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特表2024-539168エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含む水溶性単位用量物品
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  • 特表-エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含む水溶性単位用量物品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含む水溶性単位用量物品
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/04 20060101AFI20241018BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20241018BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20241018BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20241018BHJP
   C11D 1/12 20060101ALI20241018BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20241018BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20241018BHJP
   C11D 3/43 20060101ALI20241018BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
C11D17/04
C11D1/72
C11D1/22
C11D1/29
C11D1/12
C11D1/04
C11D3/20
C11D3/43
C11D17/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523710
(86)(22)【出願日】2023-03-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 US2023063539
(87)【国際公開番号】W WO2023168310
(87)【国際公開日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】22159624.0
(32)【優先日】2022-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】アンドゥリーセン、ヒルデ・フランソワ・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】デブレクゼニ、マーテ
(72)【発明者】
【氏名】デポート、カレル・ジョゼフ・マリア
(72)【発明者】
【氏名】キューレールス、ロビー・レニルド・フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ラビー、ジュリエン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンソン、フィリップ・カイル
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB27
4H003AB31
4H003AC08
4H003AC09
4H003BA12
4H003BA18
4H003DA01
4H003EA12
4H003EA19
4H003EB04
4H003EB05
4H003EB07
4H003EB08
4H003EB14
4H003EB24
4H003EB28
4H003EB33
4H003EB34
4H003EB36
4H003EC02
4H003ED02
4H003FA12
(57)【要約】
液体洗濯洗剤組成物を含む水溶性単位用量物品であって、液体洗濯洗剤組成物が、エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含有する、水溶性単位用量物品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性フィルムと液体洗濯洗剤組成物とを含む水溶性単位用量物品であって、
前記液体洗濯洗剤組成物が、非イオン性界面活性剤を含み、前記非イオン性界面活性剤が、前記液体洗濯洗剤組成物の3重量%~30重量%、又は5重量%~25重量%、又は10重量%~20重量%のエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含み、前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤が、エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含み、
前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤が、平均8~18個の炭素原子を有するアルキル鎖を含み、
前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤が、10~18の平均エトキシル化度を有する、水溶性単位用量物品。
【請求項2】
前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤が、10~15、好ましくは10~14、最も好ましくは12の平均エトキシル化度を有する、請求項1に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項3】
前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤が、平均10~16個、好ましくは平均11~15個の炭素原子を有するアルキル鎖を含む、請求項1又は2に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項4】
前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤が、前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤の50重量%~99重量%、好ましくは60重量%~95重量%、より好ましくは70重量%~90重量%の前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項5】
前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤が、前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤の1重量%~50重量%、好ましくは5重量%~40重量%、より好ましくは10重量%~30重量%のエトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤を含み、
好ましくは、前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、平均8~18個、好ましくは平均10~16個、より好ましくは平均12~15個の炭素原子を有するアルキル鎖を含み、
好ましくは、前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、6~12、好ましくは8~10、最も好ましくは9の平均エトキシル化度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項6】
前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、直鎖状若しくは分岐鎖状又はこれらの混合物であってもよく、前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、天然アルコール源、合成アルコール源、又はこれらの混合物に由来し得る、請求項5に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項7】
前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、合成第一級アルコール源に由来し、前記合成第一級アルコール源が、好ましくは、オキソ法、チーグラー法、ゲルベ法、アルドール縮合法、又はこれらの混合により製造される、請求項6に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項8】
前記液体洗濯洗剤組成物が、前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤と前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤とを、10:1~1:1、好ましくは5:1~1:1、最も好ましくは3:1~1:1の相対重量比で含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項9】
非石鹸アニオン性界面活性剤を含む水溶性単位用量物品であって、前記非石鹸アニオン性界面活性剤が、好ましくは、中和された直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、中和されたアルコキシル化アルキルサルフェート、中和された非アルコキシル化アルキルサルフェート及びこれらの混合物から選択される中和されたアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択され、より好ましくは、前記非石鹸アニオン性界面活性剤が、中和された直鎖状アルキルベンゼンスルホネートと中和されたアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤との混合物を含み、さらにより好ましくは、中和された直鎖状アルキルベンゼンスルホネートと中和されたアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤との重量比が、1:2~9:1、又は1:1~7:1、又は2:1~6:1、又は2:1~5:1である、水溶性単位用量物品。
【請求項10】
液体洗濯洗剤組成物中の非石鹸アニオン性界面活性剤とエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤との重量比が、1:1~20:1、又は1:1~15:1、又は1:1~10:1、又は1:1~5:1である、請求項9に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項11】
前記液体洗濯洗剤組成物が、脂肪酸、好ましくは中和された脂肪酸石鹸を含み、より好ましくは、前記液体洗濯洗剤組成物が、前記液体洗濯洗剤組成物の1.5重量%~20重量%、2重量%~15重量%、3重量%~12重量%、又は4重量%~10重量%の脂肪酸、好ましくは中和脂肪酸石鹸を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項12】
前記液体洗濯洗剤が、前記液体洗剤組成物の1重量%~20重量%、好ましくは5重量%~15重量%の水を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項13】
前記液体洗濯洗剤組成物が、前記液体洗濯洗剤組成物の10重量%~40重量%、好ましくは15重量%~30重量%の非水性溶媒を含み、好ましくは、前記非水性溶媒が、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、エトキシル化グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、又はこれらの混合物から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項14】
前記水溶性フィルムが、ポリビニルアルコールポリマーを含み、好ましくは、前記水溶性フィルムが、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、又はこれらの混合物、好ましくは、ポリビニルアルコールホモポリマー及び/若しくはポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含み、より好ましくは、前記ポリビニルアルコールコポリマーが、スルホン化及びカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマー、特にカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーから選択され、最も好ましくは、前記ポリビニルアルコールポリマーが、ポリビニルアルコールホモポリマーとカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーとのブレンド、又はポリビニルアルコールホモポリマーのブレンドを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項15】
前記水溶性単位用量物品が、少なくとも1つ、又は少なくとも2つ、又は少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を含み、好ましくは、前記水溶性単位用量物品が、少なくとも2つ、又は少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を含み、前記区画が、重ね合わせ構成で配置され、少なくとも1つ、又は少なくとも2つ、又は少なくとも3つの上部区画が、隣り合った構成で配置され、隣り合った構成で配置された前記上部区画が、少なくとも1つ、又は少なくとも2つの下部区画に重ね合わされ、前記下部区画が、隣り合った構成で配置されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品を水で、200~3000倍、好ましくは300~2000倍に希釈して洗浄液を調製する工程と、処理される布地を前記洗浄液と接触させる工程と、を含む、布地を洗濯する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
液体洗濯洗剤組成物を含む水溶性単位用量物品であって、液体洗濯洗剤組成物が、エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含有する、水溶性単位用量物品。
【背景技術】
【0002】
水溶性単位用量物品は、使用するのが便利かつ効率的であるため、消費者に好まれている。このような水溶性単位用量物品は、洗濯洗剤組成物を含むことが多い。理論に束縛されるものではないが、水溶性単位用量物品が水に添加されると、フィルムは溶解/崩壊して、内部内容物を周囲の水に放出し、洗浄液を生成する。
【0003】
多くの場合、水溶性単位用量物品内に収容される液体洗濯洗剤組成物は、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤と共に配合される。これらのエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、(例えばネオドールの商品名で市販されている)オキソ由来アルコール源若しくは(例えばとりわけMarlipalやSurfonicの商品名で市販されている)代替源等の天然又は合成アルコール源に通常由来する。
【0004】
一部の配合業者は、水溶性単位用量物品に収容される液体洗濯洗剤組成物中に、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を低濃度で配合する傾向がある。理論に束縛されることを望むものではないが、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤の濃度のみを変数として増加させた場合、液体洗濯洗剤組成物は、水での最初の希釈時に著しく増粘する傾向があると考えられる。加えて、伸長粘度が上昇し、液体洗濯洗剤組成物を全体的に水中に分散させにくくする。両方の効果は、製品溶解時間の遅れにつながり、このことは、特に、水洗浄サイクルが短期化、低温化、低サイクル化に移行する傾向を考慮すると、好ましくない。この効果は、様々な出発アルコール源(第一級及び第二級アルコール)、第一級アルコール組成物の変動、並びに平均エトキシル化度の変動について観察されている。
【0005】
しかしながら、配合業者は、例えば、着用した布地のくすんだ汚れを標的とする場合、布地に対する全体的な洗浄効果を増強するために、液体洗濯洗剤組成物を含む水溶性単位用量物品中のエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤の濃度を増加させたいと考えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
驚くべきことに、本発明による定められた平均エトキシル化度範囲のエトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含む本発明による水溶性単位用量物品が、希釈時の増粘の低下及び伸長粘度の影響の低減を可能にし、そしてその結果として製品溶解特性の改善をもたらすことが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第2の態様は、布地を洗濯する方法であって、本発明による水溶性単位用量物品を水で、200~3000倍、好ましくは300~2000倍に希釈して洗浄液を調製する工程と、処理される布地を洗浄液と接触させる工程と、を含む方法である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明による水溶性単位用量物品である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
水溶性単位用量物品
本発明は、水溶性フィルムと、液体洗濯洗剤組成物と、を含む、水溶性単位用量物品を開示する。水溶性フィルム及び液体洗濯洗剤組成物について、以下でさらに詳細に説明する。
【0010】
水溶性単位用量物品は、水溶性フィルムによって取り囲まれた少なくとも1つの内部区画を単位用量物品が備えるように成形された、水溶性フィルムを備える。単位用量物品は、内部区画を画定するように互いに封止された、第1の水溶性フィルムと、第2の水溶性フィルムとを備え得る。水溶性単位用量物品は、保管中に洗剤組成物が区画から漏れ出さないように構成される。ただし、水溶性単位用量物品を水に加えると、水溶性フィルムは溶解して、内部区画の内容物を洗浄液中に放出する。
【0011】
区画は、洗剤組成物を保持する、単位用量物品内の密閉された内部空間を意味すると理解されたい。製造中、第1の水溶性フィルムは、洗剤組成物が添加される開口区画を含むような形状であってよい。次に、区画の開口部を閉じる向きで、第1のフィルムを第2の水溶性フィルムで覆う。次いで、第1及び第2のフィルムは、封止領域に沿ってともに封止される。
【0012】
単位用量物品は、1つより多い区画、さらには少なくとも2つの区画、又はさらには少なくとも3つの区画、又はさらには少なくとも4つの区画を含んでいてもよい。区画は、重ね合わせる位置付けで、すなわち、一方が他方の上に位置するように配置されてよい。このような配向では、単位用量物品は、上部、中間部に1つ以上、及び下部に、少なくとも3つのフィルムを含む。あるいは、区画は、隣り合った位置付けで、すなわち、一方が他方に隣接する配向で位置してよい。区画は、「タイヤ及びリム」配置で配向されていてもよく、すなわち、第1の区画は、第2の区画に隣接して位置付けられるが、第1の区画は、第2の区画を少なくとも部分的に取り囲むが、第2の区画を完全には封入していない。あるいは、1つの区画が、別の区画内に完全に封入されてもよい。
【0013】
単位用量物品が少なくとも2つの区画を備える場合、区画の一方が他方の区画より小さくてもよい。単位用量物品が少なくとも3つの区画を備える場合、区画のうちの2つが第3の区画より小さくてもよく、好ましくは、小さい方の区画が大きい方の区画上に重ね合わせられている。重ね合わせられた区画は、好ましくは、隣り合って配向される。単位用量物品は、少なくとも4つの区画を含んでもよく、区画のうちの3つが第4の区画より小さくてもよく、好ましくは、小さい方の区画が大きい方の区画上に重ね合わせられている。重ね合わせられた区画は、好ましくは、隣り合って配向される。
【0014】
多区画配向では、本発明による洗剤組成物が区画の少なくとも1つ内に含まれてもよい。例えば、洗剤組成物は、1つの区画だけに含まれていても、2つの区画、又はさらには3つの区画、又はさらには4つの区画に含まれていてもよい。
【0015】
各区画は、同一の組成物又は異なる組成物を含んでもよい。異なる組成物は全て同一形態であってもよく、又は異なる形態であってもよい。
【0016】
水溶性単位用量物品は少なくとも2つの内部区画を含んでもよく、液体洗濯洗剤組成物が本区画の少なくとも1つ内に含まれ、好ましくは、単位用量物品が少なくとも3つの区画を含み、洗剤組成物が本区画の少なくとも1つ内に含まれる。
【0017】
図1は、本発明による水溶性単位用量物品(1)を開示する。水溶性単位用量物品(1)は、第1の水溶性フィルム(2)と第2の水溶性フィルム(3)とを含み、これらは、封止領域(4)でともに封止されている。液体洗濯洗剤組成物(5)は、水溶性可溶性単位用量物品(1)内に含まれる。
【0018】
水溶性フィルム
本発明のフィルムは、水溶性又は水分散性である。水溶性フィルムは、好ましくは、20~150マイクロメートル、好ましくは35~125マイクロメートル、さらにより好ましくは50~110マイクロメートル、最も好ましくは約76マイクロメートルの厚さを有する。
【0019】
好ましくは、最大孔径が20マイクロメートルのガラスフィルタの使用後に、本明細書に記載の方法によって測定したとき、フィルムの水溶性は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又はさらには少なくとも95%である。
予め秤量した3Lのビーカーに、5グラム±0.1グラムのフィルム材料を添加し、2L±5mlの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した磁気撹拌器(Lablineモデル番号1250又は等価物及び5cmの磁気撹拌器)で、30℃で30分間にわたり激しく撹拌する。次に、混合物を、上記で定義した孔径(最大20マイクロメートル)のひだ付き定性焼成ガラスフィルタにより濾過する。任意の従来の方法によって、回収した濾液から水を乾燥させ、残った材料の重量を決定する(これが溶解画分又は分散画分である)。次に、溶解度又は分散率の百分率を計算し得る。
【0020】
好ましいフィルム材料は、好ましくはポリマー材料である。フィルム材料を、当該技術分野において周知の、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形によって得ることができる。
【0021】
パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラガムなどの天然ガムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量、好ましくは、約1000~1,000,000、より好ましくは、約10,000~300,000、さらにより好ましくは、約20,000~150,000を有してもよい。
【0022】
好ましくは、水溶性フィルムはポリビニルアルコールポリマーを含み、好ましくは、ポリビニルアルコールポリマーは、ポリビニルアルコールホモポリマー又はコポリマー、好ましくはポリビニルアルコールホモポリマー及び/又はポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含み、好ましくは、ポリビニルアルコールコポリマーは、スルホン化及びカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマー、特にカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコールポリマーは、ポリビニルアルコールホモポリマーとカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーとのブレンド、又はポリビニルアルコールホモポリマーのブレンドを含む。
【0023】
好ましいフィルムは、冷水、すなわち、加熱されていない蒸留水中で良好な溶解を示すものである。好ましくは、そのようなフィルムは、24℃の温度で、さらにより好ましくは10℃の温度で良好な溶解度を示す。良好な溶解とは、上述の最大孔径が20マイクロメートルのガラスフィルタの使用後に、本明細書に記載の方法によって測定した場合に、フィルムが、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又はさらに少なくとも95%の水溶性を示すことを意味する。
【0024】
好ましいフィルムには、Monosolによって商品参照番号M8630、M8900、M8779、M8310として供給されているものがある。
【0025】
フィルムは、不透明、透明又は半透明であってもよい。フィルムは、印刷された領域を含んでもよい。
【0026】
印刷領域は、フレキソ印刷又はインクジェット印刷などの標準的な技術を使用して得ることができる。
【0027】
フィルムは、嫌悪剤、例えば苦味剤を含んでもよい。好適な苦味剤としては、ナリンギン、スクロースオクタアセテート、塩酸キニーネ、デナトニウムベンゾエート、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意の好適な濃度の嫌悪剤をフィルムに使用してもよい。好適な濃度としては、1~5000ppm、又はさらには100~2500ppm、又はさらには250~2000ppmが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
好ましくは、水溶性フィルム、又は水溶性単位用量物品、又はその両方は、潤滑剤でコーティングされ、好ましくは、潤滑剤は、タルク、酸化亜鉛、シリカ、シロキサン、ゼオライト、ケイ酸、アルミナ、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、トリポリリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、変性デンプン、クレイ、カオリン、石膏、シクロデキストリン、又はこれらの混合物から選択される。
【0029】
好ましくは、水溶性フィルム及びその各個々の成分は、独立して、0ppm~20ppm、好ましくは0ppm~15ppm、より好ましくは0ppm~10ppm、さらにより好ましくは0ppm~5ppm、さらにより好ましくは0ppm~1ppm、さらにより好ましくは0ppb~100ppb、最も好ましくは0ppbのジオキサンを含む。当業者であれば、水溶性フィルム及びその成分内のジオキサンレベルを決定するための既知の方法及び技術を認識するであろう。
【0030】
液体洗濯洗剤組成物
水溶性単位用量物品は、液体洗濯洗剤組成物を含む。「液体洗濯洗剤組成物」という用語は、布地を濡らし、処理することが可能な液体を含む、任意の洗濯洗剤組成物を指し、限定するものではないが、液体、ゲル、ペースト、分散液などが挙げられる。液体組成物は、好適に細分された形態の固体又は気体を含み得るが、液体組成物は、錠剤又は顆粒などの、全体として非流動性である形態を除外する。
【0031】
液体洗剤組成物は、布地の手洗い作業に使用されてもよいし、自動洗濯機での布地洗濯作業に使用されてもよい。
【0032】
液体洗濯洗剤組成物は、非イオン性界面活性剤を含む。非イオン性界面活性剤については、以下により詳細に説明する。
【0033】
液体洗濯洗剤組成物は、非石鹸アニオン性界面活性剤であって、好ましくは、中和された直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、(中和されたアルコキシル化アルキルサルフェート、中和された非アルコキシル化アルキルサルフェート、及びこれらの混合物から選択される)中和されたアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択される、非石鹸アニオン性界面活性剤を含んでもよい。非石鹸アニオン性界面活性剤は、中和された直鎖状アルキルベンゼンスルホネートと中和されたアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤との混合物を含んでもよい。中和された直鎖状アルキルベンゼンスルホネートと中和されたアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤との重量比は、1:2~9:1、又は1:1~7:1、又は2:1~6:1、又は2:1~5:1であってもよい。
【0034】
好ましくは、非石鹸アニオン性界面活性剤は、直鎖状アルキルベンゼンスルホネートを含む。好ましくは、直鎖状アルキルベンゼンスルホネートは、C10~C16のアルキルベンゼンスルホネート、C11~C14アルキルベンゼンスルホン酸塩、又はこれらの混合物を含む。好ましくは、アルキルベンゼンスルホネートは、アミン中和アルキルベンゼンスルホネート、アルカリ金属中和アルキルベンゼンスルホネート、又はこれらの混合物である。アミンは、好ましくは、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、又はこれらの混合物から選択される。アルカリ金属は、好ましくは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、又はこれらの混合物から選択され得る。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物の1重量%~40重量%、好ましくは3重量%~40重量%、より好ましくは6重量%~35重量%の直鎖状アルキルベンゼンスルホネートを含む。
【0035】
好ましくは、非石鹸アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含み、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルコキシル化アルキルサルフェート、又はこれらの混合物から選択される。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、一級又は二級アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、又はこれらの混合物、好ましくは一級アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤であり得る。好ましくは、アルコキシル化アルキルサルフェートは、エトキシル化アルキルサルフェート、プロポキシル化アルキルサルフェート、混合エトキシル化/プロポキシル化アルキルサルフェート、又はこれらの混合物、より好ましくはエトキシル化アルキルサルフェートを含む。好ましくは、エトキシル化アルキルサルフェートは、0.1~5、好ましくは0.5~3の平均エトキシル化度を有する。好ましくは、エトキシル化アルキルサルフェートは、8~18、より好ましくは10~16、最も好ましくは12~15の平均アルキル鎖長を有する。好ましくは、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のアルキル鎖は、直鎖、分岐鎖、又はこれらの混合物であってもよい。好ましくは、分岐アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、分岐一級アルキルサルフェート、分岐二級アルキルサルフェート、又はこれらの混合物、好ましくは分岐一級アルキルサルフェートであり、分岐は、好ましくは2位にあるか、代替的にアルキル鎖のさらに下方に存在し得るか、又は分岐がアルキル鎖上に広がる多分岐であり得る。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の重量平均重合度は、0%~100%、好ましくは0%~95%、より好ましくは0%~60%、最も好ましくは0%~20%であり得る。代替的に、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の重量平均重合度は、70%~100%、好ましくは80%~90%であり得る。好ましくは、アルキル鎖は、天然由来材料、合成由来材料、又はこれらの混合物から選択される。好ましくは、合成由来材料は、オキソ合成材料、チーグラー合成材料、ゲルベ合成材料、アルドール縮合合成材料、フィッシャー・トロプシュ合成材料、イソ-アルキル合成材料、又はこれらの混合物、好ましくはオキソ合成材料を含む。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の1重量%~35重量%、好ましくは3重量%~30重量%、より好ましくは6重量%~20重量%のアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含む。
【0036】
液体洗濯洗剤組成物中の非石鹸アニオン性界面活性剤とエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤との重量比は、1:1~20:1、又は1:1~15:1、又は1:1~10:1、又は1:1~5:1である。
【0037】
液体洗濯洗剤組成物は、脂肪酸、好ましくは、中和された脂肪酸石鹸を含んでもよい。脂肪酸石鹸は、アミン中和脂肪酸石鹸であって、アミンがアルカノールアミンであり、より好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン又はこれらの混合物から選択され、より好ましくはモノエタノールアミンである、アミン中和脂肪酸石鹸であってもよい。液体洗濯洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物の1.5重量%~20重量%、2重量%~15重量%、3重量%~12重量%、又は4重量%~10重量%の脂肪酸、好ましくは中和された脂肪酸石鹸を含んでもよい。
【0038】
液体洗濯洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物の1重量%~20重量%、好ましくは5重量%~15重量%の水を含んでもよい。
【0039】
好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物の10重量%~40重量%、好ましくは15重量%~30重量%の非水性溶媒を含み、好ましくは、非水性溶媒は、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、エトキシル化グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、又はこれらの混合物から選択される。
【0040】
好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、補助成分であって、ビルダー、香料、酵素、クエン酸塩、漂白剤、漂白触媒、染料、色相染料、増白剤、(アルコキシル化ポリアミン及びポリエチレンイミン等の)洗浄ポリマー、ソイルリリースポリマー、(カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性グアーガム、及びカチオン性ポリグルカン等の)ファブリックケアポリマー、界面活性剤、溶媒、移染防止剤、キレート剤、カプセル化香料、ポリカルボキシレート、構造化剤、pH調整剤、(Ralox 35等の)抗酸化剤、並びにこれらの混合物を含む群から選択される、補助成分を含む。
【0041】
好ましくは、洗濯洗剤組成物は、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、キシログルカナーゼ、マンナナーゼ及びアミラーゼ、ヌクレアーゼ、又はこれらの混合物を含む群から選択されるさらなる酵素、好ましくはプロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、キシログルカナーゼ、マンナナーゼ、及びこれらの混合物を含む群から選択されるさらなる酵素を含む。
【0042】
好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、6~10、より好ましくは6.5~8.9、最も好ましくは7~8のpHを有し、洗濯洗剤組成物のpHは、20℃で脱塩水中の10%製品濃度として測定される。
【0043】
液体洗濯洗剤組成物は、ニュートン性であっても、非ニュートン性であってもよい。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、非ニュートン性である。理論に束縛されることを望むものではないが、非ニュートン液体は、ニュートン液体とは異なる特性を有し、より具体的には、非ニュートン液体の粘度は、剪断速度に依存し、一方、ニュートン液体は、適用される剪断速度にかかわらず一定の粘度を有する。非ニュートン液体の剪断適用時の粘度の低下は、液体洗剤の溶解をさらに促進すると考えられる。本明細書に記載される液体洗濯洗剤組成物は、配合された成分及び組成物の目的などの要因に応じて、任意の好適な粘度を有し得る。
【0044】
非イオン性界面活性剤
液体洗濯洗剤組成物は、非イオン性界面活性剤を含む。非イオン性界面活性剤は、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含む。好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物の3重量%~30重量%、又は5重量%~25重量%、又は10重量%~20重量%のエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含む。
【0045】
液体洗濯洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物の2重量%~25重量%、又は4重量%~18重量%、又は7重量%~15重量%のエトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0046】
非イオン性界面活性剤は、エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含む。エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤は、平均8~18個の炭素原子を有するアルキル鎖を含み、エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤は、10~18の平均エトキシル化度を有する。
【0047】
好ましくは、エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤は、10~15、好ましくは10~14、最も好ましくは12の平均エトキシル化度を有する。
【0048】
エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤は、好ましくは平均10~16個、より好ましくは11~15個の炭素原子を有するアルキル鎖を含む。
【0049】
エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤の50重量%~99重量%、好ましくは60重量%~95重量%、より好ましくは70重量%~90重量%のエトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0050】
エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤の1重量%~50重量%、好ましくは5重量%~40重量%、より好ましくは10重量%~30重量%のエトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤を含んでもよい。好ましくは、エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤は、平均8~18個、好ましくは平均10~16個、より好ましくは平均12~15個の炭素原子を有するアルキル鎖を含み、6~12、好ましくは8~10、最も好ましくは9である平均エトキシル化度を有する。
【0051】
エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤は、直鎖状であっても、又は分岐鎖状であってもよい。分岐鎖状の場合、分岐は、アルキル鎖の2位又はさらに下方であってもよく、ここで炭素の位置番号は、アルキル鎖とエトキシル化鎖との間の酸素リンカーに連結された炭素から数え始める。分岐は、単一分岐であっても、又は多分岐であってもよい。最も好ましくは、分岐は2位における単一分岐である。分枝は、好ましくはアルキル分枝、より好ましくはメチル分枝、エチル分枝、プロピル分枝、ブチル分枝、ペンチル分枝、又はヘキシル分枝、最も好ましくはこれらの混合物である。
【0052】
分岐鎖状の場合、エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤は、好ましくは、式Iによる界面活性剤異性体と式IIによる界面活性剤異性体との混合物を含み:
【0053】
【化1】
式中、mは4~11、好ましくは6~11であり、nは0~5であり
エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤の約50重量%~約100重量%、好ましくは約90重量%~約100重量%が、m+nが9に等しい異性体であるか、若しくはエトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤の約50重量%~約100重量%、好ましくは約90重量%~約100重量%が、m+nが11に等しい異性体であり、
又は、エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤の約50重量%~約100重量%、好ましくは約90重量%~約100重量%が、m+nが9又は11に等しい異性体の混合物であり、
当該混合物の約25%~約50%の式Iの界面活性剤異性体が、n=0を有し、
エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤の約0.001重量%~約25重量%が、式IIによる界面活性剤異性体であり、
Xは0-(EO)yHであり、
yは6~12、好ましくは8~10、最も好ましくは9の平均エトキシル化度(EO)である。
【0054】
好ましくは、当該混合物の約15%~約40%の式Iの界面活性剤異性体は、1に等しいnを有する。好ましくは、当該混合物の約5%~約20%の式Iの界面活性剤異性体は、2に等しいnを有する。好ましくは、当該混合物の約60%~約90%の式Iの界面活性剤異性体は、3未満のnを有する。好ましくは、当該混合物の0%~約40%の式Iの界面活性剤異性体は、2を超えるnを有する。
【0055】
第1のエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤が、m+nが9又は11に等しい異性体の混合物を含む場合、m+nが11に等しい異性体のm+nが9に等しい異性体に対する重量比は、10:90~95:5、好ましくは30:70~90:10、最も好ましくは50:50~85:15である。
【0056】
直鎖状の場合、アルコールは、材料の供給源に応じてC6~C20アルキル鎖の自然分布を有してもよい。あるいは、直鎖アルコールは、C12~C14アルキル鎖含量を増大するために分画されていてもよい。
【0057】
エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤は、天然アルコール源、合成アルコール源、又はこれらの混合物に由来し得る。最も好適な天然源としては、パーム核油、ヤシ油、又はこれらの混合物が挙げられ、好ましくはパーム核油である。エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が合成アルコール源に由来する場合、合成アルコール源は、オキソ法、チーグラー法、ゲルベ法、アルドール縮合法、又はこれらの混合により製造され得る。得られたアルコールは、任意選択であるが好ましくは、出発アルコール中のC12~C15含量を増大するためにさらに分画することができる。
【0058】
第一級及び第二級エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤のいずれか一方又は両方におけるエトキシル化分布は、狭くも広くもすることができ、化学における狭範囲のエトキシレート(NRE)は、狭い同族体分布を有するアルコールポリグリコールエーテルであり、かつ公知の非イオン性界面活性剤である。ピーク型アルコキシル化及びピーク型エトキシル化も、製造される方法及び材料を説明するためにしばしば使用される。それらは、例えば、適切な触媒(仮焼成されているか又は脂肪酸で疎水化されている層状化合物)の存在下でアルコールにエチレンオキシドを付加することによって工業的に製造することができる。狭範囲アルコキシル化触媒の例としては、多くのアルカリ土類(Mg、Ca、Ba、Sr等)由来触媒、ルイス酸触媒、例えばドデカノキシド硫酸ジルコニウム、及び特定のハロゲン化ホウ素触媒、例えばDupontによって記載され、MB(OR1)x(X)4-x又はB(OR1)3/MXの形態のもの(式中、R1は、1~30個の炭素原子を有する、置換されていてもよい直鎖、分岐鎖、環状又は芳香族ヒドロカルビル基であり、Mは、Na+、K+、Li+、R2R3R4R5P+又はR2R3R4R5P+であり、式中、R2、R3、R4及びR5は、独立してヒドロカルビル基であり、xは1~3である)が挙げられる。NREエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤は、狭範囲エトキシル化アルコール界面活性剤全体の少なくとも85重量%のエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤分子であって、エトキシ基を5~12個、好ましくは6~10個含むポリエトキシ基を含む、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤分子を含む。逆に、広範囲エトキシル化(BRE)アルコール非イオン性界面活性剤は、広範囲エトキシル化アルコール界面活性剤全体の15重量%~45重量%、好ましくは25重量%~40重量%のトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤分子であって、エトキシ基を6~10個含むポリエトキシ基を含む、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤分子を含み、広範囲エトキシル化アルコール界面活性剤全体の30重量%~70重量%、好ましくは40重量%~65重量%のアルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤分子であって、エトキシ基を5~12個含むポリエトキシ基を含む、アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤分子を含む。
【0059】
好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、エトキシル化第二級アルコールとエトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤とを、10:1~1:1、好ましくは5:1~1:1、最も好ましくは3:1~1:1の相対重量比で含む。
【0060】
好適なエトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤は、テルジトール15-SシリーズがDow社から、又はソフタノールシリーズが株式会社日本触媒から市販されている。特に適切な材料は、テルジトール15-S-12である。
【0061】
製造方法
当業者であれば、本発明による液体洗濯洗剤組成物及び水溶性単位用量物品を製造するための標準的な技術を認識するであろう。当業者であれば、本発明の液体洗濯洗剤組成物の成分を製造するための標準的な技術及び方法についても認識するであろう。
【0062】
使用方法
本発明のさらなる態様は、本発明による水溶性単位用量物品を水で、200~3000倍、好ましくは300~2000倍に希釈して、洗浄液を作製する工程と、処理される布地を洗浄液と接触させる工程と、を含む、布地を洗濯する方法である。
【0063】
好ましくは、洗浄液は、5L~75L、好ましくは7L~40L、より好ましくは10L~20Lの水を含む。好ましくは、洗浄液は、5℃~90℃、好ましくは10℃~60℃、より好ましくは12℃~45℃、最も好ましくは15℃~40℃の温度にある。好ましくは、洗浄液中での布地の洗浄は、完了までに5分~50分、好ましくは5分~40分、より好ましくは5分~30分、さらにより好ましくは5分~20分、最も好ましくは6分~18分かかる。好ましくは、洗浄液は、1kg~20kg、好ましくは3kg~15kg、最も好ましくは5~10kgの布地を含む。洗浄液は、好ましくは0gpg~40gpgで変化する任意の硬度の水を含み得る。
【0064】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に明記されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【実施例
【0065】
可溶性単位用量洗濯洗剤製品において使用するのに好適な液体洗剤組成物は、個々の成分をバッチ式プロセスで混合することによって調製されている。エトキシル化第一級及び第二級アルコール非イオン性界面活性剤内のエトキシル化度が、希釈全体にわたる製品粘度変動並びにそれらの伸長粘度プロファイルに及ぼす影響を、本明細書に記載の試験方法を使用して試験した。表1は、試験した全ての組成物をまとめたものである。実施例1は、本発明による平均エトキシル化度を有するエトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含む液体洗剤組成物である。実施例A~Cは、本発明の範囲外のエトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤を含む比較組成物を記載する。実施例D~Fは、本発明の範囲外の平均エトキシル化度を有するエトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含む比較組成物を記載する。
【0066】
【表1】
第一級アルコールに由来する界面活性剤(平均エトキシル化度が7のC12~16アルキル鎖)-Sasol社から入手可能。
第一級アルコールに由来する界面活性剤(9の平均エトキシル化度を有するC12~14アルキル鎖)-Huntsmann社から入手可能。
第二級アルコールに由来する界面活性剤(平均エトキシル化度が7のC11~15アルキル鎖)-Dow社から入手可能。
第二級アルコールに由来する界面活性剤(平均エトキシル化度が9のC11~15アルキル鎖)-Dow社から入手可能。
第二級アルコールに由来する界面活性剤(平均エトキシル化度が12のC11~15アルキル鎖)-Dow社から入手可能。
ポリエチレングリコール骨格(プルリオールE6000)と疎水性酢酸ビニル側鎖とを有するポリエチレングリコールグラフトポリマーであって、
ポリマー系の40重量%のポリエチレングリコール骨格ポリマーとポリマー系の60重量%のグラフト化酢酸ビニル側鎖とを含む、ポリエチレングリコールグラフトポリマー。
EO鎖1本あたり20の平均エトキシル化度と約600のMWを持つポリエチレンイミン骨格とを有するエトキシル化ポリエチレンイミン
【0067】
平均エトキシル化度のみを変数として変化させた、第一級及び第二級アルコール系エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含む組成物の希釈時の粘度及び伸長粘度データを表2に要約する。実施例Dからのデータを実施例E及びFと比較すると、エトキシル化第二級アルコール非イオン性濃度のみを変数として増加させることにより、キャピラリ破断時間の増大によって示される伸長粘度の急増と相まって、希釈時のレオロジープロファイルが減粘プロファイルから増粘プロファイルへと変化することを見ることができる。エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤(実施例A対実施例B及びC)についても同様の観察がなされる。本発明の範囲によるエトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤における平均エトキシル化度を増大させることにより(実施例1)、この増粘及び伸長粘度上昇の影響が打ち消され、製品分散を促進し、したがって、これに応じて液体洗剤組成物の溶解にプラスの影響を与えることが見出された。
【0068】
【表2】
PC=生成物濃度
【0069】
試験方法:
希釈時の粘度:
出発組成物及び脱塩水のそれぞれの量を20℃で混合することによって調製した出発生成物組成物並びに濃度90%及び80%の活性生成物について粘度プロファイルを試験した。TA Rheometer AR2000を室温(20℃)で使用し、液体洗濯洗剤組成物のレオロジープロファイル又は生成物濃度を低下させたレオロジープロファイルを得た。試料の予備剪断を50s-1で30秒間行い、その後、剪断速度を0.1s-1から2000s-1まで7分間にわたって連続的に上昇させた。結果として、20s-1での粘度値を報告した。希釈時の粘度減衰が大きいほど、生成物は容易に分散され、したがって最終生成物はそれに応じてより速く溶解する。
【0070】
伸長粘度(Caber破断時間):
上で説明したように調製した出発組成物及び濃度90%の活性生成物の両方について、伸長粘度プロファイルを評価した。
【0071】
試験組成物の伸長粘度プロファイルは、Haake Caber I伸長型レオメータ(Caber:capillary break-up extensional rheometer(キャピラリ破断式伸長型レオメータ))を使用し、試験サンプルを特定のひずみまで伸長させて形成したキャピラリの破断時間を測定することによって評価した。サンプル直径を6mmに、初期サンプル高さを3mmに、最終サンプル高さを8.63mmに設定し、伸長プロファイルを線形に設定し、打撃時間を100msに設定した。破断時間(秒)の増大は、伸長粘度の上昇、したがって、液体洗濯洗剤の分散に対抗する力がより強くなり、それに応じて製品の溶解にマイナスの影響を与えることを示している。
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
試験組成物の伸長粘度プロファイルは、Haake Caber I伸長型レオメータ(Caber:capillary break-up extensional rheometer(キャピラリ破断式伸長型レオメータ))を使用し、試験サンプルを特定のひずみまで伸長させて形成したキャピラリの破断時間を測定することによって評価した。サンプル直径を6mmに、初期サンプル高さを3mmに、最終サンプル高さを8.63mmに設定し、伸長プロファイルを線形に設定し、打撃時間を100msに設定した。破断時間(秒)の増大は、伸長粘度の上昇、したがって、液体洗濯洗剤の分散に対抗する力がより強くなり、それに応じて製品の溶解にマイナスの影響を与えることを示している。
本明細書に開示される発明は、以下の通りである。
[1]水溶性フィルムと液体洗濯洗剤組成物とを含む水溶性単位用量物品であって、
前記液体洗濯洗剤組成物が、非イオン性界面活性剤を含み、前記非イオン性界面活性剤が、前記液体洗濯洗剤組成物の3重量%~30重量%、又は5重量%~25重量%、又は10重量%~20重量%のエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含み、前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤が、エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含み、
前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤が、平均8~18個の炭素原子を有するアルキル鎖を含み、
前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤が、10~18の平均エトキシル化度を有する、水溶性単位用量物品。
[2]前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤が、10~15、好ましくは10~14、最も好ましくは12の平均エトキシル化度を有する、[1]に記載の水溶性単位用量物品。
[3]前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤が、平均10~16個、好ましくは平均11~15個の炭素原子を有するアルキル鎖を含む、[1]又は[2]に記載の水溶性単位用量物品。
[4]前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤が、前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤の50重量%~99重量%、好ましくは60重量%~95重量%、より好ましくは70重量%~90重量%の前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の水溶性単位用量物品。
[5]前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤が、前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤の1重量%~50重量%、好ましくは5重量%~40重量%、より好ましくは10重量%~30重量%のエトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤を含み、
好ましくは、前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、平均8~18個、好ましくは平均10~16個、より好ましくは平均12~15個の炭素原子を有するアルキル鎖を含み、
好ましくは、前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、6~12、好ましくは8~10、最も好ましくは9の平均エトキシル化度を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の水溶性単位用量物品。
[6]前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、直鎖状若しくは分岐鎖状又はこれらの混合物であってもよく、前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、天然アルコール源、合成アルコール源、又はこれらの混合物に由来し得る、[5]に記載の水溶性単位用量物品。
[7]前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、合成第一級アルコール源に由来し、前記合成第一級アルコール源が、好ましくは、オキソ法、チーグラー法、ゲルベ法、アルドール縮合法、又はこれらの混合により製造される、[6]に記載の水溶性単位用量物品。
[8]前記液体洗濯洗剤組成物が、前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤と前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤とを、10:1~1:1、好ましくは5:1~1:1、最も好ましくは3:1~1:1の相対重量比で含む、[5]~[7]のいずれかに記載の水溶性単位用量物品。
[9]非石鹸アニオン性界面活性剤を含む水溶性単位用量物品であって、前記非石鹸アニオン性界面活性剤が、好ましくは、中和された直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、中和されたアルコキシル化アルキルサルフェート、中和された非アルコキシル化アルキルサルフェート及びこれらの混合物から選択される中和されたアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択され、より好ましくは、前記非石鹸アニオン性界面活性剤が、中和された直鎖状アルキルベンゼンスルホネートと中和されたアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤との混合物を含み、さらにより好ましくは、中和された直鎖状アルキルベンゼンスルホネートと中和されたアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤との重量比が、1:2~9:1、又は1:1~7:1、又は2:1~6:1、又は2:1~5:1である、水溶性単位用量物品。
[10]液体洗濯洗剤組成物中の非石鹸アニオン性界面活性剤とエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤との重量比が、1:1~20:1、又は1:1~15:1、又は1:1~10:1、又は1:1~5:1である、[9]に記載の水溶性単位用量物品。
[11]前記液体洗濯洗剤組成物が、脂肪酸、好ましくは中和された脂肪酸石鹸を含み、より好ましくは、前記液体洗濯洗剤組成物が、前記液体洗濯洗剤組成物の1.5重量%~20重量%、2重量%~15重量%、3重量%~12重量%、又は4重量%~10重量%の脂肪酸、好ましくは中和脂肪酸石鹸を含む、[1]~[10]のいずれかに記載の水溶性単位用量物品。
[12]前記液体洗濯洗剤が、前記液体洗剤組成物の1重量%~20重量%、好ましくは5重量%~15重量%の水を含む、[1]~[11]のいずれかに記載の水溶性単位用量物品。
[13]前記液体洗濯洗剤組成物が、前記液体洗濯洗剤組成物の10重量%~40重量%、好ましくは15重量%~30重量%の非水性溶媒を含み、好ましくは、前記非水性溶媒が、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、エトキシル化グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、又はこれらの混合物から選択される、[1]~[12]のいずれかに記載の水溶性単位用量物品。
[14]前記水溶性フィルムが、ポリビニルアルコールポリマーを含み、好ましくは、前記水溶性フィルムが、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、又はこれらの混合物、好ましくは、ポリビニルアルコールホモポリマー及び/若しくはポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含み、より好ましくは、前記ポリビニルアルコールコポリマーが、スルホン化及びカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマー、特にカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーから選択され、最も好ましくは、前記ポリビニルアルコールポリマーが、ポリビニルアルコールホモポリマーとカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーとのブレンド、又はポリビニルアルコールホモポリマーのブレンドを含む、[1]~[13]のいずれかに記載の水溶性単位用量物品。
[15]前記水溶性単位用量物品が、少なくとも1つ、又は少なくとも2つ、又は少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を含み、好ましくは、前記水溶性単位用量物品が、少なくとも2つ、又は少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を含み、前記区画が、重ね合わせ構成で配置され、少なくとも1つ、又は少なくとも2つ、又は少なくとも3つの上部区画が、隣り合った構成で配置され、隣り合った構成で配置された前記上部区画が、少なくとも1つ、又は少なくとも2つの下部区画に重ね合わされ、前記下部区画が、隣り合った構成で配置されている、[1]~[14]のいずれかに記載の水溶性単位用量物品。
[16][1]~[15]のいずれかに記載の水溶性単位用量物品を水で、200~3000倍、好ましくは300~2000倍に希釈して洗浄液を調製する工程と、処理される布地を前記洗浄液と接触させる工程と、を含む、布地を洗濯する方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性フィルムと液体洗濯洗剤組成物とを含む水溶性単位用量物品であって、
前記液体洗濯洗剤組成物が、非イオン性界面活性剤を含み、前記非イオン性界面活性剤が、前記液体洗濯洗剤組成物の3重量%~30重量%、又は5重量%~25重量%、又は10重量%~20重量%のエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤を含み、前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤が、エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含み、
前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤が、平均8~18個の炭素原子を有するアルキル鎖を含み、
前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤が、10~18の平均エトキシル化度を有する、水溶性単位用量物品。
【請求項2】
前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤が、10~15、好ましくは10~14、最も好ましくは12の平均エトキシル化度を有する、請求項1に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項3】
前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤が、平均10~16個、好ましくは平均11~15個の炭素原子を有するアルキル鎖を含む、請求項1に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項4】
前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤が、前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤の50重量%~99重量%、好ましくは60重量%~95重量%、より好ましくは70重量%~90重量%の前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項5】
前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤が、前記エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤の1重量%~50重量%、好ましくは5重量%~40重量%、より好ましくは10重量%~30重量%のエトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤を含み、
好ましくは、前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、平均8~18個、好ましくは平均10~16個、より好ましくは平均12~15個の炭素原子を有するアルキル鎖を含み、
好ましくは、前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、6~12、好ましくは8~10、最も好ましくは9の平均エトキシル化度を有する、請求項1に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項6】
前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、直鎖状若しくは分岐鎖状又はこれらの混合物であってもよく、前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、天然アルコール源、合成アルコール源、又はこれらの混合物に由来し得る、請求項5に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項7】
前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤が、合成第一級アルコール源に由来し、前記合成第一級アルコール源が、好ましくは、オキソ法、チーグラー法、ゲルベ法、アルドール縮合法、又はこれらの混合により製造される、請求項6に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項8】
前記液体洗濯洗剤組成物が、前記エトキシル化第二級アルコール非イオン性界面活性剤と前記エトキシル化第一級アルコール非イオン性界面活性剤とを、10:1~1:1、好ましくは5:1~1:1、最も好ましくは3:1~1:1の相対重量比で含む、請求項5に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項9】
非石鹸アニオン性界面活性剤を含む水溶性単位用量物品であって、前記非石鹸アニオン性界面活性剤が、好ましくは、中和された直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、中和されたアルコキシル化アルキルサルフェート、中和された非アルコキシル化アルキルサルフェート及びこれらの混合物から選択される中和されたアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択され、より好ましくは、前記非石鹸アニオン性界面活性剤が、中和された直鎖状アルキルベンゼンスルホネートと中和されたアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤との混合物を含み、さらにより好ましくは、中和された直鎖状アルキルベンゼンスルホネートと中和されたアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤との重量比が、1:2~9:1、又は1:1~7:1、又は2:1~6:1、又は2:1~5:1である、水溶性単位用量物品。
【請求項10】
液体洗濯洗剤組成物中の非石鹸アニオン性界面活性剤とエトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤との重量比が、1:1~20:1、又は1:1~15:1、又は1:1~10:1、又は1:1~5:1である、請求項9に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項11】
前記液体洗濯洗剤組成物が、脂肪酸、好ましくは中和された脂肪酸石鹸を含み、より好ましくは、前記液体洗濯洗剤組成物が、前記液体洗濯洗剤組成物の1.5重量%~20重量%、2重量%~15重量%、3重量%~12重量%、又は4重量%~10重量%の脂肪酸、好ましくは中和脂肪酸石鹸を含む、請求項1に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項12】
前記液体洗濯洗剤が、前記液体洗剤組成物の1重量%~20重量%、好ましくは5重量%~15重量%の水を含む、請求項1に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項13】
前記液体洗濯洗剤組成物が、前記液体洗濯洗剤組成物の10重量%~40重量%、好ましくは15重量%~30重量%の非水性溶媒を含み、好ましくは、前記非水性溶媒が、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、エトキシル化グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、又はこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項14】
前記水溶性フィルムが、ポリビニルアルコールポリマーを含み、好ましくは、前記水溶性フィルムが、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、又はこれらの混合物、好ましくは、ポリビニルアルコールホモポリマー及び/若しくはポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含み、より好ましくは、前記ポリビニルアルコールコポリマーが、スルホン化及びカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマー、特にカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーから選択され、最も好ましくは、前記ポリビニルアルコールポリマーが、ポリビニルアルコールホモポリマーとカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーとのブレンド、又はポリビニルアルコールホモポリマーのブレンドを含む、請求項1に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項15】
前記水溶性単位用量物品が、少なくとも1つ、又は少なくとも2つ、又は少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を含み、好ましくは、前記水溶性単位用量物品が、少なくとも2つ、又は少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を含み、前記区画が、重ね合わせ構成で配置され、少なくとも1つ、又は少なくとも2つ、又は少なくとも3つの上部区画が、隣り合った構成で配置され、隣り合った構成で配置された前記上部区画が、少なくとも1つ、又は少なくとも2つの下部区画に重ね合わされ、前記下部区画が、隣り合った構成で配置されている、請求項1に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品を水で、200~3000倍、好ましくは300~2000倍に希釈して洗浄液を調製する工程と、処理される布地を前記洗浄液と接触させる工程と、を含む、布地を洗濯する方法。
【国際調査報告】