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特表2024-539217フェノール系フレグランス化合物の前駆体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】フェノール系フレグランス化合物の前駆体
(51)【国際特許分類】
   C07C 45/61 20060101AFI20241018BHJP
   C07C 47/575 20060101ALI20241018BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
C07C45/61
C07C47/575
C11B9/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523881
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2022079165
(87)【国際公開番号】W WO2023083576
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/125195
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,リジュン
(72)【発明者】
【氏名】コチート アルマニノ,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】チャイ,アン
(72)【発明者】
【氏名】フラクスマン,フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】リニガー,マルク
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA02
4H006AB14
4H006AC41
4H006AC45
(57)【要約】
式(I):
で表される化合物が提供され、これはフェノール系フレグランス化合物HXのホモアリル性エーテルであり、前記フェノール系フレグランス化合物HXを放出することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II):
【化1】
で表される化合物であるフェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての式(I):
【化2】
で表される化合物の使用であって、
式中、
~Rは、H、またはO、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持ち、および1個までの二重結合または三重結合を持ち、および1個までの環を持つ、線状または分枝状のC1~C4炭化水素基からなる群から独立して選択される;または
およびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、またはRおよびRは、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成するが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R~Rのすべての炭素原子の合計は4個までに制限される;
または、Rは、-CR’R’-CR’R’-X’であり、ここで、R’、R’、R’、R’およびX’は、R、R、R、RおよびXの対応する基から選択され得るが、他の置換基は、先に定義したのと同じ意味を有し、およびR~RおよびR’~R’のすべての炭素原子の合計は4個までに制限され;
およびここで、Xは以下のフラグメントを表す、
【化3】
式中、
11~R15は、H、線状または分枝状のC1~C5アルキル、線状または分枝状のC2~C5アルケニル、線状または分枝状のC2~C5アルキニル、OH、C1~C4-アルコキシ、CHO、C(O)Me、C(O)Et、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘキサノイル、(CHC(O)CH、(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH-O-Me、CH-O-Et、CH-O-iPr、CH-OH、Cl、Br、フェニル、CH(OR16)(OR17)(ここで、R16およびR17は、C1~C5アルキルからなる群から独立して選択されるか、またはR16およびR17は、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、5員または6員の環を形成する)、C=N-OR18(R18=C1~C5アルキル)、CO19(ここで、R19は、線状または分枝状のC1~C8アルキル、線状または分枝状のC2~C8アルケニル、線状または分枝状のC2~C8アルキニル、シクロアルキル、およびアリールからなる群から選択される)からなる群から独立して選択され;
または、R11およびR12、またはR12およびR13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員の環を形成してもよい、
前記使用。
【請求項2】
請求項1に記載の使用であって、ここで、
~Rは、H、Me、Et、ビニル、エチニル、アリル、イソ-Pr、n-Pr、プロペニル、プロピニル、2-メチルプロパ-1-エニル、メチルカルボキシレート、エチルカルボキシレート、アセチルからなる群から独立して選択され;
~Rは、H、Me、Et、イソ-Pr、n-Pr、イソ-Bu、n-Bu、tert-Bu、sec-Buからなる群から独立して選択され;および
~Rは、H、Me、Et;イソ-Pr、n-Pr、イソ-Bu、n-Bu、tert-Bu、sec-Bu、プロペニル、プロピニル、メトキシメチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、メチルカルボキシレート、エチルカルボキシレート、カルバルデヒド、ヒドロキシメチル、1,3-ブタジエニル、2-メチルアリル、ビニル、エチニル、アセチルからなる群から独立して選択される;
または、
およびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、またはRおよびRは、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成するが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R~Rのすべての炭素原子の合計は4個までに制限され;
または、Rは、-CR’R’-CR’R’-X’であり、ここで、R’、R’、R’、R’およびX’は、R、R、R、RおよびXの対応する基から選択され得て、R~RおよびR’~R’のすべての炭素原子の合計は4個までに制限される;
およびここで、
11は、H、C1~C5アルキル、OH、OMe、OEt、O-n-Pr、O-イソ-Pr、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘキサノイル、Cl、Br、フェニル、CO19からなる群から選択され、ここでR19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘクサ-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
12は、H、OH、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C1-C5アルコキシからなる群から選択され;
13は、H、分枝状または線状のC1~C5アルキル、分枝状または線状のC2~C5アルケニル、CHO、COH、COMe、COEt、C(O)Me、C(O)Et、(CHC(O)CH;(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH-O-Me、CH-O-Et、CH-O-iPr、CH-OH、Cl、プロパノイル、CO19からなる群から選択され、ここでR19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘクサ-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
14は、H、OH、C1~C5アルキル、C2~C5アルケニル、C1~C5アルコキシからなる群から選択され;
15は、H、C1~C5アルキル、Brからなる群から選択され、
あるいは、R11とR12、またはR12とR13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員環を形成してもよい、
前記使用。
【請求項3】
式(I):
【化4】
式中、
~Rは、H、またはO、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持ち、1個までの二重結合または三重結合を持ち、1個までの環を持つ、線状または分枝状のC1~C4炭化水素基からなる群から独立して選択され;または
およびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、またはRおよびRは、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成するが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R~Rのすべての炭素原子の合計は4個までに制限され;
または、Rは、-CR’R’-CR’R’-X’であり、ここで、R’、R’、R’、R’およびX’は、R、R、R、RおよびXの対応する基から選択され得るが、他の置換基は、先に定義したのと同じ意味を有し、およびR~RおよびR’~R’のすべての炭素原子の合計は4個までに制限され;
およびここで、Xは以下のフラグメントを表す:
【化5】
式中、
11~R15は、H、線状または分枝状のC1~C5アルキル、線状または分枝状のC2~C5アルケニル、線状または分枝状のC2~C5アルキニル、OH、C1~C4-アルコキシ、CHO、C(O)Me、C(O)Et、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘキサノイル、(CHC(O)CH、(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH-O-Me、CH-O-Et、CH-O-iPr、CH-OH、Cl、Br、フェニル、CH(OR16)(OR17)(ここで、R16およびR17は、C1~C5アルキルからなる群から独立して選択されるか、またはR16およびR17は、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、5員または6員の環を形成する)、C=N-OR18(R18=C1~C5アルキル)、CO19(ここで、R19は、線状または分枝状のC1~C8アルキル、線状または分枝状のC2~C8アルケニル、線状または分枝状のC2~C8アルキニル、シクロアルキル、およびアリールからなる群から選択される)からなる群から独立して選択され;
または、R11およびR12、またはR12およびR13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員の環を形成してもよい;
で表される化合物、
ただし、前記化合物は、(Z)-1-(tert-ブチル)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゼン、(Z)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-4-メチルベンゼン、(Z)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-3-メチルベンゼン、(Z)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-メチルベンゼン、または(Z)-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゼンではない。
【請求項4】
~Rは、H、Me、Et、ビニル、エチニル、アリル、イソ-Pr、n-Pr、プロペニル、プロピニル、2-メチルプロパ-1-エニル、メチルカルボキシレート、エチルカルボキシレート、アセチルからなる群から独立して選択され;
~Rは、H、Me、Et、イソ-Pr、n-Pr、イソ-Bu、n-Bu、tert-Bu、sec-Buからなる群から独立して選択され;および
~Rは、H、Me、Et;イソ-Pr、n-Pr、イソ-Bu、n-Bu、tert-Bu、sec-Bu、プロペニル、プロピニル、メトキシメチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、メチルカルボキシレート、エチルカルボキシレート、カルバルデヒド、ヒドロキシメチル、1,3-ブタジエニル、2-メチルアリル、ビニル、エチニル、アセチルからなる群から独立して選択されるか;
または、
およびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、またはRおよびRは、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成するが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R~Rのすべての炭素原子の合計は4個までに制限され;
または、Rは、-CR’R’-CR’R’-X’であり、ここで、R’、R’、R’、R’およびX’は、R、R、R、RおよびXの対応する基から選択され得て、R~RおよびR’~R’のすべての炭素原子の合計は4個までに制限され;
およびここで、
11は、H、C1~C5アルキル、OH、OMe、OEt、O-n-Pr、O-イソ-Pr、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘキサノイル、Cl、Br、フェニル、CO19からなる群から選択され、ここでR19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘクサ-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
12は、H、OH、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C1-C5アルコキシからなる群から選択され;
13は、H、分枝状または線状のC1~C5アルキル、分枝状または線状のC2~C5アルケニル、CHO、COH、COMe、COEt、C(O)Me、C(O)Et、(CHC(O)CH;(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH-O-Me、CH-O-Et、CH-O-iPr、CH-OH、Cl、プロパノイル、CO19からなる群から選択され、ここでR19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘクサ-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
14は、H、OH、C1~C5アルキル、C2~C5アルケニル、C1~C5アルコキシからなる群から選択され;
15は、H、C1~C5アルキル、Brからなる群から選択され、
または、R11とR12、またはR12とR13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員環を形成してもよい、
請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
フラグメントXへ結び付けられた残基が、シス-3ヘキセニル、トランス-3-ヘキセニル、シスまたはトランス-ペンテニル、プレニル(3-メチル-3-ブチル)、およびシクロペント-3-エニルからなる群から選択される、請求項3に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項6】
請求項3に記載の式(I)で表される少なくとも1種の化合物を含む、フレグランス組成物。
【請求項7】
請求項3に記載の式(I)で表される少なくとも1種の化合物、および消費者向け製品基材を含む消費者向け製品。
【請求項8】
請求項1において定義された式(I)で表される化合物を、光の存在下または非存在下で環境大気へ曝露する、式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物を放出する方法。
【請求項9】
請求項1に記載の式(I)で表される化合物の製造方法であって、以下:
a)フェノール系フレグランス化合物HXを提供するステップ、
b)それを不飽和アルキルハライドまたは不飽和アルコールと反応させるステップ、
を含む、
前記方法。
【請求項10】
フレグランス組成物または消費者向け製品の快楽的特性を、付与、増強、改善または改変する方法であって、該方法が前記組成物または消費者向け製品を、請求項1において定義される式(I)で表される少なくとも1つの化合物に加えることを含む、
前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は一般に、フェノール系フレグランス化合物を放出することができる、フレグランス前駆体に関する。本発明はまた、前記前駆体を含有する香料調剤および消費者向け製品に関する。本発明はさらに、前記香料前駆体、香水調剤、および消費者向け製品の製造方法、ならびにパーソナルケアおよび家庭用ケア製品などの消費者向け製品における前記香料前駆体および香料調剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
フレグランスを含む洗浄用または洗濯用製品などの香料付き消費者向け製品は、当技術分野においてよく知られている。しかしながら、アルカリ性、酸性、次亜塩素酸塩などの酸化剤の存在、または他の塩基成分がフレグランスの化学的劣化へと導くこともある、特定の消費者向け製品基材に組み込まれるときに、フレグランスが変化することもあることが知られている。加えて、揮発性のフレグランスは時間とともに消散する傾向がある。さらにまた、洗浄用または洗濯用製品中に使用される場合、処置される基材に対するフレグランスの沈着は、洗浄および/または水洗の操作によって減退する。
【0003】
加えて、バニリンまたはエチルバニリンのようなフェノール系フレグランス化合物の場合、洗浄剤基材のような媒体において変色の問題が起こり得る。さらにまた、フェノール系フレグランス化合物は、その水溶性が比較的高いため、水洗用途においては低い持続性を示す。
【0004】
それでもなお、経時的に保存され得て、かつ変色することなく一定の香料の印象を依然として与える製品を有することが消費者によって望まれている。とりわけ、揮発性成分の効果が保持されることが。さらにまた、かかる製品が、処置された基材から経時的にゆっくり放射する、長時間持続する心地よいフレグランスを創造することが望まれる。
【0005】
これらのニーズに対応するため、フレグランス前駆体が使用され得て、それは、それ自体は通常無臭だが、特定の状況においては、分解してフレグランス分子を放出する物質である。
【0006】
加水分解、温度変化、酸素、光の作用、および酵素などの活性化でフレグランス分子を放出する既知の前駆体には、いくつかの部類がある。例えば、WO2012085287は、自然な空気酸化によってフレグランスを放出することができる前駆体の一群を報告している。WO2007143873においては、加水分解によって切断され得る前駆体の別の群が記載されている。
【0007】
すべての前駆体は異なる安定性を示し、異なる状況下でフレグランス分子を放出する。したがって、変色を避けながら、フェノール系フレグランス化合物を有意な持続性をもって放出することが可能な、新規または改良されたシステムを提供することが望まれる。
【発明の概要】
【0008】
概要
本発明の第1の側面に従って、フェノール系フレグランス化合物を放出することが可能であるフレグランス前駆体としての化合物の使用が提供される。
本発明の第2の側面に従って、フレグランス前駆体としての化合物が提供される。
【0009】
本発明の第3の側面に従って、前記フレグランス前駆体を含む、フレグランス組成物および消費者向け製品が提供される。
本発明の第4の側面に従って、フェノール系フレグランス化合物を放出する方法が提供される。
【0010】
本発明の第5の側面に従って、前記フレグランス前駆体、前記フレグランス前駆体を含むフレグランス組成物および消費者向け製品の作成方法が提供される。
【0011】
本発明の第6の側面に従って、前記フレグランス前駆体を使用することによって、フレグランス組成物または消費者向け製品の快楽的特性を、付与、増強、改善または改変する方法が提供される。
【0012】
本発明の任意の側面の特定の態様は、以下の利点の1つ以上を提供し得る:
●フェノール系フレグランス化合物の放出、
●消費者向け製品中のフェノール系フレグランス化合物のにおいの効率的な伝達、
●消費者向け製品基材中の、ならびに基質へ沈着後の、フレグランス前駆体の安定性、
●遊離フェノールを使用した調和物と比較して、変色の影響の回避、または大幅な低減。
【0013】
本発明の任意の具体的な1つ以上の規定された側面に関して提供される詳細、例、および選好は、本明細書にさらに記載され、本発明のすべての側面に等しく適用される。本明細書に記載の態様、例、および選好のいずれの組み合わせも、それらのすべての可能なバリエーションにおいて、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明確に矛盾しない限り、本発明によって網羅される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細説明
本発明は、フェノール系フレグランス化合物のホモアリルエーテルが、前記フェノール系フレグランス化合物を放出することができるフレグランス前駆体として役立ち得るという驚くべき発見に基づくものである。これらのフレグランス前駆体は、遊離フェノール系フレグランス化合物を使用したときに通常生じる変色の問題を避けながら、フェノール系フレグランス化合物のより高い持続性を提供する。
【0015】
したがって、本明細書では、式(II):
【化1】
で表される化合物であるフェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての式(I):
【化2】
で表される化合物の使用であって、
式中、
~Rは、H、またはO、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持ち、および1個までの二重結合または三重結合を持ち、および1個までの環を持つ、線状または分枝状のC1~C4炭化水素基からなる群から独立して選択される、または、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、またはRおよびRは、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成するが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R~Rのすべての炭素原子の合計は4個までに制限され;
または、Rは、-CR’R’-CR’R’-X’であり、ここで、R’、R’、R’、R’およびX’は、R、R、R、RおよびXの対応する基から選択され得るが、他の置換基は、先に定義したのと同じ意味を有し、かつR~RおよびR’~R’のすべての炭素原子の合計は4個までに制限され;
およびここで、Xは以下のフラグメントを表す:
【化3】
式中、
11~R15は、H、線状または分枝状のC1~C5アルキル、線状または分枝状のC2~C5アルケニル、線状または分枝状のC2~C5アルキニル、OH、C1~C4-アルコキシ、CHO、C(O)Me、C(O)Et、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘキサノイル、(CHC(O)CH、(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH-O-Me、CH-O-Et、CH-O-iPr、CH-OH、Cl、Br、フェニル、CH(OR16)(OR17)(ここで、R16およびR17は、C1~C5アルキルからなる群から独立して選択されるか、またはR16およびR17は、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、5員または6員の環を形成する)、C=N-OR18(ここで、R18はC1~C5アルキルである)、CO19(ここで、R19は、線状または分枝状のC1~C8アルキル、線状または分枝状のC2~C8アルケニル、線状または分枝状のC2~C8アルキニル、シクロアルキル、およびアリールからなる群から選択される)からなる群から独立して選択され;
または、R11およびR12、またはR12およびR13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員の環を形成してもよい、
前記使用を提供する。
【0016】
例えば、式(II):
【化4】
の化合物であるフェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての式(I):
【化5】
で表される化合物の使用であって、
式中、
~Rは、H、Me、Et、ビニル、エチニル、アリル、イソ-Pr、n-Pr、プロペニル、プロピニル、2-メチルプロパ-1-エニル、メチルカルボキシレート、エチルカルボキシレート、アセチルからなる群から独立して選択され、
~Rは、H、Me、Et、イソ-Pr、n-Pr、イソ-Bu、n-Bu、tert-Bu、sec-Buからなる群から独立して選択され;および
~Rは、H、Me、Et;イソ-Pr、n-Pr、イソ-Bu、n-Bu、tert-Bu、sec-Bu、プロペニル、プロピニル、メトキシメチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、メチルカルボキシレート、エチルカルボキシレート、カルバルデヒド、ヒドロキシメチル、1,3-ブタジエニル、2-メチルアリル、ビニル、エチニル、アセチルからなる群から独立して選択されるか;または
およびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、またはRおよびRは、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成するが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R~Rのすべての炭素原子の合計は4個までに制限され;
または、Rは、-CR’R’-CR’R’-X’であり、ここで、R’、R’、R’、R’およびX’は、R、R、R、RおよびXの対応する基から選択され得て、R~RおよびR’~R’のすべての炭素原子の合計は4個までに制限され;
およびここで、Xは以下のフラグメントを表す、
【化6】
式中、
11は、H、C1~C5アルキル、OH、OMe、OEt、O-n-Pr、O-イソ-Pr、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘキサノイル、Cl、Br、フェニル、CO19からなる群から選択され、ここでR19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘキシル-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
12は、H、OH、C1~C5アルキル、C2~C5アルケニル、C1~C5アルコキシからなる群から選択され;
13は、H、分枝状または線状のC1~C5アルキル、分枝状または線状のC2~C5アルケニル、CHO、COH、COMe、COEt、C(O)Me、C(O)Et、(CHC(O)CH;(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH-O-Me、CH-O-Et、CH-O-iPr、CH-OH、Cl、プロパノイル、CO19からなる群から選択され、ここでR19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘクセ-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
14は、H、OH、C1~C5アルキル、C2~C5アルケニル、C1~C5アルコキシからなる群から選択され;
15は、H、C1~C5アルキル、Brからなる群から選択され、
または、R11およびR12、またはR12およびR13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員の環を形成してもよい、
前記使用を提供する。
【0017】
さらに特定されない場合、式(I)で表される化合物中のCC二重結合は、E-またはZ-立体配置のいずれかを有するか、または化合物は、EおよびZ異性体の混合物である。
【0018】
式(I)で表される化合物は、1つ以上の立体中心を有し、その結果、異なる立体異性体(例として、ジアステレオマーまたはエナンチオマー)として存在し得て、これらはすべて本発明によって網羅される。式(I)で表されるキラル化合物は、鏡像異性的に純粋で、富化された、またはラセミであり得る。1つ以上の立体中心が存在する場合、化合物はジアステレオマーの混合物、ジアステレオマー的に富化された物、または純粋なジアステレオマーのいずれかである。
【0019】
アリルエーテルおよび飽和側鎖を持つエーテルは有意に劣った性能を伝えるので、ホモアリルエーテル(式(I)で表される化合物)の前駆体効果は驚くべきものである。
【0020】
式(I)で表される化合物は、典型的には、調製したばかりのときは弱いにおいを有し、ホモアリルエーテル前駆体によって生成される支配的なにおいの化合物である式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXを放出することができる。典型的には、式(I)で表される化合物の残りの部分は、総体的なにおいに全く寄与しないか、またはその寄与が比較的小さいので、式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXの主なにおいの特徴が知覚され、においの側面のみが変化する。
【0021】
しかしながら、本発明のいくつかの態様においては、式(I)で表される化合物は、固有のにおいを有することもある。
【0022】
フェノール系フレグランス化合物HXそれ自体の代わりに、式(I)で表される化合物を使用することによって、消費者向け製品および/または消費者向け製品が適用される表面における変色問題を回避しつつ、フェノール系フレグランス化合物HXのにおいを提供することが可能である。
【0023】
加えて、フェノール系フレグランス化合物HXそれ自体の代わりに、式(I)で表される化合物を使用することによって、前駆体が表面に残留し、そこにフェノール系フレグランス化合物HXが放出されるまでその前駆体が沈着するので、フェノール系フレグランス化合物HXのにおいを増強された強度をもって提供することが可能である。対照的に、フェノール系フレグランス化合物HXは、化合物の高い水可溶性に起因して、例えば洗い落とし用途においては洗い流されてしまう。
【0024】
いくつかのホモアリルエーテルが、文献中に報告されている。例えば、JPS5412309Aは、フレグランス化合物として、具体的なクレゾールのシス-ヘキセニルエーテルを報告している。しかしながら、フェノール系フレグランス化合物HXを生成することができるフレグランス前駆体としてのそれらの使用は開示されていない。
【0025】
例えば、C1~C5アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、tert-ペンチル、neo-ペンチル、1-メチルブチル、1-エチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、および2-メチルブチルからなる群から選択され得る。
【0026】
例えば、C2~C5アルケニルは、ビニル、C3アルケニル(アリル、プロパ-1-エン-2-イル、プロパ-1-エン-1-イル、プロパ-2-エン-2-イルのような)、C4アルケニル(ブタ-1-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-3-エン-1-イル、ブタ-2-エン-2-イル、2-メチルプロパ-1-エン-1-イル、2-メチルアリル、ブタ-3-エン-2-イル、ブタ-1-エン-2-イル等のような)、C5アルケニル(ペンタ-1-エン-1-イル、ペンタ-2-エン-1-イル、ペンタ-3-エン-1-イル、ペンタ-4-エン-1-イル、ペンタ-2-エン-2-イル、ペンタ-3-エン-2-イル、ペンタ-4-エン-2-イル、3-メチルブタ-1-エン-2-イル等のような)から選択され得る。
【0027】
本発明の一側面に従って、上に定義されるとおりのR~Rを持ち、かつここでフラグメントXがo-、m-、またはp-クレゾールではなく、置換基R11~R15の1つがMeであり、他の置換基がHである、フェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供される。
【0028】
本発明の別の側面に従って、上に定義されるとおりのR~Rを持ち、かつここでフラグメントXがモノアルキル化されておらず、置換基R11~R15の1つがC1~C5アルキルであり、他の置換基がHである、フェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供される。
【0029】
例えば、フラグメントXへ結び付けられた残基が、シス-3-ヘキセニル、トランス-3-ヘキセニル、シス-またはトランス-ペンテニル、プレニル(3-メチル-2-ブテニル)、およびシクロペンタ-3-エニルからなる群から選択される、フェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供される。
【0030】
さらに、フラグメントXへ結び付けられた残基が、4-ヘプテニル、3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、3-オクテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-ヘプテニル、1,6-ヘプタジエニル、6-メチル-1,5-ヘプタジエニル、5-ヘキセニル、1,5-ヘプタジエニル、2-メチル-4-ペンテニル、6-メチル-3-ヘプテニル、5-メチル-3-ヘキセニル)、3-ペンテニル、4-メチル-3-ヘキセニル、4-メチル-3-ヘプテニル、4-メチル-3,6-ヘプタジエニル、4-メチル-3,5-ヘプタジエニルからなる群から選択される、フェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供される。残基中の二重結合が末端位置にない、または対称的に置換されていない場合、その二重結合はシスまたはトランス立体配置のいずれかを有し得るか、あるいは残基はシス異性体とトランス異性体との混合物である。
【0031】
本発明の別の側面に従って、式(I)で表される化合物から放出され得る式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供され、ここで、フラグメントXは、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、エチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)、オイゲノール(4-アリル-2-メトキシフェノール)、イソオイゲノール((E)-2-メトキシ-4-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール)、ラズベリーケトン(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン)、エバーニル(メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸)、シーモス(メチル2,4-ジヒドロキシ-3-メチル安息香酸)、クレゾール(2-メチルフェノール、3-メチルフェノール、または4-メチルフェノール)、4-エチルフェノール、3-プロピルフェノール、ウルトラバニル(2-エトキシ-4-メチルフェノール)、グアイアコール(2-メトキシフェノール)、ビニルグアイアコール(4-エテニル-2-メトキシフェノール)、メチルジアンチリス(2-エトキシ-4-(メトキシメチル)フェノール)、チモール(5-メチル-2-(プロパン-2-イル)フェノール)、オイゲホワイト(2-メトキシ-4-(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)フェノール)、ジンゲロン(4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)ブタン-2-オン)、カルマフロー((4Z)-ヘプト-4-エン-2-イル 2-ヒドロキシ安息香酸)、サフィアーノ(3-メチルベンゾフラン-5-オール)、カルバクロール(5-イソプロピル-2-メチルフェノール)、クレオゾール(2-メトキシ-4-メチルフェノール)、オルシニル3(3-メトキシ-5-メチルフェノール)、ヘキシルサリチラート(ヘキシル 2-ヒドロキシ安息香酸)、シクロヘキシルサリチラート(シクロヘキシル 2-ヒドロキシ安息香酸)、フェニルエチルサリチラート(フェネチル 2-ヒドロキシ安息香酸)、オクチルサリチラート(2-エチルヘキシル 2-ヒドロキシ安息香酸)、ヤスミネート(3-メチルヘキシル-2-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、エチルサリチラート(エチル2-ヒドロキシ安息香酸)、ヘキセニル-3-シス サリチラート((Z)-ヘクサ-3-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、イソブチルサリチラート(イソブチル 2-ヒドロキシ安息香酸)、メチルサリチラート(メチル 2-ヒドロキシ安息香酸)、バニトロップ(2-エトキシ-5-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール)、メチルペンチルサリチラート(ヘキサン-2-イル 2-ヒドロキシ安息香酸)、パラクレジルサリチラート(p-トリル 2-ヒドロキシ安息香酸)、プレニルサリチラート(3-メチルブタ-2-エン-1-イル 2-ヒドロキシ安息香酸)、アミルサリチラート(ペンチル 2-ヒドロキシ安息香酸)、ベンジルサリチラート(ベンジル 2-ヒドロキシ安息香酸)、サクラサリチラート(2-イソプロポキシエチル 2-ヒドロキシ安息香酸)、2-エトキシフェノール、1-(2-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルプロパン-1-オン、1-(2-ヒドロキシフェニル)ヘキサン-1-オン、および1-(2-ヒドロキシフェニル)ヘプタン-1-オンからなる群から選択されるフェノール系フレグランス化合物HXに由来する。
【0032】
本発明の一側面に従うと、式(I)で表される化合物から放出され得る式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体として式(I)で表される化合物の使用が提供され、ここで、フラグメントXは、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、エチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)、オイゲノール(4-アリル-2-メトキシフェノール)、イソオイゲノール((E)-2-メトキシ-4-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール)、ラズベリーケトン(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン)、エバーニル(メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸)、シーモス(メチル2,4-ジヒドロキシ-3-メチル安息香酸)、クレゾール(2-メチルフェノール、3-メチルフェノール、または4-メチルフェノール)、4-エチルフェノール、3-プロピルフェノール、ウルトラバニル(2-エトキシ-4-メチルフェノール)、グアイアコール(2-メトキシフェノール)、ビニルグアイアコール(4-エテニル-2-メトキシフェノール)、メチルジアンチリス(2-エトキシ-4-(メトキシメチル)フェノール)、チモール(5-メチル-2-(プロパン-2-イル)フェノール)、オイゲホワイト(2-メトキシ-4-(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)フェノール)、ジンゲロン(4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)ブタン-2-オン)、カルマフロー((4Z)-ヘプト-4-エン-2-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、サフィアーノ(3-メチルベンゾフラン-5-オール)、カルバクロール(5-イソプロピル-2-メチルフェノール)、クレオゾール(2-メトキシ-4-メチルフェノール)、オルシニル3(3-メトキシ-5-メチルフェノール)、ヘキシルサリチラート(ヘキシル2-ヒドロキシ安息香酸)、シクロヘキシルサリチラート(シクロヘキシル2-ヒドロキシ安息香酸)、フェニルエチルサリチラート(フェネチル2-ヒドロキシ安息香酸)、オクチルサリチラート(2-エチルヘキシル2-ヒドロキシ安息香酸)、ヤスミネート(3-メチルヘキシル-2-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、エチルサリチラート(エチル2-ヒドロキシ安息香酸)、ヘキセニル-3-シスサリチラート((Z)-ヘクサ-3-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、イソブチルサリチラート(イソブチル2-ヒドロキシ安息香酸)、メチルサリチラート(メチル2-ヒドロキシ安息香酸)、バニトロップ(2-エトキシ-5-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール)、メチルペンチルサリチラート(ヘキサン-2-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、パラクレジルサリチラート(p-トリル2-ヒドロキシ安息香酸)、プレニルサリチラート(3-メチルブタ-2-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、アミルサリチラート(ペンチル2-ヒドロキシ安息香酸)、ベンジルサリチラート(ベンジル2-ヒドロキシ安息香酸)、サクラサリチラート(2-イソプロポキシエチル2-ヒドロキシ安息香酸)、2-エトキシフェノール、1-(2-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルプロパン-1-オン、1-(2-ヒドロキシフェニル)ヘキサン-1-オン、および1-(2-ヒドロキシフェニル)ヘプタン-1-オンからなる群から選択されるフェノール系フレグランス化合物HXに由来し、かつここで、フラグメントXに結び付けられた残基は、シス-3-ヘキセニル、トランス-3-ヘキセニル、シスまたはトランス-ペンテニル、プレニル(4-メチル-3-ブチル)、およびシクロペント-3-エニルからなる群から選択される。
例えば、(Z)-3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド、(E)-3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド、(Z)-3-エトキシ-4-(ヘプト-4-エン-2-イルオキシ)ベンズアルデヒド、(Z)-4-(4-(ヘプト-4-エン-2-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(Z)-4-(4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(E)-4-(4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(Z)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド、メチル(Z)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、(Z)-4-アリル-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-メトキシベンゼン、(Z)-4-アリル-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-メトキシベンゼン、4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、4-アリル-1-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-2-メトキシベンゼン、メチル4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、3-エトキシ-4-((3-メチルブタ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-((3-メチルブタ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(Z)-3-エトキシ-4-(オクト-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-(ヘプト-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、4-(シクロペント-3-エン-1-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、4-(4-(ヘプト-1-エン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-(ヘプタ-1,6-ジエン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-(ヘプタ-1,6-ジエン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-((6-メチルヘプタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-(ヘクサ-5-エン-3-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4-(4-(ヘプタ-1,5-ジエン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4-(4-((6-メチルヘプタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-((2-メチルペント-4-エン-2-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、2-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-1-イソプロピル-4-メチルベンゼン、3-エトキシ-4-((6-メチルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(E)-3-エトキシ-4-((5-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(ペント-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(Z)-2-エトキシ-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-4-メチルベンゼン、(Z)-1-エトキシ-2-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-4-メチルベンゼン、4-(4-((4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-メトキシ-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-メトキシ-4-((4-メチルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(Z)-1-エトキシ-2-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゼン、3-エトキシ-4-((4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(Z)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-3-メトキシ-5-メチルベンゼン、1-エチル-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンゼン、1-メトキシ-3-メチル-5-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンゼン、1-メチル-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンゼン、1-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)-3-プロピルベンゼン、3-エトキシ-4-((4-メチルヘプタ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((4-メチルヘプタ-3,5-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、メチル5-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)ペント-2-エノエート、エチル2-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)ペント-4-エノエート、メチル2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)安息香酸、メチル2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル-4-(ペント-3-エン-1-イルオキシ)安息香酸からなる群から選択される前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供される。
【0033】
さらにまた、メチル(Z)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、メチル(E)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、(E)-1-(シクロペント-3-エン-1-イルオキシ)-2-メトキシ-4-(プロプ-1-エン-1-イル)ベンゼン、メチル4-(シクロペント-3-エン-1-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、メチル4-(ヘプト-1-エン-4-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、(E)-4-((2,2-ジメチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、メチル4-(ヘプタ-1,6-ジエン-4-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、(E)-3-エトキシ-4-(ヘプタ-1,5-ジエン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(ヘクサ-5-エン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド、メチル 4-(ヘクサ-5-エン-3-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、メチル 2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル-4-((6-メチルヘプタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)安息香酸、メチル(E)-4-(ヘプタ-1,5-ジエン-4-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、1-(シクロヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-エトキシ-4-メチルベンゼン、4-(シクロヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、(E)-4-(4-((4-メチルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(E)-3-エトキシ-4-((4-メチルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(E)-4-(4-(ペント-3-エン-1-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(E)-3-メトキシ-4-(ペント-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド、(E)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-3-メトキシベンズアルデヒドからなる群から選択される前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供される。
【0034】
さらにまた、前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供され、ここで前駆体は、式(III):
【化7】
式中、
~Rは、H、またはO、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持ち、および1個までの二重結合または三重結合を持ち、1個までの環を持つ、および線状または分枝状のC1~C4炭化水素基からなる群から独立して選択され;および
Xは、式(I)で表される化合物について上に定義されたフラグメントを表し、
波状の結合は、隣接する二重結合の不特定な立体配置を示し、
およびここで、R’、R’、R’、R’、およびX’は、それぞれ、R、R、R、R、およびXの対応する基から選択され得て、
および、R~RおよびR’~R’のすべての炭素原子の合計は4個までに制限される、
である、
で表される化合物によって表される。
【0035】
例えば、前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供され、ここで前駆体は、式(III):
【化8】
式中、
~Rは、H、Me、Et、ビニル、エチニル、アリル、イソ-Pr、n-Pr、プロペニル、プロピニル、2-メチルプロプ-1-エニル、メチルカルボキシレート、エチルカルボキシレート、アセチルからなる群から独立して選択され、
~Rは、H、Me、Et、イソ-Pr、n-Pr、イソ-Bu、n-Bu、tert-Bu、sec-Buからなる群から独立して選択され;および
は、H、Me、Et;イソ-Pr、n-Pr、イソ-Bu、n-Bu、tert-Bu、sec-Bu、プロペニル、プロピニル、メトキシメチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、メチルカルボキシレート、エチルカルボキシレート、カルバルデヒド、ヒドロキシメチル、1,3-ブタジエニル、2-メチルアリル、ビニル、エチニル、アセチルからなる群から選択され;
Xは、式(I)で表される化合物について上に定義されたフラグメントを表し、
波状の結合は、隣接する二重結合の不特定な立体配置を示し、
かつここで、R’、R’、R’、R’、およびX’は、それぞれ、R、R、R、R、およびXの対応する基から選択され得て、
および、R~RおよびR’~R’のすべての炭素原子の合計は4個までに制限される、
で表される化合物によって表される。
【0036】
式(III)で表される化合物は、2種のフェノール系フレグランス化合物HXおよびHX’を放出することができ、これらは同じであり得、または異なり得る。
特定のクレゾールのいくつかのシス-ヘキセニルエーテルが、JPS5412309Aにおいて報告されているが、式(I)で表される化合物のほとんどは新規である。
【0037】
そこで、さらなる態様において、式(I):
【化9】
式中、
~Rは、H、またはO、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持ち、および1個までの二重結合または三重結合を持ち、1個までの環を持つ、および線状または分枝状のC1~C4炭化水素基からなる群から独立して選択されるか;または
およびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、またはRおよびRは、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成するが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R~Rのすべての炭素原子の合計は4個までに制限される;
または、Rは、-CR’R’-CR’R’-X’であり、ここで、R’、R’、R’、R’およびX’は、R、R、R、RおよびXの対応する基から選択され得るが、他の置換基は、先に定義したのと同じ意味を有し、かつR~RおよびR’~R’のすべての炭素原子の合計は4個までに制限される;
およびここで、Xは以下:
【化10】
式中、
11~R15は、H、線状または分枝状のC1~C5アルキル、線状または分枝状のC2~C5アルケニル、線状または分枝状のC2~C5アルキニル、OH、C1~C4-アルコキシ、CHO、C(O)Me、C(O)Et、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘキサノイル、(CHC(O)CH、(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH-O-Me、CH-O-Et、CH-O-iPr、CH-OH、Cl、Br、フェニル、CH(OR16)(OR17)、(ここで、R16およびR17は、C1~C5アルキルからなる群から独立して選択されるか、またはR16およびR17は、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、5員もしくは6員の環を形成する)、C=N-OR18(R18=C1~C5アルキル)、CO19(ここで、R19は、線状または分枝状のC1~C8アルキル、線状または分枝状のC2~C8アルケニル、線状または分枝状のC2~C8アルキニル、シクロアルキル、およびアリールからなる群から選択される)からなる群から独立して選択され、
または、R11およびR12、またはR12およびR13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員の環を形成してもよい;
で表される化合物、
ただし、化合物は、(Z)-1-(tert-ブチル)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゼン、(Z)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-4-メチルベンゼン、(Z)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-3-メチルベンゼン、(Z)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-メチルベンゼン、または(Z)-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゼンではない、
前記化合物が提供される。
【0038】
例えば、式(I):
【化11】
式中、
~Rは、H、Me、Et、ビニル、エチニル、アリル、イソ-Pr、n-Pr、プロペニル、プロピニル、2-メチルプロプ-1-エニル、メチルカルボキシレート、エチルカルボキシレート、アセチルからなる群から独立して選択され、
~Rは、H、Me、Et、イソ-Pr、n-Pr、イソ-Bu、n-Bu、tert-Bu、sec-Buからなる群から独立して選択され;および
~Rは、H、Me、Et;イソ-Pr、n-Pr、イソ-Bu、n-Bu、tert-Bu、sec-Bu、プロペニル、プロピニル、メトキシメチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、メチルカルボキシレート、エチルカルボキシレート、カルバルデヒド、ヒドロキシメチル、1,3-ブタジエニル、2-メチルアリル、ビニル、エチニル、アセチルからなる群から独立して選択されるか;または
およびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、またはRおよびRは、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成するが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R~Rのすべての炭素原子の合計は4個までに制限され;
または、Rは、-CR’R’-CR’R’-X’であり、ここで、R’、R’、R’、R’およびX’は、R、R、R、RおよびXの対応する基から選択され得て、R~RおよびR’~R’のすべての炭素原子の合計は4個までに制限され;
およびここで、Xは以下のフラグメントを表す、
【化12】
式中、
11は、H、C1~C5アルキル、OH、OMe、OEt、O-n-Pr、O-イソ-Pr、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘキサノイル、Cl、Br、フェニル、CO19からなる群から選択され、ここでR19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘキシル-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
12は、H、OH、C1~C5アルキル、C2~C5アルケニル、C1~C5アルコキシからなる群から選択され;
13は、H、分枝状または線状のC1~C5アルキル、分枝状または線状のC2~C5アルケニル、CHO、COH、COMe、COEt、C(O)Me、C(O)Et、(CHC(O)CH;(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH-O-Me、CH-O-Et、CH-O-iPr、CH-OH、Cl、プロパノイル、CO19からなる群から選択され、ここでR19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘクセ-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
14は、H、OH、C1~C5アルキル、C2~C5アルケニル、C1~C5アルコキシからなる群から選択され;
15は、H、C1~C5アルキル、Brからなる群から選択され、
または、R11およびR12、またはR12およびR13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員の環を形成してもよい;
である、で表される化合物、
ただし、化合物は、(Z)-1-(tert-ブチル)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゼン、(Z)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-4-メチルベンゼン、(Z)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-3-メチルベンゼン、(Z)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-メチルベンゼン、または(Z)-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゼンではない、
前記化合物が提供される。
【0039】
例えば、式(I)で表される化合物は、(Z)-3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド、(E)-3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド、(Z)-3-エトキシ-4-(ヘプト-4-エン-2-イルオキシ)ベンズアルデヒド、(Z)-4-(4-(ヘプト-4-エン-2-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(Z)-4-(4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(E)-4-(4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(Z)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド、メチル(Z)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、(Z)-4-アリル-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-メトキシベンゼン、(Z)-4-アリル-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-メトキシベンゼン、4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、4-アリル-1-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-2-メトキシベンゼン、メチル4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、3-エトキシ-4-((3-メチルブタ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-((3-メチルブタ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(Z)-3-エトキシ-4-(オクト-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-(ヘプト-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、4-(シクロペント-3-エン-1-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、4-(4-(ヘプト-1-エン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-(ヘプタ-1,6-ジエン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-(ヘプタ-1,6-ジエン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-((6-メチルヘプタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-(ヘクサ-5-エン-3-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4-(4-(ヘプタ-1,5-ジエン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4-(4-((6-メチルヘプタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-((2-メチルペント-4-エン-2-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、2-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-1-イソプロピル-4-メチルベンゼン、3-エトキシ-4-((6-メチルヘプタ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(E)-3-エトキシ-4-((5-メチルヘキソ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(ペント-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(Z)-2-エトキシ-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-4-メチルベンゼン、(Z)-1-エトキシ-2-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-4-メチルベンゼン、4-(4-((4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-メトキシ-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-メトキシ-4-((4-メチルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(Z)-1-エトキシ-2-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゼン、3-エトキシ-4-((4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(Z)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-3-メトキシ-5-メチルベンゼン、1-エチル-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンゼン、1-メトキシ-3-メチル-5-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンゼン、1-メチル-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンゼン、1-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)-3-プロピルベンゼン、3-エトキシ-4-((4-メチルヘプタ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒドおよび3-エトキシ-4-((4-メチルヘプタ-3,5-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、メチル(Z)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、メチル(E)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、(E)-1-(シクロペント-3-エン-1-イルオキシ)-2-メトキシ-4-(プロプ-1-エン-1-イル)ベンゼン、メチル4-(シクロペント-3-エン-1-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、メチル 4-(ヘプト-1-エン-4-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、(E)-4-((2,2-ジメチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、メチル 4-(ヘプタ-1,6-ジエン-4-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、(E)-3-エトキシ-4-(ヘプタ-1,5-ジエン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(ヘクサ-5-エン-3-イルオキシ)ベンズアルデヒド、メチル4-(ヘクサ-5-エン-3-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、メチル2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル-4-((6-メチルヘプタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)安息香酸、メチル(E)-4-(ヘプタ-1,5-ジエン-4-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、1-(シクロヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-エトキシ-4-メチルベンゼン、4-(シクロヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、(E)-4-(4-((4-メチルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(E)-3-エトキシ-4-((4-メチルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(E)-4-(4-(ペント-3-エン-1-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(E)-3-メトキシ-4-(ペント-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド、(E)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド、メチル5-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)ペント-2-エノエート、エチル2-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)ペント-4-エノエート、メチル2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)安息香酸、メチル2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル-4-(ペント-3-エン-1-イルオキシ)安息香酸からなる群から選択され得る。
【0040】
上述の式(I)で表される化合物は、長期間、例として2~7日などの数日間またはそれ以上長くにわたり、光の存在下または非存在下において酸化されることによって、環境大気へ曝露されると、式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXを放出する。
【0041】
一態様において、本発明の化合物は悪臭の存在下で知覚され得る。加えて、化合物は悪臭の知覚強度を軽減することができる。例えば、悪臭とは、汗の悪臭、例えば乾燥した布地のじめじめした臭いまたはかび臭い臭い、浴室の悪臭、台所/食べ物の悪臭、または古くなったタバコの臭いであり得る。
【0042】
本発明のさらなる側面において、式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物を放出する方法が提供され、ここで式(I)で表される化合物は、光の存在下または非存在下において環境大気へ曝露される。
【0043】
例えば、光の存在下または非存在下において環境大気へ曝露されると式(I)で表される化合物から放出され得る式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXは、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、エチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)、オイゲノール(4-アリル-2-メトキシフェノール)、イソオイゲノール((E)-2-メトキシ-4-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール)、ラズベリーケトン(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン)、エバーニル(メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸)、シーモス(メチル2,4-ジヒドロキシ-3-メチル安息香酸)、クレゾール(2-メチルフェノール、3-メチルフェノール、または4-メチルフェノール)、4-エチルフェノール、3-プロピルフェノール、ウルトラバニル(2-エトキシ-4-メチルフェノール)、グアイアコール(2-メトキシフェノール)、ビニルグアイアコール(4-エテニル-2-メトキシフェノール)、メチルジアンチリス(2-エトキシ-4-(メトキシメチル)フェノール)、チモール(5-メチル-2-(プロパン-2-イル)フェノール)、オイゲホワイト(2-メトキシ-4-(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)フェノール)、ジンゲロン(4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)ブタン-2-オン)、カルマフロー((4Z)-ヘプト-4-エン-2-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、サフィアーノ(3-メチルベンゾフラン-5-オール)、カルバクロール(5-イソプロピル-2-メチルフェノール)、クレオゾール(2-メトキシ-4-メチルフェノール)、オルシニル3(3-メトキシ-5-メチルフェノール)、ヘキシルサリチラート(ヘキシル2-ヒドロキシ安息香酸)、シクロヘキシルサリチラート(シクロヘキシル2-ヒドロキシ安息香酸)、フェニルエチルサリチラート(フェネチル2-ヒドロキシ安息香酸)、オクチルサリチラート(2-エチルヘキシル2-ヒドロキシ安息香酸)、ヤスミネート(3-メチルヘキシル-2-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、エチルサリチラート(エチル2-ヒドロキシ安息香酸)、ヘキセニル-3-シスサリチラート((Z)-ヘクサ-3-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、イソブチルサリチラート(イソブチル 2-ヒドロキシ安息香酸)、メチルサリチラート(メチル 2-ヒドロキシ安息香酸)、バニトロップ(2-エトキシ-5-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール)、メチルペンチルサリチラート(ヘキサン-2-イル 2-ヒドロキシ安息香酸)、パラクレジルサリチラート(p-トリル2-ヒドロキシ安息香酸)、プレニルサリチラート(3-メチルブタ-2-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、アミルサリチラート(ペンチル2-ヒドロキシ安息香酸)、ベンジルサリチラート(ベンジル2-ヒドロキシ安息香酸)、サクラサリチラート(2-イソプロポキシエチル2-ヒドロキシ安息香酸)、2-エトキシフェノール、1-(2-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルプロパン-1-オン、1-(2-ヒドロキシフェニル)ヘキサン-1-オン、1-(2-ヒドロキシフェニル)ヘプタン-1-オンからなる群から選択され得る。
【0044】
例えば、光の存在下または非存在下において環境大気へ曝露されると式(I)で表される化合物から放出され得る式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXは、芳香環に少なくとも1つの置換基を有するフェノールであり、少なくとも1つの置換基は1個以上の炭素原子、例えば2~4個の炭素原子またはそれ以上を有する。
【0045】
式(I)で表される化合物は、長期間(例として、2~7日などの数日間、またはより長く)にわたって、光の存在下または非存在下で環境大気へ曝露されて、式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXを放出する。
【0046】
前駆体化合物の環境大気への暴露とは、分子酸素への暴露を意味するものであり、これが式(I)で表される化合物の酸化的開裂、および式(II)で表される化合物の放出の原因となることもある。大気中の酸素の濃度は、式(I)の化合物を開裂させるのに十分であり、開裂生成物は、例として嗅覚または前駆体ヘッドスペースから採取された有機揮発性物質のGC-MS分析によって、環境大気中で検出され得る。
【0047】
式(I)で表される化合物は、環境大気への曝露が制限または防止されている場合、すなわち、整った形態で大気および光から保護された適切な容器中に保存される場合、または正しい溶媒、例えばエタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、クエン酸トリエチル、フタル酸ジエチル、トリアセチン、および/またはジアセチン中に保管される場合、または洗浄剤、シャンプー、および柔軟剤などの消費者向け製品に組み込まれる場合は、非常に安定である。したがって、式(I)で表される化合物は、フレグランス化合物の持続的かつ明確な放出が所望される広範な消費者向け製品において使用されることもある。
【0048】
いくつかの態様において、安定化化合物、例えばアルファトコフェロール、EDTA、アスコルビン酸、BHT、チノガードTT(Tinoguard TT)は、式(I)で表される化合物の早期開裂および式(II)で表される化合物の放出を制限または防止するために、例えば0.01~1重量%で式(I)で表される化合物へ加えられ得る。とりわけ、安定化化合物は、式(I)で表される整った化合物の安定性を高めるために使用され得る。
【0049】
式(I)で表される化合物は、単独でも、または広範囲の天然物、および、精油、アルコール、アルデヒドおよびケトン、エーテルおよびアセタール、エステルおよびラクトン、マクロサイクルおよびヘテロサイクルなどの目下入手可能な合成分子から選択された既知の香気物の分子と組み合わせても、および/または、香料組成物中の香気物と併せて従来使用される1つ以上の成分または賦形剤、例えば、担体材料、および当技術分野で一般的に使用される他の助剤と合わせて混和されて使用されてもよい。
【0050】
例えば、式(I)で表される化合物は、遊離フェノールフレグランス化合物HXと組み合わせて使用されてもよい。かかる組み合わせにより、フェノール系フレグランス化合物HXの継続的な知覚が経時的に保証される。これは、遊離フェノール系フレグランス化合物HXの変色の影響が顕著でない、または消費者にとって関係がない場合に特に有用である。
【0051】
さらなる側面において、式(I)で表される化合物は、式(I)で表される化合物のさらなるもの、または異なる化学的構造を所有する前駆体のいずれかの、他のフレグランス前駆体と組み合わせて使用されてもよい。前駆体の組み合わせにより、香料の調和物を放出させるようにできる。
【0052】
さらなる側面において、式(I)で表される少なくとも1種の化合物を含む、フレグランス組成物が提供される。例えば、フレグランス組成物は、1つ以上の既知の香気物分子、および/または香水組成物中の香気物と併せて従来から使用されている1つ以上の成分または賦形剤をさらに含む。
【0053】
本明細書に使用されるとき「担体材料」は、香気物の観点から実質的に中性の物質、すなわち、香気物の官能特性を著しく変化させない材料を意味する。
【0054】
用語「助剤」は、フレグランス組成物の嗅覚性能に特に関連しない理由から、前記組成物に採用されてもよい成分を指す。例えば、助剤は、フレグランス成分(単数)または成分(複数)、または前記成分(単数または複数)を含有する組成物をプロセシングするための補助剤として作用する成分であってもよく、またはそれはフレグランス成分またはそれを含有する組成物の操作または保管を改善することもある。それは、色や質感を付与することなどの追加の利点を提供する成分でもあってもまたよいだろう。それは、香料組成物中に含有される1つ以上の成分に、耐光性または化学的安定性を付与する成分であってもまたよいだろう。それを含有する香料組成物中に一般的に使用されるアジュバントの性質およびタイプの詳細な説明は、網羅的にはなれないが、前記成分が当業者に周知であることは言及されなければならない。
【0055】
本明細書に使用されるとき、「フレグランス組成物」は、式(I)で表される化合物、および基材(例として、フタル酸ジエチル(DEP)、ジプロピレングリコール(DPG)、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、ペンタン-1,2-ジオール、トリエチルシトラート(TEC)、およびアルコール(例としてエタノール)などの、香気物と併せて従来から使用される希釈剤を含むいずれかの組成物を意味する。任意に、組成物は抗酸化剤アジュバントを含んでもよい。前記抗酸化剤は、Tinogard(登録商標) TT (BASF)、Tinogard(登録商標) Q (BASF)、トコフェロール(その異性体、CAS 59-02-9;364-49-8;18920-62-2;121854-78-2を含有する)、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール(BHT、CAS 128-37-0)、および関連するフェノール、ヒドロキノン(CAS 121-31-9)から選択されてもよい。
【0056】
以下の非限定的なリストは、フレグランス組成物において式(I)で表される化合物と組み合わされることもある既知の香気分子の例を含む。
●精油および抽出物、例として、海狸香、コスタスルート(costus root)油、オークモスアブソリュート、ゼラニウム油、ツリーモス(tree moss)アブソリュート、バジル油、ベルガモット油およびマンダリン油などの果実油、ミルテ油、パルマローザ油、パッチュリ油、プチグレン油、ジャスミン油、バラ油、白檀油、アブサン油、ラベンダー油、および/またはイランイラン油;
●アルコール、例として、桂皮アルコール((E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-オール);cis-3-ヘキセノール((Z)-ヘクサ-3-エン-1-オール);シトロネロール(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチルオクタ-7-エン-2-オール);Ebanol(商標)((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール);オイゲノール(4-アリル-2-メトキシフェノール);エチルリナロール((E)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール);ファルネソール((2E,6Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-2,6,10-トリエン-1-オール);ゲラニオール((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);Super Muguet(商標)((E)-6-エチル-3-メチルオクタ-6-エン-1-オール);リナロール(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール);メントール(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール);ネロール(3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール);フェニルエチルアルコール(2-フェニルエタノール);Rhodinol(商標)(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);Sandalore(商標)(3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタン-2-オール);テルピネオール(2-(4-メチルシクロヘクサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール);またはTimberol(商標)(1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール);2,4,7-トリメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール、および/または[1-メチル-2(5-メチルヘクサ-4-エン-2-イル)シクロプロピル]-メタノール;
●アルデヒドおよびケトン類、例としてアニスアルデヒド(4-メトキシベンズアルデヒド);アルファアミル桂皮アルデヒド(2-ベンジリデンヘプタナール);Georgywood(商標)(1-(1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);ヒドロキシシトロネラール(7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール);Iso E Super(登録商標)(1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);Isoraldeine(登録商標)((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);Hedione(登録商標)(メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート);Nympheal(3-(4-イソブチル-2-メチルフェニル)プロパナール);Mahonial(5,9-ジメチル-9-ヒドロキシ-デセン-4-アル);マルトール;メチルセドリルケトン;メチルイオノン;ベルベノン;および/またはバニリン;
●エーテルおよびアセタール、例として、アンブロックス(登録商標)(3a,6,6,9a-テトラメチル-2,4,5,5a,7,8,9,9b-オクタヒドロ-1H-ベンゾ[e][1]ベンゾフラン);ゲラニルメチルエーテル((2E)-1-メトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン);ローズオキシド(4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン);および/またはスピランブレン(Spirambrene)(登録商標)(2’,2’,3,7,7-ペンタメチルスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2,5’-[1,3]ジオキサン]);
●エステルおよびラクトン、例として、ベンジルアセタート;セドリルアセタート((1S,6R,8aR)-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-6-イルアセタート);γ-デカラクトン(6-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);Helvetolide(登録商標)(2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピルプロピオナート);γ-ウンデカラクトン(5-へプチルオキソラン-2-オン);および/またはベチベリルアセタート((4,8-ジメチル-2-プロパン-2-イリデン-3,3a,4,5,6,8a-ヘキサヒドロ-1H-アズレン-6-イル)アセタート)
●大員環、例として、アンブレットリド((Z)-オキサシクロへプタデカ-10-エン-2-オン);ブラシル酸エチレン(1,4-ジオキサシクロへプタデカン-5,17-ジオン);および/またはエグザルトリド(Exaltolide)(登録商標)(16-オキサシクロヘキサデカン-1-オン);ならびに
●ヘテロサイクル、例として、イソブチルキノリン(2-イソブチルキノリン)。
【0057】
全体として、式(I)で表される化合物は、単独で、その混合物として、または他のフレグランス成分および/もしくはその前駆体と組み合わせて使用され得る。かかる他のフレグランス成分は、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals", S. Arctander, Ed., Vol. I & II, Allured Publishing Corporation, Carol Stream, USA, 2003」にも記載されており、天然または合成由来のフレグランス化合物およびエッセンシャルオイルを包含する。
【0058】
さらなる側面において、少なくとも1つの式(I)で表される化合物、および消費者向け製品基剤を含む消費者向け製品が提供される。
【0059】
例えば、本発明に従う消費者向け製品は、洗剤および洗浄剤、衛生またはケア製品、好ましくはボディケアおよびヘアケアの分野において、化粧品および家庭用品からなる群から選択され、好ましくは、香水抽出物、オードパルファン、オードトワレ、アフターシェーブローション、オーデコロン、髭剃り前製品、スプラッシュコロン、香水入りリフレッシュワイプ、酸性、アルカリ性または中性洗剤、繊維フレッシュナー、アイロン補助剤、液体洗剤、粉末洗剤、洗濯前処置剤、繊維用柔軟剤、洗濯シート、洗濯石鹸、洗濯タブレット、食器用固形石鹸、消毒剤、表面消毒剤、芳香剤、エアゾールスプレー、ワックスおよびつや出し剤、ボディケア製品、ハンドクリームおよびローション、フットクリームおよびローション、脱毛クリームおよびローション、アフターシェーブクリームおよびローション、日焼けクリームおよびローション、ヘアケア製品(液体または固形において)、ドライシャンプー、デオドラント、制汗剤、装飾用化粧品、ろうそく、ランプオイル、線香、殺虫剤、忌避剤、および燃料からなる群から選択される。
【0060】
消費者向け製品は、例えば、上質なフレグランス、パーソナルケア製品(ボディケア製品、ヘアケア製品、化粧品)、繊維ケア製品、ホームケア製品、およびエアケア製品から選択される。本明細書に使用されるとき、「消費者向け製品基材」は、洗浄、柔軟化、およびケアまたは同種のものなどの、特定の行為を果たす消費者向け製品として使用するための組成物を意味する。
【0061】
式(I)で表される化合物が加えられ得るパーソナルケア製品は、例えばあらゆる種類のボディケア製品を包含するとくに関心を引く製品は、ヘアケア製品(例えば、シャンプー、コンディショナー、およびヘアスプレー)、およびローションまたはクリームといったスキンケア製品である。さらにまた、式(I)で表される化合物は、石鹸、バスおよびシャワージェル、ならびにデオドラント剤へ加えられてもよい。式(I)で表される化合物は、化粧用製品へ加えられ得る。
【0062】
式(I)で表される化合物が加えられ得る家庭用ケア製品は、すべての種類の洗剤、窓用クリーナー、硬質表面クリーナー、多目的クリーナー、および家具用光沢剤を包含する。好ましくは、製品は、液体であり、例として、繊維洗浄剤またはコンディショナー組成物である。
例えば、式(I)で表される化合物は、酵素をさらに含む消費者向け製品において、フレグランス前駆体として作用し得る。
【0063】
式(I)に従った化合物は、例として、香水、エアケア製品、家庭用製品、洗濯製品、ボディケア製品および化粧品などの上質な、かつ機能的な香料のいずれの分野における、香料入りの消費者向け製品の広い範囲において使用されてもよい。化合物は、特定の物品、および他の臭い物質成分の性質および分量に応じて、幅広くさまざまな量において用いられ得る。式(I)の割合は、典型的には成形品の0.0001~5重量%である。一態様において、式(I)で表される化合物は、0.001~0.3重量%(例として、0.05重量%を包含する0.01~0.1重量%)の量で、繊維柔軟剤に用いられてもよい。別の態様において、式(I)で表される化合物は、上質な香水類中だけでなく、シャンプー、繊維柔軟剤または繊維洗剤といった消費者向け製品中にも、0.001~30重量%(例として、約10重量%まで、または20重量%まで)、より好ましくは0.01と5重量%との間の量で使用されてもよい。しかしながら、熟達した調香師は、より低いまたはより高い濃度で、効果を達成したり、または新規のアコードを創作することもあるので、これらの値は例としてのみ与えられるものである。
【0064】
一態様において、式(I)で表される化合物の許容し得る量を含む消費者向け製品が提供される。例えば、フレグランス物品は、物品の総量に基づき、式(I)で表される化合物の0.000001重量%~90重量%(0.00001重量%;0.0001重量%、0.001重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、5重量%、8重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、50重量%、60重量%、65重量%を包含する)を含んでもよい。
【0065】
式(I)で表される化合物は、本発明の化合物または式(I)で表される化合物を含むフレグランス組成物を、消費者向け製品基材と単に直接混合することによって消費者向け製品基材中に用いられてもよく、あるいはより早いステップにおいて、封入材料(例えば、ポリマー、カプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、リポソーム、フィルム形成剤、カーボンまたはゼオライトなどの吸収剤、環状オリゴ糖およびそれらの混合物)で封入され、次いで消費者向け製品基材と混合されてもよい。消費者向け製品基材は、他のフレグランス成分を放出することができる封入物質をさらに含有してもよい。
【0066】
したがって、本発明は、式(I)で表される化合物を消費者向け製品基材へ直接混ぜることによってか、または式(I)で表される化合物を含むフレグランス組成物を混ぜることによって、式(I)で表される化合物を組み込むことを含み、その後従来の技術および方法を使用して、消費者向け製品基材と混合されてもよい、消費者向け製品を製造する方法を加えて提供する。本発明の化合物の許容し得る量を上述の本明細書に記載のとおりに加えることを通して、適用される消費者向け製品の匂いの特色は、改善されるか、付与されるか、強化されるか、または改変されるであろう。
【0067】
したがって、本発明は別の側面において、前記組成物または消費者向け製品へ、式(I)で表される少なくとも1つの化合物を加えることを含む、フレグランス組成物または消費者向け製品の快楽的特性を、付与、増強、改善または改変する方法をさらにまた提供する。
【0068】
式(I)で表される化合物は、式(II)で表される化合物であるそれぞれのフェノール性フレグランス化合物HX、および不飽和アルキルハライド(例えば、アルケニルクロリド、ブロミド、またはヨウ化物)から出発して調製されてもよい。
【0069】
代替的に、式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXは、トリフェニルホスフィン(PPh)およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)の存在下で、不飽和アルコールを用いた光延反応を介して、式(I)で表される化合物へ変換され得る。
したがって、本発明のさらなる側面において、式(I)で表される化合物の作製方法が提供され、それには以下:
a) フェノール系フレグランス化合物HXを提供するステップ、
b) それを不飽和アルキルハライドまたは不飽和アルコールと反応させるステップ、
を含む。
【0070】
一態様において、式(I)で表される化合物を調製するためのプロセスの出発材料は、再生可能な供給源から得られる。かかる出発材料とともに、最終産物もまた、再生可能な供給源からアクセス可能である。
【0071】
さらなる側面において、本発明の化合物は、マノメトリックレスピロメトリー試験(材料の試験のためのOECDガイドライン No.301F、パリ、1992)によって実証された通り、生分解性である。
【0072】
本発明は、ここで、以下の非限定的な例を参照してさらに説明される。これらの例は、例証のみを目的としており、当業者によって、バリエーションおよび改変が作られ得ると理解される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図面の説明
図1図1は、液体洗浄剤中で使用されたときの、本発明に従う前駆体と遊離フェノール系フレグランス化合物HXとの色安定性の比較を示す。
図2図2は、液体洗浄剤中で使用されたときの、本発明に従う前駆体と遊離フェノール系フレグランス化合物HXとの経時的な性能の比較を示す。
図3図3は、揮発性物質の分析に使用するヘッドスペースバイアルの構成を示す。
【0074】

一般:
すべての反応は、商用の供給者からの溶媒および試薬を使用し、さらなる精製せずに、アルゴン下で行った。抽出およびクロマトグラフィー用の溶媒は、工業用グレードであり、さらなる精製せずに使用した。フラッシュクロマトグラフィーは、市販のプレパックのシリカゲルカートリッジを使用して行った。別様に断りのない限り、ヘプタンの混合物:MTBEを溶離液として使用した。NMRスペクトルは、Bruker AW 400 MHzまたはAvance III HD 400 MHzの器械で記録した。1H NMRスペクトルの化学シフトは、重水素化溶媒の残留プロトンシグナルを基準としたδ(ppm)で報告し、カップリング定数はヘルツ(Hz)で表した。13C NMRスペクトルは、重水素化溶媒の炭素シグナルを参照した。以下の略語を使用する:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、quint.=五重項、m=多重項、dd=ダブルダブレット、bs=ブロードな一重項。GC/MSスペクトルデータは、Agilent 6890 NおよびMSD 5975で、カラムHP-5 MS、30m、0.25mm、0.25μmを使用して得た。
【0075】
例1:(Z)-3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド
DMF(200mL)中の3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(20.0g、120mmol)および炭酸カリウム(25.0g、180mmol)の溶液へ、(Z)-1-ブロモヘクサ-3-エン(25.5g、156mmol)を室温にて滴下し、アルゴン雰囲気下、90℃にて16時間撹拌した。反応転化率は、TLCおよびGCによってモニターした。反応溶液を室温まで冷却した後、水(150mL)とMTBE(150mL)とを加えた。混合物をMTBE(2x100mL)で抽出し、有機層を組み合わせて、水(3x100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を除去して黄色の油を得た。その後、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:MTBE=94:6)で精製し、(Z)-3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド(24.5g、収率82%)を無色の油として得た。
【0076】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.73 (s, 1H), 7.48 - 7.24 (m, 2H), 6.86 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.52 - 5.40 (m, 1H), 5.38 - 5.26 (m, 1H), 4.12 - 3.89 (m, 4H), 2.52 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.13 - 1.89 (m, 2H), 1.36 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.90 (t, J = 7.6 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.9 (d), 154.3 (s), 149.1 (s), 134.8 (d), 130.0 (s), 126.5 (d), 123.4 (d), 111.7 (d), 110.8 (d), 68.5 (t), 64.5 (t), 27.1 (t), 20.6 (t), 14.6 (q), 14.2 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 248 (15) [M+], 219 (1), 166 (100), 149 (10), 138 (70), 109 (11), 83 (25), 67 (18).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(バニリン)、クリーム状
【0077】
例2:(E)-3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、30.1mmol、1.0当量)および(E)-1-ブロモヘクサ-3-エン(6.4g、39.1mmol,1.3当量)から、化合物を淡黄色液体(22.6mmol、5.6g,75%収率)として得た。
【0078】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.74 (s, 1H), 7.49 - 7.27 (m, 2H), 6.88 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.63 - 5.48 (m, 1H), 5.44 - 5.27 (m, 1H), 4.03 (m, 4H), 2.47 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.11 - 1.84 (m, 2H), 1.38 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.90 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.9 (d), 154.4 (s), 149.2 (s), 135.4 (d), 130.0 (s), 126.6 (d), 123.8 (d), 111.9 (d), 111.1 (d), 68.9 (t), 64.6 (t), 32.2 (t), 25.6 (t), 14.7 (q), 13.7 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 248 (12) [M+], 233 (1), 166 (75), 149 (7), 138 (43), 83 (32), 55 (100).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(バニラ、クリーム状)わずかにフルーティ(ラズベリー、イチゴ)
【0079】
例3:3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(20.0g、120.3mmol、1.0当量)および1-ブロモヘクサ-3-エン(23.6g、144.4mmol、1.2当量)から、化合物を無色の液体(89.0mmol、22.1g、収率74%、E/Z 3:1)として得た。
【0080】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 9.75 (s, 1H), 7.38 - 7.26 (m, 2H), 6.88 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.63 - 5.25 (m, 2H), 4.15 - 3.92 (m, 4H), 2.57 - 1.92 (m, 4H), 1.96 (s, 1H), 1.38 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.93- 0.88 (m, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 190.9 (d), 154.3 (s), 149.2 (s), 135.4 (d), 134.9 (d), 130.0 (s), 126.6 (d), 123.7 (d), 123.4 (d), 111.9 (d), 111.7 (d), 111.1 (d), 110.8 (d), 68.9 (t), 68.5 (t), 64.6 (t), 64.5 (t), 32.2 (t), 27.2 (t), 25.7 (t), 20.7 (t), 14.7 (q), 14.3 (q), 13.7 (q) ppm. GC-MS (EI) m/z (%): 170 (3, [M]+・), 123 (39), 95 (18), 83 (18), 81 (42), 71 (18), 70 (19), 69 (21), 67 (26), 55 (100), 41 (45).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、甘い(バニラ)
【0081】
実施例4:(Z)-3-エトキシ-4-(ヘプト-4-エン-2-イルオキシ)ベンズアルデヒド
実施例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(10.0g、60.2mmol、1.0当量)および(Z)-6-ブロモヘプト-3-エン(10.66g、60.2mmol,1.1当量)から、化合物を無色の液体(8.0mmol、2.1g、収率13%)として得た。
【0082】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.83 (s, 1H), 7.51 - 7.34 (m, 2H), 6.96 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.64 - 5.38 (m, 2H), 4.52 - 4.47 (m, 1H), 4.13 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.64 - 2.28 (m, 2H), 2.19 - 1.99 (m, 2H), 1.45 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.38 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 0.96 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.9 (d), 153.6 (s), 150.0 (s), 134.5 (d), 133.3 (d), 130.1 (s), 126.3 (d), 123.9 (d), 114.3 (d), 111.6 (d), 75.4 (d), 64.6 (t), 33.9 (t), 20.7 (t), 19.4 (q), 14.7 (q), 14.2 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 262 (7) [M+], 233 (1), 166 (61), 149 (8), 138 (47), 121 (4), 109 (10), 97 (33), 81 (32), 55 (100).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):甘い(黒砂糖)、パウダリー(バニリン、チョコレート、アイスクリーム)
【0083】
例5:(Z)-4-(4-(ヘプト-4-エン-2-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(4.0g、24.4mmol、1.0当量)および(Z)-6-ブロモヘプト-3-エン(6.5g、36.5mmol、1.2当量)から、化合物を無色の液体(2.7mmol、0.7g,収率7%)として得た。
【0084】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.99 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.73 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.43 - 5.30 (m, 2H), 4.29 - 4.20 (m, 1H), 2.79 - 2.62 (m, 4H), 2.42 - 1.95 (m, 7H), 1.35 - 0.97 (m, 3H), 0.96 - 0.72 (m, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 208.2 (s), 156.4 (s), 134.2 (d), 132.9 (s), 129.2 (d), 124.1 (d), 116.0 (d), 73.7 (d), 45.5 (t), 33.9 (t), 30.1 (q), 28.9 (t), 20.8 (t), 19.5 (q), 14.2 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 260 (16) [M+], 191 (25), 164 (77), 133 (14), 107 (100), 94 (25), 55 (82).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):ラズベリー(フルーティ、熟した、新鮮)
【0085】
例6:(Z)-4-(4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(20.0g、121.8mmol、1.0当量)および(Z)-1-ブロモヘクサ-3-エン(23.8g、146.1mmol、1.2当量)から、化合物を無色の液体(67.4mmol、16.6g、収率55%)として得た。
【0086】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.00 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.73 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.50 - 5.40 (m, 1H), 5.38 - 5.29 (m, 1H), 3.84 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 2.75 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.44 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.04 (s, 3H), 2.03 - 1.96 (m, 2H), 0.91 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 208.2 (s), 157.4 (s), 134.3 (d), 133.0 (s), 129.2 (d), 124.1 (d), 114.6 (d), 67.6 (t), 45.5 (t), 30.1 (q), 28.9 (t), 27.4 (t), 20.7 (t), 14.3 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 246 (20) [M+], 190 (2), 164 (60), 149 (13), 121 (21), 107 (100), 94 (23), 77 (19), 55 (68).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):ラズベリー
【0087】
例7:(E)-4-(4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(5.0g、30.4mmol、1.0当量)および(E)-1-ブロモヘクサ-3-エン(6.0g、36.5mmol、1.2当量)から、化合物を無色の液体(16.2mmol、4.0g,収率53%)として得た。
【0088】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.00 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.73 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 5.61 - 5.46 (m, 1H), 5.45 - 5.31 (m, 1H), 3.85 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 2.75 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.63 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.37 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.04 (s, 3H), 1.99 - 1.88 (m, 2H), 0.90 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 208.2 (s), 157.4 (s), 134.8 (d), 132.9 (s), 129.2 (d), 124.5 (d), 114.6 (d), 67.9 (t), 45.5 (t), 32.6 (t), 30.1 (q), 28.9 (t), 25.7 (t), 13.8 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 246 (20) [M+], 164 (69), 121 (25), 107 (92), 94 (24), 77 (24), 55 (100).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):ラズベリー
【0089】
例8:(Z)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド
例1の手順に従って、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(4.0g、26.3mmol,1.0当量)および(Z)-1-ブロモヘクサ-3-エン(6.43g,39.4mmol,1.5当量)から、化合物を無色の液体(21.3mmol、5.0g,収率81%)として得た。
【0090】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.84 (s, 1H), 7.54 - 7.35 (m, 2H), 6.97 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.75 - 5.52 (m, 1H), 5.47 - 5.26 (m, 1H), 4.09 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.92 (s, 3H), 2.64 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.23 - 1.92 (m, 2H), 0.99 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.8 (d), 153.9 (s), 149.8 (s), 135.0 (d), 130.0 (s), 126.7 (d), 123.1 (d), 111.4 (d), 109.3 (d), 68.4 (t), 55.9 (q), 27.1 (t), 20.7 (t), 14.2 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 234 (10) [M+], 152 (100), 137 (5), 109 (5), 83 (22), 67 (15), 55 (75).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(バニラ)わずかにグリーン
【0091】
例9:メチル(Z)-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸
例1の手順に従って、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸(4.0g、20.4mmol、1.0当量)および(Z)-1-ブロモヘクサ-3-エン(4.0g、24.5mmol、3.0当量)から、化合物を無色の液体(7.2mmol、2.0g,収率35%)として得た。
【0092】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.81 (s, 1H), 6.23 (s, 1H), 5.59 - 5.47 (m, 1H), 5.46 - 5.34 (m, 1H), 3.97 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.89 (s, 3H), 2.58 - 2.50 (m, 2H), 2.48 (s, 3H), 2.16 - 1.98 (m, 5H), 0.99 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 171.5 (s), 161.2 (s), 159.8 (s), 139.0 (s), 133.4 (d), 123.0 (d), 110.0 (s), 105.7 (d), 104.2 (s), 66.6 (t), 50.7 (d), 26.4 (t), 23.6 (q), 19.6 (t), 13.2 (q), 6.8 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 278 (17) [M+], 231(15), 196 (58), 164 (100), 136 (44), 83 (17), 67 (14), 55 (43).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、苔臭(エバーニル)
【0093】
例10:(Z)-4-アリル-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-2-メトキシベンゼン
例1の手順に従って、4-アリル-2-メトキシフェノール(4.0g、24.4mmol、1.0当量)および(Z)-1-ブロモヘクサ-3-エン(5.2g、31.7mmol、1.3当量)から、化合物を淡黄色の液体(17.0mmol、4.2g、収率70%)として得た。
【0094】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.72 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.66 - 6.56 (m, 2H), 5.99 - 5.76 (m, 1H), 5.50 - 5.40 (m, 1H), 5.38 - 5.26 (m, 1H), 5.06 - 4.88 (m, 2H), 3.90 (t, J =7.4 Hz, 2H), 3.76 (s, 3H), 3.24 (d, J = 6.7 Hz, 2H), 2.50 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.04 - 1.97 (m, 2H), 0.89 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 148.4 (s), 145.7 (s), 136.7 (d), 133.4 (d), 131.8 (s), 122.8 (d), 119.4 (d), 114.5 (t), 112.2 (d), 111.4 (d), 67.5 (t), 54.9 (q), 38.8 (t), 26.4 (t), 19.6 (t), 13.2 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 246 (15) [M+], 164 (100), 149 (25), 131 (16), 91 (21), 55 (35).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):わずかにスパイシー
【0095】
例11:(Z)-4-アリル-1-(ヘクセ-3-エン-1-イルオキシ)-2-メトキシベンゼン
例1の手順に従って、(E)-2-メトキシ-4-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール(4.0g、24.4mmol、1.0当量)および(Z)-1-ブロモヘクサ-3-エン(5.2g、31.7mmol、1.3当量)から、化合物を淡黄色の液体(17.5mmol、4.3g、収率71%)として得た。
【0096】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.92 - 6.75 (m, 3H), 6.33 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 6.16 - 6.01 (m, 1H), 5.58 - 5.48 (m, 1H), 5.47 - 5.33 (m, 1H), 3.98 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 3.86 (s, 3H), 2.58 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.18 - 2.01 (m, 2H), 1.86 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.97 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 149.4 (s), 147.5 (s), 134.5 (d), 131.3 (s), 130.7 (d), 123.8 (d), 118.7 (d), 113.1 (d), 109.1(d), 68.5 (t), 55.9 (q), 27.4 (t), 20.7 (t), 18.4 (q), 14.3 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 246 (10) [M+], 164 (100), 149 (17), 115 (8), 103 (14), 91 (20), 55 (27).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):わずかにスパイシーウッディ
【0097】
例12:4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、30.1mmol、1.0当量)および4-ブロモブタ-1-エン(5.3g、39.1mmol、1.3当量)から、化合物を無色の液体(20.9mmol、4.6g、収率70%)として得た。
【0098】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.83 (s, 1H), 7.55 - 7.34 (m, 2H), 6.97 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.08 - 5.80 (m, 1H), 5.31 - 5.00 (m, 2H), 4.23 - 4.01 (m, 4H), 2.63 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 1.46 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.9 (d), 154.2 (s), 149.2 (s), 133.8 (d), 130.1 (s), 126.5 (d), 117.5 (t), 112.0 (d), 111.1 (d), 68.3 (t), 64.6 (t), 33.4 (t), 14.7 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 220 (97) [M+], 192 (10), 166 (47), 137 (100), 109 (21), 81 (25), 55 (94).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(バニラ、クリーム状、ドウ(dough))
【0099】
例13:4-アリル-1-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-2-メトキシベンゼン
例1の手順に従って、4-アリル-2-メトキシフェノール(2.5g、15.2mmol、1.0当量)および4-ブロモブタ-1-エン(2.7g、19.8mmol、1.3当量)から、化合物を淡黄色の液体(9.6mmol、2.1g、収率62%)として得た。
【0100】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.74 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.67 - 6.54 (m, 2H), 6.02 - 5.67 (m, 2H), 5.13 - 5.05 (m, 1H), 5.04 - 4.94 (m, 3H), 3.96 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.77 (s, 3H), 3.25 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 2.51 (q, J = 6.4 Hz, 2H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 148.5 (s), 145.6 (s), 136.6 (d), 133.3 (d), 132.0 (s), 119.5 (d), 116.0 (s), 114.6 (s), 112.6 (d), 111.5 (d), 67.5 (t), 54.9 (q), 38.8 (t), 32.7 (t) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 218 (95) [M+], 203 (1), 164 (100), 149 (43), 131 (29), 103 (41), 91 (44), 77 (26), 55 (49).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):わずかにスパイシー(イソオイゲノール)、フルーティ(ベリー)
【0101】
例14:メチル4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸
例1の手順に従って、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸(10.0g、51.0mmol、1.0当量)および4-ブロモブタ-1-エン(20.6g、152.9mmol、3.0当量)から、化合物を白色の固体(24.8mmol、6.2g、収率49%)として得た。
【0102】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.75 (s, 1H), 6.14 (s, 1H), 5.91 - 5.63 (m, 1H), 5.32 - 4.83 (m, 2H), 3.94 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.81 (s, 3H), 2.52 - 2.42 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 1.98 (s, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 172.6 (s), 162.2 (s), 160.8 (s), 140.0 (s), 134.3 (d), 117.2 (t), 111.1 (s), 106.8 (d), 105.4 (s), 67.3 (t), 51.7 (q), 33.7 (t), 24.6 (q), 7.8 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 250 (43) [M+], 218 (42), 196 (44), 164 (100), 136 (78), 107 (19), 91 (17), 77 (29), 55 (54).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):わずかに苔臭
【0103】
例15:3-エトキシ-4-((3-メチルブタ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(4.0g、24.1mmol、1.0当量)および4-ブロモ-2-メチルブタ-1-エン(4.3g、28.9mmol,1.2当量)から、化合物を無色の液体(16.6mmol、3.9g、収率69%)として得た。
【0104】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.73 (s, 1H), 7.48 - 7.25 (m, 2H), 6.88 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.75 (d, J = 15.2 Hz, 2H), 4.10 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 4.03 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.49 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.74 (s, 3H), 1.36 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.9 (d), 154.3(s), 149.2 (s), 141.9 (s), 130.1 (s), 126.5 (d), 112.4 (t), 111.9 (d), 111.0 (d), 67.9 (t), 64.6 (t), 36.9 (t), 22.9 (q), 14.6 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 234 (25) [M+], 191 (1), 166 (100), 149 (8), 138 (72), 109 (10), 81 (14), 69 (52).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):弱刺激性、パウダリー、スパイシー
【0105】
例16:4-(4-((3-メチルブタ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(4.0g、24.4mmol、1.0当量)および4-ブロモ-2-メチルブタ-1-エン(4.4g、29.2mmol、1.2当量)から、化合物を無色の液体(11.2mmol、2.6g,収率46%)として得た。
【0106】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.00 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.74 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 4.82 - 4.62 (m, 2H), 3.96 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.75 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.40 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.04 (s, 3H), 1.72 (s, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 208.2 (s), 157.3 (s), 142.3 (s), 133.0 (s), 129.2 (d), 114.6 (d), 111.9 (t), 66.5 (t), 45.4 (t), 37.2 (t), 30.1 (q), 28.9 (t), 22.8 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 232 (34) [M+], 164 (50), 149 (12), 121 (20), 107 (100), 94 (21), 77 (16), 69 (23).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):フルーティー(ラズベリー)、甘い
【0107】
例17:(Z)-3-エトキシ-4-(オクト-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、30.1mmol、1.0当量)および(Z)-1-ブロモオクト-3-エン(5.75g、30.1mmol、1.1当量)から、化合物を無色の液体(17.4mmol、4.8g、収率58%)として得た。
【0108】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.74 (s, 1H), 7.42 - 7.24 (m, 2H), 6.87 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.51 - 5.42 (m, 1H), 5.41 - 5.29 (m, 1H), 4.05 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.99 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.54 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.16 - 1.93 (m, 2H), 1.38 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.31 - 1.14 (m, 4H), 0.81 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.9 (d), 154.3 (s), 149.1 (s), 133.2 (d), 130.0 (s), 126.5 (d), 123.9 (d), 111.8 (d), 110.8 (d), 68.5 (t), 64.5 (t), 31.8 (t), 27.2 (t), 27.1(t), 22.3 (t), 14.6 (t), 14.0 (t) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 276 (12) [M+], 166 (99), 138 (61), 110 (11), 81 (17), 69 (100), 55 (61).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):バニラ(パウダリー、スパイシー、クリーム状)
【0109】
例18:4-(4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(3.02g、18.40mmol、1.5当量)および5-ブロモ-2-メチルペント-2-エン(2.0g、12.27mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(9.7mmol、2.4g,収率79%)として得た。
【0110】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.00 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.73 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.12 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 3.81 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.75 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.63 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.38 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.04 (s, 3H), 1.64 (s, 3H), 1.57 (s, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 207.1 (s), 156.4 (s), 133.3 (s), 131.8 (s), 128.1 (d), 118.6 (d), 113.5 (d), 66.6 (t), 44.4 (t), 29.1 (q), 27.9 (t), 27.3 (t), 24.7 (q), 16.8 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 246 (14) [M+], 164 (84), 121 (13), 107 (53), 91 (16), 83 (66), 55 (100).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):甘くフルーティ(ラズベリー、ケトン)
【0111】
例19:3-エトキシ-4-(ヘプト-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド
THF(250mL)中のエチルバニリン(19.2g、116mmol)、ヘプト-1-エン-4-オール(15.0g、105mmol)、およびトリフェニルホスファン(35.8g、137mmol)の溶液へ、DIAD(27.6g、137mmol)を室温にて少量ずつ加え、加える間は温度を25℃未満に保った。得られた懸濁液を、アルゴン雰囲気下で室温にて16h撹拌した。反応転化率は、TLCおよびGCによってモニターした。反応混合物をろ過し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:MTBE=94:6)によって精製し、3-エトキシ-4-(ヘプト-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド(15.9g、収率:58%)を無色の液体として得た。
【0112】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.72 (s, 1H), 7.47 - 7.21 (m, 2H), 6.88 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.08 - 5.59 (m, 1H), 5.04 - 4.96 (m, 2H), 4.60 - 4.20 (m, 1H), 4.01 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.55 - 2.16 (m, 2H), 1.81 - 1.50 (m, 2H), 1.46 - 1.18 (m, 5H), 0.83 (t, J = 7.4 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.8 (d), 154.0 (s), 150.1 (s), 133.8 (d), 130.2 (s), 126.2 (d), 117.6 (t), 114.7 (d), 111.8 (d), 79.0 (d), 64.6 (t), 38.3 (t), 35.8 (t), 18.5 (t), 14.7 (q), 14.0 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 262 (13) [M+], 166 (100), 149 (8), 138 (78), 109 (8), 93 (3), 81 (11), 55 (33).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(乾燥、バニラ)、フルーティ(金属臭)
【0113】
例20:4-(シクロペント-3-エン-1-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
例19の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(25.0g、150.4mmol、1.0当量)およびシクロペント-3-エン-1-オール(15.19g、181mmol、1.2当量)から、化合物を白色の固体(116.2mmol、27.0g、収率76%)として得た。
【0114】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.82 (s, 1H), 7.52 - 7.32 (m, 2H), 7.07 - 6.83 (m, 1H), 5.89 - 5.61 (m, 2H), 5.18 - 4.88 (m, 1H), 4.10 (q, J = 5.0 Hz, 2H), 2.96 - 2.76 (m, 2H), 2.74 - 2.54 (m, 2H), 1.43 (t, J = 5.0 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.9 (d), 153.4 (s), 149.6 (s), 129.9 (s), 128.3(d), 126.4 (d), 113.0 (d), 111.2 (d), 78.1 (d), 64.6 (t), 40.0 (t), 14.6 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 232(23) [M+], 166(100), 138(100), 137(78), 109(10), 81(12), 67(61).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):バニラ(パウダリー、スパイシー、クリーム状)
【0115】
例21:4-(4-(ヘプト-1-エン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例19の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(17.7g、107.9mmol、1.1当量)およびヘプト-1-エン-4-オール(14.0g、98.1mmol,純度:80%,1.0当量)から、化合物を無色の液体(67.6mmol,17.6g,収率69%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.97 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.72 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.88 - 5.60 (m, 1H), 5.06 - 4.91 (m, 2H), 4.23 - 4.02 (m, 1H), 2.80 - 2.68 (m, 2H), 2.67 - 2.55 (m, 2H), 2.41 - 2.20 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.63 - 1.20 (m, 4H), 0.83 (t, J = 7.3 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 208.0 (s), 156.8 (s), 134.3 (d), 133.0 (s), 129.3 (d), 117.3 (t), 116.1 (d), 77.2 (d), 45.40 (t), 38.2 (t), 35.9 (t), 30.1 (q), 28.9 (t), 18.7(t), 14.1 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 260 (23) [M+], 219 (16), 177 (3), 164 (73), 149 (14), 121 (20), 107 (100), 94 (30), 77 (10), 55 (25).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):ラズベリー
【0116】
例22:3-エトキシ-4-(ヘプタ-1,6-ジエン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例19の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(3.9g、23.5mmol、1.1当量)およびヘプタ-1,6-ジエン-4-オール(3.0g、21.4mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(13.8mmol、3.6g、収率65%)として得た。
【0117】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.72 (s, 1H), 7.44 - 7.12 (m, 2H), 6.90 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 5.98 - 5.58 (m, 2H), 5.08 - 4.99 (m, 4H), 4.40 - 4.28 (m, 1H), 4.06 - 3.95 (m, 2H), 2.54 - 1.85 (m, 4H), 1.44 - 1.12 (m, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.8 (d), 153.6 (s), 150.3 (s), 133.6 (d), 130.5 (s), 126.0 (d), 117.9 (t), 115.4 (d), 111.9 (d), 78.7 (d), 64.6 (t), 37.8 (t), 14.7 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 260 (16) [M+], 219 (2), 191 (1), 166 (100), 149 (19), 138 (78), 109 (13), 67 (25).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(クリーム状、バニラ)
【0118】
例23:4-(4-(ヘプタ-1,6-ジエン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例19の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(5.2g、31.4mmol、1.1当量)およびヘプタ-1,6-ジエン-4-オール(4.0g、28.5mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(15.9mmol、4.1g、収率56%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.98 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.73 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.86 - 5.62 (m, 2H), 5.07 - 4.95 (m, 4H), 4.30 - 3.98 (m, 1H), 2.73 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.33 (t, J = 6.4 Hz, 4H), 2.03 (s, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 208.0 (s), 156.5 (s), 134.1 (d), 133.3 (s), 129.3 (d), 117.6 (t), 116.3 (d), 76.9 (d), 45.4 (t), 37.8 (t), 30.1 (q), 28.9 (t) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 258 (25) [M+], 217 (15), 164 (64), 149 (64), 121 (21), 107 (100), 94 (29), 77 (16).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):フルーティ(ラズベリー)
【0119】
例24:3-エトキシ-4-((6-メチルヘプタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例19の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(5.8g、34.9mmol、1.1当量)および6-メチルヘプタ-1,5-ジエン-4-オール(4.0g、31.7mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(16.8mmol、4.6g、収率53%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.72 (s, 1H), 7.30 - 7.26 (m, 2H), 6.80 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.89 - 3.83 (m, 7H), 2.57 - 2.31 (m, 2H), 1.62 (s, 3H), 1.61 (s, 3H), 1.39 - 1.29 (m, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.9 (d), 153.7 (s), 150.0 (s), 136.2 (s), 133.8 (d), 130.2 (s), 126.2 (d), 124.5 (d), 117.6 (t), 115.1 (d), 111.5 (d), 76.5 (d), 64.6 (t), 40.0 (t), 25.6 (q), 18.5 (q), 14.7 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 274 (1) [M+], 233 (3), 189 (2), 166 (54), 149 (4), 137 (30), 109 (100), 93 (27), 81 (37), 67 (76), 55 (16).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(クリーム状、バニラ)
【0120】
例25:4-(4-(ヘクサ-5-エン-3-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例19の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(5.4g、32.9mmol、1.1当量)およびヘクサ-5-エン-3-オール(6.0g、30.0mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(12.6mmol、3.1g、収率41%)として得た。
【0121】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.98 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.73 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.89 - 5.53 (m, 1H), 5.11 - 4.67 (m, 2H), 4.23 - 3.92 (m, 1H), 2.81 - 2.67 (m, 2H), 2.66 - 2.52 (m, 2H), 2.38 - 2.16 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.65 - 1.50 (m, 2H), 0.87 (t, J = 7.4 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 208.1 (s), 156.8 (s), 134.3 (d), 133.1 (s), 129.2 (d), 117.3 (t), 116.2 (d), 78.6 (d), 45.4 (t), 37.8 (t), 30.1 (q), 28.9 (t), 26.4 (t), 9.6 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 246 (22) [M+], 205 (16), 164 (59), 149 (14), 133 (1), 107 (100), 94 (28), 55 (17).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):甘い(粉糖クリスタル)、ラズベリー
【0122】
例26:4-(4-(ヘプタ-1,5-ジエン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例19の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(5.2g、31.4mmol、1.1当量)および(E)-ヘプタ-1,5-ジエン-4-オール(4.0g、28.5mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(17.4mmol、4.5g、収率56%)として得た。
【0123】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 6.96 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 6.72 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 5.84 - 5.53 (m, 2H), 5.51 - 5.31 (m, 1H), 5.12 - 4.81 (m, 2H), 4.72 - 4.34 (m, 1H), 2.82 - 2.54 (m, 5H), 2.50 - 2.22 (m, 1H), 2.03 (s, 3H), 1.61 - 1.30 (m, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 208.1 (s), 156.6 (s), 156.4 (s), 136.3 (d), 134.3 (d), 133.0 (s), 133.0 (d), 132.3 (d), 130.6 (d), 129.7 (d), 129.1 (d), 129.1(d), 128.3 (d), 117.3 (t), 116.2 (d), 116.2 (d), 115.6 (t), 78.4 (d), 74.4 (d), 45.4 (t), 45.4 (t), 40.2 (t), 36.2 (t), 30.1 (q), 28.9 (t), 21.6 (q), 17.8 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 258 (22) [M+], 217 (1), 164 (80), 107 (90), 94 (100), 79 (73), 67 (53), 55 (24).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):甘い(粉糖クリスタル)、ラズベリー
【0124】
例27:4-(4-((6-メチルヘプタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例19の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(6.0g、36.5mmol、1.0当量)および6-メチルヘプタ-1,5-ジエン-4-オール(10.1g、40.2mmol、1.1当量)から、化合物を無色の液体(28.6mmol、7.8g、収率78%)として得た。
【0125】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.12 - 6.70 (m, 4H), 5.97 - 4.67 (m, 5H), 2.87 - 2.20 (m, 6H), 2.11 (s, 3H), 1.71 - 1.55 (m, 6H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 208.0 (s), 156.6 (s), 135.3 (s), 134.2 (d), 132.9 (s), 129.0 (d), 122.6 (d), 117.2 (t), 116.0 (d), 115.5 (t), 74.9 (d), 45.4 (t), 45.3 (t), 40.0 (t), 30.1 (q), 28.9 (t), 25.7 (q), 18.6 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 272 (1) [M+], 231 (4), 164 (100), 107 (60), 93 (45), 77 (22), 67 (64).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):フルーティ(パウダリー、甘い、ラズベリー)
【0126】
例28:3-エトキシ-4-((2-メチルペント-4-エン-2-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例19の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、30.1mmol、1.0当量)および2-メチルペント-4-エン-2-オール(4.9g、39.1mmol、1.3当量)から、化合物を無色の液体(30.1mmol、0.06g、収率1%)として得た。
【0127】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 9.88 (s, 1H), 7.33-7.45 (m, 2H), 7.15 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.95-6.09 (m, 1H), 5.07-5.18 (m, 2H), 4.09 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.51 (br d, J = 7.1 Hz, 2H), 1.47 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.34 ppm (s, 6H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ ppm 191.3 (d), 153.9 (s), 151.0 (s), 134.4 (d), 132.5 (s), 124.9 (d), 124. 6 (d), 117.9 (t), 111.4 (d), 83.1 (s), 64.2 (t), 47.0 (t), 26.1 (q), 14.7 (q) ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 248 (1) [M+], 207 (9), 166 (100), 149 (2), 138 (76), 121 (2), 109 (9), 93 (7), 82 (20), 67 (13), 55 (34).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(バニラ)
【0128】
例29:3-エトキシ-4-((4-メチルヘプタ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、および3-エトキシ-4-((4-メチルヘプタ-3,5-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
a)7-クロロ-4-メチルヘプタ-2,4-ジエン、および7-クロロ-4-メチルヘプタ-1,4-ジエン
ジエチルエーテル(60mL)中の1-シクロプロピルエタン-1-オン(8.00g、95mmol、1.0当量)の溶液へ、0℃にてアリルマグネシウムクロリド(57mL、114mmol、1.2当量、THF中2.0M)を滴下して加えた。添加が完了した後、冷却浴を取り除き、反応混合物を室温にて1時間撹拌した。その後、それを0℃まで冷却し、50mlの水と26mlの濃硫酸の混合物を滴下して加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を100mLの氷冷した2M NaOHへ加え、20分間撹拌した。その後、2x120mlのMTBEを用いて抽出した。有機層を、1x120mlの水と1x120mlのブラインとで洗浄した。合わせた有機層を、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。粗産物をクーゲルロール蒸留(70℃/0.04mbar)によって蒸留し、7-クロロ-4-メチルヘプタ-2,4-ジエンと、7-クロロ-4-メチルヘプタ-1,4-ジエンとの2:1混合物(8.79g、収率64%、それぞれがE/Z異性体として、全体として>5異性体)を、無色の液体として得た。
【0129】
13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of isomers): δ 137.1, 136.5, 136.4, 135.5, 135.4, 134.9, 127.9, 126.7, 124.6, 123.6, 122.8, 121.4, 120.8, 116.0, 115.4, 113.7, 44.4, 44.3, 44.2, 44.0, 44.0, 36.5, 31.6, 31.4, 31.1, 30.8, 27.0, 23.4, 20.6, 18.6, 18.2, 16.2, 12.6.
【0130】
b)3-エトキシ-4-((4-メチルヘプタ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、および3-エトキシ-4-((4-メチルヘプタ-3,5-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(2.00g、12.0mmol、1.0当量)、上述の7-クロロ-4-メチルヘプタ-2,4-ジエンと7-クロロ-4-メチルヘプタ-1,4-ジエン(2.26g、15.7mmol、1.3当量)との混合物、および10mol%のKIから、化合物を無色の液体(1.26g、収率38%)として得た。
【0131】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of isomers): δ 9.83 (s, 1H), 7.47 - 7.35 (m, 2H), 7.01 - 6.90 (m, 1H), 6.67 - 6.51 (m, 0.04H), 6.47 (d, J = 14.9 Hz, 0.21H), 6.10 (dd, J = 1.0, 15.7 Hz, 0.41H), 5.94 - 5.87 (m, 0.05H), 5.86 - 5.71 (m, 0.58H), 5.65 (qd, J = 6.6, 15.6 Hz, 0.35H), 5.42 (t, J = 7.3 Hz, 0.36H), 5.35 - 5.19 (m, 0.55H), 5.13 - 4.97 (m, 0.71H), 4.90 (d, J = 14.2 Hz, 0.14H), 4.22 - 3.91 (m, 4H), 2.95 - 1.92 (m, 3H), 1.86 - 1.61 (m, 5H), 1.47 (2 major t, J = 7.0 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of isomers): δ 190.9, 154.3, 154.2, 154.2, 149.1, 149.1, 145.1, 137.0, 136.5, 136.5, 135.7, 135.5, 134.9, 132.9, 130.0, 129.9, 129.9, 128.0, 126.5, 126.5, 126.4, 125.2, 123.6, 123.3, 121.8, 120.3, 119.7, 115.9, 115.3, 113.5, 111.8, 111.7, 111.7, 111.7, 110.9, 110.8, 110.8, 110.7, 110.7, 68.5, 68.3, 64.5, 64.5, 64.5, 44.0, 36.4, 28.4, 28.0, 27.9, 27.8, 27.6, 27.2, 23.5, 20.6, 18.6, 18.2, 18.1, 16.2, 14.6, 12.6 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(バニラ)、甘い(砂糖の)。
【0132】
例30:2-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-1-イソプロピル-4-メチルベンゼン
アセトニトリル(MeCN)(10mL)中のチモール(2-イソプロピル-5-メチルフェノール)(1.02g、6.79mmol)の溶液を、室温にて、KCO(1.41g、10.18mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(TBAI)(0.376g、1.02mmol)、および最後に(Z)-1-ブロモ-3-ヘキセン(1.33g、8.15mmol)で処置した。得られた混合物を46h加熱還流し、次いで、室温まで冷却し、飽和NHCl水溶液(50mL)中に注ぎ、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)(2x50mL)で抽出し、水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた得られた材料を、ヘプタン中のMTBEの勾配で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーによって精製し、これに続き、130~140℃、0.06mbarにて、クーゲルロール蒸留を行い、2-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-1-イソプロピル-4-メチルベンゼン(0.30g、収率18%)を、無色の油として得た。
【0133】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K, mixture of E and Z isomers) δ (ppm) = 7.12 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.69 (s, 1H), 5.71 - 5.45 (m, 2H), 4.00 (dt, J = 2.6, 6.7 Hz, 2H), 3.39 - 3.26 (m, 1H), 2.63 - 2.49 (m, 2H), 2.37 - 2.34 (m, 3H), 2.20 - 2.02 (m, 2H), 1.24 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.07 - 1.00 (m, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K, mixture of E and Z isomers) δ (ppm) = 156.1, 136.2, 134.6, 134.1, 134.1, 134.0, 125.8, 125.8, 125.0, 124.6, 121.0, 120.9, 112.3, 112.3, 67.8, 67.6, 32.8, 27.6, 26.7, 26.7, 25.7, 22.9, 22.7, 22.7, 21.4, 20.7, 14.3, 13.8.MS (EI, 70eV): 232 (10, [M]+*), 217 (1), 150 (28), 135 (100), 83 (14).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):芳香的、チモール、メントール
【0134】
例31:3-エトキシ-4-((6-メチルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
a)1-シクロプロピル-3-メチルブタン-1-オール
THF(テトラヒドロフラン)(20mL)中のシクロプロパンカルバルデヒド(2.50g、35.7mmol)の溶液を、5℃にて塩化イソブチルマグネシウム(THF中2M、19.6mL、39.2mmol)の溶液へゆっくりと加えた。次いで、混合物を室温に達するようにさせ、2h撹拌した。混合物を飽和水溶液に注いだ。NHCl溶液(200mL)を、MTBE(2x200mL)で抽出し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、濾過および濃縮して、1-シクロプロピル-3-メチルブタン-1-オール(4.6g、定量的収率)を無色の油として得て、これをさらなる精製なく使用した。
MS (EI, 70eV): 113 (1, [M]+* - CH3*), 95 (3), 71 (100), 57 (21), 43 (58).
【0135】
b)(E)-1-ブロモ-6-メチルヘプト-3-エン
THF(テトラヒドロフラン)(20mL)中の1-シクロプロピル-3-メチルブタン-1-オール(4.00g、31.2mmol)の溶液を、HBr(48%水溶液、4.24mL、37.4mmol)とドデシル硫酸ナトリウム(0.3g、1mmol)との混合物へ、5℃にてゆっくりと加えた。混合物をMTBE(100mL)で希釈し、水(5x100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥して濃縮し、(E)-1-ブロモ-6-メチルヘプト-3-エン(4.71g、純度93%、収率73%)を得て、これをさらなる精製なく次のステップにおいて使用した。
【0136】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 5.58 - 5.47 (m, 1H), 5.42 - 5.33 (m, 1H), 3.37 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.56 (dq, J = 1.0, 7.0 Hz, 2H), 1.90 (dt, J = 0.9, 6.9 Hz, 2H), 1.67 - 1.55 (m, 1H), 0.88 (d, J = 6.6 Hz, 6H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 132.7, 127.5, 41.9, 36.1, 33.0, 28.3, 22.2.MS (EI, 70eV): 192 (2), 190 (2, [M]+*), 175 (1), 148 (5), 133 (2), 111 (42), 79 (5), 69 (91), 56 (86), 43 (100).
【0137】
c)3-エトキシ-4-((6-メチルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
水(20mL)中のエチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)(3.90g、23.5mmol)、(E)-1-ブロモ-6-メチルヘプト-3-エン(4.71g、24.6mmol)、臭化テトラブチルアンモニウム(378mg、1.17mmol)、およびKCO(3.89g、1.2当量、28.2mmol)の混合物を、5h加熱還流した。反応混合物を冷却し、水(100mL)で希釈し、MTBE(メチルtert-ブチルエーテル)(2x50mL)で抽出した。有機層を水(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過および濃縮した。得られた材料を、ヘプタン中のMTBEの勾配で溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーによって精製し、これに続き、真空下でクーゲルロール蒸留を行い、3-エトキシ-4-((6-メチルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド(3.88g、収率60%)を無色の油として得た。
【0138】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 9.83 (s, 1H), 7.45 - 7.38 (m, 2H), 6.97 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.63 - 5.53 (m, 1H), 5.52 - 5.42 (m, 1H), 4.19 - 4.07 (m, 4H), 2.62 - 2.53 (m, 2H), 1.91 (dt, J = 0.9, 6.8 Hz, 2H), 1.67 - 1.56 (m, 1H), 1.47 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.6 Hz, 6H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 191.0, 154.4, 149.2, 132.6, 130.0, 126.6, 125.9, 111.9, 111.0, 68.8, 64.6, 42.0, 32.3, 28.3, 22.3, 14.7.MS (EI, 70eV): 276 (4, [M]+*), 166 (53), 138 (32), 69 (100), 55 (48).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、グリーン、ハシバミの実、チョコレート
【0139】
例32:(E)-3-エトキシ-4-((5-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
a)(E)-1-ブロモ-5-メチルヘクサ-3-エン
臭化イソプロピルマグネシウム(THF中0.75モル、38.8mL、29.1mmol)の溶液を5℃まで冷却し、THF(10mL)中シクロプロパンカルバルデヒド(1.70g、24.3mmol)の溶液でゆっくりと処置し、得られた混合物を室温にて1h撹拌した。次いで、混合物を、水(8mL)中のHSO(16.4g、8.89mL、167mmol)の溶液で20分にわたりゆっくりと処置し、次いで50℃まで4h加熱した。混合物を冷却し、氷冷した2M NaOH溶液(200mL)中に注ぎ、MTBE(2x100mL)で抽出し、水(100mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、濾過および濃縮して、(E)-1-ブロモ-5-メチルヘクサ-3-エン(3.83g、収率89%)を、淡黄色の油として得て、これをさらなる精製なく使用した。
MS (EI, 70eV): 178 (4), 176 (4, [M]+*), 161 (1), 133 (1), 97 (27), 93 (4), 83 (4), 69 (100), 55 (41), 41 (47).
【0140】
b)(E)-3-エトキシ-4-((5-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(3.50g、21.1mmol)、(E)-1-ブロモ-5-メチルヘクサ-3-エン(3.73g、21.1mmol)、臭化テトラブチルアンモニウム(339mg、1.05mmol)、およびKCO(3.49g、25.3mmol)から、例31cの手順に従って化合物を調製し、(E)-3-エトキシ-4-((5-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド(1.83g、収率33%)を、無色の油として得た。
【0141】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 9.83 (s, 1H), 7.45 - 7.39 (m, 2H), 6.97 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.61 - 5.52 (m, 1H), 5.48 - 5.38 (m, 1H), 4.15 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 4.10 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.55 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.27 (qd, J = 6.7, 13.4 Hz, 1H), 1.47 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.98 (d, J = 6.7 Hz, 6H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 191.0, 154.4, 149.2, 141.0, 130.0, 126.6, 121.7, 111.9, 111.1, 68.9, 64.6, 32.2, 31.1, 22.4, 14.7.MS (EI, 70eV): 262 (5, [M]+*), 166 (40), 138 (33), 96 (38), 55 (100).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、グリーン、ハシバミの実、チョコレート
【0142】
例33:3-エトキシ-4-(ペント-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(26.5g、159mmol、1.0当量)および5-ブロモペント-2-エン(35.0g、223mmol、1.4当量、純度95%)から、高真空下での分留による精製後、化合物を薄黄色の液体(29.6g、収率78%、E/Z 93:7)として得た。
【0143】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) for major E isomer: δ 9.77 (s, 1H), 7.42 - 7.30 (m, 2H), 6.90 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.63 - 5.50 (m, 1H), 5.50 - 5.38 (m, 1H), 4.07 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.02 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.54 - 2.40 (m, 2H), 1.69 - 1.58 (m, 3H), 1.40 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ppm. 少数Z異性体の特徴的なシグナル:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.57 (pseudo q, J = 6.8 Hz, 2H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) for major E isomer: δ 190.6, 154.1, 148.9, 129.8, 128.0, 126.3, 125.8, 111.7, 110.8, 68.6, 64.3, 32.1, 17.8, 14.4 ppm. Z異性体の特徴的なシグナル:13C NMR (101 MHz, CDCl3) for minor Z isomer: δ 154.1, 126.9, 124.8, 111.5, 110.6, 68.1, 64.3, 26.7, 12.7 ppm. GC/MS (EI) major E isomer: m/z (%): 234 (5, [M]+・), 166 (43), 138 (38), 137 (40), 81 (10), 69 (100), 53 (11), 41 (78), 39 (15), 29 (18), 27 (12).
【0144】
GC/MS (EI) minor Z isomer: m/z (%): 234 (10, [M]+・), 166 (68), 138 (67), 137 (68), 81 (12), 69 (100), 53 (14), 41 (88), 39 (20), 29 (23), 27 (18).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):弱刺激性、パウダリー、バニラ、コショウ。
【0145】
例34:3-エトキシ-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(17.3g、104mmol、1.0当量)および5-ブロモ-2-メチルペント-2-エン(22.0g、135mmol、1.3当量)から、高真空下での分留による精製後、化合物を薄黄色の液体(21.3g、収率82%)として得た。
【0146】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.81 (s, 1H), 7.38 (t, J = 2.7 Hz, 2H), 6.94 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.20 (tt, J = 1.3, 7.3 Hz, 1H), 4.13 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 4.03 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.55 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.72 (d, J = 0.7 Hz, 3H), 1.67 (s, 3H), 1.45 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.8, 154.3, 149.0, 134.9, 129.8, 126.5, 118.8, 111.6, 110.7, 68.5, 64.4, 27.9, 25.7, 17.8, 14.6 ppm. GC/MS (EI) m/z (%): 248 (2, [M]+・), 166 (31), 138 (14), 137 (16), 83 (96), 67 (13), 55 (100), 41 (40), 39 (13), 29 (20), 27 (11).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、チョコレート。
【0147】
例35:(Z)-2-エトキシ-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-4-メチルベンゼン、および(Z)-1-エトキシ-2-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-4-メチルベンゼン
例1の手順に従って、2-エトキシ-4-メチルフェノールと2-エトキシ-5-メチルフェノール(3.00g、19.7mmol、1.0当量、EP0179532に従って調製)の1:1混合物、および(Z)-1-ヨードヘクサ-3-エン(6.21g、29.6mmol、1.5当量)から、化合物混合体を無色の液体(1.68g、収率35%、位置異性体の1:1混合物)として得た。
【0148】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, for the 1:1 regioisomer mixture): δ 6.80 (2x d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.75 - 6.66 (m, 2H), 5.61 - 5.50 (m, 1H), 5.49 - 5.39 (m, 1H), 4.11 - 4.02 (m, 2H), 4.02 - 3.95 (2x t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.65 - 2.52 (m, 2H), 2.29 (s, 3H), 2.19 - 2.05 (m, 2H), 1.48-1.39 (m, 3H), 1.05 - 0.94 (2x t, J = 7.6 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 148.7, 148.7, 146.6, 146.6, 134.2, 134.2, 130.8, 130.7, 124.1, 124.1, 121.2, 121.0, 115.0, 114.9, 114.2, 114.2, 69.0, 68.6, 64.9, 64.5, 27.5, 27.5, 20.9, 20.9, 20.6, 14.9, 14.9, 14.3 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):スパイシー、オイゲノール、丁子、フェノール臭、バニラ、医薬品臭。
【0149】
例36:4-(4-((4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(2.00g、12.2mmol、1.0当量)および1-ブロモ-4-メチルヘキサン-3-エン(2.80g、15.8mmol、1.3当量、Zarbin, Paulo H. G.; et al., Journal of Chemical Ecology 2012, 38, 825に従って調製)から、化合物を無色の液体(1.12g、収率35%、E/Z 86:14)として得た。
【0150】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of isomers): δ 7.16 - 7.01 (m, 2H), 6.90 - 6.74 (m, 2H), 5.26 - 5.09 (m, 1H), 3.92 (2x t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.88 - 2.79 (m, 2H), 2.78 - 2.69 (m, 2H), 2.54 - 2.42 (m, 2H), 2.14 (s, 3H), 2.11 - 1.96 (m, 2H), 1.75 - 1.64 (m, 3H), 1.07 - 0.95 (2x t, J = 7.6 Hz , 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of isomers) δ 208.1, 157.4, 140.0 (Z), 139.8, 132.8, 129.1, 119.1 (Z), 117.9, 114.5, 114.5, 67.8 (Z), 67.7, 45.5, 32.3, 30.1, 28.9, 28.1, 27.9 (Z), 24.9 (Z), 22.9 (Z), 16.1, 12.8, 12.6 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):フルーティ、ラズベリー、甘い、パウダリー。
【0151】
例37:3-メトキシ-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(2.00g、13.2mmol、1.0当量)および5-ブロモ-2-メチルペント-2-エン(2.79g、17.1mmol、1.3当量)から、化合物を無色の液体(2.54g、収率82%)として得た。
【0152】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of isomers): δ 9.84 (s, 1H), 7.44 - 7.41 (m, 1H), 7.40 (s, 1H), 6.96 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.22 - 5.17 (m, 1H), 4.06 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 3.92 (s, 3H), 2.58 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 1.73 (d, J = 1.0 Hz, 3H), 1.66 (s, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of isomers) δ 190.8, 154.0, 149.8, 135.1, 129.9, 126.7, 118.5, 111.3, 109.2, 68.5, 56.0, 27.9, 25.7, 17.8 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、クリーム状。
【0153】
例38:3-メトキシ-4-((4-メチルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(1.32g、8.68mmol、1.0当量)および1-ブロモ-4-メチルヘプト-3-エン(2.16g、11.3mmol、1.3当量、Zarbin, Paulo H. G.; et al., Journal of Chemical Ecology 2012, 38, 825に従って調製)から、化合物を淡黄色の液体(1.26g、収率55%、E/Z 81:19)として得た。
【0154】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of isomers): δ 9.85 (s, 1H), 7.46 - 7.42 (2x d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.41 (2x s, 1H), 7.00 - 6.95 (2x d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.27 - 5.11 (m, 1H), 4.12 - 4.02 (m, 2H), 3.93 (s, 3H), 2.68 - 2.53 (m, 2H), 2.10 - 1.93 (m, 2H), 1.74 - 1.61 (m, 3H), 1.49 - 1.36 (m, 2H), 0.93 - 0.83 (2x t, J = 7.3 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of isomers) δ 190.9, 154.0, 154.0 (Z), 149.8, 149.8 (Z), 139.1 (Z), 138.9, 129.9, 126.7, 118.9 (Z), 118.2, 111.4, 111.3 (Z), 109.3, 109.2 (Z), 68.7 (Z), 68.6, 56.0, 41.8, 33.9 (Z), 27.8, 27.7 (Z), 23.4 (Z), 21.1 (Z), 20.9, 16.0, 13.9 (Z), 13.6 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、チョコレート。
【0155】
例39:(Z)-1-エトキシ-2-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゼン
例1の手順に従って、2-エトキシフェノール(1.64g、11.9mmol、1.0当量)および(Z)-1-ヨードヘクサ-3-エン(3.50g、16.7mmol、1.4当量)から、化合物を淡黄色の液体(0.78g、収率30%)として得た。
【0156】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 6.91 (s, 4H), 5.61 - 5.51 (m, 1H), 5.51 - 5.40 (m, 1H), 4.10 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 4.02 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.67 - 2.53 (m, 2H), 2.19 - 2.05 (m, 2H), 1.46 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.01 (t, J = 7.6 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 148.9, 148.8, 134.3, 124.0, 121.1, 121.0, 113.9, 113.8, 68.6, 64.5, 27.4, 20.6, 14.9, 14.3 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):医薬品臭、フェノール、バニラ。
【0157】
例40:3-エトキシ-4-((4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(2.00g、12.2mmol、1.0当量)および1-ブロモ-4-メチルヘクサ-3-エン(2.77g、15.7mmol、1.3当量、Zarbin, Paulo H. G.; et al., Journal of Chemical Ecology 2012, 38, 825に従って調製)から、化合物を無色の液体(1.80g、収率57%、E/Z 82:18)として得た。
【0158】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 9.83 (s, 1H), 7.44 - 7.40 (2x d, J = 8.1 and 8.3 Hz, 1H), 7.40 (2x s, 1H), 6.99 - 6.94 (2x d, J = 8.3 and 8.1 Hz, 1H), 5.23 - 5.15 (m, 1H), 4.14 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 4.10 - 4.02 (2x t, J =7.3 Hz, 2H), 2.58 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.13 - 1.98 (m, 2H), 1.75 - 1.65 (m, 3H), 1.47 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.01 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.9, 154.4, 154.3 (Z), 149.1, 140.6 (Z), 140.4, 129.9 (Z), 126.5, 118.4 (Z), 117.2, 111.7, 111.7 (Z), 110.9, 110.7 (Z), 68.8 (Z), 68.6, 64.5, 64.5 (Z), 32.3, 27.8, 27.6 (Z), 24.9 (Z), 22.9 (Z), 16.1, 14.6, 12.9 (Z), 12.6 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、クリーム状、チョコレート、わずかに酪酸臭。
【0159】
例41:(Z)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-3-メトキシ-5-メチルベンゼン
例1の手順に従って、3-メトキシ-5-メチルフェノール(2.0g、18.8mmol、1.0当量)および(Z)-1-ヨードヘクサ-3-エン(3.95g、18.8mmol、1.3当量)から、化合物を無色の液体(0.63g、収率20%)として得た。
【0160】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 6.37 - 6.33 (m, 2H), 6.33 - 6.28 (m, 1H), 5.60 - 5.51 (m, 1H), 5.48 - 5.40 (m, 1H), 3.94 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.78 (s, 3H), 2.59 - 2.50 (m, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.18 - 2.06 (m, 2H), 1.01 (t, J = 7.6 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 160.6, 160.0, 140.1, 134.3, 124.1, 107.6, 107.1, 98.0, 67.4, 55.2, 27.4, 21.8, 20.7, 14.3 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):グリーン、ピーマン。
【0161】
例42:1-エチル-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンゼン
例1の手順に従って、4-エチルフェノール(2.50g、20.5mmol、1.0当量)および5-ブロモ-2-メチルペント-2-エン(4.32g、22.5mmol、1.1当量、純度85%)から、化合物を無色の液体(2.34g、収率56%)として得た。
【0162】
13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 157.0, 136.3, 134.3, 128.6, 119.7, 114.4, 67.7, 28.3, 28.0, 25.7, 17.8, 15.9 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):動物臭、革臭、フェノール臭、クレゾール臭。
【0163】
例43:1-メトキシ-3-メチル-5-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンゼン
例1の手順に従って、3-メトキシ-5-メチルフェノール(2.50g、18.1mmol、1.0当量)および5-ブロモ-2-メチルペント-2-エン(3.82g、19.9mmol、1.1当量、純度85%)から、化合物を無色の液体(2.20g、収率56%)として得た。
【0164】
13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 160.6, 160.1, 140.1, 134.3, 119.6, 107.6, 107.1, 98.0, 67.6, 55.2, 28.2, 25.7, 21.8, 17.8 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):動物臭、革臭、フェノール臭、クレゾール臭、グリーン、根のにおい。
【0165】
例44:1-メチル-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンゼン
例1の手順に従って、p-クレゾール(3.00g、27.7mmol、1.0当量)および5-ブロモ-2-メチルペント-2-エン(4.98g、30.5mmol、1.1当量)から、化合物を無色の液体(2.58g、収率49%)として得た。
【0166】
13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 156.9, 134.3, 129.8, 129.7, 119.7, 114.4, 67.7, 28.3, 25.7, 20.4, 17.8 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):動物臭、革臭、フェノール臭、クレゾール臭。
【0167】
例45:1-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)-3-プロピルベンゼン
例1の手順に従って、3-プロピルフェノール(2.50g、18.4mmol、1.0当量)および5-ブロモ-2-メチルペント-2-エン(3.87g、20.2mmol、1.1当量、純度85%)から、化合物を無色の液体(1.67g、収率42%)として得た。
【0168】
13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 159.0, 144.3, 134.3, 129.1, 120.8, 119.7, 114.8, 111.5, 67.5, 38.1, 28.3, 25.7, 24.4, 17.8, 13.8 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):動物臭、革臭、フェノール臭、クレゾール臭、グリーン、根のにおい。
【0169】
例46:(Z)-1-(2-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)フェニル)プロパン-1-オン
例1のプロセスに従って、1-(2-ヒドロキシフェニル)プロパン-1-オン(8.0g、53.3mmol、1.0当量)および(Z)-1-クロロヘクサ-3-エン(9.5g、79.9mmol、1.5当量)から、化合物を無色の液体(21.0mmol、5.0g、収率39%)として得た。
【0170】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.70 - 7.66 (m, 1H), 7.46 - 7.37 (m, 1H), 7.00 - 6.88 (m, 2H), 5.56 - 5.41 (m, 2H), 4.06 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.01 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 2.62 - 2.57 (m, 2H), 2.14 - 2.06 (m, 2H), 1.16 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 0.99 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 203.6, 157.9, 134.5, 133.1, 130.3, 128.5, 124.2, 120.6, 112.2, 68.1, 37.2, 27.3, 20.7, 14.2, 8.5 ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 232 (1) [M+], 203 (5), 185 (5), 163 (11), 150 (27), 121 (100), 82 (26), 55 (38).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):グリーン、ウィンターグリーン。
【0171】
例47:3-エトキシ-4-(((Z)-ヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド O-メチルオキシム
メタノール(20ml)および水(10ml)中の(Z)-3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド(1.0g、4.0mmol、1.0当量)、O-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.5g、6.0mmol、1.5当量)および酢酸ナトリウム(1.0g、12.1mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下、室温にて16時間撹拌した。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:MTBE=9:1)によって精製し、3-エトキシ-4-(((Z)-ヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド O-メチルオキシム(4.0mmol、1.1g、収率:98%)を淡黄色の液体として得た。
【0172】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.89 (s, 1H), 7.14 (s, 1H), 6.90 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.75 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.49 - 5.31 (m, 2H), 4.03 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 3.92 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.86 (s, 3H), 2.54 - 2.46 (m, 2H), 2.08 - 1.99 (m, 2H), 1.37 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.91 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 150.4, 149.0, 148.5, 134.6, 125.1, 123.8, 121.5, 112.7, 110.2, 68.4, 64.5, 61.8, 27.3, 20.7 14.8, 14.3ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 277 (22) [M+], 195 (100), 179 (1), 167 (24), 140 (13), 125 (5), 55 (38).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):バニラ(甘い、グルマン、カーネーションの花臭、栗のクリーム)
【0173】
例48:(Z)-2-エトキシ-4-(エトキシメチル)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゼン
a)(Z)-(3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)フェニル)メタノール
メタノール(200ml)中の(Z)-3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド(24.0g、96.6mmol、1.0当量)の溶液へ、水素化ホウ素ナトリウム(1.8g、48.3mmol、0.5当量)を、10℃にて部分的に加え、アルゴン雰囲気下、室温にて16時間撹拌した。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、水200mLを加え、溶液をMTBE(150mL*3)で抽出し、有機層をMgSOで乾燥し、濾過および濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:MTBE=4:1)で精製し、(Z)-(3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)フェニル)メタノール(85.0mmol、22.0g、収率:88%)を無色の液体として得た。
【0174】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.90 (s, 1H), 6.84 (s, 2H), 5.54 - 5.41 (m, 2H), 4.57 (d, J = 5.5 Hz, 2H), 4.07 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.98 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.60 - 2.55 (m, 2H), 2.14 - 2.07 (m, 2H), 1.98 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 1.43 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.98 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 149.0, 148.3, 134.4, 133.9, 124.0, 119.6, 113.7, 112.8, 68.8, 65.2, 64.6, 27.5, 20.7, 14.9, 14.3 ppm. GC/M S (EI): m/z (%): 250 (24) [M+], 194 (1), 168 (100), 153 (2), 140 (27), 122 (36), 107 (4), 93 (17), 77 (6), 65 (12), 55 (43).
【0175】
b)(Z)-2-エトキシ-4-(エトキシメチル)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゼン
DMF(50mL)中の水素化ナトリウム(0.7g、56%Wt、16.0mmol、2.0当量)の溶液に、(Z)-(3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)フェニル)メタノール(2.0g、8.0mmol、1.0当量)を0℃にて加え、混合物をアルゴン雰囲気下、室温にて5時間撹拌した。次いで、ブロモエタン(2.6g、24.0mmol、3.0当量)を、0℃にて反応溶液へ加え、得られた混合物を室温にて16h撹拌した。反応物を水を加えることによってクエンチし、次いでMTBE(100mL3)で抽出し、有機層をMgSOで乾燥し、濾過および濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:MTBE=98:2)で精製し、(Z)-2-エトキシ-4-(エトキシメチル)-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゼン(1.2g、4.2mmol、収率:52%)を無色の液体として得た。
【0176】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.90 (s, 1H), 6.84 (s, 2H), 5.54 - 5.41 (m, 2H), 4.42 (s, 2H), 4.09 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.98 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.51 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 260 - 2.55 (m, 2H), 2.14 - 2.06 (m, 2H), 1.44 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.23 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.98 (t, J = 7.5 Hz, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 148.9, 148.3, 134.4, 131.4, 124.1, 120.4, 113.6, 113.4, 72.6, 68.8, 65.5, 64.5, 27.5, 20.7, 15.3, 14.9, 14.3 ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 278 (46) [M+], 196 (100), 179 (5), 151 (89), 135 (16), 123 (57), 83 (17), 55 (79).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):スパイシー(オイゲノール、スモーキー)、パウダリー(バニラ)
【0177】
例49:(Z)-2-エトキシ-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-4-(メトキシメチル)ベンゼン
例48のプロセスに従って、(Z)-(3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)フェニル)メタノール(3.0g、12.0mmol、1.0当量)およびヨードメタン(5.1g、36.0mmol、3.0当量)から、化合物を無色の液体(5.5mmol、1.5g、収率46%)として得た。
【0178】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.89 (s, 1H), 6.86 - 6.82 (m, 2H), 5.59 - 5.47 (m, 1H), 5.47 - 5.37 (m, 1H), 4.37 (s, 2H), 4.09 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.99 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.36 (s, 3H), 2.60 - 2.55 (m, 2H), 2.14 - 2.07 (m, 2H), 1.44 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.98 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 148.9, 148.4, 134.4, 131.0, 124.0, 120.5, 113.5, 113.4, 74.6, 68.8, 64.5, 57.8, 27.5, 20.7, 14.9, 14.3 ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 264 (31) [M+], 182 (100), 151 (61), 137 (14), 123 (3565 (11), 55 (43).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):スパイシー(オイゲノール、スモーキー)、パウダリー(バニラ)
【0179】
例50:(Z)-2-エトキシ-1-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-4-(イソプロポキシメチル)ベンゼン
例48のプロセスに従って、(Z)-(3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)フェニル)メタノール(3.0g、12.0mmol、1.0当量)および2-ブロモプロパン(4.4g、36.0mmol、3.0当量)から、化合物を無色の液体(0.5mmol、0.2g、収率4%)として得た。
【0180】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.90 (s, 1H), 6.84 (s, 2H), 5.57 - 5.47 (m, 1H), 5.47 - 5.36 (m, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.09 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.98 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.66 (dt, J = 12.2, 6.1 Hz, 1H), 2.60 - 2.54 (m, 2H), 2.14 - 2.06 (m, 2H), 1.44 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.20 (d, J = 6.1 Hz, 6H), 0.98 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 148.9, 148.2, 134.3, 132.0, 124.1, 120.2, 113.7, 113.4, 70.6, 69.9, 68.8, 64.5, 27.5, 22.2, 20.7, 14.9, 14.3 ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 292 (73) [M+], 233 (3), 210 (60), 152 (100), 139 (25), 123 (56), 55 (54).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):スパイシー(オイゲノール、スモーキー)、パウダリー(バニラ)、グリーン
【0181】
例51:4-(シクロヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
例19のプロセスに従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(10.0g、60.2mmol、1.0当量)およびシクロヘキサン-1,4-ジオール(9.1g、78.3mmol、1.3当量)から、化合物を無色の液体(8.1mmol、2.0g、収率13%)として得た。
【0182】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.83 (s, 1H), 7.49 - 7.33 (m, 2H), 7.02 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 5.88 - 5.49 (m, 2H), 4.74 - 4.53 (m, 1H), 4.12 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.59 - 2.44 (m, 1H), 2.39 - 2.23 (m, 2H), 2.22 - 2.03 (m, 2H), 1.95 - 1.79 (m, 1H), 1.44 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.9, 153.4, 150.1, 130.2, 126.9, 126.2, 123.6, 114.6, 111.9, 74.4, 64.7, 31.0, 27.6, 23.7, 14.7 ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 246 (24) [M+], 192 (1), 166 (100), 149 (11), 138 (78), 81 (95), 53 (25).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(バニラ)
【0183】
例52:4,4’-(ヘクサ-3-エン-1,6-ジイルビス(オキシ))ビス(3-エトキシベンズアルデヒド)
例1のプロセスに従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(10.0g、60.2mmol、2.5当量)および1,6-ジブロモヘクサ-3-エン(5.8g、24.1mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(2.7mmol、1.1g、収率22%、E/Z混合、E:Z=2:1)として得た。
【0184】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, E/Z mixture) δ 9.83 (s, 2H), 7.52 - 7.31 (m, 4H), 6.97 - 6.92 (m, 2H), 6.26 - 5.55 (m, 2H), 4.77 - 3.98 (m, 8H), 2.79 - 2.55 (m, 2H), 2.45 - 2.30 (m, 1H), 2.03 - 1.96 (m, 1H), 1.60 - 1.38 (m, 6H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3, E isomer) δ 191.0, 154.2, 149.2, 130.0, 128.4, 126.6, 111.9, 110.9, 64.5, 64.4, 32.4, 14.7 ppm. GC/M S (EI): m/z (%): 412 (6) [M+], 246 (11), 177 (23), 137 (40), 109 (16), 81 (100), 67 (15), 53 (15).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(バニラ)
【0185】
例53:3-エトキシ-4-(ペント-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド-比較例
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(8.0g、48.1mmol、1.0当量)および5-ブロモペント-1-エン(9.3g、62.6mmol、1.3当量)から、化合物を無色の液体(43.9mmol、10.6g、収率91%)として得た。
【0186】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.83 (s, 1H), 7.38- 7.44 (m, 2H), 6.96 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.80 - 5.87 (m, 1H), 5.00- 5.11 (m, 2H), 4.07 - 4.18 (m, 4H), 2.30 - 2.24 (m, 2H), 2.01- 1.94 (m, 2H), 1.47 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 191.0, 154.4, 149.2, 137.6, 130.0, 126.6, 115.4, 111.9, 110.9, 68.4, 64.6, 30.0, 28.1, 14.7 ppm. GC/M S (EI): m/z (%): 234 (65) [M+], 206 (1), 166 (65), 149 (10), 138 (100), 81 (25), 69 (18).
【0187】
例54:(E)-3-エトキシ-4-(ヘクサ-2-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド-比較例
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(4.0g、24.1mmol、1.0当量)および(E)-1-ブロモヘクサ-2-エン(5.9g、36.1mmol、1.5当量)から、化合物を無色の液体(18.1mmol、4.5g、収率75%)として得た。
【0188】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.83 (s, 1H), 7.41 - 7.40 (m, 2H), 6.98 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.81- 5.90 (m, 1H), 5.68 - 5.76 (m, 1H), 4.64 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 4.15 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.98 - 2.16 (m, 2H), 1.38 -1.51 (m, 5H), 0.85 - 0.97 (m, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.9, 154.0, 149.2, 136.1, 130.0, 126.4, 124.1, 112.3, 110.6, 69.8, 65.2, 34.4, 22.5, 14.6, 13.6 ppm. GC/M S (EI): m/z (%): 248 (15) [M+], 219 (1), 166 (100), 138 (70), 81 (25), 55 (35).
【0189】
例55:液体洗浄剤における適用
a)試料調製
0.2重量%のエチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、試料A)または(Z)-3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド(例1の化合物、試料B)を、室温にて24h磁気攪拌することによって、無香料の液体洗浄剤基剤中にそれぞれ組み込んだ。
【0190】
b)色の安定性
上記で調製した試料を、無香料の基材試料(サンプルC)と比較して、目視で調べた。エチルバニリンの試料(A)は強い茶紫色の配色を示したが、前駆体を含有するサンプル(B)は無香料の基材(C)と光学的に同一であった。3種のサンプルすべてを図1に示す。
【0191】
c)洗浄試験および官能評価
上記で調製した液体洗浄剤試料AおよびBの55g、ならびに無臭のコットン/エラスタン混紡Tシャツを使用して、40℃の機械洗浄サイクルを行った。濡れた布および干して乾かした布(1日および4日)を、4~6人の専門家のパネルが、においの強度および品質に関して査定した。においの強度は、0(無臭)~5(極度に強い)の強度の程度で記録した。下の表1からわかるように、着色されたエチルバニリン洗浄剤基材で洗濯したTシャツからは事実上においが放出されなかったのに対し、(Z)-3-エトキシ-4-(ヘクサ-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒドを含有する無色洗浄剤基材で洗濯したTシャツは、1日後および4日後に強いバニラの、甘い、パウダリー、ならびにクリーム状のフレグランスを呈した。1日後と4日後の2つの試料のにおいの強さの差は高度に有意であった(スチューデントのt検定、p<0.01)。
【0192】
表1
【表1】
【0193】
結果は、図2においてもまた可視化されている。実験は、遊離エチルバニリンが基剤を着色し、その高い水溶性に起因して、洗濯および乾燥した布にいかなるフレグランスも付与しないから、遊離エチルバニリンは液体洗浄剤における適用には好適ではないことを実証している。これらの技術的限界は、着色性がなく、乾燥した布に強いバニラのフレグランスを付与する本発明の化合物によって克服される。
【0194】
例56:液体洗浄剤における適用(側鎖中の二重結合の位置)
二重結合の位置の重要性を強調するために、Δ-3に位置した二重結合を有する本発明の化合物との比較において、二重結合がΔ-2またはΔ-4の位置に配置された二重結合を持つ不飽和側鎖を有するエチルバニリンエーテル(式IVで表される化合物)を用いて、液体洗浄剤の適用における比較査定(例55aおよびcに記載)を実行した。においの強度は、0(無臭)~5(極度に強い)の強度の程度で記録した。結果を表2にまとめる。
【0195】
【化13】
表2:
【表2】
【0196】
結果は、側鎖のΔ-3の位置に二重結合を持つ本発明の化合物(ホモアリルエーテル、項目2および4)のみが、乾燥した布上で強いにおいを放出することを示している。対照的に、Δ-4またはΔ-2の位置に二重結合を有する、同一鎖長を持つ同様の化合物(項目1および3)で洗浄して乾燥した布では、非常に弱いにおいしか検出されなかった。
【0197】
例57:液体洗浄剤への適用-異なるにおいプロファイルの生成
液体洗浄剤試料を調製し、例45aおよびcに記載するように、洗濯および乾燥した布の洗浄試験とその後の官能評価とに使用した。においの強度は、0(無臭)~5(極度に強い)の強度の程度で記録した。結果を表3にまとめる。
【0198】
表3:
【表3】
【0199】
結果は、本発明の化合物を持つ乾燥した布上で、強いフレグランス強度が達成されることを説明している。においの方向性は、得られたフェノール系フレグランス化合物HXが優位である。いくつかのケースにおいて、それは側鎖またはそのフラグメントによってわずかにモジュレートされ得る。
【0200】
例58:放出された揮発性物質のヘッドスペース分析
式(I)で表される化合物の溶液(100μg、MTBE中の1.0mg/mL溶液)を、置換ピペットを通して紙片(1cm×8cm)に均一に塗布した。紙片を放置して乾燥させ(室温にて1h)、中央で折って20mLのヘッドスペースバイアルに「V」字型に挿入した(図3)。バイアル瓶をセプタムスクリューキャップで閉め、蛍光昼光模倣ランプおよび鏡面壁を備えたキャビネット内に24h置いた(温度27~28℃)。
【0201】
放出された有機揮発性物質の抽出および分析は、ISQ LT質量分析計(Thermo Fisher Scientific)へ連結した、TriPlus RSHオートサンプラー(Thermo Fisher Scientific)を備えたTrace 1310ガスクロマトグラフ上で自動モードで実行した。SPME(solid phase microextraction)(固相マイクロ抽出)を用いたヘッドスペースからの有機揮発性物質の抽出は、50/30μmのジビニルベンゼン/カルボキセン/ポリジメチルシロキサンSPMEファイバー(DVB/CAR/PDMS, Supelco P/N 57298-U)を使用して40℃にて1h実行し、その後スプリットレスモードにおいて250℃にて1分間放出した。GC-MS分析(質量分析検出付きガスクロマトグラフィー)を、VF-WAXmsキャピラリーカラム(Agilent、長さ30m、内径0.25mm、フィルム厚0.25μm)を用いて実行した。ヘリウムを、1ml/minの一定流量でキャリアガスとして使用した。GCオーブン温度は、35℃から、2分保持付きで5℃/分にて250℃まで、最終温度保持を10分とプログラムした。質量分析計は、EIモードで70eVにて、33~350のm/z範囲で、0.2秒間隔でスキャンし、トランスファーラインとイオン源の温度はそれぞれ230℃と220℃で稼働した。式(I)で表される化合物から放出される主な感覚的に活性な揮発性物質を表4において報告する(表示は、相対ピーク面積%;太字:主たるにおいベクトル)。
【0202】
表4
【表4】
【0203】
表示された相対ピーク面積%値は、モル放出率とは関係ないということに注意すべきである。気相中の各揮発性物質の相対量は、主に揮発性に依存する。したがって、感覚活性フェノールはマイナーな構成要素として現れる。感覚的に活性なフェノールは、光源へ暴露していない試料において、その他の点で同一条件下で観察され、光の有無にかかわらず、環境大気中へ暴露されると酸化によって放出が起こり得ることを示している。
【0204】
例59:生分解性の査定
マノメトリックレスピロメトリー試験(OECD材料試験ガイドラインNo.301F、パリ1992)による生分解性査定の結果を表5にまとめる。
【0205】
表5:
【表5】
【0206】
結果は、様々なフェノール部分および側鎖を持つ本発明の化合物が、生分解性であることを示している。完全な無機化に要求される理論の酸素消費量の60%という合格レベルに達している場合、化合物は生分解性に分類され得る。
【0207】
28日間の試験期間中、10日以内に合格レベルに達した場合、その化合物はただちに生分解性である。生分解の度合いが10%に達したときに、10日間のウィンドウが始まる。28日間の試験期間後に合格レベルが得られた場合、化合物は本質的生分解性であると分類され得る。
【0208】
例60:メチル5-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)ペント-2-エノエート
DCE(50mL)中の(Z)-3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド(10.0g、40mmol)およびブタ-2-エノエート(8.1g、80mmol)の溶液へ、Zhan触媒-1b(0.3g、0.4mmol)を加え、アルゴン下、70℃にて16時間撹拌した。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(PE:MTBE=7:3)によって精製し、5-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)ペント-2-エノエート(9.0mmol、3.7g、収率:22%)を、白色の固体として得た。
【0209】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 9.92 - 9.77 (m, 1H), 7.47 - 7.33 (m, 2H), 7.11 - 6.88 (m, 2H), 6.08 - 5.86 (m, 1H), 4.28 - 4.03 (m, 4H), 3.81 - 3.67 (m, 3H), 2.84 - 2.72 (m, 2H), 1.47 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 191.0, 191.0, 166.7, 154.1, 153.8, 149.4, 145.3, 144.2, 130.5, 130.3, 126.5, 126.4, 123.5, 121.5, 112.3, 112.2, 111.1, 111.0, 67.8, 67.1, 64.6, 64.6, 51.6, 51.2, 31.8, 28.8, 14.7, 14.6 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):甘いパウダリーグルマン、バニラ、コーヒー、クリーム状、バニラ、乳白色
【0210】
例61:エチル2-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)ペント-4-エノエート
a)エチル2-ヒドロキシペント-4-エノエート
DCM(100mL)中のアリルトリメチルシラン(11.2g、98mmol)およびエチル2-オキソアセテート(5.0g、49mmol)の溶液へ、DCM(50mL)中の三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(10.4g、74mmol)を室温にてゆっくりと加え、16時間撹拌した。混合物にNHCl水溶液を加えることによってクエンチし、MTBE(3*100mL)で抽出し、有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過して、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE:MTBE=9:1)によって精製し、エチル2-ヒドロキシペント-4-エノエート(2.3g、収率:33%)を、薄黄色の液体として得た。
【0211】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.89 - 5.74 (m, 1H), 5.20 - 5.09 (m, 2H), 4.35 - 4.16 (m, 3H), 2.89 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 2.64 - 2.35 (m, 2H), 1.33 - 1.25 (m, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 174.4, 132.5, 118.7, 70.0, 61.7, 38.7, 14.2 ppm.
【0212】
b)エチル2-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)ペント-4-エノエート
例19の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(3.2g、19mmol)およびエチル2-ヒドロキシペント-4-エノエート(2.5g、17mmol)から、エチル2-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)ペント-4-エノエートを、無色の液体(8.4mmol、2.5g,収率48%)として得た。
【0213】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.82 (s, 1H), 7.44 - 7.30 (m, 2H), 6.94 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.07 - 5.84 (m, 1H), 5.32 - 5.04 (m, 2H), 4.80 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 4.29 - 4.03 (m, 4H), 2.76 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 1.44 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.24 (t, J = 7.1 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.8, 170.3, 152.9, 149.9, 132.2, 131.4, 125.7, 118.7, 115.7, 112.0, 77.6, 64.7, 61.3, 37.1, 14.6, 14.2 ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 292 (100) [M+], 264 (1), 219 (9), 166 (38), 149 (42), 137 (67), 99 (61), 81 (29).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):甘いパウダリーグルマン(バニラ、コーヒー)、クリーム状(バニラ、乳白色)
【0214】
例62:メチル2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル-4-((4-メチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)安息香酸
例1のプロセスに従って、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸(1.5g、7.7mmol)および5-ブロモ-2-メチルペント-2-エン(1.4g、8.4mmol)から、化合物を白色の固体(0.5g、収率20%)として得た。
【0215】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.75 (s, 1H), 6.17 (s, 1H), 5.14 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.92 - 3.81 (m, 5H), 2.50 - 2.31 (m, 5H), 2.01 (s, 3H), 1.69 - 1.55 (m, 6H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 171.6, 161.2, 159.9, 138.9, 133.5, 118.5, 110.0, 105.8, 104.2, 66.8, 50.7, 27.3, 24.7, 23.6, 16.8, 6.8 ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 278 (2) [M+], 247 (1), 231 (4), 196 (22), 164 (47), 83 (66), 55 (100).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):苔臭(エバーニル)
【0216】
例63:メチル2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル-4-(ペント-3-エン-1-イルオキシ)安息香酸
例1の手順に従って、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸(4.0g、20mmol)および5-ブロモペント-2-エン(3.0g、20.4mmol)から、化合物を白色の固体(3.1g、収率58%)として得た。
【0217】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.75 (s, 1H), 6.25 - 6.06 (m, 1H), 5.60 - 5.32 (m, 2H), 3.96 - 3.79 (m, 5H), 2.54 - 2.30 (m, 5H), 1.99 (s, 3H), 1.67 - 1.54 (m, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 172.6, 162.2, 160.9, 140.0, 127.9, 126.6, 111.1, 106.8, 105.3, 67.9, 51.7, 32.6, 24.6, 18.0, 7.8 ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 264 (27) [M+], 217 (29), 196 (76), 164 (100), 136 (47), 69 (51).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):苔臭、エバーニル、乾燥したパウダリー
【0218】
例64:シャンプー基材における適用
無香料の透明なヘアシャンプー基剤へ0.2重量%の3-エトキシ-4-(ヘクサ-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド(例3の化合物)を加え、室温にて24h、ボトルローラーで混合することによって、ヘアシャンプー試料(20g)を調製した。匂いのない人毛見本を、温かい水道水で濡らし、手袋をはめた手によって30秒間2mLの上記ヘアシャンプー試料で柔らかく泡立てた。泡立てた毛の見本をプラスチックボウル内で2分間放置した後、20秒間流れる水道水ですすいだ。毛の見本を2本の指の間で絞ることによって過剰な水を取り除いた後、屋外に放置して乾燥させた。濡れた毛と乾燥した毛の見本(1日目と3日目)の匂いを、7人の専門家のパネルが査定した。7人の専門家の内5人が、1日後と3日後の乾いた毛にバニラの特色を知覚した。
【0219】
この実験は、本発明の前駆体が、乾いた毛上にフレグランスを放出することが可能であることを実証している。
【0220】
例65:悪臭の低減
布(18cm×14cmのコットンジャージ)を使用前に取り払った。次いで、ヨーロッパの洗濯機(40℃-1,000回転/分)で、洗濯1回につき1単位用量(65g)で洗濯した。単位用量は、トリエチルシトレート中に、式1で表される化合物の10%溶液を2%含有していた。
a)例33の化合物
b)例34の化合物
c)例1の化合物
【0221】
総洗濯量は1.6kgで、試験布およびバラストとしてのハンドタオル(綿100%)であった。布は干して乾かし、25℃にて無香料の部屋中に一晩放置し、3日間吊るし、次いで試験前日(3日目)にホイルに包んだ。査定30分前に、50μLの純粋な男性の汗の悪臭をコットンパッドの上に置き、500mlのパウダージャーに入れた。綿ジャージの正方形1枚をパウダージャーの上面にわたって置き、ゴムバンドで固定した。テストしたすべての試料は、ランダムなコード番号でコード化した。
【0222】
悪臭とフレグランスの知覚強度は、熟練した官能パネルによって0~100の線スケールを使用して査定した。すべての悪臭と香りの知覚強度は、悪臭対照試料に対してスケール化した。男性の汗の悪臭に対する悪臭知覚強度を40と設定し、フレグランスの知覚強度を0に設定した。
【0223】
パネリストによって査定する試料の順番は、バランスの取れた無作為化を使用して事前に決定した。試料は、逐次的なモナド方式で査定した。製品は14人のパネリストによって2回査定し、1試料あたり28回の査定を行った。
分析前に、データが、外れ値および正規性への極端な違反がないかチェックした。
【0224】
データの信頼性をチェックし、識別性、コンセンサス、または再現性の低いパネリストのデータは分析から除外したこともある。データは分散分析(ANOVA)を使用して分析した。有意水準5%(信頼水準95%)を使用した。悪臭およびフレグランス強度については、別々のANOVAを実行した。ANOVAは,製品,パネリスト,および複製を因子として有する。製品の対比較は、複数検定のためのBenjamini-Hochberg補正を使用して行った。推定製品平均を報告する。製品平均が互いに統計的に有意に異なる場合はアルファベットで示し、そうでない場合は同じ文字を共有する。
【0225】
a)知覚された悪臭強度
【表A】
【0226】
「差異の有意性」の列に同じ文字が示されている場合、関連する数値の間に統計的に有意な差異はない。
【0227】
4日乾燥した布から査定した場合、3製品のいずれかで洗濯した布は、(サンプル4と比較して)男性の汗の悪臭の知覚を有意に低減させた。試料2は、試料3よりも知覚される悪臭強度(PMI)において有意に異なってはいなかったが、この2つの試料は試料1よりも有意に高いPMIを有していた。
【0228】
b)知覚されたフレグランス強度
【表B】
【0229】
「差異の有意性」の列に同じ文字が示されている場合、関連する数値の間に統計的に有意な差異はない。
【0230】
4日乾燥した布を、男性の汗の悪臭の存在下で試料5に対して査定したところ、試料8で洗濯した布は、知覚されたフレグランス強度(PFI)において有意に異なると知覚されない試料6または試料7で洗濯した布よりも、PFIが有意に強かった。
【0231】
本発明の化合物は、汗の悪臭の知覚強度を有意に低減させ、かつ悪臭の存在下でも知覚可能であった。
図1
図2
図3
【国際調査報告】