(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】媒体を介して輸送される流動エネルギーを機械エネルギー及び/又は電気エネルギーに変換する装置
(51)【国際特許分類】
F03B 17/06 20060101AFI20241018BHJP
F03D 1/04 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
F03B17/06
F03D1/04 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524492
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 EP2022000091
(87)【国際公開番号】W WO2023066511
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】102021005200.5
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524150421
【氏名又は名称】ヴェントストリーム エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100216736
【氏名又は名称】竹井 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100202706
【氏名又は名称】長野 克彦
(72)【発明者】
【氏名】ベルンザウ ゲプハルト
【テーマコード(参考)】
3H074
3H178
【Fターム(参考)】
3H074AA10
3H074AA12
3H074AA15
3H074BB09
3H074BB11
3H074CC16
3H178AA05
3H178AA22
3H178AA43
3H178BB31
3H178BB71
3H178CC01
3H178DD30Z
3H178DD70X
(57)【要約】
本発明は、媒体を介して輸送された流動エネルギーを機械的エネルギー及び/又は電気的エネルギーに変換する装置(1)であって、ケーシング(112)を備え、前記ケーシング(112)はタービンホイール(80)と、流動方向に前記タービンホイール(80)の下流に配置され、前記媒体を受け取る内側流入流路(41)及び流路(48)を有する追加負圧発生装置(50)とを備え、前記媒体は前記追加負圧発生装置(50)の回転可能部品の回転とともに外に押され、前記追加負圧発生装置(50)は前記追加負圧発生装置(50)の回転可能部品を加速又は制動するのに適した少なくとも1つの貫通開口部(51、51h、51i、51d~51g)を有する回転不能成形ディスク(51c)を備える装置に関する。
【選択図】
図1b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を介して輸送された流動エネルギーを機械的エネルギー及び/又は電気的エネルギーに変換する装置(1)であり、
ケーシング(112)を備え、
前記ケーシング(112)は
タービンホイール(80)と、
流動方向に前記タービンホイール(80)の下流に配置され、前記媒体を受け取る内側入口ダクト(41)及びダクト(48)を有する追加負圧発生装置(50)とを備え、
前記媒体は前記追加負圧発生装置(50)の回転可能部品の回転中に外に押し出される装置(1)であって、
前記追加負圧発生装置(50)は前記追加負圧発生装置(50)の回転可能部品を加速又は減速するのに適した少なくとも1つの補助流路(51、51h、51i、51d~51g)を有する回転不能成形ディスク(51c)を備えることを特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
前記非回転成形ディスク(51c)の中の前記少なくとも1つの補助流路(51、51h、51i、51d~51g)は前記追加負圧発生装置(50)の回転方向(50a)又は前記回転方向(50a)とは反対の方向に前記媒体を偏向する設計実施形態を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記非回転成形ディスク(51c)は、中心軸(51n)の回りを2つの旋回方向(51m)のいずれかに旋回可能で、前記追加負圧発生装置(50)の回転可能部品の加速回転又は減速回転のために前記少なくとも1つの補助流路(51、51h、51i、51d~51g)を開放する回転可能ディスク(51j)を開口部として備えることを特徴とする、請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの補助流路(51、51h、51i、51d~51g)は少なくとも1つのリングダクト(53i、53j)として設計され、
前記リングダクト(53i、53j)は
前記追加負圧発生装置(50)の回転速度の減速を確保し、かつ流入及び流出開口部が前記装置の回転方向(50a)とは反対の方向に延伸している(53j)、又は
前記追加負圧発生装置(50)の回転速度の加速を確保し、かつ流入及び流出開口部が前記回転方向(50a)に延伸している(53i)、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項5】
媒体を介して輸送された流動エネルギーを機械的エネルギー及び/又は電気的エネルギーに変換する装置(1)であり、
ケーシング(112)を備え、
前記ケーシング(112)は
タービンホイール(80)と、
流動方向に前記タービンホイール(80)の下流に配置され、前記媒体を受け取る内側入口ダクト(41)及びダクト(48)を有する追加負圧発生装置(50)とを備え、
前記媒体は前記追加負圧発生装置(50)の回転可能部品の回転中に外に押し出される装置(1)であって、
前記追加負圧発生装置(50)は回転不能成形ディスク(51c)を備えることを特徴とし、
前記ケーシング(112)は、前記追加負圧発生装置(50)の回転方向(50a)及び/又は前記追加負圧発生装置(50)の回転方向(50a)とは反対の方向において前記媒体を前記追加負圧発生装置(50)に誘導するように設計された少なくとも1つの媒体供給路(53)がその中に配置された入口体(113)を備えることを特徴とする、装置(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの媒体供給路(53)は、前記入口体(113)の端部側開口部(101)に面しない前記媒体供給路(53)の端部が前記追加負圧発生装置(50)の回転方向(50a)又は前記回転方向(50a)とは反対の方向に向くように前記入口体(113)の内側領域又は外側領域に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの媒体供給路(53)は流入する前記媒体の質量を調整するように設計された調整フラップ(53f)を備えることを特徴とする、請求項5又は6に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記調整フラップ(53f)は、前記追加負圧発生装置(50)の回転速度及び/又はトルクを左右できるように完全に又は部分的に開けることができかつ完全に又は部分的に閉じることができることを特徴とする、請求項7に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記入口体(113)は、媒体が前記少なくとも1つの媒体供給路(53)に流入する少なくとも1つの外側流入フード(113a)を備えることを特徴とする、請求項5に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記入口体(113)の中には、前記媒体の流動状態に従って前記追加負圧発生装置(50)の回転速度を加速又は減速できるように前記追加負圧発生装置(50)の回転方向(50a)(53a、53b)及び前記追加負圧発生装置(50)の回転方向(50a)とは反対の方向(53c、53d)において前記追加負圧発生装置(50)に前記各媒体を供給するように設計された少なくとも1つの媒体供給路(53)が配置されていることを特徴とし、
前記各媒体は前記追加負圧発生装置(50)の回転方向(50a)又は前記回転方向(50a)とは反対の方向に前記媒体供給路(53)を通って前記追加負圧発生装置(50)に供給されることを特徴とする、請求項5に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの媒体供給路(53)は、前記入口体(113)の端部側開口部(101)から前記追加負圧発生装置(50)の前記非回転成形ディスク(51c)の方向に延伸する少なくとも1つのリングダクト(53i、53j)として設計されていることを特徴とする、請求項10に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記追加負圧発生装置(50)は少なくとも1つの補助流路(51、51h、51i、51d~51g)を有する回転不能成形ディスク(51c)を備え、
前記少なくとも1つの媒体供給路(53)は前記追加負圧発生装置(50)の回転方向(50a)及び/又は前記追加負圧発生装置(50)の回転方向(50a)とは反対の方向において前記媒体を前記追加負圧発生装置(50)の前記非回転成形ディスク(51c)内の前記少なくとも1つの補助流路(51、51h、51i、51d~51g)に誘導するように設計されていることを特徴とする、請求項5に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの補助流路(51、51h、51i、51d~51g)は請求項1~4のいずれかに記載されるように設計されていることを特徴とする、請求項12に記載の装置(1)。
【請求項14】
媒体を介して輸送された流動エネルギーを機械的エネルギー及び/又は電気的エネルギーに変換する装置(1)であり、
ケーシング(112)を備え、
前記ケーシング(112)は
タービンホイール(80)と、
流動方向に前記タービンホイール(80)の下流に配置され、前記媒体を受け取る内側入口ダクト(41)及びダクト(48)を有する追加負圧発生装置(50)とを備え、
前記媒体は前記追加負圧発生装置(50)の回転可能部品の回転中に外に押し出される装置(1)であって、
前記追加負圧発生装置(50)は回転不能成形ディスク(51c)を備え、
突出媒体流入領域を調整できるように前記装置(1)は前記媒体の流動方向の中又は外に旋回可能であることを特徴とする、装置(1)。
【請求項15】
前記装置は前記装置を鉛直軸を中心として(110a)、鉛直軸から偏心して(110b)、及び/又は空間軸の回りを(110c)旋回できるように設計されていることを特徴とする、請求項14に記載の装置(1)。
【請求項16】
前記ケーシング(112)は、前記追加負圧発生装置(50)の回転方向(50a)及び/又は前記追加負圧発生装置(50)の回転方向(50a)とは反対の方向において前記媒体を前記追加負圧発生装置(50)に誘導するように配置された少なくとも1つの媒体供給路(53)がその中に配置された入口体(113)を備えることを特徴とする、請求項14に記載の装置(1)。
【請求項17】
前記媒体供給路(53)は請求項6~12のいずれかに記載されたように設計されていることを特徴とする、請求項16に記載の装置(1)。
【請求項18】
前記回転不能成形ディスク(51c)は前記追加負圧発生装置(50)の回転可能部品を加速又は減速するのに適した少なくとも1つの補助流路(51、51h、51i、51d~51g)を有することを特徴とする、請求項14に記載の装置(1)。
【請求項19】
前記補助流路(51、51h、51i、51d~51g)は請求項2~4のいずれかに記載されたように設計されていることを特徴とする、請求項18に記載の装置(1)。
【請求項20】
前記追加負圧発生装置(50)及び前記タービンホイール(80)は互いから分離可能であり、
前記媒体は前記追加負圧発生装置(50)及び前記タービンホイール(80)に対して互いに独立して流動することができることを特徴とする、請求項1又は5又は14のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項21】
前記装置はエネルギー獲得・伝送装置(125)及び少なくとも1つの電気エネルギー貯蔵・供給装置(127.1、127.2、...127.n)を備えることを特徴とする、請求項1又は5又は14のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項22】
前記装置は、前記流動方向に見て、前記入口体(113)の端部側開口部(101)の領域に、若しくは前記タービンホイール(80)又は前記追加負圧発生装置(50)の手前にルーバー、ネット、メッシュ、又は開口部を有するマットを備えることを特徴とする、請求項1又は5又は14のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項23】
水力及び風力又はその他の流動媒体からのエネルギーを利用するために前出の請求項1又は5又は14のいずれかに記載されたように設計された前記装置(1)を作動及び調整する方法であって、
前記突出媒体流入領域が増加又は減少するように前記装置(1)を前記媒体の流動方向(110)の中又は外に旋回させることを特徴とする方法。
【請求項24】
前記装置(1)の旋回は鉛直軸を中心として(110a)、鉛直軸から偏心して(110b)、及び/又は空間軸の回りで(110c)行われることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
旋回角度の修正が常時行われることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記装置(1)を旋回させることはエネルギーの需要に従って個々の発電機をオン又はオフにすることに関連していることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記装置(1)に流入する前記媒体の入射流動角の選択は前記追加負圧発生装置(50)及び/又はタービンホイール(80)のそれぞれの回転速度の関数として発生することを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記追加負圧発生装置(50)の回転速度及び/又はトルクを増加させる場合、前記入口体(113)の流入ダクトの中で前記追加負圧発生装置(50)の回転方向(50a)に向いた前記少なくとも1つの媒体供給路(53)は前記調整フラップ(53f)の「開」位置を介して媒体を供給されることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記追加負圧発生装置(50)の回転速度及び/又はトルクを減少させる場合、前記入口体(113)の流入ダクトの中で前記追加負圧発生装置(50)の回転方向(50a)とは反対の方向に向いた前記少なくとも1つの媒体供給路(53)は前記調整フラップ(53f)の「閉」位置を介して媒体の流動に対して相応に閉じられることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載された、媒体を介して搬送される流動エネルギーを機械エネルギー及び/又は電気エネルギーに変換する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DE 10 2010 024 621 A1には、媒体用供給ダクトと供給ダクトの下流に配置されたタービンホイールとを備え、媒体によって回転状態にされているコンバーターホイールがタービンホイールを回転させるために加速できるようにコンバーターホイールはタービンホイールの下流に配置されているエネルギーコンバーターが開示されている。このエネルギーコンバーターは効率的に動作し、比較的簡素で小型の構成を介して、管状部に流入する流体のエネルギーを機械エネルギー及び/又は電気エネルギーに変換することができる。
【0003】
本発明の目的は、媒体を介して搬送される流動エネルギーを回転的機械エネルギー及び/又は電気エネルギーに変換する装置であって、これらの特性を保持するがより一層効率的で流体の流動特性に適応可能な装置を実現することにある。更に、目的は、水力及び風力、又は他の流動媒体からの流動エネルギーを最適に利用するために当該エネルギーコンバーターを作動及び調整できるようにする構造設計実施形態を実現することである。更に、このような装置の製造及び使用にあたっては、気候及び持続可能性の面での高い中立性と景観に対して視覚的又はその他の悪影響が少ない特性を持たなくてはならない。
【0004】
従って、目的は以下のような装置を実現することである。
【0005】
・この種の装置がなければ一般的である流動状態を、各流体がタービンやジェットエンジン、ポンプなどに影響を与えるぐらいまで高める(このことは既にDE 10 2010 024 621 A1に記載されている)。
【0006】
・エネルギーを獲得するために水力、風力、又は他の流動媒体からの流動エネルギーの利用を更に最適化する。
【0007】
・特に最も好ましくは、以下の時に本装置の使用を監視しかつ容易に調整できるようにする。
・低流量及び高流量の時
・流量が大きく変動している時
【0008】
更に、本装置は、媒体を介して輸送される流動エネルギーを回転的機械エネルギー及び/又は電気エネルギーに変換することを超える多様な業務を遂行できなければならない。それらの業務には、特に、使用時にCO2中立で、エネルギーの獲得を超えて建物や部屋の持続可能で環境に優しい冷却及び換気を可能にするこの種の装置を実現することが含まれる。
【0009】
この目的は、請求項1の特徴を有する装置及び請求項16に記載の方法によって達成される。従属請求項には本発明の有利な設計実施形態が含まれる。本装置は、媒体を介して輸送される流動エネルギーの機械エネルギー及び/又は電気エネルギーへの変換を可能にする。機械エネルギーは回転に由来するものでもポンプに由来するものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図0-1は公知のエネルギーコンバーターの一実施形態の斜視図である。
図0-2は
図0-1のエネルギーコンバーターの断面図である。
図0-3は
図0-1のエネルギーコンバーターの断面としての外形部114の内部図である。
図0-4は発電機への接続を有するタービンホイールの公知の設計実施形態を示す図である。
図0-4a、0-4bは公知のコンバーターホイールの構造と機能を説明する図である。
図1、
図1a及び
図1bは基本的な形態の本発明による装置の斜視図である。
図2、
図3及び
図3a~3cは、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向いた、「外側加速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の外側に調節フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態の斜視図である。
図4、
図5、
図6及び
図6a~6cは、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、「外側減速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の外側に調節フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態の斜視図である。
図7、
図8、
図9及び
図9a~9cは、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向いた、「内側加速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の内側に調節フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態の斜視図である。
図10、
図11、
図12、及び
図12a~12cは、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、「内側減速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の内側に調節フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態の斜視図である。
図13、
図14、
図15、及び
図15a~15cは、媒体供給路がそれぞれ追加負圧発生装置の回転方向に向いた、「内側加速及び外側加速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の内側及び外側に調節フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態の斜視図である。
図16、
図17、
図18、及び
図18a~18cは、媒体供給路がそれぞれ追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、「内側減速及び外側減速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の内側及び外側に調節フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態の斜視図である。
図19、
図20、
図21、及び
図21a~21cは、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向いた、「内側加速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の内側に調節フラップ及び媒体供給路を有し、また、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、「外側減速」調整フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の外側に調整フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態の斜視図である。
図22、
図23、
図24、及び
図24a~24cは、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、「内側減速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の内側に調節フラップ及び媒体供給路を有し、また、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向いた、「外側加速」調整フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の外側に調整フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態の斜視図である。
図25及び
図25aは、外側加速及び内側減速調整、又は外側減速及び内側加速調整のリングダクトを備えたタイプの本発明による装置の実施形態の斜視図である。
図26及び
図26a~26cは斜めの開口部を有する調整ディスクを備えたタイプの本発明による装置の実施形態の斜視図である。
図27a及び27bは追加負圧発生装置の構造と機能の斜視図である。
【0011】
DE 10 2010 024 621 A1に基づく基本原理の要約
【0012】
本発明は特許出願DE 10 2010 024 621 A1に基づいているため、当該出願が基づく原理を以下に要約する。それらの原理は本発明にも適用される。補足としてDE 10 2010 024 621 A1 を参照されたい。
【0013】
特許出願DE 10 2010 024 621 A1に記載された装置は、とりわけ、以下を備える。
【0014】
・タービンホイール
【0015】
・当該装置内の一般的な大気圧に対して追加の負圧を発生させ、それにより大気圧と比較したタービンホイールの背後の圧力差を更に増大させてタービンホイールを囲む筐体への流体の流入流量を増加させる装置である、コンバーターホイールと呼ばれるもの
【0016】
・少なくとも1つの発電機
【0017】
媒体の流動方向に見た場合、追加負圧発生装置はタービンホイールの背後に配置されている。追加負圧発生装置は回転可能に配置され、好ましくはタービンホイールと同じ軸方向に配置される。
【0018】
駆動モーター又は現在の流体流動によって当該装置が回転状態にされると、この先行技術によるコンバーターホイールの回転速度は差別化された方法で駆動モーターによって増加させることができる。その結果、タービンホイールを囲む筐体内の媒体の圧力とタービンホイールの領域内の圧力との間に存在する圧力差が増大する。タービンホイールを囲む筐体を水、空気、又はその他の流動媒体用の供給ダクトとして設計してもよい。これにより、筐体又は供給ダクトの中の媒体の流量が実質的に増加する、すなわち、媒体の運動エネルギーが実質的に増加する。
【0019】
従来の風車の出力が同じだとすると、本発明によるエネルギーコンバーターのタービンホイールの直径はこの一般的先行技術により比較的小さくすることができる。また、タービンホイールの多数の羽根部とタービンホイールの成形部品と呼ばれる部品の案内羽根アセンブリの対応する数の案内羽根部との組み合わせにより、効率が従来の風車と比較して大幅に向上する。このエネルギーコンバーターの風車の出力が同じだとすると、このエネルギーコンバーターの構造態様は比較的小さくすることができる。また、従来の風車は風速が高い時はオフにしなければならない。
【0020】
この公知のエネルギーコンバーターは小型で軽量であり、費用対効果の高い方法で製造でき、輸送及び組み立てが容易であり、落雷に比較的影響されない。この公知のエネルギーコンバーターは地面、建物、テラスなどの上に設置して動作させることができる。この公知の設計実施形態でも、突風の場合の損傷は予想されていない。
【0021】
供給ダクト内の媒体の一定の体積流量が調整されるようにコンバーターホイールの回転速度が調整されるため、電流の安定した生成がエネルギーコンバーターのタービンホイールによって駆動される発電機によって実現できる。これにより、媒体、例えば、空気はより高い流入流量で流入し、追加的にコンバーターホイールを回転状態にし、追加のギアボックスを介して追加の発電機を駆動する。必要な場合、タービンホイールが最適な循環流を有するように流入流量を変更するために、回転速度の差別化された増加が流量の関数として駆動モーターによってコンバーターホイールに伝えられる。このため、羽根部や案内羽根部の迎角を変更する必要がない。
【0022】
供給ダクトとして設計可能な、タービンホイールを囲む筐体は特定の空間的/幾何学的構成に限定されない。この筐体は管状部として形成されることが好ましく、この場合、管状部の端部内に突き出た成形部品がタービンホイールに面する管状部の側に配置される。成形部品は媒体を管状部の縦軸から管状部の内壁に向かう方向に向けるように設計されている。成形部品は円錐状に設計され、管状部と同心状に配置されている。成形部品は、その外周上に、それぞれ管状部の縦軸の方向に延び互いに均等な間隔で配置された案内羽根部を有する。隣接する2つの案内羽根部と成形部品の外周の対応する領域と管状部の内壁の対応する領域との間にはそれぞれ流動ダクトが形成され、各流動ダクトはタービンホイールの羽根部に通じている。
【0023】
タービンホイールの羽根部はタービンホイールの円周付近に均等な間隔で配置されている。羽根部は成形部品からコンバーターホイール側に延び、タービンホイールの周方向に傾斜している。
【0024】
タービンホイールは、電流を生成するために発電機に共回転的に接続されたタービンシャフトに接続されている。
【0025】
同様に、コンバーターホイールは回転可能な中空シャフト上に共回転的に配置されている。コンバーターホイールは互いに平行に離間した2枚の円形ディスクを有し、その中間空間には、コンバーターホイールの中心から外側に延びかつ外側に向かって開口するダクトが配置されている。コンバーターホイールの回転中、ダクト内の媒体は外側に向かって誘導される。各ダクトは、各ダクトに割り当てられた中心の前室から外側に向かって半径方向に延びる第1の領域と、半径方向外側にありコンバーターホイールのほぼ円周方向に第1の領域に対して角度が付けられ外側に向かって開口する第2の領域とを備える。各ダクトは円形ディスクの間に配置されたバッフルによって形成されている。
【0026】
空気が媒体となることが特に好ましい。本発明の別の好適な設計実施形態では、噴霧器ユニットが供給ダクト内に、好ましくはタービンホイールとは反対側に配置され、液体又は蒸気の媒体は噴霧器ユニットを介して供給ダクトに導入できる。ここでは、媒体は水、霧状の水滴、又は霧化された油であるのが好ましい。
【0027】
この種の公知のエネルギーコンバーターの例示な実施形態が以下の図に概略的に示され、これらの図は上記の一般的特許出願の図にほぼ対応している。
【0028】
図において、
図0-1は公知のエネルギーコンバーターの一実施形態を斜視図で示し、
図0-2は
図0-1のエネルギーコンバーターの断面を示し、
図0-3は
図0-1のエネルギーコンバーターの断面としての外形部114の内部図を示し、
図0-4は発電機への接続を有するタービンホイールの公知の設計実施形態を示し、
図0-4a、0-4bは公知のコンバーターホイールの構造と機能を説明する図を示す。
【0029】
図0-1、
図0-2に示されるエネルギーコンバーターの実施形態は、マスト123上に置かれ、それぞれ円錐形のケーシングとして設計され、とりわけ、いわゆるコンバーターホイール50及びタービンホイール80の機能部品を収容する部品113、114を備えた全体外形112を備える。各流体の流入方向110に見た場合、コンバーターホイール50はタービンホイール80の背後に配置されている。
【0030】
外形部114は、外形部113というケーシング内に配置されたタービンホイール80にタービンシャフト81を介して接続された発電機85などの他の機能部品を収容している(
図0-3)。タービンホイール80の運動エネルギーは効率よくタービンシャフト81に伝達される(
図0-3)。タービンシャフト81の高い回転速度はギアボックス82によって減速でき、それによって対応するトルクが増加する。
【0031】
コンバーターホイール50と符号80で示されるタービンホイールとが回転可能に取り付けられ、それによってタービンホイール80がタービンシャフト81に共回転的に接続されている。タービン軸81の回転中に電気エネルギーを生成する発電機85はタービンホイール80とは反対のタービンシャフト81の側に共回転的に組み付けられている。
【0032】
外形部114は更に、コンバーターホイール50用の駆動モーター57と、ギアボックス117を介して駆動モーター57に接続された補助発電機116とを収容している。駆動モーター57の回転は当業者に公知の任意の手段によってコンバーターホイール50に伝達される。
【0033】
外形部113は供給ダクトとして機能する管状部100を収容している。各流体は供給ダクトの端部側開口部を通って供給ダクトの内部に流入することができる(流入方向は
図0-2の参照符号110で示されている)。
【0034】
円錐状に拡大された形状を有する成形部品90は追加負圧発生装置50に面する管状部100の端部領域に位置し、周方向に互いに均等な間隔で配置された案内羽根部91はコンバーターホイール50に面する円錐形成形部品90の端部領域に固定されている。案内羽根部分91は成形部90から
図0-2、0-4の管状部100の内壁まで半径方向外側に延伸している。案内羽根部91は案内羽根アセンブリを形成している。成形部品に面していない
図0-4の案内羽根部91の下部領域94は案内羽根部91の軸方向に延びる上部領域95に対して成形部90の円周方向に角度が付けられている。案内羽根部91は
図0-4のようにタービンホイール80の回転方向より下方向に向くように湾曲している。
【0035】
図0-4では、タービンホイール80は管状部100の下、かつ案内羽根アセンブリの下に位置する。反時計回りに90°回転した
図0-2において、タービンホイール80は流入方向110に見て案内羽根部(符号なし)の背後の左側に配置されている。
【0036】
タービンホイール80の羽根部87は成形部90から発電機85側に伸び、案内羽根部91の領域94に対向するようにタービンホイール80の周方向に傾斜している。
【0037】
図0-4a及び
図0-4bによれば、コンバーターホイール50は2つの円形ディスク51aと51bの間にダクト48を備え、ダクト48は円周方向に均等な間隔をおいて配置され、それぞれコンバーターホイール50の中心部47から半径方向外側に伸び、更にコンバーターホイール50の外径の直前までコンバーターホイール50の回転方向とは反対の角度で延びている。ここでのダクト48は半径方向内側に向かって開口し、ダクト48に共通でありコンバーターホイール50の環状ハブ部54を囲む環状前室46に入る。ハブ部54はディスク部51aに面する領域を介してコンバーターホイール50の縦軸から外側に向かって弓状状に延びている。これにより、前室46からダクト48への媒体の特に良好で乱流のない流れが確保される。弓状に形成された領域の上方で、ハブ部54はその領域とともにコンバーターの縦軸と同心円状にかつリングダクト41に向かって伸びることができる。
【0038】
個々のダクト48はいずれもバッフル44及び45によって形成され、バッフル44及び45は
図0-4aに示されるようにそれぞれ環状前室46から外側に向かって直線的に延びている。ダクト48を形成するため、バッフル44及び45は、ほぼ半径方向外側に延びるダクト48の領域43が隣接する2つのバッフル44と45の間の直線領域に形成され、好ましくは半径方向外側に延びる領域43に対して直角に延びる領域42がバッフル44と45の角度を付けた端部領域の間に形成されるように、角度が付けられている。
【0039】
駆動モーター57がコンバーターホイール50を
図0-4aに示す回転方向に回転させている間、ダクト48内の媒体は回転速度nでの回転運動により遠心力Fz1を与えられる。この遠心力Fz1は半径r1における周速v1及び媒体の質量mによって決まる。
【0040】
遠心力Fz1はダクト48内の媒体を外側に向けて押し出す。遠心力Fz2はダクト48の直角湾曲部の直前の半径r2において発生する。
【0041】
遠心力Fz2は質量mの媒体を速度v3まで加速し、これにより摩擦損失が考慮される。質量mの媒体について計算されるべき運動エネルギーW3はこの地点で、すなわち、ダクト48の湾曲部の直前に発生する。
【0042】
媒体はダクト48の湾曲部により回転方向とは反対の方向に偏向され、湾曲部を通過した後、摩擦損失により速度v3よりも低い速度v4が与えられる。計算されるべき運動エネルギーW4は速度v4から得られる。
【0043】
媒体は運動エネルギーW4を持ってコンバーターホイール50から出る。この過程で同じエネルギーを持った反発力が生成される。このエネルギーはコンバーターホイール50の駆動に役立つ。
【0044】
上に説明した手順において、大気外圧62によって媒体がコンバーターホイール50の前で加速されリングダクト(
図0-4b)を通ってコンバーターホイール50に供給されるようにする効果を持つ負圧が前室46内で生成される。圧力差は駆動モーター57によって駆動されるコンバーターホイール50の回転速度を増加させることにより増加させることができる。
【0045】
コンバーターホイール50が駆動モーター57によって回転状態にされると、コンバーターホイール50のダクト43内の媒体は
図0-4aを参照して説明したように外側に押し出される。これが、リングダクト41内に回転可能に配置されたタービンホイール80の下の領域で負圧が発生する理由である。その結果、媒体が、この負圧及び管状部100内に存在する大気圧62により、羽根部87に向かう方向に、案内羽根部分91の間に形成されたダクトを通って管状部100から流出する。この過程でタービンホイール80が回転し、その回転がタービンシャフトを介して発電機85に伝達され、発電機85はその回転に応じた電気エネルギーを生成する。
【0046】
体積流40は最適な圧力がタービンホイール80の羽根部87にかかるように成形部90によって偏向される。
【0047】
外側に向かって開口する管状部100に固定されているのが、外形部113を介して供給ダクトと呼ばれる管状部100を囲む全体外形112である。外形部113はコンバーターホイール50に向かう方向に延在する。全体外形112はまた、コンバーターホイール50から外形部113とは反対の側に通じ、同時に発電機と駆動空間を覆う働きをする別の外形部114を備える。
【0048】
全体外形112は、好ましくは水平に延びる縦軸、又は中心部47と同軸に配置されている。全体外形112は流動106が外形上で加速されるように外形が作られた円形の部品であり、それによって、航空機の翼の外形と同様、全体外形112の上側に負圧が発生する。
【0049】
全体外形112の中心に固定された外側外形リング115の外側には循環流108が与えられ、内側には循環流107が与えられる。循環流107は流動106を増大させ、これにより流動106の速度を増加させる。循環流106、107、108はすべて「流出」風流動111の方向につながる。流入風流動の風方向は参照符号105で示される。
【0050】
速度が増加した流動106はコンバーターホイール50から流出する空気を同伴し、これによりコンバーターホイール50上の流出109を加速する。流出109はコンバーターホイール50内に負圧を発生させ、それによりタービンホイール80の背後の圧力差を一層増加させる。その結果、管状部100への流入流量110が増加する。
【0051】
既に上で説明したように、コンバーターホイール50における流出109はコンバーターホイール50上に反発力を引き起こし、コンバーターホイール50を回転状態にする。このエネルギーを、例えば、ギアボックス117を介して補助発電機116に供給して電気エネルギーに変換することができる。
【発明の概要】
【0052】
本発明はDE 10 2010 024 621 A1の技術を更に改良しようとするものである。
【0053】
「媒体」という用語は「流体」という用語と同義的にも使用される。
【0054】
一般的な技術用語がないため、負圧を発生させる上記の装置についての一般的文書では「コンバーターホイール」という表現を選択した。「コンバーターホイール」という用語は自動車トランスミッションの業界で通常使用されており、本技術分野では馴染みがない傾向にある。従って、特に明確さを高めるため、「追加負圧発生装置」という表現を主に用いる。これにより、一方では、これが一般的な大気圧と区別されるべき負圧であることが確定する。この負圧が、装置の上記の全体外形が、航空機の翼の外形と同様、流動が装置の外形上で加速されそれにより全体外形の上側に負圧が発生するように外形が作られた丸い成形部品であるために発生する負圧とは異なる負圧、従って追加の負圧であることが、「追加の」という形容詞によって規定される。その意味で、「追加負圧発生装置」という用語は、一方では、装置のすぐ近くの空間環境に存在する大気圧との関係において、他方では、全体外形の上記外形の結果として発生する負圧との関係において、この追加の負圧がまさにこの装置によって発生し、その結果として、タービンホイールを囲む筐体への媒体の流入流量を調整できる、特に増加させることができる状況を説明している。以下により詳細に説明するように、この用語を選択したのは、この部品の構造設計実施形態が上記の一般的文書でのいわゆるコンバーターホイールのそれとは異なるという事実にもよる。従って、「追加負圧発生装置」も公知のコンバーターホイールのような構造に限定されない。その意味で、「追加負圧発生装置」という用語には「コンバーターホイール」として知られる構造に類似した構造と呼ぶことができる構造も含まれる。
【0055】
以下で追加負圧発生装置を「回転可能」であると言う場合、当該装置が非回転部品と共に当該装置を構成する回転可能部品を備えるということを指摘しておかなくてはならない。非回転部品は成形ディスクであり、回転可能部品は回転可能部品と非回転成形ディスクとの間に配置されバッフルによって形成される円形ディスク及びダクトを含む(これについても同様に以下でより詳細に説明する)。
【0056】
本装置は、媒体を介して輸送される流動エネルギーを機械エネルギー、好ましくは回転的機械エネルギー、及び/又は電気エネルギーに変換するものとして考案されている。媒体は、空気、気体、又は液体、すなわち一般な流体であってよい。
【0057】
本装置に流入する媒体の質量の調整は使用及び環境の面でのあらゆる実際的条件の下で可能であり、これが本発明の中心的側面をなしている。
【0058】
本装置の形状、特にタービンホイールの直径及び追加負圧発生装置の直径は媒体の流動が強い場合や弱い場合での使用を直接左右し、いずれの場合でも実際の利用におけるほぼ全ての予測可能な条件に適合可能である。
【0059】
水力、風力、又はその他の流動媒体からの流動を受け取る本装置は本装置がその上に配置されるマスト、脚、台座、ベースフレームなどを備えていてもよい。その他の流動媒体には、産業プラント、例えば、バイオガスプラントや堆肥化プラントからの排気流、又は排気ガスが含まれてもよい。
【0060】
本装置は全体外形を有する。全体外形は本装置の外側ケーシングであり、その設計、すなわち、その外形により媒体の流動の面で好ましい特性を有するためそのように呼ぶ。全体外形はまた、少なくとも2つの相互に隣接する外形部を有していてもよい。これらの外形部は、本装置の部品、特に、追加負圧発生装置の流動関連の部品、タービンホイールの部品、成形部品の部品、及び、好ましくは、少なくとも1つの媒体供給路を収容することができる、若しくは、例えば、少なくとも1つの発電機、少なくとも1つの駆動モーター、ギアボックス、タービンシャフト、供給ダクト、及び他の部品を収容できる全体外形という外側ケーシングの部分である。
【0061】
図示されていないが、全体外形ケーシングの外形部が、タービンホイールにつながり流動の効果を高める効果に寄与する内側ケーシングを備えていると好都合である。タービンホイールを囲む内側ケーシングは水、空気、又はその他の流動媒体の供給ダクトとして設計してもよい。これにより、全体外形と供給ダクトのそれぞれへの媒体の流入流量が実質的に増加する、すなわち、媒体の運動エネルギーが実質的に増加する。タービンホイールを囲み供給ダクトとして設計可能な内側ケーシングは特定の空間的/幾何学的構成に限定されない。このケーシングは管状部として形成されることが好ましい。この場合、管状部の端部領域内に突出する成形部品がタービンホイールに面する管状部の側に配置される。成形部品は、媒体を管状部の縦軸から管状部の内壁に向かう方向に向けるように設計される。成形部品は円錐状に設計され管状部と同心になるように配置されると好都合である。この管状部は上記の一般文献から公知である。
【0062】
同様にそれ自体は上記の一般先行技術から公知の、本発明による装置の好適な実施形態の成形部品は、その外周上に、それぞれ管状部の縦軸の方向に延び互いに均等な間隔で配置される案内羽根部を備える。これにより、タービンホイールの羽根部に通じる流動ダクトが、隣接する2つの案内羽根部と成形部品の外周の対応する領域と管状部の内壁の対応する領域との間にそれぞれ形成される。タービンホイールの羽根部はアセンブリの形状でタービンホイールの円周に沿って均等な間隔で配置されるのが好ましい。羽根部は成形部品からコンバーターホイール側に向かって延び、タービンホイールの周方向に傾斜している。羽根部の数は案内羽根部の数に対応してもよいし、騒音を避けるために案内羽根部の数から若干ずれてもよい。羽根部の数は案内羽根部の数より1つ多いことが好ましい。これは、(最適な被覆と騒音の最小化を目的として)タービンホイールの羽根部が案内羽根アセンブリより1つ多いか、タービンホイールの羽根部がガイドベーンアセンブリより1つ少ないことを意味している)。
【0063】
本発明による装置は、各媒体がタービンホイールの方向に、入口体として設計された外形部の端部側開口部を経由して全体外形、すなわち、外側ケーシングの内部に導かれるように、上述の供給ダクトなしで動作させることもできる。この場合、上記の成形部品は全体外形の内部に供給ダクトを設けずに配置される。以下に更に説明する媒体供給路により、本発明はそのような供給ダクトを不要にすることができる。このような供給ダクトを以下に更に説明する少なくとも1つの媒体供給路と併せて使用するかどうかは、本装置の各使用条件によって決まる。本発明は両方の構造の組み合わせを可能にし、それによって本発明が一層普遍的に適用可能なものになる。比較的小規模な構造状態に固執することがあまり適切ではない場合、そのような供給ダクトと媒体供給路の組み合わせを用いることが好都合かもしれない。
【0064】
タービンホイールは電流を生成するために発電機に共回転的に接続されたタービンシャフトに接続されていることが好ましい。
【0065】
代替方法として、誘導によってエネルギーを生成することも考えられる。ソレノイドを備えたステーターに電流を供給すると、ソレノイドは巻線内に磁界を生成する。動作中のタービンホイールの中の、又は追加負圧発生装置の動作中の部品の中の巻線は、ステーター内の磁界によってタービンホイール内に電流を生成できるように、及び/又は追加負圧発生装置のステーター内の巻線の磁界によって電流を生成できるように、ステーター内に磁界用電流を生成する。エネルギーの獲得はタービンホイールの回転及び「追加負圧発生装置」に依存しており、必要な程度まで増加させることができる。
【0066】
入口体として設計された外形部に又は供給ダクトに流入する媒体の一定の体積流量が調整されるように、追加負圧発生装置の回転可能部の回転速度が調整されるため、電流は本発明による装置のタービンホイールによって駆動される発電機によって安定的に生成される。
【0067】
また、本発明の文脈において、追加負圧発生装置は本装置内に存在する大気圧に対するそのような追加の負圧を引き起こす。従って、追加負圧発生装置は大気圧に対するタービンホイールの背後の圧力差を更に増加させる。その結果、タービンホイールを囲むケーシングへの媒体の流入速度が増加する。
【0068】
追加負圧発生装置は媒体の流動方向に見てタービンホイールの背後に配置されている。この追加負圧発生装置は上記の説明の通りに回転可能に配置され、好ましくはタービンホイールと同じ軸方向に配置される。追加負圧発生装置は「回転可能」であると言う場合、既に言及したように、当該装置が非回転部品と共に当該装置を構成する回転可能部品を備えるということを再度指摘しておかなくてはならない。非回転部品は成形ディスクであり、回転可能部品は回転可能部品と非回転成形ディスクとの間に配置されバッフルによって形成される円形ディスクとダクトとを含む(これについても以下でより詳細に説明する)。本装置を、好ましくはその全体外形を、任意の適切な非発明的方法でマスト、台座、足部、又はベースフレームに固定してもよい。
【0069】
例えば、流体の流動がない場合、例えば小康状態の場合には、追加負圧発生装置を駆動モーターによって回転させてもよい。一度当該装置を駆動モーターによって又は媒体の現在の流れによって回転させると、本発明の一実施形態による追加負圧発生装置の回転速度は駆動モーターによって差別的な形で増加させることができる。その結果、タービンホイールを囲む筐体内の媒体の圧力とタービンホイールの領域内の圧力との間に存在する圧力差が増加する。
【0070】
従って、必要であれば、追加負圧発生装置とタービンホイールを互いから切り離すことができる。このことは説明される本発明による装置の変形例及び実施形態のすべてに当てはまる。追加負圧発生装置とタービンホイールはそれらに作用する媒体の流動により又はそれぞれの駆動モーターにより相互に独立した方法で動作させることができ、駆動モーターのエネルギーは、例えば、エネルギー獲得・伝送装置、又は、例えば、少なくとも1つの電気エネルギー貯蔵・供給装置を介して得られる。必要に応じて、最適な流動がタービンホイールを囲む又は通過するように流入流量を変化させるために、流量に応じて駆動モーターによって回転速度の差別化された増加を追加負圧発生装置に供給してもよい。
【0071】
以上のことから、羽根部及び案内羽根部の迎角を変更する必要がない。本発明による装置の好適な一実施形態では、本装置が案内羽根アセンブリの有無にかかわらず設計できるように設計されている。別の好適な設計実施形態では、案内羽根アセンブリが、その案内羽根が移動可能で「通路」に切り替えられるように設計されている。更に、一実施形態はタービンホイールの羽根が「通路」に切り替えられるように設計されている。これは、追加負圧発生装置(コンバーターホイール)への自由な流入とエネルギーの生成は専らこの追加負圧発生装置によって行われることを意味している。
【0072】
増加した流量で流入する空気などの媒体は、例えば、コンバーターホイールの設計実施形態において、追加負圧発生装置を追加的に回転させ、追加のギアボックスを介して追加の発電機を駆動する。追加負圧発生装置はタービンシャフト上に回転可能に配置された中空シャフト上に共回転的に配置されている。
【0073】
追加負圧発生装置はその内部に追加負圧発生装置の中心から外側に延び外側に向かって開口するダクトを備え、ダクト内の媒体は追加負圧発生装置の回転中に外側に向かって誘導される。各ダクトは、各ダクトに割り当てられた中心の前室から半径方向外側に延びる第1の領域と、半径方向外側にありコンバーターホイールのほぼ円周方向に第1の領域に対して角度が付けられ外側に向かって開口する第2の領域とを備えるのが好ましい。各ダクトが追加負圧発生装置の当該ダクトの内部に配置されたバッフルによって特に簡易に形成されれば好都合である。これ自体は上記の一般先行技術から公知である。
【0074】
本発明による装置の特定の設計実施形態を以下により詳細に説明するが、これらは互いに組み合わせると特に効果をもたらす。
【0075】
旋回性の設計実施形態
【0076】
既に簡潔に述べたように、本発明による装置の全体外形は外側ケーシングとして設計されている。このケーシングは、タービンホイールと媒体の流動方向におけるタービンホイールの下流に配置された追加負圧発生装置とを備える。このケーシングは、媒体の流動に面するその端部側に、各媒体、例えば、風が全体外形の内部に流入する開口部を有する。そのため、全体外形の端部側開口部を有する外形部は各媒体のための入口体とも呼ばれる。この入口体は上述の全体外形の少なくとも2つの互いに隣接する外形部の1つに相当する。上述したように、入口体は供給ダクトとして設計可能な内部ケーシングを収容してもよい。
【0077】
入口体を含む全体外形はその縦軸に対して回転せず、マスト、足部、台座、ベースフレームなどに固定されている。
【0078】
対照的に、一実施形態では、全体外形を含む本発明による装置は各媒体の流動方向の中又は外に旋回可能であるように設計される。旋回運動は当業者に公知の従来の駆動装置、ギアボックス、センサー及びフィードバックコントローラーによって実行でき、これらは、特に、各媒体の典型的な流動状態、季節、本装置の大きさ、特定の目的を考慮するであろう。旋回運動は、現場で、遠隔地から、アプリによる制御により、自動的に、又はそれらの組み合わせによって実行できる。
【0079】
「風に入れる」「風から出す」能力自体は公知である。本発明による旋回運動の違いは本発明が突出媒体流入領域を調整できることにある。突出流入領域は入口体の端部側開口部によって形成される。例えば、本装置は風などの媒体の流動から「部分的に」出すことができ、これは流入領域が相応に減少することにつながる。「媒体から見れば」、入口体の端部側開口部が旋回運動の程度に応じてその分縮小し、逆の場合は拡大する。このように突出媒体流入領域が縮小又は拡大するため、本装置の出力を同時に調整することができる。本装置を媒体の流動から、例えば、風から完全に出すこともできる。この場合、設置は基本的に固定である。本装置を流れの中に、例えば、風の中に完全に入れると、原理上媒体の流動の全エネルギーが利用可能となる。
【0080】
本装置を特定の角度位置から別の角度位置に旋回させることは、現在の流動エネルギーを最適に利用するという観点から重要である。
【0081】
各媒体の流動状態の変化の結果として旋回角度の修正を常時実行することが好ましい。その結果、現在の流動エネルギーの利用を改善することができる。プレートを収容する応答の遅い従来の風車とは対照的に、本発明の場合、その若干異なる基本概念により流動状態の変化に対する迅速な応答が常に可能であり、これが従来の風力車とそれによるエネルギーの変換と比較して効率の大幅な向上につながる。
【0082】
また、本装置をある角度位置に旋回させることにより流動エネルギーは好都合に平滑化される。これにより、より小さなエネルギーピーク、例えば、より小さな電流ピークが少なくとも1つの発電機上に生成され、従って、従来の風力発電ホイール設備の場合のようにエネルギーが失われるやり方でそのようなピークの「上限を設ける」する必要がない。
【0083】
これにより、元の流動エネルギーから得られるエネルギーの収量、例えば、電流の収量が向上し、その結果、効率も向上する。
【0084】
複数の発電機が使用されることが好ましいため、エネルギーの需要、例えば、電流の需要に応じて本装置を旋回させることにより個々の発電機をオン又はオフに切り替えることができる。これは現在の流動エネルギーが最適に利用されることを意味する。
【0085】
また、本装置を迅速に旋回させることは本装置を損傷から保護する又は装置を部品の破壊から保護するのに役立つことにも言及しなければならない。
【0086】
本装置は様々なやり方で旋回可能であるため、旋回動作を組み合わせることも可能である。本装置の旋回は鉛直軸を中心として実行することができる。また、本装置の旋回は鉛直軸から偏心して実行することができる。最後は、旋回は空間軸の回りで実行してもよい。
【0087】
本装置の旋回に左右される媒体、すなわち流体の入射流動角、及び入射流動角の調整は、追加負圧発生装置、例えば、コンバーターホイールの回転速度及びタービンホイールの回転速度を直接左右する。全体外形という外側ケーシングに対する影響は追加負圧発生装置での負圧となり、これによって上で説明した反発挙動が追加負圧発生装置の回転速度を左右する。外形部は、(航空機の翼と同様)追加負圧発生装置の領域内での軸方向の流動によって負圧が発生するように設計されている。この負圧は、追加負圧発生装置内にある媒体、例えば、空気が追加負圧発生装置の中心から外側に向かって流動し、回転方向とは反対の方向に追加負圧発生装置の案内羽根を通って流出し、それによって、線形運動量の原理と呼ばれる場合がある追加負圧発生装置を回転状態にする反発力が発生するという効果がある。追加負圧発生装置、例えば、コンバーターホイールを追加的に駆動する場合、反発力によって大きく戻される出力が必要となる。ただし、摩擦損失によって生成される出力を供給すればよい。
【0088】
これは、本装置が各媒体の流動方向の中に旋回可能であれば追加負圧発生装置の回転速度が増加するという結果をもたらす。これにより、タービンホイールの手前の圧力が同時に増加し、その結果、タービンへの流入流量が同時に増加する。これはタービン出力の増加をもたらし、それによってタービンシャフトを介してタービンホイールに接続された少なくとも1つの発電機の出力が増加する。
【0089】
対照的に、本装置を各媒体の流動方向の外に旋回させると、追加負圧発生装置の回転速度は旋回動作の程度に応じて低下する。これによりタービンホイールの手前の圧力が同時に減少し、その結果、タービンへの流入流量が同時に減少する。これはタービン出力の減少をもたらし、それによってタービンシャフトを介してタービンホイールに接続された少なくとも1つの発電機の出力が最小化される。
【0090】
このように、各流体の流動方向の内外に本発明による装置が旋回可能であることは本発明の好適な態様である。
【0091】
追加負圧発生装置の設計実施形態
【0092】
本発明の別の変形例では、特許出願DE 10 2010 024 621 A1による一般的コンバーターホイールと比較した本装置の効率の一層の向上が、追加負圧発生装置の構造的な設計実施形態により実現されている。
【0093】
各媒体の流動方向の内外への本装置の上記の旋回性が以下に説明されるこの変形例と組み合わされると特に好都合である。
【0094】
本発明による装置の外側ケーシングによって存在する負圧と差別化することを目的とした追加の負圧を発生させる装置(上記参照)には、「追加の」という形容詞が付けられている。これは、当該装置がその回転可能部の回転により現行の負圧から独立した、従って追加の負圧を発生させるからである。「発生させる」は、特に「高める」を意味する。この意味での「発生させる」は「左右する」も意味し、「左右する」は、例えば、媒体が過剰に流動する時に当該装置をその回転挙動の面で減速させる場合に、追加の負圧を制御可能に低減することと関連付けられてもよい。また、専用の駆動装置を用いた場合、当該装置内に存在する負圧を更に高めることができる。また、そのような駆動装置を用いずに当該装置内又は専用の貯蔵媒体内に保存されたエネルギーによって独立して当該装置内に存在する負圧を高めることもできる。これは当該装置のいわゆる回転質量と相関関係がある。本発明は媒体の圧縮を不要にする。また、燃焼も必要としない。
【0095】
従って、追加負圧発生装置、例えば、コンバーターホイールは、以下の説明に従って本装置の全体外形の上述の入口体の中に回転可能に配置されている。当該装置は各媒体の流入方向に見て手前側に非回転成形ディスクを備える。この成形ディスクは追加負圧発生装置の縦軸から外側に向かって弓状に延びるのが好ましく、弓状の外形は外側方向に一層平坦になるのが特に好ましい。このような弓状の外形の代わりに、成形部品は対応するカスケード状又は階段状の外形をとってもよい。追加負圧発生装置、例えば、コンバーターホイールは、各流体の流入方向に見て後ろ側にこの前側成形部品から間隔をおいて回転可能成形ディスクを備える。
【0096】
ダクトとバッフルに加えて内側入口ダクトが、前側非回転成形ディスクと後側回転円形ディスクとの間にそれ自体公知の方法で配置されている。羽根アセンブリ、タービンホイール用の取付具、及び追加負圧発生装置用の軸受フランジ用のレセプタクル軸受もこの領域に配置されている。これらの構成部品は、本明細書に添付して参照された特許出願DE 10 2010 024 621 A1に関連する
図0-4a及び0-4bを参照して上に説明されている。
【0097】
しかしながら、追加負圧発生装置の前側成形ディスクが非回転であること、また、当該装置が、内側入口ダクトに加えて、非回転前側成形ディスクと回転可能後側円形ディスクとの間に配置されたダクトの中に各媒体が流入する、従って「通過」するのを可能にする少なくとも1つの開口部、有利には複数の開口部を有することが、本発明のこの変形例の観点から重要である。この開口部は機能の面で内側入口ダクトから区別されるべき開口部であるため、「補助流路」と呼ぶ。
【0098】
これらの補助流路は、例えば、非回転成形ディスクの外周上にリムの形状で又はシャンデリアのような星形で成形ディスクの弓形外形に沿って配置してもよく、又はそれらを組み合わせた形状で配置してもよく、又は任意に規則的に又は不規則に配置してもよい。1つ又は複数のスロットタイプの、又はダクト形状の、又はその他の細長い形状の流路、若しくは内側入口ダクトから非回転成形ディスクの外周方向に進むように延びる1つ又は複数の流路も考えられる。
【0099】
少なくとも1つの補助流路は、追加負圧発生装置の非回転成形ディスクの中又は上におけるその配置又は設計実施形態により、追加負圧発生装置の回転可能部を加速又は減速するのに適している。
【0100】
駆動モーター又は現在の流動によって初期設定されて追加負圧発生装置の回転可能部が回転方向に回転している間、例えば、当該装置のダクト内の媒体には回転速度「n」での回転運動により遠心力が与えられる。この遠心力は半径上の周速度と流体の質量によって決まる。遠心力はダクト内の媒体を外側に向かって押し出す。媒体はダクトの湾曲部によって回転方向とは反対の方向に偏向され、湾曲部を通過した後、それによって追加負圧発生装置から出る運動エネルギーを与えられる。この過程で同じエネルギーを持つ反発力が発生する。このエネルギーは追加負圧発生装置の駆動を助ける。上記の手順において、低下した大気外圧により媒体が当該装置の手前で加速するという効果をもたらす追加の負圧が当該装置内で発生する。この物理的過程については、上記の一般的先行技術に関する説明を再度参照されたい。
【0101】
追加負圧発生装置の回転可能部の回転運動の速度に応じて、媒体、すなわち流体は内側入口ダクト、例えば、リングダクトを介して、及び、内側入口ダクトに関しては、追加負圧発生装置の上述の少なくとも1つの補助流路を介して対応する流量で供給される。
【0102】
追加負圧発生装置の回転可能部の回転中、追加負圧発生装置のダクトに流入する媒体、すなわち流体は外側に向かって押し出される。これが、追加負圧発生装置の内側入口ダクト内に回転可能に配置されたタービンホイールの領域で負圧が発生する理由である。これは、上記の負圧及び入口体、すなわち供給ダクトの中に存在する大気圧により、媒体が全体外形の入口体から、すなわち入口体内に配置された供給ダクトから成形部品の案内羽根部の間に形成されたダクトを通ってタービンホイールの羽根部の方向に流動するという結果をもたらす。この過程でタービンホイールは回転状態にされ、その回転がタービンシャフトを介して発電機に伝達され、発電機はその回転に応じた電気エネルギーを生成する。
【0103】
好ましいことに、非回転前側成形ディスク内の上述の少なくとも1つの補助流路は、その設計実施形態自体により、追加負圧発生装置の非回転成形ディスクが1つの内側入口ダクトだけを有する設計実施形態と比較して、負圧の一層の増加、それによるコンバーターホイールの回転速度の増加、更にそれによる流量の増加とその結果である流動エネルギーの増加に寄与している。
【0104】
本明細書における追加負圧発生装置の非回転前側成形ディスク内の少なくとも1つの補助流路の効果は、当該補助流路が追加負圧発生装置の回転方向に媒体を偏向させる設計実施形態を有していれば、増大させることもできる。このような設計実施形態は、例えば、当該流路内に又は当該流路外に突き出る羽根部、対応する突出部、対応するビード、追加の穿孔、又は成形ディスクの材料への流路の斜めの打抜きであってもよい。その結果、媒体が追加負圧発生装置の回転方向において当該装置の上記ダクトの中に部分的に偏向されるため、非回転成形ディスクにぶつかる媒体は追加負圧発生装置の回転速度を加速する。
【0105】
少なくとも1つの補助流路を調整することもできる。この種の調整はさまざまな方法で可能である。液圧的、純粋に機械的、又は電子的方法、若しくはそれらの組み合わせが考えられる。このような方法で追加負圧発生装置の非回転成形ディスク内の少なくとも1つの補助流路に調整フラップ、滑動体アセンブリ、又は開口部を設けることができる。
【0106】
必要に応じて、逆に、追加負圧発生装置の非回転前側成形ディスク内の少なくとも1つの補助流路の効果は、補助流路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に媒体を偏向させる設計実施形態を有していれば、減少、すなわち減速させることもできる。このような設計実施形態は、例えば、当該流路内に又は当該流路外に突き出る羽根部、対応する突出部、対応するビード、追加の穿孔、又は成形ディスクの材料への開口の斜めの打抜きであってもよい。その結果、追加負圧発生装置の上記ダクト内の媒体が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に部分的に偏向するため、非回転成形ディスクにぶつかる媒体は追加負圧発生装置の回転速度を減速する。
【0107】
追加負圧発生装置の回転方向における媒体の加速的流入と追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向における媒体の減速的流入を交互に実行してもよい。そのため、例えば、追加負圧発生装置の非回転成形ディスクに少なくとも2つの補助流路を取り付けると好都合であり、これらの流路は追加負圧発生装置の縦軸から外側に向かって弓状に延びる当該成形ディスク上で空間的にオフセットすることができる。これらの少なくとも2つの補助流路のうちの一方は加速のために機能し、他方は減速のために機能する。複数の補助流路が互いに同じ間隔でそれぞれ加速及び減速用に配置されれば特に好都合であり、これにより加速又は減速手順が都合良く同期される。交互の加速/遮断手順のために設けられるこれらの補助流路が追加負圧発生装置の非回転成形ディスクにリムの形で取り付けられれば特に好ましい。横断ウェブを有する2つの環状流路も好適である。
【0108】
追加負圧発生装置の非回転成形ディスク内に加速/減速手順のために設けられた補助流路の交互機能は、任意の適切な機械的及び/又は電子的制御装置を用いて、例えば、流路を閉開する滑動体アセンブリを用いて、若しくは調整スラット、調整フラップ、又は開口部を用いて選択することができる。
【0109】
媒体供給路を備えた入口体の設計実施形態
【0110】
本発明の前述のいずれかの又は両方の変形例と組み合わせが可能な本発明の更なる実施形態では、追加負圧発生装置は、その配置により、本装置の入口体の中の少なくとも1つの媒体供給路と相互作用する。当該媒体供給路は追加負圧発生装置の回転方向及び/又は回転方向とは反対の方向において各媒体を追加負圧発生装置に供給する。
【0111】
追加負圧発生装置への媒体の供給の種類は、当業者にとって利用可能な任意の構造に基づくものであってよい。ただし、少なくとも1つの媒体供給路が追加負圧発生装置の非回転成形ディスク内の少なくとも1つの補助流路を介して当該装置の回転方向及び/又は回転方向とは反対の方向において当該装置に各媒体を供給することが特に好都合である。
【0112】
このような設計実施形態を本装置の上述の旋回性を備えた本発明の変形例と組み合わせることもできる。
【0113】
この少なくとも1つの媒体供給路は入口体の端部側開口部から、及び/又は入口体上に配置された外側流入フードから追加負圧発生装置の非回転成形ディスクの方向に延びる。入口体は、それを介して媒体が少なくとも1つの媒体供給路に流入することができる少なくとも1つの外側流入フードを備えていることが好ましい。
【0114】
入口体の端部側開口部に面していない少なくとも1つの媒体供給路の端部が追加負圧発生装置の回転方向に向いている場合、これは、各媒体が当該媒体供給路を介して当該装置の回転方向において当該装置に供給される場合当該装置の回転速度を加速するのに寄与する媒体供給路の位置である。
【0115】
入口体の端部側開口部に面していない少なくとも1つの媒体供給路の端部が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いている場合、これは、各媒体が当該媒体供給路を介して当該装置の回転方向とは反対の方向において当該装置に供給される場合当該装置の回転速度を減速するのに寄与する媒体供給路の位置である。
【0116】
本明細書においては、各媒体が媒体供給路を介して追加負圧発生装置の回転方向又は回転方向とは反対の方向において当該装置に供給される場合に媒体の流動状態の状況に応じて当該装置の回転速度を加速又は減速できるように、入口体が当該装置の回転方向において及び回転方向とは反対の方向において当該装置に各媒体を供給する少なくとも1つの媒体供給路を有することが好ましい。これは対応する調整によって実行できる。入口体は追加負圧発生装置の回転方向及び回転方向とは反対の方向に向く2つ以上の媒体供給路、特に4つ、より好ましくは6つ、最も好ましくは8つの媒体供給路を有することが特に好ましい。それらから外れた数の媒体供給路を設けてもよい。
【0117】
また、複数の媒体供給路を回転速度の加速及び/又は減速に使用する場合、それらの媒体供給路が互に同じ間隔で配置されると好都合であり、その場合、追加負圧発生装置の回転速度又は回転速度プロファイルが均一になるようにリム状の配置が特に好ましい。特に、最後に述べた設計実施形態によって、例えば、回転速度の加速に寄与することを目的とした媒体供給路を外側の環状配置に配置し、他方で回転速度の減速に寄与することを目的とした媒体供給路を内側の環状配置に配置することが可能になる。この配置を逆にすることも可能であることは言うまでもない。
【0118】
この種の媒体供給路の異なる環状配置の代わりに、例えば、媒体供給路の単一の環状配置だけで十分であれば、追加負圧発生装置の回転速度の加速又は減速のために媒体供給路を交互に配置することも考えられる。
【0119】
追加負圧発生装置の回転速度を加速又は減速するために複数の媒体供給路をリム状に配置する場合に中央供給ダクトを上記の
図0-2及び
図0-4を参照して概説した一般的先行技術に対応する入口体の中に追加的に設ける場合、例えば、回転速度の加速に寄与する媒体供給路を中央供給ダクトの外側にリム状に配置してもよく、従って流入ダクトの外側領域に配置してもよく、他方、回転速度の減速に寄与する媒体供給路を中央供給ダクト内で延伸させてもよい、従って流入ダクトの内側領域に配置してもよい。逆の配置も考えられることは言うまでもない。
【0120】
媒体供給路自体は固定されているのが都合が良い、すなわち、個々の媒体供給路は加速流入方向又は減速流入方向に移動しないのが都合が良い。ただし、媒体供給路の上記の移動は可能である。
【0121】
媒体供給路の前述のすべての配置において、追加負圧発生装置の回転不能成形ディスク内の少なくとも1つの補助流路の空間的配置は関連する媒体供給路の配置に従うのが都合が良い。
【0122】
構造と材料の面での媒体供給路の設計実施形態は当業者により任意の方法で実現できる。この設計実施形態は本装置が使用される各地域の基本的な気候条件に左右されうる。また、設計実施形態は媒体として空気、排気ガス、水、油などのいずれが使用されるかによって異なりうる。また、その幾何学的設計の面で、設計実施形態は管状の断面を有してもよい。この断面は、円筒形、楕円形、正方形、多角形などの任意の形状を有してもよい。また、実施形態は剛性であるか剛性構造を有していてもよいが、柔軟性、すなわち弾性構造を有していてもよく、従ってホース形状であってもよく、又はこれらを組み合わせた構造を有していてもよい。
【0123】
同様に、入口体の端部側開口に面していない少なくとも1つの媒体供給路の端部の非回転成形ディスクへの機能的な接続は様々な方法で実行できる。例えば、媒体供給路は非回転成形ディスクの中に開口し非回転成形ディスクと1つの構成要素を形成してもよい。別の考えられる方法として、媒体供給路が最初に環状ダクトの中に開口し、次に1つ又は複数のエルボを介して非回転成形ディスクの中に開口してもよい。媒体供給路を非回転成形ディスクに接触する直前で終了させてもよい。その設計実施形態や配置により追加負圧発生装置の加速効果に寄与する補助流路と直面するように追加負圧発生装置の回転部の回転速度を加速する媒体供給路を配置することが好ましい。逆に言えば、その設計実施形態や配置により追加負圧発生装置の減速効果に寄与する補助流路と直面するように追加負圧発生装置の回転部の回転速度を減速させる媒体供給路を配置することが好ましい。
【0124】
また、これに関連して、本装置の立地に存在する媒体の流動状態を考慮できるように、少なくとも1つの媒体供給路が媒体の受け取り及び送り出しと媒体の量の面で調整可能であることが好ましい。同様に、これに関連して、本装置の立地に存在する媒体の流動状態を考慮できるように、追加負圧発生装置の非回転成形ディスク内の少なくとも1つの補助流路が媒体の受け取り及び送り出しと媒体の量の面で調整可能であることが好ましい。上に述べた立地における調整機構を組み合わせることも考えられる。
【0125】
調整は様々な方法で行うことができる。液圧的、純粋に機械的、又は電子的方法、若しくはそれらの組み合わせが考えられる。例えば、媒体供給路の中に調整フラップを、又は追加負圧発生装置の非回転成形ディスク内の少なくとも1つの補助流路の中に滑動体アセンブリや開口部を設けてもよい。更に、例えば、回転フラップ、回転滑動体、スロットルバルブ等が考えられる。この程度まで検討されている変形例は、本発明の観点からは重要性が二次的である場合が多い。簡単にイメージできるようにするため、媒体供給路で使用可能な調整フラップが今後これらのすべての変形例を代表するものとして言及される。調整フラップをそれぞれ媒体供給路の異なる位置に配置してもよく、非回転成形ディスクの中にも配置してもよい。
【0126】
従って、少なくとも1つの媒体供給路が、流入する媒体の質量を調整するように設計された調整フラップを備えていることが本質的な態様である。これは、調整フラップの全部又は一部が完全に又は部分的に開き、かつ完全に又は部分的に閉じることができるように実行されることが好ましい。また、各調整フラップの選択、及び/又は調整フラップの完全な又は部分的な開閉はPIDコントローラーによって実行できるのが好ましい。比例積分微分(PID)コントローラーは調整フラップを連続的に変調調整して本発明による装置の効率を高めるため、好都合である。PIDコントローラーの結果として、調整フラップの現在の作動値を所望の目標値と測定されたプロセス変数との差として連続的に計算し、比例、積分、微分の原理に基づく補正を適用することができる。PIDコントローラーは頻繁に使用される標準のコントローラーであり多くの分野において業界標準であるため、当業者に詳細に知られている。そのため、本明細書の文脈において更に詳細に説明する必要はない。ただし、当業者はこの種のコントローラーに限定されず、調整フラップの上述の開閉さえ実行できれば任意の適切な別の種類のコントローラーを選択してもよいことは指摘しておかなくてはならない。
【0127】
上記のように、本発明のこの設計実施形態においては、入口体の流入ダクト内の媒体供給路が追加負圧発生装置、例えば、コンバーターホイールの回転方向に配置されているか、回転方向とは反対の方向に配置されているかにかかわらず、水力、風力、又はその他の流動媒体からの流動エネルギーを最適に利用することが本装置の作動及び調整の観点から重要である。
【0128】
調節フラップの制御と組み合わさったこれらの配置とそれによって規定される媒体の流入の効果について以下に説明する。それらの効果はすべて少なくとも1つの媒体供給路と少なくとも1つの補助流路とを有する上述の実施形態の組み合わせに当てはまる。
【0129】
・少なくとも1つの媒体供給路が設けられている。
【0130】
・少なくとも1つの媒体供給路が入口体の流入ダクト内に配置されている。
【0131】
・少なくとも1つの媒体供給路が追加負圧発生装置、例えば、コンバーターホイールの「回転方向に」又は「回転方向とは反対の方向に」に向くように配置されている。
【0132】
・「回転方向に」とは、各媒体供給路内の媒体が追加負圧発生装置に向って流動する結果として追加負圧発生装置の回転可能部の回転速度の加速が可能になる配置である。
【0133】
・「回転方向とは反対の方向に」とは、各媒体供給路内の媒体が追加負圧発生装置に向って流動する結果として追加負圧発生装置の回転可能部の回転速度の減速が可能になる配置である。
【0134】
・少なくとも1つの媒体供給路は、開位置(「開」)及び閉位置(「閉」)、又はその中間位置に移動可能な調整フラップを備えている。
【0135】
・追加負圧発生装置の回転可能部の回転速度の加速又は減速が生じる際、追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクは、媒体供給路が追加負圧発生装置、例えば、コンバーターホイールの「回転方向に」向いているか又は「回転方向とは反対の方向に」向いているか、及び調整フラップが開位置(「開」)、閉位置(「閉」)、その中間位置のいずれに移動されるかの関数として左右される。
【0136】
・追加負圧発生装置の回転速度の変更はタービンホイールの回転速度とトルクを、従ってタービンホイールの出力を直接左右する。
【0137】
・2つの媒体供給路を設ける場合、そのうちの1つが追加負圧発生装置の「回転方向に」向き、もう1つが「回転方向とは反対の方向に」向くと好都合である。
【0138】
・2つ以上の媒体供給路を設ける場合、それらは入口体の流入ダクト内に任意の空間的/幾何学的方法で、例えば、X字型配置、U字型配置、円形配置、又は内側領域と外側領域を有する二重円形配置で配置してもよい。なお、記述を統一するため、以後上記の二重円形配置がそれに限定されることを意味せずに想定されるものとする。
【0139】
以下の配置では、調整フラップ及び媒体供給路は、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向くように入口体の流入ダクト内の外側領域及び/又は内側領域に配置される。
【0140】
・「回転方向に」とは、各媒体供給路内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の加速が可能になる配置である。追加負圧発生装置の回転速度とトルクは、媒体供給路を流れる媒体の物質特性に加えて、調整フラップの開位置(「開」)と閉位置 (「閉」)の度合いに左右される。
【0141】
・調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が大きくなることを意味し、これは回転速度の上昇とトルクの増加、それによる出力の増加を意味する。調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が小さくなることを意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0142】
・また、追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイールの回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップが「開」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が増加し、つまり、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップが「閉」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0143】
以下の配置では、調整フラップ及び媒体供給路は、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向くように、入口体の流入ダクト内の外側及び/又は内側領域に配置される。
【0144】
・「回転方向とは反対の方向に」とは、各媒体供給路内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の減速が可能になる配置である。追加負圧発生装置の回転速度とトルクは、媒体供給路を流れる媒体の物質特性に加えて、調整フラップの開位置(「開」)と閉位置(「閉」)の度合いに左右される。
【0145】
・調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールが減速することを意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が通常のものになることを意味し、これは対応する回転速度と通常のトルク、それによる通常の出力を意味する。
【0146】
・また、追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイールの回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップが「閉」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が増加し、すなわち、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップが「開」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0147】
以下の配置では、調整フラップ及び媒体供給路が、内側領域(「内側」)にある媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向き、他方で外側領域(「外側」)にある媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向くような組み合わさったやり方で入口体の入口ダクト内の外側領域及び内側領域に配置される。
【0148】
・「回転方向に」とは、各媒体供給路内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の加速が可能になる配置である。「回転方向とは反対の方向に」とは、各媒体供給路内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の減速が可能になる配置である。追加負圧発生装置の回転速度とトルクは、媒体供給路を流れる媒体の物質特性に加えて、調整フラップの開位置(「開」)と閉位置(「閉」)の度合いに左右される。
【0149】
・回転方向に向いた「内側」媒体供給路内で調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が大きくなることを意味し、これは回転速度の上昇とトルクの増加、それによる出力の増加を意味する。回転方向に向いた「内側」媒体供給路内で調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が小さくなることを意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0150】
・また、「内部」媒体供給路が回転方向に向いている場合の追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイールの回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップが「開」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が増加し、すなわち、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップが「閉」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0151】
・回転方向とは反対の方向に向いた「外側」媒体供給路内で調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールが減速されることを意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。回転方向とは反対の方向に向いた「外側」媒体供給路内で調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が通常のものになることを意味し、これは対応する回転速度と通常のトルク、それによる通常の出力を意味する。
【0152】
・また、「外部」媒体供給路が回転方向とは反対の方向に向いている場合の追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイールの回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップが「閉」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が増加し、すなわち、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップが「開」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0153】
上記の組み合わせは、「内部」媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向き、他方で「外部」媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向くように逆に配置することもできることは言うまでもない。
【0154】
・「回転方向に」とは、各媒体供給路内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の加速が可能になる配置である。「回転方向とは反対の方向に」とは、各媒体供給路内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の減速が可能になる配置である。追加負圧発生装置の回転速度とトルクは、媒体供給路を流れる媒体の物質特性に加えて、調整フラップの開位置(「開」)と閉位置(「閉」)の度合いに左右される。
【0155】
・回転方向とは反対の方向に向いた「内側」媒体供給路内で調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールが減速されることと意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の減少を意味する。回転方向とは反対の方向に向いた「内側」媒体供給路内で調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が通常のものになることを意味し、これは対応する回転速度と通常のトルク、それによる通常の出力を意味する。
【0156】
・また、「内部」媒体供給路が回転方向とは反対の方向に向いている場合の追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイールの回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップが「閉」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が増加し、すなわち、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップが「開」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0157】
・回転方向に向いた「外側」媒体供給路内で調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が大きくなることを意味し、これは回転速度の上昇とトルクの増加、それによる出力の増加を意味する。回転方向に向いた「外側」媒体供給路内でフラップを「閉」に調整することはコンバーターホイールに対する反発力が小さくなることを意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0158】
・また、「外部」媒体供給路が回転方向に向いている場合の追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイールの回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップが「開」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が増加し、すなわち、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップが「閉」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0159】
更に、例えば、外側又は内側の環状配置において、(調整フラップと共に)追加負圧発生装置の回転方向又は回転方向とは反対の方向において、若しくは回転方向と回転方向とは反対の方向とにおいて交互に媒体の流入につながり、それによって媒体の流入の外側減速効果又は内側加速効果、若しくは内側減速効果又は外側加速効果と、それによる追加負圧発生装置の回転速度の外側減速効果又は内側加速効果、若しくは内側減速効果又は外側加速効果につながる媒体ラインを設けてもよい。ここでの動作態様は上記の説明から導かれる。
【0160】
上述のすべての変形例及び実施形態における本発明による装置は、エネルギー供給の面で完全に自律的に動作させることができ、これは本発明の好適な実施形態と見なすことができる。そのために、本装置は、好ましくはマストを通って全体外形内に引き回された電線を介して、エネルギー獲得・伝送装置に接続される。この電線は追加負圧発生装置の駆動モーターに接続される。このエネルギー獲得・伝送装置は太陽エネルギー獲得・伝送装置であることが好ましく、太陽光発電設備、太陽電池パネルシステム、又は同様のシステムであってもよい。水や波のエネルギーを媒体として用いる場合、この技術分野で利用可能なエネルギー獲得・伝送装置を用いてもよい。同じことが各媒体に専用のすべてのエネルギー獲得・伝送装置に当てはまる。
【0161】
更に、上述のすべての変形例による装置は、少なくとも1つ又は複数の電気エネルギー貯蔵・供給装置に接続されていることが好ましい。そのような装置は少なくとも1つのいわゆる発電所、少なくとも1つの蓄電池、少なくとも1つの蓄電池パック、又は同様のものであってよい。この種の複数の装置を互いに機能的に接続する場合、それは電線によって実行できる。少なくとも1つの電気エネルギー貯蔵・供給装置は、例えば、部分的にマスト内を延伸する電線を介して、全体外形内に配置された発電機に接続される。この接続の結果として、発電機によって生成された(電気)エネルギーは電気エネルギー貯蔵・供給装置に貯蔵することができる。これにより、任意の消費者に(電気)エネルギーを供給することができる。更に、電気エネルギー貯蔵・供給装置を追加負圧発生装置に割り当てられた発電機に上述のやり方で接続してもよい。その結果、例えば、タービンホイールとその発電機を介したエネルギーの入力がオフになっているために、エネルギーの入力が追加負圧発生装置、例えば、コンバーターホイールと当該装置の発電機によってのみ行われる場合、電気エネルギー貯蔵・供給装置は追加負圧発生装置の回転によってのみ給電されるようにできる。更に、電気エネルギー貯蔵・供給装置にタービンホイールと発電機によって生成されるエネルギーに加えて又はその代りにエネルギー獲得・伝送装置によるエネルギーも供給できるように、エネルギー獲得・伝送装置が電線を介して電気エネルギー貯蔵・供給装置に直接接続されてもよい。同様に、追加負圧発生装置、例えば、コンバーターホイールとそれに割り当てられた発電機によって電気エネルギー貯蔵・供給装置へのエネルギーの入力を確保することが従来の調整によって可能である。このような設計実施形態により、既存の又は予想される環境条件又は気候条件を考慮できる本発明による装置は多機能に動作できる。例えば、媒体が風で、風が小康状態か弱い場合、タービンホイールを追加負圧発生装置によって発生する負圧を介して回転状態にすることができ、かつ発電機を介して追加負圧発生装置によって生成されるエネルギーの一部をいずれの場合でも電気エネルギー貯蔵・供給装置に再供給できるように、追加負圧発生装置、例えば、コンバーターホイールを、例えば、少なくとも1つのエネルギー獲得・伝送装置及び追加負圧発生装置の駆動モーターに少なくとも1つのエネルギー獲得・伝送装置によって又はそれを介して供給されるエネルギーによって回転状態にすることができる。更に、風が小康状態又は弱い場合でも、負圧を発生させることによって十分な風流動を生成しその風流動を利用してエネルギーを生成することができる。又は、上記のように、媒体が過剰に流動する場合、媒体の流動の外に本装置を完全に又は部分的に旋回させ、それにもかかわらずエネルギーを獲得し既に貯蔵されたエネルギーを利用する機能を維持することが可能である。同じことが弱い風にも当てはまり、それによって弱い風を最適に利用することができる。例えば、追加負圧発生装置を弱い風に断続的に順応するように利用することができる。
【0162】
上記の全ての変形例及び実施形態における本発明による装置が、端部側開口部の領域に、又は流動方向に見てタービンホイールの手前又は追加負圧発生装置の手前に、好ましくは交換可能なルーバー、メッシュ、ネット、又は開口部付きマットなどを備えるように設計されれば特に好都合である。これにより、媒体内の汚れの粒子、昆虫、その他の望ましくない物質を濾過することができる。その結果、媒体がより純粋になるだけでなく、例えば、粒子が本装置の部品を塞いだり破損させたりすること、又は、鳥が入口体に侵入することがおおむね回避される。
【0163】
以下で本発明を例示的な実施形態を用いてより詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されない。図において、
【0164】
図1、
図1a及び
図1bは基本的な形態の本発明による装置を斜視図で示し、
【0165】
図2、
図3及び
図3a~3cは、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向いた、「外側加速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の外側に調節フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態を斜視図で示し、
【0166】
図4、
図5、
図6及び
図6a~6cは、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、「外側減速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の外側に調節フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態を斜視図で示し、
【0167】
図7、
図8、
図9及び
図9a~9cは、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向いた、「内側加速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の内側に調節フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態を斜視図で示し、
【0168】
図10、
図11、
図12、及び
図12a~12cは、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、「内側減速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の内側に調節フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態を斜視図で示し、
【0169】
図13、
図14、
図15、及び
図15a~15cは、媒体供給路がそれぞれ追加負圧発生装置の回転方向に向いた、「内側加速及び外側加速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の内側及び外側に調節フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態を斜視図で示し、
【0170】
図16、
図17、
図18、及び
図18a~18cは、媒体供給路がそれぞれ追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、「内側減速及び外側減速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の内側及び外側に調節フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態を斜視図で示し、
【0171】
図19、
図20、
図21、及び
図21a~21cは、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向いた、「内側加速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の内側に調節フラップ及び媒体供給路を有し、また、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、「外側減速」調整フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の外側に調整フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態を斜視図で示し、
【0172】
図22、
図23、
図24、及び
図24a~24cは、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、「内側減速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の内側に調節フラップ及び媒体供給路を有し、また、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向いた、「外側加速」調整フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の外側に調整フラップ及び媒体供給路を有する本発明による装置の実施形態を斜視図で示し、
【0173】
図25及び
図25aは、外側加速及び内側減速調整、又は外側減速及び内側加速調整のリングダクトを備えたタイプの本発明による装置の実施形態を斜視図で示し、
【0174】
図26及び
図26a~26cは、斜めの開口部を有する調整ディスクを備えたタイプの本発明による装置の実施形態を斜視図で示し、
【0175】
図27a及び27bは追加負圧発生装置の構造と機能を斜視図で示す。
【0176】
例示的な実施形態1までの以下の説明はすべての例示的な実施形態に当てはまり、従ってすべての例示的な実施形態の概要を表すものである。
【0177】
本装置1は要求条件に応じて異なる位置で組み立て可能であることを指摘する。エネルギーコンバーター1の縦軸は鉛直又は水平に合わせられることが好ましい。
【0178】
図1、
図1a及び1bは本発明が基づくエネルギーコンバーターの基本構成を示す。
図1、
図1a及び1bは原理として以下の
図2から26までのすべての例示的な実施形態に当てはまる。従って、それらの例示的な実施形態の詳細を説明する際は、繰り返しを避けるためにこの基本構成については詳細に説明しない。
図1、
図1a及び
図1b内の構成要素が上記の一般的先行技術から公知である場合、それを指摘する。
【0179】
【0180】
外形部113は追加負圧発生装置50、すなわち、コンバーターホイール50に向かう方向に延在する。全体外形112はまた、コンバーターホイール50から発して外形部113に面していない側につながり、同時に発電機と駆動空間を覆う働きをする別の外形部114を備える。全体外形112は、好ましくは水平に延びる縦軸と同軸上に、又は追加負圧発生装置50の中心部47と同軸上に配置されている。
図1a及び
図1bに示されるエネルギーコンバーターの実施形態はマスト123上に載置されている。これは公知である。
【0181】
図1、図 4、図 7、図 10、図 13、図 16、図 19、及び図 22は装置1の旋回機能を示している。媒体の流入110のための外形部113の突出開口部101の大きさが増加又は減少するため、エネルギーコンバーターの出力が旋回機能を用いて調整される。全体外形112が流入110の外に完全に旋回すると、以下に更に説明する駆動モーター57(自体公知)が追加負圧発生装置50の回転と、それによる、負圧によって引き起こされ上記の流入110及びタービンホイール80から独立した媒体の流動を確保しない限り、当該設備は静止する。従って、全体外形112の旋回性は外形部113の内部に流入する媒体の入射流動角を左右する。本明細書で言及される図面内の旋回方向は参照符号110a、110b、及び110cによって示される。110aは鉛直軸を中心とした本装置の旋回を示し、110bは鉛直軸から偏心した本装置の旋回を示し、110cは空間軸の回りの本装置の旋回を示す。
【0182】
旋回性の一次機能により装置1の流動方向110の内外への迅速な旋回が可能になる。旋回性には様々な二次機能が連結している。具体的には以下の機能である。
【0183】
・エネルギーコンバーターをある角度で旋回させることにより現在の流動エネルギーの最適利用を確保する。
・旋回角度の修正が常時実行され、その結果、現在の流動エネルギーのより適切な利用が可能になる。
・流動エネルギーの付随する平滑化により発電機の電流ピークが小さくなるため、ピークの「上限を設ける」必要がなくなる。
・これは電流収量の増加とそれによる効率の上昇を意味する。
・複数の発電機を使用できるため、エネルギーコンバーターを旋回させる結果として、電流要件に応じて個々の発電機をオン又はオフにすることができる。
・同様にこれは現在の流動エネルギーの最適な利用を意味する。
・更に、旋回性は装置1の部品を破壊から保護する役割を果たす。
【0184】
入射流動角及び入射流動角自体の調整は追加負圧発生装置50及びタービンホイール80の回転速度及びトルクを直接左右する。本装置の旋回可能な設計実施形態の結果として、コンバーターホイール及びタービンホイールの回転速度及びトルクを調整する手段が本発明によって実現される。旋回性は自体公知の方法で、特に電動で実現することができる。
図1a及び
図1bに示すような、各媒体、例えば、風向105からの風の全体外形112上の循環流106はコンバーターホイール50に対する(の中に)負圧につながり、これによる(以下により詳細に説明する)反発力が追加負圧発生装置50の回転速度を左右する。これは、流動方向から見てタービンホイール80の手前の圧力が増加し、従ってタービンホイールへの流入流量が増加するという結果をもたらす、すなわち、旋回性によって出力の調整が可能になる。
【0185】
全体外形112は、流動106がその外形上で加速されるようにその外形が作られた、流れを最適化する成形部品であり、航空機の翼の外形と同様、公知のように全体外形112の上側に負圧が発生する。外形部112は、(航空機の翼と同様に)軸方向の流動の結果としてコンバーターホイール50の領域に負圧が発生するように設計されている。この負圧は、コンバーターホイール50内の媒体、例えば、空気がコンバーターホイールの中心から外側に向かって流れ、コンバーターホイール50の案内羽根を通って回転方向とは反対の方向に流出し、これにより、コンバーターホイールを回転状態にする反発力(線形運動量の原理)が発生するという効果をもたらす。このように、負圧はコンバーターホイールの内部で伝播し、同様にタービンホイールの背後の領域内でも伝播する。タービンホイールの手前の領域113は外圧62によって直ちに「均圧化」される。
【0186】
公知のように、全体外形112の中心に固定されるオプションの外側外形リング115はその外側に循環流108が与えられ、その内側に循環流107が与えられる。循環流107は流動106を後押しし、これにより流動106の流量を増加させる。循環流106、107、108はすべて「流出」風流動111の方向につながる。流入する風流動の風方向は参照符号105で示される。流量が増加した流動106は追加負圧発生装置50から流出する空気を同伴する、従ってコンバーターホイール50からの流出109を加速させる。この流出109によりコンバーターホイール50内に負圧が発生し、それによってタービンホイール80の背後の圧力差が一層増加する。その結果、管状部100への流入流量110が増加する。
【0187】
上で既に説明したように、コンバーターホイール50からの流出109はコンバーターホイール50に対する反発力を発生させ、コンバーターホイール50を回転状態にする。このエネルギーは、例えば、ギアボックス117を介して、補助発電機116に供給し電気エネルギーに変換することができる。この過程において、媒体は非回転成形ディスク51cの少なくとも1つの補助流路51を通って追加負圧発生装置50、例えば、コンバーターホイール50に入る。なお、ほぼリム状に配置された複数の補助流路51が
図1a、
図1bに示されている。
【0188】
回転方向に関しては、次のことが
図1~26に示される例示的な実施形態のすべてに当てはまる。すなわち、各図において、追加負圧発生装置50、例えば、コンバーターホイール50の回転方向50aは正面から見て左に向かって回転するように示されている。横に反転するように具現化されたコンバーターホイールでは、回転方向は正面から見て右方向となる。この場合、必要なすべての部品も横に反転して具現化される。この場合、説明したような機能態様が維持される。これは、加速は加速のままであり、減速は減速のままであることを意味する。それらの部品が横に反転して具現化されない場合、機能態様は変化する。つまり、加速は減速になり、減速は加速になる。
【0189】
公知のように、
図1、
図1a、及び
図1bに示される本装置の実施形態は、とりわけ追加負圧発生装置の、従っていわゆるコンバーターホイール50の機能部品及びエネルギーを生成するためのタービンホイール80の機能部品を収容する外形部113、114を備えた全体外形112を備える。外形部114は更に、外形部113のケーシング内に配置されたタービンホイール80にタービンシャフト81を介して接続された少なくとも1つの発電機85などの他の機能部品を収容している(例えば、
図0-3、
図1)。タービンホイール80の運動エネルギーは効率よくタービンシャフト81に伝達される。例えば、タービンシャフト81の高い回転速度はギアボックス82を介して低減され、それに応じてトルクが増加する。ギアボックス82は発電機85の入力に接続されている。外形部114は更に、コンバーターホイール50用の駆動モーター57と、ギアボックス117を介して駆動モーター57に接続された補助発電機116とを収容する。駆動モーター57の回転は当業者に利用可能な任意の手段によってコンバーターホイール50に伝達される。追加負圧発生装置50は各媒体の流入方向110に見てタービンホイール80の背後に配置されている。図示されたこの実施形態を更にいわゆる揚水発電所として使用することもできる。発電所の作業員は専念して必要なこの追加出力を生成しなくてもよい。コンバーターホイール50と符号80で示されるタービンホイールは回転可能に取り付けられ、タービンホイール80はタービンシャフト81に共回転的に接続されている。タービン軸81の回転中に電気エネルギーを生成する発電機85は、タービンホイール80とは反対のタービンシャフト81の側に共回転的に組み付けられている。
【0190】
これらのすべての機能部品をマスト123の中に、又は別の場所に配置することもできる。
【0191】
外形部113は供給ダクトの働きをする管状部100を収容することができる。各媒体は、同時に供給ダクト100の開口部である外形部113の端部側開口部101(
図1、
図1bを参照)を通って供給ダクトの内部に流入しタービンホイール80に達するまで流動することができる。公知のように、タービンホイール80は端側開口部101とは反対の供給ダクトの側に隣接している。流入方向は
図1、
図1a、及び
図1bの参照符号110で示されている。
【0192】
ただし、
図1、
図1bに示すように、供給ダクトの働きをするこのような管状部100は1つのオプションにすぎない。以下に更に説明する媒体供給路により、本発明はそのような供給ダクトを不要にすることができる。
図1、
図2などに示される例示的な実施形態はすべて、例えば、
図1の破線によって、そのような供給ダクト100を示唆しているだけである。これは図面の詰め込み過ぎを回避することに大きく関係している。しかしながら、それらの実施形態がいずれもそのような供給ダクトを備えてもよいことは強調しておかなければならない。供給ダクトの有無の違いは、とりわけ、供給ダクト100が存在する場合、各媒体の体積流動40(
図27bを参照)が(体積流動40は参照符号110で示される媒体の流入方向によっても表されている)供給ダクト100を通ってタービンホイール80に向かって流れ、更にリングダクト41(
図27bを参照)を経由してコンバーターホイール50まで流れるのに対し、供給ダクト100がない場合、各媒体は外形部113の端部側開口部101を通って外形部113の空隙に流入し、そしてタービンホイール80更に追加負圧発生装置50に向かって流れる(
図1、
図1a、
図1bを参照)ということにある。
【0193】
図1a、
図1bの円錐状に拡大する形状を有する公知の成形部品90は、外形部113の内部の端部領域又は追加負圧発生装置50に面する管状部100の内部の端部領域に位置している。成形部品90から半径方向外側に向かって延伸する案内羽根部91(
図0-2、0-4)は、図示された例示的な実施形態において、円周方向に互いに均等な間隔をおいて配置され追加負圧発生装置50に面する円錐形の成形部品90の端部領域に固定されている。これは公知である。案内羽根部91は案内羽根アセンブリを形成する。
図0-4から特にはっきり分かるように、成形部品90に面していない案内羽根部91の領域94は、案内羽根部91の軸方向に延びる領域95に対して成形部品90の周方向に角度が付けられていることが好ましい。図示された例示的な実施形態における案内羽根部91はタービンホイール80の回転方向に向くように湾曲している。タービンシャフト81に共回転的に接続されたタービンホイール80は案内羽根アセンブリに隣接している。タービンホイール80の羽根部87は成形部90から発電機85側に向かって延び、案内羽根部91の領域94に対向するようにタービンホイール80の周方向に傾斜している。これにより、タービンホイール80の特に効果的な回転が実現される。
図0-4は反時計回り方向に90°回転させたアセンブリを示している。
【0194】
上記の一般的先行技術によるコンバーターホイール50(
図0-4b)が互いに平行に配置されそれぞれ回転可能である2つの円形ディスク51a及び51bを備えているのに対し、本発明は、コンバーターホイール50は確かに依然回転可能な円形ディスク51aを備えているが、円形ディスク51aは非回転成形ディスク51cに置き換えられているという点で別の道をたどっている(
図1a、
図1b、
図27a、27b、
図1b、
図2、
図3、3b、
図6、6b、
図8、
図9、9b、
図11、
図12、
図12b、
図14、
図15、15b、
図17、
図18b、
図20、
図21b、
図23、
図24b)。
【0195】
図27a、27bは、本発明による追加負圧発生装置50、例えば、コンバーターホイール50の構造の詳細を示している。既に述べたように、追加負圧発生装置50、すなわち、コンバーターホイール50は本装置の全体外形112の上述の入口体113の中に配置されている。コンバーターホイール50は、平行に互いに間隔をおいて配置された2つの円形ディスク51a、51b(
図0-4を参照)ではなく回転式の円形ディスク51aと各媒体の流入方向110に見て前側に回転式円形ディスク51aから間隔を置いて配置されその例示的な実施形態が
図27bに示された非回転成形ディスク51cを備えている。これは上記の一般的先行技術に対する有効な新規性を表す。それは、この非回転特性が、とりわけ、既に説明した追加負圧発生装置を加速又は減速する特定の補助流路と、加えて、以下に更に説明されるような媒体供給路を可能にするからである。本明細書における媒体は非回転成形ディスク51cの少なくとも1つの補助流路51を通って追加負圧発生装置50、例えば、コンバーターホイール50に入る。ほぼリム状に配置された複数の補助流路51が
図1a、
図1bに示されている。非回転前側成形ディスク51cは、例えば、
図1bに示すように、全体外形112の入口体113の固定された構成部品であってもよく、又は入口体113の中で固定されてもよい。この成形ディスク51cは追加負圧発生装置50の縦軸から外側に向かって弓状に延び、弓状の外形は外側方向に徐々に平らになっている。追加負圧発生装置50、すなわち、コンバーターホイール50は、各媒体の流入方向110に見て後側に前側成形部品51cから間隔をおいて配置された回転可能成形ディスク51aを備える。これは、
図1b、
図3b、
図6b、6c、
図9b、9c、
図12b、12c、
図15b、15c、
図18b、18c、
図21b、21c、
図24b、24cから導き出される。
【0196】
参照される
図27a及び27bから分かるように、前側非回転成形ディスク51cと後側円形ディスク51aとの間には、ダクト48及びバッフル44、羽根アセンブリ、タービンホイール80用の取付具(図示せず)を備えた内側入口ダクト41、及びコンバーターホイール50用の軸受フランジ用のレセプタクル軸受(図示せず)が配置されている。非回転前側成形ディスク51cは内側入口ダクト41を有する。この内側入口ダクト41は成形ディスクにフランジ装着してもよく、又は全体外形112の入口体113の固定した構成部品であってもよく、又は入口体113の中に固定してもよい。この入口ダクト41に加えて、成形ディスク51cは、各媒体が非回転前側ディスク51cと回転可能後側円形ディスクとの間に配置されたダクト48に流入できるようにする少なくとも1つの補助流路51、好都合には、複数の流路51d~51n(
図27bには図示せず)を有する(
図1b、
図3b、
図6a、6b、6c、
図9a、9b、9c、
図12a、12b、12c、
図15a、15b、15c、
図18a、18b、18c、
図21a、21b、21c、
図24a、24b、24c、
図25、
図26b、26cを参照)。図示された例示的な実施形態における流路51d~51nは、
図3a、3c、
図6c、
図9a、9c、
図12a、12c、
図15a、15c、
図18a、18c、
図24a、24c、
図25、
図26b、26cにおいて成形ディスク51cの外周上にほぼリム状に配置されており、これらの図に関する説明の文脈でより詳細に説明する。
【0197】
図27aは、円周方向に互いに等間隔に配置されたダクト48がそれぞれコンバーターホイール50の中心部47から半径方向外側に向かって延びていることを示している。これらのダクトはコンバーターホイール50の外径の直前でコンバーターホイール50の回転方向とは反対の方向に好ましくは約90度の角度を有する。ここでのダクト48はコンバーターホイール50の環状ハブ部54を囲む共通の環状前室46内に半径方向内側に向かって開口している(
図27a)。同様に、ハブ部54は非回転成形ディスク部51cに面するその領域を介してコンバーターホイール50の縦軸から外側に向かって弓状に延びている。その結果、前室46からダクト48への媒体のとりわけ積極的で乱流のない流動が確保される。
【0198】
個々のダクト48はいずれもバッフル44及び45によって形成されている。バッフル44及び45は、
図27aに示されるように、それぞれ環状前室46から外側に向かって直線的に延び、ダクト48を形成するために、ほぼ半径方向外側に向かって延びるダクト48の領域43が隣接する2つのバッフル44と45の間の直線領域内に形成され、半径方向外側に向かって延びる領域43に対して好ましくは直角に延びる領域42がバッフル44と45の角度を付けた端部領域の間に形成されるように、角度が付けられている。
【0199】
図3a、3b、
図6b、
図9a、9b、
図12a、12b、
図15a、15b、
図18a、18b、
図24a、24b、
図0-4aに示す回転方向50aへの駆動モーター57によるコンバーターホイール50の回転中(
図0-3参照)、又は、端部側開口部101(
図1bを参照)を通って入口体113(
図1b、
図2、
図3、
図6、
図7、
図8、
図9、
図10、
図10、11、
図12などを参照)に入る風向105での媒体、例えば、風の流入110の結果として、ダクト48内の媒体は回転速度nでの回転運動の結果として遠心力Fz1(
図27a)を受ける。
【0200】
この遠心力Fz1は、本発明の文脈においても、半径r1における周速v1及び媒体の質量mによって決まる。遠心力の公式は以下の通りである。
【0201】
【0202】
本発明の文脈における周速の公式も以下の通りである。
v1 = 2・r1・π・n
【0203】
遠心力Fz1はダクト48内の媒体を外側に向かって押し出す。ダクト48の直角の湾曲部の直前の半径r2においては、本発明の文脈においても以下のことが遠心力に当てはまる。
【0204】
【0205】
遠心力Fz2は質量mの媒体を速度v3まで加速させるが、ここでは摩擦損失を考慮する必要がある。この時点における、すなわち、ダクト48の湾曲部の直前における質量mの媒体の運動エネルギーは本発明の文脈においても以下の通りである。
【0206】
【0207】
媒体はダクト48の湾曲部により回転方向とは反対の方向に偏向され、湾曲部を通過した後、摩擦損失により速度v3よりも低い速度v4が与えられる。それによって生じる運動エネルギーは本発明の文脈においても以下の通りである。
【0208】
【0209】
媒体は本発明の文脈においても運動エネルギーW4を持ってコンバーターホイール50から出る。この過程で同じエネルギーを持つ反発力が発生する。このエネルギーはコンバーターホイール50の駆動を助ける。
【0210】
上記の過程において、本発明の文脈においても、大気外圧62が媒体を追加負圧発生装置50の手前で加速し、参照符号41(
図27a、27b)で示される内側入口ダクトを介して追加負圧発生装置50に供給するという効果をもたらす負圧が前室46内に発生する。圧力差は、駆動モーター57及び/又は流入110によって駆動されるコンバーターホイール50の回転速度を増加させることによって増加させることができる。
【0211】
コンバーターホイール50が駆動モーター57によって、及び/又はコンバーターホイールへの媒体の流入110によって回転状態にされると、コンバーターホイール50のダクト43内の媒体は本発明の文脈においても
図27aを参照して説明したように外側に向かって押し出される。これが内側入口ダクト41内に回転可能に配置されたタービンホイール80の下の領域に負圧が発生する理由である。このことは、この負圧と入口体113の内部又は管状部100の内部の現在の大気圧62により媒体が入口体113(
図1bを参照)の内部から、又は管状部100(
図1aを参照)から案内羽根部91の間に形成されたダクトを通って羽根部87に向かう方向に流出するという結果を本発明の文脈においてももたらす。タービンホイール80は本発明の文脈においてもこの過程で回転状態にされ、その回転はタービンシャフト81を介して発電機85に伝達され、発電機85はその回転に応じた電気エネルギーを生成する。
【0212】
体積流動40は、本発明の文脈においても最適な圧力がタービンホイール80の羽根部87にかかるように成形部90によって偏向される。
【0213】
コンバーターホイール50のダクト48の形状、寸法、及び数量、並びに全体外形112、入口体113、外形部114、管状部100、及びエネルギーコンバーターの他のすべての部品の大きさは、本発明の文脈においても、エネルギーコンバーター1の有効性、立地、及びその他のパラメータの観点から決定及び最適化することができる。
【0214】
本発明は高層ビル等の屋根の上での組み立てに特に適している。本装置は、図から分かるやり方でマスト123などの上に組み立てられることが好ましい。
【0215】
コンバーターホイール50の特定の回転速度は、本発明の文脈においても、駆動モーター57によって差別化された方法で生成することができる。そのために、任意の公知の制御システムを使用することができる。この差別化された回転速度はタービンホイール80の手前の流入110を左右し、異なる媒体速度、例えば、異なる風速においてタービンホイール80を最適な範囲で動作させるという目的に資する。これは案内羽根の調整やタービン羽根の調整が不要であることを意味する。既に上で説明したように、タービンホイール80のエネルギーはギアボックス82を介して発電機85に供給される。
【0216】
更に、
図1から、そこに示された例示的な実施形態はエネルギー面で完全に自律的に動作でき、本発明の好適な実施形態と見なすことができることが分かる。そのために、装置1はマスト123を通って外形部114内に導かれる電線126を介してエネルギー獲得・伝送装置125に接続される。それにより、追加負圧発生装置50の駆動モーター57への電線126(図示せず)の接続が確立される。この例示的な実施形態におけるエネルギー獲得・伝送装置は太陽エネルギーを獲得及び伝送するものであり、太陽光発電設備、太陽電池パネルシステム、又は同様のシステムかもしれない。水や波動エネルギーを媒体として用いる場合、この装置は当該技術分野で利用可能なエネルギー獲得・伝送装置であってよい。同じことが各媒体に専用のすべてのエネルギー獲得・伝送装置に類似した方法で当てはまる。
【0217】
装置1は更に、少なくとも1つの電気エネルギー貯蔵・供給装置127.1、127.2、…127.nに接続される。これは少なくとも1つのいわゆる発電所、少なくとも1つの蓄電池、少なくとも1つの蓄電池パック、又は同様のものであってもよい。この種の複数の装置を機能的に接続する場合、これは電線130によって実行できる。少なくとも1つの電気エネルギー貯蔵・供給装置127.1、127.2、…127.nは、その一部がマスト内を延伸する電線を介して外形部114内に配置された発電機85(図示せず)に接続される。この接続の結果として、発電機85によって生成された(電気)エネルギーは電気エネルギー貯蔵・供給装置127.1、127.2、…127.nに貯蔵することができる。これにより、任意の消費者に(電気)エネルギーを供給することができる。更に、電気エネルギー貯蔵・供給装置127.1、127.2、…127.nを追加負圧発生装置に割り当てられた発電機116にも上述のやり方で接続することができる。その結果、例えばタービンホイール80とその発電機85を介したエネルギーの入力がオフになっているために、エネルギーの入力がコンバーターホイール50とコンバーターホイール50の発電機116を介してのみ行われる場合、電気エネルギー貯蔵・供給装置127.1、127.2、…127.nを追加負圧発生装置の回転によってのみ給電することができる。更に、電気エネルギー貯蔵・供給装置127.1、127.2、…127.nにもタービンホイール80と発電機85によって生成されるエネルギーに加えて又はその代りにエネルギーを装置125によって供給できるように、エネルギー獲得・伝送装置125を電線129を介して電気エネルギー貯蔵・供給装置127.1、127.2、…127.nに直接接続してもよい。同様に、コンバーターホイール50及びそれに割り当てられた発電機116によって電気エネルギー貯蔵・供給装置127.1、127.2、…127.nへのエネルギーの入力を確保することが従来の調整によって可能である。従って、この設計実施形態によって既存の又は予想される環境条件又は気候条件を考慮できる装置1の多機能動作が可能になる。例えば、媒体が風であり、例えば、現在小康状態が存在する場合、タービンホイール80を追加負圧発生装置50によって発生した負圧によって回転状態にすることができ、かつタービンホイール80によって生成されたエネルギーの一部を電気エネルギー貯蔵・供給装置127.1、127.2、…127.nに再供給できるように、コンバーターホイール50を、例えば、装置125、127等及び装置125、127等によって又は介して駆動モーター57に供給されるエネルギーによって回転状態にすることができる。小康状態であっても、このように負圧を発生させることによって十分な風流動を発生させ、その風流動を利用してエネルギーを生成することができる。又は、上述のように、流動が過剰である場合、本装置を媒体の流動の外に完全に又は部分的に旋回させ(110a, 110b, 110c)、それにもかかわらずエネルギーを獲得し既に貯蔵されたエネルギーを利用する機能を維持することが可能である。同じことが弱風にも当てはまり、弱風を最適に利用することができる。例えば、追加負圧発生装置50を弱風に断続的に適応するように利用することができる。
【0218】
太陽エネルギー獲得・伝送装置125及び電気エネルギー貯蔵・供給装置127の利用の可能性が
図1の例示的な実施形態の文脈においてのみ言及されている。しかしながら、この可能性は
図2から27bを参照して説明される例示的な実施形態のすべてに当てはまる。図面内の記載が過剰になるのをもっぱら避けるために図の繰り返しを省略している。
【0219】
以下に本発明による装置の設計実施形態を
図2から
図27bの関連する例示的な実施形態を用いてより詳細に説明する。その中で、(非回転成形ディスク51cを備えた実施形態における)追加負圧発生装置50、例えば、コンバーターホイール50と少なくとも1つの媒体供給路及び1つの調整フラップとの相互作用が示される。
【0220】
例示的な実施形態1
【0221】
図1と共に
図2、3、3a、3b、及び3cの例示的な実施形態は、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向いた、「外側加速」調節フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の外側に調節フラップ及び媒体供給路を有する装置1を斜視図で示す。「外側加速」配置の好ましい用途は、流量が少ない場合及び流量の変化が激しい場合である。
【0222】
装置1はその外形部113及び114を備えた全体外形112を備える。
【0223】
オプションの供給ダクト100が外形部113の内部に配置され、その空間幾何学的位置が
図1の図「Z」内の破線で示されている。供給ダクト100の設計実施形態及び動作態様は上記の図の説明の導入部分で説明したので、それを参照されたい。
【0224】
この例示的な実施形態では、4つの外側流入フード113aが外形部113という外側ケーシング上に互に同じ間隔で配置されている(
図1、3、3a)。流入フード113aは外側ケーシング113(
図3b)の中の物質間隙を覆い、それぞれ1つの入口53eと1つの調整フラップ53fとを有する同じく4つの媒体供給路53の流動方向110に見た前端部を収容している。これらの媒体供給路は入口体113の流入ダクト内で延伸するように配置されている。なお、流入フード113aはオプションであること、すなわち、この例示的な実施形態が流入フード113aを備えずに媒体供給路53が入口体113の流入ダクトの端部側開口部101(
図1b)を介して媒体を直接受け取ることもできることを指摘しておかなければならない。
【0225】
4つの媒体供給路53の流動方向110に見た後端はそれぞれ追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cにつながっている。非回転成形ディスク51cにつながった媒体供給路53は追加負圧発生装置50の回転方向50aの外側に配置され、追加負圧発生装置50の回転速度に対して加速効果をもたらす。従って、他の媒体供給路と区別するために、それらを具体的に参照符号53aで示す(
図2、
図3b)。
【0226】
各媒体、例えば、風105は、その流動方向110と一致する流入フード113aの開口部を経由し入口53e及び調整フラップ53fを通って4つの媒体供給路53に流入し、追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cに向かう(
図3b)。
【0227】
媒体供給路53は入口体113の流入ダクト内の外側領域に配置され、流入ダクトと同様、追加負圧発生装置50に向かって軸方向に延伸している。供給ダクト100が存在する場合、「外側」領域、又は同義である「外側」は、媒体供給路53が入口体113の内壁と供給ダクト100の外壁との間を追加負圧発生装置50に向かって延伸していることを意味する。そのような供給ダクトを設けない場合、これらの用語は、媒体供給路53が入口体113の内壁に向かってかなり離れて配置されること、また、軸方向に見て入口体113のより中心の領域、従って「内側」領域、又は同義である「内側」が、少なくとも1つの(補助)媒体供給路53b、53dを、それらの媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向くように収容できることを意味する。
【0228】
「回転方向」に向いた外側媒体供給路53の配置は
図3bから分かる。非回転成形ディスク51cに達する媒体供給路53aの端部は追加負圧発生装置の回転方向に向くように位置合わせされており、これは矢印50aによって確認される。これにより、媒体供給路53aを流れる媒体はコンバーターホイールの回転が促進されるようにコンバーターホイールにぶつかり、それによって回転速度が増加する。このように、各媒体供給路53a内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の加速が可能になる。
【0229】
図3bは、追加負圧発生装置50の回転方向に向いた、入口体113の端部側開口部に面していない少なくとも1つの媒体供給路53aの端部を示している。これは、各媒体が追加負圧発生装置の回転方向において媒体供給路を介して当該装置に供給される時当該装置の回転速度を加速するのに寄与する媒体供給路の位置である。
【0230】
この過程において、媒体は
図3cに示す追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51c内の4つの流路51dを通過する。これにより、媒体は
図3bに示され回転可能円形ディスク51aと非回転成形ディスク51cとの間に配置されたダクト48に到達し、上で詳細に説明したようにバッフル44によって外側に向かって誘導される。
【0231】
また、追加負圧発生装置の回転速度とトルクは、媒体供給路を流れる媒体の物質特性に加えて、
図2及び
図3bに示される調整フラップ53fの開位置(「開」)と閉位置(「閉」)の度合いに左右される。
【0232】
調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が大きくなることを意味し、これは回転速度の上昇とトルクの増加、それによる出力の増加を意味する。調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が小さくなることを意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0233】
また、追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイール80の回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップ53fを「開」位置にするとタービンホイールに対する圧力が増加し、すなわち、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップ53fを「閉」位置にするとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0234】
図3aから分かるように、コンバーターホイールはタービンホイール80よりも大きな直径を有する。タービンホイール80は、本発明の文脈においても、最適な圧力(図示せず)がタービンホイール80の羽根部87にかかるように、媒体の体積流動40を偏向する成形部品90に流動方向110に見て隣接するように公知のやり方で配置される。供給ダクト100が設けられる場合、タービンホイール80及び成形部品90は流動方向110に見て供給ダクト100の後端に囲まれる。そうでない場合、タービンホイール80及び成形部品90は、流動方向110に見て外形部113内部の追加負圧発生装置の環状中心部47の中で固定される(
図3a)。
【0235】
例示的な実施形態2
【0236】
(
図1と組み合わせた)
図4及び
図5、
図6、
図6a~6cの例示的な実施形態は、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、「外側減速」調整フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の外側に調整フラップと媒体供給路とを有する装置1の実施形態を斜視図で示している。「外側減速」配置の好ましい用途は、流量が多い場合及び流量の変化が激しい場合である。
【0237】
装置1はその外形部113(入口体)及び114を備えた全体外形112を備える。
【0238】
オプションの供給ダクト100が外形部113の内部に配置され、その空間幾何学的位置が
図1に破線で示されている。供給ダクト100の設計実施形態及び動作態様は上記の図面の説明の導入部分で説明したので、それを参照されたい。
【0239】
この例示的な実施形態では、4つの外側流入フード113aが入口体113という外側ケーシング上に互に同じ間隔で配置されている(
図1、4、6a)。流入フード113aは外側ケーシング113(
図6b)の中の物質間隙を覆い、それぞれ1つの入口53eと1つの調整フラップ53fとを有する同じく4つの媒体供給路53の流動方向110に見た前端部を収容している。これらの媒体供給路は入口体113の流入ダクト内で延伸するように配置されている。なお、流入フード113aはオプションであること、すなわち、この例示的な実施形態が流入フード113aを備えずに媒体供給路53が入口体113の流入ダクトの端部側開口部101(
図1b)を介して媒体を直接受け取ることもできることを指摘しておかなければならない。
【0240】
流動方向110に見た4つの媒体供給路53の後端はそれぞれ追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cにつながっている。非回転成形ディスク51cにつながった媒体供給路53は追加負圧発生装置50の回転方向50とは反対の方向の外側に配置され、追加負圧発生装置50の回転速度に対する減速効果をもたらす。従って、他の媒体供給路と区別するために、それらを具体的に参照符号53cで示す(
図5、
図6b)。
【0241】
各媒体、例えば、風105は、その流動方向110と一致する流入フード113aの開口部を経由し入口53e及び調整フラップ53fを通って4つの媒体供給路53に流入し、追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cに向かう(
図5、
図6b)。
【0242】
媒体供給路53は入口体113の流入ダクト内の外側領域に配置され、流入ダクトと同様、追加負圧発生装置50に向かって軸方向に延伸している。供給ダクト100が存在する場合、「外側」領域、又は同義である「外側」は、媒体供給路53が入口体113の内壁と供給ダクト100の外壁との間を追加負圧発生装置50に向かって延伸していることを意味する。そのような供給ダクトを設けない場合、これらの用語は、媒体供給路53が入口体113の内壁に向かってかなり離れて配置されること、また、軸方向に見て入口体113のより中心の領域、従って「内側」領域、又は同義である「内側」が、少なくとも1つの(補助)媒体供給路53b、53dを、それらの媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向くように収容できることを意味する。
【0243】
「回転方向とは反対の方向」に向いた外側媒体供給路53の配置は、
図5及び
図6bから分かる。非回転成形ディスク51cに達する媒体供給路53cの端部は、追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向くように位置合わせされており、これは矢印50aによって確認される。これにより、媒体供給路53cを流れる媒体はコンバーターホイールの回転が低減するようにコンバーターホイールにぶつかり、それによって回転速度が減速する。「回転方向とは反対の方向に」とは、各媒体供給路内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の減速が可能になる配置である。このため、各媒体供給路53c内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の減速が可能になる。
【0244】
図5及び
図6bは、追加負圧発生装置50の回転方向とは反対の方向に向いた、入口体113の端部側開口部に面していない少なくとも1つの媒体供給路53cの端部を示している。これは、各媒体が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向において媒体供給路を介して当該装置に供給される時当該装置の回転速度を減速するのに寄与する媒体供給路の位置である。
【0245】
この過程において、媒体は
図6cに示す追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51c内の4つの流路51fを通過する。これにより、媒体は
図6bに示され回転可能円形ディスク51aと非回転成形ディスク51cとの間に配置されたダクト48に到達し、上で詳細に説明したやり方でバッフル44によって外側に向かって誘導される。
【0246】
また、追加負圧発生装置の回転速度とトルクは、媒体供給路を流れる媒体の物質特性に加えて、
図5及び6bに示される調整フラップ53fの開位置(「開」)と閉位置(「閉」)の度合いに左右される。
【0247】
調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールが減速することを意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の減少を意味する。調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が通常のものになることを意味し、これは対応する回転速度と通常のトルク、それによる通常の出力を意味する。
【0248】
また、追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイール80の回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップ53fを「開」位置にするとタービンホイールに対する圧力が増加し、すなわち、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップ53fを「閉」位置にするとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0249】
図6aから分かるように、コンバーターホイールはタービンホイール80よりも大きな直径を有する。タービンホイール80は、本発明の文脈においても、最適な圧力(図示せず)がタービンホイール80の羽根部87にかかるように媒体の体積流動40を偏向する成形部品90に流動方向110に見て隣接するように、公知のやり方で配置される。供給ダクト100が設けられる場合、タービンホイール80及び成形部品90は流動方向110に見て供給ダクト100の後端に囲まれる。そうでない場合、タービンホイール80及び成形部品90は、流動方向110に見て外形部113内部の追加負圧発生装置の環状中心部47の中で固定される(
図6a)。
【0250】
例示的な実施形態3
【0251】
(
図1と組み合わせた)
図7及び
図8、9、9a、9b及び9cの例示的な実施形態は、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向いた、「内側加速」調整フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の内側に調整フラップと媒体供給路とを有する装置1を斜視図で示している。「内側加速」配置の好ましい用途は、流量が少ない場合及び流量の変化が激しい場合である。
【0252】
装置1はその外形部113及び114を備えた全体外形112を備える。
【0253】
オプションの供給ダクト100が外形部113の内部に配置され、その空間幾何学的位置が
図1に破線で示されている。供給ダクト100の設計実施形態及び動作態様は上記の図面の説明の導入部分で説明したので、それを参照されたい。
【0254】
この例示的な実施形態では、入口体113は4つの媒体供給路53を収容し、各媒体供給路53はその入口53e(図示せず)の手前に取り付けられた開口部113bを備えている。各開口部の背後に調整フラップ53fが配置され、各調整フラップ53fは媒体路53の始点に収容されている。ある媒体供給路が閉じている場合、その開口部はタービンへの流入を改善する役割を果たす。媒体供給路は入口体113の流入ダクト内で延伸するように配置されている。ここでは、この例示的な実施形態における媒体供給路53が流入フード113aを介さずに入口体113の流入ダクトの端部側開口部101(
図1b)を介して媒体を直接受け取ることを指摘しておかなければならない。
【0255】
その内の1つが図示された4つの媒体供給路53の流動方向110に見た後端がそれぞれ追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cにつながっている。非回転成形ディスク51cにつながる媒体供給路53は、それらの媒体供給路が
図2及び
図3による例示的な実施形態のように外側流入フードを介して入口体113の内部に誘導されずに、追加負圧発生装置の回転方向50aにおいて内側に配置されており、追加負圧発生装置50の回転速度に対する加速効果をもたらす。従って、他の媒体供給路と区別するために、それらを具体的に参照符号53bで示す(
図8、
図9b)。
【0256】
開口部113bが開いている場合、各媒体、例えば、風105はその流動方向110と一致する入口体113の開口部101(
図1b参照)を経由し流入口53e及び調整フラップ53fを通過して4つの媒体供給路53に流入し、追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cに向かう(
図8及び9b)。
【0257】
媒体供給路53は入口体113の流入ダクト内の内側領域に配置され、流入ダクトと同様、追加負圧発生装置50に向かって軸方向に延伸している。供給ダクト100が存在する場合、「内側」領域、又は同義である「内側」は、媒体供給路53が供給ダクト100内を追加負圧発生装置50に向かって延伸していることを意味する。そのような供給ダクトを設けない場合、これらの用語は、媒体供給路53が入口体113の内壁からかなり離れて配置されること、また、軸方向に見て入口体113の中心から外れた領域、従って「外側」領域、又は同義である「外側」が、少なくとも1つの(補助)媒体供給路53a、53cを、それらの媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向又はその反対方向に向くように収容できることを意味する、又はそれらの用語は、入口体113が流入フード113aを備えておらず、それによって媒体が流入フード113aを経由して媒体供給路に流入しないことを意味する。媒体供給路はこの例示された実施形態において図示されている。
【0258】
「回転方向」に向いた内側媒体供給路53の配置は
図9bから分かる。非回転成形ディスク51cに達する媒体供給路53bの端部は、追加負圧発生装置の回転方向に向くように位置合わせされており、これは矢印50aによって確認される。これにより、媒体供給路53bを流れる媒体はコンバーターホイールの回転が促進されるようにコンバーターホイールにぶつかり、それによって回転速度が増加する。このように、各媒体供給路53b内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の加速が可能になる。
【0259】
図9bは、追加負圧発生装置50の回転方向に向いた、入口体113の端部側開口部に面していない媒体供給路53bの端部を示している。これは、各媒体が追加負圧発生装置の回転方向において媒体供給路を介して当該装置に供給される時当該装置の回転速度を減速するのに寄与する媒体供給路の位置である。
【0260】
この過程において、媒体は
図9a及び9cに示す追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51c内の4つの流路51eを通過する。これにより、媒体は
図9bに示され回転可能円形ディスク51aと非回転成形ディスク51cとの間に配置されたダクト48に到達し、上で詳細に説明したやり方でバッフル44によって外側に向かって誘導される。
【0261】
また、追加負圧発生装置の回転速度とトルクは、媒体供給路を流れる媒体の物質特性に加えて、
図8及び9bに示される調整フラップ53fの開位置(「開」)と閉位置(「閉」)の度合いに左右される。
【0262】
調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が大きくなることを意味し、これは回転速度の上昇とトルクの増加、それによる出力の増加を意味する。調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が小さくなることを意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0263】
また、追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイール80の回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップ53fを「開」位置にするとタービンホイールに対する圧力が増加し、すなわち、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップ53fを「閉」位置にするとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0264】
図9aから分かるように、コンバーターホイールはタービンホイール80よりも大きな直径を有する。タービンホイール80は、本発明の文脈においても、最適な圧力(図示せず)がタービンホイール80の羽根部87にかかるように媒体の体積流動40を偏向する成形部品90に流動方向110に見て隣接するように公知のやり方で配置される。供給ダクト100が設けられる場合、タービンホイール80及び成形部品90は流動方向110に見て供給ダクト100の後端に囲まれる。そうでない場合、タービンホイール80及び成形部品90は、流動方向110に見て外形部113内部の追加負圧発生装置の環状中心部47の中で固定される(
図9a)。
【0265】
例示的な実施形態4
【0266】
(
図1と組み合わせた)
図10及び
図11,
図12、12a、12b、及び12cの例示的な実施形態は、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、「内側減速」調整フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の内側に調整フラップ及び媒体供給路を有する装置1を斜視図で示している。「内側減速」配置の好ましい用途は、流量が多い場合及び流量の変化が激しい場合である。
【0267】
装置1はその外形部113及び114を備えた全体外形112を備える。
【0268】
オプションの供給ダクト100が外形部113の内部に配置され、その空間幾何学的位置が
図1に破線で示されている。供給ダクト100の設計実施形態及び動作態様は上記の図面の説明の導入部分で説明したので、それを参照されたい。
【0269】
この例示的な実施形態では、入口体113は4つの媒体供給路53を収容し、各媒体供給路53はその入口53e(図示せず)の手前に取り付けられた開口部113bを備えている。各開口部の背後に調整フラップ53fが配置され、各調整フラップ53fは媒体路53の始点に収容されている。媒体供給路は入口体113の流入ダクト内で延伸するように配置されている。ここでは、この例示的な実施形態における媒体供給路53が流入フード113aを介さずに入口体113の流入ダクトの端部側開口部101(
図1b)を介して媒体を直接受け取ることを指摘しておかなければならない。
【0270】
その内の1つが図示された4つの媒体供給路53の流動方向110に見た後端がそれぞれ追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cにつながっている。非回転成形ディスク51cにつながった媒体供給路53は追加負圧発生装置50の回転方向50aとは反対の方向において内側に配置されている。媒体供給路53は追加負圧発生装置50の回転速度に対する減速効果をもたらす。従って、他の媒体供給路と区別するために、それらは具体的に参照符号53dによって示されている(
図11、
図12b)。
【0271】
開口部113bが開いている場合、各媒体、例えば、風105はその流動方向110と一致する入口体113の開口部101(
図1b参照)を経由し流入口53e及び調整フラップ53fを通過して4つの媒体供給路53に流入し、追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cに向かう(
図11及び12b)。
【0272】
媒体供給路53は入口体113の流入ダクト内の内側領域に配置され、流入ダクトと同様、追加負圧発生装置50に向かって軸方向に延伸している。供給ダクト100が存在する場合、「内側」領域、又は同義である「内側」は、媒体供給路53が供給ダクト100内を追加負圧発生装置50に向かって延伸していることを意味する。そのような供給ダクトを設けない場合、これらの用語は、媒体供給路53が入口体113の内壁からかなり離れて配置されること、また、軸方向に見て入口体113の中心から外れた領域、従って「外側」領域、又は同義である「外側」が、少なくとも1つの(補助)媒体供給路53a、53cを、それらの媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向又はその反対方向に向くように収容できることを意味する、又はそれらの用語は、入口体113が流入フード113aを備えておらず、それによって媒体が流入フード113aを経由して媒体供給路に流入しないことを意味する。媒体供給路はこの例示された実施形態で図示されている。
【0273】
「回転方向とは反対の方向」に向いた内側媒体供給路53の配置は、
図11及び12bから分かる。非回転成形ディスク51cに達する媒体供給路53dの端部は、追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向くように位置合わせされており、これは矢印50aによって確認される。これにより、媒体供給路53dを流れる媒体はコンバーターホイールの回転が減速するようにコンバーターホイールにぶつかり、それによって回転速度が低下する。このように、各媒体供給路53d内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の減速が可能になる。
【0274】
図11及び12bは、追加負圧発生装置50の回転方向とは反対の方向に向いた、入口体113の端部側開口部に面していない媒体供給路53dの端部を示している。これは、各媒体が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向において媒体供給路を介して当該装置に供給される時当該装置の回転速度を減速するのに寄与する媒体供給路の位置である。
【0275】
この過程において、媒体は
図12a及び12cに示す追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51c内の4つの流路51gを通過する。これにより、媒体は
図12bに示され回転可能円形ディスク51aと非回転成形ディスク51cとの間に配置されたダクト48に到達し、上で詳細に説明したやり方でバッフル44によって外側に向かって誘導される。
【0276】
また、追加負圧発生装置の回転速度とトルクは、媒体供給路を流れる媒体の物質特性に加えて、
図11及び12bに示される調整フラップ53fの開位置(「開」)と閉位置(「閉」)の度合いに左右される。
【0277】
調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が小さくなることを意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が通常のものになることを意味し、これは対応する回転速度と通常のトルク、それによる通常の出力を意味する。
【0278】
また、追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイール80の回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップ53fを「開」位置にするとタービンホイールに対する圧力が減少し、すなわち、タービンホイールの回転速度の低下とトルクの減少が発生し、これは出力の低下と関係する。調整フラップ53fを「閉」位置にするとタービンホイールに対する圧力が増加し、これは回転速度の上昇とトルクの増加、それによる出力の増加を意味する。
【0279】
図12aから分かるように、コンバーターホイールはタービンホイール80よりも大きな直径を有する。タービンホイール80は、本発明の文脈においても、最適な圧力(図示せず)がタービンホイール80の羽根部87にかかるように媒体の体積流動40を偏向する成形部品90に流動方向110に見て隣接するように公知のやり方で配置される。供給ダクト100が設けられる場合、タービンホイール80及び成形部品90は流動方向110に見て供給ダクト100の後端に囲まれる。そうでない場合、タービンホイール80及び成形部品90は、流動方向110に見て外形部113内部の追加負圧発生装置の環状中心部47の中で固定される(
図12a、12b)。
【0280】
例示的な実施形態5
【0281】
(
図1と組み合わせた)
図13及び
図14、
図15、
図15a、15b、及び15cの例示的な実施形態は、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向いた、「外側加速及び内部加速」調整フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の外側及び内側に調整フラップ及び媒体供給路を有する装置1を斜視図で示している。「外側加速及び内側加速」配置の好ましい用途は、流量が少ない場合及び流量の変化が激しい場合である。
【0282】
装置1はその外形部113及び114を備えた全体外形112を備える。
【0283】
オプションの供給ダクト100が外形部113の内部に配置され、その空間幾何学的位置が
図1に破線で示されている。供給ダクト100の設計実施形態及び動作態様は上記の図面の説明の導入部分で説明したので、それを参照されたい。
【0284】
この例示的な実施形態では、4つの外側流入フード113aが外形部113という外側ケーシング上に互に同じ間隔で配置されている(
図1、13、15a)。流入フード113aは外側ケーシング113(
図15b)の中の物質間隙を覆い、それぞれ1つの入口53eと1つの調整フラップ53fとを有する同じく4つの媒体供給路53aの流動方向110に見た前端部を収容している。これらの媒体供給路は入口体113の流入ダクト内で延伸するように配置されている。なお、流入フード113aはオプションであること、すなわち、この例示的な実施形態が流入フード113aを備えずに媒体供給路53aが入口体113の流入ダクトの端部側開口部101(
図1b)を介して媒体を直接受け取ることもできることを指摘しておかなければならない。この例示的な実施形態には更に4つの内側補助媒体供給路53bがあり、それぞれが開口部113bを備え1つの入口53eと1つの調整フラップ53fを有する。媒体供給路53bは入口体113の流入ダクトの端部側開口部101(
図1b)を介して媒体を直接受け取る。
【0285】
8つの媒体供給路53(53a、53b)の流動方向110から見た後端がそれぞれ追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cにつながっている。非回転成形ディスク51cにつながった媒体供給路53a、53bは追加負圧発生装置50の回転方向50aにおいて外側及び内側に配置され、追加負圧発生装置50の回転速度に対する加速効果をもたらす。従って、他の媒体供給路と区別するために、いわゆる外側媒体供給路は参照符号53aで、いわゆる内側媒体供給路は参照符号53bで具体的に示している(
図14、
図15b)。
【0286】
各媒体、例えば、風105は、その流動方向110と一致する流入フード113aの開口部を経由し入口53e及び調整フラップ53fを通って4つの媒体供給路53aに流入し、追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cに向かう(
図15b)。
【0287】
4つの媒体供給路53aは入口体113の流入ダクト内の外側領域に配置され、流入ダクトと同様、追加負圧発生装置50に向かって軸方向に延伸している。供給ダクト100が存在する場合、「外側」領域、又は同義である「外側」は、媒体供給路53aが入口体113の内壁と供給ダクト100の外壁との間を追加負圧発生装置50に向かって延伸していることを意味する。そのような供給ダクトを設けない場合、これらの用語は、媒体供給路53aが入口体113の内壁に向かってかなり離れて配置されること、また、軸方向に見て入口体113のより中心の領域、従って「内側」領域、又は同義である「内側」が、少なくとも1つの(補助)媒体供給路53bを、それらの媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向くように収容できることを意味する、又はそれらの用語は、入口体113が流入フード113aを備え、それによって媒体が流入フード113aを経由して媒体供給路に流入することを意味する(
図15a、15b)。
【0288】
4つの補助媒体供給路53bは入口体113の流入ダクト内の内側領域に配置され、流入ダクトと同様、追加負圧発生装置50に向かって軸方向に延伸している。供給ダクト100が存在する場合、「内側」領域、又は同義である「内側」は、媒体供給路53bが供給ダクト100内を追加負圧発生装置50に向かって延伸していることを意味する。そのような供給ダクトを設けない場合、これらの用語は、軸方向に見て入口体113の中心から外れた領域、従って「外側」領域、又は同義である「外側」が、少なくとも1つの(補助)媒体供給路53aを、それらの媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向くように収容できるように、媒体供給路53が入口体113の内壁からかなり離れて配置されることを意味する。又は、それらの用語は、媒体供給路53bが入口体113の流入フード113aを経由して媒体の流動を受け取らず、従って媒体がこれらの流入フード113aを経由して媒体供給路に流入しないことを意味する。媒体供給路はこの例示的な実施形態に示されている(
図15a、15b)。
【0289】
「回転方向」に向かう外側及び内側の媒体供給路53a、53bの配置は
図14,
図15bから分かる。非回転成形ディスク51cに達する媒体供給路53a、53bの端部は、追加負圧発生装置の回転方向に向くように位置合わせされており、これは矢印50aによって確認される。これにより、媒体供給路53a、53bを流れる媒体はコンバーターホイールの回転が促進されるようにコンバーターホイールにぶつかり、それによって回転速度が増加する。このように、各媒体供給路53a、53b内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の加速が可能になる。
【0290】
図14、15bは、追加負圧発生装置50の回転方向に向いた、入口体113の端部側開口部及び開口部113bに面していない少なくとも1つの媒体供給路53a、53bの端部を示している。これは、各媒体が追加負圧発生装置の回転方向において媒体供給路を介して当該装置に供給される時当該装置の回転速度を加速するのに寄与する媒体供給路の位置である。
【0291】
この過程において、媒体は追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51c内の(いわゆる外側媒体供給路53aに対応する)4つの流路51dと(いわゆる内側媒体供給路53bに対応する)4つの補助流路51eを通過する(
図15c)。これにより、媒体は
図15bに示され回転可能円形ディスク51aと非回転成形ディスク51cとの間に配置されたダクト48に到達し、上で詳細に説明したやり方でバッフル44によって外側に向かって誘導される。
【0292】
また、追加負圧発生装置の回転速度とトルクは、媒体供給路を流れる媒体の物質特性に加えて、
図14及び
図15bに示される調整フラップ53fの開位置(「開」)と閉位置(「閉」)の度合いに左右される。各媒体供給路を個別に調整できることは言うまでもない。
【0293】
調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が大きくなることを意味し、これは回転速度の上昇とトルクの増加、それによる出力の増加を意味する。調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が小さくなることを意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0294】
また、追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイール80の回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップ53fを「開」位置にするとタービンホイールに対する圧力が増加し、すなわち、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップ53fを「閉」位置にするとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0295】
図15aから分かるように、コンバーターホイールはタービンホイール80よりも大きな直径を有する。タービンホイール80は、本発明の文脈においても、最適な圧力(図示せず)がタービンホイール80の羽根部87にかかるように媒体の体積流動40を偏向する成形部品90に流動方向110に見て隣接するように公知のやり方で配置される。供給ダクト100が設けられる場合、タービンホイール80及び成形部品90は流動方向110に見て供給ダクト100の後端に囲まれる。そうでない場合、タービンホイール80及び成形部品90は、流動方向110に見て外形部113内部の追加負圧発生装置の環状中心部47の中で固定される(
図15a)。
【0296】
例示的な実施形態6
【0297】
(
図1と組み合わせた)
図16及び
図17、
図18、
図18a、
図18b、及び18cの例示的な実施形態は、媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、「外側減速及び内側減速」調整フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の外側及び内側に調整フラップ及び媒体供給路を有する装置1を斜視図で示している。「外側減速及び内側減速」配置の好ましい用途は、流量が多い場合及び流量の変化が激しい場合である。
【0298】
装置1はその外形部113(入口体)及び114を備えた全体外形112を備える。
【0299】
オプションの供給ダクト100が外形部113の内部に配置され、その空間幾何学的位置が
図1に破線で示されている。供給ダクト100の設計実施形態及び動作態様は上記の図面の説明の導入部分で説明したので、それを参照されたい。
【0300】
この例示的な実施形態では、4つの外側流入フード113aが入口体113という外側ケーシング上に互に同じ間隔で配置されている(
図1、16、18a)。流入フード113aは外側ケーシング113(
図18b)の中の物質間隙を覆い、それぞれ1つの入口53eと1つの調整フラップ53fとを有する同じく4つの外側媒体供給路53cの流動方向110に見た前端部を収容している。これらの媒体供給路は入口体113の流入ダクト内で延伸するように配置されている。なお、流入フード113aはオプションであること、すなわち、この例示的な実施形態が流入フード113aを備えずに媒体供給路53cが入口体113の流入ダクトの端部側開口部101(
図1b)を介して媒体を直接受け取ることもできることを指摘しておかなければならない。この例示的な実施形態には更に4つの内側補助媒体供給路53dがあり、それぞれが開口部113bを備え1つの入口53eと1つの調整フラップ53fを有する。媒体供給路53dは入口体113の流入ダクトの端部側開口部101(
図1b)を介して媒体を直接受け取る。
【0301】
8つの媒体供給路53(53c、53d)の流動方向110に見た後端はそれぞれ追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cにつながっている。非回転成形ディスク51cにつながった媒体供給路53(53c、53d)は追加負圧発生装置50の回転方向50aとは反対の方向において外側及び内側に配置され、追加負圧発生装置50の回転速度に対する減速効果をもたらす。従って、他の媒体供給路と区別するために、いわゆる外側媒体供給路は参照符号53cによって、いわゆる内側媒体供給路は参照符号53dによって具体的に示す(
図17、18b)。
【0302】
各媒体、例えば、風105は、その流動方向110と一致する流入フード113aの開口部を経由し入口53e及び調整フラップ53fを通って4つの外側媒体供給路53cに流入し、追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cに向かう(
図18b、18c)。
【0303】
4つの媒体供給路53cは入口体113の流入ダクト内の外側領域に配置され、流入ダクトと同様、追加負圧発生装置50に向かって軸方向に延伸している。供給ダクト100が存在する場合、「外側」領域、又は同義である「外側」は、媒体供給路53cが入口体113の内壁と供給ダクト100の外壁との間を追加負圧発生装置50に向かって延伸していることを意味する。そのような供給ダクトを設けない場合、これらの用語は、媒体供給路53cが入口体113の内壁に向かってかなり離れて配置されること、また、軸方向に見て入口体113のより中心の領域、従って「内側」領域、又は同義である「内側」が、少なくとも1つの(補助)媒体供給路53dを、それらの媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向くように収容できることを意味する、又は、それらの用語は、入口体113が流入フード113aを備え、それによって媒体が流入フード113aを経由して媒体供給路に流入することを意味する。媒体供給路はこの例示的な実施形態に示されている(
図18a、18b)。
【0304】
4つの補助媒体供給路53dは入口体113の流入ダクト内の内側領域に配置され、流入ダクトと同様、追加負圧発生装置50に向かって軸方向に延伸している。供給ダクト100が存在する場合、「内側」領域、又は同義である「内側」は、媒体供給路53dが供給ダクト100内を追加負圧発生装置50に向かって延伸していることを意味する。そのような供給ダクトを設けない場合、これらの用語は、軸方向に見て入口体113の中心から外れた、従って「外側の」領域、又は同義である「外側」が、少なくとも1つの(補助)媒体供給路53cを、それらの媒体供給路53が追加負圧発生装置の回転方向に向くように収容できるように媒体供給路53dが入口体113の内壁からかなり離れて配置されることを意味する、又は、それらの用語は、媒体供給路53dが入口体113の流入フード113aを経由して媒体の流動を受け取らず、従って媒体がこれらの流入フード113aを経由して媒体供給路に流入しないことを意味する。媒体供給路はこの例示的な実施形態に示されている(
図18a、18b)。
【0305】
「回転方向とは反対の方向」に向かう外側及び内側の媒体供給路53c、53dの配置は、
図17,18b、及び18cから分かる。非回転成形ディスク51cに達する媒体供給路53c、53dの端部は、追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向くように位置合わせされており、これは矢印50aによって確認される。これにより、媒体供給路53c、53dを流れる媒体はコンバーターホイールの回転が低減するようにコンバーターホイールにぶつかり、それによって回転速度が低下する。このように、媒体供給路53c、53d内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の減速が可能になる。
【0306】
図17及び18bは、追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、入口体113の端部側開口部及び開口部113bに面していない少なくとも1つの媒体供給路53c、53dの端部を示している。これは、各媒体が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向において媒体供給路を介して当該装置に供給される時当該装置の回転速度を低下させるのに寄与する媒体供給路の位置である。
【0307】
この過程において、媒体は追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51c内の(いわゆる外側媒体供給路53cに対応する)4つの流路51fと(いわゆる内側媒体供給路53dに対応する)4つの補助流路51gを通過する(
図18c)。これにより、媒体は
図18bに示され回転可能円形ディスク51aと非回転成形ディスク51cとの間に配置されたダクト48に到達し、上で詳細に説明したやり方でバッフル44によって外側に向かって誘導される。
【0308】
また、追加負圧発生装置の回転速度とトルクは、媒体供給路を流れる媒体の物質特性に加えて、
図16及び17に示される調整フラップ53fの開位置(「開」)と閉位置(「閉」)の度合いに左右される。各媒体供給路を個別に調整できることは言うまでもない。
【0309】
調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が小さくなることを意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が通常のものになることを意味し、これは対応する回転速度と通常のトルク、それによる通常の出力を意味する。
【0310】
また、追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイール80の回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップ53fを「閉」位置にするとタービンホイールに対する圧力が増加し、すなわち、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップ53fを「開」位置にするとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0311】
図18aから分かるように、コンバーターホイールはタービンホイール80よりも大きな直径を有する。タービンホイール80は、本発明の文脈においても、最適な圧力(図示せず)がタービンホイール80の羽根部87にかかるように媒体の体積流動40を偏向する成形部品90に流動方向110に見て隣接するように公知のやり方で配置される。供給ダクト100が設けられる場合、タービンホイール80及び成形部品90は流動方向110に見て供給ダクト100の後端に囲まれる。そうでない場合、タービンホイール80及び成形部品90は、流動方向110に見て外形部113内部の追加負圧発生装置の環状中心部47の中で固定される(
図18a)。
【0312】
例示的な実施形態7
【0313】
(
図1と組み合わせた)
図19及び
図20、
図21、
図21a、
図21b、及び21cの例示的な実施形態は、内側媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向き、外側媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向いた、「内側加速及び外側減速」調整フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の外側及び内側に調整フラップ及び媒体供給路を有する装置1を斜視図で示している。「内側加速及び外側減速」配置の好ましい用途は、高い流量で減速する場合、低い流量で加速する場合、及び流量の変化が激しい場合である。
【0314】
装置1はその外形部113(入口体)及び114を備えた全体外形112を備える。
【0315】
オプションの供給ダクト100が外形部113の内部に配置され、その空間幾何学的位置が
図1に破線で示されている。供給ダクト100の設計実施形態及び動作態様は上記の図面の説明の導入部分で説明したので、それを参照されたい。
【0316】
この例示的な実施形態では、4つの外側流入フード113aが入口体113という外側ケーシング上に互に同じ間隔で配置されている(
図1、19、21a)。流入フード113aは外側ケーシング113(
図21b)の中の物質間隙を覆い、それぞれ1つの入口53eと1つの調整フラップ53fとを有する同じく4つの外側媒体供給路53cの流動方向110に見た前端部を収容している。これらの媒体供給路は入口体113の流入ダクト内で延伸するように配置されている。なお、流入フード113aはオプションであること、すなわち、この例示的な実施形態が流入フード113aを備えずに媒体供給路53cが入口体113の流入ダクトの端部側開口部101(
図1b)を介して媒体を直接受け取ることもできることを指摘しておかなければならない。この例示的な実施形態には更に4つの内側補助媒体供給路53bがあり、それぞれが開口部113bを備え1つの入口53eと1つの調整フラップ53fを有する。媒体供給路53bは入口体113の流入ダクトの端部側開口部101(
図1b)を介して媒体を直接受け取る。
【0317】
8つの媒体供給路53(53c、53b)の流動方向110に見た後端はそれぞれ追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cにつながっている。非回転成形ディスク51cにつながった媒体供給路53(53c)は追加負圧発生装置の回転方向50aとは反対の方向において外側に配置され、追加負圧発生装置50の回転速度に対する減速効果をもたらす。非回転成形ディスク51cにつながった媒体供給路53(53b)は追加負圧発生装置の回転方向50aにおいて内側に配置され、追加負圧発生装置50の回転速度に対する加速効果をもたらす。 従って、他の媒体供給路と区別するために、いわゆる外側減速媒体供給路は参照符号53cによって、開口部113bを備えたいわゆる内側加速媒体供給路は参照符号53bによって具体的に示されている(
図20、21b)。
【0318】
各媒体、例えば、風105は、その流動方向110と一致する流入フード113aの開口部を経由し入口53e及び調整フラップ53fを通って4つの外側媒体供給路53cに流入し、追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cに向かう(
図20、21b)。
【0319】
4つの媒体供給路53cは入口体113の流入ダクト内の外側領域に配置され、流入ダクトと同様、追加負圧発生装置50に向かって軸方向に延伸している。供給ダクト100が存在する場合、「外側」領域、又は同義である「外側」は、媒体供給路53cが入口体113の内壁と供給ダクト100の外壁との間を追加負圧発生装置50に向かって延伸していることを意味する。そのような供給ダクトを設けない場合、これらの用語は、媒体供給路53cが入口体113の内壁に向かってかなり離れて配置され、軸方向に見て入口体113のより中心寄りの領域、従って「内側」領域、又は同義で「内側」が、少なくとも1つの(更なる)媒体供給路53bを、それらの媒体供給路53が追加負圧発生装置の回転方向に向くように収容できることを意味する、又は、それらの用語は、入口体113が流入フード113aを備え、それによって媒体が流入フード113aを経由して媒体供給路に流入することを意味する。媒体供給路はこの例示的な実施形態に示されている(
図20、
図21a、21b)。
【0320】
4つの補助媒体供給路53bが入口体113の流入ダクト内の内側領域に配置され、流入ダクトと同様、追加負圧発生装置50に向かって軸方向に延伸している。供給ダクト100が存在する場合、「内側」領域、又は同義である「内側」は、媒体供給路53bが供給ダクト100内を追加負圧発生装置50に向かって延伸していることを意味する。そのような供給ダクトを設けない場合、これらの用語は、軸方向に見て入口体113の中心から外れた、従って「外側の」領域、又は同義である「外側」が、少なくとも1つの(補助)媒体供給路53cを、媒体供給路53cが追加負圧発生装置の回転方向に向くように収容できるように媒体供給路53bが入口体113の内壁からかなり離れて配置されることを意味する、又は、それらの用語は、少なくとも1つの媒体供給路53bが入口体113の流入フード113aを経由して媒体の流動を受け取らず、従って媒体がこれらの流入フード113aを経由して媒体供給路に流入しないことを意味する。媒体供給路はこの例示的な実施形態に示されている(
図20、21a、21b)。
【0321】
「回転方向とは反対の方向」に向いた外側媒体供給路53cの配置と「回転方向」に向いた内側媒体供給路53bの配置は、
図20、
図21bから分かる。非回転成形ディスク51cに達する媒体供給路53cの端部は追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向くように位置合わせされており、これは矢印50aによって確認される。これにより、媒体供給路53cを流れる媒体はコンバーターホイールの回転が低減するようにコンバーターホイールにぶつかり、それによって回転速度が低下する。このように、各媒体供給路53c内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の減速が可能になる。非回転成形ディスク51cに達する媒体供給路53bの端部は追加負圧発生装置の回転方向に向くように位置合わせされており、これは矢印50aによって確認される。これにより、媒体供給路53bを流れる媒体はコンバーターホイールの回転が加速されるようにコンバーターホイールにぶつかり、それによって回転速度が増加する。このように、各媒体供給路53b内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の加速が可能になる。装置1は、厳しい環境条件、例えば、風条件に応じて加速機能又は減速機能のいずれかが優勢となるように、適切な閉ループ・開ループ制御手段を用いて制御することができる。
【0322】
図20及び21bは、追加負圧発生装置50の回転方向とは反対の方向に向いた、入口体113の端部側開口部に面していない媒体供給路53cの端部を示している。これは、各媒体が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向において媒体供給路を介して当該装置に供給される時当該装置の回転速度を低下させるのに寄与する媒体供給路の位置である。また、
図20及び21bは、追加負圧発生装置50の回転方向に向いた、入口体113の端部側開口部に面していない媒体供給路53bの端部を示している。これは、各媒体が追加負圧発生装置の回転方向において媒体供給路53bを介して当該装置に供給される時当該装置の回転速度を増加させるのに寄与する媒体供給路の位置である。
【0323】
この過程において、媒体は追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51c内の(いわゆる外側媒体供給路53cに対応する)4つの流路51fと(いわゆる内側媒体供給路53bに対応する)4つの補助流路51eを通過する(
図21c)。これにより、媒体は
図21bに示され回転可能円形ディスク51aと非回転成形ディスク51cとの間に配置されたダクト48に到達し、上で詳細に説明したやり方でバッフル44によって外側に向かって誘導される。
【0324】
また、追加負圧発生装置の回転速度とトルクは、媒体供給路を流れる媒体の物質特性に加えて、
図20及び21bに示される調整フラップ53fの開位置(「開」)と閉位置(「閉」)の度合いに左右される。各媒体供給路を個別に調整できることは言うまでもない。
【0325】
回転方向に向けられた「内側」媒体供給路53b内の調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が大きくなることを意味し、これは回転速度の上昇とトルクの増加、それによる出力の増加を意味する。回転方向に向けられた「内側」媒体供給路内の調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が小さくなることを意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0326】
また、「内部」媒体供給路53bが回転方向に向いている場合の追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイール80の回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップが「開」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が増加し、すなわち、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップが「閉」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0327】
回転方向とは反対の方向に向けられた「外側」媒体供給路53c内の調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールが減速されることを意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の減少を意味する。回転方向とは反対の方向に向けられた「外側」媒体供給路内の調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が通常のものになることを意味し、これは対応する回転速度と通常のトルク、それによる通常の出力を意味する。
【0328】
また、「外側」媒体供給路53cが回転方向とは反対の方向に向いている場合の追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイール80の回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップが「閉」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が増加し、すなわち、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップが「開」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0329】
図21aから分かるように、コンバーターホイールはタービンホイール80よりも大きな直径を有する。タービンホイール80は、本発明の文脈においても、最適な圧力(図示せず)がタービンホイール80の羽根部87にかかるように媒体の体積流動40を偏向する成形部品90に流動方向110に見て隣接するように公知のやり方で配置される。供給ダクト100が設けられる場合、タービンホイール80及び成形部品90は流動方向110に見て供給ダクト100の後端に囲まれる。そうでない場合、タービンホイール80及び成形部品90は、流動方向110に見て外形部113内部の追加負圧発生装置の環状中心部47の中で固定される(
図21a)。
【0330】
例示的な実施形態8
【0331】
(
図1と組み合わせた)
図22及び
図23、
図24、
図24a、24b、及び24cの例示的な実施形態は、内側媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向き、外側媒体供給路が追加負圧発生装置の回転方向に向いた、「内側減速及び外側加速」調整フラップ、すなわち、入口体の流入ダクト内の外側及び内側に調整フラップ及び媒体供給路を有する装置1を斜視図で示している。「内側減速及び外側加速」配置の好ましい用途は、高い流量で減速する場合、低い流量で加速する場合、及び流量の変化が激しい場合である。
【0332】
装置1はその外形部113(入口体)及び114を備えた全体外形112を備える。
【0333】
オプションの供給ダクト100が外形部113の内部に配置され、その空間幾何学的位置が
図1に破線で示されている。供給ダクト100の設計実施形態及び動作態様は上記の図面の説明の導入部分で説明したので、それを参照されたい。
【0334】
この例示的な実施形態では、2つの外側流入フード113aが入口体113という外側ケーシング上に互に同じ間隔で配置されている(
図1、
図22、
図24a)。流入フード113aは外側ケーシング113(
図24b)の中の物質間隙を覆い、それぞれ1つの入口53eと1つの調整フラップ53fとを有する同じく2つの外側媒体供給路53aの流動方向110に見た前端部を収容している。これらの媒体供給路は入口体113の流入ダクト内で延伸するように配置されている。なお、流入フード113aはオプションであること、すなわち、この例示的な実施形態が流入フード113aを備えずに媒体供給路53aが入口体113の流入ダクトの端部側開口部101(
図1b)を介して媒体を直接受け取ることもできることを指摘しておかなければならない。この例示的な実施形態には更に2つの内側補助媒体供給路53dがあり、それぞれが開口部113bを備え1つの入口53eと1つの調整フラップ53fを有する。媒体供給路53dは入口体113の流入ダクトの端部側開口部101(
図1b)を介して媒体を直接受け取る。
【0335】
4つの媒体供給路53(53a、53d)の流動方向110に見た後端がそれぞれ追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cにつながっている。非回転成形ディスク51cにつながった媒体供給路53(53d)は追加負圧発生装置の回転方向50aとは反対の方向において内側に配置され、追加負圧発生装置50の回転速度に対する減速効果をもたらす。非回転成形ディスク51cにつながった媒体供給路53(53a)は追加負圧発生装置50の回転方向50aにおいて外側に配置され、追加負圧発生装置50の回転速度に対する加速効果をもたらす。従って、他の媒体供給路と区別するために、いわゆる外側加速媒体供給路は参照符号53aによって、いわゆる内側減速媒体供給路は参照符号53dによって具体的に示されている(
図23、
図24b)。
【0336】
各媒体、例えば、風105は、その流動方向110と一致する流入フード113aの開口部を経由し入口53e及び調整フラップ53fを通って2つの外側媒体供給路53aに流入し、追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cに向かう(
図23、24b)。
【0337】
2つの媒体供給路53aは入口体113の流入ダクト内の外側領域に配置され、流入ダクトと同様、追加負圧発生装置50に向かって軸方向に延伸している。供給ダクト100が存在する場合、「外側」領域、又は同義である「外側」は、媒体供給路53aが入口体113の内壁と供給ダクト100の外壁との間を追加負圧発生装置50に向かって延伸していることを意味する。そのような供給ダクトを設けない場合、これらの用語は、媒体供給路53aが入口体113の内壁に向かってかなり離れて配置されること、また、軸方向に見て入口体113のより中心の領域、従って「内側」領域、又は同義である「内側」が、(補助)媒体供給路53dを、それらの媒体供給路53dが追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向くように収容できることを意味する、又は、それらの用語は、入口体113が流入フード113aを備え、それによって媒体が流入フード113aを経由して媒体供給路に流入することを意味する。媒体供給路はこの例示的な実施形態に示されている(
図23,
図24a、24b)。
【0338】
2つの補助媒体供給路53dが入口体113の流入ダクト内の内側領域に配置され、流入ダクトと同様、追加負圧発生装置50に向かって軸方向に延伸している。供給ダクト100が存在する場合、「内側」領域、又は同義である「内側」は、媒体供給路53dが供給ダクト100内を追加負圧発生装置50に向かって延伸していることを意味する。そのような供給ダクトを設けない場合、これらの用語は、軸方向に見て入口体113の中心から外れた、従って「外側の」領域、又は同義である「外側」が、少なくとも1つの(補助)媒体供給路53aを、媒体供給路53aが追加負圧発生装置の回転方向に向くように収容できるように媒体供給路53dが入口体113の内壁からかなり離れて配置されることを意味する、又は、それらの用語は、少なくとも1つの媒体供給路53dが入口体113の流入フード113aを経由して媒体の流動を受け取らず、従って媒体がこれらの流入フード113aを経由して媒体供給路に流入しないことを意味する。媒体供給路はこの例示的な実施形態に示されている(
図23、24a、24b)。
【0339】
「回転方向とは反対の方向」に向いた内側媒体供給路53dの配置と「回転方向」に向いた外側媒体供給路53aの配置は、
図23、
図24bから分かる。非回転成形ディスク51cに達する媒体供給路53dの端部は、追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向に向くように位置合わせされており、これは矢印50aによって確認される。これにより、媒体供給路53dを流れる媒体はコンバーターホイールの回転が低減するようにコンバーターホイールにぶつかり、それによって回転速度が低下する。このように、各媒体供給路53d内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の減速が可能になる。非回転成形ディスク51cに達する媒体供給路53aの端部は、追加負圧発生装置の回転方向に向くように位置合わせされており、これは矢印50aによって確認される。これにより、媒体供給路53aを流れる媒体はコンバーターホイールの回転が加速されるようにコンバーターホイールにぶつかり、それによって回転速度が増加する。このように、各媒体供給路53a内の媒体が追加負圧発生装置に向かって流動する結果として追加負圧発生装置の回転速度の加速が可能になる。装置1は、厳しい環境条件、例えば、風の条件に応じて加速機能又は減速機能のいずれかが優勢となるように、適切な閉ループ/開ループ制御手段を用いて制御することができる。
【0340】
図23及び24bは、追加負圧発生装置50の回転方向とは反対の方向に向いた、入口体113の端部側開口部及び開口部113bに面していない媒体供給路53dの端部を示している。これは、各媒体が追加負圧発生装置の回転方向とは反対の方向において媒体供給路を介して当該装置に供給される時当該装置の回転速度を低下させるのに寄与する媒体供給路の位置である。また、
図23及び24bは、追加負圧発生装置50の回転方向に向いた、入口体113の端部側開口部に面していない媒体供給路53aの端部を示している。これは、各媒体が追加負圧発生装置の回転方向において媒体供給路53aを介して当該装置に供給される時当該装置の回転速度を増加させるのに寄与する媒体供給路の位置である。
【0341】
この過程において、媒体は追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51c内の(いわゆる外側媒体供給路53cに対応する)2つの流路51dと(いわゆる内側媒体供給路53bに対応する)4つの補助流路51gを通過する(
図24c)。これにより、媒体は
図24bに示され回転可能円形ディスク51aと非回転成形ディスク51cとの間に配置されたダクト48に到達し、上で詳細に説明したやり方でバッフル44によって外側に向かって誘導される。
【0342】
また、追加負圧発生装置の回転速度とトルクは、媒体供給路を流れる媒体の物質特性に加えて、
図23及び24bに示される調整フラップ53fの開位置(「開」)と閉位置(「閉」)の度合いに左右される。各媒体供給路を個別に調整できることは言うまでもない。
【0343】
回転方向とは反対の方向に向いた「内側」媒体供給路53d内の調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールが減速されることと意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の減少を意味する。回転方向とは反対の方向に向いた「内側」媒体供給路内の調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が通常のものになることを意味し、これは対応する回転速度と通常のトルク、それによる通常の出力を意味する。
【0344】
また、「内部」媒体供給路53dが回転方向とは反対の方向に向いている場合の追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイール80の回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップが「閉」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が増加し、すなわち、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップが「開」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0345】
回転方向に向いた「外側」媒体供給路53a内の調整フラップを「開」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が大きくなることを意味し、これは回転速度の上昇とトルクの増加、それによる出力の増加を意味する。回転方向に向いた「外側」媒体供給路内の調整フラップを「閉」にすることはコンバーターホイールに対する反発力が小さくなることを意味し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0346】
また、「外側」媒体供給路53aが回転方向に向いている場合の追加負圧発生装置の回転速度及び/又はトルクの変化はタービンホイール80の回転速度及びトルクを直接左右する。調整フラップが「開」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が増加し、すなわち、タービンホイールの回転速度の上昇とトルクの増加が発生し、これは出力の増加と関連する。調整フラップが「閉」位置にあるとタービンホイールに対する圧力が低下し、これは回転速度の低下とトルクの減少、それによる出力の低下を意味する。
【0347】
図24aから分かるように、コンバーターホイールはタービンホイール80よりも大きな直径を有する。タービンホイール80は、本発明の文脈においても、最適な圧力(図示せず)がタービンホイール80の羽根部87にかかるように媒体の体積流動40を偏向する成形部品90に流動方向110に見て隣接するように公知のやり方で配置される。供給ダクト100が設けられる場合、タービンホイール80及び成形部品90は流動方向110に見て供給ダクト100の後端に囲まれる。そうでない場合、タービンホイール80及び成形部品90は、流動方向110に見て外形部113内部の追加負圧発生装置の環状中心部47の中で固定される(
図24a)。
【0348】
例示的な実施形態9
【0349】
図25、25aの例示的な実施形態は、異なる種類の媒体供給路を、具体的には、リングダクトと外側加速及び内側減速調整又は外側減速及び内側加速調整を備えたタイプの本発明による装置1を斜視図で示している。
【0350】
図25及び25aが前述の
図1から24の例示的な実施形態と同じ参照符号を含んでいる場合、参照される部品は同じ機能を有する。従って、前述の実施形態の部品の機能を参照されたい。
【0351】
この例示的な実施形態は、媒体供給路がリングダクトとして設計されている、従って、例えば、環状に設計されている点で差別化されている。このため、1つが端部が狭い円形リング、もう1つが端部が広い円形リングである、2つの環状ダクト53i、53jを入口体113の端部側開口101から追加負圧発生装置50の非回転成形ディスク51cの方向に配置してもよい。
【0352】
図25は、前側成形ディスク51cがその前側領域に「一体成形」された2つのリングダクトを有するように設計され、内側リングダクト53h/53jは減速を担当し、その流入・流出開口部は回転方向とは反対の方向に延伸し、外側ダクト53g/53iは加速を担当し、その流入・流出開口部は回転方向50aに延伸していることを示している。この配置は逆であってもよい。
【0353】
個別のリングダクトは
図25には示されていないが、 個別のリングダクトを設けることは可能であり、その場合、前側成形ディスクへの単一又は複数のアクセスポイントを有する。成形ディスクを具現化せずにリングダクトを個々に具現化してもよい。一例として、外側リングダクト53iは、前述の例示的な実施形態で何度も説明した流入フード113aを介して入口体113に流入する媒体を受け取ってもよい。
【0354】
例示的な実施形態10
【0355】
図26、26a、26b、26cに示される例示的な実施形態は、斜めの開口部を有する調整ディスクを備えるタイプのエネルギーコンバーターの実施形態を斜視図で示している。
【0356】
この例示的な実施形態は上述の非回転成形ディスク51cを備え、少なくとも1つの媒体供給路を備えない、コンバーターホイール50によって目的を達成する本発明の明示であり、そこでは追加負圧発生装置の回転速度の増加又は追加負圧発生装置の回転速度の低下が成形ディスクに含まれる(リングダクト41に加えて)少なくとも1つの追加の開口部の設計実施形態によって確立される。
【0357】
前述の
図1から
図25の例示的な実施形態と同じ参照符号が
図26、26a、26b、26cに含まれている場合、参照される部品は同じ機能を有する。従って、前述の実施形態の部品の機能を参照されたい。
【0358】
この設計実施形態では、媒体は、入口体113の端部側開口部101を通って追加負圧発生装置50に向かって流動する。この追加負圧発生装置50は、既に詳細に説明した通り、回転可能円形ディスク51a、リングダクト41、領域43、バッフル44、45、前室46、中心部47、ダクト48、及び非回転前側成形ディスク51cを備える。追加負圧発生装置50の回転方向は符号50aで示される。
【0359】
回転ディスク51jは開口部として設けられている。回転ディスク51jは中心軸51nを回る2つの旋回方向のうちの1つである51mに旋回されて斜めの開口部51hを開放し追加負圧発生装置50を加速する、又は他方の回転方向51iに旋回されて追加負圧発生装置を減速する。流路51k及び51lを有する回転ディスクは加速及び減速をする。加速又は減速が生じるように、又は前側成形ディスク内の流路が覆われるように位置決めがなされている。
【0360】
流路のこの特定の設計実施形態を
図25の例示的な実施形態による少なくとも1つのリングダクトと組み合わせることも可能である。これにより、成形ディスク内に斜めの流路51hを持つリングダクトを追加負圧発生装置50の回転方向50aに接続し、成形ディスク内に斜めの流路51iを持つもう一方のリングダクトを追加負圧発生装置50の回転方向50aとは反対の方向に接続することができる。媒体の供給流動はリングダクト内の、例えば、滑動体又は同様の形態の調節フラップの対応する設計実施形態によって制御することができる。これにより上述の調整ディスクを不要にすることができる。
【符号の説明】
【0361】
1 エネルギー変換装置
2~39 予備
40 体積流
41 リングダクト=入口ダクト
42 領域
43 領域
44 バッフル
45 バッフル
46 前室
47 中心部
48 ダクト
49 予備
50 追加負圧発生装置=コンバーターホイール
50a 回転方向
51 補助流路
51a 円形ディスク
51b 円形ディスク
51c 非回転前側成形ディスク
51d (媒体供給路53aに対応する)流路
51e (媒体供給路53bに対応する)流路
51f (媒体供給路53cに対応する)流路
51g (媒体供給路53dに対応する)流路
51h 回転方向における成形ディスク内の流路
51i 回転方向とは反対の方向における成形ディスク内の流路
51j 開口部としての調整ディスク
51k 加速用調整ディスク内の流路
51l 減速用調整ディスク内の流路
51m 軸51n回りの調整ディスクの旋回方向
51n 調整ディスクの回転軸
52 軸受部
53 媒体供給路
53a (回転方向50aに向いた51cにつながる外側加速)媒体供給路
53b (回転方向50aに向いた51cにつながる内側加速)媒体供給路
53c (回転方向50aに向いた51cにつながる外側減速)媒体供給路
53d (回転方向50aとは反対の方向に向いた51cにつながる内側減速)媒体供給路
53e 入口媒体供給路
53f 調整フラップ
53g 外側加速・内側減速用のリングダクトを備えた非回転前側成形ディスク
53h 外側減速・内側加速用のリングダクトを備えた非回転前側成形ディスク
53i 加速又は減速用の外側リングダクト
53j 減速又は加速用の内側リングダクト
54 ハブ部
54a 領域
55~56 予備
57 駆動モーター
58~61 予備
62 外圧
63~79 予備
80 タービンホイール
81 タービンシャフト
82 ギアボックス
83、84 予備
85 発電機
86 予備
87 羽根部
88、89 予備
90 成形部品
91 案内羽根部
92、79 予備
94 領域
95 領域
97~99 予備
100 管状部
101 入口体113の端部側開口部
102~104 予備
105 風方向
106 循環流
107 循環流
108 循環流
109 流出
110 流入
110a 鉛直軸を中心とした旋回
110b 鉛直軸から偏心した旋回
110c 空間軸の回りのエネルギーコンバーターの旋回
111 風流動
112 全体外形=ケーシング
113 外形部=入口体
113a 外側流入フード
113b 開口部
114 外形部
115 外形リング
116 発電機
117 ギアボックス
118~122 予備
123 マスト
124 建物の屋根
125 エネルギー獲得・伝送装置
126 電線
127.1、127.2、…127.n 電気エネルギー貯蔵・供給装置=発電所
128 電線
129 電線
130 電線
【国際調査報告】