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特表2024-539031二酸化炭素吸収液及び燃料ガスからの二酸化炭素捕集方法
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  • 特表-二酸化炭素吸収液及び燃料ガスからの二酸化炭素捕集方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】二酸化炭素吸収液及び燃料ガスからの二酸化炭素捕集方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/14 20060101AFI20241018BHJP
   B01D 53/18 20060101ALI20241018BHJP
   B01D 53/22 20060101ALI20241018BHJP
   B01D 69/08 20060101ALI20241018BHJP
   C01B 32/50 20170101ALI20241018BHJP
【FI】
B01D53/14 210
B01D53/14 220
B01D53/18
B01D53/22
B01D69/08
C01B32/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522627
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 CN2022127150
(87)【国際公開番号】W WO2023066400
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111237906.1
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】521165264
【氏名又は名称】中石化南京化工研究院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】黄漢根
(72)【発明者】
【氏名】毛松柏
(72)【発明者】
【氏名】陳曦
(72)【発明者】
【氏名】汪東
(72)【発明者】
【氏名】郭本帥
(72)【発明者】
【氏名】葉▲ニン▼
(72)【発明者】
【氏名】季燕
(72)【発明者】
【氏名】楊繼
(72)【発明者】
【氏名】黄鐘斌
(72)【発明者】
【氏名】趙靜妍
【テーマコード(参考)】
4D006
4D020
4G146
【Fターム(参考)】
4D006GA41
4D006HA01
4D006KE07R
4D006KE16R
4D006MA01
4D006MA33
4D006PA02
4D006PB18
4D006PB64
4D020AA03
4D020BA01
4D020BA07
4D020BA16
4D020BA19
4D020BB03
4D020BC01
4D020CB40
4D020CC09
4D020DA02
4D020DA03
4D020DB01
4D020DB03
4D020DB05
4D020DB07
4D020DB20
4G146JA02
4G146JB09
4G146JC21
4G146JC28
4G146JD02
(57)【要約】
本発明は、二酸化炭素ガス分離の技術分野に関し、二酸化炭素吸収液、燃料ガスからの二酸化炭素捕集方法及び装置を開示する。前記二酸化炭素吸収液は、溶媒100重量部と、アミノ酸10~55重量部と、有機アミン20~65重量部と、活性化剤5~15重量部と、促進剤2~12重量部と、を含有する。本発明による二酸化炭素吸収液は、アミノ酸、有機アミン、活性化剤、及び促進剤の相乗作用により、二酸化炭素に対する二酸化炭素吸収液の吸収容量を向上させるだけではなく、二酸化炭素吸収液を再生するためのエネルギー消費量を低下させ、高純度の二酸化炭素を得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒100重量部と、アミノ酸10~55重量部と、有機アミン20~65重量部と、活性化剤5~15重量部と、促進剤2~12重量部と、を含有し、
前記活性化剤は、活性化剤Iと活性化剤IIを含み、前記活性化剤Iは、アルキル第四級アンモニウム系イオン液体、アルキル第四級ホスホニウム系イオン液体、ピリジン系イオン液体から選択される少なくとも1種であり、
前記活性化剤IIは、ビスアミノ第四級ホスホニウム系イオン液体、アミノ官能化イミダゾール系イオン液体、ビスアミノ官能基化イオン液体、アミノ酸系イオン液体、テトラメチルグアニジンコハク酸塩系イオン液体、テトラメチルグアニジンドデカンジカルボン酸塩イオン液体、テトラメチルグアニジンポリエチレングリコールジカルボン酸塩イオン液体から選択される少なくとも1種である、二酸化炭素吸収液。
【請求項2】
溶媒100重量部と、アミノ酸15~35重量部と、25~50重量部の有機アミン、活性化剤6~10重量部と、促進剤3~5重量部と、を含有する、請求項1に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項3】
溶媒100重量部と、アミノ酸30~35重量部と、有機アミン45~50重量部と、活性化剤5~10重量部と、促進剤4~5重量部と、を含有する、請求項2に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項4】
前記アミノ酸は、グリシン、サルコシン、リジン、アラニン、グルタミン酸、セリン、アミノ酢酸、プロリン、アルギニン、ヒスチジンから選択される少なくとも1種である、請求項1~3のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項5】
前記アミノ酸は、グリシン、サルコシン、リジン、アラニンのうちの1種である、請求項4に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項6】
前記有機アミンは、N-メチルモノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、N-メチルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、イソプロピルアミノエタノール、ヒドロキシエチルピペラジン、モルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン及びその誘導体から選択される少なくとも1種である、請求項1~5のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項7】
前記有機アミンは、N-メチルモノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、N-メチルジエタノールアミンから選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項8】
前記アミノ酸と有機アミンとの質量比が0.5~1:1である、請求項1~7のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項9】
前記アミノ酸と有機アミンとの質量比が0.6~0.8:1である、請求項8に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項10】
前記活性化剤Iと活性化剤IIとの質量比が1:1~8.5である、請求項1~9のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項11】
前記活性化剤Iと活性化剤IIとの質量比が1:2.5~5である、請求項10に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項12】
前記活性化剤Iは、アルキルホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩、アルキルアンモニウムヘキサフルオロリン酸塩、アルキルピリジニウムアルミニウムクロライド塩から選択される1種であり、
好ましくは、前記活性化剤Iは、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムテトラフルオロボラート、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、セチルピリジニウムクロライドから選択される1種である、請求項1~11のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項13】
前記活性化剤IIは、3-プロピルアミノ-トリブチルホスホニウムグリシン塩、3-プロピルアミノ-トリブチルホスホニウムアラニン塩、グリシンテトラエチルアンモニウム、グリシンテトラブチルアンモニウム、グリシンテトラブチルホスホニウム、1-アミノプロピル-3-メチルイミダゾールグリシン塩、3-プロピルアミノ-トリブチルホスホニウム-2-ヒドロキシピリジンから選択される少なくとも1種である、請求項1~12のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項14】
前記促進剤は塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムから選択され、前記溶媒は水から選択される、請求項1~13のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項15】
燃料ガスからの二酸化炭素捕集方法であって、
燃料ガス、及び請求項1~14のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸収液から選択される貧液を多孔質膜に通して間接接触による物質移動を行い、リッチ液及び浄化燃料ガスを得るステップ(1)と、
前記リッチ液を再生し、再生貧液及び再生ガスを得るステップ(2)と、
前記再生貧液を貧液としてステップ(1)に返液するステップ(3)と、を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記燃料ガスは強酸性燃料ガスから選択され、前記強酸性燃料ガス中の二酸化炭素の含有量(乾量基準)は15~60v%である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記強酸性燃料ガス中の二酸化炭素の含有量(乾量基準)は、25~50v%である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記強酸性燃料ガスは、油田随伴ガス、PSA再生ガス、バイオメタンガス、バイオ分解ガスから選択される少なくとも1種である、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記燃料ガスと前記吸収液との流量比が、1Nm/h:10~80L/hである、請求項15~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記燃料ガスと前記吸収液との流量比が、1Nm/h:20~50L/hである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記多孔質膜は中空糸膜である、請求項15~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記中空糸膜は、膜糸内径が40~60mm、膜糸外径が0.5~1.2mm、好ましくは、膜糸内径が45~55mm、膜糸外径が0.8~0.9mmである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記間接接触による物質移動の操作条件は、物質移動温度25~80℃、物質移動圧力1~20MPa、好ましくは、物質移動温度35~50℃、物質移動圧力4~16MPaを含む、請求項15~22のいずれか1項に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2021年10月22日に提出された中国特許出願202111237906.1の利点を主張しており、当該出願の内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、二酸化炭素ガス分離の技術分野に関し、具体的には、二酸化炭素吸収液及び燃料ガスからの二酸化炭素捕集方法に関する。
【背景技術】
【0003】
中国や国際の環境問題が深刻化する中、温室効果ガスの排出抑制が国際社会の焦点となっており、特にCO排出抑制と温室効果削減は重要かつ緊急の課題となっている。
【0004】
油田随伴ガス、PSA再生ガス、バイオメタンガス、バイオ分解ガスなどの燃料ガスの製造過程では、多量の二酸化炭素が発生するが、これらのガス中の二酸化炭素を除去することは、温室効果ガスの排出量削減、エネルギー品質の向上、及び化学工業へのその利用において重要な役割を果たす。
【0005】
現在、CO捕集方法には、主に化学吸収法、吸着法、膜分離法、膜吸収法、及び低温蒸留法などがあるが、最も広く使われているのは化学吸収法である。しかし、化学吸収法は、一般に、二酸化炭素の吸着容量が低い、吸収液を再生するためのエネルギー消費量が大きい、強酸性の原料ガスに対する捕集効果が不十分である、高純度の二酸化炭素の分離が難しいなどの欠点がある。
【0006】
したがって、二酸化炭素の吸着容量が大きく、再生のためのエネルギー消費量が少なく、強酸性の原料ガスの処理に使用でき、高純度の二酸化炭素が得られる二酸化炭素吸収液の提供が急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、二酸化炭素の吸着容量が小さい、吸収液を再生するためのエネルギー消費量が大きい、強酸性の原料ガスの捕集効果が不十分である、高純度の二酸化炭素の分離が難しい、化学吸収法に存在する技術的課題を解決し、二酸化炭素吸収液及び燃料ガスからの二酸化炭素捕集方法を提供ことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成させるために、本発明の第1態様は、溶媒100重量部と、アミノ酸10~55重量部と、有機アミン20~65重量部と、活性化剤5~15重量部と、促進剤2~12重量部と、を含有し、
前記活性化剤は、活性化剤Iと活性化剤IIを含み、前記活性化剤Iは、アルキル第四級アンモニウム系イオン液体、アルキル第四級ホスホニウム系イオン液体、ピリジン系イオン液体から選択される少なくとも1種であり、前記活性化剤IIは、ビスアミノ第四級ホスホニウム系イオン液体、アミノ官能化イミダゾール系イオン液体、ビスアミノ官能基化イオン液体、アミノ酸系イオン液体、テトラメチルグアニジンコハク酸塩系イオン液体、テトラメチルグアニジンドデカンジカルボン酸塩イオン液体、テトラメチルグアニジンポリエチレングリコールジカルボン酸塩イオン液体から選択される少なくとも1種である、二酸化炭素吸収液を提供する。
【0009】
本発明の第2態様は、
燃料ガス、及び本発明の第1態様に記載の二酸化炭素吸収液から選択される貧液を多孔質膜に通して間接接触による物質移動を行い、リッチ液及び浄化燃料ガスを得るステップ(1)と、
前記リッチ液を再生し、再生貧液及び再生ガスを得るステップ(2)と、
前記再生貧液を貧液としてステップ(1)に返液するステップと、を含む、燃料ガスからの二酸化炭素捕集方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
上記の技術案によれば、本発明による有益な技術的効果は以下の通りである。
1)本発明による二酸化炭素吸収液は、アミノ酸、有機アミン、活性化剤、及び促進剤の相乗作用により、二酸化炭素に対する二酸化炭素吸収液の吸収容量を向上させるだけではなく、二酸化炭素吸収液の再生のためのエネルギー消費量を低下させ、高純度の二酸化炭素を得ることができる。
2)本発明による二酸化炭素吸収液は、活性化剤Iと活性化剤IIを含有する場合、アミノ酸の使用量を増加させ、特定の使用量の有機アミンとの相乗作用により、二酸化炭素の除去率をさらに高め、再生のためのエネルギー消費量を低下させ、高純度再生ガスを得ることができる。
3)本発明による二酸化炭素吸収液は、活性化剤Iと活性化剤IIとの質量比を合理的に調整することで、脱炭溶媒の二酸化炭素捕集効果をさらに改善し、再生のためのエネルギー消費量を低下させ、高純度の二酸化炭素を得ることができる。
4)本発明による燃料ガスからの二酸化炭素捕集方法は、多孔質膜と特定の貧液との共同作用により、二酸化炭素の捕集効果を高め、二酸化炭素含有量(乾量基準)が3v%未満のクリーンな浄化燃料ガスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明における燃料ガスからの二酸化炭素捕集装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で開示される範囲の端点及び任意の値は、正確な範囲又は値に限定されず、これらの範囲又は値に近い値を含むと理解されるべきである。数値範囲の場合、各範囲の端点値の間、各範囲の端点値と個々のポイント値の間、及び個々のポイント値の間は、互いに組み合わされて1つ又は複数の新しい数値範囲を得ることができ、これらの数値範囲は、本明細書で具体的に開示されるものとみなされるべきである
【0013】
本発明の第1態様は、溶媒100重量部と、アミノ酸10~55重量部と、有機アミン20~65重量部と、活性化剤5~15重量部と、促進剤2~12重量部と、を含有し、
前記活性化剤は、活性化剤Iと活性化剤IIを含み、前記活性化剤Iは、アルキル第四級アンモニウム系イオン液体、アルキル第四級ホスホニウム系イオン液体、ピリジン系イオン液体から選択される少なくとも1種であり、
前記活性化剤IIは、ビスアミノ第四級ホスホニウム系イオン液体、アミノ官能化イミダゾール系イオン液体、ビスアミノ官能基化イオン液体、アミノ酸系イオン液体、テトラメチルグアニジンコハク酸塩系イオン液体、テトラメチルグアニジンドデカンジカルボン酸塩イオン液体、テトラメチルグアニジンポリエチレングリコールジカルボン酸塩イオン液体から選択される少なくとも1種である、二酸化炭素吸収液を提供する。
【0014】
好ましい実施形態では、前記二酸化炭素吸収液は、溶媒100重量部と、アミノ酸15~35重量部、好ましくは30~35重量部と、有機アミン25~50重量部、好ましくは45~50重量部と、活性化剤6~10重量部、好ましくは5~10重量部と、促進剤3~5重量部、好ましくは4~5重量部と、を含有する。
【0015】
本発明では、アミノ酸、有機アミン、活性化剤、促進剤、及び溶媒の使用量が上記の範囲に限定される場合、二酸化炭素吸収液の二酸化炭素捕集効果はより良好である。
【0016】
好ましい実施形態では、前記アミノ酸と有機アミンとの質量比が、0.5~1:1、好ましくは0.6~0.8:1である。
【0017】
二酸化炭素捕集分野でよく使用される吸収剤は、有機アミン若しくはアミノ酸塩、又は有機アミンに少量のアミノ酸を添加したものである。しかし、本発明では、本発明者らが検討した結果、アミノ酸、有機アミン、活性化剤、及び促進剤を同時に使用するとともに、活性化剤として活性化剤I及び活性化剤IIを使用することによって、アミノ酸の使用量を増加させ、特定の使用量のアミノ酸及び有機アミンによる相乗作用により、二酸化炭素の除去率をさらに向上させ、再生のためのエネルギー消費量を低下させ、高純度再生ガスを得ることができる。
【0018】
好ましい実施形態では、前記アミノ酸は、グリシン、サルコシン、リジン、アラニン、グルタミン酸、セリン、アミノ酢酸、プロリン、アルギニン、ヒスチジンから選択される少なくとも1種、好ましくはグリシン、サルコシン、リジン、アラニンのうちの1種である。
【0019】
好ましい実施形態では、前記有機アミンは、N-メチルモノエタノールアミン(MMEA)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、N-メチルジエタノールアミン(MDEA)、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、イソプロピルアミノエタノール(IPAE)、ヒドロキシエチルピペラジン(HEPZ)、モルホリン(MOR)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)及びその誘導体から選択される少なくとも1種、好ましくはN-メチルモノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、N-メチルジエタノールアミンのうちの少なくとも1種である。
【0020】
好ましい実施形態では、前記活性化剤Iと活性化剤IIとの質量比が、1:1~8.5、好ましくは1:2.5~5である。
【0021】
本発明では、活性化剤Iと活性化剤IIとの質量比を合理的に調整することで、脱炭溶媒の二酸化炭素捕集効果をさらに改善し、再生のためのエネルギー消費量を低下させ、高純度の二酸化炭素を得ることができる。
【0022】
好ましい実施形態では、本発明において、アルキル第四級アンモニウム系イオン液体、アルキル第四級ホスホニウム系イオン液体、ピリジン系イオン液体は特に限定されず、本分野でよく使用されるアルキル第四級アンモニウム系イオン液体、アルキル第四級ホスホニウム系イオン液体、ピリジン系イオン液体は、すべて本発明に利用可能である。
【0023】
好ましい実施形態では、前記活性化剤Iは、アルキルホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩([PR4-x[BF)、アルキルアンモニウムヘキサフルオロリン酸塩([NR4-x[PF)、アルキルピリジニウムアルミニウムクロライド塩([RPy][AlCl)から選択される1種である。ここで、xは1~4の整数であり、Rは炭素数1~20のアルキル、好ましくは炭素数6~16のアルキルであり、x個のRは同一又は異なり、それぞれ独立して、例えば、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルであってもよい。さらに好ましくは、前記活性化剤Iは、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムテトラフルオロボラート、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、セチルピリジニウムクロライドから選択される1種である。
【0024】
好ましい実施形態では、前記活性化剤IIは、3-プロピルアミノ-トリブチルホスホニウムグリシン塩([aP4443][Gly])、3-プロピルアミノ-トリブチルホスホニウムアラニン塩([aP4443][Ala])、グリシンテトラエチルアンモニウム([N2222][Gly])、グリシンテトラブチルアンモニウム([N4444][Gly])、グリシンテトラブチルホスホニウム[P4444][Gly]、1-アミノプロピル-3-メチルイミダゾールグリシン塩([APmim][Gly])、3-プロピルアミノ-トリブチルホスホニウム-2-ヒドロキシピリジン([aP4443][2-Op])から選択される少なくとも1種であり、さらに好ましくは、前記活性化剤IIは、[P4444][Gly]、[aP4443][2-Op]、[aP4443][Gly]から選択される1種である。
【0025】
好ましい実施形態では、前記促進剤は、塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムから選択され、好ましくは塩化ナトリウムである。
【0026】
好ましい実施形態では、前記吸収液中の溶媒は水から選択される。
【0027】
本発明の第2態様は、
燃料ガス、及び本発明の第1態様に記載の二酸化炭素吸収液から選択される貧液を多孔質膜に通して間接接触による物質移動を行い、リッチ液及び浄化燃料ガスを得るステップ(1)と、
前記リッチ液を再生し、再生貧液及び再生ガスを得るステップ(2)と、
前記再生貧液を貧液としてステップ(1)に返液するステップ(3)と、を含む、燃料ガスからの二酸化炭素捕集方法を提供する。
【0028】
ステップ(1)では、
好ましい実施形態では、前記燃料ガスは、強酸性燃料ガスから選択され、前記強酸性燃料ガス中の二酸化炭素の含有量(乾量基準)は、15~60v%、好ましくは25~50v%である。
【0029】
好ましい実施形態では、前記強酸性燃料ガスは、油田随伴ガス、PSA再生ガス、バイオメタンガス、バイオ分解ガスから選択される少なくとも1種である。
【0030】
ここで、PSA再生ガスは、本分野における圧力変動吸着再生ガスである。本発明による燃料ガスからの二酸化炭素捕集方法は、燃料ガスについて特に限定せず、特に二酸化炭素含有量(乾量基準)が15v%以上の強酸性燃料ガスを処理することに用いられる。
【0031】
好ましい実施形態では、前記燃料ガスと前記吸収液との流量比が、1Nm/h:10~80L/h、好ましくは1Nm/h:20~50L/hである。
【0032】
好ましい実施形態では、前記多孔質膜は、耐圧多孔質膜から選択されるが、好ましくは中空糸膜であり、前記中空糸膜は、膜糸内径が40~60mm、好ましくは45~55mm、膜糸外径が0.5~1.2mm、好ましくは0.8~0.9mmである。
【0033】
好ましい実施形態では、前記間接接触による物質移動の操作条件は、物質移動温度25~80℃、好ましくは35~50℃、物質移動圧力1.0~20.0MPa、好ましくは4.0~16.0MPaを含む。
【0034】
好ましい実施形態では、前記浄化燃料ガス中の二酸化炭素含有量(乾量基準)は、3v%未満、好ましくは1.5~2.5v%である。
【0035】
本発明による燃料ガスからの二酸化炭素捕集方法は、多孔質膜と特定の貧液との共同作用により、二酸化炭素の捕集効果をさらに高め、二酸化炭素含有量(乾量基準)が3v%未満の浄化燃料ガスを得ることができ、浄化燃料ガスは工業生産指標を満たすことができる。
【0036】
ステップ(2)では、
好ましい実施形態では、本発明において、リッチ液の再生は特に限定されず、本分野の一般的な操作に従って行われ得る。例えば、前記リッチ液は再生塔に送液されて再生される。
【0037】
好ましい実施形態では、前記再生ガス中の二酸化炭素の含有量(乾量基準)は、95v%以上、好ましくは98v%以上、さらに好ましくは99.5v%以上である。
【0038】
本発明では、再生により得られた再生ガスにおいて、二酸化炭素に加えて、少量の水が含有されてもよく、高純度の再生ガスを得るために、をさらに再生ガスから水を除去してもよい。本発明では、再生ガスの除水方式は特に限定されず、本分野の一般的な操作に従って行われ得る。例えば、再生ガスを凝結して水を除去してもよい。
【0039】
好ましい実施形態では、前記再生における再生のためのエネルギー消費量は、1.8~2.9×10kcal/NmCO、好ましくは1.8~2.1×10kcal/NmCOである。
【0040】
ステップ(3)では、
好ましい実施形態では、前記再生貧液を前記リッチ液と熱交換してステップ(1)に返液する。
【0041】
本発明では、前記再生貧液を前記リッチ液と熱交換した後にも再生貧液の温度が高く、間接接触による物質移動の操作条件を満たすのが困難である場合、熱交換後の再生貧液をさらに降温する。
【0042】
以下では、実施例によって本発明について詳細に説明する。以下では、実施例及び比較例は図1に示す装置で行われ、この装置は、膜吸収器1、熱交換器2、再生塔3、貧液冷却器4、貧液ポンプ5、及び燃料ガス貯蔵タンク6を含み、ここで、膜吸収器1のリッチ液出口が、熱交換器2、再生塔3の塔頂に順次接続され、再生塔3の塔底が熱交換器2、貧液ポンプ5、貧液冷却器4、及び膜吸収器1の貧液入口に順次接続され、燃料ガス貯蔵タンク6は膜吸収器1に接続される。
【0043】
膜吸収器1は、中空糸膜を含む膜吸収器であり、中国科学院大連化学物理研究所によるものである。CO含有量(乾量基準)は排ガス分析計で測定され、再生のためのエネルギー消費量は、再生加熱量/COの収量であり、ここで、再生のための加熱量はkcalであり、COの収量はNmである。
実施例1
【0044】
(1)燃料ガス貯蔵タンク6からの2.0Nm/hの模擬強酸性燃料ガス(COの含有量(乾量基準)は40v%であり、バランスガスはNである。)、及び40L/hの貧液(組成は表1に示される。)を膜吸収器1に導入し、模擬強酸性燃料ガス及び貧液をそれぞれ中空糸膜の両側で流し、40℃、8.0MPaの条件で中空糸膜に通して、間接接触による物質移動を行い、リッチ液及び浄化燃料ガスを得た。
(2)上記リッチ液を再生塔3に導入して再生し、再生塔の塔底から再生貧液を得、次に、再生塔3の塔頂で再生ガスを得た。
(3)まず、上記再生貧液を膜吸収器1からのリッチ液と熱交換器2で熱交換し、その後、貧液ポンプ5により貧液冷却器4内で冷却し、貧液として膜吸収器1に返液した。
得られた浄化燃料ガス中のCO含有量(乾量基準)は1.8v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は99.5%以上(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は2.1×10kcal/NmCOであった。
実施例2
【0045】
貧液は異なり、実施例2の貧液の組成は表1に示される以外、実施例1と同様であった。
ここで、得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は1.5v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は99.5%以上(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は1.8×10kcal/NmCOであった。
実施例3
【0046】
貧液は異なり、実施例3の貧液の組成は表1に示される以外、実施例1と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は2.0v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は99.5%以上(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は2.3×10kcal/NmCOであった。
実施例4
【0047】
模擬強酸性燃料ガス及び間接接触による物質移動の操作条件は異なり、実施例4の模擬強酸性燃料ガス中の二酸化炭素の含有量(乾量基準)は50v%であり、N含有量は50v%であり、40℃、16.0MPaで間接接触による物質移動は中空糸膜により行われる以外、実施例1と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は2.3v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は99.5%以上(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は2.6×10kcal/NmCOであった。
実施例5
【0048】
貧液は異なり、実施例5の貧液の組成は表1に示される以外、実施例4と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は2.1v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は99.5%以上(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は2.3×10kcal/NmCOであった。
実施例6
【0049】
貧液は異なり、実施例6の貧液の組成は表1に示される以外、実施例4と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は2.5v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は99.5%以上(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は2.5×10kcal/NmCOであった。
実施例7
【0050】
貧液は異なり、実施例7の貧液の組成は表1に示される以外、実施例4と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は3.0v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は99.5%以上(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は2.7×10kcal/NmCOであった。
実施例8
【0051】
貧液は異なり、実施例8の貧液の組成は表1に示される以外、実施例4と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は2.8v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は99.5%以上(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は2.9×10kcal/NmCOであった。
比較例1
【0052】
貧液は異なり、比較例1の貧液の組成は表1に示される以外、実施例1と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は2.9v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は90%(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は3.2×10kcal/NmCOであった。
比較例2
【0053】
貧液は異なり、比較例2の貧液の組成は表1に示される以外、実施例4と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は3.0v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は88%(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は3.7×10kcal/NmCOであった。
比較例3
【0054】
貧液は異なり、比較例3の貧液の組成は表1に示される以外、実施例4と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は3.1v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は85%(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は3.6×10kcal/NmCOであった。
比較例4
【0055】
貧液は異なり、比較例4の貧液の組成は表1に示される以外、実施例4と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は3.0v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は90%(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は3.9×10kcal/NmCOであった。
実施例4、比較例3、及び比較例4の比較より、アミノ酸及び有機アミンの使用量が多すぎたり少なすぎたりすると、二酸化炭素の吸収容量の向上、再生のためのエネルギー消費量の低下に不利であることが分かった。
比較例5
【0056】
貧液は異なり、比較例5の貧液の組成は表1に示される以外、実施例4と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は3.2v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は99%(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は3.7×10kcal/NmCOであった。
実施例4及び比較例5の比較より、アミノ酸をアミノ酸塩に変更すると、再生のためのエネルギー消費量の低下、二酸化炭素の吸収効果の改善に不利であることが分かった。
比較例6
【0057】
貧液は異なり、比較例6の貧液の組成は表1に示される以外、実施例4と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は2.3v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は99%(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は3.1×10kcal/NmCOであった。
実施例4及び比較例6の比較より、活性化剤Iと活性化剤IIとの相乗作用により、二酸化炭素の吸収効果を高め、二酸化炭素吸収液を再生するためのエネルギー消費量を低下させ、高純度二酸化炭素を得ることが分かった。活性化剤Iのみを含み、活性化剤IIを含まない場合、二酸化炭素を再生するためのエネルギー消費量が顕著に増加し、これは、吸収液の脱着性能が劣ることを示した。
比較例7
【0058】
貧液は異なり、比較例7の貧液の組成は表1に示される以外、実施例4と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は3.2v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は99%(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は2.6×10kcal/NmCOであった。
実施例4及び比較例7の比較より、活性化剤IIのみを含み、活性化剤Iを含まない場合、二酸化炭素に対する二酸化炭素吸収液の吸収容量が低下し、浄化燃料ガス中の二酸化炭素の含有量が大きすぎることが分かった。
比較例8
【0059】
貧液は異なり、比較例8の貧液の組成は表1に示され、活性化剤IIはリン酸1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムナトリウムである以外、実施例4と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は3.3v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は86%(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は2.8×10kcal/NmCOであった。
実施例4及び比較例8の比較より、リン酸1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムナトリウムとトリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムテトラフルオロボラートの両方を活性化剤として使用する場合、二酸化炭素の吸着分離効果は悪いことが分かった。
比較例9
【0060】
貧液は異なり、比較例9の貧液の組成は表1に示される以外、実施例4と同様であった。
得られた浄化燃料ガス中のCOの含有量(乾量基準)は3.4v%であり、得られた再生ガス中のCOの純度は98.5%(乾量基準)であり、再生のためのエネルギー消費量は2.7×10kcal/NmCOであった。
実施例4及び比較例9の比較より、促進剤を添加することにより、二酸化炭素の吸着分離効果を高めることが分かった。
【0061】
【表1】
【0062】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の技術構想の範囲内では、本発明の技術案について、各技術的特徴を他の適切な方法で組み合わせることを含め、複数の簡単な変形を行うことができ、これらの簡単な変形及び組み合わせは同様に本発明の開示された内容と見なすべきであり、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0063】
1 膜吸収器
2 熱交換器
3 再生塔
4 貧液冷却器
5 貧液ポンプ
6 燃料ガス貯蔵タンク

図1
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒100重量部と、アミノ酸10~55重量部と、有機アミン20~65重量部と、活性化剤5~15重量部と、促進剤2~12重量部と、を含有し、
前記活性化剤は、活性化剤Iと活性化剤IIを含み、前記活性化剤Iは、アルキル第四級アンモニウム系イオン液体、アルキル第四級ホスホニウム系イオン液体、ピリジン系イオン液体から選択される少なくとも1種であり、
前記活性化剤IIは、ビスアミノ第四級ホスホニウム系イオン液体、アミノ官能化イミダゾール系イオン液体、ビスアミノ官能基化イオン液体、アミノ酸系イオン液体、テトラメチルグアニジンコハク酸塩系イオン液体、テトラメチルグアニジンドデカンジカルボン酸塩イオン液体、テトラメチルグアニジンポリエチレングリコールジカルボン酸塩イオン液体から選択される少なくとも1種である、二酸化炭素吸収液。
【請求項2】
溶媒100重量部と、アミノ酸15~35重量部と、25~50重量部の有機アミン、活性化剤6~10重量部と、促進剤3~5重量部と、を含有する、請求項1に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項3】
溶媒100重量部と、アミノ酸30~35重量部と、有機アミン45~50重量部と、活性化剤5~10重量部と、促進剤4~5重量部と、を含有する、請求項2に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項4】
前記アミノ酸は、グリシン、サルコシン、リジン、アラニン、グルタミン酸、セリン、アミノ酢酸、プロリン、アルギニン、ヒスチジンから選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項5】
前記アミノ酸は、グリシン、サルコシン、リジン、アラニンのうちの1種である、請求項4に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項6】
前記有機アミンは、N-メチルモノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、N-メチルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、イソプロピルアミノエタノール、ヒドロキシエチルピペラジン、モルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン及びその誘導体から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項7】
前記有機アミンは、N-メチルモノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、N-メチルジエタノールアミンから選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項8】
前記アミノ酸と有機アミンとの質量比が0.5~1:1である、請求項1に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項9】
前記アミノ酸と有機アミンとの質量比が0.6~0.8:1である、請求項8に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項10】
前記活性化剤Iと活性化剤IIとの質量比が1:1~8.5である、請求項1に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項11】
前記活性化剤Iと活性化剤IIとの質量比が1:2.5~5である、請求項10に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項12】
前記活性化剤Iは、アルキルホスホニウムテトラフルオロホウ酸塩、アルキルアンモニウムヘキサフルオロリン酸塩、アルキルピリジニウムアルミニウムクロライド塩から選択される1種であり、
好ましくは、前記活性化剤Iは、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムテトラフルオロボラート、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、セチルピリジニウムクロライドから選択される1種である、請求項1に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項13】
前記活性化剤IIは、3-プロピルアミノ-トリブチルホスホニウムグリシン塩、3-プロピルアミノ-トリブチルホスホニウムアラニン塩、グリシンテトラエチルアンモニウム、グリシンテトラブチルアンモニウム、グリシンテトラブチルホスホニウム、1-アミノプロピル-3-メチルイミダゾールグリシン塩、3-プロピルアミノ-トリブチルホスホニウム-2-ヒドロキシピリジンから選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項14】
前記促進剤は塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムから選択され、前記溶媒は水から選択される、請求項1に記載の二酸化炭素吸収液。
【請求項15】
燃料ガスからの二酸化炭素捕集方法であって、
燃料ガス、及び請求項1~14のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸収液から選択される貧液を多孔質膜に通して間接接触による物質移動を行い、リッチ液及び浄化燃料ガスを得るステップ(1)と、
前記リッチ液を再生し、再生貧液及び再生ガスを得るステップ(2)と、
前記再生貧液を貧液としてステップ(1)に返液するステップ(3)と、を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記燃料ガスは強酸性燃料ガスから選択され、前記強酸性燃料ガス中の二酸化炭素の含有量(乾量基準)は15~60v%である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記強酸性燃料ガス中の二酸化炭素の含有量(乾量基準)は、25~50v%である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記強酸性燃料ガスは、油田随伴ガス、PSA再生ガス、バイオメタンガス、バイオ分解ガスから選択される少なくとも1種である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記燃料ガスと前記吸収液との流量比が、1Nm/h:10~80L/hである、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記燃料ガスと前記吸収液との流量比が、1Nm/h:20~50L/hである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記多孔質膜は中空糸膜である、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記中空糸膜は、膜糸内径が40~60mm、膜糸外径が0.5~1.2mm、好ましくは、膜糸内径が45~55mm、膜糸外径が0.8~0.9mmである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記間接接触による物質移動の操作条件は、物質移動温度25~80℃、物質移動圧力1~20MPa、好ましくは、物質移動温度35~50℃、物質移動圧力4~16MPaを含む、請求項15に記載の方法。
【国際調査報告】