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特表2024-539004木製パレット上の熱処理されたマークの検出
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】木製パレット上の熱処理されたマークの検出
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20241018BHJP
   B65D 19/14 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G06T7/00 610Z
B65D19/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522132
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 US2022077937
(87)【国際公開番号】W WO2023064787
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/262,453
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/045,586
(32)【優先日】2022-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509270351
【氏名又は名称】シーエイチイーピー テクノロジー プロプライエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェイ.ゲロウ
(72)【発明者】
【氏名】クーラム スームロ
(72)【発明者】
【氏名】ミゲル アンジェル ザゾ デ ラ ロシャ
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ ヘスス ヒダルゴ
(72)【発明者】
【氏名】ホセ マヌエル アルギベイ カニャス
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル トマー
(72)【発明者】
【氏名】エラザール コヘン
(72)【発明者】
【氏名】モシェ サフラン
【テーマコード(参考)】
3E063
5L096
【Fターム(参考)】
3E063AA02
3E063BA08
3E063CA04
3E063CA05
3E063CA06
3E063CA30
3E063GG10
5L096AA06
5L096BA03
5L096CA05
5L096DA02
5L096EA37
5L096FA19
5L096GA51
5L096HA08
5L096JA11
5L096JA18
(57)【要約】
パレット検査システムは、パレットの木が熱処理されたことを示す少なくとも1つのマークを有するために検査される木製パレットを受け入れるパレット受け入れエリアを有するように構成されたフレームを含む。カメラは、前記フレームによって運ばれ、前記木製パレットが前記パレット受け入れエリアにあることに応答して前記木製パレットの画像を生成する。プロセッサは、各画像にオブジェクト検出を実行して、前記マークが存在するかどうかを検出し、前記マークを有する各画像をトリミングして、前記画像内の前記マークを取り囲むエリアを除去し、各トリミングされた画像に画像セグメンテーションを実行して、前記トリミングされた画像内の画素を領域に分類する。前記プロセッサは、それぞれの可読性基準閾値に基づいて、各トリミングされた画像内の前記領域の可読性を決定する。前記マークがそれぞれの前記可読性基準閾値を満たすことに基づいて、各トリミングされた画像内のマークは読み取り可能と分類される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットの木が熱処理されたことを示す少なくとも1つのマークを有するために検査される木製パレットを受け入れるパレット受け入れエリアを有するように構成された長方形形状のフレームと、
前記木製パレットが前記パレット受け入れエリアにあることに応答して、前記フレームによって運ばれ、前記木製パレットの画像を生成する複数のカメラと、
前記複数のカメラに結合され、処理のために前記画像を受信するように構成されたプロセッサであって、前記処理は、
各画像にオブジェクト検出を実行して、前記マークが存在するかどうかを検出することと、
前記マークを有する各画像をトリミングして、前記画像内の前記マークを取り囲むエリアを除去することと、
画像セグメンテーションを各トリミングされた画像に実行して、前記トリミングされた画像内の画素を領域に分類することと、
それぞれの可読性基準閾値に基づいて、各トリミングされた画像内の前記領域の可読性を決定することと、
前記マークがそれぞれの前記可読性基準閾値を満たすことに基づいて、各トリミングされた画像内の前記マークを読み取り可能と分類することと、
を含む、プロセッサと、
を備えるパレット検査システム。
【請求項2】
各トリミングされた画像についての前記分類された領域は、境界領域、シンボル領域および英数字領域を含み、各領域内の画素は、それらに関連付けられたそれぞれの分類識別子を有する、
請求項1に記載のパレット検査システム。
【請求項3】
前記境界領域は、第1および第2の対向する側と、対向する側のうちの1つの間に延びる仕切り線とを有する長方形形状を有し、前記シンボル領域および前記英数字領域は、前記境界領域によって取り囲まれ、前記仕切り線によって分離される、
請求項2に記載のパレット検査システム。
【請求項4】
前記分類された領域は、それと関連付けられた分類識別子を有する境界領域を含み、前記境界領域の可読性を決定することは、
角点検出を実行して角点を検出することと、
検出された前記角点の間の画素をサンプリングすることと、
同じ前記分類識別子を有するサンプリングされた前記画素の数を決定することと、
境界領域閾値を超える同じ前記分類識別子を有するサンプリングされた画素の前記決定された数に基づいて、前記境界領域を読み取り可能と識別することと、を含む、
請求項1に記載のパレット検査システム。
【請求項5】
前記分類された領域は、それと関連付けられた分類識別子を有するシンボル領域を含み、前記シンボル領域の可読性を決定することは、
前記シンボル領域内の画素をサンプリングすることと、
同じ前記分類識別子を有するサンプリングされた前記画素の数を決定することと、
シンボル領域閾値を超える同じ前記分類識別子を有するサンプリングされた画素の前記決定された数に基づいて、前記シンボル領域を読み取り可能と識別することと、を含む、
請求項1に記載のパレット検査システム。
【請求項6】
前記分類された領域は、それと関連付けられた分類識別子を有する英数字領域を含み、前記英数字領域の可読性を決定することは、
同じ前記分類識別子を有する前記英数字領域内の画素を識別することと、
識別された前記画素の可読性スコアを決定することであって、前記可読性スコアは、可読性スコアリングの範囲内で選択される、ことと、
可読性スコア閾値を超える前記可読性スコアに基づいて、前記英数字領域を読み取り可能と識別することと、を含む、
請求項1に記載のパレット検査システム。
【請求項7】
前記分類された領域は英数字を有する英数字領域を含み、前記プロセッサは、読み取り可能と分類された各マークについて、
前記英数字領域内の線を検出することであって、各線は英数字を含む、ことと、
光学文字認識を実行して、各線の前記英数字を読み取ることと、
を実行するようにさらに構成される、
請求項1に記載のパレット検査システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、それぞれ読み取り可能と分類された一対のマークを有する前記木製パレットに応答して、
前記マークの1つ内で読み取られた英数字と、他の前記マークで読み取られた英数字とを比較することと、
各マーク内のそれぞれの英数字が一致することに応答して、前記木製パレットが準拠すると分類することと、
を実行するようにさらに構成される、
請求項7に記載のパレット検査システム。
【請求項9】
前記複数のカメラは、前記パレット受け入れエリアの各側面が、前記マークが配置されると予想される前記木製パレットの側面図の一部に焦点を当てた単一のカメラを有するように配置される、
請求項1に記載のパレット検査システム。
【請求項10】
前記複数のカメラは、前記パレット受け入れエリアの各側面が一対のカメラを有し、前記一対のカメラが、前記木製パレットの全ての側面図の重複する画像を提供するように配置される、
請求項1に記載のパレット検査システム。
【請求項11】
木製パレット上の熱処されたマークを検出するための方法であって、
前記木製パレットの画像を生成することと、
オブジェクト検出を各画像に実行してマークが存在するかどうかを検出することと、
前記マークを有する各画像をトリミングして、前記画像内の前記マークを取り囲むエリアを除去することと、
画像セグメンテーションを各トリミングされた画像に実行して、前記トリミングされた画像内の画素を領域に分類することと、
それぞれの可読性基準閾値に基づいて、各トリミングされた画像内の前記領域の可読性を決定することと、
前記マークがそれぞれの前記可読性基準閾値を満たすことに基づいて、各トリミングされた画像内の前記マークを読み取り可能と分類することと、
を備える方法。
【請求項12】
各トリミングされた画像についての前記分類された領域は、境界領域、シンボル領域および英数字領域を含み、各領域内の画素は、それらに関連付けられたそれぞれの分類識別子を有する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1および第2の対向する側と、対向する側のうちの1つの間に延びる仕切り線とを有する長方形形状を有し、前記シンボル領域および前記英数字領域は、前記境界領域によって取り囲まれ、前記仕切り線によって分離される、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記分類された領域は、それと関連付けられた分類識別子を有する境界領域を含み、前記境界領域の可読性を決定することは、
角点検出を実行して角点を検出することと、
検出された前記角点の間の画素をサンプリングすることと、
同じ前記分類識別子を有するサンプリングされた前記画素の数を決定することと、
境界領域閾値を超える同じ前記分類識別子を有するサンプリングされた画素の前記決定された数に基づいて、前記境界領域を読み取り可能と識別することと、を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記分類された領域は、それと関連付けられた分類識別子を有するシンボル領域を含み、前記シンボル領域の可読性を決定することは、
前記シンボル領域内の画素をサンプリングすることと、
同じ前記分類識別子を有するサンプリングされた前記画素の数を決定することと、
シンボル領域閾値を超える同じ前記分類識別子を有するサンプリングされた画素の前記決定された数に基づいて、前記シンボル領域を読み取り可能と識別することと、を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記分類された領域は、それと関連付けられた分類識別子を有する英数字領域を含み、前記英数字領域の可読性を決定することは、
同じ前記分類識別子を有する前記英数字領域内の画素を識別することと、
識別された前記画素の可読性スコアを決定することであって、前記可読性スコアは、可読性スコアリングの範囲内で選択される、ことと、
可読性スコア閾値を超える前記可読性スコアに基づいて、前記英数字領域を読み取り可能と識別することと、を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記分類された領域は英数字を有する英数字領域を含み、読み取り可能と分類された各マークについて、
前記英数字領域内の線を検出することであって、各線は英数字を含む、ことと、
光学文字認識を実行して、各線の前記英数字を読み取ることと、をさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項18】
それぞれ読み取り可能と分類された一対のマークを有する前記木製パレットに応答して、
前記マークの1つ内で読み取られた英数字と、他の前記マークで読み取られた英数字とを比較することと、
各マーク内のそれぞれの英数字が一致することに応答して、前記木製パレットが準拠すると分類することと、をさらに含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記木製パレットは、パレット受け入れエリアに受け入れられ、前記パレット受け入れエリアの各側面は、前記マークが配置されると予想される前記木製パレットの側面図の一部に焦点を当てた単一のカメラを有する、
請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記木製パレットは、パレット受け入れエリアに受け入れられ、前記パレット受け入れエリアの各側面は、一対のカメラを有し、前記一対のカメラは、前記木製パレットの全ての側面図の重複する画像を提供する、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パレットに関し、より具体的には、パレット内の木材が熱処理されたことを示す木製パレット上のマークを検出することに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2021年10月13日に出願された米国仮出願第63/262,453号明細書の利益を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
木製パレットは、製造および倉庫業務で必要とされる様々なバルク商品および機器を輸送するために使用される。国際輸送に使用される木製パレットは、熱処理がなされる。輸送される製品だけでなく、製品の目的地の環境の安全性を確保するために必要なステップの1つが、熱処理である。
【0004】
木製パレットは有機材料で作られている。木は、無菌環境で育つわけではない。木が根を張る地面、木が囲まれている空気、そして木が吸収する水は、栄養価の高い物質で満たされているだけでなく、多くの害虫もいる。これらの害虫は、成熟しているか幼虫の段階にあるかにかかわらず、残念ながら、パレット材に住みついたまま世界のある地域から別の地域へとあまりに簡単に運ばれてしまう。それゆえ、政府、環境保護主義者、およびパレットメーカーは、それらが原産地でない場所や属さない場所にそれらが持ち込まれないように、パレット製造段階でそれらを殺すための様々な方法を考え出した。
【0005】
パレットの熱処理は、世界貿易機関によって承認され、食糧農業機関によって監督されている国際植物防疫条約(IPPC)によって開発された植物検疫プロセスである。その目的は、害虫や植物製品の侵入と拡散を防止し、制御することである。パレットが熱処理されると、商品のより効率的な輸送を可能にする、世界的に認識された画像がスタンプまたはマークされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
パレット検査システムは、パレットの木が熱処理されたことを示す少なくとも1つのマークを有するために検査される木製パレットを受け入れるパレット受け入れエリアを有するように構成された長方形形状のフレームを含む。複数のカメラは、前記木製パレットが前記パレット受け入れエリアにあることに応答して、前記フレームによって運ばれ、前記木製パレットの画像を生成する。
【0007】
プロセッサは、前記複数のカメラに結合され、処理のために画像を受信するように構成される。前記プロセッサは、各画像にオブジェクト検出を実行して、前記マークが存在するかどうかを検出することと、前記マークを有する各画像をトリミングして、前記画像内の前記マークを取り囲むエリアを除去することと、画像セグメンテーションを各トリミングされた画像に実行して、前記トリミングされた画像内の画素を領域に分類することと、を含む。
【0008】
各トリミングされた画像内の前記領域の可読性は、それぞれの可読性基準閾値に基づいて決定される。各トリミングされた画像内の前記マークは、前記マークがそれぞれの前記可読性基準閾値を満たすことに基づいて、読み取り可能と分類される。
【0009】
各トリミングされた画像についての前記分類された領域は、境界領域、シンボル領域および英数字領域を含み得、各領域内の画素は、それらに関連付けられたそれぞれの分類識別子を有し得る。
【0010】
前記境界領域は、第1および第2の対向する側と、対向する側のうちの1つの間に延びる仕切り線とを有する長方形形状を有し得る。前記シンボル領域および前記英数字領域は、前記境界領域によって取り囲まれ得、前記仕切り線によって分離され得る。
【0011】
前記分類された領域は、それと関連付けられた分類識別子を有する境界領域を含み得る。前記境界領域の可読性を決定することは、角点検出を実行して角点を検出することと、検出された前記角点の間の画素をサンプリングすることと、同じ前記分類識別子を有するサンプリングされた前記画素の数を決定することと、を含み得る。前記境界領域は、境界領域閾値を超える同じ前記分類識別子を有するサンプリングされた画素の前記決定された数に基づいて、読み取り可能と識別される。
【0012】
前記分類された領域は、それと関連付けられた分類識別子を有するシンボル領域を含み得る。前記シンボル領域の可読性を決定することは、前記シンボル領域内の画素をサンプリングすることと、同じ前記分類識別子を有するサンプリングされた前記画素の数を決定することと、を含み得る。前記シンボル領域は、シンボル領域閾値を超える同じ前記分類識別子を有するサンプリングされた画素の前記決定された数に基づいて、読み取り可能と識別される。
【0013】
前記分類された領域は、それと関連付けられた分類識別子を有する英数字領域を含み得る。前記英数字領域の可読性を決定することは、同じ前記分類識別子を有する前記英数字領域内の画素を識別することと、識別された前記画素の可読性スコアを決定することを含み得る。前記可読性スコアは、可読性スコアリングの範囲内で選択され得る。前記英数字領域は、可読性スコア閾値を超える前記可読性スコアに基づいて、読み取り可能と識別される。
【0014】
前記分類された領域は英数字を有する英数字領域を含み得る。前記プロセッサは、読み取り可能と分類された各マークについて、以下を実行するようにさらに構成され得る。前記英数字領域内の線を検出することであって、各線は英数字を含む、こと。光学文字認識を実行して、各線の前記英数字を読み取ること。
【0015】
前記プロセッサは、それぞれ読み取り可能と分類された一対のマークを有する前記木製パレットに応答して、以下を実行するようにさらに構成され得る。前記マークの1つ内で読み取られた英数字と、他の前記マークで読み取られた英数字とを比較すること。各マーク内のそれぞれの英数字が一致することに応答して、前記木製パレットが準拠すると分類すること。
【0016】
前記カメラは、前記パレット受け入れエリアの各側面が、前記マークが配置されると予想される前記木製パレットの側面図の一部に焦点を当てた単一のカメラを有するように配置され得る。
【0017】
前記カメラは、前記パレット受け入れエリアの各側面が一対のカメラを有し得、前記一対のカメラが、前記木製パレットの全ての側面図の重複する画像を提供するように配置され得る。
【0018】
別の態様は、上述したパレット検査システムを使用して木製パレット上の熱処理されたマークを検出するための方法に向けられる。方法は、前記木製パレットの画像を生成することと、オブジェクト検出を各画像に実行してマークが存在するかどうかを検出することと、前記マークを有する各画像をトリミングして、前記画像内の前記マークを取り囲むエリアを除去することと、を含む。各トリミングされた画像に画像セグメンテーションを実行され、前記トリミングされた画像内の画素が領域に分類される。それぞれの可読性基準閾値に基づいて、各トリミングされた画像内の前記領域の可読性が決定される。前記マークがそれぞれの前記可読性基準閾値を満たすことに基づいて、各トリミングされた画像内のマークは、読み取り可能と分類される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、木製パレットに使用する熱処理されたマークのフォーマットに関する例示的な概略図である。
図2図2は、木製パレットからの熱処理されたマークの画像である。
図3図3は、図1に示される熱処理されたマークを配置することができる位置を示す木製パレットの分解図である。
図4図4は、中央支持ブロック上に熱処理されたマークを有する積み重ねられた木製パレットの部分的な側面図である。
図5図5は、外側下部デッキボード上に熱処理されたマークを有する積み重ねられた木製パレットの部分上面斜視側面図である。
図6図6は、上部デッキのコネクタボードの外縁に熱処理されたマークを有する木製パレットの部分側面図である。
図7図7は、熱処理されたマークについて木製パレットを検査するための完全に取り囲まれたパレット検査システムの斜視図である。
図8図8は、図7に示される完全に取り囲まれたパレット検査システムの斜視側面図である。
図9図9は、図7に示される完全に取り囲まれたパレット検査システムの斜視端面図である。
図10図10は、上部エンクロージャを取り外した状態での図7に示されるパレット検査システムの斜視図である。
図11図11は、下部エンクロージャを取り外した状態での図10に示されるパレット検査システムの斜視図である。
図12図12は、図10に示されるパレット検査システムの上面図である。
図13A図13Aは、図7に示されるパレット検査システムによって検査される木製パレットの片側の部分図である。
図13B図13Bは、図7に示されるパレット検査システムによって検査される木製パレットの片側の部分図である。
図14A図14Aは、図13Aおよび図13Bに示される木製パレットの反対側の部分図である。
図14B図14Bは、図13Aおよび図13Bに示される木製パレットの反対側の部分図である。
図15A図15Aは、図13Aおよび図13Bに示される木製パレットの一端の部分図である。
図15B図15Bは、図13Aおよび図13Bに示される木製パレットの一端の部分図である。
図16A図16Aは、図13Aおよび図13Bに示される木製パレットの他端の部分図である。
図16B図16Bは、図13Aおよび図13Bに示される木製パレットの他端の部分図である。
図17図17は、図7に示されるパレット検査システムのブロック図である。
図18図18は、図17に示されるパレット検査システムを使用して木製パレット上の熱処理されたマークを検出するためのフロー図である。
図19図19は、木製パレット上の熱処理されたマークのトリミングされた画像である。
図20図20は、熱処理されたマークの境界領域に対して実行されている角点検出の画像である。
図21図21は、分析される熱処理されたマークのシンボル領域の画像である。
図22図22は、熱処理されたマークのシンボル領域内で読み取り可能である英数字の画像である。
図23図23は、熱処理されたマークのシンボル領域内で読み取り不可能な英数字の画像である。
図24図24は、熱処理されたマークのシンボル領域内の英数字について実行されている線検出の画像である。
図25図25は、光学文字認識を使用して読み取られた熱処理されたマークの英数字領域内の英数字の表示画像である。
図26図26は、図17に示されるパレット検査システムを動作させるためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書は、例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照して行われる。しかしながら、多くの異なる実施形態が使用され得、したがって、本明細書は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。これらの実施形態は、むしろ、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように提供される。同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0021】
国間で木材包装を使用して製品を輸送することは、国際植物防疫条約(IPPC)によって規制されているプロセスである。パレットのような木製の素材は、病気や昆虫をある国から別の国に運ぶ可能性があり、蔓延すれば生態系に悪影響を及ぼす可能性がある。183カ国以上の加盟国で構成されるIPPCは、現地の植物の生活に有害となる可能性のある害虫の侵入を防ぐために、木材包装の出入国の処理に関する要件を確立している。
【0022】
植物検疫措置に関する国際基準第15号(ISPM15)によると、幅6mmを超える木材素材は、剥離および熱処理または臭化メチル燻蒸が必要である。熱処理された場合、木製パレットは少なくとも30分間処理され、133°Fのコア温度を維持する必要がある。熱処理または燻蒸後、木製パレットには、コンプライアンスマークをスタンプするか、または焼き印がされなければならない。
【0023】
木製パレットについての適切な熱処理または臭化メチル燻蒸を示すためには、2インチのスタンプまたはコンプライアンスのマーク20が必要であり、その例示的なフォーマットが図1に示されている。コンプライアンスマーク20の図示のフォーマットは、2つの線を占める。このフォーマットは制限されるものではない。例えば、コンプライアンスのスタンプまたはマーク20は、単一の線を占有するか、または2以上の線を占有するフォーマットを有し得る。コンプライアンスのスタンプまたはマーク20はまた、ISPM15マーク、熱処理されたマーキング、またはマークと称され得る。木製パレットの領域上のISPM15マーク20の例示的な画像を図2に示す。
【0024】
ISPM15マーク20は、外周22および仕切り線24を含む。外周22は長方形であり、仕切り線24は、外周22の対向する側のうちの1つの間に延在する。外周22および仕切り線24は、境界領域25と称される。
【0025】
仕切り線24の左側の領域には、IPPC認証記号がある。IPPC認証記号は、木記号28に隣接する文字IPPC30を有する木記号28を含む。この領域は、シンボル領域29と称される。
【0026】
仕切り線24の右側の領域には、英数字がある。この領域は、英数字領域31と称される。英数字は、国コード32、生産者コード34、および処理コード36を含む。国コード32は2文字である。例として、ESはスペインを表し、USは米国を表し、GBは英国を表し、AUはオーストラリアを表す。生産者コード34は、木材処理剤または包装製造業者を示す一連の一意の英数字である。これは、木材包装素材が、木材処理剤または包装製造業者にまで遡ることができることを保証する固有の認証番号である。処理コード36は、木材包装素材に適用される処理を表す。HTは熱処理のコード、MBは臭化メチル燻蒸のコードである。
【0027】
ISPM15マーク20は、通常、木製パレットに沿って24インチごとに必要とされる。コンプライアンス違反は、輸入業者のための商品の再輸出に関連付けられた高価な手数料をもたらす、税関によって出荷が拒否される結果をもたらし得る。
【0028】
したがって、木製パレット上のISPM15マーク20の検出を自動化する必要がある。これは、パレットプールが一方向パレットよりも業界全体のコストを低く抑える、大量生産の業界で特に必要とされている。
【0029】
バルク商品および機器がプールされたパレットから降ろされた後、木製パレットは、パレット検査および修理施設に戻される。検査の一環として、ISPM15マーク20が検出される。木製パレット40が準拠するためには、一対のISPM15マーク20が識別され、各英数字領域31内の英数字が互いに一致する必要がある。
【0030】
ここで図3を参照すると、例示的な木製パレット40の分解図が説明される。木製パレット40は、ISPM15マーク20の異なる配置位置に関する説明のためのものである。図示される木製パレット40は、他の木製パレット構成が容易に利用可能であるため、限定されることはない。
【0031】
木製パレット40は、上部デッキ50、下部デッキ60、および上部デッキと下部デッキとの間に結合された複数の木製支持ブロック70、72を含む。支持ブロック40、46は、フォークリフトの先端などの吊り上げ部材を受け入れるために、上部デッキ50と下部デッキ60との間に隙間を形成する。
【0032】
上部デッキ50は、間隔をあけて配置された一対の木製エンドデッキボード52と、エンドデッキボード52の間に配置された木製中間デッキボード54とを含む。また、上部デッキ50内には、間隔をあけて配置された一対の木製コネクタボード56と、木製中間コネクタボード58が含まれる。コネクタボード56と中間コネクタボード58は、エンドデッキボード52および中間デッキボード54と直交している。エンドデッキボード52および中間デッキボード54は、コネクタボード56上に配置され、釘を介して支持ブロック70、72に直接結合されている。
【0033】
下部デッキ60は、上部デッキ50内のエンドデッキボード52および中間デッキボード54と同じ方向に配向された下部デッキボード62、64を含む。下部デッキボード62、64は、ベースボードとも呼ばれ得、釘を介して支持ブロック70、72に直接結合される。
【0034】
支持ブロックは、角支持ブロック70と、角支持ブロック70の間の中心支持ブロック72とを含む。合計で、3列に配置された9つの支持ブロック70、72がある。外側の列はそれぞれ、一対の外側支持ブロック70および単一の中心支持ブロック72を含み、中心の列は、すべての中心支持ブロック72を含む。角支持ブロック70および中央支持ブロック72は、それぞれ長方形の形状を有する。
【0035】
ISPM15マーク20の異なる配置位置は、例えば、四角囲み数字1および2によって示されるような中央支持ブロック72、四角囲み数字3によって示されるような外側下部デッキボード62、および四角囲み数字4によって示されるような上部デッキ50内のエンドコネクタボード56の外縁部を含む。
【0036】
中央支持ブロック72上にISPM15マーク20を有する積み重ねられた木製パレット40の側面図を図4に示す。外側下部デッキボード62上にISPM15マーク20を有する積み重ねられた木製パレット40の上面斜視図を図5に示す。上部デッキ50のコネクタボード56の端部にISPM15マーク20を有する木製パレット40の側面図を図6に示す。ISPM15マーク20がコネクタボード56の端にあるとき、英数字は、単一のラインに収まるように配置される。
【0037】
次に図7-9を参照すると、完全に取り囲まれたパレット検査ステーション100が、木製パレット40のISPM15マーク20を検査するように構成されている。パレット検査ステーション100は、上部および下部カバー104、106を有するフレーム102を含む。フレーム102は、図9に図示されるように、長方形形状であり、パレット受け入れエリア110を有する。図示されていないが、検査のためにパレット検査ステーション100を通して木製パレット40を搬送するためにコンベヤが使用されてもよい。
【0038】
ここで図10図11を参照すると、上部カバー104が取り外され、カメラ120とパレット受け入れエリア110が露出している。図12では、上部および下部のカバー104、106の両方が取り外され、カメラ120とパレット受け入れエリア110が露出している。カメラ120は、カメラアーム延長部122を介してフレーム102に取り付けられている。各カメラアーム延長部122は、カメラ120がパレット受け入れエリア110内の木製パレット40を見下ろすように、フレーム102から外側上方に延びている。カメラ120は、パレット受け入れエリア110内の木製パレット40に対して20度から45度の範囲内に配置される。ライトはフレーム102の各側面にも搭載され、それぞれのカメラ120のためにパレット40の各側面を照らすように配置される。
【0039】
図示の実施形態では、合計8つのカメラ120があり、各側面は2つのカメラ120を有する。カメラ120は、カラーまたはモノクロであってよい。別の実施形態では、合計4つのカメラ120があり得、各側面は1つのカメラ120を有する。さらに別の実施形態では、各側面に2つ以上のカメラ120があってよい。
【0040】
8つのカメラ120はすべて同時にトリガーされて、木製パレット40の画像を生成する。木製パレット40がパレット受け入れエリア110に到達すると、木製パレット40の移動が停止される。木製パレット40がパレットの経路内のストッパーによって停止された後、8つのカメラ120がトリガーされる。
【0041】
フレーム102の各側面に2つのカメラ120を有することによって、処理のために木製パレット40の全てのまたは完全な側面図が得られる。単一のカメラ120が木製パレット40の全てのまたは完全な側面図を提供することができないため、各側面の2つのカメラ120が、重複する画像を提供する。
【0042】
図3を参照して上述したように、ISPM15マーク20は、木製パレット40上の異なる位置にあり得る。例えば、これらの位置は、四角囲み数字1および2によって示されるような中央支持ブロック72、四角囲み数字3によって示されるような外側下部デッキボード62、および四角囲み数字4によって示されるような上部デッキ50内のコネクタボード56の外縁部を含む。
【0043】
図示されていないが、ISPM15マーク20は、角支持ブロック70、コネクタボード56、および中間コネクタボード58上にあり得る。下部デッキボード62、64はまた、ISPM15マーク20を有し得る。さらに別の例では、ISPM15マーク20は、上部デッキ50内のボードのいずれかの上面上にあってもよく、または下部デッキ60内のボードのいずれかの底面上にあってもよい。
【0044】
しかしながら、検査される木製パレット40が各パレット上の同じ位置にISPM15マーク20を有する場合、側面ごとに1台のカメラ120が使用されてもよい。この場合、各カメラ120は、木製パレット40の側面上の同じ位置を見るように焦点を合わせられるか、または配置される。
【0045】
8つのカメラ120があるため、木製パレット40の検査のために8つの画像が生成される。検査されている木製パレット40の片側の部分端面図が、図13Aおよび13Bで提供される。これは、コンベヤ上のパレット検査ステーション100を通過するときの木製パレット40のバックエンドである。図13Aの画像150(1)は、左外側支持ブロック70および中央支持ブロック72を含む。図13Bの画像150(2)は、右外側支持ブロック70および中央支持ブロック72を含む。画像150(1)、150(2)は、中央支持ブロック72で画像が重なっている状態で、集合的に木製パレット40の全側面図を提供する。
【0046】
木製パレット40の反対側の部分端面図が、図14Aおよび14Bで提供される。これは、コンベア上のパレット検査ステーション100を通過するときの木製パレット40のフロントエンドである。ストッパー130は、カメラ120が作動する前に、木製パレット40を停止するために使用される。図14Aの画像150(3)は、左外側支持ブロック70および中央支持ブロック72を含む。この画像150(3)では、ISPM15マーク20は、外側下部デッキボード62上にある。図14Bの画像150(4)は、右外側支持ブロック70および中央支持ブロック72を含む。
【0047】
木製パレット40の左側の部分側面図が、図15Aおよび15Bで提供される。図15Aの画像150(5)は、左外側支持ブロック70および中央支持ブロック72を含む。図15Bの画像150(6)は、右外側支持ブロック70および中央支持ブロック72を含む。
【0048】
木製パレット40の右側の部分側面図が、図16Aおよび16Bで提供される。図16Aの画像150(7)は、左外側支持ブロック70および中央支持ブロック72を含む。この画像150(7)では、ISPM15マーク20は、外側下部デッキボード62上にある。図16Bの画像150(8)は、右外側支持ブロック70および中央支持ブロック72を含む。画像150(1)~150(8)は、概して以下で画像150と称される。
【0049】
ここで、ISPM15マーク20を検出するためのパレット検査ステーション100の動作について説明する。パレット検査ステーション100を備えたパレット検査システム95のブロック図が図17に提供され、パレット検査システム95を使用して木製パレット40上のISPM15マーク20を検出するためのフロー図200図18に提供される。
【0050】
コンベヤ105は、図示された矢印の方向に、木製パレット40をパレット検査ステーション100を通して移動させる。コンベヤ105は、木製パレット40の到着を検出するために、パレット検査ステーション100の入口にセンサ132を含む。センサ132は、コントローラ134に結合される。
【0051】
センサ132は、例えば、光電センサとして構成され得る。光電センサは、コンベヤ105の反対側に送信機および受信機を含む。送信機は、可視または赤外線であり得る光信号を受信機に送信する。木製パレット40は、光ビームが送信機から受信機に到達するのをブロックされたときに検出される。
【0052】
木製パレット40が到着すると、コントローラ134は、木製パレット40の経路内のストッパー130を作動させる。作動すると、ストッパー130は、コンベヤ105内の隙間を通って持ち上げられ、カメラ120に対して設定された位置にパレットを停止させる。木製パレット40がストッパー132によって停止された後、コントローラ134は、カメラ120を作動またはトリガーして、木製パレット40の画像150を生成する。
【0053】
画像150は、処理のために処理ユニット140に送信される。処理ユニット140は、以下でより詳細に説明されるように、異なる機械学習アルゴリズムを実行する。処理ユニット140は、例えば、グラフィックス処理装置(GPU)、中央処理装置(CPU)、またはエッジコンピューティングデバイスであり得る。
【0054】
フロー図200では、検査されている木製パレット40の生成された画像150は、ブロック202で受信される。GPU140は、ブロック204において、画像150内のISPM15マーク20を位置決めするように訓練されたオブジェクト検出アルゴリズム150を実行する。
【0055】
オブジェクト検出アルゴリズム150は、人工知能(AI)および機械学習(ML)に基づいて動作して、画像150内のISPM15マーク20を決定し得る。オブジェクト検出アルゴリズム150は、ISPM15マーク20が配置され得る場所の異なる位置を含む注釈付き画像を使用して訓練される。注釈付き画像では、境界ボックスは、ISPM15マーク20の異なる位置をマークするために使用される。
【0056】
他の実施形態では、セグメンテーションアルゴリズムが、オブジェクト検出アルゴリズム150の代わりに使用され得る。セグメンテーションアルゴリズムは、画像を画素または領域のセットに分割する。分割の目的は、画像が何を表しているかをよりよく理解することである。画素のセットは、ISPM15マーク20の検出などの特定の用途に関心のある画像内のオブジェクトを表し得る。オブジェクト検出の代わりに、直接セグメンテーションを使用して、セグメンテーションアルゴリズムによって処理される画像をトリミングし得る。
【0057】
ブロック204において、画像150がISPM15マーク20を有しない場合、画像はブロック206において破棄される。画像150がISPM15マーク20を有する場合、画像150はブロック208でトリミングされる。トリミングされた画像250では、図19に示されるように、画像150内のISPM15マーク20を取り囲むエリアが除去されるように、ISPM15マーク20がトリミングされる。
【0058】
次いで、トリミングされた画像250は、ブロック210において画素セグメンテーションアルゴリズム152に渡される。画像セグメンテーションは、同じ分類識別子を有する画素が特定の特性を共有するように、トリミングされた画像250内のすべての画素にラベルを分類または割り当てるプロセスである。画素セグメンテーションアルゴリズム152は、人工知能(AI)および機械学習(ML)に基づいて動作し得る。
【0059】
トリミングされた画像250は、上記で説明され、図1に示されるように、境界領域25、シンボル領域29、および英数字領域31にセグメント化される。境界領域25内の画素は、分類識別子として割り当てられた番号1を有し得る。シンボル領域29内の画素は、分類識別子として割り当てられた番号2を有し得る。英数字領域31内の画素は、分類識別子として割り当てられた番号3を有し得る。第4の領域は、境界領域25、シンボル領域29、および英数字領域31の外側にある画素の背景領域である。背景領域内の画素は、分類識別子として割り当てられた番号4を有し得る。
【0060】
画素セグメンテーションアルゴリズム152の出力は、それぞれの可読性アルゴリズム154に提供される。それぞれの可読性アルゴリズム154は、人工知能(AI)および機械学習(ML)に基づいて動作し得る。可読性アルゴリズム154は、各領域に関連付けられたそれぞれの可読性基準に基づいて領域を分析する。可読性基準は、各領域が、人によって読み取られ、理解されるのに十分に読みやすいかどうかを判定するために使用される。可読性アルゴリズム154は、領域を読み取らない。
【0061】
可読性アルゴリズム154は、境界領域25のための第1の可読性アルゴリズム154(1)、シンボル領域29のための第2の可読性アルゴリズム154(2)、および英数字領域25のための第3の可読性アルゴリズム154(3)を含む。可読性アルゴリズム154は、同時にプロセッサによって実行される。すなわち、異なる領域は、それらのそれぞれの可読性アルゴリズム154によって同時に分析される。
【0062】
第1の可読性アルゴリズム154(1)は、ブロック212において境界領域25を分析するために使用される。第1の可読性アルゴリズム154(1)は、図20に示されるように、角点を検出するために角点検出を実行するように訓練される。角点252は、外周22に対して検出され、角点254は、仕切り線24に対して検出される。検出された角点252、254の間の画素がサンプリングされ、同じ分類識別子1を有するサンプリングされた画素の数が決定される。
【0063】
境界領域25は、ブロック214において、境界領域閾値を超える同じ分類識別子1を有するサンプリングされた画素の決定された数に基づいて読み取り可能と識別される。境界領域閾値は、外周22の閾値、および仕切り線24の閾値を含む。
【0064】
それぞれの閾値は、再送信されるサンプリングされた画素のパーセンテージに対応する。例えば、外周22の閾値は、70%~100%の範囲内であり得る、仕切り線24の閾値は、95%~100%の範囲内であり得る。境界領域25が読み取り可能でない場合、画像150はブロック226で破棄される。境界領域25が読み取り可能である場合、プロセスはブロック224に進む。
【0065】
第2の可読性アルゴリズム154(2)は、ブロック218においてシンボル領域29を分析するために使用される。第2の可読性アルゴリズム154(2)は、図21の画像260によって示されるように、木28内の画素、および木に隣接するIPPC文字30を形成する画素を分析するように訓練される。木28内の画素がサンプリングされ、IPPC文字30内の画素がサンプリングされる。同じ分類識別子2を有するサンプリングされた画素の数が決定される。
【0066】
シンボル領域29は、ブロック218において、シンボル領域閾値を超える同じ分類識別子2を有するサンプリングされた画素の決定された数に基づいて読み取り可能と識別される。シンボル領域閾値は、木28の閾値、およびIPPC文字30の閾値を含む。
【0067】
それぞれの閾値は、存在するサンプリングされた画素のパーセンテージに対応する。例えば、木28の閾値は、75%~100%の範囲内であり得、IPPC文字30の閾値もまた、75%~100%の範囲内であり得る。IPPC文字30に関連付けられた可読性基準は、IPPC文字30が可視であるが、必ずしも読み取り可能であるとは限らないようなものであってもよい。IPPC文字のうちの1つだけが見えない場合、IPPC文字30は読み取り可能と見なされる。シンボル領域29が読み取り可能でない場合、ブロック226において、画像150は破棄される。シンボル領域29が読み取り可能である場合、プロセスはブロック224に進む。
【0068】
第3の可読性アルゴリズム154(3)は、ブロック220で英数字領域31を分析するために使用される。第3の可読性アルゴリズム154(3)は、英数字領域31内の英数字内の画素を分析するように訓練される。同じ分類識別子3を有する英数字領域31内の画素が識別される。
【0069】
可読性スコアは、識別された画素について決定され、可読性スコアは、可読性スコアリング範囲内で選択される。可読性スコアリング範囲は、例えば、1から5の間で変化し得る。5は、図22の画像262によって示されるように、読み取り可能である英数字のすべてに対応し得る。図23の画像264によって示されるように、1は、目に見える英数字のほとんどに対応し得る。
【0070】
4は、部分的に可視である英数字のうちの1つに対応し得るが、英数字は依然として知られている。3は、表示されていない、または欠落している英数字のうちの1つに対応し得、2は、表示されていない、または欠落している2つ以上の英数字に対応し得る。
【0071】
可読性スコアリング範囲の使用は、英数字の可読性を決定する際に、第3の可読性アルゴリズム154(3)に柔軟性を提供する。第1および第2の可読性アルゴリズム154(1)、154(2)を使用する場合のように、決定がバイナリである代わりに、第3の可読性アルゴリズム154(3)は、決定を行う際の柔軟性を可能にする。決定が可読性スコアリング範囲の中央(すなわち、2から4)にあるとき、スライドスケールは、英数字の可読性についてより一般的な決定がなされることを可能にする。
【0072】
英数字領域31は、可読性スコア閾値を超える可読性スコアに基づいて読み取り可能とブロック222おいて識別される。可読性スコア閾値は、例えば、3.5であり得る。英数字領域31が読み取り可能でない場合、ブロック226において画像150は破棄される。英数字領域31が読み取り可能である場合、プロセスはブロック224に進む。
【0073】
第2の可読性アルゴリズム154(2)を使用してシンボル領域29を分析する代替として、第3の可読性アルゴリズム154(3)は、シンボル領域29を分析するように構成され得る。すなわち、シンボル領域29の可読性基準は、英数字領域31について説明されたような可読性尺度と同様の可読性尺度に基づくであろう。
【0074】
ISPM15マーク20が読み取り可能であるためには、境界領域25、シンボル領域29、および英数字領域31の各々が読み取り可能である必要がある。3つの領域のうちの1つが読み取り不可能である場合、ISPM15マーク20は、ブロック226において読み取り不可能として分類される。3つの領域すべてが読み取り可能である場合、ISPM15マーク20は読み取り可能として分類され、プロセスはブロック228に進む。
【0075】
ISPM15マーク20が受信された画像150で読み取り可能と識別された後、プロセスの次のステップは、木製パレット40が準拠しているかどうかを決定することである。この決定は形態に基づいている。木製パレット40が適合するためには、ISPM15マーク20に一致するペアが必要である。ISPM15マーク20が1つだけ存在する場合、または2つのISPM15マーク20内の英数字が互いに一致しない場合、木製パレット40は、非準拠として分類される。
【0076】
準拠したパレットアルゴリズム156は、木製パレット40が一対の一致するISPM15マーク20を有するかどうかを決定するために使用される。準拠したパレットアルゴリズム156は、まず、図24の画像266によって示されるように、ブロック230において、各ISPM15マーク20について英数字領域31内の線270を検出する。英数字領域31には3つの線270があり、各線270は、英数字を含む。
【0077】
線270が検出された後、次に、図25の表示268に示されるように、ブロック232で光学文字認識(OCR)が実行されて、各線の英数字を読み取る。ブロック234において、ISPM15マーク20のペア内の英数字が互いに一致するかの決定が行われる。
【0078】
英数字が一致する場合、木製パレット40はブロック236で準拠するとして分類される。英数字が一致しない場合、木製パレット40は、ブロック238で非準拠として分類される。処理のために画像を受信する処理ユニット140の他の実施形態では、処理ユニット140は、各画像をトリミングしないことができる。代わりに、マークは、オブジェクト検出を使用して検出され、次いで、マークを分類するために可読性が決定される。それぞれの可読性基準閾値を満たすマークに基づいて、マークは分類される。
【0079】
別の態様は、上述したようにパレット検査システム95を動作させるための方法を対象とする。ここで、図25のフロー図300を参照すると、開始(ブロック302)から、方法は、ブロック304で木製パレット40の画像150を生成し、ブロック306で各画像150に対してオブジェクト検出を実行して、ISPM15マーク20が存在するかどうかを検出することを含む。ISPM15マーク20を有する各画像150は、ブロック308でトリミングされ、画像内のマークを取り囲むエリアが除去される。
【0080】
画像セグメンテーションは、ブロック310で各トリミングされた画像250に対して実行され、トリミングされた画像250内の画素が領域に分類される。各トリミングされた画像250内の領域の可読性は、ブロック312でそれぞれの可読性基準閾値に基づいて決定される。各トリミングされた画像250内のISPM15マーク20は、ISPM15マーク20がそれぞれの可読性基準閾値を満たすことに基づいて、ブロック314で読み取り可能として分類される。方法はブロック316で終了する。
【0081】
上記の説明および関連する図面で提示する教示の利益を有する当業者は、多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、上記は、例示的な実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が、添付の特許請求の範囲に含まれることが理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
図1図1は、木製パレットに使用する熱処理されたマークのフォーマットに関する例示的な概略図である。
図2図2は、木製パレットからの熱処理されたマークの画像である。
図3図3は、図1に示される熱処理されたマークを配置することができる位置を示す木製パレットの分解図である。
図4図4は、中央支持ブロック上に熱処理されたマークを有する積み重ねられた木製パレットの部分的な側面図である。
図5図5は、外側下部デッキボード上に熱処理されたマークを有する積み重ねられた木製パレットの部分上面斜視である。
図6図6は、上部デッキのコネクタボードの外縁に熱処理されたマークを有する木製パレットの部分側面図である。
図7図7は、熱処理されたマークについて木製パレットを検査するための完全に取り囲まれたパレット検査システムの斜視図である。
図8図8は、図7に示される完全に取り囲まれたパレット検査システムの斜視側面図である。
図9図9は、図7に示される完全に取り囲まれたパレット検査システムの斜視端面図である。
図10図10は、上部エンクロージャを取り外した状態での図7に示されるパレット検査システムの斜視図である。
図11図11は、下部エンクロージャを取り外した状態での図10に示されるパレット検査システムの斜視図である。
図12図12は、図10に示されるパレット検査システムの上面図である。
図13A図13Aは、図7に示されるパレット検査システムによって検査される木製パレットの片側の部分図である。
図13B図13Bは、図7に示されるパレット検査システムによって検査される木製パレットの片側の部分図である。
図14A図14Aは、図13Aおよび図13Bに示される木製パレットの反対側の部分図である。
図14B図14Bは、図13Aおよび図13Bに示される木製パレットの反対側の部分図である。
図15A図15Aは、図13Aおよび図13Bに示される木製パレットの一端の部分図である。
図15B図15Bは、図13Aおよび図13Bに示される木製パレットの一端の部分図である。
図16A図16Aは、図13Aおよび図13Bに示される木製パレットの他端の部分図である。
図16B図16Bは、図13Aおよび図13Bに示される木製パレットの他端の部分図である。
図17図17は、図7に示されるパレット検査システムのブロック図である。
図18図18は、図17に示されるパレット検査システムを使用して木製パレット上の熱処理されたマークを検出するためのフロー図である。
図19図19は、木製パレット上の熱処理されたマークのトリミングされた画像である。
図20図20は、熱処理されたマークの境界領域に対して実行されている角点検出の画像である。
図21図21は、分析される熱処理されたマークのシンボル領域の画像である。
図22図22は、熱処理されたマークのシンボル領域内で読み取り可能である英数字の画像である。
図23図23は、熱処理されたマークのシンボル領域内で読み取り不可能な英数字の画像である。
図24図24は、熱処理されたマークのシンボル領域内の英数字について実行されている線検出の画像である。
図25図25は、光学文字認識を使用して読み取られた熱処理されたマークの英数字領域内の英数字の表示画像である。
図26図26は、図17に示されるパレット検査システムを動作させるためのフロー図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
木製パレット40は、上部デッキ50、下部デッキ60、および上部デッキと下部デッキとの間に結合された複数の木製支持ブロック70、72を含む。支持ブロック0、72は、フォークリフトの先端などの吊り上げ部材を受け入れるために、上部デッキ50と下部デッキ60との間に隙間を形成する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
木製パレット40が到着すると、コントローラ134は、木製パレット40の経路内のストッパー130を作動させる。作動すると、ストッパー130は、コンベヤ105内の隙間を通って持ち上げられ、カメラ120に対して設定された位置にパレットを停止させる。木製パレット40がストッパー13によって停止された後、コントローラ134は、カメラ120を作動またはトリガーして、木製パレット40の画像150を生成する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
可読性アルゴリズム154は、境界領域25のための第1の可読性アルゴリズム154(1)、シンボル領域29のための第2の可読性アルゴリズム154(2)、および英数字領域31のための第3の可読性アルゴリズム154(3)を含む。可読性アルゴリズム154は、同時にプロセッサによって実行される。すなわち、異なる領域は、それらのそれぞれの可読性アルゴリズム154によって同時に分析される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
別の態様は、上述したようにパレット検査システム95を動作させるための方法を対象とする。ここで、図2のフロー図300を参照すると、開始(ブロック302)から、方法は、ブロック304で木製パレット40の画像150を生成し、ブロック306で各画像150に対してオブジェクト検出を実行して、ISPM15マーク20が存在するかどうかを検出することを含む。ISPM15マーク20を有する各画像150は、ブロック308でトリミングされ、画像内のマークを取り囲むエリアが除去される。

【国際調査報告】