(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】検出システムおよび端末デバイス
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
G01S7/481 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523975
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 CN2021125805
(87)【国際公開番号】W WO2023065327
(87)【国際公開日】2023-04-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲トン▼▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】李 孟麟
(72)【発明者】
【氏名】巫 ▲紅▼英
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AD01
5J084BA03
5J084BA23
5J084BB15
5J084CA42
5J084EA01
(57)【要約】
本出願の実施態様は、検出システムおよび端末デバイスを開示する。検出システムは、ビーム分割モジュールと、偏光モジュールと、周波数混合器とを含む。ビーム分割モジュールは、第1の信号光および第2の信号光を得るために入力信号光に対してビーム分割処理を行うように構成される。偏光モジュールは、第1の信号光に対して少なくとも第1の偏光処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力するように構成され、伝送信号光の反射信号光を得て、反射信号光に対して少なくとも第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を出力するように構成される。周波数混合器は、第2の信号光と第3の信号光とに対して周波数混合処理を行うように構成されるか、または第3の信号光と、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光と、に対して周波数混合処理を行うよう構成される。このようにして、クロストークの影響を効果的に低減することができる。さらに、偏光モジュール自体が、クロストークを減らす要因となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム分割モジュールと、偏光モジュールと、周波数混合器とを備え、
前記ビーム分割モジュール(10)は、第1の信号光と第2の信号光とを得るために、入力信号光に対してビーム分割処理を行うように構成され、
前記偏光モジュール(20)は、前記第1の信号光に対して少なくとも第1の偏光処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力し、前記伝送信号光の反射信号光を得て、前記反射信号光に少なくとも第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を出力する、ように構成され、
前記周波数混合器(40)は、前記第2の信号光と前記第3の信号光とに対して周波数混合処理を行うように構成されるか、または前記第3の信号光と、前記第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光とに対して周波数混合処理を行うように構成される、
検出システム。
【請求項2】
前記周波数混合器(40)は、偏光周波数混合器であり、前記第2の信号光の偏光状態と前記第3の信号光の偏光状態とは直交するか、または前記周波数混合器(40)は、無偏光周波数混合器であり、前記第4の信号光の偏光状態と前記第3の信号光の偏光状態とは同じである、請求項1に記載の検出システム。
【請求項3】
前記偏光モジュールは、偏光変換モジュール(602)および一方向伝導コンポーネント(601)を備え、
前記一方向伝導コンポーネント(601)は、前記第1の信号光を前記偏光変換モジュールへ出力するよう構成され、前記第3の信号光を前記周波数混合器(40)へ出力するように構成されており、
前記偏光変換モジュール(602)は、前記第1の信号光に対して前記第1の偏光処理を行うよう構成され、前記反射信号光に対して前記第2の偏光処理を行うように構成される、
請求項1に記載の検出システム。
【請求項4】
前記一方向伝導コンポーネント(601)は、第1の方向から入射する第1の偏光状態の信号光を反射するか、フィルタリングするか、または吸収するようにさらに構成され、前記第1の方向は、前記第3の信号光の入力方向であり、前記第1の偏光状態は、前記第3の信号光の偏光状態とは異なる、
請求項3に記載の検出システム。
【請求項5】
前記一方向伝導コンポーネント(601)は、少なくとも1つの反射面を備え、
前記一方向伝導コンポーネント(601)は、前記第3の信号光を第1の反射面から前記周波数混合器へ反射するように構成され、および/または、
前記一方向伝導コンポーネント(601)は、第1の方向から入射する第1の偏光状態の信号光を第2の反射面から反射するように構成され、前記第1の方向は前記第3の信号光の入力方向であり、前記第1の反射面は前記第2の反射面とは異なっており、前記第1の偏光状態は前記第3の信号光の偏光状態とは異なる、
請求項3に記載の検出システム。
【請求項6】
前記偏光変換モジュール(602)は、光アンテナ(6021、6024)および第1の偏光変換コンポーネント(6022、6023)を備え、
前記光アンテナ(6021、6024)は、前記第1の信号光に対して少なくともコリメーション処理が行われた後に得られる信号光を前記第1の偏光変換コンポーネント(6022、6023)に出力するよう構成され、および前記第3の信号光を前記一方向伝導コンポーネント(601)に出力するように構成され、
前記第1の偏光変換コンポーネント(6022、6023)は、前記コリメーション処理後に得られる前記第1の信号光に対して前記第1の偏光処理を行うよう構成され、および前記反射信号光に対して前記第2の偏光処理が行われた後に得られる前記第3の信号光を出力するように構成されるか、または
前記第1の偏光変換コンポーネント(6022、6023)は、前記第1の信号光に対して前記第1の偏光処理が行われた後に得られる第5の信号光を前記光アンテナ(6021、6024)に出力するよう構成され、および前記反射信号光に対して前記第2の偏光処理を行うように構成され、
前記光アンテナ(6021、6024)は、前記第5の信号光に対して少なくともコリメーション処理が行われた後に得られる前記伝送信号光を出力するように構成される、
請求項3から5のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項7】
前記ビーム分割モジュール(10)は、ビームスプリッタ(101)および第2の偏光変換コンポーネント(102)を備え、
前記ビームスプリッタ(101)は、前記第1の信号光と前記第2の信号光とを得るために、入力信号光に対してビーム分割処理を行うように構成され、
前記第2の偏光変換コンポーネント(102)は、前記第2の信号光に対して少なくとも前記第3の偏光処理が行われた後に得られる前記第4の信号光を前記周波数混合器(40)に出力するように構成される、
請求項1から6のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項8】
前記第1の信号光の偏光状態と前記第2の信号光の偏光状態とは同じである、請求項1から6のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項9】
前記ビーム分割モジュール(10)は、偏光ビームスプリッタであり、
前記第1の信号光の偏光状態と前記第2の信号光の偏光状態とは直交し、前記入力信号光の偏光状態と前記第1の信号光の偏光状態とは、直交でもなく、平行でもない、
請求項1から6のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項10】
前記検出システムは、伝送光路および受信光路を含み、前記伝送光路および前記受信光路は同軸に配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の検出システムを備える、端末デバイス。
【請求項12】
少なくとも1つのレーザと、少なくとも1つの検出器と、請求項1から9のいずれか一項に記載の検出システムとを備える、検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、レーザ検出の分野に関し、特に、検出システムおよび端末デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
Lidarは、異なる検出方法に従って、直接検出LidarとコヒーレントLidarとに分類することができる。直接検出Lidarは、直接検出法を用いるLidarである。コヒーレント検出Lidarは、コヒーレント検出法を用いるLidarである。直接検出Lidarは、光パルスの反射と受信との間の測定された時間遅延差に光の速度を乗算して、距離情報を得る。しかしながら、直接検出Lidarは、高感度の検出器と高いピークパワーの伝送パルス信号が必要であり、ノイズの影響を大きく受ける。これに対して、コヒーレントLidarは、連続光を検出信号として使用し、局部発振器光と信号光とを混合することで信号の周波数、大きさ、位相情報を得るものであり、検出効率が高い、環境光干渉に強い、速度情報をリアルタイムで取得できる、などの利点がある。
【0003】
コヒーレント検出システム(例えば、コヒーレントLidar)の場合、弱い信号に対するその検出利点のために、クロストークは、直接検出Lidarよりもコヒーレント検出システムに大きな影響を与える。コヒーレント検出システムでは、クロストークの制御レベルが、その検出能力および精度に直接影響する。したがって、コヒーレント検出におけるクロストークの影響をどのように低減するかを検討する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願は、検出システムにおけるクロストークの影響を効果的に低減するための検出システムおよび端末デバイスを開示する。
【0005】
第1の態様によれば、本出願の一実施形態は、ビーム分割モジュールと、偏光モジュールと、周波数混合器とを含む検出システムを提供する。ビーム分割モジュールは、第1の信号光および第2の信号光を得るために入力信号光に対してビーム分割処理を行うように構成される。偏光モジュールは、第1の信号光に対して少なくとも第1の偏光処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力するように構成され、伝送信号光の反射信号光を得て、反射信号光に対して少なくとも第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を出力するように構成される。周波数混合器は、第2の信号光と第3の信号光とに対して周波数混合処理を行うように構成されるか、または第3の信号光と、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光と、に対して周波数混合処理を行うよう構成される。
【0006】
本出願のこの実施形態では、偏光モジュールは、第1の信号光に対して少なくとも第1の偏光処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力するよう構成され、反射信号光に対して少なくとも第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を出力するように構成される。第3の信号光は、第1の信号光に対して少なくとも第1の偏光処理と少なくとも第2の偏光処理とが行われた後に得られる信号光として理解されてもよい。第3の信号光と、クロストーク光であって、その偏光状態が第3の信号光の偏光状態と同じである、クロストーク光のみと、を周波数混合器に出力することができる。偏光状態が第3の信号光の偏光状態とは異なるクロストーク光は周波数混合器に出力されることができないため、クロストークの影響を効果的に低減することができる。さらに、偏光モジュール自体が、クロストークを減らす要因となる。
【0007】
可能な実装形態では、周波数混合器は偏光周波数混合器であり、第2の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは直交する。あるいは、周波数混合器は、無偏光周波数混合器であり、第4の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じである。
【0008】
この実装形態では、偏光モジュールは、反射光によって引き起こされるクロストークを低減する。すなわち、クロストーク光は、周波数混合器に入射しない。したがって、周波数混合器が、第2の信号光と第3の信号光に対して周波数混合処理を行うか、または第3の信号光と第4の信号光に対して周波数混合処理を行って、その結果、周波数混合効率が向上されることができ、偏光解消などのような非理想的な要因の影響が低減されることができる。
【0009】
可能な実装形態では、偏光モジュールは、偏光変換モジュールと、一方向伝導コンポーネントとを含む。一方向伝導コンポーネントは、第1の信号光を偏光変換モジュールに出力するように構成され、第3の信号光を周波数混合器に出力するように構成される。偏光変換モジュールは、第1の信号光に対して第1の偏光処理を行うように構成され、反射信号光に対して第2の偏光処理を行うように構成される。
【0010】
この実装形態では、一方向伝導コンポーネントは、一部の信号光が周波数混合器へ漏れるのを回避するために、偏光変換モジュールへの第1の信号光を周波数混合器へ出力し、第3の信号光を出力するように構成される。
【0011】
可能な実装形態では、一方向伝導コンポーネントは、第1の方向から入射する第1の偏光状態の信号光を反射するか、フィルタリングするか、または吸収するように、さらに構成される。第1の方向は、第3の信号光の入力方向であり、第1の偏光状態は、第3の信号光の偏光状態とは異なる。
【0012】
この実装形態では、一方向伝導コンポーネントは、第1の方向から入射する第1の偏光状態の信号光を反射するか、フィルタリングするか、または吸収するように、さらに構成される。このようにして、ほとんどのクロストーク光が周波数混合器に入射せず、クロストークの影響を効果的に低減することができる。
【0013】
可能な実装形態では、一方向伝導コンポーネントは、第1の反射面から周波数混合器へと第3の信号光を反射するように構成されるか、および/または一方向伝導コンポーネントは、第1の方向から入射する第1の偏光状態の信号光を第2の反射面から反射するように構成される。第1の反射面は第2の反射面とは異なり、第1の偏光状態は第3の信号の偏光状態とは異なる。
【0014】
この実装形態では、一方向伝導コンポーネントは、第3の信号光を第1の反射面から周波数混合器に反射するように構成されるか、および/または一方向伝導コンポーネントは、第1の方向から入射する第1の偏光状態の信号光を第2の反射面から反射するように構成される。このようにして、第1の偏光状態の信号光は周波数混合器への入射を阻止され、構造は単純である。
【0015】
可能な実装形態では、偏光変換モジュールは、光アンテナおよび第1の偏光変換コンポーネントを含む。光アンテナは、第1の信号光に対して少なくともコリメーション処理が行われた後に得られる信号光を第1の偏光変換コンポーネントに出力するよう構成され、第3の信号光を一方向伝導コンポーネントに出力するよう構成される。第1の偏光変換コンポーネントは、コリメーション処理後に得られる第1の信号光に対して第1の偏光処理を行うよう構成され、反射信号光に対して第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を出力するように構成される。あるいは、第1の偏光変換コンポーネントは、第1の信号光に対する第1の偏光処理が行われた後に得られる第5の信号光を光アンテナに出力するよう構成され、反射信号光に対して第2の偏光処理を行うように構成される。光アンテナは、第5の信号光に対して少なくともコリメーション処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力するように構成される。
【0016】
この実装形態では、光アンテナは、信号光に対してコリメーション処理を行って、その結果、信号光は最大効率で第1の偏光変換コンポーネントに結合されることができるか、または信号光は最大効率で結合され伝送されることができる。
【0017】
可能な実装形態では、ビーム分割モジュールは、ビームスプリッタおよび第2の偏光変換コンポーネントを含む。ビームスプリッタは、第1の信号光および第2の信号光を得るために、入力信号光に対してビーム分割処理を行うように構成される。第2の偏光変換コンポーネントは、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光を周波数混合器に出力するように構成される。例えば、第4の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。
【0018】
この実装形態では、第2の偏光変換コンポーネントは、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光を周波数混合器に出力するように構成され、その結果、必要な偏光状態の信号光は周波数混合器に出力されることができる。
【0019】
可能な実装形態では、第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは同じである。
【0020】
可能な実装形態では、ビーム分割モジュールは偏光ビームスプリッタである。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交し、ビーム分割モジュールによって入力された信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは、直交でもなく、平行でもない。
【0021】
この実装形態では、ビーム分割モジュールは、偏光状態が直交する第1の信号光と第2の信号光とを得るために、入力信号光に対してビーム分割処理を行う。このようにして、周波数混合器によって入力された局部発振器光と信号光の偏光状態を同じにすることができ、周波数混合効率が向上されることができる。構造は単純であり、追加の偏光変換コンポーネントは必要ない。
【0022】
可能な実装形態では、ビームスプリッタは偏光ビームスプリッタである。ビームスプリッタは、第1の信号光および第2の信号光を得るために、入力信号光に対してビーム分割処理および偏光状態調整処理を行うように特に構成される。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交し、ビームスプリッタによって入力された信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは、直交でもなく、平行でもない。
【0023】
この実装形態では、ビーム分割モジュールは、偏光状態が直交する第1の信号光と第2の信号光とを得るために、入力信号光に対してビーム分割処理および偏光状態調整処理を行う。このようにして、偏光周波数混合器を使用して周波数混合処理を実装するために、周波数混合器によって入力された局部発振器光と信号光の偏光状態とは直交することが保証され得る。
【0024】
可能な実装形態では、検出システム内の伝送光路および受信光路は同軸に配置される。
【0025】
第2の態様によれば、本出願の一実施形態は、第1の態様または第1の態様の可能な実装形態のいずれか1つによる検出システムを含む、Lidarシステムを提供する。
【0026】
第3の態様によれば、本出願の一実施形態は、第1の態様または第1の態様の可能な実装形態のいずれか1つによる検出システムを含む、端末デバイスを提供する。
【0027】
第4の態様によれば、本出願の一実施形態は、少なくとも1つのレーザと、少なくとも1つの検出器と、第1の態様または第1の態様の可能な実装形態のいずれか1つによる検出システムとを含む、検出装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本出願の一実施形態による検出システムの構造の概略図である。
【
図2A】本出願の一実施形態による、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、および第3の信号光の偏光状態の一例を示す。
【
図2B】本出願の一実施形態による、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、および第3の信号光の偏光状態の一例を示す。
【
図2C】本出願の一実施形態による、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、および第3の信号光の偏光状態の一例を示す。
【
図3A】本出願の一実施形態による、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、第3の信号光の偏光状態、および第4の信号光の偏光状態の例を示す図である。
【
図3B】本出願の一実施形態による、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、第3の信号光の偏光状態、および第4の信号光の偏光状態の例を示す図である。
【
図3C】本出願の一実施形態による、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、第3の信号光の偏光状態、および第4の信号光の偏光状態の例を示す図である。
【
図3D】本出願の一実施形態による、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、第3の信号光の偏光状態、および第4の信号光の偏光状態の例を示す図である。
【
図4A】本出願の一実施形態による、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、および第3の信号光の偏光状態の例を示す。
【
図4B】本出願の一実施形態による、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、および第3の信号光の偏光状態の例を示す。
【
図4C】本出願の一実施形態による、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、および第3の信号光の偏光状態の例を示す。
【
図5A】本出願の一実施形態による、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、および第3の信号光の偏光状態の例を示す。
【
図5B】本出願の一実施形態による、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、および第3の信号光の偏光状態の例を示す。
【
図5C】本出願の一実施形態による、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、および第3の信号光の偏光状態の例を示す。
【
図6】本出願の一実施形態による偏光モジュールの構造の概略図である。
【
図7】本出願の一実施形態による、第1の方向から入射する第3の信号光および第1の偏光状態の信号光を一方向伝導コンポーネントが処理する例を示す図である。
【
図8A】本出願の一実施形態による偏光変換モジュール602の構造の概略図である。
【
図8B】本出願の一実施形態による偏光変換モジュール602の構造の概略図である。
【
図9】本出願の一実施形態によるビーム分割モジュール10の構造の概略図である。
【
図10】本出願の一実施形態による、伝送光路および受信光路を同軸に配置することができる例を示す図である。
【
図11】本出願の一実施形態による他の検出システムの構造の概略図である。
【
図12】本出願の一実施形態による他の検出システムの構造の概略図である。
【
図13】本出願の一実施形態による他の検出システムの構造の概略図である。
【
図14】本出願の一実施形態による他の検出システムの構造の概略図である。
【
図15A】非相互コンポーネントとして無偏光コンポーネント(サーキュレータ)を使用する同軸トランシーバ検出システムの試験結果の例を示す。
【
図15B】非相互コンポーネントとして無偏光コンポーネント(サーキュレータ)を使用する同軸トランシーバ検出システムの試験結果の例を示す。
【
図16A】非相互コンポーネントとして偏光コンポーネントを使用する同軸トランシーバ検出システムの試験結果の例を示す。
【
図16B】非相互コンポーネントとして偏光コンポーネントを使用する同軸トランシーバ検出システムの試験結果の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
背景技術で説明したように、現在、検出システムにおけるクロストークの影響をどのように低減するかを検討する必要がある。本出願は、クロストークの影響を効果的に低減することができる検出システムを提供する。加えて、本出願で提供される検出システムは、検出システムに含まれるコンポーネントによって引き起こされるクロストークをさらに低減することができる。
【0030】
本出願で提供されるLidarをよりよく理解するために、以下ではLidarに関連するいくつかの知識について説明する。
【0031】
同軸光学システムと側軸光学システム
Lidarにおける伝送光路および受信光路の異なるレイアウトに基づいて、2つの基本的な光学システム、すなわち同軸光学システムおよび側軸光学システムを含むことができる。同軸光学システムにおいて、伝送光ビームの軸と受信光路の軸は、同じ光軸上に置かれるか、部分的に置かれる。同軸光学システムは、構造が単純で送受信効率が高いが、近接場後方散乱光の影響を受けやすい。側軸(二軸とも呼ばれる)光学システムでは、レーザビームは受信機光軸から分離され、伝送光ビームは特定の範囲内の受信視野のみに重なることができる。側軸システムは、近接場後方散乱の影響を受けにくいが、近距離死角がある。
【0032】
単純な構造の同軸トランシーバ光学システムでは、様々なクロストークが取り込まれることが多い。クロストークには、サーキュレータなどのコンポーネントに起因するものと、環境内の迷光に起因するものとがある。コンポーネント自体によって取り込まれるクロストークが大部分を占める。
【0033】
同軸光学システムを使用するコヒーレント検出システムでは、反射光は、コンポーネントを介して、ターゲット反射光(すなわち、必要な信号光)よりもはるかに大きな信号を取り込む。反射光が局部発振器光に混入した後、近距離信号の検出は大きな影響を受け、遠距離でのノイズレベルが上昇する。言い換えれば、同軸光学システムを使用するコヒーレント検出システムでは、クロストークの影響はより深刻となる。
【0034】
以下、添付の図面を参照して、本出願で提供される検出システムの一例を説明する。
【0035】
図1は、本出願の一実施形態による検出システムの構造の概略図である。
図1に示すように、検出システムは、ビーム分割モジュール10と、偏光モジュール20と、周波数混合器40とを含む。いくつかの実施形態では、ビーム分割モジュール10、偏光モジュール20、および周波数混合器40の機能は以下の通りである。
【0036】
ビーム分割モジュール10は、第1の信号光と第2の信号光とを得るために、入力信号光に対してビーム分割処理を行うように構成される。
【0037】
偏光モジュール20は、第1の信号光に対して少なくとも第1の偏光処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力するように構成され、伝送信号光の反射信号光を得て(または受信して)、反射信号光に対して少なくとも第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を周波数混合器40へ出力するように構成される。
【0038】
周波数混合器40は、第2の信号光と第3の信号光に対して周波数混合処理を行うよう構成されるか、または第3の信号光と、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光と、に対して周波数混合処理を行うよう構成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、ビーム分割モジュール10は、第1の信号光を偏光モジュール20に出力し、第2の信号光を周波数混合器40に出力するように、さらに構成される。第3の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交しており、周波数混合器40は偏光周波数混合器である。可能な実装形態では、第2の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは同じであり、例えば、両方とも水平偏光または垂直偏光である。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。
【0040】
図2A~
図2Cは、本出願の一実施形態による、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、および第3の信号光の偏光状態の例を示す。
図2Aにおいて、201は第1の信号光の偏光状態を示し、202は第2の信号光の偏光状態を示し、203は第3の信号光の偏光状態を示す。第2の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは同じである(いずれも水平偏光である)。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。第3の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。
図2Bにおいて、204は第1の信号光の偏光状態を示し、205は第2の信号光の偏光状態を示し、206は第3の信号光の偏光状態を示す。第2の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは同じである(いずれも垂直偏光である)。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。第3の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。
図2Cにおいて、207は第1の信号光の偏光状態を示し、208は第2の信号光の偏光状態を示し、209は第3の信号光の偏光状態を示す。第2の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは同じである(いずれも垂直偏光である)。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。第3の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。
【0041】
いくつかの実施形態では、ビーム分割モジュール10は、第1の信号光を偏光モジュール20に出力し、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光を周波数混合器40に出力するように、さらに構成される。第4の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じであり、周波数混合器40は無偏光周波数混合器である。可能な実装形態では、第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは同じであり、例えば、両方とも水平偏光または垂直偏光である。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。第3の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。第2の信号光の偏光状態と第4の信号光の偏光状態とは直交する。ビーム分割モジュール10によって、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理を行うことは、第2の信号光に対して偏光変換を行うこと、例えば、第2の信号光を偏光状態1から偏光状態2に変換することであってもよく、偏光状態1と偏光状態2とは直交する。例えば、ビーム分割モジュール10は、第4の信号光を得るために、第2の信号光を水平偏光から垂直偏光に変換する。可能な実装形態では、第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは同じか、または異なる。第2の信号光の偏光状態と第4の信号光の偏光状態とは、直交でもなく、平行でもない。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは、直交でもなく、平行でもない。これらの実施形態において、第3の信号光の偏光状態と第4の信号光の偏光状態とは直交することが保証される限り、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、または第3の信号光の偏光状態は限定されなくてもよい。例えば、第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは同じであり、第2の信号光の偏光状態と第4の信号光の偏光状態との間の挟角は45度であり、第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態との間の挟角は45度であり、第4の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じである。他の例では、第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態との間の挟角は90度であり、第2の信号光の偏光状態と第4の信号光の偏光状態との間の挟角は45度であり、第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態との間の挟角は45度であり、第4の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じである。
【0042】
図3A~
図3Dは、本出願の一実施形態による、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、第3の信号光の偏光状態、および第4の信号光の偏光状態の例を示す。
図3Aにおいて、301は第1の信号光の偏光状態を示し、302は第2の信号光の偏光状態を示し、303は第3の信号光の偏光状態を示し、304は第4の信号光の偏光状態を示す。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは同じである(いずれも水平偏光である)。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。第4の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。第4の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じである。
図3Bにおいて、305は第1の信号光の偏光状態を示し、306は第2の信号光の偏光状態を示し、307は第3の信号光の偏光状態を示し、308は第4の信号光の偏光状態を示す。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは同じである(いずれも垂直偏光である)。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。第4の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。第4の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じである。
図3Cにおいて、309は第1の信号光の偏光状態を示し、310は第2の信号光の偏光状態を示し、311は第3の信号光の偏光状態を示し、312は第4の信号光の偏光状態を示す。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは同じである(垂直偏光である)。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態との挟角は、45度である(他の角度であってもよい)。第4の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態との挟角は、45度である(他の角度であってもよい)。第4の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じである。
図3Dにおいて、313は第1の信号光の偏光状態を示し、314は第2の信号光の偏光状態を示し、315は第3の信号光の偏光状態を示し、316は第4の信号光の偏光状態を示す。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは同じである(非垂直偏光または非水平偏光)。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。第4の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。第4の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じである。
【0043】
いくつかの実施形態では、ビーム分割モジュール10は、第1の信号光を偏光モジュール20に出力し、第2の信号光を周波数混合器40に出力するように、さらに構成される。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態と、第1の信号光(または第2の信号光)の偏光状態とは、直交でもなく、平行でもない。第2の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じである。周波数混合器40は、無偏光周波数混合器である。可能な実装形態では、第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交し、例えば、両方とも水平偏光または垂直偏光である。
【0044】
図4A~
図4Cは、本出願の一実施形態による、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、および第3の信号光の偏光状態の例を示す。
図4Aにおいて、401は、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光(すなわち、ビーム分割モジュールの入力信号光)の偏光状態を示し、402は、第1の信号光の偏光状態(垂直偏光)を示し、403は、第2の信号光の偏光状態(水平偏光)を示し、404は、第3の信号光の偏光状態を示す。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。第2の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じである。
図4Bにおいて、405は、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光(すなわち、ビーム分割モジュールの入力信号光)の偏光状態を示し、406は、第1の信号光の偏光状態(水平偏光)を示し、407は、第2の信号光の偏光状態(垂直偏光)を示し、408は、第3の信号光の偏光状態を示す。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。第2の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じである。
図4Cにおいて、409は、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光(すなわち、ビーム分割モジュールの入力信号光)の偏光状態(例えば、水平偏光)を示し、410は、第1の信号光の偏光状態(非垂直偏光または非水平偏光)を示し、411は、第2の信号光の偏光状態を示し、412は、第3の信号光の偏光状態を示す。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。第2の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じである。ビーム分割モジュールの入力信号光と第1の信号光との間の偏光角は、45度であってもよいし、他の角度であってもよい。これは、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0045】
いくつかの実施形態では、ビーム分割モジュール10は、第1の信号光を偏光モジュール20に出力し、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光を周波数混合器40に出力するように、さらに構成される。第4の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは直交しており、周波数混合器40は偏光周波数混合器である。これらの実施形態では、第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態と、第1の信号光(または第2の信号光)の偏光状態とは、直交でもなく、平行でもない。第2の信号光の偏光状態と第4の信号光の偏光状態とは直交する。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。
【0046】
図5A~
図5Cは、本出願の一実施形態による、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態、第1の信号光の偏光状態、第2の信号光の偏光状態、第3の信号光の偏光状態、および第4の信号光の偏光状態の例を示す。
図5Aにおいて、501はビーム分割モジュール10によって入力された信号光(すなわち、ビーム分割モジュールの入力信号光)の偏光状態を示し、502は第1の信号光の偏光状態(垂直偏光)を示し、503は第2の信号光の偏光状態(水平偏光)を示し、504は第3の信号光の偏光状態を示し、505は第4の信号光の偏光状態を示す。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。第4の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。
図5Bにおいて、506はビーム分割モジュール10によって入力された信号光(すなわち、ビーム分割モジュールの入力信号光)の偏光状態を示し、507は第1の信号光の偏光状態(水平偏光)を示し、508は第2の信号光の偏光状態(垂直偏光)を示し、509は第3の信号光の偏光状態を示し、510は第4の信号光の偏光状態を示す。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。第4の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。
図5Cにおいて、511は、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光(すなわち、ビーム分割モジュールの入力信号光)の偏光状態(例えば、水平偏光)を示し、512は、第1の信号光の偏光状態(非垂直偏光または非水平偏光)を示し、513は、第2の信号光の偏光状態を示し、514は、第3の信号光の偏光状態を示し、515は、第4の信号光の偏光状態を示す。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。第3の信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは直交する。第4の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1の信号光と第3の信号光の両方が直線偏光であり、第1の信号光に対して少なくとも第1の偏光処理が行われた後に得られる伝送信号光と伝送信号光の反射信号光との両方が円偏光または楕円偏光である。第4の信号光は、直線偏光であってもよい。いくつかの実施形態では、偏光モジュールは、偏光を選択する機能、すなわち、特定の偏光状態の信号光(例えば、第3の信号光)のみを周波数混合器に出力し、他の偏光状態の信号光を周波数混合器に出力しない機能を有する。
【0048】
本出願で提供される検出システムでは、偏光モジュールは、第1の信号光に対して少なくとも第1の偏光処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力するように構成され、伝送信号光の反射信号光を得て(または受信して)、反射信号光に対して少なくとも第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を周波数混合器40へ出力するよう構成される。第3の信号光の偏光状態とは異なる偏光状態のクロストーク光が周波数混合器に出力されることができないため、反射光のクロストークの影響が効果的に低減されることができる。具体的には、第3の信号光と、偏光状態が第3の信号光の偏光状態と同じクロストーク光のみとが、偏光モジュールによって周波数混合器に出力され(すなわち、偏光モジュールは、特定の偏光状態の信号光のみを周波数混合器に出力する)、他の偏光状態のクロストーク光は周波数混合器に入射することができない。すなわち、ほとんどのクロストーク光は、周波数混合器に入射することができない。したがって、クロストークの影響が効果的に低減されることができる。
【0049】
以下、添付図面を参照して、偏光モジュール20の可能な構造を説明する。
【0050】
図6は、本出願の一実施形態による偏光モジュールの構造の概略図である。
図6に示すように、偏光モジュール20は、一方向伝導コンポーネント601と、偏光変換モジュール602とを含む。一方向伝導コンポーネント601および偏光変換モジュール602の機能は以下の通りである。
【0051】
一方向伝導コンポーネント601は、第1の信号光を偏光変換モジュールに出力するように構成され、第3の信号光を周波数混合器40に出力するように構成される。
【0052】
偏光変換モジュール602は、第1の信号光に対して第1の偏光処理を行うように構成され、反射信号光に対して第2の偏光処理を行うように構成される。偏光変換モジュール602は、第1の信号光に第1の偏光処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力し、反射信号光に対して第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を一方向伝導コンポーネント601に出力するように、さらに構成される。偏光変換モジュール602は、反射信号光を受信するように、さらに構成される。
【0053】
一方向伝導コンポーネント601は、一方向伝導性の非相互コンポーネントであってもよい。一方向伝導コンポーネント601に第1の方向から入射する信号光は、すべて伝送されるか、フィルタリングされるか、または吸収され、すなわち一方向伝導コンポーネント601を通過することができない。第2の方向から一方向伝導コンポーネント601に入射する信号光は、一方向伝導コンポーネント601を通過することができる。例えば、一方向伝導コンポーネント601は、2つの入力端を含む。一方の入力端(第1の方向に相当)から入力された信号光は、伝送されるか、フィルタリングされるか、または吸収され、他方の入力端(第2の方向に相当)から入力された信号光は、一方向伝導コンポーネント601を通過して、一方向伝導コンポーネント601の出力端から出力される。いくつかの実施形態では、第1の信号光は第2の方向から一方向伝導コンポーネント601に入射し、一方向伝導コンポーネント601は、第1の信号光を偏光変換モジュール602に出力する。第3の信号光は、第1の方向から一方向伝導コンポーネント601に入射し、一方向伝導コンポーネント601は、第3の信号光を周波数混合器40に入力する。一方向伝導コンポーネント601は、第1の方向から入射する第1の偏光状態の信号光を反射するか、フィルタリングするか、または吸収するように、さらに構成される。第1の方向は、第3の信号光の入力方向であり、第1の偏光状態は、第3の信号光の偏光状態とは異なる。言い換えれば、一方向伝導コンポーネント601に第1の方向から入射する第1の偏光状態の信号光は、一方向伝導コンポーネント601によって反射されるか、フィルタリングされるかまたは吸収される。すなわち、第1の偏光状態の信号光は、周波数混合器に出力されない。一方向伝導コンポーネント601は、偏光を選択する機能、すなわち、第1の方向から入射する第2の偏光状態の信号光(例えば、第3の信号光)を周波数混合器へ出力する機能と、第1の方向から入射する第1の偏光状態の信号光を反射するか、フィルタリングするか、または吸収する機能とを有することを理解されたい。第1の偏光状態は、第2の偏光状態とは異なる任意の偏光状態である。言い換えれば、一方向伝導コンポーネント601は、第1の方向から入射する第2の偏光状態の信号光(例えば、第3の信号光)のみを周波数混合器に出力し、第1の方向から入射する他の偏光状態の信号光(第2の偏光状態とは異なる任意の偏光状態)は、周波数混合器に出力されることができない。例えば、一方向伝導コンポーネント601は、第3の信号光を第1の反射面から周波数混合器に反射し、第1の方向から入射する第1の偏光状態の信号光を第2の反射面から反射するように構成される。第1の反射面は第2の反射面とは異なり、第1の偏光状態は第3の信号の偏光状態とは異なる。一方向伝導コンポーネント601は、偏光光学スプリッタまたは偏光光選択コンポーネント、例えば偏光ビームスプリッタ(polarization beam splitter、PBS)であってもよい。
図7は、本出願の一実施形態による、第1の方向から入射する第3の信号光と第1の偏光状態の信号光とを一方向伝導コンポーネントが処理する例を示す。
図7に示すように、一方向伝導コンポーネント601に第1の方向から入射する第3の信号光は、第1の反射面(図では上側の反射面)から周波数混合器へと反射される。一方向伝導コンポーネント601に第1の方向から入射する第1の偏光状態の信号光は、第2の反射面から反射される。
【0054】
偏光変換モジュール602は、第1の信号光に対して少なくとも第1の偏光処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力し、伝送信号光の反射信号光を受信し、反射信号光に対して少なくとも第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を出力するように、構成される。偏光変換モジュール602は、一方向伝導コンポーネント601によって周波数混合器出力され得る第3の信号光を得るために、第1の信号光に対して少なくとも第1の偏光処理を行い、反射信号光に対して少なくとも第2の偏光処理を行うことが分かる。一方向伝導コンポーネント601は、偏光を選択する機能、すなわち、第1の方向から入射する第3の信号光を周波数混合器に出力し、第2の方向から入射する第1の偏光状態の信号光を反射するか、フィルタリングするか、または吸収する機能を有する。このようにして、一方向伝導コンポーネント601によって第3の信号光(必要なターゲット伝送光)のみが周波数混合器に出力され、クロストーク光は周波数混合器に出力されない。したがって、クロストークの影響が効果的に低減されることができる。
【0055】
以下、添付図面を参照して、偏光変換モジュール602の可能な構造を説明する。
【0056】
図8Aおよび
図8Bは、本出願の一実施形態による偏光変換モジュール602の構造の概略図である。
図8Aに示すように、偏光変換モジュール602は、光アンテナ6021および第1の偏光変換コンポーネント6022を含む。一方向伝導コンポーネント601が出力する第1の信号光は、光アンテナに入射する。
【0057】
いくつかの実施形態では、光アンテナ6021および第1の偏光変換コンポーネント6022の機能は以下の通りである。
【0058】
光アンテナ6021は、第1の信号光に対して少なくともコリメーション処理が行われた後に得られる信号光を第1の偏光変換コンポーネントに出力するよう構成され、第3の信号光を一方向伝導コンポーネントに出力するように構成される。
【0059】
第1の偏光変換コンポーネント6022は、コリメーション処理後に得られる第1の信号光に対して第1の偏光処理を行うよう構成され、反射信号光に対して第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を出力するように構成される。
【0060】
第1の偏光変換コンポーネント6022は、反射信号光を受信し、第3の信号光を光アンテナ6021へ出力するように、さらに構成されてもよい。第1の偏光変換コンポーネント6022は、コリメーション処理後に得られる第1の信号光に対して第1の偏光処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力するように、さらに構成されてもよい。光アンテナ6021は、コリメータを含んでもよい。例えば、光アンテナ6021は、1つまたは複数のレンズを含む、カメラレンズを含む。光アンテナ6021は、第1の信号光をコリメートすること、すなわち入力光をコリメートすることができる。第1の偏光変換コンポーネント6022は、1/4波長板か、または他のものであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の偏光変換コンポーネント6022は以下の特性を有しており、すなわち、光ビーム(任意の直線偏光)は、第1の偏光変換コンポーネント6022を一度(または一回)通過した後、直線偏光(例えば、第1の信号光)から円偏光または楕円偏光に変換されてもよく、第1の偏光変換コンポーネント6022を二回通過した後、偏光状態から、偏光状態に直交する他の偏光状態へと変換されてもよい(出力光と帰還光)。第3の信号光は、第1の信号光が第1の偏光変換コンポーネント6022を二回通過した後に得られる信号光と考えることができ、すなわち、第1の偏光変換コンポーネント6022は、伝送信号光を出力するために、コリメーション処理後に得られる第1の信号光に対して第1の偏光処理を行い、次いで、第3の信号光を出力するために、反射信号光に対して第2の偏光処理が行われる。伝送信号光の偏光状態と反射信号光の偏光状態とは同じである。
【0061】
図8Bに示すように、偏光変換モジュール602は、第1の偏光変換コンポーネント6023および光アンテナ6024を含む。一方向伝導コンポーネント601によって出力された第1の信号光は、第1の偏光変換コンポーネント6023に入射する。
【0062】
いくつかの実施形態では、第1の偏光変換コンポーネント6023および光アンテナ6024の機能は以下の通りである。
【0063】
第1の偏光変換コンポーネント6023は、第1の偏光処理が第1の信号光に対して行われた後に得られる第5の信号光を光アンテナ6024に出力するよう構成され、反射信号光に対して第2の偏光処理を行うように構成される。
【0064】
光アンテナ6024は、少なくともコリメーション処理が第5の信号光に対して行われた後に得られる伝送信号光を出力するように構成される。
【0065】
光アンテナ6024は、反射信号光を受信し、反射信号光を第1の偏光変換コンポーネント6023に出力するように、さらに構成されてもよい。第1の偏光変換コンポーネント6023は、第2の偏光処理が反射信号光に対して行われた後に得られる第3の信号光を一方向伝導コンポーネント601に出力するように構成されてもよい。
【0066】
光アンテナ6024は、コリメータを含んでもよい。例えば、光アンテナ6024は、1つまたは複数のレンズを含む、カメラレンズである。光アンテナ6024は、第5の信号光をコリメートする、すなわち入力光をコリメートすることができる。第1の偏光変換コンポーネント6023は、1/4波長板か、または他のものであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の偏光変換コンポーネント6023は以下の特性を有しており、すなわち、光ビーム(任意の直線偏光)は、第1の偏光変換コンポーネント6023を一度(または一回)通過した後、直線偏光(例えば、第1の信号光)から円偏光または楕円偏光に変換されてもよく、第1の偏光変換コンポーネント6023を二回通過した後、偏光状態から、偏光状態に直交する他の偏光状態へと変換されてもよい(出力光と帰還光)。第3の信号光は、第1の信号光が第1の偏光変換コンポーネント6023を二回通過した後に得られる信号光と考えることができ、すなわち、第1の偏光変換コンポーネント6023は、第5の信号光を出力するために、第1の信号光に対して第1の偏光処理を行い、次いで、第3の信号光を出力するために、反射信号光に対して第2の偏光処理が行われる。伝送信号光の偏光状態と反射信号光の偏光状態とは同じである。
【0067】
偏光変換モジュール602における光アンテナの機能は、信号光が必要なコンポーネントに最大効率で結合されることを可能にすることである。本出願のこの実施形態では、光アンテナ6024は信号光に対してコリメーション処理を行って、その結果、信号光が最大効率で第1の偏光変換コンポーネント6023に結合されることができるか、または信号光が最大効率で結合されて検出システムから伝送されることができる。
【0068】
以下、添付の図面を参照して、ビーム分割モジュール10の可能な構造を説明する。
【0069】
図9は、本出願の一実施形態によるビーム分割モジュール10の構造の概略図である。
図9に示すように、ビーム分割モジュール10は、ビームスプリッタ101と、第2の偏光変換コンポーネント102とを含む。
【0070】
ビームスプリッタ101は、第1の信号光および第2の信号光を得るために、入力信号光に対してビーム分割処理を行うように構成される。
【0071】
第2の偏光変換コンポーネント102は、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光を周波数混合器に出力するように構成される。
【0072】
いくつかの実施形態では、第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは同じであり、第4の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。ビームスプリッタ101は、第1の信号光と第2の信号光とを得るために、入力信号光に対してビーム分割処理を行い、第1の信号光を偏光モジュール20に出力し、第2の信号光を第2の偏光変換コンポーネント102に出力するように、特に構成される。ビームスプリッタ101は、ビームスプリッタ101の入射光に対して特定の割合に応じてビーム分割処理を行うことを理解されたい。一方は信号光として偏光モジュール20に入射し、他方は局部発振器光として第2の偏光変換コンポーネント102に入射する。実際の用途では、ビームスプリッタ101によって行われるビーム分割処理の割合は、実際の要件、すなわち、信号光の割合および局部発振器光の割合、に従って構成されてもよい。第2の偏光変換コンポーネント102の機能は、第2の偏光変換コンポーネント102によって入力された信号光(例えば、第2の信号光)について偏光変換を行うことである。言い換えれば、第2の偏光変換コンポーネント102は、第2の信号光(局部発振器光)の偏光状態を変換する、例えば、第2の信号光(すなわち、局部発振器光)の偏光状態を90度変換する、ように構成される。例えば、第2の偏光変換コンポーネント102は、第4の信号光を得るために、第2の信号光を水平偏光から垂直偏光に変換する。第2の偏光変換コンポーネント102は、半波長板か、または他のものであってもよい。これらの実施形態では、第2の偏光変換コンポーネント102は、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光を周波数混合器に出力するように構成されており、その結果、周波数混合器は、局部発振器光(すなわち、第4の信号光)と第3の信号光とに対して周波数混合処理を行う。
【0073】
いくつかの実施形態では、ビームスプリッタ101は偏光ビームスプリッタである。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交し、ビームスプリッタ101によって入力された信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは、直交でもなく、平行でもない。ビームスプリッタ101は、第1の信号光と第2の信号光とを得るために、入力信号光に対してビーム分割処理および偏光状態調整処理(例えば、信号光の偏光状態の調整)を行い、第1の信号光を偏光モジュール20に出力し、第2の信号光を第2の偏光変換コンポーネント102に出力するように、構成されてもよい。光が紙に向かって伝播すると仮定し、垂直偏光が偏光状態1と定義され、水平偏光が偏光状態2と定義されてもよい。ビームスプリッタ101に入射する光信号の偏光状態は、偏光状態1および偏光状態2のそれぞれと特定の角度(例えば、1°~89°)を成す偏光状態3である。偏光ビームスプリッタの特徴に基づいて、ビームスプリッタ101は、ビームスプリッタの機能を実装するために、偏光状態3と偏光状態1との間、および偏光状態3と偏光状態2との間に形成される特定の角度に基づいて、信号経路(信号光に相当)と局部発振器経路(局部発振器光に相当)との分割比を調整することができる。例えば、ビームスプリッタ101は、偏光状態3の特定の角度を調整し(すなわち、偏光状態調整処理)、その結果、大部分の光が信号光として使用され、偏光状態1(第1の信号光に相当)で偏光モジュール20に入射する。ビームスプリッタ101は、偏光状態3の特定の角度を調整して、その結果、ごく一部の光が局部発振器光として使用され、偏光状態2(第2の信号光に相当)の第2の偏光変換コンポーネント102に入射する。第2の偏光変換コンポーネント102は、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光を周波数混合器に出力するように構成される。これらの実施形態において、ビームスプリッタ101は、偏光状態が直交する第1の信号光と第2の信号光とを得るために、入力信号光に対してビーム分割処理および偏光状態調整処理を行い、第2の偏光変換コンポーネント102は、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光を周波数混合器に出力して、その結果、周波数混合器によって入力された局部発振器光と信号光の偏光状態とが直交する。周波数混合器40が偏光周波数混合器である場合、ビーム分割モジュール10内のビームスプリッタ101は偏光ビームスプリッタであることを理解されたい。このようにして、周波数混合器によって入力された局部発振器光と信号光の偏光状態とは直交することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、ビーム分割モジュール10はビームスプリッタであり、第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは同じである。ビーム分割モジュール10は、第1の信号光と第2の信号光とを得るために入力信号光に対してビーム分割処理を行い、第1の信号光を偏光モジュール20に出力し、第2の信号光を周波数混合器40に出力するように、特に構成される。ビームスプリッタ101は、ビームスプリッタ101の入射光に対して特定の割合に応じてビーム分割処理を行うことができる。一方は偏光モジュール20に信号光として入射し、他方は周波数混合器に局部発振器光として入射する。実際の用途では、ビーム分割モジュール10によって行われるビーム分割処理の割合は、実際の要件、すなわち、信号光の割合および局部発振器光の割合、に従って構成されてもよい。これらの実施形態では、ビーム分割モジュール10は、第1の信号光と第2の信号光とを得るために、入力信号光に対してビーム分割処理を行うだけでよい。構造が単純であり、コストが低い。
【0075】
いくつかの実施形態では、ビーム分割モジュール10は偏光ビームスプリッタである。第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交し、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態と第1の信号光の偏光状態とは、直交でもなく、平行でもない。光が紙に向かって伝播すると仮定し、垂直偏光が偏光状態1と定義され、水平偏光が偏光状態2と定義されてもよい。ビーム分割モジュール10に入射する光信号の偏光状態は、偏光状態1および偏光状態2のそれぞれと特定の角度(例えば、1°~89°)を成す偏光状態3である。偏光ビームスプリッタの特徴に基づいて、ビーム分割モジュール10は、ビームスプリッタの機能を実装するために、偏光状態3と偏光状態1との間、および偏光状態3と偏光状態2との間に形成される特定の角度に基づいて、信号経路(信号光に相当)と局部発振器経路(局部発振器光に相当)との分割比を調整することができる。例えば、ビーム分割モジュール10は、偏光状態3の特定の角度を調整して、その結果、大部分の光が信号光として使用され、偏光状態1で偏光モジュール20に入射する。ビーム分割モジュール10は、偏光状態3の特定の角度を調整し、その結果、光のごく一部が局部発振器光として使用され、偏光状態2で周波数混合器40に入射する。本出願のこの実施形態では、大きい割合は90%を超える分割比であってもよく、小さい割合は10%未満の分割比であってもよい。偏光状態3の光信号がビーム分割モジュール10に入射し、ビーム分割モジュール10によって分割された信号光の大部分が偏光状態1にあり、局部発振器光の小部分が偏光状態2にあることを理解されたい。本出願のこの実施形態では、ビーム分割モジュール10は、偏光状態が直交する第1の信号光と第2の信号光とを得るために、入力信号光に対してビーム分割処理を行う。このようにして、周波数混合器によって入力された局部発振器光と信号光の偏光状態を同じにすることができ、周波数混合効率が向上されることができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、本出願で提供される検出システム内の伝送光路および受信光路は、同軸に配置されてもよい。伝送光路と受信光路とは同軸に配置されており、これは同軸光学システムと呼ばれる。同軸光学システムは、構造が単純で、送受信効率が高いという利点を有するが、クロストークや迷光の影響を受けやすい。これらの実施形態における検出システムは、単純な構造および高い送受信効率を有し、クロストークおよび迷光の影響を受けにくい。
図10は、本出願の一実施形態による、伝送光路および受信光路が同軸に配置された検出システムの一例を示す。
図10に示すように、1001は出射光源を示し、1002はコリメーション光路を示し、1003は光学スプリッタを示し、1004は走査機構を示し、1005は対象物を示し、1006はフォーカスレンズを示し、1007は検出器を示す。
図10に示すように、出射光源によって伝送された信号光は、コリメーション光路1002(またはコリメータと呼ばれる)、光学スプリッタ1003、および走査機構1004を順次通過して対象物に到達する。対象物によって反射された信号光は、走査機構1004、光学スプリッタ1003、およびフォーカスレンズ1006を順次通過して検出器1007に到達する。本出願のこの実施形態では、伝送光路は、伝送光(すなわち、出射光源によって伝送された信号光)の生成から光学スプリッタ1003による伝送光の伝送までの光路であり、受信光路は、走査機構1004による反射光の受信から検出器1007への反射光の伝送までの光路である。
図10において、実線の矢印は伝送光路を示し、破線の矢印は受信光路を示す。
図10から、伝送光路と受信光路とは同軸に配置されてもよいことが分かる。
図10において、検出システムはLidarシステムであってもよく、伝送光源1001はレーザであってもよく、検出器1007はPIN検出器、APD検出器、平衡型検出器、などであってもよい。
【0077】
以上、ビーム分割モジュール10の可能な構造および偏光モジュール20の可能な構造について説明した。以下、添付の図面を参照して、
図1の検出システムのいくつかの可能な例を説明する。
【0078】
図11は、本出願の一実施形態による他の検出システムの構造の概略図である。
図11の検出システムは、
図1の検出システムの可能な実装形態である。
図11に示すように、検出システムは、信号発生器1101と、レーザ1102と、増幅器1103と、ビームスプリッタ101と、第2の偏光変換コンポーネント102と、一方向伝導コンポーネント601と、光アンテナ6021と、第1の偏光変換コンポーネント6022と、周波数混合器40と、検出器1104と、アナログデジタル変換器(analog to digital converter、ADC)1105と、処理ユニット1106とを含む。ビームスプリッタ101および第2の偏光変換コンポーネント102は、ビーム分割モジュール10に相当することを理解されたい。言い換えれば、ビーム分割モジュール10の可能な構造は、ビームスプリッタ101および第2の偏光変換コンポーネント102を含む。一方向伝導コンポーネント601、光アンテナ6021、および第1の偏光変換コンポーネント6022は、偏光モジュール20に相当する。言い換えれば、偏光モジュール20の可能な構造は、一方向伝導コンポーネント601、光アンテナ6021、および第1の偏光変換コンポーネント6022を含む。検出システムの特定の設計および実装形態では、
図11の任意の1つまたは複数のコンポーネントが減らされるか、または置き換えられてもよいことに留意されたい。特定の実装形態では、検出システムは、
図11に示すすべてのコンポーネントのうちの1つまたは複数を含むことができることも理解されよう。検出システムの構造は、本出願では特に限定されない。以下に、
図11のすべてのコンポーネントの機能の一例について説明する。
【0079】
信号発生器1101は、レーザ1102を変調するように構成される。レーザ1102の変調方式は、直接変調であってもよいし、変調器を使用して行われる外部変調であってもよく、変調方式は、周波数変調された連続波、位相符号化、などであってもよい。いくつかの実施態様では、レーザ1102を変調するための信号発生器1101の構造は、以下のような代替手段もあってもよく、すなわち、レーザ1102によって出力されたレーザ信号が変調器に入射し、変調器は、入力レーザ信号を変調し、変調されたレーザ信号を増幅器1103に出力する。例えば、変調器は、信号発生器によって入力された変調信号に基づいて、レーザ1102によって出力されたレーザ信号を変調する。すなわち、いくつかのシナリオでは、信号発生器はオプションである。
【0080】
レーザ1102は、増幅器1103にレーザ信号を出力するように構成される。レーザ1102は、半導体レーザ、ファイバレーザ、または他のタイプのレーザなどの、狭線幅レーザであってもよい。
【0081】
増幅器1103は、入力レーザ信号を増幅して、増幅された入力レーザ信号をビームスプリッタ101に出力するように構成される。増幅器1103は、光増幅器、例えば、エルビウムドープファイバ増幅器(erbium doped fiber amplifier、EDFA)、半導体光増幅器(semiconductor optical amplifier、SOA)、または他のタイプの光増幅器であってもよい。
【0082】
ビームスプリッタ101は、第1の信号光と第2の信号光とを得るために、増幅されたレーザ信号(以下、信号光と呼ばれる)に対してビーム分割処理を行うように構成され、一方向伝導コンポーネント601に第1の信号光を出力し、第2の偏光変換コンポーネント102に第2の信号光を出力するように構成される。言い換えれば、増幅された信号光は、ビームスプリッタ101によって二分割される。一方は一方向伝導コンポーネント601に入射し、他方は局部発振器光として第2の偏光変換コンポーネント102に入射する。
【0083】
第2の偏光変換コンポーネント102は、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光を周波数混合器40に出力するように構成される。例えば、いくつかのシナリオでは、第2の偏光変換コンポーネントはオプションである。詳細については、
図13の説明を参照されたい。
【0084】
一方向伝導コンポーネント601は、ビームスプリッタ101からの第1の信号光を光アンテナ6021に出力するように構成される。
【0085】
光アンテナ6021は、第1の信号光に対して少なくともコリメーション処理が行われた後に得られる信号光を第1の偏光変換コンポーネント6022に出力するように構成される。
【0086】
第1の偏光変換コンポーネント6022は、コリメーション処理後に得られる第1の信号光に対して第1の偏光処理を行い、コリメーション処理後に得られる第1の信号光に対して第1の偏光処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力し、反射信号光を受信し、反射信号光に対して第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を光アンテナ6021へ出力する、ように構成される。言い換えれば、第1の偏光変換コンポーネント6022は、コリメーション処理後に得られる第1の信号光に対して第1の偏光処理を行い、反射信号光に対して第2の偏光処理を行う、ように構成される。反射信号光は、任意の物体に伝送されて戻ってくる信号光である。第1の信号光は、光アンテナ6021を通過した後、第1の偏光変換コンポーネント6022を通過して、円偏光または楕円偏光(すなわち、伝送信号光)となり、反射信号光を生成するために任意の物体に伝送される。任意の物体によって戻された反射信号光は、再び第1の偏光変換コンポーネント6022を通過して第3の信号光となり、光アンテナ6021に入射する。
【0087】
光アンテナ6021は、第3の信号光を一方向伝導コンポーネント601に出力するように構成される。第3の信号光を受信した後、光アンテナ6021は第3の信号光を一方向伝導コンポーネント601に送り返す。
【0088】
一方向伝導コンポーネント601は、第3の信号光を周波数混合器40に出力するように構成される。第1の信号光の偏光状態は、偏光状態1から偏光状態2に変化しているため、第3の信号光が一方向伝導コンポーネント601に戻るとき、第3の信号光は元の経路に沿って戻らず、周波数混合器40に反射される。偏光状態1は、第1の信号光の偏光状態、例えば垂直偏光である。偏光状態2は、第3の信号光の偏光状態、例えば水平偏光である。
【0089】
周波数混合器40は、混合信号を得るために、第4の信号光(局部発振器光)と第3の信号光とに対して周波数混合処理を行うように構成される。第2の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じである。周波数混合器40は、無偏光周波数混合器コンポーネントである。任意の物体によって反射された信号光の偏光解消効果に関係なく、周波数混合器40に入射する2つの光、すなわち、第3の信号光と第4の信号光の偏光方向は同じである。本出願において、2つの信号光の偏光状態が同じであるとは、2つの信号光の偏光方向が同じであることを意味し、2つの信号光の偏光状態が直交するとは、2つの信号光の偏光方向が直交することを意味する。
【0090】
検出器1104は、周波数混合器40が周波数混合処理を行った後に得られる混合信号を検出するように構成される。検出器1104は、PIN検出器、アバランシェフォトダイオード(avalanche photon diode、APD)検出器、単一光子アバランシェダイオード(single-photon avalanche diode、SPAD)平衡型検出器、または他の検出器であってもよい。
【0091】
ADC1105は、検出器1104によって検出された混合信号をサンプリングし、サンプリングされた信号を処理ユニット1106に送信するように構成される。言い換えれば、ADC1105によってサンプリングされた後、検出器1104によって検出された混合信号は、後続の信号処理のために処理ユニット1106に送信される。
【0092】
処理ユニット1106は、検出された物体の位置および速度などの情報を得るために、サンプリングされた信号に対して後続の信号処理を行うように構成される。
【0093】
同軸トランシーバ検出システム(すなわち、同軸光学システムを使用する検出システム)では、様々な種類のクロストークが必然的に取り込まれる。実際の検出システムでは、光学レンズなどのせいで、反射光が、わずかな損失で周波数混合器に戻って周波数ビートに加わることで、近距離ピークを引き起こす。また、コンポーネントのクロストークに起因して、一部の信号光がコヒーレンスのために周波数混合器に直接漏出し、近距離信号検出を妨害する。
【0094】
本出願のこの実施形態で提供される検出システムでは、偏光コンポーネント(すなわち、偏光モジュール)が使用され、反射光によって引き起こされるクロストークの問題およびコンポーネントの特性を効果的に低減する。本出願のこの実施態様で提供される検出システムは、「ライン送信およびライン受信」Lidarシステム、「エリア送信およびエリア受信」Lidarシステム、「スポット送信およびスポット受信」Lidarシステム、などに適用可能である。
【0095】
図12は、本出願の一実施形態による他の検出システムの構造の概略図である。
図12の検出システムは、
図1の検出システムの可能な実装形態である。
図12に示すように、検出システムは、信号発生器1101と、レーザ1102と、増幅器1103と、ビームスプリッタ101と、第2の偏光変換コンポーネント102と、一方向伝導コンポーネント601と、第1の偏光変換コンポーネント6023と、光アンテナ6024と、周波数混合器40と、検出器1104と、ADC1105と、処理ユニット1106とを含む。ビームスプリッタ101および第2の偏光変換コンポーネント102は、ビーム分割モジュール10に相当することを理解されたい。言い換えれば、ビーム分割モジュール10の可能な構造は、ビームスプリッタ101および第2の偏光変換コンポーネント102を含む。一方向伝導コンポーネント601、光アンテナ6021、および第1の偏光変換コンポーネント6022は、偏光モジュール20に相当する。言い換えれば、偏光モジュール20の可能な構造は、一方向伝導コンポーネント601、第1の偏光変換コンポーネント6023、および光アンテナ6024を含む。検出システムの特定の設計および実装形態では、
図12の任意の1つまたは複数のコンポーネントが減らされるか、または置き換えられてもよいことに留意されたい。特定の実装形態では、検出システムは、
図12に示すすべてのコンポーネントのうちの1つまたは複数を含むことができることも理解されよう。検出システムの構造は、本出願では特に限定されない。以下に、
図12のすべてのコンポーネントの機能の一例について説明する。
【0096】
信号発生器1101は、レーザ1102を変調するように構成される。レーザ1102の変調方式は、直接変調であってもよいし、変調器を使用して行われる外部変調であってもよく、変調方式は、周波数変調された連続波、位相符号化、などであってもよい。いくつかの実施態様では、レーザ1102を変調するための信号発生器1101の構造は、以下のような代替手段もあってもよく、すなわち、レーザ1102によって出力されたレーザ信号が変調器に入射し、変調器は、入力レーザ信号を変調し、変調されたレーザ信号を増幅器1103に出力する。例えば、変調器は、信号発生器によって入力された変調信号に基づいて、レーザ1102によって出力されたレーザ信号を変調する。
【0097】
レーザ1102は、増幅器1103にレーザ信号を出力するように構成される。レーザ1102は、半導体レーザ、ファイバレーザ、または他のタイプのレーザなどの、狭線幅レーザであってもよい。
【0098】
増幅器1103は、入力レーザ信号を増幅して、増幅された入力レーザ信号をビームスプリッタ101に出力するように構成される。増幅器1103は、光増幅器、例えば、エルビウムドープファイバ増幅器(erbium doped fiber amplifier、EDFA)、半導体光増幅器(semiconductor optical amplifier、SOA)、または他のタイプの光増幅器であってもよい。
【0099】
ビームスプリッタ101は、第1の信号光と第2の信号光とを得るために、増幅されたレーザ信号(以下、信号光と呼ばれる)に対してビーム分割処理を行うように構成され、一方向伝導コンポーネント601に第1の信号光を出力し、第2の偏光変換コンポーネント102に第2の信号光を出力するように構成される。言い換えれば、増幅された信号光は、ビームスプリッタ101によって二分割される。一方は一方向伝導コンポーネント601に入射し、他方は局部発振器光として第2の偏光変換コンポーネント102に入射する。
【0100】
第2の偏光変換コンポーネント102は、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光を周波数混合器40に出力するように構成される。
【0101】
一方向伝導コンポーネント601は、ビームスプリッタ101からの第1の信号光を第1の偏光変換コンポーネント6023に出力するように構成される。
【0102】
第1の偏光変換コンポーネント6023は、第1の信号光に第1の偏光処理が行われた後に得られる第5の信号光を光アンテナ6024に出力するように構成される。
【0103】
光アンテナ6024は、第5の信号光に対して少なくともコリメーション処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力するように構成され、反射信号光を受信し、反射信号光を第1の偏光変換コンポーネント6023に出力するように構成される。
【0104】
第1の偏光変換コンポーネント6023は、反射信号光に対して第2の偏光処理を行うよう構成され、反射信号光に対して第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を一方向伝導コンポーネント601に出力するよう構成される。
【0105】
一方向伝導コンポーネント601は、第3の信号光を周波数混合器40に出力するように構成される。第1の信号光の偏光状態は、偏光状態1から偏光状態2に変化しているため、第3の信号光が一方向伝導コンポーネント601に戻るとき、第3の信号光は元の経路に沿って戻らず、周波数混合器40に反射される。偏光状態1は、第1の信号光の偏光状態、例えば垂直偏光である。偏光状態2は、第3の信号光の偏光状態、例えば水平偏光である。
【0106】
周波数混合器40は、混合信号を得るために、第4の信号光(局部発振器光)と第3の信号光とに対して周波数混合処理を行うように構成される。第2の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じである。周波数混合器40は、無偏光周波数混合器コンポーネントである。任意の物体によって反射された信号光の偏光解消効果に関係なく、周波数混合器40に入射する2つの光、すなわち、第3の信号光と第4の信号光の偏光方向とは同じである。
【0107】
検出器1104は、周波数混合器40が周波数混合処理を行った後に得られる混合信号を検出するように構成される。検出器1104は、PIN検出器、アバランシェフォトダイオード(avalanche photon diode、APD)検出器、平衡型検出器などであってもよい。
【0108】
ADC1105は、検出器1104によって検出された混合信号をサンプリングし、サンプリングされた信号を処理ユニット1106に送信するように構成される。言い換えれば、ADC1105によってサンプリングされた後、検出器1104によって検出された混合信号は、後続の信号処理のために処理ユニット1106に送信される。
【0109】
処理ユニット1106は、検出された物体の位置および速度などの情報を得るために、サンプリングされた信号に対して後続の信号処理を行うように構成される。
【0110】
図12の検出システムと
図11の検出システムとを比較すると、
図11の光アンテナは、一方向伝導コンポーネント601によって出力された第1の信号光に対して少なくともコリメーション処理を行い、コリメートされた信号光を第1の偏光変換コンポーネント6022に送信することと、
図12の第1の偏光変換コンポーネント6023は、一方向伝導コンポーネント601によって出力された第1の信号光に対して第1の偏光処理を行い、第1の信号光に対して第1の偏光処理が行われた後に得られる第5の信号光を光アンテナ6024に出力すること、が分かる。
【0111】
図13は、本出願の一実施形態による他の検出システムの構造の概略図である。
図13の検出システムは、
図1の検出システムの可能な実装形態である。
図13に示すように、検出システムは、信号発生器1101と、レーザ1102と、増幅器1103と、ビーム分割モジュール10と、一方向伝導コンポーネント601と、光アンテナ6021と、第1の偏光変換コンポーネント6022と、周波数混合器40と、検出器1104と、ADC1105と、処理ユニット1106とを含む。ビーム分割モジュール10はビームスプリッタであってもよい。一方向伝導コンポーネント601、光アンテナ6021、および第1の偏光変換コンポーネント6022は、偏光モジュール20に相当する。言い換えれば、偏光モジュール20の可能な構造は、一方向伝導コンポーネント601、光アンテナ6021、および第1の偏光変換コンポーネント6022を含む。
図13において、1301は、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光方向を示し、1302は、第1の信号光の偏光方向を示し、1303は、第2の信号光の偏光方向を示し、1304は、第3の信号光の偏光方向を示す。
図13のすべてのコンポーネントの機能は以下の通りである。
【0112】
信号発生器1101は、レーザ1102を変調するように構成される。レーザ1102の変調方式は、直接変調であってもよいし、変調器を使用して行われる外部変調であってもよく、変調方式は、周波数変調された連続波、位相符号化、などであってもよい。いくつかの実施態様では、レーザ1102を変調するための信号発生器1101の構造は、以下のような代替手段もあってもよく、すなわち、レーザ1102によって出力されたレーザ信号が変調器に入射し、変調器は、入力レーザ信号を変調し、変調されたレーザ信号を増幅器1103に出力する。例えば、変調器は、信号発生器によって入力された変調信号に基づいて、レーザ1102によって出力されたレーザ信号を変調する。
【0113】
レーザ1102は、増幅器1103にレーザ信号を出力するように構成される。レーザ1102は、半導体レーザ、ファイバレーザ、または他のタイプのレーザなどの、狭線幅レーザであってもよい。
【0114】
増幅器1103は、入力レーザ信号を増幅して、増幅された入力レーザ信号をビームスプリッタ101に出力するように構成される。増幅器1103は、例えば、EDFA、SOA、または他のタイプの光増幅器などの、光増幅器であってもよい。
【0115】
ビーム分割モジュール10は、第1の信号光と第2の信号光とを得るために、増幅されたレーザ信号(以下、信号光と呼ばれる)に対してビーム分割処理を行うよう構成され、第1の信号光を一方向伝導コンポーネント601に出力し、第2の信号光を周波数混合器40に出力するように構成される。言い換えれば、増幅された信号光は、ビーム分割モジュール10によって2つに分割される。一方は一方向伝導コンポーネント601に入射し、他方は局部発振器光として周波数混合器40に入射する。本出願のこの実施形態では、第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは同じである。
【0116】
一方向伝導コンポーネント601は、ビーム分割モジュール10からの第1の信号光を光アンテナ6021に出力するように構成される。
【0117】
光アンテナ6021は、第1の信号光に対して少なくともコリメーション処理が行われた後に得られる信号光を第1の偏光変換コンポーネント6022に出力するように構成される。
【0118】
第1の偏光変換コンポーネント6022は、コリメーション処理後に得られる第1の信号光に対して第1の偏光処理を行い、コリメーション処理後に得られる第1の信号光に対して第1の偏光処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力し、反射信号光を受信し、反射信号光に対して第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を光アンテナ6021へ出力する、ように構成される。言い換えれば、第1の偏光変換コンポーネント6022は、コリメーション処理後に得られる第1の信号光に対して第1の偏光処理を行い、反射信号光に対して第2の偏光処理を行う、ように構成される。反射信号光は、任意の物体に伝送されて戻ってくる信号光である。第1の信号光は、光アンテナ6021を通過した後、第1の偏光変換コンポーネント6022を通過して、円偏光または楕円偏光(すなわち、伝送信号光)となり、反射信号光を生成するために任意の物体に伝送される。任意の物体によって戻された反射信号光は、再び第1の偏光変換コンポーネント6022を通過して第3の信号光となり、光アンテナ6021に入射する。
【0119】
光アンテナ6021は、第3の信号光を一方向伝導コンポーネント601に出力するように構成される。言い換えれば、光アンテナ6021は、第3の信号光を受信した後、第3の信号光を一方向伝導コンポーネント601に送り返す。
【0120】
一方向伝導コンポーネント601は、第3の信号光を周波数混合器40に出力するように構成される。第1の信号光の偏光状態は、偏光状態1から偏光状態2に変化しているため、第3の信号光が一方向伝導コンポーネント601に戻るとき、第3の信号光は元の経路に沿って戻らず、周波数混合器40に反射される。偏光状態1は、第1の信号光の偏光状態、例えば垂直偏光である。偏光状態2は、第3の信号光の偏光状態、例えば水平偏光である。
【0121】
周波数混合器40は、混合信号を得るために、第2の信号光(局部発振器光)および第3の信号光を周波数混合するように構成される。第2の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは直交する。周波数混合器40は、偏光周波数混合コンポーネントである。任意の物体によって反射された信号光の偏光解消効果に関係なく、周波数混合器40に入射する2つの光、すなわち、第3の信号光と第2の信号光の偏光方向とは直交する。
【0122】
検出器1104は、周波数混合器40が周波数混合処理を行った後に得られる混合信号を検出するように構成される。検出器1104は、PIN検出器、アバランシェフォトダイオード(avalanche photon diode、APD)検出器、平衡型検出器などであってもよい。
【0123】
ADC1105は、検出器1104によって検出された混合信号をサンプリングし、サンプリングされた信号を処理ユニット1106に送信するように構成される。言い換えれば、ADC1105によってサンプリングされた後、検出器1104によって検出された混合信号は、後続の信号処理のために処理ユニット1106に送信される。
【0124】
処理ユニット1106は、検出された物体の位置および速度などの情報を得るために、サンプリングされた信号に対して後続の信号処理を行うように構成される。
【0125】
図13の検出システムと
図11の検出システムとを比較すると、
図13のビーム分割モジュール10の構造は、
図11のビーム分割モジュールの構造とは異なることが分かる。
【0126】
いくつかの実施形態では、
図13の偏光モジュール20の構造は、
図12の偏光モジュール20の構造と置き換えられてもよい。
【0127】
図14は、本出願の一実施形態による他の検出システムの構造の概略図である。
図14の検出システムは、
図1の検出システムの可能な実装形態である。
図14に示すように、検出システムは、信号発生器1101と、レーザ1102と、増幅器1103と、ビーム分割モジュール10と、一方向伝導コンポーネント601と、光アンテナ6021と、第1の偏光変換コンポーネント6022と、周波数混合器40と、検出器1104と、ADC1105と、処理ユニット1106とを含む。ビーム分割モジュール10は偏光ビームスプリッタであってもよい。一方向伝導コンポーネント601、光アンテナ6021、および第1の偏光変換コンポーネント6022は、偏光モジュール20に相当する。言い換えれば、偏光モジュール20の可能な構造は、一方向伝導コンポーネント601、光アンテナ6021、および第1の偏光変換コンポーネント6022を含む。
図14において、1401は、ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光方向を示し、1402は、第1の信号光の偏光方向を示し、1403は、第2の信号光の偏光方向を示し、1404は、第3の信号光の偏光方向を示す。
図14のすべてのコンポーネントの機能は以下の通りである。
【0128】
信号発生器1101は、レーザ1102を変調するように構成される。レーザ1102の変調方式は、直接変調であってもよいし、変調器を使用して行われる外部変調であってもよく、変調方式は、周波数変調された連続波、位相符号化、などであってもよい。いくつかの実施態様では、レーザ1102を変調するための信号発生器1101の構造は、以下のような代替手段もあってもよく、すなわち、レーザ1102によって出力されたレーザ信号が変調器に入射し、変調器は、入力レーザ信号を変調し、変調されたレーザ信号を増幅器1103に出力する。例えば、変調器は、信号発生器によって入力された変調信号に基づいて、レーザ1102によって出力されたレーザ信号を変調する。
【0129】
レーザ1102は、増幅器1103にレーザ信号を出力するように構成される。レーザ1102は、半導体レーザ、ファイバレーザ、または他のタイプのレーザなどの、狭線幅レーザであってもよい。
【0130】
増幅器1103は、入力レーザ信号を増幅して、増幅された入力レーザ信号をビームスプリッタ101に出力するように構成される。増幅器1103は、光増幅器、例えば、エルビウムドープファイバ増幅器(erbium doped fiber amplifier、EDFA)、半導体光増幅器(semiconductor optical amplifier、SOA)、または他のタイプの光増幅器であってもよい。
【0131】
ビーム分割モジュール10は、第1の信号光と第2の信号光とを得るために入力信号光に対してビーム分割処理を行い、第1の信号光を一方向伝導コンポーネント601に出力し、第2の信号光を周波数混合器40に出力する、ように構成される。本出願のこの実施形態では、第1の信号光の偏光状態と第2の信号光の偏光状態とは直交する。
【0132】
一方向伝導コンポーネント601は、ビーム分割モジュール10からの第1の信号光を光アンテナ6021に出力するように構成される。
【0133】
光アンテナ6021は、第1の信号光に対して少なくともコリメーション処理が行われた後に得られる信号光を第1の偏光変換コンポーネント6022に出力するように構成される。
【0134】
第1の偏光変換コンポーネント6022は、コリメーション処理後に得られる第1の信号光に対して第1の偏光処理を行い、コリメーション処理後に得られる第1の信号光に対して第1の偏光処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力し、反射信号光を受信し、反射信号光に対して第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を光アンテナ6021へ出力する、ように構成される。言い換えれば、第1の偏光変換コンポーネント6022は、コリメーション処理後に得られる第1の信号光に対して第1の偏光処理を行い、反射信号光に対して第2の偏光処理を行う、ように構成される。反射信号光は、任意の物体に伝送されて戻ってくる信号光である。第1の信号光は、光アンテナ6021を通過した後、第1の偏光変換コンポーネント6022を通過して、円偏光または楕円偏光(すなわち、伝送信号光)となり、反射信号光を生成するために任意の物体に伝送される。任意の物体によって戻された反射信号光は、再び第1の偏光変換コンポーネント6022を通過して第3の信号光となり、光アンテナ6021に入射する。
【0135】
光アンテナ6021は、第3の信号光を一方向伝導コンポーネント601に出力するように構成される。第3の信号光を受信した後、光アンテナ6021は第3の信号光を一方向伝導コンポーネント601に送り返す。
【0136】
一方向伝導コンポーネント601は、第3の信号光を周波数混合器40に出力するように構成される。第1の信号光の偏光状態は、偏光状態1から偏光状態2に変化しているため、第3の信号光が一方向伝導コンポーネント601に戻るとき、第3の信号光は元の経路に沿って戻らず、周波数混合器40に反射される。偏光状態1は、第1の信号光の偏光状態、例えば垂直偏光である。偏光状態2は、第3の信号光の偏光状態、例えば水平偏光である。
【0137】
周波数混合器40は、混合信号を得るために、第2の信号光(局部発振器光)および第3の信号光を周波数混合するように構成される。第2の信号光の偏光状態と第3の信号光の偏光状態とは同じである。周波数混合器40は、無偏光周波数混合器コンポーネントである。任意の物体によって反射された信号光の偏光解消効果に関係なく、周波数混合器40に入射する2つの光、すなわち、第3の信号光と第2の信号光の偏光方向とは同じである。
【0138】
検出器1104は、周波数混合器40が周波数混合処理を行った後に得られる混合信号を検出するように構成される。検出器1104は、PIN検出器、アバランシェフォトダイオード(avalanche photon diode、APD)検出器、平衡型検出器などであってもよい。
【0139】
ADC1105は、検出器1104によって検出された混合信号をサンプリングし、サンプリングされた信号を処理ユニット1106に送信するように構成される。言い換えれば、ADC1105によってサンプリングされた後、検出器1104によって検出された混合信号は、後続の信号処理のために処理ユニット1106に送信される。
【0140】
処理ユニット1106は、検出された物体の位置および速度などの情報を得るために、サンプリングされた信号に対して後続の信号処理を行うように構成される。
【0141】
いくつかの実施形態では、
図14 の偏光モジュール20の構造は、
図12の偏光モジュール20の構造と置き換えられてもよい。いくつかの実施形態では、
図14のビーム分割モジュール10は、第2の信号光を第2の偏光変換コンポーネント102に出力することができる。第2の偏光変換コンポーネント102は、第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光を周波数混合器40に出力する。
【0142】
図15Aおよび
図15Bは、非相互コンポーネントとして無偏光コンポーネント(サーキュレータ)を使用する同軸トランシーバ検出システムの試験結果の例を示す。
図15Aは、無偏光コンポーネントを用いた同軸トランシーバ検出システムによって複数回測定された信号およびノイズのレベルを示し、
図15Bは、高速フーリエ変換(fast fourier transform、FFT)後に得られるスペクトルを示す。低周波数(近距離)では、おおよそ-40dBmのクロストーク信号があり、これは200MHz~300MHzのターゲットエコー信号レベルよりもはるかに大きいことが分かる。クロストーク信号は、近距離信号の検出を非常に困難にするだけでなく、低周波から中周波までの全範囲にわたってノイズフロアレベルを上昇させる。
図16Aおよび
図16Bは、非相互コンポーネントとして偏光コンポーネントを使用する同軸トランシーバ検出システムの試験結果の例を示す。同じパラメータおよび条件の下で、偏光コンポーネントは、同軸トランシーバ検出システムにおいて使用される非相互コンポーネントとして置き換えられる(つまり、本出願で提供される検出システムが使用される)。試験結果を
図15Aおよび
図15Bに示す。
図16Aから、正確な調整の後、信号スペクトルにおけるクロストーク信号のレベルは、-40dBmから-50dBmに低下し、約10dB低下することが分かる。偏光コンポーネントは反射光に起因するクロストークを効果的に低減するので、クロストーク信号のレベルが大幅に低減され、これは、近距離信号の検出と、低周波から中周波までの範囲のノイズレベルの低減の両方にいくつかの利点をもたらす。
【0143】
加えて、クロストーク信号は信号レベルよりもはるかに大きいので、時間領域信号の大きさはクロストーク信号の大きさに、より多く依存する。しかしながら、周波数領域クロストーク信号のレベルの低減は、それに応じて時間領域信号の大きさも低減されることを意味する。このようにして、バックエンド処理されたADCは、量子化範囲を縮小することができ、それによって固定数のビットで低減し(least significant bit、LSB)、それによって量子化ノイズを低減する。上記の結果は、試験条件下での効果の概略図にすぎないことに留意されたい。傾向は同様であるが、他の条件下では結果がわずかに異なる場合がある。
【0144】
要約すると、本実施形態で提供される検出システムは、偏光コンポーネントを使用することによって、反射光によって引き起こされるクロストークの問題と、コンポーネントの特性とを効果的に低減する。
【0145】
本出願は、Lidarシステムを提供する。Lidarシステムは、本出願で提供される任意の検出システムを含む。本出願で提供される検出システムは、「ライン伝送およびライン受信」Lidarシステム、「エリア伝送およびエリア受信」Lidarシステム、または「スポット伝送およびスポット受信」Lidarシステム、などに適用可能である。
図10は、本出願によるLidarシステムの一例と考えられてもよい。
【0146】
本出願は端末デバイスを提供する。端末デバイスは、本出願で提供される検出システムを含む。例えば、端末デバイスは、インテリジェント車両(または自動運転装置)であり、本出願で提供される1つまたは複数の検出システムは、インテリジェント車両に配備される。
【0147】
本出願は、少なくとも1つのレーザと、少なくとも1つの検出器と、本出願で提供される任意の検出システムと、を含む検出装置を提供する。
【0148】
前述の説明は、本発明の特定の実装形態にすぎず、本発明の保護範囲を限定することは意図されていない。本発明に開示された技術的範囲内で当業者によって容易に考え出されるいかなる変形または置換も、本発明の保護範囲内にあるものとする。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0149】
10 ビーム分割モジュール、20 偏光モジュール、40 周波数混合器、101 ビームスプリッタ、102 第2の偏光変換コンポーネント、201 第1の信号光の偏光状態、202 第2の信号光の偏光状態、203 第3の信号光の偏光状態、204 第1の信号光の偏光状態、205 第2の信号光の偏光状態、206 第3の信号光の偏光状態、207 第1の信号光の偏光状態、208 第2の信号光の偏光状態、209 第3の信号光の偏光状態、301 第1の信号光の偏光状態、302 第2の信号光の偏光状態、303 第3の信号光の偏光状態、304 第4の信号光の偏光状態、305 第1の信号光の偏光状態、306 第2の信号光の偏光状態、307 第3の信号光の偏光状態、308 第4の信号光の偏光状態、309 第1の信号光の偏光状態、310 第2の信号光の偏光状態、311 第3の信号光の偏光状態、312 第4の信号光の偏光状態、313 第1の信号光の偏光状態、314 第2の信号光の偏光状態、315 第3の信号光の偏光状態、316 第4の信号光の偏光状態、401 ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態、402 第1の信号光の偏光状態、403 第2の信号光の偏光状態、404 第3の信号光の偏光状態、405 ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態、406 第1の信号光の偏光状態、407 第2の信号光の偏光状態、408 第3の信号光の偏光状態、409 ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態、410 第1の信号光の偏光状態、411 第2の信号光の偏光状態、412 第3の信号光の偏光状態、501 ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態、502 第1の信号光の偏光状態、503 第2の信号光の偏光状態、504 第3の信号光の偏光状態、505 第4の信号光の偏光状態、506 ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態、507 第1の信号光の偏光状態、508 第2の信号光の偏光状態、509 第3の信号光の偏光状態、510 第4の信号光の偏光状態、511 ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光状態、512 第1の信号光の偏光状態、513 第2の信号光の偏光状態、514 第3の信号光の偏光状態、515 第4の信号光の偏光状態、601 一方向伝導コンポーネント、602 偏光変換モジュール、1001 伝送光源、1002 コリメーション光路、1003 光学スプリッタ、1004 走査機構、1005 対象物、1006 フォーカスレンズ、1007 検出器、1101 信号発生器、1102 レーザ、1103 増幅器、1104 検出器、1105 ADC、1106 処理ユニット、1301 ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光方向、1302 第1の信号光の偏光方向、1303 第2の信号光の偏光方向、1304 第3の信号光の偏光方向、1401 ビーム分割モジュール10によって入力された信号光の偏光方向、1402 第1の信号光の偏光方向、1403 第2の信号光の偏光方向、1404 第3の信号光の偏光方向、6021 光アンテナ、6022 第1の偏光変換コンポーネント、6023 第1の偏光変換コンポーネント、6024 光アンテナ
【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム分割モジュールと、偏光モジュールと、周波数混合器とを備え、
前記ビーム分割モジュール(10)は、第1の信号光と第2の信号光とを得るために、入力信号光に対してビーム分割処理を行うように構成され、
前記偏光モジュール(20)は、前記第1の信号光に対して少なくとも第1の偏光処理が行われた後に得られる伝送信号光を出力し、前記伝送信号光の反射信号光を得て、前記反射信号光に少なくとも第2の偏光処理が行われた後に得られる第3の信号光を出力する、ように構成され、
前記周波数混合器(40)は、前記第2の信号光と前記第3の信号光とに対して周波数混合処理を行うように構成されるか、または前記第3の信号光と、前記第2の信号光に対して少なくとも第3の偏光処理が行われた後に得られる第4の信号光とに対して周波数混合処理を行うように構成される、
検出システム。
【請求項2】
前記周波数混合器(40)は、偏光周波数混合器であり、前記第2の信号光の偏光状態と前記第3の信号光の偏光状態とは直交するか、または前記周波数混合器(40)は、無偏光周波数混合器であり、前記第4の信号光の偏光状態と前記第3の信号光の偏光状態とは同じである、請求項1に記載の検出システム。
【請求項3】
前記偏光モジュールは、偏光変換モジュール(602)および一方向伝導コンポーネント(601)を備え、
前記一方向伝導コンポーネント(601)は、前記第1の信号光を前記偏光変換モジュールへ出力するよう構成され、前記第3の信号光を前記周波数混合器(40)へ出力するように構成されており、
前記偏光変換モジュール(602)は、前記第1の信号光に対して前記第1の偏光処理を行うよう構成され、前記反射信号光に対して前記第2の偏光処理を行うように構成される、
請求項1に記載の検出システム。
【請求項4】
前記一方向伝導コンポーネント(601)は、第1の方向から入射する第1の偏光状態の信号光を反射するか、フィルタリングするか、または吸収するようにさらに構成され、前記第1の方向は、前記第3の信号光の入力方向であり、前記第1の偏光状態は、前記第3の信号光の偏光状態とは異なる、
請求項3に記載の検出システム。
【請求項5】
前記一方向伝導コンポーネント(601)は、少なくとも1つの反射面を備え、
前記一方向伝導コンポーネント(601)は、前記第3の信号光を第1の反射面から前記周波数混合器へ反射するように構成され、および/または、
前記一方向伝導コンポーネント(601)は、第1の方向から入射する第1の偏光状態の信号光を第2の反射面から反射するように構成され、前記第1の方向は前記第3の信号光の入力方向であり、前記第1の反射面は前記第2の反射面とは異なっており、前記第1の偏光状態は前記第3の信号光の偏光状態とは異なる、
請求項3に記載の検出システム。
【請求項6】
前記偏光変換モジュール(602)は、光アンテナ(6021、6024)および第1の偏光変換コンポーネント(6022、6023)を備え、
前記光アンテナ(6021、6024)は、前記第1の信号光に対して少なくともコリメーション処理が行われた後に得られる信号光を前記第1の偏光変換コンポーネント(6022、6023)に出力するよう構成され、および前記第3の信号光を前記一方向伝導コンポーネント(601)に出力するように構成され、
前記第1の偏光変換コンポーネント(6022、6023)は、前記コリメーション処理後に得られる前記第1の信号光に対して前記第1の偏光処理を行うよう構成され、および前記反射信号光に対して前記第2の偏光処理が行われた後に得られる前記第3の信号光を出力するように構成されるか、または
前記第1の偏光変換コンポーネント(6022、6023)は、前記第1の信号光に対して前記第1の偏光処理が行われた後に得られる第5の信号光を前記光アンテナ(6021、6024)に出力するよう構成され、および前記反射信号光に対して前記第2の偏光処理を行うように構成され、
前記光アンテナ(6021、6024)は、前記第5の信号光に対して少なくともコリメーション処理が行われた後に得られる前記伝送信号光を出力するように構成される、
請求項
3に記載の検出システム。
【請求項7】
前記ビーム分割モジュール(10)は、ビームスプリッタ(101)および第2の偏光変換コンポーネント(102)を備え、
前記ビームスプリッタ(101)は、前記第1の信号光と前記第2の信号光とを得るために、入力信号光に対してビーム分割処理を行うように構成され、
前記第2の偏光変換コンポーネント(102)は、前記第2の信号光に対して少なくとも前記第3の偏光処理が行われた後に得られる前記第4の信号光を前記周波数混合器(40)に出力するように構成される、
請求項
1に記載の検出システム。
【請求項8】
前記第1の信号光の偏光状態と前記第2の信号光の偏光状態とは同じである、請求項
1に記載の検出システム。
【請求項9】
前記ビーム分割モジュール(10)は、偏光ビームスプリッタであり、
前記第1の信号光の偏光状態と前記第2の信号光の偏光状態とは直交し、前記入力信号光の偏光状態と前記第1の信号光の偏光状態とは、直交でもなく、平行でもない、
請求項
1に記載の検出システム。
【請求項10】
前記検出システムは、伝送光路および受信光路を含み、前記伝送光路および前記受信光路は同軸に配置される、請求項
1に記載の検出システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の検出システムを備える、端末デバイス。
【請求項12】
少なくとも1つのレーザと、少なくとも1つの検出器と、請求項1から
10のいずれか一項に記載の検出システムとを備える、検出装置。
【国際調査報告】