(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
F16K31/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523125
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 CN2022132022
(87)【国際公開番号】W WO2023088254
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】202122862189.3
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】康 志軍
(72)【発明者】
【氏名】朱 方英
【テーマコード(参考)】
3H062
【Fターム(参考)】
3H062AA02
3H062AA15
3H062BB31
3H062BB33
3H062CC02
3H062DD01
3H062EE06
3H062GG01
3H062HH04
3H062HH08
3H062HH09
(57)【要約】
本発明で開示される、収容室(11)及び弁口(12)を有し、収容室(11)が弁口(12)に連通される弁ハウジング(10)と、対向して設けられた第1端(21)及び第2端(22)を有するスピンドル(20)であって、第2端(22)が弁口(12)を封止又は開放し、順に設けられた第1ガイドセグメント(23)、ねじセグメント(24)及び第2ガイドセグメント(25)を含み、第1ガイドセグメント(23)はスピンドル(20)の第1端(21)に近接して設けられ、第2ガイドセグメント(25)はスピンドル(20)の第2端(22)に近接して設けられたスピンドル(20)と、収容室(11)内に設けられ且つ弁ハウジング(10)に固定接続され、順に設けられた第1ガイド孔セグメント(311)、ねじ孔セグメント(312)及び第2ガイド孔セグメント(313)を含む第1貫通孔(31)が設けられており、スピンドル(20)が第1貫通孔(31)内に挿設され、第1ガイド孔セグメント(311)が第1ガイドセグメント(23)に係合されてガイドされ、ねじ孔セグメント(312)がねじセグメント(24)に螺合され、第2ガイド孔セグメント(313)が第2ガイドセグメント(25)に係合されてガイドされるナット座(30)と、を含む電子膨張弁は、従来技術におけるスピンドルと弁口との同軸度が悪いという問題を解決することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容室(11)及び弁口(12)を有し、前記収容室(11)が前記弁口(12)に連通される弁ハウジング(10)と、
対向して設けられた第1端及び第2端を有するスピンドル(20)であって、第2端(22)が前記弁口(12)を封止又は開放し、順に設けられた第1ガイドセグメント(23)、ねじセグメント(24)及び第2ガイドセグメント(25)を含み、前記第1ガイドセグメント(23)は前記スピンドルの第1端(21)に近接して設けられ、前記第2ガイドセグメント(25)は前記スピンドルの第2端(22)に近接して設けられたスピンドル(20)と、
前記収容室(11)内に設けられ且つ前記弁ハウジング(10)に固定接続され、順に設けられた第1ガイド孔セグメント(311)、ねじ孔セグメント(312)及び第2ガイド孔セグメント(313)を含む第1貫通孔(31)が設けられており、前記スピンドル(20)が前記第1貫通孔(31)内に挿設され、前記第1ガイド孔セグメント(311)が前記第1ガイドセグメント(23)に係合されてガイドされ、前記ねじ孔セグメント(312)が前記ねじセグメント(24)に螺合され、前記第2ガイド孔セグメント(313)が前記第2ガイドセグメント(25)に係合されてガイドされるナット座(30)と、を含む電子膨張弁。
【請求項2】
前記第1ガイド孔セグメント(311)と前記第1ガイドセグメント(23)とがクリアランスフィットされ、前記第2ガイド孔セグメント(313)と前記第2ガイドセグメント(25)とがクリアランスフィットされる、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項3】
前記第1ガイドセグメント(23)の直径が前記ねじセグメント(24)の直径より大きく、前記ねじセグメント(24)の直径が前記第2ガイドセグメント(25)の直径より大きい、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項4】
前記ナット座(30)には、前記第1貫通孔(31)に連通される通気孔(32)が設けられている、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項5】
前記ねじ孔セグメント(312)と前記第2ガイド孔セグメント(313)との間に、第1孔セグメント(314)が設けられており、前記第1孔セグメント(314)の内径は、前記第2ガイド孔セグメント(313)の内径より大きく且つ前記ねじ孔セグメント(312)の内径より小さく、前記通気孔(32)は前記第1孔セグメント(314)の側壁に設けられる、請求項4に記載の電子膨張弁。
【請求項6】
前記スピンドル(20)は、前記第1ガイドセグメント(23)の、前記ねじセグメント(24)から離れた側に設けられた第3ガイドセグメント(26)を更に含み、
前記収容室(11)内に設けられ、且つ前記第3ガイドセグメント(26)に固定接続された磁気ロータ(40)を更に含む、請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項7】
前記第3ガイドセグメントの直径が前記第1ガイドセグメントの直径より小さい、請求項6に記載の電子膨張弁。
【請求項8】
接続板(50)を更に含み、前記接続板(50)は、前記磁気ロータ(40)内に設けられ、外周縁が前記磁気ロータ(40)に固定接続され、前記接続板(50)に第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔と前記第1貫通孔(31)とが同軸に設けられ、前記第3ガイドセグメント(26)が前記第2貫通孔内に挿設され且つ前記第2貫通孔の内壁に固定接続される、請求項6に記載の電子膨張弁。
【請求項9】
ストッパ(60)を更に含み、前記ストッパ(60)と前記ナット座(30)との間に止め構造が設けられており、前記ストッパ(60)の上面が前記接続板(50)の底面に固定接続され、前記ストッパ(60)に第3貫通孔(61)が設けられており、前記第3貫通孔(61)は互いに連通された第2孔セグメント(611)と第3孔セグメント(612)とを含み、前記第2孔セグメント(611)の内径が前記第3孔セグメント(612)の内径より小さく、前記第3ガイドセグメント(26)が前記第3貫通孔(61)内に挿設され、前記第3ガイドセグメント(26)と前記第2孔セグメント(611)とがトランジションフィットされる、請求項8に記載の電子膨張弁。
【請求項10】
前記止め構造は、前記第1貫通孔(31)の軸方向に沿って間隔をおいて前記第3孔セグメント(612)の内壁に設けられた第1止め突部(71)及び第2止め突部(72)と、
前記ナット座(30)の外側壁に設けられ、且つ前記第1止め突部(71)と第2止め突部(72)との間に位置している止め部(73)とを含み、
前記スピンドル(20)は、前記弁口(12)を開放する最大開度位置、及び前記弁口(12)を封止する閉鎖位置を有し、前記スピンドル(20)が前記閉鎖位置に移動したとき、前記第1止め突部(71)は前記止め部(73)に当接され、前記スピンドル(20)が前記最大開度位置に移動したとき、前記第2止め突部(72)は前記止め部(73)に当接される、請求項9に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月19日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122862189.3であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願は膨張弁の技術分野に関し、具体的には、電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、電子膨張弁のスピンドルに雄ねじが設けられており、この雄ねじがナット座の雌ねじに螺合され、スピンドルがナット座に対して回転することで弁口を封止又は開放する。しかしながら従来の装置は、構造が簡単であるため、スピンドルと弁口との間の同軸度が比較的悪く、更には電子膨張弁全体の制御精度を低下させる。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、従来技術におけるスピンドルと弁口との同軸度が悪いという課題を解決するための電子膨張弁を提供する。
【0005】
本出願は、収容室及び弁口を有し、収容室が弁口に連通される弁ハウジングと、対向して設けられた第1端及び第2端を有するスピンドルであって、第2端が弁口を封止又は開放し、順に設けられた第1ガイドセグメント、ねじセグメント及び第2ガイドセグメントを含み、第1ガイドセグメントはスピンドルの第1端に近接して設けられ、第2ガイドセグメントはスピンドルの第2端に近接して設けられたスピンドルと、収容室内に設けられ且つ弁ハウジングに固定接続され、順に設けられた第1ガイド孔セグメント、ねじ孔セグメント及び第2ガイド孔セグメントを含む第1貫通孔が設けられており、スピンドルが第1貫通孔内に挿設され、第1ガイド孔セグメントが第1ガイドセグメントに係合されてガイドされ、ねじ孔セグメントがねじセグメントに螺合され、第2ガイド孔セグメントが第2ガイドセグメントに係合されてガイドされるナット座と、を含む電子膨張弁を提供する。
【0006】
本出願の技術態様を適用すると、第1ガイド孔セグメントを第1ガイドセグメントに係合させてガイドし、且つ第1ガイドセグメントをスピンドルの第1端に近接させて設けることにより、スピンドル、特にスピンドルの第1端に近接した部位をガイドすることができ、そして第2ガイド孔セグメントを第2ガイドセグメントに係合させてガイドし、且つ第2ガイドセグメントをスピンドルの第2端に近接させて設けることにより、スピンドルの、スピンドルの第2端に近接した部位をガイドすることができ、スピンドルの両端のガイド構造の係合により、スピンドルと弁口との同軸度を比較的高く維持し、これにより電子膨張弁全体の制御精度を向上させることができる。
【0007】
更に、第1ガイド孔セグメントと第1ガイドセグメントとがクリアランスフィットされ、第2ガイド孔セグメントと第2ガイドセグメントとがクリアランスフィットされる。このようにすると、スピンドルの安定的な移動を確保するとともに、スピンドルに対するガイド効果を確保することができる。
【0008】
更に、第1ガイドセグメントの直径がねじセグメントの直径より大きく、ねじセグメントの直径が第2ガイドセグメントの直径より大きい。このように設計すると、スピンドルを第1貫通孔の上方から第1貫通孔内に取り付けることが容易になり、取り付けの効率を向上させる。
【0009】
更に、ナット座には、第1貫通孔に連通される通気孔が設けられている。通気孔は、第1貫通孔内及び収容室内の気圧を均衡化して、スピンドルを円滑に移動させるために用いられる。
【0010】
更に、ねじ孔セグメントと第2ガイド孔セグメントとの間に第1孔セグメントが設けられており、第1孔セグメントの内径は、第2ガイド孔セグメントの内径より大きく且つねじ孔セグメントの内径より小さく、通気孔は第1孔セグメントの側壁に設けられる。このようにすると、第1貫通孔及び収容室内の気圧を良好に均衡化することができる。
【0011】
更に、スピンドルは、第1ガイドセグメントのねじセグメントから離れた側に設けられた第3ガイドセグメントを更に含み、電子膨張弁は、収容室内に設けられ、且つ第3ガイドセグメントに固定接続された磁気ロータを更に含む。磁気ロータが回転するとき、第3ガイドセグメント及びスピンドルを連動して回転させ、スピンドルをナット座に対して回転させ且つ軸方向に沿って移動させる。
【0012】
更に、第3ガイドセグメントの直径が第1ガイドセグメントの直径より小さい。このように設計すると、電子膨張弁の構造がコンパクトになり、体積を小さくすることができる。
【0013】
更に、電子膨張弁は、磁気ロータ内に設けられ、外周縁が磁気ロータに固定接続された接続板を更に含み、接続板に第2貫通孔が設けられ、第2貫通孔と第1貫通孔とが同軸に設けられ、第3ガイドセグメントが第2貫通孔内に挿設され且つ第2貫通孔の内壁に固定接続される。接続板を設けることで、第3ガイドセグメントと磁気ロータとの接続安定性を強化する。
【0014】
更に、電子膨張弁は、ストッパを更に含み、ストッパとナット座との間に止め構造が設けられており、ストッパの上面が接続板の底面に固定接続され、ストッパに第3貫通孔が設けられており、第3貫通孔は互いに連通された第2孔セグメントと第3孔セグメントとを含み、第2孔セグメントの内径が第3孔セグメントの内径より小さく、第3ガイドセグメントが第3貫通孔内に挿設され、第3ガイドセグメントと第2孔セグメントとがトランジションフィットされる。第3ガイドセグメントと第2孔セグメントとがトランジションフィットされるため、第2孔セグメントは第3ガイドセグメントをガイドすることができる。
【0015】
更に、止め構造は、第1貫通孔の軸方向に沿って間隔をおいて第3孔セグメントの内壁に設けられた第1止め突部及び第2止め突部と、ナット座の外側壁に設けられ、且つ第1止め突部と第2止め突部との間に位置している止め部とを含み、スピンドルは、弁口を開放する最大開度位置、及び弁口を封止する閉鎖位置を有し、スピンドルが閉鎖位置に移動したとき、第1止め突部は止め部に当接され、スピンドルが最大開度位置に移動したとき、第2止め突部は止め部に当接される。このように設計すると、スピンドルの上下移動の範囲が決められ、スピンドルの上昇変位が高すぎて弁体の体積が過大となることを回避するとともに、スピンドルが降下する際に弁口に衝撃を与えてスピンドル又は弁口を損傷させることを回避し、電子膨張弁の使用寿命を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0017】
【
図1】本出願で提供される電子膨張弁の断面図を示す。
【
図2】本出願で提供されるスピンドルの構造模式図を示す。
【
図3】本出願で提供されるナット座の断面図を示す。
【
図4】本出願で提供されるナット座の構造模式図を示す。
【
図5】本出願で提供されるストッパの構造模式図を示す。
【0018】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 弁ハウジング、11 収容室、12 弁口、20 スピンドル、21 スピンドルの第1端、22 スピンドルの第2端、23 第1ガイドセグメント、24 ねじセグメント、25 第2ガイドセグメント、26 第3ガイドセグメント、30 ナット座、31 第1貫通孔、311 第1ガイド孔セグメント、312 ねじ孔セグメント、313 第2ガイド孔セグメント、314 第1孔セグメント、32 通気孔、40 磁気ロータ、50 接続板、60 ストッパ、61 第3貫通孔、611 第2孔セグメント、612 第3孔セグメント、71 第1止め突部、72 第2止め突部、73 止め部。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様を明瞭且つ完全に記述するが、記述される実施例は、単に本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。以下、少なくとも1つの例示的な実施例の記述は、実際には、単に説明的なものにすぎず、本出願及びその適用又は使用に対して何ら制限するものではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
【0020】
図1から
図4に示すように、本出願の実施例は、弁ハウジング10、スピンドル20及びナット座30を含む電子膨張弁を提供する。弁ハウジング10は、収容室11及び弁口12を有し、収容室11が弁口12に連通される。スピンドル20は、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、スピンドルの第2端22が弁口12を封止又は開放することで、流体が弁口12を流れる流速を制御することができる。スピンドル20は、順に設けられた第1ガイドセグメント23、ねじセグメント24及び第2ガイドセグメント25を含み、第1ガイドセグメント23はスピンドルの第1端21に近接して設けられ、第2ガイドセグメント25はスピンドルの第2端22に近接して設けられ、ナット座30は、収容室11内に設けられ且つ弁ハウジング10に固定接続され、ナット座30に順に設けられた第1ガイド孔セグメント311、ねじ孔セグメント312及び第2ガイド孔セグメント313を含む第1貫通孔31が設けられており、スピンドル20が第1貫通孔31内に挿設され、第1ガイド孔セグメント311が第1ガイドセグメント23に係合されてガイドされ、ねじ孔セグメント312がねじセグメント24に螺合され、第2ガイド孔セグメント313が第2ガイドセグメント25に係合されてガイドされる。ねじ孔セグメント312がねじセグメント24に螺合されて、スピンドル20をナット座30回りに回転させ且つスピンドル20がナット座30に対して軸方向に沿って移動させる。第1ガイド孔セグメント311が第1ガイドセグメント23係合されてガイドされ、第2ガイド孔セグメント313が第2ガイドセグメント25に係合されてガイドされることにより、スピンドル20が移動過程で弁口12と同軸に設けられるように維持する。
【0021】
本出願の技術態様を適用すると、第1ガイド孔セグメント311を第1ガイドセグメント23に係合させてガイドし、且つ第1ガイドセグメント23をスピンドルの第1端21に近接させて設けることにより、スピンドル20、特にスピンドルの第1端21に近接した部位をガイドすることができ、そして第2ガイド孔セグメント313を第2ガイドセグメント25に係合させてガイドし、且つ第2ガイドセグメント25をスピンドルの第2端22に近接させて設けることにより、スピンドル20の、スピンドルの第2端22に近接した部位をガイドすることができ、スピンドルの両端のガイド構造の係合により、スピンドル20と弁口12との比較的高い同軸度を維持し、これにより電子膨張弁全体の制御精度を向上させることができる。
【0022】
具体的には、第1ガイド孔セグメント311が第1ガイドセグメント23にクリアランスフィットされ、第2ガイド孔セグメント313が第2ガイドセグメント25にクリアランスフィットされる。このようにすると、スピンドル20の安定的な移動を確保するとともに、スピンドル20に対するガイド効果を確保し、スピンドル20と弁口12との同軸度を更に向上させることができる。選択的に、第1ガイド孔セグメント311と第1ガイドセグメント23との間の隙間のとりうる値の範囲が0.05mm~0.1mmであることにより、第1ガイド孔セグメント311が第1ガイドセグメント23に係合されてスピンドル20に対して比較的良好なガイド作用を発揮するようにし、且つスピンドル20が移動するとき、第1ガイドセグメント23と第1ガイド孔セグメント311との間の移動抵抗が比較的小さいようにする。選択的に、第2ガイド孔セグメント313と第2ガイドセグメント25との間の隙間のとりうる値の範囲が0.01mm~0.09mmであることにより、スピンドル20に対して比較的良好なガイド作用を発揮し、且つスピンドル20が移動するとき、第2ガイド孔セグメント313と第2ガイドセグメント25との間の移動抵抗が比較的小さいようにする。
【0023】
具体的には、第1ガイドセグメント23の直径がねじセグメント24の直径より大きく、ねじセグメント24の直径が第2ガイドセグメント25の直径より大きい。更に、第2ガイドセグメント25の直径がスピンドルの第2端22の端部の直径より大きい。このように設計すると、スピンドル20を第1貫通孔31の上方から第1貫通孔31内に取り付けることが容易になることにより、ナット座30を弁ハウジング10に固定してからスピンドル20を取り付けることができ、電子膨張弁を組み立てることが容易になり、取り付け効率を向上させる。他の実施例において、第1ガイドセグメント23の直径がねじセグメント24の直径より小さく、ねじセグメント24の直径が第2ガイドセグメント25の直径より小さく、スピンドル20を第1貫通孔31の下方から第1貫通孔31内に取り付けるようにしてもよい。
【0024】
本実施例において、ナット座30には、第1貫通孔31に連通される通気孔32が設けられている。通気孔32を設けることにより、第1貫通孔31内及び収容室11内の気圧を均衡化することができ、更に、圧力差によるスピンドル20に対する抵抗を除去又は低減させることができるので、スピンドル20がナット座30内をスムーズに移動することができる。
【0025】
本実施例において、ねじ孔セグメント312と第2ガイド孔セグメント313との間に第1孔セグメント314が設けられており、第1孔セグメント314の内径は、第2ガイド孔セグメント313の内径より大きく且つねじ孔セグメント312の内径より小さく、通気孔32は第1孔セグメント314の側壁に設けられる。上記の構造を用いると、弁芯20の第2ガイドセグメント25が第1孔セグメント314内に設けられ、且つ第1孔セグメント314と第2ガイドセグメント25との間に比較的大きな空隙を有するため、通気孔32の通気効果が比較的良好になり、更には第1貫通孔31及び収容室11内の気圧を比較的良好に均衡化することができる。他の実施例において、通気孔32は、第2ガイド孔セグメント313又はねじ孔セグメント312の側壁に設けられてもよい。
【0026】
本実施例において、スピンドル20は、第1ガイドセグメント23のねじセグメント24から離れた側に設けられた第3ガイドセグメント26を更に含み、電子膨張弁は、収容室11内に設けられ、且つ第3ガイドセグメント26に固定接続された磁気ロータ40を更に含む。磁気ロータ40が回転するとき、第3ガイドセグメント26及びスピンドル20を連動して回転させて、スピンドル20をナット座30に対して回転させ且つ軸方向に沿って移動させる。
【0027】
具体的には、第3ガイドセグメント26の直径が第1ガイドセグメント23の直径より小さい。このようにすると、他の構造を回避し、第3ガイドセグメント26と電子膨張弁の他の構造との干渉を防止することができるだけでなく、電子膨張弁の構造がコンパクトになり、体積を小さくすることもできる。
【0028】
本実施例において、電子膨張弁は接続板50を更に含み、接続板50は、磁気ロータ40内に設けられ、外周縁が磁気ロータ40に固定接続され、接続板50に第2貫通孔が設けられ、第2貫通孔と第1貫通孔31とが同軸に設けられ、第3ガイドセグメント26が第2貫通孔内に挿設され且つ第2貫通孔の内壁に固定接続される。接続板50を設けることで、第3ガイドセグメント26と磁気ロータ40との接続安定性を強化する。接続板50は、磁気ロータ40と一体化して設けられてもよく、溶接により第3ガイドセグメント26に固定接続されてもよい。
【0029】
図5に示すように、本実施例において、電子膨張弁は、ストッパ60を更に含み、ストッパ60とナット座30との間に止め構造が設けられており、ストッパ60の上面が接続板50の底面に固定接続され、ストッパ60に第3貫通孔61が設けられており、第3貫通孔61は互いに連通された第2孔セグメント611と第3孔セグメント612とを含み、第2孔セグメント611の内径が第3孔セグメント612の内径より小さく、第3ガイドセグメント26が第3貫通孔61内に挿設され、第3ガイドセグメント26と第2孔セグメント611とがトランジションフィットされる。ストッパ60の第3貫通孔61と第2貫通孔とは同軸に設けられる。第3ガイドセグメント26と第2孔セグメント611とがトランジションフィットされるため、第2孔セグメント611は第3ガイドセグメント26をガイドして、スピンドル20と弁口12との同軸度を更に向上させることができる。
【0030】
具体的には、止め構造は、第1止め突部71、第2止め突部72及び止め部73を含み、第1止め突部71及び第2止め突部72は、第1貫通孔31の軸方向に沿って間隔をおいて第3孔セグメント612の内壁に設けられ、止め部73は、ナット座30の外側壁に設けられ、且つ第1止め突部71と第2止め突部72との間に位置し、スピンドル20は、弁口12を開放最大開度位置、及び弁口12を封止する閉鎖位置を有し、スピンドル20が閉鎖位置に移動したとき、第1止め突部71は止め部73に当接され、スピンドル20が最大開度位置に移動したとき、第2止め突部72は止め部73に当接される。本実施例において、第1止め突部71は第2止め突部72の上方に位置し、ナット座30の外側壁に止め部73が設けられ、止め部73が第1止め突部71に当接されるとき、スピンドル20は最低位置まで移動して弁口12を封止し、流体が通過することを阻止し、止め部73が第2止め突部72に当接されるとき、スピンドル20は最高位置まで移動し、スピンドル20と弁口12との間の開度が最大となる。このように設計すると、スピンドル20の上下移動の範囲が決められ、スピンドル20の上昇変位が高すぎて弁体の体積が過大となることを回避するとともに、スピンドル20が降下する際に弁口12に衝撃を与えてスピンドル20又は弁口12を損傷させることを回避し、電子膨張弁の使用寿命を向上させる。
【0031】
ここで用いられる用語は、具体的な実施形態を説明するためのものにすぎず、本出願による例示的な実施形態を限定することを意図するものではないことに注意すべきである。ここで用いられるように、文脈上明確な指摘がなされていない限り、単数形式は複数形式を含むことも意図し、更に、本明細書において、「包含する」及び/又は「含む」という用語が用いられる場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はそれらの組み合わせが存在することを意味することも理解されるべきである。
【0032】
特に具体的に説明しない限り、これらの実施例に記載された部材及びステップの相対的な配置、数式及び数値は、本出願の範囲を限定するものではない。同時に、説明の便宜上、図面に示す各部分の寸法は実際の比率関係で描かれたものではないことは理解されるべきである。当業者に既に知られている技術、方法及び機器については詳細な説明を省略する場合があるが、必要に応じて、当該技術、方法及び機器は、承認された明細書の一部としてみなされるべきである。ここで示し、且つ説明した全ての例では、いずれの具体的な値も例示的なものにすぎず、限定するためのものではないと解釈すべきである。従って、例示的な実施例の他の例は、異なる値を有してもよい。類似した符号及び文字は、以下の図面において類似したものを表すため、あるものが1つの図面において定義されると、その後の図面においては、それについて更に説明する必要がないことに注意すべきである。
【0033】
本出願の説明において、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縦方向、垂直、水平」及び「頂、底」等のような方位用語で表される方位又は位置関係は、一般的に、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであるが、本出願の説明を容易にし、且つ簡潔にするためのものにすぎず、逆の説明がない場合、これらの方位用語は、示された装置又は素子が必ずしも特定の方位を有するか、あるいは、特定の方位で構成し操作されることを示し且つ暗示するものではないため、本出願の保護範囲を限定するものとして理解されるべきではなく、「内、外」という方位用語は、各部材自体の輪郭に対する内、外である。
【0034】
説明の便宜上、ここでは「…の上に」、「…の上方に」、「…の上面に」、「上の」等のような空間相対用語を用いて、図に示すような1つのデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を説明することができる。空間相対用語は、デバイスの図に記載された方位以外の、使用又は操作中の異なる方位を包含することを意図するものであることは理解されるべきである。例えば、図面中のデバイスの上下が逆さまになると、「他のデバイス又は構造の上方に」又は「他のデバイス又は構造の上に」と説明されたデバイスは、その後「他のデバイス又は構造の下方に」又は「他のデバイス又は構造の下に」と位置付けられることになる。よって、例示的な用語「…の上方に」は、「…の上方に」及び「…の下方に」の2つの方位を含むことができる。このデバイスは、他の異なる方法で位置付けし(90度回転又は他の方位に位置させ)、且つここで用いられる空間の相対的な説明について対応する解釈を行うこともできる。
【0035】
更に、説明すべきこととして、「第1」、「第2」等の用語を用いて部品を限定することは、対応する部品を区別するためのものにすぎず、特に説明がない限り、上記用語は特別な意味を持たないため、本出願の保護範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0036】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の精神及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等はいずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】