第80~93の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第95の実施形態では、汚染物質の性質及び/または濃度故に、二酸化炭素が食品グレードの二酸化炭素として適さないものである、第94の実施形態の方法を提供する。第96の実施形態では、1種以上の汚染物質が、有機物(例えば、糞便物質)、1種以上の硫黄化合物(例えば、HS、チオール)、アンモニア、シロキサン、またはそれらの組み合わせを含む、第94または95の実施形態の方法を提供する。第97の実施形態では、二酸化炭素が0.01~10%(例えば、%w/w)の汚染物質を含む、第94~96の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第98の実施形態では、1種以上の汚染物質が、少なくとも0.001、0.01、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.49、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.99、1.0、1.1、1.2、1.5、1.7、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、12、15、または20%(例えば、%w/w)の総濃度、例えば、少なくとも0.09%の総濃度で存在する、第94~96の実施形態の少なくとも1つの方法を提供する。第99の実施形態では、二酸化炭素が、少なくとも0.99%の汚染物質を含む、第98の実施形態の方法を提供する。第100の実施形態では、二酸化炭素が少なくとも2%(w/w)の汚染物質を含む、第98の実施形態の方法を提供する。第101の実施形態では、1種以上の汚染物質の少なくとも一部が、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物中に隔離される、第94~100の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第102の実施形態では、1種以上の汚染物質が、1種または複数種の二酸化炭素隔離生成物中に永久的に隔離される、第94~101の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第103の実施形態では、第1のバイオガスプラント、及び/または、存在する場合、第2、第3、第4のバイオガスプラントが、埋立地ガス(LFG)バイオガスプラント、動物糞尿バイオガスプラント、水資源回収設備(WRRF)バイオガスプラント、食品廃棄物バイオガスプラント、農業残渣バイオガスプラント、林業及び/または林産物の残渣のバイオガスプラント、エネルギー作物バイオガスプラント、都市固形廃棄物(MSW)バイオガスプラント、再生可能電力バイオガスプラント、またはそれらの組み合わせを含む、第80~102の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。第104の実施形態では、第1のコンクリート製造の現場、及び/または第2、第3、第4のコンクリート製造の現場が、コンクリート製造プラント、コンクリート製品加工プラント、またはそれらの組み合わせを含む、第92~103の実施形態のいずれか1つの方法を提供する。
【0037】
本発明の好ましい実施形態を本明細書において示し説明してきたが、当業者には明らかなとおり、そのような実施形態は、単なる例示にすぎない。当業者は、本発明から逸脱することなく、多くの変形、変更、及び置換を行うことができる。当然のことながら、本明細書に記載した本発明の実施形態に代わるさまざまなものを、本発明の実施に採用することができる。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を規定し、特許請求の範囲にある方法及び構造ならびに包含すべきそれらの等価物を画定することを目的とする。
【国際調査報告】