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特表2024-539149虚血・再灌流障害を予防または治療するための組成物及びその用途
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】虚血・再灌流障害を予防または治療するための組成物及びその用途
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/713 20060101AFI20241018BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20241018BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20241018BHJP
   C12N 15/113 20100101ALN20241018BHJP
【FI】
A61K31/713
A61P9/10
A61K48/00
C12N15/113 Z ZNA
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523647
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 KR2022019524
(87)【国際公開番号】W WO2023121050
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0185376
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522002261
【氏名又は名称】エヌエー ヴァクシン インスティテュート
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドン ホ
(72)【発明者】
【氏名】カン,ミュン ソ
(72)【発明者】
【氏名】チャ,ソン ビン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソン ファン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA13
4C084NA14
4C084ZA361
4C084ZC411
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZC41
(57)【要約】
虚血・再灌流障害を予防または治療するための組成物及びその用途を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離された二本鎖RNA分子を含む個体において、虚血・再灌流障害を予防または治療するための組成物であり、
前記分離された二本鎖RNA分子は、5’末端、3’末端、及び第2鎖と相補性を有する領域を含む第1鎖と、
5’末端、3’末端、及び第1鎖と相補性を有する領域を含む第2鎖と、
1個以上の連続リボヌクレオチドを有する第1鎖の3’末端に位置する第1オーバーハングと、
1個以上の連続リボヌクレオチドを有する第2鎖の3’末端に位置する第2オーバーハングと、を含む、組成物。
【請求項2】
該第1鎖及び該第2鎖において、前記相補性を有する領域は、独立して、106ntないし1,648ntの長さを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
該第1鎖及び該第2鎖において、該第1オーバーハング及び該第2オーバーハングは、独立して、1ntないし10ntの長さを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
該第1鎖及び該第2鎖において、該5’末端は、独立して、トリホスフェート、ジホスフェートまたはモノホスフェートを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
該第1鎖及び該第2鎖において、該3’末端は、独立して、ヒドロキシル基を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
該第1鎖及び該第2鎖において、前記相補性を有する領域は、独立して、ホモポリヌクレオチドではない、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ホモポリヌクレオチドは、ポリシチジレート、ポリウリジレート、ポリアデニレート、ポリイノシニレートまたはポリグアニレートである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
該第1鎖及び該第2鎖において、該第1オーバーハング及び該第2オーバーハングは、等しい長さを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
該第1鎖及び該第2鎖において、前記相補性を有する領域は、100%相補性を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
該第1鎖及び該第2鎖において、前記相補性を有する領域は、独立して、ヒトゲノムのヌクレオチド配列について、相補的配列を含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
該第1鎖及び該第2鎖において、前記相補性を有する領域は、独立して、ヒトではない個体に由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
該第1鎖及び該第2鎖において、該第1オーバーハング及び該第2オーバーハングは、独立して、RNase T1消化によって得られる、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
該第1鎖及び該第2鎖において、該第1オーバーハング及び該第2オーバーハングは、独立して、該第1鎖に比べ、3’末端に延長されたヌクレオチドを有するプレ第1鎖と、該第2鎖に比べ、3’末端に延長されたヌクレオチドを有するプレ第2鎖と、をハイブリダイゼーションさせ、ハイブリダイゼーションされた産物をRNase T1と接触させ、該3’末端のssRNAを消化させて得られる、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
該第1鎖及び該第2鎖において、該第1オーバーハング及び該第2オーバーハングは、独立して、該3’末端にUAUAG配列を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
該第1鎖及び該第2鎖において、前記相補性を有する領域は、独立して、該3’末端にUAUAG配列を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
該第1鎖及び該第2鎖は、それぞれ配列番号1及び配列番号2のヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
脳虚血症、虚血性脳障害または虚血性脳卒中(IS)を治療するためのものである、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、虚血・再灌流障害を予防または治療するための組成物及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
虚血・再灌流障害は、起こりがちな臨床問題である。該虚血・再灌流障害は、心臓マヒ及び脳卒中のような自発的事件(event)によって引き起こされたり、手術及び臓器移植(organ transplantation)のように、人工的に誘導されたりするのである。再灌流過程の部分として、標準血栓溶解(declotting)及び抗血小板処理は、患者の生命を救うことを目的にするが、虚血・再灌流によって引き起こされる組織弱化及び/または臓器障害を解決することはできない。該虚血・再灌流障害は、前記処置後、個体の死亡をもたらす主要原因である。
【0003】
従って、該虚血・再灌流障害を治療するための効果的な治療法を求める要求がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一態様は、3’オーバーハングをそれぞれ有する分離された二本鎖RNA分子を含む個体において、虚血・再灌流障害を予防または治療するための組成物を提供する。
【0005】
他の態様は、治療的有効量の二本鎖RNA分子を個体に投与する段階を含む、個体において、虚血・再灌流障害を予防または治療する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書において、ヌクレオチド配列の位置と係わって取り立てての言及がなければ、5’末端から3’末端の方向に連結されるか、あるいは位置することを示す。
【0007】
本明細書において、用語「ベクター(vector)」は、遺伝子またはDNAを含む核酸断片を細胞に運ぶことができる任意の核酸を示す。前記ベクターは、例えば、細胞で複製されうるものでもある。前記ベクターは、ウイルス、バクテリオファージ、プロウイルス、プラスミド、ファージミド、トランスポゾン及び人工染色体(artificial chromosome)でもある。
【0008】
本明細書において、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドと係わり、用語「同一性(identity)」は、配列を比較して決定される2以上のポリペプチドまたはポリヌクレオチドの配列間関係を示す。前記同一性は、2以上のアミノ酸残基またはヌクレオチド残基のストリング(string)間のマッチング数によって決定される配列関連度(sequence relatedness)の程度を示す。関連するポリペプチドまたはポリヌクレオチドの同一性は、知られた方法によって計算されうる。該ポリペプチドまたは該ポリヌクレオチドに適用される「%同一性」は、候補のアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を第2配列と、最大百分率同一性を得るために、整列(aligning)され、必要であるならば、ギャップを導入した後、第2配列の残基と同一候補配列中の残基百分率として定義される。前記整列のための方法及びプログラムは、知られている。前記プログラムは、例えば、BLAST、Smith-Waterman algorithmまたはNeedleman-Wunsch algorithmでもある。
【0009】
本明細書において、用語「作動的に連結された(operatively linked)」は、1つの機能が、他のものによって影響を受けるように、単一核酸断片上において、ヌクレオチド配列が連結されていることを示す。例えば、プローモーターは、コーディング配列の発現に影響を及ぼしうる場合(すなわち、コーディング配列が、前記プローモーターの転写的調節下にある場合)、コーディング配列(例えば、ORF(open reading frame))に作動可能に連結されているのである。該コーディング配列は、センス方向またはアンチセンス方向に、調節配列に作動可能に連結されてもいる。
【0010】
本明細書において、用語「虚血・再灌流障害(IR(ischemia-reperfusion) injury)」は、虚血、再灌流、または虚血後の再灌流によって引き起こされる組織損傷(tissue damage)を示す。従って、前記用語「虚血・再灌流(IR)障害」は、虚血によって引き起こされた障害、再灌流障害、虚血後再灌流によって引き起こされた障害を含む。本明細書に使用されているように、「虚血・再灌流(IR)障害を引き起こす事件(event that causes an IR injury)」は、虚血、再灌流、血栓症(thromboembolism)、血管収縮(vasoconstriction)、心臓停止(cardiac standstill)、心筋梗塞(myocardial infarction)、脳卒中(stroke)、組織に行く血流が塞がるが、あるいは細くなる手術(例:臓器移植(organ transplantation)、心臓手術など)などを含む。心筋梗塞(MI:myocardial infarction)は、心臓組織の虚血・再灌流(IR)障害を引き起こしうる心臓虚血(cardiac ischemia)のタイプである。
【0011】
一態様は、分離された二本鎖RNA分子を含む個体において、虚血・再灌流障害を予防または治療するための組成物であり、前記分離された二本鎖RNA分子は、5’末端、3’末端、及び第2鎖と相補性を有する領域を含む第1鎖、5’末端、3’末端、及び第1鎖と相補性を有する領域を含む第2鎖、1個以上の連続リボヌクレオチドを有する第1鎖の3’末端に位置する第1オーバーハング、及び1個以上の連続リボヌクレオチドを有する第2鎖の3’末端に位置する第2オーバーハングを含むものである組成物を提供する。
【0012】
前記分離された二本鎖RNA分子は、TLR3リガンドと作用するものでもある。前記分離された二本鎖RNA分子は、TLR3アゴニストでもある。前記分離された二本鎖RNA分子は、個体に投与される場合、個体の免疫反応を促進するものでもある。
【0013】
前記分離された二本鎖RNA分子は、組み換えられたものでもある。前記分離された二本鎖RNA分子は、自然に存在するリボヌクレオチドだけではなく、変形されたリボヌクレオチドを含むものでもある。前記変形されたリボヌクレオチドは、当業界に知られたものでもある。
【0014】
第1鎖及び第2鎖において、前記相補性を有する領域は、独立して、100ntないし1,700nt、例えば、106ntないし1,648nt、200ntないし1,500nt、300ntないし1,000nt、400ntないし900nt、106ntないし500nt、200ntないし500nt、または200ntないし400ntの長さを有するものでもある。第1鎖及び第2鎖において、該第2鎖と相補性を有する領域は、該第1鎖と相補性を有する領域と相補性を有するものでもある。
【0015】
第1鎖及び第2鎖において、第1オーバーハング及び第2オーバーハングは、独立して、2nt以上、3nt以上、4nt以上、5nt以上、6nt以上、7nt以上、8nt以上、9nt以上、10nt以上または15nt以上長さを有するものでもある。
【0016】
第1鎖及び第2鎖において、第1オーバーハング及び第2オーバーハングは、互いに相補的配列を含まないものでもある。該第1オーバーハング及び該第2オーバーハングは、互いに相補的配列を含まず、二本鎖を形成しないものでもある。
【0017】
第1鎖及び第2鎖において、5’末端は、独立して、5’キャップを有さないものでもある。
【0018】
第1鎖及び第2鎖において、5’末端は、独立して、トリホスフェート、ジホスフェートまたはモノホスフェートを有するものでもある。
【0019】
第1鎖及び第2鎖において、3’末端は、独立して、ホスフェートを有するものでもある。
【0020】
第1鎖及び第2鎖において、3’末端は、独立して、ヒドロキシル基を有するものでもある。
【0021】
第1鎖及び第2鎖において、前記相補性を有する領域は、独立して、ホモポリヌクレオチドではないものでもある。前記ホモポリヌクレオチドは、ポリシチジレート、ポリウリジレート、ポリアデニレート、ポリイノシニレートまたはポリグアニレートであるものでもある。前記分離された二本鎖RNA分子は、poly(I:C)、poly(I:C)-L-lysine(poly(I:C)-L)、poly(I:C)-L-lysine-methylcellulose(poly(I:C)-LC)またはpoly(I:C12U)ではないものでもある。
【0022】
前記分離された二本鎖RNA分子は、RNAiまたはアンチセンス阻害活性を有さないか、あるいは最小限のRNAiまたはアンチセンス阻害活性を有するものでもある。
【0023】
前記分離された二本鎖RNA分子は、分子内ステムループ構造を有さないものでもある。前記分離された二本鎖RNA分子は、第2鎖と相補性を有する領域と、第1鎖と相補性を有する領域との間に形成された二本鎖領域において、分子内ステムループ構造を有さないものでもある。
【0024】
第1鎖及び第2鎖において、第1オーバーハング及び第2オーバーハングは、独立して、同一長、または異なる長さを有するものでもある。該第1オーバーハング及び該第2オーバーハングは、独立して、1個ないし75個のリボヌクレオチド、例えば、2個ないし50個のリボヌクレオチド、3個ないし50個のリボヌクレオチド、4個ないし50個のリボヌクレオチド、5個ないし50個のリボヌクレオチド、1個ないし30個のリボヌクレオチド、2個ないし30個のリボヌクレオチド、3個ないし30個のリボヌクレオチド、4個ないし30個のリボヌクレオチド、または5個ないし30個のリボヌクレオチドを有するものでもある。
【0025】
第1鎖及び第2鎖において、第1オーバーハング及び第2オーバーハングは、独立して、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個のリボヌクレオチド長を有するものでもある。
【0026】
第1鎖及び第2鎖において、前記相補性を有する領域は、第1鎖ヌクレオチド配列と第2鎖ヌクレオチド配列との間に、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上または100%のヌクレオチド配列相補性を有するものでもある。前記相補性を有する領域は、第1鎖ヌクレオチド配列と第2鎖ヌクレオチド配列との間に、全てのヌクレオチドが対応する位置に、相補的ヌクレオチドを有するものでもある。
【0027】
前記分離された二本鎖RNA分子は、第2鎖と相補性を有する領域と、第1鎖と相補性を有する領域との間に形成された二本鎖領域において、分子内一本鎖領域を有さないものでもある。前記分離された二本鎖RNA分子は、分子内ニックを有さないものでもある。
【0028】
第1鎖及び第2鎖において、前記相補性を有する領域において、分子間ワトソン・クリック水素結合を有するものでもある。
【0029】
第1鎖及び第2鎖において、前記相補性を有する領域は、独立して、ヒトゲノムのヌクレオチド配列について、相補的配列を含まないものでもある。前記ヒトゲノムのヌクレオチド配列について、該相補的配列は、20個以上の連続ヌクレオチド配列でもある。
【0030】
第1鎖及び第2鎖において、前記相補性を有する領域は、独立して、ヒトゲノムのヌクレオチド配列について、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個の連続ヌクレオチド配列、または前記相補性を有する領域の全体ヌクレオチド配列の相補的配列を含まないものでもある。
【0031】
第1鎖及び第2鎖において、前記相補性を有する領域は、独立して、ヒトではない個体に由来するものでもある。前記個体は、ウイルス、バクテリアまたは植物に由来するものでもある。前記ウイルスは、サックブラッドウイルス(SBC:Sacbrood virus)でもある。前記分離された二本鎖RNA分子は、該サックブラッドウイルスのVP1タンパク質遺伝子に由来するものでもある。
【0032】
前記分離された二本鎖RNA分子は、5’末端、3’末端、及び第2鎖と相補性を有する領域を含む第1鎖、5’末端、3’末端、及び第1鎖と相補性を有する領域を含む第2鎖、1個以上の連続リボヌクレオチドを有する第1鎖の3’末端に位置する第1オーバーハング、及び1個以上の連続リボヌクレオチドを有する第2鎖の3’末端に位置する第2オーバーハングを含むものであり、
前記第2鎖と相補性を有する領域、及び第1鎖と相補性を有する領域は、それぞれ100ntないし1,700nt、106ntないし1,648nt、200ntないし1,500nt、300ntないし1,000nt、400ntないし900nt、106ntないし500nt、200ntないし500nt、または200ntないし400ntの長さを有し、
第1鎖及び第2鎖において、第1オーバーハング及び第2オーバーハングは、独立して、1nt以上、2nt以上、3nt以上、4nt以上、5nt以上、6nt以上、7nt以上、8nt以上、9nt以上、10nt以上または15nt以上の長さを有し、その末端は、UAUAG配列を含むものであり、
第1鎖及び第2鎖において、5’末端は、独立して、5’キャップを有さないものであり、
第1鎖及び第2鎖において、5’末端は、独立して、トリホスフェート、ジホスフェートまたはモノホスフェートを有するものであり、
第1鎖及び第2鎖において、3’末端は、独立して、ヒドロキシル基を有するものであり、
第1鎖及び第2鎖において、第2鎖と相補性を有する領域、及び第1鎖と相補性を有する領域は、サックブラッドウイルスのVP1タンパク質遺伝子に由来するものでもある。
【0033】
前記組成物は、薬剤学的に許容可能な担体(carrier)を含むものでもある。本明細書において「担体」は、他の化合物の伝達及び/または複合体化(complexation)を促進する化合物でもある。他の化合物は、伝達されるカーゴ(cargo)でもある。前記担体は、重合体性担体(polymeric carrier)でもある。前記担体は、共有または非共有の相互作用により、カーゴに結合されたものでもある。前記担体は、核酸、例えば、RNAを標的細胞に伝達しうる。前記担体は、陽イオン性成分(cationic component)でもある。前記陽イオン性成分は、pH、例えば、pH1ないし9、pH5ないし9、pH5ないし8、pH5ないし7、または生理的pHにおいて、正に荷電された分子を示す。前記生理的pHは、pH7.3ないし7.4でもある。前記陽イオン性成分は、生理的条件において、正に荷電された陽イオン性のペプチドまたはポリペプチドでもある。前記陽イオン性のペプチドまたはポリペプチドは、1以上の正に荷電されたアミノ酸、例えば、1以上のArg、His、Lys、Orn、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。
【0034】
前記組成物は、また薬剤学的に許容可能な賦形剤または希釈剤を含むものでもある。前記賦形剤は、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味剤または粘増剤でもある。前記希釈剤は、水性バッファ溶液のような水性溶液を含むものでもある。また、前記組成物は、個体において、免疫反応を促進するためのアジュバント(adjuvant)をさらに含むものでもある。
【0035】
前記組成物は、経口または非経口の投与剤形を有するものでもある。前記剤形は、注射剤のような液体剤形でもある。前記非経口投与剤形は、筋肉内、皮下、皮内、鼻腔または肺への投与剤形でもある。
【0036】
前記組成物に含まれる活性成分である前記二本鎖RNAと異なる付加的成分の相対的量は治療される個体、大きさ、並びに/または条件、及び投与される経路によっても異なる。例えば、前記組成物は、0.1%ないし100%、例えば、0.5%ないし50%、1.0%ないし30%、5.0%ないし80%、80%(w/w)以上の前記二本鎖RNAを含むものでもある。前記組成物は、ナノ粒子内に剤形化されたものでもある。前記組成物は、脂質ナノ粒子(LNP:lipid nanoparticle)内に剤形化されたものでもある。例えば、前記組成物は、脂質ポリ陽イオン(lipid polycation)複合体内に剤形化されたものでもある。
【0037】
第1鎖及び第2鎖において、第1オーバーハング及び第2オーバーハングは、独立して、RNase、例えば、RNase T1消化によって得られたものでもある。第1鎖及び第2鎖において、第1オーバーハング及び第2オーバーハングは、独立して、第1鎖に比べ、3’末端に延長されたヌクレオチドを有するプレ第1鎖と、第2鎖に比べ、3’末端に延長されたヌクレオチドを有するプレ第2鎖と、をハイブリダイゼーションさせ、ハイブリダイゼーションされた産物をRNase、例えば、RNase T1と接触させ、3’末端のssRNAを消化させて得られるものでもある。前記RNaseは、一本鎖RNAを特異的に切断するエンドリボヌクレアーゼまたはエキソリボヌクレアーゼでもある。前記RNase T1は、G残基において、一本鎖RNAを特異的に切断するエンドリボヌクレアーゼでもある。前記RNase T1は、3’グアニル残基と、隣接するヌクレオチドの5’OH残基とのホスホジエステル結合を切断するものでもある。反応産物は、3’GMP及び末端3’GMPを有するポリヌクレオチドでもある。前記反応産物は、3’オーバーハング領域以外に、一本鎖領域を有さないものでもある。前記反応産物は、ニックを含まないものでもある。
【0038】
第1鎖及び第2鎖において、第1オーバーハング及び第2オーバーハングは、独立して、3’末端にGMPを有するものでもある。第1鎖及び第2鎖において、第1オーバーハング及び第2オーバーハングは、独立して、3’末端にUAUAG配列を有するものでもある。
【0039】
第1鎖及び第2鎖において、前記相補性を有する領域は、独立して、3’末端にUAUAG配列を有するものでもある。該第1鎖及び該第2鎖は、それぞれ配列番号1及び配列番号2のヌクレオチド配列を有するものでもある。
【0040】
他の態様は、治療的有効量の二本鎖RNA分子を個体に投与する段階を含む、個体において、虚血・再灌流障害を予防または治療する方法であり、前記二本鎖RNA分子は、5’末端、3’末端、及び第2鎖と相補性を有する領域を含む第1鎖、5’末端、3’末端、及び第1鎖と相補性を有する領域を含む第2鎖、1個以上の連続リボヌクレオチドを有する第1鎖の3’末端に位置する第1オーバーハング、及び1個以上の連続リボヌクレオチドを有する第2鎖の3’末端に位置する第2オーバーハングを含むものである方法を提供する。
【0041】
前記方法において、前記二本鎖RNA分子については、前述の通りである。前記方法は、前述の組成物を個体に投与する段階を含むものでもある。
【0042】
前記方法において、用語「治療的有効量(therapeutically effective amount)」は、個体において、虚血・再灌流障害を予防または治療するのに必要な活性成分、前記二本鎖RNAの最小量でもある。前記虚血・再灌流障害は、脳虚血症(brain ischemia)、虚血性脳障害(ischemic brain injury)、虚血性脳卒中(IS:ischemic stroke)、出血性脳卒中(haemorrhagic stroke)、外傷性脳障害(traumatic brain injury)または脊髄障害(spinal cord injury)を含むものでもある。
【0043】
前記治療的有効量は、選択される個体、性別、虚血・再灌流障害の部位、及び深刻度などによって異なりうる。前記治療的有効量は、例えば、体重kg当たり、10μgないし100mg、10μgないし50mg、10μgないし10mg、10μgないし1mg、または10ngないし10mgでもある。
【0044】
前記投与は、経口投与または非経口投与を行うものでもある。前記投与は、例えば、筋肉内、皮下、皮内、鼻腔または肺に投与するものでもある。前記投与は、鼻腔に点滴するものでもある。
【0045】
前記投与は、1回または複数回投与するものでもある。前記投与は、例えば、2回以上、3回以上、4回以上、5回以上または6回以上投与するものでもある。前記投与は虚血が発生した後、30分以内、1時間以内、2時間以内、3時間以内、4時間以内、5時間以内、6時間以内、12時間以内または24時間以内に投与するものでもある。
【発明の効果】
【0046】
一態様による分離された二本鎖RNA分子を含む個体において、虚血・再灌流障害を予防または治療するための組成物は、個体において、虚血・再灌流障害を予防または治療するのに使用されうる。
【0047】
一態様による治療的有効量の二本鎖RNA分子を個体に投与する段階を含む、個体において、虚血・再灌流障害を予防または治療する方法によれば、個体において、虚血・再灌流障害を効率的に予防または治療しうる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】得られた二本鎖RNAを図式的に示したものである。
図2A】二本鎖RNA投与による、ラット急性虚血性脳卒中モデルにおける、脳卒中治療効果確認のための実験過程を示した図である。
図2B】二本鎖RNA投与による、ラット急性虚血性脳卒中モデルにおける、相対的脳梗塞部分の体積を示した図である。
図2C】二本鎖RNA投与による、ラット急性虚血性脳卒中モデルにおける、mNSS値を測定した結果を示した図である。
図2D】二本鎖RNA投与による、ラット急性虚血性脳卒中モデルにおける体重変化を示した図である。
図2E】虚血7日経過後、二本鎖RNA投与されたラット急性虚血性脳卒中モデルG1群及びG3群の脳を摘出し、脳マトリックス(brain matrix)スライスについて、TTC染色した結果を示した図である。
図2F】虚血7日経過後、二本鎖RNA投与されたラット急性虚血性脳卒中モデルG1群及びG3群の脳を摘出し、脳マトリックス(brain matrix)スライスについて、TTC染色した結果を示した図である。
図3A】3’オーバーハングを有する二本鎖RNAを2つの異なる量で時間を異にし、ラット急性虚血性脳卒中モデルに投与し、脳卒中治療効果を確認する実験過程を示した図である。
図3B】3’オーバーハングを有する二本鎖RNAを、ラット急性虚血性脳卒中モデルに投与した場合、脳梗塞部分の体積百分率を示した図である。
図3C】ラット急性虚血性脳卒中モデルについて、mNSS値を測定した結果を示した図である。
図3D】虚血7日経過後、二本鎖RNA投与されたラット急性虚血性脳卒中モデルG1群、G2群、G5群及びG6群の脳を摘出し、脳マトリックス(brain matrix)スライスについて、TTC染色した結果を示した図である。
図3E】虚血7日経過後、二本鎖RNA投与されたラット急性虚血性脳卒中モデルG1群、G2群、G5群及びG6群の脳を摘出し、脳マトリックス(brain matrix)スライスについて、TTC染色した結果を示した図である。
図3F】虚血7日経過後、二本鎖RNA投与されたラット急性虚血性脳卒中モデルG1群、G2群、G5群及びG6群の脳を摘出し、脳マトリックス(brain matrix)スライスについて、TTC染色した結果を示した図である。
図3G】虚血7日経過後、二本鎖RNA投与されたラット急性虚血性脳卒中モデルG1群、G2群、G5群及びG6群の脳を摘出し、脳マトリックス(brain matrix)スライスについて、TTC染色した結果を示した図である。
図4】二本鎖RNA投与量による実験動物の生存率を示した図である。
図5】オープンフィールド試験において、ラットが移動した総距離を示した図である。
図6】二本鎖RNA投与量による実験動物の脳について、Golgi-cox染色及びショール(Sholl)分析を遂行した結果を示した図である。
図7A】ショール(Sholl)分析を使用したピラミッドニューロン細胞の突起成長を分析した結果を示した図である。
図7B】ショール(Sholl)分析を使用したピラミッドニューロン細胞の分枝点を分析した結果を示した図である。
図7C】ショール(Sholl)分析を使用したピラミッドニューロン細胞の末端点を分析した結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明について、実施例を介してさらに詳細に説明する。しかしながら、それら実施例は、本発明について例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲は、それら実施例に限定されるものではない。
【0050】
実施例1:3’オーバーハングを有する二本鎖RNA分子及びその虚血・再灌流障害(IR(ischemia-reperfusion) injury)治療効果の確認
本実施例においては、3’オーバーハングを有する二本鎖RNA分子を製造し、その虚血・再灌流障害(IR injury)の予防効果または治療効果を確認した。
【0051】
本実施例において、3’オーバーハングを有する二本鎖RNA分子は、配列番号1及び配列番号2のヌクレオチド配列が相補的結合によって連結された構造を有する。
【0052】
1.3’オーバーハングを有する二本鎖RNA分子の準備
配列番号1及び配列番号2のヌクレオチド配列をコーディングするDNA配列の各5’末端に、T7プローモーター配列(配列番号3)を含む配列が連結されたDNA断片を合成した。前記DNA断片は、配列番号4のヌクレオチド配列と、その相補的配列とによって形成されたdsDNAである。前記DNA断片を、SmaIで切断したPUC19(Cat SD0061(Thermo Fisher))ベクターに連結し、組み換えベクターを作製した。次に、前記組み換えベクターを、形質転換(transformation)方法により、大腸菌DH5aに導入した。得られた組み換え大腸菌をLB/amp培地内で培養し、前記組み換えベクターを含む大腸菌を増殖させた。培養物内で増殖された大腸菌を上澄み液から分離し、該大腸菌から、アルカリ破砕(alkaline lysis)方法(Qiagen midi prep kit)により、前記組み換えベクターを分離した。T7ポリメラーゼに基づき、インビトロ転写(IVT(in vitro transcription))のためのテンプレートDNAは、前記組み換えベクターDNAをテンプレートにしたPCRによって増幅した。このとき、増幅対象配列の両末端配列に該当する配列番号5及び配列番号6のヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーセットとして使用した。PCR条件は、以下の通りである。
【0053】
95℃、5分で1回(cycle)を進めた後、95℃、30秒;60℃、30秒;及び72℃、1分で構成される熱周期(thermal cycle)を35回繰り返した。最後に、反応物を、72℃において5分間維持した後、PCR(polymerase chain reaction)反応を終了した。増幅されたDNA産物をテンプレートにし、MEGAscriptTM T7 Transcription Kit(cat AMB13345(Thermo Fisher))を使用し、インビトロ転写(IVT)反応を行った。1ml反応溶液に、10μg線形テンプレートDNA、75mM NTP、90mM Tris base、90mMホウ酸、2mM EDTA、T7ポリメラーゼ50μlをそれぞれ入れ、37℃において4時間反応させた。反応終了後、前記混合物は、80℃、20分間熱処理を進め、常温で30分間冷やした。前記インビトロ転写(IVT)により、両鎖から、第1鎖と第2鎖とが同時に作られて ハイブリダイゼーションされ、二本鎖RNAが形成された。冷却された反応混合物を、遠心分離機を使用し、20℃において4,000rpmで3分間遠心分離し、白沈殿物をとり除去し、上澄み液を得た。得られた上澄み液に、DNase I(ストック溶液からの1/6,500希釈)を添加し、37℃において13時間反応させた。その後、反応混合物に、RNase T1(1/2,0000希釈)を添加し、37℃において2時間反応させた。その後、反応混合物を、80℃において10分間インキュベーションした後、常温で30分間冷やした。次に、イソプロパノールを利用した核酸沈澱法を利用し、前記反応混合物から、それぞれの3’末端に、3’オーバーハングを有する二本鎖RNA分子を分離した。
【0054】
前記二本鎖RNAは、5’末端にホスフェートを有しており、3’末端は、ヒドロキシル基を有するものでもある。前記ホスフェートは、トリホスフェート、ジホスフェートまたはモノホスフェートでもある。前記二本鎖RNAは、5’キャップを有さないものでもある。
【0055】
図1は、得られた二本鎖RNAを図式的に示したものである。図1において、dsRNA部分は、相補性領域であり、424ntの長さを有する。
【0056】
2.3’オーバーハングを有する二本鎖RNA分子の虚血・再灌流(IR)障害予防または治療効果の確認
セクション1で得られた二本鎖RNAを、虚血・再灌流(IR)障害動物モデルに投与し、虚血・再灌流(IR)障害が改善されるか否かということを確認した。
【0057】
具体的には、7週齢のオスSD(Sprague-Dawley)ラットを対象に、中間大脳動脈閉塞術(MCAO:middle cerebral artery occlusion)を実施し、60分間、虚血または梗塞を誘導し、その直後に、再灌流または再開通を行い、虚血・再灌流による脳障害(IR injury)を誘導した。動物は、4匹によって構成された群に分離した。それにより、前記動物モデルは、急性脳卒中が誘導された。その後、PBS内の二本鎖RNA溶液(濃度:2g/μL)を、前記動物の鼻腔に、50μL点滴し、二本鎖RNA 100μgを投与した。対照群は、PBS(G1)を使用し、実験群は、それぞれの100μgのPBS内の前記二本鎖RNAを、虚血開始時点を基準に、0.5時間に、1回(G2);0.5時間及び3時間に、それぞれ1回ずつ総2回(G3);0.5時間、3時間及び6時間に、それぞれ1回ずつ総3回(G4);0.5時間、3時間、6時間及び12時間に、それぞれ1回ずつ総4回(G5);0.5時間、3時間、6時間、12時間及び1日に、それぞれ1回ずつ総5回(G6);6時間、12時間及び1日に、それぞれ1回ずつ総3回(G7)点滴した。
【0058】
脳卒中誘導後、1日目及び7日目、脳卒中の程度を測定する行動学的指標mNSS、及び体重を測定し、脳梗塞部位切片を、トリフェニルテトラゾリウムクロライド(TTC)染色を介し、脳梗塞部位体積を測定した。具体的過程は、以下の通りである。
【0059】
(1)MCAO(middle cerebral artery occlusion)方法
まず、体重258gないし275g範囲のラットに、イソフルラン(isoflurane)を吸入させて麻酔をかけた。手術部位である首部位を脱毛させ、70%アルコールで消毒した。中央部からやや左側に皮膚を切開した。気管支左側3筋の筋肉層を剥離し、総頸動脈(CCA:common carotid artery)を確認した。総頸動脈(CCA)左右に位置した上甲状腺動脈(superior thyroid artery)及び後頭動脈(occipital artery)の血流を遮断して切断した。総頸動脈(CCA)下端及び内頸動脈(internal carotid artery)をクランプでつかんで血流を遮断した。総頸動脈(CCA)上側を、手術用糸を利用して結紮し、中間部位は緩く結紮した。結紮中間部位を切断し、血管内にフィラメント(filament)を挿入した。該中間部位の結紮をしっかりと結び、フィラメントが抜けないように固定した。血管内のフィラメントを中大脳動脈(middle cerebral artery)に挿入して虚血を誘発した。ただし、翼口蓋動脈(PPA:pterygopalatine artery)に入らないように留意した。フィラメントを挿入し、虚血状態が確認されれば、皮膚を縫合した。1時間後、再灌流のために、虚血誘発動物をして、イソフルランをさらに吸入させて麻酔をかけた。総頸動脈(CCA)下端をクランプでつかんで血流を遮断し、フィラメントを除去した。フィラメントを除去し、緩く結紮された部位への血液漏れを防ぐために、しっかりと結んだ。総頸動脈(CCA)下端のクランプを除去し、再灌流を施した。このとき、血流が良好に流れるか、あるいは漏れるところはないかということを確認した。再灌流後、鼻腔投与は、虚血誘発(閉塞(occlusion))の0.5時間後、3時間後、6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、120時間後及び144時間後、それぞれの投与経路と時間に合うように投与した。縫合糸を利用し、皮膚を縫合した。
【0060】
(2)挙動テスト(behavior test)
虚血前、虚血後24時間及び虚血後7日後、試験動物について、変形された神経学的深刻度点数(mNSS:modified neurological severity score)を基準に行動学的な試験を実施した。
【0061】
(3)剖検及び壊死部位面積測定
虚血7日経過後、動物の症状を観察して脳を摘出し、脳マトリックス(brain matrix)において、2mm厚にスライス(slice)した後、トリフェニルテトラゾリウムクロライド(TTC)で染色を施した。摘出された全脳を、前頭葉前端から約3mm間隔で冠状に切断し、8切片にした後、それら大脳組織切片を、光が遮断された状態下で、37℃の2%トリフェニルテトラゾリウムクロライド(TTC)溶液に、約10分ごとに組織切片をひっくり返す操作を実施しながら、30分間浸して染色した。その後、それを手術用顕微鏡に載せて梗塞部位を観察した後、前記切片を蒸溜水で洗浄した後、10%ホルマリン溶液に固定した。トリフェニルテトラゾリウムクロライド(TTC)染色による梗塞範囲の測定は、Computer Image Analysis System(IBAS 2000(Kontron)(West Germany))を使用し、それぞれの切片における、全体面積に対する脳梗塞範囲面積と、その百分率(%)とを以下の数式によって求めた。
【0062】
【数1】
【0063】
梗塞部位体積百分率(infarct volume percent)は、非梗塞半球体積(uninfarcted hemisphere)における、梗塞された部位体積(infarcted volume)を百分率に換算した。浮腫(edema)は、非梗塞半球に対する梗塞半球の浮腫の比率で示した。
【0064】
図2Aないし図2Dは、二本鎖RNA投与による、ラット急性虚血性脳卒中モデルにおける脳卒中治療効果を示した図面である。
【0065】
図2Aは、二本鎖RNA投与による、ラット急性虚血性脳卒中モデルにおける、脳卒中治療効果確認のための実験過程を示した図面である。
【0066】
図2Bは、二本鎖RNA投与による、ラット急性虚血性脳卒中モデルにおける、相対的脳梗塞部分の体積を示した図面である。図2Bに示されているように、二本鎖RNA投与群G2,G3,G4,G5,G6及びG7は、対照群G1に比べ、低い梗塞百分率を示した。
【0067】
図2Cは、二本鎖RNA投与による、ラット急性虚血性脳卒中モデルにおける、mNSS値を測定した結果を示した図面である。mNSS値は、脳卒中による後遺症程度を示したものであり、その値が低いほど後遺症が少ないということを意味する。図2Cに示されているように、二本鎖RNA投与群G1,G2,G3及びG4は、対照群G1に比べ、低いmNSS値を示した。
【0068】
図2Dは、二本鎖RNA投与による、ラット急性虚血性脳卒中モデルにおける体重変化を示した図面である。図2Dに示されているように、二本鎖RNA投与群G1,G2,G3及びG4は、対照群G1に比べ、体重が増加した。
【0069】
図2E及び図2Fは、虚血7日経過後、二本鎖RNA投与されたラット急性虚血性脳卒中モデルにおいて、薬物を処置していない賦形剤であるPBS対照群G1、及び本発明の薬物を処置した群のうち、代表的なG3群の脳を摘出し、脳マトリックス(brain matrix)スライスについて、トリフェニルテトラゾリウムクロライド(TTC)染色した結果を示した図面である。図2E及び図2Fにおいて、上端から下端に、脳マトリックス上端スライスから下端スライスを示す。図2E及び図2Fに示されているように、陰性対照群であるPBSを処置したG1においては、脳梗塞が片側脳において広範囲に生じた一方、薬物を処置したG3において、梗塞部位が顕著に低減された。図2E及び図2Fにおいて、脳梗塞部位は、白く染色された部位である。
【0070】
3.濃度及び時間を異にした3’オーバーハングを有する二本鎖RNA分子の虚血・再灌流(IR)障害予防または治療効果の確認
本セクションにおいては、投与量及び投与時間を異にしたことを除いては、セクション2に記載されたところと同一に実験を行った。二本鎖RNA投与量は、20μg及び50μgであり、時間を異にして複数回投与した。対照群は、PBSを使用(G1);20μgを、0.5時間及び3時間にそれぞれ1回総2回投与(G2);4.5時間及び7時間にそれぞれ1回ずつ総2回投与(G3);6時間及び8.5時間にそれぞれ1回ずつ総2回投与(G4);50μgを0.5時間及び3時間に各1回総2回投与(G5);4.5時間及び7時間にそれぞれ1回ずつ総2回投与(G6);6時間及び8.5時間にそれぞれ1回ずつ総2回投与(G7)した。
【0071】
図3Aないし図3Gは、3’オーバーハングを有する二本鎖RNAを、2つの異なる量で時間を異にし、ラット急性虚血性脳卒中モデルに投与し、脳卒中治療効果を確認した結果を示した図面である。
【0072】
図3Aは、3’オーバーハングを有する二本鎖RNAを、2つの異なる量で時間を異にし、ラット急性虚血性脳卒中モデルに投与し、脳卒中治療効果を確認する実験過程を示した図面である。
【0073】
図3Bは、3’オーバーハングを有する二本鎖RNAを、ラット急性虚血性脳卒中モデルに投与した場合、脳梗塞部分の体積百分率を示した図面である。
【0074】
図3Cは、ラット急性虚血性脳卒中モデルについて、mNSS値を測定した結果を示した図面である。
【0075】
図3D図3E図3F及び図3Gは、虚血7日経過後、二本鎖RNA投与されたラット急性虚血性脳卒中モデルのG1群、G2群、G5群及びG6群の脳を摘出し、脳マトリックススライスについて、トリフェニルテトラゾリウムクロライド(TTC)染色した結果を示した図面である。図3D図3E図3F及び図3Gにおいて、上端から下端に、脳マトリックス上端スライスから下端スライスを示す。図3D図3E図3F及び図3Gに示されているように、賦形剤である陰性対照群PBSにおいては、脳梗塞が25%ほどと高い一方、本発明の薬物を処置したG2、G5及びG6において、脳梗塞体積がそれぞれ約13%、14%及び15%に低減された。
【0076】
図3Aないし図3Gに示されているように、20μg及び50μgの3’オーバーハングを有する二本鎖RNAを投与した場合、初投与を、0.5時間後、3時間後、4.5時間後及び6時間後に行っても、治療効果を示した。
【0077】
4.生存率測定
(1)虚血性脳卒中動物モデル(ischemic stroke animal model)の生産(手術前)
実験動物は、72匹の体重240ないし260gのオスSD(Sprague-Dawley)ラットを使用した。実験に使用された全ての手術道具は、加圧蒸気滅菌(autoclave)した。実験動物の体重を測定し、イソフルラン(Hana Pharmaceutical)と空気とを混合した気体を使用し、吸入(Harvard Apparatus(MA・米国))によって麻酔をかけた。該麻酔は、3%イソフルランで誘導し、2ないし2.5%イソフルランであった。
【0078】
(2)虚血性脳卒中動物モデルの生産(手術準備)
実験動物が麻酔されたか否かということを確認し、前肢(forelimbs)と切歯(incisors)をピンで固定し、首が顕微鏡中央に固定されているか否かということを確認した。
【0079】
目の乾燥(eye dryness)及び痛み(soreness)を防止するために、眼球軟膏ゲルを目に適用した。ポビドン溶液で首の中央線を表示し、毛が分離されるようにし、切開された皮膚が可能な限り明確になるようにする。
【0080】
(3)虚血性脳卒中動物モデル生産(手術)
鎖骨近位部正中線に沿って小さい垂直切開を行い、該切開は、皮膚を分離するために、毛の下にはさみが入るほど十分に大きくなるようにした。切開部位にはさみを挿入し、注意深くはさみを開き、毛を筋肉結合組織から分離した。筋肉切開前、軟組織と筋肉とが分離されない場合、筋肉損傷が生じうる。
【0081】
このとき、皮下層の血管が損傷されないように留意した。
【0082】
皮膚に切開(約6cm)を作った後、先細のはさみでもって、左右唾腺を分離し、右側唾腺が動かないように固定した。直線鉗子でもって、筋肉を取り囲む軟組織から結合組織を繊細に分離した。この過程において、軟組織の組織が綿棒を使用して除去されれば、該領域は、持続的に明確に維持される。 胸鎖乳突筋(STA:sternocleidomastoid)と前方気管支筋肉(anterior bronchial muscle)は、3-0シルクで皮膚に結び、総頸動脈(CCA)を露出させ、6-0シルクを使用し、一重結びにした。総頸動脈(CCA)においてにおいて、白色端のように見える迷走神経を注意深く分離した。内頸動脈(ICA)と外頚動脈(ECA)との枝を注意深く確認し、綿棒を使用し、粘液と周辺軟組織とを除去した。
【0083】
焼灼器(cauterizer)でもって、外頚動脈(ECA)からの上甲状動脈(STA:superior thyroid artery)分岐及び外頚動脈(ECA)を持ち上げ、外頚動脈(ECA)と内頸動脈(ICA)との分岐点下の脂肪を除去した。体脂肪が完全に除去され、内頸動脈(ICA)から分枝された翼口蓋動脈(PPA)及び中大脳動脈(MCA:middle cerebral artery)が現れれば、プローブが前記翼口蓋動脈(PPA)側ではなく、中大脳動脈(MCA)側にガイドされるようにした。
【0084】
(4)虚血性脳卒中動物モデルの生産(閉塞)
3-0シルクを使用し、総頸動脈(CCA)に、脱着式結び目を作り、内頸動脈(ICA)及び外頚動脈(ECA)への血流を遮断した。総頸動脈(CCA)を結合し、心臓から脳への血流を防止した。上甲状動脈(STA)を焼灼した後、3-0シルクに焼灼された領域上の上部外頚動脈(ECA)に完全な結び目をつけた。焼灼された上甲状動脈(STA)部位近くに、外頚動脈(ECA)を結びつける理由は、プローブは、後に再灌流のために除去され、プローブを引っ張る力によって3-0シルクが引かれ、過度な出血により、動物が死亡する危険があるためである。
【0085】
内頸動脈(ICA)をクランピングし、翼口蓋動脈(PPA)及び内頸動脈(ICA)への血流を一時的に遮断した。使用する3-0シルク結び目を、総頸動脈(CCA)と外頚動脈(ECA)との安定化のために位置づけする。上側外頚動脈(ECA)結び目と下側総頸動脈(CCA)半結びとの間の外頚動脈(ECA)上側半分に切開を作った。
【0086】
切断された外頚動脈(ECA)を素早く持ち上げ、プローブ(MCAO縫合(直径0.37mm)(Doccol))を注意深く挿入した。総頸動脈(CCA)と外頚動脈(ECA)との間に置かれた3-0シルクを使用し、プローブに注意深く結び目をつけた。
【0087】
結び目の位置は、上甲状動脈(STA)焼却区域底に結ばれてこそ、プローブを除去するときに生じる出血を防止しうる。プローブを若干引っ張り、内頸動脈(ICA)側にガイドしながら、内頸動脈(ICA)クランプを除去した。中大脳動脈(MCA)において抵抗が感じられるまで、内頸動脈(ICA)を介して調査した。
【0088】
プローブが中大脳動脈(MCA)側に挿入されたことが感じられれば、血管に入るまで、プローブのシリコンコーティング部分を軽く押し入れた。前記プローブのシリコンコーティング部分が血管に入れば、軽微な出血が生じうる。このとき、結び目をさらに締めて出血を止める。
【0089】
プローブが中大脳動脈(MCA)に逹したと判断されれば、総頸動脈(CCA)の半結びをほどき、動物の固定糸を除去し、唾腺を覆う。唾腺と周辺組織との間に癒着が起こらない場合、塩水を使用し、唾腺と組織とを共に固定する。皮膚切開を連続的手術縫合で密閉させ、閉塞が90分間維持されるようにした後、プローブを除去した。
【0090】
(5)生存率測定
(1)ないし(4)により、MCAO手術後、前記ラットを4群で分け、2群については、鼻腔に2μg/μL濃度の二本鎖RNA溶液25μLまたは50μLを、0.5時間、3時間及び6時間にそれぞれ1回ずつ総3回投与し、7日経過後、マウスの死亡個体と生存個体とを測定し、そこから生存率を求めた。陰性対照群は、MCAO手術をしてない動物に、試料を投与してないSham群と、MCAO後、PBSを投与したMCAO+PBS群とであった。MCAO+PBS群は、MACO手術された動物について、二本鎖RNAの代わりにPBSを投与したことを除いては、同一時間に投与し、同一日数において、死亡個体と生存個体とを測定した。
【0091】
図4は、二本鎖RNA投与量による実験動物の生存率を示した図面である。図4に示されているように、二本鎖RNA投与量依存的に投与された動物の生存率が上昇した。具体的には、Sham群、MCAO+PBS群、MCAO+VP11(25μL)及びMCAO+VP11(50μL)に係わる生存率は、それぞれ100%、66.67%、71.42%及び73.68%であった。図4において、MACOは、middle cerebral artery occlusion手術を行った場合を示し、VP11は、二本鎖RNAを示し、棒上の数字は、使用された動物の数を示す。
【0092】
5.オープンフィールド試験
セクション「4.生存率測定」の(1)ないし(4)によってMCAO手術された前記ラットについて、オープンフィールド装置の試験ルーム(testing room)に投入した後で移動した総距離を測定した。
【0093】
具体的には、試験は、迷路装置(maizer apparatus)と追跡ソフトウェアとを駆動しうるコンピュータを収容しうるstandard-lit roomで行われた。前記追跡ソフトウェアは、PanLab/Harvard Apparatusから購入したSMART Video Tracking software使用した。該ソフトウェアを使用し、ラット運動を記録して評価した。カメラレンズが迷路領域全体を見ることができるように、ビデオカメラを天井に取り付け、迷路上に遊動させた。試験管理者は、迷路内のラットが完全に見ることができないように留意した。それぞれのラットについて、試験の前後、95%エタノールを使用し、試験ルームを磨いた。
【0094】
ラット飼育ルームのホームケージにいたラットを試験ルームに移した。試験開始前、最小30分間試験ルームにラットが適応することができるようにした。尾をやさしくつかみ、ホームケージから一匹のラットを取り出し、オープンフィールド迷路の中央に置いた。それと同時に、開始ボタンを押し、SMARTソフトウェアを活性化させ、ラット運動を追跡し始めた。ラットは、普通即座に迷路外縁壁(periphery wall)に動き、ラットの放出タイミングと追跡キャプチャ(tracking capture)は、一致して該移動を記録しなければならない。ラットは、単一10分間、迷路の各四分面(quadrant)を介して妨害されないように自由に動くようにした。このとき、前記追跡ソフトウェアは、移動を記録した。試験期間終りに、ラットをやさしく取り出し、迷路から除去し、ホームケージに戻した。次のラットについて、該過程を繰り返した。
【0095】
図5は、オープンフィールド試験において、ラットが移動した総距離を示した図面である。図5において、Sham、MCAO+PBS、MCAO+VP11(25μL)及びMCAO+VP11(50μL)は、それぞれMCAO手術をしていない動物に試料を投与しないSham群、MCAO後、PBSを、0.5時間、3時間及び6時間にそれぞれ1回ずつ総3回投与したMCAO+PBS群、前記ラットについて、2μg/μL濃度の二本鎖RNA溶液25μLまたは50μLを、0.5時間、3時間及び6時間にそれぞれ1回ずつ総3回投与した実験群1及び2を示す。図5において、横軸は、最初試料投与後、経過日を示し、縦軸は、移動した総距離cmを示す。
【0096】
図5に示されているように、MCAO+VP11(25μL)及びMCAO+VP11(50μL)の移動距離は、対照群MCAO+PBSに比べ、用量依存的に増大された。
【0097】
6.Golgi-cox及びショール(Sholl)分析
セクション「4.生存率測定」の(1)ないし(4)により、MCAO手術された前記ラットについて、Golgi-cox及びショール(Sholl)分析を行った。具体的には、動物の脳を除去し、製造社のプロトコルにより、FD NeuroTechnologies Rapid GolgiStainTM Kit(FD NeuroTechnologies(Ellicott City, MD、米国))を使用したGolgi-cox方法によって染色した。脳を、暗室に2週間、銀注入溶液(silver impregnation solution)に浸した。脳組織切片(100~150μm厚)を、cryostat microtomeを使用して得て、樹枝状分枝研究(dendritic arborization studies)のためのピラミッドニューロン(pyramidal neurons)のショールイメージ(Sholl images)は、Automated Sholl Analysis of Digitized Neuronal Morphologyを使用して処理した。Automated Sholl Analysisは、NeuronJ ImageJ plugin, neuron studio visualizerを使用して事前に記述され、カスタム説明(custom scripts)は、MATLAB(MathWorks)に記載されている。本実験においては、細胞体(soma)から始める6μm環間隔(ring interval)でショール(Sholl)分析を行った。
【0098】
セクション「4.生存率測定」の(1)ないし(4)により、MCAO手術された前記ラットについて、MCAO手術をしていない動物に試料を投与していないSham群、MCAO後、PBSを0.5時間、3時間及び6時間にそれぞれ1回ずつ総3回投与したMCAO+PBS群、前記ラットについて、2μg/μL濃度の二本鎖RNA溶液25μLまたは50μLを、0.5時間、3時間及び6時間にそれぞれ1回ずつ総3回投与した実験群1及び2について、28日経過後、Golgi-cox及びショール(Sholl)分析を行った。
【0099】
図6は、二本鎖RNA投与量による実験動物の脳について、Golgi-cox染色及びショール(Sholl)分析を行った結果を示した図面である。図6において、手術28日後の全体脳数(A)、脳のビブラトーム(vibratome)切片(B)、及びNeuronStudio及びMatLabによって生成されたショール(Sholl)環上のニューロンを示した顕微鏡写真(x400及びx1,000)(C)である。
【0100】
図6に示されているように、皮質ピラミッドニューロンの形態的変化は、MCAO群において虚血性損傷によって誘導されたが、Sham群においては、変化がなかった。また、樹枝状長及び脊椎(spine)密度は、MCAO+PBS群において、皮質にわたって低減された。交差突起(crossing neurites)の数を定量するために、ピラミッドニューロンのショール(Sholl)イメージを、細胞体から、6μmから550μmまで延びる一連の同心円(concentric circle)でもって、NeuronJ plugin、NeuronStudio software及びMATLABプログラミングを使用した自動化されたプログラムによって分析した。前記ピラミッドニューロンの樹枝状分枝の分析結果は、同側皮質(ipsilateral cortex)に複合パターンがあることを示している。PBS処理群に比べ、VP11処理群の梗塞皮質(infarct cortex)の細胞体から、30~150μmにおいて、先端樹状突起(apical dendrite)の交差数が顕著に増加した。また、突起成長(neurite outgrowth)は、VP11処理群の同側皮質と、Sham皮質との間で顕著に異なったが、PBS処理群においては、そうではなかった。
【0101】
PBS処理群に比べ、VP11処理群において、顕著に高い数の分枝点(branch point)及び末端(terminal point)が観察された。Golgi-cox及びショール(Sholl)分析の結果、VP11(50μL)は、VP11(25μL)に比べ、突起成長レベルがさらに高かった。
【0102】
図7A図7B及び図7Cは、それぞれショール(Sholl)分析を使用したピラミッドニューロン細胞の突起成長、分枝点及び末端点を分析した結果を示した図面である。図7Aは、先端樹状突起数は、VP11処理群において、梗塞皮質と反対側皮質とにおいて増加されたということを示す。図7Bは、分枝点、図7Cは、末端点を示す。VP11群において、突起成長、分枝点及び末端点の変化は明確であったが、PBS群においては、そうではなかった。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
【配列表】
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【国際調査報告】