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特表2024-539047バイアス強化型電解光触媒(BEEP)洗浄システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】バイアス強化型電解光触媒(BEEP)洗浄システム
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/461 20230101AFI20241018BHJP
   C02F 1/30 20230101ALI20241018BHJP
   C02F 1/72 20230101ALI20241018BHJP
   B01D 53/32 20060101ALI20241018BHJP
   B01J 35/39 20240101ALI20241018BHJP
【FI】
C02F1/461 101Z
C02F1/30
C02F1/72 101
B01D53/32
B01J35/39
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522685
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 US2022046215
(87)【国際公開番号】W WO2023064234
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/255,221
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/373,502
(32)【優先日】2022-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524141843
【氏名又は名称】ウォータードレープ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ヘイデン ジョン ビー
(72)【発明者】
【氏名】シンド サパンビール エス
【テーマコード(参考)】
4D037
4D050
4D061
4G169
【Fターム(参考)】
4D037AA02
4D037AA06
4D037AA09
4D037AA11
4D037AB03
4D037AB11
4D037AB12
4D037AB14
4D037BA18
4D037CA04
4D050AA02
4D050AA06
4D050AA08
4D050AA10
4D050AA12
4D050AB06
4D050AB07
4D050AB16
4D050AB17
4D050AB19
4D050AB35
4D050AB37
4D050AB44
4D050BC04
4D050BC09
4D050BD02
4D061DA02
4D061DA04
4D061DA06
4D061DA07
4D061DA08
4D061DB01
4D061DB19
4D061DC06
4D061DC09
4D061DC14
4D061DC15
4D061EA03
4D061EA13
4D061EB04
4D061EB28
4D061EB30
4D061ED12
4D061ED17
4D061ED20
4G169AA03
4G169AA11
4G169BA04A
4G169BA04B
4G169BA48A
4G169BB04A
4G169BB04B
4G169BC50A
4G169BC50B
4G169CA05
4G169CA07
4G169CA10
4G169DA06
4G169HA01
4G169HB01
4G169HE05
4G169HF02
(57)【要約】
アノードとして使用される光触媒と、電流の流れを達成するために電解質と連通するカソードとを含み、電荷がカソードと光触媒励起アノードの間に印加され、電子正孔対の対応する増加が発生する水溶液の浄化のための方法及びシステム。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
ある波長で光を放出するように構成された光源と、
前記光源の周りに放射状に配置されたカソードと、
前記カソード又は前記光源の周りに放射状に配置され、かつ前記光源によって照明されるように構成された光触媒アノードと、
前記光触媒アノードと前記カソードとに電子的に接続され、かつ前記光触媒アノードに正電荷を印加すると共に前記カソードに負電荷を印加するように構成された電源と、
前記光触媒アノードと前記カソードの間にあり、前記光触媒アノードと前記カソードの間の電気連通を生成する電解質と、
を含み、
前記光源は、前記光触媒アノードを照明して、前記光触媒アノード内に電子正孔対を励起する、
システム。
【請求項2】
前記光源は、発光ダイオード(LED)を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電解質は、海水を含む請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光触媒アノードは、TiO2を含む請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記光触媒アノードは、有孔である請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記カソードは、有孔であり、かつ光透過性であり、かつステンレス鋼を含む請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記カソードは、光透過性であり、光触媒アノードが、互いに平行であり、光触媒面を太陽放射線又は生成された光に対して提示している請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記カソードは、光が電解質を貫通して前記光触媒アノードを励起することを可能にする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
工程であって、
ある波長で光を放出するように光源を構成する段階と、
光触媒アノードを前記光源の周りに放射状に配置する段階と、
カソードを前記光触媒アノードの周りに配置する段階と、
前記光触媒アノードと前記カソードとに電子的に接続され、かつ前記光触媒アノードに正電荷を印加すると共に及び前記カソードに負電荷を印加するように構成された電源を与える段階と、
前記光触媒アノードと前記カソードの間にイオン性水性液体を与える段階であって、前記イオン性水性液体が前記光触媒アノードと前記カソードの間に電気連通を生成する、当該与える段階と、
を含み、
前記光源は、前記光触媒アノードを照明して、前記光触媒アノード内に電子正孔対を励起する、
工程。
【請求項10】
前記光源は、発光ダイオード(LED)を含む請求項9に記載の工程。
【請求項11】
前記イオン性水性液体は、海水を含む請求項10に記載の工程。
【請求項12】
前記光触媒アノードは、TiO2を含む請求項11に記載の工程。
【請求項13】
前記光触媒アノードは、有孔である請求項12に記載の工程。
【請求項14】
前記カソードは、ステンレス鋼を含む請求項12に記載の工程。
【請求項15】
前記イオン性水性液体は、前記光触媒アノードのバルク、及び、前記光触媒アノードの照明された面と連通している請求項9に記載の工程。
【請求項16】
光が、電解質を貫通し、かつ前記光触媒アノードを励起することができる請求項15に記載の工程。
【請求項17】
媒質から汚染物質を洗浄する方法であって、
光触媒アノードをカソードと電気連通するように構成する段階と、
前記光触媒アノードと前記カソードの間にバイアスを発生させる段階と、
ある波長で光を前記光触媒アノードに向けて放出するように光源を構成する段階と、
前記光源から光を放出する段階と、
前記媒質を前記光触媒アノードと連通して置くことによって、前記媒質を洗浄する段階と、
を含む方法。
【請求項18】
前記媒質は、酸素化される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記媒質は、無酸素性である請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記光触媒アノード及び前記カソードは、電解質材料を通して互いの間で電気連通している請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、本明細書に引用によってその内容全体が組み込まれている2021年10月13日出願の米国仮特許出願第63/255,221号及び2022年8月25日出願の米国仮特許出願第63/373,502号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、一般的に空気及び/又は水洗浄システム、特にアノード上で発生する光触媒を含む空気及び水洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0003】
水は、地球の表面の70パーセントを覆っている。水塊は、商業、運輸、及びリソース開発からの強い圧力下にある。魚類の乱獲も少なからぬ懸念である。持続可能な水産業を創成する努力は、追加の環境への影響を生じる傾向がある。特に海洋汚染は、世界の人口の40パーセントが海岸から100キロメートル圏内に居住しているので特に関連性がある。
【0004】
廃水及び流出水からの流出物は、沿岸生物に対して利用可能な酸素を低減する藻類の大量発生を促進する化合物を含有し、一方で他の汚染物質は、海洋環境全体(淡水及び海水の両方)に影響を及ぼす。沿岸への影響は、社会基盤及び居住地に対して有意な損失をもたらす防波島の植物相の変化を含む。これに加えて、この地域人口の一部分は、自分達が影響を及ぼしている正にその海水の塩水逆浸透を通して生成される飲用水に依存している。
【0005】
海洋生物群系に影響を及ぼすことなく生物汚損を低減すること、並びに地表、廃物、及び産業廃棄物から湖水及び海水に入る汚染物質、揮発性有機化学物質、病原体、石油類、及び他の化合物を除去する又は破壊する必要性は、非常に重要な問題である。効率的かつ経済的な汚染低減方法が必要である。
【0006】
水及び空気浄化に関する現在の技術は、主として濾過に依存する。濾過は、主として懸濁物質を除去し、かつ一般的に炭素濾過を通じた金属イオン封鎖を通して化学化合物を低減することに限定される。濾過システムは、更に、モニタ及び交換を必要とする。捕捉された状態で、これらの化合物は、フィルタ内に残り、廃棄要件を呈し、かつ潜在的な2次汚染源になる可能性がある。
【0007】
酸素化化合物を使用する化学殺菌は、水を消毒するのに有効であるが、これらの化学物質は、飲み水に残り、かつ発癌性であることが公知の余分な化学副生成物を生成する。これらの化学物質は、飲み水内の揮発性有機化合物(VOC)の有意な供給源である。これらの残留物効果は、化学物質を海洋に投棄することを下策にする。
【0008】
空気及び水から病原体を除去する他の方法は、紫外(UV)光による照射を含む。残念ながら、全ての病原体が紫外UV光に敏感なわけではない。例えば、UV-C光は、DNAウイルスに対して有効であるが、RNAウイルスに対してはそれほどでもない。実際に、多くの病原体は、通常環境露出に起因してUV光に耐性である。UV-C光を使用して海洋生物汚損を低減する努力は、限られた成功しか遂げておらず、かつ環境が直面する多くの課題に対して不適切である。
【0009】
更に、それらの分解性の欠如に起因して「永久的な化学物質」とも呼ばれるペルフルオロアルキル物質(PFAS)は、増大する懸念及び規制の分野として最近になって顕在化している。現在、PFASを制御する少数の方法があり、これらの方法の殆どは、エネルギ集約的である及び/又は苛酷な処理に依存する。
【0010】
イオン化合物及び不純物を含有する水は、一般的に、吸着、捕捉、又は他の干渉によって光触媒の効率の低下をもたらす。光触媒水処理は、Loeb他著「光触媒水処理に関する技術展望、日の出又は夕日か?(The Technology Horizon for Photocatalytic Water Treatment: Sunrise or Sunset?)」、Environ.Sci.Technol.、2019年、第53号、2937~2947ページに議論されており、これによりその全体が引用によって組み込まれる。不均一光触媒ベースの最新酸化工程(AOP)が有機汚染物質の排除に使用されてきたが、それらは、効率性及び設計での制約に起因して有意な使用を達成することはなかった。この出願内で参照する最近の進歩を超えて光触媒の使用を更に拡大するために、電子正孔対再結合を低減する追加の手段が必要である。
【0011】
複合光触媒及び電気化学廃水浄化のための方法及びシステムは、これによりその全体が引用によって組み込まれるWO 2010/132993(米国特許出願公開第2012/0279872号明細書)に開示されている。
【0012】
現在の光触媒水処理システムは、光触媒上の吸着物質の形成、発生する反応性酸化種の減少をもたらす電子正孔対の再結合、及び低い光変換効率によって制約を受ける場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】WO2010/132993
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/0279872号明細書
【特許文献3】米国特許第7,296,785号明細書
【特許文献4】米国特許第7,344,124号明細書
【特許文献5】米国特許第7,500,656号明細書
【特許文献6】米国特許第9,868,129号明細書
【特許文献7】米国特許第10,143,956号明細書
【特許文献8】米国特許第10,329,180号明細書
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Loeb他著「光触媒水処理に関する技術展望、日の出又は夕日か?(The Technology Horizon for Photocatalytic Water Treatment: Sunrise or Sunset?)」、Environ.Sci.Technol.、2019年、第53号、2937~2947ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
エネルギ効率的であるために、電気分解は、余剰熱を発生することなく2つの極の間で伝導しなければならないイオン溶液を必要とする。水分解に起因する高電位では、電気分解中の水溶液からの水素の生成は、潜在的に爆発条件を引き起こす可能性がある。更に、電気分解によって食塩溶液から余剰塩素化合物を発生させることは、一部の用途に有用であるが、常に望ましいわけではない。従って、新しい水浄化技術に対する必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
以上の必要性は、ある波長で光を放出するように構成された光源と、光源の周りに放射状に配置されて光源によって照射されるように構成された光触媒アノードと、光触媒アノードの周りに放射状に配置されたカソードと、光触媒とカソードとに電子的に接続され、かつ光触媒に正電荷及びカソードに負電荷を印加するように構成された電源と、光触媒とカソードの間にあるイオン性水性液体とを含むシステムによって満足され、イオン性水性液体は、光触媒とカソードの間に電気連通を生成し、光源は、光触媒を照明して電子を励起し、かつ光触媒内に電子正孔対を発生させる。
【0017】
1つの一般的態様は、ある波長で光を放出するように構成されたシステムと、カソードの周りに放射状に配置されて光源によって照射されるように構成された光触媒への光透過を可能にして光源の周りに放射状に配置された上記カソードと、光触媒とカソードとに電子的に接続されて光触媒に正電荷及びカソードに負電荷を印加するように構成された電源と、光触媒とカソードの間にあるイオン性水性液体とを含み、イオン性水性液体は、光触媒とカソードの間の電気連通を生成し、光源は、光触媒を照明して電子を励起し、光触媒内に電子正孔対を発生させる。
【0018】
追加の態様は、複数の穿孔又は織りストランドを有するカソードを通過するように自然光源を構成する段階と、光触媒アノードをカソードと平行にかつ自然光源によって照射されるように構成されるように配置する段階と、光触媒とカソードとに電子的に接続されて光触媒に正電荷及びカソードに負電荷を印加するように構成された電源を与える段階と、光触媒とカソードの間にイオン性水性液体を与える段階とを含み、イオン性水性液体は、光触媒とカソードの間に電気連通を生成し、光源は、光触媒を照明して光触媒内に電子正孔対を励起する。カソードはまた、光触媒アノードが自然光に直接露出されるようにアノードの下方にあることができる。
【0019】
本発明の開示の実施形態は、バイアスを使用して光触媒を強化する方法及びシステムに関連することができる。
【0020】
本発明の開示の態様は、光触媒アノードをカソードと電気連通するように構成し、光触媒アノードとカソードの間にバイアスを発生させ、光触媒アノードにある波長で光を放出するように光源を構成し、光源から光を放出し、かつ媒質を光触媒アノードと連通して置くことによって媒質を洗浄することにより、媒質から汚染物質を洗浄する方法を含む。
【0021】
本発明の開示及び本明細書の詳細説明をより良く理解することができ、かつ当業技術への本発明の開示の貢献をより良く認識することができるように、本発明の開示のある一定の実施形態を上述のように比較的広義に概説した。当然ながら、下記で説明して本明細書に添付の特許請求の範囲の主題を形成する本発明の開示の追加の実施形態が存在する。
【0022】
この点に関して、本発明の開示の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明の開示は、その適用において構造の詳細に限定されず、以下の説明で概説するか又は図面に例示する構成要素の配置にも限定されないことは理解されるものとする。本発明の開示は、説明する実施形態に追加の実施形態が可能であり、様々な方法で実施及び実行することができる。同様に、本明細書並びに要約で使用する表現法及び用語法は、説明を目的としたものであり、限定と見なすべきではないことは理解されるものとする。
【0023】
従って、当業者は、本発明の開示が基づく概念を本発明の開示のいくつかの目的を実施するための他の構造、方法、及びシステムの設計のための基礎として容易に利用することができることを認めるであろう。従って、特許請求の範囲は、本発明の開示の精神及び範囲から逸脱しない限り、そのような均等構成を含むものとして見なすことが重要である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の開示の態様による貫流電解光触媒システムの図である。
図2】本発明の開示の態様による閉じた電解質システムの図である。
図3】本発明の開示の態様による線形表現を示す図である。
図4】本発明の開示の態様による空気洗浄の本発明の開示の2つの実施形態を示す図である。
図5】本発明の開示の実施形態によるシステムの図である。
図6】本発明の開示の実施形態による水カーテン装置の略図表現を示す図である。
図7A】本発明の開示の実施形態によるピストンアセンブリの略図表現を示す図である。
図8A】本発明の開示の実施形態のプロトタイプの画像を示す図である。
図8B】本発明の開示の実施形態の内部設定の画像を示す図である。
図8C】非BEEPプロトタイプを示す図である。
図9A】UVアセンブリを有する本発明の開示の実施形態の内部設定の画像を示す図である。
図9B】水提示を表示するためにUVアセンブリを外した本発明の開示の実施形態の内部設定の画像を示す図である。
図10】本発明の開示の実施形態からの洗浄の結果を示す図である。
図11】本発明の開示の実施形態からの洗浄の結果を示す図である。
図12】本発明の開示の実施形態からの洗浄の結果を示す図である。
図13A】本発明の開示の非BEEPプロトタイプからの洗浄の結果を示す図である。
図13B】本発明の開示の非BEEPプロトタイプからの洗浄の結果を示す図である。
図13C】本発明の開示の非BEEPプロトタイプからの試験データに基づく全溶解固形分を示す図である。
図14】サンプルの被覆及び培養を示すパネル(A)及びパネル(B)、及び非BEEPプロトタイプからのFLAT分析を示すパネル(C)である3つのパネルを提供する図である。
図15】サンプルの被覆及び培養を示す上部2つのパネル及び非BEEPプロトタイプからの細菌の特徴付けを示す下部2つのパネルである4つのパネルを提供する図である。
図16】サンプルの被覆及び培養を示すパネル(A)及びパネル(B)、及び非BEEPプロトタイプからの経時的な平均CFU/mlを示すパネル(C)である3つのパネルを提供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ある一定の実施形態をより詳細に説明する前に、当然ながらそのような実施形態は変化する可能性があるので、本発明の開示は、説明するある一定の実施形態に限定されないことは理解されるものとする。本明細書に使用する用語法は、ある一定の実施形態を説明することのみを目的とするが、本発明の開示の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定されることになるので、限定的であるように意図したものではないことも理解されるものとする。
【0026】
本明細書ではいくつかの定義を説明する。そのような定義は、文法的均等物を包含するように意図している。
【0027】
「又は」の使用は、特に断らない限り、「及び/又は」を意味する。更に、「comprising」、「having」、「including」という用語、及び「includes」及び「included」のような他の形態の使用は、包含的であるように意図したものであり、説明する要素以外の追加の要素が存在する場合があることを意味する。
【0028】
本明細書に使用する時に、量及び時間的持続期間などのような測定可能値を参照する時に「約」という用語は、変動を包含するように意図している。しかし、そのような変動は、参照する特定の構成要素及び当業者によって理解される状況に依存する。他に具体的に示さない限り、説明する値は、「約」当該値を包含するように意図している。
【0029】
値範囲を提供する場合に、当該範囲の上限値と下限値の間であり、状況が他に明確に定めない限り下限値の単位の10分の1までの各介在値及び当該説明範囲のいずれかの他の説明値又は介在値は、本発明の開示内に包含されることは理解されるものとする。これらの小範囲の上限値と下限値は、独立に当該小範囲に含めることができ、かつ当該説明範囲で特定的に除外される限界値を受ける場合も本発明の開示に包含される。説明範囲が、限界値のうちの一方又は両方を含む場合に、含まれるこれらの限界値のいずれか又は両方を除外した範囲も本発明の開示に含まれる。
【0030】
他に定めない限り、本明細書に使用する全ての科学技術用語は、本発明の開示が属する当業技術の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に説明するものと同様又は同等のいずれの方法及び物質も本発明の開示内容の実施又は試用に対して使用することができるが、本明細書では代表的な方法及び物質を説明する。
【0031】
本明細書に説明及び例示する個々の実施形態の各々は、本発明の開示の範囲又は精神から逸脱することなく他の一部の実施形態のうちのいずれかの特徴と容易に分離又は組み合わせることができる別個の構成要素及び特徴を有する。説明するいずれの方法も、説明する事象順序又は論理的に可能ないずれかの他の順序で実施することができる。更に、様々な実施形態は、必要な変更を加えた上で組み合わせて単一実施形態を形成することができる。
【0032】
ここで本発明の開示を全体を通して類似の参照番号が類似の部分を示す図面を参照して更に詳しく以下に説明する。
【0033】
本発明の開示の実施形態は、本発明の開示に具体的に述べないいずれの構成要素も用いずに実施することができる。特に、文字通りに言及しないが、本明細書に記載のない構成要素は、本明細書に開示する望ましい機能性を変化させるか又はそれを提供しない可能性があるので、そのような構成要素は、当業者の理解に基づいて除外することができる。
【0034】
本明細書に説明する実施形態は、そこに要素を含む又は要素で基本的に構成する又は要素で構成することができる。
【0035】
本発明の開示の実施形態は、塩水と真水の両方を洗浄するのに有利な電位バイアスを有する光触媒構成要素を提供する。一部の実施形態では、洗浄は、水のpHの変化を伴わずに行うことができる。
【0036】
一般的に、本発明の開示の実施形態は、波長特異的で効率的なUVA LED(発光ダイオード)光源と、光触媒物質と一体的なナノ多孔性の孔を有し、この一体性によって動力学的劣化及び腐食性劣化を回避し、バルクから光触媒面への電子の電解移動を可能にする上記光触媒物質との組合せをもたらし、その結果、電子正孔対の再結合の減少及び光触媒効率の改善を提供する。本発明の開示の実施形態は、薄膜水技術を使用して機能し、それによって光透過性及び光触媒への滞留性を改善する。湿式スクラブ洗浄器を使用する又は空気ストリームとの連通によって追加の酸素化を使用し、活性酸素種(ROS)の改善された生成を生じることができる。
【0037】
本発明の開示の実施形態は、定電流又は定電圧が印加される電位バイアスを印加することによって光触媒の光触媒活性を強化する方法にも関する。このシステムでは、アノード電極とカソード電極とを含む電気化学セルが確立される。この電気化学セルでは、光触媒がアノードであり、別の金属がカソードとして作用する。このカソードは、高品質ステンレス鋼、金属チタン、及び/又は金属被覆基板のようないずれかの安定な物質から構成することができる。確立された電気化学セルは、導電性の電解質がそれ自体の位置に留まる閉じたセルとすることができ、又は電気化学セルは、溶液が、アノードとカソードの間の空間に自由に出入りすることができる構造のものである。
【0038】
電圧又は電流は限定されず、特定の用途に基づいて変更することができる。例えば、ある一定の用途は、高電圧又は高電流を利用し、他の用途は、低電圧又は低電流を利用する。高電圧又は高電流を利用する可能性があると考えられる実施形態は、プールを洗浄するように設計されたシステムとすることができ、低電圧又は低電流を利用する可能性があると考えられる実施形態は、水槽とすることができる。適正な電圧又は電流は、ある一定の要因に依存して変更することができる。例えば、電圧は、イオン濃度、電極の近接度、面積等によって影響を受けることになる。
【0039】
一般的に、ある一定の手法は、水、空気、医薬品、及び/又は廃水の処理などに向けて電気化学促進光触媒を使用する。本発明の技術は、ナノ多孔質光触媒内で水性流体から高酸化性のヒドロキシルラジカル及びROSを生成し、この2次流体が水性流体の汚染物質と相互作用し、それを酸化することを可能にし、(1)光触媒としてナノ構造物質(TiO2、WO3、C34のような)を発生させて使用する段階、(2)光触媒を特定の波長の照射によって励起する段階、(3)空気を強力な水噴霧器を使用してスクラブ洗浄する段階、(4)汚染物質を含有するこの水溶液の薄膜を光触媒面に沿って流す段階、(5)光触媒(アノード)と別の金属電極(カソード)の間に定電位バイアス又は定電流を印加することによって光触媒の活性を強化する段階を含む。光触媒が適切な光源によって照射されると、電子が価電子帯から伝導帯にジャンプする直接的な帯間電子遷移が発生し、その結果、電子正孔対の発生がもたらされる。理論はさておき、本発明の開示の実施形態は、生成された正孔にそれが反応するための追加の時間を与えるという理由から光触媒上と別の電極上とに印加される電位バイアスを供給する。
【0040】
図1は、本発明の態様による空気ストリームへの露出からの補助的な酸素化を有する貫流実施形態の図である。
【0041】
図1に関して説明する及び/又は図1に例示する態様は、本明細書に記載のいずれの他の実施形態にも利用することができる。特に、図1は、その左側にシステム1000の実施形態の上面図及び右にシステム1000の斜視図を示している。この点に関して、図1は、水供給源のイオン含有物を利用してカソードと光触媒アノードの間に電解連通を与えるシステム1000の実施形態の図である。水は、電解チャンバを通った後に光触媒面にわたって散布することができる。この実施形態では、水は、電流がシステム1000の光触媒アノードの両側に流れるための経路を維持するように溢流法で動く。
【0042】
システム1000は、電解流体1030、入口1060、カソード1040、光触媒アノード1020、及び/又は光源1010などを含むこと及び/又は利用することができる。電解流体1030は、入口1060に流入し、カソード1040と光触媒アノード1020の間の空間を充満し、光触媒アノード1020を溢流してその内面を被覆する。光源1010からの光は、光触媒アノード1020の内面を励起する。カソード1040には負極1080を通して負電荷が与えられ、それによってカソード1040は、電解流体1030を通して電荷を光触媒アノード1020に伝達するカソードになり、光触媒アノード1020は正極1070に接続され、それによって回路が完成する。電解流体1030が重力流れの下でシステムから流出するまで、光源1010と光触媒アノード1020の間にある雰囲気1050は、電解流体1030と雰囲気1050との連通を可能にする。
【0043】
図2は、本発明の開示の態様による常在電解光触媒システムの図である。
【0044】
図2に関して説明する及び/又は図2に例示する態様は、本明細書に記載のいずれの他の実施形態にも利用することができる。特に、図2は、その左側にシステム1000の実施形態の側面図及び右にシステム1000の斜視図を示している。この点に関して、図2には、電解質がカソードと光触媒アノードの間に収容されるシステム1000の第2の実施形態が示されている。光触媒アノードの内部は、ナノレベルの孔を有してナノ多孔質面を形成し、水及び汚染物質と相互作用するヒドロキシルラジカル及び活性酸化種の形成を可能にする。カソードからアノードに流れる電流は、半導体光触媒アノード上での電子正孔対の形成の可能性を強化する。これは、追加の酸素化への要求を補足し、加圧供給ラインと直列の密封システムを可能にする。
【0045】
図2に提供するシステム1000の第2の実施形態では、光触媒アノード1110と外部カソード1120の間に常在電解質1130が配置され、任意的な電解質再充電ポート1190が示されている。負極1180は、カソード及び光源1160に電荷を供給し、それに対して正極1170は、電解質1130を通る回路を完成させて光源1160に電力を提供する。処理流体1150は、光触媒に隣接する場所で加圧速度で流れることができ、同時に任意的な光透過性チューブ、例えば、石英ガラス1140は、光源1160をこの流体への露出から保護する。システム1000のこの実施形態は、アノード物質のバルクへの電子伝達を利用して光触媒効率を改善するように構成することができ、及び/又はその方法を適用することができる。
【0046】
図3は、本発明の開示の態様による線形表現である。
【0047】
図3に関して説明する及び/又は図3に例示する態様は、本明細書に記載のいずれの他の実施形態にも利用することができる。特に、図3は、システム1000の実施形態の3つの異なる斜視図を示している。特に、図3は、光が電解流体を貫通して光触媒アノードに達することをカソードが可能にする技術及び/又は構成を使用するためのシステム1000の実施形態を提供する。このバージョンのシステム1000は、垂直設置又は水平設置に使用することができる。システム1000のこの実施形態の光触媒は、自然太陽光に依存するか又は唯一の励起源又は追加の励起源のいずれかであるように構成された光源に依存する可能性がある。
【0048】
システム1000の光触媒アノード1210、1230と自然光透過性(例えば、有孔)カソード1220、1240とは、これら2つの物質の間の電解流体1250への浸漬、その水平、垂直、又は斜方の散布によって接触状態に保たれる。光触媒アノード1210、1230には正バイアスが印加され、自然光透過性カソード1220、1240には負バイアスが接続される。
【0049】
図4は、本発明の開示の態様による湿式スクラブ洗浄を利用する本発明の開示の実施形態を示している。
【0050】
図4に関して説明する及び/又は図4に例示する態様は、本明細書に記載のいずれの他の実施形態にも利用することができる。特に、図4は、その左側にシステム1000の実施形態の部分透視斜視側面図及び右にシステム1000の斜視側面図を示している。図4は、湿式スクラブ洗浄を利用する本発明のシステム1000の実施形態を示している。図4では、空気が流体と混合され、次に、それが光触媒アノードを通して流れるシステム1000の実施に適する空気洗浄手段が開示されている。この手段は、システム1000によって実施される常在法と貫流法の両方で表されている。更に、1000は、これらの方法の実施に適するように構成することができる。空気を流体と混合することにより、酸素化が発生し、更に、微粒子状物質が流体の中に捕捉される。
【0051】
システム1000のこの実施には、光触媒アノード1300とカソード1310とが示されている。周囲空気又は空気コンベヤ1320からの速度下にある空気は、微粒子及びガスを存在する流体との接触状態にする。この接触は、入口1360を通じた圧力による湿式スクラブ洗浄スプレー1330又は溢流システム1370のいずれかによるものとすることができる。光触媒アノード1300上の光触媒を励起するための光源1340が設けられる。空気及び処理流体は、システム出口1380においてシステムから流出する。電解質1350は常在し、処理流体と混合しない可能性があり、又はイオン化合物を有する電解流体は、溢流システム1370において流入し、システム出口1380から例えば溢流として流出する。
【0052】
図5は、空気スクラブ洗浄の別の変形を提供している。
【0053】
図5に関して説明する及び/又は図5に例示する態様は、本明細書に記載のいずれの他の実施形態にも利用することができる。特に、図5は、その左にシステム1000の実施形態の斜視側面図及び右にシステム1000の上面図を示している。この点に関して、図5は、湿式スクラブ洗浄を使用して空気、流体、及び光1440が有孔カソードシールドを貫通して光触媒アノードの上まで伝導することを可能にするための手段を含むシステム1000の実施形態を開示している。
【0054】
図5に記載のシステム1000の実施形態では、カソード1420は、光触媒アノード1410を励起するために光源1430から放出された光の一部分の通過を可能にする。上述の流体の移動の間に光触媒アノード1410を充満するための手段は、正極1450をアノードに接続し、負極1460をカソード1420に接続することによって電解回路を維持する。
【0055】
過去数十年にわたって水処理のための半導体光触媒による最新酸化工程(AOP)が研究の対象であった。従来のAOPは、水中汚染物質の酸化破壊のための活性酸化種(ROS)を発生させるためにO3及びH22のような前駆化学酸化剤をエネルギ投入(例えば、UV照射)との組合せで又はそれと共に使用するものである。
【0056】
光触媒酸化では、通常はUV光であるエネルギの投入を受けた触媒によって前駆酸化剤がROSに変えられる。光触媒がUV光によって照明されると、電子が価電子帯から伝導帯にジャンプし、電子正孔対の発生がもたらされる。電子正孔対は、水及び溶存酸素分子と相互作用し、ヒドロキシルラジカルと活性酸素種(ROS)とを生成する。ROS/ヒドロキシルラジカルは、ROSの高い反応性に起因して光触媒面の近くにある有機汚染物質及び生体汚染物質を酸化する。一般的に、形成されたROSは、水溶液からのスーパーオキシドアニオンラジカル、一重項酸素、ヒドロキシルラジカル、及び過酸化物を含む。処理水は、ヒドロキシルラジカルよりも長く存続するある程度の残留酸化剤を保持する場合がある。これらの存続性の高い酸化化合物は、表面コロニー/デブリを低減して水質を維持し、一方でこれらの酸素化された水中では、魚のような大型の生物が繁殖する。
【0057】
光触媒の効率を改善することができる2つのパラメータがあり、それらは、(1)2つの電極の間に印加される電位に起因する電子正孔対の再結合速度の低下、及び(2)光触媒面上へのイオン不純物の吸着及びそれによる干渉の低減である。
【0058】
適用可能な光触媒は、酸化チタン、酸化亜鉛、及び他の公知の光触媒を含む。この群内でも特にTiO2は、そのバンドギャップ、化学的不活性、高効率、無毒性、及び低コストに起因して無機汚染物質及び有機汚染物質の処理のための半導体光触媒として研究されている。
【0059】
TiO2は、その強い酸化力、高い光触媒活性、化学的及び生物学的な安定性、比較的低いコスト、無毒性、及び長期光安定性に起因して有害汚染物質の分解に対して最も優れた物質のうちの1つとすることができる。ナノ球体、ナノチューブ、ナノロッド、ナノファイバ、及びナノワイヤのような異なる形態を有するTiO2を使用することができる。本発明の開示では、固体支持体上での異なる形態の合成は、光触媒器の開発及び発生に対して有用な応用を提供する。
【0060】
実施形態では、TiO2触媒は、チタンから直接成長させたナノ物質である。この光触媒は、チタン構造の一体部分である結晶物質にアニール処理によって変換された合成TiO2ナノ粒子である。理論はさておき、ナノ多孔質面は、UVA光によって照明され、それによってTiO2の面上に電子正孔対が発生し、これらの電子正孔対は、付近にある水からOHラジカルと追加のROSとを生成することができる。ROSは、汚染物質を攻撃して破壊することができる。ナノ物質面のナノ多孔質構造は、酸化還元反応が発生する全面積を増大させ、それによって光触媒効果が高まる。電気分解を使用して物質のバルクからの電子を面において増大することによって光触媒活性を強化することができる。本明細書に使用するように、電解光触媒のバイアス強化型をBEEPと呼ぶ。しかし、他の機構も、汚染物質の除去に寄与することができる。
【0061】
二酸化チタンナノ物質を合成するためのチタンの陽極酸化
陽極酸化法によって非常に秩序立った構造のTiO2ナノ物質を成長させることができる。この工程では、最初にTiが15分間アセトン中で洗浄され、その後に、沸騰した18%のHCl内で10分間エッチングされる。電気化学陽極酸化は、電解質溶液を含む1室2電極セル内で40~60Vの間の電圧で実施することができる。この電解質溶液は、ジメチルスルホキシド(DMSO)+2%HF又はエチレングリコール+0.3重量%NH4F+2重量%H2Oとすることができる。予め決められた期間にわたって陽極酸化が実施された後に、チタンが水中で濯ぎ洗浄され、その後に、450℃で3時間アニール処理されてアナターゼ結晶構造が得られる。適切な波長を有する光子を発生させる光源は、触媒において電子正孔対を発生するはずである。従来の光源は、太陽光又は水銀ランプを含むが、ある一定の態様では、光源はLEDである。これらのLEDは、光触媒に必要とされる範囲に合うようになった光を生成することができる。光を調整することにより、電子正孔対を発生させない光を生成するエネルギが浪費されないことで効率を改善することができる。
【0062】
本発明の開示のシステム1000の特定の実施形態は、電位バイアスを印加することによって光触媒の光触媒活性を強化する方法及びシステムに関する。ある一定の実施形態では、電位バイアスは、定電流又は定電圧を利用する。
【0063】
電位バイアスを印加する方法は、2つの電極と、アノードと、カソードとを含む電気化学セルを形成する段階を含む。そのような電気化学セルでは、光触媒はアノードであり、第2の金属がカソードとして作用する。このカソードは、ステンレス鋼、金属チタン、金属被覆基板、又は環境条件に耐えてカソードとして作動させることができるいずれかの導電物質のようないずれかの安定な物質から構成することができる。ある一定の実施形態では、カソードはステンレス鋼である。既存電気化学セルは、導電性の電解質が常にそれ自体の位置に留まる閉じたセルである場合があり、又は溶液がアノードとカソードの間の空間に自由に出入りすることができる電気化学セルが構成される。
【0064】
使用することができる一般的な電解質は、海水中に見られるナトリウム塩素イオンである。電解質が水溶液である時に、より高い電圧が水素の発生をもたらす場合があり、それによって安全の理由から通気を必要とする場合がある。熱の発生が蒸発をもたらすこと、並びに電気分解によって水が失われることによって水量の補充が必要である。電極間の電位バイアスを調節することにより、水溶液からの水素の発生を低減する/排除すること、並びに塩素の発生を制御することができる。非水電解質は、公知であり、アノードとカソード間で必要とされる導電度を生成するために使用することができる。電解質は、特定の媒質、電圧、又はアンペア数に限定されない。
【0065】
本発明の開示の態様を使用する実施形態は、米国特許第7,296,785号明細書、第7,344,124号明細書、第7,500,656号明細書、第9,868,129号明細書、第10,143,956号明細書、及び第10,329,180号明細書に議論されており、これらの文献の全ては、これによりその全体が引用によって組み込まれる。システム1000のある一定の実施形態は、UV LED技術とナノ物質利用光触媒面上の薄水膜とを統合したもことを使用することができる。ピーク光触媒応答をもたらす特定内に光を集中することによって活性を強化することができる。水の薄流は、光子が光触媒と相互作用するための時間を延ばし、水の近接度を強化することができる。水スクラブ洗浄は、水への酸素化の十分な供給を保証し、より高いROSの発生率をもたらすことができる。水スクラブ洗浄は、水を洗浄するだけでなく、水を空気ストリームと勢いよく混合することによって周囲空気を揮発性有機化学物質、煙霧質、及び他の微粒子から浄化する方法を生成することができる。捕捉されると、これらの有機物は、二酸化炭素と酸素と水とに無機化される。
【0066】
図6は、本発明の開示の実施形態による水カーテン装置の略図表現である。
【0067】
図6に関して説明する及び/又は図6に例示する態様は、本明細書に記載のいずれの他の実施形態にも利用することができる。特に、図6は、システム1000の実施形態の斜視側面図を示している。図6に示すように、本発明の開示によるシステム1000の実施形態は、垂幕フード105と、物質垂幕110と、溢流遮断浮子115と、回収戻り管120と、好ましくは電動のものである排水管路ソレノイド125と、排水管路130と、直列フィルタ135と、好ましくは電動のものである垂幕ソレノイド140と、垂幕給送管路145と、ポンプ(図示せず)と、ポンプ電力線150と、安全性への懸念から好ましくは接地漏電遮断器(GFCI)電力線である電源160への入/切スイッチ155と、給送管路165と、遮断弁170とを有する水カーテンアセンブリ又は水垂幕アセンブリ100を提供する。
【0068】
システム1000のこの実施形態は、一態様では、水又は他の水性液体のような低粘性液を利用して2つの境界要素である垂幕フード105と回収戻り管120との間で物質垂幕110に沿って切れ目のない液膜を形成する屋内瀑布を提供する。物質垂幕110は、光触媒とする又は二機能性電極の一部とすることができる。ある一定の実施形態では、カソードとして作用する第2の電極は、物質垂幕110の周りに水性液体を通じて物質垂幕110と電気連通するように配置される。例えば、第2の電極は、回収戻り管120内、垂幕フード105内、又は物質垂幕110と平行に設けることができる。ある一定の実施形態では、第2の電極は、図3に示すように、物質垂幕110と平行に延びる。第2の電極は、物質垂幕110から約0.1から10cm、約1から10cm、又は約1から3cm離間させることができる。
【0069】
一部の実施形態では、物質垂幕110は、カソードであり、第2の電極は、光触媒である。
【0070】
垂幕アセンブリ100は、光源が光触媒を照明するように構成することができる。光源が光触媒を照明すると、光触媒は、電子正孔対を発生させて水性液体からOHラジカルを生成する。ある一定の実施形態では、光源はLEDである。
【0071】
光源の配置は、光触媒の位置に依存する。一部の実施形態では、光源は、垂幕フード105又は回収戻り管120に配置され、光を光触媒に向けて誘導するように構成することができる。これに代えて、光源は、物質垂幕110の前に配置することができる。
【0072】
物質垂幕110が光触媒であり、それと平行に第2の電極が延びるある一定の実施形態では、第2の電極は、光がそれを貫通して光触媒に到達することを可能にするようにメッシュとして構成することができる。
【0073】
図7Aは、本発明の開示の実施形態によるピストンアセンブリの略図表現であり、図7Bは、図7Aの3--3に沿って取った断面図である。
【0074】
図7に関して説明する及び/又は図7に例示する態様は、本明細書に記載のいずれの他の実施形態にも利用することができる。特に、図7Aは、システム1000の実施形態の第1の斜視側面図を示しており、図7Bは、システム1000の実施形態の第2の斜視側面図を示している。特に、システム1000及び関連の方法の実施形態は、図6を参照して図7A及び図7Bに例示されており、この場合に、物質垂幕110は、垂幕フード105の中に配置され、垂幕フード105から回収戻り管120に向けて懸架される。水又は他の水性液体が給送管路165から垂幕給送管路145に、更に垂幕フード105の中に給送されると、ピストン203と、磁気カラー205と、ピストン開放位置210と、ガター255と、ガター排液スリット215と、ガター溝220と、閉鎖位置でのピストン閉鎖位置225と、ピストン203に取り付けられた弾性コード230と、垂幕物質軌道235と、ガター排液管250と、ピストンスリーブ260とを有するピストンアセンブリ200の中に、ポンプ240が、取込口245を通して水又は他の水性液体をポンピングする。
【0075】
ポンピングされた液体は、次に、ピストンスリーブ260を加圧し、それによってピストン203をピストンスリーブ260に沿って長手方向にピストン閉鎖位置225からピストン開放位置210まで移動する。磁気カラー205は、ピストン203を引き寄せるために磁気カラー205の極性反転実施を使用することによってピストン203を開放位置に引っ張ることを実効的に助けることができる。弾性コード230は、ピストンスリーブ260内の液圧の低減又は除去時に応じてピストン203をピストン閉鎖位置225に戻すことを助ける。ガター排液管250は、ポンプ240とピストン閉鎖位置225にあるピストン203との間にある液体を排出することを可能にすることができる。ガター排液スリット215は、液体がピストンスリーブ260からガター溝220を通ってガター255の中に、更に垂幕物質軌道235の中に流れ込むことを可能にすることができる。液体は、それが垂幕物質軌道235を充填し始めた状態で、垂幕物質軌道235の中に配置された物質垂幕110の上に溜まって回収戻り管120の方向に流れることになる。
【0076】
水又は他の水性液体は、周囲空気が通過することを可能にしながら上向き流れ及び下向き流れを達成するためのウィッキング効果を含む物質垂幕110を覆い、その片面又は両面を通って下向きに流れることができる。物質垂幕110の面を覆う水又は他の水性液体の層流がポンプ240によって達成されるか又はそのスピード又は速度によって制御される場合に、蒸発が発生することになるが、この過剰水分は、空気の移動を若干制限又は制御しながら流水を通って移動する空気を「スクラブ洗浄」するという追加の利点を有することになるにことに注意しなければならない。この利点は、汚染物質、アレルゲン、及び昆虫などを低減することができる。ガター255は、一部の実施形態(図示せず)では、ポンプ240を使用することなく手動で充填することができる。回収戻り管120は、独立したもの又は図示のように再循環システムにつながったもののいずれかとすることができる。直列フィルタ135は、水又は他の水性液体の移動中に捕捉された汚染物質を除去することができる。
【0077】
滅菌目的で水又は他の水性液体中のpH変化を発生させるためにイオン化要素(図示せず)を直列で組み込むことができる。
【実施例1】
【0078】
本発明の開示のBEEP実施形態を海洋生体システムでの適合性に関して試験した。長期急性毒性試験を模擬するために、本明細書に説明する反応器を使用して塩水水槽を1ヶ月にわたって維持した。この試験では、アンモニア、亜硝酸塩、及び硝酸塩が、許容可能な標準水槽パラメータ内に留まるか否か及び魚が繁殖するか否かに関して観察された。アンモニアの最終酸化生成物としての高レベルの硝酸塩は、従来では水の交換による希釈によって取り除かれていた。この試験の前に対照として標準光触媒プロトタイプ(図8Cを参照されたい)を1週間にわたって使用した。標準光触媒プロトタイプは、アンモニアからの亜硝酸塩及び硝酸塩を効率的に処理することができなかった。電極に供給される電圧は、0.75ボルトにかつミリアンペアを単位として検出可能なレベルよりも低く維持された。
【0079】
BEEP光触媒器を内面上に成長させたまま未処理のTiO2ナノ多孔質物質を有するチタンチューブで構成した。このチューブをホースに取り付けられたポンプを有して光触媒アノードとステンレス鋼カソードの間の空隙を充填することを可能にするステンレス鋼アセンブリに固定した。作動中に、水が光触媒の上部から溢流し、次に、チタンチューブの内側にあるTiO2ナノ多孔質物質上で薄膜として流れ落ちる時にこの水を空気に露出した。図8Bに示すUVA-LEDアセンブリを独自のワイヤによって懸架されたガラスチューブ内に固定させ、点灯させた時に、このアセンブリがチタンチューブの内面を照明した。実際に、ナノ多孔質面を生成するのに使用されるフッ化アンモニウム/EG溶液中を流れる電気がチューブの中心にくるので、孔は、構造を照射するために中心に位置付けられた光源と最適に位置合わせする。水は、光酸化工程の後に水槽/貯留槽の中に落下して戻る。図8A及び図8Bは、本発明の開示のプロトタイプの画像を示しており、図9A及び図9Bは、本発明の開示の実施形態の内部設定の画像を示している。光触媒器の効果を測定するには通常は犠牲染料を必要とするが、アンモニア、亜硝酸塩、及び硝酸塩の濃度/変化を測定するのに既製品の水槽を使用することができた。これにより、消費者が淡水又は塩水の光触媒器を検証するための道筋がつけられる。
【0080】
図8及び図9に関して説明する及び/又は図8及び図9に例示する態様は、本明細書に記載のいずれの他の実施形態にも利用することができる。特に、図8には、システム1000の画像を示しており、図9Aは、システム1000の内観の画像を示しており、図8B及び図9Bは、作動中のシステム1000の画像を示している。図9A及び図9Bでは、噴霧器1002が、それと放射状に配置された光触媒1006との間であるLEDアセンブリ1004の中心に配置され、光触媒1006の周りに更にカソード1008が放射状に配置される。
【実施例2】
【0081】
実施例1で説明したBEEP実施形態を最初にバイアス補助あり及びなしでメチレンブルーを洗浄することによって効果に関して試験した。メチレンブルーは薬品及び染料として使用される塩であるので、メチレンブルーを医薬品の代表として選択した。薬品としてメチレンブルーは、主としてメトヘモグロビン血症を治療するのに使用される。更に、溶液中のメチレンブルーの量は、吸光度によって難なく測定することができる。
【0082】
「小型」のプロトタイプを水(6Lの水の中に10,000ppmの塩と20mgのメチレンブルーとを溶かしたもの)の中に約70%浸漬した。500mAの定電流を内側のステンレス鋼カソードと外側のTiO2アノードの間に印加した。1つの試験を光触媒だけを使用して実施し、更に1つの試験を光触媒と電気カソードの両方を使用して実施した。浸漬データは、噴霧器が水を流し、メソ多孔質チタンチューブ上に噴霧する状態を使用して実施した光触媒データと比較された。これらの結果を図10に示している。
【0083】
実験中に、溶液中のメチレンブルーの量を吸光度によって測定した。図10に記載のデータで示すように、光触媒と電気触媒の両方の活性化は、電気触媒だけの場合と比較して優れたメチレンブルー除去をもたらされている。
【0084】
図11は、4000ppmのNaCl溶液を用い、電流を200mAで一定に保った図9に記載のプロトタイプを使用する上述の実験の変形の結果を提供している。
【0085】
図12は、2000ppmのNaCl溶液を用い、電流を200mAで一定に保った図9に記載のプロトタイプを使用する上述の実験の変形の結果を提供している。
【実施例3】
【0086】
使用頻度の高い1200Lの水容積の温水浴槽で、上述の開示の実施形態に基づくカソードの追加によって変換することができる非BEEP実施形態を使用して2ヶ月間の実験が行われた。試験期間の前に、全ての化学物質の存在を取り除くために温水浴槽を完全に排水し、洗浄した。2ヶ月の試験中に、他の消毒手段(例えば、塩、オゾン、液体塩素、臭素、又は添加塩を遊離塩素に変換する電解質系)を用いなかった。2ヶ月の試験中に、60体(10人の異なるユーザ)が温水浴槽内に入り、ユーザ毎の平均使用時間は30分から40分の間であった。
【0087】
図13A図13Cは、試験作動中に収集したプロットデータを示している。図13Aは、純水中及び水性系中の有機物化合物内の全炭素量の尺度であるTOC(全有機炭素)である。最初の水道水のTOCは2.7ppmであり、2ヶ月の高頻度使用及び高い入浴者負荷の後に、TOCは、3.2ppmの近くで非常に安定な状態に留まった。これは、光触媒器が、水中に入る有機物化合物の殆どを酸化することができることが示されている。
【0088】
適正に維持及び洗浄されない時に、温水浴槽は、細菌及びウイルスが増殖し、皮膚、目、及び耳での感染、並びに他の重病をもたらすのに理想的な環境を提供する。この調査では、水質の一般的なインジケータとして用いたCOD(化学的酸素要求量)(図13B)を定期的に測定した。COD測定値から、細菌及び他の微生物が指定温度の好気(酸素が存在する)条件下で有機体を分解する間に消費する酸素の量を表す生化学的酸素要求量(BOD)を推定した。一般的に、より高いCOD及びBODは、水中で細菌が増殖していることを意味する。
【0089】
本出願人の試験では、非常に高い入浴者負荷の場合であってもCOD値の有意な増加は認識されず、光触媒器が細菌増殖を制御下に保つことができることが示されている。理論はさておき、光反応器は、有機物質を酸化して細菌に対する栄養培地を排除する。更に、光反応器は、既存又は導入された病原体を光触媒酸化によって直接酸化する。しかし、全溶解固形分(TDS)値の一定の増加が水中の溶存物質の全濃度を表すことに気付いた。水中で見つかる可能性がある一般的な無機塩類は、全てがカチオンであるカルシウム、マグネシウム、カリウム、及びナトリウム、並びに炭酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、塩化物、及び硫酸塩を含む。最初の水は、20mg/LのTDS値を有し、2ヶ月の使用及び光触媒工程の後の温水浴槽水は、120mg/L前後の値を有した。この増加は、人間の汗の中に存在する様々なカチオン及びアニオンが加わったことに起因する可能性が最も高い。この値は、最大で500mg/Lが飲用に適するというEPA USAによると依然として安全である。
【実施例4】
【0090】
上述の開示の実施形態に基づくカソードの追加によって変換することができる非BEEP実施形態を使用してユーザの安全性を保証するために処理された温水浴槽で細菌調査が行われた。温水浴槽水(20ml)をファルコンチューブ内に回収し、15分間遠心分離した。上清液を捨て、ペレットを500μLのLB中に懸濁させた。10μLの再懸濁液をLB寒天培地の上に拡散被覆し、培養した。FLATを使用して細菌を識別した(図14のセクション(C))。MALDI板上の各ウェルに1μLのクエン酸緩衝液を添加した。LB寒天培地板からコロニーを採取し、緩衝液中に再懸濁させた。板を110℃で30分間培養し、次に、無菌脱イオン水で濯いだ。FLAT分析は、2ヶ月の高頻度使用後であっても温水浴槽中に細菌増殖が殆どないことを明らかにした。図14のセクション(A)~(B)に示す板上のいくらかの増殖は、いずれのFLAT分析データベースとの一致も提供することができなかった。これは、この増殖が緑膿菌の酸化生成物を連想させる副生成物であることを示している。
【0091】
上述の結果は、2ヶ月の絶え間ない高頻度使用後であっても、温水浴槽水が非常に清潔であり、細菌増殖が殆ど認識されないことを明らかにした。
【0092】
対照実験として温水浴槽の水がどの程度長く使用可能状態に留まるのかを確認するために消毒を用いない別の長期実験を実施した。しかし、数週間後にTOC値及びCOD値が4よりも大きくなり始め、1ヶ月の使用後に、温水浴槽からの水サンプルは、図15に見ることができる活発な細菌増殖を示している。
【0093】
クレブシエラ及びエルシニアであるこれらの細菌は、人間では疾病をもたらす場合がある。これらの結果は、温水浴槽での消毒の役割がいかに重要であるかを示している。
【実施例5】
【0094】
上述の開示の実施形態に基づくカソードの追加によって変換することができる非BEEP実施形態を使用して大腸菌DH5αを使用する独立した細菌殺菌調査を実施した。1.5Lの大腸菌DH5α細菌懸濁液を1回のコロニー接種から調製した。単一大腸菌コロニーを5mLのLB培養液(BD Difco)の中に添加し、180rpmで連続振盪しながら37℃で16時間培養した。大腸菌培養物を145mLのLB培養液に添加し、同じ条件下で更に16時間培養した。2回目の培養後の吸光度は0.282であった。この培養物を遠心分離し、上清液を捨てて、ペレットを2Lの無菌脱イオン水中に再懸濁させた。
【0095】
対照として機械を充填する前に40mL分割量の懸濁液を採取した。反応器に懸濁液を充填して開始した。サンプル管路をフラッシュ洗浄し、5mLのサンプルを0時間、2時間、及び4時間の時点で採取した。各時点での1mL分割量の各サンプル及び対照を順番に10-6まで希釈した。100μLの希釈なしの10-4及び10-6をLB寒天培地(BD Difco、Fisher Bioreagents)の上に三重に拡散被覆した。培養に続いて、CFU/mLを決定した。2時間の水処理の後に、コロニーは見つからなかった(図16のセクション(B))。対照のCFU/mLは、4時間にわたって一定に留まった。これは、水の殺菌に向けたこの実施形態の効果を示している。この技術は、清潔な飲み水が不足している遠隔地で使用することができる。図16は、この細菌調査からの結果を示している。図16のセクション(A)は、最初のサンプルの中に存在する多くのCFUを示しており、図16のセクション(B)は、2時間の光酸化の直後のCFUのない板を示している。図16のセクション(C)は、1時間当たりの平均CFU/mlを示している。
【実施例6】
【0096】
本発明の開示のBEEP実施形態は、ペルフルオロアルキル物質(PFAS)を分解する機能に関して試験された。この実施形態は、常在電解質が約35g/Lの塩を有する塩水である本発明の開示の図2に準拠するものであった。これらの試験では、水のサンプルは、Weck Labsが様々なPFASを使用して調製したものであった。サンプルをこの実施形態に通した後に、537.1M及び537Mという2つの試験でのPFASの濃度変化を決定するためにWeck Labsに戻した。これらの結果を下記の表に提供する。
【0097】
(表)


【0098】
上述の結果によって示すように、PFASは、一部の場合に検出可能レベルよりも小さくなるまで低減した。
【0099】
本発明の開示の多くの特徴及び利点は、詳細なこの詳細説明から明らかになり、従って、本発明の開示の真の精神及び範囲に収まる本発明の開示の全てのそのような特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲によって網羅されるように意図している。更に、多くの修正及び変更が当業者に想起されることになるので、本発明の開示は、図示して説明した構成及び作動通りに限定されることを望んでおらず、従って、全ての適切な修正及び均等物は、本発明の開示に依存し、かつその中に収まると考えられる。
【符号の説明】
【0100】
1000 システム
1010 光源
1020 光触媒アノード
1030 電解流体
1040 カソード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
【国際調査報告】