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特表2024-539027清掃看護用具及びそのエネルギー交換装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】清掃看護用具及びそのエネルギー交換装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 33/04 20060101AFI20241018BHJP
   A61C 17/22 20060101ALI20241018BHJP
   H02K 33/06 20060101ALI20241018BHJP
   B26B 19/28 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H02K33/04 B
A61C17/22 B
A61C17/22 Z
H02K33/06
B26B19/28 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522564
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 CN2022119531
(87)【国際公開番号】W WO2023071604
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202111254457.1
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524140271
【氏名又は名称】科西嘉(上海)智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Koln&Shift (Shanghai) Technologies Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】No. 489 Jinbai Road, Jinshan Industrial Zone, Shanghai 201506, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】戴 暁国
(72)【発明者】
【氏名】徐 振武
【テーマコード(参考)】
3B202
3C056
5H633
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202BE10
3C056HA03
3C056HA07
5H633BB15
5H633GG02
5H633GG17
5H633HH03
5H633HH05
5H633JA03
(57)【要約】
本発明は、清掃看護用具及びそのエネルギー交換装置を提供する。トランスデューサは、トランスデューサラックと、トランスデューサラックに取り付けられた磁石と、弾性アセンブリと、駆動軸とを備え、かつ、弾性アセンブリは、伝動アームと、伝動アームに保持された弾性片とを備え、その中に、伝動アームは、駆動軸に固定接続され、弾性片は、外縁と内縁を有し、伝動アームの固着部に対応して、伝動アームは、凹部を形成し、凹部の凹み深さDは、凹部底面から縦方向軸線までの間の第1固着幅B1より大きい。本方案は、共振運動における減衰による共振回転角度の抑制を回避し、ブラシヘッドなどの清掃アセンブリがより大きな回転角度を持つことができ、機械効率を高めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスデューサと駆動コイルとを備える、清掃看護用具用のエネルギー交換装置であって、
トランスデューサは、トランスデューサラックと、前記トランスデューサラックに取り付けられた磁石と、弾性アセンブリと、縦方向軸線Lを有する駆動軸とを備え、かつ、前記弾性アセンブリは、伝動アームと、前記伝動アームに保持された少なくとも1つの弾性片とを備え、その中に、前記伝動アームは、前記駆動軸に固定接続され、
駆動コイルは、前記トランスデューサの前記磁石に対して配置され、前記トランスデューサは、前記駆動コイルに対して可動であり、前記駆動コイルに交流電流を流して、前記駆動コイルと前記磁石との間に交番電磁力が発生し、前記電磁力は、前記トランスデューサを共振運動させ、
その中に、
前記弾性片は、前記縦方向軸線Lから遠い外縁と前記縦方向軸線Lに近い内縁とを有し、前記外縁から前記内縁まで延びる弾性片延在方向は、前記縦方向軸線Lに対する横方向であり、前記弾性片は、前記内縁の側で前記伝動アームに固着する弾性片固定段を有し、前記エネルギー交換装置の操作時に、前記弾性片の外縁は、静止であり、
前記伝動アームは、前記弾性片固定段を固着する固着部を有し、
前記固着部に対応して、前記伝動アームは、その外面から内方に凹んで凹部を形成し、
前記凹部は、底面を有し、前記弾性片は、前記凹部の底面から延出して前記凹部に形成された空間の中で延在し、
前記弾性片の延在方向に沿って、前記固着部は、前記凹部の前記底面から前記縦方向軸線までの第1固着幅B1を有し、前記第1固着幅B1は、ゼロ以上であり、
かつ、前記弾性片の延在平面において前記凹部が位置する側において、前記凹部の底面の、前記伝動アームの前記凹部と同じ側の外面に対する最も遠い径方向距離は、凹み深さDと規定され、前記凹み深さDは、前記第1固着幅B1より大きいことを特徴とするエネルギー交換装置。
【請求項2】
前記弾性片の変形可能部分の幅は、hであり、前記第1固着幅B1は、前記変形可能部分の幅hの20%よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー交換装置。
【請求項3】
前記弾性片は、前記外縁と前記内縁が前記縦方向軸線Lの反対の両側に位置するように、前記外縁から前記縦方向軸線Lに向かって内側に延びて前記縦方向軸線Lを越え、
前記弾性片固定段は、前記縦方向軸線Lの前記内縁の側で前記弾性片の延出方向に沿って第2固着幅B2を有し、前記第1固着幅B1は、第2固着幅B2より小さく、
かつ、前記固着部は、前記縦方向軸線Lに対してオフセットされていることを特徴とする請求項1または2に記載のエネルギー交換装置。
【請求項4】
前記伝動アームの前記固着部は、前記縦方向軸線Lの一方側で完全にオフセットされ、前記固着部と前記弾性片の前記外縁は、前記縦方向軸線Lの反対の両側にあることを特徴とする請求項3に記載のエネルギー交換装置。
【請求項5】
前記第2固着幅B2は、1mmより大きく、前記第1固着幅B1は、0~3mmの範囲にあることを特徴とする請求項3に記載のエネルギー交換装置。
【請求項6】
前記弾性アセンブリの前記少なくとも1つの弾性片は、第1弾性片と第2弾性片とを備え、前記伝動アームの凹部は、第1凹部と第2凹部とを備え、前記第1凹部と前記第2凹部は、反対方向に沿って凹んで前記伝動アームに形成され、前記第1弾性片及び前記第2弾性片は、それぞれ、前記第1凹部及び前記第2凹部の空間において前記伝動アームから反対方向に向けて前記縦方向軸線Lに対する横方向に延びており、
その中に、前記第1凹部及び前記第2凹部の凹み深さは、ほぼ等しいことを特徴とする請求項1または2に記載のエネルギー交換装置。
【請求項7】
前記伝動アームは、前記第1弾性片を固着する第1固着部と、前記第2弾性片を固着する第2固着部とを有し、前記第1固着部及び前記第2固着部は、縦方向軸線Lの反対の両側にオフセットされ、
かつ、前記第1固着部と前記第2固着部とは、接続部を介して接続されていることを特徴とする請求項6に記載のエネルギー交換装置。
【請求項8】
前記第1弾性片と前記第2弾性片は、同一の前記固着部を介して固着され、前記第1凹部と前記第2凹部は、前記固着部の両側に位置していることを特徴とする請求項6に記載のエネルギー交換装置。
【請求項9】
前記弾性片と前記凹部の側面とは、縦方向に隙間を隔てていることを特徴とする請求項1または2に記載のエネルギー交換装置。
【請求項10】
前記エネルギー交換装置は、前記駆動軸を保持して支持する軸受をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のエネルギー交換装置。
【請求項11】
前記駆動軸は、第1駆動軸部と第2駆動軸部とを備え、前記伝動アームの近位端と遠位端は、それぞれ前記第1駆動軸部と前記第2駆動軸部に固定接続され、
前記軸受は、それぞれ前記第1駆動軸部と前記第2駆動軸部に設けられる近位端軸受と遠位端軸受を備えることを特徴とする請求項10に記載のエネルギー交換装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のエネルギー交換装置を備える清掃看護用具であって、電動歯ブラシ、電気シェーバー、電気洗顔器、電気入浴器のうちの一種類を含む清掃看護用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃看護用具の技術分野に関わるものであり、より具体的には、清掃看護用具におけるエネルギー交換装置に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
電動歯ブラシ、電気シェーバー、電気洗顔器、電気入浴器などの個人清掃看護用具にとって、重要なのは、往復運動を清掃要素の予想回転運動に変換することができるエネルギー交換装置を持つべきである。これらの個人清掃看護用具は、構造が簡単で、組み立てが便利で、使用寿命が長く、安全で信頼性があり、体積が小さくあるべきである。
【0003】
既知のエネルギー交換装置は、電磁力を発生するための電磁装置を備え、電磁装置は、通常、固定的に取り付けられた駆動コイルとトランスデューサフレームに取り付けられた磁石との相互作用によって電磁力を発生する。エネルギー交換装置は、駆動軸の一部に取り付けられた弾性アセンブリをさらに備える。電磁装置と弾性アセンブリとの相互作用によって、エネルギー交換装置は、清掃アセンブリとトランスデューサからなる共振体の共振運動と共鳴運動を利用して電気エネルギーを効率的に機械エネルギーに変換することができる。
【0004】
弾性アセンブリに弾性力を発生させる弾性片は、通常、一端が駆動軸に固定され、この一端は、駆動軸に伴って往復回転運動することができる。弾性片の他端は、トランスデューサのハウジングに固定され、トランスデューサのハウジングに固定された端部は、静止している。
【0005】
しかしながら、駆動軸に電磁力が伝達されて駆動軸を往復回転運動させると、駆動軸と弾性片の固定部分が弾性片の弾性変形を阻害し、駆動軸の回転角度を抑制して駆動軸の出力を低下させることが分かった。
【0006】
そのため、既存の個人清掃看護用具のエネルギー交換装置にはまだ欠陥があり、それを改善する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
従来技術における不足を克服するために、本発明は、清掃看護用具用のエネルギー交換装置を提供し、このエネルギー交換装置は、トランスデューサと駆動コイルを備え、トランスデューサは、トランスデューサラックと、トランスデューサラックに取り付けられた磁石と、弾性アセンブリと、縦方向軸線Lを有する駆動軸とを備え、かつ、弾性アセンブリは、伝動アームと、伝動アームに保持された少なくとも1つの弾性片とを備え、その中に、伝動アームは、駆動軸に固定接続され、駆動コイルは、トランスデューサの磁石に対して配置され、トランスデューサは、駆動コイルに対して可動であり、駆動コイルに交流電流を流して、駆動コイルと磁石との間に交番電磁力が発生し、電磁力は、トランスデューサを共振運動させ、その中に、弾性片は、縦方向軸線Lから遠い外縁と縦方向軸線Lに近い内縁とを有し、外縁から内縁まで延びる弾性片延在方向は、縦方向軸線Lに対する横方向であり、弾性片は、内縁の側で伝動アームに固着する弾性片固定段を有し、エネルギー交換装置の操作時に、弾性片の外縁は、静止であり、伝動アームは、弾性片固定段を固着する固着部を有し、固着部に対応して、伝動アームは、その外面から内方に凹んで凹部を形成し、凹部は、底面を有し、弾性片は、凹部の底面から延出して凹部に形成された空間の中で延在し、弾性片の延在方向に沿って、固着部は、凹部の底面から縦方向軸線までの第1固着幅B1を有し、その中に、第1固着幅B1は、ゼロ以上であり、弾性片の延在平面において凹部が位置する側で、凹部の底面の、伝動アームの凹部と同じ側の外面に対する最も遠い径方向距離は、凹み深さDと規定され、凹み深さDは、第1固着幅B1より大きい。
【0008】
本発明の一態様によれば、弾性片の変形可能部分の幅は、hであり、第1固着幅B1は、変形可能部分の幅hの20%よりも小さい。
【0009】
本発明の別の態様によれば、弾性片は、外縁と内縁が縦方向軸線Lの反対の両側に位置するように、外縁から縦方向軸線Lに向かって内側に延びて縦方向軸線Lを越え、弾性片固定段は、縦方向軸線Lの内縁の側で弾性片延出方向に沿って第2固着幅B2を有し、第1固着幅B1は、第2固着幅B2より小さく、かつ、固着部は、縦方向軸線Lに対してオフセットされている。
【0010】
本発明の別の態様によれば、伝動アームの固着部は、縦方向軸線Lの一方側で完全にオフセットされ、固着部と弾性片の外縁は、縦方向軸線Lの反対の両側にある。
【0011】
本発明の別の態様によれば、第2固着幅B2は、1mmより大きく、第1固着幅B1は、0~3mmの範囲にある。
【0012】
本発明の別の態様によれば、弾性アセンブリの少なくとも1つの弾性片は、第1弾性片と第2弾性片とを備え、伝動アームの凹部は、第1凹部と第2凹部とを備え、前記第1凹部と前記第2凹部は、反対方向に沿って凹んで前記伝動アームに形成され、第1弾性片及び第2弾性片は、それぞれ、第1凹部及び第2凹部の空間において伝動アームから反対方向に向けて縦方向軸線Lに対する横方向に延びており、第1凹部及び第2凹部の凹み深さは、ほぼ等しい。
【0013】
本発明の別の態様によれば、伝動アームは、前記第1弾性片を固着する第1固着部と、前記第2弾性片を固着する第2固着部とを有し、前記第1固着部及び前記第2固着部は、縦方向軸線Lの反対の両側にオフセットされながら、縦方向にもずれて、前記第1固着部と前記第2固着部とは、接続部を介して接続されている。あるいは、第1弾性片と第2弾性片は、同一の前記固着部を介して固着され、第1凹部と第2凹部は、固着部の両側に位置している。
【0014】
本発明の別の態様によれば、弾性片と凹部の側面とは、縦方向に隙間を隔てている。
【0015】
本発明の別の態様によれば、エネルギー交換装置は、駆動軸を保持して支持する軸受をさらに備える。
【0016】
好ましくは、駆動軸は、第1駆動軸部と第2駆動軸部とを備え、伝動アームの近位端と遠位端は、それぞれ第1駆動軸部と第2駆動軸部に固定接続され、軸受は、それぞれ第1駆動軸部と第2駆動軸部に設けられる近位端軸受と遠位端軸受を備える。
【0017】
また、本発明は、前記エネルギー交換装置を有する清掃看護用具をさらに提供し、清掃看護用具は、電動歯ブラシ、電気シェーバー、電気洗顔器、電気入浴器のうちの一種類である。
【0018】
本発明によるエネルギー交換装置において、伝動アームにおいて弾性片を収容する凹部の凹み深さは、凹部の同一側に位置する伝動アーム固着部における第1固着幅よりも大きく、このように、駆動軸強度及び駆動軸と伝動アームとの接続強度に影響を与えることなく、伝動アームが弾性片を固着する際に弾性片への悪影響をできるだけ低減し、弾性片の変形可能部分の共振効率を保証することができ、これにより、エネルギー交換装置全体の作動効率が向上する。
【0019】
本発明によるエネルギー交換装置によれば、伝動アームが固定する弾性片固定段における第1固着幅が第2固着幅よりも小さいため、弾性片の外縁側における伝動アームによる減衰が低減され、共振運動における減衰による共振回転角度の抑制が回避され、ブラシヘッドのような清掃アセンブリがより大きな回転角度を持つことができ、機械効率が向上する。
【0020】
伝動アームは、オフセットされた固着部を用いて第1固着幅の減少を実現し、このような構造は、トランスデューサの弾性アセンブリの体積をより小さくしながら、伝動アームの固定効果に影響を与えることはない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明をより完全に理解するために、添付図面を参照して例示的な実施例の以下の説明を考慮することができる。
【0022】
図1図1は、本発明の好適な実施例による個人清掃看護用具及び内部機構の分解斜視図である。
図2図2は、本発明の好適な実施例による個人清掃看護用具及び内部機構が組立状態にある斜視図であって、内部構造をより良く示すためにハウジング部の一部が取り外されている。
図3図3は、本発明の好適な実施例によるエネルギー交換装置が組立状態にあるときの斜視図である。
図4図4は、本発明の好適な実施例によるエネルギー変換装置におけるトランスデューサの斜視図である。
図5図5は、図4のトランスデューサの平面図である。
図6図6は、本発明の好適な実施例によるトランスデューサにおける伝動アームの断面図であって、弾性片と伝動アームとの接続部の構造を示す。
図7図7は、本発明の他の好適な実施例によるエネルギー交換装置の斜視図である。
図8図8は、本発明の別の好適な実施例によるエネルギー交換装置の斜視図である。
図9図9は、図8に示すエネルギー交換装置の一部の拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0023】
1 ハンドルハウジング
2 トランスデューサ
4 駆動コイルアセンブリ
5 配線板
6 下ケース
7 上ケース
8 電池ボックス
9 バッテリ
22,22’,22” 駆動アーム
221 伝動アームの遠位端
222 伝動アームの近位端
223,223’,223” 固着部
225,225’,225” 凹部
226 接続部
24,25,24’,24” 弾性片
S 弾性片固定段
26,26’,26” 軸受
27 トランスデューサラック
28 トランスデューサディスク
29 磁石
300 駆動軸
30 第1駆動軸部
31 第2駆動軸部
32,33,32’,33’,32”,33” 隙間
35,20’,21’,20”,21” 弾性片固定ブロック
41 駆動コイルボビン
42 駆動コイル
L 縦方向軸線L
B1 第1固着幅
B2 第2固着幅
h 弾性片の変形可能部分の幅
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、具体的な実施例および図面を合わせて本発明を詳しく説明する。以下の記載では、本発明を十分に理解し易くするために、いろいろな詳細を説明するが、本発明が上記の記載と異なる別の形態で実施できることは明らかであり、当業者にとって、本発明の主旨を脱出しない範囲で実際の応用状況に応じて拡張・推論することができるので、本発明の保護範囲が上記の具体的な実施例に限定されないことは言うまでもない。
【0025】
以下、電動歯ブラシを個人清掃看護用具の典型例として、添付図面を合わせて本発明の例示的な実施例をより詳細に説明する。以下、電動歯ブラシを例に挙げて説明するが、本発明は、これに限定しない。本発明は、電気シェーバー、電気洗顔器、電気入浴器などトランスデューサを通じて清掃動作を提供する清掃看護用具に適用してもよい。
【0026】
明確にするために、本明細書は、「上」、「下」、「左」、「右」、「近位(端)」、「遠位(端)」、「内」、「外」などの空間的な相対位置を表す語彙を用いて、図に示す1つの要素または特徴と他の要素(1つまたは複数)または特徴(1つまたは複数)との相互関係を簡単に説明し、その中に、駆動コイルの縦軸方向とは、駆動コイルに電流Iが流れるときに鉄心内部に発生する磁力線と平行する方向を意味する。「上」、「下」は、駆動軸の縦軸に関するものであり、対応する図に向かって、駆動軸の縦軸に平行な上向き方向を「上」と定義し、駆動軸の縦軸に平行な下向き方向を「下」と定義する。「左」および「右」は、駆動軸の縦軸に関するものであり、対応する図に向かって、駆動軸の縦軸に垂直な方向に沿って駆動軸の縦軸の左側を「左」と定義し、その右側を「右」と定義する。「近位端/近位側」とは、清掃看護用具の使用時に洗浄力が作用する位置に近い端部または側部を意味する。「遠位端/遠位側」とは、清掃看護用具の使用時に洗浄力が作用する位置から離れる端部または側部を意味する。「外」および「内」は、縦方向軸線Lからの距離に関するものであり、縦方向軸線Lから比較的遠い方を「外」と定義し、縦方向軸線Lから比較的近い方を「内」と定義する。
【0027】
さらに、本願で使用される語彙「および/または」には、列挙された1つまたは複数の関連語彙のいずれか1つまたはすべての組合せが含まれる。
【0028】
本明細書では、「第1」などの語彙を用いて複数の要素または構成部分を説明したが、これらの要素または構成部分は、これらの語彙によって制限されるべきではない。これらの語彙は、単に1つの要素または構成部分を他の要素または構成部分と区別するために使用され、「順序」を含まない。したがって、以下に説明する要素または構成部分の序数語を相互に入れ替えても、本発明の構想と範囲を超えない。
【0029】
図1及び図2は、それぞれ本発明の好適な実施例による清掃看護用具の分解斜視図及び組立状態斜視図を示す。図1及び図2は、清掃看護用具としての電動歯ブラシを示す。電動歯ブラシは、主にハンドルと、ハンドルに着脱可能に取り付けられた清掃アセンブリ(図示せず)とを備える。ハンドルは、ハンドルハウジング1と、ハンドルハウジング1に取り付けられた各機能部品とを備える。電動歯ブラシの清掃アセンブリは、通常、清掃要素キャリアと、清掃要素キャリアに分布する清掃要素とを有する歯ブラシヘッドの形態をとる。歯ブラシヘッドのキャリアは、例えばハンドル1の駆動軸300にスナップ結合にて取り付けられ、スナップ結合は、駆動ハンドル1と清掃アセンブリとを確実に結合することができ、また、駆動ハンドルと清掃アセンブリとを容易に分離することができる。清掃要素は、様々な硬度、材料、及び配置方法のブラシ毛を備えることができる。
【0030】
図1に示すように、電動歯ブラシのハンドルハウジング1に収容された機能部品は、主に電源部、制御部及びエネルギー交換装置を備える。
【0031】
電源部は、通常、電動歯ブラシの各機能部にエネルギーを供給するために、電池ボックス8内に取り付けられた充電電池9と充電回路とを備える。制御部は、主に、電動歯ブラシの各種動作モード及び電動歯ブラシのオン又はオフ等を制御するための配線板5を備え、制御部は、電動歯ブラシの運転を開始及び停止するために、スイッチ等のトリガ部を備える。エネルギー交換装置は、入力された電気エネルギーを清掃アセンブリの往復運動を提供する機械的なエネルギーに変換するように構成される。これらの機能部は、基本的にはハンドルハウジング1に形成された内腔に収容されており、図2に示すように、電動歯ブラシの遠位側から順に、ハウジング1の内腔には電源部とエネルギー交換装置が配置されており、エネルギー交換装置の駆動軸300は、ハウジング1の近位端に形成された開口から突出している。
【0032】
図3は、本発明の好適な実施例によるエネルギー交換装置を示す。このエネルギー交換装置は、主にトランスデューサ2と駆動コイルアセンブリ4とを備え、エネルギー交換装置の駆動コイルアセンブリ4は、トランスデューサ2の一部に対して配置されている。
【0033】
トランスデューサ2は、主にトランスデューサラック27と、トランスデューサラック27に取り付けられた磁石29と、弾性アセンブリと、駆動軸300とを備える。図4から明らかなように、磁石29は、接着剤、ねじ、射出成形などの手段を介してトランスデューサラック27のトランスデューサディスク28と固着された、空間を隔て対向配置された第1磁石と第2磁石とを備え、それらは、電動歯ブラシ全体において、清掃要素から離れる遠位端に位置する。磁石29は、トランスデューサラック27全体の一部となっており、このように、磁石29の動きがトランスデューサラック27全体を動かすことになる。
【0034】
駆動コイルアセンブリ4は、通常、駆動コイルボビン41と駆動コイル42とを備え、図3に示すように、駆動コイル42は、駆動コイル42の両側が磁石29と対向するように、第1磁石29と第2磁石29との間の空間に配置されている。
【0035】
さらに、トランスデューサラック27には、基本的に縦方向軸線Lに沿って延びる駆動軸300が固定的に取り付けられ、これに対して、弾性アセンブリがトランスデューサ2の駆動軸300に固定的に接続され、使用中に弾性アセンブリの弾性片24、25により発生する弾性力は、駆動軸300に直接的に伝達することができる。
【0036】
本発明による好適な実施例において、図4に示すように、好適な実施形態では、トランスデューサ2の駆動軸300は、磁石29に近い第1駆動軸部30と、磁石29から遠い第2駆動軸部31とを備える。第1駆動軸部30と第2駆動軸部31とは、基本的には縦方向軸線Lに対して略同心に配置されている。弾性アセンブリは、伝動アーム22と2つの弾性片24、25とを備える。弾性アセンブリの駆動アーム22は、その縦方向軸線Lに沿った近位端と遠位端を介して第1駆動軸部30と第2駆動軸部31との間に固定されている。2つの弾性片24,25は、その縦方向軸線Lに対する横方向である2つの縁部において固定されている。具体的には、各弾性片24,25は、縦方向軸線Lから遠い外縁と縦方向軸線Lに近い内縁とを有し、弾性片24,25の内縁において、弾性片24,25は、伝動アーム22に固定され、弾性片24,25の外縁において、図3に示すように、弾性片24,25は、トランスデューサ2のハウジングに固定され、トランスデューサ2のハウジングが上ケース7と下ケース6を備える場合に、弾性片24,25の外縁は、弾性片固定ブロック35を介して上ケース7と下ケース6の間に挟持固定されている。トランスデューサ2の上ケース7と下ケース6は、ファスナまたはファスナ構造を介して互いに固定されている。このような配置方法において、弾性片24,25の外縁は、固定縁または静止縁であり、弾性片24,25の内縁は、駆動軸300に伴って動く可動縁または共振縁である。
【0037】
使用者が電動歯ブラシのハウジング1におけるスイッチボタンをトリガして電動歯ブラシを起動すると、電動歯ブラシの電源部は、制御部の制御を介して駆動コイルアセンブリ4を励起し、駆動コイルアセンブリ4には一定周波数の交番電流が流れ、2つの磁石29によって形成された磁界と通電された駆動コイルアセンブリ4とが相互作用して電磁力を発生し、電磁力は、トランスデューサ2に電磁トルクM1を形成する。駆動コイルアセンブリ4に流れる電流Iが交番であるため、トランスデューサ2での電磁トルクM1の方向もそれに応じて交番であり、したがって、トランスデューサラック27及びそれに固定された各部品は、駆動コイルアセンブリ4からの往復力対の作用を介して縦方向軸線L周りの往復動作を実現する。弾性アセンブリにおける伝動アーム22は、駆動軸300とともに往復運動し、弾性片24,25の外縁がトランスデューサ2のハウジングを介して固定または静止され、これに対して、弾性片24,25において伝動アーム22に保持された一部は、伝動アーム22とともに往復運動し、その際に、弾性片24,25は、往復曲げ弾性変形し、トランスデューサ2とそれに取り付けられた清掃アセンブリとの共振運動を実現する。
【0038】
理解すべきところは、磁石とコイルは、他の代替実施形態を採用することができ、例えば、磁石は、駆動軸の周りに、駆動軸の近くに配置されてもよく、コイルは、磁石の異なる極性面に対して、磁石の周りに、駆動軸から遠くにそれぞれ配置されている。上述した磁石及びコイルの配置態様は、本発明の実施に影響を与えず、ここではこれ以上述べない。
【0039】
駆動軸300の縦方向軸線L回りの往復回転をより良好に拘束するために、図4及び図5に示すように、第1駆動軸部30及び第2駆動軸部31には、それぞれ軸受26、例えば転がり軸受26が設けられている。転がり軸受26の内輪は、駆動軸300に固定され、転がり軸受26の外輪は、トランスデューサ2のハウジング6,7内部に好ましく固定されている。このように、2つの転がり軸受26は、縦方向軸線Lの方向に沿って弾性アセンブリの両側に配置されている。このようにエネルギー交換装置の共振運動が発生すると、転がり軸受26は、駆動軸300及びその上の弾性アセンブリに対して支持作用を果たすことができ、駆動軸300の運動を縦方向軸線L周りの往復回転運動に制限することができる。
【0040】
次に、本発明の好適な実施例による弾性片24,25と伝動アーム22との接続構造について図6を参照して具体的に説明する。
【0041】
図6は、伝動アーム22の断面を示す斜視図であって、断面位置において、伝動アーム22に保持された初期位置にあるシート状の弾性片24,25を示し、弾性片24,25は、伝動アーム22の2つの固着部223を介して伝動アーム22に形成された2つの凹部225にそれぞれ保持されている。弾性片24,25は、共振運動が発生するときに弾性片が弾性変形する空間を提供するように、該凹部225において延びている。凹部225は、伝動アーム22の外面に対して縦方向軸線Lに向かって凹んで形成されている。各凹部225は、底面を有し、弾性片24,25は、底面から延びている。各凹部225は、2つの側面(すなわち凹部225の縦方向軸線Lに沿った2つの面)を有し、本実施例では、側面は、平坦な表面であるが、理解すべきところは、他の実施例では、凹部225の側面は、円弧表面であってもよく、平面と円弧面との組み合わせ形状であってもよい。
【0042】
弾性片24,25は、縦方向軸線Lから遠い外縁と、縦方向軸線Lに近い内縁とを有し、外縁から内縁まで延びる弾性片の延在方向は、縦方向軸線Lに対する横方向である。好ましくは、弾性片24,25の延在方向は、縦方向軸線Lに対して垂直である。図6に示すように、弾性片24,25は、弾性片24,25の外縁と内縁が縦方向軸線Lの両側に位置するように、その外縁から縦方向軸線Lに向かって内側に延びて縦方向軸線Lを越えている。好適な実施例では、縦方向軸線Lは、弾性片24,25を通って延びている。
【0043】
弾性片24,25は、内縁の近くに伝動アーム22の固着部223を介して固定された弾性片固定段Sを有する。具体的には、ここでの「弾性片固定段」とは、弾性片の延在方向において一定の長さを有する一部の弾性片を指し、この部分の弾性片の1つまたは2つの表面は、伝動アーム22の固着部223に直接的に接触し、弾性変形動作ができないように保持されている。
【0044】
図6に示すように、弾性片固定段は、固着部223の内部に保持された点Aと点Cとの間の一部の弾性片を指す。ここでのA点は、弾性片25の内縁が位置する位置でもあり、C点は、凹部225の底面が位置する位置である。
【0045】
図6から明らかなように、縦方向軸線Lの外縁が位置する側では、伝動アーム22の固着部223は、弾性片24,25の延在方向において第1固着幅B1を有し、該幅B1は、凹部225の底面から縦方向軸線Lまでの距離を指す。縦方向軸線Lの内縁が位置する側では、弾性片固定段Sは、弾性片延在方向において第2固着幅B2を有し、言い換えれば、凹部225の底面と弾性片の外縁が同じ側にある場合、図6に示すように、第2固着幅B2は、弾性片の内縁から縦方向軸線Lまでの距離であり、凹部225の底面と弾性片の外縁とが縦方向軸線Lの反対の両側にある場合、第2固着幅B2は、凹部225の底面から弾性片の内縁までの距離である。弾性片24,25は、hとして示された幅を有する一部の変形可能部分を有する。弾性片の「変形可能部分」とは、通常、保持された内縁と外縁との間において拘束されていない、かつある長さを有する弾性片を指し、具体的には、伝動アームの固着部と弾性片固定ブロックとの間の一部の弾性片を指す。凹部225の底面の、伝動アーム22の凹部と同じ側の外面に対する最も遠い径方向距離は、凹部225の凹み深さDに限定され、特に、該凹み深さDは、第1固着幅B1より大きい。図6に示す実施例では、凹部225の平坦底面は、基本的には伝動アーム22の平坦外面と略平行であり、凹み深さDは、これら2つの平坦面の間の距離であり、第1固着幅B1は、ゼロより大きい、すなわち固着部223の固定弾性片固定段Sの一部と弾性片の外縁は、縦方向軸線Lの同じ側にある。より好適な実施例では、第1固着幅B1は、ゼロに等しくてもよい。理解すべきところは、本発明において、第1固着幅B1がゼロである場合は、固着部223全体が縦方向軸線Lの弾性片の外縁と反対側にオフセットされた構造を含み、弾性片固定段Sは、縦方向軸線Lと内縁との間においてのみ延在し、縦方向軸線Lの弾性片の外縁側には延在しない。換言すれば、凹部225の底面が縦方向軸線L上にあるか、凹部225の底面と弾性片の外縁がそれぞれ縦方向軸線Lの両側にある場合に、第1固着幅B1は、ゼロに等しいとみなし、すなわち固着部は、第1固着幅を備えず、第2固着幅B2のみを有する。
【0046】
また、好ましくは、第1固着幅B1は、変形可能部分の幅hの20%未満であり、かつ、好ましくは、弾性片24,25の第1固着幅B1は、3mm未満である。伝動アームの固着部が第1固着幅B1の部分のみで第2固着幅B2の部分を有しないと仮定し、第1固着幅B1と弾性片の変形可能部分の幅h(図6に示す)との比が0.0339(B1/h=0.0339)である場合に、駆動軸300の回転角度は、α3であり、伝動アーム22が第2固着幅B2の部分のみで第1固着幅部分B1部分を有しない場合に、駆動軸300の回転角度をα4とし、力学原理に基づいて計算すると、α3は、α4の約0.9倍である。明らかに、第1固着幅B1の存在は、駆動軸の回転角度を抑制し、B1/h値が大きいほど駆動軸の回転角度が小さくなり、第2固着幅B2は、駆動軸の回転角度を十分に解放することができる。第1固着幅B1と第2固着幅B2が同時に存在する場合に、駆動軸の回転角度は、第1固着幅B1の作用のみに依存し、すなわち駆動軸の回転角度が抑制され、前記α3は、抑制された駆動軸の回転角度であり、前記α4は、抑制されない駆動軸の回転角度である。B1/h=0.2の場合に、力学原理に基づいて計算すると、このときのα3は、α4の約0.52倍である。0.52倍は、実際の工程で受け入れられるので、B1/hは、0.2以下であることが要求される。弾性片の弾性変形可能部分の幅hは、通常5mm~15mmの値をとるので、第1固着幅B1は、通常3mmを超えてはならない。
【0047】
一方、好ましくは、第1固着幅B1は、第2固着幅B2よりも小さい。第2固着幅B2は、駆動軸300を往復回転させるように弾性片24,25を締結して磁石からの電磁モーメントを伝動アーム22と弾性片24,25に伝達することを目的としており、第1固着幅B1の存在は、弾性片の弾性変形を阻害し、駆動軸300の回転角度を抑制して駆動軸の出力を低下させる。第1固着幅B1が第2固着幅B2よりも小さく設定されると、駆動軸300の回転角度の抑制を効果的に低減し、駆動軸300の出力を高めることができる。
【0048】
第2固着幅B2の大きさは、電磁モーメントを伝達するのに十分な大きさに設定すべきである。実際には、第2固着幅B2の大きさは、弾性片24,25の弾性変形にほとんど影響しないが、第2固着幅B2は、電磁モーメントを安定的かつ効果的に伝動アームに伝達するのに直接的な影響を与えることが分かった。実験により、最適な選択は、第1固着幅B1がゼロに等しい場合、電磁モーメントを伝動アーム22に確実かつ効果的に伝達するために、第2固着幅B2が1mm以上であることが必要であることを証明した。
【0049】
弾性片24,25の第1固着幅B1が第2固着幅B2よりも小さく、同時に弾性アセンブリ全体の小型化を実現するために、図5に示すように、本発明の好適な実施例による伝動アーム22は、特に複数の曲げセグメントを有する曲げアーム形状を呈している。
【0050】
具体的には、伝動アーム22は、それぞれ第1駆動軸部30と第2駆動軸部31とに固定接続された遠位端と近位端とを備え、それらは、それぞれ縦方向軸線Lに沿って中心を合わせて対応する駆動軸部30、31に接続されている。伝動アーム22は、遠位端221と近位端222との間に弾性片固定段Sを固着する固着部223をさらに備え、固着部223は、縦方向軸線Lに対してオフセットされ、駆動軸を固定する近位端と遠位端に対してもオフセットされている。第1固着幅B1がゼロである場合に対して、固着部223は、縦方向軸線Lの一方側に完全にオフセットされる。
【0051】
また、弾性片24,25を何の阻害も受けなく、凹部225において十分に自由的に弾性変形させるために、好ましくは、弾性片24,25と凹部225の側面とは、縦方向軸線Lの方向に隙間32,33を隔てている。
【0052】
2つの弾性片24,25を有する弾性アセンブリに対して、伝動アーム22は、2つの固着部223を有し、2つの固着部223は、縦方向軸線L方向に前後に離隔して設けられ、かつ、それらは、縦方向軸線Lに対して反対の方向にオフセットされている。図5に示すように、駆動軸部31に近い固着部223は、縦方向軸線Lの右側にオフセットされ、駆動軸部30に近い固着部223は、縦方向軸線Lの左側にオフセットされている。好ましくは、2つの固着部223の縦方向軸線Lに対するオフセット量は、同じである。2つの固着部223の間は、伝動アーム22の遠位端221と近位端222と基本的には一致する幅を有する接続部226を介して接続されている。
【0053】
2つのオフセットされた固着部223は、伝動アーム22において2つの凹部225を形成し、それぞれの凹部225の縦方向軸線L方向の長さは、弾性片24,25の縦方向の長さよりも大きく、これにより、弾性片24,25と凹部225の両側辺は、縦方向軸線L方向に一定の隙間32、33を隔て、隙間の大きさは、伝動アーム22と弾性片とが縦方向で接触しないことを確保できればよい。
【0054】
本発明の好適な実施例によるエネルギー交換装置によれば、磁石29からの往復電磁モーメントが弾性片24,25に作用し、トランスデューサ2と清掃要素が交番の電磁モーメントで共振し、駆動軸300が軸受に拘束されて駆動軸300の縦方向軸線L回りに往復回転する。図6に示すように、弾性片固定段は、A点とC点の間の弾性片である。弾性片24,25に対する電磁モーメントの作用点がC点であり、すなわち弾性片24,25の外縁と縦方向軸線Lとの間の弾性片24,25に位置する場合、駆動軸300の最大回転角度は、α1である。弾性片24,25に対する電磁モーメントの作用点がA点であり、すなわち縦方向軸線Lと外縁が位置する側と反対側に位置する弾性片24,25の内縁に位置する場合、駆動軸300の最大回転角度は、α2である。駆動軸300は、軸受に拘束されて駆動軸300の軸線L回りに往復回転するため、固体力学原理に従って、弾性片固定段Sは、伝動アーム22に固定されたので、この部分の弾性片は、弾性変形することができず、同じ電磁モーメントの下で、回転角度α1は、回転角度α2よりも小さい。C点から縦方向軸線Lまでの一部の伝動アーム22は、弾性片24と25に減衰を形成して機械効率を低下させる。第1固着幅B1が第2固着幅B2よりも小さく設定される場合、特に第1固着幅B1が隣接する弾性片変形可能幅hの20%よりも小さい場合、外縁側の伝動アーム22部分の減衰が顕著に低減されるので、機械効率を効果的に向上させることができる。最適な態様によれば、第1固着幅B1は、ゼロに設定することができ、すなわち弾性片固定段Sが縦方向軸線Lと内縁との間にのみ存在するので、縦方向軸線Lと弾性片の固定縁である外縁との間の弾性片のいかなる部分も伝動アーム22に拘束されず、この部分の伝動アーム22からの減衰が除去されるため、機械効率が大幅に向上することができる。
【0055】
また、弾性片の外縁と駆動軸300の縦方向軸線Lとの間に伝動アーム22と弾性片の付勢力があると、この付勢力により軸受と駆動軸300との間に周期的に衝撃力が発生して高周波ノイズが発生するが、第1固着幅B1をゼロに設定すれば、ノイズを効果的に除去することもできる。
【0056】
図7は、本発明の他の好適な実施例によるエネルギー交換装置を示す。このエネルギー交換装置は、同様にトランスデューサと駆動コイルアセンブリを有し、電磁力発生の装置と方式は、前記の好適な実施例と一致するので、ここではこれ以上説明しない。
【0057】
このエネルギー交換装置の違いは、駆動アーム22’には1つの凹部225’か設けられることと、凹部225’の空間に収容された弾性片24’である。弾性片24’は、縦方向軸線Lから離れた外縁と、縦方向軸線Lに近い内縁とを有し、弾性片24’の内縁において、弾性片24’は、伝動アームに固定され、弾性片24’の外縁において、弾性片24’は、トランスデューサ2のハウジングに固定されている。該弾性片24’の外縁は、固定縁または静止縁であり、弾性片24’の内縁は、可動縁または共振縁である。
【0058】
前記の実施例と同様に、弾性片24’は、弾性片24’の外縁と内縁が縦方向軸線Lの反対の両側に位置するように、その外縁から縦方向軸線Lに向かって内側に延びて縦方向軸線Lを越えている。弾性片24’は、内縁の近くに伝動アーム22’を介して固定された弾性片固定段を有する。前記の好適な実施例と一致して、ここでの「弾性片固定段」とは、弾性片の延在方向において一定の長さを有する一部の弾性片を指し、この部分の弾性片の1つまたは2つの表面は、伝動アームの本体に直接的に接触して弾性変形動作ができないように保持されている。縦方向軸線Lの外縁が位置する側では、伝動アーム24’の固着部は、弾性片延在方向において第1固着幅B1を有し、縦方向軸線Lの内縁が位置する側では、弾性片延在方向において第2固着幅B2を有し、特に、凹部225’の凹み深さDは、弾性片24’の第1固着幅B1より大きく、好ましくは、第1固着幅B1は、第2固着幅B2より小さい。好ましくは、弾性片の第1固着幅B1は、3mmより小さく、より好ましくは、第1固着幅B1より小さくて0に設定され、すなわち、弾性片固定段は、縦方向軸線Lと内縁との間にのみ設置されている。
【0059】
図7に示すように、このエネルギー交換装置は、同様に2つの軸受を有し、軸受は、縦方向軸線L方向に沿って弾性アセンブリの近位側と遠位側で駆動軸300に設けられ、その中に、弾性体24’は、近位側の軸受26の方により近接している。
【0060】
1つの弾性片24’の設計に対応して、図7に示す伝動アーム22’は、弾性片固定段を固着する1つの固着部223のみを備え、該固着部223は、縦方向軸線Lに対してオフセットされ、第1固着幅B1がゼロである場合、該固着部223は、縦方向軸線Lの一方側に完全にオフセットされている。この実施例も、同様に弾性片の外縁側の伝動アーム22’による減衰を低減することができ、機械効率を効果的に向上させることができる。
【0061】
伝動アーム22,22’と弾性片とは、被覆成形方法により一体的に形成することができるが、他の代替的な実施形態では、他の締結装置を介して両者を取り付けることもできる。
【0062】
図8図9は、本発明のさらに好適な実施例によるエネルギー交換装置を示す。このエネルギー交換装置では、伝動アームは、1つの固着部223”のみを有し、該固着部223”は、縦方向軸線Lに対して中心を合わせ、固着部223”の両側に2つの凹部225”を形成し、2つの凹部225”は、縦方向軸線Lに対して中心を合わせる。伝動アーム22”の近位側と遠位側は、それぞれ駆動軸の一部を包絡する略円筒形の端部を有するので、伝動アーム22”は、円筒形の外面を有すると見なし、理解すべきところは、この部分の外面は、凹部225”の底部から径方向に最も離れた距離を有する面として構成され、弾性片24”の延在平面において、凹部225”の底面と端部の凹部と同一側の外面との距離が凹み深さDであり、この凹み深さDは、図9に示す固着部223”の第1固着幅B1よりも大きい。
【0063】
前述の実施例と同様に、弾性片24”の延在方向に沿って、凹部225”の底面から縦方向軸線Lまでの幅B1は、弾性片の変形可能部分幅hの20%よりも小さく、すなわち、B1/h<20%である。
【0064】
2つの弾性片24”は、それぞれ2つの凹部225”内に延び、好ましくは、同一平面上にある。弾性片24”の外縁は、共振運動中に弾性片の静止縁または固定縁を構成するように、弾性片固定ブロック20”、21”にそれぞれ保持されている。同様に、弾性片24”と凹部の側面との間には、隙間32”、33”が残され、駆動軸にも軸受26”が設けられている。
【0065】
伝動アームは、プラスチックであってもよいし、駆動部、特に固着部の強度を強化するために、プラスチックにより通常金属である駆動軸300の一部を包絡することであってもよい。本実施例では、弾性片の内縁は、縦方向軸線Lに位置してもよいし、内縁と外縁を縦方向軸線Lの同じ側に設けてもよい。
【0066】
図8及び図9に示すのは、2枚の弾性片24”であるが、理解すべきところは、代替的な実施例では、この2枚の弾性片24”が一体的に形成してもよい。
【0067】
本発明によるエネルギー交換装置によれば、伝動アームは、凹部を有し、弾性片は、凹部に設けられ、第1固着幅B1は、凹部の凹み深さDより小さく、好ましくは、第1固着幅B1は、弾性片の変形可能部分の幅hの20%より小さいので、第1固着幅B1の共振回転角度に対する抑制を効果的に小さくし、機械効率を向上させる。好ましくは、弾性片の固着部における第1固着幅B1は、第2固着幅B2よりも小さく、ブラシヘッドのような清掃アセンブリの回転角度をさらに大きくするとともに、弾性片の固着信頼性を高めることができる。
【0068】
伝動アームは、オフセットされた固着部を用いて第1固着幅B1の減少を実現し、このような構造は、トランスデューサの弾性アセンブリの体積をより小さくしながら、伝動アームの固定効果に影響を与えることはない。
【0069】
本発明は、上記のように好ましい実施例で開示されたが、本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、可能な変更および修正を行うことができる。したがって、本発明の技術案を逸脱しない内容と、本発明の技術実質に基づいて上記実施例に対して行ったいかなる修正、同等の変化および修飾も、本発明の請求項に規定された保護範囲内に入る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】