(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】レーザ観測方向に基づくグリッドとボクセル位置決め方法、ロボット及びチップ
(51)【国際特許分類】
G05D 1/246 20240101AFI20241018BHJP
G05D 1/242 20240101ALI20241018BHJP
G01S 17/89 20200101ALI20241018BHJP
【FI】
G05D1/246
G05D1/242
G01S17/89
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524496
(86)(22)【出願日】2022-08-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 CN2022110899
(87)【国際公開番号】W WO2023071377
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202111238005.4
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520347351
【氏名又は名称】珠海一微半導体股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】AMICRO SEMICONDUCTOR CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 2706,3000 Huandao East Road,Hengqin New District,Zhuhai,Guangdong 519000(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】スン・ミン
(72)【発明者】
【氏名】ヂョウ・フォウェン
(72)【発明者】
【氏名】ファン・フゥイバオ
(72)【発明者】
【氏名】シュ・ソンヂョウ
(72)【発明者】
【氏名】チェン・ヂュオビャオ
【テーマコード(参考)】
5H301
5J084
【Fターム(参考)】
5H301BB14
5H301CC04
5H301CC07
5H301GG08
5J084AA04
5J084AA05
5J084AA10
5J084AC07
5J084BA03
5J084BA48
5J084CA65
(57)【要約】
本発明は、レーザ観測方向に基づくグリッドとボクセル位置決め方法、ロボット及びチップに関する。このグリッド位置決め方法は、レーザ点と同一の所定グリッドに位置する2つの所定交点を選択することと、そして、上記2つの所定交点のうち、観測点から最も遠い所定交点を第1所定交点とし、同一の観測点から最も近い所定交点を第2所定交点をとすることと、第2所定距離と第1所定距離との比の値と、所定比例係数との大小関係に基づいて、レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドを決定して、このレーザ点が2次元グリッドマップ内に最も新しくヒットしたグリッド位置を形成することと、を含み、ここで、第1所定距離は、第1所定交点と第2所定交点との間の直線距離であり、第2所定距離は、レーザ点と第2所定交点との間の直線距離である。それにより位置決め精度と製図品質を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ観測方向に基づくグリッド位置決め方法であって、前記グリッド位置決め方法は、
レーザ点と同一の所定グリッドに位置する2つの所定交点を選択することと、
そして、前記2つの所定交点のうち、観測点から最も遠い所定交点を第1所定交点とし、同一の観測点から最も近い所定交点を第2所定交点とし、ここで、第1所定交点と第2所定交点はいずれも観測光線と所定グリッドの対応するエッジとの交点であることと、
第2所定距離と第1所定距離との比の値と、所定比例係数との大小関係に基づいて、レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドを決定して、前記レーザ点が2次元グリッドマップ内に最も新しくヒットしたグリッド位置を形成し、ここで、第1所定距離は、第1所定交点と第2所定交点との間の直線距離であり、第2所定距離は、レーザ点と第2所定交点との間の直線距離であることと、を含み、
ここで、観測光線は、観測点からレーザ点に向かう光線であり、グリッドのエッジと重ならず、観測点は、レーザセンサが2次元グリッドマップにおいてマークされた位置である、
レーザ観測方向に基づくグリッド位置決め方法。
【請求項2】
前記第2所定距離と第1所定距離との比の値と、所定比例係数との大小関係に基づいて、レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドを決定する方法は、
第2所定距離と第1所定距離との比の値が所定比例係数よりも大きい場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドが、前記所定グリッドの観測光線の方向における近傍グリッドであることを決定することと、
第2所定距離と第1所定距離との比の値が所定比例係数以下である場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドが、前記所定グリッドであることを決定することと、を含み、
ここで、観測光線の方向は、観測点から前記レーザ点に向かう方向であり、観測点から延びるレーザ観測方向を示すために用いられる、
請求項1に記載のグリッド位置決め方法。
【請求項3】
前記レーザ点がグリッドのエッジに位置する場合、前記レーザ点は前記第2所定交点であり、前記第2所定距離と前記第1所定距離との比の値が0に等しく、これにより、前記観測光線が前記レーザ点を通過した後、続いて通過する最初のグリッドが前記目標グリッドになり、ここで、所定比例係数は0よりも大きい、
請求項2に記載のグリッド位置決め方法。
【請求項4】
前記目標グリッドが前記所定グリッドと1つのみの共通頂点を有するグリッドであるように、前記第1所定交点及び/又は前記第2所定交点は前記所定グリッドの頂点に位置することが可能であり、
ここで、前記第1所定交点と前記第2所定交点は、それぞれ前記所定グリッドの異なるエッジに位置する、
請求項1又は3に記載のグリッド位置決め方法。
【請求項5】
前記グリッド位置決め方法は、前記観測光線が2次元グリッドマップにおけるグリッドのエッジと重なる場合、前記レーザ点がこのグリッドの頂点に位置しないと、前記レーザ点が位置するグリッドのエッジを共通エッジとする2つのグリッドの一方を選択して、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドとすることと、
前記観測光線が2次元グリッドマップにおけるグリッドのエッジと重なる場合、前記レーザ点がこのグリッドの頂点に位置すると、前記レーザ点が位置する頂点を共通頂点とする4つのグリッドのうち、観測点から最も遠い2つのグリッドの一方を選択して、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドとし、ここで、観測点から最も遠い2つのグリッドは、同一の行又は同一の列に位置する隣接する2つのグリッドであることと、を含む、
請求項1に記載のグリッド位置決め方法。
【請求項6】
前記2次元グリッドマップのマップ座標系において、各グリッドの座標は、このグリッドの左下角点の座標、このグリッドの左上角点の座標、このグリッドの右下角点の座標、このグリッドの右上角点の座標、又はこのグリッドの中心位置の座標であり、
ここで、このグリッドの関連する角点及び中心位置の座標は、このグリッドの前記2次元グリッドマップにおける行番号と列番号を示すために用いられる、
請求項1~3のいずれか一項に記載のグリッド位置決め方法。
【請求項7】
前記所定グリッドの近傍グリッドは、前記所定グリッドと共通エッジ又は共通頂点を有するグリッドであり、
前記所定グリッドの前記観測光線の方向における近傍グリッドは、前記所定グリッドを探す起点とし、前記観測光線の方向に沿って探し出された1つの隣接するグリッドであり、
ここで、スキャンされた対象物の2次元位置情報を反映するために、前記レーザ点が前記所定グリッドに位置する方式は、前記レーザ点が前記所定グリッドの4つのエッジに囲まれた領域内に位置することと、前記レーザ点が前記所定グリッドの1つのエッジに位置することと、を含む、
請求項2又は3に記載のグリッド位置決め方法。
【請求項8】
取得された前記所定グリッドの列番号がs0であり、取得された前記所定グリッドの行番号がh0であると、2次元グリッドマップにおいて、前記所定グリッドの近傍グリッドは、行番号の数値範囲が[h0-1,h0+1]であり、列番号の数値範囲が[s0-1,s0+1]であるグリッドのうちに存在し、ここで、s0は整数であり、h0は整数である、
請求項7に記載のグリッド位置決め方法。
【請求項9】
レーザ観測方向に基づくボクセル位置決め方法であって、前記ボクセル位置決め方法は、
レーザ点と同一の所定ボクセルに位置する2つの所定交点を選択することと、
そして、前記2つの所定交点のうち、観測点から最も遠い所定交点を第1所定交点とし、同一の観測点から最も近い所定交点を第2所定交点とし、ここで、第1所定交点と第2所定交点はいずれも観測光線と所定ボクセルの対応する面との交点であることと、
第2所定距離と第1所定距離との比の値と、所定比例係数との大小関係に基づいて、レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルを決定して、前記レーザ点が2次元グリッドマップ内に最も新しくヒットしたボクセル位置を形成し、ここで、第1所定距離は、第1所定交点と第2所定交点との間の直線距離であり、第2所定距離は、レーザ点と第2所定交点との間の直線距離であることと、を含み、
ここで、観測光線は、観測点からレーザ点に向かう光線であり、同一のボクセルの異なる面を通過するように構成されるが、ボクセルの稜と重ならず、
ここで、観測点は、レーザセンサが3次元グリッドマップにおいてマークされた位置であり、レーザ点は、レーザセンサが収集したレーザ反射情報から変換された3次元グリッドマップ内のレーザ点群である、
レーザ観測方向に基づくボクセル位置決め方法。
【請求項10】
前記第2所定距離と第1所定距離との比の値と、所定比例係数との大小関係に基づいて、レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルを決定する方法は、
第2所定距離と第1所定距離との比の値が所定比例係数よりも大きい場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルが、前記所定ボクセルの観測光線の方向における近傍ボクセルであることを決定することと、
第2所定距離と第1所定距離との比の値が所定比例係数以下である場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルが、前記所定ボクセルであることを決定することと、を含み、
ここで、観測光線の方向は、観測点からレーザ点に向かう方向である、
請求項9に記載のボクセル位置決め方法。
【請求項11】
前記レーザ点が前記3次元グリッドマップのボクセルの面に位置する場合、前記レーザ点は前記第2所定交点であり、前記第2所定距離と前記第1所定距離との比の値は0に等しく、これにより、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルが前記所定ボクセルになり、ここで、所定比例係数は0よりも大きい、
請求項10に記載のボクセル位置決め方法。
【請求項12】
前記目標ボクセルが前記所定ボクセルと1つのみの共通頂点又は1本のみの共通稜を有するボクセルであるように、前記第1所定交点及び/又は前記第2所定交点は前記所定ボクセルの稜に位置し、
ここで、前記第1所定交点と前記第2所定交点は、それぞれ前記所定ボクセルの異なる面に位置する、
請求項9又は10に記載のボクセル位置決め方法。
【請求項13】
前記ボクセル位置決め方法は、前記観測光線が3次元グリッドマップにおけるボクセルの1つの面に位置する場合、
前記観測光線が3次元グリッドマップにおけるボクセルの稜と重ならない場合、前記レーザ点がボクセルの頂点に位置しないと、前記レーザ点が位置する面を共通面とする2つのボクセルの一方を選択して、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルとするステップと、
前記観測光線が3次元グリッドマップにおけるボクセルの稜と重なる場合、前記レーザ点がボクセルの頂点に位置しないと、前記レーザ点が位置するボクセルの稜を共通稜とする4つのボクセルのうち1つを、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルとするステップと、
前記レーザ点がボクセルの頂点に位置すると、前記レーザ点が位置する頂点を共通頂点とする8つのボクセルのうち、観測点からの垂直距離が最も大きいボクセルを選択して、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルとするステップと、をさらに含む、
請求項9に記載のボクセル位置決め方法。
【請求項14】
前記3次元グリッドマップの3次元マップ座標系において、各ボクセルの座標は、このボクセルの1つの頂点の座標、又はこのボクセルの中心位置の座標である、
請求項9~11のいずれか一項に記載のボクセル位置決め方法。
【請求項15】
前記所定ボクセルの近傍ボクセルは、前記所定ボクセルと共通稜又は共通頂点を有するボクセルであり、
前記所定ボクセルの前記観測光線の方向における近傍ボクセルは、前記所定ボクセルを探す起点とし、前記観測光線の方向に沿って探し出された隣接するボクセルであり、
ここで、前記レーザ点が前記所定ボクセルに位置する方式は、前記レーザ点が前記所定ボクセルの8つの面に囲まれた空間領域内に位置することと、前記レーザ点が前記所定ボクセルの1つの面に位置することと、を含み、
ここで、前記レーザ点が前記所定ボクセルの1つの面に位置する方式は、前記レーザ点が前記所定ボクセルの1つの頂点に位置することを含む、
請求項10又は11に記載のボクセル位置決め方法。
【請求項16】
取得された前記所定ボクセルの横軸方向番号がs0であり、取得された前記所定ボクセルの縦軸方向番号がh0であり、取得された前記所定ボクセルの垂直軸方向番号がz0であると、3次元グリッドマップにおいて、前記所定ボクセルの近傍ボクセルは、横軸方向番号の数値範囲が[h0-1,h0+1]であり、縦軸方向番号の数値範囲が[s0-1,s0+1]であり、垂直軸方向番号の数値範囲が[z0-1,z0+1]であるボクセルのうちに存在し、ここで、s0は整数であり、h0は整数であり、z0は整数である、
請求項15に記載のボクセル位置決め方法。
【請求項17】
ロボットであって、前記ロボットは、
ロボット本体と、
前記ロボット本体に設けられた走行構成と、
前記ロボット本体に設けられ、スキャンされた対象物から反射されたレーザ情報を収集し、レーザ点を取得してレーザ点群を形成するレーザセンサと、
前記ロボット本体に内蔵され、前記レーザセンサと接続されるコントローラと、を含み、
前記コントローラは、少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、を含み、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続され、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を記憶し、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されて、前記ロボットに請求項1~3、5のいずれか一項に記載のレーザ観測方向に基づくグリッド位置決め方法、及び/又は請求項9~11、13のいずれか一項に記載のレーザ観測方向に基づくボクセル位置決め方法を実行させる、
ロボット。
【請求項18】
チップであって、前記チップは、コンピュータ実行可能命令を記憶し、前記コンピュータ実行可能命令が前記チップに実行された時、請求項1~3、5のいずれか一項に記載のレーザ観測方向に基づくグリッド位置決め方法、及び/又は請求項9~11、13のいずれか一項に記載のレーザ観測方向に基づくボクセル位置決め方法を実現する、
チップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マップで位置決めの技術分野に関し、具体的にレーザ観測方向に基づくグリッドとボクセル位置決め方法、ロボット及びチップに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ測距で位置を決める移動ロボットは、連続位置決め、ナビゲーション、障害物回避等を行うために、その内部に機体周辺に関する環境マップを構築する。よって、従来技術では、マップが2次元グリッドマップ又は3次元グリッドマップである場合、室内位置決めを実行する時、行う必要がある点群マッチング、マップ更新等が、いずれもレーザ点がどの具体的なグリッドにヒットするかという点に関するため、グリッドを探し更新することにより、レーザ点(レーザ点群)がどのグリッド内にヒットするかを決定する必要があるが、どの方向からレーザ点を観測するかが考慮されていないため、2Dグリッドマップ又は3Dグリッドマップに対し、位置決め精度が低下する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
上記課題を解決するために、本開示は、観測位置とレーザ観測方向とを組み合わせるグリッド位置決め方法、ボクセル位置決め方法、ロボット及びチップを提案し、選択されたグリッドが示す位置を実際の物理的位置により近くさせ、位置決め精度と製図品質を向上させることができる。具体的な技術案は以下を含む。
【0004】
レーザ観測方向に基づくグリッド位置決め方法であって、このグリッド位置決め方法は、レーザ点と同一の所定グリッドに位置する2つの所定交点を選択することと、そして、上記2つの所定交点のうち、観測点から最も遠い所定交点を第1所定交点とし、同一の観測点から最も近い所定交点を第2所定交点とし、ここで、第1所定交点と第2所定交点はいずれも観測光線と所定グリッドの対応するエッジとの交点であることと、第2所定距離と第1所定距離との比の値と、所定比例係数との大小関係に基づいて、レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドを決定して、このレーザ点が2次元グリッドマップ内に最も新しくヒットしたグリッド位置を形成することと、を含み、ここで、第1所定距離は、第1所定交点と第2所定交点との間の直線距離であり、第2所定距離は、レーザ点と第2所定交点との間の直線距離であり、観測光線は、観測点からレーザ点に向かう光線であり、グリッドのエッジと重ならず、観測点は、レーザセンサが2次元グリッドマップにおいてマークされた位置である。
【0005】
さらに、前記第2所定距離と第1所定距離との比の値と、所定比例係数との大小関係に基づいて、レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドを決定する方法は、第2所定距離と第1所定距離との比の値が所定比例係数よりも大きい場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドが、前記所定グリッドの観測光線の方向における近傍グリッドであることを決定することと、第2所定距離と第1所定距離との比の値が所定比例係数以下である場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドが、前記所定グリッドであることを決定することと、を含み、ここで、観測光線の方向は、観測点から前記レーザ点に向かう方向であり、観測点から延びるレーザ観測方向を示すために用いられる。
【0006】
さらに、前記レーザ点がグリッドのエッジに位置する場合、前記レーザ点は前記第2所定交点であり、前記第2所定距離と前記第1所定距離との比の値が0に等しく、これにより、前記観測光線が前記レーザ点を通過した後、続いて通過する最初のグリッドが前記目標グリッドになり、ここで、所定比例係数は0よりも大きい。
【0007】
さらに、前記目標グリッドが前記所定グリッドと1つのみの共通頂点を有するグリッドであるように、前記第1所定交点及び/又は前記第2所定交点は前記所定グリッドの頂点に位置することが可能であり、ここで、前記第1所定交点と前記第2所定交点は、それぞれ前記所定グリッドの異なるエッジに位置する。
【0008】
さらに、前記グリッド位置決め方法は、前記観測光線が2次元グリッドマップにおけるグリッドのエッジと重なる場合、前記レーザ点がこのグリッドの頂点に位置しないと、前記レーザ点が位置するグリッドのエッジを共通エッジとする2つのグリッドの一方を選択して、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドとすることと、前記観測光線が2次元グリッドマップにおけるグリッドのエッジと重なる場合、前記レーザ点がこのグリッドの頂点に位置すると、前記レーザ点が位置する頂点を共通頂点とする4つのグリッドのうち、観測点から最も遠い2つのグリッドの一方を選択して、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドとすることと、を含み、ここで、観測点から最も遠い2つのグリッドは、同一の行又は同一の列に位置する隣接する2つのグリッドである。
【0009】
さらに、前記2次元グリッドマップのマップ座標系において、各グリッドの座標は、このグリッドの左下角点の座標、このグリッドの左上角点の座標、このグリッドの右下角点の座標、このグリッドの右上角点の座標、又はこのグリッドの中心位置の座標である。ここで、このグリッドの関連する角点及び中心位置の座標は、このグリッドの前記2次元グリッドマップにおける行番号と列番号を示すために用いられる。
【0010】
さらに、前記所定グリッドの近傍グリッドは、前記所定グリッドと共通エッジ又は共通頂点を有するグリッドである。前記所定グリッドの前記観測光線方向における近傍グリッドは、前記所定グリッドを探す起点とし、前記観測光線の方向に沿って探し出された1つの隣接するグリッドである。ここで、スキャンされた対象物の2次元位置情報を反映するために、前記レーザ点が前記所定グリッドに位置する方式は、前記レーザ点が前記所定グリッドの4つのエッジに囲まれた領域内に位置することと、前記レーザ点が前記所定グリッドの1つのエッジに位置することと、を含む。
【0011】
さらに、取得された前記所定グリッドの列番号がs0であり、取得された前記所定グリッドの行番号がh0であると、2次元グリッドマップにおいて、前記所定グリッドの近傍グリッドは、行番号の数値範囲が[h0-1,h0+1]であり、列番号の数値範囲が[s0-1,s0+1]であるグリッドのうちに存在し、ここで、s0は整数であり、h0は整数である。
【0012】
レーザ観測方向に基づくボクセル位置決め方法であって、このボクセル位置決め方法は、レーザ点と同一の所定ボクセルに位置する2つの所定交点を選択することと、そして、上記2つの所定交点のうち、観測点から最も遠い所定交点を第1所定交点とし、同一の観測点から最も近い所定交点を第2所定交点とし、ここで、第1所定交点と第2所定交点はいずれも観測光線と所定ボクセルの対応する面との交点であることと、第2所定距離と第1所定距離との比の値と、所定比例係数との大小関係に基づいて、レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルを決定して、このレーザ点が2次元グリッドマップ内に最も新しくヒットしたボクセル位置を形成することと、を含み、ここで、第1所定距離は、第1所定交点と第2所定交点との間の直線距離であり、第2所定距離は、レーザ点と第2所定交点との間の直線距離であり、観測光線は、観測点からレーザ点に向かう光線であり、同一のボクセルの異なる面を通過するように構成されるが、ボクセルの稜と重ならず、観測点は、レーザセンサが3次元グリッドマップにおいてマークした位置であり、レーザ点は、レーザセンサが収集したレーザ反射情報から変換された3次元グリッドマップ内のレーザ点群である。
【0013】
さらに、前記第2所定距離と第1所定距離との比の値と、所定比例係数との大小関係に基づいて、レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルを決定する方法は、第2所定距離と第1所定距離との比の値が所定比例係数よりも大きい場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルが、前記所定ボクセルの観測光線の方向における近傍ボクセルであることを決定することと、第2所定距離と第1所定距離との比の値が所定比例係数以下である場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルが、前記所定ボクセルであることを決定することと、を含み、ここで、観測光線の方向は、観測点からレーザ点に向かう方向である。
【0014】
さらに、前記レーザ点が前記3次元グリッドマップのボクセルの面に位置する場合、前記レーザ点は前記第2所定交点であり、前記第2所定距離と前記第1所定距離との比の値は0に等しく、これにより、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルが前記所定ボクセルになり、ここで、所定比例係数は0よりも大きい。
【0015】
さらに、前記目標ボクセルが前記所定ボクセルと1つのみの共通頂点又は1本だけの共通稜を有するボクセルであるように、前記第1所定交点及び/又は前記第2所定交点は前記所定ボクセルの稜に位置し、ここで、前記第1所定交点と前記第2所定交点は、それぞれ前記所定ボクセルの異なる面に位置する。
【0016】
さらに、前記ボクセル位置決め方法は、前記観測光線が3次元グリッドマップにおけるボクセルの1つの面に位置する場合、以下のステップをさらに含む。前記観測光線が3次元グリッドマップにおけるボクセルの稜と重ならない場合、前記レーザ点がボクセルの頂点に位置しないと、前記レーザ点が位置する面を共通面とする2つのボクセルの一方を選択して、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルとし、前記観測光線が3次元グリッドマップにおけるボクセルの稜と重なる場合、前記レーザ点がボクセルの頂点に位置しないと、前記レーザ点が位置するボクセルの稜を共通稜とする4つのボクセルのうち1つを、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルとし、前記レーザ点がボクセルの頂点に位置すると、前記レーザ点が位置する頂点を共通頂点とする8つのボクセルのうち、観測点からの垂直距離が最も大きいボクセルを選択して、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルとする。
【0017】
さらに、前記3次元グリッドマップの3次元マップ座標系において、各ボクセルの座標は、このボクセルの1つの頂点の座標、又はこのボクセルの中心位置の座標である。
【0018】
さらに、前記所定ボクセルの近傍ボクセルは、前記所定ボクセルと共通稜又は共通頂点を有するボクセルである。前記所定ボクセルの前記観測光線方向における近傍ボクセルは、前記所定ボクセルを探す起点とし、前記観測光線の方向に沿って探し出された隣接するボクセルである。ここで、前記レーザ点が前記所定ボクセルに位置する方式は、前記レーザ点が前記所定ボクセルの8つの面に囲まれた空間領域内に位置することと、前記レーザ点が前記所定ボクセルの1つの面に位置することと、を含む。ここで、前記レーザ点が前記所定ボクセルの1つの面に位置する方式は、前記レーザ点が前記所定ボクセルの1つの頂点に位置することを含む。
【0019】
さらに、取得された前記所定ボクセルの横軸方向番号がs0であり、取得された前記所定ボクセルの縦軸方向番号がh0であり、取得された前記所定ボクセルの垂直軸方向番号がz0であると、3次元グリッドマップにおいて、前記所定ボクセルの近傍グリッドは、横軸方向番号の数値範囲が[h0-1,h0+1]であり、縦軸方向番号の数値範囲が[s0-1,s0+1]であり、垂直軸方向番号の数値範囲が[z0-1,z0+1]であるボクセルのうちに存在し、ここで、s0は整数であり、h0は整数であり、z0は整数である。
【0020】
ロボットであって、前記ロボットは、ロボット本体と、前記ロボット本体に設けられた走行構成と、前記ロボット本体に設けられたレーザセンサであって、スキャンされた対象物から反射されたレーザ情報を収集し、レーザ点を取得してレーザ点群を形成するために用いられるレーザセンサと、コントローラであって、前記ロボット本体に内蔵され、前記レーザセンサと接続されるコントローラと、を含み、前記コントローラは、少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、を含み、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続され、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を記憶し、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されて、前記ロボットにレーザ観測方向に基づくグリッド位置決め方法、及び/又は前記レーザ観測方向に基づくボクセル位置決め方法を実行させる。
【0021】
チップであって、前記チップは、コンピュータ実行可能命令を記憶し、前記コンピュータ実行可能命令が前記チップに実行された時、前記レーザ観測方向に基づくグリッド位置決め方法、及び/又は前記レーザ観測方向に基づくボクセル位置決め方法を実現する。
【発明の効果】
【0022】
従来技術に比べ、本発明は、レーザセンサの位置を観測点とし、そして、この観測点からグリッドマップにヒットしたレーザ点に向かう観測方向(即ち、レーザ観測方向)に沿って、この観測点からグリッドマップにヒットしたレーザ点に向かって形成された光線とグリッドとの交点のうち、位置決めと距離の比較との意味を持つ2つの交点を探し出し、そして、観測点から最も近い交点とレーザ点との間の距離と、上記2つの交点の直線距離との比の値に基づいて、このレーザ点がマップ内において最も新しくヒットしたグリッド位置を決定し、レーザ点と周囲のグリッドとの近接度に基づいて、このレーザ点がマップ内において最も新しくヒットしたグリッド位置を決定する構想を形成し、2次元グリッドマップ内において、実際の物理的位置との位置決め誤差がより小さいグリッドを取得することを実現するとともに、3次元グリッドマップ内において、実際の物理的位置との位置決め誤差がより小さいボクセル(ボクセルグリッドの略称)を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施例が開示したレーザ観測方向に基づくグリッド位置決め方法を示すフロー図である。
【
図2】本発明の一実施例が開示した光線OMが2次元グリッドマップ内においてグリッドを通過する模式図である。
【
図3】本発明の一実施例が開示した光線ONが2次元グリッドマップ内においてグリッドを通過する模式図である。
【
図4】本発明の一実施例が開示した光線OPが2次元グリッドマップ内においてグリッドを通過する模式図である。
【
図5】本発明の一実施例が開示した光線OUが3次元グリッドマップ内においてボクセルを通過する模式図である。
【
図6】本発明の一実施例が開示した光線OLが3次元グリッドマップ内においてボクセルを通過する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例における図面を参照して本発明の実施例における技術案に対して詳細に説明する。矛盾がない場合に、下記の実施例及び実施例の特徴を組み合わせることができる。以下の説明において、実施例を十分に理解するように具体的な詳細を示す。なお、当業者は、実施例がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることを理解すべきである。例えば、必要がない詳細のせいで実施例が不明瞭にならないように、回路はブロック図で示されることができる。他の場合に、実施例を曖昧にしないように、周知の回路、構造、及び技術が詳細に示されなくてもよい。
【0025】
なお、2次元グリッドマップも3次元グリッドマップも、具体的な位置や領域に障害が存在する確率を示す情報を含み、移動ロボットのレーザセンサによって測定対象物をスキャンして測定対象物に対応する位置情報を取得し、これに基づいて、測定対象物がマップの対応するグリッド位置に落下する確率情報を算出することができる。移動ロボットは同一の位置の異なる時点で、レーザセンサによって1つの固定障害物(測定対象物)に対する検出距離が一致せず、ある時点で収集した1フレームのレーザデータに関する検出距離が5mであり、別の時点で収集した1フレームのレーザデータに関する検出距離が5.1mである可能性がある。同時に5mと5.1mの位置を上記固定障害物とマークしないために、占有グリッドマップ(Occupancy Grid Map)の構築アルゴリズムを用いて上記固定障害物がマップの対応するグリッド位置に落下する(ヒットする)確率情報を計算し、そして、確率値の大小に基づいて上記固定障害物のマップにおける正確な位置を決定する必要がある。従来技術では、通常、移動ロボットのサイズが占める空間を考慮しないため、本発明では、マップが変化したかどうかに関わらず、移動ロボットを1つの点に縮小する。
【0026】
具体的には、特定の解像度を有するグリッドマップは、特定の数のレーザスキャン点(単にレーザ点と呼ばれることができる)からなり、具体的に5cm×5cmサイズの確率グリッド[Pmin,Pmax]で構成して形成され、2次元グリッドマップであっても3次元グリッドマップであっても、マップの作成完了時に、グリッド確率がPmin未満である場合、そのグリッド位置に障害物がないことを示し、グリッド確率がPmin~Pmaxである場合、未知であることを示し、グリッド確率がPmaxよりも大きい場合、そのグリッド位置に障害物があることを示す。各フレームのレーザスキャン点は、いずれも1つのグリッド群を生成し、1つのグリッド群において、各グリッドには占有確率値が割り当てられ、グリッドが前に確率値を有した場合、そのグリッドの確率値を更新する必要がある。
【0027】
さらに、固定のスキャンされる対象物に対して、移動レーザセンサによって、できるだけ多くの実体表面の点情報を取得してもよい。1本のレーザがスキャンされる対象物の表面に照射すると、反射されたレーザ情報は、方位、距離等の情報を含む。レーザ測量と撮影測量原理を結合して点群(Point Cloud)を得、この点群は、3次元座標(XYZ)、レーザ反射強度(Intensity)及び色情報(RGB)を含む。スキャンされた対象物の表面の各サンプル点の空間座標を取得した後、得たのは1つの点集合であり、この点集合は点群と呼ばれ、それにより、点群も目標表面特徴に関する大量の点の集合である。異なる観測点(異なる位置にあるレーザセンサ、又は順次に異なる位置に移動したレーザセンサと理解する)から取得された3次元データが、スキャンされた対象物を完全にカバーするように、特定の重複を有した時、十分な表面3次元点群データを取得したことを示し、ここで、異なる観測点から取得された点群が、1つのマップ座標系に統一的に変換された。
【0028】
実施例1として、レーザ観測方向に基づくグリッド位置決め方法を開示する。このグリッド位置決め方法の実行主体は、レーザセンサを搭載した移動ロボットであり、ここで、レーザセンサは、スキャンされた対象物から反射されたレーザ情報を収集するために用いられ、移動ロボットの内部におけるコントローラによって、タイムリーに構築されたマップ内の点に変換され、この点はスキャン位置のグリッド番号を示すことができ、ワールド座標系から2次元グリッド座標系に変換されるものであり、各グリッド番号はxとyの2つの数字を有し、マップの解像度に関し、例えば、マップの解像度は0.05であり、即ち、実際の物理的環境内の1mは20つのグリッドで表される。
図1に示すように、このグリッド位置決め方法は以下を含む。
【0029】
ステップS1では、レーザ点と同一の所定グリッドに位置する2つの所定交点を選択し、一部の実施例において、観測光線の方向に沿って、レーザ点と同一の所定グリッドに位置する2つの所定交点を探し出し、ここで、第1所定交点と第2所定交点は、それぞれ所定グリッドの異なるエッジに位置する。その後、ステップS2に進む。ここで、前記観測光線において、レーザ点が上記2つの所定交点と同一のグリッドに位置することは、このグリッドのエッジに位置することと、又はこのグリッドの4つのエッジで囲まれたグリッド領域の内部(ただし、そのエッジが含まない)に位置することと、を含む。本実施例はこのようなグリッドを所定グリッドと定義する。前記観測光線は、観測点からレーザ点に向かう光線であり、グリッドのエッジと重ならず、具体的には、前記観測光線は所定グリッドのいずれのエッジにも重ならない。前記観測点は、レーザセンサが2次元グリッドマップにおいてマークされた位置であり、好ましくは、前記観測点は、前記レーザセンサのプローブの具体的な位置を示し、信号の送受信位置を決定するために用いられる。
【0030】
ステップS2では、上記2つの所定交点のうち、観測点から最も遠い所定交点を第1所定交点とし、同一の観測点から最も近い所定交点を第2所定交点とする。その後、ステップS3に進む。従って、ステップS2では、前記レーザ点の観測光線に対応するグリッドとの交差エッジにおけるマッピング点としての、同一の光線に第2所定交点と第1所定交点を設置することによって、さらにこれらの2つの交点の位置と前記観測点との距離関係を構築した。
【0031】
ステップS3では、第2所定距離と第1所定距離との比の値と、所定比例係数との大小関係に基づいて、レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドを決定して、このレーザ点が2次元グリッドマップ内に最も新しくヒットしたグリッド位置を形成し、実際の物理的位置との位置決め誤差がより小さいグリッドを取得することを実現し、ひいては前記観測光線の方向に沿って、マップにおける現ヒットされたグリッドの近傍領域内の合理的な距離を有するグリッドを、前記目標グリッドに配置し、且つマップにおける現ヒットされたグリッドに更新することができる。従来技術に比べ、計算や比較によってグリッドの占有確率値を取得する必要がない。ここで、第1所定距離は、第1所定交点と第2所定交点との間の直線距離であり、第2所定距離は、レーザ点と第2所定交点との間の直線距離であり、これらの距離は、いずれも前記2次元グリッドマップの座標系において算出される。関連する距離情報を実際に計算する時、各レーザ点と、そのヒットしたグリッドの2次元グリッド座標系におけるグリッド番号を計算する必要がある。ここで、所定比例係数の具体的な設定は、実際の試験結果に基づいて適応的に調節することができ、それにより、ロボットが構築したグリッドマップに存在する誤差に適応し、その誤差は、具体的にレーザが構築したグリッドマップがグリッド解像度によって分割した画素画像において、マップが示す環境情報が実際と誤差があり、例えば、マップには、直線セグメントがギザギザ状を呈し、セグメントは階層的に重ねられ、セグメントにはノイズがある等の問題を有する。
【0032】
なお、レーザ点は、レーザセンサが収集したスキャンされた対象物から反射されたレーザ情報がグリッドマップ内に変換された座標点であり、レーザスキャン点又はレーザサンプリング点に属し、位置情報(スキャンされた対象物表面までの検出距離と検出角度を含む)とレーザ反射強度を反映する。具体的には、レーザセンサは、レーザビームをあるルートでスキャンされた対象物をスキャンすると、スキャンしながら反射したレーザ点に関する情報を記録する。スキャンが極めて微細であると、大量のレーザ点を得る可能であるため、レーザ点群を形成することができる。ここで、レーザセンサは、通常、360度の回転スキャンをサポートするレーザレーダーであり、レーザ送信プローブと受信プローブを有する。いくつかの実施形態において、レーザ点が処理された後、レーザがあった具体的な表面要素を分類することができるため、床、家具、壁、及び室内の任意のレーザビームが測定中にあった対象物がレーザ点群データを構成し、これらの対象物の位置決めを実現する。具体的には、レーザセンサが収集したスキャンされた対象物から反射されたレーザ情報はレーザレーダーデータパケットを含み、レーザレーダーデータパケットはいくつかのフレームのレーザ点群データを含み、各フレームのレーザ点群データはいくつかのスキャン点を含み、各スキャン点は、角度(反時計回りは正の方向である)と距離とを含む。
【0033】
上記実施例に基づき、第2所定距離と第1所定距離との比の値と、所定比例係数との大小関係に基づいて、レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドを決定する方法は、第2所定距離と第1所定距離との比の値が所定比例係数よりも大きい場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドが、前記所定グリッドが観測光線の方向に近傍グリッドであり、前記観測光線の方向に沿って探す前記レーザ点から最も近いグリッドであることを決定することと、第2所定距離と第1所定距離との比の値が所定比例係数以下である場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドが、前記所定グリッドであると決定して、前記レーザ点が元々位置したグリッドを前記目標グリッドとすることと、を含み、ここで、観測光線の方向は、観測点からレーザ点に向かう方向であり、観測点から延びるレーザ観測方向を示すために用いられ、それにより、方向の次元から実際の物理的位置との差が比較的に小さいグリッドを選択し、定位精度と製図品質を向上させることができる。前記所定比例係数は、上記に関する距離の比の値が0よりも大きいことに基づいて、好ましくは0よりも大きい。
【0034】
以上をまとめると、従来技術に比べ、本発明は、レーザセンサの位置を観測点とし、そして、この観測点からグリッドマップにヒットしたレーザ点に向かう観測方向に沿って、この観測点からグリッドマップにヒットしたレーザ点に向かって形成された光線とグリッドとの交点のうち、位置決めと距離の比較との意味を持つ2つの交点を探し出し、そして、観測点から最も近い交点とレーザ点との間の距離と、上記2つの交点の直線距離との比の値に基づいて、このレーザ点がマップ内において最も新しくヒットしたグリッド位置を決定し、レーザ点と周囲のグリッドとの近接度に基づいて、このレーザ点がマップ内において最も新しくヒットしたグリッド位置を決定する構想を形成し、2次元グリッドマップ内において、実際の物理的位置との位置決め誤差がより小さいグリッドを取得することを実現する。
【0035】
図2乃至
図4のグリッドマップから分かるように、示された2次元グリッドマップにおける各グリッドは規則的に配列されており、2次元グリッドマップにおける各グリッドは行と列のように整列して配列されており、点Oをロボットのレーザセンサが占めるグリッド位置とする。
図2のM点が位置するグリッドは前記所定グリッドであり、
図2のM点が位置するグリッドに隣接するグリッドは3つである。
図3のN点が位置するグリッドも前記所定グリッドであり、
図3のN点が位置するグリッドに隣接するグリッドは8つである。従って、本実施例では、所定グリッドの近傍グリッドは、所定グリッドと共通エッジ又は共通頂点を有するグリッドである。ここで、スキャンされた対象物の2次元位置情報を反映するために、前記レーザ点が前記所定グリッドに位置する方式は、前記レーザ点が前記所定グリッドの4つのエッジに囲まれた領域内に位置することと、前記レーザ点が前記所定グリッドの1つのエッジに位置することと、を含む。なお、上記実施例では、前記所定グリッドの前記観測光線方向における近傍グリッドは、前記所定グリッドを探す起点とし、前記観測光線の方向に沿って探し出された1つの隣接するグリッドであり、前記観測光線の方向は、
図2に示された光線OMの矢印が示す方向であり、又は、前記観測光線の方向は、
図3に示された光線ONの矢印が示す方向である。それにより、所定観測光線の方向に沿って、レーザ点が位置するグリッド位置を含むレーザ点の周辺領域から目標グリッドを探し出し、計算の複雑度を低減し、レーザ点の位置決め速度を高める。
【0036】
具体的には、取得された前記所定グリッドの列番号がs0であり、取得された前記所定グリッドの行番号がh0であると、2次元グリッドマップにおいて、前記所定グリッドの近傍グリッドは、行番号の数値範囲が[h0-1,h0+1]であり、列番号の数値範囲が[s0-1,s0+1]であるグリッドであり、ここで、s0は整数であり、h0は整数である。好ましくは、
図2に示されたグリッドマップにおいて、
図2のM点が位置するグリッドの行番号が0であり、
図2のM点が位置するグリッドの列番号が0であるとすると、
図2のM点が位置するグリッドの近傍グリッドの行番号の数値範囲は[0,1]であり、その列番号の数値範囲は[0,1]である。好ましくは、
図3に示されたグリッドマップにおいて、
図3のN点が位置するグリッドの行番号が1であり、
図3のN点が位置するグリッドの列番号が1であるとすると、
図3のN点が位置するグリッドの近傍グリッドの行番号の数値範囲は[0,2]であり、その列番号の数値範囲は[0、2]である。
図2乃至
図3に示されたグリッドマップから分かるように、近傍グリッドの行番号が、前記所定グリッドの前の行から後の行までの区間内であり、近傍グリッドの列番号が、前記所定グリッドの前の列から後の列までの区間内にあるため、s0とh0が既知である前提で、縦軸方向番号の数値範囲が[h0-1,h0+1]であり、横軸方向番号の数値範囲が[s0-1,s0+1]であるグリッドから、前記レーザ点が2次元グリッドマップにおいて行番号と列番号にマッチングするグリッドが存在するように、前記所定グリッドを除外すると、残りのグリッドが前記所定グリッドの近傍グリッドになる。従って、本実施例は、グリッドマップにおける行番号と列番号を基づいて、唯一のグリッドを決定することができる。
【0037】
一部の実施例において、前記2次元グリッドマップのマップ座標系において、即ち、上記2次元グリッドの座標系において、各グリッドの座標は、このグリッドの左下角点の座標、このグリッドの左上角点の座標、又はこのグリッドの右下角点の座標である。いくつかの実施シーンでは、グリッドの中心位置を用いてスキャンされた領域の実際地理位置を表すため、各グリッドの座標がグリッドの中心位置の座標を用いて表される。ここで、このグリッドの関連するエッジの角点及び中心位置の座標は、このグリッドの前記2次元グリッドマップにおける行番号と列番号を表すことができ、横座標は列番号に等しく、縦座標は行番号に等しい。
図2乃至
図4のグリッドマップに示すように、左から右までグリッドをトラバースすると、列番号は徐々に増やし、下から上までグリッドをトラバースすると、列番号は徐々に増やす。それにより、前記2次元グリッドマップ内において、グリッドが一つずつ接続して形成された経路が連続的であることを確保する。理解しやすいように、
図2乃至
図4に示されたマップ座標系において、このグリッドの座標をグリッドの左下角点の座標として表す。
【0038】
実施例2として、
図2に示すように、観測点を点Oとマークし、レーザセンサが収集し変換して取得したレーザ点を点Mとマークし、観測点Oからレーザ点Mに向かって観測光線OMを形成し、レーザ点Mが位置するグリッドが前記所定グリッドである場合、観測光線OMと前記所定グリッドの対応するエッジとが、点Aと点Bとで交差し、即ち、観測光線OMが同一のグリッドと点Aと点Bとで交差しながら、観測光線OMは前記所定グリッドのいずれのエッジにも重ならない。ここで、点Aと観測点Oとの距離が点Bと観測点Oとの距離よりも大きい場合、点Aと点Bとの間の距離を第1所定距離ABと定義し、点Aとレーザ点Mとの間の距離を第2所定距離MAと定義し、第1所定交点を点Bとマークし、第2所定交点を点Aとマークする。これに基づき、観測光線OMの方向に沿って、同一の所定グリッドに位置する第1所定交点B、第2所定交点A及びレーザ点Mを選択することができ、第1所定交点B及び第2所定交点Aは、前記観測光線OMと対応するグリッドとの交差エッジにおけるマッピング点であると理解できる。実施例2において、第2所定距離MAと第1所定距離ABとの比の値が、前記所定比例係数よりも大きい場合、前記レーザ点Mが観測光線OMの方向にヒットする目標グリッドが、前記所定グリッドの観測光線OMの方向における近傍グリッドであり、前記観測光線OMの方向に沿って探された前記レーザ点Mから最も近いグリッドであることを決定すると、この目標グリッドは、
図2において、前記観測光線OMの矢印が前記所定グリッドの同一の列の前の行を指すグリッドであり、それに応じて、
図2に示されたマップ座標系において、このグリッドの座標を、グリッドの左下角点の座標で表すと、レーザ点Mが位置するグリッド(前記所定グリッド)の座標は(0,0)であり、前記レーザ点Mが観測光線OMの方向にヒットする目標グリッドの座標は(0,0)である。実施例2において、第2所定距離MAと第1所定距離ABとの比の値が、前記所定比例係数以下である場合、前記レーザ点Mが観測光線OMの方向にヒットする目標グリッドが、前記所定グリッドであり、この目標グリッドは、
図2において、前記レーザ点Mが元々位置したグリッドであることを決定し、それに応じて、
図2に示されたマップ座標系において、このグリッドの座標を、グリッドの左下角点の座標で表すと、レーザ点Mが位置するグリッド(前記所定グリッド)の座標は(0,0)であり、前記レーザ点Mが観測光線OMの方向にヒットする目標グリッドの座標は(0,0)である。それにより、2次元グリッドマップ内において実際の物理的位置との距離誤差がより小さいグリッドを取得することを実現する。
【0039】
上記実施例に基づき、第2所定距離と第1所定距離との比の値が、前記所定比例係数よりも大きい場合、前記観測光線の方向は、前記レーザ点が前記観測光線の方向にヒットする目標グリッドが、前記レーザ点が位置する前記所定グリッドに対する分布方向(近傍グリッド方向と略称し、
図2乃至
図3に示された光線の矢印が示す方向を含む)を決定することを推論し得る。前記近傍グリッドの方向は、前記所定グリッドの左上、前記所定グリッドの左下、前記所定グリッドの右上、前記所定グリッドの右下、前記所定グリッドの真上、前記所定グリッドの真下、前記所定グリッドの真左、及び前記所定グリッドの真右に分かれる。各前記近傍グリッドの方向は、
図2に対応する実施例2を参照して、前記観測光線の方向に対応する目標グリッドを決定でき、ここでは図面や説明を省略し、実施例2における関連する観測光線及びグリッドに対して、適応的に調整するだけである。
【0040】
好ましくは、前記レーザ点がグリッドのエッジに位置する場合、前記レーザ点は前記第2所定交点であり、この好ましい例では、前記レーザ点は、前記第2所定交点にしか設定できない。この場合、前記レーザ点は、観測光線が前記グリッドのエッジと交差する2つの所定交点のうち、同一の観測点から最も近い所定交点のみであることができる。ここで、観測光線がグリッドのいずれのエッジにも重ならない場合、前記第2所定距離と前記第1所定距離との比の値は0に等しく、前記レーザ点Mが観測光線OMの方向にヒットする目標グリッドが前記所定グリッドであるように、所定比例係数は0よりも大きい。それにより、前記レーザ点がグリッドのエッジにヒットした時、前記観測光線が前記レーザ点を通過した後、続いて通過する最初のグリッドを前記目標グリッドにさせて、前記目標グリッドと前記レーザ点との距離を近づける。
図2を参照すると、レーザ点Mの位置の移動について理解することができる。前記レーザ点Mが点Aの位置にヒットした時、観測光線OMは、前記所定グリッド(0,0)の対応するエッジと、点Mと点Bで交差し、第2所定交点を点Mとしかマークできないため、第1所定交点を点Bとマークし、そして、点Mと点Bとの間の距離を、第1所定距離MBと定義し、点Mとレーザ点Mとの間の距離を、第2所定距離と定義し、これにより、第2所定距離は0に等しく、第2所定距離MAと第1所定距離ABとの比の値は、前記所定比例係数よりも小さい。この場合、前記所定グリッド(0,0)を選択して、前記レーザ点Mが観測光線OMの方向にヒットする目標グリッドにとする。ここで、前記所定比例係数は0よりも大きい。
【0041】
前記レーザ点がグリッドのエッジにヒットした時、上記の前記観測光線が前記レーザ点を通過した後、続いて通過する最初のグリッドを前記目標グリッドにさせるという構想に従い、引き続き
図2を参照して、レーザ点Mの位置の移動について理解する。前記レーザ点Mが点Bの位置にヒットした時、観測光線OMはグリッド(0,0)の対応するエッジと、点Mと点Aで交差し、観測光線OMはグリッド(0,1)の対応エッジと、点Mと1つの新たな点で交差し、この場合、交差した新たな点はY軸(図示せず)に位置し、グリッド(0,1)は前記所定グリッドに更新され、第2所定交点は点Mとマークされると、第1所定交点はY軸に位置する交差した新たな点とマークされ、第2所定交点Mとレーザ点Mとの間の直線距離は0に等しいため、第2所定距離は0に等しい。これにより、第2所定距離と第1所定距離との比の値は0に等しく、前記所定比例係数によりも小さい。その場合、グリッド(0,1)を選択して、前記レーザ点Mが観測光線OMの方向にヒットする目標グリッドにとする。ここで、前記所定比例係数は0よりも大きく、グリッド(0,1)は座標が(0,1)であるグリッドであり、グリッド(0,0)は座標が(0,0)であるグリッドである。
【0042】
実施例3として、前記第1所定交点及び/又は第2所定交点は、前記所定グリッドの頂点に位置する。この場合、前記第1所定交点及び前記第2所定交点は、前記所定グリッドの対応するエッジに位置し、前記目標グリッドが前記所定グリッドと共通頂点が1つのみ存在するグリッドに調整されることを実現する。
図3に示すように、観測点が点Oとマークされ、レーザセンサが収集し変換して取得したレーザ点が点Nとマークされ、観測点Oからレーザ点Nに向かって観測光線ONが形成され、レーザ点Nが位置するグリッドが前記所定グリッドである場合、観測光線ONは前記所定グリッドの対応するエッジと、点Cと点Dで交差し、ここで、観測光線ONは前記所定グリッドの左上角と交差し、観測光線ONは前記所定グリッドの1つのエッジと、点Cで交差する。いくつかの実施例において、点Cは、前記所定グリッドの右下角の頂点であってもよいが、観測光線ONが前記所定グリッドの左側のエッジと重なることを避けるために、前記所定グリッドの左下角の頂点であってはならない。点Dと観測点Oとの距離が点Cと観測点Oとの距離よりも大きいため、第1所定交点を点Dとマークし、第2所定交点を点Cとマークし、点Dと点Cとの距離を第1所定距離CDと定義し、点Cとレーザ点Nとの間の距離を第2所定距離NCと定義する。これに基づき、観測光線ONの方向に沿って、同一の所定グリッドに位置する第1所定交点D、第2所定交点C及びレーザ点Nを選択してもよく、第1所定交点D及び第2所定交点Cは、前記レーザ点Nの、観測光線ONと対応するグリッドとの交差エッジにおけるマッピング点として理解できる。実施例3において、第2所定距離NCと第1所定距離DCとの比の値が、前記所定比例係数よりも大きい場合、前記レーザ点Nが観測光線ONの方向にヒットする目標グリッドが、前記所定グリッドの観測光線ONの方向における近傍グリッドであり、前記観測光線ONの方向に沿って探された前記レーザ点Nから最も近いグリッドであることを決定すると、この目標グリッドは、
図3において、前記観測光線ONの矢印が前記所定グリッドの前の列の前の行を指すグリッドであり、即ち、所定グリッドの左上に位置し、所定グリッドと1つのみの共通頂点を有するグリッドであり、それに応じて、
図3に示されたマップ座標系において、このグリッドの座標を、グリッドの左下角点の座標で表すと、レーザ点Nが位置するグリッド(前記所定グリッド)の座標は(1,1)であり、前記レーザ点Nが観測光線ONの方向にヒットする目標グリッドの座標は(0,2)である。実施例3において、第2所定距離NCと第1所定距離CDとの比の値が、前記所定比例係数以下である場合、前記レーザ点Nが観測光線ONの方向にヒットする目標グリッドが、前記所定グリッドであり、この目標グリッドは、
図3において、前記レーザ点Nが元々位置したグリッドであることを決定し、それに応じて、
図3に示されたマップ座標系において、このグリッドの座標を、グリッドの左下角点の座標で表すと、レーザ点Nが位置するグリッド(前記所定グリッド)の座標は(1,1)であり、前記レーザ点Nが観測光線ONの方向にヒットする目標グリッドの座標は(1,1)である。
【0043】
以上をまとめると、実施例3は、観測光線が前記所定グリッドの頂点を通過する上で、具体的には、レーザ点を通過した後に前記所定グリッドの頂点を通過する場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドを、前記所定グリッドと1つのみの共通頂点を有するグリッドに調整する。具体的には、前記所定グリッドの左上の近傍グリッド、前記設定グリッドの右上の近傍グリッド、前記所定グリッドの左下の近傍グリッド及び前記所定グリッドの右下の近傍グリッドであってもよう。前記目標グリッドは、具体的には、前記観測光線の方向によって指定される。それにより、前記レーザ点が対応する矩形領域内においてヒットする形式を拡張する。ここで、目標グリッドの各タイプは、実施例3に対応する方法で決定されることができ、ここでは説明を省略する。
【0044】
なお、本実施例3において、前記レーザ点Nがグリッドのエッジにヒットした場合、前記目標グリッドの決定方式は、上記好ましい例における目標グリッドの決定方式とほぼ同じであるため、所定交点及び距離の比の値の計算に関する説明について、上記実施例1を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0045】
実施例4として、実施例1と実施例2で開示されたシナリオとが異なるのは、前記グリッド位置決め方法が、前記観測光線が2次元グリッドマップにおけるグリッドのエッジと重なる場合、前記レーザ点がこのグリッドの頂点に位置しないと、前記レーザ点が位置するグリッドのエッジを共通エッジとする2つのグリッドの一方を選択して、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドとすることと、をさらに含む。
図4に示すように、観測点はOとマークされ、レーザセンサが収集し変換して取得したレーザ点は点Pとマークされ、レーザ点Pはグリッドのエッジに位置し、観測点Oからレーザ点Pに向かって観測光線OPが形成され、レーザ点Pが位置するグリッドのエッジを共通エッジとし、この共通エッジの左側のグリッドとこの公開辺の右側のグリッドとのうち、いずれか一方のグリッドが、前記レーザ点Pが観測光線OPの方向にヒットする目標グリッドであってもよい。それに応じて、
図4に示されたマップ座標系において、このグリッドの座標を、グリッドの左下角点の座標で表すと、この共通エッジの左側のグリッドの座標は(1,2)であり、この共通エッジの右側のグリッドの座標は(2,2)である。この場合、前記観測光線と同一のグリッドとの交点による対応する距離の比の値を算出しなくてもよく、レーザ点が実際にヒットしたグリッドを決定することに有利である。
【0046】
実施例4において、前記グリッド位置決め方法は、前記観測光線が2次元グリッドマップにおけるグリッドのエッジと重なる場合、前記レーザ点がこのグリッドの頂点に位置すると、前記レーザ点が位置する頂点を共通頂点とする4つのグリッドのうち、観測点から最も遠い2つのグリッドの一方を選択して、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドとすることと、をさらに含み、ここで、観測点から最も遠い2つのグリッドは、同一の行又は同一の列に位置する隣接する2つのグリッドであり、その場合、観測点から最も遠い2つのグリッドは、観測光線に対して対称に分布されると、観測点から2つのグリッドの中心までの垂直距離は等しい。
【0047】
図4に示すように、観測点が点Oとマークされ、レーザセンサが収集し変換して取得したレーザ点が点Fとマークされ、レーザ点Pがグリッドの頂点に位置し、観測点Oからレーザ点Fに向かって観測光線OFが形成され、観測光線OFがY軸方向において頂点Fを通過するグリッドのエッジと重なると、前記レーザ点Fが位置する頂点を共通頂点とする4つのグリッドのうち、レーザ点Fの前の行における2つのグリッドの一方を選択して、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標グリッドとし、レーザ点Fの前の行における2つのグリッドは、前記レーザ点Fが位置する頂点を共通頂点とする4つのグリッドのうち、観測点から最も遠い2つのグリッドである。それに応じて、
図4に示されたマップ座標系において、このグリッドの座標を、グリッドの左下角点の座標で表すと、前記レーザ点Fが位置する頂点を共通頂点とする4つのグリッドのうち、グリッドの座標は、反時計方向に順に、(1,2)、(2,2)、(1,3)、(2,3)であり、観測点Oは、X軸よりも下方(Y軸の負方向)に位置するため、観測点から最も遠い2つのグリッドは、それぞれ座標が(1,3)であるグリッドと、座標が(2,3)であるグリッドであり、本実施例において、座標が(1,3)でるグリッドの中心と観測点との間の距離は、座標が(2,3)であるグリッドの中心と観測点との距離である。座標が(1,2)であるグリッドの中心と観測点との距離は、座標が(2,2)であるグリッドの中心と観測点との距離に等しい。座標が(1,3)であるグリッドの中心と観測点との距離は、座標(1,2)であるグリッドの中心と観測点との間の距離よりも大きく、それは、座標が(1,3)であるグリッドは、座標が(1,2)であるグリッドによりも、前記観測点から遠い。従って、実施例4では、前記観測光線が2次元グリッドマップにおけるグリッドのエッジと重なることを前提で、観測点からの遠近度に応じて、共通エッジ又は共通頂点を有する2つの関連するグリッドのうちの一方を前記目標グリッドとして選択して、目標グリッドと目標とする実際の物理的位置との間の距離を近づける。
【0048】
なお、3次元画像は、表現空間における3次元データを特徴とする特別な情報表現形式である。3次元画像は、第3次元の情報の助けを借りて、自然物と背景の切り離しを実現することができる。
【0049】
本発明が開示した点群が特定の測定手段によって直接又は間接的に収集され、測定規則に相応しく、目標表面特性の密集的な点集合を表すことができるため、3次元グリッドマップは3次元であり、同じ寸法のボクセル(voxel)を用いて表されることができ、ボクセルグリッドとも呼ばれ、例えば、3次元グリッドマップのシーンにおいて、ボクセルグリッドは固定サイズの立方ブロック又は立方体を最小単位として、3次元物体を表すデータ構造である。従って、ボクセルは、点群マップにおける点群とみなすこともできる。
【0050】
実施例として、本発明はレーザ観測方向に基づくボクセル位置決め方法をさらに開示する。このボクセル位置決め方法の実行主体は、レーザセンサを搭載した移動ロボットであり、ここで、レーザセンサは、スキャンされた対象物から反射されたレーザ情報を収集するために用いられ、移動ロボットの内部におけるコントローラによって、タイムリーに構築されたマップ内の点に変換され、この点はスキャン位置のボクセル番号を示すことができ、ワールド座標系から3次元グリッド座標系に変換されるものであり、各ボクセル番号はx、yとzの3つの量を有する。
【0051】
このボクセル位置決め方法は以下を含む。レーザ点と同一の所定ボクセルに位置する2つの所定交点を探し出し、一部の実施例において、観測光線の方向に沿って、レーザ点と同一の所定ボクセルに位置する2つの所定交点を探し出してもよい。ここで、第1所定交点と第2所定交点は、いずれも観測光線と所定ボクセルの対応する面との交点である。本実施例において、第1所定交点と第2所定交点は、それぞれ所定ボクセルの対応する立方体の異なる面に位置してもよいが、前記観測光線はボクセルの稜と重ならず、具体的には、前記観測光線はボクセルのいずれの稜にも重ならない。ここで、前記観測光線において、レーザ点が上記2つの所定交点と同一のボクセルに位置することは、このボクセルの面に位置することと、 又はこのボクセルの8つの面で囲まれた空間領域の内部(ただし、その面が含まない)に位置することと、を含む。本実施例はこのタイプのボクセルを所定ボクセルと定義する。前記観測光線は、観測点からレーザ点に向かう光線であり、前記観測点は、レーザセンサが3次元グリッドマップにおいてマークした空間位置である。ここで、レーザ点は、レーザセンサが収集したレーザ反射情報が3次元グリッドマップ内のレーザ点群に変換されたレーザ点群である。本実施例において、ボクセルの面は、このボクセルを形成する立方体の面の略称である。
【0052】
一部の実施例において、第1所定交点と第2所定交点は、所定ボクセルに対応する立方体の同一の面に位置し、且つこの面の異なるエッジに位置してもよい。この場合、具体的な実施形態は、上記実施例1乃至4に参照して上記目標グリッドを探し出すことができる。
【0053】
そして、上記2つの所定交点のうち、観測点から最も遠い所定交点を第1所定交点とし、同一の観測点から最も近い所定交点を第2所定交点とする。前記観測光線において、第1所定交点と観測点との距離は、第2所定交点と観測点との距離によりも大きく、ここで、本実施例は、第1所定交点と第2所定交点との間の直線距離を第1所定距離とし、レーザ点と第2所定交点との間の直線距離を第2所定距離とする。
【0054】
そして、第2所定距離と第1所定距離との比の値と、所定比例係数との大小関係に基づいて、レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルを決定して、このレーザ点が3次元グリッドマップ内に最も新しくヒットしたボクセル、即ち最も新しくヒットしたボクセルグリッド位置を形成し、3次元グリッドマップ内において、実際の物理的位置との位置決め誤差がより小さいボクセルを取得することを実現し、ひいては前記観測光線の方向に沿って、マップにおける現ヒットされたボクセルの近傍領域内の合理的な距離を有するボクセルを、前記目標ボクセルに配置し、且つマップにおける現ヒットされたボクセルに更新することができる。ここで、所定比例係数の具体的な設定は、実際の試験結果に基づいて適応的に調節することができ、それにより、ロボットが構築した3次元グリッドマップに存在する誤差に適応し、その誤差は、具体的にレーザが構築した3次元グリッドマップがグリッド解像度によって分割した画素画像において、マップが示す環境情報が実際と誤差があり、例えば、マップには、直線セグメントがギザギザ状を呈し、セグメントは階層的に重ねられ、セグメントにはノイズがある等の問題を有する。
【0055】
なお、レーザ点は、レーザセンサが収集したスキャンされた対象物から反射されたレーザ情報がグリッドマップ内に変換された点群であり、レーザスキャン点又はレーザサンプリング点に属し、位置情報(スキャンされた対象物表面までの検出距離と検出角度を含む)とレーザ反射強度を反映する。具体的には、レーザセンサは、レーザビームをあるルートでスキャンされた対象物をスキャンすると、スキャンしながら反射したレーザ点に関する情報を記録する。スキャンが極めて微細であると、大量のレーザ点を得る可能であるため、レーザ点群を形成することができる。ここで、レーザセンサは、通常、360度の回転スキャンをサポートするレーザレーダーであり、レーザ送信プローブと受信プローブを有する。いくつかの実施形態において、レーザ点が処理された後、レーザがあった具体的な表面要素を分類することができるため、床、家具、壁、及び室内の任意のレーザビームが測定中にあった対象物がレーザ点群データを構成し、これらの対象物の位置決めを実現する。具体的には、レーザセンサが収集したスキャンされた対象物から反射されたレーザ情報はレーザレーダーデータパケットを含み、レーザレーダーデータパケットはいくつかのフレームのレーザ点群データを含み、各フレームのレーザ点群データはいくつかのスキャン点を含み、各スキャン点は、角度(反時計回りは正の方向である)と距離とを含む。
【0056】
上記実施例に基づき、第2所定距離と第1所定距離との比の値と、所定比例係数との大小関係に基づいて、レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルを決定する方法は、第2所定距離と第1所定距離との比の値が所定比例係数よりも大きい場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルが、前記所定ボクセルが観測光線の方向に近傍ボクセルであり、前記観測光線の方向に沿って探す前記レーザ点から最も近いボクセルであることを決定することと、第2所定距離と第1所定距離との比の値が所定比例係数以下である場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルが、前記所定ボクセルであると決定して、前記レーザ点が元々位置したボクセルを前記目標ボクセルとすることと、を含み、ここで、観測光線の方向は、観測点からレーザ点に向かう方向であり、観測点から延びるレーザ観測方向を示すために用いられ、それにより、方向の次元から実際の物理的位置との差が比較的に小さいボクセルを選択し、定位精度と製図品質を向上させることができる。前記所定比例係数は、上記に関する距離の比の値が0よりも大きいことに基づいて、好ましくは0よりも大きい。
【0057】
以上をまとめると、従来技術に比べ、本発明は、レーザセンサの位置を観測点とし、そして、この観測点からマップにヒットしたレーザ点に向かう観測方向に沿って、この観測点から3次元グリッドマップにヒットしたレーザ点に向かって形成された光線とボクセルとの交点のうち、位置決めと距離の比較との意味を持つ2つの交点を探し出し、そして、観測点から最も近い交点とレーザ点との間の距離と、上記2つの交点の直線距離との比の値に基づいて、このレーザ点がマップ内において最も新しくヒットしたボクセルグリッド位置を決定し、レーザ点と周囲のボクセルとの近接度に基づいて、このレーザ点がマップ内において最も新しくヒットしたボクセルグリッド位置を決定する構想を形成し、3次元グリッドマップ内において、実際の物理的位置との位置決め誤差がより小さい空間分布の位置を取得することを実現する。
【0058】
図5乃至
図6の3次元グリッドマップから分かるように、示された3次元グリッドマップにおける各ボクセルは規則的に配列されており、3次元グリッドマップにおける各ボクセルは、z軸の各層内において、行と列のように整列して配列されており、点Oをロボットのレーザセンサが占めるグリッド位置とする。本実施例において、前記所定ボクセルの近傍ボクセルを、前記所定ボクセルと共通稜又は共通頂点を有するボクセルとするため、
図5と
図6のボクセルS2は前記所定ボクセルである。ここで、前記レーザ点が前記所定ボクセルに位置する方式は、前記レーザ点が前記所定ボクセルの8つの面に囲まれた空間領域内に位置することと、前記レーザ点が前記所定ボクセルの1つの面に位置することと、を含む。ここで、前記レーザ点が前記所定ボクセルの1つの面に位置する方式は、スキャンされた対象物に関する3次元位置情報を反応するなめに、前記レーザ点が前記所定ボクセルの1つの頂点に位置することを含む。なお、上記実施例では、前記所定ボクセルの前記観測光線方向における近傍ボクセルは、前記所定ボクセルを探す起点とし、前記観測光線の方向に沿って探し出された1つの隣接するボクセルであり、前記観測光線の方向は、
図6に示された光線OLの矢印が示す方向であり、又は、前記観測光線の方向は、
図5に示された光線OUの矢印が示す方向である。それにより、所定観測光線の方向に沿って、レーザ点が位置するボクセル位置を含むレーザ点の周辺領域から、目標ボクセルを探し出し、レーザ点の3次元グリッドマップにおけるヒット効率を高める。
【0059】
具体的には、取得された前記所定ボクセルの横軸方向番号がs0であり、取得された前記所定ボクセルの縦軸方向番号がh0であり、取得された前記所定ボクセルの垂直軸方向番号がz0であると、3次元グリッドマップにおいて、前記所定ボクセルの近傍ボクセルは、横軸方向番号の数値範囲が[h0-1,h0+1]であり、縦軸方向番号の数値範囲が[s0-1,s0+1]であり、垂直軸方向番号の数値範囲が[z0-1,z0+1]であるボクセルのうちに存在し、前記レーザ点が3次元グリッドマップにおいて横軸方向番号、縦軸方向番号と垂直軸方向番号にマッチングするボクセルが存在するように、前記所定ボクセルを除外すると、残りのボクセルが前記所定ボクセルの近傍ボクセルになり、ここで、s0は整数であり、h0は整数であり、z0は整数である。それにより、
図5乃至
図6の3次元グリッドマップを構造する。
【0060】
好ましくは、
図5に示された3次元グリッドマップにおいて、
図5のU点が位置するボクセルS2の横軸方向番号は4であり、
図5のボクセルS2の縦軸方向番号は2であり、
図5のボクセルS2の垂直軸方向番号は2であり、
図5のボクセルS2の垂直軸方向番号は1である。
【0061】
好ましくは、
図6に示された3次元グリッドマップ内において、
図6のL点が位置するボクセルもボクセルS2であると、
図5のボクセルS2の近傍ボクセルは、横軸方向番号の数値範囲が[3,5]であり、縦軸方向番号の数値範囲が[1,3]であり、垂直軸方向番号の数値範囲が[0,2]であるボクセルのうち、ボクセルS2以外のボクセルである。従って、本実施例は、3次元グリッドマップにおける横軸方向番号、縦軸方向番号、及び垂直軸方向番号を基づいて、唯一のボクセルを決定することができる。
【0062】
通常、前記3次元グリッドマップのマップ座標系において、即ち、3次元グリッドの座標系において、各ボクセルの座標はそのボクセルの、1つの頂点の座標として表され、そのボクセルの左下角頂点の座標、左上角頂点の座標、右下角頂点の座標、又は右上角頂点の座標を含む。いくつかの実施シーンでは、ボクセルの中心位置を用いてスキャンされた領域の実際地理位置を表すため、各ボクセルの座標がボクセルの中心位置の座標を用いて表される。ここで、そのボクセルの関連する頂点及び中心位置の座標は、そのボクセルの前記3次元グリッドマップにおける横軸方向番号、縦軸方向番号、及び垂直軸方向番号を表し、横座標は横軸方向番号に等しく、縦座標は縦軸方向番号に等しく、垂直座標は垂直軸方向番号に等しい。
図5乃至
図6の3次元グリッドマップに示すように、左から右までボクセルをトラバースすると、対応する横軸方向番号が徐々に増やし、前から後までボクセルをトラバースすると、対応する縦軸方向番号が徐々に増やし、下から上までボクセルをトラバースすると、対応する垂直軸方向番号が徐々に増やす。それにより、前記3次元グリッドマップ内において、ボクセルが一つずつ接続して形成された経路が連続的であることを確保する。
【0063】
理解しやすいように、
図5乃至
図6に示されたマップ座標系において、いずれもグリッドの座標をそのボクセルの左下角頂点の座標として表し、ここで、ボクセルS2の座標が
図5と
図6における頂点Tの座標として表されるため、ボクセルS2の座標は具体的に(4,2,1)である。
【0064】
実施例5として、
図5に示すように、観測点が点Oとマークされ、レーザセンサが収集し変換して取得したレーザ点が点Uとマークされ、観測点Oからレーザ点Uに向かって観測光線OUが形成され、レーザ点Uが位置するボクセルが前記所定ボクセルS2であると、観測光線OUと前記所定ボクセルS2との対応する面とは点Vと点Rで交差する。即ち、観測光線OUと同一のボクセルとが点Vと点Rとで交差しながら、観測光線OUは前記所定ボクセルのいずれの稜にも重ならない。ここで、点Rと観測点Oとの距離が、点Sと観測点Oとの距離よりも大きい場合、点Rと点Vとの間の距離を第1所定距離RVと定義し、点Vとレーザ点Uとの間の距離を第2所定距離VUと定義し、第1所定交点を点Rとマークし、第2所定交点を点Vとマークする。これに基づき、観測光線OUの方向に沿って、同一の所定ボクセルS2に位置する第1所定交点R、第2所定交点V、及びレーザ点Uを選択してもよく、第1所定交点R及び第2所定交点Vは、前記レーザ点Uの、観測光線OUとボクセルS2との交差面におけるマッピング点として理解できる。実施例5において、第2所定距離VUと第1所定距離RVとの比の値が、前記所定比例係数よりも大きい場合、前記レーザ点Uが観測光線OUの方向にヒットする目標ボクセルが、前記所定ボクセルS2の観測光線OUの方向における近傍ボクセルS1であり、前記観測光線OUの方向に沿って探された前記レーザ点Uから最も近いボクセルであることを決定する。それに応じて、
図5に示されたマップ座標系において、このボクセルの座標をボクセルの左下角頂点の座標として表すと、レーザ点Uが位置するボクセルS2の座標が(4,2,1)であり、前記レーザ点Uが観測光線OU方向にヒットする目標ボクセルS1の座標は(4,2,2)である。実施例5において、第2所定距離VUと第1所定距離RVとの比の値が、前記所定比例係数以下である場合、前記レーザ点Uが観測光線OUの方向にヒットする目標ボクセルが、前記所定ボクセルS2であることを決定する。それに応じて、
図5に示されたマップ座標系において、このボクセルの座標をボクセルの左下角頂点の座標として表すと、レーザ点Uが位置するボクセルS2の座標が(4,2,1)であり、前記レーザ点Uが観測光線OU方向にヒットする目標ボクセルの座標は(4,2,1)である。それにより、3次元グリッドマップ内において実際の物理的位置との距離誤差がより小さいボクセルグリッドを取得することを実現する。
【0065】
上記実施例に基づき、第2所定距離と第1所定距離との比の値が、前記所定比例係数よりも大きい場合、前記観測光線の方向は、前記レーザ点が前記観測光線の方向にヒットする目標ボクセルが、前記レーザ点が位置する前記所定ボクセルに対する分布方向(近傍ボクセル方向と略称し、
図5乃至
図6に示された光線の矢印が示す方向を含む)を決定することを推論し得る。前記近傍ボクセル方向は、前記所定ボクセルからその周囲に隣接する26つの近傍ボクセルに向かう方向を分けてもよく、即ち、前記近傍ボクセル方向は、26種類の異なる方向に分かれ、各方向は1つの近傍ボクセルに向かう。なお、各前記近傍ボクセルの方向は、
図5に対応する実施例5を参照して、前記観測光線の方向に対応する目標ボクセルを決定でき、ここでは図面や説明を省略し、実施例5における関連する観測光線及びボクセルに対して、適応的に調整するだけである。
【0066】
好ましくは、前記レーザ点が3次元グリッドマップのボクセルの面に位置する場合、前記レーザ点は前記第2所定交点であり、この好ましい例では、前記レーザ点は、前記第2所定交点にしか設定できない。この場合、前記レーザ点は、観測光線がこのボクセル(前記所定ボクセル)の対応する面と交差した2つの所定交点のうち、同一の観測点から最も近い所定交点のみであることができる。ここで、観測光線がボクセルのいずれの稜にも重ならない場合、上記実施例5が開示したボクセル位置決め方法から分かるように、前記レーザ点Uが観測光線OUの方向にヒットする目標ボクセルが前記所定ボクセルであるように、前記第2所定距離と前記第1所定距離との比の値は0に等しく、ここで、前記所定比例係数は0によりも大きい。それにより、前記レーザ点がボクセルの面にヒットした時、前記観測光線が前記レーザ点を通過した後、続いて通過する最初のボクセルを前記目標ボクセルにさせて、前記目標ボクセルと前記レーザ点との距離を近づける。
図5を参照すると、レーザ点Uの位置の移動について理解することができる。前記レーザ点Uが点Vの位置にヒットした時、観測光線OUは、前記所定ボクセルS2の対応する面と、点Uと点Rで交差し、第2所定交点を点Uとしかマークできないため、第1所定交点を点Rとマークし、そして、点Uと点Rとの間の距離を、第1所定距離URと定義し、点Uとレーザ点Uとの間の距離を、第2所定距離と定義し、従って、第2所定距離は0に等しく、第2所定距離と第1所定距離との比の値は、0に等しく、前記所定比例係数よりも小さい。この場合、前記所定ボクセル(4,2,1)を選択して、前記レーザ点Uが観測光線OUの方向にヒットする目標ボクセルにとする。ここで、前記所定比例係数は0よりも大きい。
【0067】
前記レーザ点がボクセルの面にヒットした時、上記の前記観測光線が前記レーザ点を通過した後、続いて通過する最初のボクセルを前記目標ボクセルにさせるという構想に従い、引き続き
図5を参照して、レーザ点Uの位置の移動について理解する。前記レーザ点Uが点Rの位置にヒットした時、観測光線OUは前記所定ボクセルS2の対応する面と、点Uと点Vで交差し、観測光線OUはボクセル(4,2,2)の対応面と、点Uと1つの新たな点で交差し、この場合、交差した新たな点は水平面に垂直な平面に位置し、そして、ボクセル(4,2,2)は前記所定ボクセルに更新され、第2所定交点は点Uとマークされると、第1所定交点は上記の交差した新たな点とマークされ、第2所定交点Uとレーザ点Uとの間の直線距離は0に等しいため、第2所定距離は0に等しい。従って、第2所定距離と第1所定距離との比の値は0に等しく、前記所定比例係数によりも小さい。その場合、ボクセル(4,2,2)を選択して、前記レーザ点Uが観測光線OUの方向にヒットする目標ボクセルにとする。ここで、前記所定比例係数は0よりも大きく、ボクセル(4,2,2)は座標が(4,2,2)であるボクセルであり、ボクセル(4,2,1)は座標が(4,2,1)であるボクセルである。
【0068】
実施例6として、前記第1所定交点と前記第2所定交点は、前記所定ボクセルの稜に位置し、この場合、前記第1所定交点及び/又は前記第2所定交点は、前記所定ボクセルの頂点に位置する可能性があり、それにより、前記目標ボクセルは前記所定ボクセルと1つの共通頂点又は1本の共通稜のみを有するボクセルである。具体的には、
図6に示すように、観測点が点Oとマークされ、レーザセンサが収集し変換して取得したレーザ点が点Lとマークされ、観測点Oからレーザ点Lに向かって観測光線OLが形成され、レーザ点Lが位置するボクセルが前記所定ボクセルである場合、観測光線OLは前記所定ボクセルの対応する面と、点Iと点Jで交差し、ここで、観測光線OLは前記所定ボクセルの左側面の上方の稜と、点Jで交差し、観測光線OLは前記所定ボクセルの右側面と、点Iで交差する。いくつかの実施例において、点Iは、前記所定ボクセルの右側面の下方の稜に位置してもよいが、セグメントIJは、前記所定ボクセルの1つの面に位置しない。点Jと観測点Oとの距離が点Iと観測点Oとの距離よりも大きいため、第1所定交点を点Jとマークし、第2所定交点を点Iとマークし、点Iと点Jとの距離を第1所定距離IJと定義し、点Iとレーザ点Lとの間の距離を第2所定距離ILと定義する。これに基づき、観測光線OLの方向に沿って、同一の所定ボクセルに位置する第1所定交点J、第2所定交点I及びレーザ点Lを選択してもよく、第1所定交点J及び第2所定交点Iは、前記レーザ点Lの、観測光線OLと対応するボクセルとの交差した面におけるマッピング点として理解できる。実施例6において、第2所定距離ILと第1所定距離IJとの比の値が、前記所定比例係数よりも大きい場合、前記レーザ点Lが観測光線OLの方向にヒットする目標ボクセルが、前記所定ボクセルの観測光線OLの方向における近傍ボクセルであり、前記観測光線OLの方向に沿って探された前記レーザ点Lから最も近いボクセル、即ち
図6のボクセルS3であることを決定し、ボクセルS3は、前記所定ボクセルS2の左上に位置し、前記所定ボクセルと1つのみの共通稜を有する。それに応じて、
図6に示されたマップ座標系において、このボクセルの座標を、ボクセルの左下角頂点の座標で表すと、レーザ点Lが位置するボクセルS2の座標は(4,2,1)であり、前記レーザ点Lが観測光線OLの方向にヒットする目標ボクセルの座標は(3,2,2)である。実施例6において、第2所定距離ILと第1所定距離IJとの比の値が、前記所定比例係数以下である場合、前記レーザ点Lが観測光線OLの方向にヒットする目標ボクセルが、前記所定ボクセルであり、この目標ボクセルは、
図6において、前記レーザ点Lが元々位置したボクセルであることを決定し、それに応じて、
図6に示されたマップ座標系において、このボクセルの座標を、ボクセルの左下角頂点の座標で表すと、レーザ点Lが位置するボクセルS2の座標は(4,2,1)であり、前記レーザ点Lが観測光線OLの方向にヒットする目標ボクセルの座標は(4,2,1)である。
【0069】
以上をまとめると、実施例6は、観測光線が前記所定ボクセルの稜を通過し、具体的には、レーザ点を通過した後に前記所定ボクセルの稜を通過し、ここで、レーザ点は、前記所定ボクセルの1つの面に位置しない。この場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルを、前記所定ボクセルと1つのみの共通稜を有するボクセルに調整し、具体的には、前記所定ボクセルと、同じ垂直座標を有し且つ1つのみの共通稜を有する4つの近傍ボクセルであってもよく、前記所定ボクセルと、同じ横座標を有し且つ1つのみの共通稜を有する4つの近傍ボクセルであってもよく、又は前記所定ボクセルと、同じ縦座標を有し且つ1つのみの共通稜を有する4つの近傍ボクセルであってもよく、決定された目標ボクセルは前記観測光線の方向によって指定される。ここで、目標ボクセルの各タイプは、実施例6に対応する方法で決定されることができる。具体的には、前記所定ボクセルと、同じ縦座標を有し且つ1つのみの共通稜を有する4つの近傍ボクセルは、前記所定ボクセルの左上の近傍ボクセル(前記所定ボクセルの左側面の上方の稜が共通稜とする近傍ボクセル)と、前記所定ボクセルの右上の近傍ボクセル(前記所定ボクセルの右側面の上方の稜を共通稜とする近傍ボクセル)と、前記所定ボクセルの左下の近傍ボクセル(前記所定ボクセルの左側面の下方の稜を共通稜とする近傍ボクセル)と、前記所定ボクセルの右下の近傍ボクセル(前記所定ボクセルの右側面の下方の稜を共通稜とする近傍ボクセル)と、を含む。前記所定ボクセルと、同じ横座標を有し且つ1つのみの共通稜を有する4つの近傍ボクセルは、前記所定ボクセルの前下方の近傍ボクセル(前記所定ボクセルの前側面の下方の稜を共通稜とする近傍ボクセル)と、前記所定ボクセルの前上方の近傍ボクセル(前記所定ボクセルの前側面の上方の稜を共通稜とする近傍ボクセル)と、前記所定ボクセルの後上方の近傍ボクセル(前記所定ボクセルの後側面の上方の稜を共通稜とする近傍ボクセル)と、前記所定ボクセルの後下方の近傍ボクセル(前記所定ボクセルの後側面の下方の稜を共通稜とする近傍ボクセル)と、を含む。前記所定ボクセルと、同じ垂直座標を有し且つ1つのみの共通稜を有する4つの近傍ボクセルは、前記所定ボクセルの左前方の近傍ボクセル(前記所定ボクセルの左側面の右側辺が共通稜となる近傍ボクセル)と、前記所定ボクセルの右前方の近傍ボクセル(前記所定ボクセルの右側面の左側辺を共通稜とする近傍ボクセル)と、前記所定ボクセルの左後方の近傍ボクセル(前記所定ボクセルの左側面の左側辺を共通稜とする近傍ボクセル)と、前記所定ボクセルの右後方の近傍ボクセル(前記所定ボクセルの右側面の右側辺を共通稜とする近傍ボクセル)と、含む。それにより、前記レーザ点が対応する立方体領域内においてヒットする形式を拡張する。
【0070】
上記実施例6において、前記第1所定交点及び/又は前記第2所定交点が前記所定ボクセルの頂点に位置する場合、
図6を参照して、前記第1所定交点Jの位置の移動について理解する。前記第1所定交点Jは、同一の稜の頂点位置に更新され、観測光線OLがボクセルS2の右側面と点Iで交差し、いくつかの実施例において、点Iは、前記所定ボクセルの右側面の下方の稜に位置し且つその頂点に位置しなくてもよい。観測光線OLは、ボクセルS2の左側面の上方の頂点と点Jで交差し、点Iと点Jとの間の距離が第1所定距離IJと定義され、点Iとレーザ点Lとの間の距離が第2所定距離ILと定義され、観測光線OLがボクセルS2の頂点Jを共通頂点とする近傍ボクセルに指向し通過する。第2所定距離ILと第1所定距離IJとの比の値が、前記所定比例係数よりも大きい場合、前記レーザ点Lが観測光線OL方向にヒットする目標ボクセルが、前記所定ボクセルの観測光線OL方向における近傍ボクセルであり、ボクセルS2の頂点Jを共通頂点とする近傍ボクセルであることを決定する。従って、実施例6は、観測光線が前記所定ボクセルの頂点を通過し、具体的には、レーザ点を通過した後に前記所定ボクセルの頂点を通過し、ここで、前記レーザ点が、前記所定ボクセルの1つの側面に位置しない。この場合、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルを、前記所定ボクセルと1つのみの共通頂点を有するボクセルに調整し、そのボクセルは、前記所定ボクセルの8つの頂点と、それぞれ唯一の共通頂点を有する近傍ボクセルに属する。共に8つの近傍ボクセルを選択可能であり、具体的には前記観測光線の方向によって選定する。それにより、前記レーザ点が対応する立方体領域内における目標ボクセルをヒットする形式を拡張する。ここで、ここで、目標ボクセルの各タイプは、実施例6に対応する方法で決定されることができ、ここでは説明を省略する。
【0071】
なお、上記実施例6において、前記レーザ点Lがボクセルの面にヒットした時、前記目標グリッドの決定方法は、上記好ましい実施例における目標ボクセル決め方法とほぼ同じであるため、所定交点及び距離の比の値の計算に関する説明について、上記実施例5又は6を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0072】
実施例7として、実施例5及び実施例6が開示したシーンと異なるのは、前記ボクセル位置決め方法が、前記観測光線が3次元グリッドマップにおけるボクセルの1つの面に位置する場合、
図5及び
図6を参照して、レーザ点をボクセルの面において置き換えて理解することである。以下のステップを含む。
【0073】
前記観測光線が3次元グリッドマップにおけるボクセルの稜に重ならない場合、前記レーザ点がこのボクセルの頂点に位置しないと、前記レーザ点が位置する面を共通面とする4つのボクセルのうち1つを選択して、前記レーザ点が観測光線の方向にヒットする目標ボクセルとし、具体的には、前記観測光線がボクセルの面に沿って前記3次元グリッドマップに入り、且つボクセルの面を通過したと判断し、前記レーザ点がボクセルの頂点にヒットしないと判断した後、模式的に、
図5に示されたマップ座標系において、このボクセルの座標をボクセルの左下角頂点の座標で表し、レーザ点がヒットしたボクセルの面に対応する横座標(横軸方向番号)が2であり、前記レーザ点が位置する面の左側のボクセルの座標が(1,1,1)であり、前記レーザ点が位置する面の右側のボクセルの座標が(2,1,1)であり、この場合、座標が(1,1,1)であるボクセルと座標が(2,1,1)であるボクセルは、いずれも前記目標ボクセルとすることができる。従って、本実施例は、前記観測光線と同一のボクセルとの交点による対応する距離の間の比の値の計算と閾値比較を行わなくてもよく、レーザ点が実際にヒットしたボクセルを決定することを早める。
【0074】
前記観測光線が3次元グリッドマップにおけるボクセルの稜に重なる場合、前記レーザ点がこのボクセルの頂点に位置しない場合、前記レーザ点が位置するボクセルの稜を共通稜とする4つのボクセルのうちの1つを選択して、前記レーザ点が前記観測光線の方向にヒットする目標ボクセルとし、具体的には、前記観測光線がボクセルの稜に沿って前記3次元グリッドマップに入ったと判断し、前記レーザ点がボクセルの頂点にヒットしないと判断した後、模式的に、
図5に示されたマップ座標系において、このボクセルの座標をボクセルの左下角頂点の座標で表し、前記レーザ点が位置するボクセルの稜を共通稜とする4つのボクセルの座標は、反時計回りに順に(1,0,1)、(2,0,1)、(2,1,1)、(1,1,1)であり、4つのボクセルが前記観測光線に対して前記3次元グリッドマップ内において対称に分布配置されるため、前記観測点からこの4つのボクセルまでの垂直距離は等しく、それは、この4つのボクセルのこの観測点からの遠近度が同じであり、観測光線の方向に影響されないことを表す。従って、前記レーザ点が位置するボクセルの稜を共通稜とする4つのボクセルのうちの1つを選択して、前記レーザ点が前記観測光線の方向にヒットする目標ボクセルとする。
【0075】
前記レーザ点がこのボクセルの頂点に位置すると、前記レーザ点が位置する頂点を共通頂点とする8つのボクセルのうち、観測点からの垂直距離が最も大きい4つのボクセルのうちの1つを選択して、前記レーザ点が前記観測光線の方向にヒットする目標ボクセルとし、ここで、前記観測光線は、3次元グリッド地図におけるボクセルの稜に重なってもよく、重ならなくてもよい。具体的には、前記観測光線がボクセルの1つの頂点から前記3次元グリッド地図に入ったと判断した時、模式的に、
図5に示されたマップ座標系において、このボクセルの座標をボクセルの左下角頂点の座標で表し、レーザ点がヒットしたボクセルの頂点に対応する座標は(1,1,1)であり、観測点は、前記観測光線の方向が1つのボクセルの所定面内で頂点(1,1,1)を下から上へ通過するように、XOY座標平面の下方に位置し、頂点(1,1,1)は、この所定面の頂点である。従って、前記観測光線がY軸の正方向からずれる角度は、0度より大きく90度未満であり、この所定面が位置する平面は、X軸の座標(1,0,0)を通過する。また、前記レーザ点が位置する頂点を共通頂点とする8つのボクセルのうち、前記所定面の一側に分布された4つのボクセルが、それぞれこの所定面の他方側の4つの対応するボクセルと、前記所定面に対して対称であると、2つのボクセルの中心と前記観測点との距離が等しくなる。そして、前記レーザ点が位置する頂点を共通頂点とする8つのボクセルの座標、垂直座標が0である一層のボクセルの座標は、反時計回り順に(0,0,0)、(1,0,0)、(1,1,0)、(0,1,0)である。垂直座標が1である一層のボクセルの座標は、反時計回り順に(0,0,1)、(1,0,1)、(1,1,1)、(0,1,1)である。従って、垂直座標が0である一層のボクセルよりも、垂直座標が1である一層のボクセルの中心が前記観測点から遠い場合、前記観測光線は、前記所定面内位置するとY軸正方向に延びる傾向を有し、座標が(1,1,1)であるボクセルと座標は(0,1,1)であるボクセルは、いずれも前記レーザ点が前記観測光線の方向にヒットする目標ボクセルとすることができる。前記観測光線が前記所定面内においてY軸負方向に延びる傾向を有すると、座標が(0,0,1)であるボクセルと座標が(1,0,1)延びるボクセルは、いずれも前記レーザ点が前記観測光線の方向にヒットする目標ボクセルとすることができる。
【0076】
以上をまとめると、実施例7において、前記観測光線が前記3次元グリッドマップにおける1つのボクセルの1つの面に位置し、即ち、観測光線が同一のボクセルの異なる面を通過しないように配置される前提で、観測点からの遠近度に基づいて前記目標ボクセルを決定し、前記レーザ点がヒットする目標ボクセルに関する領域の選択範囲を拡張する。
【0077】
本発明はロボットをさらに開示し、前記ロボットは、ロボット本体と、前記ロボット本体に設けられた走行構成と、前記ロボット本体に設けられたレーザセンサであって、スキャンされた対象物から反射されたレーザ情報を収集し、レーザ点を取得してレーザ点群を形成するために用いられるレーザセンサと、コントローラであって、前記ロボット本体に内蔵され、前記レーザセンサと接続されるコントローラと、を含み、前記コントローラは、少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、を含み、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続され、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を記憶し、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されて、前記ロボットに実施例1乃至4を含む上記実施例が開示したレーザ観測方向に基づくグリッド位置決め方法、及び/又は実施例5乃至7を含む上記実施例が開示したレーザ観測方向に基づくボクセル位置決め方法を実行させる。ロボットが選択した目標グリッド又は目標ボクセルが示す位置を実際の物理的位置により近くし、位置決め精度と製図品質を向上させることができる。
【0078】
なお、このロボットは自己移動ロボットであり、レーザナビゲーションロボット、視覚ナビゲーションロボットを含むが、これらに限定されない。前記少なくとも1つのプロセッサは、記憶プログラムエリアと記憶データエリアとを含んでもよく、ここで、記憶プログラムエリアはオペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションを記憶し、記憶データエリアは2次元グリッドマップ及び3次元グリッドマップを構築するために必要な座標データ等を記憶することができる。さらに、前記少なくとも1つのプロセッサは、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、少なくとも1つのディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は、他の不揮発性ソリッドメモリデバイスを含んでもよい。一部の実施例において、前記少なくとも1つのプロセッサは、リモコン対応するプロセッサに対してリモコン配置されたメモリを選択してもよく、これらのリモコンメモリはネットワークによってロボットに接続されることができる。このようなネットワークの実施例は、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
上記実施例に基づき、本発明はチップをさらに開示し、前記チップは、コンピュータ実行可能命令を記憶し、前記コンピュータ実行可能命令は、前記チップに実行された時、2次元グリッドマップにおいて、実際の物理的位置との位置決め誤差がより小さいグリッドを取得することを実現するために、前記レーザ観測方向に基づくグリッド位置決め方法を実現し、又は、3次元グリッドマップにおいて、実際の物理的位置との位置決め誤差がより小さいボクセルを取得することを実現するために、前記レーザ観測方向に基づくボクセル位置決め方法を実現する。
【0080】
本開示は、ソフトウェア及び/又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにおいて実施されることができ、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、汎用コンピュータ、又は他の類似のハードウェアデバイスを用いて実現される。一実施例において、本開示のソフトウェアプログラムは、プロセッサによって上述したステップ又は機能を実現することができる。同様に、本開示のソフトウェアプログラム(関連するデータ構造を含む)は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えば、RAMメモリ、ディスク、光学ドライブ、フロッピーディスク、又は類似の機器に記憶されることができる。さらに、本開示のいくつかのステップ又は機能は、ハードウェア、例えば、様々なステップ又は機能を実行するためにプロセッサと協働する回路を用いて実現されることができる。
【0081】
さらに、本開示の一部は、コンピュータプログラム製品、例えば、コンピュータプログラム命令に応用されることができる。それはコンピュータにより実行された時、このコンピュータの動作によって、本開示による方法及び/又は技術案が起動され、又は提供されることができる。本開示の方法を起動するプログラム命令は、固定又は移動可能な記憶媒体に記憶され、及び/又は放送又は他の信号伝送媒体のデータストリームを介して伝送され、及び/又は前記プログラム命令に従って動作するコンピュータ装置のワーキングメモリに記憶されることが可能である。ここで、本開示の一実施例は装置を含み、この装置はコンピュータプログラム命令を記憶するために用いられるメモリと、プログラム命令を実行するために用いられるプロセッサとを含み、このコンピュータプログラム命令がプロセッサによって実行された時、上述した様々な実施例における方法及び/又は技術案に基づいて、この装置をトリガして実行させる。
【0082】
最後に、以上の各実施例は、本発明の技術案を説明するためのものであり、それを制限するものではない。上述した各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、上述した各実施例に記載の技術案に対して、変形又はその一部或いは全部の技術的特徴を均等に置き換えることができる。これらの変形又は置換は、対応する技術案の本質を本発明の実施例に関する技術的範囲から逸脱させるものではない。
【符号の説明】
【0083】
A :第2所定交点
AB :第1所定距離
B :第1所定交点
C :第2所定交点
CD :第1所定距離
D :第1所定交点
DC :第1所定距離
F :頂点
F :レーザ点
I :第2所定交点
IJ :第1所定距離
IJ :セグメント
IL :第2所定距離
J :頂点
J :第1所定交点
L :レーザ点
M :レーザ点
M :第2所定交点
MA :第2所定距離
MB :第1所定距離
N :レーザ点
NC :第2所定距離
O :観測点
OF :観測光線
OL :観測光線
OM :観測光線
OP :観測光線
OU :観測光線
P :レーザ点
R :第1所定交点
RV :第1所定距離
S1 :目標ボクセル
S1 :近傍ボクセル
S2 :所定ボクセル
S2 :ボクセル
S3 :ボクセル
T :頂点
U :第2所定交点
U :レーザ点
UR :第1所定距離
V :第2所定交点
VU :第2所定距離
【国際調査報告】