(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】容器内に気泡を生成するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
C12M 1/08 20060101AFI20241018BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20241018BHJP
C12N 1/00 20060101ALI20241018BHJP
B01F 23/2373 20220101ALI20241018BHJP
B01F 23/231 20220101ALI20241018BHJP
B01F 25/30 20220101ALI20241018BHJP
【FI】
C12M1/08
C12M1/00 C
C12N1/00 C
B01F23/2373
B01F23/231
B01F25/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524591
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 US2022078967
(87)【国際公開番号】W WO2023081615
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518403425
【氏名又は名称】ランザテク,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ブレンク,レイチェル ジェーン
(72)【発明者】
【氏名】コンラド,ロバート ジョン
(72)【発明者】
【氏名】クームス,ジョス アントン
(72)【発明者】
【氏名】エブラヒミアクダ,イルハム
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,アラン ハイミン
(72)【発明者】
【氏名】ホルトン,ブライアン ネルソン
(72)【発明者】
【氏名】リ,シュエリアン
(72)【発明者】
【氏名】サシャ,マユール
(72)【発明者】
【氏名】スチュードベイカー,カーティス ポール
【テーマコード(参考)】
4B029
4B065
4G035
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029BB01
4B029CC01
4B029DB15
4B065BC05
4G035AB06
4G035AB54
4G035AC22
4G035AE01
4G035AE13
(57)【要約】
本明細書に開示のシステムおよび方法は、微細気泡の効率的な生成を提供する。具体的には、バイオリアクターで使用するためのシステムおよび方法が本明細書に開示され、微生物培養物を含む液体ブロス中に注入された微細気泡廃棄物基質の生物学的発酵による有用な発酵生成物を生成するための優れた手段を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細気泡を生成するためのシステムであって、
液体を収容する容器と、
前記容器の上部に配置され、前記容器内の前記液体の少なくとも一部を加速するように構成される複数のオリフィスを備える板と、
前記容器内に配置される少なくとも一つのスパージャーであって、前記スパージャーの表面が前記板の底部から約50mm~約1000mmに配置され、前記スパージャーが気泡を前記液体中に注入するように構成される、少なくとも一つのスパージャーと、を備え、
前記スパージャーが前記容器内に配置されて、前記気泡が前記容器内で上昇するための第一の領域を形成し、前記加速された液体が前記気泡を微細気泡に分解し、かつ流体が前記容器を通って流れるための第二の領域を形成し、前記流体が前記液体の加速された部分および微細気泡を有し、
前記容器内の気相の空塔速度が少なくとも30mm/sである、システム。
【請求項2】
前記スパージャーが焼結スパージャーまたはオリフィススパージャーである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記板の厚さが約1mm~約25mmである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記加速された液体が、約8000mm/s~約17000mm/sまたは約12000mm/s~約17000mm/sの速度を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記スパージャーが、前記板に対して垂直または平行に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記スパージャーから前記液体中に注入された前記気泡が、約2mm~約20mmの直径を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記スパージャーから前記液体中に注入された前記気泡が、約5mm超~約15mmの直径を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記微細気泡が約0.1mm~約5mmの直径を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数のオリフィスを備える前記板が、前記容器内の前記液体の少なくとも90%を加速するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
微細気泡を生成する方法であって、
容器内に配置され、気泡を液体中に注入するように構成される少なくとも一つのスパージャーを介して、前記液体を収容する前記容器内に、ガスをスパージングすることと、
前記容器の上部に配置された多孔板を介して前記容器内の前記液体の一部を加速させることであって、前記板からの加速された前記液体が、前記気泡を微細気泡に分解し、前記容器内の気相の空塔速度が少なくとも30mm/sである、加速させることと、を含む、方法。
【請求項11】
前記容器内の前記気相の前記空塔速度が約30mm/s~約80mm/sである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記スパージャーが焼結スパージャーまたはオリフィススパージャーである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記液体が、約8000mm/s~約17000mm/sの速度で前記多孔板から加速される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記液体が、約12000mm/s~約17000mm/sの速度で前記多孔板から加速される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記スパージャーから前記液体中に注入された前記気泡が、約2mm~約20mmの直径を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記スパージャーから前記液体中に注入された前記気泡が、約5mm超~約15mmの直径を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記微細気泡が、約0.1mm~約5mmの直径を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記スパージャーが、前記板に対して垂直または平行に配置され、前記スパージャーのトップ面または側面が、前記板の底部から約50mm~約1000mmに配置される、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
バイオリアクターであって、
液体増殖培地を収容する容器と、
前記容器の上部に配置され、前記容器内の前記液体増殖培地の少なくとも一部を加速するように構成される複数のオリフィスを備える板と、
少なくとも一つのC1炭素源を含む基質と、
前記容器内に配置される少なくとも一つのスパージャーであって、前記スパージャーの表面が前記板の底部から約50mm~約1000mmに配置され、前記スパージャーが、基質の気泡を前記液体増殖培地に注入するように構成され、
前記スパージャーが前記容器内に配置されて、前記基質の気泡が前記容器内で上昇するための第一の領域を形成し、ならびに前記加速された液体増殖培地が前記基質の気泡を基質の微細気泡に分解し、かつ流体が前記容器を通って流れるための第二の領域を形成し、前記流体が前記液体増殖培地の加速された部分および前記基質の微細気泡を有する、少なくとも一つのスパージャーと、
前記液体増殖培地中の少なくとも一つの微生物の培養物であって、少なくとも一つの微生物の前記培養物が、前記基質を嫌気的に発酵させ、少なくとも一つの発酵生成物を生成する、培養物と、を備える、バイオリアクター。
【請求項20】
バイオリアクター内で基質の微細気泡を生成するための方法であって、
少なくとも一つのC1炭素源を含む基質の気泡を、容器内に配置される少なくとも一つのスパージャーによって、液体増殖培地を収容する前記容器にスパージングすることと、
前記容器の上部に配置される多孔板を介して前記容器内の前記液体増殖培地の一部を加速させることであって、前記板から加速された前記液体増殖培地が、前記基質の気泡を基質の微細気泡に分解し、前記容器内の気相の空塔速度が少なくとも30mm/sである、加速させることと、を含み、
前記液体増殖培地中の少なくとも一つの微生物の培養物が、前記基質を嫌気的に発酵させて、少なくとも一つの発酵生成物を生成する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月3日に出願された、米国非仮特許出願第17/453,476号の優先権を主張し、その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載の実施形態は、概ね、微細気泡を生成するためのシステムに関する。本明細書に記載の他の実施形態は、概ね、気泡を液体に注入し、続いて微細気泡を生成するための方法に関する。特に、反応器、例えばバイオリアクターで使用するためのシステムおよび方法は本明細書で開示されており、概ね、微生物培養物を含む液体ブロス中に注入された廃棄物基質の効率的な生物学的発酵による、有用な発酵生成物の効率的な生成物に関する。
【背景技術】
【0003】
スパージャーは、ガスを液体に注入する装置である。スパージャーから液体中にガスが注入されると、液体中に気泡が形成される。特に、スパージャーの設計および配置は、反応容器の断面全体で気泡サイズ、気泡分布、および関連するガス注入パターンを決定する。様々なプロセスにより、化学的または生物学的反応で注入された気泡を使用して、最終生成物が生成される。以前のシステムおよび方法は、気泡を液体中に注入するために様々なスパージャーの設計および構成を使用するが、このようなシステムおよび方法は、反応システムの構成要素全体のサイズと空間要件を低減し、従来のシステムおよび方法によって生成される最終生成物の量を最大化するために必要なガスおよび液空塔速度全体で制限される。
【0004】
生物学的反応および関連する反応システムは、スパージャーを使用して気泡を液体反応培地または発酵ブロス中に注入して、微生物発酵によって、廃棄物、例えばCO、またはCO2、H2、またはCH4、またはそれらの混合物を有用な生成物、例えばエタノール(C2H5OH)に変換することができる。ガス状の廃棄物は、スパージングによって液体反応培地または発酵ブロス中に導入される。気泡の形態のガス状の廃棄物は、発酵ブロス中の微生物によって炭素源および場合によってはエネルギー源として使用されると、少なくとも一つの有用な生成物が生成される。発酵ブロス中の気泡の濃度、微生物が発酵ブロス中の気泡を処理する必要がある時間の量、および発酵ブロス中の気泡の表面表面積は、微生物発酵の全体的な生産性および有用な生成物の生成に著しく影響を与える場合がある。残念ながら、排ガス、例えばCO、CO2、CH4は溶解性が低いことが知られており、したがって発酵ブロスに可溶で微生物による処理に利用できる基質ガスの量が制限され、生成される有用な生成物の量が制限される。
【0005】
スパージャーを使用してガス基質を反応液中に注入する化学反応または生物学的反応で生成される所望の生成物の量を最大化することは、気泡の表面積を増加させることによっても達成されることができる。気泡サイズの縮小および/または微細気泡の生成により、気泡の表面積が増大する。微細気泡の表面積が大きいほど、気体から液体への物質移動が大きくなり、最終的には微生物が基質を所望の生成物に変換するために微生物と基質との接触量が増加する。微小気泡を生成するために使用されるシステムおよび方法の例には、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,327,251号に記載されているものが含まれる。
【0006】
効率を高め、スパージャーを使用して化学反応または生物学的反応で生成される生成物を最大化するための別の潜在的な手段は、下向きの流体流で動作する反応器システムにおいて気泡を微細気泡に分解するために使用されるガスおよび液空塔速度全体を増加させることによって達成できる可能性がある。ガスおよび液空塔速度全体を増加させることによって、注入されたスパージャー気泡を、容器内の流体流と共に下向きに流れる微細気泡に分解することができる。上向きの流れシステムと比較して、流体の下向きの流れは、微生物が基質で満たされた微細気泡と接触する時間を延長し、気泡の滞留時間が増加した結果として生成物を生成する。ガスおよび液空塔速度を高めたシステムを確立することにより、反応容器全体のサイズが減少し、このようなシステム全体の設置面積および資本コストが減少する可能性がある。
【0007】
以前のシステムでは、化学反応および生物学的反応に使用するのに最適なサイズの微細気泡を生成できなかった。したがって、これらの反応からの有用な生成物の生成は、最適ではない。以前のシステムおよび方法はまた、商品価値の高い化学および生物学的反応生成物を効率的に生成するためのガスおよび液空塔速度全体を達成することができなかった。以前のシステムは、気相の空塔速度約25mm/sを超えることができなかった。例えば、Kalaga,Dinesh V.,Ansari,Manizheh,Turney,Damon E.,Hernandez-Alvarado,Freddy,Kleinbart,Simon,ArunKumar,K.E.,Joshi,Jyeshtharaj B.,Banerjee,Sanjoy,& Kawaji,Masahiro,Scale-up of a downflow bubble column:Experimental investigationsを参照のこと。さらに、以前のシステムでは、より効率的でより小型のシステムを設計するために必要な高い物質移動係数を得ることができなかった。以前のシステムのこのような制限により、有用な量の反応生成物を生成するために必要なシステム構成要素が大きくなり、必要なスペースが増加する。したがって、システム全体の設置面積およびコストを削減しながら、所望の化学および生物学的反応生成物を効率的に生成するために、最適なサイズの微細気泡の生成、気体から液体への物質移動能力の向上、および必要なガスおよび液空塔速度を可能にするシステムおよび方法が必要とされている。本明細書に開示のシステムおよび方法は、以前の既知の従来のシステムの欠点および制限を克服する。
【発明の概要】
【0008】
以下に、本明細書に記載される様々な実施形態の簡略化した概要を示す。この概要は広範な概要ではなく、重要なまたは不可欠な要素を特定することも、特許請求の範囲を詳細に説明することも意図していない。以下の概要は、以下に示されるより詳細な説明を紹介する前置きとして、単に、いくつかの概念を簡素化された形式で示しているにすぎない。
【0009】
上記の以前のシステムおよび方法の制限を克服し、現在の仕様を読んで理解することで明らかになる他の制限を克服するために、本明細書に記載の実施形態は、微細気泡の効率的な生成のためのシステムおよび方法を対象とする。
【0010】
一実施形態では、本明細書に開示のシステムは、微細気泡の生成に関連し、液体を収容する容器と、容器の上部に配置され、容器内の液体の少なくとも一部を加速するように構成される複数のオリフィスを備える板と、容器内に配置される少なくとも一つのスパージャーであって、スパージャーの表面が板の底部から約50mm~約300mm、500mm、または1000mmに配置される、スパージャーと、を備える。スパージャーは、気泡を液体中に注入するように構成されることができる。いくつかの実施例では、スパージャーは、容器内に配置され、気泡が容器内で上昇するための第一の領域を形成し、加速された液体が気泡を微細気泡に分解し、流体が容器を通って流れるための第二の領域を形成することができる。流体は、液体および微細気泡の加速部分を備えることができる。さらに他の例では、容器内の気相の空塔速度は、少なくとも30mm/sであってもよい。スパージャーは、焼結スパージャーまたはオリフィススパージャーであってもよい。板の厚さは、約1mm~約25mmであってもよい。加速された液体は、約8000mm/s~約17000mm/sの速度を有してもよい。他の例では、加速された液体は、約12000mm/s~約17000mm/sの速度を有してもよい。いくつかの例では、スパージャーから液体中に注入された気泡は、約2mm~約20mmの直径を有してもよい。別の例では、スパージャーから液体中に注入された気泡は、約5mm~約15mm、または約7mm~約13mmの直径を有してもよい。微細気泡は、約0.1mm~約5mm、または約0.2mm~約1.5mmの直径を有してもよい。複数のオリフィスはまた、容器内の液体の少なくとも90%を加速するように構成されてもよい。
【0011】
別の実施形態では、本明細書に開示される方法は、容器内に配置され、液体中に気泡を注入するように構成される少なくとも一つのスパージャーを介して、液体を収容する容器内にガスをスパージングすることと、容器の上部に配置される多孔板を介して容器内の液体の一部を加速することであって、液体が板から加速されて気泡を微細気泡に分解することができる、加速することと、を含むことができる微細気泡を生成することに関する。いくつかの例では、容器内の気相の空塔速度は、少なくとも30mm/sであってもよい。他の例では、容器内の気相の空塔速度は、約30mm/s~約80mm/sであってもよい。スパージャーは、焼結スパージャーまたはオリフィススパージャーであってもよい。液体が、約8000mm/s~約17000mm/sの速度で多孔板から加速されることができる。いくつかの例では、液体が、約12000mm/s~約17000mm/sの速度で多孔板から加速されることができる。スパージャーから液体中に注入された気泡は、約2mm~約20mm、または5mm超~約15mm、または約7mm~約13mmの直径を有してもよい。多くの場合、スパージャーから液体中に注入された気泡は球形ではない。注入された気泡は、粗大気泡と呼ばれる場合がある。これに対して、微細気泡は、約0.1mm~約5mm、または約0.2mm~約1.5mmの直径を有してもよい。微細気泡は通常は球状である。液体流は、板に近接する位置に導入されてもよい。スパージャーは、板に対して垂直または平行に配置されることができ、スパージャーのトップ面または側面は、板の底部から約50mm~約300mm、500mm、または1000mmに配置されることができる。
【0012】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示のシステムは、液体増殖培地を収容する容器と、容器の上部に配置され、容器内の液体増殖培地の少なくとも一部を加速するように構成される複数のオリフィスを備えることができる板と、少なくとも一つのC1炭素源を含むことができる基質と、容器内に配置される少なくとも一つのスパージャーであって、スパージャーの表面が板の底部から約50mm~約300mm、500mm、または1000mmに配置され、スパージャーが液体増殖培地内に基質の気泡を注入するように構成される、スパージャーと、を備えるバイオリアクターに関する。容器内に配置されるスパージャーは、容器内で基質の気泡が上昇するための第一の領域と、加速された液体増殖培地が基質の気泡を基質の微細気泡に分解し、流体が容器を通って流れるための第二の領域とを形成することができる。流体は、液体増殖培地の加速された部分を有してもよく、基質の微細気泡、および液体増殖培地に少なくとも一つの微生物の培養物を有してもよい。少なくとも一つの微生物の培養物は、基質を嫌気的に発酵させて、少なくとも一つの発酵生成物を生成することができる。
【0013】
さらに別の実施形態では、本明細書に開示の方法は、バイオリアクター内で基質の微細気泡を生成することに関し、容器内に配置される少なくとも一つのスパージャーを介して、液体増殖培地を収容する容器内に少なくとも一つのC1炭素源の基質の気泡をスパージングすることと、容器の上部に配置される多孔板を介して容器内の液体増殖培地の一部を加速することとを含むことができる。板からの加速された液体増殖培地は、基質の気泡を基質の微細気泡に分解することができる。容器内の気相の空塔速度は少なくとも30mm/sであってもよい。少なくとも一つの微生物の培養物は液体増殖培地に含まれることができ、基質を嫌気的に発酵させて少なくとも一つの発酵生成物を生成することができる。
【0014】
これらの特徴は、他の多くの特徴とともに、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書に記載の実施形態およびその利点は、添付の図面を考慮して以下の説明を参照することによってより完全に理解されることができ、図面において、類似の参照番号は類似の特徴を示す。
【0016】
【
図1】
図1は、本明細書に開示のシステムおよび方法による、容器内で気泡を生成するためのシステムを概略的に示す。
【0017】
【
図2】
図2は、本明細書に開示のシステムおよび方法による、容器内で気泡を生成するためのシステム内に構成されるガススパージャーの垂直断面図を例示する。
【0018】
【
図3】
図3は、本明細書に開示のシステムおよび方法による、容器内で気泡を生成するためのシステム内に構成されるガススパージャーシステムの別の実施形態の垂直断面図を例示する。
【0019】
【
図4】
図4は、本明細書に開示のシステムおよび方法によるスパージャーシステムの水平断面図を例示する。
【0020】
【
図5】
図5は、本明細書に開示のシステムおよび方法によるスパージャーシステムの別の実施形態の水平断面図を例示する。
【0021】
【
図6a】
図6aおよび
図6bは、典型的な液およびガス空塔速度、ならびに容器内で気泡を生成するための二つのシステムによって生成されるガスホールドアップをグラフで示している。本明細書に開示のシステムおよび方法は、35mm/sを超える気相の空塔速度を生み出した。
【0022】
【
図7】
図7は、以前のシステムによって生成される典型的な液およびガス空塔速度を、本開示によって生成される気相の空塔速度と比較してグラフで示す。
図6aおよび6bに示す気相の空塔速度は、先行技術と比較してプロットされる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
様々な実施形態の以下の説明では、本明細書の一部を形成し、本明細書に記載の様々な実施形態が実施されることができる方法を例示として示す添付の図面を参照する。他の実施形態が利用されてもよく、説明された実施形態の範囲から逸脱することなく構造的および機能的修正がなされてもよいことを理解されたい。本明細書に記載される実施形態は、様々な方法で実施または実行されることができる。また、本明細書で使用される表現および用語は説明を目的としたものであり、限定するものと見なされるべきではないことを理解されたい。むしろ、本明細書で使用される語句および用語には、最も広い解釈および意味が与えられるべきである。「含む」および「備える」およびそれらの変形の使用は、その後に列挙される項目およびその等価物、ならびに追加の項目およびその等価物を包含することを意味する。用語「取り付けられる」、「連結される」、「結合される」、「配置される」、「係合される」および同様の用語の使用は、直接的および間接的な取り付け、連結、結合、配置および係合の両方を含むことを意味する。
【0024】
「スパージャー」は、気泡として注入される気体を液体に導入し、それを撹拌する、または気体を液体に溶解させる装置を備えていてもよい。スパージャーの例としては、オリフィススパージャー、焼結スパージャー、およびドリルドパイプスパージャーが挙げられる。特定の構成では、穴あきパイプスパージャーを水平に取り付けてもよい。他の例では、スパージャーは、垂直または水平に取り付けられてもよい。いくつかの例では、スパージャーは、多孔板またはリング、焼結ガラス、焼結鋼、多孔質ゴムパイプ、多孔質金属パイプ、多孔質セラミックまたはステンレス鋼、穴あきパイプ、ステンレス鋼の穴あきパイプ、高分子穴あきパイプ等であってもよい。スパージャーは、様々なグレード(空隙率)のものであってもよく、特定のサイズの気泡または気泡サイズの範囲を生成するために特定のサイズのオリフィスを備えていてもよい。
【0025】
「容器」、「反応容器」、または「カラム」は、気泡の生成および/または微細気泡の生成のために、ならびにその後の気液接触、気体吸収、生物学的反応もしくは化学反応、または表面活性物質の吸着のために、一つまたは複数の気体および液体流もしくは流れが導入される容器またはコンテナであってもよい。反応容器内では、気相および液相が垂直方向に流れる場合がある。反応容器内では、液体によって与えられる抗力よりも大きな浮力を有する、スパージャーからの大きな気泡が上方に上昇する場合がある。本明細書に開示のシステムおよび方法によって説明されるように、液体によって与えられる抗力以下の浮力を有する、より小さな微細気泡は、液体とともに下方に流れる可能性がある。カラムまたは反応容器は、任意の特定のアスペクト比(直径に対する高さ)に制限されない場合がある。カラムまたは反応容器はまた、任意の特定の材料に限定されず、プロセスに好適な任意の材料、例えばステンレス鋼、PVC、炭素鋼、または高分子材料から構成されることができる。カラムまたは反応容器には、内部構成要素、例えば生物学的および化学工学的処理で一般的な一つまたは複数のスタティックミキサーが含まれる場合がある。反応容器はまた、外部または内部の加熱または冷却要素、例えば、ウォータージャケット、熱交換器、または冷却コイルで構成される場合がある。反応容器はまた、システムの液体、気泡、微細気泡、および/または一つまたは複数の流体を循環させるために、一つまたは複数のポンプと流体連通していてもよい。
【0026】
「多孔板」または「板」は、複数の液体ジェット(すなわち、加速された液体の流れ)の形態であってもよい、容器内への液体または追加の液体の導入を容易にするように設計された板または同様の構成を備えてもよい。多孔板は、板のトップ部から板の底部への液体の流れを可能にする、板全体にわたって均一にまたは不均一に分布する複数の細孔またはオリフィスを有してもよい。いくつかの例では、オリフィスは、球形状、長方形状、六角柱状、円錐状、五角柱形状、円筒形状、円錐台形状、または円形状であってもよい。他の例では、板は、カラム内に流入する液体ジェットを生成するように構成される一つまたは複数のノズルを備えてもよい。板はまた、チャネルを任意の分布または整列で備えでもよく、このようなチャネルは液体を受け取り、反応容器内への流れを促進するように構成される。板は、レーザーで焼成、機械加工、または穿孔された所定の数の細孔またはオリフィスを備えるステンレス鋼で作られてもよい。特定のオリフィスサイズは、必要な微細気泡サイズ、ならびに必要な液体、微細気泡、および/または流体速度に依存する可能性がある。特定のオリフィスの形状は、スパージャーの気泡を分解またはせん断して所望の微細気泡サイズにするために板から適切な液体の加速と速度を達成し、反応容器で微細気泡と液体を下方に運ぶのに十分な全体的な流体の下降流を生成するために必要となる場合がある。オリフィスの形状はまた、製造の容易さおよび関連するコストに影響を与える可能性がある。一実施形態によれば、製造の容易さから、直線オリフィスが最適である可能性がある。
【0027】
用語「発酵」、または「ガス発酵」等は、一つまたは複数の基質、例えばガス化によって生成される合成ガスを受け取り、一つまたは複数のC1固定微生物の利用により一つまたは複数の生成物を生成するプロセスとして解釈されるべきである。「C1固定微生物」は、C1炭素源から一つまたは複数の生成物を生成する能力を有する微生物である可能性がある。典型的には、本明細書に開示の微生物は、C1固定細菌であってもよく、「C1」は、1炭素分子、例えば、CO、CO2、CH4、またはCH3OHを指すことができる。「C1酸素化物」は、少なくとも一つの酸素原子も含む1炭素分子、例えば、CO、CO2、またはCH3OHを指すことができる。「C1炭素源」は、本発明の微生物のための一部のまたは唯一の炭素源として機能する1炭素分子を指すことができる。例えば、C1炭素源は、CO、CO2、CH4、CH3OH、又はCH2O2のうちの一つ以上を含み得る。いくつかの例では、C1炭素源は、COおよびCO2の一方または両方を含んでもよい。発酵プロセスは、一つまたは複数バイオリアクターの使用を含んでもよい。本明細書で使用される場合、語句「発酵」、「発酵プロセス」、または「発酵反応」等は、ガス状基質の増殖期および生成物生合成期の両方を包含することを意図している。C1固定微生物の例としては、Moorella、Clostridium、Ruminococcus、Acetobacterium、Eubacterium、Butyribacterium、Oxobacter、Methanosarcina、Desulfotomaculum、Clostridium autoethanogenum、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0028】
用語「バイオリアクター」または「リアクター」または「反応容器」等には、発酵プロセスまたは化成処理に使用できる装置が含まれる場合がある。バイオリアクターは、連続撹拌槽反応器(CSTR)、固定化細胞反応器(ICR)、トリクルベッド反応器(TBR)、気泡塔、ガスリフト発酵槽、スタティックミキサー、循環ループ反応器、膜反応器、例えば、中空糸膜バイオリアクター(HFM BR)、または気液接触に好適な他の容器もしくは他の装置を含む、一つもしくは複数の容器および/もしくは塔、または配管配置で構成されてもよい。反応器は、CH4、CO、CO2、およびH2、ならびにそれらの混合物を含むガス状基質を受け入れるように構成されることができる。発酵プロセスは、並列または直列のいずれかで、複数の反応器(段)を備えてもよい。例えば、発酵プロセスは、細菌が培養される第一の増殖反応器と、増殖反応器からの発酵ブロスが供給され、発酵生成物の大部分が生成されることができる第二の発酵反応器とを備えることができる。
【0029】
本明細書に開示の「流体」には、液体、気泡、および/または微細気泡が含まれてもよい。用語「発酵ブロス」または「ブロス」または「液体」または「液体増殖培地」は、栄養培地および一つまたは複数の微生物を含む培養物を含む構成要素の混合物を包含することができる。発酵プロセスでは、発酵ブロスを利用して、気泡または微細気泡を一つまたは複数の生成物に発酵させることができる。細菌培養物は、微生物の増殖を可能にするのに十分な栄養素、ビタミン、および/またはミネラルを含む水性培地中で維持されることができる。水性培地は、最小嫌気性微生物増殖培地などの嫌気性微生物培地であってもよい。「栄養培地」または「栄養培地」または「増殖培地」もまた、細菌増殖培地を説明するために使用されることができる。発酵プロセスは、バイオリアクター内の栄養培地を利用してもよい。一般的に、この用語は、微生物培養物の増殖に好適な栄養素および他の成分を含有する培地を指す場合がある。用語「栄養素」は、微生物の代謝経路で利用されることができる任意の物質が含まれてもよい。いくつかの例では、栄養素には、カリウム、ビタミン、微量金属、およびアミノ酸が含まれる。
【0030】
「微生物」とは、微小な生物、例えば細菌、古細菌、ウイルス、または真菌である。本明細書で使用する場合、「微生物(microbe)」または「微生物(microorganism)」または「培養物」という記載には、「細菌」が包含される場合がある。用語、微生物、培養物、細菌は、同じ意味で使用される場合がある。
【0031】
「基質」または「ガス基質」は、本明細書に開示の微生物の炭素および/またはエネルギー源を指す場合がある。基質は、ガス状であってもよく、C1炭素源、例えばCO、CO2、および/またはCH4を含んでもよい。他の例では、基質は、CO、またはCOおよびCO2のC1炭素源を含んでもよい。いくつかの例では、基質は、工業プロセス、例えば、鉄金属製品製造、非鉄製品製造、石油精製プロセス、石炭のガス化、バイオマスのガス化、電力生産、カーボンブラック生産、およびコークス製造、によって生成される、工業オフガスまたは廃ガス、例えばCOもしくはCO2または両方の混合物である場合がある。さらに他の例では、基質は、他の非炭素成分、例えば、H2またはN2をさらに含んでもよい。基質は液体培地中に気泡としてスパージングされてもよい。その後、気泡は微細気泡に変換されてもよい。用語、微細気泡はまた、サイズが小さくなった気泡を指す場合がある。微細気泡は、一般的に約0.1mm~約5mm、または約0.5mm~約2mmの範囲の直径を備える。いくつかの例では、本明細書に開示の微細気泡は、約0.2mm~1.5mmの直径を備えてもよい。微細気泡は球状であってもよい。
【0032】
本明細書に開示の微生物は、基質の微細気泡とともに培養されて、一つまたは複数の生成物を生成することができる。例えば、本明細書に開示の微生物は、エタノール、酢酸塩、1-ブタノール、ブチレート、2,3-ブタンジオール、ラクテート、ブテン、ブタジエン、メチルエチルケトン、エチレン、アセトン、イソプロパノール、脂質、3-ヒドロキシプロピオネート、イソプレンを含むテルペン、脂肪酸、2-ブタノール、1,2-プロパンジオール、1-プロパノール、1-ヘキサノール、1-オクタノール、コリスメート由来生産物、3-ヒドロキシブチレート、1,3ブタンジオール、2-ヒドロキシイソブチレート若しくは2-ヒドロキシイソブタン酸、イソブチレン、アジピン酸、1,3ヘキサンジオール、3-メチル-2-ブタノール、2-ブテン-1-オール、イソバレレート、イソアミルアルコール、またはモノエチレングリコールを生成することができる。いくつかの例では、微生物バイオマス自体が生成物とみなされる場合がある。これらの生成物のうちの一つまたは複数をさらに変換して、ディーゼル、ジェット燃料、および/またはガソリンのうちの少なくとも一つの成分を生成することができる。さらに、微生物バイオマスをさらに処理して、単細胞タンパク質の少なくとも一部を生成してもよい。「単一細胞タンパク質」は、タンパク質が豊富なヒト及び/又は動物用飼料に使用されることができる微生物バイオマスを指してもよく、多くの場合、従来のタンパク質補給源、例えば大豆又は魚粉に取って代わる。生成されるエタノールはさらにエチレンに変換され、それ自体で使用することも、別の化学製品の原料、例えばポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ならびに繊維およびその他の有機化学物質として使用することもでき、または二塩化エチレンに塩素化され、その後塩化ビニルモノマーに分解される。他のエチレン誘導体には、直鎖状低密度ポリエチレンの製造に使用されるアルファオレフィン、洗剤アルコールおよび可塑剤アルコール、および酢酸ビニルモノマーが含まれる。生成されるエチレンオキシドはモノエチレングリコールに変換され、次にモノエチレングリコールがポリエステル樹脂ポリエチレンテレフタレート(PET)に変換される可能性がある。イソプロパノールはポリプロピレンに変換されてもよい。
【0033】
本明細書に開示のシステムおよび方法は、容器内で、多孔板を使用して生成される複数の液体ジェットまたは加速された液体流の一部を使用して、液体を加速し、気泡を最初の気泡よりも大きな表面積を有する小さな微細気泡に分解する。最初の気泡は、完全に反応容器内配置されるスパージャーを用いてガスを注入することによって最初に生成される。一例では、スパージャーから液体中に注入された元の気泡は、約2mm~約20mmの直径を有してもよい。別の例では、スパージャーから液体中に注入された元の気泡は、約5mm~約15mmの直径を有してもよい。他の例では、スパージャーから液体中に注入された元の気泡は、約7mm~約13mmの直径を有してもよい。注入すると、その後、元の気泡は液体中を上方に移動し、複数の液体ジェットまたは加速された液体流の一部と遭遇し、元の気泡を微細気泡に分解する。結果として生じる微細気泡および液体は、下向きの流体流で反応容器を流れ落ちる。基質の微細気泡は微生物に炭素源と、必要に応じてエネルギー源とを提供し、微生物はその後、一つまたは複数の所望の生成物を生成する。スパージャーは容器内に配置され、元の気泡が容器内で上昇するための第一の領域を形成し、加速された液体が最初の気泡を微細気泡に分解し、かつ流体が容器を通って流れるための第二の領域を形成し、ここで、流体は液体の加速された部分と微細気泡で構成される。
【0034】
多相システムの性質により、生成物の生成を最大化する一つの方法は、気体から液体への物質移動を増加させることである。反応液に移動されるガス基質が多ければ多いほど、より多くの所望の生成物が生成される。本開示のより小さな微細気泡は表面積が増加し、その結果、ガスから液体への物質移動速度が増加し、既知の溶解性の問題が克服される。さらに、本明細書に開示の下降流反応器システムは、微細気泡の滞留時間を増加させるのに効果的である。微細気泡が反応液中に留まる時間が増加すると、一般的に、生成される反応生成物の量が増加し、微生物と接触する表面積も増加する。したがって、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、気体から液体への高い物質移動速度をもたらす気体から液体への表面積を最大化する微細気泡を生成することにより、従来のシステムよりも改善される。さらに、本明細書に開示のシステムおよび方法は、従来のシステムおよび方法では達成されないガスおよび液空塔速度を提供し、その結果、気相滞留時間が長い微細気泡の生成により、化学および生物学的反応生成物が効率的に生成される。
【0035】
図1は、容器内に気泡を生成するシステム100の実施例を例示する。システム100は、円筒形反応器102を備える。液体は、反応器102の入口またはトップ部101に入る。液体は、システム100と流体連通する外部ポンプを介してトップ部101に入ってもよい。特定の実施形態によれば、トップ部101に入る液体は、システム100と流体連通する外部ポンプによって再循環される。液体は多孔板104のトップ部に入り、液体は板104のオリフィスを通過することによって加速される。特定の実施例によれば、板104は、例えば、反応器102内の液体の、約1,2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99%、以上、を超える、未満、に等しい、または~約100%までの任意の数値を加速するように構成されてもよい。スパージャー106は、ガス源108から液体内にガス気泡を注入する。スパージャー106は、注入された気泡が反応器102内で上昇し、板104の底部から出る加速された液体112に出合う第一の領域が形成されるように、反応器102内に配置される。板104からの加速された液体112は、上昇する気泡を微細気泡に分解し、それによって所望の化学反応または生物学的反応に必要な表面表面積を増加させる。微細気泡は、約0.1mm~約5mm、または約0.5mm~約2mmの範囲の直径を有してもよい。いくつかの実施例では、微細気泡は、約.2mm~1.5mmの直径を備えてもよい。別の実施形態によれば、微細気泡の直径は、例えば、約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9mm、以上、を超える、未満、に等しい、または~約5.0mmの間の任意の数値であることができる。スパージャー106は、液体および微細気泡の流体の流れが下向きに流れることができる第二の領域が形成されるように、反応器102内にさらに配置される。
【0036】
微細気泡は、注入された気泡と比較して、低下した上昇速度を有すことができる。加速された液体の全体的な流れにより、液体および微細気泡を含有する流体116は、正味の下降流を有してもよい。流体116の下向きの速度は、微細気泡の全体的な上昇速度よりも大きい。流体116は、反応器102を出口111で出てもよい。板104は、約1mm~25mmの厚さ(およびオリフィスの深さ)を有してもよい。別の実施形態によれば、板の厚さは、例えば、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49mm、以上、を超える、未満、に等しい、または~約50mmの間の任意の数値であることができる。
【0037】
図1に示すように、システム100の構成要素の寸法は、必要な用途またはプロセスに応じて変化することができる。特定の実施形態によれば、反応器102の直径は、例えば、約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5メートル、以上、を超える、未満、に等しい、または~約20.0メートルの間の任意の数値であることができる。他の実施形態によれば、反応器102の長さは、例えば5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5、20.5、21.5、22.0、22.5、23.0、23.5、24.0、24.5、25.0、26.0、27.0、28.0、29.0、30.0、31.0、32.0、33.0、34.0、35.0、36.0、37.0、38.0、39.0、40.0、41.0、42.0、43.0、44.0、45.0、46.0、47.0、48.0、49.0メートル、以上、を超える、未満、に等しい、または~約50.0メートルの間の任意の数値であることができる。
【0038】
板104からの加速された液体または液体の一部の速度は、以下の数式によって求められることができる。
Q
L=N×(π/4)×d
2×v
j
式中、Q
Lは液体の体積流量(m
3/s)であり、v
jは噴射速度であり、Nは板上のオリフィスの総数であり、dはオリフィスの直径であり、πは数学的記号の円周率である。一実施形態によれば、板104からの加速された液体の速度は、例えば、約5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、10000、10500、11000、11500、12000、12500、13000、13500、14000、14500、15000、15500、16000、16500、17000、17500、18000、18500、19000、19500mm/s、以上、を超える、未満、に等しい、または~約20000mm/sの間の任意の数値であることができる。
図1に示すように、加速された液体112の速度は、スパージャー106によって液体中に注入された気泡を適切にサイズ調整された微細気泡に分解し、かつ液体および微細気泡の流体が正味の下向きの流体流を生成するのに十分な速度を有することを確実にするために重要である。主反応容器内の液空塔速度V
Lは、以下の式によって計算されてもよい。V
L=Q
L/A
C、式中、Q
Lは反応容器内の液体の体積流量(m
3/s)であり、A
Cは反応容器の断面積である。したがって、液空塔速度は、反応容器の断面積全体を占有する場合の液相の速度を表す。液体の空塔速度には、停滞した液体や微細気泡の領域や空隙、および/または正味の下向きの流体流も含まれる場合がある。同じ液体流量について、ガス流量は実際の用途に応じて変化することができる。気相の空塔速度V
Gは、以下の数式によって求められることができる。V
G=Q
G/A
C、式中、Q
Gはスパージャーから液体中に注入されたガスの体積流量(m
3/s)であり、A
Cは反応容器の断面積である。別の実施形態によれば、容器内の気相の空塔速度は、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95mm/s、以上、を超える、未満、に等しい、または~約100mm/sの間の任意の数値であることができる。さらに別の実施形態によれば、容器内の気相の空塔速度は、例えば、約50~60mm/sであってもよい。
【0039】
反応器102内、および反応器102の上部にスパージャーまたは複数のスパージャー106を配置することは、反応器102のトップ部で静水圧を減少させ、エネルギー要件を削減しながら気体から液体への物質移動速度の向上を促進させるという別の利点を有する。さらに、必要な反応器構成要素は最小化され、さらに、反応器サイズが小さくなるため、より小さな反応器設置面積で気体から液体への質量移動速度が最大化される。いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に開示のシステムおよび方法は、少なくとも125m3/minの気体から液体への物質移動速度を達成する。他の実施例では、気体から液体への物質移動速度は、例えば、約100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195以上、を超える、未満、に等しい、または~約200m3/minの間の任意の数値であることができる。さらに、スパージャー構成、達成される気相および液相の空塔速度、ならびに本明細書に開示される気体から液体への物質移動速度の増加は、以前のおよび従来の反応器の気相および液相システムの使用に関連する既知の障害を克服する。特に、ガス基質および水性培養物を有するバイオリアクターにおいて。
【0040】
図2は、容器200内に気泡を生成するシステム内に配置されるガススパージャー206の垂直断面図を例示する。スパージャー206は、完全に、容器200内に気泡を生成するシステムの反応器202内に配置されてもよい。スパージャー206は、縦向きに配置されてもよい。特定の実施形態によれば、スパージャー206は、板204に対して垂直に配置されてもよい。他の実施形態によれば、スパージャー206は、真の垂直配向から少なくとも+/-15度内に配置されてもよい。あるいは、スパージャー206は、ほぼ水平に配置されてもよい。スパージャー206は、気泡を液体中に注入してもよい。液体中に注入された気泡は、約2mm~約20mm、または約5超~約15mm、または約7~約13mmであってもよい。一実施形態によれば、スパージャーによって液体中に注入された気泡の直径は、例えば、約2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0、11.0、12.0、13.0、14.0、15.0、16.0、17.0、18.0、19.0mm、以上、を超える、未満、に等しい、または~約20.0mmの間の任意の数値であることができる。液体入口201は、液体流が板204のトップ部へ、次いで板204のオリフィスを通って加速された流体流を生成するための導管を提供する。注入された気泡は反応器202のトップ部まで上昇し、気泡は板204からの加速された液体流によって微細気泡に分解される。スパージャー206は、気泡を液体中に注入するためにガス源208からガスを受け取る。スパージャー206は、完全に反応器202内に配置され、その後の微細気泡の生成のために注入された気泡の量を最大化させる。いくつかの実施例では、スパージャー206のトップ部は、微細気泡の生成および一貫した流体流を最大化し、板204およびスパージャー206の近くの停滞領域または空隙を最小化または防止するために、板204の底部から一定距離に配置されてもよい。一実施形態によれば、スパージャー206のトップ部が板204の底部から、例えば約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、505、510、515、520、525、530、535、540、545、550、555、560、565、570、575、580、585、590、595、600、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、755、760、765、770、775、780、785、790、795、800、805、810、815、820、825、830、835、840、845、850、855、860、865、870、875、880、885、890、895、900、905、910、915、920、925、930、935、940、945、950、955、960、965、970、975、980、985、990、995mm、以上、を超える、未満、に等しい、または~約1000mmの間の任意の数値に配置されてもよい。先と同様に、加速された液体の全体的な流れにより、液体および微細気泡を含有する流体216は、正味の下降流を有してもよい。流体216の下向きの速度は、微細気泡の全体的な上昇速度よりも大きい。
【0041】
図3は、完全に反応器300内に配置された例示的なガススパージャーシステムの代替的な実施形態の垂直断面図を例示する。スパージャー306は、完全に反応容器302内に配置されてもよい。スパージャー306は、縦向きに配置されてもよい。あるいは、スパージャー306は、水平に配置されてもよい。
図2のスパージャー206と同様に、スパージャー306は、気泡を反応ブロスまたは液体中に注入する。液体入口301は、板304のトップ部への液体流のための導管を提供する。気泡は反応容器302のトップ部まで上昇し、気泡は板304からの加速された液体流によって生成される乱流領域内で微細気泡に分解される。スパージャー306は、気泡を液体中に注入するためにガス源308を受け取る。先と同様に、スパージャー306は、気泡、次いで微細気泡の生成を最大化するために、完全に反応容器302内に配置されてもよい。スパージャー306の配置はまた、流体の停滞領域を防ぐために、一貫した効率的な流体流を最大化してもよい。いくつかの実施例では、スパージャー306のトップ部は、
図2で前述したように微細気泡の生成を最大化するために、板304の底部から一定距離に配置されてもよい。別の実施形態によれば、ガス供給部308からスパージャー306へのガス流は、効率的な起動条件を可能にし、かつ一定の流体流量を維持するために、スパージャーマニホールド(図示せず)によって調節されてもよい。さらに、ガス供給部308からスパージャー306へのガス流を制御する能力は、生物学的反応にとって重要である場合がある。液体および微細気泡を含有する流体316は、微細気泡の全体的な上昇速度よりも大きくなることができる正味の下向き速度を有してもよい。液体および微細気泡を含有する多相流は、反応容器302内に316として示される全体的な下降流で継続する。
【0042】
図4は、
図3のスパージャーシステムの代替的な水平断面図を示す。スパージャー406の構成は、図示した3アーム構成を備えてもよい。他の実施形態によれば、4アーム、6アーム、8アーム、および10アームの構成も企図される。別の実施形態によれば、システムは、単一の中央スパージャー406構成、または複数のスパージャー406を有するスパイダー構成を採用してもよい。別の実施形態によれば、システムは、スポークおよびハブ構成、またはアントラ構成を採用してもよく、両方が対称パターンで配置される複数のスパージャー406を有するか、またはランダム/非対称構成で配置される複数のスパージャー406を有する。一実施形態によれば、スパージャー406は、注入された気泡が液体または流体内で上昇することを可能にする特定の領域の発生を容易にする構成であってもよい。スパージャー406は、ガス供給部408と流体係合してもよい。別の実施形態によれば、ガス供給部408から個々のスパージャー406またはスパージャー406の群へのガス流は、効率的な起動条件を可能にし、かつまたは一定の流体下降流量を維持し、かつ保守要件/修理またはクリーニングのためのシステムの中断を最小化するために、一つまたは複数のスパージャーマニホールド(図示せず)によって調整されてもよい。複数のスパージャー406は、完全に反応器システム400の容器402内に配置されてもよい。スパージャー406はまた、容器402内に垂直に配置されてもよい。複数のスパージャー406は、微細気泡の効率的な生成のために、容器402の上部内に配置されてもよい。他の実施形態によれば、スパージャー406は、容器402の底部または容器406の中央部に配置されてもよい。別の実施形態によれば、スパージャー406は、水平方向に配置されてもよい。先と同様に、スパージャー406の配置および構成はまた、流体の停滞領域を防ぐために、容器402内の一貫した流体の流れを最大化してもよい。さらに別の実施形態によれば、スパージャー406およびガス供給部408は、反応器構造および/または構成要素の交換、一般的な保守、クリーニングの容易さを促進し、ならびに要件に応じて拡張可能な反応器システムを可能にするためのモジュール式構成要素として構成されてもよい。他の実施形態によれば、スパージャー406およびそれぞれのガス供給部408の複数のレベルまたはスタックは、容器402内に構成されてもよい。
【0043】
図5は、微細気泡反応器500の例示的なスパージャーシステムの代替的な実施形態を例示する。スパージャー506は、完全に容器502内に配置されてもよい。スパージャー506は、環状ガス供給源508と流体係合してもよい。他の実施形態によれば、スパージャー506は、容器502の底部または容器506の中央部に配置されてもよい。別の実施形態によれば、スパージャー506は、水平方向に配置されてもよい。さらに別の実施形態によれば、スパージャー506は、容器502の上部、中間、および下部を含むように、容器502全体にわたって複数の位置に配置されてもよい。さらに別の実施形態によれば、スパージャー506は、リングスパージャーまたはドリルパイプスパージャーであってもよい。一実施形態によれば、個々のスパージャー506および環状ガス供給部508は、反応器構造および/もしくは構成要素の交換、一般的な保守、クリーニングの容易さを促進し、または要件に応じて拡張可能な反応器システムを可能にするためのモジュール式構成要素として構成されてもよい。他の実施形態によれば、複数のレベルのスパージャー506および環状ガス供給部508は、容器502内に積み重ねられてもよい。さらに他の実施形態では、スパージャー506は、環状ガス供給源508の下方に垂直に延在するように構成されてもよく、またはスパージャー506は、環状ガス供給源508の上方に垂直に延在するように構成されてもよい。別の実施形態によれば、環状ガス供給部508の単一のレベルまたはスタックは、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、以上、を超える、未満、に等しい、または~約20の間の任意の数の個々の環状ガス供給部508を含んでもよい。
【0044】
図6aおよび
図6bは、本明細書に開示の例示的な微細気泡反応器および関連する方法によって生成される典型的な液およびガス空塔速度、ならびにガスホールドアップをグラフで示す。
図6aおよび
図6bのそれぞれの上のグラフは、「+」記号で注釈付けされた液空塔速度(jL)をプロットしている。ガス空塔速度(jG)も、
図6aおよび
図6bのそれぞれの上のグラフにプロットされ、「x」記号で注釈付けされる。6aおよび6bのそれぞれの下のグラフは、「o」記号で注釈付けされたガスホールドアップをプロットしている。プロットは、X軸に示すように、27日間の実験にわたって試験装置によって生成された液およびガス空塔速度、ならびにガスホールドアップを示す。速度およびホールドアップ率をY軸に示す。例示的なシステムによって達成される典型的な空塔速度には、約3.5cm/s(
図6a)および約4.2cm/s(
図6b)の平均ガス空塔速度(jG)、ならびに約32.0%の平均ガスホールドアップ率(
図6aおよび6b)で約15.9cm/s(
図6a)および約17.5cm/s(
図6b)の液空塔速度(jL)が含まれる。特に、ガスホールドアップおよび反応器液体レベルは、反応器の連続動作の27日間の試験期間中、ほぼ一定のままであった。概して、
図6aおよび
図6bに示す例示的な反応器性能には、本明細書に開示の簡略化された設計の結果として、微細気泡の均一な分布および密度の増加、ならびに保守の容易さが備えられていた。
【0045】
本明細書に開示のシステムおよび方法とは対照的に、
図7は、先行技術の反応器システムの典型的な液およびガス空塔速度をグラフで示す。先行技術のシステムは、例えば、Kalaga、Dinesh Vらの
図1(C)に示されているように、約25mm/sのガス空塔速度(V
G)の生成を超えることができなかった:「Scale-up of a downflow bubble column:Experimental investigations」Chemical Engineering Journal(2020)。比較すると、約35mm/sで示される「+」は、
図6aに記載の実施例によって生成されるガス空塔速度を示し、約42mm/sで示される「x」は、
図6bに記載の実施例によって生成されるガス空塔速度を示し、これは先行技術および従来のシステムの最大性能を明らかに超える、Y軸の158mm/sで示される別の矢印は、
図6aに記載の実施例によって生成される液空塔速度に注目し、これもまた、先行技術および従来のシステムの最大性能を明確に超える。最後に、y軸の178mm/sで示される矢印は、
図6bに記載の実施例によって生成される液空塔速度に注目するが、これもまた先行技術および従来のシステムの最大性能を明確に超える。
【0046】
本明細書に開示のシステムおよび方法は、ガス状基質、例えば廃棄物基質を、微生物発酵によって有用な生成物に変換するためのバイオリアクターとして構成されることができる。例えば、少なくとも一つのC1炭素源の基質の気泡は、液体増殖培地を収容する反応容器内にスパージングされてもよい。多孔板は、容器内の液体増殖培地の少なくとも一部を加速するように構成されることができる。板からの加速された液体増殖培地を使用して、C1炭素源の気体から液体への物質移動を最大化し、微生物に利用可能な基質の量を増加させるために、基質の気泡を基質の微細気泡に分解することができる。システムは、少なくとも30mm/sの容器内の気相の空塔速度を生成することができる。液体増殖培地中の微生物培養物は、基質を嫌気的に発酵させ、少なくとも一つの発酵生成物を生成してもよく、容器内の気相の空塔速度が高いほど、システムの生産性が高くなる。
【0047】
本開示は、特定の具体的な実施形態で説明されてきたが、多くの追加の修正および変更が当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、具体的に説明される以外の方法で実施されることができることが理解されるべきである。したがって、本開示の実施形態は、あらゆる点で例示的であり、制限的ではないとみなされるべきである。したがって、本開示の範囲は、例示した実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって決定されるべきである。
【0048】
本開示の実施形態
実施形態1:
微細気泡を生成するためのシステムであって、
液体を収容する容器と、
容器の上部に配置され、容器内の液体の少なくとも一部を加速するように構成される複数のオリフィスを備える板と、
容器内に配置される少なくとも一つのスパージャーであって、スパージャーの表面が板の底部から約50mm~約1000mmに配置され、スパージャーが気泡を液体中に注入するように構成される、少なくとも一つのスパージャーと、を備え、
スパージャーが容器内に配置されて、気泡が容器内で上昇するための第一の領域を形成し、加速された液体が気泡を微細気泡に分解し、かつ流体が容器を通って流れるための第二の領域を形成し、流体が液体の加速された部分および微細気泡を有し、
容器内の気相の空塔速度が少なくとも30mm/sである、システム。
【0049】
実施形態2:
スパージャーが焼結スパージャーまたはオリフィススパージャーである、実施形態1に記載のシステム。
【0050】
実施形態3:
板の厚さが約1mm~約25mmである、実施形態1または2に記載のシステム。
【0051】
実施形態4:
加速された液体が、約8000mm/s~約17000mm/sまたは約12000mm/s~約17000mm/sの速度を有する、実施形態1~3のいずれか一つに記載のシステム。
【0052】
実施形態5:
スパージャーが板に対して垂直または平行に配置される、実施形態1~4のいずれか一つに記載のシステム。
【0053】
実施形態6:
スパージャーから液体中に注入された気泡が、約2mm~約20mmの直径を有する、実施形態1~5のいずれか一つに記載のシステム。
【0054】
実施形態7:
スパージャーから液体中に注入された気泡が、約5mm超~約15mmの直径を有する、実施形態1~6のいずれか一つに記載のシステム。
【0055】
実施形態8:
微細気泡が約0.1mm~約5mmの直径を有する、実施形態1~7のいずれか一つに記載のシステム。
【0056】
実施形態9:
複数のオリフィスを備える板が、容器内の液体の少なくとも90%を加速するように構成される、実施形態1~8のいずれか一つに記載のシステム。
【0057】
実施形態10:
微細気泡を生成する方法であって、容器内に配置され、液体中に気泡を注入するように構成される少なくとも一つのスパージャーを介して、液体を収容する容器内にガスをスパージングすることと、容器の上部に配置される多孔板を介して容器内の液体の一部を加速することであって、板から加速された液体が気泡を微細気泡に分解し、容器内の気相の空塔速度が少なくとも30mm/sである、加速することと、を含む、方法。
【0058】
実施形態11:
容器内の気相の空塔速度が約30mm/s~約80mm/sである、実施形態10に記載の方法。
【0059】
実施形態12:
スパージャーが焼結スパージャーまたはオリフィススパージャーである、実施形態10または11に記載の方法。
【0060】
実施形態13:
液体が、約8000mm/s~約17000mm/sの速度で多孔板から加速される、実施形態10~12のいずれか一つに記載の方法。
【0061】
実施形態14:
液体が、約12000mm/s~約17000mm/sの速度で多孔板から加速される、実施形態10~12のいずれか一つに記載の方法。
【0062】
実施形態15:
スパージャーから液体中に注入された気泡が、約2mm~約20mmの直径を有する、実施形態10~14のいずれか一つに記載の方法。
【0063】
実施形態16:
スパージャーから液体中に注入された気泡が、約5mm超~約15mmの直径を有する、実施形態10~14のいずれか一つに記載の方法。
【0064】
実施形態17:
微細気泡が約0.1mm~約5mmの直径を有する、実施形態10~16のいずれか一つに記載の方法。
【0065】
実施形態18:
スパージャーが、板に対して垂直または平行に配置され、スパージャーのトップ面または側面が、板の底部から約50mm~約1000mmに配置される、実施形態10~17のいずれか一つに記載の方法。
【0066】
実施形態19:
バイオリアクターであって、
液体増殖培地を収容する容器と、
容器の上部に配置され、容器内の液体増殖培地の少なくとも一部を加速するように構成される複数のオリフィスを備える板と、
少なくとも一つのC1炭素源を含む基質と、
容器内に配置される少なくとも一つのスパージャーであって、スパージャーの表面が板の底部から約50mm~約1000mmに配置され、スパージャーが、基質の気泡を液体増殖培地に注入するように構成され、
スパージャーが容器内に配置されて、基質の気泡が容器内で上昇するための第一の領域を形成し、ならびに加速された液体増殖培地が基質の気泡を基質の微細気泡に分解し、かつ流体が容器を通って流れるための第二の領域を形成し、流体が液体増殖培地の加速された部分および基質の微細気泡を有する、少なくとも一つのスパージャーと、
液体増殖培地中の少なくとも一つの微生物の培養物であって、少なくとも一つの微生物の培養物が、基質を嫌気的に発酵させ、少なくとも一つの発酵生成物を生成する、培養物と、を備える、バイオリアクター。
【0067】
実施形態20:
バイオリアクター内で基質の微細気泡を生成するための方法であって、
少なくとも一つのC1炭素源を含む基質の気泡を、容器内に配置される少なくとも一つのスパージャーによって、液体増殖培地を収容する容器にスパージングすることと、
容器の上部に配置される多孔板を介して容器内の液体増殖培地の一部を加速させることであって、板から加速された液体増殖培地が、基質の気泡を基質の微細気泡に分解し、容器内の気相の空塔速度が少なくとも30mm/sである、加速させることと、を含み、
液体増殖培地中の少なくとも一つの微生物の培養物が、基質を嫌気的に発酵させて少なくとも一つの発酵生成物を生成する、方法。
【国際調査報告】