(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】肛門高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)を治療するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/12 20060101AFI20241018BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20241018BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20241018BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20241018BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20241018BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20241018BHJP
A61K 39/39 20060101ALI20241018BHJP
A61K 31/711 20060101ALI20241018BHJP
C12N 15/37 20060101ALN20241018BHJP
【FI】
A61K39/12
A61P1/00
A61K48/00
A61P37/04
A61P31/20
A61K31/7088
A61K39/39
A61K31/711
C12N15/37 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523770
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 US2022078551
(87)【国際公開番号】W WO2023070109
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509320254
【氏名又は名称】イノビオ ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100225598
【氏名又は名称】桐島 拓也
(72)【発明者】
【氏名】チエン イェン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ジョセフ キム
(72)【発明者】
【氏名】プラカシュ ブーヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー スコルニック
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA13
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA66
4C084ZB09
4C084ZB33
4C085AA02
4C085AA38
4C085BA51
4C085CC32
4C085CC40
4C085EE01
4C085FF21
4C085GG03
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA66
4C086ZB09
4C086ZB33
(57)【要約】
肛門高悪性度扁平上皮内病変の治療及び予防のための抗HPV免疫原及びそれらをコードする核酸分子の使用が開示される。薬学的組成物、DNAプラスミドを含む組換えワクチン、及び弱毒生ワクチン、並びに肛門高悪性度扁平上皮内病変を治療又は予防するために免疫応答を誘導する方法が開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体における肛門高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)を治療又は予防するための方法であって、ヒトパピローマウイルス(HPV)16抗原及びHPV18抗原からなる群から選択される少なくとも1つをコードする少なくとも1つの核酸分子を含む組成物を前記個体に投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記HPV16抗原が、HPV16 E6-E7融合抗原である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記HPV16抗原が、配列番号5のアミノ酸配列及び配列番号6のアミノ酸配列を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記HPV16抗原が、配列番号17のヌクレオチド配列及び配列番号19のヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされる、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記HPV18抗原が、HPV18 E6-E7融合抗原である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記HPV18抗原が、配列番号21のアミノ酸配列及び配列番号22のアミノ酸配列を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物が、HPV16抗原をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子及びHPV18抗原をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記核酸分子が、
配列番号2をコードするヌクレオチド配列と、
配列番号2をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、
配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片と、
配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、からなる群から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記核酸分子が、配列番号2をコードするヌクレオチド配列と少なくとも98%相同であるヌクレオチド配列を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記核酸分子が、配列番号2をコードするヌクレオチド配列と少なくとも99%相同であるヌクレオチド配列を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記核酸分子が、
配列番号1のヌクレオチド19~795を含むヌクレオチド配列と、
配列番号1のヌクレオチド1~795を含むヌクレオチド配列と、
配列番号1を含むヌクレオチド配列と、
配列番号1と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、
配列番号1の断片と、
配列番号1の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、からなる群から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記核酸分子が、配列番号1と少なくとも98%相同であるヌクレオチド配列を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記核酸分子が、配列番号1と少なくとも99%相同であるヌクレオチド配列を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記HPV18抗原が、配列番号23のヌクレオチド配列及び配列番号24のヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされる、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記核酸分子が、
配列番号10をコードするヌクレオチド配列と、
配列番号10をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、
配列番号10をコードするヌクレオチド配列の断片と、
配列番号10をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、からなる群から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項16】
前記核酸分子が、配列番号10をコードするヌクレオチド配列と少なくとも98%相同であるヌクレオチド配列を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記核酸分子が、配列番号10をコードするヌクレオチド配列と少なくとも99%相同であるヌクレオチド配列を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記HPV16 E6-E7融合抗原をコードする前記核酸分子が、リーダー配列をコードするヌクレオチド配列を更に含み、前記HPV18 E6-E7融合抗原をコードする前記ヌクレオチド配列が、リーダー配列をコードするヌクレオチド配列を更に含むか、又は前記HPV16 E6-E7融合抗原をコードする前記ヌクレオチド配列が、リーダー配列をコードするヌクレオチド配列を更に含み、前記HPV18 E6-E7融合抗原をコードする前記ヌクレオチド配列が、リーダー配列をコードするヌクレオチド配列を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記核酸分子が、
配列番号9のヌクレオチド1~780を含むヌクレオチド配列と、
配列番号9を含むヌクレオチド配列と、
配列番号9と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、
配列番号9の断片と、
配列番号9の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、からなる群から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項20】
前記核酸分子が、配列番号9と少なくとも98%相同であるヌクレオチド配列を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記核酸分子が、配列番号9と少なくとも99%相同であるヌクレオチド配列を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのプラスミドを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物が、薬学的組成物である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記個体に、アジュバントを含む組成物を投与することを更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記個体に、HPV16 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子及びHPV18 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を投与することを含み、
前記HPV16 E6-E7融合抗原をコードする前記ヌクレオチド配列が、配列番号2をコードするヌクレオチド配列、配列番号2をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片、及び配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列からなる群から選択され、
前記HPV18 E6-E7融合抗原をコードする前記ヌクレオチド配列が、配列番号10をコードするヌクレオチド配列、配列番号10をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号10をコードするヌクレオチド配列の断片、及び配列番号10をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項26】
前記核酸分子を前記個体に投与することが、エレクトロポレーションを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記組成物が、筋肉内に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記組成物が、VGX-3100又はそのバイオシミラーを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記組成物が、3回又は4回用量で投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記組成物の第2の用量が、第1の用量の約4週間後に投与される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
第3の用量が、前記第1の用量の約12週間後に投与される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
第4の用量が、前記第1の用量の約40週間後に投与される、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記HSILが、肛門又は肛門/肛門周囲のHSILである、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記リーダー配列が、配列番号7のアミノ酸配列を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項35】
前記リーダー配列が、配列番号11のヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされる、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月22日に出願された米国仮特許出願第63/270,929号の利益を主張するものであり、その開示は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、改善されたワクチン、免疫応答を誘導するため、かつ肛門高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)に対して個体を予防的及び/又は治療的に免疫化するための改善された方法に関する。
【背景技術】
【0003】
肛門扁平上皮内病変は、低悪性度扁平上皮内病変(LSIL)及び高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)の両方を含み、ヒトパピローマウイルス(HPV)による慢性感染によって引き起こされる。肛門高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)の現在の管理は、困難であり、未治療のHSILが扁平上皮がんに進行し得るという重要な証拠が存在する。
【0004】
したがって、当該技術分野では、肛門HSILの治療又は予防のための改善された組成物及び方法に対する必要性が存在する。本発明は、この満たされていない必要性を満たす。
【発明の概要】
【0005】
本発明の態様は、HPV16 E6-E7融合抗原、HPV18 E6-E7融合抗原、又はそれらの組み合わせを含む、少なくとも1つのヌクレオチド配列を含む組成物、及び肛門高悪性度扁平上皮内病変の治療又は予防のためのその使用を提供する。
【0006】
別の態様は、配列番号2をコードするヌクレオチド配列、配列番号2をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列からなる群から選択されるHPV16 E6-E7融合抗原をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、HPV6 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列は、5’末端にリーダー配列を有しない。
【0007】
本発明の別の態様では、以下からなる群から選択されるHPV16 E6-E7融合抗原をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含む組成物が提供される:配列番号1、配列番号1と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号1の断片、配列番号1の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列。いくつかの実施形態では、HPV16 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列は、5’末端にリーダー配列を有しない。
【0008】
別の態様は、配列番号10をコードするヌクレオチド配列、配列番号10をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号10をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列からなる群から選択されるHPV18 E6-E7融合抗原をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、HPV6 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列は、5’末端におけるリーダー配列をコードするヌクレオチドを更に含む。
【0009】
本発明の別の態様では、以下からなる群から選択されるHPV18 E6-E7融合抗原をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含む組成物が提供される:配列番号9、配列番号9と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号9の断片、配列番号9の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列。いくつかの実施形態では、HPV16 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列は、5’末端におけるリーダー配列をコードするヌクレオチドを更に含む。
【0010】
提供されるヌクレオチド配列は、プラスミドであり得る。
【0011】
追加の態様では、開示されるヌクレオチド配列を含む薬学的組成物が提供される。
【0012】
いくつかの態様では、個体における有効な免疫応答を誘導することによって、個体における肛門高悪性度扁平上皮内病変を治療又は予防する方法であって、当該個体に、提供されるヌクレオチド配列のうちの1つ以上を含む組成物を投与することを含む、方法が存在する。方法は、好ましくは、提供されるヌクレオチド配列をエレクトロポレーションによって個体に導入するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】36週目及び64週目のワクチンの有効性についてのデータを提供する。
【
図3】VGX-3100がHPV16抗原及びHPV18抗原の両方に対する細胞免疫応答を誘導することを実証するデータを提供する。
【
図4】VGX-3100がHPV16E7抗原及びHPV18E7抗原に対する体液性免疫応答を誘導することを実証するデータを提供する。
【
図5】VGX-3100ワクチンの安全性についてのデータを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
開示される方法は、本開示の一部を形成する以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解され得る。開示される方法は、本明細書に記載される、及び/又は記載される具体的な方法に限定されず、本明細書で使用される用語は、例のみとして特定の実施形態を説明する目的のためであり、特許請求される方法の制限であることを意図しないことを理解されるべきである。
【0015】
特に別段明記しない限り、可能性のある作用機序若しくは作用モード、又は改善の理由に関する任意の説明は、例解のみを意図し、開示された方法は、任意のそのような提案された作機序若しくは作用モード、又は改善の理由の正確性又は不正確性によって制約されるものではない。
【0016】
値が近似値として表現される場合、「約」という先行詞を使用することによって、特定の値は別の実施形態を形成することが理解されるであろう。特定の数値への参照は、文脈が別段に明示しない限り、少なくともその特定の値を含む。
【0017】
明確にするために、別個の実施形態の文脈において本明細書に記載される開示される方法のある特定の特徴もまた、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることが理解されるべきである。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈において記載される開示される方法の様々な特徴もまた、別々に、又は任意の副次的組み合わせで提供され得る。
【0018】
本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、本明細書の態様に関する様々な用語が使用される。そのような用語は、別段の指示がない限り、当該技術分野におけるそれらの通常の意味を付与されるものである。他の具体的に定義された用語は、本明細書で提供される定義と一致する様式で解釈されるものである。
【0019】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を記載する目的のためであり、限定することが意図されない。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上別段明らかに指示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0020】
本明細書における数値範囲の列挙について、同じ程度の精度でそれらの間に介在する各数値が明示的に企図される。例えば、6~9の範囲については、6及び9に加えて数字7及び8が企図され、6.0~7.0の範囲については、数字6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6,9、及び7.0が明示的に企図される。
【0021】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つ」という用語は、「1つ以上」を意味する。
【0022】
本明細書で使用される場合、本明細書で使用される場合の「対象」又は「個体」という用語は、任意の動物を指すが、特にヒトを指す。したがって、本方法は、ヒト及び非ヒト動物に適用可能であるが、最も好ましくは、ヒトで使用される。「対象」及び「患者」並びに「個人」は、本明細書では互換的に使用される。
【0023】
本明細書で使用される場合、「含む」という用語は、「から本質的になる」及び「からなる」という用語によって包含される例を含むことを意図しており、同様に、「から本質的になる」という用語は、「からなる」という用語によって包含される例を含むことを意図している。
【0024】
本明細書で使用される「アジュバント」は、DNAプラスミドによってコードされる1つ以上の抗原の抗原性を増強するために本明細書に記載されるDNAプラスミドワクチンに添加され、以下に記載される核酸配列をコードする任意の分子を意味し得る。
【0025】
「抗体」とは、クラスIgG、IgM、IgA、IgD、若しくはIgEの抗体、又はFab、F(ab’)2、Fd、及び一本鎖抗体を含む、それらの断片、断片、若しくは誘導体、ダイアボディ、二重特異性抗体、二官能性抗体、及びそれらの誘導体を意味し得る。抗体は、哺乳動物の血清試料から単離された抗体、ポリクローナル抗体、親和性精製抗体、又はそれらの混合物であり得、これは所望のエピトープ又はそれに由来する配列に対して十分な結合特異性を示す。
【0026】
「抗原」は、HPV E6又はHPV E7ドメイン、並びに好ましくは、それらの間に細胞内タンパク質分解切断部位を有するE6及びE7融合体を有するタンパク質を指す。抗原には、配列番号2(サブタイプ16)及び配列番号4(サブタイプ18)、本明細書に記載される長さのその断片、バリアント、すなわち、本明細書に記載される配列番号2又は配列番号4に相同である配列を有するタンパク質、本明細書に記載される長さを有するバリアントの断片、並びにそれらの組み合わせが含まれる。抗原は、配列番号7若しくは配列番号12のIgEリーダー配列を有し得るか、又は代替的に、N末端からそのような配列を除去させ得る。抗原は、任意に、他のタンパク質由来のものなどのシグナルペプチドを含み得る。
【0027】
「バイオシミラー」(承認された参照製品/生物学的薬物の、すなわち、参照収載の薬物の)は、(a)臨床的に不活性な成分のわずかな差異にもかかわらず、生物学的製品が参照製品と高度に類似していることを示す分析研究、(b)動物研究(毒性の評価を含む)、並びに/又は(c)参照製品が認可され、使用されることが意図され、バイオシミラーについて免許交付が求められる、1つ以上の適切な使用条件で安全性、純度、及び効力を示すのに十分な臨床研究若しくは研究(免疫原性及び薬物動態又は薬力学の評価を含む)から得られるデータに基づいて、安全性、純度、及び効力の点で、バイオシミラーと参照製品との間に臨床的に意味のある差異がなく、臨床的に不活性な成分のわずかな差異にもかかわらず、参照製品と高度に類似している生物学的製品を指す。バイオシミラーは、処方する医療専門家の介入なしに、薬局で参照産物の代わりに置き換えられ得る交換可能な産物であり得る。「交換可能性」の追加の基準を満たすために、バイオシミラーは、任意の所与の患者において参照製品と同じ臨床結果を生じることが予想され、バイオシミラーが個体に2回以上投与される場合、バイオシミラーと参照製品の使用との間の交互又は切り替えの安全性又は有効性の低下の観点からのリスクは、かかる交互又は切り替えなしで参照製品を使用するリスクよりも大きくはない。バイオシミラーは、機序が参照産物について既知の範囲で、提案された使用条件に対して同じ作用機序を利用する。バイオシミラーについて提案されているラベルに規定されているか、推奨されているか、又は提案されている使用条件は、以前に参照産物について承認されている。投与経路、剤形、及び/又はバイオシミラーの強度は、参照産物のものと同じであり、バイオシミラーは、バイオシミラーが安全で、純粋で、強力であり続けることを保証するように設計された基準を満たす施設で製造され、処理され、梱包され、又は保持される。バイオシミラーは、参照産物と比較した場合、例えば、バイオシミラー性能を変化させることが予想されないN末端又はC末端切断など、アミノ酸配列におけるわずかな修飾を含み得る。
【0028】
本明細書で使用される「コード配列」又は「コード核酸」は、上記セクションcに記載されるような抗原をコードするヌクレオチド配列を含む核酸(RNA又はDNA分子)を指すことを意味し得る。コード配列は、核酸が投与される個体又は哺乳動物の細胞において発現を誘導することができるプロモーター及びポリアデニル化シグナルを含む、調節要素に作動可能に連結された開始及び終結シグナルを更に含み得る。コード配列は、シグナルペプチドをコードする配列、例えば、配列番号7又は12などのIgEリーダー配列を更に含み得る。
【0029】
本明細書で使用される「補体」又は「相補的」は、核酸を意味し得、核酸分子のヌクレオチド又はヌクレオチド類似体間のワトソン-クリック(例えば、A-T/U及びC-G)又はフーグスティーン塩基対形成を意味し得る。
【0030】
「断片」は、抗原に対して哺乳動物における免疫応答を誘発することができる抗原のポリペプチド断片を意味し得る。抗原の断片は、各々の場合において、1位におけるシグナルペプチド及び/又はメチオニンあり又はなしで、N及び/又はC末端から少なくとも1つのアミノ酸を欠損していることを除いて、全長と100%同一であり得る。断片は、付加された任意の異種シグナルペプチドを除く、特定の全長抗原の長さの60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上のパーセントを含み得る。断片は、好ましくは、抗原と95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上相同であるポリペプチドの断片を含み、加えて、相同性パーセントを計算する際に含まれないN末端メチオニン又は異種シグナルペプチドを含み得る。断片は、N末端メチオニン及び/又は免疫グロブリンシグナルペプチド、例えば、IgE若しくはIgGシグナルペプチドなどのシグナルペプチドを更に含み得る。N末端メチオニン及び/又はシグナルペプチドは、抗原の断片に連結され得る。
【0031】
抗原をコードする核酸配列の断片は、各々の場合において、1位におけるシグナルペプチド及び/又はメチオニンをコードする配列あり又はなしで、5’及び/又は3’末端から少なくとも1つのヌクレオチドを欠損していることを除いて、全長と100%同一であり得る。断片は、付加された任意の異種シグナルペプチドを除く、特定の全長コード配列の長さの60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上のパーセントを含み得る。断片は、好ましくは、抗原と95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上相同であるポリペプチドをコードする断片を含み、加えて任意に、相同性パーセントを計算する際に含まれないN末端メチオニン又は異種シグナルペプチドをコードする配列を含み得る。断片は、N末端メチオニン及び/又は免疫グロブリンシグナルペプチド、例えば、IgE若しくはIgGシグナルペプチドなどのシグナルペプチドのコード配列を更に含み得る。N末端メチオニン及び/又はシグナルペプチドをコードするコード配列は、コード配列の断片に連結され得る。
【0032】
2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の文脈において本明細書で使用される「同一」又は「同一性」は、配列が、特定の領域にわたって同じである残基の特定のパーセンテージを有することを意味し得る。パーセンテージは、2つの配列を最適に整列させ、2つの配列を特定の領域にわたって比較し、両方の配列において同一の残基が生じる位置の数を決定して、一致した位置の数を得、一致した位置の数を特定の領域における位置の総数で割り、結果を100乗して、配列同一性のパーセンテージを得ることによって計算され得る。2つの配列が異なる長さを有するか、又はアラインメントが1つ以上の食い違った末端をもたらし、特定の比較領域が単一の配列のみを含む場合、単一の配列の残基は、計算の分子ではなく分母に含まれる。DNAとRNAとを比較する場合、チミン(T)とウラシル(U)は、同等とみなされ得る。同一性は、手動で、又はBLAST若しくはBLAST 2.0などのコンピュータ配列アルゴリズムを使用することによって行われ得る。
【0033】
本明細書で使用される「免疫応答」は、提供されるDNAプラスミドワクチンを介した1つ以上の抗原の導入に応答した、宿主の免疫系、例えば、哺乳動物の免疫系の活性化を意味し得る。免疫応答は、細胞若しくは体液応答、又は両方の形態であり得る。
【0034】
本明細書で使用される「核酸」又は「オリゴヌクレオチド」又は「ポリヌクレオチド」は、一緒に共有結合された少なくとも2つのヌクレオチドを意味し得る。一本鎖の描写は、相補鎖の配列も画定する。よって、核酸は、描写される一本鎖の相補鎖も包含する。核酸の多くのバリアントは、所与の核酸と同じ目的で使用され得る。よって、核酸はまた、実質的に同一の核酸及びその補体を包含する。一本鎖は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的配列にハイブリダイズし得るプローブを提供する。よって、核酸は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするプローブも包含する。
【0035】
核酸は、一本鎖若しくは二本鎖であり得、又は二本鎖及び一本鎖配列の両方の部分を含有し得る。核酸は、DNA、ゲノム及びcDNAの両方、RNA、又はハイブリッドであり得、核酸は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドの組み合わせ、並びにウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、イソシトシン、及びイソグアニンを含む塩基の組み合わせを含有し得る。核酸は、化学合成方法によって、又は組換え方法によって得られ得る。
【0036】
本明細書で使用される「作動可能に連結」とは、遺伝子の発現が、それが空間的に接続されるプロモーターの制御下にあることを意味し得る。プロモーターは、その制御下の遺伝子の5’(上流)又は3’(下流)に位置し得る。プロモーターと遺伝子との間の距離は、プロモーターが由来する遺伝子において、そのプロモーターとそれが制御する遺伝子との間の距離とほぼ同じであり得る。当該技術分野で知られているように、この距離の変動は、プロモーター機能の喪失なしに適応され得る。
【0037】
本明細書で使用される場合、「プラセボ」という用語は、VGX-3100を含まない薬学的組成物の投与を意味する。
【0038】
本明細書で使用される「プロモーター」は、細胞における核酸の発現を付与、活性化、又は増強することができる合成分子又は天然由来分子を意味し得る。プロモーターは、発現を更に増強し、かつ/又はその空間発現及び/若しくは時間発現を改変するために1つ以上の特異的転写調節配列を含み得る。プロモーターはまた、転写の開始部位から数千塩基対ほどに位置し得る、遠位エンハンサー又はリプレッサー要素を含み得る。プロモーターは、ウイルス、細菌、真菌、植物、昆虫、及び動物を含む供給源に由来し得る。プロモーターは、遺伝子成分の発現を構成的に、あるいは発現が生じる細胞、組織若しくは臓器に対して、又は発現が生じる発達段階に対して、又は生理学的ストレス、病原体、金属イオン、若しくは誘導剤などの外部刺激に応答して、差次的に調節し得る。プロモーターの代表例としては、バクテリオファージT7プロモーター、バクテリオファージT3プロモーター、SP6プロモーター、lacオペレーター-プロモーター、tacプロモーター、SV40後期プロモーター、SV40前期プロモーター、RSV-LTRプロモーター、CMV IEプロモーター、SV40前期プロモーター又はSV40後期プロモーター、及びCMV IEプロモーターが挙げられる。
【0039】
本明細書で使用される「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、第1の核酸配列(例えば、プローブ)が、核酸の複雑な混合物のように、第2の核酸配列(例えば、標的)にハイブリダイズする条件を意味し得る。ストリンジェントな条件は、配列依存的であり、異なる状況において異なるであろう。ストリンジェントな条件は、定義されたイオン強度pHでの特定の配列の熱融点(Tm)よりも約5~10℃低くなるように選択され得る。Tmは、標的に相補的なプローブの50%が平衡で標的配列にハイブリダイズする(標的配列が過剰に存在するため、Tmでは、プローブの50%が平衡で占有される)温度(定義されたイオン強度、pH、及び核酸濃度下)であり得る。ストリンジェントな条件は、塩濃度がpH7.0~8.3において約1.0M未満のナトリウムイオン、例えば、約0.01~1.0Mナトリウムイオン濃度(又は他の塩)であり、温度が短いプローブについては(例えば、約10~50ヌクレオチド)少なくとも約30℃、長いプローブについては(例えば、約50ヌクレオチド超)少なくとも約60℃であるものであり得る。ストリンジェントな条件はまた、ホルムアミドなどの不安定化剤の添加で達成され得る。選択的又は特異的ハイブリダイゼーションについて、陽性シグナルは、バックグラウンドハイブリダイゼーションの少なくとも2~10倍であり得る。例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、以下を含む:50%ホルムアミド、5x SSC、及び1%SDS、42℃でのインキュベート、又は5x SSC、1%SDS、65℃でのインキュベート、65℃で0.2x SSC及び0.1%SDSで洗浄。
【0040】
本明細書で使用される「実質的に相補的」とは、第1の配列が、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100以上のヌクレオチド若しくはアミノ酸の領域にわたって、第2の配列の補体と少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、若しくは99%同一であること、又は2つの配列が、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを意味し得る。
【0041】
本明細書で使用される「実質的に同一」とは、第1の配列が第2の配列の補体に実質的に相補的である場合、第1及び第2の配列が、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100以上のヌクレオチド若しくはアミノ酸の領域にわたって、又は核酸に対して、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一であることを意味し得る。
【0042】
本明細書で使用される場合、「治療すること」及び同様の用語は、例えば、肛門及び/又は肛門周囲の症状のヒトパピローマウイルス(HPV)型16又はHPV型18関連の高悪性度の肛門又は肛門/肛門周囲の上皮内病変(HSIL)、並びに肛門又は肛門/肛門周囲の高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)病変の重症度及び/又は頻度を低減すること、HPV型16又はHPV型18の感染症状、特に、HSIL病変を排除すること、並びに/又は対象からHPV型16若しくはHPV型18のウイルスを取り除くこと、並びに/又は肛門若しくは肛門/肛門周囲の低悪性度扁平上皮内病変(LSIL)若しくは正常組織への消散を指す。
【0043】
核酸に関して本明細書で使用される「バリアント」は、(i)参照されるヌクレオチド配列の一部分若しくは断片、(ii)参照されるヌクレオチド配列若しくはその一部分の補体、(iii)参照される核酸又はその補体と実質的に同一である核酸、又は(iv)参照される核酸、その補体、若しくはそれと実質的に同一である配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸を意味し得る。
【0044】
アミノ酸の挿入、欠失、又は保存的置換によってアミノ酸配列において異なるが、少なくとも1つの生物学的活性を保持するペプチド又はポリペプチドに関する「バリアント」。バリアントはまた、少なくとも1つの生物学的活性を保持するアミノ酸配列を有する参照タンパク質と実質的に同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質を意味し得る。アミノ酸の保存的置換、すなわち、アミノ酸を類似の特性(例えば、親水性、荷電領域の程度及び分布)の異なるアミノ酸で置き換えることは、典型的には小さな変更を含むものとして当該技術分野で認識される。これらの小さな変更は、当該技術分野で理解されるように、部分的に、アミノ酸のハイドロパシーインデックスを考慮することによって特定することができる。Kyte et al.,J.Mol.Biol.157:105-132(1982)。アミノ酸のハイドロパシーインデックスは、その疎水性及び電荷の考慮に基づく。類似のハイドロパシーインデックスのアミノ酸は、置換され、依然としてタンパク質機能を保持し得ることが当該技術分野で既知である。一態様では、±2のハイドロパシーインデックスを有するアミノ酸が置換される。アミノ酸の親水性はまた、生物学的機能を保持するタンパク質をもたらすであろう置換を明らかにするために使用することができる。ペプチドの文脈におけるアミノ酸の親水性の考慮は、そのペプチドの最も大きな局所平均親水性、抗原性及び免疫原性と十分に相関することが報告されている有用な尺度の計算を可能にする。参照によって本明細書に完全に組み込まれる、米国特許第4,554,101号。類似の親水性値を有するアミノ酸の置換は、当該技術分野で理解されるように、生物学的活性、例えば、免疫原性を保持するペプチドをもたらすことができる。置換は、互いの±2以内の親水性値を有するアミノ酸で行われ得る。アミノ酸の疎水性指数及び親水性値の両方は、そのアミノ酸の特定の側鎖によって影響を受ける。その観察と一貫して、生物学的機能と適合性であるアミノ酸置換は、疎水性、親水性、電荷、サイズ、及び他の特性によって明らかになるように、アミノ酸、及び特にそれらのアミノ酸の側鎖の相対類似性に依存することが理解される。
【0045】
本明細書で使用される「ベクター」は、複製起点を含有する核酸配列を意味し得る。ベクターは、プラスミド、バクテリオファージ、細菌人工染色体、又は酵母人工染色体であり得る。ベクターは、DNA又はRNAベクターであり得る。ベクターは、自己複製染色体外ベクター又は宿主ゲノムに組み込まれるベクターのいずれかであり得る。
【0046】
説明
免疫原によって誘導される細胞性免疫応答を増強するための多相戦略から生じる改善されたワクチンが開示される。修飾コンセンサス配列が生成された。コドン最適化、RNA最適化、及び高効率免疫グロブリンリーダー配列の付加を含む遺伝子修飾も開示される。新規の構築物は、対応するコドン最適化免疫原よりも強力で広範な細胞性免疫応答を誘発するように設計されている。
【0047】
改善されたHPVワクチンは、肛門高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)に対する予防的又は治療的方略を媒介するように、免疫原として特に有効となるエピトープを有するタンパク質をコードするタンパク質及び遺伝子構築物に基づく。したがって、ワクチンは、治療的又は予防的免疫応答を誘導し得る。いくつかの実施形態では、免疫原を送達する手段は、DNAワクチン、組換えワクチン、タンパク質サブユニットワクチン、免疫原を含む組成物、弱毒ワクチン、又は死菌ワクチンである。いくつかの実施形態では、ワクチンは、1つ以上のDNAワクチン、1つ以上の組換えワクチン、1つ以上のタンパク質サブユニットワクチン、免疫原を含む1つ以上の組成物、1つ以上の弱毒ワクチン、及び1つ以上の死菌ワクチンからなる群から選択される組み合わせを含む。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、ワクチンは、個体の免疫系の活性を調節し、それによって、HPVに対する免疫応答を増強して肛門高悪性度扁平上皮内病変を治療するために、個体に送達される。タンパク質をコードする核酸分子が個体の細胞によって取り込まれると、ヌクレオチド配列が細胞において発現され、タンパク質がそれによって個体に送達される。プラスミドなどの核酸分子上のタンパク質のコード配列を、組換えワクチンの一部として及び弱毒ワクチンの一部として、単離されたタンパク質又はベクターの一部として送達する方法が提供される。
【0049】
個体における肛門高悪性度扁平上皮内病変に対する予防的及び/又は治療的な処置を提供する組成物及び方法が提供される。
【0050】
免疫原をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を送達するための組成物は、調節要素に作動可能に連結される。組成物は、免疫原をコードするプラスミド、免疫原をコードするヌクレオチド配列を含む組換えワクチン、本発明のタンパク質をコードする及び/若しくは本発明のタンパク質を含む弱毒生病原体、本発明のタンパク質を含む死菌病原体、又は本発明のタンパク質を含むリポソーム若しくはサブユニットワクチンなどの組成物を含み得る。本発明は更に、組成物を含む注射可能な薬学的組成物に関する。
【0051】
本発明の態様は、少なくとも1つのHPV E6-E7融合抗原、例えば、HPV16 E6-E7融合抗原又はHPV18 E6-E7融合抗原をコードする少なくとも1つのヌクレオチド配列を含む組成物を提供する。一実施形態では、本組成物は、HPV16 E6-E7融合抗原及びHPV18 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0052】
一実施形態では、本発明は、本発明の組成物を、それを必要とする対象に投与する方法を含む。一実施形態では、対象は、肛門高悪性度扁平上皮内病変と診断された対象である。一実施形態では、対象は、肛門高悪性度扁平上皮内病変を有する対象である。一実施形態では、対象は、肛門高悪性度扁平上皮内病変を発症するリスクにある対象である。
【0053】
HPV16 E6-E7融合
別の態様は、配列番号2をコードするヌクレオチド配列、配列番号2をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片、配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列からなる群から選択されるHPV16 E6-E7融合抗原をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含む組成物を提供する。
【0054】
いくつかの実施形態では、本組成物は、配列番号2をコードするヌクレオチド配列、配列番号2をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片、配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列からなる群から選択されるHPV16 E6-E7融合抗原を含む。
【0055】
本発明の別の態様では、以下からなる群から選択されるHPV16 E6-E7融合抗原をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含む組成物が提供される:配列番号1、配列番号1と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号1の断片、配列番号1の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列。
【0056】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヌクレオチド配列は、リーダー配列が不在である。一実施形態では、HPV16 E6-E7融合抗原を含むヌクレオチド配列は、リーダー配列が不在である。特に、配列番号2をコードするヌクレオチド配列を含むHPV16 E6-E7融合抗原は、5’末端におけるリーダー配列、例えば、配列番号7をコードするヌクレオチド配列が不在である。特に、ヌクレオチド配列番号1を含むHPV6 E6-E7融合抗原は、5’末端におけるリーダー配列、例えば、配列番号7をコードするヌクレオチド配列が不在である。
【0057】
いくつかの実施形態では、本発明のヌクレオチド配列は、提供されるヌクレオチド配列と80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%、好ましくは、95%、96%、97%、98%、若しくは99%、又は98%若しくは99%相同であり得る。
【0058】
提供されるヌクレオチド配列は、プラスミド、ウイルスベクター、脂質ベクター、ナノ粒子、好ましくはプラスミドを含む、様々な既知のベクター又は送達系のうちの1つに含まれ得る。
【0059】
追加の態様では、開示されるヌクレオチド配列を含む薬学的組成物が提供される。
【0060】
いくつかの態様では、HPVの1つより多くのサブタイプに対する個体における有効な免疫応答を誘導し、それによって、肛門高悪性度扁平上皮内病変に対する予防的又は治療的処置を提供する方法であって、当該個体に、提供されるヌクレオチド配列のうちの1つ以上を含む組成物を投与することを含む、方法が存在し、好ましくは、組成物は、1つより多くの抗原を有する。方法は、好ましくは、提供されるヌクレオチド配列をエレクトロポレーションによって個体に導入するステップを含む。
【0061】
配列番号1は、HPV16 E6及びE7タンパク質のコンセンサス免疫原をコードするヌクレオチド配列を含み、これは、タンパク質分解切断配列によってHPV E7のコンセンサス配列に連結されたHPV E6のコンセンサス配列であるIgEリーダー配列を含む。配列番号2は、HPV16 E6及びE7タンパク質のコンセンサス免疫原のアミノ酸配列を含み、これは、タンパク質分解切断配列によってHPV E7のコンセンサス配列に連結されたHPV E6のコンセンサス配列であるIgEリーダー配列を含む。HPV16 E6のコンセンサス配列は、配列番号3に記載される免疫優性エピトープを含む。HPV16 E7のコンセンサス配列は、配列番号4に記載される免疫優性エピトープを含む。HPV E6のコンセンサス配列は、配列番号5である。HPV E6のコンセンサス配列は、配列番号6である。IgEリーダー配列は、配列番号7である。2つのコンセンサス配列を連結するために有用なタンパク質分解切断配列は、配列番号8である。
【0062】
HPV16 E6-E7融合抗原に関する更なる情報は、少なくとも、参照によってその全体が組み込まれる、米国特許第8,168,769号に見出され得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、ワクチンは、配列番号2、又は配列番号2をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、本発明のワクチンは、配列番号3及び/若しくは配列番号4、又はそれらの両方のうちの一方をコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本発明のワクチンは、配列番号5及び/若しくは配列番号6、又はそれらの一方若しくは両方をコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本発明のワクチンは、配列番号8などのタンパク質分解切断配列によって配列番号6に連結された配列番号5、又は融合タンパク質をコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本発明のワクチンは、IgEリーダー配列番号7、又はそれをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本発明のワクチンは、配列番号2、又は配列番号1における核酸配列を含む。
【0064】
配列番号2の断片は、各々の場合において、1位におけるシグナルペプチド及び/又はメチオニンあり又はなしで、N及び/又はC末端から少なくとも1つのアミノ酸を欠損していることを除いて、全長と100%同一であり得る。配列番号2の断片は、付加された任意の異種シグナルペプチドを除く、全長配列番号2の長さの60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上のパーセントを含むことができる。断片は、好ましくは、配列番号2と95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上相同である配列番号2の断片を含み、加えて、相同性パーセントを計算する際に含まれないN末端メチオニン又は異種シグナルペプチドを含むことができる。断片は、N末端メチオニン及び/又は免疫グロブリンシグナルペプチド、例えば、IgE若しくはIgGシグナルペプチドなどのシグナルペプチドを更に含むことができる。N末端メチオニン及び/又はシグナルペプチドは、断片に連結され得る。
【0065】
核酸配列配列番号1の断片は、各々の場合において、1位におけるシグナルペプチド及び/又はメチオニンをコードする配列あり又はなしで、5’及び/又は3’末端から少なくとも1つのヌクレオチドを欠損していることを除いて、全長と100%同一であり得る。断片は、付加された任意の異種シグナルペプチドを除く、全長コード配列配列番号1の長さの60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上のパーセントを含むことができる。断片は、好ましくは、抗原配列番号2と95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上相同であるポリペプチドをコードする断片を含み、加えて任意に、相同性パーセントを計算する際に含まれないN末端メチオニン又は異種シグナルペプチドをコードする配列を含むことができる。断片は、N末端メチオニン及び/又は免疫グロブリンシグナルペプチド、例えば、IgE若しくはIgGシグナルペプチドなどのシグナルペプチドのコード配列を更に含むことができる。N末端メチオニン及び/又はシグナルペプチドをコードするコード配列は、断片に連結され得る。
【0066】
配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、30個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、45個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、60個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、75個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、90個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、120個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、150個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、180個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、210個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、240個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、270個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、300個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、360個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、420個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、480個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、540個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、600個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、300個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、660個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、720個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、780個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、IgEリーダー配列のコード配列を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号1の断片は、IgEリーダー配列のコード配列を含まない。断片は、60個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、75個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、90個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、120個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、150個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、180個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、210個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、240個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、270個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、300個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、360個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、420個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、480個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、540個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、600個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、660個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、720個未満のヌクレオチド、及びいくつかの実施形態では、780個未満のヌクレオチドを含み得る。
【0067】
配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、15個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、18個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、21個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、24個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、30個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、36個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、42個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、48個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、54個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、60個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、18個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、72個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、90個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、120個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、150個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、180個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、210個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、240個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、好ましくは、免疫優性エピトープをコードする配列を含む、260個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、IgEリーダー配列のコード配列を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号2の断片は、IgEリーダー配列のコード配列を含まない。断片は、24個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、30個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、36個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、42個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、48個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、54個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、60個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、72個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、90個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、120個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、150個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、180個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、210個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、240個未満のアミノ酸、及びいくつかの実施形態では、260個未満のアミノ酸を含み得る。
【0068】
HPV18 E6-E7融合
別の態様は、配列番号10をコードするヌクレオチド配列、配列番号10をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号10をコードするヌクレオチド配列の断片、配列番号10をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列からなる群から選択されるHPV18 E6-E7融合抗原をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含む組成物を提供する。
【0069】
いくつかの実施形態では、本組成物は、配列番号10をコードするヌクレオチド配列、配列番号10をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号10をコードするヌクレオチド配列の断片、配列番号10をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列からなる群から選択されるHPV18 E6-E7融合抗原を含む。
【0070】
本発明の別の態様では、以下からなる群から選択されるHPV18 E6-E7融合抗原をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含む組成物が提供される:配列番号9、配列番号9と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号9の断片、配列番号9の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列。
【0071】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヌクレオチド配列は、リーダー配列が不在である。一実施形態では、HPV18 E6-E7融合抗原を含むヌクレオチド配列は、リーダー配列が不在である。特に、配列番号10をコードするヌクレオチド配列を含むHPV18 E6-E7融合抗原は、5’末端におけるリーダー配列、例えば、配列番号12をコードするヌクレオチド配列が不在である。特に、ヌクレオチド配列番号9を含むHPV16 E6-E7融合抗原は、5’末端におけるリーダー配列、例えば、配列番号11を含むヌクレオチド配列が不在である。
【0072】
いくつかの実施形態では、本組成物は、配列番号14をコードするヌクレオチド配列、配列番号14をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号14をコードするヌクレオチド配列の断片、配列番号14をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列からなる群から選択されるHPV18 E6-E7融合抗原を含む。配列番号14は、配列番号10のHPV18 E6-E7融合抗原のアミノ酸配列を含み、IgEリーダー配列を更に含む。
【0073】
本発明の別の態様では、以下からなる群から選択されるHPV18 E6-E7融合抗原をコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含む組成物が提供される:配列番号13、配列番号13と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号9の断片、配列番号13の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列。配列番号13は、HPV18 E6-E7融合抗原をコードする配列番号9のヌクレオチド配列を含み、IgEリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を更に含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、本発明のヌクレオチド配列は、提供されるヌクレオチド配列と80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%、好ましくは、95%、96%、97%、98%、若しくは99%、又は98%若しくは99%相同であり得る。
【0075】
提供されるヌクレオチド配列は、プラスミド、ウイルスベクター、脂質ベクター、ナノ粒子、好ましくはプラスミドを含む、様々な既知のベクター又は送達系のうちの1つに含まれ得る。
【0076】
追加の態様では、開示されるヌクレオチド配列を含む薬学的組成物が提供される。
【0077】
いくつかの態様では、HPVの1つより多くのサブタイプに対する個体における有効な免疫応答を誘導し、それによって、肛門高悪性度扁平上皮内病変に対する予防的又は治療的処置を提供する方法であって、当該個体に、提供されるヌクレオチド配列のうちの1つ以上を含む組成物を投与することを含む、方法が存在し、好ましくは、組成物は、1つより多くの抗原を有する。方法は、好ましくは、提供されるヌクレオチド配列をエレクトロポレーションによって個体に導入するステップを含む。
【0078】
配列番号9は、HPV18 E6及びE7タンパク質のコンセンサス免疫原をコードするヌクレオチド配列を含む。配列番号13は、配列番号9を含み、HPV18 E6及びE7タンパク質のコンセンサス免疫原をコードするヌクレオチド配列に連結されたIgEリーダー配列を更に含む。配列番号10は、HPV18 E6及びE7タンパク質のコンセンサス免疫原のアミノ酸配列を含む。配列番号14は、配列番号10を含み、コンセンサス免疫原配列に連結されたIgEリーダー配列を更に含む。IgEリーダー配列は、配列番号12であり、配列番号11によってコードされ得る。配列番号15は、その中に発現のために組み込まれた配列番号13を有するプラスミドpGX3002の核酸配列である。
【0079】
HPV16 E6-E7融合抗原に関する更なる情報は、少なくとも、参照によってその全体が組み込まれる、米国特許第8,389,706号に見出され得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、ワクチンは、配列番号10、又は配列番号10をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、配列番号10をコードする核酸分子として配列番号9を含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、配列番号14、又は配列番号14をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、配列番号14をコードする核酸分子として配列番号13を含む。いくつかの実施形態では、ワクチンは、配列番号15を含む。
【0081】
配列番号10又は14の断片は、各場合において、1位におけるシグナルペプチド及び/又はメチオニンあり又はなしで、N及び/又はC末端から少なくとも1つのアミノ酸を欠損していることを除いて、全長と100%同一であり得る。配列番号10又は15の断片は、付加された任意の異種シグナルペプチドを除く、全長配列番号10又は14の長さの60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上のパーセントを含むことができる。断片は、好ましくは、配列番号10又は14と95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上相同である配列番号10又は15の断片を含み、加えて、相同性パーセントを計算する際に含まれないN末端メチオニン又は異種シグナルペプチドを含むことができる。断片は、N末端メチオニン及び/又は免疫グロブリンシグナルペプチド、例えば、IgE若しくはIgGシグナルペプチドなどのシグナルペプチドを更に含むことができる。N末端メチオニン及び/又はシグナルペプチドは、断片に連結され得る。
【0082】
核酸配列番号9又は13の断片は、各場合において、1位におけるシグナルペプチド及び/又はメチオニンをコードする配列あり又はなしで、5’及び/又は3’末端から少なくとも1つのヌクレオチドを欠損していることを除いて、全長と100%同一であり得る。断片は、付加された任意の異種シグナルペプチドを除く、全長コード配列番号9又は13の長さの60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上のパーセントを含むことができる。断片は、好ましくは、抗原配列番号10又は14と95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上相同であるポリペプチドをコードする断片を含み、加えて任意に、相同性パーセントを計算する際に含まれないN末端メチオニン又は異種シグナルペプチドをコードする配列を含むことができる。断片は、N末端メチオニン及び/又は免疫グロブリンシグナルペプチド、例えば、IgE若しくはIgGシグナルペプチドなどのシグナルペプチドのコード配列を更に含むことができる。N末端メチオニン及び/又はシグナルペプチドをコードするコード配列は、断片に連結され得る。
【0083】
配列番号9の断片は、90個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号9の断片は、180個以上のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、270個以上のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、360個以上のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、450個以上のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、540個以上のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、630個以上のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、720個以上のヌクレオチド、及びいくつかの実施形態では、770個以上のヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるものなどの配列番号9の断片は、IgEリーダー配列のコード配列を更に含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号9の断片は、IgEリーダー配列のコード配列を含まない。配列番号9の断片は、180個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、270個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、360個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、450個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、540個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、630個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、690個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、760個未満のヌクレオチド、及びいくつかの実施形態では、780個未満のヌクレオチドを含み得る。
【0084】
配列番号10の断片は、30個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号10の断片は、60個以上のアミノ酸、いくつかの実施形態では、90個以上のアミノ酸、いくつかの実施形態では、120個以上のアミノ酸、いくつかの実施形態では、150個以上のアミノ酸、いくつかの実施形態では、180個以上のアミノ酸、いくつかの実施形態では、210個以上のアミノ酸、及びいくつかの実施形態では、240個以上のアミノ酸を含み得る。断片は、90個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、120個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、150個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、180個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、210個未満のアミノ酸、及びいくつかの実施形態では、240個未満のアミノ酸を含み得る。
【0085】
配列番号13の全ての断片は、HPV配列をコードするコード配列を含み、すなわち、配列番号13の断片は、IgEリーダーペプチドをコードする配列に加えて配列を含まなければならない。いくつかの実施形態では、配列番号13の断片は、90個以上のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、配列番号13の断片は、180個以上のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、270個以上のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、360個以上のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、450個以上のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、540個以上のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、630個以上のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、720個以上のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、810個以上のヌクレオチド、及びいくつかの実施形態では、830個以上のヌクレオチドを含み得る。配列番号13の断片は、180個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、270個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、360個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、450個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、540個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、630個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、690個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、720個未満のヌクレオチド、いくつかの実施形態では、780個未満のヌクレオチド、及びいくつかの実施形態では、840個未満のヌクレオチドを含み得る。
【0086】
配列番号14の断片は、HPV配列を含む30個以上のアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、配列番号14の断片は、HPV配列を含む60個以上のアミノ酸、いくつかの実施形態では、HPV配列を含む90個以上のアミノ酸、いくつかの実施形態では、HPV配列を含む120個以上のアミノ酸、いくつかの実施形態では、HPV配列を含む150個以上のアミノ酸、いくつかの実施形態では、HPV配列を含む180個以上のアミノ酸、いくつかの実施形態では、HPV配列を含む210個以上のアミノ酸、いくつかの実施形態では、HPV配列を含む240個以上のアミノ酸、及びいくつかの実施形態では、HPV配列を含む270個以上のアミノ酸を含み得る。断片は、HPV配列を含む90個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、HPV配列を含む120個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、HPV配列を含む150個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、HPV配列を含む180個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、HPV配列を含む210個未満のアミノ酸、いくつかの実施形態では、HPV配列を含む240個未満のアミノ酸、及びいくつかの実施形態では、HPV配列を含む270個未満のアミノ酸を含み得る。
【0087】
一実施形態では、HPV16 E6-E7免疫原、HPV18 E6-E7免疫原、又はHPV16 E6-E7免疫原若しくはHPV16 E6-E7免疫源をコードする核酸分子は、IL-12と組み合わせて投与される。一実施形態では、IL-12は、合成DNAプラスミドからコードされる。
【0088】
本明細書では、HPVに対する個体における免疫応答を誘導することによって、対象における肛門高悪性度扁平上皮内病変を治療又は予防する方法であって、当該個体に、本明細書で提供される核酸配列を含む組成物を投与することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法はまた、核酸配列をエレクトロポレーションによって個体に導入することを含む。
【0089】
いくつかの態様では、HPVに対する個体における免疫応答を誘導することによって、対象における肛門高悪性度扁平上皮内病変を治療又は予防する方法であって、当該個体に、本明細書で提供されるアミノ酸配列を含む組成物を投与することを含む、方法が存在する。いくつかの実施形態では、方法はまた、アミノ酸配列をエレクトロポレーションによって個体に導入することを含む。
【0090】
改善されたワクチンは、抗HPV免疫応答が誘導され得る免疫原として特に有効となるエピトープを有するタンパク質をコードするタンパク質及び遺伝子構築物を含む。したがって、ワクチンは、治療的又は予防的免疫応答を誘導するために提供することができる。いくつかの実施形態では、免疫原を送達する手段は、DNAワクチン、組換えワクチン、タンパク質サブユニットワクチン、免疫原を含む組成物、弱毒ワクチン、又は死菌ワクチンである。いくつかの実施形態では、ワクチンは、1つ以上のDNAワクチン、1つ以上の組換えワクチン、1つ以上のタンパク質サブユニットワクチン、免疫原を含む1つ以上の組成物、1つ以上の弱毒ワクチン、及び1つ以上の死菌ワクチンからなる群から選択される組み合わせを含む。
【0091】
本発明の態様は、プラスミドなどの核酸分子上のタンパク質のコード配列を、組換えワクチンの一部として及び弱毒ワクチンの一部として、単離されたタンパク質又はベクターの一部として送達する方法を提供する。
【0092】
本発明のいくつかの態様によれば、個体を予防的及び/又は治療的に免疫化する組成物及び方法が提供される。
【0093】
DNAワクチンは、各々が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,593,972号、同第5,739,118号、同第5,817,637号、同第5,830,876号、同第5,962,428号、同第5,981,505号、同第5,580,859号、同第5,703,055号、同第5,676,594号、及びそれらに引用される優先出願に記載される。それらの出願に記載される送達プロトコルに加えて、DNAを送達する代替的な方法が、ともに参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第4,945,050号及び第5,036,006号に記載される。
【0094】
本発明は、改善された弱毒生ワクチン、改善された死菌ワクチン、及び抗原をコードする外来遺伝子を送達するために組換えベクターを使用する改善されたワクチン、並びにサブユニット及び糖タンパク質ワクチンに関する。弱毒生ワクチン、外来抗原を送達するために組換えベクターを使用するもの、サブユニットワクチン、及び糖タンパク質ワクチンの例は、米国特許第4,510,245号、4,797,368号、4,722,848号、4,790,987号、4,920,209号、5,017,487号、5,077,044号、5,110,587号、5,112,749号、5,174,993号、5,223,424号、5,225,336号、5,240,703号、5,242,829号、5,294,441号、5,294,548号、5,310,668号、5,387,744号、5,389,368号、5,424,065号、5,451,499号、5,453,364号、5,462,734号、5,470,734号、5,474,935号、5,482,713号、5,591,439号、5,643,579号、5,650,309号、5,698,202号、5,955,088号、6,034,298号、6,042,836号、6,156,319号、及び6,589,529号に記載され、これらは各々参照によって本明細書に組み込まれる。
【0095】
細胞によって取り込まれた場合、遺伝子構築物(複数可)は、機能する染色体外分子として細胞に存在したままであり、かつ/又は細胞の染色体DNAに組み込まれ得る。DNAは細胞に導入され得、それはプラスミド(複数可)の形態で別個の遺伝子材料として残る。あるいは、染色体に組み込むことができる直鎖状DNAが細胞に導入され得る。DNAを細胞に導入する場合、染色体へのDNA組み込みを促進する試薬が添加され得る。組み込みを促進するのに有用なDNA配列もまた、DNA分子に含まれ得る。あるいは、RNAが細胞に投与され得る。セントロメア、テロメア、及び複製起点を含む直鎖状微小染色体として遺伝子構築物を提供することも企図される。遺伝子構築物は、細胞において生存する弱毒生微生物又は組換え微生物ベクターにおける遺伝子材料の一部のままであり得る。遺伝子構築物は、遺伝子材料が細胞の染色体に組み込まれるか、又は染色体外のままであるかのいずれかである組換えウイルスワクチンのゲノムの一部であり得る。遺伝子構築物は、核酸分子の遺伝子発現に必要な調節要素を含む。要素としては、プロモーター、開始コドン、停止コドン、及びポリアデニル化シグナルが挙げられる。加えて、エンハンサーは、標的タンパク質又は免疫調節タンパク質をコードする配列の遺伝子発現にしばしば必要とされる。これらの要素は、所望のタンパク質をコードする配列に作動可能に連結されること、及び調節要素は、それらが投与される個体において作動可能であることが必要である。
【0096】
開始コドン及び停止コドンは、一般に、所望のタンパク質をコードするヌクレオチド配列の一部であると考えられる。しかしながら、これらの要素は、遺伝子構築物が投与される個体において機能的であることが必要である。開始コドン及び終結コドンは、コード配列とインフレームでなければならない。
【0097】
使用されるプロモーター及びポリアデニル化シグナルは、個体の細胞内で機能的でなければならない。
【0098】
特にヒトのための遺伝子ワクチンの産生において、本発明を実施するのに有用なプロモーターの例としては、シミアンウイルス40(SV40)、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)プロモーター、BIV長末端反復(LTR)プロモーターなどのヒト免疫不全ウイルス(MV)、モロニーウイルス、ALV、CMV即初期プロモーターなどのサイトメガロウイルス(CMV)、エプスタインバーウイルス(EBV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、並びにヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、及びヒトメタロチオンなどのヒト遺伝子からのプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
特にヒトのための遺伝子ワクチンの産生において、本発明を実施するのに有用なポリアデニル化シグナルの例としては、SV40ポリアデニル化シグナル及びLTRポリアデニル化シグナルが挙げられるが、これらに限定されない。特に、SV40ポリアデニル化シグナルと呼ばれる、pCEP4プラスミド(Invitrogen、San Diego CA)にあるSV40ポリアデニル化シグナルが使用される。
【0100】
DNA発現に必要な調節要素に加えて、他の要素もまたDNA分子に含まれ得る。そのような追加の要素としては、エンハンサーが挙げられる。エンハンサーは、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、並びにCMV、RSV、及びEBV由来のものなどのウイルスエンハンサーを含むが、これらに限定されない群から選択され得る。
【0101】
遺伝子構築物は、構築物を染色体外に維持し、細胞において構築物の複数のコピーを産生するために、哺乳動物の複製起点を備えることができる。Invitrogen(San Diego、CA)からのプラスミドpVAX1、pCEP4、及びpREP4は、エプスタインバーウイルス複製起点及び組み込みなしで高コピーエピソーム複製をもたらす核抗原EBNA-1コード領域を含有する。
【0102】
免疫化用途に関連するいくつかの好ましい実施形態では、本発明のタンパク質をコードするヌクレオチド配列、及び加えて、そのような標的タンパク質に対する免疫応答を更に増強するタンパク質の遺伝子を含む、核酸分子(複数可)が送達される。そのような遺伝子の例は、アルファ-インターフェロン、ガンマ-インターフェロン、血小板由来成長因子(PDGF)、TNFα、TNFβ、GM-CSF、表皮成長因子(EGF)、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10、IL-12、IL-18、MHC、CD80、CD86、及びシグナル配列が欠失され、任意にIgEからのシグナルペプチドを含むIL-15を含むIL-15などの他のサイトカイン及びリンホカインをコードするものである。有用であり得る他の遺伝子としては、以下をコードするものが挙げられる:MCP-1、MIP-lα、MIP-1p、IL-8、RANTES、L-セレクチン、P-セレクチン、E-セレクチン、CD34、GlyCAM-1、MadCAM-1、LFA-1、VLA-1、Mac-1、pl50.95、PECAM、ICAM-1、ICAM-2、ICAM-3、CD2、LFA-3、M-CSF、G-CSF、IL-4、IL-18の変異体形態、CD40、CD40L、血管成長因子、IL-7、神経成長因子、血管内皮成長因子、Fas、TNF受容体、Flt、Apo-1、p55、WSL-1、DR3、TRAMP、Apo-3、AIR、LARD、NGRF、DR4、DR5、KILLER、TRAIL-R2、TRICK2、DR6、カスパーゼICE、Fos、c-jun、Sp-1、Ap-1、Ap-2、p38、p65Rel、MyD88、IRAK、TRAF6、IkB、不活性NIK、SAP K、SAP-1、JNK、インターフェロン応答遺伝子、NFkB、Bax、TRAIL、TRAILrec、TRAILrecDRC5、TRAIL-R3、TRAIL-R4、RANK、RANKリガンド、Ox40、Ox40リガンド、NKG2D、MICA、MICB、NKG2A、NKG2B、NKG2C、NKG2E、NKG2F、TAP1、TAP2、及びそれらの機能的断片。
【0103】
任意の理由で遺伝子構築物を受容する細胞を排除することが望ましい場合、細胞破壊の標的となる追加の要素が付加され得る。発現可能な形態のヘルペスチミジンキナーゼ(tk)遺伝子は、遺伝子構築物に含めることができる。薬物ガンシクロビルは、個体に投与することができ、その薬物は、任意の細胞産生tkの選択的殺滅を引き起こし、よって、遺伝子構築物を有する細胞の選択的破壊のための手段を提供する。
【0104】
タンパク質産生を最大化するために、構築物が投与される細胞における遺伝子発現に十分に適した調節配列が選択され得る。更に、細胞において最も効率的に転写されるコドンが選択され得る。当業者は、細胞において機能的であるDNA構築物を生成することができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるタンパク質のコード配列がIgEシグナルペプチドに連結される、遺伝子構築物が提供され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるタンパク質は、IgEシグナルペプチドに連結される。
【0106】
タンパク質が使用されるいくつかの実施形態では、例えば、当業者は、周知の技法を使用して、周知の技法を使用して本発明のタンパク質を生成及び単離することができる。タンパク質が使用されるいくつかの実施形態では、例えば、当業者は、周知の技法を使用して、本発明のタンパク質をコードするDNA分子を、周知の発現系における使用のために市販されている発現ベクターに挿入することができる。例えば、市販のプラスミドpSE420(Invitrogen、San Diego、Calif.)は、E.coliにおけるタンパク質の産生のために使用され得る。市販のプラスミドpYES2(Invitrogen、San Diego、Calif.)は、例えば、酵母のS.cerevisiae株における産生のために使用され得る。市販のMAXBAC(商標)完全バキュロウイルス発現系(Invitrogen、San Diego、Calif.)は、例えば、昆虫細胞における産生に使用され得る。市販のプラスミドpcDNA I又はpcDNA3(Invitrogen、San Diego、Calif.)は、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞などの哺乳類細胞における産生に使用され得る。当業者は、これらの商業的な発現ベクター及び発現系、又は他のものを使用して、日常的な技法及び容易に入手可能な出発材料によってタンパク質を産生することができる。(例えば、参照によって本明細書に組み込まれるSambrook et al.,Molecular Cloning a Laboratory Manual,Second Ed.Cold Spring Harbor Press(1989)を参照されたい。)よって、所望のタンパク質は、原核系及び真核系の両方において調製することができ、タンパク質の加工形態のスペクトルをもたらす。
【0107】
当業者は、他の市販の発現ベクター及び発現系を使用してもよく、又は周知の方法及び容易に入手可能な出発材料を使用してベクターを産生してもよい。プロモーター及びポリアデニル化シグナルなどの必要な制御配列、並びに好ましくはエンハンサーを含有する発現系は、様々な宿主について、容易に入手可能であり、当該技術分野において既知である。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning a Laboratory Manual,Second Ed.Cold Spring Harbor Press(1989)を参照されたい。遺伝子構築物は、構築物がトランスフェクトされる細胞株において機能的であるプロモーターに作動可能に連結されたタンパク質コード配列を含む。構成的プロモーターの例としては、サイトメガロウイルス又はSV40からのプロモーターが挙げられる。誘導性プロモーターの例としては、マウス乳腺白血病ウイルス又はメタロチオネインプロモーターが挙げられる。当業者は、容易に入手可能な出発材料から本発明のタンパク質をコードするDNAで細胞をトランスフェクトするのに有用な遺伝子構築物を容易に産生することができる。タンパク質をコードするDNAを含む発現ベクターを使用して、適合性宿主を形質転換し、これは次いで、外来DNAの発現が起こる条件下で培養され、維持される。
【0108】
産生されたタンパク質は、細胞を溶解することによって、又は必要に応じて当業者に既知の培養培地から回収される。当業者は、周知の技法を使用して、そのような発現系を使用して産生されるタンパク質を単離することができる。上述のように特定のタンパク質に特異的に結合する抗体を使用して天然源からタンパク質を精製する方法は、組換えDNA方法論によって産生されるタンパク質の精製に等しく適用され得る。
【0109】
組換え技法によってタンパク質を産生することに加えて、単離された、本質的に純粋なタンパク質を産生するために自動化ペプチド合成装置も使用され得る。そのような技法は、当業者に周知であり、DNAコードタンパク質産生において提供されない置換を有する誘導体である場合に有用である。
【0110】
核酸分子は、DNA注射(DNAワクチン接種とも呼ばれる)、組換えアデノウイルス、組換えアデノウイルス随伴ウイルス、及び組換えワクシニアなどの組換えベクターを含む、いくつかの周知の技術のうちのいずれかを使用して送達され得る。
【0111】
投与経路としては、これらに限定されないが、筋肉内、鼻腔内、腹腔内、皮内、皮下、静脈内、動脈内、眼内、及び経口、並びに局所、経皮、吸入若しくは坐剤による、又は粘膜組織への、例えば、膣、直腸、尿道、頬側、及び舌下組織への洗浄によるものが挙げられる。好ましい投与経路としては、筋肉内、腹腔内、皮内、及び皮下注射が挙げられる。遺伝子構築物は、エレクトロポレーション方法及び装置、従来の注射器、無針注射装置、又は「マイクロプロジェクタイル衝撃遺伝子銃」を含むが、これらに限定されない手段によって投与され得る。
【0112】
DNAワクチンの送達を促進するために好ましいエレクトロポレーション装置及びエレクトロポレーション方法の例としては、その内容が参照によってそれらの全体で本明細書に組み込まれる、Draghia-Akli,et al.による米国特許第7,245,963号、Smith,et al.によって提出された米国特許公開2005/0052630に記載されるものが挙げられる。また、その全てがそれらの全体で本明細書に組み込まれる、2006年10月17日に出願された米国仮出願第60/852,149号、及び2007年10月10日に出願された同第60/978,982号に対する利益を35 USC 119(e)下で主張する、2007年10月17日に出願された、同時係属中の共有された米国特許出願第11/874072号に提供されるDNAワクチンの送達を促進するためのエレクトロポレーション装置及びエレクトロポレーション方法が好ましい。
【0113】
以下は、エレクトロポレーション技術を使用する実施形態の例であり、上述の特許参考文献でより詳細に考察されている:エレクトロポレーション装置は、哺乳動物の所望の組織に、ユーザーによって予め設定された電流入力と同様の定電流を生成するエネルギーのパルスを送達するように構成することができる。エレクトロポレーション装置は、エレクトロポレーション構成要素、及び電極アセンブリ又はハンドルアセンブリを含む。エレクトロポレーション構成要素は、コントローラ、電流波形生成器、インピーダンステスター、波形ロガー、入力要素、状態報告要素、通信ポート、メモリ構成要素、電源、及び電源スイッチを含む、エレクトロポレーション装置の様々な要素のうちの1つ以上を含み、組み込むことができる。エレクトロポレーション構成要素は、エレクトロポレーション装置の1つの要素として機能することができ、他の要素は、エレクトロポレーション構成要素と連通する別個の要素(又は構成要素)である。いくつかの実施形態では、エレクトロポレーション構成要素は、エレクトロポレーション装置の2つ以上の要素として機能することができ、これはエレクトロポレーション構成要素とは別個のエレクトロポレーション装置の更に他の要素と連通し得る。改善されたHPVワクチンを送達するためのエレクトロポレーション技術の使用は、要素が1つの装置として、又は互いに連通する別個の要素として機能することができるため、1つの電気機械又は機械装置の一部として存在するエレクトロポレーション装置の要素によって制限されない。エレクトロポレーション構成要素は、所望の組織において定電流を生成するエネルギーのパルスを送達することができ、フィードバック機構を含む。電極アセンブリは、空間配置において複数の電極を有する電極アレイを含み、電極アセンブリは、エレクトロポレーション構成要素からエネルギーのパルスを受信し、これを電極を通して所望の組織に送達する。複数の電極のうちの少なくとも1つは、エネルギーのパルスの送達中に中性であり、所望の組織におけるインピーダンスを測定し、インピーダンスをエレクトロポレーション構成要素に通信する。フィードバック機構は、測定されたインピーダンスを受信することができ、エレクトロポレーション構成要素によって送達されるエネルギーのパルスを調整して、定電流を維持することができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、複数の電極は、分散化パターンでエネルギーのパルスを送達することができる。いくつかの実施形態では、複数の電極は、プログラムされたシーケンス下での電極の制御を通して分散化パターンでエネルギーのパルスを送達することができ、プログラムされたシーケンスは、ユーザーによってエレクトロポレーション構成要素に入力される。いくつかの実施形態では、プログラムされたシーケンスは、順次送達される複数のパルスを含み、複数のパルスの各パルスは、インピーダンスを測定する1つの中性電極を有する少なくとも2つの活性電極によって送達され、複数のパルスの後続のパルスは、インピーダンスを測定する1つの中性電極を有する少なくとも2つの活性電極のうちの異なる1つによって送達される。
【0115】
いくつかの実施形態では、フィードバック機構は、ハードウェア又はソフトウェアのいずれかによって実行される。好ましくは、フィードバック機構は、アナログ閉ループ回路によって実行される。好ましくは、このフィードバックは、50μs、20μs、10μs、又は1μsごとに生じるが、好ましくは、リアルタイムフィードバック又は瞬時である(すなわち、応答時間を決定するために利用可能な技法によって決定されるように、実質的に瞬時である)。いくつかの実施形態では、中性電極は、所望の組織におけるインピーダンスを測定し、インピーダンスをフィードバック機構に通信し、フィードバック機構は、インピーダンスに応答し、エネルギーのパルスを調整して、予め設定された電流と同様の値に定電流を維持する。いくつかの実施形態では、フィードバック機構は、エネルギーのパルスの送達中に連続して瞬時に定電流を維持する。
【0116】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、ポリヌクレオチド機能増強剤又は遺伝子ワクチン促進剤の投与と併せて細胞に送達される。ポリヌクレオチド機能増強剤は、各々が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,593,972号、同第5,962,428号、及び1994年1月26日に出願された国際特許出願第PCT/US94/00899号に記載される。遺伝子ワクチン促進剤は、参照によって本明細書に組み込まれる、1994年4月1日に出願された米国出願第021,579号に記載される。核酸分子と併せて投与される助剤は、核酸分子との混合物として投与されてもよく、又は核酸分子の投与の前若しくは後に、別々に同時に投与されてもよい。加えて、トランスフェクション剤及び/又は複製剤及び/又は炎症剤として機能し得、GVFと共投与され得る他の薬剤としては、成長因子、サイトカイン、及びリンパ球、例えば、α-インターフェロン、ガンマ-インターフェロン、GM-CSF、血小板由来成長因子(PDGF)、TNF、表皮成長因子(EGF)、IL-1、IL-2、IL-4、IL-6、IL-10、IL-12、及びIL-15、並びに線維芽細胞成長因子、表面活性剤、例えば、免疫刺激複合体(ISCOMS)、フロイント不完全アジュバント、モノホスホリル脂質A(WL)を含むLPS類似体、ムラミルペプチド、キノン類似体、並びにスクアレン及びスクアレンなどの小胞が挙げられ、ヒアルロン酸もまた使用され、遺伝子構築物と併せて投与され得る。いくつかの実施形態では、免疫調節タンパク質は、GVFとして使用され得る。いくつかの実施形態では、核酸分子は、送達/取り込みを増強するためにPLGと会合して提供される。
【0117】
本発明による薬学的組成物は、約1ナノグラム~約2000マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態では、本発明による薬学的組成物は、約5ナノグラム~約1000マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態では、薬学的組成物は、約10~約800マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの好ましい実施形態では、薬学的組成物は、約0.1~約500マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの好ましい実施形態では、薬学的組成物は、約1~約350マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの好ましい実施形態では、薬学的組成物は、約25~約250マイクログラムのDNAを含有する。いくつかの好ましい実施形態では、薬学的組成物は、約100~約200マイクログラムのDNAを含有する。
【0118】
本発明による薬学的組成物は、使用される投与様式に従って製剤化される。薬学的組成物が注射可能な薬学的組成物である場合、それらは、滅菌、パイロジェンフリー、及び微粒子フリーである。等張性製剤が好ましくは使用される。一般に、等張性のための添加剤としては、塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、及びラクトースを挙げることができる。いくつかの場合では、リン酸塩緩衝生理食塩水などの等張性溶液が好ましい。安定剤としては、ゼラチンやアルブミンが挙げられる。いくつかの実施形態では、血管収縮剤が製剤に添加される。
【0119】
本明細書では、ヒトパピローマウイルス(HPV)型16又はHPV型18関連の肛門又は肛門/肛門周囲の高悪性度上皮内病変(HSIL)を治療することを必要とする対象において、それを治療する方法であって、対象に治療有効量の本発明による薬学的組成物を投与することを含むか、それからなるか、又は本質的にそれからなる、当該方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、薬学的組成物は、VGX-3100又はそのバイオシミラーである。
【0120】
また、本明細書では、ヒトパピローマウイルス(HPV)型16又はHPV型18関連の肛門又は肛門/肛門周囲の高悪性度上皮内病変(HSIL)を治療することを必要とする対象において、それを治療する方法であって、対象に治療有効量の本発明による薬学的組成物を投与することを含むか、それからなるか、又は本質的にそれからなる、当該方法で使用するためのVGX-3100も提供される。いくつかの実施形態によれば、薬学的組成物は、VGX-3100又はそのバイオシミラーである。
【0121】
また、本明細書では、ヒトパピローマウイルス(HPV)型16又はHPV型18関連の肛門又は肛門/肛門周囲の高悪性度上皮内病変(HSIL)を治療するための薬剤の製造におけるVGX-3100の使用も提供され、当該方法は、対象に治療有効量の本発明による薬学的組成物を投与することを含むか、それからなるか、又は本質的にそれからなる。いくつかの実施形態によれば、薬学的組成物は、VGX-3100又はそのバイオシミラーである。
【0122】
また、本明細書では、肛門又は肛門/肛門周囲のHSILの組織病理学的退縮を改善することを改善とする対象において、それを治療する方法であって、対象に治療有効量の本発明による薬学的組成物を投与することを含むか、それからなるか、又は本質的にそれからなる、方法も提供される。いくつかの実施形態によれば、薬学的組成物は、VGX-3100又はそのバイオシミラーである。ある特定の実施形態では、肛門又は肛門/肛門周囲のHSILの組織病理学的退縮の改善は、対象又は対象の集団の治療なしに対するものである。ある特定の実施形態では、肛門又は肛門/肛門周囲のHSILの組織病理学的退縮の改善は、標準治療を用いた対象の集団のうちの対象の治療に対するものである。
【0123】
また、本明細書では、肛門又は肛門/肛門周囲のHSILを有する対象におけるHPV-16及び/又はHPV-18のウイルス学的クリアランスを改善する方法であって、対象に治療有効量の本発明による薬学的組成物を投与することを含むか、それからなるか、又は本質的にそれからなる、方法も提供される。いくつかの実施形態によれば、薬学的組成物は、VGX-3100又はそのバイオシミラーである。
【0124】
また、本明細書では、HPV型16又はHPV型18関連の肛門又は肛門周囲のHSILを有する対象において、対象における肛門又は肛門/肛門周囲のHSILの正常又は組織病理学的非進行への部分的又は完全な組織病理学的退縮を達成する方法であって、対象に治療有効量の本発明による薬学的組成物を投与することを含むか、それからなるか、又は本質的にそれからなる、方法も提供される。いくつかの実施形態によれば、薬学的組成物は、VGX-3100又はそのバイオシミラーである。ある特定の実施形態では、肛門又は肛門/肛門周囲のHSILの正常又は組織病理学的非進行への部分的又は完全な組織病理学的退縮の達成は、対象又は対象の集団へのプラセボの投与に対するものである。ある特定の実施形態では、肛門又は肛門/肛門周囲のHSILの正常又は組織病理学的非進行への部分的又は完全な組織病理学的退縮の達成は、対象又は対象の集団の治療なしに対するものである。ある特定の実施形態では、肛門又は肛門/肛門周囲のHSILの部分的若しくは完全な組織病理学的退縮又は組織病理学的非進行の達成は、標準治療を用いた対象の集団のうちの対象の治療に対するものである。
【0125】
また、本明細書では、HPV型16又はHPV型18関連の肛門又は肛門周囲のHSILを有する対象における非肛門解剖学的位置からのHPV-16及び/又はHPV-18の感染のクリアランスを改善する方法であって、対象に治療有効量の本発明による薬学的組成物を投与することを含むか、それからなるか、又は本質的にそれからなる、方法も提供される。いくつかの実施形態によれば、薬学的組成物は、VGX-3100又はそのバイオシミラーである。
【0126】
いくつかの実施形態では、VGX-3100は、筋肉内注射、続いて、エレクトロポレーションによって対象に投与される。ある特定の実施形態では、VGX-3100は、6mgの用量で対象に投与される。更なる実施形態では、VGX-3100は、12週間にわたって対象に3回投与される。更なる実施形態では、VGX-3100は、40週間にわたって対象に4回投与される。なお更なる実施形態では、VGX-3100は、150mM塩化ナトリウム及び15mMクエン酸ナトリウム中の6mg/mlの濃度で製剤化される。
【0127】
ある特定の実施形態では、VGX-3100の投与は、HPV-16及び/又はHPV-18のウイルス学的クリアランス並びに肛門HSILの組織病理学的退縮をもたらす。更なる実施形態では、VGX-3100の投与は、肛門HSILの組織病理学的退縮をもたらす。なお更なる実施形態では、VGX-3100の投与は、HPV-16及び/又はHPV-18のウイルス学的クリアランスをもたらす。ある特定の実施形態では、VGX-3100の投与は、肛門HSILの正常への完全な組織病理学的退縮をもたらす。更なる実施形態では、VGX-3100の投与は、肛門HSILの正常への完全な組織病理学的退縮並びにHPV-16及び/又はHPV-18のウイルス学的クリアランスをもたらす。なお更なる実施形態では、VGX-3100の投与は、組織病理学的非進行をもたらす。ある特定の実施形態では、VGX-3100の投与は、非肛門解剖学的位置からのHPV-16及び/又はHPV-18の感染のクリアランスをもたらす。更なる実施形態では、VGX-3100の投与は、VGX-3100の第3の投与後、及びVGX-3100の投与後36週間で、ベースラインに対して評価される、VGX-3100に対する体液性及び細胞性免疫応答の改善をもたらす。
【0128】
更なる実施形態では、VGX-3100の投与は、VGX-3100の第4の投与後に、ベースラインと比較して評価される、VGX-3100に対する体液性及び細胞性免疫応答の改善をもたらす。
【0129】
ある特定の実施形態では、VGX-3100の投与の結果は、VGX-3100の投与後36週間で評価される。
【0130】
本発明のいくつかの実施形態によれば、免疫応答を誘導する方法が提供される。ワクチンは、タンパク質ベースの、弱毒生ワクチン、細胞ワクチン、組換えワクチン、又は核酸若しくはDNAワクチンであり得る。いくつかの実施形態では、粘膜免疫応答を誘導する方法を含む、免疫原に対する個体における免疫応答を誘導する方法は、個体に、CTACKタンパク質、TECKタンパク質、MECタンパク質、及びそれらの機能的断片、又はそれらの発現可能なコード配列のうちの1つ以上を、本発明のタンパク質をコードする単離された核酸分子及び/又は本発明のタンパク質をコードする組換えワクチン及び/又は本発明のタンパク質をコードするサブユニットワクチン及び/又は弱毒生ワクチン及び/又は死菌ワクチンと組み合わせて投与することを含む。CTACKタンパク質、TECKタンパク質、MECタンパク質、及びそれらの機能的断片のうちの1つ以上は、免疫原をコードする単離された核酸分子及び/又は免疫原をコードする組換えワクチン及び/又は免疫原を含むサブユニットワクチン及び/又は弱毒生ワクチン及び/又は死菌ワクチンの投与の前に、それと同時に、又はその後に投与され得る。いくつかの実施形態では、CTACK、TECK、MEC、及びそれらの機能的断片からなる群から選択されるもののうちの1つ以上のタンパク質をコードする単離された核酸分子が、個体に投与される。
【0131】
本発明は、以下の実施例において更に例示される。この実施例は、本発明の実施形態を示すが、例示としてのみ提供されることを理解されたい。上記の考察及びこの実施例から、当業者は、本発明の本質的な特徴を確認することができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な用途及び条件に適応するために本発明の様々な変更及び修正を行うことができる。よって、本明細書に示され、記載されるものに加えて、本発明の様々な修正が、前述の記載から当業者に明らかとなるであろう。そのような修正はまた、添付の特許請求の範囲内に該当することが意図される。
【0132】
本開示を通して引用される米国特許、米国出願、及び参考文献の各々は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0133】
例解的な実施形態:
実施形態1.個体における肛門高悪性度扁平上皮内病変を治療又は予防するための方法であって、HPV16抗原及びHPV18抗原からなる群から選択される少なくとも1つをコードする少なくとも1つの核酸分子を含む組成物を個体に投与することを含む、方法。
実施形態2.HPV16抗原が、HPV16 E6-E7融合抗原である、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.HPV16抗原が、配列番号5のアミノ酸配列及び配列番号6のアミノ酸配列を含む、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態4.HPV16抗原が、配列番号17のヌクレオチド配列及び配列番号19のヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされる、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態5.HPV18抗原が、HPV18 E6-E7融合抗原である、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態6.HPV18抗原が、配列番号21のアミノ酸配列及び配列番号22のアミノ酸配列を含む、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態7.組成物が、HPV16抗原をコードするヌクレオチド配列及びHPV18抗原をコードするヌクレオチド配列を含む、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態8.核酸分子が、
配列番号2をコードするヌクレオチド配列と、
配列番号2をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、
配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片と、
配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、からなる群から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を含む、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態9.核酸分子が、配列番号2をコードするヌクレオチド配列と少なくとも98%相同であるヌクレオチド配列を含む、実施形態8に記載の方法。
実施形態10.核酸分子が、配列番号2をコードするヌクレオチド配列と少なくとも99%相同であるヌクレオチド配列を含む、実施形態8に記載の方法。
実施形態11.核酸分子が、
配列番号1のヌクレオチド19~795を含むヌクレオチド配列と、
配列番号1のヌクレオチド1~795を含むヌクレオチド配列と、
配列番号1を含むヌクレオチド配列と、
配列番号1と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、
配列番号1の断片と、
配列番号1の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、からなる群から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を含む、請求項3に記載の方法。
実施形態12.核酸分子が、配列番号1と少なくとも98%相同であるヌクレオチド配列を含む、実施形態11に記載の方法。
実施形態13.核酸分子が、配列番号1と少なくとも99%相同であるヌクレオチド配列を含む、実施形態11に記載の方法。
実施形態14.核酸分子が、配列番号23のヌクレオチド配列及び配列番号24のヌクレオチド配列を含む、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態15.核酸分子が、
配列番号10をコードするヌクレオチド配列と、
配列番号10をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、
配列番号10をコードするヌクレオチド配列の断片と、
配列番号10をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、からなる群から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を含む、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態16.核酸分子が、配列番号10をコードするヌクレオチド配列と少なくとも98%相同であるヌクレオチド配列を含む、実施形態15に記載の方法。
実施形態17.核酸分子が、配列番号10をコードするヌクレオチド配列と少なくとも99%相同であるヌクレオチド配列を含む、実施形態15に記載の方法。
実施形態18.HPV16 E6-E7融合抗原をコードする核酸分子が、リーダー配列をコードするヌクレオチド配列を更に含み、HPV18 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列が、リーダー配列をコードするヌクレオチド配列を更に含むか、又はHPV16 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列が、リーダー配列をコードするヌクレオチド配列を更に含み、HPV18 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列が、リーダー配列をコードするヌクレオチド配列を更に含む、実施形態1~7又は14~17のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19.核酸分子が、
配列番号9のヌクレオチド1~780を含むヌクレオチド配列と、
配列番号9を含むヌクレオチド配列と、
配列番号9と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、
配列番号9の断片と、
配列番号9の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列と、からなる群から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を含む、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態20.核酸分子が、配列番号9と少なくとも98%相同であるヌクレオチド配列を含む、実施形態19に記載の方法。
実施形態21.核酸分子が、配列番号9と少なくとも99%相同であるヌクレオチド配列を含む、実施形態19に記載の方法。
実施形態22.少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのプラスミドを含む、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態23.組成物が、薬学的組成物である、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態24.個体に、アジュバントを含む組成物を投与することを更に含む、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態25.個体に、HPV16 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子及びHPV18 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を投与することを含み、
HPV16 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列が、配列番号2をコードするヌクレオチド配列、配列番号2をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片、及び配列番号2をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列からなる群から選択され、
HPV18 E6-E7融合抗原をコードする前記ヌクレオチド配列が、配列番号10をコードするヌクレオチド配列、配列番号10をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列、配列番号10をコードするヌクレオチド配列の断片、及び配列番号10をコードするヌクレオチド配列の断片と少なくとも95%相同であるヌクレオチド配列からなる群から選択される、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態26.1つの核酸分子が、HPV16 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列及びHPV18 E6-E7融合抗原をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態25に記載の方法。
実施形態27.当該核酸分子を個体に投与することが、エレクトロポレーションを含む、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態28.組成物が、筋肉内に投与される、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態29.組成物が、VGX-3100又はそのバイオシミラーを含む、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態30.組成物が、3回又は4回用量で投与される、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態31.組成物の第2の用量が、第1の用量の約4週間後に投与される、実施形態30に記載の方法。
実施形態32.第3の用量が、第1の用量の約12週間後に投与される、実施形態30に記載の方法。
実施形態33.第4の用量が、第1の用量の約40週間後に投与される、実施形態30に記載の方法。
実施形態34.HSILが、肛門又は肛門/肛門周囲のHSILである、いずれかの先行実施形態に記載の方法。
実施形態35.リーダー配列が、配列番号7のアミノ酸配列を含む、実施形態34に記載の方法。
実施形態36.リーダー配列が、配列番号11のヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされる、実施形態18に記載の方法。
【実施例】
【0134】
本発明は、以下の実施例において更に定義される。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例示としてのみ提供されることを理解されたい。上記の考察及びこれらの実施例から、当業者は、本発明の本質的な特徴を確認することができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な用途及び条件に適応するために本発明の様々な変更及び修正を行うことができる。よって、本明細書に示され、記載されるものに加えて、本発明の様々な修正が、前述の記載から当業者に明らかとなるであろう。そのような修正はまた、添付の特許請求の範囲内に該当することが意図される。
【0135】
実施例1:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)-1/2について血清反応陰性である個体におけるHPV-16及び/又はHPV-18関連の肛門又は肛門/肛門周囲の高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)の治療のために、筋肉内に(IM)、続いて、エレクトロポレーション(EP)によって送達されたVGX-3100(ClinicalTrials_gov識別子:NCT03499795)
これは、ヒトパピローマウイルス(HPV)-16及び/又はHPV-18に関連する組織学的に確認された肛門又は肛門/肛門周囲の高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)を有する、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)陰性である成人男性及び女性における、筋肉内(IM)注射、続いて、エレクトロポレーション(EP)によって投与されたVGX-3100の第2相非盲検有効性研究である。
【0136】
肛門高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)の管理は、困難なままである。VGX-3100は、HPV16及び18 E6/E7タンパク質をコードするDNAベースのHPV16/18特異的免疫療法であり、肛門HSILを治療するための非盲検第2相試験で評価された(
図1)。
【0137】
組み入れ基準:
18歳以上、
用量1の30日以内のHIV-1/2に対する陰性スクリーニング試験、
HSIL検体からのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるスクリーニング時の確認された肛門又は肛門/肛門周囲HPV-16/18感染、
スクリーニング時にHSILとして組織学的に確認される少なくとも1つの肛門又は肛門/肛門周囲(AIN2/3及び/又はPAIN2/PAIN3)病変、
組織学収集手順(すなわち、切除又は生検)のための適切な候補、
女性対象は、閉経後であるか、外科的に不妊であるか、又は継続的禁欲若しくはスクリーニングから研究薬の最終用量後1ヶ月(12週目又は40週目)まで1年当たり1%未満の失敗率を伴う避妊方法の使用によって妊娠を回避することに同意しなければならない
子供の父親となり得る男性は、研究前、研究参加の期間中、及び研究薬の最終用量から1ヶ月後に、異性間性交中に少なくとも1つの形態の避妊又は異性間性交の継続的禁欲を使用することに同意しなければならない。
【0138】
正常スクリーニング心電図(ECG)。
【0139】
除外基準:
未治療の微小浸潤性又は浸潤性がん、
生検で証明された膣上皮内新生物(VAIN)であり、VAINに対する医療処置及び/又は治療を受けていない、
生検で証明された外陰部上皮内新生物(VIN)であり、VINに対する医療処置及び/又は治療を受けていない、
生検で証明された子宮頸部上皮内新生物(CIN)2/3であり、CINに対する医療処置及び/又は治療を受けていない、
生検で証明された陰茎上皮内腫瘍(PIN)であり、PINに対する医療処置及び/又は治療を受けていない、
生検機器による試料採取のためにアクセス可能ではない肛門又は肛門/肛門周囲のHSIL、
スクリーニング時に完全に視覚化することができない肛門内及び/又は肛門周囲の病変(複数可)、
完全で満足のいく高解像度肛門鏡検査(HRA)ができない、
スクリーニングの4週間以内の肛門又は肛門/肛門周囲のHSILに対するあらゆる治療(例えば、手術)、
研究薬の最後の用量後1ヶ月以内の妊娠、授乳、又は妊娠を検討すること、
0日目前の45日以内に有害事象の一般毒性基準(CTCAE)バージョン4.03に従ってグレード1を上回るか、又はグレード1未満であるが、治験責任医師によって臨床的に有意とみなされる任意の異常臨床検査値の存在、
基礎疾患又は治療の結果としての免疫抑制、
以前の治療用HPVワクチン接種歴、
任意のVGX-3100用量の2週間以内に任意の非研究関連の非生ワクチンを受けること、
任意のVGX-3100用量の4週間以内に任意の非研究関連の非生ワクチン(例えば、麻疹ワクチン)を受けること、
治験責任医師によって判断された場合に治療される、エレクトロポレーションによって悪影響を受け得る重大な急性又は慢性内科的疾患、
治験責任医師の判断により、対象の安全を脅かすか、研究の評価若しくはエンドポイントの評価に干渉するか、又は別様に研究結果の有効性に影響を及ぼす、現在の臨床的に有意で医学的に不安定な疾患又は病歴、
0日目の4週間以内の以前の大手術、
治験化合物又は装置を用いた介入研究への参加、
治験責任医師の意見では対象の安全又は任意の研究エンドポイントの評価に影響を及ぼし得る任意の疾患又は症状。
【0140】
主要転帰の指標:
36週目に肛門又は肛門/肛門周囲のHSILの組織学的証拠がなく、かつHPV-16/18の証拠がない参加者の割合[時間枠:36週目]
副次的アウトカム測定:
各用量後7日間の局所及び全身安全性事象の数[時間枠:0~7日目(0日目の用量後7日)、22~29日目(4週目の用量後7日)、及び78~85日目(12週目の用量後7日)]
有害事象の数[時間枠:ベースラインから88週目の来院まで]
36週目の来院時に組織学上の肛門又は肛門/肛門周囲のHSILの証拠がない参加者の割合[時間枠:36週目]
36週目の来院時に種類特異的HPV試験によって肛門内及び/又は肛門周囲の組織からのHPV-16/18の証拠がない参加者の割合[時間枠:36週目]
36、64、及び88週目の来院時に特異的HPV試験によって肛門内スワブからのHPV-16/18の証拠がない参加者の割合[時間枠:36、64、及び88週目]
36週目の来院時に組織学上の肛門若しくは肛門/肛門周囲の低悪性度上皮内扁平上皮病変(LSIL)又はHSILの証拠がない参加者の割合[時間枠:36週目]
36週目の来院時に組織学上のベースラインからがんへの肛門又は肛門/肛門周囲のHSILの進行がない参加者の割合[時間枠:ベースラインから36週目まで]
36、64、及び88週目の来院時に治験責任医師によって決定される肛門内及び/又は肛門周囲の病変(複数可)の数のベースラインからの低減率[時間枠:ベースラインから36、64、及び88週目まで]
36、64、及び88週目の来院時に治験責任医師によって決定される肛門周囲病変(複数可)のサイズのベースラインからの低減率[時間枠:ベースラインから36、64、及び88週目まで]
フローサイトメトリー応答の大きさ[時間枠:ベースライン及び15週目]
36週目に肛門若しくは肛門/肛門周囲のHSILの組織学的証拠がないか、又はHPV-16/18の証拠がない参加者の割合[時間枠:36週目]
【0141】
治験薬
一般名:VGX-3100
化学名:pGX3001プラスミドについては3782個の塩基対及びpGX3002プラスミドについては3824個の塩基対からなる環状二本鎖デオキシリボ核酸。
【0142】
識別名:合成CMVプロモーターによって制御されるHPV 16並びに18-E6及びE7をコードする転写単位、並びにE.coliにおける複製及び選択のために必要とされる要素、すなわち、pUC複製起点(pUC Ori)及びカナマイシン耐性遺伝子(Kan R)を含む、真核生物発現プラスミド。
【0143】
詳細な説明:HPV治療用ワクチンであるVGX-3100は、等量での2つのプラスミドの組み合わせである(すなわち、6mg用量は、3mgの各pGX3001及びpGX3002プラスミドを送達する):a)pGX3001:p16ConE6E7、サイトメガロウイルス即初期(CMV)プロモーターの制御下でpVAX1骨格(Invitrogen、Carlsbad,CA)への合成HPV16コンセンサスE6及びE7融合遺伝子(「コンセンサスHPV16-6及び7」)をコードするプラスミド、並びにb)pGX3002:p18ConE6E7、サイトメガロウイルス即初期(CMV)プロモーターの制御下でpVAX1骨格(Invitrogen、Carlsbad,CA)へのHPV18コンセンサスE6及びE7融合遺伝子(「コンセンサスHPV 18-6及び7」)をコードするプラスミド。VGX-3100は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、WO2014/165291に記載されている。核酸及びアミノ酸コンセンサス配列は、それぞれ、表1及び表2で提供される。
【表1】
【表2】
【0144】
HPV16/18陽性肛門HSILを有する対象が、3回又は4回用量のVGX-3100を筋肉内に受け、続いて、CELLECTRA(登録商標)エレクトロポレーションを受けた。対象がHSILの生検を受け、組織学ベースの臨床エンドポイントをVGX-3100治療開始後36週目に評価した。エンドポイントには、肛門HSILの消散及び肛門組織中のHPV16/18のクリアランス(一次)、並びに病変数及びサイズの低減(二次)が含まれた。加えて、ベースライン時の肛門スワブとHPVの切除組織との間の一致を実証するための試料を収集し、SPF10-LiPA25(ラインプローブアッセイ)バージョン1システム(組織)及びRoche cobas(登録商標)HPV試験(スワブ)を使用した。
【0145】
図2は、36週目及び64週目のワクチンの有効性についてのデータを提供する。
【0146】
図3は、VGX-3100がHPV16抗原及びHPV18抗原の両方に対する細胞免疫応答を誘導することを実証するデータを提供する。
【0147】
図4は、VGX-3100がHPV16E7抗原及びHPV18E7抗原に対する体液性免疫応答を誘導することを実証するデータを提供する。
【0148】
図5は、VGX-3100ワクチンの安全性についてのデータを提供する。
【0149】
肛門HSILの困難な性質を考慮すると、VGX-3100などの免疫療法アプローチは、その管理における著しい進歩を表すであろう。VGX-3100は、耐容性、免疫原性であり、HPV-16/18関連の肛門HSILに治療効果を及ぼす。加えて、肛門スワブ及び組織からのHPV-16/18の検出は、高度に一致しており(データは示されていない)、スクリーニング及び監視を簡素化し得る、肛門病変を検出するための低侵襲性スクリーニング方略を提供し得る。
【0150】
実施例2:配列
HPV遺伝子型16コンセンサスE6-E7DNA配列(配列番号1)
【化1】
HPV遺伝子型16コンセンサスE6-E7タンパク質配列(配列番号2)
【化2】
HPV16 E6免疫優性エピトープ(配列番号3)
【化3】
HPV16 E7免疫優性エピトープ(配列番号4)
【化4】
HPV16 E6コンセンサス配列(配列番号5)
【化5】
HPV16 E7コンセンサス配列(配列番号6)
【化6】
IgEリーダー配列(配列番号7)
【化7】
タンパク質分解切断配列(配列番号8)
【化8】
E6及びE7をコードするHPV18コンセンサス配列(配列番号9)
【化9】
E6及びE7を有するHPV18コンセンサスHPVペプチド配列(配列番号10)
【化10】
IgEリーダーDNA配列(配列番号11)
【化11】
IgEリーダーペプチド配列(配列番号12)
【化12】
E6及びE7をコードするHPV18コンセンサス配列、IgEリーダー(配列番号13)を含む
【化13】
E6及びE7を有するHPV18コンセンサスHPVペプチド配列、IgEリーダー(配列番号14)を含む
【化14】
コンセンサス及びIgEリーダーを有するpGX3002プラスミド(配列番号15)
【化15-1】
【化15-2】
IgEリーダーコード配列を含まないHPV遺伝子型16コンセンサスE6-E7ペプチド配列(配列番号16)
【化16】
HPV遺伝子型16コンセンサスE6ヌクレオチド配列(配列番号17)
【化17】
タンパク質分解切断配列をコードするヌクレオチド配列(配列番号18)
【化18】
HPV遺伝子型16コンセンサスE7ヌクレオチド配列(配列番号19)
【化19】
IgEリーダー配列を含まないHPV遺伝子型16コンセンサスE6-E7ペプチド配列(配列番号20)
【化20】
HPV18コンセンサスE6ペプチド(配列番号21)
【化21】
HPV18コンセンサスE7ペプチド(配列番号22)
【化22】
E6をコードするHPV18コンセンサス配列(配列番号23)
【化23】
E7をコードするHPV18コンセンサス配列(配列番号24)
【化24】
【0151】
本明細書に記載される実施例及び実施形態は、例示的な目的のためだけのものであり、様々な修正又は変更が当業者に提案され、本出願の趣旨及び範囲並びに添付の特許請求の範囲内に含まれることが理解される。
【配列表】
【国際調査報告】