(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】ガスベントチャンネルとクーリングチャンネルを一体に統合したバッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及びバッテリーモジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/35 20210101AFI20241018BHJP
H01M 50/358 20210101ALI20241018BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241018BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20241018BHJP
H01M 10/6567 20140101ALI20241018BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20241018BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20241018BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20241018BHJP
【FI】
H01M50/35 201
H01M50/358
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/6567
H01M50/204 401H
H01M50/211
H01M50/271 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523966
(86)(22)【出願日】2023-05-03
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 KR2023006067
(87)【国際公開番号】W WO2023229254
(87)【国際公開日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2022-0063317
(32)【優先日】2022-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュ-フン・パク
(72)【発明者】
【氏名】クワン-モ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-ヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ヒェ-ミ・ジュン
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012BB08
5H012CC03
5H012CC10
5H031AA09
5H031EE01
5H031KK08
5H040AA28
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT04
5H040AY04
5H040AY08
5H040JJ03
5H040LL01
(57)【要約】
本発明によるバッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルと、前記複数のバッテリーセルを内部に収容しており、少なくとも一方の側にガスベント孔を備えたモジュールケースと、前記ガスベント孔と連通するガスの移動経路を形成するガスベントチャンネルと冷媒の移動経路を形成するクーリングチャンネルとを1つの胴体に一体に備え、前記モジュールケースの外側に配置されたクーリング及びベントユニットと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルと、
前記複数のバッテリーセルを内部に収容しており、少なくとも一方の側にガスベント孔を備えたモジュールケースと、
前記ガスベント孔と連通するガスの移動経路を形成するガスベントチャンネルと冷媒の移動経路を形成するクーリングチャンネルとを1つの胴体に一体に備え、前記モジュールケースの外側に配置されているクーリング及びベントユニットと、
を含む、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記クーリング及びベントユニットは、
第1の面に前記ガスベントチャンネルを備え、前記第1の面とは反対となる第2の面に前記クーリングチャンネルを備えたチャンネルプレートと、
前記第1の面及び前記第2の面のうちのどちらか一方の面を覆っており、前記チャンネルプレートに結合されているカバープレートと、
を含む、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記第1の面は、予め定められた領域が突出して凸状に設けられた浮き彫り部を備え、前記ガスベントチャンネルは、前記浮き彫り部により取り囲まれた領域に設けられている、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記クーリングチャンネルは、前記第2の面において前記第1の面の前記浮き彫り部の反対側に配備されており、前記クーリングチャンネルは、前記浮き彫り部の形状に倣って前記第2の面の表面から凹状に湾入した領域である、請求項3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記チャンネルプレートは、メタル素材から作製されている、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記カバープレートは、前記チャンネルプレートの第1の面を覆っており、
前記チャンネルプレートは、前記第2の面が前記モジュールケースの外側面に対向するように配置されている、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記クーリング及びベントユニットは、
前記モジュールケースの外側面に対面接触する前記チャンネルプレートの一部分が厚さ方向に貫通して前記モジュールケースのガスベント孔と上下方向にマッチングされるガス流入口を備えている、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記ガス流入口と前記ガスベントチャンネルとは連通しており、
前記ガスベントチャンネルは、前記チャンネルプレートの一方の側の終端から他方の側の終端まで経路が曲がりくねって延びており、前記他方の側の終端には、外部と通じるガス排出口が設けられている、請求項7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記クーリング及びベントユニットは、
前記クーリングチャンネルの一方の側と他方の側にそれぞれ設けられている冷媒流入口及び冷媒排出口を含む、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記冷媒流入口又は前記冷媒排出口は、前記第2の面の周縁のうちの予め定められた部分が前記モジュールケースの外側面とギャップ(Gap)を有するように離隔して設けられている、請求項9に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
前記クーリング及びベントユニットは、前記モジュールケースの上部に結合されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
前記クーリング及びベントユニットは、前記モジュールケースの少なくとも片側の側面部に結合されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、バッテリーパック。
【請求項14】
請求項1に記載のバッテリーモジュールの製造方法であって、
前記複数のバッテリーセルを前記モジュールケースの内部に収容するステップと、
前記クーリング及びベントユニットを用意するステップと、
前記モジュールケースの外側面に前記クーリング及びベントユニットを結合するステップと、
を含み、
前記クーリング及びベントユニットを用意するステップは、
平らな金属板を上金型と下金型との間に配置し、前記上金型と前記下金型を用いて前記金属板を上下方向に押圧(press)して前記金属板の片側の面にガスベントチャンネルを形成し、前記金属板の反対側の面にクーリングチャンネルを形成してチャンネルプレートを設けるスタンピング工程を含む、バッテリーモジュールの製造方法。
【請求項15】
前記クーリング及びベントユニットを用意するステップは、
カバープレートを前記チャンネルプレートの一面に取り付ける工程をさらに含み、
前記結合ステップは、
溶接、ボルト締め、係着及び接着方式のうちの少なくとも1つの結合方式を採択して前記ガスベント孔が配備された前記モジュールケースの外側面に前記クーリング及びベントユニットを取り付ける工程を含む、請求項14に記載のバッテリーモジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュールに関し、より具体的には、バッテリーモジュールの発熱を解消するための冷却装置と熱暴走が生じたときにガスを排出するためのガス排出装置とを1つの部品に一体化させたバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2022年05月24日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0063317号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示されている内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少できるという一時的な長所のみならず、エネルギーの使用に伴う副産物が全く生じないという長所をも併せ持つことから、環境へのやさしさ及びエネルギー効率性の向上のための新たなエネルギー源として注目を浴びている。
【0004】
このため、多岐にわたるデバイスへの二次電池の適用が増えつつある。例えば、多機能小型製品であるワイヤーレスモバイル機器(wireless mobile device)またはウェアラブル機器(wearable device)のエネルギー源として広範に用いられているのみならず、既存のガソリン車両及びディーゼル車両に対する代案として提示される電気自動車とハイブリッド電気自動車などのエネルギー源やエネルギー貯蔵装置(ESS)としても用いられている。
【0005】
最近最も多用されているリチウム二次電池は、1つ当たりに作動電圧が約2.5V~4.5V前後である。したがって、大容量及び高出力が求められる電気自動車やエネルギー貯蔵装置の場合、複数の二次電池を直列に及び/又は並列に接続したバッテリーモジュールと、前記バッテリーモジュールを直列に及び/又は並列に接続したバッテリーパックを構成し、これをエネルギー源として用いている。
【0006】
電気自動車に求められるバッテリーパックの出力や容量に応じて、1つのバッテリーモジュールに入るリチウム二次電池の数が増えたり、1つのバッテリーパックに入るバッテリーモジュールの数が増えたりすることがある。
【0007】
しかしながら、このように数多くのリチウム二次電池を含むバッテリーパックの場合、火災及び爆発が起こる場合にその被害はより一層大きくならざるを得ない。
【0008】
例えば、一部のバッテリーモジュールにおいてリチウム二次電池の間のショート(短絡)または非正常的な温度の上昇などといったような事象が生じる場合、前記リチウム二次電池において多量のベントガスが生じてしまう恐れがあり、劣化がさらに激しくなると、火炎と電極活物質とアルミニウム粒子などを含んでいる高温のスパークが生じてしまう可能性があり、前記火炎と高温のパーティクルは、ベントガスとともに当該バッテリーモジュールの外部に噴出されてしまう恐れがある。このように噴出された火炎と高温のスパークは、発火したバッテリーモジュールと隣り合う他のバッテリーモジュールに熱的ダメージを与えて他のバッテリーモジュールの発火を促す。
【0009】
したがって、火災安全性の確保が重要視される車両用のバッテリーパックの場合、バッテリーモジュールの連鎖発火ないし爆発のリスクを防いだり最大限に遅らせたりするためにベントガスをバッテリーモジュールの外部に排出するが、このとき、火炎やスパークなどは外部に排出され難くする必要がある。併せて、充放電に伴うバッテリーセルの発熱を解消してバッテリーセルが適正な温度に保持できるようにすることが肝要である。
【0010】
このために、最近では、ガスベント装置と冷却装置がバッテリーモジュールに組み込まれている。例えば、
図1に示すように、ガスベント装置2は、バッテリーモジュール1の上部に装着され、その内部が前記バッテリーモジュール1の内部と連通するように構成され得る。このようなガスベント装置2は、バッテリーモジュール1の内部の発火の際に火炎の外部への流出を抑え、ガスを外部に排出する役割を果たす。そして、冷却装置3は、バッテリーモジュール1の下部に装着され、内部に冷却水が流動可能な流路を備え、冷却水とバッテリーセルとが間接的に触れ合ってバッテリーセルの熱を吸収するように構成されている。
【0011】
ところが、前記ガスベント装置2と冷却装置3は、それぞれ別々の部品としてそれぞれバッテリーモジュールに適用されるものであるため、バッテリーモジュールの工程/コスト/タクトタイム(tact time)/サイズの最適化の観点からみて効率的ではない。
【0012】
この理由から、バッテリーモジュールの組み立て工程を単純化させ、コストと時間、そして、最終製品の体積を低減できるように2つの個別の部品、すなわち、ガスベント装置と冷却装置とを一体化した構造にして、2つの個別の部品、すなわち、ガスベント装置と冷却装置とを一体化させた新規な部品の開発が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記のような技術的課題を解決するために創作されたものであって、ガスベント装置と冷却装置とを一体化させた新規な部品を適用したバッテリーモジュール及びこのようなバッテリーモジュールの製造方法を提供することを一つの目的とする。
【0014】
本発明が解決しようとする技術的課題は、上述した技術的課題に何ら制限されるものではなく、言及されていない他の技術的課題は、下記に記載されている発明の説明から当業者であれば明らかに理解できる筈である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によるバッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルと、前記複数のバッテリーセルを内部に収容しており、少なくとも一方の側にガスベント孔を備えたモジュールケースと、前記ガスベント孔と連通するガスの移動経路を形成するガスベントチャンネルと冷媒の移動経路を形成するクーリングチャンネルとを1つの胴体に一体に備え、前記モジュールケースの外側に配置されているクーリング及びベントユニットと、を含み得る。
【0016】
前記クーリング及びベントユニットは、第1の面に前記ガスベントチャンネルを備え、前記第1の面とは反対となる第2の面に前記クーリングチャンネルを備えたチャンネルプレートと、前記第1の面及び前記第2の面のうちのどちらか一方の面を覆っており、前記チャンネルプレートに結合されているカバープレートと、を含み得る。
【0017】
前記第1の面は、予め定められた領域が突出して凸状に設けられた浮き彫り部を備え、前記ガスベントチャンネルは、前記浮き彫り部により取り囲まれた領域に設けられ得る。
【0018】
前記クーリングチャンネルは、前記第2の面において前記第1の面の前記浮き彫り部の反対側に配備されており、前記浮き彫り部の形状に倣って前記第2の面の表面から凹状に湾入した領域であり得る。
【0019】
前記チャンネルプレートは、メタル素材から作製され得る。
【0020】
前記カバープレートは、前記チャンネルプレートの第1の面を覆っており、前記チャンネルプレートは、前記第2の面が前記モジュールケースの外側面に対向するように配置され得る。
【0021】
前記クーリング及びベントユニットは、前記モジュールケースの外側面に対面接触する前記チャンネルプレートの一部分が厚さ方向に貫通して前記モジュールケースのガスベント孔と上下方向にマッチングされるガス流入口を備え得る。
【0022】
前記ガス流入口と前記ガスベントチャンネルとは連通しており、前記ガスベントチャンネルは、前記チャンネルプレートの一方の側の終端から他方の側の終端まで経路が曲がりくねって延びており、前記他方の側の終端には、外部と通じるガス排出口が設けられ得る。
【0023】
前記クーリング及びベントユニットは、前記クーリングチャンネルの一方の側と他方の側にそれぞれ設けられた冷媒流入口及び冷媒排出口を含み得る。
【0024】
前記冷媒流入口又は前記冷媒排出口は、前記第2の面の周縁のうちの予め定められた部分が前記モジュールケースの外側面とギャップ(Gap)を有するように離隔して設けられ得る。
【0025】
前記クーリング及びベントユニットは、前記モジュールケースの上部に結合され得る。
【0026】
前記クーリング及びベントユニットは、前記モジュールケースの少なくとも片側の側面部に結合され得る。
【0027】
本発明の他の態様によれば、上述したバッテリーモジュールを含むバッテリーパックが提供され得る。
【0028】
本発明のさらに他の態様によれば、前記複数のバッテリーセルを前記モジュールケースの内部に収容するステップと、前記クーリング及びベントユニットを用意するステップと、前記モジュールケースの外側面に前記クーリング及びベントユニットを結合するステップと、を含み、前記クーリング及びベントユニットを用意するステップは、平らな金属板を上金型と下金型との間に配置し、前記上金型と前記下金型を用いて前記金属板を上下方向に押圧(press)して前記金属板の片側の面にガスベントチャンネルを形成し、前記金属板の反対側の面にクーリングチャンネルを形成して前記チャンネルプレートを設けるスタンピング工程を含むバッテリーモジュールの製造方法が提供され得る。
【0029】
前記クーリング及びベントユニットを用意するステップは、前記カバープレートを前記チャンネルプレートの一面に取り付ける工程をさらに含み得る。
【0030】
前記結合ステップは、溶接、ボルト締め、係着及び接着方式のうちの少なくとも1つの結合方式を採択して前記ガスベント孔が配備された前記モジュールケースの外側面に前記クーリング及びベントユニットを取り付ける工程を含み得る。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一態様によれば、ガスベント装置と冷却装置とを一体化させた新規な部品を適用したバッテリーモジュールが提供されることが可能になる。
【0032】
より具体的には、本発明に従い提供される、ガスベント装置と冷却装置とを一体化させたクーリング及びベントユニットによれば、それぞれ別々に提供されていたガスベント装置と冷却装置とを含むバッテリーモジュールと比較したとき、バッテリーモジュールの組み立て工程が単純であり、コストと時間、そして、最終製品の体積を減らすことができる。
【0033】
本発明の効果は、上述した効果に何ら限定されるものではなく、言及されていない他の効果はこの明細書及び添付図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明確に理解できるものであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】従来の技術によるガスベント装置と冷却装置とを含むバッテリーモジュールの構成を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるクーリング及びベントユニットを除いたバッテリーモジュールの部分分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの概略斜視図である。
【
図4】
図3のバッテリーモジュールからクーリング及びベントユニットを分解した斜視図である。
【
図5】
図4のチャンネルプレートの第1の面を示す図である。
【
図6】
図4のチャンネルプレートの第2の面を示す図である。
【
図7】本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールの概略斜視図である。
【
図8】本発明による金属板の前面と背面にそれぞれガスベントチャンネルとクーリングチャンネルを成形するプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されるものである。したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示されている構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態によるクーリング及びベントユニットを除いたバッテリーモジュールの部分分解斜視図であり、
図3は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの概略斜視図であり、
図4は、
図3のバッテリーモジュールからクーリング及びベントユニットを分解した斜視図である。
【0037】
これらの図面を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール10は、複数のバッテリーセル111を積層して形成したセルアセンブリ100と、モジュールケース200及びクーリング及びベントユニット300を含む。
【0038】
詳しくは後述するが、本発明によるバッテリーモジュール10は、前記クーリング及びベントユニット300を含んでいることから、バッテリーモジュール10の発熱を解消することができるのみならず、バッテリーセル111の熱暴走の際に火炎の外部への流出を防ぐとともに、ガスを排出することができる。特に、本発明による前記クーリング及びベントユニット300は、既存のバッテリーモジュール(
図1参照)に適用した冷却装置3(当業界においてヒートシンクとも呼ばれることもある)とガス排出装置2とを一体化させた構成部品であって、普段は冷却機能を担い、熱的事象が生じたときにはガス排出路として用いられ得る。
【0039】
以下、前記クーリング及びベントユニット300を適用したバッテリーモジュール10について詳しく説明する。
【0040】
図2に示されているように、バッテリーモジュール10は、バッテリーセル111と前記バッテリーセル111との電気的な接続のためのバスバーフレーム組立体から構成されたセルアセンブリ100及び前記セルアセンブリ100を内部に収容できるように設けられたモジュールケース200を含む。
【0041】
前記バッテリーセル111としては、パウチ型バッテリーセル111が採用可能である。前記パウチ型バッテリーセル111は、電極組立体と、前記電極組立体を収容するパウチケース及び電極組立体と接続され、パウチケースの外側に引き出されて電極端子として機能する一対の電極リード112を備えてなるバッテリーセルである。前記一対の電極リード112は、バッテリーセル111の長手方向(±X方向)に互いに反対の方向に引き出され得るか、あるいは、互いに同じ方向に引き出され得る。
【0042】
前記パウチ型バッテリーセル111を立てて一方向に積層して、
図2に示すようなセル積層体110を形成し、これをモジュールケース200に嵌入する。一方、このようなパウチ型バッテリーセル111は、バッテリーモジュール10に収容可能なバッテリーセル111の一例を開示したものである。すなわち、パウチ型バッテリーセルではなく、他の類型のバッテリーセルがモジュールケースに収容される場合もある。例えば、モジュールケースの内部に収容可能なバッテリーセルとしては、円筒型バッテリーセル、角型バッテリーセルなど本発明の出願前に公開されているいかなる類型のバッテリーセルであっても構わない。
【0043】
前記バスバーフレーム組立体は、バスバーフレーム120と複数のバスバー130を含む。
【0044】
前記バスバーフレーム120は、電気絶縁性素材から射出成形方式により作製され得、前記セル積層体110の前方又は後方を覆う概ねプレート状の形状であり、バッテリーセル111の電極リード112をバスバーフレーム120の内側から嵌め込んで外側に抜き出すように複数のリードスロットを備え得る。
【0045】
複数のバスバー130は、電気伝導性材質、たとえば、銅、アルミニウム、ニッケルなどの金属棒状に作製され得、バスバーフレーム120の外側面に固定されるように装着され得る。前記バスバー130は、バッテリーセル111の積層方向と同じ方向に前記バスバーフレーム120の上に配置され、前記バッテリーセル111は、前記リードスロットを介してバスバーフレーム120の外側に抜き出した電極リード112を対応するバスバー130に溶接することにより、互いに直列に及び/又は並列に接続されることが可能になる。
【0046】
前記モジュールケース200は、前記セルアセンブリ100を外部から保護するための構成要素である。
【0047】
この実施形態によるモジュールケース200は、セルアセンブリ100を内部に収容可能なケース本体210と、バスバーフレーム120の組立てられた部分を覆い、前記ケース本体210と結合されるエンドカバー220と、を含む。前記モジュールケース200は、機械的な剛性に優れた金属材質から作製されるが、機械的な剛性と耐熱性などに優れたものであれば、格別に制限されることはない。
【0048】
前記ケース本体210は、
図2に示すように、概ね上部プレート211と、下部プレート212と、両側の側面プレート213、214と、を含み、長手方向に沿った両側の終端が開かれており、内部が空いている四角い管の形状に設けられ得る。セルアセンブリ100は、前記ケース本体210の内部に摺動ないし締まり嵌め方式により嵌入し得る。一方、この実施形態は、ケース本体210が、上部プレート211と、下部プレート212と、両側の側面プレート213、214とが一体に作製された四角い管状に形成されたものであるが、例えば、前記ケース本体210は、下部プレート212と両側の側面プレート213、214とが一体形である「Uフレーム」と、前記「Uフレーム」の上端に上部プレート211を溶接したものに置き換えられる場合もある。この場合、「Uフレーム」の内部にセルアセンブリ100を配置した後、上部プレート211により前記セルアセンブリ100の上部を覆い、上部プレート211の周縁を「Uフレーム」の上端に溶接する。
【0049】
前記エンドカバー220は、電極リード112と電気的に接続されているバスバーフレーム組立体を覆い、その周縁がケース本体210の開放端に溶接及び/又はスナップフィット方式により結合できるように構成され得る。そして、前記エンドカバー220は、バスバーフレーム組立体との電気的な絶縁のために、例えば、その内側が絶縁素材からなるか、あるいは、その内側面が絶縁シートなどによりコーティング処理され得る。
【0050】
一方、バッテリーセル111は、充放電過程において電気化学的な反応によって熱が生じることになるが、熱が非正常的に急激に上昇する熱暴走が起こると、前記バッテリーセル111から火炎、スパーク及びガスが噴出される恐れがある(スパークは、電極活物質とアルミニウム粒子などを含んでいる高温のパーティクルを意味する)。このとき、火炎とスパークは、バッテリーモジュール10の外部に排出されれば、例えば、周りの他のバッテリーモジュール10に対して発火源として働く可能性がある。そのため、火災の燃え移りや燃え広がりを防ぐために、火炎とスパークが最大限にバッテリーモジュール10の外部に排出されないようにする必要がある。しかしながら、バッテリーモジュール10内に生成されたガスが閉じ込まれていると、内部の圧力が急激に上昇してしまい、その結果、バッテリーモジュール10の崩壊ないし爆発が引き起こされる恐れがあるため、ガスは、バッテリーモジュール10の外部に適切に排出できるようにしなければならない。
【0051】
この理由から、本発明によるバッテリーモジュール10は、バッテリーセル111の熱暴走の際にガスを外部に排出するためのガスベント孔215を含む。具体的には、前記ガスベント孔215は、
図2に示すように、ケース本体210の上部プレート211に配備され得る。パウチ型バッテリーセル111の場合、充放電の際に電極リード112の周りの温度が最も高く、熱暴走が生じると、当該個所からガスが放出される可能性が高い。このため、この実施形態において、ガスベント孔215は、バッテリーセル111の電極リード112に近いモジュールケース200の上部プレート211の周縁部近くに設けられている。そして、前記ガスベント孔215には、金網(図示せず)が配設されることもある。前記金網は、ガスが前記ガスベント孔215を通過するときに火炎やスパークを遮断するのに用いられ得る。
【0052】
この実施形態においては、ガスベント孔215を1本のみ形成しているが、前記ガスベント孔215は複数本で配備されることもあり、その形成位置もまた、この実施形態とは異なるように設けられることもある。
【0053】
前記ガスベント孔215を介してモジュールケース200から上部の向きに抜け出たガスは、
図3に示されているクーリング及びベントユニット300に流れ込み、前記クーリング及びベントユニット300の内部に配備されているガスベントチャンネル312に沿って移動して最終的に前記クーリング及びベントユニット300のガス排出口317を介して外部に排出され得る。
【0054】
特に、前記クーリング及びベントユニット300は、ガスが前記ガスベントチャンネル312に沿って移動する過程において冷却水と間接的に接触して冷却できるように構成されている。したがって、ガスがバッテリーモジュール10の外部に流れ出るとしても、温度が高くないことから、周りの他のバッテリーモジュール10が甚大な熱的ダメージを被らなくなる。
【0055】
以下、このような作用をするクーリング及びベントユニット300についてより具体的に説明する。
【0056】
前記クーリング及びベントユニット300は、モジュールケース200のガスベント孔215と連通するガスベントチャンネル312と冷媒の移動経路を形成するクーリングチャンネル314とを1つの胴体に一体に備え、前記モジュールケース200の外側、すなわち、この実施形態においては、モジュールケース200の上部プレート211に配置される。
【0057】
すなわち、
図3~
図4に示されているように、前記クーリング及びベントユニット300は、モジュールケース200の上部プレート211に対応するサイズに設けられ得、ガス流入口316がガスベント孔215と上下方向にマッチングされるようにモジュールケース200の上部プレート211に装着され得る。このように、クーリング及びベントユニット300をモジュールケース200の上部プレート211に装着すれば、ガスがガスベント孔215からガス流入口316を介してガスベントチャンネル312に流れ込み、前記ガスベントチャンネル312に沿ってガス流入口316の反対側のガス排出口317を介して外部に排出され得る。
【0058】
前記クーリングチャンネル314は、冷媒が流動可能な流路を意味し、冷媒がガスベントチャンネル312に流れ込まないように前記ガスベントチャンネル312とは空間的に分離された構造となっている。冷媒としては冷却水が採用可能であり、前記冷媒は、
図3中のC1とC3にて示されたように、クーリング及びベントユニット300のクーリングチャンネル314に流れ込んで、
図6の実施構成のように、クーリングチャンネル314に沿って移動しながら、モジュールケース200の上部プレート211を間に挟んでバッテリーセル111と間接的に接触して前記バッテリーセルを冷却させる。そして、前記冷媒は、
図3中のC2とC4にて示されたように、クーリング及びベントユニット300の外に排出され得る。
【0059】
図面の描きやすさのために図示はしないが、前記クーリングチャンネル314の冷媒流入口301と冷媒排出口303には、冷却水供給パイプと冷却水排出パイプがそれぞれ連結され得る。そして、冷却水が「冷却水供給パイプ→クーリングチャンネル314→冷却排出パイプ→熱交換器→冷却供給パイプ→クーリングチャンネル314」の順に循環するようにしてバッテリーモジュール10の発熱を解消できるようにし得る。
【0060】
前記クーリング及びベントユニット300は、
図4に示すように、チャンネルプレート310とカバープレート320を含む。
【0061】
上述したガスベントチャンネル312とクーリングチャンネル314は、前記チャンネルプレート310の両面にそれぞれ配備され得る。たとえば、チャンネルプレート310の上部面はガスベントチャンネル312として用いられ、その下部面はクーリングチャンネル314として用いられるようにチャンネルプレート310が構成される。そして、前記チャンネルプレート310は、モジュールケース200の上部プレート211と対面接触する部分のうち、前記モジュールケース200のガスベント孔215に対応する一部分が厚さ方向に貫通して形成されたガス流入口316を有する。また、チャンネルプレート310は、メタル素材から作製され、好ましくは、熱伝導性の高いアルミニウム(Al)又はアルミニウム合金から作製され得る。
【0062】
前記カバープレート320は、前記チャンネルプレートの上部面に結合ないし取付され、ガスベントチャンネルを密閉するように構成され得る。このようなカバープレート320は、チャンネルプレート310などの素材から作製されるか、例えば、耐熱性に優れたステンレス鋼(SUS)系又はセラミック系の素材から作製されることもある。
【0063】
より具体的には、前記チャンネルプレート310は、第1の面310aに
図5に示すような実施構成のガスベントチャンネル312を備え、
図6に示されているように、前記第1の面310aの反対面である第2の面310bにクーリングチャンネル314を備え得る。
【0064】
前記第1の面310aは、予め定められた領域が突出して凸状に設けられる浮き彫り部311を含んでいて、前記浮き彫り部311により取り囲まれた領域に前記ガスベントチャンネル312が形成され得る。
【0065】
たとえば、前記チャンネルプレート310の第1の面310aは、両側のサイドが真ん中の領域よりも凸状に浮き彫りになった第1の浮き彫り部311Aと第2の浮き彫り部311Bが配備され、前記第1の浮き彫り部311Aと前記第2の浮き彫り部311Bは、チャンネルプレート310の長手方向(X方向)に沿ってそれぞれ曲がりくねってつながるように設けられ得る。このような第1の浮き彫り部311Aと第2の浮き彫り部311Bにより取り囲まれた真ん中の領域にガスベントチャンネル312が設けられ得る。また、ガスベントチャンネル312内には、ガスの流れを複数本に枝分かれするように凸状のパートがさらに付設され得る。
【0066】
このようなガスベントチャンネル312の開かれた上部を密閉するために、カバープレート320が前記第1の面310aに取り付けられ得る。具体的には、この実施形態のカバープレート320(
図4参照)は、前記第1の面310aに対応する面積を有する本体部321と、前記本体部321の辺縁部から下に折り曲げられて延びてガス流入口316がある領域の上部及び前方(-X方向)を包み込むように設けられた折り曲げ部322と、を含み得る。前記カバープレート320とチャンネルプレート310とは溶接結合して気密性を確保することが好ましい場合がある。
【0067】
このように、前記カバープレート320がチャンネルプレート310に結合されることにより、ガスベントチャンネル312は、チャンネルプレート310の一方の側の終端に位置しているガス流入口316と他方の側の終端に位置しているガス排出口317を除いた残りの部分が完全に密閉されることが可能になる。したがって、
図5のG1にて示されたように、ガスがモジュールケース200のガスベント孔215から前記ガス流入口316を介してガスベントチャンネル312に入り込むことができ、前記ガスベントチャンネル312に沿って移動してガス排出口317を介してG2にて示されたように外部に排出されることが可能になる。一方、図示のごとく、ガスベントチャンネル312は、幅が狭く、チャンネルプレート310の一方の側の終端から他方の側の終端まで経路が曲がりくねって延びていて、火炎やスパークはガスベントチャンネル312をくぐり抜け難い。
【0068】
一方、前記クーリングチャンネル314は、
図6に示されているように、前記チャンネルプレート310の第2の面310bにおいて前記第1の面310aの浮き彫り部311の反対側に配備され得る。さらに、前記クーリングチャンネル314は、第1の面310aに浮き彫り部311を形成することにより、前記浮き彫り部311の形状に倣って第2の面310bの表面から凹状に湾入した領域であるといえる。
【0069】
すなわち、クーリングチャンネル314は、第2の面310bにおいて第1の面310aの浮き彫り部311の反対側に配備され、ガスベントチャンネル312は、第1の面310aにおいて第2の面310bの第1のクーリングチャンネル314Aと第2のクーリングチャンネル314Bとの間に凸状の領域313の反対側に配備される。例えば、浮き彫り部311と同じ形状に浮き彫りになった金型を用いて平らな金属板をスタンピングすれば、この実施形態のように、金属板の片面には、ガスベントチャンネル312が形成され、反対側の面には、クーリングチャンネル314が形成され得る。
【0070】
上記のように、クーリングチャンネル314を有するチャンネルプレート310の第2の面310bをモジュールケース200の上面に対向するように配置すれば、前記クーリングチャンネル314の開かれた下側(-Z方向)がモジュールケース200の上面により覆われ得る。したがって、クーリングチャンネル314は、冷媒流入口301と冷媒排出口303を除いた残りの部分が密閉され得る。ここで、前記冷媒流入口301は、冷媒をクーリングチャンネル314の内部に流れ込ませるためのクーリングチャンネル314の入口を意味し、前記冷媒排出口303は、冷媒をクーリングチャンネル314の外部に排出するためのクーリングチャンネル314の出口を意味する。
【0071】
図6に示すように、第2の面310bの周縁のうちの予め定められた部分と前記モジュールケース200の上面との間に所定のギャップ(gap)が形成されるように前記予め定められた部分をモジュールケース200の上面から離隔させて冷媒流入口301と冷媒排出口303を確保し得る。すなわち、チャンネルプレート310における±X方向に沿った両側の周縁のうちの一部分をモジュールケース200の上面に接触しないように加工することにより、前記冷媒流入口301と前記冷媒排出口303が形成され得る。
【0072】
このような冷媒流入口301と冷媒排出口303には、それぞれ接続ポート302が装着され得る。前記接続ポート302は、外部パイプ(図示せず)を冷媒流入口301又は冷媒排出口303に手軽に連結するのに用いられ、連結個所の気密性を高めるのに効果的であり得る。
【0073】
以上のような構成を有する本発明の一実施形態によるクーリング及びベントユニット300によれば、普段は、冷却水が、
図5のC1、C3にて示されたように、冷媒流入口301を介してクーリングチャンネル314に流れ込み、
図6に示すように、クーリングチャンネル314に沿って移動しながら、バッテリーモジュール10を冷却させてバッテリーモジュール10の発熱を解消することができる。
【0074】
そして、バッテリーセル111の熱暴走が生じたとき、
図5のG1にて示されたように、ガスがモジュールケース200のガスベント孔215から上がってきてガス流入口316を介してガスベントチャンネル312に流れ込み、ガスベントチャンネル312に沿って移動し、ガス排出口317を介してクーリング及びベントユニット300の外部に排出され得る。このとき、チャンネルプレート310は、冷却水により冷却された状態であるため、ガスが前記ガスベントチャンネル312に沿って移動しながら冷却され得る。したがって、本発明によれば、ガスの温度が低くなってバッテリーモジュール10の外部に排出されるので、ガスの排出に起因する周りの他のバッテリーモジュール10や構造物の火災のリスクが低くなる。
【0075】
次いで、
図7に基づいて、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュール10Aについて簡略に述べる。
【0076】
図7は、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュール10Aの概略斜視図である。
【0077】
先の図面と同じ部材番号は同じ部材を示し、同じ部材についての重複する説明は省略し、前述した実施形態との相違点に重点をおいて説明する。
【0078】
本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュール10Aは、クーリング及びベントユニット300がモジュールケース200の少なくとも片側の側面部に配置されるように構成され得る。例えば、モジュールケース200の両側の側面部にガスベント孔215を構成し、
図7に示すように、クーリング及びベントユニット300をモジュールケース200の両側の側面部に取り付け得る。このとき、モジュールケース200の側面部に配備されるガスベント孔215の形成位置、本数などに応じて、クーリング及びベントユニット300のガスベントチャンネル312とクーリングチャンネル314も変形可能である。
【0079】
また、前述した実施形態は、クーリング及びベントユニット300が2本の冷媒流入口301と2本の冷媒排出口303を有しているが、この実施形態のクーリング及びベントユニット300は、1本の冷媒流入口301と1本の冷媒排出口303を有するように構成され得る。すなわち、
図6の実施構成とは異なり、モジュールケース200の左側面部に取り付けられたクーリング及びベントユニット300は、
図7のC5にて示されたように、冷却水が1本の冷媒流入口301を介してクーリングチャンネル314の内部に流れ込み、前記クーリングチャンネル314に沿って移動して、C6にて示されたように、1本の冷媒排出口303を介して外部に排出されるように構成され得る。そして、モジュールケース200の右側面部に取り付けられたクーリング及びベントユニット300は、
図7のC7にて示されたように、冷却水が1本の冷媒流入口301を介してクーリングチャンネル314の内部に流れ込み、前記クーリングチャンネル314に沿って移動して、C8にて示されたように、1本の冷媒排出口303を介して外部に排出されるように構成され得る。
【0080】
一方、上述したこの実施形態は、クーリング及びベントユニット300がモジュールケース200の上部、両側の側面部に取り付けられた例であるが、これに本発明の権利範囲が制限されることはない。すなわち、前記クーリング及びベントユニット300は、モジュールケース200の片側の側面部又はモジュールケース200の下部に取り付けられるように構成され得る。
【0081】
以下では、本発明によるバッテリーモジュール10の製造方法について簡略に説明する。バッテリーモジュール10の製造過程は、本発明の出願時点を基準として広く公知となっているため、本発明の要旨を曖昧にしないように通常のバッテリーモジュール10の製造方法についての説明は省略し、主な技術的特徴について説明する。
【0082】
本発明によるバッテリーモジュール10の製造方法は、複数のバッテリーセル111をモジュールケース200の内部に収容するステップと、前記クーリング及びベントユニット300を用意するステップ及び前記モジュールケース200の外側面に前記クーリング及びベントユニット300を結合するステップを含む。
【0083】
前記クーリング及びベントユニット300を用意するステップは、
図8に示されているように、平らな金属板を上金型20と下金型30との間に配置し、前記上金型20と前記下金型30を用いて前記金属板を上下方向に押圧(press)して前記金属板の片側の面にガスベントチャンネル312を形成し、前記金属板の反対側の面にクーリングチャンネル314を形成してチャンネルプレート310を成形するスタンピング(stamping)工程を含む。
【0084】
ここで、前記上金型20と前記下金型30のどちらか一方は、予め設計した形状の通りに、表面が浮き彫りになったものであり、残りの他方は、表面が陰核されたものである。そして、前記予め設計した形状は、目的とするガスベントチャンネル312の形状又はクーリングチャンネル314の形状を意味する。
【0085】
チャンネルプレート310の成形が終わると、カバープレート320を前記チャンネルプレート310の一面に取り付けるための工程が行われ得る。好ましくは、ガスベントチャンネル312として機能するチャンネルプレート310の第1の面310aにカバープレート320を取り付ける。このとき、カバープレート320とチャンネルプレート310とは、例えば、溶接により互いに結合され得る。
【0086】
このようにしてクーリング及びベントユニット300が用意されれば、溶接、ボルト締め、係着及び接着方式のうちの少なくとも1つの結合方式を採択して、ガスベント孔215が配備されているモジュールケース200の外側面にクーリング及びベントユニット300を取り付ける工程を行う。
【0087】
上述したように、スタンピング工程を用いてガスベントチャンネル312とクーリングチャンネル314とを一体化させたチャンネルプレート310を成形することができ、このようなチャンネルプレート310とカバープレート320とから構成されたクーリング及びベントユニット300をモジュールケース200の外側面に取り付けることにより、従来ではバッテリーモジュール10において二元化されていたガス排出装置と冷却装置とを一元化させることができる。
【0088】
一方、本発明によるバッテリーパック(図示せず)は、上述したバッテリーモジュール10を1つ以上含み得る。本発明によるバッテリーパックは、1つ以上のバッテリーモジュール10の充放電を統合制御するためのマスターバッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)、電流センサー、ヒューズなどと上述した構成品を収容するためのパックケースをさらに含み得る。
【0089】
本発明によるバッテリーパックは、エネルギー貯蔵デバイスに適用可能であるか、あるいは、電動スクーター、電気自動車やハイブリッド自動車などの自動車に適用可能である。
【0090】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0091】
一方、本明細書においては、上、下、左、右、前、後などの方向指示語が用いられたが、これらの用語は説明のしやすさのために用いられたものに過ぎず、対象となる物事の位置や観測者の位置などに応じて異なってくる可能性があるということは本発明の当業者にとって自明である。
【符号の説明】
【0092】
1 バッテリーモジュール
2 ガス排出装置
3 冷却装置
10 バッテリーモジュール
20 上金型
30 下金型
100 セルアセンブリ
110 セル積層体
111 バッテリーセル
112 電極リード
120 バスバーフレーム
130 バスバー
200 モジュールケース
210 ケース本体
211 上部プレート
212 下部プレート
213、214 側面プレート
215 ガスベント孔
220 エンドカバー
300 ベントユニット
301 冷媒流入口
302 接続ポート
303 冷媒排出口
310 チャンネルプレート
310a 第1の面
310b 第2の面
311 彫り部
312 ガスベントチャンネル
313 領域
314 クーリングチャンネル
316 ガス流入口
317 ガス排出口
320 カバープレート
321 本体部
322 曲げ部
【国際調査報告】