(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】クロック同期情報取得(または提供)方法および通信装置
(51)【国際特許分類】
H04L 7/00 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
H04L7/00 990
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523412
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 CN2022139228
(87)【国際公開番号】W WO2023125033
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111633141.3
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼ 希
【テーマコード(参考)】
5K047
【Fターム(参考)】
5K047AA18
(57)【要約】
本出願は、無線デバイス制御装置と無線デバイスの間の通信ネットワークに適用される、クロック同期情報取得(または提供)方法および通信装置を開示する。無線デバイスは、クロック同期情報に基づいて、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を無線制御装置に提供することができ、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち、第1のクロック同期精度)を決定することができる。したがって、これにより、無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度に基づいて無線デバイスを管理する助けとなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロック同期情報取得方法であって、
無線デバイス制御装置によって、クロック同期情報を無線デバイスから受信することであって、前記クロック同期情報は、前記無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、前記クロックソースは、前記無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、前記クロックリンクは、前記クロックソースと前記無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであることと、
前記無線デバイス制御装置によって、前記クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定することであって、前記第1のクロック同期精度は、前記無線デバイスと前記無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度であることと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを介して前記無線デバイス制御装置に接続されるか、または前記無線デバイスは、前記無線デバイス制御装置に直接接続されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クロック同期情報は、前記クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度を含み、
前記ソースポートの前記識別は、前記クロックリンク上にあり、前記無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示し、前記第2のクロック同期精度は、前記上位レベルのネットワークデバイスを基準とする前記無線デバイスのクロック同期精度であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記無線デバイス制御装置によって、前記クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定することは、
前記クロックソースの前記識別が前記無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、前記クロックソースの前記識別が前記ソースポートの前記識別と同じであるときに、前記無線デバイス制御装置によって、前記第2のクロック同期精度が前記第1のクロック同期精度であると決定することを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記クロック同期情報は、前記クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、前記通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記無線デバイス制御装置によって、前記クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定することは、
前記クロックソースの前記識別が前記無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、前記クロックソースの前記識別が前記ソースポートの前記識別とは異なるときに、前記無線デバイス制御装置によって、前記通信チャネルの前記数量についての前記情報、前記第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、前記第1のクロック同期精度を決定することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記無線デバイス制御装置によって、前記通信チャネルの前記数量についての前記情報、前記第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、前記第1のクロック同期精度を決定することは、
前記無線デバイス制御装置によって、前記既定のクロック同期精度に前記通信チャネルの前記数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を決定することと、
前記無線デバイス制御装置によって、前記積と前記第2のクロック同期精度との和が前記第1のクロック同期精度であると決定することと
を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記クロック同期情報は、前記クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、前記第3のクロック同期精度は、前記クロックソースを基準とする前記無線デバイスの前記クロック同期精度であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
前記無線デバイス制御装置によって、前記クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定することは、
前記クロックソースの前記識別が前記無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときに、前記無線デバイス制御装置によって、前記第3のクロック同期精度が前記第1のクロック同期精度であると決定することを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記クロック同期情報は、管理メッセージで搬送されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記クロック同期情報は、ユニキャスト方式で前記無線デバイス制御装置に伝送されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記無線デバイス制御装置によって、前記無線デバイスの前記クロック同期情報および/または前記第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信することをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記クロック同期情報は、前記無線デバイスの識別子をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記無線デバイスは、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスを含み、前記第1の無線デバイスと前記無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度は、第4のクロック同期精度であり、前記第2の無線デバイスと前記無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度は、第5のクロック同期精度であり、
前記方法は、
前記無線デバイス制御装置によって、前記第4のクロック同期精度および前記第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定することであって、前記第6のクロック同期精度は、前記第1の無線デバイスと前記第2の無線デバイスの間のクロック同期精度であることと、
前記無線デバイス制御装置によって、前記第6のクロック同期精度に基づいて、前記第1の無線デバイスおよび前記第2の無線デバイスが協働で第1のサービスを実行できるようにされるかどうかを決定することであって、前記第1のサービスは、2つ以上の無線デバイスによって協働運用が実行される必要があるサービスであることと
をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
クロック同期情報提供方法であって、
無線デバイスによって、クロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信することであって、前記クロック同期情報は、前記無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、前記クロックソースは、前記無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、前記クロックリンクは、前記クロックソースと前記無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであり、前記クロック同期情報は、第1のクロック同期精度を決定するためのものであり、前記第1のクロック同期精度は、前記無線デバイスと前記無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度であること含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを介して前記無線デバイス制御装置に接続されるか、または前記無線デバイスは、前記無線デバイス制御装置に直接接続されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記クロック同期情報は、前記クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度を含み、
前記ソースポートの前記識別は、前記クロックリンク上にあり、前記無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示し、前記第2のクロック同期精度は、前記上位レベルのネットワークデバイスを基準とする前記無線デバイスのクロック同期精度であることを特徴とする請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記クロック同期情報は、前記クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、前記通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルであることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記クロック同期情報は、前記クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、前記第3のクロック同期精度は、前記クロックソースを基準とする前記無線デバイスの前記クロック同期精度であることを特徴とする請求項15または16に記載の方法。
【請求項20】
前記クロック同期情報は、管理メッセージで搬送されることを特徴とする請求項15乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記クロック同期情報は、ユニキャスト方式で前記無線デバイス制御装置に伝送されることを特徴とする請求項15乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記クロック同期情報は、前記無線デバイスの識別子をさらに含むことを特徴とする請求項15乃至21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されたユニットを備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項24】
プロセッサとメモリを備えた通信装置であって、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶し、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを呼び出して、前記通信装置が請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法を実行するようにすることを特徴とする通信装置。
【請求項25】
請求項15乃至22のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されたユニットを備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項26】
プロセッサとメモリを備えた通信装置であって、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶し、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを呼び出し、前記通信装置が請求項15乃至22のいずれか一項に記載の方法を実行するようにすることを特徴とする通信装置。
【請求項27】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法を実行する通信装置と、請求項15乃至22のいずれか一項に記載の方法を実行する通信装置を含むことを特徴とする通信システム。
【請求項28】
命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令がコンピュータ上で実行されたときに、前記コンピュータは、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法を実行すること、または請求項15乃至22のいずれか一項に記載の方法を実行することができるようになるコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項29】
命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されたときに、前記コンピュータは、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法を実行すること、または請求項15乃至22のいずれか一項に記載の方法を実行することができるようになるコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年12月28日に中国国家知識産権局に出願された「CLOCK SYNCHRONIZATION INFORMATION OBTAINING(OR PROVIDING)METHOD AND COMMUNICATION APPARATUS」と題する中国特許出願第202111633141.3号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願の実施形態は、通信分野に関し、特にクロック同期情報取得(または提供)方法および通信装置に関する。
【背景技術】
【0003】
フロントホールトランスポートネットワークでは、無線デバイス制御装置は、フロントホールトランスポートインタフェースを介して無線デバイスに通信可能に接続される。無線デバイス制御装置が無線デバイスに直接接続される、換言すれば無線デバイス制御装置と無線デバイスの間に他のネットワークデバイスが存在しないときには、無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置を基準として無線デバイスのクロック同期精度を得ることができる。2つの無線デバイスが協働でサービスを実行する必要があるときには、無線デバイス制御装置は、各無線デバイスのクロック同期精度に基づいて、そのサービスが協働で完了されることが可能であるかどうかを決定することができる。
【0004】
ただし、フロントホールトランスポートネットワークでは、無線デバイス制御装置は、必ずしも無線デバイスに直接接続されるとは限らない。無線デバイス制御装置は、1つまたは複数の伝送デバイスを用いて無線デバイスに接続されることもある。この場合には、無線デバイス制御装置は、無線デバイスのクロック同期の根拠を知ることができない。したがって、無線デバイス制御装置は、無線デバイスが特定のサービスを実行するかどうかを決定する際に影響を受けることがある。
【発明の概要】
【0005】
本願は、クロック同期情報取得(または提供)方法および通信装置を提供して、無線デバイス制御装置が無線デバイス制御装置を基準として無線デバイスのクロック同期精度を知るようにして、無線デバイス制御装置が無線デバイスのサービスをトリガするかどうかを決定するのを助ける。
【0006】
第1の態様によれば、本願は、クロック同期情報取得方法を提供する。この方法は、無線デバイス制御装置および無線デバイスに関係する。無線デバイス制御装置は、クロック同期情報を無線デバイスから受信することができ、ここで、クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示す。次いで、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定することができ、ここで、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0007】
クロック同期精度は、測定されたクロックの時間(または位相)と基準クロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲を指す。通常は、クロック同期精度は、テストメトリック内の測定されたクロックの時間(または位相)および基準クロックの時間(または位相)の平均誤差値によって表されることがある。本願では、クロック同期精度は、無線デバイスと特定の伝送デバイスまたは特定の無線デバイス制御装置の間の時間または位相の差の変動範囲である。いくつかの実施形態では、クロック同期精度は、同期精度または時間同期精度と呼ばれることもあることに留意されたい。
【0008】
クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示すということは、クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定するための情報であるということとして理解され得る。無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定することができる。
【0009】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであり、基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。
【0010】
従来の技術では、無線デバイス制御装置は、どのクロック同期リンクが無線デバイスによって同期を実行するために使用されているかを知ることはできず、どのネットワークデバイスが、無線デバイスがクロック同期を実行するクロックリンク上のクロックソースであるかを知ることはできない。したがって、無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度を知ることができず、さらに、無線デバイス制御装置は、クロック同期精度に基づいて無線デバイスのいくつかのサービスを管理することができない。
【0011】
しかし、本願では、無線デバイスは、クロック同期情報に基づいて、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を無線制御装置に提供することができ、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を決定することができる。したがって、これにより、無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度に基づいて無線デバイスを管理する助けとなる。このようにして、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を正確に決定することができ、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行するかどうかを決定することができる。
【0012】
無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを介して無線デバイス制御装置に接続されることもあるし、無線デバイスは、無線デバイス制御装置に直接接続されることもあることに留意されたい。
【0013】
クロック情報伝送デバイスは、クロック同期に関係する情報(以下、クロック情報と呼ぶ)を伝送するように構成されたデバイスであり、クロック情報は、クロック同期情報の一部または全てを含み得る。通常は、上記の少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスは、接続のためのものである。
【0014】
無線デバイス制御装置に接続するために無線デバイスによってどの方式が用いられるかに関わらず、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報を無線デバイスから受信し得ることを理解されたい。
【0015】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別とソースポートの識別とを含み、ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。
【0016】
クロックソースの識別は、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスを示す。クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスである。基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。クロックリンク上の各デバイス(伝送デバイスおよび無線デバイスを含む)は、直接、または間接的に、クロックソースのシステムクロックをクロック同期基準として使用する。クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。
【0017】
無線デバイスから無線デバイス制御装置に送信されるクロック同期情報中のクロックソースは、クロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置であることもあり、この場合には、無線デバイスおよび無線デバイス制御装置は同じクロック同期リンク上に位置し、または別のクロックリンク上の無線デバイス制御装置であることもあり、この場合には、無線デバイスは別のクロックリンクを介してクロック同期を実行することがあり、このクロックリンクはクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置を含まず、または別のリンクもしくはトポロジ上の、クロックを基準として提供することができるネットワークデバイスであることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。
【0018】
ソースポートの識別は、クロックリンク上の無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに直接接続されたネットワークデバイスであり、無線デバイスは、直接このネットワークデバイスに基づいてクロック同期を実行する。具体的には、上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに接続された伝送デバイスであることもあるし、無線デバイス制御装置であることもある。
【0019】
任意選択で、クロック同期情報は、第2のクロック同期精度をさらに含み、第2のクロック同期精度は、上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0020】
第2のクロック同期精度は、上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)と上位レベルのネットワークデバイスのシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲である。例えば、上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された伝送デバイスである場合には、第2のクロック同期精度は、その伝送デバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度であり、上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された無線デバイス制御装置である場合には、第2のクロック同期精度は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0021】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスの識別を無線デバイス制御装置に対して明確にして、無線デバイス制御装置が無線デバイスの識別子に基づいてクロック同期情報の出所である無線デバイスを決定できるようにするためのものである。無線デバイス制御装置が複数の無線デバイスと通信するときには、無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスを他の無線デバイスと区別することができる。
【0022】
可能な実装では、クロック同期情報がクロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度とを含むときには、無線デバイス制御装置がクロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定するプロセスは、具体的には、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別と同じであるときに、無線デバイス制御装置は第2のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定するというものであることがある。
【0023】
この実装では、クロックソースの識別は、無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別は、ソースポートの識別と同じである。したがって、無線デバイス制御装置は、無線デバイスが無線デバイス制御装置に直接接続されている、すなわち無線デバイスは直接クロックソースに基づいてクロック同期を実行すると決定し得る。さらに、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報で搬送される第2のクロック同期精度が無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表すと決定することができる。したがって、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報中の第2のクロック同期精度の値を第1のクロック同期精度の値として使用する。
【0024】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。
【0025】
クロック情報は、クロック同期に関係する情報であり、クロック情報の内容は、クロック同期情報の一部または全てを含み得る。
【0026】
可能な実装では、クロック同期情報がクロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度と、通信チャネルの数量についての情報とを含むときには、無線デバイス制御装置がクロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定するプロセスは、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別とは異なるときに、無線デバイス制御装置が、通信チャネルの数量についての情報、第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、第1のクロック同期精度を決定することを含む。
【0027】
クロックソースの識別がソースポートの識別と異なる場合には、それは、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスとクロックソースとが同じデバイスではなく、無線デバイスが少なくとも1つの伝送デバイスを介してクロックソースに接続されていることを示す。この少なくとも1つの伝送デバイスは、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを含む。この場合には、第2のクロック同期精度は、無線デバイスにクロック同期を提供する上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を示す。ただし、第2のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を反映することができない。この場合には、無線デバイス制御装置は、通信チャネルの数量についての情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクのトポロジを決定して、既定のクロック同期精度および第2のクロック同期精度に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を推定する必要がある。
【0028】
可能な実装では、無線デバイス制御装置が通信チャネルの数量についての情報、第2のクロック同期精度および既定のクロック同期精度に基づいて、第1のクロック同期精度を決定することは、無線デバイス制御装置が、既定のクロック同期精度に通信チャネルの数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を決定し、無線デバイス制御装置が、この積と第2のクロック同期精度との和が第1のクロック同期精度であると決定することを含む。
【0029】
既定のクロック同期精度は、プロトコルまたは標準で事前定義される2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度であることもあるし、クロックリンク上の2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度の取り得る値を示す、無線デバイス制御装置に手作業で設定される実験値であることもある。既定のクロック同期精度は、2つの伝送デバイスの間のクロック同期精度を推定するためのものであるだけでなく、さらに、伝送デバイスに直接接続された無線デバイス制御装置を基準とする伝送デバイスのクロック同期精度を推定するためのものであることもあることを理解されたい。
【0030】
通信チャネルの数量についての情報は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間でいくつのレベルのクロック同期が実行される必要があるかを反映することができるので、無線デバイス制御装置が各通信チャネルに接続された2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度(各レベルのクロック同期精度と呼ばれる)を推定することができる場合には、無線デバイス制御装置は、各レベルのクロック同期の同期精度の累積和を無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)として使用し得る。
【0031】
例えば、規定のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのデバイスと無線デバイス制御装置の間の各レベルのクロック同期のクロック同期精度を推定するものとすることができ、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を決定するためのものとすることができるので、無線デバイス制御装置は、既定のクロック同期精度に通信チャネルの数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度として使用し得る。この場合、無線デバイス制御装置は、この積と第2のクロック同期精度との和を第1のクロック同期精度として使用する。
【0032】
本実施形態では、無線デバイス制御装置が無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度を直接取得することができない場合には、無線デバイス制御装置は、通信チャネルの数量についての情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクのトポロジを推測し、次いでクロックリンクのトポロジ、既定のクロック同期精度、および第2のクロック同期精度に基づいて第1のクロック同期精度を決定することができる。無線デバイス制御装置がクロックリンクのトポロジを知ることができないときに無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度を推定する解決策と比較して、この実装は、無線デバイス制御装置による第1のクロック同期精度の推定の正解率を保証する助けになり、無線デバイス制御装置が無線デバイスのサービスについてのより正確かつ妥当な判断を下す助けとなる。
【0033】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0034】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスの識別を無線デバイス制御装置に対して明確にして、無線デバイス制御装置が無線デバイスの識別子に基づいてクロック同期情報の出所である無線デバイスを決定できるようにするためのものである。無線デバイス制御装置が複数の無線デバイスと通信するときには、無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスを他の無線デバイスと区別することができる。
【0035】
可能な実装では、無線デバイス制御装置がクロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定することは、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときに、無線デバイス制御装置が第3のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定することを含む。
【0036】
この実装では、無線デバイスがクロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第3のクロック同期精度)をフロントホールトランスポートネットワークから取得することができる場合には、無線デバイスは、第3のクロック同期精度を無線デバイス制御装置に提供し得る。クロックソースがクロック同期信号を受信する無線デバイス制御装置である場合には、第3のクロック同期精度の値は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表す。したがって、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときには、無線デバイス制御装置は、第3のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定する。
【0037】
可能な実装では、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0038】
管理メッセージは、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間の、クロック管理のための管理メッセージであることもあるし、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間の、別のサービスまたは機能を管理するための管理メッセージであることもある。これは、本明細書では特に限定されない。管理メッセージは、無線デバイスから無線デバイス制御装置へのポイントツーポイント伝送を実施することがある。したがって、クロック同期情報が管理メッセージで搬送されることは、正確な情報伝送を実施する助けとなり、シグナリングストームを回避する助けとなり、ネットワーク伝送負荷を軽減する助けとなる。
【0039】
可能な実装では、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0040】
この実装では、クロック同期情報は、無線デバイスから無線デバイス制御装置にユニキャスト方式で直接送信されることが可能なメッセージで搬送されることがある。例えば、無線デバイスは、インターネットプロトコル(internet protocol、IP)パケットユニキャスト方式でクロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信することがある。マルチキャスト伝送方式またはブロードキャスト伝送方式と比較すると、これにより、シグナリングストームを回避し、ネットワーク伝送負荷を軽減する助けになる。
【0041】
可能な実装では、この方法は、無線デバイス制御装置が無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信することをさらに含む。
【0042】
この実装では、無線デバイス制御装置は、無線デバイスのクロック同期情報のみをネットワーク管理デバイスに送信することもあるし、第1のクロック同期精度のみをネットワーク管理デバイスに送信することもあるし、クロック同期情報および第1のクロック同期精度の両方をネットワーク管理デバイスに送信することもある。したがって、ネットワーク管理デバイスは、クロック同期情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクを決定し得る。ネットワーク管理デバイスが複数の無線デバイスのクロック同期情報を受信する場合には、ネットワーク管理デバイスは、複数のクロックリンクによって形成されるクロックトポロジを決定することがある。これにより、ネットワーク管理デバイスがクロックリンク(またはクロックトポロジ)に基づいて、フロントホールトランスポートネットワーク内の伝送デバイスまたはフロントホールトランスポートネットワークを用いて接続された無線デバイスおよび無線デバイス制御装置を管理する助けとなり、ネットワークデバイスによって伝送デバイス、無線デバイスまたは無線デバイス制御装置を管理する管理効率を改善する助けとなる。
【0043】
可能な実装では、無線デバイスは、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスを含む。無線デバイス制御装置は、第1の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第4のクロック同期精度を決定し、ここで、第4のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。無線デバイス制御装置は、第2の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第5のクロック同期精度を決定し、ここで、第5のクロック同期精度は、第2の無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。この場合、この方法は、以下をさらに含む。
【0044】
無線デバイス制御装置が、第4のクロック同期精度および第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定し、ここで、第6のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと第2の無線デバイスの間のクロック同期精度であり、
無線デバイス制御装置が、第6のクロック同期精度に基づいて、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが協働で第1のサービスを実行できるようにされるかどうかを決定し、ここで、第1のサービスは、2つ以上の無線デバイスによって協働運用が実行される必要があるサービスである。
【0045】
例えば、第1のサービスは、多入力多出力(multiple-input multiple-output、MIMO)技術に関係するサービスまたはキャリアアグリゲーション(carrier aggregation、CA)に関係するサービスなどであり得る。これは、本願では限定されない。
【0046】
可能な実装では、無線デバイス制御装置が第4のクロック同期精度および第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定することは、具体的には、無線デバイス制御装置が、第4のクロック同期精度と第5のクロック同期精度の和を計算して、第6のクロック同期精度を得ることであることもある。
【0047】
可能な実装では、無線デバイス制御装置が、第6のクロック同期精度に基づいて、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行できるようにされるかどうかを決定することは、具体的には、以下であることがある。
【0048】
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度未満であるときに、無線デバイス制御装置が、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にすると決定し、
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度超であるときに、無線デバイス制御装置が、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にしないと決定する。
【0049】
第1のサービスに対応するクロック同期精度は、第1のサービスによって許容されることが可能な最大の時間(または位相)のずれとして理解され得る。2つの無線デバイスの間のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度未満であるときには、その2つの無線デバイスの間の時間(または位相)のずれは第1のサービスの実行に影響を及ぼさないと理解され得る。2つの無線デバイスの間のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度超であるときには、その2つの無線デバイスの間の時間(または位相)のずれが大きく、第1のサービスの実行に影響を及ぼすことがあると理解され得る。したがって、この場合には、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することは推奨されない。
【0050】
第2の態様によれば、本願は、クロック同期精度提供方法を提供する。この方法は、無線デバイス制御装置および無線デバイスに関係する。無線デバイスは、クロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信し、ここで、クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、クロック同期情報は、第1のクロック同期精度を決定するためのものであり、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0051】
クロック同期精度は、測定されたクロックの時間(または位相)と基準クロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲を指す。通常は、クロック同期精度は、テストメトリック内の測定されたクロックの時間(または位相)および基準クロックの時間(または位相)の平均誤差値によって表されることがある。本願では、クロック同期精度は、無線デバイスと特定の伝送デバイスまたは特定の無線デバイス制御装置の間の時間または位相の差の変動範囲である。いくつかの実施形態では、クロック同期精度は、同期精度または時間同期精度と呼ばれることもあることに留意されたい。
【0052】
クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示すということは、クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定するための情報であるということとして理解され得る。無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定することができる。
【0053】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであり、基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。
【0054】
本願では、無線デバイスは、クロック同期情報に基づいて、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を無線制御装置に提供することができ、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を決定することができる。したがって、これにより、無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度に基づいて無線デバイスを管理する助けとなる。このようにして、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を正確に決定することができ、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行するかどうかを決定することができる。
【0055】
無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを介して無線デバイス制御装置に接続されることもあるし、無線デバイスは、無線デバイス制御装置に直接接続されることもあることに留意されたい。
【0056】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別とソースポートの識別とを含み、ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。
【0057】
ソースポートの識別は、クロックリンク上の無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに直接接続されたネットワークデバイスであり、無線デバイスは、直接このネットワークデバイスに基づいてクロック同期を実行する。具体的には、上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに接続された伝送デバイスであることもあるし、無線デバイス制御装置であることもある。
【0058】
任意選択で、クロック同期情報は、第2のクロック同期精度をさらに含み、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0059】
第2のクロック同期精度は、上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)と上位レベルのネットワークデバイスのシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲である。例えば、上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された伝送デバイスである場合には、第2のクロック同期精度は、その伝送デバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度であり、上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された無線デバイス制御装置である場合には、第2のクロック同期精度は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0060】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つのネットワークデバイスの間のチャネルである。
【0061】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0062】
可能な実装では、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0063】
可能な実装では、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0064】
可能な実装では、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスの識別を無線デバイス制御装置に対して明確にして、無線デバイス制御装置が無線デバイスの識別子に基づいてクロック同期情報の出所である無線デバイスを決定できるようにするためのものである。無線デバイス制御装置が複数の無線デバイスと通信するときには、無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスを他の無線デバイスと区別することができる。
【0065】
本願の本実施形態には、複数の他の実装があることに留意されたい。詳細については、第1の態様の具体的な実装および第1の態様の有利な効果を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0066】
第3の態様によれば、本願は、無線デバイス制御装置を提供し、ここで、この無線デバイス制御装置は、トランシーバモジュールと処理モジュールとを含む。トランシーバモジュールは、無線デバイスからクロック同期情報を受信するように構成され、ここで、クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。処理モジュールは、クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定するように構成され、ここで、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0067】
任意選択で、無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを介して無線デバイス制御装置に接続される、または無線デバイスは、無線デバイス制御装置に直接接続される。
【0068】
任意選択で、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0069】
任意選択で、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0070】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度とを含む。ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。第2のクロック同期精度は、上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0071】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。
【0072】
可能な実装では、処理モジュールは、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別と同じであるときに、第2のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定するように特に構成される。
【0073】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。
【0074】
可能な実装では、処理モジュールは、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別とは異なるときに、通信チャネルの数量についての情報、第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、第1のクロック同期精度を決定するように特に構成される。
【0075】
可能な実装では、処理モジュールは、既定のクロック同期精度に通信チャネルの数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を決定するように特に構成される。無線デバイス制御装置は、この積と第2のクロック同期精度との和が第1のクロック同期精度であると決定する。
【0076】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0077】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。
【0078】
可能な実装では、処理モジュールは、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときに、第3のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定するように特に構成される。
【0079】
可能な実装では、トランシーバモジュールは、無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信するようにさらに構成される。
【0080】
可能な実装では、無線デバイスは、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスを含み、第1の無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度は、第4のクロック同期精度であり、第2の無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度は、第5のクロック同期精度である。
【0081】
処理モジュールは、
第4のクロック同期精度および第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定するようにさらに構成され、ここで、第6のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと第2の無線デバイスの間のクロック同期精度であり、また、
第6のクロック同期精度に基づいて、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行できるようにされるかどうかを決定するようにさらに構成され、ここで、第1のサービスは、2つ以上の無線デバイスによって協働運用が実行される必要があるサービスである。
【0082】
本願の本実施形態には、複数の他の実装があることに留意されたい。詳細については、第1の態様の具体的な実装および第1の態様の有利な効果を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0083】
第4の態様によれば、本願は、無線デバイスを提供し、ここで、この無線デバイスは、トランシーバモジュールと処理モジュールとを含む。処理モジュールは、クロック同期情報を生成するように構成され、ここで、このクロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。トランシーバモジュールは、クロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信するように構成され、ここで、このクロック同期情報は、第1のクロック同期精度を決定するためのものであり、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0084】
任意選択で、無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを介して無線デバイス制御装置に接続される、または無線デバイスは、無線デバイス制御装置に直接接続される。
【0085】
任意選択で、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0086】
任意選択で、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0087】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度とを含む。ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0088】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。
【0089】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0090】
本願の本実施形態には、複数の他の実装があることに留意されたい。詳細については、第2の態様の具体的な実装および第2の態様の有利な効果を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0091】
第5の態様によれば、本願の実施形態は、通信装置を提供する。この通信装置は、上記の実装における無線デバイス制御装置であることもあるし、無線デバイス制御装置内のチップまたは機能モジュールであることもある。この通信装置は、処理モジュールとトランシーバモジュールとを含むことがある。通信装置が無線デバイス制御装置であるときには、処理モジュールは、プロセッサであることがあり、トランシーバモジュールは、トランシーバであることがある。無線デバイス制御装置は、記憶モジュールをさらに含むこともあり、記憶モジュールは、メモリであることがある。記憶モジュールは、命令を記憶するように構成される。処理モジュールは、記憶モジュールに記憶された命令を実行して、無線デバイス制御装置が第1の態様または第1の態様の実装のいずれか1つによる方法を実行するようにする。通信装置が無線デバイス制御装置内のチップであるときには、処理モジュールは、プロセッサであることがあり、トランシーバモジュールは、入出力インタフェース、ピンまたは回路などであることがある。処理モジュールは、記憶モジュールに記憶された命令を実行して、無線デバイス制御装置が第1の態様または第1の態様の実装のいずれか1つによる方法を実行するようにする。記憶モジュールは、チップ内の記憶モジュール(例えばレジスタまたはバッファ)であることもあるし、無線デバイス制御装置内の、チップの外部に位置する記憶モジュール(例えば読取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリ)であることもある。
【0092】
第6の態様によれば、本願の実施形態は、通信装置を提供する。この通信装置は、上記の実装における無線デバイスであることもあるし、無線デバイス内のチップまたは機能モジュールであることもある。この通信装置は、処理モジュールとトランシーバモジュールとを含むことがある。通信装置が無線デバイスであるときには、処理モジュールは、プロセッサであることがあり、トランシーバモジュールは、トランシーバであることがある。無線デバイスは、記憶モジュールをさらに含むこともあり、記憶モジュールは、メモリであることがある。記憶モジュールは、命令を記憶するように構成される。処理モジュールは、記憶モジュールに記憶された命令を実行して、無線デバイスが第2の態様または第2の態様の実装のいずれか1つによる方法を実行するようにする。通信装置が無線デバイス内のチップであるときには、処理モジュールは、プロセッサであることがあり、トランシーバモジュールは、入出力インタフェース、ピンまたは回路などであることがある。処理モジュールは、記憶モジュールに記憶された命令を実行して、無線デバイスが第2の態様または第2の態様の実装のいずれか1つによる方法を実行するようにする。記憶モジュールは、チップ内の記憶モジュール(例えばレジスタまたはバッファ)であることもあるし、無線デバイス内の、チップの外部に位置する記憶モジュール(例えば読取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリ)であることもある。
【0093】
第7の態様によれば、本願は、通信装置を提供する。この装置は、集積回路チップであることがある。集積回路チップは、プロセッサを含む。プロセッサは、メモリに結合される。メモリは、プログラムまたは命令を記憶するように構成される。プログラムまたは命令がプロセッサによって実行されたときに、通信装置は、第1の態様もしくは第1の態様の実装のいずれか1つによる方法を実行する、または第2の態様または第2の態様の実装のいずれか1つによる方法を実行することができるようになる。
【0094】
第8の態様によれば、本願の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されたときに、コンピュータは、第1の態様、第2の態様、またはそれらの態様の実装のいずれか1つによる方法を実行することができるようになる。
【0095】
第9の態様によれば、本願の実施形態は、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体を提供する。命令がコンピュータ上で実行されたときに、コンピュータは、第1の態様、第2の態様、またはそれらの態様の実装のいずれか1つによる方法を実行することができるようになる。
【0096】
第10の態様によれば、本願の実施形態は、通信システムを提供する。この通信システムは、第3の態様および第3の態様の実装のいずれか1つによる無線デバイス制御装置と、第4の態様および第4の態様の実装のいずれか1つによる無線デバイスとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0097】
本願の実施形態の技術的解決策をより明快に説明するために、以下、実施形態を説明するための添付の図面について簡単に説明する。以下の説明の添付の図面は、単に本願の一部の実施形態を示すに過ぎないことは明らかである。
【0098】
【
図1】本願によるフロントホールトランスポートネットワークの例示的な図である。
【
図2】本願によるクロック同期情報取得方法の流れ図である。
【
図3】本願によるクロック同期情報取得方法の別の流れ図である。
【
図4】本願によるクロック同期情報取得方法の別の流れ図である。
【
図5】本願による通信装置の実施形態の概略図である。
【
図6】本願による通信装置の別の実施形態の概略図である。
【
図7】本願による通信装置の別の実施形態の概略図である。
【
図8】本願による通信装置の別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0099】
以下、本願の実施形態の添付の図面を参照して、本願の実施形態の技術的解決策について明確かつ完全に説明する。記載される実施形態は、本願の実施形態の全てではなく、その一部に過ぎないことは明らかである。
【0100】
本願の明細書、特許請求の範囲および添付の図面では、「第1」、「第2」、「第3」および「第4」など(存在する場合)の用語は、類似のオブジェクトを区別するためのものであり、必ずしも特定の順序または順番を示してはいない。そのように呼ばれるデータは適切な状況では相互に入れ換え可能であるので、本明細書に記載される本発明の実施形態が本明細書に図示または記載されている順序以外の順序で実装されることが可能であることを理解されたい。さらに、「含む」ならびに「有する」、およびその他の任意の変形用語は、非排他的な包含をカバーするものとして意図されている。例えば、ステップまたはユニットのリストを含むプロセス、方法、システム、製品またはデバイスは、必ずしもそれらの明示的に列挙されたステップまたはユニットに限定されず、明示的に列挙されていない、またはそのプロセス、方法、製品もしくはデバイスに固有の他のステップまたはユニットを含み得る。
【0101】
理解を容易にするために、以下でまず、本願のいくつかの用語について説明する。
【0102】
クロック同期:スレーブクロック(slave clock)は、マスタクロック(master clock)(親クロック(parent clock)とも呼ばれる)に基づいてスレーブクロックの時間(または位相)を調整するので、スレーブクロックとマスタクロックの間の時間(または位相)のずれが小さな誤差範囲内に維持される。クロック同期しているマスタクロックとスレーブクロックは、相対的な概念の対であることを理解されたい。例えば、デバイスAは、デバイスBに基づいてクロック同期を実行し、デバイスBは、デバイスCに基づいてクロック同期を実行する。この場合、デバイスAについては、デバイスBがマスタクロックであり、デバイスAがスレーブクロックであり、デバイスCについては、デバイスCがマスタクロックであり、デバイスBがスレーブクロックである。
【0103】
クロック同期精度(clock synchronization accuracy)は、測定されたクロックの時間(または位相)と基準クロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲を指す。通常は、クロック同期精度は、テストメトリック内の測定されたクロックの時間(または位相)および基準クロックの時間(または位相)の平均誤差値によって表されることがある。例えば、測定されたクロックのクロック同期精度が50nsである場合には、それは、測定されたクロックの時間(または位相)と基準クロックの時間(または位相)の間の差が50ns以内で変動することを示す。いくつかの実施形態では、クロック同期精度は、同期精度または時間同期精度と呼ばれることもある。基準クロックは測定されたクロックのマスタクロックであることもあるし、測定されたクロックのクロックソースであることもあるし、別のクロックであることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。本願では、クロック同期精度は、無線デバイスと特定の伝送デバイスまたは特定の無線デバイス制御装置の間の時間または位相の差の変動範囲である。
【0104】
クロックソース(グランドマスタクロック)は、特定の範囲のネットワークデバイス(例えばクロックリンク上のネットワークデバイス)に基準時間クロックを提供するデバイスである。基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正の最終基準である。クロックリンク上の各デバイス(例えば後述する伝送デバイスおよび無線デバイス)は、直接、または間接的に、クロックソースをクロック同期の基準として使用する、すなわちクロックリンク上のデバイスによって実行されるクロック同期の追跡ソースはクロックソースである。
【0105】
クロックリンク(clock link)は、クロック同期をレベルごとに実行する複数のデバイスを直列に接続することによって形成されるリンクである。クロックリンクのソースは、クロックソースであり、クロックリンクは、複数のデバイス(例えば後述する伝送デバイスおよび無線デバイス)を接続することがある。本願のクロックリンクは、主として、無線デバイス制御装置と無線デバイスを光ファイバを介して直接接続することによって形成されるクロックリンク、または無線デバイス制御装置と無線デバイスを少なくとも1つの伝送デバイスを介して接続することによって形成されるクロックリンクである。
【0106】
理解を容易にするために、以下でまず、本願で提供されるクロック同期情報取得方法のシステムアーキテクチャおよび適用シナリオについて述べる。
【0107】
本願で提供されるクロック同期情報取得方法は、主に、無線デバイスと無線デバイス制御装置がクロック同期を実行するネットワークに適用される。無線デバイスと無線デバイス制御装置がクロック同期を実行するネットワークは、第四世代移動体通信技術(the 4th generation mobile communication technology、4G)ネットワーク、第五世代移動体通信技術(the 5th generation mobile communication technology、5G)ネットワーク、または第六世代移動体通信技術((the 6th generation mobile communication technology、6G)ネットワークであることがあり、将来の通信ネットワークに適用可能であることもある。これは、本明細書では特に限定されない。
【0108】
例えば、無線デバイスと無線デバイス制御装置がクロック同期を実行するネットワークは、フロントホールフロントホールトランスポートネットワーク(front-haul transport network、FTN)であることがある。通信技術の発展とともに、無線デバイスと無線デバイス制御装置がクロック同期を実行するネットワークは、代替として別のネットワークでもあり得る、または別の名称が用いられることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。本願は、フロントホールトランスポートネットワークを例として用いて説明される。
【0109】
本願では、無線デバイスと無線デバイス制御装置がクロック同期を実行するネットワークは、4Gロングタームエボリューション(long term evolution advanced、LTE)システムのフロントホールトランスポートネットワーク、5G新無線(new radio、NR)システムのフロントホールトランスポートネットワーク、6Gシステムのフロントホールトランスポートネットワーク、または後続の進化した標準のフロントホールトランスポートネットワークであることがある。クロック同期情報取得方法が適用可能なネットワーク標準およびネットワーク名は、本願では限定されない。
【0110】
本願のフロントホールトランスポートネットワークは、主として、無線デバイスと無線デバイス制御装置を接続するように構成される。フロントホールトランスポートネットワークは、1つまたは複数の伝送デバイスと、伝送デバイスを接続する伝送媒体(例えば光ファイバまたはケーブル)とを含む。無線デバイス制御装置は、フロントホールトランスポートネットワークの伝送媒体を介して無線デバイスに直接接続されるか、または無線デバイス制御装置は、フロントホールトランスポートネットワークの1つまたは複数の伝送デバイスを介して無線デバイスに接続される。
【0111】
無線デバイス制御装置は、ベースバンド信号処理機能を有するネットワーク要素もしくはデバイス、またはアクセスネットワーク(radio access network、RAN)の無線信号処理を管理する機能を有するデバイスであることがある。無線デバイス制御装置は、符号化、多重化、変調および拡散などのベースバンド信号処理機能を完了することができ、無線デバイスからのシグナリングを処理する機能を完了することができ、無線デバイス上でローカル管理ならびに遠隔動作および保守を実行する機能を実施することができ、伝送デバイスまたは無線デバイスにクロック同期の機能を提供することができる。例えば、無線デバイス制御装置は、アクセスネットワークデバイス(例えば基地局)内のベースバンドユニット(base band unit、BBU)(ビルディングベースバンドユニット(building base band unit、BBU)とも呼ばれる)であることがある。例えば、ロングタームエボリューションLTEシステムまたはLTEアドバンスト(long term evolution advanced、LTE-A)システムでは、無線デバイス制御装置は、進化型NodeB(evolved NodeB、eNBまたはe-NodeB)のベースバンドユニットBBUであることがある。別の例で、5G NRシステムでは、無線デバイス制御装置は、次世代NodeB(next generation NodeB、gNB)のベースバンドユニットBBUであることもある。例えば、5G NRシステムでは、無線デバイス制御装置は、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network、CloudRAN)またはオープン無線アクセスネットワーク(open radio access network、ORAN)システムの分散型ユニット(distributed unit、DU)であることもあるし、中央ユニット(centralized unit、CU)であることもあるし、中央ユニットCUと分散型ユニットDUの組合せ構造であることもある。実際の適用および今後のネットワークの進化で、無線デバイス制御装置は、代替としてベースバンド信号処理機能を有する別のデバイスもしくは装置、またはアクセスネットワークRANの無線信号処理を管理する機能を有する別のデバイスもしくは装置であることもある。
【0112】
無線デバイス制御装置と無線デバイスとで異なる通信プロトコルが使用されているときには、無線デバイス制御装置が異なる名称を有することがあることを理解されたい。例えば、共通公衆無線インタフェース(common public radio interface、CPRI)プロトコルでは、無線デバイス制御装置は、無線機器制御装置(radio equipment control、REC)と呼ばれる。エンハンスト共通公衆無線インタフェース(enhanced common public radio interface、eCPRI)プロトコルでは、無線デバイス制御装置は、eCPRI無線機器制御装置(eCPRI radio equipment control、eREC)と呼ばれる。ベースバンドユニットおよび無線周波数ユニットに通信を提供する別のプロトコルでも、無線デバイス制御装置は、別の名称を有することがある。詳細には、無線デバイス制御装置の具体的な実装形態は本願では限定されず、以下では「無線デバイス制御装置」という用語を用いて説明する。
【0113】
さらに、無線デバイスは、アクセスネットワークRANデバイス(例えば基地局)内の無線ユニット(radio unit、RU)(無線周波数ユニットとも呼ばれる)であることもあるし、無線信号(例えば中間周波数信号または無線周波数信号)を処理する機能を有する別の処理装置であることもある。例えば、無線デバイスは、基地局内のリモート無線ユニット(remote radio unit、RRU)(リモート無線周波数ユニットと呼ばれることもある)またはリモート無線ヘッド(remote radio head、RRH)であることがある。RRUは、通常は、マクロ基地局の従来の屋外有効範囲用であり、RRHは、通常は、屋内分散型システムの屋内有効範囲用である。例えば、無線デバイスは、代替として、アクティブアンテナユニット(active antenna unit、AAU)、すなわちRRU(またはRRH)とアンテナとを一体化した処理ユニットであることもある。実際の適用および今後のネットワークの進化で、無線デバイスは、代替として無線周波数信号を受信および送信し、無線周波数信号または中間周波数信号を処理する機能を有する別のデバイスまたは装置であることもある。
【0114】
ベースバンドユニットのいくつかの物理層機能は、無線周波数ユニットにデプロイされることがあることを理解されたい。この場合には、無線デバイスは、例えば変調、復調、層マッピング、高速フーリエ変換(fast fourier transform、FFT)およびチャネル推定/等化などの機能など、BBUのいくつかの物理層機能を有することがある。
【0115】
無線デバイス制御装置と無線デバイスとで異なる通信プロトコルが使用されているときには、無線デバイスが異なる名称を有することがあることを理解されたい。共通公衆無線インタフェース(common public radio interface、CPRI)プロトコルでは、無線デバイスは、無線機器(radio equipment、RE)と呼ばれる。エンハンスト共通公衆無線インタフェース(enhanced common public radio interface、eCPRI)プロトコルでは、無線デバイスは、eCPRI無線機器(eCPRI radio equipment、eRE)と呼ばれる。ベースバンドユニットおよび無線周波数ユニットに通信を提供する別のプロトコルでも、無線デバイスは、別の名称を有することがある。詳細には、無線デバイスの具体的な実装形態は本願では限定されず、以下では「無線デバイス」という用語を用いて説明する。
【0116】
さらに、伝送デバイスは、クロック同期(または時間同期)に関係する情報(以下では短くクロック情報と呼ぶ)を伝送するように構成された、フロントホールトランスポートネットワーク内のネットワークデバイスである。したがって、伝送デバイスは、クロック情報伝送デバイスと呼ばれることもある。例えば、伝送デバイスは、例えばパケットトランスポートネットワーク(packet transport network、PTN)デバイス、ルータ、スイッチ、マイクロ波デバイスおよび光トランスポートネットワーク(optical transport network、OTN)デバイスなどクロック情報伝送を実施することができるネットワークデバイスなど、境界クロック(boundary clock、BC)機能を有する伝送機器(transmission equipment、TE)であることもある。実際の適用および今後のネットワークの進化で、伝送デバイスは、代替としてクロック同期機能またはクロック情報伝送機能を有する別のデバイスまたは装置であることもある。詳細には、伝送デバイスの具体的な実装形態は本願では限定されず、以下では「伝送デバイス」という用語を用いて説明する。
【0117】
上記のフロントホールトランスポートネットワークでは、無線デバイス制御装置は、フロントホールトランスポートインタフェースを介して無線デバイスに通信可能に接続され、クロック同期プロトコルに従ってクロック同期を実行する。例えば、フロントホールトランスポートインタフェースは、エンハンスト共通公衆無線インタフェース(enhanced common public radio interface、eCPRI)であることもあるし、無線デバイスおよび無線デバイス制御装置に通信機能を提供する別のインタフェースであることもある。これは、本明細書では特に限定されない。クロック同期プロトコルは、高精度時間プロトコル(precision time protocol、PTP)(IEEE1588プロトコルとも呼ばれる)であることもあるし、クロック同期がレベルごとの同期方式で実行される別のプロトコルであることもある。これは、本明細書では特に限定されない。
【0118】
詳細には、無線デバイス制御装置が無線デバイスに直接接続されるときには、無線デバイスは、無線デバイス制御装置に基づいてクロック同期を実行する。無線デバイス制御装置が別の伝送デバイスを介して無線デバイスに接続されるときには、無線デバイスは、無線デバイスに接続された伝送デバイスに基づいてレベルごとの同期方式で無線デバイス制御装置に同期される。
【0119】
理解を容易にするために、
図1を例として用いると、無線デバイス1、無線デバイス2、無線デバイス3、および無線デバイス4が、フロントホールトランスポートネットワークを介して無線デバイス制御装置1および無線デバイス制御装置2に接続されている。無線デバイス制御装置1は、無線デバイス3に直接接続され、無線デバイス制御装置1は、フロントホールトランスポートネットワーク内の伝送デバイス1および伝送デバイス5を介して無線デバイス4に接続されることがあり、フロントホールトランスポートネットワーク内の伝送デバイス1、伝送デバイス5、および伝送デバイス4を介して無線デバイス2に接続されることがあり、フロントホールトランスポートネットワーク内の伝送デバイス1、伝送デバイス2、および伝送デバイス3を介して無線デバイス1に接続されることがある。同様に、無線デバイス制御装置2は、
図1の1つまたは複数の伝送デバイスを介して
図1の1つまたは複数の無線デバイスに接続され得る。本明細書では詳細は列挙しない。
【0120】
特定の瞬間に、無線デバイスは、クロックリンクを介して無線デバイス制御装置とのクロック同期を実行し、無線デバイスは、その無線デバイスに直接接続された上位レベルのネットワークデバイスのクロック同期精度を得ることができる。例えば、ある瞬間に、伝送デバイス1が無線デバイス制御装置1のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行し、次いで伝送デバイス5が伝送デバイス1のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行し、最後に無線デバイス4が伝送デバイス5のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行した場合には、無線デバイス4のクロックリンクは、「f-g-h」である。上記のクロック同期を完了した後、無線デバイス4は、無線デバイス4の上位レベルのネットワークデバイス(すなわち伝送デバイス5)を基準とするクロック同期精度を得ることができる。別の例では、ある瞬間に、伝送デバイス2が無線デバイス制御装置2のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行し、次に伝送デバイス3が伝送デバイス2のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行し、次いで伝送デバイス5が伝送デバイス3のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行し、最後に無線デバイス4が伝送デバイス5のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行した場合には、無線デバイス4のクロックリンクは、「a-b-k-h」である。上記のクロック同期を完了した後、無線デバイス4は、無線デバイス4の上位レベルのネットワークデバイス(すなわち伝送デバイス5)を基準とするクロック同期精度を得ることができる。
【0121】
さらに、無線デバイス制御装置が無線デバイスに直接接続される場合には、無線デバイスは、その無線デバイス制御装置のみに基づいてクロック同期を実行する。例えば、無線デバイス3は、光ファイバを介して無線デバイス制御装置1に直接接続されている。無線デバイス3は、直接無線デバイス制御装置1のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行する、すなわち無線デバイス3はスレーブクロックとして機能し、無線デバイス制御装置1はマスタクロックとして機能してクロック同期を実行し、無線デバイス3のクロックリンクは「i」である。クロック同期を完了した後、無線デバイス3は、無線デバイス3の上位レベルのネットワークデバイス(すなわち無線デバイス制御装置1)を基準とするクロック同期精度を得ることができる。
【0122】
上記の例に示されるように、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度はフロントホールトランスポートネットワークに関係するので、異なるクロックリンク上のクロックソースを基準とする同じ無線デバイスのクロック同期精度は異なる。無線デバイスと無線デバイス制御装置の間の管理プレーンおよびクロック同期プレーンは完全には同じではないので、例えば、無線デバイス制御装置1がクロックリンク「f-g-l-e」を介して無線デバイス2にクロック同期基準を提供するが、無線デバイス2は、無線デバイス制御装置2とデータまたはシグナリングを交換する必要があることもある。したがって、無線デバイス制御装置2については、無線デバイス制御装置2は無線デバイス制御装置2を基準とする無線デバイス2のクロック同期精度を知ることができないこともある。2つ以上の無線デバイス間で協働で運用される必要があるサービス(例えば多入力多出力(multiple-input multiple-output、MIMO)技術に関係するサービス、またはキャリアアグリゲーション(carrier aggregation、CA)に関係するサービス)は、クロック同期精度について特定の要件を有する。したがって、協働で運用されるサービスが無線デバイス制御装置によって管理される2つの無線デバイスに関係するときには、その無線デバイス制御装置が2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を知ることができないことにより、サービスのトリガが影響を受けることがある。
【0123】
したがって、本願で提供されるクロック同期情報取得方法では、無線デバイスは、無線制御装置に、あるデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を決定するための情報(すなわち後述するクロック同期情報)を提供することができるので、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度を決定することができる。さらに、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を正確に決定することができ、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行するかどうかを決定することができる。
【0124】
図2を参照して、以下、本願で提供されるクロック同期情報取得方法の主要な手順について述べる。無線デバイスと無線デバイス制御装置は、以下のステップを実行する。
【0125】
ステップ201:無線デバイスは、クロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信する。これに対応して、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報を無線デバイスから受信する。
【0126】
クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、これは、クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定するための情報であるものとして理解される。無線デバイス制御装置は、無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)とクロックソースのシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲を決定することができる。
【0127】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するデバイスである。基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。クロックリンク上の各デバイス(伝送デバイスおよび無線デバイスを含む)は、直接、または間接的に、クロックソースのシステムクロックをクロック同期基準として使用する。クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。
【0128】
図1は例として使用される。伝送デバイス2が無線デバイス制御装置2に基づいてクロック同期を実行し、伝送デバイス3が伝送デバイス2に基づいてクロック同期を実行し、無線デバイス1が伝送デバイス3に基づいてクロック同期を実行する場合には、「a-b-d」が、クロックリンクを形成する。伝送デバイス2は無線デバイス制御装置2を直接クロック同期のための基準として使用し、伝送デバイス3および無線デバイス1は無線デバイス制御装置2を間接的にクロック同期のための基準として使用するので、無線デバイス制御装置2が、クロックリンク「a-b-d」のクロックソースである。別の例で、伝送デバイス1が無線デバイス制御装置1に基づいてクロック同期を実行し、伝送デバイス2が伝送デバイス1に基づいてクロック同期を実行し、伝送デバイス3が伝送デバイス2に基づいてクロック同期を実行し、無線デバイス1が伝送デバイス3に基づいてクロック同期を実行する場合には、「f-j-b-d」が、クロックリンクを形成する。伝送デバイス1は無線デバイス制御装置1を直接クロック同期のための基準として使用し、伝送デバイス2、伝送デバイス3および無線デバイス1は無線デバイス制御装置1を間接的にクロック同期のための基準として使用するので、無線デバイス制御装置1が、クロックリンク「f-j-b-d」のクロックソースである。別の例で、無線デバイス3が直接無線デバイス制御装置1に基づいてクロック同期を実行する場合には、無線デバイス3と無線デバイス制御装置1の間のクロックリンクは、「i」であり、無線デバイス制御装置1がクロックリンク「i」のクロックソースである。上記の例に加えて、クロックソースは、代替として、上記のクロックリンクにクロック同期の基準を提供する別のデバイスであることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に列挙しない。
【0129】
無線デバイスから無線デバイス制御装置に送信されるクロック同期情報中のクロックソースは、クロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置であることもあり、この場合には、無線デバイスと無線デバイス制御装置は同じクロック同期リンク上に位置し、または別のクロックリンク上の無線デバイス制御装置であることもあり、この場合には、無線デバイスは、別のクロックリンクを介してクロック同期を実行することがあり、このクロックリンクは、クロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置を含まず、または別のリンクもしくはトポロジ上、のクロックを基準として提供することができるネットワークデバイスであることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。したがって、クロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置がクロック同期情報をパーズする前には、無線デバイス制御装置は、無線デバイスとクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置とが同じクロックリンク上に位置するかどうかを知らず、クロック同期を実行するために無線デバイスによってどのクロックソースが使用されるか、またどのクロックリンクが使用されるかを知らない。無線デバイス制御装置がクロック同期情報をパーズした後で、無線デバイス制御装置は、クロック同期を実行するために無線デバイスによってどのクロックソースが使用されるか、またどのクロックリンクが使用されるかを決定することができる。
【0130】
以下、クロック同期情報に含まれる具体的な内容について述べる。
【0131】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度とを含む。
【0132】
クロックソースの識別は、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するデバイスを示す。具体的には、上記のクロックソースの説明を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。例えば、クロックソースの識別は、高精度時間プロトコルPTPのグランドマスタクロック識別(grandmaster clock identity、grandmasterIdentity)であることもある。別のクロック同期プロトコルでは、クロックソースおよびクロックソースの識別は、他の用語で呼ばれることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。
【0133】
ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに直接接続されたネットワークデバイスであり、無線デバイスは、直接このネットワークデバイスに基づいてクロック同期を実行する。詳細には、上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに接続された伝送デバイスであることもあるし、無線デバイス制御装置であることもある。
図1は例として使用される。例えば、クロック同期情報を送信する無線デバイスが無線デバイス1である場合には、無線デバイス1の上位レベルのネットワークデバイスは伝送デバイス3であり、ソースポートの識別は、伝送デバイス3の識別である。別の例で、クロック同期情報を送信する無線デバイスが無線デバイス2である場合には、無線デバイス2の上位レベルのネットワークデバイスは伝送デバイス4であり、ソースポートの識別は、伝送デバイス4の識別である。別の例で、クロック同期情報を送信する無線デバイスが無線デバイス3である場合には、無線デバイス3の上位レベルのネットワークデバイスは無線デバイス制御装置1であり、ソースポートの識別は、無線デバイス制御装置1の識別である。例えば、ソースポートの識別は、高精度時間プロトコルPTPのsourcePortIdentityであることもある。別のクロック同期プロトコルでは、ソースポートおよびソースポートの識別は、他の用語で呼ばれることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。
【0134】
さらに、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)と無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスのシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲である。例えば、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された伝送デバイスである場合には、第2のクロック同期精度は、その伝送デバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度であり、または無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された無線デバイス制御装置である場合には、第2のクロック同期精度は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。例えば、第2のクロック同期精度は、ローカル精度(Local Accuracy)と呼ばれることもある。別のクロック同期プロトコルでは、ネットワークデバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とするそのネットワークデバイスのクロック同期精度は、別の用語で呼ばれることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。
【0135】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルとは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。任意選択で、通信チャネルの数量についての情報は、通信チャネルの数量を示すことができる。クロック情報は、クロック同期またはクロック較正などの動作に関係する情報であることがある。任意選択で、クロック情報は、クロック同期情報の一部または全てを含む。さらに、クロック情報を伝送することができるデバイスは、クロックリンク上の無線デバイス制御装置であることがあり、この場合、無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置に接続された伝送デバイスにクロック情報を送信することができる。代替として、クロック情報を伝送することができるデバイスは、クロックリンク上の伝送デバイスであることもあり、この場合、伝送デバイスは、接続された伝送デバイスまたは接続された無線デバイスにクロック情報を送信することができる。代替として、クロック情報を伝送することができるデバイスは、無線デバイスであることもあり、この場合、無線デバイスは、接続された伝送デバイスにクロック情報を送信することができる。例えば、無線デバイスおよび無線デバイス制御装置によって採用されているクロック同期プロトコルが通信チャネルを計算するためのものであるときには、カウントは0から開始する。具体的には、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンク上に3つの通信チャネルがあるときには、ネットワークデバイス内のカウンタによって記録される値は、2である。この場合には、通信チャネルの数量についての情報は、ネットワークデバイス内のカウンタの値に1を加えた値で表されることがある。例えば、高精度時間プロトコルPTPでは、通信チャネルの数量についての情報は、stepsRemoved(stepsRemoved)の値に1を加えた値で表されることがある。例えば、無線デバイスおよび無線デバイス制御装置によって採用されているクロック同期プロトコルが通信チャネルを計算するためのものであるときには、カウントは1から開始する。具体的には、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンク上に3つの通信チャネルがあるときには、ネットワークデバイス内のカウンタによって記録される値は、3である。この場合には、通信チャネルの数量についての情報は、ネットワークデバイス内のカウンタの値でそのまま表されることがある。
【0136】
図1は例として使用される。例えば、無線デバイス制御装置2と、伝送デバイス2と、伝送デバイス3と無線デバイス1とがクロックリンク(クロックリンク1と呼ばれる)を形成し得る場合には、クロックリンク1上の通信チャネルは、無線デバイス制御装置2と伝送デバイス2の間の通信チャネルa、伝送デバイス2と伝送デバイス3の間の通信チャネルb、および伝送デバイス3と無線デバイス1の間の通信チャネルdを含む。この場合には、クロックリンク上の通信チャネルの数量は3であり、クロックリンク上の無線デバイス1とクロックソース(すなわち無線デバイス制御装置2)の間に3つの通信チャネルが存在することを示している。別の例で、無線デバイス制御装置1と、伝送デバイス1と、伝送デバイス2と、伝送デバイス3と、無線デバイス1とがクロックリンク(クロックリンク2と呼ばれる)を形成し得る場合には、クロックリンク2上の通信チャネルは、無線デバイス制御装置1と伝送デバイス1の間の通信チャネルf、伝送デバイス1と伝送デバイス2の間の通信チャネルj、伝送デバイス2と伝送デバイス3の間の通信チャネルb、および伝送デバイス3と無線デバイス1の間の通信チャネルdを含む。この場合には、クロックリンク2上の通信チャネルの数量は4であり、クロックリンク上の無線デバイス1とクロックソース(すなわち無線デバイス制御装置1)の間に4つの通信チャネルが存在することを示している。
【0137】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスの識別を無線デバイス制御装置に対して明確にして、無線デバイス制御装置が無線デバイスの識別子に基づいてクロック同期情報の出所である無線デバイスを決定できるようにするためのものである。無線デバイス制御装置が複数の無線デバイスと通信するときには、無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスを他の無線デバイスと区別することができる。例えば、高精度時間プロトコルPTPでは、クロック識別(clockIdentity)が、無線デバイスを識別するためのものであることがある。
【0138】
クロック同期情報が無線デバイスの識別子を含まない場合には、無線デバイスから無線デバイス制御装置に送信されるクロック同期情報を搬送するシグナリングは、無線デバイスの識別子を搬送することがあることに留意されたい。この場合には、無線デバイスの識別子はクロック同期情報に属さないが、この無線デバイスの識別子も、クロック同期情報を送信する無線デバイスの識別を無線デバイス制御装置に対して明確に示すことができる。この場合には、無線デバイスの識別子は、無線デバイスのインターネットプロトコル(internet protocol、IP)アドレスまたは無線デバイスの媒体アクセス制御(media access control address、MAC)アドレスであることもあるし、無線デバイスの識別を識別することができる他の情報であることもある。これは、本明細書では特に限定されない。
【0139】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と、第3のクロック同期精度とを含む。
【0140】
クロックソースの識別は、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するデバイスを示す。詳細には、クロックソースの識別については、上記の実装の関連する説明を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0141】
さらに、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)とクロックソースのシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲である。例えば、第3のクロック同期精度は、総合精度(Total Accuracy)と呼ばれることもある。別のクロック同期プロトコルでは、ネットワークデバイスが位置するクロックリンク上のクロックソースを基準とするそのネットワークデバイスのクロック同期精度は、別の用語で呼ばれることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。
【0142】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。この実装では、無線デバイスの識別子の機能および実装形態は、上記の実装における無線デバイスの識別子のそれらと同様である。詳細については、上記の関連する説明を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0143】
さらに、本願のクロック同期情報は、無線デバイスから無線デバイス制御装置にユニキャスト方式で直接送信されることが可能なメッセージで搬送されることがある。例えば、無線デバイスは、IPパケットユニキャスト方式でクロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信することがある。マルチキャスト方式またはブロードキャスト伝送方式と比較すると、これにより、シグナリングストームを回避し、ネットワーク伝送負荷を軽減する助けになる。
【0144】
任意選択で、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック管理のための管理メッセージは無線デバイスから無線デバイス制御装置へのポイントツーポイント伝送を実施することがあるので、クロック同期情報は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間の管理メッセージで搬送されることがある。例えば、管理メッセージは、1588プロトコルの管理パケットであることがある。
【0145】
ステップ202:無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定し、ここで、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0146】
第1のクロック同期精度は、クロック同期情報を送信する無線デバイスとクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)と無線デバイス制御装置のシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲である。
【0147】
詳細には、無線デバイス制御装置によって受信されるクロック同期情報の内容が異なる場合には、無線デバイス制御装置によって第1のクロック同期精度を決定する実装も異なる。
【0148】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別とソースポートの識別とを含む。任意選択で、クロック同期情報は、第2のクロック同期精度をさらに含み、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0149】
詳細には、無線デバイス制御装置は、クロックソースの識別と、無線デバイス制御装置の識別子と、ソースポートの識別との間の関係を決定し、上記の3つのパラメータ(すなわちクロックソースの識別、無線デバイス制御装置の識別子、およびソースポートの識別)の間の関係に基づいて、どのように第1のクロック同期精度を決定するかを決定する。
【0150】
実装では、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別と同じであるときには、無線デバイス制御装置は、第2のクロック同期精度は第1のクロック同期精度であると決定する。無線デバイス制御装置がクロック同期情報中の第2のクロック同期精度の値を第1のクロック同期精度の値として使用することも理解され得る。
【0151】
クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるということは、無線デバイスによってレベルごとに追跡されるクロックソースが、別のクロックリンクのクロックソースではなくクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置であることを示す。無線デバイスのクロック同期のための基準がクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置であることも理解され得る。この場合には、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を計算することができ、別のクロックソースまたは別の無線デバイス制御装置からクロック同期についての他の情報を取得する必要がない。
【0152】
クロックソースの識別がソースポートの識別と同じである場合には、それは、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスとクロックソースが同じデバイスであることを示す。換言すれば、無線デバイスは、クロックソースに直接接続されている、すなわち無線デバイスは直接クロックソースに基づいてクロック同期を実行する。この場合には、第2のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を示す。
【0153】
さらに、クロックソースの識別は、無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別は、ソースポートの識別と同じである。したがって、無線デバイス制御装置は、無線デバイスが無線デバイス制御装置に直接接続されている、すなわち無線デバイスは直接クロックソースに基づいてクロック同期を実行すると決定し得る。さらに、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報で搬送される第2のクロック同期精度が無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表すと決定することができる。したがって、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報中の第2のクロック同期精度の値を第1のクロック同期精度の値として使用する。
【0154】
別の実装では、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別と異なるときには、無線デバイス制御装置は、通信チャネルの数量についての情報、第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、第1のクロック同期精度を決定する。
【0155】
クロックソースの識別がソースポートの識別と異なる場合には、それは、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスとクロックソースが同じデバイスでなく、無線デバイスは少なくとも1つの伝送デバイスを介してクロックソースに接続されていることを示す。この少なくとも1つの伝送デバイスは、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを含む。この場合には、第2のクロック同期精度は、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を示す。ただし、第2のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を反映することはできない。
【0156】
この場合には、無線デバイス制御装置は、通信チャネルの数量についての情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクのトポロジを決定して、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を推定する必要がある。通信チャネルの数量についての情報は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間でいくつのレベルのクロック同期が実行される必要があるかを反映することができる。無線デバイス制御装置が各通信チャネルに接続された2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度(各レベルのクロック同期精度と呼ばれる)を推定することができる場合には、無線デバイス制御装置は、各レベルのクロック同期の同期精度の累積和を無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)として使用し得る。
【0157】
任意選択で、無線デバイス制御装置は、既定のクロック同期精度を記憶する。既定のクロック同期精度は、プロトコルまたは標準で事前定義される2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度であることがある。例えば、ITU-T G.8273.2は、境界クロックBCデバイスのホップの同期精度を定義しており、ここで、クラスA(class A):100ns、クラスB(class B):70ns、クラスC(class C):30ns、クラスD(class D):5nsである。さらに、既定のクロック同期精度は、代替として、クロックリンク上の2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度の取り得る値を示す、無線デバイス制御装置に手作業で設定される実験値であることもある。
【0158】
例えば、既定のクロック同期精度は無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスと無線デバイス制御装置の間の各レベルのクロック同期のクロック同期精度を推定するためのものとすることができ、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を決定するためのものとすることができるので、無線デバイス制御装置は、既定のクロック同期精度に通信チャネルの数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度として使用し得る。この場合、無線デバイス制御装置は、この積と第2のクロック同期精度との和を第1のクロック同期精度として使用する。
【0159】
この実装では、無線デバイス制御装置が無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度を直接取得することができない場合には、無線デバイス制御装置は、通信チャネルの数量についての情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクのトポロジを推測し、次いでクロックリンクのトポロジ、第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、第1のクロック同期精度を決定することができる。無線デバイス制御装置がクロックリンクのトポロジを知ることができないときに第1のクロック同期精度を推定する解決策と比較して、この実装は、無線デバイス制御装置による第1のクロック同期精度の推定の正解率を保証する助けになり、無線デバイス制御装置が無線デバイスのサービスについてのより正確かつ妥当な判断を下す助けとなる。
【0160】
この実装では、フロントホールトランスポートネットワークは、無線デバイスと無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイス(すなわち無線デバイスにクロック同期を提供する上位レベルのネットワークデバイス)の間のクロック同期精度(すなわち第2のクロック同期精度)のみを無線デバイスに提供する。したがって、無線デバイスは、無線デバイスと無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスの間のクロック同期精度(すなわち第2のクロック同期精度)を無線デバイス制御装置に提供することができる。無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイス制御装置である場合には、第2のクロック同期精度は、第1のクロック同期精度も表す。無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイス制御装置でない場合には、無線デバイス制御装置は、他のパラメータ(例えば既定のクロック同期精度および通信チャネルの数量についての情報)に基づいて第1のクロック同期精度をさらに決定する必要がある。どの実装が用いられるかに関わらず、無線デバイス制御装置は、受信されるクロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定し得る。このようにして、無線デバイス制御装置は、第1のクロック同期精度に基づいて、無線デバイスがサービスをトリガすることを可能にするかどうかを決定することができる。
【0161】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0162】
この実装では、無線デバイスは、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち第3のクロック同期精度を無線デバイス制御装置に提供することができる。クロックソースがクロック同期信号を受信する無線デバイス制御装置である場合には、第3のクロック同期精度の値は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表す。したがって、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときには、無線デバイス制御装置は、第3のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定する。
【0163】
この実装では、フロントホールトランスポートネットワークはクロックリンク上の無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を無線デバイスに提供し得るので、無線デバイスは、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち第3のクロック同期精度を無線デバイス制御装置に提供することができる。クロックソースと無線デバイス制御装置が同じデバイスである場合には、クロック同期情報で搬送される第3のクロック同期精度は、第1のクロック同期精度である。したがって、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときには、無線デバイス制御装置は、受信されるクロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定することができる。このようにして、無線デバイス制御装置は、第1のクロック同期精度に基づいて、無線デバイスがサービスをトリガすることを可能にするかどうかを決定することができる。
【0164】
任意選択で、2つ以上の無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行できるようにされるかどうかを無線デバイス制御装置が決定する必要がある場合には、無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置を基準とするその2つ以上の無線デバイスの各々のクロック同期精度に基づいてそれらの無線デバイスの間のクロック同期精度を決定することがある。
【0165】
例えば、無線デバイス制御装置が第1の無線デバイスからのクロック同期情報および第2の無線デバイスからのクロック同期情報を受信する場合には、無線デバイス制御装置は、第1の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第4のクロック同期精度を決定し、無線デバイス制御装置は、第2の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第5のクロック同期精度を決定する。第4のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度であり、第5のクロック同期精度は、第2の無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0166】
次いで、無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置は、第4のクロック同期精度および第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定し、ここで、第6のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと第2の無線デバイスの間のクロック同期精度である。次いで、無線デバイス制御装置は、第6のクロック同期精度に基づいて、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが協働で第1のサービスを実行できるようにされるかどうかを決定し、ここで、第1のサービスは、2つ以上の無線デバイスによって協働運用が実行される必要があるサービスである。例えば、第1のサービスは、多入力多出力(multiple-input multiple-output、MIMO)技術に関係するサービスまたはキャリアアグリゲーション(carrier aggregation、CA)に関係するサービスなどであり得る。第1のサービスの具体的な種類は、本願では限定されない。
【0167】
例えば、無線デバイス制御装置が第4のクロック同期精度および第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定することは、具体的には、無線デバイス制御装置が、第4のクロック同期精度と第5のクロック同期精度の和を計算して、第6のクロック同期精度を得ることであることもある。
【0168】
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度未満であるときには、無線デバイス制御装置は、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にすると決定し、
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度超であるときには、無線デバイス制御装置は、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にしないと決定する。
【0169】
第1のサービスに対応するクロック同期精度は、第1のサービスによって許容されることができる最大の時間(または位相)のずれとして理解され得る。2つの無線デバイスの間のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度未満であるときには、その2つの無線デバイスの間の時間(または位相)のずれは第1のサービスの実行に影響を及ぼさないと理解され得る。2つの無線デバイスの間のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度超であるときには、その2つの無線デバイスの間の時間(または位相)のずれが大きく、第1のサービスの実行に影響を及ぼすことがあると理解され得る。したがって、この場合には、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することは推奨されない。
【0170】
従来の技術では、無線デバイス制御装置は、どのクロック同期リンクが無線デバイスによって同期を実行するために使用されているかを知ることはできず、どのネットワークデバイスが無線デバイスがクロック同期を実行するクロックリンク上のクロックソースであるかを知ることはできない。したがって、無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度を知ることができず、さらに、無線デバイス制御装置は、クロック同期精度に基づいて無線デバイスのいくつかのサービスを管理することができない。
【0171】
本願では、無線デバイスはクロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を決定するための情報(すなわちクロック同期情報)を無線制御装置に提供することができ、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を決定することができる。したがって、これにより、無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度に基づいて無線デバイスを管理する助けとなる。このようにして、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を正確に決定することができ、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行するかどうかを決定することができる。
【0172】
本願で提供される解決策がよりよく理解されるように、以下、
図3を参照して、クロック同期情報が少なくともクロックソースの識別と、ソースポートの識別と第2のクロック同期精度とを含む実装について説明し、
図4を参照して、クロック同期情報が少なくともクロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含む実装について説明する。
【0173】
図3は、本願によるクロック同期情報取得方法の実施形態を示している。無線デバイスと無線デバイス制御装置は、以下のステップを実行する。
【0174】
ステップ301:無線デバイスは、クロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信する。
【0175】
クロック同期情報は、クロックソースの識別とソースポートの識別とを含む。任意選択で、クロック同期情報は、第2のクロック同期精度をさらに含む。
【0176】
クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、これは、クロック同期情報が、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定するための情報であるということとして理解され得る。
【0177】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するデバイスである。基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。クロックリンク上の各デバイス(伝送デバイスおよび無線デバイスなど)は、直接、または間接的に、クロックソースのシステムクロックをクロック同期基準として使用し、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。
【0178】
クロックソースの識別は、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するデバイスを示し、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。例えば、クロックソースの識別は、高精度時間プロトコルPTPのグランドマスタクロック識別(grandmaster clock identity、grandmasterIdentity)であることもある。
【0179】
ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに直接接続されたネットワークデバイスであり、無線デバイスは、直接この上位レベルのネットワークデバイスに基づいてクロック同期を実行することも理解され得る。無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに接続された伝送デバイスであることもあるし、無線デバイス制御装置であることもある。例えば、ソースポートの識別は、高精度時間プロトコルPTPのsourcePortIdentityであることもある。
【0180】
さらに、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)と無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスのシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲である。例えば、第2のクロック同期精度は、ローカル精度(Local Accuracy)と呼ばれることもある。
【0181】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルとは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。例えば、通信チャネルの数量についての情報は、高精度時間プロトコルPTPのstepsRemoved(stepsRemoved)の値に1を加えた値で表されることがある。
【0182】
任意選択で、上記の内容に加えて、無線デバイスから無線デバイス制御装置に送信されるパケットは、無線デバイスの識別子をさらに含むこともあり、ここで、無線デバイスの識別子情報は、無線デバイスを識別して、無線デバイス制御装置がその無線デバイスを別の無線デバイスと区別できるようにするためのものである。例えば、高精度時間プロトコルPTPでは、クロック識別(clockIdentity)が、無線デバイスを識別するためのものであることがある。
【0183】
詳細には、クロックソースの識別、ソースポートの識別、無線デバイスの識別子、第2のクロック同期精度、および通信チャネルの数量についての情報の説明については、ステップ201の関連する説明を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0184】
例えば、クロック同期情報が管理パケット(例えば1588プロトコルの管理パケット)で送信される場合には、管理パケットのフォーマットは、表1-1に示されるものであることがある。
【0185】
【0186】
「TLVタイプ」は、管理パケットのタイプを示す。本願では、TLVのタイプは、管理パケットがクロック同期情報を伝送するためのものであることを示す。「TLV長」は、TLVによって占められるバイト長を示す。
【0187】
実際の適用では、無線デバイスが別のパケットにクロック同期情報を含める場合には、クロック同期情報を搬送するパケットのフォーマットは、表1-1に挙げられているフィールドに限定されないこともあることを理解されたい。
【0188】
ステップ302:無線デバイス制御装置は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるかどうかを決定する。
【0189】
本実施形態では、無線デバイスがクロック同期情報を受信した後で、無線デバイス制御装置は、無線デバイスのクロックソースが無線デバイス制御装置であるかどうかを最初に知る必要がある。具体的には、無線デバイス制御装置は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるかどうかを決定して、無線デバイスのクロックソースが無線デバイス制御装置であるかどうかを決定する。
【0190】
クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであると無線デバイス制御装置が決定した場合には、それは、無線デバイスのクロックソースが無線デバイス制御装置であることを示し、無線デバイス制御装置がクロック同期情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を決定することができることを示す。したがって、無線デバイス制御装置は、ステップ303を実行する。
【0191】
ステップ303:無線デバイス制御装置は、クロックソースの識別がソースポートの識別と同じであるかどうかを決定する。
【0192】
本実施形態では、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであると無線デバイス制御装置が決定したとき、すなわち無線デバイスのクロックソースが無線デバイス制御装置であると無線デバイス制御装置が決定したときに、無線デバイス制御装置は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクのトポロジ(すなわち、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間の伝送デバイスの数量および通信チャネルの数量などの情報)を決定し、クロックリンクのトポロジに基づいて、第1のクロック同期精度をどのように計算するかを決定する必要がさらにある。
【0193】
具体的には、クロックソースの識別がソースポートの識別と同じであると無線デバイス制御装置が決定したときには、無線デバイス制御装置は、ステップ304aを実行し、クロックソースの識別がソースポートの識別と異なると無線デバイス制御装置が決定したときには、無線デバイス制御装置は、ステップ304bを実行する。
【0194】
ステップ304a:無線デバイス制御装置は、第2のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定する。
【0195】
本実施形態では、クロックソースの識別は、無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別は、ソースポートの識別と同じである。したがって、無線デバイス制御装置は、無線デバイスが無線デバイス制御装置に直接接続されていると決定し得、クロック同期情報で搬送される第2のクロック同期精度は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表す。したがって、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報中の第2のクロック同期精度の値を第1のクロック同期精度の値として使用する。
【0196】
図1は例として使用される。例えば、クロック同期情報を送信する無線デバイスは、無線デバイス3であり、クロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置1であり、無線デバイス制御装置1によって受信されるクロックソースの識別は、無線デバイス制御装置1の識別子であり、無線デバイス制御装置1によって受信されるソースポートの識別は、無線デバイス制御装置1の識別子である。この場合には、クロック同期情報で搬送される、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイス3のクロック同期精度が100nsである場合には、無線デバイス制御装置1は、無線デバイス制御装置1を基準とする無線デバイス3のクロック同期精度が100nsであると決定する。
【0197】
ステップ304b:無線デバイス制御装置は、チャネルの数量および既定のクロック同期精度に基づいて第1のクロック同期精度を決定する。
【0198】
本実施形態では、クロックソースの識別がソースポートの識別と異なる場合には、それは、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスとクロックソースとが同じデバイスではなく、無線デバイスは、少なくとも1つの伝送デバイスを介してクロックソースに接続されていることを示す。この少なくとも1つの伝送デバイスは、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを含む。
【0199】
この場合には、無線デバイス制御装置は、通信チャネルの数量についての情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクのトポロジを決定して、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を推定する必要がある。通信チャネルの数量についての情報は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間でいくつのレベルのクロック同期が実行される必要があるかを反映することができる。無線デバイス制御装置が各通信チャネルによって接続された2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度(各レベルのクロック同期精度と呼ばれる)を推定することができる場合には、無線デバイス制御装置は、各レベルのクロック同期の同期精度の累積和を無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)として使用し得る。
【0200】
任意選択で、無線デバイス制御装置は、既定のクロック同期精度を記憶する。既定のクロック同期精度は、プロトコルまたは標準で事前定義される2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度であることがある。既定のクロック同期精度は、代替として、クロックリンク上の2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度の取り得る値を示す、無線デバイス制御装置に手作業で設定される実験値であることもある。
【0201】
例えば、既定のクロック同期精度は無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスと無線デバイス制御装置の間の各レベルのクロック同期のクロック同期精度を推定するためのものとすることができ、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を決定するためのものとすることができるので、無線デバイス制御装置は、既定のクロック同期精度に通信チャネルの数量についての情報と1の間の差を掛けることによって得られる積を無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度として使用し得る。この場合、無線デバイス制御装置は、この積と第2のクロック同期精度との和を第1のクロック同期精度として使用する。
【0202】
図1は例として使用される。クロック同期情報を送信する無線デバイスが無線デバイス1であり、クロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置が無線デバイス制御装置2である場合には、クロック同期情報で搬送されるクロックソースの識別は、無線デバイス制御装置2の識別子であり、ソースポートの識別は、伝送デバイス3の識別子であり、通信チャネルの数量の値は、3である。第2のクロック同期精度(すなわち伝送デバイス3を基準とする無線デバイス1のクロック同期精度)が40nsであり、既定のクロック同期精度が30nsである場合には、無線デバイス制御装置は、第1のクロック同期精度が(3-1)×30+40=100nsであると決定することができる。
【0203】
ステップ305:無線デバイス制御装置は、無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信する。
【0204】
本実施形態では、ステップ305は、任意選択のステップである。
【0205】
ネットワーク管理デバイスは、無線デバイスおよび無線デバイス制御装置を管理および保守するためのデバイスである。ネットワーク管理デバイスは、取得される情報に基づいてネットワーク全体のクロックトポロジを識別して、そのクロックトポロジに基づいて1つまたは複数の無線デバイス制御装置を管理するように構成される。任意選択で、ネットワーク管理デバイスは、クロックトポロジに基づいて伝送デバイスおよび無線デバイスなどをさらに管理することもある。
【0206】
本実施形態では、無線デバイス制御装置は、無線デバイスのクロック同期情報のみをネットワーク管理デバイスに送信することもあるし、第1のクロック同期精度のみをネットワーク管理デバイスに送信することもあるし、クロック同期情報および第1のクロック同期精度の両方をネットワーク管理デバイスに送信することもある。したがって、ネットワーク管理デバイスは、クロック同期情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクを決定し得る。ネットワーク管理デバイスが複数の無線デバイスのクロック同期情報を受信する場合には、ネットワーク管理デバイスは、複数のクロックリンクによって形成されるクロックトポロジを決定することがある。これにより、ネットワーク管理デバイスがクロックリンク(またはクロックトポロジ)に基づいて、フロントホールトランスポートネットワーク内の伝送デバイスまたはフロントホールトランスポートネットワークを用いて接続された無線デバイスおよび無線デバイス制御装置を管理する助けとなり、ネットワークデバイスによって伝送デバイス、無線デバイスまたは無線デバイス制御装置を管理する管理効率を改善する助けとなる。
【0207】
本実施形態では、無線デバイスは、クロック同期情報に基づいて、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第2のクロック同期精度)を無線制御装置に提供することができ、無線デバイス制御装置は、第2のクロック同期精度に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を決定することができる。したがって、これにより、無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度に基づいて無線デバイスを管理する助けとなる。このようにして、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を正確に決定することができ、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行するかどうかを決定することができる。
【0208】
図4は、本願によるクロック同期情報取得方法の別の実施形態を示している。無線デバイスと無線デバイス制御装置は、以下のステップを実行する。
【0209】
ステップ401:無線デバイスは、クロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信する。
【0210】
クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含む。
【0211】
クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、これは、クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定するための情報であることとして理解され得る。
【0212】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するデバイスである。基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。クロックリンク上の各デバイス(伝送デバイスおよび無線デバイスを含む)は、直接、または間接的に、クロックソースのシステムクロックをクロック同期基準として使用し、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。
【0213】
クロックソースの識別は、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するデバイスを示し、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。例えば、クロックソースの識別は、高精度時間プロトコルPTPのグランドマスタクロック識別(grandmaster clock identity、grandmasterIdentity)であることもある。
【0214】
この場合には、無線デバイスは、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち第3のクロック同期精度を無線デバイス制御装置に提供することができる。クロックソースがクロック同期信号を受信する無線デバイス制御装置である場合には、第3のクロック同期精度の値は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表す。例えば、第3のクロック同期精度は、総合精度(Total Accuracy)と呼ばれることもある。
【0215】
任意選択で、上記の内容に加えて、無線デバイスから無線デバイス制御装置に送信されるパケットは、無線デバイスの識別子をさらに含むこともあり、ここで、無線デバイスの識別子情報は、無線デバイスを識別して、無線デバイス制御装置がその無線デバイスを別の無線デバイスと区別できるようにするためのものである。例えば、高精度時間プロトコルPTPでは、クロック識別(clockIdentity)が、無線デバイスを識別するためのものであることがある。
【0216】
例えば、クロック同期情報が管理パケット(例えば1588プロトコルの管理パケット)で送信される場合には、管理パケットのフォーマットは、表2-1に示されるものであることがある。
【0217】
【0218】
ステップ402:無線デバイス制御装置は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるかどうかを決定する。
【0219】
本実施形態では、無線デバイスがクロック同期情報を受信した後で、無線デバイス制御装置は、無線デバイスのクロックソースが無線デバイス制御装置であるかどうかを最初に知る必要がある。具体的には、無線デバイス制御装置は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるかどうかを決定して、無線デバイスのクロックソースが無線デバイス制御装置であるかどうかを決定する。
【0220】
クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであると無線デバイス制御装置が決定した場合には、それは、無線デバイスのクロックソースが無線デバイス制御装置であることを示し、無線デバイス制御装置がクロック同期情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を決定することができることを示す。したがって、無線デバイス制御装置は、ステップ403を実行する。
【0221】
ステップ403:無線デバイス制御装置は、第3のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定する。
【0222】
本実施形態では、クロックソースの識別は、無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロック同期情報は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第3のクロック同期精度)のみを搬送するので、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報で搬送される第3のクロック同期精度が無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表すと決定することができる。したがって、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報中の第3のクロック同期精度の値を第1のクロック同期精度の値として使用する。
【0223】
図1は例として使用される。クロック同期情報を送信する無線デバイスが無線デバイス1であり、クロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置が無線デバイス制御装置2である場合には、クロック同期情報で搬送されるクロックソースの識別は、無線デバイス制御装置2の識別子である。第3のクロック同期精度(すなわち無線デバイス制御装置2を基準とする無線デバイス1のクロック同期精度)が130nsである場合には、無線デバイス制御装置は、第1のクロック同期精度が130nsであると決定することができる。
【0224】
ステップ404:無線デバイス制御装置は、無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信する。
【0225】
本実施形態では、ステップ404は、
図3に対応する実施形態のステップ305と同様である。詳細については、ステップ305の関連する説明を参照されたい。
【0226】
本実施形態では、無線デバイスはクロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第3のクロック同期精度)を無線制御装置に直接提供することができるので、クロックソースがクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置であるときには、無線デバイス制御装置は、第3のクロック同期精度に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を直接決定することができる。したがって、これにより、無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度に基づいて無線デバイスを管理する助けとなる。このようにして、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を正確に決定することができ、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行するかどうかを決定することができる。
【0227】
図5は、本願による通信装置50の構造の概略図である。
図2、
図3または
図4に対応する方法の実施形態における無線デバイス制御装置は、本実施形態の
図5に示される通信装置50の構造に基づくことがあることを理解されたい。通信装置50は、ベースバンド信号処理機能を有するネットワーク要素もしくはデバイス、またはアクセスネットワークRANの無線信号処理を管理する機能を有するデバイスであり得る。例えば、通信装置50は、アクセスネットワークデバイス(例えば基地局)内のベースバンドユニット(base band unit、BBU)(ビルディングベースバンドユニット(building base band unit、BBU)とも呼ばれる)であることがある。例えば、ロングタームエボリューションLTEシステムまたはLTEアドバンスト(long term evolution advanced、LTE-A)システムでは、通信装置50は、進化型NodeB(evolved NodeB、eNBまたはe-NodeB)のベースバンドユニットBBUであることがある。別の例で、5G NRシステムでは、通信装置50は、次世代NodeB(next generation NodeB、gNB)のベースバンドユニットBBUであることもある。例えば、5G NRシステムでは、通信装置50は、クラウドアクセスネットワーク(CloudRAN)の中央ユニット(centralized unit、CU)であることもあるし、分散型ユニット(distributed unit、DU)であることもあるし、中央ユニットCUと分散型ユニットDUの組合せ構造であることもある。実際の適用および今後のネットワークの進化で、通信装置50は、代替としてベースバンド信号処理機能を有する別のネットワーク要素もしくはデバイス、またはアクセスネットワークRANの無線信号処理を管理する機能を有する別のデバイスであることもある。
【0228】
具体的には、通信装置50は、少なくとも1つのプロセッサ501と、少なくとも1つのメモリ502と、少なくとも1つの通信インタフェース503とを含む。プロセッサ501と、メモリ502と、通信インタフェース503とは、接続装置を用いて接続される。接続装置は、様々なタイプのインタフェース、伝送ケーブルまたはバスなどを含み得る。これは、本実施形態では限定されない。
【0229】
メモリ502は、主としてソフトウェアプログラムおよびデータを記憶するように構成される。メモリ502は、独立して存在することもあり、プロセッサ501に接続される。任意選択で、メモリ502とプロセッサ501とが、例えば一体化されて1つまたは複数のチップになるなど一体化されることもある。メモリ502は、本願の実施形態の技術的解決策を実行するためのプログラムコードを記憶することができ、プロセッサ501は、その実行を制御する。様々なタイプの実行されたコンピュータプログラムコードも、プロセッサ501のドライバとしてみなされ得る。本実施形態の
図5は、1つのメモリと1つのプロセッサしか示していないことを理解されたい。ただし、実際の適用では、通信装置50は、複数のプロセッサまたは複数のメモリを有することもある。これは、本明細書では特に限定されない。さらに、メモリ502は、記憶媒体または記憶デバイスなどと呼ばれることもある。メモリ502は、プロセッサと同じチップ上に位置する記憶要素、すなわちオンチップ記憶要素であることもあるし、独立した記憶要素であることもある。これは、本願の実施形態では限定されない。
【0230】
本実施形態では、通信インタフェース503は、無線周波数ユニット(例えば上述の無線デバイス)からデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号を受信し、そのデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号をプロセッサ501に提供して、プロセッサ501がデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号に対して例えば復調処理および復号処理などのさらなる処理を実行するようにするように構成される。通信インタフェース503は、さらにデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号を無線周波数ユニット(例えば上述の無線デバイス)に送信して、無線周波数ユニットが変調が実行されているデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号を無線周波数信号に変換し、その無線周波数信号を1つまたは複数のアンテナを用いて送信するようにすることもある。
【0231】
任意選択で、通信インタフェース503は、エンハンスト共通公衆無線インタフェース(enhanced common public radio interface、eCPRI)を含む。通信装置50は、eCPRIを介して、例えば上述の1588管理パケットなどクロック同期情報を搬送するパケットを送信することがある。
【0232】
任意選択で、通信インタフェース503は、光学モジュール(図示せず)にさらに接続される。光学モジュールは、通信装置50によって生成されるデジタルベースバンド信号を光ファイバを介して伝送される光信号に変換するように構成される。光学モジュールは、別のデバイス(例えば上述の伝送デバイスまたは無線デバイス)から光信号を受信し、その光信号をデジタルベースバンド信号に変換するようにさらに構成される。
【0233】
通信インタフェース503と光学モジュールの組合せ構造は、トランシーバユニット、トランシーバマシンまたはトランシーバ装置などと呼ばれることもあることを理解されたい。任意選択で、トランシーバユニット内の、受信機能を実施するように構成された構成要素は受信ユニットとみなされ得、トランシーバユニット内の、送信機能を実施するように構成された構成要素は送信ユニットとみなされ得る。換言すれば、トランシーバユニットは、受信ユニットと送信ユニットとを含む。受信ユニットは、受信器、入力ポートまたは受信回路などと呼ばれることもある。送信ユニットは、伝送マシン、伝送器または伝送回路などと呼ばれることもある。
【0234】
さらに、プロセッサ501は、主として、例えば通信装置50が上記の実施形態に記載されるアクションを実行するのを支援するように構成されるなど、通信プロトコルおよび通信データを処理し、ネットワークデバイス全体を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように構成される。通信装置50は、ベースバンドプロセッサと中央処理ユニットとを含むことがある。ベースバンドプロセッサは、主として通信プロトコルおよび通信データを処理するように構成される。中央処理ユニットは、主として、通信装置50全体を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように構成される。
図5のプロセッサ501は、ベースバンドプロセッサおよび中央処理ユニットの機能を統合していることもある。当業者なら、ベースバンドプロセッサと中央処理ユニットとは、代替として独立したプロセッサであることもあり、バスまたは別の技術を用いて相互接続されることを理解し得る。当業者なら、通信装置50は異なるネットワーク標準に適応するために複数のベースバンドプロセッサを含むこともあり、通信装置50は、通信装置の処理能力を高めるために複数の中央処理ユニットを含むこともあり、通信装置50の構成要素は、様々なバスを用いて接続され得ることを理解し得る。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド処理回路またはベースバンド処理チップと表現されることもある。中央処理ユニットは、代替として中央処理回路または中央処理チップと表現されることもある。通信プロトコルおよび通信データを処理する機能は、プロセッサに組み込まれることもあるし、ソフトウェアプログラムの形態でメモリに記憶され、プロセッサが、ソフトウェアプログラムを実行してベースバンド処理機能を実施することもある。
【0235】
具体的には、通信装置50は、メモリ502に記憶されるプログラムコードに基づいて以下のステップを実行する。
【0236】
プロセッサ501は、通信インタフェース503を介して無線デバイスからクロック同期情報を受信し、ここで、クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示す。次いで、プロセッサ501は、クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定し、ここで、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0237】
クロック同期精度は、測定されたクロックの時間(または位相)と基準クロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲を指す。通常は、クロック同期精度は、テストメトリック内の測定されたクロックの時間(または位相)および基準クロックの時間(または位相)の平均誤差値によって表されることがある。本願では、クロック同期精度は、無線デバイスと特定の伝送デバイスまたは特定の無線デバイス制御装置の間の時間または位相の差の変動範囲である。いくつかの実施形態では、クロック同期精度は、同期精度または時間同期精度と呼ばれることもあることに留意されたい。
【0238】
クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示すということは、クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定するための情報であるということとして理解され得る。無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定することができる。
【0239】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであり、基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。
【0240】
従来の技術では、無線デバイス制御装置は、どのクロック同期リンクが無線デバイスによって同期を実行するために使用されているかを知ることはできず、どのネットワークデバイスが、無線デバイスがクロック同期を実行するクロックリンク上のクロックソースであるかを知ることはできない。したがって、無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度を知ることができず、さらに、無線デバイス制御装置は、クロック同期精度に基づいて無線デバイスのいくつかのサービスを管理することができない。
【0241】
本願では、無線デバイスは、クロック同期情報に基づいて、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を無線制御装置に提供することができ、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を決定することができる。したがって、これにより、無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度に基づいて無線デバイスを管理する助けとなる。このようにして、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を正確に決定することができ、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行するかどうかを決定することができる。
【0242】
任意選択で、無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを介して無線デバイス制御装置に接続されることもあるし、無線デバイスは、無線デバイス制御装置に直接接続されることもある。クロック情報伝送デバイスは、クロック同期に関係する情報(以下、クロック情報と呼ぶ)を伝送するように構成されたデバイスであり、クロック情報は、クロック同期情報の一部または全てを含み得る。通常は、上記の少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスは、光ファイバを介した接続のためのものである。
【0243】
任意選択で、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0244】
任意選択で、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0245】
任意選択の実装では、プロセッサ501は、さらに、通信インタフェース503を介して無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信することがある。
【0246】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別とソースポートの識別とを含む。ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。
【0247】
クロックソースの識別は、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスを示す。クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックをネットワークデバイスである。基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。クロックリンク上の各デバイス(伝送デバイスおよび無線デバイスを含む)は、直接、または間接的に、クロックソースのシステムクロックをクロック同期基準として使用する。クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。
【0248】
無線デバイスから通信装置50に送信されるクロック同期情報中のクロックソースは、クロック同期情報を受信する通信装置50であることもあり、この場合には、無線デバイスおよび通信装置50は同じクロック同期リンク上に位置し、または別のクロックリンク上の無線デバイス制御装置であることもあり、この場合には、無線デバイスは別のクロックリンクを介してクロック同期を実行することがあり、このクロックリンクはクロック同期情報を受信する通信装置50を含まず、または別のリンクもしくはトポロジ上の、クロックを基準として提供することができるネットワークデバイスであることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。
【0249】
ソースポートの識別は、クロックリンク上の無線デバイスにクロック同期を提供する上位レベルのネットワークデバイスを示す。上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに直接接続されたネットワークデバイスであり、無線デバイスは、直接このネットワークデバイスに基づいてクロック同期を実行する。具体的には、上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに接続された伝送デバイスであることもあるし、無線デバイス制御装置であることもある。
【0250】
任意選択で、クロック同期情報は、第2のクロック同期精度をさらに含み、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0251】
第2のクロック同期精度は、上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)と上位レベルのネットワークデバイスのシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲である。例えば、上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された伝送デバイスである場合には、第2のクロック同期精度は、その伝送デバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度であり、上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された無線デバイス制御装置である場合には、第2のクロック同期精度は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0252】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスの識別を無線デバイス制御装置に対して明確にして、通信装置50が無線デバイスの識別子に基づいてクロック同期情報の出所である無線デバイスを決定できるようにするためのものである。通信装置50が複数の無線デバイスと通信するときには、無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスを他の無線デバイスと区別することができる。
【0253】
具体的には、プロセッサ501は、クロックソースの識別が通信装置50の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別と同じであるときに、第2のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定するように構成される。
【0254】
この実装では、クロックソースの識別は、通信装置50の識別子と同じであり、クロックソースの識別は、ソースポートの識別と同じである。したがって、通信装置50は、無線デバイスが通信装置50に直接接続されている、すなわち無線デバイスは直接クロックソースに基づいてクロック同期を実行すると決定し得る。さらに、通信装置50は、クロック同期情報で搬送される第2のクロック同期精度が通信装置50を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表すと決定することができる。したがって、通信装置50は、クロック同期情報中の第2のクロック同期精度の値を第1のクロック同期精度の値として使用する。
【0255】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量について情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。クロック情報は、クロック同期に関係する情報であり、クロック情報の内容は、クロック同期情報の一部または全てを含み得る。
【0256】
具体的には、プロセッサ501は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別とは異なるときに、通信チャネルの数量についての情報、第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、第1のクロック同期精度を決定するように構成される。
【0257】
さらに、プロセッサ501は、特に、既定のクロック同期精度に通信チャネルの数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を決定し、この積と第2のクロック同期精度との和が第1のクロック同期精度であると決定するように構成される。
【0258】
既定のクロック同期精度は、プロトコルまたは標準で事前定義される2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度であることもあるし、クロックリンク上の2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度の取り得る値を示す、無線デバイス制御装置に手作業で設定される実験値であることもある。既定のクロック同期精度は、2つの伝送デバイスの間のクロック同期精度を推定するためのものであるだけでなく、さらに、伝送デバイスに直接接続された無線デバイス制御装置を基準とする伝送デバイスのクロック同期精度を推定するためのものであることもあることを理解されたい。
【0259】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。
【0260】
具体的には、プロセッサ501は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときに、第3のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定するように構成される。
【0261】
可能な実装では、プロセッサ501は、無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信するようにさらに構成される。
【0262】
可能な実装では、無線デバイスは、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスを含む。
【0263】
プロセッサ501は、第1の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第4のクロック同期精度を決定し、プロセッサ501は、無線デバイス制御装置は、第2の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第5のクロック同期精度を決定する。第4のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと通信装置50の間のクロック同期精度であり、第5のクロック同期精度は、第2の無線デバイスと通信装置50の間のクロック同期精度である。
【0264】
プロセッサ501は、第4のクロック同期精度および第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定するようにさらに構成され、ここで、第6のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと第2の無線デバイスの間のクロック同期精度である。プロセッサ501は、第6のクロック同期精度に基づいて、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが協働で第1のサービスを実行できるようにされるかどうかを決定するようにさらに構成され、ここで、第1のサービスは、2つ以上の無線デバイスによって協働運用が実行される必要があるサービスである。例えば、第1のサービスは、多入力多出力MIMO技術に関係するサービスまたはキャリアアグリゲーションCAに関係するサービスであり得る。
【0265】
可能な実装では、プロセッサ501は、第4のクロック同期精度と第5のクロック同期精度の和を計算して、第6のクロック同期精度を得るように特に構成される。
【0266】
可能な実装では、プロセッサ501は、
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度未満であるときには、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にすると決定し、
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度超であるときには、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にしないと決定する
ように特に構成される。
【0267】
その他については、
図2、
図3または
図4に対応する実施形態における無線デバイス制御装置の方法を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0268】
図6に示されるように、本願は、別の通信装置60をさらに提供する。通信装置60は、
図2、
図3もしくは
図4に対応する実施形態における無線デバイス制御装置、または無線デバイス制御装置内のチップであることがある。通信装置60は、トランシーバモジュール601と処理モジュール602とを含む。
【0269】
具体的には、トランシーバモジュール601は、無線デバイスからクロック同期情報を受信するように構成され、ここで、クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示す。処理モジュール602は、クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定するように構成され、ここで、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0270】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであり、基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。
【0271】
任意選択で、無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを用いて無線デバイス制御装置に接続される。
【0272】
任意選択で、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0273】
任意選択で、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0274】
任意選択の実装では、トランシーバモジュール601は、無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信するようにさらに構成される。
【0275】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度とを含む。ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。
【0276】
具体的には、処理モジュール602は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別と同じであるときに、第2のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定するように構成される。
【0277】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。
【0278】
具体的には、処理モジュール602は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別とは異なるときに、通信チャネルの数量についての情報、第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、第1のクロック同期精度を決定するように構成される。
【0279】
さらに、処理モジュール602は、既定のクロック同期精度に通信チャネルの数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を決定し、この積と第2のクロック同期精度との和が第1のクロック同期精度であると決定するように構成される。
【0280】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。
【0281】
具体的には、処理モジュール602は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときに、第3のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定するように構成される。
【0282】
可能な実装では、処理モジュール602は、無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信するようにさらに構成される。
【0283】
可能な実装では、無線デバイスは、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスを含む。
【0284】
処理モジュール602は、第1の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第4のクロック同期精度を決定し、処理モジュール602は、無線デバイス制御装置は、第2の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第5のクロック同期精度を決定する。第4のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと通信装置60の間のクロック同期精度であり、第5のクロック同期精度は、第2の無線デバイスと通信装置60の間のクロック同期精度である。
【0285】
処理モジュール602は、第4のクロック同期精度および第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定するようにさらに構成され、ここで、第6のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと第2の無線デバイスの間のクロック同期精度である。処理モジュール602は、第6のクロック同期精度に基づいて、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが協働で第1のサービスを実行できるようにされるかどうかを決定するようにさらに構成され、ここで、第1のサービスは、2つ以上の無線デバイスによって協働運用が実行される必要があるサービスである。
【0286】
可能な実装では、処理モジュール602は、第4のクロック同期精度と第5のクロック同期精度の和を計算して、第6のクロック同期精度を得るように特に構成される。
【0287】
可能な実装では、処理モジュール602は、
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度未満であるときには、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にすると決定し、
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度超であるときには、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にしないと決定する
ように特に構成される。
【0288】
その他については、
図2、
図3または
図4に対応する実施形態における無線デバイス制御装置の方法を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0289】
図7は、本願による別の通信装置70の構造の概略図である。
図2、
図3または
図4に対応する方法の実施形態における無線デバイスは、本実施形態の
図7に示される通信装置70の構造に基づくことがあることを理解されたい。通信装置70は、アクセスネットワークRANデバイス(例えば基地局)内の無線ユニット(radio unit、RU)(無線周波数ユニットとも呼ばれる)であることもあるし、無線信号(例えば中間周波数信号または無線周波数信号)を処理する機能を有する別の処理装置であることもあることを理解されたい。例えば、通信装置70は、基地局内のリモート無線ユニット(remote radio unit、RRU)(リモート無線ユニットと呼ばれることもある)またはリモート無線ヘッド(remote radio head、RRH)であることがある。RRUは、通常は、マクロ基地局の従来の屋外有効範囲用であり、RRHは、通常は、屋内分散型システムの屋内有効範囲用である。例えば、5G NRシステムでは、通信装置70は、代替としてアクティブアンテナユニット(active antenna unit、AAU)、すなわちRRU(またはRRH)とアンテナとを一体化した処理ユニットであることもある。実際の適用および今後のネットワークの進化で、無線デバイスは、代替として無線周波数信号を受信および送信し、無線周波数信号または中間周波数信号を処理する機能を有する別のデバイスまたは装置であることもある。
【0290】
通信装置70は、少なくとも1つのプロセッサ701と、少なくとも1つのメモリ702と、少なくとも1つのトランシーバ703と、1つまたは複数のアンテナ704とを含む。プロセッサ701と、メモリ702と、トランシーバ703とは、接続装置を用いて接続され、アンテナ704は、トランシーバ703に接続される。接続装置は、様々なタイプのインタフェース、伝送ケーブルまたはバスなどを含み得る。これは、本実施形態では限定されない。
【0291】
メモリ702は、主としてソフトウェアプログラムおよびデータを記憶するように構成される。メモリ702は、独立して存在することもあり、プロセッサ701に接続される。任意選択で、メモリ702とプロセッサ701とが、例えば一体化されて1つまたは複数のチップになるなど一体化されることもある。メモリ702は、本願の実施形態の技術的解決策を実行するためのプログラムコードを記憶することができ、プロセッサ701は、その実行を制御する。様々なタイプの実行されたコンピュータプログラムコードも、プロセッサ701のドライバとしてみなされ得る。本実施形態の
図7は、1つのメモリと1つのプロセッサしか示していないことを理解されたい。ただし、実際の適用では、通信装置70は、複数のプロセッサまたは複数のメモリを有することもある。これは、本明細書では特に限定されない。さらに、メモリ702は、記憶媒体または記憶デバイスなどと呼ばれることもある。メモリ702は、プロセッサと同じチップ上に位置する記憶要素、すなわちオンチップ記憶要素であることもあるし、独立した記憶要素であることもある。これは、本願の実施形態では限定されない。
【0292】
本実施形態では、トランシーバ703は、通信装置70と端末デバイスの間の無線周波数信号の受信または送信を支援するように構成されることがあり、トランシーバ703は、アンテナ704に接続されることがある。トランシーバ703は、伝送器Txと受信器Rxとを含む。具体的には、1つまたは複数のアンテナ704は、無線周波数信号を受信することがある。トランシーバ703の受信器Rxは、アンテナ704から無線周波数信号を受信し、無線周波数信号をデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号に変換するように構成されて、デジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号が無線デバイス制御装置に伝送され、無線デバイス制御装置がそのデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号に対して例えば復調処理および復号処理などのさらなる処理を実行するようになっている。さらに、トランシーバ703の伝送器Txは、変調されたデジタルベースバンド信号または変調されたデジタル中間周波数信号を無線デバイス制御装置から受信し、その変調されたデジタルベースバンド信号または変調されたデジタル中間周波数信号を無線周波数信号に変換し、その無線周波数信号を1つまたは複数のアンテナ704を用いて送信するようにさらに構成される。具体的には、受信器Rxは、無線周波数信号に対して1レベルまたはマルチレベルのダウン周波数混合処理およびアナログ/デジタル変換処理を選択的に実行してデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号を得ることがあり、ダウン周波数混合とアナログ/デジタル変換処理の順序は調整可能である。伝送器Txは、変調されたデジタルベースバンド信号または変調されたデジタル中間周波数信号に対して1つまたは複数のレベルの周波数アップ混合処理およびデジタル/アナログ変換処理を選択的に実行して、無線周波数信号を得ることがある。周波数アップ混合処理とデジタル/アナログ変換処理の順序は調整可能である。デジタルベースバンド信号およびデジタル中間周波数信号は、デジタル信号と総称されることもある。
【0293】
トランシーバ703は、トランシーバユニット、トランシーバマシンまたはトランシーバ装置などと呼ばれることもあることを理解されたい。任意選択で、トランシーバユニット内の、受信機能を実施するように構成された構成要素は受信ユニットとみなされ得、トランシーバユニット内の、送信機能を実施するように構成された構成要素は送信ユニットとみなされ得る。換言すれば、トランシーバユニットは、受信ユニットと送信ユニットとを含む。受信ユニットは、受信器、入力ポートまたは受信回路などと呼ばれることもある。送信ユニットは、伝送器または伝送回路などと呼ばれることもある。
【0294】
さらに、プロセッサ701は、主として、例えば通信装置70が上記の実施形態に記載されるアクションを実行するのを支援するように構成されるなど、通信プロトコル(例えばクロック同期プロトコル)および通信データを処理し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように構成される。可能な実装では、通信装置70は、
図2、
図3または
図4に対応する実施形態の方法を実行するように構成される。
【0295】
具体的には、通信装置70は、トランシーバ703を用いてクロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信し、ここで、クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、クロック同期情報は、第1のクロック同期精度を決定するためのものであり、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0296】
クロック同期精度は、測定されたクロックの時間(または位相)と基準クロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲を指す。通常は、クロック同期精度は、テストメトリック内の測定されたクロックの時間(または位相)および基準クロックの時間(または位相)の平均誤差値によって表されることがある。本願では、クロック同期精度は、無線デバイスと特定の伝送デバイスまたは特定の無線デバイス制御装置の間の時間または位相の差の変動範囲である。いくつかの実施形態では、クロック同期精度は、同期精度または時間同期精度と呼ばれることもあることに留意されたい。
【0297】
クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示すということは、クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定するための情報であるということとして理解され得る。無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定することができる。
【0298】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであり、基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。
【0299】
任意選択で、無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを用いて無線デバイス制御装置に接続される。
【0300】
任意選択で、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0301】
任意選択で、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0302】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度とを含む。ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0303】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。
【0304】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。
【0305】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0306】
その他については、
図2、
図3または
図4に対応する実施形態における無線デバイスの方法を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0307】
図8に示されるように、本願は、別の通信装置80をさらに提供する。通信装置80は、
図2、
図3もしくは
図4に対応する実施形態における無線デバイス、または無線デバイス内のチップであることがある。通信装置80は、処理モジュール801とトランシーバモジュール802とを含む。
【0308】
具体的には、処理モジュール801は、クロック同期情報を生成するように構成され、ここで、このクロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示す。トランシーバモジュール802は、クロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信するように構成され、ここで、このクロック同期情報は、第1のクロック同期精度を決定するためのものであり、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであり、基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。
【0309】
任意選択で、無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを用いて無線デバイス制御装置に接続される。
【0310】
任意選択で、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0311】
任意選択で、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0312】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度とを含む。ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0313】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。
【0314】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続された伝送デバイスの間のチャネルである。
【0315】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0316】
その他については、
図2、
図3または
図4に対応する実施形態における無線デバイスの方法を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0317】
実装プロセスでは、上記の方法のステップは、プロセッサ内のハードウェア集積論理回路を用いて、またはソフトウェアの形態の命令を用いて実施されることが可能である。本願の実施形態を参照して開示されている方法のステップは、ハードウェアプロセッサによって直接実行されることもあるし、プロセッサ内のハードウェアとソフトウェアモジュールの組合せを用いて実行されることもある。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ、プログラマブル読取り専用メモリ、電気的消去可能プログラマブルメモリまたはレジスタなど、当技術分野の成熟した記憶媒体内に位置することもある。記憶媒体は、メモリ内に位置し、プロセッサは、メモリ内の情報を読み取り、プロセッサのハードウェアと組み合わせて上記の方法のステップを完了する。重複を避けるために、本明細書では詳細について重ねて述べることはしない。さらに、本明細書における「第1」、「第2」、「第3」、「第4」および様々な番号は、単に説明を容易にするための区別のために用いられているものであり、本願の実施形態の範囲を限定するためのものではないことを理解されたい。
【0318】
さらに、本願は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータにロードされて実行されたときに、本願の実施形態による手順または機能が、全て、または部分的に生成される。例えば、
図2、
図3または
図4の無線デバイス制御装置に関係する方法が実施される。別の例では、
図2、
図3または
図4の無線デバイスに関係する方法が実施される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワークまたは他のプログラマブル装置であり得る。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されることもあるし、コンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に伝送されることもある。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバまたはデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバまたはデータセンタに有線方式(例えば同軸ケーブル、光ファイバまたはデジタル加入者回線(digital subscriber line、DSL))またはワイヤレス方式(例えば赤外線、無線またはマイクロ波)で伝送され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体、または1つもしくは複数の利用可能な媒体を一体化したサーバもしくはデータセンタなどのデータ記憶デバイスであり得る。利用可能な媒体は、磁気媒体(例えばフロッピーディスク、ハードディスクもしくは磁気テープ)、光学媒体(例えばデジタル汎用ディスク(digital versatile disc、DVD))、または半導体媒体(例えばソリッドステートドライブ(solid state drive、SSD))などであり得る。
【0319】
さらに、本願は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。この記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、このコンピュータプログラムがプロセッサによって実行されて、
図2、
図3または
図4の無線デバイス制御装置に関係する方法を実施する。
【0320】
さらに、本願は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。この記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、このコンピュータプログラムがプロセッサによって実行されて、
図2、
図3または
図4の無線デバイスに関係する方法を実施する。
【0321】
本明細書における「および/または」という用語は、関連するオブジェクト間の関連関係のみを述べるものであり、3つの関係が存在し得ることを表していることを理解されたい。例えば、Aおよび/またはBは、次の3つのケース、すなわちAのみが存在するケース、AおよびBの両方が存在するケース、ならびにBのみが存在するケースを表し得る。さらに、本明細書における「/」という文字は、一般に、関連するオブジェクト間の「または」の関係を示す。
【0322】
上記のプロセスの続き番号は、本願の様々な実施形態における実行順序を意味するものではないことを理解されたい。プロセスの実行順序は、それらのプロセスの機能および内部論理に従って決定されるべきものであり、本願の実施形態の実装プロセスに対するいかなる限定とも解釈されないものとする。
【0323】
好都合かつ簡単に説明にするために、上記のシステム、装置およびユニットの詳細な動作プロセスについては、上記の方法の実施形態の対応するプロセスを参照されたく、また本明細書では詳細について重ねて述べることはしないということは、当業者なら明白に理解し得る。
【0324】
上記の実施形態は、単に本願の技術的解決策を説明するためのものであり、本願を限定するためのものではない。上記の実施形態を参照して本願について詳細に説明したが、当業者なら、本願の実施形態の技術的解決策の趣旨および範囲を逸脱することなく、上記の実施形態に記載される技術的解決策に依然として修正を加え得る、またはそれらの一部の技術的特徴に等価な置換を行い得ることを理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線デバイス制御装置側で実行されるクロック同期情報取得方法であって、
クロック同期情報を無線デバイスから受信することであって、前記クロック同期情報は、前記無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、前記クロックソースは、前記無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、前記クロックリンクは、前記クロックソースと前記無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであることと、
前記クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定することであって、前記第1のクロック同期精度は、前記無線デバイスと前記無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度であることと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを介して前記無線デバイス制御装置に接続されるか、または前記無線デバイスは、前記無線デバイス制御装置に直接接続されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クロック同期情報は、前記クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度を含み、
前記ソースポートの前記識別は、前記クロックリンク上にあり、前記無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示し、前記第2のクロック同期精度は、前記上位レベルのネットワークデバイスを基準とする前記無線デバイスのクロック同期精度であることを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定することは、
前記クロックソースの前記識別が前記無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、前記クロックソースの前記識別が前記ソースポートの前記識別と同じであるときに
、前記第2のクロック同期精度が前記第1のクロック同期精度であると決定することを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記クロック同期情報は、前記クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、前記通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定することは、
前記クロックソースの前記識別が前記無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、前記クロックソースの前記識別が前記ソースポートの前記識別とは異なるときに
、前記通信チャネルの前記数量についての前記情報、前記第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、前記第1のクロック同期精度を決定することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記通信チャネルの前記数量についての前記情報、前記第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、前記第1のクロック同期精度を決定することは、
前記既定のクロック同期精度に前記通信チャネルの前記数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を決定することと、
前記積と前記第2のクロック同期精度との和が前記第1のクロック同期精度であると決定することと
を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記クロック同期情報は、前記クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、前記第3のクロック同期精度は、前記クロックソースを基準とする前記無線デバイスの前記クロック同期精度であることを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
前記クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定することは、
前記クロックソースの前記識別が前記無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときに
、前記第3のクロック同期精度が前記第1のクロック同期精度であると決定することを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記クロック同期情報は、管理メッセージで搬送されることを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
前記クロック同期情報は、ユニキャスト方式で前記無線デバイス制御装置に伝送されることを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項12】
前記無線デバイスの前記クロック同期情報および/または前記第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信することをさらに含むことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項13】
前記クロック同期情報は、前記無線デバイスの識別子をさらに含むことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項14】
前記無線デバイスは、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスを含み、前記第1の無線デバイスと前記無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度は、第4のクロック同期精度であり、前記第2の無線デバイスと前記無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度は、第5のクロック同期精度であり、
前記方法は、
前記第4のクロック同期精度および前記第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定することであって、前記第6のクロック同期精度は、前記第1の無線デバイスと前記第2の無線デバイスの間のクロック同期精度であることと、
前記第6のクロック同期精度に基づいて、前記第1の無線デバイスおよび前記第2の無線デバイスが協働で第1のサービスを実行できるようにされるかどうかを決定することであって、前記第1のサービスは、2つ以上の無線デバイスによって協働運用が実行される必要があるサービスであることと
をさらに含むことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項15】
無線デバイス側で実行されるクロック同期情報提供方法であって、
クロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信することであって、前記クロック同期情報は、前記無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、前記クロックソースは、前記無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、前記クロックリンクは、前記クロックソースと前記無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであり、前記クロック同期情報は、第1のクロック同期精度を決定するためのものであり、前記第1のクロック同期精度は、前記無線デバイスと前記無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度であること含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを介して前記無線デバイス制御装置に接続されるか、または前記無線デバイスは、前記無線デバイス制御装置に直接接続されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記クロック同期情報は、前記クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度を含み、
前記ソースポートの前記識別は、前記クロックリンク上にあり、前記無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示し、前記第2のクロック同期精度は、前記上位レベルのネットワークデバイスを基準とする前記無線デバイスのクロック同期精度であることを特徴とする請求項1
5に記載の方法。
【請求項18】
前記クロック同期情報は、前記クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、前記通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルであることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記クロック同期情報は、前記クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、前記第3のクロック同期精度は、前記クロックソースを基準とする前記無線デバイスの前記クロック同期精度であることを特徴とする請求項1
5に記載の方法。
【請求項20】
前記クロック同期情報は、管理メッセージで搬送されることを特徴とする請求項1
5に記載の方法。
【請求項21】
前記クロック同期情報は、ユニキャスト方式で前記無線デバイス制御装置に伝送されることを特徴とする請求項1
5に記載の方法。
【請求項22】
前記クロック同期情報は、前記無線デバイスの識別子をさらに含むことを特徴とする請求項1
5に記載の方法。
【請求項23】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されたユニットを備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項24】
プロセッサとメモリを備えた通信装置であって、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶し、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを呼び出して、前記通信装置が請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法を実行するようにすることを特徴とする通信装置。
【請求項25】
請求項15乃至22のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されたユニットを備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項26】
プロセッサとメモリを備えた通信装置であって、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶し、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを呼び出し、前記通信装置が請求項15乃至22のいずれか一項に記載の方法を実行するようにすることを特徴とする通信装置。
【請求項27】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法を実行する通信装置と、請求項15乃至22のいずれか一項に記載の方法を実行する通信装置を含むことを特徴とする通信システム。
【請求項28】
命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令がコンピュータ上で実行されたときに、前記コンピュータは、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法を実行すること、または請求項15乃至22のいずれか一項に記載の方法を実行することができるようになるコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項29】
命令を含むコンピュータプログラ
ムであって、前記コンピュータプログラ
ムがコンピュータ上で実行されたときに、前記コンピュータは、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法を実行すること、または請求項15乃至22のいずれか一項に記載の方法を実行することができるようになるコンピュータプログラ
ム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年12月28日に中国国家知識産権局に出願された「CLOCK SYNCHRONIZATION INFORMATION OBTAINING(OR PROVIDING)METHOD AND COMMUNICATION APPARATUS」と題する中国特許出願第202111633141.3号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願の実施形態は、通信分野に関し、特にクロック同期情報取得(または提供)方法および通信装置に関する。
【背景技術】
【0003】
フロントホールトランスポートネットワークでは、無線デバイス制御装置は、フロントホールトランスポートインタフェースを介して無線デバイスに通信可能に接続される。無線デバイス制御装置が無線デバイスに直接接続される、換言すれば無線デバイス制御装置と無線デバイスの間に他のネットワークデバイスが存在しないときには、無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置を基準として無線デバイスのクロック同期精度を得ることができる。2つの無線デバイスが協働でサービスを実行する必要があるときには、無線デバイス制御装置は、各無線デバイスのクロック同期精度に基づいて、そのサービスが協働で完了されることが可能であるかどうかを決定することができる。
【0004】
ただし、フロントホールトランスポートネットワークでは、無線デバイス制御装置は、必ずしも無線デバイスに直接接続されるとは限らない。無線デバイス制御装置は、1つまたは複数の伝送デバイスを用いて無線デバイスに接続されることもある。この場合には、無線デバイス制御装置は、無線デバイスのクロック同期精度を知ることができない。したがって、無線デバイス制御装置は、無線デバイスが特定のサービスを実行するかどうかを決定する際に影響を受けることがある。
【発明の概要】
【0005】
本願は、クロック同期情報取得(または提供)方法および通信装置を提供して、無線デバイス制御装置が無線デバイス制御装置を基準として無線デバイスのクロック同期精度を知るようにして、無線デバイス制御装置が無線デバイスのサービスをトリガするかどうかを決定するのを助ける。
【0006】
第1の態様によれば、本願は、クロック同期情報取得方法を提供する。この方法は、無線デバイス制御装置および無線デバイスに関係する。無線デバイス制御装置は、クロック同期情報を無線デバイスから受信することができ、ここで、クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示す。次いで、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定することができ、ここで、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0007】
クロック同期精度は、測定されたクロックの時間(または位相)と基準クロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲を指す。通常は、クロック同期精度は、テストメトリック内の測定されたクロックの時間(または位相)および基準クロックの時間(または位相)の平均誤差値によって表されることがある。本願では、クロック同期精度は、無線デバイスと特定の伝送デバイスまたは特定の無線デバイス制御装置の間の時間または位相の差の変動範囲である。いくつかの実施形態では、クロック同期精度は、同期精度または時間同期精度と呼ばれることもあることに留意されたい。
【0008】
クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示すということは、クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定するための情報であるということとして理解され得る。無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定することができる。
【0009】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであり、基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。
【0010】
従来の技術では、無線デバイス制御装置は、どのクロック同期リンクが無線デバイスによって同期を実行するために使用されているかを知ることはできず、どのネットワークデバイスが、無線デバイスがクロック同期を実行するクロックリンク上のクロックソースであるかを知ることはできない。したがって、無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度を知ることができず、さらに、無線デバイス制御装置は、クロック同期精度に基づいて無線デバイスのいくつかのサービスを管理することができない。
【0011】
しかし、本願では、無線デバイスは、クロック同期情報に基づいて、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を無線デバイス制御装置に提供することができ、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を決定することができる。したがって、これにより、無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度に基づいて無線デバイスを管理する助けとなる。このようにして、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を正確に決定することができ、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行するかどうかを決定することができる。
【0012】
無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを介して無線デバイス制御装置に接続されることもあるし、無線デバイスは、無線デバイス制御装置に直接接続されることもあることに留意されたい。
【0013】
クロック情報伝送デバイスは、クロック同期に関係する情報(以下、クロック情報と呼ぶ)を伝送するように構成されたデバイスであり、クロック情報は、クロック同期情報の一部または全てを含み得る。通常は、上記の少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスは、接続のためのものである。
【0014】
無線デバイス制御装置に接続するために無線デバイスによってどの方式が用いられるかに関わらず、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報を無線デバイスから受信し得ることを理解されたい。
【0015】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別とソースポートの識別とを含み、ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。
【0016】
クロックソースの識別は、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスを示す。クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスである。基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。クロックリンク上の各デバイス(伝送デバイスおよび無線デバイスを含む)は、直接、または間接的に、クロックソースのシステムクロックをクロック同期基準として使用する。クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。
【0017】
無線デバイスから無線デバイス制御装置に送信されるクロック同期情報中のクロックソースは、クロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置であることもあり、この場合には、無線デバイスおよび無線デバイス制御装置は同じクロック同期リンク上に位置し、または別のクロックリンク上の無線デバイス制御装置であることもあり、この場合には、無線デバイスは別のクロックリンクを介してクロック同期を実行することがあり、このクロックリンクはクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置を含まず、または別のリンクもしくはトポロジ上の、クロックを基準として提供することができるネットワークデバイスであることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。
【0018】
ソースポートの識別は、クロックリンク上の無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに直接接続されたネットワークデバイスであり、無線デバイスは、直接このネットワークデバイスに基づいてクロック同期を実行する。具体的には、上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに接続された伝送デバイスであることもあるし、無線デバイス制御装置であることもある。
【0019】
任意選択で、クロック同期情報は、第2のクロック同期精度をさらに含み、第2のクロック同期精度は、上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0020】
第2のクロック同期精度は、上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)と上位レベルのネットワークデバイスのシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲である。例えば、上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された伝送デバイスである場合には、第2のクロック同期精度は、その伝送デバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度であり、上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された無線デバイス制御装置である場合には、第2のクロック同期精度は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0021】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスの識別を無線デバイス制御装置に対して明確にして、無線デバイス制御装置が無線デバイスの識別子に基づいてクロック同期情報の出所である無線デバイスを決定できるようにするためのものである。無線デバイス制御装置が複数の無線デバイスと通信するときには、無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスを他の無線デバイスと区別することができる。
【0022】
可能な実装では、クロック同期情報がクロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度とを含むときには、無線デバイス制御装置がクロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定するプロセスは、具体的には、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別と同じであるときに、無線デバイス制御装置は第2のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定するというものであることがある。
【0023】
この実装では、クロックソースの識別は、無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別は、ソースポートの識別と同じである。したがって、無線デバイス制御装置は、無線デバイスが無線デバイス制御装置に直接接続されている、すなわち無線デバイスは直接クロックソースに基づいてクロック同期を実行すると決定し得る。さらに、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報で搬送される第2のクロック同期精度が無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表すと決定することができる。したがって、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報中の第2のクロック同期精度の値を第1のクロック同期精度の値として使用する。
【0024】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。
【0025】
クロック情報は、クロック同期に関係する情報であり、クロック情報の内容は、クロック同期情報の一部または全てを含み得る。
【0026】
可能な実装では、クロック同期情報がクロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度と、通信チャネルの数量についての情報とを含むときには、無線デバイス制御装置がクロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定するプロセスは、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別とは異なるときに、無線デバイス制御装置が、通信チャネルの数量についての情報、第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、第1のクロック同期精度を決定することを含む。
【0027】
クロックソースの識別がソースポートの識別と異なる場合には、それは、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスとクロックソースとが同じデバイスではなく、無線デバイスが少なくとも1つの伝送デバイスを介してクロックソースに接続されていることを示す。この少なくとも1つの伝送デバイスは、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを含む。この場合には、第2のクロック同期精度は、無線デバイスにクロック同期を提供する上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を示す。ただし、第2のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を反映することができない。この場合には、無線デバイス制御装置は、通信チャネルの数量についての情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクのトポロジを決定して、既定のクロック同期精度および第2のクロック同期精度に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を推定する必要がある。
【0028】
可能な実装では、無線デバイス制御装置が通信チャネルの数量についての情報、第2のクロック同期精度および既定のクロック同期精度に基づいて、第1のクロック同期精度を決定することは、無線デバイス制御装置が、既定のクロック同期精度に通信チャネルの数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を決定し、無線デバイス制御装置が、この積と第2のクロック同期精度との和が第1のクロック同期精度であると決定することを含む。
【0029】
既定のクロック同期精度は、プロトコルまたは標準で事前定義される2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度であることもあるし、クロックリンク上の2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度の取り得る値を示す、無線デバイス制御装置に手作業で設定される実験値であることもある。既定のクロック同期精度は、2つの伝送デバイスの間のクロック同期精度を推定するためのものであるだけでなく、さらに、伝送デバイスに直接接続された無線デバイス制御装置を基準とする伝送デバイスのクロック同期精度を推定するためのものであることもあることを理解されたい。
【0030】
通信チャネルの数量についての情報は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間でいくつのレベルのクロック同期が実行される必要があるかを反映することができるので、無線デバイス制御装置が各通信チャネルに接続された2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度(各レベルのクロック同期精度と呼ばれる)を推定することができる場合には、無線デバイス制御装置は、各レベルのクロック同期の同期精度の累積和を無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)として使用し得る。
【0031】
例えば、規定のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのデバイスと無線デバイス制御装置の間の各レベルのクロック同期のクロック同期精度を推定するものとすることができ、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を決定するためのものとすることができるので、無線デバイス制御装置は、既定のクロック同期精度に通信チャネルの数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度として使用し得る。この場合、無線デバイス制御装置は、この積と第2のクロック同期精度との和を第1のクロック同期精度として使用する。
【0032】
本実施形態では、無線デバイス制御装置が無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度を直接取得することができない場合には、無線デバイス制御装置は、通信チャネルの数量についての情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクのトポロジを推測し、次いでクロックリンクのトポロジ、既定のクロック同期精度、および第2のクロック同期精度に基づいて第1のクロック同期精度を決定することができる。無線デバイス制御装置がクロックリンクのトポロジを知ることができないときに無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度を推定する解決策と比較して、この実装は、無線デバイス制御装置による第1のクロック同期精度の推定の正解率を保証する助けになり、無線デバイス制御装置が無線デバイスのサービスについてのより正確かつ妥当な判断を下す助けとなる。
【0033】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0034】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスの識別を無線デバイス制御装置に対して明確にして、無線デバイス制御装置が無線デバイスの識別子に基づいてクロック同期情報の出所である無線デバイスを決定できるようにするためのものである。無線デバイス制御装置が複数の無線デバイスと通信するときには、無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスを他の無線デバイスと区別することができる。
【0035】
可能な実装では、無線デバイス制御装置がクロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定することは、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときに、無線デバイス制御装置が第3のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定することを含む。
【0036】
この実装では、無線デバイスがクロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第3のクロック同期精度)をフロントホールトランスポートネットワークから取得することができる場合には、無線デバイスは、第3のクロック同期精度を無線デバイス制御装置に提供し得る。クロックソースがクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置である場合には、第3のクロック同期精度の値は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表す。したがって、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときには、無線デバイス制御装置は、第3のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定する。
【0037】
可能な実装では、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0038】
管理メッセージは、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間の、クロック管理のための管理メッセージであることもあるし、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間の、別のサービスまたは機能を管理するための管理メッセージであることもある。これは、本明細書では特に限定されない。管理メッセージは、無線デバイスから無線デバイス制御装置へのポイントツーポイント伝送を実施することがある。したがって、クロック同期情報が管理メッセージで搬送されることは、正確な情報伝送を実施する助けとなり、シグナリングストームを回避する助けとなり、ネットワーク伝送負荷を軽減する助けとなる。
【0039】
可能な実装では、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0040】
この実装では、クロック同期情報は、無線デバイスから無線デバイス制御装置にユニキャスト方式で直接送信されることが可能なメッセージで搬送されることがある。例えば、無線デバイスは、インターネットプロトコル(internet protocol、IP)パケットユニキャスト方式でクロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信することがある。マルチキャスト伝送方式またはブロードキャスト伝送方式と比較すると、これにより、シグナリングストームを回避し、ネットワーク伝送負荷を軽減する助けになる。
【0041】
可能な実装では、この方法は、無線デバイス制御装置が無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信することをさらに含む。
【0042】
この実装では、無線デバイス制御装置は、無線デバイスのクロック同期情報のみをネットワーク管理デバイスに送信することもあるし、第1のクロック同期精度のみをネットワーク管理デバイスに送信することもあるし、クロック同期情報および第1のクロック同期精度の両方をネットワーク管理デバイスに送信することもある。したがって、ネットワーク管理デバイスは、クロック同期情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクを決定し得る。ネットワーク管理デバイスが複数の無線デバイスのクロック同期情報を受信する場合には、ネットワーク管理デバイスは、複数のクロックリンクによって形成されるクロックトポロジを決定することがある。これにより、ネットワーク管理デバイスがクロックリンク(またはクロックトポロジ)に基づいて、フロントホールトランスポートネットワーク内の伝送デバイスまたはフロントホールトランスポートネットワークを用いて接続された無線デバイスおよび無線デバイス制御装置を管理する助けとなり、ネットワークデバイスによって伝送デバイス、無線デバイスまたは無線デバイス制御装置を管理する管理効率を改善する助けとなる。
【0043】
可能な実装では、無線デバイスは、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスを含む。無線デバイス制御装置は、第1の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第4のクロック同期精度を決定し、ここで、第4のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。無線デバイス制御装置は、第2の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第5のクロック同期精度を決定し、ここで、第5のクロック同期精度は、第2の無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。この場合、この方法は、以下をさらに含む。
【0044】
無線デバイス制御装置が、第4のクロック同期精度および第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定し、ここで、第6のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと第2の無線デバイスの間のクロック同期精度であり、
無線デバイス制御装置が、第6のクロック同期精度に基づいて、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが協働で第1のサービスを実行できるようにされるかどうかを決定し、ここで、第1のサービスは、2つ以上の無線デバイスによって協働運用が実行される必要があるサービスである。
【0045】
例えば、第1のサービスは、多入力多出力(multiple-input multiple-output、MIMO)技術に関係するサービスまたはキャリアアグリゲーション(carrier aggregation、CA)に関係するサービスなどであり得る。これは、本願では限定されない。
【0046】
可能な実装では、無線デバイス制御装置が第4のクロック同期精度および第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定することは、具体的には、無線デバイス制御装置が、第4のクロック同期精度と第5のクロック同期精度の和を計算して、第6のクロック同期精度を得ることであることもある。
【0047】
可能な実装では、無線デバイス制御装置が、第6のクロック同期精度に基づいて、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行できるようにされるかどうかを決定することは、具体的には、以下であることがある。
【0048】
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度未満であるときに、無線デバイス制御装置が、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にすると決定し、
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度超であるときに、無線デバイス制御装置が、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にしないと決定する。
【0049】
第1のサービスに対応するクロック同期精度は、第1のサービスによって許容されることが可能な最大の時間(または位相)のずれとして理解され得る。2つの無線デバイスの間のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度未満であるときには、その2つの無線デバイスの間の時間(または位相)のずれは第1のサービスの実行に影響を及ぼさないと理解され得る。2つの無線デバイスの間のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度超であるときには、その2つの無線デバイスの間の時間(または位相)のずれが大きく、第1のサービスの実行に影響を及ぼすことがあると理解され得る。したがって、この場合には、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することは推奨されない。
【0050】
第2の態様によれば、本願は、クロック同期情報提供方法を提供する。この方法は、無線デバイス制御装置および無線デバイスに関係する。無線デバイスは、クロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信し、ここで、クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、クロック同期情報は、第1のクロック同期精度を決定するためのものであり、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0051】
クロック同期精度は、測定されたクロックの時間(または位相)と基準クロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲を指す。通常は、クロック同期精度は、テストメトリック内の測定されたクロックの時間(または位相)および基準クロックの時間(または位相)の平均誤差値によって表されることがある。本願では、クロック同期精度は、無線デバイスと特定の伝送デバイスまたは特定の無線デバイス制御装置の間の時間または位相の差の変動範囲である。いくつかの実施形態では、クロック同期精度は、同期精度または時間同期精度と呼ばれることもあることに留意されたい。
【0052】
クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示すということは、クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定するための情報であるということとして理解され得る。無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定することができる。
【0053】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであり、基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。
【0054】
本願では、無線デバイスは、クロック同期情報に基づいて、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を無線デバイス制御装置に提供することができ、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を決定することができる。したがって、これにより、無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度に基づいて無線デバイスを管理する助けとなる。このようにして、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を正確に決定することができ、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行するかどうかを決定することができる。
【0055】
無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを介して無線デバイス制御装置に接続されることもあるし、無線デバイスは、無線デバイス制御装置に直接接続されることもあることに留意されたい。
【0056】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別とソースポートの識別とを含み、ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。
【0057】
ソースポートの識別は、クロックリンク上の無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに直接接続されたネットワークデバイスであり、無線デバイスは、直接このネットワークデバイスに基づいてクロック同期を実行する。具体的には、上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに接続された伝送デバイスであることもあるし、無線デバイス制御装置であることもある。
【0058】
任意選択で、クロック同期情報は、第2のクロック同期精度をさらに含み、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0059】
第2のクロック同期精度は、上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)と上位レベルのネットワークデバイスのシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲である。例えば、上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された伝送デバイスである場合には、第2のクロック同期精度は、その伝送デバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度であり、上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された無線デバイス制御装置である場合には、第2のクロック同期精度は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0060】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つのネットワークデバイスの間のチャネルである。
【0061】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0062】
可能な実装では、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0063】
可能な実装では、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0064】
可能な実装では、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスの識別を無線デバイス制御装置に対して明確にして、無線デバイス制御装置が無線デバイスの識別子に基づいてクロック同期情報の出所である無線デバイスを決定できるようにするためのものである。無線デバイス制御装置が複数の無線デバイスと通信するときには、無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスを他の無線デバイスと区別することができる。
【0065】
本願の本実施形態には、複数の他の実装があることに留意されたい。詳細については、第1の態様の具体的な実装および第1の態様の有利な効果を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0066】
第3の態様によれば、本願は、無線デバイス制御装置を提供し、ここで、この無線デバイス制御装置は、トランシーバモジュールと処理モジュールとを含む。トランシーバモジュールは、無線デバイスからクロック同期情報を受信するように構成され、ここで、クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。処理モジュールは、クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定するように構成され、ここで、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0067】
任意選択で、無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを介して無線デバイス制御装置に接続される、または無線デバイスは、無線デバイス制御装置に直接接続される。
【0068】
任意選択で、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0069】
任意選択で、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0070】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度とを含む。ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。第2のクロック同期精度は、上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0071】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。
【0072】
可能な実装では、処理モジュールは、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別と同じであるときに、第2のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定するように特に構成される。
【0073】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。
【0074】
可能な実装では、処理モジュールは、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別とは異なるときに、通信チャネルの数量についての情報、第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、第1のクロック同期精度を決定するように特に構成される。
【0075】
可能な実装では、処理モジュールは、既定のクロック同期精度に通信チャネルの数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を決定するように特に構成される。無線デバイス制御装置は、この積と第2のクロック同期精度との和が第1のクロック同期精度であると決定する。
【0076】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0077】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。
【0078】
可能な実装では、処理モジュールは、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときに、第3のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定するように特に構成される。
【0079】
可能な実装では、トランシーバモジュールは、無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信するようにさらに構成される。
【0080】
可能な実装では、無線デバイスは、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスを含み、第1の無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度は、第4のクロック同期精度であり、第2の無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度は、第5のクロック同期精度である。
【0081】
処理モジュールは、
第4のクロック同期精度および第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定するようにさらに構成され、ここで、第6のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと第2の無線デバイスの間のクロック同期精度であり、また、
第6のクロック同期精度に基づいて、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行できるようにされるかどうかを決定するようにさらに構成され、ここで、第1のサービスは、2つ以上の無線デバイスによって協働運用が実行される必要があるサービスである。
【0082】
本願の本実施形態には、複数の他の実装があることに留意されたい。詳細については、第1の態様の具体的な実装および第1の態様の有利な効果を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0083】
第4の態様によれば、本願は、無線デバイスを提供し、ここで、この無線デバイスは、トランシーバモジュールと処理モジュールとを含む。処理モジュールは、クロック同期情報を生成するように構成され、ここで、このクロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。トランシーバモジュールは、クロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信するように構成され、ここで、このクロック同期情報は、第1のクロック同期精度を決定するためのものであり、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0084】
任意選択で、無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを介して無線デバイス制御装置に接続される、または無線デバイスは、無線デバイス制御装置に直接接続される。
【0085】
任意選択で、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0086】
任意選択で、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0087】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度とを含む。ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0088】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。
【0089】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0090】
本願の本実施形態には、複数の他の実装があることに留意されたい。詳細については、第2の態様の具体的な実装および第2の態様の有利な効果を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0091】
第5の態様によれば、本願の実施形態は、通信装置を提供する。この通信装置は、上記の実装における無線デバイス制御装置であることもあるし、無線デバイス制御装置内のチップまたは機能モジュールであることもある。この通信装置は、処理モジュールとトランシーバモジュールとを含むことがある。通信装置が無線デバイス制御装置であるときには、処理モジュールは、プロセッサであることがあり、トランシーバモジュールは、トランシーバであることがある。無線デバイス制御装置は、記憶モジュールをさらに含むこともあり、記憶モジュールは、メモリであることがある。記憶モジュールは、命令を記憶するように構成される。処理モジュールは、記憶モジュールに記憶された命令を実行して、無線デバイス制御装置が第1の態様または第1の態様の実装のいずれか1つによる方法を実行するようにする。通信装置が無線デバイス制御装置内のチップであるときには、処理モジュールは、プロセッサであることがあり、トランシーバモジュールは、入出力インタフェース、ピンまたは回路などであることがある。処理モジュールは、記憶モジュールに記憶された命令を実行して、無線デバイス制御装置が第1の態様または第1の態様の実装のいずれか1つによる方法を実行するようにする。記憶モジュールは、チップ内の記憶モジュール(例えばレジスタまたはバッファ)であることもあるし、無線デバイス制御装置内の、チップの外部に位置する記憶モジュール(例えば読取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリ)であることもある。
【0092】
第6の態様によれば、本願の実施形態は、通信装置を提供する。この通信装置は、上記の実装における無線デバイスであることもあるし、無線デバイス内のチップまたは機能モジュールであることもある。この通信装置は、処理モジュールとトランシーバモジュールとを含むことがある。通信装置が無線デバイスであるときには、処理モジュールは、プロセッサであることがあり、トランシーバモジュールは、トランシーバであることがある。無線デバイスは、記憶モジュールをさらに含むこともあり、記憶モジュールは、メモリであることがある。記憶モジュールは、命令を記憶するように構成される。処理モジュールは、記憶モジュールに記憶された命令を実行して、無線デバイスが第2の態様または第2の態様の実装のいずれか1つによる方法を実行するようにする。通信装置が無線デバイス内のチップであるときには、処理モジュールは、プロセッサであることがあり、トランシーバモジュールは、入出力インタフェース、ピンまたは回路などであることがある。処理モジュールは、記憶モジュールに記憶された命令を実行して、無線デバイスが第2の態様または第2の態様の実装のいずれか1つによる方法を実行するようにする。記憶モジュールは、チップ内の記憶モジュール(例えばレジスタまたはバッファ)であることもあるし、無線デバイス内の、チップの外部に位置する記憶モジュール(例えば読取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリ)であることもある。
【0093】
第7の態様によれば、本願は、通信装置を提供する。この装置は、集積回路チップであることがある。集積回路チップは、プロセッサを含む。プロセッサは、メモリに結合される。メモリは、プログラムまたは命令を記憶するように構成される。プログラムまたは命令がプロセッサによって実行されたときに、通信装置は、第1の態様もしくは第1の態様の実装のいずれか1つによる方法を実行する、または第2の態様または第2の態様の実装のいずれか1つによる方法を実行することができるようになる。
【0094】
第8の態様によれば、本願の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されたときに、コンピュータは、第1の態様、第2の態様、またはそれらの態様の実装のいずれか1つによる方法を実行することができるようになる。
【0095】
第9の態様によれば、本願の実施形態は、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体を提供する。命令がコンピュータ上で実行されたときに、コンピュータは、第1の態様、第2の態様、またはそれらの態様の実装のいずれか1つによる方法を実行することができるようになる。
【0096】
第10の態様によれば、本願の実施形態は、通信システムを提供する。この通信システムは、第3の態様および第3の態様の実装のいずれか1つによる無線デバイス制御装置と、第4の態様および第4の態様の実装のいずれか1つによる無線デバイスとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0097】
本願の実施形態の技術的解決策をより明快に説明するために、以下、実施形態を説明するための添付の図面について簡単に説明する。以下の説明の添付の図面は、単に本願の一部の実施形態を示すに過ぎないことは明らかである。
【0098】
【
図1】本願によるフロントホールトランスポートネットワークの例示的な図である。
【
図2】本願によるクロック同期情報取得方法の流れ図である。
【
図3】本願によるクロック同期情報取得方法の別の流れ図である。
【
図4】本願によるクロック同期情報取得方法の別の流れ図である。
【
図5】本願による通信装置の実施形態の概略図である。
【
図6】本願による通信装置の別の実施形態の概略図である。
【
図7】本願による通信装置の別の実施形態の概略図である。
【
図8】本願による通信装置の別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0099】
以下、本願の実施形態の添付の図面を参照して、本願の実施形態の技術的解決策について明確に説明する。記載される実施形態は、本願の実施形態の全てではなく、その一部に過ぎないことは明らかである。
【0100】
本願の明細書、特許請求の範囲および添付の図面では、「第1」、「第2」、「第3」および「第4」など(存在する場合)の用語は、類似のオブジェクトを区別するためのものであり、必ずしも特定の順序または順番を示してはいない。そのように呼ばれるデータは適切な状況では相互に入れ換え可能であるので、本明細書に記載される本発明の実施形態が本明細書に図示または記載されている順序以外の順序で実装されることが可能であることを理解されたい。さらに、「含む」ならびに「有する」、およびその他の任意の変形用語は、非排他的な包含をカバーするものとして意図されている。例えば、ステップまたはユニットのリストを含むプロセス、方法、システム、製品またはデバイスは、必ずしもそれらの明示的に列挙されたステップまたはユニットに限定されず、明示的に列挙されていない、またはそのプロセス、方法、製品もしくはデバイスに固有の他のステップまたはユニットを含み得る。
【0101】
理解を容易にするために、以下でまず、本願のいくつかの用語について説明する。
【0102】
クロック同期:スレーブクロック(slave clock)は、マスタクロック(master clock)(親クロック(parent clock)とも呼ばれる)に基づいてスレーブクロックの時間(または位相)を調整するので、スレーブクロックとマスタクロックの間の時間(または位相)のずれが小さな誤差範囲内に維持される。クロック同期しているマスタクロックとスレーブクロックは、相対的な概念の対であることを理解されたい。例えば、デバイスAは、デバイスBに基づいてクロック同期を実行し、デバイスBは、デバイスCに基づいてクロック同期を実行する。この場合、デバイスAについては、デバイスBがマスタクロックであり、デバイスAがスレーブクロックであり、デバイスCについては、デバイスCがマスタクロックであり、デバイスBがスレーブクロックである。
【0103】
クロック同期精度(clock synchronization accuracy)は、測定されたクロックの時間(または位相)と基準クロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲を指す。通常は、クロック同期精度は、テストメトリック内の測定されたクロックの時間(または位相)および基準クロックの時間(または位相)の平均誤差値によって表されることがある。例えば、測定されたクロックのクロック同期精度が50nsである場合には、それは、測定されたクロックの時間(または位相)と基準クロックの時間(または位相)の間の差が50ns以内で変動することを示す。いくつかの実施形態では、クロック同期精度は、同期精度または時間同期精度と呼ばれることもある。基準クロックは測定されたクロックのマスタクロックであることもあるし、測定されたクロックのクロックソースであることもあるし、別のクロックであることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。本願では、クロック同期精度は、無線デバイスと特定の伝送デバイスまたは特定の無線デバイス制御装置の間の時間または位相の差の変動範囲である。
【0104】
クロックソース(グランドマスタクロック)は、特定の範囲のネットワークデバイス(例えばクロックリンク上のネットワークデバイス)に基準時間クロックを提供するデバイスである。基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正の最終基準である。クロックリンク上の各デバイス(例えば後述する伝送デバイスおよび無線デバイス)は、直接、または間接的に、クロックソースをクロック同期の基準として使用する、すなわちクロックリンク上のデバイスによって実行されるクロック同期の追跡ソースはクロックソースである。
【0105】
クロックリンク(clock link)は、クロック同期をレベルごとに実行する複数のデバイスを直列に接続することによって形成されるリンクである。クロックリンクのソースは、クロックソースであり、クロックリンクは、複数のデバイス(例えば後述する伝送デバイスおよび無線デバイス)を接続することがある。本願のクロックリンクは、主として、無線デバイス制御装置と無線デバイスを光ファイバを介して直接接続することによって形成されるクロックリンク、または無線デバイス制御装置と無線デバイスを少なくとも1つの伝送デバイスを介して接続することによって形成されるクロックリンクである。
【0106】
理解を容易にするために、以下でまず、本願で提供されるクロック同期情報取得方法のシステムアーキテクチャおよび適用シナリオについて述べる。
【0107】
本願で提供されるクロック同期情報取得方法は、主に、無線デバイスと無線デバイス制御装置がクロック同期を実行するネットワークに適用される。無線デバイスと無線デバイス制御装置がクロック同期を実行するネットワークは、第四世代移動体通信技術(the 4th generation mobile communication technology、4G)ネットワーク、第五世代移動体通信技術(the 5th generation mobile communication technology、5G)ネットワーク、または第六世代移動体通信技術((the 6th generation mobile communication technology、6G)ネットワークであることがあり、将来の通信ネットワークに適用可能であることもある。これは、本明細書では特に限定されない。
【0108】
例えば、無線デバイスと無線デバイス制御装置がクロック同期を実行するネットワークは、フロントホールトランスポートネットワーク(front-haul transport network、FTN)であることがある。通信技術の発展とともに、無線デバイスと無線デバイス制御装置がクロック同期を実行するネットワークは、代替として別のネットワークでもあり得る、または別の名称が用いられることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。本願は、フロントホールトランスポートネットワークを例として用いて説明される。
【0109】
本願では、無線デバイスと無線デバイス制御装置がクロック同期を実行するネットワークは、4Gロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)システムのフロントホールトランスポートネットワーク、5G新無線(new radio、NR)システムのフロントホールトランスポートネットワーク、6Gシステムのフロントホールトランスポートネットワーク、または後続の進化した標準のフロントホールトランスポートネットワークであることがある。クロック同期情報取得方法が適用可能なネットワーク標準およびネットワーク名は、本願では限定されない。
【0110】
本願のフロントホールトランスポートネットワークは、主として、無線デバイスと無線デバイス制御装置を接続するように構成される。フロントホールトランスポートネットワークは、1つまたは複数の伝送デバイスと、伝送デバイスを接続する伝送媒体(例えば光ファイバまたはケーブル)とを含む。無線デバイス制御装置は、フロントホールトランスポートネットワークの伝送媒体を介して無線デバイスに直接接続されるか、または無線デバイス制御装置は、フロントホールトランスポートネットワークの1つまたは複数の伝送デバイスを介して無線デバイスに接続される。
【0111】
無線デバイス制御装置は、ベースバンド信号処理機能を有するネットワーク要素もしくはデバイス、または無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)の無線信号処理を管理する機能を有するデバイスであることがある。無線デバイス制御装置は、符号化、多重化、変調および拡散などのベースバンド信号処理機能を完了することができ、無線デバイスからのシグナリングを処理する機能を完了することができ、無線デバイス上でローカル管理ならびに遠隔動作および保守を実行する機能を実施することができ、伝送デバイスまたは無線デバイスにクロック同期の機能を提供することができる。例えば、無線デバイス制御装置は、アクセスネットワークデバイス(例えば基地局)内のベースバンドユニット(base band unit、BBU)(ビルディングベースバンドユニット(building base band unit、BBU)とも呼ばれる)であることがある。例えば、ロングタームエボリューションLTEシステムまたはLTEアドバンスト(long term evolution advanced、LTE-A)システムでは、無線デバイス制御装置は、進化型NodeB(evolved NodeB、eNBまたはe-NodeB)のベースバンドユニットBBUであることがある。別の例で、5G NRシステムでは、無線デバイス制御装置は、次世代NodeB(next generation NodeB、gNB)のベースバンドユニットBBUであることもある。例えば、5G NRシステムでは、無線デバイス制御装置は、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network、CloudRAN)またはオープン無線アクセスネットワーク(open radio access network、ORAN)システムの分散型ユニット(distributed unit、DU)であることもあるし、中央ユニット(central unit、CU)であることもあるし、中央ユニットCUと分散型ユニットDUの組合せ構造であることもある。実際の適用および今後のネットワークの進化で、無線デバイス制御装置は、代替としてベースバンド信号処理機能を有する別のデバイスもしくは装置、または無線アクセスネットワークRANの無線信号処理を管理する機能を有する別のデバイスもしくは装置であることもある。
【0112】
無線デバイス制御装置と無線デバイスとで異なる通信プロトコルが使用されているときには、無線デバイス制御装置が異なる名称を有することがあることを理解されたい。例えば、共通公衆無線インタフェース(common public radio interface、CPRI)プロトコルでは、無線デバイス制御装置は、無線機器制御装置(radio equipment control、REC)と呼ばれる。エンハンスト共通公衆無線インタフェース(enhanced common public radio interface、eCPRI)プロトコルでは、無線デバイス制御装置は、eCPRI無線機器制御装置(eCPRI radio equipment control、eREC)と呼ばれる。ベースバンドユニットおよび無線周波数ユニットに通信を提供する別のプロトコルでも、無線デバイス制御装置は、別の名称を有することがある。詳細には、無線デバイス制御装置の具体的な実装形態は本願では限定されず、以下では「無線デバイス制御装置」という用語を用いて説明する。
【0113】
さらに、無線デバイスは、無線アクセスネットワークRANデバイス(例えば基地局)内の無線ユニット(radio unit、RU)(無線周波数ユニットとも呼ばれる)であることもあるし、無線信号(例えば中間周波数信号または無線周波数信号)を処理する機能を有する別の処理装置であることもある。例えば、無線デバイスは、基地局内のリモート無線ユニット(remote radio unit、RRU)(リモート無線周波数ユニットと呼ばれることもある)またはリモート無線ヘッド(remote radio head、RRH)であることがある。RRUは、通常は、マクロ基地局の従来の屋外有効範囲用であり、RRHは、通常は、屋内分散型システムの屋内有効範囲用である。例えば、無線デバイスは、代替として、アクティブアンテナユニット(active antenna unit、AAU)、すなわちRRU(またはRRH)とアンテナとを一体化した処理ユニットであることもある。実際の適用および今後のネットワークの進化で、無線デバイスは、代替として無線周波数信号を受信および送信し、無線周波数信号または中間周波数信号を処理する機能を有する別のデバイスまたは装置であることもある。
【0114】
ベースバンドユニットのいくつかの物理層機能は、無線周波数ユニットにデプロイされることがあることを理解されたい。この場合には、無線デバイスは、例えば変調、復調、層マッピング、高速フーリエ変換(fast fourier transform、FFT)およびチャネル推定/等化などの機能など、BBUのいくつかの物理層機能を有することがある。
【0115】
無線デバイス制御装置と無線デバイスとで異なる通信プロトコルが使用されているときには、無線デバイスが異なる名称を有することがあることを理解されたい。共通公衆無線インタフェース(common public radio interface、CPRI)プロトコルでは、無線デバイスは、無線機器(radio equipment、RE)と呼ばれる。エンハンスト共通公衆無線インタフェース(enhanced common public radio interface、eCPRI)プロトコルでは、無線デバイスは、eCPRI無線機器(eCPRI radio equipment、eRE)と呼ばれる。ベースバンドユニットおよび無線周波数ユニットに通信を提供する別のプロトコルでも、無線デバイスは、別の名称を有することがある。詳細には、無線デバイスの具体的な実装形態は本願では限定されず、以下では「無線デバイス」という用語を用いて説明する。
【0116】
さらに、伝送デバイスは、クロック同期(または時間同期)に関係する情報(以下では短くクロック情報と呼ぶ)を伝送するように構成された、フロントホールトランスポートネットワーク内のネットワークデバイスである。したがって、伝送デバイスは、クロック情報伝送デバイスと呼ばれることもある。例えば、伝送デバイスは、例えばパケットトランスポートネットワーク(packet transport network、PTN)デバイス、ルータ、スイッチ、マイクロ波デバイスおよび光トランスポートネットワーク(optical transport network、OTN)デバイスなどクロック情報伝送を実施することができるネットワークデバイスなど、境界クロック(boundary clock、BC)機能を有する伝送機器(transmission equipment、TE)であることもある。実際の適用および今後のネットワークの進化で、伝送デバイスは、代替としてクロック同期機能またはクロック情報伝送機能を有する別のデバイスまたは装置であることもある。詳細には、伝送デバイスの具体的な実装形態は本願では限定されず、以下では「伝送デバイス」という用語を用いて説明する。
【0117】
上記のフロントホールトランスポートネットワークでは、無線デバイス制御装置は、フロントホールトランスポートインタフェースを介して無線デバイスに通信可能に接続され、クロック同期プロトコルに従ってクロック同期を実行する。例えば、フロントホールトランスポートインタフェースは、エンハンスト共通公衆無線インタフェース(enhanced common public radio interface、eCPRI)であることもあるし、無線デバイスおよび無線デバイス制御装置に通信機能を提供する別のインタフェースであることもある。これは、本明細書では特に限定されない。クロック同期プロトコルは、高精度時間プロトコル(precision time protocol、PTP)(IEEE1588プロトコルとも呼ばれる)であることもあるし、クロック同期がレベルごとの同期方式で実行される別のプロトコルであることもある。これは、本明細書では特に限定されない。
【0118】
詳細には、無線デバイス制御装置が無線デバイスに直接接続されるときには、無線デバイスは、無線デバイス制御装置に基づいてクロック同期を実行する。無線デバイス制御装置が別の伝送デバイスを介して無線デバイスに接続されるときには、無線デバイスは、無線デバイスに接続された伝送デバイスに基づいてレベルごとの同期方式で無線デバイス制御装置に同期される。
【0119】
理解を容易にするために、
図1を例として用いると、無線デバイス1、無線デバイス2、無線デバイス3、および無線デバイス4が、フロントホールトランスポートネットワークを介して無線デバイス制御装置1および無線デバイス制御装置2に接続されている。無線デバイス制御装置1は、無線デバイス3に直接接続され、無線デバイス制御装置1は、フロントホールトランスポートネットワーク内の伝送デバイス1および伝送デバイス5を介して無線デバイス4に接続されることがあり、フロントホールトランスポートネットワーク内の伝送デバイス1、伝送デバイス5、および伝送デバイス4を介して無線デバイス2に接続されることがあり、フロントホールトランスポートネットワーク内の伝送デバイス1、伝送デバイス2、および伝送デバイス3を介して無線デバイス1に接続されることがある。同様に、無線デバイス制御装置2は、
図1の1つまたは複数の伝送デバイスを介して
図1の1つまたは複数の無線デバイスに接続され得る。本明細書では詳細は列挙しない。
【0120】
特定の瞬間に、無線デバイスは、クロックリンクを介して無線デバイス制御装置とのクロック同期を実行し、無線デバイスは、その無線デバイスに直接接続された上位レベルのネットワークデバイスのクロック同期精度を得ることができる。例えば、ある瞬間に、伝送デバイス1が無線デバイス制御装置1のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行し、次いで伝送デバイス5が伝送デバイス1のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行し、最後に無線デバイス4が伝送デバイス5のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行した場合には、無線デバイス4のクロックリンクは、「f-g-h」である。上記のクロック同期を完了した後、無線デバイス4は、無線デバイス4の上位レベルのネットワークデバイス(すなわち伝送デバイス5)を基準とするクロック同期精度を得ることができる。別の例では、ある瞬間に、伝送デバイス2が無線デバイス制御装置2のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行し、次に伝送デバイス3が伝送デバイス2のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行し、次いで伝送デバイス5が伝送デバイス3のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行し、最後に無線デバイス4が伝送デバイス5のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行した場合には、無線デバイス4のクロックリンクは、「a-b-k-h」である。上記のクロック同期を完了した後、無線デバイス4は、無線デバイス4の上位レベルのネットワークデバイス(すなわち伝送デバイス5)を基準とするクロック同期精度を得ることができる。
【0121】
さらに、無線デバイス制御装置が無線デバイスに直接接続される場合には、無線デバイスは、その無線デバイス制御装置のみに基づいてクロック同期を実行する。例えば、無線デバイス3は、光ファイバを介して無線デバイス制御装置1に直接接続されている。無線デバイス3は、直接無線デバイス制御装置1のシステムクロックに基づいてクロック同期を実行する、すなわち無線デバイス3はスレーブクロックとして機能し、無線デバイス制御装置1はマスタクロックとして機能してクロック同期を実行し、無線デバイス3のクロックリンクは「i」である。クロック同期を完了した後、無線デバイス3は、無線デバイス3の上位レベルのネットワークデバイス(すなわち無線デバイス制御装置1)を基準とするクロック同期精度を得ることができる。
【0122】
上記の例に示されるように、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度はフロントホールトランスポートネットワークに関係するので、異なるクロックリンク上のクロックソースを基準とする同じ無線デバイスのクロック同期精度は異なる。無線デバイスと無線デバイス制御装置の間の管理プレーンおよびクロック同期プレーンは完全には同じではないので、例えば、無線デバイス制御装置1がクロックリンク「f-g-l-e」を介して無線デバイス2にクロック同期基準を提供するが、無線デバイス2は、無線デバイス制御装置2とデータまたはシグナリングを交換する必要があることもある。したがって、無線デバイス制御装置2については、無線デバイス制御装置2は無線デバイス制御装置2を基準とする無線デバイス2のクロック同期精度を知ることができないこともある。2つ以上の無線デバイス間で協働で運用される必要があるサービス(例えば多入力多出力(multiple-input multiple-output、MIMO)技術に関係するサービス、またはキャリアアグリゲーション(carrier aggregation、CA)に関係するサービス)は、クロック同期精度について特定の要件を有する。したがって、協働で運用されるサービスが無線デバイス制御装置によって管理される2つの無線デバイスに関係するときには、その無線デバイス制御装置が2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を知ることができないことにより、サービスのトリガが影響を受けることがある。
【0123】
したがって、本願で提供されるクロック同期情報取得方法では、無線デバイスは、無線デバイス制御装置に、あるデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を決定するための情報(すなわち後述するクロック同期情報)を提供することができるので、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度を決定することができる。さらに、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を正確に決定することができ、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行するかどうかを決定することができる。
【0124】
図2を参照して、以下、本願で提供されるクロック同期情報取得方法の主要な手順について述べる。無線デバイスと無線デバイス制御装置は、以下のステップを実行する。
【0125】
ステップ201:無線デバイスは、クロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信する。これに対応して、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報を無線デバイスから受信する。
【0126】
クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、これは、クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定するための情報であるものとして理解される。無線デバイス制御装置は、無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)とクロックソースのシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲を決定することができる。
【0127】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するデバイスである。基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。クロックリンク上の各デバイス(伝送デバイスおよび無線デバイスを含む)は、直接、または間接的に、クロックソースのシステムクロックをクロック同期基準として使用する。クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。
【0128】
図1は例として使用される。伝送デバイス2が無線デバイス制御装置2に基づいてクロック同期を実行し、伝送デバイス3が伝送デバイス2に基づいてクロック同期を実行し、無線デバイス1が伝送デバイス3に基づいてクロック同期を実行する場合には、「a-b-d」が、クロックリンクを形成する。伝送デバイス2は無線デバイス制御装置2を直接クロック同期のための基準として使用し、伝送デバイス3および無線デバイス1は無線デバイス制御装置2を間接的にクロック同期のための基準として使用するので、無線デバイス制御装置2が、クロックリンク「a-b-d」のクロックソースである。別の例で、伝送デバイス1が無線デバイス制御装置1に基づいてクロック同期を実行し、伝送デバイス2が伝送デバイス1に基づいてクロック同期を実行し、伝送デバイス3が伝送デバイス2に基づいてクロック同期を実行し、無線デバイス1が伝送デバイス3に基づいてクロック同期を実行する場合には、「f-j-b-d」が、クロックリンクを形成する。伝送デバイス1は無線デバイス制御装置1を直接クロック同期のための基準として使用し、伝送デバイス2、伝送デバイス3および無線デバイス1は無線デバイス制御装置1を間接的にクロック同期のための基準として使用するので、無線デバイス制御装置1が、クロックリンク「f-j-b-d」のクロックソースである。別の例で、無線デバイス3が直接無線デバイス制御装置1に基づいてクロック同期を実行する場合には、無線デバイス3と無線デバイス制御装置1の間のクロックリンクは、「i」であり、無線デバイス制御装置1がクロックリンク「i」のクロックソースである。上記の例に加えて、クロックソースは、代替として、上記のクロックリンクにクロック同期の基準を提供する別のデバイスであることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に列挙しない。
【0129】
無線デバイスから無線デバイス制御装置に送信されるクロック同期情報中のクロックソースは、クロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置であることもあり、この場合には、無線デバイスと無線デバイス制御装置は同じクロック同期リンク上に位置し、または別のクロックリンク上の無線デバイス制御装置であることもあり、この場合には、無線デバイスは、別のクロックリンクを介してクロック同期を実行することがあり、このクロックリンクは、クロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置を含まず、または別のリンクもしくはトポロジ上、のクロックを基準として提供することができるネットワークデバイスであることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。したがって、クロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置がクロック同期情報をパーズする前には、無線デバイス制御装置は、無線デバイスとクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置とが同じクロックリンク上に位置するかどうかを知らず、クロック同期を実行するために無線デバイスによってどのクロックソースが使用されるか、またどのクロックリンクが使用されるかを知らない。無線デバイス制御装置がクロック同期情報をパーズした後で、無線デバイス制御装置は、クロック同期を実行するために無線デバイスによってどのクロックソースが使用されるか、またどのクロックリンクが使用されるかを決定することができる。
【0130】
以下、クロック同期情報に含まれる具体的な内容について述べる。
【0131】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度とを含む。
【0132】
クロックソースの識別は、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するデバイスを示す。具体的には、上記のクロックソースの説明を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。例えば、クロックソースの識別は、高精度時間プロトコルPTPのグランドマスタクロック識別(grandmaster clock identity、grandmasterIdentity)であることもある。別のクロック同期プロトコルでは、クロックソースおよびクロックソースの識別は、他の用語で呼ばれることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。
【0133】
ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに直接接続されたネットワークデバイスであり、無線デバイスは、直接このネットワークデバイスに基づいてクロック同期を実行する。詳細には、上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに接続された伝送デバイスであることもあるし、無線デバイス制御装置であることもある。
図1は例として使用される。例えば、クロック同期情報を送信する無線デバイスが無線デバイス1である場合には、無線デバイス1の上位レベルのネットワークデバイスは伝送デバイス3であり、ソースポートの識別は、伝送デバイス3の識別である。別の例で、クロック同期情報を送信する無線デバイスが無線デバイス2である場合には、無線デバイス2の上位レベルのネットワークデバイスは伝送デバイス4であり、ソースポートの識別は、伝送デバイス4の識別である。別の例で、クロック同期情報を送信する無線デバイスが無線デバイス3である場合には、無線デバイス3の上位レベルのネットワークデバイスは無線デバイス制御装置1であり、ソースポートの識別は、無線デバイス制御装置1の識別である。例えば、ソースポートの識別は、高精度時間プロトコルPTPのsourcePortIdentityであることもある。別のクロック同期プロトコルでは、ソースポートおよびソースポートの識別は、他の用語で呼ばれることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。
【0134】
さらに、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)と無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスのシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲である。例えば、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された伝送デバイスである場合には、第2のクロック同期精度は、その伝送デバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度であり、または無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された無線デバイス制御装置である場合には、第2のクロック同期精度は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。例えば、第2のクロック同期精度は、ローカル精度(Local Accuracy)と呼ばれることもある。別のクロック同期プロトコルでは、ネットワークデバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とするそのネットワークデバイスのクロック同期精度は、別の用語で呼ばれることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。
【0135】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルとは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。任意選択で、通信チャネルの数量についての情報は、通信チャネルの数量を示すことができる。クロック情報は、クロック同期またはクロック較正などの動作に関係する情報であることがある。任意選択で、クロック情報は、クロック同期情報の一部または全てを含む。さらに、クロック情報を伝送することができるデバイスは、クロックリンク上の無線デバイス制御装置であることがあり、この場合、無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置に接続された伝送デバイスにクロック情報を送信することができる。代替として、クロック情報を伝送することができるデバイスは、クロックリンク上の伝送デバイスであることもあり、この場合、伝送デバイスは、接続された伝送デバイスまたは接続された無線デバイスにクロック情報を送信することができる。代替として、クロック情報を伝送することができるデバイスは、無線デバイスであることもあり、この場合、無線デバイスは、接続された伝送デバイスにクロック情報を送信することができる。例えば、無線デバイスおよび無線デバイス制御装置によって採用されているクロック同期プロトコルが通信チャネルを計算するためのものであるときには、カウントは0から開始する。具体的には、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンク上に3つの通信チャネルがあるときには、ネットワークデバイス内のカウンタによって記録される値は、2である。この場合には、通信チャネルの数量についての情報は、ネットワークデバイス内のカウンタの値に1を加えた値で表されることがある。例えば、高精度時間プロトコルPTPでは、通信チャネルの数量についての情報は、stepsRemoved(stepsRemoved)の値に1を加えた値で表されることがある。例えば、無線デバイスおよび無線デバイス制御装置によって採用されているクロック同期プロトコルが通信チャネルを計算するためのものであるときには、カウントは1から開始する。具体的には、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンク上に3つの通信チャネルがあるときには、ネットワークデバイス内のカウンタによって記録される値は、3である。この場合には、通信チャネルの数量についての情報は、ネットワークデバイス内のカウンタの値でそのまま表されることがある。
【0136】
図1は例として使用される。例えば、無線デバイス制御装置2と、伝送デバイス2と、伝送デバイス3と無線デバイス1とがクロックリンク(クロックリンク1と呼ばれる)を形成し得る場合には、クロックリンク1上の通信チャネルは、無線デバイス制御装置2と伝送デバイス2の間の通信チャネルa、伝送デバイス2と伝送デバイス3の間の通信チャネルb、および伝送デバイス3と無線デバイス1の間の通信チャネルdを含む。この場合には、クロックリンク上の通信チャネルの数量は3であり、クロックリンク上の無線デバイス1とクロックソース(すなわち無線デバイス制御装置2)の間に3つの通信チャネルが存在することを示している。別の例で、無線デバイス制御装置1と、伝送デバイス1と、伝送デバイス2と、伝送デバイス3と、無線デバイス1とがクロックリンク(クロックリンク2と呼ばれる)を形成し得る場合には、クロックリンク2上の通信チャネルは、無線デバイス制御装置1と伝送デバイス1の間の通信チャネルf、伝送デバイス1と伝送デバイス2の間の通信チャネルj、伝送デバイス2と伝送デバイス3の間の通信チャネルb、および伝送デバイス3と無線デバイス1の間の通信チャネルdを含む。この場合には、クロックリンク2上の通信チャネルの数量は4であり、クロックリンク上の無線デバイス1とクロックソース(すなわち無線デバイス制御装置1)の間に4つの通信チャネルが存在することを示している。
【0137】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスの識別を無線デバイス制御装置に対して明確にして、無線デバイス制御装置が無線デバイスの識別子に基づいてクロック同期情報の出所である無線デバイスを決定できるようにするためのものである。無線デバイス制御装置が複数の無線デバイスと通信するときには、無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスを他の無線デバイスと区別することができる。例えば、高精度時間プロトコルPTPでは、クロック識別(clockIdentity)が、無線デバイスを識別するためのものであることがある。
【0138】
クロック同期情報が無線デバイスの識別子を含まない場合には、無線デバイスから無線デバイス制御装置に送信されるクロック同期情報を搬送するシグナリングは、無線デバイスの識別子を搬送することがあることに留意されたい。この場合には、無線デバイスの識別子はクロック同期情報に属さないが、この無線デバイスの識別子も、クロック同期情報を送信する無線デバイスの識別を無線デバイス制御装置に対して明確に示すことができる。この場合には、無線デバイスの識別子は、無線デバイスのインターネットプロトコル(internet protocol、IP)アドレスまたは無線デバイスの媒体アクセス制御(media access control address、MAC)アドレスであることもあるし、無線デバイスの識別を識別することができる他の情報であることもある。これは、本明細書では特に限定されない。
【0139】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と、第3のクロック同期精度とを含む。
【0140】
クロックソースの識別は、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するデバイスを示す。詳細には、クロックソースの識別については、上記の実装の関連する説明を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0141】
さらに、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)とクロックソースのシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲である。例えば、第3のクロック同期精度は、総合精度(Total Accuracy)と呼ばれることもある。別のクロック同期プロトコルでは、ネットワークデバイスが位置するクロックリンク上のクロックソースを基準とするそのネットワークデバイスのクロック同期精度は、別の用語で呼ばれることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。
【0142】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。この実装では、無線デバイスの識別子の機能および実装形態は、上記の実装における無線デバイスの識別子のそれらと同様である。詳細については、上記の関連する説明を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0143】
さらに、本願のクロック同期情報は、無線デバイスから無線デバイス制御装置にユニキャスト方式で直接送信されることが可能なメッセージで搬送されることがある。例えば、無線デバイスは、IPパケットユニキャスト方式でクロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信することがある。マルチキャスト方式またはブロードキャスト伝送方式と比較すると、これにより、シグナリングストームを回避し、ネットワーク伝送負荷を軽減する助けになる。
【0144】
任意選択で、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック管理のための管理メッセージは無線デバイスから無線デバイス制御装置へのポイントツーポイント伝送を実施することがあるので、クロック同期情報は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間の管理メッセージで搬送されることがある。例えば、管理メッセージは、1588プロトコルの管理パケットであることがある。
【0145】
ステップ202:無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定し、ここで、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0146】
第1のクロック同期精度は、クロック同期情報を送信する無線デバイスとクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)と無線デバイス制御装置のシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲である。
【0147】
詳細には、無線デバイス制御装置によって受信されるクロック同期情報の内容が異なる場合には、無線デバイス制御装置によって第1のクロック同期精度を決定する実装も異なる。
【0148】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別とソースポートの識別とを含む。任意選択で、クロック同期情報は、第2のクロック同期精度をさらに含み、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0149】
詳細には、無線デバイス制御装置は、クロックソースの識別と、無線デバイス制御装置の識別子と、ソースポートの識別との間の関係を決定し、上記の3つのパラメータ(すなわちクロックソースの識別、無線デバイス制御装置の識別子、およびソースポートの識別)の間の関係に基づいて、どのように第1のクロック同期精度を決定するかを決定する。
【0150】
実装では、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別と同じであるときには、無線デバイス制御装置は、第2のクロック同期精度は第1のクロック同期精度であると決定する。無線デバイス制御装置がクロック同期情報中の第2のクロック同期精度の値を第1のクロック同期精度の値として使用することも理解され得る。
【0151】
クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるということは、無線デバイスによってレベルごとに追跡されるクロックソースが、別のクロックリンクのクロックソースではなくクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置であることを示す。無線デバイスのクロック同期のための基準がクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置であることも理解され得る。この場合には、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を計算することができ、別のクロックソースまたは別の無線デバイス制御装置からクロック同期についての他の情報を取得する必要がない。
【0152】
クロックソースの識別がソースポートの識別と同じである場合には、それは、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスとクロックソースが同じデバイスであることを示す。換言すれば、無線デバイスは、クロックソースに直接接続されている、すなわち無線デバイスは直接クロックソースに基づいてクロック同期を実行する。この場合には、第2のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を示す。
【0153】
さらに、クロックソースの識別は、無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別は、ソースポートの識別と同じである。したがって、無線デバイス制御装置は、無線デバイスが無線デバイス制御装置に直接接続されている、すなわち無線デバイスは直接クロックソースに基づいてクロック同期を実行すると決定し得る。さらに、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報で搬送される第2のクロック同期精度が無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表すと決定することができる。したがって、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報中の第2のクロック同期精度の値を第1のクロック同期精度の値として使用する。
【0154】
別の実装では、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別と異なるときには、無線デバイス制御装置は、通信チャネルの数量についての情報、第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、第1のクロック同期精度を決定する。
【0155】
クロックソースの識別がソースポートの識別と異なる場合には、それは、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスとクロックソースが同じデバイスでなく、無線デバイスは少なくとも1つの伝送デバイスを介してクロックソースに接続されていることを示す。この少なくとも1つの伝送デバイスは、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを含む。この場合には、第2のクロック同期精度は、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を示す。ただし、第2のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を反映することはできない。
【0156】
この場合には、無線デバイス制御装置は、通信チャネルの数量についての情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクのトポロジを決定して、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を推定する必要がある。通信チャネルの数量についての情報は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間でいくつのレベルのクロック同期が実行される必要があるかを反映することができる。無線デバイス制御装置が各通信チャネルに接続された2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度(各レベルのクロック同期精度と呼ばれる)を推定することができる場合には、無線デバイス制御装置は、各レベルのクロック同期の同期精度の累積和を無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)として使用し得る。
【0157】
任意選択で、無線デバイス制御装置は、既定のクロック同期精度を記憶する。既定のクロック同期精度は、プロトコルまたは標準で事前定義される2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度であることがある。例えば、ITU-T G.8273.2は、境界クロックBCデバイスのホップの同期精度を定義しており、ここで、クラスA(class A):100ns、クラスB(class B):70ns、クラスC(class C):30ns、クラスD(class D):5nsである。さらに、既定のクロック同期精度は、代替として、クロックリンク上の2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度の取り得る値を示す、無線デバイス制御装置に手作業で設定される実験値であることもある。
【0158】
例えば、既定のクロック同期精度は無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスと無線デバイス制御装置の間の各レベルのクロック同期のクロック同期精度を推定するためのものとすることができ、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を決定するためのものとすることができるので、無線デバイス制御装置は、既定のクロック同期精度に通信チャネルの数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度として使用し得る。この場合、無線デバイス制御装置は、この積と第2のクロック同期精度との和を第1のクロック同期精度として使用する。
【0159】
この実装では、無線デバイス制御装置が無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度を直接取得することができない場合には、無線デバイス制御装置は、通信チャネルの数量についての情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクのトポロジを推測し、次いでクロックリンクのトポロジ、第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、第1のクロック同期精度を決定することができる。無線デバイス制御装置がクロックリンクのトポロジを知ることができないときに第1のクロック同期精度を推定する解決策と比較して、この実装は、無線デバイス制御装置による第1のクロック同期精度の推定の正解率を保証する助けになり、無線デバイス制御装置が無線デバイスのサービスについてのより正確かつ妥当な判断を下す助けとなる。
【0160】
この実装では、フロントホールトランスポートネットワークは、無線デバイスと無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイス(すなわち無線デバイスにクロック同期を提供する上位レベルのネットワークデバイス)の間のクロック同期精度(すなわち第2のクロック同期精度)のみを無線デバイスに提供する。したがって、無線デバイスは、無線デバイスと無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスの間のクロック同期精度(すなわち第2のクロック同期精度)を無線デバイス制御装置に提供することができる。無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイス制御装置である場合には、第2のクロック同期精度は、第1のクロック同期精度も表す。無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイス制御装置でない場合には、無線デバイス制御装置は、他のパラメータ(例えば既定のクロック同期精度および通信チャネルの数量についての情報)に基づいて第1のクロック同期精度をさらに決定する必要がある。どの実装が用いられるかに関わらず、無線デバイス制御装置は、受信されるクロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定し得る。このようにして、無線デバイス制御装置は、第1のクロック同期精度に基づいて、無線デバイスがサービスをトリガすることを可能にするかどうかを決定することができる。
【0161】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0162】
この実装では、無線デバイスは、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち第3のクロック同期精度を無線デバイス制御装置に提供することができる。クロックソースがクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置である場合には、第3のクロック同期精度の値は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表す。したがって、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときには、無線デバイス制御装置は、第3のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定する。
【0163】
この実装では、フロントホールトランスポートネットワークはクロックリンク上の無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を無線デバイスに提供し得るので、無線デバイスは、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち第3のクロック同期精度を無線デバイス制御装置に提供することができる。クロックソースと無線デバイス制御装置が同じデバイスである場合には、クロック同期情報で搬送される第3のクロック同期精度は、第1のクロック同期精度である。したがって、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときには、無線デバイス制御装置は、受信されるクロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定することができる。このようにして、無線デバイス制御装置は、第1のクロック同期精度に基づいて、無線デバイスがサービスをトリガすることを可能にするかどうかを決定することができる。
【0164】
任意選択で、2つ以上の無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行できるようにされるかどうかを無線デバイス制御装置が決定する必要がある場合には、無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置を基準とするその2つ以上の無線デバイスの各々のクロック同期精度に基づいてそれらの無線デバイスの間のクロック同期精度を決定することがある。
【0165】
例えば、無線デバイス制御装置が第1の無線デバイスからのクロック同期情報および第2の無線デバイスからのクロック同期情報を受信する場合には、無線デバイス制御装置は、第1の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第4のクロック同期精度を決定し、無線デバイス制御装置は、第2の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第5のクロック同期精度を決定する。第4のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度であり、第5のクロック同期精度は、第2の無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0166】
次いで、無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置は、第4のクロック同期精度および第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定し、ここで、第6のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと第2の無線デバイスの間のクロック同期精度である。次いで、無線デバイス制御装置は、第6のクロック同期精度に基づいて、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが協働で第1のサービスを実行できるようにされるかどうかを決定し、ここで、第1のサービスは、2つ以上の無線デバイスによって協働運用が実行される必要があるサービスである。例えば、第1のサービスは、多入力多出力(multiple-input multiple-output、MIMO)技術に関係するサービスまたはキャリアアグリゲーション(carrier aggregation、CA)に関係するサービスなどであり得る。第1のサービスの具体的な種類は、本願では限定されない。
【0167】
例えば、無線デバイス制御装置が第4のクロック同期精度および第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定することは、具体的には、無線デバイス制御装置が、第4のクロック同期精度と第5のクロック同期精度の和を計算して、第6のクロック同期精度を得ることであることもある。
【0168】
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度未満であるときには、無線デバイス制御装置は、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にすると決定し、
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度超であるときには、無線デバイス制御装置は、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にしないと決定する。
【0169】
第1のサービスに対応するクロック同期精度は、第1のサービスによって許容されることができる最大の時間(または位相)のずれとして理解され得る。2つの無線デバイスの間のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度未満であるときには、その2つの無線デバイスの間の時間(または位相)のずれは第1のサービスの実行に影響を及ぼさないと理解され得る。2つの無線デバイスの間のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度超であるときには、その2つの無線デバイスの間の時間(または位相)のずれが大きく、第1のサービスの実行に影響を及ぼすことがあると理解され得る。したがって、この場合には、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することは推奨されない。
【0170】
従来の技術では、無線デバイス制御装置は、どのクロック同期リンクが無線デバイスによって同期を実行するために使用されているかを知ることはできず、どのネットワークデバイスが無線デバイスがクロック同期を実行するクロックリンク上のクロックソースであるかを知ることはできない。したがって、無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度を知ることができず、さらに、無線デバイス制御装置は、クロック同期精度に基づいて無線デバイスのいくつかのサービスを管理することができない。
【0171】
本願では、無線デバイスはクロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を決定するための情報(すなわちクロック同期情報)を無線デバイス制御装置に提供することができ、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を決定することができる。したがって、これにより、無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度に基づいて無線デバイスを管理する助けとなる。このようにして、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を正確に決定することができ、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行するかどうかを決定することができる。
【0172】
本願で提供される解決策がよりよく理解されるように、以下、
図3を参照して、クロック同期情報が少なくともクロックソースの識別と、ソースポートの識別と第2のクロック同期精度とを含む実装について説明し、
図4を参照して、クロック同期情報が少なくともクロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含む実装について説明する。
【0173】
図3は、本願によるクロック同期情報取得方法の実施形態を示している。無線デバイスと無線デバイス制御装置は、以下のステップを実行する。
【0174】
ステップ301:無線デバイスは、クロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信する。
【0175】
クロック同期情報は、クロックソースの識別とソースポートの識別とを含む。任意選択で、クロック同期情報は、第2のクロック同期精度をさらに含む。
【0176】
クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、これは、クロック同期情報が、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定するための情報であるということとして理解され得る。
【0177】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するデバイスである。基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。クロックリンク上の各デバイス(伝送デバイスおよび無線デバイスなど)は、直接、または間接的に、クロックソースのシステムクロックをクロック同期基準として使用し、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。
【0178】
クロックソースの識別は、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するデバイスを示し、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。例えば、クロックソースの識別は、高精度時間プロトコルPTPのグランドマスタクロック識別(grandmaster clock identity、grandmasterIdentity)であることもある。
【0179】
ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに直接接続されたネットワークデバイスであり、無線デバイスは、直接この上位レベルのネットワークデバイスに基づいてクロック同期を実行することも理解され得る。無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに接続された伝送デバイスであることもあるし、無線デバイス制御装置であることもある。例えば、ソースポートの識別は、高精度時間プロトコルPTPのsourcePortIdentityであることもある。
【0180】
さらに、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)と無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスのシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲である。例えば、第2のクロック同期精度は、ローカル精度(Local Accuracy)と呼ばれることもある。
【0181】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルとは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。例えば、通信チャネルの数量についての情報は、高精度時間プロトコルPTPのstepsRemoved(stepsRemoved)の値に1を加えた値で表されることがある。
【0182】
任意選択で、上記の内容に加えて、無線デバイスから無線デバイス制御装置に送信されるパケットは、無線デバイスの識別子をさらに含むこともあり、ここで、無線デバイスの識別子情報は、無線デバイスを識別して、無線デバイス制御装置がその無線デバイスを別の無線デバイスと区別できるようにするためのものである。例えば、高精度時間プロトコルPTPでは、クロック識別(clockIdentity)が、無線デバイスを識別するためのものであることがある。
【0183】
詳細には、クロックソースの識別、ソースポートの識別、無線デバイスの識別子、第2のクロック同期精度、および通信チャネルの数量についての情報の説明については、ステップ201の関連する説明を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0184】
例えば、クロック同期情報が管理パケット(例えば1588プロトコルの管理パケット)で送信される場合には、管理パケットのフォーマットは、表1-1に示されるものであることがある。
【0185】
【0186】
「TLVタイプ」は、管理パケットのタイプを示す。本願では、TLVのタイプは、管理パケットがクロック同期情報を伝送するためのものであることを示す。「TLV長」は、TLVによって占められるバイト長を示す。
【0187】
実際の適用では、無線デバイスが別のパケットにクロック同期情報を含める場合には、クロック同期情報を搬送するパケットのフォーマットは、表1-1に挙げられているフィールドに限定されないこともあることを理解されたい。
【0188】
ステップ302:無線デバイス制御装置は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるかどうかを決定する。
【0189】
本実施形態では、無線デバイスがクロック同期情報を受信した後で、無線デバイス制御装置は、無線デバイスのクロックソースが無線デバイス制御装置であるかどうかを最初に知る必要がある。具体的には、無線デバイス制御装置は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるかどうかを決定して、無線デバイスのクロックソースが無線デバイス制御装置であるかどうかを決定する。
【0190】
クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであると無線デバイス制御装置が決定した場合には、それは、無線デバイスのクロックソースが無線デバイス制御装置であることを示し、無線デバイス制御装置がクロック同期情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を決定することができることを示す。したがって、無線デバイス制御装置は、ステップ303を実行する。
【0191】
ステップ303:無線デバイス制御装置は、クロックソースの識別がソースポートの識別と同じであるかどうかを決定する。
【0192】
本実施形態では、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであると無線デバイス制御装置が決定したとき、すなわち無線デバイスのクロックソースが無線デバイス制御装置であると無線デバイス制御装置が決定したときに、無線デバイス制御装置は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクのトポロジ(すなわち、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間の伝送デバイスの数量および通信チャネルの数量などの情報)を決定し、クロックリンクのトポロジに基づいて、第1のクロック同期精度をどのように計算するかを決定する必要がさらにある。
【0193】
具体的には、クロックソースの識別がソースポートの識別と同じであると無線デバイス制御装置が決定したときには、無線デバイス制御装置は、ステップ304aを実行し、クロックソースの識別がソースポートの識別と異なると無線デバイス制御装置が決定したときには、無線デバイス制御装置は、ステップ304bを実行する。
【0194】
ステップ304a:無線デバイス制御装置は、第2のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定する。
【0195】
本実施形態では、クロックソースの識別は、無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別は、ソースポートの識別と同じである。したがって、無線デバイス制御装置は、無線デバイスが無線デバイス制御装置に直接接続されていると決定し得、クロック同期情報で搬送される第2のクロック同期精度は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表す。したがって、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報中の第2のクロック同期精度の値を第1のクロック同期精度の値として使用する。
【0196】
図1は例として使用される。例えば、クロック同期情報を送信する無線デバイスは、無線デバイス3であり、クロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置1であり、無線デバイス制御装置1によって受信されるクロックソースの識別は、無線デバイス制御装置1の識別子であり、無線デバイス制御装置1によって受信されるソースポートの識別は、無線デバイス制御装置1の識別子である。この場合には、クロック同期情報で搬送される、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイス3のクロック同期精度が100nsである場合には、無線デバイス制御装置1は、無線デバイス制御装置1を基準とする無線デバイス3のクロック同期精度が100nsであると決定する。
【0197】
ステップ304b:無線デバイス制御装置は、チャネルの数量および既定のクロック同期精度に基づいて第1のクロック同期精度を決定する。
【0198】
本実施形態では、クロックソースの識別がソースポートの識別と異なる場合には、それは、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスとクロックソースとが同じデバイスではなく、無線デバイスは、少なくとも1つの伝送デバイスを介してクロックソースに接続されていることを示す。この少なくとも1つの伝送デバイスは、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを含む。
【0199】
この場合には、無線デバイス制御装置は、通信チャネルの数量についての情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクのトポロジを決定して、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を推定する必要がある。通信チャネルの数量についての情報は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間でいくつのレベルのクロック同期が実行される必要があるかを反映することができる。無線デバイス制御装置が各通信チャネルによって接続された2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度(各レベルのクロック同期精度と呼ばれる)を推定することができる場合には、無線デバイス制御装置は、各レベルのクロック同期の同期精度の累積和を無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)として使用し得る。
【0200】
任意選択で、無線デバイス制御装置は、既定のクロック同期精度を記憶する。既定のクロック同期精度は、プロトコルまたは標準で事前定義される2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度であることがある。既定のクロック同期精度は、代替として、クロックリンク上の2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度の取り得る値を示す、無線デバイス制御装置に手作業で設定される実験値であることもある。
【0201】
例えば、既定のクロック同期精度は無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスと無線デバイス制御装置の間の各レベルのクロック同期のクロック同期精度を推定するためのものとすることができ、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を決定するためのものとすることができるので、無線デバイス制御装置は、既定のクロック同期精度に通信チャネルの数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度として使用し得る。この場合、無線デバイス制御装置は、この積と第2のクロック同期精度との和を第1のクロック同期精度として使用する。
【0202】
図1は例として使用される。クロック同期情報を送信する無線デバイスが無線デバイス1であり、クロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置が無線デバイス制御装置2である場合には、クロック同期情報で搬送されるクロックソースの識別は、無線デバイス制御装置2の識別子であり、ソースポートの識別は、伝送デバイス3の識別子であり、通信チャネルの数量の値は、3である。第2のクロック同期精度(すなわち伝送デバイス3を基準とする無線デバイス1のクロック同期精度)が40nsであり、既定のクロック同期精度が30nsである場合には、無線デバイス制御装置は、第1のクロック同期精度が(3-1)×30+40=100nsであると決定することができる。
【0203】
ステップ305:無線デバイス制御装置は、無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信する。
【0204】
本実施形態では、ステップ305は、任意選択のステップである。
【0205】
ネットワーク管理デバイスは、無線デバイスおよび無線デバイス制御装置を管理および保守するためのデバイスである。ネットワーク管理デバイスは、取得される情報に基づいてネットワーク全体のクロックトポロジを識別して、そのクロックトポロジに基づいて1つまたは複数の無線デバイス制御装置を管理するように構成される。任意選択で、ネットワーク管理デバイスは、クロックトポロジに基づいて伝送デバイスおよび無線デバイスなどをさらに管理することもある。
【0206】
本実施形態では、無線デバイス制御装置は、無線デバイスのクロック同期情報のみをネットワーク管理デバイスに送信することもあるし、第1のクロック同期精度のみをネットワーク管理デバイスに送信することもあるし、クロック同期情報および第1のクロック同期精度の両方をネットワーク管理デバイスに送信することもある。したがって、ネットワーク管理デバイスは、クロック同期情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロックリンクを決定し得る。ネットワーク管理デバイスが複数の無線デバイスのクロック同期情報を受信する場合には、ネットワーク管理デバイスは、複数のクロックリンクによって形成されるクロックトポロジを決定することがある。これにより、ネットワーク管理デバイスがクロックリンク(またはクロックトポロジ)に基づいて、フロントホールトランスポートネットワーク内の伝送デバイスまたはフロントホールトランスポートネットワークを用いて接続された無線デバイスおよび無線デバイス制御装置を管理する助けとなり、ネットワークデバイスによって伝送デバイス、無線デバイスまたは無線デバイス制御装置を管理する管理効率を改善する助けとなる。
【0207】
本実施形態では、無線デバイスは、クロック同期情報に基づいて、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第2のクロック同期精度)を無線デバイス制御装置に提供することができ、無線デバイス制御装置は、第2のクロック同期精度に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を決定することができる。したがって、これにより、無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度に基づいて無線デバイスを管理する助けとなる。このようにして、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を正確に決定することができ、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行するかどうかを決定することができる。
【0208】
図4は、本願によるクロック同期情報取得方法の別の実施形態を示している。無線デバイスと無線デバイス制御装置は、以下のステップを実行する。
【0209】
ステップ401:無線デバイスは、クロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信する。
【0210】
クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含む。
【0211】
クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、これは、クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定するための情報であることとして理解され得る。
【0212】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するデバイスである。基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。クロックリンク上の各デバイス(伝送デバイスおよび無線デバイスを含む)は、直接、または間接的に、クロックソースのシステムクロックをクロック同期基準として使用し、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。
【0213】
クロックソースの識別は、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するデバイスを示し、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。例えば、クロックソースの識別は、高精度時間プロトコルPTPのグランドマスタクロック識別(grandmaster clock identity、grandmasterIdentity)であることもある。
【0214】
この場合には、無線デバイスは、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち第3のクロック同期精度を無線デバイス制御装置に提供することができる。クロックソースがクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置である場合には、第3のクロック同期精度の値は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表す。例えば、第3のクロック同期精度は、総合精度(Total Accuracy)と呼ばれることもある。
【0215】
任意選択で、上記の内容に加えて、無線デバイスから無線デバイス制御装置に送信されるパケットは、無線デバイスの識別子をさらに含むこともあり、ここで、無線デバイスの識別子情報は、無線デバイスを識別して、無線デバイス制御装置がその無線デバイスを別の無線デバイスと区別できるようにするためのものである。例えば、高精度時間プロトコルPTPでは、クロック識別(clockIdentity)が、無線デバイスを識別するためのものであることがある。
【0216】
例えば、クロック同期情報が管理パケット(例えば1588プロトコルの管理パケット)で送信される場合には、管理パケットのフォーマットは、表2-1に示されるものであることがある。
【0217】
【0218】
ステップ402:無線デバイス制御装置は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるかどうかを決定する。
【0219】
本実施形態では、無線デバイスがクロック同期情報を受信した後で、無線デバイス制御装置は、無線デバイスのクロックソースが無線デバイス制御装置であるかどうかを最初に知る必要がある。具体的には、無線デバイス制御装置は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるかどうかを決定して、無線デバイスのクロックソースが無線デバイス制御装置であるかどうかを決定する。
【0220】
クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであると無線デバイス制御装置が決定した場合には、それは、無線デバイスのクロックソースが無線デバイス制御装置であることを示し、無線デバイス制御装置がクロック同期情報に基づいて無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を決定することができることを示す。したがって、無線デバイス制御装置は、ステップ403を実行する。
【0221】
ステップ403:無線デバイス制御装置は、第3のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定する。
【0222】
本実施形態では、クロックソースの識別は、無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロック同期情報は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第3のクロック同期精度)のみを搬送するので、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報で搬送される第3のクロック同期精度が無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表すと決定することができる。したがって、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報中の第3のクロック同期精度の値を第1のクロック同期精度の値として使用する。
【0223】
図1は例として使用される。クロック同期情報を送信する無線デバイスが無線デバイス1であり、クロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置が無線デバイス制御装置2である場合には、クロック同期情報で搬送されるクロックソースの識別は、無線デバイス制御装置2の識別子である。第3のクロック同期精度(すなわち無線デバイス制御装置2を基準とする無線デバイス1のクロック同期精度)が130nsである場合には、無線デバイス制御装置は、第1のクロック同期精度が130nsであると決定することができる。
【0224】
ステップ404:無線デバイス制御装置は、無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信する。
【0225】
本実施形態では、ステップ404は、
図3に対応する実施形態のステップ305と同様である。詳細については、ステップ305の関連する説明を参照されたい。
【0226】
本実施形態では、無線デバイスはクロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第3のクロック同期精度)を無線デバイス制御装置に直接提供することができるので、クロックソースがクロック同期情報を受信する無線デバイス制御装置であるときには、無線デバイス制御装置は、第3のクロック同期精度に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を直接決定することができる。したがって、これにより、無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度に基づいて無線デバイスを管理する助けとなる。このようにして、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を正確に決定することができ、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行するかどうかを決定することができる。
【0227】
図5は、本願による通信装置50の構造の概略図である。
図2、
図3または
図4に対応する方法の実施形態における無線デバイス制御装置は、本実施形態の
図5に示される通信装置50の構造に基づくことがあることを理解されたい。通信装置50は、ベースバンド信号処理機能を有するネットワーク要素もしくはデバイス、または
無線アクセスネットワークRANの無線信号処理を管理する機能を有するデバイスであり得る。例えば、通信装置50は、
無線アクセスネットワークデバイス(例えば基地局)内のベースバンドユニット(base band unit、BBU)(ビルディングベースバンドユニット(building base band unit、BBU)とも呼ばれる)であることがある。例えば、ロングタームエボリューションLTEシステムまたはLTEアドバンスト(long term evolution advanced、LTE-A)システムでは、通信装置50は、進化型NodeB(evolved NodeB、eNBまたはe-NodeB)のベースバンドユニットBBUであることがある。別の例で、5G NRシステムでは、通信装置50は、次世代NodeB(next generation NodeB、gNB)のベースバンドユニットBBUであることもある。例えば、5G NRシステムでは、通信装置50は、クラウドアクセスネットワーク(CloudRAN)の中央ユニット(centra
l unit、CU)であることもあるし、分散型ユニット(distributed unit、DU)であることもあるし、中央ユニットCUと分散型ユニットDUの組合せ構造であることもある。実際の適用および今後のネットワークの進化で、通信装置50は、代替としてベースバンド信号処理機能を有する別のネットワーク要素もしくはデバイス、または
無線アクセスネットワークRANの無線信号処理を管理する機能を有する別のデバイスであることもある。
【0228】
具体的には、通信装置50は、少なくとも1つのプロセッサ501と、少なくとも1つのメモリ502と、少なくとも1つの通信インタフェース503とを含む。プロセッサ501と、メモリ502と、通信インタフェース503とは、接続装置を用いて接続される。接続装置は、様々なタイプのインタフェース、伝送ケーブルまたはバスなどを含み得る。これは、本実施形態では限定されない。
【0229】
メモリ502は、主としてソフトウェアプログラムおよびデータを記憶するように構成される。メモリ502は、独立して存在することもあり、プロセッサ501に接続される。任意選択で、メモリ502とプロセッサ501とが、例えば一体化されて1つまたは複数のチップになるなど一体化されることもある。メモリ502は、本願の実施形態の技術的解決策を実行するためのプログラムコードを記憶することができ、プロセッサ501は、その実行を制御する。様々なタイプの実行されたコンピュータプログラムコードも、プロセッサ501のドライバとしてみなされ得る。本実施形態の
図5は、1つのメモリと1つのプロセッサしか示していないことを理解されたい。ただし、実際の適用では、通信装置50は、複数のプロセッサまたは複数のメモリを有することもある。これは、本明細書では特に限定されない。さらに、メモリ502は、記憶媒体または記憶デバイスなどと呼ばれることもある。メモリ502は、プロセッサと同じチップ上に位置する記憶要素、すなわちオンチップ記憶要素であることもあるし、独立した記憶要素であることもある。これは、本願の実施形態では限定されない。
【0230】
本実施形態では、通信インタフェース503は、無線周波数ユニット(例えば上述の無線デバイス)からデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号を受信し、そのデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号をプロセッサ501に提供して、プロセッサ501がデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号に対して例えば復調処理および復号処理などのさらなる処理を実行するようにするように構成される。通信インタフェース503は、さらにデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号を無線周波数ユニット(例えば上述の無線デバイス)に送信して、無線周波数ユニットが変調が実行されているデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号を無線周波数信号に変換し、その無線周波数信号を1つまたは複数のアンテナを用いて送信するようにすることもある。
【0231】
任意選択で、通信インタフェース503は、エンハンスト共通公衆無線インタフェース(enhanced common public radio interface、eCPRI)を含む。通信装置50は、eCPRIを介して、例えば上述の1588管理パケットなどクロック同期情報を搬送するパケットを送信することがある。
【0232】
任意選択で、通信インタフェース503は、光学モジュール(図示せず)にさらに接続される。光学モジュールは、通信装置50によって生成されるデジタルベースバンド信号を光ファイバを介して伝送される光信号に変換するように構成される。光学モジュールは、別のデバイス(例えば上述の伝送デバイスまたは無線デバイス)から光信号を受信し、その光信号をデジタルベースバンド信号に変換するようにさらに構成される。
【0233】
通信インタフェース503と光学モジュールの組合せ構造は、トランシーバユニット、トランシーバマシンまたはトランシーバ装置などと呼ばれることもあることを理解されたい。任意選択で、トランシーバユニット内の、受信機能を実施するように構成された構成要素は受信ユニットとみなされ得、トランシーバユニット内の、送信機能を実施するように構成された構成要素は送信ユニットとみなされ得る。換言すれば、トランシーバユニットは、受信ユニットと送信ユニットとを含む。受信ユニットは、受信器、入力ポートまたは受信回路などと呼ばれることもある。送信ユニットは、伝送マシン、伝送器または伝送回路などと呼ばれることもある。
【0234】
さらに、プロセッサ501は、主として、例えば通信装置50が上記の実施形態に記載されるアクションを実行するのを支援するように構成されるなど、通信プロトコルおよび通信データを処理し、ネットワークデバイス全体を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように構成される。通信装置50は、ベースバンドプロセッサと中央処理ユニットとを含むことがある。ベースバンドプロセッサは、主として通信プロトコルおよび通信データを処理するように構成される。中央処理ユニットは、主として、通信装置50全体を制御し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように構成される。
図5のプロセッサ501は、ベースバンドプロセッサおよび中央処理ユニットの機能を統合していることもある。当業者なら、ベースバンドプロセッサと中央処理ユニットとは、代替として独立したプロセッサであることもあり、バスまたは別の技術を用いて相互接続されることを理解し得る。当業者なら、通信装置50は異なるネットワーク標準に適応するために複数のベースバンドプロセッサを含むこともあり、通信装置50は、通信装置の処理能力を高めるために複数の中央処理ユニットを含むこともあり、通信装置50の構成要素は、様々なバスを用いて接続され得ることを理解し得る。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド処理回路またはベースバンド処理チップと表現されることもある。中央処理ユニットは、代替として中央処理回路または中央処理チップと表現されることもある。通信プロトコルおよび通信データを処理する機能は、プロセッサに組み込まれることもあるし、ソフトウェアプログラムの形態でメモリに記憶され、プロセッサが、ソフトウェアプログラムを実行してベースバンド処理機能を実施することもある。
【0235】
具体的には、通信装置50は、メモリ502に記憶されるプログラムコードに基づいて以下のステップを実行する。
【0236】
プロセッサ501は、通信インタフェース503を介して無線デバイスからクロック同期情報を受信し、ここで、クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示す。次いで、プロセッサ501は、クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定し、ここで、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0237】
クロック同期精度は、測定されたクロックの時間(または位相)と基準クロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲を指す。通常は、クロック同期精度は、テストメトリック内の測定されたクロックの時間(または位相)および基準クロックの時間(または位相)の平均誤差値によって表されることがある。本願では、クロック同期精度は、無線デバイスと特定の伝送デバイスまたは特定の無線デバイス制御装置の間の時間または位相の差の変動範囲である。いくつかの実施形態では、クロック同期精度は、同期精度または時間同期精度と呼ばれることもあることに留意されたい。
【0238】
クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示すということは、クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定するための情報であるということとして理解され得る。無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定することができる。
【0239】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであり、基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。
【0240】
従来の技術では、無線デバイス制御装置は、どのクロック同期リンクが無線デバイスによって同期を実行するために使用されているかを知ることはできず、どのネットワークデバイスが、無線デバイスがクロック同期を実行するクロックリンク上のクロックソースであるかを知ることはできない。したがって、無線デバイス制御装置は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度を知ることができず、さらに、無線デバイス制御装置は、クロック同期精度に基づいて無線デバイスのいくつかのサービスを管理することができない。
【0241】
本願では、無線デバイスは、クロック同期情報に基づいて、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度を無線デバイス制御装置に提供することができ、無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を決定することができる。したがって、これにより、無線デバイス制御装置が第1のクロック同期精度に基づいて無線デバイスを管理する助けとなる。このようにして、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスの間のクロック同期精度を正確に決定することができ、無線デバイス制御装置は、2つの無線デバイスが協働運用を必要とするサービスを実行するかどうかを決定することができる。
【0242】
任意選択で、無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを介して無線デバイス制御装置に接続されることもあるし、無線デバイスは、無線デバイス制御装置に直接接続されることもある。クロック情報伝送デバイスは、クロック同期に関係する情報(以下、クロック情報と呼ぶ)を伝送するように構成されたデバイスであり、クロック情報は、クロック同期情報の一部または全てを含み得る。通常は、上記の少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスは、光ファイバを介した接続のためのものである。
【0243】
任意選択で、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0244】
任意選択で、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0245】
任意選択の実装では、プロセッサ501は、さらに、通信インタフェース503を介して無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信することがある。
【0246】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別とソースポートの識別とを含む。ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。
【0247】
クロックソースの識別は、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスを示す。クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックをネットワークデバイスである。基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。クロックリンク上の各デバイス(伝送デバイスおよび無線デバイスを含む)は、直接、または間接的に、クロックソースのシステムクロックをクロック同期基準として使用する。クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクである。
【0248】
無線デバイスから通信装置50に送信されるクロック同期情報中のクロックソースは、クロック同期情報を受信する通信装置50であることもあり、この場合には、無線デバイスおよび通信装置50は同じクロック同期リンク上に位置し、または別のクロックリンク上の無線デバイス制御装置であることもあり、この場合には、無線デバイスは別のクロックリンクを介してクロック同期を実行することがあり、このクロックリンクはクロック同期情報を受信する通信装置50を含まず、または別のリンクもしくはトポロジ上の、クロックを基準として提供することができるネットワークデバイスであることもあることを理解されたい。これは、本明細書では特に限定されない。
【0249】
ソースポートの識別は、クロックリンク上の無線デバイスにクロック同期を提供する上位レベルのネットワークデバイスを示す。上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに直接接続されたネットワークデバイスであり、無線デバイスは、直接このネットワークデバイスに基づいてクロック同期を実行する。具体的には、上位レベルのネットワークデバイスは、無線デバイスに接続された伝送デバイスであることもあるし、無線デバイス制御装置であることもある。
【0250】
任意選択で、クロック同期情報は、第2のクロック同期精度をさらに含み、第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0251】
第2のクロック同期精度は、上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度、すなわち無線デバイスのシステムクロックの時間(または位相)と上位レベルのネットワークデバイスのシステムクロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲である。例えば、上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された伝送デバイスである場合には、第2のクロック同期精度は、その伝送デバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度であり、上位レベルのネットワークデバイスが無線デバイスに直接接続された無線デバイス制御装置である場合には、第2のクロック同期精度は、無線デバイス制御装置を基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0252】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスの識別を無線デバイス制御装置に対して明確にして、通信装置50が無線デバイスの識別子に基づいてクロック同期情報の出所である無線デバイスを決定できるようにするためのものである。通信装置50が複数の無線デバイスと通信するときには、無線デバイスの識別子は、クロック同期情報を送信する無線デバイスを他の無線デバイスと区別することができる。
【0253】
具体的には、プロセッサ501は、クロックソースの識別が通信装置50の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別と同じであるときに、第2のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定するように構成される。
【0254】
この実装では、クロックソースの識別は、通信装置50の識別子と同じであり、クロックソースの識別は、ソースポートの識別と同じである。したがって、通信装置50は、無線デバイスが通信装置50に直接接続されている、すなわち無線デバイスは直接クロックソースに基づいてクロック同期を実行すると決定し得る。さらに、通信装置50は、クロック同期情報で搬送される第2のクロック同期精度が通信装置50を基準とする無線デバイスのクロック同期精度(すなわち第1のクロック同期精度)を表すと決定することができる。したがって、通信装置50は、クロック同期情報中の第2のクロック同期精度の値を第1のクロック同期精度の値として使用する。
【0255】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量について情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。クロック情報は、クロック同期に関係する情報であり、クロック情報の内容は、クロック同期情報の一部または全てを含み得る。
【0256】
具体的には、プロセッサ501は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別とは異なるときに、通信チャネルの数量についての情報、第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、第1のクロック同期精度を決定するように構成される。
【0257】
さらに、プロセッサ501は、特に、既定のクロック同期精度に通信チャネルの数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を決定し、この積と第2のクロック同期精度との和が第1のクロック同期精度であると決定するように構成される。
【0258】
既定のクロック同期精度は、プロトコルまたは標準で事前定義される2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度であることもあるし、クロックリンク上の2つのネットワークデバイスの間のクロック同期精度の取り得る値を示す、無線デバイス制御装置に手作業で設定される実験値であることもある。既定のクロック同期精度は、2つの伝送デバイスの間のクロック同期精度を推定するためのものであるだけでなく、さらに、伝送デバイスに直接接続された無線デバイス制御装置を基準とする伝送デバイスのクロック同期精度を推定するためのものであることもあることを理解されたい。
【0259】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。
【0260】
具体的には、プロセッサ501は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときに、第3のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定するように構成される。
【0261】
可能な実装では、プロセッサ501は、無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信するようにさらに構成される。
【0262】
可能な実装では、無線デバイスは、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスを含む。
【0263】
プロセッサ501は、第1の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第4のクロック同期精度を決定し、プロセッサ501は、無線デバイス制御装置は、第2の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第5のクロック同期精度を決定する。第4のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと通信装置50の間のクロック同期精度であり、第5のクロック同期精度は、第2の無線デバイスと通信装置50の間のクロック同期精度である。
【0264】
プロセッサ501は、第4のクロック同期精度および第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定するようにさらに構成され、ここで、第6のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと第2の無線デバイスの間のクロック同期精度である。プロセッサ501は、第6のクロック同期精度に基づいて、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが協働で第1のサービスを実行できるようにされるかどうかを決定するようにさらに構成され、ここで、第1のサービスは、2つ以上の無線デバイスによって協働運用が実行される必要があるサービスである。例えば、第1のサービスは、多入力多出力MIMO技術に関係するサービスまたはキャリアアグリゲーションCAに関係するサービスであり得る。
【0265】
可能な実装では、プロセッサ501は、第4のクロック同期精度と第5のクロック同期精度の和を計算して、第6のクロック同期精度を得るように特に構成される。
【0266】
可能な実装では、プロセッサ501は、
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度未満であるときには、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にすると決定し、
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度超であるときには、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にしないと決定する
ように特に構成される。
【0267】
その他については、
図2、
図3または
図4に対応する実施形態における無線デバイス制御装置の方法を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0268】
図6に示されるように、本願は、別の通信装置60をさらに提供する。通信装置60は、
図2、
図3もしくは
図4に対応する実施形態における無線デバイス制御装置、または無線デバイス制御装置内のチップであることがある。通信装置60は、トランシーバモジュール601と処理モジュール602とを含む。
【0269】
具体的には、トランシーバモジュール601は、無線デバイスからクロック同期情報を受信するように構成され、ここで、クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示す。処理モジュール602は、クロック同期情報に基づいて第1のクロック同期精度を決定するように構成され、ここで、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0270】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであり、基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。
【0271】
任意選択で、無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを用いて無線デバイス制御装置に接続される。
【0272】
任意選択で、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0273】
任意選択で、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0274】
任意選択の実装では、トランシーバモジュール601は、無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信するようにさらに構成される。
【0275】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度とを含む。ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。
【0276】
具体的には、処理モジュール602は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別と同じであるときに、第2のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定するように構成される。
【0277】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。
【0278】
具体的には、処理モジュール602は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであり、クロックソースの識別がソースポートの識別とは異なるときに、通信チャネルの数量についての情報、第2のクロック同期精度、および既定のクロック同期精度に基づいて、第1のクロック同期精度を決定するように構成される。
【0279】
さらに、処理モジュール602は、既定のクロック同期精度に通信チャネルの数量と1の間の差を掛けることによって得られる積を決定し、この積と第2のクロック同期精度との和が第1のクロック同期精度であると決定するように構成される。
【0280】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。
【0281】
具体的には、処理モジュール602は、クロックソースの識別が無線デバイス制御装置の識別子と同じであるときに、第3のクロック同期精度が第1のクロック同期精度であると決定するように構成される。
【0282】
可能な実装では、処理モジュール602は、無線デバイスのクロック同期情報および/または第1のクロック同期精度をネットワーク管理デバイスに送信するようにさらに構成される。
【0283】
可能な実装では、無線デバイスは、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスを含む。
【0284】
処理モジュール602は、第1の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第4のクロック同期精度を決定し、処理モジュール602は、無線デバイス制御装置は、第2の無線デバイスから受信されるクロック同期情報に基づいて第5のクロック同期精度を決定する。第4のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと通信装置60の間のクロック同期精度であり、第5のクロック同期精度は、第2の無線デバイスと通信装置60の間のクロック同期精度である。
【0285】
処理モジュール602は、第4のクロック同期精度および第5のクロック同期精度に基づいて第6のクロック同期精度を決定するようにさらに構成され、ここで、第6のクロック同期精度は、第1の無線デバイスと第2の無線デバイスの間のクロック同期精度である。処理モジュール602は、第6のクロック同期精度に基づいて、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが協働で第1のサービスを実行できるようにされるかどうかを決定するようにさらに構成され、ここで、第1のサービスは、2つ以上の無線デバイスによって協働運用が実行される必要があるサービスである。
【0286】
可能な実装では、処理モジュール602は、第4のクロック同期精度と第5のクロック同期精度の和を計算して、第6のクロック同期精度を得るように特に構成される。
【0287】
可能な実装では、処理モジュール602は、
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度未満であるときには、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にすると決定し、
第6のクロック同期精度が第1のサービスに対応するクロック同期精度超であるときには、第1の無線デバイスおよび第2の無線デバイスが第1のサービスを協働で実行することを可能にしないと決定する
ように特に構成される。
【0288】
その他については、
図2、
図3または
図4に対応する実施形態における無線デバイス制御装置の方法を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0289】
図7は、本願による別の通信装置70の構造の概略図である。
図2、
図3または
図4に対応する方法の実施形態における無線デバイスは、本実施形態の
図7に示される通信装置70の構造に基づくことがあることを理解されたい。通信装置70は、
無線アクセスネットワークRANデバイス(例えば基地局)内の無線ユニット(radio unit、RU)(無線周波数ユニットとも呼ばれる)であることもあるし、無線信号(例えば中間周波数信号または無線周波数信号)を処理する機能を有する別の処理装置であることもあることを理解されたい。例えば、通信装置70は、基地局内のリモート無線ユニット(remote radio unit、RRU)(リモート無線
周波数ユニットと呼ばれることもある)またはリモート無線ヘッド(remote radio head、RRH)であることがある。RRUは、通常は、マクロ基地局の従来の屋外有効範囲用であり、RRHは、通常は、屋内分散型システムの屋内有効範囲用である。例えば、5G NRシステムでは、通信装置70は、代替としてアクティブアンテナユニット(active antenna unit、AAU)、すなわちRRU(またはRRH)とアンテナとを一体化した処理ユニットであることもある。実際の適用および今後のネットワークの進化で、無線デバイスは、代替として無線周波数信号を受信および送信し、無線周波数信号または中間周波数信号を処理する機能を有する別のデバイスまたは装置であることもある。
【0290】
通信装置70は、少なくとも1つのプロセッサ701と、少なくとも1つのメモリ702と、少なくとも1つのトランシーバ703と、1つまたは複数のアンテナ704とを含む。プロセッサ701と、メモリ702と、トランシーバ703とは、接続装置を用いて接続され、アンテナ704は、トランシーバ703に接続される。接続装置は、様々なタイプのインタフェース、伝送ケーブルまたはバスなどを含み得る。これは、本実施形態では限定されない。
【0291】
メモリ702は、主としてソフトウェアプログラムおよびデータを記憶するように構成される。メモリ702は、独立して存在することもあり、プロセッサ701に接続される。任意選択で、メモリ702とプロセッサ701とが、例えば一体化されて1つまたは複数のチップになるなど一体化されることもある。メモリ702は、本願の実施形態の技術的解決策を実行するためのプログラムコードを記憶することができ、プロセッサ701は、その実行を制御する。様々なタイプの実行されたコンピュータプログラムコードも、プロセッサ701のドライバとしてみなされ得る。本実施形態の
図7は、1つのメモリと1つのプロセッサしか示していないことを理解されたい。ただし、実際の適用では、通信装置70は、複数のプロセッサまたは複数のメモリを有することもある。これは、本明細書では特に限定されない。さらに、メモリ702は、記憶媒体または記憶デバイスなどと呼ばれることもある。メモリ702は、プロセッサと同じチップ上に位置する記憶要素、すなわちオンチップ記憶要素であることもあるし、独立した記憶要素であることもある。これは、本願の実施形態では限定されない。
【0292】
本実施形態では、トランシーバ703は、通信装置70と端末デバイスの間の無線周波数信号の受信または送信を支援するように構成されることがあり、トランシーバ703は、アンテナ704に接続されることがある。トランシーバ703は、伝送器Txと受信器Rxとを含む。具体的には、1つまたは複数のアンテナ704は、無線周波数信号を受信することがある。トランシーバ703の受信器Rxは、アンテナ704から無線周波数信号を受信し、無線周波数信号をデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号に変換するように構成されて、デジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号が無線デバイス制御装置に伝送され、無線デバイス制御装置がそのデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号に対して例えば復調処理および復号処理などのさらなる処理を実行するようになっている。さらに、トランシーバ703の伝送器Txは、変調されたデジタルベースバンド信号または変調されたデジタル中間周波数信号を無線デバイス制御装置から受信し、その変調されたデジタルベースバンド信号または変調されたデジタル中間周波数信号を無線周波数信号に変換し、その無線周波数信号を1つまたは複数のアンテナ704を用いて送信するようにさらに構成される。具体的には、受信器Rxは、無線周波数信号に対して1レベルまたはマルチレベルのダウン周波数混合処理およびアナログ/デジタル変換処理を選択的に実行してデジタルベースバンド信号またはデジタル中間周波数信号を得ることがあり、ダウン周波数混合とアナログ/デジタル変換処理の順序は調整可能である。伝送器Txは、変調されたデジタルベースバンド信号または変調されたデジタル中間周波数信号に対して1つまたは複数のレベルの周波数アップ混合処理およびデジタル/アナログ変換処理を選択的に実行して、無線周波数信号を得ることがある。周波数アップ混合処理とデジタル/アナログ変換処理の順序は調整可能である。デジタルベースバンド信号およびデジタル中間周波数信号は、デジタル信号と総称されることもある。
【0293】
トランシーバ703は、トランシーバユニット、トランシーバマシンまたはトランシーバ装置などと呼ばれることもあることを理解されたい。任意選択で、トランシーバユニット内の、受信機能を実施するように構成された構成要素は受信ユニットとみなされ得、トランシーバユニット内の、送信機能を実施するように構成された構成要素は送信ユニットとみなされ得る。換言すれば、トランシーバユニットは、受信ユニットと送信ユニットとを含む。受信ユニットは、受信器、入力ポートまたは受信回路などと呼ばれることもある。送信ユニットは、伝送器または伝送回路などと呼ばれることもある。
【0294】
さらに、プロセッサ701は、主として、例えば通信装置70が上記の実施形態に記載されるアクションを実行するのを支援するように構成されるなど、通信プロトコル(例えばクロック同期プロトコル)および通信データを処理し、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するように構成される。可能な実装では、通信装置70は、
図2、
図3または
図4に対応する実施形態の方法を実行するように構成される。
【0295】
具体的には、通信装置70は、トランシーバ703を用いてクロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信し、ここで、クロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示し、クロック同期情報は、第1のクロック同期精度を決定するためのものであり、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。
【0296】
クロック同期精度は、測定されたクロックの時間(または位相)と基準クロックの時間(または位相)の間の差の変動範囲を指す。通常は、クロック同期精度は、テストメトリック内の測定されたクロックの時間(または位相)および基準クロックの時間(または位相)の平均誤差値によって表されることがある。本願では、クロック同期精度は、無線デバイスと特定の伝送デバイスまたは特定の無線デバイス制御装置の間の時間または位相の差の変動範囲である。いくつかの実施形態では、クロック同期精度は、同期精度または時間同期精度と呼ばれることもあることに留意されたい。
【0297】
クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示すということは、クロック同期情報が無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定するための情報であるということとして理解され得る。無線デバイス制御装置は、クロック同期情報に基づいて無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を決定することができる。
【0298】
クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであり、基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。
【0299】
任意選択で、無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを用いて無線デバイス制御装置に接続される。
【0300】
任意選択で、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0301】
任意選択で、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0302】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度とを含む。ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0303】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。
【0304】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続されたネットワークデバイスの間のチャネルである。
【0305】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0306】
その他については、
図2、
図3または
図4に対応する実施形態における無線デバイスの方法を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0307】
図8に示されるように、本願は、別の通信装置80をさらに提供する。通信装置80は、
図2、
図3もしくは
図4に対応する実施形態における無線デバイス、または無線デバイス内のチップであることがある。通信装置80は、処理モジュール801とトランシーバモジュール802とを含む。
【0308】
具体的には、処理モジュール801は、クロック同期情報を生成するように構成され、ここで、このクロック同期情報は、無線デバイスとクロックソースの間のクロック同期精度を示す。トランシーバモジュール802は、クロック同期情報を無線デバイス制御装置に送信するように構成され、ここで、このクロック同期情報は、第1のクロック同期精度を決定するためのものであり、第1のクロック同期精度は、無線デバイスと無線デバイス制御装置の間のクロック同期精度である。クロックソースは、無線デバイスが位置するクロックリンクに基準時間クロックを提供するネットワークデバイスであり、クロックリンクは、クロックソースと無線デバイスの間のクロック同期のためのリンクであり、基準時間クロックは、クロック同期またはクロック較正を実行するための最終基準である。
【0309】
任意選択で、無線デバイスは、少なくとも1つのクロック情報伝送デバイスを用いて無線デバイス制御装置に接続される。
【0310】
任意選択で、クロック同期情報は、管理メッセージで搬送される。
【0311】
任意選択で、クロック同期情報は、ユニキャスト方式で無線デバイス制御装置に伝送される。
【0312】
可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と、ソースポートの識別と、第2のクロック同期精度とを含む。ソースポートの識別は、クロックリンク上にあり、無線デバイスにクロック同期を提供する、上位レベルのネットワークデバイスを示す。第2のクロック同期精度は、無線デバイスの上位レベルのネットワークデバイスを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0313】
任意選択で、クロック同期情報は、無線デバイスの識別子をさらに含む。
【0314】
任意選択で、クロック同期情報は、クロックリンク上の通信チャネルの数量についての情報をさらに含み、通信チャネルは、クロック情報を伝送することができる2つの直接接続された伝送デバイスの間のチャネルである。
【0315】
別の可能な実装では、クロック同期情報は、クロックソースの識別と第3のクロック同期精度とを含み、第3のクロック同期精度は、クロックソースを基準とする無線デバイスのクロック同期精度である。
【0316】
その他については、
図2、
図3または
図4に対応する実施形態における無線デバイスの方法を参照されたい。本明細書では、詳細について重ねて述べることはしない。
【0317】
実装プロセスでは、上記の方法のステップは、プロセッサ内のハードウェア集積論理回路を用いて、またはソフトウェアの形態の命令を用いて実施されることが可能である。本願の実施形態を参照して開示されている方法のステップは、ハードウェアプロセッサによって直接実行されることもあるし、プロセッサ内のハードウェアとソフトウェアモジュールの組合せを用いて実行されることもある。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ、プログラマブル読取り専用メモリ、電気的消去可能プログラマブルメモリまたはレジスタなど、当技術分野の成熟した記憶媒体内に位置することもある。記憶媒体は、メモリ内に位置し、プロセッサは、メモリ内の情報を読み取り、プロセッサのハードウェアと組み合わせて上記の方法のステップを完了する。重複を避けるために、本明細書では詳細について重ねて述べることはしない。さらに、本明細書における「第1」、「第2」、「第3」、「第4」および様々な番号は、単に説明を容易にするための区別のために用いられているものであり、本願の実施形態の範囲を限定するためのものではないことを理解されたい。
【0318】
さらに、本願は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータにロードされて実行されたときに、本願の実施形態による手順または機能が、全て、または部分的に生成される。例えば、
図2、
図3または
図4の無線デバイス制御装置に関係する方法が実施される。別の例では、
図2、
図3または
図4の無線デバイスに関係する方法が実施される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワークまたは他のプログラマブル装置であり得る。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されることもあるし、コンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に伝送されることもある。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバまたはデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバまたはデータセンタに有線方式(例えば同軸ケーブル、光ファイバまたはデジタル加入者回線(digital subscriber line、DSL))またはワイヤレス方式(例えば赤外線、無線またはマイクロ波)で伝送され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体、または1つもしくは複数の利用可能な媒体を一体化したサーバもしくはデータセンタなどのデータ記憶デバイスであり得る。利用可能な媒体は、磁気媒体(例えばフロッピーディスク、ハードディスクもしくは磁気テープ)、光学媒体(例えばデジタル汎用ディスク(digital versatile disc、DVD))、または半導体媒体(例えばソリッドステートドライブ(solid state drive、SSD))などであり得る。
【0319】
さらに、本願は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。この記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、このコンピュータプログラムがプロセッサによって実行されて、
図2、
図3または
図4の無線デバイス制御装置に関係する方法を実施する。
【0320】
さらに、本願は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。この記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、このコンピュータプログラムがプロセッサによって実行されて、
図2、
図3または
図4の無線デバイスに関係する方法を実施する。
【0321】
本明細書における「および/または」という用語は、関連するオブジェクト間の関連関係のみを述べるものであり、3つの関係が存在し得ることを表していることを理解されたい。例えば、Aおよび/またはBは、次の3つのケース、すなわちAのみが存在するケース、AおよびBの両方が存在するケース、ならびにBのみが存在するケースを表し得る。さらに、本明細書における「/」という文字は、一般に、関連するオブジェクト間の「または」の関係を示す。
【0322】
上記のプロセスの続き番号は、本願の様々な実施形態における実行順序を意味するものではないことを理解されたい。プロセスの実行順序は、それらのプロセスの機能および内部論理に従って決定されるべきものであり、本願の実施形態の実装プロセスに対するいかなる限定とも解釈されないものとする。
【0323】
好都合かつ簡単に説明にするために、上記のシステム、装置およびユニットの詳細な動作プロセスについては、上記の方法の実施形態の対応するプロセスを参照されたく、また本明細書では詳細について重ねて述べることはしないということは、当業者なら明白に理解し得る。
【0324】
上記の実施形態は、単に本願の技術的解決策を説明するためのものであり、本願を限定するためのものではない。上記の実施形態を参照して本願について詳細に説明したが、当業者なら、本願の実施形態の技術的解決策の趣旨および範囲を逸脱することなく、上記の実施形態に記載される技術的解決策に依然として修正を加え得る、またはそれらの一部の技術的特徴に等価な置換を行い得ることを理解されたい。
【国際調査報告】