(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】食品組成物として使用するためのヌクレオチド及びオリゴ糖
(51)【国際特許分類】
A23L 33/13 20160101AFI20241018BHJP
A23K 20/153 20160101ALI20241018BHJP
A23K 20/163 20160101ALI20241018BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20241018BHJP
A23L 33/125 20160101ALI20241018BHJP
A23L 33/145 20160101ALI20241018BHJP
A23L 33/21 20160101ALI20241018BHJP
【FI】
A23L33/13
A23K20/153
A23K20/163
A23L33/105
A23L33/125
A23L33/145
A23L33/21
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521285
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 US2022046986
(87)【国際公開番号】W WO2023069411
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390037914
【氏名又は名称】マース インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】MARS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】ジョリー,ウィリー
【テーマコード(参考)】
2B150
4B018
【Fターム(参考)】
2B150AA06
2B150AB10
2B150DC15
2B150DC19
4B018LB10
4B018LE06
4B018MD31
4B018MD44
4B018ME14
(57)【要約】
本発明は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含む食品組成物に関し、前記オリゴ糖は、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含み、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される、食品組成物。
【請求項2】
乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)約0.05%から約0.5%の範囲の量のヌクレオチドと、ii)約0.1%から約2%の範囲の量のオリゴ糖とを含み、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される、請求項1に記載の食品組成物。
【請求項3】
乾物ベースの食品組成物の質量%で、
(i)約0.05%から約0.5%の範囲の量のヌクレオチド、
(ii)約0.1%から約0.7%の範囲の量のキシロオリゴ糖(XOS)、及び/又は
(iii)約0.3%から約1%の範囲の量のフルクトオリゴ糖(FOS)
を含む、請求項1又は2に記載の食品組成物。
【請求項4】
前記ヌクレオチドが、酵母抽出物又はそれらの画分から選択されるヌクレオチド供給源由来、特に、クリベロミセス属(Kluyveromyces)酵母抽出物、又はサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisae)酵母抽出物、又はそれらの画分から選択される酵母抽出物由来のものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項5】
前記ヌクレオチドが、ピリミジンとプリンとの組合せを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項6】
前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、及びそれらの組合せから選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項7】
前記XOSが、重合度(DP)が2から10の範囲である、β-(1,4)結合によって結合したキシロース単位からなるXOSを含み、前記FOSが、乾物ベースの前記食品組成物中の前記FOSの質量%で、少なくとも約50%の短鎖フルクトオリゴ糖(scFOS)を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項8】
- 乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.01%から約0.1%の範囲の量のビタミンE、及び/又は
- 乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.0001%から約0.001%の範囲の量のβカロチン、及び/又は
- 乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.1%から約10%の範囲の量のアルギニン
をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項9】
前記食品組成物が、乾燥組成物、湿潤組成物、又は半湿潤組成物、特に半湿潤組成物である、請求項1から8のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項10】
医薬として使用するための、請求項1から9のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項11】
伴侶動物の免疫機能を改善する方法に使用するための、請求項1から10のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項12】
前記免疫機能が、ワクチンに対するサイトカイン産生及び抗体反応、抗原に対する免疫応答、及びそれらの組合せから選択される、前記免疫機能を改善する方法に使用するための、請求項11に記載の食品組成物。
【請求項13】
伴侶動物の免疫不全を予防又は治療する方法に使用するための、請求項1から12のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項14】
ヒト又は非ヒト動物に給餌するための、請求項1から13のいずれか一項に記載の食品組成物の使用。
【請求項15】
非ヒト動物に給餌するための、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
請求項1から13のいずれか一項に記載の食品組成物を製造するためのキットであって、
(i)ヌクレオチド供給源、
(ii)キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択されるオリゴ糖の供給源
を含む、キット。
【請求項17】
請求項1から13のいずれか一項に記載の食品組成物を製造する方法であって、
a)次の供給源:
- ヌクレオチド供給源、
- キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択されるオリゴ糖の供給源
を混合するステップ
b)前記混合物を加熱し、それによって前記食品組成物を製造するステップ
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その内容全体がここに参照することによって本願に援用される、2021年10月22日出願の欧州特許出願第21204186.7号の優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示のさまざまな実施形態は、食品添加物及びサプリメントなどの食品及び組成物、並びにそれらの使用の分野に関する。これらの食品組成物は、動物、とりわけ伴侶動物にとって特に便利である。本開示はさらに、健康に有益な食品及び組成物に関する。より具体的には、本開示は、免疫系及びワクチン反応、とりわけ幼少期における免疫系及びワクチン反応を改善するための食品及び組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
免疫系の主な役割は、疾患を予防し、疾患と闘うことであり、全体的な健康状態の良い指標となる。現在、栄養には動物の免疫機能を調節する能力があることが確立されている。
【0004】
例えば、マウスに異なるヌクレオチド強化食を与えることにより、非特許文献1のカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、及び非特許文献2の黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のチャレンジに対する耐性が観察されている。
【0005】
さらに、非特許文献3には、ラットの体内の腺組織及びリンパ組織を含むほとんどの体組織で、食事性ヌクレオチド(例えば、プリン、ピリミジン、及びそれらの混合物)が代謝されることが示されている。
【0006】
ビーグル犬の子犬を対象とした最近の研究では、雌イヌの乳のヌクレオチド組成を模倣したヌクレオチドを食事に補給すると、子犬の免疫応答能力が向上することが示されており、非特許文献4に報告されている。
【0007】
ネコを対象とした研究でも、ヌクレオチドを含む補給食がTリンパ球の増殖を増加させ、白血球貪食も増加させることが示されており、非特許文献5に報告されている。
【0008】
離乳期には、食べ物がミルクから固形物に切り替わるが、胃腸障害により下痢及び感染に対する感受性も高まる可能性がある。したがって、幾つかの炭水化物及びオリゴ糖が免疫機能に及ぼす影響がさらに報告されている。
【0009】
例えば、非特許文献6には、周産期の短鎖フルクトオリゴ糖(scFOS)補給が、補給終了後2か月を超えて微生物叢代謝産物産生に及ぼす長期的効果が報告されている。
【0010】
ブタでは、非特許文献7に報告されているとおり、母ブタに短鎖フルクトオリゴ糖(scFOS)を補給すると、補給を受けていない雌ブタの子孫と比較して、授乳中の子孫の微生物叢の代謝活性が高まり、離乳後の酪酸産生が高まることが報告されている。
【0011】
さらには、非特許文献8に報告されているとおり、離乳後のscFOS食は、ブタの血清及び糞便中の抗インフルエンザIgAレベルを上昇させることが報告されている。それでも、この研究では、離乳食への直接的なscFOS補給とは異なり、母親の食事にscFOSを補給しても、子孫のインフルエンザワクチンに対する反応は変化せず、離乳後のscFOS補給との相乗効果もなかったと結論付けられているようである。
【0012】
また、非特許文献9では、食事性キシロオリゴ糖(XOS)及びおよびガラクトオリゴ糖(GOS)の添加により、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)に対する耐性が著しく増加すると報告されているが、この効果はイヌリン、リンゴペクチン、及び/又はポリデキストロースなどの他の炭水化物では再現されなかった。
【0013】
全体的に、子イヌ及び子ネコの免疫系の発達、又は成長中の腸内細菌叢の発達及び確立並びにそれが消化器系及び免疫系に与える影響に関するデータがほとんどないため、動物の免疫系を改善するための栄養補助食品の課題は依然として重要である。さらには、これらのパラメータに関する個体間の大きな変動を考慮して、十分な数の動物を用意する必要があるため、これらのデータの取得は複雑である。
【0014】
さらには、成長中の動物の栄養を通じてワクチン反応を改善するために、免疫系の改善を促進することの難しさを強調することが重要である。実際、若い動物では、自然免疫系と獲得免疫系の両方が発達している。これらの系の成熟は、未熟な細胞が最終的に特定の細胞タイプを獲得するさまざまな段階を経て獲得される。したがって、これらのシステムの開発に影響を与えることは非常に複雑である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Fanslow et al., “Effect of Nucleotide Restriction and Supplementation on Resistance to Experimental Murine Candidiasis”; Journal of Parenteral and Enteral Nutrition; Vol. 12, No.1; 1988
【非特許文献2】Kulkarni et al., “Effect of Dietary Nucleotides on Response to Bacterial Infections”; Journal of Parenteral and Enteral Nutrition; Vol. 10, No. 2; 1986
【非特許文献3】Savaiano et al., “Metabolism of orally and intravenously administered purines in rats”.The Journal of Nutrition.110, 1793-804; 1980
【非特許文献4】Romano et al., “Dietary nucleotides improve the immune status of puppies at weaning”; Journal of Animal Physiology and Animal Nutrition; Vol. 91, Issue 3-4, pages 158-162; 2007
【非特許文献5】Rutherfurd-Markwicka et al., “The potential for enhancement of immunity in cats by dietary supplementation”; Veterinary Immunology and Immunopathology; 152, 333-340; 2013
【非特許文献6】Le Bourgot et al., “ Maternal short-chain fructooligosaccharide supplementation influences intestinal immune system maturation in piglets” ; PLoS One 9, 2014 Sep 19;9(9):e107508. doi: 10.1371/journal.pone.0107508. eCollection 2014
【非特許文献7】Le Bourgot et al., “ Maternal short-chain fructooligosaccharide supplementation increases intestinal cytokine secretion, goblet cell number, butyrate concentration and Lawsonia intracellularis humoral vaccine response in weaned pigs”.British Journal of Nutrition; 117, 83-92; 2017
【非特許文献8】Le Bourgot et al., “Short-chain fructooligosaccharide supplementation during gestation and lactation or after weaning differentially impacts pig growth and IgA response to influenza vaccination” .Journal of Functional Foods; 24, 307-315; 2016
【非特許文献9】Ebersbach et al., “Certain dietary carbohydrates promote Listeria infection in a guinea pig model, while others prevent it” ; International Journal of Food Microbiology; 140, 218-224; 2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、動物の免疫機能、とりわけ早期段階の免疫機能、並びに伴侶動物などの幅広いさまざまな動物の免疫機能を調整する効果を有しうる、新規の有効成分又はそれらの組合せが必要とされている。
【0017】
また、健康に対する期待される効果が、とりわけイヌ、ネコなどの複数の伴侶動物に適用することができる、新規有効成分又はそれらの組合せも必要とされている。
【0018】
また、とりわけ複数の抗原又は病原体に対する動物のワクチン反応を改善することができる新規有効成分又はそれらの組合せも必要とされている。
【0019】
また、動物に食品組成物及び栄養補助食品として投与することができる組成物、より具体的には十分な嗜好性を有する組成物も必要とされている。
【0020】
天然資源から製造される、又は天然資源に由来する組成物も必要とされている。
【0021】
本開示は、上記のニーズを満たすことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本開示の主題の目的及び利点は、以下の説明に記載され、以下の説明から明らかになるとともに、本開示の主題を実施することによって学習されるであろう。本開示の主題のさらなる利点は、本明細書及び特許請求の範囲の記載、並びに添付の図面に特に指摘されている装置によって実現化され、達成されるであろう。
【0023】
本開示の第1の態様は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含む食品組成物に関し、前記オリゴ糖は、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択することができる。
【0024】
本開示の別の態様は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含み、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択することができる、食品組成物;医薬として使用するための組成物;特に、伴侶動物の免疫機能を改善するための医薬に関する。
【0025】
本開示の別の態様は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含み、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択することができる、前記食品組成物の使用;医薬の調製のための前記食品組成物の使用;特に、伴侶動物の免疫機能を改善するための前記食品組成物の使用に関する。
【0026】
本開示の別の態様は、
(i)ヌクレオチド供給源、
(ii)キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択されるオリゴ糖の供給源
を含む、食品組成物を製造するためのキットに関する。
【0027】
本開示の別の態様は、
a)次の供給源:
- ヌクレオチド供給源、
- キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択されるオリゴ糖の供給源
を混合するステップと、
b)混合物を加熱し、それによって食品組成物を製造するステップと
を含む、前記食品組成物を製造する方法に関する。
【0028】
本開示の別の態様は、伴侶動物の免疫機能を改善する方法に関し、該方法は、(a)少なくとも、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含む食品組成物を提供するステップであって、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される、ステップ;並びに、(b)有効量の前記食品組成物を伴侶動物に投与するステップを含む。
【0029】
前述の概要及び以下の詳細な説明はいずれも、単に例示及び説明のためのものであり、請求される本開示の実施形態を限定するものではないものと理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】子ネコ(ヨーロッパのネコ)のワクチン接種プロトコルのグラフ表示
【
図2】子ネコの群にワクチンを投与した後のELISAによるクラミジア抗体価の評価のグラフ表示
【
図3A】3つの条件、すなわち、刺激なし;PHA刺激あり;及び狂犬病抗原(RA)刺激ありで実施した血液試料のex vivoでのLuminexアッセイで測定したサイトカイン反応のグラフ表示
【
図3B】3つの条件、すなわち、刺激なし;PHA刺激あり;及び狂犬病抗原(RA)刺激ありで実施した血液試料のex vivoでのLuminexアッセイで測定したサイトカイン反応のグラフ表示
【
図3C】3つの条件、すなわち、刺激なし;PHA刺激あり;及び狂犬病抗原(RA)刺激ありで実施した血液試料のex vivoでのLuminexアッセイで測定したサイトカイン反応のグラフ表示
【
図3D】3つの条件、すなわち、刺激なし;PHA刺激あり;及び狂犬病抗原(RA)刺激ありで実施した血液試料のex vivoでのLuminexアッセイで測定したサイトカイン反応のグラフ表示
【
図3E】3つの条件、すなわち、刺激なし;PHA刺激あり;及び狂犬病抗原(RA)刺激ありで実施した血液試料のex vivoでのLuminexアッセイで測定したサイトカイン反応のグラフ表示
【発明を実施するための形態】
【0031】
キシロオリゴ糖(XOS)及び短鎖フルクトオリゴ糖(scFOS)などの一部のオリゴ糖、並びにヌクレオチドは、免疫系及び腸の健康に対して個別的及び独立的に健康に良い影響を与えると考えられているが、動物におけるそれらの組合せ使用はまだ研究されていない。
【0032】
本開示は、ヌクレオチド源とオリゴ糖源との組合せ効果を報告するin vivo及びex vivoの臨床研究について記載しており、前記オリゴ糖は、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される。
【0033】
この有効性の証明は、(i)ヌクレオチドと、(ii)キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)から選択されるオリゴ糖との組合せが、とりわけワクチン投与及びワクチン反応の調節の文脈において、免疫機能に直接的に良い影響を与える可能性を示している。有利なことに、この科学的証拠は、ネコ(子ネコ)を含む複数の伴侶動物において肯定的な効果を実証している。
【0034】
特に、本明細書では、この有効成分の組合せが、伴侶動物、とりわけ発育の早期段階の伴侶動物の免疫機能を改善する効果について報告する。
【0035】
一態様によれば、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含むことができ、前記オリゴ糖は、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択することができる。
【0036】
幾つかの実施形態によれば、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、又は0.5%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含むことができ、前記オリゴ糖は、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択することができる。
【0037】
幾つかの実施形態によれば、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%の量のオリゴ糖とを含むことができ、前記オリゴ糖は、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択することができる。
【0038】
ある特定の実施形態では、記載された組成物は半湿潤組成物でありうる。
【0039】
幾つかの実施形態によれば、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含むことができ、前記オリゴ糖は、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、及びそれらの組合せから選択することができる。
【0040】
幾つかの実施形態によれば、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のフルクトオリゴ糖(FOS)とを含みうる。
【0041】
幾つかの実施形態によれば、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のキシロオリゴ糖(FOS)とを含みうる。
【0042】
幾つかの実施形態によれば、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のガラクトオリゴ糖(GOS)とを含みうる。
【0043】
ある特定の実施形態では、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)約0.05%から約0.5%の範囲の量のヌクレオチドと、ii)約0.1%から約2%の範囲の量のオリゴ糖とを含むことができ、前記オリゴ糖は、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択することができる。
【0044】
ある特定の実施形態では、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)約0.05%から約0.5%の範囲の量のヌクレオチドと、ii)約0.1%から約2%の範囲の量のオリゴ糖とを含むことができ、前記オリゴ糖は、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、及びそれらの組合せから選択することができる。
【0045】
例えば、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)約0.05%から約0.5%の範囲の量のヌクレオチドと、ii)約0.1%から約2%の範囲の量のフルクトオリゴ糖(FOS)とを含みうる。
【0046】
例えば、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)約0.05%から約0.5%の範囲の量のヌクレオチドと、ii)約0.1%から約2%の範囲の量のキシロオリゴ糖(FOS)とを含みうる。
【0047】
ある特定の実施形態では、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、
(i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチド、
(ii)少なくとも約0.1%の量のキシロオリゴ糖(XOS)、及び/又は
(iii)少なくとも約0.3%の量のフルクトオリゴ糖(FOS)
を含みうる。
【0048】
幾つかの実施形態によれば、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、
(i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチド、
(ii)少なくとも約0.1%の量のキシロオリゴ糖(XOS)、及び
(iii)少なくとも約0.3%の量のフラクトオリゴ糖(FOS)
を含みうる。
【0049】
幾つかの実施形態によれば、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、
(i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチド、
(ii)少なくとも約0.3%の量のフルクトオリゴ糖(FOS)
を含みうる。
【0050】
ある特定の実施形態では、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、
(i)約0.05%から約0.5%の範囲の量のヌクレオチド、
(ii)約0.1%から約0.7%の範囲の量のキシロオリゴ糖(XOS)、及び/又は
(iii)約0.3%から約1%の範囲の量のフルクトオリゴ糖(FOS)
を含みうる。
【0051】
幾つかの実施形態によれば、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、
(i)約0.05%から約0.5%の範囲の量のヌクレオチド、
(ii)約0.1%から約0.7%の範囲の量のキシロオリゴ糖(XOS)
を含みうる。
【0052】
幾つかの実施形態によれば、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、
(i)約0.05%から約0.5%の範囲の量のヌクレオチド、
(ii)約0.3%から約1%の範囲の量のフルクトオリゴ糖(FOS)
を含みうる。
【0053】
ある特定の実施形態では、本開示は、ヌクレオチドが、酵母抽出物又はそれらの画分;特に、クリベロミセス属(Kluyveromyces)酵母抽出物、及び/又はサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisae)酵母抽出物、又はそれらの画分から選択される酵母抽出物由来のヌクレオチドの供給源からのものでありうる、食品組成物に関する。
【0054】
さまざまな実施形態では、本開示は、前記ヌクレオチドがピリミジンとプリンとの組合せを含みうる、食品組成物に関する。
【0055】
さまざまな実施形態では、本開示は、前記ヌクレオチドが、約9:1から約1:1の範囲のピリミジンのプリンに対する重量比を有する、ピリミジンとプリンとの組合せを含みうる、食品組成物に関する。
【0056】
幾つかの実施形態によれば、ヌクレオチドは、約9:1から約1:1の範囲のピリミジンのプリンに対する重量比を有する、ピリミジンとプリンとの組合せを含むことができ;これは、限定はしないが、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1を含む。
【0057】
ある特定の実施形態では、本開示は、前記ヌクレオチドが、シチジン一リン酸(CMP)、ウリジン一リン酸(UMP)、チミジン一リン酸(TMP)、及び/又はそれらの組合せから選択されるピリミジンを含みうる、食品組成物に関する。
【0058】
ある特定の実施形態では、本開示は、前記ヌクレオチドがアデノシン一リン酸(AMP)、グアノシン一リン酸(GMP)、イノシン一リン酸(IMP)、キサントシン一リン酸(XMP)、及び/又はそれらの組合せから選択されるプリンを含みうる、食品組成物に関する。
【0059】
ある特定の実施形態では、本開示は、オリゴ糖がキシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、及び/又はそれらの組合せから選択されうる食品組成物に関する。
【0060】
本開示に従って、短鎖オリゴ糖及び長鎖オリゴ糖を考慮することができる。
【0061】
ある特定の実施形態では、本開示は、前記オリゴ糖が、少なくとも2単位の糖単位数を含むことができ;例えば、2から10までの範囲であり、したがって、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10を含みうる、食品組成物に関する。あるいは、前記オリゴ糖は、10、又は10より多くの糖単位を含むことができる。
【0062】
ある特定の実施形態では、本開示は、前記XOSがβ-(1,4)結合によって結合されたキシロース単位からなり、重合度(DP)が2から10の範囲であるXOSを含むことができ;したがって、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10を含みうる、食品組成物に関する。
【0063】
ある特定の実施形態では、本開示は、前記XOSが、β-1,4グリコシド結合によって結合した、2から7個のキシロース分子を含みうる、食品組成物に関する。
【0064】
ある特定の実施形態では、本開示は、前記FOSが、乾物ベースの食品組成物中のFOSの重量%で、少なくとも約50%の短鎖フルクトオリゴ糖(scFOS)を含みうる、食品組成物に関する。
【0065】
ある特定の実施形態では、本開示は、前記FOSが、乾物ベースの食品組成物中のFOSの重量%で、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又はさらには90%の短鎖フルクトオリゴ糖(scFOS)を含みうる、食品組成物に関する。
【0066】
ある特定の実施形態では、本開示は、前記scFOSが、1つのグルコース単位に結合した2、3、又は4個のフルクトース単位を有するscFOS(それぞれ、GF2、GF3、及び/又はGF4とも呼ばれる)を含みうる、食品組成物に関する。
【0067】
ある特定の実施形態では、本開示による食品組成物は、ビタミンE、アルギニン、及びβカロチンから選択される少なくとも1つの成分をさらに含むことができる。より具体的には、本開示による食品組成物は、ビタミンE、アルギニン、及びβカロチンから選択される少なくとも2つの成分をさらに含むことができる。
【0068】
ある特定の実施形態では、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.01%から約0.1%の範囲の量のビタミンEをさらに含むことができ;これには、乾物ベースの食品組成物の質量%で、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、及び0.1%が含まれうる。
【0069】
ある特定の実施形態では、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.0001%から約0.001%の範囲の量のβカロチンをさらに含むことができる。
【0070】
ある特定の実施形態では、本開示による食品組成物は、乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.1%から約10%の範囲の量のアルギニンをさらに含むことができ、これには、乾物ベースの食品組成物の重量で、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、及び10%が含まれる。
【0071】
ある特定の実施形態では、本開示による食品組成物は、
- 乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.01%から約0.1%の範囲の量のビタミンE(これには、乾物ベースの食品組成物の質量%で、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、及び0.1%が含まれうる)、及び/又は
- 乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.0001%から約0.001%の範囲の量のβカロチン、及び/又は
- 乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.1%から約10%の範囲の量のアルギニン(これには、乾物ベースの食品組成物の重量で、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、及び10%が含まれる)
をさらに含むことができる。
【0072】
ある特定の実施形態では、本開示は、前記食品組成物が、乾燥組成物、湿潤組成物、又は半湿潤組成物であってよく、例えば乾燥組成物でありうる、食品組成物に関する。
【0073】
ある特定の実施形態では、本開示は、前記食品組成物が、栄養的に完全な食品又は機能性補助食品でありうる、食品組成物に関する。
【0074】
別の態様では、本開示は、医薬として使用するための食品組成物に関する。
【0075】
ある特定の実施形態では、本開示は、伴侶動物の免疫機能を改善する方法において使用するための食品組成物に関する。
【0076】
ある特定の実施形態では、本開示は、免疫機能を改善する方法に使用するための食品組成物に関し、ここで、免疫機能は、伴侶動物の自然免疫機能、伴侶動物の獲得免疫機能、又はその両方から選択することができる。
【0077】
ある特定の実施形態では、本開示は、免疫機能を改善する方法に使用するための食品組成物に関し、免疫機能は、サイトカイン産生及び抗体反応から選択することができる。一実施形態では、本開示は、ワクチンに対する抗体反応を改善する方法において使用するための食品組成物に関する。
【0078】
ある特定の実施形態では、本開示は、抗原に対する伴侶動物の免疫応答を改善する方法において使用するための食品組成物に関する。一実施形態では、本開示は、病原体に由来する抗原又は前記病原体に対するワクチンに対する伴侶動物の免疫応答を改善する方法において使用するための食品組成物に関する。
【0079】
ある特定の実施形態では、本開示は、限定はしないが、ネコパルボウイルス感染症、ヘルペスウイルス、カリシウイルス及び狂犬病ウイルス、又はそれらの組合せから選択することができる、1つ以上の病原体及び/又は微生物由来の抗原、及び/又は前記(一又は複数の)病原体及び/又は(一又は複数の)微生物に対するワクチンに対する伴侶動物の免疫応答を改善する方法において使用するための食品組成物に関する。
【0080】
例示的な実施形態によれば、本開示は、猫クラミジア(Chlamydophila felis)などのクラミジア属(genus Chlamydia)から選択される1つ以上の細菌由来の抗原に対する伴侶動物の免疫応答を改善する方法において使用するための食品組成物に関する。
【0081】
ある特定の実施形態では、本開示は、伴侶動物の免疫不全を予防又は治療する方法において使用するための食品組成物に関する。
【0082】
ある特定の実施形態では、本開示は、伴侶動物が、ネコ又はイヌに限定はしないが、イヌ科又はネコ科から選択されうる食品組成物に関する。
【0083】
例示的な実施形態によれば、伴侶動物はネコでありうる。
【0084】
ある特定の実施形態では、本開示は、伴侶動物が幼獣でありうる、食品組成物に関する。
【0085】
加えて、別の態様によれば、本開示は、記載される食品組成物、すなわち、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含む食品組成物の治療的使用に関し、前記オリゴ糖は、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択することができる。
【0086】
ある特定の実施形態では、本開示は、伴侶動物の免疫機能を改善するための、記載される食品組成物の治療的使用に関する。
【0087】
ある特定の実施形態では、本開示は、抗原に対する伴侶動物の免疫応答を改善するための、記載される食品組成物の治療的使用に関する。
【0088】
ある特定の実施形態では、本開示は、伴侶動物の免疫不全を予防又は治療するための、記載される食品組成物の治療的使用に関する。
【0089】
さらには、別の態様によれば、本開示は、記載された食品組成物、すなわち、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含む食品組成物を医薬として伴侶動物に投与することを含む治療方法に関し、前記オリゴ糖は、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択することができる。
【0090】
ある特定の実施形態では、本開示は、記載された食品組成物を伴侶動物に投与することを含む、免疫機能を改善するための治療方法に関する。
【0091】
ある特定の実施形態では、本開示は、記載された食品組成物を伴侶動物に投与することを含む、抗原に対する免疫応答を改善するための治療方法に関する。
【0092】
ある特定の実施形態では、本開示は、記載された食品組成物を伴侶動物に投与することを含む、免疫不全を予防又は治療するための治療方法に関する。
【0093】
別の態様では、本開示は、伴侶動物の免疫機能を改善する方法を提供し、該方法は、(a)少なくとも、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含む食品組成物を提供するステップであって、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される、ステップ;並びに、(b)有効量の前記食品組成物を伴侶動物に投与するステップを含む。
【0094】
ある特定の実施形態では、改善される免疫機能は、伴侶動物の自然免疫機能、伴侶動物の獲得免疫機能、又はその両方から選択することができる。
【0095】
幾つかの実施形態では、改善される免疫機能は、サイトカイン産生及び抗体反応から選択することができる。
【0096】
ある特定の実施形態では、本開示は、伴侶動物のワクチンに対する抗体反応を改善、及び/又は増加、及び/又は誘発する方法を提供し、該方法は、(a)少なくとも、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含む食品組成物を提供するステップであって、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される、ステップ;並びに、(b)有効量の前記食品組成物を伴侶動物に投与するステップを含む。
【0097】
ある特定の実施形態では、本開示は、抗原に対する伴侶動物の免疫応答を改善、及び/又は増加、及び/又は誘発する方法を提供し、該方法は、(a)少なくとも、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含む食品組成物を提供するステップであって、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される、ステップ;並びに、(b)有効量の前記食品組成物を伴侶動物に投与するステップを含む。
【0098】
幾つかの実施形態では、前記免疫応答は、病原体由来の抗原又は前記病原体に対するワクチンに対する伴侶動物の免疫応答でありうる。
【0099】
幾つかの実施形態では、前記免疫応答は、限定はしないが、ネコパルボウイルス感染症、ヘルペスウイルス、カリシウイルス及び狂犬病ウイルス、又はそれらの組合せから選択することができる、1つ以上の病原体及び/又は微生物由来の抗原、及び/又は前記(一又は複数の)病原体及び/又は(一又は複数の)微生物に対するワクチンに対する、伴侶動物の免疫応答でありうる。幾つかの実施形態では、前記免疫応答は、限定はしないが猫クラミジア感染症(Chlamydophila felis)などのクラミジア属(genus Chlamydia)から選択される1つ以上の細菌由来の抗原に対する伴侶動物の免疫応答でありうる。
【0100】
幾つかの実施形態では、本開示は、伴侶動物の免疫不全を予防又は治療する方法を提供し、該方法は、(a)少なくとも、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含む食品組成物を提供するステップであって、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される、ステップ;並びに、(b)有効量の前記食品組成物を伴侶動物に投与するステップを含む。
【0101】
ある特定の実施形態では、本開示は、伴侶動物において免疫応答を誘発する方法を提供し、該方法は、(a)少なくとも、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含む食品組成物を提供するステップであって、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される、ステップ;並びに、(b)有効量の前記食品組成物を伴侶動物に投与するステップを含む。
【0102】
ある特定の実施形態では、本開示は、例えば、伴侶動物における感染症及び/又はアレルギー反応の発生の可能性を予防又は低減するための上記定義された方法を提供し、該方法は、(a)少なくとも、乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含む食品組成物を提供するステップであって、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される、ステップ;並びに、(b)有効量の前記食品組成物を伴侶動物に投与するステップを含む。
【0103】
別の態様によれば、本開示は、
(i)ヌクレオチド供給源、
(ii)キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択されるオリゴ糖の供給源
を含む、食品組成物を製造するためのキットに関する。
【0104】
有利には、前記キットは、食品組成物を直接製造するために、ヌクレオチド及びオリゴ糖の供給源を混合し、好ましくは加熱することができるような方法で提供することができる。その点において、当業者は、食品組成物に必要な最終量の推定値に応じて、ヌクレオチド及びオリゴ糖のそれぞれの供給源の含有量を適合させるであろう。
【0105】
該キットは、医薬として使用するため、及び/又は本開示に従って伴侶動物の免疫機能を改善する方法に使用するために適合させることができる。
【0106】
さまざまな実施形態によれば、本開示は、
a)次の供給源:
- ヌクレオチド供給源、
- キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択されるオリゴ糖の供給源
を混合するステップ、
b)混合物を加熱し、それによって食品組成物を製造するステップ
を含む、食品組成物を製造する方法に関する。
【0107】
定義
本明細書で用いられる用語は、概して、本主題の文脈内及び各用語が用いられる特定の文脈内で、当技術分野における通常の意味を有する。開示された主題の組成及び方法、並びにそれらを製造及び使用する方法を説明する際の追加の手引きを提供するために、ある特定の用語を以下に定義する。
【0108】
本明細書で用いられる場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「1つの(a)化合物」についての言及は、化合物の混合物を含む。
【0109】
本明細書で用いられる場合、「含む」、「含んでいる」、「含有する」、「含有している」という用語は、要素のリストを含んでいるプロセス、方法、物品、又は装置が、それらの要素のみを含むのではなく、このようなプロセス、方法、物品、又は装置に明示的に列挙されていない、又は固有ではない他の要素を含むことができるように、非排他的な包含にも及ぶことが意図されている。
【0110】
「約」又は「おおよそ」という用語は、当業者によって決定される特定の値の許容誤差範囲内であることを意味し、これは、一部には、値を測定又は決定する方法、すなわち、測定システムの制限に依存するものである。例えば、「約」は、当技術分野の慣行に従って、3以内又は3を超える標準偏差を意味しうる。あるいは、「約」は、所与の値の20%まで、好ましくは10%まで、さらに好ましくは5%まで、さらになお好ましくは1%までの範囲を意味しうる。また、特に、システム又はプロセスに関して、この用語は、ある値の1桁以内、好ましくは5倍以内、さらに好ましくは2倍以内を意味しうる。
【0111】
さらには、「少なくとも」及び「~の範囲」という用語は、以後に引用する値を包含する。例えば、「少なくとも40ppm」は、「40ppm」も包含すると理解されなければならない。特に明記しない限り、量(特に重量パーセンテージ、百万分率(ppm)での量、又はミリ当量/kg(mEq/kg)脂肪)は、本明細書では、製品又は組成物基準の重量、例えば、本開示による保存食品組成物の重量で表される。本開示では、範囲は、その範囲内のあらゆる値を長々と説明し記載する必要を回避するために、簡潔に述べられる。必要に応じて、範囲内の任意の適切な値を、範囲の上限値、下限値、又は終端値として選択することができる。例えば、1から10までの範囲は、1及び10の終端値だけでなく、2、3、4、5、6、7、8、9の中間値、並びに2から5、2から8、7から10など、1から10までに包含されるすべての中間範囲を表す。
【0112】
本明細書の説明において、「実施形態」、「一実施形態」、「1つの実施形態」、「さまざまな実施形態では」などへの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含みうることを示しているが、すべての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含むとは限らない。さらには、そのような句は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらには、特定の特徴、構造、又は特性がある実施形態に関連して説明される場合、明確に記載されているかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、又は特性に影響を与えることは当業者の知識の範囲内であると考えられる。説明を読んだ後、関連技術の当業者にとっては、代替の実施形態において本開示をいかにして実施するかは明らかであろう。
【0113】
本明細書で用いられる場合、「動物」という用語は、ヒト動物及び非ヒト動物を含むがこれらに限定されない、動物を指す。好ましくは、動物は、非ヒト動物、特に伴侶動物、すなわちペット、すなわちイヌ科、ネコ科、すなわちイヌ、ネコなどを指す。飼いイヌ及び飼いネコは、動物の非限定的な例である。
【0114】
本明細書で用いられる場合、(一又は複数の)「哺乳動物」という用語は、ヒト又は動物を含む。特に、(一又は複数の)「動物」という用語は、反芻動物、家禽、ブタ、哺乳動物、ウマ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスター、ウシ、ネコ、又はイヌ、好ましくは伴侶動物、すなわちペット、すなわちイヌ、ネコなどを指す。
【0115】
本明細書で用いられる場合、「成年」という用語は、動物が思春期を過ぎ、その生物学的成熟点に到達していることを意味する。
【0116】
本明細書で用いられる場合、「ペット動物」又は「伴侶動物」は、概して、ペット哺乳動物を含むか、又はさらにはそれらからなる。ペットの哺乳動物には、イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター、モルモット、ラット、及びマウスが含まれる。本明細書の好ましいペット動物は、ネコ科動物又はイヌ科動物、とりわけ、イヌ及びネコである。
【0117】
本明細書で用いられる場合、「ネコ科動物」という用語は、チーター、ピューマ、ジャガー、レオパード、ライオン、リンクス、ライガー、トラ、パンサー、ボブキャット、オセロット、スミロドン、カラカル、サーバル、及びネコを含む群から選択されるペット動物を含む動物を包含する。本明細書で用いられる場合、ネコは、野生のネコ及びイエネコ、最も好ましくは飼いネコを包含する。
【0118】
本明細書で用いられる場合、「イヌ科動物」という用語は、認識されているイヌの品種(その一部はさらに細分化されている)を含む群から選択されるペット動物を含む動物を包含し、これには、アフガン・ハウンド、エアデール、秋田、アラスカンマラミュート、バセットハウンド、ビーグル、ベルジアン・シェパード、ブラッドハウンド、ボーダーコリー、ボーダーテリア、ボルゾイ、ボクサー、ブルドッグ、ブルテリア、ケアーンテリア、チワワ、チャウチャウ、コッカースパニエル、コリー、コーギー、ダックスフント、ダルメシアン、ドーベルマン、イングリッシュセッター、フォックステリア、ジャーマン・シェパード、ゴールデンレトリバー、グレートデーン、グレイハウンド、ブリュッセルグリフォン、アイリッシュセッター、アイリッシュウルフハウンド、キングチャールズスパニエル、ラブラドールレトリバー、ラサ・アプソ、マスティフ、ニューファンドランド、オールド・イングリッシュ・シープドッグ、パピヨン、ペキニーズ、ポインター、ポメラニアン、プードル、パグ、ロットワイラー、セントバーナード、サルーキ、サモエド、シュナウザー、スコティッシュテリア、シェットランドシープドッグ、シーズー、シベリアンハスキー、スカイテリア、スプリンガースパニエル、ウエストハイランドテリア、ウィペット、ヨークシャーテリアなどが含まれうる。
【0119】
本明細書では、「ppm」又は「百万分の~」という用語は、その従来の意味に従って用いられる。より正確には、本明細書では、保存食品組成物、又は保存食品組成物を含む動物用食品製品の総重量に対する重量(mg/kg)を指す(特に明記しない限り)。
【0120】
本明細書で用いられる場合、「医薬」という用語は、対象に利益又は治療効果をもたらす任意の化合物又は組成物を指す。この利益又は治療効果は、最初の適用時及び/又は継続使用による時間経過とともに達成することができる。「医薬」という用語は、動物への使用など、人間又は非人間の対象への使用に許容される。
【0121】
本明細書で用いられる場合、「予防」という用語もまた、状態の発生又は再発の可能性の低減を包含しうる。
【0122】
本明細書で用いられる場合、「免疫応答」という用語は、外来分子(抗原など)を検出し認識する能力を有する恒常性維持機構を指す。外来分子に対する最初の反応は「自然免疫」と呼ばれ、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、好中球、及び他の白血球が外来病原体の部位に急速に移動することを特徴とする。これらの細胞は、短期間で病原体を溶解するサイトカインを貪食、消化、溶解、又は分泌することができる。自然免疫応答は、抗原特異的ではないが、一般に、「獲得免疫反応」が発生するまで外来病原体に対する第一線の防御と考えられている。T細胞及びB細胞の両方が獲得免疫応答に関与する。獲得免疫応答の形成にはさまざまな機構が関与している。あらゆる可能な獲得免疫応答形成機構を考慮することは、このセクションの範囲外である。しかしながら、よく特徴付けられている機構としては、抗原B細胞認識、それに続く抗原特異的活性化による抗体の分泌、及び抗原提示細胞への結合によるT細胞の活性化などがある。
【0123】
本明細書で用いられる場合、「免疫応答を誘発する」という用語は、対象が抗原に対して特定の抗体反応及び/又は特定のT細胞応答を引き起こす能力を指すものと理解される。好ましくは、免疫応答は、抗体反応、とりわけワクチンに対する抗体反応である。
【0124】
本明細書で用いられる場合、「免疫応答を高める」という用語は、免疫応答を強化すること、及び/又は免疫応答の持続時間を延長することを意味する。具体的には、本開示の意味において、「免疫応答を高める」という用語は、所与の抗原に対する免疫反応性の大きさ及び/又は有効性を増大させる特性又はプロセスを指す。抗原の投与は、例えば生ワクチン株の投与のように意図的なものであってもよい。
【0125】
本明細書で用いられる場合、「感染」という用語は、当業者によって一般的に用いられ理解されている意味を有し、疾患の兆候の有無にかかわらず、対象者の体内又は体表面への微生物、すなわち細菌、ウイルス、真菌、又は寄生虫(抗原など)の侵入及び増殖を含む。感染は、対象者の体内又は体表面の1つ以上の部位で発生しうる。感染は、例えば意図しない摂取、吸入、傷口の汚染など、非意図的なものである場合もあれば、例えば生ワクチン株の投与などの意図的なものの場合もある。特に、この「感染」という用語には、ウイルス感染、寄生虫感染(真菌に関連するものなど)、及細菌感染が含まれうる。
【0126】
ウイルス感染の具体的な例としては、網羅的ではないが、狂犬病ウイルス;サイトメガロウイルス(CMV)肺炎、エプスタイン・バール・ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、HSV-1及びHSV-2粘膜炎、HSV-6脳炎、BKウイルス出血性膀胱炎、ウイルス性インフルエンザ、呼吸器多核ウイルス(RSV)、A型肝炎、B型肝炎、又はC型肝炎などから選択されるものが挙げられる。
【0127】
真菌感染の例としては、アスペルギルス症;咽喉咳(カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)を原因とする);クリプトコッカス症(クリプトコッカス(Cryptococcus)を原因とする);及び、ヒストプラズマ症などが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、感染性真菌の例には、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、ヒストプラズマ・カプスラツム(Histoplasma capsulatum)、コクシジオイデス・イミティス(Coccidioides immitis)、ブラストミセス・デルマティティディス(Blastomyces dermatitidis)が含まれる。
【0128】
感染性細菌の例としては、クラミジア属全体(例えば、クラミジア・フェリス(Chlamydia felis))、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borelia burgdorferi)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophilia)、マイコバクテリウム属(ヒト結核菌)結核菌(M. tuberculosis)、マイコバクテリウム・アビウム(M. avium)、マイコバクテリウム・イントラセルラー(Mycobacterium intracellulare)、マイコバクテリウム・カンサシ(M. kansasii)、M. gordonae(M. gordonae))、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、化膿レンサ球菌(ストレプトコッカス・ピオゲネス/Streptococcus pyogenes(A群溶血性レンサ球菌))、ストレプトコッカス属アガラクチア菌(Streptococcus agalactiae(B群レンサ球菌))、緑色連鎖球菌(Viridans streptococci)(緑色連鎖球菌(Streptococcus(viridans group)))、大便連鎖球菌(Streptococcus faecalis)、ウシレンサ球菌(Streptococcus bovis)、嫌気性連鎖球菌(Streptococcus(anaerobic sps.))、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)、病原性カンピロバクター属(Campylobacter sp.)、エンテロコッカス属(Enterococcus sp.)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ジフテリア菌(corynebacterium diphtheriae)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium sp.)、豚丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathiae)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringers)、破傷風菌(Clostridium tetani)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、バクテロイデス属(Bacteroides sp.)(フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum))、ストレプトバチルス・モニリホルミス(Streptobacillus moniliformis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidium)、イチゴ腫(Treponema pertenue)、レプトスピラ(Leptospira)、及びアクチノマイセス・イスラエリィ(Actinomyces israeli)が挙げられうる。他の感染性生物(原生動物など)としては、次のものが挙げられる:熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、及びトキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)。
【0129】
本明細書で用いられる場合、「有効量」という用語は、組成物中に含まれる場合に、意図された組成効果又は生理学的効果を達成するのに十分な成分の量を指す。したがって、「治療的有効量」とは、活性薬剤が有効であることが知られている症状を治療又は予防する治療効果を達成するための、毒性はないが十分な量の活性薬剤を指す。さまざまな生物学的要因が、物質が意図した機能を果たす能力に影響を及ぼしうることは理解されている。したがって、「有効量」又は「治療的有効量」は、場合によっては、そのような生物学的要因に依存する可能性がある。さらには、治療効果の達成は、当該技術分野で知られている評価法を使用して医師又は他の資格のある医療従事者によって測定することができるが、治療に対する個人差及び反応により、治療効果の達成が主観的な判断になる可能性があることが認識されている。有効量の決定は、薬学及び栄養科学、並びに医学の分野の通常の技術の範囲内であり、所望の生物学的効果を実現するために必要又は十分なコンジュゲート(例えば、カルノシン酸、ヒドロキシチロソール、タンニン、エラグ酸、没食子酸)又は組合せの量を指す。
【0130】
本明細書で用いられる場合、「投与」及び「投与する」とは、活性薬剤又はそれを含む組成物を対象に提示する態様を指す。投与は、経口法及び非経口法など、当該技術分野でよく知られているさまざまな経路によって行うことができる。
【0131】
本明細書で用いられる場合、「経口投与」とは、食品組成物又は動物用食品を含む経口投与形態を飲み込む、噛む、又は吸うことによって達成することができる投与経路を指す。経口投与形態の例としては、錠剤、カプセル、カプレット、粉末、顆粒、飲料、ゼリー、キブル、又は本開示で言及される他の動物用食品が挙げられる。
【0132】
本明細書で用いられる場合、「食品組成物」とは、飲料を含め、食品に添加して望ましくない化学変化を防ぐことができる分子又は物質、あるいはそれらのブレンドの組合せを指す。
【0133】
本明細書で用いられる場合、「動物用食品」又は「食品」又は「製品」という用語は、動物又はペットによる摂取を意図した組成物又は製品を指す。動物用食品には、栄養バランスがとれているかどうか、及び栄養的に完全かどうかにかかわらず、毎日の飼料及びおやつに適したあらゆる組成物又は製品が含まれうるが、これらに限定されない。
【0134】
本明細書に開示される食品組成物及び動物用食品は、乾燥食品又は湿潤食品でありうる。特に、動物用食品、食品組成物は、動物用乾燥食品又は乾燥食品組成物でありうる。
【0135】
本明細書で用いられる場合、「栄養的に完全な」という用語は、例えば動物用栄養の分野で認められた管轄当局の推奨に基づいて、動物用食品の意図された受益者に必要とされるすべての既知の栄養素をすべての適切な量及び割合で含む、動物用食品を指す。したがって、このような食品は、補足的な栄養源を追加することなしに、生命を維持するための食事摂取源としての役割をすることができる。
【0136】
本明細書で用いられる場合、「栄養バランスのとれた」という用語は、当該食品の単一又は基準のサービングを通じて、栄養的に望ましいレベルの脂肪、タンパク質、又はアミノ酸源、及び食物繊維を提供する動物性食品を指す。
【0137】
したがって、本明細書で用いられる「栄養バランスのとれた」という用語は、栄養的に完全でありうる動物用食品を指しうる。あるいは、本明細書で用いられる「栄養的にバランスのとれた」とは、栄養的に完全ではない動物用食品を指しうる。
【0138】
本明細書で用いられる場合、「機能性食品」という用語は、健康の維持にとって重要な栄養成分を提供する食品を指す。これらの食品組成物は、プロバイオティクス、アミノ酸、マルチビタミン、及び抗酸化剤など、生物学的に活性又は生物学的に利用可能な化合物を含んでおり、疾患及び障害の治療又は正常な健康状態の維持に有用であることがわかっている。
【0139】
本明細書で用いられる場合、「動物用乾燥食品」又は「乾燥食品組成物」という用語は、概して、食品又は組成物の総重量に対して12質量%未満、通常は食品又は組成物の総重量に対して7質量%未満の水分含量を有する食品又は組成物を指す。動物用乾燥食品は、押出プロセスによって形成することができる。幾つかの実施形態では、動物用乾燥食品は、コアとコーティングから形成することができ、コーティングされた動物用乾燥食品を形成し、これは、動物用コーティング乾燥食品とも呼ばれる。「動物用乾燥食品」という用語が用いられる場合、コーティングされていない動物用乾燥食品又はコーティングされた動物用乾燥食品を指しうるものと理解されたい。動物用乾燥食品組成物は、キブルでありうる。
【0140】
本明細書で用いられる場合、「キブル」という用語は、キブルの総重量に対して、12質量%未満の含有量である、典型的には水分又は水を有する、イヌ及びネコの飼料などの動物飼料の成分のような粒子状ペレットを含む。キブルは、ハードからソフトまでのテクスチャ範囲とすることができる。キブルは、内部構造の範囲が膨張したものから密なものまででありうる。
【0141】
本明細書で用いられる場合、「コア」又は「コアマトリクス」という用語は、動物用乾燥食品、すなわちキブルの粒子状ペレットを意味し、通常は成分のコアマトリクスから形成される。粒子状ペレットは、コア上にコーティングを形成するためにコーティングされてよく、これは、コーティングされた動物用乾燥食品でありうる。コアは、コーティングなしでも、部分的にコーティングされていてもよい。コーティングのない一実施形態では、粒子状ペレットは動物用乾燥食品全体を含みうる。コアには、デンプン質材料、タンパク質材料、並びにそれらの混合物及び組合せが含まれる。一実施形態では、コアは、タンパク質、炭水化物、及び脂肪のコアマトリクスを含みうる。
【0142】
本明細書で用いられる場合、「コーティング」という用語は、表面、例えばコアの表面の少なくとも一部を覆う、典型的にはコア上の部分的又は完全な被覆を意味する。一例では、コアの一部のみが覆われ、コアの一部が覆われずに露出するように、コアをコーティングで部分的に覆うことができる。別の例では、コア全体が覆われ、露出しないように、コアをコーティングで完全に覆うことができる。したがって、コーティングは、ごくわずかな量から最大で表面全体に至るまで覆うことができる。一実施形態では、本開示の食品組成物は、コーティングによる動物用乾燥食品の調製に適しうる。
【0143】
本明細書で用いられる場合、「動物用湿潤食品」又は「湿潤食品組成物」という用語は、概して、食品又は組成物の総重量に対して12質量%を超える、一般には食品又は組成物の総重量に対して30質量%を超える、水分含量を有する食品又は組成物を指す。
【0144】
本明細書で用いられる場合、「半湿潤食品」又は「半湿潤食品組成物」又は「半湿潤食品製品」という用語は、特に、食品組成物の総重量に対して、約12質量%から約30質量%の中間水分含量を有する食品組成物を指す。したがって、このような半湿潤食品組成物は、概して、ドライフードとウェットフードの中間の水分含量値を得ることができる、プロセスの最終製品である。幾つかの実施形態では、前記プロセスは、保湿剤を添加するステップを含みうる。幾つかの実施形態では、前記プロセスは、押し出しステップと、それに続く過熱蒸気(SHS)による処理ステップとを含む。幾つかの実施形態では、本開示による半湿潤食品は、食品組成物の総重量に対して、12質量%を超える、最大で30質量%の水分を含む。実例として、半湿潤食品組成物は、食品組成物の総重量に対して、11質量%から25質量%の水分を有する。
【0145】
本明細書で用いられる場合、「押出物」とは、押出機又はペレット化プロセスに送られるなどによって処理された動物用食品などの任意の製品を指す。押出物は乾燥していても湿っていてもよい。好ましくは、押出物は乾燥押出製品である。特定の実施形態では、押出製品は、動物用乾燥食品、特にキブルである。押出の一実施形態では、デンプンを含む原材料を熱及び圧力下で押し出してデンプンをゼラチン化し、コアとなりうるペレット化されたキブル形態を形成しうる押出プロセスによって、キブルが形成される。任意のタイプの押出機を使用することができ、その非限定的な例としては、単軸押出機及び二軸押出機を挙げることができる。
【0146】
本明細書で用いられる場合、「嗜好性」又は「嗜好的」という用語は、嗜好又は味覚にとって望ましいことを指す。さらには、本明細書で用いられる「嗜好性」又は「嗜好的」という用語は、ペットフード製品が動物の嗜好又は味覚に訴えかける度合いを指す。これは、給餌試験、例えば、識別試験又は格付け試験での測定に適している。ある特定の実施形態では、「嗜好性」とは、ある食品が別の食品よりも相対的に好まれることを意味しうる。例えば、動物が2つ以上の食品のうちの1つを好む場合、その好ましい食品はより「嗜好的」であり、「高められた嗜好性」又は「向上した嗜好性」を有する。ある特定の実施形態では、1つ以上の他の食品と比較したある食品の相対的な嗜好性は、例えば、食品の相対的な消費、又は他の適切な、嗜好性を示す選好の尺度によって、例えば、並べて自由に選択して比較すること、すなわち「ツー(2)ボウル試験」によって、決定することができる。
【0147】
本明細書で用いられる場合、「タンパク質源」という用語は、「動物性タンパク質源」、「植物性タンパク質源」、又は他のアミノ酸源、又はそれらの組合せを包含することができる。幾つかの実施形態によれば、タンパク質源は、加水分解されたタンパク質;例えば、部分的に又は完全に加水分解されたタンパク質を含みうるか、又加水分解されたタンパク質から構成されうる。タンパク質を部分的に又は完全に加水分解する方法はよく知られている。加水分解物は、限定されない例において、米国特許第5,589,357号、同第4,879,131号、同第5,039,532号、又は欧州特許第1236405号の各明細書に開示されている方法など、既知の化学的方法又は酵素的方法によって生成することができる。幾つかの実施形態によれば、タンパク質源は加水分解されない。
【0148】
本明細書で用いられる場合、「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸又は天然には存在しないアミノ酸を指しうる。網羅的ではないが、アミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリン、又はそれらの組合せからなる群より選択することができる。
【0149】
本明細書で用いられる場合、「アミノ酸源」という用語は、アミノ酸を含む物質を意味する。前記アミノ酸源には、植物性タンパク質、動物性タンパク質、単細胞生物由来のタンパク質、及び遊離アミノ酸が含まれるか、又はそれらに由来するものでありうるが、これらに限定されない。
【0150】
本明細書で用いられる場合、「動物性タンパク質」という用語は、動物をベースとしたタンパク質源を指す。このような動物性タンパク質には、例えば、限定はしないが、肉(例えば、豚肉、牛肉、又は子牛肉)、家禽(例えば、鶏)、魚、臓器(例えば、肝臓、脾臓、又は心臓)、内臓(例えば、鶏又は豚の内臓)、及びそれらの組合せが含まれる。動物性タンパク質としては、家禽類、牛肉、鶏肉、鶏肉粉、子羊肉、子羊肉粉、乾燥卵、魚、魚粉、肉骨粉、肉副産物、肉粉、七面鳥、血漿、又は骨髄から、非網羅的な方法で動物性タンパク質を選択することができる。
【0151】
植物性タンパク質としては、大豆、ひよこ豆、エンドウ豆、トウモロコシグルテン、米、昆虫、レンズ豆、又は大麦から、非網羅的な方法で植物性タンパク質を選択することができる。
【0152】
本明細書で用いられる場合、「抗酸化剤」という用語は、動物性食品、特に酸化されやすい脂肪の酸化を遅延させるか又は防止する、分子、組成物、又は製品を指す。本開示の抗酸化食品組成物又は製品は、酸化プロセスを防止するか、又は遅延させる。さらには、抗酸化剤は、対応する食品組成物又は製品の新鮮な特性及び栄養価を維持する。本開示の抗酸化剤には、合成の抗酸化剤又は天然の抗酸化剤が含まれるか、あるいは合成の抗酸化剤又は天然の抗酸化剤から構成されうる。有利なことに、食品組成物又は製品には、より少量の合成抗酸化剤を含めることができる。幾つかの実施形態によれば、このような抗酸化剤食品組成物には、最小限の量、又は検出できない量の合成抗酸化剤が含まれうる。例えば、このような抗酸化剤食品組成物には、対応する組成物の総重量の約1質量%未満の量の合成抗酸化剤を含めることができる。有利なことに、このような食品組成物又は製品中に存在しうる抗酸化剤は、非合成(すなわち天然)の抗酸化剤のみからなる。
【0153】
本明細書で用いられる場合、「合成の抗酸化剤」という用語は、脂質の酸化の防止に役立つ保存料として食品に添加することができる、化学的に合成された、天然に存在しない化合物を指す。網羅的ではないが、この用語には次の化合物が含まれる:ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、TBHQ(tert-ブチルヒドロキシキノン)、没食子酸プロピル(PG)、没食子酸ドデシル(DG)、没食子酸オクチル(OG)、及びキレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)など。
【0154】
本明細書で用いられる場合、「天然の抗酸化剤」という用語は、抗酸化特性を有する天然に存在する化合物を指す。
【0155】
本開示の所与の製品又は組成物の「抗酸化」特性は、所与の時間にわたって脂質、リポタンパク質、タンパク質、又はDNAなどの分子の酸化を遅延させるか、又は防止する能力を決定することによって評価することができる。
【0156】
本明細書で用いられる場合、「脂肪」という用語は、本開示の実施形態、とりわけ脂肪酸化を防止又は遅延させるべき食品又は組成物中に存在する、消化可能な、部分的に消化可能な、及び消化不可能な脂肪又は油の総量を指す。本明細書で用いられる場合、「脂質」、「脂肪」、及び「油」という用語は同義語である。
【0157】
油及び脂肪の構成成分は、化学では、酸素を吸収して反応する傾向があることが知られている。酸敗臭の発生は主に、酸化中に形成される生成物によって生じる。溶解又は吸収された酸素は通常、最初に反応して過酸化物を形成する。過酸化物の発生は、湿気、熱、光、又は触媒によって加速される。さらに分解すると、分子量の低いアルデヒド、ケトン、及び酸が形成され、これらの材料が油又は脂肪に望ましくない臭い及び味を与える。
【0158】
品質評価には、過酸化物価測定(PV)、ヘキサナール価測定、チオシアン酸第二鉄法(FTC)、チオバルビツール酸法(TBA)、アニシジン指数測定、共役ジエン測定などの当業者に知られている方法、又は酸素ボンベ若しくはランシマットなどの安定性を決定するための任意の方法が挙げられる。好ましい実施形態によれば、脂質酸化から生じる主要な一次生成物(すなわち、ヒドロペルオキシド)並びに二次化合物(アルカン、アルケン、アルデヒド、ケトン、アルコール、エステル、酸、及び炭化水素を含む)の決定は、抗酸化特性を評価するために使用することができる。網羅的ではないが、これらの抗酸化特性は、「過酸化物価」(PV)、又は「ヘキサナール価」を決定することによって評価することができる。
【0159】
本明細書で用いられる場合、「過酸化物価」(PV)は、脂肪酸の一次酸化分解化合物のマーカーを指す。言い換えれば、PVは、一次脂肪酸化生成物の定量化に用いられる。生鮮食品の過酸化物価は約10ミリ当量/kg(mEq/kg)未満であるが、過酸化物価が約20から約40mEq/kgの間の場合、食品は酸敗しているとみなされる。好ましい実施形態によれば、これらの値は保存期間の終了時に決定されなければならない。一実施形態によれば、最大10mEq/kgまでの値は酸敗しているとみなされる。動物用食品のPVを分析する方法は、当業者にはよく知られている。例として、熟練した技術者は、NF EN ISO 3960(2017年4月版)を使用することができる。
【0160】
本明細書で用いられる場合、「ヘキサナール値」は、脂肪酸の二次酸化分解化合物のマーカーを指す。生鮮食品のヘキサナール値は約15ppm未満であるが、ヘキサナール値が約15から約40ppmの間である場合、食品は酸敗しているとみなされる。好ましい実施形態によれば、これらの値は保存期間の終了時にも決定する必要がある。一実施形態によれば、最大15ppmまでの値は酸敗しているとみなされる。動物用食品中のヘキサナールのレベルを分析する方法は、当業者にはよく知られている。例として、当業者は、AOCS法Cg4-94(AOCS.1997)を使用することができる。
【0161】
本明細書で用いられる場合、特に指定がない限り、「ヌクレオチド」という用語は、特に、リボースの 5’位にリン酸基を有するヌクレオチドである、5’ヌクレオチドを指しうる。「ヌクレオチド」は、デオキシリボ核酸(「DNA」)又はリボ核酸(「RNA」)のサブユニットであると理解されることが好ましい。このような5’ヌクレオチドは、例えば、出発材料を5’ヌクレオチダーゼ及び/又はホスファターゼで処理することによって得ることができる。したがって、網羅的ではないが、本開示による5’ヌクレオチドは、アデノシン一リン酸(AMP)、グアノシン一リン酸(GMP)、イノシン一リン酸(IMP)、ウリジン一リン酸(UMP)、シチジン一リン酸(CMP)、チミジン一リン酸(TMP)、キサントシン一リン酸(XMP)、又はそれらの2つ以上の混合物からなる群より選択することができる。例えば、ヌクレオチドは、AMP、GMP、若しくはIMP、又はそれらの混合物であってよく、あるいはヌクレオチドは、GMPのみ、若しくはIMPのみ、又はそれらの混合物であってもよい。
【0162】
本明細書で用いられる場合、特に指定がない限り、「ヌクレオチド源」という用語は、上記定義されるヌクレオチドを含む、あらゆる供給源、特に天然源、天然、加工済み、又は原材料として提供されるものを指す。例えば、本開示に適したヌクレオチド源は、加水分解することができ、例えば、部分的に又は完全に加水分解することができる。例えば、本開示に適したヌクレオチド源は、ヌクレオチドの細菌抽出物又は酵母抽出物源などの生物学的抽出物を含むか、又はそれらからなりうる。網羅的ではないが、酵母は、クルイベロミセス(Kluyveromyces)又はサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)から選択することができる。したがって、このようなヌクレオチド源の例は、PROSOL S.P.A.社によって商品化されている、petMOD(商標)及び/又はpetMOD(商標)S飼料原料源を含むか、又はそれらからなりうる。酵母抽出ヌクレオチドの品質管理は、イオン対高性能液体クロマトグラフィーなど、当技術分野で知られている任意の方法によって達成することができる。
【0163】
また、本明細書で用いられる場合、「ポリヌクレオチド」という用語は、任意の長さの、リボヌクレオチド又はデオキシヌクレオチドのいずれかのヌクレオチドのポリマー形態を指し、二本鎖及び一本鎖の両方のDNA及びRNAを含む。したがって、本明細書全体を通じて、「ヌクレオチド」及び「5’ヌクレオチド」という用語は、ポリヌクレオチドとは区別して用いられる。
【0164】
本明細書で用いられる場合、特に指定がない限り、「オリゴ糖」という用語は、グリコシド結合によって結合した2つ以上の単糖単位を含む化合物を指す。したがって、それは、微生物を通じて得られるオリゴ糖を含め、天然及び合成源から見つかるオリゴ糖など、あらゆる種類のオリゴ糖を指す。
【0165】
本開示、とりわけ、本開示による食品組成物及び製品に関連して、考慮されうるオリゴ糖としては、グルコオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、マンノオリゴ糖、アラビノオリゴ糖、キシロオリゴ糖、又はそれらの任意の組合せから選択されるオリゴ糖が挙げられる。
【0166】
オリゴ糖の例には、さらに官能化オリゴ糖も含まれうる。官能化オリゴ糖組成物は、例えば、触媒の存在下で1つ以上の糖を1つ以上の官能化化合物と組み合わせることによって製造することができる。
【0167】
より具体的には、とりわけヌクレオチドとの組合せに関連して、具体的に考慮されるオリゴ糖は、ガラクトオリゴ糖(GOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、又はそれらの任意の組合せから選択されるものである。
【0168】
本開示によるオリゴ糖は、特に、存在するオリゴ糖の種類及び/又は重合度(DP)に基づいて特徴付けることができる。重合によって生じる反応生成物のオリゴ糖含有量は、例えば、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)と分光光度法との組合せによって決定することができる。例えば、オリゴ糖の平均重合度(DP)は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10から15個、及び15個より多くの無水糖モノマー単位を含む種の数平均として決定することができる。
【0169】
本明細書で用いられる場合、「長鎖オリゴ糖」という用語は、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、又は約20の平均重合度(DP)を有するオリゴ糖組成物を指す。
【0170】
本明細書で用いられる場合、「短鎖オリゴ糖」という用語は、約2、約3、約4、約5、約6、又は約7の平均重合度(DP)を有するオリゴ糖を指す。特に、短鎖オリゴ糖は、短鎖フルクトオリゴ糖(scFOS)を指しうる。したがって、scFOSの例には、1-ケストース、ニストース、1F-β-フルクトフラノシルニストース、又はそれらの組合せが含まれうる。例えば、本開示によるscFOSは、スクロースから得られる短鎖フルクトオリゴ糖(scFOS)を含むことができ;1-ケストース(GF2)(約37%)、ニストース(GF3)(約53%)、及び1F-β-フルクトフラノシルニストース(GF4)(約10%)の組合せからなる。GF2、GF3、及びGF4は、それぞれ1つ、2つ、又は3つのフルクトース単位がβ2-1グリコシド結合によってスクロースのフルクトース単位に付加された、スクロース(グルコース-フルクトース)分子によって形成される。
【0171】
本明細書で用いられる場合、特に指定がない限り、「アルギニン」という用語は、任意のアルギニン又はアルギニン源、特に、任意の、すなわち、合成又は天然のものを使用することができる、L-アルギニン又はL-アルギニン源を指すことができる。L-アルギニンを大量に含みうる食品成分としては、例えば、ナッツミート、ナッツペースト、及び/又はナッツ粉、種子、種子ペースト、及び/又は種子粉、又はゼラチンが挙げられる。例えば、L-アルギニンは、ラッカセイ(Arachis hypogaea)(ピーナッツ)、シナノグルミ(Juglans regia)(クルミ)、アメンドウ(Prunus amygdalus)(アーモンド)、セイヨウハシバミ(Corylus avellana)(ヘーゼルナッツ)、ダイズ(Glycine max)(大豆)、ペカン(Carya illinoensis)(ピーカンナッツ)、カシュー(Anacardium occidentale)(カシューナッツ)、及びマカデミア(Macadamia integrifolia)、バーモントマカダミア(M. tetraphylla)(マカダミアナッツ)の入手可能なアルギニン源から得ることができる。
【実施例】
【0172】
本明細書に開示される主題は、限定としてではなく、本開示の例示として提供される以下の実施例を参照することによって、より良く理解されよう。実施例で使用した材料及び方法を以下にまとめる。
【0173】
材料及び方法
子ネコ(ヨーロッパのネコ)のワクチン接種プロトコル。妊娠した女王蜂には、妊娠が判明してから子ネコが離乳するまで、対照食を自由に与えた。離乳開始の4週目に、子ネコを2群に分けた。一方には対照食を与え、もう一方には補給食を与える。4週齢から8週齢まで、固形食の割合が徐々に増加し、最終的に100%の乾燥食品となる。この研究では、50匹の子ネコを25匹ずつ2つの群に分けた。子ネコを母ネコから引き離すことができなかったため、性別及び体重に応じて割り当てを行い、2つの同質の群を形成した:
【0174】
【0175】
投与プロトコルを
図1のように実施した。離乳開始から子ネコが1歳になるまで、試験済みの栄養溶液を投与する。対照食群及び補給食群(各n=25)は、徐々に固形食に切り替えられる。子ネコは、従来の獣医師のプロトコルに従って、8、12、及び52週目に、猫ウイルス性鼻気管炎(feline viral rhinotracheitis)、猫カリシウイルス(feline calicivirosis)、猫クラミジア症(feline chlamydiosis)、及び猫汎白血球減少症(feline panleucopenia)に対する獣医用ワクチン(PUREVAX RCPCh)を接種される。12週目には、不活化狂犬病ウイルスを含む獣医用ワクチン(Rabisin(登録商標))も接種される。血液試料は、4週、8週、10週、14週、16週、18週、20週、28週、36週、44週、及び52週に採取される。
【0176】
前述のように、離乳の初めから子ネコが1歳になるまで、試験栄養溶液を与えた。子ネコには、従来の獣医師のプロトコルに従って、8週目、12週目、及び52週目にPUREVAX RCPChワクチンを接種した。12週目には、Rabisin(登録商標)によるワクチン接種も行った。一年を通して、動物の体重を毎週モニタリングし、成長曲線を確立し、異なる群間の成長を比較できるようにした。子ネコの年齢及び体重に応じた血液量(全血及び血清)を採取し、測定した。次のパラメータを決定した:全血球、抗ウイルス、及び抗菌抗体、並びに、sFas、Flt-3リガンド、GM-CSF、IFN-γ、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-12(p40)、IL-13、IL-18、MCP-1、PDGF-BB、RANTES、SCF、TNF-α、IL-10を含む、全血アッセイで測定される一連のサイトカイン。全血細球パラメータを、以下に定義されるように統計的に決定した。対照群と比較して統計的に有意:*=p値<0,05;**=p値<0,01;***=p値<0,001;****=p値<0,0001。
【0177】
全血球の測定
この測定は、研究全体を通して各子ネコのすべての血液パラメータ(白血球、赤血球、好中球の割合、リンパ球の割合、単球の割合、好酸球の割合、大型無染色細胞の割合、好塩基球の割合、網状赤血球の割合、血小板数、ヘモグロビン、及びヘマトクリット)を追跡するために、各時点で実施した。これらのパラメータに従う目的は、子ネコが研究期間中ずっと健康であったことを確認することであった。
【0178】
血漿中の抗ウイルス/抗菌抗体の測定
汎白血球減少症、クラミジア、ヘルペスウイルス、カリシウイルス、及び狂犬病ワクチンに対する反応を、初回ワクチン接種前(8週目)、その後20週目まで2週間ごと、最後にプロトコル終了まで8週間ごとに採取した血液試料中の特定の免疫グロブリンレベルをELISAで測定することによって評価した。
【0179】
サイトカイン発現の測定
サイトカインの産生は、全血アッセイで次のようにモニタリングした:ヘパリン処理した全血をR-10培養細胞培地で1:1に希釈し、次いで希釈した血液試料をそれぞれ100μLずつ96ウェル平底プレートにピペットで移した。血液試料を、次の3つの異なる条件で、2連で培養した:刺激なし、Tリンパ球の非特異的刺激としてPHA(フィトヘマグルチニン)5μg/mLで刺激、及び特異的刺激として狂犬病ウイルス抗原(組み換え狂犬病ウイルス糖タンパク質(aa 20-458)[His](DAGF-021)Creative Diagnostics社)5μg/mLで刺激。プレートを、5%のCO2雰囲気下、加湿インキュベーター内で、37℃で2日間インキュベートした。インキュベーション期間後、プレートを遠心分離し、上清を採取して、Luminex及びIL-10アッセイに使用した。MAGPIX(登録商標)ソフトウェア(xPONENT MAGPIX)を使用して、INcのMAGPIX(登録商標)機器でプレートを読み取った。定量化はMILLIPLEX(登録商標)Analyst 5.1ソフトウェアを使用して実施した。
【0180】
次のサイトカイン:sFas、Flt-3リガンド、GM-CSF、IFN-γ、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-12(p40)、IL-13、IL-18、MCP-1、PDGF-BB、RANTES、SCF、TNF-αをLuminexで分析した。IL-10のレベルをELISAで評価した。
【0181】
実施例1.食品組成配合物
本開示によるヌクレオチド源とオリゴ糖源との1つの可能な組合せを以下に提供する。この組成は、ワクチン接種プロトコル中に子ネコに投与される栄養補助食品に相当する。
【0182】
【0183】
ヌクレオチドが豊富な酵母抽出物は、PROSOL S.P.A.社が商品化しているpetMOD(商標)及びpetMOD(商標)S飼料材料源から選択した。
【0184】
キシロオリゴ糖(XOS)源は、トウモロコシマルトデキストリン(30から35%)、キシロース及びキシランを含むトウモロコシ繊維(25から35%)と組み合わせた、XOSを含むXOS粉末組成物(供給源の乾燥重量の35%から40%)であった。
【0185】
短鎖フルクトオリゴ糖(scFOS)源は、スクロースから得られた短鎖フルクトオリゴ糖(sc-FOS)を含むPROFEED(登録商標)組成物であった。それらは、1-ケストース(GF2)(約37%)、ニストース(GF3)(約53%)、及び1F-β-フルクトフラノシルニストース(GF4)(約10%)の組合せで構成されていた。GF2、GF3、及びGF4は、それぞれ1つ、2つ、又は3つのフルクトース単位がβ2-1グリコシド結合によってスクロースのフルクトース単位に付加された、スクロース(グルコース-フルクトース)分子によって形成される。
【0186】
実施例2.子ネコの体液性免疫応答及び抗体産生におけるワクチン反応に対する併用効果の評価
図1に定義されているように、投与されたワクチンには次のものが含まれる:
- 猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス、猫クラミジア症、及び猫汎白血球減少症に対する獣医用ワクチン(PUREVAX RCPCh);
- 不活化狂犬病ウイルス(Rabisin(登録商標))を含む獣医用ワクチン。
【0187】
したがって、投与には、1種類の病原細菌(クラミジア)と4つの異なる病原ウイルスからなる、5つの異なる病原体に対する合計2つの異なるワクチン組成物が含まれていた。
【0188】
ワクチンに対する応答のプロファイルは、試験されたすべての群及びすべての価数で正常であった。ヌクレオチド源(酵母抽出物が豊富)を含む有効成分と、scFOS及びXOSを含むオリゴ糖の選択との組合せ(本明細書では「カクテル」とも呼ばれる)を含む食事を与えられた子ネコの群では、クラミジアワクチンに対するワクチン反応が改善することが示されている。
【0189】
図2は、抗体産生に関して、試験群において14週目に統計的に非常に有意な改善(p値<0.001)が見られ、18週目には顕著な改善(p値<0.0001)が見られたことを示している。これは、このカクテルがクラミジアなどの細菌に対するワクチンの体液性免疫反応を特に改善するという証拠となる。
【0190】
試験したカクテル/組合せは、試験群と対照群との間で成長中の子ネコの体重に影響を与えなかった。
【0191】
実施例3.他の生理学的パラメータ及び全血アッセイに対する組合せの生物学的効果の評価
8週目、12週目、16週目、及び20週目に採取した血液試料を次の3つの条件で培養し、一連のサイトカインの発現をex vivoで評した:
- 刺激なし
- PHA刺激あり
- 狂犬病抗原(RA)刺激あり。
【0192】
20種類の異なるサイトカインをLuminex(登録商標)アッセイで試験した。そのうちの7つ、すなわち、sFas、IFN-γ、IL-4、IL-13、PDGF-BB、SCF、及びSDF-1については検出されなかった。他の13の信号、すなわち、IL12p40(ナチュラルキラー細胞刺激因子2)、IL-6、RANTES(活性化により調節、正常T細胞により発現及び分泌)、IL-8(好中球走化性因子)、KC(ケラチノサイト由来ケモカイン)、IL-2、MCP1(単球走化性タンパク質1)、GMCSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、IL-18(インターフェロンγ誘導因子)、TNF-α、FLT3L(FMS様チロシンキナーゼ3リガンド)、IL-1β、IL-10については、信号を取得した。
【0193】
図3は、次のサイトカインについて、両方の群(試験群と対照群)の結果を別々のパネルで示している。
図3A:IL12p40(ナチュラルキラー細胞刺激因子2)。
図3B:IL-6。
図3C:RANTES(活性化により調節、正常T細胞により発現及び分泌)。
図3D:IL-8(好中球走化性因子)。
図3E:KC(ケラチノサイト由来ケモカイン)。各グラフについて、Y軸は、細胞100万個あたりのng単位のLuminex信号を表している。灰色のバーは対照群に対応し、黒色のバーは試験群に対応する。各群について、左から右に、第8週、第12週、第16週、及び第20週の順に4回の測定を2連で実施した。
【0194】
検出された13のサイトカインのうち、IL12p40(
図3A)、IL-6(
図3B)、RANTES(
図3C)、IL-8(
図3D)、及びKC(
図3E)は、対照群と比較して、補給群で狂犬病抗原刺激に対して強い応答を示した。
【0195】
興味深いことに、これら5つのサイトカインは免疫細胞の増殖又は走化性に関与している。これは、補給群の免疫細胞が、対照群と比較して、ex vivoで能力が向上したことを意味している可能性がある。
【0196】
これらの結果は、ウイルス抗原刺激の後に、補給群の個体が、発現したサイトカインを通じて、より良い免疫応答を有することを示している。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0196
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0196】
これらの結果は、ウイルス抗原刺激の後に、補給群の個体が、発現したサイトカインを通じて、より良い免疫応答を有することを示している。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含み、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される、食品組成物。
実施形態2
乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)約0.05%から約0.5%の範囲の量のヌクレオチドと、ii)約0.1%から約2%の範囲の量のオリゴ糖とを含み、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される、実施形態1に記載の食品組成物。
実施形態3
乾物ベースの食品組成物の質量%で、
(i)約0.05%から約0.5%の範囲の量のヌクレオチド、
(ii)約0.1%から約0.7%の範囲の量のキシロオリゴ糖(XOS)、及び/又は
(iii)約0.3%から約1%の範囲の量のフルクトオリゴ糖(FOS)
を含む、実施形態1又は2に記載の食品組成物。
実施形態4
前記ヌクレオチドが、酵母抽出物又はそれらの画分から選択されるヌクレオチド供給源由来、特に、クリベロミセス属(Kluyveromyces)酵母抽出物、又はサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisae)酵母抽出物、又はそれらの画分から選択される酵母抽出物由来のものである、実施形態1から3のいずれか一つに記載の食品組成物。
実施形態5
前記ヌクレオチドが、ピリミジンとプリンとの組合せを含む、実施形態1から4のいずれか一つに記載の食品組成物。
実施形態6
前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、及びそれらの組合せから選択される、実施形態1から5のいずれか一つに記載の食品組成物。
実施形態7
前記XOSが、重合度(DP)が2から10の範囲である、β-(1,4)結合によって結合したキシロース単位からなるXOSを含み、前記FOSが、乾物ベースの前記食品組成物中の前記FOSの質量%で、少なくとも約50%の短鎖フルクトオリゴ糖(scFOS)を含む、実施形態1から6のいずれか一つに記載の食品組成物。
実施形態8
- 乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.01%から約0.1%の範囲の量のビタミンE、及び/又は
- 乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.0001%から約0.001%の範囲の量のβカロチン、及び/又は
- 乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.1%から約10%の範囲の量のアルギニン
をさらに含む、実施形態1から7のいずれか一つに記載の食品組成物。
実施形態9
前記食品組成物が、乾燥組成物、湿潤組成物、又は半湿潤組成物、特に半湿潤組成物である、実施形態1から8のいずれか一つに記載の食品組成物。
実施形態10
医薬として使用するための、実施形態1から9のいずれか一つに記載の食品組成物。
実施形態11
伴侶動物の免疫機能を改善する方法に使用するための、実施形態1から10のいずれか一つに記載の食品組成物。
実施形態12
前記免疫機能が、ワクチンに対するサイトカイン産生及び抗体反応、抗原に対する免疫応答、及びそれらの組合せから選択される、前記免疫機能を改善する方法に使用するための、実施形態11に記載の食品組成物。
実施形態13
伴侶動物の免疫不全を予防又は治療する方法に使用するための、実施形態1から12のいずれか一つに記載の食品組成物。
実施形態14
ヒト又は非ヒト動物に給餌するための、実施形態1から13のいずれか一つに記載の食品組成物の使用。
実施形態15
非ヒト動物に給餌するための、実施形態14に記載の使用。
実施形態16
実施形態1から13のいずれか一つに記載の食品組成物を製造するためのキットであって、
(i)ヌクレオチド供給源、
(ii)キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択されるオリゴ糖の供給源
を含む、キット。
実施形態17
実施形態1から13のいずれか一つに記載の食品組成物を製造する方法であって、
a)次の供給源:
- ヌクレオチド供給源、
- キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択されるオリゴ糖の供給源
を混合するステップ
b)前記混合物を加熱し、それによって前記食品組成物を製造するステップ
を含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)少なくとも約0.05%の量のヌクレオチドと、ii)少なくとも約0.1%の量のオリゴ糖とを含み、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される、食品組成物。
【請求項2】
乾物ベースの食品組成物の質量%で、i)約0.05%から約0.5%の範囲の量のヌクレオチドと、ii)約0.1%から約2%の範囲の量のオリゴ糖とを含み、前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択される、請求項1に記載の食品組成物。
【請求項3】
乾物ベースの食品組成物の質量%で、
(i)約0.05%から約0.5%の範囲の量のヌクレオチド、
(ii)約0.1%から約0.7%の範囲の量のキシロオリゴ糖(XOS)、及び/又は
(iii)約0.3%から約1%の範囲の量のフルクトオリゴ糖(FOS)
を含む、
請求項1に記載の食品組成物。
【請求項4】
前記ヌクレオチドが、酵母抽出物又はそれらの画分から選択されるヌクレオチド供給源由
来のものである、
請求項1に記載の食品組成物。
【請求項5】
前記ヌクレオチドが、ピリミジンとプリンとの組合せを含む、
請求項1に記載の食品組成物。
【請求項6】
前記オリゴ糖が、キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、及びそれらの組合せから選択される、
請求項1に記載の食品組成物。
【請求項7】
前記XOSが、重合度(DP)が2から10の範囲である、β-(1,4)結合によって結合したキシロース単位からなるXOSを含み、前記FOSが、乾物ベースの前記食品組成物中の前記FOSの質量%で、少なくとも約50%の短鎖フルクトオリゴ糖(scFOS)を含む、
請求項1に記載の食品組成物。
【請求項8】
- 乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.01%から約0.1%の範囲の量のビタミンE、及び/又は
- 乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.0001%から約0.001%の範囲の量のβカロチン、及び/又は
- 乾物ベースの食品組成物の質量%で、約0.1%から約10%の範囲の量のアルギニン
をさらに含む、
請求項1に記載の食品組成物。
【請求項9】
前記食品組成物が、乾燥組成物、湿潤組成物、又は半湿潤組成
物である、
請求項1に記載の食品組成物。
【請求項10】
医薬として使用するための、
請求項1に記載の食品組成物。
【請求項11】
伴侶動物の免疫機能を改善する方法に使用するための、
請求項1に記載の食品組成物。
【請求項12】
前記免疫機能が、ワクチンに対するサイトカイン産生及び抗体反応、抗原に対する免疫応答、及びそれらの組合せから選択される、前記免疫機能を改善する方法に使用するための、請求項11に記載の食品組成物。
【請求項13】
伴侶動物の免疫不全を予防又は治療する方法に使用するための、
請求項1に記載の食品組成物。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の食品組成物を製造するためのキットであって、
(i)ヌクレオチド供給源、
(ii)キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択されるオリゴ糖の供給源
を含む、キット。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の食品組成物を製造する方法であって、
a)次の供給源:
- ヌクレオチド供給源、
- キシロオリゴ糖(XOS)、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、及びそれらの組合せから選択されるオリゴ糖の供給源
を混合するステップ
b)前記混合物を加熱し、それによって前記食品組成物を製造するステップ
を含む、方法。
【国際調査報告】