(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
D06M 23/12 20060101AFI20241018BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20241018BHJP
B01J 13/22 20060101ALI20241018BHJP
D06M 13/148 20060101ALI20241018BHJP
D06M 13/224 20060101ALI20241018BHJP
D06M 15/03 20060101ALI20241018BHJP
D06M 15/15 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
D06M23/12
C11B9/00 Z
B01J13/22
D06M13/148
D06M13/224
D06M15/03
D06M15/15
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523938
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2022079167
(87)【国際公開番号】W WO2023067041
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロンドー,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】チェラペルマル,ディーナ
【テーマコード(参考)】
4G005
4L031
4L033
【Fターム(参考)】
4G005AA01
4G005BA14
4G005DB12Y
4G005DB12Z
4G005DB13Y
4G005DB13Z
4G005DB16Y
4G005DB16Z
4G005EA05
4G005EA07
4L031AB01
4L031AB31
4L031BA31
4L031DA20
4L033AB04
4L033AC15
4L033BA21
4L033CA02
4L033CA05
4L033CA08
(57)【要約】
本発明は、洗濯ケアの分野に関し、より具体的には、液体洗濯ケア組成物、液体洗濯ケア組成物を得るための方法、および布地上での増強されたフレグランス知覚を提供するための液体洗濯ケア組成物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1つのカプセル化されていない香料成分;
b)少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセル、ここで、少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセルは、少なくとも1つのカプセル化された香料成分を含むコア、およびコアを囲むシェルを含む;
c)少なくとも1つの界面活性剤;
d)少なくとも1つの多糖を含む懸濁剤;
e)任意に、カチオン性沈着剤;および任意に
f)電解質
を含む、液体洗濯ケア組成物。
【請求項2】
成分a)~e)の少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、なおより好ましくは100重量%が生分解性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1つのカプセル化されていないフレグランス成分および少なくとも1つのカプセル化フレグランス成分の少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、なおより好ましくは100重量%が生分解性である、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
液体香りブースター組成物中に存在する炭素原子の少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、なおより好ましくは100重量%が再生可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
成分c)、d)またはe)のうち少なくとも1つがバイオ由来であり、任意にここで、成分c)、d)またはe)のうち少なくとも2つがバイオ由来であり、任意にここで、成分c)、d)またはe)のうち3つすべてがバイオ由来である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
コア-シェル型マイクロカプセルのシェルが、生分解性ポリマー、特にネイティブなまたは修飾された多糖およびネイティブな、修飾されたまたは変性したタンパク質などの生分解性バイオ由来ポリマーを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1つの界面活性剤が生分解性である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1つの界面活性剤が、エトキシル化脂肪酸トリグリセリド、例えばエトキシル化ヒマシ油、任意にエトキシル化水素化ヒマシ油、アルキルアルコールエトキシラート、アルキルポリグリセリド、糖脂質、糖アミド界面活性剤、ポリグリセリル脂肪酸エステル、アミノ酸エステル、アミノ酸アミド、アルキルグルコシドおよびアルキルポリグルコシド、ソルビタン脂肪酸エステルアルキルグルコシドクロスポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群より選択され、任意にここで、少なくとも1つの界面活性剤が、エトキシル化水素化ヒマシ油、アルキルアルコールエトキシラート、ソルビタンオレアートデシルグルコシドクロスポリマー、ラウリルグルコシド、ポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアラート、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1つの多糖が、細菌由来セルロース、デュータンガム、およびそれらの組み合わせなどの、発酵プロセスから得られるセルロースからなる群より選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
沈着剤が、カチオン性グアーガム、タンパク質、およびキトサンからなる群より選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
電解質が、一価金属塩、塩化コリン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
a)0.5~4重量%、好ましくは1.0~3.5重量%の、少なくとも1つのカプセル化されていない香料成分;
b)0.2~2重量%、好ましくは0.3~1.2重量%の、少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセル;
c)2.5~12重量%、好ましくは3~10重量%の、少なくとも1つの界面活性剤、任意にここで、界面活性剤は生物由来である;
d)少なくとも1つの多糖を含む、0.05~6重量%、好ましくは0.1~5重量%の懸濁剤;任意でここで、少なくとも1つの多糖は、発酵プロセスから得られる;
e)任意に、0.0005~2重量%、好ましくは0.0008~1.0重量%の、カチオン性沈着剤;および、任意に
f)0.1~5重量%、好ましくは0.5~2.5重量%の電解質
を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
a)0.5~4重量%、好ましくは1.0~3.5重量%の、少なくとも1つのカプセル化されていない香料成分;
b)0.2~2重量%、好ましくは0.3~1.2重量%の、少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセル;
c)2.5~8重量%、好ましくは3~6重量%の、エトキシル化水素化ヒマシ油、任意にバイオ由来のエトキシル化水素化ヒマシ油;
d)0.05~6重量%、好ましくは0.1~5重量%の細菌由来セルロース、デュータンガムまたはそれらの組み合わせ;
e)任意に、0.0005~0.1重量%、好ましくは0.0008~0.002重量%の、キトサン、ここでキトサンは、500,000~5,000,000g/mol、特に1,000,000~4,000,000g/mol、より具体的には1,500,000~3,000,000g/molの分子量を有する;および
f)0.0~2.5重量%の電解質、好ましくは塩化ナトリウム、塩化コリン、またはそれらの混合物
を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
a)0.5~4重量%、好ましくは1.0~3.5重量%の、少なくとも1つのカプセル化されていない香料成分;
b)0.2~2重量%、好ましくは0.3~1.2重量%の、少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセル;
c)2.5~8重量%、好ましくは3~6重量%の、エトキシル化水素化ヒマシ油、任意にバイオ由来のエトキシル化水素化ヒマシ油;
d)0.05~6重量%、好ましくは0.1~5重量%の細菌由来セルロース、デュータンガムまたはそれらの組み合わせ;
e)任意に、0.2~2重量%、好ましくは0.4~1.2重量%の、タンパク質;ならびに
f)0.0~2.5重量%の電解質、好ましくは塩化ナトリウム、塩化コリン、またはそれらの混合物
を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
a)0.5~4重量%、好ましくは1.0~3.5重量%の、少なくとも1つのカプセル化されていない香料成分;
b)0.2~2重量%、好ましくは0.3~1.2重量%の、少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセル;
c)4~12重量%、好ましくは8~10重量%の、12~14のHLB値を有するソルビタンオレアートデシルグルコシドクロスポリマー;
d)0.05~1重量%、好ましくは0.1~0.5重量%の、デュータンガム;
e)0.0005~0.1重量%、好ましくは0.0008~0.002重量%のキトサン、ここで、キトサンは、3,000~1,000,000g/mol、特に10,000~500,000g/mol、より具体的には30,000~300,000g/molの分子量を有する;および
f)0.1~5重量%、好ましくは0.5~2.5重量%の、電解質、好ましくは塩化ナトリウム、塩化コリン、またはそれらの混合物
を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
液体香りブースターまたは布地リフレッシュ剤である、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法であって、少なくとも1つのカプセル化されていないフレグランス成分と、少なくとも1つの界面活性剤、少なくとも1つの懸濁剤、少なくとも1つのマイクロカプセル、任意に少なくとも1つの沈着剤、および任意に電解質を含む組成物とを乳化するステップを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法。
【請求項18】
布地上での増強されたフレグランスの知覚を提供するための、請求項1~16のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項19】
組成物が、洗濯機の柔軟剤区画に添加され、組成物が、液体香りブースターである、請求項18に記載の組成物の使用。
【請求項20】
組成物と布地負荷との重量比が、0.001~0.1、好ましくは0.01~0.08である、請求項18または19に記載の組成物の使用。
【請求項21】
組成物が、洗濯物上に噴霧され、組成物が、洗濯用リフレッシュ剤である、請求項18に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯ケア組成物の分野に関し、より具体的には、液体洗濯ケア組成物、液体洗濯ケア組成物を得るための方法、および布地上でのフレグランス知覚を増強するための液体洗濯ケア組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯ケア組成物は、消費者向製品のカテゴリーを構成し、その主な機能は、適用中のある時点においてフレグランスを送達することである。洗濯ケア組成物の例として、香りブースターおよび布地リフレッシュ剤が挙げられる。これらの洗濯ケア組成物は、固形または液体のいずれかの形態において入手可能である。
【0003】
典型的には、固形の香りブースターは、洗濯サイクルを開始する前に、洗濯機に直接添加される。かかる香りブースターは、洗濯およびすすぎのサイクル全体にわたり、洗濯物を機械から取り出す瞬間において、乾燥の間、および洗濯物が乾燥された後で、消費者による増強された香りの知覚を提供することを目的とする。逆に、液体の香りブースターは、典型的には、洗濯サイクルが完了した後に追加される。
【0004】
布地リフレッシュ剤は、一般的に布地上にスプレーされ、スプレーした直後のみならず、スプレー後の一定の期間の後でも、消費者による増強された香りの知覚を提供することを目的とする。
【0005】
かかる放出プロファイルは、遊離のカプセル化されていないフレグランス構成要素をカプセル化されたフレグランス構成要素と組み合わせることにより達成され、ここで遊離のフレグランス構成要素は、本質的に、湿れた布地上でのフレグランス知覚を増強することに寄与し、一方、カプセル化された構成要素は、本質的に、乾燥した布地上でのフレグランス知覚を増強することに寄与する。加えて、カプセル化された構成要素は、典型的には機械的な力の作用下において、布地の取り扱い中に放出される場合がある。コア-シェル型マイクロカプセルが、好ましくは使用され、ここで、コアは、カプセル化されたフレグランス構成要素を含み、不浸透性の壊れやすいシェルにより囲まれている。
【0006】
遊離のフレグランス構成要素およびカプセル化されたフレグランス構成要素はいずれも、固体または液体の形態において、洗濯ケア組成物中に分散される。
【0007】
WO2018/073238A1は、水相、非イオン性界面活性剤(単数または複数)から本質的になる界面活性剤系、リンカー、ならびに疎水性活性成分および/またはマイクロカプセルを含む油相を含む、リンギングゲルを開示する。この系は、消費者向製品の処方物中に含まれた場合にこれと不都合に相互作用を起こしやすいであろうイオン性界面活性剤を含まない。同様に、この系は、任意のカチオン性の、マイクロカプセルの沈着を増強するポリマーは含まない。
【0008】
したがって、基質上へのマイクロカプセルの沈着を増強する成分を含む洗濯ケア組成物を提供することが望ましい場合がある。かかる洗濯ケア組成物は、広範な消費者製品と、特に洗剤と、より具体的には洗濯ケア洗剤と適合する、遊離のフレグランス構成要素およびカプセル化されたフレグランス構成要素の両方を含んでもよい。
【0009】
消費者は、合成石油化学製品などの再生可能でない資源から得られた材料を用いることについて、ならびに消費者向製品を製造するためのプロセスについて、ますます懸念を抱いている。「クリーンラベル」という概念は、この10年の最も大きなトレンドの1つである。この用語自体は、持続可能な、天然由来の、および生分解性の成分のみならず、加工および環境への影響が最小限であることを含む、多くの定義を有する。それにもかかわらず、好適なカプセル化組成物のための要件を満たすために天然の材料または天然由来の材料を使用することは、一般に困難である。消費者向け処方物のためのバイオベースおよび生分解性の成分は、消費者がこれらの成分の安全性および有効性に自信を持てるよう、性能と持続可能性との独自の組み合わせを提供しなければならない。
【0010】
さらに、再生可能な、特に生物由来の成分を含む洗濯ケア組成物を提供することが望ましい場合がある。また、生分解性の洗濯ケア組成物を提供することも望ましい。
【発明の概要】
【0011】
発明の概要
第1の側面において、本発明は、
a)少なくとも1つのカプセル化されていないフレグランス成分;
b)少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセル、ここで、少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセルは、少なくとも1つのカプセル化されたフレグランス成分を含むコア、およびコアを囲むシェルを含む;
c)少なくとも1つの界面活性剤;
d)少なくとも1つの多糖を含む懸濁剤;
e)任意に、カチオン性沈着剤;および任意に
f)電解質
を含む液体洗濯ケア組成物を提供する。
【0012】
さらなる側面において、本発明は、本明細書において記載されるとおりの洗濯ケア組成物を調製する方法を提供する。
本発明はさらに、本明細書において記載されるとおりの洗濯ケア組成物の使用を提供する。
【0013】
定義
本発明の文脈において、「生分解性成分」は、少なくとも1のOECD生分解性試験において、「本質的生分解性(inherently biodegradable)」および/または「易生分解性(readily biodegradable)」の合格基準を満たす成分である。曖昧さを避けるため、これは、ある成分がある試験に合格するが他の1以上の試験に不合格である場合、合格結果が他の試験結果に優先することを意味する。
【0014】
「究極の生分解性」とは、化学物質の、水、二酸化炭素、および新しいバイオマスへの完全な分解を指す。
【0015】
「易生分解性」についての合格基準の査定のために、OECD Method 301C、OECD Method 301D、OECD Method 301F、OECD Method 310などの標準化された方法を用いて、生分解性試験を実施することができる。これらの方法は、揮発性の材料のために好適である。
【0016】
OECD Method 301C、OECD Method 301D、およびOECD Method 301Fは、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, Section 3, Test No. 301: Ready Biodegradability(採択:1992年7月17日;https://doi.org/10.1787/9789264070349-en)において記載されている。
【0017】
OECD Method 310は、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, Section 3, Test No. 310: Ready Biodegradability - CO2 in sealed vessels(Headspace Test)(採択:2006年3月23日;修正:2014年9月26日;https://doi.org/10.1787//9789264016316-en)において記載されている。
【0018】
本発明の文脈において、「易生分解性」についての合格基準は、OECD Method 301Fに従って査定され、これは、マノメトリック呼吸計測(manometric respirometry)を指す。この方法において、「易生分解性」のための合格レベルは、理論酸素要求量および/または化学的酸素要求量の60%に達することである。この合格値は、試験期間28日間のうちの10日間の枠において達成されなければならない。10日間の枠は、生分解の程度が理論酸素要求量および/または化学的酸素要求量の10%に達したときに始まり,試験28日目の前に終了しなければならない。OECD Method 301Fを実施する好ましい方法は、本明細書において以下に提供される。
【0019】
易 生分解性の試験において肯定的な結果が得られた場合、当該化学物質が、当該環境において迅速かつ究極的な生分解を受けると仮定される(Introduction to the OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, Section 3, Part 1: Principles and Strategies Related to the Testing of Degradation of Organic Chemicals;採択:2003年7月)。
【0020】
「本質的に生分解性であること」のための合格基準の査定のために、生分解研究をOECD Method 302Cとすることができるが、また、異なる合格基準によるものではるがOECD Method 301Fを用いることもできる。これらの方法は、揮発性の材料のためにも好適である。
【0021】
OECD Method 302Cは、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, Section 3, Test No. 302C: Inherent Biodegradability: Modified MITI Test (II)(採択:1981年5月12日;修正:2009年9月8日;https://doi.org/10.1787/9789264070400-en)において記載されている。
【0022】
本発明の文脈において、「本質的生分解性」についての合格基準は、OECD Method 302Cにより査定される。この方法において、「本質的生分解性」のための合格レベルは、次いで、理論酸素要求量の70%に到達することである。このレベルに到達するための時間的な制限はない。
【0023】
70%よりも上の生分解率は、本質的で、究極の生分解性の証拠としてみなしてよい(OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, Section 3, Part 1: Principles and Strategies Related to the Testing of Degradation of Organic Chemicals;採択:2003年7月)。
【0024】
OECD Method 301Fが、「本質的生分解性」のための合格基準の査定に使用される場合、合格レベルは、理論酸素要求量および/または化学的酸素要求量の60%である。この合格値は、28日間のテストの期間の後に到達してもよく、これは、通常60日間まで延長される。10日間の枠は適用されない。
【0025】
本文脈において、成分が精油である場合、それは、≧1重量%のレベルで存在するその構成物質のすべてが、本明細書において定義されるとおりの「本質的生分解性」および/または「易生分解性」の定義に該当する場合、「生分解性成分」であるとみなされる。しかしながら、精油を上述の生分解試験の対象とすることもできる。
【0026】
本発明の文脈において、分子中の炭素原子は、以下の条件の1つ以上が満たされる場合に、「再生可能」であると定義される。
I.当該炭素原子は、天然に由来する分子部分に属する;
II.当該炭素原子は、CO2から回収された分子部分に属する;
III.当該炭素原子は、プラスチックのリサイクルから回収された分子部分に属する。
【0027】
「バイオ由来」という用語は、生きている(またはかつて生きていた)生物に由来する物質から意図的に作られた材料を指す(すなわち、上の条件Iが満たされる)。定義は、天然の材料、およびある程度の加工を経た材料の両方を含む。
【0028】
本発明の文脈において、「カチオン性」の剤とは、永続的な、pH非依存性のカチオン電荷、より具体的には四級化窒素基を有するか、またはその等電点より下のpHにおいてカチオン性である剤である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明
ここで、本発明の好ましい、および/または任意の特色を述べる。文脈上別段の要求がない限り、本発明のいずれの側面も、本発明のいずれの他の側面と組み合わされてよい。文脈上別段の要求がない限り、いずれかの側面の好ましいまたは任意の特色を、本発明のいずれかの側面と、ならびにいずれかの他の好ましいまたは任意の特色と、単独でまたは組み合わせて、組み合わせてもよい。
【0030】
液体洗濯ケア組成物
出願人は、驚くべきことに、かつ予想外に、
a)少なくとも1つのカプセル化されていないフレグランス成分;
b)少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセルであって、ここで、少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセルは、少なくとも1つのカプセル化されたフレグランス成分を含むコア、およびコアを囲むシェルを含む;
c)少なくとも1つの界面活性剤;
d)少なくとも1つの多糖を含む懸濁剤;
e)任意に、カチオン性沈着剤;および任意に
f)電解質
を含む、液体洗濯ケア組成物
が、カプセル化されていない香料およびカプセルの両方の、布地上への沈着を増強することにより、布地上での全体的な香料の知覚を増強することができることを見出した。加えて、液体洗濯ケア組成物は、広範囲の温度にわたり経時的に、安定であり、透明性を維持する。
【0031】
本発明は、したがって、
a)少なくとも1つのカプセル化されていないフレグランス成分;
b)少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセルであって、ここで、少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセルは、少なくとも1つのカプセル化されたフレグランス成分を含むコア、およびコアを囲むシェルを含む;
c)少なくとも1つの界面活性剤;
d)少なくとも1つの多糖を含む懸濁剤;
e)任意に、カチオン性沈着剤;および任意に
f)電解質
を含む、液体洗濯ケア組成物を提供する。
【0032】
本発明の一態様において、液体洗濯ケア組成物中に存在する成分a)~e)の少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、なおより好ましくは100重量%が、生分解性である。
【0033】
液体洗濯ケア組成物中に含まれる成分が再生可能な炭素原子を含むことが、有利である場合がある。したがって、一態様において、液体洗濯ケア組成物中に存在する炭素原子の少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、なおより好ましくは100重量%が、再生可能である。
【0034】
一態様において、成分c)、d)またはe)のうち少なくとも1つはバイオ由来であり、任意にここで、成分c)、d)またはe)のうち少なくとも2つはバイオ由来であり、任意にここで、成分c)、d)またはe)のうち3つすべてがバイオ由来である。カプセル化されていない香料およびカプセルの両方が布地上への沈着を増強することによる、布地上での香料の知覚全体の増強は、ほとんどの構成要素がバイオ由来である場合、なお一層驚くべきことである。その効果は、バイオ由来ではない界面活性剤、懸濁剤、および任意に沈着剤を使用する同等の処方物と、少なくとも同じくらい良好である。
【0035】
フレグランス成分
一態様において、少なくとも1つのカプセル化されていないフレグランス成分および少なくとも1つのカプセル化されたフレグランス成分の、少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、なおより好ましくは100重量%が、生分解性である。
【0036】
生分解性フレグランス成分(単数または複数)は、以下からなる群から選択することができる:ACETYL ISOEUGENOL((E)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェニルアセタート);ADOXAL(2,6,10-トリメチルウンデカ-9-エナール);AGRUMEX(2-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート);ALDEHYDE C 10 DECYLIC(デカナール);ALDEHYDE C 11 UNDECYLENIC(ウンデカ-10-エナール);ALDEHYDE C 110 UNDECYLIC(ウンデカナール);ALDEHYDE C 12 LAURIC(ドデカナール);ALDEHYDE C 12 MNA(2-メチルウンデカナール);ALDEHYDE C 8 OCTYLIC(オクタナール);CYCLAMEN ALDEHYDE EXTRA(3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール);ALDEHYDE ISO C 11((E)-ウンデカ-9-エナール);ALLYL AMYL GLYCOLATE(プロパ-2-エニル2-(3-メチルブトキシ)アセタート);ALLYL CYCLOHEXYL PROPIONATE(プロパ-2-エニル3-シクロヘキシルプロパノアート);ALLYL OENANTHATE(プロパ-2-エニルヘプタノアート);AMBRETTOLIDE((Z)-オキサシクロヘプタデカ-10-エン-2-オン);AMBROFIX((3aR,5aS,9aS,9bR)-3a,6,6,9a-テトラメチル-2,4,5,5a,7,8,9,9b-オクタヒドロ-1H-ベンゾ[e][1]ベンゾフラン);AMYL SALICYLATE(ペンチル2-ヒドロキシベンゾアート);AUBEPINE PARA CRESOL(4-メトキシベンズアルデヒド);BENZYL ACETATE(ベンジルアセタート);BENZYL SALICYLATE(ベンジル2-ヒドロキシベンゾアート);BORNYL ACETATE((2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート);CARVACROL(5-イソプロピル-2-メチルフェノール);CEDRENE((1S,8aR)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン);CEDRYL ACETATE((1S,6R,8aR)-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-6-イルアセタート);CEDRYL METHYL ETHER((1R,6S,8aS)-6-メトキシ-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン);CITRAL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール);CITRONELLOL(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);CITRONELLYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルアセタート);COSMONE((Z)-3-メチルシクロテトラデカ-5-エノン);CRESYL METHYL ETHER PARA(1-メトキシ-4-メチルベンゼン);CYCLOHEXYL ETHYL ACETATE(2-シクロヘキシルエチルアセタート);CYCLOHEXYL SALICYLATE(シクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);DAMASCENONE((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE ALPHA((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DECALACTONE GAMMA(5-ヘキシルオキソラン-2-オン);DECENAL-4-TRANS((E)-デカ-4-エナール);DIHYDRO MYRCENOL(2,6-ジメチルオクタ-7-エン-2-オール);DIPHENYL OXIDE(オキシジベンゼン);DIHYDRO ANETHOLE(1-メトキシ-4-プロピルベンゼン);DIHYDRO JASMONE(3-メチル-2-ペンチルシクロペンタ-2-エノン);DIMETHYL ANTHRANILATE(メチル2-(メチルアミノ)ベンゾアート);DIMETHYL BENZYL CARBINYL ACETATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルアセタート);DIMETHYL BENZYL CARBINYL BUTYRATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルブタノアート);DIMETOL(2,6-ジメチルヘプタン-2-オール);DODECALACTONE DELTA(6-へプチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);
DODECALACTONE GAMMA(5-オクチルオキソラン-2-オン);DODECENAL((E)-ドデカ-2-エナール);EBANOL((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール);ETHYL HEXANOATE(エチルヘキサノアート);ETHYL METHYL-2-BUTYRATE(エチル2-メチルブチラート);ETHYL MALTOL(2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン);ETHYL OENANTHATE(エチルヘプタノアート);ETHYL VANILLIN(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド);ETHYLENE BRASSYLATE(1,4-ジオキサシクロへプタデカン-5,17-ジオン);EUCALYPTOL((1s,4s)-1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン);EUGENOL(4-アリル-2-メトキシフェノール);EVERNYL(メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾアート);FIXAMBRENE(3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン);FLORHYDRAL(3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール);FLORIDILE((E)-ウンデカ-9-エンニトリル);GALBANONE PURE(1-(5,5-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);GARDENOL(1-フェニルエチルアセタート);GERANIOL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);GERANYL ACETATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);HABANOLIDE((E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン);HEDIONE(メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート);HEXENAL-2-TRANS((E)-ヘキサ-2-エナール);HEXENOL-3-CIS((Z)-ヘキサ-3-エン-1-オール);HEXENYL-3-CIS ACETATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルアセタート);HEXENYL-3-CIS SALICYLATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル2-ヒドロキシベンゾアート);HEXYL ACETATE(ヘキシルアセタート);INDOLENE(8,8-ジ(1H-インドール-3-イル)-2,6-ジメチルオクタン-2-オール);IONONE BETA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISANTHEME((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISONE ALPHA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);ISOAMYL ACETATE(3-メチルブチルアセタート);ISOAMYL BUTYRATE(3-メチルブチルブタノアート);ISOEUGENOL((E)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノール);ISOJASMONE B 11(2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン);ISORALDEINE((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);JASMONYL(3-ブチル-5-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセタート);LAITONE(8-イソプロピル-1-オキサスピロ[4.5]デカン-2-オン);LEMONILE((2E,6Z)-3,7-ジメチルノナ-2,6-ジエンニトリル);LINALOOL(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール);LINALOOL OXIDE(2-(5-メチル-5-ビニルテトラヒドロフラン-2-イル)プロパン-2-オール);LINALYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イルアセタート);MANZANATE(エチル2-メチルペンタノアート);MAYOL((4-イソプロピルシクロヘキシル)メタノール);MEFROSOL(3-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール);MELONAL(2,6-ジメチルへプタ-5-エナール);MERCAPTO-8-METHANE-3-ONE(メルカプト-パラ-メンタン-3-オン);METHYL ANTHRANILATE(メチル2-アミノベンゾアート);METHYL BENZOATE(メチルベンゾアート);METHYL DIANTILIS(2-エトキシ-4-(メトキシメチル)フェノール);METHYL HEPTENONE PURE(6-メチルへプタ-5-エン-2-オン);METHYL LAITONE(8-メチル-1-オキサスピロ[4.5]デカン-2-オン);METHYL OCTYNE CARBONATE(メチルノナ-2-イノアート);METHYL SALICYLATE(メチル2-ヒドロキシベンゾアート);NECTARYL(2-(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン);NEOFOLIONE((E)-メチルノナ-2-エノアート);NEROLEX((2Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);NEROLIDOL((Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-オール);NEROLINE CRYSTALS(2-エトキシナフタレン);NEROLIONE(1-(3-メチルベンゾフラン-2-イル)エタノン);NERYL ACETATE((Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);NONADIENAL((2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエナール);NONENAL-6-CIS((Z)-ノナ-6-エナール);NONENOL-6-CIS((Z)-ノナ-6-エン-1-オール);NYMPHEAL(3-(4-(2-メチルプロピル)-2-メチルフェニル)プロパナール);OCTALACTONE DELTA(6-プロピルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);ORANGER CRYSTALS(1-(2-ナフタレニル)-エタノン);PARA TERT BUTYL CYCLOHEXYL ACETATE(4-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート);PEACH PURE(5-へプチルジヒドロフラン-2(3H)-オン);PELARGOL(3,7-ジメチルオクタン-1-オール);PHENYL ETHYL ACETATE(2-フェニルエチルアセタート);PINENE ALPHA(2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]へプタ-2-エン);PINENE BETA(6,6-ジメチル-2-メチレンビシクロ[3.1.1]ヘプタン);POMAROSE((2E,5E)-5,6,7-トリメチルオクタ-2,5-ジエン-4-オン);POMELOL FF(2,4,7-トリメチル-6-オクテン-1-オール);PRENYL ACETATE(3-メチルブタ-2-エン-1-イルアセタート);PRUNOLIDE(5-ペンチルジヒドロフラン-2(3H)-オン);RASPBERRY KETONE(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン);ROSALVA(デカ-9-エン-1-オール);ROSE OXIDE CO(4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン);ROSYRANE SUPER(4-メチル-2-フェニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン);SAFRANAL(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエンカルバルデヒド);SCENTAURUS JUICY(4-(ドデシルチオ)-4-メチルペンタン-2-オン);SILVIAL(2-メチル-3-[4-(2-メチルプロピル)フェニル]プロパナール);STYRALLYL ACETATE(1-フェニルエチルアセタート);SYLKOLIDE((E)-2-((3,5-ジメチルヘキサ-3-エン-2-イル)オキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);TERPINENE GAMMA(1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,4-ジエン);TERPINEOL(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール);TERPINOLENE(1-メチル-4-(プロパン-2-イリデン)シクロヘキサ-1-エン);TETRAHYDRO LINALOOL(3,7-ジメチルオクタン-3-オール);TOSCANOL(1-(シクロプロピルメチル)-4-メトキシベンゼン);TRIDECENE-2-NITRILE((E)-トリデカ-2-エンニトリル);TRIFERNAL(3-フェニルブタナール);TROPIONAL(3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール);UNDECAVERTOL((E)-4-メチルデカ-3-エン-5-オール);YARA YARA(2-メトキシナフタレン);BOIS CEDRE ESS CHINE(シダーウッド油);EUCALYPTUS GLOBULUS ESS CHINA(ユーカリ油);GALBANUM ESS(ガルバナム油);GIROFLE FEUILLES ESS RECT MADAGASCAR(丁子油);LAVANDIN GROSSO OIL FRANCE ORPUR(ラバンディン油);MANDARIN OIL WASHED COSMOS(マンダリン油);ORANGE TERPENES(オレンジテルペン);PATCHOULI ESS INDONESIE(パッチュリ油);およびYLANG ECO ESSENCE(イラン油)。
【0037】
上述の成分はすべて、前述の生分解性基準の少なくとも1つを満たすものとしてのみならず、消費者向製品における、より具体的には洗濯ケア製品における適用のために好適であるものとして同定されている。これらはまた、親油性、分子サイズ、シェル材料に対する反応性などのそれらの物理的および化学的特性に関しても、カプセル化において好適である。したがって、それらは、より持続可能なフレグランスカプセルを、容易に、かつ確実に提供するための、有用なフレグランス成分の選択を提供する。
【0038】
コア-シェル型マイクロカプセル
コア-シェル型マイクロカプセルは、家庭用ケア製品、パーソナルケア製品、布地ケア製品などの消費者向製品において、しばしば用いられる。機能的材料は、例えば、フレグランス、化粧品活性剤、ならびに殺生物剤および薬物などの生物学的に活性な成分を包含する。これらのマイクロカプセルは、皮膚、髪、布地、または家庭内の硬質の表面などの基質上へのフレグランスの送達のために、特に好適である。それらはまた、フレグランスの時空間的な放出を制御する手段としても作用することができる。コア-シェル型マイクロカプセルは、フレグランスを含むコア、およびカプセル化されたフレグランスに対して不浸透性または部分的に不浸透性であるシェルを含む。
【0039】
一態様において、コア-シェル型マイクロカプセルのシェルは、生分解性である。かかる生分解性シェルは、典型的には、生分解性ポリマー、より具体的には、ネイティブなまたは修飾された多糖、およびネイティブな、修飾されたまたは変性したタンパク質などの生分解性バイオ由来ポリマーを含む。
【0040】
コア-シェル型マイクロカプセルは、典型的には、水中のマイクロカプセルの懸濁液の形態において提供され、本明細書において、「スラリー」と称される。これらのスラリー中のマイクロカプセル(固形含有物)の量は、典型的には30~50重量%、より具体的には35~45重量%である。本明細書において言及されるマイクロカプセルの量とは、かかるスラリー中に含まれる乾燥マイクロカプセルの量を指す。
【0041】
本発明による液体洗濯ケア組成物において、コア-シェル型マイクロカプセルは、他のすべての成分a)、c)、d)、ならびに任意にe)および/またはf)を含む組成物中に分散されている。マイクロカプセルのレベルは、組成物の全重量に基づいて、0.4重量%~2重量%、好ましくは0.6重量%~1.2重量%である。より低いレベルにおいては、マイクロカプセルの効果は、消費者により知覚可能ではない場合があるが、一方、より高いレベルにおいては、マイクロカプセルは、組成物の濁度を増大させる場合がある。
【0042】
界面活性剤
本発明による液体洗濯ケア組成物は、少なくとも1つの界面活性剤を含む。界面活性剤の主な機能は、カプセル化されていないフレグランスを可溶化することである。
【0043】
一態様において、少なくとも1つの界面活性剤は、エトキシル化脂肪酸トリグリセリド、より具体的にはエトキシル化ヒマシ油、任意に水素化ヒマシ油;アルキルアルコールエトキシラート、アルキルポリグリセリド、糖脂質、糖アミド界面活性剤、ポリグリセリル脂肪酸エステル、アミノ酸エステル、アミノ酸アミド、アルキルグルコシドおよびアルキルポリグルコシド、ソルビタン脂肪酸エステルアルキルグルコシドクロスポリマー、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される。一態様において、少なくとも1つの界面活性剤は、ポリグリセリル脂肪酸エステル、エトキシル化水素化ヒマシ油、アルキルアルコールエトキシラート、ソルビタン脂肪酸エステルアルキルグルコシドクロスポリマー、ラウリルグルコシド、ポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアラート、およびそれらの組み合わせからなる群より選択され得る。
【0044】
一態様において、少なくとも1つの界面活性剤は、Eumulgin VL75(BASFから、ラウリルグルコシド、ポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアラートおよびグリセリンから構成される配合物)である。
【0045】
一態様において、少なくとも1つの界面活性剤は、Tego solve VE55(ポリグリセリル-3カプリラート/カプラート/コハク酸エステル、プロピレングリコール);Tego solve VE90(ポリグリセリル-6カプリラート(および)ポリグリセリルー4カプラート);Tego soft PC41(ポリグリセリルー4カプラート、ポリグリセリルー4カプラート);Tego solve 61(ポリグリセリルー6カプリラート、ポリグリセリルー3ココアート、ポリグリセリル-4カプラートおよびポリグリセリルー6リシノラート)(すべてEvonik製)、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0046】
一態様において、組成物中のカプセル化されていないフレグランスの好適な可溶化は、10~20、任意に12~18の疎水親油性バランス(HLB)を有する界面活性剤により達成され得る。例えば、好適な可溶化は、13より大きなHLBを有するエトキシル化脂肪酸トリグリセリド、例えば、ポリ(エチレンオキシド)水素化ヒマシ油、例えばEumulgin CO 40(BASFから)、アルキルアルコールエトキシラート、例えばNeodol 91/8(Shellから)、ソルビタンオレアートデシルグルコシドクロスポリマー、またはそれらの組み合わせにより達成され得る。
【0047】
典型的には、エトキシル化ヒマシ油は、ヒマシ油のエステル交換反応によって得られ、これは、エチレンオキシド部分がグリセロール残基と脂肪酸部分との間に挿入されたエトキシル化トリグリセリドをもたらす。一態様において、エトキシル化ヒマシ油は、エトキシル化水素化ヒマシ油である。
【0048】
一態様において、界面活性剤は、バイオ由来である。バイオ由来界面活性剤の利点は、それらが再生可能な資源に由来することである。
一態様において、少なくとも1つの界面活性剤は、バイオ由来のエトキシル化水素化ヒマシ油およびバイオ由来のソルビタン脂肪酸エステルアルキルグルコシドクロスポリマーからなる群より選択される。
【0049】
バイオ由来のエトキシル化脂肪酸トリグリセリドが使用される場合、100%バイオ由来のエチレンオキシドを使用することにより形成されたエトキシル化脂肪酸トリグリセリド界面活性剤が、特に好ましい。
より具体的には、40個のバイオ由来エチレンオキシド単位を含むエトキシル化水素化ヒマシ油が、特に好ましい。
【0050】
一態様において、異なるHLB値を有する界面活性剤を組み合わせることにより、例えば、12~14のHLB値を有する第1グレードのソルビタンオレアートデシルグルコシドクロスポリマーと、8~10のHLB値を有する第2グレードのソルビタンオレアートデシルグルコシドクロスポリマーとを組み合わせることにより、好適な可溶化が達成され得る。
一態様において、界面活性剤は、生分解性である。
【0051】
一態様において、組成物中で可溶化することができるカプセル化されていないフレグランスの量は、1重量%~4重量%、より具体的には1.5重量%~3.5重量%である。より低いレベルにおいては、カプセル化されていないフレグランスの効果が弱すぎる場合があり、一方、より高いレベルにおいては、フレグランスを可溶化することが、あまりにも大量の界面活性剤を要求する場合がある。理想的には、界面活性剤とカプセル化されていないフレグランスとの比率は、1.5~3.5である。
【0052】
懸濁剤
液体洗濯ケア組成物は、懸濁剤として少なくとも1つの多糖を含む。
一態様において、多糖を含む懸濁剤は、生分解性である。
一態様において、多糖を含む懸濁剤は、バイオ由来である。
【0053】
出願人は、発酵プロセスから得られる多糖が、本発明の文脈において懸濁剤として特に好適であることを見出した。かかる多糖は、細菌由来のセルロース、デュータンガム(diutan gum)、およびそれらの組み合わせを含む。それらの優れた懸濁力に加えて、かかる懸濁剤の利点は、それらが完全に生物由来であるのみならず、生分解性でもあることである。
【0054】
組成物中の懸濁剤の量は、0.005重量%~1重量%、好ましくは0.05重量%~0.5重量%である。この量は、乾燥フォーマットにおける懸濁剤を指す。細菌由来のセルロースは、通常、水中のスラリーの形態において供給され、このスラリーは、0.01~10重量%のセルロースを含む。
ミクロフィブリル化セルロースなどの木材由来セルロースもまた、使用してもよい。
【0055】
カチオン系沈着剤
本発明の文脈において好適であるカチオン性沈着剤として、カチオン性ポリマー、またはそれらの等電点より下のpHにおいてカチオン性であるポリマーが挙げられる。
一態様において、カチオン性沈着剤は、生分解性である。
一態様において、カチオン性沈着剤は、生物由来である。かかるカチオン性沈着剤として、カチオン性グアーガム、タンパク質、塩化コリンおよびキトサンが挙げられる。
【0056】
カチオン性グアーガムは、分子量、電荷、および置換の性質に関して、異なっていてもよい。一般的な置換基として、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドおよびヒドロキシプロピル基が挙げられる。好ましくは、カチオン性グアーガムは、Solvay製のJaguar C-500 STDのように、8%以下の置換度を有する。より高い置換度を有するカチオン系グアーガムのグレードと比較して、Jaguar C-500 STDは、本発明による安定した組成物を提供し、本質的に生分解性であり、92%の再生可能な炭素を含む。
【0057】
タンパク質は、それらの化学的および構造的多様性、親水性から親水性へのバランス、および静電特性のおかげで、極めて汎用性がある高分子両性電解質である。本発明の文脈において好適であるタンパク質として、ゼラチン、ホエイタンパク質、ならびにダイズタンパク質、エンドウマメタンパク質、コメタンパク質、綿タンパク質、および麻タンパク質などのビーガン供給源由来のタンパク質が挙げられる。これらのタンパク質は、そのままで用いても、または変性した形態において用いてもよい。タンパク質変性には、通常、タンパク質の二次、三次、および四次構造の変化が関与し、高機能かつ特殊な高分子を、幅広い用途に採用できる材料へと転換する。変性が、例えば、温度、pH、電離放射線、せん断応力、水構造破壊剤および洗剤の作用によって誘導され得ることは周知である。タンパク質は、抽出および遠心分離などの公知のプロセスによってビーガン供給源から単離されてもよい。
【0058】
塩化コリンは、低分子量の第四級アンモニウム塩であり、また、驚くべきことに、マイクロカプセルの沈着に対する増強効果も示している。
【0059】
キトサンは、キチン由来のバイオポリマーであり、甲殻類の外骨格を形成し、子嚢菌類、接合菌類、担子菌類、および不完全菌類、例えばアブシディア属、ケカビ属、クロコウジカビ、マンネンタケ、リゾープス・オリザエ(Rhizopus oryzae)などのさまざまな菌類の形状を保存する。キトサンの製造は、アルカリまたは酵素によるキチンの脱アセチル化を伴い、脱アセチル化のグレードにより特徴づけられる。低い脱アセチル化グレード、典型的には80%未満の脱アセチル化、および高いアセチル化グレード、典型的には80%以上の脱アセチル化の両方が存在する。脱アセチル化キトサンは、N-アセチル-D-グルコサミンとD-グルコサミン部分からなる共重合体である。脱アセチル化グレードは、1Hおよび/または13C核磁気共鳴分光法により決定してもよい。脱アセチル化グレードが60%~100%、より具体的には70%~90%、なおより具体的には75%~85%であるキトサンは、より溶解性が高いという利点を有する。キトサンは、典型的には、分子量が3,000~5,000,000g/molの範囲で入手可能である。分子量は、当該分野において公知の方法に従って、粘度測定および/またはゲル浸透クロマトグラフィーにより決定してもよい。
【0060】
電解質
液体洗濯ケア組成物は、任意に電解質を含む。電解質の役割は、負に帯電した高分子電解質、特にデュータンガムと、正に帯電した種、特にカチオン性グアーガムならびに正に帯電したタンパク質およびキトサンとの間の静電相互作用を最小限に抑えることである。
【0061】
電解質の追加の役割は、マイクロカプセルの負電荷を遮蔽し、それによりマイクロカプセルの沈着能力を増大させることであってもよい。
好適な電解質として、水溶性の無機塩および有機の塩が挙げられる。塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび塩化リチウムなどの一価アルカリ金属の無機塩は、負に帯電した高分子電解質と不溶性錯体を形成する可能性のある多価金属塩のものよりも好ましい。
【0062】
塩化コリンは、本明細書において上で述べたとおり沈着剤としてみなしても、電解質としてみなしてもよい。一態様において、液体洗濯ケア組成物は、塩化ナトリウム、塩化コリン、およびそれらの組み合わせなどの一価金属塩から選択される電解質を含む。
【0063】
機能性成分
本発明による液体洗濯ケア組成物は、さらに、光学的増白剤、殺生物剤、害虫忌避剤、静菌剤、酵素およびベントナイトなどの機能性成分を含んでいてもよい。より具体的には、酵素は、セルラーゼであってもよい。かかる機能性剤は、機能性成分の性質に依存して、0.01重量%~5重量%の量において存在してもよい。
【0064】
一態様において、機能性成分は、セルラーゼ、例えば エンド-1,4-β-D-グルカナーゼなどの酵素である。
【0065】
一態様において、液体洗濯ケア組成物は、以下を含む:
a)0.5~4重量%、好ましくは1.0~3.5重量%の、少なくとも1つのカプセル化されていない香料成分;
b)0.2~2重量%、好ましくは0.3~1.2重量%の、少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセル;
c)2.5~12重量%、好ましくは3~10重量%の、少なくとも1つの界面活性剤;
d)0.05~6重量%、好ましくは0.1~5重量%の、少なくとも1つの多糖を含む少なくとも1つの懸濁剤;任意にここで、少なくとも1つの多糖は、発酵プロセスから得られる;
e)任意に、0.0005~2重量%、好ましくは0.0008~1.0重量%の、カチオン性沈着剤;および、任意に
f)0.1~5重量%、好ましくは0.5~2.5重量%の、電解質;および、任意に
g)0.01重量%~5重量%の、1つ以上の機能性成分。
【0066】
本明細書において上で述べられた成分を所定の範囲内において組み合わせることによって得られる組成物の範囲の中で、いくつかの組み合わせは、それらの優れた安定性および嗅覚性能のために特に好ましい。
【0067】
本発明の一態様において、液体洗濯ケア組成物は以下を含む:
a)0.5~4重量%、好ましくは1.0~3.5重量%の、少なくとも1つのカプセル化されていない香料成分;
b)0.2~2重量%、好ましくは0.3~1.2重量%の、少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセル;
c)2.5~8重量%、好ましくは3~6重量%の、エトキシル化水素化ヒマシ油、任意にバイオ由来のエトキシル化水素化ヒマシ油;
d)0.05~6重量%、好ましくは0.1~5重量%の細菌由来セルロース、デュータンガムまたはそれらの組み合わせ;
e)任意に、0.0005~0.1重量%、好ましくは0.0008~0.002重量%の、キトサン;および
f)0.0~2.5重量%の電解質、好ましくは塩化ナトリウム、塩化コリン、またはそれらの混合物。
【0068】
項目e)に関して、キトサンが、500,000~5,000,000g/モル、より具体的には1,000,000~4,000,000g/モル、なおより具体的には1,500,000~3,000,000g/モルの分子量を有することが、特に有利である。かかるキトサンは、エトキシル化水素化ヒマシ油を含む組成物において使用された場合に、最良の安定性および嗅覚性能を提供する。
【0069】
本発明の一態様において、液体洗濯ケア組成物は以下を含む:
a)0.5~4重量%、好ましくは1.0~3.5重量%の、少なくとも1つのカプセル化されていない香料成分;
b)0.2~2重量%、好ましくは0.3~1.2重量%の、少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセル;
c)2.5~8重量%、好ましくは3~6重量%の、エトキシル化水素化ヒマシ油、任意にバイオ由来のエトキシル化水素化ヒマシ油;
d)0.05~6重量%、好ましくは0.1~5重量%の、細菌由来セルロース、デュータンガムおよびそれらの組み合わせ;
e)任意に、0.2~2重量%、好ましくは0.4~1.2重量%の、タンパク質;ならびに
f)0.0~2.5重量%の電解質、好ましくは塩化ナトリウム、塩化コリン、またはそれらの混合物。
【0070】
本発明の一態様において、液体洗濯ケア組成物は以下を含む:
a)0.5~4重量%、好ましくは1.0~3.5重量%の、少なくとも1つのカプセル化されていない香料成分;
b)0.2~2重量%、好ましくは0.3~1.2重量%の、少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセル;
c)4~12重量%、好ましくは8~10重量%の、12~14のHLB値を有するソルビタンオレアートデシルグルコシドクロスポリマー;
d)0.05~1重量%、好ましくは0.1~0.5重量%の、デュータンガム;
e)0.0005~0.1重量%、好ましくは0.0008~0.002重量%の、キトサン;および
f)0.1~5重量%、好ましくは0.5~2.5重量%の、電解質、好ましくは塩化ナトリウム、塩化コリン、またはそれらの混合物。
【0071】
項目e)に関して、キトサンが、3,000~1,000,000g/モル、より具体的には10,000~500,000g/モル、なおより具体的には30,000~300,000g/モルの分子量を有することが、特に有利である。かかるキトサンは、ソルビタンオレアートデシルグルコシドクロスポリマーを含む組成物において使用された場合に、最良の安定性および嗅覚性能を提供する。
【0072】
一態様において、液体洗濯ケア組成物は、液体香りブースターである。
一態様において、液体洗濯ケア組成物は、布地リフレッシュ剤である。
【0073】
方法
第2の側面において、本発明は、本発明による組成物を得るための方法を提供し、該方法は、少なくとも1つのカプセル化されていないフレグランス成分と、少なくとも1つの界面活性剤、少なくとも1つの懸濁剤、少なくとも1つのコア-シェル型マイクロカプセル、任意に少なくとも1つのカチオン性沈着剤、および任意に電解質を含む組成物とを乳化するステップを含む。
【0074】
カプセル化されていないフレグランス/香料成分、界面活性剤、懸濁剤、コア-シェル型マイクロカプセル、カチオン析出剤および電解質は、本明細書において上で記載されるとおりである。
成分の溶解および乳化のステップは、好ましくは室温で行われる。
【0075】
キトサンを可溶化するために、水相のpHを、例えば酢酸またはクエン酸により、pH=3.5~pH=5の値まで低くしてもよい。
好ましくは、細菌由来セルロース、デュータンガムまたはそれらの組み合わせなどの少なくとも1つの多糖を含む懸濁剤は、1000~1700rpmで動作するブレードを用いて、および次いで24時間にわたり水和させられることにより、水中に分散され、それにより水相を形成する。
【0076】
必要であれば、乳化のステップは、例えば3000rpm~20000rpmの速度で動作するプロペラ、ブレード、ブレンダー、ミキサー、スターラーまたはローターステーターミキサー、あるいは高圧ホモジナイザーを用いることにより、高せん断混合を適用することにより、実施されてもよい。
一態様において、液体洗濯ケア組成物のpHは、3~7であり、より具体的には3.5~6である。
【0077】
使用
第3の側面において、本発明は、布地上でのフレグランスの知覚を増強するための、本発明による組成物の使用を提供する。
一態様において、液体洗濯ケア組成物は、香りブースターであり、それを洗濯機の柔軟剤区画へ注ぎ入れることによって用いられてもよく、その結果、洗濯サイクルが完了した後に組成物が洗濯物(fabric load)に送達される。
【0078】
一態様において、液体香りブースター組成物と洗濯との重量比は、0.002~0.1、好ましくは0.01~0.08である。
一態様において、洗濯ケア組成物は、洗濯用リフレッシュ剤であり、衣類に対してスプレーしてもよい。
本発明のさらなる特色および具体的な利点は、以下の例から明らかとなる。
【0079】
例
例1-液体香りブースターの処方
この例において、界面活性剤、懸濁剤、カチオン性沈着剤およびマイクロカプセルスラリーを含む水溶性または水分散性成分を含む組成物中に、遊離香料油を乳化させることによって、一連の試料を調製した。
【0080】
その結果得られた処方物の安定性を、視覚的に、およびTurbiscan AGS を用いることにより、査定した。Turbiscanは、垂直なチューブ中に充填された液系からの透過光と後方散乱光の両方の強度を測定することにより、この液系のコロイド安定性を測定する。これらの強度は、20μmまでの垂直解像度による局所的な物理的不均一性の直接的なモニタリングを可能にする。不安定化現象(沈降またはクリーミング層、凝集物、集塊物(agglomerate)または合体物(coalescence))は、経時的に、さまざまな間隔を空けて、検出され、モニタリングされる。かかる現象は、垂直軸に沿ったシステムの濁度のわずかなバリエーションを誘導する。コロイドの安定性は、Turbiscan安定性指数(TSI)により示される:この指数が低いほど、コロイドの安定性が高い。この指数を計算する方法の完全な説明は、https://www.formulaction.com/en/knowledge-center/turbiscan-stability-index下において見出される。熱安定性は、45℃での1か月間の保管の後に、目視検査により査定した。
【0081】
本発明の文脈において、5未満のTSI値を有する系は、相分離に関して安定しているものとみなされた。
【0082】
1.1.界面活性剤としてエトキシル化アルキルアルコールとエトキシル化水素化ヒマシ油との混合物、およびカチオン性沈着剤としてポリアンフォライトを含む、液体香りブースター
参照処方物は実施例1であり、エトキシル化水素化ヒマシ油(Eumulgin CO40、BASFから)とエトキシル化アルキルアルコール(Neodol 91/8、Shellから)の3/2.5の比率における混合物、およびポリ両性電解質(Flosoft FS 222、SNFから)、ならびにWO 2016/207180の実施例1に記載の方法を適することにより得られたアミノプラストシェルを有するマイクロカプセルを含む。
【0083】
この処方は、安定性および香料の知覚に関して優れた性能を示すが、2つの非バイオ由来成分(Neodol 91/8 と Flosoft FS 222)、ならびにアミノプラストマイクロカプセルを使用する。
【0084】
1.2.より多くのバイオ由来成分を使用する液体香りブースター
以下の例は、例1.1の組成物よりも多くのバイオ由来成分を使用する本発明による組成物を説明する。
【0085】
組成物は、以下のとおり得られた:
溶液A1を形成するために、キトサンまたはJaguar C 50(カチオン性グアーガム、Solvayから)を、そのpHが前もって3.7±0.3の値に調整された水相中に溶解することにより、0.5重量%の懸濁剤溶液を調製した。
【0086】
表1に従って、既知量の液体細菌由来セルロースであるCellulonまたはデュータンガムを、ブレードで1000~1700rpmで15分間の間撹拌しながら、約60gの水中で分散させ、ポリマーの水和を完了させて溶液Bを形成するために、溶液を24時間放置した。
【0087】
表1に従って、既知量の界面活性剤および既知量の遊離のカプセル化されていない香料油を、プロペラで100rpmの速度で撹拌しながら、溶液Bに添加した。
組成物中に既知量の沈着ポリマーを提供するために、攪拌速度を100rpmに維持しながら、溶液A1、Jaguar C 500(カチオン性グアーガム、Solvayから)またはタンパク質(Coltide、Crodaから)を上の混合物に添加した。
【0088】
組成物中に既知量のマイクロカプセルを提供するために、撹拌速度を40rpmに下げ、撹拌速度を100rpmに維持しながら、既知量の多糖ベースのマイクロカプセルを含む既知量のマイクロカプセルスラリーを、上の混合物に添加した。
【0089】
表1において報告される一連の安定した処方物を調製した。
表1:液体香りブースターの処方
【表1-1】
【0090】
【0091】
表1:液体香りブースターの処方(続き)
【表1-3】
【0092】
【0093】
Poly Suga Mulse D6および/またはD9(ソルビタンオレアートデシルグルコシドクロスポリマー、例4、11、16および17)は、Neodol 91/8および/またはEumulgin CO40(例1~3および15)のバイオ由来界面活性剤の代替品として有利に用いることができることを、観察することができる。また、バイオ由来のPEG-40水素化ヒマシ油(例5~10および12~14)は、合成ポリ(エチレンオキシド)水素化ヒマシ油であるEumulgin CO40(例2、3、および15)のバイオ由来代の替品として用いることができることも、観察することができる。
【0094】
例2-液体香りブースターの嗅覚評価
例1において得られた一連の組成物20gを、綿タオル、100%ポリエステルのTシャツ、および95%綿/5%ライクラのTシャツからなる850gの綿の布地を入れたヨーロッパ式フロントローディング洗濯機の柔軟剤区画に加えた。洗浄サイクルは、40℃で50分間の間に完了し、その後、1000rpmで回転乾燥を行った。
【0095】
嗅覚評価について、マイクロカプセルを機械的に破損するリスクを最少化するために、テリー織のタオルは、慎重に取り扱われた。匂い強度は、マイクロカプセルを破損することなく、洗濯機から取り出したばかりの濡れたテリー織のタオル上で査定した。テリー織のタオルを室温で24時間にわたり吊り干し(line drying)した後、摩擦前(pre-rub)と摩擦後(post-rub)の嗅覚評価を実施した。嗅覚性能(強度)は、4人の専門家のパネルにより、1~5のスケール(1=ほとんど認識可能でない、2=弱い、3=中程度、4=強い、および5=極めて強い)において、査定した。かかる評価において、摩擦後のスコアは、摩擦前の強度と比較して、マイクロカプセルの破損により誘導される追加の影響を測定する。
【0096】
嗅覚評価の結果を、表2において報告する。
表2:嗅覚評価スコア(強度)
【表2】
【0097】
表2から明らかであるとおり、すべての試料が、良好な嗅覚結果を提供する。試料7、8、12、13、14、16、および19は、特に非バイオ由来の試料1および部分的にバイオ由来の試料2と比較した場合に、驚異的に高い摩擦後の匂い強度を提供する。
【0098】
結果はまた、任意の他の沈着剤なしでの塩化コリン(試料12および13)が、おそらくはマイクロカプセルの負電荷を遮蔽し、マイクロカプセルの沈着を増加させることにより、組成物の嗅覚性能を驚異的に増強することを示す。
【0099】
これらの結果は、本発明による完全にバイオ由来の組成物(試料6、7、8、12、13、14、16、18、および19)が、非バイオ由来の組成物1および部分的にバイオ由来の組成物2と同等またはさらに優れた代替品を提供することを示す。
【0100】
例3-液体布地リフレッシュ剤の処方
試料は、例1において記載されるとおり調製したが、カチオン性沈着剤および電解質を省略した。処方を、表3において報告する。
【0101】
【0102】
【0103】
例4-液体布地リフレッシュ剤の嗅覚評価
例3において得られた一連の組成物2gを、100%綿のTシャツ、100%ポリエステルのTシャツ、および95%綿/5%ライクラのTシャツからなる布地上に噴霧した。嗅覚評価について、マイクロカプセルを機械的に破損するリスクを最少化するために、布地は、慎重に取り扱われた。マイクロカプセルを破損することなく、匂い強度は、噴霧の5分後に評価した。摩擦前および摩擦後の嗅覚評価は、Tシャツを24時間にわたり室温で吊り干しした後に実施した。嗅覚性能(強度)は、4人の専門家のパネルにより、1~5のスケール(1=ほとんど認識可能でない、2=弱い、3=中程度、4=強い、および5=極めて強い)において、査定した。かかる評価において、摩擦後のスコアは、摩擦前の強度と比較して、マイクロカプセルの破損により誘導される追加の影響を測定する。
【0104】
嗅覚評価の結果を、表4において報告する。
表4:嗅覚評価スコア(強度)
【表4】
【0105】
表4から明らかであるとおり、すべての試料は、良好な嗅覚結果を提供する。試料20、21、24、および25は、特に非バイオ由来の試料22および23と比較した場合に、驚異的に高い摩擦後の匂い強度を提供する。
これらの結果は、本発明による完全にバイオ由来の組成物(試料20、21、24、および25)が、非バイオ由来の組成物22および23と同等またはさらに優れた代替品を提供することを示す。
【国際調査報告】