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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
F16K31/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523120
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-27
(86)【国際出願番号】 CN2022132021
(87)【国際公開番号】W WO2023088253
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】202122859274.4
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】康 志軍
(72)【発明者】
【氏名】朱 方英
【テーマコード(参考)】
3H062
【Fターム(参考)】
3H062AA02
3H062AA15
3H062BB30
3H062BB31
3H062CC02
3H062DD01
3H062EE06
3H062GG01
3H062HH04
3H062HH08
3H062HH09
(57)【要約】
弁チャンバ(11)及び弁口(12)を有し、両者は連通している弁ハウジング(10)と、弁チャンバ(11)内に設けられ、且つ弁ハウジング(10)に接続され、ねじ貫通孔(31)が設けられているナット座(30)と、ねじ貫通孔(31)内に移動可能に挿設され、対向して設けられた第1端(21)及び第2端(22)を有し、ねじ貫通孔(31)と螺合される雄ねじが設けられており、第2端(22)は、弁口(12)に対応して設けられて弁口(12)の開度を制御するために用いられるスピンドル(20)と、弁チャンバ(11)内に回転可能に設けられた磁気ロータ(40)と、磁気ロータ(40)とスピンドル(20)との間に設けられた接続板(50)であって、第1貫通孔が設けられており、スピンドル(20)の第1端(21)は、第1貫通孔内に挿設されるとともに接続板(50)に固定接続され、接続板(50)の外輪は磁気ロータ(40)に接続される接続板(50)と、ナット座(30)の外周に設けられたストッパ(60)であって、ストッパ(60)の上面は接続板(50)の底面に接続され、ストッパ(60)とナット座(30)との間に止め構造(61)を有するストッパ(60)と、を含む電子膨張弁を開示し、従来技術における構造が複雑であるという問題を解決することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁チャンバ(11)及び弁口(12)を有し、前記弁口(12)と前記弁チャンバ(11)とは連通している弁ハウジング(10)と、
前記弁チャンバ(11)内に設けられ、且つ前記弁ハウジング(10)に固定接続され、ねじ貫通孔(31)が設けられているナット座(30)と、
前記ねじ貫通孔(31)内に移動可能に挿設され、対向して設けられた第1端(21)及び第2端(22)を有し、前記ねじ貫通孔(31)と螺合される雄ねじが設けられており、第2端(22)は、前記弁口(12)に対応して設けられて前記弁口(12)の開度を制御するために用いられるスピンドル(20)と、
前記弁チャンバ(11)内に回転可能に設けられた磁気ロータ(40)と、
前記磁気ロータ(40)と前記スピンドル(20)との間に設けられた接続板(50)であって、前記接続板(50)には第1貫通孔が設けられており、前記スピンドル(20)の第1端(21)は、前記第1貫通孔内に挿設されるとともに前記接続板(50)に固定接続され、前記接続板(50)の外輪は前記磁気ロータ(40)に固定接続される接続板(50)と、
前記ナット座(30)の外周に設けられたストッパ(60)であって、前記ストッパ(60)の上面は前記接続板(50)の底面に固定接続され、前記ストッパ(60)と前記ナット座(30)との間には、前記スピンドル(20)のストロークを制限するための止め構造(61)を有するストッパ(60)と、を含む、電子膨張弁。
【請求項2】
前記ストッパ(60)には、前記第1貫通孔と同軸に設けられた第2貫通孔(62)が設けられており、前記第2貫通孔(62)は、互いに連通された第1孔セグメント(621)及び第2孔セグメント(622)を含み、前記スピンドル(20)は、前記第2貫通孔(62)及び前記第1貫通孔内に順に挿設され、且つ前記第1孔セグメント(621)の内壁と前記スピンドル(20)とはトランジションフィットであり、前記ナット座(30)の前記弁口(12)から離れた一端は前記第2孔セグメント(622)内に入り込み、前記止め構造(61)は前記第2孔セグメント(622)と前記ナット座(30)との間に設けられる、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項3】
前記止め構造(61)は、
前記第2貫通孔(62)の周方向に沿って間隔をおいて前記第2孔セグメント(622)の内壁に設けられた第1止め突部(611)及び第2止め突部(612)と、
前記ナット座(30)の外側壁に設けられた止め部(32)であって、前記止め部(32)は前記第1止め突部(611)と第2止め突部(612)との間に位置し、前記スピンドル(20)は、前記弁口(12)を開放する最大開度位置及び前記弁口(12)を閉塞する閉鎖位置を有し、前記スピンドル(20)が前記閉鎖位置に移動したとき、前記第1止め突部(611)と前記止め部(32)とは互いに当接され、前記スピンドル(20)が前記最大開度位置に移動したとき、前記第2止め突部(612)と前記止め部(32)とは互いに当接される止め部(32)と、を含む、請求項2に記載の電子膨張弁。
【請求項4】
前記ストッパ(60)の上面には突起部(64)が設けられており、前記接続板(50)には取り付け孔が設けられており、前記突起部(64)は前記取り付け孔内にかしめられる、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項5】
前記突起部(64)は複数であり、前記取り付け孔は複数であり、前記突起部(64)と前記取り付け孔とは一対一に対応して設けられる、請求項4に記載の電子膨張弁。
【請求項6】
前記ストッパ(60)と前記接続板(50)とは一体化して設けられる、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項7】
前記スピンドル(20)と前記接続板(50)とは溶接接続される、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項8】
前記接続板(50)及び前記ストッパ(60)は前記磁気ロータ(40)の内部に設けられ、前記ストッパ(60)の外側壁と前記磁気ロータ(40)の内壁とは密着される、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項9】
前記ストッパ(60)には、軸方向に沿って前記第2止め突部(612)に対応して設けられた離型貫通孔(63)が更に設けられている、請求項3に記載の電子膨張弁。
【請求項10】
前記止め部(32)は、前記ナット座(30)の前記弁口(12)から離れた一端の側壁に設けられ、前記止め部(32)は、前記ナット座(30)の周方向に沿って延在し、対向して設けられた第1端面及び第2端面を有し、
前記第1止め突部(611)は第1止め面を有し、前記第2止め突部(612)は第2止め面を有し、前記第1端面及び前記第2端面のうちの一方は、前記第1止め面と密着して互いに当接するために用いられ、前記第1端面及び前記第2端面のうちの他方は、前記第2止め面と密着して互いに当接するために用いられる、請求項3に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月19日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122859274.4であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願は電子膨張弁の技術分野に関し、具体的に、電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、従来の電子膨張弁は、通常、弁体、ナット、スピンドル、磁気ロータ、接続板、止め輪及びスクリュを含む。使用時、ナット、スピンドル、磁気ロータ、接続板及びスクリュは、いずれも弁体の内部に設けられ、ナットは弁体に組み立てられ、スクリュはナットに可動的に組み立てられ、スピンドルはスクリュの内部に取り付けられ、磁気ロータは外周に設けられて一部のナットを覆い、止め輪は磁気ロータ内に嵌合され、スクリュは接続板に固定される。
【0004】
従来技術において、スピンドルの上下移動を実現するように、スクリュが接続板に固定され、スピンドルがスクリュの内部に設けられ、このように設計すると、電子膨張弁の内部構造が複雑になり、取り付けが困難になり、製造コストが大幅に増加する。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、従来技術における構造が複雑であり、取り付けが困難であるという問題を解決するための電子膨張弁を提供する。
【0006】
本出願は、弁チャンバ及び弁口を有し、弁口と弁チャンバとは連通している弁ハウジングと、弁チャンバ内に設けられ、且つ弁ハウジングに固定接続され、ねじ貫通孔が設けられているナット座と、ねじ貫通孔内に移動可能に挿設され、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、ねじ貫通孔と螺合される雄ねじが設けられており、第2端は、弁口に対応して設けられて弁口の開度を制御するために用いられるスピンドルと、弁チャンバ内に回転可能に設けられた磁気ロータと、磁気ロータとスピンドルとの間に設けられた接続板であって、接続板には第1貫通孔が設けられており、スピンドルの第1端は、第1貫通孔内に挿設されるとともに接続板に固定接続され、接続板の外輪は磁気ロータに固定接続される接続板と、ナット座の外周に設けられたストッパであって、ストッパの上面は接続板の底面に固定接続され、ストッパとナット座との間には、スピンドルのストロークを制限するための止め構造を有するストッパと、を含む電子膨張弁を提供する。
【0007】
本出願の技術態様を適用すると、電子膨張弁は、弁ハウジング、ナット座、スピンドル、磁気ロータ、接続板及びストッパを含む。ここで、接続板の外輪は磁気ロータに固定接続され、スピンドルは第1貫通孔を介して接続板に固定接続され、ストッパの上面は接続板の底面に固定接続される。電子膨張弁が作動するとき、磁気ロータが接続板を連動して回転させ、接続板が、それぞれスピンドル及びストッパを連動して回転させ、且つ接続板がスピンドルに固定接続されることで、スピンドルと弁口との同軸度を確保し、上記の構造を採用すると、構造が簡単で、且つ弁体の内部の部品の構造がコンパクトで、取り付けが容易で、操作が簡単であり、且つ弁体の内部の部品が比較的少ないため、コストが比較的低い。
【0008】
更に、ストッパには、第1貫通孔と同軸に設けられた第2貫通孔が設けられており、第2貫通孔は、互いに連通された第1孔セグメント及び第2孔セグメントを含み、スピンドルは、第2貫通孔及び第1貫通孔内に順に挿設され、且つ第1孔セグメントの内壁とスピンドルとはトランジションフィットであり、ナット座の弁口から離れた一端は第2孔セグメント内に入り込み、止め構造は第2孔セグメントとナット座との間に設けられる。スピンドルは、第1孔セグメントを貫通し、且つ第1孔セグメントと移行的に接続されることで、スピンドルの傾斜を効果的に防止し、スピンドルの揺れを回避することができる。
【0009】
更に、止め構造は、第2貫通孔の周方向に沿って間隔をおいて第2孔セグメントの内壁に設けられた第1止め突部及び第2止め突部と、ナット座の外側壁に設けられた止め部であって、止め部は第1止め突部と第2止め突部との間に位置し、スピンドルは、弁口を開放する最大開度位置及び弁口を閉塞する閉鎖位置を有し、スピンドルが閉鎖位置に移動したとき、第1止め突部と止め部とは互いに当接され、スピンドルが最大開度位置に移動したとき、第2止め突部と止め部とは互いに当接される止め部と、を含む。このように設計すると、スピンドルの上下移動範囲を決定することで、スピンドルの上昇変位が高すぎて弁体の体積が大きくなりすぎることを回避するだけでなく、スピンドルが降下するときに弁口に衝撃を与えてスピンドル又は弁口を損傷させることを回避し、電子膨張弁の使用寿命を向上させる。
【0010】
更に、ストッパの上面には突起部が設けられており、接続板には取り付け孔が設けられており、突起部は取り付け孔内にかしめられる。取り付け孔と突起部とは、両者の接続安定性を確保するように形状が整合されている。
【0011】
更に、突起部は複数であり、取り付け孔は複数であり、突起部と取り付け孔とは一対一に対応して設けられる。このように設計すると、取り付け板とストッパとの間に相対変位が発生することを回避することができる。
【0012】
更に、ストッパと接続板とは一体化して設けられる。ストッパと接続板との同軸度が比較的良好であり、ストッパと接続板との構造安定性を向上させる。
【0013】
更に、スピンドルと接続板とは溶接接続される。このようにして、スピンドルと接続板との接続が堅牢になるようにすることができ、したがってスピンドルの揺れを防止することができる。
【0014】
更に、接続板及びストッパは磁気ロータの内部に設けられ、ストッパの外側壁と磁気ロータの内壁とは密着される。このようにして、ストッパは回転過程で揺れが発生せず、ストッパの運転の安定性を確保する。
【0015】
更に、ストッパには、軸方向に沿って第2止め突部に対応して設けられた離型貫通孔が更に設けられている。ストッパの加工ステップを簡略化して、離型過程が円滑に行われるように確保する。
【0016】
更に、止め部は、ナット座の弁口から離れた一端の側壁に設けられ、止め部は、ナット座の周方向に沿って延在し、対向して設けられた第1端面及び第2端面を有し、第1止め突部は第1止め面を有し、第2止め突部は第2止め面を有し、第1端面及び第2端面のうちの一方は、第1止め面と密着して互いに当接するために用いられ、第1端面及び第2端面のうちの他方は、第2止め面と密着して互いに当接するために用いられる。端面と止め面とは、面と面との接触によって、圧力を効果的に低減させ、端面と止め面とが互いに接触したときに止め構造又は止め部が衝撃力によって損傷することを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0018】
図1】本出願で提供される電子膨張弁の構造模式図を示す。
図2】本出願で提供されるストッパの構造模式図を示す。
図3】本出願で提供されるストッパの他方側の構造模式図を示す。
図4】本出願で提供されるナット座の構造模式図を示す。
【0019】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 弁ハウジング、11 弁チャンバ、12 弁口、20 スピンドル、21 第1端、22 第2端、30 ナット座、31 ねじ貫通孔、32 止め部、40 磁気ロータ、50 接続板、60 ストッパ、61 止め構造、611 第1止め突部、612 第2止め突部、62 第2貫通孔、621 第1孔セグメント、622 第2孔セグメント、63 離型貫通孔、64 突起部。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様を明瞭且つ完全に記述するが、記述される実施例は、単に本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。以下、少なくとも1つの例示的な実施例の記述は、実際には、単に説明的なものにすぎず、本出願及びその適用又は使用に対して何ら制限するものではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
【0021】
図1及び図2に示すように、本出願の実施例1は、弁ハウジング10、ナット座30、スピンドル20、磁気ロータ40、接続板50及びストッパ60を含む電子膨張弁を提供する。弁ハウジング10は弁チャンバ11及び弁口12を有し、弁口12と弁チャンバ11とは連通している。ナット座30は、弁チャンバ11内に設けられ、且つ弁ハウジング10に固定接続され、ナット座30にはねじ貫通孔31が設けられている。スピンドル20は、ねじ貫通孔31内に移動可能に挿設され、対向して設けられた第1端21及び第2端22を有し、ねじ貫通孔31と螺合される雄ねじが設けられており、スピンドル20の第2端22は、弁口12に対応して設けられて弁口12の開度を制御するために用いられる。磁気ロータ40は弁チャンバ11内に回転可能に設けられる。接続板50は磁気ロータ40とスピンドル20との間に設けられ、接続板50には第1貫通孔が設けられており、スピンドル20の第1端21は、第1貫通孔内に挿設されるとともに接続板50に固定接続され、接続板50の外輪は磁気ロータ40に固定接続される。ストッパ60はナット座30の外周に設けられ、ストッパ60の上面は接続板50の底面に固定接続され、ストッパ60とナット座30との間には、スピンドル20のストロークを制限するための止め構造61を有する。
【0022】
本出願の技術態様によれば、電子膨張弁は、弁ハウジング10、ナット座30、スピンドル20、磁気ロータ40、接続板50及びストッパ60を含む。ここで、接続板50の外輪は磁気ロータ40に固定接続され、スピンドル20は第1貫通孔を介して接続板50に固定接続され、ストッパ60の上面は接続板50の底面に固定接続される。電子膨張弁が作動するとき、磁気ロータ40が接続板50を連動して回転させ、接続板50が、それぞれスピンドル20及びストッパ60を連動して回転させ、且つ接続板50がスピンドル20に固定接続されることで、スピンドル20と弁口12との同軸度を確保し、上記の構造を採用すると、構造が簡単で、且つ弁体の内部の部品の構造がコンパクトで、取り付けが容易で、操作が簡単であり、且つ弁体の内部の部品が比較的少ないため、コストが比較的低い。
【0023】
ここで、ストッパ60には、第1貫通孔と同軸に設けられた第2貫通孔62が設けられており、第2貫通孔62は、互いに連通された第1孔セグメント621及び第2孔セグメント622を含み、スピンドル20は、第2貫通孔62及び第1貫通孔内に順に挿設され、且つ第1孔セグメント621の内壁とスピンドル20とはトランジションフィットであり、ナット座30の弁口12から離れた一端は第2孔セグメント622内に入り込み、止め構造61は第2孔セグメント622とナット座30との間に設けられる。スピンドル20が、第1孔セグメント621を貫通し、且つ第1孔セグメント621と移行的に接続されることで、スピンドル20の傾斜を効果的に防止し、スピンドル20の揺れを回避し、更には、磁気ロータ40、接続板50、スピンドル20、ストッパ60及び弁口12の同軸度を確保することができる。
【0024】
図2及び図4に示すように、止め構造61は、第1止め突部611及び第2止め突部612を含み、第1止め突部611及び第2止め突部612は、第2貫通孔62の周方向に沿って間隔をおいて第2孔セグメント622の内壁に設けられる。止め部32は、ナット座30の外側壁に設けられ、第1止め突部611と第2止め突部612との間に位置し、スピンドル20は、弁口12を開放する最大開度位置及び弁口12を閉塞する閉鎖位置を有し、スピンドル20が閉鎖位置に移動したとき、第1止め突部611と止め部32とは互いに当接され、スピンドル20が最大開度位置に移動したとき、第2止め突部612と止め部32とは互いに当接される。本実施例において、第1止め突部611は第2止め突部612の上方に位置し、ナット座30の外側壁には止め部32が設けられており、止め部32と第1止め突部611とが当接されたとき、スピンドル20が最低位置に移動し、スピンドル20と弁口12とが閉じられて、流体の通過を阻止し、止め部32と第2止め突部612とが当接されたとき、スピンドル20が最高位置に移動し、スピンドル20と弁口12との間の開度が最大となる。このように設計すると、スピンドル20の上下移動範囲を決定することで、スピンドル20の上昇変位が高すぎて弁体の体積が大きくなりすぎることを回避するだけでなく、スピンドル20が降下するときに弁口12に衝撃を与えてスピンドル20又は弁口12を損傷させることを回避し、電子膨張弁の使用寿命を向上させる。
【0025】
図3に示すように、ストッパ60の上面には突起部64が設けられており、接続板50には取り付け孔が設けられており、突起部64は取り付け孔内にかしめられる。選択的には、突起部64は円柱体でなく、取り付け孔と突起部64とは、両者の接続安定性を確保するように、形状が整合されており、回転過程において、ストッパ60と接続板50との間に相対変位が発生することを回避する。他の実施例において、接続板50は、溶接等の方式によってストッパ60に固定接続されてもよい。更に、突起部64は複数であり、取り付け孔は複数であり、突起部64と取り付け孔とは一対一に対応して設けられる。突起部64は1つ又は複数設けられてもよく、本出願では、複数の突起部64が設けられている。図3に示すように、3つの突起部64を設けることで、取り付け板とストッパ60との間に相対変位が発生することを回避し、取り付け板とストッパ60との構造安定性を確保することができる。
【0026】
具体的には、スピンドル20と接続板50とは溶接接続される。このようにして、スピンドル20と接続板50との接続が堅牢になるようにすることができ、したがってスピンドル20の揺れを防止することができ、更には、スピンドル20と弁口12との同軸度が比較的良好であることを確保することができ、且つ溶接を採用することで、効率が高く、経済性が良好である。
【0027】
具体的には、接続板50及びストッパ60は磁気ロータ40の内部に設けられ、ストッパ60の外側壁と磁気ロータ40の内壁とは密着される。磁気ロータ40は、接続板50とストッパ60とを連動して同時に回転させ、ストッパ60の外側壁と磁気ロータの内壁とが密着されるため、ストッパ60は回転過程で揺れが発生せず、ストッパ60の運転の安定性を確保する。ストッパ60の外側壁と磁気ロータ40の内壁とが密着され、ストッパ60と磁気ロータ40との構造安定性が比較的良好であることで、第1貫通孔と弁口12との同軸度が比較的良好になり、第1貫通孔とスピンドル20とがトランジションフィットであるため、上記の構造によって、スピンドル20と弁口12とが比較的良好な同軸度を有する。
【0028】
更に、ストッパ60には、軸方向に沿って第2止め突部612に対応して設けられた離型貫通孔63が更に設けられている。第1止め突部611の上面と第2孔セグメント622の上面とが密着され、第2止め突部612と第2孔セグメント622の上面との間に一定の距離を有し、ストッパ60が一体に射出成形されたものであるため、ストッパ60に離型貫通孔63を設け、第2止め突部612と離型貫通孔63とを軸方向に対応させることで、ストッパ60の加工ステップを簡略化することができる。選択的には、離型過程が円滑に行われるように確保し、且つ離型効果を確保するように、離型貫通孔63の構造サイズは、第2止め突部612の構造サイズよりわずかに大きくなっている。
【0029】
ここで、止め部32は、ナット座30の弁口12から離れた一端の側壁に設けられ、止め部32は、ナット座30の周方向に沿って延在し、対向して設けられた第1端面及び第2端面を有する。第1止め突部611は第1止め面を有し、第2止め突部612は第2止め面を有し、第1端面及び第2端面のうちの一方は、第1止め面と密着して互いに当接するために用いられ、第1端面及び第2端面のうちの他方は、第2止め面と密着して互いに当接するために用いられる。端面と止め面とは、面と面との接触によって、圧力を効果的に低減させ、端面と止め面とが互いに接触したときに止め構造又は止め部が衝撃力によって損傷することを回避することができる。具体的には、止め部32は、ナット座30の周方向に沿って延在し、第1端面及び第2端面は、止め部32の軸方向に沿って延在する2つの端面に位置する。第1止め突部611及び第2止め突部612が第2孔セグメントの径方向に沿って延在し、第1止め面が第1止め突部611の側面に位置し、第2止め面が第2止め突部612の側面に位置し、且つ第1端面と第1止め面とが平行に設けられ、第2端面と第2止め面とが平行に設けられ、このように設計すると、止め部32が回転して最大開度位置又は閉鎖位置に達したとき、止め部32の端面と止め面とを完全に密着させることができる。
【0030】
本出願の技術態様によれば、スピンドル20の第1端が接続板50の第1貫通孔に固定接続され、スピンドル20の中間部に設けられた雄ねじがナット座30のねじ貫通孔31と螺合されることで、弁体の内部構造が簡単であり、且つ部品が比較的少なく、取り付けが容易で、操作が簡単である。
【0031】
本出願の実施例2は、ストッパ60と接続板50とが一体化して設けられる点で実施例1と異なる電子膨張弁を提供する。ストッパ60は、接続板50と一体に射出成形されてもよく、このように設計すると、ストッパ60と接続板50との同軸度が比較的良好であり、ストッパ60と接続板50との構造安定性を向上させる。更に、ストッパ60と接続板50との加工ステップを簡略化し、取り付け効率を向上させ、労力を節約する。
【0032】
留意すべきこととして、ここで使用される用語は、単に具体的な実施形態を記述するためのものにすぎず、本出願による例示的な実施形態を制限することを意図していない。ここで使用されるように、文脈において別途に明瞭に明示していない限り、単数形式は複数形式も含むことを意図しており、更には、本明細書において「包含」及び/又は「含む」という用語が用いられる場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はこれらの組み合わせの存在を示すことも理解すべきである。
【0033】
別途の具体的な説明がない限り、これらの実施例で述べた部材及びステップの相対的な配置、数式及び数値は、本出願の範囲を制限するものではない。同時に、記述の便宜上、図面に示された各部分の寸法は、実際の比例関係に従って描かれたものでないことを理解すべきである。当業者に知られている技術、方法及び設備に関して、詳細に論じないが、適切な場合において、記述した技術、方法及び設備は、許可された明細書の一部とみなされるべきである。ここに示し且つ論じた全ての例示において、いかなる具体的な値も単に例示的なものにすぎず、制限的なものとして解釈されるべきではない。従って、例示的な実施例の他の例示は、異なる値を有してもよい。類似の符号及び文字は以下の図面において類似の要素を示すことに留意すべきであり、従って、1つの図面で一度いずれかの要素が定義されれば、それ以降の図面においては、それに対する更なる説明を必要としない。
【0034】
本出願の記述において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「横方向」、「縦方向」、「垂直」、「水平」及び「頂部」、「底部」等の方位語で指示された方位又は位置関係は、通常、図示に基づく方位又は位置関係であって、単に本出願の記述の便宜上及び記述を簡略にするためのものにすぎず、相反する説明がされない場合に、これらの方位語は、指定された装置又は素子が特定の方位を有するか、あるいは特定の方位で構成及び操作されなければならないことを指示及び暗示するものではないため、本出願の保護範囲を制限するものとして理解されてはならず、方位語「内」、「外」は、各部材自体の輪郭に対する内、外を意味することを理解すべきである。
【0035】
記述の便宜上、ここでは、「~の上にある」、「~の上方にある」、「~上面にある」、「上面の」等のような空間的に相対的な用語が、図示された1つのデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間的な位置関係を記述するために用いられてもよい。空間的に相対的な用語は、図面に記述された方位に加えて、使用又は操作中のデバイスの異なる方位を包含することを意図するものとして理解すべきである。例えば、図面におけるデバイスが逆になると、「他のデバイス又は構造の上方にある」又は「他のデバイス又は構造の上にある」と記述されたデバイスは、それ以降、「他のデバイス又は構造の下方にある」又は「他のデバイス又は構造の下にある」と位置決めされる。従って、例示的な用語「~上方にある」は、「~上方にある」及び「~下方にある」の両方の方位を含んでもよい。このデバイスは、他の異なる方式で(90度回転又は他の方位で)位置決めされ、且つここで使用される空間的に相対的な記述は、それに応じて解釈されてもよい。
【0036】
更には、説明すべきこととして、「第1」、「第2」等の単語を使用して部品を限定するのは、単に対応する部品を容易に区別するためのものであり、別途の記載がない限り、上述の単語は特別な意味を持たないため、本出願の保護範囲を制限するものとして理解してはならない。
【0037】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の趣旨及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等は、いずれも本出願の保護範囲内に包含されるべきである。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】