(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】ブレード駆動構造、毛髪切断ローラブラシ及びクリーニング装置
(51)【国際特許分類】
A47L 9/04 20060101AFI20241018BHJP
A47L 9/02 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A47L9/04 A
A47L9/02 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523242
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 CN2022125956
(87)【国際公開番号】W WO2023066254
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202122508036.9
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519456929
【氏名又は名称】寧波富佳実業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO FUJIA INDUSTRIAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 303, Chang’an Road, Yangming Street, Yuyao City, Ningbo City, Zhejiang Province 315400, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】方 剣強
(72)【発明者】
【氏名】鄭 建明
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA04
3B061AA06
3B061AA18
3B061AD03
3B061AD05
3B061AE13
(57)【要約】
本開示はブレード駆動構造を提案し、当該ブレード駆動構造は、遊星歯車伝動機構を備え、第2の側面に固定部が設けられ、当該遊星歯車伝動機構の太陽歯車は固定部に固定して連結し、当該遊星歯車伝動機構の歯車リングは回転シリンダに連結し、遊星キャリアは伝動出力として、継手を介して第2の駆動軸を駆動して移動させる。往復移動構造は回転体を備え、第2の駆動軸は回転体と周方向に伝動的に連結し、当該回転体の軌道には第2の駆動軸によって駆動される回転体の回転運動を駆動部材の往復移動に変換する駆動部材が組み合わせられる。本開示の案では、遊星歯車伝動を採用する同時に、回転によって駆動部材の往復移動を駆動し、また、ブラシロール(すなわち、回転シリンダ)の一端に固定エンドカバーを配置する必要がなく、出力歯車リングもなく、アイドラー歯車ペアを配置する必要がない。また、前述のブレード駆動構造を採用した毛髪切断ローラブラシも提案する。前述の毛髪切断ローラブラシが取付けられたクリーニング装置も提案する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側面と第2の側面とがそれぞれ設けられたローラブラシホルダを備えるブレード駆動構造であって、遊星歯車伝動機構をさらに備え、第2の側面に固定部が設けられ、当該遊星歯車伝動機構の太陽歯車は固定部に固定して連結し、当該遊星歯車伝動機構の歯車リングは回転シリンダに連結し、当該遊星歯車伝動機構の遊星キャリアは伝動出力として、往復移動構造を駆動して移動させ、
遊星キャリアに出力軸が設けられ、出力軸に継手の第1の部分が設けられ、当該継手の第1の部分は、往復移動構造の第2の駆動軸に連結された継手の第2の部分と周方向に伝動的に連結するためであり、
往復移動構造は回転体を備え、第2の駆動軸は回転体と周方向に伝動的に連結し、当該回転体には周方向に軌道が設けられ、軌道には第2の駆動軸によって駆動される回転体の回転運動を駆動部材の往復移動に変換する駆動部材が組み合わせられ、駆動部材はブレードに連結する、ことを特徴とするブレード駆動構造。
【請求項2】
固定部は軸状に設計され、前記歯車伝動構造は、並列に配置された複数の遊星キャリアを備え、複数の遊星キャリアの数に対応する複数の太陽歯車と複数の組の遊星歯車を備え、当該固定部は、歯車伝動構造の右端の太陽歯車と連結し、歯車伝動構造の左端の遊星キャリアを介して出力する、ことを特徴とする請求項1に記載のブレード駆動構造。
【請求項3】
第1の側面と第2の側面との間に毛髪切断ローラブラシが配置された後、固定部、歯車伝動構造、及び往復移動構造が毛髪切断ローラブラシの回転シリンダの軸方向に沿って右から左に順次配置されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載のブレード駆動構造。
【請求項4】
歯車リングは、回転シリンダと軸方向にソケット取付けられた後、周方向に伝動的に連結され、歯車リングの左端には左エンドカバーが固定され、歯車リングの右端には右エンドカバーが固定され、左エンドカバー、歯車リング、及び右エンドカバーはキャビティを形成し、キャビティ内に前記遊星歯車、遊星キャリア、及び太陽歯車が配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のブレード駆動構造。
【請求項5】
左エンドカバー及び右エンドカバーに共に軸受が設けられており、右エンドカバーの軸受が前記固定部に連結し、左エンドカバーの軸受が前記出力軸に連結し、固定部の挿入部が太陽歯車に連結するため、回転シリンダが固定部に対して回転可能、すなわち、回転シリンダの他端が第2の側面に対して回転可能となり、同時に固定部が連結した太陽歯車が固定され動かない、ことを特徴とする請求項4に記載のブレード駆動構造。
【請求項6】
前記出力軸は、前記左エンドカバーを介してキャビティ内に挿入され、出力軸は遊星キャリアと連結し、比較的独立したモジュールが配置され、当該モジュールは、出力軸、左エンドカバー、遊星歯車伝動機構、右エンドカバー、固定部を備え、すなわち、前述のアセンブリを一つのモジュールに組立することができ、次に、モジュールを毛髪切断ブラシブラシの他の構造と連結する、ことを特徴とする請求項4に記載のブレード駆動構造。
【請求項7】
軌道は回転体の周面且つ軸方向に旋回して配置されたガイド溝を採用する、ことを特徴とする請求項1に記載のブレード駆動構造。
【請求項8】
駆動部材の両端にボールが設けられ、駆動部材とガイド溝とはボールでローリング可能にフィットされる、ことを特徴とする請求項7に記載のブレード駆動構造。
【請求項9】
第2の駆動軸は、回転体と軸方向に往復移動可能にソケット取付けられ且つ周方向に伝動的に連結され、回転体の両端にそれぞれ弾性部材が設けられ、当該弾性部材が回転体を弾性支持するためである、ことを特徴とする請求項1に記載のブレード駆動構造。
【請求項10】
弾性部材は圧縮バネを採用し、前記右部分の両端にはガスケットが設けられており、それぞれ左側のガスケットと右側のガスケットであり、左側のガスケットと回転体の左側との間に、右側のガスケットと回転体の右側との間には、圧縮バネがそれぞれ配置されている、ことを特徴とする請求項9に記載のブレード駆動構造。
【請求項11】
ガスケットの位置を調整することで圧縮バネの圧縮程度を変えることにより、ブレードの毛髪切断力を変える、ことを特徴とする請求項10に記載のブレード駆動構造。
【請求項12】
往復移動構造は独立したコンパートメントに配置されおり、コンパートメントの左右の仕切りには、それぞれ第3の軸受と第4の軸受が設けられており、第3の軸受と第4の軸受は第2の駆動軸を回転的に支持する、ことを特徴とする請求項1に記載のブレード駆動構造。
【請求項13】
ブレード駆動構造を備える毛髪切断ローラブラシであって、当該ブレード駆動構造は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載されるブレード駆動構造を採用する、ことを特徴とする毛髪切断ローラブラシ。
【請求項14】
第2の側面には駆動構造の一部または全部が設けられ、回転シリンダの他端には駆動構造の第2の側面に保持された部分と軸方向にソケット取付けられるソケット孔が設けられ、当該軸方向のソケット取付けは、回転シリンダの他端を軸方向のソケット取付けにより第2の側面に軸方向に取付けるためであり、同時に、回転シリンダの一端は、軸方向に且つ軸方向のソケッティング動作に伴って第1の側面に取付けられ、回転シリンダが取外される場合、駆動構造の第2の側面に保持された部分が第2の側面に保持されるまま、回転シリンダは前記軸方向のソケッティング動作の逆方向に取外され、駆動構造の第2の側面に保持された部分は歯車伝動構造を指し、往復移動構造は回転シリンダ内に配置され、往復移動構造は回転シリンダと一緒に着脱されることができ、遊星歯車伝動機構と往復移動構造は着脱可能に連結される、ことを特徴とする請求項13に記載の毛髪切断ローラブラシ。
【請求項15】
吸引口を備えるクリーニング装置であって、当該吸引口には、請求項13または14に記載される毛髪切断ローラブラシが設けられている、ことを特徴とするクリーニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、クリーニング用ローラブラシの技術分野に関し、具体的には、ブレード駆動構造、毛髪切断ローラブラシ及びクリーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は以前に毛髪切断ローラブラシを考案した。当該毛髪ローラブラシのブレードはローラブラシの回転シリンダに配置され、回転シリンダが回転すると共に、ブレードは往復移動し毛髪を切断するように駆動構造により同期駆動されることで、毛髪やその他のゴミを効率的に切断する目的を達成している。詳細な技術案については、特許付与公告番号のCN105982615Bの中国特許および/または関連するファミリー特許を参考する。CN105982615Bの特許付与公告番号を有する中国特許の公開テキストおよび/または米国ファミリー出願のUS20170311767A1の公開テキストは、本出願に組み込まれる。
以上のことから分かるように、シリンダが回転しながら、駆動構造によりブレードを同期駆動し往復移動させる。このため、本出願人は、CN105982615Bの特許付与公告番号を有する中国特許CN105982615Bにおいて、いくつかの駆動構造の例を挙げている。例えば、内部キャビティに遠心部材を設け、当該遠心部材が遠心力で前述のブレード5を横方向に移動するように駆動する。また、例えば、押し歯18、歯円板16、遠心振り子15が歯車駆動構造を構成し、当該駆動構造が回転シリンダの回転によって遠心振り子15を駆動して移動させることで、押し歯18及び歯円板16での伝動により、ブレード5を横方向に移動させる。さらに、例えば、電動駆動アセンブリを用いて前述のブレード5を駆動してシリンダの軸方向に沿って移動させ、および/または移動されたブレード5を静止位置に戻すなど、種々の駆動構造が例示されているが、ブレードを駆動し巻き付いた物の切断を実現できるようにするためには、種々の実施形態があり得るので、網羅的に列挙することはできない。
【0003】
網羅的に列挙することは不可能であるため、本出願人の技術案に基づいて、他の駆動構造も列挙されている。例えば、カム構造(例示的な構造は、付与公告番号CN110809422Bを有する中国特許の明細書の段落0053~0059を参照)、磁気アクチュエータ構造(例示的な構造は、付与公示番号CN110809422Bを有する中国特許の明細書の段落0062を参照)、ダブルベルト駆動構造(例示的な構造は、付与公告番号CN110809422Bを有する中国特許の明細書の段落0073~0076を参照)、駆動歯車リング、第1の平歯車、第2の平歯車及び出力歯車リングから構成され、カムと組み合わされた歯車駆動及びカム出力可変速構造(例示的な構造は、付与公告番号CN110809422Bを有する中国特許の明細書の段落0067~0072を参照)などが挙げられる。さらなる詳細は、付与公告番号CN110809422Bを有する中国特許の開示テキストを参照してもよい。当該付与公告番号CN110809422Bを有する中国特許の開示テキストおよび/または米国ファミリー出願のUS20210235946A1の開示テキストは、本出願に組み込まれている。
【0004】
上述したように、付与公告番号CN110809422Bを有する中国特許は、本出願人の後に他の駆動構造も列挙しており、その中の歯車駆動及びカム出力可変速構造は(付与公告番号CN110809422Bの中国特許の開示テキストから抽出)、固定エンドカバーと、駆動歯車リングとブラシロールの細長い本体とが同じ速度で回転するように前述のブラシロールの細長い本体に連結する駆動歯車リングと、歯が前述の駆動歯車リングの歯と噛み合っている第1の平歯車と、前述の第1の平歯車と第2の平歯車とが同じ速度で回転するように前述の第1の平歯車に連結する第2の平歯車と、歯が前述の第2の平歯車の歯と噛み合っている出力歯車リングとを備え、ここで、出力歯車リングの回転により、前述の切断ブレードを前述のスロット開口部内を循環させる。また、段落0067を参照してもよい。段落0067では、ブラシロール18は、1つ以上の固定エンドカバー172(
図15において最適に見える)と、少なくとも1つの駆動歯車リング174と、少なくとも1つの第1の平歯車176、少なくとも1つの第2の平歯車178および少なくとも1つの出力歯車リング180を備えてもよい。エンドカバー172のうちの1つ以上は固定されてもよく、ブラシロール18の細長い本体40と一緒に回転しないようにしてもよい。エンドカバー172は、平歯車176、178の回転軸を保持するように構成されてもよい。このことから、平歯車176、178の回転軸を保つためにブラシロール18にエンドカバー172を設ける必要があることが分かる。これが鍵であり、そうでなければ平歯車176、178が回転可能に支持されることはできない。そして段落0068では、伝動構造及び伝動過程について詳述しており、具体的には、第1の平歯車176は、ブラシロール18によって回転される。特に、ブラシロール18の回転は、駆動歯車リング174を回転させる。駆動歯車リング174の歯は、第1の平歯車176の歯と噛み合っている。示された実施形態では、第2の平歯車178は第1の平歯車176の一部であり、および/または、第2の平歯車178は第1の平歯車176に強固に(例えば、隆起して)連結されているが、これは、特に記載がない限り、本開示に対する制限ではない。このようにして、駆動歯車リング174の回転は、第1の平歯車176および第2の平歯車178の回転を引き起こす。出力歯車リング180は、ブラシロッド18の細長い本体40と同軸とすることができる。駆動歯車リング174、第1の平歯車176、第2の平歯車178および出力歯車リング180の相対的な歯数に起因して、出力歯車リング180の回転はブラシロール18の細長い本体40に対して減少される(または任意選択で増加される)ことができる。
【0005】
段落0069、0070および0072では、歯車駆動およびカム出力可変速構造についてより具体的に詳述しており、当該可変速歯車構造をより直感的に理解するために、段落0069を次のように抜粋する。示された例では、切断ブレード50は、1つ以上のカムフォロワ185を備えもよく、当該1つ以上のカムフォロワ185は、カム表面184に係合する(例えば、直接接触する)ように構成される。一実施形態では、ブラシロール18は、2つのエンドカバーを備えてもよく、各エンドカバーは、カム表面184を備える。一方のエンドカバーは、歯車減速機(例えば、歯車減速機170)を備えてもよく、他方のエンドカバーは、第2のカム表面184のみを備えてもよい。細長い本体40の回転により、カム表面184の1つ以上を回転させるため、カムフォロワ185をブラシロール18の回転軸に対して直線的に往復移動させることで、切断ブレード50を往復移動させる。段落0070を以下のように抜粋する。代替的に(あるいはさらに)、ブラシロール18の第1のエンドカバー172のみが、歯車減速機(例えば、歯車減速機170)およびカム表面184を備えてもよい。このような実施形態では、第2のエンドカバーは、ブラシロール18が旋回軸の周りを回転することのみを許容してもよい。ブラシロール18は、1つ以上の復帰バネ189を備えてもよい。実際には、ブラシロール18の回転により、歯車減速機170とカム表面184とを回転させる。カムフォロワ185は、カム表面185によって駆動され、切断ブレード50を第1のエンドカバー172から離れるようにする。そして、復帰バネ189は、切断ブレード50を第1のエンドカバー172に向かって押し戻すことができる。復帰バネ189は、切断ブレード50と一体化および/またはモノリシックにされてもよい(あるいは、代わりに切断ブレード50から完全に分離されてもよい)。段落0072を以下のように抜粋する。非限定的な例により、歯車減速機170は、40個の歯を持つ内部平歯車リング174(駆動歯車リング174)を備えてもよく、一方、固定エンドカバー172は、平歯車178に連結された平歯車176を備えてもよく、平歯車176は、30個の歯を持ち、平歯車178は、28歯を持つ。ブレード50を押し出すカム184は、39個の歯を持つ内部平歯車リング180を有していてもよく、その結果、カム184は、ブラシロール18の細長い本体40の速度の約0.99倍の速度、つまり毎分約25回相対的に回転する速度で回転する。上述したように、実施形態では、ブラシロール18は、歯車伝動歯に代えて摩擦接触により作動することができる。任意的に、入力174および出力180が同軸であり、且つ1つ以上のアイドラー歯車ペア176および178が1つ以上の独立した軸に沿って同軸となるように、歯車のサイズを大きくすることができる。
【0006】
以上から分かるように、固定エンドカバー172、駆動歯車リング174、1つ以上のアイドラー歯車ペア176、178、出力歯車リング180は、歯車可変速構造を形成し、かつ、切断ブレード50を駆動し往復移動させる目的は、出力歯車リング180が、カム、復帰バネ189と組み合わされることによって実現されるので、歯車可変速構造は、軸方向一方向の軸方向プッシュ伝動のみを提供する。しかし、今まで開示された技術案は、切断ブレードアクチュエータに回転伝動を提供することができない。また、当該歯車可変速構造を実現するためには、ブラシロール18にも固定エンドカバー172を設ける必要があり、ブラシロール18の構造の複雑化及びコストが増大してしまう。加えて、出力歯車リング180が要鍵部品であり、付与公告番号CN110809422Bを有する中国特許の開示テキストの添付図面15の記載も併せて参照することで、出力歯車リング180が一端開口を有するシリンダ状であることが分かる。シリンダの内部にはアイドラー歯車178を収容しており、伝動を実現するためには、アイドラーシャフト182を出力歯車リング180の旋回軸から逸脱して配置する必要があるため、一方では、出力歯車リング180の半径方向のサイズが大きくなり、ブラシロール18(すなわち、回転シリンダ)の半径方向のサイズの抑制に役立たず、他方では、構造がより複雑になり、組み立てに適さない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の欠点を克服して、ブレード駆動構造を提案し、遊星歯車伝動機構によってブレード移動を駆動するように、往復移動構造を回転して伝動させる。加えて、ブラシロールの一端(すなわち、回転シリンダ)に固定エンドカバーを設置する必要がなく、ブラシロールの構造の複雑度及びコストが低減される。加えて、本開示の方式は、出力歯車リングを有しておらず、且つ、アイドラー歯車ペアを設置する必要がなく、一方では、ブラシロール(すなわち、回転シリンダ)の径方向の大きさの抑制に資し、他方では、構造の簡素化に資するものであるので、組み立てに有益である。また、前述のブレード駆動構造を採用した毛髪切断ローラブラシも提案される。毛髪切断ローラブラシが取付けられたクリーニング装置も提案される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来技術と比べて、本開示は、第1の側面と第2の側面とがそれぞれ設けられたローラブラシホルダを備えるブレード駆動構造であって、遊星歯車伝動機構をさらに備え、第2の側面に固定部が設けられ、当該遊星歯車伝動機構の太陽歯車は固定部に固定して連結し、当該遊星歯車伝動機構の歯車リングは回転シリンダに連結し、当該遊星歯車伝動機構の遊星キャリアは伝動出力として、往復移動構造を駆動して移動させ、
【0009】
遊星キャリアに出力軸が設けられ、出力軸に継手の第1の部分が設けられ、当該継手の第1の部分は、往復移動構造の第2の駆動軸に連結された継手の第2の部分と周方向に伝動的に連結するためであり、
往復移動構造は回転体を備え、第2の駆動軸は回転体と周方向に伝動的に連結し、当該回転体には周方向に軌道が設けられ、軌道には第2の駆動軸によって駆動される回転体の回転運動を駆動部材の往復移動に変換する駆動部材が組み合わせられ、駆動部材はブレードに連結する。
【0010】
幾つかの実施形態では、固定部は軸状に設計され、前述の歯車伝動構造は、並列に配置された複数の遊星キャリアを備え、複数の遊星キャリアの数に対応する複数の太陽歯車と複数の組の遊星歯車を備え、当該固定部は、歯車伝動構造の右端の太陽歯車と連結し、歯車伝動構造の左端の遊星キャリアを介して出力する。
【0011】
幾つかの実施形態では、第1の側面と第2の側面との間に毛髪切断ローラブラシが配置された後、固定部、歯車伝動構造、及び往復移動構造が毛髪切断ローラブラシの回転シリンダの軸方向に沿って右から左に順次配置されている。
【0012】
幾つかの実施形態では、歯車リングは、回転シリンダと軸方向にソケット取付けられた後、周方向に伝動的に連結される。歯車リングの左端には左エンドカバーが固定され、歯車リングの右端には右エンドカバーが固定される。左エンドカバー、歯車リング、及び右エンドカバーはキャビティを形成し、このキャビティ内に前述の遊星歯車、遊星キャリア、及び太陽歯車が配置される。
【0013】
幾つかの実施形態では、左エンドカバー及び右エンドカバーに共に軸受が設けられており、右エンドカバーの軸受が前述の固定部に連結し、左エンドカバーの軸受が前述の出力軸に連結し、固定部の挿入部が太陽歯車に連結するため、回転シリンダが固定部に対して回転可能、すなわち、回転シリンダの他端が第2の側面に対して回転可能となり、同時に固定部が連結した太陽歯車が固定され動かない。
【0014】
幾つかの実施形態では、前述の出力軸は、前述の左端カバーを介してキャビティ内に挿入され、出力軸は遊星キャリアと連結し、比較的独立したモジュールが配置され、当該モジュールは、出力軸、左端カバー、遊星歯車伝動機構、右端カバー、固定部を備え、すなわち、前述のアセンブリを一つのモジュールに組立することができ、次に、モジュールを毛髪切断ブラシブラシの他の構造と連結する。
【0015】
幾つかの実施形態では、軌道は回転体の周面且つ軸方向に旋回して配置されたガイド溝を採用する。
幾つかの実施形態では、駆動部材の両端にボールが設けられ、駆動部材とガイド溝とはボールでローリング可能にフィットされる。
【0016】
幾つかの実施形態では、回転体には第2の駆動軸が連結され、第2の駆動軸は、回転体と軸方向に往復移動可能にソケット取付けられ且つ周方向に伝動的に連結され、回転体の両端にそれぞれ弾性部材が設けられ、当該弾性部材が回転体を弾性支持するためである。
【0017】
幾つかの実施形態では、弾性部材は圧縮バネを採用しており、前述の右部分の両端にはガスケットが設けられており、それぞれ左側のガスケットと右側のガスケットとする。左側のガスケットと回転体の左側との間に、右側のガスケットと回転体の右側との間には、圧縮バネがそれぞれ配置されている。
【0018】
幾つかの実施形態では、ガスケットの位置を調整することで圧縮バネの圧縮程度を変えることにより、ブレードの毛髪切断力を変える。
幾つかの実施形態では、往復移動構造は独立したコンパートメントに配置されおり、コンパートメントの左右の仕切りには、それぞれ第3の軸受と第4の軸受が設けられており、第3の軸受と第4の軸受は第2の駆動軸を回転的に支持する。
【発明の効果】
【0019】
上記構造を採用した後、従来技術と比較して、本開示は以下の利点を有する。
本開示の案では、遊星歯車伝動機構を採用し、遊星歯車伝動機構の遊星キャリアは出力軸に連結し、出力軸は継手の第1の部分に連結する。当該継手の第1の部分は、往復移動構造の第2の駆動軸に連結される継手の第2の部分に連結するためである。遊星歯車伝動機構は、継手の配置で第2の駆動軸を回転的に駆動し、さらに回転体を駆動して回転させる。当該回転体には周方向に軌道が設けられ、軌道には第2の駆動軸によって駆動される回転体の回転運動を駆動部材の往復移動に変換する駆動部材が組み合わせられ、駆動部材はブレードに連結する。このため、本開示の案では、遊星歯車伝動機構によってブレード移動を駆動するように、往復移動構造を回転して伝動させる。つまり、本開示の案では、遊星歯車伝動を採用する同時に、回転によって駆動部材の往復移動を駆動し、加えて、ブラシロールの一端(すなわち、回転シリンダ)に固定エンドカバーを設置する必要がなく、ブラシロールの構造の複雑度及びコストが低減される。加えて、本開示の方式は、出力歯車リングを有しておらず、アイドラー歯車ペアを設置する必要がなく、一方では、ブラシロール(すなわち、回転シリンダ)の径方向の大きさの抑制に資し、他方では、構造の簡素化に資するものであるので、組み立てに有益である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】クリーニング装置の斜め上方の視野方向の立体図である。
【
図2】クリーニング装置の斜め下方の視野方向の立体図である。
【
図3】軸方向に沿って取外された回転シリンダの立体図である。
【
図7】毛髪切断ローラブラシの軸方向に沿った半断面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の説明は、当業者が発明を実施できるように本発明を開示するためである。以下の説明における実施形態は例に過ぎなく、当業者が他の明白な変形例を考えることができる。以下の説明で定義される本発明の基本原理は、他の実施形態、変形技術案、改良技術案、等価技術案及び本発明の趣旨及び範囲を逸脱しないその他の技術的解決策に適用され得る。
【0022】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
なお、「毛髪切断」は略語であり、単に毛髪を切断するだけでなく、もちろん毛髪を切断することが主なことであるが、切断されることができる対象も「毛髪切断」の対象としている。
【0023】
本発明は、クリーニング装置を提供し、当該クリーニング装置は吸引口を備え、当該吸引口には、前述の毛髪切断ローラブラシが設けられている。
【0024】
クリーニング装置、例えば掃除機の吸引ヘッド、スイーパー、床スクラバー等は、本願でいうクリーニング装置とは、一般的には家庭用、又は小型のクリーニング装置を指す。これも本発明による毛髪切断ブラシブラシの特徴であり、つまり、全体の構造サイズは適切にできており、小型のクリーニング装置に適用することができる。
【0025】
例えば、
図1、
図2に示すクリーニング装置は、すなわち掃除機の吸引ヘッドである。この吸引ヘッドはローラブラシホルダを備える。ローラブラシホルダは、2つの側面を備え、それぞれ第1の側面25および第2の側面26である。本発明の毛髪切断ローラブラシを動作させるために、第2の側面26には、第1の駆動輪22と、駆動ベルト23と、第2の駆動輪24とが設けられている。第1の駆動輪22が電動モータアッセンブリ40によって駆動され、第1の駆動輪22は駆動ベルト23を介して第2の駆動輪24を駆動し回転させる。第2の駆動輪24は第1の駆動軸11に連結され、第1の駆動軸11と第2の側面26との間に第2の軸受17が配置される。第2の軸受17は第1の駆動軸11を回転可能に支持し、第1の駆動軸11は固定部4でソケットされる。固定部4の右端は第2の側面26のサイドカバー34内のプラグイン固定孔37でプラグインし固定されるが、固定部4の左端は歯車伝動構造が取付けられるように内側に延びている。
【0026】
本発明による毛髪切断ローラブラシを取付ける際に、回転シリンダ2を歯車伝動構造に向けて軸方向にソケット取付けて、回転シリンダ2の他端をこの軸方向のソケット取付けによって第2の側面26に取付ける同時に、回転シリンダ2の一端が軸方向に且つ軸方向のソケッティング動作に伴って第1の側面25に取付ける。回転シリンダ2を取外す際に、歯車伝動構造が第2の側26に保持されたまま、回転シリンダ2を軸方向のソケッティング動作の逆方向に取外す。取外された後、
図3に示すようになる。確実に連結して便利に取り外すために、回転シリンダ2の一端には取外しハンドル39が設けられている。取外しハンドル39とローラブラシホルダとの間にロック構造が設けてられ、このロック構造は種々の形態とすることができ、この例では
図2に示すように、スナップロック21を採用する。取外す時には、まずスナップロック21を解除し、取外しハンドル39に配置された挿込孔38からスナップロック21を分離し、その後、回転シリンダ2を軸方向に取外すことができるが、駆動構造の一部、すなわち、本例の歯車伝動構造は、第2の側面に保持されるままである。これに対して、回転シリンダ2を歯車伝動構造に軸方向にソケット取付ることができ、同時に回転シリンダ2を第1の側面25と第2の側面26との間に取付け、その後、スナップロック21をかけて、スナップロック21のデッドボルトを挿込孔38に挿入し、ロッキングを完了させる。
【0027】
上記の着脱構造はシンプルで信頼性が高く、ツールの助けを借りずに、着脱操作が便利である。
本発明は、駆動構造が再利用性を有する毛髪切断ローラブラシを例に挙げる。駆動構造の一部または全部を第2の側面26に配置することで、回転シリンダ2の他端に、駆動構造の第2の側面26に保持される部分と軸方向にソケット取付けられたソケット孔が設けられ、当該軸方向のソケット取付けは、回転シリンダ2の他端を軸方向のソケット取付けにより第2の側面26に軸方向に取付けるためであり、同時に、回転シリンダ2の一端は、軸方向に且つ軸方向のソケッティング動作に伴って第1の側面25に取付けられる。回転シリンダ2が取外される場合、駆動構造の第2の側面26に保持された部分が第2の側面26に保持されるまま、回転シリンダ2は軸方向のソケッティング動作の逆方向に取外される。したがって、毛髪ローラブラシを交換するときは、回転シリンダ2とその上に取付けられた構造を交換するだけでよく、駆動構造はある程度再利用できるため、使用コストの削減に役立つ。
【0028】
図2、3、6、7に示すように、前述の毛髪切断ローラブラシにおいて、ブレード1と、回転シリンダ2とを備える。ブレード1にはブレードヘッド3が設けられている。ブレード1はローラブラシの回転シリンダ2内に配置され、回転シリンダ2が回転すると共に、ブレード1は往復移動し毛髪を切断するように駆動構造により同期駆動される。第2の側面26には駆動構造の一部または全部が設けられ、回転シリンダ2の他端には第2の側面26に保持された駆動構造26の部分と軸方向にソケット取付けられるソケット孔が設けられる。軸方向のソケット取付けは、回転シリンダ2の他端を軸方向のソケット取付けにより第2の側面26に軸方向に取付けるためであり、同時に、回転シリンダ2の一端は、軸方向に且つ軸方向のソケッティング動作に伴って第1の側面25に取付けられる。回転シリンダ2が取外される場合、駆動構造の第2の側面26に保持された部分が第2の側面26に保持されるまま、回転シリンダ2は軸方向のソケッティング動作の逆方向に取外される。
【0029】
本例では、駆動構造は、遊星歯車伝動機構と往復移動構造とを備え、駆動構造の第2の側26に保持されている部分を遊星歯車伝動機構と指す。往復移動構造は、回転シリンダ2内に位置し、往復移動構造は回転シリンダ2と一緒に着脱されることができる。遊星歯車伝動機構と往復移動構造は着脱可能に連結される。当該遊星歯車伝動機構は、往復移動構造を駆動して往復移動させるためであり、往復移動構造の往復移動は、ブレード1の往復移動を駆動するためである。このように、構造の簡素化を助長し、本発明の目的を実現しつつ、駆動構造設定の煩雑さや困難さを低減することができる。さらに、前述の設計は、主に歯車伝動構造によって往復移動速度の変化を負担させるので、構造の簡素化を助長し、さらに、カム方式ではなく、往復移動構造を伝動的に駆動するのは遊星歯車伝動機構の回転であるため、往復速度をより正確に制御できるため、より良い毛髪切断効果を得ることができる。
【0030】
なお、第1の側面25及び第2の側面26は、あくまでも相対的に言えることに過ぎなく、ブラシホルダの一方の側を第1の側面25と定義すると、その反対側の他方の側を第2の側面26と定義する。特許請求の範囲に記述された第2の側面26に固定部4が設けられることは、固定部4が位置する側を第2の側面26と定義するが、特許の保護範囲は実施形態に限定されない。
図7に示す固定部4が第1の側面25に配置されると、この場合、第1の側面25は、特許請求の範囲に記述された第2の側面26となる。
図7に示すように、着脱用ハンドル39を備えているので、構造を簡略化するために、固定部4を着脱用ハンドル39内に配置することができる。着脱用ハンドル39が第1の側面25に連結している場合、固定部4は当然に第1の側面25によって間接的に固定され、第1の側面25に固定部4が設けられることに相当する。この場合、遊星歯車伝動機構の歯車リング6が第1の側面25に位置し、電動モータアッセンブリ40が第2の側面26において回転シリンダ2を駆動して回転させると、遊星歯車伝動機構の歯車リング6が回転筒2に連結されているので、歯車リング6が駆動されて回転し、さらに遊星歯車伝動機構が往復移動構造を駆動して移動させ、すなわち、下記の「入力側が回転シリンダ2に連結している場合、入力側は回転シリンダ2を駆動し回転させるためであり、回転シリンダ2が回転し更に歯車伝動構造を駆動し回転させ、歯車伝動構造は往復移動構造を往復移動するように駆動するために回転する」に説明される状況である。
【0031】
幾つかの実施形態では、第2の側面26には入力側が設けられ、入力側は回転シリンダ2および/または歯車伝動構造と連結される。入力側が回転シリンダ2に連結している場合、入力側は回転シリンダ2を駆動し回転させるためであり、回転シリンダ2が回転し更に歯車伝動構造を駆動し回転させ、歯車伝動構造は往復移動構造を往復移動するように駆動するために回転する。入力側が歯車伝動構造に連結している場合、入力側は歯車伝動構造を回転するように駆動するためであり、歯車伝動構造が回転し更に回転シリンダ2を駆動し回転させ、歯車伝動構造は往復移動構造を往復移動するように駆動するために回転する。入力側が回転シリンダ2と歯車伝動構造にともに連結している場合、入力側は回転シリンダ2と歯車伝動構造とを一緒に回転するように駆動するためであり、歯車伝動構造が回転し、往復移動構造を往復移動駆動するように駆動するためである。このような設計は、構造のコンパクト化を助長する。
【0032】
この例では、入力側を歯車伝動構造と連結し、入力側を歯車伝動構造を駆動して回転させるためであり、歯車伝動構造は更に、回転シリンダ2を駆動して回転させ、歯車伝動構造は往復移動構造を駆動して往復移動させるためである。このような設計は、構造のコンパクト化を助長し、構造のサイズを抑制できる。
【0033】
入力側に第1の駆動軸11が設けられ、第1の駆動軸11に固定部4がソケット取付けられ、第1の駆動軸11は固定部4の周りを回転可能であり、固定部に前述の歯車伝動構造が取付けられる。このような設計は、構造のコンパクト化を助長し、構造全体の体積を効果的に抑制できる。
【0034】
第1の駆動軸11に回転連結部30が設けられ、当該回転連結部30は歯車伝動構造と連結し、当該回転連結部30は歯車伝動構造を駆動し回転させるためであり、歯車伝動構造は更に回転シリンダ2を駆動し回転させる。このような設計は、構造のコンパクト化を助長し、構造全体の体積を効果的に抑制できる。
【0035】
本例では、歯車伝動構造は遊星歯車伝動機構を採用し、第2の側面26に固定部4が設けられ、当該遊星歯車伝動機構の太陽歯車5を固定部4に固定して連結し、当該遊星歯車伝動機構の歯車リング6は回転シリンダ2に連結し、当該遊星歯車伝動機構の遊星キャリア7は伝動出力として、往復移動構造を駆動して移動させる。このような設計は、構造のコンパクト化を助長し、構造全体の体積を効果的に抑制できる。
【0036】
なお、歯車リング6に右エンドカバーが設けられ、当該右エンドカバーは回転連結部30に連結し、回転連結部30は前述の右エンドカバーによって歯車リング6を駆動し回転させ、歯車リング6は更に回転シリンダを駆動し回転させる。このような設計は、構造のコンパクト化を助長し、構造全体の体積を効果的に抑制できる。
【0037】
図7に示すように、第1の側面25と第2の側面26との間に毛髪切断ローラブラシが配置された後、固定部4、歯車伝動構造、及び往復移動構造が回転シリンダ2に沿って軸方向に右から左に順次配置されている。このように、横方向の構造サイズの抑制が容易になる。
【0038】
この例では、固定部4は軸状に設計され、前述の歯車伝動構造は、並列に配置された3つの遊星キャリア7を備え、3つの太陽歯車5と3組の遊星歯車を有する。
図7に示すように、当該固定部4は、歯車伝動構造の右端の太陽歯車5と連結され、歯車伝動構造の左端の遊星キャリア7を介して出力する。
【0039】
この例では、左端遊星キャリア7は出力軸に連結され、出力軸は継手の第1の部分35に連結される。当該継手の第1の部分35は、往復移動構造の第2の駆動軸12に連結される継手の第2の部分36に連結するためである。継手の第1の部分35は継手の第2の部分36と軸方向に着脱可能に連結し、連結してから、周方向に伝動的に連結し、歯車伝動構造および往復移動構造は、継手の第1の部分35および継手の第2の部分36を介して軸方向の着脱可能な連結を実現し、連結後に周方向に伝動的に連結する。このような設計では、構造がシンプルで信頼性が高く、連結が便利である。継手の構造は、実施形態に限定されるものではなく、他の構造とすることも可能であり、適用可能な継手の構造であれば、本開示の技術案に適用することができる。
【0040】
この例では、歯車リング6は、回転シリンダ2と軸方向に着脱可能にソケット取付けられ、且つソケット取付けられた後、周方向に伝動的に連結される。歯車リング6の左端には左エンドカバー31が固定され、歯車リング6の右端には右エンドカバー32が固定される。左エンドカバー31、歯車リング6、及び右エンドカバー32はキャビティを形成し、このキャビティ内に前述の遊星歯車、遊星キャリア7、及び太陽歯車5が配置される。このように、遊星歯車、遊星キャリア7、及び太陽歯車5の保護に有利し、加えて、構造のコンパクト可を助長し、また、後述するモジュラー構造の形成を助長する。
【0041】
この例では、左エンドカバー31及び右エンドカバー32に共に軸受が設けられており、右エンドカバー32の軸受が前述の固定部4に連結され、左エンドカバー31の軸受が前述の出力軸に連結され、固定部4の挿入部が太陽歯車5に連結しているため、回転シリンダ2が固定部4に対して回転可能、すなわち、回転シリンダ2の他端が第2の側面の26に対して回転可能となり、同時に太陽歯車5が固定され動かない。このような設計は、構造のコンパクト化を助長する。
【0042】
この例では、回転シリンダ2の一端が第1の側面25に対して回転する構造は、回転シリンダ2の一端に配置された第1の軸受16と、回転連結軸27とを備え、第1の軸受16がハンドル39に固定され、回転連結軸27が第1の軸受16に連結され、第1の軸受16が回転連結軸27を回転可能に支持し、回転連結軸27が回転シリンダ2にも固定されることで、回転シリンダ2の一端が回転連結軸27を介して第1の軸受16との回転可能な連結は、回転シリンダ2の一端が第1の側面25に対して回転する構造を実現できる。
【0043】
図7、8に示すように、往復移動構造は、周方向に軌道9が設けられた回転体8を備え、軌道9には駆動部材10が組み合わせられ、駆動部材10はブレード1に連結する。このような設計では、構造がシンプルで往復移動の信頼性が高い。
【0044】
軌道9は回転体の8周面且つ軸方向に旋回して配置されたガイド溝を採用し、駆動部材10の両端にボール15が設けられ、駆動部材10とガイド溝とはボール15でローリング可能にフィットされる。このような設計は、横方向のサイズの抑制を助長し、また、動きの摩擦を減らし、往復移動をより助長する。他の減摩構造も使用できるが、ここでは繰り返さない。
【0045】
加えて、回転体8には第2の駆動軸12が連結される。第2の駆動軸12は、回転体8と軸方向に往復移動可能にソケット取付けられ且つ周方向に伝動的に連結され、回転体8の両端にそれぞれ弾性部材13が設けられ、当該弾性部材13が回転体8を弾性支持するためである。この設計は、ブレード1のアンチジャミング設計であり、重要な役割を有する。前述の設計によれば、予期せぬ事態によりブレード1が動かない場合に、回転体8が第2の駆動軸12の軸方向に沿って移動し、同時に回転シリンダ2が依然として回転することができ、このように、一方では、ブレード1、回転体8、歯車伝動構造などの関わる構造が保護され、他方では、回転シリンダ2及び他の関連構造は、異なる弾性部13又は弾性力可変の弾性部13を選択することによりブレード1の切断力の調整を助長する。さらに、切断力の調整を比較的容易に行うことができる技術的手段を提供し、切断力の簡便な調整は大きな意義を有する。
【0046】
この例では、製造及び組立により便利にするために、軸方向に往復移動可能なソケット取付け及び周方向に伝動的連結の構造は、例えば、回転体8に軸方向溝を設け、その右部分に周方向に軸方向突起を設け、軸方向溝と軸方向突起とが軸方向ソケット取付けて、移動可能にフィットするものである。
【0047】
弾性部材13の取付けを容易にするために、当該弾性部材13は圧縮バネを採用しており、前述の右部分の両端にはガスケット14が設けられており、それぞれ左側のガスケット14と右側のガスケット14とする。左側のガスケット14と回転体8の左側との間に、右側のガスケット14と回転体8の右側との間には、圧縮バネがそれぞれ配置されている。このように設計した後、連結が確実である。さらに、もう一つの使用法があり、つまりガスケット14の位置を調整することで圧縮バネの圧縮程度を変えることができ、それによってブレード1の毛髪切断力を変えることができ、また、部品の汎用性も向上することができ、あまりにも多くの種類の圧縮バネを準備する必要がなくなる。
【0048】
ガスケット14の位置を調整する技術案は、例えばガスケット14の厚さを厚くすることで、圧縮バネがガスケット14によってトッピングされる位置を変えることがあり、また、ガスケット14を移動してから固定することで、圧縮バネがガスケット14によってトッピングされる位置を変えることもある。
前述の出力軸は、前述の左エンドカバー31を経由しキャビティ内に挿入され、出力軸は遊星キャリア7と連結する。
【0049】
上記のように設計した後、比較的独立したモジュールを得ることができ、当該モジュールは、出力軸、左エンドカバー31、遊星歯車伝動機構、右エンドカバー32、固定部4を備え、すなわち、前述のアセンブリを一つのモジュールに組立することができ、次に、モジュールを毛髪切断ブラシブラシの他の構造と連結することで、生産組立が大幅に容易になり、さらに生産品質が高くなり、安定した生産品質を助長する。
【0050】
この例では、往復移動構造は独立したコンパートメント20に配置されている。このような設計は、往復移動構造の保護に資するものであり、加えて、コンパートメント20の左右の仕切りを第3の軸受28及び第4の軸受29の取付け位置としても用いることができ、第3の軸受28及び第4の軸受29が第2の駆動軸12を回転的に支持するので、構造がコンパクトであり、また、左右の仕切りも一定の強度を提供するので、回転シリンダ2の構造がより安定する。
【0051】
より優れた毛髪のカールを防ぐ性能を図るために、第2の側面26と回転シリンダ2との間にシールリング19が配置される。具体的に、この例では、第2の側面26に回転マッチングスリーブ18を設けられ、前述の回転シリンダ2の他端(すなわち右端)の周壁と回転マッチングスリーブ18との間にシールリング19をスリーブし、当該シールリング19が回転シリンダ2とともに回転する。前述のシールリング19は例えばオイルシールである。
【0052】
歯車伝動構造と回転シリンダ2を軸方向に着脱可能に連結させ、且つ連結後に周方向に伝動的に連結させることをより容易にし、同時に横方向のサイズを効果的に抑制するために、
図3、4に示すように、往復移動構造に近い歯車伝動構造の一端に軸方向コネクタ33が設けられ、歯車リング6と回転シリンダ2とは軸方向コネクタ33によって軸方向に着脱可能に連結し、軸方向に連結してから、軸方向コネクタ33は、回転シリンダ2が歯車リング6を駆動して一緒に回転する周方向伝動コネクタとして同時に使用される。軸方向コネクタ33は二つであり、歯車伝動構造の往復移動構造に近い一端に沿って周方向に均等に分布している。
【0053】
本発明を理解するに当たっては、必要に応じて、上記の構造を他の実施形態・図面を参照して理解することができ、ここでは繰り返さない。
なお、上記は本発明の例示のための実施形態に過ぎず、本発明特許の保護範囲に記載の構造、特徴及び原理に従ってなされた全ての同等の変更又は修正は、本発明特許の保護範囲に含まれる。
なお、上記は本発明の例示のための実施形態に過ぎず、本発明特許の保護範囲に記載の構造、特徴及び原理に従ってなされた全ての同等の変更又は修正は、本発明特許の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
1 ブレード
2 回転シリンダ
3 ブレードヘッド
4 固定部
5 太陽歯車
6 歯車リング
7 遊星キャリア
8 回転体
9 軌道
10 駆動部材
11 第1の駆動軸
12 第2の駆動軸
13 弾性部材
14 ガスケット
15 ボール
16 第1の軸受
17 第2の軸受
18 回転マッチングスリーブ
19 シールリング
20 コンパートメント
21 スナップロック
22 第1の駆動輪
23 駆動ベルト
24 第2の駆動輪
25 第1の側面
26 第2の側面
27 回転連結軸
28 第3の軸受
29 第4の軸受
30 回転連結部
31 左エンドカバー
32 右エンドカバー
33 軸方向コネクタ
34 サイドカバー
35 継手の第1の部分
36 継手の第2の部分
37 プラグイン固定孔
38 挿込孔
39 ハンドル
40 電気モーターアセンブリ
【手続補正書】
【提出日】2024-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側面と第2の側面とがそれぞれ設けられたローラブラシホルダを備えるブレード駆動構造であって、遊星歯車伝動機構をさらに備え、第2の側面に固定部が設けられ、当該遊星歯車伝動機構の太陽歯車は固定部に固定して連結し、当該遊星歯車伝動機構の歯車リングは回転シリンダに連結し、当該遊星歯車伝動機構の遊星キャリアは伝動出力として、往復移動構造
の第2の駆動軸の回転を駆動し
、
往復移動構造は回転体を備え、第2の駆動軸は回転体と周方向に伝動的に連結し、当該回転体には周方向に軌道が設けられ、軌道には第2の駆動軸によって駆動される回転体の回転運動を駆動部材の往復移動に変換する駆動部材が組み合わせられ、駆動部材はブレードに連結する、ことを特徴とするブレード駆動構造。
【請求項2】
固定部は軸状に設計され、前記
遊星歯車伝動機構は、並列に配置された複数の遊星キャリアを備え、複数の遊星キャリアの数に対応する複数の太陽歯車と複数の組の遊星歯車を備え、当該固定部は、歯車伝動構造の右端の太陽歯車と連結し、歯車伝動構造の左端の遊星キャリアを介して出力する、ことを特徴とする請求項1に記載のブレード駆動構造。
【請求項3】
第1の側面と第2の側面との間に毛髪切断ローラブラシが配置された後、固定部、歯車伝動構造、及び往復移動構造が毛髪切断ローラブラシの回転シリンダの軸方向に沿って右から左に順次配置されている、ことを特徴とする請求項
1に記載のブレード駆動構造。
【請求項4】
歯車リングは、回転シリンダと軸方向にソケット取付けられた後、周方向に伝動的に連結され、歯車リングの左端には左エンドカバーが固定され、歯車リングの右端には右エンドカバーが固定され、左エンドカバー、歯車リング、及び右エンドカバーはキャビティを形成し、キャビティ内に
遊星歯車、遊星キャリア、及び太陽歯車が配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のブレード駆動構造。
【請求項5】
左エンドカバー及び右エンドカバーに共に軸受が設けられており、右エンドカバーの軸受が前記固定部に連結し、左エンドカバーの軸受が
出力軸に連結し、固定部の挿入部が太陽歯車に連結するため、回転シリンダが固定部に対して回転可能、すなわち、回転シリンダの他端が第2の側面に対して回転可能となり、同時に固定部が連結した太陽歯車が固定され動かない、ことを特徴とする請求項4に記載のブレード駆動構造。
【請求項6】
出力軸が前記左エンドカバーを介してキャビティ内に挿入され、出力軸は遊星キャリアと連結し、比較的独立したモジュールが配置され、当該モジュールは、出力軸、左エンドカバー、遊星歯車伝動機構、右エンドカバー、固定部を備え、すなわち、前述のアセンブリを一つのモジュールに組立することができ、次に、モジュールを毛髪切断ブラシブラシの他の構造と連結する、ことを特徴とする請求項4に記載のブレード駆動構造。
【請求項7】
軌道は回転体の周面且つ軸方向に旋回して配置されたガイド溝を採用する、ことを特徴とする請求項1に記載のブレード駆動構造。
【請求項8】
駆動部材の両端にボールが設けられ、駆動部材とガイド溝とはボールでローリング可能にフィットされる、ことを特徴とする請求項7に記載のブレード駆動構造。
【請求項9】
第2の駆動軸は、回転体と軸方向に往復移動可能にソケット取付けられ且つ周方向に伝動的に連結され、回転体の両端にそれぞれ弾性部材が設けられ、当該弾性部材が回転体を弾性支持するためである、ことを特徴とする請求項1に記載のブレード駆動構造。
【請求項10】
弾性部材は圧縮バネを採用し、
右部分の両端にはガスケットが設けられており、それぞれ左側のガスケットと右側のガスケットであり、左側のガスケットと回転体の左側との間に、右側のガスケットと回転体の右側との間には、圧縮バネがそれぞれ配置されている、ことを特徴とする請求項9に記載のブレード駆動構造。
【請求項11】
ガスケットの位置を調整することで圧縮バネの圧縮程度を変えることにより、ブレードの毛髪切断力を変える、ことを特徴とする請求項10に記載のブレード駆動構造。
【請求項12】
往復移動構造は独立したコンパートメントに配置されおり、コンパートメントの左右の仕切りには、それぞれ第3の軸受と第4の軸受が設けられており、第3の軸受と第4の軸受は第2の駆動軸を回転的に支持する、ことを特徴とする請求項1に記載のブレード駆動構造。
【請求項13】
遊星キャリアに出力軸が設けられ、出力軸に継手の第1の部分が設けられ、当該継手の第1の部分は、往復移動構造の第2の駆動軸に連結された継手の第2の部分と周方向に伝動的に連結するためである、ことを特徴とする請求項1に記載のブレード駆動構造。
【請求項14】
ブレード駆動構造を備える毛髪切断ローラブラシであって、当該ブレード駆動構造は、請求項1乃至
13のいずれか1項に記載されるブレード駆動構造を採用する、ことを特徴とする毛髪切断ローラブラシ。
【請求項15】
第2の側面には駆動構造の一部または全部が設けられ、回転シリンダの他端には駆動構造の第2の側面に保持された部分と軸方向にソケット取付けられるソケット孔が設けられ、当該軸方向のソケット取付けは、回転シリンダの他端を軸方向のソケット取付けにより第2の側面に軸方向に取付けるためであり、同時に、回転シリンダの一端は、軸方向に且つ軸方向のソケッティング動作に伴って第1の側面に取付けられ、回転シリンダが取外される場合、駆動構造の第2の側面に保持された部分が第2の側面に保持されるまま、回転シリンダは前記軸方向のソケッティング動作の逆方向に取外され、駆動構造の第2の側面に保持された部分は歯車伝動構造を指し、往復移動構造は回転シリンダ内に配置され、往復移動構造は回転シリンダと一緒に着脱されることができ、遊星歯車伝動機構と往復移動構造は着脱可能に連結される、ことを特徴とする請求項
14に記載の毛髪切断ローラブラシ。
【請求項16】
吸引口を備えるクリーニング装置であって、当該吸引口には、請求項
14に記載される毛髪切断ローラブラシが設けられている、ことを特徴とするクリーニング装置。
【国際調査報告】