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特表2024-539084純アルミナ粒子のその場結晶化によって製造された低Z/M FCC触媒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】純アルミナ粒子のその場結晶化によって製造された低Z/M FCC触媒
(51)【国際特許分類】
   B01J 29/08 20060101AFI20241018BHJP
   C01B 39/24 20060101ALI20241018BHJP
   B01J 35/40 20240101ALI20241018BHJP
   B01J 37/04 20060101ALI20241018BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20241018BHJP
   B01J 37/10 20060101ALI20241018BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20241018BHJP
   B01J 35/77 20240101ALI20241018BHJP
   B01J 35/51 20240101ALI20241018BHJP
   C10G 11/05 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B01J29/08 M
C01B39/24
B01J35/40
B01J37/04 102
B01J37/08
B01J37/10
B01J37/02 101Z
B01J35/77
B01J35/51
C10G11/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523394
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 US2022047313
(87)【国際公開番号】W WO2023069645
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/270,462
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カラス,カール,シー.
(72)【発明者】
【氏名】ムーニー,ダナ,レームス
(72)【発明者】
【氏名】ナーゲル,ピーター
【テーマコード(参考)】
4G073
4G169
4H129
【Fターム(参考)】
4G073BA17
4G073BA57
4G073BA63
4G073CZ05
4G073FB01
4G073FB02
4G073FB04
4G073FB11
4G073FB19
4G073FB50
4G073FD22
4G073FD23
4G073FD25
4G073GA02
4G073GA05
4G073GA12
4G073GA14
4G073UA04
4G169AA02
4G169AA03
4G169AA08
4G169AA09
4G169AA11
4G169BA01A
4G169BA01B
4G169BA01C
4G169BA02C
4G169BA03C
4G169BA04C
4G169BA05C
4G169BA06C
4G169BA07A
4G169BA07B
4G169BA10C
4G169BA15C
4G169BA20C
4G169BA37
4G169BA38
4G169BA47C
4G169BB04B
4G169BB04C
4G169BB05C
4G169BB06C
4G169BC02C
4G169BC08A
4G169BC09A
4G169BC10A
4G169BC12A
4G169BC13A
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4G169BC25A
4G169BC39A
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4G169BC41A
4G169BC42A
4G169BC42B
4G169BC43A
4G169BC44A
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4G169EA01X
4G169EA01Y
4G169EA02X
4G169EA02Y
4G169EA04X
4G169EA04Y
4G169EB18X
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4G169EC01X
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4G169EC03Y
4G169EC06Y
4G169EC18Y
4G169EC19
4G169FA01
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4G169FB05
4G169FB14
4G169FB29
4G169FB57
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4G169ZA13A
4G169ZA14A
4G169ZA16A
4G169ZA19A
4G169ZB04
4G169ZB09
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4G169ZD03
4G169ZD06
4G169ZF02A
4G169ZF02B
4G169ZF05A
4G169ZF05B
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4H129AA02
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4H129GA03
4H129GA12
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4H129KC03Y
4H129KC14X
4H129KC14Y
4H129KC16X
4H129KC17X
4H129KD05X
4H129KD06X
4H129KD07X
4H129KD09X
4H129KD09Y
4H129NA20
4H129NA23
4H129NA37
(57)【要約】
本明細書では、純アルミナ粒子上のその場で結晶化されたゼオライトを含む流動接触分解(FCC)触媒成分であって、約1.3未満の、マトリックス表面積(MSA)に対するゼオライト表面積(ZSA)の比率を有する流動接触分解(FCC)触媒成分が開示される。本明細書では、前記FCC触媒成分を含むFCC触媒組成物、FCC触媒組成物を調製する方法、FCC触媒成分を調製する方法及びFCC触媒組成物又はFCC触媒成分を使用する方法も開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動接触分解(FCC)触媒成分であって、純アルミナ粒子上のその場で結晶化されたゼオライトを含み、約1.3未満の、マトリックス表面積(MSA)に対するゼオライト表面積(ZSA)の比率を有する流動接触分解(FCC)触媒成分。
【請求項2】
前記純アルミナ粒子は、ベーマイト由来のアルミナ、擬似ベーマイト由来のアルミナ、フラッシュ焼成ギブサイト由来のアルミナ、ベーマイト、擬似ベーマイト、フラッシュ焼成ギブサイト、焼成されたフラッシュ焼成ギブサイト、シリカドープアルミナ、ガンマ-アルミナ、χ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナ、κ-アルミナ、α-アルミナ、それらの希土類変性変形物、それらのアルカリ土類金属変性変形物、それらのビスマス変性変形物又はそれらの2つ以上の混合物の1つ又は複数を含む、請求項1に記載のFCC触媒成分。
【請求項3】
前記純アルミナ粒子は、未粉砕である、請求項1又は2に記載のFCC触媒成分。
【請求項4】
前記純アルミナ粒子は、約40μm~約150μm、約60μm~約120μm又は約80μm~約100μmの平均粒径を有し、前記純アルミナ粒子は、
アルミナ前駆体を粉砕することと、
前記アルミナ前駆体からスラリーを製造することと、
前記平均粒径を有する純アルミナ粒子に到達するように、前記スラリー化されたアルミナ前駆体を噴霧乾燥することと
によって調製される、請求項1又は2に記載のFCC触媒成分。
【請求項5】
前記ゼオライトは、構造BEA、MSE、-SVR、FAU、MOR、CON、SOF、MFI、IMF、FER、MWW、MTT、TON、EUO、MRE、NAT、CHA、EMT又はそれらの2つ以上の混合物を有するゼオライトから選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載のFCC触媒成分。
【請求項6】
前記ゼオライトは、ゼオライトX、Y-ゼオライト、ZSM-5、ベータゼオライト、ZSM-11、ZSM-14、ZSM-17、ZSM-18、ZSM-20、ZSM-31、ZSM-34、ZSM-41、ZSM-46、モルデナイト、チャバザイト又はそれらの2つ以上の混合物から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のFCC触媒成分。
【請求項7】
前記ゼオライトは、Y-ゼオライトである、請求項1~6のいずれか一項に記載のFCC触媒成分。
【請求項8】
前記Y-ゼオライトは、約20重量%未満で存在する、請求項7に記載のFCC触媒成分。
【請求項9】
前記Y-ゼオライトの相組成は、前記FCC触媒成分の総重量に基づいて約5重量%、約6重量%、約7重量%若しくは約8重量%~約15重量%、約17重量%、約20重量%、約25重量%の範囲又はその中の任意の部分範囲若しくは単一相組成である、請求項7に記載のFCC触媒成分。
【請求項10】
前記ゼオライトは、約24.50Å~約24.80Åの単位格子サイズを有する、請求項6に記載のFCC触媒成分。
【請求項11】
前記ゼオライトは、約24.40Å以下の単位格子サイズを有する、請求項6に記載のFCC触媒成分。
【請求項12】
前記純アルミナ粒子は、約40μm~約150μm、約60μm~約120μm又は約80μm~約100μmの平均粒径を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載のFCC触媒成分。
【請求項13】
前記純アルミナ粒子は、希土類元素、ビスマス、アルカリ土類元素又はそれらの2つ以上の混合物から選択される非アルミナ成分で変性される、請求項1~12のいずれか一項に記載のFCC触媒成分。
【請求項14】
前記純アルミナ粒子は、希土類元素で変性される、請求項1~13のいずれか一項に記載のFCC触媒成分。
【請求項15】
前記希土類元素は、イッテルビウム、ガドリニウム、セリウム、ランタン又はそれらの2つ以上の混合物を含む、請求項14に記載のFCC触媒成分。
【請求項16】
前記希土類元素は、セリウムを含む、請求項14又は15に記載のFCC触媒成分。
【請求項17】
前記希土類元素は、ランタンを含む、請求項14~16のいずれか一項に記載のFCC触媒成分。
【請求項18】
前記純アルミナ粒子は、アルカリ土類元素で変性される、請求項1~17のいずれか一項に記載のFCC触媒成分。
【請求項19】
前記アルカリ土類元素は、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム又はそれらの2つ以上の混合物を含む、請求項18に記載のFCC触媒成分。
【請求項20】
前記FCC触媒成分の細孔容積は、水銀ポロシメトリーによって測定される場合、少なくとも約0.15mL/gである、請求項1~19のいずれか一項に記載のFCC触媒成分。
【請求項21】
前記FCC触媒成分の細孔容積は、水銀ポロシメトリーによって測定される場合、約0.15mL/g~約0.45mL/gである、請求項1~19のいずれか一項に記載のFCC触媒成分。
【請求項22】
前記ゼオライトの等方性結晶サイズは、約300Å~約550Åである、請求項1~21のいずれか一項に記載のFCC触媒成分。
【請求項23】
前記FCC触媒成分の失活形態の前記ゼオライトの等方性サイズは、失活前の前記ゼオライトの前記等方性サイズと実質的に同様であり、前記失活触媒のXRD異方性パラメータは、約1.0未満である、請求項1~22のいずれか一項に記載のFCC触媒成分。
【請求項24】
前記ゼオライトの結晶学的歪みは、X線回折データのGSASリートベルト精密化のLYパラメータから決定される場合、約0.25%未満である、請求項1~23のいずれか一項に記載のFCC触媒成分。
【請求項25】
流動接触分解(FCC)触媒成分を調製する方法であって、純アルミナ粒子上においてゼオライトをその場で結晶化させることを含み、前記FCC触媒成分は、約1.3未満の、マトリックス表面積(MSA)に対するゼオライト表面積(ZSA)の比率を有する、方法。
【請求項26】
前記純アルミナ粒子は、ベーマイト由来のアルミナ、擬似ベーマイト由来のアルミナ、フラッシュ焼成ギブサイト由来のアルミナ、ベーマイト、擬似ベーマイト、フラッシュ焼成ギブサイト、焼成されたフラッシュ焼成ギブサイト、シリカドープアルミナ、ガンマ-アルミナ、χ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナ、κ-アルミナ、α-アルミナ、それらの希土類変性変形物、それらのアルカリ土類金属変性変形物、それらのビスマス変性変形物又はそれらの2つ以上の混合物の1つ又は複数を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記純アルミナ粒子は、前記結晶化前に粉砕されない、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
純アルミナ粒子を調製することをさらに含み、調製することは、
アルミナ前駆体を粉砕することと、
前記アルミナ前駆体からスラリーを製造することと、
約40μm~約150μm、約60μm~約120μm又は約80μm~約100μmの平均粒径を有する純アルミナ粒子に到達するように、前記スラリー化されたアルミナ前駆体を噴霧乾燥することと
を含む、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項29】
前記スラリーは、ケイ酸ナトリウムゾルをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ゼオライトは、構造BEA、MSE、-SVR、FAU、MOR、CON、SOF、MFI、IMF、FER、MWW、MTT、TON、EUO、MRE、NAT、CHA、EMT又はそれらの2つ以上の混合物を有するゼオライトから選択される、請求項25~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記ゼオライトは、ゼオライトX、Y-ゼオライト、ZSM-5、ベータゼオライト、ZSM-11、ZSM-14、ZSM-17、ZSM-18、ZSM-20、ZSM-31、ZSM-34、ZSM-41、ZSM-46、モルデナイト、チャバザイト又はそれらの2つ以上の混合物から選択される、請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記ゼオライトは、Y-ゼオライトである、請求項25~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記ゼオライトは、約24.20Å~約24.70Å又は約24.30Å~約24.40Åの単位格子パラメータを有する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記純アルミナ粒子は、約40μm~約150μm、約60μm~約120μm又は約80μm~約100μmの平均粒径を有する、請求項28~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
結晶化は、
前記純アルミナ粒子をアルミニウム源、ケイ素源、任意選択的に水酸化ナトリウム及び水と混合して、アルカリ性スラリーを得ることと、
前記アルカリ性スラリーを、前記FCC触媒成分の総重量に基づいて少なくとも約5重量%のゼオライトを結晶化させるのに十分な温度まで且つ時間にわたって加熱して、ゼオライト微小球を形成することと
を含む、請求項28~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記アルミニウム源は、メタカオリン、アルミン酸ナトリウム又はそれらの組み合わせを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記ケイ素源は、ケイ酸ナトリウム、石英、シリカゲル、シリカゾル、ケイ酸ナトリウムゾル及びそれらの組み合わせを含む、請求項35又は36に記載の方法。
【請求項38】
前記アルミニウム源は、スピネルを形成することなくカオリナイトをメタカオリンに変換するのに十分な温度及び期間で前記カオリナイトを焼成することから得られるメタカオリンを含む、請求項35~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記アルカリ性スラリーから前記ゼオライト微小球を分離することをさらに含む、請求項35~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記ゼオライト微小球を焼成することをさらに含む、請求項35~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記ゼオライト微小球又は前記純アルミナ粒子を非アルミナ成分で変性することをさらに含み、前記非アルミナ成分は、希土類元素、ビスマス、アルカリ土類元素又はそれらの2つ以上の混合物から選択される、請求項35~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記非アルミナ成分は、希土類元素を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記希土類元素は、イッテルビウム、ガドリニウム、セリウム、ランタン又はそれらの2つ以上の混合物を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記希土類元素は、セリウムを含む、請求項42又は43に記載の方法。
【請求項45】
前記ゼオライト微小球又は前記純アルミナ粒子をセリウムで変性することは、硝酸セリウム又は酢酸セリウムから選択されるセリウム前駆体で前記ゼオライト微小球又は前記純アルミナ粒子を含浸させることを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記希土類元素は、ランタンを含む、請求項42~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記ゼオライト微小球又は前記純アルミナ粒子をランタンで変性することは、硝酸ランタン又は酢酸ランタンから選択されるランタン前駆体で前記ゼオライト微小球又は前記純アルミナ粒子を含浸させることを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記非アルミナ成分は、アルカリ土類元素を含む、請求項41~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記アルカリ土類元素は、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム又はそれらの2つ以上の混合物を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記アルカリ土類元素は、ストロンチウムを含む、請求項48又は49に記載の方法。
【請求項51】
請求項1~24のいずれか一項に記載のFCC触媒成分であるか、又は請求項25~50のいずれか一項に記載の方法に従って調製された第1のFCC触媒成分と、
前記第1のFCC触媒成分と組成的に異なる第2の成分と
を含む流動接触分解(FCC)触媒組成物。
【請求項52】
前記第2の成分は、第2のゼオライト及び第2の非ゼオライトマトリックスを含む、請求項51に記載のFCC触媒組成物。
【請求項53】
前記第2のゼオライトは、構造BEA、MSE、-SVR、FAU、MOR、CON、SOF、MFI、IMF、FER、MWW、MTT、TON、EUO、MRE、NAT、CHA、EMT又はそれらの組み合わせを有するゼオライトから選択される、請求項52に記載のFCC触媒組成物。
【請求項54】
前記第2の非ゼオライトマトリックスは、粘土、スピネル、ムライト、ベーマイト、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、カオリン、メタカオリン、ハロイサイト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、アナウキサイト、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア、シリカ-ジルコニア、シリカ-トリア、シリカ-ベリリア、シリカ-チタニア、シリカ-アルミナ-トリア、シリカ-アルミナ-ジルコニア、シリカ-アルミナ-マグネシア、シリカ-マグネシア-ジルコニア、シリカドープアルミナ、ガンマ-アルミナ、χ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナ、κ-アルミナ、α-アルミナ、それらの希土類変性変形物、それらのアルカリ土類金属変性変形物、それらのビスマス変性変形物又はそれらの混合物の1つ又は複数を含む、請求項52又は53に記載のFCC触媒組成物。
【請求項55】
請求項51~54のいずれか一項に記載のFCC触媒組成物を調製する方法であって、前記第1のFCC触媒成分を前記第2の成分と組み合わせることを含む方法。
【請求項56】
炭化水素原料を分解する方法であって、前記原料を、請求項1~25のいずれか一項に記載のFCC触媒成分、又は請求項26~50のいずれか一項に記載の方法によって調製されたFCC触媒成分、又は請求項51~54のいずれか一項に記載のFCC触媒組成物、又は請求項55に記載の方法によって調製されたFCC触媒組成物と接触させることを含む方法。
【請求項57】
炭化水素原料を分解する方法であって、前記原料を、純アルミナ粒子上のその場で結晶化されたYゼオライトを含むFCC触媒成分と接触させることを含み、前記FCC触媒成分は、約1.3未満の、マトリックス表面積(MSA)に対するゼオライト表面積(ZSA)の比率を有する、方法。
【請求項58】
前記原料を、約1.3以上のZSA/MSAの比率を有するFCC触媒成分と接触させることから得られるライトサイクルオイル(LCO)収率よりも高いLCO収率をもたらす、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記Y-ゼオライトは、約24.50Å~約24.80Åの単位格子サイズを有する、請求項57又は58に記載の方法。
【請求項60】
前記原料を、24.50Å未満の単位格子サイズを有するゼオライトを有するFCC触媒成分と接触させることから得られる液化石油ガス(LPG)収率よりも高いLPG収率をもたらす、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記原料を、前記純アルミナ粒子の少なくとも一部の代わりに粘土を含む非ゼオライトマトリックスを含むFCC触媒成分と接触させることから得られるコークス収率よりも低いコークス収率をもたらす、請求項59又は60に記載の方法。
【請求項62】
流動接触分解(FCC)触媒を調製する方法であって、粘土の不在下でアルミナ粒子上においてゼオライトをその場で結晶化させることを含む方法。
【請求項63】
前記FCC触媒は、約1.0未満の、マトリックス表面積(MSA)に対するゼオライト表面積(ZSA)の比率を有する、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記FCC触媒の細孔容積は、水銀ポロシメトリーによって測定される場合、約0.15mL/g~約0.45mL/gである、請求項62又は63に記載の方法。
【請求項65】
前記アルミナ粒子は、フラッシュ焼成ギブサイトを含む、請求項62~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記ゼオライトの等方性結晶サイズは、約250Å~約500Åである、請求項62~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記ゼオライトの結晶学的歪みは、X線回折データのGSASリートベルト精密化のLYパラメータから決定される場合、約0.25%未満である、請求項62~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記ゼオライトは、約24.20Å~約24.70Åの単位格子サイズを有する、請求項62~67のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月21日に出願された米国仮特許出願第63/270,462号明細書の優先権の利益を主張するものであり、この開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、石油精製触媒及びその組成物に関する。特に、本開示は、流動接触分解(FCC)触媒及びその組成物、その調製方法並びにその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
特定のFCC市場は、FCCガソリンよりもディーゼル燃料の前駆体であるライトサイクルオイル(LCO)及び液化石油ガス(LPG、例えばLPGオレフィン)を重視する方向へのシフトを経験している。
【0004】
FCC触媒成分は、マトリックス表面積に対するゼオライト表面積(Z/M)を減少させる設計により、この傾向に対処することができる。既存の低Z/M FCC触媒は、粘土などのアルミナ以外の非ゼオライトマトリックス材料を含む。限定的に解釈されるものではないが、粘土などのアルミナ以外の非ゼオライトマトリックス材料を有するFCC触媒成分は、アルミナマトリックス材料を有するFCC触媒成分が示すコークス収率と比較して高いコークス収率を示すことがあると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コークス生成を最小化しながら、改善されたLCO及びLPG収率を示すFCC触媒成分を開発することが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、純アルミナ粒子上のその場(in-situ)で結晶化されたゼオライトを含む流動接触分解(FCC)触媒成分であって、約1.3未満の、マトリックス表面積(MSA)に対するゼオライト表面積(ZSA)の比率を有する流動接触分解(FCC)触媒成分を提供する。
【0007】
様々なゼオライトを純アルミナ粒子上で結晶化させ得、例えば、限定されないが、構造BEA、MSE、-SVR、FAU、MOR、CON、SOF、MFI、IMF、FER、MWW、MTT、TON、EUO、MRE、NAT、CHA、EMT又はそれらの2つ以上の混合物を有するゼオライトが挙げられる。特定の実施形態では、ゼオライトは、ゼオライトX、Y-ゼオライト、ZSM-5、ベータゼオライト、ZSM-11、ZSM-14、ZSM-17、ZSM-18、ZSM-20、ZSM-31、ZSM-34、ZSM-41、ZSM-46、モルデナイト、チャバザイト又はそれらの2つ以上の混合物から選択され得る。一実施形態では、ゼオライトは、ゼオライトYである。特定の実施形態では、例えば、ゼオライトがゼオライトYである場合、ゼオライトは、約24.20Å~約24.70Åの単位格子サイズを有し得る。
【0008】
純アルミナ粒子は、ベーマイト由来のアルミナ、擬似ベーマイト由来のアルミナ、フラッシュ焼成ギブサイト由来のアルミナ、ベーマイト、擬似ベーマイト、フラッシュ焼成ギブサイト、焼成されたフラッシュ焼成ギブサイト、シリカドープアルミナ、ガンマ-アルミナ、χ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナ、κ-アルミナ、α-アルミナ、それらの希土類変性変形物、それらのアルカリ土類金属変性変形物、それらのビスマス変性変形物又はそれらの2つ以上の混合物の1つ又は複数を含み得る。
【0009】
一実施形態では、純アルミナ粒子は、最初にアルミナ前駆体を粉砕し(例えば、限定されないが、チョップ粉砕、ハンマー粉砕若しくはボール粉砕などの乾式粉砕又は湿式粉砕)、粉砕されたアルミナ前駆体をスラリー化し、且つ粉砕及びスラリー化されたアルミナ前駆体を噴霧乾燥して、適切な平均粒径を有するアルミナ粒子を作製することによって作製され得る。別の実施形態では、純アルミナ粒子は、粉砕されずに適切な平均粒径を有し得る。純アルミナ粒子の適切な粒子径は、粉砕又は未粉砕を問わず、約40μm~約150μm、約60μm~約120μm又は約80μm~約100μmの範囲であり得る。
【0010】
特定の実施形態では、純アルミナ粒子及び/又はゼオライトは、希土類元素、ビスマス、アルカリ土類元素又はそれらの2つ以上の混合物から選択される非アルミナ成分によって変性され得る。適切な希土類元素としては、イッテルビウム、ガドリニウム、セリウム、ランタン又はそれらの2つ以上の混合物が挙げられ得る。適切なアルカリ土類元素としては、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム又はそれらの2つ以上の混合物が挙げられ得る。
【0011】
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載されるFCC触媒成分のいずれかを調製する方法を提供する。本方法は、純アルミナ粒子上においてゼオライトをその場で結晶化させることを含み、FCC触媒成分は、約1.3未満の、MSAに対するZSAの比率を有する。ゼオライトは、本明細書に記載のゼオライトのいずれでもあり得る。純アルミナ粒子は、本明細書に記載の純アルミナ粒子のいずれでもあり得る。
【0012】
特定の実施形態では、結晶化は、純アルミナ粒子をアルミニウム源、ケイ素源、任意選択的に水酸化ナトリウム及び水と混合して、アルカリ性スラリーを形成することを含む。特定の実施形態では、結晶化は、アルカリ性スラリーを、FCC触媒成分の総重量に基づいて少なくとも約5重量%のゼオライトを結晶化させるのに十分な温度まで且つ時間にわたって加熱して、ゼオライト微小球を形成することをさらに含む。
【0013】
特定の実施形態では、本方法は、結晶化前に、例えばアルミナ粒子前駆体を粉砕し、粉砕されたアルミナ粒子前駆体をスラリー化し、且つスラリー化及び粉砕されたアルミナ粒子前駆体を噴霧乾燥して、本明細書に記載されるような適切な径のアルミナ粒子を形成することにより、純アルミナ粒子を形成することを含む。
【0014】
特定の実施形態では、FCC触媒成分のいずれかを調製する方法は、ゼオライト微小球(結晶化後)及び/又は純アルミナ粒子(結晶化前)を、希土類元素、ビスマス、アルカリ土類元素又はそれらの2つ以上の混合物から選択される非アルミナ成分で変性することをさらに含む。適切な希土類元素としては、イッテルビウム、ガドリニウム、セリウム、ランタン又はそれらの2つ以上の混合物が挙げられ得る。適切なアルカリ土類元素としては、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム又はそれらの2つ以上の混合物が挙げられ得る。一実施形態では、変性は、ゼオライト微小球及び/又は純アルミナ粒子を、選択された非アルミナ成分(例えば、硝酸セリウム、酢酸セリウム、硝酸ランタン、酢酸ランタン)の前駆体溶液に含浸又は接触させることを含み得る。
【0015】
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される実施形態のいずれかによる第1のFCC触媒成分と、第1のFCC触媒成分と組成的に異なる第2の成分とを含むFCC触媒組成物を提供する。第2の成分は、第2のゼオライト及び第2の非ゼオライトマトリックスを含み得る。第2のゼオライトは、構造BEA、MSE、-SVR、FAU、MOR、CON、SOF、MFI、IMF、FER、MWW、MTT、TON、EUO、MRE、NAT、CHA、EMT又はそれらの組み合わせを有するゼオライトから選択され得る。第2のマトリックスは、粘土、スピネル、ムライト、ベーマイト、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、カオリン、メタカオリン、ハロイサイト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、アナウキサイト、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア、シリカ-ジルコニア、シリカ-トリア、シリカ-ベリリア、シリカ-チタニア、シリカ-アルミナ-トリア、シリカ-アルミナ-ジルコニア、シリカ-アルミナ-マグネシア、シリカ-マグネシア-ジルコニア、シリカドープアルミナ、ガンマ-アルミナ、χ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナ、κ-アルミナ、α-アルミナ、それらの希土類変性変形物、それらのアルカリ土類金属変性変形物、それらのビスマス変性変形物又はそれらの混合物の1つ又は複数を含み得る。
【0016】
特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される実施形態のいずれかによる第1のFCC触媒成分を、第1のFCC触媒成分と組成的に異なる第2の成分と組み合わせることにより、FCC触媒組成物を調製する方法を提供する。
【0017】
特定の実施形態では、本開示は、炭化水素原料を、本明細書に記載される実施形態のいずれかによるFCC触媒成分又は本明細書に記載される実施形態のいずれかによるFCC触媒組成物と接触させることにより、炭化水素原料を分解する方法を提供する。本開示の方法は、ライトサイクルオイル(LCO)収率の向上、液化石油ガス(LPG)収率の向上及び/又はコークス収率の低下の1つ又は複数をもたらし得る。
【0018】
定義
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、複数の言及を含む。したがって、例えば、「微小球」への言及は、単一の微小球だけでなく、2つ以上の微小球の混合物などを含む。
【0019】
本明細書で使用される場合、測定量に関連する「約」という用語は、測定を行い、測定の目的及び測定装置の精度に見合った注意レベルを行使する当業者によって予想される、その測定量における通常の変動を指す。特定の実施形態では、「約」という用語は、言及された数±10%を含み、したがって、「約10」は、9~11を含むであろう。
【0020】
本明細書で使用される場合、「触媒」、又は「触媒組成物」、又は「触媒材料」、又は「触媒成分」という用語は、反応を促進する材料を指す。本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、FCC触媒組成物又はFCC添加剤組成物を言及する場合、第2の成分と混合又はブレンドされた第1の成分等、2つ以上の別個の及び異なる成分のブレンド又は混合物を指す。特定の実施形態では、組成物中の成分は、化合しており、物理的手段(例えば、濾過)によって分離することができない。他の実施形態では、組成物中の成分は、化合しておらず、物理的手段(例えば、濾過)によって分離され得る。
【0021】
本明細書で使用される場合、「流動接触分解」又は「FCC」という用語は、石油原油の高沸点、高分子量炭化水素画分が、より価値のあるガソリン、オレフィン系ガス及び他の製品に転化される石油精製所における転化プロセスを指す。
【0022】
「分解条件」又は「FCC条件」は、典型的なFCCプロセス条件を指す。典型的なFCCプロセスは、450℃~650℃の反応温度において、600℃~850℃の触媒再生温度で行われる。高温再生触媒は、反応器の底部で炭化水素原料に添加される。固体触媒粒子の流動化は、リフトガスで促進され得る。触媒は、気化し、原料を所望の分解温度まで過熱する。触媒及び原料の上昇通過中、原料は、分解され、コークスが触媒上に堆積する。コークス付き触媒及び分解生成物は、ライザーを出て、反応器容器の上部で固体-ガス分離システム、例えば一連のサイクロンに入る。分解された生成物は、ガス、ガソリン、軽質ガスオイル及び重質サイクルガスオイルを含む一連の生成物に分画される。いくつかのより重質の炭化水素は、反応器にリサイクルされ得る。
【0023】
本明細書で使用される場合、「原料」又は「供給原料」という用語は、高沸点及び高分子量を有する原油の部分を指す。FCCプロセスでは、炭化水素供給原料は、FCCユニットのライザーセクション中に注入され、そこで、供給原料は、触媒再生器からライザー反応器に循環された高温触媒に接触したとき、より軽質でより価値のある生成物に分解される。
【0024】
本明細書で使用される場合、「粒子」は、噴霧乾燥によって得ることができる微小球の形態であり得る。当事者によって理解されるように、微小球は、形状が必ずしも完全に球形であるわけではない。本明細書に記載される種々の触媒成分は、微小球の形態の粒子であり得る。
【0025】
本明細書で使用される場合、「マトリックス」又は「非ゼオライトマトリックス」という用語は、ゼオライト又はモレキュラシーブではないFCC触媒成分の構成要素を指す。
【0026】
本明細書で使用される「ゼオライト」という用語は、ケイ素、アルミニウム及び酸素イオンの広範な三次元ネットワークに基づく骨格を有する結晶性アルミノシリケートを指し、実質的に均一な細孔分布を有する。
【0027】
本明細書で使用される場合、「相互成長ゼオライト」という用語は、その場結晶化プロセスによって形成されるゼオライトを指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「その場結晶化」という用語は、ゼオライトが微小球上/中で直接成長又は相互成長し、マトリックス又は非ゼオライト材料と密接に関連するプロセスを指し、例えば米国特許第4493902号明細書及び同第6656347号明細書に記載されている。ゼオライトは、ゼオライトがマトリックス又は非ゼオライト材料上に均一に分散するように、前駆体微小球のマクロ細孔上/中で直接相互成長する。
【0029】
本明細書で使用される場合、「組み込まれた触媒」という用語は、ゼオライト成分が結晶化され、その後、別のステップで微小球中に組み込まれるプロセスを指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、「予成形微小球」又は「前駆体微小球」という用語は、非ゼオライト成分を噴霧乾燥及び焼成することによって得られる微小球を指す。
【0031】
本明細書で使用される場合、「ゼオライト含有微小球」という用語は、予形成された前駆体微小球上でゼオライト材料をその場で結晶化させるか、又はゼオライト成分が別々に結晶化され、次いで前駆体微小球と混合される微小球によって得られる微小球を指す。
【0032】
本明細書での値の範囲の列挙は、本明細書で特に指示されない限り、範囲内に入るそれぞれの別個の値に個別に言及する簡略法として機能することを意図するにすぎず、それぞれの別個の値は、あたかもそれが本明細書で個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書で特に指示されない限り又は文脈によって特に明確に否定されない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書で提供される任意の及び全ての例又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、特定の材料及び方法を例示することを意図するにすぎず、範囲に限定を提起するものでない。本明細書における言語は、任意の特許請求されない要素が、開示される材料及び方法の実施にとって必須であると示すものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示は、特定の実施形態では、純アルミナ粒子上のその場で結晶化されたゼオライトを含む流動接触分解(FCC)触媒成分であって、約1.3未満の、本明細書ではZ/M比とも記載され得るマトリックス表面積(MSA)に対するゼオライト表面積(ZSA)の比率を有する流動接触分解(FCC)触媒成分に関する。特定の実施形態では、Z/M比は、約1.2未満、約1.1未満、約1.0未満、約0.9未満、約0.8未満又は約0.7未満であり得る。特定の実施形態では、Z/M比は、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5若しくは約0.6のいずれか~約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2若しくは約1.3のいずれかの範囲又はその中の任意の部分範囲若しくは単一のZ/M値であり得る。一実施形態では、FCC触媒成分のZ/M比は、約0.5~約1.3の範囲である。一実施形態では、FCC触媒成分のZ/M比は、約0.6~約1.3の範囲である。一実施形態では、FCC触媒成分のZ/M比は約0.7~約1.3の範囲である。限定的に解釈されるものではないが、ライトサイクルオイル(LCO)収率は、所与のマトリックス技術について、Z/M比が減少するにつれてLCO収率が増加するように、FCC触媒成分のZ/Mの関数であると考えられる。LCOは、ディーゼル燃料の前駆体であり、FCC市場で一層関心が高まっている。
【0034】
特定の実施形態では、FCC触媒成分が水蒸気処理条件(例えば、800℃、例えば約1~24時間で100%水蒸気処理)を受けた後の水蒸気処理後Z/M比(sZ/M比)は、約1.0未満である。特定の実施形態では、sZ/M比は、約0.9未満、約0.8未満又は約0.7未満であり得る。特定の実施形態では、sZ/M比は、約0.2、約0.25若しくは約0.3のいずれか~約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9若しくは約1.0のいずれかの範囲又はその中の任意の部分範囲若しくは単一のsZ/M値であり得る。一実施形態では、FCC触媒成分のsZ/M比は、約0.2~約0.7の範囲である。一実施形態では、FCC触媒成分のsZ/M比は、約0.25~約0.6の範囲である。一実施形態では、FCC触媒成分のsZ/M比は、約0.3~約0.5の範囲である。
【0035】
Z/M比(又はsZ/M比)に達するには、FCC触媒成分の全表面積(TSA)をBET法に従って求め、FCC触媒成分のマトリックス表面積(MSA)をt-プロット法に従って求める。TSAとMSAとの差がFCC触媒成分のゼオライト表面積(ZSA)である。
【0036】
特定の実施形態では、FCC触媒成分のBET TSAは、約50m/g、約75m/g、約100m/g若しくは約125m/gのいずれか~約150m/g、約175m/g、約200m/g、約250m/g、約275m/g、約300m/g、約350m/g、約400m/g、約450m/g若しくは約500m/gのいずれかの範囲又はその中の任意の部分範囲又は単一のBET TSA値である。一実施形態では、FCC触媒成分のBET TSAは、約100m/g~約300m/gの範囲である。一実施形態では、FCC触媒成分のBET TSAは、約125m/g~約270m/gの範囲である。一実施形態では、FCC触媒成分のBET TSAは、約150m/g~約250m/gの範囲である。
【0037】
特定の実施形態では、FCC触媒成分のt-プロットMSAは、約25m/g、約50m/g、約75m/g若しくは約90m/gのいずれか~約110m/g、約125m/g、約130m/g、約140m/g、約150m/g、約160m/g、約170m/g、約175m/g、約180m/g若しくは約190m/gのいずれかの範囲又はその中の任意の部分範囲若しくは単一のt-プロットMSA値である。一実施形態では、FCC触媒成分のt-プロットMSAは、約25m/g~約175m/gの範囲である。一実施形態では、FCC触媒成分のt-プロットMSAは、約50m/g~約150m/gの範囲である。一実施形態では、FCC触媒成分のt-プロットMSAは、約75m/g~約125m/gの範囲である。
【0038】
特定の実施形態では、FCC触媒成分のZSAは、約25m/g、約50m/g、約75m/g若しくは約90m/gのいずれか~約110m/g、約125m/g、約130m/g、約140m/g、約150m/g、約160m/g、約170m/g、約175m/g、約180m/g若しくは約190m/gのいずれかの範囲又はその中の任意の部分範囲若しくは単一のZSA値である。一実施形態では、FCC触媒成分のZSAは、約25m/g~約175m/gの範囲である。一実施形態では、FCC触媒成分のZSAは、約50m/g~約150m/gの範囲である。一実施形態では、FCC触媒成分のZSAは、約75m/g~約125m/gの範囲である。
【0039】
本明細書に記載される実施形態によるFCC触媒成分としては、種々のゼオライト、例えば、限定されないが、構造BEA、MSE、-SVR、FAU、MOR、CON、SOF、MFI、IMF、FER、MWW、MTT、TON、EUO、MRE、NAT、CHA、EMT又はそれらの2つ以上の混合物を有するゼオライトから選択されるゼオライトが挙げられ得る。特定の実施形態では、ゼオライトは、ゼオライトX、Y-ゼオライト、ZSM-5、ベータゼオライト、ZSM-11、ZSM-14、ZSM-17、ZSM-18、ZSM-20、ZSM-31、ZSM-34、ZSM-41、ZSM-46、モルデナイト、チャバザイト又はそれらの2つ以上の混合物から選択される。一実施形態では、ゼオライトは、ゼオライトYである。
【0040】
いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.10Å~約24.80Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.30Å~約24.75Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.50Å~約24.70Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.30Å~約24.40Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.50Å~約24.80Åの単位格子パラメータを有する。限定的に解釈されるものではないが、比較的大きい有効単位格子サイズは、より多くの液化石油ガス(LPG)をもたらすと考えられる。LPGは、FCC市場でも一層大きい関心を集めている。
【0041】
いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.30Å~約24.75Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.30Å~約24.74Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.30Å~約24.73Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.30Å~約24.72Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.30Å~約24.71Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.50Å~約24.75Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.50Å~約24.74Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.50Å~約24.73Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.50Å~約24.72Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.50Å~約24.71Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.60Å~約24.75Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.60Å~約24.74Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.60Å~約24.73Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.60Å~約24.72Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.60Å~約24.71Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.65Å~約24.75Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.65Å~約24.74Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.65Å~約24.73Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.65Å~約24.72Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.65Å~約24.71Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.45Å~約24.75Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.45Å~約24.74Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.45Å~約24.73Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.45Å~約24.72Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.45Å~約24.71Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、約24.10Å、24.11Å、24.12Å、24.13Å、24.14Å、24.15Å、24.16Å、24.17Å、24.18Å、24.19Å、24.20Å、24.21Å、24.22Å、24.23Å、24.24Å、24.25Å、24.26Å、24.27Å、24.28Å、24.29Å、24.30Å、24.31Å、24.32Å、24.33Å、24.34Å、24.35Å、24.36Å、24.37Å、24.38Å、24.39Å、24.40Å、24.41Å、24.42Å、24.43Å、24.44Å、24.45Å、24.46Å、24.47Å、24.48Å、24.49Å、24.50Å、24.51Å、24.52Å、24.53Å、24.54Å、24.55Å、24.56Å、24.57Å、24.58Å、24.59Å、24.60Å、24.61Å、24.62Å、24.63Å、24.64Å、24.65Å、24.66Å、24.67Å、24.68Å、24.69Å、24.70Å、24.71Å、24.72Å、24.73Å、24.74Å、24.75Å、24.76Å、24.77Å、24.78Å、24.79Å又は24.80Åの単位格子パラメータを有する。
【0042】
上記の単位格子サイズは、ゼオライトYなどのFAUゼオライト構造を有するゼオライトに特に適切であり得る。当業者に理解されるように、本明細書では、上記されたゼオライト構造のいくつかは、本明細書に記載されるものと異なる単位格子サイズを有し得る。
【0043】
本明細書で考案されるFCC触媒成分中の純アルミナ粒子としては、ベーマイト由来のアルミナ、擬似ベーマイト由来のアルミナ、フラッシュ焼成ギブサイト由来のアルミナ、ベーマイト、擬似ベーマイト、フラッシュ焼成ギブサイト、焼成されたフラッシュ焼成ギブサイト、シリカドープアルミナ、ガンマ-アルミナ、χ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナ、κ-アルミナ、α-アルミナ、それらの希土類変性変形物、それらのアルカリ土類金属変性変形物、それらのビスマス変性変形物又はそれらの2つ以上の混合物の1つ又は複数が含まれ得る。特定の実施形態では、純アルミナ粒子としては、ベーマイト由来のアルミナ、擬似ベーマイト由来のアルミナ、フラッシュ焼成ギブサイト由来のアルミナ、フラッシュ焼成ギブサイト、焼成されたフラッシュ焼成ギブサイト、ガンマ-アルミナ、それらの希土類変性変形物、それらのアルカリ土類金属変性変形物又はそれらの2つ以上の混合物の1つ又は複数が含まれる。一実施形態では、純アルミナ粒子は、ベーマイト及び/又は擬似ベーマイトの焼成に由来し、ランタン前駆体で変性されたランタンドープガンマアルミナを含む。一実施形態では、純アルミナ粒子は、カイアルミナ、ガンマアルミナに類似したアルミナ又はそれらの組み合わせを含み得る焼成されたフラッシュ焼成ギブサイトを含む。
【0044】
本明細書で使用される場合、「フラッシュ焼成ギブサイト」とは、例えば、約500℃~800℃の温度で高温カラムを通過させて、蒸気と実質的に無水のアルミナとの混合物を形成するギブサイトを指す。前記実質的に無水のアルミナは、フラッシュ焼成ギブサイトと呼ばれる。「焼成されたフラッシュ焼成ギブサイト」という用語は、例えば、約650℃~約900℃、約700℃~約900℃、約750℃~約850℃又は約800℃でさらなる焼成に供されたフラッシュ焼成ギブサイトを指す。
【0045】
特定の実施形態では、1つ又は複数の上記の純アルミナ粒子がFCC触媒成分の非ゼオライトマトリックスの全体を形成する。一実施形態では、FCC触媒成分は、粘土を含まないか又は実質的に含まない(すなわちFCC触媒成分の総重量に基づいて約15重量%未満、約12重量%未満、約10重量%未満、約8重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、約1重量%未満又は0重量%の粘土を有する)。限定的に解釈されるものではないが、アルミナマトリックス(すなわち上記の純アルミナ粒子の1つ又は複数を含む非ゼオライトマトリックス)は、コークス最小化において粘土マトリックスよりも優れていると考えられる。
【0046】
コークスの最小化において、粘土マトリックスが純アルミナ粒子マトリックスより劣る理由については、いくつかの理由がある。
【0047】
1つの理由は、限定的に解釈されるものではないが、スピネルが比較的高レベルの強ルイス酸部位を有し、炭化水素断片と強固に結合し得ることであろう。脱着せず、再生器に到達しない炭化水素がコークスである。純アルミナ粒子は、特定の実施形態では、約70μmol/g未満、約65μmol/g未満、約60μmol/g未満、約55μmol/g未満、約50μmol/g未満、約45μmol/g未満、約40μmol/g未満又はその中の任意の部分範囲若しくは単一のルイス酸密度値の強ルイス酸部位密度を有し得る。
【0048】
コークスの最小化において粘土マトリックスが純アルミナ粒子マトリックスより劣る別の理由は、限定的に解釈されるものではないが、粘土中の鉄含有量に関係していると考えられる。FCCライザー条件下では、Fe(III)/Fe(II)酸化還元対が活性化し、鉄が酸触媒分解に加えてラジカル反応の開始を触媒し得る。大きい炭化水素断片のラジカルカップリングは、脱着しない大きい炭化水素中間体をもたらし、再生器に報告され、コークスを構成する。純アルミナ粒子は、特定の実施形態では、鉄を含まないか又は実質的に含まなくてよい(すなわち純アルミナ粒子の総重量に基づいて約15重量%未満、約12重量%未満、約10重量%未満、約8重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、約1重量%未満又は0重量%未満の鉄を有する)。
【0049】
純アルミナ粒子は、約40μm~約150μm、約60μm~約120μm又は約80μm~約100μmの平均粒径を有し得る。一実施形態では、純アルミナ粒子の粒度分布は、狭くてもよく、粒子の平均粒径は、約70μm~約90μm又は約80μm~約90μmの範囲であり得る。一実施形態では、純アルミナ粒子は、粉砕(例えば、限定されないが、チョップ粉砕、ハンマー粉砕又はボール粉砕などの乾式粉砕)、スラリー化及び/又は噴霧乾燥の1つ又は複数を経て、約40μm~約150μm、約60μm~約120μm、約80μm~約100μm又は約70μm~約90μmの平均粒径に到達する。別の実施形態では、純アルミナ粒子を湿式粉砕し、次いで噴霧乾燥して、約40μm~約150μm、約60μm~約120μm、約80μm~約100μm又は約70μm~約90μmの平均粒径に到達させ得る。別の実施形態では、純アルミナ粒子は、未粉砕であり、約40μm~約150μm、約60μm~約120μm、約80μm~約100μm又は約70μm~約90μmの平均粒径を有する。粉砕、スラリー化及び噴霧乾燥を行わず、十分に粗い純アルミナ粒子は、追加的なプロセスステップ(粉砕、スラリー化及び噴霧乾燥など)に関連し得る費用が削減されるため、特定の実施例では好ましくなり得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、純アルミナ粒子は、FCC触媒成分中、FCC触媒成分の総重量に基づいて約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%若しくは約75重量%のいずれか~約80重量%、約85重量%、約90重量%若しくは約95重量%のいずれかの範囲又はその中の任意の部分範囲若しくは単一濃度値の量で存在する。
【0051】
本明細書に記載されるFCC触媒成分中の純アルミナ粒子及び/又はゼオライトのいずれも、限定されないが、希土類元素、ビスマス、アルカリ土類元素又はそれらの2つ以上の混合物からなどの非アルミナ成分によってさらに変性され得る。いくつかの実施形態では、非アルミナ成分は、FCC触媒成分の総重量に基づいて約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%若しくは約5重量%のいずれか~約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%若しくは約15重量%のいずれかの範囲又はその中の任意の部分範囲若しくは単一の濃度値の量でFCC触媒成分中に存在する。特定の実施形態では、非アルミナ成分は、FCC触媒成分の総重量に基づいて約0.1重量%~約12重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約5重量%若しくは約1重量%~約3重量%の範囲又はその中の任意の部分範囲若しくは単一の濃度値の量でFCC触媒成分中に存在する。
【0052】
一実施形態では、本明細書に記載のFCC触媒成分中の純アルミナ粒子及び/又はゼオライトは、希土類元素で変性される。適切な希土類元素としては、限定されないが、イッテルビウム、ガドリニウム、セリウム、ランタン又はそれらの2つ以上の混合物が挙げられる。一実施形態では、本明細書に記載のFCC触媒成分中の純アルミナ粒子及び/又はゼオライトは、FCC触媒成分の総重量に基づいて例えば約0.1重量%~約15重量%、約3重量%~約15重量%、約5重量%~約15重量%又は約10重量%~約15重量%のセリウムで変性される。一実施形態では、本明細書に記載のFCC触媒成分中の純アルミナ粒子及び/又はゼオライトは、FCC触媒成分の総重量に基づいて例えば約0.1重量%~約12重量%、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約5重量%又は約1重量%~約3重量%のランタンで変性される。一実施形態では、本明細書に記載のFCC触媒成分中の純アルミナ粒子及び/又はゼオライトは、ランタン及びセリウムで変性される。
【0053】
特定の実施形態では、純アルミナ粒子をランタンで変性することで、ライトサイクルオイル(LCO)へのボトム転化が有益に促進され得、本明細書で考案されるFCC触媒成分によって示されるLCO収率の向上に寄与し得る。
【0054】
一実施形態では、本明細書に記載のFCC触媒成分中の純アルミナ粒子及び/又はゼオライトは、アルカリ土類元素で変性される。適切なアルカリ土類元素としては、限定されないが、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム又はそれらの2つ以上の混合物が挙げられる。一実施形態では、本明細書に記載のFCC触媒成分中の純アルミナ粒子及び/又はゼオライトは、ストロンチウムで変性される。
【0055】
特定の実施形態では、本開示は、純アルミナ粒子上においてゼオライトをその場で結晶化させることにより、本明細書に記載の約1.3未満のZ/M比を有するFCC触媒成分のいずれかを調製する方法に関する。特定の実施形態では、Z/M比は、約1.2未満、約1.1未満、約1.0未満、約0.9未満、約0.8未満又は約0.7未満であり得る。特定の実施形態では、Z/M比は、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5若しくは約0.6のいずれか~約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2若しくは約1.3のいずれかの範囲又はその中の任意の部分範囲若しくは単一のZ/M値であり得る。本明細書で上記されたゼオライトのいずれも、本明細書で上記された純アルミナ粒子のいずれかの上で結晶化され得る。
【0056】
特定の実施形態では、FCC触媒成分は、例えば、Micromeritics Autopore IV又はMicromeritics Autopore Vなどの水銀ポロシメーターを使用して水銀ポロシメトリーによって測定された、少なくとも約0.15mL/g、少なくとも約0.20mL/g、少なくとも約0.25mL/g、少なくとも約0.30mL/g、少なくとも約0.35mL/g、少なくとも約0.40mL/g、少なくとも約0.45mL/g又はその間に定義される任意の範囲内(例えば、約0.15mL/g~約0.45mL/g)の細孔容積を示す。
【0057】
特定の実施形態では、FCC触媒成分のいずれかを調製する方法は、結晶化前に純アルミナ粒子を調製することをさらに含み得る。一実施形態では、純アルミナ粒子の調製は、アルミナ前駆体(例えば、ベーマイト又は擬似ベーマイトから製造された沈殿アルミナ)を粉砕すること、粉砕されたアルミナ前駆体及び任意選択的なケイ酸ナトリウムゾルのスラリーを製造することと、約40μm~約150μm、約60μm~約120μm又は約80μm~約100μmの平均粒径に到達するように、スラリー化及び粉砕されたアルミナ前駆体及び任意選択的なケイ酸ナトリウムゾルを噴霧乾燥することとを含む。別の実施形態では、純アルミナ粒子の調製は、例えば、純アルミナ粒子が既に十分に粗く、約40μm~約150μm、約60μm~約120μm又は約80μm~約100μmの平均粒径を有する場合、粉砕及び噴霧乾燥ステップを伴わなくてもよい。
【0058】
特定の実施形態では、純アルミナ粒子の調製は、純アルミナ粒子を希土類元素、ビスマス又はアルカリ土類元素の1つ又は複数で変性することをさらに含み得る。一実施形態では、純アルミナ粒子の調製は、純アルミナ粒子を希土類元素で変性することを含む。適切な希土類元素としては、限定されないが、イッテルビウム、ガドリニウム、セリウム、ランタン又はそれらの2つ以上の混合物が挙げられる。一実施形態では、純アルミナ粒子の調製は、純アルミナ粒子をセリウムで変性することを含む。純アルミナ粒子をセリウムで変性することは、硝酸セリウム又は酢酸セリウムなどのセリウム前駆体で純アルミナ粒子に含浸させることを含み得る。一実施形態では、純アルミナ粒子の調製は、純アルミナ粒子をランタンで変性することを含む。純アルミナ粒子をランタンで変性することは、硝酸ランタン又は酢酸ランタンなどのランタン前駆体で純アルミナ粒子を含浸させることを含み得る。
【0059】
特定の実施形態では、純アルミナ粒子の調製は、純アルミナ粒子をアルカリ土類元素で変性することをさらに含み得る。適切なアルカリ土類元素としては、限定されないが、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム又はそれらの2つ以上の混合物が挙げられる。一実施形態では、純アルミナ粒子の調製は、純アルミナ粒子をストロンチウムで変性することを含む。純アルミナ粒子をストロンチウムで変性することは、硝酸ストロンチウム又は酢酸ストロンチウムなどのストロンチウム前駆体で純アルミナ粒子を含浸させることを含み得る。
【0060】
特定の実施形態では、純アルミナ粒子の調製は、純アルミナ粒子を焼成すること(例えば、約700℃~約900℃若しくは約750℃~約850℃又は約800℃)をさらに含み得る。純アルミナ粒子の焼成は、粒子が希土類前駆体、アルカリ土類元素前駆体又はビスマス前駆体で変性(例えば、含浸)される前、粒子が上記のいずれかで変性された後又は粒子が上記のいずれかで変性される前及び後の両方で起こり得る。
【0061】
本明細書に記載のFCC触媒成分を調製する方法における結晶化ステップのために、本明細書に記載の純アルミナ粒子のいずれかをアルミニウム源、ケイ素源、水及び任意選択的に水酸化ナトリウムと混合して、アルカリ性スラリーを得ることができる。シード(その教示が参照によりその全体が組み込まれる米国特許第4,631,262号明細書に記載されているものなど)を前記スラリーに添加し得る。その後、アルカリ性スラリーを、FCC触媒成分の総重量に基づいて少なくとも約5重量%のゼオライトを結晶化させるのに十分な温度まで且つ時間にわたって加熱して、ゼオライト微小球を形成することができる。ゼオライト(例えば、ゼオライトY)の相組成は、FCC触媒成分の総重量に基づいて約5重量%、約6重量%、約7重量%若しくは約8重量%のいずれか~約15重量%、約17重量%、約20重量%若しくは約25重量%のいずれかの範囲又はその中の任意の部分範囲若しくは単一相組成であり得る。
【0062】
ゼオライト結晶化のための適切な犠牲アルミニウム源としては、限定されないが、メタカオリン、アルミン酸ナトリウム又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0063】
特定の実施形態では、本明細書に記載のFCC触媒成分を調製する方法は、犠牲アルミニウム源粒子の調製も含む。一実施形態では、アルミニウム源粒子は、スピネルを形成することなくカオリナイトをメタカオリンに変換するのに十分な温度において且つ期間にわたってカオリナイトを焼成することから得られる。一実施形態では、アルミニウム源は、メタカオリンである。
【0064】
カオリナイトを焼成することによって犠牲アルミニウム源粒子を調製する場合、特定の例では、FCC触媒成分に鉄が導入され得る。特定の実施形態では、鉄の含有量が高くなると、コークスの生成に寄与する可能性があるため、あまり望ましくなくなり得る。したがって、特定の実施形態では、犠牲アルミニウム源は、限定するものではないが、アルミン酸ナトリウムなどの鉄を含まないものである。限定的に解釈されるものではないが、アルミン酸ナトリウムをYゼオライト結晶化のための犠牲アルミニウム源として使用した場合、アルミン酸ナトリウムを一度に添加すると、Yゼオライトは成長しないことが観察された。アルミン酸ナトリウムをゆっくりと時間をかけて添加すると、Yゼオライトは成長した。したがって、ゼオライトの結晶化にアルミン酸ナトリウムゾルを使用する場合、ゆっくりと添加する(それにより犠牲アルミニウム源としてメタカオリンを使用したYゼオライトの結晶化中に起こるメタカオリンのゆっくりとした溶解も模倣する)。アルミン酸ナトリウムゾルをゆっくり添加することにより、ゼオライト相のより良好な制御及びその水熱安定性が提供されると考えられる。
【0065】
カオリナイト(及び得られたメタカオリン)には、1.0のSi/Alの原子比でアルミニウム及びケイ素が含まれるが、メタカオリンのみでは、1.0を超えるSi/Al比で特定のゼオライトを結晶化させるのに不十分な量のケイ素が提供され得る。例えば、ゼオライトYは2.5のSi/Alの原子比を有し、ゼオライトYの成長を促進するために、メタカオリンに加えて第2のケイ素源が必要となる。
【0066】
ゼオライト結晶化のための適切な犠牲ケイ素源は、限定されないが、ケイ酸ナトリウム、石英、シリカゲル、シリカゾル、ケイ酸ナトリウムゾル及びそれらの組み合わせを含み得る。一実施形態では、使用されるケイ素源は、ケイ酸ナトリウムゾル(例えば、固体のケイ酸ナトリウムを水に溶解することによって作製され得る、ケイ酸ナトリウムを含有するほぼ水)を含む。一実施形態では、使用されるケイ素源は、シリカゲルを含む。一実施形態では、使用されるケイ素源は、石英を含む。
【0067】
Y-ゼオライト結晶化のための犠牲ケイ素源としてケイ酸ナトリウムゾルを使用する場合、それは、ゼオライト結晶化又はゼオライト成長反応の開始時に一度に添加され得る。限定されないが、シリカゲル又は石英などの他の犠牲ケイ素源は、ゼオライト結晶化反応にナトリウムを導入せず、2つの成分(ナトリウム及びシリカ)を別々に添加することができるため、ゼオライト結晶化において存在するナトリウム及びシリカの量を調整する際により柔軟性を与えるために使用され得る。対照的に、ケイ酸ナトリウム(又はケイ酸ナトリウムゾル)は、すでにその中にナトリウムを含み、ゼオライト結晶化中に存在するナトリウム及びシリカの量を調整する際の柔軟性が低い。これは、ケイ酸ナトリウム(又はケイ酸ナトリウムゾル)中のナトリウム対シリカ比が高く、ゼオライトの急速な成長に寄与し得るため、いくつかの課題を提起するか又は追加のプロセスステップをもたらし得る。ゼオライトの急速な成長は、結晶化したゼオライトの水熱安定性に悪影響を及ぼす可能性があり、且つ/又はあまり好ましくないゼオライト相(GIS又はGNEゼオライト構造など)の成長に寄与するため、あまり好ましくない場合がある。
【0068】
本明細書に記載のFCC触媒成分の調製方法における結晶化ステップ後、特定の実施形態では、本方法は、アルカリ性スラリーからゼオライト微小球を単離又は分離することをさらに含む。ゼオライト微小球の単離又は分離は、濾過などの一般的に使用される方法によって実施され得る。特定の実施形態では、ゼオライト微小球は、残留する結晶化液を除去するために、水又は他の適切な液体で洗浄されるか又はそれと接触され得る。
【0069】
特定の実施形態では、本明細書に記載のFCC触媒成分を調製する方法は、前記FCC触媒成分中のナトリウム含有量を減少させ、且つ/又はナトリウムイオンを他のより好ましいイオンで置換するために、ゼオライトをイオン交換すること(例えば、Yゼオライトをイオン交換すること)をさらに含む。例えば、一実施形態では、Yゼオライトは、FCC触媒成分のナトリウム含有量を、FCC触媒成分の総重量に基づいて約0.7重量%未満、約0.5重量%未満又は約0.3重量%未満のNaOまで減少させるためにイオン交換される。イオン交換は、1回、2回、3回、4回、5回、6回又は目標とするナトリウム含有量に達するまでに必要な回数で実行され得る。
【0070】
特定の実施形態では、ナトリウムイオンを、例えばアンモニウムカチオン、希土類金属又はそれらの組み合わせをイオン交換することにより、他のイオンで置換して、より好ましいカチオンで変性されたゼオライトを含むFCC触媒成分を得ることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、本方法は、硝酸アンモニウム溶液と混合する前に、ナトリウム型のゼオライトを接触させる前又は後にゼオライト微小球材料を硝酸アンモニウム溶液と混合することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、硝酸アンモニウム溶液との混合は、酸性pH条件で実行される。いくつかの実施形態では、硝酸アンモニウム溶液との混合は、約3~約3.5のpHで実行される。いくつかの実施形態では、硝酸アンモニウム溶液との混合は、室温より高い温度で実行される。いくつかの実施形態では、硝酸アンモニウム溶液との混合は、その増分を含めて、少なくとも約80℃~約100℃の温度で実行される。特定の実施形態では、ゼオライト微小球材料をアンモニウムカチオンでイオン交換することにより、ゼオライト微小球材料のナトリウム含有量は、FCC触媒成分の総重量に基づいて約1重量%のNaOから約2重量%のNaOまで減少する。
【0072】
いくつかの実施形態では、アンモニウム交換された微小球材料は、希土類イオン溶液でさらにイオン交換される。いくつかの実施形態では、希土類イオンは、イッテルビウム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、セリウム、ランタンの硝酸塩又は任意の2つ以上のそのような硝酸塩の混合物である。いくつかの実施形態では、希土類イオンは、ランタニド又はイットリウムから誘導される。いくつかの実施形態では、微小球を、硝酸ランタン又は硝酸イットリウムの溶液と接触させる。特定の実施形態では、微小球を硝酸ランタンの溶液と接触させる。FCC触媒成分の総重量に基づいて約0.1重量%~約12重量%、約1重量%~約5重量%又は約2重量%~約3重量%の範囲の希土類濃度が考案される。特定の実施形態では、希土類酸化物として触媒に添加される希土類の量は、FCC触媒成分の総重量に基づいて約1重量%~約5重量%又は約2重量%~約3重量%の希土類酸化物(REO)の範囲となる。一実施形態では、FCC触媒成分は、FCC触媒成分の総重量に基づいて約0.5重量%~約7重量%、約1重量%~約6重量%又は約2重量%~約5重量%の範囲の濃度でランタナを含む。
【0073】
特定の実施形態では、本方法は、ゼオライト微小球を焼成することをさらに含む。焼成は、少なくとも約2時間実行され得る。特定の実施形態では、焼成は、約500℃~約750℃の温度で実行される。特定の実施形態では、焼成は、約25%v/vの蒸気の存在下で実行され得る。
【0074】
特定の実施形態では、焼成後、FCC触媒成分に追加の硝酸アンモニウム溶液イオン交換を実行し、FCC触媒成分中のナトリウム含有量をさらに減少させ得る。1つ又は複数の実施形態では、イオン交換ステップは、得られるFCC触媒成分が、FCC触媒成分の総重量に基づいて約0.2重量%未満のNaO(例えば、約0.02重量%のNaO~約0.2重量%のNaO)を含むように実行される。イオン交換後、微小球を再度焼成し得る(例えば、約500℃から約750℃の温度で)。
【0075】
特定の実施形態では、本明細書に記載のFCC触媒成分を調製する方法は、FCC触媒成分を水蒸気処理することをさらに含む。いくつかの実施形態では、水蒸気処理は、少なくとも約700℃(例えば、約750℃又は約800℃)の温度で実行される。いくつかの実施形態では、水蒸気処理は、少なくとも約4時間実行される。いくつかの実施形態では、水蒸気処理は、約1時間~約24時間実行される。いくつかの実施形態では、最終ステップは回転式焼成炉で実行される。いくつかの実施形態では、最終ステップは流動床焼成炉で実行される。
【0076】
本明細書に記載の結晶化技術は、ゼオライトが予形成された純アルミナ粒子上及び/又は純アルミナ粒子中で結晶化される、その場技術を指すが、FCC触媒成分は、ゼオライトが別個に結晶化され、その後、別個のステップで純アルミナ粒子に組み込まれる組み込み技術を経由して調製され得る。
【0077】
ゼオライトは、本明細書に記載の純アルミナ粒子のいずれかを含むバインダー中に組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、ゼオライトと、本明細書に記載の純アルミナ粒子のいずれかを含むバインダーとを含有するスラリーを製造し、噴霧乾燥して、平均粒径が約40μm~約150μm、約60μm~約120μm又は約80μm~約100μmの範囲であるFCC触媒成分微小球が得られる。
【0078】
FCC触媒中のゼオライト材料の結晶サイズは、製造方法、材料などによって大きく異なる。本開示のFCC触媒材料は、X線回折(XRD)及び走査型電子顕微鏡(SEM)分析の2つの方法を用いて結晶サイズに関して分析された。
【0079】
XRDで測定される結晶サイズ及び異方性は、等方性サイズパラメータ及び異方性パラメータが結晶特性を説明する、等方性サイズ及び異方性サイズに関する2つの式で表すことができる。平均等方性サイズSは、以下の式で与えられる。
【数1】
式中、Kは、シェラー定数であり(本研究では0.9を使用)、λは、分析に使用したX線の波長であり(本研究では1.5406Å)、pは、等方性サイズパラメータである。平均異方性サイズ(すなわち等方性サイズに対する垂直方向の径)Sは、以下の式で与えられる。
【数2】
式中、pは、結晶の異方性を説明するパラメータである。XRD分析は、体積重量平均結晶サイズを提供する。
【0080】
本開示のFCC触媒成分のXRD等方性結晶サイズは、約300Å~約550Åであり得る。いくつかの実施形態では、XRD等方性結晶サイズは、約350Å~約450Åであり得る。新鮮な(例えば、水蒸気処理前の)触媒のXRD異方性パラメータpは、約3.5~約5の大きさを有し得る。
【0081】
本明細書で開示するFCC触媒成分の興味深い特徴は、水蒸気失活時の結晶サイズのシフトである。実験的なXRDの証拠によれば、等方性結晶サイズは、水蒸気処理時に大きく変化しない(すなわち実験誤差の範囲内である)。しかし、本明細書で開示する触媒は、不活性化時に形状が変化し、水蒸気処理触媒は、ゼロの実験誤差内の異方性パラメータpを有する。従来の触媒は、水蒸気処理時にこのような挙動を示さない。
【0082】
特定の実施形態では、水蒸気処理FCC触媒成分のXRD異方性パラメータpの大きさは、約1.0未満、約0.9未満、約0.8未満、約0.7未満、約0.6未満又は約0.5未満である。
【0083】
本明細書で使用される場合、歪み(S、単位%)は、以下の式:
【数3】
に従って計算され、式中、Yは、一般構造分析システム(GSAS)で使用されるラインシェイプ関数のLYパラメータである。結晶子径(オングストローム)は、
【数4】
のように計算され、異方性粒径成分は、以下の式:
【数5】
で与えられ、式中、Kは、シェラー定数であり(X線回折の専門家が多くの場合に使用するK=0.9の値が使用される)、ラムダは、波長であり(波長1.5406オングストロームのCu K-アルファ線が使用される)、Xは、LXパラメータであり、Xは、GSASのラインシェイプ関数(関数#4)でptecと呼ばれるパラメータである。
【0084】
FCC触媒の組成
特定の実施形態では、本開示は、本開示によって考案されるFCC触媒成分のいずれか(例えば、純アルミナ粒子上においてその場で結晶化されたゼオライトを含み、約1.3以下のZ/M比を有するもの)と、FCC触媒成分と組成的に異なる第2の成分とを含むFCC触媒組成物に関する。特定の実施形態では、第2の成分は、第2のゼオライト及び第2の非ゼオライトマトリックスを含む。
【0085】
第2のゼオライトは、構造BEA、MSE、-SVR、FAU、MOR、CON、SOF、MFI、IMF、FER、MWW、MTT、TON、EUO、MRE、NAT、CHA、EMT又はそれらの組み合わせを有するゼオライトから選択され得る。
【0086】
特定の実施形態では、第2のゼオライトは、(1)大細孔ゼオライト(例えば約7オングストロームを超える細孔開口を有するもの)、例えば、USY、REY、シリコアルミノホスフェートSAPO-5、SAPO-37、SAPO-40、MCM-9、メタロアルミノホスフェートMAPO-36、アルミノホスフェートVPI-5又はメソポーラス結晶性材料MCM-41;REUSY、ゼオライトZ、ゼオライトY、脱アルミニウム化ゼオライトY、シリカ強化脱アルミニウム化ゼオライトY、ゼオライトベータ、ZSM-3、ZSM-4、ZSM-18、ZSM-20及びEMT、(2)中細孔ゼオライト(例えば約4オングストロームから約7オングストロームの細孔開口を有するもの)、例えばZSM-5、MCM-68、ZSM-11、ZSM-5、ZSM-11中間体、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35、ZSM-38、ZSM-48、ZSM-57、シリコアルミノホスフェートSAPO-31、並びに(3)小細孔ゼオライト(例えば、約4オングストローム未満の細孔開口を有するもの)、例えばエリオナイト及びZSM-34を含み得る。
【0087】
特定の実施形態では、第2のゼオライトは、ゼオライトA、ゼオライトB、ゼオライトF、ゼオライトH、ゼオライトK~G、ゼオライトL、ゼオライトM、ゼオライトQ、ゼオライトR、ゼオライトT、モルデナイト、エリオナイト、オフレタイト、フェリエライト、チャバザイト、クリノプチロライト、グメリナイト、フィリップサイト及びフォージャサイトを含み得る。
【0088】
上記される成分の多くの水熱的及び/又は化学的に変性された形態も、本明細書で考案されるFCC触媒組成物中の第2の成分として適切となり得る。
【0089】
特定の実施形態では、第2の成分中の第2の非ゼオライトマトリックスとしては、粘土、スピネル、ムライト、ベーマイト、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、カオリン、メタカオリン、ハロイサイト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、アナウキサイト、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア、シリカ-ジルコニア、シリカ-トリア、シリカ-ベリリア、シリカ-チタニア、シリカ-アルミナ-トリア、シリカ-アルミナ-ジルコニア、シリカ-アルミナ-マグネシア、シリカ-マグネシア-ジルコニア、シリカドープアルミナ、ガンマ-アルミナ、χ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナ、κ-アルミナ、α-アルミナ、それらの希土類変性変形物、それらのアルカリ土類金属変性変形物、それらのビスマス変性変形物又はそれらの混合物の1つ又は複数が含まれ得る。
【0090】
特定の実施形態では、第2の成分は、第2のゼオライトの一部及び/又は第2の非ゼオライトマトリックスの一部として希土類元素、アルカリ土類元素、ビスマス又は2つ以上のそのような元素の混合物をさらに含み得る。適切な希土類元素としては、イッテルビウム、ガドリニウム、セリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム又はそれらの2つ以上の混合物が挙げられる。適切なアルカリ土類元素としては、バリウム、カルシウム、ストロンチウム、マグネシウム又はそれらの2つ以上の混合物が挙げられる。
【0091】
本開示によって考案されるFCC触媒成分のいずれも、FCC触媒組成物の総重量に基づいて1重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%若しくは約25重量%のいずれか~約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、約90重量%若しくは約95重量%のいずれかの範囲又はその中の任意の部分範囲若しくは単一値の量でFCC触媒組成物中に含まれ得る。
【0092】
本明細書に記載される任意の第2の成分は、FCC触媒組成物の総重量に基づいて5重量%、約10重量%、約20重量%、約30重量%、約40重量%若しくは約50重量%のいずれか~約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%若しくは約99重量%のいずれかの範囲又はその中の任意の部分範囲若しくは単一値の量でFCC触媒組成物中に含まれ得る。
【0093】
FCC触媒組成物は、本開示によって考案されるFCC触媒成分のいずれかと、本明細書に記載される第2の成分のいずれかとを、ブレンド又は混合(例えば、物理的混合)することなどによって組み合わせることによって形成され得る。
【0094】
使用方法
特定の態様では、本開示は、本開示によって考案されるFCC触媒成分のいずれか(例えば、純アルミナ粒子上のその場で結晶化されたゼオライトを含み、約1.3以下のZ/M比を有するもの)又は本明細書に記載されるFCC触媒組成物のいずれかと原料を接触させることにより、炭化水素原料を分解する方法に関する。
【0095】
特定の実施形態では、本明細書に記載される炭化水素原料を分解する方法は、ライトサイクルオイル(LCO)収率の向上をもたらす。例えば、LCO収率はZ/M比の関数であり、所与のマトリックス技術について、Z/Mが減少するにつれて、LCO収率が増加すると考えられる。このように、特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、炭化水素原料を約1.3以上のZ/M比を有するFCC触媒成分と接触させた結果として得られるLCO収率よりも大きいLCO収率をもたらす(Z/M比を除いて他には同一である)。
【0096】
特定の実施形態では、本明細書に記載される炭化水素原料を分解する方法は、液化石油ガス(LPG)収率の向上をもたらす。例えば、比較的大きい有効単位格子パラメータは、LPG収率の増加をもたらすと考えられる。そのようなものとして、特定の実施形態では、本明細書に記載される方法は、炭化水素原料を、24.50Å未満である単位格子サイズを有するFCC触媒成分と接触させることによって生じるLPG収率よりも高いLPG収率をもたらす(単位格子サイズの寸法を除いて他には同一である)。
【0097】
特定の実施形態では、本明細書に記載される炭化水素原料を分解する方法は、コークス収率の低下をもたらす。FCC触媒成分の非ゼオライトマトリックスを、従来の粘土マトリックスではなく、純アルミナ粒子から形成することは、より少ないコークスをもたらすと考えられる。このように、特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、炭化水素原料を、純アルミナ粒子の少なくとも一部の代わりに粘土を含む、非ゼオライトマトリックスを含むFCC触媒成分と接触させることによって生じるコークス収率よりも低いコークス収率をもたらす(非ゼオライトマトリックス材料を除いて他には同一である)。
【実施例
【0098】
以下の実施例は、本開示の理解を支援するために記載され、本明細書に記載され、特許請求される本発明を特に限定するものとして解釈されるべきではない。当業者の範囲内であろう現在知られているか又は後に開発される全ての均等物の置換を含む、本発明のそのような変形形態及び配合物における変更又は実験設計における小さい変更は、本明細書に組み込まれる本発明の範囲内に入ると考えられるべきである。
【0099】
実施例1:純ランタンドープガンマアルミナ粒子上でのY-ゼオライトのその場結晶化
Yゼオライトは、ランタンドープガンマアルミナであった、あらかじめ噴霧乾燥させた純アルミナ粒子上においてその場で結晶化された。ランタンドープガンマアルミナは、疑似ベーマイトから製造された沈殿アルミナであり、ランタンドープガンマアルミナの総重量に基づいて約4重量%Laを含んた。これらの純アルミナ粒子は、325メッシュ(又は44μm)より粗くスクリーニングされた。
【0100】
44μm以上の粒径を有する粗い純アルミナ粒子を、シード、ケイ酸ナトリウム、犠牲鉄含有メタカオリン微小球(スピネルが作製されない程度に低い焼成度で、カオリナイトをメタカオリンに変換するのに十分な温度までカオリン粘土を焼成することによって作製された)、苛性物質及び水と組み合わせて、3つのアルカリ性スラリーを形成した。このアルカリ性スラリーを約82~99℃の温度で約16~19時間加熱した。これは、粗い純ランタンドープガンマアルミナ粒子上においてYゼオライトをその場で結晶化させ、ゼオライト微小球を形成させるのに十分であった。
【0101】
ゼオライト微小球をアルカリ性スラリーから分離し、洗浄し、焼成し、特性評価した。得られたゼオライト微小球の特性を以下の表1にまとめた。
【0102】
【表1】
【0103】
実施例2
平均で約90μmの粒径を有する六角柱ギブサイト結晶の凝集体からなる粗ギブサイトをフラッシュ焼成した。フラッシュ焼成されたギブサイト粒子は、回転式焼成炉で表面積約100m/gまで焼成された。これらの粒子の細孔容積は、水銀圧入による推定によると約0.2ml/gであった。これらの粒子は、米国特許第4,235,753号明細書に記載されている標準的なその場手順を用いて結晶化させた。微小球の質量の7.5%は、カオリナイトをメタカオリンに変換するために焼成された噴霧乾燥カオリン粒子に由来した。理論に束縛されることなく、メタカオリンからのアルミニウムがYゼオライト結晶化の制限試薬であると考えられる。微小球の質量の92.5%は、焼成された粗フラッシュ焼成ギブサイトであった。さらに、ゼオライトシード(米国特許第4,631,262号明細書に記載されているものをベースとする)、3.22モジュラスのケイ酸ナトリウム、苛性物質及び水は、88℃で実施された結晶化に使用された成分であった。微細なメタカオリン粒子が使用されるため、スクリーンを使用して、焼成された粗フラッシュ焼成ギブサイトをメタカオリン由来の固体から分離することができた。予想通り、Yゼオライトは、両方のフラクションで成長した。質量基準で、成長したゼオライトの大部分は、焼成された粗フラッシュ焼成ギブサイトフラクションで成長した。触媒が処理され、水蒸気処理されると、物性が測定された。ゼオライトの安定性を除き、ほとんどの物性は、正常に変化した。水蒸気失活後、触媒中のほぼ全てのYゼオライトが非晶質化した。この非晶質化は、低い細孔容積と相関しており、これらの粒子は、最低限許容できる細孔容積も有しなかった。
【0104】
焼成された粗フラッシュ焼成ギブサイトを、プレミアミル、単斜晶ジルコニア粉砕メディアを用いて4μmのd90まで粉砕し、6%ケイ酸ナトリウムで噴霧乾燥した(弾性率3.22)。その結果、微小球は、91.4重量%のアルミナVF、6.56重量%のシリカVF及び2.18重量%のNaO VFを含んた。得られた粒子は、約95μmのd50、約140m/gの表面積及び約0.42ml/gの細孔容積(Hgの侵入により測定)を有した。細孔容積は、親FCA-90粒子の約2倍であった。噴霧乾燥粒子のマクロ細孔容積は親の総細孔容積よりも大きくなり得る。これらは、別個のメタカオリン粒子、ケイ酸ナトリウム、苛性物質、シード及び水を用いて、88℃での標準的なその場FCC手順を用いて結晶化された。一貫して、収率は、理論収率の約200%であった。Yゼオライトの収率が過剰に高いと、Z/M比が意図したものよりも高くなる。驚くべきことに、別個のメタカオリン粒子を省略すると、結晶化は良好に進行する。単にケイ酸ナトリウム、苛性物質、シード及び水を用いて、88℃において、有用なYゼオライト含有量を有する結晶化材料を得ることに成功した。本願以前には、焼成カオリン粘土を使用せずに、その場でYゼオライトが結晶化させたことはなかったと考えられる。この方法により、有用に低いZ/Mを有する触媒が繰り返し製造された。イオン交換(硝酸アンモニウム及び十分な硝酸ランタンで1重量%のLa材料を得る)、焼成、追加の硝酸アンモニウム交換及びNaYゼオライトを新鮮なFCC触媒に変換する典型的なその場プロセスである第2の焼成後、Z/M=0.9(ZSA=94m/g又は均等に14重量%のYゼオライト)及び総細孔容積0.31ml/gが達成された。水蒸気処理(788℃、100%水蒸気処理、24時間)後、Z/Mは0.55まで減少し、単位格子サイズは24.351である。NaYからのゼオライト表面積安定性は許容できる38%であった。この触媒を、固定流動床「ACE」反応器で、Z/M=0.38及び水蒸気処理後の単位格子サイズ24.348の対照触媒に対して試験した。焼成カオリン粘土を使用せずに製造された触媒では、対照触媒に対して、一定のコークスで、約26%低いボトム、15%高いLCO/ボトム比、24%高いプロピレン約18%高いCオレフィン並びに同等のガソリン及び同等のドライガスが得られた。
【0105】
水蒸気処理触媒中のYゼオライトは、リートベルト法を用いたX線回折によって特性評価された。リートベルト分析は、A.C.Larson及びR.B.Von Dreele,General Structure Analysis System(GSAS),Los Alamos National Laboratory Report LAUR 86-748(2004)に記載されているGSASを用いて行った。Yゼオライトの特性の評価は、その場粘土参照触媒と比較するのが最も興味深い。粘土参照触媒は、米国特許第6,656,347号明細書に記載されている方法に従って製造された。SEM分析によると、約2000nmのYゼオライトの典型的な径が示される。NaY型では、リートベルト法によるYゼオライトの結晶子径は約1800Åであり、歪みは約0.17%であることがわかった。イオン交換及び焼成の手順は超安定化を伴うが、Beyerleinら(Topics in Catalysis,vol 4,27-42,1997及びStudies in Surface Science and Catalysis,vol 134,3-40,2001を参照されたい)が示したプロセスは、Yゼオライト結晶の破壊及び新しい内部粒界の形成が生じ、ここで、メソ孔及びアルミナ膜(Yゼオライトに元々含まれていたが脱アルミナ化によって遊離したアルミナから形成される)が生じる。驚くことではないが、この粘土参照触媒技術では結晶子径(コヒーレント回折ドメインの径)が減少する。この比較材料の新鮮な触媒は、アンモニウムカチオン及びランタンカチオンとのイオン交換、焼成、アンモニウムイオンとのイオン交換、焼成後、約690ÅのYゼオライト等方性サイズ、0.62%の歪みを有する。水蒸気処理触媒は、新鮮な触媒と同じ約665ÅのYゼオライト等方性サイズ及び0.37%の歪みを有する。
【0106】
結晶化時に粘土を用いずに製造された触媒は、NaYで約467Å、ワークアップ(イオン交換、焼成、イオン交換及び焼成)後に368Å、水蒸気処理後に316Åのかなり小さい結晶子径を有した。歪みは、いずれの段階でも検出できず、最良の推定値は、歪みゼロであった。ゼオライトでは、結晶子径及び歪みは、以前には関係があると考えられていなかった。理論に束縛されることなく、歪みは、ゼオライトの欠陥密度の評価であると考えられる。おそらく、他の欠陥と同様に、結晶子全体で単位格子内のフレームワークアルミニウム原子の数の変動が、歪みにつながる可能性がある。結晶子径が比較的大きい場合、欠陥は、結晶子内で発生する可能性がある。しかし、結晶子径が小さくなるにつれて、これらの欠陥が結晶子表面、すなわち粒界及び外表面に集まりやすくなり、何らかの形式で合体しやすくなる。このように、比較的小さい結晶子は、歪みを消滅又は減少させるのに役立つ。
【0107】
本実施例に記載された触媒は、現在入手可能な触媒よりも一定のコークスではるかに低いボトム、より高いLCO/ボトム及びより多くのLPGオレフィンを生成する。理論に束縛されることなく、この理由には、実験材料中のYゼオライトの結晶子径が非常に小さいこと及び歪みのレベルが非常に低いことが含まれると考えられる。アルミナマトリックス及び高酸性粘土マトリックスの不在のため、コークスの選択性が低く、一定のコークスで収率を向上させることができる。アルミナマトリックスのその場FCC触媒としては前例のない低いZ/Mは、LCO/ボトムを望ましく高くさせる。焼成粘土を使用しない前例のない結晶化手順は、手頃な価格のアルミナマトリックスを使用して、この低コークス、高LCO/ボトム触媒の製造を可能にする。焼成されたフラッシュ焼成ギブサイトは、FCC分解触媒用の活性マトリックスを製造するための特に経済的な方法である。
【0108】
説明を簡単にするために、本開示の方法の実施形態は、一連の行為として描かれ、記載される。しかしながら、本開示に従った行為は、様々な順序で及び/又は同時に且つ本明細書に提示及び記載されない他の行為と一緒に起こり得る。さらに、全ての例示された行為が、開示された主題に従った方法を実施するために必要とされ得るとは限らない。加えて、当業者は、方法が代替的に状態図又は事象を介した一連の相互関連状態として表され得ることを理解し、認識するであろう。
【0109】
前述の説明では、本発明の詳細な理解を提供するために、特定の材料、寸法、プロセスパラメータ等の多数の具体的な詳細が記載されている。特定の特徴、構造、材料又は特性は、1つ又は複数の実施形態では任意の適切な様式で組み合わされ得る。「例」又は「例示的」という用語は、本明細書では、例、実例又は例示として役立つことを意味するために用いられる。「例」又は「例示的」として本明細書に記載される任意の態様又は設計は、他の態様又は設計よりも好ましいか又は有利であると必ずしも解釈されない。むしろ、「例」又は「例示的」という語の使用は、具体的な様式で概念を提示することが意図される。本出願で用いるところでは、「又は」という用語は、排他的な「又は」よりもむしろ包括的な「又は」を意味することが意図される。すなわち、特に明記しない限り又は文脈から明らかでない限り、「Xは、A又はBを含む」は、自然な包含的配列のいずれかを意味することが意図される。すなわち、XがAを含む;XがBを含む;又はXがA及びBの両方を含む場合、「Xは、A又はBを含む」は、前述の例のいずれの下でも満たされる。本明細書全体にわたり、「実施形態」、「特定の実施形態」又は「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたって様々な箇所での語句「実施形態」、「特定の実施形態」又は「一実施形態」の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及するわけではない。
【0110】
本開示は、それの特定の例示的な実施形態に関して記載されてきた。したがって、本明細書は、限定的な意味よりもむしろ例示的な意味で考えられるべきである。本明細書で示され、説明されるものに加えて、本開示の様々な変更形態が当業者に明らかになり、添付の請求項の範囲内に入ることが意図される。
【国際調査報告】