(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】アリール又はヘテロアリール誘導体及びこれを有効成分として含むキナーゼ関連疾患の予防又は治療用薬学的組成物
(51)【国際特許分類】
C07D 413/12 20060101AFI20241018BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20241018BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20241018BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20241018BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20241018BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20241018BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20241018BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20241018BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20241018BHJP
A61P 19/06 20060101ALI20241018BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20241018BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20241018BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20241018BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20241018BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20241018BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20241018BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20241018BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20241018BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20241018BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20241018BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20241018BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20241018BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20241018BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20241018BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241018BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20241018BHJP
A61P 1/02 20060101ALI20241018BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241018BHJP
C07D 487/04 20060101ALI20241018BHJP
A61K 31/5025 20060101ALI20241018BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20241018BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20241018BHJP
C07D 513/04 20060101ALI20241018BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20241018BHJP
A61K 31/42 20060101ALI20241018BHJP
A61K 31/423 20060101ALI20241018BHJP
A61K 31/428 20060101ALI20241018BHJP
C07D 417/12 20060101ALI20241018BHJP
C07D 417/14 20060101ALI20241018BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20241018BHJP
A61K 31/53 20060101ALI20241018BHJP
C07D 495/04 20060101ALI20241018BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20241018BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20241018BHJP
A61K 31/5355 20060101ALI20241018BHJP
C07D 413/10 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
C07D413/12
A61P1/04
A61P17/06
A61P27/02
A61P1/18
A61P17/04
A61P37/08
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P19/06
A61P37/02
A61P17/00
A61P9/00
A61P1/16
A61P13/12
A61P37/06
A61P31/04
A61P29/00
A61P9/10
A61P25/14
A61P25/28
A61P25/16
A61P11/06
A61P25/00
A61P3/10
A61P35/00
A61P25/02
A61P1/02
A61P43/00 111
C07D487/04 144
A61K31/5025
C07D413/14 CSP
A61K31/4439
C07D513/04 301
A61K31/444
A61K31/42
A61K31/423
A61K31/428
C07D417/12
C07D417/14
C07D471/04 101
C07D487/04 140
A61K31/53
C07D487/04 145
C07D471/04 108Q
C07D471/04 108A
C07D495/04 105Z
A61K31/519
C07D471/04 107Z
C07D471/04 106A
A61K31/5377
A61K31/5355
C07D413/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523844
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 KR2022016188
(87)【国際公開番号】W WO2023068881
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0141877
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0014856
(32)【優先日】2022-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521154246
【氏名又は名称】ボロノイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VORONOI INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ジョ ソヒュン
(72)【発明者】
【氏名】マ ダフン
(72)【発明者】
【氏名】パク ユスル
(72)【発明者】
【氏名】シム ギュソク
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジュンボム
(72)【発明者】
【氏名】キム ナムド
(72)【発明者】
【氏名】キム サンファン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC67
4C086BC70
4C086CB05
4C086CB26
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA22
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA45
4C086ZA59
4C086ZA61
4C086ZA66
4C086ZA67
4C086ZA68
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB07
4C086ZB09
4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZB35
4C086ZC20
4C086ZC35
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、アリール又はヘテロアリール誘導体及びこれを有効成分として含むキナーゼ関連疾患の治療用薬学的組成物に関するもので、本発明の一側面で提供するアリール又はヘテロアリール誘導体は、キナーゼ、特に、RIPK1(Receptor-interacting serine/threonine-protein kinase 1)に対して優れた抑制活性を示すので、RIPK1関連疾患の治療剤として使用が可能である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1の化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩:
【化1】
前記化学式1において、
Zは、N又はCHを示し、
環A
1は、5~12原子のヘテロアリールであり、
環A
2は、5~10原子のヘテロシクロアルキル、又は5~10原子のヘテロシクロアルキル-アリール二重環、又は5~10原子のヘテロシクロアルキル-ヘテロアリール二重環であり、ここで、pは、0~2の整数であり、
環A
3は、4~12原子のアリール、又は4~12原子のヘテロアリールであり、ハロゲン、シアノ、C
1-8アルコキシ、C
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
1-8アルキルアミノから選択される置換基R
4で一つ以上置換されるか非置換され、
R
1は、水素、ハロゲン、C
1-8アルキル、C
1-8アルコキシ、シアノ、C
3-8シクロアルキル又はC
3-8ヘテロシクロアルキルであり、nは、1~3の整数であり、
R
2は、ハロゲン、C
1-8アルキル、C
1-8アルコキシ、アミン、シアノ、C
1-8ハロアルキル、ヒドロキシ基で置換されるか非置換されたC
2-8アルキニル、
【化2】
であり、mは、0~4の整数であり、
R
5は、C
1-8アルキル、-C
1-8アルキル-C
1-8アルコキシ、-C
1-8アルキル-ヒドロキシ又はC
3-8シクロアルキルであり、ここで、R
5のC
3-8シクロアルキルは、C
1-8アルキルアミノ又はハロゲンで置換されるか非置換され、
R
3は、水素又はC
1-8アルキルである。
【請求項2】
Zは、N又はCHを示し、
環A
1は、N、O及びSからなる群より選択される1種以上のヘテロ原子を一つ以上含む8~10原子のヘテロアリールであり、
環A
2は、5~8原子のヘテロシクロアルキル、又は8~10原子のヘテロシクロアルキル-アリール二重環であり、ここで、pは、0~2の整数であり、
環A
3は、5~10原子のアリール、又はN、O及びSから選択される一つ以上のヘテロ原子を含む4~8原子のヘテロアリールであり、ハロゲン、シアノ、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル及びC
1-6アルキルアミノから選択される置換基R
4で一つ以上置換されるか非置換され、
R
1は、水素、ハロゲン、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、シアノ又はC
3-6シクロアルキルであり、nは、1~3の整数であり、
R
2は、ハロゲン、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、アミン、シアノ、C
1-6ハロアルキル、ヒドロキシ基で置換されるか非置換されたC
2-6アルキニル、
【化3】
であり、mは、0~4の整数であり、
R
5は、C
1-6アルキル、-C
1-6アルキル-C
1-6アルコキシ、-C
1-6アルキル-ヒドロキシ又はC
3-6シクロアルキルであり、ここで、R
5のC
3-6シクロアルキルは、C
1-6アルキルアミノ又はハロゲンで置換されるか非置換され、
R
3は、水素又はC
1-6アルキルである、請求項1に記載の化学式1の化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
環A
1は、イミダゾ[1,2-b]ピリダジン、ベンゾ[d]オキサゾール、ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール、ベンゾ[d]チアゾール、インダゾール、チアゾロ[5,4-b]ピリジン、トリアゾロ[1,5-a]ピリジン、ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン、トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン、イミダゾ[1,2-a]ピリジン、チエノ[3,2-d]ピリミジン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン、チアゾロ[4,5-c]ピリジン、イミダゾ[4,5-c]ピリジン又はイミダゾ[4,5-b]ピリジンである、請求項1に記載の化学式1の化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
環A
2は、イソオキサゾリジン、モルホリン、ベンゾ[d]イソオキサゾリジン、オキサ-アザスピロ[2.4]ヘプタン又はオキサジナン(oxazinane)である、請求項1に記載の化学式1の化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
R
2が
【化4】
である場合、R
5は、ハロゲンで置換されるか非置換されるC
3-8シクロアルキルであり、
R
2が
【化5】
である場合、R
5は、C
1-8アルキルであるか、C
1-8アルキルアミノで置換されるか非置換されるC
3-8シクロアルキルであり、
R
2が
【化6】
である場合、R
5は、C
1-8アルキル、-C
1-8アルキル-C
1-8アルコキシ、-C
1-8アルキル-ヒドロキシ又はハロゲンで置換されるか非置換されるC
3-8シクロアルキルである、請求項1に記載の化学式1の化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
化学式1で表示される化合物が下記化合物1~158のうちいずれか一つである、請求項1に記載の化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩:
<1>(S)-N-(3-(2-アセトアミドイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<2>(S)-N-(3-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<3>(S)-N-(5-(2-アセトアミドイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<4>(S)-N-(5-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<5>(S)-N-(5-(2-(2-ヒドロキシアセトアミド)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<6>(S)-N-(2-メトキシ-5-(2-(2-メトキシアセトアミド)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<7>(S)-N-(5-(2-アミノイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<8>(S)-N-(5-(2-アセトアミドイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メトキシフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<9>(S)-N-(5-(2-アミノイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メトキシフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<10>(S)-N-(5-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<11>(S)-N-(5-(2-アセトアミドイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<12>(S)-N-(5-(1-イソプロピル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-6-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<13>(S)-N-(5-(2-アセトアミドベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<14>(S)-N-(5-(2-アセトアミドチアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<15>(S)-N-(5-(1-イソプロピル-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-6-イル)-2-メトキシフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<16>(S)-N-(5-(2-アセトアミドベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-2-メトキシフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<17>(S)-N-(3-(3-(メチルカルバモイル)-1H-インダゾール-6-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<18>(S)-N-(6-メチル-5-(3-(メチルカルバモイル)-1H-インダゾール-6-イル)ピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<19>(S)-N-(5-(3-(メチルカルバモイル)-1H-インダゾール-6-イル)ピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<20>(S)-N-(3-(3-((4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)カルバモイル)-1H-インダゾール-6-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<21>(S)-N-(2-メチル-5-(3-(メチルカルバモイル)-1H-インダゾール-6-イル)ピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<22>(S)-N-(2-メトキシ-5-(3-(メチルカルバモイル)-1H-インダゾール-6-イル)ピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<23>(S)-N-(6-メトキシ-5-(3-(メチルカルバモイル)-1H-インダゾール-6-イル)ピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<24>(S)-N-(2-メトキシ-5-(3-(メチルカルバモイル)-1H-インダゾール-6-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<25>(S)-N-(3-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<26>(S)-N-(5-(2-アセトアミドベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<27>(S)-N-(5-(2-アセトアミドベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-メトキシフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<28>(S)-N-(5-(2-アセトアミドベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<29>(S)-N-(5-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<30>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<31>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メトキシフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<32>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<33>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<34>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-4-フルオロ-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<35>(S)-N-(5-(2-アセトアミド-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<36>(S)-N-(5-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<37>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(3-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<38>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<39>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(3-クロロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<40>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(ピリジン-3-イル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<41>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(3-トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<42>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<43>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<44>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<45>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(3-メトキシフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<46>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(3-シアノフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<47>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<48>(S)-N-(5-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<49>(S)-N-(5-(2-アセトアミド-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<50>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<51>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(6-メチルピリジン-3-イル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<52>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<53>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-(3-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<54>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<55>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(3,4-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<56>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1
,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(4-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<57>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<58>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-(3-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<59>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<60>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-(3-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;
<61>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<62>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メチルフェニル)-3-(3-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<63>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メチルフェニル)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<64>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メチルフェニル)-3-(4-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<65>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メチルフェニル)-3-(4-クロロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<66>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-(4-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<67>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-(4-クロロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<68>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(4-シアノフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<69>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(4-クロロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<70>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(4-シアノフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<71>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(ナフタレン-2-イル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<72>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(3-(ジメチルアミノ)フェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<73>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(3-クロロ-2-メチルフェノル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<74>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(4-メトキシフェノル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<75>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(4-(トリフルオロメチル)チアゾール-2-イル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<76>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<77>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(フラン-2-イル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<78>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(5-フルオロピリジン-3-イル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<79>(R)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-(5-フルオロピリジン-3-イル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<80>(S)-N-(5-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<81>(S)-N-(5-(2-アセトアミドイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<82>(S)-N-(5-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-(4-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<83>(S)-N-(5-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)チアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル)-2-メチルフェニル)-3-(4-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<84>(S)-N-(5-(2-((1R,2R)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<85>(S)-N-(5-(2-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<86>(S)-N-(5-(2-((1R,2R)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<87>(S)-N-(5-(2-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<88>(S)-N-(5-(2-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)チアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<89>(S)-N-(5-(2-アミノベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<90>(S)-N-(5-(2-アミノチアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル)-2-メチルフェニル)-3-(4-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<91>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-(4-シアノフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<92>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メチルフェニル)-3-(4-シアノフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<93>(S)-3-(4-シアノフェニル)-N-(5-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-メチルフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<94>(S)-3-(4-シアノフェニル)-N-(5-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)チアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル)-2-メチルフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<95>(S)-N-(5-(2-アミノイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<96>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-フルオロフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<97>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-クロロフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<98>(S)-N-(5-(2-アミノチアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<99>(S)-N-(5-(4-アミノピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<100>(S)-N-(5-(4-アミノピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<101>(S)-N-(5-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<102>(S)-N-(5-([1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<103>(S)-N-(3-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-フルオロ-6-メトキシフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<104>(S)-N-(3-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-フルオロ-6-メトキシフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<105>(S)-N-(3-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-6-クロロ-2-フルオロフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<106>(S)-N-(5-([1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<107>(S)-N-(2-メチル-5-(3-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-6-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<108>(S)-N-(2-メチル-5-(3-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-6-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<109>(S)-N-(5-(2-アミノベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<110>(S)-N-(5-(2-アミノベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<111>(S)-N-(5-(2-アミノイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<112>(S)-N-(5-(イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<113>(S)-N-(5-(イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<114>(S)-N-(5-(3-シアノイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<115>(S)-N-(5-(3-(3-ヒドロキシ-3-メチルブート-1-イン-1-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-
3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<116>(S)-N-(5-(3-エチニルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<117>(S)-N-(5-(3-(3-ヒドロキシ-3-メチルブート-1-イン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<118>(S)-N-(5-(3-シアノイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<119>(S)-N-(3-(4-アミノピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<120>(S)-N-(5-(4-アミノピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<121>(S)-N-(5-(4-アミノチエノ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<122>(S)-N-(5-(4-アミノチエノ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<123>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-フルオロフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<124>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-クロロフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<125>(S)-N-(5-(3-エチニルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<126>(S)-N-(5-(2-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<127>(S)-N-(3-(4-アミノピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-4-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<128>(S)-N-(5-(4-アミノチエノ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<129>(S)-N-(5-(4-アミノ-5-(トリフルオロメチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル)-2-メトキシピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<130>(S)-N-(2-メチル-5-(チアゾロ[4,5-c]ピリジン-6-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<131>(S)-N-(2-メチル-5-(チアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<132>(S)-N-(3-(2-アミノベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2,6-ジフルオロフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<133>(S)-N-(2-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-6-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<134>(S)-N-(3-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2,6-ジフルオロフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<135>(S)-N-(5-(2-アミノ-3-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボニル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<136>(R)-N-(5-(2-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルモルホリン-4-カルボキサミド;<137>(S)-N-(5-(2-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-2-メチルフェニル)-2-フェニルモルホリン-4-カルボキサミド;<138>(S)-N-(5-(2-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルベンゾ[d]イソオキサゾール-2(3H)-カルボキサミド;<139>(R)-N-(5-(2-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニルベンゾ[d]イソオキサゾール-2(3H)-カルボキサミド;<140>(R)-N-(5-(2-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-2-メチルフェニル)-7-フェニル-5-オキサ-6-アザスピロ[2,4]ヘプタン-6-カルボキサミド;<141>(S)-N-(5-(2-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-2-メチルフェニル)-3-メチル-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<142>(R)-N-(5-(2-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-2-メチルフェニル)-3-メチル-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<143>(S)-N-(2-メチル-5-(3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-5-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<144>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-シアノフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<145>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニル-1,2-オキサジナン-2-カルボキサミド;<146>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-(4-フルオロフェニル)-1,2-オキサジナン-2-カルボキサミド;<147>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-メチルフェニル)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-1,2-オキサジナン-2-カルボキサミド;<148>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-メチルフェニル)-3-フェニル-1,2-オキサジナン-2-カルボキサミド;<149>(S)-N-(3-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-フルオロ-6-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<150>(S)-N-(3-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-6-エチル-2-フルオロフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<151>(S)-N-(3-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-6-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<152>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-エチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<153>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-2-シクロプロピルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<154>(S)-N-(3-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-フルオロ-6-メチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<155>(S)-N-(3-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-6-エチル-2-フルオロフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<156>(S)-N-(3-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-6-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;<157>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-エチルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド;及び<158>(S)-N-(5-(2-アミノ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)-2-シクロプロピルフェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド。
【請求項7】
化学式2の化合物から化学式3の化合物を製造する段階(段階1);及び
化学式3の化合物から化学式1の化合物を製造する段階(段階2)を含むものである、化学式1の化合物の製造方法:
【化7】
【化8】
【化9】
前記式で、LGは、離脱基であり、Z、環A
1~A
3、R
1~R
3、m、n及びpは、それぞれ請求項1で定義したものと同一であり得る。
【請求項8】
請求項1~請求項6のうちいずれか一項に記載の化学式1の化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、
炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、網膜剥離、色素性網膜炎、黄斑変性、膵臓炎、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、脊椎関節炎、通風、シェーグレン症侯群、全身性強皮症、抗リン脂質抗体症侯群、血管炎、骨関節炎、非-アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、原発性硬化性胆管炎、腎炎、腹腔疾患、移植拒否、敗血症、全身性炎症反応症侯群、心筋梗塞、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、アレルギー性疾患、喘息、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、第1型糖尿病、ウェゲナー肉芽腫症、サルコイドーシス、ベーチェット病、運動ニューロン病(Motor neurone disease)、慢性閉塞性肺疾患及び歯周炎からなる群より選択される疾患の予防又は治療用薬学的組成物。
【請求項9】
RIPK1キナーゼの発現を阻害するか活性を抑制するものである、請求項8に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
請求項1~請求項6のうちいずれか一項に記載の化学式1の化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩を、これを必要とする対象(subject)に薬学的に有効な量で投与する段階を含む、RIPK1キナーゼ関連疾患の予防又は治療方法。
【請求項11】
前記RIPK1キナーゼ関連疾患は、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、網膜剥離、色素性網膜炎、黄斑変性、膵臓炎、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、脊椎関節炎、通風、シェーグレン症侯群、全身性強皮症、抗リン脂質抗体症侯群、血管炎、骨関節炎、非-アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、原発性硬化性胆管炎、腎炎、腹腔疾患、移植拒否、敗血症、全身性炎症反応症侯群、心筋梗塞、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、アレルギー性疾患、喘息、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、第1型糖尿病、ウェゲナー肉芽腫症、サルコイドーシス、ベーチェット病、運動ニューロン病(Motor neurone disease)、慢性閉塞性肺疾患及び歯周炎からなる群より選択される、請求項10に記載の予防又は治療方法。
【請求項12】
RIPK1キナーゼ関連疾患の予防又は治療に用いるための薬剤(medicament)の製造に用いるための、請求項1~請求項6項のうちいずれか一項に記載の化学式1の化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩の用途。
【請求項13】
前記RIPK1キナーゼ関連疾患は、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、網膜剥離、色素性網膜炎、黄斑変性、膵臓炎、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、脊椎関節炎、通風、シェーグレン症侯群、全身性強皮症、抗リン脂質抗体症侯群、血管炎、骨関節炎、非-アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、原発性硬化性胆管炎、腎炎、腹腔疾患、移植拒否、敗血症、全身性炎症反応症侯群、心筋梗塞、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、アレルギー性疾患、喘息、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、第1型糖尿病、ウェゲナー肉芽腫症、サルコイドーシス、ベーチェット病、運動ニューロン病(Motor neurone disease)、慢性閉塞性肺疾患及び歯周炎からなる群より選択される、請求項12に記載の用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アリール又はヘテロアリール誘導体及びこれを有効成分として含むキナーゼ関連疾患の予防又は治療用薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質キナーゼは、ATPのγ-リン酸基をタンパク質のチロシン、セリン及びスレオニンのヒドロキシグループに伝達するリン酸化反応を触媒する酵素であって、細胞の代謝、遺伝子発現、細胞成長、分化及び細胞分裂作用を担当し、細胞信号伝達に重要な役目をする(非特許文献1、Thomas A.Hamilton、in Encyclopedia of Immunology(Second Edition)、1998、2028-2033)。タンパク質キナーゼは、チロシンタンパク質キナーゼとセリン/スレオニンキナーゼに分類されるが、そのうち約90種以上はチロシンキナーゼである。
【0003】
タンパク質キナーゼは、分子スイッチで細胞内で活性と非活性状態の間の転移が円滑に調節されなければならない。もし、前記活性と非活性状態の間の転移が非正常的に調節されると、細胞内の信号伝達を過度に活性化させて統制不能の細胞分裂及び増殖を誘導するようになる。また、タンパク質キナーゼの遺伝子変異、増幅及び過発現による非正常的な活性化は、多様な腫瘍の発生及び進行と関連があって炎症性疾患、退行性脳疾患、自己免疫疾患、癌など多様な疾病の発病に決定的な役目をするようになる。これと係わるキナーゼの例としては、ABL1、ABL2、BRAF、CDK11、CDK8、CDKL2、CIT、CSF1R、DDR1、DDR2、FLT3、KIT、LOK、LTK、MUSK、PAK3、PDGFRA、PDGFRB、RAF1、RIPK1などがある。タンパク質キナーゼの一具体例である受容体-相互作用タンパク質-1キナーゼ(Receptor-interacting serine/threonine-protein kinase 1、RIPK1)は、NF-κ活性化、アポトーシス(Apoptosis)及び/又はネクロトーシス(Necroptosis)を媒介するのに関与する多作用性信号伝達子である。
【0004】
特に、RIPK1活性は、壊死細胞死のアスパーゼ(caspase)-非依存性経路であるネクロトーシス(Necroptosis)の媒介に決定的に関与することが知られている(非特許文献2、Holler et al.、Nat Immunol 2000;1:489-495;非特許文献3、Degterev et al.、Nat Chem Biol 2008;4:313-321)。
【0005】
したがって、RIPK1活性を効果的に抑制できると、腫瘍壊死因子α(tumor necrosis factor-alpha、TNF-α)による細胞死滅誘導条件で細胞保護が可能であるため、ネクロトーシス(Necroptosis)を遮断することができるであろう。
【0006】
前記RIPK1により媒介されるネクロトーシス(Necroptosis)は、炎症性疾患、退行性脳疾患、自己免疫疾患、癌など多様な疾病と関連があることが報告されてきた。
【0007】
まず、RIPK1-媒介プログラム化された壊死が完全に遮断されるように設計されたRIP3ノックアウトマウスは、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む)(非特許文献4、(2011)Nature 477、330-334)、乾癬(Psoriasis)(非特許文献5、(2011)Immunity 35、572-582)、網膜剥離-誘導された光受容体壊死(非特許文献6、(2010)PNAS 107、21695-21700)、色素性網膜炎(Retinitis pigmentosa)(非特許文献7、(2012)Proc.Natl.Acad.Sci.、109:36、14598-14603)、セルレイン-誘導された急性膵臓炎(非特許文献8、(2009)Cell 137、1100-1111)及び敗血症/全身性炎症反応症侯群(SIRS)(非特許文献9、(2011)Immunity 35、908-918)において保護性であることが確認されたことがあるので、特定化合物がRIPK1により媒介されるネクロトーシスを遮断できれば、該当化合物は炎症性疾患の治療剤として開発される可能性がある。
【0008】
また、RIPK1は、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)でミクログリア反応(microglial response)を媒介することが知らされたことがあるので(非特許文献10、PNAS October 10、2017.114(41)E8788-E8797)、特定化合物がRIPK1を標的として活性を効果的に抑制できると、該当化合物は、アルツハイマー病及びダウン症候群、パーキンソン疾患、ルーゲーリック病、認知症、ハンチントン疾患、多発性硬化症(Multiple sclerosis)、筋萎縮性側索硬化症、中風、脳卒中、軽度認知障害などの退行性脳疾患(すなわち、退行性神経疾患)の治療剤としても開発される可能性がある。
【0009】
また、RIPK1は、腫瘍壊死因子α(tumornecrosis factor-alpha、TNF-α)の生産を調節し、前記TNF-αは、関節リウマチ(Rheumatoid arthritis)、癌など多数の疾病で細胞死滅及び炎症媒介に関与する親炎症性サイトカインであることが知られているので(非特許文献11、Cell Death and Disease(2012)3、e320)、特定化合物がRIPK1を標的として活性を効果的に抑制できると、該当化合物は、関節リウマチ(Rheumatoid arthritis)及びリウマチ性多発筋痛症、強直性脊椎炎、運動ニューロン疾患(Motor neurone disease)などの自己免疫疾患又は癌の治療剤としても開発される可能性がある。
【0010】
また、RIPK1は、膵臓癌(pancreatic cancer)におけるマクロファージ-媒介適応免疫耐性(Macrophage-Mediated Adaptive Immune Tolerance)を誘導することが公知されている(非特許文献12、Cancer Cell 34、757-774、November 12、2018)。より具体的に、TAMsにおけるRIPK1抑制は、混合されたTh1/Th17表現型(phenotype)に対する細胞毒性T細胞活性化及びヘルパーT細胞分化をもたらすことで、マウス及びヒトPDAの器官類型モデルで腫瘍免疫(tumor immunity)を誘導することを開示している。
【0011】
したがって、RIPK1を標的とすることは、PD-1及び誘導性共同刺激基盤免疫療法と相乗的に作用するので、RIPK1は、腫瘍免疫を統制(governing)するチェックポイント(checkpoint)キナーゼであることが分かる。すなわち、RIPK1を含むタンパク質キナーゼの活性を効果的に抑制できる化合物は、炎症性疾患、退行性脳疾患、自己免疫疾患、癌など多様な疾病の治療剤として開発される可能性があるので、新規の構造のタンパク質キナーゼ抑制剤に対する開発が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の一側面における目的は、多様なキナーゼに対して優れた阻害活性を示すことで、キナーゼ関連疾患において治療効果を有する新規の構造のアリール又はヘテロアリール誘導体、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、
本発明の一側面は、下記化学式1で表示される化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩を提供する:
【0014】
【0015】
前記化学式1において、
Zは、N又はCHを示し、
環A
1は、5~12原子のヘテロアリールであり、
環A
2は、5~10原子のヘテロシクロアルキル、又は5~10原子のヘテロシクロアルキル-アリール二重環、又は5~10原子のヘテロシクロアルキル-ヘテロアリール二重環であり、ここで、pは、0~2の整数であり、
環A
3は、4~12原子のアリール、又は4~12原子のヘテロアリールであり、ハロゲン、シアノ、C
1-8アルコキシ、C
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
1-8アルキルアミノから選択される置換基R
4で一つ以上置換されるか非置換され、
R
1は、水素、ハロゲン、C
1-8アルキル、C
1-8アルコキシ、シアノ、C
3-8シクロアルキル又はC
3-8ヘテロシクロアルキルであり、nは、1~3の整数であり、
R
2は、ハロゲン、C
1-8アルキル、C
1-8アルコキシ、アミン、シアノ、C
1-8ハロアルキル、ヒドロキシ基で置換されるか非置換されたC
2-8アルキニル、
【化2】
であり、mは、0~4の整数であり、
R
5は、C
1-8アルキル、-C
1-8アルキル-C
1-8アルコキシ、-C
1-8アルキル-ヒドロキシ又はC
3-8シクロアルキルであり、ここで、R
5のC
3-8シクロアルキルは、C
1-8アルキルアミノ又はハロゲンで置換されるか非置換され、
R
3は、水素又はC
1-8アルキルである。
【0016】
本発明の他の一側面は、化学式2の化合物から化学式3の化合物を製造する段階(段階1);及び
化学式3の化合物から化学式1の化合物を製造する段階(段階2)を含むものである、化学式1の化合物の製造方法を提供する。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
前記式で、LGは、離脱基であり、Z、環A1~A3、R1~R3、m、n及びpは、それぞれ明細書で定義したものと同一であり得る。
【0021】
本発明のまた他の側面は、前記化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むキナーゼ関連疾患のうち一つ以上の予防又は治療用薬学的組成物を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一側面で提供する化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩は、キナーゼ、特に、RIPK1に対する優れた抑制活性を示し、それによって細胞壊死において優れた抑制効能を示すので、前記キナーゼ関連疾患の治療剤として有用に用いられ得る。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】
一方、本発明の実施形態は、種々の他の形態に変形でき、本発明の範囲が以下に説明する実施態様によって限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野における通常の知識を有する者にとって本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。また、明細書全体において任意の構成要素を「含む」というのは、特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0025】
以下、本発明を実施態様を参照して詳しく説明する。
【0026】
本発明の実施形態は、種々の他の形態に変形でき、本発明の範囲が以下に説明する実施態様によって限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野における通常の知識を有する者にとって本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。
【0027】
明細書全体において任意の構成要素を「含む」というのは、特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0028】
本明細書の構造式において、原子及び/又は基(group)を結合する符号「-」は、単一結合、符号「=」は、二重結合を意味し得る。前記符号は、省略してもよく、結合原子又は結合位置を特定する場合など必要な場合に表示してもよい。
【0029】
本明細書で原子間に「連結され」は、原子間に直接連結される場合だけでなく、他の原子及び/又は基(group)を媒介して原子間に間接連結される場合も含まれ得る。このとき、他の原子及び/又は基(group)は、酸素、硫黄、C1-8アルキルアミノ又はC1-8のアルキレンなどであってもよく、これに制限されるものではなく、前記原子及び/又は基(group)は、置換されるか非置換され得る。
【0030】
本明細書で「置換されるか非置換される」は、他の記載がない限り、一つ又は複数の水素原子が他の原子又は置換基で置換されるか置換されないことを意味し得る。前記置換基は、ハロゲン(クロロ(Cl)、ヨード(I)、ブロモ(Br)、フルオロ(F))、C1~10アルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヒドロキシル、C1~10アルコキシ、アミノ、ニトロ、チオール(thiol)、チオエーテル、イミン、シアノ、ホスフィン(phosphine)、カルボキシ、カルバモイル(carbamoyl)、アセタール、チオカルボニル、スルホニル、スルホンアミド(sulfonamide)、ケトン、アルデヒド、エステル、アセチル、アミド、酸素(=0)、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換アミノアシルとアミノアルキル、炭素環シクロアルキルとして単一環であるか融合あるいは非融合多重環(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル)、あるいはヘテロシクロアルキルとして単一環であるか融合又は非融合された多重環(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル又はチアジニル)、炭素環又はヘテロ環、単一環又は融合又は非融合多重環アリール(例えば、フェニル、ナフチル、ピロリル(pyrrolyl)、インドリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル(isoxazolyl)、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル(acridinyl)、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル(benzimidazolyl)、ベンゾチエニル又はベンゾフラニル)、アミノ(1級、2級又は3級)、アリール、アリールオキシ及びアリールアルキルからなる群のうち選択される一つ以上であってもよく、これに制限されるものではない。また、前記例示された置換基それぞれは、さらに、これらの置換基の群のうち選択された置換基で置換されるか非置換され得る。
【0031】
本明細書で「ハロゲン」は、F、Cl、Br又はIであってもよい。
【0032】
本明細書で「アルキル」は、他の記載がない限り、直鎖又は分岐鎖の非環型;環型;又はこれらが結合した飽和炭化水素を意味し得る。また、「C1-8アルキル」は、炭素原子を1~8個含むアルキルを意味し得る。非環型アルキルは、一例として、メチル、エチル、N-プロピル、N-ブチル、イソプロピル、2級(sec)-ブチル、イソブチル、3級(tert)-ブチル、イソペンチル又は2-メチルペンチルなどを含んでもよいが、これらに制限されない。環型アルキルは、一例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルなどを含んでもよいが、これらに制限されない。非環型と環型アルキルが結合したアルキルは、例えば、メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、エチルシクロプロピル又はシクロプロピルエチルなどを含んでもよいが、これらに制限されない。
【0033】
本明細書で「シクロアルキル」と記載した場合、アルキルの中でも特に環型アルキルを意味することができ、ここで、アルキルは、前記で定義されたものと同じである。
【0034】
本明細書で「ヘテロシクロアルキル」は、環を形成する原子であって、N、O及びSから選択された1~5個のヘテロ原子を含有する環を意味し得、飽和又は部分的に不飽和であってもよい。別に言及しない限り、ヘテロシクロアルキルは、単環であるか、スピロ(spiro)環、架橋(bridged)環又は融合(fused)環のような多重環であってもよい。また、「3~10原子のヘテロシクロアルキル」は、環を形成する原子を3~10個含むヘテロシクロアルキルを意味し得、一例として、ヘテロシクロアルキルは、ピロリジン、ピペリジン、N-メチルピペリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジノン、ピペリジン、ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、1,4-ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ピラン、ピリドン、3-ピロリン、チオピラン、ピロン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン、イソオキサゾリジン、ベンゾ[d]イソオキサゾリジン、オキサジナン、5-オキサ-6-アザスピロ[2.4]ヘプタン、(1R,5S)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、(1s,4s)-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン又は(1R,4R)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.2]オクタンなどを含んでもよいが、これらに制限されるものではない。
【0035】
本明細書で「二重環」は、一つ以上の原子を共通で有すると共に互いに融合された2個の環を意味し得る。具体的には、共通的な単一又は二重結合を通じて形成されるか(多重環化された二重環)、3個以上の配列された原子を共有して形成されるか(架橋された二重環)又は共通的な単一原子を通じて形成され得る(スピロ二重環)。二重環は、飽和、部分不飽和、不飽和又は芳香族環であってもよく、ヘテロ原子を含むことができる。さらに、前記環に水素が除去された形態の環も含むことができる。
【0036】
本明細書で「アルコキシ」は、アルキルエーテル基として-(O-アルキル)を意味し得、ここで、アルキルは、上記で定義されたものと同じである。また、「C1-8アルコキシ」は、C1-8アルキルを含有するアルコキシ、すなわち、-(O-C1-8アルキル)を意味し得る。
【0037】
本明細書で「アルキルアミノ」は、-(NR’R’’)を意味し得、ここで、R’及びR’’は、それぞれ独立的に水素及びC1-8アルキルからなる群より選択され得、前記選択されたR’及びR’’は、それぞれ独立的に置換されるか非置換され得る。また、「C1-8アルキルアミノ」は、C1-8アルキルを含有するアミノ、すなわち、-N-H(C1-8アルキル)又は-N-(C1-8アルキル)2を意味し得、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、メチルプロピルアミノ又はエチルプロピルアミノを含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0038】
本明細書で「ハロアルキル」は、-RX(Xは、一つ以上のハロゲン(F、Cl、Br又はIなど))を意味し得、すなわち、「ハロアルキル」は、一つ以上のハロゲンが置換されたアルキル形態であってもよい。例えば、「C1-8ハロアルキル」は、トリフルオロメチル又はジフルオロメチルなどを含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0039】
本明細書で「ハロアルコキシ」は、-(O-RX)(Xは、一つ以上のハロゲン(F、Cl、Br又はIなど))を意味し得、すなわち、「ハロアルコキシ」は、一つ以上のハロゲンが置換されたアルコキシ形態であってもよい。例えば、「C1-8ハロアルコキシ」は、トリフルオロメトキシ又はジフルオロメトキシなどを含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0040】
本明細書で「アリール」は、芳香族炭化水素環から一つの水素が除去された芳香族環を意味し得、単一環又は多重環であってもよい。「3~12原子のアリール」は、環を形成する原子を3~12個含むアリールを意味し得、一例として、フェニル、ベンジル、ナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ビフェニル又はテルフェニルなどを含むことができるが、これに制限されるのではない。
【0041】
本明細書で「ヘテロアリール」は、環を形成する原子としてN、O及びSのうち一つ以上のヘテロ原子を含有する芳香環を意味し得、単一環又は多重環であってもよい。また、「3~12原子のヘテロアリール」は、環を形成する原子を3~12個含むヘテロアリールを意味し得、一例として、チエニル、チオフェニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ビピリジニル、ピリミジニル、トリアジニル、アクリジル、ピリダジニル、ピラジニル、キノリニル又はキナゾリンなどを含むことができるが、これに制限されるのではない。
【0042】
本明細書で「ヒドロキシ」は、-OHを意味し得る。
【0043】
本明細書で「アルケニル」は、他の記載がない限り、1個以上の二重結合を有する直鎖、分枝鎖の非環型又は環型の炭化水素を意味し得る。
【0044】
本明細書で「シアノ」は、-(CN)を意味し得る。
【0045】
本明細書で「アルキニル」は、他の記載がない限り、1個以上の三重結合を有する直鎖、分枝鎖の非環型又は環型の炭化水素を意味し得る。一例として、「C2-4アルキニル」は、炭素原子を2~4個含み、1個以上の三重結合を有するアルキニルを意味し得る。その具体例として、アルキニルは、エチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イル又はメチルブチン-1-イルなどを含むことができるが、これに制限されない。
【0046】
本明細書で「水和物(hydrate)」は、非共有的分子間力(non-covalent intermolecular force)により結合した化学量論的(stoichiometric)又は非化学量論的(non-stoichiometric)量の水を含んでいる本発明の化合物又はその塩を意味し得る。本発明の前記化学式1で表示される化合物の水和物は、非共有的分子間力で結合する化学量論的又は非化学量論的量の水を含むことができる。前記水和物は、1当量以上、好ましくは、1当量~5当量の水を含有することができる。このような水和物は、水又は水を含有する溶媒から本発明の前記化学式1で表示される化合物、その異性体又はこれらの薬剤学的に許容可能な塩を結晶化させて製造され得る。
【0047】
本明細書で「溶媒和物(solvate)」は、非共有的分子間力により結合した化学量論的又は非化学量論的量の溶媒を含んでいる本発明の化合物又はその塩を意味し得る。それに関する好適な溶媒としては、揮発性、非毒性及び/又はヒトに投与するのに適した溶媒がある。
【0048】
本明細書で「異性体(isomer)」は、同じ化学式又は分子式を有するが、構造的又は立体的に異なる本発明の化合物又はその塩を意味し得る。このような異性体には、互変異性体(tautomer)などの構造異性体と、非対称炭素中心を有するR又はS異性体、幾何異性体(トランス、シス)などの立体異性体、光学異性体(enantiomer)が全部含まれる。これらのすべての異性体及びその混合物も本発明の範囲に含まれる。
【0049】
本発明は、下記化学式1の化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩を提供する:
【0050】
【0051】
前記化学式1において、
Zは、N又はCHを示し、
環A
1は、5~12原子のヘテロアリールであり、
環A
2は、5~10原子のヘテロシクロアルキル、又は5~10原子のヘテロシクロアルキル-アリール二重環、又は5~10原子のヘテロシクロアルキル-ヘテロアリール二重環であり、ここで、pは、0~2の整数であり、
環A
3は、4~12原子のアリール、又は4~12原子のヘテロアリールであり、ハロゲン、シアノ、C
1-8アルコキシ、C
1-8アルキル、C
1-8ハロアルキル及びC
1-8アルキルアミノから選択される置換基R
4に一つ以上置換されるか非置換され、
R
1は、水素、ハロゲン、C
1-8アルキル、C
1-8アルコキシ、シアノ、C
3-8シクロアルキル又はC
3-8ヘテロシクロアルキルであり、nは、1~3の整数であり、
R
2は、ハロゲン、C
1-8アルキル、C
1-8アルコキシ、アミン、シアノ、C
1-8ハロアルキル、ヒドロキシ基で置換されるか非置換されたC
2-8アルキニル、
【化7】
であり、mは、0~4の整数であり、
R
5は、C
1-8アルキル、-C
1-8アルキル-C
1-8アルコキシ、-C
1-8アルキル-ヒドロキシ又はC
3-8シクロアルキルであり、ここで、R
5のC
3-8シクロアルキルは、C
1-8アルキルアミノ又はハロゲンで置換されるか非置換され、
R
3は、水素又はC
1-8アルキルである。
【0052】
本発明の一具体実施様態で、化学式1の化合物において、
Zは、N又はCHを示し、
環A
1は、N、O及びSからなる群より選択される1種以上のヘテロ原子を一つ以上含む8~10原子のヘテロアリールであり、
環A
2は、5~8原子のヘテロシクロアルキル、又は8~10原子のヘテロシクロアルキル-アリール二重環であり、ここで、pは、0~2の整数であり、
環A
3は、5~10原子のアリール、又はN、O及びSから選択される一つ以上のヘテロ原子を含む4~8原子のヘテロアリールであり、ハロゲン、シアノ、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル及びC
1-6アルキルアミノから選択される置換基R
4に一つ以上置換されるか非置換され、
R
1は、水素、ハロゲン、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、シアノ又はC
3-6シクロアルキルであり、nは、1~3の整数であり、
R
2は、ハロゲン、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、アミン、シアノ、C
1-6ハロアルキル、ヒドロキシ基で置換されるか非置換されたC
2-6アルキニル、
【化8】
であり、mは、0~4の整数であり、
R
5は、C
1-6アルキル、-C
1-6アルキル-C
1-6アルコキシ、-C
1-6アルキル-ヒドロキシ又はC
3-6シクロアルキルであり、ここで、R
5のC
3-6シクロアルキルは、C
1-6アルキルアミノ又はハロゲンで置換されるか非置換され、
R
3は、水素又はC
1-6アルキルである。
【0053】
本発明の一具体実施様態で、化学式1の化合物において、
環A1は、5~12原子のヘテロアリールであり、N、O及びSからなる群より選択される1種以上のヘテロ原子を一つ以上含むことができる。
【0054】
本発明の一具体実施様態で、環A1は、8~10原子のヘテロアリールであり、N、O及びSからなる群より選択される1種以上のヘテロ原子を一つ以上含むことができ、より具体的に、環A1は、前記ヘテロ原子を2個以上含むことができる。
【0055】
より具体的に、環A1は、イミダゾ[1,2-b]ピリダジン、ベンゾ[d]オキサゾール、ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール、ベンゾ[d]チアゾール、インダゾール、チアゾロ[5,4-b]ピリジン、トリアゾロ[1,5-a]ピリジン、ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン、トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン、イミダゾ[1,2-a]ピリジン、チエノ[3,2-d]ピリミジン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン、チアゾロ[4,5-c]ピリジン、イミダゾ[4,5-c]ピリジン又はイミダゾ[4,5-b]ピリジンであってもよい。
【0056】
本発明の一具体実施様態で、環A
1は、
【化9】
であってもよい。
【0057】
本発明の一具体実施様態で、化学式1の化合物において、
環A2は、5~10原子のヘテロシクロアルキル、又は5~10原子のヘテロシクロアルキル-アリール二重環、又は5~10原子のヘテロシクロアルキル-ヘテロアリール二重環であり、ここで、pは、0~2の整数であってもよい。
【0058】
具体的に、環A2は、N及びOのヘテロ原子を含む5~8原子のヘテロシクロアルキル又はN及びOのヘテロ原子を含む8~10原子のヘテロシクロアルキル-アリール二重環であってもよい。
【0059】
より具体的に、環A2は、イソオキサゾリジン、モルホリン、ベンゾ[d]イソオキサゾリジン、オキサ-アザスピロ[2.4]ヘプタン又はオキサジナン(oxazinane)であってもよい。
【0060】
本発明の一具体実施様態で、化学式1の化合物において、
環A3は、4~12原子のアリール、又は4~12原子のヘテロアリールであり、ハロゲン、シアノ、C1-8アルコキシ、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル及びC1-8アルキルアミノから選択される置換基R4に一つ以上置換されるか非置換され得る。
【0061】
具体的に、環A3は、5~10原子のアリール又は4~8原子のヘテロアリールであってもよく、より具体的に、環A3は、5~10原子のアリール又はN、O及びSから選択される一つ以上のヘテロ原子を含む4~8原子のヘテロアリールであってもよく、最も具体的に、環A3は、フェニル、ピリジニル、ナフタレニル、チアゾリル、ピラゾリル又はフラニルであってもよい。
【0062】
本発明の環A3は、ハロゲン、シアノ、C1-8アルコキシ、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル及びC1-8アルキルアミノから選択される置換基R4に一つ以上置換されるか非置換され得る。
【0063】
具体的に、R4は、ハロゲン、シアノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル及びC1-6アルキルアミノから選択され得、より具体的に、R4は、ハロゲン、シアノ、メトキシ、メチル、トリフルオロメチル及びジメチルアミンから選択され得る。
【0064】
本発明の一具体実施様態で、化学式1の化合物において、
R1は、水素、ハロゲン、C1-8アルキル、C1-8アルコキシ、シアノ、C3-8シクロアルキル又はC3-8ヘテロシクロアルキルであり、nは、1~3の整数であってもよい。
【0065】
より具体的に、R1は、水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、C3-6シクロアルキル又はC3-6ヘテロシクロアルキルであってもよく、最も具体的に、R1は、水素、ハロゲン、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、シアノ又はC3-6シクロアルキルであってもよい。
【0066】
本発明の一具体実施様態で、ZがNである場合、R1は、C1-8アルキル又はC1-8アルコキシであってもよい。
【0067】
本発明の一具体実施様態で、化学式1の化合物において、
R
2は、ハロゲン、C
1-8アルキル、C
1-8アルコキシ、アミン、シアノ、C
1-8ハロアルキル、ヒドロキシ基で置換されるか非置換されたC
2-8アルキニル、
【化10】
であり、mは、0~4の整数であり、
R
5は、C
1-8アルキル、-C
1-8アルキル-C
1-8アルコキシ、-C
1-8アルキル-ヒドロキシ又はC
3-8シクロアルキルであり、ここで、R
5のC
3-8シクロアルキルは、C
1-8アルキルアミノ又はハロゲンで置換されるか非置換され得る。
【0068】
本発明の一具体実施様態で、R
2は、ハロゲン、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、アミン、シアノ、C
1-6ハロアルキル、ヒドロキシ基で置換されるか非置換されたC
2-6アルキニル、
【化11】
であってもよく、より具体的に、R
2は、C
1-3アルキル、アミン、シアノ、C
1-3ハロアルキル、ヒドロキシ基、エチニル、ヒドロキシメチルブチニル、
【化12】
であってもよい。ここで、mは、0~3の整数、より具体的に、0~2の整数であってもよい。mが0である場合、環A
1は、非置換された環を意味する。
【0069】
本発明の一具体実施様態で、R5は、C1-6アルキル、-C1-6アルキル-C1-6アルコキシ、-C1-6アルキル-ヒドロキシ又はC3-6シクロアルキルであり、ここで、R5のC3-6シクロアルキルは、C1-6アルキルアミノ又はハロゲンで置換されるか非置換され得る。
【0070】
本発明の一具体実施様態で、
R
2が
【化13】
である場合、R
5は、ハロゲンで置換されるか非置換されるC
3-8シクロアルキルであり、
R
2が
【化14】
である場合、R
5は、C
1-8アルキルであるか、C
1-8アルキルアミノで置換されるか非置換されるC
3-8シクロアルキルであり、
R
2が
【化15】
である場合、R
5は、C
1-8アルキル、-C
1-8アルキル-C
1-8アルコキシ、-C
1-8アルキル-ヒドロキシ又はハロゲンで置換されるか非置換されるC
3-8シクロアルキルであってもよい。
【0071】
本発明の一具体実施様態で、化学式1の化合物において、
R3は、水素又は、C1-8アルキルであってもよく、具体的に、R3は、水素又はC1-3アルキルであってもよい。
【0072】
本発明による前記化学式1の化合物の例としては、下記実施例のうち[表2]に羅列された化合物1~158、又は遊離塩基(表2に薬学的に許容可能な塩と示した場合)、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩が挙げられる。
【0073】
本発明の前記化学式1で表示される化合物は、その薬学的に許容可能な塩の形態で用いられ得る。特に、薬学的に許容可能な塩は、遊離酸(free acid)により形成された酸付加塩であってもよい。ここで、酸付加塩は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜窒酸、亜リン酸などのような無機酸類、脂肪族モノ及びジカルボキシレート、フェニル-置換されたアルカノエート、ヒドロキシアルカノエート及びアルカンジオエート、芳香族酸類、脂肪族及び芳香族スルホン酸類などのような無毒性有機酸、トリフルオロ酢酸、アセテート、安息香酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、酒石酸、フマル酸などのような有機酸から得られる。このような薬学的に許容可能な塩の種類としては、スルフェート、ピロスルフェート、バイスルフェート、スルファイト、バイスルファイト、ニトレート、ホスフェート、モノハイドロゲンホスフェート、ジハイドロゲンホスフェート、メタホスフェート、ピロホスフェートクロリド、ブロマイド、アイオダイド、フルオライド、アセテート、プロピオネート、デカノエート、カプリレート、アクリレート、フォーメート、イソブチレート、カプレート、ヘプタノエート、プロピオレート、オキサレート、マロネート、サクシネート、スベレート、セバケート、フマレート、マレエート、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキサン-1,6-ジオエート、ベンゾエート、クロロベンゾエート、メチルベンゾエート、ジニトロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタレート、テレフタレート、ベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、クロロベンゼンスルホネート、キシレンスルホネート、フェニルアセテート、フェニルプロピオネート、フェニルブチレート、シトレート、ラクテート、β-ヒドロキシブチレート、グリコレート、マレート、タルトレート、メタンスルホネート、プロパンスルホネート、ナフタレン-1-スルホネート、ナフタレン-2-スルホネート、マンデレートなどを含むことができる。前記酸付加塩は、通常の方法で製造し得、例えば、化学式1の誘導体をメタノール、エタノール、アセトン、メチレンクロライド、アセトニトリルなどのような有機溶媒に溶かし、有機酸又は無機酸を加えて生成された沈殿物を濾過、乾燥させて製造するか、溶媒と過量の酸を減圧蒸溜した後に乾燥させて有機溶媒下で結晶化して製造することができる。また、薬学的に許容可能な塩は、塩基を使用して得られた塩又は金属塩であってもよい。金属塩の一例として、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩は、化合物を過量のアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物溶液中に溶解し、非溶解性化合物塩をろ過し、ろ液を蒸発、乾燥させて得られる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム、カリウム又はカルシウム塩が製薬上適合する。また、これに対応する塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を適当な銀塩(例、硝酸銀)と反応させて得られる。
【0074】
また、本発明は、前記化学式1で表示される化合物及びその薬学的に許容可能な塩だけでなく、その異性体、特に、立体又は鏡像異性体であってもよく、それから製造できる水和物及び/又は溶媒化物であってもよい。
【0075】
また、本発明は、化学式1の化合物の製造方法を提供するものであってもよい。
【0076】
化学式1の化合物の製造方法は、
化学式2の化合物から化学式3の化合物を製造する段階(段階1);及び
化学式3の化合物から化学式1の化合物を製造する段階(段階2)を含むことができる。
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
前記式で、LGは、離脱基であり、Z、環A1~A3、R1~R3、m、n及びpは、それぞれ本明細書で定義したものと同一であり得る。離脱基は、ハロゲン、スルホン酸エステル、ボロン酸エステル、ボロン酸又はアルコキシなどの作用基であってもよく、化学式3の化合物から離脱基が離脱して化学式1の化合物を製造できる作用基であれば、制限されない。
【0081】
本発明の化学式1の化合物の製造方法で、段階1は、化学式2の化合物、と
【化19】
及びLG-C(=O)-LGを反応させ、化学式3の化合物を製造する段階であってもよい。ここで、LGである離脱基は、化学式2の化合物及び前記化学式4の化合物と反応して離脱基が離脱して化学式3の化合物を製造できる作用基であれば、制限されず、好ましくは、アルコキシ又はハロゲンであってもよい。
【0082】
本発明の化学式1の化合物の製造方法で、段階2は、化学式3の化合物のLG基をボロン酸エステル又はジオキサボロレインで置換する段階及び(R
2)
m-A
1-LG(LGは、ハロゲンであってもよい。)と反応させる段階を含むことができる。前記段階2は、鈴木-カップリング反応で環A
1と
【化20】
基を連結させるものであってもよい。
【0083】
本発明の他の側面は、前記化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含むキナーゼ関連疾患のうち一つ以上の予防又は治療用薬学的組成物を提供する。
【0084】
本発明の化学式1の化合物は、多様なキナーゼ、特に、RIPK1(Receptor-interacting serine/threonine-protein kinase 1)に対して優れた抑制活性を示すことができる。また、化学式1の化合物は、細胞壊死、特に、ネクロトーシスによる細胞壊死を効果的に抑制することができる。
【0085】
本発明で、前記疾患は、プログラム化された壊死、アポトーシス又は炎症性サイトカインの生産により少なくとも部分的に調節できる疾患/障害、特に、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)、乾癬、網膜剥離(及び変性)、色素性網膜炎、黄斑変性、膵臓炎、アトピー性皮膚炎、関節炎(関節リウマチ、脊椎関節炎、通風、若年性特発性関節炎(全身発病若年性特発性関節炎(SoJIA)、乾癬性関節炎を含む)、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症侯群、全身性強皮症、抗リン脂質抗体症侯群(APS)、血管炎、骨関節炎、肝障害/疾患(非-アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝胆道疾患、原発性硬化性胆管炎(PSC)、アセトアミノフェン毒性、肝毒性)、腎臓の障害/損傷(腎炎、腎臓移植、手術、腎毒性薬物、例えば、シスプラチンの投与、急性腎障害(AKI))、腹腔疾患、自己免疫性特発性血小板減少性紫斑病(自己免疫ITP)、移植拒否(移植器官、組織及び細胞の拒否)、実質臓器の虚血再灌流障害、敗血症、全身性炎症反応症侯群(SIRS)、脳血管事故(CVA、脳卒中)、心筋梗塞(MI)、アテローム性動脈硬化症、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、新生児低酸素性脳損傷、虚血性脳損傷、外傷性脳損傷アレルギー性疾患(喘息及びアトピー性皮膚炎を含む)、火傷、多発性硬化症、第1型糖尿病、ウェゲナー肉芽腫症、サルコイドーシス、ベーチェット病、インターロイキン-1転換酵素(ICE、またカスパーゼ-1として公知)関連熱症侯群、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、タバコの煙-誘発傷害、胞性線維症、腫瘍壊死因子受容体-関連周期性症侯群(TRAPS)、新生物性腫瘍、歯周炎、NEMO-突然変異(NF-カッパーB必須調整剤遺伝子(またIKKγ又はIKKGとして公知)の突然変異)、特に、NEMO-欠乏症侯群、HOIL-1欠乏((またRBCK1として公知)、ヘム―酸化されたIRP2ユビキチンリガーゼ-1欠乏)、直鎖状ユビキチン鎖アセンブリー複合的(LUBAC)欠乏症侯群、血液及び実質臓器悪性腫瘍、バクテリア感染及びウイルス感染(例えば、インフルエンザ、ブドウ球菌及びマイコバクテリウム(結核))、及びリソソーム蓄積疾患(特に、ゴーシュ病及びGM2ガングリオシド症、α-マンノース蓄積症、アスパルチルグルコサミン尿、コレステリルエステル蓄積疾患、慢性ヘキソサミニダーゼA欠乏、シスチン蓄積症、ダノン病、ファブリー病、ファーバー病、フコシド蓄積症、ガラクトシアル酸症、GM1ガングリオシド症、粘液脂質症、嬰児遊離シアル酸蓄積疾患、小児ヘキソサミニダーゼA欠乏、クラッベ病、リソソーム酸リパーゼ欠乏、異染性白質異常症、ムコ多糖症障害、多発性スルファテス欠損症、ニーマン・ピック病、神経セロイドリポフスチン症、ポムぺ病、濃化異骨傷、サンドホフ病、シンドラー病、シアル酸蓄積疾患、テイサックス及びウォルマン病を含む)、スティーブンス-ジョンソン症侯群、緑内障、脊髓損傷、中皮腫、黒色腫、急性肝不全などであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0086】
より具体的に、前記疾患は、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、網膜剥離、色素性網膜炎、黄斑変性、膵臓炎、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、脊椎関節炎、通風、シェーグレン症侯群、全身性強皮症、抗リン脂質抗体症侯群、血管炎、骨関節炎、非-アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、原発性硬化性胆管炎、腎炎、腹腔疾患、移植拒否、敗血症、全身性炎症反応症侯群、心筋梗塞、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、アレルギー性疾患、喘息、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、第1型糖尿病、ウェゲナー肉芽腫症、サルコイドーシス、ベーチェット病、運動ニューロン病(Motor neurone disease)、慢性閉塞性肺疾患及び歯周炎からなる群より選択され得るが、これに制限されない。
【0087】
本発明の薬学的組成物は、RIPK1キナーゼの発現を阻害するか活性を抑制するものであってもよい。
【0088】
本発明の薬学的組成物は、薬学的に許容可能な担体を含むことができる。前記薬学的に許容可能な担体は、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤又は賦形剤を含み、本発明の組成物は、これらと一緒に用いて製剤化され得る。
【0089】
本発明の薬学的組成物は、臨床投与時に利用され得、経口及び非経口の様々な剤形で投与できるように製造され得る。
【0090】
経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが該当し、このような固形製剤は、一つ以上の化合物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、スクロース(sucrose)又はラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調製され得る。また、単純な賦形剤以外に、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどのような潤滑剤を用いて調剤され得る。
【0091】
また、経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内溶液剤、乳剤、シロップ剤などが該当し、このような液状製剤は、よく使用される単純希釈剤として水、リキッドパラフィン以外にも様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などを含むことができる。
【0092】
非経口投与のための製剤としては、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤などが該当し、非水性溶剤、懸濁溶剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、エチルオレートのような注射可能なエステルなどを利用することができる。
【0093】
また、非経口投与は、皮下注射、静脈注射、筋肉内注射又は胸部内注射を注入する方法による。このとき、非経口投与用剤形で製剤化するために、薬学的組成物は、化学式1で表示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩を安定剤又は緩衝剤とともに水に混合して溶液又は懸濁液で製造し、これをアンプル又はバイアル単位投与型で製造することができる。前記組成物は、滅菌され/滅菌されるか、防腐剤、安定化剤、水和剤又は乳化促進剤、浸透圧調節のための塩及び/又は緩衝剤などの補助剤、及びその他治療的に有用な物質を含有することができ、通常の方法で混合、顆粒化又はコーティング方法により製剤化され得る。
【0094】
本発明の他の一側面は、前記化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物、その薬学的に許容可能な塩又はこれらを含む薬学的組成物を必要とする対象(subject)に薬学的に有効な量で投与する段階を含む、キナーゼ関連疾患の予防又は治療方法を提供する。前記対象(subject)は、ヒトを含む哺乳類であってもよい。
【0095】
本発明で使用される「薬学的に有効な量」という用語は、前記キナーゼ関連疾患の治療又は予防に有効な前記化学式1で表示される化合物の量を示す。具体的に、「薬学的に有効な量」は、医学的治療に適用可能な合理的な受恵/危険割合で疾患を治療するに十分な量を意味し、有効用量レベルは、個体種類及び重症度、年齢、性別、疾病の種類、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出割合、治療期間、同時使用する薬物を含む要素及びその他医学分野でよく知られた要素によって決定され得る。本発明の薬学的組成物は、個別治療剤で投与するか他の治療剤と併用して投与し得、市販の治療剤とは順次に又は同時に投与し得る。そして、単一又は多重投与し得る。前記要素を全て考慮して副作用なしに最小限の量で最大効果を得ることができる量を投与することが重要であり、当業者により容易に決定され得る。本発明の薬学的組成物の投与用量は、患者の状態、年齢、性別及び余病などの多様な要因によって専門家により決定され得る。本発明の薬学的組成物の有効成分は、安全性に優れているので、決定された投与用量以上でも用いられ得る。
【0096】
本発明のまた他の一側面は、キナーゼ関連疾患の予防又は治療に使用するための薬剤(medicament)の製造に使用するための、前記化学式1の化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩の用途(use)を提供することである。
【0097】
本発明の用途、治療方法で、前記化学式1の化合物、その異性体、その溶媒化物、その水和物又はその薬学的に許容可能な塩及びキナーゼ関連疾患は、全て上述した内容をそのまま適用できる。
【0098】
以下、本発明を実施例及び実験例により詳しく説明する。
【0099】
ただし、下記実施例及び実験例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容がこれに限定されるものではない。
【0100】
<実施例>
本発明の実施例で合成した化合物は、次のHPLC条件により精製するか又は構造分析を実施した:分取用中圧液体クロマトグラフィー(Medium pressure liquid chromatography;MPLC);中圧液体クロマトグラフィーは、TELEEDYNE ISCO社のCombiFlash Rf +UVを用いた。
【0101】
分析用HPLC条件(ACQUITY UPLC H-Class Core System)
Waters社製造のUPLC system(ACQUITY UPLC PDA Detector)にWaters社製造のmass QDA Detectorが装着された装備を用いた。使用カラムは、Waters社のACQUITY UPLC(登録商標)BEH C18(1.7μm、2.1×50mm)であり、カラム温度は、30℃で進行した。
【0102】
移動相Aは、0.1%蟻酸が含まれた水、移動相Bは、0.1%の蟻酸が含まれたアセトニトリルを用いた。
【0103】
Gradient condition(10-100% Bで3分、移動速度=0.6mL/min)
精製用Prep-150 LC System(Preparative-Liquid chromatography UV spectrometry)
Waters社製造のPrep 150 LC system(2545 Quaternary gradient module、2998 Photodiode Array Detector、Fraction collector III)にWaters社の製造装備を使用した。使用カラムは、Waters社のXTERRA(登録商標)Prep RP18 OBDTM(10μm、30×300mm)であり、カラム温度は、室温で進行した。
【0104】
Gradient condition(3-100% Bで120分、移動速度=40mL/min)
使用された市販試薬は、追加精製なしに用いた。本発明で室温は、1~35℃程度の温度を言う。減圧下の濃縮又は溶媒蒸溜除去は、回転式蒸発器(rotary evaporator)を用いた。
【0105】
<製造例1>(S)-3-フェニルイソオキサゾリジンの製造
【0106】
【0107】
段階1:tert-ブチル(R)-(3-ヒドロキシ-3-フェニルプロポキシ)カルバメートの製造
tert-ブチルヒドロキシカルバメート(7.8g、58.6mmol)をジメチルホルムアミド(Dimethylformamide、DMF)(140mL)溶かした後、0℃でNaH(2.58g、64.5mmol)を添加して30分間反応した。そして、DMF(10mL)に溶かした(R)-3-クロロ-1-フェニルプロパンー1-オル(5g、29.3mmol)を0℃で10分間ゆっくり滴加し、室温で72時間撹拌した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を入れて反応を終決させ、酢酸エチル(Ethyl Acetate、EA)及び塩水(Brine)で抽出して有機層を合わせた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧して濃縮した後、中圧液体クロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン、Ethyl Acetate/Hexane、EA/Hex)で精製して、目的化合物(2.8g、68%)を収得した。
【0108】
MS(m/z):150.17[M+1]+
【0109】
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ=7.43-7.39(m、2H)、7.38-7.32(m、2H)、7.27-7.24(m、1H)、5.05-4.97(m、1H)、4.15-4.08(m、1H)、4.07-4.00(m、1H)、2.10-1.93(m、2H)、1.54-1.48(m、9H)
段階2:tert-ブチル(S)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキシレートの製造
前記製造例1の段階1から得られた化合物tert-ブチル(R)-(3-ヒドロキシ-3-フェニルプロポキシ)カルバメート(2.55g、9.54mmol)とトリエチルアミン(Triethylamine、TEA)(3.13mL、22.44mmol)をジクロロメタン(Dichloromethane、DCM)(250mL)に溶かした後、0℃に冷却した。そして、メタンスルホニルクロリド(1mL、13mmol)を滴加して0℃で2時間撹拌した。反応混合物を塩水及びDCMで抽出して有機層を合わせた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮して目的化合物を得て精製なしに次の反応に用いた。
【0110】
MS(m/z):194.13[M+1]+
【0111】
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ=7.29-7.23(m、4H)、7.18-7.17(m、1H)、5.12-5.11(m、1H)、4.10-4.03(m、1H)、3.82-3.80(m、1H)、2.75-2.65(m、1H)、2.29-2.15(m、1H)、1.37(s、9H)
段階3:(S)-3-フェニルイソオキサゾリジンの製造
前記製造例1の段階2から得られた化合物tert-ブチル(S)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキシレート(2.3g)をDCM(90mL)に溶かした後、トリフルオロ酢酸(Trifluoroacetic acid、TFA)(14mL)を添加して室温で1時間の間反応した。反応混合物をNaHCO3水溶液で中和させた後に有機層を合わせた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮し、中圧液体クロマトグラフィー(テトラヒドロフラン/ヘキサン、Tetrahydrofuran/Hexane、THF/Hex)で精製して、目的化合物(1.3g、94%)を収得した。
【0112】
MS(m/z):150.08[M+1]+
【0113】
1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=7.59-7.52(m、2H)、7.50-7.39(m、3H)、5.01-4.93(m、1H)、2.93-2.82(m、1H)、2.62-2.53(m、2H)
【0114】
<製造例2>(S)-3-(3-フルオロフェニル)イソオキサゾリジンの製造
【化22】
【0115】
段階1:3-フルオロ-N-メトキシ-N-メチルベンズアミドの製造
3-フルオロ安息香酸(90g、642.35mmol、1eq)をピリジン(150mL)に溶かした後、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン(75.19g、770.81mmol、1.2eq)を添加する。その後、15℃で1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide、EDCI)(147.77g、770.81mmol、1.2eq)を添加した。反応混合物を50℃で30分間撹拌する。TLC分析結果(PE(Petroleum ether):EA=3:1)、出発物質が全て消え、低い極性を有する新しいスポットが検出された。減圧濃縮してピリジン溶媒を除去し、DCM(500mL)と2N HCl(500mL)、塩水(200mL)を利用して有機層を抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮して、黄色オイルの目的化合物(110g、93.5%収率)を収得した。
【0116】
段階2:1-(3-フルオロフェニル)プロプ-2-エン-1-オンの製造
前記製造例2の段階1から得られた3-フルオロ-N-メトキシ-N-メチルベンズアミド(110g、600.50mmol、1eq)をTHF(1L)に溶かした後、0℃でブロモ(ビニル)マグネシウム(1M、630.53mL、1.05eq)を-78℃で一滴ずつ滴加した。その後、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。TLC分析結果(PE:EA=4:1)、出発物質が全て消え、低い極性を有する新しいスポットが検出された。HCl水溶液(4N、500mL)を添加して反応を終結した後、メチル-tert-ブチルエーテル(Methyl tert-butyl ether、MTBE))(2000mL)と塩水(500mL)を利用して有機層を抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮した。濃縮した化合物を中圧液体クロマトグラフィー(PE/EA=30/1)を利用して精製して、黄色オイル状態の目的化合物(80g、532.80mmol、88.73%収率)を収得した。
【0117】
段階3:3-クロロ-1-(3-フルオロフェニル)プロパン-1-オンの製造
前記製造例2の段階2から得られた1-(3-フルオロフェニル)プロプ-2-エン-1-オン(71g、472.86mmol、1.0eq)をDCM(71mL)に溶かした後、0℃でHCl in 1,4-ジオキサン(4M、295.54mL、2.5eq)を添加した。その後、反応混合物を15℃で1.5時間の間撹拌した。TLC分析結果(PE:EA=10:1)、出発物質は全て消え、目的化合物が検出された。反応混合物を減圧下で濃縮し、DCM(450mL)と水(200mL*5)を添加して有機層を抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮して、黄色の固体の目的化合物(73g、82.7%収率)を収得した。
【0118】
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ=7.78-7.72(m、1H)、7.69-7.60(m、1H)、7.53-7.44(m、1H)、7.37-7.24(m、1H)、3.93(t、J=6.8Hz、2H)、3.46(t、J=6.8Hz、2H)
段階4:(R)-3-クロロ-1-(3-フルオロフェニル)プロパン-1-オルの製造
(S)-1-メチル-3,3-ジフェニルテトラヒドロ-1H,3H-ピロロ[1,2-c][1,3,2]オキサザボロリジン(8.61g、31.08mmol、9.27mL、0.1eq)をTHF(380mL)に溶かした後、BH3、THF(1M、186.48mL、0.6eq)を0℃で窒素気流下で一滴ずつ添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。その後、反応混合物にTHF(390mL)に希釈した前記製造例2の段階3から得られた3-クロロ-1-(3-フルオロフェニル)プロパン-1-オン(70g、375.11mmol、1eq)を0℃で一滴ずつ滴加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。TLC分析結果(PE:EA=5:1)、出発物質が全て消え、目的化合物スポットが検出された。0℃でメタノール(Methanol、MeOH)(100mL)を添加して反応を終結した後、溶媒を減圧下で濃縮した。濃縮した化合物をDCM(100mL*3)とNH4Cl溶液(300mL)を利用して有機層を抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮した。濃縮した化合物を中圧液体クロマトグラフィー(PE:EA=50:1 to 5:1)を用いて精製して、無色のオイルの目的化合物(55g、92%収率)を収得した。
【0119】
MS(m/z):135.2[M-56+H]+
【0120】
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ=7.35-7.28(m、1H)、7.19-7.04(m、2H)、7.01-6.91(m、1H)、5.00-4.88(m、1H)、3.76-3.70(m、1H)、3.60-3.51(m、1H)、2.24-2.13(m、1H)、2.12-1.98(m、2H)
段階5:tert-ブチル(R)-(3-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシプロポキシ)カルバメートの製造
tert-ブチルヒドロキシカルバメート(40.76g、306.16mmol、1.05eq)をDMF(400mL)に溶かした後、0℃で窒素気流下でNaH(12.83g、320.74mmol、60% purity、1.1eq)を添加した。反応混合物を10℃で1時間の間撹拌し、DMF(150mL)に希釈された前記製造例2の段階4から得られた(R)-3-クロロ-1-(3-フルオロフェニル)プロパン-1-オル(55g、291.58mmol、1eq)を0℃で一滴ずつ添加して10℃で16時間の間撹拌した。TLC分析結果(PE:EA=2:1)、出発物質は全て消え、目的化合物が検出された。水(800mL)を添加して反応を終結した後、生成された固体をフィルターした。回収した固体をEA(800mL)と水(100mL)、塩水(100mL)を利用して有機層を抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮して、明るい黄色の固体の目的化合物(72g、65%収率)を収得した。
【0121】
MS(m/z):167.9[M-118+H]+
【0122】
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ=7.17-7.06(m、1H)、7.01-6.93(m、2H)、6.80-6.73(m、1H)、4.89-4.79(m、1H)、3.95-3.89(m、1H)、3.88-3.82(m、1H)、1.89-1.81(m、1H)、1.80-1.69(m、1H)、1.32(s、9H)
段階6:tert-ブチル(S)-3-(3-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキシレートの製造
前記製造例2の段階5から得られたtert-ブチル(R)-(3-(3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシプロポキシ)カルバメート(72g、252.36mmol、1eq)とTEA(76.61g、757.07mmol、105.38mL、3eq)をDCM(700mL)に溶かした後、0℃でメタンスルホン酸無水物(65.94g、378.53mmol、1.5eq)をゆっくり添加した。反応混合物を20℃で12時間の間撹拌した。TLC分析結果(PE:EA=3:1)、出発物質は全て消え、新しいスポットが検出された。水(1000mL)を添加して反応を終結した後、DCM(200mL*3)を利用して有機層を抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮した。濃縮した化合物を中圧液体クロマトグラフィー(PE:EA=50:1 to 5:1)で精製して、57.7%e.e値を有する目的化合物35gを抽出した。目的化合物をSFC(column:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm*30mm、5μm);mobile phase:[Neu-MeOH];B%:15%、2.9min;760min)を通じて精製して、明るい黄色の固体の目的化合物(25g、36.2%収率)とtert-ブチル(R)-3-(3-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキシレート(6.5g、8.7%収率)を収得した。
【0123】
MS(m/z):212.2[M-56+H]+
【0124】
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ=7.34-7.27(m、1H)、7.17-7.05(m、2H)、6.99-6.91(m、1H)、5.20(dd、J=5.6、8.8Hz、1H)、4.22-4.14(m、1H)、3.94-3.84(m、1H)、2.84-2.73(m、1H)、2.34-2.22(m、1H)、1.47(s、9H)
段階7:(S)-3-(3-フルオロフェニル)イソオキサゾリジンの製造
前記製造例2の段階6から得られたtert-ブチル(S)-3-(3-フルオロフェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキシレート(25g、93.53mmol、1eq)をEA(50mL)に溶かした後、0℃でHCl in EA(4M、250mL)を添加した。その後、反応混合物を10℃で1時間の間撹拌した。LC-MS分析結果、出発物質が全て消え、目的化合物96.97%が検出された。固体を得るために減圧濃縮して、白色固体の目的化合物(19.12g、93%収率)を収得した。
【0125】
MS(m/z):168.3[M+H]+
【0126】
1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ=12.51(br s、1H)、7.55-7.44(m、2H)、7.44-7.37(m、1H)、7.32-7.22(m、1H)、5.03(t、J=8.0Hz、1H)、4.54-4.43(m、1H)、4.34-4.24(m、1H)、2.95-2.83(m、1H)、2.64-2.52(m、1H)
前記製造例1、2と類似した方法を行って製造例3~33の化合物を製造し、製造例3~33の化合物名、化学構造式、LC-MS分析結果を表1に整理して示した。
【0127】
【0128】
<実施例1>(S)-N-(3-(2-アセトアミドイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミドの製造
【化23】
【0129】
段階1:(S)-3-フェニル-N-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサホロラン-2-イル)フェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミドの製造
3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサホロラン-2-イル)アニリン(3g)、TEA(1.39g、1eq)をDCM(70mL)に溶かした後、0℃でフェニルクロロホルメート(2.36g、1.1eq)を添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。その後、前記製造例1から得られた(S)-3-フェニルイソオキサゾリジン(2.45g、1.2eq)、TEA(1.39g、1eq)を添加した。常温で2時間撹拌した後、MeOH(10mL)を添加して反応を終結した後、水(200mL*2)、塩水(200mL)、DCM(200mL*2)を利用して有機層を抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮し、中圧液体クロマトグラフィー(EA/Hex)を用いて精製して、目的化合物(5.1g、94%収率)を収得した。
【0130】
MS(m/z):395.2[M+H]+
【0131】
段階2:(S)-N-(3-(2-アセトアミドイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)フェニル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミドの製造
N-(6-ヨードイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル)アセトアミド(66mg)と前記実施例1の段階1から得られた(S)-3-フェニル-N-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサホロラン-2-イル)フェニル)イソオキサゾリジン-2-カルボキサミド(95mg、1.1eq)、KOAc(42mg、2eq)、Pd(dtbpf)Cl2(14mg、0.1eq)をジオキサン(0.6mL)、水(0.15mL)に溶かした後、90℃で1時間の間撹拌した。反応混合物を珪藻土でフィルター後に減圧濃縮した。Prep-150 LC Systemで精製して、目的化合物(32mg、33%収率)を収得した。
【0132】
<実施例10>(S)-N-(5-(シクロプロパンカルボキサミド)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミドの製造
【化24】
【0133】
段階1:(S)-N-(5-ブロモ-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミドの製造
5-ブロモ-2-メチルピリジン-3-アミン(6g)、ピリジン(1.39g、1eq)をACN(アセトニトリル)(70mL)に溶かした後、0℃でフェニルクロロホルメート(5.27g、1.05eq)を添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。その後、前記製造例1から得られた(S)-3-フェニルイソオキサゾリジン(5.03g、1.05eq)、TEA(3.57g、1.1eq)を添加した。常温で6時間撹拌後、MeOH(20mL)を添加して反応を終結した後、水(300mL*2)、塩水(300mL)、DCM(400mL*2)を利用して有機層を抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後に減圧濃縮し、中圧液体クロマトグラフィー(EA/Hex)を用いて精製して、目的化合物(10.9g、94%収率)を収得した。
【0134】
MS(m/z):362.0[M+H]+
【0135】
段階2:(S)-(6-メチル-5-(3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド)ピリジン-3-イル)ボロニック酸の製造
前記実施例10の段階1から得られた(S)-N-(5-ブロモ-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド(1g)とビス(ピナコラト)ジボロン(0.84g、1.2eq)、トリメチル酢酸カリウム(0.78g、2eq)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(0.2g、0.1eq)を2-メチル-テトラヒドロフラン(2-Methyltetrahydrofuran、2-MeTHF)(15mL)に溶かした後、90℃で2時間撹拌した。反応混合物を珪藻土濾過した後に減圧濃縮して精製なしに次の反応に用いた。
【0136】
MS(m/z):328.1[M+H]+
【0137】
段階3:(S)-N-(5-(2-(シクロプロパンカルボキサミド)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)-3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミドの製造
N-(6-ヨードイミダゾ[1,2-b]ピリジン-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド(25mg)、前記実施例10の段階2から得られた(S)-(6-メチル-5-(3-フェニルイソオキサゾリジン-2-カルボキサミド)ピリジン-3-イル)ボロニック酸(75mg、3eq)、炭酸ナトリウム(16mg、2eq)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9mg、0.1eq)を1,4-ジオキサン(0.3mL)、水(0.1mL)に溶かした後、90℃で2時間撹拌した。反応混合物を珪藻土でフィルターした後に減圧濃縮した。Prep-150 LC Systemで精製して、目的化合物(10mg、26%収率)を収得した。
【0138】
前記製造例1~33を用いて前記実施例1、10と類似した方法で実施例1~158を製造し、実施例1~158の化合物名、化学構造式、NMR及びLC-MS分析結果を下記表2に整理して示した。
【0139】
【表2(1)】
【表2(2)】
【表2(3)】
【表2(4)】
【表2(5)】
【表2(6)】
【表2(7)】
【表2(8)】
【表2(9)】
【表2(10)】
【表2(11)】
【表2(12)】
【表2(13)】
【表2(14)】
【表2(15)】
【表2(16)】
【表2(17)】
【表2(18)】
【表2(19)】
【表2(20)】
【表2(21)】
【表2(22)】
【表2(23)】
【表2(24)】
【0140】
<実験例1>本発明による化合物のRIPK1阻害活性の評価
本発明による化合物のRIPK1阻害活性を評価するために下記のような実験を行った。具体的に、本発明の実施例の化合物のうち、選別された実施例3、30に対して、DiscoverX社に依頼して酵素(kinase)選択性を測定することにし、scanMAXTM Kinase分析用パネルを用いて実験を進行した。このとき、酵素に処理される薬物の濃度は、DMSOに1μMとし、下記式1のような方法で調節百分率(% control)を定め、その結果を下記表3に示した。
【0141】
[式1]
(実施例の化合物-陽性対照群)/(陰性対照群-陽性対照群)×100
【0142】
ここで、前記陽性対照群は、0%の調節百分率を示す化合物を言い、陰性対照群は、DMSOで100%の調節百分率を示す。また、本発明の酵素選択性は、酵素に対して調節百分率が<35%(すなわち、35%未満)であれば、該当酵素に対して活性を有するものと判断した。
【0143】
【0144】
前記表3から確認できるように、本発明による実施例の化合物は、RIPK1に対して調節百分率35%より小さい値を有するので、RIPK1に対して活性を有することが分かる。これは、本発明による実施例の化合物をRIPK1関連疾患に使用する場合、有用な効果があることを暗示するものであり、したがって、RIPK1関連疾患の治療又は予防用組成物として有用に使用できる。
【0145】
<実験例2>本発明による化合物のHT-29細胞でネクロトーシス(Necroptosis)誘導条件での細胞壊死抑制活性の評価
本発明に対する化合物の細胞壊死抑制活性を評価するために、次のような実験を行った。
【0146】
TNF-αによる細胞死滅誘導条件で細胞壊死抑制効能を評価するために、HT-29細胞株(大韓民国細胞株銀行#30038)を10% fetal bovine serum(FBS)と1% penicillin/streptomycinが含有されたRPMI-1640(HyClone #SH3027.01)培地で培養しながら細胞生存率の分析を行った。より詳細に、試験実行時に細胞株を96-ウェル平底プレート(corning #3903)にそれぞれ10,000細胞/ウェルの濃度で分株した後、37℃、5% CO2条件で24時間培養した。各ウェルにTNF-αを100ng/mL、pan-Caspase inhibitor(Z-VAD-FMK、selleckchem #S8102)25μM、Smac mimetic LCL161(selleckchem #S7009)10μMの濃度となるように処理して10分間反応させた。実施例の化合物は、それぞれ0.1μM又は1μMを最高濃度で3倍濃度勾配を与えて11個濃度別に処理し、毎対照群としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)を化合物処理時と同一の0.05%(v/v)の濃度で処理した。化合物処理が終わった細胞は、24時間の間培養した。細胞の生存程度を確認するために、前記各培養された細胞の培地にCell Titer-Glo(Promega #G7573)100μlを添加して10分間追加で培養した後、マイクロプレートリーダーを利用してluminescenceを測定した。化合物を処理しない対照群細胞の蛍光度を基準として各化合物の処理濃度による細胞壊死抑制活性程度を算出し、このとき、細胞壊死抑制活性が50%である濃度をEC50(nM)値で決定し、プリズム(バージョン8.4.3 #GraphPad)ソフトウェアを利用して求めた。その結果を表4に整理して示した。
【0147】
【国際調査報告】