(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】シラン-アゾジカルボンアミド混合物、その製造方法およびその使用
(51)【国際特許分類】
C07F 7/18 20060101AFI20241018BHJP
C07C 281/20 20060101ALI20241018BHJP
C08L 21/00 20060101ALI20241018BHJP
C08K 5/544 20060101ALI20241018BHJP
C08K 5/548 20060101ALI20241018BHJP
C08K 5/23 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
C07F7/18 W
C07F7/18 P
C07C281/20
C08L21/00
C08K5/544
C08K5/548
C08K5/23
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523772
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2022077957
(87)【国際公開番号】W WO2023066688
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Operations GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1-11, 45128 Essen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ ヴェーマイアー
(72)【発明者】
【氏名】ハンネス ユルゲンス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ケプファー
(72)【発明者】
【氏名】カタリーナ マリー パウルス
(72)【発明者】
【氏名】イェンス キーゼヴェター
(72)【発明者】
【氏名】ローラント クラフツィク
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン フィール
(72)【発明者】
【氏名】エリーザベト バウアー
(72)【発明者】
【氏名】ララ メッツガー
(72)【発明者】
【氏名】ユリアン アザール
【テーマコード(参考)】
4H006
4H049
4J002
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB46
4H049VN01
4H049VP01
4H049VP02
4H049VQ49
4H049VR21
4H049VR43
4H049VU20
4J002AC001
4J002AC011
4J002AC031
4J002AC061
4J002AC071
4J002AC081
4J002AC091
4J002AC101
4J002AC111
4J002BB151
4J002BB181
4J002CD181
4J002EQ018
4J002EX076
4J002EX087
4J002FD010
4J002FD020
4J002FD040
4J002FD060
4J002FD070
4J002FD090
4J002FD146
4J002FD147
4J002FD148
4J002FD200
4J002FD206
4J002FD207
4J002FD208
4J002FD320
4J002FD340
4J002GC00
4J002GJ02
4J002GM01
4J002GN01
4J002GQ00
4J002GT00
(57)【要約】
本発明は、シラン-アゾジカルボンアミド混合物であって、式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミドの総量を基準として5~95重量%の式Iの(R1)3-a(R2)aSi-R3-NH-C(O)-N=N-R4(I)のアゾカルボニル官能化シランと、式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として0~90重量%の式IIの(R1)y(R2)3-ySi-R3-Sx-R3-Si(R1)y(R2)3-y(II)のシランと、式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として1~80重量%の式IIIのR5-NH-C(O)-N=N-C(O)-NH-R5(III)のアゾジカルボンアミド化合物と、を含む、シラン-アゾジカルボンアミド混合物に関する。シラン-アゾジカルボンアミド混合物は、5~95重量%の式Iのアゾカルボニル官能化シランと、0~90重量%の式IIのシランと、1~80重量%の式IIIのアゾジカルボンアミド化合物とを混合することによって製造される。本発明は、さらにゴム混合物であって、少なくとも1種のゴムと、5~95重量%の式Iのアゾカルボニル官能化シランと、0~90重量%の式IIのシランと、1~80重量%の式IIIのアゾジカルボンアミド化合物とを含む、ゴム混合物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シラン-アゾジカルボンアミド混合物であって、式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミドの総量を基準として5~95重量%の式I
(R
1)
3-a(R
2)
aSi-R
3-NH-C(O)-N=N-R
4 (I)
のアゾカルボニル官能化シランと、
式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として0~90重量%の式II
(R
1)
y(R
2)
3-ySi-R
3-S
x-R
3-Si(R
1)
y(R
2)
3-y (II)
のシランと、
式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として1~80重量%の式III
R
5-NH-C(O)-N=N-C(O)-NH-R
5 (III)
のアゾジカルボンアミド化合物と、
を含み、
ここで、R
1は、同一または異なり、C1~C10アルコキシ基、フェノキシ基またはアルキルポリエーテル基-O-(R
6-O)
r-R
7を表し、ここで、R
6は、同一または異なり、分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族または脂肪族/芳香族混合型の二価のC1~C30炭化水素基を表し、rは、1~30の整数であり、かつR
7は、非置換もしくは置換の分岐状もしくは非分岐状の一価のアルキル基、アルケニル基、アリール基もしくはアラルキル基を表し、R
2は、同一または異なり、-OH、C6~C20アリール基、C1~C10アルキル基、C2~C20アルケニル基、C7~C20アラルキル基またはハロゲンを表し、
aは、0~3であり、
yは、0~3であり、
R
3は、同一または異なり、分岐状または非分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族または脂肪族/芳香族混合型の二価のC1~C30炭化水素基を表し、
R
4は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のアルキル基を表し、
xは、平均硫黄鎖分布であり、ここで、xは、2~10であり、
R
5は、同一または異なり、分岐状または非分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族または環状の一価のC1~C30炭化水素基または置換もしくは非置換のアリール基を表す、シラン-アゾジカルボンアミド混合物。
【請求項2】
式Iのアゾカルボニル官能化シランが、(CH
3CH
2O-)
3Si-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-フェニル、(CH
3O-)
3Si-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-フェニルまたは(CH
3CH
2O-)
3Si-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-(p-ニトロフェニル)であることを特徴とする、請求項1記載のシラン-アゾジカルボンアミド混合物。
【請求項3】
式IIのシランが、[(EtO)
3Si(CH
2)
3]
2S、[(EtO)
3Si(CH
2)
3]
2S
2、[(EtO)
3Si(CH
2)
3]
2S
3または[(EtO)
3Si(CH
2)
3]
2S
4であることを特徴とする、請求項1記載のシラン-アゾジカルボンアミド混合物。
【請求項4】
式IIIのアゾジカルボンアミド化合物が、
【化1】
であることを特徴とする、請求項1記載のシラン-アゾジカルボンアミド混合物。
【請求項5】
aが0であり、yが3であり、xが2~4であり、R
1がエトキシであり、R
3が(CH
2)
3であり、R
4がフェニル、ニトロフェニルまたはtert-ブチルであり、R
5が分岐状または非分岐状のアルキル基であることを特徴とする、請求項1記載のシラン-アゾジカルボンアミド混合物。
【請求項6】
請求項1記載のシラン-アゾジカルボンアミド混合物の製造方法であって、式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として5~95重量%の式I
(R
1)
3-a(R
2)
aSi-R
3-NH-C(O)-N=N-R
4 (I)
のアゾカルボニル官能化シランと、
式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として0~90重量%の式II
(R
1)
y(R
2)
3-ySi-R
3-S
x-R
3-Si(R
1)
y(R
2)
3-y (II)
のシランと、
式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として1~80重量%の式III
R
5-NH-C(O)-N=N-C(O)-NH-R
5 (III)
のアゾジカルボンアミド化合物と、
を混合する工程を含むことを特徴とする、シラン-アゾジカルボンアミド混合物の製造方法。
【請求項7】
式Iのアゾカルボニル官能化シランおよび式IIのシランを、式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の製造の間に添加することを特徴とする、請求項6記載のシラン-アゾジカルボンアミド混合物の製造方法。
【請求項8】
ゴム混合物であって、少なくとも1種のゴムと、式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として5~95重量%の式I
(R
1)
3-a(R
2)
aSi-R
3-NH-C(O)-N=N-R
4 (I)
のアゾカルボニル官能化シランと、
式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として0~90重量%の式II
(R
1)
y(R
2)
3-ySi-R
3-S
x-R
3-Si(R
1)
y(R
2)
3-y (II)
のシランと、
式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として1~80重量%の式III
R
5-NH-C(O)-N=N-C(O)-NH-R
5 (III)
のアゾジカルボンアミド化合物と、
を含み、
ここで、R
1は、同一または異なり、C1~C10アルコキシ基、フェノキシ基またはアルキルポリエーテル基-O-(R
6-O)
r-R
7を表し、ここで、R
6は、同一または異なり、分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族または脂肪族/芳香族混合型の二価のC1~C30炭化水素基を表し、rは、1~30の整数であり、かつR
7は、非置換もしくは置換の分岐状もしくは非分岐状の一価のアルキル基、アルケニル基、アリール基もしくはアラルキル基を表し、R
2は、同一または異なり、-OH、C6~C20アリール基、C1~C10アルキル基、C2~C20アルケニル基、C7~C20アラルキル基またはハロゲンを表し、
aは、0~3であり、
yは、0~3であり、
R
3は、同一または異なり、分岐状または非分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族または脂肪族/芳香族混合型の二価のC1~C30炭化水素基を表し、
R
4は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のアルキル基を表し、
xは、平均硫黄鎖分布であり、ここで、xは、2~10であり、
R
5は、同一または異なり、分岐状または非分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族または環状の一価のC1~C30炭化水素基または置換もしくは非置換のアリール基を表す、ゴム混合物。
【請求項9】
式Iのアゾカルボニル官能化シランが、(CH
3CH
2O-)
3Si-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-フェニル、(CH
3O-)
3Si-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-フェニルまたは(CH
3CH
2O-)
3Si-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-(p-ニトロフェニル)であることを特徴とする、請求項8記載のゴム混合物。
【請求項10】
式IIのシランが、[(EtO)
3Si(CH
2)
3]
2S、[(EtO)
3Si(CH
2)
3]
2S
2、[(EtO)
3Si(CH
2)
3]
2S
3または[(EtO)
3Si(CH
2)
3]
2S
4であることを特徴とする、請求項8記載のゴム混合物。
【請求項11】
式IIIのアゾジカルボンアミド化合物が、
【化2】
であることを特徴とする、請求項8記載のゴム混合物。
【請求項12】
aが0であり、yが3であり、xが2~4であり、R
1がエトキシであり、R
3が(CH
2)
3であり、R
4がフェニル、ニトロフェニルまたはtert-ブチルであり、R
5が分岐状または非分岐状のアルキル基であることを特徴とする、請求項8記載のゴム混合物。
【請求項13】
タイヤ、ケーブルシース、ホース、駆動ベルト、コンベアベルト、ローラカバー、履物底、シーリングリングおよび減衰エレメントを製造するための、請求項8記載のゴム混合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーン-アゾジカルボンアミド混合物、その製造方法およびゴム混合物におけるその使用に関する。
【0002】
欧州特許第2937351号明細書には、式(R1)3-a(R2)aSi-RI-NH-C(O)-N=N-R4のアゾカルボニル官能化シランが開示されている。
【0003】
また、韓国特許第20170049245号明細書には、式R5-NH-C(O)-N=N-C(O)-NH-R5(式中、R5は、直鎖状または分岐状の環状アルキル基である)のアルキル置換アゾジカルボンアミド化合物も開示されている。
【0004】
ゴム混合物における公知のシランの欠点は、300%モジュラスが低いことである。
【0005】
本発明の課題は、公知のゴム混合物と比較して300%モジュラスの改善を示す、シラン-アゾジカルボンアミド混合物を含有するゴム混合物を提供することである。
【0006】
本発明は、シラン-アゾジカルボンアミド混合物であって、式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として5~95重量%、好ましくは5~50重量%、特に好ましくは20~40重量%の式I
(R
1)
3-a(R
2)
aSi-R
3-NH-C(O)-N=N-R
4 (I)
のアゾカルボニル官能化シランと、
式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として0~90重量%、好ましくは20~60重量%、特に好ましくは30~60重量%の式II
(R
1)
y(R
2)
3-ySi-R
3-S
x-R
3-Si(R
1)
y(R
2)
3-y (II)
のシランと、
式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として1~80重量%、好ましくは5~50重量%、特に好ましくは15~40重量%の式III
R
5-NH-C(O)-N=N-C(O)-NH-R
5 (III)
のアゾジカルボンアミド化合物と、
を含み、
ここで、R
1は、同一または異なり、C1~C10アルコキシ基、好ましくはメトキシ基またはエトキシ基、フェノキシ基またはアルキルポリエーテル基-O-(R
6-O)
r-R
7を表し、ここで、R
6は、同一または異なり、分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族または脂肪族/芳香族混合型の二価のC1~C30炭化水素基、好ましくは-CH
2-CH
2-を表し、rは、1~30の整数、好ましくは3~10の整数であり、かつR
7は、非置換もしくは置換の分岐状もしくは非分岐状の一価のアルキル基、アルケニル基、アリール基もしくはアラルキル基を表し、好ましくはC
13H
27アルキル基を表し、
R
2は、同一または異なり、-OH、C6~C20アリール基、好ましくはフェニル、C1~C10アルキル基、好ましくはメチル基もしくはエチル基、C2~C20アルケニル基、C7~C20アラルキル基またはハロゲン、好ましくはClを表し、
aは、0~3、好ましくは0であり、
yは、0~3、好ましくは3であり、
R
3は、同一または異なり、分岐状または非分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族または脂肪族/芳香族混合型の二価のC1~C30炭化水素基を表し、好ましくはC1~C20、特に好ましくはC1~C10、非常に特に好ましくはC2~C7-、特に好ましくはCH
2CH
2およびCH
2CH
2CH
2を表し、
R
4は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のアルキル基、好ましくはフェニル、ハロフェニル、例えば、クロロフェニル、ブロモフェニルもしくはヨードフェニル、トリル、アルコキシフェニル、例えば、メトキシフェニル、o-、m-もしくはp-ニトロフェニル、または置換もしくは非置換のアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ニトロメチル、ニトロエチル、ニトロプロピル、ニトロブチルもしくはニトロイソブチルを表し、
xは、平均硫黄鎖分布であり、ここで、xは、2~10、好ましくは2~4であり、
R
5は、同一または異なり、分岐状または非分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族または環状の一価のC1~C30炭化水素基、好ましくはC1~C20炭化水素基、特に好ましくはC1~C10炭化水素基、非常に特に好ましくはC2~C8炭化水素基、特に好ましくは
【化1】
または置換もしくは非置換のアリール基、好ましくはフェニルである、シラン-アゾジカルボンアミド混合物を提供する。
【0007】
【0008】
式Iのアゾカルボニル官能化シランは、好ましくは、(CH
3CH
2O-)
3Si-CH
2-NH-CO-N=N-フェニル、
(CH
3CH
2O-)
3Si-(CH
2)
2-NH-CO-N=N-フェニル、
(CH
3CH
2O-)
3Si-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-フェニル、
(CH
3O-)
3Si-CH
2-NH-CO-N=N-フェニル、
(CH
3O-)
3Si-(CH
2)
2-NH-CO-N=N-フェニル、
(CH
3O-)
3Si-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-フェニル、
(CH
3CH
2O-)
2Si(-O(CH
2-CH
2-O)
5-C
13H
27)-CH
2-NH-CO-N=N-フェニル、
(CH
3CH
2O-)
2Si(-O(CH
2-CH
2-O)
5-C
13H
27)-(CH
2)
2-NH-CO-N=N-フェニル、
(CH
3CH
2O-)
2Si(-O(CH
2-CH
2-O)
5-C
13H
27)-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-フェニル、
(CH
3CH
2O-)Si(-O(CH
2-CH
2-O)
5-C
13H
27)
2-CH
2-NH-CO-N=N-フェニル、
(CH
3CH
2O-)Si(-O(CH
2-CH
2-O)
5-C
13H
27)
2-(CH
2)
2-NH-CO-N=N-フェニル、
(CH
3CH
2O-)Si(-O(CH
2-CH
2-O)
5-C
13H
27)
2-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-フェニル、
(CH
3CH
2O-)
3Si-(CH
2)
2-NH-CO-N=N-(p-ニトロフェニル)、
(CH
3CH
2O-)
3Si-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-(p-ニトロフェニル)、
(CH
3O-)
3Si-CH
2-NH-CO-N=N-(p-ニトロフェニル)、
(CH
3O-)
3Si-(CH
2)
2-NH-CO-N=N-(p-ニトロフェニル)、
(CH
3O-)
3Si-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-(p-ニトロフェニル)、
(CH
3CH
2O-)
2Si(-O(CH
2-CH
2-O)
5-C
13H
27)-CH
2-NH-CO-N=N-(p-ニトロフェニル)、
(CH
3CH
2O-)
2Si(-O(CH
2-CH
2-O)
5-C
13H
27)-(CH
2)
2-NH-CO-N=N-(p-ニトロフェニル)、
(CH
3CH
2O-)
2Si(-O(CH
2-CH
2-O)
5-C
13H
27)-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-(p-ニトロフェニル)、
(CH
3CH
2O-)Si(-O(CH
2-CH
2-O)
5-C
13H
27)
2-CH
2-NH-CO-N=N-(p-ニトロフェニル)、
(CH
3CH
2O-)Si(-O(CH
2-CH
2-O)
5-C
13H
27)
2-(CH
2)
2-NH-CO-N=N-(p-ニトロフェニル)、
(CH
3CH
2O-)Si(-O(CH
2-CH
2-O)
5-C
13H
27)
2-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-(p-ニトロフェニル)、
【化3】
および特に好ましくは
(CH
3CH
2O-)
3Si-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-フェニル、
(CH
3O-)
3Si-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-フェニル、
(CH
3CH
2O-)
3Si-(CH
2)
3-NH-CO-N=N-(p-ニトロフェニル)
であり得る。
【0009】
式IIのシランは、好ましくは、
【化4】
であり得、特に好ましくは、
【化5】
であり得る。
【0010】
式IIIのアゾジカルボンアミド化合物は、好ましくは、
【化6】
であり得、特に好ましくは、
【化7】
であり得る。
【0011】
シラン-アゾジカルボンアミド混合物は、好ましくは、
式I
(R1)3-a(R2)aSi-R3-NH-C(O)-N=N-R4 (I)
のアゾカルボニル官能化シランと、
式II
(R1)y(R2)3-ySi-R3-Sx-R3-Si(R1)y(R2)3-y (II)
のシランと、
式III
R5-NH-C(O)-N=N-C(O)-NH-R5 (III)
のアゾジカルボンアミド化合物と、
を含有し得、
ここで、aは、0であり、yは、3であり、xは、2~4であり、R1は、エトキシであり、R3は、(CH2)3であり、R4は、フェニル、ニトロフェニルまたはtert-ブチルであり、R5は、分岐状または非分岐状のアルキル基、特に好ましくはCH2-CH(C2H5)-(CH2)3-CH3である。
【0012】
シラン-アゾジカルボンアミド混合物は、更なる添加剤を含有し得るか、式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシラン、および式IIIのアゾジカルボンアミド化合物のみからなり得る。添加剤は、例えば、溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、アセトン、アセトニトリル、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ピリジンまたは酢酸メチル、
一般式IV
R
8-NH
2 (IV)
[式中、R
8は、分岐状または非分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族または環状の一価のC1~C30炭化水素基、好ましくはC1~C20炭化水素基、特に好ましくはC1~C10炭化水素基、非常に特に好ましくはC2~C8炭化水素基、特に好ましくは
【化8】
または置換もしくは非置換のアリール基、好ましくはフェニル基である]のアミン
または一般式V
(R
9)
3-aa(R
10)
aaSi-R
11-NH
2 (V)
[式中、R
9は、同一または異なり、C1~C10アルコキシ基またはアルキルポリエーテル基-O-(R
6-O)
r-R
7を表し、ここで、R
6は、同一または異なり、分岐状または非分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族または脂肪族/芳香族混合型の二価のC1~C30炭化水素基を表し、rは、1~30の整数であり、かつR
7は、非置換または置換の、分岐状または非分岐状のアルキル、アルケニル、アリールまたはアラルキル基を表し、
R
10は、同一または異なり、-OH、C6~C20アリール基、好ましくはフェニル、C1~C10アルキル基、C2~C20アルケニル基、C7~C20アラルキル基またはハロゲンを表し、
aaは、0~3であり得、
R
11は、分岐状または非分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族または脂肪族/芳香族混合型の二価のC1~C30炭化水素基、好ましくはC1~C20炭化水素基、特に好ましくはC1~C10炭化水素基、非常に特に好ましくはC2~C7炭化水素基、特に好ましくはCH
2CH
2およびCH
2CH
2CH
2を表す]のシリル官能化アミンであり得る。
【0013】
本発明によるシラン-アゾジカルボンアミド混合物は、式Iのシランおよび/または式IIのシランの加水分解および縮合の結果として形成されるオリゴマーを含み得る。
【0014】
本発明によるシラン混合物は、担体、例えばワックス、ポリマーまたはカーボンブラックに適用される形態であり得る。本発明によるシラン-アゾジカルボンアミド混合物は、シリカに適用される形態であり得、その際、結合は物理的または化学的であり得る。
【0015】
本発明はさらに、本発明によるシラン-アゾジカルボンアミド混合物の製造方法であって、式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として5~95重量%、好ましくは5~50重量%、特に好ましくは20~40重量%の式I
(R1)3-a(R2)aSi-R3-NH-C(O)-N=N-R4 (I)
のアゾカルボニル官能化シランと、式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として0~90重量%、好ましくは20~60重量%、特に好ましくは30~60重量%の式II
(R1)y(R2)3-ySi-R3-Sx-R3-Si(R1)y(R2)3-y (II)
のシランと、式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として1~80重量%、好ましくは5~50重量%、特に好ましくは15~40重量%の式III
R5-NH-C(O)-N=N-C(O)-NH-R5 (III)
のアゾジカルボンアミド化合物と、
を混合する工程を含むことを特徴とする、方法を提供する。
【0016】
混合は、個々の成分の製造後に、または様々な適切な点での個々の成分の製造中に行われ得る。式Iのアゾカルボニル官能化シランと、式IIのシランとの混合は、式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の製造の間に実施され得る。
【0017】
本発明による方法は、空気を排除して実施され得る。本発明による方法は、保護ガス雰囲気下で、例えばアルゴンまたは窒素下で、好ましくは窒素下で実施され得る。
【0018】
混合は、好ましくは撹拌機で混合することによって行われ得る。
【0019】
本発明による方法は、標準圧力下で、高圧下でまたは減圧下で実施され得る。好ましくは、本発明による方法は、標準圧力下で実施され得る。
【0020】
高圧とは、1.1バール~100バール、好ましくは1.1バール~50バール、特に好ましくは1.1バール~10バール、極めて特に好ましくは1.1バール~5バールの圧力であり得る。
【0021】
減圧とは、1ミリバール~1000ミリバール、好ましくは250ミリバール~1000ミリバール、より好ましくは500ミリバール~1000ミリバールの圧力であり得る。
【0022】
本発明による方法は、0℃~100℃、好ましくは10℃~50℃、特に好ましくは10℃~35℃で実施され得る。
【0023】
本発明による方法は、溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、アセトン、アセトニトリル、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ピリジンもしくは酢酸メチル、または前述の溶媒の混合物において実施され得る。本発明による方法は、好ましくは溶媒なしで実施され得る。
【0024】
揮発性副成分は、蒸留により分離され得る。
【0025】
蒸留精製は、式Iのアゾカルボニル官能化シランと、式IIのシランと、式IIIのアゾジカルボンアミド化合物との混合前または混合後に行われ得る。蒸留精製は、好ましくは式Iのアゾカルボニル官能化シランと、式IIのシランと、式IIIのアゾジカルボンアミド化合物との混合後に行われ得る。
【0026】
蒸留精製は、バッチプロセスで、または薄膜蒸発器を介して実施され得る。蒸留精製は、空気を排除して実施され得る。このプロセスは、保護ガス雰囲気下で、例えばアルゴンまたは窒素下で、好ましくは窒素下で実施され得る。
【0027】
蒸留精製は、標準圧力または減圧下で実施され得る。本発明による方法は、好ましくは減圧下で実施され得る。減圧とは、1ミリバール~1000ミリバール、好ましくは10ミリバール~200ミリバール、特に好ましくは20ミリバール~1000ミリバールの圧力であり得る。
【0028】
蒸留精製は、20℃~100℃、好ましくは20℃~80℃、特に好ましくは30℃~60℃で実施され得る。
【0029】
本発明はさらに、ゴム混合物であって、
少なくとも1種のゴムと、
式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として5~95重量%、好ましくは5~50重量%、特に好ましくは20~40重量%の式I
(R
1)
3-a(R
2)
aSi-R
3-NH-C(O)-N=N-R
4 (I)
のアゾカルボニル官能化シランと、
式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として0~90重量%、好ましくは20~60重量%、特に好ましくは30~60重量%の式II
(R
1)
y(R
2)
3-ySi-R
3-S
x-R
3-Si(R
1)
y(R
2)
3-y (II)
のシランと、
式Iのアゾカルボニル官能化シラン、式IIのシランおよび式IIIのアゾジカルボンアミド化合物の総量を基準として1~80重量%、好ましくは5~50重量%、特に好ましくは15~40重量%の式III
R
5-NH-C(O)-N=N-C(O)-NH-R
5 (III)
のアゾジカルボンアミド化合物と、
を含み、
ここで、R
1は、同一または異なり、C1~C10アルコキシ基、好ましくはメトキシ基またはエトキシ基、フェノキシ基またはアルキルポリエーテル基-O-(R
6-O)
r-R
7を表し、ここで、R
6は、同一または異なり、分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族または脂肪族/芳香族混合型の二価のC1~C30炭化水素基、好ましくは-CH
2-CH
2-を表し、rは、1~30の整数、好ましくは3~10の整数であり、かつR
7は、非置換もしくは置換の分岐状もしくは非分岐状の一価のアルキル基、アルケニル基、アリール基もしくはアラルキル基を表し、好ましくはC
13H
27アルキル基を表し、
R
2は、同一または異なり、-OH、C6~C20アリール基、好ましくはフェニル、C1~C10アルキル基、好ましくはメチル基もしくはエチル基、C2~C20アルケニル基、C7~C20アラルキル基またはハロゲン、好ましくはClを表し、
aは、0~3、好ましくは0であり、
yは、0~3、好ましくは3であり、
R
3は、同一または異なり、分岐状または非分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族または脂肪族/芳香族混合型の二価のC1~C30炭化水素基を表し、好ましくはC1~C20、特に好ましくはC1~C10、非常に特に好ましくはC2~C7-、特に好ましくはCH
2CH
2およびCH
2CH
2CH
2を表し、
R
4は、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のアルキル基、好ましくはフェニル、ハロフェニル、例えばクロロフェニル、ブロモフェニルまたはヨードフェニル、トリル、アルコキシフェニル、例えばメトキシフェニル、o-、m-またはp-ニトロフェニルまたは置換もしくは非置換のアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ニトロメチル、ニトロエチル、ニトロプロピル、ニトロブチルまたはニトロイソブチルを表し、
xは、平均硫黄鎖分布であり、ここで、xは、2~10、好ましくは2~4であり、
R
5は、同一または異なり、分岐状または非分岐状の、飽和または不飽和の、脂肪族または環状の一価のC1~C30炭化水素基、好ましくはC1~C20炭化水素基、特に好ましくはC1~C10炭化水素基、非常に特に好ましくはC2~C8炭化水素基、特に好ましくは
【化9】
または置換もしくは非置換のアリール基、好ましくはフェニルである、ゴム混合物を提供する。
【0030】
ゴムは、好ましくはジエン系ゴム、特に好ましくは天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン-ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、エチレン/プロピレン/ジエンコポリマー(EPDM)、部分水素化または完全水素化NBRゴムであり得る。
【0031】
使用されるゴムは、天然ゴムおよび/または合成ゴムであり得る。好ましい合成ゴムは、例えばW. Hofmann, Kautschuktechnologie [Rubber Technology], Genter Verlag, Stuttgart 1980に記載されている。それらは、以下を含み得る:
- ポリブタジエン(BR)、
- ポリイソプレン(IR)、
- スチレン/ブタジエンコポリマー、例えば、エマルションSBR(E-SBR)または溶液SBR(S-SBR)、好ましくは1重量%~60重量%、より好ましくは5重量%~50重量%のスチレン含量を有するSBR、
- クロロプレン(CR)
- イソブチレン/イソプレンコポリマー(IIR)、
- 5重量%~60重量%、好ましくは10重量%~50重量%のアクリロニトリル含量を有するブタジエン/アクリロニトリルコポリマー(NBR)、
- 部分水素化または完全水素化NBRゴム(HNBR)
- エチレン/プロピレン/ジエンコポリマー(EPDM)
- 官能基、例えば、カルボキシ基、シラノール基またはエポキシ基も有する上記ゴム、例えば、エポキシ化NR、カルボキシ官能化NBRまたはアミン(NR2)、シラノール(-SiOH)-、エポキシ、メルカプト、ヒドロキシまたはシロキシ(-Si-OR)官能化SBR、
およびこれらのゴムの混合物。上記のゴムは、さらにケイ素結合またはスズ結合し得る。
【0032】
好ましい実施形態では、ゴムは、硫黄加硫可能であり得る。自動車タイヤトレッドの製造のために、特に、-50℃超のガラス転移温度を有するアニオン重合S-SBRゴム(溶液SBR)、またこれらとジエン系ゴムとの混合物を使用することが可能である。特に好ましくは、ブタジエン部分のビニル分率が20重量%を上回るS-SBRゴムを使用することが可能である。非常に特に好ましくは、ブタジエン部分のビニル分率が50重量%を上回るS-SBRゴムを使用することが可能である。
【0033】
好ましくは、S-SBR含量が50重量%を上回る、好ましくは60重量%を上回る上記ゴムの混合物を使用することが可能である。
【0034】
ゴムは、官能化ゴムであり得、ここで、官能基は、アミンおよび/またはアミドおよび/またはウレタンおよび/または尿素および/またはアミノシロキサンおよび/またはシロキサンおよび/またはシリルおよび/またはアルキルシリル、例えば、N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランまたはメチルトリフェノキシシラン、および/またはハロゲン化シリルおよび/またはシランスルフィドおよび/またはチオールおよび/またはヒドロキシルおよび/またはエトキシおよび/またはエポキシおよび/またはカルボキシルおよび/またはスズ、例えば、四塩化錫またはジブチルジクロロスズおよび/またはシラノールおよび/またはヘキサクロロジシロキサンおよび/またはチオカルボキシおよび/またはニトリルおよび/またはニトロキシドおよび/またはアミドおよび/またはイミノおよび/またはウレタンおよび/または尿素および/またはジメチルイミダゾリジノンおよび/または2-メチル-2-チアゾリンおよび/または2-ベンゾチアゾールアセトニトリルおよび/または2-チオフェンカルボニトリルおよび/または2-(N-メチル-N-3-トリメトキシシリルプロピル)チアゾリンおよび/またはカルボジイミドおよび/またはN-置換アミノアルデヒドおよび/またはN-置換アミノケトンおよび/またはN-置換アミノチオアルデヒドおよび/またはN-置換アミノチオケトンおよび/またはベンゾフェノンおよび/またはアミノ基を有するチオベンゾフェノンおよび/またはイソシアネートおよび/またはイソチオシアネートおよび/またはヒドラジンおよび/またはスルホニルおよび/またはスルフィニルおよび/またはオキサゾリンおよび/またはエステル基であり得る。
【0035】
本発明によるゴム混合物は、少なくとも1種の充填剤を含有し得る。
【0036】
本発明によるゴム混合物に使用可能な充填剤は、以下の充填剤を含む:
- カーボンブラック:カーボンブラックは、ランプブラック法、ファーネスブラック法、ガスブラック法または熱法により製造され得、20~200m2/gのBET表面積を有する。カーボンブラックは、場合により、ヘテロ原子、例えばSiを含有してもよい。
- 例えば、ケイ酸塩の溶液からの沈殿により、または5~1000m2/g、好ましくは20~400m2/g(BET表面積)の比表面積を有し、かつ10~400nmの一次粒径を有するハロゲン化ケイ素の火炎加水分解により製造された非晶質シリカ。シリカは、任意に、Al、Mg、Ca、Ba、Znおよびチタンの酸化物などの他の金属酸化物と混合酸化物の形態であり得る。
- 20~400m2/gのBET表面積および10~400nmの一次粒径を有する合成ケイ酸塩、例えばケイ酸アルミニウム、アルカリ土類金属ケイ酸塩、例えば、ケイ酸マグネシウムまたはケイ酸カルシウム。
- 合成または天然の酸化アルミニウムおよび合成または天然の水酸化アルミニウム。
- 天然ケイ酸塩、例えば、カオリンおよび他の天然に存在するケイ酸塩。
- ガラス繊維およびガラス繊維製品(マット、ストランド)またはガラスマイクロビーズ。
【0037】
好ましくは、BET比表面積が20~400m2/g、より好ましくは100m2/g~250m2/gである、ケイ酸塩溶液からの沈殿によって製造された非晶質シリカを、いずれの場合もゴム100重量部を基準として、5~150重量部の量で使用することが可能である。
【0038】
極めて特に好ましくは、充填剤として沈降シリカを使用することが可能である。
【0039】
前述の充填剤は、単独または混合物で使用され得る。
【0040】
本発明によるゴム混合物は、5~150重量部の充填剤と、0.1~30重量部、好ましくは2~25重量部、特に好ましくは5~20重量部の本発明によるシラン-アゾジカルボンアミド混合物とを含有してよく、その際、重量部は、ゴム100重量部を基準とする。
【0041】
本発明によるシラン-アゾジカルボンアミド混合物は、無機材料、例えばガラスビーズ、ガラス破片、ガラス表面、ガラス繊維または酸化物充填剤、好ましくは沈降シリカおよび成形シリカなどのシリカと、有機ポリマー、例えば熱硬化性物質、熱可塑性樹脂またはエラストマーとの間の接着促進剤として、または酸化物表面のための架橋剤および表面調整剤として使用され得る。
【0042】
本発明によるシラン-アゾジカルボンアミド混合物は、充填ゴム混合物(例としては、タイヤトレッド、工業用ゴム製品または履物底が挙げられる)においてカップリング試薬として使用され得る。
【0043】
本発明によるゴム混合物は、更なるゴム助剤、例えば反応促進剤、老化安定剤、熱安定剤、光安定剤、オゾン防止剤、加工助剤、可塑剤、樹脂、粘着付与剤、発泡剤、染料、顔料、ワックス、増量剤、有機酸、遅延剤、金属酸化物、および活性剤、例えばジフェニルグアニジン、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール、アルコキシ末端ポリエチレングリコールアルキル-O-(CH2-CH2-O)yI-H(式中、yI=2~25、好ましくはyI=2~15、より好ましくはyI=3~10、最も好ましくはyI=3~6)、またはヘキサントリオールを含み得、これらはゴム産業によく知られている。
【0044】
ゴム助剤は、とりわけ意図される使用を含む要因によって決定される慣用量で使用され得る。慣例的な量は、例えば、ゴムを基準として0.1重量%~50重量%の量であり得る。使用される架橋剤は、過酸化物、硫黄または硫黄供与物質であり得る。本発明によるゴム混合物は、加硫促進剤をさらに含み得る。適切な加硫促進剤の例は、メルカプトベンゾチアゾール、スルフェンアミド、チウラム、ジチオカルバメート、チオ尿素およびチオカーボネートであり得る。加硫促進剤および硫黄は、ゴム100重量部を基準として0.1重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%の量で使用され得る。
【0045】
本発明によるゴム混合物は、100℃~200℃、好ましくは120℃~180℃の温度、任意に10~200バールの圧力で加硫され得る。ゴムと、充填剤、任意にゴム助剤およびシラン-アゾジカルボンアミド混合物との混合は、公知の混合ユニット、例えばローラ、内部ミキサーおよび混合押出機において行われ得る。
【0046】
本発明によるゴム混合物は、成型品の製造、例えばタイヤ、特に空気入りタイヤまたはタイヤトレッド、ケーブルシース、ホース、駆動ベルト、コンベアベルト、ローラカバー、履物底、シーリングリングおよび減衰エレメントの製造のために使用され得る。
【0047】
本発明によるシラン-アゾジカルボンアミド混合物の利点は、応力値が改善され、ゴム混合物における反発弾性測定において、よりバランスのとれた結果が得られることである。
【0048】
実施例
使用した物質
実施例1:
Evonik Operation GmbH製のSi 69(商標)(ビス-[3-(トリエトキシシリル)-プロピル]-テトラスルフィド)を、実施例1として使用する。
【0049】
実施例2:
欧州特許第2937351号明細書の実施例7に従って製造された2-フェニル-N-(3-(トリエトキシシリル)プロピル)ジアゼンカルボキサミドを、実施例2として用いる。
【0050】
実施例3:
N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アゾジカルボンアミドの製造
2-エチルヘキシルアミンおよびペンタンを、撹拌機および還流冷却器を備える2Lフラスコ中で0℃に冷却した。温度を0℃に維持しながら、ジイソプロピルジアゾジカルボキシレート(DIAD)をゆっくりと添加した。この混合物を、この温度でさらに30分間撹拌し、次いで20℃で2~3時間撹拌した。粗生成物のN,N-ビス(2-エチルヘキシル)アゾジカルボンアミドを、ペンタンおよびイソプロパノール中の溶液として得た。反応の転化を、HPLC分析によってモニタリングした。溶媒を真空中で除去し、生成物を深赤色固体として純度70%以上(1H-NMR分析により測定)で得た。
【0051】
実施例4:Si 69(商標)と2-フェニル-N-(3-(トリエトキシシリル)プロピル)ジアゼンカルボキサミドとN,N-ビス(2-エチルヘキシル)アゾジカルボンアミドとのブレンドの製造
2-エチルヘキシルアミン(291g、2.25モル)およびペンタン(122g、1.69モル)を、撹拌機および還流冷却器を備えた2Lフラスコ内で5℃に冷却した。温度を5℃に維持しながら、ジイソプロピルジアゾジカルボキシレート(DIAD)(227g、1.16モル)をゆっくりと添加した。この混合物を、0℃でさらに30分間撹拌し、次いで20℃で2~3時間撹拌した。続いて、得られたN,N-ビス(2-エチルヘキシル)アゾジカルボンアミドの溶液を分割し、この溶液(126.0g、iPrOH/ペンタン中60%、0.28モル)の4分の1をSi 69(商標)(95g、0.18モル)および2-フェニル-N-(3-(トリエトキシシリル)プロピル)ジアゼンカルボキサミド(128g、0.36モル)と混合した。反応溶液を20℃で5分間撹拌した。ペンタンを40℃および500ミリバールで留去し、20ミリバールの真空を40~60℃で撹拌しながら適用し、ペンタンおよびiPrOHを蒸留により除去した。蒸留された混合生成物を、NMRおよびGCにより分析した。
Si 69:30%(1H-NMR、DMSO-d6)
2-フェニル-N-(3-(トリエトキシシリル)プロピル)ジアゼンカルボキサミド:40%(1H-NMR、DMSO-d6)
N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アゾジカルボンアミド:30%(1H-NMR、DMSO-d6)
イソプロパノール:0.3%(GC)
【0052】
実施例5:天然ゴム混合物(NR)
使用した材料を第1表に列挙する。
【表1】
【0053】
ゴム混合物に使用した配合を、第2表に示す。単位phrは、使用した生ゴム100部を基準とした重量部を意味する。
【表2-1】
【表2-2】
【0054】
混合物の製造を、第3表に記載する。
【0055】
エラストマー混合物を、Harburg Freudenberger Maschinenbau GmbH製のGK 1.5 E内部ミキサーを用いて製造した。混合物およびその加硫物に使用した試験方法を、第4表に従って実施した。
【表3】
【表4】
【表5】
【0056】
第5表から、本発明のシラン-アゾジカルボンアミド混合物を含む本発明の混合物1~11の加硫物が、比較混合物1~3と比較して著しく改善された300%応力値を示すことが明らかである。
【0057】
本発明による混合物4および11は、組成の点で実施例1~3と同一である。本発明の混合物4は、実施例1~3の個々の成分を内部ミキサーに添加することにより混合中に製造されたが、本発明の混合物11の場合には、実施例1~3の予備混合物が添加される。シラン-アゾジカルボンアミド混合物が予備混合物として製造されたか、または混合中に製造されたかにかかわらず、同様の結果が得られる。
【0058】
実施例6:天然ゴム混合物(NR)
使用した材料を第1表に列挙する。
【0059】
ゴム混合物に使用した配合を、第6表に示す。単位phrは、使用した生ゴム100部を基準とした重量部を意味する。
【表6】
【0060】
混合物の製造を第3表に記載する。
【0061】
エラストマー混合物を、Harburg Freudenberger Maschinenbau GmbH製のGK 1.5 E内部ミキサーを用いて製造した。混合物およびその加硫物に使用した試験方法を、第7表に従って実施した。加硫物を、加硫プレスにて150℃で30分間の高温時間で製造した。
【表7】
【表8】
【0062】
第8表から、本発明のシラン-アゾジカルボンアミド混合物を含む本発明の混合物12および13の加硫物が、比較混合物4と比較して著しく改善された300%応力値を示すことが明らかである。ムーニー粘度は、さらに著しく低い。
【国際調査報告】