(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】ロボット
(51)【国際特許分類】
B25J 5/00 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
B25J5/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524373
(86)(22)【出願日】2022-11-26
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 CN2022134530
(87)【国際公開番号】W WO2023093869
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】202111437472.X
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211477892.5
(32)【優先日】2022-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520176681
【氏名又は名称】北京可以科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING KEYI TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Room 801,Floor 8,No.B3,Huayuan Road,Haidian District,Beijing,China
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ジャンボー
(72)【発明者】
【氏名】カオ リン ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ザン チェン
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS36
3C707CS08
3C707HS12
3C707HS27
3C707KS06
3C707KS12
3C707KS16
3C707KS20
3C707KS23
3C707KS24
3C707KX03
3C707KX11
3C707LV15
3C707MT05
3C707MT08
3C707WA02
3C707WA13
3C707WA16
3C707WM10
3C707WM22
(57)【要約】
ロボット1は、制御システム11と、体幹モジュール12と、体幹モジュールに接続された脚モジュール13とを含み、前記脚モジュールは、少なくとも1つの脚アセンブリ131を含み、前記脚アセンブリは、複数の接続された可動要素1311をさらに含み、前記制御システムは、ロボットの全体的な状態を変化するために、地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替えるように少なくとも1つの可動要素を制御する。前記ロボットは、制御システムが少なくとも1つの可動要素が地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替わる設計を制御することができ、ロボットの全体的な状態を変化させ、ロボットの動きをより柔軟かつ変更可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットであって、
前記ロボットは、制御システムと、体幹モジュールと、前記体幹モジュールに接続された脚モジュールとを含み、
前記脚モジュールは少なくとも1つの脚アセンブリを含み、前記脚アセンブリは、複数の接続された可動要素を含み、前記制御システムは、前記ロボットの全体的な状態を変化させるために、前記可動要素の少なくとも1つを制御して、地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替える、ことを特徴とするロボット。
【請求項2】
前記体幹モジュールは第1のアクションアセンブリを含み、前記第1のアクションアセンブリの出力端は前記脚モジュールに駆動的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記脚モジュールは少なくとも2つの前記脚アセンブリを含み、少なくとも2つの前記脚アセンブリは、前記体幹モジュールの対向する両側に配置されており、前記体幹モジュールは、前記脚アセンブリに対して回転可能である、ことを特徴とする請求項2に記載のロボット。
【請求項4】
前記脚アセンブリは、複数の前記可動要素に接続されたホイールフレームをさらに含み、前記制御システムは、前記可動要素が地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替わるように、前記体幹モジュールに対して前記ホイールフレームを回転するように制御する、ことを特徴とする請求項3に記載のロボット。
【請求項5】
前記ホイールフレームは、複数の接続部と、前記接続部を接続するためのジョイントとを含み、前記制御システムは、複数の前記接続部が前記ジョイントを介して相互に移動するように制御する、ことを特徴とする請求項4に記載のロボット。
【請求項6】
前記ホイールフレームは第1の構造要素を含み、前記第1の構造要素は、前記体幹モジュールに回転可能に接続されており、前記第1の構造要素の前記体幹モジュールから離れた側は、複数の前記可動要素に回転可能に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載のロボット。
【請求項7】
前記ホイールフレームは、第2の構造要素と、第3の構造要素とを含み、
前記第2の構造要素は、前記体幹モジュールに回転可能に接続されており、前記第2の構造要素の前記体幹モジュールから離れた側は、少なくとも1つの可動要素に回転可能に接続されており、
前記第3の構造要素は、前記体幹モジュールに回転可能に接続されており、前記第3の構造要素の前記体幹モジュールから離れた側は、少なくとも1つの可動要素に回転可能に接続される、ことを特徴とする請求項4に記載のロボット。
【請求項8】
前記ホイールフレームは伸縮機構をさらに含み、
前記伸縮機構の一端は、前記第2の構造要素に移動可能に接続され、前記伸縮機構の他端は、前記第3の構造要素に移動可能に接続され、第1の夾角の角度変化を制御し、前記第1の夾角は、前記第2の構造要素と前記第3の構造要素とによって形成される前記体幹モジュールから離れた開口部の夾角である、ことを特徴とする請求項7に記載のロボット。
【請求項9】
前記第2の構造要素と前記第3の構造要素は、同じ回転軸を介して前記体幹モジュールに回転可能に接続されており、前記第3の構造要素は、前記第2の構造要素と前記体幹モジュールとの間に配置される、ことを特徴とする請求項8に記載のロボット。
【請求項10】
前記ホイールフレームは、第4の構造要素と第5の構造要素を含み、
前記第4の構造要素の一端は、前記体幹モジュールにヒンジで取り付けられ、前記第4の構造要素の他端は、前記第5の構造要素にヒンジで取り付けられ、前記第5の構造要素は、複数の可動要素に回転可能に接続されており、
前記制御システムは、前記第4の構造要素および前記第5の構造要素を介して、2つの可動要素間の距離および/または2つの可動要素間に形成される夾角を調整し、前記2つの可動要素は、前記体幹モジュールの両側に対向して配置される、ことを特徴とする請求項4に記載のロボット。
【請求項11】
前記脚モジュールは、2つの前記脚アセンブリを含み、2つの前記脚アセンブリは、それぞれ第1の脚アセンブリおよび第2の脚アセンブリとして定義され、
前記第1の脚アセンブリは、第1のホイールフレームおよび前記第1のホイールフレーム上に設けられた前記可動要素を含み、前記第1のホイールフレーム上に設けられた前記可動要素を第1の可動要素として定義し、前記第1の可動要素の数は少なくとも2つであり、前記第1の可動要素は、前記第1のホイールフレームの対向する両端に配置され、
前記第2の脚アセンブリは、第2のホイールフレームおよび前記第2のホイールフレーム上に設けられた可動要素を含み、前記第2のホイールフレーム上に設けられた前記可動要素を第2の可動要素として定義し、前記第2の可動要素の数は少なくとも2つであり、前記第2の可動要素は、前記第2のホイールフレームの対向する両端に配置され、ことを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項12】
前記第1の可動要素の数は2つであり、2つの前記第1の可動要素のうちの少なくとも1つは駆動輪であり、前記駆動輪を第1の駆動輪として定義し、前記制御システムは前記第1の駆動輪の回転を制御できる、ことを特徴とする請求項11に記載のロボット。
【請求項13】
前記第2の可動要素の数は2つであり、2つの前記第2の可動要素のうちの少なくとも1つは駆動輪であり、前記駆動輪を第2の駆動輪として定義し、前記制御システムは前記第2の駆動輪の回転を制御できる、ことを特徴とする請求項11に記載のロボット。
【請求項14】
前記第1のアクションアセンブリは複数の前記出力端を含み、各前記出力端は1つの対応する前記ホイールフレームに駆動可能に接続される、ことを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項15】
複数の前記出力端は、同じ駆動アセンブリによって同時に駆動されるか、または複数の駆動アセンブリによってそれぞれ駆動される、ことを特徴とする請求項14に記載のロボット。
【請求項16】
前記第1のアクションアセンブリは前記体幹モジュールの対向する両端に設けられた2つの前記出力端を含み、2つの前記出力端は2つの駆動アセンブリによってそれぞれ駆動され、2つの前記出力端を第1の出力端および第2の出力端として定義し、前記第1の出力端は前記第1のホイールフレームに駆動可能に接続され、前記第2の出力端は前記第2のホイールフレームに駆動可能に接続される、ことを特徴とする請求項11に記載のロボット。
【請求項17】
前記ロボットは感知システムをさらに含み、前記感知システムは、前記ロボットのアセンブリ姿勢および前記ロボットの位置状態を監視し、前記制御システムは、前記アセンブリ姿勢および前記位置状態から前記ロボットの全体的な状態を取得し、前記全体的な状態が転倒状態または傾斜状態である場合、前記制御システムは、前記ロボットが自律的にバランスをとるように、前記脚モジュールに対して回転するおよび/または前記可動要素が回転するように前記体幹モジュールを制御する、ことを特徴とする請求項11に記載のロボット。
【請求項18】
前記感知システムは角度検出アセンブリを含み、前記角度検出アセンブリは、前記脚モジュールと前記体幹モジュールとの間の相対角度を検出し、前記制御システムは前記相対角度に従って前記ロボットのアセンブリ姿勢を取得する、ことを特徴とする請求項17に記載のロボット。
【請求項19】
前記感知システムは第1の感知アセンブリをさらに含み、前記第1の感知アセンブリは、前記ロボットの位置状態を取得するために、地面に対する前記ロボットの重心の位置関係を監視し、前記制御システムは、前記位置状態および前記アセンブリ姿勢にしたがって前記ロボットが転倒する傾向の有無を判断し、前記ロボットが転倒する傾向がある場合、前記制御システムは、前記ロボットが転倒方向と反対の方向にトルクを生成して前記ロボットの転倒を防止するように、前記脚モジュールに対して回転するおよび/または前記可動要素が回転するように前記体幹モジュールを制御する、ことを特徴とする請求項18に記載のロボット。
【請求項20】
前記制御システムは、前記位置状態および前記アセンブリ姿勢にしたがって前記ロボットが転倒状態であるかどうかを判断し、前記ロボットが転倒状態である場合、前記制御システムは、前記ロボットが立位状態にするために、前記脚モジュールに対して回転するおよび/または前記可動要素が回転するように前記体幹モジュールを制御する、ことを特徴とする請求項19に記載のロボット。
【請求項21】
前記第1の感知アセンブリは、前記地面に対する前記体幹モジュールの重心の位置関係を監視することによって、体幹の位置情報を取得し、前記制御システムは、前記体幹の位置情報および前記アセンブリ姿勢にしたがって脚の位置情報を取得し、前記制御システムは、前記体幹の位置情報および前記脚の位置情報にしたがって前記ロボットの位置状態を取得する、ことを特徴とする請求項19に記載のロボット。
【請求項22】
前記第1の感知アセンブリは、体幹検出アセンブリおよび脚検出アセンブリを含み、前記体幹検出アセンブリは、前記地面に対する前記体幹モジュールの重心の位置関係を監視することによって、体幹の位置情報を取得し、前記脚検出アセンブリは、前記地面に対する前記脚モジュールの重心の位置関係を監視することによって、脚の位置情報を取得し、前記制御システムは、前記体幹の位置情報および前記脚の位置情報にしたがって前記ロボットの位置状態を取得する、ことを特徴とする請求項19に記載のロボット。
【請求項23】
前記体幹モジュールは、可動に接続されたヘッドフェイスアセンブリおよびボディアセンブリを含み、前記ボディアセンブリは、前記ヘッドフェイスアセンブリと脚モジュールを接続し、前記ボディアセンブリの回転は、前記脚モジュールに対する前記ヘッドフェイスアセンブリの回転を駆動する、ことを特徴とする請求項1に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月26日に中国特許局に提出し、出願番号が202111437472.Xであり、発明名称が「ロボット」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。また、本出願は、2022年11月23日に中国特許局に提出し、出願番号が202211477892.5であり、発明名称が「ロボット」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
【0002】
本発明は、人工知能デバイスの技術分野に関し、特にロボットに関する。
【背景技術】
【0003】
人工知能技術の発展に伴い、ロボットが家族の場面に参入し始めており、特に子供の教育や仲間としての役割を持つロボットは親や市場の間で非常に人気があるが、既存のロボットには十分な柔軟性がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のロボットが十分に柔軟ではないという問題を解決するために、本発明の実施形態はロボットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的問題を解決するために、本発明の実施形態はロボットを提供する。
【0006】
前記ロボットは、制御システムと、体幹モジュールと、前記体幹モジュールに接続された脚モジュールとを含み、前記脚モジュールは少なくとも1つの脚アセンブリを含み、前記脚アセンブリはさらに、複数の接続された可動要素を含み、前記制御システムは、前記ロボットの全体的な状態を変化させるために、前記可動要素の少なくとも1つを制御して、地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替えることができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記体幹モジュールは第1のアクションアセンブリを含み、前記第1のアクションアセンブリの出力端は前記脚モジュールに駆動的に接続される。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記脚モジュールは少なくとも2つの前記脚アセンブリを含み、少なくとも2つの前記脚アセンブリは、前記体幹モジュールの対向する両側に配置されており、前記体幹モジュールは、前記脚アセンブリに対して回転可能である。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記脚アセンブリは、複数の前記可動要素に接続されたホイールフレームをさらに含み、前記制御システムは、前記可動要素が地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替わるように、前記体幹モジュールに対して前記ホイールフレームを回転するように制御する。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記ホイールフレームは、複数の接続部と、前記接続部を接続するためのジョイントとを含み、前記制御システムは、複数の前記接続部が前記ジョイントを介して相互に移動するように制御する。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記ホイールフレームは第1の構造要素を含み、前記第1の構造要素は、前記体幹モジュールに回転可能に接続されており、前記第1の構造要素の前記体幹モジュールから離れた側は、複数の前記可動要素に回転可能に接続される。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記ホイールフレームは、第2の構造要素と、第3の構造要素とを含み、
前記第2の構造要素は、前記体幹モジュールに回転可能に接続されており、前記第2の構造要素の前記体幹モジュールから離れた側は、少なくとも1つの可動要素に回転可能に接続されており、
前記第3の構造要素は、前記体幹モジュールに回転可能に接続されており、前記第3の構造要素の前記体幹モジュールから離れた側は、少なくとも1つの可動要素に回転可能に接続される。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記ホイールフレームは伸縮機構をさらに含み、
前記伸縮機構の一端は、前記第2の構造要素に移動可能に接続され、伸縮機構の他端は、前記第3の構造要素に移動可能に接続され、第1の夾角の角度変化を制御し、前記第1の夾角は、前記第2の構造要素と前記第3の構造要素とによって形成される前記体幹モジュールから離れた開口部の夾角である。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記第2の構造要素と前記第3の構造要素は、同じ回転軸を介して前記体幹モジュールに回転可能に接続されており、前記第3の構造要素は、前記第2の構造要素と前記体幹モジュールとの間に配置される。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記ホイールフレームは、第4の構造要素と第5の構造要素を含み、
前記第4の構造要素の一端は、前記体幹モジュールにヒンジで取り付けられ、前記第4の構造要素の他端は、前記第5の構造要素にヒンジで取り付けられ、前記第5の構造要素は、複数の可動要素に回転可能に接続されており、
前記制御システムは、前記第4の構造要素および前記第5の構造要素を介して、2つの可動要素間の距離および/または2つの可動要素間に形成される夾角を調整し、前記2つの可動要素は、前記体幹モジュールの両側に対向して配置される。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記脚モジュールは、2つの前記脚アセンブリを含み、2つの前記脚アセンブリは、それぞれ第1の脚アセンブリおよび第2の脚アセンブリとして定義され、前記第1の脚アセンブリは、第1のホイールフレームおよび前記第1のホイールフレーム上に設けられた前記可動要素を含み、前記第1のホイールフレーム上に設けられた前記可動要素を第1の可動要素として定義し、前記第1の可動要素の数は少なくとも2つであり、前記第1の可動要素は、前記第1のホイールフレームの対向する両端に配置され、前記第2の脚アセンブリは、第2のホイールフレームおよび前記第2のホイールフレーム上に設けられた可動要素を含み、前記第2のホイールフレーム上に設けられた前記可動要素を第2の可動要素として定義し、前記第2の可動要素の数は少なくとも2つであり、前記第2の可動要素は、前記第2のホイールフレームの対向する両端に配置される。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記第1の可動要素の数は2つであり、2つの前記第1の可動要素のうちの少なくとも1つは駆動輪であり、前記駆動輪を第1の駆動輪として定義し、前記制御システムは前記第1の駆動輪の回転を制御できる。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記第2の可動要素の数は2つであり、2つの前記第2の可動要素のうちの少なくとも1つは駆動輪であり、前記駆動輪を第2の駆動輪として定義し、前記制御システムは前記第2の駆動輪の回転を制御できる。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記第1のアクションアセンブリは複数の前記出力端を含み、各前記出力端は1つの対応する前記ホイールフレームに駆動可能に接続される。
【0020】
いくつかの実施形態では、複数の前記出力端は、同じ駆動アセンブリによって同時に駆動されるか、または複数の駆動アセンブリによってそれぞれ駆動される。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記第1のアクションアセンブリは前記体幹モジュールの対向する両端に設けられた2つの前記出力端を含み、2つの前記出力端は2つの駆動アセンブリによってそれぞれ駆動され、2つの前記出力端を第1の出力端および第2の出力端として定義し、前記第1の出力端は前記第1のホイールフレームに駆動可能に接続され、前記第2の出力端は前記第2のホイールフレームに駆動可能に接続される。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記ロボットは感知システムをさらに含み、前記感知システムは、前記ロボットのアセンブリ姿勢および前記ロボットの位置状態を監視し、前記制御システムは、前記アセンブリ姿勢および前記位置状態から前記ロボットの全体的な状態を取得し、前記全体的な状態が転倒状態または傾斜状態である場合、前記制御システムは、前記ロボットが自律的にバランスをとるように、前記脚モジュールに対して回転するおよび/または前記可動要素が回転するように前記体幹モジュールを制御する。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記感知システムは角度検出アセンブリを含み、前記角度検出アセンブリは、前記脚モジュールと前記体幹モジュールとの間の相対角度を検出し、前記制御システムは前記相対角度に従って前記ロボットのアセンブリ姿勢を取得する。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記感知システムは第1の感知アセンブリをさらに含み、前記第1の感知アセンブリは、前記ロボットの位置状態を取得するために、地面に対する前記ロボットの重心の位置関係を監視し、前記制御システムは、前記位置状態および前記アセンブリ姿勢にしたがって前記ロボットが転倒する傾向の有無を判断し、前記ロボットが転倒する傾向がある場合、前記制御システムは、前記ロボットが転倒方向と反対の方向にトルクを生成して前記ロボットの転倒を防止するように、前記脚モジュールに対して回転するおよび/または前記可動要素が回転するように前記体幹モジュールを制御する。
【0025】
いくつかの実施形態では、前記制御システムは、前記位置状態および前記アセンブリ姿勢にしたがって前記ロボットが転倒状態であるかどうかを判断し、前記ロボットが転倒状態である場合、前記制御システムは、前記ロボットが立位状態にするために、前記脚モジュールに対して回転するおよび/または前記可動要素が回転するように前記体幹モジュールを制御する。
【0026】
いくつかの実施形態では、前記第1の感知アセンブリは、前記地面に対する前記体幹モジュールの重心の位置関係を監視することによって、体幹の位置情報を取得し、前記制御システムは、前記体幹の位置情報および前記アセンブリ姿勢にしたがって脚の位置情報を取得し、前記制御システムは、前記体幹の位置情報および前記脚の位置情報にしたがって前記ロボットの位置状態を取得する。
【0027】
いくつかの実施形態では、前記第1の感知アセンブリは、体幹検出アセンブリおよび脚検出アセンブリを含み、前記体幹検出アセンブリは、前記地面に対する前記体幹モジュールの重心の位置関係を監視することによって、体幹の位置情報を取得し、前記脚検出アセンブリは、前記地面に対する前記脚モジュールの重心の位置関係を監視することによって、脚の位置情報を取得し、前記制御システムは、前記体幹の位置情報および前記脚の位置情報にしたがって前記ロボットの位置状態を取得する。
【0028】
いくつかの実施形態では、前記体幹モジュールは、可動に接続されたヘッドフェイスアセンブリおよびボディアセンブリを含み、前記ボディアセンブリは、前記ヘッドフェイスアセンブリと脚モジュールを接続し、前記脚モジュールに対する前記ボディアセンブリの回転は、前記脚モジュールに対する前記ヘッドフェイスアセンブリの回転を駆動する。
【発明の効果】
【0029】
先行技術と比較して、本発明の実施例によって提供されるロボットは、以下の利点を有する:
1、本発明の実施例によって提供されるロボットは、制御システム、体幹モジュールおよび体幹モジュールに接続された脚モジュールを含み、制御システムは、少なくとも1つの可動要素が地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替わる設計を制御することができ、ロボットの全体的な状態を変化させ、ロボットの動きをより柔軟かつ変更可能にする。例えば、全ての可動要素が地面に接触している場合、ロボットはすべての足が地面についたかわいいペットのような伏せた姿勢になる。可動要素の一部が地面から持ち上げられた場合、ロボットは部分的に足で立ち、部分的に足を上げているかわいいペットのような立位状態になる。ロボットの動きがより柔軟で豊かになり、人間とコンピュータのインタラクションをより深く進歩させる基礎条件が提供される。また、制御システムは、少なくとも1つの可動要素が地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替わる設計を制御することができ、ロボットはより複雑な環境に適応することができる。例えば、ロボットは、可動要素の一部が地面から持ち上げられた状態となるように制御することにより、障害物を迂回し、または、ロボットが傾く傾向がある場合、ロボットの転倒を防止するために、地面から持ち上げられた状態の可動要素を地面と接触している状態に切り替える。このように、制御システムは、少なくとも1つの可動要素が地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替わる設計を制御することができ、ロボットの動きの柔軟性、適応性、および信頼性を大幅に向上させる。
【0030】
2、本発明の実施例によって提供されるロボット,出力端が脚モジュールに駆動可能に接続される第1のアクションアセンブリを備えることにより、脚モジュールが体幹モジュールに対して相対的に移動可能になるため、ロボットは、体幹モジュールと脚モジュールを別々に作動させることも、または、必要に応じて、2つのモジュールのうち一方のみを作動させることも実現でき、これにより、ロボットの移動および動作の柔軟性および環境に対するロボットの適応性をさらに効果的に向上させ、また、ロボットの表現力をさらに向上させ、ロボットをよりバイオニックの要求に沿ったものとすることができる。
【0031】
3、本発明の実施例によって提供されるロボットは、少なくとも2つの脚アセンブリが体幹モジュールの対向する両側に配置されるように設計されているため、ロボットがバランスと安定性を維持しやすくなり、ロボットの異なる地形への適応能力がさらに向上する。また、脚アセンブリが体幹モジュールの対向する両側に配置される設計により、体幹モジュールの重心が相対的に地面に近くなり、ロボットの全体的な重心の高さが低くなり、ロボットの安定性がさらに向上し、転倒しにくくなり、ロボットの環境への適応能力がさらに向上する。
【0032】
4、本発明の実施例によって提供されるロボットは、複数の可動要素に接続されたホイールフレームを備えることにより、制御システムは、体幹モジュールに対するホイールフレームの回転を制御することにより、可動要素を地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替えさせ、ロボットの全体的な状態の変化を実現することができる。ホイールフレームの設計により、同じ脚アセンブリ内の複数の可動要素を互いに関連付けることができ、それにより、例えば、1つの脚アセンブリ上の部分的に地面と接触した可動要素が、残りの可動要素を地面から持ち上げられた状態になるように支持することにより、ロボットがより豊富な動作を行うことができ、それにより、可動要素の一部が地面と接触した状態にあり、可動要素の一部が地面から持ち上げられた状態にある動作を行うことができる。また、脚アセンブリにおける複数の可動要素をホイールフレームによって接続する態様は、複数の可動要素の同期した移動を容易にし、それによってロボットの移動の安定性をさらに向上させる。ホイールフレームを設けることにより、ロボットの動きの豊かさと安定性がさらに向上することがわかる。
【0033】
5、本発明の実施例によって提供されるロボットは、ホイールフレームを、複数の接続部がジョイントによって互いに相対的に移動可能であるように設計することによって、ホイールフレームとホイールフレーム上の可動要素との間の動きをより多様化させ、すなわち、脚アセンブリの動きをより柔軟かつ変更可能にする。例えば、ロボットは、地面と接触するジョイントによって、体幹モジュールおよび他の脚アセンブリの支持を実現することができる。また、接続部がジョイント部材によって移動可能に接続される態様により、ロボットが凹凸のある地面上で移動する場合や重心が不安定な場合に、接続部間の相対移動によってロボットの重心を調整することが可能となり、ロボットの安定性が向上する。
【0034】
6、本発明の実施例によって提供されるロボットは、2つの脚アセンブリと、各脚アセンブリの対向する2端に配置された複数の可動要素とを備えることにより、ロボットの全体的な設計の対称性がさらに確保され、これにより、ロボットの重心が2つの脚アセンブリに対してより確実に中央に配置され、ロボット全体の安定性がより高くなり、より比較的複雑な動作を安定的に実現することができる。また、より比較的複雑な動作を安定的に実現することができるとともに、ロボットの動作時に比較的大きな角度で伸展することが可能となり、ロボットの動作の柔軟性と豊かさをさらに向上させることができる。さらに、複数の可動要素が各脚アセンブリの対向する端部に配置される設計により、各脚アセンブリは、一方の端部が地面に接触する動作を実現する一方で、他方の端部が地面から持ち上げられる動作を実現することができ、これにより、ロボットの動作の多様性がさらに確保される。
【0035】
7、本発明の実施例によって提供されるロボットは、2つの第1可動要素の少なくとも一方が駆動輪である設計により、第1の脚アセンブリの駆動下でロボットを移動させることができる。さらに、2つの第2の可動要素のうち少なくとも1つを駆動輪とする設計により、ロボットは第2の脚アセンブリによっても駆動することができる。これにより、ロボットの動きの柔軟性が確保される。
【0036】
8、本発明の実施例によって提供されるロボットは、複数の出力端を備え、各出力端がホイールフレームに駆動可能に接続されることにより、各出力端の駆動で各ホイールフレームが体幹モジュールに対して相対的に回転できることが保証され、これによりロボットの動きの柔軟性がさらに向上する。複数の出力端が同じ駆動アセンブリによって同時に駆動される場合、複数のホイールフレームは同期して移動することができ、複数のホイールフレームの同じ端部が同時に地面に着地し、複数のホイールフレームの他の端部が同時に地面から持ち上げられる動作を実現することができる。また、複数の駆動アセンブリによって複数の出力端が個別に駆動される場合には、例えば、1つのみのホイールフレームの一端が地面と接触し、他端が地面から持ち上げられるようになれ、同時に、他のホイールフレームは両端が全て地面と接触するような動きを実現することができる。さらに、2つの脚アセンブリに対応し、2つの駆動アセンブリによって別々に駆動される出力端を設ける設計により、2つの脚アセンブリが出力端の駆動を受けて自律的に動くことが保証され、ロボットの動きの柔軟性がさらに向上し、同時にロボットのバイオニック効果がより良くなる。
【0037】
9、本発明の実施例によって提供されるロボットは、感知システムが設けられ、感知システムを通じて脚モジュールと地面に対するロボットの重心の位置関係を監視することができ、及び/又は、感知システムを通じて可動要素の回転状態を検出することができ、つまり、感知システムはロボットの移動状態及び姿勢状況を監視することができる。したがって、制御システムは、感知システムの監視結果によって、ロボットの安定状態を判断し、ロボットの現在の安定状態によって、脚モジュールに対する体幹モジュールの回転を制御し、及び/又は、可動要素の回転を制御することができ、実際のニーズに合わせて、ロボットの重心、ロボットの移動及び姿勢を調整することができ、それによって、ロボットは自律的にバランスを取る機能を実現することができる。したがって、感知システムは、制御システムと協力し、ロボットの安定性、柔軟性、環境適応性を大幅に向上させ、さらに、ロボットがより複雑な環境で自律的に動作し、移動できることを保証する。
【0038】
10、本発明の実施例によって提供されるロボットにおいて、第1の感知アセンブリは、脚モジュールと地面に対するロボットの重心の位置関係を監視することができ、制御システムは、ロボットが転倒する傾向があるかどうかを知ることができ、すなわち、制御システムは、第1の感知アセンブリの監視結果に応じて、ロボットの現在の重心が安定しているかどうかを判断することができる。制御システムが、ロボットの現在の重心が不安定であり、転倒問題が発生する可能性があると判断した場合、制御システムは、脚モジュールに対する体幹モジュールの回転を制御して、ロボットが転倒する方向とは反対の方向にトルクを発生させ、ロボットが転倒するのを防止し、ロボットが自律的にバランスをとることができるようにすることができる。また、制御システムは、第1の感知アセンブリの監視結果にしたがって、ロボットが既に転倒状態にあるか否かを判断してもよく、ロボットが現在転倒状態にあると制御システムが判断した場合、制御システムは、ロボットの行動姿勢を変更するように、脚モジュールに対する体幹モジュールの回転及び/又は可動要素の回転を制御して、ロボットが立位状態を再開できるようにしてもよい。第1の感知アセンブリが制御システムと協力する設計により、ロボットの転倒を防止し、ロボットをより安定させるだけでなく、ロボットが転倒した場合、ロボットが自律的に立位状態に戻ることを可能にし、それによって、ロボットの安定性、信頼性及び環境適応性を効果的に確保することができる。
【0039】
11、本発明の実施例によって提供されるロボットにおいて、ボディアセンブリは、ヘッドフェイスアセンブリと脚モジュールを接続し、脚モジュールに対するボディアセンブリの回転が脚モジュールに対するヘッドフェイスアセンブリの回転を駆動する設計により、ロボットのヘッドフェイスアセンブリは、ボディアセンブリの回転を通じて脚モジュールに対して相対的に回転することができ、ロボットの動作の豊かさと柔軟性をさらに向上させ、同時にロボットのバイオニック効果をより良くする。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明の実施例によって提供されるロボットの三次元状態を示す第1の模式図である。
【
図2】本発明の実施例によって提供されるロボットの三次元状態を示す第2の模式図である。
【
図3】本発明の実施例によって提供されるロボットの部分構造を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施例によって提供されるロボットの三次元状態を示す第3の模式図である。
【
図5】本発明の実施例によって提供されるロボットの三次元状態を示す第4の模式図である。
【
図6】本発明の実施例によって提供されるロボットの三次元状態を示す第5の模式図である。
【
図7】本発明の実施例によって提供されるロボットの三次元状態を示す第6の模式図である。
【
図8】本発明の実施例によって提供されるロボットの三次元状態を示す第7の模式図である。
【
図9】本発明の実施例によって提供されるロボットの三次元状態を示す第8の模式図である。
【
図10】本発明の実施例によって提供されるロボットの三次元状態を示す第9の模式図である。
【
図11】本発明の実施例によって提供されるロボットの三次元状態を示す第10の模式図である。
【
図12】本発明の実施例によって提供されるロボットの三次元状態を示す第11の模式図である。
【
図13】本発明の実施例によって提供されるロボットの前方転倒状態を示す第1の模式図である。
【
図14】本発明の実施例によって提供されるロボットの前方転倒状態を示す第2の模式図である。
【
図15】本発明の実施例によって提供されるロボットの後方転倒状態を示す第1の模式図である。
【
図16】本発明の実施例によって提供されるロボットの後方転倒状態を示す第2の模式図である。
【
図17】本発明の実施例によって提供されるロボットの傾斜状態を示す模式図である。
【
図18】本発明の実施例によって提供されるロボットの四輪立位状態を示す模式図である。
【
図19】本発明の実施例によって提供されるロボットの二輪立位状態を示す模式図である。
【
図20】本発明の実施例によって提供されるロボットの全体的な状態の変化を示す第1の模式図である。
【
図21】本発明の実施例によって提供されるロボットの全体的な状態の変化を示す第2の模式図である。
【
図22】本発明の実施例によって提供されるロボットの全体的な状態の変化を示す第3の模式図である。
【
図23】本発明の実施例によって提供されるロボット全体的な状態の変化を示す第4の模式図である。
【
図24】本発明の実施例によって提供されるロボット全体的な状態の変化を示す第5の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、
図1~
図13および実施例を参照して、以下で本願をさらに詳細に説明する。本明細書に記載される特定の実施形態は、説明するためにのみ使用され、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0042】
明細書および特許請求の範囲における「第1」および「第2」などの用語は、特定の順序を説明するものではなく、異なる対象を区別するために使用されることに留意されたい。
【0043】
1つの要素が別の要素に「固定されている」と呼ばれる場合、その要素は他の要素上に直接存在する場合もあれば、介在する要素も存在する場合があることに留意されたい。1つの要素が別の要素に「接続されている」と言われる場合、その要素は他の要素に直接接続されている場合もあれば、介在する要素が存在する場合もある。「垂直」、「水平」、「左」、「右」という用語、および類似の表現は、本明細書では説明のみを目的として使用されている。
【0044】
本発明では、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「トップ」、「ボトム」、「内」、「外」、「中」、「垂直」、「水平」、「横」、「縦」という用語で示されている方向または位置の関係は、図面に基づいて示された向きや位置関係である。これらの用語は主に、本発明およびその実施形態をより良く説明するために使用され、示された装置、要素、または構成要素が特定の方向を有するように、または特定の方向で構築および動作されるように限定することを意図するものではない。
【0045】
また、上記の用語の一部は、方向や位置関係を示す以外に、他の意味を表現するために使用されることもある。例えば、「上記」という用語は、ある依存関係や接続関係を表現するために用いられる場合もある。当業者は、特定の状況に応じて、本発明におけるこれらの用語の特定の意味を理解することができる。
【0046】
また、「設置する」、「配置する」、「備える」、「接続する」、「接続する」という用語は、広義に理解されるべきである。例えば、接続は、固定接続、取り外し可能な接続、または一体型接続であってもよい。機械的接続または電気的接続の場合がある。直接接続、中間媒体を介した間接接続、または2つの装置、要素、またはコンポーネント間の内部通信の場合がある。当業者であれば、特定の状況に応じて、本発明における上述の用語の具体的な意味を理解することができるであろう。
【0047】
図1~
図2と組み合わせると、本発明の第1の実施例はロボット1を提供する。前記ロボット1は、制御システム11、体幹モジュール12、及び体幹モジュール12に接続された脚モジュール13を含む。ここで、脚モジュール13は、少なくとも1つの脚アセンブリ131を含む。脚アセンブリ131は、複数の接続された可動要素1311を含む。制御システム11は、少なくとも1つの可動要素1311を制御して、地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態とを切り替えて、ロボット1の全体的な状態を変化させる。ロボット1の各構成要素の相対的な位置関係は、ロボット1自体のアセンブリ姿勢を構成する。地面に対するロボット1の位置関係がロボット1の位置状態を構成する。ロボット1のアセンブリ姿勢とロボット1の位置状態とが協働してロボット1の全体状態を決定する。
【0048】
制御システム11は、少なくとも1つの可動要素1311を制御して、地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替えることができ、それによってロボット1の全体的な状態を変化させ、ロボット1の動作をより柔軟かつ変更可能にする。例えば、すべての可動要素1311が地面に接触している場合、ロボット1は、すべての足が地面にあるかわいいペットのように、うつ伏せの姿勢になる。可動要素1311の一部が地面から持ち上げられると、ロボット1は、一部の足が立ったり、一部の足が上がったりしたかわいいペットのような立った状態になる。ロボット1の動作はより柔軟かつ豊かになり、人間とコンピュータのインタラクションをより深く促進させる基礎条件が提供される。また、制御システム11は、少なくとも1つの可動要素1311を制御して、地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替えることができる設計により、ロボット1がより複雑な環境に適応することが可能になる。例えば、ロボット1は、障害物を迂回するために地面から持ち上げられるように可動要素1311の一部を制御することができる。また、ロボット1が傾きそうになった場合には、地面から持ち上げられた状態の可動要素1311を地面と接触している状態に切り替わり、ロボット1の転倒を防止する。よって、制御システム11が少なくとも1つの可動要素1311を制御して、地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替えることができる設計は、ロボット1の動作の柔軟性、適応性、および信頼性を大幅に向上させる。
【0049】
なお、制御システム11は、制御機能を実現できる限り、その設置場所は限定されない。任意選択で、制御システム11は、体幹モジュール12、脚モジュール13、または外部端末に集中的に設けられてもよい。あるいは、制御システム11を幹モジュール12と脚モジュール13に分散して設けてもよい。あるいは、制御システム11の一部が幹モジュール12および/または脚モジュール13に設けられ、一部が外部端末に設けられてもよい。
【0050】
さらに、脚モジュール13は、少なくとも2つの脚アセンブリ131を含む。脚アセンブリ131は、体幹モジュール12に対して移動することができ、それにより、可動要素1311を駆動して体幹モジュール12に対して移動する。任意選択で、脚アセンブリ131は、ボディアセンブリ123の側面および/または底面に配置される。
【0051】
さらに、少なくとも2つの脚アセンブリ131が、体幹モジュール12の対向する両側に配置される。
【0052】
少なくとも2つの脚アセンブリ131を体幹モジュール12の対向する両側に配置する設計により、ロボット1の全体的な設計がより対称になり、したがってロボット1の全体的な重心が相対的により中心に寄せられることが理解できる。これにより、ロボット1はバランスと安定性を維持しやすくなり、異なる地形に対するロボット1の適応性がさらに向上する。さらに、体幹モジュール12の対向する両側に配置された脚アセンブリ131の設計により、体幹モジュール12の重心を地面に比較的近づけることができ、したがってロボット1の全体的な重心の高さを低減することができる。これにより、ロボット1の安定性がさらに向上して転倒しにくくなり、ロボット1の環境適応性がさらに向上する。
【0053】
具体的には、本願のいくつかの実施形態では、脚アセンブリ131の数は2つである。2つの脚アセンブリ131をそれぞれ第1の脚アセンブリ131、第2の脚アセンブリ131とする。第1の脚アセンブリ131と第2の脚アセンブリ131は、体幹モジュール12の対向する両側に配置される。
【0054】
図1から
図3に示すように、体幹モジュール12は、第1のアクションアセンブリ121をさらに含む。第1のアクションアセンブリ121は出力端1211を含む。前記出力端1211は、脚アセンブリ131を駆動して体幹モジュール12に対して移動させるように、脚アセンブリ131に駆動可能に接続される。
【0055】
第1のアクションアセンブリ121の出力端1211は、脚アセンブリ131の位置に対応するボディアセンブリ123上の対応する位置に設けることができることを理解されたい。特に、本発明のいくつかの実施形態では、第1のアクションアセンブリ121の出力端1211は、第1の脚アセンブリ131及び第2の脚アセンブリ131に対応する体幹モジュール12のV両端にそれぞれ設けられている。
【0056】
任意選択で、脚アセンブリ131が体幹モジュール12に対して移動する方法は限定されず、回転、ローリング、往復運動などであってもよいが、これらに限定されない。特に、本発明のいくつかの実施形態では、脚アセンブリ131が体幹モジュール12に対して移動する方法は回転である。
【0057】
出力端1211が脚モジュール13に駆動可能に接続された第1アクションアセンブリ121の配置により、脚モジュール13が体幹モジュール12に対して移動できるようになり、ロボット1が、体幹モジュール12と脚モジュール13は、必要に応じて別々に動くか、または2つのモジュールのうちの一方だけが動くことができ、これにより、ロボット1の動きおよび動作の柔軟性および環境へのロボット1の適応性をさらに効果的に向上させることができる。これにより、ロボット1の表現力がさらに向上し、ロボット1がバイオミメティックな要件にさらに適合するようになる。
【0058】
体幹モジュール12は、移動可能に接続されるヘッドフェイスアセンブリ122およびボディアセンブリ123も含む。ボディアセンブリ123は、ヘッドフェイスアセンブリ122を脚モジュール13に移動可能に接続する。脚モジュール13に対するボディアセンブリ123の回転は、脚モジュール13に対するヘッドフェイスアセンブリ122の回転を駆動する。
【0059】
さらに、ヘッドフェースアセンブリ122は、2つの対向する側面を含み、一方の側にはフェース1221が設けられ、他方の側には後頭部1222が設けられる。この設計により、ロボット1はよりバイオニックなものになる。
【0060】
ボディアセンブリ123がヘッドフェイスアセンブリ122を脚モジュール13に接続し、脚モジュール13に対するボディアセンブリ123の回転が、脚モジュール13に対するヘッドフェイスアセンブリ122の回転を駆動することが理解できる。これにより、ロボット1のヘッドフェイスアセンブリ122は、ボディアセンブリ123の回転を通じて脚モジュール13に対して回転することができ、ロボット1の動作の豊かさと柔軟性がさらに向上し、同時に、ロボット1のバイオニック効果が向上する。
【0061】
さらに、第1のアクションアセンブリ121は、ボディアセンブリ123上に配置されており、第1のアクションアセンブリ121の出力端1211は、脚モジュール13をボディアセンブリ123に対して回転駆動することができる。
【0062】
任意選択で、第1のアクションアセンブリ121は、1つまたは複数の出力端1211を含む。具体的には、本発明のいくつかの実施形態では、第1のアクションアセンブリ121は、脚アセンブリ131に駆動可能に接続される複数の出力端1211を含む。
【0063】
また、出力端1211の数は、脚アセンブリ131の数に対応する。各出力端1211は、脚アセンブリ131に1対1対応で駆動接続される。任意選択で、複数の出力端1211は、同じ駆動アセンブリ1212によって同時に駆動されるか、または複数の駆動アセンブリ1212によってそれぞれ駆動される。
【0064】
複数の出力端1211を配置し、各出力端1211を1つの対応する脚アセンブリ131に駆動可能に接続する設計により、各脚アセンブリ131が出力端1211の駆動下で体幹モジュール12に対して回転できることが保証されることが理解できる。これにより、ロボット1は必要に応じて対応する動作を行うことができ、それによってロボット1の動作の柔軟性がさらに向上する。
【0065】
複数の出力端1211が同じ駆動アセンブリ1212によって同時に駆動される場合、複数の脚アセンブリ131は同期して動作することができ、複数の脚アセンブリ131の同じ端が同時に地面と接触し、同時に伸縮機構の他端が地面から持ち上げられるなどの動作を実現することができる。複数の出力端1211が複数の駆動アセンブリ1212によってそれぞれ駆動されると、複数の脚アセンブリ131が自律的に動作して、例えば、1つの脚アセンブリ131のみの一端が地面に接触し、同時に他端が地面から持ち上げられるとともに、他の脚部131の両端は地面に接している動作を実現することもできる。
【0066】
任意選択で、駆動アセンブリ1212の種類は限定されず、駆動アセンブリ1212が脚アセンブリ131を駆動してそれに応じて動作できる限り、モータ、シリンダ等であってもよいが、これらに限定されない。具体的には、本発明のいくつかの実施形態では、駆動アセンブリ1212はモータである。
【0067】
具体的には、本発明のいくつかの実施形態では、第1アクションアセンブリ121は、体幹モジュール12の両端に設けられた2つの出力端1211を含む。任意選択で、2つの出力端1211は、1つのモータによって同時に駆動されるか、またはそれぞれ2つのモータによって駆動される。具体的には、本発明のいくつかの実施形態では、2つの出力端1211はそれぞれ2つのモータによって駆動される。2つの出力端1211を第1出力端1211および第2出力端1211と定義する。第1出力端1211に対応するモータを第1のモータと定義し、第2出力端1211に対応するモータを第2のモータと定義する。第1の出力端1211は第1の脚アセンブリ131に駆動可能に接続され、第2の出力端1211は第2の脚アセンブリ131に駆動可能に接続される。
【0068】
2つの脚アセンブリ131に対応して、2つの駆動アセンブリ1212によってそれぞれ駆動される出力端1211を配置する設計により、2つの脚アセンブリ131の両方が出力端1211の駆動の下で自律的に動作できることが保証されることが理解され得る。これにより、ロボット1の動作の柔軟性が向上し、同時にロボット1のバイオニック効果が向上する。
【0069】
さらに、脚アセンブリ131は、複数の可動要素1311に接続されたホイールフレーム1312も含む。第1のアクションアセンブリ121の出力端1211は、ホイールフレーム1312に駆動可能に接続される。制御システム11は、第1のアクションアセンブリ121の出力端1211の回転を制御して、ホイールフレーム1312を駆動して体幹モジュール12に対して回転させ、それによって可動要素1311を駆動して、体幹モジュール12が地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替える。
【0070】
複数の可動要素1311に接続されたホイールフレーム1312を配置することによって、制御システム11は、体幹モジュール12に対するホイールフレーム1312の回転を制御して、可動要素1311を地面から持ち上げられた状態と地面と接触している状態との間で切り替えることができ、ロボット1の全体的な状態の変化を実現することが理解され得る。ホイールフレーム1312の設計により、同じ脚アセンブリ131内の複数の可動要素1311が連動して動くことができ、そのため、ロボット1の動きはより変化に富んでいる。例えば、一方の脚アセンブリ131上で地面と接触しているいくつかの可動要素1311は、他の可動要素1311を支持して地面から持ち上がり、その結果、ロボット1は、一部の移動要素1311が地面に接触し、一部の移動要素1311が地面から持ち上げられる動作を行うことができる。さらに、1つの脚アセンブリ131内の複数の可動要素1311をホイールフレーム1312を介して接続する方法により、複数の可動要素1311の同期動きが容易になり、ロボット1の動きの安定性がさらに向上することがわかる。ホイールフレーム1312の配置により、ロボット1の動作の豊かさと安定性がさらに向上する。
【0071】
また、第1の脚部131は、第1のホイールフレーム1312と、第1のホイールフレーム1312上に設けられた可動要素1311とを含む。第1のホイールフレーム1312に設けられた可動要素1311を第1可動要素とする。第1の可動要素の数は少なくとも2つであり、第1の可動要素は第1のホイールフレーム1312の対向する両端に配置される。第2の脚アセンブリ131は、第2のホイールフレーム1312と、第2のホイールフレーム1312に設けられた可動要素1311とを含む。第2のホイールフレーム1312に設けられた可動要素1311を第2の可動要素とする。第2の可動要素の数は少なくとも2つであり、第2の可動要素は第2のホイールフレーム1312の対向する両端に配置される。任意選択で、第1の可動要素の数と第2の可動要素の数は両方とも2、3、4、5、6、7、8、9、10などにしてもよいが、限定されない。
【0072】
2つの脚アセンブリ131を配置し、各脚アセンブリ131の対向する両端に複数の可動要素1311を配置する設計により、ロボット1の全体的な設計の対称性がさらに確保され、ロボット1の重心が2つの脚アセンブリ131に対して相対的に中心に位置することが確実に配置されることが理解できる。これにより、ロボット1の全体的な安定性がより高くなり、それによって、ロボット1がより比較的複雑な動作を安定して実行することも可能になり、また、ロボット1が動作する際に比較的大きな角度で伸びることができるため、ロボット1の動作きの柔軟性と豊かさをさらに向上させることができる。また、各脚アセンブリ131の対向する両端に配置された複数の可動要素1311の設計により、各脚アセンブリ131の対向する両端に配置された複数の可動要素1311の設計により、各脚アセンブリ131の端が地面に接触し、他端が地面から持ち上がることが確実に動作を達成できる。これにより、ロボット1の動作の多様性がさらに確保される。
【0073】
2つの出力端1211が2つのホイールフレーム1312に駆動的に接続されていることが理解できる。すなわち、第1の出力端1211は第1のホイールフレーム1312に駆動的に接続され、第2の出力端1211は第2のホイールフレーム1312に駆動的に接続される。
【0074】
さらに、各脚アセンブリ131は、第2のアクションアセンブリ1315をさらに含む。前記第2のアクションアセンブリ1315は、少なくとも1つの可動要素1311に駆動可能に接続され、可動要素1311動作を駆動して、可動要素1311動作によりロボット1を移動させることができる。さらに、各脚アセンブリ131は、少なくとも2つの可動要素1311を含み、そのうち少なくとも1つの可動要素1311は、は駆動型可動要素1311として、第2のアクションアセンブリ1315に駆動可能に接続される。残りの第2のアクションアセンブリ1315に駆動可能に接続されていない可動要素1311は、従動型可動要素1311である。駆動型可動要素1311の動作により、従動型可動要素1311の動作が駆動され、ロボット1の移動機能が実現される。
【0075】
脚アセンブリ131に、可動要素1311を駆動して動作させてロボット1を移動駆動させることができる第2のアクションアセンブリ1315を配置することにより、第2のアクションアセンブリによりロボット1全体を移動駆動させて、ロボット1の動きの柔軟性を向上することができることが理解できる。さらに、第2のアクションアセンブリ1315は、可動要素1311を駆動して動作させるため、ロボット1の重心は不安定である場合、ロボット1の全体的な加速度も、動作時の可動要素1311の動作によって変化させることができ、ロボット1は、運動慣性、運動抵抗、重力などの様々な外力の助けを借りて平衡状態を維持または回復することができ、それによってロボット1の自律平衡能力および環境適応能力が大幅に向上する。
【0076】
また、2つの可動要素1311の一方を駆動輪、他方を従動輪とすることにより、ロボット1は、駆動輪の駆動を受けて従動輪の支持を受けながらバランスを保ちながら移動することができる。さらに、従動輪の設定により、ロボット1が移動する際の地面との摩擦力を低減することができ、ロボット1の動きの自由度をさらに高めることができる。
【0077】
なお、可動要素1311が動作することによりロボット1を駆動して移動させる機能を実現できる限り、可動要素1311の種類は限定されない。任意選択で、可動要素1311は、ローラ、クローラなどであってもよいが、これらに限定されない。具体的には、本発明のいくつかの実施形態では、可動要素1311はローラであり、対応する駆動可動要素1311は駆動輪1313であり、対応する従動型可動要素1311は従動輪1314である。
【0078】
また、第1の可動要素は2つであり、2つの第1の可動要素のうちの少なくとも1つは駆動輪1313である。第1の可動要素における駆動輪1313を第1の駆動輪1313として定義し、第1の可動要素における従動輪1314を第1の動輪1314として定義する。第2の可動要素の数は2つであり、2つの第2の可動要素のうち少なくとも1つの駆動輪1313であり、第2の可動要素における駆動輪1313を第2の駆動輪1313として定義し、第2の可動要素における従動輪1314を第2の動輪1314として定義する。制御システム11は、第2の駆動輪1313が回転するように制御することができる。可動要素1311が同時に地面に着地すると、第1の駆動輪1313と第2の駆動輪1313はボディアセンブリ123の一方の側に位置し、第1の従動輪1314と第2の従動輪1314はボディアセンブリ123の他方の側に位置する。
【0079】
ボディアセンブリ123の一方の側に2つの駆動輪1313を配置し、ボディアセンブリ123の他方の側に2つの従動輪1314を配置することにより、ロボット1は、ボディアセンブリ123に対して脚アセンブリ131を回転させて、2つの従動輪1313が同時に地面に着地し、同時に2つの従動輪1314が地面から持ち上がる。また、この姿勢のロボット1は、2つの駆動輪1313を同時に動かすことによって、2輪での立ち、同時移動が可能、ロボット1の動作の自由度や多様性がさらに向上する。
【0080】
任意選択で、2つの駆動輪1313をフェース1221に近いホイールフレーム1312の一端に設けることができ、2つの従動輪1314を後頭部1222に近いホイールフレーム1312の他端に設けることができる。あるいは、2つの従動輪1314がフェース1221に近いホイールフレーム1312の一端に設けられ、2つの駆動輪1313が後頭部1222に近いホイールフレーム1312の他端に設けられてもよい。具体的に、本発明のいくつかの実施形態では、2つの駆動輪1313が、フェース1221に近いホイールフレーム1312の一端に設けられ、2つの従動輪1314が、後頭部1222に近いホイールフレーム1312の他端に設けられ得る。
【0081】
2つの第1の可動要素のうちの少なくとも1つが駆動輪1313である設計により、ロボット1は第1の脚アセンブリ131の駆動を受けて移動することが可能となり、さらに、2つの第1の可動要素のうちの少なくとも1つが駆動輪1313である設計により、ロボット1が第2の脚アセンブリ131の駆動下でも移動することが可能であることが理解できる。それによってロボット1の移動の柔軟性を確保する。
【0082】
また、ホイールフレーム1312は、複数の接続部と、これらの接続部を接続するジョイントとを含む。制御システム11は、複数の接続部がジョイントを介して相互に移動するように制御することができる。
【0083】
ホイールフレーム1312は、ジョイントを介して相対的に移動できる複数の接続部を備えて設計されており、その結果、ホイールフレーム1312とホイールフレーム1312上の可動要素1311との間の動作モードがより多様になることが理解され得る。すなわち、脚アセンブリ131の動作はより柔軟で変更可能である。例えば、ロボット1は、地面と接触するジョイントを介して体幹モジュール12および他の脚アセンブリ131を支持することができる。また、各接続部がジョイントを介して可動に連結されているので、ロボット1が不整地を移動する場合や重心が不安定な場合には、接続部間の相対移動によりロボット1の重心を調整することもできる。これにより、ロボット1の安定性がより高くなる。
【0084】
要約すると、本発明の実施形態におけるロボット1では、ヘッドフェイスアセンブリ122がボディアセンブリ123に移動可能に接続され、第1の脚アセンブリ131と第2の脚アセンブリ131がそれぞれボディアセンブリ123の対向する両端に接続されている。ボディアセンブリ123の第1の出力端1211は第1のホイールフレーム1312に駆動的に接続され、第2の出力端1211は第2のホイールフレーム1312に駆動的に接続される。第1の駆動輪1313と第1の従動輪1314は、第1のホイールフレーム1312の対向する両端にそれぞれ配置される。第2の駆動輪1313および第2の従動輪1314は、第2のホイールフレーム1312の対向する両端にそれぞれ配置される。ここで、第1の駆動輪1313および第2の駆動輪1313は、フェース1221に近いホイールフレーム1312の一端に配置されている。すなわち、第1の従動輪1314および第2の従動輪1314のそれぞれは、後頭部1222に近いホイールフレーム1312の一端に配置されている。
【0085】
ロボットのホイールフレームが他の構造であってもよいことは理解されたい。ホイールフレームのその他の具体的な構造については、以下に詳述する。
【0086】
いくつかの実施形態では、
図4に示すように、ホイールフレームは、体幹モジュール12に回転可能に接続された第1の構造要素13121を含み、前記第1の構造要素13121は、第1の構造要素13121の体幹モジュール12から離れる側は、複数の可動要素1311に回転可能に接続される。
【0087】
図4に示すように、ロボットの体幹モジュール12は、手動対話を実現するための信号によって制御システム11に接続されるスクリーン124を有する。ロボット1は、ロボット1のアセンブリの姿勢および位置状態を監視する感知システム14をさらに含む。制御システム11は、アセンブリの姿勢および位置状態に応じてロボット1の全体状態を取得する。感知システム14は外部環境も感知できることに留意されたい。例えば、感知システムは、ロボットが障害物を回避する機能を有するように、障害物を感知できる少なくとも1つのセンサーを含む。ロボットの脚モジュール13は2つの脚アセンブリ131を含み、2つの脚アセンブリ131は体幹モジュール12の両側に対向して配置される。遠近感の問題により、
図4は、体幹モジュール12の片側の脚アセンブリ131のみが示されている。脚アセンブリ131は、ホイールフレームと、ホイールフレーム上に配置された可動要素1311とを含む。前記ホイールフレームの第1の構造要素13121は、3つの接続端を有する。第1の構造要素13121の第1の接続端は、第1の回転軸を介して体幹モジュール12に回転可能に接続され、第1の構造要素13121の第2の接続端は、第2の回転軸を介して可動要素1311の1つに回転可能に接続され、第1構造要素13121の第3接続端は、第3回転軸を介して他方の可動要素1311に回転可能に接続される。もちろん、
図4では、例として2つの可動要素を取り上げている。可動要素が複数ある場合、第1の構造要素は、いずれかの可動要素と連動して回転する接続端を有する。制御システム11は、第1回転軸(すなわちホイールフレームと体幹モジュール12との間の連結軸)を中心とするホイールフレームの回転を制御することにより、二輪着地、三輪着地、及び四輪着地形態の切り替えを実現することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、
図5および
図6に示すように、ホイールフレームは、第2の構造要素13122および第3の構造要素13123を含む。第2の構造要素13122は体幹モジュール12に回転可能に接続され、第2の構造要素13122の体幹モジュール12から離れる側は少なくとも1つの可動要素1311に回転可能に接続される。第3の構造要素13123の体幹モジュール12から離れる側は、少なくとも1つの可動要素1311に回転可能に接続される。
【0089】
図5および
図6において、
図4の構造と異なる点は次のとおりである。ホイールフレームが第2の構造要素13122と第3の構造要素13123を含み、第2の構造要素13122が2つの接続端を有し、第2の構造要素13122の第1の接続端が第4の回転軸13122を介して体幹モジュール12に回転可能に接続されていることである。第2の構造要素13122の第2の接続端は、第5の回転軸を介して可動要素1311の1つに回転可能に接続される。第3の構造要素13123は2つの接続端を有し、第3の構造要素13123の第1接続端は第6の回転軸を介して体幹モジュール12に回転可能に接続され、第3の構造要素13123の第2の接続端は、第7の回転軸を介してもう一方の可動要素1311に回転可能に接続される。第4の回転軸は第6の回転軸と平行である。制御システム11は、第1の回転軸、すなわちホイールフレームと体幹モジュールとの間の連結軸を中心とするホイールフレームの回転を制御することにより、二輪着地、三輪着地、及び四輪着地形態の切り替えを実現することができる。さらに、この構造は、様々な着地形態において体幹モジュール12の重心を調整することもでき、それによってロボットの可変性を高めることができる。例えば、
図5の姿勢から
図6の姿勢へ変えて、ロボットの重心を下げる。
【0090】
いくつかの実施形態では、
図7および
図8に示されるように、ホイールフレームは、第2の構造要素13122、第3の構造要素13123、および伸縮機構13124を含む。第2の構造要素13122は体幹モジュール12に回転可能に接続され、第2の構造要素13122の体幹モジュール12から離れる側は少なくとも1つの可動要素1311に回転可能に接続される。第3の構造要素13123の体幹モジュール12から離れる側は少なくとも1つの可動要素1311に回転可能に接続される。伸縮機構13124の一端は第2の構造要素13122に移動可能に接続され、伸縮機構の他端は、第3の構造要素13123に移動可能に接続され、夾角の角度変化を制御する。第1の夾角は、第2の構造要素13122と第3の構造要素13123とによって形成される体幹モジュール12から離れた側の開口部の夾角である。
【0091】
図7および
図8において、
図5の構造と異なる点は次のとおりである。第2の構造要素13122と第3の構造要素13123が伸縮機構13124を介して接続されており、伸縮機構13124は、第2の構造要素13122と第3の構造要素13123によって形成される開口部を、体幹モジュール12の夾角(すなわち、第1の夾角α)から離れるように調整できることである。さらに、2つの可動要素1311間の距離を調整する。すなわち、この構造は、体幹モジュール12の重心を様々な着地形態で調整することもでき、それによりロボットの変動性を増加させることができる。例えば、
図7の姿勢から
図8の姿勢へ変更する。伸縮機構13124が短くなり、第1夾角αが小さくなり、2つの可動要素1311が互いに接近し、体幹モジュール12の重心が上昇する。
図8の姿勢から
図6の姿勢へ変更する。
図7に示すように、伸縮機構13124が伸びて、第1夾角αが大きくなり、2つの可動要素1311が互いに遠ざかり、体幹モジュール12の重心が低くなる。
【0092】
伸縮機構の主な機能は、長さの変化によって2つの可動要素を近づけたり遠ざけたりすることであることに留意されたい。したがって、シリンダ、油圧シリンダ、電動プッシュロッド等、上記の機能を実現できるあらゆる構造物を本実施形態における伸縮機構と呼ぶことができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、第2の構造要素13122および第3の構造要素13123は、同じ回転軸を介して体幹モジュール12に回転可能に接続され、第3の構造要素13123は、第2の構造要素13122と体幹モジュール12との間に位置する。
【0094】
図7および
図8において、
図5の構造と異なる点は次のとおりである。第4の回転軸と第6の回転軸が同じ回転軸であり、すなわち、第2の構造要素13122と第3の構造要素13123が同じ回転軸を介して体幹モジュール12に回転可能に接続されており、部品の節約と故障率の低化を実現している。
【0095】
いくつかの実施形態では、
図9および10を参照すると、ホイールフレームは、第4の構造要素13125および第5の構造要素13126を含む。第4の構造要素13125の一端は体幹モジュール12にヒンジ結合され、第4の構造要素13125の他端は第5の構造要素13126にヒンジ結合される。第5の構造要素13126は、複数の可動要素1311に回転可能に接続される。制御システム11は、第4の構造要素13125および第5の構造要素13126を通じて、2つの可動要素1311間の距離および/または2つの可動要素1311間の夾角を調整する。2つの可動要素1311、体幹モジュール12の両側(すなわち可動要素1311aと可動要素1311b)に対向するように配置される。
【0096】
図9および10を参照すると、ホイールフレームは、第4の構造要素13125および第5の構造要素13126を含む。第4の構造要素13125は2つの接続端を有し、第5の構造要素13126は3つの接続端を有する。第4の構造要素13125の第1の接続端は、体幹モジュール12にヒンジに結合されており、その結果、第4の構造要素13125は、体幹モジュール12に対して第1の接続端の周りで任意の角度で回転することができる。例えば、第4の構造要素13125の第1の接続端は、体幹モジュール12にボールヒンジで取り付けられている。第4の構造要素13125の第2の接続端は、第5の構造要素13126の第1の接続端にヒンジで結合されているため、第5の構造要素13126は、第4の構造要素13125に対して第4の構造要素13125の第2の接続端の周りで任意の角度で回転することができる。例示的に、第4の構造要素13125の第2の接続端は、第5の構造要素13126の第1の接続端にボールヒンジで取り付けられている。第5の構造要素13126は、第8の回転軸を介して1方の可動要素に回転可能に接続され、第5の構造要素13126の第3の接続端は、第9の回転軸を介して他方の可動要素に回転可能に接続される。制御システムは、
図10および
図11に示すように、第4の構造要素13125および第5の構造要素13126を介して2つの可動要素間の距離を調整することができる。1つの可能な実施では、
図10の姿勢から
図9の姿勢へ切り替えるとき、制御システム11は、まず、第4の構造要素13125を制御して可動要素1311bおよび可動要素1311aを持ち上げ、次に、第4の構造要素13125を制御して、可動要素1311bと可動要素1311aとの間の距離を減少させる。これにより、可動要素1311bと可動要素1311aとが着地状態となり、可動要素1311bと可動要素1311aとの間の距離が短くなる。調整された姿勢を
図11に示す。制御システム11は、第4の構造要素13125および第5の構造要素13126を介して、2つの可動要素間の夾角を調整することもできる。
図10および
図12に示すように、第4構造体13125と第5の構造体13126との間の自由度を調整することにより、可動要素1311aおよび可動要素1311bが8の字形状を形成する。もちろん、制御システム11は、ロボットの姿勢を高めるために、一方の可動要素のみを他方の可動要素に近づくか遠ざかるように調整することもできる。
【0097】
本発明の実施形態に係るロボット1について説明する。
図1および
図2に示すロボット1は、
図1および
図2は一例に過ぎず、本発明の実施形態の機能および利用範囲を限定するものではない。
【0098】
図13~
図19に示すように、本発明の実施形態においては、ロボット1の全体状態には、少なくとも転倒状態、傾斜状態、及び立位状態が含まれる。ここで、ロボット1のヘッドフェイスアセンブリ122が地面と接触している状態全体を転倒状態と定義し、ロボット1のフェース1221が地面と接触している状態を前傾転倒状態(
図13、
図14参照)と定義する。ロボット1の後頭部1222が地面に接触する転倒状態を後傾転倒状態と定義する(
図15、
図16参照)。ロボット1のヘッドフェイスアセンブリ122が地面に接しておらず、転倒しやすい状態を傾斜状態と定義する(
図17参照)。ロボット1の転倒状態および傾斜状態を除いた状態を立位状態と定義し、ロボット1の全てのローラが同時に地面に接触した状態を四輪立位状態(
図18に示す)と定義する。ロボット1の駆動輪1313のみが同時に地面に接触している状態を二輪立位状態とする(
図19)。
【0099】
図3と組み合わせると、
図13~
図19に示すように、ロボット1は、ロボット1のアセンブリの姿勢および位置状態を監視する感知システム14をさらに備え、制御システム11は、アセンブリの姿勢および位置状態に応じてロボット1の全体的な状態を取得する。全体的な状態が転倒状態または傾斜状態である場合、制御システム11は、ロボット1が自律的にバランスをとるように、脚モジュール13に対して体幹モジュール12が回転するように制御し、および/または可動要素1311が回転するように制御する。任意選択で、本発明のいくつかの実施形態では、感知システム14は、脚アセンブリ131および/またはヘッドフェイスアセンブリ122および/またはボディアセンブリ123上に設けられる。
【0100】
感知システム14の配置により、ロボット1が感知システム14を介してロボット1のアセンブリの姿勢や位置状態を監視できるように、つまり、感知システム14がロボットの動作や姿勢を監視できるように配置されていることが理解できる。その結果、制御システム11は、感知システム14の監視結果にしたがってロボット1の安定状態を判断し、脚モジュール13に対して体幹モジュール12を回転させ、および/または可動要素1311の回転を制御することができる。実際の必要に応じてロボット1の重心、動作および姿勢を調整し、それによってロボット1が自律バランス機能を達成できるようにする。したがって、感知システム14は、制御システム11と協働して、ロボット1の安定性、柔軟性、および環境適応性を大幅に改善し、ロボット1がより複雑な環境において自律的に動作および行動できることをさらに保証する。
【0101】
さらに、感知システム14は、角度検出アセンブリ143を含み、角度検出アセンブリ143は、脚モジュール13と体幹モジュール14との間の相対角度を検出し、制御システム11は、前記相対角度に基づいてロボット1のアセンブリ姿勢を取得する。
【0102】
さらに、感知システム14は、地面に対するロボット1の重心の位置関係を監視してロボット1の位置状態を取得するための第1センシングコンポーネント141を含み、制御システム11は、ロボット1がロボット1の位置状態およびアセンブリ姿勢に基づいてロボット1が転倒する傾向の有無を判定する。ロボット1が転倒する傾向がある場合、制御システム11は、ロボット1転倒を防止するため、ロボット1が転倒方向と反対する方向にトルクを生成するように、体幹モジュール12が脚モジュール13に対して回転するように制御し、および/または可動要素1311が回転するように制御する。これにより、ロボット1は、自律バランスをとることができる。
【0103】
第1の感知アセンブリ141は、地面に対するロボット1の重心の位置関係を監視して、ロボット1の位置状態を取得することができ、その結果、制御システム11は、ロボット1の位置状態に基づいてロボット1の転倒傾向の有無を把握できることが理解されたい。すなわち、制御システム11は、第1の感知アセンブリ141の監視結果に基づいて、ロボット1の現在の重心が安定しているかどうかを判断することができる。ロボット1の現在の重力が不安定で転倒の問題が発生する可能性がある場合、制御システム11は、脚モジュール13に対して回転するように体幹モジュール12を制御し、それによってロボット1の転倒方向と反対方向のトルクを生成することができ、これにより、ロボット1の転倒が防止され、ロボット1が自律的にバランスをとることが可能となる。
【0104】
また、制御システム11は、位置状態とアセンブリ姿勢に基づいて、ロボット1が転倒状態にあるか否かを判定することもできる。ロボット1が転倒状態にあるとき、制御システム11は、ロボット1が立位状態になれるように、体幹モジュール12が脚モジュール13に対して回転するように制御し、および/または可動要素1311が回転するように制御する。
【0105】
制御システム11は、第1の感知アセンブリ141の監視結果に基づいて、ロボット1が転倒状態にあるかどうかを判断することもできることが理解されたい。制御システム11が、ロボット1が現在転倒状態にあると判断した場合、制御システム11は、体幹モジュール12が脚モジュール13に対して回転するように、および/または可動要素1311が回転するように制御することができ、それによってロボット1の動作姿勢を変更し、ロボット1が立位状態に戻ることを可能にし、ロボット1が自律的にバランスをとることを保証する。制御システム11と協働する第1の感知アセンブリ141の設計は、ロボット1の転倒を防止してロボット1をより安定させることができるだけではなく、ロボット1が転倒した場合に自律的に立位状態に戻ることも可能にし、ロボット1の安定性、信頼性および環境適応性を効果的に確保することができる。
【0106】
さらに、第1の感知アセンブリ141は体幹検出アセンブリ1411を含み、体幹検出アセンブリ1411は、地面に対するヘッドフェイスアセンブリ122および/またはボディアセンブリ123の重心の相対的な位置関係を監視することによって体幹の位置情報を取得し、前記体幹の位置情任意選択で、制御システム11は、以下の2つの任意の方法で脚の位置情報を取得する。第1の方法では、制御システム11は、体幹の位置情報とアセンブリ姿勢に基づいて計算により脚の位置情報を取得する。第2の方法では、第1の感知アセンブリ141は、脚検出アセンブリ1412をさらに含む。脚検出アセンブリ1412は、地面に対する脚モジュール13の重心の位置関係を監視することによって脚の位置情報を取得し、その脚の位置情報を制御システム11に送信する。これにより、制御システム11は脚の位置情報を直接取得することができる。
【0107】
具体的には、本発明のいくつかの実施形態では、制御システム11は第1の方法で脚の位置情報を取得する。体幹の位置情報および脚の位置情報を取得した後、制御システム11は、体幹の位置情報および脚の位置情報に基づいてロボット1の位置状態を解析して取得することができる。
【0108】
さらに、第1の感知アセンブリ141は、慣性測定ユニット、加速度センサー、および角速度センサーのうちの1つまたは組み合わせを含む。第1の感知アセンブリ141は、ロボット1の加速度および/または角速度を監視することによって、脚モジュール13および地面に対するロボット1の重心の位置関係を監視する。第1の感知部141の検出結果に基づいてロボット1が転倒したと判断した場合、制御システム11は第1のアクションアセンブリ121及び/又は第2のアクションアセンブリ1315を動作させてロボット1を立位状態に復帰させる。
【0109】
さらに、感知システム14は、可動要素1311が空転しているか否かを監視する第2の感知アセンブリ142も含み、制御システム11は、第2の感知アセンブリ142の監視結果と位置状態とに基づいて、ロボット1が転倒するか否かを判断する。ロボット1が転倒すると、制御システム11は、脚モジュール13に対して体幹モジュール12を回転させ、および/または可動要素1311を回転させ、ロボット1が立位状態になるように制御する。
【0110】
第2の感知部142は可動要素1311が空転しているか否かを監視し、制御システム11は第2の感知部142の監視結果に基づいてロボット1が転倒するか否かを判断できることが理解できる。ロボット1が現在転倒状態にあると判断した場合、制御システム11は、体幹モジュール12を脚モジュール13に対して回転させたり、および/または可動要素1311を回転させたりすることにより、ロボット1の動作姿勢を変更させ、ロボット1が立位状態に戻ることを可能にし、ロボット1の自律的にバランスを取る能力をさらに保証する。制御システム11と協働する第2の感知アセンブリ142の設計により、ロボット1が転倒状態を正確に検出することができ、ロボット1が立位状態に戻るまでの現在の転倒状態に応じて全体の動作姿勢を調整することができ、ロボット1の自律バランス能力及び安定性をさらに向上させることができる。
【0111】
さらに、第2の感知アセンブリ142は慣性センサーを含む。第2の感知部142は、慣性センサーを通じて駆動輪1313の慣性パラメータを検出し、慣性パラメータを通じて駆動輪1313が空転しているかどうかを監視する。例として、慣性センサーは、ロボット1の慣性パラメータをリアルタイムで検出し、その慣性パラメータを制御システム11にフィードバックする。制御システム11が、受信した慣性パラメータが変化し、予め設定された閾値に達したことを検出すると、制御システム11は、ロボット1の駆動輪1313が空転していると判断する。制御システム11が駆動輪1313の空転が異常空転であることを解析して発見した場合、制御システム11はロボット1が転倒したと判断し、第1のアクションアセンブリ121及び/又は第2のアクションアセンブリ1315が動作するように制御することにより、ロボット1は立位状態に戻る。空転異常とは、制御システム11が駆動輪1313を地面から持ち上げられた状態に制御していない場合に、制御システム11が駆動輪1313の空転を検出することを意味すると理解できる。
【0112】
さらに、制御システム11は、第2の感知部142の検出結果に基づいて、ロボット1が地面から離れたか否かを判断する。例えば、第2の感知部142がロボット1の全ての駆動輪1313が空転していることを感知すると、ロボット1が地面から離れたか否かを判断する。制御システム11は、ロボット1が地面から離れたと判断すると、ロボット1を制御して停止し、ロボット1の全体状態を変化させて立位状態に戻ろうとする。
【0113】
ロボット1が転倒した場合、制御システム11は、まずロボット1の転倒モードを判断し、転倒モードに応じてロボット1が立位状態に戻るように制御する。ロボット1は、以下の4つの転倒モードを有する。
【0114】
図20A~
図20Dに示すように、第1のモードにおいて、ロボット1が二輪立位状態から前傾すると、ロボット1が立位状態に戻る過程は以下の通りである。第1のアクションアセンブリ121が回転して2つのホイールフレーム1312を体幹モジュール12に対して回転させるように同時に駆動する。これにより、ロボット1の重心を上昇させ、同時にロボット1のヘッドフェイスアセンブリ122と駆動輪1313との間の距離を減少させる。次に、第2のアクションアセンブリが駆動輪1313を駆動して前方に加速回転させ、ロボット1が加速して前方に移動すると、駆動輪1313が脚アセンブリ131に後方の力を及ぼし、この力によりロボット1を2つの状態に戻すことができる。
【0115】
図21A~
図21Cに示すように、第2のモードにおいて、ロボット1が二輪直立状態から後方に傾いた場合、ロボット1が立位状態に戻る過程は以下の通りである。第1のアクションアセンブリ121が回転して体幹モジュール12を回転駆動する。ロボット1が4立位状態に戻るまで、ホイールフレーム1312に対して駆動輪1313に向かって回転する。
【0116】
図22A~
図22Cに示すように、第3のモードでは、ロボット1が四輪立位状態から前方に傾くと、まず第1のアクションアセンブリ121が回転して体幹モジュール12をホイールフレーム1312に対して駆動輪1313側に回転駆動する。さらに、第2のアクションアセンブリ1315が回転して、ヘッドフェイスアセンブリ122が駆動輪1313の上に移動するまで、駆動輪1313を後方に回転駆動する。そして、ロボット1が二輪立位状態に戻るまで、第1のアクションアセンブリ121が回転して体幹モジュール12をホイールフレーム1312に対して従動輪1314側に回転駆動させる。
【0117】
図23A~
図23Dに示すように、第4のモードでは、ロボット1が四輪立位状態から後方に傾くと、まず、駆動輪1313と従動輪1314は同時に地面に接地するまでに、第1のアクションアセンブリ121の回転は、体幹モジュール12を、ホイールフレーム1312に対して従動輪1314に向かって回転するように、駆動する。そして、第1のアクションアセンブリ121は、ロボット1が四輪立位状態に戻るまで、体幹モジュール12をホイールフレーム1312に対して駆動輪1313に向かって回転駆動する。
【0118】
図24A~
図24Dに示すように、ロボット1が四輪立位状態から二輪立位状態に変形する過程は以下の通りである。第1のアクションアセンブリ121の回転は、体幹モジュール12を、ホイールフレームに対して従動輪1314に向かって回転するように、駆動する。さらに、第2のアクションアセンブリ1315の回転は、ロボット1が二輪立位状態となるまでに、駆動輪1313を前方に回転するように、駆動する。
【0119】
本発明における「地面」または「床」は、通常の意味での可動要素の作動接触面を指し、便宜的にのみ地面と呼ばれるが、必ずしも床に限定されるわけではないことに留意すべきである。垂直の壁、反転した上部、または可動要素が移動できるその他の作業面でもよい。
【0120】
上記の説明は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明を限定するものではない。本発明の原理内で行われるあらゆる修正、同等の置換、改善、その他はすべて本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0121】
1、ロボット
11、制御システム 12、体幹モジュール
13、脚モジュール 14、感知システム
121、第1のアクションアセンブリ
122、ヘッドフェイスアセンブリ 123、ボディアセンブリ
124、スクリーン 131、脚アセンブリ
141、第1の感知アセンブリ 142、第2の感知アセンブリ
143、角度検出アセンブリ
1211、出力端 1212、駆動アセンブリ
1221、フェース 1222、後頭部 1311、可動要素
1311a、可動要素 1311b、可動要素
1312、ホイールフレーム 1313、駆動輪
1314、従動輪 1315、第2のアクションアセンブリ
1411、体幹検出アセンブリ 1412、脚検出アセンブリ
13121-第1の構造要素 13122-第2の構造要素
13123-第3の構造要素 13124-伸縮機構
13125-第4の構造要素 13126-第5の構造要素
【国際調査報告】