(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】アップリンク制御情報の送信に関与するユーザ機器および基地局
(51)【国際特許分類】
H04W 72/21 20230101AFI20241018BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20241018BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20241018BHJP
【FI】
H04W72/21
H04W72/0457 110
H04W72/0446
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523802
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2022078939
(87)【国際公開番号】W WO2023066914
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャリーアトマダーリー ハミドレザ
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067AA33
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本開示のユーザ機器(UE)は、処理回路が、アップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定し、送信機が、UCI繰り返し送信の目標有効数に到達するまで、利用可能なUCIに対する1つ以上の繰り返し送信を実行する。各繰り返し送信に対して、処理回路は、UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのコンポーネントキャリアを決定し、決定されたコンポーネントキャリアのアップリンクリソースを決定し、かつ、送信機は、決定されたコンポーネントキャリアの決定されたアップリンクリソースを用いて、利用可能なアップリンク制御情報を送信する。実行されるUCI繰り返し送信の各々は、UCI繰り返し送信の目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の有効数は、それぞれのUCI繰り返し送信を実行するために用いられるコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)であって、
動作中に、送信のために利用可能なアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定する処理回路、
動作中に、UCI繰り返し送信の前記目標有効数に到達するまで、前記利用可能なUCIに対する1つ以上の繰り返し送信を実行する送信機を含み、前記利用可能なUCIの各繰り返し送信に対して、
・前記処理回路が動作するときに、前記UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのコンポーネントキャリアを決定し、前記決定されたコンポーネントキャリアのアップリンクリソースを決定し、かつ
・前記送信機が動作するときに、前記決定されたコンポーネントキャリアの前記決定されたアップリンクリソースを用いて、前記利用可能なUCIを送信し、
前記実行されるUCI繰り返し送信の各々が、UCI繰り返し送信の前記目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の前記有効数が、それぞれの前記UCI繰り返し送信を実行するために用いられる前記コンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する、
ユーザ機器(UE)。
【請求項2】
前記処理回路が動作するときに、前記利用可能なUCIの過去の繰り返し送信によって繰り返し送信の前記目標有効数に到達したかどうかに基づいて、前記利用可能なUCIの繰り返し送信を実行するか否かを決定し、
任意選択で前記処理回路が、
・前記利用可能なUCIの各々の前記過去の繰り返し送信の前記個別有効数を加算することによって、前記UCIの繰り返し送信の現行有効数を決定すること、
・UCI繰り返し送信の前記決定された現行有効数を、UCI繰り返し送信の前記目標有効数と比較すること、
・UCI繰り返し送信の前記決定された現行有効数がUCI繰り返し送信の前記目標有効数よりも小さい場合に、UCI繰り返し送信を実行することを決定することによって、前記UCIの繰り返し送信を実行するか否かに関する決定を行う、
請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記処理回路が、
・前記UCIがダウンリンク送信に関する再送信プロトコルのフィードバック情報である場合は、前記ダウンリンク送信をスケジューリングするリソーススケジューリングメッセージに含まれる情報に基づくか、または前記ダウンリンク送信のために使用可能なセミパーシステントダウンリンクリソース構成に含まれる情報に基づき、
・前記UCIがスケジューリング要求(SR)である場合は、SR構成に含まれる情報に基づき、
・前記UCIがチャネル状態情報(CSI)である場合は、CSI構成に含まれる情報に基づいて、UCI繰り返し送信の前記目標有効数の前記決定を行う、
請求項1または2に記載のUE。
【請求項4】
コンポーネントキャリアの前記送信有効性係数が、参照コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信に対する別の相対的な送信有効性に対する、前記コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信に対する相対的な送信有効性を示す値であり、任意選択で前記参照コンポーネントキャリアが、プライマリキャリア、セカンダリキャリア、最低サブキャリア間隔を有するキャリア、および最高サブキャリア間隔を有するキャリアのうちの1つであり、
任意選択で前記送信有効性が、前記アップリンク送信の送信信頼性、基地局においてアップリンク送信を受信するための受信機信号品質、前記コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信のために前記UEが使用する送信電力のうちの1つ以上に関係し、
任意選択で前記UEの受信機が動作するときに、任意選択で無線リソース制御(RRC)プロトコルのメッセージにおいて、前記UEにサービス提供する基地局から前記複数のコンポーネントキャリアに対する前記送信有効性係数についての情報を受信し、前記処理回路が動作するときに、前記受信された情報からコンポーネントキャリアの前記送信有効性係数を決定する、
請求項1に記載のUE。
【請求項5】
前記UEが、ただ1つのコンポーネントキャリアを使用して繰り返し送信を実行するときに前記UEに使用されるコンポーネントキャリアに対するUCIの繰り返し送信の数を示す半静的に構成されたパラメータによって構成され、
前記処理回路が動作するときに、それぞれの前記コンポーネントキャリアの前記半静的に構成されたパラメータによって示される値に反比例するように、コンポーネントキャリアの前記送信有効性係数を決定し、
任意選択で前記半静的に構成されたパラメータが、UCI繰り返し送信の前記目標有効数とは異なるパラメータであり、
任意選択で前記UEの受信機が動作するときに、前記半静的に構成されたパラメータの代わりにただ1つのコンポーネントキャリアを使用して繰り返し送信を実行するときに前記UEに使用される前記リソーススケジューリングメッセージに関するUCIの前記繰り返し送信の数を示す動的に構成されたパラメータを含むリソーススケジューリングメッセージを受信し、前記処理回路が動作するときに、前記動的に構成されたパラメータと等しくなるようにUCI繰り返し送信の前記目標有効数を決定する、
請求項1に記載のUE。
【請求項6】
前記処理回路が動作するときに、時間要件を考慮してUCI繰り返し送信に対するタイミングを決定し、前記時間要件に従って、第2の異なるコンポーネントキャリアを通じた前のUCI繰り返し送信の後に続く、第1のコンポーネントキャリアを通じたUCI繰り返し送信が、その間に最小時間ギャップを必要とし、
任意選択で前記UEの受信機が動作するときに、任意選択で無線リソース制御(RRC)プロトコルのメッセージにおいて、前記UEにサービス提供する基地局から前記時間要件についての情報を受信し、
任意選択で前記時間要件が前記UEの能力の一部であり、前記送信機が動作するときに、前記UEにサービス提供する基地局に前記時間要件についての情報を送信し、
任意選択で前記時間要件が前記UEに対して構成された前記複数のコンポーネントキャリアに共通して適用されるか、または前記時間要件が前記複数のコンポーネントキャリアのうちの1つに適用される、
請求項1に記載のUE。
【請求項7】
前記UCIが、
・たとえばハイブリッド自動再送要求(HARQ)プロトコルなどの再送信プロトコルのフィードバック情報、
・スケジューリング要求(SR)、および
・チャネル状態情報(CSI)のうちの1つ以上である、
請求項1に記載のUE。
【請求項8】
前記処理回路が、
・前記UCIの送信に対するアップリンクタイミングを決定することと、前記決定されたアップリンクタイミングに対応する参照コンポーネントキャリアの参照時間スロットを決定することと、次いでアップリンクキャリアタイミングパターンおよび前記決定された参照時間スロットに基づいて前記UCIの送信に対するコンポーネントキャリアを決定することとによって、前記UCIの送信に対する前記コンポーネントキャリアの前記決定を行い、
o任意選択で前記アップリンクキャリアタイミングパターンが、参照時間スロットごとの1つのコンポーネントキャリアのパターンを定義することによって、前記参照コンポーネントキャリアの各時間スロットが、前記UEに対して構成された前記複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのコンポーネントキャリアに関連付けられ、
あるいは前記処理回路が、
・前記UCIとして自身に対する再送信プロトコルのフィードバック情報が送信されるダウンリンク送信に関するコンポーネントキャリア表示に基づいて、前記UCIの送信に対する前記コンポーネントキャリアの前記決定を行い、
o任意選択で前記コンポーネントキャリア表示が、前記UEにサービス提供する基地局から受信される、前記ダウンリンク送信をスケジューリングするリソーススケジューリングメッセージに含まれるか、または前記ダウンリンク送信のために使用可能なセミパーシステントダウンリンク構成によって示され、
任意選択で前記UCIを送信するために前記決定されたコンポーネントキャリアが、前記UCIを送信する前記タイミングに依存して、前記複数のコンポーネントキャリアのうちの異なるコンポーネントキャリアであり得、かつ任意選択で前記決定されたコンポーネントキャリアが、前記UCIとして自身に対する再送信プロトコルのフィードバック情報が送信されるダウンリンク送信を前記UEが受信したときに用いられたコンポーネントキャリアとは異なるコンポーネントキャリアであり得る、
請求項1に記載のUE。
【請求項9】
前記処理回路が、前記決定されたコンポーネントキャリアに基づき、前記UCIに関するアップリンクリソース表示に基づき、かつ異なるアップリンクリソース表示と、前記UEに対して構成された前記複数のコンポーネントキャリアのうちの1つ以上のコンポーネントキャリアの異なるアップリンクリソースとの第1の関連付けに基づいて、各々の前記UCI繰り返し送信に対して前記決定されたコンポーネントキャリアの前記アップリンクリソースの前記決定を行い、
任意選択で前記アップリンクリソース表示がリソーススケジューリングメッセージに含まれ、前記リソーススケジューリングメッセージが前記UEにサービス提供する基地局から受信され、かつ前記UCIとして自身に対する再送信プロトコルのフィードバック情報が送信されるダウンリンク送信をスケジューリングするか、または前記アップリンクリソース表示が前記ダウンリンク送信のために使用可能なセミパーシステントダウンリンク構成によって示される、
請求項1に記載のUE。
【請求項10】
一連のUCI繰り返し送信のうちの第1のUCI繰り返し送信に対して、前記処理回路が、前記決定されたコンポーネントキャリアに基づき、アップリンクリソース表示に基づき、かつ異なるアップリンクリソース表示と、前記UEに対して構成された前記複数のコンポーネントキャリアのうちの1つ以上のコンポーネントキャリアの異なるアップリンクリソースとの第1の関連付けに基づいて、前記決定されたコンポーネントキャリアの前記アップリンクリソースの前記決定を行い、
第2の関連付けが前記一連のUCI繰り返し送信のうちの任意の後続のUCI繰り返し送信に適用可能であり、前記一連のうちの第1のUCI繰り返し送信のために使用可能な異なるアップリンクリソースと、前記UEに対して構成された前記複数のコンポーネントキャリアのうちの1つ以上のコンポーネントキャリアの異なるアップリンクリソースとを関連付けるものであり、前記一連のうちの後続のUCI繰り返し送信のいずれかに対して、前記処理回路が、前記第2の関連付けに基づき、前記一連のうちの第1のUCI繰り返し送信のために使用される前記アップリンクリソースに基づき、かつ前記決定されたコンポーネントキャリアに基づいて、前記決定されたコンポーネントキャリアの前記アップリンクリソースの前記決定を行い、
任意選択で前記アップリンクリソース表示がリソーススケジューリングメッセージに含まれ、前記リソーススケジューリングメッセージが前記UEにサービス提供する基地局から受信され、かつ前記UCIとして自身に対する再送信プロトコルのフィードバック情報が送信されるダウンリンク送信をスケジューリングするか、または前記アップリンクリソース表示が前記ダウンリンク送信のために使用可能なセミパーシステントダウンリンク構成によって示される、
請求項1に記載のUE。
【請求項11】
ユーザ機器(UE)によって実行される以下のステップ、
送信のために利用可能なアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定するステップ、
UCI繰り返し送信の前記目標有効数に到達するまで、前記利用可能なUCIに対する1つ以上の繰り返し送信を実行するステップを含み、
前記利用可能なUCIの各繰り返し送信が、
・前記UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのコンポーネントキャリアを決定し、前記決定されたコンポーネントキャリアのアップリンクリソースを決定するステップと、
・前記決定されたコンポーネントキャリアの前記決定されたアップリンクリソースを用いて、前記利用可能なUCIを送信するステップと、を含み、
前記実行されるUCI繰り返し送信の各々が、UCI繰り返し送信の前記目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の前記有効数が、それぞれの前記UCI繰り返し送信を実行するために用いられる前記コンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する、
方法。
【請求項12】
基地局であって、
動作中に、ユーザ機器に対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースを用いて前記UEによって送信されるアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定する処理回路を含み、
前記処理回路が動作中に、前記複数のコンポーネントキャリアの各々に対して、それぞれの前記UCI繰り返し送信を実行するために前記UEが使用可能なそれぞれの前記コンポーネントキャリアに関する送信有効性係数を決定し、前記基地局がさらに、
動作中に、UCI繰り返し送信の前記決定された目標有効数についての情報と、各コンポーネントキャリアに対する前記決定された送信有効性係数についての情報とを前記UEに送信する送信機、
動作中に、UCI繰り返し送信の前記目標有効数に到達するまで、前記複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースをそれぞれ介して前記UEからUCI繰り返し送信を受信する受信機を含み、
前記受信されたUCI繰り返し送信の各々が、UCI繰り返し送信の前記目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の前記有効数が、それぞれの前記UCI繰り返し送信の受信に用いられた前記コンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する、
基地局。
【請求項13】
前記処理回路が動作するときに、前記利用可能なUCIの過去に受信された繰り返し送信によって繰り返し送信の前記目標有効数に到達したかどうかに基づいて、前記利用可能なUCIの繰り返し送信が前記UEから受信されるか否かを決定し、
任意選択で前記処理回路が、
・前記利用可能なUCIの各々の前記過去に受信された繰り返し送信の前記個別有効数を加算することによって、前記UCIの繰り返し送信の現行有効数を決定すること、
・受信されたUCI繰り返し送信の前記決定された現行有効数を、UCI繰り返し送信の前記目標有効数と比較すること、
・UCI繰り返し送信の前記決定された現行有効数がUCI繰り返し送信の前記目標有効数よりも小さい場合に、UCI繰り返し送信が受信されることを決定することによって、UCI繰り返し送信が受信されるか否かに関する決定を行う、
請求項12に記載の基地局。
【請求項14】
前記送信機が、
・前記UCIがダウンリンク送信に関する再送信プロトコルのフィードバック情報である場合は、前記ダウンリンク送信をスケジューリングするリソーススケジューリングメッセージか、または前記ダウンリンク送信のために使用可能なセミパーシステントダウンリンクリソース構成において、
・前記UCIがスケジューリング要求(SR)である場合は、SR構成において、
・前記UCIがチャネル状態情報(CSI)である場合は、CSI構成において、UCI繰り返し送信の前記目標有効数についての前記情報の前記送信を行う、
請求項12または13に記載の基地局。
【請求項15】
コンポーネントキャリアの前記送信有効性係数が、参照コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信に対する別の相対的な送信有効性に対する、前記コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信に対する相対的な送信有効性を示す値であり、任意選択で前記参照コンポーネントキャリアが、プライマリキャリア、セカンダリキャリア、最低サブキャリア間隔を有するキャリア、および最高サブキャリア間隔を有するキャリアのうちの1つであり、
任意選択で前記処理回路が動作するときに、前記アップリンク送信の送信信頼性、アップリンク送信を受信するための受信機信号品質、前記コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信のために前記UEが使用する送信電力のうちの1つ以上に基づいて前記送信有効性を決定する、
請求項12に記載の基地局。
【請求項16】
前記処理回路が動作するときに、時間要件を考慮して前記UEのUCI繰り返し送信に対するタイミングを決定し、前記時間要件に従って、第2の異なるコンポーネントキャリアを通じた前のUCI繰り返し送信の後に続く、第1のコンポーネントキャリアを通じたUCI繰り返し送信は、その間に最小時間ギャップを必要とし、
任意選択で前記処理回路が動作するときに前記時間要件を決定し、前記送信機が動作するときに、任意選択で無線リソース制御(RRC)プロトコルのメッセージにおいて、前記時間要件についての情報を前記UEに送信し、
任意選択で前記受信機が動作するときに、前記UEの能力の一部として示される前記時間要件についての情報を前記UEから受信し、
任意選択で前記時間要件が前記UEに対して構成された前記複数のコンポーネントキャリアに共通して適用されるか、または前記時間要件が前記複数のコンポーネントキャリアのうちの1つに適用される、
請求項12に記載の基地局。
【請求項17】
前記処理回路が、
・前記UCIの送信に対するアップリンクタイミングを決定することと、前記決定されたアップリンクタイミングに対応する参照コンポーネントキャリアの参照時間スロットを決定することと、次いでアップリンクキャリアタイミングパターンおよび前記決定された参照時間スロットに基づいて前記UCIの送信に対するコンポーネントキャリアを決定することとによって、前記UCIの送信のために前記UEが使用する前記コンポーネントキャリアの前記決定を行い、
o任意選択で前記アップリンクキャリアタイミングパターンが、参照時間スロットごとの1つのコンポーネントキャリアのパターンを定義することによって、前記参照コンポーネントキャリアの各時間スロットが、前記UEに対して構成された前記複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのコンポーネントキャリアに関連付けられ、
あるいは前記処理回路が、
・前記UCIとして自身に対する再送信プロトコルのフィードバック情報が前記UEによって送信されるダウンリンク送信に関するコンポーネントキャリア表示に基づいて、前記UCIの送信のために前記UEが使用する前記コンポーネントキャリアの前記決定を行い、
o任意選択で前記コンポーネントキャリア表示が、前記基地局から前記UEに送信される、前記ダウンリンク送信をスケジューリングするリソーススケジューリングメッセージに含まれるか、または前記ダウンリンク送信のために使用可能なセミパーシステントダウンリンク構成によって示され、
任意選択で前記UCIを送信するために前記決定されたコンポーネントキャリアが、前記UCIを送信する前記タイミングに依存して、前記複数のコンポーネントキャリアのうちの異なるコンポーネントキャリアであり得、かつ任意選択で前記決定されたコンポーネントキャリアが、前記UCIとして自身に対する再送信プロトコルのフィードバック情報が送信されるダウンリンク送信を前記UEが受信したときに用いられたコンポーネントキャリアとは異なるコンポーネントキャリアであり得る、
請求項12に記載の基地局。
【請求項18】
前記処理回路が動作するときに、異なるアップリンクリソース表示と、前記UEに対して構成された前記複数のコンポーネントキャリアのうちの1つ以上のコンポーネントキャリアの異なるアップリンクリソースとの第1の関連付けを決定し、前記送信機が動作するときに前記第1の関連付けについての情報を前記UEに送信し、
前記処理回路が動作するときに、前記第1の関連付けの前記異なるアップリンクリソース表示からの1つの固有アップリンクリソースインジケータと、前記UEによって実行される一連のUCI繰り返し送信のうちの第1のUCI繰り返し送信に対応する前記アップリンクリソースとを決定し、前記送信機が動作するときに前記固有アップリンクリソースインジケータを前記UEに送信し、
前記処理回路が動作するときに、前記UEによって実行される前記一連のUCI繰り返し送信のうちの任意の後続のUCI繰り返し送信に適用可能な第2の関連付けを決定し、前記第2の関連付けが、前記一連のうちの第1のUCI繰り返し送信のために使用可能な異なるアップリンクリソースと、前記UEに対して構成された前記複数のコンポーネントキャリアのうちの1つ以上のコンポーネントキャリアの異なるアップリンクリソースとを関連付けるものであり、
前記処理回路が動作するときに、前記一連のうちの後続のUCI繰り返し送信のいずれかに対して、前記第2の関連付けに基づき、前記一連のうちの第1のUCI繰り返し送信のために前記UEが使用する前記アップリンクリソースに基づき、かつ前記決定されたコンポーネントキャリアに基づいて、前記決定されたコンポーネントキャリアの前記アップリンクリソースを決定し、
任意選択で前記固有アップリンクリソース表示がリソーススケジューリングメッセージに含まれ、前記リソーススケジューリングメッセージが前記基地局から前記UEに送信され、かつ前記UCIとして自身に対する再送信プロトコルのフィードバック情報が前記UEによって送信されるダウンリンク送信をスケジューリングするか、または前記アップリンクリソース表示が前記ダウンリンク送信のために使用可能なセミパーシステントダウンリンク構成によって示される、
請求項12に記載の基地局。
【請求項19】
基地局によって実行される以下のステップ、
ユーザ機器に対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースを用いて前記UEによって送信されるアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定するステップ、
前記複数のコンポーネントキャリアの各々に対して、それぞれの前記UCI繰り返し送信を実行するために前記UEが使用可能なそれぞれの前記コンポーネントキャリアに関する送信有効性係数を決定するステップ、
UCI繰り返し送信の前記決定された目標有効数についての情報と、各コンポーネントキャリアに対する前記決定された送信有効性係数についての情報とを前記UEに送信するステップ、
UCI繰り返し送信の前記目標有効数に到達するまで、前記複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースをそれぞれ介して前記UEからUCI繰り返し送信を受信するステップを含み、
前記受信されたUCI繰り返し送信の各々が、UCI繰り返し送信の前記目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の前記有効数が、それぞれの前記UCI繰り返し送信の受信に用いられた前記コンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する、
方法。
【請求項20】
動作中にユーザ機器のプロセスを制御する集積回路であって、前記プロセスが、前記ユーザ機器によって実行される以下のステップ、
送信のために利用可能なアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定するステップ、
UCI繰り返し送信の前記目標有効数に到達するまで、前記利用可能なUCIに対する1つ以上の繰り返し送信を実行するステップを含み、
前記利用可能なUCIの各繰り返し送信が、
・前記UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのコンポーネントキャリアを決定し、前記決定されたコンポーネントキャリアのアップリンクリソースを決定するステップと、
・前記決定されたコンポーネントキャリアの前記決定されたアップリンクリソースを用いて、前記利用可能なUCIを送信するステップと、を含み、
前記実行されるUCI繰り返し送信の各々が、UCI繰り返し送信の前記目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の前記有効数が、それぞれの前記UCI繰り返し送信を実行するために用いられる前記コンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する、
集積回路。
【請求項21】
動作中に基地局のプロセスを制御する集積回路であって、前記プロセスが、前記基地局によって実行される以下のステップ、
ユーザ機器に対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースを用いて前記UEによって送信されるアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定するステップ、
前記複数のコンポーネントキャリアの各々に対して、それぞれの前記UCI繰り返し送信を実行するために前記UEが使用可能なそれぞれの前記コンポーネントキャリアに関する送信有効性係数を決定するステップ、
UCI繰り返し送信の前記決定された目標有効数についての情報と、各コンポーネントキャリアに対する前記決定された送信有効性係数についての情報とを前記UEに送信するステップ、
UCI繰り返し送信の前記目標有効数に到達するまで、前記複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースをそれぞれ介して前記UEからUCI繰り返し送信を受信するステップを含み、
前記受信されたUCI繰り返し送信の各々が、UCI繰り返し送信の前記目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の前記有効数が、それぞれの前記UCI繰り返し送信の受信に用いられた前記コンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、3GPP(登録商標)通信システム等の通信システムにおける方法、装置、および物品を対象とする。
【背景技術】
【0002】
現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:the 3rd Generation Partnership Project)は、第5世代(5G:fifth generation)とも呼ばれる次世代セルラ技術に対する技術仕様に取り組んでいる。
【0003】
1つの目的は、少なくとも拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broadband)、超高信頼低遅延通信(URLLC:ultra-reliable low-latency communications)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communication)を含むすべての利用シナリオ、要件、および配置シナリオ(例、3GPP TR 38.913バージョン16.0.0のセクション6を参照)に対処する単一の技術フレームワークを提供することである。たとえば、eMBB配置シナリオは屋内ホットスポット、密集した都市部、ルーラル、都市部マクロ、および高速を含んでもよく、URLLC配置シナリオは産業用制御システム、モバイルヘルスケア(遠隔モニタリング、診断、および治療)、車両のリアルタイム制御、広域モニタリング、およびスマートグリッドのための制御システムを含んでもよく、mMTC配置シナリオは、たとえばスマートウェアラブルおよびセンサネットワークなどの、非タイムクリティカルデータ転送を伴う多数のデバイスを有するシナリオを含んでもよい。eMBBおよびURLLCサービスは、どちらも非常に広い帯域幅を要求する点で類似しているが、URLLCサービスは好ましくは超低遅延を必要とし得る点で異なっている。
【0004】
第2の目的は、上位互換性を達成することである。Long Term Evolution(LTE、LTE-A)セルラシステムに対する下位互換性は必要ないため、まったく新しいシステム設計および/または新規の特性の導入が促進される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの非限定的な例示的実施形態は、UEが改善されたアップリンク制御情報送信手順を実行するための手順の提供を促進する。
【0006】
ある実施形態において、本明細書に開示される技術は、以下を含むユーザ機器(UE:user equipment)を特徴とする。UEの処理回路は、送信のために利用可能なアップリンク制御情報(UCI:uplink control information)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定する。UEの送信機は、UCI繰り返し送信の目標有効数に到達するまで、利用可能なアップリンク制御情報に対する1つ以上の繰り返し送信を実行する。利用可能なアップリンク制御情報の各繰り返し送信に対して、
・処理回路は、UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのコンポーネントキャリアを決定し、決定されたコンポーネントキャリアのアップリンクリソースを決定し、かつ
・送信機は、決定されたコンポーネントキャリアの決定されたアップリンクリソースを用いて、利用可能なアップリンク制御情報を送信する。
【0007】
実行されるUCI繰り返し送信の各々は、UCI繰り返し送信の目標有効数に向かって個別有効数を付与し(contributes)、各UCI繰り返し送信の有効数は、それぞれのUCI繰り返し送信を実行するために用いられるコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する。
【0008】
一般的な実施形態または特定の実施形態が、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはそれらの任意の選択的な組み合わせとして実施され得ることに留意されたい。たとえば、集積回路は、UEまたは基地局の処理を制御することができる。
【0009】
開示されている実施形態および様々な実施態様のさらなる恩恵および利点は、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざまな実施形態および特徴によって、個別に得ることができ、このような恩恵および/または利点の1つまたは複数を得る目的で、実施形態および特徴すべてを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下の実施形態は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【
図1】3GPP NRシステムの例示的なアーキテクチャの図である。
【
図2】NG-RANと5GCとの間の機能分離を示す概略図である。
【
図3】RRC接続のセットアップ/再設定の手順のシーケンス図である。
【
図4】拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)、および超高信頼低遅延通信(URLLC)の利用シナリオを示す概略図である。
【
図5】非ローミングシナリオのための例示的な5Gシステムアーキテクチャを示すブロック図である。
【
図6】帯域幅部分、制御リソースセット(CORESET:Control Resource Sets)、サーチスペース、サーチスペースセット、およびPDCCH候補の関係を示す図である。
【
図7】無線フレーム、サブフレーム、スロット、および異なるサブキャリア間隔に対するOFDMシンボルを含む、たとえば5G NRなどの通信システムにおける例示的な時間領域構造を示す図である。
【
図8】PUCCH繰り返し機能の簡略化した例示的実装を示す図である。
【
図9】PUCCHキャリアスイッチング機能の簡略化した例示的実装を示す図である。
【
図10】UEおよびgNBの例示的な簡略化した構造を示す図である。
【
図11】改善されたUCI送信手順の例示的実装によるUEの構造を示す図である。
【
図12】改善されたUCI送信手順の例示的実装によるUEの挙動を示す流れ図である。
【
図13】改善されたUCI送信手順の例示的実装による基地局の構造を示す図である。
【
図14】改善されたUCI送信手順の例示的実装に参加する基地局の挙動を示す流れ図である。
【
図15】改善されたUCI送信手順の例示的実装に対するUEおよびgNBの例示的な交換を示すシグナリング図である。
【
図16】特定的にSPS構成PDSCH送信に対する、改善されたUCI送信手順の例示的実装によるアップリンク繰り返し送信およびアップリンクキャリアスイッチングの共同動作(joint operation)を示す図である。
【
図17】特定的にDCIスケジューリングPDSCH送信に対する、改善されたUCI送信手順の別の例示的実装によるアップリンク繰り返し送信およびアップリンクキャリアスイッチングの共同動作を示す図である。
【
図18】アップリンクリソース決定の1つの変形を特定的に含む、改善されたUCI送信手順の例示的実装によるアップリンク繰り返し送信およびアップリンクキャリアスイッチングの共同動作を示す図である。
【
図19】改善されたアップリンクリソース決定の実装を特定的に含む、改善されたUCI送信手順の例示的実装によるアップリンク繰り返し送信およびアップリンクキャリアスイッチングの共同動作を示す図である。
【
図20】改善されたアップリンクリソース決定のさらなる実装を特定的に含む、改善されたUCI送信手順の例示的実装によるアップリンク繰り返し送信およびアップリンクキャリアスイッチングの共同動作を示す図である。
【
図21】改善されたアップリンクリソース決定のさらなる実装を特定的に含む、改善されたUCI送信手順の例示的実装によるアップリンク繰り返し送信およびアップリンクキャリアスイッチングの共同動作を示す図である。
【
図22】本開示の別の態様によるさらなる態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<5G NRのシステムアーキテクチャおよびプロトコルスタック>
3GPPは、100GHzまでの周波数範囲で動作する新無線アクセス技術(NR)の開発を含む第5世代セルラ技術(単に「5G」ともいう)の次のリリースに向けて作業を続けている。5G規格の初版は2017年の終わりに完成しており、これにより、5G NRの規格に準拠したスマートフォンの試作および商用配備に移ることが可能となっている。
【0012】
特に、全体的なシステムアーキテクチャは、gNBを備えるNG-RAN(Next Generation-Radio Access Network)を想定する。gNBは、NG無線アクセスのユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)及び制御プレーン(RRC)プロトコルのUE側の終端を提供する。gNBは、Xnインタフェースによって相互に接続される。また、gNBは次世代(NG:Next Generation)インタフェースによって次世代コア(NGC:Next Generation Core)に、より具体的には、NG-Cインタフェースによってアクセス・モビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function。例えば、AMFを実行する特定のコアエンティティ)に、また、NG-Uインタフェースによってユーザプレーン機能(UPF:User Plane Function。例えば、UPFを実行する特定のコアエンティティ)に接続される。NG-RANアーキテクチャは、
図1に示される(例えば、3GPP TS 38.300 v16.46.0のセクション4参照)。
【0013】
NRのユーザプレーンプロトコルスタック(例えば、3GPP TS 38.300のセクション4.4.1参照)は、gNBにおいてネットワーク側で終端されるPDCP(Packet Data Convergence Protocol。TS 38.300のセクション6.4参照)サブレイヤ、RLC(Radio Link Control。TS 38.300のセクション6.3参照)サブレイヤ、及びMAC(Medium Access Control。TS 38.300のセクション6.2参照)サブレイヤを含む。さらに、PDCPの上位には、新たなアクセス層(AS:Access Stratum)サブレイヤ(SDAP:Service Data Adaptation Protocol)が導入されている(例えば、TS 38.300のsub-clause 6.5参照)。また、NRでは制御プレーンのプロトコルスタックも定義されている(例えば、TS 38.300のセクション4.4.2参照)。レイヤ2機能の概要は、TS 38.300のsub-clause 6に記載されている。RRCレイヤの機能は、TS 38.300のsub-clause 7に列挙されている。
【0014】
例えば、MACレイヤでは、論理チャネルの多重化や、様々なヌメロロジーの処理を含むスケジューリングやスケジューリング関連の機能を担う。
【0015】
物理レイヤ(PHY:physical layer)は、例えば、符号化、PHY HARQ処理、変調、マルチアンテナ処理、及び信号の適切な物理時間-周波数リソースへの配置を担う。また、トランスポートチャネルの物理チャネルへの配置も行う。物理レイヤは、トランスポートチャネルの形式でMACレイヤにサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間-周波数リソースの組に対応し、各トランスポートチャネルは、対応する物理チャネルに配置される。例えば、物理チャネルは、上りリンクではPRACH(Physical Random Access Channel)、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)及びPUCCH(Physical Uplink Control Channel)となり、下りリンクではPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)及びPBCH(Physical Broadcast Channel)となる。
【0016】
NRのユースケース/展開シナリオには、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable Low-Latency Communications)、mMTC(massive Machine Type Communication)などがあり、これらはデータレート、遅延、カバレッジに関して多様な要件を持つ。例えば、eMBBでは、IMT-Advancedで提供されているものの三倍ほどのピークデータレート(下り20Gbps、上り10Gbps)および実効(user-experienced)データレートに対応することが求められる。一方、URLLCでは、より厳しい要件が超低遅延(ユーザプレーンの遅延はUL、DLともに0.5ms)と高信頼性(1ms以内に1-10-5)について課されている。最後に、mMTCには、好ましくは、高い接続密度(都市環境では1平方キロメートルあたり100万台)、悪環境での広いカバレッジ、低コスト機器の超長寿命バッテリー(15年)が求められる。
【0017】
したがって、一つのユースケースに適したOFDMヌメロロジー(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル長、巡回プレフィクス(CP)長、スケジューリング間隔あたりのシンボル数)は、他のユースケースには有効でない場合がある。例えば、低遅延サービスは、好ましくは、mMTCサービスよりも短いシンボル長(したがって、より大きなサブキャリア間隔)および/またはスケジューリング区間(換言すると、TTI)毎のシンボル数が少ないことが求められうる。さらに、チャネルの遅延スプレッドが大きい展開シナリオでは、好ましくは、遅延スプレッドが短いシナリオよりもCP長が長いことが求められうる。同様のCPオーバーヘッドを維持するためには、サブキャリア間隔は適宜最適化される必要がある。NRでは、複数の値のサブキャリア間隔をサポートしてもよい。これに対応して、現時点では15kHz、30kHz、60kHz、・・・、のサブキャリア間隔が検討されている。シンボル長Tuとサブキャリア間隔Δfは、式Δf=1/Tuによって直接関係づけられる。LTEシステムと同様、「リソースエレメント」という用語は、1つのOFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対する一つのサブキャリアで構成される最小のリソース単位を示すのに使用することができる。
【0018】
新たな無線システム5G-NRにおいては、各ヌメロロジーおよびキャリアに対して、アップリンクおよびダウンリンクのそれぞれに対してサブキャリアおよびOFDMシンボルのリソースグリッドが定義される。リソースグリッドの各エレメントはリソースエレメントと呼ばれ、周波数領域における周波数インデックスと、時間領域におけるシンボル位置とに基づいて識別される(3GPP TS 38.211 v16.46.0、例、セクション4を参照)。たとえば、ダウンリンクおよびアップリンク送信は10msの持続時間を有するフレームに編成され、各フレームはそれぞれ1msの持続時間の10のサブフレームからなる。5g NRの実装において、サブフレーム当りの連続するOFDMシンボルの数は、サブキャリア間隔設定に依存する。たとえば、15kHzのサブキャリア間隔に対して、サブフレームは14のOFDMシンボルを有する(通常のサイクリックプレフィックスを想定したLTE適合実装と同様である)。他方で、30kHzのサブキャリア間隔に対して、サブフレームは2つのスロットを有し、各スロットは14のOFDMシンボルを含む。
【0019】
<5G NRにおけるNG-RANと5GCとの間の機能分離>
図2は、NG-RANと5GCとの間の機能分離を示す。NG-RANの論理ノードは、gNBまたはng-eNBである。5GCは、論理ノードAMF、UPF、およびSMFを有する。
【0020】
特に、gNBおよびng-eNBは、以下の主な機能をホストする:
- 無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、無線アドミッション制御(Radio Admission Control)、接続モビリティ制御(Connection Mobility Control)、上りリンクおよび下りリンクの両方におけるリソースのUEへの動的割当(スケジューリング)等の無線リソース管理(Radio Resource Management)の機能;
- データのIPヘッダ圧縮、暗号化、および完全性保護;
- UEが提供する情報からAMFへのルーティングを決定することができない場合のUEのアタッチ時のAMFの選択;
- UPFに向けたユーザプレーンのデータのルーティング;
- AMFに向けた制御プレーン情報のルーティング;
- 接続のセットアップおよび解除;
- ページングメッセージのスケジューリングおよび送信;
- システム報知情報(AMFまたは運用管理保守機能(OAM:Operation,Admission,Maintenance)が発信源)のスケジューリングおよび送信;
- モビリティおよびスケジューリングのための測定および測定の報告の設定;
- 上りリンクにおけるトランスポートレベルのパケットマーキング;
- セッション管理;
- ネットワークスライシングのサポート;
- QoSフロー管理およびデータ無線ベアラに対するマッピング;
- RRC_INACTIVE状態のUEのサポート;
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)メッセージの配信機能;
- 無線アクセスネットワークの共有;
- デュアルコネクティビティ;
- NRとE-UTRAとの緊密な連携。
【0021】
アクセス・モビリティ管理機能(AMF)は、以下の主な機能をホストする:
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)のシグナリングを終端させる機能;
- NASシグナリングのセキュリティ;
- アクセス層(AS)のセキュリティ制御;
- 3GPPのアクセスネットワーク間でのモビリティのためのコアネットワーク(CN:Core Network)ノード間シグナリング;
- アイドルモードのUEへの到達可能性(ページングの再送の制御および実行を含む);
- 登録エリアの管理;
- システム内モビリティおよびシステム間モビリティのサポート;
- アクセス認証;
- ローミング権限のチェックを含むアクセス承認;
- モビリティ管理制御(加入およびポリシー);
- ネットワークスライシングのサポート;
- セッション管理機能(SMF)の選択。
【0022】
さらに、ユーザプレーン機能(UPF)は、以下の主な機能をホストする:
- RAT内モビリティ/RAT間モビリティ(適用可能な場合)のためのアンカーポイント;
- データネットワークとの相互接続のための外部PDU(Protocol Data Unit)セッションポイント;
- パケットのルーティングおよび転送;
- パケット検査およびユーザプレーン部分のポリシールールの強制(Policy rule enforcement);
- トラフィック使用量の報告;
- データネットワークへのトラフィックフローのルーティングをサポートする上りリンククラス分類(uplink classifier);
- マルチホームPDUセッション(multi-homed PDU session)をサポートするための分岐点(Branching Point);
- ユーザプレーンに対するQoS処理(例えば、パケットフィルタリング、ゲーティング(gating)、UL/DLレート制御(UL/DL rate enforcement);
- 上りリンクトラフィックの検証(SDFのQoSフローに対するマッピング);
- 下りリンクパケットのバッファリングおよび下りリンクデータ通知のトリガ機能。
【0023】
最後に、セッション管理機能(SMF)は、以下の主な機能をホストする:
- セッション管理;
- UEに対するIPアドレスの割当および管理;
- UPFの選択および制御;
- 適切な宛先にトラフィックをルーティングするためのユーザプレーン機能(UPF)におけるトラフィックステアリング(traffic steering)の設定機能;
- 制御部分のポリシー強制およびQoS;
- 下りリンクデータの通知。
【0024】
<RRC接続のセットアップおよび再設定の手順>
図3は、NAS部分の、UEがRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDに移行する際のUE、gNB、およびAMF(5GCエンティティ)の間のやり取りのいくつかを示す(TS 38.300参照)。
【0025】
RRCは、UEおよびgNBの設定に使用される上位レイヤのシグナリング(プロトコル)である。特に、この移行により、AMFは、UEコンテキストデータ(これは、例えば、PDUセッションコンテキスト、セキュリティキー、UE無線能力(UE Radio Capability)、UEセキュリティ能力(UE Security Capabilities)等を含む)を用意し、初期コンテキストセットアップ要求(INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST)とともにgNBに送る。そして、gNBは、UEと一緒に、ASセキュリティをアクティブにする。これは、gNBがUEにSecurityModeCommandメッセージを送信し、UEがSecurityModeCompleteメッセージでgNBに応答することによって行われる。その後、gNBは、UEにRRCReconfigurationメッセージを送信し、これに対するUEからのRRCReconfigurationCompleteをgNBが受信することによって、シグナリング無線ベアラ2(SRB2)およびデータ無線ベアラ(DRB)をセットアップするための再設定を行う。シグナリングのみの接続については、SRB2およびDRBがセットアップされないため、RRCReconfigurationに関するステップは省かれる。最後に、gNBは、初期コンテキストセットアップ応答(INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE)でセットアップ手順が完了したことをAMFに通知する。
【0026】
したがって、本開示では、gNodeBとのNext Generation(NG)接続を動作時に確立する制御回路と、gNodeBとユーザ機器(UE:User Equipment)との間のシグナリング無線ベアラがセットアップされるように動作時にNG接続を介してgNodeBに初期コンテキストセットアップメッセージを送信する送信部と、を備える、5th Generation Core(5GC)のエンティティ(例えば、AMF、SMF等)が提供される。具体的には、gNodeBは、リソース割当設定情報要素(IE:Information Element)を含む無線リソース制御(RRC)シグナリングを、シグナリング無線ベアラを介してUEに送信する。そして、UEは、リソース割当設定に基づき上りリンクにおける送信または下りリンクにおける受信を行う。
【0027】
<2020年以降のIMTの利用シナリオ>
図4は、5G NRのユースケースの一部を示す。第3世代パートナーシッププロジェクトNR(3GPP NR)では、IMT-2020によって多種多様なサービスやアプリケーションに対応することが想定されている三つのユースケースが検討されている。高速大容量(eMBB)のための第一段階の仕様の策定は終了している。eMBBのサポートをさらに拡充することに加え、現在および将来的には、超高信頼低遅延(URLLC)および多数同時接続の標準化の研究も進められる。
図4は、2020年以降のIMTで想定される利用シナリオの例を示す(例えば、ITU-R M.20183の
図2を参照)。
【0028】
URLLCのユースケースは、スループット、遅延、アベイラビリティ等の性能に対する厳しい要件を有し、工業生産や製造プロセスの無線制御、遠隔医療手術、スマートグリッドの配電自動化、交通安全等、将来の垂直アプリケーションを実現するものの一つとして想定されている。URLLCの超高信頼性は、TR 38.913v16.0.0によって設定された要件を満たす技術を特定することでサポートされる。リリース15におけるNR URLLCの場合、UL(上りリンク)0.5ms、DL(下りリンク)0.5msのユーザプレーン遅延を目標とすることが主要な要件である。一度のパケット送信に対する一般的なURLLCの要件は、ユーザプレーン遅延が1msの場合、32バイトのパケットサイズに対してブロック誤り率(BLER:block error rate)が1E-5であることである。
【0029】
物理レイヤの観点では、信頼性は、多くの採り得る方法で向上可能である。現在の信頼性向上の余地としては、URLLC用の別個のCQIテーブル、よりコンパクトなDCIフォーマット、PDCCHの繰り返し送信等を定義することが含まれる。しかしながら、この余地は、NRが(NR URLLCの重要要件に関し)より安定しかつより開発されるにつれて、超高信頼性の実現のために広がりうる。リリース15におけるNR URLLCの具体的なユースケースには、拡張現実/仮想現実(AR/VR)、e-ヘルス、e-セイフティ、およびミッションクリティカルなアプリケーションが含まれる。
【0030】
また、NR URLLCが目標とする技術拡張は、レイテンシの改善および信頼性の向上を目指している。レイテンシの改善のための技術拡張には、設定可能なヌメロロジー、フレキシブルなマッピングによる非スロットベースのスケジューリング、グラントフリーの(設定グラントの)上りリンク、データチャネルにおけるスロットレベルでの繰り返し送信、および下りリンクでのプリエンプション(Pre-emption)が含まれる。プリエンプションとは、リソースが既に割り当てられた送信が停止され、当該既に割り当てられたリソースが、後から要求されたより低いレイテンシ/より高い優先度の要件の他の送信に使用されることを意味する。したがって、既に許可されていた送信は、後の送信によって差し替えられる。プリエンプションは、具体的なサービスタイプと無関係に適用可能である。例えば、サービスタイプA(URLLC)の送信が、サービスタイプB(eMBB等)の送信によって差し替えらされうる。信頼性向上についての技術拡張には、1E-5の目標BLERのための専用のCQI/MCSテーブルが含まれる。
【0031】
mMTC(大規模マシンタイプ通信)のユースケースの特徴は、典型的には遅延の影響を受けにくい比較的少量のデータを送信する接続装置の数が極めて多いことである。装置には、低価格であること、および電池寿命が非常に長いことが要求される。NRの観点からは、非常に狭い帯域幅部分を利用することが、UEから見て電力が節約されかつ電池の長寿命化を可能にする1つの解決手段である。
【0032】
上述のように、NRにおける信頼性向上のスコープはより広くなることが予測される。あらゆるケースにとっての重要要件の1つであって、特にURLLCおよびmMTCに必要な重要要件が高信頼性または超高信頼性である。いくつかのメカニズムは、無線の観点およびネットワークの観点から、信頼性を向上させることができると考えられうる。概して、信頼性の向上に役立つ可能性がある2つ~3つの重要な領域が存在する。これらの領域には、コンパクトな制御チャネル情報、データチャネル/制御チャネルの繰り返し送信、および周波数領域、時間領域、および/または空間領域に関するダイバーシチがある。これらの領域は、特定の通信シナリオにかかわらず一般に信頼性向上に適用可能である。
【0033】
NR URLLCに関し、ファクトリーオートメーション、運送業、および電力の分配のような、要件がより厳しいさらなるユースケースが想定されている。厳しい要件とは、高い信頼性(106レベルまでの信頼性)、高い可用性、256バイトまでのパケットサイズ、数μs程度までの時刻同期(time synchronization)(ユースケースに応じて、値を、周波数範囲および0.5ms~1ms程度の短いレイテンシ(特に、目標とするユーザプレーンでの0.5msのレイテンシ)に応じて1μsまたは数μsとすることができる)である。
【0034】
さらに、NR URLLCについては、物理レイヤの観点からいくつかの技術拡張が有り得る。これらの技術拡張には、コンパクトなDCIに関するPDCCH(Physical Downlink Control Channel)の拡張、PDCCHの繰り返し送信、PDCCHのモニタの増加がある。また、UCI(Uplink Control Information)の拡張は、enhanced HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)およびCSIフィードバックの拡張に関係する。また、ミニスロットレベルのホッピングに関係するPUSCHの拡張、および再送/繰り返し送信の拡張が有り得る。用語「ミニスロット」は、スロットより少数のシンボルを含む送信時間間隔(TTI)を指す(スロットは、14個のシンボルを含む)。
【0035】
<QoS制御>
5GのQoS(サービス品質)モデルは、QoSフローに基づいており、保証されたフロービットレートが求められるQoSフロー(GBR(Granteed Bit Rate)QoSフロー)、および、保証されたフロービットレートが求められないQoSフロー(非GBR QoSフロー)をいずれもサポートする。したがって、NASレベルでは、QoSフローは、PDUセッションにおける最も微細な粒度のQoSの区分である。QoSフローは、NG-Uインタフェースを介してカプセル化ヘッダ(encapsulation header)において搬送されるQoSフローID(QFI:QoS Flow ID)によってPDUセッション内で特定される。
【0036】
各UEについて、5GCは、1つ以上のPDUセッションを確立する。各UEについて、PDUセッションに合わせて、NG-RANは、例えば
図3を参照して上に示したように少なくとも一つのデータ無線ベアラ(DRB)を確立する。また、そのPDUセッションのQoSフローに対する追加のDRBが後から設定可能である(いつ設定するかはNG-RAN次第である)。NG-RANは、様々なPDUセッションに属するパケットを様々なDRBにマッピングする。UEおよび5GCにおけるNASレベルパケットフィルタが、ULパケットおよびDLパケットとQoSフローとを関連付けるのに対し、UEおよびNG-RANにおけるASレベルマッピングルールは、UL QoSフローおよびDL QoSフローとDRBとを関連付ける。
【0037】
図5は、5G NRの非ローミング参照アーキテクチャを示す(例えば、3GPP TS 23.501 v16.9.0 または、v16.7.1.1、セクション4.2.3参照)。
図4に例示される、5Gサービスをホストする外部アプリケーションサーバなどのアプリケーション機能(AF)は、サービスを提供するために3GPPコアネットワークとやり取りを行う。例えば、トラフィックルーティングに影響を与えるアプリケーションをサポートするためにネットワーク公開機能(NEF:Network Exposure Function)にアクセスすること、QoS制御などのポリシー制御のためにポリシーフレームワークとやり取りすること(ポリシー制御機能(PCF)参照)が挙げられる。オペレータによる配備に基づき、オペレータから信頼されているとみなされるアプリケーション機能は、関連するネットワーク機能と直接やり取りすることができる。ネットワーク機能への直接のアクセスをオペレータから許可されていないアプリケーション機能は、NEFを介して外部に対する開放フレームワークを使用して、関連するネットワーク機能とやり取りする。
【0038】
図5は、5Gアーキテクチャのさらなる機能単位、すなわち、ネットワークスライス選択機能(NSSF)、ネットワークリポジトリ機能(NRF)、統一データ管理(UDM)、認証サーバ機能(AUSF)、アクセス・モビリティ管理機能(AMF)、セッション管理機能(SMF)、およびデータネットワーク(DN、例えば、オペレータによるサービス、インターネットアクセス、またはサードパーティーによるサービス)をさらに示す。コアネットワークの機能およびアプリケーションサービスの全部または一部がクラウドコンピューティング環境において展開されかつ動作してもよい。
【0039】
したがって、本開示では、QoS要件に応じたgNodeBとUEとの間の無線ベアラを含むPDUセッションを確立するために、動作時に、URLLCサービス、eMBBサービス、およびmMTCサービスのうちの少なくとも1つに対するQoS要件を含む要求を5GCの機能(例えば、NEF、AMF、SMF、PCF、UPF等)のうちの少なくとも1つに送信する送信部と、動作時に、確立されたPDUセッションを使用してサービスを行う制御回路と、を備える、アプリケーションサーバ(例えば、5GアーキテクチャのAF)が提供される。
【0040】
<帯域幅部分>
NRシステムは、LTEの20MHzの帯域幅よりもかなり広い最大チャネル帯域幅(例、100MHz)をサポートするだろう。LTEにおいても、最大20MHzのコンポーネントキャリアのキャリアアグリゲーション(CA:carrier aggregation)を介して広帯域通信がサポートされる。NRにおいてより広いチャネル帯域幅を定義することによって、スケジューリングを介して周波数リソースを動的に割当てることができ、これはMAC制御エレメントに基づくアクティブ化/非アクティブ化を行うLTEのキャリアアグリゲーション動作よりも効率的かつフレキシブルであり得る。単一の広帯域キャリアを有することは、単一の制御シグナリングしか必要としないために制御オーバーヘッドが低いという点でのメリットも有する(キャリアアグリゲーションは、各々のアグリゲーションされたキャリアごとに別個の制御シグナリングを必要とする)。
【0041】
さらにLTEと同様に、NRもキャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティを介して複数のキャリアのアグリゲーションをサポートしてもよい。
【0042】
UEは常時高いデータ速度を要求しないため、広帯域幅を使用することは、RFおよびベースバンド信号処理の両方の観点からより高いアイドリング電力消費を招くおそれがある。これに関して、NRに対する帯域幅部分という新たに開発された概念は、構成されたチャネル帯域幅よりも小さい帯域幅によってUEを動作させる手段を提供することによって、広帯域動作をサポートしながらもエネルギ効率の良いソリューションを提供する。NRに対する全帯域幅にアクセスできない任意のローエンド端末がその利益を受け得る。
【0043】
帯域幅部分(BWP:bandwidth part)は、たとえば連続的な物理リソースブロック(PRB:physical resource blocks)の位置および数などによって定義されるセルの合計セル帯域幅のサブセットである。帯域幅部分は、アップリンクおよびダウンリンクに対して別々に定義されてもよい。さらに、各帯域幅部分は、たとえばサブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックスなどによって固有のOFDM numerologyに関連付けられ得る。たとえば、BWP(単数または複数)によってUEを構成し、現在どの構成BWPがアクティブかをUEに知らせることによって、帯域幅適合が達成される。
【0044】
例示的に5G NRにおいて、RRC_Connected状態のUEのみに対して固有のBWPが構成される。たとえば、初期BWP(例、それぞれULに対する1つおよびDLに対する1つ)以外のBWPは、接続状態のUEのみに対して存在する。たとえばUEをRRC_IDLEまたはRRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECTED状態にするプロセスなどの際の、UEとネットワークとの初期データ交換をサポートするために、最小システム情報において初期DL BWPおよび初期UL BWPが構成される。
【0045】
UEは2つ以上のBWP(例、現在NRに対して定義されるとおり、サービングセル当たり最大で4BWP)によって構成され得るが、UEは一度に1つのアクティブDL BWPしか有さない。構成BWP間のスイッチングは、たとえばダウンリンク制御情報(DCI:downlink control information)などによって達成されてもよい。
【0046】
プライマリセル(PCell:Primary Cell)に対する初期BWPは初期アクセスに用いられるBWPであり、デフォルトBWPは、別の初期BWPが明確に構成されていない限りはその初期BWPである。セカンダリセル(SCell:Secondary Cell)に対する初期BWPは常に明確に構成され、デフォルトBWPも構成されてもよい。デフォルトBWPがサービングセルに対して構成されるとき、そのセルに関連する非アクティブタイマ(inactivity timer)の終了によって、アクティブBWPがデフォルトBWPにスイッチングする。
【0047】
いくつかのDCIフォーマットはBWP IDを含まない(たとえばフォーマット0_0および1_0など)のに対し、他のDCIフォーマットにおいてはBWP IDに対するビット数がRRC構成可能であり、それは(たとえばフォーマット0_1、0_2、1_1、および1_2などに対して)0、1、2ビットであり得る。
【0048】
図6は3つの異なるBWPが構成されるシナリオを示しており、BWP1は周波数帯域幅40MHzおよびサブキャリア間隔15kHzを有し、BWP2は幅10MHzおよびサブキャリア間隔15kHzを有し、BWP3は幅20MHzおよびサブキャリア間隔60kHzを有する。
【0049】
<制御情報 - サーチスペースセット>
たとえば制御情報およびユーザトラフィック(例、PDCCHにおけるDCI、およびPDCCHによって示されるPDSCHにおけるユーザデータ)などの、UEに対して意図される情報を識別および受信するために、UEによってPDCCHモニタリングが行われる。
【0050】
ダウンリンクにおける制御情報(たとえばダウンリンク制御情報(DCI)などと呼ばれ得る)は、5G NRにおいてもLTEにおけるDCIと基本的に同じ目的を有し、すなわちそれはたとえばダウンリンクデータチャネル(例、PDSCH)またはアップリンクデータチャネル(例、PUSCH)のスケジューリングなどを行う制御情報の特殊なセットである。例示的な5G NR準拠実装においては、いくつかの異なるDCIフォーマットがすでに定義されている(TS38.212v16.6.0セクション7.3.1を参照)。以下の表によって概要が与えられる。
【表1】
【0051】
5G NRにおいて、PDCCHは制御リソースセット(CORESET)と呼ばれる無線リソース領域において送信される。LTEにおいて、CORESETの概念は明確に存在しない。代わりに、LTEにおけるPDCCHは、最初の1~3OFDMシンボル(ほとんどの狭帯域の場合には4つ)における全キャリア帯域幅を用いる。これに対して、5G NRにおけるCORESETは、UEが自身のアクティブ帯域幅部分(BWP)の外側のCORESETを操作することは予期されないことを除いて、スロット内の任意の位置およびキャリアの周波数範囲の任意のところに生じ得る。
【0052】
したがって、UEはたとえば3GPP TS38.213バージョン16.6.0、セクション10および11などにおいて定義されるとおりに、PDCCHのモニタリング動作を実行する。そこに例示的に定義されるとおり、UEは、PDCCHサーチスペースセットによって定義されるPDCCH候補のセットをモニタリングする。サーチスペースセットは、共通サーチスペース(common search space)セット(CSSセット)またはUE固有サーチスペース(UE-specific search space)セット(USSセット)であり得る。
【0053】
サーチスペースセットは、対応するサーチスペースセットを用いるPDCCHモニタリングによって構成された各アクティブ化サービングセルにおけるアクティブDL BWPの1つ以上のCORESETにおいてモニタリングされ、ここでモニタリングは、モニタリングされるDCIフォーマットに従って各PDCCH候補を復号することを意味する。
【0054】
概念的に、
図6はUEがモニタリングし得る帯域幅部分、CORESET、サーチスペース、サーチスペースセット、およびPDCCH候補の関係の例示的な図を提供する。
図6から明らかであるとおり、BWP当たり1つのCORESETが示されているが、2つ以上のCORESETが可能である。各CORESETは、特定のアグリゲーションレベル(Aggregation Level)(たとえばAL2、4、または8など)の1つ以上のPDCCH候補の複数のサーチスペースを有してもよく、次いでそれらのサーチスペースがグループ化されて、たとえば共通SSセットおよびUE固有SSセットなどのサーチスペースセットになり得る。
【0055】
<5G NRにおける時間領域>
時間領域において、5G NRにおける送信は長さ10msのフレームに組織化され、各フレームは長さ1msの10の等しいサイズのサブフレームに分割される。次いでサブフレームは、各々が14のOFDMシンボルからなる1つ以上のスロットに分割される。ミリ秒でのスロットの持続時間はnumerologyに依存する。たとえば、15kHzのサブキャリア間隔に対するNRスロットは、よって通常のサイクリックプレフィックスを有するLTEサブフレームと同じ構造を有する。5G NRにおけるサブフレームはnumerology非依存性の時間基準の働きをし、これは特に、同じキャリアにおいて複数のnumerologyが混合されている一方で、スロットが典型的な動的スケジューリングユニットである場合に有用である。3GPP 5G NR通信の基礎をなすこのフレーム構造が
図7に例示的に示される。
【0056】
5G NRは複数のスロットフォーマットを提供し、スロットフォーマットは単一のスロット内の各シンボルがどのように用いられるかを示す。スロットフォーマットは、特定のスロット内のどのシンボルがアップリンクに用いられ、どのシンボルがダウンリンクに用いられるかを定義する。LTE TDDにおいて、あるサブフレーム(NRにおけるスロットと同等)がDLまたはULに対して構成されるとき、そのサブフレーム内のすべてのシンボルがDLまたはULとして使用されるべきである。しかしNRにおいては、スロット内の各シンボルがDLまたはULとして異なるように構成され得る。DLまたはULとして構成され得るフレキシブルシンボルも存在する。
【0057】
<5G NRにおけるアップリンク制御情報、PUCCH>
ダウンリンク制御情報がPDCCHによって伝達されるのに対し(上記の説明を参照)、アップリンク制御情報(UCI)は状況に応じてPUCCHまたはPUSCHにおいて送信され得る。アップリンク制御情報は、たとえばチャネル状態情報(CSI:channel state information)、ACK/NACK情報(例、HARQ ACK/NACK)、およびスケジューリング要求(SR:scheduling requests)などであり得る(たとえば3GPP TS38.300v16.7.0セクション5.3.3などを参照)。ここでHARQは再送信プロトコルの例であるものとする。これらのすべてが単一のPUCCH送信によって個別に伝達される必要はなく、これら3つのタイプのUCIのうちの1つまたは任意の組み合わせが伝達されてもよい。たとえば、CSIが単独で伝達されてもよいし、ACK/NACKが単独で伝達されてもよいし、SRが単独で伝達されてもよいし、CSIおよびACK/NACKが共にPUCCHで送信されるなどしてもよい。
【0058】
UEはPUCCHリソースを用いてUCIをgNBに対してアップリンクに送信し得る。後で言及されるとおり、加えてPUCCHリソースはPUCCH繰り返し機能を使用するように構成されてもよく、任意選択でUCI送信に対する繰り返し数を定義してもよい。
【0059】
現行の5G準拠実装に従ってどのようにUCIを送信するかの一例が以下に提示される。
【0060】
複数の異なるPUCCHフォーマットがUCIを送信するために使用され得る。現在、以下の表に例示的に示される5つのPUCCHフォーマット0~4が存在する(たとえば3GPP TS38.211v16.7.0、セクション6.3.2.1などを参照)。
【表2】
【0061】
フォーマットのうち0および2の2つは、最大2つのOFDMシンボルを占有するため、ショートPUCCHフォーマットと呼ばれることがある。多くの場合、スロット内の最後の1つまたは2つのOFDMシンボルが、たとえばダウンリンクデータ送信に対するハイブリッドARQ応答確認(ACK/NACK)の送信などのPUCCH送信のために用いられる。
【0062】
フォーマットのうち1、3、および4の3つは、4~14のOFDMシンボルを占有するため、ロングPUCCHフォーマットと呼ばれることがある。前の2つのフォーマットよりも持続時間が長い理由は、カバレッジである。1つまたは2つのOFDMシンボルの持続時間が、信頼性高い受信のために十分な受信エネルギを提供しないとき、より長い持続時間が有用であるかもしれず、ロングPUCCHフォーマットの1つが用いられ得る。
【0063】
特定の例示的実装によると、最大2UCIビットのショートPUCCHフォーマット0はシーケンス選択に基づくのに対し、2UCIビットより大きいショートPUCCHフォーマット2は、UCIおよびDMRSを周波数多重化する(frequency-multiplexes)。ロングPUCCHフォーマットはUCIおよびDMRSを時間多重化する(time-multiplex)。ロングPUCCHフォーマットおよび2シンボルの持続時間のショートPUCCHフォーマットに対して、周波数ホッピングがサポートされる。ロングPUCCHフォーマットは複数のスロットにわたって繰り返され得る(たとえば3GPP TS38.300v16.7.0セクション5.3.3などを参照)。
【0064】
どのPUCCHフォーマットが使用されるかは、たとえば何ビットのUCIが送信されるべきか、およびいくつのシンボル(PUCCHの持続時間)を使用できるかなどに基づいて決定され得る。それはUEがPUSCHを通じてUCIを送信できるかどうかにも依存することがある(たとえばTS38.213v16.7.0のセクション9.2.2などを参照)。
【0065】
UCIはPUCCHにおいて、たとえばいわゆるPUCCHリソースなどの特定的に割当てられた無線リソースを用いて、時間領域および周波数領域内でフレキシブルに送信され得る。UEはPUCCHリソースの複数(例、最大4つ)のセットによって構成でき、各セットはPUCCHリソースインジケータ(PRI:PUCCH Resource Indicator)インデックスに関連付けられたPUCCHリソースを含む。たとえば、複数のPUCCHリソースを含み得る最大4つの専用PUCCHリソースセットによってUEを構成でき(PUCCHリソース構成と呼ばれることもある)、各PUCCHリソース構成は使用すべきPUCCHフォーマットと、たとえば第1のシンボル、持続時間(シンボル数)、PRBオフセット、およびサイクリックシフトインデックスセットなどを含むさらなる送信パラメータとを含む。PUCCHリソースセットは情報エレメントPUCCH-ResourceSetによって提供され、かつpucch-ResourceSetIdによって提供されるPUCCHリソースセットインデックスに関連付けられ、PUCCHリソースセットにおいて用いられるpucch-ResourceIdのセットを提供するresourceListによってPUCCHリソースインデックスのセットが提供され、PUCCHリソースセットのPUCCHリソースを用いてUEが送信可能なUCI情報ビットの最大数がmaxPayloadSizeによって提供される。第1のPUCCHリソースセットにおけるPUCCHリソースの最大数は32であり、その他のPUCCHリソースセットにおけるPUCCHリソースの最大数は8である。
【0066】
こうしたアップリンクリソースの構成は、たとえばUEに専用PUCCHリソース構成を提供し得るPUCCH-Config情報エレメント(たとえば3GPP TS38.331v16.6.0、たとえばセクション6.3.2などを参照)などのRRCプロトコルレイヤなどの異なる情報エレメントによって行われ得る。
【0067】
各PUCCHリソースセットは、送信されるUCIフィードバックに対する特定の範囲のペイロードに対応してもよい。たとえば、PUCCHリソースセット0は最大2ビットのUCIペイロードを操作し得るため、PUCCHフォーマット0および1のみを含むのに対し、残りのPUCCHリソースセットはフォーマット0および1以外の任意のPUCCHフォーマットを含んでもよい。
【0068】
以下において、TS38.213v16.7.0の表9.2.1-1に従う例が提示され、これはUEが専用PUCCHリソース構成を有さないときにUEによって使用される、IE puuch-ResourceCommonによって提供されるPUCCHリソースセットを示す。
【表3】
【0069】
PUCCHにおけるUCIの現行の報告は、3GPP TS38.213v16.7.0、セクション9.2において定義される。
【0070】
PUCCHリソースは、以下のパラメータの1つ以上を含んでもよい。
・PUCCHリソースインデックス
・周波数ホッピング前および周波数ホッピングなしに対する第1のPRB(物理リソースブロック)のインデックス
・周波数ホッピング後の第1のPRBのインデックス
・スロット内周波数ホッピングに対する表示
・PUCCHフォーマットに対する構成
【0071】
PUCCHリソースは、各UEに対して異なるようにgNBによって割当てられる。UEに異なるPUCCHリソースを割当てることによって、UEが互いにコリジョンも干渉も引き起こすことなくこれらのリソースを同時に用い得ることが確実にされる。
【0072】
PUCCHリソースセットにはある範囲のUCIペイロードサイズが割当てられる。UEは最初にUCIペイロードサイズを決定し、次いでそれに基づいて適切なPUCCHリソースセットを選択する。次いで、(例、DCIにおいて)示されたPRIに基づいて、PUCCHリソースセットからPUCCHリソースが選択される。
【0073】
PUCCHを用いたHARQフィードバック(ACK/NACK)の報告の例は、3GPP TS38.213v16.7.0、セクション9.2.3において定義される。
【0074】
PUCCHを用いたスケジューリング要求(SR)の報告の例は、3GPP TS38.213v16.7.0、セクション9.2.4において定義される。特にUEは、スケジューリング要求(SR)を送信するために用いられるスケジューリング要求無線リソースを決定するための固有パラメータによって構成される。たとえば、SR送信に対する周期性およびオフセットが定義されて、構成されたschedulingRequestConfig情報エレメントに基づくSR送信オケージョンに対するスロットおよび/またはフレーム数を決定するために用いられる。前記に関連して、こうしたSRリソースの構成は、たとえばSchedulingRequestConfig情報エレメントおよびSchedulingRequestResourceConfig情報エレメントなどのRRCプロトコルレイヤなどの異なる情報エレメントによって行われ得る(たとえば3GPP TS38.331v16.6.0、たとえばセクション6.3.2などを参照)。
【0075】
しかしUEは、PUCCHにおいてたとえばHARQフィードバック、CSI、およびSRなどの複数のUCIタイプを一緒に報告することも可能である(たとえば3GPP TS38.213v16.7.0、セクション9.2.5などを参照)。
【0076】
<SPSおよびUCI - HARQ-ACK送信>
(例、DCIを用いて)UEのアップリンクおよびダウンリンク送信を動的にスケジューリングすることに加えて、たとえば初期(HARQ)送信などに対するアップリンク/ダウンリンクリソースを永続的に割当てることができ、一方でL1/L2チャネル(例、DCI)を介して再送信を動的にシグナリングできる。よってこの種の動作はセミパーシステントスケジューリング(SPS:semi-persistent scheduling)と呼ばれ、すなわちリソースはセミパーシステントベースでユーザ機器に割当てられる(セミパーシステントリソース割当て)。その利点は、初期(HARQ)送信に対するPDCCHリソースが確保されることである。
【0077】
現行の例示的な5G NR実装において、セミパーシステントスケジューリングの構成はRRCシグナリングによって、たとえば情報エレメントSPS-Configなどを用いて行われる。サービングセルの1つのBWPにおいて複数のダウンリンクSPS構成が考慮されてもよい(TS38.331v16.6.0を参照)。たとえば、パーシステント割当ての周期性がUEにシグナリングされ得る。次いで、パーシステント割当てのアクティブ化に加えて、正確なタイミングならびに物理無線リソースおよびトランスポートフォーマットパラメータがPDCCHシグナリングを介して送信される。セミパーシステントスケジューリングがアクティブ化されると、ユーザ機器は、SPSアクティブ化PDCCHと、(周期性を含む)RRC IEによって提供されるSPS-configとに従うセミパーシステントリソース割当てに従う(3GPP TS28.214v16.7.0セクション5.1.2.1も参照)。動的PDCCHと、セミパーシステントスケジューリングをアクティブ化するPDCCH(SPSアクティブ化PDCCHとも呼ばれる)とを区別するために、別個の識別子(identity)が導入される。基本的に、SPSアクティブ化PDCCHのCRCは、SPS C-RNTIと呼ばれるこの追加の識別子でマスクされる。セミパーシステントスケジューリングのアクティブ化と同様に、gNBはセミパーシステントスケジューリングを非アクティブ化することもでき、これはSPSリソースリリースとも呼ばれる。
【0078】
SPS割当てPDSCH送信に対するHARQフィードバックの送信もサポートされる。たとえば現在定義されるとおり、パラメータn1PUCCH-ANは、ネットワークによってフォーマット0またはフォーマット1として構成されたダウンリンクSPSに対するPUCCHに対するHARQリソースを示す。実際のPUCCH-Resourceは上述のIE PUCCH-Configにおいて構成され、そのIDで呼ばれる。情報エレメントSPS-PUCCH-ANは(PUCCHリソースIDを介した)HARQ ACKに対するPUCCHリソースを示すために用いられ、PUCCHリソースに対応する最大ペイロードサイズを構成する。さらに、IE SPS-PUCCH-AN-ListはHARQ ACKコードブックごとのPUCCHリソースのリストを構成するために用いられ(TS38.331v16.6.0を参照)、SPS-Configのn1PUCCH-ANをオーバーライドしてもよい。
【0079】
さらにこの例によると、情報エレメントPUCCH-Configはdl-DataToUL-ACKと呼ばれるパラメータも含み、これは所与のPDSCHに対してアップリンクにおけるACKフィードバックのタイミングを与え、以下においてはフィードバックタイミングインジケータまたはK1値とも呼ばれる。したがって、DLスロットnDにおいて終了するSPS PDSCH受信に対して、UEはULスロットnD+K1において対応するPUCCH HARQフィードバックを送信する(TS38.213v16.7.0;セクション9.2.3を参照)。よって全体として、UEは、SPS PDSCH受信と対応するPUCCH送信との間の遅延をたとえばスロットなどによって示すパラメータ(K1)によって構成される。
【0080】
図8にSPSトラフィックが示されており、これはスロットn+1における構成SPS PDSCH送信を想定する。パラメータK1=1とさらに想定すると、UEは受信されたPDSCHに対応するHARQフィードバックを1スロットのオフセットによって、すなわちスロットn+2において送信することを試みる。しかし
図8の例示的シナリオで想定されるとおり、スロットn+2はDLスロットであるため、HARQフィードバックを含む任意のアップリンク送信に利用できない。したがって、UEはHARQフィードバックを送信できないだろう。
【0081】
3GPPはこうしたシナリオに対するHARQ延期機構を定義しており、それに従ってHARQフィードバック送信が別のスロットに延期(先送り)され得る。前記に関して、K1defと呼ばれる別のパラメータを構成でき、これはスロットでの最大限許容される延期を定義する。よって、HARQフィードバックの有効最大オフセットはK1eff=K1+K1defと定義されるだろう。定義されるとき、最大延期K1defは少なくとも1スロットである。一例において、HARQ-ACK延期は、SPSに対してSPS構成ごとに可能にされる。SPS HARQ-ACK延期に対して、目標PUCCHスロットは次のPUCCHスロットと定義され、ここで利用可能な(有効)PUCCHリソースはUEによってHARQフィードバック送信のために用いられ得る。
【0082】
図8の例示的シナリオにおいて、延期機構は、UEがスロットn+1のPDSCHに対するHARQフィードバックを(ダウンリンク)スロットn+2から(アップリンク)スロットn+3へ、またはK1defの値によってはさらに先へと延期することを可能にする。したがって、
図8の例に対して想定されるとおり、UEはたとえばスロットn+3などの好適なPUCCHリソースにおいてHARQフィードバックを送信できる。
【0083】
<PUCCH繰り返し送信>
3GPPはPUCCH繰り返し送信手順もサポートしており、これに従ってPUCCHを介した情報の送信(例、UCI)が複数回繰り返される。PUCCH繰り返し機能の実装の一例は、3GPP TS38.213v16.7.0、セクション9.2.6に従って定義される。この例においては、PUCCHフォーマット1、3、または4に対するPUCCH繰り返し送信がサポートされ、UEは、PUCCH-Config情報エレメントの一部として提供されるパラメータnrofSlots(n2、n4、n8)を用いて、PUCCHの繰り返し送信に対するスロットの数によって構成される(TS38.331を参照)。パラメータnrofSlotsは、(フォーマットF1、F3、F4の)同じPUCCHを有するスロットの数を示す。したがってUEは、示されたスロット数にわたってUCIのPUCCH送信を繰り返す。
【0084】
3GPPは、たとえばサブスロットPUCCH繰り返し送信のサポートおよびPUCCH繰り返し送信の動的表示など、PUCCH繰り返し送信の増強を提供するためのリリース17を検討している。
【0085】
一例において、スロットベースのPUCCH繰り返し送信およびサブスロットベースのPUCCH繰り返し送信に対して、PUCCH繰り返し送信を動的に示すための新たな機能が用いられ得る。スロットベースのPUCCH繰り返し送信に対して、スロットはただ1つのPUCCHリソースを含むと想定される。しかし、サブスロットベースのPUCCH繰り返し送信に対しては、スロットが複数のPUCCHリソース(サブスロット当たり1つ)を含むことがあり、その各々がPUCCH繰り返し送信に用いられ得る。1つの選択肢は、次いで値K1(上記のSPS構成dl-DataToUL-ACKを参照)をスロットベースではなくサブスロットベースで解釈することである。加えて、サブスロットベースのPUCCH繰り返し送信に対して、半静的構成の(semi-statically-configured)PUCCH繰り返し送信(例、上記で考察されたパラメータnrofSlotsを用いる)および動的構成の繰り返し係数(repetition factor)ベースの動作がサポートされる(別個のUE能力(capabilities)の対象である)。さらに、スロットベースのPUCCH繰り返し送信も単一のTRP動作に対するPUCCHフォーマット0およびフォーマット2に対してサポートされてもよく、このサポートはUE能力の表示の対象であってもよい。
【0086】
さらに、Rel-15/16において、PUCCH繰り返し係数はPUCCHフォーマットごとに構成される。他方で、Rel.17においては、PUCCH繰り返し係数がPUCCHリソース(例、PUCCHフォーマット、第1のシンボル、持続時間、PRBオフセット、サイクリックシフトを含む)ごとに構成され得る可能性がある。
【0087】
図8を参照してPUCCH繰り返し機能の簡略化した実装が説明され、
図8はスロットn+1に構成SPS PDSCHを有する例示的シナリオを示す。HARQフィードバックオフセットK1=1と想定し、HARQ延期(上記セクションを参照)を可能にするとき、UEはスロットn+3の構成PUCCHリソースにおいてHARQフィードバックを送信してもよい。スロットn+3においてHARQフィードバックを送信するために用いられるPUCCHリソースがnrofslots=4によって構成されるとさらに想定し、すなわち付加的にPUCCH繰り返し機能が使用され、それは特にPUCCHを合計4回繰り返し送信することによって行われ、スロットn+3における最初の送信は第1の繰り返し送信とみなされてそこに含まれる(
図8の「Nr.Rep.」を参照)。
図8から明らかであるとおり、UEはその後のアップリンクスロットn+4、n+5、およびn+6においてPUCCH繰り返し送信を行う。
【0088】
<PUCCHキャリアスイッチング>
時分割デュプレックス(TDD:Time-Division-Duplex)システムにおいて、UCI送信を伝達するPUCCHは、特に重い(DL)スロット構成を有するときに、しばしばアップリンクスロットが利用不可であるために遅延または延期されることがある(たとえば
図8および利用不可のULスロットn+2を参照)。PUCCHキャリアスイッチング機能を用いることによってこの問題を軽減でき、この機能によって異なるキャリアをPUCCH送信に使用できる。たとえば、PDSCH送信を伝達するキャリアとは異なるキャリアを使用できる。
【0089】
リリース17は、2つの異なるPUCCHキャリアスイッチングスキーム、すなわち動的および半静的PUCCHキャリアスイッチングをサポートすると考えられる。より詳細には、動的キャリアスイッチングに対して、目標PUCCHキャリアがDCIによって適応的かつ動的に示される。たとえばSRおよびCSI送信またはSPS構成PDSCHなどに対して、フォールバックDCIが用いられるか、またはDCIが用いられないとき、半静的キャリアスイッチング(以下を参照)が用いられ得る。代替的に、DCIによって示されるPUCCHリソースにおいて、SRまたはCSIがHARQフィードバックと共に多重化され得る。
【0090】
たとえば、キャリアスイッチングに対するPUCCHキャリアを示すDCIは、前記DCIによってスケジューリングされるPDSCH送信のHARQフィードバックに適用され得るが、以下にも適用されてもよい。
・アクティブ化DCIにおける表示に基づく、アクティブ化DCIによってアクティブ化される第1のSPS PDSCHに対応するHARQフィードバック、
・Rel.-16タイプ3CB(コードブック(codebook))、より小さいサイズのRel-17enh.タイプ3CB、およびトリガDCIにおける表示に基づくHARQフィードバック再送信に対するRel.-17ワンショットトリガに対するリリースDCIトリガPUCCHにおける表示に基づく、SPSリリースDCIに対応するHARQフィードバック。
【0091】
他方で、半静的キャリアスイッチングに対するタイミングパターンを構成(例、gNBによって構成してRRCを用いてUEに提供)でき、次いでそれをgNBおよびUEが使用して、UCIを送信するための目標PUCCHキャリアが決定され得る。HARQフィードバック、SR、およびCSIを含むすべてのUCIタイプに対して半静的PUCCHキャリアスイッチングを適用できる。
【0092】
たとえば、半静的PUCCHセルスイッチングは参照セルに基づいて動作し、参照セルはたとえばPCell(プライマリセル;たとえば初期アクセスなどに用いられる)、PSCell(セカンダリセルグループ(SCG:Secondary Cell Group)のプライマリセル)、またはPUCCH-SCellなどであり得る。時間領域パターン構成は、たとえば参照キャリアの時間領域構造(時間スロット)などを含む参照セルのnumerologyに基づく。PDSCH対HARQ-ACKのオフセットK1は、たとえば時間領域PUCCHセルスイッチングパターンを適用可能にするための参照セルのnumerologyおよびPUCCH構成などに基づいて解釈され得るか、またはPDSCHを伝達するキャリアに基づいて解釈され得る。なお、3GPP仕様において「参照セル」を定義する必要はないかもしれないが、この用語は手順を明瞭にする目的で使用される。
【0093】
一例によると、PUCCHキャリアスイッチングのために、UEは{2,3,4}セルの値の範囲を用いたUE能力シグナリングを通じて、構成され得るPUCCHセルの最大数を示す。さらに、PUCCHキャリアスイッチングは、Rel-17におけるNULキャリアにおいて構成されたPUCCHを有する異なるTDDセルの間でのみサポートされる。一例によると、PUCCHキャリアスイッチングに対するタイミングパターンは、RRCによって、またはUEおよびgNBの両方が既知である(例、半静的)ルールによって定義され得る。
【0094】
PUCCHキャリアスイッチングに対するPUCCH構成(例、PUCCH-Config情報エレメントまたはPUCCH-ConfigurationList)は、たとえばアップリンク帯域幅部分(例、候補セルおよびその特定の候補セルのアップリンク帯域幅部分)ごとのものなどであり得る。
【0095】
図9において、PUCCHキャリアスイッチングの簡略化した実装が示される。UEは4つのコンポーネントキャリア(CC:component carriers)CC#0~CC#3を有するものと例示的に想定し、そのうちCC#0はPUCCHキャリアスイッチング機能に対する参照キャリアである。参照キャリアCC#0に基づいて、対応するスロット番号n、n+1...が示される。さらに、CC#0およびCC#1は15kHzのサブキャリア間隔(SCS:sub-carrier spacing)を有し、一方でCC#2は30kHzのSCSを有し、CC#3は60kHzのSCSを有するものと例示的に想定する。参照CC#0に対して示されるスロット番号はCC#1のスロットにも適用され、CC#2およびCC#3に対するスロット番号は示されない。
図9において、すべてのCCに対するアップリンクおよびダウンリンクスロットの例示的TDDタイミングが示される。さらに、PUCCHキャリアスイッチングが使用されるものと想定し、
図9の下部に例示的な半静的タイミングパターンが示されており、これは参照キャリアCC#0の各スロットについて、PUCCH送信のためにどのCCが使用されるべきかを示す。
【0096】
図9の例示的シナリオにおいて、UCIはスロットn、n+1、n+2、n+4、およびn+5において受信されるPDSCH送信に対するHARQフィードバックであると想定する。ここでダウンリンクリソースはSPS構成に基づいて例示的に構成される。説明および例示を容易にするために、参照キャリアCC#0に基づいて、PDSCH対PUCCHのオフセットK1は1スロットとして定義されるものとさらに例示的に想定する。
【0097】
各々のPDSCH送信に対して結果的にもたらされるHARQフィードバックは、次いで半静的PUCCHタイミングパターンによって決定された対応するコンポーネントキャリアにおいて利用可能な好適なPUCCHリソースにおいて送信される。
【0098】
特に、スロットnのPDSCHに対するHARQフィードバックは、UEによって参照スロットn+1(=n+K1)およびCC#1(タイミングパターンを参照)においてその好適なPUCCHリソースを用いて送信されるだろう。よって、スロットn+1のPDSCHに対するHARQフィードバックは、UEによって参照スロットn+2(=n+1+K1)およびCC#3の時間スロット(タイミングパターンを参照)においてその好適なPUCCHリソースを用いて、たとえば参照スロットn+2に対応するCC#3の4つのスロットのうちの最初に利用可能なアップリンクスロットなどにおいて送信されるだろう。よって、スロットn+2のPDSCHに対するHARQフィードバックは、UEによって参照スロットn+3(=n+2+K1)およびCC#2の時間スロット(タイミングパターンを参照)においてその好適なPUCCHリソースを用いて、たとえば参照スロットn+3に対応するCC#2の2つのスロットのうちの最初に利用可能なアップリンクスロットなどにおいて送信されるだろう。同じ機能に従って、スロットn+4のPDSCHに対するHARQフィードバックはスロットn+5におけるCC#1のPUCCHリソースにおいて送信され、スロットn+5のPDSCHに対するHARQフィードバックはスロットn+6におけるCC#1のPUCCHリソースにおいて送信される。
【0099】
<さらなる改善>
上記において、3GPPによって現在予期されるPUCCHキャリアスイッチングおよびPUCCH繰り返し送信の2つの機能を詳細に説明した。これら2つの機能に対する最終的な詳細はまだ完成していないかもしれないが、どちらの機能も、たとえばRel.17以降などの将来のリリースにおいてそれぞれのコア機能によって実装されるであろうことは明らかである。さらに、PUCCHキャリアスイッチングおよびPUCCH繰り返し送信は2つの独立した機能であるが、それらの共同動作を十分に考慮する必要がある。
【0100】
PUCCHキャリアスイッチングおよびPUCCH繰り返し送信の両方が可能になるとき、UEは異なるキャリアを通じてPUCCH送信を行う必要があるかもしれず、その結果として異なるキャリアの異なるPUCCHリソースを使用することがある。よって、どのキャリア(単数または複数)におけるどのPUCCHリソースを使用するべきかが不明瞭になることがある。
【0101】
さらに、異なるPUCCHリソースが、たとえば異なるPUCCH繰り返し係数などに関連付けられることがあるために、合計何回の繰り返し送信が行われるべきか、およびそれぞれのキャリアにおいて何回かが不明瞭になるだろう。
【0102】
加えて、異なるキャリアを通じたPUCCH送信のパラメータ(たとえばフォーマット、PRB、シンボル数、送信電力など)は同じではないため、異なるキャリアを通じたPUCCH送信の信頼性が異なることがある。よって、特定の繰り返し数が全体的なPUCCH繰り返し送信の最小限の信頼性を提供するために十分かどうかが不明瞭である。代替的に、信頼性の高いキャリアを想定するときは、より少ない繰り返し送信でも十分に信頼性の高い全体的PUCCH繰り返し送信に到達するのに十分かもしれない。
【0103】
全体として、PUCCHキャリアスイッチングおよびPUCCH繰り返し送信の2つの機能の共同動作は、付加的な考慮を必要とすることがある。
【0104】
発明者らは、上記で考察された欠点および課題となり得るものを識別し、上記で識別された問題の1つ以上の回避または軽減を可能にするアップリンク制御情報(UCI)を送信するための改善された手順を提供する可能性を明らかにした。本発明は、こうした改善されたUCI送信手順に対する異なるソリューションおよび変形に関する。
【0105】
たとえば、この改善されたUCI送信手順は、UEがPUCCH繰り返し機能およびPUCCHキャリアスイッチング機能を共同動作させるシナリオにおいて特に適用可能である。したがって、この改善されたUCI送信手順は各繰り返し送信に対して、UCI送信を行うためのコンポーネントキャリアの決定と、アップリンクにおける好適なリソースの決定とを伴う。
【0106】
<実施形態>
以下において、5Gモバイル通信システムに対して予期される新たな無線アクセス技術に対して、これらの要求を満たすためのUE、基地局、およびそれぞれの手順が記載されるが、これらは以前のLTEモバイル通信システムまたは将来のモバイル通信システムにおいても使用されてもよい。様々な実装形態および変形例も同様に説明される。以下の開示は、上述の議論および知見によって促進され、例えば、その少なくとも一部に基づくことができる。
【0107】
一般に、本開示の根底にある原理を明確で簡潔かつ理解可能な方法で説明できるようにするために、本明細書では多くの仮定を行ってきており、以下でも行うことに留意されたい。しかし、これらの想定は本明細書において例示の目的のために行われた単なる例と理解されるべきであり、これらは必ずしも本発明に必須のものではなく、よって本開示の範囲を限定するべきではない。当業者は、以下の開示の原理および特許請求の範囲に記載した原理が、異なるシナリオに適用することができ、また、本明細書で明示的に説明していない方法で適用することができることに気付くであろう。
【0108】
さらに、以下において用いられる手順、エンティティ、レイヤなどの用語のいくつかは、LTE/LTE-Aシステムまたは現行の3GPP 5G規格化において用いられる用語に密接に関係するが、次の通信システムに対する新たな無線アクセス技術の文脈において用いられるべき特定の用語はまだ完全に決定されていないか、または最終的に変化する可能性がある。よって、それぞれの特徴および実施形態の機能に影響することなく、用語は将来的に変更され得る。したがって、実施形態およびその保護範囲は、より新しい用語または最終的に合意される用語を有さないからといって本明細書において例示的に用いられる特定の用語に制限されるべきではなく、本開示において説明されるソリューションの基礎をなす機能および概念によってより広く理解されるべきであることを当業者は認識する。
【0109】
たとえば、移動局または移動ノードまたはユーザ端末またはユーザ機器(UE)は、通信ネットワーク内の物理エンティティ(物理ノード)である。1つのノードがいくつかの機能エンティティを有してもよい。機能エンティティとは、同じもしくは別のノードまたはネットワークの他の機能エンティティに対して予め定められた機能セットを実施および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを示す。ノードは、ノードの通信を可能にする通信設備または媒体にノードを取り付ける1つ以上のインタフェースを有してもよい。同様に、ネットワークエンティティは、自エンティティと他の機能エンティティまたは対応するノードとの通信を可能にする通信設備または媒体に機能エンティティを取り付ける論理インタフェースを有してもよい。
【0110】
本明細書における「基地局」または「無線基地局」という用語は、通信ネットワーク内の物理エンティティを示す。移動局と同様に、基地局はいくつかの機能エンティティを有してもよい。機能エンティティとは、同じもしくは別のノードまたはネットワークの他の機能エンティティに対して予め定められた機能セットを実施および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを示す。物理エンティティは、スケジューリングおよび設定のうちの1つ以上を含む、通信デバイスに関するいくつかの制御タスクを実行する。なお、基地局の機能と通信デバイスの機能とが単一のデバイス内に統合されてもよい。たとえば、移動端末は、他の端末に対する基地局の機能も実装してもよい。LTEにおいて使用される用語はeNB(またはeNodeB)であるが、5G NRに対して現在使用される用語はgNBである。
【0111】
UEと基地局との通信は典型的に標準化されており、たとえばPHY、MAC、RRCなどの異なるレイヤによって定義されてもよい(上記の背景技術の説明を参照)。
【0112】
「繰り返し送信」という表現は繰り返し機能の文脈において理解されるべきであり、UEは繰り返し機能に従って、たとえばアップリンク制御情報などの同じ情報の繰り返し送信を実行できる。したがって繰り返し送信(a transmission repetition)は、一連の1つ以上の繰り返し送信のうちの単一の送信を示す。
【0113】
たとえば「目標有効数」、「現行有効数」、または「個別有効数」など、他の表現の一部としての「有効数」という表現は、主に繰り返し送信(単数または複数)の文脈で用いられ、個別の繰り返し送信または複数の繰り返し送信の有効性を表すものとして抽象的な方式で広く理解されるべきである。たとえば、個別の(すなわち単一の)繰り返し送信の実際の数が常に1であっても、前記単一の繰り返し送信の有効性(たとえば効率などの異なる呼び方もされ得る)に依存して、その単一の繰り返し送信に対応する有効数は、その実際の数1と同じか、より大きいか、またはより小さくなり得る(以下の「送信有効性係数」の表現も参照)。同様に、繰り返し送信をx回実行する(すなわち実際の数がxである)とき、前記x回の繰り返し送信によって得られる対応の有効数(例、以下に説明される「繰り返し送信の現行有効数」という表現を用いる)は、xと同じか、より大きいか、またはより小さくなり得る。
【0114】
したがって、「有効数」という表現は「実際の数」という表現とは異なるものとして理解されるべきである。
【0115】
さらに、「繰り返し送信の目標有効数」という表現は、特定のUCIの送信に対する目標として用いられる繰り返し送信の有効数を定義することとして理解されるべきであり、たとえばUEは前記目標に到達するまで繰り返し送信を実行することとなる。
【0116】
さらに、「繰り返し送信の現行有効数」という表現は、UEが特定のUCIの送信に対する過去の繰り返し送信の実行によって現在蓄積している繰り返し送信の有効数を定義することとして理解されるべきである。加えて、現行有効数は(例、各繰り返し送信によって単純に1が増分された)繰り返し送信の実際の数を示すものではなく、各繰り返し送信が付与する有効数に基づく。たとえば、現行有効数は特定のUCIに対して過去にすでに実行された各繰り返し送信によって表されるそれぞれの有効数を合計することによって算出され得る。
【0117】
繰り返し送信の目標および現行有効数は、どちらも送信される同じUCIを示す。
【0118】
「送信有効性係数」という表現は「有効数」の文脈で用いられ、送信の有効性(たとえば効率などの異なる呼び方もされ得る)を表す。以下において、「送信有効性係数(transmission-effectivity coefficient)」はTECと略され得る。一例において、「送信有効性係数」はコンポーネントキャリアに関して定義され、よってキャリア固有である。TECがキャリア固有なのは、異なるキャリアを通じたUCIのアップリンク送信の効率が異なり得るためである。別の例において、送信有効性はアップリンクリソースごとに変動し得るため、TECは多くのキャリアのうちの1つのアップリンクリソースに対して固有であり得る。
【0119】
「コンポーネントキャリア」という表現の代わりに、たとえば「セル」、「候補セル」、または「キャリア」などの、他の好適な表現も用いられ得る。
【0120】
「アップリンクリソース」という表現は、たとえばUCIなどの情報を送信するためにUEが使用し得るコンポーネントキャリアのリソースとして広く理解されるべきである。一例において、「アップリンクリソース」は、時間-周波数無線リソース(例、開始シンボルおよびシンボルでの持続時間、物理リソースブロック)、アップリンク制御フォーマット(例、PUCCHフォーマット)、およびサイクリックシフトインデックスのうちの1つ以上を含み得る。アップリンクリソースの別の例は、UCIおよびデータ情報を多重化するPUSCHにおける無線リソースである。
【0121】
以下のソリューションに対しては、上記で説明されたとおり、改善されたUCI送信手順が、3GPP 5G規格に従ってすでに定義されたPUCCH繰り返し送信機能およびPUCCHキャリアスイッチング機能に概念的に基づき得ることが例示的に想定される。
【0122】
図10は、ユーザ機器(通信デバイスとも呼ばれる)およびスケジューリングデバイス(ここではたとえばLTE eNB(代替的にng-eNBと呼ばれる)または5G NRにおけるgNBなどの基地局に位置するものと例示的に想定される)の一般的な簡略化した例示的なブロック図を示す。UEとeNB/gNBとは、それぞれトランシーバを用いて(ワイヤレス)物理チャネルを通じて互いに通信している。
【0123】
通信デバイスは、送受信機と処理回路とを含んでもよい。送受信機は、受信機および送信機を含んでもよく、かつ/または受信機および送信機として機能してもよい。処理回路は、たとえば1つ以上のプロセッサまたは任意のLSIなどの1つ以上のハードウェアであってもよい。送受信機と処理回路との間に入力/出力点(またはノード)が存在し、処理回路は動作中にこの入力/出力点を通じて送受信機を制御でき、すなわち受信機および/または送信機を制御して受信/送信データを交換できる。送受信機は、送信機および受信機として、1つ以上のアンテナ、増幅器、およびRF変調器/復調器などを含むRF(無線周波数:radio frequency)フロントを含んでもよい。処理回路は、たとえば送受信機を制御して、処理回路が提供するユーザデータおよび制御データを送信すること、および/または処理回路によってさらに処理されるユーザデータおよび制御データを受信することなどの制御タスクを実施してもよい。加えて処理回路は、たとえば判定、決定、計算、測定などのその他のプロセスの実行を担ってもよい。送信機は、送信のプロセスおよびそれに関するその他のプロセスの実行を担ってもよい。受信機は、受信のプロセスおよびそれに関するその他のプロセス、たとえばチャネルのモニタなどの実行を担ってもよい。
【0124】
改善されたUCI送信手順の異なるソリューションが以下に記載される。前記に関連して、改善されたUEと、改善された基地局と、改善された集積回路とが提示され、これらは個別または一緒に改善されたUCI送信手順に参加する。UEの挙動および基地局の挙動に対応する方法も提供される。集積回路は、UEおよび基地局、ならびにそれらのそれぞれの挙動に対応する。
【0125】
図11は、
図10に関連して説明された一般的なUE構造に基づいて実装され得る、改善されたUCI送信手順の例示的実装に従う、簡略化した例示的なUE構造を示す。前記
図11に示されるUEのさまざまな構造エレメントは、たとえば制御およびユーザデータならびにその他の信号などを交換するために、たとえば対応する入力/出力ノード(図示せず)などによって互いに相互接続され得る。例示の目的のために示されていないが、UEはさらなる構造エレメントを含んでもよい。
【0126】
図11から明らかであるとおり、UEは、UCI繰り返し送信の目標有効数を決定するための決定回路と、コンポーネントキャリア決定回路と、アップリンクリソース決定回路と、UCI繰り返し送信の送信機と、実行されたUCI繰り返し送信の個別有効数を決定するための決定回路とを含んでもよい。
【0127】
以下の開示から明らかになるとおり、この場合のUEの受信機は、たとえばリソーススケジューリングメッセージ、SR構成、またはCSI構成などにおける、UCI繰り返し送信の目標有効数についての情報を受信することと、送信有効性係数についての情報を受信することとのうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成され得る。
【0128】
以下の開示から明らかになるとおり、この場合のUEの処理回路は、UCI繰り返し送信の目標有効数を決定すること、UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちのコンポーネントキャリアを決定すること、コンポーネントキャリアのアップリンクリソースを決定すること、コンポーネントキャリアに関する送信有効性係数を決定すること、個別のUCI繰り返し送信の個別有効数を決定すること、UCI繰り返し送信の現行有効数を決定することなどのうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成され得る。
【0129】
以下の開示から明らかになるとおり、この場合のUEの送信機は、UCI繰り返し送信を実行することなどのうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成され得る。
【0130】
以下においてさらにより詳細に開示されることとなる1つの例示的な手順は、以下を含むUEによって実装される。UEの処理回路は、送信のために利用可能なアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定する。UEの送信機は、UCI繰り返し送信の目標有効数に到達するまで、利用可能なアップリンク制御情報に対する1つ以上の繰り返し送信を実行する。利用可能なアップリンク制御情報の各繰り返し送信に対して、
・処理回路は動作するときに、UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのコンポーネントキャリアを決定し、決定されたコンポーネントキャリアのアップリンクリソースを決定し、かつ
・送信機は動作するときに、決定されたコンポーネントキャリアの決定されたアップリンクリソースを用いて、利用可能なアップリンク制御情報を送信する。
【0131】
実行されるUCI繰り返し送信の各々は、UCI繰り返し送信の目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の有効数は、それぞれのUCI繰り返し送信を実行するために用いられるコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する。
【0132】
対応する例示的な方法は、UEによって実行される以下のステップ、
送信のために利用可能なアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定するステップ、
UCI繰り返し送信の目標有効数に到達するまで、利用可能なアップリンク制御情報に対する1つ以上の繰り返し送信を実行するステップを含み、
利用可能なアップリンク制御情報の各繰り返し送信は、
・UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのコンポーネントキャリアを決定し、決定されたコンポーネントキャリアのアップリンクリソースを決定するステップと、
・決定されたコンポーネントキャリアの決定されたアップリンクリソースを用いて、利用可能なアップリンク制御情報を送信するステップとを含み、
実行されるUCI繰り返し送信の各々は、UCI繰り返し送信の目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の有効数は、それぞれのUCI繰り返し送信を実行するために用いられるコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する。
【0133】
図12において、上記で考察されたUEおよびUEの方法に従う例示的なUEの挙動に対応するシーケンス図が示される。
図12から明らかであるとおり、UEはUCI繰り返し送信の目標有効数を決定し、この目標有効数は、次いでいくつかのUCI繰り返し送信を実行するときに上限として用いられるパラメータである。
図12のチェック「目標有効数に到達したか?」を参照されたい。
図12におけるこの例示的実装によると、各UCI繰り返し送信が目標有効数に向かって個別有効数を付与するため、UEはUCI繰り返し送信の目標有効数に到達するまでの数の利用可能なアップリンク制御情報に対する繰り返し送信を実行し、到達した場合にUEは利用可能なアップリンク制御情報に対する繰り返し送信を終了する。
【0134】
よって、上記に記載される改善されたUCI送信手順は、上記で説明されたいくつかの欠点を克服する。たとえば、改善されたUCI送信手順は、UCIを送信するためにどのようにアップリンクリソースを決定するか、すなわちそれぞれのUCI繰り返し送信を送信するために用いられるコンポーネントキャリアに対応させることを明確に定義する。さらに、新たに導入された目標パラメータ(UCI繰り返し送信の目標有効数)は、さまざまなコンポーネントキャリアを通じた繰り返し送信を考慮して、UCI繰り返し送信に対する明確な目標値を提供する。
【0135】
さらに、新たに導入されたパラメータの送信有効性係数と共に、今考察された新たなパラメータであるUCI繰り返し送信の目標有効数によって、全体的なUCI繰り返し機能が、異なるコンポーネントキャリアのアップリンクリソースにわたって実行されるアップリンク送信の異なり得る信頼性を考慮することが可能になる。したがって、UCI繰り返し送信の結果として得られる全体的な信頼性が、たとえば十分に信頼性が高く、かつ(より少ない繰り返しでも十分となる)過剰に高い信頼性ではないなどの、より適切な信頼性になると考えられる。
【0136】
改善されたUCI送信手順のいくつかの例示的実装は、UEが現在接続されている基地局も含む(この基地局はUEにサービス提供しているため、たとえばサービング基地局などと呼ばれる)。したがって、改善されたUCI送信手順は、それに参加する改善された基地局も提供する。
【0137】
図13は、
図10に関連して説明された一般的な基地局構造に基づいて実装され得る、改善されたUCI送信手順の例示的実装に従う、簡略化した例示的な基地局構造を示す。前記
図13に示される基地局のさまざまな構造エレメントは、たとえば制御およびユーザデータならびにその他の信号などを交換するために、たとえば対応する入力/出力ノード(図示せず)などによって互いに相互接続され得る。例示の目的のために示されていないが、基地局はさらなる構造エレメントを含んでもよい。
【0138】
図13から明らかであるとおり、基地局は、UCI繰り返し送信の目標有効数を決定するための決定回路と、送信有効性係数を決定するための決定回路と、アップリンクリソースを決定するための決定回路と、UCI繰り返し送信の受信機と、受信されたUCI繰り返し送信の個別有効数を決定するための決定回路とを含む。
【0139】
以下の開示から明らかになるとおり、この場合の基地局の受信機は、UEからUCI繰り返し送信を受信することなどのうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成され得る。
【0140】
以下の開示から明らかになるとおり、この場合の基地局の処理回路は、UCI繰り返し送信の目標有効数を決定すること、各コンポーネントキャリアに対する送信有効性係数を決定すること、UCI繰り返し送信に使用されるコンポーネントキャリアを決定すること、UCI繰り返し送信に対するコンポーネントキャリアのアップリンクリソースを決定すること、個別のUCI繰り返し送信の個別有効数を決定すること、UCI繰り返し送信の現行有効数を決定することなどのうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成され得る。
【0141】
以下の開示から明らかになるとおり、この場合の基地局の送信機は、UCI繰り返し送信の決定された目標有効数についての情報を送信すること、各コンポーネントキャリアに対する決定された送信有効性係数についての情報を送信することなどのうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成され得る。
【0142】
以下においてさらにより詳細に開示されることとなる1つの例示的な手順は、以下を含む基地局によって実装される。基地局の処理回路は、ユーザ機器に対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースを用いてUEによって送信されるアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定する。処理回路は、複数のコンポーネントキャリアの各々に対して、それぞれのUCI繰り返し送信を実行するためにUEが使用可能なそれぞれのコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数を決定する。基地局の送信機は、UCI繰り返し送信の決定された目標有効数についての情報と、各コンポーネントキャリアに対する決定された送信有効性係数についての情報とをUEに送信する。基地局の受信機は、UCI繰り返し送信の目標有効数に到達するまで、複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースをそれぞれ介してUEからUCI繰り返し送信を受信する。受信されたUCI繰り返し送信の各々は、UCI繰り返し送信の目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の有効数は、それぞれのUCI繰り返し送信の受信に用いられたコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する。
【0143】
対応する方法は、基地局によって実行される以下のステップ、
ユーザ機器に対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースを用いてUEによって送信されるアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定するステップ、
複数のコンポーネントキャリアの各々に対して、それぞれのUCI繰り返し送信を実行するためにUEが使用可能なそれぞれのコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数を決定するステップ、
UCI繰り返し送信の決定された目標有効数についての情報と、各コンポーネントキャリアに対する決定された送信有効性係数についての情報とをUEに送信するステップ、
UCI繰り返し送信の目標有効数に到達するまで、複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースをそれぞれ介してUEからUCI繰り返し送信を受信するステップを含み、
ここで受信されたUCI繰り返し送信の各々は、UCI繰り返し送信の目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の有効数は、それぞれのUCI繰り返し送信の受信に用いられたコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する。
【0144】
図14において、上記で考察された基地局および対応する方法に従う例示的な基地局の挙動に対応するシーケンス図が示される。このシーケンス図は、上記で提示された基地局の方法の例示的な簡略化した実装を示す。
図14から明らかであるとおり、gNBは、UCI繰り返し送信の目標有効数および各コンポーネントキャリアに対する送信有効性係数という新たなパラメータを決定することを担い得る。次いで基地局は、同じ理解が得られるように、対応する情報をUEに提供する。基地局は、UEに対応する方式で、UEからUCI繰り返し送信を受信し、これはUEによって使用されるコンポーネントキャリアおよびアップリンクリソースの決定も含んでもよい。さらに基地局は、それまでにUEが実行した1つ以上の個別のUCI繰り返し送信の有効数も追跡することによって、UEがUCIに対する繰り返し送信の実行をいつ停止するかを知ることとなる。
【0145】
図15は、上記で考察された改善されたUCI送信手順の改善されたUEと改善された基地局(ここではたとえばgNB)との簡略化した例示的な相互作用を示す。
図15に提示されるこのソリューションにおいて、この相互作用は最初に、基地局におけるUCI繰り返し送信の目標有効数の決定を含み、基地局は次いで目標有効繰り返し数についての好適な情報をUEに送信することも担う。UEも受信された情報に基づいて、次いでアップリンク制御情報に対する繰り返し送信を実行するときに自身が使用する必要がある目標有効繰り返し数を決定する。
【0146】
同様に、
図15においては基地局がUEのキャリアに対する送信有効性係数を決定して、その係数についての好適な情報をUEに提供することが想定される。UEも受信された情報に基づいて、次いで自身のコンポーネントキャリアの各々に対する送信有効性係数を決定する。
【0147】
最終的に、アップリンク制御情報がUEにおける送信のために利用可能になる。UEは、この場合には第1のUCI繰り返し送信を実行するために、UCIを送信するためのキャリアと、そのキャリアのアップリンクリソースとを決定する。基地局においても同様の手順が実行されることで、基地局はUEから第1のUCI繰り返し送信を適切に受信し得る。上記で考察されたとおり、各UCI繰り返し送信の個別有効数は、たとえばコンポーネントキャリアおよび対応する送信有効性係数などに依存する。UCI繰り返し送信は目標有効数に到達するまでUEによって実行され、各UCI繰り返し送信は自身の個別有効数に従って目標に向かって加算する。
【0148】
図15の例示的シナリオにおいて、合計3つのUCI繰り返し送信が実行されると想定する。UEは過去のUCI繰り返し送信に対する個別有効数を蓄積することによって、すべての過去のUCI繰り返し送信の現行有効数を決定する。次いでUEは最終的に(この場合は第3のUCI繰り返し送信の後に)目標有効数に到達したことを決定し、UCI繰り返し送信を停止する。示されるとおり、基地局は対応する動作を実行する。
【0149】
以下において、上記で考察された動作のより具体的な実装および変形が記載されることとなる。この記載は主にUEの観点からのものとなる。しかし、
図15の記載および例示に従って対応する動作が基地局側でも行われるため、以下の実装および変形は基地局の動作にも適用される。
【0150】
さらに、UEの送信のために利用可能なアップリンク制御情報は、たとえば以下のものなどであり得ることが想定される。
・ダウンリンク送信に関する再送信プロトコルのフィードバック情報。再送信プロトコルの一例はHARQである。
・スケジューリング要求。
・チャネル状態情報(チャネル品質情報とも呼ばれ得る)。
【0151】
改善されたUCI送信手順は、上述のタイプのアップリンク制御情報のいずれかによって実行され得る。ただし、UEおよびBSの挙動は、UEによって送信されるアップリンク制御情報のタイプに依存して、いくつかの詳細がわずかに異なることがある。
【0152】
さらに、改善されたUCI送信手順は、アップリンク繰り返し機能およびキャリアスイッチング機能の2つの機能の共同動作を想定しており、これらの機能の例は上記において5G準拠実装に関連してすでに説明されている。
【0153】
簡潔にいうと、アップリンク繰り返し機能(たとえば上記のセクション「PUCCH繰り返し送信」を参照)は、UEがアップリンク制御情報の2つ以上の送信を実行することを可能にし、この2つ以上の送信の各々は「繰り返し送信」と呼ばれ得る。
【0154】
改善されたUCI送信手順(ならびにその異なる変形および異なる実装)に対して用いられ得るアップリンク繰り返し機能のより具体的な実装は、上記の5Gに対するセクション「PUCCH繰り返し」に記載されている。
【0155】
さらに、簡潔にいうと、キャリアスイッチング機能(たとえば上記のセクション「PUCCHキャリアスイッチング」を参照)は、UEがアップリンク制御情報を送信するために異なるキャリアにスイッチングすることを可能にする。異なる言い方をすると、キャリアスイッチング機能は、UCI送信に用いられるキャリアがスイッチング可能であり、常に同じである必要がないことを伴う(例、UCIとしてHARQフィードバックを例示的に想定すると、UCIを送信するためのキャリアは、UEが対応するダウンリンク送信を受信したときに用いられたキャリアでなくてもよい)。
【0156】
その1つの例示的実装において、キャリアスイッチングは、たとえば半静的タイミングパターンなどを用いて、アップリンク制御情報を送信するタイミングに依存して実行される。半静的タイミングパターンは参照コンポーネントキャリアの参照時間スロットに関連して定義され、参照時間スロットごとにUCI送信のために用いられる1つのコンポーネントキャリアを定義してもよい。UCI送信のタイミングに基づいて、前記UCIアップリンクタイミングに対応する参照時間スロットが決定され得る。次いで、タイミングパターンに従って参照時間スロットに対応するアップリンクキャリアが決定される。
【0157】
別の例示的実装において、キャリアスイッチングはUEに直接示され得る。たとえば、UCIがHARQフィードバック情報であると想定すると、UCIコンポーネントキャリアのキャリア表示は、基地局から受信された、自身に対するHARQフィードバックが送信されるべき対応するダウンリンク送信をスケジューリングするリソーススケジューリングメッセージ(例、DCI)において動的に示され得る。別の変形は、ダウンリンク送信がセミパーシステントスケジューリング(SPS)構成によって構成されることを想定し、この場合にUCIキャリア表示はダウンリンク送信の対応するSPS構成に含まれ得る。
【0158】
改善されたUCI送信手順(ならびにその異なる変形および異なる実装)に対して用いられ得るキャリアスイッチング機能のより具体的な実装は、上記の5Gに対するセクション「PUCCHキャリアスイッチング」に記載されている。
【0159】
上記で説明された改善されたUCI送信手順は、目標有効繰り返し数に到達するまでUCI繰り返し送信を実行することを含む。一例において、これはUEにおいてUCI繰り返し送信を実行するか否かを決定することを含み、この決定は過去のUCI繰り返し送信(および特にそれらのそれぞれの個別有効数)が目標有効数を満たすために十分であるかどうかに基づき得る。よってUE(および基地局)は過去のUCI繰り返し送信を追跡してもよく、特にそれまでにUEによって実行されたUCI繰り返し送信の有効数を追跡し得る。UEは、特定のUCIに対してそれまでに実行された各UCI繰り返し送信の個別有効数を蓄積し、その蓄積量は「UCI繰り返し送信の現行有効数」と呼ばれ得る。1つの選択肢は、各々の過去のUCI繰り返し送信の個別有効数を単純に加算することである。
【0160】
さらに、次いでUEは、このUCI繰り返し送信の現行有効数を目標有効数と比較してもよい。一例において、現行有効繰り返し数が目標有効繰り返し数よりも小さい場合、次いでUEはさらなるUCI繰り返し送信を送信することを決定する。反対に、現行有効繰り返し数が目標有効繰り返し数以上である場合は、UEがさらなるUCI繰り返し送信を送信する必要はない。
【0161】
本明細書で説明される改善されたUCI送信手順は、新たなパラメータ、すなわちたとえばUEに対して構成された各コンポーネントキャリアなどに対する送信有効性係数(以下TECと略される)を導入することにさらに基づく。この新たなパラメータに関する改善されたUCI送信手順の異なる変形が以下に説明される。
【0162】
一例において、TECは最初に基地局によって決定され、次いでUEに提供され、UEは受信された情報からTECを決定し得る。
【0163】
TECは、たとえばコンポーネントキャリアごとに提供され得る。TECは、それぞれのコンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信の送信有効性を反映するパラメータである。したがって基地局は、たとえば送信有効性に関する測定値または情報などに基づいて、UEのコンポーネントキャリアのTECを決定し得る。異なるキャリアを通じた(または1つのキャリアを通じたものであっても)PUCCH送信のパフォーマンスは、チャネル条件、割当てられた送信電力、リソース割当てなどの相違によって異なり得る。基地局は、たとえばUCI送信のパフォーマンスの推定または測定などによってTECを決定し得る。送信有効性は、たとえば送信信頼性、受信機信号品質、または送信電力の1つまたは組み合わせなどであり得る。
【0164】
送信有効性の一例は、コンポーネントキャリアを介したアップリンク送信の信頼性である。たとえば基地局は、構成されたPUCCHリソースの推定か、またはUCI送信の合計と比較したときの正しく受信されたUCI送信の測定によって、キャリアを通じたアップリンク送信の信頼性を決定してもよい。単純な関係は、コンポーネントキャリアの信頼性が高くなるほど、そのコンポーネントキャリアに対して決定される送信有効性係数も高くなり、逆も同様となることである。
【0165】
送信有効性の別の例は、たとえばRSSIなどの対応する測定値などを用いた、基地局がアップリンク送信を受信するときの受信機信号品質である。基地局は、UEから異なるコンポーネントキャリアを介して受信されたアップリンク送信の信号品質を測定でき、よってコンポーネントキャリアの送信有効性を反映するものとして使用するために好適な送信品質を決定できる。単純な関係は、コンポーネントキャリアの受信信号品質が高くなるほど、そのコンポーネントキャリアに対して決定される送信有効性も高くなり、逆も同様となることである。
【0166】
送信有効性のさらに別の例は、コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信のためにUEが使用する送信電力である。たとえばgNBは、典型的にUEの送信電力を増加/減少させるためのコマンドをUEに送信することによってUEの電力制御に関与するため、基地局はコンポーネントキャリアを通じた送信のためにUEが使用する送信電力を認識する。よって基地局は、コンポーネントキャリアの送信有効性を反映するものとして送信電力を得ることができる。単純な関係は、コンポーネントキャリアを通じた送信のために使用される送信電力が高くなるほど、そのコンポーネントキャリアに対して決定される送信有効性も高くなり、逆も同様となることである。
【0167】
一例において、UEのコンポーネントキャリアのTECは、たとえば参照コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信の相対的な送信有効性などに関する相対的な係数として定義される。一例によると、参照コンポーネントキャリアは、たとえばプライマリキャリア、セカンダリキャリア、最低サブキャリア間隔を有するキャリア、または最高サブキャリア間隔を有するキャリアなどの、UEに対して構成されたコンポーネントキャリアの任意のキャリアであり得る。
【0168】
TEC決定に対する参照キャリアは、キャリアスイッチング機能に対する参照キャリアと同じであり得る。代替的に、TEC決定に対する参照キャリアは、キャリアスイッチング機能の参照キャリアとは別に独立して決定され得る。
【0169】
たとえば、参照キャリアに対するTECは値1を有すると定義され、残りのキャリア(単数または複数)に対するTECは、参照キャリア(例、たとえばPCellなどのプライマリキャリア、またはたとえばSCellなどのセカンダリキャリア、または最低もしくは最高のSCSを有するキャリア)に対して、参照キャリアのTEC値1に対して相対的に決定される。
【0170】
このことを4つのコンポーネントキャリアCC#0~CC#3を有する例示的シナリオに基づいて示す。以下の表は、異なる参照キャリアに対してもたらされるTECを示し、これらはそれぞれコンポーネントキャリアの同じ相対的送信有効性を想定している。
【表4】
【0171】
したがって、上記のTECは例示的シナリオを反映し、ここでCC#1を通じたUCI繰り返し送信は、CC#0またはCC#2を通じた2つのUCI繰り返し送信と同等に有効であり、さらにCC#3を通じた4つのUCI繰り返し送信と同等に有効である。
【0172】
さらにTECは、コンポーネントキャリアを通じた送信に使用されるPUCCHリソースにも依存し得る。1つのキャリアに対して利用可能な異なるPUCCHリソースの間で送信有効性が異なることがあり、その結果もたらされる異なるアップリンクリソースに対するTECも異なり得る。よって1つの例示的実装において、結果的にもたらされるTECはコンポーネントキャリアごとに決定されるだけでなく、キャリアのアップリンクリソースごとにも決定され得る。しかし本開示においては、コンポーネントキャリアのすべてのアップリンクリソースに対してTECが決定されることが主に想定される(上記の表を参照)が、改善されたUCI送信手順は、コンポーネントキャリアおよびアップリンクリソースに対して固有のTECにも適用可能であることが理解されるべきである。
【0173】
TECをUEに提供する異なるやり方が存在する。上述の例において、基地局はTECを決定することを担い、よってUEのすべてのコンポーネントキャリアに対して決定されたTECについての好適な情報をUEに提供する。よってUEは必要なTECによって半静的に構成される。1つの実装において、無線リソース制御(RRC:radio resource control)プロトコルのメッセージが使用され得る。受信された情報に基づいて、次いでUEは、たとえば実行されたUCI繰り返し送信の個別有効数を決定するプロセスなどにおいて、対応するコンポーネントキャリアのTECを決定し得る。
【0174】
本明細書で説明される改善されたUCI送信手順は、新たなパラメータ、すなわちUCI繰り返し送信の目標有効数(以下において目標有効繰り返し数とも呼ばれる)を導入することにさらに基づく。この新たなパラメータに関する改善されたUCI送信手順の異なる変形が以下に説明される。
【0175】
一例において、目標有効繰り返し数は最初に基地局によって決定され、次いでUEに提供され、UEは受信された情報から目標有効繰り返し数を決定し得る。
【0176】
たとえば、UCI繰り返し送信の目標有効数はアップリンク制御情報のタイプに対して固有のものであり得るため、各タイプに対して1つの(おそらく異なる)目標有効繰り返し数が存在してもよく、その目標有効繰り返し数はHARQ目標有効繰り返し数、SR目標有効繰り返し数、およびCSI目標有効繰り返し数のうちの1つ以上を含む。
【0177】
代替的には、1つの共通目標有効繰り返し数を使用でき、すなわちそれはすべてのタイプのアップリンク制御情報に対して共通である。
【0178】
目標有効繰り返し数は、たとえばアップリンク制御情報が基地局においてたとえば十分な信頼性を伴って受信されることなどを確実にすることなどの、UCI送信に対するパフォーマンス要求を達成するように決定され得る。
【0179】
基地局は、目標有効繰り返し数を異なる方式で決定し得る。基地局は、アップリンクにおけるコンポーネントキャリアのチャネル品質を考慮し得る。前記に関連して、一例によると、基地局は、たとえばPUCCHフォーマット、持続時間、送信電力などのうちの1つ以上などのUCIの送信パラメータを考慮し得る。これらの送信パラメータは、たとえばHARQフィードバック、SR、およびCSIなどの異なるUCIタイプの間で変動することがある。
【0180】
基地局は、異なるキャリアの送信有効性も考慮してもよく、加えておそらくは対応する送信有効性係数も考慮してもよく、これは改善されたUCI送信手順の一部として用いられる他方の新たなパラメータである(たとえば上述を参照)。付加的または代替的に、UCIのトラフィックタイプの信頼性要件も基地局によって使用され得る。付加的または代替的に、UCIのトラフィックタイプの重要性、たとえば優先順位などが基地局によって使用され得る。たとえば、優先順位の低いSPSダウンリンク送信(またはSRまたはCQI)と比較して、優先順位の高いSPSダウンリンク送信(またはSRまたはCQI)の方により高い目標有効数が設定され得る。
【0181】
目標有効繰り返し数をUEに提供する異なるやり方が存在する。たとえば、HARQに関する目標有効繰り返し数は、基地局から受信された、自身に対するHARQフィードバックが送信されるべき対応するダウンリンク送信をスケジューリングするリソーススケジューリングメッセージ(例、DCI)において動的に示され得る。別の変形は、ダウンリンク送信がセミパーシステントスケジューリング(SPS)構成によって構成されることを想定し、目標有効繰り返し数はダウンリンク送信の対応するSPS構成に含まれ得る。
【0182】
他方で、SRに関する目標有効繰り返し数は、スケジューリング要求に関する対応する構成情報に含まれ得る。よって、構成情報はスケジューリング要求をいつどのように送信するかに関する他のパラメータを含むだけでなく、対応するSR目標有効繰り返し数も含んでもよい。1つの例示的な5G準拠実装において、SR目標有効繰り返し数はRRC情報エレメントSchedulingRequestConfigに含まれてもよく、これは5Gにおいて、たとえば禁止タイマまたはSR送信の最大数などの専用SRリソースに対するパラメータを構成するために予測される。
【0183】
さらに、CSIに関する目標有効繰り返し数は、チャネル状態情報に関する対応する構成情報に含まれ得る。よって、構成情報はチャネル状態情報をいつどのように送信するかに関する他のパラメータを含むだけでなく、対応するCSI目標有効繰り返し数も含んでもよい。1つの例示的な5G準拠実装において、CSI目標有効繰り返し数はRRC情報エレメントCSI-ReportConfigに含まれてもよく、これは5Gにおいて、PUCCHにおいて送信される周期的またはセミパーシステントな報告を構成するために予測される。
【0184】
図16は、改善されたUCI送信手順の例示的な簡略化した実装を説明するために用いられ、UEに対して構成された異なるコンポーネントキャリアの複数のスロットを示す。
図16の基礎をなす例示的シナリオにおいて、UEは4つの異なるコンポーネントキャリアによって構成されると想定される。異なるキャリアに対するTECは、
図16の右側にも示されるとおり、CC#0(1)、CC#1(2)、CC#2(1)、CC#3(0.5)である。キャリアスイッチング機能に対する半静的タイミングパターンは、参照キャリアとしてCC#0を用いることに基づいて、図面の下部に示されており、ここで参照キャリアのスロットnはCC#1に、スロットn+1はCC#1に、スロットn+2はCC#3に、スロットn+3はCC#2に、スロットn+4はCC#2に、スロットn+5はCC#1に、スロットn+6はCC#1に関連付けられる。
【0185】
UEはスロットnおよびn+4におけるダウンリンク送信(PDSCH)に対するアップリンク制御情報としてHARQフィードバックを送信する必要があることがさらに想定され、ここでダウンリンク送信はSPSによって構成される。SPS構成は、UCI繰り返し送信の目標有効数4を定義し、さらにPDSCH対PUCCHオフセットK1=1を定義する(すなわち、HARQフィードバックの第1の繰り返し送信は、対応するダウンリンク送信の1スロット後に送信されるべきである)。
【0186】
K1パラメータに続いて、CC#0のスロットn+1においてUEによって第1のUCI繰り返し送信(図面の「rep.#1」を参照)が実行される(例、CC#0は参照キャリアであり、かつPDSCHを伝達するキャリアである)。半静的タイミングパターンに基づいて、参照スロットn+1はHARQフィードバックのアップリンク送信に対するキャリアCC#1に関連付けられ、これが可能なのはキャリアCC#1の時間スロットn+1がアップリンクスロットだからである。次いでUEはキャリアCC#1の好適なPUCCHリソースを決定し、決定されたアップリンクリソースを用いてコンポーネントキャリアCC#1を通じてHARQフィードバック繰り返し送信を実行する。
【0187】
上述のとおり、コンポーネントキャリアCC#1のTECは2であるため、第1のHARQフィードバック繰り返し送信は目標有効繰り返し数に向かって個別有効数2を付与する。現在蓄積されている過去の繰り返し送信の有効数はまだ目標有効繰り返し数に到達していないため、UEはその後の時間スロットにおいてHARQフィードバック繰り返し送信の実行を続ける。本シナリオにおいて、UEが次にUCI繰り返し送信を実行する機会は参照時間スロットn+2であり、これは半静的キャリアスイッチングタイミングパターンに従ってコンポーネントキャリアCC#3に関連付けられる。参照時間スロットn+2の間、コンポーネントキャリアCC#3には(4つのうち)2つのアップリンク時間スロットが存在し、その両方を用いて2つの別個のHARQフィードバック繰り返し送信を実行できる。これら2つのHARQフィードバック繰り返し送信の各々が、目標有効数4に到達するという目標に向かって個別有効数0.5(CC#3のTECを参照)を付与する。
【0188】
全体として、UEは蓄積された現行有効数が3(2+0.5+0.5)であることを決定し、これはまだ目標有効繰り返し数未満である。よって、参照スロットn+3におけるさらなる第4のHARQフィードバック繰り返し送信が必要であり、これはCC#2(半静的タイミングパターンを参照)において、特に参照時間スロットn+3に対応する第2の時間スロット(アップリンク時間スロット)で実行され得る。第4のHARQフィードバック繰り返し送信は個別有効数1(CC#2に対するTEC1を参照)を付与するため、UEは合計で目標有効繰り返し数4に到達する。よって、UEは利用可能なUCIに対するさらなるHARQフィードバック繰り返し送信を実行する必要がない。
【0189】
改善されたUCI送信手順の今説明された手順に続いて、UEは参照コンポーネントキャリアCC#0のスロットn+4において受信されたPDSCHに対するHARQフィードバック繰り返し送信を同様に実行する。値K1=1と、半静的タイミングパターンがスロットn+5およびn+6に対するPUCCHキャリアスイッチングに対してCC#1を示すこととを考慮して、UEは2つのHARQフィードバック繰り返し送信を実行し得る。スロットn+5およびn+6における2つの繰り返し送信はそれぞれ個別有効数2(CC#1のTEC=2を参照)を付与し、HARQフィードバック繰り返し送信の合計有効数4をもたらし、これはすなわち目標有効繰り返し数に等しい。よって、スロットn+4のPDSCHに対するHARQフィードバックに対するさらなるHARQフィードバック繰り返し送信は必要ない。
【0190】
図17を参照して、改善されたUCI送信手順の別の例示的な簡略化した実装が説明され、これは
図16のシナリオと非常に類似した想定を有する。しかし、
図17の例示的シナリオに対しては、ダウンリンク送信がリソーススケジューリングメッセージ(DCI)によってスケジューリングされることが想定され、これはそれぞれ、スロットnのPDSCHに関するHARQフィードバックに対する目標有効繰り返し数4を示し、かつスロットn+4のPDSCHに関するHARQフィードバックに対する目標有効繰り返し数2を示す。K1パラメータに対する同じ値が想定され、アップリンク制御情報キャリアスイッチングに対する同じ半静的タイミングパターンが想定される。異なるコンポーネントキャリアのTEC値、および異なるコンポーネントキャリアのダウンリンク/アップリンクスロット構成も、
図16に対して考察されたものと同じままである。
【0191】
スロットnにおけるPDSCHに対しては、UEによって同じHARQフィードバック繰り返し送信が実行されるだろう。なぜなら、TECおよび目標有効繰り返し数を含む同じ関連パラメータが想定されるからである。他方で、スロットn+4におけるダウンリンク送信に対するDCIは、異なる目標有効繰り返し数、すなわち2を動的に示すため、CC#1におけるスロットn+5での単一の繰り返し送信によって、十分に目標有効繰り返し数に到達する(CC#1のTEC=2を参照)。
【0192】
上記の実装および変形においては、具体的な詳細を提供することなく、UEが対応するコンポーネントキャリアにおける好適なアップリンクリソースを決定することが単純に想定された。改善されたUCI送信手順(ならびにその異なる変形および実装)のさらなる態様によると、コンポーネントキャリアの好適なアップリンクリソースの決定のより詳細な実装が採用され得る。
【0193】
一般的に、一例において、アップリンクリソースはPUCCH送信のPUCCHフォーマット、第1のシンボル、持続時間、物理リソースブロックオフセット、およびサイクリックシフトインデックスセットに基づいて定義されてもよい。
【0194】
アップリンクリソース決定の1つの例示的実装によると、アップリンクリソースは、UEに提供されたアップリンクリソース表示に基づいて決定される。アップリンクリソース表示は、UEが以前に決定されたコンポーネントキャリアにおける好適なアップリンクリソースを決定することを可能にする。一例において、異なるアップリンクリソース表示と、UEに対して構成されたキャリアの1つ以上に対する異なるアップリンクリソースとの関連付けがUEに記憶される。次いでUEは、アップリンクリソース表示と、UCIが送信されるときに用いられるコンポーネントキャリアとに基づいて、記憶された関連付けから対応するアップリンクリソースを選択する。
【0195】
例示的な関連付けは表の形態で定義でき、以下の表1にその例が提供される。
【表5】
【0196】
表1から明らかであるとおり、4つの異なる値(0、1、2、3)を有する2ビットアップリンクリソース表示が例示的に想定され、UEは2つの異なるコンポーネントキャリアCC#0およびCC#1によって構成される。さらに、第1のコンポーネントキャリアCC#0に対して4つの異なるアップリンクリソースP00~P03が存在し、第2のコンポーネントキャリアCC#1に対して2つのアップリンクリソースP10、P11が存在することが想定される。したがって、値0のアップリンクリソース表示が示されるとき、UEはキャリアスイッチングスキームに従ってUCIを送信するために、キャリアCC#0が使用される場合はアップリンクリソースP00を決定し、キャリアCC#1が使用される場合はアップリンクリソースP10を決定する。これは(UCI繰り返し送信の目標有効数に到達するまで)各UCI繰り返し送信に対応する方式で行われ得る。
【0197】
このアップリンクリソース決定手順の例示的実装が
図18に示されており、
図18はUEに対して構成された2つのコンポーネントキャリアCC#0およびCC#1の複数のスロットを示す。これら2つのコンポーネントキャリアのTECは、CC#0に対して2、CC#1に対して1である(図面の右側にも示されている)。キャリアスイッチングタイミングパターンの例が図面の下部に示されており、これは参照コンポーネントキャリアとしてコンポーネントキャリアCC#0を想定している。スロットnにおいて1つのDCIスケジューリングダウンリンク送信が起こると想定され、それに対するHARQフィードバック情報が(UCIとして)UEによって送信される。
図18は、異なるアップリンクリソース表示(PRI;PUCCHリソースインジケータ)とCC固有アップリンクリソースとの関連付けも示しており、それによってPRI=0とCC#0のアップリンクリソースP00およびCC#1のアップリンクリソースP10とが関連付けられ、かつPRI=1とCC#0のアップリンクリソースP01およびCC#1のアップリンクリソースP11とが関連付けられる。
【表6】
【0198】
図18のDCIは、目標有効繰り返し数4と、K1値1と、PRI0とを示すことが例示的に想定される。したがって、UEが使用できるアップリンクリソースは、CC#0に対するP00およびCC#1に対するP10である。このダウンリンク送信に対するHARQフィードバックを送信するための次のアップリンク送信機会はアップリンク時間スロットn+1であり、これは半静的タイミングパターンに従ってキャリアCC#0に関連付けられる。したがって、示される関連付けに従ってCC#0のアップリンクリソースP00が決定され、次いで第1のHARQフィードバック繰り返し送信を送信するためにUEに使用される。
【0199】
第1のUCI繰り返し送信によって付与される個別有効数は2であり、すなわち目標有効繰り返し数4よりも小さいため、UEはさらなるUCI繰り返し送信を実行する必要がある。残りの第2および第3のHARQフィードバック繰り返し送信のために、UEは参照時間スロットn+2およびn+3ならびにキャリアスイッチングタイミングパターンに従って、UCI送信のためにCC#1を使用することを決定する。UEは、第1のHARQフィードバック繰り返し送信のためにすでに使用されたものに等しい、示される関連付けに同様に基づいて対応するアップリンクリソースを決定し、よってDCIにおいて受信されたPRI=0に基づいてアップリンクリソースP10を使用することを導き出す。したがって、UEはCC#1のアップリンクリソースP10を介して第2および第3のHARQフィードバックを送信する。
【0200】
アップリンクリソース決定の1つの例示的実装によると、アップリンクリソース決定は、現行の5G NR通信システムに対して上述されたのと同じかまたは類似の方式で実装され得る。具体的には、セクション「5G NRにおけるアップリンク制御情報、PUCCH」および「SPSおよびUCI - HARQ-ACK送信」を参照されたい。したがって、UEは各UCI繰り返し送信に対して同じやり方を用いて、コンポーネントキャリアのアップリンクリソースを決定する。
【0201】
さらに、UEは異なる方式でアップリンクリソース表示を得ることができる。たとえば、UCIがHARQフィードバック情報であると想定すると、アップリンクリソース表示は、基地局から受信された、自身に対するHARQフィードバックが送信されるべき対応するダウンリンク送信をスケジューリングするリソーススケジューリングメッセージ(例、DCI)において動的に示され得る(たとえば
図18などを参照)。別の変形は、ダウンリンク送信がセミパーシステントスケジューリング(SPS)構成によって構成されると想定し、この場合のアップリンクリソース表示は、ダウンリンク送信の対応するSPS構成に含まれ得る。
【0202】
以下において、改善されたアップリンクリソース決定手順を別に説明する。この改善されたアップリンクリソース決定手順は、アップリンクリソースを決定するために、第1のUCI繰り返し送信と、後続のUCI繰り返し送信(すなわち、第1のUCI繰り返し送信の後に続くもの)とを区別する。特に、アップリンクリソースインジケータと異なるアップリンクリソースとの上記で提示された関連付けは、第1のUCI繰り返し送信のみに関連して使用される。したがってUEは、たとえば
図18に関連してすでに上記で説明されたとおり、第1の関連付けに基づいてこの第1のUCI繰り返し送信に対するアップリンクリソースを決定する。
【0203】
他方で、このシリーズにおける任意の後続のUCI繰り返し送信に対しては、異なる第2の関連付けが用いられ、これは第1のUCI繰り返し送信に用いられたものとは異なるアップリンクリソースを、UEに対して構成された1つ以上のコンポーネントキャリアの異なるアップリンクリソースと関連付ける。
【0204】
こうした第2の関連付けの例は表の形態で定義でき、それはたとえば以下のとおりであり得る。
【表7】
【0205】
この表から明らかであるとおり、この第2の関連付けは、後続のUCI繰り返し送信のために使用するアップリンクリソースを非常にフレキシブルなやり方で構成することを可能にする。たとえば、この第2の関連付けは、初期UCI繰り返し送信と比較して異なるアップリンクリソースを後続のUCI繰り返し送信のために使用するように構成することを可能にする。たとえば、初期UCI繰り返し送信に対してアップリンクリソースP02を使用し、次いで任意の後続のUCI繰り返し送信に対してP03を使用することなどである。さらに、改善されたアップリンクリソース決定手順は、初期UCI繰り返し送信に使用されたアップリンクリソースに依存して、キャリアスイッチングをフレキシブルに無効化することも可能にする。たとえば、初期UCI繰り返し送信にアップリンクリソースP11を使用したとき、別のキャリアCC#0へのキャリアスイッチングは不可能であり、代わりに同じコンポーネントキャリアCC#1およびこの例示的な場合には同じアップリンクリソースP11さえもが、UEによって任意の後続のUCI繰り返し送信のために使用される。
【0206】
図19を参照して、改善されたアップリンクリソース決定手順の例示的実装が説明される。
図19から明らかであるとおり、
図18のシナリオと同じ基礎的な時間スロット構造、同じTECおよびコンポーネントキャリアが想定される。さらに、DCIも
図18に対して想定されたDCIと同じパラメータを示す。第1の関連付けも同じであると想定される。しかし、非初期UCI繰り返し送信のアップリンクリソースの決定に関連して、以下の第2の関連付けが使用されることが想定される。
【表8】
【0207】
この表から明らかであるとおり、第2の関連付けは、後続のUCI繰り返し送信に対して、初期UCI繰り返し送信のために使用したものとは異なるアップリンクリソースを使用するというフレキシビリティによる利益を得るように定義される。特に、初期アップリンクリソースP00およびP10は異なる後続アップリンクリソースP01およびP11と関連付けられ、初期アップリンクリソースP01およびP11は異なる後続アップリンクリソースP02およびP12と関連付けられる。
【0208】
したがって、
図19が
図18と異なる点は、スロットn+2およびn+3における第2および第3のHARQフィードバック送信に対して、異なるアップリンクリソースP11が使用されることである。
【0209】
図20を参照して、改善されたアップリンクリソース決定手順の別の例示的実装が説明される。
図20には第1および第2の関連付けが示される。さらに、DCIはPRI2を示すことが想定されることにより、UEは第1の関連付け(
図20の上部の表)に基づいて、第1のUCI繰り返し送信がCC#0のスロットn+1において実行され、アップリンクリソースP02が使用されることを決定する。この特定の第1の関連付けは、1つのキャリア、ここではCC#0のみが第1のUCI繰り返し送信に使用されることを可能にする。後続する第2のUCI繰り返し送信に対して、UEは第2の関連付け(
図20の下部の表)を考慮して、初期UCI繰り返し送信にアップリンクリソースP02を使用したことから、第1のキャリアCC#0のアップリンクリソースP01を使用することを決定する。したがってUEは、任意の後続のUCI繰り返し送信に使用されないCC#1に関連付けられた時間スロットn+2およびn+3をスキップする必要がある。しかし(キャリアスイッチングタイミングパターンに従って)参照スロットn+4に対してCC#0を再びUCI送信に使用でき、したがってUEはCC#0の決定されたアップリンクリソースP01を使用して第2のUCI繰り返し送信を実行する。
【0210】
図21を参照して、改善されたアップリンクリソース決定手順のさらに別の例示的実装が説明される。
図21には第1および第2の関連付けが示される。さらに、DCIはPRI3を示すことが想定されることにより、UEは第1の関連付け(
図21の上部の表)に基づいて、第1のUCI繰り返し送信がCC#0のスロットn+1において実行され、アップリンクリソースP03が使用されることを決定する。再び、この特定の第1の関連付けは、1つのキャリア、ここではCC#0のみが第1のUCI繰り返し送信に使用されることを可能にする。後続する第2のUCI繰り返し送信に対して、UEは第2の関連付け(
図21の下部の表)を考慮して、初期UCI繰り返し送信にアップリンクリソースP03を使用したことから、第2のキャリアCC#1のアップリンクリソースP10を使用することを決定する。参照時間スロットn+2およびn+3において、キャリアスイッチングタイミングパターンはコンポーネントキャリアCC#1が使用されることを示すため、したがってUEはCC#1の決定されたアップリンクリソースP10を使用して第2および第3のUCI繰り返し送信を実行する。
【0211】
以下において、コンポーネントキャリアの送信有効性係数の決定に関する、改善されたUCI送信手順のさらなる改善が提示される。この改善されたUCI送信手順は主に、UEがアップリンク繰り返し機能およびUCIキャリアスイッチング機能を共同動作させるときに使用される。
【0212】
加えて、UEはアップリンク繰り返し機能を単独で、すなわちUCIキャリアスイッチング機能を伴わずに実行するためにも構成され得る。前記の場合、UEは、単一のキャリアを通じてUCIを送信するときに実行されるUCI繰り返し送信の目標数を示すパラメータ(例、Nrepと呼ばれる)によって構成され得る。異なる言い方をすると、UEは単一のキャリアを通じてUCIのNrep繰り返し送信を実行することになる。このパラメータNrepはコンポーネントキャリアごとに提供され得る。一例において、このパラメータNrepは、たとえばアップリンク制御情報送信構成などに関連して、UEに対して基地局によって半静的に定義され得る。5G NR通信システムに準拠する1つの例示的実装が上記に説明されており(セクション「PUCCH繰り返し送信」を参照)、ここでは同じPUCCHを有するスロットの数を示すためのパラメータnrofslotsをNrepとして使用できる。
【0213】
UCI繰り返し送信のこの単一CCの数Nrepは、UEによる解釈が異なるという点で、UCI繰り返し送信の新たに導入される目標有効数とは異なり、すなわちNrepは送信の実際の数として解釈されるのに対し、目標有効繰り返し数は、UEが実行した繰り返し送信の実際の数と同じか、それより小さいか、またはそれより大きい可能性のある有効数として解釈される。
【0214】
しかし、この追加の改善によると、このパラメータNrepは各コンポーネントキャリアに対する送信有効性係数(TEC)を決定するために使用される。特に、パラメータNrepは、コンポーネントキャリアを介したアップリンク送信の信頼性を反映するものとして理解され得る。たとえば、パラメータNrepが高いほど、より多くの繰り返し送信が必要とされるため、前記コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信の信頼性が低くなると想定され得る。したがって、パラメータNrepが低いほど、より少ない繰り返し送信が必要とされるため、前記コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信の信頼性が高くなると想定され得る。したがってUEは、以前に各キャリアに対して構成されたそれぞれのパラメータNrepからコンポーネントキャリアのTECを決定し得る。たとえば、コンポーネントキャリアのTECは、前記コンポーネントキャリアに対して構成された対応するパラメータNrepに反比例する。例示的な計算は、TECCC=1/Nrep_ccとなり得る。任意選択で、次いでTECをさらに変換して相対的な値を表し得る。
【0215】
この上記で考察されたさらなる改善によって、各コンポーネントキャリアに対する新たなパラメータTECを決定してシグナリングする必要がなくなるため、シグナリングのオーバーヘッドおよび処理が低減され得る。代わりに、すでに定義されたパラメータ(例、nrofslots)がUEおよび基地局によって再使用されて、異なるコンポーネントキャリアのTECが導出される。5G NR通信規格の観点からは、規格(単数または複数)に必要とされる変更が少なくなる。
【0216】
さらなる変形は、UCI繰り返し送信の実際の数が半静的パラメータNrepによって構成されるだけでなく、たとえばPDSCHに対するDCIなどにおいて、基地局がUCI繰り返し送信の実際の数を動的に示してもよいことを想定する(たとえばセクション「PUCCH繰り返し送信」におけるRel.17の考察などを参照)。前記の場合、単一キャリアUCI送信において動作するときのUCI繰り返し送信の実際の数を決定するために、半静的に構成されたパラメータNrepは無視され、代わりに動的に示されたパラメータが使用される。さらに、このさらなる変形において、動的に示されたパラメータは、UCI繰り返し送信の目標有効数の決定にも使用される。
【0217】
以下において、上記で説明された改善されたUCI送信手順(ならびにその異なる変形および実装)とは別に、またはそれと組み合わせて使用され得る別の改善が説明される。
【0218】
特に、UEは同時に複数のキャリアを通じて送信できないと想定して、UEは自身の無線周波数回路を再調整するために、新たなキャリアを通じて送信し得る前に時間ギャップを必要とすることが想定される。たとえば、能力が低減したRedCap UEと呼ばれるUEが存在するとき、必要とされる時間ギャップはかなり大きくなり得る。このさらなる改善によると、UCI送信手順は付加的に時間要件を考慮し、この時間要件に従って、第2の異なるコンポーネントキャリアを通じた前のUCI繰り返し送信の後に続く、第1のコンポーネントキャリアを通じたUCI繰り返し送信は、その間に最小時間ギャップを必要とする。
【0219】
UEは、UCI繰り返し送信を実行することを決定するときに、コンポーネントキャリアの利用可能なアップリンクリソース機会が上述の時間要件に準拠するかどうかも考慮する。アップリンクリソース機会が時間要件に準拠しないとき、UEは前記機会を使用できず、次のアップリンクリソース機会を処理するために前進する。他方で、アップリンクリソース機会が時間要件に準拠するとき、UEは前記機会を使用してUCIを送信できる。
【0220】
変形の一例において、時間要件は主にUEの能力に依存し、UEに記憶された能力情報の一部であってもよい。次いでUEは、この時間要件についての好適な情報を基地局に提供するため、両方のエンティティが同じ理解を有する。たとえば、UCI送信に対するキャリアを変更するための最小時間ギャップ500μsが想定され得る。
【0221】
さらなる例示的な変形において、次いで基地局は時間要件についての能力情報を用いて、異なる、たとえばより厳密な時間要件をさらに定義でき、それに従って、たとえばRRCプロトコルのメッセージなどにおいてUEを構成する。したがってUEは、こうした追加の時間要件構成を基地局から受信したときに、能力情報からの自身の時間要件を無視して、代わりに基地局から提供された時間要件に従う。
【0222】
さらなる変形において、時間要件はUEのすべてのコンポーネントキャリアに共通して適用され得る。
【0223】
代替的に、時間要件は特定のコンポーネントキャリアに対して固有であってもよく、たとえばUEが別のコンポーネントキャリアにスイッチングする前のコンポーネントキャリアに固有であってもよく、すなわちソースキャリアに固有であってもよい。したがって、UEが後続のUCI繰り返し送信を試みるときにどのコンポーネントキャリアからスイッチングするかに依存して、異なる時間要件が適用され得る。
【0224】
図22は、上述の改善されたUCI送信手順と共に適用される(すなわち、目標有効繰り返し数および異なるコンポーネントキャリアのTECを用いる)ときの、この改善の例示的実装を示す。
図22から明らかであるとおり、時間要件は、UCI送信に使用されるアップリンクリソースの終端から示される。
図22の例示的シナリオを想定すると、第1および第2のUCI繰り返し送信は時間要件を満たす必要がない。その具体的な理由は、第2のUCI繰り返し送信が第1のUCI繰り返し送信と同じCC、ここではCC#1を通じて実行されるからである。他方で、UEは時間要件を考慮することによって、異なるCC#0のスロットn+3におけるアップリンク送信機会を処理する。次いでUEは、時間要件が満たされないことを決定する。なぜなら、CC#0のスロットn+3におけるUCI送信機会の対応するアップリンクリソースは最小時間ギャップ内に開始され、その後に開始されないからである。
【0225】
したがってUEは、CC#0のスロットn+4にある次のUCI送信機会を処理するために進行する。この場合、前のn+2のUCI繰り返し送信と比較して時間要件が満たされ、UEはスロットn+4の前記アップリンクリソースを使用して第3のUCI繰り返し送信を送信し得る。
【0226】
UEは、目標有効繰り返し数4に到達するためにさらに別のUCI繰り返し送信を実行する必要があり、よってCC#1のスロットn+5のUCI送信機会を処理する。UEは(第3のUCI繰り返し送信に対するCC#0から)別のコンポーネントキャリアにスイッチングする必要があり、よって動作中の時間要件を考慮する。しかし、次いでUEは時間要件が満たされることを決定し、よってスロットn+5のCC#1の対応するアップリンクリソースにおいてUCI繰り返し送信を実行するために進行し得る。
【0227】
<さらなる態様>
第1の態様によると、以下を含むユーザ機器が提供される。UEの処理回路は、アップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定する。送信機は、UCI繰り返し送信の目標有効数に到達するまで、利用可能なUCIに対する1つ以上の繰り返し送信を実行する。各繰り返し送信に対して、
・処理回路は、UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのコンポーネントキャリアを決定し、決定されたコンポーネントキャリアのアップリンクリソースを決定し、かつ
・送信機は、決定されたコンポーネントキャリアの決定されたアップリンクリソースを用いて、利用可能なアップリンク制御情報を送信する。
【0228】
実行されるUCI繰り返し送信の各々は、UCI繰り返し送信の目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の有効数は、それぞれのUCI繰り返し送信を実行するために用いられるコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する。
【0229】
第1の態様に加えて提供される第2の態様によると、処理回路は、利用可能なアップリンク制御情報の過去の繰り返し送信によって繰り返し送信の目標有効数に到達したかどうかに基づいて、利用可能なアップリンク制御情報の繰り返し送信を実行するか否かを決定する。任意選択の実装において、処理回路は、
・利用可能なアップリンク制御情報の各々の過去の繰り返し送信の個別有効数を加算することによって、アップリンク制御情報の繰り返し送信の現行有効数を決定すること、
・UCI繰り返し送信の決定された現行有効数を、UCI繰り返し送信の目標有効数と比較すること、
・UCI繰り返し送信の決定された現行有効数がUCI繰り返し送信の目標有効数よりも小さい場合に、UCI繰り返し送信を実行することを決定することによって、アップリンク制御情報の繰り返し送信を実行するか否かに関する決定を行う。
【0230】
第1または第2の態様に加えて提供される第3の態様によると、処理回路は、
・アップリンク制御情報がダウンリンク送信に関する再送信プロトコルのフィードバック情報である場合は、ダウンリンク送信をスケジューリングするリソーススケジューリングメッセージに含まれる情報に基づくか、またはダウンリンク送信のために使用可能なセミパーシステントダウンリンクリソース構成に含まれる情報に基づき、
・アップリンク制御情報がスケジューリング要求(SR)である場合は、SR構成に含まれる情報に基づき、
・アップリンク制御情報がチャネル状態情報(CSI)である場合は、CSI構成に含まれる情報に基づいて、UCI繰り返し送信の目標有効数の決定を行う。
【0231】
第1~第3の態様のうちの1つに加えて提供される第4の態様によると、コンポーネントキャリアの送信有効性係数は、参照コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信に対する別の相対的な送信有効性に対する、前記コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信に対する相対的な送信有効性を示す値である。任意選択の実装において、参照コンポーネントキャリアは、プライマリキャリア、セカンダリキャリア、最低サブキャリア間隔を有するキャリア、および最高サブキャリア間隔を有するキャリアのうちの1つである。そのさらなる任意選択の実装において、送信有効性は、アップリンク送信の送信信頼性、基地局においてアップリンク送信を受信するための受信機信号品質、コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信のためにUEが使用する送信電力のうちの1つ以上に関係する。そのさらに別の任意選択の実装では、UEの受信機が、任意選択で無線リソース制御(RRC)プロトコルのメッセージにおいて、UEにサービス提供する基地局から複数のコンポーネントキャリアに対する送信有効性係数についての情報を受信し、処理回路は受信された情報からコンポーネントキャリアの送信有効性係数を決定する。
【0232】
第1~第4の態様のうちの1つに加えて提供される第5の態様によると、UEは、ただ1つのコンポーネントキャリアを使用して繰り返し送信を実行するときにUEに使用されるコンポーネントキャリアに対するアップリンク制御情報の繰り返し送信の数を示す半静的に構成されたパラメータによって構成される。処理回路は、それぞれのコンポーネントキャリアの半静的に構成されたパラメータによって示される値に反比例するように、コンポーネントキャリアの送信有効性係数を決定する。その任意選択の実装において、半静的に構成されたパラメータは、UCI繰り返し送信の目標有効数とは異なるパラメータである。代わりに、その別の任意選択の実装では、UEの受信機が、半静的に構成されたパラメータの代わりにただ1つのコンポーネントキャリアを使用して繰り返し送信を実行するときにUEに使用されるリソーススケジューリングメッセージに関するアップリンク制御情報の繰り返し送信の数を示す動的に構成されたパラメータを含むリソーススケジューリングメッセージを受信する。処理回路は、動的に構成されたパラメータと等しくなるようにUCI繰り返し送信の目標有効数を決定する。
【0233】
第1~第5の態様のうちの1つに加えて提供される第6の態様によると、処理回路は時間要件を考慮してUCI繰り返し送信に対するタイミングを決定し、この時間要件に従って、第2の異なるコンポーネントキャリアを通じた前のUCI繰り返し送信の後に続く、第1のコンポーネントキャリアを通じたUCI繰り返し送信は、その間に最小時間ギャップを必要とする。その任意選択の実装において、UEの受信機は、任意選択で無線リソース制御(RRC)プロトコルのメッセージにおいて、UEにサービス提供する基地局から時間要件についての情報を受信する。まださらなる任意選択の実装では、時間要件はUEの能力の一部であり、送信機はUEにサービス提供する基地局に時間要件についての情報を送信する。任意選択で、時間要件はUEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアに共通して適用されるか、または時間要件は複数のコンポーネントキャリアのうちの1つに適用される。
【0234】
第1~第6の態様のうちの1つに加えて提供される第7の態様によると、アップリンク制御情報は、
・たとえばハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)プロトコルなどの再送信プロトコルのフィードバック情報、
・スケジューリング要求(SR)、および
・チャネル状態情報(CSI)のうちの1つ以上である。
【0235】
第1~第7の態様のうちの1つに加えて提供される第8の態様によると、処理回路は、
・UCIの送信に対するアップリンクタイミングを決定することと、決定されたアップリンクタイミングに対応する参照コンポーネントキャリアの参照時間スロットを決定することと、次いでアップリンクキャリアタイミングパターンおよび決定された参照時間スロットに基づいてUCIの送信に対するコンポーネントキャリアを決定することとによって、アップリンク制御情報の送信に対するコンポーネントキャリアの決定を行い、
o任意選択で、アップリンクキャリアタイミングパターンは、参照時間スロットごとの1つのコンポーネントキャリアのパターンを定義することによって、参照コンポーネントキャリアの各時間スロットは、UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのコンポーネントキャリアに関連付けられる。
【0236】
代替的に、処理回路は、
・アップリンク制御情報として自身に対する再送信プロトコルのフィードバック情報が送信されるダウンリンク送信に関するコンポーネントキャリア表示に基づいて、アップリンク制御情報の送信に対するコンポーネントキャリアの決定を行い、
o任意選択で、コンポーネントキャリア表示は、UEにサービス提供する基地局から受信される、ダウンリンク送信をスケジューリングするリソーススケジューリングメッセージに含まれるか、またはダウンリンク送信のために使用可能なセミパーシステントダウンリンク構成によって示される。
【0237】
2つの代替策の任意選択の実装において、アップリンク制御情報を送信するために決定されたコンポーネントキャリアは、アップリンク制御情報を送信するタイミングに依存して、複数のコンポーネントキャリアのうちの異なるコンポーネントキャリアであり得、かつ任意選択で、決定されたコンポーネントキャリアは、アップリンク制御情報として自身に対する再送信プロトコルのフィードバック情報が送信されるダウンリンク送信をUEが受信したときに用いられたコンポーネントキャリアとは異なるコンポーネントキャリアであり得る。
【0238】
第1~第8の態様のうちのいずれか1つに加えて提供される第9の態様によると、処理回路は、決定されたコンポーネントキャリアに基づき、アップリンク制御情報に関するアップリンクリソース表示に基づき、かつ異なるアップリンクリソース表示と、UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つ以上のコンポーネントキャリアの異なるアップリンクリソースとの第1の関連付けに基づいて、各々のUCI繰り返し送信に対して決定されたコンポーネントキャリアのアップリンクリソースの決定を行う。その任意選択の実装において、アップリンクリソース表示はリソーススケジューリングメッセージに含まれ、このリソーススケジューリングメッセージはUEにサービス提供する基地局から受信され、かつアップリンク制御情報として自身に対する再送信プロトコルのフィードバック情報が送信されるダウンリンク送信をスケジューリングする。代替的に、アップリンクリソース表示は、ダウンリンク送信のために使用可能なセミパーシステントダウンリンク構成によって示される。
【0239】
第1~第8の態様のうちのいずれか1つに加えて提供される第10の態様によると、一連のUCI繰り返し送信のうちの第1のUCI繰り返し送信に対して、処理回路は、決定されたコンポーネントキャリアに基づき、アップリンクリソース表示に基づき、かつ異なるアップリンクリソース表示と、UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つ以上のコンポーネントキャリアの異なるアップリンクリソースとの第1の関連付けに基づいて、決定されたコンポーネントキャリアのアップリンクリソースの決定を行う。第2の関連付けは、一連のUCI繰り返し送信のうちの任意の後続のUCI繰り返し送信に適用可能であり、一連のうちの第1のUCI繰り返し送信のために使用可能な異なるアップリンクリソースと、UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つ以上のコンポーネントキャリアの異なるアップリンクリソースとを関連付ける。一連のうちの後続のUCI繰り返し送信のいずれかに対して、処理回路は第2の関連付けに基づき、一連のうちの第1のUCI繰り返し送信のために使用されるアップリンクリソースに基づき、かつ決定されたコンポーネントキャリアに基づいて、決定されたコンポーネントキャリアのアップリンクリソースの決定を行う。その任意選択の実装において、アップリンクリソース表示はリソーススケジューリングメッセージに含まれ、このリソーススケジューリングメッセージはUEにサービス提供する基地局から受信され、かつアップリンク制御情報として自身に対する再送信プロトコルのフィードバック情報が送信されるダウンリンク送信をスケジューリングする。代替的に、アップリンクリソース表示は、ダウンリンク送信のために使用可能なセミパーシステントダウンリンク構成によって示される。
【0240】
第11の態様によると、ユーザ機器(UE)によって実行される以下のステップ、
送信のために利用可能なアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定するステップ、
UCI繰り返し送信の目標有効数に到達するまで、利用可能なアップリンク制御情報に対する1つ以上の繰り返し送信を実行するステップを含み、
利用可能なアップリンク制御情報の各繰り返し送信が、
・UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのコンポーネントキャリアを決定し、決定されたコンポーネントキャリアのアップリンクリソースを決定するステップと、
・決定されたコンポーネントキャリアの決定されたアップリンクリソースを用いて、利用可能なアップリンク制御情報を送信するステップとを含み、
実行されるUCI繰り返し送信の各々が、UCI繰り返し送信の目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の有効数は、それぞれのUCI繰り返し送信を実行するために用いられるコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する、方法が提供される。
【0241】
第12の態様によると、以下を含む基地局が提供される。基地局の処理回路は、ユーザ機器に対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースを用いてUEによって送信されるアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定する。処理回路は、複数のコンポーネントキャリアの各々に対して、それぞれのUCI繰り返し送信を実行するためにUEが使用可能なそれぞれのコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数を決定する。基地局の送信機は、UCI繰り返し送信の決定された目標有効数についての情報と、各コンポーネントキャリアに対する決定された送信有効性係数についての情報とをUEに送信する。基地局の受信機は、UCI繰り返し送信の目標有効数に到達するまで、複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースをそれぞれ介してUEからUCI繰り返し送信を受信する。受信されたUCI繰り返し送信の各々は、UCI繰り返し送信の目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の有効数は、それぞれのUCI繰り返し送信の受信に用いられたコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する。
【0242】
第12の態様に加えて提供される第13の態様によると、処理回路は、利用可能なアップリンク制御情報の過去に受信された繰り返し送信によって繰り返し送信の目標有効数に到達したかどうかに基づいて、利用可能なアップリンク制御情報の繰り返し送信がUEから受信されるか否かを決定する。その任意選択の実装において、処理回路は、
・利用可能なアップリンク制御情報の各々の過去に受信された繰り返し送信の個別有効数を加算することによって、アップリンク制御情報の繰り返し送信の現行有効数を決定すること、
・受信されたUCI繰り返し送信の決定された現行有効数を、UCI繰り返し送信の目標有効数と比較すること、
・UCI繰り返し送信の決定された現行有効数がUCI繰り返し送信の目標有効数よりも小さい場合に、UCI繰り返し送信が受信されることを決定することによって、UCI繰り返し送信が受信されるか否かに関する決定を行う。
【0243】
第12または第13の態様に加えて提供される第14の態様によると、送信機は、
・アップリンク制御情報がダウンリンク送信に関する再送信プロトコルのフィードバック情報である場合は、ダウンリンク送信をスケジューリングするリソーススケジューリングメッセージか、またはダウンリンク送信のために使用可能なセミパーシステントダウンリンクリソース構成において、
・アップリンク制御情報がスケジューリング要求(SR)である場合は、SR構成において、
・アップリンク制御情報がチャネル状態情報(CSI)である場合は、CSI構成において、UCI繰り返し送信の目標有効数についての情報の送信を行う。
【0244】
第12~第14の態様のうちのいずれか1つに加えて提供される第15の態様によると、コンポーネントキャリアの送信有効性係数は、参照コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信に対する別の相対的な送信有効性に対する、前記コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信に対する相対的な送信有効性を示す値であり、任意選択で、参照コンポーネントキャリアは、プライマリキャリア、セカンダリキャリア、最低サブキャリア間隔を有するキャリア、および最高サブキャリア間隔を有するキャリアのうちの1つである。その任意選択の実装において、処理回路は、アップリンク送信の送信信頼性、アップリンク送信を受信するための受信機信号品質、コンポーネントキャリアを通じたアップリンク送信のためにUEが使用する送信電力のうちの1つ以上に基づいて送信有効性を決定する。
【0245】
第12~第15の態様のうちの1つに加えて提供される第16の態様によると、処理回路は時間要件を考慮してUEのUCI繰り返し送信に対するタイミングを決定し、この時間要件に従って、第2の異なるコンポーネントキャリアを通じた前のUCI繰り返し送信の後に続く、第1のコンポーネントキャリアを通じたUCI繰り返し送信は、その間に最小時間ギャップを必要とする。その任意選択の実装において、処理回路は時間要件を決定し、送信機は、任意選択で無線リソース制御(RRC)プロトコルのメッセージにおいて、時間要件についての情報をUEに送信する。そのさらなる任意選択の実装において、受信機は、UEの能力の一部として示される時間要件についての情報をUEから受信する。そのさらなる任意選択の実装において、時間要件はUEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアに共通して適用されるか、または時間要件は複数のコンポーネントキャリアのうちの1つに適用される。
【0246】
第12~第16の態様のうちの1つに加えて提供される第17の態様によると、処理回路は、
・UCIの送信に対するアップリンクタイミングを決定することと、決定されたアップリンクタイミングに対応する参照コンポーネントキャリアの参照時間スロットを決定することと、次いでアップリンクキャリアタイミングパターンおよび決定された参照時間スロットに基づいてUCIの送信に対するコンポーネントキャリアを決定することとによって、アップリンク制御情報の送信のためにUEが使用するコンポーネントキャリアの決定を行い、
o任意選択で、アップリンクキャリアタイミングパターンは、参照時間スロットごとの1つのコンポーネントキャリアのパターンを定義することによって、参照コンポーネントキャリアの各時間スロットは、UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのコンポーネントキャリアに関連付けられる。
【0247】
代替的に、処理回路は、
・アップリンク制御情報として自身に対する再送信プロトコルのフィードバック情報がUEによって送信されるダウンリンク送信に関するコンポーネントキャリア表示に基づいて、アップリンク制御情報の送信のためにUEが使用するコンポーネントキャリアの決定を行い、
o任意選択で、コンポーネントキャリア表示は、基地局からUEに送信される、ダウンリンク送信をスケジューリングするリソーススケジューリングメッセージに含まれるか、またはダウンリンク送信のために使用可能なセミパーシステントダウンリンク構成によって示される。
【0248】
両方の代替策の任意選択の実装において、アップリンク制御情報を送信するために決定されたコンポーネントキャリアは、アップリンク制御情報を送信するタイミングに依存して、複数のコンポーネントキャリアのうちの異なるコンポーネントキャリアであり得、かつ任意選択で、決定されたコンポーネントキャリアは、アップリンク制御情報として自身に対する再送信プロトコルのフィードバック情報が送信されるダウンリンク送信をUEが受信したときに用いられたコンポーネントキャリアとは異なるコンポーネントキャリアであり得る。
【0249】
第12~第17の態様のうちの1つに加えて提供される第18の態様によると、処理回路は、異なるアップリンクリソース表示と、UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つ以上のコンポーネントキャリアの異なるアップリンクリソースとの第1の関連付けを決定し、送信機は第1の関連付けについての情報をUEに送信する。処理回路は、第1の関連付けの異なるアップリンクリソース表示からの1つの固有アップリンクリソースインジケータと、UEによって実行される一連のUCI繰り返し送信のうちの第1のUCI繰り返し送信に対応するアップリンクリソースとを決定し、送信機は固有アップリンクリソースインジケータをUEに送信する。処理回路は、UEによって実行される一連のUCI繰り返し送信のうちの任意の後続のUCI繰り返し送信に適用可能な第2の関連付けを決定する。第2の関連付けは、一連のうちの第1のUCI繰り返し送信のために使用可能な異なるアップリンクリソースと、UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つ以上のコンポーネントキャリアの異なるアップリンクリソースとを関連付ける。処理回路は、一連のうちの後続のUCI繰り返し送信のいずれかに対して、第2の関連付けに基づき、一連のうちの第1のUCI繰り返し送信のためにUEが使用するアップリンクリソースに基づき、かつ決定されたコンポーネントキャリアに基づいて、決定されたコンポーネントキャリアのアップリンクリソースを決定する。その任意選択の実装において、固有アップリンクリソース表示はリソーススケジューリングメッセージに含まれ、このリソーススケジューリングメッセージは基地局からUEに送信され、かつアップリンク制御情報として自身に対する再送信プロトコルのフィードバック情報がUEによって送信されるダウンリンク送信をスケジューリングする。代替的に、アップリンクリソース表示は、ダウンリンク送信のために使用可能なセミパーシステントダウンリンク構成によって示される。
【0250】
第19の態様によると、基地局によって実行される以下のステップ、
ユーザ機器に対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースを用いてUEによって送信されるアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定するステップ、
複数のコンポーネントキャリアの各々に対して、それぞれのUCI繰り返し送信を実行するためにUEが使用可能なそれぞれのコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数を決定するステップ、
UCI繰り返し送信の決定された目標有効数についての情報と、各コンポーネントキャリアに対する決定された送信有効性係数についての情報とをUEに送信するステップ、
UCI繰り返し送信の目標有効数に到達するまで、複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースをそれぞれ介してUEからUCI繰り返し送信を受信するステップを含む方法が提供され、
受信されたUCI繰り返し送信の各々は、UCI繰り返し送信の目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の有効数は、それぞれのUCI繰り返し送信の受信に用いられたコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する。
【0251】
第20の態様によると、ユーザ機器のプロセスを制御する集積回路が提供され、このプロセスは、ユーザ機器によって実行される以下のステップ、
送信のために利用可能なアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定するステップ、
UCI繰り返し送信の目標有効数に到達するまで、利用可能なアップリンク制御情報に対する1つ以上の繰り返し送信を実行するステップを含み、
利用可能なアップリンク制御情報の各繰り返し送信は、
・UEに対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのコンポーネントキャリアを決定し、決定されたコンポーネントキャリアのアップリンクリソースを決定するステップと、
・決定されたコンポーネントキャリアの決定されたアップリンクリソースを用いて、利用可能なアップリンク制御情報を送信するステップとを含み、
実行されるUCI繰り返し送信の各々は、UCI繰り返し送信の目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の有効数は、それぞれのUCI繰り返し送信を実行するために用いられるコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する。
【0252】
第21の態様によると、基地局のプロセスを制御する集積回路が提供され、このプロセスは、基地局によって実行される以下のステップ、
ユーザ機器に対して構成された複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースを用いてUEによって送信されるアップリンク制御情報(UCI)に対する繰り返し送信の目標有効数を決定するステップ、
複数のコンポーネントキャリアの各々に対して、それぞれのUCI繰り返し送信を実行するためにUEが使用可能なそれぞれのコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数を決定するステップ、
UCI繰り返し送信の決定された目標有効数についての情報と、各コンポーネントキャリアに対する決定された送信有効性係数についての情報とをUEに送信するステップ、
UCI繰り返し送信の目標有効数に到達するまで、複数のコンポーネントキャリアのうちの1つのアップリンクリソースをそれぞれ介してUEからUCI繰り返し送信を受信するステップを含み、
受信されたUCI繰り返し送信の各々は、UCI繰り返し送信の目標有効数に向かって個別有効数を付与し、各UCI繰り返し送信の有効数は、それぞれのUCI繰り返し送信の受信に用いられたコンポーネントキャリアに関する送信有効性係数に依存する。
【0253】
<本開示のハードウェアおよびソフトウェアの実装を含むさらなる変形例>
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア又はハードウェアと連動するソフトウェアによって実現することができる。上述した各実施例の説明に用いた各機能ブロックは、集積回路等のLSIによって部分的又は全体的に実現可能であり、各実施例で説明される各処理は、同一のLSI又はLSIの組み合わせによって部分的又は全体的に制御されてもよい。LSIは、個別にチップとして形成されていてもよいし、あるいは、機能ブロックの一部又は全部を含むように1つのチップが形成されていてもよい。LSIは、それに結合されたデータ入出力を含んでもよい。ここで、LSIとは、集積度の違いにより、IC(集積回路)、システムLSI、スーパーLSI又はウルトラLSIとして呼ばれうる。しかし、集積回路を実現する技術はLSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサを用いて実現されてもよい。さらに、LSI内部に配置される回路セルの接続及び設定が再設定可能なLSI又はリコンフィギュラブルプロセッサの製造後にプログラミング可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)が利用されてもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現することができる。半導体技術や他の派生技術の進歩の結果として、将来の集積回路技術がLSIに取って代わる場合、機能ブロックは、将来の集積回路技術を用いて集積化することができる。バイオテクノロジーも適用できる。
【0254】
本開示は、通信装置と呼ばれる、通信機能を有する何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムによって実現することができる。
【0255】
通信装置は、送受信機及び処理/制御回路を有してもよい。送受信機は、受信機及び送信機を有し、及び/又は機能してもよい。送信機及び受信機としての送受信機は、増幅器、RF変調器/復調器など及び1つ以上のアンテナを含むRF(Radio Frequency)モジュールを含んでもよい。
【0256】
そのような通信装置のいくつかの非限定的な例は、電話機(例えば、携帯(セル)電話、スマートフォン)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(例えば、ラップトップ、デスクトップ、ネットブック)、カメラ(例えば、デジタルスチル/ビデオカメラ)、デジタルプレーヤ(デジタルオーディオ/ビデオプレーヤ)、ウェアラブルデバイス(例えば、ウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、トラッキングデバイス)、ゲームコンソール、デジタルブックリーダ、遠隔ヘルス/遠隔医療(リモートヘルス及びリモート医療)デバイス、及び通信機能を提供する車両(例えば、自動車、飛行機、船舶)、並びにそれらの様々な組み合わせを含む。
【0257】
通信装置は、携帯型又は可動型であることに限定されず、スマートホームデバイス(例えば、家電、ライティング、スマートメータ、制御パネル)、自動販売機及び“Internet of Things(IoT)”のネットワークにおける他の何れかの“物”など、非携帯型又は固定型である何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムを含んでもよい。
【0258】
通信は、例えば、セルラシステム、無線LANシステム、衛星システムなど、及びそれらの様々な組み合わせを介してデータを交換することを含んでもよい。
【0259】
通信装置は、本開示に記載された通信の機能を実行する通信デバイスに結合されたコントローラ又はセンサなどのデバイスを含んでもよい。例えば、通信装置は、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスによって使用される制御信号又はデータ信号を生成するコントローラ又はセンサを含んでもよい。
【0260】
加えて通信装置は、たとえば基地局、アクセスポイント、およびたとえば上述の非限定的な例におけるものなどの装置と通信するか、またはそれを制御する任意のその他の装置、デバイス、またはシステムなどのインフラストラクチャ設備を含んでもよい。
【0261】
(制御信号)
本開示において、本開示に関連するダウンリンク制御信号(情報)は、物理レイヤのPDCCHを介して送信される信号(情報)であり得、または上位レイヤのMAC制御エレメント(CE:Control Element)またはRRCを介して送信される信号(情報)であり得る。ダウンリンク制御信号は、事前定義された信号(情報)であり得る。
【0262】
本開示に関連するアップリンク制御信号(情報)は、物理レイヤのPUCCHを介して送信される信号(情報)であり得、上位レイヤのMAC CEまたはRRCを介して送信される信号(情報)であり得る。また、アップリンク制御信号は、事前定義された信号(情報)であり得る。アップリンク制御信号は、アップリンク制御情報(UCI:uplink control information)、第1ステージサイドリンク制御情報(SCI:sidelink control information)、または第2ステージSCIに置き換えられ得る。
【0263】
(基地局)
本開示では、基地局は、たとえば、送受信ポイント(TRP:Transmission Reception Point)、クラスタヘッド、アクセスポイント、リモートラジオヘッド(RRH:Remote Radio Head)、eNodeB(eNB)、gNodeB(gNB)、基地局(BS:Base Station)、基地送受信局(BTS:Base Transceiver Station)、ベースユニット、またはゲートウェイであり得る。また、サイドリンク通信においては、基地局の代わりに端末が採用され得る。基地局は、上位ノードと端末との間の通信を中継する中継装置であり得る。基地局は路側ユニットであり得る。
【0264】
(アップリンク/ダウンリンク/サイドリンク)
本開示は、アップリンク、ダウンリンク、およびサイドリンクのいずれにも適用され得る。
【0265】
本開示は、たとえば、PUSCH、PUCCH、およびPRACHなどのアップリンクチャネル、PDSCH、PDCCH、およびPBCHなどのダウンリンクチャネル、ならびに物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical Sidelink Shared Channel)、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)、および物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH:Physical Sidelink Broadcast Channel)などのサイドリンクチャネルに適用され得る。
【0266】
PDCCH、PDSCH、PUSCH、およびPUCCHは、それぞれ、ダウンリンク制御チャネル、ダウンリンクデータチャネル、アップデータチャネル、アップリンク制御チャネルの例である。PSCCHおよびPSSCHは、それぞれサイドリンク制御チャネルおよびサイドリンクデータチャネルの例である。PBCHおよびPSBCHはそれぞれブロードキャストチャネルの例であり、PRACHはランダムアクセスチャネルの例である
【0267】
(データチャネル/制御チャネル)
本開示は、データチャネルおよび制御チャネルのいずれにも適用され得る。本開示におけるチャネルは、PDSCH、PUSCH、およびPSSCHを含むデータチャネル、ならびに/あるいはPDCCH、PUCCH、PBCH、PSCCH、およびPSBCHを含む制御チャネルに置き換えられ得る。
【0268】
(参照信号)
本開示において、参照信号は、基地局および移動局の両方に既知の信号であり、各参照信号は、参照信号(RS)または場合によってはパイロット信号と呼ばれ得る。参照信号は、DMRS、チャネル状態情報-参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)、トラッキング参照信号(TRS:Tracking Reference Signal)、位相トラッキング参照信号(PTRS:Phase Tracking Reference Signal)、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、およびサウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)のいずれでもあり得る。
【0269】
(時間間隔)
本開示では、時間リソース単位は、スロットおよびシンボルのうちの1つまたは組み合わせに限定されず、フレーム、スーパーフレーム、サブフレーム、スロット、タイムスロットサブスロット、ミニスロットなどの時間リソース単位、またはシンボル、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、シングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC-FDMA:Single Carrier-Frequency Division Multiplexing Access)シンボルなどの時間リソース単位、あるいは他の時間リソース単位であり得る。1スロットに含まれるシンボル数は、上述の実施形態(複数可)で例示したいかなるシンボル数にも限定されず、他のシンボル数であり得る。
【0270】
(周波数バンド)
本開示は、ライセンスバンド、アンライセンスバンドのいずれにも適用され得る。
【0271】
(通信)
本開示は、基地局と端末との間の通信(Uuリンク通信)、端末と端末との間の通信(サイドリンク通信)、およびビークルツーエブリシング(V2X:Vehicle to Everything)通信のいずれにも適用され得る。本開示におけるチャネルは、PSCCH、PSSCH、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:Physical Sidelink Feedback Channel)、PSBCH、PDCCH、PUCCH、PDSCH、PUSCH、およびPBCHに置き換えられ得る。
【0272】
また、本開示は、地上ネットワーク、または衛星もしくは高高度疑似衛星(HAPS:High Altitude Pseudo Satellite)を使用した地上ネットワーク以外のネットワーク(NTN:非地上ネットワーク:Non-Terrestrial Network)のいずれにも適用され得る。また、本開示は、セルサイズが大きいネットワーク、シンボル長またはスロット長に比べて遅延が大きい地上ネットワーク、たとえば、超広帯域伝送ネットワークにも適用され得る。
【0273】
(アンテナポート)
アンテナポートとは、1つまたは複数の物理アンテナ(複数可)で形成される論理アンテナ(アンテナグループ)を指す。すなわち、アンテナポートは、必ずしも1つの物理アンテナを指すわけではなく、複数のアンテナで形成されるアレイアンテナなどを指す場合もある。たとえば、アンテナポートを形成する物理アンテナの数は定義されておらず、代わりに、アンテナポートは、端末が参照信号を送信することが可能な最小単位として定義される。また、アンテナポートは、プリコーディングベクトルの重み付けを乗算するための最小単位として定義され得る。
【0274】
さらに、さまざまな実施形態は、プロセッサによって実行されるか、またはハードウェアにおいて直接実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよい。ソフトウェアモジュールとハードウェア実装との組み合わせも可能であり得る。ソフトウェアモジュールは、たとえばRAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD-ROM、DVDなどの任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。さらに、異なる実施形態の個々の特徴が個別に、または任意の組み合わせで、別の実施形態の主題になり得ることに留意すべきである。
【0275】
特定の実施形態において示された本開示に対して、多数の変更および/または修正を加えてもよいことを当業者は認識するだろう。したがって本実施形態はすべての点から例示的であり、限定的なものではないとみなされるべきである。
【国際調査報告】