(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】フィールドフローフラクショネータにおける分離を行うこと
(51)【国際特許分類】
G05D 7/06 20060101AFI20241018BHJP
F16K 37/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G05D7/06 Z
F16K37/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522697
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 US2022046800
(87)【国際公開番号】W WO2023064613
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524141924
【氏名又は名称】ワイアット・テクノロジー・エル・エル・シー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トレイノフ,スティーブン
【テーマコード(参考)】
3H065
5H307
【Fターム(参考)】
3H065AA01
3H065BA07
3H065BB12
5H307AA01
5H307BB01
5H307EE02
5H307FF01
5H307FF12
5H307HH04
5H307HH12
(57)【要約】
本開示は、フィールドフローフラクショネータにおいて分離を行う、方法、システム、およびコンピュータプログラム製品を説明するものである。一実施形態では、方法、システム、およびコンピュータプログラム製品は、最適な安定状態において、フィールドフローフラクショネータに結合されたマスフローコントローラに接続された制御弁のマスフロー制御弁位置、およびフィールドフォールドフラクショネータに結合された圧力コントローラに接続された制御弁の圧力制御弁位置を測定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、弁位置を、プリセット値としてデータストアに、コンピュータシステムによって記憶することと、データストアからプリセット値を取り出し、プリセット値に対応するコントローラの初期条件を設定し、フィールドフローフラクショネータの切替えモードをもたらす論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによる実施方法であって、
最適な安定状態において、フィールドフローフラクショネータに結合されたマスフローコントローラに接続された制御弁のマスフロー制御弁位置、およびフィールドフォールドフラクショネータに結合された圧力コントローラに接続された制御弁の圧力制御弁位置を測定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、
弁位置を、プリセット値としてデータストアに、コンピュータシステムによって記憶することと、
切替えモードコマンドを、コンピュータシステムによって受け取ったことに応答して、データストアからプリセット値を取り出し、プリセット値に対応するコントローラの初期条件を設定し、フィールドフローフラクショネータの切替えモードをもたらす論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと
を含む、方法。
【請求項2】
切替えモードが、フォーカスモード、溶出モード、フォーカス注入モード、および溶出注入モードのうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コンピュータによる実施方法であって、
フィールドフローフラクショネータにおいて実行される少なくとも1つの実験を介して、フィールドフローフラクショネータに対するフォーカスフローオフセット値を決定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することであって、
フォーカスフローオフセット値が、フィールドフローフラクショネータのクロスフロー値およびフィールドフローフラクショネータに関連する検知器フロー値に加算され、フィールドフローフラクショネータに接続されたポンプのポンプフロー値をもたらす、こと
を含む、方法。
【請求項4】
フォーカスフローオフセット値を決定することが、
複数の候補フォーカスフローオフセット値を生成する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、
候補フォーカスフローオフセット値の各々をクロスフロー値および検知器フロー値に加算する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、
フィールドフローフラクショネータに関連する検知器フローが、候補フォーカスフローオフセット値の各々に対応して平衡するまでの時間を測定し、候補フォーカスフローオフセット値の各々に対応する、フィールドフローフラクショネータに関連する検知器フローの平衡時間をもたらす論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、
フォーカスフローオフセット値を、複数の候補フォーカスフローオフセット値の中から、検知器フローの平衡時間の最小値に対応する候補フォーカスフローオフセット値として識別する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
フォーカスフローオフセット値を決定することが、
フォーカスフローオフセット値を初期値(たとえば、0mL/分)に設定し、初期のフォーカスフローオフセット値をもたらす論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、
初期のフォーカスフローオフセット値をクロスフロー値および検知器フロー値に加算する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、
フォーカスモードのフィールドフローフラクショネータの、定常状態のチャネル圧力P
fを測定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、
溶出モードのフィールドフローフラクショネータの、定常状態のチャネル圧力P
eを測定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、
F
o,n+1=F
o,n+(1-P
f,n/P
e)F
d
によるnの反復にわたって、フィールドフローフラクショネータに対する新規のフォーカスフローオフセット値を計算する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することであって、
F
o,nは、反復/ステップnにおけるフォーカスフローオフセット値であり、
P
f,nは、反復/ステップnにおける、フォーカスモードのフィールドフローフラクショネータのチャネルフローであり、
P
eは、反復/ステップnにおける、溶出モードのフィールドフローフラクショネータのチャネル圧力である、
ことと、
P
f,n=P
eに対応するフォーカスフローオフセット値を、新規のフォーカスフローオフセットに設定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
システムであって、
メモリと、
メモリと通信するプロセッサとを備え、プロセッサが、
最適な安定状態において、フィールドフローフラクショネータに結合されたマスフローコントローラに接続された制御弁のマスフロー制御弁位置、およびフィールドフォールドフラクショネータに結合された圧力コントローラに接続された制御弁の圧力制御弁位置を測定する論理演算のセットを実行することと、
弁位置を、プリセット値としてデータストアに記憶することと、
切替えモードコマンドを受け取ったことに応答して、データストアからプリセット値を取り出し、プリセット値に対応するコントローラの初期条件を設定し、フィールドフローフラクショネータの切替えモードをもたらす論理演算のセットを実行することと
を含む方法を行うように構成されている、
システム。
【請求項7】
プログラム命令が具現化されたコンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、プログラム命令が、プロセッサに、
最適な安定状態において、フィールドフローフラクショネータに結合されたマスフローコントローラに接続された制御弁のマスフロー制御弁位置、およびフィールドフォールドフラクショネータに結合された圧力コントローラに接続された制御弁の圧力制御弁位置を測定する論理演算のセットを実行することと、
弁位置を、プリセット値としてデータストアに記憶することと、
切替えモードコマンドを受け取ったことに応答して、データストアからプリセット値を取り出し、プリセット値に対応するコントローラの初期条件を設定し、フィールドフローフラクショネータの切替えモードをもたらす論理演算のセットを実行することと
を含む方法を行わせるように、プロセッサによって実行可能である、コンピュータプログラム製品。
【請求項8】
システムであって、
メモリと、
メモリと通信するプロセッサを備え、プロセッサが、
フィールドフローフラクショネータにおいて実行される少なくとも1つの実験を介して、フィールドフローフラクショネータに対するフォーカスフローオフセット値を決定する論理演算のセットを実行することであって、
フォーカスフローオフセット値が、フィールドフローフラクショネータのクロスフロー値およびフィールドフローフラクショネータに関連する検知器フロー値に加算され、フィールドフローフラクショネータに接続されたポンプのポンプフロー値をもたらす、こと
を含む方法を行うように構成されている、
システム。
【請求項9】
プログラム命令が具現化されたコンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、プログラム命令が、プロセッサに、
フィールドフローフラクショネータにおいて実行される少なくとも1つの実験を介して、フィールドフローフラクショネータに対するフォーカスフローオフセット値を決定する論理演算のセットを実行することであって、
フォーカスフローオフセット値が、フィールドフローフラクショネータのクロスフロー値およびフィールドフローフラクショネータに関連する検知器フロー値に加算され、フィールドフローフラクショネータに接続されたポンプのポンプフロー値をもたらす、こと
を含む方法を行わせるように、プロセッサによって実行可能である、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィールドフローフラクショネータに関し、より詳細には、フィールドフローフラクショネータにおいて分離を行うことに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本開示は、フィールドフローフラクショネータにおいて分離を行う、コンピュータによる実施方法、システム、およびコンピュータプログラム製品を説明するものである。例示的な実施形態では、コンピュータによる実施方法、システム、およびコンピュータプログラム製品は、(1)最適な安定状態において、フィールドフローフラクショネータに結合されたマスフローコントローラに接続された制御弁のマスフロー制御弁位置、およびフィールドフォールドフラクショネータに結合された圧力コントローラに接続された制御弁の圧力制御弁位置を測定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、(2)弁位置を、プリセット値としてデータストアに、コンピュータシステムによって記憶することと、(3)切替えモードコマンドを、コンピュータシステムによって受け取ったことに応答して、データストアからプリセット値を取り出し、プリセット値に対応するコントローラの初期条件を設定し、フィールドフローフラクショネータの切替えモードをもたらす論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することとを含む。
【0003】
例示的な実施形態では、コンピュータによる実施方法、システム、およびコンピュータプログラム製品は、(1)フィールドフローフラクショネータにおいて実行される少なくとも1つの実験を介して、フィールドフローフラクショネータに対するフォーカスフローオフセット値を決定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することであって、フォーカスフローオフセット値が、フィールドフローフラクショネータのクロスフロー値およびフィールドフローフラクショネータに関連する検知器フロー値に加算され、フィールドフローフラクショネータに接続されたポンプのポンプフロー値をもたらす、ことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】一実施形態によるフィールドフローフラクショネータを示す図である。
【
図4A】例示的な実施形態によるフローチャートである。
【
図4B】例示的な実施形態によるフローチャートである。
【
図5】例示的な実施形態によるコンピュータシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示は、フィールドフローフラクショネータにおいて分離を行う、コンピュータによる実施方法、システム、およびコンピュータプログラム製品を説明するものである。例示的な実施形態では、コンピュータによる実施方法、システム、およびコンピュータプログラム製品は、(1)最適な安定状態において、フィールドフローフラクショネータに結合されたマスフローコントローラに接続された制御弁のマスフロー制御弁位置、およびフィールドフォールドフラクショネータに結合された圧力コントローラに接続された制御弁の圧力制御弁位置を測定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、(2)弁位置を、プリセット値としてデータストアに、コンピュータシステムによって記憶することと、(3)切替えモードコマンドを、コンピュータシステムによって受け取ったことに応答して、データストアからプリセット値を取り出し、プリセット値に対応するコントローラの初期条件を設定し、フィールドフローフラクショネータの切替えモードをもたらす論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することとを含む。一実施形態では、切替えモードは、フォーカスモード、溶出モード、フォーカス注入モード、および溶出注入モードのうちの1つである。
【0006】
例示的な実施形態では、コンピュータによる実施方法、システム、およびコンピュータプログラム製品は、(1)フィールドフローフラクショネータにおいて実行される少なくとも1つの実験を介して、フィールドフローフラクショネータに対するフォーカスフローオフセット値を決定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することであって、フォーカスフローオフセット値が、フィールドフローフラクショネータのクロスフロー値およびフィールドフローフラクショネータに関連する検知器フロー値に加算され、フィールドフローフラクショネータに接続されたポンプのポンプフロー値をもたらす、ことを含む。
【0007】
一実施形態では、フィールドフローフラクショネーションシステムが、フォーカスモードにおける安定制御から溶出モードにおける安定制御に切り替わる場合には、どちらのモードの安定性も損なうことなく移行をスピードアップする専用のアルゴリズムを採用することができる。モードを切り替えるときは常に、迅速に制御を達成することが重要であるが、フォーカスから溶出への変化が特に非常に重要であり、何故なら、フォーカスモードでは、試料がフォーカス位置のチャネルで静止しているからである。システムが溶出モードに切り替えられるとき、試料はチャネルを下って移動し分別され、下部パネルの青色のピークによって示される。
【0008】
一実施形態では、スピードアップアルゴリズムは2つの部分を有する。第1の部分は、溶出モードにおいて最適な安定性を与える制御弁の位置を前もって測定し、これらの値をプリセットとして記憶することである。次いで、フォーカスから溶出に切り替えるとき、PIDアルゴリズムが最適位置を再度見出すのを待つ必要のないように、弁を、前もって記憶されたプリセット値に設定する。アルゴリズムの後半では、フォーカスモードから溶出モードへの移行が生じるするとき、チャネルが最適な圧力にあり、出口ポートに接続された分析機器を通るフローを駆動するように、ポンプフローはフォーカス状態に調節される。
【0009】
現在の技術
非対称フローフィールドフローフラクション(AF4)システムは、19761年にCalvin Giddingsによって明瞭に表現されたよく知られているフィールドフローフラクションシステムの原理によって、分子および粒子を分別する。実験は、
図1に示されるように2つのステップから成る。
【0010】
フォーカスステップ(上部)では、流体は、入口ポートと出口ポートの両方からチャネルに導入され、膜を通ってチャネルから出ることができる。膜を通るフローの大きさはクロスフローと称される。入口フローとクロスフローの比は、チャネルにおいて左からのフローと右からのフローがバランスする位置を設定する。この場所はフォーカス位置と称される。次いで、チャネルに試料が注入され、膜上の青色で示されたラインにフォーカスされる。
【0011】
次のステップは溶出モードであり、通常は入口フローが増加され、分別プロセスを開始するために出口フローの向きが逆転される。実行ごとの最良の再現性を達成するためには、モードを変更することによって誘起された擾乱の後でフローができるだけ早く安定することが重要である。Neon Eclipseの設計では、入口フロー、注入フロー(図示せず)、およびクロスフローは、マスフローコントローラ(MFC)によって調整される。加えて、チャネル圧力は圧力コントローラによって制御される。MFCと圧力コントローラの両方が、マスフローまたは圧力を測定し、次いでフローを所望の値にサーボ制御するように比例制御弁を調節することによって動作する。採用される最も一般的なアルゴリズムは、比例-積分-微分(PID)コントローラである。これらのコントローラには、フォーカスモードと溶出モードとの間で切り替わるとき生じるように、設定値に大きな不連続な変化があるとき、コントローラが制御弁を新規の動作点に調節するのに長時間を要し得るという問題がある。
【0012】
PIDパラメータを調節することにより、調整を達成するまでの時間をスピードアップすることができるが、これは多くの場合、調整するときにコントローラの安定性を低下させるという犠牲を伴う。速度と安定性との間のこのトレードオフは制御理論において一般的なものであり、特別な場合に有効な発見的手法がいくつかあるが、一般的な解決策は存在しない。
【0013】
したがって、フィールドフローフラクショネータにおいて分離を行う必要がある。
【0014】
図4Aを参照して、例示的な実施形態では、コンピュータによる実施方法、システム、およびコンピュータプログラム製品は、フィールドフローフラクショネータに結合されたマスフローコントローラに接続された制御弁のマスフロー制御弁位置、および接続された制御弁の圧力制御弁位置を測定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行する動作410を含む
【0015】
図4Aを参照して、例示的な実施形態では、コンピュータによる実施方法、システム、およびコンピュータプログラム製品は、最適な安定状態において、フィールドフローフラクショネータに結合されたマスフローコントローラに接続された制御弁のマスフロー制御弁位置、およびフィールドフォールドフラクショネータに結合された圧力コントローラに接続された制御弁の圧力制御弁位置を測定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行する動作410と、弁位置を、プリセット値としてデータストアに、コンピュータシステムによって記憶する動作412と、切替えモードコマンドを、コンピュータシステムによって受け取ったことに応答して、データストアからプリセット値を取り出し、プリセット値に対応するコントローラの初期条件を設定し、フィールドフローフラクショネータの切替えモードをもたらす論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行する、動作414とを含む。一実施形態では、切替えモードは、フォーカスモード、溶出モード、フォーカス注入モード、および溶出注入モードのうちの1つである。コンピュータによる実施方法、システム、およびコンピュータプログラム製品を実行した結果は、
図2の2つの右側グラフに示されており、
図2の右上隅における上側のトレースは設定値の目標を示し、
図2の右上隅における下側のトレースにおける下側のトレースは、コンピュータによる実施方法、システム、およびコンピュータプログラム製品によって達成された実際の設定値を示す。
【0016】
図4Bを参照して、例示的な実施形態では、コンピュータによる実施方法、システム、およびコンピュータプログラム製品は、フィールドフローフラクショネータにおいて実行される少なくとも1つの実験を介して、フィールドフローフラクショネータに対するフォーカスフローオフセット値を決定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行する動作452であって、フォーカスフローオフセット値が、フィールドフローフラクショネータのクロスフロー値およびフィールドフローフラクショネータに関連する検知器フロー値に加算され、フィールドフローフラクショネータに接続されたポンプのポンプフロー値をもたらす、動作452を含む。コンピュータによる実施方法、システム、およびコンピュータプログラム製品を実行した結果は、
図3の上側のデータトレースに示されている。
【0017】
フォーカスフローオフセット
一実施形態では、フォーカスフローオフセット値を決定することは:(ブルートフォースでの)(a)複数の候補フォーカスフローオフセット値を生成する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、(b)候補フォーカスフローオフセット値の各々をクロスフロー値および検知器フロー値に加算する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、(c)フィールドフローフラクショネータに関連する検知器フローが、候補フォーカスフローオフセット値の各々に対応して平衡するまでの時間を測定し、候補フォーカスフローオフセット値の各々に対応する、フィールドフローフラクショネータに関連する検知器フローの平衡時間をもたらす論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと;(d)フォーカスフローオフセット値を、複数の候補フォーカスフローオフセット値の中から、検知器フローの平衡時間の最小値に対応する候補フォーカスフローオフセット値として識別する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することとを含む。
【0018】
一実施形態では、フォーカスフローオフセット値を決定することは、(a)フォーカスフローオフセット値を初期値(たとえば0mL/分)に設定し、初期のフォーカスフローオフセット値をもたらす論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、(b)初期のフォーカスフローオフセット値をクロスフロー値および検知器フロー値に加算する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、(c)フォーカスモードのフィールドフローフラクショネータの、定常状態のチャネル圧力Pfを測定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、(d)溶出モードのフィールドフローフラクショネータの、定常状態のチャネル圧力Peを測定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することと、(e)
Fo,n+1=Fo,n+(1-Pf,n/Pe)Fd
によるnの反復にわたって、フィールドフローフラクショネータに対する新規のフォーカスフローオフセット値を計算する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することであって、
ここで、Fo,nは、反復/ステップnにおけるフォーカスフローオフセット値であり、Pf,nは、反復/ステップnにおける、フォーカスモードのフィールドフローフラクショネータのチャネルフローであり、Peは、反復/ステップnにおける、溶出モードのフィールドフローフラクショネータのチャネル圧力である、ことと、(f)Pf,n=Peに対応するフォーカスフローオフセット値を、新規のフォーカスフローオフセットに設定する論理演算のセットを、コンピュータシステムによって実行することとを含む。
【0019】
例示的な実施形態では、コンピュータシステムは、
図5に示されるコンピュータシステム500などのスタンドアロンのコンピュータシステム、コンピュータのうちの少なくともいくつかが
図5に示されるコンピュータシステム500などのコンピュータシステムである、分散型コンピュータのネットワーク、または
図5に示されるコンピュータシステム500などのクラウドコンピューティングノードサーバである。一実施形態では、コンピュータシステムは、分析機器スクリプトの画面上に分析機器の状態を示すことを実行する、
図5に示されるコンピュータシステム500、または少なくとも方法400および方法450の動作を実行するコンピュータソフトウェアアプリケーションである。一実施形態では、コンピュータシステムは、分析機器スクリプトの画面上に分析機器の状態を示すことを実行する、
図5に示されるコンピュータシステム/サーバ512、または少なくとも方法400および方法450の動作を実行するコンピュータソフトウェアアプリケーションである。一実施形態では、コンピュータシステムは、分析機器スクリプトの画面上に分析機器の状態を示すことを実行する、
図5に示される処理ユニット516、または少なくとも方法400および方法450の動作を実行するコンピュータソフトウェアアプリケーションである。
【0020】
一実施形態では、コンピュータシステムは、ナノ粒子のサイズを推定するスクリプトを実行する、
図5に示されるコンピュータシステム500、または少なくとも方法400および方法450の少なくとも動作を実行するコンピュータソフトウェアアプリケーションである。一実施形態では、コンピュータシステムは、ナノ粒子のサイズを推定するスクリプトを実行する、
図5に示されるコンピュータシステム/サーバ512、または少なくとも方法400および方法450の少なくとも動作を実行するコンピュータソフトウェアアプリケーションである。一実施形態では、コンピュータシステムは、ナノ粒子のサイズを推定するスクリプトを実行する、
図5に示される処理ユニット516、または少なくとも方法400および方法450の少なくとも動作を実行するコンピュータソフトウェアアプリケーションである。一実施形態では、コンピュータシステムは、ナノ粒子のサイズを推定するスクリプトを実行する、機械学習コンピュータのソフトウェア/プログラム/アルゴリズム、または少なくとも方法400および方法450の動作を実行するコンピュータソフトウェアアプリケーションである。
【0021】
例
弁プリセットを見出すこと
一般的なFFF実験は、表1に示されるように、以下の基本構造のいくつかのバリエーションを有する。
【表1】
【0022】
第1のモードは、フローおよび圧力の安定化を可能にする溶出である。次の3つのモードは、フォーカス、フォーカス注入、およびフォーカスである。第1のフォーカスステップは、フォーカスフローを確立し、フォーカスフローが定常状態に到達することを可能にする。次いで、試料が注入され、最後のフォーカスステップによってフォーカス位置につくことが可能になる。次の、フォーカスから溶出への移行は非常に重要なものである。この移行中に分離が始まるので、フローができるだけ早く安定することが重要である。この移行中に、一連の弁がフローの方向を切り替えるので、マスフローコントローラのPIDループは最終的に定常流を再確立することになるが、フォーカスから溶出への移行中に大きな擾乱があったため、PIDループは最適な制御弁位置を再び見出す必要があるので、このプロセスにはかなり時間がかかる可能性がある。
【0023】
重要な所見は、初期の溶出ステップ中にPIDループが最適な弁位置を既に見出していたことであり、それゆえ、効果的なスピードアップは、システムが正しいフローを伴う定常状態の溶出モードにあると分かったときに弁位置を単に記録し、次いで、フォーカスから溶出への非常に重要な移行を行うときに、このプリセット値を設定することから成る。このプリセット値は、初期の溶出状態から、または別個の較正ルーチンから決定され得る。マスフローコントローラの各々(入口フロー、クロスフロー、注入フロー、チャネル圧力)が、同一の原理によって決定されたそれら自体の弁プリセットを有することになる。
【0024】
要約すると、弁パラメータを設定する目標は、モードを切り替えるとき、マスフローコントローラがロックインをできるだけ早くサーボ制御するのを保証することである。弁は性能において通常は非常に非線形であり、有効な範囲のほんの一部でのみ動作する。たとえば、制御弁は、一般的にはv0±5%の間で調整することになり、ここで、v0は弁のプリセット値であって弁ごとに異なり、通常はおよそ30%である。その場合、制御のすべてが制御電流の25%と35%の間になる。25%未満では、弁は効果的に全閉となり、35%を上回ると、弁は効果的に全開となる。弁が全閉(0%)である場合を考えると、調整を迅速に開始することが望まれる。弁のPIDループは、0%から動作範囲へのランピングを開始する。それが範囲内に入るまでは何も起こらず、次いで、PIDループはロックする前に少し振動する。スピードアップは、制御範囲を前もって測定し、サーボ機構の始動に先立ってv0にジャンプすることから成る。そのために、各弁についてv0を測定する必要がある。このプロシージャは簡単である。各サーボ機構を、一般的なフローまたは圧力設定で動作するように設定し、サーボ機構を安定させる。弁状態の平均弁を記録する。そして、次に、弁の全閉または弁の全開のいずれかから、調整された設定値に切り替えるとき、弁を以前の記録状態にプリセットする。
【0025】
簡単な例で、プリセットを使用することの有用性を実証する。この例では、制御されたフローが0から0.2へ進み、次いでゼロへ戻る。表において、第1の列は、全くプリセットなしの影響を示し、第2の列は、前もって測定されたプリセットを適用した結果を示す。第1の行は、所望のフロー設定を赤色で示し、測定された応答を青色で示す。第2の行は、制御弁の0-100%への状態を示す。プリセットがないとき、弁はゼロから開き始める。弁応答における非線形性のために、制御弁が約28%に達するまでフローはない。ランプレートがPIDパラメータ設定によって設定されるので、ゼロから開く例では、弁は制御ゾーンに到達せず、フローは確立されない。第2の列は、プリセットが測定されて適用された後の応答を示す。右下のパネルに示されるように、弁は25.5%で始動し、弁が開く初期の過渡現象の後に、制御範囲へとランピングする。弁は最終的にうまく制御される。これは、プリセットを使用することによってスピードアップが得られたことを実証するものである。
【0026】
フォーカスフローオフセットの設定
同様の問題が検知器フロー制御にも生じる。しかしながら、制御機構が異なるので相違点がある。特許出願###は、圧力コントローラを使用してチャネル圧力を調節することによって出力ポートを通る検知器フローがどのように制御されるかを説明する。検知器チェーンを通るフローが小さすぎると、圧力コントローラの設定値は、チャネル圧力を上昇させるように増加され、それによって検知器フローを増加させることになる。この方式は、前述の弁のプリセットの概念に類似であるが、ここでの目標は、フォーカスモードのチャネル圧力が溶出モードのチャネル圧力とほぼ同一であるのを保証することである。
【0027】
溶出モードのとき、出口ポートを通るフローは、出口ポートに取り付けられた検知器チェーンにわたる圧力差によって駆動される。検知器の出口には、大気圧下にある廃棄物リザーバまたはリサイクルリザーバがある。検知器チェーンの入口では、チャネル圧力Pcである。システムが定常状態の溶出モードにあるときの検知器チェーンのインピーダンスは簡単にPc/Fdであり、ここで、Fdは検知器フローである。システムがフォーカスモードにあるとき、クロスフローはクロスフローコントローラによって設定される。ポンプがより高いフローレートで動作する場合、その差は検知器チェーンを通過しなければならない。自然な選択は、溶出モードにおいて検知器フローが溶出モードでのものと同じになるように、ポンプフローをクロスフロー+所望の検知器フローに設定することである。しかしながら、これは正しくはない。代わりに、前述のように、状態を切り替えるときに、所望のチャネル圧力が既に達成されているように、フォーカスモードのチャネル圧力が溶出モードのものと同一であることが望まれる。これは、フォーカス状態では、ポンプフローが、クロスフロー+所望の検知器フローを上回って増加されるべきであることを意味する。追加のフローはフォーカスフローオフセットと称され、容易に決定される。簡単に、0のフォーカスフローオフセットで開始して実験を実行する。フォーカスモードにおける定常状態のチャネル圧力を測定する。これをPfと称する。同様に、溶出モードにおける定常状態のチャネル圧力を測定する。これをPeと称する。フォーカスフローオフセットを調節することによって、差Pf-Peをゼロに至らせたい。上記で定義したインピーダンスを使用して、新規のフォーカスフローオフセットを
Fo,n+1=Fo,n+(1-Pf,n/Pe)Fd
として計算することができる。この式で、Fo,nはステップnにおけるフォーカスフローオフセットである。0のフォーカスフローオフセットで開始したので、Fo,1=0である。圧力Pf,nは、ステップnのフォーカスモードにおけるチャネルフローであり、Peは溶出モードにおけるチャネル圧力である。次いで、これは、収束するまで反復され得、通常は1回または2回のステップで収束する。この表現の正しさは、Pf,n=PeのときFo,n+1=Fo,nとなることから確認することができ、つまりフォーカスフローオフセットが収束したということである。
【0028】
ここで、フォーカスフローオフセット(ffo)によって得られるスピードアップの一例を提示する。下のグラフでは、システムは、時間t=-2.5から溶出モードにある。システムは、t=-2.0から0までフォーカスモードにあり、t>0で再び溶出モードになる。非常に重要な移行は、システムがt=0においてフォーカスから溶出に切り替わるときである。
【0029】
2つの矢印は、2つのテストについて検知器フローが安定する時間を示す。ffo=0.12では、反復の式から計算されるように、検知器フローは、約0.1分で安定するが、ffo=0のときは、安定する時間がおよそ0.4分であったことが明らかである。言い換えれば、ffoを適切に設定すれば、モード変更の間でシステムがより迅速に安定することが可能になり、これはアルゴリズムの主要な目標であった。
【0030】
フィールドフローフラクション機器において、フォーカスモードから溶出モードへの移行は非常に重要なステップである。弁プリセットおよびフォーカスフローオフセットを採用することにより、フロー制御されたフローおよび圧力を安定させるのにかかる時間をスピゴットすることができる。これは、デバイスから繰り返し可能な実行を得るために重要である。
【0031】
コンピュータシステム
例示的な実施形態では、コンピュータシステムは、
図5に示されるコンピュータシステム500である。コンピュータシステム500は、コンピュータシステムの単なる一例であり、本発明の実施形態の用途または機能の範囲に関する何らかの限定を示唆するようには意図されていない。それとは関係なく、コンピュータシステム500は本発明の機能/動作のうちの任意のものを、行うように実現されることができる、および/または行うことができる。
【0032】
コンピュータシステム500は、多くの他の汎用または専用のコンピューティングシステム環境または構成で動作可能なコンピュータシステム/サーバ512を含む。コンピュータシステム/サーバ512と共に使用するのに適し得る、よく知られているコンピューティングシステム、環境、および/または構成の例は、限定はされないが、パーソナルコンピュータシステム、サーバコンピュータシステム、シンクライアント、シッククライアント、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、プログラム可能な家庭用電子機器、ネットワークPC、ミニコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、および上記のシステムまたはデバイスのうちの任意のものを含む分散型クラウドコンピューティング環境を含む。
【0033】
コンピュータシステム/サーバ512は、コンピュータシステムによって実行されるプログラムモジュールなどのコンピュータシステムの実行可能命令の一般的なコンテキストで説明され得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを行うかまたは特定の抽象データ型を行うする、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、論理、および/またはデータ構造を含み得る。コンピュータシステム/サーバ512は、タスクが、通信ネットワークを通じてリンクされた遠隔処理デバイスによって行われる、分散型クラウドコンピューティング環境で実施され得る。分散型クラウドコンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリ記憶デバイスを含む、ローカルコンピュータシステムとリモートコンピュータシステムの両方の記憶媒体に配置され得る。
【0034】
図5に示されるように、コンピュータシステム500におけるコンピュータシステム/サーバ512が、汎用コンピューティングデバイスの形態で示されている。コンピュータシステム/サーバ512のコンポーネントは、限定されないが、1つ以上のプロセッサまたは処理ユニット516、システムメモリ528、およびシステムメモリ528を含む様々なシステムコンポーネントをプロセッサ516に結合するバス518を含み得る。
【0035】
バス518は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、アクセラレイテッドグラフィックポート、およびプロセッサまたは様々なバスアーキテクチャのうちの任意のものを使用するローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造のうちの任意のもののうちの1つ以上を表す。限定ではなく例として、そのようなアーキテクチャは、インダストリー・スタンダード・アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(EISA)バス、ビデオエレクトロニクス・スタンダード・アソシエーション(VESA)ローカルバス、およびペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)バスを含む。
【0036】
コンピュータシステム/サーバ512は、一般的には様々なコンピュータシステム可読媒体を含む。そのような媒体は、コンピュータシステム/サーバ512によってアクセス可能であり、揮発性および不揮発性媒体、取外し可能媒体および取外し不能媒体の両方を含む任意の利用可能な媒体でよい。
【0037】
システムメモリ528は、ランダムアクセスメモリ(RAM)530および/またはキャッシュメモリ532などの揮発性メモリの形態のコンピュータシステム可読媒体を含むことができる。コンピュータシステム/サーバ512は、他の取外し可能/取外し不能、揮発性/不揮発性のコンピュータシステム記憶媒体をさらに含み得る。例としてのみ、記憶システム534は、取外し不能な不揮発性磁気媒体(図には示されていないが、一般的には「ハードディスク」と称される)からの読出し/その媒体への書込みのために設けられ得る。図には示されていないが、取外し可能な不揮発性磁気ディスク(たとえば「フロッピーディスク」)からの読出し/への書込み用の磁気ディスクドライブ、およびCD-ROM、DVD-ROMまたは他の光媒体などの取外し可能な不揮発性光ディスクからの読出し/そのディスクへの書込み用の光ディスクドライブが設けられ得る。そのような場合、それぞれが、1つ以上のデータ媒体インターフェースによってバス518に接続され得る。以下でさらに表され、説明されるように、メモリ528は、本発明の実施形態の機能/動作を実行するように構成されたプログラムモジュールのセット(たとえば少なくとも1つ)を有する少なくとも1つのプログラム製品を含み得る。
【0038】
限定ではなく例として、プログラムモジュール542のセット(少なくとも1つ)を有するプログラム/ユーティリティ540が、メモリ528に記憶され得る。例示的なプログラムモジュール542は、オペレーティングシステム、1つ以上のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、およびプログラムデータを含み得る。オペレーティングシステム、1つ以上のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、およびプログラムデータの各々、またはそれらのいくつかの組合せが、ネットワーキング環境の実施形態を含み得る。プログラムモジュール542は、一般に、本発明の実施形態の機能および/または方法を実行する。
【0039】
コンピュータシステム/サーバ512はまた、1つ以上の外部デバイス514と通信し得るが、そのような外部デバイス514は、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ524、ユーザがコンピュータシステム/サーバ512と相互作用することを可能にする1つ以上のデバイス、および/またはコンピュータシステム/サーバ512が1つ以上の他のコンピューティングデバイスと通信することを可能にする任意のデバイス(たとえばネットワークカード、モデムなど)などである。そのような通信は、入力/出力(I/O)インターフェース522を介して生じ得る。なおまた、コンピュータシステム/サーバ512は、ネットワークアダプタ520を介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)、一般的なワイドエリアネットワーク(WAN)、および/またはパブリックネットワーク(たとえばインターネット)などの1つ以上のネットワークと通信することができる。表されるように、ネットワークアダプタ520は、バス518を介してコンピュータシステム/サーバ512の他のコンポーネントと通信する。示されていないが、コンピュータシステム/サーバ512と共に他のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントが使用され得ることを理解されたい。例は、限定はされないが:マイクロコード、デバイスドライバ、冗長処理ユニット、外部ディスクドライブアレイ、RAIDシステム、テープドライブ、およびデータアーカイブ記憶システムを含む。
【0040】
コンピュータプログラム製品
本発明は、システム、方法、および/またはコンピュータプログラム製品であり得る。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(複数可)を含み得る。
【0041】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持し記憶することができる有体のデバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、限定はされないが、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、または前述のものの任意の適切な組合せであり得る。コンピュータ可読記憶媒体の、より具体例の非網羅的なリストは以下を含む:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、パンチカードまたは溝にある突起構造など、命令が記録された、機械的に符号化された、デバイスおよび前述のものの任意の適切な組合せ。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、無線波または他の自由に伝搬する電磁波、導波路もしくは他の伝送媒体を通って伝搬する電磁波(たとえば光ファイバケーブルを通過する光パルス)、またはワイヤを通って伝送される電気信号などの一時的な信号それ自体と解釈されるべきではない。
【0042】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティングデバイス/処理デバイスにダウンロードされ得、あるいは、たとえばインターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、および/または無線ネットワークといったネットワークを介して、外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードされ得る。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、および/またはエッジサーバを含み得る。各コンピューティングデバイス/処理デバイス内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインターフェースが、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受け取って、コンピュータ可読プログラム命令をそれぞれのコンピューティングデバイス/処理デバイスの内部のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するために転送する。
【0043】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語もしくは類似のプログラミング言語などの従来の手続型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、全体的にユーザのコンピュータで、部分的にユーザのコンピュータで実行してよく、部分的にユーザのコンピュータでおよび部分的にリモートコンピュータで実行してよく、または全体的にリモートコンピュータもしくはサーバで実行してもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続され得、または(たとえばインターネットサービスプロバイダを使用するインターネットを通じて)外部コンピュータに接続され得る。いくつかの実施形態では、本発明の態様を行うために、たとえば、プログラム可能論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラム可能論理アレイ(PLA)を含む電子回路が、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路をパーソナライズすることにより、コンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0044】
本発明の態様は、本発明の実施形態による、方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の、フローチャートの図解および/またはブロック図を参照しながら本明細書において説明されている。フローチャートの図解および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャートの図解および/またはブロック図におけるブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施され得ることが理解されよう。
【0045】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサにより実行する命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(複数可)で指定された機能/行為を実施するための手段を作るように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはマシンを作り出すための他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供され得る。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(複数可)で指定された機能/行為の態様を実施する命令を含む製品を備えるように、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、および/または他のデバイスに対して特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体にも記憶され得る。
【0046】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他のデバイス上で実行する命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(複数可)で指定された機能/行為を実施するように、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイスにもロードされ得て、コンピュータ、他のプログラム可能な装置または他のデバイスにおいて実行される一連の動作のステップをもたらし、コンピュータ実施プロセスを作り出す。
【0047】
図におけるフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態による、システム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実施形態のアーキテクチャ、機能性、および動作を示す。この点に関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定された論理機能(複数可)を実施するための1つ以上の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、または命令の一部を表し得る。いくつかの代替実施形態では、ブロックで示された機能は、図に示された順序と異なる順序で生じることがある。たとえば、相次いで示された2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてよく、またはブロックは、関連する機能に応じて、時には逆順で実行されてもよい。ブロック図および/またはフローチャートの図解の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャートの図解におけるブロックの組合せは、指定された機能もしくは行為を行うか、または専用のハードウェアとコンピュータ命令の組合せを実行する、専用のハードウェアベースのシステムによって実施され得ることも注意されよう。
【0048】
本開示の様々な実施形態の説明は例証のために提示されており、網羅的であることまたは開示された実施形態に対する限定を意図するものではない。当業者には、説明された実施形態の範囲および趣旨から逸脱することなく、多くの変形およびバリエーションが明らかになるはずである。本明細書において使用される専門用語は、実施形態の原理、市場において見られる技術に対する実用的な用途もしくは技術的な改善を説明するため、または当業者が本明細書で開示された実施形態を理解することを可能にするために選択されたものである。
【国際調査報告】