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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】ブレーキ機構及び車輪式搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B60B 33/00 20060101AFI20241018BHJP
   B62B 9/08 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B60B33/00 501C
B60B33/00 F
B62B9/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523816
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2022079452
(87)【国際公開番号】W WO2023067178
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111230214.4
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ジュー,ワンチェン
【テーマコード(参考)】
3D051
【Fターム(参考)】
3D051AA02
3D051CE01
3D051CE06
3D051CG06
3D051CG07
(57)【要約】
本発明は、ブレーキ機構及び車輪式搬送装置を提供する。前記ブレーキ機構は、駆動部材とブレーキアセンブリとを含み、ブレーキアセンブリは、駆動ピンと、リンク部材と、作動部材と、スラスト部材と、ロック部材とを含む。前記駆動ピンは、前記リンク部材の一端に接続され、前記リンク部材の他端は、前記作動部材に接続され、前記作動部材は、前記車輪式搬送装置の車輪マウント内に移動可能に設けられている。前記スラスト部材は、前記作動部材内に移動可能に設けられ、前記作動部材は、前記ロック部材に接続され、前記駆動部材により前記ブレーキアセンブリの前記駆動ピンを移動させるように駆動し、作動部材をリンク部材によって移動可能に駆動させ、次いでロック部材を移動可能に駆動して車輪をロック又はロック解除する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪式搬送装置の車輪をロックするためのブレーキ機構において、
前記ブレーキ機構は、駆動部材と、ブレーキアセンブリとを含み、
前記ブレーキアセンブリは、駆動ピンと、リンク部材と、作動部材と、スラスト部材と、ロック部材とを含み、
前記駆動ピンは、前記リンク部材の一端に接続され、前記リンク部材の他端は、前記作動部材に接続され、前記作動部材は、前記車輪式搬送装置の車輪マウント内に移動可能に設けられ、
前記スラスト部材は、前記作動部材内に移動可能に設けられ、前記スラスト部材は、前記ロック部材に接続され、前記駆動部材により前記ブレーキアセンブリの前記駆動ピンを移動させるように駆動し、これにより、前記作動部材が前記リンク部材の駆動により移動され、前記ロック部材を移動させるように駆動することで、前記車輪をロック又はロック解除する
ことを特徴とするブレーキ機構。
【請求項2】
前記ブレーキアセンブリの数は、2つであり、前記2つのブレーキアセンブリの前記駆動ピンは、前記駆動部材により同時に駆動される
ことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ機構。
【請求項3】
前記作動部材に傾斜スロットが設けられており、前記スラスト部材には、前記傾斜スロットに移動可能に挿入され、前記スラスト部材を前記車輪の軸に接近又は離間させる移動ピンが設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のブレーキ機構。
【請求項4】
前記ロック部材は、一部が前記スラスト部材にスリーブされ、前記移動ピンが前記傾斜スロット内で移動すると、前記ロック部材は、前記スラスト部材とともに前記車輪の軸に接近又は離間する
ことを特徴とする請求項3に記載のブレーキ機構。
【請求項5】
前記ロック部材は、前記スラスト部材に移動可能に接続され、復元部は、前記ロック部材と前記スラスト部材の間に設けられている
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のブレーキ機構。
【請求項6】
前記駆動部材に一対の駆動傾斜スロットが対称に設けられ、前記駆動ピンの外側に自身の中心軸に垂直な駆動シャフトが設けられ、前記駆動シャフトは、前記駆動傾斜スロットに移動可能に挿入され、前記駆動部材が回転する時に前記駆動傾斜スロットにより前記駆動ピンを移動させる
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のブレーキ機構。
【請求項7】
2つの駆動ピンの間に設けられている弾性部材をさらに含む
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のブレーキ機構。
【請求項8】
前記リンク部材は、第1のリンク部材及び第2のリンク部材を含み、前記第1のリンク部材の一端は、前記駆動ピンに接続され、前記第1のリンク部材の他端は、前記第2のリンク部材の一端に回転可能に接続され、前記第2のリンク部材の他端は、前記作動部材に接続されている
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のブレーキ機構。
【請求項9】
前記第1のリンク部材に接続ヘッドが設けられ、前記第2のリンク部材は、ピボットジョイントを有し、受け部は、前記第1のリンク部材と前記第2のリンク部材との間に設けられ、前記接続ヘッドは、前記受け部内に設けられ、前記ピボットジョイントは、前記受け部に回転可能に設けられ、前記第1のリンク部材を前記第2のリンク部材に接続する
ことを特徴とする請求項8に記載のブレーキ機構。
【請求項10】
前記作動部材に受けボスが設けられ、前記第2のリンク部材は、ピボットジョイントを有し、前記ピボットジョイントは、前記受けボス内に設けられ、前記作動部材と前記第2のリンク部材とに接続されている
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のブレーキ機構。
【請求項11】
前記ピボットジョイントは、ボールヘッドである
ことを特徴とする請求項9又は10に記載のブレーキ機構。
【請求項12】
前記ブレーキ機構は、さらに、前記車輪式搬送装置のフレームに設けられた後脚管を含み、前記車輪マウントは、前記後脚管に回転可能にスリーブされ、前記後脚管内に前記受け部が設けられている
ことを特徴とする請求項9~11のいずれか1項に記載のブレーキ機構。
【請求項13】
前記ブレーキ機構は、さらに、第1のスリーブ及び第2のスリーブを含み、前記第1のスリーブは、前記後脚管内に固定され、前記第2のスリーブは、前記後脚管内に組み込まれ、前記第1のスリーブに回動可能に接続され、
前記第1のスリーブと前記第2のスリーブとは、前記第1のリンク部材と前記第2のリンク部材が通過する内部空間を囲み、前記受け部は、前記内部空間内に位置する
ことを特徴とする請求項12に記載のブレーキ機構。
【請求項14】
前記ブレーキ機構は、さらに、前記スラスト部材を回復するための回復力を提供する弾性復元部材を含む
ことを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載のブレーキ機構。
【請求項15】
前記車輪のハブに前記車輪の転動軸線に分布されたクランプ孔が設けられており、前記クランプ孔は、外部に面する開口を有し、前記ロック部材は、前記クランプ孔内に移動して前記車輪をロックし、又は、前記クランプ孔から外部に移動して前記車輪をロック解除することができる
ことを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載のブレーキ機構。
【請求項16】
前記駆動部材は、スリーブ状であり、前記車輪式搬送装置のフレームのクロスバーに回転可能にスリーブされ、前記駆動部材は、延び出す踏み込み用のペダルを有する
ことを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載のブレーキ機構。
【請求項17】
ロックアセンブリは、前記駆動部材と前記フレームの間に設けられ、前記駆動部材をロック又はロック解除する
ことを特徴とする請求項16に記載のブレーキ機構。
【請求項18】
前記ロックアセンブリは、前記駆動部材に設けられたロックピンと、前記フレームに設けられた2つのロック凹部とを含み、前記駆動部材が前記車輪のロック位置に回動すると、前記ロックピンが前記ロック凹部の一方と協働して前記駆動部材を位置決定し、前記駆動部材が前記車輪のロック解除位置に回動すると、前記ロックピンが前記ロック凹部の他方と協働して前記駆動部材を位置決定する
ことを特徴とする請求項17に記載のブレーキ機構。
【請求項19】
前記ロックピンは、前記駆動部材に移動可能に設けられ、前記ロックアセンブリは、さらに、前記ロックピンと前記駆動部材の間に設けられ、前記ロックピンが張り出すように駆動する圧縮ばねを含む
ことを特徴とする請求項18に記載のブレーキ機構。
【請求項20】
前記駆動部材の一方の側に案内溝が設けられており、前記案内溝は、前記2つのロック凹部の間に設けられ、前記駆動部材が回動し前記車輪がロック解除されると、前記ロックピンが前記案内溝に沿って前記ロック凹部の他方に向かってスライドし、前記駆動部材が回動し前記車輪がロックされると、前記ロックピンが前記案内溝に沿って前記ロック凹部の一方に向かってスライドする
ことを特徴とする請求項18又は19に記載のブレーキ機構。
【請求項21】
フレームと、全方向に回転可能な一対の前輪とを含む車輪式搬送装置において、
前記車輪式搬送装置は、さらに、一対の後輪と、請求項1~20のいずれか1項に記載の前記ブレーキ機構とを含み、前記ブレーキ機構は、前記フレームに設けられ、前記後輪の転動を禁止するために前記一対の後輪を同時にロックすることができる
ことを特徴とする車輪式搬送装置。
【請求項22】
前記車輪式搬送装置は、さらに、オリエンテーション機構を含み、前記後輪は、前記車輪マウントに回動可能に接続され、前記車輪マウントは、前記フレームに全方向の回転方式で設けられ、前記オリエンテーション機構は、2つの車輪マウントを同時に制限して前記車輪マウントの全方向の回転を禁止し、又は、前記2つの車輪マウントを同時に解放して前記車輪マウントの全方向の回転を許可する
ことを特徴とする請求項21に記載の車輪式搬送装置。
【請求項23】
前記オリエンテーション機構は、操作部と、第3のリンク部材と、車輪マウントラッチと、復元ばねとを含み、前記操作部は、前記第3のリンク部材の一端に接続され、前記第3のリンク部材の他端は、前記車輪マウントラッチに接続され、前記復元ばねは、前記車輪マウントラッチを回復する弾性力を提供し、前記車輪マウントラッチは、前記車輪マウントに挿入されて前記後輪を位置決定し、又は、前記車輪マウントから外れて前記後輪を解放することができる
ことを特徴とする請求項22に記載の車輪式搬送装置。
【請求項24】
前記操作部は、前記車輪式搬送装置の前記フレームに移動可能に設けられ、2つの傾斜スライドスロットを対称に有し、移動ヘッドは、前記第3のリンク部材の一端に設けられ、前記移動ヘッドは、前記フレームに移動可能に設けられ、前記傾斜スライドスロットに移動可能に挿入される
ことを特徴とする請求項23に記載の車輪式搬送装置。
【請求項25】
ベアリングは、前記フレームと前記車輪マウントの間に設けられている
ことを特徴とする請求項21~24のいずれか1項に記載の車輪式搬送装置。
【請求項26】
前記フレームは、後脚管を有し、前記車輪マウントは、前記後脚管に回動可能に接続されたピボットスリーブを有し、前記ベアリングは、前記ピボットスリーブと前記後脚管の間に設けられている
ことを特徴とする請求項25に記載の車輪式搬送装置。
【請求項27】
前記ベアリングの外壁に接触する前記ピボットスリーブの壁面は、周方向に歯付き構造を有する
ことを特徴とする請求項26に記載の車輪式搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は車輪式搬送装置に関し、特にブレーキ機構とそのような機構を有する車輪式搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車輪式搬送装置は、通常、車輪式搬送装置の停止時にブレーキ機構を踏むことにより車輪式搬送装置の車輪をロックし、車輪式搬送装置の移動を防止し、事故を回避し、安全性を向上させるためのブレーキ機構を備えている。従来の車輪式搬送装置のブレーキ機構は、通常に2つのタイプがあり、1つは、単一の車輪をロックするものであり、2つの後輪をそれぞれブレーキ機構するために2つのブレーキ機構を提供しなければならなく、もう1つは、2つの車輪を同時にロックすることである。また、既存の車輪式搬送装置の前輪は、全方向の車輪であり、後輪は全方向の回転できず、一部の操作では(例えば、横方向に移動する場合に)、その操作が困難であり、柔軟ではない。また、一部の車輪式搬送装置の前輪と後輪は、全方向の車輪であり、後輪のオリエンテーション機構が不足しているため、通常の前進走行中に後輪が回転しやすくなり、車輪式搬送装置の駆動に影響を与えることになる。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、車輪式搬送装置の車輪をロックするのに適したブレーキ機構を提供し、駆動部材とブレーキアセンブリとを含む。前記ブレーキアセンブリは、駆動ピンと、リンク部材と、作動部材と、スラスト部材と、ロック部材とを含む。前記駆動ピンは、前記リンク部材の一端に接続され、前記リンク部材の他端は、前記作動部材に接続され、前記作動部材は、前記車輪式搬送装置の車輪マウント内に移動可能に設けられている。前記スラスト部材は、前記作動部材内に移動可能に設けられ、前記スラスト部材は、前記ロック部材に接続され、前記駆動部材により前記ブレーキアセンブリの前記駆動ピンを移動させるように駆動し、これにより、前記作動部材が前記リンク部材の駆動により移動されて前記ロック部材を移動させるように駆動することで、前記車輪をロック又はロック解除する。
【0004】
本開示は、さらに、フレームと、全方向に回転可能な一対の前輪と、一対の後輪と、ブレーキ機構とを含む車輪式搬送装置を提供し、ブレーキ機構は、フレームに設けられ、後輪の転動を禁止するために一対の後輪を同時にロックすることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本開示の車輪式搬送装置の正面斜視図である。
図2】本開示の車輪式搬送装置の後部斜視図である。
図3】本開示の車輪式搬送装置の後輪及びブレーキ機構の斜視図である。
図4】本開示の車輪式搬送装置の後輪及びブレーキ機構の内部構造を示す。
図5】本開示の車輪式搬送装置の後輪及びブレーキ機構の内部構成の断面図である。
図6】本開示の車輪式搬送装置の後輪、ブレーキ機構及びオリエンテーション機構の側面断面図である。
図7】本開示の車輪式搬送装置の後脚管の内部構成図である。
図8】本開示の車輪式搬送装置の作動部材、スラスト部材及びロック部材の構成図である。
図9】本開示の車輪式搬送装置の後輪及びブレーキ機構の構成図であり、駆動部材が取り外されている。
図10】本開示の車輪式搬送装置のブレーキ機構の駆動部材の上部の構成図である。
図11】本開示の車輪式搬送装置のロックアセンブリのペダルを踏み込まれた後の状態を示す図である。
図12】本開示の車輪式搬送装置のロックアセンブリのペダルが持ち上げられた後の状態を示す図である。
図13】後輪がロック解除されたときの本開示の車輪式搬送装置のブレーキ機構の状態を示す図である。
図14】後輪がロックされたときの本開示の車輪式搬送装置のブレーキ機構の状態を示す図である。
図15】後輪がロック解除されたときの本開示の車輪式搬送装置のブレーキ機構の斜視図である。
図16】本開示の車輪式搬送装置の車輪マウント内のベアリングの構成図である。
図17】後輪がロックされたときの本開示の車輪式搬送装置のオリエンテーション機構の側断面図である。
図18】本開示の車輪式搬送装置のオリエンテーション機構の操作部の内部構成図である。
【符号の説明】
【0006】
車輪式搬送装置100
フレーム1
車輪ベース11
横管12
細長孔12a
前輪2
後輪3
車輪マウント31
クランプ孔32
ピボットスリーブ31a
ベアリング33
歯付き構造311
ブレーキ機構4
駆動部材41
駆動ピン42
ロック部材43
弾性部材44
スラスト部材45
弾性復元部材46
後脚管47
第1のリンク部材48
第2のリンク部材49
ロックアセンブリ410
ペダル411
作動部材412
傾斜スロット412a
受けボス412b
復元部413
第1のスリーブ414
第2のスリーブ415
駆動傾斜スロット41a
駆動シャフト42a
移動ピン45a
受け部48a
ピボットジョイント49a
ピボットジョイント49b
ロック凹部410a
ロックピン410b
圧縮ばね410c
案内溝410d
オリエンテーション機構5
操作部51
第3のリンク部材52
車輪マウントラッチ53
復元ばね54
傾斜スライドスロット51a
移動ヘッド52a
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の技術的内容、構造的特徴及び実現の効果を詳細に説明するために、実施形態及び図面に関連して以下の詳細な説明を行う。
【0008】
図1及び図2に示すように、本開示の車輪式搬送装置100は、フレーム1と、全方向に回転可能な一対の前輪と、一対の後輪3と、ブレーキ機構4と、オリエンテーション機構5とを含む。各後輪3は、車輪マウント31にローリング自在に枢支接続され、車輪マウント31は、フレーム1に全方向に回転自在に設けられ、後輪3の転動軸線は、車輪マウント31の回転中心軸に直交している。ブレーキ機構4は、フレーム1に設けられ、後輪3の転動を禁止するために2つの後輪3を同時にロックしたり、後輪3の転動を許可するために同時にロック解除することができる。オリエンテーション機構5は、フレーム1上に設けられており、2つの後輪3を同時に位置限定して、後輪3の車輪マウント31の回転中心軸線周りの全方向の回転を禁止したり、後輪3を同時に解放して各後輪3の車輪マウント31の回転中心軸線周りの全方向の回転を可能にしたりすることができる。
【0009】
具体的には、図1~2に関連して、図3~8を参照すると、ブレーキ機構4は、駆動部材41とブレーキアセンブリとを含む。2つの後輪3が設けられているので、この実施形態では、2つのブレーキアセンブリが存在する。2つのブレーキアセンブリは、対称に配置され、同一の駆動部材41によって駆動され、各ブレーキアセンブリは、1つの後輪3を制御する。各ブレーキアセンブリは、駆動ピン42、リンク部材(例えば、牽引部材)、ロック部材43、弾性部材44、スラスト部材45、弾性復元部材46、及び作動部材412を含む。ブレーキ機構4は、2つの後輪3を同時にロック又はロック解除することができる。具体的には、フレーム1の後端の両側にそれぞれ1つの車輪ベース11が設けられ、2つの車輪ベース11の間に1つの横管12が設けられ、駆動部材41は、スリーブ状をなし、横管12の中心軸線回りに回転可能に横管12にスリーブされている。駆動部材41は、踏むために延出するペダル411を有し、駆動ピン42は、横管12の中心軸の軸方向に沿って移動可能に横管12内に設けられている。駆動部材41は、2つの駆動ピン42を同時移動させるように駆動することができる。弾性部材44は、2つの駆動ピン42の間に設けられ、駆動ピン42が繰り返し動作できるように弾性力を供給して駆動ピン42を回復することができる。2つのブレーキアセンブリは、対称に配置されており、その両側で2つの後輪3をロック又はロック解除するための構造は同じであるため、以下では片側のブレーキアセンブリについてのみ説明する。駆動ピン42は、リンク部材の一端に接続され、リンク部材の一端部は、横管12内に位置し、リンク部材の他端は、作動部材412に接続され、作動部材412は、車輪式搬送装置の車輪マウント31に移動可能に設けられている。スラスト部材45は、作動部材412に移動可能に設けられ、作動部材412車輪マウント31における移動方向は、スラスト部材45の移動方向と直交する。スラスト部材45は、ロック部材43に接続され、駆動部材41は、2つのブレーキアセンブリの駆動ピン42を同時に駆動して移動することができ、それによって、作動部材412はリンク部材によって駆動されて移動し、さらに、作動部材412は、ロック部材43を駆動して移動し、同じ側の後輪3をロック又はロック解除する。作動部材412には傾斜スロット412aが設けられており、スラスト部材45には移動ピン45aが設けられ、移動ピン45aが傾斜スロット412bに移動可能に挿入され、これにより、スラスト部材45を後輪3の方向に接近させる。ロック部材43は、スラスト部材45に移動可能に接続されている。ロック部材43とスラスト部材45との間には、復元部413が設けられている。具体的には、ロック部材43は、T字形構造であり、ここで、その垂直軸は、スラスト部材45に移動可能にスリーブされ、ロック部材43の横軸は、スラスト部材45から外部に延び出す。復元部413の一端は、垂直軸の端部に当接し、他端は、スラスト部材45の内底部に当接している。復元部413は、圧縮ばねであり、具体的には、スラスト部材45の内部には、スラスト部材45の一端を貫通する収納空間があり、復元部413は、スラスト部材45の収納空間に内蔵されている。ロック部材43がスラスト部材45とともに後輪3の軸線に近接して移動すると、ロック部材43がスラスト部材45に引き込め、復元部413が押圧され、逆に、ロック部材43がスラスト部材45とともに後輪3の軸線から離れて移動すると、復元部413が自身の弾性力で延び出してロック部材43を突出される。弾性復元部材46は、ロック部材43が後輪3から自動的に離脱できるようにロック部材43を復元するための弾性力を提供する。弾性復元部材46は、車輪マウント31内に配置され、一端は、スラスト部材45と当接し、他端は、車輪マウント31の内壁面に当接している。弾性復元部材46は、圧縮ばねであり、スラスト部材45が駆動力により後輪3の軸線に近づくと、弾性復元部材が押圧され、逆に、スラスト部材45の駆動力が無くなると、弾性復元部材46は、それ自体の弾性力で、スラスト部材45とロック部材43を後輪3から遠ざける。
【0010】
再び図9図10を参照すると、より具体的には、一対の駆動傾斜スロット41aは駆動部材41の壁面に対称に設けられ、2つの駆動傾斜スロット41aの同一の端部の間の距離が他方の端部の間の距離よりも小さい。駆動ピン42には駆動シャフト42aが設けられており、駆動シャフト42bの中心軸線方向は、駆動ピン42の移動方向に垂直である。横管12には、横管12の中心軸線方向に延びる細長孔12aが設けられており、駆動シャフト42aは、細長孔12bに移動可能に挿入され、駆動部材41が回転すると駆動ピン42が駆動傾斜スロット418aを介して移動するように駆動傾斜スロット41aにも挿入されている。駆動傾斜スロット41aを設けることにより、駆動傾斜スロット41aは、駆動部材41の回転のためのトルクを駆動ピン42の軸方向張力に変換することができ、そして、リンク部材が駆動ピン42によって引っ張られ、その後、リンク部材によりロック部材43が引っ張られることで、ロック部材43の動作を駆動する目的を達成することができる。
【0011】
図6~7に示すように、ブレーキ機構4は、フレーム1の車輪ベース11に固定設置された後脚管47をさらに含み、後脚管47の下端は下方に車輪ベース11から延び出し、後車輪マウント31は、後脚管47に回転可能にスリーブされている。リンク部材は、スチールワイヤである第1のリンク部材48と第2のリンク部材49とを含む。第1のリンク部材48の一端は、駆動ピン42に接続され、第1のリンク部材の他端は、後脚管47内まで延在して第2のリンク部材49の一端に回転可能に接続され、第2のリンク部材49の他端は、駆動部材412に接続されている。より具体的には、第1のリンク部材48は、後脚管47の一端に位置し、第1のリンク部材48の一端には、第1のリンク部材48bに一体的に接続された接続ヘッド48bが設けられ、第2のリンク部材49の一端には、第2のリンク部材49に一体的に接続されたピボットジョイント49aが設けられている。ピボットジョイント49aは、ボールヘッドである。第1のリンク部材48と第2のリンク部材49との間には、中空構造を有する受け部48aが設けられている。受入部48aの上端及び下端のそれぞれには、内向きから外向きに貫通する開口が設けられている。接続ヘッド48bは、受け部48aの上端の開口を通過して受け部48bに係合され、ピボットジョイント49aは、受け部486aの下端の開口を通過して受け部48aに回転可能に係合されて、第1のリンク部材48を第2のリンク部材49に接続させる。受け部48aは、後脚管47内に懸架されている。具体的には、ピボットジョイント49aが受け部48aに回転可能に設けられており、ピボットジョイント49aのボール面は、接触摩擦面積を小さくし、ピボットジョイント49aがより滑らかに回転できるように、受け部48bの底面に点接触している。第2のリンク部材49の引張線は、受け部48aの下端の開口を通って外向きに案内される。受け部48aとピボットジョイント49aとの協働により、ピボットジョイント49aが受け部48内で自由に回転することができるので、第1のリンク部材48は、第2のリンク部材49に接続された後、第1のリンク部材48は後輪の車輪マウント31の回転によって捩れることを防止し、駆動ピン42と駆動部材41の作用に影響を与えることを回避する。ブレーキ機構4は、後脚管47に固定された第1のスリーブ414と、後脚管47に内蔵され、第1のスリーブ414に回転可能に接続された第2のスリーブ415とをさらに含む。第1のスリーブ414及び第2のスリーブ415は、第1のリンク部材48及び第2のリンク部材49が通過する内部空間を包囲し、受け部48aは内部空間内に位置する。第1のスリーブ414と第2のスリーブ415を設け、第2のスリーブ415を第1のスリーブ414に対して回転可能にすることにより、受け部48aを保護するとともに、車輪マウント31の回転による干渉問題を解決することができ、車輪マウント31の回転による第2のリンク部材49のねじれの可能性をさらに低減し、車輪が全方向に回転している場合の安定性を高めることができる。車輪マウント31が回転すると、受け部48a、接続ヘッド48b及び第1のスリーブ414は回転せず、ピボットジョイント49a及び第2のスリーブ415は、車輪マウント31とともに回転する。
【0012】
ベアリングは、図7及び図16に示すように、フレーム1と車輪マウント31との間に設けられている。具体的には、後脚管47と車輪マウント31との間にベアリング33が設けられている。ベアリング33を設けることにより、後脚管47と車輪マウント31との間の回転をより安定かつ平滑にすることができ、車輪マウント31の全方向な回転を確保することができる。具体的には、車輪マウント31は、後脚管47に枢動接続されたピボットスリーブ31aを有し、ピボットスリーブ31a内にベアリング33が設けられ、ベアリング33の外壁に接触するピボットスリーブ31aの壁面は、周方向に歯付き構造311を有する。歯付き構造311を増加させることにより、ピボットスリーブ31aの変形量を増加させることができ、これにより、ピボットスリーブ31aの破断を防止し、寿命を延長することができる。
【0013】
また、再び図6を参照すると、より具体的には、作動部材412には外向きに突出した受けボス412bが設けられ、第2のリンク部材49の他端にボールヘッドであるピボットジョイント49bが設けられている。ピボットジョイント49bは、受けボス412b内に回動可能に設けられ、受けボス412と球状に接触して、作動部材412を第2のリンク部材49に接続する。弾性復元部材46の一端は、スラスト部材45の端部に当接し、他端は、車輪マウント31の内側に当接している。受けボス412bとピボットジョイント49bとの協働により、ピボットジョイント49bは、受けボス412内で自由に回転することができるので、第2のリンク部材49は、作動部材412に接続されて、車輪の回転による第2のリンク部材49がねじれるのを防止する。
【0014】
さらに、図11及び図12に示すように、ロックアセンブリ410は、駆動部材41をロック又はロック解除するために駆動部材41とフレーム1との間に設けられている。具体的には、ロックアセンブリ410は、駆動部材41に移動可能に設けられたロックピン410bと、フレームのクロスバーに設けられた2つのロック凹部410aと、圧縮ばね410cとを含む。圧縮ばね410cは、ロックピン410bと駆動部材41との間に設けられ、ロックピン410aを突出させる。駆動部材41が後輪をロックする位置に回転すると、ロックピン410bは、1つのロック凹部410aと協働して駆動部材41を位置決めし、また、駆動部材41が車輪をロック解除位置に回転すると、ロックピン410bは、他のロック凹部410aと協働して駆動部材41を位置決めする。ロックピン410bとロック凹部410aとの協働を提供することにより、車輪は、ユーザが駆動部材41に力を加え続けることなく、駆動部材41によってロックされることを保持することができ、使用の利便性が向上する。ロック解除されると、駆動部材の安定性を確保し、駆動部材が予想外に回転し、車輪が予想外にロックされるのを防止することもできる。案内溝410dは、駆動部材41の一側に設けられ、2つのロック凹部410aの間に配置されている。ロックピン410bは、駆動部材41が回転して後輪がロック解除されると、案内溝410dに沿ってロック凹部410aの他方に向かってスライド可能であり、駆動部材41が回転して後輪がロックされると、ロックピン410bは、案内溝410dに沿ってロック凹部410aの一方に向かってスライドし、駆動部材41の回転する時に駆動部材41を案内する。
【0015】
さらに図13~15を参照すると、後輪3のハブには、後輪3の転動軸を中心として周方向に分布するクランプ孔32が設けられ、クランプ孔32は、外側に向いた開口を有し、ロック部材43の横軸は、後輪3をロックするためにクランプ孔32内に移動するか、又は、後輪3のロックを解除するためにクランプ孔32から退出することができる。
【0016】
さらに、図17及び図18を参照すると、オリエンテーション機構5は、操作部51と、第の3リンク部材52と、車輪マウントラッチ53と、復元ばね54とを備えている。第の3リンク部材52は、スチールワイヤである。操作部51は、車輪式搬送装置100の手すりに設けられ、第の3リンク部材52の一端に接続されている。車輪マウントラッチ53は、後輪3の近傍に位置し、フレーム1に移動可能に設けられている。第の3リンク部材52の他端は、後輪3に近接して延び、車輪マウントラッチ53に接続されている。復元ばね54は、車輪マウントラッチ53を回復するためのばね力を提供し、復元ばね54は、車輪マウントラッチ53と車輪ベース11との間に配置される。車輪マウントラッチ53は、車輪マウント31の位置決め孔に挿入され、後輪3を位置決めすることができ(すなわち、後輪3はロック状態にある)、又は車輪マウント31から離脱して後輪3を解放することができる(例えば、後輪3はロック解除状態にあり、この場合、4つの車輪は全方向に回転して「ドリフト」機能を実現することができる)。操作部51は、車輪式搬送装置100のフレーム1の押圧ハンドルに移動可能に設けられ、傾斜した傾斜スライドスロット51aが2つ対称に設けられている。2つの傾斜した傾斜スライドスロット51aは、互いに対称に配置され、2つの傾斜した傾斜スライドスロットの同一側の端部の間の距離は、同じ他方の側の端部の間の距離よりも小さい。移動ヘッド52aは、第の3リンク部材52の端部に設けられている。移動ヘッド52aは、フレーム1上に移動可能に配置され、移動方向は操作部51の移動方向に垂直であり、2つの第の3リンク部材52のそれぞれの移動ヘッド52bは、傾斜スライドスロット51aに移動可能に挿入されている。したがって、使用者が操作部51を押圧すると、傾斜スライドスロット51aにより2つの移動ヘッド52aが互いに接近又は離間させることができ、これにより、それぞれの移動ヘッド52bに接続された2つの第3のリンク部材52が引張力を受け、車輪マウントラッチ53を駆動する。
【0017】
一実施形態では、2つの操作部により、両側のリンク部材を駆動してそれぞれ作動部材412を移動させることにより、作動部材412がロック部材43を駆動して移動し、対応する後輪をロック又はロック解除する。
【0018】
上述したように、上述した図面と合わせて、車輪式搬送装置をブレーキするが必要な場合には、横管12上で駆動部材41を回転させるためにペダルを踏み込み、駆動部材41の駆動傾斜スロット41aが駆動シャフト42aを駆動して傾斜スライドスロット41aの一端から他端に移動させ、駆動ピン42を移動させる。したがって、駆動ピン42は、第1のリンク部材48を駆動し、第1のリンク部材48は、第2のリンク部材49を駆動し、第2のリンク部材49は、作動部材412を駆動して移動し、作動部材412aは、傾斜スロット412aと移動ピン45aを介してスラスト部材45を駆動し、スラスト部材45は、ロック部材43を駆動し、ロック部材43は、後輪3のクランプ孔32に進入し、後輪3を係合してロックすることができる。このとき、後輪3は転動できず、車輪式搬送装置100は、ブレーキ状態にあり、走行できない。ロック解除が必要な場合、駆動部材41を駆動するためにペダルを持ち上げる必要があり、駆動部材41は、弾性部材44の作用下で回復することができ、それによって第1のリンク部材48と第2のリンク部材49を解放し、作動部材412とスラスト部材45は、弾性復元部材46の作用下で回復する。したがって、ロック部材43は、クランプ孔32から離脱し、その後、車輪式搬送装置100が駆動可能になるように、後輪3をロック解除する。
【0019】
車輪式搬送装置100をドリフト状態にする必要がある場合、後輪3はブレーキ機構4によってロック解除されたままで、操作部51を操作し、操作部51により第の3リンク部材52を駆動して移動し、第の3リンク部材52は、車輪マウントラッチ53を車輪マウント31の位置決め孔から離脱させて、後輪3が後脚管47の周りを回転できるように駆動する。回転中、車輪マウント31は、第2のスリーブ415を第1のスリーブ414に対して回転させ、第2のリンク部材49のピボットジョイント49aは、受け部48a内で回転可能である。この時、車輪式搬送装置100の前輪2と後輪3の両方を回転させることができ、車輪式搬送装置は、横移動などのドリフト動作を行うことができる。操作部51が解放されると、車輪マウントラッチ53は、回復弾性作用により、車輪マウント31の位置決め孔に挿入し、後輪3を再度ロックする。このとき、車輪式搬送装置100の後輪3は回転せずに転がるだけでよく、車輪式搬送装置は非ドリフト状態にある。
【0020】
本開示では、駆動部材41は、2つの駆動ピン42をそれぞれ駆動して移動し、2つの駆動ピン42を介してリンク部材を駆動し、リンク部材の可撓性延長の特性により、2つのリンク部材が後輪3に延在して作動部材412を駆動することができ、その後、作動部材412aは、後輪3の近傍に設けられたスラスト部材45とロック部材43を駆動するために使用され、2つのロック部材43がそれぞれ同じ側の後輪をロックすることができる。これにより、使用者は、1つの駆動部材41を踏むだけで後輪3を同時にロックすることができ、1つのペダルの2重ブレーキ機能を実現し、簡単な構造と便利な操作を有する。また、車輪マウント31はフレーム1に対して全方向に回転することができ、それにより車輪式搬送装置100は横方向に移動することができ、それによってドリフトする能力があり、また、オリエンテーション機構5により車輪マウント31をロック又はロック解除するために使用することができ、それによって随時ドリフト機能と非ドリフト機能との間で切り換えることができ、使用の利便性と柔軟性を大幅に増加させる。
【0021】
一実施形態では、前記ブレーキアセンブリの数は、2つであり、前記2つのブレーキアセンブリの前記駆動ピンは、前記駆動部材により同時に駆動される。
【0022】
一実施形態では、前記作動部材に傾斜スロットが設けられており、前記スラスト部材には、前記傾斜スロットに移動可能に挿入され、前記スラスト部材を前記車輪の軸に接近又は離間させる移動ピンが設けられている。
【0023】
具体的には、前記ロック部材は、一部が前記スラスト部材にスリーブされ、前記移動ピンが前記傾斜スロット内で移動すると、前記ロック部材は、前記スラスト部材とともに前記車輪の軸に接近又は離間する。
【0024】
具体的には、前記ロック部材は、前記スラスト部材に移動可能に接続され、復元部は、前記ロック部材と前記スラスト部材の間に設けられている。
【0025】
一実施形態では、前記駆動部材に一対の駆動傾斜スロットが対称に設けられ、前記駆動ピンの外側に自身の中心軸に垂直な駆動シャフトが設けられ、前記駆動シャフトは、前記駆動傾斜スロットに移動可能に挿入され、前記駆動部材が回転する時に前記駆動傾斜スロットにより前記駆動ピンを移動させる。
【0026】
一実施形態では、2つの駆動ピンの間に設けられている弾性部材をさらに含む。
【0027】
一実施形態では、前記リンク部材は、第1のリンク部材と、第2のリンク部材とを含み、前記第1のリンク部材の一端は、前記駆動ピンに接続され、前記第1のリンク部材の他端は、前記第2のリンク部材の一端に回転可能に接続され、前記第2のリンク部材の他端は、前記作動部材に接続されている。
【0028】
具体的には、前記第1のリンク部材に接続ヘッドが設けられ、前記第2のリンク部材は、ピボットジョイントを有し、受け部は、前記第1のリンク部材と前記第2のリンク部材との間に設けられ、前記接続ヘッドは、前記受け部内に設けられ、前記ピボットジョイントは、前記受け部に回転可能に設けられ、前記第1のリンク部材を前記第2のリンク部材に接続する。
【0029】
具体的には、前記作動部材に受けボスが設けられ、前記第2のリンク部材は、ピボットジョイントを有し、前記ピボットジョイントは、前記受けボス内に設けられ、前記作動部材と前記第2のリンク部材とに接続されている。
【0030】
具体的には、前記ピボットジョイントは、ボールヘッドである。
【0031】
一実施形態では、前記ブレーキ機構は、さらに、前記車輪式搬送装置のフレームに設けられた後脚管を含み、前記車輪マウントは、前記後脚管に回転可能にスリーブされ、前記後脚管内に前記受け部が設けられている。
【0032】
具体的には、前記ブレーキ機構は、さらに、第1のスリーブと、第2のスリーブとを含み、前記第1のスリーブは、前記後脚管内に固定され、前記第2のスリーブは、前記後脚管内に組み込まれ、前記第1のスリーブに回動可能に接続され、前記第1のスリーブと前記第2のスリーブとは、前記第1のリンク部材と前記第2のリンク部材が通過する内部空間を囲み、前記受け部は、前記内部空間内に位置する。
【0033】
一実施形態では、前記ブレーキ機構は、さらに、前記スラスト部材を回復するための回復力を提供する弾性復元部材を含む。
【0034】
一実施形態では、前記車輪のハブに前記車輪の転動軸線に分布されたクランプ孔が設けられており、前記クランプ孔は、外部に面する開口を有し、前記ロック部材は、前記クランプ孔内に移動して前記車輪をロックし、又は、前記クランプ孔から移動して前記車輪をロック解除することができる。
【0035】
一実施形態では、前記駆動部材は、スリーブ状であり、前記車輪式搬送装置のフレームのクロスバーに回転可能にスリーブされ、前記駆動部材は、延び出す踏み込み用のペダルを有する。
【0036】
ロックアセンブリは、前記駆動部材と前記フレームの間に設けられ、前記駆動部材をロック又はロック解除する。
【0037】
具体的には、前記ロックアセンブリは、前記駆動部材に設けられたロックピンと、前記フレームに設けられた2つのロック凹部とを含み、前記駆動部材が前記車輪のロック位置に回動すると、前記ロックピンが前記ロック凹部の一方と協働して前記駆動部材を位置決定し、前記駆動部材が前記車輪のロック解除位置に回動すると、前記ロックピンが前記ロック凹部の他方と協働して前記駆動部材を位置決定する。
【0038】
具体的には、前記駆動部材に移動可能に設けられ、前記ロックアセンブリは、さらに、前記ロックピンと前記駆動部材の間に設けられ、前記ロックピンが張り出すように駆動する圧縮ばねを含む。
【0039】
具体的には、前記駆動部材の一方の側に案内溝が設けられており、前記案内溝は、前記2つのロック凹部の間に設けられ、前記駆動部材が回動し前記車輪がロック解除されると、前記ロックピンが前記案内溝に沿って前記ロック凹部の他方に向かってスライドし、前記駆動部材が回動し前記車輪がロックされると、前記ロックピンが前記案内溝に沿って前記ロック凹部の一方に向かってスライドする。
【0040】
一実施形態では、前記車輪式搬送装置は、さらに、オリエンテーション機構を含み、前記後輪は、前記車輪マウントに回動可能に接続され、前記車輪マウントは、前記フレームに全方向の回転方式で設けられ、前記オリエンテーション機構は、2つの車輪マウントを同時に制限して前記車輪マウントの全方向の回転を禁止し、又は、前記2つの車輪マウントを同時に解放して前記車輪マウントの全方向の回転を許可する。
【0041】
具体的には、前記オリエンテーション機構は、操作部と、第3のリンク部材と、車輪マウントラッチと、復元ばねとを含み、前記操作部は、前記第3のリンク部材の一端に接続され、前記第3のリンク部材の他端は、前記車輪マウントラッチに接続され、前記復元ばねは、前記車輪マウントラッチを回復する弾性力を提供し、前記車輪マウントラッチは、前記車輪マウントに挿入されて前記後輪を位置決定し、又は、前記車輪マウントから外れて前記後輪を解放することができる。
【0042】
具体的には、前記操作部は、前記車輪式搬送装置の前記フレームに移動可能に設けられ、2つの傾斜スライドスロットを対称に有し、移動ヘッドは、前記第3のリンク部材の一端に設けられ、前記移動ヘッドは、前記フレームに移動可能に設けられ、前記傾斜スライドスロットに移動可能に挿入される。
【0043】
一実施形態では、2つの操作部材が設けられ、両側のリンク部材を駆動してそれぞれ作動部材を移動させ、それにより、作動部材はロック部材を駆動して移動しそれぞれの後輪をロック又はロック解除する。
【0044】
具体的には、ベアリングは、前記フレームと前記車輪マウントの間に設けられている。
【0045】
具体的には、前記フレームは、後脚管を有し、前記車輪マウントは、前記後脚管に回動可能に接続されたピボットスリーブを有し、前記ベアリングは、前記ピボットスリーブと前記後脚管の間に設けられている。
【0046】
具体的には、前記ベアリングの外壁に接触する前記ピボットスリーブの壁面は、周方向に歯付き構造を有する。
【0047】
以上開示されたのは、本開示の好適な例にすぎず、本開示の請求項の範囲を制限するために使用されるべきではないことは言うまでもない。したがって、本開示の請求項の範囲に従って行われた等価な変更は、依然として本開示がカバーする範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2024-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪式搬送装置の車輪をロックするためのブレーキ機構において、
前記ブレーキ機構は、駆動部材と、ブレーキアセンブリとを含み、
前記ブレーキアセンブリは、駆動ピンと、リンク部材と、作動部材と、スラスト部材と、ロック部材とを含み、
前記駆動ピンは、前記リンク部材の一端に接続され、前記リンク部材の他端は、前記作動部材に接続され、前記作動部材は、前記車輪式搬送装置の車輪マウント内に移動可能に設けられ、
前記スラスト部材は、前記作動部材内に移動可能に設けられ、前記スラスト部材は、前記ロック部材に接続され、前記駆動部材により前記ブレーキアセンブリの前記駆動ピンを移動させるように駆動し、これにより、前記作動部材が前記リンク部材の駆動により移動され、前記ロック部材を移動させるように駆動することで、前記車輪をロック又はロック解除する
ことを特徴とするブレーキ機構。
【請求項2】
前記作動部材に傾斜スロットが設けられており、前記スラスト部材には、前記傾斜スロットに移動可能に挿入され、前記スラスト部材を前記車輪の軸に接近又は離間させる移動ピンが設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ機構。
【請求項3】
前記ロック部材は、一部が前記スラスト部材にスリーブされ、前記移動ピンが前記傾斜スロット内で移動すると、前記ロック部材は、前記スラスト部材とともに前記車輪の軸に接近又は離間し、
前記ロック部材は、前記スラスト部材に移動可能に接続され、復元部は、前記ロック部材と前記スラスト部材の間に設けられている
ことを特徴とする請求項に記載のブレーキ機構。
【請求項4】
前記駆動部材に一対の駆動傾斜スロットが対称に設けられ、前記駆動ピンの外側に自身の中心軸に垂直な駆動シャフトが設けられ、前記駆動シャフトは、前記駆動傾斜スロットに移動可能に挿入され、前記駆動部材が回転する時に前記駆動傾斜スロットにより前記駆動ピンを移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ機構。
【請求項5】
前記リンク部材は、第1のリンク部材及び第2のリンク部材を含み、前記第1のリンク部材の一端は、前記駆動ピンに接続され、前記第1のリンク部材の他端は、前記第2のリンク部材の一端に回転可能に接続され、前記第2のリンク部材の他端は、前記作動部材に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ機構。
【請求項6】
前記第1のリンク部材に接続ヘッドが設けられ、前記第2のリンク部材は、ピボットジョイントを有し、受け部は、前記第1のリンク部材と前記第2のリンク部材との間に設けられ、前記接続ヘッドは、前記受け部内に設けられ、前記ピボットジョイントは、前記受け部に回転可能に設けられ、前記第1のリンク部材を前記第2のリンク部材に接続する
ことを特徴とする請求項に記載のブレーキ機構。
【請求項7】
前記作動部材に受けボスが設けられ、前記第2のリンク部材は、ピボットジョイントを有し、前記ピボットジョイントは、前記受けボス内に設けられ、前記作動部材と前記第2のリンク部材とに接続されている
ことを特徴とする請求項に記載のブレーキ機構。
【請求項8】
前記ブレーキ機構は、さらに、前記車輪式搬送装置のフレームに設けられた後脚管を含み、前記車輪マウントは、前記後脚管に回転可能にスリーブされ、前記後脚管内に前記受け部が設けられている
ことを特徴とする請求項に記載のブレーキ機構。
【請求項9】
前記ブレーキ機構は、さらに、第1のスリーブ及び第2のスリーブを含み、前記第1のスリーブは、前記後脚管内に固定され、前記第2のスリーブは、前記後脚管内に組み込まれ、前記第1のスリーブに回動可能に接続され、
前記第1のスリーブと前記第2のスリーブとは、前記第1のリンク部材と前記第2のリンク部材が通過する内部空間を囲み、前記受け部は、前記内部空間内に位置する
ことを特徴とする請求項に記載のブレーキ機構。
【請求項10】
前記車輪のハブに前記車輪の転動軸線に分布されたクランプ孔が設けられており、前記クランプ孔は、外部に面する開口を有し、前記ロック部材は、前記クランプ孔内に移動して前記車輪をロックし、又は、前記クランプ孔から外部に移動して前記車輪をロック解除することができる
ことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ機構。
【請求項11】
前記駆動部材は、スリーブ状であり、前記車輪式搬送装置のフレームのクロスバーに回転可能にスリーブされ、前記駆動部材は、延び出す踏み込み用のペダルを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ機構。
【請求項12】
ロックアセンブリは、前記駆動部材と前記フレームの間に設けられ、前記駆動部材をロック又はロック解除し、
前記ロックアセンブリは、前記駆動部材に設けられたロックピンと、前記フレームに設けられた2つのロック凹部とを含み、前記駆動部材が前記車輪のロック位置に回動すると、前記ロックピンが前記ロック凹部の一方と協働して前記駆動部材を位置決定し、前記駆動部材が前記車輪のロック解除位置に回動すると、前記ロックピンが前記ロック凹部の他方と協働して前記駆動部材を位置決定する
ことを特徴とする請求項11に記載のブレーキ機構。
【請求項13】
前記ロックピンは、前記駆動部材に移動可能に設けられ、前記ロックアセンブリは、さらに、前記ロックピンと前記駆動部材の間に設けられ、前記ロックピンが張り出すように駆動する圧縮ばねを含む
ことを特徴とする請求項12に記載のブレーキ機構。
【請求項14】
前記駆動部材の一方の側に案内溝が設けられており、前記案内溝は、前記2つのロック凹部の間に設けられ、前記駆動部材が回動し前記車輪がロック解除されると、前記ロックピンが前記案内溝に沿って前記ロック凹部の他方に向かってスライドし、前記駆動部材が回動し前記車輪がロックされると、前記ロックピンが前記案内溝に沿って前記ロック凹部の一方に向かってスライドする
ことを特徴とする請求項12に記載のブレーキ機構。
【請求項15】
フレームと、全方向に回転可能な一対の前輪とを含む車輪式搬送装置において、
前記車輪式搬送装置は、さらに、一対の後輪と、請求項1に記載の前記ブレーキ機構とを含み、前記ブレーキ機構は、前記フレームに設けられ、前記後輪の転動を禁止するために前記一対の後輪を同時にロックすることができる
ことを特徴とする車輪式搬送装置。
【請求項16】
前記車輪式搬送装置は、さらに、オリエンテーション機構を含み、前記後輪は、前記車輪マウントに回動可能に接続され、前記車輪マウントは、前記フレームに全方向の回転方式で設けられ、前記オリエンテーション機構は、2つの車輪マウントを同時に制限して前記車輪マウントの全方向の回転を禁止し、又は、前記2つの車輪マウントを同時に解放して前記車輪マウントの全方向の回転を許可する
ことを特徴とする請求項15に記載の車輪式搬送装置。
【請求項17】
前記オリエンテーション機構は、操作部と、第3のリンク部材と、車輪マウントラッチと、復元ばねとを含み、前記操作部は、前記第3のリンク部材の一端に接続され、前記第3のリンク部材の他端は、前記車輪マウントラッチに接続され、前記復元ばねは、前記車輪マウントラッチを回復する弾性力を提供し、前記車輪マウントラッチは、前記車輪マウントに挿入されて前記後輪を位置決定し、又は、前記車輪マウントから外れて前記後輪を解放することができる
ことを特徴とする請求項16に記載の車輪式搬送装置。
【請求項18】
前記操作部は、前記車輪式搬送装置の前記フレームに移動可能に設けられ、2つの傾斜スライドスロットを対称に有し、移動ヘッドは、前記第3のリンク部材の一端に設けられ、前記移動ヘッドは、前記フレームに移動可能に設けられ、前記傾斜スライドスロットに移動可能に挿入される
ことを特徴とする請求項17に記載の車輪式搬送装置。
【請求項19】
ベアリングは、前記フレームと前記車輪マウントの間に設けられ
前記フレームは、後脚管を有し、前記車輪マウントは、前記後脚管に回動可能に接続されたピボットスリーブを有し、前記ベアリングは、前記ピボットスリーブと前記後脚管の間に設けられている
ことを特徴とする請求項15に記載の車輪式搬送装置。
【請求項20】
前記ベアリングの外壁に接触する前記ピボットスリーブの壁面は、周方向に歯付き構造を有する
ことを特徴とする請求項19に記載の車輪式搬送装置。
【国際調査報告】