(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】空気漏れの試験方法
(51)【国際特許分類】
G01M 3/26 20060101AFI20241018BHJP
A24F 40/80 20200101ALI20241018BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20241018BHJP
【FI】
G01M3/26 N
A24F40/80
A24F40/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024522543
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 CN2021125787
(87)【国際公開番号】W WO2023065322
(87)【国際公開日】2023-04-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】アウ ゼー チーク
(72)【発明者】
【氏名】イェオ チョウ キアン
【テーマコード(参考)】
2G067
4B162
【Fターム(参考)】
2G067AA22
2G067BB04
2G067BB25
2G067BB36
2G067CC04
2G067DD02
2G067EE09
2G067EE12
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC22
4B162AC50
(57)【要約】
製品内に画成される気流経路を品質試験する方法が提供される。製品は、一緒に結合して製品を形成する複数の構成部品を備え、各部品は気流経路の一部を画成する。方法は、気流経路を所定の圧力に加圧する工程と、加圧された気流経路からの漏れを所定の期間測定する工程と、所定の期間にわたる漏れ量を決定する工程と、漏れ量が漏れ量の許容閾値よりも大きいかどうかを決定する工程と、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品内に画成される気流経路の品質を試験する方法であって、前記製品が複数の構成部品を備え、各々が前記気流経路の一部を画成し、一緒に結合して前記製品を形成し、前記方法が、
前記気流経路を所定の圧力に加圧する工程と、
所定の期間にわたって前記加圧気流経路からの漏れを測定する工程と、
前記所定の期間にわたる漏れ量を決定する工程と、
前記漏れ量が漏れ量の許容閾値よりも大きいかどうかを判定する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記製品が気流吸込み口および気流排出口を画成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
気流経路が、前記複数の構成部品のうちの第一の構成部品を通って画成される気流吸込み口と、前記複数の構成部品のうちの第二の構成部品を通って画成される気流排出口とを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の構成部品のうちの少なくとも二つが、機械的圧入インターフェースによって一緒に結合されて、前記製品を形成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記気流経路が、0.2kPa~1kPa、例えば0.3kPa~0.9kPa、例えば0.35kPa~0.8kPa、例えば0.4kPa~0.7kPa、例えば0.45kPa~0.6kPaの所定の圧力に加圧される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記気流経路が、0.45kPa~0.55kPa、例えば約0.5kPaの所定の圧力に加圧される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記加圧された気流経路からの漏れが、1秒~4秒、例えば1.5秒~3秒、例えば約2秒の期間測定される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記漏れレベルの許容閾値が、5ml/分、または4.5ml/分、または4ml/分、または3ml/分、または2.5ml/分、または2ml/分、または1.5ml/分、または1ml/分である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記気流経路が、ガスによって、例えば空気によって、例えば加圧空気シリンダーから供給される空気によって加圧される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記気流経路を加圧するために、前記気流吸込み口および前記気流排出口のうちの一方が遮断され、前記気流吸込み口および前記気流排出口のうちの他方が、加圧ガス、例えば加圧空気の供給源に連結される、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記気流経路を所定の圧力に加圧する前記工程が、前記気流経路を所定の圧力に所定の安定化時間、加圧することを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記所定の安定化時間が、2~5秒、例えば2.5~4秒、例えば約3秒である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記加圧された気流経路からの漏れを測定する前記工程が、前記加圧された気流経路内の圧力を監視することを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
圧力センサーが、前記加圧された気流経路内の圧力を監視できるように、前記加圧された気流経路に連結する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記製品が試験回路に連結する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記試験回路が、加圧ガス源、例えば、空気シリンダー、圧力調整器、前記試験回路が前記気流経路に連結することを可能にするための継手、前記気流経路を加圧できるように動作可能である第一の弁、および前記気流経路を減圧できるように動作可能である第二の弁を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、前記第一の弁を開いて、前記気流経路を前記所定の圧力に所定の安定化時間加圧する工程と、前記第一の弁を閉じる工程と、前記第一の弁が閉じられた後、前記所定の期間、前記加圧された気流経路からの漏れを測定する工程と、前記第二の弁を開いて前記気流経路を減圧するのを可能にする工程と、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記漏れ量が前記漏れ量の許容閾値以上である場合に、前記製品が不合格となる、請求項1~17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記所定の圧力が、0.45kPa~0.55kPa、例えば約0.5kPaであり、前記漏れ量の許容閾値が、3ml/分、または2ml/分、または1ml/分である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記製品がエアロゾル発生装置用のヒーター組立品である、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ヒーター組立品がエアロゾル発生装置の構成部品である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ヒーター組立品が、
空気吸込み口を含む第一のヒーターケーシングと、
エアロゾル出口を含む第二のヒーターケーシングと、
エアロゾル形成基体を加熱するための加熱チャンバーであって、前記加熱チャンバーが、前記空気吸込み口およびエアロゾル出口の両方と流体連通して、前記ヒーター組立品を通る気流経路を画成する、加熱チャンバーと、を備える、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記加熱チャンバーが、前記第一と前記第二のヒーターケーシングとの間に配置され、かつ前記第一と第二のヒーターケーシングとが機械的圧入によって相互に取り付けられる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記加熱チャンバーが、前記第一と前記第二のヒーターケーシングとの間に配置され、かつ前記第一と第二のヒーターケーシングとが締結具によって相互に取り付けられる、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記締結具が、前記第一および第二のヒーターケーシングに軸方向の力を加えて、前記第一および第二のヒーターケーシングの軸方向に対向する内面を、加熱チャンバーのそれぞれの軸方向に対向する端面と封止係合させて気流経路を密封するように構成される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記締結具が、ねじ付き締結具またはスナップフィット締結具を含む、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記ヒーター組立品が複数の締結具を備える、請求項24~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記複数の締結具が、前記第一および第二のヒーターケーシングの外周の周りに対称に離間している、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第一のヒーターケーシング、前記第二のヒーターケーシング、および前記加熱チャンバーが、それぞれ気流チャネルを備え、前記気流チャネルが共に前記気流経路を画成するように連通している、請求項22~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記加熱チャンバーが、管状加熱チャンバーを含む、請求項22~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記製品がエアロゾル発生装置である、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
ヒーター組立品が前記エアロゾル発生装置の構成部品である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記エアロゾル発生装置が、
ヒーター組立品と、
前記ヒーター組立品に電力を供給するための電源と、を配置するハウジングを備える、請求項20または21に記載の方法。
【請求項34】
前記ヒーター組立品が、
空気吸込み口を含む第一のヒーターケーシングと、
エアロゾル出口を含む第二のヒーターケーシングと、
エアロゾル形成基体を加熱するための加熱チャンバーであって、前記加熱チャンバーが、前記空気吸込み口およびエアロゾル出口の両方と流体連通して、前記ヒーター組立品を通る気流経路を画成する、加熱チャンバーと、を備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記加熱チャンバーが、前記第一と前記第二のヒーターケーシングとの間に配置され、かつ前記第一と第二のヒーターケーシングとが機械的圧入によって相互に取り付けられる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記加熱チャンバーが、前記第一と前記第二のヒーターケーシングとの間に配置され、かつ前記第一と第二のヒーターケーシングとが締結具によって相互に取り付けられる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記締結具が、前記第一および第二のヒーターケーシングに軸方向の力を加えて、前記第一および第二のヒーターケーシングの軸方向に対向する内面を、加熱チャンバーのそれぞれの軸方向に対向する端面と封止係合させて気流経路を封止するように構成される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記締結具が、ねじ付き締結具またはスナップフィット締結具を含む、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
前記ヒーター組立品が複数の締結具を備える、請求項36~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記複数の締結具が、前記第一および第二のヒーターケーシングの外周部の周りに対称に離間している、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記第一のヒーターケーシング、前記第二のヒーターケーシング、および前記加熱チャンバーが、それぞれ気流チャネルを備え、前記気流チャネルが前記気流経路を画成するように連通している、請求項34~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記加熱チャンバーが、管状加熱チャンバーを含む、請求項34~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記エアロゾル発生装置が、エアロゾル発生装置吸込み口とエアロゾル発生装置排出口との間に気流経路を画成する、請求項31~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記気流経路が、前記ヒーター組立品を通る前記気流経路を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記方法が、周囲温度と比較して高温で実施される、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記気流経路を加圧するために供給される前記ガスが加熱され、例えば、100℃を超える、例えば150℃を超える、例えば200℃を超える、温度に加熱される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記製品がヒーターを備え、品質試験方法の間に前記ヒーターを作動させ、試験されている前記製品の前記温度を上昇させる、請求項45または46に記載の方法。
【請求項48】
エアロゾル発生装置用のヒーター組立品を製造する方法であって、前記方法が、
空気吸込み口を備える第一のヒーターケーシングを設ける工程と、
エアロゾル出口を備える第二のヒーターケーシングを設ける工程と、
加熱チャンバーが前記空気吸込み口および空気排出口の両方と流体連通して前記ヒーター組立品を通る気流経路を画成するように、エアロゾル形成基体を加熱するための前記加熱チャンバーを設け、かつ前記加熱チャンバーを配置する工程と、
前記第一と第二のヒーターケーシングとの間に前記加熱チャンバーを配置する工程と、
前記第一と第二のヒーターケーシングとを互いに取り付ける工程と、
前記気流経路を所定の圧力まで加圧することと、
前記加圧された気流経路からの漏れを所定の期間測定することと、
前記所定の期間にわたる漏れ量を決定することと、
前記漏れ量が漏れ量の許容閾値以上であるかどうかを決定することと、によって、前記ヒーター組立品を通って画成される前記気流経路を品質試験する工程と、を含む、方法。
【請求項49】
前記漏れ量が漏れ量の許容閾値以上である任意のヒーター組立品を改修または廃棄する工程をさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ヒーター組立品を通って画成される前記気流経路を品質試験する前記工程が、請求項1~30のいずれか一項に記載の前記方法に従って実施される、請求項48または49に記載の方法。
【請求項51】
請求項48~50のいずれか一項に記載の方法によって形成されるヒーター組立品。
【請求項52】
エアロゾル発生装置を製造する方法であって、前記方法が、
ハウジングを設ける工程と、
ヒーター組立品を設ける工程と、
前記ヒーター組立品に電力を供給するための電源を設ける工程と、
気流経路が前記エアロゾル発生装置の気流吸込み口と前記エアロゾル発生装置の気流排出口との間に画定されるように、前記ハウジング内に前記加熱チャンバーおよび前記電源を配置する工程であって、前記気流経路が、前記ヒーター組立品を通る気流経路を含む、配置する工程と、
前記気流経路を所定の圧力まで加圧することと、
所定の期間、前記加圧気流経路からの漏れを測定することと、
前記所定の期間にわたる漏れ量を決定することと、
前記漏れ量が漏れ量の許容閾値以上であるかどうかを決定することと、によってエアロゾル発生装置を通って画成される気流経路を品質試験する工程と、を含む、方法。
【請求項53】
前記漏れ量が漏れ量の許容閾値以上である、任意のエアロゾル発生装置を改修または廃棄する工程をさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記ヒーター組立品を通って画成される前記気流経路を品質試験する前記工程が、請求項1~19または31~44のいずれか一項に記載の前記方法に従って実施される、請求項52または53に記載の方法。
【請求項55】
請求項52~54のいずれか一項に記載の方法によって形成される、エアロゾル発生装置。
【請求項56】
請求項48~50のいずれか一項に記載の方法によって形成されるヒーター組立品を備える、請求項52~54のいずれか一項に記載の方法によって形成されるエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製品内に画成される気流経路を品質試験する方法に関する。製品は、エアロゾル発生装置用のヒーター組立品またはエアロゾル発生装置であってもよい。本開示はさらに、ヒーター組立品およびヒーター組立品を備えるエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル形成基体を加熱して、エアロゾル形成基体を燃焼することなくエアロゾルを生成するエアロゾル発生装置は、当該技術分野で公知である。エアロゾル形成基体は典型的に、フィルターなどの他の構成要素と共にエアロゾル発生物品内に提供される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中にエアロゾル発生物品を挿入するためにロッド形状を有してもよい。発熱体は典型的に、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に挿入された後に、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの中に、またはその周りに配設されている。
【0003】
加熱チャンバーは、エアロゾル発生装置のハウジング内に配設され、エアロゾル発生装置を通した気流経路の一部を形成し得る。装置の電子機器を損傷する可能性がある、エアロゾルが気流経路から漏出してエアロゾル発生装置の他の部品の中に入ることを防止するよう試みるために、気流経路の周り、および加熱チャンバーとハウジングとの間にシールを提供することが知られている。シールは、加熱チャンバーと直接的に接触して配置されてもよく、結果として、一般的に、シリコーンまたはポリシロキサンなどの耐熱性ポリマーから形成される。しかしながら、このようなポリマーシールを加熱チャンバーの加熱温度に曝露することにより、エアロゾルを汚染する可能性がある望ましくない副産物が発生する場合がある。さらに、このような加熱温度は、時間とともにシールを劣化させ得る。
【0004】
加熱チャンバーと装置のハウジングとの間に配置されるポリマーシールは、加熱チャンバーを取り囲む材料に加熱チャンバーから離れる方向に熱を伝達する熱伝導経路を提供することができる。この熱損失により、エアロゾル形成基体を加熱するために利用可能な熱が減少し、エアロゾル発生装置の効率が低下する。
【0005】
エアロゾル発生装置内の気流経路の封止で遭遇する追加的な問題は、製造公差である。製造公差に起因する構成要素の寸法の変動は、構成要素間の係合不良、およびそれを通してエアロゾルが漏出し得る潜在的なギャップをもたらす場合がある。構成要素間の良好な封止係合を達成するには、通常、射出成形などの迅速な製造工程では達成が困難な場合がある厳格な製造公差を必要とする。製品の寸法の変動はまた、製品の一貫性のない品質をもたらす可能性がある。すなわち、一部の製品には漏れの問題があり、他の製品はそうでない可能性がある。一貫した品質の製品を消費者に提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施例によれば、製品内に画成される気流経路の品質を試験する方法が提供される。製品は複数の構成部品で構成され、それぞれが気流経路の一部を画成する。複数の構成部品は一緒に結合されて、製品を形成する。方法は、気流経路を所定の圧力に加圧する工程と、加圧された気流経路からの漏れを所定の期間測定する工程と、所定の期間にわたる漏れ量を決定する工程と、漏れ量が漏れ量の許容閾値よりも大きいかどうかを決定する工程と、を含む。
【0007】
製品、例えばエアロゾル発生装置用のヒーター組立品、またはこのようなヒーター組立品を備えるエアロゾル発生装置は、典型的には、大量に、およびプロセス、例えば射出成形によってそれ自体が大量に製造される構成部品から製造される。これらの製品には気流経路が組み込まれており、製品を満足に使用するには適格な気流経路を必要とする場合がある。信頼できる適格な気流経路は、典型的には、ポリマーシール(例えば、シリコーンシール)の使用によって達成されることができる。しかし、上記のように、このようなシールは、場合によっては望ましくない場合がある。製品内の気流経路を品質試験することによって、適格でない気流経路、つまり製品の満足な使用を妨げる程度の漏れがある気流経路を備えるこれらの製品を廃棄することができる。品質試験方法は、自動化された品質試験方法であると都合がよい場合がある。品質試験方法は、製品の製造プロセスの一部として組み込まれると都合がよい場合がある。
【0008】
製品は、気流吸込み口および気流排出口を画成することができる。製品がエアロゾル発生装置である場合、例えば、気流吸込み口は、空気がエアロゾル発生装置内に引き込まれることを可能にすることができ、気流排出口は、エアロゾル発生物品を受け入れるための開口部と関連付けられることができる。気流、および任意の生成されるエアロゾルは、エアロゾル発生装置内に受け入れられるエアロゾル発生物品を介して開口部から出てもよい。
【0009】
気流経路が、複数の構成部品のうちの第一の構成部品を通って画成される気流吸込み口と、複数の構成部品のうちの第二の構成部品を通って画成される気流排出口とを有してもよい。気流経路は、複数の構成部品のうちの二つ以上の経路によって画成されてもよい。隣接する構成部品内の経路は、接合部に配置されてもよく、複数の構成部品が組み立てられる場合に連結されてもよい。構成部品間の接合部は、気流経路からの漏れが最も起こりやすい場所である可能性がある。製品は、構成部品の間に複数の接合部がある場合があり、したがって気流経路からの漏れの候補が多数存在する場合がある。
【0010】
複数の構成部品のうちの少なくとも二つは、機械的圧入インターフェースによって一緒に結合されて、製品を形成してもよい。このようなインターフェースはまた、干渉インターフェースまたは干渉ジョイントとして知られる場合がある。圧入インターフェースは、純粋に二つの構成要素間の干渉によって一緒に保持されることができ、または固定具、例えば、ねじもしくは留め金によって印加される圧力に依存してもよい。
【0011】
気流経路は、0.2kPa~1kPaの所定の圧力に加圧されてもよい。圧力は、漏れを判断することができるほど十分に大きい必要があるが、製品を損傷するほど大きくない必要もある。所定の圧力は、例えば、0.3kPa~0.9kPa、例えば0.35kPa~0.8kPa、例えば0.4kPa~0.7kPa、例えば0.45kPa~0.6kPaであってもよい。気流経路は、0.45kPa~0.55kPaの所定の圧力、例えば約0.5kPaに加圧されることが好ましい場合がある。
【0012】
加圧された気流経路からの漏れは、1秒~4秒の間、例えば1.5秒~3秒の間、例えば約2秒間測定されることができる。
【0013】
漏れレベルの許容閾値は、5ml/分であってもよい。漏れレベルの許容閾値よりも低いレベルでの任意の漏れは、許容可能とみなされてもよい。すなわち、気流経路からの漏れが漏れレベルの許容閾値よりも小さい製品は、適格な気流経路を有するとみなされることができる。漏れレベルの許容閾値は、製品の性質により異なる場合がある。漏れレベルの許容閾値は、4.5ml/分、または4ml/分、または3ml/分、または2.5ml/分、または2ml/分、または1.5ml/分、または1ml/分であることが好ましい場合がある。ヒーター組立品またはヒーター組立品を備えるエアロゾル発生装置については、漏れレベルの許容閾値が3ml/分を超えないことが好ましい場合がある。
【0014】
気流経路は、ガスによって、例えば空気によって加圧されてもよい。空気は、圧縮空気の供給源、例えば加圧空気シリンダーから供給されると都合がよい。
【0015】
製品を治具または試験装置に挿入し、製品の気流経路の品質試験を行なってもよい。治具または試験装置は、試験される製品の特定の寸法に合わせて構成されることが好ましい。治具または試験装置は、気流経路に連結するための連結部を備えてもよい。気流経路を加圧するために、気流吸込み口および気流排出口のうちの一方が遮断されてもよく、気流吸込み口および気流排出口のうちの他方が、加圧ガス、例えば加圧空気の供給源に連結されてもよい。
【0016】
気流経路を所定の圧力に加圧する工程は、気流経路を所定の圧力に所定の安定化時間、加圧することを含んでもよい。所定の安定化時間は、2~5秒、例えば2.5~4秒、例えば約3秒であってもよい。
【0017】
加圧された気流経路からの漏れを測定する工程は、加圧された気流経路内の圧力を監視することを含んでもよい。例えば、圧力センサーまたは流量計は、加圧された気流経路内の圧力または気流を監視できるように、加圧された気流経路に連結されてもよい。単なる例として、市販の圧力モニター、例えばFurness FCO752が使用されてもよい。Furness FCO752は、精度+/-0.02mlおよび最大漏れ分解能0.001ml/分を提供する。
【0018】
製品は、試験回路に連結されることができる。試験回路は、治具または試験装置の一部を形成してもよい。試験回路は、加圧ガスの供給源、例えば空気シリンダーを備えてもよい。試験回路はまた、圧力調整器、試験回路を気流経路に連結するのを可能にするための継手、気流経路を加圧できるように動作可能な第一の弁、気流経路を減圧できるように動作可能な第二の弁のうちの一つ以上を備えてもよい。方法は、第一の弁を開いて、気流経路を所定の圧力に所定の安定化時間加圧する工程と、第一の弁を閉じる工程と、第一の弁が閉じられた後、所定の期間、加圧された気流経路からの漏れを測定する工程と、第二の弁を開いて気流経路を減圧することを可能にする工程と、を含んでもよい。方法は、第一の弁を開いて、気流経路を所定の圧力に所定の安定化時間加圧する工程と、第一の弁を閉じる工程と、第一の弁が閉じられた後、所定の期間、加圧された気流経路内の漏れ流量を決定する工程と、第二の弁を開いて気流経路を減圧することを可能にする工程と、を含んでもよい。
【0019】
漏れ量が漏れ量の許容閾値以上である場合に、製品が不合格となる可能性がある。あるいは、漏れ量が漏れ量の許容閾値以上の場合、製品を再加工する、修復する、または改修することが可能である。用語、改修は、製品が完全には廃棄されないが、品質試験方法によって特定される漏れの問題を解決することを目的とした方法で再加工または修復されるすべてのプロセスに使用される。改修された製品が再試験されてもよい。すなわち、改修された製品は、改修後に漏れ量が十分に改善されたかどうかを決定するために、再び気流経路品質試験を受けて送られる。
【0020】
方法は、製品を改修するかどうかを決定するために、異なる漏れ量の許容閾値を割り当ててもよい。例えば、漏れ量が漏れ量の閾値より低い場合、製品は適格な気流経路を有するとみなされることができる。漏れ量が漏れの許容閾値以上であるが、改修漏れの閾値より低い場合、製品は改修の対象となるとみなされる。製品の改修漏れの閾値は、同じ製品の漏れの許容閾値よりも大きい。漏れ量が改修漏れの閾値と等しいか、またはそれを超える場合、製品は廃棄されることができる。
【0021】
好ましい実施形態では、所定の圧力は、0.45kPa~0.55kPa、例えば約0.5kPaであり、漏れ量の許容閾値は、3ml/分、または2ml/分、または1ml/分である。
【0022】
いくつかの実施形態では、方法は、周囲温度と比較して高温で実施されてもよい。製品の構成部品間に形成されるシールの能力は、温度によって変化する場合がある。動作条件を再現するために、高温で気流経路の能力を評価することが望ましい場合がある。したがって、気流経路を加圧するために供給されるガスは加熱され、例えば100℃を超える、例えば150℃を超える、例えば200℃を超える、温度に加熱されてもよい。製品がヒーターを備えている場合、品質試験方法の間にヒーターを作動させ、試験されている製品の温度を上昇させてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、製品はエアロゾル発生装置用のヒーター組立品であってもよい。ヒーター組立品は、エアロゾル発生装置の構成部品であってもよい。
【0024】
一例として、ヒーター組立品は、空気吸込み口を備える第一のヒーターケーシングと、エアロゾル出口を備える第二のヒーターケーシングと、エアロゾル形成基体を加熱するための加熱チャンバーと、を備えてもよい。加熱チャンバーは、空気吸込み口およびエアロゾル出口の両方と流体連通して、ヒーター組立品を通る気流経路を画成することができる。
【0025】
加熱チャンバーは、第一と第二のヒーターケーシングとの間に配置されてもよく、第一のヒーターケーシングと第二のヒーターケーシングとは、機械的圧入によって互いに取り付けられてもよい。
【0026】
加熱チャンバーは、第一と第二のヒーターケーシングとの間に配置されてもよく、第一のヒーターケーシングと第二のヒーターケーシングとは、締結具によって互いに取り付けられてもよい。締結具は、第一および第二のヒーターケーシングに軸方向の力を加えて、第一および第二のヒーターケーシングの軸方向に反対側の内表面が加熱チャンバーのそれぞれの軸方向に反対側の端面と封止係合するように付勢して、気流経路を封止するように構成され得る。締結具は、ねじ付き締結具またはスナップフィット締結具を含み得る。
【0027】
ヒーター組立品は、複数の締結具を含み得る。複数の締結具は、第一および第二のヒーターケーシングの外周部の周りに対称に離間してもよい。
【0028】
第一のヒーターケーシング、第二のヒーターケーシング、および加熱チャンバーが、それぞれ気流チャネルを備え、気流チャネルが共に気流経路を画成するように連通している。
【0029】
加熱チャンバーは、管状加熱チャンバーを含み得る。管状加熱チャンバーは、0.05ミリメートル~1.00ミリメートル、好ましくは0.05ミリメートル~0.50ミリメートル、より好ましくは約0.10ミリメートルの管状壁厚を有してもよい。
【0030】
加熱チャンバーは、限定されるものではないが、セラミックまたは金属または金属合金を含む、任意の適切な材料から作製され得る。適切な材料の例は、ステンレス鋼である。
【0031】
ヒーター組立品は、エアロゾル形成基体を加熱するための少なくとも一つの電気発熱体を備え得る。ヒーター組立品は、複数の電気発熱体を備えてもよい。電気発熱体または複数の電気発熱体は、加熱チャンバーの外表面の周りに配設されてもよく、または外表面を囲んでもよい。電気発熱体または複数の電気発熱体は、加熱チャンバーの内表面の周りに配設されてもよく、または内表面を囲んでもよい。電気発熱体または複数の電気発熱体は、加熱チャンバーの一部であってもよく、または加熱チャンバーと一体型であってもよい。
【0032】
電気発熱体または複数の電気発熱体は、電気抵抗材料を含み得る。適切な電気抵抗性材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、ならびにセラミック材料および金属材料で作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有合金、コバルト含有合金、クロム含有合金、アルミニウム含有合金、チタン含有合金、ジルコニウム含有合金、ハフニウム含有合金、ニオブ含有合金、モリブデン含有合金、タンタル含有合金、タングステン含有合金、スズ含有合金、ガリウム含有合金、マンガン含有合金、金含有合金、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(商標)、Kanthal(商標)、および他の鉄-クロム-アルミニウム合金、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。複合材料では、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて随意に、絶縁材料中に包埋、絶縁材料に封入、もしくは絶縁材料で被覆されてもよく、またはその逆も可である。
【0033】
一つ以上の発熱体は、温度と比抵抗との間に明確な関係を有する金属または金属合金を使用して形成されてもよい。この様態で形成された発熱体は、動作中に、発熱体の加熱と、発熱体の温度のモニターとの両方に使用されてもよい。
【0034】
発熱体は剛直な担体材料もしくは基体内に、またはその上に配置されてもよい。発熱体は、可撓性の担体材料もしくは基体内に、またはその上に配置されてもよい。発熱体は、セラミックまたはガラスまたはポリイミドフィルムなどの適切な絶縁材料上にトラックとして形成されてもよい。発熱体は、二つの絶縁材料の間に挟まれてもよい。
【0035】
ヒーター組立品は、加熱チャンバーの外表面の周りに配設された、または外表面を囲む可撓性発熱体を備えてもよい。可撓性発熱体は、エアロゾル発生物品内に提供されたエアロゾル形成基体の長さに実質的に等しい長さを有してもよい。加熱チャンバーは、発熱体よりも長くてもよい。加熱チャンバーは、発熱体によって覆われないか、または囲まれない少なくとも一つの端部分を有してもよい。端部分は、発熱体によって覆われないか、または囲まれない加熱チャンバーの両方の端部に提供され得る。端部分または複数の端部分は、発熱体とヒーター組立品の他の構成要素との間の直接的な接触を防止するためのスペーサー部分として作用し得る。端部分または複数の端部分は、各々2ミリメートル未満、好ましくは1ミリメートル未満、好ましくは約0.5ミリメートルの長さを有してもよい。有利なことに、スペーサー部分は、発熱体によって覆われるか、または囲まれる加熱チャンバーの一部分よりも、加熱中により低温であり得る。スペーサー部分は、漏斗形状の端部分または段付きの端部分を含み得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、製品はエアロゾル発生装置であってもよい。ヒーター組立品は、エアロゾル発生装置の構成部品であってもよい。エアロゾル発生装置は、ヒーター組立品とヒーター組立品に電力を供給するための電源とを配置するハウジングを備えることができる。ヒーター組立品は、上記のようなヒーター組立品であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の吸込み口とエアロゾル発生装置の排出口との間の気流経路を画成することができる。気流経路は、ヒーター組立品を通って画成される気流経路を備えてもよい。
【0037】
電源は、例えば、DC電圧源などの任意の適切な電源であってもよい。一実施形態では、電源はリチウムイオン電池である。あるいは、電源は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池またはリチウムベースの電池、例えばリチウムコバルト、リチウム鉄リン酸もしくはリチウムポリマー電池であってもよい。
【0038】
エアロゾル発生装置は、ユーザーが片手の指の間に保持するのが快適である、手持ち式のエアロゾル発生装置であることが好ましい。
【0039】
エアロゾル発生装置は、ヒーター組立品への電力の供給を制御するよう構成された制御回路をさらに備えてもよい。制御回路は、マイクロプロセッサを備えてもよい。マイクロプロセッサは、プログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有するその他の電子回路であってもよい。制御回路は、さらなる電子構成要素を備えてもよい。例えば、一部の実施形態では、制御回路は、センサー要素、スイッチ要素、ディスプレイ要素のうちのいずれかを備えてもよい。電力は装置の起動後、ヒーター組立品に連続的に供給されてもよく、または断続的に(毎回の吸煙ごとなど)供給されてもよい。電力は、例えば、パルス幅変調(PWM)によって、電流パルスの形態でヒーター組立品に供給されてもよい。
【0040】
エアロゾル発生装置は装置ハウジングを備えてもよい。装置ハウジングは、ヒーター組立品、電源、および制御回路を収容し得る。ハウジングは、エアロゾル発生物品を受容するための開口部を含んでもよい。開口部は、ヒーター組立品の第二のヒーターケーシングのエアロゾル出口に接続されて、エアロゾル発生物品を加熱チャンバーの中に挿入することを可能にし得る。ハウジングは、空気吸込み口を含み得る。空気吸込み口は、ヒーター組立品の第一のヒーターケーシングの空気吸込み口に接続され得る。
【0041】
ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適する熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は、軽量で、かつ脆くないことが好ましい。
【0042】
本開示の別の実施例によれば、エアロゾル発生装置用ヒーター組立品を製造する方法が提供される。方法が、空気吸込み口を備える第一のヒーターケーシングを設ける工程と、エアロゾル出口を備える第二のヒーターケーシングを設ける工程と、加熱チャンバーが空気吸込み口および空気排出口の両方と流体連通してヒーター組立品を通る気流経路を画成するために、エアロゾル形成基体を加熱するための加熱チャンバーを設け、かつ加熱チャンバーを配置する工程と、第一と第二のヒーターケーシングとの間に加熱チャンバーを配置する工程と、第一と第二のヒーターケーシングとを互いに取り付ける工程と、気流経路を所定の圧力に加圧することと、加圧された気流経路からの漏れを所定の期間測定することと、所定の期間にわたる漏れ量を決定する工程と、漏れ量が漏れ量の許容閾値以上であるかどうかを決定することと、によってヒーター組立品を通って画成される気流経路を品質試験する工程と、を含む。
【0043】
方法は、漏れ量が漏れ量の許容閾値以上である任意のヒーター組立品を改修または廃棄する工程をさらに含んでもよい。ヒーター組立品を通って画成される気流経路を品質試験する工程は、上に開示される方法に従って実施されてもよい。
【0044】
本開示の別の実施例によれば、上に開示されるエアロゾル発生装置用のヒーター組立品の製造する方法によって形成されたヒーター組立品が提供される。
【0045】
本開示の別の実施例によれば、エアロゾル発生装置を製造する方法であって、方法が、ハウジングを設ける工程と、ヒーター組立品を設ける工程と、ヒーター組立品に電力を供給するための電源を設ける工程と、気流経路がエアロゾル発生装置の気流吸込み口とエアロゾル発生装置の気流排出口との間に画定されるように、ハウジング内に加熱チャンバーおよび電源を配置する工程であって、気流経路が、ヒーター組立品を通る気流経路を含む、配置する工程と、気流経路を所定の圧力まで加圧することと、所定の期間、加圧気流経路からの漏れを測定することと、所定の期間にわたる漏れ量を決定することと、漏れ量が漏れ量の許容閾値以上であるかどうかを決定することと、によってエアロゾル発生装置を通って画成される気流経路を品質試験する工程と、を含む方法が提供される。
【0046】
方法は、漏れ量が漏れ量の許容閾値以上である、任意のエアロゾル発生装置を改修または廃棄する工程をさらに含む。ヒーター組立品を通って画成される気流経路を品質試験する工程は、上に開示される方法に従って実施されてもよい。
【0047】
本開示の別の実施例によれば、上に開示されるエアロゾル発生装置を製造する方法によって形成されるエアロゾル発生装置が提供される。
【0048】
本開示の別の実施例によれば、上に開示されるエアロゾル発生装置用のヒーター組立品の製造方法によって形成されるヒーター組立品を備える、上に開示されるエアロゾル発生装置の製造方法によって形成されるエアロゾル発生装置が提供される。
【0049】
本明細書に開示のエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を備える使い捨てエアロゾル発生物品と一体化して使用されることが好ましい。エアロゾル発生システムは、本明細書に開示のエアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置とともに使用するように構成されるエアロゾル発生物品とを備えることができる。
【0050】
用語「遠位」、「上流」、「近位」、および「下流」は、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生物品の、構成要素または構成要素の一部の相対的な位置を説明するために使用される。本開示によるエアロゾル発生物品および装置は近位端を有することができ、使用時にエアロゾルが近位端を通って物品または装置を出てユーザーに送達され、かつ対向する遠位端を有することができる。エアロゾル発生物品および装置の近位端は、口側端とも呼ばれてもよい。使用時に、エアロゾル発生物品または装置によって発生したエアロゾルを吸入するために、ユーザーはエアロゾル発生物品の近位端を吸う。上流および下流という用語は、ユーザーがエアロゾル発生物品の近位端を吸う時のエアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置を通したエアロゾルの移動の方向に対するものである。エアロゾル発生物品の近位端は、エアロゾル発生物品の遠位端の下流にある。エアロゾル発生物品の近位端は、エアロゾル発生物品の下流端として呼ばれる場合もあり、またエアロゾル発生物品の遠位端は、エアロゾル発生物品の上流端として呼ばれる場合もある。
【0051】
本開示の実施例によると、上述の実施例のうちのいずれかによるエアロゾル発生装置を備える、エアロゾル発生システムが提供される。また、エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を備えてもよい。
【0052】
本開示の実施例によると、上述の実施例のうちのいずれかによるエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムが提供される。
【0053】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾル発生装置内で加熱された時に、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置から分離され、またエアロゾル発生物品を加熱するためにエアロゾル発生装置と組み合わせるように構成される。
【0054】
エアロゾル発生物品は、実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は、実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体は、実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成基体は、実質的に細長くてもよい。
【0055】
エアロゾル発生物品は、およそ30mm~およそ100mmの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ5mm~およそ12mmの外径を有してもよい。エアロゾル形成基体は、およそ10ミリメートル~およそ18ミリメートルの長さを有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体の直径は、およそ5mm~およそ12mmであってもよい。エアロゾル発生物品は、フィルタープラグを備えてもよい。フィルタープラグは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。フィルタープラグは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。一実施形態では、フィルタープラグは、およそ7mmの長さであるが、およそ5mm~およそ12mmの長さを有してもよい。
【0056】
一実施形態では、エアロゾル発生物品はおよそ45mmの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ7.3mmの外径を有してもよいが、およそ7.0mm~およそ7.4mmの外径を有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体は、およそ12mmの長さを有してもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、およそ16mmの長さを有してもよい。エアロゾル発生物品は外側紙ラッパーを備えてもよい。さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体とフィルタープラグとの間に分離部を備えてもよい。分離部は、およそ21mmまたはおよそ26mmであってもよいが、およそ5mm~およそ28mmの範囲内であってもよい。分離は、中空管によって提供されてもよい。中空管は、厚紙またはセルロースアセテートから作製されてもよい。
【0057】
エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体であってもよい。あるいは、エアロゾル形成基体は、固体構成要素と液体構成要素との両方を備えてもよい。エアロゾル形成基体は、加熱時に基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有する、たばこ含有材料を備えてもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の実施例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0058】
エアロゾル形成基体が固体エアロゾル形成基体である場合、固体エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの葉脈の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、ばらの形態であってもよく、または適切な容器またはカートリッジ内で提供されてもよい。随意に、固体エアロゾル形成基体は、基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよい。固体エアロゾル形成基体はまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルも含有してもよく、こうしたカプセルは固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶融してもよい。
【0059】
本明細書で使用される場合、「均質化したたばこ」は、粒子状たばこを凝集することによって形成された材料を指す。均質化したたばこはシートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5%超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。別の方法として、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5重量%~30重量%のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉の葉身およびたばこ葉の茎のうちの一方または両方を粉砕または別の方法で細かく砕くことによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料のシートは、例えばたばこの処理、取り扱い、および発送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこの凝集を助けるために、一つ以上の本来備わっている結合剤(すなわち、たばこ内在性結合剤)、一つ以上の外来的な結合剤(すなわち、たばこ外因性結合剤)、またはこれらの組み合わせを含んでもよいが、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶剤、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加物を含んでもよい。
【0060】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。本明細書で使用される場合、「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。エアロゾル発生物品が組み立てられた時、実質的に平行な隆起または波形は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、または平行に延びることが好ましい。これは有利なことに、均質化したたばこ材料の捲縮したシートを集合してエアロゾル形成基体を形成するのを容易にする。しかし、当然のことながら、エアロゾル発生物品に含むための均質化したたばこ材料の捲縮したシートは別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して鋭角または鈍角で配置されている複数の実質的に平行な隆起または波形を有してもよい。ある特定の実施形態では、エアロゾル形成基体は、実質的にその表面全体にわたって実質的に均等にきめのある均質化したたばこ材料のシートの集合体を含んでもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、シートの幅にわたって実質的に均等に離隔している複数の実質的に平行な隆起または波形を含む均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。
【0061】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートの形態を取ってもよい。別の方法として、担体は、その内表面上、またはその外表面上、またはその内表面と外表面の両方の上に堆積された固体基体の薄い層を有する、管状の担体であってもよい。こうした管状の担体は、例えば、紙もしくは紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、もしくは穿孔された金属箔、または任意の他の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。
【0062】
固体エアロゾル形成基体は、例えば、シート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で担体の表面上に堆積されてもよい。固体エアロゾル形成基体は、担体の表面全体の上に堆積されてもよく、または代替的に、使用中に不均一な風味送達を提供するためのパターンで堆積されてもよい。
【0063】
上記では、固体エアロゾル形成基体を参照したが、その他の形態のエアロゾル形成基体をその他の実施形態で使用してもよいことが当業者に明らかであろう。例えば、エアロゾル形成基体は、液体エアロゾル形成基体であってもよい。液体エアロゾル形成基体が提供される場合、エアロゾル発生装置は、液体を保持する手段を備えることが好ましい。例えば、液体エアロゾル形成基体は、容器または液体貯蔵部分内に保持されてもよい。別の方法として、または追加的に、液体エアロゾル形成基体は多孔性担体材料の中へと吸収されてもよい。多孔性担体材料は、任意の適切な吸収性のプラグまたは本体、例えば発泡性の金属またはプラスチック材料、ポリプロピレン、テリレン、ナイロン繊維、もしくはセラミックで作製されてもよい。液体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置の使用の前に、多孔性担体材料内に保持されてもよく、または別の方法として、液体エアロゾル形成基体材料は、使用中または使用の直前に多孔性担体材料の中へと放出されてもよい。例えば、液体エアロゾル形成基体はカプセル内に提供されてもよい。カプセルのシェルは、加熱に伴い溶融し、液体エアロゾル形成基体を多孔性担体材料の中へと放出することが好ましい。カプセルは随意に、液体と組み合わせた固体を含有してもよい。
【0064】
別の方法として、担体は、たばこ構成成分がその中に組み込まれた不織布繊維または繊維の束であってもよい。不織布繊維または繊維の束は、例えば、炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含んでもよい。
【0065】
上記の実施例のうちの一つに関して記述される特徴は、本開示の他の実施例に等しく適用されてもよい。
【0066】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】
図1は、本開示の実施例によるエアロゾル発生装置、およびエアロゾル発生装置内に収容されるエアロゾル発生物品の内部を示す概略断面図である。
【
図2】
図2は、
図1のエアロゾル発生装置の構成部品として使用するためのヒーター組立品の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、試験用の製品(例えば、ヒーター組立品またはエアロゾル発生装置)に連結された品質試験装置の要素を示す概略図である。
【
図4】
図4は、
図3の装置を使用して製品の気流経路を品質試験するための段階的プロセスを例示するフローチャートである。
【
図5】
図5は、エアロゾル発生装置用のヒーター組立品を製造する段階的プロセスを例示するフローチャートである。
【
図6】
図6は、エアロゾル発生装置を製造する段階的プロセスを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1は、エアロゾル発生装置100およびエアロゾル発生装置100内に収容されるエアロゾル発生物品200の内部を示す概略断面図である。エアロゾル発生装置100およびエアロゾル発生物品200は一緒に、エアロゾル発生システムを形成する。
図1では、エアロゾル発生装置100は、簡略化されて示される。具体的には、エアロゾル発生装置100の要素は、実寸に比例して描かれていない。さらに、エアロゾル発生装置100の理解のために関連しない要素は、省略されている。
【0069】
エアロゾル発生装置100は、ヒーター組立品1、電源103、および制御回路105を収容するハウジング102を備える。
図1では、ヒーター組立品1は、第一のヒーターケーシング2、加熱チャンバー6、ヒーターマウント8および第二のヒーターケーシング4を備えることが分かる。加熱チャンバー6は、加熱チャンバー6を加熱するためにその周りに配置される可撓性発熱体(図示せず)を有する。電源103は電池であり、この実施例では、これは再充電可能なリチウムイオン電池である。制御回路105は、電源103および発熱体の両方に接続され、電源103から発熱体への電気エネルギーの供給を制御して、発熱体の温度を調節する。
【0070】
ハウジング102は、エアロゾル発生装置100の近位端または口側端に開口部104を含み、それを通してエアロゾル発生物品200が受容される。開口部104は、それを介してエアロゾルがヒーター組立品1を出る、ヒーター組立品1の開口部に連結される。開口部は、エアロゾル発生装置の空気排出口であると見なされることができる。しかしながら、当然のことながら、エアロゾルは、大部分がヒーター組立品1およびエアロゾル発生物品200を介してエアロゾル発生装置100から出る。ハウジング102は、エアロゾル発生装置100の遠位端に空気吸込み口106をさらに含む。空気吸込み口106は、第一のヒーターケーシング2の第一の管状セクション2bの遠位端に配置される空気吸込み口に連結される。第一の管状セクション2bは、空気吸込み口106から加熱チャンバー6へと空気を送達する。
【0071】
エアロゾル発生物品200は、端プラグ202と、エアロゾル形成基体204と、中空管206と、マウスピースフィルター208とを備える。エアロゾル発生物品100の上述の構成要素の各々は、実質的に円筒形の要素であり、各々が実質的に同じ直径を有する。構成要素は、同軸に整列して当接して連続的に配設され、外側紙ラッパー210によって囲まれて円筒形ロッドを形成する。エアロゾル形成基体204は、ラッパー(図示せず)によって囲まれた均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含むたばこロッドまたはプラグである。均質化したたばこ材料の捲縮したシートはエアロゾル形成体としてグリセリンを含む。端プラグ202およびマウスピースフィルター208は、セルロースアセテート繊維から形成される。
【0072】
使用時、エアロゾル発生物品200の遠位端は、ハウジング102の開口部104を介してエアロゾル発生装置100の中に挿入され、そして、遠位端はヒーターマウント8上に配置される停止部(
図1には図示せず)に係合するまでエアロゾル発生装置100内に押し込まれ、その時点で遠位端は完全に挿入される。停止部は、加熱チャンバー6がエアロゾル形成基体204を加熱してエアロゾルを形成することができるように、エアロゾル形成基体204を加熱チャンバー6内に正確に位置させるのに役立つ。
【0073】
エアロゾル発生装置100は、エアロゾル発生物品200の存在を検出するためのセンサー(図示せず)と、発熱体を起動するためのボタンなどのユーザーインターフェース(図示せず)と、例えば、電池電力の残量、加熱ステータス、およびエラーメッセージなどの情報をユーザーに提示するためのディスプレイまたはインジケータ(図示せず)とをさらに備えてもよい。
【0074】
使用時に、ユーザーは、
図1に示すようにエアロゾル発生物品200をエアロゾル発生装置100の中に挿入する。次いで、ユーザーは、例えば、スイッチを押して装置をオンにすることでエアロゾル発生装置100を起動することによって、加熱サイクルを開始する。応答して、制御回路105は、電源103から発熱体(図示せず)への電力の供給を制御して発熱体を加熱し、これが次いで加熱チャンバー6を加熱する。加熱サイクルの間、発熱体は、加熱チャンバー6を所定の温度、または温度プロファイルに従った所定の温度範囲に加熱する。加熱サイクルは、約6分間続き得る。加熱チャンバー6からの熱は、エアロゾル形成基体204に伝達され、これにより、エアロゾル形成基体204から揮発性化合物が放出される。揮発性化合物は、中空管206によって形成されるエアロゾル化チャンバー内でエアロゾルを形成する。加熱サイクルの間、ユーザーは、エアロゾル発生物品200のマウスピースフィルター208を口唇の間に置いて、マウスピースフィルター208を吸煙または吸入する。発生されたエアロゾルは、マウスピースフィルター102を通して引き出され、ユーザーの口に入る。
【0075】
図2は、組み立て前の
図1のヒーター組立品1の分解斜視図を示す。ヒーター組立品1の構成要素、すなわち、第一のヒーターケーシング2、ヒーターマウント8、加熱チャンバー6、および第二のヒーターケーシング4は、
図2に軸方向に離間して示される。ヒーター組立品1を組み立てるために、ヒーターマウント8は、第一のヒーターケーシング2の第一の中空シェルセクション2a内に取り付けられる。ヒーターマウント8の第一の側8aから遠位に延びる中空のプラグ8cは、第一の管状セクション2bの近位端に形成された内部凹部(図示せず)にプレス嵌合される。
【0076】
次に、加熱チャンバー6が、第二のヒーターケーシング4の第二の中空のシェルセクション4aの近位端壁内に形成される内部凹部(
図2に示されない)にプレス嵌合される。ガイド(図示せず)は、第二のヒーターケーシング4の第二の管状セクション4bを通して、および加熱チャンバー6内の内部空間を通して内部に挿入されて、構成要素を軸方向に整列させて維持する。次に、第二のヒーターケーシング4および加熱チャンバー6のサブアセンブリは、第一のヒーターケーシング2、およびヒーターマウント8を備えるサブアセンブリ上に取り付けられる。ガイドの遠位端は、ヒーターマウント8の内部気流チャネル(図示せず)の中に挿入されて、構成要素を整列させて維持する。次いで、第一のヒーターケーシング2および第二のヒーターケーシング4が、二つのねじ34およびワッシャー36を使用して互いに取り付けられる。次いで、ガイドが取り外される。第一のヒーターケーシング2および第二のヒーターケーシング4を取り付けると、軸方向の力が加わり、ヒーター組立品1の構成要素を軸方向の封止係合状態に保ち、ヒーター組立品を通る気流経路を封止する。したがって、気流経路は、第一のヒーターケーシング2の第一の管状セクション2bの遠位端に配設された空気吸込み口38と第二のヒーターケーシング4の近位端に配設されたエアロゾル出口10との間に封止される。
【0077】
組み立てられると、ヒーター組立品内の気流経路の完全性または能力が試験される。気流経路の能力を試験するための品質試験装置は、ヒーター組立品を受け入れるための治具と、ヒーター組立品の気流排出口を遮断するためのシールと、ヒーター組立品の気流吸込み口への密封された連結を形成するための連結と、圧縮空気の供給源および関連する調整器、導管、ならびにヒーター組立品の気流経路を加圧するように配置される弁と、加圧気流経路内の圧力または流量の変化を検出するように配置される圧力センサーまたは流量センサーと、を備える。特定の実施形態では、圧力感知測定値は、Furness FCO752生産ライン流量計を使用して取得される。
【0078】
品質試験装置は、自動化が組み込まれてもよい。例えば、ヒーター組立品(または試験される任意の他の製品)は、品質試験装置に自動的に搬送され、治具に挿入されることができる。次に、試験手順を適用できるように、気流排出口は封止され、封止された連結は気流吸込み口に適用されてもよい。試験が完了すると、ヒーター組立品は治具から取り外され、気流経路が適格であると判断されたか否かに応じて分類されることができる。
【0079】
図3は、試験用の製品(例えば、ヒーター組立品またはエアロゾル発生装置)に連結された品質試験装置の要素を示す概略図である。空気供給源3000は、送気管または導管3020によって製品3010に連結する。空気供給源3000からの圧力は、圧力調整器3030によって制御される。第一の試験弁3040は、空気供給源3000と製品3010との間に配置される。第一の試験弁3040を開くことによって、製品3010内の気流経路が加圧される。次に、第一の試験弁3040を閉じることができる。加圧気流経路の漏れ量は、装置の受圧部内に配置される圧力センサー3070(例えば、Furness FCO752)によって決定されることができる。試験が完了すると、開放弁3050が開かれてシステム内の圧力を開放し、製品3010を装置から取り外すことを可能にすることができる。
【0080】
図3の装置を使用して製品の気流経路の品質を試験するための段階的プロセスを、
図4のフローチャートによって例示できる。
【0081】
工程T1:
-製品3010は、試験装置の治具内に挿入され、製品の気流経路は、装置の試験回路に連結される。これは、気流吸込み口または気流排出口のうちの一方が遮断または封止されること、および気流吸込み口または気流排出口のうちの他方が圧縮空気の供給源に連結することを含んでもよい。
工程T2:
-圧力調整器3030は、0.5kPaの空気圧力を送達するように設定される。第一の試験弁3040は開放され、空気は送気管3020を通って製品の気流経路を加圧する。
工程T3:
-0.5kPaの圧力が、3秒の安定化時間の間、製品の気流経路に印加される。
工程T4:
-第一の試験弁3040は閉じている。
工程T5:
-圧力センサー3070は、製品の気流経路内の圧力を2秒の試験期間中、監視する。
工程T6:
-気流経路からの漏れ量が計算される。漏れ量が3ml/分未満である場合、気流経路は適格であるとみなされ、製品は使用に適合するものとして合格する。
工程T7:
-開放弁3050が開放されて、残留圧力を解放する。
工程T8:
-製品が装置から取り外される。
【0082】
本明細書に記載の品質試験方法は、製品の製造方法に好都合に組み込まれることができる。例えば、気流経路の品質試験方法は、その製品を形成する生産ラインにおいて後期段階を形成することができる。
【0083】
図5は、エアロゾル発生装置用のヒーター組立品を製造する段階的プロセスは、
図5のフローチャートで例示されることができる。
【0084】
工程A1:
-空気吸込み口を備える第一のヒーターケーシングが設けられる。
工程A2:
-エアロゾル出口と呼ばれる場合がある空気排出口を備える第二のヒーターケーシングが設けられる。
工程A3:
-エアロゾル形成基体加熱用の加熱チャンバーが設けられる。
工程A4:
-加熱チャンバーは、第一のヒーターケーシングと第二のヒーターケーシングとの間に配置される。加熱チャンバーは、空気吸込み口および空気排出口の両方と流体連通して、ヒーター組立品を通る気流経路を画成する。
工程A5:
-第一のヒーターケーシングと第二のヒーターケーシングとは、互いに取り付けられ、それによってヒーター組立品を形成する。
工程A6:
-ヒーター組立品の気流経路の能力は、
図4のフローチャートに示される方法を使用して試験される。
工程A7:
-気流経路が適格であるとみなされる場合、ヒーター組立品は、エアロゾル発生装置の構成部品として使用するために送られてもよい。
工程A8:
-気流経路が適格であるとみなされない場合、ヒーター組立品は、改修のために送られてもよく、または廃棄されてもよい。
【0085】
エアロゾル発生装置を製造する段階的プロセスは、
図6のフローチャートで例示されることができる。
【0086】
工程B1:
-エアロゾル発生装置用ハウジングが設けられる。ハウジングは、気流吸込み口および気流排出口を画成する。気流排出口はまた、エアロゾル出口と呼ばれてもよい。
工程B2:
エアロゾル発生装置用の加熱組立品が設けられる。加熱組立品は、それを通る気流経路を画成する。加熱組立品は、
図5に例示される方法によって形成される加熱組立品であってもよい。
工程B3:
-電力をヒーターに供給するための電源が設けられる。
工程B4:
-装置の電力供給および動作を制御するための電子機器が設けられる。
工程B5:
-加熱組立品、電源、および電子機器は、ハウジング内に配置され、かつ相互に結合される。ハウジングの気流吸込み口から、加熱組立品を通って、ハウジングの気流排出口へ延在する気流経路が画成される。
工程B6:
-エアロゾル発生装置の気流経路の能力は、
図4のフローチャートに示される方法を使用して試験される。
工程B7:
-気流経路が適格であるとみなされる場合、エアロゾル発生装置は、消費者へ販売するために包装されることができる。
工程B8:
-気流経路が適格であるとみなされない場合、エアロゾル発生装置は、改修のために送られてもよく、または廃棄されてもよい。
【0087】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、数量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。したがって、この文脈では、数AはA±5パーセント(5%)のAとして理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修飾する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の事例において、それによってAが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を与えないという条件で、上記に列挙される割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。
【国際調査報告】