IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニバーシティ オブ ピッツバーグ オブ ザ コモンウェルス システム オブ ハイヤー エデュケイションの特許一覧

特表2024-539088腫瘍浸潤ガンマ-デルタT細胞を拡大するための方法及び材料
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】腫瘍浸潤ガンマ-デルタT細胞を拡大するための方法及び材料
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/0783 20100101AFI20241018BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20241018BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241018BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20241018BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
C12N5/0783
A61K35/17
A61P35/00
A61P37/02
A61P31/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523401
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-17
(86)【国際出願番号】 US2022046745
(87)【国際公開番号】W WO2023069322
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/257,805
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501102988
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ ピッツバーグ -オブ ザ コモンウェルス システム オブ ハイヤー エデュケイション
【住所又は居所原語表記】1st Floor Gardner Steel Conference Center,130 Thackeray Avenue,Pittsburgh PA 15260,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロッツェ,マイケル ティー.
(72)【発明者】
【氏名】マーシー,プラナフ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AC20
4B065BD39
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087BB64
4C087CA04
4C087NA14
4C087ZB07
4C087ZB26
4C087ZB31
(57)【要約】
本明細書は、腫瘍浸潤γδ T細胞(例えば、腫瘍浸潤γδ T細胞)を培養して拡大するための方法及び材料に関する。例えば、がん、自己免疫状態、又は感染症を有する哺乳動物から得られる組織(例えば、腫瘍試料)由来の多数の腫瘍浸潤γδ T細胞(例えば、Vδ1+が優勢である腫瘍浸潤γδ T細胞)を拡大するための方法及び材料が提供される。そのような腫瘍浸潤γδ T細胞の集団、並びにそのような腫瘍浸潤γδ T細胞及び/又はそのような集団を使用して、哺乳動物(例えば、ヒト)内のがんを処置するための方法及び材料も提供される。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
γδ T細胞を含む細胞集団を生成するための方法であって、IL-2、IL-4、及びIL-5の存在下で8~21日間γδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養して、第2の細胞集団を得ることを含み、前記第2の細胞集団が、前記第1の細胞集団よりも少なくとも10倍多いγδ T細胞を含む、方法。
【請求項2】
前記γδ T細胞がヒト細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記γδ T細胞が腫瘍浸潤γδ T細胞である、請求項1から2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の細胞集団が、
(i)(a)腫瘍を含む組織又は(b)腫瘍の30mm以内にあった健常組織、から得られた腫瘍浸潤γδ T細胞の集団、
(ii)健常組織から得られたγδ T細胞の集団、
(iii)感染組織から得られたγδ T細胞の集団、又は
(iv)自己免疫T細胞を保有する組織から得られたγδ T細胞の集団
である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記腫瘍を含む前記組織から前記第1の細胞集団を得ることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記腫瘍の30mm以内にあった前記健常組織から前記第1の細胞集団を得ることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の細胞集団が、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での前記培養前に、50国際単位/mL~6000国際単位/mLのIL-2の存在下並びにIL-4及びIL-15の非存在下で3~15日間培養された細胞集団である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の細胞集団が、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での前記培養前に、100国際単位/mL~4000国際単位/mLのIL-2の存在下並びにIL-4及びIL-15の非存在下で8~15日間培養された細胞集団である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の細胞集団が、腫瘍浸潤γδ T細胞について濃縮された細胞集団である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の細胞集団が、(a)少なくとも一部のαβ T細胞の除去又は(b)少なくとも一部のγδ T細胞の単離、により、腫瘍浸潤γδ T細胞について濃縮された細胞集団である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも一部のαβ T細胞を細胞集団から除去して、前記第1の細胞集団を得ることを含む、請求項9から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記除去が、αβ T細胞を陽性選択すること及び陽性選択されたαβ T細胞を除去することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも一部のγδ T細胞を細胞集団から単離して、前記第1の細胞集団を得ることを含む、請求項9から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記単離が、γδ T細胞を陽性選択すること及び陽性選択されたγδ T細胞を単離することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む前記第1の細胞集団を8~21日間培養することが、IL-2、IL-4、IL-15、照射されたPBMC、及び抗CD3抗体の存在下で8~21日間γδ T細胞を含む前記第1の細胞集団を培養することを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む前記第1の細胞集団を培養することが、12~16日間培養することである、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む前記第1の細胞集団を培養することが、13~15日間培養することである、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の細胞集団が、
前記第1の細胞集団よりも少なくとも50倍多いγδ T細胞、
前記第1の細胞集団よりも少なくとも100倍多いγδ T細胞、
前記第1の細胞集団よりも少なくとも200倍多いγδ T細胞、
前記第1の細胞集団よりも少なくとも300倍多いγδ T細胞、又は
前記第1の細胞集団よりも少なくとも400倍多いγδ T細胞
を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の細胞集団が、1×108個超のγδ T細胞を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記IL-2がヒトIL-2であり、前記IL-4がヒトIL-4であり、前記IL-15がヒトIL-15である、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の細胞集団のCD3+細胞の85パーセント超がγδ TCR+細胞である、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の細胞集団のCD3+細胞の10パーセント未満がαβ TCR+細胞である、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の細胞集団のCD45+細胞の10パーセント未満がNK細胞である、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超がVδ1+細胞である、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満がVδ1-Vδ2-細胞である、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満がVδ2+細胞である、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超がTEM細胞である、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満がTEMRA細胞である、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満がCD69+ CD103+ TRM細胞である、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセントがCD69+ CD103+ TRM細胞である、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満がCD56+細胞である、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセントがCD56+細胞である、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセントがCD137+細胞である、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満がPD-1+細胞である、請求項1から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセントがBTLA+細胞である、請求項1から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超がNKG2D+細胞である、請求項1から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超がNKp46+細胞である、請求項1から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
ポリクローナルγδ T細胞を含む単離された細胞集団であって、1×108個超のγδ T細胞を含む、単離された細胞集団。
【請求項39】
前記細胞集団のCD3+細胞の85パーセント超がγδ TCR+細胞である、請求項38に記載の細胞集団。
【請求項40】
前記細胞集団のCD3+細胞の10パーセント未満がαβ TCR+細胞である、請求項38から39のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項41】
前記細胞集団のCD45+細胞の10パーセント未満がNK細胞である、請求項39から40のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項42】
前記細胞集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超がVδ1+細胞である、請求項39から41のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項43】
前記細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満がVδ1-Vδ2-細胞である、請求項39から42のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項44】
前記細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満がVδ2+細胞である、請求項39から43のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項45】
前記細胞集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超がTEM細胞である、請求項39から44のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項46】
前記細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満がTEMRA細胞である、請求項39から45のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項47】
前記細胞集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満がCD69+ CD103+ TRM細胞である、請求項39から46のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項48】
前記細胞集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセントがCD69+ CD103+ TRM細胞である、請求項39から47のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項49】
前記細胞集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満がCD56+細胞である、請求項39から48のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項50】
前記細胞集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセントがCD56+細胞である、請求項39から49のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項51】
前記細胞集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセントがCD137+細胞である、請求項39から50のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項52】
前記細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満がPD-1+細胞である、請求項39から51のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項53】
前記細胞集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセントがBTLA+細胞である、請求項39から52のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項54】
前記細胞集団のγδTCR+細胞の60パーセント超がNKG2D+細胞である、請求項39から53のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項55】
前記細胞集団のγδTCR+細胞の20パーセント超がNKp46+細胞である、請求項39から54のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項56】
前記細胞集団の細胞がヒト細胞である、請求項39から55のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項57】
前記γδ T細胞が腫瘍浸潤γδ T細胞である、請求項39から56のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項58】
請求項1から37のいずれか一項に記載の方法を使用して生成された、請求項39から57のいずれか一項に記載の細胞集団。
【請求項59】
哺乳動物にγδ T細胞を提供するための方法であって、請求項1から37のいずれか一項に記載されているように生成された細胞集団を哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項60】
前記哺乳動物がヒトである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記哺乳動物ががんを有する、請求項59から60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記第1の細胞集団の細胞が、前記細胞集団を投与された前記哺乳動物に対して同種又は自己のものである、請求項59から61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
哺乳動物にγδ T細胞を提供するための方法であって、請求項38から58のいずれか一項に記載の前記細胞集団を哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項64】
前記哺乳動物がヒトである、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記哺乳動物ががん、自己免疫状態、又は感染症を有する、請求項63から64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記細胞集団の細胞が、前記哺乳動物に対して同種又は自己のものである、請求項59から65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
がんを処置するための方法であって、請求項1から37のいずれか一項に記載されているように生成された細胞集団を、がんを有する哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項68】
前記哺乳動物がヒトである、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記第1の細胞集団の細胞が、がんを有する前記哺乳動物に対して同種又は自己のものである、請求項67から68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
がんを処置するための方法であって、請求項38から58のいずれか一項に記載の前記細胞集団を、がんを有する哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項71】
前記哺乳動物がヒトである、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記細胞集団の細胞が、がんを有する前記哺乳動物に対して同種又は自己のものである、請求項70から71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
αβ T細胞を前記哺乳動物に投与することを含む、請求項59から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
自己免疫状態を処置するための方法であって、請求項38から58のいずれか一項に記載の前記細胞集団を、自己免疫状態を有する哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項75】
前記哺乳動物がヒトである、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記細胞集団の細胞が、前記自己免疫状態を有する前記哺乳動物に対して同種又は自己のものである、請求項74から75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
αβ T細胞を前記哺乳動物に投与することを含む、請求項74から76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
感染症を処置するための方法であって、請求項38から58のいずれか一項に記載の前記細胞集団を、感染症を有する哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項79】
前記哺乳動物がヒトである、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記細胞集団の細胞が、前記感染症を有する前記哺乳動物に対して同種又は自己のものである、請求項78から79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
αβ T細胞を前記哺乳動物に投与することを含む、請求項78から80のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2021年10月20日に出願された米国仮出願第63/257,805号の利益を主張する。先行出願の開示は、本出願の開示の一部であると考えられる(及び参照により本出願の開示に組み込まれる)。
【0002】
1.技術分野
本明細書は、腫瘍浸潤ガンマ-デルタ(γδ)T細胞(例えば、腫瘍浸潤γδ T細胞)を培養して拡大するための方法及び材料に関する。例えば、本明細書は、がんを有する哺乳動物から得られる組織(例えば、腫瘍試料)由来の多数の腫瘍浸潤γδ T細胞(例えば、Vδ1+が優勢である腫瘍浸潤γδ T細胞)を拡大するための方法及び材料を提供する。本明細書は、そのような腫瘍浸潤γδ T細胞の集団、並びにそのような腫瘍浸潤γδ T細胞及び/又はそのような集団を使用して、哺乳動物(例えば、ヒト)内のがんを処置するための方法及び材料も提供する。
【背景技術】
【0003】
2.背景情報
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いる養子細胞療法(ACT)を含むがん免疫療法は、T細胞エフェクター機能に依存する。これらのαβ受容体(TCR)を発現する細胞は、主要組織適合複合体(MHC)クラスI及びII並びにMHC様CD1分子によって提示されるペプチド又は脂質抗原の認識によってがん細胞を標的とする。リンパ球除去、ex vivo拡大自己TILの養子移入、及び高用量インターロイキン-2(IL-2)の注入後投与を含むTIL療法は、処置抵抗性の転移性黒色腫、子宮頸がん、他の上皮がんを有する患者に持続的完全奏効をもたらした。現在のTIL療法のプロトコールでは、多くの処置された患者において、客観的な臨床的奏効、特に完全奏効が得られており、処置への奏効のメカニズムの解明が進めば、これらの処置の適用が広がる可能性がある(Dafniら、Ann. Oncol.,30:1902~1913頁(2019年))。
【0004】
がんの臨床症状は、免疫原性に乏しい腫瘍細胞バリアント(その多くはクラスI MHC分子を失っている)の出現に伴う、がん免疫編集の数年後に起こることが多い(Schreiberら、Science,331:1565~1570(2011頁))。ACTによって免疫応答を再活性化する努力にもかかわらず、がん細胞のゲノム不安定性は、免疫逃避の手段を提供する免疫反応性腫瘍関連ペプチド抗原の突然変異下方調節又は完全喪失に関連するダーウィン淘汰過程を促進する(Dudleyら、J. Clin. Oncol.,23:2346~2357頁(2005年);Khongら、Nat. Immunol.,3:999~1005(2002年);Zitvogelら、Nat. Rev. Immunol.,6:715~727頁(2006年);及びOrlandoら、Nat. Med.,24:1504~1506頁(2018年))。
【0005】
前述のように、免疫回避はまた、いくつかの固形腫瘍に蔓延し、αβ T細胞免疫療法の有効性を制限するMHCクラス1抗原提示の発現低下又は欠如によって媒介される(Dhatchinamoorthyら、Front. Immunol.,12:636568(2021年);Tranら、N. Engl. J. Med.,375:2255~2262頁(2016年);及びChowellら、Science,359:582~587(2018年))。さらに最近では、有効な補助刺激の欠如に伴う機能的疲弊、阻害性受容体の発現及び幹細胞様メモリー分化の抑止を含む、T細胞固有の因子が、免疫療法に対する持続性及び応答を指示する(Ahmadzadehら、Blood,114:1537~1544頁(2009年);Baitschら、J. Clin. Invest.,121:2350~2360頁(2011年);Millerら、Nat. Immunol.,20:326~336頁(2019年);Sade-Feldmanら、Cell,175:998~1013 e1020頁(2018年);Jansenら、Nature,576:465~470頁(2019年);及びKrishnaら、Science,370:1328~1334頁(2020年))。腫瘍細胞の免疫逃避及び抑制パラダイムに固有の課題を克服することができる治療介入は、免疫療法の処置成績をさらに改善させることができる。
【0006】
γδ TCR発現細胞は、進化の過程で保存されたリンパ球サブセットであり、これが病原体由来又は宿主細胞の非ペプチド代謝物及びストレス抗原をMHCに制限されずに認識することにより免疫監視及びがん免疫療法における有用性を見極める有力な機会が与えられる(Vantouroutら、Nat. Rev. Immunol.,13:88~100頁(2013年);Silva-Santosら、Nat. Rev. Immunol.,15:683~691頁(2015年);Silva-Santosら、Nat. Rev. Cancer,19:392~404頁(2019年);Sebestyenら、Nat. Rev. Drug Discov.,19:169~184頁(2020年);及びRibotら、Nat. Rev. Immunol.,21:221~232頁(2021年))。γδ T細胞、特にVδ1+細胞は、主に組織常在型の免疫エフェクターであり、TCR及び自然細胞傷害性受容体(NCR)依存性の腫瘍監視を媒介する上で多様な役割を示す。そのため、これらは、自然免疫応答と適応免疫応答の両方を調整及び媒介する(Vantouroutら、Nat. Rev. Immunol.,13:88~100(2013年);Silva-Santosら、Nat. Rev. Immunol.,15:683~691(2015年);Silva-Santosら、Nat. Rev. Cancer,19:392~404(2019年);Sebestyenら、Nat. Rev. Drug Discov.,19:169~184(2020年);Ribotら、Nat. Rev. Immunol.,21:221~232(2021年);及びDaveyら、Trends Immunol.,39:446~459(2018年))。これらの細胞の存在は、多くの種類のがん患者において、より良好な転帰と関連している。例えば、骨髄移植後にγδ T細胞の数が増加した白血病患者は、より長期にわたる生存を経験した(Godderら、Bone Marrow Transplant.,39:751~757頁(2007年))。さらに、がんゲノムアトラス(TCGA)からの25種類の固形腫瘍型の浸潤免疫細胞遺伝子発現シグネチャーのメタ分析では、γδ T細胞が良好な予後と関連する最も重要な細胞型であることが同定されている(Gentlesら、Nat. Med.,21:938~945頁(2015年))。リン酸化抗原(phosphoantigen)反応性の血液常在型Vγ9Vδ2細胞を標的とする初期の取り組み及び現在進行中の取り組みにより、γδがん細胞療法の臨床的実現可能性及び安全性が確立されている(Sebestyenら、Nat. Rev. Drug Discov.,19:169~184頁(2020年))。
【発明の概要】
【0007】
本明細書は、腫瘍浸潤γδ T細胞(例えば、腫瘍浸潤γδ T細胞)を培養して拡大するための方法及び材料を提供する。例えば、本明細書は、組織(例えば、腫瘍試料)から得られた腫瘍浸潤γδ T細胞を拡大して、多数の(例えば、1×107を超えるか、1×108を超えるか、5×108を超えるか、又は1×109を超える)腫瘍浸潤γδ T細胞(例えば、Vδ1+が優勢である腫瘍浸潤γδ T細胞)を、例えば25~30日以内に得るための方法及び材料を提供する。
【0008】
本明細書に記載されているように、腫瘍組織(及び/又は腫瘍の30mm以内にある健常組織)から得られたγδ T細胞は、in vitroでサイトカインの組合せ(例えば、IL-2とIL-4とIL-15(IL-2/IL-4/IL-15))を使用して拡大し、所望の表現型を有する細胞を所望のパーセンテージで有する腫瘍浸潤γδ T細胞の集団を生じ得る。例えば、本明細書は、腫瘍浸潤γδ T細胞を含有する第1の集団を、IL-2の存在下で5~15日間(例えば、6~15日間、7~15日間、8~15日間、9~15日間、9~13日間、10~12日間、又は7~10日間)培養し、細胞の第2の集団を生じ、その後、細胞の第2の集団を、IL-2、IL-4、及びIL-15(及び場合により照射された同種PBMCなどのPBMC、及び場合により抗CD3アゴニスト抗体)の存在下で8~21日間(例えば、10~21日間、12~21日間、14~21日間、8~18日間、8~16日間、8~14日間、10~20日間、10~18日間、12~18日間、10~16日間、12~16日間、又は13~15日間)培養し、腫瘍浸潤γδ T細胞の拡大された集団を生じることによって、腫瘍浸潤γδ T細胞を拡大するための方法及び材料を提供する。一部の場合には、拡大された腫瘍浸潤γδ T細胞の集団は、(a)腫瘍及び/又は腫瘍の30mm以内にあった健常組織を含有する組織試料を入手し、(b)その組織から腫瘍浸潤γδ T細胞を含有する第1の細胞集団を入手し、(c)場合により、得られた濃縮集団が全CD3+細胞に対してより高い比率で腫瘍浸潤γδ T細胞を含有するように、その第1の細胞集団を濃縮し、(d)IL-2、IL-4、IL-15、PBMC(例えば、照射されたPBMC)及び抗CD3抗体の存在下で、8~21日間(例えば、10~21日間、12~21日間、14~21日間、8~18日間、8~16日間、8~14日間、10~20日間、10~18日間、12~18日間、10~16日間、12~16日間、又は13~15日間)、第1の細胞集団(又は場合により濃縮された集団)を培養して、拡大された腫瘍浸潤γδ T細胞の集団を得ること、によって得ることができる。
【0009】
一部の場合には、本明細書で提供される拡大された集団のCD3+細胞の85パーセント超がγδ TCR+細胞であり得、その集団のCD3+細胞の10パーセント未満がαβ TCR+細胞であり得、その集団のCD45+細胞の10パーセント未満がNK細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超がVδ1+細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満がVδ1-Vδ2-細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満がVδ2+細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超がTEM細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満がTEMRA細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の10パーセント程度がCD69+ CD103+組織常在型メモリー(TRM)細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の50パーセント程度がCD56+細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセントがCD137+細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満がPD-1+細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセントがBTLA+細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超がNKG2D+細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超がNKp46+細胞であり得る。
【0010】
また本明細書に記載されているように、本明細書において提供される腫瘍浸潤γδ T細胞の集団は、がんを有する哺乳動物(例えば、ヒト)に投与されて、その哺乳動物内のがんを処置することができる。例えば、本明細書において提供される腫瘍浸潤γδ T細胞の集団は、養子細胞療法としてがんを有する哺乳動物(例えば、ヒト)に投与されて(例えば、静脈内に投与されて)、単独で、又は(a)腫瘍浸潤αβ T細胞及び/若しくは(b)1つ以上の治療剤、例えば、1つ以上のチェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体及び/又は抗PD-L1抗体)、IL-2、1つ以上のリンパ球除去化学療法剤(例えば、シクロホスファミド及び/又はフルダラビン)、1つ以上の腫瘍浸潤リンパ球強化剤(例えば、CpG及び/又は腫瘍溶解性ウイルス、例えばワクシニアウイルス)、ブラキセラピー、又はこれらの組合せと組み合わせて、そのがんを処置することができる。そのような場合には、投与された腫瘍浸潤γδ T細胞は、哺乳動物内のがん細胞に対して有効な免疫応答を与え、それにより、哺乳動物内のがん細胞の数を低減することができる。
【0011】
一般に、本明細書の一態様は、γδ T細胞を含む細胞集団を生成するための方法を特徴とする。本方法は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下で8~21日間γδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養して、第2の細胞集団を得ることを含み(又はそれから本質的になるか若しくはそれからなり)、ここで、第2の細胞集団は、第1の細胞集団よりも少なくとも10倍多いγδ T細胞を含む。γδ T細胞は、ヒト細胞であり得る。γδ T細胞は、腫瘍浸潤γδ T細胞であり得る。第1の細胞集団は、(i)(a)腫瘍を含む組織又は(b)腫瘍の30mm以内にあった健常組織、から得られた腫瘍浸潤γδ T細胞の集団、(ii)健常組織から得られたγδ T細胞の集団、(iii)感染した組織から得られたγδ T細胞の集団、又は(iv)又は自己免疫T細胞を保有する組織から得られたγδ T細胞の集団、であり得る。本方法は、腫瘍を含む組織から第1の細胞集団を得ることを含み得る。本方法は、腫瘍の30mm以内にあった健常組織から第1の細胞集団を得ることを含み得る。第1の細胞集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での培養前に、50国際単位/mL~6000国際単位/mLのIL-2の存在下並びにIL-4及びIL-15の非存在下で3~15日間培養された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での培養前に、100国際単位/mL~4000国際単位/mLのIL-2の存在下並びにIL-4及びIL-15の非存在下で8~15日間培養された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、腫瘍浸潤γδ T細胞について濃縮された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、(a)少なくとも一部のαβ T細胞の除去又は(b)少なくとも一部のγδ T細胞の単離、により、腫瘍浸潤γδ T細胞について濃縮された細胞集団であり得る。本方法は、少なくとも一部のαβ T細胞を細胞集団から除去して、第1の細胞集団を得ることを含み得る。除去は、αβ T細胞を陽性選択すること及び陽性選択されたαβ T細胞を除去することを含み得る。本方法は、少なくとも一部のγδ T細胞を細胞集団から単離して、第1の細胞集団を得ることを含み得る。単離は、γδ T細胞を陽性選択すること及び陽性選択されたγδ T細胞を単離することを含み得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を8~21日間培養することは、IL-2、IL-4、IL-15、照射されたPBMC、及び抗CD3抗体の存在下で8~21日間γδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することを含み得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することは、12~16日間培養することであり得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することは、13~15日間培養することであり得る。第2の細胞集団は、第1の細胞集団よりも少なくとも50倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも100倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも200倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも300倍多いγδ T細胞、又は第1の細胞集団よりも少なくとも400倍多いγδ T細胞を含み得る。第2の細胞集団は、1×108個超のγδ T細胞を含み得る。IL-2は、ヒトIL-2であり得る。IL-4は、ヒトIL-4であり得る。IL-15は、ヒトIL-15であり得る。第2の細胞集団のCD3+細胞の85パーセント超は、γδ TCR+細胞であり得る。第2の細胞集団のCD3+細胞の10パーセント未満は、αβ TCR+細胞であり得る。第2の細胞集団のCD45+細胞の10パーセント未満は、NK細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超は、Vδ1+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満は、Vδ1-Vδ2-細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、Vδ2+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超は、TEM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、TEMRA細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満は、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセントは、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満は、CD56+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセントは、CD56+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセントは、CD137+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、PD-1+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセントは、BTLA+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超は、NKG2D+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超は、NKp46+細胞であり得る。
【0012】
別の態様では、本明細書は、ポリクローナルγδ T細胞を含む(又はそれから本質的になるか若しくはそれからなる)単離された細胞集団であって、集団が1×108個超のγδ T細胞を含む、単離された細胞集団を特徴とする。細胞集団のCD3+細胞の85パーセント超は、γδ TCR+細胞であり得る。細胞集団のCD3+細胞の10パーセント未満は、αβ TCR+細胞であり得る。細胞集団のCD45+細胞の10パーセント未満は、NK細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超は、Vδ1+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満は、Vδ1-Vδ2-細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、Vδ2+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超は、TEM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、TEMRA細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満は、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセントは、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満は、CD56+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセントは、CD56+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセントは、CD137+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、PD-1+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセントは、BTLA+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超は、NKG2D+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超は、NKp46+細胞であり得る。細胞集団の細胞は、ヒト細胞であり得る。γδ T細胞は、腫瘍浸潤γδ T細胞であり得る。細胞集団は、以下のパラグラフからのいずれかの記載又は記載の組合せに記載されているγδ T細胞を含む細胞集団を生成するための方法を使用して生成された細胞集団であり得る。
【0013】
本方法は、IL-2、IL-4、及びIL-5の存在下で8~21日間γδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養して、第2の細胞集団を得ることを含み得(又はそれから本質的になり得るか若しくはそれからなり得)、ここで、第2の細胞集団は、第1の細胞集団よりも少なくとも10倍多いγδ T細胞を含む。γδ T細胞は、ヒト細胞であり得る。γδ T細胞は、腫瘍浸潤γδ T細胞であり得る。第1の細胞集団は、(i)(a)腫瘍を含む組織又は(b)腫瘍の30mm以内にあった健康な組織、から得られた腫瘍浸潤γδ T細胞の集団、(ii)健康な組織から得られたγδ T細胞の集団、(iii)感染した組織から得られたγδ T細胞の集団、又は(iv)自己免疫T細胞を保有する組織から得られたγδ T細胞の集団、であり得る。本方法は、腫瘍を含む組織から第1の細胞集団を得ることを含み得る。本方法は、腫瘍の30mm以内にあった健康な組織から第1の細胞集団を得ることを含み得る。第1の細胞集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での培養前に、50国際単位/mL~6000国際単位/mLのIL-2の存在下並びにIL-4及びIL-15の非存在下で3~15日間培養された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での培養前に、100国際単位/mL~4000国際単位/mLのIL-2の存在下並びにIL-4及びIL-15の非存在下で8~15日間培養された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、腫瘍浸潤γδ T細胞について濃縮された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、(a)少なくとも一部のαβ T細胞の除去又は(b)少なくとも一部のγδ T細胞の単離、により、腫瘍浸潤γδ T細胞について濃縮された細胞集団であり得る。本方法は、少なくとも一部のαβ T細胞を細胞集団から除去して、第1の細胞集団を得ることを含み得る。除去は、αβ T細胞を陽性選択すること及び陽性選択されたαβ T細胞を除去することを含み得る。本方法は、少なくとも一部のγδ T細胞を細胞集団から単離して、第1の細胞集団を得ることを含み得る。単離は、γδ T細胞を陽性選択すること及び陽性選択されたγδ T細胞を単離することを含み得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を8~21日間培養することは、IL-2、IL-4、IL-15、照射されたPBMC、及び抗CD3抗体の存在下で8~21日間γδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することを含み得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することは、12~16日間培養することであり得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することは、13~15日間培養することであり得る。第2の細胞集団は、第1の細胞集団よりも少なくとも50倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも100倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも200倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも300倍多いγδ T細胞、又は第1の細胞集団よりも少なくとも400倍多いγδ T細胞を含み得る。第2の細胞集団は、1×108個超のγδ T細胞を含み得る。IL-2は、ヒトIL-2であり得る。IL-4は、ヒトIL-4であり得る。IL-15は、ヒトIL-15であり得る。第2の細胞集団のCD3+細胞の85パーセント超は、γδ TCR+細胞であり得る。第2の細胞集団のCD3+細胞の10パーセント未満は、αβ TCR+細胞であり得る。第2の細胞集団のCD45+細胞の10パーセント未満は、NK細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超は、Vδ1+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満は、Vδ1-Vδ2-細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、Vδ2+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超は、TEM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25%未満は、TEMRA細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満は、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセントは、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満は、CD56+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセントは、CD56+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセントは、CD137+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、PD-1+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセントは、BTLA+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超は、NKG2D+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超は、NKp46+細胞であり得る。
【0014】
別の態様では、本明細書は、γδ T細胞を哺乳動物に提供するための方法を特徴とする。本方法は、哺乳動物に、先行するパラグラフのいずれかの記載又は記載の組合せに記載されているように生成された細胞集団を投与することを含む(又はそれから本質的になるか若しくはそれからなる)。哺乳動物は、ヒトであり得る。哺乳動物は、がんを有する哺乳動物であり得る。第1の細胞集団の細胞は、細胞集団を投与された哺乳動物に対して同種又は自己のものであり得る。本方法は、αβ T細胞を哺乳動物に投与することを含み得る。
【0015】
別の態様では、本明細書は、γδ T細胞を哺乳動物に提供するための方法を特徴とする。本方法は、細胞集団(例えば、単離された細胞集団)を哺乳動物に投与することを含む(又はそれから本質的になるか若しくはそれからなる)。哺乳動物は、ヒトであり得る。哺乳動物は、がん、自己免疫状態、又は感染症を有する哺乳動物であり得る。細胞集団の細胞は、哺乳動物に対して同種又は自己のものであり得る。本方法は、αβ T細胞を哺乳動物に投与することを含み得る。細胞集団(例えば、単離された細胞集団)は、ポリクローナルγδ T細胞を含み得(又はそれから本質的になり得るか若しくはそれからなり得)、集団は、1×108個超のγδ T細胞を含む。細胞集団のCD3+細胞の85パーセント超は、γδ TCR+細胞であり得る。細胞集団のCD3+細胞の10パーセント未満は、αβ TCR+細胞であり得る。細胞集団のCD45+細胞の10パーセント未満は、NK細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超は、Vδ1+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満は、Vδ1-Vδ2-細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、Vδ2+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超は、TEM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、TEMRA細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満は、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセントは、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満は、CD56+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセントは、CD56+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセントは、CD137+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、PD-1+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセントは、BTLA+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超は、NKG2D+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超は、NKp46+細胞であり得る。細胞集団の細胞は、ヒト細胞であり得る。γδ T細胞は、腫瘍浸潤γδ T細胞であり得る。細胞集団は、以下のパラグラフからのいずれかの記載又は記載の組合せに記載されているγδ T細胞を含む細胞集団を生成するための方法を使用して生成された細胞集団であり得る。
【0016】
本方法は、IL-2、IL-4、及びIL-5の存在下で8~21日間γδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養して第2の細胞集団を得ることを含み得(又はそれから本質的になり得るか若しくはそれからなり得)、ここで、第2の細胞集団は、第1の細胞集団よりも少なくとも10倍多いγδ T細胞を含む。γδ T細胞は、ヒト細胞であり得る。γδ T細胞は、腫瘍浸潤γδ T細胞であり得る。第1の細胞集団は、(i)(a)腫瘍を含む組織又は(b)腫瘍の30mm以内にあった健常組織、から得られた腫瘍浸潤γδ T細胞の集団、(ii)健常組織から得られたγδ T細胞の集団、(iii)感染した組織から得られたγδ T細胞の集団、又は(iv)自己免疫T細胞を保有する組織から得られたγδ T細胞の集団、であり得る。本方法は、腫瘍を含む組織から第1の細胞集団を得ることを含み得る。本方法は、腫瘍の30mm以内にあった健常組織から第1の細胞集団を得ることを含み得る。第1の細胞集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での培養前に、50国際単位/mL~6000国際単位/mLのIL-2の存在下並びにIL-4及びIL-15の非存在下で3~15日間培養された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での培養前に、100国際単位/mL~4000国際単位/mLのIL-2の存在下並びにIL-4及びIL-15の非存在下で8~15日間培養された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、腫瘍浸潤γδ T細胞について濃縮された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、(a)少なくとも一部のαβ T細胞の除去又は(b)少なくとも一部のγδ T細胞の単離、により、腫瘍浸潤γδ T細胞について濃縮された細胞集団であり得る。本方法は、少なくとも一部のαβ T細胞を細胞集団から除去して、第1の細胞集団を得ることを含み得る。除去は、αβ T細胞を陽性選択すること及び陽性選択されたαβ T細胞を除去することを含み得る。本方法は、少なくとも一部のγδ T細胞を細胞集団から単離して、第1の細胞集団を得ることを含み得る。単離は、γδ T細胞を陽性選択すること及び陽性選択されたγδ T細胞を単離することを含み得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を8~21日間培養することは、IL-2、IL-4、IL-15、照射されたPBMC、及び抗CD3抗体の存在下で8~21日間γδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することを含み得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することは、12~16日間培養することであり得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することは、13~15日間培養することであり得る。第2の細胞集団は、第1の細胞集団よりも少なくとも50倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも100倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも200倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも300倍多いγδ T細胞、又は第1の細胞集団よりも少なくとも400倍多いγδ T細胞を含み得る。第2の細胞集団は、1×108個超のγδ T細胞を含み得る。IL-2は、ヒトIL-2であり得る。IL-4は、ヒトIL-4であり得る。IL-15は、ヒトIL-15であり得る。第2の細胞集団のCD3+細胞の85パーセント超は、γδ TCR+細胞であり得る。第2の細胞集団のCD3+細胞の10パーセント未満は、αβ TCR+細胞であり得る。第2の細胞集団のCD45+細胞の10パーセント未満は、NK細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超は、Vδ1+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満は、Vδ1-Vδ2-細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、Vδ2+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超は、TEM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、TEMRA細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満は、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセントは、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満は、CD56+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセントは、CD56+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセントは、CD137+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、PD-1+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセントは、BTLA+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超は、NKG2D+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超は、NKp46+細胞であり得る。
【0017】
別の態様では、本明細書は、がんを処置するための方法を特徴とする。本方法は、がんを有する哺乳動物に、先行するパラグラフのいずれかの記載又は記載の組合せに記載されているように生成された細胞集団を投与することを含む(又はそれから本質的になるか若しくはそれからなる)。哺乳動物は、ヒトであり得る。第1の細胞集団の細胞は、がんを有する哺乳動物に対して同種又は自己のものであり得る。本方法は、αβ T細胞を哺乳動物に投与することを含み得る。
【0018】
別の態様では、本明細書は、がんを処置するための方法を特徴とする。本方法は、細胞集団(例えば、単離された細胞集団)を、がんを有する哺乳動物に投与することを含む(又はそれから本質的になるか若しくはそれからなる)。哺乳動物は、ヒトであり得る。細胞集団の細胞は、がんを有する哺乳動物に対して同種又は自己のものであり得る。本方法は、αβ T細胞を哺乳動物に投与することを含み得る。細胞集団(例えば、単離された細胞集団)は、ポリクローナルγδ T細胞を含み(又はそれから本質的になるか若しくはそれからなり)、集団は、1×108個超のγδ T細胞を含む。細胞集団のCD3+細胞の85パーセント超は、γδ TCR+細胞であり得る。細胞集団のCD3+細胞の10パーセント未満は、αβ TCR+細胞であり得る。細胞集団のCD45+細胞の10パーセント未満は、NK細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超は、Vδ1+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満は、Vδ1-Vδ2-細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、Vδ2+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超は、TEM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、TEMRA細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満は、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセントは、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満は、CD56+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセントは、CD56+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセントは、CD137+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、PD-1+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセントは、BTLA+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超は、NKG2D+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超は、NKp46+細胞であり得る。細胞集団の細胞は、ヒト細胞であり得る。γδ T細胞は、腫瘍浸潤γδ T細胞であり得る。細胞集団は、以下のパラグラフからのいずれかの記載又は記載の組合せに記載されているγδ T細胞を含む細胞集団を生成するための方法を使用して生成された細胞集団であり得る。
【0019】
本方法は、IL-2、IL-4、及びIL-5の存在下で8~21日間γδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養して、第2の細胞集団を得ることを含み得(又はそれから本質的になり得るか若しくはそれからなり得)、ここで、第2の細胞集団は、第1の細胞集団よりも少なくとも10倍多いγδ T細胞を含む。γδ T細胞は、ヒト細胞であり得る。γδ T細胞は、腫瘍浸潤γδ T細胞であり得る。第1の細胞集団は、(i)(a)腫瘍を含む組織又は(b)腫瘍の30mm以内にあった健常組織、から得られた腫瘍浸潤γδ T細胞の集団、(ii)健常組織から得られたγδ T細胞の集団、(iii)感染した組織から得られたγδ T細胞の集団、又は(iv)自己免疫T細胞を保有する組織から得られたγδ T細胞の集団、であり得る。本方法は、腫瘍を含む組織から第1の細胞集団を得ることを含み得る。本方法は、腫瘍の30mm以内にあった健常組織から第1の細胞集団を得ることを含み得る。第1の細胞集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での培養前に、50国際単位/mL~6000国際単位/mLのIL-2の存在下並びにIL-4及びIL-15の非存在下で3~15日間培養された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での培養前に、100国際単位/mL~4000国際単位/mLのIL-2の存在下並びにIL-4及びIL-15の非存在下で8~15日間培養された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、腫瘍浸潤γδ T細胞について濃縮された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、(a)少なくとも一部のαβ T細胞の除去又は(b)少なくとも一部のγδ T細胞の単離により、腫瘍浸潤γδ T細胞について濃縮された細胞集団であり得る。本方法は、少なくとも一部のαβ T細胞を細胞集団から除去して、第1の細胞集団を得ることを含み得る。除去は、αβ T細胞を陽性選択すること及び陽性選択されたαβ T細胞を除去することを含み得る。本方法は、少なくとも一部のγδ T細胞を細胞集団から単離して、第1の細胞集団を得ることを含み得る。単離は、γδ T細胞を陽性選択すること及び陽性選択されたγδ T細胞を単離することを含み得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を8~21日間培養することは、IL-2、IL-4、IL-15、照射されたPBMC、及び抗CD3抗体の存在下で8~21日間γδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することを含み得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することは、12~16日間培養することであり得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することは、13~15日間培養することであり得る。第2の細胞集団は、第1の細胞集団よりも少なくとも50倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも100倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも200倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも300倍多いγδ T細胞、又は第1の細胞集団よりも少なくとも400倍多いγδ T細胞を含み得る。第2の細胞集団は、1×108個超のγδ T細胞を含み得る。IL-2は、ヒトIL-2であり得る。IL-4は、ヒトIL-4であり得る。IL-15は、ヒトIL-15であり得る。第2の細胞集団のCD3+細胞の85パーセント超は、γδ TCR+細胞であり得る。第2の細胞集団のCD3+細胞の10パーセント未満は、αβ TCR+細胞であり得る。第2の細胞集団のCD45+細胞の10パーセント未満は、NK細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超は、Vδ1+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満は、Vδ1-Vδ2-細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、Vδ2+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超は、TEM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、TEMRA細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満は、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセントは、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満は、CD56+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセントは、CD56+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセントは、CD137+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、PD-1+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセントは、BTLA+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超は、NKG2D+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超は、NKp46+細胞であり得る。
【0020】
別の態様では、本明細書は、自己免疫状態を処置するための方法と特徴とする。本方法は、細胞集団(例えば、単離された細胞集団)を、自己免疫状態を有する哺乳動物に投与することを含む(又はそれから本質的になるか若しくはそれからなる)。哺乳動物は、ヒトであり得る。細胞集団の細胞は、自己免疫状態を有する哺乳動物に対して同種又は自己のものであり得る。本方法は、αβ T細胞を哺乳動物に投与することを含み得る。細胞集団(例えば、単離された細胞集団)は、ポリクローナルγδ T細胞を含み得(又はそれから本質的になり得るか若しくはそれからなり得)、集団は、1×108個超のγδ T細胞を含む。細胞集団のCD3+細胞の85パーセント超は、γδ TCR+細胞であり得る。細胞集団のCD3+細胞の10パーセント未満は、αβ TCR+細胞であり得る。細胞集団のCD45+細胞の10パーセント未満は、NK細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超は、Vδ1+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満は、Vδ1-Vδ2-細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、Vδ2+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超は、TEM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、TEMRA細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満は、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセントは、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満は、CD56+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセントは、CD56+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセントは、CD137+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、PD-1+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセントは、BTLA+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超は、NKG2D+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超は、NKp46+細胞であり得る。細胞集団の細胞は、ヒト細胞であり得る。γδ T細胞は、腫瘍浸潤γδ T細胞であり得る。細胞集団は、以下のパラグラフからのいずれかの記載又は記載の組合せに記載されているγδ T細胞を含む細胞集団を生成するための方法を使用して生成された細胞集団であり得る。
【0021】
本方法は、IL-2、IL-4、及びIL-5の存在下で8~21日間γδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養して第2の細胞集団を得ることを含み得(又はそれから本質的になり得るか若しくはそれからなり得)、ここで、第2の細胞集団は、第1の細胞集団よりも少なくとも10倍多いγδ T細胞を含む。γδ T細胞は、ヒト細胞であり得る。γδ T細胞は、腫瘍浸潤γδ T細胞であり得る。第1の細胞集団は、(i)(a)腫瘍を含む組織又は(b)腫瘍の30mm以内にあった健常組織、から得られた腫瘍浸潤γδ T細胞の集団、(ii)健常組織から得られたγδ T細胞の集団、(iii)感染した組織から得られたγδ T細胞の集団、又は(iv)自己免疫T細胞を保有する組織から得られたγδ T細胞の集団、であり得る。本方法は、腫瘍を含む組織から第1の細胞集団を得ることを含み得る。本方法は、腫瘍の30mm以内にあった健常組織から第1の細胞集団を得ることを含み得る。第1の細胞集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での培養前に、50国際単位/mL~6000国際単位/mLのIL-2の存在下並びにIL-4及びIL-15の非存在下で3~15日間培養された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での培養前に、100国際単位/mL~4000国際単位/mLのIL-2の存在下並びにIL-4及びIL-15の非存在下で8~15日間培養された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、腫瘍浸潤γδ T細胞について濃縮された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、(a)少なくとも一部のαβ T細胞の除去又は(b)少なくとも一部のγδ T細胞の単離により、腫瘍浸潤γδ T細胞について濃縮された細胞集団であり得る。本方法は、少なくとも一部のαβ T細胞を細胞集団から除去して、第1の細胞集団を得ることを含み得る。除去は、αβ T細胞を陽性選択すること及び陽性選択されたαβ T細胞を除去することを含み得る。本方法は、少なくとも一部のγδ T細胞を細胞集団から単離して、第1の細胞集団を得ることを含み得る。単離は、γδ T細胞を陽性選択すること及び陽性選択されたγδ T細胞を単離することを含み得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を8~21日間培養することは、IL-2、IL-4、IL-15、照射されたPBMC、及び抗CD3抗体の存在下で8~21日間γδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することを含み得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することは、12~16日間培養することであり得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することは、13~15日間培養することであり得る。第2の細胞集団は、第1の細胞集団よりも少なくとも50倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも100倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも200倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも300倍多いγδ T細胞、又は第1の細胞集団よりも少なくとも400倍多いγδ T細胞を含み得る。第2の細胞集団は、1×108個超のγδ T細胞を含み得る。IL-2は、ヒトIL-2であり得る。IL-4は、ヒトIL-4であり得る。IL-15は、ヒトIL-15であり得る。第2の細胞集団のCD3+細胞の85パーセント超は、γδ TCR+細胞であり得る。第2の細胞集団のCD3+細胞の10パーセント未満は、αβ TCR+細胞であり得る。第2の細胞集団のCD45+細胞の10パーセント未満は、NK細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超は、Vδ1+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満は、Vδ1-Vδ2-細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、Vδ2+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超は、TEM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、TEMRA細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満は、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセントは、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満は、CD56+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセントは、CD56+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセントは、CD137+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、PD-1+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセントは、BTLA+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超は、NKG2D+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超は、NKp46+細胞であり得る。
【0022】
別の態様では、本明細書は、感染症を処置するための方法を特徴とする。本方法は、細胞集団(例えば、単離された細胞集団)を、感染症を有する哺乳動物に投与することを含む(又はそれから本質的になるか若しくはそれからなる)。哺乳動物は、ヒトであり得る。細胞集団の細胞は、感染症を有する哺乳動物に対して同種又は自己のものであり得る。本方法は、αβ T細胞を哺乳動物に投与することを含み得る。細胞集団(例えば、単離された細胞集団)は、ポリクローナルγδ T細胞を含み得(又はそれから本質的になり得るか若しくはそれからなり得)、集団は、1×108個超のγδ T細胞を含む。細胞集団のCD3+細胞の85パーセント超は、γδ TCR+細胞であり得る。細胞集団のCD3+細胞の10パーセント未満は、αβ TCR+細胞であり得る。細胞集団のCD45+細胞の10パーセント未満は、NK細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超は、Vδ1+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満は、Vδ1-Vδ2-細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、Vδ2+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超は、TEM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、TEMRA細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満は、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセントは、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満は、CD56+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセントは、CD56+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセントは、CD137+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、PD-1+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセントは、BTLA+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超は、NKG2D+細胞であり得る。細胞集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超は、NKp46+細胞であり得る。細胞集団の細胞は、ヒト細胞であり得る。γδ T細胞は、腫瘍浸潤γδ T細胞であり得る。細胞集団は、以下のパラグラフからのいずれかの記載又は記載の組合せに記載されているγδ T細胞を含む細胞集団を生成するための方法を使用して生成された細胞集団であり得る。
【0023】
本方法は、IL-2、IL-4、及びIL-5の存在下で8~21日間γδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養して第2の細胞集団を得ることを含み得(又はそれから本質的になり得るか若しくはそれからなり得)、ここで、第2の細胞集団は、第1の細胞集団よりも少なくとも10倍多いγδ T細胞を含む。γδ T細胞は、ヒト細胞であり得る。γδ T細胞は、腫瘍浸潤γδ T細胞であり得る。第1の細胞集団は、(i)(a)腫瘍を含む組織又は(b)腫瘍の30mm以内にあった健常組織、から得られた腫瘍浸潤γδ T細胞の集団、(ii)健常組織から得られたγδ T細胞の集団、(iii)感染した組織から得られたγδ T細胞の集団、又は(iv)自己免疫T細胞を保有する組織から得られたγδ T細胞の集団、であり得る。本方法は、腫瘍を含む組織から第1の細胞集団を得ることを含み得る。本方法は、腫瘍の30mm以内にあった健康な組織から第1の細胞集団を得ることを含み得る。第1の細胞集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での培養前に、50国際単位/mL~6000国際単位/mLのIL-2の存在下並びにIL-4及びIL-15の非存在下で3~15日間培養された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での培養前に、100国際単位/mL~4000国際単位/mLのIL-2の存在下並びにIL-4及びIL-15の非存在下で8~15日間培養された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、腫瘍浸潤γδ T細胞について濃縮された細胞集団であり得る。第1の細胞集団は、(a)少なくとも一部のαβ T細胞の除去又は(b)少なくとも一部のγδ T細胞の単離、により、腫瘍浸潤γδ T細胞について濃縮された細胞集団であり得る。本方法は、少なくとも一部のαβ T細胞を細胞集団から除去して、第1の細胞集団を得ることを含み得る。除去は、αβ T細胞を陽性選択すること及び陽性選択されたαβ T細胞を除去することを含み得る。本方法は、少なくとも一部のγδ T細胞を細胞集団から単離して、第1の細胞集団を得ることを含み得る。単離は、γδ T細胞を陽性選択すること及び陽性選択されたγδ T細胞を単離することを含み得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を8~21日間培養することは、IL-2、IL-4、IL-15、照射されたPBMC、及び抗CD3抗体の存在下で8~21日間γδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することを含み得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することは、12~16日間培養することであり得る。IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞を含む第1の細胞集団を培養することは、13~15日間培養することであり得る。第2の細胞集団は、第1の細胞集団よりも少なくとも50倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも100倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも200倍多いγδ T細胞、第1の細胞集団よりも少なくとも300倍多いγδ T細胞、又は第1の細胞集団よりも少なくとも400倍多いγδ T細胞を含み得る。第2の細胞集団は、1×108個超のγδ T細胞を含み得る。IL-2は、ヒトIL-2であり得る。IL-4は、ヒトIL-4であり得る。IL-15は、ヒトIL-15であり得る。第2の細胞集団のCD3+細胞の85パーセント超は、γδ TCR+細胞であり得る。第2の細胞集団のCD3+細胞の10パーセント未満は、αβ TCR+細胞であり得る。第2の細胞集団のCD45+細胞の10パーセント未満は、NK細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超は、Vδ1+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満は、Vδ1-Vδ2-細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、Vδ2+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超は、TEM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、TEMRA細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満は、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセントは、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満は、CD56+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセントは、CD56+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセントは、CD137+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満は、PD-1+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセントは、BTLA+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超は、NKG2D+細胞であり得る。第2の細胞集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超は、NKp46+細胞であり得る。
【0024】
別途定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似又は同等の方法及び材料を使用して本発明を実践することができるが、好適な方法及び材料を以下に記載する。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。矛盾が生じた場合は、定義を含む本明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び例は例示に過ぎず、限定を意図するものではない。
【0025】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A-B】代表的な腹膜偽粘液腫(PMP)のTIL組織の写真である。代表的な患者の腫瘍からのPMP組織は、ヘマトキシリンエオシン染色を使用して示され、腫瘍関連間質に限局した局所的なリンパ球浸潤を示す。ムチンプール(白色)にはリンパ球は見られない。
図2】PMP患者について説明する臨床変数を示す図であり、その患者の腫瘍をリンパ球レパートリーのシーケンシングに使用した。代表的なレトロスペクティブ腫瘍は、腫瘍縮小手術及び腹腔内温熱化学療法(CRS-HIPEC)で処置された低グレードPMPの組織学的解析及びレパートリーシーケンシングに使用された。MSS =マイクロサテライト安定性;PD-L1 =プログラム細胞死リガンド1陽性(選択された陽性患者では0.9%であった)。
図3A-B】低グレードPMPは、TCR Vδに関連するBCR IgE分画の増加を示した。切除したホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)低グレードPMP(n=10)腫瘍組織から単離したRNAの二量体回避多重ポリメラーゼ連鎖反応(DAM-PCR)及び次世代シーケンシングの後、migec v1.2.9 MiXCRパイプラインを用いてT細胞受容体CDR3配列及びB細胞受容体CDR3配列を構築した。図3Aは、患者のPMP腫瘍レパートリーの代表的なツリーマップを示し、丸みを帯びた長方形はそれぞれ固有のCDR3を表し、長方形の大きさはレパートリー全体のCDR3クローンの相対頻度に対応している。全コホートの平均CDR3発現(図3B)、平均CDR3アミノ酸長(図3C)、真のエントロピーレパートリー多様性(図3D)、及びBCR免疫グロビン分画(図3E)。図3Fは、PMPコホート、健常ドナーのPBMC(HD PBMC;n=238)、及び高グレード膵がん腫瘍(膵管腺癌;PDAC;n=68)間のIgE分画の比較を示す。図3Gは、PMPコホートにおけるTCR Vδ%とBCR IgE分画との相関を示す。
図3C-D】低グレードPMPは、TCR Vδに関連するBCR IgE分画の増加を示した。切除したホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)低グレードPMP(n=10)腫瘍組織から単離したRNAの二量体回避多重ポリメラーゼ連鎖反応(DAM-PCR)及び次世代シーケンシングの後、migec v1.2.9 MiXCRパイプラインを用いてT細胞受容体CDR3配列及びB細胞受容体CDR3配列を構築した。図3Aは、患者のPMP腫瘍レパートリーの代表的なツリーマップを示し、丸みを帯びた長方形はそれぞれ固有のCDR3を表し、長方形の大きさはレパートリー全体のCDR3クローンの相対頻度に対応している。全コホートの平均CDR3発現(図3B)、平均CDR3アミノ酸長(図3C)、真のエントロピーレパートリー多様性(図3D)、及びBCR免疫グロビン分画(図3E)。図3Fは、PMPコホート、健常ドナーのPBMC(HD PBMC;n=238)、及び高グレード膵がん腫瘍(膵管腺癌;PDAC;n=68)間のIgE分画の比較を示す。図3Gは、PMPコホートにおけるTCR Vδ%とBCR IgE分画との相関を示す。
図3E-F】低グレードPMPは、TCR Vδに関連するBCR IgE分画の増加を示した。切除したホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)低グレードPMP(n=10)腫瘍組織から単離したRNAの二量体回避多重ポリメラーゼ連鎖反応(DAM-PCR)及び次世代シーケンシングの後、migec v1.2.9 MiXCRパイプラインを用いてT細胞受容体CDR3配列及びB細胞受容体CDR3配列を構築した。図3Aは、患者のPMP腫瘍レパートリーの代表的なツリーマップを示し、丸みを帯びた長方形はそれぞれ固有のCDR3を表し、長方形の大きさはレパートリー全体のCDR3クローンの相対頻度に対応している。全コホートの平均CDR3発現(図3B)、平均CDR3アミノ酸長(図3C)、真のエントロピーレパートリー多様性(図3D)、及びBCR免疫グロビン分画(図3E)。図3Fは、PMPコホート、健常ドナーのPBMC(HD PBMC;n=238)、及び高グレード膵がん腫瘍(膵管腺癌;PDAC;n=68)間のIgE分画の比較を示す。図3Gは、PMPコホートにおけるTCR Vδ%とBCR IgE分画との相関を示す。
図3G】低グレードPMPは、TCR Vδに関連するBCR IgE分画の増加を示した。切除したホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)低グレードPMP(n=10)腫瘍組織から単離したRNAの二量体回避多重ポリメラーゼ連鎖反応(DAM-PCR)及び次世代シーケンシングの後、migec v1.2.9 MiXCRパイプラインを用いてT細胞受容体CDR3配列及びB細胞受容体CDR3配列を構築した。図3Aは、患者のPMP腫瘍レパートリーの代表的なツリーマップを示し、丸みを帯びた長方形はそれぞれ固有のCDR3を表し、長方形の大きさはレパートリー全体のCDR3クローンの相対頻度に対応している。全コホートの平均CDR3発現(図3B)、平均CDR3アミノ酸長(図3C)、真のエントロピーレパートリー多様性(図3D)、及びBCR免疫グロビン分画(図3E)。図3Fは、PMPコホート、健常ドナーのPBMC(HD PBMC;n=238)、及び高グレード膵がん腫瘍(膵管腺癌;PDAC;n=68)間のIgE分画の比較を示す。図3Gは、PMPコホートにおけるTCR Vδ%とBCR IgE分画との相関を示す。
図4A-B】PMPレパートリーの共有についてのデータを示す。PMPのT細胞とB細胞のレパートリーを健常ドナーのPBMCレパートリー(n=238)と比較し、Vα、Igκ、Igλ鎖に局在する共有CDR3(パブリック)を同定した(図4A)。図4Bは、PMPコホート内の共有uCDR3を有するn=238の健常ドナーのパーセントの内訳を示す。図4Cは、BCR鎖に局在する、パブリックCDR3とは別個のPMPコホート内の共有CDR3配列の同定を示す。図4Dは、PMPコホート内で共有される10個の同定されたIgH配列(左から配列番号1~10)の生成確率を示し、ランダム組換えに関連する確率が高いのに対し、抗原指向性収斂進化に関連する確率は低い。図4Eは、同定された11個の共有IgH PMP CDR3のうち、主にIgG、IgE、及びIgAからなるBCR免疫グロビン分画を示す。BCR配列、特に重鎖の配列には、IgA、D、E、G、及びMの5つの異なるサブタイプがあり、それぞれ抗原特異性、構造的相同性、機能が異なる。この図は、PMPのレパートリーには、一般集団と共有される(IgK及びIgLの2~3%)パブリックBCRが存在することを示す。また、PMPを有する患者に限定されたBCRレパートリー内で共有されるCDR3配列も存在する。これらのアミノ酸配列の生成確率を定量化すると、ある特定の共有配列はランダム組換えによるものであり、一方、他のものは抗原に駆動される組換えによるものであることが示唆され、よって、PMP腫瘍への共通抗原に対するBCRクローンの収斂進化を示唆する。図4Dは、PMPコホートの患者内で共有されている11個のIgH配列についてのこの計算を示す。図4Eは、共有PMP IgH配列の免疫グロブリン分画(BCR同一性)を詳細に示しており、これらは一次IgG及びIgEであることを示す。
図4C-D】PMPレパートリーの共有についてのデータを示す。PMPのT細胞とB細胞のレパートリーを健常ドナーのPBMCレパートリー(n=238)と比較し、Vα、Igκ、Igλ鎖に局在する共有CDR3(パブリック)を同定した(図4A)。図4Bは、PMPコホート内の共有uCDR3を有するn=238の健常ドナーのパーセントの内訳を示す。図4Cは、BCR鎖に局在する、パブリックCDR3とは別個のPMPコホート内の共有CDR3配列の同定を示す。図4Dは、PMPコホート内で共有される10個の同定されたIgH配列(左から配列番号1~10)の生成確率を示し、ランダム組換えに関連する確率が高いのに対し、抗原指向性収斂進化に関連する確率は低い。図4Eは、同定された11個の共有IgH PMP CDR3のうち、主にIgG、IgE、及びIgAからなるBCR免疫グロビン分画を示す。BCR配列、特に重鎖の配列には、IgA、D、E、G、及びMの5つの異なるサブタイプがあり、それぞれ抗原特異性、構造的相同性、機能が異なる。この図は、PMPのレパートリーには、一般集団と共有される(IgK及びIgLの2~3%)パブリックBCRが存在することを示す。また、PMPを有する患者に限定されたBCRレパートリー内で共有されるCDR3配列も存在する。これらのアミノ酸配列の生成確率を定量化すると、ある特定の共有配列はランダム組換えによるものであり、一方、他のものは抗原に駆動される組換えによるものであることが示唆され、よって、PMP腫瘍への共通抗原に対するBCRクローンの収斂進化を示唆する。図4Dは、PMPコホートの患者内で共有されている11個のIgH配列についてのこの計算を示す。図4Eは、共有PMP IgH配列の免疫グロブリン分画(BCR同一性)を詳細に示しており、これらは一次IgG及びIgEであることを示す。
図4E】PMPレパートリーの共有についてのデータを示す。PMPのT細胞とB細胞のレパートリーを健常ドナーのPBMCレパートリー(n=238)と比較し、Vα、Igκ、Igλ鎖に局在する共有CDR3(パブリック)を同定した(図4A)。図4Bは、PMPコホート内の共有uCDR3を有するn=238の健常ドナーのパーセントの内訳を示す。図4Cは、BCR鎖に局在する、パブリックCDR3とは別個のPMPコホート内の共有CDR3配列の同定を示す。図4Dは、PMPコホート内で共有される10個の同定されたIgH配列(左から配列番号1~10)の生成確率を示し、ランダム組換えに関連する確率が高いのに対し、抗原指向性収斂進化に関連する確率は低い。図4Eは、同定された11個の共有IgH PMP CDR3のうち、主にIgG、IgE、及びIgAからなるBCR免疫グロビン分画を示す。BCR配列、特に重鎖の配列には、IgA、D、E、G、及びMの5つの異なるサブタイプがあり、それぞれ抗原特異性、構造的相同性、機能が異なる。この図は、PMPのレパートリーには、一般集団と共有される(IgK及びIgLの2~3%)パブリックBCRが存在することを示す。また、PMPを有する患者に限定されたBCRレパートリー内で共有されるCDR3配列も存在する。これらのアミノ酸配列の生成確率を定量化すると、ある特定の共有配列はランダム組換えによるものであり、一方、他のものは抗原に駆動される組換えによるものであることが示唆され、よって、PMP腫瘍への共通抗原に対するBCRクローンの収斂進化を示唆する。図4Dは、PMPコホートの患者内で共有されている11個のIgH配列についてのこの計算を示す。図4Eは、共有PMP IgH配列の免疫グロブリン分画(BCR同一性)を詳細に示しており、これらは一次IgG及びIgEであることを示す。
図5A】γδ TILは腹膜表面の悪性腫瘍にまばらに浸潤する。図5Aは、研究概要の概観を示す。腫瘍縮小手術腹腔内温熱化学療法(CRS-HIPEC)を受けた腹膜表面悪性腫瘍を有する患者(n=26)から前向きに腫瘍標本を採取した。腫瘍浸潤リンパ球は、最初に高濃度のIL-2(3,000IU/mL)と共に培養した空間的に別個の腫瘍断片(患者あたりn=40)から遊離させた。RPMI(10%のヒトAB血清)培地及びIL-2をガス透過性培養フラスコ(G-REX(登録商標))に3日ごとに補充した。11日目に、スペクトルサイトメトリーによる表現型判定に続いて、γδ TILを磁気ビーズ単離で陰性選択し、抗CD3抗体(OKT-3 30 ng/mL)、IL-2(3,000IU/mL)、放射線照射(30 Gy)、同種の健常ドナーPBMC(1:100;1×108個の細胞)、及び他のγ鎖サイトカインを組み合わせて、並行したネイティブαβ TIL培養により急速に拡大させた(1×106個の細胞)。拡大されたγδ及びαβ TILのスペクトルサイトメトリー表現型判定は25日目に完了した。腫瘍断片化の時点で、残りの空間的に代表的な腫瘍断片を腫瘍消化に利用し(Miltenyi Biotech GentleMACSシステム)、拡大されたTIL及び腫瘍消化物の単細胞懸濁液の共培養による自己腫瘍反応性評価まで凍結保存した。図5Bは、拡大前(REP前)培養の11日目に採取された総TILの腹膜腫瘍組織学(高グレード結腸がん対低グレード(グレード1)虫垂がん)による比較を示す。図5Cは、生存TIL集団(CD56+ CD3- NK細胞;CD3+ γδ TCR+細胞;CD3+ αβ TCR+ CD4+ T細胞;及びCD3+ αβ TCR+ CD8+ T細胞)に関する11日目のスペクトルサイトメトリー表現型判定データを提供する。図5Dは、スペクトルサイトメトリー(CD3+、γδ TCR+、Vδ1+、Vδ2+、又はVδ1-、Vδ2-細胞)により、拡大前(REP前)培養の11日目に決定されたγδ Vδ鎖サブセットのパーセンテージを示す。
図5B-C】γδ TILは腹膜表面の悪性腫瘍にまばらに浸潤する。図5Aは、研究概要の概観を示す。腫瘍縮小手術腹腔内温熱化学療法(CRS-HIPEC)を受けた腹膜表面悪性腫瘍を有する患者(n=26)から前向きに腫瘍標本を採取した。腫瘍浸潤リンパ球は、最初に高濃度のIL-2(3,000IU/mL)と共に培養した空間的に別個の腫瘍断片(患者あたりn=40)から遊離させた。RPMI(10%のヒトAB血清)培地及びIL-2をガス透過性培養フラスコ(G-REX(登録商標))に3日ごとに補充した。11日目に、スペクトルサイトメトリーによる表現型判定に続いて、γδ TILを磁気ビーズ単離で陰性選択し、抗CD3抗体(OKT-3 30 ng/mL)、IL-2(3,000IU/mL)、放射線照射(30 Gy)、同種の健常ドナーPBMC(1:100;1×108個の細胞)、及び他のγ鎖サイトカインを組み合わせて、並行したネイティブαβ TIL培養により急速に拡大させた(1×106個の細胞)。拡大されたγδ及びαβ TILのスペクトルサイトメトリー表現型判定は25日目に完了した。腫瘍断片化の時点で、残りの空間的に代表的な腫瘍断片を腫瘍消化に利用し(Miltenyi Biotech GentleMACSシステム)、拡大されたTIL及び腫瘍消化物の単細胞懸濁液の共培養による自己腫瘍反応性評価まで凍結保存した。図5Bは、拡大前(REP前)培養の11日目に採取された総TILの腹膜腫瘍組織学(高グレード結腸がん対低グレード(グレード1)虫垂がん)による比較を示す。図5Cは、生存TIL集団(CD56+ CD3- NK細胞;CD3+ γδ TCR+細胞;CD3+ αβ TCR+ CD4+ T細胞;及びCD3+ αβ TCR+ CD8+ T細胞)に関する11日目のスペクトルサイトメトリー表現型判定データを提供する。図5Dは、スペクトルサイトメトリー(CD3+、γδ TCR+、Vδ1+、Vδ2+、又はVδ1-、Vδ2-細胞)により、拡大前(REP前)培養の11日目に決定されたγδ Vδ鎖サブセットのパーセンテージを示す。
図5D】γδ TILは腹膜表面の悪性腫瘍にまばらに浸潤する。図5Aは、研究概要の概観を示す。腫瘍縮小手術腹腔内温熱化学療法(CRS-HIPEC)を受けた腹膜表面悪性腫瘍を有する患者(n=26)から前向きに腫瘍標本を採取した。腫瘍浸潤リンパ球は、最初に高濃度のIL-2(3,000IU/mL)と共に培養した空間的に別個の腫瘍断片(患者あたりn=40)から遊離させた。RPMI(10%のヒトAB血清)培地及びIL-2をガス透過性培養フラスコ(G-REX(登録商標))に3日ごとに補充した。11日目に、スペクトルサイトメトリーによる表現型判定に続いて、γδ TILを磁気ビーズ単離で陰性選択し、抗CD3抗体(OKT-3 30 ng/mL)、IL-2(3,000IU/mL)、放射線照射(30 Gy)、同種の健常ドナーPBMC(1:100;1×108個の細胞)、及び他のγ鎖サイトカインを組み合わせて、並行したネイティブαβ TIL培養により急速に拡大させた(1×106個の細胞)。拡大されたγδ及びαβ TILのスペクトルサイトメトリー表現型判定は25日目に完了した。腫瘍断片化の時点で、残りの空間的に代表的な腫瘍断片を腫瘍消化に利用し(Miltenyi Biotech GentleMACSシステム)、拡大されたTIL及び腫瘍消化物の単細胞懸濁液の共培養による自己腫瘍反応性評価まで凍結保存した。図5Bは、拡大前(REP前)培養の11日目に採取された総TILの腹膜腫瘍組織学(高グレード結腸がん対低グレード(グレード1)虫垂がん)による比較を示す。図5Cは、生存TIL集団(CD56+ CD3- NK細胞;CD3+ γδ TCR+細胞;CD3+ αβ TCR+ CD4+ T細胞;及びCD3+ αβ TCR+ CD8+ T細胞)に関する11日目のスペクトルサイトメトリー表現型判定データを提供する。図5Dは、スペクトルサイトメトリー(CD3+、γδ TCR+、Vδ1+、Vδ2+、又はVδ1-、Vδ2-細胞)により、拡大前(REP前)培養の11日目に決定されたγδ Vδ鎖サブセットのパーセンテージを示す。
図6】前向きCRS-HIPEC患者の特徴を示す表である。TIL培養のために前向きに腫瘍が採取されたCRS-HIPECを受けた腹膜表面悪性腫瘍を有する患者の臨床的特徴が示されている。
図7A-B】腹膜腫瘍の断片化及び急速拡大前の表現型評価。図7Aは、粘液性腹膜腫瘍の解剖及び空間的に別個の2~3mm3の腫瘍片への断片化の4枚の連続写真を示す。11日目に、γδ TCR+ %及び全生存細胞数を組織学的検査(図7B)又は以前の化学療法(図7D及び7E)によって比較した。図7Cはスペクトルサイトメトリーのゲーティング戦略を示す。CD45+免疫細胞は生きた単一細胞から選択した。NK細胞(CD3- CD56+)及びT細胞(CD3+)が選択された。T細胞はTCR αβ又はγδ陽性で区分された。選択されたT細胞サブセットからCD4/CD8又はVδ1/Vδ2集団を同定した。
図7C】腹膜腫瘍の断片化及び急速拡大前の表現型評価。図7Aは、粘液性腹膜腫瘍の解剖及び空間的に別個の2~3mm3の腫瘍片への断片化の4枚の連続写真を示す。11日目に、γδ TCR+ %及び全生存細胞数を組織学的検査(図7B)又は以前の化学療法(図7D及び7E)によって比較した。図7Cはスペクトルサイトメトリーのゲーティング戦略を示す。CD45+免疫細胞は生きた単一細胞から選択した。NK細胞(CD3- CD56+)及びT細胞(CD3+)が選択された。T細胞はTCR αβ又はγδ陽性で区分された。選択されたT細胞サブセットからCD4/CD8又はVδ1/Vδ2集団を同定した。
図7D-E】腹膜腫瘍の断片化及び急速拡大前の表現型評価。図7Aは、粘液性腹膜腫瘍の解剖及び空間的に別個の2~3mm3の腫瘍片への断片化の4枚の連続写真を示す。11日目に、γδ TCR+ %及び全生存細胞数を組織学的検査(図7B)又は以前の化学療法(図7D及び7E)によって比較した。図7Cはスペクトルサイトメトリーのゲーティング戦略を示す。CD45+免疫細胞は生きた単一細胞から選択した。NK細胞(CD3- CD56+)及びT細胞(CD3+)が選択された。T細胞はTCR αβ又はγδ陽性で区分された。選択されたT細胞サブセットからCD4/CD8又はVδ1/Vδ2集団を同定した。
図8A-B】γδ TILは、αβ TILと比較して、PD-1は減少しているが、NKG2D及びCD137の発現が大きい、組織常在型エフェクターメモリー表現型を示す。αβ及びγδ TILのCD8発現を比較する11日目の腹膜腫瘍浸潤リンパ球スペクトル表現型判定(CD8α+、CD8β+、又は二重陽性;図8A)、メモリー表現型(CD62L+ CD45RO-のナイーブ;CD62L+、CD45RO+のセントラルメモリー;CD62L- CD45RO+のエフェクターメモリー;CD62L- CD45RO-のエフェクターメモリーRA+;図8B及び8C)、組織常在型メモリー表現型(CD69+、CD103+、又は二重陽性;図8D)、活性化状態(CD2、CD25、CD27、CD56、CD137、又は4-1BB;図8E)、疲弊状態(PD-1、LAG-3、TIGIT、BTLA、又はPD-L1;図8F)、及び天然細胞傷害性受容体(NCR)発現(NKG2D又はNKp46;図8G)。図8Hは、CD8、メモリー、活性化、疲弊、及び天然細胞傷害性受容体(NCR)表現型の平均発現ヒートマップの概要である。
図8C-D】γδ TILは、αβ TILと比較して、PD-1は減少しているが、NKG2D及びCD137の発現が大きい、組織常在型エフェクターメモリー表現型を示す。αβ及びγδ TILのCD8発現を比較する11日目の腹膜腫瘍浸潤リンパ球スペクトル表現型判定(CD8α+、CD8β+、又は二重陽性;図8A)、メモリー表現型(CD62L+ CD45RO-のナイーブ;CD62L+、CD45RO+のセントラルメモリー;CD62L- CD45RO+のエフェクターメモリー;CD62L- CD45RO-のエフェクターメモリーRA+;図8B及び8C)、組織常在型メモリー表現型(CD69+、CD103+、又は二重陽性;図8D)、活性化状態(CD2、CD25、CD27、CD56、CD137、又は4-1BB;図8E)、疲弊状態(PD-1、LAG-3、TIGIT、BTLA、又はPD-L1;図8F)、及び天然細胞傷害性受容体(NCR)発現(NKG2D又はNKp46;図8G)。図8Hは、CD8、メモリー、活性化、疲弊、及び天然細胞傷害性受容体(NCR)表現型の平均発現ヒートマップの概要である。
図8E-F】γδ TILは、αβ TILと比較して、PD-1は減少しているが、NKG2D及びCD137の発現が大きい、組織常在型エフェクターメモリー表現型を示す。αβ及びγδ TILのCD8発現を比較する11日目の腹膜腫瘍浸潤リンパ球スペクトル表現型判定(CD8α+、CD8β+、又は二重陽性;図8A)、メモリー表現型(CD62L+ CD45RO-のナイーブ;CD62L+、CD45RO+のセントラルメモリー;CD62L- CD45RO+のエフェクターメモリー;CD62L- CD45RO-のエフェクターメモリーRA+;図8B及び8C)、組織常在型メモリー表現型(CD69+、CD103+、又は二重陽性;図8D)、活性化状態(CD2、CD25、CD27、CD56、CD137、又は4-1BB;図8E)、疲弊状態(PD-1、LAG-3、TIGIT、BTLA、又はPD-L1;図8F)、及び天然細胞傷害性受容体(NCR)発現(NKG2D又はNKp46;図8G)。図8Hは、CD8、メモリー、活性化、疲弊、及び天然細胞傷害性受容体(NCR)表現型の平均発現ヒートマップの概要である。
図8G-H】γδ TILは、αβ TILと比較して、PD-1は減少しているが、NKG2D及びCD137の発現が大きい、組織常在型エフェクターメモリー表現型を示す。αβ及びγδ TILのCD8発現を比較する11日目の腹膜腫瘍浸潤リンパ球スペクトル表現型判定(CD8α+、CD8β+、又は二重陽性;図8A)、メモリー表現型(CD62L+ CD45RO-のナイーブ;CD62L+、CD45RO+のセントラルメモリー;CD62L- CD45RO+のエフェクターメモリー;CD62L- CD45RO-のエフェクターメモリーRA+;図8B及び8C)、組織常在型メモリー表現型(CD69+、CD103+、又は二重陽性;図8D)、活性化状態(CD2、CD25、CD27、CD56、CD137、又は4-1BB;図8E)、疲弊状態(PD-1、LAG-3、TIGIT、BTLA、又はPD-L1;図8F)、及び天然細胞傷害性受容体(NCR)発現(NKG2D又はNKp46;図8G)。図8Hは、CD8、メモリー、活性化、疲弊、及び天然細胞傷害性受容体(NCR)表現型の平均発現ヒートマップの概要である。
図9A】CD8(図9A)、活性化状態(CD56及びCD137又は4-1BB;図9B)、組織常在型メモリー表現型(CD69+、CD103+、又は二重陽性;図9C)、疲弊状態(PD-1及びBTLA;図9D)、及び自然細胞傷害性受容体発現(NKG2D;図9E)に関して、蛍光マイナスワン(FMO)対照及び刺激されていないPBMC(陰性対照)によってゲーティングされたαβ及びγδ TILパーセント陽性細胞を示す代表的なフロー図である。
図9B】CD8(図9A)、活性化状態(CD56及びCD137又は4-1BB;図9B)、組織常在型メモリー表現型(CD69+、CD103+、又は二重陽性;図9C)、疲弊状態(PD-1及びBTLA;図9D)、及び自然細胞傷害性受容体発現(NKG2D;図9E)に関して、蛍光マイナスワン(FMO)対照及び刺激されていないPBMC(陰性対照)によってゲーティングされたαβ及びγδ TILパーセント陽性細胞を示す代表的なフロー図である。
図9C】CD8(図9A)、活性化状態(CD56及びCD137又は4-1BB;図9B)、組織常在型メモリー表現型(CD69+、CD103+、又は二重陽性;図9C)、疲弊状態(PD-1及びBTLA;図9D)、及び自然細胞傷害性受容体発現(NKG2D;図9E)に関して、蛍光マイナスワン(FMO)対照及び刺激されていないPBMC(陰性対照)によってゲーティングされたαβ及びγδ TILパーセント陽性細胞を示す代表的なフロー図である。
図9D】CD8(図9A)、活性化状態(CD56及びCD137又は4-1BB;図9B)、組織常在型メモリー表現型(CD69+、CD103+、又は二重陽性;図9C)、疲弊状態(PD-1及びBTLA;図9D)、及び自然細胞傷害性受容体発現(NKG2D;図9E)に関して、蛍光マイナスワン(FMO)対照及び刺激されていないPBMC(陰性対照)によってゲーティングされたαβ及びγδ TILパーセント陽性細胞を示す代表的なフロー図である。
図9E】CD8(図9A)、活性化状態(CD56及びCD137又は4-1BB;図9B)、組織常在型メモリー表現型(CD69+、CD103+、又は二重陽性;図9C)、疲弊状態(PD-1及びBTLA;図9D)、及び自然細胞傷害性受容体発現(NKG2D;図9E)に関して、蛍光マイナスワン(FMO)対照及び刺激されていないPBMC(陰性対照)によってゲーティングされたαβ及びγδ TILパーセント陽性細胞を示す代表的なフロー図である。
図10A-B】γδ TILの急速拡大のためのIL-4及びIL-15の使用。1×106個の陰性選択されたγδ TIL又はネイティブαβ TILを、抗CD3抗体(OKT-3、30 ng/mL)、照射された(30 Gy)同種のPBMCフィーダー細胞(1:100)、IL-2(3,000IU/mL)、RPM1640(5%のヒト血清)、及び示された他のγ鎖サイトカイン(IL-4 100ng/mL;IL-7 20ng/mL;IL-15 70ng/mL;又はそれらの組合せ)をガス透過性フラスコ(G-REX(登録商標))中で培養し、サイトカイン及び培地を3日ごとに置き換えて、14日間の培養で拡大した。7日目、10日目及び14日目の急速拡大プロトコールで、個々の及び様々なサイトカインの組合せの下での総生細胞数を測定した(図10A)。IL-2/IL-4/IL-15で14日間拡大させた陰性選択されたγδ TIL集団は、スペクトルサイトメトリーで評価した場合、最小限のNK(CD3- CD56+)細胞及びαβ T(CD3+ αβ TCR+)細胞、並びに主にVδ1+又はVδ1-δ2-細胞であるγδ T細胞(CD3+ γδ TCR+)を含有した(図10B)。αβ TIL(抗CD3抗体(OKT-3、30ng/mL)、照射された(30Gy)同種PBMCフィーダー細胞(1:100)、IL-2(3,000IU/mL)、及びRPM1640(5%のヒト血清)を使用して拡大)及びγδ TIL(IL-2/IL-4/IL-15の組合せを使用して拡大)の11日目の表現型判定(すなわち、拡大前)と拡大後14日目(すなわち、合計25日目)の間の陽性細胞の絶対パーセントの平均変化率を図10Cに示す。統計は、IL-2/IL-4/IL-15拡大の結果として、培養11日目から25日目までの有意な変化を示す。
図10C】γδ TILの急速拡大のためのIL-4及びIL-15の使用。1×106個の陰性選択されたγδ TIL又はネイティブαβ TILを、抗CD3抗体(OKT-3、30 ng/mL)、照射された(30 Gy)同種のPBMCフィーダー細胞(1:100)、IL-2(3,000IU/mL)、RPM1640(5%のヒト血清)、及び示された他のγ鎖サイトカイン(IL-4 100ng/mL;IL-7 20ng/mL;IL-15 70ng/mL;又はそれらの組合せ)をガス透過性フラスコ(G-REX(登録商標))中で培養し、サイトカイン及び培地を3日ごとに置き換えて、14日間の培養で拡大した。7日目、10日目及び14日目の急速拡大プロトコールで、個々の及び様々なサイトカインの組合せの下での総生細胞数を測定した(図10A)。IL-2/IL-4/IL-15で14日間拡大させた陰性選択されたγδ TIL集団は、スペクトルサイトメトリーで評価した場合、最小限のNK(CD3- CD56+)細胞及びαβ T(CD3+ αβ TCR+)細胞、並びに主にVδ1+又はVδ1-δ2-細胞であるγδ T細胞(CD3+ γδ TCR+)を含有した(図10B)。αβ TIL(抗CD3抗体(OKT-3、30ng/mL)、照射された(30Gy)同種PBMCフィーダー細胞(1:100)、IL-2(3,000IU/mL)、及びRPM1640(5%のヒト血清)を使用して拡大)及びγδ TIL(IL-2/IL-4/IL-15の組合せを使用して拡大)の11日目の表現型判定(すなわち、拡大前)と拡大後14日目(すなわち、合計25日目)の間の陽性細胞の絶対パーセントの平均変化率を図10Cに示す。統計は、IL-2/IL-4/IL-15拡大の結果として、培養11日目から25日目までの有意な変化を示す。
図11A】急速に拡大したγδ TIL及びαβ TILの拡大倍数及び表現型判定。図11Aは、異なるサイトカインの示された組合せで14日間培養した後の、陰性選択されたγδ TIL(例えば、αβ TCR除去によって陰性選択)及び天然のαβ TILの拡大倍数を示す。図11Bは、IL-2、IL-4、及びIL-15中で14日間培養して拡大した、拡大後の陰性選択されたγδ TILの代表的なフロープロットを示す。図11Cは、天然のαβ TIL集団のIL-2のみによる拡大後に存在する細胞の表現型を示す。図11Dは、14日間の拡大後の、IL-2により拡大された、陽性選択されたαβ TIL、及びIL-2/IL-4/IL-15により拡大された、陰性選択されたγδ TILにおける、メモリーマーカー、活性化マーカー、疲弊マーカー、及び天然細胞傷害性受容体(NCR)の平均発現ヒートマップの概要を示す。統計は、IL-2/IL-4/IL-15による拡大の結果として、培養25日目のγδ TILとαβ TILの間に有意差があることを示す。
図11B】急速に拡大したγδ TIL及びαβ TILの拡大倍数及び表現型判定。図11Aは、異なるサイトカインの示された組合せで14日間培養した後の、陰性選択されたγδ TIL(例えば、αβ TCR除去によって陰性選択)及び天然のαβ TILの拡大倍数を示す。図11Bは、IL-2、IL-4、及びIL-15中で14日間培養して拡大した、拡大後の陰性選択されたγδ TILの代表的なフロープロットを示す。図11Cは、天然のαβ TIL集団のIL-2のみによる拡大後に存在する細胞の表現型を示す。図11Dは、14日間の拡大後の、IL-2により拡大された、陽性選択されたαβ TIL、及びIL-2/IL-4/IL-15により拡大された、陰性選択されたγδ TILにおける、メモリーマーカー、活性化マーカー、疲弊マーカー、及び天然細胞傷害性受容体(NCR)の平均発現ヒートマップの概要を示す。統計は、IL-2/IL-4/IL-15による拡大の結果として、培養25日目のγδ TILとαβ TILの間に有意差があることを示す。
図11C-D】急速に拡大したγδ TIL及びαβ TILの拡大倍数及び表現型判定。図11Aは、異なるサイトカインの示された組合せで14日間培養した後の、陰性選択されたγδ TIL(例えば、αβ TCR除去によって陰性選択)及び天然のαβ TILの拡大倍数を示す。図11Bは、IL-2、IL-4、及びIL-15中で14日間培養して拡大した、拡大後の陰性選択されたγδ TILの代表的なフロープロットを示す。図11Cは、天然のαβ TIL集団のIL-2のみによる拡大後に存在する細胞の表現型を示す。図11Dは、14日間の拡大後の、IL-2により拡大された、陽性選択されたαβ TIL、及びIL-2/IL-4/IL-15により拡大された、陰性選択されたγδ TILにおける、メモリーマーカー、活性化マーカー、疲弊マーカー、及び天然細胞傷害性受容体(NCR)の平均発現ヒートマップの概要を示す。統計は、IL-2/IL-4/IL-15による拡大の結果として、培養25日目のγδ TILとαβ TILの間に有意差があることを示す。
図12A-B】MHCに依存しないγδ TCRに媒介される自己腫瘍認識。TILを解凍し、IL-2(3,000IU/mL)培地中で一晩休ませた後、PBSで2回洗浄し、共培養した。自己腫瘍反応性は、1×105個の14日間急速に拡大させたαβ TIL(IL-2により拡大させた天然のαβ TIL)又は14日間急速に拡大させたγδ TIL(IL-2/IL-4/IL-15により拡大させた、陰性選択されたγδ TIL)を、96ウェルプレート中、1×105個の腫瘍消化細胞と共にサイトカインフリー培地中で24時間共培養することにより評価した。IFNγ産生を、ELISAにより培養上清中で評価した。図12Aは、非特異的CD3/CD28刺激(Dynabeads、陽性対照)後、自己PBMC(1×105個の細胞、陰性対照)との共培養後、又は腫瘍消化物との共培養後の、拡大されたαβ又はγδ TILのIFNγ産生を示す。拡大されたγδ TIL及びαβ TILのMHC非制限TIL反応性を、共培養前に2回継代したK562白血病がん細胞株及び一連の結腸がん細胞株(HCT116、RKO、SW480、及びSW80)で評価した(図12B)。患者のサブセットにおいて、γδ TILをブロッキング抗体(アイソタイプ対照マウスIgG 10μg/mL、抗MHC-1(W6/32 10μg/mL)、抗γδ TCR(7A5 3μg/mL)、又は抗NKG2D(1D11、10μg/mL))の存在下で自己腫瘍消化物と培養した(図12C)。図12Dは、IFNγ産生と、拡大後のVδ1γδ TILのパーセンテージとの相関を示す。
図12C-D】MHCに依存しないγδ TCRに媒介される自己腫瘍認識。TILを解凍し、IL-2(3,000IU/mL)培地中で一晩休ませた後、PBSで2回洗浄し、共培養した。自己腫瘍反応性は、1×105個の14日間急速に拡大させたαβ TIL(IL-2により拡大させた天然のαβ TIL)又は14日間急速に拡大させたγδ TIL(IL-2/IL-4/IL-15により拡大させた、陰性選択されたγδ TIL)を、96ウェルプレート中、1×105個の腫瘍消化細胞と共にサイトカインフリー培地中で24時間共培養することにより評価した。IFNγ産生を、ELISAにより培養上清中で評価した。図12Aは、非特異的CD3/CD28刺激(Dynabeads、陽性対照)後、自己PBMC(1×105個の細胞、陰性対照)との共培養後、又は腫瘍消化物との共培養後の、拡大されたαβ又はγδ TILのIFNγ産生を示す。拡大されたγδ TIL及びαβ TILのMHC非制限TIL反応性を、共培養前に2回継代したK562白血病がん細胞株及び一連の結腸がん細胞株(HCT116、RKO、SW480、及びSW80)で評価した(図12B)。患者のサブセットにおいて、γδ TILをブロッキング抗体(アイソタイプ対照マウスIgG 10μg/mL、抗MHC-1(W6/32 10μg/mL)、抗γδ TCR(7A5 3μg/mL)、又は抗NKG2D(1D11、10μg/mL))の存在下で自己腫瘍消化物と培養した(図12C)。図12Dは、IFNγ産生と、拡大後のVδ1γδ TILのパーセンテージとの相関を示す。
図13】がん細胞株NKG2Dリガンドの発現を示す表である。試験したがん細胞株ナチュラルキラー受容体リガンドmRNAのZスコアは、Cancer Line Encyclopediaから照会した。MICA及びMICBが安定しているか又は上方調節されている細胞株は、γδ TILの認識を可能にする。
図14】切除された黒色腫(その腫瘍標本は腫瘍消化及びTIL拡大に利用される)により患者の臨床的特徴を説明する表である。
図15A-B】高用量のIL-2は、急速拡大前プロトコール(pre-REP)中に、γδ TCR+ TILを最も多く拡大させる。凍結保存された黒色腫腫瘍消化物(n=15)を解凍し、完全培地及び高用量のIL-2(3,000IU/mL、n=15、黒色)、γ鎖サイトカインの組合せ(IL-2 3,0000IU/mL、IL-4 100ng/mL、IL-15 70ng/mL、n=15、赤色)、又はγ鎖サイトカインの組合せと抗CD137 mAb(ウレルマブ、10μg/mL、n=10、黒色と白色)と共にG-REX(登録商標)培養ウェルにプレーティングした(5×106個の細胞/ウェル)。培養には4日目と8日目にサイトカイン又は抗体を補充し、8日目に培地の50%を置き換えた。11日目に、拡大されたTILは70μmフィルターを通して採取され、カウントし(A、B)、TIL集団についてスペクトルサイトメトリーで解析した(B~E)。
図15C-D】高用量のIL-2は、急速拡大前プロトコール(pre-REP)中に、γδ TCR+ TILを最も多く拡大させる。凍結保存された黒色腫腫瘍消化物(n=15)を解凍し、完全培地及び高用量のIL-2(3,000IU/mL、n=15、黒色)、γ鎖サイトカインの組合せ(IL-2 3,0000IU/mL、IL-4 100ng/mL、IL-15 70ng/mL、n=15、赤色)、又はγ鎖サイトカインの組合せと抗CD137 mAb(ウレルマブ、10μg/mL、n=10、黒色と白色)と共にG-REX(登録商標)培養ウェルにプレーティングした(5×106個の細胞/ウェル)。培養には4日目と8日目にサイトカイン又は抗体を補充し、8日目に培地の50%を置き換えた。11日目に、拡大されたTILは70μmフィルターを通して採取され、カウントし(A、B)、TIL集団についてスペクトルサイトメトリーで解析した(B~E)。
図15E】高用量のIL-2は、急速拡大前プロトコール(pre-REP)中に、γδ TCR+ TILを最も多く拡大させる。凍結保存された黒色腫腫瘍消化物(n=15)を解凍し、完全培地及び高用量のIL-2(3,000IU/mL、n=15、黒色)、γ鎖サイトカインの組合せ(IL-2 3,0000IU/mL、IL-4 100ng/mL、IL-15 70ng/mL、n=15、赤色)、又はγ鎖サイトカインの組合せと抗CD137 mAb(ウレルマブ、10μg/mL、n=10、黒色と白色)と共にG-REX(登録商標)培養ウェルにプレーティングした(5×106個の細胞/ウェル)。培養には4日目と8日目にサイトカイン又は抗体を補充し、8日目に培地の50%を置き換えた。11日目に、拡大されたTILは70μmフィルターを通して採取され、カウントし(A、B)、TIL集団についてスペクトルサイトメトリーで解析した(B~E)。
図16A】Vδ1 TILは汎がん生存率向上と関連している。図16Aは、原発腫瘍のバルクRNAシーケンスについてのがんゲノムアトラス(TCGA)データベースのGEPIA2ツールによって解析された、20種の最も一般的な原発固形腫瘍型におけるγδ TILサブセット(TRDV1、TRDV2、及びTRDV3遺伝子)及びαβ TIL(TRBC2 ベータ鎖2定常領域)の平均発現(転写物百万分率(TPM)の対数)を示す。図16B~Gは、自己TIL療法が試験される選択された腫瘍型(SKCM=皮膚黒色腫;HNSC=頭頸部扁平上皮癌、LUAD+LUSC=肺腺癌及び肺扁平上皮癌、BRCA=乳癌、CESC=子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部腺癌)の中央値を超えるか(高)又は下回る(低)正規化された(ACTBベータアクチン)TRDV1発現によるカプランマイヤー生存率解析を示す。対数順位P値は生存率推定値の95 CIと共に表示されている。
図16B-C】Vδ1 TILは汎がん生存率向上と関連している。図16Aは、原発腫瘍のバルクRNAシーケンスについてのがんゲノムアトラス(TCGA)データベースのGEPIA2ツールによって解析された、20種の最も一般的な原発固形腫瘍型におけるγδ TILサブセット(TRDV1、TRDV2、及びTRDV3遺伝子)及びαβ TIL(TRBC2 ベータ鎖2定常領域)の平均発現(転写物百万分率(TPM)の対数)を示す。図16B~Gは、自己TIL療法が試験される選択された腫瘍型(SKCM=皮膚黒色腫;HNSC=頭頸部扁平上皮癌、LUAD+LUSC=肺腺癌及び肺扁平上皮癌、BRCA=乳癌、CESC=子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部腺癌)の中央値を超えるか(高)又は下回る(低)正規化された(ACTBベータアクチン)TRDV1発現によるカプランマイヤー生存率解析を示す。対数順位P値は生存率推定値の95 CIと共に表示されている。
図16D-E】Vδ1 TILは汎がん生存率向上と関連している。図16Aは、原発腫瘍のバルクRNAシーケンスについてのがんゲノムアトラス(TCGA)データベースのGEPIA2ツールによって解析された、20種の最も一般的な原発固形腫瘍型におけるγδ TILサブセット(TRDV1、TRDV2、及びTRDV3遺伝子)及びαβ TIL(TRBC2 ベータ鎖2定常領域)の平均発現(転写物百万分率(TPM)の対数)を示す。図16B~Gは、自己TIL療法が試験される選択された腫瘍型(SKCM=皮膚黒色腫;HNSC=頭頸部扁平上皮癌、LUAD+LUSC=肺腺癌及び肺扁平上皮癌、BRCA=乳癌、CESC=子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部腺癌)の中央値を超えるか(高)又は下回る(低)正規化された(ACTBベータアクチン)TRDV1発現によるカプランマイヤー生存率解析を示す。対数順位P値は生存率推定値の95 CIと共に表示されている。
図16F-G】Vδ1 TILは汎がん生存率向上と関連している。図16Aは、原発腫瘍のバルクRNAシーケンスについてのがんゲノムアトラス(TCGA)データベースのGEPIA2ツールによって解析された、20種の最も一般的な原発固形腫瘍型におけるγδ TILサブセット(TRDV1、TRDV2、及びTRDV3遺伝子)及びαβ TIL(TRBC2 ベータ鎖2定常領域)の平均発現(転写物百万分率(TPM)の対数)を示す。図16B~Gは、自己TIL療法が試験される選択された腫瘍型(SKCM=皮膚黒色腫;HNSC=頭頸部扁平上皮癌、LUAD+LUSC=肺腺癌及び肺扁平上皮癌、BRCA=乳癌、CESC=子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部腺癌)の中央値を超えるか(高)又は下回る(低)正規化された(ACTBベータアクチン)TRDV1発現によるカプランマイヤー生存率解析を示す。対数順位P値は生存率推定値の95 CIと共に表示されている。
図17A】追加の原発がんにおけるVδ1の生存率向上。全コホートのTRDV1腫瘍(T)及び正常(N)組織の発現を、Vδ1発現が最も高い腫瘍型に対してプロットした:肺腺癌(LUAD)、腎臓腎細胞癌(KIRC)、乳癌(BRCA)、及び子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部腺癌(CESC)(図17A)。図17B~Gは、追加の選択された腫瘍型について、中央値を上回るか(高)又は下回る(低)正規化された(ACTBベータアクチン)TRDV1発現によるカプランマイヤー生存率解析を示す。対数順位P値は生存推定値の95 CIと共に表示されている。TCGA=完全がんゲノムアトラス腫瘍(Full Cancer Genome Atlas Tumors);GBM=膠芽腫;HNSC=頭頸部扁平上皮癌;SKCM=皮膚黒色腫;ESCA=食道癌;LUAD=肺腺癌;LUSC=肺扁平上皮癌;BRCA=乳癌;MESO=中皮腫;LIHC=肝臓肝細胞癌;STAD=胃腺癌;PAAD=膵管腺癌;KIRC=腎臓腎細胞癌;BLCA=膀胱尿路上皮癌;COAD=結腸直腸腺癌;READ=直腸腺癌;OV=卵巣漿液性嚢胞腺癌;UCEC=子宮体部内膜癌;CESC=子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部腺癌;PRAD=前立腺腺癌;並びにSARC=肉腫。
図17B-C】追加の原発がんにおけるVδ1の生存率向上。全コホートのTRDV1腫瘍(T)及び正常(N)組織の発現を、Vδ1発現が最も高い腫瘍型に対してプロットした:肺腺癌(LUAD)、腎臓腎細胞癌(KIRC)、乳癌(BRCA)、及び子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部腺癌(CESC)(図17A)。図17B~Gは、追加の選択された腫瘍型について、中央値を上回るか(高)又は下回る(低)正規化された(ACTBベータアクチン)TRDV1発現によるカプランマイヤー生存率解析を示す。対数順位P値は生存推定値の95 CIと共に表示されている。TCGA=完全がんゲノムアトラス腫瘍(Full Cancer Genome Atlas Tumors);GBM=膠芽腫;HNSC=頭頸部扁平上皮癌;SKCM=皮膚黒色腫;ESCA=食道癌;LUAD=肺腺癌;LUSC=肺扁平上皮癌;BRCA=乳癌;MESO=中皮腫;LIHC=肝臓肝細胞癌;STAD=胃腺癌;PAAD=膵管腺癌;KIRC=腎臓腎細胞癌;BLCA=膀胱尿路上皮癌;COAD=結腸直腸腺癌;READ=直腸腺癌;OV=卵巣漿液性嚢胞腺癌;UCEC=子宮体部内膜癌;CESC=子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部腺癌;PRAD=前立腺腺癌;並びにSARC=肉腫。
図17D-E】追加の原発がんにおけるVδ1の生存率向上。全コホートのTRDV1腫瘍(T)及び正常(N)組織の発現を、Vδ1発現が最も高い腫瘍型に対してプロットした:肺腺癌(LUAD)、腎臓腎細胞癌(KIRC)、乳癌(BRCA)、及び子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部腺癌(CESC)(図17A)。図17B~Gは、追加の選択された腫瘍型について、中央値を上回るか(高)又は下回る(低)正規化された(ACTBベータアクチン)TRDV1発現によるカプランマイヤー生存率解析を示す。対数順位P値は生存推定値の95 CIと共に表示されている。TCGA=完全がんゲノムアトラス腫瘍(Full Cancer Genome Atlas Tumors);GBM=膠芽腫;HNSC=頭頸部扁平上皮癌;SKCM=皮膚黒色腫;ESCA=食道癌;LUAD=肺腺癌;LUSC=肺扁平上皮癌;BRCA=乳癌;MESO=中皮腫;LIHC=肝臓肝細胞癌;STAD=胃腺癌;PAAD=膵管腺癌;KIRC=腎臓腎細胞癌;BLCA=膀胱尿路上皮癌;COAD=結腸直腸腺癌;READ=直腸腺癌;OV=卵巣漿液性嚢胞腺癌;UCEC=子宮体部内膜癌;CESC=子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部腺癌;PRAD=前立腺腺癌;並びにSARC=肉腫。
図17F-G】追加の原発がんにおけるVδ1の生存率向上。全コホートのTRDV1腫瘍(T)及び正常(N)組織の発現を、Vδ1発現が最も高い腫瘍型に対してプロットした:肺腺癌(LUAD)、腎臓腎細胞癌(KIRC)、乳癌(BRCA)、及び子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部腺癌(CESC)(図17A)。図17B~Gは、追加の選択された腫瘍型について、中央値を上回るか(高)又は下回る(低)正規化された(ACTBベータアクチン)TRDV1発現によるカプランマイヤー生存率解析を示す。対数順位P値は生存推定値の95 CIと共に表示されている。TCGA=完全がんゲノムアトラス腫瘍(Full Cancer Genome Atlas Tumors);GBM=膠芽腫;HNSC=頭頸部扁平上皮癌;SKCM=皮膚黒色腫;ESCA=食道癌;LUAD=肺腺癌;LUSC=肺扁平上皮癌;BRCA=乳癌;MESO=中皮腫;LIHC=肝臓肝細胞癌;STAD=胃腺癌;PAAD=膵管腺癌;KIRC=腎臓腎細胞癌;BLCA=膀胱尿路上皮癌;COAD=結腸直腸腺癌;READ=直腸腺癌;OV=卵巣漿液性嚢胞腺癌;UCEC=子宮体部内膜癌;CESC=子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部腺癌;PRAD=前立腺腺癌;並びにSARC=肉腫。
図18A-B】原発腫瘍のバルクRNAシーケンシングについてのがんゲノムアトラス(TCGA)データベースのGEPIA2ツールによって解析された、20種の最も一般的な原発固形腫瘍型におけるTRDV1及びTRBC2遺伝子の相関。ピアソン相関及びp値が報告された。図17のTCGA略号が使用された。すべての相関は有意であった。
図18C-D】原発腫瘍のバルクRNAシーケンシングについてのがんゲノムアトラス(TCGA)データベースのGEPIA2ツールによって解析された、20種の最も一般的な原発固形腫瘍型におけるTRDV1及びTRBC2遺伝子の相関。ピアソン相関及びp値が報告された。図17のTCGA略号が使用された。すべての相関は有意であった。
図18E-F】原発腫瘍のバルクRNAシーケンシングについてのがんゲノムアトラス(TCGA)データベースのGEPIA2ツールによって解析された、20種の最も一般的な原発固形腫瘍型におけるTRDV1及びTRBC2遺伝子の相関。ピアソン相関及びp値が報告された。図17のTCGA略号が使用された。すべての相関は有意であった。
図18G-H】原発腫瘍のバルクRNAシーケンシングについてのがんゲノムアトラス(TCGA)データベースのGEPIA2ツールによって解析された、20種の最も一般的な原発固形腫瘍型におけるTRDV1及びTRBC2遺伝子の相関。ピアソン相関及びp値が報告された。図17のTCGA略号が使用された。すべての相関は有意であった。
図18I-J】原発腫瘍のバルクRNAシーケンシングについてのがんゲノムアトラス(TCGA)データベースのGEPIA2ツールによって解析された、20種の最も一般的な原発固形腫瘍型におけるTRDV1及びTRBC2遺伝子の相関。ピアソン相関及びp値が報告された。図17のTCGA略号が使用された。すべての相関は有意であった。
図18K-L】原発腫瘍のバルクRNAシーケンシングについてのがんゲノムアトラス(TCGA)データベースのGEPIA2ツールによって解析された、20種の最も一般的な原発固形腫瘍型におけるTRDV1及びTRBC2遺伝子の相関。ピアソン相関及びp値が報告された。図17のTCGA略号が使用された。すべての相関は有意であった。
図18M-N】原発腫瘍のバルクRNAシーケンシングについてのがんゲノムアトラス(TCGA)データベースのGEPIA2ツールによって解析された、20種の最も一般的な原発固形腫瘍型におけるTRDV1及びTRBC2遺伝子の相関。ピアソン相関及びp値が報告された。図17のTCGA略号が使用された。すべての相関は有意であった。
図18O-P】原発腫瘍のバルクRNAシーケンシングについてのがんゲノムアトラス(TCGA)データベースのGEPIA2ツールによって解析された、20種の最も一般的な原発固形腫瘍型におけるTRDV1及びTRBC2遺伝子の相関。ピアソン相関及びp値が報告された。図17のTCGA略号が使用された。すべての相関は有意であった。
図18Q-R】原発腫瘍のバルクRNAシーケンシングについてのがんゲノムアトラス(TCGA)データベースのGEPIA2ツールによって解析された、20種の最も一般的な原発固形腫瘍型におけるTRDV1及びTRBC2遺伝子の相関。ピアソン相関及びp値が報告された。図17のTCGA略号が使用された。すべての相関は有意であった。
図18S】原発腫瘍のバルクRNAシーケンシングについてのがんゲノムアトラス(TCGA)データベースのGEPIA2ツールによって解析された、20種の最も一般的な原発固形腫瘍型におけるTRDV1及びTRBC2遺伝子の相関。ピアソン相関及びp値が報告された。図17のTCGA略号が使用された。すべての相関は有意であった。
図19A-B】ある特定の原発がんではVδ1の生存率向上がない。図19A~Hは、選択された腫瘍型について、中央値を上回るか(高)又は下回る(低)正規化された(ACTBベータアクチン)TRDV1発現によるカプランマイヤー生存率解析を示す。対数順位P値は生存率推定値の95 CIと共に表示された。
図19C-D】ある特定の原発がんではVδ1の生存率向上がない。図19A~Hは、選択された腫瘍型について、中央値を上回るか(高)又は下回る(低)正規化された(ACTBベータアクチン)TRDV1発現によるカプランマイヤー生存率解析を示す。対数順位P値は生存率推定値の95 CIと共に表示された。
図19E-F】ある特定の原発がんではVδ1の生存率向上がない。図19A~Hは、選択された腫瘍型について、中央値を上回るか(高)又は下回る(低)正規化された(ACTBベータアクチン)TRDV1発現によるカプランマイヤー生存率解析を示す。対数順位P値は生存率推定値の95 CIと共に表示された。
図19G-H】ある特定の原発がんではVδ1の生存率向上がない。図19A~Hは、選択された腫瘍型について、中央値を上回るか(高)又は下回る(低)正規化された(ACTBベータアクチン)TRDV1発現によるカプランマイヤー生存率解析を示す。対数順位P値は生存率推定値の95 CIと共に表示された。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書は、腫瘍浸潤γδ T細胞(例えば、腫瘍浸潤γδ T細胞)を培養して拡大するための方法及び材料に関する。例えば、本明細書は、組織(例えば、腫瘍試料)から得られた腫瘍浸潤γδ T細胞を拡大して、治療的使用に対して許容され得るよりも多数の(例えば、1×107を超えるか、1×108を超えるか、5×108を超えるか、又は1×109を超える)腫瘍浸潤γδ T細胞(例えば、Vδ1+が優勢である腫瘍浸潤γδ T細胞)を得るための方法及び材料を提供する。
【0028】
本明細書に記載されているように、腫瘍を含有する組織(又は腫瘍の30mm以内にある健常組織、又は腫瘍の20mm以内にある健常組織、又は腫瘍の10mm以内にある健常組織)は、腫瘍浸潤γδ T細胞を含有することができ、哺乳動物(例えば、ヒトがん患者)から得ることができる。一部の場合には、腫瘍に隣接する1つ以上のリンパ節及び/又は1つ以上の腫瘍排出リンパ節は、腫瘍浸潤γδ T細胞を含有することができ、哺乳動物(例えば、ヒトがん患者)から得ることができる。例えば、肺腫瘍を含有する肺組織(又は、肺腫瘍若しくは肺腫瘍の腫瘍排出リンパ節の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)にある健常肺組織)は、哺乳動物(例えば、ヒト肺がん患者)から得ることができ、腫瘍浸潤γδ T細胞の供給源として使用することができる。別の例では、皮膚腫瘍を含有する皮膚組織(又は、皮膚腫瘍若しくは皮膚腫瘍の腫瘍排出リンパ節の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)にある健常皮膚組織)は、哺乳動物(例えば、ヒト皮膚がん患者)から得ることができ、腫瘍浸潤γδ T細胞の供給源として使用することができる。本明細書に記載されているように入手及び使用することができる組織の他の例としては、限定されないが、膠芽腫を含有する組織(又は膠芽腫の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、頭頸部扁平上皮癌を含有する組織(又は頭頸部扁平上皮癌の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、皮膚黒色腫を含有する組織(又は皮膚黒色腫の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、肺腺癌を含有する組織(又は肺腺癌の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、肺扁平上皮癌を含有する組織(又は肺扁平上皮癌の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、乳癌を含有する組織(又は乳癌の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、中皮腫を含有する組織(又は中皮腫の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、肝臓肝細胞癌を含有する組織(又は肝臓肝細胞癌の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、膵管腺癌を含有する組織(又は膵管腺癌の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、腎臓腎細胞癌を含有する組織(又は腎臓腎細胞癌の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、膀胱尿路上皮癌を含有する組織(又は膀胱尿路上皮癌の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部腺癌を含有する組織(又は子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部腺癌の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、リンパ節転移を含有する組織、腹膜腫瘍を含有する組織(又は腹膜腫瘍の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、骨腫瘍を含有する組織(又は骨腫瘍の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、内分泌腺腫瘍を含有する組織(又は内分泌腺腫瘍の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、生殖器腫瘍を含有する組織(又は生殖器腫瘍の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)、又は脳を含有する組織(又は脳腫瘍の30mm以内(例えば、20mm以内又は10mm以内)の健常組織)が挙げられる。
【0029】
組織が得られたら、組織から腫瘍浸潤γδ T細胞の単離を促進する方法で組織を培養することができる。例えば、組織の1つ以上の小片(例えば、2~3mm3の小片)をIL-2の存在下で5~15日間(例えば、6~15日間、7~15日間、8~15日間、9~15日間、9~13日間、10~12日間、7~10日間、又は8~14日間)培養することができる。一部の場合には、組織の1つ以上の片(例えば、2~3mm3の片)をガス透過性急速拡大フラスコ中で培養することができる。組織からの腫瘍浸潤γδ T細胞の単離を促進するために、任意の適切な濃度のIL-2を使用することができる。例えば、培養培地1mLあたり約50国際単位(IU)~約6000IU(例えば、約100IU~約6000IU、約500IU~約6000IU、約1000IU~約6000IU、約1500IU~約6000IU、約2000IU~約6000IU、約2500IU~約6000IU、約3000IU~約6000IU、約3500IU~約6000IU、約2500IU~約4000IU、又は約2500IU~約3500IU)のIL-2を使用することができる。
【0030】
一部の場合には、組織(例えば、腫瘍組織)は、機械的及び/又は酵素的に消化され、単細胞の腫瘍消化懸濁液を一定期間培養するか、又はこの時点でγδ T細胞を直接単離することができる。
【0031】
腫瘍浸潤γδ T細胞を含有する組織をIL-2と共に5~15日間(例えば、6~15日間、7~15日間、8~15日間、9~15日間、9~13日間、10~12日間、7~10日間、又は8~14日間)培養した後、組織から出た細胞集団を採取することができる。一部の場合には、採取した細胞集団は、腫瘍浸潤αβ T細胞及び腫瘍浸潤γδ T細胞を含むことができる。一部の場合には、採取された細胞集団は、腫瘍浸潤γδ T細胞の数よりも多い数の腫瘍浸潤αβ T細胞を含み得る。一部の場合には、抗αβ TCR抗体、抗CD28抗体、抗4-1BBL抗体、抗GITR抗体、抗CD27抗体、又はこれらの組合せを使用して、採取した細胞集団からγδ T細胞について濃縮された細胞集団を促進することができる。
【0032】
採取された細胞集団が得られたら、γδ T細胞に対する場合による濃縮を行うことができる。例えば、抗αβ TCR抗体を含有する磁気ビーズを陰性選択プロセスにおいて使用し、採取された細胞集団からαβ T細胞を除去し、γδ T細胞について濃縮された細胞集団を得ることができる。一部の場合には、抗TCR γδ抗体、抗Vδ1抗体、抗NKG2D抗体、又はこれらの組合せを陽性選択プロセスにおいて使用し、採取された細胞集団からγδ T細胞を単離し、γδ T細胞について濃縮された細胞集団を得ることができる。
【0033】
簡単に説明すると、採取された細胞集団から非γδ T細胞(例えば、αβ T細胞)を除去するか、又はγδ T細胞を単離して、γδ T細胞について濃縮された細胞集団を得るために抗体を使用する場合、抗体はビオチン化されてもよく、ストレプトアビジンにより磁気基材(例えば、磁気ビーズ)に付着させてもよい。一部の場合には、フロー活性化細胞選別(FACS、flow activated cell sorting)を使用して、採取された細胞集団から非γδ T細胞(例えば、αβ T細胞)を除去するか、又はγδ T細胞を単離して、γδ T細胞について濃縮された細胞集団を得ることができる。
【0034】
一部の場合には、採取された細胞集団(又はその一部)を使用して、場合により濃縮ステップを行うことなく、γδ T細胞の数を拡大させることができる。
【0035】
採取された細胞集団(γδ T細胞が場合により濃縮されたか又は濃縮されていない)が得られると、採取された細胞集団(又はその一部)を使用して、存在するγδ T細胞の数を増加させる拡大ステップを実施することができる。一部の場合には、この拡大ステップは、出発細胞集団中に存在するγδ T細胞の出発時の数を、得られる細胞集団中に存在するγδ T細胞の数がその出発時の数よりも10~1000倍(例えば、10~600倍、20~600倍、30~600倍、40~600倍、50~600倍、75~600倍、100~600倍、200~1000倍、250~1000倍、300~1000倍、350~1000倍、400~1000倍、450~1000倍、500~1000倍、200~1000倍、250~1000倍、300~51000 00倍、350~1000倍、400~1000倍、又は450~1000倍)多くなるまで増加させることができる。一部の場合には、この拡大ステップは、出発細胞集団中に存在するγδ T細胞の出発時の数を、得られる細胞集団中に存在するγδ T細胞の数がその出発時の数よりも200倍より多く(例えば、250倍より多く、300倍より多く、350倍より多く、400倍より多く、又は450倍より多く)なるまで増加させることができる。一部の場合には、この拡大ステップにより、出発細胞集団中に存在するγδ T細胞の出発時の数を、得られる細胞集団中に存在するγδ T細胞の数がその出発時の数よりも200~600倍(例えば、200~600倍、250~600倍、300~600倍、350~600倍、400~600倍、450~600倍、500~600倍、200~550倍、250~550倍、300~550倍、350~550倍、400~550倍、450~550倍、500~550倍、200~500倍、250~500倍、300~500倍、350~500倍、400~500倍、又は450~500倍)多くなるまで拡大させることができる。一部の場合には、この拡大ステップにより、出発細胞集団中に存在するγδ T細胞の出発時の数を、得られる細胞集団中に存在するγδ T細胞の数が、γδ T細胞が25パーセントより多く(例えば、50パーセントより多く、75パーセントより多く、又は95パーセントより多く)濃縮されるまで増加させることができる。
【0036】
任意の適切な方法を使用して、採取された細胞集団(又はその一部)のγδ T細胞又は採取された、γδ T細胞について濃縮された細胞集団(又はその一部)の拡大を促進することができる。例えば、採取された細胞集団(γδ T細胞が場合により濃縮されたか又は濃縮されていない)又はその一部をIL-2、IL-4及びIL-15の存在下で培養して、γδ T細胞の拡大を促進することができる。IL-2の量は、培養培地1mLあたり約50IU~約6000IU(例えば、約100IU~約6000IU、約500IU~約6000IU、約1000IU~約6000IU、約1500IU~約6000IU、約2000IU~約6000IU、約2500IU~約6000IU、約3000IU~約6000IU、約3500IU~約6000IU、約2500IU~約4000IU、又は約2500IU~約3500IU)のIL-2であり得る。IL-4の量は、培養培地1mLあたり約10ng~約200ng(例えば、約20ng~約200ng、約50ng~約200ng、約75ng~約200ng、約10ng~約150ng、約10ng~約100ng、約50ng~約150ng、又は約90ng~約110ng)のIL-4であり得る。IL-15の量は、培養培地1mLあたり約10ng~約200ng(例えば、約20ng~約200ng、約50ng~約200ng、約75ng~約200ng、約10ng~約150ng、約10ng~約100ng、約50ng~約150ng、約50ng~約90ng、又は約60ng~約90ng)のIL-15であり得る。
【0037】
一部の場合には、採取された細胞集団(γδ T細胞が場合により濃縮されたか又は濃縮されていない)又はその一部をIL-2、IL-4及びIL-15の存在下で、場合によりIL-7及び/又はIL-21を含めて、培養することができる。場合によりIL-7を含む場合、IL-7の量は、培養培地1mLあたり約10ng~約200ng(例えば、約20ng~約200ng、約50ng~約200ng、約75ng~約200ng、約10ng~約150ng、約10ng~約100ng、約50ng~約150ng、又は約90ng~約110ng)のIL-7であり得る。場合によりIL-21を含む場合、IL-21の量は、培養培地1mLあたり約10ng~約200ng(例えば、約20ng~約200ng、約50ng~約200ng、約75ng~約200ng、約10ng~約150ng、約10ng~約100ng、約50ng~約150ng、又は約90ng~約110ng)のIL-21であり得る。
【0038】
任意の適切なIL-2、IL-4及びIL-15(及び場合によりIL-7及び/又はIL-21が含まれる)を使用して、本明細書に記載されているγδ T細胞を拡大することができる。例えば、ヒトγδ T細胞を拡大する場合には、ヒトIL-2、ヒトIL-4及びヒトIL-15を使用して、ヒトγδ T細胞を拡大することができる。別の例では、ウマγδ T細胞を拡大する場合には、ウマIL-2、ウマIL-4及びウマIL-15を使用して、ウマγδ T細胞を拡大することができる。別の例では、サルγδ T細胞を拡大する場合には、サルIL-2、サルIL-4及びサルIL-15を使用して、サルγδ T細胞を拡大することができる。別の例では、イヌγδ T細胞を拡大する場合には、イヌIL-2、イヌIL-4及びイヌIL-15を使用して、イヌγδ T細胞を拡大することができる。
【0039】
採取された細胞集団(γδ T細胞が場合により濃縮されたか又は濃縮されていない)又はその一部をIL-2、IL-4及びIL-15の存在下、任意の適切な時間の長さで培養して、γδ T細胞の拡大を促進することができる。例えば、採取された細胞集団(γδ T細胞が場合により濃縮されたか又は濃縮されていない)又はその一部は、IL-2、IL-4及びIL-15の存在下で8~21日間(例えば、10~21日間、12~21日間、14~21日間、8~18日間、8~16日間、8~14日間、10~20日間、10~18日間、12~18日間、10~16日間、12~16日間、又は13~15日間)培養することができる。一部の場合には、培養中のIL-2、IL-4及びIL-15は、3日ごと、4~6日ごと、又は2~3日ごとに補充され得る。
【0040】
一部の場合には、IL-2、IL-4及びIL-15を含有し、γδ T細胞の数を拡大するために使用される培養物は、1つ以上の追加の薬剤を含有し得る。例えば、IL-2、IL-4、及びIL-15に加えて、培養物は、抗CD3抗体(例えば、可溶性及び/又は固定された抗CD3抗体)、抗CD28抗体(例えば、可溶性及び/又は固定された抗CD28抗体)、照射されたPBMC(例えば、拡大されたγδ T細胞で処置される哺乳動物に対して自己のものである照射されたPBMC)、アゴニスト抗γδ TCR抗体(例えば、可溶性及び/又は固定された抗γδ TCR抗体、例えばVδ1抗体;約1μg/mL;例えば、Zhouら、Cell Mol. Immunol., 9(1):34~44頁(2012年)を参照されたい)、抗4-1BB抗体(例えば、可溶性及び/又は固定された抗4-1BB抗体、例えばウレルマブ;約10μg/mL;例えば、Sakellariou-Thompsonら、Clin. Cancer Res., 23(23):7263~7275頁(2017年)を参照されたい)、抗TIGIT抗体(例えば、可溶性及び/又は固定された抗TIGIT抗体;1μg/mL;例えば、Chauvinら、J. Clin. Invest., 125(5):2046~58頁(2015年)を参照されたい)、高グルコース(例えば、5mM~25mM、8mM~20mM、8mM~12mM、又は9mM~11mMのグルコース;例えば、Lopesら、Nat. Immunol., 22:179~192頁(2021年)を参照されたい)、照射された人工抗原提示細胞(例えば、4-1BBL、CD86、IL-15/膜結合IL-15でトランスフェクトしたクローン化K562細胞;1:100の比;例えば、Denigerら、Clin. Cancer Res., 20(22):5708~5719頁(2014年)を参照されたい)、PHA(約1μg/mL)、照射されたEBVトランスフェクトB細胞株(1:100の比;例えば、Maら、J. Exp. Med., 208(3):491~503頁(2011年)を参照されたい)、抗OX40抗体(例えば、可溶性及び/又は固定された抗OX40抗体)、ホスホイノシチド3キナーゼ(PI 3キナーゼ)阻害剤(例えば、イデラリシブ、コパンリシブ、デュベリシブ、アルペリシブ、又はウンブラリシブ)、CDK4/6阻害剤(例えば、パルボシクリブ、リボシクリブ、又はアベマシクリブ;例えば、Lelliottら、Cancer Discov., 11(10):2582~2601頁(2021年)を参照されたい)、CBL-B阻害剤(例えば、NX-0255又はNX-1607;例えば、Rountreeら、Cancer Res., 2021年7月1日(81)(13 Supplement):1595頁)、STS1阻害剤(例えば、Hwangら、Exp. Mole. Med., 52:750~761頁(2020年)を参照されたい)、CISH(例えば、Palmerら、J. Exp. Med., 212(12):2095~2113頁(2015年)を参照されたい)、TET2(例えば、Fraiettaら、Nature, 558(7709):307~312頁(2018年)を参照されたい)、又はこれらの組合せを含有し得る。例えば、IL-2、IL-4、及びIL-15に加えて、培養物は、抗CD3抗体(例えば、可溶性抗CD3抗体)及び照射されたPBMCを含有し得る。抗CD3抗体の量は、培養培地1mLあたり約0.1μg~約1μgの抗CD3抗体であり得る。抗CD28抗体の量は、培養培地1mLあたり約500ng~約5μgの抗CD28抗体であり得る。照射されたPBMCの量は、γδ T細胞:PBMCの比が約1:25~約1:200(例えば、1:100)となるように、インプットγδ T細胞の数を基準とし得る。
【0041】
IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でγδ T細胞の数を拡大した後、細胞を洗浄して培養培地の任意の特定の成分を除去することができる。例えば、拡大ステップが完了した後、得られた細胞集団を洗浄して、残存するIL-2、IL-4、IL-15、抗CD3抗体、及び/又は抗CD28抗体を除去することができ、及び/又は拡大されたγδ T細胞を濃縮することができる。一部の場合には、拡大ステップの後、拡大されたγδ T細胞は、IL-2、IL-4、及び/又はIL-15の非存在下で任意の適切な時間培養することができる。例えば、急速拡大ステップの後、拡大されたγδ T細胞の集団を、IL-2、IL-4、及び/又はIL-15の非存在下で10~75日間(例えば、10~60日間、10~50日間、又は10~25日間)培養することができる。一部の場合には、拡大されたγδ T細胞を複数のドナー(例えば、複数のヒト)から取得し、プールして、1以上の患者(例えば、1名以上のヒト)を処置するためのγδ T細胞の集団を提供することができる。
【0042】
本明細書に記載されているように、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でのγδ T細胞の拡大から生じる、拡大されたγδ T細胞を含有する細胞集団は、特に所望の細胞構成を有し得る。例えば、一部の場合には、本明細書において提供される集団のCD3+細胞の85パーセント超(例えば、90パーセント超、91パーセント超、92パーセント超、93パーセント超、94パーセント超、95パーセント超、96パーセント超、97パーセント超、98パーセント超、又は99パーセント超)がγδ TCR+細胞であり得る。一部の場合には、本明細書において提供される集団のCD3+細胞の10パーセント未満(例えば、9パーセント未満、8パーセント未満、7パーセント未満、6パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はαβ TCR+細胞であり得る。一部の場合には、本明細書において提供される集団のCD45+細胞の10パーセント未満(例えば、9パーセント未満、8パーセント未満、7パーセント未満、6パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はNK細胞であり得る。
【0043】
一部の場合には、本明細書に記載されているIL-2、IL-4、及びIL-15の存在下でのγδ T細胞の拡大から生じる、拡大されたγδ T細胞を含有する細胞集団は様々であり得、αβ T細胞だけでなく、表現型NKT、NK及びB細胞も様々な割合で含み得る。
【0044】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のCD3+細胞の85パーセント超(例えば、90パーセント超、91パーセント超、92パーセント超、93パーセント超、94パーセント超、95パーセント超、96パーセント超、97パーセント超、98パーセント超、又は99パーセント超)はγδ TCR+細胞であり得、その集団のCD3+細胞の10パーセント未満(例えば、9パーセント未満、8パーセント未満、7パーセント未満、6パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はαβ TCR+細胞であり得る。
【0045】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のCD3+細胞の85パーセント超(例えば、90パーセント超、91パーセント超、92パーセント超、93パーセント超、94パーセント超、95パーセント超、96パーセント超、97パーセント超、98パーセント超、又は99パーセント超)はγδ TCR+細胞であり得、その集団のCD45+細胞の10パーセント未満(例えば、9パーセント未満、8パーセント未満、7パーセント未満、6パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はNK細胞であり得る。
【0046】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のCD3+細胞の85パーセント超(例えば、90パーセント超、91パーセント超、92パーセント超、93パーセント超、94パーセント超、95パーセント超、96パーセント超、97パーセント超、98パーセント超、又は99パーセント超)はγδ TCR+細胞であり得、その集団のCD3+細胞の10パーセント未満(例えば、9パーセント未満、8パーセント未満、7パーセント未満、6パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はαβ TCR+細胞であり得、その集団のCD45+細胞の10パーセント未満(例えば、9パーセント未満、8パーセント未満、7パーセント未満、6パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はNK細胞であり得る。
【0047】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超(例えば、35パーセント超、40パーセント超、45パーセント超、50パーセント超、55パーセント超、60パーセント超、65パーセント超、70パーセント超、75パーセント超、80パーセント超、85パーセント超、90パーセント超、又は95パーセント超)は、Vδ1+細胞であり得る。
【0048】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満(例えば、55パーセント未満、50パーセント未満、45パーセント未満、40パーセント未満、35パーセント未満、30パーセント未満、25パーセント未満、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、又は2パーセント未満)はVDδ1-Vδ2-細胞であり得る。
【0049】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満(例えば、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はVδ2+細胞であり得る。
【0050】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超(例えば、35パーセント超、40パーセント超、45パーセント超、50パーセント超、55パーセント超、60パーセント超、65パーセント超、70パーセント超、75パーセント超、80パーセント超、85パーセント超、90パーセント超、又は95パーセント超)はVδ1+細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満(例えば、55パーセント未満、50パーセント未満、45パーセント未満、40パーセント未満、35パーセント未満、30パーセント未満、25パーセント未満、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、又は2パーセント未満)はVDδ1-Vδ2-細胞であり得る。
【0051】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超(例えば、35パーセント超、40パーセント超、45パーセント超、50パーセント超、55パーセント超、60パーセント超、65パーセント超、70パーセント超、75パーセント超、80パーセント超、85パーセント超、90パーセント超、又は95パーセント超)はVδ1+細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満(例えば、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はVδ2+細胞であり得る。
【0052】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超(例えば、35パーセント超、40パーセント超、45パーセント超、50パーセント超、55パーセント超、60パーセント超、65パーセント超、70パーセント超、75パーセント超、80パーセント超、85パーセント超、90パーセント超、又は95パーセント超)はVδ1+細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満(例えば、55パーセント未満、50パーセント未満、45パーセント未満、40パーセント未満、35パーセント未満、30パーセント未満、25パーセント未満、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、又は2パーセント未満)はVDδ1-Vδ2-細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満(例えば、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はVδ2+細胞であり得る。
【0053】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超(例えば、75パーセント超、80パーセント超、85パーセント超、90パーセント超、又は95パーセント超)は、TEM細胞であり得る。
【0054】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満(例えば、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はTEMRA細胞であり得る。
【0055】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超(例えば、75パーセント超、80パーセント超、85パーセント超、90パーセント超、又は95パーセント超)はTEM細胞であり得、その集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満(例えば、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はTEMRA細胞であり得る。
【0056】
一部の場合には、本明細書において提供される集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での細胞拡大後に、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での細胞拡大前の出発集団よりもより高いパーセンテージの(例えば、2~40パーセンテージポイント高いか、5~40パーセンテージポイント高いか、10~40パーセンテージポイント高いか、15~40パーセンテージポイント高いか、20~40パーセンテージポイント高いか、5~35パーセンテージポイント高いか、5~30パーセンテージポイント高いか、5~25パーセンテージポイント高いか、5~20パーセンテージポイント高いか、5~15パーセンテージポイント高いか、又は5~10パーセンテージポイント高いパーセンテージの)γδ TCR+ TEM細胞を有し得る。
【0057】
一部の場合には、本明細書において提供される集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での細胞拡大後に、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での細胞拡大前の出発集団よりもより低いパーセンテージの(例えば、2~30パーセンテージポイント低いか、5~30パーセンテージポイント低いか、10~30パーセンテージポイント低いか、15~30パーセンテージポイント低いか、20~30パーセンテージポイント低いか、5~25パーセンテージポイント低いか、5~20パーセンテージポイント低いか、5~15パーセンテージポイント低いか、又は5~10パーセンテージポイント低いパーセンテージの)γδ TCR+ TEMRA細胞を有し得る。
【0058】
一部の場合には、本明細書において提供される集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での細胞拡大後に、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での細胞拡大前の出発集団よりもより高いパーセンテージの(例えば、2~40パーセンテージポイント高いか、5~40パーセンテージポイント高いか、10~40パーセンテージポイント高いか、15~40パーセンテージポイント高いか、20~40パーセンテージポイント高いか、5~35パーセンテージポイント高いか、5~30パーセンテージポイント高いか、5~25パーセンテージポイント高いか、5~20パーセンテージポイント高いか、5~15パーセンテージポイント高いか、又は5~10パーセンテージポイント高いパーセンテージの)γδ TCR+ TEM細胞、及びより低いパーセンテージの(例えば、2~30パーセンテージポイント低いか、5~30パーセンテージポイント低いか、10~30パーセンテージポイント低いか、15~30パーセンテージポイント低いか、20~30パーセンテージポイント低いか、5~25パーセンテージポイント低いか、5~20パーセンテージポイント低いか、5~15パーセンテージポイント低いか、又は5~10パーセンテージポイント低いパーセンテージの)γδ TCR+ TEMRA細胞を有し得る。
【0059】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満(例えば、9パーセント未満、8パーセント未満、7パーセント未満、6パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はCD69+ CD103+ TRMであり得る。一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセント(例えば、1~9パーセント、1~8パーセント、1~7パーセント、1~6パーセント、1~5パーセント、1~4パーセント、2~10パーセント、3~10パーセント、4~10パーセント、5~10パーセント、6~10パーセント、2~8パーセント、2~6パーセント、4~8パーセント、又は4~6パーセント)は、CD69+ CD103+ TRM細胞であり得る。
【0060】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満(例えば、45パーセント未満、40パーセント未満、35パーセント未満、30パーセント未満、25パーセント未満、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、又は2パーセント未満)はCD56+細胞であり得る。一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセント(例えば、1~45パーセント、1~40パーセント、1~35パーセント、1~30パーセント、1~25パーセント、1~20パーセント、5~50パーセント、10~50パーセント、15~50パーセント、20~50パーセント、10~40パーセント、15~35パーセント、又は20~30パーセント)はCD56+細胞であり得る。
【0061】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセント(例えば、1~35パーセント、1~30パーセント、1~25パーセント、1~20パーセント、1~15パーセント、1~10パーセント、5~40パーセント、10~40パーセント、15~40パーセント、20~40パーセント、5~35パーセント、10~30パーセント、又は15~25パーセント)はCD137+細胞であり得る。
【0062】
一部の場合には、本明細書において提供される集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での細胞拡大後に、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での細胞拡大前の出発集団よりもより高いパーセンテージの(例えば、2~50パーセンテージポイント高いか、5~50パーセンテージポイント高いか、2~40パーセンテージポイント高いか、5~40パーセンテージポイント高いか、10~40パーセンテージポイント高いか、15~40パーセンテージポイント高いか、20~40パーセンテージポイント高いか、5~35パーセンテージポイント高いか、5~30パーセンテージポイント高いか、5~25パーセンテージポイント高いか、5~20パーセンテージポイント高いか、5~15パーセンテージポイント高いか、又は5~10パーセンテージポイント高いパーセンテージの)CD137+ γδ TCR+細胞を有し得る。
【0063】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満(例えば、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はPD-1+細胞であり得る。
【0064】
一部の場合には、本明細書において提供される集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での細胞拡大後に、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での細胞拡大前の出発集団よりもより低いパーセンテージの(例えば、5~90パーセンテージポイント低いか、5~80パーセンテージポイント低いか、5~75パーセンテージポイント低いか、5~70パーセンテージポイント低いか、5~75パーセンテージポイント低いか、5~70パーセンテージポイント低いか、5~65パーセンテージポイント低いか、5~60パーセンテージポイント低いか、5~55パーセンテージポイント低いか、5~50パーセンテージポイント低いか、5~45パーセンテージポイント低いか、5~40パーセンテージポイント低いか、5~35パーセンテージポイント低いか、5~30パーセンテージポイント低いか、5~25パーセンテージポイント低いか、5~20パーセンテージポイント低いか、5~15パーセンテージポイント低いか、5~10パーセンテージポイント低いか、10~90パーセンテージポイント低いか、10~80パーセンテージポイント低いか、10~75パーセンテージポイント低いか、10~70パーセンテージポイント低いか、10~75パーセンテージポイント低いか、10~70パーセンテージポイント低いか、10~65パーセンテージポイント低いか、10~60パーセンテージポイント低いか、10~55パーセンテージポイント低いか、10~50パーセンテージポイント低いか、10~45パーセンテージポイント低いか、10~40パーセンテージポイント低いか、10~35パーセンテージポイント低いか、10~30パーセンテージポイント低いか、10~25パーセンテージポイント低いか、10~20パーセンテージポイント低いか、10~15パーセンテージポイント低いか、25~90パーセンテージポイント低いか、25~80パーセンテージポイント低いか、25~75パーセンテージポイント低いか、25~70パーセンテージポイント低いか、25~75パーセンテージポイント低いか、25~70パーセンテージポイント低いか、25~65パーセンテージポイント低いか、25~60パーセンテージポイント低いか、25~55パーセンテージポイント低いか、25~50パーセンテージポイント低いか、25~45パーセンテージポイント低いか、25~40パーセンテージポイント低いか、25~35パーセンテージポイント低いか、又は25~30パーセンテージポイント低いパーセンテージの)PD-1+ γδ TCR+細胞を有し得る。
【0065】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセント(例えば、5~35パーセント、5~30パーセント、5~25パーセント、5~20パーセント、5~15パーセント、10~40パーセント、10~35パーセント、10~30パーセント、10~25パーセント、10~20パーセント、又は15~25パーセント)はBTLA+細胞であり得る。
【0066】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のαβ TCR+細胞の5~40パーセント(例えば、5~35パーセント、5~30パーセント、5~25パーセント、5~20パーセント、5~15パーセント、10~40パーセント、10~35パーセント、10~30パーセント、10~25パーセント、10~20パーセント、又は15~25パーセント)はBTLA+細胞であり得る。
【0067】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超(例えば、65パーセント超、70パーセント超、75パーセント超、80パーセント超、85パーセント超、90パーセント超、又は95パーセント超)は、NKG2D+細胞であり得る。
【0068】
一部の場合には、本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超(例えば、25パーセント超、30パーセント超、35パーセント超、40パーセント超、45パーセント超、50パーセント超、55パーセント超、60パーセント超、65パーセント超、70パーセント超、75パーセント超、80パーセント超、85パーセント超、90パーセント超、又は95パーセント超)はNKp46+細胞であり得る。
【0069】
一部の場合には、本明細書において提供される集団は、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での細胞拡大後に、IL-2、IL-4、及びIL-15の存在下での細胞拡大前の出発集団よりもより高いパーセンテージの(例えば、5~90パーセンテージポイント高いか、5~85パーセンテージポイント高いか、5~80パーセンテージポイント高いか、5~75パーセンテージポイント高いか、5~70パーセンテージポイント高いか、5~65パーセンテージポイント高いか、5~60パーセンテージポイント高いか、5~55パーセンテージポイント高いか、5~50パーセンテージポイント高いか、5~45パーセンテージポイント高いか、5~40パーセンテージポイント高いか、5~35パーセンテージポイント高いか、5~30パーセンテージポイント高いか、5~25パーセンテージポイント高いか、10~90パーセンテージポイント高いか、10~85パーセンテージポイント高いか、10~80パーセンテージポイント高いか、10~75パーセンテージポイント高いか、10~70パーセンテージポイント高いか、10~65パーセンテージポイント高いか、10~60パーセンテージポイント高いか、10~55パーセンテージポイント高いか、10~50パーセンテージポイント高いか、10~45パーセンテージポイント高いか、10~40パーセンテージポイント高いか、10~35パーセンテージポイント高いか、10~30パーセンテージポイント高いか、10~25パーセンテージポイント高いか、15~90パーセンテージポイント高いか、15~85パーセンテージポイント高いか、15~80パーセンテージポイント高いか、15~75パーセンテージポイント高いか、15~70パーセンテージポイント高いか、15~65パーセンテージポイント高いか、15~60パーセンテージポイント高いか、15~55パーセンテージポイント高いか、15~50パーセンテージポイント高いか、15~45パーセンテージポイント高いか、15~40パーセンテージポイント高いか、15~45パーセンテージポイント高いか、15~30パーセンテージポイント高いか、15~25パーセンテージポイント高いか、又は20~40パーセンテージポイント高いパーセンテージの)NKp46+細胞を有し得る。
【0070】
一部の場合には、(a)本明細書において提供される集団のCD3+細胞の85パーセント超(例えば、90パーセント超、91パーセント超、92パーセント超、93パーセント超、94パーセント超、95パーセント超、96パーセント超、97パーセント超、98パーセント超、又は99パーセント超)はγδ TCR+細胞であり得、(b)その集団のCD3+細胞の10パーセント未満(例えば、9パーセント未満、8パーセント未満、7パーセント未満、6パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はαβ TCR+細胞であり得、(c)その集団のCD45+細胞の10パーセント未満(例えば、9パーセント未満、8パーセント未満、7パーセント未満、6パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はNK細胞であり得、(d)本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の30パーセント超(例えば、35パーセント超、40パーセント超、45パーセント超、50パーセント超、55パーセント超、60パーセント超、65パーセント超、70パーセント超、75パーセント超、80パーセント超、85パーセント超、90パーセント超、又は95パーセント超)はVδ1+細胞であり得、(e)その集団のγδ TCR+細胞の60パーセント未満(例えば、55パーセント未満、50パーセント未満、45パーセント未満、40パーセント未満、35パーセント未満、30パーセント未満、25パーセント未満、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、又は2パーセント未満)はVDδ1-Vδ2-細胞であり得、(f)その集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満(例えば、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はVδ2+細胞であり得、(g)本明細書において提供される集団のγδ TCR+細胞の70パーセント超(例えば、75パーセント超、80パーセント超、85パーセント超、90パーセント超、又は95パーセント超)はTEM細胞であり得、(h)その集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満(例えば、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はTEMRA細胞であり得、(i)その集団のγδ TCR+細胞の10パーセント未満(例えば、9パーセント未満、8パーセント未満、7パーセント未満、6パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はCD69+ CD103+ TRM細胞であり得、又はその集団のγδ TCR+細胞の1~10パーセント(例えば、1~9パーセント、1~8パーセント、1~7パーセント、1~6パーセント、1~5パーセント、1~4パーセント、2~10パーセント、3~10パーセント、4~10パーセント、5~10パーセント、6~10パーセント、2~8パーセント、2~6パーセント、4~8パーセント、又は4~6パーセント)はCD69+ CD103+ TRM細胞であり得、(j)その集団のγδ TCR+細胞の50パーセント未満(例えば、45パーセント未満、40パーセント未満、35パーセント未満、30パーセント未満、25パーセント未満、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、又は2パーセント未満)はCD56+細胞であり得、又はその集団のγδ TCR+細胞の1~50パーセント(例えば、1~45パーセント、1~40パーセント、1~35パーセント、1~30パーセント、1~25パーセント、1~20パーセント、5~50パーセント、10~50パーセント、15~50パーセント、20~50パーセント、10~40パーセント、15~35パーセント、又は20~30パーセント)はCD56+細胞であり得、(k)その集団のγδ TCR+細胞の1~40パーセント(例えば、1~35パーセント、1~30パーセント、1~25パーセント、1~20パーセント、1~15パーセント、1~10パーセント、5~40パーセント、10~40パーセント、15~40パーセント、20~40パーセント、5~35パーセント、10~30パーセント、又は15~25パーセント)はCD137+細胞であり得、(l)その集団のγδ TCR+細胞の25パーセント未満(例えば、20パーセント未満、15パーセント未満、10パーセント未満、5パーセント未満、4パーセント未満、3パーセント未満、2パーセント未満、又は1パーセント未満)はPD-1+細胞であり得、(m)その集団のγδ TCR+細胞の5~40パーセント(例えば、5~35パーセント、5~30パーセント、5~25パーセント、5~20パーセント、5~15パーセント、10~40パーセント、10~35パーセント、10~30パーセント、10~25パーセント、10~20パーセント、又は15~25パーセント)はBTLA+細胞であり得、(n)その集団のγδ TCR+細胞の60パーセント超(例えば、65パーセント超、70パーセント超、75パーセント超、80パーセント超、85パーセント超、90パーセント超、又は95パーセント超)はNKG2D+細胞であり得、(o)その集団のγδ TCR+細胞の20パーセント超(例えば、25パーセント超、30パーセント超、35パーセント超、40パーセント超、45パーセント超、50パーセント超、55パーセント超、60パーセント超、65パーセント超、70パーセント超、75パーセント超、80パーセント超、85パーセント超、90パーセント超、又は95パーセント超)は、NKp46+細胞であり得る。
【0071】
本明細書に記載の細胞集団、及び本明細書に記載されているそれらの細胞集団を産生するための方法を提供することに加えて、本明細書は、本明細書に記載の細胞集団を使用して、任意の適切な疾患、障害、又は状態を処置するための方法を提供する。例えば、本明細書に記載の細胞集団は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、及び強皮症などの自己免疫状態、HIV感染症、マラリア、結核、B型肝炎、及びSARS-CoV-2感染症などの感染症、及び/又はがんを処置するために使用することができる。例えば、本明細書に記載の細胞集団は、例えばがんを処置するための養子細胞療法に使用するために哺乳動物に投与することができる。任意の適切な哺乳動物を、本明細書に記載の細胞集団で処置することができる。例えば、ヒト、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、マウス、及びラットは、本明細書に記載の拡大された腫瘍浸潤γδ T細胞の集団で処置することができる。任意の適切な数の細胞が、がんを処置するために哺乳動物(例えば、ヒト)に投与される本明細書に記載の細胞集団内に存在し得る。例えば、本明細書に記載の細胞集団は、約1×107~約1×1012個の細胞(例えば、5×107~1×1011個の細胞、1×108~1×1011個の細胞、5×108~1×1011個の細胞、1×109~1×1011個の細胞、又は1×1010~1×1012個の細胞)を有することができ、がんを処置するために哺乳動物(例えば、ヒト)に投与することができる。一部の場合には、本明細書に記載の細胞集団は、約1×107~約1×1012個(例えば、5×107~1×1011個、1×108~1×1011個、5×108~1×1011個、1×109~1×1011個、又は1×1010~1×1012個)のγδ T細胞が哺乳動物に送達される。
【0072】
本明細書に記載の細胞集団を使用して、あらゆる適切ながんを処置することができる。例えば、神経膠芽腫、頭頸部扁平上皮癌、皮膚黒色腫、肺腺癌、肺扁平上皮癌、乳癌、中皮腫、肝臓肝細胞癌、膵管腺癌、腎臓腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、子宮頸部扁平上皮癌及び子宮内頸部腺癌、食道癌、胃腺癌、結腸直腸腺癌、直腸腺癌、卵巣漿液性嚢胞腺癌、子宮体部子宮内膜癌、前立腺腺癌、及び肉腫は、本明細書に記載の細胞集団を用いて処置することができる。
【0073】
任意の適切な投与経路を使用して、本明細書に記載の細胞集団を哺乳動物に投与することができる。例えば、本明細書に記載の細胞集団は、静脈内、腹腔内、又は腫瘍内に投与することができる。
【0074】
がん以外の状態(例えば、自己免疫状態)、疾患、又は感染症(例えば、HIV感染症、マラリア、結核、B型肝炎、及びSARS-CoV-2感染症)を有する哺乳動物を処置する場合、任意の適切な組織源を使用して、γδ T細胞を得ることができる。例えば、自己免疫状態を処置するためにγδ T細胞を拡大する場合、γδ T細胞を含有する自己免疫状態に関与する組織、又はγδ T細胞を含有する非関与組織(例えば、関与又は非関与の皮膚、肝臓、腎臓、食道、小腸、及び/又は結腸組織)を組織源として使用して、本明細書に記載されているγδ T細胞を得ることができる。感染症を処置するためにγδ T細胞を拡大する場合、γδ T細胞を含有する感染症に関与する組織、又はγδ T細胞を含有する非関与組織(例えば、関与又は非関与の皮膚、肝臓、腎臓、食道、小腸、及び/又は結腸組織)を組織源として使用して、本明細書に記載されているγδ T細胞を得ることができる。
【0075】
本発明を以下の実施例でさらに説明するが、これらは特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例
【0076】
[実施例1]拡大された腫瘍浸潤γδ T細胞ががん養子細胞療法に対する潜在的有用性を実証する
臨床コホート及びサンプル収集
n=10の低グレード(AJCC第8版Grade 1)PMP腫瘍検体のレトロスペクティブシリーズをピッツバーグ大学医療センター消化器疾患組織保存室(University of Pittsburgh Medical Center Digestive Diseases Tissue Repository)から同定し、リンパ球浸潤の証拠を病理学的に検討した後、免疫レパートリーシーケンシングを行った(図1A、1B、及び2)。選択されたすべてのFFPE腫瘍検体は、病理学的にグレード1のPMPが確認され、前治療を行わずにCRS-HIPECを受けた患者から得た。深さ6μmで切断した5個のFFPE組織スクロールをRNase/DNaseフリーのエッペンドルフチューブに入れ、さらに処理するまで4℃で保存した。
【0077】
ピッツバーグ大学医療センターで標準的ケアのCRS-HIPECを受けた腹膜表面悪性腫瘍(PMP又は結腸がん)患者n=26名の同意を得て、非介入腫瘍登録及び組織調達臨床プロトコールの一部として、前向きTIL拡大を完了させた(図6)。腹膜腫瘍組織はさらに処理するまで4℃で保存した。凍結保存した患者バフィーコートは、TIL自己腫瘍反応性試験時にUPMC消化器疾患組織保存室から回収した。
【0078】
非介入腫瘍バンク臨床プロトコールの一部として、メラノーマの切除を受けた患者からのn=15の腫瘍消化物について、γδ TILの急速拡大前プロトコール(pre-REP)モジュレーションを評価した(図14)。
【0079】
PMP免疫レパートリーのシーケンシング及び解析
Covaris M220集束超音波装置とtruXTRAC FFPE全NA磁気ビーズUltra Kitを使用して、製造業者のプロトコールに従ってFFPE組織スクロールから全RNAを抽出した。iR-RepSeq-plus 7-Chain DAM-PCR増幅シーケンスキット(iRepertoire Inc)を使用して、ヒトTCR-Vα、-Vβ、-Vγ、-Vδ、及びBCR IgH、Igκ、及びIgλ鎖を網羅する次世代シーケンシングライブラリーを作成した。1000ngの抽出RNAを、Biomek-i5ワークステーション(Beckman Coulter)により、逆転写(RT)ステップ中に固有の分子識別子(UMI、unique molecular identifier)を組み込む単一アッセイで増幅した。増幅ライブラリーをマルチプレックスし、500サイクルキットを用いてIllumina NovaSeqプラットフォームでシーケンシングするためにプールした。各試料には合計500万シーケンシングリードが割り当てられた。生データをデマルチプレックスし、migec v1.2.9を用いてUMIガイドアセンブリーを行い、得られたコンセンサスfastqをアライメントし、mixcr v3.0.14を使用してクロノタイプにアセンブルした。アウトプットT細胞受容体配列は、FR2からFR4、及び定常領域の始まりを網羅している。
【0080】
生データをiRmapプログラム(iRepertoire Inc.)を使用して解析した。全リードを正規化してUMIを作成し、固有のCDR3(uCDR3)、平均CDR3長、試料Shannonの真のエントロピースコアを7つの鎖すべてにわたり比較した。IgH鎖の免疫グロブリン分画をTRUSTアルゴリズムでアセンブルし、TCR及びBCRレパートリーのメトリクスと相関させた。ネオアジュバント化学療法及び根治切除を受けた患者からのn=68の膵臓腫瘍検体とn=238の健常ドナーのPBMC(iRepertoire)に関して、付随的な免疫レパートリー解析を完了させた。PMPのTCR及びBCRのパブリシティは、n=238の健常ドナーのPBMCとの共有率によって決定した。共有されたPMPに特異的なBCR IgHクロノタイプの生成確率はOLGAアルゴリズムを用いて計算した。
【0081】
TIL拡大
ムチン性腹膜腫瘍を解剖して壊死組織又は脂肪組織を除去し、n=40の空間的に別個の2~3mm3の腫瘍断片(図7A)を、他に記載されているように(Jinら、J. Immunother., 35:283~292頁(2012年))、10%のヒトAB血清(Gemini Bio)、1%のGlutaMAX(Gibco)、5%のPenstrep、1.25μg/mLのアムホテリシンB(ギブコ)、0.05μモル濃度のメルカプトエタノール(βME))、及び3,000IU/mLのIL-2(アルデスロイキン、Clinigen Therapeutics)を補充した完全培地(RPMI 1640(Cytiva HyClone(商標))を有するガス透過性G-REX(商標)100フラスコに入れた。腫瘍消化物からTILを拡大する実験では、凍結保存した単一細胞懸濁液を解凍し、PBSで2回洗浄し、70μMのセルストレーナーで濾過し、Cellometer K2 Fluorescent Cell Viability Counter(Nexcelom Bioscience)でカウントした。5×106個の細胞を、完全培地及びそれぞれのγ鎖サイトカイン(IL-4、100ng/mL;IL-15、70ng/mL;Miltenyi Biotec)又はCD137抗体(Urelumab、10μg/mL、Creative Biolabs)と共にG-REX(商標)6ウェルフラスコにプレーティングした。G-REXフラスコを、加湿インキュベーター内で5%CO2中37℃にてインキュベートし、培養開始から5日後に培地の半分を除去し、新鮮な培地及びIL-2で置き換えた。5日目以降は、2日ごとに培地とIL-2を半分ずつ置き換えた。培養11日目に、TILを70μMのセルストレーナーで濾過し、カウントした。2×106個の採取したTILを、スペクトルサイトメトリーによる表現型判定とαβ迅速拡大プロトコール(REP)のために保存し、残りのTIL(最大200×106個)は、製造業者のプロトコールに従って、αβ TCR+磁気ビーズ分離キット(Miltenyi Biotec)を用いた陰性γδ選択に使用した。最低数の0.3×106個のαβ TCR+枯渇TILを、γδ TIL純度についてスペクトルサイトメトリーで評価した。対になった1×106個のγδ TIL及びαβ TILを、5%のヒトAB血清及び50%のCTS AIMV(ギブコ)培地を補充した完全培地、分裂促進剤OKT-3(30ng/mL、Miltenyi Biotec)、1:100の同種の照射されたフィーダー細胞(2つのプールされたCMV陰性健常ドナー、San Diego Blood Bank)、IL-2(3,000IU/mL)及びγ鎖サイトカイン(IL-4、100ng/mL;IL-7、20ng/mL;IL-15、70ng/mL;すべてMiltenyi Biotec)を用いて、REPプロトコールにより拡大させた。REPの開始から7日後に、培養物をカウントし、再懸濁させ、新しいG-REXフラスコに50%ずつ分割し、新鮮なCTS AIMV培地及びサイトカインを補充した。REPの10日目に細胞を再度カウントし、培地の半分を除去し、新鮮なCTS AIMV及びサイトカインで置き換えた。REPの14日目(培養25日目)にTILをプールし、カウントした。1×106個のγδ及びαβ TILをスペクトルサイトメトリーによる表現型判定のために保存し、残りの拡大されたTILは-80℃でCoolCell(登録商標)(Corning)凍結システムを用いてウシ胎仔血清中10% DMSOで凍結保存し、長期保存のために24時間以内に液体窒素フリーザーに移した。
【0082】
腫瘍消化
n=40の空間的に別個の2~3mm3の腫瘍断片の無作為化及び選択後に、残りの腫瘍断片(入手可能な場合)を、ヒト腫瘍解剖キット(Miltenyi Biotec)及びOctoMACS with Heaters Disassociater(Miltenyi Biotec)を用いて、製造業者のプロトコールに従って酵素的及び機械的に消化して単一細胞懸濁液にした。消化された単一細胞懸濁液を70μmのストレーナーで濾過し、10mLのACK溶解緩衝液(Gibco)で5分間処理し、PBSで2回洗浄し、カウントし、上記のように凍結保存した。
【0083】
全血PBMC単離
全血をBD Vacutainer(登録商標)EDTAチューブに回収し、PBSで1:1に希釈し、SepMate(商標)50 Tube中15 mLのLymphoprep(商標)密度勾配培地(Stemcell Technologies)上で、1200Gで20分間遠心分離した。血漿及び単核球を除去し、PBSで洗浄し、10mLのACK溶解緩衝液(Gibco)で5分間処理し、PBSで2回洗浄し、カウントし、上記のように凍結保存した。
【0084】
スペクトルサイトメトリー
11日目のバルクTIL培養物、αβ TCR+枯渇細胞、及びREP後25日目のTIL培養物を、T細胞メモリー、活性化、疲弊、及びNCRの表現型発現を評価するためのスペクトルサイトメトリーに利用した。細胞を30μmのフィルターで濾し、サイトメトリー緩衝液(4℃のPBS中2%のFBS)で洗浄し、Human TruStain FcX(商標) block(Biolegend)と共に5分間インキュベートし、洗浄後、蛍光コンジュゲート抗体及びBrilliant Stain Buffer(BD)のマスターミックスで25分間、4℃で遮光して染色した。試料を洗浄し、200μLのサイトメトリー緩衝液に再懸濁させ、5レーザーCytek(登録商標)Aurora Spectral Cytometerで解析した。UltraComp eBeads(商標)(Invitrogen)を用いて単一色スペクトルシグネチャーを測定し、SpectroFlo(登録商標)ソフトウェアを使用してTIL自己蛍光スペクトルシグネチャーと共にスペクトル分解した。単一細胞、生細胞、CD45+免疫細胞、CD56+NK細胞、CD3+細胞、αβ TCR+ CD4+及び CD8+ T細胞、並びにγδ TCR+ Vδ1+、Vδ2+、及びVδ1-Vδ2-T細胞(図7C)のゲーティング後に、FlowJo v10.7ソフトウェアで、蛍光マイナスワン(FMO)対照に基づいて表現型マーカーの発現を評価した。αβ及びγδ TCR+ TIL内の表現型マーカーの発現は、培養11日目及び25日目に評価し、2つの時点間のマーカーの発現の変化は、αβ及びγδ TCR+ TIL集団内で評価した。
【0085】
TIL-腫瘍反応性
拡大されたαβ(IL-2のみ)及びγδ(IL-2、IL-4、及びIL-15)TILの自己腫瘍反応性を評価するために、凍結保存したTILを解凍し、IL-2(3,000IU/mL)培地中で一晩休ませ、PBSで2回洗浄し、カウントし、96ウェル丸底プレートにおいて、IL-2フリー完全培地単独中、CD3-CD28刺激(Dynabeads、2.5μL/ウェル、Invitrogen)、1×105個の自己PBMC、又は1×105個の自己腫瘍消化物単一細胞懸濁液と共に、培養体積を200μLに正規化し、加湿インキュベーター中、5%のCO2中37℃で24時間、他に記載されているようにプレーティングした(1×105個の細胞)(Dudleyら、J. Immunother., 26:332~342頁(2003年))。50μLの上清を二連の共培養から採取し、1:2に希釈し、製造業者の使用説明書に従って、ヒトIFNγELISAキット(Invitrogen)を用いてIFNγの産生について評価した。TIL-自己腫瘍消化反応性を、自己PBMCとの共培養、及び対になったγδ TILとαβ TILの間で比較した。ある特定の場合には、γδ TIL又は自己腫瘍消化物も、ブロッキング抗体(TIL:アイソタイプ対照マウスIgG(Invitrogen、10μg/mL)、抗γδ TCR(Novus Biologicals、クローン7A5、3μg/mL)、若しくは抗NKG2D(BD、クローン1D11、10μg/mL)、又は腫瘍消化物:アイソタイプ対照マウスIgG(10μg/mL)若しくは抗MHC-1(Invitrogen、W6/32 10μg/mL))と共に、共培養前に2時間インキュベートした。
【0086】
TILのMHCに制限されない認識を評価するために、γδ TIL及びαβ TILを、完全培地中、5%CO2中37℃の加湿インキュベーターにおいて最低2回継代培養した1×105個のがん細胞株(K562、HCT116、RKO、SW480、又はSW48;すべてATCC由来、認証済みでマイコプラズマ陰性(eMyco(商標) plus PCR kit))と同様に共培養した。
【0087】
がん細胞事典(CCLE、Cancer Cell Encyclopedia)解析
試験したがん細胞株におけるNKG2Dリガンドの発現を評価するために、MICA、MICA、ULBP1、ULBP2、及びULBP3のmRNA Zスコアを、がんゲノム解析のためのcBioPortalを使用して、がん細胞株事典からのK562、HCT116、RKO、SW480、及びSW48細胞について照会した。
【0088】
TCGA解析
Gene Expression Profiling Interactive Analysis Server 2(GEPIA2)を用いて、The Cancer Genome Atlas(TCGA)のバルクRNAシーケンシングデータのうち、最も一般的な20種の原発性固形腫瘍(NCI)において、腫瘍特異的Vδ1浸潤と予後予測能を評価した。γδ TILサブセット(TRDV1、TRDV2、及びTRDV3)及びαβ TIL(TRBC2ベータ鎖2定常領域)の平均発現(転写物百万分率の対数)を算出した。選択した腫瘍型について、中央値を上回るか(高)又は下回る(低)正規化された(ACTBベータアクチン)TRDV1発現によるカプランマイヤー生存率解析を、対数順位P値及び生存率推定値の95%信頼区間の算出と共に完了した。TRDV1発現は、選択された腫瘍にわたりTRBC2発現と直接相関し、対応するピアソン相関係数及びP値を算出した。
【0089】
統計解析
データは平均値±標準偏差として表した。グラフの可視化と統計解析は、Microsoft ExcelとGraphPad Prism 9を使用して行った。記述統計、両側ノンパラメトリック検定、Mann-Whitney U検定(片側)及びWilcoxonの符号順位検定(両側、αβ TILとγδ TILの全比較)を使用した。相関はピアソン相関係数を用いて算出し、非線形回帰と95%信頼帯を用いてプロットした。P値<0.05は統計的に有意とみなし、有意水準は*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、及び****P<0.0001に設定した。
【0090】
結果
低グレード腹膜偽粘液腫(PMP)はTCR Vδに関連したB細胞受容体(BCR)IgE分画の上昇を示す
過去に切除した腹膜腫瘍標本(図1A及び1B)の病理学的解析の後、標準治療の腫瘍縮小手術及び腹腔内温熱化学療法(CRS-HIPEC、図2)で処置された低グレード(G1)PMPを有する治療歴のない患者の代表的コホート(n=10)を特定した。すべての患者がマイクロサテライト安定性腫瘍を示し、プログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)陽性(n=1)が限定的であり、7名の患者は腫瘍再発のために少なくとも1回のCRS-HIPECのフォローアップを必要とした。H&E染色により、浸潤リンパ球集団は腫瘍関連間質に限定され、ムチンプールには顕著に認められなかったことが特定された(図1A及び1B)。
【0091】
このように研究が十分でない腫瘍型に対する適応免疫応答についての事前の理解が限られていたため、最初の切除手術で切除されたFFPE腫瘍検体の完全なTCR及びBCRのシーケンシング(図3A~3G)が完了した。バルク腫瘍RNAの二量体回避多重PCR(DAM-PCR)、cDNAライブラリー調製、及びNGSに続いて、完全な固有のCDR3(uCDR3)配列が、適応免疫レパートリー解析のためのmigec v1.2.9 MixCRパイプラインを用いて構築された(Hanら、Cancer Treat. Res., 180:111~147頁(2020年);Hanら、Methods Mol. Biol., 2055:369~397頁(2020年);及びBolotinら、Nat. Methods, 12:380~381頁(2015年))。一名の患者のTCR Vα、Vβ、Vδ、及びBCR IgH、Igκ、Igλレパートリーの代表的なツリーマップを図3Aに示す。注目すべきことに、7つの鎖レパートリーはBCR転写物で優勢に構成されており、主にαβ T細胞に由来するTCRクローンを占める平均リードは全体のわずか2.06%であった(図3B)。Vδ鎖は平均でリードの0.09%しかなく、Vγリードは予測通り検証可能には検出されなかった。以前に報告されたように、Vδ鎖のCDR3長(18.8±2.0アミノ酸)は、Vα鎖(13.5±0.2、p<0.001)及びVβ鎖(14.1±0.3、p=0.005)よりも大きく、且つ変動が大きかった(図3C)(Rockら、J. Exp. Med., 179:323~328頁(1994年))。Vδ鎖はIgH(17.6±0.5)と同程度の長さであり、Igκ鎖(11.1±0.03、p<0.0001)及びIgλ鎖(12.5±0.09、p<0.0001)よりも長かった。レパートリーの真のシャノンエントロピーを算出すると、鎖間で同様の多様性が示されたが、Vδは、Vαβ及びBCRのレパートリーと比較して著しく低下した(図3D)(Bortoneら、Cancer Immunol. Res., 9:103~112頁(2021年))。
【0092】
健常ドナーのPBMCレパートリーのコホート(n=238)と比較すると、この低グレードPMPコホートは、Vα(鎖の0.06%)、Igκ(3.7%)、及びIgλ(1.9%)のみが共有されたパブリックCDR3を示す、極めてプライベートなレパートリーを示すことが明らかになった(図4A~B)。患者群内で共有されたCDR3を解析したところ、共有された推定的な収斂疾患特異的BCRのCDR3は特定されたが、TCRのCDR3は特定されなかった(図4C)。共有された疾患関連CDR3は、ランダム組換えと抗原に駆動される組換えの収斂進化との両方から生じ得ることを考慮して、これらの共有されたBCR CDR3の生成確率を算出し、主にIgG又はIgEである抗原に駆動されるIgH CDR3のスペクトルが明らかになった(図4D~E)(Muruganら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 109:16161~16166頁(2012年);及びSethnaら、Bioinformatics, 35:2974~2981頁(2019年))。
【0093】
BCR転写物が予想外に豊富であった場合、低グレードのPMP IgHレパートリー全体の免疫グロビン分画をさらに解析し、IgG(53.4±12.0%)及びIgA(21.7±9.9%)に支配された予想通りの分布が明らかになった(図3E)。しかし、IgE分画(12.2±2.1%)が異常に上昇し、健常ドナーのPBMC(n=238、0.9±0.6%、p<0.0001)及び高グレードの膵臓がん腫瘍(n=68、5.6±3.2%、p<0.0001)のレパートリーで観察されたものより実質的に多いことが観察された(図3F)。BCR IgE分画を他のレパートリーの特徴と相関させると、Vδ発現との強い正の相関(r=+0.81、p=0.013)が観察されたが、Vα鎖又はVβ鎖との相関は観察されなかった(図3G)。IgE発現レベル及びγδ TILとの関連は、上皮内γδ T細胞が上皮DNA損傷に応答した腫瘍保護IgEクラススイッチングに必要であることが以前に示されたことから、興味深いものであった(Crawfordら、Nat.Immunol., 19:859~870頁(2018年))。
【0094】
γδ TILは腹膜表面の悪性腫瘍にまばらに浸潤する
腹膜γδ TILは多様なポリクローナルレパートリー及びプライベートレパートリーを示すことを理解した上で、γδ TILを前向きに評価するために以下のことを行った。CRS-HIPECを受けた腹膜表面悪性腫瘍を有する患者(n=26)から同意を得て腫瘍検体を採取した(図5A)。患者の30.7%は女性であり、平均年齢は59.3±12.2歳、BMIは27.5±8.4であった(図6)。この前向きコホートの患者は、低グレードの虫垂がん(n=14、54%)及び高グレードの結腸直腸がん(n=12、46%)の腹膜腫瘍を有していた。3名の患者(11.5%)は、CRS-HIPECを以前に受けており、14名の患者(54%)は全身化学療法を以前に受けていた。
【0095】
ムチン性腹膜腫瘍を空間的に別個の2~3mm3の断片に切り離し(図7A)、ガス透過性急速拡大フラスコ(G-REX(商標))中で培養した。腹膜TILを高用量IL-2(3,000IU/mL)で遊離させ、培養11日後に採取した。未処置の患者と術前化学療法を受けた患者との間で総生存TIL数に差はなかったが(図7B)、低グレードの虫垂がん(4.9×107個±6.1×107個の細胞)は高グレード結腸がん(3.9×107個±10.3×107個の細胞、p=0.028、図5B)と比較して総生存TIL数が多かった。
【0096】
マルチスペクトルフローサイトメトリーを利用して、バルク増殖する腹膜TIL集団の組成及び表現型を規定した。IL-2反応性CD56+CD3-ナチュラルキラー(NK)細胞とCD3+T細胞は、CD45+TIL集団の主要な構成要素であった(図5C)。NK細胞は全CD45+細胞の平均20.2%を占めたが、ある特定の個々の患者は4%未満であり、その他は40%を超えるNK細胞を有した(図5C)。γδ TCR+細胞(3.4±4.4%)は全CD3+T細胞のごく一部しか占めず、主にCD4+(57.3±21.7)又はCD8+(36.1±19.3)のαβ TCR+細胞であった。CD3+のγδ TCR+細胞は、主にVδ1+細胞(49.0±31.5%)又はVδ1- Vδ2-細胞(27.7±25.1%)であり、Vδ2+細胞(21.0±29.5%)は、5名の患者でγδ TCR+細胞の60%超を占めていたにもかかわらず、平均するとあまり多くなかった(図5D)。γδ TIL集団のかなりの不均一性にもかかわらず、γδ TCR+細胞の表現型における実質的な差異は、虫垂腫瘍又は結腸腫瘍の患者間、又は前処置の有無にかかわらず観察されなかった(図7D~E)。
【0097】
γδ TILはαβ TILと比較して、PD-1は低減したが、NKG2DとCD137の発現が大きい組織常在型エフェクターメモリー表現型を示す
γδ及びαβ TIL集団の表現型をよりよく理解するために、T細胞のメモリー、分化、活性化のマーカー、T細胞疲弊に関連する阻害性受容体、及び天然細胞傷害性受容体(NCR)の発現を評価した(図8A~H及び9A~E)。CD8-γδ T細胞と比較して、上皮内CD8αβ+γδ T細胞は、典型的には、腸の恒常性及び粘膜治癒に関連するヘルパーT1型(Th1)表現型の高まりを示す(Mikulakら、JCI Insight, 4(24):e125884頁(2019年);及びKadivarら、J. Immunol., 197:4584~4592頁(2016年))。この拡大腹膜TILのサブセットでは、CD8α+(14.6±36.1%)、CD8β+(11.0±17.4%)、又はCD8αβ+(6.69±15.3%)のγδ TILは細胞のごく一部しか占めず、個々の培養における対応するαβ TILよりもはるかに少なかった(図8A)。
【0098】
γδ TILの大部分は、αβ TIL(71.2±20.8%、図8B~C)で観察されたものと同程度のエフェクターメモリー表現型(TEM:CD45RO+CD62L-、75.5±15.8%)を示した。初回切除後11日間の培養で、αβ TILはγδ TILと比較して、セントラルメモリー細胞(TCM:CD45RO+CD62L+、22.4±21.7%対9.1±12.0%、p<0.0001)の割合が高かった。γδ TILはまた、最終分化エフェクターメモリーRA細胞(TEMRA:CD45RO-、CD62L-、14.9±12.9%対4.4±4.6%、p<0.0001)の割合も相対的に高かった。組織保持マーカーCD69及びCD103を発現する組織常在型メモリーT細胞(TRM)は、長期間の防御免疫を示し、免疫療法後の転帰の改善と関連している(Oklaら、J. Exp. Med., 218(4):e20201605頁(2021年))。γδ TILはαβ TILと比較して、多量のCD69+(69.9±30.5%対56.6±31.8%、p=0.003、図8D)、CD103+(25.8±24.1%対16.6±19.4%、p=0.016)、二重陽性TRM細胞(20.8±16.2対12.3±13.0、p=0.020)を示した。
【0099】
ex vivoで拡大されたTIL集団の組成は、空間的不均一性と、差次的な腫瘍反応性に関連する腫瘍優占集団及び少数集団の増殖を促進する培養条件とに大きく依存することを考慮して、活性化分子の発現と疲弊分子の発現(Poschkeら、Clin.Cancer Res., 26:4289~4301頁(2020年))を比較した。拡大されたγδ TIL(92.2%)及びαβ TIL(97.4%)は、高レベルのCD2を示し(図8E)、共刺激分子は、そのシグナル伝達によって免疫学的シナプス形成、いわゆるCD2冠を可能にし、PD-1に媒介される疲弊を緩衝する(McKinneyら、Nature, 523:612~616頁(2015年);及びDemetriouら、Nat. Immunol., 21:1232~1243頁(2020年))。IL-2受容体α鎖(CD25)は、γδ TIL(28%)とαβ TIL(32.4%)に中程度に発現した。共刺激性腫瘍壊死受容体ファミリーメンバーであるCD27は、IL-17産生γδ T細胞上でのインターフェロンγ(IFNγ)発現の胸腺調節因子として関与している(Ribotら、Nat. Immunol., 10:427~436頁(2009年);及びRibotら、Cell. Mol. Life Sci., 68:2345~2355頁(2011年))。CD27+T細胞の増加はまた、αβ TIL療法を主体とした先行試験における客観的臨床応答と関連している(Rosenbergら、Clin. Cancer Res., 17:4550~4557頁(2011年))。γδ TILは、一定範囲のCD27発現を示し、平均して(40.2%)、αβ TIL(39.5%)の発現と同程度であった。NK細胞を特定する以外に、神経細胞接着分子であるCD56は、増強したT細胞のTh1サイトカイン産生と細胞溶解能のマーカーであり、αβ TIL(4.5±5.4%、p<0.0001)よりもγδ TIL(19.2±14.1%)で実質的に高い程度に発現した(Kelly-Rogersら、Hum. Immunol., 67:863~873頁(2006年);Cohavyら、J. Immunol., 178:5524~5532頁(2007年);及びAlmehmadiら、Immunology, 142:258~268頁(2014年))。CD137(4-1BB)の上方調節は、クローン拡大と増殖が増強した腫瘍反応性T細胞のマーカーとして同定されている(Cooperら、Eur. J. Immunol., 32:521~529頁(2002年);及びYeら、Clin. Cancer Res., 20:44~55頁(2014年))。これらの条件下でのCD137発現はすべての細胞で低かったが、αβ TIL(1.8±2.3%、p=0.0002)と比較すると、γδ TIL(8.0±10.5%)で顕著に高かった。
【0100】
阻害性免疫受容体の発現は、腫瘍反応性、免疫疲弊、抑制の効力の同時マーカーである(Ahmadzadehら、Blood, 114:1537~1544頁(2009年);Baitschら、J. Clin. Invest., 121:2350~2360頁(2011年);Millerら、Nat. Immunol., 20:326~336頁(2019年);及びGrosら、J. Clin. Invest., 124:2246~2259頁(2014年))。PD-L1を除き、γδ TILはαβ TILと比較して、PD-1、LAG-3、TIGIT、及びBTLAのより変動する発現を示した(図8F)。PD-1はαβ TIL(57.7±16.9%、p=0.004)と比較して、γδ TIL(39.4±27.4%)では低かった。LAG3(12.2%及び14.8%)及びTIGIT(25.2%及び31.5%)の発現は、概して、αβ TIL及びγδ TILのサブセットのいずれについても、PD-1よりも低レベルでの発現であった。T細胞の共刺激及びTCRシグナル伝達の抑制の二重の調節因子であるBTLAは、T細胞の生存率とTIL治療応答を高めるマーカーであり、αβ TIL(26.6±18.0%、p=0.032)と比較してγδ TIL(39.5±25.3%)でやや高い発現を示した(Radvanyiら、Clin. Cancer Res., 18:6758~6770頁(2012年);Haymakerら、Oncoimmunology, 4:e1014246頁(2015年);及びRitthipichaiら、Clin. Cancer Res., 23:6151~6164頁(2017年))。腫瘍細胞、抑制性骨髄系集団、及び調節性T細胞上に発現することに加え、エフェクターT細胞上のPD-L1発現は、マウスモデルにおいて自己寛容と腫瘍形成促進を促す(Daleyら、Cell, 166:1485~1499 e1415(2016年);及びDiskinら、Nat. Immunol., 21:442~454頁(2020年))。PD-L1の発現は、拡大されたγδ TIL(3.4%)とαβ TIL(1.8%)の両方で低かった。
【0101】
NCRであるNKG2DとNKp46の発現を含むγδ T細胞の先天的なNK細胞特性は、ストレス抗原に対するさらなる反応性と抗腫瘍能を付与する(Silva-Santosら、Nat. Rev. Cancer, 19:392~404頁(2019年);Wuら、Sci. Transl. Med., 11(513):aax9364(2019年);Mikulakら、JCI Insight, 4(24):e125884頁(2019年);及びFoordら、Sci. Transl. Med., 13(577):abb0192(2021年))。NKG2Dの発現はγδ TILで一様に高く(72.8±7.9%)、αβ TIL(38.0±19.8%、p=0.007)よりも高かったが、NKp46の発現はより不均一であり(17.4±22.4%)、αβ TIL(23.6±30.1%)と差がなかった(図8G)。γδ TIL及びαβ TILにおけるすべての評価された表現型マーカーの平均発現の要約ヒートマップを図8Hに含める。
【0102】
γδ TILの拡大
疲弊が限定的でCD137及びNKG2Dの発現が増強された、好ましい組織常在型エフェクターメモリー表現型を示すγδ TILの養子移入を検討するために、臨床的に実行可能な数のγδ TILを生成するための拡大プロトコールを設計した。γδ TILは、αβ TCR+細胞の枯渇により陰性選択した。次いで、1×106個のγδ TIL(又は比較のためのバルクαβ TIL)を、分裂促進CD3刺激(OKT-3、30ng/mL)、高濃度のIL-2(3,000IU/mL)、及び照射された同種の健常ドナーのPBMCを用いて14日間拡大させた(図10A)。このIL-2依存性の拡大プロトコールは、γδ TILを拡大するには不十分であり(5.5倍拡大、図11A)、先行するTIL療法で観察されたγδ TILの数が限られていることを説明することができる(Doniaら、Oncoimmunology, 1:1297~1304頁(2012年))。
【0103】
所望の表現型を有するγδ TILの集団を適切な数及びパーセンテージで得ることができるかどうかを決定するために、サイトカインの異なる組合せを(抗CD3及び照射されたPBMCと組み合わせて)評価した。IL-15(25.6倍拡大)又はIL-7(164.3倍拡大)の添加は、選択されたγδ TILの拡大を増加させたが、IL-2、IL-4、及びIL-15の組合せ(453.8±100.8倍拡大)は、ネイティブαβ TILのIL-2のみの拡大(725.5±153倍拡大)で観察されたものにほぼ匹敵する、かなり増強されたγδ TIL拡大(p=0.0008)を示した(図11A)。
【0104】
IL-2/IL-4/IL-15で拡大された陰性選択されたγδ TILのスペクトルサイトメトリー表現型判定(図11B)は、高純度のγδ TCR+細胞(CD3+細胞の95.3±3.1%、図10B)を示し、NK細胞(CD45+細胞の2.3±2.5%)又はαβ TCR+細胞(CD3+細胞の3.87±3.3%)は最小であった。IL-2/IL-4/IL-15で拡大された陰性選択されたγδ TILは、Vδ1+細胞(γδ TCR+の63.2±28.3%)又はVDδ1-Vδ2-細胞(29.8±24.2%)が優勢で、Vδ2+細胞の割合はわずかであった(8.5±10.4%)(図10B)。対照的に、IL-2により拡大されたネイティブαβ TILは、主にαβ TCR+細胞(CD3+細胞の90.8%±6.5%;CD8+細胞(57.3±23.1%)又はCD4+細胞(39.0±22.8%))であり、NK細胞(1.27±2.1%)又はγδ TCR+(2.5±3.5%)細胞は最小限であった(図11C)。
【0105】
陰性選択されたγδ TILをIL-2/IL-4/IL-15により拡大すると、IL-2/IL-4/IL-15拡大前の陰性選択されたγδ TIL調製物と比較して、TEM γδ TILの増殖が増加し(87.1±7.2%対75.5±15.8%、p=0.034)、TEMRAが減少した(7.0±6.3%対14.9±12.9%、p=0.031)(図10C)。注入されたTEM集団の数の増加及びTEMRA集団の数の低減は、TIL療法に対する臨床応答と関連している(Goffら、J. Clin. Oncol., 34:2389~2397頁(2016年))。
【0106】
陰性選択されたγδ TILのIL-2/IL-4/IL-15による拡大(5.3±2.7%対20.8±16.2%、p<0.0001)及びネイティブαβ TILのIL-2のみによる拡大(1.7±1.5%対12.3±13.0%、p=0.004)の後、CD69+CD103+TRM細胞の数は、拡大前のTILと比較して低減したが、γδ TIL集団では多かった(p=0.004、図11D)。CD2、CD25、及びCD27の発現は、陰性選択されたγδ TILのIL-2/IL-4/IL-15による拡大とネイティブαβ TILのIL-2のみによる拡大のいずれにおいても、概して安定していた。CD56の発現は、IL-2のみで拡大したネイティブαβ TILでは増加したが(30.3±23.3%対4.5±5.3%、p=0.0007)、両方の集団が同程度のレベルの発現を示したため、拡大後に、IL-2/IL-4/IL-15により拡大した陰性選択されたγδ TILでは増加しなかった(21.6±25.8%対19.2±14.1%)。CD137は、IL-2/IL-4/IL-15により拡大した陰性選択されたγδ TILで拡大後に発現の増加を示し(18.2±13.7%対8.0±10.5%、p=0.006)、そのレベルはIL-2のみで拡大した天然のαβ TILで観察されたレベル(6.18±8.9%、p=0.036)よりも高いままであった。PD-1の発現は、IL-2のみで拡大されたネイティブのαβ TIL(36.2±22.5%対57.7±16.9%、p=0.030)とIL-2/IL-4/IL-15により拡大された陰性選択されたγδ TIL(9.7±7.3%対39.4±27.4%、p=0.0006)の両方で、拡大前と比較して低下したが、拡大後のγδ TILでは、拡大後のαβ TILと比較して低いレベルにとどまった(p=0.002)。LAG3とTIGITの発現は拡大後の両集団で安定していたが、BTLAの発現はIL-2のみで拡大したネイティブαβ TILでわずかに増加し(38.7%±14.1%対26.6±18.0%、p=0.129)、IL-2/IL-4/IL-15により拡大した、陰性選択されたγδ TILではわずかに低下し(20.8±9.8%対39.5±25.3%、p=0.154)、拡大後のγδ TILと比較して拡大後のαβ TILで高かった(p=0.030)。αβ TILは、IL-2のみの拡大後、NKG2D及びNKp46の変化したNCR発現を示さなかったが、IL-2/IL-4/IL-15により拡大され、陰性選択されたγδ TILは、NKG2Dの高い発現を維持し(77.9±14.2%)、NKp46+発現細胞数の増加(56.1±32.8%対17.4±22.4%、p=0.011;拡大前と比較した拡大後)は、IL-2のみで拡大したネイティブαβ TIL(15.7±22.3%、p=0.029)で観察されたよりも大きかった。
【0107】
MHC非依存、γδ TCRによる自己腫瘍認識
転移性上皮がんを有する患者におけるTIL療法の完了した試験及び進行中の試験では、客観的臨床応答の重要な決定因子として、自己患者の腫瘍に対するin vitroでのTIL反応性が同定されている(Tranら、Science, 344:641~645頁(2014年);Stevanovicら、J. Clin. Oncol. 33:1543~1550頁(2015年);Stevanovicrら、Clin. Cancer Res., 25:1486~1493頁(2019年);Chandranら、Lancet Oncol., 18:792~802頁(2017年);及びZacharakisら、Nat. Med., 24:724~730頁(2018年))。拡大された腹膜TILの腫瘍反応性を測定するために、利用可能な検体を有する患者(n=11)において、切除時に凍結保存された自己腫瘍消化物と、IL-2/IL-4/IL-15により拡大した、陰性選択されたγδ TIL又はIL-2のみで拡大したネイティブαβ TILのいずれかの1:1の比率での24時間共培養後に、IFNγ産生を評価した(図12A)。抗CD3/抗CD28 mAbでコーティングしたビーズによる非特異的刺激後、αβ TIL(1556±849pg/mL)とγδ TIL(1638±1023pg/mL)の両方は、同程度のレベルのIFNγを産生した。αβ TIL(135.8±103.5対27.4±18.4pg/mL、p=0.002)とγδ TIL(380.7±207.6対25.2±12.1pg/mL、p=0.001)の両方は、自己PBMCと共培養したTILと比較して、自己腫瘍消化物との共培養中に、有意に多量のIFNγを産生した。γδ TILは、対になったαβ TILと比較して、より大きな自己腫瘍反応性を示した(p=0.009)。注目すべきことに、11個中6個(55%)のαβ TIL及び11個中10個(91%)のγδ TIL集団は、腫瘍消化物との共培養後に100pg/mLを超えるIFNγを産生し、TIL反応性をスクリーニングするための仮説的閾値は臨床的腫瘍退縮に関連した(Chandranら、Lancet Oncol., 18:792~802頁(2017年))。
【0108】
γδ TILがMHCに制限されないTCRを有することから、一連のHLA不適合がん細胞株に対する反応性も評価した(図12B)。このような不適合細胞株を認識できないαβ TILと比較して、γδ TILは、K562白血病細胞株及び一連の結腸がん細胞株(HCT116、RKO、及びSW480)と培養した場合、有意に多量のIFNγを産生した。SW48結腸がん細胞株に対するγδ TILの反応性は、他のがん細胞株よりも著しく低く、αβ TIL/SW48共培養で観察されたものと異ならなかった。SW48株に対するγδ TILの反応性の欠如は、γδ TCR又はNKG2D抗原の産生又は発現の減少が原因であるという仮説をもたらした。Cancer Cell Encyclopedia(CCLE)内の評価細胞株におけるNKG2D受容体の既知のリガンドのmRNA発現を解析したところ、K562、HCT116、RKO、及びSW480ではMICAとMICBの発現が安定又は増加していたが、SW48株ではMICA(-0.35 Zスコア)とMICB(-1.01 Zスコア)の発現が低下した(図13)(Barretinaら、Nature, 483:603~607頁(2012年))。
【0109】
標的細胞のγδ T細胞のNCRに媒介される認識の役割が確立されていること、及び拡大した腹膜γδ TILのこのコホート内でNKG2Dが一様に高発現していることから、γδ TCRと共に、自己腫瘍反応性の媒介におけるその役割を特定するために以下を実施した(Silva-Santosら、Nat. Rev. Immunol., 15:683~691頁(2015年);及びSilva-Santosら、Nat. Rev. Cancer, 19:392~404頁(2019年))。IL-2/IL-4/IL-15により拡大した、陰性選択されたγδ TILを自己腫瘍消化物と共培養した後(n=7)、抗MHC-1(W6/32)、抗NKG2D(1D11)、抗γδ TCR(7A5)、又はアイソタイプ対照(マウスIgG)のmAbの組合せを利用して、対応する受容体結合及びシグナル伝達をブロックした(図12C)。抗MHC-1 mAbの添加は、γδ TIL IFNγ産生に差異を示さず、MHC非依存的認識を確認したが、抗γδ TCR mAbの添加は、アイソタイプ対照でのブロッキングと比較して、IFNγ産生を有意に低減させた。抗NKG2D抗体の添加は、IFNγ産生に対して最小限の効果しか示さず、γδ TCRと組み合わせてブロックしてもさらには低下しなかったことから、自己腫瘍反応性を媒介する際にγδ TCRが関与していることが示唆された。
【0110】
γδ TILの自己腫瘍反応性に関連する追加因子を特定するために、IL-2/IL-4/IL-15により拡大され、陰性選択されたγδ TILの表現型特性と自己腫瘍消化液との共培養後のIFNγ産生を比較した。Vδ1のパーセント組成は、IFNγ産生と正の相関(r=+0.719、p=0.012)を示し、他のγδサブセットで観察されるよりもVδ1細胞の抗腫瘍能が増強されるという以前の報告を支持した(図12D)(Denigerら、Clin. Cancer Res., 20:5708~5719頁(2014年);Fisherら、Clin. Cancer Res., 20:5720~5732頁(2014年);及びCordovaら、PLoS One, 7:e49878(2012年))。
【0111】
γ鎖サイトカインとCD137関与の急速拡大前プロトコールモジュレーションはγδ TILの拡大を改善しない
αβ TILと比較してγδ TILの自己腫瘍反応性が増強されたことから、REPに利用可能なγδ TILのインプット数を決定するREP前の培養期間にγδ TILを特異的に拡大するための方法を検討した。REP中にIL-2、IL-4、及びIL-15を用いて単離及び培養した後にγδ TILの数が増加することから、このγ鎖の組合せを、黒色腫の初回診断又はネオアジュバント療法後に切除を受けた同意患者から得た凍結保存腫瘍消化物(n=15、図14)のレトロスペクティブコホートで評価した。γ鎖の組合せに加えて、CD137受容体を標的とするヒト化アゴニストモノクローナル抗体(ウレルマブ、10μg/mL)を、γδ TIL上のCD137の高発現と、CD137の関与によるTIL拡大の増強の先行報告(Hallら、J. Immunother. Cancer, 4:61頁(2016年);Sakellariou-Thompsonら、Clin. Cancer Res., 23:7263~7275頁(2017年);Pochら、Oncoimmunology, 7:e1476816(2018年);Taveraら、J. Immunother., 41:399~405頁(2018年))を考慮して評価した。
【0112】
γ鎖の組合せは、CD3+αβ TCR+CD4及びCD8 TILの増加により、11日間の培養後に生存する拡大されたTILの総数を増加させたが、CD137刺激の有無にかかわらず、IL-2単独と比較して、γδ TCR+又はVδ1+細胞の数に差は認められなかった(図15A~E)。γ鎖の組合せ又はCD137の関与によるγδ TILの拡大における改善は特定されなかったが、これらの結果は、γδ TILを拡大するためのプレREPプロセスにおいて、高用量のIL-2又は他のγ鎖サイトカインとの組合せを継続的に利用することを支持する。
【0113】
腫瘍特異的Vδ1浸潤及び生存率向上
目標の臨床応答と関連する腫瘍反応性T細胞の注入数の増加、及び前述のγδ TILのまばらな浸潤を特定するTIL療法の複数の臨床研究では、γδ TILが増加する標的適応症を特定し、長期生存への影響を決定するために以下を行った(Radvanyiら、Clin. Cancer Res., 18:6758~6770頁(2012年);Goffら、J. Clin. Oncol., 34:2389~2397頁(2016年)及びChandranら、Lancet Oncol., 18:792~802頁(2017年))。The Cancer Genome Atlas(TCGA)から最も蔓延している20種の固形腫瘍のバルクRNAシーケンシングデータを使用し、γδ TIL及びαβ TILの発現をGene Expression Profiling Interactive Analysis 2(GEPIA 2)ツールで特定した(図16A)(Tangら、Nucleic Acids Res., 47:W556~W560頁(2019年);及びSiegelら、CA Cancer J. Clin., 71:7~33頁(2021年))。一次γδ T細胞サブセット(Vδ1+細胞、Vδ2+細胞、及びVδ3+細胞)の浸潤は、対応するVδ遺伝子(TRDV1、TRDV2、及びTRDV3)で特定されたが、αβ TILはTCRのVβ2定常領域(TRBC2)で特定した。以前に利用されたγδ T細胞のRNA遺伝子シグネチャーは、γδ T細胞の分類中に他の免疫エフェクターサブセットを誤って含むことが示されていたため、この方法によりγδ TIL集団の明確な特定が可能となった(Gentlesら、Nat. Med., 21:938~945頁(2015年);及びTosoliniら、Oncoimmunology, 6:e1284723(2017年))。ほとんどの腫瘍型にわたり、TRDV1の発現はTRDV2又はTRDV3よりも高い傾向にあった。卵巣漿液性嚢胞腺癌(OV)は、TRDV3の顕著な発現を示した唯一の適応であった。TRDV1は腫瘍型によって差次的に発現し、肺腺癌(LUAD、中央値0.5の転写物百万分率(TPM)の対数)、腎臓腎細胞癌(KIRC、0.5 Log TPM)、乳癌(BRCA、0.4 Log TPM)、並びに子宮頸部扁平上皮癌及び子宮頸部内膜腺癌(CESC、0.4 Log TPM)で最大であった。これらの選択された腫瘍の全コホートのTRDV1発現を図17Aに示す。神経膠芽腫(GBM)、肝臓肝細胞癌(LIHC)、膀胱尿路上皮癌(BLCA)、子宮体部内膜癌(UCEC)、及び前立腺腺癌(PRAD)は、TRDV1の最も低い発現を示した(TRDV1のLog TPMの中央値=0)。すべての腫瘍型にわたり、TRDV1の発現はTRBC2の発現と陽性相関した(図18A~S)。
【0114】
他のγδ T細胞サブセットと比較してVδ1サブセットが腫瘍全体に優勢に浸潤していること、及び自己腫瘍反応性との関連を考慮して、選択した腫瘍における全生存期間に対するTRDV1発現の予後への影響を評価した。TRDV1発現をベータアクチン(ACTB)で正規化した後、個々の腫瘍型のTRDV1発現レベルの中央値に基づいてコホートを高発現群と低発現群に分けた。GEPIA 2サーバーで解析可能なすべてのTCGA腫瘍を含めると、TRDV1の高発現はかなりの生存率向上と関連していた(p<0.00001、図16B)。TRDV1の高発現は、TIL療法を利用する現在の適応症である皮膚黒色腫(SKCM、skin cutaneous melanoma、p=0.0006)、頭頸部扁平上皮癌(HNSC、p=0.002)、肺腺癌及び肺扁平上皮癌(LUSC、p=0.0004)、乳がんBRCA(p=0.007)、食道がんCESC(p=0.014)、及び膵管腺癌(PDAC、p=0.077)を含むプロファイリングされた20種の固形腫瘍のうち12種において、同様に有意な生存率向上と関連していた(図16C~G及び17B~G)。TRDV1の増加は、GBM、中皮腫(MESO)、LIHC、KIRC、及びBLCAを有する患者においても生存率向上と関連していた。残りの8つの腫瘍では、TRDV1の高発現は生存の実質的な改善とは関連しなかった(図19A~H)。
【0115】
総合すると、本明細書において提供されるこれらの結果は、腫瘍浸潤γδ T細胞が、多様で患者に特異的なレパートリー、組織常在型エフェクターメモリー表現型、及び優れた自己腫瘍反応性を示し、単独で又はαβ TILと並行して、がんに対するTCRレパートリーをフルに発揮させることができることを実証する。
【0116】
他の実施形態
本発明をその詳細な説明と併せて説明したが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示することを意図したものであり、限定するものではないことを理解されたい。他の態様、利点、及び変更は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
図1A-B】
図2
図3A-B】
図3C-D】
図3E-F】
図3G
図4A-B】
図4C-D】
図4E
図5A
図5B-C】
図5D
図6
図7A-B】
図7C
図7D-E】
図8A-B】
図8C-D】
図8E-F】
図8G-H】
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10A-B】
図10C
図11A
図11B
図11C-D】
図12A-B】
図12C-D】
図13
図14
図15A-B】
図15C-D】
図15E
図16A
図16B-C】
図16D-E】
図16F-G】
図17A
図17B-C】
図17D-E】
図17F-G】
図18A-B】
図18C-D】
図18E-F】
図18G-H】
図18I-J】
図18K-L】
図18M-N】
図18O-P】
図18Q-R】
図18S
図19A-B】
図19C-D】
図19E-F】
図19G-H】
【国際調査報告】