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特表2024-539063圧縮空気の露点を間接的に決定する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】圧縮空気の露点を間接的に決定する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/22 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
G01N27/22 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523156
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 IB2022059929
(87)【国際公開番号】W WO2023073493
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】BE2021/5834
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【弁理士】
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デン ウィンガート トーマス
【テーマコード(参考)】
2G060
【Fターム(参考)】
2G060AA01
2G060AB02
2G060AC01
2G060AF10
2G060BA09
2G060HB06
2G060JA02
2G060KA04
(57)【要約】
一実施形態によれば、本発明は、特定の動作圧力での圧縮空気の露点(103)を間接的に決定するための装置を備え、装置は、相対湿度(104)を測定するための容量センサ(508)と、圧縮空気の画分を加熱及び冷却するための加熱要素(510)と、測定された相対湿度に基づいて加熱要素(510)を制御するための制御装置と、画分の温度を決定するための温度センサ(509)と、を備え、制御装置は、加熱要素(510)を制御するようにさらに構成されており、画分は、画分の温度に基づいて露点を決定することができるように、所定の一定の相対湿度に維持されるようになっている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対湿度(104)を測定するように構成された容量センサ(508、509)を用いて、特定の動作圧力での圧縮空気の露点(103)を間接的に決定するための方法であって、前記方法は、
前記圧縮空気の画分を分離するステップと、
前記容量センサを使用して、前記画分の相対湿度(104)を測定するステップと、
所定の一定の相対湿度に維持されるように、前記画分の温度(101)を変化させるステップと、
前記画分の前記温度(101)を測定するステップと、
を反復的に繰り返し、
前記露点(103)は、前記温度(101)に基づいて決定される、方法。
【請求項2】
前記温度(101)を変化させるステップは、ペルチェ素子(510)によって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ペルチェ素子(510)は、PID制御器によって制御される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の一定の相対湿度は、前記容量センサ(508)の最小測定誤差(302、304)に対応する値を含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記所定の一定の相対湿度は、少なくとも15%、好ましくは15%の値を含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
特定の動作圧力での圧縮空気の露点(103)を間接的に決定するための装置であって、
相対湿度(104)を測定するように構成された容量センサ(508)と、
前記圧縮空気の画分を加熱及び冷却するように構成された加熱要素(510)と、
測定された相対湿度に基づいて、前記加熱要素(510)を制御するように構成された制御装置と、
前記画分の温度を決定するための温度センサ(509)と、
を備え、
前記制御装置は、前記加熱要素(510)を制御するようにさらに構成されており、前記画分は、前記画分の温度に基づいて前記露点を決定することができるように、所定の一定の相対湿度に維持されるようになっている、装置。
【請求項7】
前記容量センサ(508)は、前記画分を分離するための空洞を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記加熱素子(510)は、前記容量センサ(508)と直接接触している、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記加熱素子(510)は、ペルチェ素子を含む、請求項6から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記温度に基づいて前記露点を計算するように構成された中央処理ユニット(515)をさらに備える、請求項6から9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記中央処理ユニット(515)は、ルックアップテーブルによって前記露点を決定するようにさらに構成されている、請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気の露点を決定する分野に属し、より具体的には、圧縮機によって生成された圧縮空気の露点を決定する分野に属する。
【背景技術】
【0002】
圧縮空気は、圧縮機によって空気を圧縮することによって生成される空気である。圧縮空気は、例えば、機械及び工具の動力供給、吹き付けによる部品の洗浄、タイヤを膨らませるなど、様々な用途に使用されている。さらに、呼吸作用などの医療目的又は食品産業にも使用される。
【0003】
用途によっては、圧縮空気中の水分含量(露点の関数として表される)に関して厳しい品質要件が課されることになる。露点とは、空気が水蒸気を保持できなくなり、水滴が形成され始める温度である。換言すれば、(不飽和)空気の露点とは、空気が水蒸気で飽和状態に達して露が形成されるように、同じ蒸気圧で、その空気を冷却する必要がある温度である。
【0004】
圧縮空気が一定の品質要件を満たしているか否かを確認するために、露点が測定される。露点を測定する方法として、本技術分野では2つの方法が知られている。
【0005】
一方において、いわゆるミラー法があり、これは、圧縮空気の画分(fraction)をミラーで冷却することで結露させる。結露が発生した瞬間のミラーの温度は、圧縮空気の露点に相当する。本方法は、特に米国19480035275号に記載されている。
【0006】
本方法の精度は高いが、第1の欠点は、ミラーの不純物がこの精度に悪影響を及ぼすことである。その結果、このようなミラーを備えた装置は、一定期間ごとに、ミラーを温める、完全に洗浄する、又はその両方を組み合わせることで、再較正する必要がある。別の欠点は、結露の瞬間を目視で決定する必要があることである。これはレーザー技術などで自動的に行うこともできるが、装置の複雑さが増大する。その結果、本方法は経済的な観点から、必ずしも効率的ではない。
【0007】
あるいは、国際公開第2001/042776号に開示されているように、容量式湿度計を用いて圧縮空気の相対湿度を測定することによって露点を決定することができる。このような湿度計は、電極を備える容量センサを備え、2つの電極間のインピーダンスが相対湿度に比例する。露点は、この相対湿度と温度に基づいて決定することができる。この決定は、湿り空気線図に基づいて、変換式を用いて及び/又はルックアップテーブルを用いて行うことができる。
【0008】
露点は、相対湿度の尺度であるコンデンサの充放電周波数に基づく容量センサによって決定することもできる。
【0009】
この容量式露点測定は比較的簡単であるため安価であるが、精度が低いという欠点がある。加えて、相対湿度が低くなると精度が低くなる、換言すれば測定誤差が大きくなる。しかしながら、圧縮空気の使用者は多くの場合、低い相対湿度を品質要件として課しているため、本方法は技術的観点から必ずしも効率的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国19480035275号
【特許文献2】国際公開第2001/042776号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、相対湿度が低い圧縮空気の露点を測定するための改良された方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、圧縮空気の露点を正確に測定するための、及び上記の特定の欠点を解消する方法及び装置を提供することである。
【0013】
この目的は、本発明の第1の態様によれば、請求項1に記載の方法を提供することによって達成される。
【0014】
本発明は、相対湿度を測定するように構成された容量センサを用いて、特定の動作圧力での圧縮空気の露点を間接的に決定する方法を含み、本方法は、圧縮空気の画分を分離するステップと、容量センサを使用して画分の相対湿度を測定するステップと、所定の一定の相対湿度に維持されるように画分の温度を変化させるステップと、画分の温度を測定するステップと、を反復的に繰り返し、露点は温度に基づいて決定される。
【0015】
分離された空気画分は、露点を決定する必要がある圧縮空気の代表的な画分である。例えば、圧縮空気の画分は、これが定期的に受動的に補充されるキャビティ又は空洞のような空間で分離される。換言すれば、以下の方法ステップを反復的に繰り返すことによって、画分は圧縮空気の特性を依然として代表する。
【0016】
次のステップは、この画分の相対湿度を測定することであり、従って、圧縮空気自体の相対湿度を代表する。この測定は、本技術分野で知られているように、容量センサによって行われる。従って、この測定は、迅速かつ簡単な方法で行うことができる。
【0017】
本発明の次のステップでは、画分の温度を連続的に変化させる。換言すれば、画分は、後述するように、所望の結果に応じて加熱又は冷却される。
【0018】
温度の変化、結果として所望の結果を制御することは、相対湿度の測定値によって決定される。温度を変化させる目的は、画分の相対湿度を一定値に維持することである。換言すれば、温度変化を制御する制御装置の設定値は、予め設定された一定の相対湿度であり、測定値は容量センサに由来する。
【0019】
圧縮機が定常領域で動作すると、品質要件、従って圧縮空気を特に露点などの観点から説明する特性は、一定値に収束する。画分が維持される温度は、結果として制御された動的システムの観点から一定値に収束することになる。
【0020】
さらに、この一定値は、測定値に基づいて動的システムを管理するために、制御技術の当業者に知られているように、変動を示す可能性があることを理解されたい。
【0021】
続いて、露点を決定するための基礎となる画分の温度が測定される。
【0022】
温度に基づいて露点を決定することは、変換式、ルックアップテーブル、又は湿り空気線図に基づいて行うことができる。このようにして、露点は間接的に決定される。
【0023】
画分を冷却又は加熱することで、温度は変化するが露点は変化しないことに留意されたい。これは湿り空気線図によって説明できる。水分の供給又は低減がなく、圧力が一定の場合、加熱又は冷却は、当該湿り空気線図上の水平線で表すことができ、水平線は露点が等しい空気に対応する。
【0024】
この方法の利点は、容量センサを使用することにより、低い相対湿度レベルでの測定精度の低さなどの欠点を回避しながら、経済的に効率的な方法で露点を決定できることである。例えば、予め設定された一定の相対湿度は、センサの最小測定誤差、すなわち最大測定精度に対応する値に設定することができる。容量センサの技術文書によれば、この値は好ましくは相対湿度15%以上の値に等しい。
【0025】
所定の一定の相対湿度は、圧縮機の技術仕様に従って設定することもできる。換言すれば、相対湿度を一定値に維持するために、画分の温度を最小限に変化させる必要があると予想することができる値である。
【0026】
画分の温度を変えることは、ペルチェ素子を使用して行うことができる。ペルチェ素子は、能動的熱電素子又はペルチェ・ゼーベック素子とも呼ばれ、熱を冷たい場所から温かい場所へ、及び/又はその逆方向に移動させる加熱要素又は電気部品である。従って、画分の温度を変えること、換言すれば加熱又は冷却することができる。
【0027】
ペルチェ素子は、次に、設定値が所定の一定の相対湿度である制御装置によって制御されることになる。この制御装置は、例えばPID制御装置、又はペルチェ素子を制御するのに適した他の制御装置であり、さらに画分を一定の相対湿度に保つのに適したものである。
【0028】
本発明の第2の態様によれば、請求項6に記載の装置が提供される。
【0029】
本発明は、所定の動作圧力での圧縮空気の露点を間接的に決定するための装置をさらに備え、装置は、相対湿度を測定するように構成された容量センサと、圧縮空気の画分を加熱及び冷却するように構成された加熱素子と、測定された相対湿度に基づいて加熱素子を制御するように構成された制御装置と、画分の温度を決定するための温度センサと、を備え、制御装置は、加熱素子を制御するようにさらに構成されており、画分は、画分の温度に基づいて露点を決定することができるように、所定の一定の相対湿度に維持されるようになっている。
【0030】
一実施形態によれば、装置は、センサハウジングの外側に配置された小さなキャビティ又は空洞をさらに備え、圧縮空気は、この空洞を介して容量センサの活性部分に接触することができる。
【0031】
さらに、一実施形態によれば、加熱素子は容量センサと直接接触することができる。換言すれば、加熱要素及び容量センサは、画分が冷却及び/又は加熱されるだけでなく、センサ自体も直接的に冷却及び/又は加熱されるような熱的接触を形成する。その結果、画分とセンサとの間で熱平衡がより早く達成され、高い測定精度をより早く達成することができる。
【0032】
露点は、装置から温度を読み取り、次に、この読み取り値を外部コンピュータで処理することによって決定することができる。1つの実施形態によれば、装置は、温度に基づいて露点自体を計算するように構成された処理ユニットをさらに備えることができる。このように、ユーザーは、露点を装置から直接読み取ることができる、又は、この直接計算をさらに使用して、圧縮機自体などの他の装置を制御して、課せられた品質要件を満たすことができる。
【0033】
さらに、中央処理ユニットは、ルックアップテーブルによって露点を決定するように構成することもできる。これにより、中央処理ユニットの複雑さが低減され、結果として計算の実行に必要なエネルギーも低減される。
【0034】
以下、本発明は図面を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】湿り空気線図を示す。
図2】異なる空気温度をパラメータとした相対湿度の関数としての露点を示す。
図3】2つの容量センサの測定精度を含む技術仕様を示す。
図4】本発明の装置によって実行された測定値対容量センサの測定値の測定結果を示す。
図5】本発明の装置の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、特定の圧力における湿り空気線図を示す。特定の圧力における空気の状態は、湿り空気線図上で読み取ることができる。この状態は、圧力に加えて、湿球温度、乾球温度、露点、相対湿度、湿度比、比エンタルピー、比容積を含む。
【0037】
乾球温度は横軸101上で読み取ることができる。湿度比は縦軸100上で読み取ることができる。最も左の曲線103は飽和曲線を表す。この飽和曲線上では、湿球温度と露点は、常に乾球温度に対応する。他の曲線104は相対湿度を示す。さらに、線107は比エンタルピーを示す。湿球温度は、斜線112上で読み取ることができる。
【0038】
さらに、特定の空気画分の状態は、湿り空気線図における固有の点に対応する。
【0039】
さらに、図1では、上記の特性の観点からその状態が決定される空気画分を示している。空気画分は、矢印102で示した値に対応する湿度比をもつと仮定する。露点は、湿度比102のこの空気画分から決定される。露点は飽和曲線103から読み取ることができることに留意されたい。
【0040】
相対湿度の測定値と温度の測定値の両方に関して比較的高い測定誤差がある場合、測定可能ゾーンに相当するゾーン106が存在する。空気画分102については、マージンとして点105と109を使用して露点を測定することが可能である。空気画分の温度を低下させると、同時に、相対湿度が上昇するため、センサの測定誤差が減少し、測定ゾーンは108となる。その結果、露点を決定する限界は点110と111に相当し、これは、点105と109で決定されるマージンよりも小さい。
【0041】
さらに、図2は、異なる空気温度をパラメータとした相対湿度の関数としての露点を示す。相対湿度RHは、横軸上に百分率で表され、露点は、縦軸上に摂氏で表されている。さらに、それぞれ30℃、20℃、10℃、0℃の4つの曲線が示されている。この図から、相対湿度が低い領域201では、露点が異なる温度に関して互いに収束していることに注目することができる。従って、低い相対湿度のレベルは、測定が難しいと結論づけることができる。
【0042】
図3は、2つの容量センサ300及び301の測定精度を含む技術仕様を示す。点線303及び305は最大測定誤差を示し、実線302及び304は標準測定誤差を示しており、いずれも相対湿度の関数である。換言すれば、横軸上に相対湿度RH(%)が示され、縦軸上に相対湿度の関数としての測定偏差ΔRH(%RH)が示されている。
【0043】
図3の実例、より詳細にはセンサ300の実例では、相対湿度が非常に低い値では測定誤差が大きいことがわかる。10%RH以下では、標準測定誤差は2%から4%に増加し、最大測定誤差は4%から8%に増加する。また、相対湿度の値が高い場合、測定誤差も大きくなることに留意されたい。センサ300の90%からの相対湿度では、標準測定誤差は2%から4%に、最大測定誤差は4%から8%にそれぞれ増加する。センサ301では、相対湿度が90%を超えると、最大測定誤差は2.5%から4%に増加する。
【0044】
従って、所定の一定の相対湿度の値は、センサの種類、より詳細には測定精度を含む技術仕様に依存することになる。課せられる圧縮空気の品質要件、圧縮機の仕様、センサの測定精度は、この一定の相対湿度の値を設定するために考慮されるものとする。
【0045】
さらに、図4は、本発明の装置による測定値と、相対湿度を直接測定するミラー式露点センサによる測定値の測定結果を示す。測定は数日間にわたって行った。グラフ401はこれらの測定値を示しており、黒の実線は本発明の装置による測定値を示し、灰色の線は露点を直接測定するミラー式露点センサによる測定値を示す。
【0046】
さらに、グラフ400は両測定値の間の差を示す。平均は、偏差ゼロとマイナス2℃の間に位置することに留意されたい。
【0047】
図5は、本発明の装置の一実施形態を示す。装置は、外部通信用の電源付きCANインターフェイス500を備える。CANインターフェイス500はねじ付きであり、さらに六角ナット501を備える。さらに、ねじ山及びナット501は、CANインターフェイス500を経由して、装置を他の装置に外部接続するのに適している。
【0048】
さらに、装置は、制御基板502と、CANインターフェイス500からの電圧をセンサ及びその制御部、ならびにペルチェ素子に適した電圧に変換するための変圧器503とを備える。
【0049】
本実施形態による装置の部分513は、容量センサ508、温度センサ509、ペルチェ素子510、ペルチェ素子510のための制御装置512、制御装置512とセンサ508、509とペルチェ素子510との間の電気接続507、及び、大きな電力が指示される場合にペルチェ素子510を制御する電源を冷却するための冷却フィン506を含む。
【0050】
さらに、装置は、制御基板502と装置の部分513との間に気密接続部504を備える。これにより、周囲空気の影響を受けることなく測定を行うことができる。さらに、装置は、部分513を強固に取り付けるためのねじ山505を備える。
【0051】
さらに、センサ508、509は、ホルダー514に取り付けられており、これは、ペルチェ素子510の一部を形成するリブ511を介してペルチェ素子510と直接接触している。ホルダー514及びリブ511の材料は、好ましくは高い熱伝導率を有し、ペルチェ素子510は、効率的かつ迅速にセンサ508、509を冷却又は加熱できるようになっている。
【0052】
さらに、装置は、露点を計算する処理ユニット515を備えることができる。これは、予めプログラムされたルックアップテーブルに基づいて行うことができ、この場合、唯一の変数である温度が露点に一意に対応するため、計算能力はほとんど必要とされない。
【0053】
精度を高めるために、処理ユニット515は、以下の変換式によって露点を計算するようにさらに構成することができ、
X=1-(0,01×RH)
K=-(14,55+0,114×Tc)×X-((2,5+0,007×Tc)×X)3-(15,9+0,117×Tc)×X14
d=(K×1,8)+32
ここで、RHは相対湿度、Tcは測定温度、Tdは計算露点である。RHの値としては、予め設定された一定の相対湿度を選択すること、又は精度を上げるためにセンサからの測定値を使用することができる。
【0054】
本発明は、例示的に説明され、図示された実施形態に限定されるものではなく、本発明による方法及び装置は、本発明の範囲を逸脱することなく、あらゆる種類の形状及び寸法で実現することができる。
【符号の説明】
【0055】
103 露点
104 相対湿度
508 容量センサ
509 温度センサ
510 加熱要素
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対湿度(104)を測定するように構成された容量センサ(508、509)を用いて、特定の動作圧力での圧縮空気の露点(103)を間接的に決定するための方法であって、前記方法は、
前記圧縮空気の画分を分離するステップと、
前記容量センサを使用して、前記画分の相対湿度(104)を測定するステップと、
所定の一定の相対湿度に維持されるように、前記画分の温度(101)を変化させるステップと、
前記画分の前記温度(101)を測定するステップと、
を反復的に繰り返し、
前記露点(103)は、前記温度(101)に基づいて決定される、方法。
【請求項2】
前記温度(101)を変化させるステップは、ペルチェ素子(510)によって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ペルチェ素子(510)は、PID制御器によって制御される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の一定の相対湿度は、前記容量センサ(508)の最小測定誤差(302、304)に対応する値を含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記所定の一定の相対湿度は、少なくとも15%、好ましくは15%の値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
特定の動作圧力での圧縮空気の露点(103)を間接的に決定するための装置であって、
相対湿度(104)を測定するように構成された容量センサ(508)と、
前記圧縮空気の画分を加熱及び冷却するように構成された加熱要素(510)と、
測定された相対湿度に基づいて、前記加熱要素(510)を制御するように構成された制御装置と、
前記画分の温度を決定するための温度センサ(509)と、
を備え、
前記制御装置は、前記加熱要素(510)を制御するようにさらに構成されており、前記画分は、前記画分の温度に基づいて前記露点を決定することができるように、所定の一定の相対湿度に維持されるようになっている、装置。
【請求項7】
前記容量センサ(508)は、前記画分を分離するための空洞を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記加熱素子(510)は、前記容量センサ(508)と直接接触している、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記加熱素子(510)は、ペルチェ素子を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記温度に基づいて前記露点を計算するように構成された中央処理ユニット(515)をさらに備える、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
前記中央処理ユニット(515)は、ルックアップテーブルによって前記露点を決定するようにさらに構成されている、請求項10に記載の装置。
【国際調査報告】