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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】熱処理のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   F27B 7/16 20060101AFI20241018BHJP
   F26B 17/20 20060101ALI20241018BHJP
   F27B 7/06 20060101ALI20241018BHJP
   F27B 7/22 20060101ALI20241018BHJP
   F27B 7/36 20060101ALI20241018BHJP
   F27B 7/20 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
F27B7/16
F26B17/20 B
F27B7/06
F27B7/22
F27B7/36
F27B7/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521743
(86)(22)【出願日】2022-10-05
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 AU2022051190
(87)【国際公開番号】W WO2023056514
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】2021903219
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524132612
【氏名又は名称】レネルジ・プロプライエタリー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】RENERGI PTY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ,チュン-ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ドン,リ
(72)【発明者】
【氏名】グナワン,リチャード
【テーマコード(参考)】
3L113
4K061
【Fターム(参考)】
3L113AA06
3L113AB05
3L113AC67
3L113BA36
3L113DA06
3L113DA17
4K061AA08
4K061BA03
4K061BA12
4K061CA01
4K061CA16
4K061CA21
4K061EA07
4K061FA11
(57)【要約】
熱処理装置および熱処理方法であって、固体材料が熱処理される相互接続されたチャンバを有する容器が、それが回転している間に熱交換媒体に懸濁され、それにより、容器を回転させるためのエネルギーが減少し、熱伝達表面積が増加し、容器の周りの熱交換媒体の乱流が増加し、固体粒子の互いに対するおよび熱交換表面に対する移動が改善される。これらの特徴は、コンパクトな容器サイズ内で熱伝達率を増加させるために組み合わされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱処理生成物を生成するために固体材料を熱処理するための装置であって、
内側容器であって、前記内側容器の壁によって画定された内部空間内に前記固体材料を供給するための入口と、前記内側容器内で生成された前記熱処理生成物を除去するための出口とを備え、前記内部空間は、前記内側容器の前記入口と前記出口との間の第1の経路を画定する、内側容器と、
前記内側容器と前記外側容器との間に熱交換媒体を収容する外側容器であって、前記外側容器は、前記外側容器内に前記熱交換媒体を供給するための入口と、前記外側容器内から前記熱交換媒体を除去するための出口とを備え、第2の経路が、前記内側容器の前記壁と、前記外側容器の前記入口と前記出口との間の前記外側容器の壁とによって画定され、前記内側容器は、前記熱交換媒体に少なくとも部分的に浸漬するように構成され、前記第1の経路および前記第2の経路は、前記内側容器の前記壁を横切る熱伝達のために互いに熱伝達近接している、外側容器と
を備え、
前記内側容器は、前記内側容器の前記壁と前記熱交換媒体との間の相対移動を促進し、前記内側容器内の固体粒子の互いに対する、および前記内側容器の前記壁に対する移動を促進し、前記固体材料および前記熱処理生成物を前記第1の経路に沿って前記内側容器の前記出口に向かって通過させるために、軸を中心に回転するように構成され、
前記内側容器の前記壁から、前記内側容器が回転される前記軸に対して垂直な最短距離が、前記内側容器の前記壁を横切る熱伝達のための表面積を増加させるように、前記軸の長さに沿って変化する、装置。
【請求項2】
前記内側容器内で熱処理されている前記固体材料が前記第1の経路に沿って移送される速度を調整するために、前記装置は、使用時に、前記内側容器が回転される前記軸が接地面に対して傾斜角で傾斜するように配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記熱交換媒体は、前記内側容器に浮力を及ぼす液体を含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記熱交換媒体は、前記内側容器に浮力を及ぼす加圧超臨界流体を含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項5】
前記外側容器に収容される前記熱交換媒体の量は、前記熱交換媒体によって前記内側容器に及ぼされる前記浮力が前記内側容器およびその中に収容される前記固体材料の総重量以下になるように制御される、請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
前記内側容器の前記壁は、前記内側容器の前記壁から前記内側容器が回転される前記軸までの最短距離が、前記内側容器が回転される前記軸の長さに沿って周期的に変化するように配列される、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記内側容器の前記壁は、前記内側容器の前記内部空間を一連の相互接続されたチャンバに分割する複数の内側に突出する形成部を備え、前記突出する形成部は、前記内側容器の長さに沿って互いに間隔を置いて離間する、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
各突出する形成部は、半径方向内側に延在し、互いに対して鋭角にある第1の環状壁面および第2の環状壁面を含み、前記第1および第2の壁面は、前記内側容器の内側半径を画定するように収束する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記鋭角は、約1~20度の間である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
半径方向内側に狭くなる一連の環状隙間が、前記突出する形成部の前記第1および第2の環状壁面の前記鋭角によって、前記内側容器の外部に設けられる、請求項8または請求項9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記内側容器に向かって突出する複数のバッフルが前記外側容器に取り付けられ、前記バッフルの少なくとも一部は、前記内側容器の前記外部の前記環状隙間と整列するように配置され、前記バッフルは、前記熱交換媒体の流れを前記隙間に導くように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記外側容器は、半円筒状の下側セクションと直方体状の上側セクションとを有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記外側容器に対して回転するように前記内側容器を支持するために前記内側容器と前記外側容器との間に配置された1つまたは複数のローラおよび/または軸受をさらに含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記内側容器の前記入口および前記出口は、前記内側容器の両端に配設される、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記外側容器の前記入口は、前記外側容器の下部に配設され、複数の副入口を介して前記外側容器の長さに沿って前記熱交換媒体を分配するための入口マニホールドを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記外側容器の前記出口は、前記外側容器の上部に配設され、前記熱交換媒体が前記外側容器の長さに沿った複数の副出口を介して前記外側容器から出ることを可能にするための出口マニホールドを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記装置には、前記内側容器内の固体材料を粉砕および破砕するための複数の自由移動要素を含む粉砕媒体が設けられる、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記装置は、前記内側容器内のピーク温度が前記固体材料を乾燥させるために適した範囲で制御可能であるように構成される、先行する請求項1~17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記装置は、前記内側容器内のピーク温度が前記固体材料を焙焼するために適した範囲で制御可能であるように構成される、先行する請求項1~17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記装置は、前記内側容器内のピーク温度が前記固体材料を熱分解するために適した範囲で制御可能であるように構成される、先行する請求項1~17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記固体材料は、炭素質材料、すなわち、バイオマス、化石燃料および都市固形廃棄物のうちのいずれか1つまたは複数である、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
物理および/または化学変化が前記熱交換媒体に起こる、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
熱処理生成物を生成するために固体材料を熱処理するための装置であって、
内側容器であって、前記内側容器の少なくとも1つの壁によって画定された内部空間内に前記固体材料を供給するための入口と、前記内側容器内で生成された前記熱処理生成物を除去するための出口とを備え、前記内部空間は、前記内側容器の前記入口と前記出口との間の第1の経路を画定する、内側容器と、
前記内側容器と前記外側容器との間に熱交換媒体を収容する外側容器であって、前記外側容器は、前記外側容器内に前記熱交換媒体を供給するための入口と、前記外側容器内から前記熱交換媒体を除去するための出口とを備え、第2の経路が、前記内側容器の前記少なくとも1つの壁と、前記外側容器の前記入口と前記出口との間の前記外側容器の少なくとも1つの壁とによって画定され、前記内側容器は、前記熱交換媒体に少なくとも部分的に浸漬するように構成され、前記第1の経路および前記第2の経路は、前記内側容器の前記少なくとも1つの壁を横切る熱伝達のために互いに熱伝達近接している、外側容器と
を備え、
前記内側容器は、前記内側容器の前記少なくとも1つの壁と前記熱交換媒体との間の相対移動を促進し、前記内側容器内の固体粒子の互いに対する、および前記内側容器の前記少なくとも1つの壁に対する移動を促進し、前記固体材料および前記熱処理生成物を前記第1の経路に沿って前記内側容器の前記出口に向かって通過させるために、軸を中心に回転するように構成され、
前記内側容器の前記少なくとも1つの壁から、前記内側容器が回転される前記軸に対して垂直な最短距離が、前記内側容器の前記少なくとも1つの壁を横切る熱伝達のための表面積を増加させるように、前記軸の長さに沿って変化する、装置。
【請求項24】
熱処理生成物を生成するために固体材料を熱処理するための方法であって、前記方法は、
-軸を中心に回転される内側容器内に固体材料を供給することであって、前記内側容器の壁から、前記内側容器が回転される前記軸までの最短距離が、前記軸の長さに沿って変化する、供給することと、
-熱交換媒体を外側容器に供給することであって、熱交換が前記内側容器の前記壁を横切って前記固体材料と前記熱交換媒体との間で行われて前記熱処理生成物を生成する間に、前記内側容器は、前記熱交換媒体が前記内側容器に浮力を及ぼすように前記外側容器内の前記熱交換媒体に少なくとも部分的に浸漬される、供給することと、
-前記内側容器の前記出口から前記熱処理生成物を除去することと
を含む、方法。
【請求項25】
前記内側容器の前記壁は、前記内側容器の内部空間を一連の相互接続されたチャンバに分割する複数の内側に突出する形成部を備え、前記突出する形成部は、前記内側容器の長さに沿って互いに間隔を置いて離間する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記熱交換媒体は、前記浮力の程度を増加させるために液体または加圧流体を含む、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記熱交換媒体の量は、前記浮力の和が前記内側容器およびその中に収容される前記固体材料の総重量以下になるように調整される、請求項24~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
熱処理生成物を生成するために固体材料を熱処理するための方法であって、前記方法は、
-軸を中心に回転される内側容器内に固体材料を供給することであって、前記内側容器の少なくとも1つの壁から、前記内側容器が回転される前記軸までの最短距離が、前記軸の長さに沿って変化する、供給することと、
-熱交換媒体を外側容器に供給することであって、熱交換が前記内側容器の前記少なくとも1つの壁を横切って前記固体材料と前記熱交換媒体との間で行われて前記熱処理生成物を生成する間に、前記内側容器は、前記熱交換媒体が前記内側容器に浮力を及ぼすように前記外側容器内の前記熱交換媒体に少なくとも部分的に浸漬される、供給することと、
-前記内側容器の前記出口から前記熱処理生成物を除去することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理、特に固体材料の熱処理、より詳細にはバイオマス、固体廃棄物および化石燃料などの炭素質材料の乾燥、焙焼および熱分解のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの物理的および化学的プロセスは、発熱性または吸熱性のいずれかであり、以下、熱処理と一般に呼ばれ、加熱および冷却を含む。熱は、供給または除去される必要がある。
【0003】
熱を材料に供給し、または材料から除去するための既知の手段は、以下を含む。
(a).接触または混合を介した直接手段、例えば、高温の煙道ガスの流れまたは冷気の流れを熱処理される固体材料の床に通過させること、および/または
(b).熱伝達を介した間接手段、例えば、熱油などの別の供給源からの熱が熱交換器を介して材料に伝達される。
【0004】
多くの利点にもかかわらず、直接手段は、多くの実際の用途において制限される。これは、多くのプロセスが、固体材料を空気または別の媒体に接触または曝露させることによって実行することができないためである。例えば、煙道ガスの高温流を通過することによって都市固形廃棄物を乾燥させると、病原体が拡散し、臭気化合物が環境に放出される可能性があり、可燃性固形物を熱風と接触させると、爆発を引き起こす可能性があり、冷気を吹き付けることによって熱い固体生成物を冷却すると、生成物を酸化させる可能性があり、空気中の酸素は、固体材料と反応する可能性があり、熱分解などのプロセスは、十分な空気供給がない状態で行われる必要がある。これらの種類の用途では、間接手段、例えば熱交換器を介した間接的な熱の供給または除去が望ましい。
【0005】
熱伝達を介して固体材料を熱処理する経済性は、大きな熱伝達表面積の形成に大きく依存する。その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、本出願人の以前の国際公開第2015089556号には、熱伝達表面積が向上した容器を有する炭素質材料を熱分解するための装置が開示されている。しかしながら、そこに開示されている構成は、熱処理される固体材料を連続的に撹拌して固定容器の入口から出口に移送するためにエネルギー集約型攪拌器を必要とする。攪拌作用は、固体粒子の運動に乱流を生じさせるために必要であり、これは、固体粒子への熱伝達速度を増加させるために非常に重要である。高いエネルギー消費に加えて、攪拌器はまた、処理される固体材料と反応器壁との間の摩擦を増大させ、機器の寿命に悪影響を及ぼす。さらに、エネルギー集約型ポンプは、高い熱伝達率の流体乱流を達成するのに十分に高い速度で熱交換媒体、特に液体を圧送する必要がある。
【0006】
ロータリーキルンなどの装置を使用する多くの既存の熱処理プロセスでは、処理される固体材料の重量に対応するのに十分な強度を有するために、処理される固体材料を保持する容器は厚い壁を有する必要がある。しかしながら、厚い壁は、壁を横切る熱伝達速度を遅くする傾向がある。熱伝達係数が比較的低い場合、容器は、熱処理プロセスに必要な熱を供給または除去するのに十分な処理/滞留時間を提供するためにサイズが大きいことが多い。大きな容器サイズは、次々に容器壁厚の増加を必要とする。厚い壁構造と大きな容器サイズの両方が、資本コストおよび運転コストを増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
固体材料を熱処理し、1つまたは複数の改善された特徴を有する熱処理生成物を生成するための装置を提供することが望ましい。固体材料を熱処理し、1つまたは複数の改善された特徴を有する熱処理生成物を生成するための方法を提供することも望ましいであろう。
【0008】
本明細書における文書、デバイス、行為または知識の任意の議論は、本発明の文脈を説明するために含まれる。本明細書の特許請求の範囲の優先日以前に、材料のいずれかが先行技術ベースまたは関連技術の共通の一般知識の一部を形成したことを認めるものと解釈されるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、熱処理生成物を生成するために固体材料を熱処理するための装置が提供され、装置は、
内側容器であって、内側容器の壁によって画定された内部空間内に固体材料を供給するための入口と、内側容器内で生成された熱処理生成物を除去するための出口とを備え、内部空間は、内側容器の入口と出口との間の第1の経路を画定する、内側容器と、
内側容器と外側容器との間に熱交換媒体を収容する外側容器であって、外側容器は、外側容器内に熱交換媒体を供給するための入口と、外側容器内から熱交換媒体を除去するための出口とを備え、第2の経路が、内側容器の壁と、外側容器の入口と出口との間の外側容器の壁とによって画定され、内側容器は、熱交換媒体に少なくとも部分的に浸漬するように構成され、第1の経路および第2の経路は、内側容器の壁を横切る熱伝達のために互いに熱伝達近接している、外側容器と
を備え、
内側容器は、内側容器の壁と熱交換媒体との間の相対移動を促進し、内側容器内の固体粒子の互いに対する、および内側容器の壁に対する移動を促進し、固体材料および熱処理生成物を第1の経路に沿って内側容器の出口に向かって通過させるために、軸を中心に回転されるように構成され、
内側容器の壁から、内側容器が回転される軸に対して垂直な最短距離が、内側容器の壁を横切る熱伝達のための表面積を増加させるように、軸の長さに沿って変化する。
【0010】
装置は、使用時に、内側容器が回転される軸が接地面に対して傾斜角で傾斜するように配置されてもよい。傾斜角は、内側容器内で熱処理されている固体材料が第1の経路に沿って移送される速度を調整するように選択されてもよい。
【0011】
熱交換媒体は、内側容器に浮力を及ぼす液体を含んでもよい。
熱交換媒体は、内側容器に浮力を及ぼす加圧流体を含んでもよい。加圧流体は、超臨界流体を含んでもよい。
【0012】
外側容器に収容される熱交換媒体の量は、熱交換媒体によって内側容器に及ぼされる浮力が内側容器およびその中に収容される固体材料の総重量以下になるように制御されてもよい。
【0013】
内側容器の壁は、内側容器の壁から内側容器が回転される軸までの最短距離が、回転軸の長さに沿って周期的に変化するように配列されてもよい。一実施形態では、内側容器の壁は、内側容器の内部空間を一連の相互接続されたチャンバに分割する複数の内側に突出する形成部を備え、突出する形成部は、内側容器の長さに沿って互いに間隔を置いて離間している。
【0014】
各突出する形成部は、半径方向内側に延在してもよく、互いに対して鋭角にある第1の環状壁面および第2の環状壁面を含んでもよく、第1および第2の壁面は、内側容器の内側半径を画定するように収束する。鋭角は、1~5度の間、さらには1~3度の間など、45度以下であってもよい。
【0015】
半径方向内側に狭くなる一連の環状隙間が、突出する形成部の第1および第2の環状壁面の鋭角によって、内側容器の外部に設けられてもよい。
【0016】
内側容器に向かって突出する複数のバッフルを外側容器に取り付けられることができ、バッフルの少なくとも一部は、内側容器の外部の環状隙間と整列するように配置され、バッフルは、熱交換媒体の流れを隙間に導くように構成される。
【0017】
外側容器は、半円筒状の下側セクションと直方体状の上側セクションとを有してもよい。
【0018】
装置は、外側容器に対して回転するように内側容器を支持するために内側容器と外側容器との間に配置された1つまたは複数のローラおよび/または軸受をさらに含んでもよい。
【0019】
内側容器の入口および出口は、内側容器の両端に配設されてもよい。
外側容器の入口は、外側容器の下部に配設され、複数の副入口を介して外側容器の長さに沿って熱交換媒体を分配するための入口マニホールドを含んでもよい。
【0020】
外側容器の出口は、外側容器の上部に配設され、熱交換媒体が外側容器の長さに沿った複数の副出口を介して外側容器から出ることを可能にするための出口マニホールドを含んでもよい。
【0021】
装置は、回転する内側容器内の固体材料を粉砕および破砕するための複数の自由移動要素を含む粉砕媒体が設けられてもよい。
【0022】
装置は、内側容器内のピーク温度が固体材料を乾燥させるために適した範囲で制御可能であるように構成されてもよい。
【0023】
装置は、内側容器内のピーク温度が固体材料を焙焼するために適した範囲で制御可能であるように構成されてもよい。
【0024】
装置はまた、内側容器内のピーク温度が固体材料を熱分解するために適した範囲で制御可能であるように構成されてもよい。
【0025】
固体材料は、炭素質材料、すなわち、バイオマス、化石燃料および都市固形廃棄物のうちのいずれか1つまたは複数であってもよい。
【0026】
1つの特定の実施形態では、内側容器の内部空間は、2つ以上の壁などの壁によって画定される。さらに、第2の経路は、内側容器の壁と、外側容器の入口と出口との間の外側容器の2つ以上の壁などの壁とによって画定されてもよい。
【0027】
本発明の第2の態様では、熱処理生成物を生成するために固体材料を熱処理するための装置が提供され、装置は、
内側容器であって、内側容器の少なくとも1つの壁によって画定された内部空間内に固体材料を供給するための入口と、内側容器内で生成された熱処理生成物を除去するための出口とを備え、内部空間は、内側容器の入口と出口との間の第1の経路を画定する、内側容器と、
内側容器と外側容器との間に熱交換媒体を収容する外側容器であって、外側容器は、外側容器内に熱交換媒体を供給するための入口と、外側容器内から熱交換媒体を除去するための出口とを備え、第2の経路が、内側容器の少なくとも1つの壁と、外側容器の入口と出口との間の外側容器の少なくとも1つの壁とによって画定され、内側容器は、熱交換媒体に少なくとも部分的に浸漬するように構成され、第1の経路および第2の経路は、内側容器の少なくとも1つの壁を横切る熱伝達のために互いに熱伝達近接している、外側容器と
を備え、
内側容器は、内側容器の少なくとも1つの壁と熱交換媒体との間の相対移動を促進し、内側容器内の固体粒子の互いに対する、および内側容器の少なくとも1つの壁に対する移動を促進し、固体材料および熱処理生成物を第1の経路に沿って内側容器の出口に向かって通過させるために、軸を中心に回転するように構成され、
内側容器の少なくとも1つの壁から、内側容器が回転される軸に対して垂直な最短距離が、内側容器の少なくとも1つの壁を横切る熱伝達のための表面積を増加させるように、軸の長さに沿って変化する。
【0028】
本発明の第3の態様では、熱処理生成物を生成するために固体材料を熱処理するための方法が提供され、方法は、
-軸を中心に回転される内側容器内に固体材料を供給することであって、内側容器の壁から、内側容器が回転される軸までの最短距離が、軸の長さに沿って変化する、供給することと、
-熱交換媒体を外側容器に供給することであって、熱交換が内側容器の壁を横切って固体材料と熱交換媒体との間で行われて熱処理生成物を生成する間に、内側容器は、熱交換媒体が内側容器に浮力を及ぼすように外側容器内の熱交換媒体に少なくとも部分的に浸漬される、供給することと、
-内側容器の出口から熱処理生成物を除去することと
を含む。
【0029】
一実施形態では、内側容器の壁は、内側容器の内部空間を一連の相互接続されたチャンバに分割する複数の内側に突出する形成部を備え、突出する形成部は、内側容器の長さに沿って互いに間隔を置いて離間する。
【0030】
一実施形態では、熱交換媒体は、浮力の程度を増加させるために液体または加圧流体を含む。
【0031】
1つの特定の実施形態では、熱交換媒体の量は、浮力の和が内側容器およびその中に収容される固体材料の総重量以下になるように調整される。
【0032】
本発明の第4の態様では、熱処理生成物を生成するために固体材料を熱処理するための方法が提供され、方法は、
-軸を中心に回転される内側容器内に固体材料を供給することであって、内側容器の少なくとも1つの壁から、内側容器が回転される軸までの最短距離が、軸の長さに沿って変化する、供給することと、
-熱交換媒体を外側容器に供給することであって、熱交換が内側容器の少なくとも1つの壁を横切って固体材料と熱交換媒体との間で行われて熱処理生成物を生成する間に、内側容器は、熱交換媒体が内側容器に浮力を及ぼすように外側容器内の熱交換媒体に少なくとも部分的に浸漬される、供給することと、
-内側容器の出口から熱処理生成物を除去することと
を含む。
【0033】
本発明の実施形態は、有利には、固体材料を連続的に攪拌および回転させるための攪拌器の必要性を排除する。さらに、装置のエネルギー要件は、回転される内側容器を懸架するために浮力を利用することによって有利に低減される。さらに、熱交換媒体に浸漬された回転容器は、内側容器の壁と熱交換媒体との間に高い相対速度を生じさせ、高い熱伝達率を達成する。内側容器の回転は、固体材料を内側容器内で回転させて、固体粒子の互いに対する、および容器壁(すなわち、熱交換表面)に対する移動を改善し、これにより、内側容器の壁と処理される固体材料との間の熱伝達が改善される。
【0034】
熱伝達は、高温の材料から低温の材料に伝達される熱のための少なくとも2つの材料を伴う。上記の説明は、固体材料に物理および/または化学変化を引き起こすための固体材料の熱処理に焦点を当てていたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、固体を熱交換媒体として使用することによって、上記に開示された方法および装置を使用して流体を処理する、すなわち流体に必要な物理および/または化学変化を引き起こすことができることを理解するであろう。
【0035】
概要に記載の装置および方法の範囲内に含まれ得る他の任意の形態にもかかわらず、ここで、添付の図面を参照して、単なる例として、特定の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施形態による装置の縦断面概略図である。
図2図1に示す装置の断面概略図である。
図3】代替的な外側容器を有する装置の断面概略図である。
図4】本発明の別の実施形態による装置の縦断面概略図である。
図5】本発明の別の代替実施形態による装置の縦断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
添付の図面を参照すると、熱処理生成物を生成するために固体材料、例えばバイオマスおよび/または都市固形廃棄物を熱処理するための装置10が示されている。一例として、バイオマスおよび固形都市廃棄物の乾燥に使用するための本発明を説明することが好都合であろう。しかしながら、装置は、例えば、炭素質材料の焙焼および熱分解のための装置として、より広い用途および使用に適していることを理解されたい。
【0038】
装置10は、内側容器12および外側容器16を含む。内側容器12は、外側容器16に収容された熱交換媒体13に少なくとも部分的に浸漬されるように構成される。熱交換媒体13は、好ましくは液体、例えば熱油を含む。また、それは超臨界流体を含むこともできる。熱油は一般的に使用される熱交換媒体の一種であるので、本発明は、この特定の媒体を参照して本明細書で説明される。内側容器12は、内側容器12の壁によって画定された内部空間内に、図1に「湿潤材料」として示されている固体材料11を提供するための入口14を含む。固体材料11と熱交換媒体13との間の熱伝達は、内側容器12の壁を横切って行われる。入口14は、ホッパ15と、固体材料を内側容器12の内部に供給するように構成されたスクリューフィーダ17とを具備してもよい。内側容器12は、内側容器12内で生成された、図1に「乾燥材料」として示されている熱処理生成物が出る出口18をさらに含む。内側容器12の入口14は、好ましくは、内側容器12の一端に設けられ、出口18は反対側の端部に設けられる。入口14と出口18との間の内側容器12の内部空間は、処理される固体材料が沿って移動する第1の経路を画定する。装置10は、内側容器12の両端に設けられ、外側容器16に対して回転するように内側容器12を支持する軸受19をさらに含む。
【0039】
伝達機構25を介したモータ(図1には図示せず)を使用して、軸56(図1に点線で示す)の周りで内側容器12を回転させる。内側容器12の壁は、標準的な円筒として構築されておらず、内側容器12の壁から内側容器が回転する軸56までの最短距離が軸の長さに沿って変化して、内側容器12の壁を横切る熱伝達表面積を増加させるように構築されている。
【0040】
内側容器の壁は、多くの異なる形状をとることができることは明らかである。好ましい実施形態では、内側容器12の壁は、内側容器12の内部空間を一連の相互接続されたチャンバ30に分割する複数の内側に突出する形成部を含む。突出する形成部は、互いに一定の間隔で、好ましくは実質的に平行に整列して離間している。突出する形成部は、半径方向内側に延在し、内側容器12の中心長手方向軸を通る実質的に円形通路32(図2)を画定するように環状形状であってもよく、中心長手方向軸は、必ずしもそうである必要はないが、好ましくは、内側容器が回転する軸56と実質的に同じである。円形通路32は、チャンバ30を相互接続し、入口14から出口18まで内側容器12内の隣接するチャンバ30を徐々に通る材料の流れのための経路を提供する。しかしながら、円形通路32は、様々な態様でサイズおよび形状が決められてもよいことが理解されよう。
【0041】
図1に最もよく示されているように、突出する形成部は、第1の環状壁面24および第2の環状壁面26を鋭角で含み得る。鋭角は、互いに対して45°までの範囲、好ましくは1°~10°、さらにより好ましくは約3°であってもよい。第1および第2の壁面24、26は、円形通路32によって表される内側容器12の内側半径を画定するように収束する。内側容器12の外部では、第1および第2の環状壁面24、26は、半径方向内側に狭まる一連の環状隙間28を形成する。環状隙間28は、有利には、内側容器12の表面積(熱伝達表面積)を増加させ、それにより、内側容器12の壁を横切って内側容器12の内部空間内の材料に熱を伝達する熱油の能力を最大にする。
【0042】
さらに、熱伝達表面積および速度をさらに増加させるために、現在または将来の当業者に知られるフィンまたは同様の構造を、熱交換媒体と接触する内側容器の壁の側面、特に面24および26に追加することができる。フィンはまた、熱交換媒体の乱流を改善するのに役立つ。
【0043】
外側容器16は、外側容器16内に熱交換媒体(例えば、熱油)を供給するための入口20と、外側容器16から熱油を除去するための出口22とを含む。第2の経路が入口20と出口22との間に画定され、そこに沿って熱油が流れて乾燥、熱分解などのための熱を間接的に提供する。熱油用の入口20は、好ましくは、外側容器16の下側セクションに設けられ、好ましくは、複数の副入口42を介して容器16の長さに沿って熱油を分配するための入口マニホールド40を含む。同様に、熱油用の出口22は、出口22に到達するために熱油が内側容器12の周りを流れなければならないことを確実にするために、外側容器16の上側セクションに配設される。出口22は、外側容器16の長さに延在し、外側容器16の長さに沿って複数の副出口46を介して熱油が出ることを可能にする出口マニホールド44を含む。
【0044】
図3は、外側容器16の異なる形状を有する代替的な実施形態を示す。外側容器16の下側セクションは、半円筒の形状を有する。外側容器16の上側セクションは、好ましくは直方体の形状である。これにより、有利には、組立て中に内側容器12を外側容器16内に下方に配置することが容易になる。
【0045】
図4は、本発明の別の実施形態による代替装置10’を概略的に示す。図1と同じ番号は、同様の特徴を示すために使用される。熱交換媒体13(例えば、熱油)は、入口20から外側容器16に入り、外側容器16の反対側の端部に配置された出口22から外側容器16を出る。外側容器16の内面には、複数のバッフル50が取り付けられている。バッフル50は、内側容器に向かって突出し、バッフルの少なくとも一部は、内側容器12の外部の環状隙間28と整列するように配置されてもよい。バッフルは、熱交換媒体の流れを隙間28に導くことによって乱流を増加させるように設計されている。熱交換媒体は、その面24とバッフル50との間の空間に入ることによって各隙間28に入り、次いでその面26とバッフル50との間の空間を通って流れて各隙間28から出る。次いで、熱交換媒体は、後続の隙間28に入る前に、内側容器12と外側容器16との間の狭い環状空間に沿って流れる。この配置では、熱交換媒体は、各隙間28を連続的に流れるように強制される。最後の隙間28を通過した後、熱交換媒体は出口22を介して外側容器を出る。
【0046】
外側容器16内の熱油の量は、内側容器12および内側容器12内の処理される材料の総重量に依存する。好ましくは、外側容器16内の熱油の量は、浮力および重力が全体的に互いに釣り合うか、または可能な限り互いに釣り合うように制御され、結果として軸受19が内側容器12およびその内容物の最小重量を支持する。内側容器が薄い壁で構成され、内側容器12が適所にある特定の一例の場合では、熱油は、浮力と重力とが互いに釣り合うために、内側容器12と外側容器16との間の空間の容量の約60~70%を占める。
【0047】
図示のチャンバ30はすべて均一な構造であるが、必ずしもそうである必要はない。チャンバ30は、例えば、表面積を増加させるために、内側容器12の出口18に向かって小さくなることができる。
【0048】
図2および図3に最もよく示されているように、各チャンバ30はまた、回転中に内側容器12内の材料を混合し、すくい、持ち上げるように機能する一連の部材48を含み得る。リフタ48は、現在および将来において当業者に知られる様々な形状をとってもよく、例えば、それらはL字形であってもよい。
【0049】
図5は、本発明の別の実施形態による別の代替装置10”を概略的に示す。図1と同じ番号は、同様の特徴を示すために使用される。装置10”と装置10および10’との間の重要な違いは、面24および26が軸56を超えて突出していることである。装置10”のチャンバ30はまた、装置10および10’のチャンバとは異なって相互接続する。
【0050】
装置10、10’または10”はまた、伝達機構25を介して内側容器12を予め設定された速度で回転させるための可変速電気モータ(図示せず)を含んでもよく、速度は、熱交換媒体の乱流、相互に対するおよび内側容器の壁に対する固体粒子の動きの乱流、および内側容器12内の固体の滞留時間を調整するために変動してもよい。
【0051】
装置10、10’または10”は、持ち上げおよび輸送に使用することができるスキッドベースフレームに取り付けられてもよい。さらに、水平に対する内側容器12の傾斜角を変えてもよい。したがって、装置10、10’または10”内の固体材料および得られた処理済み生成物の滞留時間は、材料が所与の温度で実質的に処理されるのに十分な期間を可能にするように制御され得る。
【0052】
本発明のさらなる実施形態では、装置は、材料が内側容器12を通って入口14から出口16に流れるときに、材料を熱処理すると同時に材料を粉砕または破砕するようにさらに適合されてもよい。これらの特定の実施形態では、装置10、10’または10”は、複数の自由移動可能要素(例えば硬質物体)を含む粉砕媒体を含み得る。自由移動要素は、ボールの形態をとることができ、ボールは、典型的には(これに限定されないが)約10mm~約120mmの範囲の直径を有し、鋼およびセラミックを含む様々な硬質材料から作製される。粉砕媒体は、材料が入口14を介して装置10、10’または10”に導入される前または後に材料と混合されてもよい。粉砕媒体は、現在または将来において当業者に知られる他の手段で装置10、10’または10”に供給されてもよい。粉砕媒体は、内側容器12内に残存してもよい。内側容器12を回転させると、粉砕媒体に運動量が与えられ、粉砕媒体が固体材料に繰り返し衝突する。粉砕媒体はまた、有利には、内側容器12内の質量熱伝達効果に寄与し得る。
【0053】
有利には、熱処理される固体材料、例えば湿潤ペースト状固体が内側容器12の壁に付着することができる場合、粉砕媒体の使用は、内側容器12の壁から固体を効果的に除去することができる。
【0054】
使用時に、都市廃棄物またはバイオマスなどの固体材料は、内側容器12の入口14を介して前記装置10、10’または10”に導入され得る。材料は、内側容器12を回転させることによって、内側容器12の相互接続されたチャンバ30を通って、その一端から対向する端部まで徐々に移送される。相互接続されたチャンバ30内のリフタ48は、チャンバ30内および隣接するチャンバ30内への材料の移動を助ける。経路に沿った材料の移動をさらに促進するために、内側容器12は、例えば、0°から45°の間で傾斜されてもよい。水平に対する傾斜角はまた、熱処理される材料が経路に沿って出口18に移送される速度を調整するために変更されてもよい。熱油の温度を適切に選択することにより、装置10、10’または10”は、乾燥機、焙焼ユニットまたは熱分解ユニットとして便利に使用され得る。例えば、300℃を超える動作温度を選択すると、装置を使用して熱分解生成物を生成することができ、約200℃~280℃の温度で、装置を使用して焙焼生成物を製造することができ、100℃~200℃の低い動作温度で、装置を乾燥機として使用して、処理される材料中の水分を蒸発させることができる。
【0055】
物理および/または化学変化が熱交換媒体に生じる。
液体に懸濁された容器を回転させることは、水を航行するボートに類似しており、これは非常にエネルギー効率が良い。
【0056】
本発明の実施形態が、以下を含むがこれらに限定されない従来技術を超える利点を提供し得ることは、当業者には容易に明らかであろう。
【0057】
・固体材料が熱処理される相互接続されたチャンバを有する容器が、それが回転している間に熱交換媒体に懸濁され、それにより、容器を回転させるためのエネルギーが減少し、熱伝達表面積が増加し、容器の周りの熱交換媒体の乱流が増加し、固体粒子の互いに対するおよび熱交換表面に対する移動が改善される装置および方法を提供すること。これらの特徴は、コンパクトな容器サイズ内で熱伝達率を増加させるために組み合わされる。
【0058】
・装置の外側容器を通って流れる熱交換媒体に応じて加熱または冷却ユニットとして使用することができる汎用装置を提供すること、
・熱交換率を高めるために、従来技術の乾燥ユニットと比較して増加した熱交換表面積を有する効率的な乾燥装置を提供すること。
【0059】
前述の説明はプロセスステップの特定の順序に言及しているが、装置および機器ならびにそれらの構成は例示のみを目的として提供されており、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されよう。
【0060】
本発明の説明では、文脈が明示的な言語または必要な含意のためにそうでないことを必要とする場合を除いて、「含む(comprise)」という単語または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などの変化形は包括的な意味で使用され、すなわち、記載された特徴の存在を特定するが、本発明の様々な実施形態におけるさらなる特徴の存在または追加を排除するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】