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特表2024-538986サスペンション高さセンサのためのコンプライアント機構
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  • 特表-サスペンション高さセンサのためのコンプライアント機構 図1
  • 特表-サスペンション高さセンサのためのコンプライアント機構 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】サスペンション高さセンサのためのコンプライアント機構
(51)【国際特許分類】
   B60G 17/019 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
B60G17/019
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521783
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 US2022047269
(87)【国際公開番号】W WO2023076099
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/263,013
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノードマン,ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】ホーキンス,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ピット,ジュリアン
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301AA48
3D301DB30
3D301DB32
3D301EA04
3D301EB09
3D301EC01
(57)【要約】
車両のサスペンションの位置を監視するためのコンプライアント機構が提供される。コンプライアント機構は、角度センサ及び車両のサスペンションの両方に結合するための本体を含むことができる。本体は、少なくとも2つの第1の部分と、少なくとも1つの第2の部分とを有することができる。第2の部分は、2つの第1の部分の両方に結合され、2つの第1の部分よりも高い可撓性を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のサスペンションの位置を監視するためのコンプライアント機構であって、
少なくとも第1のリンク及び第2のリンクであって、
前記第1のリンク及び前記第2のリンクの両方は前記コンプライアント機構の少なくとも一部分を形成し、
前記第1のリンクは、本体と、第1の端部と、第2の端部とを有し、前記第1の端部は、前記車両のフレームに取着されたセンサに取り付けられるように構成され、前記センサは、前記フレームに対する前記第1のリンクの角度位置を監視するように構成され、前記第2の端部は係合構造を有し、
前記第2のリンクは、本体と、第1の端部と、第2の端部とを有し、前記第1の端部は係合構造を有する、少なくとも第1のリンク及び第2のリンクと、
前記第1のリンクと前記第2のリンクとの間の相対移動を可能にするように、前記第1のリンクの前記係合構造及び前記第2のリンクの前記係合構造の両方に結合された可撓性ジョイントと、を備える、コンプライアント機構。
【請求項2】
前記第1のリンク及び前記第2のリンクは、前記可撓性ジョイントよりも高い剛性を有する、請求項1に記載のコンプライアント機構。
【請求項3】
前記第1のリンク及び前記第2のリンクはプラスチック製である、請求項1に記載のコンプライアント機構。
【請求項4】
前記可撓性ジョイントはゴム製である、請求項1に記載のコンプライアント機構。
【請求項5】
前記可撓性ジョイントは、前記第1のリンク及び前記第2のリンクと共にオーバモールドされている、請求項1に記載のコンプライアント機構。
【請求項6】
前記第1のリンクの前記係合構造及び前記第2のリンクの前記係合構造は溝として形成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンプライアント機構。
【請求項7】
前記可撓性ジョイントは、本体と、第1の端部と、第2の端部とを有し、前記第1の端部及び前記第2の端部は、前記第1のリンクの前記溝及び前記第2のリンクの前記溝と相補的な形状を有する、請求項6に記載のコンプライアント機構。
【請求項8】
前記第2のリンクの前記本体は、前記第2のリンクの質量を減じるための1つ又は複数の凹部を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンプライアント機構。
【請求項9】
前記第2のリンクの前記第2の端部は係合構造を備え、
前記コンプライアント機構は、
本体と、第1の端部と、第2の端部とを有する第3のリンクであって、前記第3のリンクの前記第1の端部が前記車両の前記サスペンションに取り付けられるように構成され、前記第3のリンクの前記第2の端部が係合構造を有する、第3のリンクと、
前記第2のリンクと前記第3のリンクとの間の相対移動を可能にするように、前記第2のリンクの前記係合構造及び前記第3のリンクの前記係合構造の両方に結合された第2の可撓性ジョイントと、をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンプライアント機構。
【請求項10】
前記第2のリンク及び前記第3のリンクは、前記第2の可撓性ジョイントよりも高い剛性を有する、請求項9に記載のコンプライアント機構。
【請求項11】
前記第3のリンクがプラスチック製である、請求項9に記載のコンプライアント機構。
【請求項12】
前記第2の可撓性ジョイントはゴム製である、請求項9に記載のコンプライアント機構。
【請求項13】
前記第2の可撓性ジョイントは、前記第2のリンク及び前記第3のリンクと共にオーバモールドされている、請求項9に記載のコンプライアント機構。
【請求項14】
前記第2のリンクの前記第2の端部の前記係合構造及び前記第3のリンクの前記第2の端部の前記係合構造は溝として形成されている、請求項9に記載のコンプライアント機構。
【請求項15】
前記第2の可撓性ジョイントは、本体と、第1の端部と、第2の端部とを有し、前記第1の端部及び前記第2の端部は、前記第2のリンクの前記第2の端部の前記溝及び前記第3のリンクの前記第2の端部の前記溝と相補的な形状を有する、請求項14に記載のコンプライアント機構。
【請求項16】
前記センサをさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンプライアント機構。
【請求項17】
前記センサが角度センサである、請求項16に記載のコンプライアント機構。
【請求項18】
前記センサがホール効果型センサである、請求項16に記載のコンプライアント機構。
【請求項19】
車両のサスペンションの位置を監視するためのコンプライアント機構であって、
前記車両の角度センサ及び前記サスペンションの両方に結合されるように構成された本体であって、少なくとも2つの第1の部分と、少なくとも1つの第2の部分とを備え、前記第2の部分は、前記少なくとも2つの第1の部分の両方に結合され、前記第2の部分は、前記少なくとも2つの第1の部分よりも高い可撓性を有する、本体、
を備える、コンプライアント機構。
【請求項20】
前記第1の部分がプラスチック製であり、前記2つの第2の部分がゴム製である、請求項19に記載のコンプライアント機構。
【請求項21】
車両のサスペンションの位置を監視するための方法であって、
角度センサ及び前記車両の前記サスペンションの両方に結合されたコンプライアント機構を用意するステップであって、前記コンプライアント機構は、少なくとも2つの第1の部分と少なくとも1つの第2の部分とを備え、前記第2の部分は、前記少なくとも2つの第1の部分の両方に結合され、前記少なくとも2つの第1の部分の両方よりも高い可撓性を有する、ステップと、
車高に関連する前記角度センサからの信号を受信するステップと、
車高を目標高さと比較するステップと、
前記比較に基づいてサスペンション構成要素を作動させるステップと、
を含む、方法。
【請求項22】
前記信号は電圧である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記角度センサはホール効果型センサである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
1つ又は複数のルックアップテーブルに少なくとも部分的に基づいて前記車高を決定するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
1つ又は複数の所定のパラメータに少なくとも部分的に基づいて前記車高を決定するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記信号をマッピングして前記車高を決定するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記目標高さが所定の値である、請求項21から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記目標高さがユーザ選択である、請求項21から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記比較に基づいて前記サスペンション構成要素を作動させるステップは、前記車高と前記目標高さとの差が所定の許容差を超えるときに実行される、請求項21から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記サスペンション構成要素を第1の位置から第2の位置に移動させるステップをさらに含み、前記サスペンション構成要素が前記第1の位置から前記第2の位置に移動するときに前記車高と前記目標高さとの前記差が減少する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記比較に基づいて前記サスペンション構成要素を作動させるステップは、前記サスペンション構成要素に制御信号を送信することを含む、請求項21から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
車両のサスペンションの位置を監視するためのセンサに結合されるように構成されたコンプライアント機構であって、前記センサは前記車両のフレームに取着されており、
本体と、第1の端部と、第2の端部とを有する第1のリンクであって、前記第1の端部は、前記センサが前記フレームに対する前記第1のリンクの角度位置を監視することができるように、前記センサに対して取り付けられるように構成されている、第1のリンクと、
第2のリンクと、
前記第1のリンクと前記第2のリンクとの間の相対移動を可能にするように、前記第1のリンクの前記第2の端部と前記第2のリンクとの間に結合された可撓性ジョイントと、
を備え、
前記第1のリンク及び前記第2のリンクは、前記可撓性ジョイントよりも高い剛性を有する、コンプライアント機構。
【請求項33】
前記第1のリンク及び前記第2のリンクはプラスチック製である、請求項32に記載のコンプライアント機構。
【請求項34】
前記可撓性ジョイントはゴム製である、請求項32に記載のコンプライアント機構。
【請求項35】
前記可撓性ジョイントは、前記第1のリンク又は前記第2のリンクの少なくとも一方と共にオーバモールドされている、請求項32に記載のコンプライアント機構。
【請求項36】
前記第2のリンクは、前記車両の前記サスペンションに結合されるように構成されている、請求項32に記載のコンプライアント機構。
【請求項37】
第3のリンクと、
前記第2のリンクと前記第3のリンクとの相対移動を可能とするように、前記第2のリンクと前記第3のリンクとの間に結合された第2の可撓性ジョイントと、
をさらに備え、
前記第2のリンク及び前記第3のリンクは、前記第2の可撓性ジョイントよりも高い剛性を有する、
請求項32から35のいずれか一項に記載のコンプライアント機構。
【請求項38】
前記第3のリンクは、前記車両の前記サスペンションに結合されるように構成されている、請求項37に記載のコンプライアント機構。
【請求項39】
前記センサをさらに備える、請求項32から35のいずれか一項に記載のコンプライアント機構。
【請求項40】
前記センサが角度センサである、請求項39に記載のコンプライアント機構。
【請求項41】
前記センサがホール効果型センサである、請求項39に記載のコンプライアント機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年10月25日に出願された米国仮出願第63/263,013号の利益を主張し、その全開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、2つの物体間の相対位置を監視するための装置及び方法に関し、特に、車両のフレームに対する車両のサスペンションの位置を監視するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に述べるならば、電気自動車、燃焼機関搭載車、ハイブリッド車、商用車、トラック、セミトラックなどの様々な車両は、調整可能なサスペンション、例えばエアサスペンションを用いて構成され得る。位置センサは、フレームに対するサスペンションの相対運動を判定するために用いられ得る。例えば、それに関連して位置センサ及び機械的リンク機構を使用して、フレームに対するサスペンションの相対運動を判定することができる。このような機械的リンク機構は複雑であり、製造に時間がかかるだけでなく、機械的リンク機構を形成する、剛性のある複雑な構成要素の数に起因して、長期信頼性という問題を呈する。
【発明の概要】
【0004】
一態様は、車両のサスペンションの位置を監視するためのコンプライアント機構(または、適合機構、柔軟機構、compliant mechanism)に関する。このコンプライアント機構は、少なくとも第1のリンク及び第2のリンクを含むことができ、第1のリンク及び第2のリンクの両方はコンプライアント機構の少なくとも一部分を形成し、第1のリンクは、本体と、第1の端部と、第2の端部とを有し、第1の端部は、車両のフレームに取着されたセンサに取り付けられるように構成され、センサは、フレームに対する第1のリンクの角度位置を監視するように構成され、第2の端部は係合構造を有し、第2のリンクは、本体と、第1の端部と、第2の端部とを有し、第1の端部は係合構造を有し、および、このコンプライアント機構は、第1のリンクと第2のリンクとの間の相対移動を可能にするように、第1のリンクの係合構造及び第2のリンクの係合構造の両方に結合された可撓性ジョイントを含むことができる。
【0005】
上記態様の変形例では、第1のリンク及び第2のリンクは可撓性ジョイントよりも高い剛性を有する。
【0006】
上記の態様の変形例では、第1及び第2のリンクはプラスチック製である。
【0007】
上記態様の変形例では、可撓性ジョイントはゴム製である。
【0008】
上記態様の変形例では、可撓性ジョイントは、第1及び第2のリンクと共にオーバモールドされる。
【0009】
上記態様の変形例では、第1及び第2のリンクの係合構造は溝として形成される。
【0010】
上記態様の変形例では、可撓性ジョイントは、本体と、第1の端部と、第2の端部とを有し、第1及び第2の端部が、第1及び第2のリンクの溝と相補的な形状を有する。
【0011】
上記態様の変形例では、第2のリンクの本体は第2のリンクの質量を減じるための1つ又は複数の溝又は凹部を備える。
【0012】
上記態様の変形例では、第2のリンクの第2の端部は係合構造を備え、第3のリンクをさらに備え、第3のリンクは、本体と、第1の端部と、第2の端部とを有し、第3のリンクの第1の端部は、車両のサスペンションに取り付けられるように構成され、第3のリンクの第2の端部は係合構造を有し、第2のリンクと第3のリンクとの間の相対移動を可能にするように、第2のリンクの係合構造及び第3のリンクの係合構造の両方に結合された第2の可撓性ジョイントをさらに備える。
【0013】
上記態様の変形例では、第2及び第3のリンクは、第2の可撓性ジョイントよりも高い剛性を有する。
【0014】
上記態様の変形例では、第3のリンクはプラスチック製である。
【0015】
上記態様の変形例では、第2の可撓性ジョイントはゴム製である。
【0016】
上記の態様の変形例では、第2の可撓性ジョイントは、第2及び第3のリンクと共にオーバモールドされる。
【0017】
上記態様の変形例では、第2のリンクの第2の端部の係合構造と第3のリンクの係合構造は溝として形成される。
【0018】
上記態様の変形例では、第2の可撓性ジョイントは、本体と、第1の端部と、第2の端部とを有し、第1及び第2の端部は、第2及び第3のリンクの溝と相補的な形状を有する。
【0019】
上記態様の変形例では、センサをさらに備える。
【0020】
上記態様の変形例では、センサは角度センサである。
【0021】
上記態様の変形例では、センサはホール効果型センサである。
【0022】
一態様は、車両のサスペンションの位置を監視するためのコンプライアント機構に関する。このコンプライアント機構は、車両の角度センサ及びサスペンションの両方に結合されるように構成された本体であって、少なくとも2つの第1の部分と、少なくとも1つの第2の部分とを備え、第2の部分は、少なくとも2つの第1の部分の両方に結合され、第2の部分は、少なくとも2つの第1の部分よりも高い可撓性を有する、本体を含むことができる。
【0023】
上記態様の変形例では、第1の部分はプラスチック製であり、第2の部分はゴム製である。
【0024】
一態様は、車両のサスペンションの位置を監視するための方法に関する。この方法は、角度センサ及び車両のサスペンションの両方に結合されたコンプライアント機構を用意することであって、コンプライアント機構は、少なくとも2つの第1の部分と、少なくとも1つの第2の部分とを備え、第2の部分は、少なくとも2つの第1の部分の両方に結合され、少なくとも2つの第1の部分の両方よりも高い可撓性を有する、ことと、車高に関連する角度センサからの信号を受信することと、車高を目標高さと比較することと、この比較に基づいてサスペンション構成要素を作動させることと、を含む。
【0025】
上記態様の変形例では、信号は電圧である。
【0026】
上記態様の変形例では、角度センサはホール効果型センサである。
【0027】
上記態様の変形例では、1つ又は複数のルックアップテーブルに少なくとも部分的に基づいて車高を決定することをさらに含む。
【0028】
上記態様の変形例では、1つ又は複数の所定のパラメータに少なくとも部分的に基づいて車高を決定することをさらに含む。
【0029】
上記態様の変形例では、車高を決定するために信号をマッピングすることをさらに含む。
【0030】
上記態様の変形例では、目標高さは所定値である。
【0031】
上記態様の変形例では、目標高さはユーザによって選択される。
【0032】
上記態様の変形例では、比較に基づいてサスペンション構成要素を作動させることは、車高と目標高さとの差が所定の許容差を超えるときに実行される。
【0033】
上記態様の変形例では、サスペンション構成要素を第1の位置から第2の位置に移動させることをさらに含み、サスペンション構成要素は第1の位置から第2の位置に移動するときに車高と目標高さとの間の差が減少する。
【0034】
上記態様の変形例では、比較に基づいてサスペンション構成要素を作動させることは、サスペンション構成要素に制御信号を送信することを含む。
【0035】
一態様は、車両のサスペンションの位置を監視するためのセンサに結合されるように構成されたコンプライアント機構であって、センサが車両のフレームに取着されている、コンプライアント機構に関する。このコンプライアント機構は、本体と第1の端部と第2の端部とを有する第1のリンクであって、第1の端部は、センサがフレームに対する第1のリンクの角度位置を監視することができるように、センサに対して取り付けられるように構成されている、第1のリンクと、第2のリンクと、第1のリンクと第2のリンクとの間の相対移動を可能にするように、第1のリンクの第2の端部と第2のリンクとの間に結合された可撓性ジョイントと、を備え、第1のリンク及び第2のリンクは可撓性ジョイントよりも高い剛性を有する。
【0036】
上記態様の変形例では、第1のリンク及び第2のリンクはプラスチック製である。
【0037】
上記態様の変形例では、可撓性ジョイントはゴム製である。
【0038】
上記態様の変形例では、可撓性ジョイントは、第1のリンク又は第2のリンクの少なくとも一方と共にオーバモールドされる。
【0039】
上記態様の変形例では、第2のリンクは車両のサスペンションに結合される。
【0040】
上記態様の変形例では、第3のリンクと、第2のリンクと第3のリンクとの間の相対移動を可能にするように第2のリンクと第3のリンクとの間に結合された第2の可撓性ジョイントとをさらに備え、第2のリンク及び第3のリンクは、第2の可撓性ジョイントよりも高い剛性を有する。
【0041】
上記態様の変形例では、第3のリンクは車両のサスペンションに結合されるように構成される。
【0042】
上記態様の変形例では、センサをさらに備える。
【0043】
上記態様の変形例では、センサは角度センサである。
【0044】
上記態様の変形例では、センサはホール効果型センサである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明は、添付の図面を参照して説明され、図面において、同様の参照符号は同様の要素を参照する。
【0046】
図1】本開示の例示的な実施形態による、車両の乗車高さを監視及び調整するためのコンプライアント機構、センサ及びコントローラを含むシステムのブロック図である。
【0047】
図2図1のシステムを含む車両の例示的な図である。
【0048】
図3図1のコンプライアント機構及びセンサの側面斜視図である。
【0049】
図4】剛性リンク機構と比較した、図3のコンプライアント機構のセンサ角度対車輪位置のグラフである。
【0050】
図5図1のコントローラによって実行される例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
一般的に述べるならば、本開示の1つ又は複数の態様は、2つの物体間の相対位置を監視することに関する。例えば、エアサスペンションを有する車両では、フレームに対するサスペンションの位置(具体的には、乗車高さ)を測定するために何らかのセンサが必要となる。特定の実施形態では、これは角度センサを使用して達成することができる。特定の実施形態では、角度センサは、車両のフレームに固定され、機械的リンク機構を用いてサスペンションにさらに取着され得る。機械的リンク機構は、サスペンションの3D運動(例えば、X軸、Y軸、及びZ軸の変位)をセンサにて角運動に変換する。このような機械的リンク機構は複雑であり、製造に時間がかかるだけでなく、機械的リンク機構を形成する、剛性のある複雑な構成要素の数に起因して長期信頼性という問題を呈する。
【0052】
本明細書に開示される実施形態は、そのような機械的リンク機構を超える利点をもたらすことができる。例えば、特定の実施形態では、コンプライアント機構は、サスペンションをフレームに結合するのに必要な構成要素の数を大幅に減らすことができる。このように構成要素を減らすことで、サプライチェーンのオーバヘッド、設置時間、及びリンク機構のコストを大幅に削減することができる。特定の実施形態では、コンプライアント機構は、例えば構成要素の減少によって信頼性を向上させることができる。
【0053】
特定の実施形態では、コンプライアント機構は、剛性の構成要素と可撓性の構成要素との組合せを備える。例えば、特定の実施形態では、コンプライアント機構は、コンプライアント機構の複数のリンクの間に介在する1つ又は複数の可撓性ジョイントを備える。特定の実施形態では、1つ又は複数の可撓性ジョイントは、コンプライアント機構の複数のリンクと同じ材料から作製されるが、断面積が減じられており、それらの可撓性を高める。特定の実施形態では、可撓性ジョイントは、コンプライアント機構の複数のリンク(例えば、プラスチック)とは異なる材料(例えば、ゴム)から作製される。例えば、特定の実施形態では、可撓性ジョイントはプラスチックから作製され、複数のリンクは金属から作製される。
【0054】
特定の実施形態では、コンプライアント機構は、1つ又は複数の可撓性ジョイントから組み立てられる。特定の実施形態では、可撓性ジョイントは、複数のリンクとは異なる材料から作製される。特定の実施形態では、可撓性ジョイントは、複数のリンクと共にオーバモールドされる。
【0055】
本明細書で開示されるコンプライアント機構は、車両のフレームに対する車両のサスペンションの位置を監視するという状況で説明されているが、本発明はそのように限定されるものではない。本明細書に記載のコンプライアント機構の実施形態は、動きを伝達又は監視することを意図した任意のリンク機構に代えて使用することができる。
【0056】
本明細書に開示されるコンプライアント機構の特性(例えば、サイズ、重量、圧力、材料など)は、単なる例示に過ぎない。1つ又は複数の可撓性ジョイント及び複数のリンクは、任意の材料及び様々な材料から作製され得る。例えば、材料は、公称条件での撓みを最小限に抑えながら、降伏を生ずることなく大きな弾性歪みに耐えるように選択することができる。例えば、コンプライアント機構の角運動が比較的小さい場合、単一の材料をコンプライアント機構に使用することができる。特定の実施形態では、コンプライアント機構は、プラスチック及び鋼を含むことができる。コンプライアント機構の角運動が大きい実施形態では、可撓性材料(例えば、ゴムなど)を、複数のリンクのためのより剛性の高い材料(例えば、プラスチック、金属(鋼、アルミニウムなど))と組み合わせて、1つ又は複数の可撓性ジョイントのために使用することができる。
【0057】
特定の実施形態では、コンプライアント機構は機械的リンク機構に似せたものとする。例えば、コンプライアント機構は、剛性部分(例えば、複数のリンク)及び可撓性部分(例えば、1つ又は複数の可撓性ジョイント)を備えることができる。コンピュータシミュレーションを使用して、コンプライアント機構の意図された動作環境を考慮しつつ材料/サイズをさらに減じるために、異なる態様でコンプライアント機構をさらに最適化することができる。
【0058】
図1は、コンプライアント機構10と、1つ又は複数のセンサ12と、車両18の乗車高さを監視し調整するためのコントローラ14とを備えるシステム8のブロック図である。例えば、図2は、図1のシステム8を含む車両18の例示的な図である。図1及び図2に示すように、システム8は、コンプライアント機構10、1つ又は複数のセンサ12、及びコントローラ14を含むことができる。特定の実施形態では、システム8は、車両18の1つ又は複数のサスペンション構成要素16(例えば、車輪/タイヤ、ばね、ショックアブソーバ、ロッド、ジョイント、バー、ベアリング、ブシュ、ステアリングシステムなど)を備えることができる。特定の実施形態では、コントローラ14は、1つ又は複数のセンサ12から情報を受信すると、例えば、1つ又は複数のサスペンション構成要素16を位置決め、速度決めするかどうか、及び/又はどのように位置決め、速度決めするかなど、システム8を制御するように構成される。位置センサ、角度センサ又は同様なものなどのセンサ12は、例えば角度位置などのコンプライアント機構10の位置に関する情報を受信することができる。特定の実施形態では、1つ又は複数のセンサ12は、コンプライアント機構10の属性(例えば、角度)を示す信号及び/又は情報を生成し、及び/又はコントローラ14に送信するように構成される。特定の実施形態では、1つ又は複数のセンサ12は、車両18の1つ又は複数の角部での乗車高さ測定及び/又は角度測定に関連するフィードバック電気信号(例えば、電圧信号)をコントローラ14に送信する。
【0059】
特定の実施形態では、1つ又は複数のセンサ12は、コンプライアント機構10によって受ける1つ又は複数の力を示す信号及び/又は情報を生成するように、及び/又はコントローラ14に送信するように構成される。特定の実施形態では、1つ又は複数のセンサ12は、力の特性を検出するように構成される。例えば、特性は、コンプライアント機構10が受ける歪みのレベルを含むことができる。特定の実施形態では、1つ又は複数のセンサ12は、検知された特性を示す信号及び/又は情報を生成するように、及び/又はコントローラ14に送信するように構成される。特定の実施形態では、1つ又は複数のセンサ12は、1つ又は複数の歪みゲージを含む。
【0060】
特定の実施形態では、コントローラ14は、1つ又は複数のセンサ12からの信号を受信して、1つ又は複数のサスペンション構成要素16の位置を少なくとも部分的に決定する。特定の実施形態では、コントローラ14は、1つ又は複数のサスペンション構成要素16の動作パラメータ、例えば、ピストン速度、圧力、伸長時間、又は1つ若しくは複数のサスペンション構成要素16の他の動作パラメータなどを決定することができる。1つ又は複数のサスペンション構成要素16の特定の動作パラメータは、車両18の運転特性を向上させることを考慮して選択され得る。
【0061】
例えば、特定の実施形態では、コントローラ14は、センサ12からの信号を、1つ又は複数のルックアップテーブル内のデータと、及び/又は、1つ又は複数の所定のパラメータと比較して、1つ又は複数のサスペンション構成要素16の動作パラメータを少なくとも部分的に決定する。例えば、特定の実施形態では、コントローラ14は、ルックアップテーブルの形態で論理制御を利用して、センサ12からの情報を1つ又は複数のサスペンション構成要素16の動作パラメータにマッピングすることができる。いくつかの実施形態では、ルックアップテーブルは、個々のセンサ12の値をマッピングして、1つ又は複数のサスペンション構成要素16の動作パラメータの選択において制御していると決定された1つ又は複数のサスペンション構成要素16の動作パラメータを決定することができる。他の実施形態では、ルックアップテーブルは、個々のセンサ12の値を組み合わせて、1つ又は複数のサスペンション構成要素16の動作パラメータを決定することができる。
【0062】
特定の実施形態では、センサ12の値は、ルックアップテーブルにマッピングされた絶対値、値の範囲、バイナリ表示(例えば、オン又はオフ)、又は非数値カテゴリ(例えば、高、中、又は低)として特定され得る。さらに、ルックアップテーブルは、センサ12の値がより大きな影響を与えることができるように、そうでなければ、特定の入力情報の影響が1つ又は複数のサスペンション構成要素16の決定された動作パラメータに影響を及ぼす態様でセンサ12の値が順序付けられるように、重み値を組み込むことができる。
【0063】
特定の実施形態では、コントローラ14によって利用されるルックアップテーブルは、個々の車両18に対して特に設定され得る。あるいは、ルックアップテーブルは、車両の種類、地理的位置、ユーザタイプなどによって、一組の車両18に共通とすることができる。ルックアップテーブルは、コントローラ14によって静的に構成されてもよく、それによって定期的に更新され得る。他の実施形態では、ルックアップテーブルはより動的なものとすることができ、その場合、車両18に関連する通信機能を介して更新頻度を容易にすることができる。
【0064】
特定の実施形態では、ルックアップテーブルをプログラムの実装で構成することができる。そのようなプログラムの実装は、マッピング論理、決定木のシーケンス、又は同様の論理の形態とすることができる。他の実施形態では、コントローラ14は、1つ又は複数のサスペンション構成要素16のより精緻な動作を必要とし得る機械学習実装を組み込んでもよい。
【0065】
図3は、図1のコンプライアント機構10及びセンサ12の側面斜視図である。図示実施形態では、センサ12は角度位置を監視する。特定の実施形態では、センサ12は、1つ又は複数の締結具によって第1の部材17に固定的に取着される。例えば、センサ12は、センサ12の端と端との間に並設され且つそこにボルトなどの取付け用のハードウェアを受け入れるように構成された一対の取付け用の開口20を備えることができる。特定の実施形態では、第1の部材17は、車両18のフレーム又はその一部分である。特定の実施形態では、コンプライアント機構10は、車両18の第2の部材19をセンサ12に結合する。特定の実施形態では、第2の部材19は、車両18のサスペンション又はその一部分である。
【0066】
特定の実施形態では、コンプライアント機構10は、剛性構成要素(例えば、リンク22、40、60)と可撓性構成要素(例えば、可撓性ジョイント32、52)との組合せを備える。例えば、特定の実施形態では、コンプライアント機構10は、1つ又は複数の可撓性ジョイント32、52と、複数のリンク22、40、60とを備える。図示実施形態では、1つ又は複数の可撓性ジョイント32、52は、複数のリンク22、40、60間に介在されている。例えば、リンク22とリンク40との間には可撓性ジョイント32が介在され、リンク40とリンク60との間には可撓性ジョイント52が介在されている。コンプライアント機構10は、図示された数の可撓性ジョイント及びリンクに限定されず、任意の数の可撓性ジョイント及びリンクを含むことができることは勿論である。
【0067】
図示実施形態では、リンク22は、枢動軸線21に沿った枢動点でセンサ12に枢動可能に取着された第1の端部24を含む。1つ又は複数の締結具26は、リンク22が第1の部材17に対して枢動することができるように、第1の端部24をセンサ12に取り付けることができる。
【0068】
特定の実施形態では、リンク22はまた、係合構造30を含む第2の端部28を有する。特定の実施形態では、係合構造は、可撓性リンク32の係合構造34を受け入れるようなサイズ及び形状とされる。図示実施形態では、リンク22の係合構造30は溝として形成され、可撓性リンク32の係合構造34は相補的な形状を有する舌部として形成されている。係合構造30、34は、図示された形状に限定されず、リンク22が可撓性リンク32と係合することを可能にする任意の形状を有することができる。
【0069】
特定の実施形態では、コンプライアント機構10は、係合構造44を含む第1の端部42を有するリンク40をさらに含む。特定の実施形態では、係合構造は、可撓性リンク32の係合構造34を受け入れるようなサイズ及び形状とされる。図示実施形態では、リンク40の係合構造44は溝として形成され、可撓性リンク32の係合構造34は相補的な形状を有する舌部として形成されている。係合構造44、34は、図示された形状に限定されず、リンク40が可撓性リンク32と係合することを可能にする任意の形状を有することができる。特定の実施形態では、リンク40は、1つ又は複数の溝又は凹部50を備える。特定の実施形態では、1つ又は複数の溝又は凹部50は、リンク40の質量を減じることができる。1つ又は複数の溝又は凹部50がリンク40に図示されているが、他のリンク22、60も1つ又は複数の溝又は凹部50を備えることができる。
【0070】
特定の実施形態では、リンク40はまた、係合構造48を含む第2の端部46を有する。特定の実施形態では、係合構造は、可撓性リンク52の係合構造54を受け入れるようなサイズ及び形状とされる。図示実施形態では、リンク40の係合構造48は溝として形成され、可撓性リンク52の係合構造54は相補的な形状を有する舌部として形成されている。係合構造48、54は、図示された形状に限定されず、リンク40が可撓性リンク52と係合することを可能にする任意の形状を有することができる。
【0071】
特定の実施形態では、コンプライアント機構10は、係合構造64を含む第1の端部62を有するリンク60をさらに含む。特定の実施形態では、係合構造は、可撓性リンク52の係合構造54を受け入れるようなサイズ及び形状とされる。図示実施形態では、リンク60の係合構造64は溝として形成され、可撓性リンク52の係合構造54は相補的な形状を有する舌部として形成されている。係合構造64、54は、図示された形状に限定されず、リンク60が可撓性リンク52と係合することを可能にする任意の形状を有することができる。
【0072】
特定の実施形態では、リンク60はまた、第2の部材19に枢動可能に取着された第2の端部66を有する。図示実施形態では、第2の端部66は、コンプライアント部材10を第2の部材19に取り付けるための締結具を受け入れるように構成された1つ又は複数の穴68を備える。図示の例では、第2の部材19は、車両サスペンション若しくはシャーシシステム、又はその一部分を含む。特定の実施形態では、センサ12は、リンク22の角度位置を監視することによって、第1の部材17と、第1の部材17に対して移動可能である第2の部材19との間の距離を監視する。特定の実施形態では、センサ12は、当技術分野で周知のホール効果型センサである。勿論、本開示の範囲内にありながら、他のタイプのセンサを使用することもできる。
【0073】
上で説明したように、特定の実施形態では、コンプライアント機構10は機械的リンク機構に似せたものとする。例えば、コンプライアント機構10は、剛性部分(例えば、複数のリンク22、40、60)及び可撓性部分(例えば、1つ又は複数の可撓性ジョイント32、52)を備えることができる。特定の実施形態では、コンピュータシミュレーションを使用して、コンプライアント機構10の意図された動作環境を考慮しつつ材料/サイズをさらに減じるために、異なる態様でコンプライアント機構10をさらに最適化することができる。
【0074】
特定の実施形態では、1つ又は複数の可撓性ジョイント32、52は、コンプライアント機構10の複数のリンク22、40、60と同じ材料から作製される。特定の実施形態では、1つ又は複数の可撓性ジョイント32、52は、複数のリンク22、40、60の断面積よりも小さい断面積を有し、1つ又は複数の可撓性ジョイント32、52の可撓性を高める。特定の実施形態では、可撓性ジョイント32、52は、コンプライアント機構10の複数のリンク22、40、60(例えば、プラスチックなど)とは異なる材料(例えば、ゴム等)から作製される。例えば、特定の実施形態では、可撓性ジョイント32、52はプラスチックから作製され、複数のリンク22、40、60は金属から作製される。
【0075】
特定の実施形態では、コンプライアント機構10は、1つ又は複数の可撓性ジョイント32、52及び複数のリンク22、40、60から組み立てられる。特定の実施形態では、可撓性ジョイント32、52は、複数のリンク22、40、60とは異なる材料から作製される。特定の実施形態では、可撓性ジョイント32、52は、複数のリンク22、40、60と共にオーバモールドされる。
【0076】
本明細書で開示されるコンプライアント機構10は、車両18のフレーム17に対する車両18のサスペンション19の位置を監視するという状況で説明されているが、本発明はそのように限定されるものではない。本明細書に記載のコンプライアント機構10の実施形態は、動きを伝達又は監視することを意図した任意のリンク機構の代わりに使用することができる。
【0077】
本明細書に開示されるコンプライアント機構10の特性(例えば、サイズ、重量、圧力、材料など)は、単なる例示に過ぎない。特定の実施形態では、1つ又は複数の可撓性ジョイント32、52及び複数のリンク22、40、60は、任意の材料及び様々な材料から作製され得る。例えば、材料は、公称条件での撓みを最小限に抑えながら、降伏を生ずることなく大きな弾性歪みに耐えるように選択することができる。例えば、コンプライアント機構10の角運動が比較的小さい場合、単一の材料をコンプライアント機構10に使用することができる。特定の実施形態では、コンプライアント機構10は、プラスチック及び鋼を含むことができる。コンプライアント機構の角運動が大きい実施形態では、可撓性材料(例えば、ゴムなど)を、複数のリンク22、40、60のためのより剛性の材料(例えば、プラスチック、金属(鋼、アルミニウムなど))と組み合わせて、1つ又は複数の可撓性ジョイント32、52に使用することができる。
【0078】
図4は、剛性を有する又は従来からあるリンク機構と比較した、図3のコンプライアント機構のセンサ角度80対車輪位置82のグラフである。特定の実施形態では、車輪/サスペンション位置82とセンサ角度80との間の関係は非線形である。特定の実施形態では、この非線形性を考慮するルックアップテーブルを生成することができる。特定の実施形態では、ルックアップテーブルは、運動経路のコンピュータシミュレーションに基づいて生成され、車輪/サスペンション位置82(センサ角度→ルックアップテーブル→車輪/サスペンション位置)を計算する。特定の実施形態では、コントローラ14は、ルックアップテーブルにアクセスすることができる。
【0079】
特定の実施形態では、コンプライアント機構10は、設計された枢動点に対してわずかにドリフトする可能性がある湾曲部の枢動点を含む。特定の実施形態では、ドリフトは、リンクの動きに対して非常に小さい(約0.1%以下の寄与率)。特定の実施形態では、このドリフトはルックアップテーブルで考慮される。特定の実施形態では、ルックアップテーブルは、車両18のファームウェアにフラッシュされ得る。
【0080】
図5は、図1のコントローラ14によって実行することができる例示的なプロセスのフローチャートである。このプロセスは、コントローラ14などによって、個々のコンプライアント機構10ごとに実施され得る。あるいは、プロセスは、車両18に配置された一組のコンプライアント機構10に対して実施されてもよい。
【0081】
プロセスはブロック100でスタートする。ブロック102において、コントローラ14は、車両の乗車高さを示す信号を受信する。例えば、1つ又は複数のセンサ12は、車両18の各角部における角度測定値に関連するフィードバック電圧信号をコントローラ14に送信することができる。
【0082】
ブロック104において、コントローラ14は、車輪/サスペンション位置又は乗車高さを少なくとも部分的に決定するために、例えば角度を示す信号を、1つ又は複数のルックアップテーブル及び/又は1つ又は複数の所定のパラメータ内のデータと比較する。例えば、特定の実施形態では、コントローラ14は、ルックアップテーブルの形態の論理制御を利用して、センサ12からの情報を乗車高さにマッピングすることができる。いくつかの実施形態では、ルックアップテーブルは、個々のセンサ12の値をマッピングして、サスペンション構成要素の動作パラメータを決定することができる。コントローラ14は、決定された乗車高さを目標高さと比較することができる。目標高さは、例えば、所定値又はユーザ選択値とすることができる。
【0083】
ブロック106において、コントローラ12は、乗車高さと目標高さとの間に差があるかどうかを判定する。有意差(許容範囲外)がない場合、プロセスはブロック102に戻ることができる。有意差(許容範囲外)がある場合、プロセスはブロック108に進むことができる。ブロック108において、コントローラ12は、サスペンションシステムの動作パラメータに従って、サスペンション構成要素16を選択された時間フレーム内の選択された位置に移動させる情報又は制御信号を送信することができる。特定の実施形態では、トリガ信号又は作動プロファイルは、車両18の乗り心地を向上させるためにサスペンション構成要素16の1つ又は複数の特性を考慮に入れる。特定の実施形態では、コントローラ12は、サスペンション構成要素16を動かして、車両18の一定の乗車高さを達成する。
【0084】
特定の実施形態では、コントローラ12は、サスペンション構成要素16の決定された動作パラメータを作動プロファイルの形態で提供する。特定の実施形態では、作動プロファイルは、例えば、車両18の1つ又は複数のユーザ設定及び/又は重量に基づいて、車両18用にカスタマイズされる。
【0085】
プロセスは、継続的な監視のための実施形態ではブロック102に戻る。あるいは、プロセスは、ルーチンプロセスの開始を待つことができる。
【0086】
前述の開示は、本開示を開示された正確な形態又は特定の使用分野に限定することを意図していない。したがって、本明細書に明示的に記載されているか暗示されているかにかかわらず、本開示に対する様々な代替の実施形態及び/又は修正が本開示に照らして可能であると考えられる。このように本開示の実施形態を説明してきたが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく形態及び詳細部に変更を行うことができることを認識するであろう。したがって、本開示は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0087】
上記の明細書では、特定の実施形態を参照して本開示を説明した。しかしながら、当業者が理解するように、本明細書に開示される様々な実施形態は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で修正又は実施することができる。したがって、この説明は、例示とみなされるべきであり、開示されたグローブボックス作動アセンブリの様々な実施形態を作成し使用する態様を当業者に教示する目的のためのものである。本明細書に示され説明される開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。同等の要素、材料、プロセス又はステップは、本明細書に代表的に示され記載されたものに置き換えられてもよい。さらに、本開示の特定の特徴は、本開示のこの説明の利益を得た後に当業者に明らかになるように、他の特徴の使用とは無関係に利用することができる。本開示を記載及び特許請求するために使用される「含む(including)」、「備える(comprising)」、「組み込まれる(incorporating)」、「からなる(consisting of)」、「有する(have)」、「である(is)」などの表現は、非排他的な態様で解釈されること、すなわち、明示的に記載されていない項目、構成要素又は要素も存在することを可能にすることを意図している。また、単数形への言及は、複数形に関連すると解釈されるべきである。
【0088】
さらに、本明細書に開示された様々な実施形態は、例示的且つ説明的な意味で解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。すべての接合に関する言及(例えば、取着、固定、結合、接続など)は、読み手の本開示の理解を助けるためにのみ使用され、特に本明細書に開示されるシステム及び/又は方法の位置、向き、又は使用に関して限定を生じさせるものではない。したがって、接合についての言及がある場合、それは広く解釈されるべきである。さらに、そのような接合についての言及は、2つの要素が互いに直接接続されていることを必ずしも意味しない。さらに、限定するものではないが、「第1(first)」、「第2(second)」、「第3(third)」、「一次(primary)」、「二次(secondary)」、「主要な(main)」などのすべての数値用語、又は任意の他の通常の及び/又は数値用語もまた、本開示の様々な要素、実施形態、変形例及び/又は修正例の読み手の理解を助けるために、識別子としてのみ解釈されるべきであり、特に、任意の要素、実施形態、変形例及び/又は修正例の、別の要素、実施形態、変形例及び/又は修正例に対する、又は別の要素、実施形態、変形例及び/又は修正例を超える、順序又は好みに関して、いかなる限定も生じない。
【0089】
また、特定の用途に応じて有用であるように、図面/図に示された要素のうちの1つ又は複数は、より分離又は統合された態様で実装されてもよく、又は特定の場合には除去されても、又は動作不能とされてもよいことも理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】