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特表2024-539151ネゴシエート可能な電源を用いたバッテリ充電のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】ネゴシエート可能な電源を用いたバッテリ充電のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
H02J7/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523651
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 US2022047280
(87)【国際公開番号】W WO2023069617
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/270,427
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523090283
【氏名又は名称】イオントラ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】ハウレット ザ サード ジョン リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ケスナー デヴィッド
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
(57)【要約】
電源及び充電回路の構成要素が電力レベルをネゴシエートするネゴシエート可能な電源を利用してバッテリを充電する方法及びシステムが開示される。充電回路は、電圧及び最大電流を含む電力信号を要求するためにネゴシエート可能な電源と通信するコントローラを含むことができ、この信号は、ネゴシエート可能な電源によって提供される。ネゴシエートされた電力信号の電圧値及び/又は最大電流値は、パラメータとして、充電信号整形回路の1又は2以上の構成要素のモデルに提供することができる。回路モデルは、1又は2以上の充電回路構成要素をモデル化する際に提供された電力パラメータを利用して、充電回路の正確なモデルを生成し、モデルを用いて、バッテリを再充電する電力を提供する充電回路を制御して、充電中にバッテリを損傷する可能性のある電力レベルを制限することができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学デバイスを充電する方法であって、
充電回路のモデルへの入力パラメータとして、ネゴシエートされた電力信号の少なくとも1つの特性を提供するステップと、
前記充電回路によって生成される推定充電波形を決定するために、前記充電回路のモデルに標的充電波形を入力するステップと、
前記推定充電波形に基づいて、前記充電回路のスイッチングデバイスを制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ネゴシエートされた電力信号を前記ネゴシエート可能な電源に要求するためにネゴシエート可能な電源と通信するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネゴシエート可能な電源は、電源と電気的に通信するユニバーサルシリアルバスタイプC(USB-C)コネクタを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記電源は、コンセント、充電ブロック、又はラップトップコンピュータの少なくとも1つである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの特性は、前記ネゴシエートされた電力信号の電圧値であり、前記スイッチングデバイスを制御するステップは、前記ネゴシエートされた電力信号の電圧値に基づいて前記スイッチングデバイスへのパルス制御信号を生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの特性は、前記ネゴシエートされた電力信号の最大電流値であり、前記スイッチングデバイスを制御するステップは、前記ネゴシエートされた電力信号の最大電流値に基づいて前記スイッチングデバイスを通る電力量を制限するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記充電回路は、インダクタを含み、前記充電回路のモデルは、モデル化されたインダクタデバイスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記インダクタは、前記インダクタの入力における制御パルス信号に基づいて充電信号を整形する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記充電回路のスイッチングデバイスは、電源に結合されたトランジスタを含み、前記トランジスタの制御は、調整された充電波形を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記スイッチングデバイスを制御するステップは、前記スイッチングデバイスへの入力として不均一なデジタル信号を生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記標的充電波形は、前記電気化学デバイスの動作特性に関連する高調波を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記標的充電波形は、高調波整形された前縁を含み、前記高調波整形された前縁は、高調波及び充電時のバッテリに対する高調波のインピーダンス効果に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
バッテリ測定回路からバッテリ特性フィードバック情報を受け取るステップと、
前記フィードバック情報に基づいて、前記充電回路のモデルのパラメータを変更するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
電気化学デバイスを充電するためのシステムであって、
ネゴシエート可能な電源と通信するネゴシエート可能な電源コントローラと、
コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記ネゴシエート可能な電源コントローラから、充電回路のモデルへの入力パラメータとして、ネゴシエートされた電力信号の少なくとも1つの特性を受け取り、
前記充電回路によって生成される推定充電波形を決定するために、前記充電回路のモデルに標的充電波形を入力し、
前記推定充電波形に基づいて、前記充電回路のスイッチングデバイスを制御する、
システム。
【請求項15】
前記ネゴシエート可能な電源コントローラは、前記ネゴシエート可能な電源から前記ネゴシエートされた電力信号を要求するために前記ネゴシエート可能な電源と通信する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ネゴシエート可能な電源は、電源と電気的に通信するユニバーサルシリアルバスタイプC(USB-C)コネクタを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記電源は、コンセント、充電ブロック、又はラップトップコンピュータの少なくとも1つである、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの特性は、前記ネゴシエートされた電力信号の最大電流値であり、前記コントローラは、前記ネゴシエートされた電力信号の最大電流値に基づいて前記スイッチングデバイスを通る電力量を制限するように前記スイッチングデバイスを制御する、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記充電回路のスイッチングデバイスは、電源に結合されたトランジスタを含み、前記トランジスタの制御は、調整された充電波形を提供する、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記コントローラは更に、前記スイッチングデバイスへの入力として不均一なデジタル信号を生成する、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
前記標的充電波形は、前記電気化学デバイスの動作特性に関連する高調波を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
電気化学デバイスを充電する方法であって、ネゴシエートされた電源からの充電信号の特性を充電回路のモデルに入力するステップを含み、前記充電回路のモデルは、前記ネゴシエートされた電源からの前記充電信号の特性に基づいて、前記電気化学デバイスを充電するための整形充電信号を定める、方法。
【請求項23】
前記充電回路のモデルは、インダクタデバイスを備え、前記インダクタデバイスは、前記インダクタデバイスの入力における制御パルス信号に基づいて、前記充電信号を整形する、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本特許協力条約(PCT)出願は、「ネゴシエート可能な電源を用いたバッテリ充電のためのシステム及び方法(Systems and Methods for Battery Charging Using a Negotiable Power Supply)」と題する2021年10月21日出願の米国仮特許出願第63/270,427号に関し、その優先権を主張するものであり、その全内容は引用により本明細書に完全に組み込まれる。本出願は、「回路モデリングを用いたバッテリ充電のためのシステム及び方法(Systems and Methods for Battery Charging Using Circuit Modeling)」と題する2021年12月30日出願の米国特許出願第17/566,535号に関し、当該特許出願は、「回路モデリングを用いたバッテリ充電のためのシステム及び方法(Systems and Methods for Battery Charging Using Circuit Modeling)」と題する2020年12月30日出願の米国仮出願第63/132,250号からの米国特許法第119(e)条に基づく優先権の利益を主張するものであり、双方とも引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明の実施形態は、一般に、ネゴシエート可能な電源及び1又は2以上のバッテリを充電するための同調された充電信号の使用を含む、1又は2以上のバッテリを充電するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電動工具、掃除機、携帯電話、タブレット、時計等を含む任意の数の異なる携帯電子デバイス等の多くの電動デバイスは、動作電源として充電式バッテリを使用する。充電式バッテリは、バッテリ容量に限りがあるため、消耗時には再充電しなければならない。バッテリの再充電は、充電に必要な時間の間、電源が供給されるデバイスを静止させておかなければならないことが多いため、不便な場合がある。このため、バッテリの再充電に必要な時間を短縮する充電技術の開発に多大な努力が払われてきた。
【0004】
また、バッテリシステムは、バッテリシステムの充放電サイクル、放電深度、過充電等の要因によって経年劣化する傾向がある。従って、充電速度と同様に、バッテリ寿命を最大化するために充電を最適化し、バッテリ容量を可能な限り使用しながらバッテリを過放電又は過充電しないように努めている。多くの場合、これらの目的は相反するものであり、充電システムは他の属性を犠牲にして一部の属性を最適化するように設計されている。
【0005】
幾つかの充電シナリオでは、パルス充電が検討されてきた。しかしながら、バッテリを充電するために方形波パルス充電信号を印加することは、バッテリの寿命を低下させ、又はバッテリの充電に非効率をもたらす可能性があることが発見されている。例えば、バッテリの電極(典型的にはアノード)への充電電流の急激な印加(例えば、方形波パルスの鋭い前縁)は、バッテリ端子にわたって大きな初期インピーダンスを引き起こす可能性があり、その結果、バッテリへの電力の伝達が失われ、充電プロセスの効率が低下し、及び/又は充電中のバッテリの一部が損傷する等の問題がある。
【0006】
バッテリへの矩形パルスから経験される充電信号の急激な変化は、矩形波パルスの鋭い前縁部及び従来の逆パルス方式の使用中のような高周波高調波から備えるノイズを導入する可能性がある。このような高い高調波は、バッテリ電極に大きなインピーダンスをもたらす。この高いインピーダンスは、容量損失、発熱、及びバッテリ全体の電気運動活性の不均衡、充電境界における望ましくない電気化学的応答、及びバッテリを損傷しバッテリの寿命を低下させる可能性のあるバッテリ内の材料への劣化を含む、多くの非効率及びバッテリの劣化をもたらす可能性がある。更に、鋭い接合エッジパルスでバッテリをコールドスタートさせると、容量性充電及び拡散プロセスが開始されるため、限定的なファラデー的活性が作動する。この間、近位リチウムは反応し、速やかに消費され、セルとその構成要素の健全性に悪影響を及ぼす望ましくない副反応と拡散制限状態が続く。これら及び他の非効率性は、比較的高い電流がしばしば関与するバッテリ104の高速充電中に特に有害である。
【0007】
本開示の態様が着想及び開発されたのは、とりわけこれらの観察を念頭に置いてのことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願第17/232,975号明細書
【特許文献2】米国本特許出願第17/327,416号明細書
【発明の概要】
【0009】
本開示の一態様は、電気化学デバイス(electrochemical device)を充電する方法に関する。本方法は、充電回路のモデルに入力パラメータとしてネゴシエートされた電力信号(negotiated power signal)の少なくとも1つの特性を提供する動作と、充電回路のモデルに標的充電波形(target charge waveform)を入力して、充電回路によって生成される推定充電波形(estimated charge waveform)を決定する動作と、推定充電波形に基づいて、充電回路のスイッチングデバイスを制御する動作とを含むことができる。
【0010】
本開示の別の態様は、ネゴシエート可能な電源と通信するネゴシエート可能な電源コントローラと、コントローラと、を備える電気化学デバイスを充電するためのシステムに関する。コントローラは、ネゴシエート可能な電源コントローラから、ネゴシエートされた電力信号の少なくとも1つの特性を、充電回路のモデルへの入力パラメータとして受信し、充電回路のモデルに標的充電波形を入力して、充電回路によって生成される推定充電波形を決定し、推定充電波形に基づいて、充電回路のスイッチングデバイスを制御するように構成することができる。
【0011】
本開示の更に別の態様は、ネゴシエートされた電源からの充電信号の特性を充電回路のモデルに入力することを備える電気化学デバイスの充電方法に関し、充電回路のモデルは、ネゴシエートされた電源からの充電信号の特性に基づいて、電気化学デバイスを充電するための整形充電信号(shaped charge signal)を定義する。
【0012】
本明細書で規定される本開示の上記及び他の目的、特徴、及び利点は、添付図面に示されるような、これらの発明的概念の特定の実施形態の以下の説明から明らかになるはずである。図面は、本開示の典型的な実施形態のみを描いており、従って、範囲を限定するものとはみなされない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態による充電信号整形回路を利用してバッテリを充電するための回路を示す概略図である。
図2】一実施形態によるバッテリを充電するための高調波調整された充電波形の一例の信号グラフである。
図3】一実施形態による、充電信号を整形するためにスイッチング素子を利用するバッテリを充電するための回路を示す概略図である。
図4】一実施形態による回路モデルを利用したバッテリを充電するための回路を示す概略図である。
図5】一実施形態によるバッテリを充電するための充電信号を決定するために回路モデルを利用する方法を示すフローチャートである。
図6】一実施形態による、回路モデル及びネゴシエート可能電源を利用してバッテリを充電するための回路を示す概略図である。
図7】一実施形態によるバッテリを充電するためにネゴシエート可能な電源及び回路モデルを利用する方法を示すフローチャートである。
図8】本開示の実施形態を実施する際に使用できるコンピュータシステムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書では、1又は2以上のバッテリを充電(再充電)するためのシステム、回路、及び方法が開示される。充電及び再充電という用語は、本明細書では同義に使用される。本開示の態様は、従来の充電と比較して、単独で又は組み合わせて、幾つかの利点を提供することができる。例えば、議論されたシステム、回路、及び方法を通じて、他の従来の充電回路及び方法を通じてよりも少ないエネルギーでバッテリを充電することができる。別の例では、本明細書で説明する充電技術は、従来の充放電サイクルと比較して、電極(陽極及び/又は陰極)が損傷又は他の方法で劣化する速度を低減することができ、充電中に発生する熱を低減することができ、これは、電極及びセルの損傷を低減すること、火災又は短絡のリスクを低減すること、及びこのようなもののような幾つかの後続効果を有することができる。他の例では、本明細書に記載された充電技術は、バッテリにより高い充電率を適用することを可能にする場合があり、従って、特に他の利点と併せて考慮される場合、他の技術と比較して比較的速い充電を可能にする場合がある。本技術は、より一般的には、使用する充電率を最適化することができ、この最適化は、充電率だけでなく、サイクル寿命及び温度等の他の問題を考慮することができる。一例では、充電率及びパラメータは、より長いバッテリ寿命及びより高い充電エネルギー効率を提供するように最適化することができる。別の例では、「急速充電」と考えられるかもしれないが、開示されたシステム及び方法は、より少ない熱を発生させながら、充電率とバッテリ寿命の改善されたバランスを提供する。
【0015】
当該技術分野及び本明細書における「バッテリ」という用語は、様々な方法で使用することができ、電解質、固体又は液体によって分離された陽極及び陰極を有する個々のセル、並びに様々な配置で接続されたこのようなセルの集合体を指すことがある。バッテリ又はバッテリセルは電気化学デバイスの一形態である。バッテリは一般に、イオン伝導性の障壁(多くの場合、電解液で飽和された液体又はポリマー膜)によって隔てられた対電荷源及び電極層の繰り返し単位から備える。これらの層は薄肉に作られているため、複数のユニットがバッテリの体積を占めることができ、ユニットを積層するごとにバッテリの利用可能な電力を増加させることができる。本明細書では、バッテリに適用可能な多くの例について説明するが、説明するシステム及び方法は、個々のセルから、並列、直列、及び並列及び直列に結合されたセルのようなセルの異なる可能な相互接続を含むバッテリに至るまで、多くの異なるタイプのバッテリに適用可能であることを理解されたい。例えば、本明細書で説明するシステム及び方法は、定義されたパック電圧、出力電流、及び/又は容量を提供するように配置された多数のセルから備えるバッテリパックに適用することができる。更に、本明細書で論じる実施構成は、幾つか例を挙げると、リチウム-金属電池及びリチウム-イオン電池、鉛蓄電池、様々な種類のニッケル電池、及び固体電池を含むがこれらに限定されない様々な異なる種類のリチウム電池などの異なる種類の電気化学デバイスに適用することができる。本明細書で論じられる様々な実施構成は、ボタン電池又は「コイン」型電池、円筒形電池、パウチ電池、及び角柱形電池のような異なる構造電池配置にも適用することができる。
【0016】
一例では、本明細書で論じられる様々な実施形態は、充電信号同調回路の1又は2以上の構成要素のモデルを使用して、調和的に同調された充電信号を生成することによってバッテリを充電する。特に、充電信号同調アルゴリズムは、回路モデルに、バッテリを充電するために期待される又は意図される充電信号を提供することができる。モデルは、意図された充電信号に基づいて、充電信号同調回路の構成要素のモデリングに基づいて、充電信号同調回路のスイッチ又は他の構成要素に1又は2以上の制御信号を出力することができる。一部の事例では、調整された充電信号は、バッテリのエネルギー移動の実数値及び/又は虚数値に基づくエネルギーの最適な移動に関連する高調波(又は倍音)に対応することができる。この態様において、充電信号調整回路の構成要素への制御信号は、電圧及び電流のような充電中のバッテリにおける充電信号の測定値のフィードバックではなく、又はそれに加えて、回路の構成要素のモデルに基づいて充電信号を整形し、又はより一般的に充電信号を調整する。一部の事例では、このアプローチは「フィードフォワード」技法と呼ばれることがある。充電信号を定義するための制御信号を決定するために回路コントローラのモデルを利用するフィードフォワード技法は、信号調整の精度及び速度を含む幾つかの利点を提供することができる。更に、この配置は、他のアプローチよりも少ない構成要素でオペレータが可能であり、それにより、他の利点の中でも、コストを削減し、より少ないPCB領域を使用することができる。更に、フィードバックを使用する場合でも、より高速なフィードバックは必要ないため、より低速なシステムを使用することができる。
【0017】
実際的には、一部の事例では、モデルの誤差を調整したり、定期的に追加データをモデルに提供して出力を変更したりするなどの何らかのフィードバックなしに、回路モデルだけに頼るのは不十分な場合がある。例えば、充電回路のオペレータの間、充電中のバッテリの側面は、充電状態(SoC)、健全性状態(SoH)等に応答して変化する可能性がある。従って、一部の事例では、充電信号の形状を微調整するために、回路のモデル又は充電回路のスイッチのコントローラを調整するために、バッテリの側面を取得し、使用することができる。一般に、回路のモデル化は、バッテリセンサからの相対的に遅いフィードバック経路に対抗するための充電信号の推定及び事前決定を提供し、特にここでは、モデルの存在が、より安価な遅いフィードバック経路が使用できる技術を提供する。例えば、回路モデルはバッテリの初期整形充電信号を生成するために利用することができる。しかしながら、充電信号の形状は、バッテリの測定又は決定された変化に基づくフィードバック情報に基づいて、時折更新又は調整されることがある。このような場合、即時のリアルタイムフィードバックが必要でないかもしれないので、非常に高速なフィードバック経路が必要かもしれない。一部の事例では、回路モデル及び/又は充電信号の形状におけるこのような更新又は変更は、充電されるバッテリのSoC及び/又はSoHの指標を提供することもできる。
【0018】
別の例では、本明細書で論じる様々な実施形態は、電源及び充電回路の構成要素が電力レベルをネゴシエートするネゴシエート可能な電源を利用してバッテリを充電するのに適している。一実施構成では、充電回路は、電圧及び最大電流を備える電力信号を要求するためにネゴシエート可能な電源と通信するコントローラを含むことができ、その後、ネゴシエート可能な電源によって提供されることができる。ユニバーサルシリアルバスType-C(USB-C)は、本明細書に記載される充電回路の実施形態と共に使用できるネゴシエート可能な電源の1つのタイプであるが、他のネゴシエート可能な電源システム及び関連コネクタも企図される(例えば、SAE J1772タイプのコネクタ、他のUSB Power Delivery(PD)タイプのコネクタ等)。ネゴシエートされた電力成分(例えば、ネゴシエートされた電源によって提供される電圧値及び最大電流値)は、バッテリを充電するために充電回路によって利用することができる。例えば、充電回路の1又は2以上のスイッチデバイスは、バッテリの損傷を防ぐために、バッテリの電極に供給される全体的な電力を制限するように制御することができる。1つの特定の実施構成において、電圧値及び/又は最大電流値は、充電信号整形回路の1又は2以上の構成要素のモデルにパラメータとして提供することができる。回路モデルは、充電回路の動作の正確なモデルを生成するために1又は2以上の充電回路構成要素をモデル化する際に、提供された電力パラメータを利用することができる。例えば、回路モデルは、バッテリへの入力電圧を含み、入力電圧に基づいて充電回路のスイッチへの1又は2以上の制御信号をモデル化することができる。入力電圧はネゴシエート可能な電源から供給される電圧値に関連するため、電圧値はモデルへの入力パラメータとなり得る。別の例では、回路モデルは、バッテリを再充電する電力を供給するために充電回路を制御するために使用されることがある。回路モデルは、バッテリを損傷する可能性のある電力レベルを充電回路が提供しないようにするための制限を含むことができる。このため、モデルは、ネゴシエート可能な電源とネゴシエートされた最大電流値を受け取ることができる。最大電流値パラメータは、バッテリが損傷する量の電力を受けないように制限又はその他の方法で確保するために、ネゴシエート可能な電源から利用可能な最大電力を計算するために利用されることがある。ネゴシエート可能な電源を使用することにより得られるこれら及びその他の利点については、本明細書において更に詳細に説明する。
【0019】
図1は、充電信号整形回路106を利用してバッテリ104を充電するための例示的な回路100を示す概略図である。一般に、回路100は、電圧源、電流源、又は電圧源及び電流源の組み合わせであり得る電源102を含むことができる。ある特定の実施形態では、電源102は直流(DC)電圧源であるが、交流(AC)電源も考えられる。様々な例において、電源102は、一方向電流を供給するDC電源、双方向電流を供給するAC電源、又は(電流が一方向になるようにDCバイアスをかけたAC信号のような)リップル電流を供給する電源を含むことができる。以下で更に詳細に説明する他の実施構成では、電源102は、電源からの電圧及び最大電流が、電源と、回路コントローラ110等の充電回路100の1又は2以上の構成要素との間でネゴシエートできるネゴシエート可能電源であってもよい。一般に、電源102は、バッテリ104を充電するために成形及び使用できる充電電流を供給する。1つの特定の実施構成において、図1の回路100は、バッテリ104の充電に使用するための充電信号の1又は2以上の態様を整形するための充電信号整形回路106を含むことができる。一実施例では、回路コントローラ110は、充電信号の整形を制御するために、1又は2以上の入力を電力信号整形回路106に提供することができる。入力は、電源102からの信号をバッテリ104のより効率的な電力充電信号に変更するために整形回路106によって使用することができる。充電信号整形回路106のオペレータ及び構成は、以下により詳細に説明される。
【0020】
一部の事例では、充電信号整形回路106は、電源102からのエネルギーを変化させて、バッテリ104における充電条件に基づいて整形された充電信号、例えば、信号を備える信号がバッテリ104に印加されたときのインピーダンスに基づく高調波又は高調波に少なくとも部分的に対応する充電信号を生成することができる。一例では、回路100は、バッテリ104に接続されたバッテリ測定回路108を含み、バッテリ電圧及び/又は充電電流、並びに温度のような他のバッテリ属性を測定し、及び/又はバッテリ104の電極間のインピーダンスを測定又は計算することができる。一実施例では、バッテリ特性は、印加された充電信号に基づいて測定することができる。別の例では、バッテリ特性は、バッテリを特徴付けるために異なる周波数属性に関連するバッテリ特性値の範囲を生成するために、周波数属性が変化する信号を印加するルーチンの一部として測定されてもよく、これは、充電前、充電中、充電中に定期的に行われてもよく、ルックアップ技術、及び他の技術と組み合わせて使用されてもよい。一実施例では、システムは、特定のタイプのバッテリセルの試験に基づいて生成されるルックアップテーブルを含むことができ、ルックアップテーブルは、測定された電圧値及び電流値に基づいてインピーダンス値を定義し、このインピーダンス値は、充電パルスの前縁(leading edge)の高調波周波数プロファイル又はその他にかかわらず、何らかの既知の周波数属性を有する印加された充電信号からの信号応答間の位相オフセット情報も含むことができる。このテーブルは、温度、SOC、又はSOHによっても整理することができる。バッテリ104の特性は、バッテリの充電状態及び/又は温度を含む、バッテリの多くの物理的及び化学的特徴に基づいて変化することができる。このように、バッテリ測定回路108は、回路コントローラ110によって制御され、特にバッテリ充電中に様々なバッテリ特性値を決定し、測定及び/又は計算されたバッテリ値を回路コントローラ110に提供することができる。
【0021】
バッテリ特性に基づいて、回路コントローラ110は、最適なバッテリ充電104のための意図された充電信号を生成することができる。例えば、特定の高調波又は高調波におけるインピーダンスは、特定の高調波又は高調波の特徴を含む充電信号を定義するために回路コントローラ110によって使用することができる。このように、回路コントローラ110は、バッテリ104の測定及び/又はモデル化条件に基づいて充電信号形状を出力する充電信号アルゴリズムを実行することができる。回路コントローラ110は、次に、充電信号アルゴリズムに基づいて1又は2以上の制御信号を生成し、これらの制御信号を充電信号整形回路106に提供することができる。制御信号は、他の機能の中でも、アルゴリズムによって決定された整形充電信号に近似するように充電信号を整形することができる。整形された充電信号は、典型的には、繰り返し矩形波又は三角波の充電信号のような従来の繰り返し充電信号には適合しない。
【0022】
例えば、図2は、バッテリ104を充電するための調和的に調整されたバッテリ充電信号200の信号図202である。信号図202は、入力電流204対時間206としてグラフ化された充電信号208を示す。充電信号208の形状は、回路コントローラ110によって実行される充電信号アルゴリズム又はプログラムによって決定することができる。一実施例では、充電信号208の形状は、他のバッテリ特性も企図されるが、インピーダンス(その実数値及び/又は想像値)及びバッテリに印加される信号の高調波又は周波数属性間の相関のようなバッテリ104の特性に基づいてもよい。例えば、充電パルス208の一部の形状は、バッテリのインピーダンス値に関連する高調波に対応することができる。更に別の例では、充電信号208は、バッテリ104のアドミタンスのコンダクタンス又はサセプタンスの一方又は両方に関連する高調波に対応することができる。他の様々な実施形態において、バッテリセルの充電信号は、バッテリセルの高インピーダンス又は逆に低アドミタンスに対応する高調波を除去するように変更することができる。このようなものとして、アドミタンス又はその構成要素であるサセプタンス及びコンダクタンスのような他の測定値も使用することができる。本明細書で使用するインピーダンスという用語は、その逆アドミタンスを含む場合がある。一般に、回路コントローラ110の充電信号整形アルゴリズムは、測定、モデル化、又は推定されたバッテリ104の任意の特性に基づいて、充電信号208の形状を彫刻又は他の方法で決定及び/又は調整することができる。図2の例では、信号208の前縁は高調波に適合し、高調波は、充電のためにバッテリに印加されたときのインピーダンス効果に基づいて決定することができる。信号の本体は、様々な可能な変換の適用時に測定可能であろう様々な可能な高調波から備えることができ、本体の高調波内容は、充電中に適用されたときの高調波の1又は2以上の応答インピーダンス効果に基づいて、少なくとも部分的に決定される。本体の形状も同様に、バッテリに適用されたときに独自の効果をもたらす可能性がある。本体の幅は、マイクロ秒のオーダーであってもよいが、著しく長くてもよく、ミリ秒から秒、又はそれ以上の範囲であってもよい。充電信号の後縁も高調波に適合することがある。充電信号の様々な高調波属性は、単独又は様々な組み合わせで定義することができる。
【0023】
更に、バッテリ104の特性は、充電状態、健康状態、温度、及び他の要因によって変化し得るので、充電信号208の形状もまた、充電信号の形状に応じてインピーダンス応答が変化し得るので、経時的に変化する可能性がある。従って、一部の事例では、回路コントローラ110は、バッテリ104の特性を監視又は決定する反復プロセスを実行し、それに応じてバッテリに印加される充電信号208の形状を調整することができる。このようなプロセスでは、特に、モデルを参照して、様々な周波数におけるインピーダンスを計算して、とりわけ、モデル又は他の整形コントローラに適用することができる。この反復プロセスは、バッテリを再充電するために使用される充電信号の効率を改善することができ、これにより、他の利点の中でもとりわけ、バッテリを再充電する時間を短縮し、バッテリの寿命(例えば、バッテリが経験する可能性のある充放電サイクル数)を延ばし、バッテリを充電する電流量を最適化し、及び様々な非効率性によって失われるエネルギー損失を回避することができる。充電整形回路106の1つの特定の実装は、「バッテリ充電のためのシステム及び方法(Systems And Methods For Battery Charging)」と題され、2021年4月16日に出願された共同出願の米国特許出願第17/232,975号に更に記載されており、その全体は引用により本明細書に組み込まれる。
【0024】
図3は、一実施形態による、バッテリを充電するための充電信号を整形するためにスイッチング素子312、314を利用するバッテリ104を充電するための回路300を示す概略図である。回路300は、電源302、回路コントローラ306、バッテリ測定回路308、及びバッテリ304を含めて、図1の充電回路100を参照して上述した要素を含む。図3の回路300に示された他の要素は、図1の充電信号整形回路106に含めることができる。従って、以下により詳細に説明するように、回路コントローラ306は、電源302からの電流又は電圧信号を整形してバッテリ304を充電するために、回路300の要素に1又は2以上の制御信号330、332を提供することができる。回路コントローラ306は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)デバイス、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の何れかのプログラマブル処理デバイスを介して実装することができる。一実施構成では、回路コントローラ306は、バッテリ304に印加される充電信号の形状を決定するための充電信号整形発生器310を含むことができる。回路コントローラ306の充電信号整形発生器310は、一部の事例では、充電信号の形状の決定に使用するために、バッテリ測定回路308からバッテリの特性の測定値を受け取る。しかしながら、以下により詳細に説明するように、このようなフィードバック機構は、回路300の1又は2以上の構成要素のモデルが、フィードバック機構の有無にかかわらず、回路300の要素を制御するための制御信号330、332を決定するために利用できるように、充電信号の効果的な整形を可能にしない速度で発生することができる。
【0025】
前述のように、回路300は、バッテリ304を充電するための充電信号を整形する1又は2以上の構成要素を含むことができる。図示の特定の実施構成では、回路300は、電源302の出力334に直列に接続された第1のスイッチング素子、例えばトランジスタ312、及び第2のスイッチング素子、例えばトランジスタ314を含むことができる。第1のトランジスタ312は、パルス幅変調(PWM)制御信号330等の入力信号を受け取り、第1のトランジスタ312をスイッチングデバイス又は構成要素として動作させることができる。一般に、第1のトランジスタ312は、任意のタイプのトランジスタ、例えばFET、又は第1のインダクタ316を電源302の出力334に制御可能に接続するための任意のタイプの制御可能なスイッチング素子とすることができる。例えば、第1のトランジスタ312は、ドレインノードが第1のインダクタ316に接続され、ソースが電源302に接続され、及びゲートが回路コントローラから制御信号330を受信するFETであってもよい。制御信号330は、回路コントローラ306から供給されて、閉じたときに、電源からの充電信号が第1のインダクタ316を通って流れるように第1のインダクタ316を電源302に接続するスイッチとして、第1のトランジスタ312のオペレータを制御することができる。第2のトランジスタ314は、第2の入力信号332を受信し、及びノード336で第1のトランジスタ312のドレインに接続される。一部の事例では、第2の入力信号332は、第1のトランジスタ312に対する第1の制御信号330とは逆のPWM信号である場合がある。従って、第1のインダクタ316を電源302に接続するために第1のトランジスタ312が閉じているとき、第2のトランジスタ314は開口している。第1のトランジスタ312が開口すると、逆に第2のトランジスタ314は閉口し、ノード336及び第1のインダクタ316を接地に接続する。第1の制御信号330及び第2の制御信号332は、トランジスタを対向状態に制御するための対向信号として本明細書では説明されているが、スイッチング素子312、314を制御するための他の技術も回路コントローラ300で実施することができる。一般に、PWM信号330、332は、第1のトランジスタ312及び第2のトランジスタ314が同時に開口してもよいが、同時に閉口しないように構成される。インダクタ値、コンデンサ値、トランジスタをアクチュエータする時間及び周波数、及びその他の要因は、波形、特に、バッテリに充電するための制御された高調波を有する波形を生成するように調整することができる。
【0026】
第1のインダクタ316に加えて、「フィルタ」324部分と総称される他の構成要素を回路300に含めることができる。特に、回路300は、電源の出力334及び接地間に接続された第1のコンデンサ322を含むことができる。第2のコンデンサ320は、(ノード338における)第1のインダクタ316と接地との間に接続される場合がある。第2のインダクタ318は、ノード338とバッテリ304の陽極との間に接続される場合がある。回路300のフィルタ324は、一般に、バッテリ304に印加される充電信号の急激な変化を防止するように動作することができる。例えば、制御信号330に基づいて第1のトランジスタ312が閉じられると、第1のインダクタ316及び第2のインダクタ318は、バッテリ304に伝達される電流の急激な増加を防止することができる。このような電流及び/又は電圧の急激な増加は、バッテリ304を損傷する可能性があり、又はバッテリの寿命に有害である可能性がある。更に、インダクタはバッテリに印加される波形を形成する可能性があり、及びインダクタに印加される信号の制御は、波形の制御された形成を提供する可能性がある。要するに、インダクタをレール334に接続するトランジスタをオンにすると、インダクタへの入力の電圧は上昇するが、インダクタの値によっては、インダクタからの充電電流伝達の前縁が整形され、急激なものにはならない。インダクタの値及びインダクタに印加される信号に応じて、インダクタへの電流及び電圧の印加を制御することによって形状を制御することができる。別の例では、コンデンサ320は、第1のトランジスタ312が閉じている間、電源302からのエネルギーを蓄えることができる。第1のトランジスタ312の開口時に、キャパシタ320はインダクタ318に安定した電圧を供給し、インダクタはバッテリ304に予測可能な電流を供給することができ、及び同様にバッテリに印加される波形を制御可能に形成するために使用することができる。バッテリ304の充電のための他の利点もフィルタ回路324を通じて実現されるが、簡潔にするために本明細書では説明しない。
【0027】
より多くの又は2以上の構成要素が充電回路300に含まれ得ることが理解されるべきである。例えば、フィルタ回路324の構成要素の1又は2以上を、バッテリ304への充電信号をフィルタリングするために所望に応じて除去又は変更することができる。多くの他のタイプの構成要素及び/又は構成要素の構成もまた、充電回路300に含まれ又は関連付けられ得る。むしろ、図3の回路300は、バッテリ充電回路300の一例に過ぎず、及び充電信号を整形するための制御信号330、332を生成又は他の方法で決定するために回路モデルを利用するために本明細書で説明される技術は、任意の数のバッテリ充電回路に適用することができる。
【0028】
上述したように、回路コントローラ306の信号整形発生器310は、バッテリ測定回路308から受信したバッテリ304のフィードバック測定値に基づいて、充電信号の形状を制御することができる。例えば、初期充電信号がバッテリ304に印加され、バッテリ304の1又は2以上の測定値(バッテリへの電流又はバッテリを横切る電圧等)がバッテリ測定回路308によって得られてもよい。これらの測定値は、信号整形発生器310に供給され、信号整形発生器310は、バッテリ特性の予想測定値とバッテリ304における測定値との間の誤差を決定する。この決定された誤差に基づいて、信号整形発生器310は、制御信号330、332を介して、第1のトランジスタ312及び第2のトランジスタ314を制御して、バッテリ304への充電信号の形状を調整することができる。言い換えれば、信号整形発生器310は、バッテリ304に送信される充電信号を整形して、バッテリ304の期待される測定特性を生成することができる。フィードバック測定値が期待される限り、充電信号の形状は、制御信号330、332を介して信号整形発生器310によって維持することができる。しかしながら、期待される測定値と測定値との間の検出された差は、回路コントローラ306に、バッテリ304の応答を期待される値の範囲にもたらすために充電信号の形状を変更させることができる。例えば、回路コントローラ306は、期待される実インピーダンス値又はバッテリの他の特性に基づいて充電信号の形状を変更することができる。バッテリの特性測定値を得るための幾つかの特定の実施構成は、「バッテリセルのインピーダンス測定のためのシステム及び方法(Systems And Methods For Impedance Measurement Of A Battery Cell)」と題され、2021年5月21日に出願された、共同出願された米国本特許出願第17/327,416号に更に詳細に記載されており、その全体は引用により本明細書に組み込まれる。
【0029】
多くの場合、バッテリ304への充電信号を変更又は整形するために信号整形発生器310によって使用されるフィードバック技術は、高速で発生する充電信号を効果的に整形するには、到着が遅すぎる場合がある。例えば、充電信号330、332は、多くの場合、バッテリ測定回路308がバッテリ特性の測定値を得ることができ、及び/又は回路コントローラ306が測定されたバッテリ特性に応答して充電信号の形状を調整することができるのと同じ又はより速い速度で、特定の周波数で発生する高調波整形パルスを含むことができる。その結果、充電信号の形状を調整するためにフィードバック測定を利用する回路コントローラ306は、特に高周波数の整形充電信号において、最適なバッテリ充電のために充電信号を微調整することが課題となり得る。
【0030】
図4は、一実施形態による回路モデル440を利用してバッテリ404を充電するための回路400を示す概略図である。図4の回路400は、図3を参照して上述した充電回路300を簡略化したものであり、電源402、第1のトランジスタ412又は他のタイプの電子スイッチ、第2のトランジスタ414又は他のタイプの電子スイッチ、バッテリ404及び回路コントローラ406等の同様の構成要素を含むことができる。上記と同様に、第1のトランジスタ412は、制御信号又は入力信号430によって制御され、トランジスタをスイッチとして動作させ、インダクタ416を電源402の出力に交互に接続することができる。一般に、第1のトランジスタ412は、任意のタイプのFETトランジスタ又は任意のタイプの制御可能なスイッチデバイスとすることができる。制御信号430は、回路コントローラ406によって供給され、閉じたときに、電源からの充電信号がインダクタ416を通って流れるようにインダクタ416を電源402に接続するスイッチとして、第1のトランジスタ412の動作を制御することができる。第2のトランジスタ414は、第2の入力信号432を受信し、及びノード436で第1のトランジスタ412のドレインに接続されることがある。上記と同様に、第2の入力信号432は、第1のトランジスタ412が閉じてインダクタ416を電源402に接続するとき、第2のトランジスタ414が開くように、第1のトランジスタ412に対する第1の制御信号430とは反対のPWM信号とすることができる。第1のトランジスタ412が開口しているときは、逆に第2のトランジスタ414が閉口し、ノード436及びインダクタ416を接地に接続する。従って、トランジスタ412、414のオペレータは上述した回路と同様である。例えば、PWM信号430,432は、第1のトランジスタ412及び第2のトランジスタ414が同時に開口することはあっても、両方が同時に閉口することはないように構成されている。
【0031】
上述したように、図4の回路400は、図3の回路300を簡略化したものである。特に、充電回路のフィルタ部分の構成要素の多くは、明確にするために削除されている。このような構成要素は、充電回路400に含まれても含まなくてもよい。更に、図4には示されていないが、バッテリ404に充電信号を供給するための回路400には、他の構成要素も含まれる場合がある。むしろ、回路400の構成要素は、第1のトランジスタ412及び第2のトランジスタ414の制御信号430、432を生成又は他の方法で決定するために回路モデル440を利用することを議論する際に使用するための簡略化された充電回路として図4に図示されている。
【0032】
上述もしたように、バッテリ404特性のフィードバックに基づく充電信号の整形は、標的バッテリに対する初期効果が非効率的である可能性があるように、ゆっくりと発生する可能性がある。従って、図4の回路400は、バッテリ404の電流コレクタに印加するためのインダクタ416の出力における充電信号を推定するために、充電回路の側面のモデル440を利用することができる。一部の事例では、回路モデル440は、バッテリ404における電流波形を推定するために、電源402、第1のトランジスタ412、第2のトランジスタ414、及びインダクタ416など、回路コントローラ406の外部の構成要素をモデル化することができる。フィルタ回路324の構成要素などの追加構成要素も回路モデル440に含めることができる。ある特定の実施構成では、回路モデル440は、インダクタへの予想入力電圧及び/又は電流並びにインダクタからの推定出力電圧及び/又は電流を含む、インダクタ416のモデルを含むことができる。モデルに含まれる構成要素は、印加される充電信号に対する構成要素の効果を決定するために、様々な属性を有することができる。例えば、インダクタモデルは、インダクタ416に関連するインダクタンス及び等価直列抵抗値を含むことができる。スイッチ412、414及び/又はバッテリ404等の他のモデル化された構成要素も、モデル化された構成要素に対して実行されるシミュレーションの精度を向上させるために、様々な属性を含むことができる。更に、モデル化された構成要素の属性は、回路構成要素からの性能データ又はフィードバックデータに基づいて経時的に調整することができる。例えば、回路400の充電信号をサンプリングして回路コントローラ406にフィードバックし、受信した充電信号と予想される充電信号との比較をコントローラによって行うことができる。差に基づいて、回路コントローラ406は、モデルの精度を向上させるために、モデルの構成要素の1又は2以上の属性を変更又は調整することができる。更に、回路コントローラ406及び/又は信号整形器410は、バッテリ測定回路408から受信したフィードバックに基づいて、スイッチング素子412、414への制御信号430、432を調整することができる。モデル構成要素に対する調整及び/又はスイッチング素子412、414の制御は、構成要素に対する寄生効果を考慮した調整となるように、一定期間にわたって繰り返すことができる。
【0033】
回路モデル440に含まれる構成要素にかかわらず、モデルは、信号整形発生器410から標的電流又は電圧充電信号を入力し、標的充電信号及びモデル化された回路に基づいて、バッテリ404で受信される推定充電信号を決定することができる。例えば、信号整形発生器410が、充電信号の形状が図2の信号グラフ202の任意の充電信号208であるべきであると決定したと仮定する。従って、信号整形発生器410は、標的整形充電信号を回路モデル440にモデルへの入力として提供することができる。回路モデル440は、整形充電信号をモデル化された回路に適用して、インダクタ416の出力において期待される充電信号を得ることができる。回路コントローラ406は、回路モデルの出力を利用して、インダクタ416を通る予想充電信号(又はバッテリ404で受信される予想充電信号)を決定するために、回路モデル出力に基づいて整形充電信号208の期間にわたって第1のトランジスタ412及び第2のトランジスタ414を制御することができる。一部の事例では、回路モデル出力は、バッテリ404への初期整形充電信号を生成するために利用され、充電信号のより細かい制御は、初期充電信号の後に、バッテリ測定回路408から受信したフィードバックに基づいて行われる。
【0034】
回路モデル440によって出力された標的充電信号と回路コントローラ406において受信されたフィードバック情報との比較を通じて、標的充電信号と受信された充電信号との間の誤差が決定することができる。一部の事例では、信号整形発生器410は、標的充電信号及びフィードバック情報の比較によって決定された誤差を補償するために、充電信号の形状を調整することができる。回路性能、及び、特に、入力充電信号及び充電回路のモデル化された構成要素(インダクタ416など)に基づいてバッテリ404において予想される充電信号の形状をモデル化することによって、回路コントローラ406は、フィードバック情報に基づいて、充電信号の標的形状と充電信号の実際の形状との間の差を決定してもよい。
【0035】
一部の事例では、標的充電信号と予想充電信号との間の差は、フィードバックなしで得られてもよい。例えば、標的充電信号は、信号整形ジェネレータ410によって生成され、及び回路モデル440に提供することができる。回路モデル440は、標的充電信号を入力し、及びモデル化された回路への充電信号の印加から生じるであろう期待充電信号を生成することができる。標的充電信号と回路モデル440の出力との比較は、上述した誤差を生成し、回路コントローラ406は、回路モデル440のパラメータを変更するために、及び/又はスイッチング素子412、414等の充電回路400の構成要素を制御するために利用することができる。このようにして、バッテリ特性のフィードバック機構を充電回路から除去し、充電回路400の構成要素の制御に対する調整を、代わりにモデル化された回路性能に基づいて行うことができる。従って、回路モデル440は、回路コントローラ406が、バッテリ404の測定値がバッテリ測定回路408によって取得及び処理できる周波数を超える速度で充電信号の形状を調整することを可能にすることができる。モデリング及びフィードバック測定は、より遅いフィードバックループのように、組み合わせて使用することもできる。
【0036】
一実施構成では、信号整形発生器410は、決定された充電信号の誤差に基づいて、第1のトランジスタ412及び第2のトランジスタ414をそれぞれ制御するための制御信号430、432を出力することができる。他の実施構成において、回路コントローラ406の充電回路制御機構は、信号整形発生器410から1又は2以上の入力を受信し、決定された誤差に従って充電信号を整形するために、第1のトランジスタ412及び第2のトランジスタ414のための制御信号430、432を生成してもよい。例えば、誤差は、充電信号のある側面が標的充電信号と異なることを示すかもしれない。決定された誤差に基づいて、回路コントローラ406は、制御信号430、432をトランジスタ412、414に供給して充電信号を整形し、それによってバッテリ404で受信された充電信号の推定誤差を補償することができる。このようにして、回路コントローラ406は、充電回路のモデルからの推定充電信号及びバッテリ404からの測定されたフィードバックに基づいて、バッテリ404への充電信号の形状を調整することができる。
【0037】
バッテリを充電するための充電信号を決定するための回路モデル440の使用は、図5のフローチャートに示される方法500に示される。図5の方法500のオペレータは、バッテリ404を充電するための充電信号を整形するための、上述した回路コントローラ406のモジュール、プログラム、アルゴリズム、構成要素等であってもよい。一実施例では、回路コントローラ406は、第1のトランジスタ412及び/又は第2のトランジスタ414を制御して電源402からの充電信号を整形し、バッテリ404を充電する信号を印加するための1又は2以上の動作を実行することができる。しかしながら、他の実施構成では、回路コントローラ406は、方法500又は方法の動作を実行して、任意の充電回路構成要素を制御して、バッテリ404への充電信号を整形又は他の方法で変更することができる。動作は、回路コントローラ406の1又は2以上のハードウェア構成要素、コントローラの1又は2以上のプログラム、又は回路コントローラのハードウェア及びソフトウェア構成要素の両方の組み合わせによって実行することができる。
【0038】
動作502で開始して、回路コントローラ406は、バッテリ404を充電するための充電信号の標的形状を決定することができる。上述したように、充電信号の標的形状は、測定されたインピーダンス(実数成分及び虚数成分を含む)、充電状態、バッテリ温度、整形された理想的なバッテリ等の充電中のバッテリ404の特性に基づいてもよい。充電信号の形状は任意であり、1又は2以上の特定の高調波によって形成されてもよい。充電信号は、ある期間伸びることがあり、正の値に戻る前に一時的にゼロ又は負のレベルに下がることがある。様々な実施例において、充電信号の標的形状は、バッテリ404を最適に充電するための充電信号の標的形状を決定するための充電信号アルゴリズム又は任意の他の実行可能な指示に基づいて、回路コントローラ406の信号整形ジェネレータ410によって生成されてもよい。
【0039】
動作504において、標的充電信号は、充電回路400のモデル440に適用されるか、又は他の方法で提供することができる。回路モデル440は、充電回路400又は他の充電回路の任意の数の構成要素のモデルを含むことができる。ある特定の実施構成では、回路モデル440は、充電回路400のインダクタ416を備えることができる。別の実施構成では、回路モデル440は、図3の充電回路300のフィルタ回路324の構成要素を含むことができる。モデル化された構成要素にかかわらず、回路モデル440は、標的充電信号を受信し、モデル化されたインダクタに印加されるトランジスタ制御及びその結果生じる信号のシミュレーションを通して、バッテリに印加される予想される充電信号を生成又は他の方法でモデル化することができる。従って、動作506において、回路コントローラ406は、モデル化された回路のバッテリ404で予想される充電信号を受信することができる。例えば、回路モデル440は、充電回路のインダクタ416構成要素を備えることができる。標的充電信号が、モデル化されたインダクタに入力され(例えば、標的充電信号を生成するためのスイッチ412、414のモデル化された制御を通して)、信号がモデル化されたインダクタを通って伝達される際の標的充電信号のシミュレーションに基づいて、モデル化されたインダクタの出力における期待される充電信号が、回路モデル440によって出力することができる。インダクタ416はバッテリ404に直接接続されているため、期待される充電信号は、バッテリを充電するためにバッテリ404に印加される充電信号である可能性がある。他の又は異なる構成要素を含む回路モデル440については、各構成要素による充電信号への影響をモデル化し、バッテリ404に到達する充電信号の出力を決定することができる。回路モデル440においてモデル化される構成要素の数及び構成に関係なく、モデルの出力は、バッテリ404における推定充電信号が決定できるように、構成要素が入力充電信号に有し得る効果を示す。
【0040】
回路コントローラ406は、動作508において、回路モデル440の出力に基づいて整形充電信号を生成するために、充電回路400の構成要素に1又は2以上の制御信号を生成することができる。特定の1つの実施構成において、回路コントローラ406は、バッテリ404に印加される充電信号が信号整形発生器410及び/又は回路モデル440によって決定される形状をとるように、充電回路400の構成要素が充電信号に有する可能性のある影響を考慮するために、第1のスイッチングデバイス412及び/又は第2のスイッチングデバイス414に1又は2以上の制御信号を生成することができる。例えば、標的充電信号形状がモデルの出力に基づいて決定されるとき、回路コントローラ406は、第1のトランジスタ412のための制御信号430及び/又は第2のトランジスタ414のための制御信号432を生成することができる。一実施例では、制御信号430は、トランジスタのスイッチングが反対の状態で発生する(例えば、開口した第1のトランジスタが閉口した第2のトランジスタと同時に発生し、及びその逆も同様である)ような反対の制御信号432であってもよい。しかしながら、一般的には、バッテリ404を充電するための整形充電信号を生成するために、充電回路400の任意の数の構成要素に対する任意の制御信号を生成し、充電回路の構成要素に送信することができる。充電回路がどのように制御されるかにかかわらず、制御信号は、回路モデル440及びバッテリ404における予想充電信号を推定するための回路モデル上での標的充電信号のシミュレーションに基づいてもよい。回路モデル440の使用は、充電信号が整形される効率及び速度を改善するために利用することができる。
【0041】
動作510において、回路コントローラ406は、バッテリ測定回路408からフィードバックデータを受信してもよく、このフィードバックは、整形された標的充電信号に応答するバッテリ404の特性であってもよい。このような信号は、特に、初期充電信号であってもよいバッテリにおける充電信号に応答して又はその存在下で、バッテリへの電流又はバッテリを横切る電圧を含むことができる。測定値は、信号整形発生器410に提供され、信号整形発生器410は、バッテリ特性の予想測定値とバッテリ404における測定値との間の誤差を決定することができる。従って、動作512において、回路コントローラ406は、整形充電信号からバッテリ404において期待される測定値とバッテリにおける測定値との間の差、又は「誤差」を決定する。バッテリ404における測定値が期待値と異ならない場合、回路コントローラ406は、動作502に戻って上記のプロセスを繰り返すことができる。しかしながら、整形充電信号によるバッテリ404における測定された側面が、回路モデル440によって出力された期待値とは異なることをフィードバックが示す場合、回路400の構成要素の1又は2以上の制御は、決定された誤差に基づいて調整することができる。一部の事例では、回路モデル440自体の1又は2以上の態様がフィードバック情報に基づいて調整されることがある。このようにして、回路コントローラ406の構成要素は、バッテリ測定回路408から受信したフィードバックに応答して変更又は調整することができる。
【0042】
本明細書で説明する回路及び方法を通じて、バッテリ404における充電信号の予測を生成し、それに応じてトランジスタ412、414を制御することができる。上述したように、トランジスタ412、414は通常、高速に変化するPWM信号を通して制御される。しかしながら、回路モデル440を通して、トランジスタ412、414の制御は外部クロックに同期されないかもしれないが、その代わりに、トランジスタ412、414のゲートにおいてランダムなデジタル信号として現れるかもしれない。回路コントローラ406において回路モデル440を使用することにより、設計の単純さ、制御信号がランダムなデジタル信号として現れるためリバースエンジニアリングが困難であること、及び充電信号整形における精度が向上すること等を含むが、これらに限定されない幾つかの利点が得られる。特に、トランジスタ412、414のスイッチングは、充電信号の形状を調整するためにフィードバック測定を使用する回路コントローラよりもはるかに高速な、10ns又はそれ未満の増分で制御することができる。これにより、出力電流を非常に小さく調整することができる。更に、回路モデル440は、トランジスタ412、414の最小オン時間及びオフ時間を追跡し、その追跡をトランジスタの制御に組み込むことができ、スイッチング損失及びトランジスタの全体的な安定性を低減することができる。
【0043】
更に、本明細書で説明する充電回路及び方法は、単一セル又は複数セルから備えるバッテリ404に適用することができる。複数のセル構成では、セルは、直列構成、並列構成、又は直列構成及び並列構成の組み合わせで配置することができる。直列構成で配置された複数のバッテリは、電流が直列接続のバッテリ間で分割されるため、バッテリを充電するために使用される全体的な電流を低減することができる。バッテリを直列に接続することにより、充電回路400は、より少ない電流を必要とし、充電回路の効率を更に向上させることができる。
【0044】
一部の事例では、上述したバッテリ充電回路の電源は、供給される電力信号(例えば、電力信号を備える電圧信号及び/又は電流信号)が、電力信号が充電ごとに変化し得るように、充電回路の1又は2以上の構成要素によってネゴシエート又は他の方法で選択できるネゴシエート可能な電源を含むことができる。図6は、一実施形態による、回路モデル640及びネゴシエート可能な電源602を利用してバッテリ604を充電するための回路600を示す概略図である。図6の充電回路600は、図4を参照して上述した充電回路400と同様の構成要素を含み、及び同様の方法で動作することができる。例えば、回路600は、バッテリ604の電流コレクタに印加するためのインダクタ616の出力における充電信号を推定する回路モデル640を含む回路コントローラ606を含むことができる。回路600はまた、バッテリ604を充電するために充電信号を変更又は整形するために上述のように動作する第1のトランジスタ612、第2のトランジスタ614及びインダクタ616を含むことができる。回路600はまた、一部の事例では、回路コントローラ606にフィードバックを提供するためのバッテリ測定回路620を含むことができる。充電信号の整形は、一部の事例では、信号整形発生器610によって生成及び/又は送信された指示に基づいて、(伝送線路630を介して)第1のトランジスタ612及び/又は(伝送線路632を介して)第2のトランジスタ614に行うことができる。図6に示される回路600は、充電回路の簡略化されたバージョンであり、充電回路の多くの構成要素は、明瞭化のために削除されている。
【0045】
充電回路600はまた、第1のトランジスタ612等の充電回路の1又は2以上の構成要素に充電信号を供給するためのネゴシエート可能な電源602を含むことができる。一般に、ネゴシエート可能な電源602は、充電回路600の構成要素によって特定の電力信号が要求され、ネゴシエートされ、又は他の方法で選択できるインタフェースである。より詳細には、電力信号の電圧成分及び/又は最大電流成分など、電力信号の1又は2以上の側面又は成分がネゴシエートすることができる。ネゴシエート可能な電源602の一例は、USB-C電源である。ネゴシエート可能な電源602は、充電回路600を電源618とインタフェースすることができる。電源は、壁コンセント、充電ブロック、ラップトップコンピュータ、バッテリ、又は電力信号の多の何れかの電源を含むが、これらに限定されない任意の電源であってよい。電源618から利用可能な電力量は、電源のタイプに基づいて変化することができる。例えば、ラップトップコンピュータは、コンセントよりも充電電力が少ない場合がある。このように、ネゴシエート可能な電源602は、使用される電源のタイプに応じて電源から提供できる異なる電力信号を提供する、電源618及び回路600間のインタフェースを提供することができる。上記のUSB-Cの例では、ネゴシエート可能な電源602は、電源が回路600に供給できるバッテリを有するラップトップ又は他のコンピュータデバイスのコンセントアダプタ又はUSB-Cポートとインタフェースし得るUSB-Cコネクタを含むことができる。この態様において、ネゴシエート可能な電源602は、バッテリ604を充電するための異なる電力信号を提供する異なる電源618へのインタフェースを提供することができる。
【0046】
ネゴシエート可能な電源602は、回路600への電力供給及び/又はバッテリ604の充電のために、電源618から1又は2以上の利用可能な電力信号を通信するための1又は2以上の通信ラインを含むことができる。例えば、電源618が出口である状況では、ネゴシエート可能な電源602は、通信ラインを介して、120ボルト及び/又は15アンペアの電力信号構成要素の利用可能性を示すことができる。一般に、異なる電源618は、ネゴシエート可能な電源602によって検出できる異なる利用可能な電圧及び/又は電流を提供することができる。ネゴシエート可能な電源602と通信するために、充電回路600の1又は2以上の構成要素は、通信線を介してネゴシエート可能な電源に接続し、通信することができる。例えば、回路コントローラ600は、ネゴシエート可能な電源とネゴシエート又は通信するために、ネゴシエート可能な電源602に接続されたネゴシエート可能な電源コントローラ608を含むことができる。回路コントローラ606とは別個のものとして図示されているが、幾つかの実施形態では、ネゴシエート可能な電源コントローラ608は、回路コントローラに含まれるか又は回路コントローラ内に具現化することができる。
【0047】
ネゴシエート可能電源602及びネゴシエート可能電源コントローラ608の間でネゴシエートされた充電信号情報は、回路コントローラ606又は充電回路600の他の構成要素によって、バッテリ604を充電するために使用することができる。例えば、図7は、一実施形態による、バッテリ604を充電するためにネゴシエート可能な電源602及び回路モデル640を利用するための方法700を示すフローチャートである。幾つかの実施構成では、方法700のオペレータの動作は、以下でより詳細に説明するように、ネゴシエート可能な電源コントローラ608及び/又は回路コントローラ606によって実行又は実行することができる。しかしながら、充電回路600の他の構成要素又は図6に示されていないコンピュータデバイスが、動作の1又は2以上を実行してもよい。更に、動作は、ソフトウェアプログラム又は指示の実行を通じて、充電回路600の1又は2以上のハードウェア構成要素を通じて、又はソフトウェア及びハードウェア構成要素の組み合わせを通じて実行されてもよい。
【0048】
動作702で開始すると、ネゴシエート可能電源コントローラ608は、バッテリ604の充電に使用するために、ネゴシエート可能電源602に所望の電力信号を要求することができる。例えば、ネゴシエート可能電源コントローラ608は、50Wの電力信号のような電力信号のレベルを要求する要求を、1又は2以上の通信ラインを介してネゴシエート可能電源602に送信することができる。ネゴシエート可能電源602は、上述のように、電源618と通信してもよく、又は電源から電力信号を受信してもよく、及び通信又は電力信号から、充電回路600に供給するための1又は2以上の利用可能な電力信号を決定してもよい。多くの場合、ネゴシエート可能な電源602は、電源618からの交流(AC)電力信号を直流(DC)電力信号に変換することができる。また、ネゴシエート可能な電源602は、コンセントから1800Wの信号を100Wの信号に受信するなど、電力信号を下側の電力レベルに降圧することもできる。一部の事例では、ネゴシエート可能な電源602は、電力信号の電流成分を維持しながら電圧成分を降下させるなど、他の成分を維持しながら、電源618からの電力信号の一部の成分を降下させることができる。
【0049】
要求された電力信号に応答して、ネゴシエート可能な電源602は、1又は2以上の通信回線を介してネゴシエート可能な電源コントローラ608と通信し、所望の電力信号がネゴシエート可能な電源から利用可能であるかどうかを示すことができる。例えば、ネゴシエート可能電源コントローラ608は、上述のように、50Wの電力信号を要求することができる。しかしながら、電源618は、ネゴシエート可能電源602がバッテリ604を充電するために50Wの電力信号が利用可能でないことを示すように、30Wの電力信号に制限される場合がある。従って、ネゴシエート可能な電源コントローラ608は、動作704において、所望の電力信号がネゴシエート可能な電源602から利用可能であるかどうかを判断し、利用可能でない場合、動作706において所望の電力信号を変更することができる。幾つかの実装形態では、ネゴシエート可能電源602は、ネゴシエート可能電源コントローラ608が選択し得る電源618に基づいて、利用可能な1又は2以上の電力信号の表示を提供することができる。他の実施構成では、ネゴシエート可能電源コントローラ608は、バッテリ604を充電するための様々な所望の電力信号でプログラムされてもよく、プリセットされた所望の電力信号から代替の所望の電力信号を選択してもよい。
【0050】
更に他の実施構成では、所望の電力信号は、回路コントローラ606からネゴシエート可能電源コントローラ608に提供されてもよい。より詳細には、ネゴシエート可能電源コントローラ608は、回路コントローラ606と通信してよく、及び回路コントローラから1又は2以上の所望の電力信号を受信してよい。回路コントローラ606は、多くの要因及び/又は充電回路600のオペレータに基づいて所望の電力信号を決定してもよい。例えば、所望の電力信号は、上述したように、バッテリ604の1又は2以上の測定された特性に基づいてもよい。別の例では、所望の電力信号は、回路モデル640への入力として使用される標的電力信号に基づいてもよい。それにもかかわらず、ネゴシエート可能電源コントローラ608は、ネゴシエート可能電源602に変更された所望の電力信号を要求するために、動作702に戻ることができる。ネゴシエート可能な電源コントローラ608は、利用可能な電力信号がネゴシエート可能な電源コントローラによって選択されるまで、ネゴシエート可能な電源602に所望の電力信号を要求及び変更し続けることができる。
【0051】
ネゴシエート可能電源602から電力信号をネゴシエートすると、ネゴシエート可能電源コントローラ608又は回路コントローラ606は、動作708において、ネゴシエートされた電力信号の電圧及び/又は最大電流を決定することができる。例えば、ネゴシエート可能な電源コントローラ608又は回路コントローラ606は、ネゴシエート可能な電源602から電源信号を受信し、信号の電圧及び信号の最大電流を測定することができる。測定値は、幾つかの実装では、回路コントローラ606に転送される。別の実施例では、ネゴシエート可能な電源602は、ネゴシエートされた電力信号の電圧及び最大電流などの電力信号の特性をネゴシエート可能な電源コントローラ608に提供することを決定することができる。この特性は、ネゴシエート可能電源コントローラ608によって受信され、及び回路コントローラ606に提供することができる。
【0052】
動作710において、回路コントローラ606は、上述したように、回路600のスイッチ612、614の制御に使用するために、電圧及び最大電流等のネゴシエートされた電力信号特性を回路モデル740に提供することができる。特に、回路モデル640は、ネゴシエートされた電力信号の電圧を利用して、充電回路600のスイッチングデバイス612、614に送信される制御信号の周波数を決定することができる。スイッチ612、614を通る電力信号の伝送は、スイッチ612へのパルス制御信号の周波数が電力信号の電圧に基づくように、ネゴシエート可能な電源602によって提供される電力信号の電圧に依存することがある。別の例では、回路モデル640は、充電信号がバッテリを圧倒しないように、又は電源618を損傷させるために電流を引きすぎないように、バッテリ604を充電するために使用される電源から引き出される電流の量を維持することができる。特に、充電回路600は、バッテリ604を充電するために100Wの充電信号を印加するように構成されるかもしれないが、ネゴシエートされた電力信号は30Wに過ぎないかもしれない。充電回路600の制御がネゴシエートされた電力信号に調整されない場合、回路は、利用可能な(30W)よりも多くの電流(100W)を電源618から引き出そうとし、性能を低下させる又は電源を損傷させる可能性がある。一般に、回路モデル640は、モデルの精度を向上させるために、ネゴシエートされた電力信号の任意の特性を回路モデルへの入力又はパラメータとして受け取ることができる。モデル640は、第1のスイッチ612への入力電力信号に基づいてバッテリ604に印加される充電信号を推定するように構成されるので、ネゴシエートされた電力信号の特性及びパラメータは、より正確な推定充電信号を提供する際にモデルを支援することができる。
【0053】
動作712において、回路コントローラ606は、上述したように、ネゴシエートされた電力信号の特性又はパラメータに基づいて充電信号を整形するように充電回路600を制御することができる。特に、回路モデル640は、モデルがモデル化された回路への入力電力信号を決定又は計算することができるように、ネゴシエートされた電力信号の特性を入力パラメータとして受け取ることができる。上述したように、回路モデル640は、入力電力信号を推定出力電力信号に処理するために、充電回路の1又は2以上の構成要素をモデル化してもよい。このようにして、回路モデル640に対する入力電力信号は、回路モデルの出力を駆動し、及びバッテリ604に対する推定出力電力信号に影響を及ぼす可能性がある。回路モデル640からの推定出力電力信号は、回路コントローラ606による充電回路600の構成要素の制御を決定するために上述のように使用することができる。この態様において、充電回路は、バッテリ604からのフィードバックなしに初期整形充電信号を生成してもよく、充電回路に入力電力信号を供給するためにネゴシエート電源602を利用してもよい。
【0054】
図8を参照すると、本明細書で論じられる様々なシステム及び方法を実施し得る1又は2以上のコンピュータユニットを有する例示的なコンピュータシステム800の詳細な説明が提供される。コンピュータシステム800は、コントローラの一部であってもよく、本明細書で論じられる様々な実施構成と動作可能に通信することができ、本明細書で論じられる方法に関連する様々な動作を実行してもよく、バッテリを特徴付けるための様々なデータを処理するためにオフラインで実行してもよく、更に本明細書で論じられるシステム全体の一部であってもよい。コンピュータシステム800は、本明細書で論じる様々な信号を処理してもよく、及び/又は本明細書で論じる様々な信号を提供してもよい。例えば、バッテリ測定情報が、このようなコンピュータシステム800に提供することができる。コンピュータシステム800はまた、例えば、様々な図に関して論じられたコントローラ、モデル、同調/整形回路に適用可能とすることができ、及び本明細書で説明される様々な方法を実施するのに使用することができる。これらのデバイスの具体的な実施構成は、異なる可能性のある具体的なコンピュータアーキテクチャであってもよく、その全てが本明細書で具体的に論じられるわけではないが、当業者には理解されるであろう。コンピュータシステムは、ASIC、FPGA、マイクロコントローラ、又は他のコンピュータ構成と考えられ、及び/又はこれらを含むことができることは、更に理解されるであろう。このような様々な可能な実施構成において、当業者によって理解されるように、以下で議論されるより多くの又はより少ない構成要素が含まれてもよく、相互接続及び他の変更をすることができる。
【0055】
コンピュータシステム800は、コンピュータプログラム製品を実行してコンピュータプロセスを実行することが可能なコンピュータシステムとすることができる。データ及びプログラムファイルがコンピュータシステム800に入力することができ、コンピュータシステム800がファイルを読み取り、その中のプログラムを実行する。コンピュータシステム800の要素の幾つかは、図8に示されており、これには、1又は2以上のハードウェアプロセッサ802、1又は2以上のデータ記憶デバイス804、1又は2以上のメモリデバイス806、及び/又は1又は2以上のポート808~812が含まれる。更に、当業者によって認識されるであろう他の要素が、コンピュータシステム800に含まれ得るが、図8に明示的に描かれておらず、又は本明細書で更に議論されていない。コンピュータシステム800の様々な要素は、1又は2以上の通信バス、ポイントツーポイント通信経路、又は図8に明示的に描かれていない他の通信手段によって互いに通信することができる。
【0056】
プロセッサ802は、例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及び/又は1又は2以上の内部レベルのキャッシュを含むことができる。プロセッサ802が単一の中央処理ユニット、又は一般に並列処理環境と呼ばれる、互いに並列に指示を実行し、演算を実行することができる複数の処理ユニットを備えるような、1又は2以上のプロセッサ802が存在してもよい。
【0057】
様々な可能な組み合わせで現在説明されている技術は、少なくとも部分的に、データ記憶デバイス(複数可)804に記憶されたソフトウェアに実装され、メモリデバイス(複数可)806に記憶され、及び/又はポート808~812の1又は2以上を介して通信され、それにより、図8のコンピュータシステム800を、本明細書で説明されている動作を実施するための特別な目的のマシンに変換することができる。コンピュータシステム800の例には、スクーターや自転車から自動車に至るまで様々な可能性のあるタイプの車両、電動工具、携帯電話、タブレット、ラップトップを含む様々な可能性のあるモバイル通信/コンピュータ環境、パーソナルコンピュータ、マルチメディアコンソール、ゲーム機、セットトップボックス、組み込みコンピュータ及び処理システム等が含まれ、又は実装することができる。
【0058】
1又は2以上のデータ記憶デバイス804は、コンピュータシステム800内で生成又は採用されたデータを記憶することができる任意の非一過性のデータ記憶デバイス、例えば、コンピュータシステム800の様々な構成要素を管理するアプリケーションプログラム及びオペレーティングシステム(OS)の両方の指示を含むことができる、コンピュータプロセスを実行するためのコンピュータ実行可能な指示を含むことができる。データ記憶デバイス804は、限定されないが、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュドライブ等を含むことができる。データストレージデバイス804は、取り外し可能なデータストレージメディア、取り外し不可能なデータストレージメディア、及び/又は、1又は2以上のデータベース管理製品、ウェブサーバ製品、アプリケーションサーバ製品、及び/又は他の追加ソフトウェア構成要素を含む、このようなコンピュータプログラム製品と共に有線又は無線ネットワークアーキテクチャを介して利用可能にされた外部ストレージデバイスを含むことができる。取り外し可能なデータ記憶媒体の例としては、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスク読み出し専用メモリ(DVD-ROM)、光磁気ディスク、フラッシュドライブ等が挙げられる。取り外し不可能なデータ記憶媒体の例には、内蔵磁気ハードディスク、SSD、及びその他が含まれる。1又は2以上のメモリデバイス806は、揮発性メモリ(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)等)及び/又は不揮発性メモリ(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ等)を含むことができる。
【0059】
現在説明されている技術に従ってシステム及び方法を実現するメカニズムを含むコンピュータプログラム製品は、データストレージデバイス804及び/又はメモリデバイス806に常駐することができ、これらは機械可読媒体と呼ばれることがある。機械可読媒体は、機械による実行のために本開示の動作の何れか1又は2以上を実行するための指示を記憶又は符号化することが可能な、又はこのような指示によって利用される又はこのような指示に関連するデータ構造及び/又はモジュールを記憶又は符号化することが可能な、任意の有形非一過性媒体を含むことができることが理解されよう。機械可読媒体は、1又は2以上の実行可能な指示又はデータ構造を記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むことができる。
【0060】
幾つかの実装では、コンピュータシステム800は、他のコンピュータ、ネットワーク、又は車両デバイスと通信するための、入力/出力(I/O)ポート808、通信ポート810、及びサブシステムポート812等の1又は2以上のポートを含む。ポート808~812は組み合わされても分離されてもよく、及び1又は2以上のポートがコンピュータシステム800に含まれてもよいことが理解されよう。I/Oポート808は、情報がコンピュータシステム800に入力され又はコンピュータシステム800から出力されるI/Oデバイス、又は他のデバイスに接続することができる。このようなI/Oデバイスは、限定されないが、1又は2以上の入力デバイス、出力デバイス、及び/又は環境トランスデューサデバイスを含むことができる。
【0061】
一実施構成では、入力デバイスは、人間の声、物理的な動き、物理的なタッチ又は圧力、及び/又はこのようなもののような、人間が生成した信号を、I/Oポート808を介してコンピュータシステム800への入力データとして電気信号に変換する。幾つかの例では、このような入力は、先行する図に関して議論された様々なシステム及び方法とは別個であってもよい。同様に、出力デバイスは、I/Oポート808を介してコンピュータシステム800から受信された電気信号を、本明細書で論じられる様々な方法及びシステムによって感知又は使用できる信号に変換することができる。入力デバイスは、I/Oポート808を介してプロセッサ802に情報及び/又はコマンド選択を伝達するための英数字及び他のキーを含む英数字入力デバイスであってもよい。入力デバイスは、マウス、トラックボール、カーソル方向キー、ジョイスティック、及び/又はホイール等の方向及び選択制御デバイス;カメラ、マイクロフォン、位置センサ、方位センサ、重力センサ、慣性センサ、及び/又は加速度センサ等の1又は2以上のセンサ;及び/又はタッチセンシティブディスプレイスクリーン(「タッチスクリーン」)を含むが、これらに限定されない他のタイプのユーザ入力デバイスであってもよい。出力デバイスは、限定されないが、ディスプレイ、タッチスクリーン、スピーカ、触覚及び/又は触覚出力デバイス、及び/又はこれらを含むことができる。幾つかの実施構成では、入力デバイス及び出力デバイスは、例えばタッチスクリーンの場合、同じデバイスであってもよい。
【0062】
環境トランスデューサデバイスは、I/Oポート808を介してコンピュータシステム800への入力又はコンピュータシステム800からの出力のために、ある形式のエネルギー又は信号を別の形式に変換する。例えば、コンピュータシステム800内で生成された電気信号は、別のタイプの信号に変換され得、及び/又はその逆もあり得る。一実施構成では、環境トランスデューサデバイスは、バッテリ電圧、開回路バッテリ電圧、チャア電流、バッテリ温度、光、サウンド、温度、圧力、磁場、電場、化学的特性、物理的移動、方位、加速度、重力、及び/又はこのようなもののような、コンピュータデバイス800にローカルな又はコンピュータデバイス800からリモートな環境の特性又は態様を感知する。更に、環境トランスデューサデバイスは、例えば、何らかの物体(例えば、機械的アクチュエータ)の物理的移動、物質の加熱又は冷却、化学物質の添加、及び/又はこのようなもののような、例示的なコンピュータデバイス800のローカル又はそこからリモートの何れかに、環境に何らかの影響を与える信号を生成することができる。
【0063】
一実施構成では、通信ポート810は、コンピュータシステム800が、本明細書に規定される方法及びシステムを実行するのに有用なネットワークデータを受信し、並びに情報及びそれによって決定されるネットワーク構成変更を送信することができる方法によって、ネットワークに接続されることができる。例えば、充電プロトコルが更新され、バッテリの測定又は計算データが外部システムと共有され、及び同様のことが行われ得る。通信ポート810は、コンピュータシステム800を、1又は2以上の有線又は無線通信ネットワーク又は接続によって、コンピュータシステム800と他のデバイスとの間で情報を送信及び/又は受信するように構成された1又は2以上の通信インタフェースデバイスに接続する。このようなネットワーク又は接続の例としては、限定されないが、ユニバーサルシリアルバス(USB)、イーサネット、Wi-Fi、ブルートゥース(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、ロングタームエボリューション(LTE)等が挙げられる。このような1つ又は2以上の通信インタフェースデバイスは、通信ポート810を介して、ポイントツーポイント通信経路を介して直接、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)を介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して、セルラー(例えば、第3世代(3G)又は第4世代(4G))ネットワークを介して、又は別の通信手段を介して、1つ又は2以上の他のマシンと通信するために利用することができる。更に、通信ポート810は、電磁信号の送信及び/又は受信のためにアンテナと通信することができる。幾つかの例では、アンテナは、機械、車両又は他のデバイスの位置の決定を容易にするために、全地球測位システム(GPS)データを受信するために採用することができる。
【0064】
コンピュータシステム800は、本明細書に記載される方法及びシステムに従って充電されるデバイスに関連する1又は2以上のシステムと通信して、その動作を制御し、及び/又はコンピュータシステム800とデバイスの1又は2以上のサブシステムとの間で情報を交換するためのサブシステムポート812を含むことができる。車両のこのようなサブシステムの例としては、限定されるものではないが、モータコントローラ及びシステム、バッテリ制御システム等が挙げられる。
【0065】
図8に示すシステムは、本開示の態様に従って採用又は構成できるコンピュータシステムの可能な一例である。コンピュータシステム上で本開示の技術を実施するためのコンピュータ実行可能な指示を記憶する他の非一過性の有形のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が利用できることが理解されよう。
【0066】
本開示において、開示された方法は、デバイスによって読み取り可能な指示又はソフトウェアのセットとして実施することができる。更に、開示された方法におけるステップの特定の順序又は階層は、例示的なアプローチの例であることが理解される。設計の好みに基づいて、開示された主題の範囲内に留まりながら、方法におけるステップの特定の順序又は階層を再配置できることが理解される。添付の方法特許請求の範囲は、様々なステップの要素を例示的な順序で提示しており、必ずしも提示された特定の順序又は階層に限定されることを意味するものではない。
【0067】
記載された開示は、本開示によるプロセスを実行するようにコンピュータシステム(又は他の電子デバイス)をプログラムするために使用できる、その上に記憶された指示を有する非一過性の機械可読媒体を含むことができるコンピュータプログラム製品、又はソフトウェアとして提供することができる。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶するための任意の機構を含む。機械可読媒体は、磁気記憶媒体、光学記憶媒体;光磁気記憶媒体、読み出し専用メモリ(ROM);消去可能プログラマブルメモリ(例えば、EPROM及びEEPROM);フラッシュメモリ;又は電子的指示を記憶するのに適した他のタイプの媒体を含むことができるが、これらに限定されない。
【0068】
本開示の実施形態は、本明細書において記載される様々なステップを含む。ステップは、ハードウェア構成要素によって実行されてもよく、又は機械実行可能な命令で具現化されてもよく、この命令は、命令でプログラムされた汎用又は特殊用途プロセッサにステップを実行させるために使用されてもよい。或いは、ステップは、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの組み合わせによって実行されてもよい。
【0069】
本発明の範囲から逸脱することなく、説明した例示的な実施形態に対して様々な修正及び追加を行うことができる。例えば、上述した実施形態は特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲には、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態及び説明した特徴の全てを含まない実施形態も含まれる。従って、本発明の範囲は、このような全ての代替、修正、及び変形を、その全ての均等物と共に包含することが意図される。
【0070】
具体的な実施構成について説明するが、これは例示のみを目的としていることを理解されたい。関連技術の当業者であれば、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の構成要素及び構成が使用できることを認識するであろう。従って、以下の説明及び図面は例示であり、限定的に解釈されるものではない。本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、ある場合には、説明を不明瞭にすることを避けるために、周知の又は従来の詳細は記載しない。本開示における1つ又は1つの実施形態への言及は、同じ実施形態又は任意の実施形態への言及であり得、及び、このような言及は、実施形態の少なくとも1つを意味する。
【0071】
「一実施形態」又は「1つの実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書において様々な箇所で「一実施形態において」という表現が現れるが、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではなく、別個又は代替の実施形態が他の実施形態と相互に排他的であるわけでもない。更に、幾つかの実施形態が示し、他の実施形態が示さない可能性がある様々な特徴が記載されている。
【0072】
本明細書において使用される用語は、一般に、本開示の文脈内において、及び各用語が使用される特定の文脈において、当該技術分野における通常の意味を有する。代替語及び同義語は、本明細書で論じる用語の1又は2以上の何れにも使用することができ、用語が本明細書で詳述又は論じられるか否かに特別な意味を置くべきではない。場合によっては、特定の用語の同義語が提供される。1又は2以上の同義語の記載は、他の同義語の使用を排除するものではない。本明細書で論じられる任意の用語の例を含む本明細書の任意の場所における例の使用は、例示に過ぎず、本開示又は任意の例の用語の範囲及び意味を更に限定することを意図するものではない。同様に、本開示は、本明細書において与えられる様々な実施形態に限定されない。
【0073】
本開示の範囲を限定する意図はないが、本開示の実施形態による器具、装置、方法及びこれらの関連する結果の例を以下に示す。読者の便宜のために、実施例においてタイトル又はサブタイトルが使用される場合があるが、これは決して本開示の範囲を制限すべきではないことに留意されたい。別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって一般的に理解される意味を有する。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が優先する。
【0074】
本開示の追加的な特徴及び利点は、以下の説明に記載され、部分的には説明から明らかであるか、又は本明細書に開示された原理の実施により知ることができる。本開示の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘されている器具及び組み合わせによって実現できることができる。本開示のこれら及び他の特徴は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかとなるか、又は本明細書に記載された原理の実践によって学ぶことができる。
【符号の説明】
【0075】
602 ネゴシエート可能な電源
608 ネゴシエート可能電源コントローラ
606 回路コントローラ
610 信号整形発生器
618 電源
620 バッテリ測定回路
640 回路モデル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】