(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】弾性積層体
(51)【国際特許分類】
B32B 5/24 20060101AFI20241018BHJP
B32B 25/10 20060101ALI20241018BHJP
B32B 7/022 20190101ALI20241018BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20241018BHJP
A61F 13/62 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B32B5/24
B32B25/10
B32B7/022
A61F13/49 313A
A61F13/62 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521358
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2022078878
(87)【国際公開番号】W WO2023066882
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596170996
【氏名又は名称】アプリックス
【氏名又は名称原語表記】APLIX
(74)【代理人】
【識別番号】100091502
【氏名又は名称】井出 正威
(72)【発明者】
【氏名】ペピオン,エミリー,アレクサンドラ
【テーマコード(参考)】
3B200
4F100
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA11
3B200AA12
3B200BA11
3B200BB03
3B200BB09
3B200BB11
3B200CA07
3B200DE13
4F100AL09B
4F100BA02
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100CB05
4F100DG03A
4F100DG15A
4F100GB72
4F100JK08B
4F100JK12B
4F100JL13
4F100YY00B
(57)【要約】
幅方向、特にCD方向、および長さ方向、特にMD方向に延びる積層体であって、
- 1つまたは複数の不織布層から形成され、不織布全幅にわたって、特にCD方向に延びる、少なくとも1つの不織布層と
- エラストマー材料製の1つまたは複数の弾性フィルムから形成され、前記少なくとも1つの不織布層の下面または上面に、それぞれ上面または下面によって固定され、弾性体全幅にわたって延びる、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムとを含み、
- 前記不織布全幅に対する前記弾性体全幅の比率が、0.3から0.9の間であることと、
- 長さおよび幅を有し、全長および全幅に沿ってエラストマー材料が延びる試料を用いて幅方向に測定された、前記積層体および/または前記エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの100%伸長時のSETが、6%超、特に6%から30%の間であることを特徴とする、積層体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向、特にCD方向、および長さ方向、特にMD方向に延びる積層体であって、
- 1つまたは複数の不織布層から形成され、不織布全幅にわたって、特にCD方向に延びる、少なくとも1つの不織布層と、
- エラストマー材料製の1つまたは複数の弾性フィルムから形成され、前記少なくとも1つの不織布層の下面または上面に、それぞれ上面または下面によって固定され、弾性体全幅にわたって延びる、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムと
を含み、
- 前記不織布全幅に対する前記弾性体全幅の比率が、0.3から0.9の間であることと;
- 長さおよび幅を有し、全長および全幅に沿ってエラストマー材料が延びる試料を用いて幅方向に測定された、前記積層体および/または前記エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの100%伸長時のSETが、6%超、特に6%から30%の間であることと、を特徴とする、積層体。
【請求項2】
前記不織布全幅に対する前記弾性体全幅の比率が0.4から0.8の間であることを特徴とする、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
長さおよび幅を有し、全長および全幅に沿って前記弾性体が延びる試料を用いて測定された、前記積層体の100%伸長時のSETが、15%超、特に15%から30%の間であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の積層体。
【請求項4】
エラストマー材料製の前記1つまたは複数の弾性フィルムの材料が50から90の間のショアA硬度を有することを特徴とする、請求項1から3のうちの1項または複数項に記載の積層体。
【請求項5】
エラストマー材料製の前記1つまたは複数の弾性フィルムの材料が60から80の間のショアA硬度を有することを特徴とする、請求項4に記載の積層体。
【請求項6】
積層体の比率[SET(%)/伸度(%/100)]の値の少なくとも1つが、
- 40%、60%、80%、100%および120%までの伸長について測定されて、120%までの伸長を越えて積層体の破断が発生する場合、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、0%までの戻り、40%までの5回目の伸長、0%までの戻り、120%までの伸長、0%までの戻り、40%までの6回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に、40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの2回目、3回目、4回目、5回目および6回目の伸長において計算されるか、または
- 40%、60%、80%および100%までの伸長について測定されて、100%と120%との伸長の間で積層体の破断が発生する場合、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、0%までの戻り、40%までの5回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に、40%、60%、80%および100%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの2回目、3回目、4回目および5回目の伸長において計算されるか、または
- 40%、60%および80%までの伸長について測定されて、80%と100%との伸長の間で積層体の破断が発生する場合、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に、40%、60%および80%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの2回目、3回目、および4回目の伸長において計算されて、
6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間であり、伸長がCD(横方向)またはMD(縦方向)の方向に従って行われることを特徴とする、請求項1から5のうちの一項または複数項に記載の積層体。
【請求項7】
40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のうち少なくとも2つ、特に少なくとも100%および120%までの伸長に対して、積層体の比率が、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有することを特徴とする、請求項6に記載の積層体。
【請求項8】
40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のうち少なくとも3つ、特に少なくとも80%、100%および120%までの伸長に対して、積層体の比率が、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有することを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のうち少なくとも4つ、特に少なくとも60%、80%、100%および120%までの伸長に対して、積層体の比率が、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有することを特徴とする、請求項6から8のいずれかに記載の積層体。
【請求項10】
40%、60%、80%、100%および120%までの5つの伸長に対して、積層体の比率が、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有することを特徴とする、請求項6から9のいずれかに記載の積層体。
【請求項11】
80%、100%および120%までの伸長に対する積層体のSETが、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、0%までの戻り、40%までの5回目の伸長、0%までの戻り、120%までの伸長、0%までの戻り、40%までの6回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に測定されて、80%までの伸長に対する、5%から15%の間の下限値から、120%までの伸長に対する、8%から30%の間、特に15%から25%の間の上限値の間であり、80%、100%および120%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの4回目、5回目および6回目の伸長において計算されることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の積層体。
【請求項12】
40%から80%の間の伸長の範囲において、積層体の比率[SET(%)/伸度(%/100)]が6から22の間、特に8から17の間であることを特徴とする、請求項11に記載の積層体。
【請求項13】
特に、40%における積層体のSETが、2.5%から8%の間であり、かつ/または60%における積層体のSETが、4%から15%の間、特に5%から10%の間であり、かつ/または80%における積層体のSETが、5%から20%の間、特に10%から15%の間であり、かつ/または100%における積層体のSETが、7%から25%の間、特に15%から20%の間であり、かつ/または120%における積層体のSETが、7%から30%の間、特に10%から27%の間、特に20%から25%の間であることを特徴とする、請求項11または請求項12に記載の積層体。
【請求項14】
積層体が、エラストマー材料製の弾性フィルムの第2の上面または下面にそれぞれ配置される第2の不織布を含むことを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載の積層体。
【請求項15】
エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの比率[SET(%)/伸度(%/100)]の値のうちの1つが、
- 40%、60%、80%、100%および120%までの伸長について測定されて、120%までの伸長を越えてフィルムの破断が発生する場合、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、0%までの戻り、40%までの5回目の伸長、0%までの戻り、120%までの伸長、0%までの戻り、40%までの6回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に、40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの2回目、3回目、4回目、5回目および6回目の伸長において計算されるか、または
- 40%、60%、80%および100%までの伸長について測定されて、100%と120%との伸長の間でフィルムの破断が発生する場合、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、0%までの戻り、40%までの5回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に、40%、60%、80%および100%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの2回目、3回目、4回目および5回目の伸長において計算されるか、または
- 40%、60%および80%までの伸長について測定されて、80%と100%との伸長の間でフィルムの破断が発生する場合、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に、40%、60%および80%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの2回目、3回目、および4回目の伸長において計算されて、
6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間であり、伸長がCD(横方向)またはMD(縦方向)の方向に従って行われることを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の積層体。
【請求項16】
40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のうち少なくとも2つ、特に少なくとも100%および120%までの伸長に対して、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの比率が、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有することを特徴とする、請求項15に記載の積層体。
【請求項17】
40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のうち少なくとも3つ、特に少なくとも80%、100%および120%までの伸長に対して、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの比率が、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有することを特徴とする、請求項15または請求項16に記載の積層体。
【請求項18】
40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のうち少なくとも4つ、特に少なくとも60%、80%、100%および120%までの伸長に対して、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの比率が、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有することを特徴とする、請求項15から17のいずれかに記載の積層体。
【請求項19】
40%、60%、80%、100%および120%までの5つの伸長に対して、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの比率が、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有することを特徴とする、請求項15から18のいずれかに記載の積層体。
【請求項20】
80%、100%および120%までの伸長に対するエラストマー材料製の弾性フィルムのSETが、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、0%までの戻り、40%までの5回目の伸長、0%までの戻り、120%までの伸長、0%までの戻り、40%までの6回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に測定されて、80%、100%および120%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの4回目、5回目および6回目の伸長において計算されて、80%までの伸長に対する、5%から15%の間の下限値から、120%までの伸長に対する、8%から30%の間、特に15%から25%の間の上限値の間であり、伸長がCD(横方向)またはMD(縦方向)の方向に従って行われることを特徴とする、請求項15から19のいずれかに記載の積層体。
【請求項21】
40%から80%の間の伸長の範囲において、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの比率[SET(%)/伸度(%/100)]が、6から22の間、特に8から17の間であることを特徴とする、請求項15から20のいずれかに記載の積層体。
【請求項22】
40%におけるエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、2.5%から8%の間であり、かつ/または60%におけるエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、4%から15%の間、特に5%から10%の間であり、かつ/または80%におけるエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、5%から20%の間、特に10%から15%の間であり、かつ/または100%における積層体のSETが、7%から25%の間、特に15%から20%の間であり、かつ/または120%における積層体のSETが、7%から30%の間、特に10%から27%の間、特に20%から25%の間であることを特徴とする、請求項10から16のいずれかに記載の積層体。
【請求項23】
40%までの先行伸長および0%までの戻りの後の40%までの伸長に対して、積層体および/またはエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、2.25%超、特に2.5%超、2.75%超、3%超、3.25%超、場合によっては15%未満、特に14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満であることを特徴とする、請求項1から22のいずれかに記載の積層体。
【請求項24】
40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、および0%までの戻りの後の、40%までの3回目の伸長に対して、積層体および/またはエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、3.5%超、より特に4%超、特に4.5%超、5%超、5.5%超、6%超、6.5%超、7%超、場合によっては20%未満、特に15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満であることを特徴とする、請求項1から23のいずれかに記載の積層体。
【請求項25】
40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、および0%までの戻りの後の、40%までの4回目の伸長に対して、積層体および/またはエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、5%超、特に6%超、7%超、8%超、9%超、10%超、場合によっては25%未満、特に20%未満、19%未満、18%未満、17%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満であることを特徴とする、請求項1から24のいずれかに記載の積層体。
【請求項26】
40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、および0%までの戻りの後の、40%までの5回目の伸長に対して、積層体および/またはエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、6%超、特に7%超、8%超、9%超、10%超、11%超、場合によっては30%未満、特に25%未満、20%未満、19%未満、18%未満、17%未満であることを特徴とする、請求項1から25のいずれかに記載の積層体。
【請求項27】
40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、0%までの戻り、40%までの5回目の伸長、0%までの戻り、120%までの伸長、および0%までの戻りの後の、40%までの6回目の伸長に対して、積層体および/またはエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、7%超、特に8%超、9%超、10%超、11%超、12%超、13%超、14%超、15%超、16%超、17%超、18%超、19%超、20%超、場合によっては30%未満、特に29%未満、28%未満、27%未満、26%未満、25%未満、24%未満であることを特徴とする、請求項1から26のいずれかに記載の積層体。
【請求項28】
CDにおける積層体の100%での伸長時の力が7N超であることを特徴とする、請求項1から27のいずれかに記載の積層体。
【請求項29】
不織布が、短い繊維をベースとする不織布、特にカード不織布、例えばスパンレース、または熱融着カード不織布であることを特徴とする、請求項1から28のいずれかに記載の積層体。
【請求項30】
少なくとも1つのフィルムの少なくとも1つの不織布層への固定が、方向MDにおいて長手方向に延び、方向CDにおいて互いに間隔をおいて延びる粘着剤のストリップまたはラインに沿って、接着剤、例えば粘着剤を介在させることによって行われることを特徴とする、請求項1から29のいずれかに記載の積層体。
【請求項31】
フック付き積層体であって、請求項1から30のいずれかに記載の積層体と、この積層体、特に上部不織布層に固定されたフック付きの少なくとも1つのラップとを含む、フック付き積層体。
【請求項32】
赤ちゃん用おむつまたは成人用失禁パンツであって、特に、おむつまたは失禁パンツの閉止を達成するための、おむつのウエストの前面から生じているループにフックが係合するような、おむつまたは失禁パンツのウエストの後面から横方向に生じているフック・タブを形成するための、請求項1から31のいずれかに記載の少なくとも1つの積層体を含む、赤ちゃん用おむつまたは成人用失禁パンツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生分野、特におむつまたは成人用失禁パンツに使用されることを意図した弾性積層体に関し、前記積層体は、概して方向CD(横方向または横断方向)に対応する幅方向に延び、方向MD(縦方向)と呼ばれる、概して積層体の製造中の巻き出し方向に対応する長さ方向に延び、不織布の1つまたは複数の層と前記所定の幅以下の幅にわたって延びる1つまたは複数の弾性フィルムとの重なり、特に、弾性フィルムを挟む下部不織布と上部不織布との2層の重なりを含む。これらの積層体は、フックを担持し、おむつのウエストの後部中央部の縁に固定され、ウエストの前部から生じているループ要素と係合して、おむつの可動かつ弾性的に調節可能な閉鎖部を形成することを意図した弾性ラグの製造における使用を、特に意図している。
【背景技術】
【0002】
このタイプの積層体は、例えば、本出願人名義の文書EP-A-1783257から公知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の弾性積層体から形成されたラグを含むおむつの使い心地をなおさらに改善することが望ましい。特に、この種の弾性積層体から形成されたラグを含むおむつのウエストが、おむつの着用者の体型によりよく適合することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本発明は、第1の態様によれば、幅方向、特にCD方向、および長さ方向、特にMD方向に延びる積層体であって、
- 少なくとも1つの不織布層であって、少なくとも1つの不織布層を形成する前記1つまたは複数の不織布が、不織布全幅にわたって、特にCD方向に延びる、少なくとも1つの不織布層と、
- それぞれ、少なくとも1つの不織布層の下面または上面に、それぞれ上面または下面によって固定されたエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムであって、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムを形成するエラストマー材料製の1つまたは複数の弾性フィルムが、弾性体全幅にわたって延びる、少なくとも1つの弾性フィルムとを含み、
- 不織布全幅に対する弾性体全幅の比率は、0.3から0.9の間、好ましくは0.4から0.8の間、特に0.6から0.8の間であることと、
- 長さおよび幅を有し、エラストマー材料が試料の全長および/または全幅に沿って延びる試料を用いて幅方向に測定された、積層体および/またはエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの100%伸長時のSETが、6%超、特に15%超、特に6%から30%の間、特に15%から30%の間であることと、を特徴とする、積層体に関する。
【0005】
好ましくは、積層体および/またはエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの100%におけるSETは、6%超、特に7%超、8%超、9%超、10%超、11%超、場合によっては30%未満。特に25%未満、20%未満、19%未満、18%未満、17%未満である。
【0006】
好ましくは、それ自体が発明を形成する本発明の別の態様によれば、本発明の他の態様から独立して、および特に第1の態様から独立して、これらの他の態様の各々と組み合わせて、特に第1の態様と組み合わせて好ましい様式で実施することもできるが、1つまたは複数の弾性フィルムのエラストマー材料は、特に規格ISO868:2003に準拠して測定される、50から90の間、特に60から80の間のショアA硬度を有する。
【0007】
好ましくは、それ自体が発明を形成する本発明の別の態様によれば、本発明の第1の態様の100%におけるSET値に代えて、またはそれと組み合わせて、長さおよび幅を有し、弾性体全幅にわたって延びるエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムを形成するエラストマー材料製の弾性体が、全長に沿ってかつ/または全幅にわたって延びる試料を用いて測定された、積層体および/またはエラストマー材料製の弾性フィルムの40%伸長時のSETが、2.25%超、特に2.5%超、2.75%超、3%超、3.25%超、場合によっては、15%未満、特に14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満である。
【0008】
好ましくは、それ自体が発明を形成する本発明の別の態様によれば、本発明の第1の態様の100%および40%におけるSET値に代えて、またはそれと組み合わせて、長さおよび幅を有し、弾性体が全長に沿ってかつ/または全幅にわたって延びる試料を用いて測定された、積層体および/またはエラストマー材料製の弾性フィルムの60%伸長時のSETが、3.5%超、より特に4%超、特に4.5%超、5%超、5.5%超、6%超、6.5%超、7%超、場合によっては20%未満、特に15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満である。
【0009】
好ましくは、それ自体が発明を形成する本発明の別の態様によれば、本発明の第1の態様の100%、40%および60%におけるSET値に代えて、またはそれと組み合わせて、長さおよび幅を有し、弾性体が全長に沿ってかつ/または全幅にわたって延びる試料を用いて測定された、積層体および/またはエラストマー材料製の弾性フィルムの80%伸長時のSETが、5%超、特に6%超、7%超、8%超、9%超、10%超、場合によっては25%未満、特に20%未満、19%未満、18%未満、17%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満である。
【0010】
好ましくは、それ自体が発明を形成する本発明の別の態様によれば、本発明の第1の態様の100%、40%、60%および80%におけるSET値に代えて、またはそれと組み合わせて、長さおよび幅を有し、弾性体が全長に沿ってかつ/または全幅にわたって延びる試料を用いて測定された、積層体および/またはエラストマー材料製の弾性フィルムの120%伸長時のSETが、7%超、特に8%超、9%超、10%超、11%超、12%超、13%超、14%超、15%超、16%超、17%超、18%超、19%超、20%超、場合によっては30%未満、特に29%未満、28%未満、27%未満、26%未満、25%未満、24%未満である。
【0011】
好ましくは、積層体の比率[SET(%)/伸度(%/100)]の値の少なくとも1つは、
- 40%、60%、80%、100%および120%までの伸長について測定されて、120%までの伸長を越えて積層体の破断が発生する場合、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、0%までの戻り、40%までの5回目の伸長、0%までの戻り、120%までの伸長、0%までの戻り、40%までの6回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に、40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの2回目、3回目、4回目、5回目および6回目の伸長において計算されるか、または
- 40%、60%、80%および100%までの伸長について測定されて、100%と120%との伸長の間で積層体の破断が発生する場合、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、0%までの戻り、40%までの5回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に、40%、60%、80%および100%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの2回目、3回目、4回目および5回目の伸長において計算されるか、または
- 40%、60%および80%までの伸長について測定されて、80%と100%との伸長の間で積層体の破断が発生する場合、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に、40%、60%および80%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの2回目、3回目、および4回目の伸長において計算されて、
6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間であり、伸長はCD(横方向)またはMD(縦方向)の方向に従って行われる。
【0012】
特に、40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のうち少なくとも2つ、特に少なくとも100%および120%までの伸長に対して、積層体の比率は、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有する。
【0013】
特に、40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のうち少なくとも3つ、特に少なくとも80%、100%および120%までの伸長に対して、積層体の比率は、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有する。
【0014】
特に、40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のうち少なくとも4つ、特に少なくとも60%、80%、100%および120%までの伸長に対して、積層体の比率は、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有する。
【0015】
特に、40%、60%、80%、100%および120%までの5つの伸長に対して、積層体の比率は、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有する。
【0016】
好ましくは、それ自体、上記第1の態様とは独立に発明を構成するが、これと組み合わせて有利に実施することができる展開によれば、80%、100%および120%までの伸長に対する積層体のSETは、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、0%までの戻り、40%までの5回目の伸長、0%までの戻り、120%までの伸長、0%までの戻り、40%までの6回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に測定されて、80%までの伸長に対する、5%から15%の間の下限値から、120%までの伸長に対する、8%から30%の間、特に15%から30%の間、さらにより特に15%から25%の間の上限値の間であり、80%、100%および120%までの伸長のSETは、それぞれ、40%までの4回目、5回目および6回目の伸長において計算される。
【0017】
好ましくは、40%から80%の間の伸長の範囲において、積層体の比率[SET(%)/伸度(%/100)]は6から22の間、特に8から17%の間である。
【0018】
特に、40%における積層体のSETは、2.5%から8%の間であり、かつ/または60%における積層体のSETが、4%から15%の間、特に5%から10%の間であり、かつ/または80%における積層体のSETが、5%から20%の間、特に10%から15%の間であり、かつ/または100%における積層体のSETが、7%から25%の間、特に15%から20%の間であり、かつ/または120%における積層体のSETが、7%から30%の間、特に10%から27%の間、特に20%から25%の間である。
【0019】
したがって、上述のような増加した比率および/またはSETを有する積層体を提供することにより、この種の積層体について40%~80%、好ましくは40%~120%の通常の伸縮範囲で最初に使用される場合、特におむつに装着されるとき、積層体が、特におむつに使用されるとき、特にそのウエストの弾性ラグの領域において、積層体が自動的に調節されるという利点が達成される。SETおよび/または比率が増加することにより、最初の利用者は、おむつの弾性ラグを塑性変形させ、弾性ラグを手で伸縮することによって弾性ラグを大きくすることができ、一方、弾性ラグを調節しておむつ着用者の所定の位置に弾性ラグを保つために最小限の弾性を維持することができる。
【0020】
好ましくは、積層体は、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの第2の上面または下面にそれぞれ配置される第2の不織布を含む。
【0021】
好ましくは、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの比率[SET(%)/伸度(%/100)]の値の少なくとも1つは、
- 40%、60%、80%、100%および120%までの伸長について測定されて、120%までの伸長を超えてフィルムの破断が発生する場合、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、0%までの戻り、40%までの5回目の伸長、0%までの戻り、120%までの伸長、0%までの戻り、40%までの6回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に、40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの2回目、3回目、4回目、5回目および6回目の伸長において計算されるか、または
- 40%、60%、80%および100%までの伸長について測定されて、100%と120%との伸長の間でフィルムの破断が発生する場合、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、0%までの戻り、40%までの5回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に、40%、60%、80%および100%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの2回目、3回目、4回目および5回目の伸長において計算されるか、または
- 40%、60%および80%までの伸長について測定されて、80%と100%との伸長の間でフィルムの破断が発生する場合、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に、40%、60%および80%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの2回目、3回目、および4回目の伸長において計算されて、
6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間であり、伸長はCD(横方向)またはMD(縦方向)の方向に従って行われる。
【0022】
特に、40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のうち少なくとも2つ、特に少なくとも100%および120%までの伸長に対して、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの比率は、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有する。
【0023】
特に、40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のうち少なくとも3つ、特に少なくとも80%、100%および120%までの伸長に対して、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの比率は、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有する。
【0024】
特に、40%、60%、80%、100%および120%までの伸長のうち少なくとも4つ、特に少なくとも60%、80%、100%および120%までの伸長に対して、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの比率は、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有する。
【0025】
特に、40%、60%、80%、100%および120%までの5つの伸長に対して、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの比率は、6から30の間、特に8から25の間、特に8から20の間の値を有する。
【0026】
好ましくは、80%、100%および120%までの伸長に対するエラストマー材料製の弾性フィルムのSETは、連続して以下のこと:40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、0%までの戻り、40%までの5回目の伸長、0%までの戻り、120%までの伸長、0%までの戻り、40%までの6回目の伸長、0%までの戻り、および破断までの伸長が実施される測定操作中に測定され、80%、100%および120%までの伸長のSETが、それぞれ、40%までの4回目、5回目および6回目の伸長において計算されて、80%までの伸長に対する、5%から15%の間の下限値から、120%までの伸長に対する、8%から30%の間、特に15%から25%の間の上限値の間であり、伸長はCD(横方向)またはMD(縦方向)の方向に従って行われる。
【0027】
好ましくは、40%から80%の間の伸度の範囲において、エラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムの比率[SET(%)/伸度(%/100)]は、6から22の間、特に8から17の間である。
【0028】
特に、40%におけるエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、2.5%から8%の間であり、かつ/または60%におけるエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、4%から15%の間、特に5%から10%の間であり、かつ/または80%におけるエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、5%から20%の間、特に10%から15%の間であり、かつ/または100%における積層体のSETが、7%から25%の間、特に15%から20%の間であり、かつ/または120%における積層体のSETが、7%から30%の間、特に10%から27%の間、特に20%から25%の間である。
【0029】
好ましくは、40%までの先行伸長および0%までの戻りの後の40%までの伸長に対して、積層体および/またはエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、2.25%超、特に2.5%超、2.75%超、3%超、3.25%超、場合によっては15%未満、特に14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満である。
【0030】
好ましくは、40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、および0%までの戻りの後の、40%までの3回目の伸長に対して、積層体および/またはエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、3.5%超、より特に4%超、特に4.5%超、5%超、5.5%超、6%超、6.5%超、7%超、場合によっては20%未満、特に15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満である。
【0031】
好ましくは、40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻りの後の、40%までの4回目の伸長に対して、積層体および/またはエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、5%超、特に6%超、7%超、8%超、9%超、10%超、場合によっては25%未満、特に20%未満、19%未満、18%未満、17%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満である。
【0032】
好ましくは、40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、および0%までの戻りの後の、40%までの5回目の伸長に対して、積層体および/またはエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、6%超、特に7%超、8%超、9%超、10%超、11%超、場合によっては30%未満、特に25%未満、20%未満、19%未満、18%未満、17%未満である。
【0033】
好ましくは、40%までの1回目の伸長、0%までの戻り、40%までの2回目の伸長、0%までの戻り、60%までの伸長、0%までの戻り、40%までの3回目の伸長、0%までの戻り、80%までの伸長、0%までの戻り、40%までの4回目の伸長、0%までの戻り、100%までの伸長、0%までの戻り、40%までの5回目の伸長、0%までの戻り、120%までの伸長、および0%までの戻りの後の、40%までの6回目の伸長に対して、積層体および/またはエラストマー材料製の少なくとも1つの弾性フィルムのSETが、7%超、特に8%超、9%超、10%超、11%超、12%超、13%超、14%超、15%超、16%超、17%超、18%超、19%超、20%超、場合によっては30%未満、特に29%未満、28%未満、27%未満、26%未満、25%未満、24%未満である。
【0034】
特に、それ自体が発明を形成する本発明の別の態様によれば、本発明の他の態様から独立して、これらの他の各態様の1つまたは複数と組み合わせて、好ましい様式で実施することもできるが、CDにおける積層体の100%での伸長時の力は、7N超、特に8N超、9N超、10N超、11N超である。
【0035】
好ましくは、不織布は、短い繊維をベースとする不織布、特にカード不織布、例えばスパンレース、または熱融着カード不織布である。
【0036】
好ましくは、エラストマー材料製の弾性フィルムの厚さは、30マイクロメートルから60マイクロメートルの間、特に40マイクロメートルから60マイクロメートルの間であり、特にエラストマー材料製の弾性フィルムの厚さは、1回目の伸長の前の静止状態で測定される。好ましくは、エラストマー材料製の弾性フィルムは、少なくとも50質量%のエラストマー材料、特に少なくとも60質量%のエラストマー材料、より特に少なくとも70質量%のエラストマー材料、さらにより特に少なくとも80質量%のエラストマー材料、および/または100質量%までのエラストマー材料、場合によっては99質量%未満のエラストマー材料、特に場合によっては98質量%未満のエラストマー材料を含む弾性フィルムである。
【0037】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのフィルムの少なくとも1つの不織布層への固定は、方向MDにおいて長手方向に延び、方向CDにおいて互いに間隔をおいて延びる粘着剤のストリップまたはラインに沿って、接着剤、例えば粘着剤を介在させることによって行われる。
【0038】
本発明の好ましい実施形態によれば、伸度の関数として積層体および/またはエラストマー材料製の弾性フィルムのSETを示す曲線は、40%から120%の範囲で上昇し、特に、伸長/伸張/伸縮の1%当たり0.10より大きい勾配を有し、特に、伸長/伸張/伸縮の1%当たり0.11から0.40の間の勾配を有する。
【0039】
本発明はまた、赤ちゃん用おむつまたは成人用失禁パンツであって、特に、おむつまたは失禁パンツの閉止を達成するための、おむつのウエストの前面から生じているループにフックが係合するような、おむつまたは失禁パンツのウエストの後面から横方向に生じているフック・タブを形成するための、本発明による少なくとも1つの積層体を含む赤ちゃん用おむつまたは成人用失禁パンツに関する。
【0040】
本発明はまた、本発明による積層体と、この積層体、特に上部不織布層に固定されたフック付きの少なくとも1つのラップとを含む、フック付き積層体に関する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の積層体の実施例1についての、10サイクル+破断の測定操作中に得られた、伸度の関数としての力を示す曲線を示すグラフである。
【0042】
【
図2】比較例1についての、10サイクル+破断の測定操作中に得られた、伸度の関数としての力を示す曲線を示すグラフである。
【0043】
【
図2A】比較例2についての、10サイクル+破断の測定操作中に得られた、伸度の関数としての力を示す曲線を示すグラフである。
【0044】
【
図3】実施例1および比較例2それぞれについての、40%までの2回目の伸縮/伸張/伸長に対する前述の図の曲線の部分を示すグラフである。
【0045】
【
図4】実施例1および比較例2それぞれについての、40%までの3回目の伸縮/伸張/伸長に対する前述の図の曲線の部分を示すグラフである。
【0046】
【
図5】実施例1および比較例2それぞれについての、40%までの4回目の伸縮/伸張/伸長に対する前述の図の曲線の部分を示すグラフである。
【0047】
【
図6】実施例1および比較例2それぞれについての、40%までの5回目の伸縮/伸張/伸長に対する前述の図の曲線の部分を示すグラフである。
【0048】
【
図7】実施例1および比較例2それぞれについての、40%までの6回目の伸縮/伸張/伸長に対する前述の図の曲線の部分を示すグラフである。
【0049】
【
図8】表1のすべての試料について、すべての緩和値(パーセンテージとして)および力(ニュートンで)、ならびにそれらのそれぞれの平均値を示す表である。
【0050】
【
図8A】すべての試料のすべての測定結果を示す表であり、これらの測定結果の要約は表1に示されている。
【0051】
【0052】
【
図10】本発明による積層体から形成された弾性ラグを含むおむつを示す図である。
【0053】
【
図11】
図1の曲線の一部を示し、SETの測定方法を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図9において、積層体は、上から下に向かって連続して、上部不織布層1、右側および左側それぞれのエラストマー材料製の2つの弾性フィルム2d、2g、ならびに下部不織布層3を含む。
【0055】
積層体の左側端部および右側端部と中央部とに弾性フィルムのない2つの端部領域および中央領域が形成されるように、2つの弾性フィルム2d、2gは、2つの不織布層1および3が延びる距離よりも短い距離で方向CDに延びる。
【0056】
上部不織布層1と弾性フィルム2d、2gは、その間に、接着剤、特に粘着剤のストリップまたはライン4d、4gを介在させることによって固定され、これらのストリップまたはラインは、方向MDにおいて長手方向に延び、方向CDにおいて互いに間隔をあけている。
【0057】
同様に、下部不織布層3と弾性フィルム2d、2gは、その間に、接着剤、特に粘着剤のストリップまたはライン5d、5gを介在させることによって固定され、これらのストリップまたはラインは、方向MDにおいて長手方向に延び、方向CDにおいて互いに間隔をあけている。
【0058】
弾性体のない領域では、2つの不織布1および3は、それぞれ右、中央および左の、MD方向に延び、端部領域および中央領域のそれぞれの幅に実質的に等しい幅を有するフィールド6d、7d、6c、7c、6g、7gによって、互いに直接固定される(すなわち、弾性フィルムを介在させることなく、接着剤のみがその間に存在する)。
【0059】
図9から分かるように、下部と上部の2つの不織布層は、積層体の全幅にわたってCD方向に延びている。前記幅は、不織布の全幅を表す。エラストマー材料製の2つの弾性フィルム2g、2dは、それぞれ、積層体の幅の半分よりも小さいそれぞれの幅にわたって延びている。2つのフィルムが伸びるそれぞれの幅の合計が、弾性体全幅を表す。ここで、不織布全幅に対する弾性体全幅の関係または比率は、0.4から0.8の間であり、特に
図9では約0.6に等しい。
【0060】
本発明によれば、非反応性ホットメルト粘着剤、例えばBostikのH2511、またはBostikのXPU18314(反応性PU粘着剤)などの粘着剤を使用することが可能である。好ましくは、これらの粘着剤はエラストマーフィルムと同様の化学的性質を有する。例えば、これらの粘着剤の1つを、化学的機能を同定するために、赤外分光計を使用して分析するか、または物質を分離および定量するために液体クロマトグラフィーを使用すると、好ましくは、エラストマーフィルムの1つまたは複数の材料の1つまたは複数の成分またはその誘導体の痕跡が同定される。
【0061】
好ましくは、これらの粘着剤は、SIS、SBS、SEBSおよびSEPSをベースとしており、類似の化学物質であるためフィルムとの良好な親和性が可能になる。
【0062】
好ましくは、粘着剤層は15g/m2未満、特に12g/m2未満、より好ましくは8g/m2未満の坪量を有する。
【0063】
本発明において、不織布とは、固結させた繊維および/またはフィラメントのラップの形成後に得られる製品を意味することを意図する。固結は、機械的、化学的または熱的であってよく、その結果として繊維および/またはフィラメント間に結合が存在することになる。この固結は、直接的であってもよく、すなわち、溶着を用いて繊維および/またはフィラメント間で直接行われてもよく、または間接的、すなわち、繊維および/またはフィラメント間に介在層、例えば、粘着剤の層または結合材の層を用いてもよい。「不織布」という用語は、不均一または不規則な様式で、またはランダムに交絡させた繊維および/またはフィラメントのテープまたはラップの形態の構造に関する。不織布は、単一層構造または複数の層を含む構造を有してもよい。不織布は、異なる合成材料および/または天然材料から製造することができる。天然材料は、例えば、綿、ジュート、紙パルプ、麻などのセルロース繊維であり、レーヨンまたはビスコース(酢酸セルロース)などの再生セルロース繊維を含んでもよい。不織布材料用の天然繊維は、カーディングなどの様々な工程を使用して調製することができる。例として、合成材料には、これらに限定されるものではないが、合成熱可塑性ポリマーが含まれ、この合成熱可塑性ポリマーは、繊維および/またはフィラメントを形成することが公知であり、これらに限定されるものではないが、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなど;ポリアミド、例えばポリアミド6、ポリアミド6.6、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12など;ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸(PLA)、またはPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)など、ポリカーボネート、ポリスチレン、熱可塑性エラストマー、ビニルポリマー、ポリウレタン、ならびにそれらの混合物およびコポリマーを挙げることが出来る。これらの材料の一部は、バイオプラスチック、例えばバイオ由来(例えばバイオPE、PLA、ポリアミド11、ビスコース(酢酸セルロース)など)および/または生分解性(PLAなど)であってもよい。一般的な様式で、繊維とフィラメントとは主にその長さと製造方法が異なる。
【0064】
連続フィラメントとは、不織布ラップを直接形成するために連続的に押し出された、断面の直径に比べて非常に長い個々の要素をいい、次いで、熱融着または所望の性能および/もしくはその輸送を達成することを可能にする任意の他の手段によって固結させることができる。好ましくは、連続フィラメントは120mm超の長さを有する。
【0065】
繊維とは、連続フィラメントの長さよりも短いものであり、長さを短くした繊維材料または繊維材料要素を示す総称として意味され、不織布の形成において紡糸可能かつ/または使用可能である。不連続に形成され、50mm未満(好ましくは25mmから50mm)の短い長さを有する短い繊維と、不連続に形成され、長さが50mm超(好ましくは60mmから120mm)の長い長さを有する長い繊維の2種類の繊維が区別される。
【0066】
押出後に直接固結される連続フィラメントとは異なり、繊維は通常、当業者に周知のカーディング工程中で配向され、ラップ状に編成される。このラップは、次いで、熱融着または所望の性能および/もしくはその輸送を達成することを可能にする任意の他の手段によって固結させることができる。
【0067】
本発明によれば、フィルムとは、長さおよび幅がそれぞれ厚さよりも大きい(例えば10倍、50倍、またはさらには1000倍以上の比率)シートまたはラップタイプの材料を意味する。通常、フィルムの厚さは0.7mm未満、特に0.5mm未満またはそれよりも薄い。特に、紐、もしくは糸、または紐および/もしくは糸のセットはフィルムではない。
【0068】
弾性フィルムに関しては、熱可塑性エラストマー材料またはこの種の材料を含む混合物、特にリサイクル可能な、ポリオレフィンエラストマータイプの材料(例えばポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)をベースとし、例えばExxonによるVistamaxxシリーズ、またはDow ChemicalによるInfuse、Engage、Versifyシリーズなどであり、用途に意図される性能に応じて、互いに関連させることも、他のポリオレフィンと関連させることもできる)を使用することが可能である。例えば、プロピレン系エラストマー、特に、商品番号6000および/もしくは6102および/もしくは6102FLおよび/もしくは6202および/もしくは6202FLおよび/もしくは6502、7050BFおよび/もしくは7810下のEXXON MOBILによる「Vistamaxx」シリーズ、ならびに/またはオレフィンブロックコポリマー、特に、商品番号9000および/もしくは9007および/もしくは9010および/もしくは9077および/もしくは9100および/もしくは9107下のDOW CHEMICALによる「Infuse」シリーズ、ならびに/またはポリオレフィンエラストマー、特に、商品番号8402および/もしくは8401および/もしくは8411および/もしくは8407および/もしくは8137および/もしくは8200および/もしくは8207下のDOW CHEMICALによる、「Engage」シリーズ、ならびに/またはプロピレン/エチレンコポリマー、特に、商品番号3200および/もしくは3300および/もしくは3401および/もしくは4200下のDOW CHEMICALによる、「Versify」シリーズ、ならびに/または熱可塑性エラストマー(TPE-E)(コポリエステル)、例えばTRINSEOによるAPINAT DP1888-75CVもしくはAPINAT DP1888-75、ならびに/または特にNaturPlastによるNP-EL208-65、ならびに/または熱可塑性ウレタンエラストマー(TPE-U)ならびに/または熱可塑性アミドエラストマー(TPE-A)、熱可塑性スチレンエラストマー(TPE-S)ならびに/または、より広義には、90未満のショアA、特に50から90の間のショアAの硬度を有するポリエステルを使用することが可能である。
【0069】
特に、EP-A-1783257に記載されているように、1つまたは複数の実質的に固体のフィルムを、冷却の後に、得るために、1つまたは複数の押出ダイから1つまたは複数のフィルムを押し出すことにより1つまたは複数の弾性フィルムを調製することによって、固定剤を介在させることにより、1つまたは複数の実質的に固体のフィルムを不織布層上に積層することによって、そしてさらに、弾性がない、または弾性が不十分な不織布の場合には、不織布の繊維および/またはその間の凝集力を破壊するために、積層体を横方向に伸縮することによって、本発明による積層体を製造することが可能である。前記横方向の伸縮は、特に、「活性化」、すなわち、積層体を「活性化」するために、2つの歯付きローラーが積層体の横方向の伸縮を確実にする活性化ポイントに、積層体に由来する複合体を通過させることによって実施することができ、すなわち、弾性がないか、またはわずかに弾性があるだけの不織布、および/または弾性フィルムを「伸縮」することによって、その伸縮能力を増大させ、これにより、積層体中の弾性体の弾性を解放し、その結果、その弾性を増大させることができる。
【0070】
比較例1
比較例1は、2層の不織布の間に2層の粘着剤を介して固定されたエラストマー材料製の弾性フィルムを含む。上部の不織布は、Sandler companyから入手可能な、坪量30g/m2の「Sawasoft」と呼ばれる不織布スパンレースである。下部の不織布は、Sandler companyから入手可能な、22g/m2の坪量を持つ、「Sawabond4111」という商品番号で呼ばれる熱融着カード不織布である。エラストマー材料製の弾性フィルムは、坪量50g/m2のSIS材料に由来する。SISをベースとする粘着剤は、粘着剤1層当たりの坪量が約4.5g/m2である。製品を、通常現場で使用されるディスク活性化ブロックに従って活性化させる。
【0071】
比較例2
比較例2は、2層の不織布の間に2層の粘着剤を介して固定されたエラストマー材料製の弾性フィルムを含む。上部の不織布は、下部の不織布と同じであり、Sandler companyから入手可能な、坪量25g/m2の商品番号「Sawasoft2626」の不織布スパンレースである。エラストマー材料製の弾性フィルムは、坪量50g/m2のSIS材料に由来する。SISをベースとする粘着剤は、粘着剤1層当たりの坪量が約4.5g/m2である。製品は活性化させていない。
【0072】
実施例1
実施例1は、2層の不織布の間に2層の粘着剤を介して固定されたエラストマー材料製の弾性フィルムを含む。上部の不織布は、下部の不織布と同じであり、JACOB HOLM INDUSTRIES companyから入手可能な、坪量20g/m2の商品番号”15.020.001.0200.01.02”の100%PLA-FLATの不織布スパンレースである。エラストマー材料製の弾性フィルムは、TRINSEO companyから入手可能な商品番号「APINAT DP1888-75CV」のTPE-Eに由来し、坪量60g/m2で押し出されたものである。粘着剤の平均坪量は、粘着剤1層当たり約4g/m2で、BOSTIK companyから入手可能な、商品番号「XPU18314」が付いている。粘着剤を、弾性体のないゾーンと弾性体の端に近い弾性ゾーンとには全面的に塗布し、その他のゾーンには線状または帯状に塗布する。積層体は、例えば中央および/または横のストラップによって製品が横方向に保持させることなく、歯の間隔が3.33mmの積み重ねたディスクを含む2つのローラーで構成される活性化ブロックに通す。
【0073】
実施例3
【0074】
実施例3は、実施例1に類似しているが、以下の相違点がある。粘着剤の平均坪量は約3.5g/m2であり、粘着剤は異なって分布している、すなわち、粘着剤のラインおよび/または粘着剤のストリップは、弾性ゾーンにおいて、CDにおいて、互いにさらに間隔をあけている。
【0075】
SET、特に100%でのSET、および積層体または弾性フィルムなどの要素の伸度に対する比率[SET(%)/伸度(%/100)]を測定するためには、ダイナモメータ、例えば「Zwick/Roell Z2.5ダイナモメータ」タイプ2.5Kn Zwickiと「testXpertIII」アプリケーションソフトウェア、ポイント取得周波数500Hz、100Nのロードセル、および例えば「8297-2.5kN」モデルによる上下のジョーを使用して、次のように進めることができる。
【0076】
試料の調製:
ステップ0a:要素、例えばエラストマー材料製の弾性積層体または弾性フィルム、例えばリールから直接取り出した積層体またはおむつのパックから取り出したおむつを、通常の雰囲気の中、温度23℃(+/-2℃)、および相対湿度50%(+/-5%)で24時間の間、状態調整する。
ステップ0b:幅が40mm、および高さが少なくとも40mmの寸法を有する試料を、好ましくは円形刃カッターを使用して、高さ30mm、および幅40mmにわたって特性評価できるように切断する。前記試料を、その全幅および全長にわたって延びるエラストマー材料製の弾性フィルムを含むことを確実にするように、積層体から切断する。
【0077】
製品は、SETを測定する伸長値まで、特に100%まで、例えば508mm/分の速度で、下部ジョーは固定されたまま上部ジョーの垂直変位によって伸ばされ、次いでその位置で30秒間保持され、次いで一定速度で初期位置に戻され、60秒間放置される(1回目サイクル終了)、その後、再び100%まで伸ばされ、30秒間保持され、初期位置に戻される(2回目サイクル終了)。このようにして、伸度の関数として伸縮力を%で表した曲線が得られ、前記曲線はヒステリシスを有するので、次の計算式によってSETを決定することができる。
SET=L1-L0
(式中:
L0:試験開始時、すなわち1回目サイクルの開始時におけるx軸との交点(伸度%)
L1:元の位置に戻って60秒待った後、2回目サイクルの開始時のx軸との交点(伸度%))。
上述の方法は、100%以外の伸長値、例えば40%、60%、80%または120%の伸長値で実施することも可能であるが、SETを測定する際に使用する伸長値が、製品/試料の事前の伸長を下回らないことが条件となる。
【0078】
40%、60%、80%、100%、および120%の値についてのSETならびに、伸張度(または伸度)に対するSETの比率(%/100)の計算
1.ジョー間の距離を30mmに調節する、
2.切断された試料を、幅40mmがジョーに完全に収まるようにジョーに配置し、高さ30mmの弾性積層体を試験する、
3.0.05Nまでの前負荷を加える、
4.測定は、508mm/分の速度で40%伸長まで遅延なく伸長する間に行われる(測定結果は、伸度の関数として加えられた力を示す曲線の形、または前記曲線から導出される)(40%までの1回目の伸長/伸張/伸縮)、
5.最初のジョーの位置30mmに戻し、試料を60秒間保持する、
6.測定は、508mm/分の速度で40%伸長まで伸長させ、試料を30秒間保持する間に行われる(40%までの2回目の伸長/伸張/伸縮)、
7.最初のジョー間の位置30mmに戻し、試料を60秒間保持する、
8.測定は、508mm/分の速度で60%伸長まで伸長させる間に遅滞なく行われる、
9.最初のジョー間の位置30mmに戻し、試料を60秒間保持する、
10.測定は、508mm/分の速度で40%伸長まで伸長させ、試料を30秒間保持する間に行われる(40%までの3回目の伸長/伸張/伸縮)、
11.最初のジョー間の位置30mmに戻し、試料を60秒間保持する、
12.測定は、508mm/分の速度で80%伸長まで伸長させる間に遅延なく行われる、
13.最初のジョー間の位置30mmに戻し、試料を60秒間保持する、
14.測定は、508mm/分の速度で40%伸長まで伸長させ、試料を30秒間保持する間に行われる(40%までの4回目の伸長/伸張/伸縮)、
15.30mmの初期位置に戻し、試料を60秒間保持する、
16.測定は、508mm/分の速度で100%伸長まで伸長させる間に遅延なく行われる、
17.最初のジョー間の位置30mmに戻し、試料を60秒間保持する、
18.測定は、508mm/分の速度で40%伸長まで伸長させ、試料を30秒間保持する間に行われる(40%までの5回目の伸長/伸張/伸縮)、
19.30mmの初期位置に戻し、試料を60秒間保持する、
20.測定は、508mm/分の速度で、テンポなしで120%伸長まで伸長させる間に行われる、
21.最初のジョー間の位置30mmに戻し、試料を60秒間保持する、
22.測定は、508mm/分の速度で40%伸長まで伸長させ、試料を30秒間保持する間に行われる(40%までの6回目の伸長/伸張/伸縮)、
23.30mmの初期位置に戻し、試料を60秒間保持し、
次いで
24.測定は、508mm/分の速度で伸長させ、弾性積層体が破断するまでの間に行われる。
【0079】
こうして、最後に、後述する実施例および比較例で得られたような曲線(10サイクル+破断)が得られ、
図1に示される。次いで、各伸長値について、曲線(10サイクル+破断)上で、それぞれ40%、60%、80%、100%、および120%までのSETを測定し、これらを以下の表1に示す。
図11は、パーセンテージ伸度の関数として力を示す曲線を示している。SETはここから直接取得されたもので、力の範囲[0.05N~0.1N]間で選択された曲線の点の伸度の値に対応し、前記の点は、最大の伸度の点から開始して最小の力の点に達するまで厳密に減少するように選択される。したがって、
図11では、記録されたSETは4.60%である。
【0080】
特に、これらの伸長値の前に試料の破断が起こる場合には、最後に、後述する実施例および比較例で得られるような、6サイクル+破断または8サイクル+破断と称する曲線を得るために、100%および120%までの伸長に対応するステップ16~23を省略することができる。次に、SETを、各伸長値について、曲線(6サイクル+破断)上で、それぞれ40%、60%および80%まで測定する。
図8はまた、各実施例および比較例について、40%までの2回目、3回目、4回目、5回目および6回目の各伸度、得られた緩和値(百分率)およびその平均値、ならびに得られた力(ニュートンで)およびその平均値を示す。以下の表1は、比較例1および2、ならびに上記の実施例1および3について、6サイクル+破断の試験および10サイクル+破断の試験で得られた結果を示している。これらの測定では、実施例および比較例のそれぞれについて、M1、M2、M3の3つの試料を作製し、その3つの平均値を記入した。全試料の結果を
図8の表に示す。
【0081】
【国際調査報告】