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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】転移可能な眼内レンズ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/16 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A61F2/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521898
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 US2022078756
(87)【国際公開番号】W WO2023076980
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/263,141
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ ハンター ペティット
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA25
4C097BB01
4C097BB05
4C097CC04
4C097EE03
4C097EE13
4C097SA01
4C097SA05
(57)【要約】
本開示のある特定の態様は、第1の曲率半径を有する第1の外面を有する第1のレンズ部分と、第1の曲率半径とは異なる第2の曲率半径を有する第2の外面を有する第2のレンズ部分と、第1のレンズ部分と第2のレンズ部分との間の中央光学部分とを含むレンズ本体と、レンズ本体に結合されるハプティック部分と、を含む転移可能な眼内レンズ(IOL)を提供する。転移可能なIOLはまた、患者の眼の中の移植の第1の配向にあるか、又は患者の眼の中の移植の転移された第2の配向にあるかに関わらず、転移可能なIOLを支持するよう構成されるハプティック部分を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転移可能な眼内レンズ(IOL)であって、
レンズ本体であって、
第1の曲率半径を有する第1の外面を有する第1のレンズ部分と、
前記第1の曲率半径とは異なる第2の曲率半径を有する第2の外面を有する第2のレンズ部分と、
前記第1のレンズ部分と前記第2のレンズ部分との間の中央光学部分と、
を含むレンズ本体と、
前記レンズ本体に結合されるハプティック部分であって、患者の眼の中の移植の第1の配向にあるか、又は前記患者の眼の中の移植の転移された第2の配向にあるかに関わらず、前記転移可能なIOLを支持するよう構成される、ハプティック部分と、を備える、
転移可能な眼内レンズ。
【請求項2】
前記ハプティック部分は前記レンズ本体と平面である、請求項1に記載の転移可能なIOL。
【請求項3】
前記第1の曲率半径は、目標IOL度数によって特定され、
前記第2の曲率半径は、前記レンズ本体が転移される場合の屈折異常の目標変化によって特定される、
請求項1に記載の転移可能なIOL。
【請求項4】
前記レンズ本体は、アクリレート/メタクリレートコポリマーを含む、請求項1に記載の転移可能なIOL。
【請求項5】
前記レンズ本体は、4.5mm~7.5mmの間の直径を有する、請求項1に記載の転移可能なIOL。
【請求項6】
前記ハプティック部分は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を含む、請求項1に記載の転移可能なIOL。
【請求項7】
前記ハプティック部分は、前記レンズ本体から外側に延在する2つの径方向に延在する支柱を備え、
前記2つの径方向に延在する支柱の終端は、8mm~13mmの間の距離だけ離間される、
請求項1に記載の転移可能なIOL。
【請求項8】
転移可能な眼内レンズ(IOL)であって、
第1の外面及び第2の外面を有する非対称両凸形状のレンズ本体であって、
前記レンズ本体は、前記第1の外面が角膜平面における第1の予測屈折異常に対応する眼の角膜に面する状態で位置決めされるよう構成され、
前記レンズ本体は、前記第2の外面が前記角膜平面における第2の予測屈折異常に対応する前記眼の前記角膜に面する状態で位置決めされるよう構成される、
レンズ本体を備える、
転移可能な眼内レンズ。
【請求項9】
前記第1の予測屈折異常と前記第2の予測屈折異常との間の差は、0.34ジオプトリー未満である、請求項8に記載の転移可能なIOL。
【請求項10】
前記第1の外面の第1の曲率半径は、目標IOL度数によって特定され、
前記第2の外面の第2の曲率半径は、前記レンズ本体が転移される場合に屈折異常の目標変化によって特定される、
請求項8に記載の転移可能なIOL。
【請求項11】
前記レンズ本体は、アクリレート/メタクリレートコポリマーを含む、請求項8に記載の転移可能なIOL。
【請求項12】
前記レンズ本体は、4.5mm~7.5mmの間の直径を有する、請求項8に記載の転移可能なIOL。
【請求項13】
更に、前記レンズ本体に結合されるハプティック部分であって、前記レンズ本体と平面であるハプティック部分を備える、
請求項8に記載の転移可能なIOL。
【請求項14】
前記ハプティック部分は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を含む、請求項13に記載の転移可能なIOL。
【請求項15】
前記ハプティック部分は、前記レンズ本体から外側に延在する2つの径方向に延在する支柱を備え、
前記2つの径方向に延在する支柱の終端は、8mm~13mmの間の距離だけ離間される、
請求項13に記載の転移可能なIOL。
【請求項16】
転移可能な眼内レンズ(IOL)を構成するための方法であって、
前記転移可能なIOLに対する目標屈折力を選択することと、
前記転移可能なIOLに対する第1の目標予測屈折異常及び第2の目標予測屈折異常を選択することと、
前記目標屈折力、前記第1の目標予測屈折異常、及び前記第2の目標予測屈折異常に基づいて、前記転移可能なIOLのレンズ本体の第1の外面の第1の曲率半径と、前記転移可能なIOLの前記レンズ本体の第2の外面の第2の曲率半径とを計算することと、
前記計算された第1の曲率半径及び第2の曲率半径に基づいて、前記転移可能なIOLのための前記レンズ本体を形成することと、を含む、
方法。
【請求項17】
前記レンズ本体は、前記第1の外面が患者の角膜に面する状態で前記転移可能なIOLが前記患者の眼に移植される場合に、前記第1の目標予測屈折異常を提供するよう構成され、
前記計算することは、角膜の屈折率、前記角膜の前面の曲率半径、前記角膜の後面の曲率半径、前記眼の全軸長、前記第1の外面が前記患者の角膜に面する状態で前記転移可能なIOLが前記患者の眼に移植される場合に対応する房水の第1の深さ、及び前記第1の外面が前記患者の角膜に面する状態で前記転移可能なIOLが前記患者の眼に移植される場合に対応する硝子体の第1の深さ、のうちの1つ以上に基づき、
前記レンズ本体は、前記第2の外面が前記患者の角膜に面する状態で前記転移可能なIOLが前記患者の眼に移植される場合に、前記第2の目標予測屈折異常を提供するよう構成され、
前記計算することは、前記角膜の屈折率、前記角膜の前記前面の前記曲率半径、前記角膜の前記後面の前記曲率半径、前記眼の前記全軸長、前記第2の外面が前記患者の角膜に面する状態で前記転移可能なIOLが前記患者の眼に移植される場合に対応する前記房水の第2の深さ、及び前記第2の外面が前記患者の角膜に面する状態で前記転移可能なIOLが前記患者の眼に移植される場合に対応する前記硝子体の第2の深さ、のうちの1つ以上に基づく、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
更に、ハプティック部分を前記レンズ本体に取り付けることであって、前記ハプティック部分は、患者の眼の中の移植の第1の配向にあるか、又は前記患者の眼の中の移植の転移された第2の配向にあるかに関わらず、前記転移可能なIOLを支持するよう構成される、取り付けること、を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ハプティック部分は前記レンズ本体と平面である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記レンズ本体は、アクリレート/メタクリレートコポリマーを含み、
前記ハプティック部分は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を含む、
請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は、2021年10月27日付出願の米国仮特許出願第63/263,141号明細書、発明の名称「TRANSPOSABLE INTRAOCULAR LENS」、発明者George Hunter Pettitの優先権の利益を主張するものであり、あたかも本明細書に十分且つ完全に記載されているかのように、その全てを引用して本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
白内障手術は、患者の眼の白内障の水晶体を取り除き、その水晶体を人工の眼内レンズ(IOL)に置換することを含む。白内障手術の計画は、通常、術後の望ましい屈折結果又は目標を達成することができるIOL度数を有するIOLを選択することを含む。特定の術後屈折結果を達成するのに必要なIOL度数の特定は、患者の眼の軸長、角膜曲率、前房深度、角膜の白眼部分から白眼部分までの直径、水晶体厚さ、有効水晶体位置等のうちの1つ以上等の患者の眼の解剖学的パラメータの測定値に依存する。例えば、患者の測定値を用いて、特定の既存システムは、例えば、市場で入手可能なIOL度数の所定のセットのそれぞれについて、等価球面度数における術後顕性屈折(MRSE)を推定する。術後MRSEを用いて、外科医は、次いで、屈折力目標に最も近い推定術後MRSEを結果として生じる(即ち、最も低い推定術後屈折異常を有する)IOL度数を選択してもよい。しかし、選択されたIOL度数を用いても、推定術後MRSEは、依然として、幾らかの術後屈折異常を導入する可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の態様は、転移可能な眼内レンズ(IOL)を提供する。転移可能なIOLは、レンズ本体であって、第1の曲率半径を有する第1の外面を有する第1のレンズ部分と、第1の曲率半径とは異なる第2の曲率半径を有する第2の外面を有する第2のレンズ部分と、第1のレンズ部分と第2のレンズ部分との間の中央光学部分とを含むレンズ本体と、レンズ本体に結合されるハプティック部分であって、患者の眼の中の移植の第1の配向にあるか、又は患者の眼の中の移植の転移された第2の配向にあるかに関わらず、転移可能なIOLを支持するよう構成されるハプティック部分と、を含む。
【0004】
本開示の態様はまた、転移可能な眼内レンズ(IOL)を提供する。転移可能なIOLは、第1の外面及び第2の外面を有する非対称両凸形状のレンズ本体を含む。レンズ本体は、第1の外面が角膜平面における第1の予測屈折異常に対応する眼の角膜に面する状態で位置決めされるよう構成され、レンズ本体は、第2の外面が角膜平面における第2の予測屈折異常に対応する眼の角膜に面する状態で位置決めされるよう構成される。
【0005】
本開示の態様は、更に、転移可能な眼内レンズ(IOL)を構成するための方法を提供する。本方法は、転移可能なIOLに対する目標屈折力を選択することと、転移可能なIOLに対する第1の目標予測屈折異常及び第2の目標予測屈折異常を選択することと、目標屈折力、第1の目標予測屈折異常、及び第2の目標予測屈折異常に基づいて、転移可能なIOLのレンズ本体の第1の外面の第1の曲率半径と、転移可能なIOLのレンズ本体の第2の外面の第2の曲率半径とを計算することと、計算された第1の曲率半径及び第2の曲率半径に基づいて、転移可能なIOLのためのレンズ本体を形成することと、を含む。
【0006】
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上で簡潔に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって得ることができ、その幾つかを添付の図面に示す。しかし、添付図面は本開示の幾つかの態様のみを示しており、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A-1C】それぞれ、例示的な眼内レンズ(IOL)の平面図、側面図、及び別の側面図を示す。
図2】ある特定の態様による、内部に移植された転移可能なIOLを有するモデル眼の略図である。
図3A】ある特定の態様による、第1の配向で移植されたIOLを有する図2のモデル眼の一部の拡大図である。
図3B】ある特定の態様による、第2の配向で移植されたIOLを有する図2のモデル眼の一部の拡大図である。
図4】ある特定の態様による、転移可能であるIOLを設計、構成、及び/又は形成するための例示的なシステムを示す。
図5】ある特定の態様による、転移可能であるIOLを形成するための例示的な動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
理解を容易にすべく、可能であれば同一の参照符号を用いて各図に共通する同一要素を指定する。一実施形態の要素及び特徴が、更に言及することなく他の実施形態に有利に組み込まれる場合も考えられる。
【0009】
本開示は、転移可能な光学特性を有する転移可能眼内レンズ(IOL)を提供する。以下でより詳細に検討するように、かかる転移可能な光学特性は、異なる屈折結果、異なる球面収差又は非球面性、及び異なるトーリック性を含んでもよい。転移可能な光学特性は、転移可能なIOLの設計及び転移可能なIOLが患者の眼に移植される配向によって達成することができる。
【0010】
上述したように、白内障手術は、患者の眼から天然水晶体を除去し、それを好適なIOLと置換するよう外科医によって行われてもよい。IOLが患者のための望ましい屈折結果を達成するために、外科医は、患者の測定値(例えば、手術前又は手術中の測定値)に基づいてIOLの種類及び度数を選択する。IOLの屈折力は、一般に、ジオプトリーで測定され、眼の内側の移植平面において定義される場合があるが、角膜平面における有効光学値は、より小さい場合がある。通常、IOLの屈折力は、全てではないがほとんどのジオプトリー度数範囲にわたって、半ジオプトリー球面等価ステップで提供される。
【0011】
従って、患者の術前測定値に基づいて、白内障手術医は、所望の屈折結果に最も近い術後等価球面度数をもたらす屈折力、即ち、最も低い推定術後屈折異常を有するIOL度数を有するIOLを選択してもよい。場合によっては、外科医は、ジオプトリー度数範囲をカバーするレンズセットから適切なレンズを選択してもよい。しかし、少なくとも場合によっては、以下に更に詳細に検討するように、半ジオプトリーステップでのレンズセットにより、所望の屈折結果に最も近い術後等価球面度数をもたらす可能性があるIOLは、軽度の近視又は軽度の遠視の何れかである屈折異常を提供する可能性がある。
【0012】
従って、IOLの屈折力において、より高い解像度が望まれる。例えば、手術前の眼測定及びIOL度数計算における進歩が、IOLの所望の矯正強度の特定を改善するため、レンズにおけるより小さいステップサイズは、外科医が、実際の所望の矯正強度により近い屈折力を提供するIOLを選択することを可能にする。しかし、ステップサイズが小さくなると、ジオプトリー度数範囲をカバーするレンズセットを提供するのに必要なレンズの数が増加する。例えば、1/4ジオプトリーのステップサイズを用いると、同じジオプトリー度数範囲をカバーするよう1/2ジオプトリーのステップサイズのレンズに必要とされるレンズの量が2倍になる。
【0013】
同様に、IOLの球面収差補正を患者の眼により厳密に一致させることが望ましい。人間の眼の球面収差は、角膜の正の球面収差と水晶体の負の球面収差との組み合わせである。若年の眼では、角膜の正の球面収差は水晶体の負の球面収差によって相殺され、結果として、若年の眼における全体的な球面収差は小さくなる。しかし、眼が老化するにつれて、水晶体の光学特性が変化し、結果として、全体的に正の球面収差が生じ、光学性能が低下する。非球面IOL設計の使用例において、非球面IOLは、角膜の正の球面収差を補償する。外科医にとって、非球面IOL設計の追加の選択肢を提供するレンズセットは、外科医がIOLを患者の眼により良好に適合させることを可能にする。しかし、追加のレンズは、在庫の必要性の増加、より多くの製造、及びより高いコストにつながる。
【0014】
また、トーリック性の範囲を提供するレンズを有することが望ましい。トーリックIOLは、多くの場合、白内障手術において角膜乱視を矯正するために用いられる。しかし、上で説明した問題と同様に、トーリック性の追加の選択肢を有するレンズのセットを提供することは、レンズの総数を増加させる。
【0015】
従って、本開示の態様は、転移可能なIOL設計を提供する。転移可能なIOL設計により、IOLは、2つの配向、第1の配向又は第2の配向で患者の眼に移植することができる。第1の配向(例えば、前方又は後方に面する)で眼にIOLを移植することは、第1の所望の屈折力(例えば、選択された第1のジオプトリー値)、第1の所望の屈折結果(例えば、屈折異常の第1のジオプトリー値)、第1のトーリック性、及び/又は第1の非球面設計を達成する。第2の配向(例えば、後方又は前方に面する)で患者の眼にIOLを移植することは、第2の所望の屈折力、第2の屈折結果(例えば、第1のジオプトリー値からの所望のステップサイズである屈折異常の第2のジオプトリー値)、第2のトーリック性、及び/又は第2の非球面設計を達成する。従って、転移可能なIOLにより、同じ範囲の屈折結果、ジオプトリー値、トーリック性、及び/又は非球面IOL設計を提供するのに必要とされるレンズの数は、2分の1に低減される。
【0016】
図1A、1B、及び1Cは、それぞれ、ある特定の態様によるIOL100の平面図、側面図、及び別の側面図を示している。IOL100の形状及び曲率は、図示の目的のためにのみ示しており、他の形状及び曲率も本開示の適用範囲内にあることに留意されたい。IOL100は、レンズ本体102と、レンズ本体102に結合されるハプティック部分104とを含む。
【0017】
レンズ本体102は、曲率半径Rの第1の外面を有する第1のレンズ部分102Aを含む。レンズ本体102は、曲率半径Rの第2の外面を有する第2のレンズ部分102Bを含む。以下により詳細に検討するように、曲率半径R及びRは、IOL100が患者の眼に移植される配向に基づいて、IOL100についての2つの異なる屈折力を提供するよう、転移可能なIOLについて異なる。例えば、R及びRは、IOL100が所望のジオプトリーステップサイズだけ離れた2つの異なる屈折力を提供するように、形成されてもよい。
【0018】
レンズ本体102は、レンズ部分102Aと102Bとの間に中央光学部分106を含む。レンズ部分102A及び102Bは、レンズ本体102の周辺非光学部分において共に接合されてもよい。レンズ本体102は直径φを有する。幾つかの実施例において、直径は、約4.5mm~約7.5mmの間、例えば、約6.0mmである。
【0019】
中央光学部分106は、光を網膜上に集束させるIOL100の透明な光学要素である。幾つかの実施例において、中央光学部分106、第1のレンズ部分102A、及び第2のレンズ部分102Bは、シリコーンポリマー材料、アクリルポリマー材料、ヒドロゲルポリマー材料等のような透明な可撓性材料で作製される。材料は、IOL100が、小さな切開を介する眼の中への導入のためにロール状にされるか又は折り畳まれることを可能にしてもよい。一実施例において、レンズ本体102は、紫外線及び青色光を吸収するアクリレート/メタクリレートコポリマーを含む。第1のレンズ部分102A及び/又は第2のレンズ部分102Bの外面は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の、中央光学部分106の材料よりも剛性の生体適合性材料から作製されてもよい。従って、レンズ部分102A及び102Bの前方及び後方外面は、シリコーン及びPMMA等の異なる材料から形成することができる。レンズ本体102は、材料に応じて、射出成形、鋳造技術による作製、旋盤による旋削加工等が可能である。
【0020】
図1に示す実施例において、中央光学部分106は両凸形状を有する。他の実施例において、中央光学部分106は、平凸形状、凸凹形状、又は平凹形状を有してもよい。レンズ本体102は、多焦点レンズ設計のための複数の同心度数を有してもよい。
【0021】
ハプティック部分104は、半径方向に延在する支柱(「ハプティック」とも称する)104A及び104Bを含む。ハプティック104A及び104Bは、PMMA等の生体適合性材料から作製されてもよい。ハプティック104A及び104Bは、レンズ本体102の周辺部分に結合(例えば、接着又は溶接)されるか、又はレンズ本体102の一部と共に成形され、従って、レンズ本体102から外側に延在して、眼の水晶体嚢の周囲壁に係合して、レンズ本体102を眼内の所望の位置に維持する。ハプティック104A及び104Bは、通常、弓形の末端部分を規定する径方向外側端部を有する。ハプティック104A及び104Bの末端部分は、約6mm~約22mmの間、例えば、約13mmの長さLだけ離してもよい。ハプティック104A及び104Bは、末端部分が、移植された後に水晶体嚢の赤道領域と接する場合に僅かな係合圧力を生じるように、特定の長さを有してもよい。
【0022】
ハプティック104A及び104Bは、レンズ本体102と平面であってもよい。例えば、ある特定の実施形態において、角度αは、0°又は約0°であり、IOL100に対する横方向圧縮が、移植された場合に、IOL100の前面又は後面に向かって丸まりを生じないようになっている。IOL100の配向に応じて屈折入力を調整するよう追加又は代替の機構として丸まりを用いることができる場合によっては、ハプティック104A及び104Bは、レンズ本体102に対して角度を付けてもよい。図1は、ハプティック104A及び104Bの1つの例示的な構成を示しているが、任意のプレートハプティック又は他の種類のハプティックを用いることができる。
【0023】
図2は、ある特定の態様による、内部に移植されたIOL100を有するモデル眼200の略図である。以下の例示的な実施例において、IOL100は、厚さTIOL(即ち、IOL100の中央におけるIOL100の前方外面と後方外面との間の距離)を有する。モデル眼200は、屈折率ncornea(例えば、以下の例示的な実施例において1.376)及び厚さTcorneaを有する角膜202を含む。角膜202は、曲率半径R(例えば、以下の例示的な実施例において7.80mm)を有する前面202Aと、曲率半径R(例えば、以下の例示的な実施例において6.47mm)を有する後面202Pとを有する。房水206は、深さT(即ち、角膜202の後面202PとIOL100の前方外面との間の距離)を有する(例えば、以下の例示的な実施例において4.62mm)。硝子体液208は、深さT(即ち、網膜204とIOL100の後方外面との間の距離)(例えば、以下の例示的な実施例において18.18mm)を有する。モデル眼200は、全軸長ALX=Tcornea+T+TIOL+T(即ち、角膜202の前面202Aと網膜204との間の距離)(例えば、以下の例示的な実施例において24.05mm)を有する。以下の例示的な屈折計算で用いられる、本明細書中に示すパラメータTIOL、Tcornea、T、T、R、R、及びncorneaに対する例示的な値は、人間の眼に対して典型的なものである。しかし、真の値については、特定の患者の眼の正確に測定された値又は予測された値が用いられる。
【0024】
房水206及び硝子体液208は共に、屈折率nmedium(例えば、1.336)を有すると仮定される。IOL100の屈折力Pは、以下のように計算することができる。
【数1】
ここで、nIOLはレンズ本体102の屈折率であり、Rはレンズ本体102の前方外面の曲率半径であり、Rはレンズ本体102の後方外面の曲率半径であり、Tはレンズ本体102の中央光学部分106の厚さである。
【0025】
当該技術分野で公知の行列レイトレーシング法によれば、角膜202の前面202Aにおいて眼に入る光線と中心窩(網膜204の中心)において眼を出る光線との間の関係は、以下のように解析的に計算することができる。
【数2】
ここで、ycorneaは角膜の前面202Aにおける入射光線の変位であり、αcorneaは光軸に対する入射光線の伝播角度である。眼の屈折異常を計算するために、光の時間反転伝播、即ち網膜から角膜に戻る伝播を考慮することがより直感的である。時間反転状況に対する光線行列方程式は、以下の通りである。
【数3】
中心窩において発生する光線は、ゼロ網膜変位を有し、即ち、yretina=0である。網膜光線角度を何らかの非ゼロ値(例えば、0.01)に設定した場合、上記の式は、角膜を出る対応する光線を説明するパラメータをもたらす。屈折異常Rは、網膜204における出射光線の光軸からの変位ycorneaと、光軸に対する出射光線の伝播角度αcorneaとの比として計算することができる(即ち、R=αretina/yretina)。
【0026】
上で説明したように、IOLの典型的なセットは、近視又は遠視のどちらか一方である屈折結果をもたらす可能性がある、半ジオプトリーのステップサイズを有する屈折力を有するIOLを含む。例えば、曲率半径がR=R=20.33mmであり、レンズ本体102の中央光学部分の厚さがT=0.7mmであり、レンズ本体102の屈折率がnIOL=1.55であると仮定すると、上記の屈折力の式によれば、対称的な両凸形状(即ち、R=R)のレンズ本体を有する既存のIOLは、屈折力P=21ジオプトリー(D)を提供する。パラメータTIOL、Tcornea、T、T、R、R、及びncorneaについての上記の例示的な解剖学的値と共に上で説明したレイトレーシング法によれば、IOLは、眼の角平面において+0.15Dの屈折異常を有する(即ち、軽度の遠視)と予測される。
【0027】
代わりに、曲率半径R=R=19.86mmを有し、上で説明した他のパラメータが同じままであるIOLが用いられた場合、IOLは、20.33mmの曲率半径を有するIOLに対して1/2ジオプトリーのステップサイズ増加である屈折力P=21.5Dを提供する。近軸モデルによれば、この構成は、眼の角膜平面において-0.19Dの屈折異常を有する(即ち、軽度の近視)と予測される。
【0028】
従って、1/2ジオプトリーのステップサイズにより、白内障手術医は、この実施例において、軽度遠視の結果をもたらす屈折力P=21Dを有するIOLと、軽度近視の結果をもたらす屈折力P=21.5Dを有するIOLとの間で選択することを強いられる。屈折異常のオフセット0.34Dは、0.5Dのステップサイズの屈折力を有する2つのIOL100に対して典型的なものである。従って、転移可能なIOLを用いることは、IOLのセットによって提供される屈折結果においてより多くの解像度を提供することを可能にし、それによって、術後屈折異常を低減するよう白内障手術医に対するより多くの選択肢を提供する。
【0029】
図3A及び3Bは、ある特定の態様による、内部に移植される転移可能な非対称IOL100を有するモデル眼200の一部の拡大図である。図3A及び3Bに示すように、IOL100のレンズ本体102は、非対称の両凸形状である(即ち、R≠R)。図3Aの実施例において、第1のレンズ部分102Aはモデル眼200の角膜202に面し、第2のレンズ部分102Bは網膜204(図2に示す)に面する。図示のように、第1のレンズ部分102Aの外面の曲率半径Rは、第2のレンズ部分102Bの外面の曲率半径Rと異なる。図3Bにおいて、図3Aに示すIOL100は、第1のレンズ部分102Aが網膜204に面し、第2のレンズ部分102Bが角膜202に面するように転移される。
【0030】
上で検討した例示的な実施例に戻ると、非対称両凸形状IOL100は、(例えば、R=R=19.86mm又は20.33mmの代わりに)第1の曲率半径R=16.75mm及び第2の曲率半径R=25.88mmを有してもよい。このIOL設計により、IOL100は屈折力P=21Dを提供するが、屈折結果はIOL100が移植される配向に依存する。パラメータTIOL、Tcornea、T、T、R、R、及びncorneaに対する上記の例示的な解剖学的値と共に近軸モデルによれば、IOL100は、第1のレンズ部分102Aが角膜202に面している状態で、IOL100が図3Aに示すように位置決めさる場合に、0.07Dの屈折異常を有すると予測される。同じIOL100は、図3Bに示すように転移される場合、第2のレンズ部分102Bが角膜202に面している場合に0.24Dの屈折異常を有すると予想される。図3Aに示すように位置決めされるIOL100と図3Bに示すように転移される同じIOL100との間の屈折異常のオフセットは、0.5Dのステップサイズを有する屈折力を有する2つの対称両凸IOL間の約0.34Dのオフセットから0.17Dに低減される。
【0031】
従って、非対称の両凸形状を有するレンズ本体を有する転移可能なIOLは、低減された屈折異常を有する追加の処置選択肢を提供する。幾つかの実施形態において、曲率半径R及びRのうちの一方は、所望の(即ち、目標の)IOL度数によって特定され、曲率半径R及びRのうちの他方は、それに応じて、IOL100が転移される場合に屈折異常の所望の変化を提供するよう調整される。幾つかの他の実施形態において、曲率半径R及びRは、IOL100の全体の質量が小さくなるように特定され、これは、より小さい外科的切開を通した移植を容易にする。例えば、白内障手術医は、例えば、典型的な非転移可能IOLに必要とされるよりも転移可能IOLの数の何分の1かを用いて、屈折結果においてより高い解像度を有するIOLのセットを有することができる。加えて、所定の患者について、患者の眼の術前測定に基づいて、患者の眼における移植の2つの異なる配向に対応する2つの異なる予測された術後屈折結果を、各転移可能IOLについて計算することができる。これは、外科医が、IOLを選択するだけでなく、最も低い予測された術後結果を提供する選択されたIOLの移植配向も選択することを可能にする。
【0032】
ある特定の実施形態において、転移可能な非対称IOL100は、トーリック性の設計であってもよい。例えば、IOL100は、2つの異なるトーリック性を有して設計されてもよい。トーリック転移可能非対称IOLは、例えば、調整乱視治療に用いることができる。トーリックIOLについて、転位は、正味の円柱矯正に対して僅かな影響を有する可能性がある。
【0033】
ある特定の態様によれば、異なる非球面性を有する転移可能な非対称IOLが提供される。例えば、IOL100は、第1の非球面性を提供する第1のレンズ部分102Aのための第1のセットの表面収差と、第2の非球面性を提供する第2のレンズ部分102Bのための、第1のセットの表面収差とは異なる第2のセットの表面収差とを有することができる。非球面性は、球面収差補償のために用いることができる。2つの異なる非球面性を提供する転移可能なIOLにより、白内障手術医は、各IOLについて2倍の数の選択肢を有する。
【0034】
図4は、本開示のある特定の態様による、転移可能であるIOL100を設計、構成、及び/又は形成するための例示的なシステム400を示している。図示のように、システム400は、限定しないが、制御モジュール402、ユーザインターフェースディスプレイ404、相互接続408、出力デバイス410、各種のI/Oデバイス(例えば、キーボード、ディスプレイ、マウスデバイス、ペン入力等)をシステム400に接続することを可能にしてもよい少なくとも1つのI/Oデバイスインターフェース412を含む。
【0035】
制御モジュール402は、中央処理ユニット(CPU)414と、メモリ416と、ストレージ418とを含む。CPU414は、メモリ416に格納されるプログラミング命令を取り出し、実行してもよい。同様に、CPU414は、メモリ416に存在するアプリケーションデータを取り出し、格納してもよい。相互接続408は、CPU414、I/Oデバイスインターフェース412、ユーザインターフェースディスプレイ404、メモリ416、ストレージ418、出力デバイス410等の間でデータを伝送する。CPU414は、単一のCPU、複数のCPU、複数の処理コアを有する単一のCPU等を表すことができる。追加として、ある特定の態様において、メモリ416はランダムアクセスメモリを表す。更に、ある特定の態様において、ストレージ418はディスクドライブであってもよい。単一のユニットとして示されているが、ストレージ418は、固定ディスクドライブ、着脱式メモリカード若しくは光学ストレージ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、又はストレージエリアネットワーク(SAN)等の固定又は着脱式ストレージデバイスの組み合わせであってもよい。
【0036】
図示のように、ストレージ418は入力パラメータ420を含む。入力パラメータ420は、所望の範囲の予測屈折結果を提供するIOL又はIOLのセットを形成するために用いることができる出力曲率半径を生成するために、モデル眼の例示的な解剖学的パラメータ(例えば、平均値)及び角膜における所望の範囲の予測屈折結果を含む。例えば、入力パラメータ420は、角膜の屈折率ncornea、角膜の前面の曲率半径R、角膜の後面の曲率半径R、眼の全軸長ALX、房水の深さT、硝子体液の深さT、所望のIOL度数P、第1の所望の予測屈折異常、及び第2の所望の予測屈折異常を含んでもよい。メモリ416は、角膜平面における所望のIOL度数P及び屈折異常を提供する第1の曲率半径R及び第2の曲率半径Rを計算するための計算モジュール422を含む。加えて、メモリ416は入力パラメータ424を含む。
【0037】
ある特定の態様において、入力パラメータ424は、入力パラメータ420又は少なくともそのサブセットに対応する。曲率半径R及びRの計算中、入力パラメータ424はストレージ418から取り出され、メモリ416において実行される。かかる実施例において、計算モジュール422は、入力パラメータ424に基づいて曲率半径R及びRを計算するための実行可能命令(例えば、本明細書中に説明する1つ以上の式を含む)を備える。ある特定の他の態様において、入力パラメータ424は、ユーザインターフェースディスプレイ404を通してユーザから受け取るパラメータに対応する。かかる態様において、計算モジュール422は、ユーザインターフェースディスプレイ404から受け取る情報に基づいて曲率半径R及びRを計算するための実行可能命令を備える。
【0038】
ある特定の態様において、計算された曲率半径R及びRは、出力デバイス410を介してレンズ製造システムに出力され、これは、制御パラメータを受け取り、それに従ってレンズを形成するよう構成される。ある特定の他の態様において、システム400自体がレンズ製造システムの少なくとも一部を表す。かかる態様において、制御モジュール402は、次いで、システム400のハードウェアコンポーネント(図示せず)に、制御パラメータに従ってレンズを形成させる。レンズ製造システムの詳細及び動作は、当業者に公知であり、簡潔にするためにここでは省略する。
【0039】
図5は、転移可能なIOL100を形成するための例示的な動作500を示している。幾つかの態様において、動作500のステップ510は、1つのシステム(例えば、システム400)によって実行され、動作520は、レンズ製造システムによって実行される。幾つかの他の態様において、動作510及び520の両方は、システム400又はレンズ製造システムによって実行される。
【0040】
動作510において、レンズ本体の第1のレンズ部分102Aの外面の第1の曲率半径R、及びレンズ本体102の第2のレンズ部分102Bの外面の第2の曲率半径Rは、入力パラメータ(即ち、TIOL、Tcornea、T、T、ncornea、R、R、ALX、所望のIOL度数P、並びに第1の所望の予測屈折異常、及び第2の所望の予測屈折異常)に基づいて計算される。動作510において実行される計算は、本明細書中に説明する式を含む1つ以上の実施形態に基づく。
【0041】
動作520において、計算された曲率半径R及びRに基づくレンズ本体102と、レンズ本体102に結合されるハプティック部分104とを有するIOL100が、レンズを製造するために通常用いられる適切な方法、システム、及びデバイスを用いて形成される。
【0042】
本明細書中に説明する態様は、眼の角膜に対するIOLの配向に応じて、屈折力、屈折異常、トーリック性、及び/又は非球面性等の光学的結果のための2つの選択肢を提供し、従って、向上した屈折精度を提供するよう転移可能であることができるIOLを提供する。屈折精度を向上することにより、調整又は矯正のための特殊な術後機器及び/又は患者の再診の必要性が低減される。
【0043】
本明細書中の態様は、単焦点、多焦点、及び拡張焦点深度のIOL表面特徴を含む、任意の種類のIOLに適用されてもよい。転移可能なIOLを提供することにより、IOL当たりの光学的処置選択肢の数が倍増し、屈折異常、非球面性、又はトーリック性においてより高い解像度を有するレンズファミリーを可能にする一方で、レンズファミリーに必要なレンズの総数を低減する。
【0044】
本明細書中で用いるように、用語「特定する」とは、多様な作用を包含する。例えば、「特定する」は、算出すること、計算すること、処理すること、導出すること、調査すること、検索すること(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造で検索すること)、確認することなどを含む可能性がある。また、「特定する」は、受信する(例えば、情報を受信する)、アクセスする(例えば、メモリ内のデータにアクセスする)などを含む可能性がある。また、「特定する」は、解明すること、選択すること、選定すること、定めること等も含む可能性がある。
【0045】
用語「又は」とは、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することを意図している。即ち、別段の指示がない限り、又は文脈から明らかではない限り、語句「XはA又はBを利用する」は、任意の自然な包含的順列を意味することを意図している。即ち、語句「XはA又はBを利用する」とは、以下の例の何れかによって満たされる。XはAを利用する、XはBを利用する、又は、XはA及びBの両方を利用する。加えて、本出願及び添付の特許請求の範囲において用いられるような冠詞「a」及び「an」は、別段の指示がない限り、又は単数形に向けられるよう文脈から明らかではない限り、一般に、「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである。項目のリスト「の少なくとも1つ」を指す語句は、単一の部材及び複製部材を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。一例として、「a、b、又はcのうちの少なくとも1つ」は、例えば、a、b、c、a-b、a-c、b-c、a-b-c、aa、a-bb、a-b-cc等をカバーするよう意図される。
【0046】
上記は、本開示の実施形態に関するが、本開示の他の及び更なる実施形態も本願の基本的範囲から逸脱せずに考案され得、その範囲は、以下の特許請求項によって特定される。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4
図5
【国際調査報告】