(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】高度保持器具
(51)【国際特許分類】
B25B 13/54 20060101AFI20241018BHJP
B25B 23/10 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B25B13/54 A
B25B23/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523203
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 US2022044384
(87)【国際公開番号】W WO2023069216
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518381042
【氏名又は名称】グリップ・ホールディングズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100139778
【氏名又は名称】栗原 潔
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ククカ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ステファン・ククカ
【テーマコード(参考)】
3C038
【Fターム(参考)】
3C038AA02
3C038BB04
(57)【要約】
スクリュービット本体は、ソケットファスナーへの効率的なトルク力付与を可能にする。スクリュービット本体は、複数の横方向ブレース側壁と、第1基部と、第2基部とを含む。横方向ブレース側壁は、スクリュービット本体の回転軸を中心として放射状に分布しており、それぞれがさらに、第1側縁、第2側縁、ブレース面、および係合キャビティを含む。係合キャビティは、スクリュービット本体とソケットファスナーとの間に滑りを防止するための追加の把持点を形成する。係合キャビティは、ブレース面を横切り、ブレース面の中に入る。さらに、係合キャビティは、第1基部から第2基部までスクリュービット本体の中を横断している。係合キャビティは、特に、第1側縁から第1距離だけオフセットして配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのスクリュービット本体と、
取付体とを含み、
前記少なくとも1つのスクリュービット本体は、複数の横方向ブレース側壁と、少なくとも1つの平坦な側壁と、第1基部と、第2基部と、少なくとも1つの係合キャビティとを含み、
前記複数の横方向ブレース側壁は、第1側縁と、第2側縁と、ブレース面とを含み、
前記複数の横方向ブレース側壁は、前記少なくとも1つのスクリュービット本体の回転軸を中心として半径方向に配置されており、
前記第1側縁と第2側縁は、前記ブレース面を挟んで互いに反対側に配置されており、
前記第1側縁と第2側縁は、角ばった形状であり、
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記複数の横方向ブレース側壁のうちの少なくとも1つの特定の側壁のブレース面に垂直な方向に入り込むように延在し、
前記少なくとも1つの平らな側壁は、前記少なくとも1つの特定の側壁に隣接して配置されており、
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記第1基部から前記第2基部に向かって少なくとも1つのスクリュービット本体の中に延在し、
前記少なくとも1つの係合キャビティの断面全体が、前記第1の基部および前記第2基部に対して平行であり、
前記取付体は、前記第2基部に隣接して接続されている、
高度保持器具。
【請求項2】
前記少なくとも1つのスクリュービット本体は、第1スクリュービット本体と第2スクリュービット本体とを含み、
前記取付体が、前記第1スクリュービット本体の回転軸の周りに、かつ、該回転軸を中心として配置されており、
前記取付体は、前記第1スクリュービット本体の前記第2基部に隣接して接続されており、
前記第2スクリュービット本体は、前記第1スクリュービット本体と同心に配置されており、
前記第2スクリュービット本体は、前記第1スクリュービット本体の反対側で、前記取付体に隣接して配置されており、
前記取付体は、前記第2スクリュービット本体の前記第2基部に隣接して接続されている、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項3】
前記少なくとも1つのスクリュービット本体は、第1スクリュービット本体と第2スクリュービット本体とを含み、
前記取付体が、前記第1スクリュービット本体の回転軸の周りに、かつ、該回転軸を中心として配置されており、
前記取付体は、前記第1スクリュービット本体の前記第2基部に隣接して接続されており、
前記第2スクリュービット本体は、前記第1スクリュービット本体から所定の取り付け角度をなして配置され、
前記第2スクリュービット本体は、前記第1スクリュービット本体の反対側で、前記取付体に隣接して配置されており、
前記取付体は、前記第2スクリュービット本体の前記第2基部に隣接して接続されている、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項4】
前記少なくとも1つのスクリュービット本体は、前記第1基部から前記第2基部に向かって先細りになっている、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項5】
前記少なくとも1つのスクリュービット本体は、前記第2基部から前記第1基部に向かって先細りになっている、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項6】
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記少なくとも1つの特定の側壁の前記第1側縁から第1距離だけオフセットして配置され、
前記少なくとも1つの特定の側壁のブレース面の第1部分が、前記第1距離に沿って配置され、
前記第1部分は、直線状、凹状、および、凸状から成る群から選択される形状である、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項7】
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記少なくとも1つの特定の側壁の前記第2側縁から第2距離だけオフセットして配置され、
前記少なくとも1つの特定の側壁のブレース面の第2部分が、前記第2距離に沿って配置され、
前記第2部分は、直線状、凹状、および、凸状から成る群から選択される形状である、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項8】
前記少なくとも1つの特定の側壁のブレース面の第2部分は、前記少なくとも1つの特定の側壁のブレース面の第1部分から所定の角度をなして配置される、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項9】
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記少なくとも1つの特定の側壁の前記第1側縁から第1距離だけオフセットして配置され、
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記少なくとも1つの特定の側壁の前記第2側縁から第2距離だけオフセットして配置され、
前記第1距離は前記第2距離と等しい、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項10】
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記少なくとも1つの特定の側撃の前記第1側縁から第1距離だけオフセットして配置され、
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記少なくとも1つの特定の側壁の前記第2側縁から第2距離だけオフセットして配置され、
前記第2距離は前記第1距離より大きい、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項11】
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記少なくとも1つの特定の側撃の前記第1側縁から第1距離だけオフセットして配置され、
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記少なくとも1つの特定の側壁の前記第2側縁から第2距離だけオフセットして配置され、
前記第1距離は前記第2距離より大きい、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項12】
前記ブレース面は、凸部と凹部とを含み、
前記凸部は、前記第1基部に隣接して配置され、
前記凹部は、前記凸部に隣接し、前記第1の基部とは反対側に配置され、
前記凸部および前記凹部は、前記少なくとも1つのスクリュービット本体の回転軸に沿って配向される、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項13】
前記少なくとも1つの係合キャビティの断面全体は、湾曲部と直線部とを含み、
前記湾曲部は、前記少なくとも1つの特定の側壁のブレース面の第1部分に隣接して、前記第1側縁とは反対側の位置に配置され、
前記直線部は、前記湾曲部に隣接して、前記第1部分の反対側の位置に配置され、
前記直線部は、前記湾曲部から前記第2側縁まで延びている、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項14】
前記1つのスクリュービット本体は、複数の断続的な側壁をさらに含み、
前記複数の断続的側壁は、前記該回転軸を中心として半径方向に配置され、
前記複数の断続的側壁は、前記複数の横方ブレース側壁の間に散在している、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項15】
複数の断続的側壁のうちの第1断続的側壁と、第2断続的側壁と、第3断続的側壁とが、前記複数の横方向ブレース側壁のうちの対応する横方向ブレース側壁上に散在しており、前記第1断続的側壁と前記第2断続的側壁はと、互いに垂直に配置され、
前記第3断続的側壁は、前記対応する横方向ブレース側壁の前記少なくとも1つの係合キャビティと前記第2断続的側壁との間に位置する、
請求項14に記載の高度保持器具。
【請求項16】
前記少なくとも1つの特定の側壁は、複数の特定の側壁であり、
前記少なくとも1つの係合キャビティは、複数の係合キャビティであり、
前記複数の係合キャビティのそれぞれは、前記複数の特定の側壁のうちの対応する特定の側壁のブレース面に対して垂直方向に延在し、前記ブレース面に入り込んでいる、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項17】
前記第1の基部と前記複数の横方向ブレース側壁のそれぞれとの間の横方向エッジが面取りされている、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項18】
前記第1の基部は、前記第1基部面を含み、
前記第1基部面と前記ブレース面とは、それぞれ平坦であり、
前記第1基部面と前記ブレース面とは、互いに垂直な方向を向いている、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項19】
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記第1基部から前記第2基部に向かって先細りになっている、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項20】
さらに、ピンインセキュリティホールを含み、
前記ピンインセキュリティホールは、前記少なくとも1つのスクリュービット本体の回転軸と同心に配置され、
前記ピンインセキュリティホールは、前記第1基部から前記少なくとも1つのスクリュービット本体内に垂直に延在する、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項21】
さらに、係合ボアを含み、
前記係合ボアは、前記少なくとも1つのスクリュービット本体の反対側で、前記回転軸に沿って前記取付体内に延在する、
請求項1に記載の高度保持器具。
【請求項22】
前記少なくとも1つの係合キャビティは、第1キャビティ部分と第2キャビティ部分とを含み、
前記第1キャビティ部分と前記第2キャビティ部分は、互いに平行でオフセットした位置にあり、
前記第1キャビティ部分は、前記第1側縁に隣接して配置され、
前記第2キャビティ部分は、前記第2側縁に隣接して配置される、
請求項1に記載の高度保持器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは、ファスナー(締結具)(特にボルトやナット)を締めたり緩めたりするために設計された様々な工具に関する。より具体的には、本発明は、引き抜きまたは締め付けプロセス中にファスナーを損傷または剥離しないように設計されている、滑り止め多方向ドライバービットに関する。
【背景技術】
【0002】
六角ボルト、ナット、ねじ、その他の類似のねじ装置は、雌ねじとして知られる相補的なねじに係合することによって、複数の部品を固定し、互いに保持するために使用される。この種のファスナー(締結具)の一般的構造は、外ねじ、および、一端にあるヘッド(頭部)を持つ円筒形のシャフトである。外ねじは、穴またはナットにねじ込まれた相補的な雌ねじに係合し、ファスナーを所定の位置に固定し、関連する部品を互いに締結する。ヘッドは、外部からのトルク力を受け、ファスナーを雌ねじに対して回転させる(駆動する)手段である。ヘッドは、スパナのような外部工具がファスナーにトルクを加え、ファスナーを回転させ、相補的な雌ねじに適度にかみ合わせることができるよう、特別な形状になっている。このタイプのファスナーはシンプルで、非常に効果的で、安価であり、現代の構造物では非常に人気がある。
【0003】
オスねじであれメスねじであれ、これらのタイプのファスナーを使用する際の最も一般的な問題のひとつは、工具がヘッド部分内やヘッド部分上で滑ったり、ヘッド部分から外れたりすることである。これは一般に、ファスナーまたは工具の摩耗、腐食、締め過ぎ、またはファスナーのヘッド部分の損傷のいずれかによって引き起こされる。本発明は、スリップを実質的に排除するドライバービットの設計に関する。この設計では、ファスナーのヘッドに食い込み、ドライバービットとファスナーのヘッド間の効率的なトルク伝達を可能にする一連のセグメント部分を使用する。本発明により、不要な穴あけや工具を必要とする一般的なボルトエクストラクターは不要になる。電動ドライバーやドリルが開発されたことで、人々は電動工具を使って必要なねじり力を加え、様々なファスナーを取り外すようになった。本発明は、片側または両側のドライバーエンドビットを提供するため、時計回り方向と反時計回り方向の両方でファスナーにトルクを加えることができ、ファスナーを締めたり緩めたりすることができる。ほとんどのドライバーエンドビットは、標準化された1/4インチの六角ホルダーを有し、スクエアエンド、ヘックスエンド、スターエンドを含むがこれらに限定されない様々な構成がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図3】
図2の本発明の代替実施形態の正面図である。
【
図4】
図2の本発明の代替実施形態の背面図である。
【
図9】
図8の本発明の代替実施形態の正面図である。
【
図13】
図2に関連する本発明の別個の代替実施形態の正面図であり、係合キャビティの断面全体が三角形プロファイルとなっている。
【
図14】
図2に関連する本発明の別個の代替実施形態の背面図であり、係合キャビティの断面全体が三角形プロファイルとなっている。
【
図15】
図2に関連する本発明の別の別個の代替実施形態の正面図であり、係合キャビティの断面全体が三角形プロファイルとなっている。
【
図16】
図15に関連する本発明の別の別個の代替実施形態の正面図であり、横方向ブレース側壁の異なる部分が凹状または凸状のいずれかである。
【
図17】
図15に関連する本発明の別の別個の代替実施形態の正面図であり、横方向ブレース側壁の異なる部分が凸状または凹状のいずれかである。
【
図18】
図15に関連する本発明の別の別個の代替実施形態の正面図であり、係合キャビティが平坦な側壁の間に配置されている。
【
図19】
図15に関連する本発明の別の別個の代替実施形態の正面図であり、係合キャビティが平坦な側壁の間に配置されている。
【
図20】
図15に関連する本発明の別の別個の代替実施形態の正面図であり、係合キャビティが平坦な側壁の間に配置されている。
【
図21】
図2に関連する本発明の別の別個の代替実施形態の透視図であり、対向するビット本体が互いに斜めに配置されている。
【
図22】
図15に関連する本発明の別の代替実施形態の正面図であり、係合キャビティが平坦な側壁の間に配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0005】
すべての図は、本発明の選択されたバージョンを説明するためのものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0006】
本発明は、広くはトルク工具付属品に関する。より具体的には、本発明はマルチグリップ・スクリュービットであり、スクリュービットまたはドライバーとしても知られている。本発明により、ファスナーのヘッドやビット工具を損傷することなく、従来の同サイズのドライバービットよりも高いトルクをファスナーに加えることができる。これは、ファスナーの頭部を効果的にグリップする多数の係合部を使用することによって達成される。本発明は、従来のドリル、ビット受けドライバー、ソケットレンチ、ソケットドライバーを含むがこれらに限定されない様々なトルク工具に適合するスクリュービットである。
【0007】
図1に示すように、最も単純な実施形態では、本発明は、少なくとも1つのスクリュービット本体1と取付体19とを含む。スクリュービット本体1は、ソケットねじやソケットボルトのようなソケットファスナーに係合し、ソケットにトルク力をより速く加えるためのシャンクである。スクリュービット本体1は、複数の横方向ブレース側壁2と、第1基部14と、第2基部15と、少なくとも1つの係合キャビティ8を含む。少なくとも1つの係合キャビティ8は、少なくとも1つのスクリュービット本体1に概ね横方向に切り込まれたものであり、効率を最大化し摩耗を最小化するために、本発明の好ましい使用中に加えられるねじり力を分散させるのに役立つ。広く言えば、スクリュービット本体1は強度の高い金属からなる角柱である。複数の横方向ブレース側壁2の各々は、トルク工具からソケットファスナーにトルクを効率的に伝達するために、ソケットファスナー内に係合して把持する。第1基部14と第2基部15は、複数の横方向ブレース側壁2に沿って互いに反対側に配置されている。さらに、第1基部14、したがって第2基部15も、好ましくは、複数の横方向ブレース側壁2の各々に対して垂直に配向され、したがって、スクリュービット本体1の角柱形状を囲む(完成させる)。より具体的には、第1基部14が第1基部面26から成り、第1基部面26は平坦であり、複数の横方向ブレース側壁2の各々のブレース面5に対して垂直に向いていることが好ましい。ブレース面5はさらに、第1部分33を含んでよい。第1部分33は、第1距離21に沿って配置されたブレース面5の部分であり、これにより第1部分33は第1側縁3に隣接して配置される。取付体19は、本発明を外部のトルク工具に取り付けることを可能にし、その結果、スクリュービット本体1を介してソケットファスナーにトルク力を加えることを可能にする。取付体19は、取付体19の回転軸とスクリュービット本体1の回転軸16とが一致するように、スクリュービット本体1の回転軸16の周りに、回転軸16に沿って同心に配置されている。さらに、取付体19は第2基部15に隣接して接続されている。取付体19は、好ましくは、外部トルク工具の雌型アタッチメント部材内に適合するように、六角形断面を有する。外部トルク工具には、電気ドリル、トルクレンチ、空気ソケットファスナードライバー、および、その他類似のトルク工具が含まれるが、これらに限定されるものではない。係合キャビティ8は、好ましくは曲線部分と直線部分とを組み合わせたものであるが、これに限定されることなく、部分円形、三角形、矩形など、使用者が好む任意の形状とすることもできる。さらに、係合キャビティ8の各部分の形状は、好ましい場合には、直線状、凹状、および凸状からなる群から選択した形状の組み合わせとしてよい。これらの形状を組み合わせる、あるいは単独で使用することで、使用者が判断する特定の用途において、本発明の寿命、安全性、機能性をさらに向上させることができる。例示的な実施形態では、少なくとも1つの係合キャビティ8の断面9全体は三角形状である。この配置は、トルクを加えている間、少なくとも1つの係合キャビティ8にひずみを生じさせる残留応力と材料を緩和するための十分な空間を提供する。さらに、三角形の輪郭は、第1側縁3から第2側縁4に向かう方向に沿って凹んでいてよい。このようにして、ねじり応力は、ねじりが加えられている間、少なくとも1つの係合キャビティ8内に捕捉される。別の例示的実施形態では、少なくとも1つの係合キャビティ8は、曲線部分と直線部分の両方を含む。この配置により、少なくとも1つの係合キャビティ8は、使用において、ファスナーの様々なプロファイル、材料、または、様々な応力レベルと最適に相互作用することができる。
【0008】
いくつかの実施形態は、一般に、使用中の機械的摩耗に対する耐性と活用の面でより有利である。この目的のため、
図9、
図18、
図19、
図21、および、
図22に示すように、少なくとも1つの係合キャビティ8は、少なくとも1つの特定の側壁36の第1の側撃3から第1距離21だけオフセットして配置される。その結果、少なくとも1つの係合キャビティ8とブレース面5によって把持点が形成される。少なくとも1つの特定の側壁36のブレース面5の第1部分33は、第1距離21に沿って配置されてよい。この場合、第1距離21は、第1部分33のセグメントを含む領域を示すことになってよい。少なくとも1つの係合キャビティ8の幅方向距離35は、ブレース面5と平行に配置されてよい。この配置により、幅方向距離35を第1距離21と平行にすることができる。幅方向の距離35は、第1距離21よりも大きくしてもよい。こうすることで、少なくとも1つの係合キャビティ8が、ブレース面5にとって有用な領域の大部分にわたって確保されることになる。
【0009】
本発明の第1部分33は、様々な応力または使用ケースにおいて有利であると考えられる様々な形状をとってよい。
図14から
図17に示すように、少なくとも1つの係合キャビティ8の適切な形状を確保するために、第1部分33は、直線状、凹状、および、凸状からなる群から選択される形状としてよい。これらの形状のいずれでも、使用中に最適なサポートを提供し、本発明の寿命を改善し得る。
【0010】
ブレース面5を、さらに、より複雑な形状または配置にすることで利点を得られる。これを可能にするために、
図14から
図17に示すように、ブレース面5は、第2部分34をさらに備えてよい。第2部分34は、第2距離22に沿って配置されたブレース面5の一部分であり、これにより第2部分34は第2側縁4に隣接して配置されることになる。少なくとも1つの係合キャビティ8は、少なくとも1つの特定の側壁36の第2側縁4から第2距離22だけオフセットして配置されてよい。第2距離22は、少なくとも1つの係合キャビティ8と第2側縁4との間の第1距離21とは反対側の間隔を示す。少なくとも1つの特定の側壁36のブレース面5の第2部分34が、第2距離22に沿って配置されてよい。この場合には、第2距離22は、第2部分34のセグメントを含む領域を示すことになってよい。第2部分34は、直線状、凹状、および、凸状からなる群から選択される形状であってよい。このようにして、第2部分34を、本発明に対する潜在的な機械的疲労に最もよく対処できるように適合させることができる。さらに、少なくとも1つの係合キャビティ8には、第1距離21または第2距離22に隣接する位置から側方端部に向かって、回転軸に対して垂直にテーパーを付けてよい。この配置により、本発明の回転使用時に最適な力を加えることができる。少なくとも1つの係合キャビティ8に隣接する、ブレース面5に沿って配置されたブレース面の幾何学的平面は、好ましくは、第1側縁3から第2側縁4まで延びる側縁の幾何学的平面と同一直線上にある。しかしながら、いくつかの実施形態では、ブレース面の幾何学的平面は、側縁の幾何学的平面と同一直線上になく、側縁の幾何学的平面からオフセットされた位置にあってよい。
【0011】
多くの状況において、ユーザーは、外ねじ内で様々な角度からねじり圧力を与える可能性がある。これに対処するために、少なくとも1つの特定の側壁36のブレース面5の第2部分34は、少なくとも1つの特定の側壁36のブレース面5の第1部分33から所定の角度をなして配置することができる。この配置により、別の形状の外部ねじ穴も正確に充填できる。この配置も本発明の範囲内となる。
【0012】
三角形のプロファイルは、
図15に示すように、複数の頂点27をさらに含んでよい。複数の頂点27は、三角形の輪郭の角を表す点の軌跡に対応する。複数の頂点27のそれぞれは、丸みを帯びた角であってもよい。この配置により、金属疲労の影響を効果的に緩和するために必要なスペースを大幅に縮小することなく、複数の頂点27に点応力が蓄積するのを防ぐことができる。
【0013】
多くの場合、トルクをかける際の応力の強さやボルトや固定具の形状によっては、厳密な三角形のプロフィールにわずかな修正を加えることが有利になることがある。このような状況での効率を高めるために、
図16および
図17に示すように、三角形のプロファイルは、複数の頂点31と一対の細長い部分32を含んでよい。複数の頂点31は、三角形の輪郭の角を表す点の集合に対応する。複数の頂点31は、第1側縁3および第1側縁4に沿った2つの前縁要素と、1つのキャビティベース要素とみなすことができる。また、1つのキャビティベース要素は、一対の細長い部分32に接続された直線であってもよい。一対の細長い部分32は、複数の頂点31を結合する辺を示す。一対の細長い部分32は、複数の頂点31の間に点在している。一対の細長い部分32のそれぞれは、直線状、凹状、および凸状からなる群から選択される形状である。複数の頂点31、一対の細長い部分32、または1つのキャビティ基部要素に選択され得る形状のグループは、半径または角度形状であってもよい。この配置により、一対の細長い部分32が異なるトルク応力によりよく適応し、金属疲労による使用ビットの有害な摩耗を防ぐことができる。
【0014】
他の用途では、三角形の輪郭を囲む縁の形状を一緒に修正することが求められることがある。これを実現するためには、
図16および
図17に示すように、ブレース面5が、第1部分33と第2部分34とを含んでよい。第1部分33と第2部分34は、三角形の輪郭を囲む縁に対応する。第1部分33は第1距離21に沿って配置され、これにより第1部分33は第1側縁3に隣接して配置されることになる。さらに、第2部分34は第2距離22に沿って配置され、これにより第2部分34は第2側縁4に隣接して配置されることになる。
図16および
図17に示すように、第1部分33および第2部分34に選択され得る形状群は、半径形状または角度付き形状である。第1部分33と第2部分34が反対の曲率を示し、一方が凹状で他方が凸状であることが、本発明に対する周期的応力に基づく影響を最適に低減するために最も有利であることが多い。第1側縁3および第2側縁4には、角ばった形状または放射状の側縁を形成するために、さらなる変更を加えてもよい。
【0015】
図3および
図4に示すように、複数の横方向ブレース側壁2の各々は、第1側縁3、第2側縁4、およびブレース面5を含む。複数の横方向ブレース側壁2は、ソケットファスナーと相補的な幾何学的形状を得るために、スクリュービット本体1の回転軸16を中心として半径方向に配置されている。複数の横方向ブレース側壁2内の数は、様々なソケットファスナーの形状やプロフィールを補完するために変更可能である。本発明の一実施形態では、複数の横方向ブレース側壁2内の数は6であり、その結果、スクリュービット本体1の幾何学的形状は六角形となる。本発明の代替実施形態では、複数の横方向ブレース側壁2内の数は4である。
【0016】
ブレース面5は、ソケットファスナー、特にソケットファスナーのヘッド部分の側壁に物理的に押し付けられる。第1側縁3と第2側縁4は、ブレース面5を挟んで互いに反対側に配置されている。上面から見た場合と底面から見た場合のいずれにおいても、複数の横方向ブレース側壁2の各々の第1側縁3と第2側縁4とが、スクリュービット本体1の角部を構成する。係合キャビティ8は、複数の横方向ブレース側壁2から少なくとも1つの特定の側壁36のブレース面5の法線方向に延び、ブレース面5に追加の把持点(歯)を形成する。別の実施形態では、把持点は、係合キャビティ8と隣接する縁部によって形成され、隣接する縁部は、第1側縁3または第2側縁4のいずれかである。より具体的には、隣接する縁部とは、係合キャビティ8に最も近い縁のことである。さらに、係合キャビティ8は、第1基部14から第2基部15に向かってスクリュービット本体1内に延在する。これにより、追加の把持点がスクリュービット本体1の長さ方向に延在し、スクリュービット本体1とソケットファスナーとの間のグリップ係合が最大化される。この目的をさらに達成するために、係合キャビティ8の断面9全体が、第1基部14および第2基部15と平行であることが好ましい。本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの係合キャビティ8が、
図11に見られるように、第1基部14から第2基部15に向かって先細りにもなっている。この実施形態の結果として、少なくとも1つの係合キャビティ8が、第1基部14に隣接する三角形の輪郭が第2基部15に隣接する三角形の輪郭よりも大きくなるように、第1基部14から第2基部15に向かって先細りになってよい。このようにして、少なくとも1つの係合キャビティ8を、使用者のニーズや要求に合わせて適切な形状にすることができる。
図3に示すように、本発明の一実施形態では、係合キャビティ8の断面9全体が部分円形である。さらに、この部分円形プロファイルは、第1側縁3から第2側縁4に向かう方向に対して凹んでいる。この部分円形プロファイルにより、スクリュービット本体1に応力が高まる箇所がほとんどないようになるため、工具の全体的な寿命が長くなる。
図13および
図14に示すように、本発明の別個の実施形態では、係合キャビティ8の断面9全体が三角形状である。さらに、三角形の輪郭は、第1側縁3から第2側縁4に向かう方向に対して凹んでいる。係合キャビティ8には、半四角形状、半長方形状、半楕円形状など、別の形状を使用することもできるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
図8および
図9に示すように、本発明の一実施形態では、係合キャビティ8の断面9全体が、湾曲部10と直線部11とから構成されている。この実施形態では、本発明は引き抜きビットとして実施され、損傷または破損したファスナー、破損したロッド、破損したスタッド、その他同様のものを引き抜くように設計されている。係合キャビティ8は、ソケットファスナーの角をつかむ鋭い係合歯を形成するために独自の形状をしており、ファスナーソケットの内部側面から素材を係合キャビティ8に入れることができるため、単に素材を押しのけるように設計された従来の工具よりも優れたグリップ力を発揮する。これは、摩耗や損傷したファスナーソケットに特に当てはまる。より具体的には、湾曲部10は、第1側縁3に隣接して配置される半円状の曲線である。湾曲部10は、少なくとも1つの特定の側壁36のブレース面5の第1部分33に隣接して、第1側縁3の反対側に配置されている。この配置により、第1部分33は湾曲部10を第1距離21に対して効果的に位置決めできる。直線部11は、ソケットファスナーの一部を係合歯に押し付けるように案内する。そのため、直線部11は湾曲部10から第2側縁4まで延びている。より具体的には、直線部11は湾曲部10から始まり、第2側縁4で終わる。
【0018】
図11に示すように、本発明の別の実施形態では、係合キャビティ8はブレース面5の中央に配置されている。具体的には、係合キャビティ8は、少なくとも1つの特定の側壁36の第2側縁4から第2距離22だけオフセットして配置される。中心位置決めの場合、
図15に示すように、第1距離21は第2距離22と等しい。これにより、係合キャビティ8がソケットファスナーの内部側壁に係合するように位置決めされ、トルクを与える応力をファスナーの側方コーナーに移動させるか、またはファスナーの側方コーナーから遠ざけることにより、グリップ機能を高め、ファスナーの丸まりを防止し、スリップの可能性を最小限に抑えて最も効率的なトルク伝達を実現する。さらに、この実施形態は、ソケットファスナーを時計回り方向または反時計回り方向のいずれかに回転させる場合でも使用できる。また、
図19および
図22に示す第1距離21が第2距離22と等しい実施形態において、複数の断続的側壁24が少なくとも1つの特定の側壁36の間に点在することが望ましい場合もある。
【0019】
本発明の別の実施形態では、時計回りまたは反時計回りの専用設計を実現するために、第1距離21、第2距離22、および、係合キャビティ8の幅の間の割合を変更してよい。一実施形態では、本発明は時計回りドライブビットとなるように構成されている。この実施形態では、第2距離22は第1距離21よりも大きい。具体的には、第1距離21、第2距離22、および、係合キャビティ8の幅の比率は、1:5:4であり、これにより、ソケットファスナーを把持し、時計回り方向にトルクを加える本発明の設計が得られる。このデザインは、ソケットファスナーをねじ込んで固定するために使用される。別の実施形態では、本発明は反時計回りのスクリュービットとして構成される。この実施形態では、第1距離21は第2距離22よりも大きい。具体的には、第1距離21、第2距離22、および、係合キャビティ8の幅の比率は、5:1:4であり、その結果、ソケットファスナーを把持し、反時計回り方向にトルクを加える設計が得られる。このデザインは、ソケットファスナーをリリースし、抜き取るために使用される。
【0020】
図5および
図10に示すように、本発明は、スプライン/正方形/その他の多角形ビット設計においても実施されてよい。より具体的には、スクリュービット本体1がスプラインタイプのビット本体であった場合、スプラインタイプのビット本体は、多数の突起を介してソケットファスナーにトルクを伝達できる。この場合、スクリュービット本体1は、
図18から
図22に示すように、複数の断続的側壁24をさらに備えてよい。複数の断続的側壁24の各々は、従来のスクリュービットの設計のようにソケットファスナーに係合する平坦面である。複数の断続的な側壁24は、回転軸16を中心として半径方向に配置されている。さらに、複数の断続的側壁24は、複数の横方向ブレース側壁2の間に点在している。複数の横方向ブレース側壁2と複数の断続的側壁24との間の比率は、様々なスクリュービット設計をもたらすために変更されてよい。一実施形態では、複数の断続的側壁24と複数の横方向ブレース側壁2とは、半径方向に交互に配置されている。別の実施形態では、複数の断続的側壁24のうちの3つの側壁が、複数の横方向ブレース側壁2のそれぞれの間にある。その結果、この構成では、スクリュービット本体1の1つおきの突出部に係合特徴部(歯)が配置されることになる。
【0021】
図10に示すように、例示的な実施形態において、複数の断続的側壁24のうちの第1断続的側壁28、第2断続的側壁29、および第3断続的側壁30が、複数の横方向ブレース側壁2のうちの対応する横方向ブレース側壁上に点在している。第1断続的側壁28、第2断続的側壁29、および、第3断続的側壁30は、部品の機械的摩耗や疲労を防止する所望の空間を提供しながら、ファスナーとの効果的な接続を可能にする。第1断続的側壁28と第2断続的側壁29は、互いに垂直に配置されている。この配置は90度の角度になり、特定の用途には最適である可能性がある。第3断続的側壁30は、対応する横方向ブレー津側壁の少なくとも1の係合キャビティ8と第2断続的側壁29との間に位置する。こうして、第3断続的側壁30は、本発明の好ましい使用において、少なくとも1つの係合キャビティ8を構造的に支持することになる。
【0022】
係合キャビティ8が少なくとも1つのスクリュービット本体1の複数の側壁に存在するような、少なくとも1つの係合キャビティ8の異なる構成を提供することが、機械的に有利または好ましい場合がある。このため、少なくとも1つの特定の側壁36が、複数の特定の側壁であってよい。この配置により、複数の特定の側壁がスクリュービット本体1の周囲の様々なパターンを包含できる。さらに、少なくとも1つの係合キャビティ8は、複数の係合キャビティであってよい。このようにして、各特定の側壁を、係合キャビティ8を備えた適切な形状とすることができる。最後の点として、複数の係合キャビティ8の各々が、複数の特定の側壁から、対応する特定の側壁のブレース面5に対して法線方向に延び、その中に入り込むようにしてよい。従って、各特定の側壁は、複数の係合キャビティ8のキャビティでキャビテーション、またはその他の形状にすることができる。したがって、各特定の側壁は、複数の係合キャビティ8の凹部を有するように空洞化されるか、またはそれに従って形成されてよい。
【0023】
これに対応するために、複数の横方向ブレース側壁は、少なくとも1つの平坦な側壁37をさらに含んでよい。少なくとも1つの平坦な側壁37とは、複数の横方向ブレース側壁2のうち、特定の空洞特徴を含まない側壁を示す。少なくとも1つの平坦な側壁37は、少なくとも1つの特定の側壁36に隣接して配置されてよい。このようにして、平坦な側壁を少なくとも1つの特定の側壁36の各側壁の間に配置することができ、これにより、キャビティ付き側壁と平坦な側壁の異なる構成が可能になる。
【0024】
図6に示すように、別の実施形態では、本発明は係合ボア20をさらに備える。係合ボア20により、本発明を、ソケットレンチやドライバーなどの外部トルク工具の雄型取り付け部材に取り付けることができる。係合ボア20は、回転軸に沿って、スクリュービット本体1に対向して取付体19内に延在する。係合ボア20は、ソケットレンチの雄型取付部材を受ける形状であり、ソケットレンチの大部分が角型取付部材を利用しているため、好ましい形状は角型である。この実施形態では、好ましい取付体19は円筒形である。代替の実施形態では、異なるトルク工具の設計や異なる取り付け手段に適応できるように、係合ボア20と取付体19の形状や設計を変えてよい。
【0025】
図2に示すように、一実施形態では本発明は両側スクリュービットとして実施され、その結果、単一の工具で時計回りと反時計回りの両方の構成を同時に提供する。この実施形態では、少なくとも1つのスクリュービット本体1は、第1スクリュービット本体17と第2スクリュービット本体18とから成る。取付体19は、好ましくは六角形の断面を有する。取付体19は、取付体19の回転軸と第1スクリュービット本体17の回転軸16とが一致するように、第1スクリュービット本体17の回転軸16の周りに、回転軸16に沿って同心で配置される。さらに、取付体19が、第1のスクリュービット体17の第2基部15に隣接して連結されている。第2スクリュービット本体18は、第1スクリュービット本体17と取付体19を共有している。したがって、第2スクリュービット本体18は、第1スクリュービット本体17と同心に配置される。さらに、第2スクリュービット本体18は、従来のダブルサイドのスクリュービット設計と同様に、第1スクリュービット本体17の反対側に、取付体19に隣接して配置されている。第1スクリュービット本体17と同様に、取付体19は第2スクリュービット本体18の第2基部15に連結されている。第1スクリュービット本体17は、時計回りの構成であり、ソケットファスナーをねじ込むように設計されている。このため、
図3に示すように、第1スクリュービット本体17の第2距離22は、第1スクリュービット本体17の第1距離21よりも大きい。これにより、第1スクリュービット本体17の追加の把持点が、第1スクリュービット本体17の第1側縁3に隣接して配置されることになる。第2スクリュービット本体18は、反時計回りの構成であり、ソケットファスナーを緩める(引き抜く)ように設計されている。
図4に示すように、第2スクリュービット本体18の第1距離21は、第2スクリュービット本体18の第2距離22よりも大きい。これにより、第2スクリュービット本体18の追加の把持点が、第2スクリュービット本体18の第2側縁4に隣接して位置することになる。
【0026】
さらなる実施形態では、ダブルサイドのスクリュービットは、第1スクリュービット本体17と第2スクリュービット本体18との間に屈曲部を有するように配置または配向されることで利益を得られる(これは、六角キーや同様のレンチ工具によく見られる)。この目的のために、
図21に示すように、第2スクリュービット本体18は、第1スクリュービット本体17から取り付け角度38を成すように方向付けられてよい。この配置により、使用者は、第2スクリュービット本体18で外部のねじを回す際に、第1スクリュービット本体17をハンドルとして利用できる。
【0027】
本発明の別の実施形態では、
図5に示すように、少なくとも1つの係合キャビティ8が、第1キャビティ部分12と第2キャビティ部分13とから構成されている。この実施形態は、時計回りと反時計回りの両構成を提供できる代替の構成である。具体的には、第1キャビティ部分12と第2キャビティ部分13は、互いに平行かつオフセットした向きになっている。第1キャビティ部分12は、第1側縁3に隣接してオフセットして配置され、第2キャビティ部分13は、第2側縁4に隣接してオフセットして配置されている。これにより、使用者は、追加の把持点を利用しながら、トルク工具から本発明を取り外すことなく、本発明を時計回りまたは反時計回りで使用できる。この実施形態では、本発明は、複数の断続的側壁24をさらに備え、複数の断続的側壁24が、複数の横方向ブレース側壁2の間に点在していることが好ましい。この実施形態の結果として、三角形プロファイルは、複数の横方向ブレース側壁2に沿って配置された複数の三角形プロファイルであってもよい。このような実施形態は、本発明の様々な高応力用途への適応を強化することを可能にする。
【0028】
図7に示すように、代替実施形態において、本発明はボールエンドスクリュービットとして実施される。この実施形態では、複数の横方向ブレース側壁2のそれぞれのブレース面5は、凸部6と凹部7とからなる。凸部6と凹部7は、全体として、複数の横方向ブレース側壁2がボール状の形状を形成するように、曲面を画定する。凸部6は、複数の横方向ブレース側壁2の各々のうちの凸部6がボール状形状の本体を形成するように、第1基部14に隣接して配置される。凹部7は、凸部6に隣接して配置され、複数の横方向側壁2の各々のうちの凹部7がさらにボール状形状を形成し、スクリュービット本体1がソケットファスナーに斜めに係合するときのためのクリアランスを提供するように、第1基部14とは反対側に配置される。凸部6と凹部7は、スクリュービット本体1の回転軸16、ひいてはスクリュービット本体1の長さに沿って配向され、ボール状の形状をスクリュービット本体1の端部に配置する。凹部7と凸部6の曲率、長さ、高さは同一であることが好ましい。さらに、係合キャビティ8は、凸部6と凹部7の全長に沿って延びていることが好ましい。これにより、ソケットファスナーとスクリュービット本体1との間の角度に関係なく、スクリュービット本体1に沿って追加の把持が提供される。
【0029】
図10に示すように、一実施形態において、本発明は、タンパー対応(いじり防止)スクリュービットとして実施される。具体的には、本発明は、独自のソケットファスナー内の相補的なポストと連動するピンインセキュリティホール23をさらに備える。この場合、タンパー対応設計を確実にするために、固有のソケットファスナーと固有のスクリュービットのセットを販売、利用、製造することができる。このタイプのインターロック設計は、セキュリティ上の理由から使用され、権限のない者が特定のソケットファスナーにアクセスすることを防止する。ピンインセキュリティホール23は、スクリュービット本体1の回転軸16と同心に配置されている。さらに、ピンインセキュリティホール23は、第1基部14からスクリュービット本体1内に延在する。ピンインセキュリティのサイズ、深さ、プロファイルは、ユーザーのニーズや仕様に合わせて変更されてよい。
【0030】
一実施形態では、
図11に示すように、本発明は、スクリュービット本体1をソケットファスナー内に案内するための追加要素を含む。具体的には、第1基部14と複数の横方向ブレース側壁2の各々との間の横方向エッジ25が面取りされており、使用者がソケットファスナー内でスクリュービット本体1をかみ合わせるのを助ける。
図12に示すように、別の実施形態において、本発明は代替設計で実施される。この実施形態では、スクリュービット本体1は、第2基部15から第1の基部14に向かってテーパー状に形成されている。テーパー(先細り)の程度は、ユーザーのニーズや要求に応じて変更されてよい。
図22に示すように、さらに別の実施形態では、本発明は、第2基部15から第1基部14に向かってテーパーが付けられたスクリュービット本体であり、テーパーが付けられた少なくとも1つの特定の側壁36に隣接してテーパーが付けられた少なくとも1つの平坦な側壁37を含む。言い換えれば、少なくとも1つの特定の側壁36と少なくとも1つの平坦な側壁37は、
図22に示すように、第1基部14と垂直ではない。いくつかの実施形態は、一般に、使用中の機械的摩耗に対する耐性およびその活用においてより有利である。この目的のため、少なくとも1つの係合キャビティ8は、
図22に示すように、少なくとも1つの特定の側壁36の第1側縁3から第1距離21だけオフセットして配置される。その結果、少なくとも1つの係合キャビティ8とブレース面5によって把持点が形成される。少なくとも1つの特定の側壁36のブレース面5の第1部分33は、第1距離21に沿って配置されてよい。この場合、第1距離21は、第1部分33のセグメントを含む領域を示すことになってよい。少なくとも1つの係合キャビティ8の幅方向距離35は、ブレース面5と平行に配置されてよい。この配置により、幅方向距離35を第1距離21と平行にすることができる。幅方向の距離35は、第1距離21よりも大きくしてよい。こうすることで、少なくとも1つの係合キャビティ8が、ブレース面5にとって有用な領域の大部分にわたって確保される。
【0031】
本発明の第1部分33は、様々な応力または使用ケースにおいて有利であると考えられる様々な形状をとることができる。少なくとも1つの係合キャビティ8の適切な形状を確保するために、第1部分33は、
図14から
図17に示すように、直線、凹面、および凸面からなる群から選択される形状としてよい。これらの形状のいずれでも、使用中に最適なサポートを提供し、本発明の持続時間を改善することができよう。
【0032】
ブレース面5は、さらに複雑な形状や配置の方が有利な場合もある。これを可能にするために、
図22に示すように、ブレース面5は、第2部分34をさらに備えてよい。第2部分34は、第2距離22に沿って配置されたブレース面5の一部分であり、これにより第2部分34は第2側縁4に隣接して配置されることになる。少なくとも1つの係合キャビティ8は、少なくとも1つの特定の側壁36の第2側縁4から第2距離22だけオフセットして配置されてよい。第2距離22は、少なくとも1つの係合キャビティ8と第2側縁4との間の第1距離21とは反対側の空間を示す。少なくとも1つの特定の側壁36のブレース面5の第2部分34は、第2距離22に沿って配置されてよい。こうすることで、第2距離22は、第2部分34のセグメントを含む領域を示すことになり得る。第2部分34は、直線状、凹状、および、凸状からなる群から選択される形状としてよい。このようにして、第2部分34を、本発明に対する潜在的な機械的疲労に最もよく対処できるように適合させることができる。さらに、少なくとも1つの係合キャビティ8は、第1距離21または第2距離22に隣接する位置から側方端部に向かって、回転軸に対して垂直にテーパーを付けられてもよい。この配置により、本発明の回転使用時に最適な力を加えることができる。第1距離21の長さは、第2距離22の長さと等しくても、異なってもよい。少なくとも1つの係合キャビティ8に隣接する、ブレース面5に沿って配置されたブレースグ面の幾何学的平面は、好ましくは、第1側縁3から第2側縁4まで延びる側縁の幾何学的平面と共線である。しかしながら、いくつかの実施形態では、
図22に示すように、ブレース面の幾何学的平面は、側縁の幾何学的平面と共線ではなく、側縁の幾何学的平面からオフセットされた配置であってもよい。平坦な側壁37の幅距離は、特定の側壁36の幅距離より小さくても、等しくても、大きくてもよい。第1部分33の幅と第2部分34の幅は、第1基部14から第2基部15に向かって先細りになっていてよい。
図22に示すように、本発明の一実施形態では、係合キャビティ8の断面9全体は、好ましくは部分円形プロファイルである。さらに、その部分円形プロファイルは、第1側縁3から第2側縁4への方向に沿って凹んでいる。部分円形プロファイルにより、スクリュービット本体1に応力の高い箇所がほとんど生じないため、工具の全体的な寿命が長くなる。好ましい実施形態では、少なくとも1つの特定の側壁36のブレース面5は、少なくとも1つの平坦な側壁37のブレース面5に鈍角で接続されている。取付体19により、本発明を外部のトルク工具に取り付けることができ、その結果、スクリュービット本体1を介してソケットファスナーにトルク力を加えることができる。取付体19は、取付体19の回転軸とスクリュービット本体1の回転軸16とが一致するように、スクリュービット本体1の回転軸16の周りに、回転軸16に沿って同心で配置される。さらに、取付体19は第2基部15に隣接して接続されている。
【0033】
多くの状況において、ユーザーは、外ねじ内で異なる角度からねじり圧力を与えたいと思う可能性がある。これに対応するために、
図22に示すように、少なくとも1つの特定の側壁36のブレース面5の第2部分34は、少なくとも1つの特定の側壁36のブレース面5の第1部分33から所定の角度をなして配置されてよい。この配置により、別の形状の外部ねじ穴も正確に充填できる。この発明は本発明の範囲内である。
【0034】
他の実施形態では、本発明は、ボルトや他の同様のファスナー(締結具)を締めたり緩めたりするためのソケットの形態で実施することができる。この場合、スクリュービット本体1は、従来のソケット設計と同様に、円筒内に横断する空洞として実装される。
【0035】
本発明をその好ましい実施形態に関連して説明したが、以下に請求する本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の多くの可能な修正および変形を行うことができることを理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのスクリュービット本体と、
取付体とを含み、
前記少なくとも1つのスクリュービット本体は、複数の横方向ブレース側壁と、少なくとも1つの平坦な側壁と、第1基部と、第2基部と、少なくとも1つの係合キャビティとを含み、
前記複数の横方向ブレース側壁は、第1側縁と、第2側縁と、ブレース面とを含み、
前記複数の横方向ブレース側壁は、前記少なくとも1つのスクリュービット本体の回転軸を中心として半径方向に配置されており、
前記第1側縁と第2側縁は、前記ブレース面を挟んで互いに反対側に配置されており、
前記第1側縁と第2側縁は、角ばった形状であり、
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記複数の横方向ブレース側壁のうちの少なくとも1つの特定の側壁のブレース面に垂直な方向に入り込むように延在し、
前記少なくとも1つの平らな側壁は、前記少なくとも1つの特定の側壁に隣接して配置されており、
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記第1基部から前記第2基部に向かって少なくとも1つのスクリュービット本体の中に延在し、
前記少なくとも1つの係合キャビティの断面全体が、前記第1基部および前記第2基部に対して平行であり、
前記取付体は、前記第2基部に隣接して接続されている、
マルチグリップ・スクリュー器具。
【請求項2】
前記少なくとも1つのスクリュービット本体は、前記第1基部から前記第2基部に向かって先細りになっている、
請求項1に記載の
マルチグリップ・スクリュー器具。
【請求項3】
前記少なくとも1つのスクリュービット本体は、前記第2基部から前記第1基部に向かって先細りになっている、
請求項1に記載の
マルチグリップ・スクリュー器具。
【請求項4】
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記少なくとも1つの特定の側壁の前記第1側縁から第1距離だけオフセットして配置され、
前記少なくとも1つの特定の側壁のブレース面の第1部分が、前記第1距離に沿って配置され、
前記第1部分は、直線状、凹状、および、凸状から成る群から選択される形状である、
請求項1に記載の
マルチグリップ・スクリュー器具。
【請求項5】
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記少なくとも1つの特定の側壁の前記第2側縁から第2距離だけオフセットして配置され、
前記少なくとも1つの特定の側壁のブレース面の第2部分が、前記第2距離に沿って配置され、
前記第2部分は、直線状、凹状、および、凸状から成る群から選択される形状である、
請求項1に記載の
マルチグリップ・スクリュー器具。
【請求項6】
前記少なくとも1つの特定の側壁のブレース面の第2部分は、前記少なくとも1つの特定の側壁のブレース面の第1部分から所定の角度をなして配置される、
請求項1に記載の
マルチグリップ・スクリュー器具。
【請求項7】
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記少なくとも1つの特定の側壁の前記第1側縁から第1距離だけオフセットして配置され、
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記少なくとも1つの特定の側壁の前記第2側縁から第2距離だけオフセットして配置され、
前記第1距離は前記第2距離と等しい、
請求項1に記載の
マルチグリップ・スクリュー器具。
【請求項8】
前記1つのスクリュービット本体は、複数の断続的側壁をさらに含み、
前記複数の断続的側壁は、前記該回転軸を中心として半径方向に配置され、
前記複数の断続的側壁は、前記複数の横方ブレース側壁の間に散在している、
請求項1に記載の
マルチグリップ・スクリュー器具。
【請求項9】
前記第1基部と前記複数の横方向ブレース側壁のそれぞれとの間の横方向エッジが面取りされている、
請求項1に記載の
マルチグリップ・スクリュー器具。
【請求項10】
前記少なくとも1つの係合キャビティは、前記第1基部から前記第2基部に向かって先細りになっている、
請求項1に記載の
マルチグリップ・スクリュー器具。
【国際調査報告】