(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】フェノール系フレグランス化合物の前駆体
(51)【国際特許分類】
C07C 45/61 20060101AFI20241018BHJP
C07C 47/575 20060101ALI20241018BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
C07C45/61
C07C47/575 CSP
C11B9/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523882
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2022079166
(87)【国際公開番号】W WO2023067040
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/125209
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コチート アルマニノ,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】チャイ,アン
(72)【発明者】
【氏名】フラクスマン,フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】リニガー,マルク
(72)【発明者】
【氏名】ジョー,リジュン
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB14
4H006AC41
4H006AC45
(57)【要約】
式(I):
で表される化合物が提供され、これはフェノール系フレグランス化合物HXのホモアリル性エーテルであり、前記フェノール系フレグランス化合物HX、および任意にさらなるフレグランスを放出することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II):
【化1】
で表される化合物であるフェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての式(I):
【化2】
で表される化合物の使用であって、
式中、
R
1~R
7は、H、Me、またはO、SおよびNからなる群から選択される4個までのヘテロ原子を持ち、および3個までの二重結合または2個までの三重結合を持ち、3個までの環を持つ、線状または分枝状のC2~C20炭化水素基、フェニル、ベンジル、置換されたアリールまたはヘテロアリール単位、1-または2-ナフチルからなる群から、独立して選択される、
または、R
6およびR
7は一緒になって炭素原子への二重結合を形成し、この炭素原子は1つまたは2つのC1~C10アルキルまたはC2~C10アルケニル置換基を持つが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
または、R
1およびR
6、R
1およびR
3、R
1およびR
5、R
3およびR
5、R
3およびR
6、R
5およびR
7、R
6およびR
7、R
1およびR
2、またはR
3およびR
4は、結び付けられている鎖の炭素原子と一緒に、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成し、それはアルキル鎖で任意に置換されるが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R
1~R
7のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
または、R
7は、-CR’
3R’
4-CR’
1R’
2-X’であり、ここで、R’
1、R’
2、R’
3、R’
4およびX’は、R
1、R
2、R
3、R
4およびXの対応する基から選択され得るが、他の置換基は、先に定義したのと同じ意味を有し、およびR
1~R
6およびR’
1~R’
4のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
およびここで、Xは以下のフラグメントを表す、
【化3】
式中、
R
11~R
15は、H、線状または分枝状のC1~C5アルキル、線状または分枝状のC2~C5アルケニル、線状または分枝状のC2~C5アルキニル、OH、C1~C4-アルコキシ、CHO、C(O)Me、C(O)Et、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘキサノイル、(CH
2)
2C(O)CH
3、(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH
2-O-Me、CH
2-O-Et、CH
2-O-iPr、CH
2-OH、Cl、Br、フェニル、CH(OR
16)(OR
17)(ここで、R
16およびR
17は、C1~C5アルキルからなる群から独立して選択されるか、またはR
16およびR
17は、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、5員または6員の環を形成する)、C=N-OR
18(ここで、R
18はC1~C5アルキルである)、CO
2R
19(ここで、R
19は、線状または分枝状のC1~C8アルキル、線状または分枝状のC2~C8アルケニル、線状または分枝状のC2~C8アルキニル、シクロアルキル、およびアリールからなる群から選択される)からなる群から独立して選択され;
または、R
11およびR
12、またはR
12およびR
13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員の環を形成してもよい、
前記使用。
【請求項2】
請求項1に記載の使用であって、ここで、
R
1~R
7は、H、Me、C2~C20の分枝状または線状アルキルまたはアルケニルまたはアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、ベンジル、フェニルエチルまたは置換フェニルエチル、置換アリールまたはヘテロアリールの単位、1-または2-ナフチル、アルコキシカルボニレート(-O(C=O)-R)、アルキルカルボキシレート(-(C=O)-O-R)、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールからなる群から独立して選択される;
または、R
6およびR
7は一緒になって炭素原子への二重結合を形成し、この炭素原子は1つまたは2つのC1~C10アルキルまたはC2~C10アルケニル置換基を持つが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有する;
または、R
1およびR
6、R
1およびR
3、R
1およびR
5、R
3およびR
5、R
3およびR
6、R
5およびR
7、R
6およびR
7、R
1およびR
2、またはR
3およびR
4は、結び付けられている鎖の炭素原子と一緒に、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成し、それはアルキル鎖で任意に置換されるが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R
1~R
7のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
または、R
7は、-CR’
3R’
4-CR’
1R’
2-X’であり、ここで、R’
1、R’
2、R’
3、R’
4およびX’は、R
1、R
2、R
3、R
4およびXの対応する基から選択され得るが、他の置換基は、先に定義したのと同じ意味を有し、およびR
1~R
6およびR’
1~R’
4のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
である、
およびここで、Xは以下のフラグメントを表す、
【化4】
式中、
R
11は、H、C1~C5アルキル、OH、OMe、OEt、O-n-Pr、O-イソ-Pr、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘクサノイル、Cl、Br、フェニル、CO
2R
19からなる群から選択され、ここでR
19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘキシル-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH
2)
2-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
R
12は、H、OH、C1~C5アルキル、C2~C5アルケニル、C1~C5アルコキシからなる群から選択され;
R
13は、H、分枝状または線状のC1~C5アルキル、分枝状または線状のC2~C5アルケニル、CHO、CO
2H、CO
2Me、CO
2Et、C(O)Me、C(O)Et、(CH
2)
2C(O)CH
3;(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH
2-O-Me、CH
2-O-Et、CH
2-O-iPr、CH
2-OH、Cl、プロパノイル、CO
2R
19からなる群から選択され、ここでR
19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘクセ-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH
2)
2-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
R
14は、H、OH、C1~C5アルキル、C2~C5アルケニル、C1~C5アルコキシからなる群から選択され;
R
15は、H、C1~C5アルキル、Brからなる群から選択されるか、
または、R
11およびR
12、またはR
12およびR
13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員の環を形成してもよい;
式(II):
【化5】
で表される化合物であるフェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての請求項1に記載の使用。
【請求項3】
式(I):
【化6】
式中、
R
1~R
7は、H、Me、またはO、SおよびNからなる群から選択される4個までのヘテロ原子を持ち、3個までの二重結合または2個までの三重結合を持ち、3個までの環を持つ、線状または分枝状のC2~C20炭化水素基、フェニル、ベンジル、置換されたアリールまたはヘテロアリール単位、1-または2-ナフチルからなる群から、独立して選択され、
または、R
6およびR
7は一緒になって炭素原子への二重結合を形成し、この炭素原子は1つまたは2つのC1~C10アルキルまたはC2~C10アルケニル置換基を持つが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
または、R
1およびR
6、R
1およびR
3、R
1およびR
5、R
3およびR
5、R
3およびR
6、R
5およびR
7、R
6およびR
7、R
1およびR
2、またはR
3およびR
4は、結び付けられている鎖の炭素原子と一緒に、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成し、それはアルキル鎖で任意に置換されるが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R
1~R
7のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
または、R
7は、-CR’
3R’
4-CR’
1R’
2-X’であり、ここで、R’
1、R’
2、R’
3、R’
4およびX’は、R
1、R
2、R
3、R
4およびXの対応する基から選択され得るが、他の置換基は、先に定義したのと同じ意味を有し、およびR
1~R
6およびR’
1~R’
4のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
およびここで、Xは以下のフラグメントを表す、
【化7】
式中、
R
11~R
15は、H、線状または分枝状のC1~C5アルキル、線状または分枝状のC2~C5アルケニル、線状または分枝状のC2~C5アルキニル、OH、C1~C4-アルコキシ、CHO、C(O)Me、C(O)Et、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘキサノイル、(CH
2)
2C(O)CH
3、(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH
2-O-Me、CH
2-O-Et、CH
2-O-iPr、CH
2-OH、Cl、Br、フェニル、CH(OR
16)(OR
17)(ここで、R
16およびR
17は、C1~C5アルキルからなる群から独立して選択されるか、またはR
16およびR
17は、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、5員または6員の環を形成する)、C=N-OR
18(ここで、R
18はC1~C5アルキルである)、CO
2R
19(ここで、R
19は、線状または分枝状のC1~C8アルキル、線状または分枝状のC2~C8アルケニル、線状または分枝状のC2~C8アルキニル、シクロアルキル、およびアリールからなる群から選択される)からなる群から独立して選択され;
または、R
11およびR
12、またはR
12およびR
13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員環を形成してもよい、
で表される化合物。
【請求項4】
R
1~R
7は、H、Me、C2~C20の分枝状または線状アルキルまたはアルケニルまたはアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、ベンジル、フェニルエチルまたは置換フェニルエチル、置換アリールまたはヘテロアリールの単位、1-または2-ナフチル、アルコキシカルボニレート(-RO(C=O)-R’)、アルキルカルボキシレート(-R(C=O)-O-R’)、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールからなる群から独立して選択され;
または、R
6およびR
7は一緒になって炭素原子への二重結合を形成し、この炭素原子は1つまたは2つのC1~C10アルキルまたはC2~C10アルケニル置換基を持つが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
または、R
1およびR
6、R
1およびR
3、R
1およびR
5、R
3およびR
5、R
3およびR
6、R
5およびR
7、R
6およびR
7、R
1およびR
2、またはR
3およびR
4は、結び付けられている鎖の炭素原子と一緒に、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成し、それはアルキル鎖で任意に置換されるが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R
1~R
7のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
または、R
7は、-CR’
3R’
4-CR’
1R’
2-X’であり、ここで、R’
1、R’
2、R’
3、R’
4およびX’は、R
1、R
2、R
3、R
4およびXの対応する基から選択され得るが、他の置換基は、先に定義したのと同じ意味を有し、およびR
1~R
6およびR’
1~R’
4のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
およびここで、Xは以下のフラグメントを表す、
【化8】
式中、
R
11は、H、C1~C5アルキル、OH、OMe、OEt、O-n-Pr、O-イソ-Pr、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘクサノイル、Cl、Br、フェニル、CO
2R
19からなる群から選択され、ここでR
19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘキシル-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH
2)
2-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
R
12は、H、OH、C1~C5アルキル、C2~C5アルケニル、C1~C5アルコキシからなる群から選択され;
R
13は、H、分枝状または線状のC1~C5アルキル、分枝状または線状のC2~C5アルケニル、CHO、CO
2H、CO
2Me、CO
2Et、C(O)Me、C(O)Et、(CH
2)
2C(O)CH
3;(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH
2-O-Me、CH
2-O-Et、CH
2-O-iPr、CH
2-OH、Cl、プロパノイル、CO
2R
19からなる群から選択され、ここでR
19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘクセ-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH
2)
2-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
R
14は、H、OH、C1~C5アルキル、C2~C5アルケニル、C1~C5アルコキシからなる群から選択され;
R
15は、H、C1~C5アルキル、Brからなる群から選択されるか、
あるいは、R
11とR
12、またはR
12とR
13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員環を形成してもよい、
請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
請求項3に記載の式(I)で表される少なくとも1種の化合物を含む、フレグランス組成物。
【請求項6】
請求項3に記載の式(I)で表される少なくとも1種の化合物、および消費者向け製品基材を含む消費者向け製品。
【請求項7】
請求項3において定義された式(I)で表される化合物を、光の存在下または非存在下で環境大気へ曝露する、式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物を放出する方法。
【請求項8】
請求項3に記載の式(I)で表される化合物の製造方法であって、以下:
a) フェノール系フレグランス化合物HXを提供するステップ、
b) それを不飽和アルキルハライドまたは不飽和アルコールと反応させるステップ、
を含む、前記方法。
【請求項9】
フレグランス組成物または消費者向け製品の快楽的特性を、付与、増強、改善または改変する方法であって、該組成物または消費者向け製品へ、請求項1において定義される式(I)で表される少なくとも1つの化合物を加えることを含む、
前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は一般に、フェノール系フレグランス化合物を放出することができる、フレグランス前駆体に関する。本発明はまた、前記前駆体を含有する香料調剤および消費者向け製品に関する。本発明はさらに、前記香料前駆体、香水調剤、および消費者向け製品の製造方法、ならびにパーソナルケアおよび家庭用ケア製品などの消費者向け製品における前記香料前駆体および香料調剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
フレグランスを含む洗浄用または洗濯用製品などの香料付き消費者向け製品は、当技術分野においてよく知られている。しかしながら、アルカリ性、酸性、次亜塩素酸塩などの酸化剤の存在、または他の塩基成分がフレグランスの化学的劣化へと導くこともある、特定の消費者向け製品基材に組み込まれるときに、フレグランスが変化することもあることが知られている。加えて、揮発性のフレグランスは時間とともに消散する傾向がある。さらにまた、洗浄用または洗濯用製品中に使用される場合、処置される基材に対するフレグランスの沈着は、洗浄および/またはリンスの操作によって減退する。
加えて、バニリンまたはエチルバニリンのようなフェノール系フレグランス化合物の場合、洗浄剤基材のような媒体において変色の問題が起こり得る。さらにまた、フェノール系フレグランス化合物は、その水溶性が比較的高いため、洗い落としの用途においては低い持続性を示す。
【0003】
それでもなお、経時的に保存され得て、かつ変色することなく一定の香料の印象を依然として与える製品を有することが消費者によって望まれている。とりわけ、揮発性成分の効果が保持されるべきである。さらにまた、かかる製品が、処置された基材から経時的にゆっくり放射する、長時間持続する心地よいフレグランスを創造することが望まれる。
【0004】
これらのニーズに対応するため、フレグランス前駆体が使用され得て、それは、それ自体は本質的に無臭だが、特定の状況においては、分解してフレグランス分子を放出する物質である。
加水分解、温度変化、酸素、光の作用、および酵素などの活性化でフレグランス分子を放出する既知の前駆体には、いくつかの部類がある。例えば、WO2012085287は、自然な空気酸化によってフレグランスを放出することができる前駆体の一群を報告している。WO2007143873においては、加水分解によって切断され得る前駆体の別の群が記載されている。
【0005】
すべての前駆体は異なる安定性を示し、異なる状況下でフレグランス分子を放出する。したがって、変色を避けながら、フェノール系フレグランス化合物を有意な持続性をもって放出することが可能な、新規または改良されたシステムを提供することが望まれる。
【発明の概要】
【0006】
概要
本発明の第1の側面に従って、フェノール系フレグランス化合物、および任意にさらなるフレグランス化合物を放出することが可能であるフレグランス前駆体としての化合物の使用が提供される。
本発明の第2の側面に従って、フレグランス前駆体としての化合物が提供される。
本発明の第3の側面に従って、前記フレグランス前駆体を含む、フレグランス組成物および消費者向け製品が提供される。
【0007】
本発明の第4の側面に従って、フェノール系フレグランス化合物、および任意にさらなるフレグランス化合物を放出する方法が提供される。
本発明の第5の側面に従って、前記フレグランス前駆体、ならびに前記フレグランス前駆体を含むフレグランス組成物および消費者向け製品の作成方法が提供される。
本発明の第6の側面に従って、前記フレグランス前駆体を使用することによって、フレグランス組成物または消費者向け製品の快楽的特性を、付与、増強、改善または改変する方法が提供される。
【0008】
本発明の任意の側面の特定の態様は、以下の利点の1つ以上を提供し得る:
●フェノール系フレグランス化合物の放出、
●任意にさらなるフレグランス化合物の放出、
●消費者向け製品基材中の、ならびに基質へ沈着後の、フレグランス前駆体の安定性
●遊離フェノールを使用した調和物と比較して、変色の影響の回避、または大幅な低減。
【0009】
本発明の任意の具体的な1つ以上の規定された側面に関して提供される詳細、例、および選好は、本明細書にさらに記載され、本発明のすべての側面に等しく適用される。本明細書に記載された任意の態様、例および選好のそのすべてのバリエーションにおいての組み合わせは、本明細書に別段に指し示されない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、本発明によって網羅される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細説明
本発明は、フェノール系フレグランス化合物のホモアリルエーテルが、前記フェノール系フレグランス化合物を放出することができるフレグランス前駆体として役立ち得るという驚くべき発見に基づくものである。これらのフレグランス前駆体は、遊離フェノール系フレグランス化合物を使用したときに通常生じる変色の問題を避けながら、フェノール系フレグランス化合物よりも高い持続性を有する。
【0011】
したがって、本明細書では、式(II):
【化1】
で表される化合物であるフェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての式(I):
【化2】
で表される化合物の使用であって、
式中、
R
1~R
7は、H、Me、またはO、SおよびNからなる群から選択される4個までのヘテロ原子を持ち、および3個までの二重結合または2個までの三重結合を持ち、および3個までの環を持つ、線状または分枝状のC2~C20炭化水素基、フェニル、ベンジル、置換されたアリールまたはヘテロアリール単位、1-または2-ナフチルからなる群から、独立して選択され、
または、R
6およびR
7は一緒になって炭素原子への二重結合を形成し、この炭素原子は1つまたは2つのC1~C10アルキルまたはC2~C10アルケニル置換基を持つが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
または、R
1およびR
6、R
1およびR
3、R
1およびR
5、R
3およびR
5、R
3およびR
6、R
5およびR
7、R
6およびR
7、R
1およびR
2、またはR
3およびR
4は、結び付けられている鎖の炭素原子と一緒に、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成し、それはアルキル鎖で任意に置換されるが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R
1~R
7のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
または、R
7は、-CR’
3R’
4-CR’
1R’
2-X’であり、ここで、R’
1、R’
2、R’
3、R’
4およびX’は、R
1、R
2、R
3、R
4およびXの対応する基から選択され得るが、他の置換基は、先に定義したのと同じ意味を有し、およびR
1~R
6およびR’
1~R’
4のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
およびここで、Xは以下のフラグメントを表す、
【化3】
式中、
R
11~R
15は、H、線状または分枝状のC1~C5アルキル、線状または分枝状のC2~C5アルケニル、線状または分枝状のC2~C5アルキニル、OH、C1~C4-アルコキシ、CHO、C(O)Me、C(O)Et、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘキサノイル、(CH
2)
2C(O)CH
3、(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH
2-O-Me、CH
2-O-Et、CH
2-O-iPr、CH
2-OH、Cl、Br、フェニル、CH(OR
16)(OR
17)(ここで、R
16およびR
17は、C1~C5アルキルからなる群から独立して選択されるか、またはR
16およびR
17は、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、5員または6員の環を形成する)、C=N-OR
18(ここで、R
18はC1~C5アルキルである)、CO
2R
19(ここで、R
19は、線状または分枝状のC1~C8アルキル、線状または分枝状のC2~C8アルケニル、線状または分枝状のC2~C8アルキニル、シクロアルキル、およびアリールからなる群から選択される)からなる群から独立して選択され;
または、R
11およびR
12、またはR
12およびR
13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員の環を形成してもよい、
前記使用を提供する。
【0012】
例えば、式(I):
【化4】
で表される化合物の使用であって、
式中、
R
1~R
7は、H、Me、C2~C20の分枝状または線状アルキルまたはアルケニルまたはアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、ベンジル、フェニルエチルまたは置換フェニルエチル、置換アリールまたはヘテロアリールの単位、1-または2-ナフチル、アルコキシカルボニレート(-RO(C=O)-R’)、アルキルカルボキシレート(-R(C=O)-O-R’)、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールからなる群から独立して選択されるか;
または、R
6およびR
7は一緒になって炭素原子への二重結合を形成し、この炭素原子は1つまたは2つのC1~C10アルキルまたはC2~C10アルケニル置換基を持つが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有する;
または、R
1およびR
6、R
1およびR
3、R
1およびR
5、R
3およびR
5、R
3およびR
6、R
5およびR
7、R
6およびR
7、R
1およびR
2、またはR
3およびR
4は、結び付けられている鎖の炭素原子と一緒に、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成し、それはアルキル鎖で任意に置換されるが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R
1~R
7のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
または、R
7は、-CR’
3R’
4-CR’
1R’
2-X’であり、ここで、R’
1、R’
2、R’
3、R’
4およびX’は、R
1、R
2、R
3、R
4およびXの対応する基から選択され得るが、他の置換基は、先に定義したのと同じ意味を有し、およびR
1~R
6およびR’
1~R’
4のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
およびここで、Xは以下のフラグメントを表す:
【化5】
式中、
R
11は、H、C1~C5アルキル、OH、OMe、OEt、O-n-Pr、O-イソ-Pr、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘクサノイル、Cl、Br、フェニル、CO
2R
19からなる群から選択され、ここでR
19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘキシル-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH
2)
2-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
R
12は、H、OH、C1~C5アルキル、C2~C5アルケニル、C1~C5アルコキシからなる群から選択され;
R
13は、H、分枝状または線状のC1~C5アルキル、分枝状または線状のC2~C5アルケニル、CHO、CO
2H、CO
2Me、CO
2Et、C(O)Me、C(O)Et、(CH
2)
2C(O)CH
3;(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH
2-O-Me、CH
2-O-Et、CH
2-O-iPr、CH
2-OH、Cl、プロパノイル、CO
2R
19からなる群から選択され、ここでR
19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘクセ-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH
2)
2-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
R
14は、H、OH、C1~C5アルキル、C2~C5アルケニル、C1~C5アルコキシからなる群から選択され;
R
15は、H、C1~C5アルキル、Brからなる群から選択され、
または、R
11およびR
12、またはR
12およびR
13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員の環を形成してもよい;
式(II):
【化6】
で表される化合物であるフェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての前記使用を提供する。
【0013】
例えば、上述の式(I)で表される化合物において、R1~R7のすべての炭素原子の合計は少なくとも5以上である。とりわけ、R1~R7のすべての炭素原子の合計は、少なくとも5以上かつ20以下であり、より具体的には5~15、さらに具体的には5~12、または5~10である。
さらに特定されない場合、式(I)で表される化合物中のCC二重結合は、E-またはZ-立体配置のいずれかを有するか、または化合物は、EおよびZ異性体の混合物である。
【0014】
式(I)で表される化合物は、1つ以上の立体中心を有し、その結果、異なる立体異性体(例として、ジアステレオマーまたはエナンチオマー)として存在し得て、これらはすべて本発明によって網羅される。式(I)で表されるキラル化合物は、鏡像異性的に純粋で、富化された、またはラセミであり得る。1つ以上の立体中心が存在する場合、化合物はジアステレオマーの混合物、ジアステレオマー的に富化された物、または純粋なジアステレオマーのいずれかである。
アリルエーテルおよび飽和側鎖を持つエーテルは有意に劣った性能を伝えるので、ホモアリルエーテル(式(I)で表される化合物)の前駆体効果は驚くべきものである。
【0015】
式(I)で表される化合物は、典型的には、調製したばかりのときは弱いにおいを有し、式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXを放出することができる。典型的にそれは、フラグメントXまたはその1つ以上のフラグメントに結び付けられた残基をさらに放出することができる。残基またはそのフラグメントは、典型的にはそれ自身のにおいを有し、したがって式(I)で表されれる化合物が切断されるときの全体的なにおいの印象に寄与する。
【0016】
フェノール系フレグランス化合物HXそれ自体の代わりに、式(I)で表される化合物を使用することによって、消費者向け製品および/または消費者向け製品が適用される表面における変色問題を回避しつつ、フェノール系フレグランス化合物HXのにおいを、任意に放出された残基またはそのフラグメントのにおいと組み合わせて、提供することが可能である。
加えて、フェノール系フレグランス化合物HXそれ自体の代わりに、式(I)で表される化合物を使用することによって、前駆体が表面に残留し、そこにフェノール系フレグランス化合物HXおよび残基が放出されるまでその前駆体が沈着するので、フェノール系フレグランス化合物HXのにおいを、任意に放出された残基またはそのフラグメントのにおいと組み合わせて、増強された強度をもって提供することが可能である。対照的に、フェノール系フレグランス化合物HXは、化合物の高い水可溶性に起因して、例えば洗い落としの用途においては洗い流されてしまう。
【0017】
C2~C20分枝状または線状のアルキルという用語は、例えばエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等々、2から20個の間の炭素原子を有するすべての線状または分枝状のアルキル鎖を意味する。
【0018】
C2~C20分枝状または線状のアルケニルという用語は、例えば、ビニル、アリル、プロパ-1-エン-2-イル、プロパ-1-エン-1-イル、プロパ-2-エン-2-イル、ペンタ-2-エン-1-イル、ペンタ-2-エン-2-イル、ヘキサ-3-エン-1-イル、オクタ-1-エン-1-イル、8-メチルノナ-3,7-ジエン-1-イル、6-メチルヘプト-5-エン-2-イル、デカ-9-エン-1-イル等々、2から20の間の炭素原子および1個以上の二重結合を有するすべての線状または分枝状のアルケニル鎖を意味する。
【0019】
シクロアルキルまたはシクロアルケニルという用語は、上に定義されるとおり、C1~C5アルキルまたはC2~C5アルケニル残基で任意に置換された環状アルキルまたはアルケニル残基を意味する。
加えて、アルキルおよびアルケニル残基は、メチルまたはエチルエステル基を持ち得る。
例えば、フェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供され、ここでフラグメントXへ結び付けられた残基は、シスまたはトランス3,6-ノナジエニル、4-メチル-3-ノネニル、4-デカ-1-エネニル、6-ペンタデカ-3-エニル、4-デカ-1,7-ジエニルからなる群から選択される。
【0020】
さらに、フェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供され、ここでフラグメントXへ結び付けられる残基は、3-オキソ-2-オキサ-エイコサ-11-エン-14-イル、メチル12-オクタデク-9-エニルエート(enyloate)、5-(2-メチルウンデカ-2-エニル)、4-(5-メチルオクタ-1,5-ジエニル)、1-フェニルブタ-3-エニル、7-オクタデカ-9,11-ジエニル、7,12-(オクタデク-9-エンジイル)、4-ノナ-1,6-ジエニル、1-(5-メチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサニル)、4-(1-フェニルノン-1-エニル)、1-(2,2,5-トリムエチルヘクサ-3,4-ジエニル)、6-ウンデク-3-エニル、1-(2,2,5,9-テトラメチルデカ-3,4,8-トリエニル)、4-ノン-6-エニル、1-(4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエニル)、1-(2-ベンジル-2-メチルペント-3-エニル)、4-テトラデカ-1-エニル、4-トリデカ-1-エニル、4-テトラデカ-1-エニル、2-(エチルヘプト-4-エニロエート)、6-ウンデカ-3,8-ジエニル、ドデカ-3,9-ジエン-1-イル、デカ-1,7-ジエン-4-イルオキシ、(6-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソ-5-イル)-4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル、4-メチル-6-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ヘクサ-3-エン-1-イル、4-メチル-6-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ヘクサ-3,5-ジエン-1-イル、5,9-ジメチルデカ-3,8-ジエン-1-イル、6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル、6-(4-イソブチルフェニル)ヘクサ-3-エン-1-イル、3-(2-(2-(4-メチルシクロヘクサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンチリデン)プロピル、4-シクロペンチルペント-3-エン-1-イル、4-メチルデク-3-エン-1-イル、4-メチルドデク-3-エン-1-イル、トリデク-1-エン-4-イル、4-(テトラデカ-1,13-ジエン-4-イルからなる群から選択されるか、またはリシノール酸のトリグリセリドに由来する。
【0021】
本発明の別の側面に従って、式(I)で表される化合物から放出され得る式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供され、ここで、フラグメントXは、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、エチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)、オイゲノール(4-アリル-2-メトキシフェノール)、イソオイゲノール((E)-2-メトキシ-4-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール)、ラズベリーケトン(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン)、エバーニル(メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸)、シーモス(メチル2,4-ジヒドロキシ-3-メチル安息香酸)、クレゾール(2-メチルフェノール、3-メチルフェノール、または4-メチルフェノール)、4-エチルフェノール、3-プロピルフェノール、ウルトラバニル(2-エトキシ-4-メチルフェノール)、グアイアコール(2-メトキシフェノール)、ビニルグアイアコール(4-エテニル-2-メトキシフェノール)、メチルジアンチリス(2-エトキシ-4-(メトキシメチル)フェノール)、チモール(5-メチル-2-(プロパン-2-イル)フェノール)、オイゲホワイト(2-メトキシ-4-(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)フェノール)、ジンゲロン(4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)ブタン-2-オン)、カルマフロー((4Z)-ヘプト-4-エン-2-イル 2-ヒドロキシ安息香酸)、サフィアーノ(3-メチルベンゾフラン-5-オール)、カルバクロール(5-イソプロピル-2-メチルフェノール)、クレオゾール(2-メトキシ-4-メチルフェノール)、オルシニル3(3-メトキシ-5-メチルフェノール)、ヘキシルサリチラート(ヘキシル2-ヒドロキシ安息香酸)、シクロヘキシルサリチラート(シクロヘキシル2-ヒドロキシ安息香酸)、フェニルエチルサリチラート(フェネチル2-ヒドロキシ安息香酸)、オクチルサリチラート(2-エチルヘキシル2-ヒドロキシ安息香酸)、ヤスミネート(3-メチルヘクサ-2-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、エチルサリチラート(エチル2-ヒドロキシ安息香酸)、ヘキセニル-3-シスサリチラート((Z)-ヘクサ-3-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、イソブチルサリチラート(イソブチル2-ヒドロキシ安息香酸)、メチルサリチラート(メチル2-ヒドロキシ安息香酸)、バニトロップ(2-エトキシ-5-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール)、メチルペンチルサリチラート(ヘキサン-2-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、パラクレジルサリチラート(p-トリル2-ヒドロキシ安息香酸)、プレニルサリチラート(3-メチルブタ-2-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、アミルサリチラート(ペンチル 2-ヒドロキシ安息香酸)、ベンジルサリチラート(ベンジル2-ヒドロキシ安息香酸)、サクラサリチラート(2-イソプロポキシエチル2-ヒドロキシ安息香酸)、3-プロピルフェノール、4-エチルフェノール、2-エトキシフェノール、1-(2-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルプロパン-1-オン、1-(2-ヒドロキシフェニル)ヘキサン-1-オン、1-(2-ヒドロキシフェニル)ヘプタン-1-オンからなる群から選択されるフェノール系フレグランス化合物HXに由来する。
【0022】
本発明の一側面に従うと、式(I)で表される化合物から放出され得る式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXを生成するための前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供され、ここで、フラグメントXは、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、エチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)、オイゲノール(4-アリル-2-メトキシフェノール)、イソオイゲノール((E)-2-メトキシ-4-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール)、ラズベリーケトン(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン)、エバーニル(メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸)、シーモス(メチル2,4-ジヒドロキシ-3-メチル安息香酸)、クレゾール(2-メチルフェノール、3-メチルフェノール、または4-メチルフェノール)、4-エチルフェノール、3-プロピルフェノール、ウルトラバニル(2-エトキシ-4-メチルフェノール)、グアイアコール(2-メトキシフェノール)、ビニルグアイアコール(4-エテニル-2-メトキシフェノール)、メチルジアンチリス(2-エトキシ-4-(メトキシメチル)フェノール)、チモール(5-メチル-2-(プロパン-2-イル)フェノール)、オイゲホワイト(2-メトキシ-4-(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)フェノール)、ジンゲロン(4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)ブタン-2-オン)、カルマフロー((4Z)-ヘプト-4-エン-2-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、サフィアーノ(3-メチルベンゾフラン-5-オール)、カルバクロール(5-イソプロピル-2-メチルフェノール)、クレオゾール(2-メトキシ-4-メチルフェノール)、オルシニル3(3-メトキシ-5-メチルフェノール)、ヘキシルサリチラート(ヘキシル 2-ヒドロキシ安息香酸)、シクロヘキシルサリチラート(シクロヘキシル 2-ヒドロキシ安息香酸)、フェニルエチルサリチラート(フェネチル 2-ヒドロキシ安息香酸)、オクチルサリチラート(2-エチルヘキシル 2-ヒドロキシ安息香酸)、ヤスミネート(3-メチルヘクサ-2-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、エチルサリチラート(エチル2-ヒドロキシ安息香酸)、ヘキセニル-3-シスサリチラート((Z)-ヘクサ-3-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、イソブチルサリチラート(イソブチル 2-ヒドロキシ安息香酸)、メチルサリチラート(メチル2-ヒドロキシ安息香酸)、バニトロップ(2-エトキシ-5-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール)、メチルペンチルサリチラート(ヘキサン-2-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、パラクレジルサリチラート(p-トリル2-ヒドロキシ安息香酸)、プレニルサリチラート(3-メチルブタ-2-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、アミルサリチラート(ペンチル2-ヒドロキシ安息香酸)、ベンジルサリチラート(ベンジル2-ヒドロキシ安息香酸)、サクラサリチラート(2-イソプロポキシエチル2-ヒドロキシ安息香酸)、3-プロピルフェノール、4-エチルフェノール、2-エトキシフェノール、1-(2-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルプロパン-1-オン、1-(2-ヒドロキシフェニル)ヘキサン-1-オン、1-(2-ヒドロキシフェニル)ヘプタン-1-オンからなる群から選択されるフェノール系フレグランス化合物HXに由来し、かつここで、フラグメントXに結び付けられた残基は、シスまたはトランスの3,6-ノネニル、4-メチル-3-ノネニル、4-デカ-1-エネニル、6-ペンタデク-3-エニル、4-デカ-1,7-ジエニルからなる群から選択される。
【0023】
例えば、メチル(S,Z)-12-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)オクタデク-9-エノエート、メチル(S,Z)-12-(4-(3-オキソブチル)フェノキシ)オクタデク-9-エノエート、メチル(S,Z)-2-ヒドロキシ-4-((18-メトキシ-18-オキソオクタデク-9-エン-7-イル)オキシ)-3,6-ジメチル安息香酸、3-エトキシ-4-((2-メチルウンデク-2-エン-5-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-((5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、2-メトキシ-1-((5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)-4-(プロプ-1-エン-1-イル)ベンゼン、メチル2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル-4-((5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)安息香酸、4-(4-((1-フェニルブタ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4-(4-((オクタデカ-9,11-ジエン-7-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4,4’-((オクタデク-9-エン-7,12-ジイルビス(オキシ))ビス(4,1-フェニレン))ビス(ブタン-2-オン)、3-エトキシ-4-((5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(Z)-4-(デカ-1,7-ジエン-4-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、2-メトキシ-1-(((Z)-ノナ-1,6-ジエン-4-イル)オキシ)-4-(プロプ-1-エン-1-イル)ベンゼン、4-(4-(((1S,2S,5R)-5-メチル-2-(プロプ-1-エン-2-イル)シクロヘキシル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-((1-フェニルノン-1-エン-4-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-((2,6-ジメチルヘプタ-4,5-ジエン-2-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、(Z)-3-エトキシ-4-(ウンデク-3-エン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((2,6,10-トリメチルウンデカ-4,5,9-トリエン-2-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(E)-3-エトキシ-4-(ノン-6-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(((3E,7E)-4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((2-メチル-1-フェニルヘクサ-4-エン-2-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(デク-1-エン-4-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、4-(4-(デク-1-エン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、メチル4-(デク-1-エン-4-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、メチル2-(テトラデク-1-エン-4-イルオキシ)安息香酸、1-(2-(テトラデク-1-エン-4-イルオキシ)フェニル)プロパン-1-オン、3-エトキシ-4-(テトラデク-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、(Z)-3-エトキシ-4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド、(E)-3-エトキシ-4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、1-メトキシ-2-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンゼン、2-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ナフタレン、3-メトキシ-4-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-メトキシ-4-(トリデク-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-(トリデク-1-エン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、2-エトキシ-4-(メトキシメチル)-1-(トリデク-1-エン-4-イルオキシ)ベンゼン、3-メトキシ-4-(テトラデク-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、エチル2-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)ヘプト-4-エノエート、3-エトキシ-4-(((3Z,8Z)-ウンデカ-3,8-ジエン-6-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(((3Z,8Z)-ウンデカ-3,8-ジエン-6-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((4-メチルノン-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(ウンデク-2-エン-5-イルオキシ)ベンズアルデヒド、4-(ドデク-3-エン-6-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、メチル(Z)-12-(2-メトキシフェノキシ)オクタデク-9-エノエート、1-(デク-1-エン-4-イルオキシ)-2-エトキシ-4-メチルベンゼン、2-(デク-1-エン-4-イルオキシ)-1-エトキシ-4-メチルベンゼン、3-エトキシ-4-((4-メチル-6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(E)-3-エトキシ-4-((4-フェニルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((4-(4-メトキシフェニル)ペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((4-メチル-5-フェニルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(E)-3-エトキシ-4-((4-(ナフタレン-2-イル)ペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-((4-メチル-6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4-(4-((4-(4-メトキシフェニル)ペント-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-((6-(4-メトキシフェニル)-4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-((6-(4-メトキシフェニル)-4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、メチル2-((4-メチル-6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)安息香酸、1-(2-((4-メチル-6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-オン、3-エトキシ-4-((4-メチル-7-フェニルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-((4-メチル-7-フェニルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4-(((3E,9Z)-ドデカ-3,9-ジエン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、メチル4-(((3E,9Z)-ドデカ-3,9-ジエン-1-イル)オキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、4-(デカ-1,7-ジエン-4-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、4-((6-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、4-(4-((6-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-((4-メチル-6-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-((4-メチル-6-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ4-((4-メチル-6-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ヘクサ-3,5-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-((5,9-ジメチルデカ-3,8-ジエン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((6-(4-イソブチルフェニル)ヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(3-(2-(2-(4-メチルシクロヘクサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンチリデン)プロポキシ)ベンズアルデヒド、4-((4-シクロペンチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((4-メチルデク-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((4-メチルドデク-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(トリデク-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-(テトラデカ-1,13-ジエン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-(テトラデカ-1,13-ジエン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、3-メトキシ-4-(テトラデカ-1,13-ジエン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒドからなる群から選択される前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供される。
【0024】
さらにまた、(Z)-4-(4-(ノン-6-エン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4-(デク-1-エン-4-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、(S,E)-4-(4-(ウンデク-2-エン-5-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(S,E)-4-(4-(ドデク-3-エン-6-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(S,E)-2-エトキシ-4-メチル-1-(ウンデク-2-エン-5-イルオキシ)ベンゼン、(S,E)-1-エトキシ-4-メチル-2-(ウンデク-2-エン-5-イルオキシ)ベンゼン、(S,E)-2-(ドデク-3-エン-6-イルオキシ)-1-エトキシ-4-メチルベンゼン、(S,E)-1-(ドデク-3-エン-6-イルオキシ)-2-エトキシ-4-メチルベンゼン、メチル(S,Z)-12-(2-エトキシフェノキシ)オクタデク-9-エノエート、(E)-4-(4-((4-メチルノン-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(E)-3-エトキシ-4-((4-メチルオクト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド;(E)-4-(4-((4-メチルオクト-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4-(4-(((3E,5E)-4-メチルヘプタ-3,5-ジエン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(E)-4-(4-((4-メチルヘプタ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン;(E)-4-アリル-1-((4,8-ジメチルノナ-3,7-ジエン-1-イル)オキシ)-2-メトキシベンゼン、(E)-4-((4,8-ジメチルノナ-3,7-ジエン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒドからなる群から選択される前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供される。
【0025】
さらにまた、前駆体としての式(I)で表される化合物の使用が提供され、ここで前駆体は、式(III):
【化7】
式中、
R
1~R
6は、H、Me、またはO、SおよびNからなる群から選択される4個までのヘテロ原子を持ち、3個までの二重結合または2個までの三重結合を持ち、3個までの環を持つ、線状または分枝状のC2~C20炭化水素基、フェニル、ベンジル、置換されたアリールまたはヘテロアリール単位、1-または2-ナフチルからなる群から、独立して選択され、
Xは、式(I)で表される化合物について上に定義されたフラグメントを表し、
波状の結合は、隣接する二重結合の不特定な立体配置を示し、
およびここで、R’
1、R’
2、R’
3、R’
4およびX’は、夫々R
1、R
2、R
3、R
4およびXの対応する基から選択され得て、R
1~R
6およびR’
1~R’
4のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上である、
で表される化合物によって表される。
【0026】
例えば、前駆体として式(I)で表される化合物の使用が提供され、ここで前駆体は、式(III):
式中、R1~R6は、H、Me、C2~C20の分枝状または線状アルキルまたはアルケニルまたはアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、ベンジル、フェニルエチルまたは置換フェニルエチル、置換アリールまたはヘテロアリールの単位、1-または2-ナフチル、アルコキシカルボニレート(-RO(C=O)-R’)、アルキルカルボキシレート(-R(C=O)-O-R’)、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールからなる群から独立して選択され、
Xは、式(I)で表される化合物について上に定義されたフラグメントを表し、
波状の結合は、隣接する二重結合の不特定な立体配置を示し、
かつここで、R’1、R’2、R’3、R’4およびX’は、夫々R1、R2、R3、R4およびXの対応する基から選択され得て、R1~R6およびR’1~R’4のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上である、
で表される化合物によって表される。
式(III)で表される化合物は、2種のフェノール系フレグランス化合物HXおよびHX’を放出することができ、これらは同じであり得、または異なり得る。それは、フラグメントX、X’を連結する残基をさらに放出することができる。
【0027】
さらなる態様において、式(I):
【化8】
式中、
R
1~R
7は、H、Me、またはO、SおよびNからなる群から選択される4個までのヘテロ原子を持ち、3個までの二重結合または2個までの三重結合を持ち、3個までの環を持つ、線状または分枝状のC2~C20炭化水素基、フェニル、ベンジル、置換されたアリールまたはヘテロアリール単位、1-または2-ナフチルからなる群から、独立して選択されるか、
または、R
6およびR
7は一緒になって炭素原子への二重結合を形成し、この炭素原子は1つまたは2つのC1~C10アルキルまたはC2~C10アルケニル置換基を持つが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有する;
または、R
1およびR
6、R
1およびR
3、R
1およびR
5、R
3およびR
5、R
3およびR
6、R
5およびR
7、R
6およびR
7、R
1およびR
2、またはR
3およびR
4は、結び付けられている鎖の炭素原子と一緒に、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成し、それはアルキル鎖で任意に置換されるが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R
1~R
7のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
または、R
7は、-CR’
3R’
4-CR’
1R’
2-X’であり、ここで、R’
1、R’
2、R’
3、R’
4およびX’は、R
1、R
2、R
3、R
4およびXの対応する基から選択され得るが、他の置換基は、先に定義したのと同じ意味を有し、およびR
1~R
6およびR’
1~R’
4のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
およびここで、Xは以下のフラグメントを表す、
【化9】
式中、
R
11~R
15は、H、線状または分枝状のC1~C5アルキル、線状または分枝状のC2~C5アルケニル、線状または分枝状のC2~C5アルキニル、OH、C1~C4-アルコキシ、CHO、C(O)Me、C(O)Et、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘキサノイル、(CH
2)
2C(O)CH
3、(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH
2-O-Me、CH
2-O-Et、CH
2-O-iPr、CH
2-OH、Cl、Br、フェニル、CH(OR
16)(OR
17)(ここで、R
16およびR
17は、C1~C5アルキルからなる群から独立して選択されるか、またはR
16およびR
17は、それらが結び付けられている鎖の炭素原子とともに、5員または6員の環を形成する)、C=N-OR
18(ここで、R
18はC1~C5アルキルである)、CO
2R
19(ここで、R
19は、線状または分枝状のC1~C8アルキル、線状または分枝状のC2~C8アルケニル、線状または分枝状のC2~C8アルキニル、シクロアルキル、およびアリールからなる群から選択される)からなる群から独立して選択され;
または、R
11およびR
12、またはR
12およびR
13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C1~C5アルキル置換または非置換の、C、Oおよび/またはN原子を含有する飽和または不飽和の5員および6員の環を形成してもよい、で表される化合物が提供される。
【0028】
例えば、式(I):
【化10】
式中、
R
1~R
7は、H、Me、C2~C20の分枝状または線状アルキルまたはアルケニルまたはアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、ベンジル、フェニルエチルまたは置換フェニルエチル、置換アリールまたはヘテロアリールの単位、1-または2-ナフチル、アルコキシカルボニレート(-RO(C=O)-R’)、アルキルカルボキシレート(-R(C=O)-O-R’)、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールからなる群から独立して選択され;
または、R
6およびR
7は一緒になって炭素原子への二重結合を形成し、この炭素原子は1つまたは2つのC1~C10アルキルまたはC2~C10アルケニル置換基を持つが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有する;
または、R
1およびR
6、R
1およびR
3、R
1およびR
5、R
3およびR
5、R
3およびR
6、R
5およびR
7、R
6およびR
7、R
1およびR
2、またはR
3およびR
4は、結び付けられている鎖の炭素原子と一緒に、O、SおよびNからなる群から選択される2個までのヘテロ原子を持つ5員または6員の環を形成し、それはアルキル鎖で任意に置換されるが、他の置換基は先に定義したのと同じ意味を有し;
および、R
1~R
7のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
あるいは、R
7は、-CR’
3R’
4-CR’
1R’
2-X’であり、ここで、R’
1、R’
2、R’
3、R’
4およびX’は、R
1、R
2、R
3、R
4およびXの対応する基から選択され得るが、他の置換基は、先に定義したのと同じ意味を有し、かつR
1~R
6およびR’
1~R’
4のすべての炭素原子の合計は少なくとも5個以上であり;
およびここで、Xは以下のフラグメントを表す、
【化11】
式中、
R
11は、H、C1~C5アルキル、OH、OMe、OEt、O-n-Pr、O-イソ-Pr、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、プロパノイル、3-フェニルプロパノイル、5-メチルヘクサノイル、Cl、Br、フェニル、CO
2R
19からなる群から選択され、ここでR
19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘキシル-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH
2)
2-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
R
12は、H、OH、C1~C5アルキル、C2~C5アルケニル、C1~C5アルコキシからなる群から選択され;
R
13は、H、分枝状または線状のC1~C5アルキル、分枝状または線状のC2~C5アルケニル、CHO、CO
2H、CO
2Me、CO
2Et、C(O)Me、C(O)Et、(CH
2)
2C(O)CH
3;(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、CH
2-O-Me、CH
2-O-Et、CH
2-O-iPr、CH
2-OH、Cl、プロパノイル、CO
2R
19からなる群から選択され、ここでR
19は、H、Me、Et、2-メチルプロピル、ヘキサン-2-イル、2-イソプロポキシエチル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、n-ペンチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、シス-3-ヘキセニル、2-エチルヘキシル、3-メチルヘクセ-2-エン-1-イル、2-ヘプト-4-エニル、1-(3-メチル-2-ヘキセニル)、(CH
2)
2-フェニル、パラ-トリルからなる群から選択され;
R
14は、H、OH、C1~C5アルキル、C2~C5アルケニル、C1~C5アルコキシからなる群から選択され;
R
15は、H、C1~C5アルキル、Brからなる群から選択されるか、
または、R
11およびR
12、またはR
12およびR
13は、それらが結び付けられている炭素原子とともに、C、Oおよび/またはN原子を含有するC1~C5アルキルの置換または非置換の、飽和または不飽和の5員および6員の環を形成してもよい、
で表される化合物が提供される。
【0029】
例えば、式(I)で表される化合物は、メチル(S,Z)-12-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)オクタデク-9-エノエート、メチル(S,Z)-12-(4-(3-オキソブチル)フェノキシ)オクタデク-9-エノエート、メチル(S,Z)-2-ヒドロキシ-4-((18-メトキシ-18-オキソオクタデク-9-エン-7-イル)オキシ)-3,6-ジメチル安息香酸、3-エトキシ-4-((2-メチルウンデク-2-エン-5-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-((5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、2-メトキシ-1-((5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)-4-(プロプ-1-エン-1-イル)ベンゼン、メチル2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル-4-((5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)安息香酸、4-(4-((1-フェニルブタ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4-(4-((オクタデカ-9,11-ジエン-7-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4,4’-((オクタデク-9-エン-7,12-ジイルビス(オキシ))ビス(4,1-フェニレン))ビス(ブタン-2-オン)、3-エトキシ-4-((5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(Z)-4-(デカ-1,7-ジエン-4-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、2-メトキシ-1-(((Z)-ノナ-1,6-ジエン-4-イル)オキシ)-4-(プロプ-1-エン-1-イル)ベンゼン、4-(4-(((1S,2S,5R)-5-メチル-2-(プロプ-1-エン-2-イル)シクロヘキシル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-((1-フェニルノン-1-エン-4-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-((2,6-ジメチルヘプタ-4,5-ジエン-2-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、(Z)-3-エトキシ-4-(ウンデク-3-エン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((2,6,10-トリメチルウンデカ-4,5,9-トリエン-2-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(E)-3-エトキシ-4-(ノン-6-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(((3E,7E)-4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((2-メチル-1-フェニルヘクサ-4-エン-2-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(デク-1-エン-4-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、4-(4-(デク-1-エン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、メチル4-(デク-1-エン-4-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、メチル2-(テトラデク-1-エン-4-イルオキシ)安息香酸、1-(2-(テトラデク-1-エン-4-イルオキシ)フェニル)プロパン-1-オン、3-エトキシ-4-(テトラデク-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、(Z)-3-エトキシ-4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド、(E)-3-エトキシ-4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、1-メトキシ-2-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンゼン、2-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ナフタレン、3-メトキシ-4-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-メトキシ-4-(トリデック-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-(トリデック-1-エン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、2-エトキシ-4-(メトキシメチル)-1-(トリデック-1-エン-4-イルオキシ)ベンゼン、3-メトキシ-4-(テトラデク-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、エチル2-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)ヘプト-4-エノエート、3-エトキシ-4-(((3Z,8Z)-ウンデカ-3,8-ジエン-6-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(((3Z,8Z)-ウンデカ-3,8-ジエン-6-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((4-メチルノン-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(ウンデク-2-エン-5-イルオキシ)ベンズアルデヒド、4-(ドデク-3-エン-6-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、メチル(Z)-12-(2-メトキシフェノキシ)オクタデク-9-エノエート、1-(デク-1-エン-4-イルオキシ)-2-エトキシ-4-メチルベンゼン、2-(デク-1-エン-4-イルオキシ)-1-エトキシ-4-メチルベンゼン、3-エトキシ-4-((4-メチル-6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(E)-3-エトキシ-4-((4-フェニルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((4-(4-メトキシフェニル)ペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((4-メチル-5-フェニルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、(E)-3-エトキシ-4-((4-(ナフタレン-2-イル)ペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-((4-メチル-6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4-(4-((4-(4-メトキシフェニル)ペント-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-((6-(4-メトキシフェニル)-4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-((6-(4-メトキシフェニル)-4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、メチル2-((4-メチル-6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)安息香酸、1-(2-((4-メチル-6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-オン、3-エトキシ-4-((4-メチル-7-フェニルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-((4-メチル-7-フェニルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(Z)-4-(4-(ノン-6-エン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4-(デク-1-エン-4-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、(S,E)-4-(4-(ウンデク-2-エン-5-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(S. E)-4-(4-(ドデク-3-エン-6-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(S,E)-2-エトキシ-4-メチル-1-(ウンデク-2-エン-5-イルオキシ)ベンゼン、(S,E)-1-エトキシ-4-メチル-2-(ウンデク-2-エン-5-イルオキシ)ベンゼン、(S,E)-2-(ドデク-3-エン-6-イルオキシ)-1-エトキシ-4-メチルベンゼン、(S,E)-1-(ドデク-3-エン-6-イルオキシ)-2-エトキシ-4-メチルベンゼン、メチル(S,Z)-12-(2-エトキシフェノキシ)オクタデク-9-エノエート、(E)-4-(4-((4-メチルノン-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(E)-3-エトキシ-4-((4-メチルオクト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド;(E)-4-(4-((4-メチルオクト-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、4-(4-(((3E,5E)-4-メチルヘプタ-3,5-ジエン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、(E)-4-(4-((4-メチルヘプタ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン;(E)-4-アリル-1-((4,8-ジメチルノナ-3,7-ジエン-1-イル)オキシ)-2-メトキシベンゼン、(E)-4-((4,8-ジメチルノナ-3,7-ジエン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、4-(((3E,9Z)-ドデカ-3,9-ジエン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、メチル4-(((3E,9Z)-ドデカ-3,9-ジエン-1-イル)オキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸、4-(デカ-1,7-ジエン-4-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、4-((6-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、4-(4-((6-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-((4-メチル-6-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-((4-メチル-6-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ4-((4-メチル-6-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ヘクサ-3,5-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、4-((5,9-ジメチルデカ-3,8-ジエン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((6-(4-イソブチルフェニル)ヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(3-(2-(2-(4-メチルシクロヘクサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンチリデン)プロポキシ)ベンズアルデヒド、4-((4-シクロペンチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((4-メチルデク-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-((4-メチルドデク-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-(トリデク-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、4-(4-(テトラデカ-1,13-ジエン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン、3-エトキシ-4-(テトラデカ-1,13-ジエン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド、3-メトキシ-4-(テトラデカ-1,13-ジエン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒドからなる群から選択され得る。
【0030】
上述の式(I)で表される化合物は、長期間、例として2~7日などの数日間またはそれ以上長くにわたり、光の存在下または非存在下において酸化されることによって、環境大気へ曝露されると、式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXを放出する。
【0031】
本発明のさらなる側面において、式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物を放出する方法が提供され、ここで式(I)で表される化合物は、光の存在下または非存在下において環境大気へ曝露される。
【0032】
例えば、光の存在下または非存在下において環境大気へ曝露されると式(I)で表される化合物から放出され得る式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXは、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、エチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)、オイゲノール(4-アリル-2-メトキシフェノール)、イソオイゲノール((E)-2-メトキシ-4-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール)、ラズベリーケトン(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン)、エバーニル(メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸)、シーモス(メチル2,4-ジヒドロキシ-3-メチル安息香酸)、クレゾール(2-メチルフェノール、3-メチルフェノール、または4-メチルフェノール)、ウルトラバニル(2-エトキシ-4-メチルフェノール)、グアイアコール(2-メトキシフェノール)、ビニルグアイアコール(4-エテニル-2-メトキシフェノール)、メチルジアンチリス(2-エトキシ-4-(メトキシメチル)フェノール)、チモール(5-メチル-2-(プロパン-2-イル)フェノール)、カルバクロール(5-イソプロピル-2-メチルフェノール)、オイゲホワイト(2-メトキシ-4-(4-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)フェノール)、ジンゲロン(4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)ブタン-2-オン)、カルマフロー((4Z)-ヘプト-4-エン-2-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、サフィアーノ(3-メチルベンゾフラン-5-オール)、カルバクロール(5-イソプロピル-2-メチルフェノール)、クレオゾール(2-メトキシ-4-メチルフェノール)、オルシニル3(3-メトキシ-5-メチルフェノール)、ヘキシルサリチラート(ヘキシル2-ヒドロキシ安息香酸)、シクロヘキシルサリチラート(シクロヘキシル2-ヒドロキシ安息香酸)、フェニルエチルサリチラート(フェネチル2-ヒドロキシ安息香酸)、オクチルサリチラート(2-エチルヘキシル2-ヒドロキシ安息香酸)、ヤスミネート(3-メチルヘクサ-2-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、エチルサリチラート(エチル2-ヒドロキシ安息香酸)、ヘキセニル-3-シスサリチラート((Z)-ヘクサ-3-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、イソブチルサリチラート(イソブチル2-ヒドロキシ安息香酸)、メチルサリチラート(メチル2-ヒドロキシ安息香酸)、バニトロップ(2-エトキシ-5-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール)、メチルペンチルサリチラート(ヘキサン-2-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、パラクレジルサリチラート(p-トリル2-ヒドロキシ安息香酸)、プレニルサリチラート(3-メチルブタ-2-エン-1-イル2-ヒドロキシ安息香酸)、アミルサリチラート(ペンチル2-ヒドロキシ安息香酸)、ベンジルサリチラート(ベンジル 2-ヒドロキシ安息香酸)、サクラサリチラート(2-イソプロポキシエチル 2-ヒドロキシ安息香酸)、3-プロピルフェノール、4-エチルフェノールおよび2-エトキシフェノール、ならびに1-(2-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルプロパン-1-オンからなる群から選択され得る。
【0033】
例えば、光の存在下または非存在下において環境大気へ曝露されると式(I)で表される化合物から放出され得る式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXは、芳香環に少なくとも1つの置換基を有するフェノールであり、少なくとも1つの置換基は1個以上の炭素原子、例えば2~4個の炭素原子またはそれ以上を有する。
【0034】
式(I)で表される化合物は、長期間(例として、2~7日などの数日間、またはより長く)にわたって、光の存在下または非存在下で環境大気へ曝露されて、式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXを放出する。
【0035】
前駆体化合物の環境大気への暴露とは、分子酸素への暴露を意味するものであり、これが式(I)で表される化合物の酸化的開裂、および式(II)で表される化合物の放出の原因となることもある。大気中の酸素の濃度は、式(I)の化合物を開裂させるのに十分であり、開裂生成物は、例として嗅覚または前駆体ヘッドスペースから採取された有機揮発性物質のGC-MS分析によって、環境大気中で検出され得る。
【0036】
式(I)で表される化合物は、環境大気への曝露が制限または防止されている場合、すなわち、整った形態で大気および光から保護された適切な容器中に保存される場合、または正しい溶媒、例えばエタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、クエン酸トリエチル、フタル酸ジエチル、トリアセチン、および/またはジアセチン中に保管される場合、または洗浄剤、シャンプー、および柔軟剤などの消費者向け製品に組み込まれる場合は、非常に安定である。したがって、式(I)で表される化合物は、フレグランス化合物の持続的かつ明確な放出が所望される広範な消費者向け製品において使用されることもある。
【0037】
いくつかの態様において、安定化化合物、例えばアルファトコフェロール、EDTA、アスコルビン酸、BHT、チノガードTT(Tinoguard TT)は、式(I)で表される化合物の早期開裂および式(II)で表される化合物の放出を制限または防止するために、例えば0.01~1重量%で式(I)で表される化合物へ加えられ得る。とりわけ、安定化化合物は、式(I)で表される整った化合物の安定性を高めるために使用され得る。
【0038】
式(I)で表される化合物は、単独でも、または広範囲の天然物、および、精油、アルコール、アルデヒドおよびケトン、エーテルおよびアセタール、エステルおよびラクトン、マクロサイクルおよびヘテロサイクルなどの目下入手可能な合成分子から選択された既知の香気物の分子と組み合わせても、および/または、香料組成物中の香気物と併せて従来使用される1つ以上の成分または賦形剤、例えば、担体材料、および当技術分野で一般的に使用される他の助剤と合わせて混和されて使用されてもよい。
【0039】
例えば、式(I)で表される化合物は、遊離フェノールフレグランス化合物HXと組み合わせて使用されてもよい。かかる組み合わせにより、フェノール系フレグランス化合物HXの継続的な知覚が経時的に保証される。これは、遊離フェノール系フレグランス化合物HXの変色の影響が顕著でない、または消費者にとって関係がない場合に特に有用である。
【0040】
さらなる側面において、式(I)で表される化合物は、式(I)で表される化合物のさらなるもの、または異なる化学的構造を所有する前駆体のいずれかの、他のフレグランス前駆体と組み合わせて使用されてもよい。前駆体の組み合わせにより、香料の調和物を放出させるようにできる。
さらなる側面において、式(I)で表される少なくとも1種の化合物を含む、フレグランス組成物が提供される。例えば、フレグランス組成物は、1つ以上の既知のにおい物質分子、および/または香水組成物中のにおい物質と併せて従来から使用されている1つ以上の成分または賦形剤をさらに含む。
【0041】
本明細書に使用されるとき「担体材料」は、においの観点から実質的に中性の物質、すなわち、におい物質の官能特性を著しく変化させない材料を意味する。
用語「助剤」は、フレグランス組成物の嗅覚性能に特に関連しない理由から、前記組成物に採用されてもよい成分を指す。例えば、助剤は、フレグランス成分(単数)または成分(複数)、または前記成分(単数または複数)を含有する組成物をプロセシングするための補助剤として作用する成分であってもよく、またはそれはフレグランス成分またはそれを含有する組成物の操作または保管を改善することもある。それは、色や質感を付与することなどの追加の利点を提供する成分でもあってもまたよいだろう。それは、香料組成物中に含有される1つ以上の成分に、耐光性または化学的安定性を付与する成分であってもまたよいだろう。それを含有する香料組成物中に一般的に使用されるアジュバントの性質およびタイプの詳細な説明は、網羅的にはなれないが、前記成分が当業者に周知であることは言及されなければならない。
【0042】
本明細書に使用されるとき、「フレグランス組成物」は、式(I)で表される化合物、および基材(例として、フタル酸ジエチル(DEP)、ジプロピレングリコール(DPG)、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、ペンタン-1,2-ジオール、トリエチルシトラート(TEC)、およびアルコール(例としてエタノール)などの、香気物と併せて従来から使用される希釈剤を含むいずれかの組成物を意味する。任意に、組成物は抗酸化剤アジュバントを含んでもよい。前記抗酸化剤は、Tinogard(登録商標) TT (BASF)、Tinogard(登録商標) Q (BASF)、トコフェロール(その異性体、CAS 59-02-9;364-49-8;18920-62-2;121854-78-2を含有する)、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール(BHT、CAS 128-37-0)、および関連するフェノール、ヒドロキノン(CAS 121-31-9)から選択されてもよい。
【0043】
以下の非限定的なリストは、フレグランス組成物において式(I)で表される化合物と組み合わされることもある既知の香気分子の例を含む。
●精油および抽出物、例として、海狸香、コスタスルート(costus root)油、オークモスアブソリュート、ゼラニウム油、ツリーモス(tree moss)アブソリュート、バジル油、ベルガモット油およびマンダリン油などの果実油、ミルテ油、パルマローザ油、パッチュリ油、プチグレン油、ジャスミン油、バラ油、白檀油、アブサン油、ラベンダー油、および/またはイランイラン油;
【0044】
●アルコール、例として、桂皮アルコール((E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-オール);cis-3-ヘキセノール((Z)-ヘクサ-3-エン-1-オール);シトロネロール(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチルオクタ-7-エン-2-オール);Ebanol(商標)((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール);オイゲノール(4-アリル-2-メトキシフェノール);エチルリナロール((E)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール);ファルネソール((2E,6Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-2,6,10-トリエン-1-オール);ゲラニオール((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);Super Muguet(商標)((E)-6-エチル-3-メチルオクタ-6-エン-1-オール);リナロール(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール);メントール(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール);ネロール(3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール);フェニルエチルアルコール(2-フェニルエタノール);Rhodinol(商標)(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);Sandalore(商標)(3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタン-2-オール);テルピネオール(2-(4-メチルシクロヘクサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール);またはTimberol(商標)(1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール);2,4,7-トリメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール、および/または[1-メチル-2(5-メチルヘクサ-4-エン-2-イル)シクロプロピル]-メタノール;
【0045】
●アルデヒドおよびケトン類、例としてアニスアルデヒド(4-メトキシベンズアルデヒド);アルファアミル桂皮アルデヒド(2-ベンジリデンヘプタナール);Georgywood(商標)(1-(1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);ヒドロキシシトロネラール(7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール);Iso E Super(登録商標)(1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);Isoraldeine(登録商標)((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);Hedione(登録商標)(メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート);Nympheal(3-(4-イソブチル-2-メチルフェニル)プロパナール);Mahonial(5,9-ジメチル-9-ヒドロキシ-デセン-4-アル);マルトール;メチルセドリルケトン;メチルイオノン;ベルベノン;および/またはバニリン;
【0046】
●エーテルおよびアセタール、例として、アンブロックス(登録商標)(3a,6,6,9a-テトラメチル-2,4,5,5a,7,8,9,9b-オクタヒドロ-1H-ベンゾ[e][1]ベンゾフラン);ゲラニルメチルエーテル((2E)-1-メトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン);ローズオキシド(4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン);および/またはスピランブレン(Spirambrene)(登録商標)(2’,2’,3,7,7-ペンタメチルスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2,5’-[1,3]ジオキサン]);
【0047】
●エステルおよびラクトン、例として、ベンジルアセタート;セドリルアセタート((1S,6R,8aR)-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-6-イルアセタート);γ-デカラクトン(6-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);Helvetolide(登録商標)(2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピルプロピオナート);γ-ウンデカラクトン(5-へプチルオキソラン-2-オン);および/またはベチベリルアセタート((4,8-ジメチル-2-プロパン-2-イリデン-3,3a,4,5,6,8a-ヘキサヒドロ-1H-アズレン-6-イル)アセタート)
【0048】
●大員環、例として、アンブレットリド((Z)-オキサシクロへプタデカ-10-エン-2-オン);ブラシル酸エチレン(1,4-ジオキサシクロへプタデカン-5,17-ジオン);および/またはエグザルトリド(Exaltolide)(登録商標)(16-オキサシクロヘキサデカン-1-オン);ならびに
●ヘテロサイクル、例として、イソブチルキノリン(2-イソブチルキノリン)。
【0049】
全体として、式(I)で表される化合物は、単独で、その混合物として、または他のフレグランス成分および/もしくはその前駆体と組み合わせて使用され得る。かかる他のフレグランス成分は、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals", S. Arctander, Ed., Vol. I & II, Allured Publishing Corporation, Carol Stream, USA, 2003」にも記載されており、天然または合成由来のフレグランス化合物およびエッセンシャルオイルを包含する。
【0050】
さらなる側面において、少なくとも1つの式(I)で表される化合物、および消費者向け製品基剤を含む消費者向け製品が提供される。
例えば、本発明に従う消費者向け製品は、洗剤および洗浄剤、衛生またはケア製品、好ましくはボディケアおよびヘアケアの分野において、化粧品および家庭用品からなる群から選択され、好ましくは、香水抽出物、オードパルファン、オードトワレ、アフターシェーブローション、オーデコロン、髭剃り前製品、スプラッシュコロン、香水入りリフレッシュワイプ、酸性、アルカリ性または中性洗剤、繊維フレッシュナー、アイロン補助剤、液体洗剤、粉末洗剤、洗濯前処置剤、繊維用柔軟剤、洗濯シート、洗濯石鹸、洗濯タブレット、食器用固形石鹸、消毒剤、表面消毒剤、芳香剤、エアゾールスプレー、ワックスおよびつや出し剤、ボディケア製品、ハンドクリームおよびローション、フットクリームおよびローション、脱毛クリームおよびローション、アフターシェーブクリームおよびローション、日焼けクリームおよびローション、ヘアケア製品(液体または固形において)、ドライシャンプー、デオドラント、制汗剤、装飾用化粧品、ろうそく、ランプオイル、線香、殺虫剤、忌避剤、および燃料からなる群から選択される。
【0051】
消費者向け製品は、例えば、上質なフレグランス、パーソナルケア製品(ボディケア製品、ヘアケア製品、化粧品)、繊維ケア製品、ホームケア製品、およびエアケア製品から選択される。本明細書に使用されるとき、「消費者向け製品基材」は、洗浄、柔軟化、およびケアまたは同種のものなどの、特定の行為を果たす消費者向け製品として使用するための組成物を意味する。
【0052】
式(I)で表される化合物が加えられ得るパーソナルケア製品は、例えばあらゆる種類のボディケア製品を包含する。とくに関心を引く製品は、ヘアケア製品(例えば、シャンプー、コンディショナー、およびヘアスプレー)、およびローションまたはクリームといったスキンケア製品である。さらにまた、式(I)で表される化合物は、石鹸、バスおよびシャワージェル、ならびにデオドラント剤へ加えられてもよい。式(I)で表される化合物は、化粧用製品へ加えられ得る。
式(I)で表される化合物が加えられ得る家庭用ケア製品は、すべての種類の洗剤、窓用クリーナー、硬質表面クリーナー、多目的クリーナー、および家具用光沢剤を包含する。好ましくは、製品は、液体であり、例として、繊維洗浄剤またはコンディショナー組成物である。
【0053】
例えば、布用洗浄剤またはコンディショナー組成物は、異なるタイプの繊維、例えば綿、ウール、エラスタン(elastan)、ライクラ、ナイロン、ポリエステル、またはそれらの混合物に使われ得る。例えば、式(I)で表される化合物は、酵素をさらに含む消費者向け製品において、フレグランス前駆体として作用し得る。
【0054】
式(I)に従った化合物は、例として、香水、エアケア製品、家庭用製品、洗濯製品、ボディケア製品および化粧品などの上質な、かつ機能的な香料のいずれの分野における、香料入りの消費者向け製品の広い範囲において使用されてもよい。化合物は、特定の物品、および他の香気物成分の性質および分量に応じて、幅広くさまざまな量において使用され得る。式(I)の割合は、典型的には成形品の0.0001~5重量%である。一態様において、式(I)で表される化合物は、0.001~0.3重量%(例として、0.05重量%を包含する0.01~0.1重量%)の量で、繊維柔軟剤に用いられてもよい。別の態様において、式(I)で表される化合物は、上質な香水類中だけでなく、シャンプー、繊維柔軟剤または繊維洗剤といった消費者向け製品中にも、0.001~30重量%(例として、約10重量%まで、または20重量%まで)、より好ましくは0.01と5重量%との間の量で使用されてもよい。しかしながら、熟達した調香師は、より低いまたはより高い濃度で、結果を達成したり、または新規のアコードを創作することもあるので、これらの値は例としてのみ与えられるものである。
【0055】
一態様において、式(I)で表される化合物の許容し得る量を含む消費者向け製品が提供される。例えば、フレグランス物品は、物品の総量に基づき、式(I)で表される化合物の0.000001重量%~90重量%(0.00001重量%;0.0001重量%、0.001重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、5重量%、8重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、50重量%、60重量%、65重量%を包含する)を含んでもよい。
【0056】
式(I)で表される化合物は、本発明の化合物または式(I)で表される化合物を含むフレグランス組成物を、消費者向け製品基材と単に直接混合することによって消費者向け製品基材中に用いられてもよく、あるいはより早いステップにおいて、封入材料(例えば、ポリマー、カプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、リポソーム、フィルム形成剤、カーボンまたはゼオライトなどの吸収剤、環状オリゴ糖およびそれらの混合物)で封入され、次いで消費者向け製品基材と混合されてもよい。消費者向基材は、他のフレグランス成分を放出することができる封入物質をさらに含有してもよい。
【0057】
したがって、本発明は、式(I)で表される化合物を消費者向け製品基材へ直接混ぜることによってか、または式(I)で表される化合物を含むフレグランス組成物を混ぜることによって、式(I)で表される化合物を組み込むことを含み、その後従来の技術および方法を使用して、消費者向け製品基材と混合されてもよい、消費者向け製品を製造する方法を加えて提供する。本発明の化合物の許容し得る量を上述の本明細書に記載のとおりに加えることを通して、適用される消費者向け製品の匂いの特色は、改善されるか、付与されるか、強化されるか、または改変されるであろう。
【0058】
したがって、本発明は別の側面において、前記組成物または消費者向け製品へ、式(I)で表される少なくとも1つの化合物を加えることを含む、フレグランス組成物または消費者向け製品の快楽的特性を、付与、増強、改善または改変する方法をさらにまた提供する。
式(I)で表される化合物は、式(II)で表される化合物であるそれぞれのフェノール性フレグランス化合物HX、および不飽和アルキルハライド(例えば、アルケニルクロリド、ブロミド、またはヨウ化物)から出発して調製されてもよい。
【0059】
代替的に、式(II)で表されるフェノール系フレグランス化合物HXは、トリフェニルホスフィン(PPh3)およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)の存在下で、不飽和アルコールを用いた光延反応を介して、式(I)で表される化合物へ変換され得る。
【0060】
したがって、本発明のさらなる側面において、式(I)で表される化合物の作製方法が提供され、それには以下:
a) フェノール系フレグランス化合物HXを提供するステップ、
b) それを不飽和アルキルハライドまたは不飽和アルコールと反応させるステップ、
を含む。
一態様において、式(I)で表される化合物を調製するためのプロセスの出発材料は、再生可能な供給源から得られる。かかる出発材料とともに、最終産物もまた、再生可能な供給源からアクセス可能である。
さらなる側面において、本発明の化合物は、マノメトリックレスピロメトリー試験(材料の試験のためのOECDガイドライン No.301F、パリ、1992)によって実証された通り、生分解性である。
【0061】
本発明は、ここで、以下の非限定的な例を参照してさらに説明される。これらの例は、例証のみを目的としており、当業者によって、バリエーションおよび改変が作られ得ると理解される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図面の説明
【
図1】
図1は、液体洗浄剤中で使用されたときの、本発明に従う前駆体と遊離フェノール系フレグランス化合物HXとの色安定性の比較を示す。
【
図2】
図2は、揮発性物質の分析に使用するヘッドスペースバイアルの構成を示す。
【0063】
例
一般:
すべての反応は、商用の供給者からの溶媒および試薬を使用し、さらなる精製はせずに、アルゴン下で行った。抽出およびクロマトグラフィー用の溶媒は、工業用グレードであり、さらなる精製はせずに使用した。フラッシュクロマトグラフィーは、市販のプレパックのシリカゲルカートリッジを使用して行った。別様に断りのない限り、ヘプタンの混合物:MTBEを溶離液として使用した。NMRスペクトルは、Bruker AW 400 MHzまたはAvance III HD 400 MHzの器械で記録した。1H NMRスペクトルの化学シフトは、重水素化溶媒の残留プロトンシグナルを基準としたδ(ppm)で報告し、カップリング定数はヘルツ(Hz)で表した。13C NMRスペクトルは、重水素化溶媒の炭素シグナルを参照した。以下の略語を使用する:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、quint.=五重項、m=多重項、dd=ダブルダブレット、bs=ブロードな一重項。GC/MSスペクトルデータは、Agilent 6890 NおよびMSD 5975で、カラムHP-5 MS、30m、0.25mm、0.25μmを使用して得た。
【0064】
例1: メチル(S,Z)-12-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)オクタデク-9-エノエート
THF(200mL)中のエチルバニリン(10.0g、60.2mmol、1.0当量)、リシノール酸メチル(22.6g、72.2mmol、1.2当量)、およびトリフェニルホスフィン(20.5g、78.0mmol)の溶液へ、DIAD(15.8g、78.0mmol)を室温にてゆっくり加えた。温度を25℃未満に保ち、反応混合物をアルゴン雰囲気下で、室温にて16時間撹拌した。反応転化率は、TLCおよびGCによってモニターした。混合物を濾過し、濾過物を回転蒸発によって濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:MTBE=94:6)によって精製し、メチル(S,Z)-12-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)オクタデク-9-エノエート(33.9mmol、15.6g、収率:56%)を、無色の液体として得た。
【0065】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.73 (s, 1H), 7.55 - 7.16 (m, 2 H), 6.89 (d, J = 8.3 Hz, 1 H), 5.56 - 5.14 (m, 2 H), 4.51 - 3.88 (m, 3 H), 3.56 (s, 3H), 2.46 - 2.28 (m, 2H), 2.20 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.00 - 1.88 (m, 2H), 1.72 - 1.45 (m, 4H), 1.45 - 1.05 (m, 19H), 0.77 (t, J = 6.3 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.8, 174.1, 154.1, 150.0, 132.6, 130.0, 126.2, 124.2, 114.3, 111.6, 79.5, 64.5, 51.3, 34.0, 33.7, 31.7, 31.6, 29.4, 29.2, 29.1, 29.1, 29.1, 27.4, 25.3, 24.9, 22.5, 14.7, 14.0 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 460 (1) [M+], 295 (10), 263 (18), 245 (9), 166 (100), 138 (37), 109 (14), 95 (17), 81 (26).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニリン、グリーン、脂肪質。
【0066】
例2: メチル(S,Z)-12-(4-(3-オキソブチル)フェノキシ)オクタデク-9-エノエート
実施例1の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(5.0g、30.4mmol、1.0当量)およびメチル(Z)-12-ヒドロキシオクタデク-9-エノエート(11.4g、36.5mmol、1.2当量)から、化合物を無色の液体(16.6mmol、7.6g、収率54%)として得た。
【0067】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.06 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 6.80 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 5.55 - 5.32 (m, 2H), 4.29 - 4.06 (m, 1H), 3.65 (s, 3H), 2.89 - 2.64 (m, 4H), 2.45 - 2.22 (m, 4H), 2.15 - 1.89 (m, 5H), 1.73 - 1.54 (m, 4H), 1.51 - 1.14 (m, 16H), 0.86 (s, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 208.0, 174.2, 156.8, 132.9, 132.3, 129.2, 124.7, 116.0, 77.8, 51.4, 45.4, 34.0, 33.8, 31.8, 31.5, 30.0, 29.5, 29.3, 29.2, 29.1, 28.9, 27.4, 25.4, 24.9, 22.6, 14.1 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 458 (3) [M+], 294 (7), 261 (19), 203 (19), 164 (100), 107 (63), 55 (30).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリーフルーティラズベリー、グリーン、脂肪質。
【0068】
例3: メチル(S,Z)-2-ヒドロキシ-4-((18-メトキシ-18-オキソオクタデク-9-エン-7-イル)オキシ)-3,6-ジメチル安息香酸
例1の手順に従って、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸(5.0g、25.5mmol、1.0当量)およびメチル(Z)-12-ヒドロキシオクタデク-9-エノエート(9.6g、30.6mmol、1.2当量)から、化合物を無色の液体(16.7mmol、8.2g、収率66%)として得た。
【0069】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.79 (s, 1H), 6.17 (s, 1H), 5.54 - 5.13 (m, 2H), 4.34 - 4.11 (m, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.57 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 2.38 - 2.25 (m, 2H), 2.20 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.98 (s, 3H), 1.96 - 1.89 (m, 2H), 1.67 - 1.42 (m, 4H), 1.40 - 1.13 (m, 16H), 0.78 (t, J = 6.7 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 173.2, 171.5, 161.5, 159.4, 138.7, 131.5, 123.3, 110.8, 106.8, 103.9, 76.5, 50.6, 50.4, 33.0, 32.7, 30.8, 30.7, 28.5, 28.3, 28.2, 28.1, 28.1, 26.4, 24.3, 23.9, 23.7, 21.6, 13.0, 7.0 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー苔臭、エバーニル、グリーン、脂肪質。
【0070】
例4: 3-エトキシ-4-((2-メチルウンデク-2-エン-5-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(3.0g、18.1mmol、1.0当量)および2-メチルウンデク-2-エン-5-オール(3.7g、19.9mmol、1.1当量)から、化合物を無色の液体(7.2mmol、2.4g、収率41%)として得た。
【0071】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.83 (s, 1H), 7.49 - 7.33 (m, 2H), 7.04 - 6.85 (m, 1H), 5.18 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 4.45 - 4.25 (m, 1H), 4.13 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.57 - 2.21 (m, 2H), 1.81 - 1.59 (m, 8H), 1.50 - 1.20 (m, 11H), 0.93 - 0.76 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 191.0, 154.4, 150.1, 134.3, 129.9, 126.3, 119.4, 114.4, 111.8, 80.0, 64.6, 33.7, 32.6, 31.8, 29.3, 25.9, 25.4, 22.6, 18.0, 14.7, 14.1 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 332 (3) [M+], 263 (1), 167 (42), 137 (21), 111 (25), 69 (100), 55 (30).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):バニラ(パウダリー、クリーム状)乾燥(生地状)
【0072】
例5: 4-(4-((5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(5.2g、31.4mmol、1.1当量)および5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-オール(4.0g、28.5mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(17.1mmol、4.9g、収率60%)として得た。
【0073】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 7.03 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.80 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.94 - 5.64 (m, 1H), 5.51 - 5.38 (m, 1H), 5.18 - 4.85 (m, 2H), 4.54 - 4.27 (m, 1H), 2.86 - 2.32 (m, 6H), 2.12 (s, 3H), 2.07 - 1.62 (m, 2H), 1.61 - 1.54 (m, 3H), 0.97 - 0.83 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 208.3, 156.9, 156.8, 136.5, 135.5, 134.8, 132.9, 132.9, 132.8, 130.4, 128.9, 128.9, 125.1, 116.7, 116.3, 116.2, 114.6, 85.1, 83.4, 45.5, 45.5, 38.8, 31.7, 30.1, 28.9, 27.1, 20.8, 13.9, 11.1, 11.1, 10.3 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 286 (1) [M+], 245 (2), 187 (11), 164 (21), 122 (67), 107 (71), 93 (75), 81 (100).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):フルーティ(パウダリー、甘い、ラズベリー)
【0074】
例6: 2-メトキシ-1-((5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)-4-(プロプ-1-エン-1-イル)ベンゼン
例1の手順に従って、2-メトキシ-4-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール(5.2g、31.4mmol、1.1当量)および5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-オール(4.0g、28.5mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(13.6mmol、3.9g、収率47%)として得た。
【0075】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 6.86 (s, 1H), 6.83 - 6.70 (m, 2H), 6.31 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 6.15 - 6.00 (m, 1H), 5.93 - 5.64 (m, 1H), 5.49 - 5.31 (m, 1H), 5.18 - 4.85 (m, 2H), 4.53 - 4.32 (m, 1H), 3.85 (s, 3H), 2.81 - 2.38 (m, 2H), 2.05 - 1.66 (m, 5H), 1.59 (s, 3H), 0.98 - 0.83 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 150.4, 150.3, 147.0, 146.8, 136.5, 135.5, 134.9, 132.8, 131.6, 131.4, 130.9, 130.7, 125.4, 123.8, 123.7, 118.5, 116.9, 116.6, 114.6, 109.5, 109.4, 86.8, 85.1, 56.0, 56.0, 38.5, 31.7, 26.8, 20.8, 18.4, 13.9, 11.0, 10.4 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 286 (1) [M+], 245 (1), 166 (100), 149 (9), 81 (19), 55 (6).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):ウッディ(スモーキー、シダーウッド、パイログラビア(pyrogravure))
【0076】
例7: メチル2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル-4-((5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)安息香酸
例1の手順に従って、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸(6.2g、31.4mmol、1.1当量)および5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-オール(4.0g、28.5mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(9.7mmol、3.1g、収率34%)として得た。
【0077】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.81 (s, 1H), 6.25 (s, 1H), 5.89 - 5.69 (m, 1H), 5.52 - 5.39 (m, 1H), 5.19 - 4.88 (m, 2H), 4.64 - 4.43 (m, 1H), 3.90 (s, 3H), 2.86 - 2.38 (m, 5H), 2.09 (s, 3H), 2.07 - 1.66 (m, 2H), 1.57 (s, 3H), 1.01 - 0.87 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 172.6, 162.2, 160.4, 160.2, 139.4, 139.4, 136.3, 135.2, 134.4, 132.6, 130.5, 125.1, 117.1, 114.7, 111.6, 111.5, 108.9, 108.8, 105.1, 105.0, 84.6, 83.0, 51.7, 38.8, 31.6, 27.1, 24.6, 20.8, 13.9, 11.1, 11.1, 10.2, 8.0 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 318 (4) [M+], 277 (4), 245 (8), 196 (31), 164 (76), 122 (43), 81 (100), 67 (28).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(エバーニル)
【0078】
例8: 4-(4-((1-フェニルブタ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(4.9g、29.7mmol、1.1当量)および1-フェニルブタ-3-エン-1-オール(4.0g、27.0mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(6.8mmol、2.0g、収率25%)として得た。
【0079】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.38 - 7.23 (m, 5H), 6.98 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.75 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.98 - 5.67 (m, 1H), 5.18 - 4.96 (m, 3H), 2.82 - 2.50 (m, 6H), 2.09 (s, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 208.2, 156.5, 141.5, 134.2, 133.1, 129.1, 128.5, 127.6, 126.1, 117.5, 116.0, 80.0, 45.4, 42.9, 30.1, 28.9 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 294 (3) [M+], 253 (6), 164 (58), 131 (100), 107 (73), 91 (73), 77 (51), 65 (20).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):フルーティ(パウダリー、甘い、ラズベリー)
【0080】
例9: 4-(4-((オクタデク-9,11-ジエン-7-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(1.3g、7.9mmol、1.5当量)およびオクタデク-9-エン-7,12-ジオール(1.5g、5.3mmol、1.0当量)から、化合物を白色の固体(0.5mmol、0.2g、収率7%、副生成物、主生成物は例10)として得た。
【0081】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.00 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.74 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.36 - 5.16 (m, 4H), 4.21 - 3.83 (m, 1H), 2.82 - 2.70 (m, 2H), 2.68 - 2.57 (m, 2H), 2.51 - 2.24 (m, 2H), 2.10 - 2.01 (m, 4H), 1.62 - 1.52 (m, 2H), 1.38 - 1.10 (m, 17H), 0.85 - 0.74 (m, 6H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 207.2, 155.8, 134.8, 132.0, 130.0, 128.2, 128.1, 127.3, 115.2, 115.1, 76.8, 44.4, 36.2, 32.8, 30.8, 30.7, 29.1, 28.6, 28.3, 27.9, 27.9, 26.7, 24.4, 21.6, 21.6, 13.1, 13.0 ppm. GC/MS (EI): m/z (%): 412 (8) [M+], 261 (42), 203 (58), 179 (1), 164 (22), 107 (85), 91 (24), 81 (50), 67 (100), 55 (84).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリーフルーティラズベリー。
【0082】
例10: 4,4’-((オクタデク-9-エン-7,12-ジイルビス(オキシ))ビス(4,1-フェニレン))ビス(ブタン-2-オン)
例1の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(1.3g、7.9mmol、1.5当量)およびオクタデク-9-エン-7,12-ジオール(1.5g、5.3mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(1.9mmol、1.1g、収率35%)として得た。
【0083】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.05 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 6.78 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 5.64 - 5.43 (m, 2H), 4.24 - 4.02 (m, 2H), 2.87 - 2.77 (m, 4H), 2.75 - 2.64 (m, 4H), 2.43 - 2.23 (m, 4H), 2.11 (s, 6H), 1.69 - 1.53 (m, 4H), 1.37 - 1.21 (m, 16H), 0.90 - 0.82 (m, 6H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 208.0, 156.8, 132.9, 129.2, 128.6, 116.1, 77.7, 45.4, 37.0, 33.7, 31.8, 30.1, 29.4, 28.9, 25.4, 22.6, 14.1 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 576 (1) [M+], 412 (14), 355 (21), 261 (21), 203 (50), 164 (27), 107 (100), 97 (30), 55 (86).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリーフルーティラズベリー。
【0084】
例11: 3-エトキシ-4-((5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、30.1mmol、1.0当量)および(E)-5-メチルオクタ-1,5-ジエン-4-オール(7.9g、39.1mmol、1.2当量)から、化合物を無色の液体(18.0mmol、5.2g、収率60%)として得た。
【0085】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 9.81 (s, 1H), 7.41 - 7.31 (m, 2H), 6.96 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.95 - 5.69 (m, 1H), 5.52 - 5.37 (m, 1H), 5.20 - 4.86 (m, 2H), 4.67 - 4.46 (m, 1H), 4.22 - 4.03 (m, 2H), 2.88 - 2.37 (m, 2H), 2.09 - 1.72 (m, 2H), 1.61 (s, 3H), 1.45 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.02 - 0.87 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 191.0, 154.1, 153.9, 150.0, 150.0, 136.2, 134.7, 134.3, 132.2, 131.3, 130.2, 130.1, 126.1, 126.1, 125.9, 117.2, 115.5, 115.2, 114.8, 111.7, 111.6, 86.6, 85.0, 64.7, 64.6, 38.5, 31.7, 26.8, 20.8, 14.8, 13.9, 11.1, 11.0, 10.2 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 288 (1) [M+], 247 (2), 189 (3), 166 (6), 137 (15), 122 (35), 93 (31), 81 (100).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(バニラ)
【0086】
例12: (Z)-4-(デカ-1,7-ジエン-4-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(10.0g、60.2mmol、1.0当量)および(Z)-デカ-1,7-ジエン-4-オール(10.2g、66.12mmol、1.1当量)から、化合物を無色の液体(29.4mmol、8.9g、収率48%)として得た。
【0087】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.74 (s, 1H), 7.31 (s, 2H), 6.89 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 5.98 - 5.60 (m, 1H), 5.39 - 5.17 (m, 2H), 5.13 - 4.93 (m, 2H), 4.39 - 4.20 (m, 1H), 4.04 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 2.52 - 2.27 (m, 2H), 2.19 - 2.04 (m, 2H), 1.99 - 1.81 (m, 2H), 1.80 - 1.57 (m, 2H), 1.36 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 0.80 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 189.8, 153.0, 149.1, 132.7, 131.6, 129.2, 126.9, 125.2, 116.8, 113.5, 110.6, 77.5, 63.5, 37.2, 32.6, 21.8, 19.4, 13.7, 13.2 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 302 (12) [M+], 193 (1), 166 (100), 138 (51), 95 (23), 81 (20), 67 (19), 55 (13).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(バニラ)
【0088】
例13: 2-メトキシ-1-(((Z)-ノナ-1,6-ジエン-4-イル)オキシ)-4-(プロプ-1-エン-1-イル)ベンゼン
例1の手順に従って、2-メトキシ-4-(プロプ-1-エン-1-イル)フェノール(0.6g、3.7mmol、1.3当量)および(Z)-ノナ-1,6-ジエン-4-オール(0.4g、2.9mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(1.0mmol、0.3g、収率37%)として得た。
【0089】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 6.88 (s, 1H), 6.80-6.87 (m, 2H), 6.33 (br d, J = 15.8 Hz, 1H), 6.07-6.16 (m, 1H), 5.84-5.97 (m, 1H), 5.38-5.53 (m, 2H), 5.03-5.15 (m, 2H), 4.24 (quin, J = 5.8 Hz, 1H), 3.84 (s, 3H), 2.37-2.51 (m, 4H), 2.03 - 2.06 (m, 2H), 1.86 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.95 (t, J = 7.4 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 150.7, 146.7, 134.6, 134.1, 132.0, 130.6, 124.0, 124.0, 118.6, 117.3, 117.0, 109.6, 79.4, 55.9, 38.1, 31.4, 20.8, 18.4, 14.2 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 286 (10) [M+], 217 (1), 164 (100), 149 (11), 131 (6), 103 (8), 91 (11), 81 (7).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):クリーム状、バニラ
【0090】
例14: 4-(4-(((1S,2S,5R)-5-メチル-2-(プロプ-1-エン-2-イル)シクロヘキシル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(5.0g、30.4mmol、1.0当量)および(1R,2S,5R)-5-メチル-2-(プロプ-1-エン-2-イル)シクロヘキサン-1-オール(5.6g、36.5mmol、1.2当量)から、化合物を白色の固体(9.6mmol、2.9g、収率32%)として得た。
【0091】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.05 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.79 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 4.78 (s, 2H), 4.55 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 2.86 - 2.78 (m, 2H), 2.76 - 2.66 (m, 2H), 2.16 - 2.04 (m, 5H), 2.03 - 1.89 (m, 1H), 1.86 - 1.60 (m, 6H), 1.13 - 0.93 (m, 2H), 0.84 (d, J = 6.5 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 208.3, 156.6, 147.3, 132.7, 129.2, 116.1, 110.9, 75.1, 48.0, 45.5, 37.9, 34.8, 30.1, 28.9, 26.1, 25.0, 22.3, 22.0 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 300 (23) [M+], 164 (100), 136 (45), 121 (35), 107 (75), 95 (26), 81 (54).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):甘くフルーティ(ラズベリー)
【0092】
例15: 3-エトキシ-4-((1-フェニルノン-1-エン-4-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(0.3g、1.9mmol、1.3当量)および1-フェニルノン-1-エン-4-オール(0.4g、1.5mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(0.3mmol、0.12g、収率21%)として得た。
【0093】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 9.83 (s, 1H), 7.39-7.43 (m, 2H), 7.19-7.35 (m, 5H), 7.01 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.47 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 6.18-6.34 (m, 1H), 4.42 - 4.46 (m, 1H), 4.13 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 2.55-2.70 (m, 2H), 1.25 -1.86 (m, 11 H), 0.88 (br t, J = 6.0 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 191.0, 154.1, 150.2, 137.4, 132.8, 130.2, 128.5, 127.3, 126.3, 126.1, 125.6, 114.9, 111.7, 79.9, 64.6, 37.6, 33.8, 31.8, 25.1, 22.6, 14.8, 14.0 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 366 (1) [M+], 249 (11), 201 (33), 165 (28), 117 (100), 91 (61).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(バニラ)
【0094】
例16: 4-((2,6-ジメチルヘプタ-4,5-ジエン-2-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.5g、9.0mmol、1.0当量)および2,2,5-トリメチルヘクサ-3,4-ジエン-1-オール(1.3g、9.0mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(0.1mmol、0.04g、収率1%)として得た。
【0095】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 9.88 (s, 1H), 7.40 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.38 (dd, J = 8.0, 1.9 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.00-5.21 (m, 1H), 4.09 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.39 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 1.64 -1.74 (m, 6H), 1.43-1.52 (m, 3H), 1.36 (s, 6H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ = 203.7, 191.3, 153.9, 151.2, 132.4, 124.9, 124.5, 111.5, 94.2, 84.5, 83.6, 64.2, 42.7, 26.0, 20.5, 14.7 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 288 (6) [M+], 166 (33), 137 (40), 123 (26), 107 (100), 81 (91), 67 (30).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(バニラ)
【0096】
例17: (Z)-3-エトキシ-4-(ウンデク-3-エン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(0.5g、3.1mmol、1.3当量)および(Z)-ウンデク-3-エン-6-オール(0.4g、2.3mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(0.9mmol、0.3g、収率39%)として得た。
【0097】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 9.83 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.41 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 5.36-5.54 (m, 2H), 4.39 - 4.33 (m 1H), 4.13 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.38-2.54 (m, 2H), 2.10 - 2.02 (m, 2H), 1.67-1.81 (m, 2H), 1.42-1.52 (m, 4H), 1.26-1.34 (m, 5H), 0.86-1.00 (m, 6H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ = 191.0, 154.2, 150.1, 134.4, 130.0, 126.3, 123.7, 114.4, 111.7, 79.7, 64.6, 33.7, 31.8, 31.6, 25.0, 22.6, 20.8, 14.7, 14.1, 14.0 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 318 (6) [M+], 249 (2), 166 (100), 138 (47), 97 (26), 83 (21), 69 (34), 55 (36).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(乾燥、バニラ、チョコレート)
【0098】
例18: 3-エトキシ-4-((2,6,10-トリメチルウンデカ-4,5,9-トリエン-2-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(7.3g、43.7mmol、1.3当量)および2,2,5,9-テトラメチルデカ-3,4,8-トリエン-1-オール(7.0g、33.6mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(3.1mmol、1.1g、収率9%)として得た。
【0099】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 9.88 (s, 1H), 7.40 - 7.36 (m, 2H), 7.16 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.10 - 5.23 (m, 2H), 4.09 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.41 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 2H), 2.13 - 1.93 (m, 4H), 1.68-1.71 (m, 6H), 1.59 (s, 3H), 1.41-1.53 (m, 3H), 1.37 (s, 6H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 203.2, 191.3, 153.9, 151.1, 132.4, 131.6, 124.9, 124.5, 124.2, 111.5, 98.5, 86.0, 83.6, 64.2, 42.9, 34.1, 26.3, 26.1, 25.7, 19.1, 17.7, 14.7 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 356 (1) [M+], 313 (2), 190 (53), 175 (62), 137 (100), 107 (69), 93 (90), 79 (49).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):バニラのパウダリー
【0100】
例19: (E)-3-エトキシ-4-(ノン-6-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド
a)(E)-ノン-6-エン-4-オール
THF(150mL)中の(E)-ヘクサ-3-エナール(12.5g、127.0mmol、1.0当量)の溶液へ、臭化プロピルマグネシウム(37.5g、255.0mmol、2.0当量)を、0℃において滴下して加えた。室温にて4h攪拌。水(15mL)を加えて反応をクエンチした。固体を濾別し、生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、(E)-ノン-6-エン-4-オールを無色の液体(21.8mmol、3.1g、収率15%)として得た。
【0101】
13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 136.2, 124.9, 70.7, 40.7, 38.9, 25.7, 18.9, 14.1, 13.8.GC/MS (EI): m/z (%): 142 (1) [M+], 124 (2), 114 (1), 100 (2), 81 (8), 70 (72), 55 (100).
【0102】
b)(E)-3-エトキシ-4-(ノン-6-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(0.2g、1.0mmol、1.3当量)および(E)-ノン-6-エン-4-オール(0.1g、0.7mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(0.2mmol、0.07g、収率33%)として得た。
【0103】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 9.83 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.41 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.51-5.61 (m, 1H), 5.38-5.50 (m, 1H), 4.35 (quin, J = 5.9 Hz, 1H), 4.13 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.32-2.48 (m, 2H), 1.94-2.08 (m, 2H), 1.59-1.83 (m, 2H), 1.35-1.56 (m, 5H), 0.90-0.99 (m, 6H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 191.0, 154.4, 150.1, 135.5, 130.0, 126.3, 124.0, 114.6, 111.9, 79.7, 64.7, 37.1, 35.8, 25.7, 18.6, 14.7, 14.1, 13.7 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 290 (17) [M+], 221 (4), 166 (100), 138 (56), 83 (35), 69 (77), 55 (38).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):バニラのパウダリー、クリーム状
【0104】
例20: 3-エトキシ-4-(((3E,7E)-4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(0.4g、2.4mmol、1.1当量)および(3E,7E)-4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-オール(0.2g、2.2mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(1.8mmol、0.7g、収率78%)として得た。
【0105】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 9.83 (s, 1H), 7.52 - 7.31 (m, 2H), 7.07 - 6.81 (m, 1H), 5.22 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 5.15 - 5.02 (m, 2H), 4.14 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 4.09 - 4.00 (m, 2H), 2.59 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 2.19 - 2.00 (m, 6H), 2.00 - 1.91 (m, 2H), 1.79 - 1.72 (m, 1H), 1.71 - 1.64 (m, 5H), 1.63 - 1.53 (m, 6H), 1.52 - 1.41 (m, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 190.9, 154.4, 154.4, 149.2, 138.8, 138.7, 135.4, 135.1, 131.3, 131.3, 129.9, 126.6, 124.3, 124.3, 124.0, 123.9, 119.5, 118.7, 111.7, 110.9, 68.8, 68.6, 64.5, 39.7, 39.7, 32.1, 27.9, 27.8, 26.8, 26.7, 26.5, 25.7, 23.5, 17.7, 16.2, 16.0, 14.7 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 384 (1) [M+], 248 (4), 219 (2), 166 (5), 137 (16), 95 (18), 81 (51), 69 (100).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):バニラ(パウダリー、クリーム状、チョコレート、グルマン)
【0106】
例21: 3-エトキシ-4-((2-メチル-1-フェニルヘクサ-4-エン-2-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
a)(E)-2-ベンジル-2-メチルペント-3-エン-1-オール
THF(200mL)中のLiAlH4(3.0g、80.0mmol、0.75当量)の懸濁液へ、テトラヒドロフラン(100mL)中の(E)-2-ベンジル-2-メチルペント-3-エナール(20.0g、106.0mmol、1.0当量)を5℃にて滴下して加え、その結果得られた混合物を室温にて3h撹拌した。その後、いくらかのNH4Clの溶液を加えることによって反応をクエンチし、混合物をMTBE(150mL*3)で抽出し、有機層を合わせ、MgSO4上で乾燥し、溶媒を除去して(E)-2-ベンジル-2-メチルペント-3-エン-1-オール(17.2g、90.4mmol、収率85%)を得た。
【0107】
13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 138.2, 136.6, 130.7, 128.6, 127.7, 127.0, 126.0, 125.1, 69.4, 43.7, 42.3, 20.8, 18.4.GC/M S (EI): m/z (%): 190 (2) [M+], 172 (18), 159 (17), 129 (22), 117 (55), 91 (100), 65 (32), 53 (12).
【0108】
b)3-エトキシ-4-((2-メチル-1-フェニルヘクサ-4-エン-2-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(4.8g、28.9mmol、1.1当量)および(E)-2-ベンジル-2-メチルペント-3-エン-1-オール(5.0g、26.3mmol、1.0当量)から、化合物を薄黄色の液体(0.6mmol、0.2g、収率2%)として得た。
【0109】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.76 (s, 1H), 7.29 -6.75 (m, 8H), 5.76 - 5.26 (m, 2H), 3.97 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.17 - 2.82 (m, 2H), 2.98 - 2.11 (m, 2H), 1.74 - 1.55 (m, 3H), 1.41 - 1.29 (m, 3H), 1.11 (s, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 191.2, 153.8, 151.2, 137.7, 132.2, 131.0, 128.8, 127.9, 126.5, 126.4, 124.9, 124.0, 111.2, 85.4, 64.2, 46.1, 42.8, 23.5, 18.2, 14.8 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 338 (1) [M+], 283 (1), 172 (22), 157 (14), 143 (30), 91 (100), 55 (19).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(バニラ)、クリーム状(乳白色)。
【0110】
例22: 4-(デク-1-エン-4-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(4.7g、28.2mmol、1.1当量)およびデク-1-エン-4-オール(4.0g、25.6mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(12.8mmol、3.9g、収率50%)として得た。
【0111】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.83 (s, 1H), 7.46 - 7.29 (m, 2H), 6.99 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.07 - 5.70 (m, 1H), 5.27 - 4.94 (m, 2H), 4.50 - 4.29 (m, 1H), 4.13 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.62 - 2.29 (m, 2H), 1.89 - 1.59 (m, 2H), 1.49 - 1.28 (m, 11H), 0.98 - 0.67 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.9, 154.1, 150.1, 133.9, 130.1, 126.3, 117.7, 114.7, 111.7, 79.4, 64.6, 38.3, 33.6, 31.7, 29.2, 25.2, 22.5, 14.7, 14.1 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 304 (5) [M+], 263 (1), 166 (100), 138 (56), 81 (8), 55 (18).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):乾燥したパウダリー(シダーウッド、バニラ)
【0112】
例23: 4-(4-(デク-1-エン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(4.6g、28.2mmol、1.1当量)およびデク-1-エン-4-オール(4.0g、25.6mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(13.9mmol、4.2g、収率55%)として得た。
【0113】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.07 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 6.81 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 5.95 - 5.68 (m, 1H), 5.15 - 5.05 (m, 2H), 4.29 - 4.09 (m, 1H), 2.83 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.72 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.44 - 2.35 (m, 2H), 2.13 (s, 3H), 1.74 - 1.52 (m, 2H), 1.44 - 1.27 (s, 8H), 0.87 (t, J = 5.7 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 208.2, 156.8, 134.3, 133.0, 129.2, 117.3, 116.1, 77.5, 45.5, 38.2, 33.7, 31.8, 30.1, 29.3, 28.9, 25.4, 22.6, 14.1 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 302 (12) [M+], 261 (6), 203 (5), 164 (100), 149 (12), 107 (90), 94 (27), 55 (18).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):フルーティ(ラズベリー、グルマン)で甘い
【0114】
例24: メチル4-(デカ-1-エン-4-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸
例1の手順に従って、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸(5.5g、28.2mmol、1.1当量)およびデカ-1-エン-4-オール(4.0g、25.6mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(14.7mmol、4.9g、収率57%)として得た。
【0115】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.88 (s, 1H), 6.25 (s, 1H), 5.91 - 5.64 (m, 1H), 5.29 - 4.89 (m, 2H), 4.51 - 4.25 (m, 1H), 3.90 (s, 3H), 2.49 (s, 3H), 2.46 - 2.27 (m, 2H), 2.08 (s, 3H), 1.75 - 1.56 (m, 2H), 1.36 - 1.19 (m, 8H), 0.86 (s, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 172.6, 162.6, 160.4, 139.8, 134.0, 117.5, 111.9, 108.0, 105.0, 77.2, 51.7, 38.4, 33.7, 31.8, 29.3, 25.2, 24.7, 22.6, 14.1, 8.1 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 334 (6) [M+], 293 (2), 196 (25), 164 (100), 136 (19), 55 (11).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(苔臭、エバーニル)
【0116】
例25: メチル2-(テトラデク-1-エン-4-イルオキシ)安息香酸
例1の手順に従って、サリチル酸メチル(1.3ml、10mmol、1当量)およびテトラデク-1-エン-4-オール(2.12g、10mmol、1当量)から、化合物を透明な無色の液体(1.56g、4.4mmol、44%)として得た。
【0117】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 7.83 - 7.67 (m, 1H), 7.53 - 7.36 (m, 1H), 7.05 - 6.87 (m, 2H), 6.03 - 5.80 (m, 1H), 5.19 - 5.01 (m, 2H), 4.45 - 4.28 (m, 1H), 3.87 (s, 3H), 2.63 - 2.37 (m, 2H), 1.86 - 1.60 (m, 2H), 1.52 - 1.16 (m, 16H), 0.95 - 0.80 (m, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 167.2, 157.8, 134.2, 133.0, 131.6, 121.7, 120.0, 117.4, 114.8, 78.7, 51.8, 38.2, 33.5, 31.9, 29.6, 29.6, 29.6, 29.6, 29.3, 25.2, 22.7, 14.1.MS (EI, 70eV): 346 (1, [M]+*), 305 (5), 152 (100), 120 (75), 92 (15), 81 (10), 67 (12), 55 (20), 41 (25), 29 (10).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):アルデヒド状、金属臭、グリーン、柑橘類。
【0118】
例26: 1-(2-(テトラデク-1-エン-4-イルオキシ)フェニル)プロパン-1-オン
例1の手順に従って、1-(2-ヒドロキシフェニル)プロパン-1-オン(1.37ml、10mmol、1当量)およびテトラデク-1-エン-4-オール(2.12g、10mmol、1当量)から、化合物を透明な無色の液体(1.12g、2.8mmol、28%)として得た。
【0119】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 7.66 (dd, J = 1.8, 7.6 Hz, 1H), 7.48 - 7.20 (m, 1H), 7.02 - 6.82 (m, 2H), 5.82 (br dd, J = 10.2, 17.1 Hz, 1H), 5.20 - 5.01 (m, 2H), 4.55 - 4.35 (m, 1H), 2.99 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.61 - 2.40 (m, 2H), 1.79 - 1.64 (m, 2H), 1.53 - 1.23 (m, 16H), 1.20 - 1.13 (m, 3H), 0.97 - 0.81 (m, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 204.0, 156.9, 133.7, 132.9, 130.5, 129.5, 120.3, 117.9, 113.1, 77.3, 38.0, 37.2, 33.4, 31.9, 29.6, 29.6, 29.6, 29.5, 29.3, 25.3, 22.7, 14.1, 8.6.MS (EI, 70eV): 344 (1, [M]+*), 303 (5), 150 (70), 133 (2), 121 (100), 150 (2), 97 (4), 83 (6), 67 (7), 55 (20), 41 (25), 29 (7).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):アルデヒド状、金属臭、グリーン、柑橘類。
【0120】
例27: 3-エトキシ-4-(テトラデク-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、エチルバニリン(4.15g、25mmol、1当量)およびテトラデク-1-エン-4-オール(5.31g、25mmol、1当量)から、化合物を透明な無色の液体(2.23g、5.9mmol、24%)として得た。
【0121】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 9.83 (s, 1H), 7.43 - 7.38 (m, 2H), 6.98 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 5.87 (tdd, J = 7.0, 10.1, 17.1 Hz, 1H), 5.18 - 5.05 (m, 2H), 4.38 (quin, J = 5.9 Hz, 1H), 4.13 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.56 - 2.39 (m, 2H), 1.81 - 1.63 (m, 2H), 1.53 - 1.19 (m, 19H), 0.92 - 0.84 (m, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 190.9, 154.1, 150.1, 133.9, 130.2, 126.2, 117.7, 114.7, 111.8, 79.5, 64.7, 38.3, 33.7, 31.9, 29.6, 29.6, 29.5, 29.5, 29.3, 25.3, 22.7, 14.7, 14.1.MS (EI, 70eV): 360 (1, [M]+*), 194 (1), 166 (100), 149 (3) 138 (40), 123 (1), 109 (5), 97 (4), 81 (5), 69 (5), 55 (10), 41 (12), 29 (6).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、アルデヒド状、金属臭、グリーン、柑橘類、マンダリン。
【0122】
例28: (Z)-3-エトキシ-4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド
a)ペンタデク-3-イン-6-オール
ブチルリチウム(ヘキサン中に1.6M、62mL、99mmol)の溶液を、THF(テトラヒドロフラン)(150mL)と混合し、-78℃までに冷却した。ガス状のブタ-1-イン(8.94g、165mmol)を、この溶液に-78℃にて15分にわたりゆっくりとバブリングし、得られた混合物を追加で15分間撹拌した。次に、混合物を、-78℃にて2-ノニルオキシラン(9.38g、55mmol)、それに続き、三フッ化ホウ素エーテラート(5.7mL、45mmol)でゆっくりと処置し、その結果得られた混合物を-78℃にて1.5h撹拌した。最後に、混合物を飽和NaHCO3水溶液(300mL)に注ぎ、水(200mL)で希釈し、MTBE(2x200mL)で抽出し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、かつ濃縮して、粗製物を得た。それを180℃かつ12mbarにてクーゲルロール蒸留、それに続きヘプタン中のMTBEの勾配で溶出しながらシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、ペンタデク-3-イン-6-オール(8.58g、収率69%)を淡黄色の油として得て、それをさらなる精製はせずに次のステップにおいて使用した。
【0123】
MS (EI, 70eV): 224 (1, [M]+*), 209 (2), 195 (2), 157 (6) 125 (4), 97 (42), 68 (100), 67 (84).
【0124】
b)ペンタデク-3-エン-6-オール
フラスコをリンドラー触媒(炭酸カルシウム上のパラジウム、鉛で毒化)(1.2g)、酢酸エチル(300mL)、キノリン(30mL)、およびペンタデク-3-イン-6-オール(7.35g、32.8mmol)で満たし、フラスコを窒素で、これに続き水素でパージした。混合物を、水素雰囲気下、室温にて1h撹拌し、その後、それを窒素でフラッシュし、セライトのプラグを通して濾過し、MTBE(メチルtert-ブチルエーテル)でリンスした。混合物を2M塩酸(2x100mL)で抽出し、水層を追加のMTBE(2x50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4上で乾燥し、ならびに蒸発させて、ペンタデク-3-エン-6-オール(7.51g、純度97%、収率98%)を淡黄色の油として得て、それをさらなる精製はせずに次のステップにおいて使用した。
【0125】
MS (EI, 70eV): 226 (1, [M]+*), 208 (2), 184 (1), 157 (7) 70 (100), 69 (34).
【0126】
c)(Z)-3-エトキシ-4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例1のプロセスに従って、ペンタデク-3-エン-6-オール(8.75g、38.6mmol)、エチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)(6.42g、38.6mmol)、トリフェニルホスフィン(15.21g、58mmol)、およびDIAD(アゾジカルボン酸ジイソプロピル)(11.7g、58mmol)から、化合物を無色の油(3.74g、収率26%)として得た。
【0127】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 9.85 (s, 1H), 7.40-7.45 (m, 2H), 6.99 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 5.47-5.57 (m, 1H), 5.37-5.47 (m, 1H), 4.38 (quin, J = 5.9 Hz, 1H), 4.15 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 2.40-2.56 (m, 2H), 2.03-2.13 (m, 2H), 1.64-1.84 (m, 2H), 1.22-1.53 (m, 17H), 0.98 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.86-0.92 (m, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 190.9, 154.2, 150.1, 134.3, 130.0, 126.3, 123.7, 114.4, 111.8, 79.7, 64.6, 33.7, 31.9, 31.6, 29.6, 29.6, 29.5, 29.3, 25.3, 22.7, 20.8, 14.7, 14.1, 14.1.MS (EI, 70 eV): 374 (1, [M]+・), 167 (21), 166 (100), 138 (38), 137 (35), 97 (23), 83 (28), 69 (36), 55 (32), 43 (23), 41 (34).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、クリーム状、バニラ、アルデヒド状、マンダリン。
【0128】
例29: (E)-3-エトキシ-4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド
a)3-エトキシ-4-(ペンタデク-3-イン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、ペンタデク-3-イン-6-オール(2.24g、10mmol)、エチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)(1.66g、10mmol)、トリフェニルホスフィン(3.93g、15mmol)、およびDIAD(アゾジカルボン酸ジイソプロピル)(3.03g、15mmol)から、化合物を無色の油(1.17g、収率31%)として得た。
【0129】
MS (EI, 70 eV): 372 (2, [M]+・), 166 (100), 138 (40).
【0130】
b)(E)-3-エトキシ-4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド
フラスコをリンドラー触媒(炭酸カルシウム上のパラジウム、鉛で毒化)(100mg)、トルエン(30mL)、ピリジン(3mL)、および3-エトキシ-4-(ペンタデク-3-イン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド(1.17g、3.14mmol)で満たし、フラスコを窒素で、これに続き水素でパージした。混合物を、水素雰囲気下、室温にて3h撹拌し、その後、それを窒素でフラッシュし、セライトのプラグを通して濾過し、トルエンでリンスした。溶媒を蒸発させ、その結果得られた材料をヘプタン中の酢酸エチルの勾配で溶出しながらシリカゲルのクロマトグラフィーで精製し、(E)-3-エトキシ-4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド(0.55g、純度97%、収率45%)を無色の油として得た。
【0131】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 9.84 (s, 1H), 7.44 - 7.40 (m, 2H), 6.99 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 5.63 - 5.54 (m, 1H), 5.51 - 5.42 (m, 1H), 4.35 (quin, J = 5.9 Hz, 1H), 4.15 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.52 - 2.33 (m, 2H), 2.06 - 1.98 (m, 2H), 1.81 - 1.62 (m, 2H), 1.52 - 1.22 (m, 17H), 0.97 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 0.92 - 0.86 (m, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 190.9, 154.3, 150.0, 135.4, 129.8, 126.3, 124.0, 114.6, 114.2, 111.9, 80.0, 64.7, 33.9, 33.9, 31.9, 29.6, 29.6, 29.5, 29.5, 25.3, 25.0, 22.7, 14.7, 14.1, 13.7.MS (EI, 70 eV): 374 (1, [M]+・), 208 (3), 167 (18), 166 (100), 138 (39), 137 (22), 55 (32), 43 (28), 41 (30).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、クリーム状、バニラ、アルデヒド状、マンダリン。
【0132】
例30: 3-エトキシ-4-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、(3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-オール(7.00g、49.9mmol)、エチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)(8.30g、49.9mmol)、トリフェニルホスフィン(19.64g、74.9mmol)、およびDIAD(アゾジカルボン酸ジイソプロピル)(15.4g、74.9mmol)から、化合物を無色の油(4.20g、純度88%、収率26%)として得た。
【0133】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 9.85 (s, 1H), 7.46 - 7.40 (m, 2H), 7.01 - 6.95 (m, 1H), 5.68 - 5.29 (m, 4H), 4.20 - 4.07 (m, 4H), 2.87 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.73 - 2.61 (m, 2H), 2.15 - 2.00 (m, 2H), 1.49 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.99 (t, J = 7.6 Hz, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 190.9, 154.3, 149.2, 132.2, 131.4, 130.0, 126.8, 126.5, 124.3, 111.8, 110.8, 68.4, 64.5, 27.3, 25.7, 20.6, 14.7, 14.2.MS (EI, 70 eV): 288 (1, [M]+・), 137 (22), 122 (21), 93 (53), 81 (100), 79 (42), 69 (34), 67 (55), 55 (39), 41 (35), 29 (25).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):グリーン、リーフアルデヒド(leaf aldehyde)、青りんご、パウダリー、バニラ
【0134】
例31: 4-(4-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、(3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-オール(1.40g、9.98mmol)、ラズベリーケトン(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン)(1.64g、9.98mmol)、トリフェニルホスフィン(3.93g、15.0mmol)、およびDIAD(アゾジカルボン酸ジイソプロピル)(3.03g、15.0mmol)から、化合物を無色の油(1.13g,収率40%)として得た。
【0135】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 7.14 - 7.08 (m, 2H), 6.87 - 6.81 (m, 2H), 5.45 - 5.44 (m, 1H), 5.60 - 5.29 (m, 3H), 3.96 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.90 - 2.82 (m, 4H), 2.78 - 2.71 (m, 2H), 2.62 - 2.53 (m, 2H), 2.15 (s, 3H), 2.14 - 2.03 (m, 2H), 1.00 (t, J = 7.5 Hz, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 208.2, 157.3, 133.0, 132.1, 130.8, 129.2, 126.9, 125.0, 114.6, 67.4, 45.5, 30.1, 28.9, 27.5, 25.7, 20.6, 14.3.MS (EI, 70 eV): 286 (11, [M]+・), 107 (96), 93 (96), 91 (32), 81 (100), 79 (56), 69 (33), 67 (61), 55 (47), 43 (71), 41 (46).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):グリーン、リーフアルデヒド、青りんご、フルーティ。
【0136】
例32: 1-メトキシ-2-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンゼン
a)(3Z,6Z)-1-クロロノナ-3,6-ジエン
トルエン(40mL)中の(3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-オール(2.80g、20.0mmol)の溶液を、ピリジン(0.19g、2.4mmol)、次いで塩化チオニル(2.85g、24.0mmol)で、0℃にて滴下して処置した。その結果得られた混合物を、2hの間80℃まで加熱し、室温まで冷却し、氷冷したNaHCO3水溶液(150mL)に注ぎ、MTBE(2x50mL)で抽出し、MgSO4上で乾燥、ろ過、ならびに濃縮した。その結果得られた材料を、ヘプタン中のMTBEの勾配で溶出しながらシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、それに続きクーゲルロール蒸留して、(3Z,6Z)-1-クロロノナ-3,6-ジエン(2.69g、純度88%、収率75%)を淡黄色の油として得て、それをさらなる精製はせずに使用した。
【0137】
MS (EI, 70eV): 158 (22, [M]+*), 143 (2), 129 (7), 123 (3), 109 (19), 67 (100).
【0138】
b)1-メトキシ-2-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンゼン
グアイアコール(2-メトキシフェノール)(0.78g、6.30mmol)、K2CO3(1.31g、9.45mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.35g、0.945mmol)、およびアセトニトリル(8mL)の混合物を、(3Z,6Z)-1-クロロノナ-3,6-ジエン(1.00g、6.3mmol)で室温にて処置し、その結果得られた混合物を終夜撹拌し、次いで還流まで4h加熱した。次いで、反応混合物を飽和NH4Cl水溶液(50mL)に注ぎ、MTBE(2x50mL)で抽出し、MgSO4上で乾燥し、ろ過、ならびに蒸発させた。その結果得られた材料を、ヘプタン中のMTBEの勾配で溶出しながらシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、それに続きクーゲルロール蒸留して、1-メトキシ-2-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンゼン(0.27g、収率17%)を無色の油として得た。
【0139】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 6.99 - 6.86 (m, 4H), 5.61 - 5.30 (m, 4H), 4.09 - 4.01 (m, 2H), 3.92 - 3.87 (m, 3H), 2.91 - 2.81 (m, 2H), 2.73 - 2.61 (m, 2H), 2.16 - 2.02 (m, 2H), 1.00 (t, J = 7.5 Hz, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 149.5, 148.4, 132.2, 131.0, 126.9, 124.6, 121.1, 120.9, 113.3, 111.9, 68.3, 55.9, 27.5, 25.7, 20.6, 14.3.MS (EI, 70 eV): 246 (2, [M]+・), 124 (100), 122 (38), 109 (25), 93 (42), 81 (53), 79 (27), 77 (27), 67 (29), 55 (23), 41 (26).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):グリーン、リーフアルデヒド。
【0140】
例33: 2-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ナフタレン
例32bの手順に従って、ナフタレン-2-オール(0.91g、6.3mmol)、K2CO3(1.31g、9.45mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.35g、0.945mmol)、および(3Z,6Z)-1-クロロノナ-3,6-ジエン(1.00g、6.3mmol)から、化合物を無色の油(0.33g、収率20%)として得た。
【0141】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 7.85 - 7.73 (m, 3H), 7.47 (ddd, J = 1.2, 6.8, 8.1 Hz, 1H), 7.37 (ddd, J = 1.2, 7.0, 8.1 Hz, 1H), 7.22 - 7.14 (m, 2H), 5.70 - 5.33 (m, 4H), 4.18 - 4.08 (m, 2H), 2.96 - 2.81 (m, 2H), 2.74 - 2.60 (m, 2H), 2.20 - 2.07 (m, 2H), 1.03 (t, J = 7.5 Hz, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 156.9, 134.6, 132.2, 131.0, 129.4, 129.0, 127.6, 126.9, 126.7, 126.3, 125.0, 123.6, 119.0, 106.7, 67.4, 27.5, 25.8, 20.6, 14.3.MS (EI, 70 eV): 266 (6, [M]+・), 145 (15), 144 (100), 127 (33), 115 (42), 93 (38), 81 (28), 79 (20), 67 (19), 55 (16), 41 (18).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):弱い、グリーン、リーフアルデヒド。
【0142】
例34: 3-メトキシ-4-(((3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、(3Z,6Z)-ノナ-3,6-ジエン-1-オール(2.81g、20.1mmol)、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)(3.05g、20.1mmol)、トリフェニルホスフィン(7.89g、30.1mmol)、およびDIAD(アゾジカルボン酸ジイソプロピル)(6.08g、30.1mmol)から、化合物を無色の油(1.71g,収率31%)として得た。
【0143】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 9.88 - 9.85 (m, 1H), 7.48 - 7.41 (m, 2H), 6.99 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.63 - 5.28 (m, 4H), 4.12 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.94 (s, 3H), 2.90 - 2.76 (m, 2H), 2.74 - 2.58 (m, 2H), 2.08 (dquin, J = 1.3, 7.4 Hz, 2H), 0.98 (t, J = 7.5 Hz, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 190.9, 153.9, 149.8, 132.3, 131.6, 130.0, 126.7, 126.7, 124.0, 111.4, 109.3, 68.4, 56.0, 27.2, 25.7, 20.6, 14.2.MS (EI, 70 eV): 274 (2, [M]+・), 152 (29), 122 (27), 93 (55), 81 (100), 79 (45), 77 (26), 69 (31), 67 (58), 55 (41), 41 (40).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):グリーン、リーフアルデヒド、パウダリー、バニラ。
【0144】
例35: 3-メトキシ-4-(トリデク-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、トリデク-1-エン-4-オール(1.98g、15.0mmol)、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)(1.52g、10.0mmol)、トリフェニルホスフィン(3.93g、15.0mmol)、およびDIAD(アゾジカルボン酸ジイソプロピル)(3.03g、15.0mmol)から、化合物を無色の油(0.88g、収率26%)として得た。
【0145】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 9.86 (s, 1H), 7.46 - 7.41 (m, 2H), 6.99 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.87 (tdd, J = 7.1, 10.1, 17.1 Hz, 1H), 5.19 - 5.07 (m, 2H), 4.43 (quin, J = 6.0 Hz, 1H), 3.93 (s, 3H), 2.59 - 2.41 (m, 2H), 1.86 - 1.69 (m, 2H), 1.55 - 1.21 (m, 14H), 0.93 - 0.86 (m, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 190.8, 153.7, 150.6, 133.8, 129.9, 126.5, 117.8, 113.5, 109.9, 79.1, 56.1, 38.3, 33.7, 31.9, 29.5, 29.5, 29.5, 29.3, 25.3, 22.7, 14.1.MS (EI, 70 eV): 332 (1, [M]+・), 153 (13), 152 (100), 151 (24), 83 (4), 69 (6), 67 (5), 55 (11), 43 (10), 41 (13), 29 (4).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、アルデヒド状、グリーン、金属臭、マンダリン。
【0146】
例36: 4-(4-(トリデカ-1-エン-4-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、トリデク-1-エン-4-オール(3.97g、20.0mmol)、ラズベリーケトン(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン)(3.28g、20.0mmol)、トリフェニルホスフィン(7.87g、30.0mmol)、およびDIAD(アゾジカルボン酸ジイソプロピル)(6.07g、30.0mmol)から、化合物を無色の油(2.11g、収率29%)として得た。
【0147】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 7.14 - 7.06 (m, 2H), 6.84 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.94 - 5.79 (m, 1H), 5.19 - 5.05 (m, 2H), 4.24 (quin, J = 5.9 Hz, 1H), 2.89 - 2.81 (m, 2H), 2.79 - 2.71 (m, 2H), 2.50 - 2.35 (m, 2H), 2.16 (s, 3H), 1.73 - 1.59 (m, 2H), 1.54 - 1.20 (m, 14H), 0.96 - 0.86 (m, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 208.1, 156.8, 134.3, 133.0, 129.2, 117.3, 116.1, 77.5, 45.5, 38.2, 33.7, 31.9, 30.1, 29.6, 29.6, 29.6, 29.3, 28.9, 25.4, 22.7, 14.1.MS (EI, 70 eV): 344 (4, [M]+・), 165 (11), 164 (97), 149 (9), 121 (16), 107 (100), 94 (32), 69 (9), 55 (21), 43 (43), 41 (22).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):フルーティ、ジューシー、ラズベリー、アルデヒド状、グリーン、金属臭。
【0148】
例37: 2-エトキシ-4-(メトキシメチル)-1-(トリデク-1-エン-4-イルオキシ)ベンゼン
例1の手順に従って、トリデク-1-エン-4-オール(1.98g、10.0mmol)、2-エトキシ-4-(メトキシメチル)フェノール(1.82g、10.0mmol)、トリフェニルホスフィン(3.93g、15.0mmol)、およびDIAD(アゾジカルボン酸ジイソプロピル)(3.03g、15.0mmol)から、化合物を無色の油(0.39g、収率2.7%)として得た。
【0149】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 6.94 - 6.88 (m, 2H), 6.87 - 6.82 (m, 1H), 5.92 (tdd, J = 7.0, 10.1, 17.2 Hz, 1H), 5.17 - 5.04 (m, 2H), 4.39 (s, 2H), 4.22 (quin, J = 5.9 Hz, 1H), 4.09 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.40 (s, 3H), 2.52 - 2.35 (m, 2H), 1.78 - 1.59 (m, 2H), 1.57 - 1.22 (m, 17H), 0.95 - 0.85 (m, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 150.4, 147.7, 134.7, 131.9, 120.5, 118.1, 117.0, 113.9, 80.1, 74.7, 64.5, 58.0, 38.4, 33.8, 31.9, 29.7, 29.6, 29.6, 29.3, 25.3, 22.7, 15.0, 14.1.MS (EI, 70eV): 362 (4, [M]+*), 321 (0), 182 (100), 181 (7).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):柑橘類、マンダリン、グリーン。
【0150】
例38: 3-メトキシ-4-(テトラデク-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、テトラデク-1-エン-4-オール(2.12g、10.0mmol)、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(1.52g、10.0mmol)、トリフェニルホスフィン(3.93g、15.0mmol)、およびDIAD(アゾジカルボン酸ジイソプロピル)(3.03g、15.0mmol)から、化合物を無色の油(1.05g、純度90%、収率27%)として得た。
【0151】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 9.85 (s, 1H), 7.45 - 7.41 (m, 2H), 6.99 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 5.93 - 5.79 (m, 1H), 5.19 - 5.07 (m, 2H), 4.42 (quin, J = 6.0 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H), 2.58 - 2.41 (m, 2H), 1.85 - 1.66 (m, 2H), 1.54 - 1.22 (m, 16H), 0.92 - 0.86 (m, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 190.8, 153.7, 150.6, 133.7, 129.9, 126.5, 117.8, 113.5, 109.9, 79.1, 56.0, 38.3, 33.7, 31.9, 31.9, 29.6, 29.5, 29.3, 25.3, 22.7, 14.1.MS (EI, 70eV): 346 (2, [M]+*), 194 (1), 152 (100).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、クリーム状、アルデヒド状、マンダリン、マドレーヌ。
【0152】
例39: 4-(4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン
a)4-(4-(ペンタデク-3-イン-6-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、ペンタデク-3-イン-6-オール(1.04g、4.63mmol)、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(0.761g、4.63mmol)、トリフェニルホスフィン(1.824g、6.95mmol)、およびDIAD(アゾジカルボン酸ジイソプロピル)(1.41g、6.95mmol)から、化合物を無色の油(0.100g、収率5.8%)として得、それをさらなる精製はせずに使用した。
【0153】
MS (EI, 70eV): 370 (6, [M]+*), 303 (2), 245 (4), 164 (100), 107 (89), 43 (41).
【0154】
b)4-(4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン
フラスコをリンドラー触媒(炭酸カルシウム上のパラジウム、鉛で毒化)(27mg)、トルエン(7mL)、ピリジン(0.7mL)、および4-(4-(ペンタデク-3-イン-6-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン(0.270g、0.729mmol)で満たし、フラスコを窒素で、それに続き水素でパージした。混合物を、水素雰囲気下、室温にて1.5h撹拌し、その後、それを窒素でフラッシュし、セライトのプラグを通して濾過し、MTBE(メチルtert-ブチルエーテル)でリンスした。溶媒を蒸発させ、その結果得られた材料をヘプタン中の酢酸エチルの勾配で溶出しながらシリカゲルのクロマトグラフィーで精製し、4-(4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)フェニル)ブタン-2-オン(0.151g、収率56%)を得た。
【0155】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 7.12 - 7.06 (m, 2H), 6.86 - 6.81 (m, 2H), 5.64 - 5.34 (m, 2H), 4.29 - 4.14 (m, 1H), 2.91 - 2.80 (m, 2H), 2.80 - 2.70 (m, 2H), 2.48 - 2.32 (m, 2H), 2.15 (s, 3H), 2.07 (dqd, J = 1.3, 7.5, 14.9 Hz, 2H), 1.70 - 1.59 (m, 2H), 1.54 - 1.21 (m, 14H), 1.03 - 0.94 (m, 3H), 0.93 - 0.86 (m, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 208.2, 156.8, 134.0, 132.9, 129.2, 124.0, 116.0, 77.9, 45.5, 33.8, 31.9, 31.5, 30.1, 29.7, 29.6, 29.5, 29.3, 29.3, 28.9, 25.5, 22.7, 20.8, 14.2, 14.1.MS (EI, 70eV): 372 (5, [M]+*), 303 (5), 245 (11), 164 (100), 149 (10), 121 (17), 107 (83), 69 (36).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):ラズベリー、マンダリン、柑橘類、アルデヒド状、新鮮。
【0156】
例40: エチル2-(2-エトキシ-4-ホルミルフェノキシ)ヘプト-4-エノエート
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(2.5g、15.0mmol、1.0当量)およびエチル2-ヒドロキシヘプト-4-エノエート(2.9g、16.6mmol、1.1当量)から、化合物を無色の液体(6.6mmol、2.1g、収率44%)として得た。
【0157】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.75 (s, 1H), 7.39 - 7.24 (m, 2H), 6.94 - 6.74 (m, 1H), 5.69 - 5.33 (m, 2H), 4.80 - 4.59 (m, 1H), 4.21 - 3.96 (m, 4H), 2.77 - 2.55 (m, 2H), 2.09 - 1.82 (m, 2H), 1.37 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.17 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.88 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.9 (d), 170.5 (s), 153.1 (s), 149.8 (s), 136.5 (d), 131.3 (s), 125.8 (d), 122.3 (d), 115.4 (d), 112.1 (d), 78.1 (d), 64.8 (t), 61.2 (t), 36.1 (t), 25.6 (t), 14.6 (q), 14.2 (q), 13.6 (q) ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 320 (27) [M+], 247 (6), 219 (2), 166 (100), 138 (44), 109 (50), 55 (25).
においについての記載(アルコール度1%、吸い取り紙上で24h):パウダリー(バニラ)
【0158】
例41: 3-エトキシ-4-(((3Z,8Z)-ウンデカ-3,8-ジエン-6-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
a)(3Z,8Z)-ウンデカ-3,8-ジエン-6-オール
1,2-ブタジエン(70g、1.3mol、3当量)をTHF(400mL)に溶解した。ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、400mL、1mol、2.3当量)の溶液を、撹拌下、10℃にて40分間にわたり滴下して加えると、温度は25℃まで上昇し、透明な黄色の溶液が形成した。室温にて22時間攪拌を続け、ベージュ色の懸濁液を生産した。エピクロロヒドリン(40g、0.43mol、1当量)を10分の間で滴下して加え、その結果得られた混合物を23h還流した。その結果得られた透明な黄色の溶液を、冷たい1N塩酸水溶液(300mL)に注いだ。MTBEで抽出し、水およびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、i.RV.で濃縮して、透明な黄色の液体(55.6g、78%)を生産した。粗産物を15cmのビグリューカラムで蒸留(0.05mbar/58℃)し、ウンデカ-3,8-ジイン-6-オール(31.9g、44%)を生産した。化合物(6.5g)をヘキサン(100mL)中に溶解し、リンドラー触媒を加えた(0.20g)。水素化を、1バールの水素雰囲気下で、室温にて2h実行した。混合物を濾過、および乾燥して、(3Z,8Z)-ウンデカ-3,8-ジエン-6-オール(6.5g、99%)を生産した。
【0159】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 5.53 - 5.61 (m, 2 H), 5.40 (dtt, J=10.8, 7.5, 7.5, 1.6, 1.6 Hz, 2 H), 3.63 - 3.68 (m, 1 H), 2.24 - 2.28 (m, 4 H), 2.05 - 2.13 (m, 4 H), 1.78 (d, J=3.7 Hz, 1 H), 0.98 (t, J=7.5 Hz, 6 H).13C-NMR (101 MHz, CDCl3): 134.9 (2s), 124.5 (2s), 71.2 (s), 34.5 (2s), 20.7 (2s), 14.2 (2s).MS (EI, 70 eV): 150(2; [M-H2O]+), 99(26), 81(97), 70(60), 69(28), 55(100), 41(64), 29(20).
【0160】
b)3-エトキシ-4-(((3Z,8Z)-ウンデカ-3,8-ジエン-6-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、エチルバニリン(4.0g)、(3Z,8Z)-ウンデカ-3,8-ジエン-6-オール(4.0g)、トリフェニルホスフィン(8.1g)、およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(6.2g)から、化合物を透明な黄色の液体(1.9g、25%)として得た。
【0161】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 9.83 (s, 1 H), 7.35 - 7.44 (m, 2 H), 6.98 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 5.33 - 5.61 (m, 4 H), 4.39 (quin, J=6.0 Hz, 1 H), 4.12 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 2.30 - 2.54 (m, 4 H), 1.98 - 2.13 (m, 4 H), 1.44 (t, J=7.0 Hz, 3 H), 0.96 (t, J=7.5 Hz, 6 H). 13C-NMR (101 MHz, CDCl3): 190.9 (s), 153.9 (s), 150.1 (s), 134.5 (2s), 130.2 (s), 126.2 (s), 123.6 (2s), 114.6 (s), 111.7 (s), 79.3 (s), 64.6 (s), 31.3 (2s), 20.8 (2s), 14.7 (s), 14.1 (2s). MS (EI, 70 eV): 316(4; M+), 247(2), 166(41), 151(17), 137(56), 121(28), 109(65), 95(97), 81(100), 69(85), 55(39), 41(84), 29(22).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):バニラ、パウダリー。
【0162】
例42: 3-エトキシ-4-((4-メチルノン-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
DMF(15mL)中の3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.57g、9.45mmol、1.0当量)および炭酸カリウム(1.97g、14.18mmol)の溶液へ、1-ブロモ-4-メチルノン-3-エン(2.69g、12.3mmol、1.4当量、1-シクロプロピルエタン-1-オンおよび臭化ペンチルマグネシウムを使用してZarbin, P. H. G.; et al. Journal of Chemical Ecology 2012, 38, 825による手順に従って調製)を、室温にて滴下して加え、次いでアルゴン雰囲気下、90℃にて16時間撹拌した。反応転化率は、TLCおよびGCによってモニターした。反応溶液を室温まで冷却した後、水(10mL)とMTBE(10mL)とを加えた。混合物をMTBE(2x10mL)で抽出し、有機層を合わせて、水(3x10mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、溶媒を除去して黄色の油を得た。その後、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:MTBE=94:6)で精製し、3-エトキシ-4-((4-メチルノン-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド(0.72g、収率25%、E/Z 84:16)を薄黄色の液体として得た。
【0163】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 9.83 (s, 1H), 7.42 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.40 (s, 1H), 6.97 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.23 - 5.17 (m, 1H), 4.18 - 4.03 (m, 4H), 2.58 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 2.09 - 1.95 (m, 2H), 1.76 - 1.64 (m, 3H), 1.50 - 1.20 (m, 9H), 0.92 - 0.84 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 190.9, 154.4, 154.3, 149.1, 149.1, 139.2, 139.0, 129.9, 129.9, 126.6, 119.0, 118.3, 111.7, 110.8, 110.8, 68.8, 68.6, 64.5, 39.7, 31.9, 31.8, 31.5, 27.9, 27.7, 27.7, 27.5, 23.5, 22.6, 22.5, 16.1, 14.7, 14.0 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、甘い、砂糖状。
【0164】
例43: 3-エトキシ-4-(ウンデク-2-エン-5-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.00g、6.02mmol、1.0当量)およびウンデク-2-エン-5-オール(1.13g、6.62mmol、1.1当量)から、化合物を薄黄色の液体(0.30g、収率16%、E/Z 73:27)として得た。
【0165】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 9.83 (s, 1H), 7.42 - 7.39 (m, 2H), 7.04 - 6.89 (m, 1H), 5.64 - 5.40 (m, 2H), 4.43 - 4.26 (m, 1H), 4.13 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.48 - 2.33 (m, 2H), 1.77 - 1.62 (m, 5H), 1.51 - 1.25 (m, 11H), 0.93 - 0.81 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 190.8, 154.2, 154.1, 150.0, 130.0, 128.2, 126.6, 126.2, 126.2, 125.2, 114.6, 114.4, 111.8, 111.7, 79.9, 79.6, 64.6, 64.6, 37.0, 33.7, 33.6, 31.7, 31.3, 29.2, 25.3, 25.2, 22.5, 18.0, 14.7, 14.0, 13.0 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、クリーム状、バニラ
【0166】
例44: 4-(ドデク-3-エン-6-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.07g、6.41mmol、1.0当量)およびドデク-3-エン-6-オール(1.30g、7.05mmol、1.1当量)から、化合物を薄黄色の液体(0.50g、収率23%、E/Z 85:15)として得た。
【0167】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 9.83 (s, 1H), 7.44 - 7.37 (m, 2H), 6.97 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.68 - 5.27 (m, 2H), 4.40 - 4.28 (m, 1H), 4.13 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.50 - 2.32 (m, 2H), 2.08 - 1.97 (m, 2H), 1.76 - 1.64 (m, 2H), 1.50 - 1.23 (m, 11H), 0.99 - 0.93 (m, 3H), 0.90 - 0.85 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 190.9, 154.3, 154.1, 150.0, 135.4, 134.3, 130.0, 130.0, 126.2, 123.9, 123.6, 114.6, 114.3, 111.8, 111.7, 79.9, 79.6, 64.6, 64.6, 37.0, 33.7, 33.6, 31.7, 31.6, 29.2, 25.6, 25.3, 25.2, 22.5, 20.7, 14.7, 14.7, 14.1, 14.0, 13.7 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):ウッディ、シダーウッド、バニラ
【0168】
例45: メチル(Z)-12-(2-メトキシフェノキシ)オクタデク-9-エノエート
例1の手順に従って、2-メトキシフェノール(2.00g、16.1mmol、1.0当量)およびメチル(Z)-12-ヒドロキシオクタデク-9-エノエート(5.54g、17.7mmol、1.1当量)から、化合物をピンク色の液体(2.65g、収率39%)として得た。
【0169】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 6.97 - 6.83 (m, 4H), 5.53 - 5.40 (m, 2H), 4.27 - 4.15 (m, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 2.51 - 2.35 (m, 2H), 2.31 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.08 - 1.97 (m, 2H), 1.62 (s, 4H), 1.56 - 1.46 (m, 1H), 1.43 - 1.22 (m, 15H), 0.92 - 0.84 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 174.2, 150.6, 147.9, 132.1, 124.9, 121.3, 120.8, 116.3, 112.3, 79.6, 55.9, 51.4, 34.1, 33.9, 31.8, 31.8, 29.5, 29.3, 29.1, 29.1, 29.1, 27.4, 25.4, 24.9, 22.6, 14.1 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):フェノール系、医薬品臭、グアヤコール、バニラアブソリュート、ペルーバルサム。
【0170】
例46: 1-(デク-1-エン-4-イルオキシ)-2-エトキシ-4-メチルベンゼン、および2-(デク-1-エン-4-イルオキシ)-1-エトキシ-4-メチルベンゼン
例1の手順に従って、2-エトキシ-4-メチルフェノール、および2-エトキシ-5-メチルフェノールの1:1混合物(1.33g、8.73mmol、1.0当量、EP0179532に従って調製)およびデク-1-エン-4-オール(1.50g、9.60mmol、1.1当量)から、化合物を無色の液体(0.9g、収率36%、位置異性体55:45の混合物)として得た。
【0171】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of regioisomers): δ 6.88 - 6.78 (m, 1H), 6.77 - 6.65 (m, 2H), 6.00 - 5.85 (m, 1H), 5.18 - 5.04 (m, 2H), 4.27 - 4.12 (m, 1H), 4.05 (dd, J = 6.2, 7.0 Hz, 2H), 2.54 - 2.35 (m, 2H), 2.29 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.79 - 1.59 (m, 2H), 1.56 - 1.39 (m, 5H), 1.36 - 1.24 (m, 6H), 0.90 (br d, J = 1.2 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of regioisomers): δ 150.2, 148.1, 148.0, 145.8, 134.9, 134.8, 131.7, 130.6, 122.1, 121.1, 119.3, 118.8, 116.9, 116.8, 115.2, 114.7, 80.2, 79.8, 64.9, 64.4, 38.4, 33.8, 33.8, 31.8, 31.8, 29.4, 29.4, 25.3, 25.3, 22.6, 21.0, 20.8, 15.0, 15.0, 14.1 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):医薬品臭、フェノール、バニラ。
【0172】
例47: 3-エトキシ-4-((4-メチル-6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
a)(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)ベンゼン
マグネシウム粉末(6.94g、285 mmol、1.2当量)を、500mL-スルホン化フラスコに加え、THF(20mL)で重層した。次いで、THF(100mL)中の(2-ブロモエチル)ベンゼン(52.8g、285mmol、1.2当量)の溶液を、触媒量のヨウ素を使用し、ヒートガンで還流まで加熱することによってグリニャール反応を開始させた後、滴下して加えた。反応混合物を1時間還流した。次いで、THF(100mL)中の1-シクロプロピルメチルケトン(20.0g、238mmol、1.0当量)の溶液を、グリニャール試薬へ滴下して加えた。室温にて1時間撹拌した後、54mLの63%硫酸の溶液を(水中において)0℃にて滴下して加え、反応混合物を室温にて18時間撹拌した。水(200mL)でクエンチした後、反応混合物をMTBE(2x250mL)で抽出した。合わせた有機層を2M NaOH(250mL)、水(250mL)、ブライン(250mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗産物を高真空(0.04mbar)下で、3cmのビグリューカラムで蒸留し、(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)ベンゼン(40.6g、収率67、E/Z 80:20)を無色の液体として得た。
【0173】
13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 142.0, 137.9, 137.5, 128.4, 128.3, 128.3, 128.2, 125.9, 125.7, 122.3, 121.4, 41.4, 34.5, 34.1, 34.1, 32.7, 32.6, 31.6, 31.5, 23.3, 16.4 ppm.
【0174】
b)3-エトキシ-4-((4-メチル-6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(6.56g、39.5mmol、1.0当量)および(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)ベンゼン(10.0g、39.5mmol、1.0当量)から、化合物をわずかに黄色の液体(7.40g、収率55%、E/Z 82:18)として得た。
【0175】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 9.83 (s, 0.82H), 9.82 (s, 0.18H), 7.46 - 7.36 (m, 2H), 7.29 - 7.20 (m, 2H), 7.17 (s, 3H), 6.93 (d, J = 8.1 Hz, 0.82H), 6.86 (d, J = 8.1 Hz, 0.18H), 5.29 - 5.12 (m, 1H), 4.21 - 4.07 (m, 2H), 4.00 (t, J = 7.1 Hz, 1.64H), 3.85 (t, J = 7.2 Hz, 0.36H), 2.79 - 2.66 (m, 2H), 2.62 - 2.51 (m, 1.64H), 2.45 (dq, J = 1.0, 7.3 Hz, 0.36H), 2.41 - 2.35 (m, 0.36H), 2.35 - 2.27 (m, 1.64H), 1.78 (d, J = 1.2 Hz, 0.54H), 1.73 (s, 2.46H), 1.52 - 1.41 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 190.9, 154.3, 154.3 (Z), 149.1, 149.1 (Z), 142.1, 142.0 (Z), 137.9, 137.6 (Z), 129.9, 129.9, 128.4, 128.4, 128.2, 128.2, 126.5, 126.5, 125.8, 125.7, 120.3 (Z), 119.4, 111.8 (Z), 111.7, 110.8, 68.5, 68.5, 64.5, 41.6, 34.5, 34.2 (Z), 34.0 (Z), 27.8, 27.7 (Z), 23.5 (Z), 16.3, 14.7, 14.6 (Z) ppm.
GC/MS (EI) major E isomer: m/z (%): 338 (0, [M]+・), 132 (5), 131 (49), 117 (10), 105 (6), 92 (8), 91 (100), 81 (7), 69 (6), 67 (7), 65 (6).GC/MS (EI) minor Z isomer: m/z (%): 132 (5), 131 (44), 117 (11), 105 (7), 92 (8), 91 (100), 81 (7), 69 (6), 67 (6), 65 (6).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):甘い、バニラ、アイスクリーム、パウダリー、フルーティ、ラズベリー、ソルベ。
【0176】
例48: (E)-3-エトキシ-4-((4-フェニルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.00g、6.02mmol、1.0当量)および(5-ブロモペント-2-エン-2-イル)ベンゼン(1.36g、6.02mmol、1.0当量、Brucher, O. et al. ACS Catalysis 2011, 1, 1448に従って調製)から、化合物をわずかに黄色の液体(0.44g、収率26%、E/Z 82:18)として得た。
【0177】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 9.84 (s, 1H), 7.49 - 7.36 (m, 4H), 7.35 - 7.28 (m, 2H), 7.27 - 7.19 (m, 1H), 6.99 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.85 (qt, J = 1.3, 7.3 Hz, 1H), 4.19 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 4.15 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.85 - 2.71 (m, 2H), 2.11 (d, J = 1.2 Hz, 3H), 1.47 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 190.9, 154.3, 149.2, 143.5, 137.9, 130.1, 128.2, 126.9, 126.5, 125.7, 122.5, 111.9, 110.9, 68.3, 64.5, 28.7, 16.1, 14.7ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):甘い、パウダリー、バニラ、アイスクリーム。
【0178】
例49: 3-エトキシ-4-((4-(4-メトキシフェニル)ペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.89g、11.4mmol、1.0当量)および1-(5-ブロモペント-2-エン-2-イル)-4-メトキシベンゼン(2.90g、11.4mmol、1.0当量、Bruecher, O. et al., Tetrahedron 2012, 6, 6968に従って調製)から、化合物を無色の液体(1.17g、収率30%、E/Z 99:1)として得た。
【0179】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, major E isomer): δ 9.84 (s, 1H), 7.42 (d, J = 2.9 Hz, 2H), 7.34 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.99 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.91 - 6.79 (m, 2H), 5.79 (qt, J = 1.2, 7.3 Hz, 1H), 4.16 (m, 4H), 3.81 (s, 3H), 2.78 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.09 (d, J = 1.2 Hz, 3H), 1.48 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, major E isomer): δ 190.9, 158.6, 154.3, 149.1, 137.1, 135.9, 130.0, 126.6, 126.5, 120.8, 113.5, 111.8, 110.8, 68.4, 64.5, 55.2, 28.6, 16.0, 14.6 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):甘い、パウダリー、バニラ、アイスクリーム、ソフトアニス(soft anisic)、ヘリオトロピン、アネトール。
【0180】
例50: 3-エトキシ-4-((4-メチル-5-フェニルペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(2.00g、12.0mmol、1.0当量)および(5-ブロモ-2-メチルペント-2-エン-1-イル)ベンゼン(2.90g、12.0mmol、1.0当量、Krafft, M. E. Tetrahedron Lett. 1989, 3, 539に従って調製)から、化合物を無色の液体(0.72g、収率18%、E/Z 80:20)として得た。
【0181】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 9.83 (s, 1H), 7.40 (s, 2H), 7.26 (s, 2H), 7.17 (s, 3H), 6.97 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.41 (dt, J = 1.2, 7.3 Hz, 0.2H), 5.34 (qt, J = 1.2, 7.3 Hz, 0.8H), 4.24 - 4.00 (m, 4H), 3.54 - 3.38 (m, 0.4H), 3.33 (s, 1.6H), 2.73 (dq, J = 1.0, 7.2 Hz, 0.4H), 2.62 (q, J = 7.1 Hz, 1.6H), 1.65 - 1.59 (m, 3H), 1.50 - 1.39 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 190.9, 154.3, 149.1, 149.1, 139.9, 139.7, 138.0, 137.3, 130.0, 129.9, 128.8, 128.4, 128.4, 128.2, 126.6, 126.0, 126.0, 120.9, 120.9, 111.8, 111.7, 110.8, 68.7, 68.5, 64.5, 46.2, 37.9, 28.1, 28.0, 23.5, 16.1, 14.7, 14.6 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、アイスクリーム。
【0182】
例51: (E)-3-エトキシ-4-((4-(ナフタレン-2-イル)ペント-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(12.4g、74.6mmol、1.0当量)および(E)-2-(5-ブロモペント-2-エン-2-イル)ナフタレン(27.4g、74.6mmol、1.0当量、純度75%、Liu, X. et al., J. Am. Chem. Soc. 2018, 140, 4782に従って調製)から、高真空(0.06mbar)下での分別蒸留によって精製後、化合物を無色の固体(12.2 g、収率45%)として得た。
【0183】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.86 (s, 1H), 7.87 - 7.78 (m, 4H), 7.61 (dd, J = 1.8, 8.7 Hz, 1H), 7.51 - 7.40 (m, 4H), 7.00 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.07 - 6.02 (m, 1H), 4.22 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 4.16 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.97 - 2.78 (m, 2H), 2.24 (d, J = 1.2 Hz, 3H), 1.49 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 190.8, 154.2, 149.1, 140.5, 137.5, 133.3, 132.4, 130.0, 127.9, 127.6, 127.4, 126.4, 126.0, 125.5, 124.2, 124.1, 123.1, 111.8, 110.8, 68.2, 64.4, 28.8, 16.0, 14.6 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 360 (7, [M]+・), 195 (100), 181 (21), 180 (24), 179 (45), 178 (32), 167 (23), 166 (39), 165 (76), 153 (32), 152 (21).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、アイスクリーム、フローラル、ネロリ、オレンジフラワー、ベビーコロン、マドレーヌ、フガセット。
【0184】
例52: 4-(4-((4-メチル-6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例42の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(6.49g、39.5mmol、1.0当量)および(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)ベンゼン(10.0g、39.5mmol、1.0当量)から、化合物をわずかに黄色の液体(4.69g、収率35%、E/Z 80:20)として得た。
【0185】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 7.31 - 7.22 (m, 2H), 7.22 - 7.13 (m, 3H), 7.12 - 7.03 (m, 2H), 6.86 - 6.69 (m, 2H), 5.30 - 5.12 (m, 1H), 3.85 (t, J = 7.1 Hz, 1.6H), 3.73 (t, J = 7.0 Hz, 0.4H), 2.90 - 2.78 (m, 2H), 2.76 - 2.66 (m, 4H), 2.46 (q, J = 6.8 Hz, 1.6H), 2.40 - 2.26 (m, 2.4H), 2.12 (s, 3H), 1.76 (d, J = 1.5 Hz, 0.6H), 11.70 (s, 2.4H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 208.1, 157.3, 157.3 (Z), 142.2, 142.1 (Z), 137.3, 137.1 (Z), 132.9, 132.8 (Z), 129.1, 129.1 (Z), 128.4 (Z), 128.4, 128.2 (Z), 128.2, 125.8 (Z), 125.6, 121.0 (Z), 120.0, 114.5, 114.5 (Z), 67.6 (Z), 67.5, 45.4, 41.6, 34.6, 34.3 (Z), 34.1 (Z), 30.1, 28.9, 28.1, 28.0 (Z), 23.4 (Z), 16.3 ppm.GC/MS (EI) major E isomer: m/z (%): 336 (1, [M]+・), 164 (12), 131 (44), 117 (10), 107 (8), 105 (7), 92 (8), 91 (100), 69 (6), 67 (7), 43 (12).GC/MS (EI) minor Z isomer: m/z (%): 336 (2, [M]+・), 164 (13), 131 (41), 117 (9), 107 (8), 105 (7), 92 (8), 91 (100), 69 (6), 67 (6), 43 (11).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):甘い、氷砂糖、フルーティ、ラズベリー。
【0186】
例53: 4-(4-((4-(4-メトキシフェニル)ペント-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例42の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(1.87g、11.4mmol、1.0当量)および1-(5-ブロモペント-2-エン-2-イル)-4-メトキシベンゼン(2.91g、11.4mmol、1.0当量、Bruecher, O. et al., Tetrahedron 2012, 6, 6968に従って調製)から、化合物をわずかに黄色の液体(0.52g、収率13%、E/Z 93:7)として得た。
【0187】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, major E isomer): δ 7.42 - 7.30 (m, 2H), 7.16 - 7.02 (m, 2H), 6.91 - 6.74 (m, 4H), 5.79 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 4.03 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.82 (s, 3H), 2.88 - 2.80 (m, 2H), 2.77 - 2.64 (m, 4H), 2.14 (s, 3H), 2.07 (d, J = 1.2 Hz, 3H) ppm. 13C NMR (101 MHz, CDCl3, major E isomer): δ 208.2, 158.6, 157.3, 136.5, 136.1, 133.0, 129.3, 129.2, 129.1, 126.6, 121.7, 114.6, 113.5, 67.4, 55.3, 45.4, 30.1, 29.0, 28.9, 16.0 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):甘くパウダリー、アニスアルデヒド、フルーティ、ラズベリーケトン。
【0188】
例54: 3-エトキシ-4-((6-(4-メトキシフェニル)-4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(2.50g、15.0mmol、1.0当量)および1-(6-クロロ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)-4-メトキシベンゼン(3.95g、16.5mmol、1.0当量、Bruecher, O.; et al. Tetrahedron 2012, 68, 6968に従って調製)から、化合物をわずかに黄色の液体(3.58g、収率65%、E/Z 80:20)として得た。
【0189】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 9.84 (2s, 1H), 7.48-7.35 (m, 2H), 7.13 - 7.04 (m, 2H), 6.95 (d, J = 8.3 Hz, 0.8H), 6.87 (d, J = 8.1 Hz, 0.2H), 6.84 - 6.77 (m, 2H), 5.24 (dt, J = 1.2, 7.3 Hz, 0.2H), 5.19 (qt, J = 1.2, 7.3 Hz, 0.8H), 4.21-4.09 (m, 2H), 4.01 (t, J = 7.2 Hz, 1.6H), 3.83 (t, J = 7.2 Hz, 0.4H), 3.77 (s, 2.4H), 3.75 (s, 0.6H), 2.72 - 2.64 (m, 2H), 2.57 (q, J = 7.1 Hz, 1.6H), 2.46 (dq, J = 0.9, 7.3 Hz, 0.4H), 2.36 (pseudo t, J = 7.7 Hz, 0.4H), 2.33 - 2.26 (m, 1.6H), 1.79 (d, J = 1.2 Hz, 0.6H), 1.74 (s, 2.4H), 1.48 (t, J = 7.0 Hz, 2.4H), 1.45 (t, J = 7.1 Hz, 0.6H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 190.9, 157.7, 157.6, 154.3, 154.3, 149.1, 149.0, 137.9, 137.6, 134.1, 134.0, 129.9, 129.8, 129.3, 129.2, 126.5, 120.2, 119.3, 113.6, 113.5, 111.6, 111.6, 110.7, 68.5, 68.5, 64.4, 55.1, 41.8, 34.2, 33.5, 33.2, 27.8, 27.7, 23.4, 16.2, 14.6, 14.6 ppm.GC/MS (EI) major E isomer: m/z (%): 368 (0, [M]+・), 203 (3), 122 (9), 121 (100), 91 (3), 81 (2), 78 (3), 77 (3), 67 (3), 65 (1), 41 (1).GC/MS (EI) minor Z isomer: m/z (%): 368 (0, [M]+・), 203 (3), 137 (2), 122 (9), 121 (100), 91 (3), 81 (2), 78 (3), 77 (3), 67 (3), 41 (1).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ。
【0190】
例55: 4-(4-((6-(4-メトキシフェニル)-4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例42の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(2.50g、15.2mmol、1.0当量)および1-(6-クロロ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)-4-メトキシベンゼン(4.00g、16.7mmol、1.0当量、Bruecher, O.; et al. Tetrahedron 2012, 68, 6968に従って調製)から、化合物を無色の液体(1.95g、収率35%、E/Z 80:20)として得た。
【0191】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 7.17 - 7.01 (m, 4H), 6.89 - 6.74 (m, 4H), 5.34 - 5.15 (m, 1H), 3.88 (t, J = 7.1 Hz, 1.6H), 3.79 (s, 2.4H), 3.77 (s, 0.6H), 3.74 (t, J = 7.1 Hz, 0.4H), 2.90 - 2.81 (m, 2H), 2.79 - 2.64 (m, 4H), 2.54 - 2.45 (m, 1.6H), 2.42 - 2.26 (m, 2.4H), 2.15 (s, 3H), 1.79 (d, J = 1.5 Hz, 0.6H), 1.72 (s, 2.4H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 208.1, 157.7, 157.6, 157.3, 137.3, 137.1, 134.2, 134.1, 132.8, 132.8, 129.3, 129.2, 129.1, 129.1, 120.9, 120.0, 114.5, 114.4, 113.6, 113.6, 67.5, 67.5, 55.1, 55.1, 45.4, 41.8, 34.2, 33.6, 33.3, 30.0, 28.9, 28.1, 28.0, 23.4, 16.3 ppm.GC/MS (EI) major E isomer: m/z (%): 366 (1, [M]+・), 202 (2), 122 (9), 121 (100), 119 (1), 107 (2), 91 (3), 78 (3), 77 (4), 67 (3), 43 (4).GC/MS (EI) minor Z isomer: m/z (%): 366 (1, [M]+・), 202 (2), 122 (9), 121 (100), 107 (2), 91 (4), 78 (3), 77 (3), 67 (3), 43 (5), 41 (1).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):甘い、フルーティ、ラズベリー。
【0192】
例56: メチル2-((4-メチル-6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)安息香酸
例42の手順に従って、メチル2-ヒドロキシ安息香酸(1.20g、7.90mmol、1.0当量)および(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)ベンゼン(2.00g、7.90mmol、1.0当量)から、化合物を黄色の液体(1.01g、収率39%、E/Z 80:20)として得た。
【0193】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 7.85 - 7.77 (m, 1H), 7.53 - 7.41 (m, 1H), 7.34 - 7.26 (m, 2H), 7.25 - 7.15 (m, 3H), 7.05 - 6.85 (m, 2H), 5.37 - 5.13 (m, 1H), 3.99 (t, J = 7.1 Hz, 1.6H), 3.91 (s, 2.4H), 3.90 (s, 0.4H), 3.84 (t, J = 7.1 Hz, 0.6H), 2.83 - 2.69 (m, 2H), 2.62 - 2.53 (m, 1.6H), 2.50 - 2.30 (m, 2.4H), 1.83-1.80 (m, 0.6H), 1.75 (s, 2.4H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) Shift (ppm) = 166.9, 158.4, 142.2, 137.3, 137.0, 133.2, 133.2, 131.5, 131.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.2, 125.8, 125.6, 120.8, 120.6, 120.1, 120.1, 119.9, 119.8, 113.4, 113.3, 68.6, 68.5, 51.9, 41.6, 34.5, 34.2, 34.0, 28.0, 27.9, 23.5, 16.3 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):ウィンターグリーン、サリチル酸、わずかにパウダリー、バニラ。
【0194】
例57: 1-(2-((4-メチル-6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)プロパン-1-オン
例42の手順に従って、1-(2-ヒドロキシフェニル)プロパン-1-オン(1.19g、7.90mmol、1.0当量)および(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)ベンゼン(2.00g、7.90mmol、1.0当量)から、化合物をわずかに黄色の液体(0.82g、収率32%、E/Z 75:25)として得た。
【0195】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 7.73 - 7.64 (m, 1H), 7.45 - 7.35 (m, 1H), 7.30 - 7.22 (m, 2H), 7.20 - 7.12 (m, 3H), 6.97 (s, 1H), 6.91 (d, J = 7.8 Hz, 0.75H), 6.83 (d, J = 8.3 Hz, 0.25H), 5.30 - 5.12 (m, 1H), 3.99 (t, J = 6.7 Hz, 1.5H), 3.80 (t, J = 6.8 Hz, 0.5H), 3.04 - 2.92 (m, 2H), 2.77 - 2.66 (m, 2H), 2.58 - 2.48 (m, 1.5H), 2.41 - 2.26 (m, 2.5H), 1.78 (d, J = 1.2 Hz, 0.75H), 1.71 (d, J = 0.7 Hz, 2.25H), 1.15 (2x t, J = 7.1 Hz and J = 7.3 Hz, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 203.6, 203.5, 157.9, 157.8, 142.0, 141.9, 137.4, 137.1, 133.1, 133.0, 130.2, 130.2, 128.4, 128.3, 128.3, 128.2, 125.9, 125.7, 121.1, 120.4, 120.4, 120.2, 112.2, 112.1, 68.1, 68.0, 41.6, 37.1, 34.5, 34.1, 34.0, 28.1, 27.8, 23.4, 16.3, 8.6 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):ウィンターグリーン、サリチル酸、わずかにパウダリー、バニラ。
【0196】
例58: 3-エトキシ-4-((4-メチル-7-フェニルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
a)(7-クロロ-4-メチルヘプト-4-エン-1-イル)ベンゼン
マグネシウム粉末(1.73g、71.3mmol、1.2当量)を、100ml-スルホン化フラスコに加え、THF(5mL)で重層した。次いで、THF(30mL)中の(3-クロロプロピル)ベンゼン(11.0g、71.3mmol、1.2当量)の溶液を、触媒量のヨウ素を使用し、ヒートガンで還流まで加熱することによってグリニャール反応を開始させた後、滴下して加えた。反応混合物を室温にて1時間撹拌した。次いで、THF(15mL)中の1-シクロプロピルメチルケトン(5.00g、59.4mmol、1.0当量)の溶液を、グリニャール試薬へ滴下して加えた。室温にて3時間撹拌した後、15mLの63%硫酸の溶液を(水中において)3℃にて滴下して加え、反応混合物を室温にて18時間撹拌した。水(20mL)でクエンチした後、混合物をMTBE(30mL)で抽出した。有機層を、水(30mL)、2M NaOH(30mL)、水(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗産物をクーゲルロールオーブン(130℃、0.02mbar)を使用して蒸留し、(7-クロロ-4-メチルヘプト-4-エン-1-イル)ベンゼン(11.1g、純度59%、収率41%)を無色の液体として得て、それをさらなる精製はせずに次のステップにおいて使用した。
【0197】
b)3-エトキシ-4-((4-メチル-7-フェニルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(2.50g、15.0mmol、1.0当量)および(7-クロロ-4-メチルヘプト-4-エン-1-イル)ベンゼン(3.35g、15.0mmol、1.0当量)から、化合物を黄色の液体(1.39g、収率26%、E/Z 75:25)として得た。
【0198】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 9.82 (2x s, 1H), 7.44 - 7.36 (m, 2H), 7.30 - 7.23 (m, 2H), 7.22 - 7.12 (m, 3H), 7.01 - 6.86 (m, 1H), 5.31 - 5.14 (m, 1H), 4.20 - 3.99 (m, 4H), 2.65 - 2.50 (m, 4H), 2.18 - 2.01 (m, 2H), 1.79 - 1.64 (m, 5H), 1.50 - 1.41 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 190.9, 154.3, 154.3, 149.1, 149.1, 142.5, 142.3, 138.4, 129.9, 129.9, 128.4, 128.4, 128.4, 128.3, 128.3, 128.2, 126.5, 125.7, 125.6, 119.7, 119.0, 111.7, 111.7, 110.8, 68.7, 68.6, 64.5, 39.2, 35.8, 35.4, 31.6, 29.7, 29.5, 27.9, 27.7, 23.4, 22.7, 16.1, 14.6 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、クリーム状、チョコレート。
【0199】
例59: 4-(4-((4-メチル-7-フェニルヘプト-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例42の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(2.50g、15.2mmol、1.0当量)および(7-クロロ-4-メチルヘプト-4-エン-1-イル)ベンゼン(3.39g、15.2mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(0.89g、収率17%、E/Z 90:10)として得た。
【0200】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 7.31 - 7.23 (m, 2H), 7.23 - 7.13 (m, 3H), 7.12 - 7.03 (m, 2H), 6.86 - 6.74 (m, 2H), 5.34 - 5.06 (m, 1H), 3.98 - 3.84 (m, 2H), 2.90 - 2.77 (m, 2H), 2.75 - 2.66 (m, 2H), 2.62 - 2.53 (m, 2H), 2.52 - 2.38 (m, 2H), 2.16 - 2.00 (m, 5H), 1.78 - 1.68 (m, 2H), 1.65 (s, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 208.1, 157.3, 142.5, 137.6, 132.8, 129.1, 128.5, 128.4, 128.3, 128.3, 128.2, 128.2, 125.9, 125.7, 125.6, 120.4, 119.7, 114.5, 114.5, 114.5, 67.7, 67.6, 45.4, 39.2, 35.8, 35.4, 32.1, 31.6, 30.8, 30.1, 29.7, 29.5, 28.9, 28.2, 28.0, 23.4, 16.1 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリーフルーティ、ラズベリー。
【0201】
例60: 4-((4,8-ジメチルノナ-3,7-ジエン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.086g、6.54mmol、1.1当量)および(E)-4,8-ジメチルノナ-3,7-ジエン-1-オール(1.0g、5.94mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(1.0mmol、0.3g、収率16%)として得た。
【0202】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.83 (s, 1H), 7.51 - 7.32 (m, 2H), 6.98 - 6.95 (m,1H), 5.22 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 5.09 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 4.14 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 4.05 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.61 - 2.56 (m, 2H), 2.15 - 1.96 (m, 4H), 1.77 - 1.45 (m, 9H), 1.47 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, E/Z mixtures) δ 191.0, 154.4, 154.4, 149.2, 138.7, 138.7, 131.8, 131.5, 129.9, 126.6, 124.1, 124.1, 119.5, 118.7, 111.8, 110.9, 68.8, 68.6, 64.6, 39.8, 32.1, 27.9, 27.8, 26.6, 26.6, 25.7, 25.7, 23.5, 17.7, 16.2, 14.7 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 316 (1) [M+], 166 (7), 151 (18), 109 (11), 95 (36), 69 (100).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):グルマン(バニラ、ラム、バニラ豆)、甘い(バニラ)
【0203】
例61: 4-アリル-1-((4,8-ジメチルノナ-3,7-ジエン-1-イル)オキシ)-2-メトキシベンゼン
例1の手順に従って、4-アリル-2-メトキシフェノール(0.5g、3.1mmol、1.0当量)および(E)-4,8-ジメチルノナ-3,7-ジエン-1-オール(0.5g、3.1mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(1.8mmol、0.6g、収率59%)として得た。
【0204】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.74 - 6.60 (m, 3H), 5.91 - 5.82 (m, 1H), 5.14 - 4.91 (m, 4H), 3.89 - 3.74 (m, 5H), 3.24 (d, J = 6.7 Hz, 2H), 2.49 - 2.42(m, 2H), 2.03 - 1.91 (m, 4H), 1.68 - 1.45 (m, 9H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, E/Z mixtures) δ 149.4, 149.4, 146.8, 146.8, 138.2, 138.1, 137.7, 132.8, 132.7, 131.7, 131.4, 124.2, 124.2, 120.5, 119.9, 119.1, 115.6, 113.2, 113.1, 112.4, 112.3, 68.8, 68.6, 56.0, 55.9, 39.8, 39.8, 32.1, 28.2, 28.1, 26.7, 26.6, 25.8, 25.7, 23.5, 17.7, 17.7, 16.2 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 314 (6) [M+], 177 (2), 164 (100), 149 (7), 115 (5), 95 (14), 69 (66).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):スパイシー
【0205】
例62: メチル(E)-4-((4,8-ジメチルノナ-3,7-ジエン-1-イル)オキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸
例1のプロセスに従い、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸(1.0g、5.1mmol、1.0当量)および(E)-4,8-ジメチルノナ-3,7-ジエン-1-オール(0.9g、5.1mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(1.2mmol、0.4g、収率23%)として得た。
【0206】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.74 (s, 1H), 6.14 (s, 1H), 5.13 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 5.00 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 3.85 (q, J = 6.6 Hz, 2H), 3.80 (s, 3H), 2.46 - 2.35 (m, 5H), 2.05 - 1.88 (m, 7H), 1.64-1.51 (m, 9H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, E/Z mixtures) δ 172.6, 162.2, 161.0, 160.9, 141.0, 138.2, 138.0, 131.8, 131.4, 124.2, 124.1, 120.2, 119.4, 111.0, 106.8, 105.2, 68.0, 67.8, 51.7, 39.8, 32.1, 28.2, 28.1, 26.6, 26.6, 25.7, 25.7, 24.6, 23.4, 17.7, 17.6, 16.2, 7.9, 7.9 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 346 (3) [M+], 277 (2), 245 (5), 197 (38), 177 (16), 164 (24), 135 (14), 95 (20), 69 (100).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(苔臭)
【0207】
例63: (E)-3-エトキシ-4-((3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペント-3-エン-1-イル)ペント-4-エン-2-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.8g、11.0mmol、1.0当量)および(E)-4-(4-ブロモ-3-メチルペント-1-エン-1-イル)-1,5,5-トリメチルシクロペント-1-エン(3.0g、11.0mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(1.1mmol、0.4g、収率10%)として得た。
【0208】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.83 (s, 1H), 7.41 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 6.99 - 6.95 (m, 1H), 5.67 - 5.30 (m, 2H), 5.23 (s, 1H), 4.74 - 4.08 (m, 3H), 2.92 - 0.74 (m, 22H) ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 356 (5) [M+], 281 (5), 207 (13), 191 (42), 166 (50), 149 (36), 137 (99), 109 (100), 90 (70), 55 (72).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):ウッディ、白檀、干し草
【0209】
例64: (Z)-3-エトキシ-4-(ノン-3-エン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例1のプロセスに従い、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、30.1mmol、1.0当量)および(Z)-1-ブロモノン-3-エン(6.2g、30.1mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(16.5mmol、4.8g、収率55%)として得た。
【0210】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.73 (s, 1H), 7.33 - 7.30 (m, 2H), 6.86 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.50 - 5.32 (m, 1H), 4.11 - 3.90 (m, 4H), 2.56 -2.50 (m, 2H), 2.02 - 1.97 (m, 2H), 1.37 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.33 - 1.14 (m, 6H), 0.79 (t, J = 6.8 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 190.9, 154.3, 149.1, 133.3, 130.0, 126.5, 123.9, 111.8, 110.8, 68.5, 64.5, 31.5, 29.3, 27.3, 27.2, 22.5, 14.7, 14.0 ppm.GC/M S (EI): m/z (%): 290 (11) [M+], 192 (1), 166 (100), 151 (7), 138 (57), 83 (42), 69 (73), 55 (60).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):バニラ(パウダリー、スパイシー、クリーム状)
【0211】
例65: 2-エトキシ-4-メチル-1-((4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-イル)オキシ)ベンゼン
例1の手順に従って、2-エトキシ-4-メチルフェノール(5.2g、27.4mmol、1.0当量)および4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-オール(7.8g、32.8mmol、1.2当量)から、化合物を無色の液体(14.3mmol、5.3g、収率51%)として得た。
【0212】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.78 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.74 - 6.59 (m, 2H), 5.23 - 5.07 (m, 3H), 4.06 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.94 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.55 - 2.49 (m, 2H), 2.27 (s, 3H), 2.17 - 1.90 (m, 8H), 1.73 - 1.60 (m, 12H), 1.43 (t, J = 6.9 Hz, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 148.7, 146.7, 138.0, 137.9, 135.1, 131.3, 130.7, 124.4, 124.1, 124.0, 121.1, 120.3, 119.5, 115.0, 115.0, 114.2, 69.0, 64.6, 39.8, 39.8, 32.1, 28.3, 28.2, 26.8, 26.7, 26.6, 25.7, 23.5, 21.0, 17.7, 16.2, 16.0, 15.0.GC/MS (EI): m/z (%): 370 (6) [M+], 234 (1), 214 (1), 152 (100), 137 (9), 124 (16), 81 (33), 69 (53).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):フェノール系(医薬品臭、ウルトラバニル、バルサミコバニラ豆、咳止めシロップ)
【0213】
例66: メチル2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル-4-((4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-イル)オキシ)安息香酸
例1の手順に従って、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸(6.6g、33.8mmol、1.0当量)および4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-オール(8.0g、33.8mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(28.0mmol、11.6g、収率83%)として得た。
【0214】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.74 (s, 1H), 6.11 (s, 1H), 5.23 - 4.89 (m, 3H), 3.91 - 3.69 (m, 5H), 2.49 - 2.24 (m, 5H), 2.08 - 1.79 (m, 11H), 1.64 - 1.45 (m, 12H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 172.6, 162.3, 161.0, 140.0, 138.2, 138.0, 135.4, 135.1, 131.2, 131.2, 124.4, 124.4, 124.0, 123.9, 120.2, 119.5, 111.0, 106.7, 105.2, 68.0, 67.8, 51.6, 39.8, 32.1, 28.3, 28.1, 26.8, 26.7, 26.5, 25.7, 24.6, 23.5, 17.7, 16.2, 16.0, 7.9 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 414 (1) [M+], 389 (1), 244 (75), 217 (13), 201 (100), 173 (28), 145 (52), 119 (39), 55 (54).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー苔臭(エバーニル)
【0215】
例67: 4-(4-((4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例1の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(4.5g、27.5mmol、1.0当量)および4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-オール(6.5g、27.5mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(20.0mmol、7.8g、収率74%)として得た。
【0216】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.07 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6.88 - 6.72 (m, 2H), 5.28 - 5.15 (m, 1H), 5.15 - 5.03 (m, 2H), 3.91 - 3.86 (m, 2H), 2.84 - 2.68 (m, 2H), 2.50 - 2.44 (m, 2H), 2.16 - 1.91 (m, 11H), 1.82 - 1.55 (m, 12H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 208.1, 157.4, 138.1, 137.9, 135.3, 135.1, 132.9, 131.3, 131.2, 129.2, 124.4, 124.4, 124.1, 124.0, 120.3, 119.5, 114.6, 114.6, 67.8, 67.7, 45.5, 39.7, 39.7, 32.1, 30.1, 29.0, 28.2, 28.1, 26.8, 26.7, 26.5, 26.5, 25.7, 23.5, 17.7, 16.2, 16.1, 16.0.GC/MS (EI): m/z (%): 414 (1) [M+], 382 (2), 246 (15), 219 (2), 187 (18), 164 (15), 82 (59), 69 (100).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):フルーティなパウダリー(ラズベリー)
【0217】
例68: 3-エトキシ-4-((1-フェニルブタ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、30.1mmol、1.0当量)および1-フェニルブタ-3-エン-1-オール(5.4g、36.1mmol、1.2当量)から、化合物を無色の液体(16.9mmol、5.0g、収率56%)として得た。
【0218】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.74 (s, 1H), 7.37- 7.21(m, 7H), 6.78 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.95 - 5.75 (m, 1H), 5.26 - 5.07 (m, 3H), 4.15 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.88 - 2.64 (m, 2H), 1.48 (t, J = 7.0 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 191.0, 153.6, 149.9, 140.5, 133.7, 130.3, 128.6, 127.9, 126.2, 126.1, 118.0, 115.1, 111.6, 81.4, 64.8, 42.7, 14.8 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 296 (1) [M+], 255 (1), 225 (8), 166 (6), 149 (6), 131 (100), 115 (20), 103 (8), 91 (63), 77 (12).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー(バニラ)、グリーン
【0219】
例69: メチル(Z)-4-(デカ-1,7-ジエン-4-イルオキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸
例1の手順に従って、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸(6.0g、30.6mmol、1.0当量)および(Z)-デカ-1,7-ジエン-4-オール(5.2g、33.6mmol、1.1当量)から、化合物を無色の液体(12.3mmol、4.1g、収率41%)として得た。
【0220】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.78 (s, 1H), 6.16 (s, 1H), 5.76 - 5.68 (m, 1H), 5.40 - 5.12 (m, 2H), 5.09 - 4.89 (m, 2H), 4.35 - 4.25 (m, 1H), 3.81 (s, 3H), 2.40 - 2.34 (m, 5H), 2.07 - 1.60 (m, 9H), 0.82 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 171.5, 161.5, 159.2, 138.7, 132.7, 131.6, 126.9, 116.7, 110.9, 106.9, 104.0, 75.3, 50.7, 37.3, 32.7, 23.6, 21.9, 19.4, 13.2, 7.0 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 332 (10) [M+], 301 (1), 259 (1), 196 (29), 164 (100), 136 (22), 95 (12).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、グリーン、海洋性(エバーニル)
【0221】
例70: 液体洗浄剤における適用
a)試料調製
0.2重量%のエチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、試料A)または(Z)-3-エトキシ-4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒド(例28の化合物、試料B)を、室温にて24h磁気攪拌することによって、無香料の液体洗浄剤基剤中にそれぞれ組み込んだ。
【0222】
b)色の安定性
上記で調製した試料を、無香料の基材試料(サンプルC)と比較して、目視で調べた。エチルバニリンの試料(A)は強い紫色の配色を示したが、前駆体を含有するサンプル(B)は無香料の基材(C)と光学的に同一であった。3種のサンプルすべてを
図1に示す。
【0223】
c)洗浄試験および官能評価
上記で調製した液体洗浄剤試料AおよびBの55g、ならびに無臭のコットン/エラスタン混紡Tシャツを使用して、40℃の機械洗浄サイクルを行った。濡れた布および干して乾かした布(1日および4日)を、4~6人の専門家のパネルが、においの強度および品質に関して査定した。においの強度は、0(無臭)~5(極度に強い)の強度の程度で記録した。下の表1からわかるように、着色されたエチルバニリン洗浄剤基材で洗濯した布からは事実上においが放出されなかったのに対し、(Z)-3-エトキシ-4-(ペンタデク-3-エン-6-イルオキシ)ベンズアルデヒドを含有する無色洗浄剤基材で洗濯した布は、1日後および3日後にマンダリン、バニラ、ならびにパウダリーフレグランスを呈した。
【0224】
表1
【表1】
実験は、遊離エチルバニリンが基剤を着色し、その高い水溶性に起因して、洗濯および乾燥した布にいかなるフレグランスも付与しないから、遊離エチルバニリンは液体洗浄剤における適用には好適ではないことを実証している。これらの技術的限界は、着色性がなく、乾燥した布にマンダリンおよびバニラのパウダリーフレグランスを付与する本発明の化合物によって克服される。
【0225】
例71: 位置異性体側鎖オレフィンの比較
二重結合の位置の重要性を強調するために、Δ-3に位置した二重結合を有する本発明の化合物との比較において、二重結合がΔ-2またはΔ-4の位置に配置された二重結合を持つ不飽和側鎖を有するエチルバニリンエーテル(式IVで表される化合物)を用いて、液体洗浄剤の適用における比較査定(例70aおよびcに記載)を実行した。
【0226】
Δ-2位において二重結合を持つ化合物、3-エトキシ-4-(((2Z,5Z)-オクタ-2,5-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒドは、エチルバニリンと(Z)-3-クロロオクタ-1,5-ジエンを、アセトニトリル中、還流下、炭酸カリウム(1.5当量)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.15当量)の存在下で40h撹拌することによって調製した。標準的なワークアップおよび精製により、3-エトキシ-4-(((2Z,5Z)-オクタ-2,5-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒドを淡黄色の油(13%)として生産した。GC/MS (EI, 70 eV): 274 (1, [M]+), 166 (19), 137 (25), 109 (32), 79 (48), 67 (100), 55 (37).
【0227】
Δ-4位において二重結合を持つ化合物、(Z)-3-エトキシ-4-(ヘキサデク-3-エン-7-イルオキシ)ベンズアルデヒドを、(Z)-ヘキサデク-3-エン-7-オール((Z)-ヘクサ-3-エン-1-イル塩化マグネシウムとデカナールとの反応から)とエチルバニリンを例1の手順に従って反応させることによって調製し、(Z)-3-エトキシ-4-(ヘキサデク-3-エン-7-イルオキシ)ベンズアルデヒドを液体(32%)として生産した。GC/MS (EI, 70 eV): 388 (<1, [M]+), 222 (1), 166 (100), 138 (18), 109 (12), 97 (31), 83 (43), 69 (42), 55 (43).
【0228】
においの強度は、0(無臭)~5(極度に強い)の強度の程度で記録した。結果を表2にまとめる。
【化12】
【0229】
【0230】
結果は、側鎖のΔ-3位において二重結合を持つ本発明の化合物(ホモアリルエーテル、項目2)のみが、乾燥した布上で強い、かつ心地良いにおいを放出するのに対し、Δ-2位またはΔ-4位にそれぞれ二重結合を持つ同等の化合物(項目1および3)は、弱い、かつ不快なにおいしか放出しないことを示している。
【0231】
例72: 液体洗浄剤への適用-異なるにおいプロファイルの生成
強力な液体洗浄剤試料を調製し、例60aおよびcに記載するように、洗濯および乾燥した布の洗浄試験とその後の官能評価において使用した。においの強度は、0(無臭)~5(極度に強い)の強度の程度で記録した。結果を表3にまとめる。
【0232】
【0233】
結果は、本発明の化合物を用いて、乾燥した布上で強いフレグランス強度が達成されることを説明している。所与の親フェノール(例として、エチルバニリン)のにおいの方向性は、側鎖から放出されるにおい物質によってモジュレートされたり、または支配さえされ得る。それはまた、フェノール部位および側鎖部位の適切な組み合わせを通して、他のアロマが生成され得ることも説明している。例えば、マドレーヌの評判が良い芳香は、表3中の項目5において示すように、例38の化合物によって放出され得る)。
【0234】
例73: シャンプー基材における適用
無香料の透明なヘアシャンプー基剤へ0.2重量%のエチルバニリンまたは本発明の化合物を加え、室温にて24h、ボトルローラーで混合することによって、ヘアシャンプー試料(20g)を調製した。匂いのない人毛見本を、温かい水道水で濡らし、手袋をはめた手によって30秒間2mLの上記ヘアシャンプー試料で柔らかく泡立てた。泡立てた毛の見本をプラスチックボウル内で2分間放置した後、20秒間流れる水道水でリンスした。毛の見本を2本の指の間で絞ることによって過剰な水を取り除いた後、屋外に放置して乾燥させた。濡れた毛の見本および乾かした毛の見本(1日および3日)を、4~6人の専門家のパネルが、においの強度および品質に関して査定した。においの強度は、0(無臭)~5(極度に強い)の強度の程度で記録した。結果を表4にまとめる。
【0235】
【0236】
実験は、本発明の前駆体は乾燥した毛に香りを放出することが可能であり、それは経時的により強くなっていく一方、遊離エチルバニリンのにおいは同じ期間中に薄れていくことを実証した。
【0237】
例74: 放出された揮発性物質のヘッドスペース分析
式(I)で表される化合物の溶液(100μg、MTBE中の1.0mg/mL溶液)を、置換ピペットを通して紙片(1cm×8cm)に均一に塗布した。紙片を放置して乾燥させ(室温にて1h)、中央で折って20mLのヘッドスペースバイアルに「V」字型に挿入した(
図2)。バイアル瓶をセプタムスクリューキャップで閉め、蛍光昼光模倣ランプおよび鏡面壁を備えたキャビネット内に24h置いた(温度27~28℃)。
【0238】
放出された有機揮発性物質の抽出および分析は、ISQ LT質量分析計(Thermo Fisher Scientific)へ連結した、TriPlus RSHオートサンプラー(Thermo Fisher Scientific)を備えたTrace 1310ガスクロマトグラフ上で自動モードで実行した。SPME(solid phase microextraction)(固相マイクロ抽出)を用いたヘッドスペースからの有機揮発性物質の抽出は、50/30μmのジビニルベンゼン/カルボキセン/ポリジメチルシロキサンSPMEファイバー(DVB/CAR/PDMS, Supelco P/N 57298-U)を使用して40℃にて1h実行し、その後スプリットレスモードにおいて250℃にて1分間放出した。GC-MS分析(質量分析検出付きガスクロマトグラフィー)を、VF-WAXmsキャピラリーカラム(Agilent、長さ30m、内径0.25mm、フィルム厚0.25μm)を用いて実行した。ヘリウムを、1ml/minの一定流量でキャリアガスとして使用した。GCオーブン温度は、35℃から、2分保持付きで5℃/分にて250℃まで、最終温度保持を10分とプログラムした。質量分析計は、EIモードで70eVにて、33~350のm/z範囲で、0.2秒間隔でスキャンし、トランスファーラインとイオン源の温度はそれぞれ230℃と220℃で稼働した。式(I)で表される化合物から放出される同定された揮発性物質のリストを表5において報告する(表示は、相対ピーク面積%;太字:主たるにおいベクトル)。
【0239】
【0240】
表示された相対ピーク面積%値は、モル放出率とは関係ないということに注意すべきである。気相中の各揮発性物質の相対量は、主に揮発性に依存する。したがって、感覚活性フェノールはマイナーな構成要素として現れる。
結果は、式(I)で表される化合物から、エチルバニリンまたはサリチル酸メチルのようなフェノール系フレグランス化合物のほかに、さらに感覚的に活性なアルデヒド、ケトンおよびアルコールが放出されることを示した。
感覚的に活性なフェノールは、光源へ暴露していない試料において、その他の点で同一条件下で観察され、光の有無にかかわらず、環境大気中へ暴露されると酸化によって放出が起こり得ることを示している。
【0241】
例75:生分解性の査定
マノメトリックレスピロメトリー試験(OECD材料試験ガイドラインNo.301F、パリ1992)による生分解性査定の結果を表6にまとめる。
【0242】
【0243】
結果は、様々なフェノール部分および側鎖を持つ本発明の化合物が、生分解性であることを示している。完全な無機化に要求される理論の酸素消費量の60%という合格レベルに達している場合、化合物は生分解性に分類され得る。
28日間の試験期間中、10日以内に合格レベルに達した場合、それはただちに生分解性である。生分解の度合いが10%に達したときに、10日間のウィンドウが始まる。28日間の試験期間後に合格レベルが得られた場合、化合物は本質的生分解性であると分類され得る。
【0244】
例76: 4-(((3E,9Z)-ドデカ-3,9-ジエン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
a)(Z)-1-シクロプロピルノン-6-エン-1-オール
テトラヒドロフラン(THF、10mL)中のマグネシウム(4.16g、171mmol、1.2当量)の懸濁液へ、THF(150mL)中のブロモシクロプロパン(20.7g、171mmol、1.2当量)の溶液を以下のやり方で加えた:最初の10mLを一度に加え、次いでヒートガンで還流まで加熱することによって反応が始まり、次いで、溶液の残りを攪拌下で滴下して加えた。溶液を、加え完了後1h撹拌し、次いで5℃まで冷却した。THF(60mL)中の6-(Z)-ノネナール(20.0g、143mmol、1.0当量)の溶液を、5~15℃にて滴下して加えた。加え完了後、溶液を40分間撹拌し、次いで2N塩酸水溶液(250mL)を注いだ。混合物をメチルt-ブチルエーテル(MTBE、200mL)で抽出し、有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。ロータリーエバポレーターにおいて溶媒を除去した後、(Z)-1-シクロプロピルノン-6-エン-1-オール(26.25g、>99%)を透明な黄色の液体として得た。生成物は、精製はせずに後のステップにおいて使用した。
【0245】
b)(9Z)-1-ブロモドデカ-3,9-ジエンの調製
上記の調製物(26.25g、143mmol)へ、HBr水溶液(48%wt/wt、32.6mL、288mmol、2.0当量)を滴下して加えた。加え完了後、暗褐色の混合物を50℃にて24h撹拌し、次いで冷たい2N NaOH水溶液(250mL)に注いだ。上に記載のとおり、ワークアップを実行し、透明な褐色の液体(30.7g、87%)を生産した。生成物をシリカ上の濾過によって精製し、n-ペンタンで溶出した。(9Z)-1-ブロモドデカ-3,9-ジエンを透明な黄色の液体として得た(20.2g、57%、GC-MSによる純度89%)。
【0246】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) 5.52 - 5.59 (m, 1 H), 5.31 - 5.46 (m, 3 H), 3.39 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 2.45 - 2.69 (m, 2 H), 1.97 - 2.20 (m, 6 H), 1.30 - 1.52 (m, 4 H), 0.98 (t, J=7.6 Hz, 3 H).13C-NMR (126 MHz, CDCl3) 133.9 (s), 131.7 (s), 129.1 (s), 126.5 (s), 36.1 (t), 32.9 (t), 32.4 (t), 29.2 (t), 28.9 (t), 26.9 (t), 20.5 (t), 14.4 (q).GC/MS (EI): m/z (%) 246 (<1, [M+]), 204 (3), 188 (2), 160 (7), 110 (55), 95 (33), 81 (90), 67 (100), 55 (56), 41 (96).
【0247】
c)4-(((3E,9Z)-ドデカ-3,9-ジエン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒドの調製
ジメチルホルムアミド(DMF、50mL)中のエチルバニリン(1.13g、6.8mmol、1当量)の溶液へ、K2CO3(1.88g、13.6mmol、2当量)、これに続き(9Z)-1-ブロモドデカ-3,9-ジエン(1.83g、4.5mmol、1.1当量、上記で調製)を加えた。混合物を攪拌下で80℃まで24h加熱し、次いで室温まで冷却し、水(100mL)に注いだ。1.1.章において記載したとおりにワークアップを実行し、透明な黄色の液体(1.71g)を生産した。粗産物を、ヘプタン/MTBE 84:16でシリカ上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、4-(((3E,9Z)-ドデカ-3,9-ジエン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド(0.82g、37%)をGC-MSによる純度95%の透明な無色の液体として供与した。
【0248】
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) 9.85 (s, 1 H), 7.41 - 7.45 (m, 2 H), 6.98 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 5.56 - 5.65 (m, 1 H), 5.46 - 5.54 (m, 1 H), 5.29 - 5.44 (m, 2 H), 4.16 (q, J=6.8 Hz, 2 H), 4.12 (t, J=7.3 Hz, 2 H), 2.58 (q, J=6.6 Hz, 2 H), 1.95 - 2.15 (m, 6 H), 1.48 (t, J=7.0 Hz, 3 H), 1.30 - 1.45 (m, 4 H), 0.97 (t, J=7.5 Hz, 3 H).13C-NMR (126 MHz, CDCl3) 190.9 (d), 154.4 (s), 149.2 (s), 133.8 (d), 131.7 (d), 130.0 (s), 129.1 (d), 126.6 (d), 124.8 (d), 111.9 (d), 111.0 (d), 68.9 (t), 64.6 (t), 32.5 (t), 32.3 (t), 29.2 (t), 28.9 (t), 26.9 (t), 20.5 (t), 14.7 (q), 14.4 (q).
GC/MS (EI): m/z (%) 330 (11, [M+]), 166 (77), 151 (6), 149 (9), 138 (43), 123 (32), 109 (48), 97 (12), 95 (75), 81 (90), 69 (65), 67 (80), 55 (100), 41 (95).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):グリーン、メロン、パウダリー、バニラ。
【0249】
例77: メチル4-(((3E,9Z)-ドデカ-3,9-ジエン-1-イル)オキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸
メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸(2.0g、10mmol)、(9Z)-1-ブロモドデカ-3,9-ジエン(2.70g、11.0mmol、1.1当量、例76bにおいて調製したとおり))、およびK2CO3(2.80g、20.0mmol、2当量)を用いて、例76c)に記載の手順を繰り返した。ワークアップおよび精製(シリカ上のフラッシュクロマトグラフィー、ヘプタン/MTBE 6:1~1:1、これに続きクーゲルロールオーブンにおいて110℃/0.04mbarにて揮発性不純物を除去)の後、メチル4-(((3E,9Z)-ドデカ-3,9-ジエン-1-イル)オキシ)-2-ヒドロキシ-3,6-ジメチル安息香酸(0.75g、19%)を、GC-MSにより純度>99%の、透明なわずかに黄色の液体として得た。
【0250】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) 11.85 (s, 1 H), 6.27 (s, 1 H), 5.45 - 5.63 (m, 2 H), 5.30 - 5.43 (m, 2 H), 4.02 (t, J=6.7 Hz, 2 H), 3.94 (s, 3 H), 2.46 - 2.60 (m, 5 H), 2.01 - 2.14 (m, 9 H), 1.25 - 1.53 (m, 4 H), 0.98 (t, J=7.5 Hz, 3 H).13C-NMR (101 MHz, CDCl3) 172.6 (s), 162.2 (s), 160.9 (s), 140.0 (s), 133.4 (d), 131.7 (d), 129.1 (d), 125.4 (d), 111.1 (s), 106.8 (d), 105.3 (s), 67.9 (t), 51.7 (q), 32.6 (t), 32.6 (t), 29.2 (t), 29.0 (t), 26.9 (t), 24.6 (q), 20.5 (t), 14.4 (q), 7.9 (q).GC/MS (EI): m/z (%) 360 (11, [M+]), 196 (90), 164 (100), 136 (22), 81 (31), 69 (28), 67 (32), 55 (42), 41 (51).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、オークモス。
【0251】
例78: 4-(デカ-1,7-ジエン-4-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
a)デカ-1,7-ジエン-4-オール
THF(150mL)中の臭化アリルマグネシウム(63mL、107mmol、0.5M)の溶液へ、ヘプト-4-エナール(10.0g、89mmol)を、10℃にてゆっくり加え、室温にて3時間撹拌した。混合物にNH4Cl溶液を加えることによってクエンチし、MTBE(3*100mL)で抽出し、有機層を合わせ、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を回転蒸発によって除去し、残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE:MTBE=4:1)によって精製し、デカ-1,7-ジエン-4-オール(7.6g、収率:55%)を無色の液体として得た。
【0252】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 5.90 - 5.70 (m, 1H), 5.58 - 5.28 (m, 2H), 5.20 - 5.07 (m, 2H), 3.73 - 3.55 (m, 1H), 2.35 - 2.22 (m, 1H), 2.21 - 1.95 (m, 5H), 1.88 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 1.60 - 1.47 (m, 2H), 0.96 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 134.9, 134.8, 132.6, 132.3, 128.6, 128.5, 118.0, 117.9, 70.3, 41.9, 41.9, 36.7, 36.5, 28.8, 25.6, 23.4, 20.5, 14.3, 13.9 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 154 (1) [M+], 136 (3), 95 (100), 69 (82), 55 (24).
【0253】
b)4-(デカ-1,7-ジエン-4-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
例1のプロセスに従い、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(5.9g、36mmol)およびデカ-1,7-ジエン-4-オール(5.0g、32mmol)から、4-(デカ-1,7-ジエン-4-イルオキシ)-3-エトキシベンズアルデヒドを薄黄色の液体(6.1g、収率62%)として得た。
【0254】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 9.74 (s, 1H), 7.38 - 7.23 (m, 2H), 6.89 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 5.83 - 5.73 (m, 1H), 5.41 - 5.20 (m, 2H), 5.12 - 4.95 (m, 2H), 4.42 - 4.26 (m, 1H), 4.04 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.52 - 2.29 (m, 2H), 2.15 - 1.95 (m, 2H), 1.87 - 1.56 (m, 4H), 1.36 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.90 - 0.77 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers) δ 190.9, 154.1, 150.1, 133.8, 133.7, 133.0, 132.6, 130.2, 128.0, 127.9, 126.2, 117.8, 117.8, 114.7, 114.5, 111.8, 111.7, 78.6, 78.5, 64.6, 38.3, 38.2, 33.7, 33.6, 28.3, 25.6, 22.9, 20.4, 14.7, 14.2, 13.9 ppm.GC/MS (EI): m/z (%): 302 (7) [M+], 166 (100), 138 (51), 95 (31), 81 (25), 67 (23).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ
【0255】
例79: 4-((6-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
a)5-(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール
THF(5mL)で重層したマグネシウム(1.64g、67.6mmol、1.3当量)の懸濁液へ、THF(20mL)中のブロモシクロプロパン(7.55g、62.4mmol、1.2当量)の溶液を、触媒量のヨウ素を使用し、ヒートガンで還流まで加熱することによってグリニャール反応を開始させた後、滴下して加えた。反応混合物を40分間還流した。次いで、THF(75mL)中の4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)ブタン-2-オン(10.0g、52.0mmol、1.0当量)の溶液を、グリニャール試薬へ10~15℃にて25分にわたり滴下して加えた。室温にて1.5時間撹拌した後、62%硫酸(56g、6.8当量、水溶液)の溶液を、室温にて滴下して加え、反応混合物を室温にて30分間撹拌した。水(50mL)でクエンチした後、反応混合物をMTBE(3x30mL)で抽出した。合わせた有機層を水(3x50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗産物をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/MTBE 8:2)によって精製し、5-(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(7.76g、収率50、E/Z 80:17)を黄色の液体として得た。
【0256】
13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 147.5, 147.4, 145.6, 145.5, 137.8, 137.5, 135.9, 135.8, 136.9, 122.4, 121.5, 121.1, 121.0, 108.9, 108.9, 108.8, 109.0, 108.1, 108.0, 100.7, 41.7, 34.3, 34.2, 33.9, 32.8, 32.7, 31.6, 31.5, 23.4, 16.4 ppm.
【0257】
b)4-((6-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.97g、11.9mmol、1.0当量)および5-(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(3.88g、13.1mmol、1.1当量)から、化合物をオレンジ色の液体(3.14g、収率69%、E/Z 80:20)として得た。
【0258】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 9.87 - 9.80 (m, 1H), 7.45 - 7.37 (m, 2H), 6.95 (d, J = 8.3 Hz, 0.8H), 6.89 (d, J = 8.1 Hz, 0.2H), 6.73 - 6.57 (m, 3H), 5.92 - 5.84 (m, 2H), 5.28 - 5.14 (m, 1H), 4.20 - 4.09 (m, 2H), 4.01 (t, J = 7.2 Hz, 1.6H), 3.88 (t, J = 7.2 Hz, 0.4H), 2.70 - 2.43 (m, 4H), 2.37 - 2.23 (m, 2H), 1.81 - 1.69 (m, 3H), 1.52 - 1.42 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 190.9, 154.3, 154.2, 149.1, 149.0, 147.4, 147.3, 145.5, 145.4, 137.7, 137.5, 135.9, 135.8, 129.9, 126.5, 121.1, 121.1, 121.0, 120.4, 119.5, 111.6, 110.7, 108.8, 108.8, 108.0, 107.9, 100.6, 100.6, 68.5, 68.4, 64.4, 41.8, 34.2, 34.2, 33.9, 33.8, 31.8, 28.9, 27.8, 27.7, 23.4, 22.6, 16.2, 14.6, 14.6, 14.0 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):甘いパウダリー、クリーム状、バニラ、バニトロープ(vanitrope)。
【0259】
例80: 4-(4-((6-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-4-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例42の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(1.86g、11.3mmol、1.0当量)および5-(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(3.70g、12.4mmol、1.1当量)から、化合物を無色の液体(2.00g、収率46%、E/Z 80:20)として得た。
【0260】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 7.12 - 7.07 (m, 2H), 6.84 - 6.77 (m, 2H), 6.74 - 6.67 (m, 2H), 6.65 - 6.61 (m, 1H), 5.91 (s, 1.6H), 5.87 (s, 0.4H), 5.27 - 5.19 (m, 1H), 3.88 (t, J = 7.1 Hz, 1.6H), 3.76 (t, J = 7.0 Hz, 0.4H), 2.87 - 2.82 (m, 2H), 2.77 - 2.62 (m, 4H), 2.53 - 2.23 (m, 4H), 2.14 (s, 3H), 1.78 - 1.68 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of E/Z isomers): δ 208.1, 157.3, 147.4, 147.4, 145.5, 145.4, 137.1, 136.0, 135.9, 132.8, 129.1, 129.1, 121.1, 121.0, 121.0, 120.1, 114.5, 114.4, 108.9, 108.9, 108.8, 108.0, 108.0, 108.0, 100.7, 100.6, 67.6, 67.5, 45.4, 41.8, 34.3, 30.1, 28.9, 28.1, 27.8, 28.0, 27.8, 23.4, 16.3 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):フルーティ、ラズベリー、グレナディン、ベリーフロア(berryflor)、新鮮な、透明感。
【0261】
例81: 3-エトキシ-4-((4-メチル-6-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
(a)2-(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)-1,3,3-トリメチルシクロヘクサ-1-エン
マグネシウムターニング(1.50g、61.8mmol、1.2当量)を、350ml-スルホン化フラスコへ加え、THF(10mL)で重層した。次いで、THF(40mL)中のブロモシクロプロパン(7.47g、61.8mmol、1.2当量)の10%溶液を加えた。その後、ヒートガンと数個のヨウ素結晶とでグリニャールを開始した。次いで、残りのブロモシクロプロパンのTHF溶液を滴下して加えた。加えが完了した後、反応混合物を還流で1時間撹拌した。次いで、THF(40mL)中の4-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ブタン-2-オン(10.0g、51.5mmol、1.0当量)の溶液を、0℃にて滴下して加えた(温度は13℃まで上昇した)。加えが完了した後、冷却浴を取り除き、反応混合物を室温にて16時間撹拌した。次いで、63%硫酸水溶液(12.0mL、139mmol、2.7当量)を、反応混合物へ3℃にて滴下して加えた(温度は18℃まで上昇した)。室温にて3時間撹拌した後、反応混合物を120mLの水に加えてクエンチし、MTBE(150mL)で抽出した。有機層を、2M NaOH(100mL)、水(150mL)、およびブライン(150mL)で1回洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。粗製物をシリカゲル上で濾過し、100%ヘプタンで溶出し、2-(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)-1,3,3-トリメチルシクロヘクサ-1-エン(6.96g、収率45%、異性体の混合 63:14、純度77%)を黄色の液体として得た。
【0262】
GC/MS (EI) major isomer: m/z (%): 298 (1, [M]+・), 137 (100), 95 (50), 81 (32), 41 (15).
GC/MS (EI) minor isomer: m/z (%): 298 (0, [M]+・), 137 (100), 95 (52), 81 (32), 41 (14).
【0263】
(b)3-エトキシ-4-((4-メチル-6-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.90g、12mmol、1.0当量)および2-(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)-1,3,3-トリメチルシクロヘクサ-1-エン(3.5g、12mmol、1.1当量)から、化合物を黄色の液体(1.96g、収率44%、3異性体84:13:3)として得た。
【0264】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of isomers): δ 9.84 (s, 1H), 7.45 - 7.39 (m, 2H), 7.00 - 6.96 (m, 1H), 5.27 - 5.19 (m, 1H), 4.18 - 4.06 (m, 4H), 2.62 - 2.56 (m, 2H), 2.15 - 2.02 (m, 4H), 1.97 - 1.89 (m, 2H), 1.81 -1.77 - 1.71 (m, 3H), 1.65 - 1.54 (m, 5H), 1.50 - 1.45 (m, 3H), 1.45 - 1.40 (m, 2H), 1.02 - 0.99 (m, 6H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of isomers): δ 190.9, 154.4, 149.2, 149.1, 139.6, 139.3, 136.9, 130.0, 129.9, 127.3, 127.1, 126.6, 126.5, 119.1, 117.9, 111.9, 111.8, 111.0, 110.9, 68.9, 68.6, 64.6, 40.2, 39.8, 39.8, 35.0, 34.9, 32.7, 32.7, 31.9, 29.0, 28.6, 28.6, 27.9, 27.7, 27.3, 23.4, 22.7, 19.9, 19.8, 19.5, 16.3, 14.7, 14.6, 14.1 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ。
【0265】
例82: 4-(4-((4-メチル-6-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)フェニル)ブタン-2-オン
例42の手順に従って、4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン(1.90g、11.6mmol、1.0当量)および2-(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-3-エン-1-イル)-1,3,3-トリメチルシクロヘクサ-1-エン(3.46g、11.6mmol、1.1当量)から、化合物を褐色の液体(1.30g、収率29%、3異性体 83:13:4)として得た。
【0266】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of isomers): δ 7.11 - 7.07 (m, 2H), 6.85 - 6.80 (m, 2H), 5.30 - 5.14 (m, 1H), 3.94 - 3.90 (m, 2H), 2.86 - 2.81 (m, 2H), 2.74 - 2.70 (m, 2H), 2.53 - 2.46 (m, 2H), 2.13 (s, 3H), 2.12 - 2.00 (m, 4H), 1.98 - 1.89 (m, 2H), 1.80 - 1.68 (m, 3H), 1.68 - 1.54 (m, 5H), 1.46 - 1.40 (m, 2H), 1.03 - 0.99 (m, 6H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of isomers): δ 208.1, 157.4, 138.9, 138.7, 137.0, 132.8, 129.1, 127.2, 127.0, 119.8, 119.0, 118.7, 114.6, 67.9, 67.7, 45.4, 40.2, 39.8, 39.8, 35.0, 34.9, 32.8, 32.7, 30.1, 28.9, 28.6, 28.6, 28.2, 27.7, 27.3, 23.3, 19.9, 19.8, 19.5, 16.3, 16.2 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):フルーティ、甘い、パウダリー、ラズベリーケトン。
【0267】
例83: 3-エトキシ-4-((4-メチル-6-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ヘクサ-3,5-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
a)2-(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-1,3-ジエン-1-イル)-1,3,3-トリメチルシクロヘクサ-1-エン
マグネシウムターニング(1.52g、62.4mmol、1.2当量)を、350ml-スルホン化フラスコへ加え、THF(10mL)で重層した。次いで、THF(40mL)中のブロモシクロプロパン(7.55g、62.4mmol、1.2当量)の10%溶液を加えた。その後、ヒートガンと数個のヨウ素結晶とでグリニャールを開始した。次いで、残りのブロモシクロプロパンのTHF溶液を滴下して加えた。加えが完了した後、反応混合物を還流で1時間撹拌した。次いで、THF(40mL)中の4-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン(10.0g、52.0mmol、1.0当量)の溶液を、0℃にて滴下して加えた(温度は11℃まで上昇した)。加えが完了した後、冷却浴を取り除き、反応混合物を室温にて1時間撹拌し、1.5時間還流した。次いで、63%硫酸水溶液(12.0mL、139mmol、2.7当量)を、反応混合物へ3℃にて滴下して加えた。室温にて1時間撹拌した後、反応混合物を120mLの水へ加えてクエンチし、MTBE(150mL)で抽出した。有機層を、2M NaOH(100mL)、水(150mL)、およびブライン(150mL)で1回洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。粗製物をシリカゲル上で濾過し、100%ヘプタンで溶出し、2-(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-1,3-ジエン-1-イル)-1,3,3-トリメチルシクロヘクサ-1-エン(6.64g、収率43%、4種の異性体の混合 74:16:2:1、純度93%)を黄色の液体として得た。
【0268】
GC/MS (EI) major isomer: m/z (%): 296 (10, [M]+・), 133 (45), 119 (100), 105 (46), 91 (45), 41 (30).
【0269】
b)3-エトキシ-4-((4-メチル-6-(2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1-エン-1-イル)ヘクサ-3,5-ジエン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.86g、11.2mmol、1.0当量)および2-(6-ブロモ-3-メチルヘクサ-1,3-ジエン-1-イル)-1,3,3-トリメチルシクロヘクサ-1-エン(3.32g、11.2mmol、1.0当量)から、化合物を黄色の液体(0.78g、収率18%、4異性体81:13:6 GC-MSにおいて重複)として得た。
【0270】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, complex mixture of isomers): δ 9.84 (s, 1H), 7.47 - 7.37 (m, 2H), 7.01 - 6.92 (m, 1H), 6.55 - 6.37 (m, 0.4H), 6.26 - 5.98 (m, 1.6H), 5.69 (td, J = 4.4, 16.1 Hz, 0.1H), 5.49 (dt, J = 1.1, 7.5 Hz, 0.6H), 5.40 (t, J = 7.2 Hz, 0.3H), 4.18 - 4.07 (m, 4H), 2.79 - 2.72 (m, 1.6H), 2.54 - 2.25 (m, 0.4H), 2.11 - 1.40 (m, 15H), 1.11 - 0.81 (m, 6H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, complex mixture of isomers): δ 190.9, 154.5, 154.3, 154.2, 149.1, 149.1, 138.0, 137.6, 137.3, 136.9, 135.4, 130.0, 129.7, 129.0, 128.6, 128.4, 126.5, 125.5, 124.7, 122.7, 119.6, 111.9, 111.8, 111.7, 110.9, 68.7, 68.3, 64.6, 40.6, 39.5, 39.4, 36.6, 34.2, 34.1, 32.9, 31.9, 29.0, 28.9, 28.9, 28.7, 28.6, 28.2, 27.3, 24.6, 22.8, 22.7, 21.7, 21.6, 20.5, 19.2, 19.2, 14.7, 14.7, 14.1, 12.5 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、フルーティ、ウッディ、イオノンベータ。
【0271】
例84: 4-((5,9-ジメチルデカ-3,8-ジエン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
例1の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(2.00g、12.0mmol、1.0当量)および5,9-ジメチルデカ-3,8-ジエン-1-オール(2.20g、12.0mmol、1.0当量、Gruenanger, C. U.; Breit, B. Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47, 7346-7349による手順に従い調製)から、化合物を無色の液体(1.78g、収率45%)を得た。
【0272】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.84 (s, 1H), 7.42 (dd, J = 2.0, 8.1 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.49 - 5.41 (m, 2H), 5.09 (tdt, J = 1.4, 2.8, 7.2 Hz, 1H), 4.18 - 4.07 (m, 4H), 2.62 - 2.52 (m, 2H), 2.11 (mc, 1H), 2.00 - 1.91 (m, 2H), 1.68 (d, J = 1.2 Hz, 3H), 1.60 - 1.55 (m, 3H), 1.47 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.36 - 1.23 (m, 2H), 0.98 (d, J = 6.7 Hz, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of isomers): δ 190.9, 154.3, 149.1, 139.6, 131.2, 129.9, 126.5, 124.6, 123.1, 111.8, 110.9, 68.8, 64.5, 37.0, 36.4, 32.3, 25.8, 25.7, 20.6, 17.6, 14.6 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、チョコレートミルク、わずかに新鮮な、脂肪質、湿った、メロン
【0273】
例85: 3-エトキシ-4-((6-フェニルヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(2.69g、12.0mmol、1.0当量)および(6-ブロモヘクサ-3-エン-1-イル)ベンゼン(3.87g、16.2mmol、1.0当量、Matsubara, Hiroshi; et al. Japan, JP2017014124 Aに従って調製、(3-ブロモ-3-シクロプロピルプロピル)ベンゼンもまた含有する)から、化合物を無色の液体(2.0g、収率38%、純度61%、4-(1-シクロプロピル-3-フェニルプロポキシ)-3-エトキシベンズアルデヒドの39%とともにE異性体)として得た。
【0274】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, signals for the mixture): δ 9.85 (s, 2H), 7.46 - 7.41 (m, 3H), 7.37 (dd, J = 2.0, 8.1 Hz, 1H), 7.31 - 7.16 (m, 11H), 6.96 (dd, J = 3.4, 8.1 Hz, 2H), 5.71 - 5.59 (m, 1H), 5.57 - 5.46 (m, 1H), 4.18 - 4.05 (m, 6H), 3.86 (dt, J = 5.1, 7.3 Hz, 1H), 2.93 - 2.78 (m, 2H), 2.74 - 2.66 (m, 2H), 2.57 (dq, J = 0.9, 6.9 Hz, 2H), 2.39 - 2.33 (m, 2H), 2.25 - 2.04 (m, 2H), 1.47 (q, J = 6.8 Hz, 6H), 1.18 (tq, J = 5.1, 8.1 Hz, 1H), 0.61 - 0.50 (m, 2H), 0.39 - 0.22 (m, 2H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, signals for the mixture): δ 190.9, 190.9, 154.3, 154.1, 150.5, 149.1, 141.8, 132.8, 130.6, 130.0, 128.4, 128.4, 128.2, 126.5, 125.9, 125.9, 125.8, 125.6, 116.7, 111.9, 111.7, 111.0, 83.2, 68.7, 64.6, 64.5, 36.6, 35.8, 34.5, 32.2, 31.5, 15.2, 14.7, 14.7, 3.5, 2.2 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、クリーム状、バルサミコ、桂皮酸。
【0275】
例86: 3-エトキシ-4-((6-(4-イソブチルフェニル)ヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
a)1-シクロプロピル-3-(4-イソブチルフェニル)プロプ-2-エン-1-オン
水酸化ナトリウム(24.0g、594mmol、5.0当量)を、エタノール(90mL)および水(60mL)の混合物へ加え、数分間撹拌した(温度は70℃まで上昇した)。次いで、基材の懸濁液へ、シクロプロピルメチルケトン(10.0g、119mmol、1.0当量)を、続いて4-イソブチルベンズアルデヒド(19.3g、119mmol、1.0当量を滴下して加えた。60℃にて3時間撹拌した後、反応混合物を氷冷水(120mL)へ加え、MTBE(2x150mL)で抽出した。有機層を、2M塩酸(150mL)、水(150mL)、およびブライン(150mL)で洗浄した。合わせた有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗1-シクロプロピル-3-(4-イソブチルフェニル)プロプ-2-エン-1-オン(25.8g、黄色の液体)を得た。
【0276】
b)1-シクロプロピル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパン-1-オン
MeOH(20mL)中の粗1-シクロプロピル-3-(4-イソブチルフェニル)プロプ-2-エン-1-オン(10.0g)の溶液へ、オートクレーブ中でラネーニッケル(0.5g、5%wt/wt)を加え、反応混合物を、100℃にて5時間水素で加圧(30bar)した。懸濁液を濾過し、減圧下で濃縮して、粗1-シクロプロピル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパン-1-オン(9.9g)を無色の液体として得た。
【0277】
c)1-シクロプロピル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパン-1-オール
LiAlH4(1.20g、0.8当量)をEt2O(90mL)中に懸濁し、Et2O(30mL)中の粗1-シクロプロピル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパン-1-オン(9.9g)の溶液を0℃にて滴下して加えた。室温にて2時間撹拌した後、2M NaOH水溶液(9.9mL)を滴下しながらゆっくりと加えた。20分間撹拌した後、スパチュラ1杯のMgSO4を加えた。さらに20分間撹拌した後、反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去して、粗製1-シクロプロピル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパン-1-オール(9.16g)を無色の液体として得た。
【0278】
d)1-(6-ブロモヘクサ-3-エン-1-イル)-4-イソブチルベンゼン
粗1-シクロプロピル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパン-1-オール(8.48 g)含有の丸底フラスコへ、15℃にて48%HBr(12.3g、2.0当量)水溶液を滴下して加えた。室温にて3時間攪拌した後、48%HBr(2.0g)水溶液を追加して加え、1時間撹拌を続けた。反応混合物を、氷冷した2M NaOH水溶液でクエンチし、MTBE(50mL)で抽出した。有機層を水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗1-(6-ブロモヘクサ-3-エン-1-イル)-4-イソブチルベンゼン(9.4g)を黄色の液体として得て、それをさらなる精製はせずに次のステップにおいて使用した。
【0279】
e)3-エトキシ-4-((6-(4-イソブチルフェニル)ヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(2.50g、15.0mmol、1.0当量)および粗1-(6-ブロモヘクサ-3-エン-1-イル)-4-イソブチルベンゼン(4.40g、14.9mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(1.14g、収率20%、4-(1-シクロプロピル-3-(4-イソブチルフェニル)プロポキシ)-3-エトキシベンズアルデヒドの85%と共に純度15%)として得た。
【0280】
3-エトキシ-4-((6-(4-イソブチルフェニル)ヘクサ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒドの特徴的なシグナル:1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.74 - 5.58 (m, 1H), 5.56 - 5.45 (m, 1H)。4-(1-シクロプロピル-3-(4-イソブチルフェニル)プロポキシ)-3-エトキシベンズアルデヒドの特徴的なシグナル:13C NMR (101 MHz, CDCl3): δ 191.0, 154.2, 150.5, 139.2, 138.9, 130.6, 129.1, 129.0, 128.1, 126.0, 116.6, 111.7, 83.2 (CH-O), 64.5, 45.0, 36.7, 31.1, 30.2, 22.4, 15.2, 14.7, 3.4, 2.3 ppm。
混合物のにおいについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、クリーム状、フローラル、すずらん。
【0281】
例87: 3-エトキシ-4-(3-(2-(2-(4-メチルシクロヘクサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンチリデン)プロポキシ)ベンズアルデヒド
a)4-(1-(2-(3-ブロモプロピリデン)シクロペンチル)プロパン-2-イル)-1-メチルシクロヘクサ-1-エン
マグネシウムターニング(1.10g、44mmol、1.2当量)を、350ml-スルホン化フラスコへ加え、THF(10mL)で重層した。次いで、THF(40mL)中のブロモシクロプロパン(5.3g、44mmol、1.2当量)の10%溶液を加えた。その後、ヒートガンと数個のヨウ素結晶とでグリニャールを開始した。次いで、残りのブロモシクロプロパンのTHF溶液を滴下して加えた。加えが完了した後、反応混合物を還流で1時間撹拌した。次いで、THF(40mL)中の2-(2-(4-メチルシクロヘクサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンタン-1-オン(8.0g、36mmol、1.0当量)の溶液を、0℃にて滴下して加えた(温度は10℃まで上昇した)。加えが完了した後、冷却浴を取り除き、反応混合物を室温にて1時間撹拌し、1.5時間還流した。次いで、63%の硫酸水溶液(8.0mL、98mmol、2.7当量)を、反応混合物へ3℃にて滴下して加えた(温度は18℃まで上昇した)。室温にて1時間撹拌した後、反応混合物を120mLの水へ加えてクエンチし、MTBE(150mL)で抽出した。有機層を、水(2x150mL)およびブライン(150mL)で1回洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。粗製物をシリカゲル上で濾過し、100%ヘプタンで溶出し、4-(1-(2-(3-ブロモプロピリデン)シクロペンチル)プロパン-2-イル)-1-メチルシクロヘクサ-1-エン(1.93g、収率16%、純度63%)を黄色の液体として得た。
【0282】
GC/MS (EI): m/z (%): 244 (12, [M]+・ -HBr), 121 (100), 93 (94), 79 (80), 67 (40), 55 (35).
【0283】
b)3-エトキシ-4-(3-(2-(2-(4-メチルシクロヘクサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンチリデン)プロポキシ)ベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(0.51g、3.1mmol、1.0当量)および4-(1-(2-(3-ブロモプロピリデン)シクロペンチル)プロパン-2-イル)-1-メチルシクロヘクサ-1-エン(1.0g、3.1mmol、1.0当量)から、化合物を無色の液体(0.29g、収率23%、4異性体 59:29:4:3)として得た。
【0284】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, complex mixture of isomers): δ 9.77 (s, 1H), 7.37 - 7.31 (m, 2H), 6.93 - 6.85 (m, 1H), 5.31 (br s, 1H), 5.24 - 5.07 (m, 1H), 4.18 - 3.91 (m, 4H), 3.41 (q, J = 6.9 Hz, 1H), 2.62 - 0.90 (m, 24H), 0.89 - 0.62 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, complex mixture of isomers): δ 190.5, 154.3, 154.2, 152.7, 150.8, 150.4, 148.9, 146.8, 135.9, 135.2, 134.6, 133.6, 133.6, 133.5, 129.7, 129.7, 129.6, 129.6, 126.2, 124.0, 123.2, 121.0, 120.9, 120.8, 120.8, 120.7, 115.7, 113.8, 113.8, 113.5, 112.4, 111.5, 111.5, 111.4, 111.3, 111.2, 110.6, 110.6, 110.4, 68.5, 68.4, 68.3, 68.2, 68.2, 65.6, 64.2, 64.2, 56.3, 51.9, 50.5, 48.6, 45.8, 45.7, 44.2, 43.6, 42.2, 42.0, 41.8, 41.8, 39.5, 39.5, 39.3, 39.3, 39.2, 39.0, 38.9, 38.6, 38.3, 38.0, 36.9, 36.5, 35.8, 35.6, 35.4, 35.3, 35.1, 35.4, 35.1, 34.9, 34.6, 33.1, 33.1, 32.9, 32.6, 32.3, 30.9, 30.7, 30.7, 30.3, 30.3, 29.9, 29.8, 29.6, 29.4, 29.2, 29.2, 28.9, 28.8, 28.7, 27.9, 27.9, 27.5, 27.3, 27.1, 26.8, 26.5, 25.9, 25.8, 25.6, 25.0, 24.9, 24.3, 23.8, 23.8, 23.7, 23.7, 23.5, 23.4, 23.2, 22.3, 21.7, 20.3, 19.8, 16.5, 16.1, 15.7, 15.7, 15.4, 15.1, 14.6, 14.5 ppm.
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):グリーン、脂肪状、クリーム状、温かいミルク、脂肪状、パウダリー、バニラ、フルーティ、モモ状。
【0285】
例88: 4-((4-シクロペンチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
a)1-シクロペンチル-1-シクロプロピルエタン-1-オール
マグネシウムターニング(1.04g、42.8mmol、1.2当量)を、100mL-スルホン化フラスコへ加え、THF(5mL)で重層した。次いで、THF(20mL)中のブロモシクロペンタン(6.38g、42.8mmol、1.2当量)の10%溶液を加えた。グリニャール反応を開始した後、残りのブロモシクロペンタンのTHF溶液を滴下して加えた。反応混合物を1時間還流した。次いで、THF(20mL)中の1-シクロプロピルエタン-1-オン(3.00g、35.7mmol、1.0当量)の溶液を、0℃にて滴下して加えた。室温にて3時間撹拌した後、反応混合物を水(30mL)でクエンチし、MTBE(40mL)で抽出した。有機層を、水(2x40mL)およびブライン(40mL)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、粗1-シクロペンチル-1-シクロプロピルエタン-1-オール(2.88g)を、無色の液体として得た。
【0286】
b)(5-ブロモペント-2-エン-2-イル)シクロペンタン
1-シクロペンチル-1-シクロプロピルエタン-1-オール(2.88g、18.7mmol)を含有する丸底フラスコへ、15℃にて48%のHBr水溶液(4.09g、24.3mmol、1.3当量)を滴下して加えた。室温にて1時間撹拌した後、反応混合物を氷冷した2M NaOH水溶液(10mL)に加え、MTBE(20mL)で抽出した。有機層を、水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、粗(5-ブロモペント-2-エン-2-イル)シクロペンタン(3.08g、GCによる純度59%)を、褐色の液体として得た。
【0287】
c)4-((4-シクロペンチルペント-3-エン-1-イル)オキシ)-3-エトキシベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(2.36g、14.2mmol、1.0当量)および粗(5-ブロモペント-2-エン-2-イル)シクロペンタン(3.08g、14.2mmol、1.0当量)から、化合物を黄色の液体(0.20g、収率5%、2異性体86:13)として得た。
【0288】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of isomers): δ 9.75 (s, 1H), 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.32 (s, 1H), 6.89 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.21 - 5.11 (m, 1H), 4.08 - 3.94 (m, 4H), 2.57 - 2.46 (m, 2H), 2.37 - 2.28 (m, 1H), 1.69 - 1.44 (m, 9H), 1.42 - 1.25 (m, 5H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of isomers): δ 190.5, 154.2, 148.9, 141.2, 140.8, 129.7, 126.2, 119.2, 116.6, 111.5, 111.5, 110.7, 110.5, 68.6, 68.3, 64.2, 49.1, 48.7, 40.5, 30.7, 30.4, 27.6, 27.2, 26.7, 25.5, 25.0, 18.9, 14.4, 14.2 ppm.GC/MS (EI, major): m/z (%): 302 (1, [M]+・ ), 137 (25), 95 (100), 81 (73), 67 (28), 55 (30), 41 (28).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、クリーム状、バニラ
【0289】
例89: 3-エトキシ-4-((4-メチルデク-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
a)1-ブロモ-4-メチルデク-3-エン
マグネシウムターニング(1.04g、42.8mmol、1.2当量)を、100mL-スルホン化フラスコへ加え、THF(5mL)で重層した。次いで、THF(20mL)中の1-ブロモヘキサン(7.06g、42.8mmol、1.2当量)の10%溶液を加えた。グリニャール反応を開始した後、残りの1-ブロモヘキサンのTHF溶液を滴下して加えた。加えが完了した後、反応混合物を還流で1時間撹拌した。次いで、THF(20mL)中の1-シクロプロピルエタン-1-オン(3.00g、35.7mmol、1.0当量)の溶液を、0℃にて滴下して加えた。加えが完了した後、冷却浴を取り除き、反応混合物を室温にて2時間撹拌した。63%の硫酸水溶液(15mL、96mmol、2.7当量)を、反応混合物へ0℃にて滴下して加えた。室温にて16時間撹拌した後、反応混合物を水(40mL)でクエンチし、MTBE(40mL)で抽出した。有機層を、水(2x40mL)およびブライン(40mL)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、粗1-ブロモ-4-メチルデク-3-エン(6.06g)を、黄色の液体として得た。
【0290】
b):3-エトキシ-4-((4-メチルデク-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(4.32g、26.0mmol、1.0当量)および粗1-ブロモ-4-メチルデク-3-エン(6.06g、26.0mmol、1.1当量)から、化合物をオレンジ色の液体(3.22g、収率39%、2異性体 89:11、純度85%)として得た。
【0291】
13C NMR (101 MHz, CDCl3, major): δ 190.9, 154.4, 149.1, 139.1, 129.9, 126.6, 118.4, 111.7, 110.9, 68.7, 64.5, 39.7, 31.8, 28.9, 27.9, 27.8, 22.6, 16.1, 14.7, 14.1 ppm.GC/MS (EI, major): m/z (%): 318 (3, [M]+・ ), 111 (31), 97 (100), 83 (71), 69 (75), 55 (62), 41 (37).GC/MS (EI, minor): m/z (%): 318 (1, [M]+・ ), 111 (36), 97 (100), 83 (74), 69 (79), 55 (63), 41 (32).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、クリーム状。
【0292】
例90: 3-エトキシ-4-((4-メチルドデカ-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
a)1-ブロモ-4-メチルドデク-3-エン
マグネシウムターニング(1.04g、42.8mmol、1.2当量)を、100mL-スルホン化フラスコへ加え、THF(5mL)で重層した。次いで、THF(20mL)中の1-ブロモオクタン(8.27g、42.8mmol、1.2当量)の10%溶液を加えた。グリニャール反応を開始した後、残りの1-ブロモオクタンのTHF溶液を滴下して加えた。反応混合物を1時間還流した。次いで、THF(20mL)中の1-シクロプロピルエタン-1-オン(3.00g、35.7mmol、1.0当量)の溶液を、5℃にて滴下して加えた。加えが完了した後、冷却浴を取り除き、反応混合物を室温にて2時間撹拌した。63%の硫酸水溶液(8.15mL、96mmol、2.7当量)を、反応物へ0℃にて滴下して加えた。室温にて16時間撹拌した後、反応混合物を水(40mL)でクエンチし、MTBE(40mL)で抽出した。有機層を、水(2x40mL)およびブライン(40mL)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、粗1-ブロモ-4-メチルドデク-3-エン(7.47g)を、黄色の液体として得た。
【0293】
b)3-エトキシ-4-((4-メチルドデク-3-エン-1-イル)オキシ)ベンズアルデヒド
例42の手順に従って、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(4.75g、28.6mmol、1.0当量)および粗1-ブロモ-4-メチルドデク-3-エン(7.47g、28.6mmol、1.1当量)から、化合物を黄色の液体(2.58g、収率26%、2異性体 94:6)として得た。
【0294】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, mixture of isomers): δ 9.83 (s, 1H), 7.43 - 7.39 (m, 2H), 6.96 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.20 (ddd, J = 1.2, 6.1, 8.6 Hz, 1H), 4.18 - 4.12 (m, 2H), 4.08 - 4.03 (m, 2H), 2.58 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 2.08 - 1.98 (m, 2H), 1.74 - 1.64 (m, 3H), 1.49 - 1.45 (m, 3H), 1.43 - 1.35 (m, 2H), 1.33 - 1.16 (m, 10H), 0.90 - 0.85 (m, 3H) ppm.13C NMR (101 MHz, CDCl3, mixture of isomers: δ 190.9, 154.4, 154.3, 149.1, 139.2, 139.0, 129.9, 129.9, 126.5, 119.0, 118.3, 111.7, 110.8, 68.8, 68.6, 64.5, 39.7, 32.0, 31.9, 29.6, 29.5, 29.5, 29.3, 29.3, 28.1, 27.9, 27.8, 27.7, 23.5, 22.6, 16.1, 14.6, 14.1 ppm.GC/MS (EI, major): m/z (%): 346 (2, [M]+・ ), 111 (47), 97 (95), 83 (86), 69 (100), 55 (67), 41 (47).GC/MS (EI, minor): m/z (%): 346 (2, [M]+・ ), 111 (46), 97 (100), 83 (90), 69 (99), 55 (78), 41 (42).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、クリーム状、わずかにグリーン、ゴマの種子、はっきりした、テクニカル(technical)。
【0295】
例91: 3-エトキシ-4-(トリデク-1-エン-4-イルオキシ)ベンズアルデヒド
例1の手順に従って、トリデク-1-エン-4-オール(5.00g、25.2mmol)、エチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)(8.12g、47.9mmol)、トリフェニルホスフィン(7.93g、30.2mmol)、およびDIAD(ジイソプロピルアゾジカルボキシレート)(6.24g、30.2mmol)から、化合物を無色の油(5.22g、収率60%)として得た。
【0296】
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 9.83 (s, 1H), 7.45 - 7.36 (m, 2H), 6.98 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.87 (tdd, J = 7.1, 10.1, 17.1 Hz, 1H), 5.19 - 5.05 (m, 2H), 4.38 (quin, J = 5.9 Hz, 1H), 4.13 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.56 - 2.38 (m, 2H), 1.82 - 1.63 (m, 2H), 1.50 - 1.20 (m, 18H), 0.91 - 0.83 (m, 3H).13C NMR (101 MHz, CDCl3, 298 K) δ (ppm) = 191.0, 154.1, 150.1, 133.9, 130.1, 126.3, 117.7, 114.7, 111.7, 79.5, 64.6, 38.3, 33.7, 31.9, 29.6, 29.5, 29.5, 29.3, 25.3, 22.7, 14.7, 14.1.MS (EI, 70 eV): 346 (4, [M]+・), 305 (1), 166 (100), 138 (44), 55 (16), 41 (17).
においについての記載(吸い取り紙にEtOH中1%溶液、24h):パウダリー、バニラ、アルデヒド状、フルーティ、マンダリン。
【国際調査報告】