(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】新たな行動のための訓練
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20241018BHJP
G09B 9/00 20060101ALI20241018BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241018BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20241018BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G09B9/00 Z
G06Q50/10
G06T19/00 600
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523116
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 IB2022059890
(87)【国際公開番号】W WO2023062607
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524142666
【氏名又は名称】ワイド セラピー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】リナト ヒテルマン
(72)【発明者】
【氏名】ロニ シングラー
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
5L050
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA09
5B050DA04
5B050EA09
5B050EA19
5B050EA27
5B050FA02
5B050FA05
5E555AA41
5E555AA72
5E555BA01
5E555BB01
5E555BC01
5E555BE17
5E555CB45
5E555CC03
5E555DB32
5E555DB53
5E555DB54
5E555DC09
5E555DC11
5E555EA19
5E555FA00
5L050CC11
(57)【要約】
開示される行動訓練システムおよび方法は、修正されたビデオセルフモデリング技法、一般化、および応用行動分析技法の組み合わせを使用して、新たな目標行動を効果的に教示する。一実施形態によれば、システムおよび/または方法は、目標行動の選択を受信することと、ユーザー環境の視覚的表現を構築することと、ユーザー電子計算装置に、構築されたユーザー環境の視覚的表現を送信することと、目標行動を実行することに関連する行動クリップを生成することと、刺激オブジェクトの選択を受信することと、刺激オブジェクトの選択を受信することに応答して、ユーザー電子計算装置に、生成された行動クリップおよびユーザーが行動訓練システムに関わり続けることを促すための1つまたは複数の報酬を送信することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標行動についてユーザーを訓練するためのコンピューター実装方法であって、
ユーザー電子計算装置から、前記目標行動の選択を受信することと、
ユーザー環境の視覚的表現を構築することであって、前記ユーザー環境の前記視覚的表現は、少なくとも1つの刺激オブジェクトを含む、構築することと、
前記ユーザー電子計算装置に、前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現を送信することと、
前記目標行動のための一連のステップを決定することと、
前記目標行動の実行に関連する行動クリップを生成することであって、前記行動クリップは、決定された前記一連のステップうちの前記ステップの全てではないがいくつかの視覚化を含む、生成することと、
前記刺激オブジェクトの選択を受信することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信することに応じて、生成された前記行動クリップを前記ユーザー電子計算装置に送信することと、
を含むコンピューター実装方法。
【請求項2】
前記目標行動は、前記ユーザーまたは前記ユーザーの介護者が前記ユーザーに学習させることを望む行動または動作様式である、請求項1に記載のコンピューター実装方法。
【請求項3】
前記ユーザー環境の前記視覚的表現を構築することは、
前記ユーザーの実生活環境の1つまたは複数の写真またはデジタル表現を受信することであって、前記実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現は、1つまたは複数の背景要素を含む、受信することと、
前記ユーザーの1つまたは複数の写真またはデジタル表現を受信することと、
前記目標行動に関連する1つまたは複数のオブジェクトの1つまたは複数の写真またはデジタル表現を受信することと、
前記ユーザーの画像および前記1つまたは複数のオブジェクトの前記1つまたは複数の画像を、前記実生活環境の画像に重ねることによって、前記ユーザー環境の前記視覚的表現を生成することであって、
前記ユーザーの前記画像は、前記ユーザーの前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現から生成され、
前記1つまたは複数のオブジェクトの前記1つまたは複数の画像は、前記1つまたは複数のオブジェクトの前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現から生成され、
前記実生活環境の前記画像は、前記実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現から生成される、
生成することと、
を含む、請求項1に記載のコンピューター実装方法。
【請求項4】
前記実生活環境の前記画像の上に重ねられた前記1つまたは複数のオブジェクトの画像の前記1つまたは複数の画像のうちの少なくとも1つの画像が、前記刺激オブジェクトとして指定される、請求項3に記載のコンピューター実装方法。
【請求項5】
前記ユーザーの実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現は、前記ユーザーが占有する場所の1つまたは複数の写真またはデジタル表現を含む、請求項3に記載のコンピューター実装方法。
【請求項6】
前記実生活環境の前記画像上に重ねられた前記1つまたは複数のオブジェクトの前記画像に対して前記ユーザーが示す関与のレベルに基づいて、前記実生活環境の前記画像から前記1つまたは複数の背景要素のうちの少なくとも1つを除去することをさらに含む、請求項3に記載のコンピューター実装方法。
【請求項7】
生成された前記行動クリップをデータストアに格納することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、前記データストアから生成された前記行動クリップを取得することと、
をさらに含む、請求項1に記載のコンピューター実装方法。
【請求項8】
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、前記ユーザー電子計算装置に1つまたは複数の報酬を送信することをさらに含む、
請求項1に記載のコンピューター実装方法。
【請求項9】
前記ユーザー環境の前記視覚的表現、前記刺激オブジェクト、および前記1つまたは複数の報酬のうちの少なくとも1つは、前記ユーザーの個人的嗜好に基づいている、請求項8に記載のコンピューター実装方法。
【請求項10】
目標行動についてユーザーを訓練するためのシステムであって、
プロセッサーと、
前記プロセッサーによって実行されると、前記プロセッサーに、
ユーザー電子計算装置から、前記目標行動の選択を受信することと、
ユーザー環境の視覚的表現を構築することであって、前記ユーザー環境の前記視覚的表現は、少なくとも1つの刺激オブジェクトを含む、構築することと、
前記ユーザー電子計算装置に、前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現を送信することと、
前記目標行動のための一連のステップを決定することと、
前記目標行動の実行に関連する行動クリップを生成することであって、前記行動クリップは、決定された前記一連のステップの前記ステップの全てではないが一部の視覚化を含む、生成することと、
前記刺激オブジェクトの選択を受信することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、生成された前記行動クリップを前記ユーザー電子計算装置に送信することと、
を実行させる命令を含むメモリーと、
を備える、システム。
【請求項11】
前記目標行動は、前記ユーザーまたは前記ユーザーの介護者が前記ユーザーに学習させることを望む行動またはマナーである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ユーザー環境の前記視覚的表現を構築することは、
前記ユーザーの実生活環境の1つまたは複数の写真またはデジタル表現を受信することと、
前記ユーザーの1つまたは複数の写真またはデジタル表現を受信することと、
前記目標行動に関連する1つまたは複数のオブジェクトの1つまたは複数の写真またはデジタル表現を受信することと、
前記ユーザー環境の前記視覚的表現を、
前記ユーザーの画像および前記1つまたは複数のオブジェクトの1つまたは複数の画像を前記実生活環境の画像に重ね合わせること、
によって、生成することと、
を含み、
前記ユーザーの前記画像は、前記ユーザーの前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現から生成され、
前記1つまたは複数のオブジェクトの前記1つまたは複数の画像は、前記1つまたは複数のオブジェクトの前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現から生成され、
前記実生活環境の前記画像は、前記実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現から生成される、
請求項10記載のシステム。
【請求項13】
前記実生活環境の前記画像の上に重ねられた前記1つまたは複数のオブジェクトの前記1つまたは複数の画像のうちの少なくとも1つの画像が、前記刺激オブジェクトとして指定される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現は、前記ユーザーが占有する場所の1つまたは複数の写真またはデジタル表現を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記命令は、前記プロセッサーによって実行されると、前記プロセッサーにさらに、
前記実生活環境の前記画像に重ねられた前記1つまたは複数のオブジェクトの前記画像に対して前記ユーザーが示す関与のレベルに基づいて、前記実生活環境の前記画像から前記1つまたは複数の背景要素のうちの少なくとも1つを除去すること、
を実行させる、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記命令は、前記プロセッサーによって実行されると、さらに、前記プロセッサーに、
生成された前記行動クリップをデータストアに格納することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、前記データストアから生成された前記行動クリップを取得することと、
を実行させる、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記命令は、前記プロセッサーによって実行されると、さらに、前記プロセッサーに、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、前記ユーザー電子計算装置に1つまたは複数の報酬を送信すること、
を実行させる、請求項10記載のシステム。
【請求項18】
前記ユーザー環境の前記視覚的表現、前記刺激オブジェクト、および、前記報酬の少なくとも1つは、前記ユーザーの個人的嗜好に基づいている、請求項8に記載のシステム。
【請求項19】
目標行動についてユーザーを訓練するためのシステムであって、
ディスプレイ装置と、
プロセッサーと、
前記プロセッサーによって実行されると、前記プロセッサーに、
前記目標行動に関連する1つまたは複数のユーザー選択可能オプションを含む行動訓練ユーザーインターフェースを前記ディスプレイ装置に表示することと、
前記ユーザーから、前記目標行動に関連する1つまたは複数の選択を受信することと、
前記目標行動に関連する前記1つまたは複数の選択をサーバー計算装置に送信することと、
前記サーバー計算装置から、および前記選択に基いて、ユーザー環境の構築された視覚的表現を受信することであって、前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現は、刺激オブジェクトを含む、受信することと、
前記ディスプレイ装置上に、前記ユーザー環境の構築された視覚的表現、および、前記刺激オブジェクトをトリガーするように前記ユーザーに要求するプロンプトを表示することと、
前記ユーザーから前記刺激オブジェクトの選択を受信することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を前記サーバー計算装置に送信することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を送信することに応答して、前記目標行動の実行に関連する行動クリップを受信することであって、前記行動クリップは、前記目標行動の全ての実行に関連するコンテンツを含まない、受信することと、
前記ディスプレイ装置に前記行動クリップを表示し、自動再生させることと、
前記刺激オブジェクトの前記選択に応答して、1つまたは複数の報酬を受け取ることと、
前記1つまたは複数の報酬を前記ディスプレイ装置に表示して、前記ユーザーが前記行動訓練ユーザーインターフェースへの関与を継続するように促すことと、
を実行させる命令を含むメモリーと、
を備える、システム。
【請求項20】
前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現、前記刺激オブジェクト、前記プロンプト、および前記1つまたは複数の報酬のうちの少なくとも1つは、前記ユーザーにパーソナライズしたものである、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、PCT国際特許出願として2022年10月14日に出願され、2021年10月15日に出願された米国仮特許出願シリアル番号63/256,262の利益および優先権を主張するものであり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
行動とは、個人が自分自身や環境と結びつけてとる行動や態度である。人間は新たな行動を学習する能力を持っている。ある学習は、たった一度の出来事によって即座に引き起こされるかもしれない。しかしながら、ほとんどの学習は、時間をかけて蓄積された知識と、繰り返される経験に基づいている。新たな行動の学習は複雑なプロセスであり、多くの場合、努力と練習の繰り返しを必要とする。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施形態は、応用行動分析と修正ビデオセルフモデリングの組み合わせを用いて、ユーザーが新たな行動の実行を達成できるようにする行動訓練システムに関する。
【0004】
第1の実施形態では、目標行動を教える際にユーザーを訓練するためのコンピューター実装方法が開示される。本方法は、ユーザー電子計算装置から、目標行動の選択を受信することと、ユーザー環境の視覚的表現を構築することであって、ユーザー環境の視覚的表現は、少なくとも1つの刺激オブジェクトを含む、構築することと、ユーザー電子計算装置に、ユーザー環境の構築された視覚的表現を送信することと、目標行動のための一連のステップを決定することと、目標行動の実行に関連する行動クリップを生成することであって、行動クリップは、決定された一連のステップのうちの全てではないがいくつかのステップの視覚化を含む、生成することと、刺激オブジェクトの選択を受信することと、刺激オブジェクトの選択を受信することに応答して、生成された行動クリップをユーザー電子計算装置に送信することと、を含む。
【0005】
第2の実施形態では、目標行動についてユーザーを訓練するためのシステムが開示される。このシステムは、プロセッサーと、プロセスによって実行されると、プロセッサーに、ユーザー電子計算装置から、目標行動の選択を受信することと、ユーザー環境の視覚的表現を構築することであって、ユーザー環境の視覚的表現は、少なくとも1つの刺激オブジェクトを含む、構築することと、ユーザー電子計算装置に、ユーザー環境の構築された視覚的表現を送信することと、目標行動のための一連のステップを決定することと、目標行動のための一連のステップを決定することと、目標行動の実行に関連する行動クリップを生成することであって、行動クリップは、決定された一連のステップのステップの全てではないが一部の視覚化を含む、生成することと、刺激オブジェクトの選択を受信することと、刺激オブジェクトの選択を受信したことに応答して、生成された行動クリップをユーザー電子計算装置に送信することと、を実行させる命令を含むメモリーと、を備える。
【0006】
第3の実施形態では、目標行動についてユーザーを訓練するためのシステムが開示される。このシステムは、ディスプレイ装置と、プロセッサーと、プロセッサーによって実行されるとプロセッサーに、目標行動に関連する1つまたは複数のユーザー選択可能オプションを含む行動訓練ユーザーインターフェースをディスプレイ装置に表示することと、ユーザーから、目標行動に関連する1つまたは複数の選択を受信することと、目標行動に関連する1つまたは複数の選択をサーバー計算装置に送信することと、サーバー計算装置から、ユーザー環境の構築された視覚的表現を受信することであって、ユーザー環境の構築された視覚的表現は、少なくとも1つの刺激オブジェクトを含む、ことと、ディスプレイ装置上に、ユーザー環境の構築された視覚的表現、および、刺激オブジェクトをトリガーするようユーザーに要求するプロンプトを表示することと、ユーザーから刺激オブジェクトの選択を受信することと、刺激オブジェクトの選択をサーバー計算装置に送信することと、刺激オブジェクトの選択を送信することに応答して、目標行動の実行に関連する行動クリップを受信することであって、行動クリップは、目標行動の全てのステップの実行に関連するコンテンツを含まない、受信することと、刺激オブジェクトの選択を送信することに応答して、1つまたは複数の報酬を受信し、1つまたは複数の報酬をディスプレイ装置に表示して、ユーザーが行動訓練ユーザーインターフェースへの関与を継続するように促すことと、を実行させる命令を含むメモリーと、を備える。
【0007】
1つまたは複数の技術の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。これらの技術の他の特徴、目的、および好ましくは、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の図面は、本開示の特定の実施形態を例示するものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものではない。図面は縮尺通りではなく、以下の詳細な説明における説明と併せて使用することを意図している。以下、本開示の実施形態を添付図面と併せて説明するが、ここで、同様の数字は同様の要素を示す。
【
図1】
図1は、本開示による行動学習システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1のシステムの行動訓練エンジンの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2の行動訓練エンジンの行動構築モジュールの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1のシステムを用いて実行可能な、本開示による新たな行動を学習するための方法の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、構築された環境を表示する
図1の行動訓練ユーザーインターフェースの視覚的表現の例を示す図である。
【
図6】
図6は、選択された目標行動に関連する要素を統合する構築された環境を表示する、
図1の行動訓練ユーザーインターフェースの視覚的表現例を示す図である。
【
図7】
図7は、行動クリップのスニペットを表示する
図1の行動訓練ユーザーインターフェースの視覚的表現例を示す図である。
【
図8】
図8は、報酬を表示する
図1の行動訓練ユーザーインターフェースの視覚的表現例を示す図である。
【
図9】
図9は、統合構築環境の要素に対する修正を表示する、
図1の行動訓練ユーザーインターフェースの視覚的表現例を示す図である。
【
図10】
図10は、統合された構築環境の要素に対する他の修正を表示する、
図1の行動訓練ユーザーインターフェースの他の視覚的表現例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
様々な実施形態について図面を参照して詳細に説明するが、同様の参照数字は、いくつかの図全体を通して同様の部品およびアセンブリを表す。様々な実施形態への言及は、本明細書に添付された特許請求の範囲を限定するものではない。さらに、本明細書における例示的な実施例は、限定を意図するものではなく、単に添付の特許請求の範囲に対する多くの可能な実施形態のうちのいくつかを示すものである。
【0010】
一般に、本開示の主題は、応用行動分析原則、一般化(Generalization)、および修正ビデオセルフモデリングの原則の組み合わせを使用して、ユーザーが実生活で新たな行動の実行を達成することを可能にする、新たな行動を学習するためのプラットフォームに関する。
【0011】
新たな行動を学習する際、個人はしばしば困難を経験する。場合によっては、新たな要求や情報に精神的に適応できない認知の硬直が原因であることもある。他の例では、開示された行動訓練システムは、自閉症、注意欠陥/多動性障害、知的障害などの他のタイプの障害を持つユーザーを支援するために使用することができる。さらに、認知的または行動的な硬直性や障害を経験していないユーザーであっても、ユーザーの特性、診断、機能、および年齢に基づいて、ユーザーによって学習方法が異なるため、新たな行動を学習することに困難を経験する可能性がある。例えば、単に行動の複雑な性質、模倣できないこと、理由と結果の認知的理解、行動の社会的理解などが困難の原因かもしれない。
【0012】
新たな行動の習得の困難さは、障害と関連している場合もあれば、そうでない場合もある。多くの場合、環境的、社会的、医学的、および/または発達上の理由によって、特定の行動を学習する必要がある。行動を学習する他の理由も考えられる。このようなユーザーの新たな行動の訓練を支援するシステムは、新たな行動の学習が困難な個人を支援するであろう。
【0013】
一例において、病状を呈するユーザーは、その病状の治療やリハビリのための機器の着用に関連する新たな動作を学習する必要があるかもしれない。例えば、リハビリのためにヘルメットを着用する必要がある場合がある。しかしながら、感覚的な問題や、ヘルメット着用の利点を理解または視覚化する能力の欠如により、頭をぶつけた場合に身を守るためにヘルメットを着用するとは限らない。他の例においては、利用者は、新たな代替行動を学習することによって、特定の学習行動をアンラーニングする必要があるかもしれない。利用者は、ある場所から他の場所への移動、新たな活動への移行、おもちゃや遊び道具の授受、トイレの使用、食物選択性、暴力、自傷行為に関与しない方法などを学習する必要があるかもしれない。新たな行動の学習に関連した他の例も考えられる。
【0014】
他の例では、年齢が低い子供や、強い認知の硬直性や他の行動特性を示す子供は、新たな空間に入ること、トイレ訓練、環境の変化への対処、新たな衣類の着用、他の人との物品の共有が困難な場合がある。一般的に、新たな行動の習得を困難にしている利用者の特性は、臨床の場では、ビデオによるセルフモデリングやチェイニングなどの治療技術によって改善されることがある。
【0015】
ビデオセルフモデリングは、利用者に新たな行動やスキルを教えるために使用される治療技法であり、モデルとしてビデオ録画を使用することを含む。利用者がまだ習得していない、または習得していないが、利用者または利用者の介護者が利用者に習得してほしいと望んでいる新たな行動または技能は、「目標行動」と呼ばれる場合がある。ビデオセルフモデリングでは、例えばビデオ録画の恩恵にあずかることなく、後日、目標行動またはスキルを成功裏に完了するために、目標行動に関連する全てのステップを成功裏に実行している自分自身のビデオ録画をユーザーに見せることができる。
【0016】
例えば、目標行動がコップから飲み物を飲むことであった場合、利用者が手をコップに動かし、コップの取っ手を握り、コップを手に取り、コップを口に運び、コップから口ですする映像を利用者に見せることができる。ユーザーが目標行動を行う映像は、通常、まず、ユーザーが介助者または第三者の支援を受けながら目標行動を行う映像を取得し、映像編集ソフトウェアを使用して、結果として得られる最終映像が、ユーザーが目標行動を独立して行っているように見えるように、映像から介助者または第三者を削除することによって作成される。ビデオセルフモデリングは、利用者が目標行動を成功させるためのステップを学習するのを助けるために使用される。しかしながら、目標行動を達成するための一連のステップを示すことは、ユーザーが目標行動やスキルを成功裏に完了できるようになるまで、長い時間がかかる場合がある。例えば、自閉症スペクトラムの人は、中断されることなく、かつ/または長時間ビデオに集中することが困難であり、動作がいくつかのステップを含む場合に混乱することがあり、ビデオ録画内の些細な詳細および/または本質的でない詳細にこだわったり、引っかかったりすることがある。
【0017】
一般化はユーザーに新たな行動を教えるもう一つのテクニックである。一般化とは、学習者が異なる条件下でスキルや新たな行動を行う能力(刺激の一般化)、異なる方法でスキルを適用する能力(反応の一般化)、さらに長期にわたってスキルを発揮し続ける能力(維持)のことである。一般化とは、ユーザーが環境や刺激の構成要素の外で行動そのものを学習するように、新たな行動を教える方法である。例えば、トイレの使い方を継続的に教えるために、利用者の自宅の主なトイレの写真やビデオを利用者に見せると、主なトイレは黄色いタイルの床、青い壁紙、トイレの左側に洗面台、洗面台の左側にトイレのドアがある。
【0018】
一般化は、例えばトイレに行くという行動そのものを、1つのトイレ環境に関連する環境的手がかりを必要とせずに、ユーザーに学習させる方法を提供する。換言すれば、一般化は、トイレがどのような環境にあろうと、トイレに行くという行動をユーザーに学習させる方法を提供する。
【0019】
一般化を適用する1つの方法は、目標行動に関連する環境および刺激を変化させることである。例えば、新たな行動のためにユーザーを訓練する場合、環境キューと刺激は、ユーザーが行動を開始または完了するために環境キューに依存することなく行動を学習することを可能にする目標行動の学習のユーザーの進歩に基づいて、周期的または一定のペースで変化させることができる。
【0020】
チェイニングは、タスク分析に基づいた、ユーザーに新たな行動を教えるもう一つのテクニックである。チェイニングは、タスクを小さなステップに分解し、そのステップごとに教える。例えば、手を洗うことを学ぼうとする人は、まず蛇口をひねることから始める。この最初のスキルが身につけば、次のスキルは手を水につけることかもしれない。チェイニングは、日常的な作業を支援するのに有効かもしれない。しかしながら、チェイニングは、行動に関連する各ステップを順番に習得していくことに重点を置いた手法であるため、目標行動を習得するまでに長い時間を要することもある。
【0021】
いくつかの実施形態において、開示された行動訓練システムは、新たな行動を効果的に教えるために、修正されたビデオセルフモデリング技法、一般化および応用行動分析技法の組み合わせを使用する。例えば、開示される行動訓練システムは、電子計算装置を使用してユーザーがアクセス可能なコンピューター実装プラットフォームであってもよい。開示される行動訓練システムは、ユーザーの環境の写真またはデジタル表現と、ユーザーと、任意選択で、ユーザーの療法士(複数可)、介護者(複数可)、両親、友人、教師、またはユーザーが目標行動を学習するプロセスの一部であるか、または役立つ可能性のある他の個人の写真またはデジタル表現とを使用して、ユーザーの実生活環境の視覚的表現を構築することができる。
【0022】
さらに、開示された行動学習プラットフォームは、現実で行動が実行されたときに行動を強化するのではなく、プラットフォーム上で新たな行動を強化することによって、ユーザーに新たな行動を教えることができる。例えば、開示された行動学習プラットフォームは、ユーザーの現実の変化を達成するのを助けるために、現実生活におけるユーザーの行動ではなく、行動を達成するユーザーのデジタル似顔絵を示す行動学習プラットフォームへのユーザーの関与などの異なる行動を強化することによって、代替行動の差分強化の原則に対する新規のアプローチを使用することができる。
【0023】
例えば、行動訓練システムは、ユーザーの写真またはデジタル表現、およびユーザーの現実の環境を使用して、構築された環境内のユーザーの視覚的表現を構築することができる。次に、行動訓練システムは、目標行動を実行し始めるユーザーの視覚的表現のビデオを表示することができる。しかしながら、ビデオセルフモデリングにおけるように、目標行動を完了するために必要な全てのステップを示す代わりに、行動訓練システムは、例えば、1つまたは複数の中間ステップをスキップするか、または単に、目標行動の最後のステップを実行するユーザーの視覚的表現または目標行動を完了するユーザーの視覚的表現を示すことができる。
【0024】
行動訓練システムは、目標とする行動を習得するための最初のステップとして、構築された環境と対話することをユーザーに促す。いくつかの例において、行動訓練システムは、パーソナライズされた報酬を使用して、目標行動を首尾よく習得するためのユーザーの進歩を強化することができる。
【0025】
例えば、コップから飲むという目標行動に対して、行動教育プラットフォームは、表示された環境内のユーザーの画像とともに、ユーザーの環境の画像を表示してもよい。行動教育プラットフォームは、トリガーを受信すると、構築された環境内のテーブル上のコップに向かって歩くユーザーの画像を表示してもよい。プロンプトは、ユーザーがどのような刺激が行動をトリガーするかを理解するために使用されてもよい。コップから飲むという目標行動の場合、プロンプトは、ユーザーが、構築された環境を表示するディスプレイスクリーン上のコップの画像に触れる、クリックする、または他の方法で選択することを含むことができる。
【0026】
ユーザーの画像がコップに到達した後、行動教育プラットフォームは、ユーザーが既にコップから飲んでいる画像または短いビデオクリックに直接移行することができる。本実施例における、ユーザーがコップの取っ手をつかみ、テーブルからコップを拾い上げ、ユーザーの口に近づけるという中間ステップは示されていない。
【0027】
いくつかの例では、行動教育プラットフォームは、視覚的または聴覚的な手がかりを使用して、ユーザーが刺激を誘発するように促すことができる。例えば、コップから飲むという目標行動の場合、コップのサイズを大きくして、構築された環境に対して不釣り合いに大きく見えるようにしてもよい。オブジェクトのサイズを大きくすることで、ユーザーが直感的にオブジェクトを選択したり、その他の方法でオブジェクトと相互作用したりするようになり、刺激が誘発される可能性がある。また、プロンプトの種類は、ユーザーの過去の行動に基づいてユーザーにパーソナライズされることもある。
【0028】
いくつかの例において、行動教育プラットフォームはまた、刺激をトリガーするユーザーに対する強化として、パーソナライズされた報酬を提供することができる。報酬の例としては、ステッカー、エモーティコン、デジタルポイント、ユーザーの好きなテレビ番組または映画のビデオクリップ、ユーザーの家族または友人のビデオクリップ、ユーザーの母親が笑っているビデオクリップ、および他のよく知られた報酬が挙げられるが、これらに限定されない。様々な種類の報酬オプションに加えて、行動教育プラットフォームは、ユーザーが実生活で目標行動を学習する上で進歩するにつれて、ユーザーにより高い階層の報酬が提示されるように、報酬の複数の階層を提供することもできる。
【0029】
例えば、あるユーザーに対して正の強化を提供する報酬が、他のユーザーに対して正の強化として機能するとは限らない。同様に、あるユーザーに対して機能するプロンプトのタイプが、他のユーザーに対して常に機能するとは限らない。したがって、行動教育プラットフォームは、特定の個々のユーザーの好みに基づいて、刺激のトリガーをより促進するプロンプト(複数可)および/または報酬(複数可)のタイプを決定することが可能である。
【0030】
行動教育プラットフォームは、人工知能および機械学習を使用して、一般的なユーザーに対して機能する可能性が高いプロンプトおよび報酬のタイプ、ならびに特定のユーザーに対して機能する可能性が高いプロンプトおよび報酬のタイプ、ならびに他のタイプとは対照的に特定のタイプの目標行動に対して機能する可能性が高いプロンプトおよび/または報酬のタイプを学習してもよい。行動教育プラットフォームによって使用される人工知能および機械学習モデルはまた、ユーザーの年齢、実生活環境、診断のタイプ、機能のレベル、使用されるユーザー機器のタイプなどが、ユーザーが新たな目標行動を学習するペースおよび成功に及ぼす影響を研究してもよい。次に、人工知能および機械学習モデルは、ユーザーが目標行動を学習するペースを改善するために、構築された環境および実生活環境、プロンプト、および報酬を改善する方法を予測する際に、収集されたデータを使用することができる。換言すれば、人工知能と機械学習モデルは、行動教育プラットフォームによって使用され、特定のユーザーが新たな行動の学習に成功し、より速いペースで学習する可能性を向上させるようにパーソナライズされたプラットフォームを構築することができる。
【0031】
パーソナライズされたトリガーおよびプロンプトに加えて、行動教育プラットフォームは、機械学習および人工知能を使用して、ユーザーの行動教育プラットフォームとの相互作用について学習することもできる。例えば、行動教育プラットフォームは、特定のユーザーが、構築された環境内の全ての要素、例えば、部屋内の他のオブジェクトに気を取られ、刺激をトリガーするのを見逃すか、または時間がかかりすぎることを学習することができる。このような場合、行動教育プラットフォームは、ユーザーの注意をプロンプトに集中させるために、構築された環境内の要素を削除することができる。
【0032】
図1は、行動訓練システム100の構成例を示す図である。システム100は、ユーザー電子計算装置102、ネットワーク106、サーバーコンピューター108、および1つまたは複数のデータストア112を含む。本実施例におけるサーバーコンピューター108は、行動訓練エンジン110を含むことができる。より多くのモジュール、より少ないモジュール、または異なるモジュールを使用することができる。
【0033】
いくつかの例において、ユーザー電子計算装置102は、ユーザーの電子計算装置である。いくつかの例において、電子計算装置は、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、バーチャルリアリティユーザー装置、またはスマートフォンやタブレットコンピューターなどのモバイル電子計算装置であってよい。いくつかの例において、ユーザー電子計算装置102は、ユーザーがネットワーク106を介してサーバーコンピューター108にアクセスし、行動訓練ユーザーインターフェース104にデータを表示することを可能にする。いくつかの例において、ユーザーは、認知の硬直を経験している個人であってもよい。他の例におけるユーザーは、ADHDを経験している個人であってもよい。さらに他の例では、ユーザーは、認知的な問題を全く持たず、新たな行動を学習する難しさを経験しているかもしれない。ユーザーは、自閉症スペクトラム障害を患っているかもしれないし、ユーザーは、認知的柔軟性の向上を求めている個人かもしれない。単一のユーザー電子計算装置102が示されているが、システム100は、数百、数千、または複数の計算装置がサーバーコンピューター108に接続することを可能にする。
【0034】
いくつかの例におけるネットワーク106は、インターネットなどのコンピューターネットワークである。ユーザー電子計算装置102のユーザーは、ネットワーク106を介してサーバーコンピューター108にアクセスすることができる。
【0035】
非限定的な例として、サーバーコンピューター108は、認知的柔軟性の向上に関連するサービスを提供する事業体などの事業体のサーバーコンピューターである。単一のサーバーが示されているが、実際には、サーバーコンピューター108は、サーバーファームのような、またはクラウドコンサーバーコンピューター、複数の計算装置で実装することができる。当業者には明らかなように、他の多くの構成が可能である。
【0036】
一実施例において、行動訓練エンジン110は、ユーザーの環境と、ユーザーが達成することを望む、またはユーザーの療法士(複数可)または介護者(複数可)がユーザーに達成することを望む目標行動とに関連する入力を受信するように構成され、行動訓練エンジン110は、ユーザーが所望の行動を学習するのを助ける刺激に応答して、1つまたは複数の行動クリップを生成して提示するように構成される。行動訓練エンジン110の実装については、
図2~
図11に関連してさらに詳細に説明する。
【0037】
データストア112の例は、ユーザーおよび/または行動訓練エンジン110に関連するデータを格納することができる1つまたは複数の電子データベースを含むことができる。データストア112は、サーバーコンピューター108を維持する同じエンティティまたはサーバーコンピューター108を維持するエンティティに関連する1つまたは複数の外部企業によって維持され得る。データストア112は、サーバーコンピューター108によってアクセスされ、ユーザーおよび行動訓練エンジン110に関連する関連データを取得することができる。データストア112は、サーバーコンピューター108によってアクセスされ、例えば、システム内のユーザーグループ間でのそれらのプロンプトおよび/または報酬の成功率に基づいて、他のものとは対照的に特定のタイプの目標行動に対して機能する可能性が高いプロンプトおよび/または報酬のタイプを決定するために、複数のユーザーに関する関連データを取得することができる。
【0038】
図2は、
図1の行動訓練エンジン110の構成例を示す。いくつかの例において、行動訓練エンジン110は、バックグラウンド構築モジュール202、行動構築モジュール204、およびパーソナライゼーションモジュール206を含むように構成されてもよい。他の例において、行動訓練エンジン110は、より多くのまたは複数のモジュールを含むように構成されてもよい。
【0039】
いくつかの例において、バックグラウンド構築モジュール202は、ユーザーの嗜好およびユーザーの環境に関連する情報を含む、ユーザーのバックグラウンドに関連する入力データをユーザー電子計算装置102から受信するように構成される。例えば、バックグラウンド構築モジュール202は、ユーザー電子計算装置102上に表示するための行動訓練ユーザーインターフェース104を生成するように構成され得る。
【0040】
バックグラウンド構築モジュール202は、生成された行動訓練ユーザーインターフェース104を通じて、ユーザー、またはユーザーの療法士(複数可)もしくは介護者(複数可)に、ユーザーおよびユーザーの環境に関連する情報を入力するよう要求することができる。例えば、要求されたデータは、ユーザーの氏名、年齢、現在の認知能力、硬直レベルなどのバックグラウンド情報、ユーザーの社会的スキルに関連する情報、ユーザーの健康履歴、ユーザーの好み、ユーザーの介護提供者に関連する情報、ユーザーの診断、ユーザーの機能レベルなどに関連する情報を含む、ユーザーに関する情報を含むことができる。
【0041】
さらに、バックグラウンド構築モジュール202は、生成された行動訓練ユーザーインターフェース104を通じて、ユーザー、またはユーザーの療法士(複数可)もしくは介護者(複数可)に、ユーザーの主な環境の1つまたは複数の写真またはデジタル表現、およびユーザーの1つまたは複数の写真またはデジタル表現を提供するよう要求することもできる。例えば、環境の1つまたは複数の写真またはデジタル表現は、ユーザーの家庭内でユーザーが過ごす主な部屋の写真またはデジタル表現を含むことができる。写真またはデジタル表現はまた、ユーザーの自宅内の部屋、ユーザーの学校、職場、運動場、ユーザーが使用する乗り物など、ユーザーに関連する他の全ての環境を含むことができる。
【0042】
バックグラウンド構築モジュール202は、ユーザー、またはユーザーの療法士(複数可)もしくは介護者(複数可)から受信した写真またはデジタル表現を使用して、ユーザーが主要環境内に位置するユーザーの主要環境の視覚的表現を構築する。例えば、ユーザーが就学前の教室でかなりの時間を過ごしている場合、構築された主要環境は、就学前の教室の写真またはデジタル表現を含み、就学前の教室の画像内にユーザーの写真またはデジタル表現を重ねることができる。他のユーザー関連環境の同様の構築も生成され、データストア112に格納することができる。
【0043】
バックグラウンド構築モジュール202は、構築された環境を構築する間、ユーザーの年齢、診断、および機能レベルを考慮することができる。例えば、機能レベルが低いユーザーの場合、バックグラウンド構築モジュール202は、対応する現実世界の環境に存在する全てのオブジェクトを含まない構築された環境を構築してもよい。その代わりに、バックグラウンド構築モジュール202は、シンプルで、ユーザーにとって気が散りすぎると判断されるオブジェクトがない構築された環境を作成することができる。より高い機能レベルを有するユーザーの場合、バックグラウンド構築モジュール202は、相手となる現実の環境において見出されるオブジェクトの全てではないにしても、オブジェクトの大部分を含み得る構築された環境を構築し得る。
【0044】
構築された環境は、典型的には、環境またはユーザーのアニメまたは肖像を作成するのではなく、現実の環境の写真またはデジタル表現、およびユーザーの現実の写真またはデジタル表現を使用する。これらの好ましい実施形態において、ユーザーおよびユーザーの環境の現実的な視覚的表現を使用することは、ユーザーが構築された環境に関連付け、それに関与するのを助ける。バックグラウンド構築モジュール202によって構築される環境の例を、
図5に関連してさらに詳細に説明する。
【0045】
いくつかの例において、行動構築モジュール204は、ユーザー自身が達成しようとしている、またはユーザーの療法士(複数可)または介護者(複数可)がユーザーに達成させたいと考えている目標行動に関連する入力データを、ユーザー電子計算装置102から受信するように構成される。目標行動に関する受信した入力に基づいて、行動構築モジュール204は、目標行動およびユーザーのために構築された環境を選択、調整、およびパーソナライズし、目標行動に関連する行動クリップを生成し、行動クリップの再生をトリガーするようにユーザーに促し、行動クリップの再生を実行させ、ユーザーが構築された環境および行動クリップにうまく関与したときにパーソナライズされた報酬を生成することができる。ユーザーの関与には、行動クリップに関連するマウスのクリックやタッチ入力などのデジタルインタラクションや、ユーザーが行動クリップのディスプレイを見たり、触れたり、その他の方法でインタラクションしたり、行動クリップ内で示される行動をコピーしようとしたりするなどの現実のインタラクションを含む、任意の方法でユーザーが行動クリップとインタラクションすることが含まれる。行動構築モジュールの構成と動作については、
図3に関連してさらに詳しく説明する。
【0046】
いくつかの例において、パーソナライゼーションモジュール206は、特定のユーザーからの履歴データ、人工知能および/または機械学習モデルを使用して、構築された環境の要素、プロンプトおよび報酬を特定のユーザー向けにパーソナライズするように構成される。
【0047】
たとえば、パーソナライゼーションモジュール206は、構築された環境のための異なる要素、異なるプロンプト、または異なる報酬が、問題の行動を学習するために特定の使用によってより進歩することにつながるかどうかを通知するために、特定のユーザーに関連する履歴データを使用することができる。たとえば、パーソナライゼーションモジュール206は、構築された環境に使用される要素の種類、特定のユーザーからの関与を開始するために使用されるプロンプトの種類、および目標行動の一部または全体の成功した完了に対して提供される報酬の種類に関連する履歴データを分析することができる。パーソナライゼーションモジュール206が、目標行動の学習における特定のユーザーの進捗に関連する遅れまたは遅延を検出した場合、パーソナライゼーションモジュール206は、構築された環境に使用される要素のタイプ、特定のユーザーからの関与を開始するために使用されるプロンプトのタイプ、および目標行動の一部または全体の成功した完了のために提供される報酬のタイプを修正することができる。
【0048】
例えば、トイレ訓練などの目標行動に取り組んでいる特定のユーザーは、進捗と遅れを経験する可能性がある。パーソナライゼーションモジュール206は、何が機能し、何が機能しないかを判断するために、構築された環境で使用される要素のタイプ、使用されるプロンプトのタイプ、および特定のユーザーに提示される報酬に関連して、ユーザーの進捗データを追跡することができる。この決定に基づいて、パーソナライゼーションモジュール206は、構築された環境で使用される要素のタイプ、エンゲージメントを開始するためのプロンプトのタイプ、および目標行動の一部または全体の成功した完了に対して提供される報酬のタイプを変更することができる。パーソナライゼーションモジュール206はまた、環境を構築するための要素、プロンプト、および報酬が、ユーザーの機能レベルに基づいてどのように変更されるかを調整することができる。例えば、パーソナライゼーションモジュール206は、構築された環境で使用される要素のタイプ、エンゲージメントを開始するためのプロンプトのタイプ、および目標行動の一部または全体の成功した完了に対して提供される報酬のタイプが、特定のユーザーが高機能であるか低機能であるかに基づいてどのように変更されるかを調整することができる。
【0049】
例えば、機械学習モデルは、どのプロンプト、環境構成、および報酬がユーザーのエンゲージメントを成功させるかを予測するように訓練される。ユーザーが構築された環境との関わりや刺激の選択に困難を経験した場合、プロンプトは、機械学習モデルによって特定のユーザーからの関わりを成功に導くと予測される内容に従って修正される場合がある。
【0050】
機械学習モデルは、特定のユーザーから成功したエンゲージメントを引き出すもの、行動訓練システム100の平均的なユーザーに有効なもの、および特定のタイプの目標行動に有効なものを学習するように訓練され得る。その後、機械学習モデルは、プロンプト、環境内の要素、および報酬を含む構築された環境をパーソナライズするための入力を提供し、ユーザーのエンゲージメントを向上させることができる。
【0051】
例えば、テキストプロンプトに反応するユーザーもいれば、音声プロンプトに反応するユーザーもおり、視覚プロンプトまたは異なるプロンプトの組み合わせに反応するユーザーもいる。テキストプロンプトの例は、行動訓練システム100によって生成され、ユーザー電子計算装置102上に表示される行動訓練ユーザーインターフェース104内のメッセージであって、行動構築モジュール204によって生成され、行動訓練ユーザーインターフェース104上に表示される、構築された環境内の特定の要素をクリックするか、さもなければ選択するようにユーザーに求めるメッセージを含むことができる。音声プロンプトの例としては、テキストメッセージの代わりに、ユーザーに選択を促す音声メッセージを挙げることができる。音声メッセージは、場合によっては、介護者の録音を含むことができる。視覚的プロンプトの例としては、ユーザーが行うべき選択に向かって移動および/または指し示す矢印を挙げることができる。視覚的プロンプトの他の例としては、行動訓練ユーザーインターフェースにおける要素の拡大、要素の強調表示、または要素のコントラストによる強調表示が挙げられる。他のタイプのプロンプトも可能である。
【0052】
幾つかの例において、行動構築モジュール204が、閾値時間の間、行動訓練ユーザーインターフェース104上のユーザー選択又は行動訓練ユーザーインターフェース104とのエンゲージメントを受け取らなかった場合、行動構築モジュール204は、行動訓練ユーザーインターフェース104上に表示されるプロンプトのタイプを変更することができる。例えば、行動構築モジュール204が、最初に、ユーザーが行動訓練ユーザーインターフェース104内の特定の要素を選択するためのテキストプロンプトを生成したが、閾値時間の間、ユーザーの選択または行動訓練ユーザーインターフェース104との他の任意のユーザーエンゲージメントを受信しなかった場合、行動構築モジュール204は、プロンプトを音声プロンプトに変更してもよい。閾値の時間量は可変であってよく、数秒から数分の範囲であり得る。閾値の時間量は、特定のユーザーが、通常、選択を行うか、または他の方法で行動構築ユーザーインターフェース104に関与するのに要する時間に基づいて、ユーザーにパーソナライズされ得る。
【0053】
いくつかの例では、行動構築モジュール204によって生成されたクリップの再生のトリガーとして機能する要素は、目標行動に関連する。例えば、目標行動がコップから飲むことである場合、構築された環境内のコップの画像が刺激オブジェクトとして機能することがある。目標行動がトイレ訓練である場合、構築された環境内のトイレの画像が刺激オブジェクトとして機能する。
【0054】
ユーザーの現在の機能レベルによっては、ユーザーは、行動訓練ユーザーインターフェース104内に表示された構築された環境内の特定の刺激オブジェクトを選択することが困難な場合がある。パーソナライゼーションモジュール206は、ユーザーの限界と強みを学習し、刺激オブジェクト、構築された環境、またはプロンプトのタイプの一態様を変更して、ユーザーが構築された環境に関与し、刺激オブジェクトを選択する確率を高めることができる。
【0055】
例えば、行動訓練エンジン110は、ユーザーまたはユーザーの介護者に、ユーザーに関連する個人情報を提供するよう要求することができる。いくつかの例におけるデータ要求は、行動訓練ユーザーインターフェース104上に提示されるアンケートの形態であってもよい。他の形式のデータ要求も可能である。個人情報は、ユーザーの氏名、住所、年齢、病歴、学歴、家族歴、健康履歴、ユーザーの機能レベル、ユーザーの長所および短所など、ユーザーに関する詳細を含むことができる。他の種類の個人情報も収集することができる。行動訓練エンジン110は、受け取ったデータをデータストア112に保存することができる。
【0056】
いくつかの実施例において、パーソナライゼーションモジュール206は、刺激オブジェクト、構築された環境、またはプロンプトの種類の一態様を変更して、ユーザーが構築された環境に関与し、刺激オブジェクトを選択する確率を高めるために、学習モデルと共に使用するために、データストア112からユーザーの現在の機能レベルに関するデータを取得することができる。
【0057】
たとえば、機械学習モデルは、ユーザーの事前の行動に基づいて、刺激オブジェクトのサイズがより大きい場合、または構築された環境内の気が散る要素が取り除かれた場合、ユーザーがプロンプトに応答する可能性があると予測することができる。したがって、パーソナライゼーションモジュール206は、行動構築モジュールと相互作用して、特定のユーザーの好み、特定のユーザーがどのような種類の行動を学習するのが困難であると感じるかについての予測、または目標とする行動の種類に基づいて、構築された環境、プロンプト、報酬、および新たな行動のためにユーザーを訓練するために使用されるステップ数を修正し、パーソナライズすることができる。
【0058】
行動訓練ユーザーインターフェース104に表示され得るパーソナライズされた構築環境の例は、
図9~
図10に関連してより詳細に説明される。
【0059】
図3は、
図2の行動構築モジュール204の構成例を示す図である。本実施例における行動構築モジュール204は、行動統合サブモジュール302、行動クリップ生成サブモジュール306、及び報酬生成サブモジュール308を含むように構成されてもよい。他の例において、行動構築モジュール204は、より多くのモジュールまたはより少ないモジュールを含むように構成されてもよい。
【0060】
いくつかの実施例において、行動統合サブモジュール302は、ユーザー自身、またはユーザーの療法士(複数可)もしくは介護者(複数可)が達成しようとしている目標行動に関連する入力データをユーザー電子計算装置102から受信するように構成される。行動統合サブモジュール302は、行動訓練システム100に関連付けられ、ユーザー電子計算装置102に表示される行動訓練ユーザーインターフェース104に、目標行動に関連する1つまたは複数の質問および/または選択肢を表示するように実行させることができる。例えば、行動訓練ユーザーインターフェース104は、ユーザー、またはユーザーの療法士(複数可)もしくは介護者(複数可)に、予めコンパイルされた複数の目標行動リストの中から目標行動を選択するように要求することができる。行動訓練ユーザーインターフェース104はまた、ユーザーが目標行動を実行する可能性が高い場所、およびユーザーが目標行動を実行する可能性が高い場所のそれぞれの写真またはデジタル表現、およびそのような場所のそれぞれにおける目標行動に関連するオブジェクトの写真またはデジタル表現を含む、目標行動に関連する追加情報を入力するよう、ユーザー、またはユーザーの療法士(複数可)もしくは介護者(複数可)に要求することができる。例えば、トイレ訓練という目標行動の場合、ユーザーまたはユーザーの介護者は、ユーザーの自宅のバスルームなど、ユーザーの主要なバスルームの写真またはデジタル表現だけでなく、ユーザーの学校のバスルーム、ユーザーの祖父母のバスルームなど、ユーザーが使用する可能性が高い他のバスルームの写真またはデジタル表現をアップロードするよう促される場合がある。
【0061】
目標行動に関する受信された入力に基づいて、行動統合サブモジュール302は、バックグラウンド構築モジュール202によって構築され、データストア112に格納された、目標行動に関連する適切な構築された環境を選択してもよい。行動統合サブモジュール302は、次に、バックグラウンド構築モジュール202によって構築された環境を、ユーザー、またはユーザーの療法士(複数可)もしくは介護者(複数可)によって入力された、目標行動に関連するオブジェクトの画像またはデジタル表現を含む、目標行動に関連する要素を含むように調整してもよい。
【0062】
例えば、目標行動が新たな椅子に座ることを学習することを含む場合、行動統合サブモジュール302は、ユーザー、またはユーザーの療法士(複数可)もしくは介護者(複数可)に対して、ユーザーが通常目標行動を実行する場所、その場所の写真またはデジタル表現、および例えばユーザーの椅子の写真またはデジタル表現に関する情報を提供するように促すことができる。ユーザーの療法士または介護者は、必要な詳細を提供することができ、行動統合サブモジュール302は、受信した情報を使用して、ユーザーの就学前の教室などの適切な構築された環境を選択し、構築された環境の画像内に、新たな椅子の画像などの1つまたは複数の新たな要素を重ねることができる。
【0063】
他の例では、目標行動がトイレの使用を学習することを含む場合、行動統合サブモジュール302は、ユーザーのトイレに関連する構築された環境を選択することができる。また、行動統合サブモジュール302は、目標行動に応じて、他の方法で構築された環境を選択および調整することもできる。
【0064】
ユーザーが、一次的に構築された環境と一致する現実の環境において特定の目標行動を完了することに日常的に成功するようになると、行動統合サブモジュール302は、ユーザーが他の環境において目標行動を達成することを学習するのを助けるために、構築された環境を二次的な環境に調整することができる。例えば、目標行動がトイレをうまく使用することである場合、最初は、行動統合サブモジュール302は、ユーザーの一次環境(本実施例におけるユーザーの自宅)に一致する環境を構築することができる。しかしながら、時間の経過とともに、ユーザーがユーザーの家の中でトイレをうまく使えるようになると、行動統合サブモジュール302は、一般化の原理を使用して、ユーザーの学校のトイレ、ユーザーの祖父母のトイレなど、ユーザーがさらされる可能性のある他のトイレ環境を含むように、構築された環境を調整することができる。
【0065】
いくつかの例では、行動統合サブモジュール302は、構築された環境内の1つまたは複数の要素またはオブジェクトを刺激オブジェクトとして割り当てるように構成することもできる。行動統合サブモジュール302は、行動クリップの再生をトリガーするために、刺激オブジェクトを選択するか、そうでなければ関与するようユーザーに促すことができる。例えば、新たな椅子に座るという目標行動の場合、刺激オブジェクトは、行動訓練ユーザーインターフェース104に表示される構築された環境内の椅子の画像であってもよい。ユーザーは、行動訓練ユーザーインターフェース104上の椅子の画像を選択するか、または他の方法で関与することにより、目標行動に関連する行動クリップが再生される。行動クリップの生成および再生については、行動クリップ生成サブモジュール304に関連してさらに詳細に説明する。
【0066】
構築された環境、プロンプト、および刺激オブジェクトに関連する一態様は、パーソナライゼーションモジュール206によって構成された機械学習モデルの予測およびフィードバックに基づいて、行動統合サブモジュール304によって修正される場合がある。
【0067】
選択された目標行動に対して適切な環境が構築されると、行動クリップ生成モジュール306は、構築された環境を使用して行動のクリップを構築するように構成される場合がある。本実施例におけるクリップは、構築された環境内で、例えば、対象行動の開始ステップと終了ステップを実行するユーザーの視覚的表現の一連の画像または短いビデオスニペットを含み、1つまたは複数の中間ステップは省くことができる。クリップ内のユーザーの画像には、ユーザーの写真画像または他のデジタル表現が含まれるため、ユーザーは、クリップを見たときに、その環境内で目標行動を実行している自分を見ることができる。
【0068】
いくつかの例では、行動クリップ生成モジュール304は、データストア112から選択された対象行動に関するデータにアクセスすることによって、選択された対象行動に関連するステップのシーケンスを決定することができる。例えば、行動訓練システム100で選択可能な目標行動の予めコンパイルされたリストの各々に関連するステップのシーケンスは、行動訓練システム100によって内部データソースまたは外部データソースから取得され、データストア112に格納されてもよい。
【0069】
一例において、行動クリップ生成モジュール304は、データストア112にアクセスして、選択された目標行動に関連する1つまたは複数のストック画像またはビデオクリップを取得することができる。次に、行動クリップ生成モジュール304は、ストック画像またはビデオクリップを編集して、ユーザー、ユーザーのバックグラウンド、刺激オブジェクト、およびユーザーの背景内の他の要素のストック画像を、特定のユーザーの画像、特定のユーザーの背景画像、特定のユーザーの刺激オブジェクト画像、および特定のユーザーの背景内の要素の画像に置き換えることができる。選択された目標行動の行動クリップを生成する他の方法も可能である。
【0070】
対象動作のクリップは、クリップが対象動作のサブセットのみを含むように構成することができる。本実施例におけるサブセットには、対象動作の開始と終了が含まれる。他の例におけるサブセットには、中間ステップの全部ではなく一部が含まれる。クリップ内に含まれるステップの数は、ユーザーまたはユーザーの介護者によって報告されたユーザーの現実の前進に基づいてもよい。この実施形態では、1つまたは複数の中間ステップがクリップ内に含まれない。本実施例における、目標行動の1つまたは複数の中間ステップを含めないことによってクリップを効率化することは、クリップの長さを制限することである。一般に、自閉症スペクトラムのユーザーなど、認知に硬直性があるユーザーを含むがこれに限定されない、新たな動作を学習することが困難なユーザーの少なくともかなりの部分は、複雑な詳細を含む長いクリップに集中することが困難である可能性がある。クリップを対象動作の開始ステップと終了ステップに限定することで、混乱を抑制し、ユーザーが動作の最終目標を理解しやすくなる。一般的に、ユーザーが、自分自身が目標行動を成功させるのを見て最終目標を理解すると、ユーザーは目標行動の最終目標を試みて完璧にする自信を得る。このような場合、ユーザーが各ステップを見ることなく、および/または各中間ステップを完璧にすることに夢中になることなく、目標行動に関連する中間ステップがユーザーにとって達成しやすくなる。
【0071】
例えば、コップから飲み物を飲むという目標行動に関連するクリップは、一連の画像または短いビデオスニペットを含み、目標行動の開始ステップと終了ステップのみを含むことができる。他の例における、新たな椅子に座るという目標行動に関連するクリップは、新たな椅子に向かって歩くユーザーの画像と、既に椅子に座っているユーザーの画像の一連の画像または短いビデオスニペットを含むことができる。
【0072】
短いビデオスニペット内の詳細レベル、短いビデオスニペットの長さ、および短いビデオスニペット内の目標行動を描写する中間ステップの数は、ユーザーの診断および進捗に関連してユーザーまたはユーザーの介護者から提供される報告書を介して行動訓練エンジン110によって決定されるユーザーの現在の機能レベルに依存する場合がある。例えば、機能レベルが低いユーザーは、目標行動を描写する複数の中間ステップを描写するビデオスニペットを必要とする場合があり、機能レベルが高いユーザーは、目標行動を描写する中間ステップのいずれも描写しないビデオスニペットのみを必要とする場合がある。
【0073】
行動クリップを生成すると、行動クリップ生成サブモジュール304は、クリップをデータストア112に格納することができる。行動クリップ生成サブモジュール304は、ユーザーからのトリガーを受信すると、行動訓練ユーザーインターフェースディスプレイ104上に行動クリップの再生および表示を実行させることができる。いくつかの実施例におけるトリガーは、ユーザーが行動訓練ユーザーインターフェース104上に表示された構築された環境上の刺激画像を選択するか、または他の方法で関与することを含む場合がある。他の例では、関連分野の当業者には容易に理解できるように、行動クリップの再生をトリガーする他の方法も可能である。ユーザーの目標行動の学習の進捗は、ユーザーが生成された行動クリップを見て関与することを繰り返す回数に大きく依存する可能性がある。したがって、行動クリップ生成サブモジュール304は、反復練習の一形態として、ユーザーが目標行動に慣れるためにクリップを何度も見ることができるように、ユーザーまたはユーザーの介護者が行動クリップの再生を繰り返しトリガーするためのリマインダを提供することができる。
【0074】
行動クリップ生成サブモジュール304が、ユーザーが刺激オブジェクトと係合したこと、または他の方法で刺激オブジェクトを選択したことを示す入力を受信すると、行動クリップ生成サブモジュール304は、ユーザー電子計算装置102上の行動訓練ユーザーインターフェース104上で生成された行動クリップの再生を実行させることができる。
【0075】
例えば、コップから飲むという目標行動の場合、コップ自体が刺激となることがある。クリップの再生は、表示された構築環境内でユーザーがコップを選択したときにトリガーされる場合がある。行動クリップの再生には、ユーザーがカップの取っ手に向かって手を伸ばす画像または動画スニペットの表示に続いて、ユーザーが既にカップから口にしている画像または動画スニペットの表示を含めることができる。
【0076】
いくつかの実施例における、報酬生成サブモジュール306は、ユーザーが構築された環境との係合に成功し、行動クリップの再生がトリガーされた後に、ユーザーに報酬を生成するように構成される。報酬生成サブモジュール306は、行動訓練ユーザーインターフェース104に表示するための1つまたは複数の報酬を生成することができる。報酬は、構築された環境と関わり続けるようにユーザーを積極的に強化し得るデジタルテキスト、画像、音声および/またはビデオオブジェクトを含み得る。報酬はまた、ユーザーが現実の生活で目標行動を反映するように促すこともできる。例えば、報酬には、ユーザーの好きなアニメキャラクターの画像、エモーティコン、手をたたく音声クリップ、GIF(Graphics Interchange Format)のスニペット、ユーザーの家族や友人の画像や動画、ユーザーの好きなテレビ番組や映画の動画などが含まれる。他の種類のデジタル報酬も可能である。ユーザーを新たな行動でうまく訓練するためには必要ではないが、開示された行動訓練システムは、ユーザーにインセンティブを与えるために、外部の実世界の報酬を使用することもできる。例えば、外部の実世界の報酬には、ユーザーが賞品と交換できる特定の種類の関与に対してユーザーがポイントを受け取るポイントシステムを含めることができる。賞品には、デジタルコンテンツや物理的なオブジェクトへのアクセス、あるいは金銭的な報酬が含まれることもある。
【0077】
報酬生成サブモジュール306は、異なるユーザーに対して異なるタイプのユーザーエンゲージメントのために報酬を生成することができるように、ユーザーに対してパーソナライズされてもよい。例えば、報酬生成サブモジュール306は、行動訓練ユーザーインターフェース112に全く関与することが困難なユーザーのために、単にクリックすること、またはタッチインターフェースの場合には、構築された環境の任意の部分に触れることに対して報酬を生成することができる。
【0078】
ユーザーが訓練を進めるにつれて、報酬生成サブモジュール306は、構築された環境内のユーザーの画像の外側にある構築された環境の任意の部分のクリックまたはタッチに対してのみ報酬を生成することができる。最終的には、報酬生成サブモジュール306は、ユーザーが構築された環境内の刺激オブジェクトをクリックまたはタッチした場合にのみ報酬を生成してもよい。
【0079】
パーソナライゼーションモジュール206は、ユーザーの進行と報酬の嗜好を学習して、ユーザーにいつ報酬を与えるか、およびユーザーに生成される報酬のタイプをパーソナライズするように訓練される場合がある。
【0080】
図4は、新たな行動を学習するための方法400の例を示す。例示的な動作402において、行動訓練エンジン110のバックグラウンド構築モジュール202は、ユーザー電子計算装置102の行動訓練ユーザーインターフェース104から背景(バックグラウンド)データを受信することができる。例えば、バックグラウンドデータは、経歴、社会的、健康、家族関連情報などのユーザーに関連する情報、ユーザーの写真、ユーザーの療法士または介護者に関連する情報、ユーザーが時間を過ごす場所、ユーザーの部屋の内部写真、ユーザーの住居、学校、職場内の他の部屋の写真などの場所の写真を含むことができる。
【0081】
例示的な動作404において、行動訓練エンジン110のバックグラウンド構築モジュール202は、ユーザーおよびユーザーの環境の写真またはデジタル表現から、行動訓練ユーザーインターフェース102に表示するための環境を構築してもよい。例えば、構築された環境は、ユーザーがタスクを完了する自分自身を視覚化できるようにするために、ユーザーおよびユーザーの環境のアニメまたはカリカチュアではなく、ユーザーおよびユーザーの環境の現実的な視覚的表現であってもよい。いくつかの実施例における、構築された環境は、データストア112に保存されてもよく、および/または、構築された環境は、行動訓練ユーザーインターフェース104に表示するために、ユーザー電子計算装置102に送信されてもよい。
【0082】
例示的な動作406において、行動訓練エンジン110の行動構築モジュール204は、ユーザー電子計算装置102の行動訓練ユーザーインターフェース104から、目標行動に関連する情報を受信することができる。例えば、目標行動情報は、行動訓練ユーザーインターフェース104上でユーザー、またはユーザーの療法士もしくは介護者によって入力または選択されてもよい。目標行動情報は、予めコンパイルされた目標行動のリストから、ユーザーが達成しようとしている、またはユーザーの療法士または介護者が達成させたいと考えている目標行動の選択、および目標行動に関連するオブジェクトまたは場所の写真またはデジタル表現を含むことができる。関連分野の当業者であれば容易に理解できるように、目標行動に関連する他の種類の情報も、ユーザー電子計算装置102から受信することができる。
【0083】
例示的な動作408において、行動訓練エンジン110の行動構築モジュール204は、動作404からの構築された環境に、目標行動に関連する要素を統合してもよい。例えば、行動構築モジュール204の行動統合サブモジュール302は、動作404から、構築された環境に目標行動に関連する要素を統合してもよい。目標行動に関連する要素を構築された環境に統合するプロセスは、行動統合サブモジュール302に関連してより詳細に説明される。
【0084】
例示的な動作410において、行動訓練エンジン110の行動構築モジュール204は、動作訓練ユーザーインターフェース104に表示するために、動作406から統合構築された環境をユーザー電子計算装置102に送信してもよい。例えば、行動統合サブモジュール302は、動作408においてデータストア112に格納された、目標行動に関連付けられたパーソナライズされたプロンプトを含む統合構築された環境を取得し、行動訓練ユーザーインターフェース104に表示するためにユーザー電子計算装置102に送信してもよい。
【0085】
動作例412において、行動訓練エンジン110の行動構築モジュール204は、目標行動に関連する行動クリップを生成してもよい。例えば、行動構築モジュール204の行動クリップ生成サブモジュール304は、目標行動に関連する開始ステップおよび終了ステップを実行しているユーザーの画像に基づいて行動クリップを生成してもよい。行動クリップ生成サブモジュール304は、画像編集またはビデオ編集アルゴリズムを使用して、構築された環境内で対象行動の開始ステップおよび終了ステップを実行しているユーザーの画像の一連の画像または短いビデオスニペットを生成してもよい。中間ステップは、生成されたクリップには含まれない。行動クリップが生成されると、行動クリップ生成サブモジュール304は、生成されたクリップをデータストア112に格納する。行動クリップの生成については、
図11の行動クリップ生成サブモジュール304に関連してさらに詳しく説明する。
【0086】
動作例414において、行動訓練エンジン110の行動構築モジュール204は、ユーザー電子計算装置102から刺激オブジェクトの選択を受信してもよい。行動クリップ生成サブモジュール304は、パーソナライズされたプロンプトに応答して刺激オブジェクトの選択を受信してもよく、選択は、行動訓練ユーザーインターフェース104を介してユーザー電子計算装置102上でユーザーによって行われる。一実施例における、新たな椅子に座るという目標行動の場合、統合構築環境内の椅子の画像が刺激オブジェクトとして機能する。行動訓練ユーザーインターフェース104に表示されたパーソナライズされたプロンプトに基づいて、ユーザー、またはユーザーの療法士もしくは介護者は、ユーザー電子計算装置102において、行動訓練ユーザーインターフェース104上の椅子の画像を選択することができる。
【0087】
いくつかの実施例における選択は、ユーザーがマウスを用いて刺激オブジェクトの画像をクリックしたときに完了することができる。他の例において、ユーザー電子計算装置102がタッチセンシティブディスプレイスクリーンを含む場合、ユーザーが行動訓練ユーザーインターフェース104に表示された刺激オブジェクトの画像に触れたときに選択が完了することがある。ユーザーの選択は、ユーザー電子計算装置102から行動訓練エンジン110の行動クリップ生成サブモジュール304に送られる。
【0088】
例示的な動作416において、行動訓練エンジン110の行動構築モジュール204は、行動訓練ユーザーインターフェース104に表示するために、ユーザー電子計算装置102に行動クリップを送信してもよい。例えば、刺激オブジェクトの選択を受信することに応答して、行動クリップ生成サブモジュール304は、動作412において生成されデータストア112に格納された行動クリップを取得し、生成された行動クリップを、行動訓練ユーザーインターフェース104に表示するためにユーザー電子計算装置102に送信してもよい。動作414において、ユーザー、またはユーザーの療法士もしくは介護者による刺激オブジェクトの選択を受信すると、動作416において、行動クリップの取得および送信がトリガーされる場合がある。
【0089】
ユーザー電子計算装置102が行動クリップを受信すると、ユーザー電子計算装置102は、行動訓練ユーザーインターフェース104に行動クリップの表示および自動再生を実行させることができる。行動クリップの生成および再生については、
図3の行動クリップ生成サブモジュール304に関連してさらに詳細に説明する。
【0090】
例示的な動作418において、行動訓練エンジン110の行動構築モジュール204は、行動訓練ユーザーインターフェース104に表示するための報酬をユーザー電子計算装置102に送信してもよい。いくつかの例では、動作414において刺激オブジェクトの選択を受信すると、行動構築モジュール204の報酬生成サブモジュール306は、1つまたは複数のパーソナライズされた報酬を生成し、1つまたは複数の報酬をユーザー電子計算装置102に送信してもよい。他の実施例において、報酬生成サブモジュール306は、1つまたは複数のパーソナライズされた報酬を事前に生成してデータストア112に保存し、動作414において刺激オブジェクトの選択を受信すると、データストア112からパーソナライズされた報酬を取得し、1つまたは複数の報酬をユーザー電子計算装置102に送信することができる。
【0091】
1つまたは複数の報酬は、ユーザーが行動訓練ユーザーインターフェース104内に表示された統合構築環境の任意の部分に触れた場合、選択した場合、またはその他の方法で関与した場合、ユーザーが統合構築環境内のユーザーの画像以外の行動訓練ユーザーインターフェース104内に表示された統合構築環境の任意の部分に触れた場合、選択した場合、またはその他の方法で関与した場合、および/またはユーザーが統合構築環境内の刺激オブジェクトに触れた場合、選択した場合、またはその他の方法で選択した場合を含め、特定のユーザーが目標行動の学習を継続するように積極的に強化する報酬のタイプに基づいてパーソナライズすることができる。報酬の生成およびパーソナライゼーションは、
図3の報酬生成サブモジュール306に関連してさらに説明される。
【0092】
図5~8は、教室環境内で新たな椅子に座るという目標行動に関連する行動訓練システムの異なる動作中の行動訓練ユーザーインターフェース104の視覚的表現例を示す。
【0093】
図5は、構築された環境を表示する行動訓練ユーザーインターフェース104の視覚的表現例500を示す。例示的な視覚的表現500は、構築された環境502の画像を、環境上に重ねられたユーザー504の画像とともに示している。視覚的表現500は、行動訓練エンジン110のバックグラウンド構築モジュール202によって構築され、ユーザーが目標行動を選択する前に、行動訓練ユーザーインターフェース104に表示するためにユーザー電子計算装置102に送信される。
【0094】
バックグラウンド構築モジュール202は、構築された環境502の画像を、ユーザーの現実の教室に似せるために、ユーザーの教室の1つまたは複数の写真またはデジタル表現から構築してもよい。バックグラウンド構築モジュール202はまた、現実のユーザーに似せるために、ユーザーの1つまたは複数の写真またはデジタル表現からユーザー504の画像を構築してもよい。バックグラウンド構築モジュール202は、構築された環境内のユーザーの視覚的表現を作成するために、構築された環境の画像上にユーザーの画像を重ねてもよい。
【0095】
いくつかの例において、構築される環境は、目標行動自体によって定義される場合がある。例えば、トイレ訓練に関する目標行動の場合、バックグラウンド構築モジュール202は、ユーザーの家などのユーザーの主な環境内のトイレの写真またはデジタル表現を提供するようユーザーに要求することができる。
【0096】
図6は、選択された目標行動に関連する要素を統合した構築された環境を表示する行動訓練ユーザーインターフェース104の視覚的表現例600を示す。例示的な視覚的表現600は、構築された環境502の上に重ねられたユーザー504および1つまたは複数の目標行動要素602の画像を伴う構築された環境502の画像を示す。
【0097】
例えば、行動訓練エンジン110のバックグラウンド統合サブモジュール302は、
図4の動作406~408において、1つまたは複数の目標行動関連要素を構築された環境に統合する。統合された構築済み環境は、プロンプトに応答してトリガーされると、行動クリップの再生を実行させる刺激オブジェクトを含むことができる。
【0098】
視覚的表現例600は、新たな椅子に座ることを学習するという目標行動に関連している。視覚的表現例600では、椅子の画像が刺激オブジェクトと同様に1つまたは複数の目標行動要素602の1つとして機能する。関連分野の当業者には明らかなように、他の構成も可能である。
【0099】
図7は、行動クリップのスニペットを表示する行動訓練ユーザーインターフェース104の視覚的表現例700を示す。視覚的表現例700は、行動訓練エンジン110の行動クリップ生成サブモジュール304によって生成され、行動訓練ユーザーインターフェース104に表示するためにユーザー電子計算装置102に送信される行動クリップからのスニペットを示す。
【0100】
視覚的表現例700において、行動クリップからのスニペットには、生成された行動クリップの一部である対象行動に関連する終了ステップが含まれる。新たな椅子に座ることに関連する目標行動に対して行動クリップ生成サブモジュール304によって生成された行動クリップは、目標行動の開始ステップと終了ステップを示す複数の画像またはビデオスニペットを含む。例えば、目標行動の開始ステップには、ユーザーが新たな椅子の方を向き始める様子が含まれ、目標行動の終了ステップには、ユーザーが既に新たな椅子に座っている様子が含まれる。
【0101】
いくつかの実施例における、生成された行動クリップは、ユーザーが新たな椅子の方を向いている画像の第1の画像と、ユーザーが新たな椅子に座っている画像の第2の画像の2つの画像を含むことがある。視覚的表現例700は、ユーザーが新たな椅子に座る画像を含む目標行動の終了ステップを表示する。
【0102】
図8は、報酬を表示する行動訓練ユーザーインターフェース104の例示的な視覚的表現800を示す。視覚的表現例800は、行動訓練エンジン110の報酬生成サブモジュール306によって生成され、ユーザーが行動訓練ユーザーインターフェース104上で刺激オブジェクトの選択をトリガーしたことに応答してユーザー電子計算装置102に送信された報酬802を示す。
【0103】
視覚的表現例800における報酬802は、「親指を立てる」信号を持つ消防士のステッカーを含む。報酬802は、特定のユーザーに正の強化を提供するようにパーソナライズされる。報酬を生成するプロセスは、
図3の報酬生成サブモジュール306に関連してさらに詳細に説明される。
【0104】
図9は、統合構築環境の要素に対する修正を表示する行動訓練ユーザーインターフェース104の視覚的表現900の例を示す。行動訓練エンジン110は、パーソナライゼーションモジュール206によって構成された機械学習モデルを使用して、統合構築環境902内の要素のタイプを学習し、その結果、ユーザーのエンゲージメントが向上する。たとえば、パーソナライゼーションモジュール206は、刺激オブジェクト904のサイズが大きくなれば、ユーザーが統合構築環境902に関与し、刺激オブジェクト904を選択する可能性が高いと予測することができる。パーソナライゼーションモジュール206によって生成された予測に基づいて、行動統合サブモジュール302は、構築された環境内の刺激オブジェクト904のサイズを調整することができる。刺激オブジェクト(この場合、新たな椅子の画像)のサイズを大きくすると、ユーザーの注意が刺激オブジェクト904に引き寄せられ、ユーザーが刺激オブジェクト904を選択するか、または他の方法で刺激オブジェクト904に関与するようになる可能性がある。
【0105】
図10は、統合構築環境の要素に対する他の修正を表示する行動訓練ユーザーインターフェース104の他の例の視覚的表現1000を示す。行動訓練エンジン110は、パーソナライゼーションモジュール206によって構成された機械学習モデルを使用して、特定のユーザーが刺激オブジェクト1004に関与するのを妨げる可能性のある統合構築環境1002内の要素のタイプを学習する。例えば、特定のユーザーが気を取られ、ユーザーの注意を刺激オブジェクト1004に集中させないようにするために、統合構築環境1002内の要素を除去することができる。統合された構築された環境から気が散る要素を取り除くことは、特定のユーザーが刺激オブジェクト1004を選択する可能性を高めるのに役立つ場合がある。パーソナライゼーションモジュール206は、特定のユーザーの関与を高めるのに役立つ統合構築環境および/または刺激オブジェクトへの修正のタイプを予測することができる。統合された構築環境および刺激オブジェクトのパーソナライゼーションは、
図2のパーソナライゼーションモジュール206に関連してさらに説明される。
【0106】
例えば、パーソナライゼーションモジュール206は、行動訓練ユーザーインターフェース104に対するユーザーの過去の関与に基づいて、ユーザーが統合構築環境内の明るい色の要素に気を取られる可能性があることを予測することができる。そして、行動構築モジュール204は、刺激オブジェクト以外の全ての明るい色の要素を行動訓練ユーザーインターフェース104から削除することができる。
【0107】
他の実施例における、行動訓練ユーザーインターフェース104に対するユーザーの過去の係合に基づき、ユーザーが行動訓練ユーザーインターフェース104の右上隅の要素を選択する、または係合することを予測してもよい。次に、行動構築モジュール204は、行動訓練ユーザーインターフェース104の右上隅から全ての背景要素を削除してもよい。また、本実施例における行動構築モジュール204は、ユーザーが刺激オブジェクトと係合する確率を高めるために、刺激オブジェクトを行動訓練ユーザーインターフェース104の右上隅に移動させてもよい。
【0108】
図11は、
図1の計算装置の物理的構成要素の例を示す図である。
図11の例におけるように、サーバーコンピューター108は、少なくとも1つの中央処理装置(「CPU」)1102と、システムメモリー1108と、システムメモリー1108をCPU1102に結合するシステムバス1122とを含む。システムメモリー1108は、ランダムアクセスメモリー(「RAM」)1110およびリードオンリーメモリー(「ROM」)1112を含む。起動時など、サーバーコンピューター108内の要素間で情報を転送するのに役立つ基本ルーチンを含む基本入出力システムは、ROM1112に格納されている。サーバーコンピューター108はさらに、大容量記憶装置1114を含む。大容量記憶装置1114は、ソフトウェアアプリケーション1116に関連するソフトウェア命令およびデータ1116を記憶することができる。サーバーコンピューター108の構成要素の一部または全てを、ユーザー電子計算装置102に含めることもできる。
【0109】
大容量記憶装置1114は、システムバス1122に接続された大容量記憶コントローラ(図示せず)を介してCPU1102に接続されている。大容量記憶装置1114およびそれに関連するコンピューター読み取り可能なデータ記憶媒体は、サーバーコンピューター108に不揮発性の非一過性の記憶装置を提供する。本明細書に含まれるコンピューター読み取り可能データ記憶媒体の説明は、ハードディスクまたはソリッドステートディスクなどの大容量記憶装置を参照しているが、コンピューター読み取り可能データ記憶媒体は、中央処理ユニットがデータおよび/または命令を読み出し可能な、利用可能な非一過性の物理的装置または製造品であれば何でもよいことが当業者には理解されるはずである。
【0110】
コンピューター読み取り可能なデータ記憶媒体には、コンピューター読み取り可能なソフトウェア命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装された、揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体が含まれる。コンピューター読み取り可能なデータ記憶媒体のタイプの例としては、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリーまたは他のソリッドステートメモリー技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(「DVD」)、他の光学記憶媒体、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置、または所望の情報を記憶するのに使用でき、サーバーコンピューター108によってアクセスできる他の任意の媒体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
本発明の様々な実施形態によれば、サーバーコンピューター108は、無線ネットワーク、インターネット、または他のタイプのネットワークなどのネットワーク106を介してリモートネットワークデバイスへの論理接続を使用して、ネットワーク化された環境で動作することができる。サーバーコンピューター108は、システムバス1122に接続されたネットワークインターフェースユニット1104を介してネットワーク106に接続することができる。ネットワークインターフェースユニット1104は、他のタイプのネットワークやリモート計算システムに接続するためにも利用できることが理解されるべきである。サーバーコンピューター108はまた、タッチユーザーインターフェイスディスプレイスクリーン、または他のタイプの入力装置を含む、多数の他の装置からの入力を受信し処理するための入出力制御装置1106を含む。同様に、入出力コントローラ1106は、タッチユーザーインターフェース表示画面または他のタイプの出力装置に出力を提供することができる。
【0112】
上記で簡単に述べたように、サーバーコンピューター108の大容量記憶装置1114およびRAM1110は、ソフトウェアアプリケーション1116に関連するソフトウェア命令およびデータを記憶することができる。ソフトウェア命令には、サーバーコンピューター108の動作を制御するのに適したオペレーティングシステム1118が含まれる。また、大容量記憶装置1114および/またはRAM1110は、CPU1102によって実行されると、サーバーコンピューター108に本書で説明するサーバーコンピューター108の機能を提供させるソフトウェア命令を記憶する。例えば、大容量記憶装置1114および/またはRAM1110は、CPU1102によって実行されると、サーバーコンピューター108に受信データをサーバーコンピューター108の表示画面に表示させるソフトウェア命令を記憶することができる。
【0113】
本明細書には様々な実施形態が記載されているが、当業者であれば、本開示の範囲内で多くの変更が可能であることを理解するであろう。従って、本開示の範囲が、提供された例によっていかなる意味でも限定されることは意図していない。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0113】
本明細書には様々な実施形態が記載されているが、当業者であれば、本開示の範囲内で多くの変更が可能であることを理解するであろう。従って、本開示の範囲が、提供された例によっていかなる意味でも限定されることは意図していない。
[態様1]
目標行動についてユーザーを訓練するためのコンピューター実装方法であって、
ユーザー電子計算装置から、前記目標行動の選択を受信することと、
ユーザー環境の視覚的表現を構築することであって、前記ユーザー環境の前記視覚的表現は、少なくとも1つの刺激オブジェクトを含む、構築することと、
前記ユーザー電子計算装置に、前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現を送信することと、
前記目標行動のための一連のステップを決定することと、
前記目標行動の実行に関連する行動クリップを生成することであって、前記行動クリップは、決定された前記一連のステップうちの前記ステップの全てではないがいくつかの視覚化を含む、生成することと、
前記刺激オブジェクトの選択を受信することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信することに応じて、生成された前記行動クリップを前記ユーザー電子計算装置に送信することと、
を含むコンピューター実装方法。
[態様2]
前記目標行動は、前記ユーザーまたは前記ユーザーの介護者が前記ユーザーに学習させることを望む行動または動作様式である、態様1に記載のコンピューター実装方法。
[態様3]
前記ユーザー環境の前記視覚的表現を構築することは、
前記ユーザーの実生活環境の1つまたは複数の写真またはデジタル表現を受信することであって、前記実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現は、1つまたは複数の背景要素を含む、受信することと、
前記ユーザーの1つまたは複数の写真またはデジタル表現を受信することと、
前記目標行動に関連する1つまたは複数のオブジェクトの1つまたは複数の写真またはデジタル表現を受信することと、
前記ユーザーの画像および前記1つまたは複数のオブジェクトの前記1つまたは複数の画像を、前記実生活環境の画像に重ねることによって、前記ユーザー環境の前記視覚的表現を生成することであって、
前記ユーザーの前記画像は、前記ユーザーの前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現から生成され、
前記1つまたは複数のオブジェクトの前記1つまたは複数の画像は、前記1つまたは複数のオブジェクトの前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現から生成され、
前記実生活環境の前記画像は、前記実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現から生成される、
生成することと、
を含む、態様1に記載のコンピューター実装方法。
[態様4]
前記実生活環境の前記画像の上に重ねられた前記1つまたは複数のオブジェクトの画像の前記1つまたは複数の画像のうちの少なくとも1つの画像が、前記刺激オブジェクトとして指定される、態様3に記載のコンピューター実装方法。
[態様5]
前記ユーザーの実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現は、前記ユーザーが占有する場所の1つまたは複数の写真またはデジタル表現を含む、態様3に記載のコンピューター実装方法。
[態様6]
前記実生活環境の前記画像上に重ねられた前記1つまたは複数のオブジェクトの前記画像に対して前記ユーザーが示す関与のレベルに基づいて、前記実生活環境の前記画像から前記1つまたは複数の背景要素のうちの少なくとも1つを除去することをさらに含む、態様3に記載のコンピューター実装方法。
[態様7]
生成された前記行動クリップをデータストアに格納することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、前記データストアから生成された前記行動クリップを取得することと、
をさらに含む、態様1に記載のコンピューター実装方法。
[態様8]
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、前記ユーザー電子計算装置に1つまたは複数の報酬を送信することをさらに含む、
態様1に記載のコンピューター実装方法。
[態様9]
前記ユーザー環境の前記視覚的表現、前記刺激オブジェクト、および前記1つまたは複数の報酬のうちの少なくとも1つは、前記ユーザーの個人的嗜好に基づいている、態様8に記載のコンピューター実装方法。
[態様10]
目標行動についてユーザーを訓練するためのシステムであって、
プロセッサーと、
前記プロセッサーによって実行されると、前記プロセッサーに、
ユーザー電子計算装置から、前記目標行動の選択を受信することと、
ユーザー環境の視覚的表現を構築することであって、前記ユーザー環境の前記視覚的表現は、少なくとも1つの刺激オブジェクトを含む、構築することと、
前記ユーザー電子計算装置に、前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現を送信することと、
前記目標行動のための一連のステップを決定することと、
前記目標行動の実行に関連する行動クリップを生成することであって、前記行動クリップは、決定された前記一連のステップの前記ステップの全てではないが一部の視覚化を含む、生成することと、
前記刺激オブジェクトの選択を受信することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、生成された前記行動クリップを前記ユーザー電子計算装置に送信することと、
を実行させる命令を含むメモリーと、
を備える、システム。
[態様11]
前記目標行動は、前記ユーザーまたは前記ユーザーの介護者が前記ユーザーに学習させることを望む行動またはマナーである、態様10に記載のシステム。
[態様12]
前記ユーザー環境の前記視覚的表現を構築することは、
前記ユーザーの実生活環境の1つまたは複数の写真またはデジタル表現を受信することと、
前記ユーザーの1つまたは複数の写真またはデジタル表現を受信することと、
前記目標行動に関連する1つまたは複数のオブジェクトの1つまたは複数の写真またはデジタル表現を受信することと、
前記ユーザー環境の前記視覚的表現を、
前記ユーザーの画像および前記1つまたは複数のオブジェクトの1つまたは複数の画像を前記実生活環境の画像に重ね合わせること、
によって、生成することと、
を含み、
前記ユーザーの前記画像は、前記ユーザーの前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現から生成され、
前記1つまたは複数のオブジェクトの前記1つまたは複数の画像は、前記1つまたは複数のオブジェクトの前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現から生成され、
前記実生活環境の前記画像は、前記実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現から生成される、
態様10記載のシステム。
[態様13]
前記実生活環境の前記画像の上に重ねられた前記1つまたは複数のオブジェクトの前記1つまたは複数の画像のうちの少なくとも1つの画像が、前記刺激オブジェクトとして指定される、態様12に記載のシステム。
[態様14]
前記実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル表現は、前記ユーザーが占有する場所の1つまたは複数の写真またはデジタル表現を含む、態様12に記載のシステム。
[態様15]
前記命令は、前記プロセッサーによって実行されると、前記プロセッサーにさらに、
前記実生活環境の前記画像に重ねられた前記1つまたは複数のオブジェクトの前記画像に対して前記ユーザーが示す関与のレベルに基づいて、前記実生活環境の前記画像から前記1つまたは複数の背景要素のうちの少なくとも1つを除去すること、
を実行させる、態様12に記載のシステム。
[態様16]
前記命令は、前記プロセッサーによって実行されると、さらに、前記プロセッサーに、
生成された前記行動クリップをデータストアに格納することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、前記データストアから生成された前記行動クリップを取得することと、
を実行させる、態様10に記載のシステム。
[態様17]
前記命令は、前記プロセッサーによって実行されると、さらに、前記プロセッサーに、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、前記ユーザー電子計算装置に1つまたは複数の報酬を送信すること、
を実行させる、態様10記載のシステム。
[態様18]
前記ユーザー環境の前記視覚的表現、前記刺激オブジェクト、および、前記報酬の少なくとも1つは、前記ユーザーの個人的嗜好に基づいている、態様8に記載のシステム。
[態様19]
目標行動についてユーザーを訓練するためのシステムであって、
ディスプレイ装置と、
プロセッサーと、
前記プロセッサーによって実行されると、前記プロセッサーに、
前記目標行動に関連する1つまたは複数のユーザー選択可能オプションを含む行動訓練ユーザーインターフェースを前記ディスプレイ装置に表示することと、
前記ユーザーから、前記目標行動に関連する1つまたは複数の選択を受信することと、
前記目標行動に関連する前記1つまたは複数の選択をサーバー計算装置に送信することと、
前記サーバー計算装置から、および前記選択に基いて、ユーザー環境の構築された視覚的表現を受信することであって、前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現は、刺激オブジェクトを含む、受信することと、
前記ディスプレイ装置上に、前記ユーザー環境の構築された視覚的表現、および、前記刺激オブジェクトをトリガーするように前記ユーザーに要求するプロンプトを表示することと、
前記ユーザーから前記刺激オブジェクトの選択を受信することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を前記サーバー計算装置に送信することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を送信することに応答して、前記目標行動の実行に関連する行動クリップを受信することであって、前記行動クリップは、前記目標行動の全ての実行に関連するコンテンツを含まない、受信することと、
前記ディスプレイ装置に前記行動クリップを表示し、自動再生させることと、
前記刺激オブジェクトの前記選択に応答して、1つまたは複数の報酬を受け取ることと、
前記1つまたは複数の報酬を前記ディスプレイ装置に表示して、前記ユーザーが前記行動訓練ユーザーインターフェースへの関与を継続するように促すことと、
を実行させる命令を含むメモリーと、
を備える、システム。
[態様20]
前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現、前記刺激オブジェクト、前記プロンプト、および前記1つまたは複数の報酬のうちの少なくとも1つは、前記ユーザーに合わせたものである、態様19に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標行動についてユーザーを訓練するためのコンピューター実装方法であって、
ユーザー電子計算装置から、前記目標行動の選択を受信することと、
前記ユーザー電子計算装置から、刺激オブジェクトの写真またはデジタル画像を受信することと、
前記目標行動の前記選択および前記刺激オブジェクトの前記写真または前記デジタル画像に基づいて、ユーザー環境の視覚的表現を構築することであって、前記ユーザー環境の前記視覚的表現は、
前記刺激オブジェクトを含む、構築することと、
前記ユーザー電子計算装置に、前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現を送信
し、それにより、構築された前記視覚的表現を前記ユーザー電子計算装置のディスプレイ装置に表示させることと、
前記目標行動のための一連のステップを決定することと、
前記目標行動の実行に関連する行動
ビデオクリップを生成することであって、前記行動
ビデオクリップは、決定された前記一連のステップうちの前記ステップの全てではないがいくつかの視覚化を含む、生成することと、
前記刺激オブジェクトの選択を受信する
ことであって、前記刺激オブジェクトの前記選択は、前記ユーザー電子計算装置の前記ディスプレイ装置に表示された前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現のプロンプトを介して実行される、受信することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信することに応じて、生成された前記行動
ビデオクリップを前記ユーザー電子計算装置に送信することと、
を含むコンピューター実装方法。
【請求項2】
前記目標行動は、前記ユーザーまたは前記ユーザーの介護者が前記ユーザーに学習させることを望む行動または動作様式である、請求項1に記載のコンピューター実装方法。
【請求項3】
前記ユーザー環境の前記視覚的表現を構築することは、
前記ユーザーの実生活環境の1つまたは複数の写真またはデジタル
画像を受信することであって、前記実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル
画像は、1つまたは複数の背景要素を含む、受信することと、
前記ユーザーの1つまたは複数の写真またはデジタル
画像を受信することと
、
前記ユーザーの画像および前記
刺激オブジェク
トの画像を、前記実生活環境の画像に重ねること
であって、前記刺激オブジェクトは、前記目標行動に関連する、重ねることによって、前記ユーザー環境の前記視覚的表現を生成することであって、
前記ユーザーの前記画像は、前記ユーザーの前記1つまたは複数の写真またはデジタル
画像から生成され、
前記
刺激オブジェクトの前
記画像は、前記
刺激オブジェクトの前
記写真または
前記デジタル
画像から生成され、
前記実生活環境の前記画像は、前記実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル
画像から生成される、
生成することと、
を含む、請求項1に記載のコンピューター実装方法。
【請求項4】
前記ユーザーの実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル
画像は、前記ユーザーが占有する場所の1つまたは複数の写真またはデジタル
画像を含む、請求項3に記載のコンピューター実装方法。
【請求項5】
前記実生活環境の前記画像上に重ねられた前記
刺激オブジェクの前記画像に対して前記ユーザーが示す関与のレベルに基づいて、前記実生活環境の前記画像から前記1つまたは複数の背景要素のうちの少なくとも1つを除去することをさらに含む、請求項3に記載のコンピューター実装方法。
【請求項6】
生成された前記行動
ビデオクリップをデータストアに格納することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、前記データストアから生成された前記行動
ビデオクリップを取得することと、
をさらに含む、請求項1に記載のコンピューター実装方法。
【請求項7】
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、前記ユーザー電子計算装置に1つまたは複数の報酬を送信することをさらに含む、
請求項1に記載のコンピューター実装方法。
【請求項8】
前記ユーザー環境の前記視覚的表現、前記刺激オブジェクト、および前記1つまたは複数の報酬のうちの少なくとも1つは、前記ユーザーの個人的嗜好に基づいている、請求項
7に記載のコンピューター実装方法。
【請求項9】
目標行動についてユーザーを訓練するためのシステムであって、
プロセッサーと、
前記プロセッサーによって実行されると、前記プロセッサーに、
ユーザー電子計算装置から、前記目標行動の選択を受信することと、
前記ユーザー電子計算装置から、刺激オブジェクトの写真またはデジタル画像を受信することと、
前記目標行動の前記選択および前記刺激オブジェクトの前記写真または前記デジタル画像に基づいて、ユーザー環境の視覚的表現を構築することであって、前記ユーザー環境の前記視覚的表現は、
前記刺激オブジェクトを含む、構築することと、
前記ユーザー電子計算装置に、前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現を送信
し、それにより、構築された前記視覚的表現を前記ユーザー電子計算装置のディスプレイ装置に表示させることと、
前記目標行動のための一連のステップを決定することと、
前記目標行動の実行に関連する行動
ビデオクリップを生成することであって、前記行動
ビデオクリップは、決定された前記一連のステップの前記ステップの全てではないが一部の視覚化を含む、生成することと、
前記刺激オブジェクトの選択を受信すること
であって、前記刺激オブジェクトの前記選択は、前記ユーザー電子計算装置の前記ディスプレイ装置に表示された前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現のプロンプトを介して実行される、受信することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、生成された前記行動
ビデオクリップを前記ユーザー電子計算装置に送信することと、
を実行させる命令を含むメモリーと、
を備える、システム。
【請求項10】
前記目標行動は、前記ユーザーまたは前記ユーザーの介護者が前記ユーザーに学習させることを望む行動またはマナーである、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ユーザー環境の前記視覚的表現を構築することは、
前記ユーザーの実生活環境の1つまたは複数の写真またはデジタル
画像を受信することと、
前記ユーザーの1つまたは複数の写真またはデジタル
画像を受信することと
、
前記ユーザー環境の前記視覚的表現を、
前記ユーザーの画像および前記
刺激オブジェクト
の画像を前記実生活環境の画像に重ね合わせること
であって、
前記刺激オブジェクトは、前記目標行動に関連する、重ね合わせること、
によって、生成することと、
を含み、
前記ユーザーの前記画像は、前記ユーザーの前記1つまたは複数の写真またはデジタル
画像から生成され、
前記
刺激オブジェクトの前
記画像は、前記
刺激オブジェクトの前
記写真またはデジタル
画像から生成され、
前記実生活環境の前記画像は、前記実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル
画像から生成される、
請求項
9に記載のシステム。
【請求項12】
前記実生活環境の前記1つまたは複数の写真またはデジタル
画像は、前記ユーザーが占有する場所の1つまたは複数の写真またはデジタル
画像を含む、請求項
11に記載のシステム。
【請求項13】
前記命令は、前記プロセッサーによって実行されると、前記プロセッサーにさらに、
前記実生活環境の前記画像に重ねられた前記
刺激オブジェクトの前記画像に対して前記ユーザーが示す関与のレベルに基づいて、前記実生活環境の前記画像から前記1つまたは複数の背景要素のうちの少なくとも1つを除去すること、
を実行させる、請求項
11に記載のシステム。
【請求項14】
前記命令は、前記プロセッサーによって実行されると、さらに、前記プロセッサーに、
生成された前記行動
ビデオクリップをデータストアに格納することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、前記データストアから生成された前記行動
ビデオクリップを取得することと、
を実行させる、請求項
9に記載のシステム。
【請求項15】
前記命令は、前記プロセッサーによって実行されると、さらに、前記プロセッサーに、
前記刺激オブジェクトの前記選択を受信したことに応答して、前記ユーザー電子計算装置に1つまたは複数の報酬を送信すること、
を実行させる、請求項
9記載のシステム。
【請求項16】
前記ユーザー環境の前記視覚的表現、前記刺激オブジェクト、および、前記
1つまたは複数の報酬の少なくとも1つは、前記ユーザーの個人的嗜好に基づいている、請求項
15に記載のシステム。
【請求項17】
目標行動についてユーザーを訓練するためのシステムであって、
ディスプレイ装置と、
プロセッサーと、
前記プロセッサーによって実行されると、前記プロセッサーに、
刺激オブジェクトの写真またはデジタル画像をサーバー計算装置に送信することと、
前記目標行動に関連する1つまたは複数のユーザー選択可能オプションを含む行動訓練ユーザーインターフェースを前記ディスプレイ装置に表示することと、
前記ユーザーから、前記目標行動に関連する1つまたは複数の選択を受信することと、
前記目標行動に関連する前記1つまたは複数の選択を
前記サーバー計算装置に送信することと、
前記サーバー計算装置から
、前記選択
および前記刺激オブジェクトの前記写真または前記デジタル画像に基いて、ユーザー環境の構築された視覚的表現を受信することであって、前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現は、
前記刺激オブジェクトを含む、受信することと、
前記ディスプレイ装置上に、前記ユーザー環境の構築された視覚的表現、および、前記刺激オブジェクトをトリガーするように前記ユーザーに要求するプロンプトを表示することと、
前記ユーザーから前記刺激オブジェクトの選択を受信することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を前記サーバー計算装置に送信することと、
前記刺激オブジェクトの前記選択を送信することに応答して、前記目標行動の実行に関連する行動
ビデオクリップを受信することであって、前記行動
ビデオクリップは、前記目標行動の全ての実行に関連するコンテンツを含まない、受信することと、
前記ディスプレイ装置に前記行動
ビデオクリップを表示し、自動再生させることと、
前記刺激オブジェクトの前記選択に応答して、1つまたは複数の報酬を受け取ることと、
前記1つまたは複数の報酬を前記ディスプレイ装置に表示
することと、
を実行させる命令を含むメモリーと、
を備える、システム。
【請求項18】
前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現、前記刺激オブジェクト、前記プロンプト、および前記1つまたは複数の報酬のうちの少なくとも1つは、前記ユーザーに合わせたものである、請求項
17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ユーザー環境の構築された前記視覚的表現は、前記ユーザーの環境の画像に前記ユーザーの画像および前記刺激オブジェクトの画像を重ねることによって構築される、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記ユーザーの前記画像は、前記ユーザーの1つまたは複数の写真またはデジタル画像から生成され、
前記刺激オブジェクトの前記画像は、前記刺激オブジェクトの1つまたは複数の写真またはデジタル画像から生成され、
前記ユーザーの前記環境の前記画像は、前記ユーザーの前記環境の1つまたは複数の写真またはデジタル画像から生成される、
請求項19に記載のシステム。
【国際調査報告】