(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】タガントを有するエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20241018BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20241018BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20241018BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20241018BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D1/02
A24F40/20
A24F40/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024523420
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 EP2022079663
(87)【国際公開番号】W WO2023072875
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/126079
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ベサント ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ビナッシ エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】カナル ポンシコ アンナ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA50
4B045AB11
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC14
4B162AD20
4B162AD40
(57)【要約】
エアロゾル発生物品(10)は、エアロゾル発生基体(12)と、エアロゾル発生基体の下流に提供された下流セクションと、下流セクション上に提供されたタガント(60)とを含み、タガントの上流端は、エアロゾル発生基体の下流端から少なくとも0.5ミリメートルである。エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置(1)とを備える。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の一部分を受容するための空洞と、タガントの存在を検出する能力を有する検出器(8)とを備える。検出器は、エアロゾル発生物品が空洞の中に完全に挿入されている時に、タガントと実質的に整列するように配設されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品であって、
エアロゾル発生基体と、
前記エアロゾル発生基体の下流に提供された下流セクションと、
前記下流セクション上に提供されたタガントと、を含み、前記タガントの上流端が、前記エアロゾル発生基体の下流端から少なくとも0.5ミリメートルである、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記タガントが2ミリメートルよりも大きい長さを有する、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記タガントが4ミリメートルよりも大きい長さを有する、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記下流セクションがラッパーをさらに備え、前記タガントが前記ラッパー上に提供されている、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記タガントが前記ラッパーの内表面上に提供されている、請求項4に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記タガントが前記ラッパーの前記内表面上に印刷されている、請求項5に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記タガントの前記上流端が前記ラッパーの前記上流端と整列している、請求項4~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記タガントが、30ミリグラム毎平方メートル~420ミリグラム毎平方メートルの濃度で提供されている、請求項4~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記タガントが、少なくとも620ミリグラム毎平方メートルの濃度で提供されている、請求項4~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記タガントの前記上流端が、前記エアロゾル発生物品の前記上流端から少なくとも10ミリメートルである、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記タガントの前記上流端が、前記エアロゾル発生物品の前記下流端から少なくとも14ミリメートルである、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記タガントの前記下流端が、前記エアロゾル発生物品の前記下流端から少なくとも10ミリメートルである、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記タガントの前記下流端が、前記エアロゾル発生物品の前記上流端から少なくとも14ミリメートルである、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項14】
前記下流セクションが中空の管状要素をさらに備え、前記タガントの前記上流端が前記中空の管状要素の上に重なる、請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項15】
前記タガントの前記下流端が前記中空の管状要素の上に重なる、請求項14に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項16】
前記下流セクションの前記中空の管状要素に沿った場所に通気ゾーンをさらに備え、前記タガントが前記通気ゾーンの上流に提供されている、請求項14または請求項15に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項17】
前記タガントの前記下流端が、前記通気ゾーンから少なくとも1ミリメートルに提供されている、請求項16に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項18】
前記下流セクションがマウスピース要素をさらに備える、請求項1~17のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項19】
前記タガントの前記下流端が、前記マウスピース要素の前記上流端から少なくとも5ミリメートルに提供されている、請求項18に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項20】
前記エアロゾル発生基体の上流に提供された、かつ前記エアロゾル発生基体の前記上流端に当接する上流要素をさらに備える、請求項1~19のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項21】
前記タガントの上流端が、前記上流要素の前記下流端から少なくとも10ミリメートルに提供されている、請求項20に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項22】
上流要素が、制限のない流れチャネルを提供する長軸方向の空洞を画定する中空の管状要素を備える、請求項20または請求項21に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項23】
前記タガントの前記上流端が前記エアロゾル発生物品の上流半分に提供されていて、前記タガントの前記下流端が前記エアロゾル発生物品の下流半分に提供されている、請求項1~22のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項24】
前記タガントが、前記下流セクションを取り囲む連続な帯として提供されている、請求項1~23のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項25】
請求項1~24のいずれかに記載のエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生装置が、
前記エアロゾル発生物品の一部分を受容するための空洞と、
前記タガントの存在を検出する能力を有する検出器であって、前記エアロゾル発生物品が前記空洞の中に完全に挿入されている時に、前記タガントと実質的に整列するように配設されている検出器と、を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項26】
前記検出器が前記空洞の前記下流端から2ミリメートル以内に位置する、請求項25に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品に関する。具体的に、本発明は、エアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品に関し、エアロゾル発生物品はまた、タガントを含む。本発明はまた、こうしたエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当技術分野で周知である。典型的に、こうした加熱式喫煙物品においてエアロゾルは、熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料に伝達することによって発生され、このエアロゾル発生基体または材料は熱源と接触して、または熱源内に、または熱源の周囲に、または熱源の下流に位置してもよい。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
数多くの先行技術文書は、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置を開示している。こうした装置としては、例えばエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体への熱の伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式のエアロゾル発生装置が挙げられる。先行技術のエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を少なくとも部分的に受容するための空洞を含みうる。
【0004】
特定のエアロゾル発生装置は、特定のエアロゾル発生物品とともに使用するために構成されてもよい。例えば、エアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素によって到達する温度は、不快な風味の発生につながることなく、特定のエアロゾル発生基体におけるエアロゾル発生を最大化するように構成されてもよい。
【0005】
しかしながら、ユーザーは、不注意にまたは別の方法で、エアロゾル発生装置がエアロゾル発生物品とともに使用されるように設計されていないエアロゾル発生装置でエアロゾル発生物品を使用しようと試みる場合があることが考えられる。例えば、ユーザーは、エアロゾル発生装置において、従来の可燃性紙巻たばこ、または偽造エアロゾル発生物品の使用を試みる場合がある。これは、エアロゾル発生の不良およびユーザー体験の低減をもたらす場合があり、これはエアロゾル発生装置に悪影響を及ぼす場合がある。加えて、意図されるエアロゾル発生物品以外のエアロゾル発生物品の使用は、エアロゾル発生装置を損傷する場合がある。
【0006】
さらに、エアロゾル発生装置とともに使用されるエアロゾル発生物品の種類または風味に応じて、エアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素が、異なる時間で異なる温度に到達する(すなわち、異なる加熱プロファイルを有する)ことが望ましい場合がある。この場合、ユーザーがいかなる詳細も手動で入力する必要なく、エアロゾル発生装置が温度設定を自動的に改変できることが望ましいことになる。
【0007】
従って、エアロゾル発生装置が特定のエアロゾル発生物品の存在を検出することができるシステムを提供することが望ましいことになる。エアロゾル発生装置が特定のエアロゾル発生物品を認識しない場合、エアロゾル発生装置は、ユーザー体験の不良を防止するためにヒーター要素を起動しない場合がある。加えて、エアロゾル発生装置が特定の認識されたエアロゾル発生物品を検出する場合、その種のエアロゾル発生物品とともに使用するために特別に構成された特定の加熱プロファイルを実行してもよい。
【0008】
加えて、エアロゾル発生装置が、特定のエアロゾル発生物品の存在を確実に、かつエアロゾル発生システムの数回の使用後であっても検出することができるシステムを提供することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0009】
本開示はエアロゾル発生物品に関する。エアロゾル発生物品はエアロゾル発生基体を含んでもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の下流に提供された下流セクションを備えてもよい。エアロゾル発生物品は、下流セクション上に提供されたタガントを含んでもよい。タガントの上流端は、エアロゾル発生基体の下流端から少なくとも0.5ミリメートルであってもよい。
【0010】
本発明によると、エアロゾル発生基体と、エアロゾル発生基体の下流に提供された下流セクションと、下流セクション上に提供されたタガントとを含むエアロゾル発生物品が提供されていて、タガントの上流端は、エアロゾル発生基体の下流端から少なくとも0.5ミリメートルである。
【0011】
エアロゾル発生物品上にタガントを提供することは、適切な検出器を含むエアロゾル発生装置によってエアロゾル発生物品が検出および識別されることを可能にしてもよい。この識別は有利なことに、例えばエアロゾル発生物品の真正性を検証するために、またはエアロゾル発生物品にとって適切な加熱プロファイルを決定するために使用されうる。
【0012】
本発明に関して本明細書で使用される「タガント」という用語は、構成要素に添加される化学的または物理的マーカーを指し、その存在が適切な検出器によって検出されてもよく、構成要素を識別することを可能にする。物理的タガントは、多くの異なる形態を取ることができるが、典型的にサイズがごく小さく、低レベルで含まれ、検出が簡単である。タガントは独自にコードされた材料を含んでもよい。
【0013】
タガントは任意のタガントであってもよい。例えば、タガントは、フォトルミネセント材料の光励起後、50マイクロ秒~1000マイクロ秒の発光半減期を有するフォトルミネセント材料を含んでもよい。
【0014】
本発明を参照して本明細書で使用される「発光半減期」という用語は、フォトルミネセント材料が放射源によって照射された後、および放射源が除去またはスイッチオフされた後、フォトルミネセント材料による放射発光の強度が半分だけ減衰するのにかかった時間を指す。
【0015】
有利なことに、フォトルミネセント材料を含むタガントは、識別可能なインクパターンを含む知られているシステムと比較して、偽造エアロゾル発生物品の製造中に複製することがより困難である場合がある。例えば、特定のフォトルミネセント材料と、フォトルミネセント材料が励起されうる一つ以上の放射波長と、フォトルミネセント材料が放射を発しうる一つ以上の波長とのうちの少なくとも一つを決定することなく、偽造物品を製造することは不可能である場合がある。
【0016】
使用時に、エアロゾル発生物品は、対応するエアロゾル発生装置の空洞の中に部分的に挿入されてもよい。エアロゾル発生基体を加熱するために、エアロゾル発生物品が空洞の中に完全に挿入されている時に、エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素と概して整列している。「完全に挿入された」という用語は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生のために意図された位置にある時の、エアロゾル発生装置の空洞内のエアロゾル発生物品の位置を記述することが理解される。エアロゾル発生物品の全長が空洞内にある必要はない。以下に説明の通り、エアロゾル発生物品の一部分(例えば、マウスピース)は、エアロゾル発生物品が空洞の中に完全に挿入されている時に、空洞から突出してもよい。
【0017】
タガントをエアロゾル発生基体の0.5ミリメートル下流の位置に提供することは、幾つかの利点をもたらす。第一に、この提供は、一つ以上の電気ヒーター要素によって加熱される空洞の部分から離れるように、かつその下流に検出器が位置することを可能にする。繰り返しの使用中に、加熱される空洞の部分は、加熱副産物およびスラリーの蓄積を生じる場合があり、これは空洞の内壁上に凝縮しうる。タガントをエアロゾル発生基体から少なくとも0.5ミリメートル離れて位置付けることはまた、加熱副産物およびスラリーの蓄積の影響を最も受けやすい空洞の部分から少なくとも0.5ミリメートル離れて検出器が位置することを可能にしてもよい。これは有利なことに、検出器の信頼性を改善しうる。
【0018】
第二に、この提供は、加熱される必要があるエアロゾル発生物品の場所の下流の位置にタガントが位置するため、タガント自体が使用中に直接加熱されることを防止する。一部のタガントは、加熱されると劣化または損傷する場合があることが予期される。従って、タガントをエアロゾル発生基体の下流に位置させることは、タガントが損傷するのを防止しうるため、有利なことにタガント検出の信頼性を改善しうる。加えて、この提供は、上述の通り、使用中に加熱される空洞の部分に位置する可能性が最も高い加熱副産物およびスラリーにタガントが接触するのを防止してもよい。従って、これは、タガントの汚染を防止することによって、タガント検出の信頼性をさらに改善しうる。
【0019】
第三に、この提供は、エアロゾル発生物品が空洞の中に完全に挿入されている時に、タガントが空洞の開口部に非常に近接して位置することを可能にする。これは、検出器が空洞の開口部の近くに位置することを可能にしてもよい。これは、加熱副産物およびスラリーが検出器上に堆積する場合、適切なツールを使用して、検出器を容易にクリーニングすることを可能にしてもよい。これは有利なことに、検出器の信頼性を改善しうる。
【0020】
タガントの上流端は、エアロゾル発生基体の下流端から少なくとも0.5ミリメートルであってもよい。例えば、タガントの上流端は、エアロゾル発生基体の下流端から少なくとも1ミリメートル、少なくとも1.5ミリメートル、または少なくとも2ミリメートルであってもよい。
【0021】
タガントの上流端は、エアロゾル発生基体の下流端から5ミリメートル以内に位置してもよい。例えば、タガントの上流端は、エアロゾル発生基体の下流端から4ミリメートル以内、3ミリメートル以内、または2ミリメートル以内であってもよい。
【0022】
エアロゾル発生基体の下流端から5ミリメートル以内に位置するタガントの提供は有利なことに、タガント検出器が依然としてエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素に比較的に近接することができるため、エアロゾル発生装置が比較的にコンパクトのままであることを可能にしてもよい。さらに、この提供はまた、タガントが使用中にユーザーの唇によって覆われることを防止してもよい。これは有利なことに、タガントの信頼性をさらに改善しうる。
【0023】
タガントの上流端は、エアロゾル発生基体の下流端から約2ミリメートルに位置してもよい。
【0024】
タガントは任意の長さを有してもよい。タガントは、少なくとも1ミリメートルの長さを有してもよい。例えば、タガントは、少なくとも2ミリメートル、少なくと4ミリメートル、少なくとも5ミリメートル、または少なくとも6ミリメートルの長さを有してもよい。
【0025】
この長さを有するタガントの提供は有利なことに、タガントが検出器によって検出される可能性を改善してもよく、エアロゾル発生物品の長さにわずかな違いがある場合でさえも、および/またはエアロゾル発生物品が空洞の中にどの程度挿入されていようとも、タガントが検出されることを可能にしてもよい。これは有利なことに、タガントの信頼性を改善しうる。
【0026】
タガントは、10ミリメートル以下の長さを有してもよい。例えば、タガントは、5ミリメートル以下の長さを有してもよい。この長さを超えないタガントの提供は有利なことに、タガントを一つの構成要素に施すだけでよい場合があるため、タガントの製造の容易さを改善しうる。
【0027】
タガントは、約6.5ミリメートルの長さを有してもよい。
【0028】
本明細書で使用される「長さ」という用語は、その構成要素の最も遠い上流点からその構成要素の最も遠い下流点までの、長軸方向のエアロゾル発生物品の構成要素の寸法を意味する。例えば、この用語は、長軸方向におけるタガントの最も遠い上流点からタガントの最も遠い下流点までのタガントの寸法を意味するために使用されうる。
【0029】
本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置の上流端と下流端の間に延びる、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置の主な長軸方向軸に対応する方向を指す。本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中にエアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置を通してエアロゾルが移動される方向に対する、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置の要素(または要素の部分)の相対的な位置を説明する。使用中、空気はエアロゾル発生物品を通して長軸方向に引き出される。
【0030】
タガントは、下流セクション上の任意の構成要素上に提供されてもよい。例えば、タガントは、接着剤、ラッパー、チッピングペーパー、フィルタープラグ、サセプタ、マウスピースフィルター、空間管、または存在する場合、風味剤のうちの一つ以上に提供されてもよい。タガントは、二つ以上の構成要素上に提供されてもよい。これは有利なことに、検出器によるタガントの検出をより信頼性のある検出にしうる。
【0031】
下流セクションはラッパーを備えてもよい。ラッパーは、下流セクションの一つ以上の構成要素を取り囲んでもよい。ラッパーは、下流セクションをエアロゾル発生基体に結合してもよい。下流セクションは、二つ以上のラッパーを備えてもよい。例えば、下流セクションは、チッピングペーパーまたは結合用ラッパーを備えてもよい。下流セクションが二つ以上のラッパーを備え、ラッパーが重なる場合、タガントは最も外側のラッパー上に提供されてもよい。最も外側のラッパーは、紙ラッパーまたは非紙ラッパーであってもよい。本発明の特定の実施形態で使用する適切な紙ラッパーは当業界で知られていて、これにはシガレットペーパーおよびフィルタープラグラップが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
タガントはラッパーの内表面上に提供されてもよい。これは有利なことに、損傷または汚染からタガントをさらに保護しうる。これは有利なことに、タガントの信頼性を改善しうる。
【0033】
タガントは、最も外側のラッパーの内表面上に提供されてもよい。
【0034】
タガントはラッパーの外表面上に提供されてもよい。タガントは、ラッパーの内表面上と外表面上の両方に提供されてもよい。
【0035】
タガントはラッパーの内表面上に印刷されてもよい。タガントは、ラッパーの内表面上にスプレーまたは塗布されてもよい。
【0036】
タガントの上流端は、ラッパーの上流端と整列していてもよい。これは有利なことに、エアロゾル発生物品の製造を単純化しうる。
【0037】
タガントの上流端は、エアロゾル発生物品の上流端から少なくとも10ミリメートルであってもよい。例えば、タガントの上流端は、エアロゾル発生物品の上流端から少なくとも10ミリメートル、少なくとも15ミリメートル、または少なくとも19ミリメートルであってもよい。これは有利なことに、エアロゾル発生装置を比較的にコンパクトに保つことを可能にしてもよい。
【0038】
タガントの上流端は、エアロゾル発生物品の上流端から約19ミリメートルであってもよい。
【0039】
タガントの上流端は、エアロゾル発生物品の下流端から少なくとも14ミリメートルであってもよい。例えば、タガントの上流端は、エアロゾル発生物品の下流端から少なくとも14ミリメートル、少なくとも20ミリメートル、または少なくとも26ミリメートルであってもよい。これは、タガントが使用中にユーザーの唇によって覆われることを防止してもよい。これは有利なことに、タガントの信頼性をさらに改善しうる。
【0040】
タガントの上流端は、エアロゾル発生物品の下流端から約26ミリメートルであってもよい。
【0041】
タガントの下流端は、エアロゾル発生物品の下流端から少なくとも10ミリメートルであってもよい。例えば、タガントの下流端は、エアロゾル発生物品の下流端から少なくとも15ミリメートル、または少なくとも19ミリメートルであってもよい。これは、タガントが使用中にユーザーの唇によって覆われることを防止してもよい。これは有利なことに、タガントの信頼性をさらに改善しうる。
【0042】
タガントの下流端は、エアロゾル発生物品の下流端から約19.5ミリメートルであってもよい。
【0043】
タガントの下流端は、エアロゾル発生物品の上流端から少なくとも14ミリメートルであってもよい。例えば、タガントの下流端は、エアロゾル発生物品の上流端から少なくとも20ミリメートル、または少なくとも25ミリメートルであってもよい。
【0044】
タガントの下流端は、エアロゾル発生物品の上流端から約25.5ミリメートルであってもよい。
【0045】
下流セクションは中空の管状要素を備えてもよい。タガントの上流端は中空の管状要素の上に重なってもよい。中空の管状要素は厚紙を含んでもよい。中空の管状要素は厚紙管であってもよい。中空の管状要素は厚紙から形成されてもよい。有利なことに厚紙は、エアロゾル発生装置の中への物品の挿入の容易さを提供するために変形可能であることと、装置の内部との物品の適切な係合を提供するために十分に堅いこととの間のバランスを提供する、コスト効果の高い材料である。従って、厚紙の管は使用中に、変形または圧縮に対して適切な抵抗を提供する場合がある。
【0046】
タガントの上流端を中空の管状要素上に位置させることは有利なことに、使用中に加熱される必要がない構成要素上にタガントが位置することを意味しうる。結果として、タガントは使用中に加熱されることを回避する場合があり、これはタガントの信頼性を改善しうる。加えて、対応するエアロゾル発生物品の検出器が、エアロゾル発生装置の少なくとも一つの電気ヒーター要素から離れて位置することを可能にしてもよい。上記に提示の通り、これは有利なことに、タガント検出器の信頼性を改善しうる。
【0047】
タガントの下流端は、中空の管状要素の上に重なってもよい。
【0048】
エアロゾル発生物品は、下流セクションの中空の管状要素に沿った場所に通気ゾーンをさらに備えてもよく、タガントは通気ゾーンの上流に提供されている。
【0049】
こうした通気された中空の管状要素は、エアロゾルの特に効率的な冷却を提供しうる。それ故に、エアロゾルの満足のいく冷却は、比較的に短い下流セクションによってさえも達成されることができる。これは、エアロゾル発生基体(および、特にたばこを含有するもの)が燃焼ではなく加熱され、満足のいくエアロゾル送達と、消費者にとって望ましい温度へのエアロゾルの効率的な冷却とを組み合わせる、エアロゾル発生物品の提供を可能にするため、特に望ましい。
【0050】
発明者らは驚くべきことに、エアロゾル発生基体の加熱に伴い放出される揮発性種のこうした急速冷却が、エアロゾル粒子の核形成を促進し強化することを見いだした。この効果は、以下でより詳細に説明される通り、通気ゾーンが、エアロゾル発生物品の他の構成要素に対して、中空の管状要素の長さに沿って正確に画定された場所に配設される時に特に、感じられる。実際に、発明者らは、強化された核形成の好都合な効果が、通気空気の導入によって誘発された希釈の潜在的にあまり望ましくない効果に著しく対抗する能力を有することを見いだした。
【0051】
通気ゾーンは典型的に、中空の管状要素の周辺壁を通る複数の穿孔を備えてもよい。通気ゾーンは、穿孔の少なくとも一つの円周状の列を備えることが好ましい。一部の実施形態において、通気ゾーンは、穿孔の二つの円周状の列を備えてもよい。例えば、穿孔は、エアロゾル発生物品の製造中にオンラインで形成されてもよい。穿孔の円周状の各列は、8~30個の穿孔を含むことが好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品は、少なくとも約2パーセントの通気レベルを有してもよい。
【0052】
「通気レベル」という用語は本明細書を通して、通気ゾーン(通気気流)を介してエアロゾル発生物品の中に入る気流と、エアロゾル気流および通気気流の合計との間の容積比を意味するために使用される。通気レベルが大きいほど、消費者に送達されるエアロゾル流の希釈が高くなる。エアロゾル発生物品は、好ましくは少なくとも5パーセント、より好ましくは少なくとも10パーセント、なおより好ましくは少なくとも12パーセントまたは少なくとも15パーセントの通気レベルを有する。
【0053】
本発明によるエアロゾル発生物品は、最高約90パーセントの通気レベルを有してもよい。好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品は、80パーセント以下、より好ましくは70パーセント以下、なおより好ましくは60パーセント以下、最も好ましくは50パーセント以下の通気レベルを有する。
【0054】
使用時に、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞の中に完全に挿入されている時に、通気ゾーンは、空洞から突出して空気が通気ゾーンに入ることを可能にするエアロゾル発生物品の一部分上に提供されている。結果として、通気ゾーンの上流の場所にタガントを提供することは、タガントが空洞内に位置することを可能にし、検出器によって検出される一方で、通気ゾーンは空洞の外に延びて、通気ゾーンが閉塞されるのを防止する。
【0055】
タガントの下流端は、通気ゾーンから少なくとも1ミリメートルに提供されてもよい。例えば、タガントの下流端は、通気ゾーンから少なくとも2ミリメートル、または少なくとも3ミリメートルに提供されてもよい。タガントの下流端は、通気ゾーンから約3.5ミリメートルに提供されてもよい。
【0056】
通気ゾーンの近くにタガントの下流端を提供することは、タガントと通気ゾーンの両方が空洞の開口部の近くに位置することを可能にし、エアロゾル発生物品が空洞内に完全に挿入されている時に、タガントが空洞内に提供され、通気ゾーンが空洞の外側に提供されている。上述の通り、これは有利なことに、タガントが、加熱される空洞の部分から離れることを可能にしてもよい。これはまた、通気ゾーンが使用時にユーザーの唇によって覆われることを防止してもよい。
【0057】
下流セクションはマウスピース要素をさらに備えてもよい。マウスピース要素は中空の管状要素の下流に位置してもよい。マウスピース要素は中空の管状要素に隣接してもよい。マウスピース要素の下流端は、エアロゾル発生物品の下流端を画定してもよい。
【0058】
マウスピース要素は、エアロゾル発生物品の口側端までずっと延びてもよい。マウスピース要素は、繊維質の濾過材料から形成された少なくとも一つのマウスピースフィルターセグメントを備えてもよい。マウスピース要素は中空の管状要素の下流に位置してもよく、これは上述されている。マウスピース要素は、中空の管状要素とエアロゾル発生物品の下流端との間に延びてもよい。
【0059】
繊維質の濾過材料は、エアロゾル発生基体から発生したエアロゾルを濾過するためであってもよい。適切な繊維質の濾過材料は、当業者に周知であろう。少なくとも一つのマウスピースフィルターセグメントは、セルロースアセテートトウから形成されたセルロースアセテートフィルターセグメントを含むことが特に好ましい。
【0060】
タガントの下流端は、マウスピース要素の上流端から少なくとも5ミリメートルに提供されてもよい。例えば、タガントの下流端は、マウスピース要素の上流端から少なくとも10ミリメートル、または少なくとも12.5ミリメートルに提供されてもよい。マウスピース要素の上流にタガントを提供することは、タガントが使用中にユーザーの唇によって覆われることを防止してもよい。これは有利なことに、タガントの信頼性をさらに改善しうる。
【0061】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の上流に提供された、かつエアロゾル発生基体の上流端に当接する上流要素をさらに備えてもよい。
【0062】
上流要素の提供は有利なことに、エアロゾル発生基体の上流端を保護する場合があり、これはそうでなければ露出されるであろう。また、刻みたばこ材料のばらばらの粒子が、エアロゾル発生基体の上流端から失われるリスクを低減しうる。
【0063】
さらに、上流要素を提供することは、加熱装置の空洞の中へのエアロゾル発生物品の上流端の挿入を容易にする場合があり、かつ挿入中にエアロゾル発生基体のロッドの上流端を保護する場合がある。
【0064】
本発明の文脈において、上流要素はまた、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞の中に完全に挿入されている時に、タガントがエアロゾル発生装置の検出器に直接隣接して位置することを有利なことに可能にするようにサイズ設定されてもよい。これは有利なことに、タガント検出器の信頼性を改善しうる。
【0065】
タガントの上流端は、上流要素の下流端から少なくとも10ミリメートルに提供されてもよい。例えば、タガントの上流端は、上流要素の下流端から少なくとも12ミリメートル、または少なくとも14ミリメートルに提供されてもよい。
【0066】
これは有利なことに、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞の中に完全に挿入されている時に、タガントが空洞の開口部の近くに位置することを可能にしてもよい。
【0067】
上流要素は、制限のない流れチャネルを提供する長軸方向の空洞を画定する中空の管状要素を備えてもよい。この配設は、エアロゾル発生物品内のRTDの最適化されたバランスを提供しうる。本発明の物品の配設で、上流要素およびエアロゾル発生基体の長さおよびRTDは、これらの要素いずれかの材料または構造の変更が、全体的なRTDに顕著な影響を与えないように適合されている。上流要素の管状形態は、制限のない流れチャネルをもたらし、これは上流要素のRTDが非常に低く、上流要素の長さのみに依存し、上流要素が形成される材料に依存しないことを確実にする。これは、上流要素の材料に容易に変更を加えることができることを意味し、これは空隙率などの特性に影響を与えうるが、上流要素が寄与するRTDに影響を与えない。
【0068】
タガントの上流端は、エアロゾル発生物品の上流半分に提供されてもよい。タガントの下流端は、エアロゾル発生物品の下流半分に提供されてもよい。
【0069】
タガントの上流端は、エアロゾル発生物品の上流半分に提供されてもよく、タガントの下流端は、エアロゾル発生物品の下流半分に提供されてもよい。この場合、タガントは、エアロゾル発生物品の長さに沿った中点に提供されている。
【0070】
タガントは、下流セクションを取り囲む連続な帯として提供されてもよい。
【0071】
帯は、下流セクションの周囲の周りに一定の幅を有してもよい。下流セクションを取り囲む連続な帯としてのタガントの提供は有利なことに、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生物品の空洞の中に挿入される配向に関係なく、タガントが検出器によって検出されることを可能にしてもよい。これは有利なことに、タガント検出器の信頼性を改善しうる。
【0072】
タガントは、少なくとも30ミリグラム毎平方メートルの濃度で提供されてもよい。例えば、タガントは、少なくとも50ミリグラム毎平方メートル、少なくとも100ミリグラム毎平方メートル、または少なくとも150ミリグラム毎平方メートルの濃度で提供されてもよい。
【0073】
タガントは、420ミリグラム毎平方メートル以下の濃度で提供されてもよい。例えば、タガントは、400ミリグラム毎平方メートル以下、350ミリグラム毎平方メートル以下、または300ミリグラム毎平方メートル以下の濃度で提供されてもよい。
【0074】
タガントは、30ミリグラム毎平方メートル~420ミリグラム毎平方メートルの濃度で提供されてもよい。
【0075】
タガントは、少なくとも620ミリグラム毎平方メートルの濃度で提供されてもよい。例えば、タガントは、少なくとも670ミリグラム毎平方メートル、少なくとも720ミリグラム毎平方メートル、少なくとも770ミリグラム毎平方メートル、または少なくとも820ミリグラム毎平方メートルの濃度で提供されてもよい。
【0076】
(タガントは、)1000ミリグラム毎平方メートル以下の濃度で提供されてもよい。例えば、タガントは、950ミリグラム毎平方メートル以下、900ミリグラム毎平方メートル以下、または850ミリグラム毎平方メートル以下の濃度で提供されてもよい。
【0077】
この濃度範囲のタガントの提供は有利なことに、タガントの信頼できる検出を確実にしうる。
【0078】
本開示はまた、エアロゾル発生システムに関する。エアロゾル発生システムは、上述の通りのエアロゾル発生物品を備えてもよい。エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の一部分を受容するための空洞を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、タガントの存在を検出する能力を有する検出器を備えてもよい。検出器は、エアロゾル発生物品が空洞の中に完全に挿入されている時に、タガントと実質的に整列するように配設されてもよい。
【0079】
本発明によると、先行する請求項のいずれかによるエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の一部分を受容するための空洞と、タガントの存在を検出する能力を有する検出器とを備え、検出器は、エアロゾル発生物品が空洞の中に完全に挿入されている時に、タガントと実質的に整列するように配設されている。
【0080】
装置空洞は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーと称される場合がある。装置空洞は、遠位端と口側(または近位)端との間に延びてもよい。装置空洞の遠位端は閉鎖端であってもよく、装置空洞の口側(または近位)端は開放端であってもよい。エアロゾル発生物品は、装置空洞の開放端を介して、装置空洞または加熱チャンバーの中に挿入されてもよい。装置空洞は、エアロゾル発生物品の同じ形状に適合するように、円筒状の形状であってもよい。
【0081】
エアロゾル発生物品が空洞の中に完全に挿入されている時に、検出器と実質的に整列しているタガントの提供は有利なことに、検出器による信頼できるタガントの検出を可能にしてもよい。
【0082】
エアロゾル発生装置は、ヒーター、ユーザーインターフェース、電源、コントローラなどの一つ以上の追加的な構成要素をさらに備えてもよい。
【0083】
エアロゾル発生装置はヒーターを備えてもよい。ヒーターは、任意の適切なタイプのヒーターであってもよい。ヒーターは外部ヒーターであることが好ましい。ヒーターは、エアロゾル発生装置内に受容された時に、エアロゾル発生物品を外部から加熱しうることが好ましい。こうした外部ヒーターは、エアロゾル発生装置内に挿入または受容された時に、エアロゾル発生物品を取り囲んでもよい。
【0084】
ヒーターは、エアロゾル発生物品が装置空洞内に受容されている時に、エアロゾル発生物品を取り囲むように構成されてもよい。
【0085】
一部の実施形態において、ヒーターは、エアロゾル発生基体の外表面を加熱するように配設されている。一部の実施形態において、ヒーターは、エアロゾル発生基体が空洞内に受容されている時に、エアロゾル発生基体の中への挿入のために配設されている。ヒーターは、装置空洞または加熱チャンバー内に位置付けられてもよい。こうしたヒーターは、外部ヒーターとして記述されてもよい。
【0086】
検出器は、空洞の下流端から4ミリメートル以内に位置してもよい。
【0087】
例えば、検出器は、空洞の下流端から2ミリメートル以内、または1ミリメートル以内に位置してもよい。
【0088】
上述の通り、空洞の開口部の近くに検出器を提供することは、加熱副産物およびスラリーが検出器上に堆積する場合、適切なツールを使用して、検出器を容易にクリーニングすることを可能にしてもよい。
【0089】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【実施例】
【0090】
実施例1. エアロゾル発生基体と、エアロゾル発生基体の下流に提供された下流セクションと、下流セクション上に提供されたタガントとを含み、タガントの上流端が、エアロゾル発生基体の下流端から少なくとも0.5ミリメートルである、エアロゾル発生物品。
【0091】
実施例2. タガントが2ミリメートルよりも大きい長さを有する、実施例1に記載のエアロゾル発生物品。
【0092】
実施例3. タガントが4ミリメートルよりも大きい長さを有する、実施例1または実施例2に記載のエアロゾル発生物品。
【0093】
実施例4. 下流セクションがラッパーをさらに備え、タガントがラッパー上に提供されている、実施例1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【0094】
実施例5. タガントがラッパーの内表面上に提供されている、実施例4に記載のエアロゾル発生物品。
【0095】
実施例6. タガントがラッパーの内表面上に印刷されている、実施例5に記載のエアロゾル発生物品。
【0096】
実施例7. タガントの上流端がラッパーの上流端と整列している、実施例4~6のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
【0097】
実施例8. タガントが、30ミリグラム毎平方メートル毎平方メートル~420ミリグラム毎平方メートル毎平方メートルの濃度で提供されている、実施例4~7のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
【0098】
実施例9. タガントが、少なくとも620ミリグラム毎平方メートルの濃度で提供されている、実施例4~7のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
【0099】
実施例10. タガントの上流端が、エアロゾル発生物品の上流端から少なくとも10ミリメートルである、実施例1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【0100】
実施例11. タガントの上流端が、エアロゾル発生物品の下流端から少なくとも14ミリメートルである、実施例1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【0101】
実施例12. タガントの下流端が、エアロゾル発生物品の下流端から少なくとも10ミリメートルである、実施例1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【0102】
実施例13. タガントの下流端が、エアロゾル発生物品の上流端から少なくとも14ミリメートルである、実施例1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【0103】
実施例14. 下流セクションが中空の管状要素をさらに備え、タガントの上流端が中空の管状要素の上に重なる、実施例1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【0104】
実施例15. タガントの下流端が中空の管状要素の上に重なる、実施例14に記載のエアロゾル発生物品。
【0105】
実施例16. 下流セクションの中空の管状要素に沿った場所に通気ゾーンをさらに備え、タガントが通気ゾーンの上流に提供されている、実施例14または実施例15に記載のエアロゾル発生物品。
【0106】
実施例17. タガントの下流端が、通気ゾーンから少なくとも1ミリメートルに提供されている、実施例16に記載のエアロゾル発生物品。
【0107】
実施例18. 下流セクションがマウスピース要素をさらに備える、実施例1~17のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【0108】
実施例19. タガントの下流端が、マウスピース要素の上流端から少なくとも5ミリメートルに提供されている、実施例18に記載のエアロゾル発生物品。
【0109】
実施例20. エアロゾル発生基体の上流に提供された、かつエアロゾル発生基体の上流端に当接する上流要素をさらに備える、実施例1~19のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【0110】
実施例21. タガントの上流端が、上流要素の下流端から少なくとも10ミリメートルに提供されている、実施例20に記載のエアロゾル発生物品。
【0111】
実施例22. 上流要素が、制限のない流れチャネルを提供する長軸方向の空洞を画定する中空の管状要素を備える、実施例20または実施例21に記載のエアロゾル発生物品。
【0112】
実施例23. タガントの上流端がエアロゾル発生物品の上流半分に提供されていて、タガントの下流端がエアロゾル発生物品の下流半分に提供されている、実施例1~22のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【0113】
実施例24. タガントが、下流セクションを取り囲む連続な帯として提供されている、実施例1~23のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【0114】
実施例25. 実施例1~24のいずれかに記載のエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置とを備え、エアロゾル発生装置が、エアロゾル発生物品の一部分を受容するための空洞と、タガントの存在を検出する能力を有する検出器とを備え、エアロゾル発生物品が空洞の中に完全に挿入されている時に、検出器がタガントと実質的に整列するように配設されている、エアロゾル発生システム。
【0115】
実施例26. 検出器が空洞の下流端から2ミリメートル以内に位置する、実施例25に記載のエアロゾル発生システム。
【0116】
以下の非限定的な実施例において、添付図の図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態によるエアロゾル発生物品の概略側面斜視図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態によるエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムの概略側面断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0118】
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体12と、エアロゾル発生基体12の下流の場所にある下流セクションとを備える。エアロゾル発生物品10は、上流端または遠位端16から下流端または口側端18に延びる。下流セクションは、中空の管状要素20およびマウスピース要素50を備える。
【0119】
エアロゾル発生物品10は、約45ミリメートルの全長および約7.2mmの外径を有する。
【0120】
エアロゾル発生基体12は、刻みたばこ材料を含む。エアロゾル発生基体12は、13重量パーセント~16重量パーセントのグリセリンを含む150ミリグラムの刻みたばこ材料を含む。エアロゾル発生基体の密度は、約300mg毎立方センチメートルである。エアロゾル発生基体12のRTDは、約6~8mmH2Oである。エアロゾル発生基体12は、プラグラップ(図示せず)によって個別に巻かれている。
【0121】
中空の管状要素20は、エアロゾル発生基体12のすぐ下流に位置し、中空の管状要素20は、エアロゾル発生基体12と長軸方向に整列している。中空の管状要素20の上流端は、エアロゾル発生基体12の下流端に当接する。
【0122】
中空の管状要素20は、エアロゾル発生物品10の中空セクションを画定する。中空の管状要素は、エアロゾル発生物品の全体的なRTDに実質的に寄与しない。より詳細に、中空の管状要素20のRTDは、約0mmH2Oである。
【0123】
中空の管状要素20は、厚紙で作製された中空の円筒状管の形態で提供されている。中空の管状要素20は、中空の管状要素20の上流端から中空の管状要素20の下流端にずっと延びる内部空洞22を画定する。内部空洞22は実質的に空であり、そのため内部空洞22に沿って、実質的に制限のない気流が可能である。中空の管状要素20は、エアロゾル発生物品10の全体的なRTDに実質的に寄与しない。
【0124】
中空の管状要素20は、約21ミリメートルの長さと、約7.2ミリメートルの外径と、約6.7ミリメートルの内径とを有する。それ故に、中空の管状要素20の周辺壁の厚さは、約0.25ミリメートルである。
【0125】
エアロゾル発生物品10は、中空の管状要素20に沿った場所に提供された通気ゾーン30を備える。より詳細に、通気ゾーン30は、物品10の下流端18から約16ミリメートルに提供されている。通気ゾーン30は、エアロゾル発生基体12の下流端から約12mm下流に提供されている。通気ゾーン30は、マウスピース要素50の上流端から約9mm上流に提供されている。通気ゾーン30は、中空の管状要素20を取り囲む、開口部または穿孔の円周状の列を備える。通気ゾーン30の穿孔は、物品10の外部から内部空洞22の中への流体の侵入を可能にするために、中空の管状要素20の壁を通って延びる。エアロゾル発生物品10の通気レベルは、約16パーセントである。
【0126】
エアロゾル発生基体12と、エアロゾル発生基体12の下流の場所にある下流セクションとの上に、エアロゾル発生物品100は、エアロゾル発生基体12の上流の場所にある上流セクションを備える。このように、エアロゾル発生物品10は、上流セクションの上流端と実質的に一致する遠位端16から、下流セクションの下流端と実質的に一致する口側端または下流端18に延びる。
【0127】
上流セクションは、エアロゾル発生基体12のすぐ上流に位置する上流要素42を備え、上流要素42は、エアロゾル発生基体12と長軸方向に整列している。上流要素42の下流端は、エアロゾル発生基体12の上流端に当接する。上流要素42は、約1mmの壁厚さを有する、かつ内部空洞23を画定するセルロースアセテートトウの中空の円筒状プラグの形態で提供されている。上流要素42は、約5ミリメートルの長さを有する。上流要素42の外径は、約7.1mmである。上流要素42の内径は、約5.1mmである。
【0128】
マウスピース要素50は、中空の管状要素20の下流端から、エアロゾル発生物品10の下流端または口側端に延びる。マウスピース要素50は、約7mmの長さを有する。マウスピース要素50の外径は、約7.2mmである。マウスピース要素50は、低密度のセルロースアセテートフィルターセグメントを備える。マウスピース要素50のRTDは、約8mmH2Oである。マウスピース要素50は、プラグラップ(図示せず)によって個別に巻かれてもよい。
【0129】
図1に示す通り、物品10は、上流要素42と、エアロゾル発生基体12と、中空の管状要素20とを取り囲む上流ラッパー44を備える。通気ゾーン30はまた、上流ラッパー44上に提供された穿孔の円周状の列も備えてもよい。上流ラッパー44の穿孔は、中空の管状要素20上に提供された穿孔と重なる。その結果、上流ラッパー44は、中空の管状要素20上に提供された通気ゾーン30の穿孔の上にある。
【0130】
物品10はまた、中空の管状要素20とマウスピース要素50とを取り囲むチッピングラッパー52を備える。チッピングラッパー52は、中空の管状要素20の上にある上流ラッパー44の部分の上にある。このように、チッピングラッパー52は、マウスピース要素50を物品10の残りの構成要素に効果的に結合する。チッパーラッパー(tipper wrapper)52の幅は、約26mmである。追加的に、通気ゾーン30は、チッピングラッパー52上に提供された穿孔の円周状の列を備えてもよい。チッピングラッパー52の穿孔は、中空の管状要素20上および上流ラッパー44上に提供された穿孔と重なる。その結果、チッピングラッパー52は、中空の管状要素20上および上流ラッパー44上に提供された通気ゾーン30の穿孔の上にある。
【0131】
タガント60は、エアロゾル発生物品10の下流セクションを取り囲む連続な帯として提供されている。タガント60は、チッピングラッパー52の内表面上に印刷されている。タガント60の上流端は、エアロゾル発生基体12の下流端の2ミリメートル下流に位置する。タガント60は、6.5ミリメートルの長さを有する。タガント60の上流端は、チッピングラッパー52の上流端と整列している。タガント60の下流端は、通気ゾーン30から3.5ミリメートル上流にある。その結果、タガント60の全長は、中空の管状要素20に重なる。タガント60は、約200ミリグラム毎平方メートルの濃度で提供されている。
【0132】
図2は、例示的なエアロゾル発生装置1と、
図1に示すものと同等のエアロゾル発生物品10とを備えるエアロゾル発生システム100を図示する。
図2は、装置空洞が画定されていて、かつエアロゾル発生物品10が受容されることができる、エアロゾル発生装置1の下流の口側端部分を図示する。エアロゾル発生装置1は、口側端2と遠位端(図示せず)の間に延びるハウジング(または本体)4を備える。ハウジング4は周辺壁6を備える。周辺壁6は、エアロゾル発生物品10を受容するための装置空洞を画定する。装置空洞は、閉鎖された遠位端および開放された口側端によって画定されている。装置空洞の口側端は、エアロゾル発生装置1の口側端に位置する。エアロゾル発生物品10は、装置空洞の口側端を通して受容されるように構成されていて、装置空洞の閉鎖端に当接するように構成されている。
【0133】
装置の気流チャネル5は、周辺壁6内に画定されている。気流チャネル5は、エアロゾル発生装置1の口側端に位置する入口7と装置空洞の閉鎖端との間に延びる。空気は、装置空洞の閉鎖端に提供された開口(図示せず)を介して、エアロゾル発生基体12に入ってもよく、気流チャネル5とエアロゾル発生基体12の間の流体連通を確実にする。
【0134】
エアロゾル発生装置1は、ヒーター(図示せず)、および電力をヒーターに供給するための電源(図示せず)をさらに備える。ヒーターへのこうした電力の供給を制御するために、コントローラ(図示せず)も提供されている。ヒーターは、エアロゾル発生物品1が装置1内に受容されている時に、使用中にエアロゾル発生物品10を制御可能に加熱するように構成されている。ヒーターは、最適なエアロゾル発生のためにエアロゾル発生基体12を外部加熱するように配設されていることが好ましい。通気ゾーン30は、エアロゾル発生物品10がエアロゾル発生装置1内に受容されている時に、曝露されるように配設されている。
【0135】
図2に示す実施形態において、周辺壁6によって画定された装置空洞は、長さが28mmである。物品10が装置空洞内に受容されている時に、上流セクション、エアロゾル発生基体12、および中空の管状要素20の上流部分は、装置空洞内に受容される。中空の管状要素20のこうした上流部分は、長さが11mmである。その結果、物品10の約28mmは、装置1内に受容されていて、物品10の約17mmは、装置1の外側に位置する。言い換えれば、物品10の約17mmは、物品10が装置1の中に受容されている時に、装置1から突出する。装置1から突出している物品10のこうした長さPLを
図2に示す。
【0136】
結果として、通気ゾーン30は有利なことに、物品10が装置1の中に挿入されている時に、装置1の外側に位置する。装置空洞が28mmの長さである場合、通気ゾーン30は、物品10が装置1内に受容されている時に、装置1の口側端2の1mm下流に位置する。
【0137】
エアロゾル発生装置1は、装置空洞の近くに位置するタガント検出器8をさらに備える。タガント検出器8は、装置空洞の下流端または口側端から約2ミリメートルに位置する。タガント検出器は、エアロゾル発生物品10上に位置するタガント60の存在、不在、およびタイプを検出するように構成されてもよい。
【0138】
使用時に、エアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生装置1の装置空洞の中に挿入されている。エアロゾル発生物品10が装置空洞の中に完全に挿入されている時に、エアロゾル発生物品10のタガント60は、エアロゾル発生装置1のタガント検出器8と整列している。タガント検出器8は、エアロゾル発生物品の同一性を確認するタガント60を検出する。次いで、ヒーター(図示せず)は、所定の加熱プロファイルに従って起動されて、エアロゾル発生基体12の中にエアロゾルを発生させる。タガント60は、加熱されるエリアから離れているままであり、それによってタガント60が損傷するのを防止する。同様に、検出器60もまた、加熱されるエリアから離れているままであり、それによって検出器8上の加熱副産物およびスラリーの蓄積を防止する。
【0139】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±10%として理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【国際調査報告】